(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-11
(54)【発明の名称】コンテナを自動充填する充填装置および方法
(51)【国際特許分類】
A24C 5/02 20060101AFI20240604BHJP
G01G 13/08 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
A24C5/02
G01G13/08 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571512
(86)(22)【出願日】2022-05-20
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 IT2022050140
(87)【国際公開番号】W WO2022244031
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】102021000013220
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500361593
【氏名又は名称】イ・エメ・ア,インドゥストリア・マキーネ・オートマティーク・ソシエタ・ペル・アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】ドラゲッティ フィオレンツォ
【テーマコード(参考)】
2F046
4B144
【Fターム(参考)】
2F046BA09
4B144CG08
4B144CL07
4B144CL09
4B144CL10
4B144CM01
(57)【要約】
計量された所望の量の繊維タイプのインコヒーレント材料(M)を複数のコンテナ(100)に充填するための充填装置(10)および方法であって、前記充填装置(10)は、第1および第2の量の前記インコヒーレント材料(M)を各前記コンテナ(100)にデリバリするように構成された1つ以上のデリバリデバイス(22)をそれぞれ備える第1および第2充填ステーション(A2,A4)を有し、前記第2充填ステーション(A4)は、作業ラインに沿って前記第1充填ステーション(A2)の下流側に配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計量された所望の量の繊維タイプのインコヒーレント材料(M)を複数のコンテナ(100)に充填するための充填装置(10)であって、
第1の量の前記インコヒーレント材料(M)を各前記コンテナ(100)にデリバリするように構成された1つ以上のデリバリデバイス(22)を備える第1充填アセンブリ(12)を有する第1充填ステーション(A2)と、
作業ラインに沿って前記第1充填ステーション(A2)の下流側に配置され、かつ、前記第1の量の前記インコヒーレント材料(M)が既にデリバリされた前記第1充填ステーション(A2)の各前記コンテナ(100)に第2の量の前記インコヒーレント材料(M)をデリバリするように構成された追加の1つ以上のデリバリデバイス(22)を備える第2充填アセンブリ(14)を有する、少なくとも1つの第2充填ステーション(A4)と、
前記第1充填ステーション(A2)の下流側に配置され、かつ、前記第2充填ステーション(A4)に前記第2の量のインコヒーレント材料(M)をデリバリする前に前記インコヒーレント材料(M)を押圧するために、前記第1の量の前記インコヒーレント材料(M)が既にデリバリされた後に前記コンテナ(100)に選択的に挿入されるように構成された押圧手段(16,17)と、
を備えることを特徴とする、充填装置(10)。
【請求項2】
前記作業ラインに沿って前記第2充填ステーション(A4)の下流側に配置され、かつ、追加の1つ以上のデリバリデバイス(22)を備える第3充填アセンブリ(15)を有する第3充填ステーション(A6)をさらに備え、
前記追加の1つ以上のデリバリデバイス(22)は、前記第1の量および前記第2の量に対して補完的な量の前記インコヒーレント材料(M)をデリバリし、前記計量された所望の量の前記インコヒーレント材料(M)を取得できるように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の充填装置(10)。
【請求項3】
前記押圧手段(16,17)は、第1押圧ステーション(A3)および第2押圧ステーション(A5)のそれぞれに配置された複数の第1押圧部材(16)および複数の第2押圧部材(17)を備え、
前記第1押圧ステーション(A3)は、前記第1の量の前記インコヒーレント材料(M)を押圧するように、前記第1充填ステーション(A2)の下流側、かつ、前記第2充填ステーション(A4)の上流側に配置され、
前記第2押圧ステーション(A5)は、前記第2の量の前記インコヒーレント材料(M)を押圧するように、前記第2充填ステーション(A4)の下流側、かつ、前記第3充填ステーション(A6)の上流側に配置されることを特徴とする、請求項2に記載の充填装置(10)。
【請求項4】
前記複数のデリバリデバイス(22)のそれぞれは、前記インコヒーレント材料(M)を計量する計量手段(23)を備え、
前記充填装置(10)は、前記複数のコンテナが前記作業ラインに沿って前進するにつれ、前記計量された所望の量の前記インコヒーレント材料(M)を徐々にデリバリするために、前記計量手段(23)によって行われる前記計量の機能として前記デリバリデバイス(22)を指示するように構成される制御手段(76)をさらに備えることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の充填装置(10)。
【請求項5】
前記第1充填ステーション(A2)の上流側に配置され、選択的に空きの前記コンテナ(100)内に挿入されることで前記コンテナ(100)内に存在するしわおよび折り目を除去するように構成される成形手段(13,66)をさらに備えることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の充填装置(10)。
【請求項6】
複数の前記デリバリデバイス(22)のそれぞれは、前記インコヒーレント材料(M)を計量する手段を定義し、かつ、互いに協同して前記複数のコンテナ(100)のそれぞれに、前記計量された所望の量の一部に等しい計量された所定の量の前記インコヒーレント材料(M)をデリバリするように構成された第1回転部材(40)および第2回転部材(41)を備え、
前記第1回転部材(40)および前記第2回転部材(41)は、共に前記コンテナ(100)に向けて前記インコヒーレント材料(M)を搬送するように、互いに異なる角速度(ω1,ω2)で、互いに反対の回転方向に回転するように構成されることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の充填装置(10)。
【請求項7】
前記複数のデリバリデバイス(22)のそれぞれは、前記第1回転部材(40)および前記第2回転部材(41)の下方に配置され、上部に広い部分を有し、底部に狭い部分(53)を有する実質的に漏斗の形状を有し、前記複数のコンテナ(100)の一つに選択的に挿入されるサイズに設定されて構成される搬送部材(52)を備え、
前記搬送部材(52)は、前記第1回転部材(40)および前記第2回転部材(41)によってデリバリされる前記インコヒーレント材料(M)が意図せずに前記搬送部材(52)内に残留することを防止するように、前記インコヒーレント材料(M)の搬送中に振動するように構成されることを特徴とする、請求項6に記載の充填装置(10)。
【請求項8】
計量された所望の量の繊維タイプのインコヒーレント材料(M)を複数のコンテナ(100)に自動的に充填するための充填方法であって、
1つ以上のデリバリデバイス(22)が前記複数のコンテナ(100)のそれぞれに、前記計量された所望の量の一部に等しい計量された所定の量の前記インコヒーレント材料(M)をデリバリするデリバリステップであって、
少なくとも1つの前記デリバリデバイス(22)を備える第1充填アセンブリ(12)を有する第1充填ステーション(A2)で行われ、前記コンテナ(100)に第1の量の前記インコヒーレント材料(M)を充填する第1充填サブステップ、および
作業ラインに沿って前記第1充填ステーション(A2)の下流側に配置され、かつ、前記第1充填サブステップにおいて、前記第1の量の前記インコヒーレント材料(M)が既にデリバリされた各前記コンテナ(100)に第2の量の前記インコヒーレント材料(M)をデリバリするように構成された追加の1つ以上のデリバリデバイス(22)を備える第2充填アセンブリ(14)を有する第2充填ステーション(A4)で行われ、前記コンテナ(100)に前記第2の量の前記インコヒーレント材料(M)を充填する、少なくとも1つの第2充填サブステップを有するデリバリステップと、
前記第1充填ステーション(A2)の下流側に配置される押圧手段(16,17)によって行われ、前記第1充填サブステップの後に、前記インコヒーレント材料(M)を押圧するために、少なくとも一部の前記インコヒーレント材料(M)が充填された前記コンテナ(100)に前記押圧手段(16,17)が選択的に挿入される押圧ステップと、
を備えることを特徴とする、充填方法。
【請求項9】
前記デリバリステップは、前記作業ラインに沿って前記第2充填ステーション(A4)の下流側に配置され、かつ、前記第1の量および前記第2の量に対して補完的な量の前記インコヒーレント材料(M)をデリバリし、前記計量された所望の量の前記インコヒーレント材料(M)を取得できるように構成される追加の1つ以上のデリバリデバイス(22)を備える第3充填アセンブリ(15)を有する第3充填ステーション(A6)で行われる、第3充填サブステップをさらに備えることを特徴とする、請求項8に記載の充填方法。
【請求項10】
前記第1充填サブステップにおいて、25%から35%の間、好ましくは約30%の前記計量された所望の量である第1の量の前記インコヒーレント材料(M)をデリバリし、
前記第2充填サブステップにおいて、45%から55%の間、好ましくは約50%の前記計量された所望の量である第2の量の前記インコヒーレント材料(M)をデリバリし、
前記第3充填サブステップにおいて、15%から25%の間、好ましくは約20%の前記計量された所望の量である第3の量の前記インコヒーレント材料(M)をデリバリすることを特徴とする、請求項9に記載の充填方法。
【請求項11】
前記押圧ステップは、
前記第1充填ステーション(A2)の下流側、かつ、前記第2充填ステーション(A4)の上流側に配置される第1押圧ステーション(A3)における第1押圧部材(16)によって行われ、前記第1の量の前記インコヒーレント材料(M)を押圧する第1押圧ステップと、
前記第2充填ステーション(A4)の下流側、かつ、前記第3充填ステーション(A6)の上流側に配置される第2押圧ステーション(A5)における第2押圧部材(17)によって行われ、前記第2の量の前記インコヒーレント材料(M)を押圧する第2押圧ステップと、
を備えることを特徴とする、請求項9または請求項10に記載の充填方法。
【請求項12】
前記デリバリステップよりも前に、前記第1充填ステーション(A2)の上流側に配置される成形手段(13,66)によって行われる成形ステップをさらに備え、
前記成形ステップにおいて、前記コンテナ(100)内に存在するしわおよび折り目を除去するように、前記成形手段(13,66)を選択的に空きの前記コンテナ(100)内に挿入することを特徴とする、請求項8から請求項11のいずれか一項に記載の充填方法。
【請求項13】
第1回転部材(40)および第2回転部材(41)を回転させることによって前記量の前記インコヒーレント材料(M)をデリバリするステップと、
前記複数のデリバリデバイス(22)のそれぞれに含まれる搬送部材(52)を回転させるステップと、をさらに備え、
前記第1回転部材(40)および前記第2回転部材(41)は、前記複数のデリバリデバイス(22)のそれぞれに含まれて相互に協同して動作し、
前記搬送部材(52)は、上部に広い部分を有し、底部に狭い部分(53)を有する実質的に漏斗の形状を有して、前記複数のコンテナ(100)の一つに選択的に挿入されるサイズに設定されて構成されることを特徴とする、請求項8から請求項12のいずれか一項に記載の充填方法。
【請求項14】
前記複数のデリバリデバイス(22)のそれぞれに含まれる計量手段(23)によって行われ、前記インコヒーレント材料(M)を計量する計量ステップと、
前記複数のコンテナ(100)が前記作業ラインに沿って前進するにつれ、前記計量された所望の量の前記インコヒーレント材料(M)を徐々にデリバリするために、前記計量手段(23)によって行われる前記計量の機能として前記デリバリデバイス(22)を指示するように構成される制御手段(76)によって行われる、前記デリバリステップを制御するステップと、をさらに備えることを特徴とする、請求項8から請求項13のいずれか一項に記載の充填方法。
【請求項15】
固定ガイド(209)上にスライドするように構成される輸送部材(207)を備える輸送装置を用いる手段で前記複数のコンテナ(100)を輸送する輸送ステップをさらに備え、
前記輸送ステップは、作業方向(X)に平行する前記作業ラインに沿って前記複数のコンテナ(100)を輸送し、少なくとも前記第1充填ステーション(A2)および前記第2充填ステーション(A4)を順次通過させ、かつ、前記第1充填ステーション(A2)および前記第2充填ステーション(A4)のそれぞれにおいて、サイクルタイム(TC)に等しい時間停止させることで、前記複数のコンテナ(100)の部分的かつ段階的充填を可能にすることを特徴とする、請求項8から請求項14のいずれか一項に記載の充填方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、喫煙具またはカプセル向けのケーシングのような空きコンテナを自動的に充填する充填装置および方法に関する。これらのコンテナのそれぞれは、油性および/または樹脂性の性質を有し得る繊維状タイプのインコヒーレント材料(incoherent material)を挿入できる開口端を備える。本発明による装置および方法は、高い生産性を達成するように、非常に速い作業サイクルで各コンテナの正確な、かつ制御された充填を自動的に実行することができる。
【背景技術】
【0002】
例えば紙巻きタバコなどの喫煙用品の、特に生産性の高い機械を使用した自動生産において、考慮すべき重要な側面の1つであり、かつ、克服すべき技術的問題の1つが、例えばタバコ、他の喫煙可能物質(smokable substances)、またはそれらの組み合わせなどのインコヒーレント材料である喫煙材料の、例えばケーシングのような充填ステーション内のコンテナ内への挿入である。また、上流に配置された、コンテナをフィードするためのステーションと、下流に配置された、包装ステーション、配送ステーション、そして場合によっては完成した喫煙具を包装するためのステーションとを関連つけることもできる。
【0003】
喫煙材料の挿入に関しては、通常はタバコからなるインコヒーレント材料を堆積させるための紙切れを準備することが知られている。次いで、紙切れは、インコヒーレント材料を含む単一の管状ケーシングに形成するように巻かれてから、所望の形式に従って、個々の喫煙用品を得るために所定のサイズに切断される。
【0004】
また、上記のようなインコヒーレント材料をコンテナ内に挿入するための装置を使用することも知られており、この装置は、空気圧移動システムを利用して、インコヒーレント材料を収容ホッパーから、例えば喫煙用品用のケーシングからなる各コンテナの内部に移動させる。このような既知の装置には、処理するインコヒーレント材料の化学物理的特性を劣化させるという欠点がある。
【0005】
計量された量の喫煙可能材料をコンテナに充填するための既知の装置は、特許文献独国特許出願公開第3226654号明細書および米国特許第3404742号明細書にも記載されている。これらの解決策は、そのような材料の所定量、通常は所望の計量された量よりも少ない量を調製できるシステムを提供する。そして、関係する量の重みがチェックされた後、この材料に1つ以上の残量を選択的に追加できる。
【0006】
しかしながら、上記の既知の技術では、例えば、とりわけ材料の化学物理的特性および例えば、含有する可能性がある樹脂や油などに関連する様々な特性を有するタバコ以外の葉材料も含む最終製品を得るためにコンテナを自動的に充填することができない。特に、これらの物質は、材料が接触する表面に付着して装置の効率を低下させる傾向があるため、特に、時間当たりの生産性が高い場合、例えば完成品が7000個程度を達成したいの場合に、インコヒーレント材料の移動が非常に困難になる。
【0007】
本発明が新たな独創的な方法で解決しようとする技術的問題は、コンテナの自動充填のための装置を提供し、その方法を完成させることである。そして、例えば、管状で数ミリメートル程度の直径を有する喫煙用品用のカプセルやケーシングなど、非常に小さなサイズで非常に狭い空間におけるインコヒーレント材料のフィードを困難にさせるような物質をインコヒーレント材料が有する場合においても、コンテナの自動充填を実現させる。さらに、計量が非常に精密に10分の1グラムのオーダーで行われる必要がる点、かつ、その目標が上記の高い時間当たりの生産性を達成する点を考慮すると、各完成品の平均生産時間が約0.5秒のオーダーであることを意味する。
【0008】
実際、現時点の当技術分野では、上記の技術的問題を解決し、上記の目的を達成できる充填装置および方法は存在しない。
【0009】
したがって、本発明の1つの目的は、簡単で信頼性が高く、同時に高い生産性を達成することができる、コンテナ、例えば喫煙用品またはカプセルのケーシングを自動的に充填する充填装置を提供し、充填方法を完成させることで、生産性を向上させるように、上記の技術的問題を解決する。
【0010】
本発明の別の目的は、インコヒーレント材料がフィード要素の表面に糊付けしたり貼付けしたりすることを防止することができ、代わりに各コンテナの内部に容易に搬送することができる、コンテナを自動的に充填する充填装置を提供し、充填方法を完成させることである。
【0011】
本発明の別の目的は、各コンテナ内および充填される予定のすべてのコンテナ内のインコヒーレント材料の非常に正確かつ信頼性の高い計量を可能にする、コンテナを自動的に充填する充填装置および方法を利用可能にすることであり、これにより、すべてのコンテナは、所望のまったく同じ量のインコヒーレント材料を含む。
【0012】
本発明の別の目的は、複数のコンテナを同時に充填できるように、コンテナの充填がシリアルおよび並行的に行われることができる、コンテナを自動的に充填する充填装置を提供し、充填方法を完成させることである。
【0013】
出願人は、従来技術の欠点を克服し、これらおよび他の目的および利点を得るために、本発明を発案し、テストし、具体化した。
【発明の概要】
【0014】
本発明は、独立請求項に記載されて特徴付けられる。従属請求項は、本発明の他の特徴または主要な発明のアイデアの変形を記載する。
【0015】
上記の目的に従って、また、新規かつ独創的な方法で上記の技術的問題を解決し、驚くべき良好な結果を達成するために、本発明は、所望の計量された量の繊維状インコヒーレント材料をコンテナに自動的に充填するための充填装置に関する。
【0016】
本発明の一態様によれば、装置は、第1の量のインコヒーレント材料を各コンテナにデリバリするように構成された1つ以上のデリバリデバイスを有する第1充填アセンブリを備える第1充填ステーションを備える。
【0017】
本発明の一態様によれば、前記装置は、作業ラインに沿って前記第1充填ステーションの下流側に配置され、追加の1つまたは複数のデリバリデバイスを有する第2充填アセンブリを備える少なくとも1つの第2充填ステーションを備える。追加の1つまたは複数のデリバリデバイスは、前記第1充填ステーションで第1の量のインコヒーレント材料が既にデリバリされた前記複数のコンテナのそれぞれに、第2の量の前記インコヒーレント材料をデリバリするように構成される。
【0018】
本発明の一態様によれば、前記装置は、前記第1充填ステーションの下流側に配置され、かつ、前記第2充填ステーションに前記第2の量のインコヒーレント材料をデリバリする前に前記インコヒーレント材料を押圧するために、前記第1の量のインコヒーレント材料がデリバリされた後に前記複数のコンテナに選択的に挿入されるように構成される押圧手段をさらに備える。
【0019】
本発明の一態様によれば、前記装置は、前記作業ラインに沿って前記第2充填ステーションの下流側に配置され、かつ、追加の1つ以上のデリバリデバイスを備える第3充填アセンブリを有する第3充填ステーションをさらに備え、前記追加の1つ以上のデリバリデバイスは、前記第1の量および前記第2の量に対して補完的な量の前記インコヒーレント材料をデリバリし、前記計量された所望の量の前記インコヒーレント材料(M)を取得できる。
【0020】
本発明の別の態様によれば、前記押圧手段は、前記第1充填ステーションの下流側、かつ、前記第2充填ステーションの上流側に位置する第1押圧ステーションに配置された複数の第1押圧部材を備え、前記第2充填ステーションが前記第2の量のインコヒーレント材料をデリバリする前に前記第1の量のインコヒーレント材料を押圧する。
【0021】
本発明の別の態様によれば、前記押圧手段は、前記第2充填ステーションの下流側、かつ、前記第3充填ステーションの上流側に位置する第2押圧ステーションに配置された複数の第2押圧部材を備え、前記計量された所望の量のインコヒーレント材料に達するまで前記第3充填ステーションが前記補完的な量のインコヒーレント材料をデリバリする前に、前記第2の量のインコヒーレント材料を押圧する。
【0022】
本発明の一態様によれば、前記複数のデリバリデバイスのそれぞれは、前記インコヒーレント材料を計量する計量手段を備え、前記充填装置は、前記複数のコンテナが前記作業ラインに沿って前進するにつれ、前記計量された所望の量の前記インコヒーレント材料を徐々にデリバリするために、前記計量手段によって行われる前記計量の機能として前記デリバリデバイスを指示するように構成される制御手段をさらに備える。
【0023】
本発明の別の態様によれば、前記充填装置は、前記第1充填ステーションの上流側に配置され、選択的に空きの前記コンテナ内に挿入されることで前記コンテナ内に存在するしわおよび折り目を除去するように構成される成形手段をさらに備える。
【0024】
本発明の別の態様によれば、複数の前記デリバリデバイスのそれぞれは、前記インコヒーレント材料を計量する手段を定義し、かつ、互いに協同して前記複数のコンテナのそれぞれに、前記計量された所望の量の一部に等しい計量された所定の量の前記インコヒーレント材料をデリバリするように構成された第1回転部材および第2回転部材を備える。
【0025】
本発明の別の態様によれば、前記第1回転部材および前記第2回転部材は、共に前記コンテナに向けて前記インコヒーレント材料を搬送するように、互いに異なる角速度で、互いに反対の回転方向に回転するように構成される。
【0026】
本発明の別の態様によれば、前記1つまたは複数のデリバリデバイスのそれぞれは、前記第1回転部材および前記第2回転部材の下方に配置され、上部に広い部分を有し、底部に狭い部分を有する実質的に漏斗の形状を有し、前記複数のコンテナの一つに選択的に挿入されるサイズに設定されて構成される搬送部材を備える。
【0027】
本発明の別の態様によれば、前記搬送部材は振動型であり、前記第1回転部材および前記第2回転部材によってデリバリされる前記インコヒーレント材料が意図せずに前記搬送部材内に残留することを防止するように、前記インコヒーレント材料の搬送中に振動するように構成される。
【0028】
本発明の別の態様によれば、前記搬送部材は、前記搬送部材を振動させるように移動させることができる対応するアクチュエータに接続される。
【0029】
本発明の別の態様によれば、前記搬送部材は、底部の最も狭い部分に対応して、水平断面で測定して150mm2よりも小さい表面を占める。
【0030】
本発明の別の態様によれば、前記第1回転部材は、その円筒面上に、角度的に等間隔で分布し、複数の平行な列に整列された複数の鋭利な要素を備えている。さらに、前記第2回転部材は、前記第1回転部材の直径よりも小さい直径を有し、その円筒面上に、角度的に等間隔で分布し、複数の平行な列に整列され、前記鋭利な要素に対して軸方向にオフセットされた複数の歯が設けられている。
【0031】
本発明の別の態様によれば、計量された所望の量の繊維タイプのインコヒーレント材料を複数のコンテナに自動的に充填するための、本発明に係る充填方法は、1つ以上のデリバリデバイスが前記複数のコンテナのそれぞれに、前記計量された所望の量の一部に等しい計量された所定の量の前記インコヒーレント材料をデリバリするデリバリステップを備える。
【0032】
本発明の別の態様によれば、前記デリバリステップは、少なくとも1つの前記デリバリデバイスを備える第1充填アセンブリを有する第1充填ステーションで行われ、前記コンテナに第1の量の前記インコヒーレント材料を充填する第1充填サブステップを備える。また、前記方法は、作業ラインに沿って前記第1充填ステーションの下流側に配置され、かつ、前記第1充填サブステップにおいて、前記第1の量の前記インコヒーレント材料が既にデリバリされた各前記コンテナに前記第2の量の前記インコヒーレント材料をデリバリするように構成された追加の1つ以上のデリバリデバイスを備える第2充填アセンブリを有する第2充填ステーションで行われ、前記コンテナに第2の量の前記インコヒーレント材料を充填する、少なくとも1つの第2充填サブステップをさらに備える。
【0033】
本発明の別の態様によれば、前記方法は、前記第1充填ステーションの下流側に配置される押圧手段によって行われ、前記第1充填サブステップの後に、前記インコヒーレント材料を押圧するために、少なくとも一部の前記インコヒーレント材料が充填された前記コンテナに前記押圧手段が選択的に挿入される押圧ステップをさらに備える。
【0034】
本発明の別の態様によれば、前記デリバリステップは、前記作業ラインに沿って前記第2充填ステーションの下流側に配置され、かつ、前記第1の量および前記第2の量に対して補完的な量の前記インコヒーレント材料をデリバリし、前記計量された所望の量の前記インコヒーレント材料を取得できるように構成される追加の1つ以上のデリバリデバイスを備える第3充填アセンブリを有する第3充填ステーションで行われる、第3充填サブステップをさらに備える。
【0035】
本発明の別の態様によれば、前記第1充填サブステップにおいて、25%から35%の間の前記計量された所望の量である第1の量の前記インコヒーレント材料をデリバリし、前記第2充填サブステップにおいて、45%から55%の間の前記計量された所望の量である第2の量の前記インコヒーレント材料をデリバリし、前記第3充填サブステップにおいて、15%から25%の間の前記計量された所望の量である第3の量の前記インコヒーレント材料をデリバリする。
【0036】
本発明の別の態様によれば、前記方法のより好ましい実施形態によれば、前記第1充填サブステップにおいて、30%の前記計量された所望の量である第1の量の前記インコヒーレント材料をデリバリし、前記第2充填サブステップにおいて、50%の前記計量された所望の量である第2の量の前記インコヒーレント材料をデリバリし、前記第3充填サブステップにおいて、20%の前記計量された所望の量である第3の量の前記インコヒーレント材料をデリバリする。
【0037】
いずれのケースにおいて、本明細書で説明する実施形態によれば第3充填サブステップである最後の充填ステップには、のちに充填する必要がある計量された所望の量を参照し、コンテナに既にデリバリされた量に対して補完的な量の前記インコヒーレント材料をデリバリする。
【0038】
異なる充填ステーションにデリバリされる量の分配により、最後の充填ステーション、すなわち第3充填ステーションにのみ、優れた感度、信頼性、および測定の実行速度を有する計量部材を配置することができるという利点がある。これにより、それより前の充填ステーション、すなわち第1および第2充填ステーションに、性能が低く、従ってより安価な計量部材を配置することが可能になる。
【0039】
本発明の別の態様によれば、前記方法は、前記第1充填ステーションの下流側、かつ、前記第2充填ステーションの上流側に配置される第1押圧ステーションにおける第1押圧部材によって行われ、前記第1の量の前記インコヒーレント材料を押圧する第1押圧ステップと、前記第2充填ステーションの下流側、かつ、前記第3充填ステーションの上流側に配置される第2押圧ステーションにおける第2押圧部材によって行われ、前記第2の量の前記インコヒーレント材料を押圧する第2押圧ステップと、を備える。
【0040】
本発明の別の態様によれば、前記充填方法は、前記デリバリステップよりも前に、前記第1充填ステーションの上流側に配置される成形手段によって行われ、前記成形ステップにおいて、前記コンテナ内に存在するしわおよび折り目を除去するように、前記成形手段を選択的に空きの前記コンテナ内に挿入する成形ステップをさらに備える。
【0041】
本発明の別の態様によれば、前記方法は、前記複数のデリバリデバイスのそれぞれに含まれて相互に協同して動作する第1回転部材および第2回転部材を回転させることによって前記量の前記インコヒーレント材料をデリバリするステップを備える。
【0042】
本発明の別の態様によれば、前記方法は、前記複数のデリバリデバイスのそれぞれに含まれ、上部に広い部分を有し、底部に狭い部分を有する実質的に漏斗の形状を有して、そして前記複数のコンテナの一つに選択的に挿入されるサイズに設定されて構成される搬送部材を回転させるステップをさらに備える。
【0043】
本発明の別の態様によれば、前記方法は、前記複数のデリバリデバイスのそれぞれに含まれる計量手段によって行われ、前記インコヒーレント材料を計量する計量ステップと、前記複数のコンテナが前記作業ラインに沿って前進するにつれ、前記計量された所望の量の前記インコヒーレント材料を徐々にデリバリするために、前記計量手段によって行われる前記計量の機能として前記デリバリデバイスを指示するように構成される制御手段によって行われる、前記デリバリステップを制御するステップとの両方を備える。
【0044】
本発明の別の態様によれば、前記計量ステップおよび前記制御ステップは、前記デリバリステップ中に連続的に、またはプログラムされた時間間隔で行われることが好ましい。
【0045】
本発明の別の態様によれば、前記方法は、固定ガイド上にスライドするように構成される輸送部材を備える輸送装置を用いる手段で前記複数のコンテナを輸送する輸送ステップをさらに備え、前記輸送ステップは、作業方向に平行する前記作業ラインに沿って前記複数のコンテナを輸送し、少なくとも前記第1充填ステーションおよび前記第2充填ステーションを順次通過させ、かつ、前記第1充填ステーションおよび前記第2充填ステーションのそれぞれにおいて、サイクルタイムに等しい時間停止させることで、前記複数のコンテナの部分的かつ段階的充填を可能にする。
【0046】
本発明の別の態様によれば、前記方法において、順次に前記成形ステップ、第1の量の前記インコヒーレント材料がデリバリされる前記第1充填サブステップ、第1充填ステーションの下流側かつ第2充填ステーションの上流側に配置された第1押圧ステーションの手段によって前記第1の量を押圧する前記第1押圧ステップ、第2の量の前記インコヒーレント材料がデリバリされる前記第2充填サブステップ、第2充填ステーションの下流側かつ第3充填ステーションの上流側に配置された第2押圧ステーションで前記第2の量を押圧する前記第2押圧ステップ、そして最後に前記第3充填サブステップを実行する。
【0047】
本発明のこれらおよび他の態様、特徴および利点は、添付の図面を参照して非限定的な例として与えられ、その実施形態のいくつかについての以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】本発明の一つの実施形態に係る充填装置の正面概略図である。
【
図2】
図1に示す装置を含む、あるいは紐づけられる機器のブロック図である。
【
図3】
図1に示す装置によって処理されることに適するコンテナの概略側面図である。
【
図4】
図1に示す装置の一部を拡大スケールで示す概略三次元図である。
【
図5】
図4に示す装置の一部の部分断面正面図である。
【
図6】
図5に示す第1細部の部分断面拡大正面図である。
【
図8】
図4に示す、アイドル位置にある装置の一部の部分断面側面図である。
【
図9】
図8に類似する図であり、装置は、動作位置にある。
【
図10】
図1に示す装置の他の一部を拡大スケールで示す正面図である。
【
図12】
図1に示す装置の他の一部を拡大スケールで示す部分断面側面図である。
【
図13】
図1に示す装置の電子制御ユニットの動作を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本明細書および特許請求の範囲において、例えば、水平、垂直、前方、後方、高さ、低さ、内部、および外部という用語などは、それらの表現の傾向とともに、図面を参照して本発明をより良く説明するものであり、本発明自体の範囲、または添付の特許請求の範囲によって定義される保護分野を限定するために決して使用されてはならないことを明確にしなければならない。
【0050】
さらに、当業者であれば、本発明のより容易理解できるバージョンを提供するために、図面内の特定のサイズまたは特徴が、従来にない方法または不均衡な方法で拡大、変形、または示されている可能性があることを認識すべきである。以下の説明において、サイズおよび/または値が指定されている際、そのサイズおよび/または値が添付の特許請求の範囲に記載されている場合を除いて、そのサイズおよび/または値は例示のみを目的として提供され、本発明の保護範囲を限定するものとして解釈してはならない。
【0051】
理解を容易にするために、図面において同一の共通要素を識別するために可能な限り同じ参照番号が使用されている。同一実施形態の要素および特徴は、さらなる説明がなくても、他の実施形態に適宜組み合わせることができ、または他の実施形態に組み込むことができることが理解される。
【0052】
図1を参照すると、複数のコンテナ100(
図3参照)、例えば喫煙用品またはカプセル用のケーシングを自動的に充填するための、本発明に係る充填装置10は、例えば紙巻きタバコ、カプセルなどの喫煙用品の製造用機械200(
図2参照)と関連付けられるか、またはその一部となるように構成される。
【0053】
装置10は、タバコまたは他の植物、あるいは例えば、喫煙可能なタイプ、またはそれらの組み合わせの他の物質に由来し、みじん切りまたは細断された葉材料などの油性および/または樹脂性の繊維状材料、例えばインコヒーレント材料Mを複数のコンテナ100に充填するように構成されている。
【0054】
機械200は、
図2のブロック図に概略的に示され、例えば、複数のコンテナ100にフィードするように構成されるフィードステーション(feed station)201と、続いて充填ステーションを構成する装置10と、既に充填されたコンテナ100を包装し、例えば、それらを適切に閉じて、喫煙用品またはカプセルなどの最終製品を製造するように構成される包装ステーション202と、最終製品を、場合によって機械200の外部に位置する梱包ステーション205に向けて転送する配送ステーション203とを順に備える。しかしながら、機械200は、この構成に限定されない。機械200は、フィードステーション201(
図2の左側参照)から梱包ステーション205(
図2の右側参照)までの作業ライン全体に沿って、例えば、作業方向Xに沿って、好ましくは直線的かつ水平である方向に沿って、コンテナ100を輸送する機能を有する適切な輸送装置206をさらに備えることもできる。しかしながら、機械200はこの構成に限定されない。
【0055】
フィードステーション201、包装ステーション202、配送ステーション203、梱包ステーション205、および輸送装置206は、任意の既知のタイプであってもよいし、将来開発されるタイプであってもよい。あるいは、輸送装置206は、例えば、本特許出願と同じ出願人によって出願された産業発明の関連特許出願に記載されているタイプのものであってもよい。
【0056】
例えば、輸送装置206は、シャトルの形状および機能を有し、固定ガイド209上を作業X方向にスライドするように構成された輸送部材207を備える。ここで提供される例によれば、輸送部材207が4つの中空で貫通する台座210を有し、4つの台座210のそれぞれが、例えば、コンテナ100、または少なくともその下部のサイズに合致するサイズを有する円錐台形状を有する。ここで提供される例では、各台座210のサイズは、各コンテナ100が台座210に挿入されたときに、輸送部材207の上面からだけでなく輸送部材207の底面からも数ミリメートル単位で突出するようなものである(
図1、
図4、
図5、
図6、
図8、
図9、および
図10参照)。
【0057】
台座210の数が4つ以外であってもよいことは明らかであり、その数が機械200の時間当たりの生産性に影響を与えることが理解される。実際、異なるステーション201、202、203、および205のそれぞれと装置10とで、あるいはこれらの中における遅い装置で1つの作業サイクルを行うのに確定のサイクル時間TCが必要な場合、機械200の時間当たりの生産性は、3600をサイクルタイムTCで割った値に、さらにそれぞれの輸送部材207の台座210の数を乗じた値に等しくなる。実際、4つの台座210において、作業は並行して行われる。
【0058】
各台座210は、実質的に垂直な軸Yに関して対称であり、上方から下方に垂直に挿入された1つのコンテナ100を収容するように構成されている(
図4、
図5、
図9、および
図10参照)。
【0059】
2つの隣接する台座210の間の距離Dは、装置10および/または機械200の設計段階で定められ、以下に詳細に説明するように、複数のコンテナ100を管理するのに適している。
【0060】
非限定的な例として、機械200は、喫煙用品またはカプセルなどの各製品を非常に短い時間で、すなわち約2秒のサイクルタイムTCで用意することができるため、機械200は、約7000個の喫煙用品を生産する時間当たりの生産性を有する。これは、ステーション201、202、203、および205のそれぞれと装置10とにおいて、例えば充填された喫煙用品またはカプセルを成形するために、4つのコンテナ100が同時に、そして並行して作業されるためである。
【0061】
装置10およびその動作を詳細に説明する前に、コンテナ100(
図3)の一例を説明する。特に、以下の説明では、コンテナ100は喫煙用品を製造するためのケーシングとして形成される。しかし、それは、カプセルまたはインコヒーレント材料Mを収容するのに適した他のタイプのコンテナであってもよい。
【0062】
各コンテナ100は、シート状の材料、例えば非常に薄い紙、あるいは紙巻きタバコまたは他の喫煙可能製品を製造するのに適した他の材料で作られ、通常、既知のタイプのフィルタ101が設けられる。
【0063】
コンテナ100の長さLは、得られる喫煙用品に応じて変えることができ、例えば約60mmから約150mmの間である。
【0064】
さらに、各コンテナ100は、円錐台形状を有することができ、フィルタ101に対応する第1端部102と、第1端部よりも大きい直径を有し、フィルタ101の内部にインコヒーレント材料Mを挿入するように構成された第2開口端部103とを備えることができる。平均して、各コンテナ100の直径は、従来の紙巻きタバコの直径と同様に、数ミリメートル程度、例えば6ミリメートルから8ミリメートルの間である。
【0065】
コンテナ100がカプセルである場合、それは例えば円錐台または半球の形状を有し、そして閉じた第1端部と、第1端部の反対側に開口した、インコヒーレント材料の挿入用に構成された第2端部とを備えることになる。
【0066】
装置10(
図1参照)は、固定構造11上に取り付けられた一連の作業ユニットを備え、各作業ユニットはそれぞれのワークステーションに配置されている。作業ユニットおよびステーションは、作業X方向に平行な作業ラインに沿って連続して互いに隣接して配置される。
図1を見ると、作業ユニットおよびステーションが作業ライン上に配置される配置は、以下に示した装置の動作の説明から明らかになるように、左から右への介入に漸進的順序があるようなものである。
【0067】
本発明の一実施形態によれば、作業ユニットは、コンテナ100にインコヒーレント材料Mを充填するように構成された少なくとも第1充填アセンブリ12を備え(
図3参照)、これについては以下で詳細に説明する。
【0068】
本発明の別の実施形態によれば、第1充填アセンブリ12の上流には、成形アセンブリ13(
図1)がある。
【0069】
本発明の他の実施形態によれば、作業ユニットは、第1充填アセンブリ12と同じ第2充填アセンブリ14、及び場合によっては第3充填アセンブリ15をさらに備える。
【0070】
本発明の他の実施形態によれば、作業ユニットは、第1充填アセンブリ12の下流側に配置された第1加圧手段、すなわち第1加圧アセンブリ16と、場合によっては第2加圧手段、すなわち第2充填アセンブリ15の下流側に配置される第2加圧アセンブリ17をさらに備える。
【0071】
第1充填アセンブリ12(
図8参照)は、固定構造11の垂直ガイド20上を垂直にスライドする可動構造19を備える。
【0072】
可動構造19の上部には、コンテナ100を充填するために使用されるインコヒーレント材料Mを収容するのに適したホッパー21が取り付けられており、その下に4つのデリバリ装置22(
図4および
図5参照)が配置されている。
【0073】
以下に詳細に説明するように、第1充填アセンブリ12は、例えば計量ユニット23(
図5、
図6、
図8および
図9参照)として構成され、4つのデリバリ装置22の下方に配置され、そしてインコヒーレント材料Mをコンテナ100内にデリバリするステップにおける第1充填サブステップ中に各コンテナ100の重量を図るのに適している計量手段をさらに備える。
【0074】
ホッパー21は、少なくとも、両方とも垂直な前壁24および後壁25と、例えば約30°から約45°の間の角度α(
図8参照)だけ下向きに傾斜したベース26とを備える。
【0075】
ホッパー21の内部には、4つのフィード部材27が配置され、それぞれがベース26に平行な対応する供給軸Sに沿って配置されている。ホッパー21および4つのフィード部材27は、インコヒーレント材料Mを供給するための手段を画定することに留意されたい。
【0076】
ホッパー21の前壁24の下部には、フィード軸Sに対して実質的に中心に位置し、フィード部材27によって対応するデリバリ装置22に向けて移動されるインコヒーレント材料Mの流出を許容するように構成された4つの貫通孔29(
図5参照)がある。
【0077】
各フィード部材27は、ホッパー21の後壁25に取り付けられ、かつ、移動要素30を回転させる第1アクチュエータ31(
図8参照)の回転シャフトに取り付けられた、例えば螺旋形状を有する移動要素30(
図4および
図5参照)を備える。移動要素30は、実質的に材料自体に圧縮を加えることなく、インコヒーレント材料Mを対応する貫通孔29に向かって前進させる動作を引き起こすように構成されている。
【0078】
図面には示されていない一変形例によれば、単一の第1アクチュエータ31が4つの運動要素30を同時に回転させることができる。
【0079】
ベース26の内面、すなわちホッパー21の内側、および各移動要素30(
図4および
図5参照)の下方に、対応する貫通孔29に向かうインコヒーレント材料Mの流出を促進するように構成された溝が形成される。
【0080】
本発明の一実施形態では、4つのデリバリ装置22は、可動構造19(
図8参照)に取り付けられ、実質的に垂直な同一なプレート32を使用して作られ、4つの実質的に垂直な搬送キャビティ33(
図4および
図5参照)を有するように形に作られる。4つの搬送キャビティ33は、デリバリ装置22ごとに1つずつ設けられ、その上部には4つの貫通孔29が開いている。各搬送キャビティ33は、ホッパー21から出てくるインコヒーレント材料Mを鉛直方向に案内するものであり、その下方への落下を妨げない形状となっている。
【0081】
4つの搬送キャビティ33は、例えばプラスチックまたはガラスなどの透明な材料で作られた密閉プレート35(
図8参照)によって、その内部のインコヒーレント材料Mの流れを見ることができるように前面が密閉されている。
【0082】
各搬送キャビティ33は、その下部に垂直軸Vに沿って整列された出口開口部36(
図5および
図7参照)を有し、かつ、その近傍に、垂直軸Vに関して反対側に配置されている2つの台座、すなわち第1台座37および第2台座38が作られるような形状に形成される。特に、2つの台座37、38は、部分的な円筒面によって画定され、そして共通領域を有する。2つの計量ローラー40、41は、2つの台座37、38内にそれぞれ回転可能に取り付けられ、2つの実質的に水平な回転軸Tおよび回転軸Uの周りで逆方向に回転し、回転軸Tおよび回転軸Uが垂直軸Vに関して反対側に配置されている。回転軸Tは、対応する穴29と実質的に垂直に整列している。ここで提供される例では、各第1計量ローラー40は、ホッパー21から来るインコヒーレント材料Mを対応する出口開口部36に向かって搬送するために、時計回り方向に回転するように構成されている。
【0083】
4つの垂直軸Vは、同じ搬送部材207の台座210間の距離と同じ距離Dだけ互いに離れている。
【0084】
ここで説明される実施形態では、各デリバリ装置22の回転軸Tおよび回転軸Uは、同じ水平面P1またはP2上に位置する。さらに、全体のサイズを最適化し、かつ、垂直軸V間の距離Dを維持するために、各デリバリデバイス22の水平面P1およびP2は、互いに対して垂直にオフセットされる。例えば、
図5に示されるように、左から開始して、第1および第3デリバリデバイス22に関連付けられる水平面P1は、第2および第4デリバリデバイス22に関連付けられる水平面P2よりも低くなる。
【0085】
各デリバリ装置22の第1計量ローラー40には、その円筒面上に、一定の間隔で、例えば約12°の角度ごとに1つになるように分布し、かつ、回転軸Tに平行する複数の列に整列している複数の鋭利要素42が設けられる(
図7参照)。鋭利要素42の外径は、対応する第1台座37の直径よりもわずかに小さい。
【0086】
各デリバリ装置22の第2計量ローラー41は、第1計量ローラー40の直径よりも小さい直径を有し、その円筒面上に、等間隔で、例えば約60°の角度ごとに1つになるように分布し、回転軸Uに平行する複数の列に整列し、そして、鋭利要素42に対して軸方向にオフセットされている複数の歯43を備える。歯43の外径は、対応する第2台座38の直径よりわずかに小さい。
【0087】
さらに、各デリバリ装置22について、回転軸Tおよび回転軸Uの間の中心距離、計量ローラー40および計量ローラー41の直径、そして鋭利要素42および歯43の外径は、後者が互いに接触することなく、垂直軸Vに沿って交差するように選択される。
【0088】
第1計量ローラー40は、毎分約25回転程度の比較的低い第1の角速度ω1で回転するように構成され、鋭利要素42とともに貫通孔29から来るインコヒーレント材料Mを搬送し、第2計量ローラー41へ案内する機能を有する。代わりに、第2計量ローラー41は、毎分約750回転程度の比較的高い第2の角速度ω2で反対方向、すなわち反時計回りに回転するように構成される。
【0089】
さらに、各搬送キャビティ33において、第2台座38に隣接する第1台座37のセクタ45は、第1計量ローラー40によって第2計量ローラーに向けてフィードされるインコヒーレント材料Mの量を容易に制御できるように、インコヒーレント材料M用の校正通路を画定する。その後、第1計量ローラー40の回転振幅の関数として、インコヒーレント材料Mの正確な計量を実行する。
【0090】
第2計量ローラー41は、比較的大きな第2の角速度ω2で回転する。第2計量ローラー41は、第1計量ローラー40と接触しているインコヒーレント材料Mを完全に除去し、それを実質的に垂直軸Vの方向に沿って下方へ押し出して出口開口部36内に押し込む機能を有する。
【0091】
4つの第1計量ローラー40は、4つの対応するシャフト44によってそれらに接続された4つの対応する第2アクチュエータ46(
図8参照)によって選択的に回転するように作られる。4つの第2計量ローラー41は、4つの対応するシャフト48によってそれらに接続された4つの対応する第3アクチュエータ47によって選択的に回転するように作られる。説明を簡単にするため、
図8において、2つの第2アクチュエータ46と2つの第3アクチュエータ47のみを概略的に示している。
【0092】
あるいは、単一のアクチュエータ、または異なる数のアクチュエータが、2つ以上の計量ローラー40および/または41に指示することもできる。
【0093】
4つの搬送キャビティ33のそれぞれの内部には、例えば、対応する第1計量ローラー40に向けたインコヒーレント材料Mの下降を促進するように構成され、曲線状に形成される可能性がある垂直ロッドを含む、またはそれからなる撹拌部材49(
図4および
図5参照)がある。
【0094】
例えば、4つの撹拌部材49(
図5参照)は、プレート32の上に配置された水平バー50に取り付けられている。4つの撹拌部材49が対応する4つの搬送キャビティ33内で振動および/または移動するように、第4アクチュエータ51は、水平バー50を移動させるために水平バー50に接続されている。
【0095】
各デリバリ装置22は、実質的に漏斗の形状を有し、出口開口部36の下方に、かつ、出口開口部36の近傍において、対応する垂直軸Vと同軸に配置された搬送部材52(
図5、
図7、および
図9を参照)を備える。
【0096】
各搬送部材52は、出口開口部36から来るインコヒーレント材料Mを受け取り、それをコンテナ100内に搬送するように構成されている。特に、各搬送部材52は、コンテナ100の第2端部103(
図3および
図7参照)の直径よりもわずかに小さい外径を有する円筒管状に形成された下部53を有する。非限定的な例として、下部53に対応する水平断面で測定した表面は、約75mm
2から約115mm
2の間にあり、いずれの場合でも約150mm
2よりも小さい。下部53は、先端部(pointed end)54(
図5参照)を生成するために、作業方向Xとは反対の方向に斜めに切り取られた終端を有する。実際、装置10の動作中において、以下に詳細に説明するように、各下部53は選択的に部分的にコンテナ100の第2端部103に導入され、下部53のこの形状によりコンテナ100内への導入が容易になる。
【0097】
4つの搬送部材52は、インコヒーレント材料Mの下方への流出、したがって対応するコンテナ100への流出を促進するために、搬送部材52を振動させることができる1つまたは複数の第5のアクチュエータ55(
図8および
図9)に接続されている。
【0098】
4つの搬送部材52の下部53を、同様の下部53が下方に位置するコンテナ100よりも数ミリメートル上昇しているアイドル位置PR1(
図8参照)と、下部53がコンテナ100の第2端部103内に挿入される下降動作位置PО1(
図9参照)との間、またはその逆も同様に変位させるために、垂直ガイド20に対する可動構造19の選択的な垂直移動は、第1スライダ57に接続されて垂直ガイド20条をスライドする第6アクチュエータ56(
図8参照)によって指示される。従って、第1スライダ57は、可動構造19の一部構成である。2つの位置PR1と位置PО1との間の距離に等しい第1スライダ57の移動量Cは、コンテナ100の長さLに依存する。
【0099】
計量ユニット23(
図1、5、6、8および9参照)は、搬送部材207の下方に配置され、固定ガイド209の下部キャビティ211内に部分的に収容される。
【0100】
計量ユニット23は、固定構造11に取り付けられた支持プレート59を備え、その上に、4つの垂直軸Vと同軸であり、それぞれ自体が例えば既知のタイプのロードセルを含む、またはそれからなる4つの計量部材60が取り付けられる。
【0101】
各計量部材60(
図6参照)は、コンテナ100が輸送部材207によって作業Xの方向に移動される間、同じコンテナ100の上でそのコンテナ100の第2端部102に付随するように構成された傾斜壁61を備える。コンテナ100は、空きのときと、インコヒーレント材料Mで少なくとも部分的に満たされているときとの両方で計量されるように、計量部材60に対して実質的に中央の位置で停止する。
【0102】
別の実施形態によれば、図示されていないが、同じコンテナ100について、空きのときと、インコヒーレント材料Mで少なくとも部分的に満たされているときとの両方で計量されるように、各計量部材60は、対応するアクチュエータによって、コンテナ100の対応する第1端部102からわずかに離れたアイドル位置と、同じ第1端部102に接触するように持ち上げられる上昇動作位置との間に軸方向に変位するように構成される。
【0103】
以下に詳細に説明するように、成形アセンブリ13(
図1、
図10、および
図11参照)は、フィードステーション201(
図2参照)に隣接して配置され、特に充填を行う前の喫煙用品用のケーシングの場合、コンテナ100内に存在するあらゆるしわまたは折り目を除去する機能を有する。
【0104】
成形アセンブリ13(
図10および
図11参照)は、固定構造11の垂直ガイド65上を垂直方向にスライドする第2スライダ63に取り付けられた実質的に水平な支持要素62を備える。支持要素62には、互いに同一であり、かつ、それぞれがコンテナ100の内部の形状および寸法と実質的に一致する形状および寸法を有する、4つの円錐要素が取り付けられている。4つの円錐要素66は、互いに、同じ輸送部材207の台座210が離間する距離と同じ距離Dだけ離れて対応する垂直軸R上にそれぞれ配置される。
【0105】
それ自体既知のタイプの第7アクチュエータ67(
図11参照)は、第2スライダ63について、円錐要素66が下にあるコンテナ100から離れているアイドル位置PR2から同じ円錐要素66がコンテナ100内に挿入され、例えばフィルタ101の近接まで到達する下降動作位置PО2までの選択的な下降を指示するために、第2のスライダ63に接続されている。その逆も同様である。
【0106】
1つまたは複数の制御装置69は、成形アセンブリ13の上流および/または下流に関連付けることができるが、
図11には、そのうちの1つの、コンテナ100の形状を確認するのに適している構成のみが概略的に示されている。
【0107】
各押圧センブリ16、17(
図1および
図12参照)は、4つの円錐要素が4つの垂直バー70によって置き換えられている点を除いて、成形アセンブリ13と実質的に同じである。4つの垂直バー70は、例えば、円筒形に形成され、インコヒーレント材料Mを含むコンテナ100の内部に選択的に進入し、それらを軽く押圧する機能を有する。
【0108】
4つの垂直バー70はそれぞれ、対応する垂直軸Wに沿って配置される。4つの垂直軸Wは、同じ搬送部材207の台座210が離間する距離と同じ距離Dだけ互いに離間する。
【0109】
各押圧アセンブリ16、17は、固定構造11の垂直ガイド73上を垂直にスライドする第3スライダ72に取り付けられ、第8アクチュエータ75によって制御される実質的に水平な支持要素71を備える。
【0110】
4つの垂直バー70は、支持要素71に取り付けられ、下にあるコンテナ100から離れている上昇アイドル位置PR3と、それらの端部が部分的にコンテナ100の内部に挿入されてインコヒーレント材料Mを軽く押圧する下降動作位置PО3との間で、対応する垂直軸Wに沿って両方向に垂直移動可能である。その逆も同様である。
【0111】
4つの垂直バー70のそれぞれの移動は、対応するコンテナ100の内部に存在するインコヒーレント材料Mの量に依存することは明らかである。
【0112】
装置10は、例えば、アクチュエータ31、46、47、51、55、56、67、75のうちの1つまたは複数、場合によってはそのすべてを制御し、かつ、各制御装置69から、および/または装置10の異なるアセンブリに関連付けられ、図示されていない他のセンサまたは制御装置から信号を受信するように構成された、特にプログラマブルタイプの電子制御ユニット76(
図13参照)として構成された、自身の動作を制御するための手段をさらに備える。電子制御ユニット76は、またはそれに接続された他の非図示の制御装置は、例えば、機械200の他の制御ユニットは、同様に輸送装置205を指示することができる。
【0113】
一般に、上述のアクチュエータのいずれかを使用して行われる移動は、電気モーター、または例えば、空気圧または流体力学による他のタイプのアクチュエーションを利用して実現できる。
【0114】
さらに、上述した作業ユニットの様々な構成要素のあらゆる移動は、図に示されていない既知のタイプの1つまたは複数の制御装置に従属させることができ、このような制御装置は、1つまたは複数のフィードバック信号を電子制御ユニット76に送信することにより、電子制御ユニット76は、異なるコンテナ100を充填する方法を最適化するように異なるアクチュエータを制御することができる。
【0115】
本発明に係る方法に対応する、これまでに説明した装置10の動作は、以下のステップを含む。
【0116】
上述のすべての作業ユニットがアイドル位置にある初期状態から開始し、複数のコンテナ100にインコヒーレント材料Mを自動的に充填するために、電子制御ユニット76(
図2)は、直接的または間接的に輸送装置205を指示することにより、それぞれが対応する台座210に位置する4つのコンテナ100を搭載する(
図1参照)第1輸送部材207が成形アセンブリ13のちょうど下に位置する第1成形ステーションA1内に移動し、その際、4つの台座210の軸Yが円錐要素66の4つの垂直軸Rと整列している。
【0117】
制御装置69(
図11参照)は、空きのコンテナ100のそれぞれの形状をチェックし、欠陥のあるいずれかのコンテナ100の存在に関する信号を電子制御ユニット76に送ることにより、欠陥のあるコンテナ100が充填されないようにすることで、インコヒーレント材料Mの無駄を防止する。
【0118】
次に、電子制御ユニット76は、成形アセンブリ13(
図1、
図10および
図11参照)に成形ステップを実行するように指示し、その間、第7アクチュエータ67(
図11参照)が第2スライダ63とともにそれに取り付けられた4つの円錐要素66を、アイドル位置PR2から動作位置PО2まで下降させる。これにより、4つの円錐要素66がコンテナ100の内部に進入し、あらゆるしわや折り目を取り除き、その後、それらはアイドル位置PR2に戻る。
【0119】
上述の成形工程は、約2秒のサイクルタイムTCで実行される。
【0120】
上述の成形ステップが完了すると、第1搬送部材207(
図1参照)は、第1充填アセンブリ12に向かって、すなわち作業X方向の右に向かって1ピッチPTだけ変位される。ここで提供される例では、ピッチPTは、輸送部材207の2つの隣接する台座210の間の距離Dの4倍に等しい。これにより、第1輸送部材207は、4つのデリバリ装置22のちょうど下で、かつ計量ユニット23の真上にある第1充填ステーションA2に到達する。同時に、第2搬送部材207が第1成形ステーションA1に取り込まれ、上述の方法同様に、成形アセンブリ13が第2輸送部材207の台座210内に配置された他の4つの対応するコンテナ100内で成形ステップを実行する。
【0121】
第1充填ステーションA2では、第1搬送部材207の4つの台座210の4つの軸Yは、4つの垂直軸Vと一致する(
図5参照)。
【0122】
第1充填ステーションA2に向かう変位において、台座210の内側に配置されたコンテナ100は、その第2端部102が傾斜壁61(
図5および
図6参照)上にある状態でスライドし、計量部材60の上部に載せられるまで持ち上げられ、実質的にその中央の位置で停止する。
【0123】
次に、電子制御ユニット76は、未だ空きのコンテナ100を計量し、それぞれの重量、すなわち自重を検出する第1の計量ステップと、第1成形ステーションA1における成形ステップを制御する際、実質的に同時の第1の配送ステップとを指示する。
【0124】
別の実施形態によれば、電子制御ユニット76は、対応するアクチュエータを作動させて、4つの計量部材60をコンテナ100の対応する第1の端部102に当てるように上昇させて、その後、コンテナ100を適切にリフトしてそれぞれの重量を検出する。
【0125】
同時に、電子制御ユニット76は、デリバリステップ、特に、まず第6アクチュエータ56が可動構造19を下降させて、移動構造19の下部53をコンテナ100の第2端部103内に(
図9に示す動作位置PО1参照)取り込む第1充填サブステップの開始を指示する。有利なことに、電子制御ユニット76は、可動構造19を下降させて、下部53の先端部54(
図5および
図7参照)が先にコンテナ100の第2端部103に進入し、第1の輸送部材207が依然として第1充填ステーションA2に向かって移動している間、実質的に後者の中心から開始するように、第6アクチュエータ56を指示することができる。このように、先端部54の下降とコンテナ100の前進との間の相対運動により、下部によってコンテナ100の第2端部103の可能な再構築が許容され、コンテナにおけるしわや折り目の発生が防止される。
【0126】
第1充填サブステップは、対応する計量ユニット60に関連付けられた各コンテナ100の重量が継続的に検出されるように、電子制御ユニット76が計量ステップを継続してアクティブに維持する間に実行されることを明確にしなければならない。
【0127】
その直後または同時に、電子制御ユニット76は、ホッパー21内の移動要素30、搬送キャビティ33内の撹拌部材49、計量ローラー40、41、および搬送部材52を駆動するアクチュエータ31、46、47、51、55のそれぞれのアクティベーションを指示し、そしてコンテナ100内において、所望の量のインコヒーレント材料Mの最初の計量された充填を実行する。
【0128】
本発明のいくつかの実施形態では、電子制御ユニット76は、対応する搬送キャビティ33内において、対応する第1計量ローラー40上に一定量のインコヒーレント材料Mが常に存在するように、第1アクチュエータ31のそれぞれを選択的に作動させることができる。
【0129】
さらに、本発明のいくつかの実施形態では、電子制御ユニット76は、サイクルタイムTCよりも長い周期であっても、周期的なタイミングで撹拌部材49を駆動するために、第4アクチュエータ51を選択的に作動させることができる。
【0130】
図1に示す実施形態では、コンテナ100の完全な充填は、3つの充填アセンブリ12、14、15を使用して実行される。それにより、この第1充填サブステップでは、インコヒーレント材料Mの総量の約3分の1、すなわち、例えば約0.30グラムから0.33グラムのインコヒーレント材料Mが各コンテナ100に挿入される。
【0131】
特に、各デリバリ装置22において、搬送キャビティ33内へのインコヒーレント材料Mの下方への滑り込みは、撹拌部材49によって最適化される。各第1計量ローラー40は、鋭利要素42によって、搬送キャビティ33内に存在するインコヒーレント材料Mを収集し、インコヒーレント材料Mを出口開口部36に向けて押圧する第2計量ローラー41に向けて搬送する。下方に位置する搬送部材52の振動により、すべてのインコヒーレント材料Mが対応するコンテナ100に向かって滑りやすくなる。
【0132】
各フィード部材27によって対応する搬送キャビティ33に向けて単位時間内にデリバリされるインコヒーレント材料Mの量に関係なく、各コンテナ100内にデリバリされるインコヒーレント材料Mの実際の量は、各第1計量ローラー40の回転の振幅に正比例し、かつ、対応する計量部材60によって常に測定されることに留意されたい。
【0133】
実際、電子制御ユニット76は、各充填サブステップ中、計量ステップを実行し続け、そしてコンテナ100の所望の重量に達すると、インコヒーレント材料Mのデリバリを停止し、対応するアクチュエータ31、46、47、51、55を無効化する。その直後、電子制御ユニット76は、可動構造19を上向きにアイドル位置PR1(
図8参照)に戻すように、第6アクチュエータ56に指示する。
【0134】
各デリバリ装置22の各充填サブステップの終了は、計量ステップ中に計量部材60によって供給されるデータと、第1計量ローラー40および第2計量ローラー41の停止命令の後に実際にコンテナ100内で搬送されるインコヒーレント材料Mの量を予測する統計データとの両方に基づいて、電子制御ユニット76によって指示されるため、各コンテナ100内におけるインコヒーレント材料Mを非常に正確に計量することが可能になる。実際、異なる水平面(P1およびP2)上にある計量ローラー40、41と、コンテナ100との間の垂直距離の関数として、計量ローラー40、41が停止した後は、残留量の不均一のインコヒーレント材料Mが後者に落下する可能性がある。
【0135】
上述の第1充填サブステップおよび対応する計量ステップも、全体として約2秒のサイクル時間TC内で実行される。
【0136】
これらのステップが完了すると、第1搬送部材207(
図1参照)はさらに第1押圧アセンブリ16に向かって、すなわち作業方向Xの右側に向かって1ピッチPTだけ変位される。これにより、搬送部材207は、4つの垂直バー70のちょうど下に位置する第1押圧ステーションA3に到達する。同時に、第3搬送部材207は、第1成形ステーションA1内に取り込まれ、そこで第3搬送部材207の台座210内に位置する他の4つの対応するコンテナ100において、成形アセンブリ13が上述のように成形ステップを実行する。また、第2搬送部材207は、第1充填ステーションA2に取り込まれ、そこで第2搬送部材207の台座210内に位置する他の4つの対応するコンテナ100において、第1充填アセンブリ12が上述のように、第1充填サブステップおよび同時の計量ステップを実行する。
【0137】
第1押圧ステーションA3において、第1搬送部材207の4つの台座210の4つの軸Yは、第1押圧アセンブリ16の垂直バー70の4つの垂直軸Wと一致する。
【0138】
電子制御ユニット76は、上述のように、2つのステーションA1およびA2における成形および計量ステップ、ならびに第1デリバリサブステップを指示する一方で、第1押圧ステーションA3における第1押圧アセンブリ16による第1押圧ステップも命令する。特に、電子制御ユニット76は、4つの垂直バー70をアイドル位置PR3から動作位置PО3まで降下させ、それらを対応するコンテナ100内に部分的に挿入することにより、そこに含まれるインコヒーレント材料Mを過度に平らにすることなく、より均一にするために軽く押圧するために、第8アクチュエータ75(
図1および12参照)に指示する。
【0139】
続いて、電子制御ユニット76は、4本の垂直バー70をアイドル位置PR3に戻すように第8アクチュエータ75に指示する。この第1押圧ステップも、約2秒のサイクルタイムTC内で実行される。
【0140】
本発明の一実施形態によれば、第1押圧ステップの後に、対応する計量ステップを伴う第2充填サブステップが続き、場合によっては、対応する計量ステップを伴う第3充填サブステップが続く。
【0141】
ここで提供される例では、第2充填サブステップにおいて、電子制御ユニット76は、各コンテナ100にインコヒーレント材料Mの総量の約半分、すなわち例えば0.5グラムのインコヒーレント材料Mを挿入するように第2充填アセンブリ14に指示する。第3の充填サブステップにおいて、電子制御ユニット76は、提供されるインコヒーレント材料Mの総量に達するために、各コンテナ100内に、その中にすでに存在する材料に対して補完的な量のインコヒーレント材料Mを挿入するように第3充填アセンブリ15に指示する。ここで提供される例では、この補完的な量は、約0.2グラムに等しい。
【0142】
代替する1つの実施形態では、装置10は、第3充填ステーションおよび対応する第3充填サブステップを有さないため、対応する充填サブステップが実行される第1および第2充填ステーションのみを備えることができる。この場合、第2充填ステーションによってデリバリされる第2の量のインコヒーレント材料が、所望の計量された量に関して、第1充填ステーションによって供給される第1の量のインコヒーレント材料を補完することは明らかである。
【0143】
さらに、3つの充填サブステップと同数の計量ステップが提供される場合、これらの2番目と3番目との間に、第2押圧アセンブリ17(
図1参照)によって第2押圧ステップが実行される。
【0144】
この場合、上記と同様に、全ての支持部材207を一度に1ピッチPTずつ左から右に変位させ、それらの最初の支持部材207、次に他の全ての支持部材207が最初に第2充填アセンブリ14に対応する第2充填ステーションに取り込まれるまで、実質的に上述の第1計量ステップおよび第1充填サブステップと同様である第2計量ステップおよび第2充填サブステップを実行することができる。次に、第2押圧アセンブリ17に対応する第2押圧ステーションA5に取り込まれるまで、実質的に上述の第1押圧ステップと同様である第2押圧ステップを実行することができる。最後に、第3充填アセンブリ15に対応する第3充填ステーションA6に取り込まれるまで、実質的に上述の第1計量ステップおよび第1充填サブステップと同様である第3計量ステップおよび第3充填サブステップを実行することができる。
【0145】
すべてのステップの終わりに、コンテナ100は所望の量のインコヒーレント材料Mで満たされており、支持部材207は装置10から機械200の隣接する包装ステーション202(
図2参照)に、例えば、輸送装置206によって移送され得る。
【0146】
適切にプログラムされた電子制御ユニット76は、固定ガイド209に沿った搬送部材207の前進と連携して、上述の様々な漸進的充填サブステップおよび押圧サブステップを含み、成形、折り畳み、デリバリの異なるステップすべてを同時に管理することができる。
【0147】
したがって、各コンテナ100へのインコヒーレント材料Mの充填の精度、および同量の完成品に相当する約7000個の充填されたコンテナ100を得られる高い時間生産性を含む、すべての目的は、上述の充填装置10および上述の充填方法によって達成される。
【0148】
特許請求の範囲によって定義される本発明の分野および範囲から逸脱することなく、これまで説明した充填装置10およびコンテナを自動的に充填するための方法に対して、部品またはステップの修正および/または追加を行うことができることは明らかである。
【0149】
例えば、本発明の簡略化された一実施形態では、各充填アセンブリ12、14、および15は、4つとは異なる数のデリバリデバイス22、すなわち、1つだけ、または4つ以上のデリバリデバイス22を有してもよく、類似する形状を有することができる。そして押圧アセンブリに対しても同様である。
【0150】
また、本発明をいくつかの特定の例を参照して説明してきたが、当業者であれば、本発明の分野において、コンテナを自動的に充填するための他の多くの同等の形態の充填装置および方法を確実に実現できることは明らかである。以下の特許請求の範囲において、括弧内の参照の唯一の目的は、読みやすさを向上させるためであり、それらは特許請求の範囲によって定義される保護分野に関する制限要素として考慮されてはならない。
【国際調査報告】