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特表2024-522080単一要素ドットパターンプロジェクタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-11
(54)【発明の名称】単一要素ドットパターンプロジェクタ
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/02253 20210101AFI20240604BHJP
   H01S 5/183 20060101ALI20240604BHJP
   G02B 13/00 20060101ALI20240604BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
H01S5/02253
H01S5/183
G02B13/00
G02B5/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571888
(86)(22)【出願日】2022-05-25
(85)【翻訳文提出日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 US2022072562
(87)【国際公開番号】W WO2022251843
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】63/192,962
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520069800
【氏名又は名称】メタレンズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】デブリン, ロバート シー.
(72)【発明者】
【氏名】ラタビエッツ, パウエル
(72)【発明者】
【氏名】グラフ, ジョン
【テーマコード(参考)】
2H087
2H249
5F173
【Fターム(参考)】
2H087KA06
2H087KA12
2H087LA25
2H087NA02
2H087RA00
2H087RA45
2H087RA46
2H249AA04
2H249AA14
2H249AA50
2H249AA55
2H249AA60
2H249AA65
5F173AC00
5F173MA10
5F173MC02
5F173MD33
5F173ME32
5F173MF39
(57)【要約】
本明細書で開示されるものは、メタ光学系を伴う、単一要素ドットパターンプロジェクタである。プロジェクタは、レーザ光源と、レーザ光源上に統合される、メタ表面チップとを含む。メタ表面チップは、メタ表面チップのコリメート機能焦点距離に等しい距離だけ、レーザ光源から離間される、メタ表面要素を含む。レーザ光源は、メタ表面要素を通して回折され、ドットパターンを生成する、光を生成する。メタ光学系によって可能にされるプロジェクタは、メタ光学系を統合する一意の方法と、ドットパターンに追加され得る、一意の機能性とにつながる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一要素ドットパターンプロジェクタであって、
レーザ光源と、
前記レーザ光源上に統合されるメタ表面チップであって、前記メタ表面チップは、前記メタ表面チップの背面焦点距離に等しい距離だけ前記レーザ光源から離間されるメタ表面要素を含み、前記レーザ光源は、前記メタ表面要素を通して回折され、ドットパターンを生成する光を生成する、メタ表面チップと
を備える、プロジェクタ。
【請求項2】
前記レーザ光源は、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)を備える、請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項3】
前記VCSELは、複数の個々のレーザ開口を備える、請求項2に記載のプロジェクタ。
【請求項4】
前記個々のレーザ開口は、0.5度未満の半値全幅(FWHM)を有するドットを出力するように構成される、請求項3に記載のプロジェクタ。
【請求項5】
前記メタ表面チップは、以下の方程式、すなわち、
【数1】
と、
【数2】
とを充足する寸法を有し、
Bは、前記メタ表面チップの整合公差であり、θは、レーザ光源パワーが総パワーの0.5%未満まで降下する場合の周角であり、
MSxは、x方向における前記メタ表面チップのアクティブエリアの幅であり、VCSELxは、前記x方向における前記レーザ光源の幅であり、Aは、前記x方向における前記VCSELxを超えるレーザ光源ビームの推定されるサイズであり、Cは、前記メタ表面チップの背面焦点距離に等しい前記レーザ光源と前記メタ表面チップとの間の間隙サイズである、請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項6】
前記メタ表面チップは、Msx+2*Borderの前記x方向におけるチップ幅を有し、Borderは、前記x方向における前記光源ビームの推定されるサイズを超える前記チップのサイズである、請求項5に記載のプロジェクタ。
【請求項7】
前記メタ表面チップは、前記レーザ光源が前記メタ表面要素と前記レーザ光源との間の間隙を通して光を出力するように、前記レーザ光源の上方に統合される、請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項8】
前記メタ表面チップは、光が前記メタ表面チップ上の前記レーザ光源の背面側を通して出力されるように、前記レーザ光源の背面側の上方に統合される、請求項7に記載のプロジェクタ。
【請求項9】
前記メタ表面チップは、光が前記メタ表面チップ上の前記レーザ光源の正面側を通して出力されるように、前記レーザ光源の正面側の上方に統合される、請求項7に記載のプロジェクタ。
【請求項10】
前記間隙は、前記メタ表面チップの基板によって提供される、請求項7に記載のプロジェクタ。
【請求項11】
前記間隙は、前記レーザ光源と前記メタ表面要素との間のエポキシまたは空気によって提供される、請求項7に記載のプロジェクタ。
【請求項12】
前記メタ表面要素は、前記メタ表面チップの基板の上部に位置付けられる、請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項13】
前記メタ表面チップは、レンズ機能および増倍機能の両方を前記レーザ光源からの光に提供する、請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項14】
前記メタ表面チップはさらに、線形位相機能を前記レーザ光源からの光に提供する、請求項13に記載のプロジェクタ。
【請求項15】
前記ドットパターンは、非対称パターンを有する、請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項16】
前記レーザ光源は、チップの中に統合され、前記レーザ光源チップおよび前記メタ表面チップは、単一モノリシックモジュールの中に統合される、請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項17】
前記メタ表面要素は、複数の六角形形状のタイルに編成される、請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項18】
レーザ光源を用いて、ドットパターンを形成する方法であって、前記方法は、
チップの中に統合される前記レーザ光源を提供することと、
メタ表面要素を含むメタ表面チップを提供することと、
前記メタ表面要素が、前記メタ表面チップの背面焦点距離に等しい距離だけ、前記レーザ光源から離間されるように、前記レーザ光源チップと前記メタ表面チップを統合することと、
前記レーザ光源から、前記メタ表面要素を通して回折され、前記ドットパターンを生成する光を生成することと
を含む、方法。
【請求項19】
前記レーザ光源は、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)を備える、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記メタ表面チップは、以下の方程式、すなわち、
【数3】
と、
【数4】
とを充足する寸法を有し、
Bは、前記メタ表面チップの整合公差であり、θは、レーザ光源パワーが総パワーの0.5%未満まで降下する場合の周角であり、
MSxは、x方向における前記メタ表面チップのアクティブエリアの幅であり、VCSELxは、前記x方向における前記レーザ光源の幅であり、Aは、前記x方向における前記VCSELxを超えるレーザ光源ビームの推定されるサイズであり、Cは、前記メタ表面チップの背面焦点距離に等しい前記レーザ光源と前記メタ表面チップとの間の間隙サイズである、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記メタ表面チップは、Msx+2*Borderの前記x方向におけるチップ幅を有し、Borderは、前記x方向における前記光源ビームの推定されるサイズを超える前記チップのサイズである、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国特許法第119条(e)下、あらゆる目的のために、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、「Single Flat Optical Element Dot Pattern Projector」と題され、2021年5月25日に出願された、米国仮特許出願第63/192,962号の利益および優先権を主張する。
【0002】
本開示は、メタ表面(時として、メタ光学系と呼ばれる)を伴う、単一要素ドットパターンプロジェクタと、VCSELアレイを伴う、ドットパターンを形成する方法とを対象とする。
【背景技術】
【0003】
メタ表面ドットパターンプロジェクタは、レーザ源または複数のレーザ源を多数のドットに変形し、出力ビームをコリメートする、光学デバイスである。一般に、デバイスから投影される、ドットの数は、単一または複数のレーザ源のものを上回り、出射光の発散の半値全幅(FWHM)は、最小限にされるように標的化される。例えば、ドットパターンプロジェクタは、20個の個々のレーザ開口を伴う垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)を20×N個のドットに変形させ得、各ドットは、0.50度未満のFWHMを有するように標的化される。
【0004】
ドットパターンプロジェクタは、3D感知において、いくつかの用途を有するが、消費者用途におけるほぼ全ての3D感知ドットプロジェクタモジュールは、VCSEL源を利用する。場面上に投影されるドットパターンの詳細は、その中でプロジェクタが使用されている、用途に依存する。飛行時間(TOF)結像では、遠距離場におけるドットの標的数は、レーザ開口の数のわずか10倍であり得る。構造化光では、対照的に、投影されるドットの数は、VCSEL開口の100倍であり得る。
【0005】
ドットパターンプロジェクタの複数の目標、すなわち、VCSELパターンを増倍すること、レーザ出力において高度なコリメーションを達成すること、デバイスの全体的形状因子を最小限にすることのため、ドットパターンプロジェクタモジュールは、典型的には、多くの個々の光学構成要素から成る。例えば、モバイルデバイスの中に嵌合するように設計される、標準的ドットプロジェクタモジュールは、レーザ光をコリメートするために、少なくとも1つ、典型的には、3つの屈折レンズと、ベースライン数のVCSEL開口を複製し、遠距離場において所望の数のドットを生成するであろう、1つの回折光学要素(DOE)とを要求する。モジュールの複雑性が、結果として、統合のための有意な課題を呈し、さらに、モジュール厚は、多くの場合、電話、ラップトップ、またはディスプレイのベゼル内で利用可能な空間を上回る。後者の限定は、折畳される光学光経路等のより複雑な統合スキームにつながる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、メタ表面(時として、メタ光学系と呼ばれる)を伴う、単一要素ドットパターンプロジェクタと、VCSELアレイを伴う、ドットパターンを形成する方法とを対象とする。
【0007】
本発明の種々の実施形態は、レーザ光源と、レーザ光源上に統合される、メタ表面チップとを含む、単一要素ドットパターンプロジェクタを含む。メタ表面チップは、メタ表面チップの背面焦点距離に等しい距離だけ、レーザ光源から離間される、メタ表面要素を含み、レーザ光源は、メタ表面要素を通して回折され、ドットパターンを生成する、光を生成する。
【0008】
種々の他の実施形態では、レーザ光源は、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)を含む。
【0009】
さらに種々の他の実施形態では、VCSELは、複数の個々のレーザ開口を含む。
【0010】
さらに種々の他の実施形態では、個々のレーザ開口は、0.5度未満の半値全幅(FWHM)を有する、ドットを出力するように構成される。
【0011】
さらに種々の他の実施形態では、メタ表面チップは、以下の方程式、すなわち、
【化1】
と、
【化2】
とを充足する寸法を有し、Bは、メタ表面チップの整合公差であって、θは、レーザ光源パワーが総パワーの0.5%未満まで降下する場合の周角であって、MSxは、x方向におけるメタ表面チップのアクティブエリアの幅であって、VCSELxは、x方向におけるレーザ光源の幅であって、Aは、x方向におけるVCSELxを超えるレーザ光源ビームの推定されるサイズであって、Cは、メタ表面チップの背面焦点距離に等しい、レーザ光源とメタ表面チップとの間の間隙サイズである。
【0012】
さらに種々の他の実施形態では、メタ表面チップは、Msx+2*Borderのx方向におけるチップ幅を有し、Borderは、x方向における光源ビームの推定されるサイズを超えるチップのサイズである。
【0013】
さらに種々の他の実施形態では、メタ表面チップは、レーザ光源がメタ表面要素とレーザ光源との間の間隙を通して光を出力するように、レーザ光源の上方に統合される。
【0014】
さらに種々の他の実施形態では、メタ表面チップは、光がメタ表面チップ上のレーザ光源の背面側を通して出力されるように、レーザ光源の背面側の上方に統合される。
【0015】
さらに種々の他の実施形態では、メタ表面チップは、光がメタ表面チップ上のレーザ光源の正面側を通して出力されるように、レーザ光源の正面側の上方に統合される。
【0016】
さらに種々の他の実施形態では、間隙は、メタ表面チップの基板によって提供される。
【0017】
さらに種々の他の実施形態では、間隙は、レーザ光源とメタ表面要素との間のエポキシまたは空気によって提供される。
【0018】
さらに種々の他の実施形態では、メタ表面要素は、メタ表面チップの基板の上部に位置付けられる。
【0019】
さらに種々の他の実施形態では、メタ表面チップは、レンズ機能および増倍機能の両方をレーザ光源からの光に提供する。
【0020】
さらに種々の他の実施形態では、メタ表面チップはさらに、線形位相機能をレーザ光源からの光に提供する。
【0021】
さらに種々の他の実施形態では、ドットパターンは、非対称パターンを有する。
【0022】
さらに種々の他の実施形態では、レーザ光源は、チップの中に統合され、レーザ光源チップおよびメタ表面チップは、単一モノリシックモジュールの中に統合される。
【0023】
さらに種々の他の実施形態では、メタ表面要素は、複数の六角形形状のタイルに編成される。
【0024】
さらに、本発明の多くの実施形態は、レーザ光源を用いて、ドットパターンを形成する方法であって、チップの中に統合される、レーザ光源を提供することと、メタ表面要素を含む、メタ表面チップを提供することと、メタ表面要素が、メタ表面チップの背面焦点距離に等しい距離だけ、レーザ光源から離間されるように、レーザ光源チップとメタ表面チップを統合することと、レーザ光源から、メタ表面要素を通して回折され、ドットパターンを生成する、光を生成することとを含む、方法を含む。
【0025】
種々の他の実施形態では、レーザ光源は、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)を含む。
【0026】
さらに種々の他の実施形態では、メタ表面チップは、以下の方程式、すなわち、
【化3】
と、
【化4】
とを充足する寸法を有し、Bは、メタ表面チップの整合公差であって、θは、レーザ光源パワーが総パワーの0.5%未満まで降下する場合の周角であって、MSxは、x方向におけるメタ表面チップのアクティブエリアの幅であって、VCSELxは、x方向におけるレーザ光源の幅であって、Aは、x方向におけるVCSELxを超えるレーザ光源ビームの推定されるサイズであって、Cは、メタ表面チップの背面焦点距離に等しい、レーザ光源とメタ表面チップとの間の間隙サイズである。
【0027】
さらに種々の他の実施形態では、メタ表面チップは、Msx+2*Borderのx方向におけるチップ幅を有し、Borderは、x方向における光源ビームの推定されるサイズを超えるチップのサイズである。
【0028】
付加的実施形態および特徴は、部分的に、続く説明において記載され、部分的に、本明細書の精査に応じて、当業者に明白となるであろう、または本開示の実践によって習得され得る。本開示の本質および利点のさらなる理解は、本開示の一部を形成する、本明細書および図面の残りの部分を参照することによって実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
説明は、本発明の例示的実施形態として提示され、本発明の範囲の完全な列挙として解釈されるべきではない、以下の図を参照すると、より完全に理解されるであろう。
【0030】
図1A図1Aは、実施形態による、VCSELアレイにわたって位置付けられる、単一メタ光学系の概略図を提供する。
【0031】
図1B図1Bは、実施形態による、直接、背面側発光型VCSELアレイダイに統合され、モノリシックユニットを作っている、単一メタ光学系の概略図を提供する。
【0032】
図1C図1Cは、実施形態による、正面側発光型VCSELアレイダイに統合される、メタ光学系の概略図を提供する。
【0033】
図2図2は、実施形態による、単一メタ光学系が生成する、完全機能の概略図を提供する。
【0034】
図3図3は、実施形態による、全3つの機能を単一平面層内で組み合わせる、メタ光学系のための例示的設計パラメータのセットを提供する。
【0035】
図4図4は、実施形態による、メタ光学系の投影レンズ機能の光線トレースを提供する。
【0036】
図5図5は、実施形態による、メタ光学系ドットパターンプロジェクタのIFOVのために設計されるパターンの実施例を提供する。
【0037】
図6図6は、実施形態による、メタ光学系ダイの上面図を提供する。
【0038】
図7図7は、実施形態による、単一メタ光学系ドットパターンプロジェクタの概略側面図を提供する。
【0039】
図8図8は、実施形態による、計算されたメタ光学系寸法の実施例を提供する。
【0040】
図9図9は、長方形構成を伴うメタ表面柱を含む、メタ表面の断面図を図示する。
【0041】
図10図10は、歪曲構成を伴うメタ表面柱を含む、メタ表面の断面図を図示する。
【0042】
図11図11は、実施形態による、単一メタ光学系ドットパターンプロジェクタによって形成されるドットパターンの測定を提供する。
【0043】
図12図12は、実施形態による、単一メタ光学系によって形成されるドットパターンを提供する。
【0044】
図13A図13Aは、実施形態による、メタ表面チップのためのタイリングパターンの実施例を提供する。
【0045】
図13B図13Bは、長方形タイリングパターンを伴うメタ表面チップからの例示的出力を図示する。
【0046】
図13C図13Cは、六角形タイリングパターンを伴うメタ表面チップからの例示的出力を図示する。
【0047】
図14図14は、実施形態による、区画化されたメタ光学系ドットパターンプロジェクタの概略図を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0048】
発明の詳細な説明
ここで図面に目を向けると、本明細書に開示されるものは、メタ表面(時として、メタ光学系と呼ばれる)を伴う、単一要素ドットパターンプロジェクタである。多くの実施形態は、それらが、システムを有意に簡略化しながら、ドットプロジェクタモジュールの性能を最適化することに関するように、平坦メタ光学系の種々の実装を説明する。付加的実施形態では、メタ光学系によって可能にされる設計は、メタ光学系を統合する一意の方法と、ドットパターンに追加され得る、一意の機能性とにつながる。種々の実施形態はまた、VCSELアレイを源として伴う、ドットパターンを形成することに関するが、しかしながら、実施形態はまた、様々な異なるレーザ光源に適用可能であることが認識されるであろう。例えば、レーザ光源は、ソリッドステートレーザまたは任意のレーザシステムおよび光学系であってもよい。
【0049】
実施形態による、平坦メタ光学系の使用は、システムが、単一要素のみを用いて、物体空間内で(例えば、VCSEL開口の平面において)テレセントリックとなり、VCSEL開口を無限遠に投影することを可能にする。種々の実施形態では、メタ光学系は、位相プロファイルの半径方向拡張として説明される、比較的に単純位相プロファイルを付与するように設計されることができる。実施形態はまた、多機能設計を単一メタ光学系に追加することが可能である。そのような多機能設計は、光学系が、3つまたはそれを上回る機能を単一メタ表面層の中に付与することを可能にする。
【0050】
例示的実施形態では、レンズ機能は、同一メタ表面層内で、各単一VCSEL開口のM個の複製を作る回折機能として付与される。これは、レンズ機能が、別個の屈折要素によって付与され得、複製機能が、回折光学要素(DOE)によって付与される、既存のドットパターンプロジェクタと対照的である。いくつかの実施形態では、レンズ機能は、単一メタ表面内で組み合わせられてもよく、これはまた、比較的に狭い視野(内側視野、すなわち、IFOV)にわたって、VCSEL開口のN個の複製を生成する、第1の回折機能と、より大きい視野(外側視野、すなわち、OFOV)にわたって、IFOVパターンのP個の複製をさらに作る第2の回折機能とを有する。そのような実施形態では、VCSELアレイが、Q個の開口から成る場合、単一メタ光学系は、遠距離場において、Q×N×P個のコリメートされた光の点を生成し得る。屈折レンズ機能と回折レンズ機能を単一メタ表面層の中に組み合わせる結果として、ドットパターンプロジェクタのための全ての光学機能が、同一平面に付与され得、これは、VCSELの平面から1つの焦点距離をもたらし得る。
【0051】
標準的ドットパターンプロジェクタ内の屈折レンズの本排除は、メタ光学系と下層VCSELアレイの一意の統合を提供する。典型的ドットプロジェクタモジュールは、空気間隙をVCSELアレイと屈折レンズとの間に含む。しかしながら、本明細書に説明される実施形態では、メタ光学系は、直接、VCSELアレイチップと統合され、モノリシックモジュールを作ることができる。そのような直接統合は、正面側発光型VCSELを用いて遂行されることができる。エポキシが、メタ光学系ダイをVCSELアレイに固着させるために利用され得る。いくつかの実施形態では、メタ光学系は、背面側発光型VCSELアレイ上に統合されることができる。本実装では、統合は、酸化物接合、層転写プロセスを通して、または光学的に透明なエポキシを用いて、遂行されてもよい。
【0052】
多くの実施形態では、平坦メタ光学系は、VCSELから、メタ表面チップ上のメタ表面要素の背面焦点距離に等しい、距離にある。したがって、そのようなデバイスでは、コリメートレンズの増倍機能および焦点距離は、共平面にあり得る。例えば、両機能は、VCSELアレイから同一距離において、単一メタ表面内に付与されてもよい。これは、標準的ドットパターンプロジェクタと対照的である。標準的ドットパターンプロジェクタでは、コリメートレンズの焦点距離は、増倍機能と異なる平面にあり得る。例えば、レンズ機能は、VCSELアレイ平面から離れるような焦点距離の距離にあり得る一方、増倍機能を付与する、回折光学要素は、屈折レンズから付加的変位にあって、屈折レンズと別個の平面にあり得る。さらに、本明細書に説明される実施形態と対照的に、標準的ドットパターンプロジェクタでは、回折光学要素(DOE)(例えば、パターン増倍を実施する光学系)上に入射する光は、別個の屈折レンズまたは複数のレンズによって、すでにコリメートされている場合がある。しかしながら、単一メタ光学系ドットパターンプロジェクタに関して、光がメタ光学系上に入射することに先立って、他のコリメートまたはレンズ効果要素が存在しないため、メタ光学系(また、増倍機能の平面でもある)上に入射する光は、VCSELと同一発散角度を伴って発散し得、光の主光線角度は、メタ光学系に沿った全ての点において、0度であり得る。メタ光学系上に入射する光は、メタ光学系上に入射することに先立って、別個にコリメートされ得ない。
【0053】
いくつかの実施形態では、単一メタ光学系ドットプロジェクタは、従来のプロジェクタと比較して、大モジュール視野(FOV)を含んでもよい。本実施例では、対角線モジュールFOVは、150度と同程度の大きさであり得る。平坦光学系の含有は、メタ光学系ドットプロジェクタが、光を高角度で屈曲させることを可能にし得る。光が、高角度に屈曲するにつれて、マルチレベルDOEは、異なる物理的高さによって引き起こされる、有意なビネッティングを有し得る。マルチレベルDOEと対照的に、メタ光学系は、単一物理的高さのみを有し得る。
【0054】
メタ光学系を伴う、ドットプロジェクタを実装することはまた、付加的一意の機能性がデバイスに付与されることを可能にする。標準的光学系を含む、従来のドットプロジェクタでは、投影されたドットパターン内のドットは、偏光され得ない、または全てのドットは、公称上、同一偏光(例えば、無優先偏光)を有し得る。いくつかの実施形態では、メタ光学系ドットパターンプロジェクタは、各個々のドットの偏光が制御されることを可能にし得る。そのような実施形態では、メタ表面ドットパターンプロジェクタは、VCSELアレイからの偏光されない、部分的に偏光される、または単一偏光の光入射のいずれかをとり、出射光を2つの恣意的直交偏光状態に変換する。いくつかの実施形態では、ドットパターンは、投影されたパターンの左および右半分のための2つの優先偏光に分離されてもよい。代替として、ドットまたは近隣ドットの全ての列は、反対偏光を有してもよい。ある具体的場合では、ドットの2つの偏光は、左および右旋偏光であってもよい。いくつかの実施形態では、メタ光学系は、出射光を2つを上回る偏光状態に変換してもよい。
【0055】
具体的には、構造化光用途におけるドットパターンプロジェクタの種々の実施形態では、ランダムまたは擬似ランダム出力パターンを場面上に投影させることが有利であり得る。そのようなランダム性は、VCSELアレイ内のVCSEL開口の設置の際にランダム分布を導入することを通して達成され得る。ドットパターンが、次いで、遠距離場において、VCSEL開口のランダムアレイを複製することを通して、発生され得る。本方法は、典型的には、従来のドットパターンプロジェクタにおいて使用される増倍DOEの機能性における限界のために実装される。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるメタ表面ドットプロジェクタは、単一平坦光学平面において、0~2piの光の位相の完全な制御を可能にする。これは、メタ表面が、0~2pi移相を生成するために、複数の物理的高さを下層構造内に要求する、対称パターンまたはマルチレベルDOEのみを生成し得る、バイナリ回折と比較して、非対称かつ恣意的パターンを付与することを可能にする。メタ光学系は、恣意的放射線パターンが異なる出射恣意的放射線パターンに変換されることを可能にする。したがって、単一メタ光学系がドットパターンプロジェクタにおいて使用される場合、VCSELアレイを使用して遠距離場にコリメートされたランダムドットアレイが、VCSEL開口の規則的グリッド(例えば、非ランダム)を用いて生成され得る。重要なこととして、メタ光学系は、遠距離場において、モジュールFOV全体を横断してランダムである、ドットパターンを生成することができる。従来のドットパターンプロジェクタでは、対照的に、各個々のタイルが、ドットのランダムアレイを有し得るが、そのランダムアレイが、繰り返され得る。
【0056】
従来のドットプロジェクタでは、所望のモジュールFOVおよびパターンが増倍され得る回数(例えば、遠距離場において生成されるドットの数)は、投影FOVを設定し得る。標準的近軸光学系からの本事実を受け、パターン複製の数は、モジュールの総トラック長を設定し得る。いくつかの実施形態では、単一メタ光学系は、規則的VCSELアレイを、直接、遠視野パターンに変換し得、これは、本限定を除去し得る。代わりに、モジュールFOVは、直接、総トラック長を設定し、有意により薄いモジュールを可能にし得る。
【0057】
ある実施形態では、投影されたドットパターンが、ある角度方向に沿って歪曲されることが望ましくあり得る。具体的には、標準的ドットプロジェクタの視野は、光学軸を中心として対称であり得る。しかしながら、ある実施形態では、ドットプロジェクタの光学軸が物体の平面に直交しない場合を、機械的にではなく、光学的に補償することが望ましくあり得る。いくつかの実施形態では、メタ光学系ドットパターンプロジェクタは、レンズおよびパターン増倍機能に加え、付加的線形位相機能、例えば、φ(x)=Axを含んでもよく、xは、デカルト座標であって、Aは、位相定数である。再び、標準的ドットプロジェクタから、そのような非対称は、導入されることができない。しかしながら、実施形態による、単一メタ光学系アプローチを用いることで、出射FOVに対して恣意的非対称性を伴う設計が、含まれることができる。
【0058】
実施形態による、メタ光学系アプローチの一般的設計自由度はまた、一意の側面がドットパターン自体の個々のタイル上に付与されることを可能にする。具体的には、メタ光学系可能投影は、各タイルが、異なる焦点距離、ドットサイズ、一意の波面、または波面に対する傾斜を有することを可能にすることができる。そのような自由度は、視野内のより小さい角度内のものと比較して、モジュール視野内のより大きい角度において、タイルの一意の最適化を可能にする。各個々のタイルを最適化するための能力はまた、各タイルが、一意のパターンを内側視野上に有することを可能にする。これは、例えば、照明野内の異なる領域において、ドット密度を一意に規定することを可能にする。
【0059】
例示的実施形態
以下の実施形態は、実施例として提供され、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0060】
図1Aは、本発明のある実施形態による、単一メタ光学系ドットプロジェクタを図示する。プロジェクタは、VCSEL104と、VCSEL104にわたって位置付けられる、メタ表面チップ102とを含む。間隙106が、VCSEL104からの光がメタ表面チップ102上の間隙106を通して出力されるように、VCSEL104とメタ表面チップ102との間に位置付けられる。間隙106は、空気であってもよい。メタ表面チップ102は、メタ表面を含んでもよく、これは、VCSEL104からの光の集束および倍増の両方を行い、ドットパターン108を生成する。VCSEL104は、正面側出力型VCSELであってもよい。
【0061】
図1Bは、本発明のある実施形態による、単一メタ光学系ドットプロジェクタを図示する。図1Bのプロジェクタの動作は、図1Aのものに類似する。VCSEL104aは、背面側出力型VCSELであってもよく、これは、光をVCSEL104aの背面側から外に出力し得る。メタ表面チップ102aは、基板を含んでもよく、これは、直接、VCSEL104aに接触してもよく、間隙をメタ表面チップ102aのメタ表面110aとVCSEL104aとの間に生成してもよい。
【0062】
図1Cは、本発明のある実施形態による、単一メタ光学系ドットプロジェクタを図示する。図1Cのプロジェクタの動作は、図1Bのものに類似する。さらに、図1Cのプロジェクタは、図1Bのプロジェクタと同じように付番された多くの構成要素を含む。これらの構成要素の説明は、詳細に繰り返されないであろう。VCSEL104は、図1Aに関連して説明されるプロジェクタに類似する、正面側出力型VCSELであってもよい。
【0063】
有利なこととして、メタ表面チップは、直接、背面側または正面側発光型VCSELアレイダイに統合され、モノリシックユニットを作ってもよい。VCSEL104、104aは、940±10nmまたは850±10nmの波長を伴う、光を出力してもよい。
【0064】
図2は、本発明のある実施形態による、単一メタ光学系ドットプロジェクタが生成する、完全機能の概略図を示す。単一メタ光学系のコリメーション機能は、ある水平視野(HFOV)を伴う、投影を生成し得る。メタ光学系はまた、内側水平視野(IHFOV)を伴う、内側ドットパターンを生成する。IHFOVは、概して、投影HFOVよりはるかに狭い。IHFOVおよび投影HFOVは、第3の機能、すなわち、タイリング機能によって、複製されてもよい。タイリングHFOVは、概略図上に示される。これら3つの機能の組み合わせは、ドットプロジェクタに、概略図上に示される、完全モジュールHFOVを与える。種々の実施形態では、これらの機能は全て、モジュール内の単一平面における単一メタ光学系によって達成され得る。図3は、実施形態による、全3つの機能を単一平面層内で組み合わせる、メタ光学系のための例示的設計パラメータのセットを示す。
【0065】
図4は、実施形態による、メタ光学系の投影レンズ機能の光線トレースを提供する。画像から分かるように、平坦メタ光学系を用いて、テレセントリック性能を達成することが可能である。これは、特に、高度な軸外コリメーションを達成する際、ドットプロジェクタの機能にとって重要である。レンズは、本実施例では、6次までの項のみを利用して、比較的に単純半径方向位相拡張を使用する。しかしながら、いくつかの実施形態では、より高次の項が、所望に応じて、追加されることができる。
【0066】
図5は、実施形態による、メタ光学系ドットパターンプロジェクタのIHFOVのために設計されるパターンの実施例を提供する。本実施例(限定ではなく、例証であることを意味する)では、IHFOVは、3×5回折次数の回折グリッドを選定することによって達成され得る。本グリッド内では、ある次数は、「オン」であるように設計され、ある次数は、「オフ」であるように設計され、「オン」である、グリッドは、ある光の強度を有し、「オフ」である、グリッドは、実質的に殆どまたは理想的には全く光強度を有しないであろう。ある実施形態では、「オン」次数に対してある回転対称性が存在することが有利であり得る。そのような対称性は、迷光を最小限にし、ドットコントラストを増加させる等のある重要な性能メトリックを助長する。
【0067】
図6は、本発明のある実施形態による、メタ表面チップの上面図の概略図である。概して、半径方向に対称である、従来の屈折レンズと異なり、メタ表面チップは、正方形または長方形形状であってもよい。メタ表面チップ600は、境界604によって囲繞される、アクティブエリア602を含んでもよい。アクティブエリア602は、種々のメタ表面要素を含んでもよい。メタ表面チップはまた、配向および整合基点マーク606を含んでもよく、これは、チップの製造の間に使用されてもよい。アクティブエリア602は、X寸法MSxと、Y寸法MSyとを含んでもよい。MSxおよびMSyは、VCSEL発散および総トラック長(TTL)によって決定されることができる。
【0068】
メタ表面要素は、高屈折率構造を含んでもよく、これは、基板上に組み込まれる。メタ表面要素は、高屈折率構造であってもよく、これは、誘電材料内に埋設される。例えば、メタ表面要素は、低屈折率誘電体(例えば、SiO)内に埋設される、高屈折率誘電体(例えば、シリコン)を含んでもよい。高屈折率構造は、柱であってもよく、これは、基板上に位置付けられる。柱は、円形、長方形、および/または十字形を含む、多数の断面を有してもよい。柱は、高縦横比を有してもよい。柱は、600nm~800nmの高さを有してもよい。いくつかの実施形態では、柱は、約700nmの高さを有してもよい。柱の直径は、80nm~300nmであってもよい。メタ表面要素の実施例は、「Transmissive Metasurface Lens Integration」と題され、2018年8月31日に出願された、米国特許公開第2019/0064532号(あらゆる目的のために、参照することによってその全体として組み込まれる)に開示される。いくつかの実施形態では、反射防止性層が、メタ表面要素の上方および/または下方に位置付けられてもよい。
【0069】
図7は、図6のメタ表面チップ600を含む、単一メタ光学系ドットパターンプロジェクタの概略側面図を提供する。プロジェクタは、VCSELアレイ702を含み、これは、発散角度θを含む、あるビーム幅を伴う、光を放出する。VCSEL702は、焦点距離に等しくあり得る、メタ表面チップの背面焦点距離Cに等しい距離だけ、メタ表面チップから離間されてもよい。背面焦点距離Cを前提として、VCSEL発散角度θおよびVCSELアレイ寸法VCSELxは、メタ表面チップ600に関するある寸法をもたらし得る。これらの寸法は、以下の方程式によって計算されてもよい。
【化5】
Bは、メタ表面チップ600の整合公差であり得、これは、25μmであり得る。発散角度θは、VCSELパワーが総パワーの0.5%未満まで降下する、周角であり得る。MSxは、x方向におけるメタ表面チップのアクティブエリアの幅であり得る。VCSELxは、x方向における光源の幅であり得る。Aは、x方向におけるVCSELxを超える光源ビームの推定されるサイズであり得る。Borderは、x方向における光源ビームの推定されるサイズを超えるチップのサイズである。
【0070】
VCSELアレイ702の寸法は、一意のマッピングをメタ表面チップ600寸法に提供し得る。あるメタ表面チップ600寸法が、メタ表面チップ600上に当たる、光の量を最大限にするように選定され得るが、寸法はまた、VCSELアレイ702から喪失され、ドットパターンに投影されない、パワーを犠牲にして、より小さいメタ光学系サイズを生成するために、より実質的に小さく作製されることもできる。図から分かるように、従来のドットパターンプロジェクタと異なり、増倍機能の平面上に入射する光は、発散角度θによって発散され得る。図8は、実施形態による、計算されたメタ表面チップ600寸法の実施例を提供する。
【0071】
メタ表面は、格子またはピッチを有してもよい。単位セルが、メタ表面の単一柱として画定されてもよく、柱は、単位セル格子またはピッチによって、中心間で離間されてもよい。柱の直径は、変動してもよく、これは、メタ表面に、その機能を与える。一般に、2つの基本ベクトルが、メタ表面がその上に画定される、格子を画定する。間隔またはピッチは、λ/2のサブ波長であってもよい。スーパーセルが、メタ表面のタイリング機能を画定することに役立ち、同様に、基本ベクトルによって画定される。標的回折角度を前提として、スーパーセル基本ベクトルは、標的波ベクトルの逆格子ベクトルである。標的回折角度は、標的波ベクトルであってもよい。
【0072】
単位セルピッチは、単位セルの整数倍が標的回折角度ピッチに等しくなるように選定されてもよい。最も単純な場合では、これは、以下の方程式を充足する。
【化6】
Nは、整数値である。latticeunitcellは、単位セル格子であって、latticesuepercellは、標的回折角度格子である。回折格子方程式を通した場合、latticesuepercellは、以下の方程式を通して、標的角度から計算されることができる。
【化7】
nは、媒体の屈折率であって、λは、設計波長であって、θtargetは、標的回折角度である。一般的場合では、より高次の回折角度が、以下の方程式が充足されるように、標的化され得る。
【化8】
Mは、整数であって、これは、標的化された回折次数を標識する。
【0073】
単位セルは、2D格子上にあるため、概して、格子スーパーセル制約は、以下の方程式が充足されるように、充足され得る。
【化9】
格子ベクトルは、直交しない、またはxまたはy方向に整合され得ない。N1、N2、N3、およびN4は全て、整数である。
【0074】
長方形の場合、単位セル格子は、それぞれ、整数倍(4、0)および(0、3)を用いて、(1,600nm、0nm)および(0nm、900nm)のスーパーセル格子にマッピングされる、(400nm、0nm)および(0nm、300nm)であり得る。図9は、長方形構成を伴う、メタ表面柱を含む、メタ表面の断面図を図示する。図示されるように、単位セル格子902は、(400nm、0nm)および(0nm、300nm)であり得、スーパーセル格子904は、(1,600nm、0nm)および(0nm、900nm)であり得る。整数倍は、それぞれ、(4、0)および(0、3)であり得る。
【0075】
歪曲の場合、単位セルは、それぞれ、(4、0)および(-1、4)の整数倍を用いて、(1,600nm、0nm)および(0nm、800nm)のスーパーセル格子にマッピングされる、(400nm、0nm)および(100nm、200nm)であり得る。図10は、歪曲構成を伴う、メタ表面柱を含む、メタ表面の断面図を図示する。図示されるように、単位セル格子1002は、(400nm、0nm)および(100nm、200nm)であり得、スーパーセル格子1004は、(1,600nm、0nm)および(0nm、800nm)であり得る。整数倍は、それぞれ、(4、0)および(-1、4)であり得る。
【0076】
図11は、実施形態による、本明細書に説明される単一メタ光学系ドットパターンプロジェクタによって形成される、ドットパターンの例示的測定を図示する。差込図画像は、投影されたドットパターンの中心領域の拡大図を示す。そのようなドットプロジェクタは、有意により少ない開口を用いてVCSELアレイから投影される、40,000~50,000個の個々のドットを有し得る。ドットパターンは、この場合は、典型的には、構造化光用途において使用されるように投影される、ドットのランダムアレイである。
【0077】
図12は、実施形態による、本明細書に説明される単一メタ光学系ドットパターンプロジェクタによって形成される、例示的ドットパターンを図示する。ドットパターンは、ここでは、有意により少ないドットを用いてVCSELアレイから投影される、約1,000個の一意のドットを伴う、ドットの規則的アレイである。そのようなドットパターンは、飛行時間カメラ等の種々の用途において使用されてもよい。
【0078】
図13Aは、実施形態による、メタ表面チップのためのタイリングパターンの実施例を提供する。図示されるように、メタ表面チップは、六角形タイリングパターン1102を含んでもよい。長方形タイリングの代わりに、回折次数は、六角形アレイにタイリングされてもよい。VCSELチップがまた、六角形境界を有する場合、遠距離場において、ドットは、タイリングされてもよい。標準的ドットプロジェクタは、視野の縁において有意に歪曲された状態になる、光を投影し得る。角における光は、概して、画像センサ上に結像されず、したがって、浪費される。メタ光学系ドットパターンプロジェクタから、投影されたパターンは、投影された光のより大きい分率が画像センサ上に当たるであろうように、共有されることができる。
【0079】
図13Bは、長方形タイリングパターンを伴う、メタ表面チップからの例示的出力を図示する。出力は、ピンクッション歪曲を含み得る。出力は、画像センサ1104によって結像され得る。図示されるように、画像センサ1104を越えて進む、浪費される光1106が、存在し得る。図13Cは、六角形タイリングパターンを伴う、メタ表面チップからの例示的出力を図示する。例示的六角形タイリングパターンは、図13Aに図示される。出力は、ピンクッション歪曲を含み得る。出力は、画像センサ1104によって結像され得る。図示されるように、画像センサ1104を越えて進む、浪費される光1106が、存在し得る。しかしながら、浪費される光1106は、図13Bに図示される長方形タイリングパターンを伴うメタ表面チップより小さくあり得る。タイリングおよび設計の思慮深い選択肢を用いることで、浪費される光1106は、最小限にされ得る。これは、固定されたサイズのレンズを有する、典型的ドットプロジェクタを用いることでは不可能であり得る。
【0080】
図14は、実施形態による、区画化されたメタ光学系ドットパターンプロジェクタの概略図を提供する。図示されるように、VCSELアレイは、基板1202と、メタ光学系マイクロレンズアレイ1204とを含む、メタ光学系に向かって、光を出力し得る。そのような場合、VCSEL光は、メタ光学系マイクロレンズアレイ1204上に入射する。しかしながら、本実施例では、メタ光学系マイクロレンズアレイ1204は、サブ区画1204aを用いて区画化されてもよい。各サブ区画は、具体的機能を出射波面に付与するように一意に設計されることができる。例えば、各サブ区画1204aは、付加的位相勾配を含み得、これは、出射光上に設置されることができる。そのような実装は、実質的により薄いモジュールにつながり得る。
【0081】
均等論
故に、本発明は、ある具体的側面において説明されているが、多くの付加的修正および変形例が、当業者に明白となるであろう。したがって、本発明は、具体的に説明されたもの以外で実践され得ることを理解されたい。したがって、本発明の実施形態は、あらゆる点において、制限的ではなく、例証的と見なされるべきである。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14
【国際調査報告】