(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-11
(54)【発明の名称】抗体
(51)【国際特許分類】
C07K 16/28 20060101AFI20240604BHJP
C07K 16/46 20060101ALI20240604BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20240604BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20240604BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20240604BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20240604BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20240604BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240604BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240604BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20240604BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20240604BHJP
A61K 35/76 20150101ALI20240604BHJP
A61K 35/12 20150101ALI20240604BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240604BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240604BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240604BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240604BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20240604BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20240604BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20240604BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20240604BHJP
A61P 17/14 20060101ALI20240604BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
C07K16/28 ZNA
C07K16/46
C12N15/13
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61K39/395 N
A61K31/7088
A61K48/00
A61K35/76
A61K35/12
A61P29/00
A61P17/00
A61K45/00
A61P43/00 121
A61P37/02
A61P19/02
A61P37/08
A61P11/06
A61P17/14
A61P17/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572771
(86)(22)【出願日】2022-05-20
(85)【翻訳文提出日】2024-01-23
(86)【国際出願番号】 GB2022051285
(87)【国際公開番号】W WO2022248839
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】507226592
【氏名又は名称】オックスフォード ユニヴァーシティ イノヴェーション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100122301
【氏名又は名称】冨田 憲史
(74)【代理人】
【識別番号】100170520
【氏名又は名称】笹倉 真奈美
(74)【代理人】
【識別番号】100221545
【氏名又は名称】白江 雄介
(72)【発明者】
【氏名】オッグ,グレアム
(72)【発明者】
【氏名】ハードマン,クレア
(72)【発明者】
【氏名】チェン,イー-リン
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C085
4C086
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA01X
4B065AA57X
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4B065AA87X
4B065AA92Y
4B065AA94Y
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4H045AA11
4H045AA30
4H045BA57
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4H045EA20
4H045EA28
4H045EA50
4H045EA51
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、CD1aに結合可能な抗体またはその抗原結合断片であって、1つもしくは複数の炎症性皮膚もしくは粘膜障害、または1つもしくは複数の関連する全身性疾患もしくは障害、または1つもしくは複数の全身的に現れる炎症性薬物反応、またはCD1a発現悪性疾患の治療または予防に特に適する、抗体またはその抗原結合断片に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つもしくは複数の炎症性皮膚もしくは粘膜疾患もしくは障害、または1つもしくは複数の関連する全身性疾患もしくは障害、または1つもしくは複数の全身的に現れる炎症性薬物反応、または1つもしくは複数のCD1a発現悪性疾患の治療または予防における使用のための、CD1aに結合する抗体またはその抗原結合断片。
【請求項2】
a)配列番号35もしくはそれに対して少なくとも80%の同一性を有する配列のCDR3を含む重鎖可変領域、および/または配列番号38もしくはそれに対して少なくとも80%の同一性を有する配列のCDR3を含む軽鎖可変領域、あるいは
b)配列番号3もしくはそれに対する少なくとも80%の同一性を有する配列の相補性決定領域CDR3を含む重鎖可変領域、および/または配列番号6もしくはそれに対して少なくとも80%の同一性を有する配列のCDR3を含む軽鎖可変領域、あるいは
c)配列番号11もしくはそれに対して少なくとも80%の同一性を有する配列のCDR3を含む重鎖可変領域、および/または配列番号14もしくはそれに対して少なくとも80%の同一性を有する配列のCDR3を含む軽鎖可変領域、あるいは
d)配列番号19もしくはそれに対して少なくとも80%の同一性を有する配列のCDR3を含む重鎖可変領域、および/または配列番号22もしくはそれに対して少なくとも80%の同一性を有する配列のCDR3を含む軽鎖可変領域、あるいは
e)配列番号27もしくはそれに対して少なくとも80%の同一性を有する配列のCDR3を含む重鎖可変領域、および/または配列番号30もしくはそれに対して少なくとも80%の同一性を有する配列のCDR3を含む軽鎖可変領域
を含む、抗体またはその抗原結合断片。
【請求項3】
a)配列番号33のCDR1、
配列番号34のCDR2、および
配列番号35のCDR3、
もしくはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列
を含む重鎖可変領域、ならびに/または
配列番号36のCDR1、
配列番号37のCDR2、および
配列番号38のCDR3、
もしくはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列
を含む軽鎖可変領域、あるいは
b)配列番号1のCDR1、
配列番号2のCDR2、および
配列番号3のCDR3、
もしくはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列
を含む重鎖可変領域、ならびに/または
配列番号4のCDR1、
配列番号5のCDR2、および
配列番号6のCDR3、
もしくはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列
を含む軽鎖可変領域、あるいは
c)配列番号9のCDR1、
配列番号10のCDR2、および
配列番号11のCDR3、
もしくはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列
を含む重鎖可変領域、ならびに/または
配列番号12のCDR1、
配列番号13のCDR2、および
配列番号14のCDR3、
もしくはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列
を含む軽鎖可変領域、あるいは
d)配列番号17のCDR1、
配列番号18のCDR2、および
配列番号19のCDR3、
もしくはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列
を含む重鎖可変領域、ならびに/または
配列番号20のCDR1、
配列番号21のCDR2、および
配列番号22のCDR3、
もしくはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列
を含む軽鎖可変領域、あるいは
e)配列番号25のCDR1、
配列番号26のCDR2、および
配列番号27のCDR3、
もしくはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列
を含む重鎖可変領域、ならびに/または
配列番号28のCDR1、
配列番号29のCDR2、および
配列番号30のCDR3、
もしくはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列
を含む軽鎖可変領域
を含む、抗体またはその抗原結合断片。
【請求項4】
e)配列番号39を含むかもしくはそれからなる重鎖可変領域、および/または配列番号40を含むかもしくはそれからなる軽鎖可変領域
あるいはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列、あるいは
b)配列番号7を含むかもしくはそれからなる重鎖可変領域、および/または配列番号8を含むかもしくはそれからなる軽鎖可変領域
あるいはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列、あるいは
c)配列番号15を含むかもしくはそれからなる重鎖可変領域、および/または配列番号16を含むかもしくはそれからなる軽鎖可変領域
あるいはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列、あるいは
d)配列番号23を含むかもしくはそれからなる重鎖可変領域、および/または配列番号24を含むかもしくはそれからなる軽鎖可変領域
あるいはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列、あるいは
e)配列番号31を含むかもしくはそれからなる重鎖可変領域、および/または配列番号32を含むかもしくはそれからなる軽鎖可変領域
あるいはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列
を含む、抗体またはその抗原結合断片。
【請求項5】
a)配列番号49を含むかもしくはそれからなる重鎖、および/または配列番号50を含むかもしくはそれからなる軽鎖、
あるいはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列、あるいは
b)配列番号41を含むかもしくはそれからなる重鎖、および/または配列番号42を含むかもしくはそれからなる軽鎖、
あるいはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列、あるいは
c)配列番号43を含むかもしくはそれからなる重鎖、および/または配列番号44を含むかもしくはそれからなる軽鎖、
あるいはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列、あるいは
d)配列番号45を含むかもしくはそれからなる重鎖、および/または配列番号46を含むかもしくはそれからなる軽鎖、
あるいはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列、あるいは
e)配列番号47を含むかもしくはそれからなる重鎖、および/または配列番号48を含むかもしくはそれからなる軽鎖、
あるいはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列
を含む、抗体またはその抗原結合断片。
【請求項6】
ScFvまたは他の修飾フォーマットを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項7】
安定化および/または半減期を延長するように修飾し、前記修飾が、PEG化であってもよい、請求項1から6のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項8】
ヒト化抗体またはその抗原結合断片である、請求項1から7のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項9】
ヒトIgG1アイソタイプもしくはヒトIgG4アイソタイプまたは他の天然もしくは修飾アイソタイプである、請求項1から8のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項10】
二特異性または多特異性抗体またはその抗原結合断片である、請求項1から9のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合断片をコードする核酸。
【請求項12】
請求項11に記載の核酸を含むベクター。
【請求項13】
発現ベクター、プラスミド、またはウイルスベクターである、請求項12に記載のベクター。
【請求項14】
請求項1から10のいずれか一項に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、請求項11に記載の核酸、および/または請求項12もしくは請求項13に記載のベクターを含む、宿主細胞。
【請求項15】
細菌細胞または哺乳動物細胞である、請求項14に記載の宿主細胞。
【請求項16】
請求項1から10のいずれか一項に記載の1つもしくは複数の抗体もしくはその抗原結合断片、請求項11に記載の核酸、請求項12もしくは請求項13に記載のベクター、および/または請求項14もしくは請求項15に記載の宿主細胞を含む、医薬組成物。
【請求項17】
医学における使用のための、請求項2から10のいずれか一項に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、請求項11に記載の核酸、請求項12もしくは請求項13に記載のベクター、請求項14もしくは請求項15に記載の宿主細胞、または請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
1つもしくは複数の炎症性皮膚もしくは粘膜疾患もしくは障害、または1つもしくは複数の関連する全身性疾患もしくは障害、または1つもしくは複数の全身的に現れる炎症性薬物反応、またはCD1a発現悪性疾患の治療または予防における使用のための、請求項2から10のいずれか一項に記載の1つもしくは複数の抗体もしくはその抗原結合断片、請求項11に記載の1つもしくは複数の核酸、請求項12もしくは請求項13に記載の1つもしくは複数のベクター、請求項14もしくは請求項15に記載の1つもしくは複数の宿主細胞、または請求項16に記載の1つもしくは複数の医薬組成物。
【請求項19】
2つの抗体またはその抗原結合断片を含むかまたはそれらからなり、それぞれが、
a)配列番号33のCDR1、配列番号34のCDR2、および配列番号35のCDR3、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列
を含む重鎖可変領域と、
配列番号36のCDR1、配列番号37のCDR2、および配列番号38のCDR3、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列
を含む軽鎖可変領域と
を有する、第1の抗体またはその抗原結合断片、ならびに
配列番号1のCDR1、配列番号2のCDR2、および配列番号3のCDR3、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列
を含む重鎖可変領域と、
配列番号4のCDR1、配列番号5のCDR2、および配列番号6のCDR3、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列
を含む軽鎖可変領域と
を有する、第2の抗体またはその抗原結合断片、あるいは
b)配列番号39を含むかもしくはそれからなる重鎖可変領域、および配列番号40を含むかもしくはそれからなる軽鎖可変領域、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列を有する、第1の抗体またはその抗原結合断片、ならびに
配列番号7を含むかもしくはそれからなる重鎖可変領域、および配列番号8を含むかもしくはそれからなる軽鎖可変領域、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列を有する、第2の抗体またはその抗原結合断片、あるいは
c)配列番号49を含むかもしくはそれからなる重鎖、および配列番号50を含むかもしくはそれからなる軽鎖、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列を有する、第1の抗体またはその抗原結合断片、ならびに
配列番号41を含むかもしくはそれからなる重鎖、および配列番号42を含むかもしくはそれからなる軽鎖、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列を有する、第2の抗体またはその抗原結合断片
を含むかまたはそれからなる、請求項18に記載の使用のための1つまたは複数の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項20】
a)1つまたは複数の炎症性皮膚または粘膜疾患または障害が、
i)好中球優勢皮膚疾患、例えば、ざ瘡、汎発性膿疱性乾癬、尋常性乾癬、滴状乾癬、掌蹠膿疱症、SAPHO症候群、急性熱性好中球性皮膚症(スイート症候群)、組織球様好中球性皮膚炎、手背部好中球性皮膚症、壊疽性膿皮症、好中球性エクリン汗腺炎、化膿性汗腺炎、持久性隆起性紅斑、ベーチェット病、腸関連皮膚炎・関節炎症候群、他の感染症に関連する炎症、好中球性蕁麻疹様皮膚症、柵状好中球性肉芽腫性皮膚炎、ほ行性迂回状紅斑、好中球性環状紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)、血管炎他;
ii)自己免疫障害、例えば、結合組織疾患(例えば、ループス、皮膚筋炎、強皮症/全身性硬化症、チャーグ・ストラウス症候群)、脂肪織炎、血管炎、自己免疫性水疱形成症状(例えば、水疱性類天疱瘡、天疱瘡、線状IgA病)、ヘルペス状皮膚炎、セリアック病、一部の自己炎症性疾患、白斑、円形脱毛症、汎発性脱毛症、全頭脱毛症、脂肪織炎、扁平苔癬、多形性紅斑、硬化性苔癬、他の苔癬状および多形性紅斑様疾患、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患、関節リウマチ、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群、横断性脊髄炎、甲状腺炎、神経変性他;
iii)肥満細胞障害および好酸球性障害、例えば、マックル・ウェルズ症候群、好酸球増加および全身性症候症候群、蕁麻疹、血管浮腫、角結膜炎、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎を含む他のアレルギーまたはアトピー、鼻炎、結膜炎、喘息、好酸球性食道炎および他の好酸球性粘膜疾患、接触性皮膚炎他;
iv)移植片対宿主病;ならびに
v)スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症、薬物反応による好酸球増加および全身性症候症候群(DRESS)と急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)、多形性紅斑、水疱性疾患、固定薬疹、ならびに炎症性皮膚または粘膜疾患または障害として現れる他の薬物反応を含む、炎症性皮膚または粘膜疾患または障害として現れる他の薬物反応
の1つまたは複数であるか、あるいは
b)1つもしくは複数の関連する全身性疾患もしくは障害、または1つもしくは複数の全身的に現れる炎症性薬物反応が、アルダラ(イミキモド)に対する炎症性反応であるか、あるいは
c)CD1a発現悪性疾患が、ランゲルハンス細胞組織球症、T細胞リンパ腫または胸腺腫の1つまたは複数である、
請求項18または請求項19に記載の使用のための、1つもしくは複数の抗体もしくはその抗原結合断片、核酸、ベクター、宿主細胞、または医薬組成物。
【請求項21】
1つまたは複数の炎症性皮膚または粘膜疾患または障害が、乾癬、皮膚炎、エリテマトーデス、または炎症性皮膚もしくは粘膜疾患もしくは障害として現れる薬物反応の1つまたは複数である、請求項20に記載の使用のための、1つもしくは複数の抗体もしくはその抗体結合断片、核酸、ベクター、宿主細胞、または医薬組成物。
【請求項22】
その抗原結合断片、核酸、ベクター、宿主細胞、または医薬組成物が、単独で、または1つまたは複数の他の治療剤と組み合わせて投与されることを意図する、請求項14から21のいずれか一項に記載の使用のための、1つもしくは複数の抗体もしくはその抗原結合断片、核酸、ベクター、宿主細胞、または医薬組成物。
【請求項23】
1つまたは複数の他の治療剤が、細胞毒性物質、抗炎症物質、例えば、ステロイド、およびCAR-T細胞、例えば、調節性もしくは細胞溶解性CAR-T細胞、または請求項1から10のいずれか一項に記載の1つもしくは複数の抗体もしくは抗原結合断片を発現もしくは提示する他の細胞を含む群から選択される、請求項22に記載の使用のための、1つもしくは複数の抗体もしくはその抗原結合断片、核酸、ベクター、宿主細胞、または医薬組成物。
【請求項24】
1つもしくは複数の炎症性皮膚もしくは粘膜疾患もしくは障害、または1つもしくは複数の関連する全身性疾患もしくは障害、または1つもしくは複数の全身的に現れる炎症性薬物反応、または1つもしくは複数のCD1a発現悪性疾患の治療または予防のための医薬の製造における、請求項2から10のいずれか一項に記載の1つもしくは複数の抗体もしくはその抗原結合断片、請求項11に記載の核酸、請求項12もしくは請求項13に記載のベクター、請求項14もしくは請求項15に記載の宿主細胞、または請求項16に記載の医薬組成物の使用。
【請求項25】
1つまたは複数の抗体またはその抗原結合断片が、2つの抗体またはその抗原結合断片を含むかまたはそれらからなり、それぞれが、
a)配列番号33のCDR1、配列番号34のCDR2、および配列番号35のCDR3、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列
を含む重鎖可変領域と、
配列番号36のCDR1、配列番号37のCDR2、および配列番号38のCDR3、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列
を含む軽鎖可変領域と
を有する、第1の抗体またはその抗原結合断片、ならびに
配列番号1のCDR1、配列番号2のCDR2、および配列番号3のCDR3、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列
を含む重鎖可変領域と、
配列番号4のCDR1、配列番号5のCDR2、および配列番号6のCDR3、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列
を含む軽鎖可変領域と
を有する、第2の抗体またはその抗原結合断片、あるいは
b)配列番号39を含むかもしくはそれからなる重鎖可変領域、および配列番号40を含むかもしくはそれからなる軽鎖可変領域、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列を有する、第1の抗体またはその抗原結合断片、ならびに
配列番号7を含むかもしくはそれからなる重鎖可変領域、および配列番号8を含むかもしくはそれからなる軽鎖可変領域、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列を有する、第2の抗体またはその抗原結合断片、あるいは
c)配列番号49を含むかもしくはそれからなる重鎖、および配列番号50を含むかもしくはそれからなる軽鎖、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列を有する、第1の抗体またはその抗原結合断片、ならびに
配列番号41を含むかもしくはそれからなる重鎖、および配列番号42を含むかもしくはそれからなる軽鎖、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列を有する、第2の抗体またはその抗原結合断片
を含むかまたはそれからなる、請求項24に記載の使用。
【請求項26】
有効量の請求項2から10のいずれか一項に記載の1つもしくは複数の抗体もしくはその抗原結合断片、請求項11に記載の核酸、請求項12もしくは請求項13に記載のベクター、請求項14もしくは請求項15に記載の宿主細胞、または請求項16に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、対象における1つもしくは複数の炎症性皮膚もしくは粘膜疾患もしくは障害、または1つもしくは複数の関連する全身性疾患もしくは障害、または1つもしくは複数の全身的に現れる炎症性薬物反応、または1つもしくは複数のCD1a発現悪性疾患を治療する方法。
【請求項27】
1つまたは複数の抗体またはその抗原結合断片が、2つの抗体またはその抗原結合断片を含むかまたはそれらからなり、それぞれが、
a)配列番号33のCDR1、配列番号34のCDR2、および配列番号35のCDR3、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列
を含む重鎖可変領域と、
配列番号36のCDR1、配列番号37のCDR2、および配列番号38のCDR3、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列
を含む軽鎖可変領域と
を有する、第1の抗体またはその抗原結合断片、ならびに
配列番号1のCDR1、配列番号2のCDR2、および配列番号3のCDR3、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列
を含む重鎖可変領域と、
配列番号4のCDR1、配列番号5のCDR2、および配列番号6のCDR3、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列
を含む軽鎖可変領域と
を有する、第2の抗体またはその抗原結合断片、あるいは
b)配列番号39を含むかもしくはそれからなる重鎖可変領域、および配列番号40を含むかもしくはそれからなる軽鎖可変領域、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列を有する、第1の抗体またはその抗原結合断片、ならびに
配列番号7を含むかもしくはそれからなる重鎖可変領域、および配列番号8を含むかもしくはそれからなる軽鎖可変領域、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列を有する、第2の抗体またはその抗原結合断片、あるいは
c)配列番号49を含むかもしくはそれからなる重鎖、および配列番号50を含むかもしくはそれからなる軽鎖、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列を有する、第1の抗体またはその抗原結合断片、ならびに
配列番号41を含むかもしくはそれからなる重鎖、および配列番号42を含むかもしくはそれからなる軽鎖、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列を有する、第2の抗体またはその抗原結合断片
を含むかまたはそれからなる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
i.対象から得られる生体試料を用意することと、
ii.治療前、または治療の合間、または治療が無い期間に対象から得られた試料においてCD1a発現細胞に対する請求項1から10のいずれか一項に記載の1つまたは複数の抗体または抗原結合断片の結合レベルを決定することと、
iii.治療後または治療の合間または治療が無い期間に腫瘍量、またはCD1a発現細胞に対する1つもしくは複数の本発明の抗体もしくは抗原結合断片の結合レベルが低下し、適宜、腫瘍量またはCD1a発現細胞に対する請求項2から10のいずれか一項に記載の1つもしくは複数の抗体もしくは抗原結合断片の結合レベルの低下が、25%以上である場合、治療が有効であるか、または病状が改善していると判定することと
を含む、CD1a発現悪性疾患であると診断された対象における治療有効性または病状を監視する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗体、ならびに炎症性皮膚および粘膜疾患もしくは障害、または関連する全身性疾患もしくは障害、または全身的に現れる炎症性薬物反応、またはCD1a発現悪性疾患の治療、予防または監視におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
抗原提示は、免疫系が感染症、組織の損傷および疾患を含む脅威を検出して、目的に応じた防御を編成する、宿主免疫の基本的柱の1つである。抗原提示は、特殊化した抗原提示細胞(APC)の表面上の提示分子による抗原の内部移行、プロセシングおよび呈示を包含する。抗原の提示は、抗原源を標的とする免疫応答の最適な活性化を達成し、脅威を除くために組織化される。抗原は、ペプチド、脂質および代謝物等を含む広範な分子を包含する。MHCIおよびMHCIIは、APCの表面上に発現するタンパク質であり、これらはペプチド抗原に結合し、大部分はCD8+T細胞およびCD4+T細胞にそれぞれ提示する。これらのT細胞サブセットは、細胞表面T細胞受容体(TCR)によるMHC結合ペプチド抗原の認識時に、それらのエフェクター機能を発揮するように誘導されて、病原体およびがんに対する免疫が可能となる。しかし、非侵害性抗原、例えば、アレルギー性疾患におけるアレルゲン、または自己免疫における自己タンパク質提示の調節不全により、宿主の損傷、炎症および疾患が引き起こされる。したがって、抗原提示経路の標的化は、結果として生じる免疫応答を調節する強力な手段である。
【0003】
CD1分子は、MHCIに構造的に似た抗原提示分子のファミリーを構成する。対照的に、CD1分子は相対的に非多形性であり、CD1抗原結合溝は、脂質種の提示を可能とする疎水性アミノ酸が濃縮されている。脂質は、宿主および病原体細胞膜の不可欠な成分を形成する重要な抗原であり、タンパク質由来のペプチド抗原よりも突然変異を受けにくい。CD1ファミリーは、細胞表面群1分子CD1a/b/cおよび群2CD1dおよび群3CD1eを構成する。CD1脂質提示およびT細胞応答の理解のほとんどは、部分的にはCD1dがマウスで正常に発現する唯一のCD1であるため、糖脂質結合CD1dの不変異ナチュラルキラーT細胞認識の研究によってもたらされた。CD1dおよびMHCI分子は、広く発現し、一方、MHCIIおよび群1のCD1発現は、相対的にAPCに制限される。しかし、このような分子の中でもユニークなCD1aは、皮膚および粘膜に対して高度に特異的である。CD1aは、皮膚の表皮および粘膜のランゲルハンス細胞(LC)により構成的に発現し(1)、ランゲリン(langerin)に加えてLCの同定マーカーとして一般に使用される。加えて、CD1aは、真皮樹状細胞のサブセット上に低レベルで発現し(2-4)、皮膚自然リンパ球系細胞(ILC)、特には、ILC2上で発現および上方制御され得る(5)。重要なことには、CD1aは、未成熟胸腺細胞の表面上に存在すると最初に記載されたが、発現は、T細胞成熟時に典型的に失われる(6)。皮膚におけるCD1aの高レベルの構成的発現は、健常および罹患ヒト皮膚におけるCD1a依存的監視およびT細胞活性化の重要な生理学的役割を示す。その上、アトピー性皮膚炎の皮膚におけるCD1a発現の上昇は、炎症性皮膚疾患におけるCD1a反応性T細胞集団の活性化向上の基礎をなし得る。
【0004】
マイコバクテリア脂質に基づく抗原を提示するCD1a、CD1bまたはCD1c分子により方向づけられるT細胞応答は、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)およびらい菌(Mycobacterium leprae)感染症に対するヒト免疫応答に意味づけられている。CD1a制限T細胞による他のさらに一般的な病原性または共生細菌脂質の認識は、進行中の研究の主題であり、一部のデータを本明細書において提示する。MHC制限T細胞によるペプチド抗原のTCR認識は一般に、ペプチド抗原に対して高度に特異的であるが、TCR認識のCD1による方法は、さらに多様であり、CD1a自己反応性T細胞の場合のように、高度な脂質特異的応答(7)、および直接的TCR-CD1相互作用により媒介される交差反応的または明らかな脂質非依存的シグナル伝達をも有する(8-10)。一部の場合では、CD1a自己反応性T細胞は、小型の疎水性宿主由来脂質の認識時に活性化され、この脂質は、CD1a抗原結合溝内に営巣して突出せず、TCRが脂質とではなくCD1aタンパク質それ自体と相互作用することが可能となる。この場合では、大型または帯電した頭部との脂質の結合により、自己反応性TCRおよびCD1aの間の相互作用が妨げられ、これによりT細胞活性化が妨げられる(11,12)。
【0005】
CD1aは、相対的に非多形性であり、このため、炎症性の皮膚および粘膜疾患および障害、例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬、エリテマトーデス、または関連する全身性疾患もしくは障害、または全身的に現れる炎症性薬物反応の予防および/または治療における集団規模での可能性が結果として存在し、この場合、CD1a発現樹状細胞サブセットの発生頻度が変更され、LCまたは応答するT細胞の遊走パターンが変更される(13-15)。その上、CD1aは、炎症性腸疾患、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群、甲状腺炎および神経変性を含む他の全身性障害に関連付けられている(Al-amodi Inflammatory Bowel Diseases 2018 24: 1225-1236;Caporale J Neuroimmunol 2006 177:112-8;Jamshidian Immunological Investigations 2010 3:874-889;Roura-Mir J Immunol 2005 174:3773-80;Wang Aging 2019 11: 4521-4535)。加えて、CD1aは、ランゲルハンス細胞組織球症、T細胞リンパ腫のサブセット、胸腺腫のサブセットを含む特定の悪性疾患および他の悪性疾患のまれな性状、例えば、肥満細胞症のサブセットにより発現し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、抗CD1a抗体を提供することである。このような抗体は、皮膚もしくは粘膜の炎症性疾患もしくは障害、例えば、乾癬、皮膚炎、エリテマトーデスまたは炎症性皮膚もしくは粘膜疾患もしくは障害として現れる薬物反応の治療または予防において特に有用である。また、このような抗体は、関連する全身性疾患もしくは障害、または全身的に現れる炎症性薬物反応の治療または予防において、またはCD1a発現悪性疾患の治療において有益であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ある態様では、CD1aに結合可能な抗体またはその抗原結合断片を本発明により提供する。抗体またはその抗原結合断片は、CD1aに特異的に結合し得る。抗体またはその抗原結合断片は、CD1aに優先的に結合し得る。抗体またはその抗原結合断片は、CD1aを発現する細胞の細胞死を誘導し得る。抗体またはその抗原結合断片は、CD1aに対するリガンドの結合を遮断し得る。
【0008】
抗体またはその抗原結合断片は、配列番号3またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列の相補性決定領域(CDR)3(CDR3)を含む重鎖可変領域を含んでもよく、および/あるいは
抗体またはその抗原結合断片は、配列番号6またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列のCDR3を含む軽鎖可変領域を含み得る。
【0009】
抗体またはその抗原結合断片は、配列番号11またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列のCDR3を含む重鎖可変領域を含んでもよく、および/あるいは
抗体またはその抗原結合断片は、配列番号14またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列のCDR3を含む軽鎖可変領域を含み得る。
【0010】
抗体またはその抗原結合断片は、配列番号19またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列のCDR3を含む重鎖可変領域を含んでもよく、および/あるいは
抗体またはその抗原結合断片は、配列番号22またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列のCDR3を含む軽鎖可変領域を含み得る。
【0011】
抗体またはその抗原結合断片は、配列番号27またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列のCDR3を含む重鎖可変領域を含んでもよく、および/あるいは
抗体またはその抗原結合断片は、配列番号30またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列のCDR3を含む軽鎖可変領域を含み得る。
【0012】
抗体またはその抗原結合断片は、配列番号35またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列のCDR3を含む重鎖可変領域を含んでもよく、および/あるいは
抗体またはその抗原結合断片は、配列番号38またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列のCDR3を含む軽鎖可変領域を含み得る。
【0013】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号1のCDR1、
配列番号2のCDR2、および
配列番号3のCDR3、
またはそれらに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列
を含む重鎖可変領域、ならびに/あるいは
b)配列番号4のCDR1、
配列番号5のCDR2、および
配列番号6のCDR3、
またはそれらに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列
を含む軽鎖可変領域
を含むかまたはそれらからなり得る。
【0014】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号9のCDR1、
配列番号10のCDR2、および
配列番号11のCDR3、
またはそれらに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列
を含む重鎖可変領域、ならびに/あるいは
b)配列番号12のCDR1、
配列番号13のCDR2、および
配列番号14のCDR3、
またはそれらに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列
を含む軽鎖可変領域
を含むかまたはそれらからなり得る。
【0015】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号17のCDR1、
配列番号18のCDR2、および
配列番号19のCDR3、
またはそれらに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列
を含む重鎖可変領域、ならびに/あるいは
b)配列番号20のCDR1、
配列番号21のCDR2、および
配列番号22のCDR3
またはそれらに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列
を含む軽鎖可変領域
を含むかまたはそれらからなり得る。
【0016】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号25のCDR1、
配列番号26のCDR2、および
配列番号27のCDR3、
またはそれらに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列
を含む重鎖可変領域、ならびに/あるいは
b)配列番号28のCDR1、
配列番号29のCDR2、および
配列番号30のCDR3、
またはそれらに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列
を含む軽鎖可変領域
を含むかまたはそれらからなり得る。
【0017】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号33のCDR1、
配列番号34のCDR2、および
配列番号35のCDR3、
またはそれらに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列
を含む重鎖可変領域、ならびに/あるいは
b)配列番号36のCDR1、
配列番号37のCDR2、および
配列番号38のCDR3、
またはそれらに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列
を含む軽鎖可変領域
を含むかまたはそれらからなり得る。
【0018】
CDRは、任意のフレームワーク領域と結合し得る。好ましくは、フレームワーク領域は、ヒト起源である。
【0019】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号7またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含むかまたはそれからなる重鎖可変領域、および/あるいは
b)配列番号8またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含むかまたはそれからなる軽鎖可変領域
を含むかまたはそれらからなり得る。
【0020】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号15またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含むかまたはそれからなる重鎖可変領域、および/あるいは
b)配列番号16またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含むかまたはそれからなる軽鎖可変領域
を含むかまたはそれらからなり得る。
【0021】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号23またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含むかまたはそれからなる重鎖可変領域、および/あるいは
b)配列番号24またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含むかまたはそれからなる軽鎖可変領域
を含むかまたはそれらからなり得る。
【0022】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号31またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含むかまたはそれからなる重鎖可変領域、および/あるいは
b)配列番号32またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含むかまたはそれからなる軽鎖可変領域
を含むかまたはそれらからなり得る。
【0023】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号39またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含むかまたはそれからなる重鎖可変領域、および/あるいは
b)配列番号40またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含むかまたはそれからなる軽鎖可変領域
を含むかまたはそれらからなり得る。
【0024】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号7を含むかまたはそれからなる重鎖可変領域、および
b)配列番号8を含むかまたはそれからなる軽鎖可変領域
からなり得る。
【0025】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号15を含むかまたはそれからなる重鎖可変領域、および
b)配列番号16を含むかまたはそれからなる軽鎖可変領域
からなり得る。
【0026】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号23を含むかまたはそれからなる重鎖可変領域、および
b)配列番号24を含むかまたはそれからなる軽鎖可変領域
からなり得る。
【0027】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号31を含むかまたはそれからなる重鎖可変領域、および
b)配列番号32を含むかまたはそれからなる軽鎖可変領域
からなり得る。
【0028】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号39を含むかまたはそれからなる重鎖可変領域、および
b)配列番号40を含むかまたはそれからなる軽鎖可変領域
からなり得る。
【0029】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号41またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含むかまたはそれからなる重鎖、および/あるいは
b)配列番号42またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含むかまたはそれからなる軽鎖
を含むかまたはそれらからなり得る。
【0030】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号43またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含むかまたはそれからなる重鎖、および/あるいは
b)配列番号44またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含むかまたはそれからなる軽鎖
を含むかまたはそれらからなり得る。
【0031】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号45またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含むかまたはそれからなる重鎖、および/あるいは
b)配列番号46またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含むかまたはそれからなる軽鎖
を含むかまたはそれらからなり得る。
【0032】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号47またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含むかまたはそれからなる重鎖、および/あるいは
b)配列番号48またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含むかまたはそれからなる軽鎖
を含むかまたはそれらからなり得る。
【0033】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号49またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含むかまたはそれからなる重鎖、および/あるいは
b)配列番号50またはそれに対して少なくとも80%、90%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する配列を含むかまたはそれからなる軽鎖
を含むかまたはそれらからなり得る。
【0034】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号41を含むかまたはそれからなる重鎖、および
b)配列番号42を含むかまたはそれからなる軽鎖
からなり得る。
【0035】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号43を含むかまたはそれからなる重鎖、および
b)配列番号44を含むかまたはそれからなる軽鎖
からなり得る。
【0036】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号45を含むかまたはそれからなる重鎖、および
b)配列番号46を含むかまたはそれからなる軽鎖
からなり得る。
【0037】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号47を含むかまたはそれからなる重鎖、および
b)配列番号48を含むかまたはそれからなる軽鎖
からなり得る。
【0038】
抗体またはその抗原結合断片は、
a)配列番号49を含むかまたはそれからなる重鎖、および
b)配列番号50を含むかまたはそれからなる軽鎖
からなり得る。
【0039】
本発明の抗体またはその抗原結合断片は、単離され得る。
【0040】
任意の態様では、「抗体またはその抗原結合断片」は、列挙する抗体またはその抗原結合断片の1つまたは複数、例えば、2つを指し得る。例えば、任意の態様では、2つの抗体またはその抗原結合断片を想定してもよく、それぞれは、
a)配列番号33のCDR1、配列番号34のCDR2、および配列番号35のCDR3、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列を含む重鎖可変領域と、
配列番号36のCDR1、配列番号37のCDR2、および配列番号38のCDR3、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変領域と
を有する、第1の抗体またはその抗原結合断片、ならびに
配列番号1のCDR1、配列番号2のCDR2、および配列番号3のCDR3、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列を含む重鎖可変領域と、
配列番号4のCDR1、配列番号5のCDR2、および配列番号6のCDR3、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列を含む軽鎖可変領域と
を有する、第2の抗体またはその抗原結合断片、あるいは
b)配列番号39を含むかもしくはそれからなる重鎖可変領域、および配列番号40を含むかもしくはそれからなる軽鎖可変領域、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列を有する、第1の抗体またはその抗原結合断片、ならびに
配列番号7を含むかもしくはそれからなる重鎖可変領域、および配列番号8を含むかもしくはそれからなる軽鎖可変領域、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列を有する、第2の抗体またはその抗原結合断片、あるいは
c)配列番号49を含むかもしくはそれからなる重鎖、および配列番号50を含むかもしくはそれからなる軽鎖、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列を有する、第1の抗体またはその抗原結合断片、ならびに
配列番号41を含むかもしくはそれからなる重鎖、および配列番号42を含むかもしくはそれからなる軽鎖、またはそれらに対して少なくとも80%の同一性を有する配列を有する、第2の抗体またはその抗原結合断片
を含むかまたはそれらからなる。
【0041】
例えば、本明細書に開示の任意の治療適用および/または本明細書に開示の任意の監視方法では、抗体または抗原結合断片の任意の組合せを使用し得る。好ましくは、Ab116および16を併用する。
【0042】
別の実施形態では、Ab116は、本明細書に開示の任意の治療適用において使用してもよく、Ab16は、同一の対象の監視において使用し得る。あるいは、Ab16は、本明細書に開示の任意の治療適用において使用してもよく、Ab116は、同一の対象の監視において使用し得る。
【0043】
「抗体」という用語は、本明細書において言及する場合、ジスルフィド結合により相互に結合する少なくとも2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖を含む糖タンパク質を指す。各重鎖は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域で構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域で構成される。重および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。VHおよびVL領域は、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変性の領域にさらに細分することができ、これには、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる、さらに保存された領域が散在する。抗体の定常領域は、免疫系の種々の細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的補体系の第1の成分(Clq)を含む、宿主組織または因子に対する免疫グロブリンの結合を媒介し得る。
【0044】
抗体の「その抗原結合断片」という用語は、抗原に選択的に結合する能力を保持する、1つまたは複数の抗体断片を指す。その抗原結合断片は、Fab、修飾Fab、Fab’、修飾Fab’、F(ab’)2、Fv、単一ドメイン抗体(例えば、VHまたはVLまたはVHH)、scFv、二価、三価または四価抗体、ビスscFv、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディおよび上のいずれかのエピトープ結合断片であり得るが、それらに制限されない(Holliger and Hudson, 2005, Nature Biotech. 23(9): 1126-1136;Adair and Lawson, 2005, Drug Design Reviews - Online 2(3), 209-217)。このような抗原結合断片を生成および製造するための方法は、当技術分野において周知である(例えば、Verma et al., 1998, Journal of Immunological Methods, 216, 165-181を参照)。
【0045】
抗体またはその抗原結合断片は、モノクローナル抗体、二特異性抗体、多特異性抗体、ScFvまたは他の一本鎖もしくは修飾フォーマット、Fab、(Fab’)2、Fv、dAb、Fd、ナノボディ、ラクダ抗体またはダイアボディであり得る。好ましくは、抗体またはその抗原結合断片は、モノクローナル抗体である。
【0046】
発明者らは、炎症性皮膚および粘膜疾患および障害、または関連する全身性疾患もしくは障害、または全身的に現れる炎症性薬物反応におけるCD1aおよびその潜在的役割を、有効なモノクローナル抗体を生成することにより標的とした。CD1aが皮膚および粘膜において高度に発現するため、このような抗体の使用により、オフターゲット作用を最小化しながら炎症性皮膚および粘膜疾患および障害を選択的に治療する契機がもたらされる。CD1aは、マウスでは発現しないが、他の哺乳動物では発現する。ヒトCD1a(UniProtKB/Swiss-Prot: P06126-CD1A_HUMAN)は、優勢なアレルにより世界的に発現し、中国の一部の民族に存在する変異体を有する(18)。また、CD1a抗原提示を標的化すると、他のサイトカイン特異的抗体療法、例えば、抗IL17療法または他の免疫療法の上流で炎症経路が妨害され、このため免疫カスケードの初期に炎症促進性障害を調節する強力な手段がもたらされる。その上、例えば、二特異性もしくは多特異性またはコンジュゲート抗体技術を使用して低分子、薬物、核酸、ペプチド、抗体または細胞コンジュゲート療法を特異的に標的とすることにより、皮膚に対するCD1aの特異性を利用すると、皮膚に対してさらなる療法を方向づける手段がもたらされ得る。なお、さらに、CD1aは相対的に非多形性であるため、本発明では、CD1a発現樹状細胞サブセットの発生頻度が上昇してLCの遊走パターンが変更される炎症性皮膚および粘膜疾患、例えば、アトピー性皮膚炎および乾癬(13-15)、またはCD1a発現悪性疾患の予防および/または治療における普遍的可能性を提供する。
【0047】
CD1a発現細胞の数および機能を修飾することにより、抗体は、脂質反応性に留まらない作用を有し、ペプチド特異的T細胞に対する抗原提示および先天性経路(例えば、好中球)を含むCD1a発現細胞のすべての役割に影響する。本発明の抗体は、マウスIgG1の性質にもかかわらずランゲルハンス細胞を減少させることが可能である。このような減少により、補体/ADCC関連炎症を有せずに幅広い炎症経路を制御する手段がもたらされ、これにより治療的有用性がもたらされ得る。これは、本明細書に記載のイミキモドモデルにおいて示され、この場合、本発明による抗体により、例えば、野生型マウスを有意に下回るレベルまで炎症が低下し、先天性経路、例えば、好中球および好酸球を含むCD1a発現細胞に留まらない経路に対する著明な抗炎症作用が実証される。また、本発明の抗体は、広範な臨床疾患に関連する、IFNガンマおよびIL-22を含む多様なサイトカインの産生を阻害する。
【0048】
別の態様では、本発明の抗体またはその抗原結合断片をコードする核酸を本発明により提供する。このような核酸は、配列番号51~90のいずれかにより提供し得る。当業者は、コドン冗長性のため、多くのDNA配列を使用して本発明の抗体またはその抗原結合断片をコードし得ることを理解する。あるいは、ヌクレオチド配列のコドン最適化を使用して、本発明の抗体またはその抗原結合断片の生成のための発現系における翻訳の効率を改善させることができる。
【0049】
別の態様では、本発明の核酸を含むベクターを本発明により提供する。プロモーター配列、ターミネーター配列、ポリアデニル化配列、エンハンサー配列、マーカー遺伝子および他の配列を含む適切な調節配列を必要に応じて含む、適するベクターを選択または構築することができる。ベクターは、例えば、プラスミドまたはウイルスであり得る。さらなる詳細については、例えば、(Sambrook, J., E. F. Fritsch, and T. Maniatis. (1989), Molecular cloning: a laboratory manual, 2nd ed. Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York)を参照されたい。例えば、核酸コンストラクトの調製、突然変異誘発、シーケンシング、細胞へのDNAの導入および遺伝子発現における核酸の操作、ならびにタンパク質の解析のための多くの公知の技術およびプロトコールは、(Ausubel et al., Current protocols in molecular biology. New York: Greene Publishing Association; Wiley-Interscience, 1992)に詳細が記載されている。ベクターは、発現ベクターであり得る。ベクターまたは発現ベクターは、プラスミドであり得る。
【0050】
本発明の核酸分子またはベクターは、適する任意の発現系を使用して、例えば、適する宿主細胞または無細胞系において発現させ得る。
【0051】
別の態様では、本発明の抗体もしくはその抗原結合断片、核酸および/またはベクターを含む宿主細胞を本発明により提供する。宿主細胞は、細菌宿主細胞(原核生物系)、例えば、大腸菌(E.Coli)もしくは真核細胞、例えば、酵母、真菌の細胞、昆虫細胞または哺乳動物細胞から選択され得る。好ましくは、本発明の宿主細胞は、本発明の抗体またはその抗原結合断片を産生することが可能である。産生された抗体またはその抗原結合断片は、選択および/または単離の手段により濃縮し得る。
【0052】
また、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、化学合成により生成し得る。得られた抗体またはその抗原結合断片は、選択および/または単離の手段により濃縮し得る。
【0053】
さらなる態様によれば、本発明の抗体またはその抗原結合断片、核酸、ベクターおよび/または宿主細胞を、適宜1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤または希釈剤とともに含む、医薬組成物を本発明により提供する。
【0054】
本発明の抗体またはその抗原結合断片、核酸、ベクターまたは宿主細胞は、確立された調製方法を使用して医薬組成物に製剤化することができる(Gennaro, A.L. and Gennaro, A.R. (2000) Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Ed., Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, PA)。医薬組成物を調製するために、薬学的に不活性な無機または有機賦形剤を使用することができる。例えば、丸剤、散剤、ゼラチンカプセルまたは坐剤の調製には、ラクトース、タルク、ステアリン酸およびその塩、脂肪、ワックス、固体または液体ポリオール、天然および硬化油が、使用可能な薬学的に許容される賦形剤の例となる。溶液、懸濁液、乳濁液、エアロゾル混合物、または溶液もしくはエアロゾル混合物の使用前の再構成のための散剤の生成に適する賦形剤としては、水、アルコール、グリセロール、ポリオールおよび適するそれらの混合物、ならびに植物油が挙げられる。
【0055】
本発明の医薬組成物は、治療的に有効な任意の非経口または経口(経腸)経路を介して投与し得る。非経口適用方法としては、例えば、注射液、注入液または混合物の形態による、例えば、皮内、皮下、筋肉内、気管内、鼻腔内、硝子体内または静脈内注射および注入技術、ならびに例えば、エアロゾル混合物、スプレーまたは散剤の形態による、エアロゾル導入および吸入が挙げられる。本発明の医薬組成物は、従来の非毒性の薬学的に許容される賦形剤または担体、添加剤および媒体を要望に応じて含む製剤により全身的または局所的に投与することができる。静脈内および皮下注入および/または注射の組合せは、化合物が相対的に短いかもしくは長い血清半減期を有するか、または作用の速やかな発現を必要とする場合に最も好都合であり得る。好ましくは、医薬組成物は、皮下または静脈内に投与する。医薬組成物は、水溶液、水中油乳濁液または油中水乳濁液であり得る。
【0056】
静脈内注射または患部もしくは他の投与部位における注射では、活性成分は、発熱物質不含であり、適するpH、等張性および安定性を有する、非経口的に許容される水溶液の形態である。当業者は、例えば、等張性媒体、例えば、塩化ナトリウム注射剤、リンゲル注射剤、乳酸リンゲル注射剤を使用した適する溶液の調製に熟達している。保存剤、安定剤、緩衝液、抗酸化剤および/または他の添加剤を必要に応じて含み得る。
【0057】
組成物は、好ましくは、個体に有用性を示すのに十分な「治療有効量」で個体に投与する。最適投与量は、抗体またはその抗原結合断片の体内分布、投与方法、治療する疾患/障害の重症度ならびに患者の医学的症状に依存する。望ましい場合、抗体またはその抗原結合断片は、持続放出製剤、例えば、リポソーム分散剤またはヒドロゲルベースのポリマーミクロスフェア、例えば、PolyActive(商標)またはOctoDEX(商標)により投与し得る(Bos et al., Business Briefing: Pharmatech 2003: 1-6を参照)。利用可能な他の持続放出製剤は、例えば、PLGAベースのポリマー(PRpharmaceuticals社)、PLA-PEGベースのヒドロゲル(Medincell社)およびPEAベースのポリマー(Medivas社)である。治療薬の処方、例えば、投与量の決定等は、医師の責任の範囲内であり、典型的に、治療する障害、個々の患者の症状、送達部位、投与方法および医師に公知の他の因子を考慮する。
【0058】
また、医薬組成物は、添加剤、例えば、充填剤、結合剤、湿潤剤、流動促進剤、安定剤、保存剤、乳化剤、さらなる溶媒または溶解剤あるいはデポ作用を達成するための薬剤等を含み得る。最後者は、融合タンパク質を徐放もしくは持続放出または標的送達系、例えば、リポソームおよびマイクロカプセルに組み込み得る。
【0059】
別の態様では、本発明の抗体もしくはその抗原結合断片、核酸、ベクター、宿主細胞または医薬組成物は、対象における1つまたは複数の疾患または障害の治療または予防における使用のためのものであり得る。
【0060】
ある態様では、有効量の本発明の抗体もしくはその抗原結合断片、核酸、ベクター、宿主細胞または組成物を対象に投与する工程を含む、対象における1つまたは複数の疾患または障害を治療または予防する方法を提供する。
【0061】
ある態様では、対象における1つまたは複数の疾患または障害の治療または予防のための医薬の製造における、本発明の抗体もしくはその抗原結合断片、核酸、ベクター、宿主細胞または医薬組成物の使用を提供する。
【0062】
任意の態様では、対象は、哺乳動物であり得る。哺乳動物は、CD1aオルソログを発現し得る。好ましくは、対象は、ヒトである。
【0063】
1つまたは複数の疾患または障害は、1つもしくは複数の炎症性皮膚もしくは粘膜障害もしくは疾患、または1つもしくは複数の関連する全身性疾患もしくは障害、または1つもしくは複数の全身的に現れる炎症性薬物反応、またはCD1a発現悪性疾患であり得る。
【0064】
炎症性皮膚または粘膜疾患または障害は、次から選択され得る。
a)好中球優勢皮膚疾患、例えば、ざ瘡、汎発性膿疱性乾癬、尋常性乾癬、滴状乾癬、掌蹠膿疱症、SAPHO症候群、急性熱性好中球性皮膚症(スイート症候群)、組織球様好中球性皮膚炎、手背部好中球性皮膚症、壊疽性膿皮症、好中球性エクリン汗腺炎、化膿性汗腺炎、持久性隆起性紅斑、ベーチェット病、腸関連皮膚炎・関節炎症候群、他の感染症に関連する炎症、好中球性蕁麻疹様皮膚症、柵状好中球性肉芽腫性皮膚炎、ほ行性迂回状紅斑(erythema gyratum repens)、好中球性環状紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)、血管炎他;
b)自己免疫障害、例えば、結合組織疾患(例えば、ループス、皮膚筋炎、強皮症/全身性硬化症、チャーグ・ストラウス症候群)、脂肪織炎、血管炎、自己免疫性水疱形成症状(例えば、水疱性類天疱瘡、天疱瘡、線状IgA病)、ヘルペス状皮膚炎、セリアック病、一部の自己炎症性疾患、白斑、円形脱毛症、汎発性脱毛症、全頭脱毛症、脂肪織炎、扁平苔癬、多形性紅斑、硬化性苔癬、他の苔癬状および多形性紅斑様疾患、小胞化乾癬性関節炎、関節リウマチ、炎症性腸疾患、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群、甲状腺炎、横断性脊髄炎、神経変性他;
c)肥満細胞障害および好酸球性障害、例えば、マックル・ウェルズ症候群、好酸球増加および全身性症候症候群、蕁麻疹、血管浮腫、角結膜炎、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎を含む他のアレルギーまたはアトピー、鼻炎、結膜炎、喘息、好酸球性食道炎(eosinophilic oesophagitis)および他の好酸球性粘膜疾患、接触性皮膚炎他;
d)炎症性皮膚または粘膜疾患または障害として現れる薬物有害反応、例えば、スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症、薬物反応による好酸球増加および全身性症候症候群(drug reaction with eosinophilia and systemic symptoms syndrome)(DRESS)ならびに急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)、多形性紅斑、水疱性疾患、固定薬疹他;
e)移植片対宿主病。
【0065】
CD1a発現悪性疾患は、本明細書において言及する場合、CD1a発現を検出可能な任意の悪性疾患であり得る。このような悪性疾患としては、ランゲルハンス細胞組織球症、T細胞リンパ腫のサブセット、胸腺腫のサブセットまたは他の悪性疾患のまれに生じる症例、例えば、肥満細胞症のサブセットが挙げられ得る。好ましくは、CD1a発現悪性疾患は、T細胞リンパ腫のサブセットである。
【0066】
好ましくは、1つまたは複数の疾患または障害は、乾癬、皮膚炎、エリテマトーデス、好中球性皮膚疾患、関連する全身性疾患もしくは障害、および/または全身的に現れる炎症性薬物反応、またはCD1a発現悪性疾患を含むかまたはそれらからなる。
【0067】
関連する全身性疾患または障害は、本明細書において使用する場合、本明細書に定義の炎症性皮膚または粘膜疾患または障害と関連し得る任意の非皮膚部位合併症を指し得る。これは、非皮膚エリテマトーデスを含み得る。
【0068】
全身的に現れる炎症性薬物反応は、非皮膚部位、例えば、脾臓における反応であり得る。関連する全身性疾患もしくは障害、または全身的に現れる炎症性薬物反応は、炎症応答の結果であり得る。炎症応答は、例えば、薬物、例えば、アルダラ(Aldara、イミキモド5%のクリーム)に対するものであり得る。炎症応答により、CD4T細胞、CD8T細胞、好中球もしくは好酸球の数もしくは活性の上昇、ならびに/またはIL-23、IL-12、IL-1βおよび/もしくはMCP-1のレベルの上昇、ならびに/またはIL-10および/もしくはIL-27の低下が生じ得る。
【0069】
その上、本発明の抗体もしくはその抗原結合断片、核酸、ベクター、宿主細胞または医薬組成物は、単独で、または1つまたは複数の他の治療剤と組み合わせて、同時、逐次または別々のいずれかにより、治療する症状に応じて投与され得る。1つまたは複数の他の治療剤は、細胞毒性剤、免疫活性化剤、例えば、チェックポイント阻害剤またはTLRアゴニスト、抗炎症剤、例えば、ステロイド、CAR-T細胞、例えば、調節性もしくは細胞溶解性CAR-T細胞、または1つもしくは複数の本発明の抗体もしくは抗原結合断片を発現もしくは提示する他の細胞を含む群から選択され得る。
【0070】
別の態様では、
i.対象から得られる生体試料を用意することと、
ii.治療前、または治療の合間、または治療が無い期間に対象から得られた試料においてCD1a発現細胞に対する1つまたは複数の本発明の抗体または抗原結合断片の結合レベルを決定することと、
iii.治療後または治療の合間または治療が無い期間に腫瘍量、またはCD1a発現細胞に対する1つもしくは複数の本発明の抗体もしくは抗原結合断片の結合レベルが低下する場合、治療が有効であるか、または病状が改善していると判定することと
を含む、CD1a発現悪性疾患であると診断された対象における治療有効性または病状を監視する方法を提供する。
【0071】
生体試料は、血液もしくは血清試料、組織生検、脳脊髄液、唾液または尿試料であり得る。好ましくは、生体試料は、血液または血清試料であり得る。
【0072】
試料におけるCD1a発現細胞に対する1つまたは複数の本発明の抗体または抗原結合断片の結合レベルは、当業者に公知の任意の方法を使用して決定し得る。このような一方法では、例えば、フローサイトメトリーまたは検出可能な標識を利用する他の任意の技術を使用して、試料におけるCD1a発現細胞数の決定が可能となる。
【0073】
腫瘍量は、当業者に公知の適する任意の技術により決定し得る。
【0074】
腫瘍量またはCD1a発現細胞に対する1つもしくは複数の本発明の抗体もしくは抗原結合断片の結合レベルの低下は、10%以上、例えば、25%以上、50%以上、75%以上または90%以上の低下であり得る。
【0075】
治療の合間または治療が無い期間は、2週間以上、例えば、4週間以上、8週間以上、12週間以上、6カ月以上または12カ月以上であり得る。
【0076】
抗体およびその抗原結合断片の生成のための技術は、当技術分野において周知である。「抗体」という用語は、種々のクラス(すなわち、IgA、IgG、IgM、IgDおよびIgE)およびサブクラス(例えば、IgG1、IgG2等)の免疫グロブリン(Ig)をも含む。抗体またはその抗原結合断片の説明的な例としては、Fab断片、F(ab’)2、Fv断片、一本鎖Fv断片(scFv)、ダイアボディ、ドメイン抗体または二特異性抗体が挙げられる(Holt LJ et al., Trends Biotechnol. 21(11), 2003, 484-490)。また、例としては、単一CHドメインまたは単独で抗原に結合可能なVLドメインからなるdAB断片が挙げられる。抗体またはその抗原結合断片は、キメラ、ナノボディ、一本鎖および/またはヒト化抗体またはその抗原結合断片であり得る。抗体またはその抗原結合断片は、ヒトIgG1アイソタイプもしくはヒトIgG4アイソタイプまたは他の天然もしくは修飾アイソタイプであり得る。抗体は、モノクローナル(mAb)またはポリクローナル抗体であり得る。
【0077】
抗体またはその抗原結合断片は、インビボ(in vivo)での安定性および/または半減期を変更するように修飾し得る。修飾は、例えば、PEG化であり得る。
【0078】
抗体またはその抗原結合断片は、抗体様分子であってもよく、これは、合成分子、例えば、SMIPおよび小型の抗体ミメティックと別々または組み合わせたCDRの使用を含む。
【0079】
2つのアミノ酸配列または2つの核酸配列のパーセント同一性は一般に、最適な比較目的のための配列のアラインメント(例えば、第2の配列による最良のアラインメントのために第1の配列にギャップを導入することができる)および対応する位置におけるアミノ酸残基またはヌクレオチドの比較により決定する。「最良のアラインメント」は、最も高いパーセント同一性が生じる2つの配列のアラインメントである。パーセント同一性は、配列内の同一のアミノ酸残基またはヌクレオチドの数を比較することにより決定する(すなわち、%同一性=同一位置の数/位置の総数×100)。
【0080】
2つの配列間のパーセント同一性の決定は、当業者に公知の数理アルゴリズムを使用して達成することができる。2つの配列の比較のための数理アルゴリズムの例は、Karlin and Altschul, 1990, PNAS, 87(6):2264-8のアルゴリズムであり、Karlin and Altschul, 1993, PNAS, 90(12):5873-5877等により改変された。Altschul et al., 1990, J. Mol. Biol., 215:403-10のNBLASTおよびXBLASTプログラムでは、このようなアルゴリズムを組み込んでいる。BLASTヌクレオチド検索は、NBLASTプログラムのscore=100、word length=12により実施して、本発明の核酸分子に相同なヌクレオチド配列を得ることができる。BLASTタンパク質検索は、XBLASTプログラムのscore=50、word length=3により実施して、本発明のタンパク質分子に相同なアミノ酸配列を得るできる。比較目的でギャップアラインメントを得るには、Altschul et al. (1997)に記載のようにGapped BLASTを利用することができる。あるいは、PSI-Blastを使用して反復検索を実施し、これにより分子間の距離関係を検出することができる(同上)。BLAST、GappedBLASTおよびPSI-Blastプログラムを利用する場合、それぞれのプログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)のデフォルトパラメータを使用することができる。http://www.ncbi.nlm.nih.govを参照されたい。配列の比較に利用する数理アルゴリズムの別の例は、MyersおよびMillerのアルゴリズムである。GCG配列アラインメントソフトウェアパッケージの一部であるALIGNプログラム(バージョン2.0)では、このようなアルゴリズムを組み込んでいる。当技術分野において公知の配列解析のための他のアルゴリズムとしては、Torellis and Robotti (1994)に記載のADVANCEおよびADAM、ならびにPearson and Lipman (1988)に記載のFASTAが挙げられる。FASTAでは、ktupは、検索の感度および速度を設定する制御オプションである。
【0081】
本発明の抗体またはその抗原結合断片は、1つまたは複数の突然変異アミノ酸残基を含み得る。本発明の核酸または抗体もしくはその抗原結合断片に関する「突然変異した」、「突然変異体」および「突然変異」という用語は、「天然に」存在する核酸またはポリペプチド、すなわち、野生型を定義するのに利用可能な参照配列と比較した、1つまたは複数のヌクレオチドまたはアミノ酸の置換、欠失または挿入をそれぞれ指す。
【0082】
CDR配列におけるアミノ酸変異は、保存的アミノ酸置換であり得る。
【0083】
突然変異は置換であってもよく、この場合、置換は保存的置換である。保存的置換は一般に、次の置換であり、これらは突然変異するアミノ酸に従って列挙し、それぞれが、保存的であると考えられ得る1つまたは複数の置換(複数可)を後に伴う:Ala→Gly、Ser、Val;Arg→Lys;Asn→Gln、His;Asp→Glu;Cys→Ser;Gln→Asn;Glu→Asp;Gly→Ala;His→Arg、Asn、Gln;Ile→Leu、Val;Leu→Ile、Val;Lys→Arg、Gln、Glu;Met→Leu、Tyr、He;Phe→Met、Leu、Tyr;Ser→Thr;Thr→Ser;Trp→Tyr;Tyr→Trp、Phe;Val→He、Leu。他の置換も容認され、経験的に、または他の公知の保存的もしくは非保存的置換に合わせて決定することができる。
【0084】
本発明の抗体またはその抗原結合断片のCDRにおいて1、2または3つの保存的置換を行い得る。
【0085】
抗体またはその抗原結合断片を生成する方法は、当技術分野において周知である。当業者は、例えば、ハイブリドーマ技術を使用し得るか、または組換えDNA技術を使用して、それぞれの抗体配列をベクター、例えば、発現ベクターにクローニングし得る。二特異性抗体分子を生成する方法は、当技術分野において公知であり、例えば、組換えDNA技術、2つの異なるモノクローナル抗体の化学コンジュゲーション、または例えば、2つの抗体断片、例えば、2つのFab断片の化学コンジュゲーションもが挙げられる。あるいは、二特異性抗体分子は、クアドローマ技術により生成し、これは、親抗体を産生するハイブリドーマの融合によるものである。HおよびL鎖のランダムな組合せにより、10種の異なる抗体構造の潜在的混合物を生成し、このうちの唯1つが、所望の結合特異性を有する。本発明の二特異性抗体分子は、各標的に対するモノクローナル抗体(mAb)として作用し得る。抗体またはその抗原結合断片は、キメラ、ヒト化または完全ヒト抗体またはその抗原結合断片であり得る。抗体またはその抗原結合断片は、ヒトIgG1アイソタイプもしくはヒトIgG4アイソタイプまたは他の天然もしくは修飾アイソタイプであり得る。二特異性抗体分子または多特異性抗体は、例えば、二特異性タンデム一本鎖Fv、二特異性Fab2または二特異性ダイアボディであり得る。
【0086】
本明細書に開示の特徴はすべて、任意の態様または任意の実施形態との組合せを含む任意の組合せで併用し得る。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【
図1】
図1は、抗CD1a抗体のパネルによるポリクローナルT細胞応答の阻害を示す。A.抗CD1a抗体の上昇濃度(0.01~10μg/ml)によるポリクローナルT細胞IFNγ応答の用量滴定曲線(n=6ドナー)。B.新たに生成した抗CD1a抗体のパネルおよび市販の抗体について算出したIC50値(OKT6、HI149およびSK9、n=6ドナー)。
【
図2-1】
図2は、抗CD1a抗体のパネルによるCD1a制限濃縮T細胞株応答の阻害を実証する。A~B.空ベクター(EV)または内因性リガンドを提示するCD1aトランスフェクトK562により誘導されるCD1a制限濃縮T細胞株のサイトカイン分泌応答。IFNγ(A.)またはIL-22(B.)の阻害を、新たに生成した抗CD1a抗体のパネルについてフローサイトメトリーにより評価した。C.内因性リガンドを提示するCD1aコーティングビーズにより誘導されるCD1a制限濃縮T細胞株のIFNγ分泌応答。新たに生成した抗CD1a抗体のパネルについてフローサイトメトリーにより阻害を評価した。新たに生成した抗CD1a抗体のパネルについてフローサイトメトリーにより阻害を評価した(N=4~19濃縮T細胞株、二元配置分散分析とともにテューキーの検定、*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001;****,P<0.0001、ここで*は「CD1a」に対する比較に関する有意性を示す)。
【
図2-2】
図2は、抗CD1a抗体のパネルによるCD1a制限濃縮T細胞株応答の阻害を実証する。A~B.空ベクター(EV)または内因性リガンドを提示するCD1aトランスフェクトK562により誘導されるCD1a制限濃縮T細胞株のサイトカイン分泌応答。IFNγ(A.)またはIL-22(B.)の阻害を、新たに生成した抗CD1a抗体のパネルについてフローサイトメトリーにより評価した。C.内因性リガンドを提示するCD1aコーティングビーズにより誘導されるCD1a制限濃縮T細胞株のIFNγ分泌応答。新たに生成した抗CD1a抗体のパネルについてフローサイトメトリーにより阻害を評価した。新たに生成した抗CD1a抗体のパネルについてフローサイトメトリーにより阻害を評価した(N=4~19濃縮T細胞株、二元配置分散分析とともにテューキーの検定、*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001;****,P<0.0001、ここで*は「CD1a」に対する比較に関する有意性を示す)。
【
図3-1】
図3は、CD1a遺伝子導入マウスの特性決定を実証する。A.それぞれのフローサイトメトリープロットおよびB.野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入(CD1a)マウスの細胞によるCD1aタンパク質発現の要約図。CD1aタンパク質発現が、(左から右に)総生耳皮膚細胞、CD45+皮膚細胞、真皮樹状細胞(dDC、CD45+/CD11c+/ランゲリン-)およびランゲルハンス細胞(LC、CD45+/CD11c+/ランゲリン+)において上昇した。C.免疫蛍光により可視化した野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入(CD1a)マウスの耳皮膚におけるCD1aタンパク質発現。凍結切片をDAPI(青)および抗CD1a AF-594(OKT6、赤)で染色した。スケールバーは、左から右に50μm、50μmおよび10μm。D.CD1aフォワードおよびリバースプライマーならびに尾部ゲノムDNAを使用したCD1a遺伝子導入マウス系統同腹仔(レーンA~F)の例となるPCR遺伝子型決定。655bpにおける予想CD1aバンド。レーンG:ファウンダーマウス由来の陽性対照ゲノムDNA。レーンH:DNA鋳型を欠く陰性対照。E.野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入(CD1a)マウスによる胸腺CD1aタンパク質発現の代表的フローサイトメトリープロット。
【
図3-2】
図3は、CD1a遺伝子導入マウスの特性決定を実証する。A.それぞれのフローサイトメトリープロットおよびB.野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入(CD1a)マウスの細胞によるCD1aタンパク質発現の要約図。CD1aタンパク質発現が、(左から右に)総生耳皮膚細胞、CD45+皮膚細胞、真皮樹状細胞(dDC、CD45+/CD11c+/ランゲリン-)およびランゲルハンス細胞(LC、CD45+/CD11c+/ランゲリン+)において上昇した。C.免疫蛍光により可視化した野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入(CD1a)マウスの耳皮膚におけるCD1aタンパク質発現。凍結切片をDAPI(青)および抗CD1a AF-594(OKT6、赤)で染色した。スケールバーは、左から右に50μm、50μmおよび10μm。D.CD1aフォワードおよびリバースプライマーならびに尾部ゲノムDNAを使用したCD1a遺伝子導入マウス系統同腹仔(レーンA~F)の例となるPCR遺伝子型決定。655bpにおける予想CD1aバンド。レーンG:ファウンダーマウス由来の陽性対照ゲノムDNA。レーンH:DNA鋳型を欠く陰性対照。E.野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入(CD1a)マウスによる胸腺CD1aタンパク質発現の代表的フローサイトメトリープロット。
【
図4】
図4は、インビボでの抗CD1a抗体の特性決定である。A.イミキモド誘発皮膚炎症および抗CD1a予防投与の模式図。B.マウスIgG1アイソタイプ対照をi.p.注射した野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入マウス(CD1a)ならびに模式的パネルA.のように抗CD1a抗体の改良パネルを注射したCD1a遺伝子導入マウスのイミキモド処置により誘発される耳腫脹の毎日の測定(N=6、二元配置分散分析とともにダネットの検定、**,P<0.01;****,P<0.0001、6日目または示す日数における「CD1a」に対する比較に関する有意性を示す)。
【
図5】
図5は、イミキモド誘発皮膚免疫応答に対する抗CD1aの作用を実証する。A~C.マウスIgG1アイソタイプ処置野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入(CD1a)ならびに予防投与モデルに従って抗CD1a抗体の改良パネルを注射したCD1a遺伝子導入マウスの耳皮膚のフローサイトメトリー解析。皮膚T細胞を数え上げ(A.)、細胞表面CD69発現(B.)について評価し、皮膚好中球(C.)および好酸球(D.)発生頻度を決定した(N=4、一元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001)。
【
図6】
図6は、イミキモド誘発細胞性ランゲルハンス細胞皮膚およびリンパ節応答に対する抗CD1aの作用を実証する。マウスIgG1アイソタイプ処置野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入(CD1a)ならびに予防投与モデルに従って抗CD1a抗体の改良パネルを注射したCD1a遺伝子導入マウスの耳皮膚(A~B.)および流入領域頸部リンパ節(C~D.)のフローサイトメトリー解析。皮膚LCを数え上げ(A.)、細胞表面CD1a発現について評価した(B.)。リンパ節LCを数え上げ(C.)、細胞表面CD1a発現について評価した(D.)(N=4、一元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001;****,P<0.0001)。
【
図7-1】
図7は、抗体依存性枯渇(表現型変化)を実証する。A.抗体誘導CD1a依存性細胞減少(例えば、死)のフローサイトメトリー解析。抗CD1a抗体またはマウスIgG1アイソタイプ対照(iso、5μg/ml)をEVまたはCD1a-K562とともに指示のように48時間インキュベートし、無処理K562の参照集団に対して抗体誘導減少のパーセンテージを算出してEV対照細胞に対して正規化した。B.上昇濃度の抗CD1a抗体(0.625~5μg/ml)による抗体誘導CD1a-K562細胞減少の用量滴定曲線。C~D.抗CD1a抗体またはマウスIgG1アイソタイプ対照(iso、5μg/ml)をMoDC(上パネル)およびMoLC(下パネル)とともに指示のように5日間インキュベートして0日目または2日目に抗体およびサイトカインを加え、Incucyte生細胞イメージング(N=4、二元配置分散分析とともにテューキーの検定)(C.)およびMoLCの代表的画像(D.)を使用してパーセンテージコンフルエンスにより測定したアイソタイプ対照に対して抗体誘導減少のパーセンテージを算出した。E.K562-CD1aまたはK562-EV(空ベクター)を抗CD1a抗体とともに24時間インキュベートし、アネキシンVに染色し、フローサイトメトリーにより解析した(N=3~4、一元配置分散分析とともにテューキーの検定)。F.補体依存性細胞毒性(CDC)のフローサイトメトリー解析。K562-CD1a細胞を10%の正常ヒト血清とともに5μg/mlのアイソタイプ対照抗体または指示抗体のいずれかの存在下に37℃で3時間インキュベートした。無処理K562の参照集団に対してパーセンテージ細胞毒性を算出し、アイソタイプ対照処理細胞に対して正規化した(N=6、一元配置分散分析とともにテューキーの検定)。G.抗体依存性細胞媒介細胞毒性(ADCC)のフローサイトメトリー解析。K562-CD1a細胞をPBMCと1:50の比率により、5μg/mlのアイソタイプ対照抗体または指示抗体のいずれかの存在下に37℃で5時間同時培養した。無処理K562の参照集団に対してパーセンテージ細胞毒性を算出し、アイソタイプ対照処理細胞に対して正規化した(N=4~6、一元配置分散分析とともにテューキーの検定)。H.NSGマウスにCD1a-K562細胞25万細胞を側腹部に皮下注射し、18日間腫瘍を発生させた。6、10および14日目にマウスの腹腔内をアイソタイプ対照抗体または指示抗体100μgで処置した。腫瘍量を経時的に測定した(N=6~15、二元配置分散分析とともにテューキーの検定、アスタリスクは、18日目の「CD1a-iso」に対する比較に関する有意性を示す)。*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001;****,P<0.0001。
【
図7-2】
図7は、抗体依存性枯渇(表現型変化)を実証する。A.抗体誘導CD1a依存性細胞減少(例えば、死)のフローサイトメトリー解析。抗CD1a抗体またはマウスIgG1アイソタイプ対照(iso、5μg/ml)をEVまたはCD1a-K562とともに指示のように48時間インキュベートし、無処理K562の参照集団に対して抗体誘導減少のパーセンテージを算出してEV対照細胞に対して正規化した。B.上昇濃度の抗CD1a抗体(0.625~5μg/ml)による抗体誘導CD1a-K562細胞減少の用量滴定曲線。C~D.抗CD1a抗体またはマウスIgG1アイソタイプ対照(iso、5μg/ml)をMoDC(上パネル)およびMoLC(下パネル)とともに指示のように5日間インキュベートして0日目または2日目に抗体およびサイトカインを加え、Incucyte生細胞イメージング(N=4、二元配置分散分析とともにテューキーの検定)(C.)およびMoLCの代表的画像(D.)を使用してパーセンテージコンフルエンスにより測定したアイソタイプ対照に対して抗体誘導減少のパーセンテージを算出した。E.K562-CD1aまたはK562-EV(空ベクター)を抗CD1a抗体とともに24時間インキュベートし、アネキシンVに染色し、フローサイトメトリーにより解析した(N=3~4、一元配置分散分析とともにテューキーの検定)。F.補体依存性細胞毒性(CDC)のフローサイトメトリー解析。K562-CD1a細胞を10%の正常ヒト血清とともに5μg/mlのアイソタイプ対照抗体または指示抗体のいずれかの存在下に37℃で3時間インキュベートした。無処理K562の参照集団に対してパーセンテージ細胞毒性を算出し、アイソタイプ対照処理細胞に対して正規化した(N=6、一元配置分散分析とともにテューキーの検定)。G.抗体依存性細胞媒介細胞毒性(ADCC)のフローサイトメトリー解析。K562-CD1a細胞をPBMCと1:50の比率により、5μg/mlのアイソタイプ対照抗体または指示抗体のいずれかの存在下に37℃で5時間同時培養した。無処理K562の参照集団に対してパーセンテージ細胞毒性を算出し、アイソタイプ対照処理細胞に対して正規化した(N=4~6、一元配置分散分析とともにテューキーの検定)。H.NSGマウスにCD1a-K562細胞25万細胞を側腹部に皮下注射し、18日間腫瘍を発生させた。6、10および14日目にマウスの腹腔内をアイソタイプ対照抗体または指示抗体100μgで処置した。腫瘍量を経時的に測定した(N=6~15、二元配置分散分析とともにテューキーの検定、アスタリスクは、18日目の「CD1a-iso」に対する比較に関する有意性を示す)。*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001;****,P<0.0001。
【
図7-3】
図7は、抗体依存性枯渇(表現型変化)を実証する。A.抗体誘導CD1a依存性細胞減少(例えば、死)のフローサイトメトリー解析。抗CD1a抗体またはマウスIgG1アイソタイプ対照(iso、5μg/ml)をEVまたはCD1a-K562とともに指示のように48時間インキュベートし、無処理K562の参照集団に対して抗体誘導減少のパーセンテージを算出してEV対照細胞に対して正規化した。B.上昇濃度の抗CD1a抗体(0.625~5μg/ml)による抗体誘導CD1a-K562細胞減少の用量滴定曲線。C~D.抗CD1a抗体またはマウスIgG1アイソタイプ対照(iso、5μg/ml)をMoDC(上パネル)およびMoLC(下パネル)とともに指示のように5日間インキュベートして0日目または2日目に抗体およびサイトカインを加え、Incucyte生細胞イメージング(N=4、二元配置分散分析とともにテューキーの検定)(C.)およびMoLCの代表的画像(D.)を使用してパーセンテージコンフルエンスにより測定したアイソタイプ対照に対して抗体誘導減少のパーセンテージを算出した。E.K562-CD1aまたはK562-EV(空ベクター)を抗CD1a抗体とともに24時間インキュベートし、アネキシンVに染色し、フローサイトメトリーにより解析した(N=3~4、一元配置分散分析とともにテューキーの検定)。F.補体依存性細胞毒性(CDC)のフローサイトメトリー解析。K562-CD1a細胞を10%の正常ヒト血清とともに5μg/mlのアイソタイプ対照抗体または指示抗体のいずれかの存在下に37℃で3時間インキュベートした。無処理K562の参照集団に対してパーセンテージ細胞毒性を算出し、アイソタイプ対照処理細胞に対して正規化した(N=6、一元配置分散分析とともにテューキーの検定)。G.抗体依存性細胞媒介細胞毒性(ADCC)のフローサイトメトリー解析。K562-CD1a細胞をPBMCと1:50の比率により、5μg/mlのアイソタイプ対照抗体または指示抗体のいずれかの存在下に37℃で5時間同時培養した。無処理K562の参照集団に対してパーセンテージ細胞毒性を算出し、アイソタイプ対照処理細胞に対して正規化した(N=4~6、一元配置分散分析とともにテューキーの検定)。H.NSGマウスにCD1a-K562細胞25万細胞を側腹部に皮下注射し、18日間腫瘍を発生させた。6、10および14日目にマウスの腹腔内をアイソタイプ対照抗体または指示抗体100μgで処置した。腫瘍量を経時的に測定した(N=6~15、二元配置分散分析とともにテューキーの検定、アスタリスクは、18日目の「CD1a-iso」に対する比較に関する有意性を示す)。*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001;****,P<0.0001。
【
図7-4】
図7は、抗体依存性枯渇(表現型変化)を実証する。A.抗体誘導CD1a依存性細胞減少(例えば、死)のフローサイトメトリー解析。抗CD1a抗体またはマウスIgG1アイソタイプ対照(iso、5μg/ml)をEVまたはCD1a-K562とともに指示のように48時間インキュベートし、無処理K562の参照集団に対して抗体誘導減少のパーセンテージを算出してEV対照細胞に対して正規化した。B.上昇濃度の抗CD1a抗体(0.625~5μg/ml)による抗体誘導CD1a-K562細胞減少の用量滴定曲線。C~D.抗CD1a抗体またはマウスIgG1アイソタイプ対照(iso、5μg/ml)をMoDC(上パネル)およびMoLC(下パネル)とともに指示のように5日間インキュベートして0日目または2日目に抗体およびサイトカインを加え、Incucyte生細胞イメージング(N=4、二元配置分散分析とともにテューキーの検定)(C.)およびMoLCの代表的画像(D.)を使用してパーセンテージコンフルエンスにより測定したアイソタイプ対照に対して抗体誘導減少のパーセンテージを算出した。E.K562-CD1aまたはK562-EV(空ベクター)を抗CD1a抗体とともに24時間インキュベートし、アネキシンVに染色し、フローサイトメトリーにより解析した(N=3~4、一元配置分散分析とともにテューキーの検定)。F.補体依存性細胞毒性(CDC)のフローサイトメトリー解析。K562-CD1a細胞を10%の正常ヒト血清とともに5μg/mlのアイソタイプ対照抗体または指示抗体のいずれかの存在下に37℃で3時間インキュベートした。無処理K562の参照集団に対してパーセンテージ細胞毒性を算出し、アイソタイプ対照処理細胞に対して正規化した(N=6、一元配置分散分析とともにテューキーの検定)。G.抗体依存性細胞媒介細胞毒性(ADCC)のフローサイトメトリー解析。K562-CD1a細胞をPBMCと1:50の比率により、5μg/mlのアイソタイプ対照抗体または指示抗体のいずれかの存在下に37℃で5時間同時培養した。無処理K562の参照集団に対してパーセンテージ細胞毒性を算出し、アイソタイプ対照処理細胞に対して正規化した(N=4~6、一元配置分散分析とともにテューキーの検定)。H.NSGマウスにCD1a-K562細胞25万細胞を側腹部に皮下注射し、18日間腫瘍を発生させた。6、10および14日目にマウスの腹腔内をアイソタイプ対照抗体または指示抗体100μgで処置した。腫瘍量を経時的に測定した(N=6~15、二元配置分散分析とともにテューキーの検定、アスタリスクは、18日目の「CD1a-iso」に対する比較に関する有意性を示す)。*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001;****,P<0.0001。
【
図7-5】
図7は、抗体依存性枯渇(表現型変化)を実証する。A.抗体誘導CD1a依存性細胞減少(例えば、死)のフローサイトメトリー解析。抗CD1a抗体またはマウスIgG1アイソタイプ対照(iso、5μg/ml)をEVまたはCD1a-K562とともに指示のように48時間インキュベートし、無処理K562の参照集団に対して抗体誘導減少のパーセンテージを算出してEV対照細胞に対して正規化した。B.上昇濃度の抗CD1a抗体(0.625~5μg/ml)による抗体誘導CD1a-K562細胞減少の用量滴定曲線。C~D.抗CD1a抗体またはマウスIgG1アイソタイプ対照(iso、5μg/ml)をMoDC(上パネル)およびMoLC(下パネル)とともに指示のように5日間インキュベートして0日目または2日目に抗体およびサイトカインを加え、Incucyte生細胞イメージング(N=4、二元配置分散分析とともにテューキーの検定)(C.)およびMoLCの代表的画像(D.)を使用してパーセンテージコンフルエンスにより測定したアイソタイプ対照に対して抗体誘導減少のパーセンテージを算出した。E.K562-CD1aまたはK562-EV(空ベクター)を抗CD1a抗体とともに24時間インキュベートし、アネキシンVに染色し、フローサイトメトリーにより解析した(N=3~4、一元配置分散分析とともにテューキーの検定)。F.補体依存性細胞毒性(CDC)のフローサイトメトリー解析。K562-CD1a細胞を10%の正常ヒト血清とともに5μg/mlのアイソタイプ対照抗体または指示抗体のいずれかの存在下に37℃で3時間インキュベートした。無処理K562の参照集団に対してパーセンテージ細胞毒性を算出し、アイソタイプ対照処理細胞に対して正規化した(N=6、一元配置分散分析とともにテューキーの検定)。G.抗体依存性細胞媒介細胞毒性(ADCC)のフローサイトメトリー解析。K562-CD1a細胞をPBMCと1:50の比率により、5μg/mlのアイソタイプ対照抗体または指示抗体のいずれかの存在下に37℃で5時間同時培養した。無処理K562の参照集団に対してパーセンテージ細胞毒性を算出し、アイソタイプ対照処理細胞に対して正規化した(N=4~6、一元配置分散分析とともにテューキーの検定)。H.NSGマウスにCD1a-K562細胞25万細胞を側腹部に皮下注射し、18日間腫瘍を発生させた。6、10および14日目にマウスの腹腔内をアイソタイプ対照抗体または指示抗体100μgで処置した。腫瘍量を経時的に測定した(N=6~15、二元配置分散分析とともにテューキーの検定、アスタリスクは、18日目の「CD1a-iso」に対する比較に関する有意性を示す)。*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001;****,P<0.0001。
【
図7-6】
図7は、抗体依存性枯渇(表現型変化)を実証する。A.抗体誘導CD1a依存性細胞減少(例えば、死)のフローサイトメトリー解析。抗CD1a抗体またはマウスIgG1アイソタイプ対照(iso、5μg/ml)をEVまたはCD1a-K562とともに指示のように48時間インキュベートし、無処理K562の参照集団に対して抗体誘導減少のパーセンテージを算出してEV対照細胞に対して正規化した。B.上昇濃度の抗CD1a抗体(0.625~5μg/ml)による抗体誘導CD1a-K562細胞減少の用量滴定曲線。C~D.抗CD1a抗体またはマウスIgG1アイソタイプ対照(iso、5μg/ml)をMoDC(上パネル)およびMoLC(下パネル)とともに指示のように5日間インキュベートして0日目または2日目に抗体およびサイトカインを加え、Incucyte生細胞イメージング(N=4、二元配置分散分析とともにテューキーの検定)(C.)およびMoLCの代表的画像(D.)を使用してパーセンテージコンフルエンスにより測定したアイソタイプ対照に対して抗体誘導減少のパーセンテージを算出した。E.K562-CD1aまたはK562-EV(空ベクター)を抗CD1a抗体とともに24時間インキュベートし、アネキシンVに染色し、フローサイトメトリーにより解析した(N=3~4、一元配置分散分析とともにテューキーの検定)。F.補体依存性細胞毒性(CDC)のフローサイトメトリー解析。K562-CD1a細胞を10%の正常ヒト血清とともに5μg/mlのアイソタイプ対照抗体または指示抗体のいずれかの存在下に37℃で3時間インキュベートした。無処理K562の参照集団に対してパーセンテージ細胞毒性を算出し、アイソタイプ対照処理細胞に対して正規化した(N=6、一元配置分散分析とともにテューキーの検定)。G.抗体依存性細胞媒介細胞毒性(ADCC)のフローサイトメトリー解析。K562-CD1a細胞をPBMCと1:50の比率により、5μg/mlのアイソタイプ対照抗体または指示抗体のいずれかの存在下に37℃で5時間同時培養した。無処理K562の参照集団に対してパーセンテージ細胞毒性を算出し、アイソタイプ対照処理細胞に対して正規化した(N=4~6、一元配置分散分析とともにテューキーの検定)。H.NSGマウスにCD1a-K562細胞25万細胞を側腹部に皮下注射し、18日間腫瘍を発生させた。6、10および14日目にマウスの腹腔内をアイソタイプ対照抗体または指示抗体100μgで処置した。腫瘍量を経時的に測定した(N=6~15、二元配置分散分析とともにテューキーの検定、アスタリスクは、18日目の「CD1a-iso」に対する比較に関する有意性を示す)。*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001;****,P<0.0001。
【
図8-1】
図8(A)は、CD1aエピトープ解析によるヒートマップである。CD1a-AF647平均蛍光強度(MFI)により測定したフローサイトメトリーによるCD1a抗体結合のマトリックスヒートマップ表示。フルオロフォアAF647にコンジュゲートした抗CD1a抗体によるCD1a-K652の染色前に、関連する精製抗体を細胞とともにインキュベートして、AF647コンジュゲート抗体のCD1a結合における干渉を評価した。グレースケールは干渉の程度を示し、最上行(-)の色調は無干渉を示す。(B)では、インビボでのCD1a抗体エピトープ競合アッセイ結果を実証する。A.抗CD1a抗体SK9(左パネル)またはHI149(右パネル)による染色によって測定したCD1a発現のフローサイトメトリープロット。0、2および4日目に抗CD1a抗体116(100μg i.p.)を投与して、5日目に耳皮膚組織を採取、処理し、CD1aについて染色した。
【
図8-2】
図8(A)は、CD1aエピトープ解析によるヒートマップである。CD1a-AF647平均蛍光強度(MFI)により測定したフローサイトメトリーによるCD1a抗体結合のマトリックスヒートマップ表示。フルオロフォアAF647にコンジュゲートした抗CD1a抗体によるCD1a-K652の染色前に、関連する精製抗体を細胞とともにインキュベートして、AF647コンジュゲート抗体のCD1a結合における干渉を評価した。グレースケールは干渉の程度を示し、最上行(-)の色調は無干渉を示す。(B)では、インビボでのCD1a抗体エピトープ競合アッセイ結果を実証する。A.抗CD1a抗体SK9(左パネル)またはHI149(右パネル)による染色によって測定したCD1a発現のフローサイトメトリープロット。0、2および4日目に抗CD1a抗体116(100μg i.p.)を投与して、5日目に耳皮膚組織を採取、処理し、CD1aについて染色した。
【
図9-1】
図9は、イミキモド誘発炎症の治療における抗CD1a抗体の適用の有効性を実証する。A.抗CD1a製剤投与によるイミキモド誘発炎症モデルの模式図。B.耳腫脹の毎日の測定、ならびにC.野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入マウス(CD1a)のイミキモド処置後のマウスIgG1アイソタイプ対照によるi.p.処置(8日目)、またはCD1a遺伝子導入マウスの模式的パネルAのような抗CD1a抗体の改良パネルによる注射(3日目の矢印)によって誘発される炎症の代表的画像(N=2~10、二元配置分散分析とともにダネットの検定、**,P<0.01;****,P<0.0001、8日目または示す日数における「CD1a」に対する比較に関する有意性を示す)。D.免疫蛍光により可視化したイミキモド(Imiq)で処置したかまたは無処置(U)の野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入(CD1a)マウスの耳および表皮厚ならびに耳皮膚におけるCD1aタンパク質発現。凍結切片をDAPI(青)および抗CD1a AF-594(OKT6、赤)で染色した。スケールバーは、上パネル10μmおよび下パネル100μm。E~G.マウスIgG1アイソタイプ処置野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入(CD1a)ならびに治療投与モデルに従って抗CD1a抗体の改良パネルを注射したCD1a遺伝子導入マウスの耳皮膚のフローサイトメトリー解析。皮膚T細胞を数え上げ、細胞表面CD11a発現(E.)について評価し、好中球(F.)および好酸球(G.)発生頻度を決定した(N=7~9、一元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001)。
【
図9-2】
図9は、イミキモド誘発炎症の治療における抗CD1a抗体の適用の有効性を実証する。A.抗CD1a製剤投与によるイミキモド誘発炎症モデルの模式図。B.耳腫脹の毎日の測定、ならびにC.野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入マウス(CD1a)のイミキモド処置後のマウスIgG1アイソタイプ対照によるi.p.処置(8日目)、またはCD1a遺伝子導入マウスの模式的パネルAのような抗CD1a抗体の改良パネルによる注射(3日目の矢印)によって誘発される炎症の代表的画像(N=2~10、二元配置分散分析とともにダネットの検定、**,P<0.01;****,P<0.0001、8日目または示す日数における「CD1a」に対する比較に関する有意性を示す)。D.免疫蛍光により可視化したイミキモド(Imiq)で処置したかまたは無処置(U)の野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入(CD1a)マウスの耳および表皮厚ならびに耳皮膚におけるCD1aタンパク質発現。凍結切片をDAPI(青)および抗CD1a AF-594(OKT6、赤)で染色した。スケールバーは、上パネル10μmおよび下パネル100μm。E~G.マウスIgG1アイソタイプ処置野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入(CD1a)ならびに治療投与モデルに従って抗CD1a抗体の改良パネルを注射したCD1a遺伝子導入マウスの耳皮膚のフローサイトメトリー解析。皮膚T細胞を数え上げ、細胞表面CD11a発現(E.)について評価し、好中球(F.)および好酸球(G.)発生頻度を決定した(N=7~9、一元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001)。
【
図9-3】
図9は、イミキモド誘発炎症の治療における抗CD1a抗体の適用の有効性を実証する。A.抗CD1a製剤投与によるイミキモド誘発炎症モデルの模式図。B.耳腫脹の毎日の測定、ならびにC.野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入マウス(CD1a)のイミキモド処置後のマウスIgG1アイソタイプ対照によるi.p.処置(8日目)、またはCD1a遺伝子導入マウスの模式的パネルAのような抗CD1a抗体の改良パネルによる注射(3日目の矢印)によって誘発される炎症の代表的画像(N=2~10、二元配置分散分析とともにダネットの検定、**,P<0.01;****,P<0.0001、8日目または示す日数における「CD1a」に対する比較に関する有意性を示す)。D.免疫蛍光により可視化したイミキモド(Imiq)で処置したかまたは無処置(U)の野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入(CD1a)マウスの耳および表皮厚ならびに耳皮膚におけるCD1aタンパク質発現。凍結切片をDAPI(青)および抗CD1a AF-594(OKT6、赤)で染色した。スケールバーは、上パネル10μmおよび下パネル100μm。E~G.マウスIgG1アイソタイプ処置野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入(CD1a)ならびに治療投与モデルに従って抗CD1a抗体の改良パネルを注射したCD1a遺伝子導入マウスの耳皮膚のフローサイトメトリー解析。皮膚T細胞を数え上げ、細胞表面CD11a発現(E.)について評価し、好中球(F.)および好酸球(G.)発生頻度を決定した(N=7~9、一元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001)。
【
図10-1】
図10は、イミキモド適用の全身作用のCD1a依存性を実証する。A.野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入マウス(CD1a)のイミキモド処置後のマウスIgG1アイソタイプ対照によるi.p.処置、またはCD1a遺伝子導入マウスの模式図のような抗CD1a抗体の改良パネルによる注射による8日目の脾臓重量(mg)測定および代表的画像(
図9A)。B~E.マウスIgG1アイソタイプ処置野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入(CD1a)、ならびに治療投与モデルに従って抗CD1a抗体の改良パネルを注射したCD1a遺伝子導入マウスの脾臓のフローサイトメトリー解析。脾臓CD4(B.)およびCD8(C.)T細胞CD69発現を評価し、好中球(D.)および好酸球(E.)を数え上げた(N=7~9、一元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001;****,P<0.0001)。F.マウスIgG1アイソタイプ処置野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入(CD1a)、ならびに治療投与モデルに従って抗CD1a抗体を注射したCD1a遺伝子導入マウスの血液の血漿サイトカインレベル(N=7~9、一元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001;****,P<0.0001)。
【
図10-2】
図10は、イミキモド適用の全身作用のCD1a依存性を実証する。A.野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入マウス(CD1a)のイミキモド処置後のマウスIgG1アイソタイプ対照によるi.p.処置、またはCD1a遺伝子導入マウスの模式図のような抗CD1a抗体の改良パネルによる注射による8日目の脾臓重量(mg)測定および代表的画像(
図9A)。B~E.マウスIgG1アイソタイプ処置野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入(CD1a)、ならびに治療投与モデルに従って抗CD1a抗体の改良パネルを注射したCD1a遺伝子導入マウスの脾臓のフローサイトメトリー解析。脾臓CD4(B.)およびCD8(C.)T細胞CD69発現を評価し、好中球(D.)および好酸球(E.)を数え上げた(N=7~9、一元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001;****,P<0.0001)。F.マウスIgG1アイソタイプ処置野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入(CD1a)、ならびに治療投与モデルに従って抗CD1a抗体を注射したCD1a遺伝子導入マウスの血液の血漿サイトカインレベル(N=7~9、一元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001;****,P<0.0001)。
【
図11】
図11は、イミキモド適用の全身作用のCD1a依存性を実証する。A~E.マウスIgG1アイソタイプ処置野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入(CD1a)、ならびに治療投与モデルに従って抗CD1a抗体の改良パネルを注射したCD1a遺伝子導入マウスの血液の血液細胞解析。循環T細胞(A.)、CD4+(B.)およびCD8(C.)、好中球(D.)および好酸球(E.)を数え上げた(N=5~7、一元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001;****,P<0.0001)。
【
図12】
図12は、イミキモドがCD1aリガンドを構成しないことを示す。等電点電気泳動(IEF)ゲルpH3~7上の偽およびイミキモド「添加」CD1aタンパク質の等電点依存的遊走。偽:媒体対照TBS 2%CHAPS 7%DMSO。
【
図13-1】
図13は、イミキモド誘発炎症の持続的制御における抗CD1a抗体適用の有効性である。A.後に抗CD1aを投与しないイミキモド再曝露モデルの模式図。B.マウスIgG1アイソタイプ対照をi.p.で注射した野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入マウス(CD1a)ならびに模式的パネル13Aのように抗CD1a抗体の改良パネルを注射したCD1a遺伝子導入マウスのイミキモド処置により誘発された耳腫脹の毎日の測定(二元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05;**,P<0.01、イミキモド再適用から7日目の「CD1a」アイソタイプに対する比較に関する有意性を示す)。
【
図13-2】
図13は、イミキモド誘発炎症の持続的制御における抗CD1a抗体適用の有効性である。A.後に抗CD1aを投与しないイミキモド再曝露モデルの模式図。B.マウスIgG1アイソタイプ対照をi.p.で注射した野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入マウス(CD1a)ならびに模式的パネル13Aのように抗CD1a抗体の改良パネルを注射したCD1a遺伝子導入マウスのイミキモド処置により誘発された耳腫脹の毎日の測定(二元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05;**,P<0.01、イミキモド再適用から7日目の「CD1a」アイソタイプに対する比較に関する有意性を示す)。
【
図14】
図14は、標準治療と比較した、イミキモド誘発炎症の治療における抗CD1a抗体適用の有効性である。野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入マウス(CD1a)のイミキモド処置後のマウスIgG1アイソタイプ対照によるi.p.処置(CD1a)、またはCD1a遺伝子導入マウスの模式的パネル
図9Aのような抗CD1a抗体の改良パネルおよび抗IL-17Aによる注射によって誘発された耳腫脹の毎日の測定。dx=CD1a遺伝子導入マウスの耳厚と比較して有意性が達成されたモデルの日数。
【
図15-1】
図15は、イミキモド/MC903誘発炎症の治療における抗CD1a抗体適用の有効性の比較解析である。A.抗CD1a製剤投与によるイミキモド誘発炎症の模式図。B.野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入マウス(CD1a)のイミキモド処置後のマウスIgG1アイソタイプ対照によるi.p.処置、またはCD1a遺伝子導入マウスの模式的パネルAのような抗CD1a抗体の改良パネルもしくはCR2113による注射によって誘発された耳腫脹の毎日の測定。N=2~7、二元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05,**,P<0.01;****,P<0.0001、8日目の「CD1a」または8日目のOX116対CR2113に対する比較に関する有意性を示す。C.WTを補正した、(B)に示すデータおよび比較。D.MC903誘発炎症予防薬によるMC903誘発炎症の模式図。E.野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入マウス(CD1a)のマウスIgG1アイソタイプ対照によるi.p.処置後のMC903処置、あるいはCD1a遺伝子導入マウスの模式的パネルDのような16、110もしくは116抗CD1a抗体またはCR2113による注射によって誘発された耳腫脹の毎日の測定。WTを補正した。N=3~4、二元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05、7日目の「CD1a」に対する比較に関する有意性を示す。F.フローサイトメトリーにより測定した皮膚T細胞パーセンテージおよび好酸球数。N=3~4、二元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001。
【
図15-2】
図15は、イミキモド/MC903誘発炎症の治療における抗CD1a抗体適用の有効性の比較解析である。A.抗CD1a製剤投与によるイミキモド誘発炎症の模式図。B.野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入マウス(CD1a)のイミキモド処置後のマウスIgG1アイソタイプ対照によるi.p.処置、またはCD1a遺伝子導入マウスの模式的パネルAのような抗CD1a抗体の改良パネルもしくはCR2113による注射によって誘発された耳腫脹の毎日の測定。N=2~7、二元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05,**,P<0.01;****,P<0.0001、8日目の「CD1a」または8日目のOX116対CR2113に対する比較に関する有意性を示す。C.WTを補正した、(B)に示すデータおよび比較。D.MC903誘発炎症予防薬によるMC903誘発炎症の模式図。E.野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入マウス(CD1a)のマウスIgG1アイソタイプ対照によるi.p.処置後のMC903処置、あるいはCD1a遺伝子導入マウスの模式的パネルDのような16、110もしくは116抗CD1a抗体またはCR2113による注射によって誘発された耳腫脹の毎日の測定。WTを補正した。N=3~4、二元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05、7日目の「CD1a」に対する比較に関する有意性を示す。F.フローサイトメトリーにより測定した皮膚T細胞パーセンテージおよび好酸球数。N=3~4、二元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001。
【
図15-3】
図15は、イミキモド/MC903誘発炎症の治療における抗CD1a抗体適用の有効性の比較解析である。A.抗CD1a製剤投与によるイミキモド誘発炎症の模式図。B.野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入マウス(CD1a)のイミキモド処置後のマウスIgG1アイソタイプ対照によるi.p.処置、またはCD1a遺伝子導入マウスの模式的パネルAのような抗CD1a抗体の改良パネルもしくはCR2113による注射によって誘発された耳腫脹の毎日の測定。N=2~7、二元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05,**,P<0.01;****,P<0.0001、8日目の「CD1a」または8日目のOX116対CR2113に対する比較に関する有意性を示す。C.WTを補正した、(B)に示すデータおよび比較。D.MC903誘発炎症予防薬によるMC903誘発炎症の模式図。E.野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入マウス(CD1a)のマウスIgG1アイソタイプ対照によるi.p.処置後のMC903処置、あるいはCD1a遺伝子導入マウスの模式的パネルDのような16、110もしくは116抗CD1a抗体またはCR2113による注射によって誘発された耳腫脹の毎日の測定。WTを補正した。N=3~4、二元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05、7日目の「CD1a」に対する比較に関する有意性を示す。F.フローサイトメトリーにより測定した皮膚T細胞パーセンテージおよび好酸球数。N=3~4、二元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001。
【
図15-4】
図15は、イミキモド/MC903誘発炎症の治療における抗CD1a抗体適用の有効性の比較解析である。A.抗CD1a製剤投与によるイミキモド誘発炎症の模式図。B.野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入マウス(CD1a)のイミキモド処置後のマウスIgG1アイソタイプ対照によるi.p.処置、またはCD1a遺伝子導入マウスの模式的パネルAのような抗CD1a抗体の改良パネルもしくはCR2113による注射によって誘発された耳腫脹の毎日の測定。N=2~7、二元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05,**,P<0.01;****,P<0.0001、8日目の「CD1a」または8日目のOX116対CR2113に対する比較に関する有意性を示す。C.WTを補正した、(B)に示すデータおよび比較。D.MC903誘発炎症予防薬によるMC903誘発炎症の模式図。E.野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入マウス(CD1a)のマウスIgG1アイソタイプ対照によるi.p.処置後のMC903処置、あるいはCD1a遺伝子導入マウスの模式的パネルDのような16、110もしくは116抗CD1a抗体またはCR2113による注射によって誘発された耳腫脹の毎日の測定。WTを補正した。N=3~4、二元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05、7日目の「CD1a」に対する比較に関する有意性を示す。F.フローサイトメトリーにより測定した皮膚T細胞パーセンテージおよび好酸球数。N=3~4、二元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001。
【
図16-1】
図16は、イミキモド誘発炎症による皮膚および全身性免疫応答における抗CD1a抗体の作用の比較解析である。マウスIgG1アイソタイプ処置野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入(CD1a)ならびに模式
図15Aに示す治療投与モデルに従って抗CD1a抗体の改良パネルを注射したCD1a遺伝子導入マウス由来の耳皮膚、流入領域頸部リンパ節および血漿試料を解析した。A.皮膚T細胞IL-17A発現を、フローサイトメトリーにより検出した細胞内サイトカイン発現を使用して直接的にエクスビボで解析し(左パネル)、頸部リンパ節好酸球を数え上げた(右パネル)。B~C.血漿(B)および皮膚分解物(C)サイトカインレベルをELISAにより測定した(N=2~7、一元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001;****,P<0.0001)。
【
図16-2】
図16は、イミキモド誘発炎症による皮膚および全身性免疫応答における抗CD1a抗体の作用の比較解析である。マウスIgG1アイソタイプ処置野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入(CD1a)ならびに模式
図15Aに示す治療投与モデルに従って抗CD1a抗体の改良パネルを注射したCD1a遺伝子導入マウス由来の耳皮膚、流入領域頸部リンパ節および血漿試料を解析した。A.皮膚T細胞IL-17A発現を、フローサイトメトリーにより検出した細胞内サイトカイン発現を使用して直接的にエクスビボで解析し(左パネル)、頸部リンパ節好酸球を数え上げた(右パネル)。B~C.血漿(B)および皮膚分解物(C)サイトカインレベルをELISAにより測定した(N=2~7、一元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001;****,P<0.0001)。
【
図16-3】
図16は、イミキモド誘発炎症による皮膚および全身性免疫応答における抗CD1a抗体の作用の比較解析である。マウスIgG1アイソタイプ処置野生型(WT)およびCD1a遺伝子導入(CD1a)ならびに模式
図15Aに示す治療投与モデルに従って抗CD1a抗体の改良パネルを注射したCD1a遺伝子導入マウス由来の耳皮膚、流入領域頸部リンパ節および血漿試料を解析した。A.皮膚T細胞IL-17A発現を、フローサイトメトリーにより検出した細胞内サイトカイン発現を使用して直接的にエクスビボで解析し(左パネル)、頸部リンパ節好酸球を数え上げた(右パネル)。B~C.血漿(B)および皮膚分解物(C)サイトカインレベルをELISAにより測定した(N=2~7、一元配置分散分析とともにダネットの検定、*,P<0.05;**,P<0.01;***,P<0.001;****,P<0.0001)。
【発明を実施するための形態】
【0088】
材料および方法
マウス
すべてのマウスは、特定の無菌施設において飼育した。個々の実験では、マウスの年齢、性別およびバックグラウンド系統を、対応対照として使用した野生型同腹仔と一致させた。この試験において行ったすべての実験は、英国内務省(UK Home Office)の承認を得て行った。
【0089】
CD1a遺伝子導入マウスの生成
マウスは、OxfordのWellcome Trust Centre for Human Geneticsにより生成した。0.8kbの上流配列および0.8kbの下流配列を含むCD1A遺伝子全体を包含する5.7kbのゲノム断片を、ヒトゲノムDNAからPCRによりプライマー5’-ATGGTACCAAGAGGAATGTAAATGTGTCCGGC-3’および5’-AAGCGGCCGCGATCATGTTAACCAAGGTCAGGAA-3’を使用して増幅し、そのようなPCRプライマーに組み込んだKpnIおよびNotI部位を介してLitmus28ベクター(NEB社)にサブクローニングした。コードするエクソンの配列検証後、導入遺伝子断片をベクター骨格から切り取り、精製し、顕微注射緩衝液(10mMのTris-HCl、pH7.4、0.25mMのEDTA)中2ng/μlで再懸濁し、C57BL/6Jマウスから調製した受精卵の前核に顕微注射した。一晩の培養後、生じた2細胞期の胚を偽妊娠CD1養母の輸卵管に外科的に移植し、妊娠出産させた。遺伝子導入出生仔は、PCRにより導入遺伝子特異的プライマーを使用して同定し、野生型C57BL/6Jマウスとともに個々の系統として飼育した。
【0090】
CD1a遺伝子型決定
粗製ゲノムDNA調製をCD1a遺伝子導入マウス由来の刻耳試料に対して実施した。0.4mg/mlのプロテイナーゼK(Sigma社)を追加したDirectPCR耳溶解緩衝液(Viagen社)100μlを刻耳に加え、55℃で一晩インキュベートした。次いで、酵素を85℃で1時間熱失活させた。試料は、遠心分離してペレット片とし、その溶解物を清潔なチューブに移した。溶解物1μlを遺伝子型決定の鋳型として使用した。以下のPCR反応を遺伝子型決定に使用した。PCR産物は、1%のTAEアガロースゲル上にSyberSafeとともに添加し、電気泳動を実行して、ゲルをUV下で画像化した。予想されたバンドが655bpで検出された場合、マウスは、CD1a導入遺伝子に対して陽性であると考えた。
【0091】
【0092】
【0093】
細胞株
空ベクターをトランスフェクトしたK562(EV-K562)およびCD1aをトランスフェクトしたK562(CD1a-K562)細胞(Brigham and Women’s Hospital、Harvard Medical School、Boston、MAのB.Moodyから寄贈)を、10%のFCS、100IU/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン(Sigma-Aldrich社)、2mMのL-グルタミン(Gibco社)、1×非必須アミノ酸(NEAA)(Gibco社)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco社)、10mMのHEPES(Gibco社)、500μMの2-メルカプトエタノール(Gibco社)および200μg/mlのG418抗生物質(Thermo Fisher Scientific社)を追加したRPMI1640培地中に維持した。
【0094】
ELISpot解析
ELISpotアッセイを使用して、モデルCD1a発現抗原提示細胞との同時培養時のポリクローナルT細胞による活性化誘導サイトカイン分泌を検出した。健常ドナー血液由来のPBMCを密度勾配により単離し(Lymphoprep)、抗CD3磁気ビーズ選別を製造者のプロトコールに従って使用してT細胞を精製した(MACS、Miltenyi社)。すべての試験参加者から書面により完全なインフォームドコンセントを得た[National Health Service(NHS)National Research Ethics Service(NRES)研究倫理委員会14/SC/0106]。次いで、T細胞をIL-2(200U/ml)とともに3日間培養して数を増大させた後、非パルス/内因性脂質結合CD1aトランスフェクトK562(CD1a-K562)または対照の空ベクタートランスフェクトK562(EV-K562)とともにK562を25000細胞対ポリクローナルT細胞50000細胞の比率で一晩同時培養した。抗CD1a抗体の機能性を評価するために、抗IFNγ捕捉抗体をコーティングしたELISpotプレート内でポリクローナルT細胞と同時培養する1時間前および同時培養中に、K562を10μg/mlの抗CD1a抗体とともにインキュベートした。IFNγ分泌は、ビオチン化抗IFNγ検出抗体により検出し、ストレプトアビジン-アルカリホスファターゼ展開により可視化した。生じたスポットは、サイトカイン産生T細胞を示した。これは、自動ELISpotリーダー(Autimmun Diagnostika gmbh社ELISpot Reader Classic)を使用して数え上げ、サイトカイン産生スポットのEVバックグラウンドレベルの減算後に抗体処理および無処理群の比較時に%遮断を算出した。EV-K562の寄与(抗体有り無し)は、CD1a IFNγスポット数(それぞれ抗体有り無し)から減算した。次いで、補正したCD1a-K562抗体処理群のスポット数をCD1a無抗体群により割り、%遮断の算出に使用した。
【0095】
CD1a反応性T細胞生成および活性化解析:
CD1a制限T細胞を蛍光活性化細胞選別により単離した。T細胞をCD1a-K562のEV-K562と同時培養し、Miltenyi社のMACSサイトカイン分泌アッセイを製造者の指示に従って使用してサイトカイン産生応答T細胞を検出した。簡潔には、CD1a-K562との6時間の培養後にT細胞を抗サイトカイン(IL-22またはIFNγ)抗体でコーティングして、CD1a依存性自己分泌サイトカイン産生を検出した。次いで、生応答細胞を培養プレート内に選別した。CD1a制限T細胞の複合リンパ球反応を増大させて、純度およびCD1a応答性を上のFACSに基づくサイトカイン分泌アッセイ方法により解析フローサイトメーターを使用して評価した。CD1a制限T細胞の活性は、次のように解析した。K562細胞2×105細胞をCD1a自己反応性T細胞1~5×105細胞とともに4時間同時培養した。ヘルパーサイトカインを同時培養物に加えてCD1a依存性サイトカイン産生を支持した。IFNγ産生T細胞培養物には、IL-12(1ng/mL、BioLegend社)、IL-18(1ng/mL、BioLegend社)およびIL-2(25U/mL、BioLegend社)を追加し、IL-22産生T細胞培養物には、IL-6(5ng/mL、BioLegend社)、TNF-γ(5ng/mL、BioLegend社)およびIL-2(25U/mL、BioLegend社)を追加した。T細胞の活性化は、T細胞のサイトカイン産生により、上の分泌アッセイ(Miltenyi Biotec社)を製造者の指示に従って使用して評価した。
【0096】
マウスへのイミキモド投与
マウスをイソフルランにより軽度に麻酔し、予防モデル(
図4A)では0、1、2、3、4、5日目または治療モデル(
図9A)では0、1、2および4、5、6、7日目に5%のイミキモドを含むアルダラクリーム15mgを耳介の背側および腹側に適用した。予防モデル(
図4A)では-5、-3、-1、1、3、5日目または治療モデル(
図9A)では3、5、7日目に抗CD1a抗体またはマウスIgG1アイソタイプ対照100μgを腹腔内に投与した。予防モデル(
図4A)では0~6日または治療モデル(
図9A)では0~8日のアルダラ適用の期間毎日、マイクロメーター(Mitutoyo社)を使用して耳厚測定を行った。曝露後24時間にマウスを犠死させ、組織を採取した。
【0097】
マウスへのMC903投与
マウスをイソフルランにより軽度に麻酔し、1用量あたり2nmolのMC903を7日間毎日、耳の腹側および背側に適用した(各耳側に10マイクロリットル)。
図15Dに示すように、抗CD1a抗体またはマウスIgG1アイソタイプ対照100μgを腹腔内に投与した。マイクロメーター(Mitutoyo社)を使用して毎日、耳厚測定を行った。
【0098】
組織の処理
最終イミキモド曝露後24時間にマウスを犠死させ、組織を採取した。耳、頸部リンパ節(cLN)および脾臓を採取して免疫表現型決定またはイメージングを行った。脾臓およびcLNの細胞懸濁液は、組織を70μmの濾過器を通過させることにより得、10%のFCSを含むRPMIで洗浄した。脾臓細胞懸濁液の赤血球は、RBC溶解液(eBioscience社)とのインキュベーションにより除去した。
【0099】
耳皮膚組織をHBSSにより洗浄して過剰なイミキモドを除去し、腹側方向に分割し、0.5mm未満のさいの目に切り出し、1mg/mLのコラゲナーゼP(Roche社)および0.1mg/mLのDNaseI(Sigma-Aldrich社)を含むDMEMで3×30分間、撹拌しながら分解し、30分の最終分解工程において5mg/mLのディスパーゼを加えた。10%のFCSを含むDMEMを用いて70μmの濾過器を通過させることにより洗浄して単一細胞懸濁洗浄液を得た後、フローサイトメトリーにより解析した。
【0100】
フローサイトメトリー
FACS表面染色では、細胞を次の抗マウス抗体で標識した(他に述べない限りBiolegend社により供給):CD3(500A2、BUV495:741064 BD Pharmingen社)、CD11b(M1/70、BUV395:563553 BD Pharmingen社)、CD11c(N418、BV711:117349)、CD8(53-6.7、BUV805:612898 BD Pharmingen社)、CD4(GK1.5、AF700:100430)、CD45(2D1、FITC:368507)、CD11a(I21/7、PECy7:153108)、CD69(H1.2F3、BV650:104541)、ランゲリン(4C7、PE:144204)、Ly6C(RB6-8C5、BV605:108440)、Ly6G(1A8、PETxRed:127648)、MHCII(M5/114.15.2、BV785:107645)、SiglecF(S17007L、BV421:155509)、IL-17A(TC11-18H10.1、PECy7:506922)、Live/Dead Aqua(Invitrogen社)および抗ヒトCD1a(APCまたは精製SK9、HI149、OKT6、NA1/34)。
【0101】
フローサイトメトリー:エピトープ競合アッセイ
CD1a-K562細胞を新たに生成した精製抗CD1a一次抗体および市販の抗CD1a抗体とともに氷上で30分間インキュベートし(25μg/ml)、次いで、非結合抗体を洗い流し、次いで、種々の抗体のAlexa-Fluor-647コンジュゲート形態を細胞とともに氷上で30分間マトリックス配置によりインキュベートした(10μg/ml)。平均蛍光強度(MFI)を使用してフルオロフォアコンジュゲート抗体の結合の程度を評価した。
【0102】
共焦点イメージング
マウスの耳皮膚を最適切断温度包埋化合物中に凍結し、-80℃で保存した。凍結切片10μmをLeica社のクリオスタットを使用して切断し、Superfrost Plusスライド上に採取して30分間風乾した後、-80℃で保存した。スライドをPBS中で10分間再水和した後、染色した。試料の内因性ペルオキシダーゼ活性を、0.15%の過酸化水素溶液を室温で5分間加えることにより失活させた。内因性ビオチンをアビジン/ビオチンブロッキングキット(Vector Laboratories Ltd社)によりブロッキングし、10%のヤギ血清を使用して抗体の非特異的結合を低下させた。抗CD1a抗体を共焦点顕微鏡観察に使用した(1:100、OKT6;自家生成およびビオチンにコンジュゲート)。Alexa Fluor594チラミド(Tyramide)SuperBoostキット(ストレプトアビジン;Thermo Fisher Scientific社)を製造者の指示に従って使用してシグナルを増強した。簡潔には、スライドを4℃で一次抗体とともに一晩インキュベートした。洗浄後、HRPコンジュゲートストレプトアビジンを切片に加え、4℃で一晩インキュベートした。過剰なストレプトアビジン-HRPを洗い流し、組織をチラミド希釈標準溶液とともに室温で8分間インキュベートして、反応停止試薬により反応を停止した。染色後、スライドを、DAPIを加えた抗退色封入培地(Vector Laboratories Ltd社)を使用して封入し、カバーガラスを適用して、スライドを共焦点顕微鏡(Zeiss社LSM780共焦点顕微鏡-倒立顕微鏡;25×/0.8 Imm Korr DIC M27;室温;Axiocamカメラ;Zenソフトウェア)により解析するまで暗所で冷蔵し、Fijiを使用して画像処理を行った。
【0103】
細胞表現型および細胞毒性アッセイ:
抗CD1a抗体(5μg/ml)および市販の対照薬NA1/34(5μg/ml)をCD1a発現K562またはEV対照K562とともに48時間インキュベートし、細胞の減少をフローサイトメトリーにより評価した。抗体の直接的誘導による細胞減少を測定するために、K562をCellTraceVioletにより蛍光標識した後、抗CD1a抗体とともに48時間インキュベートした。フローサイトメトリーによる減少の評価前に、無処理のCFSE標識K562の参照集団を、抗体で処理したK562に1:1の比率で加えた。次いで、誘導された減少のパーセンテージを次の式を用いて、解析した種々の集団、抗体処理および無処理の参照CD1a+およびEVK562の生細胞の発生頻度を比較することによって算出した。%減少=100-((%抗体処理CD1a-K562生細胞/%参照CFSE標識K562生細胞)/(%無処理CD1a-K562生細胞/%参照CFSE標識K562生細胞)×100)。CD1a発現細胞のアポトーシスに対する抗CD1a抗体の作用を調べるために、K562-CD1aまたはK562-EVを、アイソタイプ対照または抗CD1a抗体(5μg/ml)のいずれかとともにインキュベートし、インキュベーション後24時間にアネキシンV(Biolegend社)に染色した。
【0104】
補体媒介溶解(CDC)および抗体依存性細胞毒性ADCCアッセイ:
CDCアッセイでは、K562-CD1a細胞(1ウェルあたり5×104細胞)を、5μg/mlのアイソタイプ対照抗体または指示抗体のいずれかで30分間前処理し、10%の正常ヒト血清とともに5%CO2により37℃で3時間インキュベートした。ADCCアッセイでは、新鮮PBMCを使用した。K562-CD1a細胞(1ウェルあたり5×103細胞)は、5μg/mlのアイソタイプ対照抗体または指示抗体のいずれかと組み合わせて、IL-2(100U/ml)を加え5%CO2により37℃で5時間、PBMC(1ウェルあたり2.5×105細胞)と同時培養した(エフェクター/標的比50:1)。細胞毒性は、生存した標的K562-CD1aのパーセンテージを、次の式:%細胞毒性=((%CD1a抗体処理CD1a-K562生細胞/%参照生細胞)/(%アイソタイプ抗体処理CD1a-K562生細胞/%参照生細胞)×100)を使用して算出することにより決定した。
【0105】
インビボでのCD1a+細胞枯渇:
「NSG」(NOD-scid IL2Rgammanull)マウスに、ECMゲル(Merck社)懸濁液(vol=100μl)中CD1a-K562細胞25万細胞を側腹部に皮下注射し、18日間腫瘍を発生させた。6、10および14日目にマウスの腹腔内をアイソタイプ対照抗体または指示抗体100μgで処置し、腫瘍サイズを測定した。
【0106】
等電点電気泳動アッセイ(IEF):
CD1a 10μgを、トリス緩衝食塩水および2%のCHAPS、7%のDMSOに溶解した100×モル過剰のイミキモド(Invivogen社)または媒体単独(偽)とともに37℃で2時間および室温で一晩インキュベートすることにより脂質添加を評価した。CD1a試料を等電点電気泳動(IEF)により分離した。簡潔には、CD1a-イミキモドおよびCD1a-偽タンパク質をIEF pH3~7ゲル(Novex)上に添加し、次いでこれを100Vで1時間、200Vで1時間および最終的に500Vで30分実行した。次いで、ゲルを12%のTCAで固定し、SimplyBlue SafeStainで7分間染色し、DI水中で一晩脱染した。
【0107】
統計学的解析:
一元および二元配置分散分析検査をGraphPad Prismバージョン6.00(GraphPad Software社)を使用して実施した。エラーバーは、指示のとおり標準偏差を表す。
【0108】
抗CD1a抗体製剤77A(VR11851)、110(VR12112)、111(VR12113)、116(VR12117)および16(VR11834)の生成および選択
様々な種にわたる多くの動物(マウスおよびウサギを含む)を免疫した。マウスは、ヒトCD1aおよびマウスB2MをトランスフェクトしたNIH3T3細胞により免疫した。ウサギは、ヒトCD1aおよびウサギB2MをトランスフェクトしたRab9細胞により免疫した。3~5回の注射後、動物を犠死させ、PBMC、脾臓、骨髄およびリンパ節を回収した。ヒトCD1aおよびヒトB2Mを発現するHEK-293細胞に対する結合について、フローサイトメトリーを介して血清を監視した。
【0109】
メモリーB細胞培養物を設定し(77A(VR11851)、110(VR12112)、111(VR12113)および116(VR12117)に関連)、TTP Labtech社のMirrorballシステム上でのビーズに基づくアッセイにおいて、ヒトCD1aを一過性にトランスフェクトしたHEK-293細胞に結合する能力について上清を最初にスクリーニングした。これは、細胞色素で染色したヒトCD1aおよびヒトB2Mを発現するHEK-293細胞を使用する多重アッセイであり、ヤギ抗種Fc-FITCコンジュゲートを暴露物質として使用して、CD1b、CD1cまたはCD1dをヒトB2Mとともに発現する対比染色HEK-293細胞に対して対比スクリーニングした。
【0110】
Mirrorballによる一次スクリーニングにおいて、合計10×200プレートのB培養実験から、およそ3500件のCD1a特異的陽性的中が同定された。次いで、このアッセイの陽性上清は、次によってさらなる特性決定に進んだ。
・ ELISA、ヒトCD1aタンパク質に対する結合を確認する(以下に詳述)
・ ELISA、キメラCD1aタンパク質上のCD1a脂質結合ドメイン(CD1aのヒト脂質結合ドメイン、CD1dのマウスIgドメイン)に対する結合を確認する(以下に詳述)
・ フローサイトメトリー、HEK-293細胞上に発現するヒトCD1a(ヒトβ2Mと同時発現)に対する結合を確認する(以下に詳述)
【0111】
上のアッセイにおいて結合を実証したウェルは、蛍光焦点法を使用するV領域の回収に進んだ。
【0112】
また、骨髄由来の形質細胞は、ヒトCD1aに結合する能力について、蛍光焦点法を使用して直接的にスクリーニングした(16(VR11834)に関連)。ここでは、CD1a特異的抗体を分泌するB細胞は、ヤギ抗種Fc-FITCコンジュゲート暴露試薬を使用して、ストレプトアビジンビーズ上に固定したビオチン化ヒトCD1a上に採取した。およそ300件の直接的焦点を採取した。
【0113】
採取した細胞の逆転写(RT)およびPCR後、抗体のV領域をコードする「転写的に活性なPCR」(TAP)産物を生成および使用して、HEK-293細胞を一過性にトランスフェクトした。組換え抗体を含む生じたTAP上清は、次によってさらに特性決定した。
・ ELISA、ヒトCD1aタンパク質およびキメラCD1aタンパク質(CD1aのヒト脂質結合ドメイン、CD1dのマウスIgドメイン)に対する結合を確認する(以下に詳述)
・ フローサイトメトリー、HEK-293細胞上に発現するヒトCD1a(ヒトβ2Mと同時発現)に対する結合を確認し、関連する類似タンパク質:HEK-293細胞上に発現するCD1b、CD1cまたはCD1d(ヒトβ2Mと同時発現)に対する交差結合に対して対比スクリーニングする(以下に詳述)
【0114】
次いで、興味深いTAP産物由来の重および軽鎖可変領域遺伝子対をウサギまたはマウス完全長抗体のいずれかとしてクローニングし、HEK-293一過性発現系において再発現させた。合計119種のV領域をクローニングして記録した。次いで、組換えクローン抗体を、次によってさらに特性決定した。
・ 上のフローサイトメトリーおよびELISAアッセイの反復
・ フローサイトメトリー、複数の細胞株において発現するCD1aに対する結合を評価する
これは、結合が脂質に非依存的であるという最初の示唆となった。次に対する結合について上清をスクリーニングした。
- CD1aまたは空ベクターを発現する(ヒトβ2Mと同時発現)安定に形質導入したC1R細胞。これらは、110(VR12112)、111(VR12113)および116(VR12117)に関連する(以下に詳述)。
- CD1a、CD1b、CD1c、CD1dおよびβ2Mを内因的に発現するMOLT4細胞。これらは、110(VR12112)、111(VR12113)および116(VR12117)に関連する(以下に詳述)。
・ BIAcoreによるプロファイリング、解離速度(off-rate)および親和性を推定する(以下に詳述)
【0115】
上のアッセイにおける結合および100nM未満の親和性を実証した抗体を精製のために選択した。細胞培養上清は、プロテインA親和性精製を使用して精製した。精製試料は、緩衝液を10mMおよびpH7.4のPBSに交換し、回収および純度についてUV分光法、解析用サイズ排除クロマトグラフィー、SDS Page電気泳動およびLALエンドトキシンアッセイをそれぞれ使用して解析した。ここで、必要とされる試料を第2の精製ラウンドに供して単量体レベルを上昇させた。最終試料は、滅菌濾過し、10mMおよびpH7.4のPBS中に保存した。
【0116】
次いで精製後、5つすべての抗体は、次によってさらに特性決定した。
・ 上のフローサイトメトリー、ELISAおよびBIAcoreアッセイの反復
・ ELISA、カニクイザルCD1aタンパク質および中国において一般的なヒトCD1aタンパク質の変異体(18)に対する結合を評価する(以下に詳述)
・ フローサイトメトリー、
- カニクイザルβ2Mと同時トランスフェクトしたカニクイザルCD1a
- ヒトβ2Mと同時トランスフェクトした、中国において一般的なヒトCD1aの変異体
を一過性にトランスフェクトしたHEK-293細胞に対する結合を評価する(以下に詳述)
【0117】
77A(VR11851)、110(VR12112)、111(VR12113)、116(VR12117)および16(VR11834)は、それぞれの抗体発見段階において、組換えおよび細胞発現CD1aタンパク質の検査したすべての形態に対して結合する能力を実証した(表1~9)。唯一の例外は、116(VR12117)であり、これは、組換えまたは細胞発現カニクイザルCD1aに対して結合を示さなかった(表4および9)。後続のインビトロ(in vitro)およびインビボでの解析において抗体116を含むことは、明白であるとは考えられなかったが、それにもかかわらず、脂質結合ドメインがヒトおよびカニクイザルとの間で異なり、潜在的に異なる機能性作用を有する、エピトープ結合領域に焦点を合わせるための計画的工程となった。いずれの抗体も、HEK-293細胞上に発現するCD1b、CD1cまたはCD1dに対する結合を実証せず(表5)、このような抗体がCD1a特異的であることを示した。HEK-293細胞におけるCD1a、CD1b、CD1cおよびCD1d発現は、市販の抗体により確認され、この結論を支持した(データ非指示)。複数の細胞型(HEK、C1RおよびMOLT4)上に発現するCD1aに対する結合は、CD1aが各細胞株における異なる脂質プールから添加されると思われるため、抗体結合が脂質に非依存的であり得るという最初の示唆となった。
【0118】
抗体発見後、以下のT細胞アッセイにおいてインビトロでの機能について抗体を評価した。
【0119】
マウスIgG1骨格上の77A(VR11851)、110(VR12112)、111(VR12113)および116(VR12117)の重および軽鎖V領域をコードするDNAをATUMにおいて合成し、自家のHEK-293一過性発現系において発現させた。次いで、抗体に精製およびエンドトキシン除去を行い、以下のようにインビボでのアッセイにおいて検査した。
【0120】
ヒトCD1aに対する77A(VR11851)、110(VR12112)、111(VR12113)、116(VR12117)および16(VR11834)の親和性
ヒトCD1aに対する精製抗体の親和性を、Biacore T200装置(GE Healthcare社)を使用して、固定した抗種IgG F(ab’)2に対する抗体を捕捉した後、ヒトCD1aを滴定することにより評価した。Affinipureヤギ抗種IgG-F(ab’)2特異的断片(Jackson ImmunoResearch社)をCM5センサーチップ(GE Healthcare社)上に、約5000応答単位(RU)の捕捉レベルまでのアミン共役化学反応を介して固定した。HBS-EP+緩衝液(10mMおよびpH7.4のHEPES、0.15MのNaCl、3mMのEDTA、0.05%の界面活性剤P20、GE Healthcare社)を10μL/分の流量で泳動緩衝液として使用した。0.5μg/mLの検査抗体の注射10μLを、固定ヤギ抗種Fabによる捕捉に使用した。ヒトCD1aは、30μL/分の流量で、捕捉した抗体に対して滴定して(0nM、0.6nM、1.8nM、5.5nM、16.6nMおよび50nM、泳動緩衝液中で希釈)親和性を評価した。
【0121】
40mMのHClの注射2×10μLによりサイクル間に表面を再生し、5mMのNaOHの注射10μLにより10μL/分の流量で分散させた。バックグラウンドを減算した結合曲線を、Biacore T200評価ソフトウェアを標準手順に従って使用して解析した。動態パラメータは、適合アルゴリズムにより決定した。このアッセイは、クローン上清および精製抗体段階において実施した。ヒトCD1aに対する抗体結合の動態パラメータは、表10に示す。
【0122】
ELISAにより評価した77A(VR11851)、110(VR12112)、111(VR12113)、116(VR12117)および16(VR11834)の結合
CD1a特異的抗体をELISAにより同定した。ELISAプレートを2μg/mLの目的のタンパク質(ヒトCD1aプールB、キメラCD1aプールB[ヒト脂質結合ドメインおよびマウスCD1d Igドメイン]、中国変異体CD1aまたはカニクイザルCD1a)(20μL/ウェル)により4℃で一晩コーティングし、次いで、洗浄緩衝液(PBS中0.2%(v/v)のTween-20(pH7.4))で洗浄した。次いで、プレートを80μl/ウェルのブロッキング緩衝液(1%(w/v)のウシ血清アルブミン)により室温で1時間ブロッキングし、次いで、洗浄緩衝液中で洗浄した。抗体試料(B細胞培養上清、TAP上清、クローン上清、精製抗体溶液)希釈物20μLをELISAプレートに移し、室温で1時間インキュベートした後、洗浄緩衝液で洗浄した。20μl/ウェルのペルオキシダーゼコンジュゲートヤギ抗種IgG Fc特異的F(ab’)2断片(Jackson ImmunoResearch社)を1:5000でブロッキング緩衝液により希釈して加え、室温で1時間インキュベートした後、洗浄緩衝液で洗浄した。TMB基質(EMD Millipore社)を加えて(20μL/ウェル)結合を可視化し、反応物を室温で5分間インキュベートした後、マイクロプレートリーダーを使用して630nMで光学密度を測定した。このアッセイは、B細胞上清段階(ヒトCD1aプールB)、TAP上清段階(ヒトCD1aプールB、キメラCD1aプールB)、クローン上清段階(ヒトCD1aプールB、キメラCD1aプールB)および精製抗体段階(ヒトCD1aプールB、キメラCD1aプールB、中国変異体CD1a、カニクイザルCD1a)において実施した。精製抗体のデータは、表1~4に示す。
【0123】
フローサイトメトリーにより評価した77A(VR11851)、110(VR12112)、111(VR12113)、116(VR12117)および16(VR11834)の結合
CD1a特異的抗体をフローサイトメトリーにより同定した。HEK、C1RおよびMOLT4細胞株上に発現したタンパク質に対する結合を評価した。HEK-293細胞に目的のタンパク質(CD1a、CD1b、CD1c、CD1d、中国変異体CD1aまたはカニクイザルCD1a)および種特異的β2M(上に示すもの)をトランスフェクトした。トランスフェクションは、Expifectamine293キット(Gibco社)を使用して実施し、一晩インキュベートした。C1R-CD1a、C1R-空ベクターおよびMOLT4細胞株は、必要とされる日に1×PBS中で洗浄した。すべての細胞株を計数して1×PBS中に再懸濁し、次いで、DiIまたはDiO細胞染色(Invitrogen社)を使用して37℃で30分間染色した。細胞をフローサイトメトリー緩衝液(PBS中1%のウシ血清アルブミン、2mMのEDTAおよび0.1%のアジ化ナトリウム)で洗浄した後、2つのDiI染色およびDiO染色集団をともに混合した。次いで、細胞(20μl/ウェル)を抗体試料(B細胞培養上清、TAP上清、クローン上清、精製抗体溶液)(20μl/ウェル)の希釈物に加え、フローサイトメトリーアッセイプレート内に4℃で1時間インキュベートした後、フローサイトメトリー緩衝液で洗浄した。10μl/ウェルのAlexafluor647コンジュゲートヤギ抗種IgG Fc特異的F(ab’)2断片(JacksonImmunoResearch社)を1:2500でフローサイトメトリー緩衝液により希釈して加え、4℃で30分間インキュベートした後、洗浄緩衝液で洗浄した。次いで、蛍光強度をiQue screener PLUS上で測定した。このアッセイは、B細胞上清段階(ヒトCD1aを発現するHEK-293細胞)、TAP上清段階(ヒトCD1a、CD1b、CD1cまたはCD1dを発現するHEK-293細胞)、クローン上清段階(ヒトCD1a、CD1b、CD1cまたはCD1dを発現するHEK-293細胞;ヒトCD1aまたは空ベクターを発現するC1R細胞;MOLT4細胞株)および精製抗体段階(ヒトCD1a、CD1b、CD1c、CD1d、中国変異体CD1aまたはカニクイザルCD1aを発現するHEK-293細胞;ヒトCD1aまたは空ベクターを発現するC1R細胞;MOLT4細胞)において実施した。精製抗体のデータは、表5~9に示す。
【0124】
【0125】
【0126】
【0127】
【0128】
【0129】
【0130】
【0131】
【0132】
【0133】
【0134】
【実施例】
【0135】
[実施例1]
【0136】
抗CD1aパネルの改良:抗CD1a抗体の機能的評価
CD1a結合評価の後、阻害機能のために生成した抗CD1a抗体の大型パネルをスクリーニングした。T細胞のサイトカイン産生をインビトロでの抗原提示モデルにおいてEliSpotにより測定した。このようなデータの要約は、
図1に示す。新たに生成した抗体の多くが、CD1aT細胞応答の阻害において市販の抗CD1a抗体OKT6、HI149およびSK9よりも強力であることが判定された。注目すべきは、抗体16、22、39、46、77、87、110、116はすべて、OKT6よりも少なくとも1log低いIC50を有し(
図1B)、これは、形質導入クローン不死T細胞よりも感受性が低いと予想されるポリクローナルT細胞の使用にもかかわらず、先行技術に記載の抗体を超える改善である。
[実施例2]
【0137】
抗CD1aパネルの改良:CD1a制限濃縮T細胞株応答の阻害
インビボでの解析のための抗体候補の最終選抜リスト作成を助けるために、異なる手法を取ってCD1aT細胞応答を評価した。CD1a制限濃縮T細胞株を単離および増殖させて、低いシグナル対ノイズ比により阻害性抗体の可能性が部分的に隠蔽され得る複合的ポリクローナルT細胞バックグラウンドではなく、単離してCD1a応答を解析した。
【0138】
このようなアッセイでは、抗体116および16が、強力な阻害性抗体として優れており、16は、IL-22の自己反応的/内因的産生をユニークに阻害した(
図2Aおよび2B)。この改善は、IFNγが果たす役割を有する条件に加えて、IL-22が病原性の役割を果たす条件下で抗体を使用する可能性を示す。種々のサイトカインに対する差次的作用が見られることは、驚くべきことであった。さらに、無APC系を使用して、CD1a制限T細胞活性化の抗体依存性阻害を評価した。CD1aをコーティングしたビーズをAPCの代替物として使用し、生じたT細胞IFNγ産生をフローサイトメトリーにより測定した。このアッセイによって、すべての抗体、特には、77a、87、110、111および116によるCD1a依存性サイトカイン応答の有意な阻害が明らかとなった(
図2C)。
[実施例3]
【0139】
皮膚炎症における阻害性抗体のインビボでの評価
この試験の目的は、ヒト疾患および障害の治療における臨床的使用のための抗体を生成することであり、このため、ヒト疾患に似た複雑な免疫系における有効性を確かめることが必須であった。新たに生成した最良の抗体の高度に改良されたパネルを上のデータの解析から選択し(抗体16、77a、110、111および116)、乾癬、皮膚炎、ループスのインビボでのモデルにおいて、ならびに炎症性皮膚もしくは粘膜疾患もしくは障害として現れる薬物反応、または関連する全身性疾患もしくは障害、または1つもしくは複数の全身的に現れる炎症性薬物反応のモデルとして、これらの可能性を決定しようとした。実験的乾癬および皮膚炎は、CD1a遺伝子導入マウスにおいて、WTと比較して増悪することが示され、CD1a依存性炎症は、抗CD1a抗体の投与により回復させることができる(Kim et al 2016)。一部の個体が、多くの皮膚障害のために局所的に使用したイミキモドに対する皮膚/粘膜炎症性薬物反応を生じることも注目すべきであり、このような薬物反応としては、乾癬性反応、皮膚炎反応、水疱性疾患、脱毛症、小胞形成、苔癬反応、好中球性疾患、エリテマトーデス、多形性紅斑、口腔びらん、ならびに重度の薬物反応、例えば、DRESS、AGEP、スティーブンス・ジョンソン症候群および中毒性表皮壊死症が挙げられる(19-29)。
【0140】
CD1a遺伝子導入マウスの生成
皮膚および関連する全身性炎症におけるCD1aの可能な役割を評価するために、発明者らは、CD1a遺伝子導入マウスを生成した。CD1aは、マウスゲノムには存在しないため、プロモーターエレメントを含む0.8kb5’および0.8kb3’隣接領域を有するヒトCD1a遺伝子座をクローニングし、この導入遺伝子を、公表されているCD1a遺伝子導入モデルと同様であるが、さらなる導入遺伝子断片ステッチを必要とする、顕微注射により挿入した(Illing et al., Nature 486, 554-558 (2012))。遺伝子型陽性ファウンダーマウスを飼育し、系統をCD1a導入遺伝子発現についてスクリーニングした。発明者らはさらに、マウスの表現型を決定して、CD1aタンパク質発現が予想プロファイルに従い、ヒトCD1a細胞発現の代表的なものであるかどうかを判定した。野生型およびCD1a遺伝子導入(CD1aTg)マウスの耳皮膚を採取し、酵素的に処理してフローサイトメトリーによる皮膚細胞環の解析を可能とした(
図3A)。CD1a発現は、総皮膚細胞の4.2%(+/-1.79)およびCD45+細胞の23.6%(+/-6.68)を占める皮膚において検出した。細胞の発現調節を評価するために、真皮DC(dDC)およびランゲルハンス細胞(LC)をCD1aタンパク質について評価した。真皮DCサブセットは、CD1aを発現することが報告されており、ランゲルハンス細胞は、特徴的には、構成的なCD1ahighである。CD1aは、dDCの41.5%(+/-20.38)およびLCの88%(+/-4.606)が発現することが見出された(
図3A~B)。免疫蛍光によって皮膚におけるCD1aタンパク質発現をさらに特性決定し、特徴的な表皮の位置と、LCに典型的な樹状突起を有する細胞とが明らかとなった(
図3C)。CD1a遺伝子型が確認され(
図3D)、胸腺におけるCD1a発現は、主に、CD4+CD8+二重陽性胸腺細胞の割合によって観察された(
図3E)。CD1aTgマウスは、定常状態では異常な皮膚炎症を示さなかった。要約すると、発明者らは、ヒト組織発現と表現型的に同様にCD1a発現を呈するCD1a遺伝子導入マウスを生成した。
【0141】
このモデルを使用して、抗CD1a抗体を炎症性皮膚疾患および障害の予防について検査した(
図4A)。TLR7/8アゴニストであるイミキモド5%を含むアルダラクリームの適用は、皮膚肥厚、鱗屑および発赤により典型的に表される乾癬様、皮膚炎様、ループス様皮膚炎症を誘発する確立されたモデルである(30,31)。CD1a遺伝子導入マウスの耳の炎症が、アルダラに応答して、WT対応マウスのそれよりもかなり高いことが見出された。その上、イミキモドの前に投与したすべての抗CD1a抗体では、その後の耳肥厚が低下したが、抗体116および16では、CD1a依存性炎症が少なくともWTレベルまで低下した(
図4B)。実験のエンドポイントまでには、抗体16および110で処置したCD1a遺伝子導入(-Tg)マウスは、耳肥厚のWTレベルまで炎症の低下を示した。著しくかつ予想外なことには、抗体116の処置により、CD1a-Tg耳皮膚炎症のレベルが、WT皮膚のレベル未満に有意に低下した(
図4B)。
[実施例4]
【0142】
皮膚免疫応答に対する阻害性抗体のインビボでの作用
これにより、イミキモド誘発CD1a依存性耳炎症への皮膚免疫集団の寄与について解析しようとした。
【0143】
皮膚T細胞浸潤がCD1a遺伝子導入マウスにおいて上昇し、この集団の発生頻度が抗CD1a抗体、特には、予防モデルの抗体116、16および110により低下することが見出された(
図5A)。注目すべきは、16および116では、皮膚T細胞浸潤を野生型未満のレベルに低下させることが可能であり、インビボでの炎症に対する著明な作用の改善が示唆された。その上、活性化マーカーCD69が、CD1a遺伝子導入マウスの皮膚T細胞の表面上で上昇し、抗CD1a抗体の一部、特には、予防モデルの116および16により阻害された(
図5B)。好中球は、乾癬性応答およびマウスイミキモドモデルを含む多くの炎症性障害の重要な細胞であることがわかっている。ここでは、イミキモド処置時の皮膚において好中球発生頻度の上昇、およびCD1a遺伝子導入マウスにおいてさらなる上昇が見出され、これは、予防モデルの抗CD1a抗体116および16によりWTレベルまたは未満に低下した(
図5C)。抗体に応答した皮膚好酸球の低下も認められ、これは、薬物反応性の多くの形態における好酸球の公知の役割を考慮すれば興味深いものである(
図5D)。好酸球に対する作用がこれまでに観察されていないため、この予想外の知見は、改善の代表的なものである。
【0144】
ヒト皮膚炎症性障害において観察されたように、CD1a遺伝子導入マウスのイミキモド曝露時の皮膚において、CD11c+ランゲリン+としてここで定義するランゲルハンス細胞も、WTと比較して増加した。抗体16、116、111および非有意性には110の投与により、予防モデルにおいて皮膚LC数が減少した(
図6A)。注目すべきことには、抗体116により、皮膚LC数が、野生型皮膚における数未満に減少し、驚くべき作用レベルの改善が示された。主なCD1a発現集団として、LCのCD1a発現に対する抗体の作用を評価した。抗体110および116では染色が減少したが、これは、HI149検出抗体による結合に対する110/116抗体の干渉のためであることは注目すべきであった(
図6B)。これは、驚くべき作用であり、治療的利点と関連する、インビボでの抗体の持続的結合を示す。また、この知見は、診断もしくは予後目的または処置前および処置中のCD1a発現細胞の監視のために抗体を使用する可能性を高める。この観察は、以下に示すように非競合SK9検出抗体では見られなかった。観察されたLC減少は、抗体依存性LC死もしくは遊走または表現型の変更のためであり得る。したがって、頸部リンパ節をCD11c+ランゲリン+LCの存在について解析した。しかし、CD1a遺伝子導入マウスのリンパ節におけるLC数の、WTと比較した増加が見出されたが、LNへの遊走は、抗体110および116で処置したマウスにおける皮膚LCの減少の説明がつくとは考えられなかった(
図6C)。注目すべきことには、抗体116により、野生型皮膚のそれに近い免疫学的改善がもたらされ、驚くべき作用レベルの改善が示された。興味深いことには、リンパ節由来LC上のCD1aの発現レベルは、以下にさらに考察するように、HI149検出抗体による結合に対する110/116抗体の干渉のためであるLCの染色が減少した点において、皮膚のレベルと類似のパターンに従った(
図6D)。これは、非競合SK9検出抗体では見られなかった。リンパ節由来LCが、皮膚の場合より少なく1細胞あたりのCD1aを発現したことは注目すべきであり、これは、全身的炎症を予防する制御機構であり得る。したがって、抗体は、皮膚において、およびリンパ節への遊走後であっても、インビボでLCに対する作用を維持する。臨床作用がより持続性であるため、これは重要な増強である。
[実施例5]
【0145】
CD1a発現細胞表現型に対する作用において発現した抗CD1a抗体観察細胞毒性
遊走の増強によって皮膚LC減少の説明が十分にはつかなかったことを考慮して、抗体により誘導されるCD1a+細胞表現型変更の可能性を、マウスIgG1の性質にかかわらず検討した。
【0146】
すべての抗CD1a抗体、特には、110および116により、MHCクラスIおよびIIを欠くため、応答の比較が可能であるCD1a+K562細胞の数をインビトロで減少可能であることを実証した(
図7A)。抗体110および116は、より詳細に検査したところ、用量依存的減少を示し(
図7B)、IgG1アイソタイプを考慮すると、これは改善かつ驚異となった。これは、公表されているCR2113抗体とは異なると思われ(16、18)(米国特許第10844118号明細書およびカナダ国特許出願公開第2924882号明細書)、これには、補体および/または抗体依存性細胞性細胞毒性を必要とすると述べられている。詳細には、「CR2113はアポトーシスを直接的に誘導しない」と述べられ(17)、NA1/34が直接的殺傷を誘導しないことが認められた。しかし、種々のFc領域によりエフェクター機能が影響されるため、マウスIgG1バックグラウンドのCR2113の比較可能な作用を以下に直接的に取り上げる。発明者らは、初代ヒトCD1a発現細胞の直接的減少を誘導する抗体の能力をさらに評価した。サイトカインIL-4/GM-CSFおよびIL-4/GM-CSF/TGF-βをそれぞれ使用し、培養から0または2日目に抗CD1a抗体を加える、5日のインビトロでの単球の分化により、DCおよびLC様細胞を生成した。抗体110および116により、LCおよび比較的程度は小さいがDCがインビトロで減少することが観察された(
図7Cのそれぞれ上および下パネル)。この減少の根底にある機構の調査では、発明者らは、細胞クラスター形成培養物の著しい表現型形態と関連する減少を見出した(
図7D)。数の減少は、このクラスター形成により部分的に説明がつき得るが、加えて、抗体によってCD1a発現標的細胞のアポトーシスが誘導可能かどうかを検査し、CR2113と比較した(マウスIgG1バックグラウンド)。
図7Eは、110および116(16ではなく)ならびにCR2113(マウスIgG1バックグラウンド)が、補体またはADCCの非存在下であっても、CD1a発現K562によるアネキシンV発現を誘導することを示す。これは、110、116およびCR2113抗体が、K562細胞死をある程度まで媒介可能であることを示唆する。補体媒介溶解(CDC)および抗体依存性細胞毒性(ADCC)の役割を検討するために、K562-CD1aを補体(
図7F)および/またはヒトPBMC(
図7G)とともにインキュベートした。マウスIgG1の抗体の性質にもかかわらず、補体媒介溶解およびADCCの証拠が存在した。インビボでの機構をさらに検討するために、リンパ球応答および他の作用を広く欠損する免疫不全NSGモデルのK562-CD1a皮下腫瘍を使用して、新たなモデルを確立した。データは、3つすべての抗体により、10日目までにリンパ球系細胞腫瘍のサイズが低下し、16および116では、15~20日目まで作用が持続する(25%以上のCD1a発現腫瘍細胞量の低下まで)が、CR2113では、失われることを示した(
図7H)。インビトロおよびインビボでの応答の差異は、インビボで存在する他の共同因子、例えば、補体、異なるFcに対する特異性を有するFcRを担持する多数の自然細胞サブセット、差次的標的細胞密度、インビボでの抗体半減期の短縮、および組織到達の変更により説明がつき得る。CD1a発現標的細胞表現型のこのような直接的変更により、CD1a発現細胞の低炎症性応答が促進され得る。したがって、110および116で処置したCD1a-Tgマウスの皮膚におけるLCの減少は、CD1a+LCの表現型における直接的抗体依存的変化により部分的に説明がつき、臨床作用、例えば、116では、野生型のレベル未満までの炎症の低下に寄与し得る。また、データにより、ランゲルハンス細胞組織球症およびT細胞リンパ腫の一部の型および胸腺腫の一部の型を含むCD1a発現悪性疾患の治療における有用性を、抗体が有し得る可能性が高まる。しかし、CD1aビーズアッセイ(
図2C)が、いかなる枯渇作用によっても影響されないため、標的細胞の表現型変更では、
図2に示すT細胞機能的応答の低下の説明がつかない。
[実施例6]
【0147】
CD1a抗体のエピトープ結合解析
本明細書において示すデータにより、5つの新たに生成した抗CD1a抗体が様々な機能性を有することを実証し、抗体が重複結合部位を有するかどうかを、フローサイトメトリー交差遮断アッセイを使用して判定しようとした。加えて、エピトープの重複を市販の抗体OKT6、HI149、SK9およびNA1/34(上記のようにCR2113と重複することが公知の結合部位)により評価した。
【0148】
CD1a-K562細胞を精製抗CD1a一次抗体とともにインキュベートし(
図8AのY軸、25μg/ml)、次いで、非結合抗体を洗い流し、次いで、種々の抗体のAlexa-Fluor-647コンジュゲート形態を細胞とともに
図8Aのマトリックス配置によりインキュベートした(X軸、10μg/ml)。平均蛍光強度(MFI)を使用してフルオロフォアコンジュゲート抗体の結合の程度を評価したところ、精製一次抗体の結合により生じる任意の立体干渉が、MFIの低下により表された。結果は、抗体HI149、OKT6、110および116が、重複または密接に結合するエピトープを有し得、抗体NA1/34、77a、111および16を含む第2の群が、密接に関連する結合部位を有し得ることを示した。これは、インビボで観察されたCD1a発現の低下(
図6BおよびD)が、HI/149検出抗体による結合に対する110/116抗体の干渉のためであることを示唆する。実際、この作用は、非競合SK9検出抗体では見られなかった(
図8B)。重要かつ予想外なことには、これにより抗体は、皮膚において、ならびにリンパ節への遊走および次の皮膚組織の酵素分解後であっても、インビボでLC上に存在を維持する。これは、より長期で実質的な臨床的有用性と関連する可能性を有する。抗体が、競合しない2つの主な群に分けられるため、
図8(AおよびB)は、各群から選択される抗体メンバーの組合せを、例えば、治療/監視または併用治療として、ともに使用可能であることを示す。このような組合せの1つは、116および16である。
[実施例7]
【0149】
イミキモド誘発炎症およびさらには全身的に関連する炎症の治療に対する本発明の抗体の有効性の実証
循環するCD1a反応性T細胞の存在が実証されているが(11)、CD1aの皮膚に優勢な発現を考慮して、ほとんどの試験では、皮膚特異的機能性作用に焦点を合わせていた。皮膚に留まらない組織の炎症におけるCD1aの役割は、大規模には試験されていなかった。その上、CD1aは、イミキモド皮膚応答を増幅することが公知であるが(16)、関連する全身性続発症の試験は存在していない。発明者らは、新規のCD1a遺伝子導入マウスおよびCD1a反応性T細胞を生成し、抗CD1a抗体の機能性をインビトロおよびインビボでヒトおよびマウスアッセイをそれぞれ使用して特性決定する。この知見により、CD1a依存性作用が全身作用に及ぶことが確認され、有害な炎症性薬物反応を含む全身的に関連する皮膚疾患の治療に意味づけられる。
【0150】
抗CD1a抗体の治療可能性
新たに生成した抗CD1a抗体の治療可能性をさらに評価するために、発明者らは、3つの臨床的に最も有効な抗体16、110および116をイミキモド処置モデルにおいて検査し、この場合、イミキモド誘発炎症の確立後に抗CD1a抗体を導入した(
図9A)。イミキモドの適用が進行中であるにもかかわらず、3つすべての抗体により、開始後速やかに臨床応答が改善した(
図9B~C)。116では、応答が最も著名であり、これにより耳厚が低下した(
図9B)。皮膚全体(上パネル)および表皮(下パネル)の肥厚を共焦点顕微鏡により可視化し(
図9D)、これによりマイクロメーター評価が確認された(
図9B)。CD1aタンパク質発現をCD1a遺伝子導入表皮において評価し(抗CD1a OKT6 AF-594、赤)、110および116により処置した皮膚において、細胞死およびエピトープ競合により低下することを認めた(
図8Aおよび
図9D)。イミキモド処置モデル後の皮膚細胞免疫応答の解析時、我々は、抗体の導入後の皮膚T細胞数および活性化の低下、皮膚LCの減少、ならびに皮膚好中球の減少を観察した(
図9E~G)。
【0151】
CD1aはイミキモドに対する全身性免疫反応に関与する
イミキモド処置のヒト作用は、皮膚を越えて拡大させることができ、マウスモデルでは、脾腫を誘発することがわかっている。この経路に対するCD1aの寄与を評価した。著しくは、皮膚に留まらない全身作用と一致して、イミキモド処置CD1a Tgマウスでは、脾臓重量が野生型と比較して上昇し、抗体により脾臓サイズおよび重量が低下した(
図10A)。その上、CD69発現(116および110、
図10B~C)、脾臓好中球(非有意傾向)、および好酸球発生頻度(16、110、116)(それぞれ
図10Dおよび10E)により決定した場合、抗体により、CD4およびCD8T細胞活性化が低下した。8日目に血漿サイトカインレベルを評価した。イミキモド処置CD1a遺伝子導入マウスでは、IL-23、IL-12p70、IL-1β、IL-1αおよびMCP-1の有意な上昇が観察され、16、110および116処置群の一部またはすべてでは、低下した(
図10F)。それぞれ抗体16および116の存在下では、血漿免疫調節サイトカインIL-10およびIL-27は上昇した(他では同様の傾向)。次いで、循環免疫細胞に対する影響を確かめた。脾臓と同様に、イミキモド処置CD1a遺伝子導入群では、血中CD4およびCD8T細胞数、好中球増加症および好酸球増加症が増加した。この増加は、16、110または116による処置後に有意に遮断された(
図11A~E)。最後に発明者らは、イミキモドそれ自体がCD1aリガンドであり得るかどうかを検討したところ、これが事実ではないことを示し、CD1a経路のより広範な自己免疫および自己炎症作用と意味づけた(
図12)。したがって皮膚のCD1aにより、幅広い全身性炎症免疫応答が刺激されるか、または影響されることを示唆することができる。
【0152】
抗CD1a抗体がイミキモド適用後に皮膚炎症の持続的リセットをもたらし得るかどうかを検討するために、模式
図13Aに示すモデルを試み、ここでは、抗CD1a抗体の非再投与下でイミキモドの再曝露を行った(
図13B)。驚くべきことには、持続的な免疫学的作用と一致して、16、110および116のすべてにより、抗体の非反復投与下で耳厚の持続的改善がもたらされた。また、免疫学的応答が持続するとともに、皮膚T細胞の発生頻度(110、116)、皮膚T細胞活性化(16、110、116)、皮膚好酸球(116)および皮膚好中球(16、110、116)、リンパ節T細胞発生頻度(110、116)、リンパ節T細胞活性化(16、116)、リンパ節ランゲルハンス細胞(116)、リンパ節好酸球(116)およびリンパ節好中球(116)、血中T細胞発生頻度(110、116)、血中T細胞活性化(116)、血中好酸球(110、116)、血漿IL-1α(116)、IFNγ(16、110、116)、IL-1β(16、110、116)、IL-6(16、116)、IL-17A(16、110、116)が有意に減少した。
【0153】
中等~重度の乾癬の管理における現在の標準治療と抗体の能力を比較するために、イミキモド処置モデル(
図9A)を、抗CD1a抗体と同時かつ同一用量(100μg)による抗IL-17A(IgG1アイソタイプ)の投与と並行して反復した(
図14)。すべての抗CD1a抗体は再び、耳厚の結果における有意な改善を示し、すべてが抗IL-17Aよりも早期に有意な改善をもたらした。種々の抗CD1a抗体とは対照的に、抗IL-17Aにより、皮膚T細胞、皮膚ランゲルハンス細胞、皮膚好酸球、リンパ節T細胞、リンパ節好中球、リンパ節好酸球、血漿IL-23、MCP-1、IL-6の発生頻度は有意に低下しないことが認められた。
【0154】
本明細書に記載の抗体とCR2113との間の皮膚および全身性炎症の結果を直接的に比較するために、イミキモド皮膚処置モデルを試みた(
図15A)。すべての抗CD1a抗体が耳厚に対する有利な作用を有したが、抗体116は、CR2113よりも有意に上昇した(
図15B~C)。CR2113に対する抗CD1a抗体16、110および116の改善の検討を拡大するために、皮膚炎症のさらなるモデル、すなわち、MC903誘発炎症についての比較を行ったところ(
図15D)、CR2113ではなく抗体16、110および116において有意な有用性が観察されたため、改善を示す(
図15E)。16および116では、皮膚T細胞パーセンテージおよび皮膚好酸球数において有意な低下を示すが、CR2113では、有意な低下は示さなかったことが認められた(
図15F)。皮膚抽出サイトカインが有意に低下し、この場合、CR2113では、IL-5(16、110、116)、IL-6(16、110、116)、IL-9(16)、IL-23(116)、IL-17F(16、110、116)の有意な低下は示さなかった。
【0155】
イミキモドに対する皮膚、リンパ節および血漿炎症応答の低下において、116がCR2113よりも一貫した改善を示すことがさらに観察された(
図16)。一部の結果では、16はまた、CR2113よりも有意に改善した(
図16)。詳細には、皮膚T細胞によるIL-17A発現の低下および流入領域リンパ節好酸球の発生頻度において、抗体116は、CR2113よりも改善した。116は、血漿IFNγ、IL-1α、IL-1β、IL-5、IL-9、IL-17A、IL-17F、IL-22、ならびに皮膚分解物IL-1α、IL-22およびTNFαの低下においてもCR2113よりも改善した。16は、リンパ節好酸球、血漿IL-1β、IL-22、IL-9およびIL-5、ならびに皮膚分解物IL-1αおよびIL-17Aでは強力な傾向による低下においてCR2113よりも改善した。全体的に見て、本明細書に記載の抗体により、イミキモドおよびMC903に対する皮膚および全身性炎症応答を阻害可能であることがデータにより確認された。
【0156】
考察
皮膚炎症、例えば、皮膚炎、乾癬、およびループスは、理学的かつ心理学的罹患率と顕著に関連する一般的障害である。薬物に対する皮膚有害反応も一般的であり、入院患者1000名あたり1.8~7の範囲に及ぶ。広汎かつ全身的作用を有する重度の皮膚有害反応、例えば、SJS、TEN、AGEP、およびDRESSは、それほど一般的ではなく、例えば、SJS/TENは、1年に個体百万名あたりおよそ1~6症例の発症率を有する(M. Mockenhaupt, Allergol Select 1, 96-108 (2017))。GellおよびCoombsは、1960年代に過敏症の分類を定義し、ここでは、遅延型IV過敏症に、エフェクターT細胞の役割を必要とした(R. R. A. Coombs, Gell, P.G.H., Classification of allergic reactions responsible for drug hypersensitivity reactions. In Clinical Aspects of Immunology. (Davis, Philadelphia, ed. second, 1968))。この分類では薬物過敏症のすべての態様の説明はつかないという認識が高まっているが、共有結合ハプテンまたは非共有結合修飾ペプチド/MHC分子の認識の変更に、なお大部分が焦点を合わせている。しかし現在のモデルでは、薬物過敏症の皮膚および粘膜合併症が優勢である説明がつかない(M. Mockenhaupt, Allergol Select 1, 96-108 (2017))。
【0157】
CD1a遺伝子導入マウスおよび自己反応性ヒトCD1a制限濃縮T細胞株の生成、ならびに機能性抗CD1a抗体の特性決定により、ここに示すデータは、内因性脂質リガンドのCD1a提示の誘導を示す。これによって、自己反応性T細胞により媒介される皮膚および全身性炎症が引き起こされる。抗CD1a抗体は、遮断または遮断/調節しているかにかかわらず、臨床的かつ免疫学的作用を有し、T細胞に対するCD1a脂質提示が意義を有することを示唆した。TLR7は一本鎖RNAを認識可能であるため、ウイルス感染症に対する反応性が、乾癬、皮膚炎、ループス、ならびにSJSおよびTENを含む薬物に対する有害炎症反応を含む、皮膚炎症の種々の重症型の臨床表現型を模倣可能であることは興味深い。このように共有された最終的な一般臨床所見により、多くの沈殿剤がCD1a自己反応性および自己炎症を促進し得ることが示され得る。このモデルは、エリテマトーデスおよびDRESS症候群を含む特定の薬物反応と関連する自己免疫のリスク上昇の説明にも役立ち得る。その上、この知見によって、より広範なT細胞寛容の破壊にCD1a自己反応性が意味づけられる。
【0158】
イミキモド含有薬物であるアルダラに対するT細胞応答への作用に加えて、皮膚、流入領域リンパ節、および脾臓における好中球および好酸球応答の上昇が、CD1a遺伝子導入マウスにおいて観察された。このような作用は、本発明の抗体、特には、16、110および116の投与により阻害された。これにより、CD1a依存性免疫カスケードが当初の予測よりも広範に及ぶことが意味づけられる。好中球の枯渇により、イミキモドにより誘発される炎症の重症度が回復することがわかっている(H. Sumida et al., Interplay between CXCR2 and BLT1 facilitates neutrophil infiltration and resultant keratinocyte activation in a murine model of imiquimod-induced psoriasis. J Immunol 192, 4361-4369 (2014))。
【0159】
アルダラ/イミキモドの適用により、上に考察するT細胞および好中球浸潤を含む、乾癬、皮膚炎、ループスおよび重度の皮膚過敏症反応を含む、皮膚炎症ならびに関連する全身性疾患および障害の種々の形態の鍵となる態様が再現される。本明細書において実証するデータにより、皮膚、リンパ節および脾臓のイミキモド依存性好酸球浸潤が、CD1a遺伝子導入マウスにおいて増強され、本発明の抗体、特には、16、110および116の投与により低下することが示される。
【0160】
その上、乾癬、皮膚炎、ループス、および斑状丘薬疹を含む炎症性皮膚疾患または障害の種々の形態を有する患者の病変皮膚におけるLC数が、非病変皮膚と比較して増加し、皮疹が消散すると非病変レベルまで減少することが報告されている(D. I. Dascalu, Y. Kletter, M. Baratz, S. Brenner, Acta Derm Venereol 72, 175-177 (1992))。興味深いことには、乾癬は、LC遊走の変更と関連し、イミキモドの適用ならびに乾癬およびループスおよび皮膚炎の有効なマウスモデルは十分に研究されているが、有害薬物炎症性薬物反応に対する適応性をも有することが示唆される。ここで、発明者らは、LCのCD1a抗体依存的調節が、本発明の抗体、特には、110および116の投与時の皮膚炎症の低下と関連したことを示し、これは、乾癬、皮膚炎、ループス、炎症性薬物反応および他の症状の治療に対して治療的意義を有し得る。エピトープ解析では、エピトープ結合部位の潜在的な治療的意義が強調され、抗CD1a抗体は、結合部位および生じるエフェクター機能に基づいて2つの群に分けられる。エピトープ部位により、抗体を主に遮断していた抗体77a、111および16ではなく110および116によって見られるクラスター形成および表現型作用の変化が促進され得る。クラスター形成により、実際、架橋/凝集様細胞形態が引き起こされることがあり、CD1aトランスフェクトK562および単球由来LCが単球由来DCよりも高い高レベルのCD1aを発現するため、これによっても両細胞型の減少の説明がつき得る。2つの群の種々の抗体結合部位は競合しないため、2つの群のそれぞれから選択される組合せに対する、例えば、治療/監視または併用療法における有用性が存在する。
【0161】
皮膚炎症および関連する全身性疾患の病態形成におけるCD1aの役割により、乾癬、皮膚炎およびエリテマトーデスならびに薬物過敏症を含む多くの疾患におけるこの役割が意味づけられる。その上、CD1a遮断および調節抗体の特性決定により、皮膚炎症およびCD1a発現悪性疾患に対する予防法および治療法の開発への新たな潜在的経路がもたらされる。
【0162】
要約
要約すると、発明者らは、炎症性皮膚および粘膜障害の予防および/または治療における治療可能性を有する抗CD1a抗体の改良パネルを生成した。5つの抗体16、77a、110、111および116では、インビトロでのヒトCD1a抗原提示の強力な阻害物質であることが示され、乾癬、皮膚炎、エリテマトーデスおよび炎症性皮膚または粘膜疾患または障害として現れる薬物反応、ならびに全身性(非皮膚性)障害の特徴を有する、例となる炎症性皮膚疾患の予防および治療モデル、ならびに異種移植腫瘍モデルにおける有効性が示された。改善抗体の同定における抗体発見プロセスの成功は、次の併用に起因し得る:a)多数のヒット(3500)のスクリーニングを、b)新規のキメラ免疫原の使用により行い、これによってヒトCD1a脂質結合ドメインを宿主生物CD1d Igドメインに融合し、したがって脂質結合ドメインに対して抗体生成を標的とした。この場合、機能的阻害可能性は、c)種々の機能的結果を調べる多様なポリクローナルおよび濃縮T細胞解析次第であり得る。
【0163】
インビトロでのヒト機能性アッセイでは、この抗体が、市販の抗体よりも強力であることが示され、初代ポリクローナルT細胞応答の阻害のIC50評価により測定された。その上、高度に感受性のヒトCD1a制限T細胞クローンアッセイを使用して、抗CD1a抗体16および116が、炎症性皮膚および粘膜疾患の鍵となる調節因子であるIL-22産生を遮断可能であることを判定した。これは抗CD1a CR2113の既存の公表文献または特許においては示されず((16、17)、米国特許第10844118号明細書およびカナダ国特許出願公開第2924882号明細書)、ここではIL-17またはIFNγ産生がマウス系において誘導および阻害されたため、このような活性は改善かつ驚異となった。IL-22が皮膚および粘膜疾患の鍵となる調節因子であるため、IL-22阻害は、抗体の重要な利点である。
【0164】
ヒトおよびインビボでのマウスモデルの並行解析では、新たに生成した抗体の治療的有用性を評価する強力な手段がもたらされる。インビボでは、イミキモドを利用して乾癬様、皮膚炎様、ループス様、薬物反応様表現型を誘発し、モデル皮膚炎症系をもたらした。また、イミキモドは、多くの炎症性疾患および障害だけでなく関連する全身性疾患または障害および全身的に現れる炎症性薬物反応に対して、より広く適用可能であり得る。ここでは、抗体110、116および16が、イミキモドにより誘発されたCD1a依存性炎症を有意に低下させることが示され、標準治療(抗IL-17A)および対照薬である同一のマウスIgG1バックグラウンドの抗CD1a抗体(CR2113)よりも改善した。重要かつ予想外なことには、抗体116は、WTイミキモド処置マウスのレベル未満に皮膚炎症を低下させ、皮膚および全身性免疫マーカーの多くをWTのレベルまで正常化し、抗CD1a 116が、CD1a-TCRシグナル伝達の阻害に留まらない作用を有する機構を示唆した。皮膚の免疫表現型を決定し、抗体110、116および16の投与によるWTレベルへの好中球浸潤と同様に、T細胞数および活性化の低下を観察した。WTレベルへの好中球の減少が観察されたことは、公表された抗CD1a CR2113に対する予想外の改善であり、これによって抗体110、116および16の可能性が強調される。
【0165】
重要なことには、皮膚におけるLC集団を解析すると、抗体110および116の投与後にCD11c+ランゲリン+LCの有意な低下が観察された。この低下は、流入領域リンパ節への遊走の増強では説明がつかなかった。しかし、抗体110およびかなりの程度の116が、CD1a+細胞をインビボで直接的に減少させる可能である可能性を有し、インビボでの皮膚LCの減少の説明がつき、インビトロでのヒトCD1a+細胞の著しい低下によって証明される。これは、抗体のマウスIgG1アイソタイプを考慮すると驚くべき結果であり、この場合、マウスIgG2aアイソタイプは、補体媒介溶解または抗体依存性細胞性細胞毒性を介して細胞毒性を引き起こす可能性がより高い。また、ここではCD1a発現細胞のアポトーシスがマウスIgG1バックグラウンドのCR2113によっても誘導され得ることがわかったが、特許を有し公開されているさらなる抗CD1a CR2113では、直接的枯渇が不可能であると報告されている(17)。このような抗体の調節能力は、WTアイソタイプ処置マウスのレベル未満のイミキモド誘発炎症の低下の説明に役立ち得る。抗体116は、TCRとのCD1aの相互作用を遮断するだけでなく、皮膚の炎症可能性を低下/リセットするLCを修飾し、皮膚および全身性免疫マーカーの多くをWTのレベルまで正常化する。これにより、抗CD1a CR2113にはない、野生型を凌ぐ改善へのCD1a依存性応答を超えて上回る回復作用の説明がつき得る。
【0166】
その上、データにより、ここに示す16、110および/または116抗体が、CD1a発現悪性疾患、例えば、ランゲルハンス細胞組織球症またはT細胞リンパ腫および胸腺腫の一部の型の治療における有用性を有することが示唆される。これは、直接的作用によるものであり得るか、またはこの場合、抗CD1a抗体は、細胞毒性剤、抗炎症剤、例えば、ステロイド、およびCAR-T細胞、例えば、調節性もしくは細胞溶解性CAR-T細胞、または抗体もしくは抗原結合断片を発現もしくは提示する他の細胞を含む群から選択される1つまたは複数の他の治療剤と共役または会合させる。
【0167】
この検討では、抗体16が、CD1a依存性炎症をインビボで直接的アポトーシスを誘導せずに除去する高度に有効な遮断抗体であり、110が、LC表現型および機能を修飾してCD1a依存性炎症をインビボで有意に低下させ、116が、WTレベル未満に炎症を低下させ、皮膚および全身性免疫マーカーの多くをWTのレベルまで正常化する高度に有効な遮断および修飾抗体であることを実証する。抗体のこの群化は、抗体110および116クラスターを直接的に修飾し、抗体77a、111および16クラスターを遮断する、基本的エピトープ解析と一致する。また、このエピトープ解析により、群77a、111および16が、非枯渇NA1/34と重複するエピトープを認識することが明らかとなった。NA1/34が抗CD1a CR2113の結合を交差遮断することがわかっているため、これは、注目すべき重要なことである。抗体110および116は、NA1/34を交差遮断せず、このため異なるエピトープ領域を表す可能性を有する。抗体は、皮膚において、およびリンパ節への遊走後であっても、インビボでLC上に存在を維持する。臨床作用がより持続性であるため、これは重要な増強である。
【0168】
このようなデータにより、発明者らは、制限されないが、乾癬、皮膚炎、ループスを含む炎症性皮膚および粘膜症状の予防および治療における、ならびに1つもしくは複数の関連する全身性疾患または障害、または1つもしくは複数の全身的に現れる炎症性薬物反応の治療および/または予防における使用のための、改善した抗CD1a抗体のこの改良パネルの可能性を実証する。LC、T細胞および好中球を含む広く連鎖する炎症に対する作用、特には、抗体110、116および16の作用は、乾癬、皮膚炎、ループスを含む炎症性皮膚および粘膜障害ならびに炎症性皮膚もしくは粘膜疾患もしくは障害として現れる薬物反応、またはCD1a発現悪性疾患において、広範に及ぶ作用を有する。
【0169】
結論として、発明者らは、抗CD1a抗体16、77a、110、111および116の改善を、CD1aの遮断および/またはCD1a+細胞の表現型/機能の修飾により、炎症性皮膚および粘膜疾患もしくは障害、または関連する全身性疾患もしくは障害、または全身的に現れる炎症性薬物反応、またはCD1a発現悪性疾患を予防および治療するための方法として実証する。
【0170】
参考文献
特許、特許出願、論文、テキスト等を含む、本明細書に引用するすべての参考文献、およびそれらに引用される参考文献は、これらを既に組み込んでいない限りにおいて、これらの全体を参照により本明細書にこれによって組み込む。
【0171】
【表14-1】
【表14-2】
【表14-3】
【表14-4】
【表14-5】
【表14-6】
【表14-7】
【表14-8】
【表14-9】
【表14-10】
【配列表】
【国際調査報告】