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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-11
(54)【発明の名称】ストレージライブラリシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20240604BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B65G1/04 547Z
B65G1/00 535
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572958
(86)(22)【出願日】2022-05-18
(85)【翻訳文提出日】2024-01-05
(86)【国際出願番号】 US2022029721
(87)【国際公開番号】W WO2022251008
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】21175799.2
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】314015767
【氏名又は名称】マイクロソフト テクノロジー ライセンシング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】スウィーニー,デビッド
(72)【発明者】
【氏名】チャトジーレフセリオ,アンドロマケ
(72)【発明者】
【氏名】ローストロン,アントニー・イアン・テイラー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ,ヒュー
(72)【発明者】
【氏名】ブラック,リチャード・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジョイス,ラッセル
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA12
3F022CC02
3F022CC10
3F022FF01
3F022KK20
3F022MM03
(57)【要約】
ストレージライブラリシステムは、アイテムを格納するための複数のスロットと、複数のレールと、上記アイテムと相互作用するためのロボットとを備える。ロボットは、少なくとも2つの足部装置であって、各々が、その足部装置をレールと解放可能に係合させるためのそれぞれの把持機構を有する、少なくとも2つの足部装置を有する。ロボットはまた、ロボットを、足部装置のうちの第1の1つまたは複数がレールのうちの第1のレールと係合されながら、足部装置のうちの1つまたは複数がレールのうちの第2のレールと当接状態にある第1の位置から、足部装置のうちの1つまたは複数がレールのうちの第3のレールと当接状態にある第2の位置へ動かすための移動機構を有する。ロボットはまた、スロット内のアイテムと相互作用するためのエンドエフェクタを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストレージライブラリシステムであって、
アイテムを格納するための複数のスロットと、
複数のレールと、
前記アイテムと相互作用するためのロボットと
を含み、
前記ロボットは、
前記スロット内の前記アイテムと相互作用するためのエンドエフェクタと、
少なくとも2つの足部装置であって、各々が、前記足部装置を前記レールのうちの1つと解放可能に係合させるためのそれぞれの把持機構を有する、少なくとも2つの足部装置と、
前記ロボットを前記レールに沿って動かすための駆動機構と、
前記ロボットを、前記足部装置のうちの第1の1つまたは複数が前記レールのうちの第1のレールと係合されながら、前記足部装置のうちの1つまたは複数が前記レールのうちの第2のレールと当接状態にある第1の位置から、前記足部装置のうちの1つまたは複数が前記レールのうちの第3のレールと当接状態にある第2の位置へ動かすように構築および配置される移動機構と
を含む、
ストレージライブラリシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のストレージライブラリシステムであって、前記ロボットが前記ストレージライブラリシステム内のその場所を決定することを可能にするための少なくとも1つの位置特定特徴部を含むストレージライブラリシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のストレージライブラリシステムであって、前記少なくとも1つの位置特定特徴部は、前記レールのうちの少なくとも1つに位置し、前記ロボットのセンシングシステムによって読み取り可能なRFIDタグと、前記レールのうちの少なくとも1つに位置し、前記ロボットのセンシングシステムによって読み取り可能な光学マークとのうちの1つまたは複数を含む、ストレージライブラリシステム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のストレージライブラリシステムであって、前記移動機構は、前記ロボットを、前記第1の1つまたは複数の足部装置の周りで、前記レールの平面の外へ回転させることによって、前記ロボットを前記第1の位置から前記第2の位置へ動かすように構築および配置される、ストレージライブラリシステム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のストレージライブラリシステムであって、前記移動機構は、前記ロボットを、前記第1の1つまたは複数の足部装置の周りで、前記レールの平面内で回転させることによって、前記ロボットを前記第1の位置から前記第2の位置へ動かすように構築および配置される、ストレージライブラリシステム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のストレージライブラリシステムであって、前記移動機構は、前記ロボットを前記レールの平面内で並進させることによって、前記ロボットを前記第1の位置から前記第2の位置へ動かすように構築および配置される、ストレージライブラリシステム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のストレージライブラリシステムであって、前記ロボットの各足部装置は、前記ロボットのそれぞれの脚部装置の端に位置し、前記移動機構は、少なくとも1つの脚部装置を動かすことによって、前記ロボットを前記第1の位置から前記第2の位置へ動かすように構築および配置される、ストレージライブラリシステム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のストレージライブラリシステムであって、前記ストレージライブラリシステムに格納される前記アイテムのうちの少なくとも一部は、物理ストレージメディアであり、前記ストレージライブラリシステムは、前記物理ストレージメディアを読み取ることおよび前記物理ストレージメディアに書き込むことの一方または双方のための少なくとも1つのドライブを含む、ストレージライブラリシステム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のストレージライブラリシステムであって、前記エンドエフェクタは、前記ロボットのどちらかの側でアイテムと相互作用するように配置される、ストレージライブラリシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のストレージライブラリシステムであって、前記エンドエフェクタは、グラバと、リーダと、ライタと、カメラと、保守装置と、清掃装置とのうちの少なくとも1つを含む、ストレージライブラリシステム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のストレージライブラリシステムであって、2つ以上のロボットを含むストレージライブラリシステム。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のストレージライブラリシステムであって、前記駆動機構は、前記足部装置のうちの前記第1の1つまたは複数のみがレールと係合される間に活性化可能である、ストレージライブラリシステム。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のストレージライブラリシステムであって、前記スロットは、少なくとも2つの異なる平面内に配置され、前記第3のレールであって前記移動機構が前記第1の足部装置を前記第3のレールへと動かす前記第3のレールは、前記第1および第2のレールと同じ平面内に位置しない、ストレージライブラリシステム。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載のストレージライブラリシステムであって、
前記足部装置のうちの1つまたは複数の前記把持機構を、当該1つまたは複数の足部装置を前記第2のレールから外すように制御することと、
前記移動機構を、前記足部装置の前記第1の1つまたは複数が前記レールのうちの前記第1のレールと係合されながら、前記ロボットを前記第1の位置から前記第2の位置へ動かすように制御することと、
前記足部装置のうちの1つまたは複数の前記把持機構を、前記足部装置のうちの1つまたは複数を前記第3のレールと係合させるように制御することと
によって、移動行為を実施するように前記ロボットを制御するように構成される制御モジュールを含むストレージライブラリシステム。
【請求項15】
アイテムを格納するための複数のスロットと、複数のレールとを含むストレージライブラリシステムのロボットを制御するためのコンピュータプログラムであって、前記ロボットは、前記スロット内の前記アイテムと相互作用するためのエンドエフェクタと、少なくとも2つの足部装置と、前記ロボットを前記レールに沿って動かすための駆動機構とを含み、前記コンピュータプログラムは、1つまたは複数の処理ユニットによって実行されるとき、
前記足部装置のうちの第1の1つまたは複数を第1のレールから外すように把持機構を制御することと、
前記ロボットを、前記足部装置のうちの第2の1つまたは複数が前記レールのうちの第2のレールと係合されながら、前記足部装置のうちの前記第1の1つまたは複数が前記レールのうちの前記第1のレールと当接状態にある第1の位置から、前記足部装置のうちの1つまたは複数が前記レールのうちの第3のレールと当接状態にある第2の位置へ動かすように、移動機構を制御することと、
前記足部装置のうちの前記1つまたは複数を前記第3のレールと係合させるように把持機構を制御することと
によって、前記ロボットに移動行為を実施させるように構成される命令を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ストレージライブラリシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ストレージライブラリシステムは、アイテム(物理メディアアイテムを含むが、これに限定されない)の高容量ストレージを提供し得る。ストレージライブラリシステムは、アイテムを保持するための複数のスロット、およびアイテムにアクセスする少なくとも1つのロボット手段を備える。例えば、ストレージライブラリシステムは、複数の列を備え、各列が、垂直に積層された数十または数百のスロットを備える。例えば、スロットからアイテムを取得するため、スロット内にアイテムを置くため、または2つのスロットの間でアイテムを移動させるために、スロット間を動くことができる1つまたは複数のロボットが提供され得る。
【0003】
物理メディアアイテムを格納するストレージライブラリシステムは、「データストレージライブラリシステム」または「データアーカイブ」と称され得る。テープカートリッジを格納するデータストレージライブラリシステムは、一般的に、「テープライブラリ」(別名テープサイロまたはテープジュークボックス)と呼ばれる。光ディスク(例えば、CD、DVDなど)を格納するデータストレージライブラリシステムは、一般的に、「光学ジュークボックス」(別名光ディスクライブラリ)と呼ばれる。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に開示される第1の態様によると、アイテムを格納するための複数のスロットと、複数のレールと、上記アイテムと相互作用するためのロボットとを備えるストレージライブラリシステムが提供される。ロボットは、スロット内のアイテムと相互作用するための少なくとも1つのエンドエフェクタ(例えば、リーダ、グラバ、または他のアクチュエータ)、少なくとも2つの足部装置、および移動機構を備える。各足部装置は、その足部装置をレールのうちの1つと解放可能に係合させるためのそれぞれの把持機構を備える。ロボットはまた、ロボットをレールに沿って動かすための駆動機構を備える。移動機構は、ロボットを、足部装置のうちの第1の1つまたは複数がレールのうちの第1のレールと係合されながら、足部装置のうちの1つまたは複数がレールのうちの第2のレールと当接状態にある第1の位置から、足部装置のうちの1つまたは複数がレールのうちの第3のレールと当接状態にある第2の位置へ動かすように構築および配置される。
【0005】
第1の位置では、ロボットは、1つまたは複数のスロットの第1のセット(すなわち、ストレージライブラリシステムの第1の位置)にアクセスすることができる。第2の位置では、ロボットは、1つまたは複数のスロットの第2のセット(すなわち、ストレージライブラリシステムの第2の位置)にアクセスすることができる。スロットの第2のセットは、第1の位置でロボットによるアクセスが不可能であった少なくとも1つのスロットを含む。故に、位置間でロボットを移動させることは、ロボットがスロットのより多くにアクセスすることを可能にする。
【0006】
ロボットがストレージライブラリシステム内のその場所を決定することを可能にするために少なくとも1つの位置特定特徴部(例えば、RFIDタグ、または光学、磁気、もしくは容量マーク)が存在しもよい。ロボットを第1の位置から第2の位置へ動かすことは、ロボットを第2の足部の周りでレールの平面の外へ回転させること、ロボットを第2の足部の周りでレールの平面内で回転させること、およびロボットをレールの平面内で並進させることのうちの1つまたは複数を含み得る。ストレージライブラリシステムは、複数の同様のロボットまたは同様のロボットの「群」を備え得る。
【0007】
この発明の概要は、発明を実施するための形態において以下にさらに説明される概念の一部を簡略形式で紹介するために提供される。この発明の概要は、特許請求された主題の主な特徴または必須の特徴を識別することは意図されず、特許請求された主題の範囲を制限するために使用されることも意図されない。特許請求された主題は、本明細書に記載される欠点のいずれかまたはすべてを解決する実装形態に限定されない。
【0008】
本開示の理解を助けるため、および実施形態がどのように実行され得るかを示すため、例として添付の図面に対して参照がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本明細書に説明される例によるストレージライブラリシステムを概略的に示す図である。
図2】本明細書に説明される例によるロボットを概略的に示す図である。
図3】ロボットにより実施可能な移動行為を例証するフローチャートである。
図4】ロボットにより実施可能な移動行為の例を概略的に示す図である。
図5】複数のロボットを有する例示的なストレージライブラリシステムを概略的に示す図である。
図6】2つのロボットの例示的な通過運動を概略的に示す図である。
図7】ロボットにより実施可能な移動行為の別の例を概略的に示す図である。
図8】ロボットにより実施可能な移動行為の別の例を概略的に示す図である。
図9】ロボットにより実施可能な移動行為の別の例を概略的に示す図である。
図10a】例示的なストレージライブラリシステム配置を概略的に示す図である。
図10b】例示的なストレージライブラリシステム装置を概略的に示す図である。
図11】ストレージライブラリシステムのスロットの例示的な配置を示す図である。
図12】ストレージライブラリシステムのスロットの例示的な配置を示す図である。
図13】レールの片側に印刷されるGrayコードの例を概略的に示す図である。
図14】足部装置の特定の例を概略的に示す図である。
図15a】開位置にある把持機構の特定の例を概略的に示す図である。
図15b】閉位置にある把持機構の特定の例を概略的に示す図である。
図16】移動機構の特定の例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、ロボットが走行し得る複数のレールを有するストレージライブラリシステム(例えば、データストレージライブラリシステム)に関する。各ロボットは、ストレージライブラリシステム内の異なる場所におけるアイテムにアクセスするために、レールの長さに沿って動き得る。すべてではないが、いくつかの場所は、所与のレールからアクセス可能である。以下に詳細に説明されるように、ロボットは、ロボット自体が、異なるレール間を移動し、以て、ストレージライブラリシステム内のより多くの場所にアクセスすることを可能にするハードウェアを備える。異なるレール間の「完全な」移動を実施せずとも、同じハードウェアは依然として、ロボットが少なくとも1つのレールに対して動くことを可能にする(例えば、ロボットは、別のロボットを通過させるためによけ得る)。本明細書に説明される例は、以下の利点のうちの1つまたは複数を提供する。
【0011】
より高い可用性&最小故障効果範囲-ロボットは、単一のレール対に限定されない。ロボット、またはレール対などのいかなる故障も、レール上の残りのロボットの故障をもたらさず、それらは、影響のない区域を出たり入ったり自由に動くことができ、また、故障したロボット/レールの区域を追い越すことによって故障点を回避することができる。
【0012】
分散知能-いくつかの例において、ロボットは、自律的であり得、それは、ロボットが、自分の周りで変化する環境に対してより効率的に反応することができることを意味し、安全性のさらなる層を追加する。センサの機上処理は、高帯域幅通信チャネルを介してロボットから制御器へセンサデータをストリームする必要性を回避して、信頼性を改善し、より大きい群を可能にする。
【0013】
柔軟性のあるレイアウト&信頼性のあるストレージ-ストレージライブラリシステム内の機能要素(例えば、ライタ、リーダ、ストレージユニットなど)は、ロボットが通行するために使用するレールのネットワークを通じて統合される。これらがどのようにして互いに接続されるかは、ロボットがレール間を移動し得ることから、制約がない(異なる配置が、異なる状況ではより適している)。モジュール方式は、順応性、および作業負荷プロパティに基づいてシステムをスケールアップする能力(例えば、読み取り/書き込みスループットおよび/またはシステムのストレージ能力を増加させるため)を提供する。さらには、ロボットは、独立してフェッチされ得る。すなわち、ロボティクスは、作業負荷が増加するにつれて必要なだけより多くのロボットを追加することによって、ストレージから独立してスケールアップされ得る。
【0014】
小型、軽量&機敏なロボット設計-複数の軸をサポートするのではなく単一の軸に沿って動くことにより、ロボットが、より小さく、より軽くなること、より少ない専用アクチュエータおよび機械構造を必要とすること、ならびにより少ない電力を使用して動作することを可能にする。
【0015】
サービス柔軟性-通常動作中、ロボットが異なるレール間で移動し得るという事実は、どんなロボットも、ライブラリ内のどんなメディアまたは任意の読み取り/書き込みドライブにもアクセスし得ることを意味する。これは、作業負荷需要に従って負荷バランシングを促進する。この特徴はまた、追加のルーティング選択肢を可能にし、上昇した過密が存在する状況(従来のテープライブラリロボットは、メディアおよびドライブの任意のアイテムの間の、すなわち、わずかなロボットのうちの1つを介した、利用可能なルートを1つしか有さない。ボトルネック)において、メディアへのアクセスを改善する。
【0016】
高性能-搭載/搭載解除の機能を採集/配達から切り分けることにより、メディアがドライブに隣接する場所(ロボット過密が問題となり得る場所)において準備され、メディアの交換を早めることが可能になる。これは、ドライブの利用率を最大限にし、それらの効率を改善する。機能の分割はまた、それらのタスクのために特殊化される設計を可能にし、高性能および高信頼性を可能にする。図1は、本明細書に説明される例によるストレージライブラリシステム100を概略的に示す。ストレージライブラリシステム100は、アイテムを保持するための複数のスロット120、少なくとも1つのロボット200(「シャトル」とも呼ばれる)、および複数のレール110を備える。任意選択の中央制御システム130も図1に示され、他の例では、制御システム130の機能性は、複数のロボット200にわたって非集中的な様式で実装され得、例えば、分散型制御システムが存在してもよく、または、完全自律型システムにおいては、ロボットは、分散様式で互いと協働し得る。
【0017】
動作中、ロボット200は、スロット120に格納されるアイテムにアクセスするために、レール110を使用してストレージライブラリシステム100を動き回る。レール110の各々は、構造が実質的に同じであってもよく、ロボット200が所与の時間にレール110のうちの任意の1つまたは複数の上を走行することを可能にする。レール110は、平行レール(等距離対)であってもよい。
【0018】
スロット120およびレール110の正確な配置および数は変動し得るということを理解されたい。この例では、スロット120は、水平列121に配置され、水平レール110が各列121の間に位置する。具体的には、スロット120の第1の列121aは、第1のレール110aと第2のレール110bと間に位置し、スロット120の第2の列121bは、第2のレール110bと第3のレール110cとの間に位置する。
【0019】
参照のため、レール110がx-y平面内にある右手座標系が導入され、x軸がレール110と平行であり、y軸がレール110に垂直である。z軸は、後の図内で見ることができ、レール110の平面から離れる方へ(図1内のページの外へ)延びる。ロボット200が走行するスロット120の側面は、「前」と称され得る。
【0020】
スロット120内に保持されるアイテムのうちの少なくともいくつかが物理ストレージメディアであるとき、物理ストレージメディアに書き込むための少なくとも1つの書き込みドライブ150、および/または物理ストレージメディアから読み取るための少なくとも1つの読み取りドライブ160が、図1に示されるように提供され得る。
【0021】
ロボット200は、所与の物理ストレージメディアを、書き込みドライブ150へと移行させ得、そこで物理ストレージメディアは書き込まれ得る。具体的には、特定のメディアアイテムが書き込みドライブ150を使用して書き込まれるとき、ロボット200は、メディアアイテムを書き込みドライブ150からストレージのためにスロット120へ移行させ得る。
【0022】
ロボット200は、所与の物理ストレージメディアを、読み取りドライブ160へと移行させ得、そこで物理ストレージメディアは読み取られ得る。具体的には、ロボット200は、特定のメディアアイテムをスロット120と読み取りドライブ160との間で移行させて、そのメディアアイテムに書き込まれたデータが読み取られることを可能にし得る。
【0023】
例においては、複数の書き込みドライブ150(例えば、列121ごとに1つ)および/または複数の読み取りドライブ160(例えば、列121ごとに1つ)が存在し得る。性能の理由から、読み取りドライブ160をスロット120の近くに位置付けることが好ましい場合がある。例において、メディアに書き込むことは、より緩やかなレイテンシ要件を有し得るため、読み取りドライブ160よりもスロット120から離れて(例えば、ストレージシステム100から遠くに)位置する書き込みドライブ150を有することが許容可能であり得る。他の例では、異なる数の書き込みドライブ150および読み取りドライブ160が存在してもよく、例えば、すべての列121に読み取りドライブ160が存在し得るが、1つまたは2つのみの書き込みドライブ150(例えば、下部列121に位置する)しか存在しない場合がある。例は、以下で後に論じられる図11に示される。
【0024】
書き込みドライブインターフェース151が含まれ得、ロボット200が書き込みドライブ150とインターフェースを取ることを可能にする。読み取りドライブインターフェース161が含まれ得、ロボット200が読み取りドライブ160とインターフェースを取ることを可能にする。例えば、インターフェース151、161は、読み取られるべきメディアのためのステージング領域として機能し得、すなわち、ロボット200は、物理ストレージメディアを、キューに追加されて後で書き込まれる/読み取られるように、インターフェース151、161に「降ろす」ことができる。これは、ロボット200がスロット120に戻り、作業を継続し得ることを意味する。
【0025】
図1の例では、書き込みドライブ150および読み取りドライブ160は、別個のユニットであるが、単一のドライブが書き込み動作および読み取り動作の両方を実施するために提供され得るということを理解されたい。例において、書き込みドライブ150、読み取りドライブ160のうちの1つもしくは複数、または書き込み動作および読み取り動作の両方を実施するための単一のドライブは、ロボット200自体に含まれ得る。例えば、ロボット200自体のエンドエフェクタ240が、書き込みドライブおよび/または読み取りドライブを備え得る。そのような例において、上に説明される移行の一部またはすべては、不必要である。例えば、ロボット200は、「内部」書き込みドライブ150を備え得、これは、ロボット200自体が、所与の物理ストレージメディアに書き込むことができ、それを外部書き込みドライブ150へ移行させる必要がないことを意味する(しかしながら、ロボット200が内部読み取りドライブ160も同様に含まない場合、ロボット200は、依然としてそれを外部読み取りドライブ160へ移行させる必要があり得る)。同様に、ロボット200は、「内部」読み取りドライブ160を備え得、これは、ロボット200自体が、所与の物理ストレージメディアから読み取ることができ、それを外部読み取りドライブ160へ移行させる必要がないことを意味する(しかしながら、ロボット200が内部書き込みドライブ150も同様に含まない場合、ロボット200は、依然としてそれを外部書き込みドライブ150へ移行させる必要があり得る)。内部書き込みドライブ150および内部読み取りドライブ160の両方(または単一の読み取り-書き込みドライブ)を備えるロボット200は、物理ストレージメディアを全く移行させる必要がない場合がある(しかしながら、それは、例えば、ロボット200が、保守などの他の目的のために物理ストレージメディアを依然として移行させ得ることから、排除されない)。
【0026】
ロボット200のより詳細な例は、図2に示される。ロボット200は、第1の足部装置210、第2の足部装置220、移動機構230、およびエンドエフェクタ240を備える。
【0027】
この例では、ロボット200はまた、制御器250、通信インターフェース260、電源270、およびセンシングシステム280を備える。これらは、任意選択の特徴である。上で述べたように、ロボット200はまた、書き込みドライブ150および読み取りドライブ160のうちの1つまたは複数(または書き込み機能性および読み取り機能性の両方を提供する単一のドライブ)を備え得る。
【0028】
制御器250は、第1の足部装置210、第2の足部装置220、移動機構230、およびエンドエフェクタ240を制御するためのものである。制御器250は、例えば、1つまたは複数のプロセッサを使用して、実装され得る。例において、図1に示される(および以下により詳細に説明される)中央制御システム130の機能性が、1つまたは複数のロボット200にわたる分散方式で代わりに実装され得、各ロボット200がその内部制御器250を使用する。
【0029】
通信インターフェース260は、ロボット200が通信リンク(図1内で点線矢印で例証される)からデータを受信すること、および/またはこれを介してデータを送信することを可能にする。いくつかの例において、ロボット200は、制御システム130からルーティング情報を受信し得る。代替または追加の例において、ロボット200は、メッシュネットワークの一部として1つまたは複数の他のロボットと通信し得る。好ましくは、通信リンクは、ワイヤレス通信リンクであるが、通信リンクが有線通信リンクであることは排除されない。ワイヤレス通信リンクは、ロボット200が内部電源270を備えるときに特に有利であるが、それは、ロボット200が、制御システム130とは繋がれていなくてもよく、ライブラリ全体にわたって自由に動くことができるためである。例において、ロボット200は、電力を節約するために、例えば、低摩擦構成要素、回生制動を使用し得る。
【0030】
電源270は、ロボット200に電力供給するためのものである。第1の例では、電源270は、搭載バッテリなどのロボット200の内部電源であり得る。これの利点は、ロボット200が外部電源への接続を必要としないことである。他の例では、ロボット200は、独自の電源270を備えなくてもよく、代わりに、有線またはワイヤレス接続により外部電源から電力を受信し得る。これの利点は、ロボット200が搭載電源270を必要とせず、より小さくおよび/またはより軽くなり得ること、ならびにロボット200が充電を必要としないことである。特定の例では、ロボット200は、レール110を介して電力を受信し得る。
【0031】
センシングシステム280は、ロボット200がストレージライブラリシステム100内のその場所を決定することを可能にする。位置特定の例は、後で説明される。センシングシステム280は、例えば、1つまたは複数の光学センサを備え得る。
【0032】
第1の足部装置210は、第1の足部装置210をレール110のうちの1つと解放可能に係合させるための第1の把持機構211を備える。第2の足部装置220は、第2の足部装置220をレール110のうちの1つと解放可能に係合させるための第2の把持機構221を備える。足部装置210、220の間の距離は、レール110の隣接対の間の距離に実質的に等しい。故に、第1の足部装置210がレール110のうちの1つと係合される場合、第2の足部装置220は、レール110のうちの隣接するものと係合し得る。図1、例えば、第1の足部装置210は、第1のレール110aと係合され、第2の足部装置220は、第2のレール110bと係合される。
【0033】
レール110と解放可能に係合し得る任意の好適な把持機構が使用され得る。例えば、把持機構211、221のうちの1つまたは複数は、レール110と物理的に係合するように配置される機械的な把持機構(例は、以下に説明される図14図15a、および図15bに示される)であり得る。他の例では、レール110は、磁性(すなわち、強磁性)であり得、把持機構211、221のうちのより多くの1つは、電磁石力によりレール110と選択的に係合するための少なくとも1つの電磁石を備え得る。さらなる例では、把持機構211、221のうちの1つまたは複数は、レール110を把持するための機械的手段および電気機械的手段の両方を備え得る。依然としてさらなる例では、別の方法は、空気軸受を使用すること、および低摩擦クッションのために軸受を通じて圧縮空気を噴出することである。機械的なグリッパが、レールを包むために依然として使用され得、空気圧が軸受ソリューションを提供する。永久磁石が足部装置をレール110と係合させるために使用され得ることにも留意されたい。これらの永久磁石は、磁石をレール110のより近くに機械的に動かすことによって、選択的に係合され得る。
【0034】
第1の足部装置210の把持機構211および第2の足部装置220の把持機構221は、同じタイプのものである必要はない。
【0035】
ロボット200はまた、レール110の長さに沿ってロボット200を推進するための少なくとも1つの駆動機構を備える。いくつかの例において、駆動機構は、(足部装置のうちの1つまたは複数ではなく)ロボット200の本体部内に位置する。例えば、駆動機構は、レールに沿ってロボット200を押す本体部に搭載される推進器であってもよい。
【0036】
代替または追加の例において、第1の足部装置210および第2の足部装置220のうちの少なくとも一方は、足部装置が現在係合されているレール110の長さに沿ってロボット200を推進するための駆動機構を備える。図2の例では、第1の足部装置210および第2の足部装置220は、構造が実質的に同じであり、第1の足部装置210が第1の駆動機構212を備え、第2の足部装置220が第2の駆動機構222を備える。
【0037】
例では、駆動機構は、レール110と相互作用するための高摩擦表面を有するホイールを備え得る。別の例では、駆動機構は、円弧歯車(直線またはらせんのいずれか)を備え得、レール110は、駆動機構の円弧歯車が係合することができる線形歯車を備える。
【0038】
他の例では、単一の機構が、1つまたは複数の足部装置内に把持機構211および駆動機構を提供し得る。例えば、レール110は、交互の永久磁石極で構築され得、単一の機構は、足部装置をレール110と係合させること、および足部装置をレール110に沿って推進すること(ステッピングモータと同様の様式での両方を行うように選択的に制御され得る複数の電磁石を備え得る。これの利点は、グリッパおよびレールドライブ(駆動機構)が同じ部品であることであり、これが、ロボット複雑性および部品数/費用を低減し得る。この種の設定は、逆にされてもよく、ロボットが永久磁石のアレイを備え、レールが選択的に制御される複数の電磁石を備える。
【0039】
エンドエフェクタ240は、ロボット200がスロット120内のアイテムと相互作用することを可能にする。エンドエフェクタ240は、スロット120からアイテムを除去するためおよび/またはスロット120内へアイテムを置くためのグラバ、スロット120内のアイテムからデータを読み取るためのリーダ、およびスロット120内のアイテムにデータを書き込むためのライタのうちの1つまたは複数を備え得る。スロット120内のアイテムと相互作用するためのより安定した基部をロボット200に与えるため、両方の足部装置210、220がレール110と係合されるときにのみエンドエフェクタ240を活性化することが好ましい場合があるが、これは必須ではない。
【0040】
特定のタイプのエンドエフェクタ240は、スロット120内に保持されるアイテムのタイプに依存する。そのようなアイテムの例としては、物理ストレージメディア(例えば、レーザ書き込みされたシリカガラス、テープ、または他の光学メディアで作製される)、または光学計算装置などの非ストレージ計算リソースが挙げられる。
【0041】
エンドエフェクタ240の別の例は、清掃または保守装置である。例えば、そのような清掃装置を有するロボット200は、スロット120内のアイテムを清掃または別途保守するためにストレージライブラリシステム100を転々とし得る。エンドエフェクタ240の別の例は、カメラである。ロボット200は、スロット120内のアイテムの、および/またはストレージライブラリシステム100の部品に対する損傷の写真を、通信インターフェース260を介して別のデバイス(例えば、中央制御システム130)を送信し得る。
【0042】
ロボット200は、同じまたは異なるタイプの2つ以上のエンドエフェクタを備え得る。
【0043】
いくつかの例では、ストレージライブラリシステム100は、第1のタイプのエンドエフェクタ240を有する少なくとも1つのロボット200、および第2のタイプのエンドエフェクタ240を有する少なくとも1つのロボット200を備える。これは、各ロボット200がレール110間を移動することができる本開示の文脈において特に有利であるが、それは、ロボット200の各々がそのようなストレージライブラリシステム100重複部分にアクセスすることができるためである。例えば、1つのロボット200は、保守装置を有する保守ロボットであってもよく、別のロボット200は、スロット120内のアイテムにアクセスする読み取り/書き込みロボットであってもよい。
【0044】
移動機構230は、ロボット200がレール110間で移動行為(レール切り替え行為とも呼ばれる)を実施することを可能にする。ロボット200の特定の構造、足部装置の数、レール110の配置などに依存し得る様々な特定のタイプの移動行為が可能である。一般的に言うと、移動機構230は、ロボット200を、足部装置のうちの第1の1つまたは複数がレールのうちの第1のレールと係合されながら、足部装置のうちの1つまたは複数がレールのうちの第2のレールと当接状態にある第1の位置から、足部装置のうちの1つまたは複数がレールのうちの第3のレールと当接状態にある第2の位置へ動かすように構築および配置される。言い換えると、ロボット200は、足部装置のうちの1つまたは複数をレールのうちの1つと係合したまま保ち、それらの1つまたは複数の足部装置を、レール110間で移動するためのアンカーとして使用し得る。制御器250は、移動行為を実施するようにロボット200を制御し得る。
【0045】
図3は、移動行為の例を示すフローチャートである。図4は、ロボット200によって実施されているこの例示的な移動行為の一連の画像を示す。この例では、ロボット200は、2つの足部装置(図2の例にあるように)を備える。最初、ロボット200は、第1の足部装置210が第1のレール110aと係合され、かつ第2の足部装置220が第2のレール110bと係合される第1の位置にある。次いで、移動行為は、以下のように進行する。
【0046】
S301において、制御器250は、第1の足部装置210を第1のレール110aから外すように第1の把持機構211を制御する。このとき、第1の足部装置210は、第1のレール110aと当接したままであり得る(しかしながら、それは第1のレール110aとはもはや係合されない)。
【0047】
S302において、制御器250は、第1の足部装置210が第1のレール110aと当接した状態から第3のレール110cと当接した状態へと動くように、第2の足部装置220が第2のレール110bと係合されながら、ロボット200を動かすように移動機構230を制御する。この例では、ロボット200を動かすことS302は、ロボット200を第2の足部装置220の周りでレール110の平面(x-y平面)の外へ回転させることを含む。具体的には、ロボット200は、第2のレール110bが回転軸である状態で、第2の足部装置220の周りを実質的に180度旋回される。言い換えると、第2の足部装置200(すなわち、レール110と係合したままであるもの)は、ロボット200を動かすためのアンカーとして使用される。この例では、この運動S302はまた、第1の足部装置210(すなわち、ロボット200の把持されていない側)を同じ方向にさらに180度旋回させることを含むため、それは旋回動作の最後に正しい上下の向き(the correct way up)にある。これらの旋回行為の両方は、同じ移動機構230によって提供され得る。これらの行為の両方を実施するための例示的な移動機構230は、図14を参照して以下に説明される。
【0048】
S303において、制御器250は、第1の足部装置210を第3のレール110cと係合させるように第1の把持機構211を制御する。これにより移動行為が完了する。
【0049】
図4に示される動きは、例に過ぎず、他の動きによりロボット200を第1の位置から第2の位置へ動かすことが可能であるということを理解されたい。
【0050】
図7は、4つの足部装置220a、220b、220c、220dを有するロボット200によって実施される移動行為の例を示す。ロボット200は、この例では、略四角形の断面(y-z平面において)を有する。足部装置220a、220b、220c、220dは、ロボット200の本体のx方向縁に配置される。図3および図4の例のように、ロボット200を動かすことは、ロボット200を、1つのレールにしっかりと固定されたままである足部装置(この場合は足部装置220a)の周りでレール110の平面(x-y平面)の外へ回転させることを含む。この例では、レール(この例では第3のレール110c)と(新たな)当接状態にされる足部装置220dは、移動行為の開始時にそのレール110aと係脱された同じ足部装置220bではないことに留意されたい。先の例のように、足部装置220dは、係合のために新たなレール110cと正しく整列するために、同じ方向に回転され得る。ロボット200が異なる形状を伴う断面を有する同様の構造が使用され得る。特に好適な形状は、三角形、四角形(図7の例にあるように)、五角形、六角形などを含む正多角形である。
【0051】
図8は、2つの足部装置210、220を備えるロボット200によって実施される移動行為の例を示す。この例では、移動機構230は、ロボット200を、係合した足部装置(この例では第2の足部装置220)の周りでレール110の平面(x-y平面)内で回転させる。具体的には、ロボット200は、第2の足部装置220の周りでx-y平面内で実質的に180度旋回される。例において、この運動はまた、第1の足部装置210(すなわち、ロボット200の把持されていない側)を同じ方向にさらに180度旋回させることを含むため、それは旋回動作の最後に正しい上下の向きにある。これらの旋回行為の両方は、同じ移動機構230によって提供され得る。他の例では、第1の足部装置210は、いずれかの配向においてレールと係合することができるものとして構築され、この場合、新たなレールと係合する前にそれ自体が回転される必要はない。
【0052】
いくつかの例では、ロボット200は、2つ以上のステージで、例えば、各ステージのための「アンカー」として異なる1つまたは複数の足部装置を使用して、移動行為を実施し得る。図9は、そのような例を示す。この例では、ロボット200は、2つの第1の足部装置210a、210b、および2つの第2の足部装置220a、220bという4つの足部装置を備える。各足部装置は、この例では、「脚」の終わりに位置する。この例では、移動機構230は、移動行為を実施するときロボット200をレール110の平面(x-y平面)内で並進させる(すなわち、上に説明される方向のいずれかにおける回転なし)。
【0053】
具体的には、ロボット200は、(2つの)第1の足部装置210a、210bが第1のレール110aと当接状態にあり、かつ(2つの)第2の足部装置220a、220bが第2のレール110bと係合される位置で開始する。移動機構230は、次いで、第2の足部装置220a、220bを第3のレール110cへ動かすために第1の足部装置210a、210bをアンカーとして使用することによって第1のステージを完了する。次いで、移動機構230は、第1の足部装置210a、210bを第2のレール110bへ動かすために第2の足部装置220a、220bをアンカーとして使用することによって第2のステージを完了する。例において、「脚」のうちの1つまたは複数は、「膝」を有し得る。移動行為を実施するロボット200の能力は、各ロボット200自体がレール110の間を動いて異なる列121のスロット120にアクセスすることができることを意味する。これは、多くの利点を有する。
【0054】
ロボット200は、それらがどこでも動くことができるという意味で独立している。ロボット200を列121間で動かすための追加のハードウェア(例えば、垂直「エレベータ」)は必要とされない。
【0055】
ロボット200自体が、他のロボットとの協働を必要とするのではなく、任意の列121内のスロット120からアイテムを取得し、またはそこへアイテムを配達することができる。
【0056】
ロボット200がその現在の位置からターゲットスロット120の位置まで利用する潜在的なルートの数は、大幅に増加される。これは、ロボット200が互いを回避することができることを意味する(図6の例を参照)。それはまた、たとえ、例えば、レール110のうちの1つの一部分に問題または妨害物があるとしても、つまりロボット200がその特定の部分を通過することができないとしても、ロボット200がターゲットスロット120まで依然としてナビゲートすることができることを意味する。それはまた、ロボット200が、ライブラリシステム100内のターゲット場所への最適ルートを潜在的に識別し、これを利用し得ることを意味する。
【0057】
ロボット200は、保守のために容易に取り外され得る。
【0058】
ライブラリシステム100内に複数の同一ロボット200または同一ロボット200の「群」が存在し得る。例は、8つの列121のスロット120および9つのレール110(図1および図3の同じ交互レール-列配置を使用する)を備えるライブラリシステム100内に6つのロボット200が存在する図5に示される。図5では、スロット120およびレール110の単一の「パネル」101が示される。以下に説明される他の例では、より多くのパネル101が存在し得る。
【0059】
いくつかの例では、足部装置210、220のうちの一方の駆動機構212、222は、足部装置210、220がレール110と係合されるときにのみ活性化し得る。すなわち、ロボット200は、単一の足部装置210、220が係合した状態でレール110に沿って動き得る。これは、2つのロボット200が、最小限の空間だけを使用して互いに通過することを可能にする。そのような通過行為の例は、図6に例証される。
【0060】
図6の例では、2つのロボット200a、200bが存在する。3つのレール110a~cのみが、簡略性の目的のために示される。第1のロボット200aは、その第1の足部装置210aが第1のレール110aと係合され、かつその第2の足部装置220aが第2のレール110bと係合される第1の位置にある。第2のロボット200bは、第3のレール110cと係合されるその第2の足部装置220bを有するが、第1の足部装置220aは、いかなるレール110とも係合されない。具体的には、第2のロボット200bの移動機構(図示せず)は、第2のロボット200bの第1の足部装置210bを、レール110の平面の外へ、および特に、第1のロボット200aの道の外へ回転させるように活性化されている。これは、3つのレール110しか存在しないとしても、第1のロボット200aおよび第2のロボット200bが互いに通過することができることを意味する。
【0061】
故に、さらなる利点は、複数のロボット200がストレージライブラリシステム100内に存在するときに実現される。例えば:
・制御システム130は、ロボットサービスを、動作中にそれが必要とされる場所へ動的に割り当てることができる。これは、制御システム130が、サービス負荷のバランスをとることができ、故障に対してロバストであり得ることを意味する。
【0062】
・本システムは、例えば、より多くのロボット200が追加され得ることから、より拡張可能である(同じレール上のロボットが互いを通過することができないため、レールごとに1つまたは2つのロボットに限定される先行技術を参照。先行技術では、より多く使用され得るが、各ロボットの有用性は、各追加ロボットに伴って減少する)。
【0063】
・隣接スリーブがレールハードウェアを共有することができ、これによりライブラリ費用を低減し、ストレージを簡略化し得る。
【0064】
・依然としてさらなる例において、ストレージライブラリシステム100は、複数のパネル101を備え得る。例は、ストレージライブラリシステム100が一連の4つのパネル101を備える図10aに示される。各パネル101は、先に説明される図5の例に示されるような構造を有し得る。
【0065】
この場合、ロボット200はまた、第1のパネル101と第1のパネル101に隣接する第2のパネル101との間を移動するために移動機構230を使用し得る。それを行うため、第1の足部装置210は、前と同じように第1のレール110aから外されるが、次いでロボット200は、第1の足部装置210が第1のパネルに隣接する第2のパネル101上のレールと当接状態にある配向へ動かされ、その後にそのレールと係合される。次いで、移動機構230は、第2の足部装置220を第2のパネル101の別のレールと遭遇させるためにロボット200を再び動かし得る。
【0066】
同様の配置は、図10bに示されるように、左右ジグザグ(「蛇行」)プランを有する単一パネル101により実現され得る。これは、水平次元を効果的に引き延ばし、ロボット200は、それに沿って(すなわち、レール110に沿って、x方向に)動くために、それらの一次駆動システムを使用する。
【0067】
図10bの例示的な配置はまた、ロボットが移動機構230を使用してパネルの部分に「またがって」移動すること(異なるパネル101間を移動するため、上に説明される同じ様式で)を、それが不必要であるとしても、可能にする。この移動のタイプは、隣接パネル部分への代替的な、および潜在的にはより高速のルートを提供する(レール110に沿って動くロボット200よりも)。それはまた、ロボット200が、上に説明されるものと同様の様式で、ハードウェア故障および/または他のロボットを回避することを可能にし得る。
【0068】
図11は、1つまたは複数のドライブ500がパネル101とは別に位置する例示的な配置を示す。ドライブ500は、例えば、1つもしくは複数の書き込みドライブ150または1つもしくは複数の読み取りドライブ160(上に説明されるような)であり得る。レール110のうちの少なくとも1つは、ロボット200がドライブ500にアクセスすることを可能にするために、パネル101からドライブ500まで延びる。故に、すべてのロボット200が、全レール110がドライブ500に接続されることを必要とせずに、ドライブ500に到達することができるため、移動行為の別の利点が実現される。
【0069】
図12は、少なくとも1つの非パネルレール111が提供される例示的な配置を示す。これらの非パネルレール111は、(パネル-)レール110と同様の構造を有するレールであるが、それらの場所は、ロボット200が、非パネルレール111のうちの1つと係合されるときスロット120内のアイテムにアクセスすることができないというようなものである。この例では、非パネルレール111は、パネル101の上に位置する。ロボット200は、これらの非パネルレール111を使用してパネル101間を移動し、および/またはストレージライブラリシステム100の他の部分にアクセスし得る。
【0070】
ストレージライブラリシステム100は、ロボット200がストレージライブラリシステム100内のその場所を決定することを可能にするための少なくとも1つの位置特定特徴部を備え得る。ロボット200のセンシングシステム280は、少なくとも1つの位置特定特徴部を検出し、以て、ロボット200がストレージライブラリシステム100内でのその位置を決定することを可能にするために使用され得る。
【0071】
位置特定特徴部の第1の例は、レールのうちの1つに位置するRFIDタグである。位置特定特徴部の第2の例は、光学線形コード(例えば、バーコードまたはGrayコード)である。Grayコードの例は、図13に示される。いくつかの例では、レール110の各々がそれぞれの位置特定特徴部を備える。
【0072】
図13では、Grayコードは、レール110の片側(この例では上部)に印刷される。Grayコードは、光学Grayコード、磁気Grayコード、または容量Grayコードであり得る。センシングシステム280は、したがって、光学、磁気、または容量センサを備える。ロボット200の現在の位置におけるGrayコードを読み取ることにより、ロボット200は、その場所を固有に決定することができる。
【0073】
例において、ロボット200は、メディアストレージライブラリシステム200内のロボット200の場所を決定するように構成される内部場所モジュールを備える。これは、述べたように、ロボット200がストレージライブラリシステム100内を自由に転々としているということを考えると特に有利である。
【0074】
ロボット200の特定の例示的な構造が、これより図14図16を参照して説明される。
【0075】
図14は、例示的な第1の足部装置210を示す。第2の足部装置220の構造は、第1の足部装置210のものと実質的に同じであってもよく、したがって、詳細に説明されない(第2の足部装置220の構造は、第1の足部装置210の構造の鏡像であり得る)。
【0076】
この特定の例の把持機構221は、図15aおよび図15b(図14に対して反対側から見た)により詳細に示される。図15aは、第1の(閉)状態にある把持機構221を示し、図15bは、第2の(開)状態にある把持機構221を示す。
【0077】
この例では、把持機構221は、第1のフレーム401aおよび第2のフレーム401bを備え、これらは、それぞれの第1の旋回軸407aおよび第2の旋回軸407bの周りを旋回する。歯車機構405が、第1のフレーム401aおよび第2のフレーム401bを逆回転させるために提供される。各フレームは、レール110と係合するための1つまたは複数のホイールを有する。この例では、第1のフレーム401aは、2つのホイール402a、403aを備え、第2のフレーム401bもまた、2つのホイール402b、403bを備えるが、他の配置が可能である。追加の安定性を提供するためにレール110の前面に走るホイールなど、追加のホイールが提供され得る(図14には示されない)。
【0078】
ホイールがレール110の側面を把持および解放するように、歯車機構405が第1のフレーム401aおよび第2のフレーム401bを閉状態と開状態との間で動かすことを引き起こすように動作可能であるモータ406が提供される。把持機構221は、図15aには閉状態で、および図15bには開状態で示される。
【0079】
図14に示される足部装置210はまた、ロボット200をレール110に沿って促進するための駆動機構222を備える。この例では、駆動機構222は、第1の円弧歯車411aおよび第2の円弧歯車411bを備える。第2の円弧歯車411bは、結合リンク412を介してモータ413によって駆動される(この例では2つの直交かさ歯車)。第2の円弧歯車411bは、第1の円弧歯車411aと係合し、故に、動作中、第1および第2の円弧歯車は逆回転する。図14に示される配置では、第1の円弧歯車411aは、レール110の(前側の)歯111と係合する。一般に、第1の円弧歯車411aは、把持機構221が現在係合されている任意のレール110の歯111と係合する。
【0080】
図16は、この特定の例の移動機構230を示す。移動機構は、2つのラックピニオン式装置を備え、その各々が、x軸の周りで湾曲プロファイルを有するラック422a、422bと係合するように構成されるピニオン421a、421b(かさ歯車)を備える。ピニオン421a、421bは、移動モータ423によって駆動可能である。例えば、第1のピニオン421aが駆動されるとき、第1のピニオン421aは、湾曲ラック422aの長さに沿って動くように回転し、以て、第1の足部装置210をロボット200の本体部に対して回転させるように作用する。第1の足部装置210がレールと係合される場合、これは、ロボット200を図4に関連して上に説明される様式で動かす。第1の足部装置210がレールと係合されない場合、これは、第1の足部装置210を回転させる。第2のピニオン421bおよび第2のラック422bは、同様の様式で動作する。
【0081】
本明細書に説明される例は、本発明の実施形態の例証的な例として理解されるべきであるということを理解されたい。さらなる例が以下に提供される。
【0082】
用語「制御モジュール」は、概して、ロボット200またはストレージライブラリシステム100のロボットを制御するためのモジュールを指すために使用され得る。そのような制御モジュールは、先に記載されるように、ロボット200の制御器250において、中央制御システム130において、またはこれらの任意の組み合わせを使用して、実装され得る。制御モジュールは、1つまたは複数の足部装置を第2のレールから外すように足部装置のうちの1つまたは複数の把持機構を制御すること、足部装置のうちの第1の1つまたは複数がレールのうちの第1のレールと係合されながら、ロボットを第1の位置から第2の位置へ動かすように移動機構を制御すること、および足部装置のうちの1つまたは複数を第3のレールと係合させるように足部装置のうちの1つまたは複数の把持機構を制御すること、によって、移動行為を実施するようにロボット200を制御するように構成され得る。
【0083】
新たなレールと係合する足部装置は、以前のレールから外される足部装置と同じである場合と、そうでない場合とがある。故に、移動機構は、ロボットを、第1の足部装置がレールのうちの第1のレールと係合されながら、第2の足部装置がレールのうちの第2のレールと当接状態にある第1の位置から、第2の足部装置がレールのうちの第3のレールと当接状態にある第2の位置へ動かすように構築および配置され得る。
【0084】
例において、ストレージライブラリシステムは、ロボットがストレージライブラリシステム内のその場所を決定することを可能にするための少なくとも1つの位置特定特徴部を備える。例示的な位置特定特徴部としては、レールのうちの少なくとも1つに位置するRFIDタグ、レールのうちの少なくとも1つに位置する光学マークが挙げられる。ロボットは、ストレージライブラリシステム内のロボットの場所を決定するために位置特定特徴部を検出するためのセンシングシステムを備え得る。光学マークの例としては、バーコード、QRコード、および光学、磁気、または容量線形コード(例えば、Grayコード)が挙げられる。
【0085】
ロボットを(移動機構により)第1の位置から第2の位置へ動かすことは、ロボットを第1の1つまたは複数の足部装置の周りでレールの平面の外へ回転させること、ロボットを第1の1つまたは複数の足部装置の周りでレールの平面内で回転させること、およびロボットをレールの平面内で並進させることのうちの1つまたは複数を含み得る。
【0086】
いくつかの例では、エンドエフェクタは、ロボットの2つ以上の側面においてアイテムと相互作用するように配置され得る。これは、例えば、ロボット200によって実施される移動行為がスロット120に対して変化するロボット200の配向を伴う例に特に有利である。これは、ロボット200の異なる側面にアクセスするために動くことができる単一のエンドエフェクタを使用して、またはロボット200の異なる側面に対して動作するように各々が配置される(例えば、「面」ごとに1つ)複数のエンドエフェクタを使用して達成され得る。例えば、図4の例では、ロボット200は、「反転」し、したがって、エンドエフェクタがロボット200の両側においてアイテムと相互作用することができるのが好ましい。別の例として、図7の例では、ロボット200は、移動行為ごとに90度回転し、ロボット200の異なる側面をスロット120に提示し、したがって、エンドエフェクタが、ロボット200の4つすべての側面においてアイテムと相互作用することができるのが好ましい。
【0087】
エンドエフェクタは、例えば、グラバ、リーダ、ライタ、カメラ、保守装置、および清掃装置のうちの少なくとも1つであり得る。ロボットは、同じまたは異なるタイプの2つ以上のエンドエフェクタを備え得る。ロボット200が2つ以上のレールと係合されるときにのみ、エンドエフェクタを活性化することが好ましい場合があるが、これは厳密に必須ではない。すなわち、ロボット200が、単一のレールとのみ係合される(例えば、単一の足部装置を使用して)ときにさえ、スロット120にアクセスすることができる場合があるということは排除されない。
【0088】
ストレージライブラリシステムに格納されるアイテムのうちの少なくともいくつかは、物理ストレージメディアであり得、ストレージライブラリシステムは、物理ストレージメディアを読み取るため、および/または物理ストレージメディアに書き込むための少なくとも1つのドライブを備え得る。ドライブは、ロボットとは別個であり得るか、またはロボットは、1つまたは複数のドライブを備え得る。
【0089】
2つ以上のロボットがストレージライブラリシステム内に存在してもよい(すなわち、2、3、4、5つなど)。例において、数十あるいは数百のロボットが存在し得る。ロボットはすべて、実質的に同一であるか、またはそうではない場合があり、例えば、ロボットのうちのいくつかは、異なるタイプのエンドエフェクタを有し得る。
【0090】
例において、ストレージライブラリシステムは、ロボットを制御するための中央制御システムを備える。他の例では、ロボットは、協働するために互いと直接的に通信し得る。
【0091】
例において、駆動機構は、足部装置のうちの1つに位置し得る。そのような場合、駆動機構は、駆動機構の足部装置のみがレールと係合される間に活性化可能であり得る。
【0092】
例において、スロットは、少なくとも2つの異なる平面内に配置され、移動機構が第1の足部装置を動かす第3のレールは、第1および第2のレールと同じ平面内に位置しない。これは、スロットが異なる平面を専有する少なくとも2つのパネル内に配置される例(例えば、図10a)を含む。ロボットは、移動機構を使用して、例えば、隣接パネルのレールと係合することにより、または1つまたは複数の中間レールを横断することにより、1つのパネルから別のパネルへ移動することができる場合がある。これはまた、スロットが単一の「蛇行」パネル内に配置され(例えば、図10b)、ロボットが、第1の平面を専有するパネルの第1の部分から、第1の平面とは異なる第2の平面を占有するパネルの第2の部分へ移動することができる例を含む。
【0093】
本明細書に説明されるのは、アイテムを格納するための複数のスロット、複数のレールを備えるストレージライブラリシステムのロボットを制御する方法であり、ロボットは、スロット内のアイテムと相互作用するためのエンドエフェクタ、少なくとも2つの足部装置、およびロボットをレールに沿って動かすための駆動機構を備え、本方法は、足部装置のうちの第1の1つまたは複数を第1のレールから外すように把持機構を制御すること、ロボットを、足部装置のうちの第1の1つまたは複数の足部装置がレールのうちの第1のレールと係合されながら、足部装置のうちの1つまたは複数がレールのうちの第2のレールと当接状態にある第1の位置から、足部装置のうちの1つまたは複数がレールのうちの第3のレールと当接状態にある第2の位置へ動かすように、移動機構を制御すること、および足部装置のうちの1つまたは複数を第3のレールと係合させるように把持機構を制御することによって、ロボットに移動行為を実施させることを含む。
【0094】
概して、アイテムを格納するための複数のスロットと複数のレールとを備えるストレージライブラリシステムにおける使用のためのロボットが提供される。ロボットは、スロット内のアイテムと相互作用するためのエンドエフェクタと、少なくとも2つの足部装置であって、各々が足部装置をレールのうちの1つと解放可能に係合させるためのそれぞれの把持機構を有する、少なくとも2つの足部装置と、ロボットをレールに沿って動かすための駆動機構と、ロボットを、足部装置のうちの第1の1つまたは複数がレールのうちの第1のレールと係合されながら、足部装置のうちの1つまたは複数がレールのうちの第2のレールと当接状態にある第1の位置から、足部装置のうちの1つまたは複数がレールのうちの第3のレールと当接状態にある第2の位置へ動かすように構築および配置される移動機構とを備える。
【0095】
本明細書内で言及されるプロセッサまたは処理システムもしくは回路は、実践では、単一のチップもしく集積回路または複数のチップもしくは集積回路によって提供され得、任意選択的に、チップセット、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、グラフィック処理ユニット(GPU)などとして提供され得るということを理解されたい。チップ(複数可)は、例示的な実施形態に従って動作するように構成可能である、データプロセッサ(複数可)、デジタル信号プロセッサ(複数可)、ベースバンド回路および無線周波数回路のうちの少なくとも1つまたは複数を具現化するための回路(ならびにおそらくはファームウェア)を備え得る。この点に関して、例示的な実施形態は、(非一時的な)メモリに格納されるコンピュータソフトウェアによって少なくとも部分的に実装され得、プロセッサによって、またはハードウェアによって、または実体的に格納されたソフトウェアおよびハードウェア(および実体的に格納されたファームウェア)の組み合わせによって実行可能であり得る。
【0096】
図面を参照して本明細書に説明される実施形態の少なくともいくつかの態様は、処理システムまたはプロセッサ内で実施されるコンピュータプロセスを含むが、本発明は、本発明を実践するために適合される、コンピュータプログラム、特に、キャリア上または内のコンピュータプログラムにも及ぶ。プログラムは、非一時的なソースコード、オブジェクトコード、コード中間ソース、および例えば部分的にコンパイルされた形式にあるオブジェクトコードの形式、または本明細書によるプロセスの実装における使用に好適な任意の他の非一時的な形式であり得る。キャリアは、プログラムを保持することができる任意のエンティティまたはデバイスであり得る。例えば、キャリアは、固体ドライブ(SSD)または他の半導体ベースのRAMなどの記憶媒体;ROM、例えば、CD ROMまたは半導体ROM;磁気記録媒体、例えば、フロッピーディスクまたはハードディスク;一般的な光学メモリデバイスなどを含み得る。
【0097】
本明細書に説明される例は、本発明の実施形態の例証的な例として理解されるものとする。さらなる実施形態および例が想起される。任意の1つの例または実施形態に関連して説明される任意の特徴は、単独で、または他の特徴と組み合わせて、使用され得る。加えて、任意の1つの例または実施形態に関連して説明される任意の特徴はまた、例もしくは実施形態の任意の他のものの、または例もしくは実施形態の任意の他のものの任意の組み合わせの、1つまたは複数の特徴と組み合わせて使用され得る。さらには、本明細書に説明されない等価物および修正形態もまた、特許請求の範囲内で規定される本発明の範囲内で用いられ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10a
図10b
図11
図12
図13
図14
図15a
図15b
図16
【国際調査報告】