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特表2024-522124眼鏡フレームのデザインの妥当性を自動的に評価するための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-11
(54)【発明の名称】眼鏡フレームのデザインの妥当性を自動的に評価するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G02C 13/00 20060101AFI20240604BHJP
   G02C 1/06 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
G02C13/00
G02C1/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573642
(86)(22)【出願日】2022-05-31
(85)【翻訳文提出日】2023-11-29
(86)【国際出願番号】 EP2022064738
(87)【国際公開番号】W WO2023274644
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】21305885.2
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518007555
【氏名又は名称】エシロール・アンテルナシオナル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ブリュノ・アミール
(72)【発明者】
【氏名】アスマ・ラクア
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006AA00
2H006DA03
(57)【要約】
眼鏡フレームのデザインの妥当性を自動的に評価するための本コンピュータ実施方法は、(i)所定のデザインを有する所定のフレームを取得することと、(ii)所定のフレームの現在の表現に関連する情報を取得することと、(iii)少なくとも1つのプロセッサによって、少なくとも1つの所定の妥当性基準に従って、現在の表現から所定のデザインの妥当性を評価すること、及び少なくとも1つのプロセッサによって、評価の結果を含むフィードバックを提供することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼鏡フレームのデザインの妥当性を自動的に評価するためのコンピュータ実施方法であって、
(i)所定のデザインを有する所定のフレームを取得するステップと、
(ii)前記所定のフレームの現在の表現に関連する情報を取得するステップと、
(iii)少なくとも1つのプロセッサによって、少なくとも1つの所定の妥当性基準に従って、前記現在の表現から前記所定のデザインの妥当性を評価し、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記評価の結果を含むフィードバックを提供するステップと、を含む方法。
【請求項2】
(iv)前記結果が所定の目標に到達するかどうかをチェックするステップと、
(v)前記結果が前記目標に到達しない限り、
前記フィードバックにおいて、前記所定のフレームの前記表現を修正する方法に関する推奨事項を提供するステップと、
前記推奨事項に基づいて、前記フレームの修正済み表現に関連する修正済み情報を取得するステップと、
前記修正済み表現を前記フレームの前記現在の表現として使用することによって、最適化フレームデザインを提供するように、(iii)~(v)のステップを反復するステップと、をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記修正済み表現に基づいて評価することが、前記フレームの修正済み表現が、(ii)のステップが最初に実行されるときの現在の表現である前記フレームの初期表現と共通する特徴と、前記初期表現とは異なる特徴とを同時に有する場合に、前記フレームが前記初期表現と共通する特徴を有しない場合よりも前記目標により近い値を前記結果に与えることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記フィードバックが、前記所定のデザインと共通する特徴及び前記所定のデザインとは異なる特徴を有する少なくとも1つの提案されたフレームデザインを提供することをさらに含み、前記フィードバックが、前記共通する特徴及び前記異なる特徴を識別することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記最適化フレームデザインを有するフレームを製造するステップをさらに含む請求項2又は3に記載の方法。
【請求項6】
前記妥当性基準が、
前記フレームの前記表現と既存フレームとの類似点又は偏差、
所定のフレームデザインルールの準拠性、
製造性、
前記フレームの予想販売数、及び/又、は前記フレームと所定の類似点を有する少なくとも1つの他のフレームの販売数、
を含む群から選択された少なくとも1つのパラメータに関連する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記妥当性基準が、
所定の着用者集団の顔に関連する形態学的パラメータ、
前記着用者集団のレンズ処方箋に関連するパラメータ、
他のレンズパラメータ、及び
前記着用者集団によって提供される好みパラメータ、
を含む群から選択された少なくとも1つの着用者関連パラメータの準拠性に関連する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
前記着用者集団によって提供される好みパラメータが、前記眼鏡フレームの全体的な外観、スタイル、形状、材料、色、及び着用感に関連するパラメータを含む群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記結果が、スコア及び/又はテキストを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
前記フィードバックが、
前記現在の表現に対応するデザインを有する眼鏡フレームで取得される予想売上高、
前記現在の表現に対応するデザインを有する眼鏡フレームの予想販売数、
(ii)のステップが最初に実行されるときの現在の表現である前記フレームの初期表現に対応する眼鏡フレームデザインをオンラインで見る人の予想数又は実数、
前記現在の表現に対応するデザインを有する眼鏡フレームの予想小売価格水準、
前記現在の表現に対応するデザインを有する眼鏡フレームの購入に関心を持つ顧客の予想タイプ、
少なくとも1つの眼鏡フレームデザインに関する着用者又は顧客の意見、及び
複数の着用者から収集されたデータに基づいて着用者の好みを予測する人工知能ベースツールの少なくとも1つの出力、
を含む群から選択された、予想される商業的成功に関連する基準をさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項11】
(ii)のステップが、
前記フレームの現在の表現に関連する前記情報を、アイウェアのタイプ、フレームのタイプ、フレーム重量、フレーム体積、ノーズパッドのタイプ、及び、面形状のタイプを含む群から選択されたカテゴリを参照する少なくとも1つの所定のクラスタに割り当てることと、
フレーム色及び/又はフレーム材料に基づいて前記少なくとも1つの所定のクラスタをセグメント化することと、をさらに含み、
前記フィードバックが、同一クラスタ内の、且つ同一の色及び/又は材料を有するフレームについての少なくとも1つのフィードバック基準を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項12】
着用者が眼鏡のフレームデザインの妥当性の自動実行された評価を取得するためのコンピュータ実施方法であって、
前記着用者によって、前記着用者に関連する、及び/又は前記フレームデザインに関連する少なくとも1つのパラメータを、少なくとも1つのプロセッサに提供することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、少なくとも1つの所定の妥当性基準に従って、前記少なくとも1つのパラメータに合致するフレームデザインの妥当性を評価すること、及び前記着用者によって、前記評価の結果を含むフィードバックを前記少なくとも1つのプロセッサから受信することと、
を含む、方法。
【請求項13】
眼鏡フレームのデザインの妥当性を自動的に評価するためのシステムであって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサが、
(i)所定のデザインを有する所定のフレームを取得し、
(ii)前記所定のフレームの現在の表現に関連する情報を取得し、
(iii)少なくとも1つの所定の妥当性基準に従って、前記現在の表現から前記所定のデザインの妥当性を評価し、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記評価の結果を含むフィードバックを提供するように構成されている、システム。
【請求項14】
プロセッサにアクセス可能な1つ又は複数の命令シーケンスを含むコンピュータプログラム製品であって、前記命令シーケンスが、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
(i)所定のデザインを有する所定のフレームを取得させ、
(ii)前記所定のフレームの現在の表現に関連する情報を取得させ、
(iii)少なくとも1つの所定の妥当性基準に従って、前記現在の表現から前記所定のデザインの妥当性を評価させ、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記評価の結果を含むフィードバックを提供させる、コンピュータプログラム製品。
【請求項15】
非一時的情報記憶媒体であって、前記非一時的情報記憶媒体が、プロセッサにアクセス可能な1つ又は複数の命令シーケンスを記憶し、前記命令シーケンスが、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
(i)所定のデザインを有する所定のフレームを取得させ、
(ii)前記所定のフレームの現在の表現に関連する情報を取得させ、
(iii)少なくとも1つの所定の妥当性基準に従って、前記現在の表現から前記所定のデザインの妥当性を評価させ、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記評価の結果を含むフィードバックを提供させる、非一時的情報記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、眼鏡フレームのデザインの妥当性を自動的に評価するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
最先端技術では、眼鏡フレームのカスタマイズには、通常、眼鏡フレームの「ユーザ」に加えて、いくつかのタイプの専門家が関与する。「ユーザ」とは、眼鏡フレームを着用しているか又は使用している人、言い換えれば、カスタマイズ又はパーソナライズされた眼鏡の入手に関心のある顧客のことである。
【0003】
非限定的な例として、これらの「いくつかのタイプの専門家」には、眼鏡フレームデザイナ及び/又は眼科用レンズデザイナ及び/又はフレーム製造業者及び/又は眼科用レンズ製造業者及び/又は(ECPとも呼ばれる)アイケア専門家が含まれる。
【0004】
提案された眼鏡フレームが、ユーザと、デザイン、製造、及び販売に携わる専門家との両方に受け入れられるまで、ユーザの審美的及び場合によっては技術的な好み、又はそのユーザによって表されたコスト基準に基づいて、それらの専門家による複数のアクション及びそのような専門家間の相互作用が、一般的に、カスタマイズのプロセスにおいて行われる。
【0005】
例えば、フレームデザイナはフレームデザインを提案するが、それが妥当であるかどうかについて先験的に知らない。これは、フレームの形状、色、材料、又は重量に関して、フレームデザイナが非常に多数のデザインパラメータを利用可能であるためである。さらに、多くの異なるタイプの顧客マーケットに対処しなければならない。さらに、フレームデザイナは、提案したデザインが技術的に容易に実現可能であるか、又は全く実現可能でない可能性があるかを必ずしも知っているわけではない。
【0006】
したがって、フレームデザイナが自分のフレームデザインの妥当性を評価することを可能にするツールをフレームデザイナに提供する必要があり、それによって、フレームデザイナは妥当性の水準が満足でない場合にそれを修正又は訂正することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の目的は、先行技術の上述した欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
その目的のために、本開示は、眼鏡フレームのデザインの妥当性を自動的に評価するためのコンピュータ実施方法であって、
(i)所定のデザインを有する所定のフレームを取得することと、
(ii)所定のフレームの現在の表現に関連する情報を取得することと、
(iii)少なくとも1つのプロセッサによって、少なくとも1つの所定の妥当性基準に従って、現在の表現から所定のデザインの妥当性を評価すること、及び少なくとも1つのプロセッサによって、評価の結果を含むフィードバックを提供することと、
を含む、方法を提供する。
【0009】
したがって、本開示は、完全自動化方式で評価された、提案されたフレームデザインの妥当性に関するフィードバックをフレームデザイナに供給することを可能にする。
【0010】
その結果、フレームデザイナは、提案されたフレームデザインの妥当性を改善するように、デザインパラメータのいくつかを修正し得る。
【0011】
実施形態において、方法は、
(iv)結果が所定の目標に到達するかどうかをチェックするステップと、
(v)結果が目標に到達しない限り、
フィードバックにおいて、所定のフレームの表現を修正する方法に関する推奨事項を提供するステップと、
これらの推奨事項に基づいて、フレームの修正済み表現に関連する修正済み情報を取得するステップと、
修正済み表現をフレームの現在の表現として使用することによって、最適化フレームデザインを提供するように、ステップ(iii)~(v)を反復するステップと、
をさらに含む。
【0012】
その実施形態において、修正済み表現に基づいて評価することが、フレームの修正済み表現が、ステップ(ii)が最初に実行されるときの現在の表現である、フレームの初期表現と共通する特徴と、初期表現とは異なる特徴とを同時に有する場合に、フレームが初期表現と共通する特徴を有しない場合よりも目標により近い値を結果に与えることを含む。
【0013】
実施形態において、フィードバックは、所定のデザインと共通する特徴及び所定のデザインとは異なる特徴を有する少なくとも1つの提案されたフレームデザインを提供することをさらに含み、フィードバックは、共通する特徴及び異なる特徴を識別することを含む。
【0014】
実施形態において、方法は、最適化フレームデザインを有するフレームを製造することをさらに含む。
【0015】
実施形態において、妥当性基準は、
フレームの表現と既存フレームとの類似点又は偏差、
所定のフレームデザインルールの準拠性、
製造性、
フレームの予想販売数及び/又はフレームと所定の類似点を有する少なくとも1つの他のフレームの販売数、
を含む群において採用された少なくとも1つのパラメータに関連する。
【0016】
実施形態において、妥当性基準は、
所定の着用者集団の顔に関連する形態学的パラメータ、
着用者集団のレンズ処方箋に関連するパラメータ、
他のレンズパラメータ、及び
着用者集団によって提供される好みパラメータ、
を含む群において採用された少なくとも1つの着用者関連パラメータの準拠性に関連する。
【0017】
その実施形態において、着用者集団によって提供される好みパラメータは、眼鏡フレームの全体的な外観、スタイル、形状、材料、色、及び着用感に関連するパラメータを含む群において採用される。
【0018】
実施形態において、結果は、スコア及び/又はテキストを含む。
【0019】
実施形態において、フィードバックは、
現在の表現に対応するデザインを有する眼鏡フレームで取得される予想売上高、
現在の表現に対応するデザインを有する眼鏡フレームの予想販売数、
ステップ(ii)が最初に実行されるときの現在の表現である、フレームの初期表現に対応する眼鏡フレームデザインをオンラインで見る人の予想数又は実数、
現在の表現に対応するデザインを有する眼鏡フレームの予想小売価格水準、
現在の表現に対応するデザインを有する眼鏡フレームの購入に関心を持つ顧客の予想タイプ、
少なくとも1つの眼鏡フレームデザインに関する着用者又は顧客の意見、
複数の着用者から収集されたデータに基づいて着用者の好みを予測する人工知能ベースツールの少なくとも1つの出力、
を含む群において採用された、予想される商業的成功に関連する基準をさらに含む。
【0020】
実施形態において、ステップ(ii)は、
フレームの現在の表現に関連する情報を、アイウェアのタイプ、フレームのタイプ、フレーム重量、フレーム体積、ノーズパッドのタイプ、面形状のタイプを含む群において採用されたカテゴリを参照する少なくとも1つの所定のクラスタに割り当てることと、
フレーム色及び/又はフレーム材料に基づいて少なくとも1つのクラスタをセグメント化することと、
をさらに含み、
フィードバックは、同一クラスタ内の、且つ同一の色及び/又は材料を有するフレームについての少なくとも1つのフィードバック基準を含む。
【0021】
上述した同じ目的のために、本開示は、また、着用者が眼鏡フレームのデザインの妥当性の自動実行された評価を取得するためのコンピュータ実施方法であって、
着用者によって、着用者に関連する、及び/又はフレームデザインに関連する少なくとも1つのパラメータを、少なくとも1つのプロセッサに提供することと、
少なくとも1つのプロセッサによって、少なくとも1つの所定の妥当性基準に従って、少なくとも1つのパラメータに合致するフレームデザインの妥当性を評価すること、及び着用者によって、評価の結果を含むフィードバックを少なくとも1つのプロセッサから受信することと、
を含む、方法を提供する。
【0022】
したがって、着用者は、提供したパラメータに基づいてデザインされたフレームの妥当性に関する、完全自動化方式で取得されたフィードバックを受信する。
【0023】
上述した同じ目的のために、本開示は、また、眼鏡フレームのデザインの妥当性を自動的に評価するためのシステムであって、
少なくとも1つのプロセッサであって、
(i)所定のデザインを有する所定のフレームを取得し、
(ii)所定のフレームの現在の表現に関連する情報を取得し、
少なくとも1つの所定の妥当性基準に従って、現在の表現から所定のデザインの妥当性を評価し、少なくとも1つのプロセッサによって、評価の結果を含むフィードバックを提供する、
ように構成される、少なくとも1つのプロセッサ
を備える、システムを提供する。
【0024】
上述した同じ目的のために、本開示は、また、プロセッサにアクセス可能な1つ又は複数の命令シーケンスを含むコンピュータプログラム製品であって、命令シーケンスが、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、
(i)所定のデザインを有する所定のフレームを取得させ、
(ii)所定のフレームの現在の表現に関連する情報を取得させ、
(iii)少なくとも1つの所定の妥当性基準に従って、現在の表現から所定のデザインの妥当性を評価させ、少なくとも1つのプロセッサによって、評価の結果を含むフィードバックを提供させる、
コンピュータプログラム製品を提供する。
【0025】
上述した同じ目的のために、本開示は、非一時的情報記憶媒体であって、非一時的情報記憶媒体が、プロセッサにアクセス可能な1つ又は複数の命令シーケンスを記憶し、命令シーケンスが、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、
(i)所定のデザインを有する所定のフレームを取得させ、
(ii)所定のフレームの現在の表現に関連する情報を取得させ、
(iii)少なくとも1つの所定の妥当性基準に従って、現在の表現から所定のデザインの妥当性を評価させ、少なくとも1つのプロセッサによって、評価の結果を含むフィードバックを提供させる、
非一時的情報記憶媒体も提供する。
【0026】
着用者が眼鏡フレームのデザインの妥当性の自動実行された評価を取得するための方法、眼鏡フレームのデザインの妥当性を自動的に評価するためのシステム、コンピュータプログラム製品、及び非一時的情報記憶媒体は、眼鏡フレームのデザインの妥当性を自動的に評価するための方法に関係して上記に列挙したものに類似の特定の特徴及び利点を有するため、それらの特定の特徴及び利点については、ここでは繰り返さない。
【0027】
本明細書で提供される記載及びその利点をより完全に理解するために、ここで、添付の図面及び詳細な説明に関連して以下の簡単な説明を参照し、同様の参照番号は、同様の部品を表す。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】特定の実施形態における、本開示による眼鏡フレームのデザインの妥当性を自動的に評価するための方法のステップを示すフローチャートである。
図2】特定の実施形態における、本開示による着用者が眼鏡フレームのデザインの妥当性の自動実行された評価を取得するための方法のステップを示すフローチャートである。
図3】特定の実施形態における、本開示による眼鏡フレームのデザインの妥当性を自動的に評価するためのシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の説明では、様々な実施形態の作成及び使用が以下で詳細に論じられるが、本明細書に記載されるように、多様な状況で具体化されてもよい多くの発明の概念が提供されることを理解されたい。本明細書で論じられる実施形態は、単に代表的なものに過ぎず、本開示の範囲を限定するものではない。当業者には、プロセスに関連して定義される全ての技術的特徴が個別に又は組み合わせてデバイスに置き換えることができ、逆にデバイスに関連する全ての技術的特徴が個別に又は組み合わせてプロセスに置き換えることができ、異なる実施形態の技術的特徴が、他の実施形態の特徴と交換又は組み合わせることができることも明らかであろう。
【0030】
用語「備える(comprise)」(並びに「備える(comprises)」及び「備える(comprising)」などのそのいずれかの文法的変形形態)、「有する(have)」(並びに「有する(has)」及び「有する(having)」などのそのいずれかの文法的変形形態)、「含有する(contain)」(並びに「含有する(contains)」及び「含有する(containing)」などのそのいずれかの文法的変形形態)、並びに「含む(include)」(並びに「含む(includes)」及び「含む(including)」などのそのいずれかの文法的変形形態)は、オープンエンドの連結動詞である。これらは、述べられる特徴、整数、ステップ若しくは構成要素、又はこれらの群の存在を規定するために用いられるが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ若しくは構成要素、又はこれらの群の存在又は追加を排除するものではない。結果として、1つ又は複数のステップ又は要素を「備える(comprises)」、「有する(has)」、「含有する(contains)」、又は「含む(includes)」方法又は方法におけるステップは、それらの1つ又は複数のステップ又は要素を有するが、それらの1つ又は複数のステップ又は要素のみを有することに限定されない。
【0031】
本開示の条件内のプロセッサは、専用ハードウェア、及び適切なソフトウェアに関連してソフトウェアを実行することができるハードウェアを含み得る。これは、単一の専用プロセッサ、単一の共有プロセッサ、又は複数の個別のプロセッサで構成され得、それらのいくつかは共有され得る。さらに、「プロセッサ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアを排他的に指すと解釈されるべきではなく、一般的な方法で、例えばコンピュータ、マイクロプロセッサ、集積回路、又はプログラマブルロジックデバイス(PLD)を含み得る処理デバイスを指す。加えて、関連する機能及び/又は結果として生じる機能を実行することを可能にする命令及び/又はデータは、例えば、集積回路、ハードディスク、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタル多用途ディスク)などの光ディスク、RAM(ランダムアクセスメモリ)、又はROM(読み取り専用メモリ)などの、任意のプロセッサ読み取り可能媒体上に記憶され得る。命令は、特にハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせに記憶され得る。
【0032】
本開示によるコンピュータ実施方法は、個人によって使用される眼鏡フレームのデザインの妥当性を自動的に評価するためのものである。
【0033】
非限定的な例として、個人とは、眼鏡フレームを注文することを意図する若しくは注文する顧客、及び/又はカスタマイズした後に眼鏡フレームを購入することを意図する若しくは購入する顧客であり得る。個人は、自身のため(したがって、個人は自身が眼鏡の着用者であり得る)、又は他の人のためにそのような眼鏡フレームをカスタマイズした後に他の誰かのため、注文又は購入することができる。
【0034】
注文又は購入は、物理的な、即ち実際の店又は店舗で行われてもよく、本開示による方法は、コンピュータ、タブレット、スマートフォン、又は任意の他の電子デバイス上で実行する。変形例として、個人は、ECPからの支援なしに、100%オンラインで、即ちインターネット上で、眼鏡を注文及び/又は購入することができる。
【0035】
図1のフローチャートを参照すると、特定の実施形態において、本開示による方法は、所定のデザインを有する所定のフレームを取得する第1のステップ(i)を含む。
【0036】
このフレームは、例えば、オンライン又は店舗において入手可能な、様々なフレームデザイナによって提案された複数のフレームの中で、例えば個人によって、又はECPによって選択されてもよい。
【0037】
次いで、本開示による方法は、所定のフレームの現在の表現に関連する情報を取得するステップ(ii)を含む。
【0038】
非限定的な例として、そのような情報は、眼鏡フレームが既に物理的に存在する場合に眼鏡フレームから検索されてもよく、又は眼鏡フレームの2次元(以降、「2D」と呼ばれる)スケッチであってもよく、そのようなスケッチは、そのスケッチの一部又はその全体のいずれかに対して、例えば、コンピュータ及び/又はタブレット及び/又はスマートフォン又は任意の他の電子デバイス上で、電子形式で直接、人間の眼鏡フレームデザイナによって作成されている。
【0039】
別の可能性として、眼鏡フレームの2Dスケッチは、ペン又任意の他の非仮想の書き込み、描画、又はペイントツールを用いて、デザイナによって1枚の紙上に作成されてもよく、且つスキャンされ、又はデジタルデータセットに変換されてもよく、そのようなデータセットは、データベース内、ハードウェア電子デバイス上、又はインターネットなどの電気通信ネットワーク上、例えばクラウド内に含まれ得る永続的ファイル又は一時的ファイルに含まれている。言い換えれば、情報を取得する上述のステップ(ii)は、データベースからその情報を検索することを含み得る。
【0040】
さらに別の可能性として、スケッチは、フレームデザイナによって考案若しくは提供されたフレームのプロトタイプの暫定バージョン若しくは最終バージョン、又はフレームデザイナによって考案若しくは提供されたフレームの形状の暫定バージョン若しくは最終バージョン、又はフレームデザイナによって考案若しくは提供されたフレームのモデルの暫定バージョン若しくは最終バージョンなどの、眼鏡のフレームの3次元(以降、「3D」と呼ばれる)表現であってもよい。そのような3Dスケッチは、例えば、コンピュータ援用設計若しくはコンピュータ支援設計(CAD)ツール上で利用可能であってもよく、又は例えば、従来型の製造及び/若しくは積層造形を伴うプロセスである、製造プロセスの結果であってもよい。
【0041】
さらに別の実施形態では、上述した情報を取得するステップ(ii)は、人工知能又は機械学習を使用することによってその情報を生成することを含み得る。例えば、ニューラルネットワークは、例えば人間のデザイナ又はECPによって、適切に訓練されてもよく、その後以前に学習したフレームデザインに基づいて、元の眼鏡フレームを自動的にスケッチするために使用されてもよい。
【0042】
ステップ(ii)において、非限定的な例として、例えばデータベースからデータを自動的に受信することによって、又はデータベースからデータを自動的にダウンロードすること若しくは検索することによって、本開示による方法は、2Dスケッチに関連するデータセット、又はスケッチが3次元(以降、「3D」と呼ばれる)の場合のスケッチの2D投影に関連するデータセットを情報として取得する。
【0043】
情報は、幾何学的形状データ用のIGES、SVG若しくはPDF(ベクトル)、AI(Adobe(登録商標)Illustrator(登録商標))、又はSTEPなどの、様々な標準フォーマットのデータファイルで取得又は提供され得る。
【0044】
デザイナは、数百又は数千のデザイナによって入力され得るデータベース内にデザインをアップロードし得る。したがって、各デザイナは、次いで、ユーザ(ECP、又はオンライン着用者、又はフレーム及びレンズの製造業者を含むアイウェア製造業者などの任意の他の顧客)に提供されることになる異なるデザインを提案し得る。
【0045】
任意選択的に、眼鏡フレームの現在の表現は、データベースを介してユーザ(ECP、又は着用者、又は任意の他の顧客)に利用可能にされ得る。データベースには、リモートでアクセスし得る。したがって、ユーザは、例えば審美的及び/又は人間工学の考慮事項に基づいて、自身のニーズが最もよく叶うデザインを取得するための好みを表し得る。
【0046】
非限定的な例として、眼鏡フレームの現在の表現は、フレームの前面のデザインを含み得る。
【0047】
任意選択的に、ステップ(ii)において、眼鏡フレームのテンプル又はヒンジのデザインもまた、人間又は仮想のデザイナによって提案され得る。変形例では、ステップ(ii)において取得された眼鏡の表現がない場合、眼鏡フレームのテンプル又はヒンジのデザインは、自動的に判定され得る。
【0048】
実施形態では、異なる眼鏡フレームデザイナが、眼鏡フレームモデルを提案してもよく、検討されたモデルがデータベースに以前にアップロードされた可能性のある審美的及び快適性ルールに準拠しているとすぐに、データベースにアップロードし得る。
【0049】
所定のフレームの現在の表現は、フレームに関する1つ又は複数の他のパラメータも含み得る。
【0050】
フレームパラメータは、
- 眼鏡フレームの幾何学的形状に関連するパラメータ、
- 眼鏡フレームの材料に関連するパラメータ、及び
- 眼鏡フレームを製造するための製造技術に関連するパラメータ、
の中から採用され得る。
【0051】
非限定的な例として、フレームパラメータは、眼鏡フレームの前面に関連してもよく、したがって、
- 少なくとも2Dでの、フレーム面の内部輪郭の形状及び/若しくは位置又はレンズ形状の幾何学的形状、
- 眼鏡フレームがリムレスの場合は内部輪郭と同じであり得る、フレーム面の外部輪郭の形状及び/又は位置、
- ノーズの幾何学的形状及び位置、
- フレームの内部輪郭と外部輪郭との間の差に関連する、エッジの厚さ、
- エンドピースの位置、
などの、フレーム面の1つ又は複数の幾何学的特徴を含み得る。
【0052】
したがって、大部分の実施形態では、眼鏡フレームの幾何学的形状に関連するパラメータは、フレームのサイズに関連し得るだけでなく、フレームの少なくとも1つの他のタイプの幾何学的形状パラメータを含み得る。
【0053】
フレームパラメータはまた、フレーム面の材料、又は
- 色パターン若しくは色のリスト、
- テクスチャ若しくはテクスチャのリスト、
- フレームの透明度若しくは不透明度、
- 使用される材料、
- パッドの幾何学的形状、
- テンプル形状の幾何学的形状及び/若しくは材料及び/若しくは装飾的特徴、
- フレームのヒンジの形状及び/若しくはそれらの高さ位置、
- 利用可能な色パターンのリスト、可能な変形の値のリスト及び範囲(パントスコピック角度、ラップ角度、エッジの厚さ範囲、形状変形の割合若しくは変形範囲など)などの、利用可能な眼鏡フレーム修正のリスト(値のタイプ及び範囲)、
- 連続性次数0、1、若しくは2、若しくは幾何学的変形が全くないか若しくはほとんどないゾーンなどの幾何学的制約のリスト、
- デザイナ名、眼鏡フレームの名前、ブランド名、フレームスタイルに関する要素、
- 金属インサート、外側エッジの面取り、斜角など、
といったフレームのいくつかの装飾的特徴に関連し得る。
【0054】
フレームパラメータは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、取得されたフレームの現在の表現から自動的に判定され得る。
【0055】
特定の実施形態において、ステップ(ii)は、
- フレームの現在の表現に関連する情報を、アイウェアのタイプ(例えば、透明な眼鏡又はサングラス)、フレームのタイプ(例えば、リムレス、ハーフリム、又はフルリム)、フレーム重量、フレーム体積、ノーズパッドのタイプ、面形状のタイプ(例えば、長方形、フラット、ラウンド、バタフライ、パント、ウェイファーラ、正方形、ダイヤモンド、パイロット、ハーフムーン、八角形、楕円形など)を含む群において採用されたカテゴリを参照する1つ又は複数の所定のクラスタに割り当てること、並びに
- フレーム色及び/又はフレーム材料に基づいてクラスタをセグメント化すること、
をさらに含み得る。
【0056】
定義済みクラスタリングが使用されてもよい。変形例として、最も近い形状に基づくK個のクラスタが生成され得るように、例えばK-means法を用いて、動的クラスタが定義されてもよい。
【0057】
本開示によれば、方法は、1つ又は複数のプロセッサによって、1つ又は複数の所定の妥当性基準に従って、現在の表現から所定のデザインの妥当性を評価すること、及びプロセッサによって、評価の結果を含むフィードバックを提供することのステップ(iii)をさらに含む。
【0058】
フィードバックは、ただ1つの基準に対して、又はいくつかの選択された基準に対して、又は全ての基準に対して提供され得る。
【0059】
非限定的な例として、結果は、少なくとも1つの特定の妥当性基準に対して、例えば成功を達成する機会に関する標識を与えるスコア及び/又はテキストを含み得る。フィードバックに基づいて、フレームデザイナは、次いで、それを改善し、より良いスコアを達成するように、フレームデザインを修正することを決定し得る。
【0060】
即ち、フィードバックは、
- 現在の表現に対応するデザインを有する眼鏡フレームで取得される予想売上高、
- 現在の表現に対応するデザインを有する眼鏡フレームの予想販売数。実際には、デザイナが、例えば、流行色、材料を提案し、又はデザイン料を適合させ得るように、フレームデザイナは、また、類似の特徴を有するデザインの商業的成功に関するフィードバック又はこれらのデザインを購入した顧客についての情報(年齢、職業、好みのスタイルなど)といった特定データにアクセス可能であってもよい。
- ステップ(ii)が最初に実行されるときの現在の表現である、フレームの初期表現に対応する眼鏡フレームデザインをオンラインで見る人の予想数又は実数。即ち、各デザイン又は所与のデザイナによって提案されたデザインの全てについてのオンライントラフィックが、追跡及び報告されてもよく、それは、デザインの誘引性、人気、及びコンバージョンレートについての指標である。
- 現在の表現に対応するデザインを有する眼鏡フレームの予想小売価格水準、
- 現在の表現に対応するデザインを有する眼鏡フレームの購入に関心を持つ顧客の予想タイプ。顧客は、いくつかの顧客プロファイル(顧客の既知のタイプを表す、男性/女性、若者/高齢者、仕事、アクティビティなど)の中で定義され得る。
- 少なくとも1つの眼鏡フレームデザインに関する着用者又は顧客の意見。例えば、顧客は、アイウェア品質全体に関連するグローバルランク(例えば1~5の範囲で、5が最高ランクであり、例えば快適性若しくは審美性を考慮する)若しくは予想デザインとの類似度のランク付けを各デザインに与えることによって、並びに/又は肯定的及び/若しくは否定的コメントを提供することによって、並びに/又は推奨事項を与えることによって、顧客が購入した又は見たことがある以前のアイウェアデザインについての意見を与え得る。
- 複数の着用者から収集されたデータに基づいて着用者の好みを予測する人工知能ベースツールの少なくとも1つの出力、
を含む群において採用された、予想される商業的成功に関連する基準を含み得る。
【0061】
クラスタを伴う上述した実施形態において、フィードバックは、同一クラスタ内の、且つ同一の色及び/又は材料を有する、フレームについての少なくとも1つのフィードバック基準を含む。
【0062】
フレームデザインの現在の表現に関連する取得された情報が、フレーム色及び/又は材料を含まない場合、色及び材料の全ての可能な組み合わせに対するフィードバックを提供することが可能であり、それによって、フレームデザイナは、次いで、フレームデザインを最適化するためにこれらのパラメータを最適化し得る。
【0063】
フレームデザイナがフレームデザインを最適化するのを助けるために、フィードバックは、所定のデザインと共通する特徴及び所定のデザインとは異なる特徴を有する少なくとも1つの提案されたフレームデザインを提供することをさらに含んでもよく、フィードバックは、共通する特徴及び異なる特徴を識別することを含む。
【0064】
非限定的な例として、妥当性基準は、
- フレームの表現と既存フレームとの類似点又は偏差。以前提案されたデザインとの類似点が多すぎるデザインを提案することができないように、提案されたデザインと既存のデザインとの比較が行われてもよく、それによって、フレームデザイナが、最小限度の新規性を有するデザインを提案することを保証することが可能となる。非限定的な例として、提案されたフレームデザインと既存のアイウェアデザインiとの間の、Difference_Level(frame design,eyewear_i)で示される近接性の度合又はレベルは、以下のように複数のメトリックの合計に基づき得る:Difference_Level(frame design,eyewear_i)=A×Difference_mean_square_2DProjection(frame design,eyewear_i)+(正規化後)B×Difference_color(frame design,eyewear_i)+C×Difference_material(frame design,eyewear_i)+D×Difference_pattern(frame design,eyewear_i)であり、ここで、2DProjectionは、フレームの前面の形状の平面への投影であり、色は、色のクラスタ(赤、緑、青、オレンジなど)又はCIE(Commission on Illumination、フランス語では「Commission Internationale de l’Eclairage」)によって定義される、若しくはRAL(登録商標)カラー若しくはPantone(登録商標)レファレンスコードとして定義される、色空間の色座標a、bであってもよい。パターンは、N色を有するマルチカラーアイウェア、Nが同じである場合にnullである近接性、又は幾何学的形状パターンのタイプなどの情報であってもよく、近接性は、アイウェアパターンのフーリエ変換(Difference_pattern(P1,P2)=Σ|TF(P1)|-|TF(P2)|、ここで、TF(Pi)は、パターンPiのフーリエ変換である)から計算されるスペクトルパワー間の差から判定され、パラメータA、B、C、Dは、トライアルから判定され得る正の相対的加重である。Difference_Levelの値が高いほど、フレームデザインとアイウェアデザインiとの差が大きくなる。Difference_Levelの値は、最も近い既存のアイウェアに対して計算されてもよく、最低値は、所定の閾値と比較されてもよく、最低値が閾値より低い場合、これは類似度が高すぎることを意味する。
- 所定のフレームデザインルールの準拠性。例えば、いくつかのルール(フレームの厚さ範囲、対象とする地理的ビジネスエリアにリンクされたパントスコピックチルトで、古典的な範囲は、フランスでは6~12°であり、中国では0~9°、地理的エリアに従って2~8°であり、又は何らかのスポーツを対象とするアイウェアについては最大25°ですらあるラップ角度、対象とする着用者の性別、年齢、及び出身の地理的エリアによるレンズ及びフレームの内径、エンドピース及びブリッジの位置、快適性のために約9~11mmのノーズパッド高さ、対象とする着用者の出身の地理的エリアによる正面角度及びスプレイ角、例えば、スプレイ角は、ヨーロッパでは約12°であり、中国では23°に近い)に従っていくつかのパラメータの範囲が正しいかどうかがチェックされ得る。パラメータは、産業において従来使用されるデザインルールを用いて、又はフレームのセットについての統計分析に基づいて、又は決定木を用いることによって、チェックされてもよい。フィードバックは、最小限のデザインルールに準拠しているか否かであってもよく、準拠していない場合、追加のフィードバックは、破られているデザインルールに関する標識であってもよい。
- 製造性。例えば、妥当性基準は、材料の利用可能性、配達時間、製造コスト、製造プロセス(例えば、3Dプリントプロセスの場合に、プリントされたフレームの十分な機械抵抗を達成するため、特に応力点で、フレームの最小限の厚さが必要とされ、且つフレームの最小限のセクションが必要とされる)、フレームの現在の表現に関連する情報が2D図面である場合のフレームの2D図面の一貫性(図面上の全ての曲線が閉じている、十分な高さの最小厚さである、など)に関連し得る。
- フレームの予想販売数及び/又は所定のフレームと所定の類似点を有する少なくとも1つの他のフレームの販売数、
を含む群において採用された1つ又は複数のパラメータに関連し得る。
【0065】
非限定的な例として、妥当性基準は、
- 所定の着用者集団の顔に関連する形態学的パラメータ、
- 着用者集団のレンズ処方箋に関連するパラメータ、
- 他のレンズパラメータ、例えば、レンズの幾何学的形状、レンズの材料、クリアレンズであるかフォトクロミックレンズであるか、及び
- 着用者集団によって提供される好みパラメータ、
を含む群において採用された少なくとも1つの着用者関連パラメータの準拠性にも関連し得る。
【0066】
非限定的な例として、着用者集団によって提供される好みパラメータは、眼鏡フレームの全体的な外観、スタイル、形状、材料、色、及び着用感に関連するパラメータを含む群において採用され得る。
【0067】
任意選択的に、図1において破線で示されるように、ステップ(i)~(iii)に加えて、本開示による方法は、評価ステップ(iii)の結果が所定の目標に到達するかどうかをチェックするステップ(iv)をさらに含み得る。
【0068】
次に、ステップ(v)の間、結果が目標に到達しない限り、
- フィードバックにおいて、所定のフレームの表現を修正する方法に関する推奨事項を提供すること、
- これらの推奨事項に基づいて、フレームの修正済み表現に関連する修正済み情報を取得すること、及び
- 修正済み表現をフレームの現在の表現として使用することによって、最適化フレームデザインを提供するように、ステップ(iii)~(v)を反復すること、
を含むループが実行される。
【0069】
そのような実施形態において、非限定的な例として、修正済み表現に基づいて評価することは、フレームの修正済み表現が、ステップ(ii)が最初に実行されるときの現在の表現である、フレームの初期表現と共通する特徴と、初期表現とは異なる特徴とを同時に有する場合に、上記フレームが初期表現と共通する特徴を有しない場合よりも目標により近い値を結果に与えることを含み得る。
【0070】
評価の結果が目標に到達すると、フレームデザインが最適化されていると考えられる。次いで任意選択的に、方法は、最適化されたフレームデザインを有するフレームを製造する最終ステップをさらに含み得る。
【0071】
図2のフローチャートに示されるように、評価は、フレームデザイナによって提案されたフレームデザインの妥当性に関するフィードバックをフレームデザイナに提供するためだけでなく、着用者によって提供されたパラメータに基づいて構築されたフレームデザインに関するフィードバックを着用者に提供するためにも、使用され得る。
【0072】
即ち、本開示による別のコンピュータ実施方法は、着用者が眼鏡フレームのデザインの妥当性の自動実行された評価を取得するための方法である。
【0073】
その方法の特定の実施形態において、第1のステップ20の間、着用者は、着用者に関連する、及び/又はフレームデザインに関連する1つ又は複数のパラメータを1つ又は複数のプロセッサに提供する。
【0074】
着用者によって提供されるフレームデザインに関連するパラメータは、眼鏡フレームデザインの妥当性を自動評価するための上述した方法に関係して列挙されるフレームパラメータに類似し得る。
【0075】
即ち、着用者によって提供されるフレームデザインパラメータは、
- 眼鏡フレームの幾何学的形状に関連するパラメータ、
- 眼鏡フレームの材料に関連するパラメータ、及び
- 眼鏡フレームを製造するための製造技術に関連するパラメータ、
であってもよい。
【0076】
非限定的な例として、着用者によって提供されるフレームパラメータは、眼鏡フレームの前面に関連してもよく、したがって、
- 少なくとも2Dでの、フレーム面の内部輪郭の形状及び/若しくは位置又はレンズ形状の幾何学的形状、
- 眼鏡フレームがリムレスの場合は内部輪郭と同じであり得る、フレーム面の外部輪郭の形状及び/又は位置、
- ノーズの幾何学的形状及び位置、
- フレームの内部輪郭と外部輪郭との間の差に関連する、エッジの厚さ、
- エンドピースの位置、
などの、フレーム面の1つ又は複数の幾何学的形状の特徴を含み得る。
【0077】
したがって、大部分の実施形態では、着用者によって提供される眼鏡フレームの幾何学的形状に関連するパラメータは、フレームのサイズに関連し得るだけでなく、フレームの少なくとも1つの他のタイプの幾何学的形状パラメータを含み得る。
【0078】
着用者によって提供されるフレームパラメータはまた、フレーム面の材料、又は
- 色パターン若しくは色のリスト、
- テクスチャ若しくはテクスチャのリスト、
- フレームの透明度若しくは不透明度、
- 使用される材料、
- パッドの幾何学的形状、
- テンプル形状の幾何学的形状及び/若しくは材料及び/若しくは装飾的特徴、
- フレームのヒンジの形状及び/若しくはそれらの高さ位置、
- 利用可能な色パターンのリスト、可能な変形の値のリスト及び範囲(パントスコピック角度、ラップ角度、エッジの厚さ範囲、形状変形の割合若しくは変形範囲など)などの、利用可能な眼鏡フレーム修正のリスト(値のタイプ及び範囲)、
- 連続性次数0、1、若しくは2、若しくは幾何学的変形が全くないか若しくはほとんどないゾーンなどの幾何学的制約のリスト、
- デザイナ名、眼鏡フレームの名前、ブランド名、フレームスタイルに関する要素、
- 金属インサート、外側エッジの面取り、斜角など、
といったフレームのいくつかの装飾的特徴に関連し得る。
【0079】
着用者によって提供され、その着用者に関連するパラメータが、
- 着用者の顔に関連する形態学的パラメータ、例えば、場合によっては、耳の位置及び/若しくは眼窩の位置での頭のサイズを含み、並びに/又は場合によっては、眉の位置、頬骨、鼻のサイズ、髪、若しくは肌の色などを含む、顔の形態。そのような形態学的パラメータは、例えば、着用者によって提供される写真を使用することによって、又は着用者が物理的に存在するか若しくは画像キャプチャデバイスを備えている場合に着用者の3D顔スキャンを実行することによって、取得され得る。
- 着用者によって提供される好みパラメータ、即ち、眼鏡フレームをカスタマイズするための寄与として着用者が与えるパラメータ、
の中から採用され得る。
【0080】
非限定的な例として、着用者によって、又はより一般的には任意のユーザによって提供される好みパラメータは、眼鏡フレームの全体的な外観、スタイル、形状(例えば、長方形、正方形、円形、楕円形、キャットアイ、バタフライ、アビエイタ、クラシックなど)、材料、及び色に関連するパラメータを含む群において採用され得る。
【0081】
任意選択的に、フレームをカスタマイズするために、眼鏡フレームにフィットされるレンズのタイプもまた、考慮に入れることができる。
【0082】
次いで、ステップ22の間、1つ又は複数のプロセッサは、1つ又は複数の所定の妥当性基準による、着用者によって提供される1つ又は複数のパラメータに合致する任意のフレームデザインの妥当性を評価し、着用者は、眼鏡フレームデザインの妥当性を自動的に評価するための方法に関係して上述したものと類似の方式で、評価の結果を含むフィードバックを1つ又は複数のプロセッサから受信する。
【0083】
非限定的な例として、着用者又はECPへのフィードバックは、
- 着用者によって提供された1つ又は複数のパラメータに準拠するフレームの提案リスト、
- フレームの選択、
- フレームを着用者にフィットさせるためのパーソナライズループ、
- 製造業者の選択、
- フレームの製造コストの推定/計算/判定、
- 着用者がフレームを注文するための提案、
を含み得る。
【0084】
妥当性基準は、眼鏡フレームのデザインの妥当性を自動的に評価するための方法に関係して上述したものと同一である。
【0085】
本開示による眼鏡フレームのデザインの妥当性を自動的に評価するためのシステムが、ここで図3を参照して説明される。
【0086】
システムは、よりグローバルなアセンブリの一部として、例えばプラットフォームの形式を採用して実装又は統合することができ、それによって、ユーザ(カスタマイズされた眼鏡を入手したいと望む顧客、ECP、眼鏡着用者など)、眼鏡フレームデザイナ、眼鏡フレーム製造業者、及び場合によってはレンズ製造業者などの様々な関係者が、情報をアップロード及びダウンロードし、プラットフォームを介して他の関係者によって行われたアクションから利益を得ることを可能にする。
【0087】
上記で詳細に説明した方法と同様に、システムは、
少なくとも1つのプロセッサ30であって、
(i)所定のデザインを有する所定のフレームを取得し、
(ii)所定のフレームの現在の表現に関連する情報を取得し、
(iii)少なくとも1つの所定の妥当性基準に従って、現在の表現から所定のデザインの妥当性を評価し、少なくとも1つのプロセッサ30によって、評価の結果を含むフィードバックを提供する、
ように構成される、少なくとも1つのプロセッサ30
を備える。
【0088】
同一の1つ又は複数のプロセッサ30は、また、着用者が上述した眼鏡フレームのデザインの妥当性の自動実行された評価を取得するための方法を実施するために使用され得る。そのような実施形態では、プロセッサ30は、着用者からその着用者に関連する及び/又はフレームデザインに関連する1つ又は複数のパラメータを受信し、1つ又は複数の妥当性基準に従って、1つ又は複数のパラメータに合致する任意のフレームデザインの妥当性を評価し、評価の結果を含むフィードバックを着用者に提供する。
【0089】
本発明による方法は、コンピュータで実施される。即ち、コンピュータプログラム製品は、上述した少なくとも1つのプロセッサであり得るプロセッサにアクセス可能である、1つ又は複数の命令シーケンスを含み、命令シーケンスは、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、上述のような方法のステップを実行させる。
【0090】
命令シーケンスは、コンピュータ可読であり得る1つ又はいくつかの非一時的情報記憶媒体に記憶されてもよく、そのような記憶媒体、場合によってはクラウド内の所定の位置を含む。
【0091】
代表的なシステム及び方法が本明細書で詳細に説明されているが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲によって説明及び定義されているものの範囲から逸脱することなく、様々な置換及び修正が行われ得ることを認識するであろう。
図1
図2
図3
【国際調査報告】