(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-11
(54)【発明の名称】オリス根抽出物、組成物及び皮膚塗布の方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9794 20170101AFI20240604BHJP
A61K 8/33 20060101ALI20240604BHJP
A61Q 19/02 20060101ALI20240604BHJP
A61Q 19/04 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
A61K8/9794
A61K8/33
A61Q19/02
A61Q19/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574406
(86)(22)【出願日】2022-06-02
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 US2022031882
(87)【国際公開番号】W WO2022256476
(87)【国際公開日】2022-12-08
(32)【優先日】2021-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】302070822
【氏名又は名称】アクセス ビジネス グループ インターナショナル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100225598
【氏名又は名称】桐島 拓也
(72)【発明者】
【氏名】リサ エー.ロズガ
(72)【発明者】
【氏名】ミケアラ チュー
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン アール.ミスラー
(72)【発明者】
【氏名】スンハン イム
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー ムルダー
(72)【発明者】
【氏名】ロンダ ソルバーグ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドリア スミス
(72)【発明者】
【氏名】スディール バスワン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB032
4C083AB172
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB352
4C083AB432
4C083AB472
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC061
4C083AC062
4C083AC072
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC372
4C083AC402
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC472
4C083AC482
4C083AC532
4C083AC622
4C083AC642
4C083AC692
4C083AC712
4C083AC792
4C083AC842
4C083AC852
4C083AC902
4C083AC912
4C083AD022
4C083AD042
4C083AD072
4C083AD092
4C083AD132
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD212
4C083AD282
4C083AD332
4C083AD352
4C083AD532
4C083AD572
4C083AD632
4C083AD642
4C083AD662
4C083CC02
4C083CC04
4C083CC05
4C083CC19
4C083CC23
4C083DD08
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD31
4C083EE16
4C083EE17
4C083FF01
(57)【要約】
オリス根抽出物が、開示される。オリス根抽出物は、オリス根材料から、選択的抽出により得られ、並びに(A)植物化学物質メラニン形成刺激剤又は(B)植物化学物質メラニン形成阻害剤が選択的に濃縮される。この植物化学物質メラニン形成刺激剤(A)は、ゲルマナイスムBを含有し、並びにこの植物化学物質メラニン形成阻害剤(B)は、イリフロレンタル及び/又はイリパリダルを含有する。オリス根抽出組成物を調製する方法もまた、提供され、並びにオリス根材料を選択的に抽出し、少なくとも1種のオリス根抽出物を生じることを含む。オリス根抽出物を含有する機能性組成物もまた、提供される。この機能性組成物は、局所的塗布による対象への投与のために適応され、並びに皮膚色素沈着に関連する活性を明らかにしている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オリス根から得られた抽出物であって、ゲルマナイスムB(germanaism B)を含有し、並びに(A)植物化学物質メラニン形成刺激剤又は(B)植物化学物質メラニン形成阻害剤が選択的に濃縮されている、抽出物。
【請求項2】
前記抽出物が、植物化学物質メラニン形成刺激剤(A)が選択的に濃縮され、並びにここで、前記植物化学物質メラニン形成刺激剤(A)が、ゲルマナイスムBである、請求項1記載の抽出物。
【請求項3】
前記植物化学物質メラニン形成阻害剤(B)を、それから抽出物が得られるオリス根に比べ、減少した割合で含有する、請求項2記載の抽出物。
【請求項4】
前記抽出物が、植物化学物質メラニン形成阻害剤(B)が濃縮され、並びにここで植物化学物質メラニン形成阻害剤(B)が、(i)イリフロレンタル;(ii)イリパリダル;又は、(iii)(i)及び(ii)の両方を含有する、請求項1記載の抽出物。
【請求項5】
前記植物化学物質メラニン形成刺激剤(A)を、それから抽出物が得られるオリス根と比べ、減少した割合で含有する、請求項4記載の抽出物。
【請求項6】
前記抽出物が、イリフロレンチンを実質的に含まない、請求項1~5のいずれか一項記載の抽出物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項記載の抽出物及び担体を含有する、機能性組成物。
【請求項8】
対象への局所的塗布又は投与に適応された、請求項7記載の機能性組成物。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか一項記載の抽出物を含有する、局所用組成物。
【請求項10】
前記局所用組成物が、皮膚の濃色化に適応される、請求項2又は3記載の抽出物を含有する局所用組成物。
【請求項11】
前記局所用組成物が、皮膚の美白に適応される、請求項4又は5記載の抽出物を含有する局所用組成物。
【請求項12】
前記方法が:
オリス根材料を、溶媒系により抽出し、オリス根抽出物を生じることを含み、ここでこのオリス根抽出物が、ゲルマナイスムBを含有し、並びに(A)植物化学物質メラニン形成刺激剤又は(B)植物化学物質メラニン形成阻害剤が選択的に濃縮される、オリス根抽出物を調製する方法。
【請求項13】
前記抽出物が、前記植物化学物質メラニン形成刺激剤(A)が選択的に濃縮され、並びにここでこの植物化学物質メラニン形成刺激剤(A)が、ゲルマナイスムBである、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記オリス根抽出物が、前記植物化学物質メラニン形成阻害剤(B)が濃縮され、ここでこの植物化学物質メラニン形成阻害剤(B)が、(i)イリフロレンタル;(ii)イリパリダル;又は、(iii)(i)及び(ii)の両方を含有する、請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記オリス根材料が更に、アイリス・ゲルマニカL.、アイリス・フロレンティーナL.、及び/又はアイリス・パリダの根茎として規定される、請求項12~14のいずれか一項記載の方法。
【請求項16】
前記乾燥させたオリス根原材料が、水分含有量5~15%を含む、請求項12~15のいずれか一項記載の方法。
【請求項17】
前記溶媒系が更に、含水エタノール性溶媒として規定される、請求項12~16のいずれか一項記載の方法。
【請求項18】
前記抽出が、前記乾燥させたオリス根原材料を、連続した第一及び第二の含水エタノール性溶媒抽出に供することを含み、ここで前記第一の含水エタノール性溶媒抽出が、15:85(EtOH/H
2O)含水エタノール性溶媒系を使用し行われ、第一抽出物及び抽出された原材料を生じ、並びに前記第二の含水エタノール性溶媒抽出が、抽出された原材料に対し、70:30(EtOH/H
2O)含水エタノール性溶媒系を使用し行われ、第二抽出物を生じる、請求項12~17のいずれか一項記載の方法。
【請求項19】
前記第一抽出物が、前記オリス根材料と比べ、ゲルマナイスムBが濃縮され、並びにイリダル類のイリフロレンタル及びイリパリダルが枯渇している、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記第二抽出物が、前記オリス根材料と比べ、イリダル類のイリフロレンタル及びイリパリダルが濃縮され、並びにゲルマナイスムBが枯渇されている、請求項18又は19記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年6月4日に出願された米国特許仮出願第63/197,132号の優先権及び全ての利点を主張するものであり、この仮出願の内容は、その全体が引用により本明細書中に組み込まれている。
【0002】
発明の分野
本開示は概して、皮膚色素沈着を改変するのに有用である、機能性組成物に、及びより特定するとオリス根抽出組成物、並びにこれに関連する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
皮膚色素沈着は、メラニンと称される化学的に不活性の色素の存在のために、ヒト集団において、広範に変動する。メラニンは、皮膚の内側深部において生成され、且つ皮膚の表面でモザイク状に沈着し、そこでのメラニンの量及び分布は両方共、皮膚の色の変動の原因となる。機能的に、メラニンは、紫外線(UV)照射に対する皮膚の防御に必須である。具体的には、UV-誘導した活性酸素種(ROS)の生成は、周知であり、並びにDNA損傷の真皮マトリクス分解に結びつけられ、これは皮膚の老化、又は場合によっては皮膚癌にすら繋がり得る。
【0004】
メラニンは、そのような有害な環境因子に対する自己防衛機序を提供するために重要であるが、皮膚の高-又は低-色素沈着により引き起こされる審美的問題点を改善するために、メラニンの合成及び移行を調節する多くの研究も存在する。メラニン合成(すなわちメラニン形成)の調節は、非常に複雑であり、更にこれは、望ましくない皮膚色素沈着状態を和らげる製品の開発に繋がる世界中の美容産業において重要な戦略となってきている。メラニン形成は、皮膚のメラノサイト内に精製されるメラノソームと称される細胞内小胞において起こる。様々なタンパク質及び補因子と共に、メラニン形成に関与したカスケードに関与している250種を超える遺伝子がわかっていると考えられる。例えば、メラニン形成の主要調節因子として知られているメラノサイト-特異性転写因子である、小眼球症関連転写因子(MITF)は、α-MSH/MClR、Wnt/b-カテニン及びSCF/c-Kit(ERKシグナル伝達経路)などの、シグナル伝達経路の多くのカスケードにより制御される。MITFは、メラニン形成における律速酵素として確立されているTYRにより、チロシナーゼ(TYR)発現をアップレギュレートし、ここでこれは、TYR関連タンパク質1及び2によるチロシンの酸化及び重合のプロセスを制御することが報告されている。
【0005】
皮膚色素沈着における商業的関心は、皮膚の美白化(lightning)及び濃色化(darkening)の両方の製品に関する化粧品産業の市場に繋がる。皮膚の濃色化は、外見を改善するか又はより均一な皮膚の色合いを提供するために望ましいことが多い。日焼け(tanning)は、太陽光からのUV照射への曝露を通じて皮膚の濃色化が増加される、より一般的に使用されるプロセスである。しかしUV光への長期曝露は、先に説明したように、皮膚の老化の加速された徴候及び皮膚癌リスクの増大を生じ得る。従って、光-損傷を被ることなく、より濃色化した皮膚の色合いを生じる能力は、化粧品及び「セルフ-タンニング(self-tanning)」塗布品の開発に繋がる。そのようなものとして、DHA(ジヒドロキシアセトン)-ベースの製品又はテンポラリーブロンザー(temporary bronzer)が、下側の皮膚の色素沈着に関与することなく日焼けした外観を生じる、皮膚に塗布される局所用日焼け剤(tanner)として開発されている。メラニン形成経路を標的化することにより内側皮膚色素沈着を刺激するなどの代わりのアプローチも、合成又は天然の物質を使用し行われる。例えば、合成α-MSHアナログであるアファメラノチドは、α-MSH/MClR経路の活性化を介して、メラニン生成を誘導する。数多くの塩誘導性キナーゼ(SIK)阻害剤も、MITF発現及びα-MSH/MClR活性化とは無関係のその標的TRPM1を増幅することにより、メラニン形成を刺激することがわかっている。フォルスコリン、及びイソブチルメチルキサンチン(IBMX)などの合成試薬は、各々、アデニリルシクラーゼ及びホスホジエステラーゼを調節し、α-MSH/MClR経路の下流を誘導し、メラニン生合成の増加を生じることがわかっている。多くの濃色化剤が、グリシリザ・グラブラ(Glycyrrhiza glabra)、ビグナ・アングラリス(Vigna angularis)、シトラス植物などの数多くの植物源から単離されており、これらはメラニン形成性タンパク質の発現、並びにインビトロもしくはインビボの両システムにおける経路を刺激することにより、メラニン形成を誘導する。
【0006】
皮膚美白製品は、より明るい皮膚の色合い(complexion)を得ることを目的とした化粧品に関して、商業的に入手可能であり、並びに黒皮症、シミ(dark spot)、及び日光黒子などの色素過剰障害の治療にも使用される。皮膚色素沈着は、メラノソーム中のメラニンの含有量、及びケラチノサイト中のメラノソームの分布により主に決定されるので、メラニン形成のダウンレギュレーション及びケラチノサイトへのメラノソーム移行は、皮膚美白剤の主要標的であると企図されることが多い。メラニン形成の律速酵素としてのTYRの確立以来、これは、メラニン形成阻害剤の最も顕著で巧くいっている標的となってきており、皮膚美白剤としてのヒドロキノン、L-アスコルビン酸、コウジ酸、アルブチン、アゼライン酸、エラグ酸、トラネキサム酸、及びレゾルシノール誘導体の使用に繋がっている。皮膚美白のための他の道筋も、追求されている。例えば、α-ビニフェリン及びジアセチルカフェー酸シクロヘキシルエステル(DACE)は、TYR活性に直接影響を及ぼすことなく、α-MSH/MClR経路を標的化することにより、メラニンレベルを減少することが知られている。加えて、成熟メラノソームのケラチノサイトへの移行は、皮膚色素沈着における別の重要な因子であるので、プロテアーゼ-活性化受容体2(PAR-2)阻害剤、ナイアシンアミド、及びシチジンなどの、メラノソーム移行阻害剤が研究され、且つメラニン合成に影響を及ぼすことのない、皮膚美白効果が明らかにされた。
【発明の概要】
【0007】
簡単な要約
オリス根抽出物(「抽出物」)が、提供される。この抽出物は、オリス根から得られ、並びに(A)植物化学物質メラニン形成刺激剤又は(B)植物化学物質メラニン形成阻害剤が選択的に濃縮されている。一部の実施態様において、植物化学物質メラニン形成刺激剤(A)は、ゲルマナイスムB(germanaism B)を含有する。これら又は他の実施態様において、植物化学物質メラニン形成阻害剤(B)は、イリフロレンタル及び/又はイリパリダルを含有する。
【0008】
前記抽出物を調製する方法(“調製方法”)も、提供される。この方法は、オリス根材料を乾燥させ、乾燥したオリス根原材料を生じ、並びに乾燥したオリス根原材料を、調和された溶媒系により、選択的に抽出し、植物化学物質メラニン形成刺激剤(A)又は植物化学物質メラニン形成阻害剤(B)が選択的に濃縮されたオリス根抽出物を生じることを含む。一部の実施態様において、抽出は、第一及び第二抽出物を調製する、2段階含水エタノール性抽出を含み、第一抽出物は、植物化学物質メラニン形成刺激剤(A)が濃縮され、並びに第二抽出物は、植物化学物質メラニン形成阻害剤(B)が濃縮される。
【0009】
この抽出物を含有する局所用組成物も、提供される。この局所用組成物は、塗布後の対象において皮膚及び/又は毛髪の濃色化(例えば日焼け)又は美白の効果を誘起するためのパーソナルケア製品又は他の製品において利用されてよい。
【0010】
本発明のこれら及び他の目的、利点、及び特色は、現在の実施態様及び図面の説明を参照し、より完全に理解され及び評価されるであろう。
【0011】
本発明の実施態様が詳細に説明される前に、本発明は、以下の説明において言及されるか又は図面において例示された、操作の詳細又は構成の詳細及び構成成分の配置に限定されないことは理解されるべきである。本発明は、様々な他の実施態様において実行され、並びに本明細書においては明白に明らかにされない代替様式で実践もしくは実施されてよい。また本明細書において使用される表現及び用語は、説明を目的とし、並びに限定とはみなされないことも理解されるべきである。「含む」及び「含有する」及びその変形の使用は、その後に列挙された項目及びその等価物、並びに追加の項目及びその等価物を包含することを意味する。更に、列挙は、様々な実施態様の説明に使用されてよい。別に明白に言及されない限りは、列挙の使用は、構成成分のいずれか特定の順番又は数についての本発明の限定として構築されるべきではない。列挙の使用は、列挙された工程又は構成成分と又はこれに組合せられ得る任意の追加の工程又は構成成分を、本発明の範囲からの除外するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図面の簡単な説明
【
図1】
図1は、オリス根材料から抽出された植物化学物質の化学構造を提供する。
【
図2】
図2は、LC-MSによる、バイオアッセイ誘導の分別(BDF)の結果を示す。
【
図3】
図3は、精製されたゲルマナイスムB及びイリフロイダルのメラニン生成に対する効果を示す、B16色素沈着アッセイの結果を提供する。
【
図4】
図4は、メラニン生成に対する選択的オリス根抽出物の効果を示している、皮膚同等組織メラノダーム(melanoderm)アッセイの結果を提供する。
【
図5】
図5は、オリス根抽出物を調製する方法の一実施態様のフローチャートを示す。
【
図6】
図6は、オリス根抽出物を調製する方法の別の実施態様のフローチャートを示す。
【
図7】
図7は、オリス根抽出物を調製する方法の更なる実施態様のフローチャートを示す。
【
図8】
図8は、CO
2による超臨界流体抽出(SCFE)によるオリス根抽出物を調製する方法の、一実施態様のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明の詳細な説明
本開示は、オリス根抽出物(「抽出物」)、並びに機能性組成物及びその各々を調製する方法を提供する。概して本抽出物は、皮膚の色素沈着及び/又は外観を改変することが発見された1又は複数の植物化合物を含有する。具体的には、以下に説明されるような本抽出物中の特定の植物化合物は、メラニン形成経路に作用し、メラニン生成に影響を及ぼし、その結果皮膚及び/又は毛髪の外観の視覚的明るさ/暗さに影響を及ぼし得ると考えられる。従って本抽出物は、皮膚及び/又は毛髪の美白化又は濃色化(例えば日焼け)のために適応される局所組成物中で利用されてよい。
【0014】
本明細書の説明から理解されるように、様々な実施態様において、本抽出物は、同じ原材料に連続して使用される2種の異なる溶媒系による独創的な抽出を利用する選択的プロセス(「調製方法」)において調製され、これはメラニン形成刺激剤の選択的濃縮及びメラニン形成阻害剤の枯渇を介し、又はその逆も該当する、非常に異なる-及び対照的な-生物学的/実践的効果を持つ2種の異なる抽出物を得るための独自の道筋を提供する。従ってこの調製方法は、1種の出発材料から2種の異なる機能性構成成分を生じることによる、改善された資源経済を提供する。更にこの調製方法、並びにそれにより調製された抽出物は、組成物のメラニン形成効果に影響を及ぼす、植物化学物質メラニン形成刺激剤ゲルマナイスムBの最初の使用を提供し、並びにオリス根抽出物は、対象へ塗布される場合に、皮膚の濃色化効果を明らかにすると考えられる。従って、イロン組成物及び内容物について公知で且つ利用される従来のオリス根抽出物とは対照的に、本実施態様は、新規オリス根抽出物の皮膚の濃色化又は美白特性を適応させるための、ゲルマナイスムBの使用、並びに特定のイリダルに対するゲルマナイスムBの相対割合において独自であることが理解されるべきである。
【0015】
抽出物
抽出物、機能性組成物、及び関連した実施態様の文脈において本明細書において使用される用語「抽出物」は、通常の及び慣習的意味で、すなわち溶媒系を使用する材料の抽出又は同等のプロセスにより得られた物質として理解されるべきである。抽出プロセス(すなわち「抽出」)の例は、温溶媒抽出、超臨界流体抽出(SFE)、例えば分別超臨界流体抽出(FSFE)などを含み、これは更に以下に詳細に説明される。同じ文脈において、用語「オリス根」は、アイリス・ゲルマニカ(Iris germanica)L.(すなわち「ビアデッドアイリス」)、アイリス・フロレンティーナ(Iris florentina)L.(すなわち「フロレンティーンアイリス」又は「グレイブリリー(Glaive lily)」)、並びにアイリス・パリダ(Iris pallida)L.(「ダルメシアンアイリス」又は「スイートアイリス」)を含む、アヤメ科の植物の特定の部位を一般に指すように、本明細書において使用され、用語「オリス根」は、地面下、地中、及び/又は時には地表に自然に存在する植物の下側部位(複数可)を含む。この意味において、オリス根抽出物は、根茎、根、茎、地下茎などを含む、関連植物の任意の部位から調製されてよいことが理解され、このことは、当業者には下記の説明を考慮し容易に理解されるであろう。典型的には、この抽出物は、アイリス植物(すなわち、リゾマ・イリディス(rhizoma iridis))の根茎から、更に以下に詳細に説明される抽出技術を介して得られる。
【0016】
先の観点から、本明細書において使用される用語「オリス根抽出物」は、一般にオリス根材料(すなわち、アイリス植物の根部位を含むか又はこれからなる材料)の抽出により得られる物質を指すことは理解されるであろう。本明細書において理解されるように、「根」は、典型的にはほとんど地下にある植物の任意の一部である。この定義は、根茎を含む。しかし本実施態様の抽出物中の物質は、「単離体」、「蒸留物」、「濃縮物」などとしてより具体的に説明される形を包含することは理解されるであろう。従って用語「抽出物」は、特定の製品に関する特定の意味を有するが、本開示の文脈においては、用語「オリス根抽出物」及び「本抽出物」に関する対応する言及は、以下の説明及び実施例を考慮し広範に解釈されるべきであることが理解されるべきである。
【0017】
植物化合物
本抽出物は、オリス根材料から得られた又はそうでなければこれから誘導された1又は複数の植物化合物を含有するか、或いはこれから本質的になる。当業者により理解されるように、一般に「植物化学物質」とも称されてよい植物化合物は、植物から発見された又は誘導された化学実体であり、従って、構造、形状、及び非植物生物における生物活性に関して広範に変動する物質の多様な群を表す。例えば、ある種の植物化合物は、高分子、ポリマー分子、低分子量分子、又は小型分子として、分類されてよい。多くの植物化合物は、例えば、消化不可能であるか、生物学的利用能が不良であるか、及び/又はそうでなければ特定の生物学的標的に関して抵抗性もしくは不活性であるために、ある種の生物学的プロセスに関して生体活性はない。しかし別の植物化合物は、生体活性があり、従って更に以下に詳述するように、機能性組成物中で活用されている。植物化合物のいくつかの具体的分類も、当該技術分野において公知であり、且つ植物毒素(すなわち、ヒト及び/又は他の種に対し毒性のある植物化合物)、反栄養素(すなわち、宿主における栄養素の吸収を妨害する植物化合物)などの、特定の特徴もしくは特性を基にしている。そのような多様な活性及び関連する作用のために、並びに更に以下に詳述するように、本抽出物中の、特定の植物化合物、又は限定された植物化合物の群は、それらが得られた(すなわち抽出された)オリス根材料によっては、実践的でなく、効果的でなく、又は更に可能性すらない様々な様式で、有利なことに使用されてよい。
【0018】
本明細書の更なる説明及び実施例を考慮し明らかであるように、一般に、本抽出物中に存在し得る植物化合物は、テルペン、テルペノイド、フラボノイド、フェノール、配糖体、及びアルカロイド、並びにそれらの誘導体を含む。3種の具体的な植物化合物であるゲルマナイスムB、イリパリダル、及びイリフロレンタルが、
図1において示され、且つ次に以下に説明される。
【0019】
ゲルマナイスムB
ある種の実施態様において、本抽出物は、(A)植物化学物質メラニン形成刺激剤を含有する。そのような実施態様において、この抽出物は、典型的には、皮膚-濃色化効果を示し、従って以下に説明される局所用組成物などの、皮膚濃色化組成物の構成成分として利用されてよい。この文脈において用語「刺激する」は、限定されるものではなく、並びにメラニン形成の促進、競合/調節経路の阻害、又は両方を包含し得ることは理解されるであろう。この意味において用語「メラニン形成刺激剤」は、メラニン形成及び/又はメラニンが関与する皮膚色素沈着の全般的効果を指すよう、記述的に使用されるが、指摘された場合、特定の生物学的経路に関してより具体的に使用されてもよい。
【0020】
典型的には、この植物化学物質メラニン形成刺激剤(A)は、ゲルマナイスムB(CAS#123648-56-6;或いは「イリソロン 4’-O-β-D-グルコシド」及び「ニグリシン(niglysine) 4’-O-β-D-グルコシド」としても公知)を含有するか、或いはこれから本質的になるか、或いはこれである。下記実施例において明らかにされるように、ゲルマナイスムBは、メラニン-関連した生物学的経路に対する効果(複数可)を介した、色素沈着の増加に有効である。
【0021】
イリダル
ある種の実施態様において、本抽出物は、(B)植物化学物質メラニン形成阻害剤を含有する。そのような実施態様において、この抽出物は典型的には、皮膚-美白効果を示し、従って以下に説明された局所用組成物などの、皮膚美白組成物の構成成分として利用されてよい。この文脈において用語「阻害する」は、限定されるものではなく、並びにメラニン形成の直接阻害、競合/調節経路の促進、又は両方を包含し得ることは理解されるであろう。この意味において用語「メラニン形成阻害剤メラニン形成刺激剤」は、メラニン形成及び/又はメラニンが関与する皮膚色素沈着を減少する全般的効果を指すよう、記述的に使用されるが、指摘された場合、特定の生物学的経路に関してより具体的に使用されてもよい。
【0022】
典型的には、この植物化学物質メラニン形成阻害剤(B)は、「イリダル」として公知の1又は複数のイロン前駆体を含む。そのようなイリダルの例は、ビシクロイリダルのイリパリダル及びイリフロレンタルを含む。ある種の実施態様において、植物化学物質メラニン形成阻害剤(B)は、イリパリダル及び/又はイリフロレンタルから本質的になるか、又は或いはこれらである。
【0023】
選択的濃縮
植物化学物質メラニン形成に影響を及ぼす物質(A)及び(B)(例えば、各々、ゲルマナイスムB、並びにイリダル類のイリパリダル及びイリフロレンタルにより例証される)は、メラニン形成の状況において対立する活性を有することは理解されるであろう。従って更に以下に説明及び例証されるように、本抽出物は、これらの植物化学物質メラニン形成に影響を及ぼす物質の支配的量であるが1種を含有する。具体的には、ある種の実施態様において、本抽出物は、植物化学物質メラニン形成刺激剤(A)が選択的に濃縮される。一部のそのような実施態様において、本抽出物は、植物化学物質メラニン形成阻害剤(B)中に選択的に枯渇される。他の実施態様において、本抽出物は、植物化学物質メラニン形成阻害剤(B)が選択的に濃縮される。一部のそのような他の実施態様において、本抽出物は、植物化学物質メラニン形成刺激剤(A)が選択的に枯渇される。この文脈における用語「濃縮された」及び「枯渇された」は、それから本抽出物が得られるオリス根材料に関してと理解されてよい。別の言い方をすると、本抽出物は、オリス根材料よりもより高い割合の植物化学物質(A)、オリス根材料と比べてより低い割合の植物化学物質(A)以外の化合物、又は両方を含むことにより、植物化学物質(A)に関して、「濃縮されて」よい。同じ事が、植物化学物質(B)に関する濃縮又は枯渇についても当てはまり、その割合もまた、オリス根材料中のこの植物化学物質の相対量及び/又は全体濃度を指してよい。この様式において、本抽出物は、支配的量の所望のメラニン形成に影響を及ぼす物質(すなわち、植物化学物質(A)又は(B))を含有し、従って生のオリス根材料で、又はそのようなオリス根材料において認められるものと類似の割合で植物化学物質(A)及び(B)を含有する抽出物であっても、不可能である生物学的効果/活性を明らかにすることができる。
【0024】
他の植物化合物
本抽出物は、1又は複数の所望の植物化合物、すなわち植物化学物質(A)又は(B)以外のものが、オリス根材料中のそのような植物化合物の濃度に比べ、濃縮されてよい。加えて本抽出物は、オリス根材料と比べ、ある種の植物化合物(例えば、特定のテルペン、アルカロイド、ワックス、酸など)を含む、望ましくない材料をより低い濃度で含んでよい。例えば一部の実施態様において、本抽出物は、イリフロレンチンが、実質的に非含有であるか、或いは非含有である。
【0025】
抽出物の形状
本抽出物の形状は、特に限定されず、並びに当業者により、例えば、以下に説明されるような調製方法において使用される特定の技術及び材料を基に、選択されるであろう。概して本抽出物は、直接抽出物、例えば溶媒-ベースの抽出プロセスから得られた溶媒-ベースの組成物など、或いは例えば抽出物(例えば、溶媒除去、及び/又は追加の処理/製剤化の工程により調製される)などの処理された形状であってよい。この様式において、本抽出物は、調製方法において利用される特定の技術を基に、油又は精油、チンキ剤、濃縮物、単離物、蒸留物など、又はそれらの組合せとして、更に規定されるか、又はそうでなければ特徴付けられてよい。そのような特徴決定は、これらの用語の口語的又は一般的使用を基に、これらの用語の技術分野に特異的な使用を基に、又は両方を基にしてよく、例えばこの文脈において「チンキ剤」は、植物材料の溶媒抽出物、そのような抽出物の溶液、及び/又はそのような抽出から得られた低揮発性の物質の溶液を一般に指す。同様に用語「濃縮物」及び「精油」は両方とも、溶媒を使用する植物材料の抽出、及びそれに続く溶媒の除去、もしくはほとんどの除去により得られた物質を指すように、本抽出物の文脈において使用されてよい。ある種の場合において、本抽出物は、規制上の定義を基に、規定されるか又はそうでなければ特徴付けられてよい。例えばある種の実施態様において、本抽出物は、他の植物材料を実質的に非含有である、清潔にされた根茎から調製されてよく、及びオリス根抽出物に関する規制上の指針の境界内に収まる。
【0026】
ここで導入されたものなど、本抽出物のある種の形状は、製造方法、状態に特有の特性、中間体の形状などに関して互いに重複し得ることは理解されるであろう。例えば、オリス根材料の温熱溶媒抽出により調製されるチンキ剤は、濃縮又は蒸留され、濃縮物又は精油を調製してよい。ある種の実施態様において、本抽出物は、精製プロセスとして特徴付けられてよい、1又は複数の抽出後プロセスにより調製される。抽出物の文脈において、そのような精製プロセスは、精製される組成物から物質を除去又は減少するために、或いはオリス根材料から得られた物質の混合物から所望の物質(すなわち抽出物)を除去するために、利用されてよい。除去されてよい物質の例としては、ワックス、色素、油類、テルペン、アルカロイド、及び抽出プロセスにおいて利用される溶媒系中に溶解しない植物バイオマス(biomass)の一部でさえも挙げられる。従って利用され得る精製技術の例としては、蒸留、濃縮、濾過、クロマトグラフィー、分別、単離、二次抽出及び同類のもの、並びにそれらの組合せが挙げられる。この様式において、本抽出物は、植物化学物質メラニン形成刺激剤(A)、植物化学物質メラニン形成阻害剤(B)、並びにオリス根材料中に存在する他の植物化学物質を含む、特定の植物化合物により、選択的に濃縮され得ることは認められるであろう。同様に、本抽出物は、所望の最終組成物の特定の製剤中で望ましくないいずれかのそのような植物化学物質をより低い濃度で含んでよい。
【0027】
調製方法
先に紹介されたように、本調製方法は、オリス根材料からの抽出物を生じる。典型的には、このオリス根材料は、アイリス植物の根茎を含むか、或いは根茎である。しかしアイリス植物由来の他の部位又は材料(例えば、毛根、茎、葉など)も、本調製方法において利用されてよいことは認められるであろう。そのような他の材料は、オリス根材料のプレ-抽出処理、抽出プロセスそれ自身、又はポスト-抽出処理の前又はそれらと同時に、オリス根材料と一緒にされてよい。概して本調製方法において利用されるオリス根材料は、調製されるか、購入されるか、又はそれ以外で入手されてよい。
【0028】
一部の実施態様において、本調製方法は、抽出のためにオリス根材料を調製することを含む(すなわち、プレ-抽出プロセッシング)。そのような実施態様において、利用され得る技術としては、切断、粉砕、浸漬、配合、移動(sifting)、磨砕、乾燥、脱水(desiccating)、及び同類のもの、並びにそれらの組合せ(例えば、連続使用による)が挙げられる。ある種の実施態様において、後続の抽出工程の効果を増大又は変更するために、化学プロセス(例えば、加熱、酸性化、酸化などにより開始される)を使用し、オリス根材料中の1又は複数の物質を修飾してよい。同様に、様々な精製技術(例えば、スクリーニング、濾過、クロマトグラフィーなど)が、個別の工程又は配列の前及び/又は後にそのようなプロセスと共に利用されてよい。
【0029】
プレ-抽出処理
例えば特定の実施態様において、抽出のためのオリス根材料の調製は、アイリス植物を収穫し、収穫したアイリス植物から根茎を単離する(例えば、そこからアイリス植物の毛根及び/又は他の部位を除去することによる)ことを含む。他の実施態様において、収穫したアイリス植物は、抽出工程において、全体、又は部分的に全体を、すなわちそこから毛根もしくはある種の植物部位を除去することなく、使用する。様々な実施態様において、オリス根材料の調製はまた、例えば更なる処理前に、泥及び枝片(debri)を除去するために、収穫されたアイリス植物及び/又はそれから単離された根茎を洗浄することも含む。一部のそのような実施態様において、洗浄は、例えば滅菌及び/又は清潔にされた溶液中に、根茎及び/又は他の収穫された植物部位を浸漬することにより、アイリス植物材料を清潔にすることを含んでよい。
【0030】
一部の実施態様において、オリス根材料の調製は、抽出工程の前の、特定の水分含有量を持つオリス根材料を提供するための乾燥プロセスを含む。例えばある種の実施態様において、本調製方法は、環境の空気及び温度に曝すことにより、洗浄した根茎を乾燥することを含む(すなわち風乾)。しかし一部の実施態様において、炉又は他のそのような乾燥装置が、植物材料から水分を強制的に除去又は運ぶために利用されてよい。例えば一部の実施態様において、オリス根材料の調製は、オリス根材料の重量を基に、水分含有量が15重量%未満、例えば5~15、或いは6~12、或いは8~10重量%まで、根茎を炉乾燥することを含む。そのような実施態様において、オリス根材料は、乾燥工程又は他の処理工程を補助するように、サイズが再変更されてよい。例えばある種の実施態様において、オリス根材料の調製は、乾燥させた根茎を磨砕し、それらから粉末を調製することを含む。そのような実施態様において、このオリス根粉末は、抽出プロセスで直接使用されてよい。あるいは、このオリス根粉末は、例えば凍結による、中期から長期の貯蔵のために処理されてよい。
【0031】
本オリス根材料のプレ-抽出処理の変動は、本実施態様の範囲から逸脱することなく、利用されてよいことは認められるであろう。例えば均質性、平均粒子サイズ、表面積などが異なる様々な形状のオリス根材料を調製するために、前述の磨砕に加え又はその代わりに、例えば細断、さいの目切り(dicing)、角切り(cubing)などの代替の寸法最適化工程が使用されてよい。そのような特性は、当業者により理解されるように、実行される処理及び/又は抽出のサイズ/スケールに応じて、変更されてよい。例えば収穫されたオリス根材料は、洗浄/浸漬/乾燥/などを補助するために、粗く切断(例えば、細断により)されてよく、並びに最終的に乾燥させた生成物は、抽出のためのオリス根粉末を生じるために、更に磨砕又は粉砕される。或いは、そのような粗く切断された形状は、直接乾燥及び抽出されてよい。
【0032】
抽出
先に紹介したように、本調製方法は、同じ原材料(すなわち、オリス根材料)に対し2種の異なる溶媒系を連続的に利用し、2種の異なるオリス根抽出物をもたらす、選択的抽出プロセスに関与する。具体的には、第一の抽出は、オリス根材料から第一の抽出物及び抽出された原材料を調製するために利用され、並びに第二の抽出は、この抽出された原材料から第二の抽出物を調製するために利用される。この抽出の配列、並びに第一及び第二の抽出の特定の特長は、更に以下に説明される。
【0033】
概して本調製方法は、溶媒-ベースの抽出プロセスを利用する。別の言い方をすると、本調製方法の抽出工程は、当該技術分野において公知の溶媒-ベースの抽出技術を用いて実行される。従って各抽出において利用される具体的技術は、特に制限されず、並びに本明細書記載の抽出物を調製するのに適している代替抽出技術により調節及び/又は置き換えられてよい。そうは言っても、ある種の制限は、抽出時に利用される条件、並びに先に説明したプレ-抽出処理工程に適用されることも認められるであろう。例えばオリス根材料の水蒸気蒸留は、イリダルを酸化し、イロンなどの、様々な香気植物化学物質をもたらすことがわかっている。そのようなイロンは時には、これを含有する抽出物又は最終生成物中で望ましいことがあるが、そのような酸化は、抽出のための利用可能な量のイリダルを枯渇し、従ってある種の実施態様においては回避されることがある。特定の実施態様において、本調製方法は、オリス根材料から抽出される標的植物化学物質(例えば、ゲルマナイスムB、イリダルなど)の酸化又は化学/熱分解を減少、或いは最小化するように選択された条件下で実行される。
【0034】
抽出溶媒
この抽出工程において利用される溶媒系は、オリス根材料中に存在する所望の植物化合物を溶解又は懸濁するために選択され、従って様々な植物化合物のその中への溶解度を基に選択されるであろう。概して本調製方法の抽出工程における使用に適した溶媒は、水性溶媒及び/又は水相溶性溶媒を含む。そのような溶媒の例、又は好適な溶媒系の構成成分は一般に、水(例えば精製水、脱イオン水など);ある種の有機溶媒、例えばアルコール(特に低級アルコール、例えばメタノール、エタノールなど)、グリコール(例えばプロピレングリコール、ペンチレングリコール、ブチレングリコール、及びグリセロール(グリセリン)など)、脂肪族アルコール(例えばラノリンなど);水と有機溶媒の混合物(例えば、水とアルコールなど)、並びに有機溶媒の混合物、例えばアルコールとグリセロール(任意に水も)など;及び同類のもの、並びにそれらの誘導体、修飾物、及び組合せを含む。前述のものに加えて利用され得る他の有機溶媒は、アセトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、クロロホルム、塩化メチレン、ジエチルエーテル、及びヘキサンを含む。他の溶媒型も、利用されてよい。例えばある種の実施態様において、超臨界CO
2が、オリス根材料の抽出に利用される。一部の実施態様において、超臨界CO
2は、
図8に示したように、任意のエタノール共-溶媒と一緒に利用される。
【0035】
上記にもかかわらず、本調製方法における使用のために選択された溶媒(複数可)は、オリス根材料由来の所望の植物化合物を保持することは可能でなければならないことは認められるであろう。更に本明細書の追加の説明から理解されるように、利用される溶媒(複数可)はまた、オリス根材料から得られた植物化学物質メラニン形成刺激剤(A)及び/又は植物化学物質メラニン形成阻害剤(B)の相対濃度を決定するであろう。従ってある種の溶媒は、広範に適用可能ではないことがある。例えばある種の実施態様において、純水抽出(すなわち、水のみ使用)は、オリス根材料から所望の植物化合物を、本明細書記載の機能性組成物における使用に適した抽出物を調製するのに十分には、抽出しないことがある。より具体的には、所望の植物化合物は、典型的には、水単独によりオリス根材料から単離されるのに十分な極性ではないが、代わりに抽出の成功のために水と一緒に使用される非極性溶媒を必要とすることがある。
【0036】
所望の植物化合物は、極性に関して互いに異なるので、本調製方法は典型的には、植物化学物質メラニン形成刺激剤(A)又は植物化学物質メラニン形成阻害剤(B)が濃縮された抽出を選択的に調製するために、異なる溶媒系を利用する。先に紹介したように、本調製方法は典型的には、オリス根材料から2種の個別の抽出物を調製するために、各々は異なる溶媒系による、連続抽出を利用する。例証的実施態様は、
図5-8に示された調製方法のフローダイヤグラムにより例示される。
【0037】
一部の実施態様において、本調製方法は、抽出工程のために、含水エタノール性溶媒系を利用する。より具体的には、そのような実施態様において、抽出溶媒は、エタノール(EtOH)及び水(H2O)の混合物を含む。
【0038】
第一の抽出
先に紹介したように、全般的実施態様において、本調製方法は、オリス根材料に第一の抽出を行い、第一の抽出物及びそれから抽出された原材料を生じることを含む。典型的には、第一の抽出は、含水エタノール性溶媒系、例えばエタノール(EtOH)及び水(H2O)の混合物を含有する、あるいはこれから本質的になる溶媒系などを利用する。例えば一部の実施態様において、第一の抽出は、水中0%以上から50%までのエタノールの相対比で、例えば水中のエタノール5~40、或いは10~35、或いは10~20%で、エタノール及び水を含有する、含水エタノール性溶媒系を利用する。具体的実施態様において、第一の抽出溶媒は、エタノール及び水を、約15:85(EtOH:H2O)の比で含有する含水エタノール性溶媒系である。これらの例示的範囲は、利用される含水エタノール性溶媒系の例であり、並びに代替の範囲は、いずれか所定の溶媒系中の特定の溶媒、並びに調製される所望の抽出物を基に選択されてよいことは認められるであろう。しかし第一の溶媒系は一般に、第二の抽出よりもより極性があるように、すなわちオリス根材料由来の比較的大きい極性の構成成分を抽出するように、選択される。より具体的にはある種の実施態様において、第一の抽出物は、イリダル類のイリフロレンタル及びイリパリダルにより例示されるような、植物化学物質メラニン形成阻害剤(B)よりも増大した極性を基に、抽出が困難である、ゲルマナイスムBにより例示される植物化学物質メラニン形成刺激剤(A)を含有する。従って第一の抽出物は典型的には、本調製方法において利用されるオリス根材料と比べ、植物化学物質メラニン形成刺激剤(A)の含有量に関して濃縮され、並びに植物化学物質メラニン形成阻害剤(B)の含有量に関して枯渇される。
【0039】
第一の抽出に関して、任意の好適な技術を利用し、それらから第一の抽出物を得ることができる。典型的には第一の抽出は、第一の抽出溶媒及びオリス根材料の混合物を加熱し及び掻き混ぜることを含む。例えば一部の実施態様において、第一の抽出は、第一の抽出溶媒及びオリス根材料を一緒に組合せて、第一の抽出混合物を生じ、その後この抽出プロセスを促進するために、この第一の抽出混合物を掻き混ぜる(例えば、撹拌などを介して)ことを含む。これら又は他の実施態様において、第一の抽出は更に、第一の抽出混合物を加熱することを含む。
【0040】
加熱が利用される場合、抽出されるオリス根材料中の所望の植物化合物の望ましくない酸化及び/又は化学もしくは熱分解を避けるため、並びに抽出の移動相中に一旦可溶化された抽出された植物化合物を保護するために、保存的温度が典型的には利用されることは認められるべきである。従って第一の抽出の温度は典型的には、利用される溶媒系の還流温度による上限に結びつけられる。しかしオリス根材料の植物細胞壁の破裂、傷つけ(compromising)、又は破壊に適した温度は典型的には、抽出の効率を増加するために利用されるであろう。同様に、所望の植物化学物質の粘度を低下することは一般に、それらの拡散を、結果的に抽出能を増大するので、第一の抽出混合物の可溶性構成成分の粘度もまた、適温を選択する場合に考慮されるであろう。具体的実施態様において、第一の抽出の温度は、室温より高く70℃までの範囲内、例えば30~65、或いは40~65、或いは50~65、或いは約60℃に維持される。
【0041】
第一の抽出溶媒及びオリス根材料の混合物は、溶媒のその中のオリス根材料に対する相対比率を制御するように選択されてよい。例えばある種の実施態様において、第一の抽出は、オリス根材料に対する溶媒およそ10:1重量部の比で実行される。この範囲の外側の比も利用されてよいことは認められるであろう。しかしこの混合物が余りにも濃厚過ぎる(例えば、オリス根材料に対し6-8:1重量部以下の溶媒)場合、低下した収率が得られ、並びにこの混合物が余りにも希薄で、その結果必要とされる溶媒の過剰な量が利用される場合は、廃棄物が生成される。そうは言っても、一部の実施態様において、過剰な、或いは総量が過剰な(gross excess)溶媒が、利用されてよい。
【0042】
この第一の抽出は、オリス根材料からの所望の植物化合物(複数可)の抽出に適した任意の期間実行されてよい。例えば一部の実施態様において、第一の抽出は、オリス根材料及び含水エタノール性溶媒の混合物を、先の温度範囲内で、30分間~4時間、例えば1~3時間、或いは約2時間の期間掻き混ぜることを含む。当然、オリス根材料が、第一の抽出前に処理されない場合、第一の抽出のスケールが比較的大きい場合、温度が好ましい範囲の下限で維持される場合、第一の抽出溶媒のより低い比率が利用される場合などは、より長い期間も、利用されてよい。
【0043】
この第一の抽出は、抽出された/中間体のオリス根材料(例えば、固形物)及び第一の抽出に利用される溶媒系を含有する混合物を調製し、この溶媒系も、抽出物された植物化合物を含有することは認められるであろう。典型的には、第一の抽出プロセスは、この混合物の相を分離し、これにより第一の抽出物(すなわち、濾液)及び抽出されたオリス根原材料(すなわち濾取物)を生じるための、濾過工程又は類似の技術を含む。特定の実施態様において、本調製方法の第一の抽出プロセスは、第一の抽出物及び抽出されたオリス根原材料を分離し及び個別に得るために、第一の抽出混合物を、例えばメッシュを通じて、冷却し及び濾過することを含む。
【0044】
先に紹介したように、この第一の抽出物は一般に、ゲルマナイスムBにより例示される植物化学物質メラニン形成刺激剤(A)を含有する。従って一旦得られたならば、第一の抽出物は、皮膚の濃色化塗布について以下に説明されるものなどの機能性組成物の製剤において、直接使用されてよいか、或いは代わりに最終の第一の抽出物組成物を生じるために、ポスト-抽出処理に供されてよい。例えば一部の実施態様において、第一の抽出及びポスト-抽出濾過後に得られた濾液は、それから抽出溶媒の全て又は一部を除去するために濃縮され、並びに濃縮物として第一の抽出物を生じる。特定の濃縮プロセスは、特に限定されず、並びに第一の抽出物中の溶媒/固形物の最終量は、例えばそれらの所望の最終用途を基に、独立して選択されてよい。例えばある種の実施態様において、第一の抽出物は、最終固形物含有量が、総固形物の15~25%、例えば約20%に達するよう、濃縮される。当然、植物化学物質メラニン形成刺激剤(A)(例えばゲルマナイスムB)の最終濃度は、変動してよく、並びに当業者により、本明細書の実施例において例証されたものなど、数え切れない公知の分析技術を介して、容易に決定され得る。ある種の実施態様において、濃縮物の形状の、第一の抽出物は、凍結乾燥され、並びに粉末としての第一の抽出物を得るために磨砕される(例えば、
図6及び7に示す)。
【0045】
第二の抽出
第一の抽出から得られた抽出された/中間体のオリス根原材料は、第二の抽出溶媒系により、すなわち本調製方法の第二の抽出工程において、更に抽出されてよい。重要なことに、第一と第二の抽出の間に利用される差分的抽出を基に、抽出物されたオリス根原材料は、一般に、その中の植物化学物質メラニン形成刺激剤(A)の含有量に関して枯渇され、その結果第二の抽出物もまた、第一の抽出において使用されたオリス根材料と比べ、その植物化合物の有意に減少した量を含むであろうことは認められるであろう。逆に第二の抽出物は、典型的には、本調製方法において利用されるオリス根材料と比べ、植物化学物質メラニン形成阻害剤(B)の含有量に関して濃縮され、並びに植物化学物質メラニン形成刺激剤(A)の含有量に関して枯渇される。この様式において、本調製方法は、単独の原材料物質から、2種の個別の抽出物を調製するために、連続抽出を利用し、各抽出物は、異なるメラニン形成-関連活性を伴う植物化合物を含有する。
【0046】
本調製方法は、第二の抽出のためにオリス根材料を調製もしくは馴化するために、これらの抽出の間に、1又は複数の処理工程を含んでよい。例えばある種の実施態様において、抽出された/中間体のオリス根材料は、第一の抽出に続く濾過工程から、ケーキとして得られ、並びに本調製方法は、ケーキを洗浄又は懸濁すること(例えば、5-15部、或いは10部の水で)、及びこの懸濁液を濾過し、洗浄溶媒を除去し、並びに第二の抽出のための原材料として、抽出された/中間体のオリス根を生じることを含む。そのような工程の一部の例証的実施例は、
図5-7に描いたプロセスに示されている。
【0047】
第二の抽出に関して、第一の抽出に関連した技術及び溶媒に関する先の説明は一般に、同等に適用可能である。しかし、第二の抽出溶媒は典型的には、抽出される所望の植物化合物(複数可)(すなわち、植物化学物質メラニン形成阻害剤(B))の異なる極性のために、第一の抽出溶媒よりも極性が低い。例えば一部の実施態様において、第二の抽出は、相対比で水中50~100%エタノール、例えば水中60~80、或いは65~75、或いは70~75%エタノールで、エタノール及び水を含有する含水エタノール性溶媒系を利用する。具体的実施態様において、第二の抽出溶媒は、約70:30(EtOH:H2O)の比で、エタノール及び水を含有する含水エタノール性溶媒系である。これらの例示的範囲は、利用される含水エタノール性溶媒系の例証であり、並びに代替の範囲が、いずれか所定の溶媒系中の特定の溶媒、並びに調製される所望の抽出物を基に選択されてよいことは認められるであろう。しかし第二の溶媒系は一般に、第一の抽出よりもより低い極性であるように、すなわち第一の抽出と比べオリス根材料由来の比較的低い極性の構成成分を抽出するように、選択される。より具体的にはある種の実施態様において、第二の抽出物は、イリダル類のイリフロレンタル及びイリパリダルにより例示される植物化学物質メラニン形成阻害剤(B)を含有する。従って第二の抽出物は典型的には、本調製方法において利用されるオリス根材料に比べ、植物化学物質メラニン形成阻害剤(B)の含有量に関して濃縮され、並びに植物化学物質メラニン形成刺激剤(A)の含有量に関して枯渇される。
【0048】
ある種の実施態様において、この第二の抽出は、抽出された/中間体のオリス根材料に対しおよそ10:1重量部の比の溶媒で実行される。この範囲の外側の比も利用されてよいことは認められるであろう。しかし第一の抽出のように、この混合物が余りにも濃厚過ぎる(例えば、抽出された/中間体のオリス根材料に対し6-8:1重量部以下の溶媒)場合、低下した収率が得られ、並びにこの混合物が余りにも希薄で、その結果必要とされる溶媒の過剰量が利用され、且つ連続除去される場合は、廃棄物が生成される。そうは言っても、一部の実施態様において、過剰な、或いは総量が過剰な第二の抽出溶媒が、利用されてよい。
【0049】
第二の抽出の温度は典型的には、第一の抽出に関して先に説明された理由のために、室温より高くから70℃までの範囲内に維持される。従って一部の実施態様において、30~65、或いは40~65、或いは50~65、或いは約60℃の温度が、利用される。
【0050】
この第二の抽出は、抽出された/中間体のオリス根材料から所望の植物化合物(複数可)を抽出するのに適した任意の期間実行されてよい。例えば一部の実施態様において、第二の抽出は、抽出された/中間体のオリス根材料及び第二の含水エタノール性溶媒の混合物を、先の温度範囲内で、30分間~4時間、例えば1~3時間、或いは約2時間の期間、掻き混ぜることを含む。当然より長い期間も、利用されてよい。
【0051】
この第二の抽出は、使用済のオリス根材料及び第二の抽出に利用される溶媒系を含有する混合物を調製し、この溶媒系も、抽出物された植物化合物を含有することは認められるであろう。典型的には、第二の抽出プロセスは、この混合物の相を分離し、これにより第二の抽出物(すなわち、濾液)及び使用済の/抽出されたオリス根材料(すなわち濾取物)を生じるための、濾過工程又は類似の技術を含む。特定の実施態様において、本調製方法の第二の抽出プロセスは、第二の抽出物及び使用済の/抽出されたオリス根材料を分離し及び個別に得るために、第二の抽出混合物を、例えばメッシュ及び/又はスクリュープレスを通じて、冷却し及び濾過することを含む。
【0052】
先に紹介したように、この第二の抽出物は一般に、イリダル類のイリフロレンタル及びイリパリダルにより例示される植物化学物質メラニン形成阻害剤(B)を含有する。従って一旦得られたならば、第二の抽出物は、皮膚美白塗布について以下に説明されるものなど、機能性組成物の製剤において、直接使用されてよいか、或いは代わりに最終の第二の抽出物組成物を生じるために、ポスト-抽出処理に供されてよい。例えば一部の実施態様において、第二の抽出及びポスト-抽出濾過後に得られた濾液は、それから第二の抽出溶媒の全て又は一部を除去するために濃縮され、並びに濃縮物として第二の抽出物を生じる。この特定の濃縮プロセスは、特に限定されず、並びに第二の抽出物中の溶媒/固形物の最終量は、例えばそれらの所望の最終用途を基に、独立して選択されてよい。例えばある種の実施態様において、第二の抽出物は、最終固形物含有量が、総固形物の25~35%の範囲、例えば約30%に達するよう、濃縮される。当然、植物化学物質メラニン形成阻害剤(B)(例えば、イリフロレンタル及び/又はイリパリダル)の最終濃度は、変動してよく、並びに当業者により、本明細書の実施例において例証されたものなど、数え切れない公知の分析技術を介して、容易に決定され得る。ある種の実施態様において、濃縮物の形状の、第二の抽出物は、凍結乾燥され、並びに粉末としての第二の抽出物を得るために磨砕される。
【0053】
一部の実施態様において、第一及び/もしくは第二の抽出物並びに/又は第一及び/もしくは第二の抽出物の濃縮物は、例えば、低温殺菌又は他の加熱/冷却プロトコールにより、滅菌されてよい。一つのそのような実施態様は、
図5に描かれている。ある種の実施態様において、第一及び/又は第二の抽出物は、この抽出物が濃縮された後に、滅菌される。同様に、担体(例えばイソノナン酸イソノニル)及び保存剤(例えばフェノキシエタノール)などの添加剤を、第一及び/又は第二の抽出物の調製時に、これに添加してよい。
【0054】
概して、第一及び第二の両方の抽出物は、ゲルマナイスムBを含有する。しかし本調製方法の実施態様において本明細書に提供される差分的抽出は、ゲルマナイスムBが濃縮され、及びアンタゴニスト活性を保持するイリダルが枯渇された第一の抽出物を提供する。同様に第二の抽出物は一般に、イリフロレンタル及び/又はイリパリダルが濃縮され、並びにゲルマナイスムBが枯渇される。
【0055】
ある種の実施態様において、第一及び第二の抽出物はまた、少なくとも1種の化粧品として許容し得る担体も含有してよい。具体的実施態様において、化粧品として許容し得る担体は、天然ではない。言い換えると、この担体は、これらの具体的実施態様において自然の製品ではない。他の実施態様において、この担体は、当該技術分野において理解される常用の担体から選択され、並びに常用量で使用され得る。
【0056】
植物化学物質メラニン形成刺激剤の量
一般に、オリス根材料から抽出された特定の植物化学物質は、具体的な最終塗布の必要要件を基に選択又はそうでなければ決定され得るいずれか好適な濃度で、第一又は第二の抽出物中に存在してよい。一部の実施態様において、例えば各抽出物は、この相対植物化合物(例えば、植物化学物質(A)又は(B))を、この抽出物の総重量を基に、少なくとも0.1%、或いは少なくとも1、或いは少なくとも2、或いは少なくとも5、或いは少なくとも10、或いは少なくとも15、或いは少なくとも20、或いは少なくとも25、或いは少なくとも30、或いは少なくとも35、或いは少なくとも40、或いは少なくとも50、或いは少なくとも55、或いは少なくとも60、或いは少なくとも65、或いは少なくとも70、或いは少なくとも75、或いは少なくとも80、或いは少なくとも85、或いは少なくとも90、或いは少なくとも95、或いは少なくとも98重量%の量で含有する。一部の実施態様において、この植物化合物画分は、同じ%値の一つで選択されるが、全体としてのその抽出物に対し重量/容量又は容量/容量基準で比較される。先に説明された実施態様に加え、この抽出物は、例えば特にそれらの1又は複数の化合物に関してこの抽出物の組成物を濃縮することを目的として、1又は複数の追加の化合物と、組合せられるか又はそうでなければこれが補充されることができることは認められるべきである。
【0057】
考慮された2-工程抽出プロセスに関して本明細書に記載されているが、必要な本調製方法は、更なる使用のために2種の最終抽出物を得るためには利用されないが、代わりに皮膚色素沈着を変更するための有効な物質としての用途に適しているメラニン形成を刺激する及び阻害する植物化合物の相対量を伴うオリス根抽出物を選択的に調製するために利用され得ることは認められるべきである。従って、調製された抽出物は、抽出される植物化合物の比率を基にあつらえられ(tailor)、その結果本調製方法は、それにより調製された抽出物(複数可)の機能性に対する改善された管理を提供する。
【0058】
機能性組成物
先に紹介したように、本抽出物を含有する機能性組成物もまた、提供される。より具体的には、この開示から認識されるように、この機能性組成物は、対象への投与に適した様々な消費者用組成物(すなわち、局所用組成物の形状のパーソナルケア製品)を調製するために、例えばそれへ本抽出物の1又は複数の構成成分を提供するために、製剤化されてよい。この文脈において、用語「投与する」、「投与している」又は「投与」は、本明細書記載の機能性組成物を対象へ送達する任意の方法に言及する、それらの最も広範な意味において、本明細書において使用される。
【0059】
この対象は、典型的には動物、例えば哺乳動物(すなわち、哺乳綱の脊椎動物、例えばイヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ロバ、ラクダ及び同類のもの)である。本明細書において具体的に企図される追加の哺乳動物は、半分家畜化された哺乳動物、及び慣習的に檻の中で繁殖される哺乳動物を含む。当然、用語哺乳動物はまた、ヒト(「人々」及び/又は「個人(複数可)」と称されてよい)も包含する。ヒトを説明する場合、用語「成人」は典型的には、性的な成熟状態に達したヒトを指すように本明細書において使用される。対照的に、用語「小児」及び「若年」は、まだ性的な成熟状態に達していないヒトを指すように本明細書において使用される。典型的には、用語「小児」は、誕生段階と約10歳(すなわち、子供)の間のヒト対象を意味し、並びに用語「若年」は、約10歳より大きく且つ思春期段階を終えていないヒト対象を意味する。当然、用語小児、若年、成人、及び幼児は、用語ヒトにより全て包含され、これはそれ自身哺乳動物の下位範疇であり、これは本明細書で定義される動物の下位範疇である。この対象は、先に説明された種類の特定のサブセット又は集団であってよい。例えばある種の実施態様において、この対象は、高齢者(すなわち、年齢が少なくとも60、或いは少なくとも65、或いは少なくとも70、或いは少なくとも75歳)、スポーツ選手、頭の禿げた男性、新米母親(new mom)、学生、座瘡ができやすい肌のヒト、10代の若者、10代後半、又は13歳未満の子供などとして特徴付けられてよい。しかし特定の実施態様において、対象は単純に、自身の皮膚色素沈着の変化を得ようと試みている成人である。
【0060】
先に紹介したように、本機能性組成物は一般に、具体的効果を達成するために、この組成物の1又は複数の構成成分(例えば、抽出物)を、対象へ提供するように、適応される。より具体的には、この抽出物の構成成分(複数可)は、特定の治療的及び/又は予防的効果を媒介するために、利用されてよく、その結果これを含有する機能性組成物は、メラニン形成の媒介を介して、対象において状態を治療又は改善するために使用されてよい。従って概して、本機能性組成物は、本抽出物の有効量を含有する(すなわち、植物化学物質メラニン形成刺激剤(A)又は植物化学物質メラニン形成阻害剤(B)の有効量、或いは治療的有効量を、対象へ提供するように、製剤化される)ことは、理解されるであろう。本明細書において使用される用語「治療的有効量」は、当該技術分野において一般に許容されるようなその意味を指す。具体的には、この用語は一般に、対象において所望の及び/又は必要な生物学的反応(例えば、皮膚美白/濃色化)を誘起するであろう機能性組成物の量を指す。例えば、疾患又は障害に関連した測定可能なパラメータの少なくとも約25%減少が存在する場合に、所定の治療/塗布が有効であると考えられるならば、その疾患又は障害の治療のための薬物の治療的有効量は、そのパラメータを少なくとも約25%減少するように作用するのに必要とされるその量である。
【0061】
本明細書において使用される用語「治療」又は「治療している」は、互換的に使用されてよく、並びに治療的恩恵及び/又は予防的恩恵を含むが、これらに限定されるものではない、有益な又は望ましい結果を得るためのアプローチを指す。治療的恩恵は、治療される基礎となる障害の根絶又は改善を意味することができる。同じく、治療的恩恵は、基礎となる障害に関連した1又は複数の生理的症状の根絶又は改善により達成されることができ、その結果改善が、対象において認められるにもかかわらず、この対象は依然基礎となる障害に罹患していることがある。予防的効果は、疾患もしくは状態の出現の遅延、予防、もしくは排除、疾患もしくは状態の症状の開始の遅延もしくは排除、疾患もしくは状態の進行の緩徐化、停止もしくは逆行、又はそれらの任意の組合せを含む。予防的恩恵に関して、特定の疾患を発症するリスクのある対象、又は疾患の1もしくは複数の生理的症状を報告する対象は、この疾患の診断がまだ成されていないとしても、治療を受けてよい。
【0062】
概して本機能性組成物は、対象への生体活性植物化合物の送達により、先に紹介されたもののような状態を改善する(すなわち、対象におけるメラニン形成を媒介、誘導、又は阻害する)ために、使用されることができる。
【0063】
前述を考慮し、本機能性組成物は、対象の皮膚の健康(例えばメラニン形成/色素沈着)に影響を及ぼす状態を改善するために使用されてよいことは認められるであろう。より具体的には、本機能性組成物は、例えば対象への局所性投与のために、局所用組成物として、製剤化されてよい。従ってある種の実施態様において、本機能性組成物は、特に局所的塗布及び/又は経真皮送達方法を介して達成され得る具体的生物活性を基に製剤化される。典型的には、本機能性組成物は、メラニン生成の刺激又は阻害を介して、ヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着を調節する、例えば皮膚の外観を濃色化もしくは美白するために、製剤化される。
【0064】
一部の実施態様において、本機能性組成物は、本抽出物を、少なくとも0.01~99.9重量%、或いは0.1~90重量%、或いは0.5~80重量%、或いは1~50重量%、或いは1.5~35重量%、又は或いは2~20重量%の量で含有する。具体的実施態様において、本機能性組成物は、本抽出物を約2重量%の量で含有する。
【0065】
典型的には、本機能性組成物は、局所用組成物(すなわち、パーソナルケア製品)として製剤化される。例えば、本抽出物は、局所用組成物を調製するために、許容し得る担体と共に製剤化されてよい。担体の選択もまた、局所用組成物の所望の最終用途又は塗布を考慮し選択されるであろう。例えばこの局所用組成物は、例えば対象/消費者への塗布の望ましい経路に応じて、クリーム、ゲル剤、散剤、泥膏、又は自在に注ぐことができる液体として、製剤化されてよい。これら及び他の実施態様は、以下の説明を考慮し、理解されるであろう。
【0066】
本機能性組成物は、オリス根抽出物(複数可)の他に、追加の構成成分を含有してよい。例えば、本組成物は、以下に又は本明細書の別所に記載されたもののいずれかなどの、1又は複数の担体(例えば、医薬として許容し得る担体、希釈剤、溶媒、賦形剤など)を含有してよい。しかし一部の実施態様において、本機能性組成物は、オリス根抽出物、又は先に明記したようなオリス根抽出物の組合せから本質的になる。これら又は他の実施態様において、本機能性組成物は、本抽出物、任意にこの抽出により得られた植物化合物、及び任意に担体ビヒクルからなるか、或いはこれらから本質的になる。
【0067】
ある種の実施態様において、例えば本機能性組成物は、担体(すなわち担体ビヒクル)を含有する。好適な担体ビヒクル及び構成成分は、水(例えば、精製水、脱イオン水など);有機溶媒、例えばアルコール(特に、エタノールなど、皮膚から蒸発することが容易に可能である低級アルコール)、グリコール(プロピレングリコール、ペンチレングリコール、ブチレングリコール、及びグリセロール(グリセリン)など)、脂肪族アルコール(ラノリンなど)など;水と有機溶媒(水とアルコールなど)の混合物、及びアルコールとグリセロールなどの有機溶媒(任意に水も)の混合物;脂質-ベースの物質、例えば脂肪酸、アシルグリセロール(鉱油などの油類、及び天然もしくは合成起源の油脂を含む)、ホスホグリセリド、トリグリセリド、スフィンゴ脂質、及びワックスなど;タンパク質-ベースの物質、例えばコラーゲン及びゼラチンなど;シリコーン-ベースの物質(不揮発性及び揮発性の両方)、例えばシクロメチコン、ジメチコノール、及びジメチコンコポリオールなど;炭化水素-ベースの物質、例えばワセリン、水素化ポリイソブテン、及びスクワランなど;軟化剤エステル(例えば、アジピン酸ジイソブチル及びカプリル酸ジイソブチルなど)、増粘剤(アクリレート(カルボマー)、アクリルアミド、アクリルタウレート、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、キサンタンガムなど)、及び同類のもの、並びにそれらの誘導体、修飾物、及び組合せを含むことができる。典型的には、この担体ビヒクルは、本組成物の構成成分(例えば本抽出物)を、溶解又は懸濁するために選択され、従ってそこでの様々な植物化合物の溶解度を基に選択されるであろう。しかし、本組成物は同じくもしくは代わりに、乳剤、懸濁剤、スラリーなどとして調製されてよい。具体的実施態様において、この担体は、天然ではない。別の言い方をすると、この担体は、これらの具体的実施態様において天然の生成物ではない。他の実施態様において、この担体は、当該技術分野において理解される常用の担体から選択され、並びに常用量で使用されることができる。
【0068】
局所用組成物
先に紹介したように、機能性組成物は典型的には、局所用組成物として製剤化される。概して、この局所用組成物は、抽出物(例えば、第一又は第二の抽出物)、及び一般に担体、協働剤(coactives)、添加剤、賦形剤などから選択され得る、1又は複数の他の構成成分を含有する。この局所用組成物は一般に、直接塗布(例えば、皮膚、粘膜などの表面に局所的に)を介して、対象の一部へ、本抽出物を提供するように、製剤化されることができる。従って、この局所用組成物は任意に、哺乳動物(例えばヒト)への局所投与のために製剤化されるか又はそうでなければ適応される。例えば様々な実施態様において、この局所用組成物は、ヒトの皮膚へ投与されるように製剤化されることができる。
【0069】
ある種の実施態様において、この局所用組成物は、少なくとも0.001~20重量%、或いは0.01~15重量%、或いは0.1~10重量%、或いは0.5~5重量%、或いは1~3重量%、又は或いは1.5~2.5重量%の量で、本抽出物を含有する。一部の具体的実施態様において、本局所用組成物は、本抽出物を約2重量%の量で含有する。
【0070】
製剤及び/又は形状に関して変動するこの局所用組成物のある種の実施態様が、以下に説明される。しかし先に紹介したように、この局所用組成物は、物質及び/又は形状に関して、特に限定されず、並びに本抽出物に加え、任意の数の構成成分/成分を、本明細書記載の他の活性剤及び/もしくは添加剤などを含有してよい。同様に、この局所用組成物中に存在する又は組合せられる特定の添加剤、担体、アジュバント、充填剤などもまた、変動してよい。概してこの局所用組成物の構成成分は、この局所用組成物の意図された用途(例えば、皮膚を美白もしくは濃色化する組成物として)を基に、個別に又は集合的に選択されるであろう。更に、任意の特定の構成成分の量は、例えば所望の最終形状(例えばクリーム対スプレーなど)を基に、個別に選択されるであろう。しかし、本明細書の説明及び実施例を考慮し当業者により認められるように、特定の構成成分は、典型的には、例えば皮膚表面へのそれらの構成成分(例えば、植物化学物質メラニン形成に影響を及ぼす物質(A)/(B))の移動を阻害及び/もしくは防止する構成成分を避けることにより、並びに代わりに望ましいように、植物化合物の皮膚表面へのもしくは皮膚を通る輸送を促進する担体ビヒクルを選択することにより、本抽出物の有効性を最大化するために選択されるであろう。
【0071】
本局所用組成物は、粉末、スプレー、軟膏、泥膏、クリーム、ローション、ゲル剤、溶液、及び同類のもの、並びにそれらの組合せを含む、局所用塗布のための任意の形状を含んでよい。別の言い方をすると、本局所用組成物の物理的形状は、特に限定されない。むしろ局所用組成物は、液剤、乾燥粉末、懸濁剤、分散剤、乳剤(例えば、水中油型、油中水型、シリコーン中水型など)、ゲル剤、泥膏など、及びそれらの組合せとして、製剤化されてよい。従って本局所用組成物は、ゲル剤、クリーム、エアロゾルスプレー、泡剤、液剤、ムース、ポマード、粉末、固形物、又は軟膏の形状で提供されてよいことは認められるであろう。一部の実施態様において、本局所用組成物は、水溶液、分散剤、又は乳剤として提供される。
【0072】
先に説明したように、本局所用組成物は、対象の皮膚状態を改善するため及び/又は皮膚-関連した健康上の恩恵を対象へ付与するために、利用されてよい。従ってある種の実施態様において、本局所用組成物は、本抽出物に加え、本抽出物の恩恵と同じ、類似した、又は異なる恩恵を提供し得る活性物質を含有することができる。例えば様々な実施態様において、本局所用組成物は、本抽出物に加え、各々独立して(例えば、本局所用組成物の塗布を介して対象へ付与される恩恵など、この活性物質の所望の特性を基に)選択され得る、複数の活性物質を含有する。そのような活性物質は、日焼け剤、美白剤など、並びに医薬品、栄養補給食品、麻酔薬、反対刺激剤、軟骨保護剤などを含んでよく、これらは本明細書に列挙されたものにより例示される。
【0073】
一部の実施態様において、本局所用組成物は、例えば局所用組成物の所望の形状、局所用組成物の用途などを基に選択される、医薬として/医学的に許容し得る担体、機能性添加剤、製剤添加剤、又はそのような添加剤の組合せなど、本局所用組成物を製剤化し及び/又は使用する際の用途について具体的に選択された添加剤を含有することができる。
【0074】
一部の実施態様において、本局所用組成物は、医薬として許容し得る担体を含有する。この医薬として許容し得る担体は、無毒の担体、生理的に許容し得る担体などであってよい。この医薬として許容し得る担体は、乳剤、泥膏、クリーム、ローション、ゲル剤、ゼリー、軟膏、オイル、エアロゾル、粉末、溶媒、リポソーム、ミセル、ペプチド(例えばアルブミン)、合成ポリマー(例えばポリエチレングリコール)、天然ポリマー(例えば、ヒアルロン酸、デキストラン、キトサン)、n-次元物質(例えばここでn=0、1、2、3)、例として0次元ナノマテリアル(例えば、量子ドット、ナノ粒子など)、l次元ナノマテリアル(例えば、ナノチューブ、ナノロッドなど)、2次元ナノマテリアル(例えば、量子井戸、フィルムなど)、マトリクスなどの3次元物質(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)などの高分子マトリクス)などの形状であってよい。この医薬として許容し得る担体は、時限放出を提供し、本抽出物又はその植物化合物の薬物動態特性(例えば、吸収、分布、代謝、排出)を調節し、そのようなオリス根植物化合物の薬力学特性(例えば、作用部位での濃度、生じる効果など)を調節してよい。例えば、この医薬として許容し得る担体は、皮膚を超えたゲルマナイスムB、イリフロレンタル、及び/又はイリパリダルの輸送を促進する活性担体であってよい。そのような活性担体の例は、以下に説明される。具体的実施態様において、この医薬として許容し得る担体は、天然ではない。別の言い方をすると、この担体は、これらの具体的実施態様における天然の生成物ではない。他の実施態様において、この担体は、当該技術分野において理解される常用の担体から選択され、並びに常用量で使用することができる。
【0075】
この担体は任意に、一般に本局所用組成物の個別の構成成分と適合性があり、並びに対象の皮膚の表面への本抽出物の、もしくは少なくともその活性植物化合物の塗布を増強するか、もしくはこれを有意に妨害せず、並びに任意に、皮膚へのもしくは皮膚を通じた局所用組成物他の構成成分の輸送を増強するかもしくは妨害しないように選択されることができる。好適な担体の一般例は、皮膚を通じた本局所用組成物の様々な構成成分の輸送を助長及び/又は促進するものを含む。担体の特定の例は、水(例えば脱イオン水)、油類及び/又はワックス(例えば、鉱油、合成油、天然油、例えばホホバ油、ヒマシ油など、及びそれらから形成されたワックス類)、アルコール(例えば、モノール(monol)、ジオール、及びポリオール、例えばエタノール、イソプロパノール、ブタンジオール、1,2,6-ヘキサントリオールなど、グリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコールなど)、ポリオキシアルキレン及び/又はポリオキシアルキレンエステル(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、混合ポリアルキレングリコール、ステアリン酸ポリエチレングリコール-8など)、脂肪酸エステル(例えば、ステアリン酸アルキル、オレイン酸アルキル、リノール酸アルキル、パルミチン酸イソプロピルなど)、有機ポリマー(例えばポリアクリルアミド)、有機溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルスルホニルメタン)、及び同類のもの、並びにそれらの誘導体、修飾物、及び組合せ、並びに本明細書記載の他の担体のいずれか、例えば先に説明した適用可能なビヒクル及び/又はビヒクル構成成分を含む。
【0076】
一部の実施態様において、本局所用組成物は、活性担体を含有する。この活性担体は、局所用組成物の活性構成成分(例えば、ゲルマナイスムB、イリフロレンタル、及び/又はイリパリダル)の生物学的利用能を増強するために、適応される。例えば、この活性担体は典型的には、本局所用組成物の活性構成成分の皮膚の細孔を通じた浸透を補助する。活性担体はまた、良好な皮膚の保湿活性を保持し、乳剤の粒子サイズを減少し、このことは、本局所用組成物のより良い安定性を達成することを助ける。一部の実施態様において、この活性担体は、本局所用組成物の美的アピールを向上する。一部の実施態様において、この活性担体は、本局所用組成物中の添加剤、例えば保存剤と相乗的に働く。一部の実施態様において、この活性担体は、本局所用組成物の耐水性を向上し、例えばサンスクリーン製剤へ、混入される本抽出物の能力を増強する。一部の実施態様において、この活性担体は、皮膚の修復及び再構築を促進し、抗皺剤剤として作用し、広いスペクトルの抗微生物活性を発揮するなどである。一部の実施態様において、この活性担体は、良好な溶媒及び溶解度の特性を保持する。
【0077】
活性担体の非限定的例、並びにこれを調製するのに有用な構成成分は、水性溶媒及び有機溶媒、例えば、エタノール、プロパンジオール、ブチレングリコール、イソプロパノール、グリセリンなどのアルコール、並びにそれらの混合物を含む。一部の実施態様において、この活性担体は、ペンチレングリコール、エトキシジグリコール、シクロヘキサン1,4-ジカルボン酸ビス-エトキシジグリコール、ジパルミトイルヒドロキシプロリン、パルミトイル加水分解コムギタンパクカリウム、ステアリン酸グリセリル、セテアリルアルコール、ラウロイルコムギアミノ酸カリウム、パームグリセリド、カプリロイルグリシン、パルミトイル加水分解カラスムギタンパクカリウム、ベヘニルアルコール、パームグリセリド、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、パルミチン酸スクロース、ポリグリセリル-3ソルビチルリンシーダート、又はそれらの組合せを含んでよい。一部の実施態様において、この活性担体は、ペンチレングリコール、エトキシジグリコール、シクロヘキサン1,4-ジカルボン酸ビス-エトキシジグリコール、ジパルミトイルヒドロキシプロリン、パルミトイル加水分解コムギタンパクカリウム、ステアリン酸グリセリル、セテアリルアルコール、ラウロイルコムギアミノ酸カリウム、パームグリセリド、カプロイルグリシン、パルミトイル加水分解カラスムギタンパクカリウム、ベヘニルアルコール、パームグリセリド、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、パルミチン酸スクロース、ポリグリセリル-3ソルビチルリンシーダート、又はそれらの組合せを含有する。一部の実施態様に従い、抗炎症剤は、α-ビサボロール、アラントイン、ムチサンゴ(sea whip)抽出物、カモミール・エキス(マトリカリア)抽出物、酢酸トコフェリル、茶葉抽出物、アキウコン(turmeric)根抽出物、アヴィーナ・サティバ(カラスムギ)穀粒抽出物、コウボク樹皮抽出物、ヴィティス・ヴィニヘラ(ブドウ)種子抽出物、カンキョウ(ショウガ)根抽出物、グリシルリチン酸二カリウム、又はそれらの混合物を含んでよい。一部の実施態様において、コラーゲン合成エンハンサーは、リン酸メチルグルコシド、イヌラクリスモイデ花/葉抽出物、コラーゲンプレペプチド(例えば、g-p-hyp型トリペプチド)、マデカソサイド、アシアチコシド、又はそれらの組合せを含んでよい。抗皺剤は、ムラサキバレンギク抽出物、チコール酸、レスベラトロル、トリフルオロアセチルトリペプチド-2、又はそれらの組合せを含んでよい。ケラチノサイト増殖因子刺激剤は、精製された形状(純度が少なくとも95%)又は濃縮されたスウェルチアマリン抽出物を含んでよい。
【0078】
担体ビヒクルの他の一般例は、水(例えば、精製水、脱イオン水など);有機溶媒、例えばアルコール、グリコール(プロピレングリコール、ペンチレングリコール、ブチレングリコール、及びグリセロール/グリセリンなど)、脂肪族アルコール(ラノリンなど)など;水と有機溶媒(水とアルコールなど)の混合物、及びアルコールとグリセロールなどの有機溶媒(任意に水も)の混合物;脂質-ベースの物質、例えば脂肪酸、アシルグリセロール(鉱油などの油類、及び天然もしくは合成起源の油脂を含む)、ホスホグリセリド、トリグリセリド、スフィンゴ脂質、及びワックスなど;タンパク質-ベースの物質、例えばコラーゲン及びゼラチンなど;シリコーン-ベースの物質(不揮発性及び揮発性の両方)、例えばシクロメチコン、ジメチコノール、及びジメチコンコポリオールなど;炭化水素-ベースの物質、例えばワセリン、水素化ポリイソブテン、及びスクワランなど;軟化剤エステル(例えば、アジピン酸ジイソブチル及びカプリル酸ジイソブチルなど)、増粘剤(アクリレート(カルボマー)、アクリルアミド、アクリルタウレート、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、キサンタンガム、ペクチンなど)、及び同類のもの、並びにそれらの誘導体、修飾物、及び組合せを含むことができる。
【0079】
特定の実施態様において、本局所用組成物は、機能性添加剤を含有することができる。この機能性添加剤は、限定されず、且つ本局所用組成物に、機能性特長を提供するか、又は機能を授けるために選択された任意の化合物又は組成物を含有してよく、任意にこれらであってよい。そのような機能性添加剤の例は、抗酸化物質(例えば、アルキル化ヒドロキシトルエン、アルキル化ヒドロキシアニソールなど、没食子酸プロピルなど)、着色剤、保湿剤及び軟化剤(例えば、ひまわり油、ホホバ油、パルミチン酸イソプロピルなど)、香料(例えば、天然の香料、例としてローズマリー油、合成香料など)、冷却剤(例えば、ペパーミント油)、保存剤(例えば、抗微生物剤及び抗真菌剤、例としてプロピレングリコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、ジアゾジリニル尿素など)、及び同類のもの、並びにそれらの誘導体、修飾物、及び組合せを含む。多くのそのような添加剤は、以下に明記されているが、追加の選択は、本明細書の実施例において例証される。
【0080】
例えばある種の実施態様において、本局所用組成物は、保湿剤を含有することができる。好適な保湿剤の例は、ヒドロキシ酸(例えば、乳酸)及びそれらの塩、グリセロール、プロピレングリコール、ペンチレングリコール、ブチレングリコール、ピロリドンカルボン酸のナトリウム塩(すなわち、ナトリウムPCA)、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール(PEG)(例えば、カルボワックスPEG200、カルボワックスPEG400、カルボワックスPEG800など)、及び同類のもの、並びにそれらの誘導体、修飾物、及び組合せを含む。これら又は他の実施態様において、本局所用組成物は、軟化剤及び/又は保湿剤を含有する。好適な軟化剤又は保湿剤の例は、パルミチン酸セチル、グリセロール(すなわち、グリセリン)、ポリプロピレングリコール-15ステアリルエーテル(すなわち、PPG-15ステアリルエーテル)、ラノリン及びその誘導体(例えば、ラノリンアルコールなど)、コレステロール、ワセリン、ネオペンタン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、鉱油、ステアリン酸イソセチル、ミリスチン酸ミリスチル、オクチルドデカノール、オクチルパルミテート(例えば、2-エチルヘキシルパルミテート)、ジメチコン、フェニルトリメチコン、シクロメチコン、安息香酸C12-C15アルキル、ジメチコノール、プロピレングリコール、ペンチレングリコール、テオブロマグランジフロルム種子脂、シアバター、セラミド(例えば、セラミド2、セラミド3など)、ヒドロキシプロピルビスパルミタミドMEA、ヒドロキシプロピルビスラウラミドMEA、ヒドロキシプロピルビスイソステアラミドMEA、1,3-ビス-(N-2-(ヒドロキシエチル)ステアロイルアミノ)-2-ヒドロキシプロパン、ビス-ヒドロキシエチルトコフェリルスクシノイルアミドヒドロキシプロパン、尿素、アロエ、アラントイン、グリチルリチン酸、ジカプリレート/ジカプラート、及び同類のもの、並びにその誘導体、修飾物、及び組合せを含む。
【0081】
ある種の実施態様において、本局所用組成物は、保存剤を含有することができる。好適な保存剤の例は、尿素(例えば、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリニリル尿素など)、フェノキシエタノール、メチルパラベンナトリウム、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、安息香酸、ホルムアルデヒド、クエン酸、クエン酸ナトリウム、二酸化塩素、第四級アンモニウム保存性化合物(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、セトリミド、塩化デカリニウム、塩化セチルピリジニウムなど)、水銀保存剤(例えば、硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀、チメロサールなど)、ピロクトンオラミン、ヴィティス・ヴィニヘラ種子油、アルコール系保存剤(例えば、クロロブタノール、ジクロロベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、ベンジルアルコールなど)、及び同類のもの、並びにそれらの誘導体、修飾物、及び組合せを含む。これら又は他の実施態様において、本局所用組成物は、抗酸化剤を含有する。好適な抗酸化剤の例は、アスコルビン酸及びそれらのエステル、亜硫酸水素ナトリウム、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トコフェロール(例えば、α-トコフェロール)、酢酸トコフェリル、アスコルビン酸ナトリウム/アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、アスコルビルグルコシド、没食子酸プロピル、キレート化する抗酸化剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、EDTA二ナトリウムなど)、クエン酸、クエン酸ナトリウム、及び同類のもの、並びにそれらの誘導体、修飾物、及び組合せを含む。
【0082】
ある種の実施態様において、本局所用組成物は、製剤添加剤を含有することができる。この製剤添加剤は、限定されず、且つ本局所用組成物に、物理的特徴を授けるために選択された任意の化合物又は組成物を含有してよく、任意にこれらであってよい。そのような製剤添加剤の例は、乳化剤(例えば、イソパラフィン、例としてC13-C14イソパラフィンなど)、界面活性剤(例えばラウレス-7、ポリマー、例えばポリアクリルアミド及びポリアルキレングリコールなど)、緩衝剤、賦形剤、噴射剤、及び同類のもの、並びにそれらの組合せを含む。典型的には、この製剤添加剤は、本局所用組成物の所望の形状を基に選択される。例えば一部の実施態様において、本局所用組成物は、軟膏、泥膏、クリーム、及び/又はゲル剤として、製剤化され、並びに動物性及び植物性の脂肪、油類、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、酸化亜鉛、及び同類のものにより例示された賦形剤、並びにそれらの誘導体、修飾物、及び組合せを含有する。ある種の実施態様において、本局所用組成物は、粉末及び/又はスプレーとして製剤化され、並びに乳糖、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ポリアミド粉末、及び同類のものにより例示された賦形剤、並びにそれらの誘導体、修飾物、及び組合せを含有する。特定の実施態様において、本局所用組成物は、ハロゲン化炭化水素(例えば、塩素、フッ素、もしくは両方で置換された炭化水素)及び低分子量の非置換炭化水素(例えば、ブタン、プロパンなど)により例示される揮発性有機化合物などの、スプレー及び噴射剤として製剤化される。概して、本局所用組成物は、製剤添加剤を、存在する場合、本局所用組成物の総重量を基に、1~50、或いは1~20重量%の量で含有する。
【0083】
特定の実施態様において、本局所用組成物は、親油性可溶化剤を含有してよい。親油性可溶化剤の例の一部は、面皰非形成エステル、例えばアジピン酸エステル(例えば、アジピン酸ジイソブチル)、カプリル酸エステル、イソノナン酸エステル(例えば、ネオペンタン酸イソノニル)、エトキシル化トリグリセリド、及び同類のもの、並びにそれらの修飾物、誘導体、及び組合せを含む。親油性可溶化剤の他の例は一般に、セチルエステル、ポリエチレングリコールセチルエステル、水素化ポリイソブテン、アルガン油、ダイズ油、ケミカルUVフィルター/ブースター(例えば、オクチノサレート、オクチノキサート、サリチル酸ブチルオクチルなど)、及び同類のもの、並びにそれらの修飾物、誘導体、及び組合せを含む。
【0084】
一部の実施態様において、本局所用組成物は、フリーラジカル安定剤を含有することができる。フリーラジカル安定剤の例は一般に、親油性抗酸化剤、例えばトコトリエノール、カロテノイド(例えば、トコフェロール、酢酸トコフェロール、パルミチン酸レチニル、アスコルビン酸テトラヘキシデシル、ルテイン、ドコサヘキサエン酸などの不飽和脂肪酸の豊富な天然油など)、及び同類のもの、並びにそれらの修飾物、誘導体、及び組合せを含む。
【0085】
ある種の実施態様において、本局所用組成物は、界面活性剤を含有することができる。好適な界面活性剤の例は、イオン性(例えば、陰イオン性、両性イオン性など)及び非イオン性界面活性剤を含む。そのような界面活性剤の一部の具体例は、ポリソルベート(例えば、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(すなわちポリソルベート20)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート(すなわちポリソルベート40)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(すなわちポリソルベート60)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(すなわちポリソルベート80)など)、植物性ソルビタンステアレート、ステアレス-10及び他のオクタデシルポリオキシエチレンエーテル、ドデシル硫酸ナトリウム(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、ラウリルジメチルアミンオキシド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)、ポリエトキシル化アルコール、ポリオキシエチレンソルビタン、オクトキシノール、N,N-ジメチルドデシルアミン-N-オキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(HTAB)、ポリオキシル10ラウリルエーテル、胆汁酸塩(例えば、デオキシコール酸ナトリウム、コール酸ナトリウムなど)、ポリオキシルヒマシ油、ノニルフェノールエトキシレート、シクロデキストリン、レシチン、ジメチコンコポリオール、ラウラミドジエタノールアミン、コカミドジエタノールアミン、コカミドモノエタノールアミン、ベタイン(例えば、オレイルベタイン、コカミドプロピルベタインなど)、コカミドプロピルホスファチジルPG-ジモニウムクロリド、リン酸ジセチル(リン酸ジヘキサデシル)、セテアレス-10リン酸、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、セチルPEG/PPG-1/1ジメチコン(Si中W型エマルションのためのエトキシル化又は有機-修飾されたシリコーン、ステアリン酸グリセリル、ジラウリン酸グリセリル、レシチン、不飽和レシチンなど)、塩化メチルベンゼトニウム、及び同類のもの、並びにそれらの修飾物、誘導体、及び組合せを含む。
【0086】
一部の実施態様において、本局所用組成物は、乳化剤を含有することができ、これは界面活性剤と同じ又は異なって良い。そのような乳化剤の例は、ベヘントリモニウムメトサルフェート-セテアリルアルコール、非イオン性乳化剤(例えば、乳化ワックス)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ステアリン酸ポリエチレングリコール(すなわち、ステアリン酸PEG-40、ステアリン酸PEG-100など)、セトステアルアルコール(例えば、セテアリルアルコール)、セテアレス-12、セテアレス-20、セテアレス-30、セテアレスアルコール、ステアリン酸グリセリル、ステアレス-2及びステアレス-20、陽イオン性乳化剤(例えば、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘントリモニウムメトサルフェートなど)、及び同類のもの、並びにそれらの修飾物、誘導体、及び組合せを含む。
【0087】
特定の実施態様において、本局所用組成物は、粘度調節剤(例えば、粘度改変剤と称されてよい、増粘剤又は低粘稠化剤(thinning agent))を含有することができる。そのような薬剤の例は一般に、保護的コロイド、非イオン性ガム類、例えばヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、及びスクレロチウムガムなど、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、シリカ、微晶質ワックス、蜜ろう、パラフィン、パルミチン酸セチル、及び同類のもの、並びにそれらの修飾物、誘導体、及び組合せを含む。
【0088】
ある種の実施態様において、本局所用組成物は、1又は複数の追加構成成分を含有することができ、これは、皮膚保護剤、吸着媒、鎮痛剤、軟化剤、保湿剤、水和剤、緩衝剤、持続放出物質、可溶化剤、皮膚-浸透剤、皮膚無痛化剤、消臭剤、制汗剤、サンスクリーニング剤、サンレスタンニング剤、ビタミン、ヘアコンディショニング剤、抗刺激剤、抗加齢剤、研磨剤、吸収剤、凝固阻止剤、帯電防止剤、収斂剤(例えば、マンサク、アルコール、カモミール抽出物など)、結合剤/賦形剤、緩衝剤、キレート剤、フィルム形成剤、コンディショニング剤、不透明化剤、脂質、pH調節剤(例えば、クエン酸、水酸化ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムなど)、及び同類のもの、並びにそれらの修飾物、誘導体、及び組合せを含むか又はこれらから選択されてよい。そのような追加構成成分の具体例は、米国特許公開第2018/0110722A1号に例示され、その局所用組成物の構成成分に関する開示は、引用により本明細書中に組み込まれている。
【0089】
一部の実施態様において、本局所用組成物は、増粘剤、エマルション安定化剤、乳化剤、軟化剤、コンディショナー、湿潤剤、保湿剤、保存剤、抗酸化剤、pH調節剤、界面活性剤、香料などから選択される、1又は複数の追加構成成分を含有する。一部のそのような実施態様において、本局所用組成物は更に、少なくとも1種の追加の化粧品用薬剤、例えばビタミン、サンスクリーン、抗加齢剤、抗皺剤、抗酸化物質、赤味防止剤(anti-redness agent)、保湿剤、角質除去剤、又はそれらの組合せなどを含んでよい。好適な抗酸化剤の添加剤の例は、オレア・ユーロピア(オリーブ)果実抽出物、テルミナンリア・フェルジアンジアナ(カカドュ・プラム)果実抽出物、大豆イソフラボン、及びジャグラン・ニグラ(クルミ)種子抽出物を含む。一部の実施態様において、抗酸化物質はまた、抗皺剤として作用してもよい。
【0090】
これら又は他の実施態様において、本局所用組成物は、水和剤を含有する。そのような実施態様において、水和剤は、皮膚に浸透し及び水を吸収/保持することが知られている化合物(例えばヒアルロン酸ナトリウム)、並びに水の輸送を促進し及び/又は皮膚へもしくは皮膚を通して化合物を水和させるために有用な化合物(例えばリポソーム)から選択されてよい。例えば一部の実施態様において、本局所用組成物は、リポソーム、例えばオメガ脂肪酸から形成されたもしくはそうでなければこれを含有するもの(例えば、オメガ3、6、及び/もしくは9脂肪酸)などを含む。水、グリセリン、シトラスブルガリス(スイカ)果実抽出物、ピラス・マルス(リンゴ)果実抽出物、レンズ・エスキュレンタ(ヒラマメ)果実抽出物、ピロリドンカルボン酸ナトリウム(PCA)、及び乳酸ナトリウムの配合物を表す、公知のもしくはそうでなければアクアセルの名称で販売されているもの、並びにグリセリン及びアクリル酸グリセリル/アクリル酸コポリマー及びPVM/MAコポリマーの配合物を表す、ルブラジェル(例えばオイルフリー)などの、他の水和剤もまた、利用されてよい。
【0091】
一部の実施態様において、本局所用組成物は、油量調節剤、例えば亜鉛(PCA)、ホワイトウィロー樹皮抽出物、マンサク抽出物、ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)/トリメチロールヘキシルラクトンクロスポリマー、シリカ、又はそれらの組合せなどを含有する。これら又は他の実施態様において、本局所用組成物は、角質除去剤、例えばカラスムギ抽出物、糖もしくは糖誘導体、又はそれらの組合せなどを含有する。これら又は他の実施態様において、本局所用組成物は、抗刺激剤を含有し、ここでこの抗刺激剤は、グリチルリチン酸塩、収斂剤(例えばマンサク抽出物);又はそれらの組合せを含有する。これら又は他の実施態様において、本局所用組成物は、1又は複数の化粧品用添加剤、例えばアセロラチェリー抽出物、ビオサッカリドガム、香料、グリセリン、ブチレングリコール、EDTA二ナトリウム、セチル及び/もしくはステアリルアルコールのポリオキシエチレンエーテル、又はそれらの任意の組合せなどを含有する。
【0092】
本局所用組成物は任意に、局所用保湿剤(例えば、皮膚保護剤)を含むことができる。いずれか好適な局所用皮膚保護剤は、皮膚が、効果的に保護されるか又は保湿され、且つ皮膚保護剤が、製剤中で安定し続けるという条件で、利用され得る。好適な皮膚保護剤は、例えば、アロエ、ラノリン、グリセリン、カラミン、ビタミンE、ビタミンE酢酸エステル、ビタミンC、アラントイン、水酸化アルミニウムゲル、次硝酸ビスマス、ホウ酸、カラミン、カカオバター、ジメチコン、グリセリン、カオリン、生酵母細胞誘導体、ワセリン、塩酸ピリドキシン、サメ肝油、炭酸水素ナトリウム、イオウ、タンニン酸、局所用デンプン、トロラミン、白色ワセリン、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、シアバター、及びそれらの任意の組合せを含む。
【0093】
本明細書において使用されるカラミンは、酸化亜鉛のピンク色の粉末で、並びに約98%酸化亜鉛及び約0.5%酸化鉄を含有する皮膚保護剤であり;アロエは、ユリ科のキュラソー・アロエ(アロエ・バルバデンシス・ミレル、アロエ・ベラ・リンネ)又はケープ・アロエ(アロエ・フェロクス・ミレル及びハイブリッド)の葉の乾燥させたラテックスであり;ビタミンEは、3,4-ジヒドロ-2,5,7,8-テトラメチル-2-(4,8,12-トリメチルトリデシル)-2H-1-ベンゾピラン-6-オールであり;ビタミンE酢酸エステルは、3,4-ジヒドロ-2,5,7,8-テトラメチル-2-(4,8,12-トリメチルトリデシル)-2H-1-ベンゾピラン-6-オール酢酸エステルであり;並びに、ラノリンは、羊毛線維上に付着している、ヒツジの皮脂腺の油脂-様分泌である(すなわち、33高分子量アルコール及び36脂肪酸のエステル及びポリエステルの複合混合物)。一実施態様において、本局所用保湿剤は、アロエ及びビタミンEであることができる。
【0094】
アロエは、Terry Laboratories社(Melbourne、Fla.)から、アロエベラジェルとして商業的に入手可能である。アロエベラジェルは、アロエベラジェル40倍(水中20.0重量%溶液)、アロエベラジェル1倍(水中0.5重量%溶液)、アロエベラジェル(水中5.0重量%溶液)、又は固形アロエベラとして、商業的に入手可能である。固形アロエベラは、所望の濃度に、水などの担体中に溶解されることができる。加えて、アロエベラの商業的に入手可能な形状は、任意に脱色されたアロエベラとして入手可能である。
【0095】
局所用保湿剤のいずれか好適な量は、局所用保湿剤又は皮膚保護剤の好適な量が、皮膚を効果的に保護又は保湿し、並びに皮膚保護剤の有効量が、長期間にわたり、製剤中で安定し続けることを条件として、利用され得る。局所用保湿剤の好適且つ有効な量は、一部、製剤中に存在する具体的な1又は複数の保湿剤に応じて決まり得る。具体的実施態様において、本局所用保湿剤の性質及び量は、それが一般に局所使用について安全であると認められる(GRAS)ように、選択される。
【0096】
本局所用組成物は任意に、1又は複数の多価アルコールを含むことができる。好適な多価アルコールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ソルビトール、又はそれらの任意の組合せを含む。具体的には、多価アルコールは、プロピレングリコールを含むことができる。多価アルコールのいずれか好適な量が、利用され得る。例えば、本局所用組成物中に存在する場合、多価アルコールは、本局所用組成物の最大約35重量%、本局所用組成物の最大約15重量%、又は本局所用組成物の最大約5重量%で存在することができる。一実施態様において、多価アルコールは、本局所用組成物の約0.5重量%~約5.0重量%で存在することができる。
【0097】
本局所用組成物は任意に、水、例えば脱イオン水(DI)を含むことができる。水のいずれか好適な量は、その水の量が接着剤の接着性を維持し、並びに本局所用組成物の適切な安定性を維持することを条件として、利用されることができる。例えば脱イオン水は、本局所用組成物の最大約50重量%、本製剤の最大約40.0重量%、又は本局所用組成物の最大約30.0重量%で存在することができる。一実施態様において、脱イオン水は、本局所用組成物の最大約20.0重量%で存在することができる。一実施態様において、脱イオン水は、本局所用組成物の最大約10.0重量%で存在することができる。一実施態様において、脱イオン水は、本局所用組成物の約5.0重量%~約15.0重量%で存在することができる。
【0098】
パーソナルケア成分/組成物
一部の実施態様において、本局所用組成物は、パーソナルケア組成物として使用するために、製剤化され、更にパーソナルケア成分を含有する。パーソナルケア組成物の例は、制汗剤及び消臭剤、スキンケアクリーム、スキンケアローション、保湿剤、顔のトリートメント(例えば、座瘡もしくは皺の除去剤)、パーソナル及び顔用のクレンザー、浴用オイル、香水、コロン、サシェ、サンスクリーン、プレ-シェーブローション及びアフター-シェーブローション、髭剃り用石鹸及び泡、シャンプー、コンディショナー、染毛剤、縮毛矯正剤、ヘアスプレー、ムース、毛髪用ゲル、パーマネント剤、脱毛剤、キューティクルコート、メイクアップ用品、カラー化粧品、ファンデーション、コンシーラー、頬紅、口紅、アイライナー、マスカラ、油除去剤、カラー化粧品除去剤、及び医薬用クリーム、泥膏又はスプレー(例えば、抗-座瘡剤、歯科衛生品、抗生物質、回復促進剤など)を含む。
【0099】
具体的パーソナルケア成分、又は具体的パーソナルケア成分の混合物は、組成物が製剤化されるように、パーソナルケア組成物の種類を基に選択されてよい。これらの実施態様において、パーソナルケア成分は、液体、固形物、カプセル封入された液体などであってよい。パーソナルケア成分の様々な例は、以下に説明される。これらのパーソナルケア成分の組合せのいずれか、又は2種以上の異なるパーソナルケア成分は、パーソナルケア成分として利用されてよい。明瞭さ及び一貫性のために、「パーソナルケア成分」は、組成物が、1種ではなく、又は2種以上のパーソナルケア成分を含む実施態様を包含している。
【0100】
具体的実施態様において、パーソナルケア成分は、制汗及び/又は消臭(AP/DEO)剤である。これらの実施態様において、本組成物は、制汗及び/又は消臭(AP/DEO)組成物と称されてよい。制汗剤及び消臭剤の例は、塩化アルミニウム、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレックスGLY、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレックスPEG、アルミニウムクロロハイドレックス、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレックスPG、アルミニウムクロロハイドレックスPEG、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレート、アルミニウムクロロハイドレックスPG、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレックスGLY、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、アルミニウムセスキクロロハイドレート、炭酸水素ナトリウム、アルミニウムセスキクロロハイドレックスPEG、クロロフィリン銅錯体、トリクロサン、アルミニウムジルコニウムオクタクロロハイドレート、リシノレイン酸亜鉛、及びそれらの混合物を含む。
【0101】
ある種の実施態様において、このパーソナルケア成分は、スキンケア成分を含有する。この組成物を調製するために利用される場合、スキンケア成分は典型的には、水相安定化剤、化粧品用殺生物剤、コンディショニング剤(これは、シリコーン、陽イオン性、疎水性などであってよい)、軟化剤、保湿剤、着色剤、染料、紫外線(UV)吸収剤、サンスクリーン剤、抗酸化剤、香料、抗微生物剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗加齢活性物質、抗-座瘡剤、皮膚-美白剤、色素、保存剤、pH調節剤、電解質、キレート剤、植物抽出物、草木の(botanical)抽出物、皮脂吸収剤、皮脂制御剤、ビタミン、ワックス、界面活性剤、洗浄剤、乳化剤、増粘剤、噴射ガス、皮膚保護剤、フィルム形成ポリマー、光散乱剤、及びそれらの組合せから選択される。これらの実施態様の一部において、この組成物は、利用される特定のパーソナルケア成分を基に、スキンケア組成物、化粧品組成物、サンスクリーン、シャワーゲル、石鹸、ヒドロゲル、クリーム、ローション、香油、ファンデーション、口紅、アイライナー、キューティクルコート、頬紅などと称される。そのようなスキンケア成分の様々な種類は、当業者に公知の類似の及び代替の種類と共に、以下に明記される。
【0102】
軟化剤の例は、揮発性又は不揮発性のシリコーン油;シリコーン樹脂、例えばポリプロピルシルセスキオキサン及びフェニルトリメチコンなど;シリコーンエラストマー、例えばジメチコンクロスポリマーなど;アルキルメチルシロキサン、例えばC30-45アルキルメチコンなど;揮発性又は不揮発性の炭化水素化合物、例えばスクアレン、パラフィン油、ワセリン油及びナフタレン油など;水素化された又は部分的に水素化されたポリイソブテン;イソエイコサン;スクワラン;イソパラフィン;イソドデカン;イソデカン又はイソヘキサ-デカン;分枝したC8-C16エステル;ネオペンタン酸イソヘキシル;エステル油、例えば、イソノナン酸イソノニル、オクタン酸セトステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミテート誘導体(例えばデキストリンパルミテート)、ステアリン酸誘導体、リンゴ酸ジイソステアリル、イソステアリン酸イソステアリル、及びアルコールもしくは多価アルコールのヘプタン酸エステル、オクタン酸エステル、デカン酸エステルもしくはリシノール酸エステル、又はそれらの混合物など;例えば小麦胚芽、ヒマワリ、グレープシード、海狸香、シア、アボカド、オリーブ、大豆、スイートアーモンド、ヤシ、菜種、綿実、ヘーゼルナッツ、マカデミア、ホホバ、クロスグリ、月見草などの、植物起源の炭化水素油;又は、カプリル酸/カプリン酸のトリグリセリド;高次脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸又はリノレン酸、並びにそれらの混合物を含む。
【0103】
ワックスの例は、炭化水素ワックス、例えば蜜ろう、ラノリンワックス、ライスワックス、カルナバワックス、カンデリラワックス、微晶質ワックス、パラフィン、オゾケライト、ポリエチレンワックス、合成ワックス、セレシン、ラノリン、ラノリン誘導体、カカオバター、シェラックワックス、米ぬかワックス、カポックワックス、サトウキビワックス、モンタンロウ、鯨ロウ、ベイベリーロウ、シリコーンワックス(例えば、ポリメチルシロキサンアルキル、アルコキシ及び/もしくはエステル、C30-45アルキルジメチルシリルポリプロピルシルセスキオキサン)、ステアリルジメチコン、アルキルメチルシルオキシ単位内に長鎖アルキル基を含むアルキルメチルシロキサン、及びそれらの混合物などを含む。
【0104】
保湿剤の例は、低分子量の脂肪族ジオール、例えばプロピレングリコール及びブチレングリコールなど;ポリオール、例えばグリセリン及びソルビトールなど;並びに、ポリオキシエチレンポリマー、例えばポリエチレングリコール200など;ヒアルロン酸及びその誘導体、並びにそれらの混合物を含む。
【0105】
増粘剤の例は、アクリルアミドコポリマー、アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(例えば、ポリアクリル酸ナトリウムなど)、キサンタンガム及び誘導体、セルロースガム及びセルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリプロピルヒドロキシエチルセルロースなど)、デンプン及びデンプン誘導体(例えばヒドロキシエチルアミロース及びデンプンアミラーゼなど)、ポリオキシエチレン、カルボマー、アルギン酸塩(例えばアルギン酸ナトリウムなど)、アラビアゴム、カッシアガム、イナゴマメガム、スクレログルカンガム、ゲランガム、ラムザンガム、カラヤガム、カラゲナンガム、グアーガム及びグアーガム誘導体、コカミド誘導体(コカミドプロピルベタイン及びコカミドMIPAを含む)、アルキルアルコール(例えば、セテアリルアルコール、ステアリルアルコール、及び他の脂肪族アルコールなど)、ゼラチン、PEG-誘導体、サッカライド(例えば、フルクトース、グルコースなど)及びサッカライド誘導体(例えば、PEG-120メチルグルコースジオラート)、並びにそれらの混合物を含む。
【0106】
水相安定化剤の例は、電解質(例えば、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、特にナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの塩化物、ホウ酸塩、クエン酸塩、及び硫酸塩、並びにアルミニウムクロロハイドレート、及び高分子電解質、特にヒアルロン酸及びヒアルロン酸ナトリウム)、ポリオール(グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、及びソルビトール)、アルコール、例えばエチルアルコールなど、及び親水コロイド、並びにそれらの混合物を含む。
【0107】
pH調節剤の例は、任意の水溶性酸、例えばカルボン酸又は鉱酸、例えば塩酸、硫酸、及びリン酸など、モノカルボン酸、例えば酢酸及び乳酸など、並びにポリカルボン酸、例えばコハク酸、アジピン酸、クエン酸など、並びにそれらの混合物を含む。
【0108】
保存剤及び化粧品用殺生物剤の例は、パラベン誘導体(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベンなど)、ヒダントイン誘導体、クロルヘキシジン及びその誘導体、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリニリル尿素、フェノキシエタノール、銀誘導体、サリチル酸エステル誘導体、トリクロサン、シクロピロクスオラミン、ヘキサミジン、オキシキノリン及びその誘導体、ポピドンヨード、亜鉛塩及び誘導体、例えば亜鉛ピリチオン、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、及びそれらの混合物を含む。
【0109】
皮脂吸収剤又は皮脂制御剤の例は、シリル化シリカ、ジメチルシリル化シリカ、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ポリメチルメタクリリレート、架橋されたメチルメタクリレート、オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム、及びそれらの混合物を含む。
【0110】
色素及び着色剤の例は、表面処理した又は未処理の酸化鉄、表面処理した又は未処理の二酸化チタン、表面処理した又は未処理のマイカ、酸化銀、ケイ酸塩、酸化クロム、カロテノイド、カーボンブラック、ウルトラマリン、クロロフィリン誘導体及び黄土を含む。有機色素の例は、D&C及びFD&Cのブルー、ブラウン、グリーン、オレンジ、レッド、イエローと呼ばれる、アゾ、インジゴイド、トリフェニルメタン、アントラキノン、及びキサンチン染料を含む、芳香族型など、並びにそれらの混合物を含む。表面処理は、レシチン、シリコーン、シラン、フッ素化合物、及びそれらの混合物を基にしたそれらの処理を含む。
【0111】
シリコーンコンディショニング剤の例は、シリコーン油、例えばジメチコンなど;シリコーンガム、例えばジメチコノールなど;シリコーン樹脂、例えばトリメチルシロキシケイ酸、ポリプロピルシリセスキオキサンなど;シリコーンエラストマー;アルキルメチルシロキサン;有機修飾されたシリコーン油、例えばアモジメチコン、アミノプロピルフェニルトリメチコン、フェニルトリメチコン、トリメチルペンタフェニルトリシロキサン、シリコーンクオタニウム-16/グリシドキシジメチコンクロスポリマー、シリコーンクオタニウム-16など;サッカライド官能性シロキサン;カルビノール官能性シロキサン;シリコーンポリエーテル;シロキサンコポリマー(ジビニルジメチコン/ジメチコンコポリマー);アクリレート又はアクリル官能性シロキサン;並びにそれらの混合物又はエマルションを含む。
【0112】
陽イオン性コンディショニング剤の例は、グアー誘導体、例えばグアーガムのヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム誘導体など;陽イオン性セルロース誘導体、陽イオン性デンプン誘導体;セルロースエーテルの第四級窒素誘導体;塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー;アクリルアミド及び塩化ジメチルジアリルアンモニウムのコポリマー;エステル結合又はアミド結合によりポリマーに結合された陽イオン性窒素官能基を含む、アクリル酸又はメタクリル酸由来のホモポリマー又はコポリマー;脂肪族アルキルジメチルアンモニウム置換されたエポキシドと反応されたヒドロキシエチルセルロースのポリ第四級アンモニウム塩;N,N’-ビス-(2,3-エポキシプロピル)-ピペラジン又はピペラジン-ビス-アクリルアミド及びピペラジンのポリ縮合生成物;並びに、ビニルピロリドン及び第四級窒素官能性を持つアクリル酸エステルのコポリマーを含む。具体的物質は、様々なポリクワット(polyquat)、例えば、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-8、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-11、及びポリクオタニウム-23を含む。コンディショナーの他の範疇は、陽イオン界面活性剤、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、並びにそれらの混合物を含む。一部の例において、陽イオン性コンディショニング剤はまた、疎水性に修飾され、例えば疎水性に修飾された四級化ヒドロキシエチルセルロースポリマー;陽イオン性疎水性に修飾されたガラクトマンナンエーテル;及びそれらの混合物でもある。
【0113】
疎水性コンディショニング剤の例は、グアー誘導体;ガラクトマンナンガム誘導体;セルロース誘導体;及びそれらの混合物を含む。
【0114】
UV吸収剤及びサンスクリーン剤は、当該技術分野において公知のように、290-320ナノメーター間の紫外線(UV-B領域)を吸収するもの、及び320-400ナノメーターの範囲の紫外線(UV-A領域)を吸収するもの、並びに青色光吸収剤を含む。
【0115】
サンスクリーン剤の一部の例は、アミノ安息香酸、シノキサート、メトキシケイヒ酸ジエタノールアミン、ジガロイルトリオレエート、ジオキシベンゾン、4-[ビス(ヒドロキシプロピル)]アミノ安息香酸エチル、アミノ安息香酸グリセリル、ホモサラート、ジヒドロキシアセトンと併用するローソン、アントラニル酸メンチル、オクトクリレン、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(又はメトキシケイヒ酸オクチル)、サリチル酸オクチル(又はサリチル酸エチルヘキシル)、オキシベンゾン、パジマートO、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、赤色ワセリン、スリソベンゾン、二酸化チタン、サリチル酸トロラミン、及びそれらの混合物を含む。
【0116】
UV吸収剤の例の一部は、アセトアミノサロール、アラトインPABA、ベンザルフタリド、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン1-12,3-ベンジリデンカンファー、ベンジリデンカンファー加水分解コラーゲンスルホンアミド、ベンジリデンカンファースルホン酸、サリチル酸ベンジル、ボルネロン、ブメトリゾール、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ブチルPABA、セリア/シリカ、セリア/シリカタルク、シノキサート、DEA-メトキシケイヒ酸エステル、ジベンゾオキサゾールナフタレン、ジ-t-ブチルヒドロキシベンジリデンカンファー、トリオレイン酸ジガロイル、ジイソプロピルケイヒ酸メチル、ジメチルPABAエチルセテアリルジモニウムトシル酸、ジオクチルブタミドトリアゾン、ジフェニルカルボメトキシアセトキシナフトピラン、ビスエチルフェニルチアミノトリアジンスチルベン二スルホン酸二ナトリウム、ジスチリルビフェニルトリアミノトリアジンスチルベン二スルホン酸二ナトリウム、ジスチリルビフェニル二スルホン酸二ナトリウム、ドロメトリゾール、ドロメトリゾールトリシロキサン、エチルジヒドロキシプロピルPABA、ジイソプロピルケイヒ酸エチル、メトキシケイヒ酸エチル、エチルPABA、ウロカニン酸エチル、フェルラ酸エトクリレン、ジメトキシケイヒ酸オクタン酸グリセリル、グリセリルPABA、サリチル酸グリコール、ホモサラート、p-メトキシケイヒ酸イソアミル、サリチル酸イソプロピルベンジル、イソプロピルジベンゾイルメタン、メトキシケイヒ酸イソプロピル、メトキシケイヒ酸オクチル、アントラニル酸メチル、サリチル酸メチル、4-メチルベンジリデン、カンファー、オクトクリレン、オクトリゾール、オクチルジメチルPABA、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、サリチル酸オクチル、オクチルトリアゾン、PABA、PEG-25 PABA、ペンチルジメチルPABA、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、メトキシケイヒ酸カリウム、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸カリウム、赤色ワセリン、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸ナトリウム、ウロカニン酸ナトリウム、TEA-フェニルベンゾイミダゾールスルホネート、サリチル酸TEA、テレフタリリデンジカンジカンファースルホン酸、二酸化チタン、トリPABAパンテノール、ウロカニン酸、VA/クロトン酸/メタクリロキシベンゾフェノン-1コポリマー、及びそれらの混合物である。
【0117】
皮膚保護剤の例は、アラントイン、酢酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カラミン、カカオバター、タラ肝油、コロイド状オートミール、ジメチコン、グリセリン、カオリン、ラノリン、鉱油、ワセリン、サメ肝油、炭酸水素ナトリウム、タルク、マンサク、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、及びそれらの混合物を含む。
【0118】
染料の例は、1-アセトキシ-2-メチルナフタレン;酸性染料;5-アミノ-4-クロロ-o-クレゾール;5-アミノ-2,6-ジメトキシ-3-ヒドロキシピリジン;3-アミノ-2,6-ジメチルフェノール;2-アミノ-5-エチルフェノールHCl;5-アミノ-4-フルオロ-2-メチルフェノール硫酸塩;2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール;2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール硫酸塩;2-アミノ-5-ニトロフェノール;4-アミノ-2-ニトロフェノール;4-アミノ-3-ニトロフェノール;2-アミノ-4-ニトロフェノール硫酸塩;m-アミノフェノールHCl;p-アミノフェノールHCl;m-アミノフェノール;o-アミノフェノール;4,6-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-m-フェニレンジアミンHCl;2,6-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-3,5-ピリジンジアミンHCl;2-クロロ-6-エチルアミノ-4-ニトロフェノール;2-クロロ-5-ニトロ-N-ヒドロキシエチルp-フェニレンジアミン;2-クロロ-p-フェニレンジアミン;3,4-ジアミノ安息香酸;4,5-ジアミノ-1-((4-クロロフェニル)メチル)-1H-ピラゾール-硫酸塩;2,3-ジアミノジヒドロピラゾロピラゾロンジメトスルホン酸塩;2,6-ジアミノピリジン;2,6-ジアミノ-3-((ピリジン-3-イル)アゾ)ピリジン;ジヒドロキシインドール;ジヒドロキシインドリン;N,N-ジメチル-p-フェニレンジアミン;2,6-ジメチル-p-フェニレンジアミン;N,N-ジメチル-p-フェニレンジアミン硫酸塩;直接染料;4-エトキシ-m-フェニレンジアミン硫酸塩;3-エチルアミノ-p-クレゾール硫酸塩;N-エチル-3-ニトロPABA;グルコンアミドプロピルアミノプロピルジメチコン;ヘマトキシロン・ブラシレット樹木抽出物;HC染料;ローソニア・イネルミス(ヘナ)抽出物;ヒドロキシエチル-3,4-メチレンジオキシアニリンHCl;ヒドロキシエチル-2-ニトロ-p-トルイジン;ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン硫酸塩;ピクラミン酸2-ヒドロキシエチル;ヒドロキシピリジノン;ヒドロキシスクシンイミジルC21-C22イソアルキルアシデート(acidate);イサチン;イサチス・チンクトリア葉粉末;2-メトキシメチル-p-フェニレンジアミン硫酸塩;2-メトキシ-p-フェニレンジアミン硫酸塩;6-メトキシ-2,3-ピリジンジアミンHCl;4-メチルベンジル 4,5-ジアミノピラゾール硫酸塩;2,2’-メチレンビス 4-アミノフェノール;2,2’-メチレンビス-4-アミノフェノールHCl;3,4-メチレンジオキシアニリン;2-メチルレゾルシノール;メチルロザ二リニウムクロリド;1,5-ナフタレンジオール;1,7-ナフタレンジオール;3-ニトロ-p-クレゾール;2-ニトロ-5-グリセリルメチルアニリン;4-ニトログアイアコール;3-ニトロ-p-ヒドロキシエチルアミノフェノール;2-ニトロ-N-ヒドロキシエチル-p-アニシジン;ニトロフェノール;4-ニトロフェニル アミノエチル尿素;4-ニトロ-o-フェニレンジアミン二塩酸塩;2-ニトロ-p-フェニレンジアミン二塩酸塩;4-ニトロ-o-フェニレンジアミンHCl;4-ニトロ-m-フェニレンジアミン;4-ニトロ-o-フェニレンジアミン;2-ニトロ-p-フェニレンジアミン;4-ニトロ-m-フェニレンジアミン硫酸塩;4-ニトロ-o-フェニレンジアミン硫酸塩;2-ニトロ-p-フェニレンジアミン硫酸塩;6-ニトロ-2,5-ピリジンジアミン;6-ニトロ-o-トルイジン;PEG-3 2,2’-ジ-p-フェニレンジアミン;p-フェニレンジアミンHCl;p-フェニレンジアミン硫酸塩;フェニルメチルピラゾロン;N-フェニル-p-フェニレンジアミンHCl;青色色素15:1;紫色色素23;黄色色素13;ピロカテコール;ピロガロール;レゾルシノール;ピクラミン酸ナトリウム;スルファニル酸ナトリウム;ソルベントイエロー85;ソルベントイエロー172;硫酸テトラアミノピリミジン;テトラブロモフェノールブルー;2,5,6-トリアミノ-4-ピリミジノール硫酸塩;1,2,4-トリヒドロキシベンゼンを含む。
【0119】
香料の例は、ケトン香及びアルデヒド香を含む。ケトン香の例は、ブッコキシム;イソジャスモン;メチルβナフチルケトン;ムスクインダノン;トナリド/ムスクプラス;α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、イソ-ダマスコン、ダマスケノン、ダマロース、メチル-ジヒドロジャスモナート、メントン、カルボン、カンファー、フェンコン、α-イオノン、β-イオノン、γ-メチルいわゆるイオノン、フリューラモン、ジヒドロジャスモン、シス-ジャスモン、イソ-E-スーパー、メチル-セドレニル-ケトン又はメチル-セドリロン、アセトフェノン、メチル-アセトフェノン、パラ-メトキシ-アセトフェノン、メチル-β-ナフチル-ケトン、ベンジル-アセトン、ベンゾフェノン、パラ-ヒドロキシ-フェニル-ブタノン、セレリケトン又はリブスコン、6-イソプロピルデカヒドロ-2-ナフトン、ジメチル-オクテノン、フレスコメンテ、4-(1-エトキシビニル)-3,3,5,5,-テトラメチル-シクロヘキサノン、メチル-ヘプトエノン、2-(2-(4-メチル-3-シクロヘキセン-1-イル)プロピル)-シクロペンタノン、1-(p-メンテン-6(2)-イル)-1-プロパノン、4-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-2-ブタノン、2-アセチル-3,3-ジメチル-ノルボルナン、6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン、4-ダマスコール、ダルシニル又はカシオン、ゲルソン、ヘキシロン、イソシクレモンE、メチル-シクロシトロン、メチル-ラベンダー-ケトン、オリボン、パラ-第3級-ブチル-シクロヘキサノン、ヴェルドン、デルフォン、ムスコン、ネオブテノン、プリカトン、ベロウトン、2,4,4,7-テトラメチル-オクテ-6-エン-3-オン、及びテトラメランを含む。香料は、植物の花、種子、葉、及び/又は根、海藻などに由来するか又はこれから抽出されてよい。香料は、動物から、例えば分泌腺から、抽出されてよく、並びにムスク又はマッコウクジラ油であってよい。香料はまた、例えば、メントール、酢酸塩、バニラなど、人工的に合成されてよい。
【0120】
具体的実施態様において、ケトン香は、αダマスコン、δダマスコン、イソダマスコン、カルボン、γ-メチル-イオノン、イソ-E-スーパー、2,4,4,7-テトラメチル-オクテ-6-エン-3-オン、ベンジルアセトン、βダマスコン、ダマスケノン、メチル-ジヒドロジャスモナート、メチル-セドリロン、及びそれらの混合物からの特徴的臭気について選択される。
【0121】
具体的実施態様において、アルデヒド香は、以下からの特徴的臭気について選択される:アドキサル;アニス酸アルデヒド;シマル;エチルバニリン;フロルヒドラール;ヘリオナール;ヘリオトロピン;ヒドロキシシトロネラル;コアボン;ラウリン酸アルデヒド;リラール;メチルノニルアセトアルデヒド;P.T.ブシナル;フェニルアセトアルデヒド;ウンデシレン酸アルデヒド;バニリン;2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナル、3-ドデカン-1-ナル、α-n-アミルシンナムアルデヒド、4-メトキシベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド、3-(4-tert-ブチルフェニル)-プロパナール、2-メチル-3-(パラ-メトキシフェニルプロパナール)、2-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2(1)-シクロヘキセン-1-イル)ブタナール、3-フェニル-2-プロペナール、シス-/トランス-3,7-ジメチル-2,6-オクタ-ジエン-1-ナール、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-ナル、[(3,7-ジメチル-6-オクテニル)オキシ]アセトアルデヒド、4-イソプロピルベンズアルデヒド、1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-8,8-ジメチル-2-ナフトアルデヒド、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド、2-メチル-3-(イソプロピルフェニル)プロパナール、1-デカナール;デシルアルデヒド、2,6-ジメチル-5-ヘプテナル、4-(トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]-デシイリデン-8)-ブタナール、オクタヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデンカルボキシアルデヒド、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、パラ-エチル-α,α-ジメチルヒドロシンナムアルデヒド、α-メチル-3,4-(メチレンジオキシ)-ヒドロシンナムアルデヒド、3,4-メチレンジオキシベンズアルデヒド、α-n-ヘキシルシンナムアルデヒド、m-シメン-7-カルボキシアルデヒド、α-メチルフェニルアセトアルデヒド、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、ウンデセナール、2,4,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド、4-(3)(4-メチル-3-ペンテニル)-3-シクロヘキセン-カルボキシアルデヒド、1-ドデカナール、2,4-ジメチルシクロヘキセン-3-カルボキシアルデヒド、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド、7-メトキシ-3,7-ジメチルオクタン-1-ナール、2-メチルウンデカナール、2-メチルデカナール、1-ノナナール、1-オクタナール、2,6,10-トリメチル-5,9-ウンデカ-ジエナール、2-メチル-3-(4-tertブチル)プロパナール、ジヒドロシンナムアルデヒド、1-メチル-4-(4-メチル-3-ペンテニル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド、5又は6メトキシ10ヘキサヒドロ-4,7-メタノインダン-1又は2-カルボキシアルデヒド、3,7-ジメチルオクタン-1-ナール、1-ウンデカナール、10-ウンデセン-1-ナール、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド、1-メチル-3-(4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチル-オクタナール、トランス-4-デセナール、2,6-ノナジエナール、p-トリルアセトアルデヒド;4-メチルフェニルアセトアルデヒド、2-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール、オルト-メトキシシンナムアルデヒド、3,5,6-トリメチル-3-シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、3,7-ジメチル-2-メチレン-6-オクテナール、フェノキシアセトアルデヒド、5,9-ジメチル-4,8-デカ-ジエナール、ペオニアルデヒド(6,10-ジメチル-3-オキサ-5,9-ウンデカ-ジエン-1-ナール)、ヘキサヒドロ-4,7-メタノインダン-1-カルボキシアルデヒド、2-メチルオクタナール、α-メチル-4-(1-メチルエチル)ベンゼンアセトアルデヒド、6,6-ジメチル-2-ノルピネン-2-プロピオンアルデヒド、p-メチルフェノキシアセトアルデヒド、2-メチル-3-フェニル-2-プロペン-1-ナール、3,5,5-トリメチルヘキサナール、ヘキサヒドロ-8,8-ジメチル-2-ナフトアルデヒド、3-プロピル-ビシクロ[2.2.1]-ヘプト-5-エン-2-カルバルデヒド、9-デセナール、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタナール、メチルノニルアセトアルデヒド、ヘキサナール、トランス-2-ヘキサナール、1-p-メンテン-q-カルボキシアルデヒド、及びそれらの混合物。
【0122】
抗酸化剤の例は、アセチルシステイン、アルブチン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ポリペプチド、ジパルミル酸アスコルビル、アスコルビルメチルシラノールペクチン、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、BHA、p-ヒドロキシアニソール、BHT、t-ブチルヒドロキノン、カフェー酸、茶油、キトサンアスコルベート、キトサングリコラート、キトサンサリチレート、クロロゲン酸、システイン、システインHCl、デシルメルカプトメチルイミダゾール、エリソルビン酸、ジアミルヒドロキノン、ジtブチルヒドロキノン、ジセチルチオジプロピオネート、ジシクロペンタジエン/tブチルクレゾールコポリマー、ジガロイルトリオレエート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジオレイルトコフェリルメチルシラノール、イソクエルシトリン、ジオスミン、アスコルビル硫酸二ナトリウム、ルチニル二硫酸二ナトリウム、ジステアリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、没食子酸ドデシル、フェルラ酸エチル、フェルラ酸、ヒドロキノン、ヒドロキシルアミンHCl、硫酸ヒドロキシルアミン、イソオクチルチオグリコレート、コウジ酸、マデカコシド、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビルリン酸マグネシウム、メラトニン、メトキシPEG7ルチニルスクシネート、メチレンジt-ブチルクレゾール、メチルシラノールアスコルベート、ノルジヒドログアヤレト酸、没食子酸オクチル、フェニルチオグリコール酸、フロログリシノール、アスコルビルトコフェリルリン酸カリウム、チオジグリコールアミド、亜硫酸カリウム、没食子酸プロピル、ロスマリン酸、ルチン、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビル/コレステリルリン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、ソルビチルフルフラール、ティーツリー(メラレウカ・アフテミフォリア)油、酢酸トコフェロール、アスコルビン酸テトラヘキシルデシル、テトラヒドロジフェルロイルメタン、リノール酸/オレイン酸トコフェリル、チオジグリコール、コハク酸トコフェリル、チオジグリコール酸、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、チオタウリン、レチノール、トコフェレス5、トコフェレス10、トコフェレス12、トコフェレス18、トコフェレス50、トコフェロール、トコフェルソラン、リノール酸トコフェリル、ニコチン酸トコフェリル、トコキノン、オトリルビグアナイド、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ユビキノン、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、及びそれらの混合物である。
【0123】
噴射ガスの例は、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、揮発性炭化水素、例えばブタン、イソブタン、もしくはプロパンなど、並びに塩素化もしくはフッ素化された炭化水素、例えばジクロロジフルオロメタン及びジクロロテトラフルオロエタンなど、又はジメチルエーテル;並びにそれらの混合物を含む。
【0124】
具体的実施態様において、本機能性組成物は、サンスクリーンである。これらの実施態様において、パーソナルケア成分は、このサンスクリーン剤を含有する。このサンスクリーン剤は、例えば、サンスクリーン添加剤、SPFブースター、光安定剤、フィルム-形成ポリマーなどであってよい。サンスクリーンはまたもしくは代わりに、サンレスタンニング適用で利用されてよい。サンスクリーン剤の具体例は、先に明記している。
【0125】
他の実施態様において、このパーソナルケア成分は、ヘアケア成分を含有する。これらの実施態様において、この組成物は、ヘアケア組成物と称されてよい。本機能性組成物を調製するために利用される場合、ヘアケア成分は、典型的には、コンディショニング剤(これは、シリコーン、陽イオン性、疎水性などであってよい)、着色剤、染料、紫外線(UV)吸収剤、保存剤、植物抽出物、脂肪族アルコール、ビタミン、香料、ふけ防止剤、カラーケア添加剤、真珠光沢付与剤(pearlising agent)、pH調節剤、電解質、キレート剤、スタイリング剤、セラミド、アミノ酸誘導体、懸濁化剤、界面活性剤、洗浄剤、乳化剤、増粘剤、酸化剤、還元剤、フィルム-形成ポリマー、及びそれらの組合せから選択される。これらのヘアケア実施態様の一部により、この組成物は、シャンプー、リンスオフコンディショナー、リーブインコンディショナー、ゲル、ポマード、セラム、スプレー、カラーリング製品、又はマスカラと称されてよい。これらのヘアケア成分の多くの例は、好適なパーソナルケア成分として、先に明記している。
【0126】
酸化剤の例は、過硫酸アンモニウム、過酸化カルシウム、過酸化水素、過酸化マグネシウム、メラミン過酸化物、臭素酸カリウム、カロン酸カリウム、塩素酸カリウム、過硫酸カリウム、臭素酸ナトリウム、炭酸ナトリウム過酸化物、塩素酸ナトリウム、ヨウ素酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過硫酸ナトリウム、二酸化ストロンチウム、過酸化ストロンチウム、過酸化尿素、過酸化亜鉛、並びにそれらの混合物である。還元剤の例は、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、チオグリコール酸アンモニウム、チオ乳酸アンモニウム、システマインHCl、システイン、システインHCl、チオグリコール酸エタノールアミン、グルタチオン、チオグリコール酸グリセリル、チオプロピオン酸グリセリル、ヒドロキノン、p-ヒドロキシアニソール、チオグリコール酸イソオクチル、チオグリコール酸マグネシウム、メルカプトプロピオン酸、メタ重亜硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、チオグリコール酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ヒドロ亜硫酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリコール酸ストロンチウム、スーパオキシド・ジスムターゼ、チオグリセリン、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、亜鉛ホルムアルデヒドスルホキシレート、及びそれらの混合物である。
【0127】
ふけ防止剤の例は、ピリジンチオン塩、セレン化合物、例えばセレンジスルフィドなど、及び可溶性ふけ防止剤、並びにそれらの混合物を含む。
【0128】
ある種の実施態様において、このパーソナルケア成分は、フィルム-形成ポリマーを含有し、これは機能性組成物が、スキンケア、ヘアケアなどのために利用されるかどうかにかかわらず、パーソナルケア成分として利用されてよい。本明細書において使用される「フィルム-形成ポリマー」は、それ自身又は任意にフィルム-形成剤の存在下で、基材上にフィルムを形成することが可能であるポリマー又はオリゴマーを意味する。このフィルム-形成ポリマーは、例えば、熱の適用、大気条件への曝露などの、硬化条件の適用時にフィルムを形成してよい。或いは、このフィルム-形成ポリマーは、その中でフィルム-形成ポリマーが任意に処置されてよい任意の担体ビヒクルの蒸発時に、フィルムを形成してよい。このフィルム-形成ポリマーは、反応を受けてよく、例えばフィルム-形成ポリマーは、フィルムを形成する際に、架橋され始めるか、又はそうでなければ追加の結合を含んでよい。しかし、このフィルム-形成ポリマーは、そのような反応の非存在下で、フィルムを形成してもよい。フィルム-形成ポリマーは、ゲル化剤であってよい。このフィルム-形成ポリマーは、本機能性組成物がサンスクリーンとして製剤化される場合に、特に利点があるが、このパーソナルケア成分は、更に他の機能性組成物を形成するために、フィルム-形成ポリマーを含有してよい。
【0129】
パーソナルケアアクティブ
様々な実施態様において、このパーソナルケア成分は、パーソナルケアアクティブ、ヘルスケアアクティブ、又はそれらの組合せ(集合的に「アクティブ」もしくは「アクティブズ」)を含むか又はこのように称されてよい。本明細書において使用される「パーソナルケアアクティブ」は、典型的には化粧的及び/もしくは審美的恩恵を提供するための、パーソナルケア製剤中の、添加剤として当該技術分野において公知である任意の化合物又は化合物の混合物を意味する。「ヘルスケアアクティブ」は、医薬としてもしくは医学的恩恵を提供するための、当該技術分野において公知である任意の化合物又は化合物の混合物を意味する。従って「ヘルスケアアクティブ」は、連邦規則集(CFR)の第21章、チャプターI、パート200-299及びパート300-499に含まれる、米国保健福祉省の米食品医薬品局(FDA)により一般に使用され且つ規定される、活性成分又は活性薬物成分と考えられる物質を含む。具体的パーソナルケアアクティブ及びヘルスケアアクティブは、以下に説明される。これらのパーソナルケアアクティブ及びヘルスケアアクティブは、パーソナルケア成分が、例えばAP/DEO組成物、スキンケア組成物、ヘアケア組成物、爪のケア組成物、及び/又は歯のケア組成物を形成するために、利用されるかどうかにかかわらず、パーソナルケア成分を構成してよい。例えば様々な実施態様において、同じパーソナルケア成分が、ヘアケア組成物又はスキンケア組成物のいずれかを形成するために、利用されてよい。当該技術分野において理解されるように、以下に説明されたパーソナルケアアクティブの少なくとも一部は、各々、スキンケア組成物、ヘアケア組成物、爪のケア組成物、及び歯のケア組成物に関して、先に紹介された特定のパーソナルケア成分の種類である。例えば、植物又は野菜の抽出物の数多くの種類は、以下に説明されており、これは、好適なパーソナルケア成分として先に明記した植物抽出物の例を例証するものである。以下に説明する活性成分又はアクティブズは、本局所用組成物のパーソナルケア成分を構成するか、又はそれらの組合せにおいて利用されてよい。
【0130】
本局所用組成物において使用するのに有用なパーソナルケアアクティブ成分は、「プロ-ビタミン」を含む、ビタミン及びビタミン誘導体を含む。本明細書において有用なビタミンは、ビタミンA1、レチノール及びその誘導体(例えば、レチノールのC2-C18エステル、トランス-レチノール、1、3-シス-レチノール、11-シス-レチノール、9-シス-レチノール、及び3,4-ジデヒドロ-レチノール、並びにトランスレチノイン酸(すなわちレチノイド))、ビタミンB1、ビタミンB2、プロビタミンB5、パンテノール、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンE、トコフェロール、ビタミンEのエステル、葉酸、ビオチン、パントテン酸、並びにそれらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。他の好適なビタミン及び本局所用組成物における使用に適したビタミンの化粧品原料国際命名法(INCI)の名称は、ジパルミチン酸アスコルビル、アスコルビルメチルシラノールペクチン、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、アスコルビルグルコシド、アスコルビルリン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビル硫酸二ナトリウム、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム、酢酸レチニル、パルミチン酸レチニル、プロピオン酸レチニル、α-トコフェロール、トコフェルソラン、酢酸トコフェリル、リノール酸トコフェリル、ニコチン酸トコフェリル、及びコハク酸トコフェリル、並びにそれらの組合せを含む。
【0131】
パーソナルケアアクティブは、酵素などの、タンパク質であることができる。酵素は、商業的に入手可能な種類、改良型、組換え型、野生型、天然には認められないバリアント、並びにそれらの混合物を含む。例えば、好適な酵素は、加水分解酵素、クチナーゼ、オキシダーゼ、転移酵素、レダクターゼ、ヘミセルラーゼ、エステラーゼ、イソメラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、ペルオキシダーゼ、ラッカーゼ、カタラーゼ、並びにそれらの混合物を含む。加水分解酵素は、プロテアーゼ(細菌性、真菌性、酸性、中性もしくはアルカリ性)、アミラーゼ(α又はβ)、リパーゼ、マンナナーゼ、セルラーゼ、コラゲナーゼ、リゾチーム、スーパオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、並びにそれらの混合物を含む。プロテアーゼは、トリプシン、キモトリプシン、ペプシン、パンクレアチン及び他の哺乳動物の酵素;パパイン、ブロメライン及び他の草木の酵素;スブチリシン、エピデルミン、ニシン、ナリンギナーゼ(L-ラムノシダーゼ)、ウロキナーゼ及び他の細菌の酵素を含む。リパーゼは、トリアシル-グリセロールリパーゼ、モノアシル-グリセロールリパーゼ、リポタンパクリパーゼ、例えば、ステアプシン、エレプシン、ペプシン、他の哺乳動物、草木、細菌のリパーゼ、及び精製されたものを含む。
【0132】
コ-アクティブ
本局所用組成物における使用に適している他の活性物質の例は、以下に説明される。これらの活性物質の1又は複数は、単独で、又は本明細書記載のアクティブ及び/もしくは添加剤と組合せてのいずれかで使用され得る。
【0133】
本局所用組成物は、抗寄生生物剤を含んでよい。抗寄生生物剤の例は、ヘキサクロロベンゼン、カルバメート、天然のピレスロイド、ペルメトリン、アレスリン、マラチオン、ピペロニルブトキシド、及びそれらの組合せを含む。
【0134】
本局所用組成物は、殺菌剤とも称される、抗微生物剤も含んでよい。抗微生物剤の例は、クレゾール及びレゾルシノールを含む、フェノールを含む。そのような組成物は、皮膚の感染症を治療するために、使用されてよい。非常に一般的な皮膚の感染症の例は、座瘡を含み、これは、p.アクネ、並びに黄色ブドウ球菌又はシュードモナスの皮脂腺への侵襲に関与している。有用な抗座瘡アクティブズの例は、角質溶解剤、例えばサリチル酸(o-ヒドロキシ安息香酸)、5-オクタノイルサリチル酸のようなサリチル酸の誘導体、及びレゾルシノールなど;レチノイド、例えばレチノイン酸及びその誘導体(例えばシス及びトランス)など;イオウ-含有D及びLアミノ酸並びにそれらの誘導体及び塩、特にそれらのN-アセチル誘導体、その好ましい例としてN-アセチル-L-システイン;リポ酸;抗生物質及び抗微生物薬、例えば過酸化ベンゾイル、オクトピロックス、テトラサイクリン、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’-トリクロロバニリド、アゼライン酸及びその誘導体、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、酢酸エチル、クリンダマイシン及びメクロサイクリンなど;セボスタット、例えばフラボノイドなど;並びに、胆汁酸塩、例えばスシムノール硫酸塩及びその誘導体、デオキシコール酸塩及びコール酸塩;パラクロロメタキシエノール;並びにその組合せを含む。
【0135】
一般に、濃度0.2、1.0、及び1.3重量%のフェノールは、各々、静菌性、殺菌性、及び殺真菌性である。いくつかのフェノール誘導体が、フェノールそれ自身よりもより強力であり、それらの中でも最も重要なものは、ハロゲン化フェノール及びビス-フェノール、アルキル-置換フェノール及びレゾルシノールである。疎水性抗菌剤は、トリクロサン、トリクロカルバン、オイカリプトール、メントール、サリチル酸メチル、チモール、及びそれらの組合せを含む。
【0136】
本局所用組成物は、抗真菌剤を含んでよい。抗真菌剤の例は、アゾール、ジアゾール、トリアゾール、ミコナゾール、フルコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、イトラコナゾールグリセオフルビン、シクロピロクス、アモロルフィン、テルビナフィン、アンホテリシンB、ヨウ化カリウム、フルシトシン(5FC)及びそれらの組合せを含む。米国特許第4,352,808号は、抗真菌活性及び抗菌活性を有する、3-アラルキルオキシ-2,3-ジヒドロ-2-(1H-イミダゾリルメチル)ベンゾ[b]チオフェン化合物を開示し、この特許は引用により本明細書中に組み込まれている。
【0137】
本局所用組成物は、ステロイド系抗炎症薬を含んでよい。ステロイド系抗炎症薬の例は、コルチコステロイド、例えばヒドロコルチゾン、ヒドロキシルトリアムシノロン、αメチルデキサメタゾン、デキサメタゾン-リン酸エステル、ベクロメタゾンジプロピオン酸エステル、クロベタゾール吉草酸エステル、デソニド、デスオキシメタゾン、デスオキシコルチコステロン酢酸エステル、デキサメタゾン、ジクロリソン、ジフロラゾン二酢酸エステル、ジフルコルトロン吉草酸エステル、フルアドレノロン、フルクラロロンアセトニド、フルドロコルチソン、フルメタゾンピバル酸エステル、フルシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルコルチンブチルエステル、フルオコルトロン、フルプレドニデン(フルプレドニリデン(プレドニリデン))酢酸エステル、フルランドレノロン、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン酢酸エステル、ヒドロコルチゾン酪酸エステル、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロンアセトニド、コルチゾン、コルトドキソン、フルセトニド、フルドロコルチソン、ジフルオロソン二酢酸エステル、フルラドレナロンアセトニド、メドリゾン、amc、アムシナファル、アムシナフィド、ベタメタゾン及びそのエステルのバランス、クロロプレドニソロン、クロロプレドニソロン酢酸エステル、クロコルテロン、クレスシノロン、ジクロリソン、ジフルプレドナート、フルクロロニド、フルニソリド、フルオロメタロン、フルペロロン、フルプレドニソロン、ヒドロコルチゾン吉草酸エステル、ヒドロコルチゾンシクロペンチルプロピオン酸エステル、ヒドロコルタメート、メプレドニゾン、パラメタゾン、プレドニソロン、プレドニソン、ベクロメタゾンジプロピオン酸エステル、ベタメタゾン二プロピオン酸エステル、トリアムシノロン、及びそれらの組合せを含む。
【0138】
現在入手可能な局所用抗ヒスタミン調製品は、1%及び2%ジフェンヒドラミン(Benadryl(登録商標)及びCaladryl(登録商標))、5%ドキセピン(Zonalon(登録商標))クリーム、マレイン酸フィリラミン、クロルフェニラミン及びトリペレナミン、フェノチアジン、プロメタジン塩酸塩(Phenergan(登録商標))及びマレイン酸ジメチンデンを含む。これらの薬物、並びに追加の抗ヒスタミン薬もまた、本組成物中に含有され得る。加えて、「天然の」抗炎症薬は、有用であることができる。例えば、カンデリラワックス、アルファビサボロール、アロエベラ、マンジスタ(アカネ属の植物、特にアカミノアカネから抽出される)、及びグガル(コンミフォラ属の植物、特にコンミフォラムクルから抽出される)を、本局所用組成物中のアクティブとして使用することができる。
【0139】
本局所用組成物は、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)を含んでよい。NSAIDの例は、以下のNSAID範疇を含む:プロピオン酸誘導体;酢酸誘導体;フェナム酸誘導体;ビフェニルカルボン酸誘導体;及び、オキシカム。そのようなNSAIDは、米国特許第4,985,459号に説明されており、これは引用により本明細書中に組み込まれている。更なる例は、アセチルサリチル酸、イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ムニロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、ブクロクス酸、及びそれらの組合せを含む。
【0140】
本局所用組成物は、抗酸化剤/ラジカルスカベンジャーを含んでよい。抗酸化剤の例は、アスコルビン酸(ビタミンC)及びその塩、トコフェロール(ビタミンE)、及びその誘導体、例えばソルビン酸トコフェロール、他のトコフェロールのエステルなど、ブチル化ヒドロキシ安息香酸及びそれらの塩、6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸(商品名Trolox(登録商標)で市販)、没食子酸及びそのアルキルエステル、特に没食子酸プロピル、尿酸及びその塩及びアルキルエステル、ソルビン酸及びその塩、脂肪酸のアスコルビルエステル、アミン(例えば、N,N-ジエチルヒドロキシルアミン、アミノ-グアニジン)、スルフヒドリル化合物(例えばグルタチオン)、及びジヒドロキシフマル酸及びその塩、並びにEDTA、BHT、及び同類のもの、並びにそれらの組合せが使用されてよい。
【0141】
本局所用組成物は、抗生物質を含んでよい。抗生物質の例は、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、合成及び半合成のペニシリン、β-ラクタム、キノロン、フルオロキノロン、マクロライド系抗生物質、ペプチド系抗生物質、シクロスポリン、エリスロマイシン、クリンダマイシン、及びそれらの組合せを含んでよい。
【0142】
本局所用組成物は、局所用麻酔薬を含んでよい。局所用麻酔薬の例は、ベンゾカイン、リドカイン、ブピバカイン、クロロプロカイン、ジブカイン、エチドカイン、メピバカイン、テトラカイン、ジクロニン、ヘキシルカイン、プロカイン、コカイン、ケタミン、プラモキシン、フェノール、それらの医薬として許容し得る塩、及びそれらの組合せを含む。
【0143】
本局所用組成物は、抗ウイルス薬を含んでよい。抗ウイルス薬の例は、ウイルスのその受容体への結合、ウイルスの細胞への内在化、ウイルスの複製、又は細胞からのウイルスの放出を阻害もしくは減少する、特定のタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、融合タンパク質抗体、核酸分子、有機分子、無機分子、及び小型分子を含む。特に、抗ウイルス薬は、ヌクレオシドアナログ(例えば、ジドブジン、アシクロビル、アシクロビルプロドラッグ、ファムシクロビル、ガングシクロビル、ビダラビン、イドクスウリジン、トリフルリジン、及びリバビリン)、n-ドコサノールホスカルネット、アマンタジン、リマンタジン、サキナビル、インジナビル、リトナビル、イドクスウリジン、α-インターフェロン及び他のインターフェロン、AZT、並びにそれらの組合せを含む。
【0144】
アクティブズの追加例は、鎮痛薬及び降圧薬を含む。鎮痛薬は、当該技術分野において公知であり、且つ口語で痛み止めと称される。鎮痛薬は、公知の鎮痛薬から選択されてよく、並びにその具体例は、パラセタモル(アセトアミノフェン)、モルヒネ、コデイン、ヘロイン、メサドン、テバイン、オパイリン、ブプレノルフィン、モルフィナン、ベンゾモルファン、アセトアミノフェン、ブトルファノール、ジフルニサル、フェノプロフェン、フェンタニル、フェンタニルクエン酸塩、ヒドロコドン、アスピリン、サリチル酸ナトリウム、イブプロフェン、オキシモルホン、ペンタキシン、ナプロキセン、ナルブフィン、メフェナム酸、メペリジン及びジヒドロエルゴタミン、非ステロイド系抗炎症薬、例えばサリチル酸塩など、及びオピオイド薬、例えばモルヒネ及びオキシコドンなどを含む。降圧薬は、高血圧、すなわち高い血圧の治療又は低下に関して当該技術分野において公知である。降圧薬は、任意の公知の降圧薬から選択されてよく、その具体例は、利尿薬、アドレナリン作動性受容体アンタゴニスト(例えばβ遮断薬)、ベンゾジアゼピン、カルシウムチャネル遮断薬、レニン阻害剤などを含む。
【0145】
代表的麻酔拮抗薬は、ハロキソンである。例証的鎮咳薬は、ジフェンヒドラミン、グアイフェネシン、ヒドロモルフォン、エフェドリン、フェニルプロパノールアミン、テオフィリン、コデイン、ノスカピン、レボプロポキシフェン、カルベタペンタン、クロフェジアノール及びベンゾナタートを含む。
【0146】
例証的鎮静薬は、抱水クロラール、ブタバルビタール、アルプラゾラム、アモバルビタール、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、メフォバルビタール、セコバルビタール、ジフェンヒドラミン、エチナメート、フルラゼパム、ハラゼパム、ハロペリドール、プロクロルペラジン、オキサゼパム、及びタルブタールを含む。
【0147】
心臓作動薬の例は、キニジン、プロプラノロール、ニフェジピン、プロカイン、ドブタミン、ジギトキシン、フェニロイン、ニトロプルシドナトリウム、ニトログリセリン、ベラパミルHCl、ジゴキシン、ニカルジピンHCl、及び二硝酸イソソルビドを含む。
【0148】
制吐薬は、チエチルペラジン、メトクロプラミド、シクリジン、メクリジン、プロクロルペラジン、ドキシラミンコハク酸塩、プロメタジン、トリフルプロマジン、及びヒドロキシジンにより例示される。
【0149】
代表的ドパミン受容体作動薬は、ブロモクリプチンメシラートである。例証的アミノ酸、ペプチド及びタンパク質のホルモンは、チロキシン、成長ホルモン(GH)、間質細胞刺激ホルモン(ICSH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)、例えばロイプロリド酢酸塩など、バゾプレシン及びそれらの活性分解生成物である。一部の生成物は、角質層又は粘膜を通じた吸収が困難であるのに十分な高分子量を有することがある。従って一部の実施態様において、皮膚を通じた通過を可能にする分子量及び立体配置を有するホルモンのみが、利用される。ホルモンの例は、エストラジオール、ジエチルスチルベストロール、抱合型エストロゲン、エストロン、ノルエチンドロン、メドロキシプロゲステロン、プロゲステロン、ノルゲストレル、テストステロン、メチルテストステロン、及びフルオキシメステロンを含む。
【0150】
特定の実施態様において、本局所用組成物は、本抽出物と追加の活性物質の組合せを含有する。そのような実施態様において、本機能性組成物は、均質であるか又は単一の組成物として混合されてよいか、或いは、本抽出物を含有する第一の構成成分、及び追加の活性物質を含有する第二の構成成分を含むキットとして適応されてよい。このキットの構成成分は、一緒に又は個別に(例えば、連続、任意の順番で)投与されてよい。
【0151】
追加構成成分
先に説明された構成成分(すなわち、組成物/抽出物、医薬として許容し得る添加剤など)に加え、本局所用組成物は、任意の数の成分/構成成分を含有してよい。例えば一部の実施態様において、本局所用組成物は、添加剤構成成分を含有し、これは1又は複数の添加剤を含んでよい。
【0152】
添加剤構成成分における使用に適した添加剤の例は、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、脂質、ビタミン、炭水化物、核酸、ミネラル、栄養素、抗酸化剤、共生細菌株、脂肪親和性物質、抽出物、濃縮物、油類、ガム、及びそれらの組合せを含む。ある種の実施態様において、この添加剤構成成分は、香味剤、染料、流動性改良剤、保存剤、充填剤、結合剤、分散剤、可溶化剤、補助栄養素、賦形剤、緩衝液、滑沢剤、甘味料、湿潤剤、又はそれらの任意の組合せを含む。好適な添加剤の特定の例は、ビタミンA、ビタミンD、カルシウム、メチルセルロース、レシチン、リゾレシチン、及び長鎖脂肪族アルコールを含む。特定の実施態様において、この添加剤構成成分は、担体、例えば消費可能な担体、栄養的担体、及び/又は医薬としての担体、又はそれらの混合物を含む。
【0153】
ある種の実施態様において、本局所用組成物の添加剤構成成分は、以下の1又は複数を含有する:賦形剤、例えば希釈剤及び結合剤など;造粒剤;流動促進剤(又は流動性補助剤);充填剤;滑沢剤;安定剤;増量剤;固化防止剤;コーティング剤;崩壊剤;香料;天然又は人工の甘味料;香味料;及び色素;アルコール、例えばエタノール、プロピルアルコール及びベンジルアルコールなど;グリセリン;三酢酸グリセリル;鉱油;水;シリコーン、例えばシリコーン油など;二酸化ケイ素;ワックス、例えばカルナバワックス及び蜜ろうなど;脂肪族エステル及び脂肪族アルコール;イナゴマメ;コーンシロップ、例えば加水分解された固形コーンシロップなど;セルロース、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、微結晶セルロース、及び粉末化セルロースなど;フルクトース;マルトデキストリン及びマルトール、例えば天然マルトールなど;ソルビトール;保存剤、例えばp-ヒドロ安息香酸エステルなど;ソルビン酸カリウム;安息香酸ナトリウム;流動化剤;ステアリン酸塩、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、及びステアリン酸マグネシウムナトリウムなど;リン酸水素カルシウム;植物油、例えば硬化植物油など;抗酸化剤、例えばアスコルビン酸又はトコフェロールなど;デンプン、例えばトウモロコシデンプン及びジャガイモデンプンなど;グリコール及びポリグリコール;保湿剤;軟化剤;乳化剤;界面活性剤;油類;抽出物;皮膚保護剤;殺菌剤;防腐剤;薬物及び原薬;鎮痛薬化合物;抗-神経痛化合物;抗酸化物質;血液循環促進剤;抗うつ薬化合物;抗-不安症化合物;抗-ストレス化合物;着色剤;充填剤;溶媒;ビヒクル;担体;当業者に公知の他の添加剤型;並びに、それらの組合せを含む。
【0154】
各添加剤は、本局所用組成物において、任意の量で利用されてよく、これは典型的には添加剤の種類、本局所用組成物の製剤、本局所用組成物の所望の最終用途などを基に選択されることは認められる。またある種の添加剤は、当該技術分野の異なる用語の下で分類されてよく、及び異なる分類を有する添加剤と、類似の、重複する、又は異なる機能を有してよいことも、認識される。ある種の実施態様において、各添加剤は、この組成物の総質量を基に0以上~75重量%の量、例えばこの組成物の総質量を基に1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、もしくは75重量%の量で、又はそのような値の任意の2つにより定められる範囲内の量で、本機能性組成物中に存在する。
【0155】
本局所用組成物は、例えばこの組成物の1又は複数の単位投与量を含む、パック(例えば、金属又はプラスチックの箔、ブリスターパックなど)又はディスペンサー装置内などで、単位剤形で提示されてよい。パック又はディスペンサー装置は、投与に関する指示書を伴ってよい。有用な剤形は、当業者によく理解されるであろう方法及び技術により調製することができ、並びに以下に説明されるもののような、バルクもしくは剤形を作製する、追加の成分の使用を含んでよい。例証的薬用量、投与頻度、及び投与の方法が、本明細書において考察されるが、これらは単なる例証であり、この投与量、投与頻度、及び投与様式は、個々の対象、消費者、又は患者の年齢、体重、状態及び反応、並びに本局所用組成物の特定の製剤に従い変動してよいことは理解されるべきである。
【0156】
以下の説明を考慮し理解されるように、本局所用組成物は、任意の形状で、所望の転帰が達成されるように、必要に応じ、毎日、1日数回、又は任意の好適なレジメンで、投与されてよい。本局所用組成物を利用する治療方法において、投与頻度は、予防もしくは改善の所望のレベルを含む、いくつかの要因により左右され得る。一般に例証的レジメンは、例えば朝の投与及び/又は夜の投与を含む、1日1又は2回の本局所用組成物の対象への投与を含む。各投与の間に対象へ投与される本局所用組成物の量(すなわち投与量)は、望ましい結果のレベル、及び利用される具体的局所用組成物、投与される投与量の回数など、いくつかの要因に応じて左右されてよい。
【0157】
概して、本局所用組成物は、治療的又は予防的有効量で投与され、これは、先に紹介したように、例えば対象の治療における(例えば、その状態を改善することによる)、特定の治療的及び/又は予防的効果を達成するために必要とされる組成物(例えば本実施態様の局所用組成物)の量(すなわち分量)に関する。同様に、本明細書において使用される用語「生理的有効量」は、所望の生理的効果を達成するために必要とされる組成物(例えば、本実施態様の局所用組成物)の量に関する。そのような有効量は典型的には、時間にわたる本局所用組成物の量(例えば、g/日、mg/日など)に関して測定及び/又は表現されるが、単位g/kg/日により表現されるように、対象の体重(例えばkg)を組み込んでもよい。典型的には本局所用組成物は、抽出物(すなわちそれらの植物化合物)を対象へ提供するのに有効な量で投与される。ある種の実施態様において、本局所用組成物は、対象の状態を改善するのに有効な量で投与される。これら又は他の実施態様において、本機能性組成物は、本明細書記載のもののいずれかを含む、対象の少なくとも2つの状態を改善するのに有効な量で投与される。
【0158】
活性量/濃度
本局所用組成物は、本明細書記載の任意の形状で、任意の量の抽出物を含有してよく、これは典型的には、その中の特定の植物化合物含有量(例えば、ゲルマナイスムB又はイリフロレンタル及び/又はイリパリダル)の性質により制限されるであろう。具体的には、毎日の曝露限度は、数多くの規制機関/所管機関により特定され、並びにそのような化合物の生物学的効果の理解の増加を基に、定期的に調査され且つ更新される。従って、本局所用組成物中に存在するいずれか所定の植物化合物の特定の量及び限度は、効能とは関わりなくとも、変更されることがある(すなわち、より強力な含有量が法律又は規則により禁止される)。
【0159】
先に記載した本局所用組成物の形状に加え、本組成物は、対象への真皮への(又は真皮経由の)送達/投与のために製剤化されてよいことは認められるであろう。そのような実施態様において、本局所用組成物は、軟膏、貼付剤(すなわち経真皮貼付剤)、皮内インプラント、皮下インプラント、又は経真皮インプラントの中、その上、それらと一緒に及び/又はそれらとしての使用のための形状で調製されてよい。本明細書において使用される「真皮送達」又は「真皮投与」は、医薬剤形が、真皮(すなわち、表皮(これと共に皮膚を形成する)と皮下組織の間の皮膚層)へ又はこれを通して取り込まれる、投与経路を指す。経真皮貼付剤は典型的には、皮膚を通し及び対象の血流に、植物化学物質メラニン形成刺激剤又は阻害剤(A/B)の具体的投与量を送達するために、皮膚の上に配置される、薬用接着性貼付剤として提供される。そのような貼付剤は、当該技術分野において公知であり、並びに一般に対象へ治療的投与経路を提供するために、本機能性組成物と共に利用されてよい。
【0160】
様々な形状の本局所用組成物が、以下の例証的組成物を考慮し、最も良く理解されるであろう。そのような組成物は、具体的塗布及び/又は投薬レジメンのためにあつらえられてよく、これは当業者により容易に理解されるであろう。
【0161】
このパーソナルケア組成物は、手によるか又はアプリケーター(例えば、ブラシ又はスプレイヤー)での、ヒトの体(例えば皮膚又は毛髪)への塗布を介してなどの、任意の方法により使用されることができる。一部の実施態様において、このパーソナルケア組成物は、そのような塗布後に、例えば、洗浄、拭き取り、剥離、及び同類のものなど、又はそれらの組合せにより、除去されることが、意図されてよい。
【0162】
本局所用組成物により状態を改善する(例えば、治療する、予防する)方法(「治療方法」)もまた、提供される。この治療方法は、対象から生物学的反応を誘起するために有効な量で、本局所用組成物を、対象へ投与することを含む。ある種の実施態様において、治療方法は、例えばパーソナルケア製品の形状で、本局所用組成物を対象へ局所的に投与することを含む。
【実施例1】
【0163】
本開示の実施態様を例示している、下記実施例は、本発明を例示することを意図し、本発明を限定することを意図しない。別に注記しない限りは、全ての反応は、大気下で実行され、並びに全ての溶媒、基質、及び試薬は、様々な商業的供給業者から、購入又はそうでなければ入手され、並びに受け取った状態で利用した。全ての構成成分は、通常の組合せ経路に従い、混合又は配合される。
【0164】
アイリス植物生育
認証:アイリス・フロレンティーナL.標本は、商業的苗床(Companion Plants、Athens、Ohio)から入手し、並びに有機農業の実践を使用し、Grant County、Washington Stateにおいて生育した。
【0165】
植物形態学的特長の検証は、アイリス・フロレンティーナL.として標本が本物であることを確認するのを補助するために、American Iris Societyにより提供されたベンチマークを使用し行った。数種の標本から得られた抽出物のHPTLC植物化学物質プロファイルはまた、認証実験室(Alkemist Labs、Costa Mesa、CA)によっても試験し、並びにアイリス・ゲルマニカのプロファイルと一致することがわかった。
【0166】
ユニバーサル植物DNA試験(DNA Species Identification SOP AT-SP-278-7、NSF Authentechnologies、Petaluma、CA)を使用する更なる試験は、標本は、アイリス・フロレンティーナ及びアイリス・ゲルマニカと一致することを確認した。
【0167】
この植物化学物質プロファイル及びDNA試験は、最終的に、アイリス・フロレンティーナをアイリス・ゲルマニカから識別することはできなかったので、全ゲノム配列決定を使用する更なる比較検証を行った。葉緑体DNA配列を、いくつかの異なるアイリス・ゲルマニカ栽培品種とアイリス・フロレンティーナ標本に関する一塩基多型(SNP)の配置のために使用した。21位置を、アルゴリズム検索において最初に同定し、並びに11を、観察により確認した。プライマーは、これらの配列の5について開発し、DNA試験に使用した。これらのうち3つのSNPは、アイリス・フロレンティーナ標本を、試験した他のアイリス・ゲルマニカ変種からうまく識別した。
【0168】
根茎の洗浄プロセス:
根茎を、毛根と共に圃場から掘り出し、土壌は依然付着していた。根茎及び根を、5ガロンのバケツ中で、Irrigation District社(Ephrata、WA)により供給されるコロンビア川からの飲料水を用い、洗浄した。洗浄後、毛根を、ハンドクリッパーを用い、取り除いた。根茎を、2~5mmの薄片に、多くの根茎が植物から除去されるまで、台所用ナイフを用い、手でスライスした。
【0169】
溶媒抽出のために試験したプロセス範囲:
抽出溶媒範囲:様々な抽出条件を、評価し、及び抽出収率を基に査定した。
【0170】
第一の抽出は、水中0~30%エタノールの範囲にわたって試験した。0%EtOH(100%水)で、非常にわずかなゲルマナイスムが、第一の抽出物と共に抽出され、第二の抽出物中のイリフロレンタルもより少なく生じた。第一抽出物(70%水)中30%エタノールで、高量のゲルマナイスムBが、第一の抽出物中に抽出されたが、イリフロレンタルは第二の抽出物中で減少した。15:85のEtOH/H2Oを使用する第一の抽出は、皮膚-美白抽出物について最良と決定された。30:70のEtOH/H2Oを使用する第一の抽出は、皮膚の濃色化抽出物について最良と決定された。最良のバランスは、15:85のEtOH/H2O溶媒系であるとも決定され、これは第一の抽出物中のゲルマナイスムBの測定可能な量を除去する一方で、第二の抽出物中に最大濃度のイリフロレンタルを生じた。
【0171】
第二の抽出は、水中70~84%エタノールの範囲にわたって試験した。全ての抽出は、類似の結果をもたらし、従って70%(すなわち、70:30のEtOH/H2O)を経済的に選択した。
【0172】
第二の抽出物+ININの混合時間:20、40、及び60分間で試験し、マーカーレベルについて類似の結果を伴った。30分間を、更なる分析のための中間点として選択した。
【0173】
抽出時間、温度、及び原材料/溶媒比:時間は60~120分間、温度は100~140°F、及び原材料:溶媒比は、1:8~1:10で、評価した。
【0174】
わずかに多い物質を、1:10比で120分間かけて抽出し、並びにこれらのパラメータを、更なる作業のために選択した。注意すべきは、温度が低下すると、抽出からの収率は低下するので、従って140°Fを利用した。
【0175】
第一及び第二の抽出物の間の原材料の水洗浄の追加(下記表1の方法#3)は、ゲルマナイスムの濃度を減少し、イリフロレンタルの濃度を増加し、第二の抽出物(美白成分)についての低下した収率のマイナス面を伴った。方法#1は、好ましい収率と共に、良いバランスの効果的美白を提供した。
【0176】
第一の抽出は、非常にわずかなイリフロレンタルを除去するが、類似の濃度のゲルマナイスムBを有する。下記表1の3列参照。これは、第二の抽出物中のゲルマナイスムB濃度を低下することを補助し、第二の抽出物の美白活性及び第一の抽出物の濃色化活性を可能にすることを示している。
【表1】
【0177】
これらの抽出物を調製するために利用された抽出方法における変動は、
図5-7のフローダイヤグラムに例示している。
【0178】
CO
2
による超臨界流体抽出(SCFE)に関し試験したプロセス範囲:
温度は常に55℃で、試験した範囲は80~200barで、抽出時間は15~60分間で、共-溶媒として20%エタノールを伴う及び伴わず、充填したカラム、対、非充填カラムであった。
【0179】
最良の結果(3d組織モデルを基にした)を、非充填カラムで、200barで60分間及びCO2のみ、又は20%エタノール共溶媒の、100~200barの非充填カラムのいずれかで得た。CO2と共に共溶媒としてエタノールを使用することにより、類似の結果が、より低い圧力で得られた。
【0180】
抽出物を調製するために利用したSCFE-ベースの方法は、
図8のフローダイヤグラムに例示している。
【0181】
LC及びLCMS
試薬:水、アセトニトリル、及びイソプロパノールは、Fisher Scientific社からのOptima LC-MS等級であった。ギ酸は、Sigma-Aldrich社からのLC-MS等級であった。移動相溶媒は、水中0.1%ギ酸溶液(溶媒A)又はアセトニトリル(溶媒B)として調製した。DMSOは、Fisher Scientific社からのHPLC等級であった。ゲルマナイスムB及びイリフロレンタルの参照標準は、ミシシッピ大学のCenter for Natural Products Researchにより、アイリス・フロレンティーナL.根茎の抽出物から単離し、1H及び13C NMR、及び高解像度質量分析により構造確認した。
【0182】
器具の使用:液体クロマトグラフィー-質量分析(LC-MS)及びバイオアッセイ誘導の分別(BDF)を、Acquity H-クラスUPLCを装着した、Waters Synapt G2器具を使用し、行った。カラムからの流出液は、フォトダイオードアレイ検出器(PDA)へ向かわせ、引き続き質量分析計のエレクトロスプレー(ES)イオン化給源へ向かわせた。UVデータは、200~800nmの1.2nm解像度、サンプリング速度5スキャン/秒で、獲得した。質量スペクトルデータは、陽イオンモード及び陰イオンモードの両方で、20,000分解能(FWHM)で、m/z 50-1200から、0.25スキャン/sで収集した。各試行内で、交互の低エネルギー(4V)及び高エネルギー(20V)の衝突が誘導した解離スキャンを、衝突ガスとしてアルゴンを用い(MSeモード)、収集した。ロイシン-エンケファリンを、正確な質量分析のためのロックマスとして使用した。
【0183】
LC-MS分析。試料抽出物を、DMSO中に10mg/mLで調製し、20分間音波処理し、可溶化させた。プロセス試料を、イソプロパノール中1:10で希釈した。全ての試料を、0.2μm Whatman Anotop 25シリンジフィルターを通して、アッセイのための自動サンプラーバイアルへと濾過した。カラムは、Waters Acquity HSS T3、1.8μm、2.1×100mmであり、並びにカラム炉は、40℃に維持した。溶媒プログラムは、以下のように線形に傾斜させた:0時の90%A/10%B、6分で100%B、8分まで100%Bを維持、その後8.01分で90%A/10%B、並びに10分まで90%A/10%Bを維持。流量0.4mL/分及び注入容積2μLを使用した。化合物の暫定的同定は、プロトン化された(又は脱プロトン化された)分子について決定された正確な質量を基に、及びオンラインの質量スペクトルのデータベースとの比較により、行った。同定された化合物は、下記表2に示す。
【表2】
【0184】
バイオアッセイ誘導の分別(BDF)
試料抽出物を、DMSO中50mg/mLで調製し、20分間音波処理した。次に試料溶液を、0.2μm Whatman Anotop 25シリンジフィルターを通して、アッセイのための自動サンプラーバイアルへと濾過した。LC-MSシステムを、UV検出器及びMSイオン給源の間に配置された10:1スプリッターを組み込むように改変した。LC流出液の大半は、各試行の最初の32分間それへ20秒/ウェル間隔の時間で、画分が収集される、96-ディープウェルプレートを備えた、Waters Fraction Collector IIへ向けた(96ウェル/試行)。LCカラムは、外界温度(22℃)で維持された、XBridge Shield RP18、5μm、4.6×250mmであった。溶媒プログラムは、以下のように線形に傾斜させた:0時の95%A/5%B、30分で100%B、32分まで100%Bで維持、その後32.1分で95%A/5%B、並びに36分まで95%A/5%Bで維持。流量0.8mL/分及び注入容積10μL/注入(0.5mg固形物/注入)を使用した。4回の連続LC試行の流出液を、プレート毎に収集した(2mg固形物/プレート)。その後プレートを、窒素下、40℃で乾燥させ、アセトニトリルを除去し、並びに残留水を凍結乾燥により除去した。プレートを、色素沈着反応についてアッセイするまで、-80℃で貯蔵した。
【0185】
BDFの結果は、
図2に示し、260nmでのLC-UVクロマトグラムAは、植物化学物質ピークプロファイルを示し、並びに時間で並べた棒グラフB(各バーは、20秒間収集したLC流出液からの画分を表す)は、B16細胞培養アッセイを使用する色素沈着反応を示している。増加した色素沈着が、ゲルマナイスムB(3)に対応する画分について認められ、並びに減少した色素沈着が、イリフロレンタル(9)及びイリパリダル(10)に対応する画分から得られた。
【0186】
細胞培養
初代細胞及び株化細胞を、5%CO2の湿潤大気中、37℃で、成長させた。ATCC(Manassas、VA、USA)から得たB16-F10(B16)細胞を、10%ウシ胎仔血清(FBS)及び1%P/S溶液、100×を補充した、4.5g/Lグルコース、L-グルタミン、ピルビン酸ナトリウムを含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)において、培養した。これらの細胞を、各々集密度が70%を超えないよう、T75フラスコにおいて、3~4日間継代培養し、通常の成長を維持した。第四と第六の継代間で、実験を行った。
【0187】
ヒト表皮性メラノサイト新生児性暗色色素沈着した(HEMn-DP)細胞を、Thermo Fisher Scientific社(Waltham、MA、USA)から入手し、並びに60μMカルシウムを含み、1%ヒトメラノサイト成長補給物(Thermo Fisher Scientific社)及び1%ペニシリン-ストレプトマイシン(P/S)溶液、100×(Corning社、Manassas、VA、USA)を補充した254培地において、維持した。細胞を、T75及びT150フラスコにおいて培養し、集密度80%になる前まで継代した。第四と第六の継代間で、実験を行った。
【0188】
B16メラニン含有量アッセイ
B16細胞(6000個細胞/ウェル)を、96-ウェルプレートにおいて、10%FBS及び1%P/Sを補充したDMEM培地内で、24時間継代培養した。処置のために、細胞を、10%FBS、1%P/S、2mM L-グルタミン、及び50nMα-MSH(Sigma社、St.Louis、MO、USA)を補充したDMEM-フェノールフリー培地0.2ml中で、ビヒクル又は被験物質で、96時間処理した。405nmでの吸光度を測定し、MTT(3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド)アッセイを行い、細胞の生存度を試験した。相対メラニン含有量を、%細胞生存度で規準化した。
【0189】
HEMn-DPメラニン含有量アッセイ
HEMn-DP細胞(300,000個細胞/ウェル)を、6-ウェルプレートにおいて、成長培地中で継代培養した。24時間のインキュベーション後、これらの細胞を、ビヒクル対照及び被験物質により、1日目及び4日目に、処理した。7日目に、成長培地を除去し、これらの細胞を、溶解緩衝液(Thermo Fisher Scientific社)を用いて溶解した。溶解した細胞を、10,000gで10分間遠心分離し、ペレットを、エタノール:エーテル(1:1)溶液で洗浄した。ペレットを乾燥させ、次に2NのNaOH中に、80℃で1時間可溶化させた。これらの抽出物を、96-ウェルプレートへ移し、総メラニン含有量を、M5 Spectramaxプレートリーダーにより、405nmで測定した。細胞生存度を、PrestoBlue(Thermo Fisher Scientific社)を製造業者のプロトコールに従い、決定した。
【0190】
このアッセイの結果を、
図3に示し、ここでPTUは、プロピルチオウラシル、標準のメラニン形成阻害剤である。
【0191】
ヒト皮膚等価物の維持及び治療
アフリカ系アメリカ人の皮膚(MEL-B)から誘導された、MelanoDerm(商標)皮膚等価物(Mattek社、Ashland、MA)を、5%CO2を含む、37℃のインキュベーターに配置した。これらの組織を、LLMM培地において維持した。被験物質を、ビヒクル対照溶液(90%PBS+5%EtOH+5%プロピレングリコール)中に、所望の濃度で溶解した。3時間のインキュベーション後、ビヒクル対照及び被験物質の25μLを、0、1、3、6、8、10、及び13日目に、皮膚等価物に、局所的に塗布した。これらの組織を、これらの処置間で、PBSにより洗浄し、1日おきに新鮮な培地5mlを補充した。14日目に、これらの組織を、目視分析、メラニン抽出及び細胞傷害性アッセイのために収集した。
【0192】
ヒト皮膚等価物の細胞生存度アッセイ
ビヒクル対照及び被験物質(25μl)を、MEL-Bへ、0、1、3、6、8、10、及び13日目に局所的に塗布した。未処置の試料を、陰性対照として使用した。14日目に、組織を、PBSですすぎ、24ウェルプレートに配置した。MTTの2mg/ml溶液を調製し、この溶液0.3mlを、ウェルに添加した。3時間のインキュベーション後、組織を、イソプロパノール3.0mlを含有する6-ウェルプレートへ移した。これらのプレートを、-20℃で一晩貯蔵し、その後少なくとも2時間室温で振盪させた。この抽出物溶液を、570nmで測定した。
【0193】
ヒト皮膚等価物のメラニン含有量アッセイ
処置したMEL-B中のメラニン含有量を、先に報告したように決定した。簡単に述べると、凍結した組織を、1%SDS、50μM EDTA、及び10mMトリス、pH6.8の溶液0.38ml中に浸漬させ、並びに20μlのプロテアーゼKを、5mg/mlで添加した。消化を、45℃で一晩進行させ、追加の20μlのプロテアーゼKを添加し、更に4時間インキュベーションした。その後、500mM炭酸ナトリウムの40μl及び30%H2O2の10μlを、これらのホモジネートに添加した。これらの試料を、80℃で30分間インキュベーションし、室温に冷却した。クロロホルム/メタノール(2:1)混合物を調製し、100μlを試料へ添加した。10,000gで30分間遠心分離した後、一番上の相を収集し、光学密度を、450nmで測定した。合成メラニン(Sigma-Aldrich社)を、対照として同じ手順に供し、標準曲線を作製した。
【0194】
【0195】
セラム組成物
組織モデル試験のための一連のセラム処方を、下記表3に示したように調製した。
【表3】
【0196】
パーソナルケア製品
パーソナルケア製品として製剤化された局所用組成物の様々な実施例を、以下に提供する。
【0197】
皮膚美白
製剤実施例1:顔用泡クレンザー。皮膚美白のための顔用泡クレンザーの形状のパーソナルケア製品組成物は、下記表4に示した構成成分及びパラメータを使用し、調製される。
【表4】
【0198】
製剤実施例2:顔用柔軟ローション/化粧水。皮膚美白のための顔用柔軟ローション/化粧水の形状のパーソナルケア製品組成物は、下記表5に示した構成成分及びパラメータを使用し、調製される。
【表5】
【0199】
製剤実施例3::顔用複合セラム濃縮物。皮膚美白のための顔用複合セラム濃縮物の形状のパーソナルケア製品組成物は、下記表6に示した構成成分及びパラメータを使用し、調製される。
【表6】
【0200】
製剤実施例4:顔のシミ用エッセンス濃縮物。皮膚美白のための顔のシミ用エッセンス濃縮物の形状のパーソナルケア製品組成物は、下記表7に示した構成成分及びパラメータを使用し、調製される。
【表7】
【0201】
製剤実施例5:顔のシミ用コレクタートリートメント。皮膚美白のための顔のシミ用コレクタートリートメントの形状のパーソナルケア製品組成物は、下記表8に示した構成成分及びパラメータを使用し、調製される。
【表8】
【0202】
製剤実施例6:顔用乳白乳剤/モイスチャライザー。皮膚美白のための顔用乳白乳剤/モイスチャライザーの形状のパーソナルケア製品組成物は、下記表9に示した構成成分及びパラメータを使用し、調製される。
【表9】
【0203】
製剤実施例7:顔用保湿クリーム。皮膚美白のための顔用保湿クリームの形状のパーソナルケア製品組成物は、下記表10に示した構成成分及びパラメータを使用し、調製される。
【表10】
【0204】
皮膚濃色化
製剤実施例8:サンレスタンニングスプレー。皮膚の濃色化のためのサンレスタンニングスプレーの形状のパーソナルケア製品組成物は、下記表11に示した構成成分及びパラメータを使用し、調製される。
【表11】
【0205】
製剤実施例9:2相セルフ-タンニングムース。皮膚の濃色化のための2相セルフ-タンニングムースの形状のパーソナルケア製品組成物は、下記表12に示した構成成分及びパラメータを使用し、調製される。
【表12】
【0206】
製剤実施例10:サンレスタンニング乳白乳剤。皮膚の濃色化のためのサンレスタンニング乳白乳剤の形状のパーソナルケア製品組成物は、下記表13に示した構成成分及びパラメータを使用し、調製される。
【表13】
【0207】
製剤実施例11:サンレスセルフ-タンニングローション。皮膚の濃色化のためのサンレスセルフ-タンニングローションの形状のパーソナルケア製品組成物は、下記表14に示した構成成分及びパラメータを使用し、調製される。
【表14】
【0208】
製剤実施例12:スムースセルフ-タンニングクリーム。皮膚の濃色化のためのスムースセルフ-タンニング・クリームの形状のパーソナルケア製品組成物は、下記表15に示した構成成分及びパラメータを使用し、調製される。
【表15】
【0209】
製剤実施例13:サンバター後のスムージング。皮膚の濃色化のためのサンバター後のスムージングの形状のパーソナルケア製品組成物は、下記表16に示した構成成分及びパラメータを使用し、調製される。
【表16】
【0210】
製剤実施例14:加齢シミ用セラム。加齢シミ(Age Spot)用セラムを、下記表17に示した構成成分及びパラメータを使用し、調製した。第一相、パートAにおいて、精製水を容器に添加した。次にアクリレート/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマーを、水の表面にまき散らした。その後アクリレート/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマー粉末を湿らせ、容器の底に沈殿させ、パートA混合物を形成した。次にパートA混合物を、機械的に掻き混ぜた。パートA混合物を、75~80℃まで加熱し、ブチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、EDTA二ナトリウム、グリシルリチン酸二カリウム、グリセリン(及び)アクリル酸グリセリル/アクリル酸コポリマー(及び)PVM/MAコポリマー、水素添加レシチン、クロルフェネシン、カプリリルグリコール、及びナイアシンアミドを、パートA混合物へ添加した。
【0211】
第二相、パートBにおいて、ジメチコン1.5cstを、容器に添加し、パートB混合物を形成した。パートB混合物を、75~80℃まで加熱し、ジメチコン5cst、フェノキシエタノール、酢酸トコフェロール、dl-α-トコフェロール、ポリメチルシルセスキオキサン、ベヘニルアルコール(及び)ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10(及び)ステアロイル乳酸ナトリウム、並びにバチルアルコールを、パートB混合物へ添加した。
【0212】
第三相において、パートB混合物を、Silversonミル上でホモジナイズ(3,700rpmで4分間)しながら、パートA混合物へ添加し、加齢シミ用セラム混合物を形成した。加齢シミ用セラム混合物を次に、75-80℃で10分間混合した。その後加齢シミ用セラム混合物を、32-50℃に冷却した。50℃で、シチジンを、加齢シミ用セラム混合物に添加した。40℃以下で、リポソームw/セラミド及びβ-シトステロール、水(及び)アセチルグルコサミン(及び)キサンタンガム(及び)コンドラス・クリスパス(カラゲナン)(及び)グルコース、アイリス・フロレンティーナ根抽出物、加水分解されたオプンチア・フィクス・インディカ(Opuntia Ficus-Indica)花抽出物、香料UAK12854/00 Petals及びPearls Mod4、並びに水酸化カリウム(水による45重量%溶液)を、加齢シミ用セラム混合物へ添加した。次に加齢シミ用セラム混合物を、10分間混合し、32-35℃に冷却した。
【0213】
第四相において、精製水を、容器に添加し、アスコルビルグルコシド、クエン酸ナトリウム二水和物、及び水酸化カリウム(水による45重量%溶液)と混合し、プレミックスA混合物を形成した。プレミックスA混合物を、均質になるまで混合し、その後加齢シミ用セラム混合物に添加した。
【表17】
【0214】
製剤実施例15:加齢シミ用コレクター。加齢シミ用コレクターを、下記表18に示した構成成分及びパラメータを使用し、調製した。第一相、パートAにおいて、精製水を、容器に添加した。次に水を、75~80℃まで加熱した。グリセリン、エトキシジグリコール、クエン酸、クエン酸ナトリウム二水和物、EDTA二ナトリウム、グリシルリチン酸二カリウム、水素添加レシチン、クロルフェネシン、センシバSC50、トラネキサム酸、及び水酸化カリウム(水による45重量%溶液)を、全て、加熱した水へ添加し、パートA混合物を形成した。次にpHを、最良の活性安定性のために、6.8~7.2に調節した。
【0215】
第二相、パートBにおいて、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリド、スクワラン、フェノキシエタノール、酢酸トコフェロール、及びポリメチルシルセスキオキサンを、全て容器に添加し、パートB混合物を形成した。パートB混合物を次に、75-80℃まで加熱した。次にアラキジルアルコール(及び)ベヘニルアルコール(及び)アラキジルグルコシド、セテアリルアルコール(及び)セテアリルグルコシド、及びアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンコポリマー(及び)イソヘキサデカン(及び)ポリソルベート80を全て、パートB混合物へ添加した。
【0216】
パートA及びパートB混合物の両方が~80℃の時点で、パートB混合物を、パートA混合物へ、Silverstonミル上で、3,700rpmで4分間かけてゆっくり添加し、加齢シミ用コレクター混合物を形成した。その後加齢シミ用コレクター混合物を、噴射剤混合物へ戻し、32-50℃に冷却した。
【0217】
第三相において、精製水、アスコルビルグルコシド、クエン酸ナトリウム二水和物、及び水酸化カリウム(水による45重量%溶液)を全て、均質になるまで混合し、プレミックスB混合物を形成した。加齢シミ用コレクター混合物が温度50℃になった時点で、プレミックスB混合物を、加齢シミ用コレクター混合物に添加した。加齢シミ用コレクター混合物の温度が40℃以下の時点で、アイリス・フロレンティーナ根抽出物、香料UAK12854/00 Petals及びPearls Mod4、及び水酸化カリウム(水による45重量%溶液)を、加齢シミ用コレクター混合物へ添加した。その後加齢シミ用コレクター混合物を、10分間混合し、~32-35℃まで冷却した。最終の加齢シミ用コレクターを測定したところ、pH6.5-7.5、及び粘度~150,000cPを持っていた。
【表18】
【0218】
添付された請求項は、詳細な説明において説明された、表現及び特定の化合物、組成物、又は方法に限定されず、これらは、添付された請求項の範囲内に収まる特定の実施態様の間で変動してよいことは、理解されるべきである。様々な実施態様の特定の特長又は局面を説明するために本明細書において依存された任意のマーカッシュ群に関して、異なる、特別な及び/又は予想外の結果が、他の全てのマーカッシュメンバーから独立してマーカッシュ群の各メンバーから得られてよい。マーカッシュ群の各メンバーは、個別に又は一緒に、依存してよく、並びに添付された請求項の範囲内の具体的実施態様に関する適切な支援を提供する。
【0219】
用語「含有する」又は「含有」は、「含んでいる」、「含む」、「から本質的になる(なっている)」及び「からなる(なっている)」の見解を意味し且つこれらを包含する、それらの最も広範な意味で、本明細書において使用される。具体例を列挙するための「例として」、「例えば」、「など」及び「を含む」の使用は、列挙された例のみには限定されない。従って「例として」又は「など」は、「例として、しかし限定されない」又は「などであるが、限定されない」を意味し、且つ他の類似もしくは同等の例を包含する。本明細書において使用される用語「約」は、機器分析により測定された又は試料の取り扱いの結果としての数値における小さい変動を理にかなうように包含するか又は説明するために役立つ。そのような小さな変動は、その数値の±0-25、±0-10、±0-5、又は±0-2.5%の桁内であってよい。更に、用語「約」は、値の範囲に関連した場合には、両方の数値に適用される。更に用語「約」は、明確に言及されない場合であっても、数値に適用されてよい。
【0220】
更に、本発明の様々な実施態様の説明に依存している任意の範囲及び部分範囲は、独立して及び集合的に添付された請求項の範囲内に収まり、且つ例えそのような値が、本明細書において明確に記載されなくとも、それらの中の整数及び/又は分数を含む、全ての範囲を説明及び意図すると理解される。当業者は、列挙された範囲及び部分範囲は、本発明の様々な実施態様を十分に説明し且つ可能にし、並びにそのような範囲及び部分範囲は、更に該当する1/2、1/3、1/4、1/5などを描くことができることを、容易に認める。単に一例として、「0.1から0.9までの」範囲は、より下側の1/3、すなわち0.1から0.3まで、中間の1/3、すなわち0.4から0.6まで、及びより上側の1/3、すなわち0.7から0.9までを更に描いてよく、これらは個別に且つ集合的に添付された請求項の範囲であり、並びに個別に及び/もしくは集合的に依存し、並びに/又は添付された請求項の範囲内の具体的実施態様に関する適切な支援を提供してよい。加えて、「少なくとも」、「よりも多い」、「未満」、「以下」及び同類のものなど、範囲を限定又は修飾する言葉に関して、そのような言葉は、部分範囲及び/又は上限もしくは下限を含むことは理解されるべきである。別の例として、「少なくとも10」の範囲は、少なくとも10から35までの部分範囲、少なくとも10から25までの部分範囲、25から35までの部分範囲などを本質的に含み、並びに各部分範囲は、添付された請求項の範囲内の具体的実施態様に関する適切な支援に、個別に及び/又は集合的に依存し、且つこれを提供してよい。最後に、開示された範囲内の個々の数値は、添付された請求項の範囲内の具体的実施態様に関する適切な支援に依存し且つこれを提供してよい。例えば、「1から9までの」範囲は、3などの様々な個々の整数、並びに4.1などの、小数点を含む個々の数(又は分数)を含み、これは添付された請求項の範囲内の具体的実施態様に関する適切な支援に依存し且つこれを提供してよい。
【国際調査報告】