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特表2024-522188FGFR阻害剤としての三環式ヘテロ環
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-11
(54)【発明の名称】FGFR阻害剤としての三環式ヘテロ環
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/14 20060101AFI20240604BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20240604BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20240604BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240604BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240604BHJP
   A61P 13/10 20060101ALI20240604BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20240604BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20240604BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20240604BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20240604BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240604BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20240604BHJP
   A61P 11/04 20060101ALI20240604BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20240604BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240604BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240604BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20240604BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20240604BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20240604BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240604BHJP
   A61P 5/06 20060101ALI20240604BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20240604BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20240604BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20240604BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20240604BHJP
   A61K 31/4375 20060101ALI20240604BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240604BHJP
   C12N 9/99 20060101ALI20240604BHJP
   C12N 5/09 20100101ALN20240604BHJP
【FI】
C07D471/14 102
C07D471/14 CSP
C07D519/00 301
A61K31/506 ZNA
A61P43/00 111
A61P35/00
A61P43/00 105
A61P13/10
A61P15/00
A61P1/16
A61P1/04
A61P1/02
A61P25/00
A61P11/02
A61P11/04
A61P13/12
A61P11/00
A61P17/00
A61P1/18
A61P13/08
A61P21/00
A61P35/02
A61P5/06
A61P19/08
A61K31/444
A61K31/5377
A61K31/496
A61K31/4375
A61K45/00
C12N9/99
C12N5/09
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575891
(86)(22)【出願日】2022-06-08
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 US2022032603
(87)【国際公開番号】W WO2022261159
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】63/208,661
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】505193450
【氏名又は名称】インサイト・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】INCYTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】スワイカ,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】スタイデューハー,エバン
(72)【発明者】
【氏名】リィ,シン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェチョルキン,オレグ
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ,ウェンチン
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4B065AA93X
4B065BB13
4B065BC12
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZB212
4C084ZB261
4C084ZC412
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB09
4C086CB22
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA34
4C086ZA59
4C086ZA66
4C086ZA67
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZA94
4C086ZA96
4C086ZB21
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC04
4C086ZC20
(57)【要約】
本開示は、FGFR酵素の阻害剤であり、FGFR関連疾患(がんなど)の治療に有用な三環式ヘテロ環及びその医薬組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】
を有する化合物またはその医薬的に許容可能な塩であって、式中、
が、メチル及びClから選択され、
Cyが、
【化2】
から選択され、
が、CHOH、CHCHOH、CHF、NH、及びCHから選択され、
が、エチル、-(C1-4アルキル)-OH、-(C1-3アルキル)-CN、(C1-3アルキル)-C(O)NH、-(C1-4アルキル)-C(O)N(CH、CHCHS(O)CH、及び下記の基から選択され、
【化3-1】
【化3-2】
2Aが、CH、C(O)CH、C(O)CHOCH、及びC(O)CHOHから選択され、
2Bが、H、CN、CF、及びC(O)N(CHから選択され、
2Cが、H及びFから選択されるが、
但し、前記化合物が、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-メチル-9-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン、
3-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパンニトリル、
1-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパン-2-オール、
2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)アセトニトリル、
(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール、
2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール、
(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-(2-(メチルスルホニル)エチル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール、または
2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)エタン-1-オールではない、前記化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項2】
が、メチルである、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項3】
が、Clである、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項4】
Cyが、Cy-1:
【化4】
である、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項5】
Cyが、Cy-2:
【化5】
である、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項6】
が、CHCHOH、CHF、及びNHから選択される、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項7】
が、CHOH及びCHCHOHから選択される、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項8】
が、CHOHである、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項9】
が、CHFである、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項10】
が、エチル、CH(CH)CHOH、CHCH(CH)OH、CH(CH)CHCN、C(CHCN、CH(CH)CN、C(CHC(O)NH、CHC(O)N(CH、及び下記の基:
【化6】
から選択される、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項11】
が、エチル、-(C1-4アルキル)-OH、-(C1-3アルキル)-CN、(C1-3アルキル)-C(O)NH、-(C1-4アルキル)-C(O)N(CH、及びCHCHS(O)CHから選択される、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項12】
が、下記の基:
【化7-1】
【化7-2】
から選択される、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項13】
が、下記の基:
【化8】
から選択される、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項14】
が、下記の基:
【化9】
から選択される、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項15】
が、下記の基:
【化10】
から選択される、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項16】
2Aが、CHである、請求項1~15のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項17】
2Aが、C(O)CH、C(O)CHOCH、及びC(O)CHOHから選択される、請求項1~15のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項18】
2Bが、CN、CF、及びC(O)N(CHから選択される、請求項1~17のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項19】
2Bが、Hである、請求項1~17のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項20】
2Cが、Fである、請求項1~19のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項21】
2Cが、Hである、請求項1~19のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項22】
式IIa:
【化11】
を有する、請求項1~3及び6~21のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項23】
式IIb:
【化12】
を有する、請求項1~3及び6~21のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項24】
前記化合物が、
(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-(ピリミジン-4-イルメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール、
5-((4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ニコチノニトリル、
5-((4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピコリノニトリル、
4-((4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピコリノニトリル、
(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-((2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール、
(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)フェニル)(モルホリノ)メタノン、
((1S,4S)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル)(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)フェニル)メタノン、
1-(4-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシエタン-1-オン、
1-(4-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オン、
1-(4-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)フェニル)ピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシエタン-1-オン、
(2-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-9-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール、
5-((4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-N,N-ジメチルピコリンアミド、
(3-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)アゼチジン-1-イル)(1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノン、
(3-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)アゼチジン-1-イル)(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)メタノン、
(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-エチル-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール、
2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパンニトリル、
2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパンニトリル、
1-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-2-オール、
2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-N,N-ジメチルアセトアミド、
1-(4-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)エタン-1-オン、
1-(4-(4-(2-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)-2-メトキシエタン-1-オン、
1-(4-(2-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパン-2-オール、
3-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ブタンニトリル、
(R)-2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-1-オール、
(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-((4-フルオロテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール、
3-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)テトラヒドロ-2H-チオピラン1,1-ジオキシド、
1-(3-((4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)アゼチジン-1-イル)-2-メトキシエタン-1-オン、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-9-(1-(2-(メチルスルホニル)エチル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン、
2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ジフルオロメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)アセトニトリル、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-9-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン、
2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ジフルオロメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)エタン-1-オール、
2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ジフルオロメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパンニトリル、
2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ジフルオロメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパンアミド、
2-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)エタン-1-オール、及び
2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-アミン、
または上記いずれかのものの医薬的に許容可能な塩から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
請求項1~24のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩と、医薬的に許容可能な担体または医薬品添加物と、を含む医薬組成物。
【請求項26】
FGFR3酵素の阻害方法であって、前記酵素に、請求項1~24のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩を接触させることを含む、前記方法。
【請求項27】
患者におけるがんの治療方法であって、請求項1~24のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩を、治療的に有効な量で前記患者に投与することを含む、前記方法。
【請求項28】
患者におけるがんの治療方法であって、別の治療法または治療剤と組み合わせて請求項1~24のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩を、治療的に有効な量で前記患者に投与することを含む、前記方法。
【請求項29】
前記がんが、腺癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、胆管癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、胆嚢癌、胃癌、神経膠腫、頭頸部癌、肝細胞癌、腎癌、肝癌、肺癌、黒色腫、卵巣癌、膵癌、前立腺癌、横紋筋肉腫、皮膚癌、甲状腺癌、白血病、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性リンパ腫、成人T細胞白血病、B細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、ヘアリー細胞リンパ腫、及びバーキットリンパ腫から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記がんが、腺癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、胆管癌、子宮内膜癌、胃癌、神経膠腫、頭頸部癌、肺癌、卵巣癌、白血病、及び多発性骨髄腫から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
患者における骨格障害または軟骨細胞障害の治療方法であって、請求項1~24のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩を治療的に有効な量で前記患者に投与することを含む、前記方法。
【請求項32】
前記骨格障害または前記軟骨細胞障害が、軟骨無形成症、軟骨低形成症、小人症、タナトフォリック骨異形成症(TD)、アペール症候群、クルーゾン症候群、ジャクソン・ワイス症候群、ベア・スティーブンソン・キューティス・ジャイラタ症候群、ファイファー症候群、及び頭蓋骨癒合症候群から選択される、請求項31に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、FGFR酵素の阻害剤であり、FGFR関連疾患(がんなど)の治療に有用な三環式ヘテロ環及びその医薬組成物に関する。
【0002】
配列表
本出願は、「Sequence_Listing.txt」という名称のASCIIテキストファイルとして電子的に提出されている配列表を含む。ASCIIテキストファイルは、2022年6月6日に作成されたものであり、そのサイズは1キロバイトである。ASCIIテキストファイル中の内容は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)は、線維芽細胞増殖因子(FGF)リガンドに結合する受容体型チロシンキナーゼである。リガンドに結合可能であり、組織発達、血管新生、創傷治癒、及び代謝制御を含む多くの生理学的プロセスの制御に関与するFGFRタンパク質は4つ存在する(FGFR1~4)。リガンドが結合すると受容体は二量体化し、リン酸化が生じてタンパク質キナーゼ活性が刺激され、多くの細胞内ドッキングタンパク質が動員される。こうした相互作用は、細胞の成長、増殖、及び生存に重要な一連の細胞内シグナル伝達経路(Ras-MAPK、AKT-PI3K、及びホスホリパーゼCを含む)の活性化を促進する(Eswarakumar et al.Cytokine & Growth Factor Reviews,2005,16,139-149に概説されている)。FGFリガンドもしくはFGFRの過剰発現またはFGFR中の変異の活性化のいずれかを介してこの経路が異常に活性化されると、腫瘍の形成、進行、及び従来のがん治療への抵抗性が生じ得る。ヒトのがんでは、リガンド非依存性の受容体活性化を引き起こす遺伝子変化(遺伝子増幅、染色体転座、及び体細胞変異を含む)が報告されている(Knights and Cook,Pharmacology & Therapeutics,2010,125,105-117、Turner and Grose,Nature Reviews Cancer,2010,10,116-129に概説されている)。多くのがんでFGFR遺伝子が変化することが、数千の腫瘍試料の大規模なDNAシークエンシングから明らかになっている(Helsten et al.Clin Cancer Res.2016,22,259-267)。こうした活性化変異のいくつかは、骨異形成症候群を引き起こす生殖細胞系列変異と同一である(Gallo et al.Cytokine & Growth Factor Reviews 2015,26,425-449)。ヒト疾患において異常なリガンド依存性シグナル伝達を引き起こす機序には、FGFの過剰発現、及びリガンド結合能力の乱雑性が増した受容体を生じさせるFGFRスプライシングの変化が含まれる。したがって、FGFまたはFGFR活性が上昇している疾患の臨床的治療には、FGFRを標的とする阻害剤を開発することが有用であり得る。
【0004】
FGF/FGFRが関与するがん型には、限定されないが、癌種(例えば、膀胱、乳房、結腸直腸、子宮内膜、胃、頭頸部、腎臓、肺、卵巣、前立腺)、造血器悪性腫瘍(例えば、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、及び骨髄増殖性新生物)、ならびに他の新生物(例えば、神経膠芽腫及び肉腫)が含まれる。発がん性新生物での役割に加えて、FGFR活性化は、骨格障害及び軟骨細胞障害(限定されないが、軟骨無形成症及び頭蓋骨癒合症候群を含む)にも関与している。
【0005】
がんを治療するための新たな薬物を開発することへのニーズが継続的に存在しており、本明細書に記載のFGFR阻害剤はこのニーズの対処に役立つ。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、式I:
【化1】
を有する化合物またはその医薬的に許容可能な塩を対象とし、式中、構成可変部は本明細書に定義される。
【0007】
本開示は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩と、少なくとも1つの医薬的に許容可能な担体と、を含む医薬組成物をさらに対象とする。
【0008】
本開示は、FGFR酵素(例えば、FGFR3酵素)の阻害方法をさらに対象とし、この方法は、酵素を式(I)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩と接触させることを含む。
【0009】
本開示は、FGFR酵素(例えば、FGFR3酵素)の異常な活性または発現と関連する疾患の治療方法をさらに対象とし、この方法は、それを必要とする患者に対して式(I)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩を投与することを含む。
【0010】
本開示は、FGFR酵素(例えば、FGFR3酵素)の異常な活性または発現と関連する疾患の治療における使用のための式(I)の化合物をさらに対象とする。本開示は、治療における使用のための薬剤の調製における式(I)の化合物の使用をさらに対象とする。
【0011】
本開示は、FGFR酵素(例えば、FGFR3酵素)またはその変異体によって媒介される障害の治療を必要とする患者における当該障害の治療方法をさらに対象とし、この方法は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容可能な組成物を当該患者に投与するステップを含む。
【0012】
本開示は、FGFR酵素(例えば、FGFR3酵素)またはその変異体によって媒介される障害の治療を必要とする患者における当該障害の治療方法をさらに対象とし、この方法は、式(I)の化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩、または式(I)の化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩を含む組成物を、本明細書に記載の別の治療または治療剤と組み合わせて患者に投与するステップを含む。
【発明を実施するための形態】
【0013】
化合物
一態様では、本開示は、式I:
【化2】
の化合物またはその医薬的に許容可能な塩を提供し、式中、
は、メチル及びClから選択され、
Cyは、
【化3】
から選択され、
は、CHOH、CHCHOH、CHF、NH、及びCHから選択され、
は、エチル、-(C1-4アルキル)-OH、-(C1-3アルキル)-CN、(C1-3アルキル)-C(O)NH、-(C1-4アルキル)-C(O)N(CH、CHCHS(O)CH、及び下記の基から選択され、
【化4-1】
【化4-2】
2Aは、CH、C(O)CH、C(O)CHOCH、及びC(O)CHOHから選択され、
2Bは、H、CN、CF、及びC(O)N(CHから選択され、
2Cは、H及びFから選択されるが、
但し、化合物は、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-メチル-9-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン、
3-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパンニトリル、
1-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパン-2-オール、
2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)アセトニトリル、
(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール、
2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オール、
(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-(2-(メチルスルホニル)エチル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール、または
2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)エタン-1-オールではない。
【0014】
いくつかの実施形態では、Rは、メチルである。
【0015】
いくつかの実施形態では、Rは、Clである。
【0016】
いくつかの実施形態では、Cyは、Cy-1:
【化5】
である。
【0017】
いくつかの実施形態では、Cyは、Cy-2:
【化6】
である。
【0018】
いくつかの実施形態では、Rは、CHCHOH、CHF、及びNHから選択される。
【0019】
いくつかの実施形態では、Rは、CHOH及びCHCHOHから選択される。
【0020】
いくつかの実施形態では、Rは、CHOHである。いくつかの実施形態では、Rは、CHCHOHである。いくつかの実施形態では、Rは、CHFである。いくつかの実施形態では、Rは、NHである。いくつかの実施形態では、Rは、CHである。
【0021】
いくつかの実施形態では、Rは、エチル、CH(CH)CHOH、CHCH(CH)OH、CH(CH)CHCN、C(CHCN、CH(CH)CN、C(CHC(O)NH、CHC(O)N(CH、及び下記の基から選択される。
【化7】
【0022】
いくつかの実施形態では、Rは、エチル、-(C1-4アルキル)-OH、-(C1-3アルキル)-CN、(C1-3アルキル)-C(O)NH、-(C1-4アルキル)-C(O)N(CH、及びCHCHS(O)CHから選択される。
【0023】
いくつかの実施形態では、Rは、エチル、CH(CH)CHOH、CHCH(CH)OH、CH(CH)CHCN、C(CHCN、CH(CH)CN、C(CHC(O)NH、及びCHC(O)N(CHから選択される。
【0024】
いくつかの実施形態では、Rは、下記の基から選択される。
【化8-1】
【化8-2】
【0025】
いくつかの実施形態では、Rは、下記の基から選択される。
【化9】
【0026】
いくつかの実施形態では、Rは、下記の基から選択される。
【化10】
【0027】
いくつかの実施形態では、Rは、下記の基から選択される。
【化11】
【0028】
いくつかの実施形態では、R2Aは、CHである。
【0029】
いくつかの実施形態では、R2Aは、C(O)CH、C(O)CHOCH、及びC(O)CHOHから選択される。
【0030】
いくつかの実施形態では、R2Bは、CN、CF、及びC(O)N(CHから選択される。
【0031】
いくつかの実施形態では、R2Bは、Hである。
【0032】
いくつかの実施形態では、R2Cは、Fである。
【0033】
いくつかの実施形態では、R2Cは、Hである。
【0034】
一態様では、本開示は、式I:
【化12】
の化合物またはその医薬的に許容可能な塩を提供し、式中、
は、メチル及びClから選択され、
Cyは、
【化13】
から選択され、
は、CHOH、CHCHOH、CHF、NH、及びCHから選択され、
は、エチル、-(C1-4アルキル)-OH、-(C1-3アルキル)-CN、(C1-3アルキル)-C(O)NH、-(C1-4アルキル)-C(O)N(CH、CHCHS(O)CH、及び下記の基から選択され、
【化14-1】
【化14-2】
2Aは、CH、C(O)CH、C(O)CHOCH、及びC(O)CHOHから選択され、
2Bは、H、CN、CF、及びC(O)N(CHから選択され、
2Cは、H及びFから選択されるが、
但し、
(a)RがCHである場合、Rは、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル以外であり、
(b)RがCHOHであり、かつRがClである場合、Rは、CHCN、CHCHCN、CHC(CHOH、C(CHCHOH、CHCHOH、CHCHS(O)CH、及び
【化15】
以外である。
【0035】
一態様では、本開示は、式IIa:
【化16】
の化合物またはその医薬的に許容可能な塩を提供し、式中、R、R、及びRは、本明細書に定義される通りである。
【0036】
一態様では、本開示は、式IIb:
【化17】
の化合物またはその医薬的に許容可能な塩を提供し、式中、R、R、及びRは、本明細書に定義される通りである。
【0037】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物が本明細書で提供され、式中、
は、メチル及びClから選択され、
Cyは、
【化18】
から選択され、
は、CHOH、CHCHOH、CHF、NH、及びCHから選択され、
は、エチル、CH(CH)CHOH、CHCH(CH)OH、CH(CH)CHCN、C(CHCN、CH(CH)CN、C(CHC(O)NH、CHC(O)N(CH、及び下記の基から選択され、
【化19】
2Aは、CH、C(O)CH、C(O)CHOCH、及びC(O)CHOHから選択され、
2Bは、H、CN、CF、及びC(O)N(CHから選択され、
2Cは、H及びFから選択される。
【0038】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物が本明細書で提供され、式中、
は、メチル及びClから選択され、
Cyは、
【化20】
から選択され、
は、CHCHOH、CHF、及びNHから選択され、
は、エチル、-(C1-4アルキル)-OH、-(C1-3アルキル)-CN、(C1-3アルキル)-C(O)NH、-(C1-4アルキル)-C(O)N(CH、CHCHS(O)CH、及び下記の基から選択され、
【化21-1】
【化21-2】
2Aは、CH、C(O)CH、C(O)CHOCH、及びC(O)CHOHから選択され、
2Bは、H、CN、CF、及びC(O)N(CHから選択され、
2Cは、H及びFから選択される。
【0039】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物が本明細書で提供され、式中、
は、CHであり、
Cyは、
【化22】
から選択され
は、CHOH、CHCHOH、CHF、NH、及びCHから選択され、
は、エチル、-(C1-4アルキル)-OH、-(C1-3アルキル)-CN、(C1-3アルキル)-C(O)NH、-(C1-4アルキル)-C(O)N(CH、CHCHS(O)CH、及び下記の基から選択され、
【化23-1】
【化23-2】
2Aは、CH、C(O)CH、C(O)CHOCH、及びC(O)CHOHから選択され、
2Bは、H、CN、CF、及びC(O)N(CHから選択され、
2Cは、H及びFから選択される。
【0040】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物が本明細書で提供され、この式Iの化合物は、
(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-(ピリミジン-4-イルメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール、
5-((4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ニコチノニトリル、
5-((4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピコリノニトリル、
4-((4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピコリノニトリル、
(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-((2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール、
(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)フェニル)(モルホリノ)メタノン、
((1S,4S)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル)(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)フェニル)メタノン、
1-(4-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシエタン-1-オン、
1-(4-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オン、
1-(4-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)フェニル)ピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシエタン-1-オン、
(2-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-9-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール、
5-((4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-N,N-ジメチルピコリンアミド、
(3-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)アゼチジン-1-イル)(1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノン、
(3-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)アゼチジン-1-イル)(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)メタノン、
(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-エチル-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール、
2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパンニトリル、
2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパンニトリル、
1-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-2-オール、
2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-N,N-ジメチルアセトアミド、
1-(4-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)エタン-1-オン、
1-(4-(4-(2-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)-2-メトキシエタン-1-オン、
1-(4-(2-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパン-2-オール、
3-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ブタンニトリル、
(R)-2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-1-オール、
(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-((4-フルオロテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール、
3-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)テトラヒドロ-2H-チオピラン1,1-ジオキシド、
1-(3-((4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)アゼチジン-1-イル)-2-メトキシエタン-1-オン、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-9-(1-(2-(メチルスルホニル)エチル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン、
2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ジフルオロメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)アセトニトリル、
2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-9-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン、
2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ジフルオロメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)エタン-1-オール、
2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ジフルオロメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパンニトリル、
2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ジフルオロメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパンアミド、
2-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)エタン-1-オール、及び
2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-アミン
または前述のもののいずれかの医薬的な塩
から選択される。
【0041】
本開示のある特定の特徴は、明確化のために別々の実施形態の文脈において説明されるが、単一の実施形態において組み合わせて提供されることもあり得ることがさらに理解されよう。逆に、本開示のさまざまな特徴は、簡潔化のために単一の実施形態の文脈において説明されるが、別々に提供されるか、または任意の適切な部分的組み合わせにおいて提供されることもあり得る。
【0042】
本明細書のさまざまな箇所において、本開示の化合物の置換基は、群または範囲で開示される。本開示は、そのような群または範囲のメンバーのありとあらゆる個々の部分的組み合わせを含むことが明確に意図される。例えば、「C1-6アルキル」という用語は、メチル、エチル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、及びCアルキルを個々に開示することが明確に意図される。
【0043】
可変部が複数回出現する本開示の化合物については、各可変部は、可変部を定義する群から独立して選択される異なる部分であり得る。例えば、同じ化合物上に同時に存在する2つのR基を有する構造が記載される場合、それら2つのR基は、Rについて定義される群から独立して選択される異なる部分を表し得る。
【0044】
本明細書で使用される「任意選択で置換された」という語句は、置換されていないか、または置換されていることを意味する。
【0045】
「置換された」という用語は、別の基に付加される「置換基」として原子または原子団が水素を形式的に置き換えていることを意味する。「置換された」という用語は、別段の指定がない限り、任意の置換レベル(例えば、モノ置換、ジ置換、トリ置換、テトラ置換、またはペンタ置換)(そのような置換が許容される場合)を指す。置換基は、独立して選択され、置換は、任意の化学的に到達可能な位置に対するものであり得る。所与の原子に対する置換は原子価によって制限されることが理解されよう。所与の原子に対する置換の結果、化学的に安定な分子が生じることが理解されよう。単一の二価置換基(例えば、オキソ)は、2つの水素原子を置き換え得る。
【0046】
本明細書で使用される「Ci-j」(i及びjは整数である)という用語は化学基と併用され、範囲を定義するi~jを用いて化学基中の炭素原子の数の範囲を指定する。例えば、C1-6アルキルは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つの炭素原子を有するアルキル基を指す。
【0047】
本明細書で使用される「アルキル」という用語は単独使用または他の用語と併用され、直鎖または分岐鎖であり得る飽和炭化水素基を指す。アルキル基は、形式的には、アルキル基が化合物の残部に付加される点によって1つのC-H結合が置き換えられたアルカンに相当する。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~6つ、1~4つ、または1~3つの炭素原子を含む。アルキル部分の例としては、限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチル-1-ブチル、3-ペンチル、n-ヘキシル、1,2,2-トリメチルプロピル、及び同様のものなどの化学基が挙げられる。いくつかの実施形態では、アルキル基は、メチル、エチル、またはプロピルである。
【0048】
本明細書で使用される「Ci-jアルキレン」という用語は単独使用または他の用語と併用され、i~j個の炭素を有する、直鎖または分岐鎖であり得る飽和二価連結炭化水素基を意味する。いくつかの実施形態では、アルキレン基は、1~4つの炭素原子、1~3つの炭素原子、または1~2つの炭素原子を含む。アルキレン部分の例としては、限定されないが、メチレン、エチレン、1,1-エチレン、1,2-エチレン、1,3-プロピレン、1,2-プロピレン、1,1-プロピレン、イソプロピレン、及び同様のものなどの化学基が挙げられる。
【0049】
「シアノ」または「ニトリル」という用語は、C≡N(-CNとも記載され得る)という式の基を指す。
【0050】
本明細書に記載の化合物は非対称性であり得る(例えば、1つ以上の立体中心を有する)。別段の指定がない限り、すべての立体異性体(エナンチオマー及びジアステレオマーなど)が意図される。不斉置換炭素原子を含む本開示の化合物は、光学的に活性な形態またはラセミ形態で単離され得る。光学的に不活性な出発物質から光学的に活性な形態を調製する仕方に関する方法は当該技術分野で知られており、こうした方法は、ラセミ混合物を分割することによるもの、または立体選択的な合成によるものなどである。本明細書に記載の化合物においてもオレフィン、C=N二重結合、及び同様のものの幾何異性体が多く存在し得、本開示では、そのような安定異性体はすべて企図される。本開示の化合物のシス幾何異性体及びトランス幾何異性体が記載され、そうしたシス幾何異性体及びトランス幾何異性体は、異性体の混合物または別々の異性体として単離され得る。
【0051】
化合物のラセミ混合物の分割は、当該技術分野で知られる方法によって実施され得る。方法の一例としては、光学的に活性な塩形成有機酸であるキラル分割酸を使用する分画再結晶化が挙げられる。分画再結晶化法に適した分割剤は、例えば、光学的に活性な酸(酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、またはさまざまな光学的に活性なカンファースルホン酸のD体及びL体など)である。分画再結晶化法に適した他の分割剤には、立体異性的に純粋な形態のメチル-ベンジルアミン(例えば、S体及びR体またはジアステレオマー的に純粋な形態)、2-フェニルグリシノール、ノルエフェドリン、エフェドリン、N-メチルエフェドリン、シクロヘキシルエチルアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、及び同様のものが含まれる。
【0052】
ラセミ混合物の分割は、光学的に活性な分割剤(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン)が充填されたカラムでの溶出によっても実施され得る。適切な溶出溶媒組成は、当業者によって決定され得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、(R)配置を有する。他の実施形態では、化合物は、(S)配置を有する。複数のキラル中心を有する化合物では、別段の指定がない限り、化合物中のキラル中心はそれぞれ、独立して(R)または(S)であり得る。
【0054】
本開示の化合物には、互変異性体も含まれる。互変異性体は、プロトンの転位を同時に伴って単結合と隣接二重結合とが切り替わることで生じる。互変異性体には、実験式及び全体の電荷が同じ異性プロトン化状態をとるプロトトロピック互変異性体が含まれる。プロトトロピック互変異性体の例としては、ケトン-エノールペア、アミド-イミド酸ペア、ラクタム-ラクチムペア、エナミン-イミンペア、ならびにヘテロ環式系の2つ以上の位置をプロトンが占有し得る環状形態(例えば、1H-イミダゾールと3H-イミダゾール、1H-1,2,4-トリアゾールと2H-1,2,4-トリアゾールと4H-1,2,4-トリアゾール、1H-イソインドールと2H-イソインドール、ならびに1H-ピラゾールと2H-ピラゾール)が挙げられる。互変異性体は、平衡状態にあるか、または適切な置換によって1つの形態に立体的にロックされ得る。
【0055】
本開示の化合物には、中間体または最終化合物中に原子の同位体を含むものもすべて含まれる。同位体には、原子番号は同じであるが、質量数が異なる原子が含まれる。例えば、水素の同位体には、三重水素及び重水素が含まれる。本開示の化合物の1つ以上の構成原子は、天然または非天然の存在比で、そうした原子の同位体で交換または置換され得る。いくつかの実施形態では、化合物は、少なくとも1つの重水素原子を含む。例えば、本開示の化合物中の水素原子の1つ以上が重水素によって交換または置換され得る。いくつかの実施形態では、化合物は、2つ以上の重水素原子を含む。いくつかの実施形態では、化合物は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10個、11個、または12個の重水素原子を含む。有機化合物に同位体を含めるための合成方法については、当該技術分野で知られている(Deuterium Labeling in Organic Chemistry by Alan F.Thomas(New York,N.Y.,Appleton-Century-Crofts,1971、The Renaissance of H/D Exchange by Jens Atzrodt,Volker Derdau,Thorsten Fey and Jochen Zimmermann,Angew.Chem.Int.Ed.2007,7744-7765、The Organic Chemistry of Isotopic Labelling by James R.Hanson,Royal Society of Chemistry,2011)。同位体標識化合物は、さまざまな試験(NMR分光法など)、代謝実験、及び/またはアッセイに使用され得る。
【0056】
重同位体(重水素など)での置換は、代謝安定性の向上(例えば、インビボ半減期の延長)または必要用量の減少に起因してある特定の治療上の利点をもたらし得るものであり、それ故に、状況によっては好ましくあり得る(A.Kerekes et.al.J.Med.Chem.2011,54,201-210、R.Xu et.al.J.Label Compd.Radiopharm.2015,58,308-312)。
【0057】
本明細書で使用される「化合物」という用語は、示される構造の立体異性体、幾何異性体、互変異性体、及び同位体をすべて含むことが意図される。この用語は、調製の仕方(例えば、合成的なもの、生物学的プロセス(例えば、代謝もしくは酵素変換)を介するもの、またはそれらの組み合わせ)とは無関係に、本開示の化合物を指すことも意図される。
【0058】
化合物及びその医薬的に許容可能な塩はすべて、他の物質(水及び溶媒など)と一緒に見られるもの(例えば、水和物の形態のもの及び溶媒和物の形態のもの)であり得るか、または単離されたものであり得る。固体状態の場合、本明細書に記載の化合物及びその塩は、さまざまな形態で存在し得、例えば、溶媒和物(水和物を含む)の形態をとり得る。化合物は、任意の固体状態形態(多形または溶媒和物など)で存在し得るため、別段の明確な指定がない限り、化合物及びその塩への本明細書での言及は、化合物の任意の固体状態形態を包含するものであると理解されたい。
【0059】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物またはその塩は、実質的に単離されたものである。「実質的に単離された」は、化合物が、その形成環境または検出環境から少なくとも部分的または実質的に分離されていることを意味する。部分的な分離は、例えば、組成物中の本開示の化合物の存在量を増やすことを含み得る。実質的な分離は、組成物中の本開示の化合物またはその塩の含量を少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%、または少なくとも約99重量%とすることを含み得る。化合物及びその塩を単離するための方法は、当該技術分野では日常的なものである。
【0060】
「医薬的に許容可能」という語句は、過剰な毒性、刺激作用、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症を伴うことなく、健全な医学的判断の範囲内で、ヒト及び動物の組織と接触させて使用する上で、化合物、材料、組成物、及び/または剤形が適しており、合理的な利益/リスク比に見合うものであることを指すために本明細書で用いられる。
【0061】
本開示は、本明細書に記載の化合物の医薬的に許容可能な塩も含む。本明細書で使用される「医薬的に許容可能な塩」は、開示の化合物の誘導体を指し、こうした誘導体では、現存する酸部分または塩基部分をその塩形態に変換することによって当該親化合物が修飾されている。医薬的に許容可能な塩の例としては、限定されないが、塩基性残基(アミンなど)の鉱酸塩または有機酸塩、酸性残基(カルボン酸など)のアルカリ塩または有機塩、及び同様のものが挙げられる。本開示の医薬的に許容可能な塩には、親化合物の無毒な塩(例えば、無毒な無機酸または有機酸から形成されるもの)が含まれる。本開示の医薬的に許容可能な塩は、従来の化学法によって、塩基性部分または酸性部分を含む親化合物から合成され得る。一般に、そのような塩は、遊離の酸形態または塩基形態のこうした化合物を、水もしくは有機溶媒またはこれら2つの混合物において化学量論量の適切な塩基または酸と反応させることによって調製することができ、一般に、エーテル、酢酸エチル、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソ-プロパノール、もしくはブタノール)、またはアセトニトリル(ACN)のような非水性媒体が好ましい。適切な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418及びJournal of Pharmaceutical Science,66,2(1977)に見られ、これらの文献はそれぞれ、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0062】
本明細書では下記の略語が使用され得る:AcOH(酢酸);AcO(無水酢酸);aq.(水性);atm.(雰囲気(複数可));Boc(t-ブトキシカルボニル);br(ブロード);Cbz(カルボキシベンジル);calc.(計算値);d(二重線);dd(二重線の二重線);DCM(ジクロロメタン);DEAD(アゾジカルボン酸ジエチル);DIAD(N,N’-ジイソプロピルアジドジカルボキシレート);DIPEA(N,N-ジイソプロピルエチルアミン);DMF(N,N-ジメチルホルムアミド);Et(エチル);EtOAc(酢酸エチル);g(グラム(複数可));h(時間(複数可));HATU(N,N,N’,N’-テトラメチル-O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート);HCl(塩酸);HPLC(高速液体クロマトグラフィー);Hz(ヘルツ);J(カップリング定数);LCMS(液体クロマトグラフィー-質量分析);m(多重線);M(モル濃度);mCPBA(3-クロロ過安息香酸);MgSO(硫酸マグネシウム);MS(質量分析);Me(メチル);MeCN(アセトニトリル);MeOH(メタノール);mg(ミリグラム(複数可));min.(分(複数可));mL(ミリリットル(複数可));mmol(ミリモル(複数可));N(規定濃度);NaHCO(重炭酸ナトリウム);NaOH(水酸化ナトリウム);NaSO(硫酸ナトリウム);NHCl(塩化アンモニウム);NHOH(水酸化アンモニウム);NIS(N-ヨードスクシンイミド);nM(ナノモル濃度);NMR(核磁気共鳴分光法);OTf(トリフルオロメタンスルホネート);Pd(パラジウム);Ph(フェニル);pM(ピコモル濃度);PMB(パラ-メトキシベンジル)、POCl(塩化ホスホリル);RP-HPLC(逆相高速液体クロマトグラフィー);s(一重線);SEM(2-トリメチルシリルエトキシメチル);t(三重線またはターシャリー);TBS(tert-ブチルジメチルシリル);tert(ターシャリー);tt(三重線の三重線);t-Bu(tert-ブチル);TFA(トリフルオロ酢酸);THF(テトラヒドロフラン);μg(マイクログラム(複数可));μL(マイクロリットル(複数可));μM(マイクロモル濃度);wt%(重量パーセント)。
【0063】
合成
本明細書で提供される化合物は、その塩及び立体異性体を含めて、既知の有機合成手法を使用して調製することができ、多数の可能な合成経路のいずれかに沿って合成できることを当業者なら理解するであろう。
【0064】
本開示の化合物を調製するための反応は、適切な溶媒において実施することができ、有機合成分野の当業者なら、こうした適切な溶媒を容易に選択することができる。適切な溶媒は、反応が実施される温度(例えば、溶媒の凝固温度~溶媒の沸騰温度の範囲に入り得る温度)で出発物質(反応物質)、中間体、または生成物と実質的に非反応性であり得る。所与の反応は、1つの溶媒、または複数の溶媒の混合物において実施され得る。当業者なら、特定の反応ステップに応じて、特定の反応ステップに適した溶媒を選択することができる。
【0065】
本開示の化合物の調製は、さまざまな化学基の保護及び脱保護を伴うものであり得る。当業者なら、保護及び脱保護の必要性、ならびに適切な保護基の選択を容易に決定することができる。保護基の化学については、例えば、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd.Ed.,Wiley & Sons,Inc.,New York(1999)において見つけることができ、当該文献は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0066】
反応は、当該技術分野で知られる任意の適切な方法に従って監視され得る。例えば、分光学的な手段(核磁気共鳴分光法(例えば、Hもしくは13C)、赤外分光法、分光光度法(例えば、UV-可視)など)、または質量分析、またはクロマトグラフィー(高速液体クロマトグラフィー(HPLC)もしくは薄層クロマトグラフィーなど)によって、生成物の形成が監視され得る。
【0067】
本明細書で使用される「環境温度」、「室温(room temperature)」、及び「室温(r.t.)」という表現は当該技術分野で理解されるものであり、一般に、反応が実施される部屋の温度(例えば、約20℃~約30℃の温度)に近い温度(例えば、反応温度)を指す。
【0068】
式Iの化合物は、スキーム1に概略が示される合成経路を介して調製され得る。
【0069】
【化24】
式S-10の化合物は、スキーム1に概略が示される合成経路を介して調製され得る。適切な試薬(塩化ホスホリル(POCl)など)を用いて市販化合物S-1を高温で処理することで化合物S-2を得ることができる。アンモニア水溶液を用いて高温で求核置換することによって化合物S-2を塩化置換することで化合物S-3を得ることができる。化合物S-3を式S-4の化合物(Halはハロゲン化物(Cl、Br、またはIなど)である)と高温で縮合させることで化合物S-5を得ることができる。これを適切な試薬(N-ヨードスクシンイミド(NIS)または亜硝酸tert-ブチルなど)と反応させることで化合物S-6(Xは置換窒素またはハロゲン化物(Cl、Br、もしくはIなど)である)を得ることができる。Xがハロゲン化物の場合、標準的な鈴木クロスカップリング条件(例えば、パラジウム触媒及び適切な塩基の存在下でのもの)(Tetrahedron 2002,58,9633-9695)または標準的なスティルクロスカップリング条件(例えば、パラジウム触媒の存在下でのもの)(ACS Catalysis 2015,5,3040-3053)または標準的な根岸クロスカップリング条件(例えば、パラジウム触媒の存在下でのもの)(ACS Catalysis 2016,6,1540-1552)の下で化合物S-6と式S-7の付加物(Mは、ボロン酸、ボロン酸エステル、または適切な試薬[例えば、Mは、B(OR)、Sn(アルキル)、Zn-Halなどである]である)とのカップリング反応を行うことで式S-8の誘導体を得ることができる。カップリング後、Rがビニル官能基である場合、これを、既知の有機合成手法を使用してヒドロキシメチル置換基、ヒドロキシエチル置換基、またはジフルオロメチル置換基に変換することができる。化合物S-6から化合物S-8の調製について記載したものと同様の条件を使用して化合物S-8と式S-9の付加物とのカップリングを行うことによってCyを導入することで式S-10の化合物を得ることができる。
【0070】
使用方法
本開示の化合物は、FGFR酵素の活性を阻害し得る。例えば、本開示の化合物は、1つ以上の本開示の化合物を細胞またはFGFR酵素の阻害が必要な個体もしくは患者に阻害量で投与することによって細胞、個体、または患者における酵素の活性を阻害するために使用され得る。本開示の化合物は、1つ以上の本開示の化合物を細胞またはFGFR3酵素の阻害が必要な個体もしくは患者に阻害量で投与することによって細胞、個体、または患者における酵素の活性を阻害するために使用され得る。本開示の化合物は、1つ以上の本開示の化合物を細胞またはFGFR2酵素の阻害が必要な個体もしくは患者に阻害量で投与することによって細胞、個体、または患者における酵素の活性を阻害するために使用され得る。本開示の化合物は、本開示の化合物を細胞またはFGFR3酵素及びFGFR2酵素の阻害が必要な個体もしくは患者に阻害量で投与することによって細胞、個体、または患者における酵素の活性を阻害するために使用され得る。
【0071】
FGFR阻害剤として、本開示の化合物は、FGFR酵素またはFGFRリガンドの異常な発現または活性と関連するさまざまな疾患の治療に有用である。FGFRを阻害する化合物は、腫瘍の増殖阻止またはアポトーシス誘導を、特に血管新生を抑制することによって引き起こす手段を提供する上で有用であろう。したがって、本開示の化合物は増殖性障害(がんなど)の治療または予防に有用であると判明することが見込まれる。具体的には、受容体型チロシンキナーゼの活性化変異体または受容体型チロシンキナーゼの上方制御を伴う腫瘍は、こうした阻害剤に特に感受性であり得る。
【0072】
ある特定の実施形態では、本開示は、FGFR介在性の障害の治療を必要とする患者において当該治療を実施するための方法を提供し、この方法は、本発明による化合物またはその医薬的に許容可能な組成物を当該患者に投与するステップを含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物を使用して治療することが可能な疾患及び徴候には、限定されないが、血液癌、肉腫、肺癌、胃腸癌、泌尿生殖器癌、肝癌、骨癌、神経系癌、婦人科癌、及び皮膚癌が含まれる。
【0074】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物を使用して治療することが可能ながんは、腺癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、胆管癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、胆嚢癌、胃癌、神経膠腫、頭頸部癌、肝細胞癌、腎癌、肝癌、肺癌、黒色腫、卵巣癌、膵癌、前立腺癌、横紋筋肉腫、皮膚癌、甲状腺癌、白血病、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性リンパ腫、成人T細胞白血病、B細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、ヘアリー細胞リンパ腫、及びバーキットリンパ腫から選択される。
【0075】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物を使用して治療することが可能ながんは、肝細胞癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、胃癌、頭頸部癌、腎癌、肝癌、肺癌、卵巣癌、前立腺癌、食道癌、胆嚢癌、膵癌、甲状腺癌、皮膚癌、白血病、多発性骨髄腫、慢性リンパ球性リンパ腫、成人T細胞白血病、B細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、ヘアリー細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、神経膠芽腫、黒色腫、及び横紋筋肉腫から選択される。
【0076】
いくつかの実施形態では、当該がんは、腺癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、胆管癌、子宮内膜癌、胃癌、神経膠腫、頭頸部癌、肺癌、卵巣癌、白血病、及び多発性骨髄腫から選択される。
【0077】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物を使用して治療することが可能ながんは、肝細胞癌、乳癌、膀胱癌、結腸直腸癌、黒色腫、中皮腫、肺癌、前立腺癌、膵癌、精巣癌、甲状腺癌、扁平上皮癌、神経膠芽腫、神経芽腫、子宮癌、及び横紋筋肉腫から選択される。
【0078】
FGFR2及び/またはFGFR3の変化によって特徴付けられるがんには、膀胱癌(FGFR3変異または融合)、胆管癌(FGFR2融合)、及び胃癌(FGFR2増幅)が含まれる。
【0079】
本発明の化合物は、変異、融合、再編、及び増幅を含むFGFR2/3の変化を有するがん患者の治療に使用され得る。FGFR2/3の変化は、胆管癌、尿路上皮癌、多発性骨髄腫、胃腺癌、神経膠腫、子宮内膜癌、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、及び乳癌のサブセットにおいて発見された。さらに、本発明の化合物は、ゲートキーパー変異(FGFR3中のV555M/L/F/I、FGFR2中のV564M/L/F/I)の獲得に起因して、汎FGFR阻害剤での治療が進行中の患者を標的とすることにも使用され得る。本発明の化合物は、他の標的化治療に対する抵抗性にFGFR2/3シグナル伝達が関与するがんの治療にも使用することができ、例えば、本発明の化合物は、ER陽性乳癌でのCDK4/6阻害剤抵抗性を克服する潜在力を有する。
【0080】
血液癌の例としては、リンパ腫及び白血病が挙げられ、こうしたリンパ腫及び白血病は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(再発性または抵抗性NHL及び再発性濾胞性を含む)、ホジキンリンパ腫、骨髄増殖性疾患(例えば、原発性骨髄線維症(PMF)、真性赤血球増加症(PV)、本態性血小板増加症(ET)、8p11骨髄増殖性症候群)、骨髄異形成症候群(MDS)、T細胞急性リンパ芽球性リンパ腫(T-ALL)、多発性骨髄腫、皮膚T細胞リンパ腫、成人T細胞白血病、ワルデンストレームマクログロブリン血症、ヘアリー細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、慢性骨髄性リンパ腫、ならびにバーキットリンパ腫などである。
【0081】
肉腫の例としては、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、血管肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫、粘液腫、横紋筋腫、横紋筋肉腫、線維腫、脂肪腫、過誤腫、リンパ肉腫、平滑筋肉腫、及び奇形腫が挙げられる。
【0082】
肺癌の例としては、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌、気管支癌(扁平細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、軟骨性過誤腫、中皮腫、小細胞性癌及び非小細胞性癌、気管支腺腫、ならびに胸膜肺芽腫が挙げられる。
【0083】
胃腸癌の例としては、食道の癌(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃の癌(癌種、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓の癌(膵外分泌癌、導管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸の癌(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸の癌(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫)、結腸直腸癌、胆嚢癌、及び肛門癌が挙げられる。
【0084】
泌尿生殖器癌の例としては、腎臓の癌(腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽細胞腫]、腎細胞癌)、膀胱及び尿道の癌(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺の癌(腺癌、肉腫)、精巣の癌(セミノーマ、奇形腫、胚性癌、奇形癌腫、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫)、ならびに尿路上皮癌が挙げられる。
【0085】
肝癌の例としては、ヘパトーマ(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、及び血管腫が挙げられる。
【0086】
骨癌の例としては、例えば、骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨性外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫、及び巨細胞腫が挙げられる。
【0087】
神経系癌の例としては、頭蓋骨の癌(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜の癌(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳の癌(星細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、神経膠芽腫、多形神経膠芽腫、乏突起神経膠腫、シュワン腫、網膜芽腫、先天性腫瘍、神経外胚葉性腫瘍)、及び脊髄の癌(神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫)、神経芽腫、レルミット・デュクロ病、ならびに松果体腫瘍が挙げられる。
【0088】
婦人科癌の例としては、乳房の癌(腺管癌、小葉癌、乳房肉腫、トリプルネガティブ乳癌、HER2陽性乳癌、炎症性乳癌、乳頭癌)、子宮の癌(子宮内膜癌)、子宮頸部の癌(子宮頸癌、前腫瘍性子宮頸部異形成)、卵巣の癌(卵巣癌(漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類の癌種)、顆粒膜-莢膜細胞腫瘍、セルトリ・ライディッヒ細胞、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部の癌(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、腟の癌(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、及び卵管の癌(癌種)が挙げられる。
【0089】
皮膚癌の例としては、黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、メルケル細胞皮膚癌、異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、及びケロイドが挙げられる。
【0090】
頭頸部癌の例としては、神経膠芽腫、黒色腫、横紋筋肉腫、リンパ肉腫、骨肉腫、扁平上皮癌、腺癌、口腔癌、喉頭癌、鼻咽頭癌、鼻腔癌及び副鼻腔癌、甲状腺及び副甲状腺癌、眼の腫瘍、唇及び口の腫瘍、ならびに頭頸部扁平上皮癌が挙げられる。
【0091】
本開示の化合物は、腫瘍転移の抑制にも有用であり得る。
【0092】
発がん性新生物に加えて、本発明の化合物は、骨格障害及び軟骨細胞障害の治療にも有用であり、こうした骨格障害及び軟骨細胞障害には、限定されないが、軟骨無形成症、軟骨低形成症、小人症、タナトフォリック骨異形成症(TD)(臨床型TD I及びTD II)、アペール症候群、クルーゾン症候群、ジャクソン・ワイス症候群、ベア・スティーブンソン・キューティス・ジャイラタ症候群、ファイファー症候群、ならびに頭蓋骨癒合症候群が含まれる。いくつかの実施形態では、本開示は、骨格障害及び軟骨細胞障害に罹患している患者の治療方法を提供する。
【0093】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、アルツハイマー病、HIV、または結核の治療に使用され得る。
【0094】
本明細書で使用される「8p11骨髄増殖性症候群」という用語は、好酸球の増加及びFGFR1の異常と関連する骨髄系/リンパ系新生物を指すことが意図される。
【0095】
本明細書で使用される「細胞」という用語は、インビトロ、エクスビボ、またはインビボの細胞を指すことが意図される。いくつかの実施形態では、エクスビボの細胞は、生物(哺乳動物など)から切り離された組織試料の一部であり得る。いくつかの実施形態では、インビトロの細胞は、細胞培養物中の細胞であり得る。いくつかの実施形態では、インビボの細胞は、生物(哺乳動物など)中の生きた細胞である。
【0096】
本明細書で使用される「接触させること」という用語は、インビトロ系またはインビボ系において指定部分を一緒にすることを指す。例えば、FGFR酵素を本明細書に記載の化合物と「接触させること」には、FGFRを有する個体または患者(ヒトなど)に対して本明細書に記載の化合物を投与することに加えて、例えば、FGFR酵素を含む細胞調製物または精製調製物を含む試料に本明細書に記載の化合物を導入することが含まれる。
【0097】
本明細書で使用される「個体」または「患者」という用語は互換的に使用され、哺乳動物を含む任意の動物を指し、こうした動物は、好ましくは、マウス、ラット、他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、または霊長類であり、最も好ましくは、ヒトである。
【0098】
本明細書で使用される「治療的に有効な量」という語句は、研究者、獣医師、医師、または他の臨床医によって探求されている組織、系、動物、個体、またはヒトにおいて生物学的または薬物的な応答を誘発する活性化合物または医薬品の量(本明細書に開示の固体形態またはその塩のいずれかの量など)を指す。任意の個々の症例における適切な「有効」量は、当業者に知られる手法を使用して決定され得る。
【0099】
「医薬的に許容可能」という語句は、過剰な毒性、刺激作用、アレルギー応答、免疫原性、または他の問題もしくは合併症を伴うことなく、健全な医学的判断の範囲内で、ヒト及び動物の組織と接触させて使用する上で、化合物、材料、組成物、及び/または剤形が適しており、合理的な利益/リスク比に見合うものであることを指すために本明細書で使用される。
【0100】
本明細書で使用される「医薬的に許容可能な担体または医薬品添加物」という語句は、医薬的に許容可能な材料、組成物、または媒体(液体または固体の賦形剤、希釈剤、溶媒、または封入材料など)を指す。医薬品添加物または担体は、一般に、安全であり、毒性を有さず、生物学的にもその他の様式でも無害のものであり、こうした医薬品添加物または担体には、獣医学的な使用及びヒトに対する医薬的な使用向けに許容可能な医薬品添加物または担体が含まれる。一実施形態では、各成分は、本明細書に定義されるように「医薬的に許容可能」である。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st ed.,Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia,Pa.,2005、Handbook of Pharmaceutical Excipients,6th ed.,Rowe et al.,Eds.,The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association:2009、Handbook of Pharmaceutical Additives,3rd ed.;Ash and Ash Eds.,Gower Publishing Company:2007、Pharmaceutical Preformulation and Formulation,2nd ed.;Gibson Ed.,CRC Press LLC:Boca Raton,Fla.,2009を参照のこと。
【0101】
本明細書で使用される「治療すること」または「治療」という用語は、疾患を抑制すること(例えば、疾患、状態、または障害の病態または総体症状を患っているまたは示している個体における疾患、状態、または障害を抑制すること(すなわち、病態及び/または総体症状のさらなる進行を抑止すること))を指すか、あるいは疾患を軽快させること(例えば、疾患、状態、または障害の病態または総体症状を患っているまたは示している個体における疾患、状態、または障害を軽快させること(すなわち、病態及び/または総体症状を改善させること)(疾患の重症度を低減することなど))を指す。
【0102】
本発明のある特定の特徴は、明確化のために別々の実施形態の文脈において説明されるが、単一の実施形態において組み合わせて提供されることもあり得ることが理解されよう(一方で、こうした実施形態は、掛け合わせに依存する形態で記載される場合と同様に組み合わせることが意図される)。逆に、本発明のさまざまな特徴は、簡潔化のために単一の実施形態の文脈において説明されるが、別々に提供されるか、または任意の適切な部分的組み合わせにおいて提供されることもあり得る。
【0103】
併用療法
1つ以上の追加の医薬品または治療方法(例えば、抗ウイルス剤、化学療法剤もしくは他の抗がん剤、免疫賦活剤、免疫抑制剤、放射線、抗腫瘍ワクチン及び抗ウイルスワクチン、サイトカイン治療(例えば、IL2、GM-CSFなど)、及び/またはチロシンキナーゼ阻害剤など)が、FGFRと関連する疾患、障害、もしくは状態、または本明細書に記載の疾患もしくは状態を治療するための本明細書に記載の化合物と併用され得る。薬剤は、単一の剤形において本開示の化合物と併用され得るか、または薬剤は、別々の剤形として同時もしくは連続的に投与され得る。
【0104】
本明細書に記載の化合物は、複数のシグナル伝達経路によって影響を受ける疾患(がんなど)を治療するための1つ以上の他のキナーゼ阻害剤と併用され得る。例えば、組み合わせは、がんを治療するための下記のキナーゼの阻害剤を1つ以上含み得る:Akt1、Akt2、Akt3、TGF-βR、Pim、PKA、PKG、PKC、CaMキナーゼ、ホスホリラーゼキナーゼ、MEKK、ERK、MAPK、mTOR、EGFR、HER2、HER3、HER4、INS-R、IGF-1R、IR-R、PDGFαR、PDGFβR、CSFIR、KIT、FLK-II、KDR/FLK-1、FLK-4、flt-1、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、c-Met、Ron、Sea、TRKA、TRKB、TRKC、FLT3、VEGFR/Flt2、Flt4、EphA1、EphA2、EphA3、EphB2、EphB4、Tie2、Src、Fyn、Lck、Fgr、Btk、Fak、SYK、FRK、JAK、ABL、ALK、及びB-Raf。さらに、本明細書に記載のFGFR阻害剤の固体形態は、PIK3/Akt/mTORシグナル伝達経路と関連するキナーゼ(PI3K、Akt(Akt1、Akt2、及びAkt3を含む)、ならびにmTORキナーゼなど)の阻害剤と併用され得る。
【0105】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、疾患及び障害を治療するための酵素またはタンパク質受容体(HPK1、SBLB、TUT4、A2A/A2B、CD47、CDK2、STING、ALK2、LIN28、ADAR1、MAT2a、RIOK1、HDAC8、WDR5、SMARCA2、及びDCLK1など)の阻害剤の1つ以上と併用され得る。疾患及び障害の例としては、がん、感染症、炎症、及び神経変性障害が挙げられる。
【0106】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、エピジェネティック制御因子を標的とする治療剤と併用され得る。エピジェネティック制御因子の例としては、ブロモドメイン阻害物質、ヒストンリジンメチルトランスフェラーゼ、ヒストンアルギニンメチルトランスフェラーゼ、ヒストン脱メチル化酵素、ヒストンデアセチラーゼ、ヒストンアセチラーゼ、及びDNAメチルトランスフェラーゼが挙げられる。ヒストンデアセチラーゼ阻害剤には、例えば、ボリノスタットが含まれる。
【0107】
がん及び他の増殖性疾患の治療については、本明細書に記載の化合物は、標的化治療剤と併用され得る。こうした標的化治療剤には、JAKキナーゼ阻害剤(ルキソリチニブ、追加のJAK1/2選択的及びJAK1選択的なバリシチニブもしくはINCB39110)、Pimキナーゼ阻害剤(例えば、LGH447、INCB053914、及びSGI-1776)、PI3キナーゼ阻害剤(PI3K-デルタ選択的阻害剤及び広域スペクトルPI3K阻害剤(例えば、INCB50465及びINCB54707)、PI3K-ガンマ阻害剤(PI3K-ガンマ選択的阻害剤など)を含む)、MEK阻害剤、CSF1R阻害剤(例えば、PLX3397及びLY3022855)、TAM受容体型チロシンキナーゼ阻害剤(Tyro-3、Axl、及びMer(例えば、INCB81776))、血管新生阻害剤、インターロイキン受容体阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、BRAF阻害剤、mTOR阻害剤、プロテアソーム阻害剤(ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ)、HDAC阻害剤(パノビノスタット、ボリノスタット)、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、デキサメタゾン、ブロモドメイン及び末端外ドメインファミリーのメンバーの阻害剤(例えば、ブロモドメイン阻害剤もしくはBET阻害剤(OTX015、CPI-0610、INCB54329、もしくはINCB57643など))、LSD1阻害剤(例えば、GSK2979552、INCB59872、及びINCB60003)、アルギナーゼ阻害剤(例えば、INCB1158)、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ阻害剤(例えば、エパカドスタット、NLG919、もしくはBMS-986205)、PARP阻害剤(例えば、オラパリブもしくはルカパリブ)、BTKの阻害剤(イブルチニブなど)、c-MET阻害剤(例えば、カプマチニブ)、ALK2阻害剤(例えば、INCB00928)、またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0108】
がん及び他の増殖性疾患の治療については、本明細書に記載の化合物は、化学療法剤、核内受容体のアゴニストもしくはアンタゴニスト、または他の抗増殖剤と併用され得る。本明細書に記載の化合物は、医学的治療(手術または放射線療法(例えば、ガンマ線照射、中性子線放射線療法、電子線放射線療法、陽子線療法、小線源治療、及び全身性放射性同位体療法)など)とも併用され得る。
【0109】
適切な化学療法剤の例としては、アバレリックス、アビラテロン、アファチニブ、アフリベルセプト、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アロプリノール、アルトレタミン、アミドックス、アムサクリン、アナストロゾール、アフィジコロン(aphidicolon)、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アキシチニブ、アザシチジン、ベバシズマブ、ベキサロテン、バリシチニブ、ベンダムスチン、ビカルタミド、ブレオマイシン、ボルテゾミビ(bortezombi)、ボルテゾミブ、ブリバニブ、ブパリシブ、静注ブスルファン、経口ブスルファン、カルステロン、カンプトサー(camptosar)、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、セジラニブ、セツキシマブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、クリゾチニブ、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダコミチニブ、ダクチノマイシン、ダルテパリンナトリウム、ダサチニブ、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デシタビン、デガレリクス、デニロイキン、デニロイキンジフチトクス、デオキシコホルマイシン、デクスラゾキサン、ディドックス(didox)、ドセタキセル、ドキソルビシン、ドロロキサフィン(droloxafine)、プロピオン酸ドロモスタノロン、エクリズマブ、エンザルタミド、エピドフィロトキシン、エピルビシン、エポチロン、エルロチニブ、エストラムスチン、リン酸エトポシド、エトポシド、エキセメスタン、クエン酸フェンタニル、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブオゾガマイシン、酢酸ゴセレリン、酢酸ヒストレリン、イブリツモマブチウキセタン、イダルビシン、イデラリシブ、イホスファミド、メシル酸イマチニブ、インターフェロンアルファ2a、イリノテカン、二トシル酸ラパチニブ、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリン、酢酸ロイプロリド、レバミゾール、ロナファルニブ、ロムスチン、メクロレタミン、酢酸メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトキサレン、ミスラマイシン、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、フェンプロピオン酸ナンドロロン、ナベルベン(navelbene)、ネシツムマブ、ネララビン、ネラチニブ、ニロチニブ、ニルタミド、ニラパリブ、ノフェツモマブ、オセレリン(oserelin)、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロネート、パニツムマブ、パノビノスタット、パゾパニブ、ペグアスパラガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペメトレキセド二ナトリウム、ペントスタチン、ピララリシブ、ピポブロマン、プリカマイシン、ポナチニブ、ポルフィマー、プレドニゾン、プロカルバジン、キナクリン、ラニビズマブ、ラスブリカーゼ、レゴラフェニブ、レロキサフィン(reloxafine)、レブラミド、リツキシマブ、ルカパリブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、マレイン酸スニチニブ、タモキシフェン、テガフール、テモゾロミド、テニポシド、テストラクトン、テザシタビン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、ティピファニブ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレチノイン、トリアピン(triapine)、トリミドックス、トリプトレリン、ウラシルマスタード、バルルビシン、バンデタニブ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ボリノスタット、ベリパリブ、タラゾパリブ、及びゾレドロネートのうちのいずれかが挙げられる。
【0110】
がん細胞の増殖及び生存は、複数のシグナル伝達経路の機能障害による影響を受け得る。したがって、活性を調節する標的に対して異なる選択性を示す異なる酵素/タンパク質/受容体阻害剤を組み合わせてそのような状態を治療することが有用である。複数のシグナル伝達経路(または所与のシグナル伝達経路に関与する複数の生体分子)を標的とすることで、細胞集団に薬物抵抗性が生じる可能性が低下し、及び/または治療の毒性が低下し得る。
【0111】
1つ以上の追加の医薬品(例えば、化学療法剤、抗炎症剤、ステロイド、免疫抑制剤、がん免疫剤、代謝酵素阻害剤、ケモカイン受容体阻害剤、及びホスファターゼ阻害剤など)、ならびに標的化治療(Bcr-Abl、Flt-3、EGFR、HER2、JAK、c-MET、VEGFR、PDGFR、c-Kit、IGF-1R、RAF、FAK、CDK2、及びCDK4/6キナーゼ阻害剤(例えば、WO2006/056399に記載のものなど)など)を、がん及び固形腫瘍を治療するための本開示の治療方法及びレジメンと併用することができる。他の薬剤(治療抗体など)もまた、がん及び固形腫瘍を治療するための本開示の治療方法及びレジメンと併用することができる。1つ以上の追加の医薬品を同時または連続的に患者に投与することができる。
【0112】
本明細書に開示の治療方法は、疾患(がんなど)及び本明細書に記載の他の疾患または障害を治療するための1つ以上の他の酵素/タンパク質/受容体阻害剤治療と併用され得る。例えば、本開示の治療方法及びレジメンは、がんを治療するための下記のキナーゼの阻害剤の1つ以上と併用され得る:Akt1、Akt2、Akt3、BCL2、CDK2、CDK4/6、TGF-βR、PKA、PKG、PKC、CaMキナーゼ、ホスホリラーゼキナーゼ、MEKK、ERK、MAPK、mTOR、EGFR、HER2、HER3、HER4、INS-R、IDH2、IGF-1R、IR-R、PDGFαR、PDGFβR、PI3K(アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、及び複数または選択的)、CSF1R、KIT、FLK-II、KDR/FLK-1、FLK-4、flt-1、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、c-Met、PARP、Ron、Sea、TRKA、TRKB、TRKC、TAMキナーゼ(Axl、Mer、Tyro3)、FLT3、VEGFR/Flt2、Flt4、EphA1、EphA2、EphA3、EphB2、EphB4、Tie2、Src、Fyn、Lck、Fgr、Btk、Fak、SYK、FRK、JAK、ABL、ALK、及びB-Raf。がんを治療するための本開示の治療方法及びレジメンと併用され得る阻害剤の例としては、限定されないが、FGFR阻害剤(FGFR1、FGFR2、FGFR3、またはFGFR4(例えば、ペミガチニブ(INCB54828)、INCB62079))、EGFR阻害剤(ErB-1またはHER-1としても知られる(例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、バンデタニブ、オルシメルチニブ(orsimertinib)、セツキシマブ、ネシツムマブ、またはパニツムマブ))、VEGFR阻害剤または経路遮断剤(例えば、ベバシズマブ、パゾパニブ、スニチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、レゴラフェニブ、ポナチニブ、カボザンチニブ、バンデタニブ、ラムシルマブ、レンバチニブ、ziv-アフリベルセプト)、PARP阻害剤(例えば、オラパリブ、ルカパリブ、ベリパリブ、またはニラパリブ)、JAK阻害剤(JAK1及び/またはJAK2(例えば、ルキソリチニブ、バリシチニブ、イタシチニブ(INCB39110))、LSD1阻害剤(例えば、INCB59872及びINCB60003)、TDO阻害剤、PI3K-デルタ阻害剤(例えば、INCB50465及びINCB50797)、PI3K-ガンマ阻害剤(PI3K-ガンマ選択的阻害剤など)、Pim阻害剤(例えば、INCB53914)、CSF1R阻害剤、TAM受容体型チロシンキナーゼ(Tyro-3、Axl、及びMer)、アデノシン受容体アンタゴニスト(例えば、A2a/A2b受容体アンタゴニスト)、HPK1阻害剤、ケモカイン受容体阻害剤(例えば、CCR2阻害剤またはCCR5阻害剤)、SHP1/2ホスファターゼ阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDAC)(HDAC8阻害剤など)、血管新生阻害剤、インターロイキン受容体阻害剤、ブロモドメイン及び末端外ドメインファミリーのメンバーの阻害剤(例えば、ブロモドメイン阻害剤またはBET阻害剤(INCB54329及びINCB57643など))、c-MET阻害剤(例えば、カプマチニブ)、抗CD19抗体(例えば、タファシタマブ)、ALK2阻害剤(例えば、INCB00928)、あるいはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0113】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の治療方法は、PI3Kδ阻害剤の投与と併用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の治療方法は、JAK阻害剤の投与と併用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の治療方法は、JAK1阻害剤またはJAK2阻害剤(例えば、バリシチニブまたはルキソリチニブ)の投与と併用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の治療方法は、JAK1阻害剤の投与と併用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の治療方法は、選択性がJAK2へのものよりも高いJAK1阻害剤の投与と併用される。
【0114】
併用療法において投与され得る抗体の例としては、限定されないが、トラスツズマブ(例えば、抗HER2)、ラニビズマブ(例えば、抗VEGF-A)、ベバシズマブ(AVASTIN(商標)、例えば、抗VEGF)、パニツムマブ(例えば、抗EGFR)、セツキシマブ(例えば、抗EGFR)、リツキサン(例えば、抗CD20)、及びc-METに指向化された抗体が挙げられる。
【0115】
下記の薬剤のうちの1つ以上が本開示の治療方法と組み合わせて患者に投与され得るが、これらの薬剤は、非限定的なリストとして示されるものである:細胞増殖抑制剤、シスプラチン、ドキソルビシン、タキソテール、タキソール、エトポシド、イリノテカン、カンプトスター(camptostar)、トポテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロン、タモキシフェン、5-フルオロウラシル、メトクストレキサート(methoxtrexate)、テモゾロミド、シクロホスファミド、SCH66336、R115777、L778,123、BMS214662、IRESSA(商標)(ゲフィチニブ)、TARCEVA(商標)(エルロチニブ)、EGFRに対する抗体、イントロン、ara-C、アドリアマイシン、シトキサン、ゲムシタビン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホロアミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、フロクスウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラビン、オキサリプラチン、ロイコビリン(leucovirin)、ELOXATIN(商標)(オキサリプラチン)、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミスラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、テニポシド17.アルファ.-エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、酢酸メゲストロール、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ロイプロリド、フルタミド、トレミフェン、ゴセレリン、カルボプラチン、ヒドロキシ尿素、アムサクリン、プロカルバジン、ミトタン、ミトキサントロン、レバミゾール、ナベルベン(navelbene)、アナストラゾール(anastrazole)、レトラゾール(letrazole)、カペシタビン、レロキサフィン(reloxafine)、ドロロキサフィン(droloxafine)、ヘキサメチルメラミン、アバスチン、HERCEPTIN(商標)(トラスツズマブ)、BEXXAR(商標)(トシツモマブ)、VELCADE(商標)(ボルテゾミブ)、ZEVALIN(商標)(イブリツモマブチウキセタン)、TRISENOX(商標)(三酸化ヒ素)、XELODA(商標)(カペシタビン)、ビノレルビン、ポルフィマー、ERBITUX(商標)(セツキシマブ)、チオテパ、アルトレタミン、メルファラン、トラスツズマブ、レロゾール(lerozole)、フルベストラント、エキセメスタン、イホスフォミド(ifosfomide)、リツキシマブ、C225(セツキシマブ)、Campath(アレムツズマブ)、クロファラビン、クラドリビン、アフィジコロン(aphidicolon)、リツキサン、スニチニブ、ダサチニブ、テザシタビン、Sml1、フルダラビン、ペントスタチン、トリアピン(triapine)、ディドックス(didox)、トリミドックス、アミドックス、3-AP、及びMDL-101,731。
【0116】
本開示の治療方法及びレジメンは、他のがん治療方法ともさらに併用され得る。こうしたがん治療方法は、例えば、化学療法、放射線療法、腫瘍標的化治療、アジュバント療法、免疫療法、または手術によるものである。免疫療法の例としては、サイトカイン治療(例えば、インターフェロン、GM-CSF、G-CSF、IL-2)、CRS-207免疫療法、がんワクチン、モノクローナル抗体、二重特異性抗体または多重特異性抗体、抗体薬物複合体、養子T細胞移入、Toll受容体アゴニスト、RIG-Iアゴニスト、腫瘍溶解性ウイルス療法、ならびに免疫調節性小分子(サリドマイドまたはJAK1/2阻害剤、PI3Kδ阻害剤、及び同様のものを含む)が挙げられる。化合物は、1つ以上の抗がん剤(化学療法剤など)と併用投与され得る。化学療法剤の例としては、アバレリックス、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アロプリノール、アルトレタミン、アナストロゾール、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アザシチジン、ベバシズマブ、ベキサロテン、バリシチニブ、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、静注ブスルファン、経口ブスルファン、カルステロン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、セツキシマブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダルテパリンナトリウム、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デニロイキン、デニロイキンジフチトクス、デクスラゾキサン、ドセタキセル、ドキソルビシン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エクリズマブ、エパカドスタット、エピルビシン、エルロチニブ、エストラムスチン、リン酸エトポシド、エトポシド、エキセメスタン、クエン酸フェンタニル、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブオゾガマイシン、酢酸ゴセレリン、酢酸ヒストレリン、イブリツモマブチウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、メシル酸イマチニブ、インターフェロンアルファ2a、イリノテカン、二トシル酸ラパチニブ、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリン、酢酸ロイプロリド、レバミゾール、ロムスチン、メクロレタミン、酢酸メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトキサレン、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、フェンプロピオン酸ナンドロロン、ネララビン、ノフェツモマブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロネート、パニツムマブ、ペグアスパラガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペメトレキセド二ナトリウム、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、プロカルバジン、キナクリン、ラスブリカーゼ、リツキシマブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、マレイン酸スニチニブ、タモキシフェン、テモゾロミド、テニポシド、テストラクトン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレチノイン、ウラシルマスタード、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ボリノスタット、及びゾレドロネートのうちのいずれかが挙げられる。
【0117】
化学療法剤の追加の例としては、プロテオソーム(proteosome)阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、サリドマイド、レブラミド、ならびにDNA損傷剤(メルファラン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、エトポシド、カルムスチン、及び同様のものなど)が挙げられる。
【0118】
ステロイドの例としては、副腎皮質ステロイド(デキサメタゾンまたはプレドニゾンなど)が挙げられる。
【0119】
Bcr-Abl阻害剤の例としては、メシル酸イマチニブ(GLEEVAC(商標))、ニロチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、及びポナチニブ、ならびに医薬的に許容可能な塩が挙げられる。他の適切なBcr-Abl阻害剤の例としては、米国特許第5,521,184号、WO04/005281、及び米国第60/578,491号に開示の属及び種の化合物及びその医薬的に許容可能な塩が挙げられる。
【0120】
適切なFlt-3阻害剤の例としては、ミドスタウリン、レスタウルチニブ、リニファニブ、スニチニブ、マレイン酸スニチニブ、ソラフェニブ、キザルチニブ、クレノラニブ、パクリチニブ、タンズチニブ、PLX3397及びASP2215、ならびにその医薬的に許容可能な塩が挙げられる。他の適切なFlt-3阻害剤の例としては、WO03/037347、WO03/099771、及びWO04/046120に開示の化合物及びその医薬的に許容可能な塩が挙げられる。
【0121】
適切なRAF阻害剤の例としては、ダブラフェニブ、ソラフェニブ、及びベムラフェニブ、ならびにその医薬的に許容可能な塩が挙げられる。他の適切なRAF阻害剤の例としては、WO00/09495及びWO05/028444に開示の化合物及びその医薬的に許容可能な塩が挙げられる。
【0122】
適切なFAK阻害剤の例としては、VS-4718、VS-5095、VS-6062、VS-6063、BI853520、及びGSK2256098、ならびにその医薬的に許容可能な塩が挙げられる。他の適切なFAK阻害剤の例としては、WO04/080980、WO04/056786、WO03/024967、WO01/064655、WO00/053595、及びWO01/014402に開示の化合物及びその医薬的に許容可能な塩が挙げられる。
【0123】
適切なCDK4/6阻害剤の例としては、パルボシクリブ、リボシクリブ、トリラシクリブ、レロシクリブ、及びアベマシクリブ、ならびにその医薬的に許容可能な塩が挙げられる。他の適切なCDK4/6阻害剤の例としては、WO09/085185、WO12/129344、WO11/101409、WO03/062236、WO10/075074、及びWO12/061156に開示の化合物及びその医薬的に許容可能な塩が挙げられる。
【0124】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、特にイマチニブまたは他のキナーゼ阻害剤に抵抗性の患者を治療するための、イマチニブを含む1つ以上の他のキナーゼ阻害剤と併用され得る。
【0125】
いくつかの実施形態では、本開示の治療方法は、がんの治療において化学療法剤と併用することができ、化学療法剤単独に対する応答と比較して、その毒性作用を悪化させることなく治療応答を改善させることができる。いくつかの実施形態では、本開示の治療方法は、本明細書で提供される化学療法剤と併用され得る。例えば、多発性骨髄腫の治療において使用される追加の医薬品には、限定されないが、メルファラン、メルファラン+プレドニゾン[MP]、ドキソルビシン、デキサメタゾン、及びVelcade(ボルテゾミブ)が含まれ得る。多発性骨髄腫の治療において使用されるさらなる追加の薬剤には、Bcr-Abl、Flt-3、RAF、及びFAKキナーゼ阻害剤が含まれる。いくつかの実施形態では、薬剤は、アルキル化剤、プロテアソーム阻害剤、副腎皮質ステロイド、または免疫調節剤である。アルキル化剤の例としては、シクロホスファミド(CY)、メルファラン(MEL)、及びベンダムスチンが挙げられる。いくつかの実施形態では、プロテアソーム阻害剤は、カルフィルゾミブである。いくつかの実施形態では、副腎皮質ステロイドは、デキサメタゾン(DEX)である。いくつかの実施形態では、免疫調節剤は、レナリドミド(LEN)またはポマリドミド(POM)である。本開示の治療方法と追加の薬剤とを併用する結果としては、相加効果または相乗効果が望ましい。
【0126】
薬剤は、単一の剤形または連続式の剤形において本開示の治療方法の化合物1及び/またはヒトPD-1またはヒトPD-L1に結合する抗体またはその抗原結合断片と併用され得るか、あるいは薬剤は、別々の剤形として同時または連続的に投与され得る。
【0127】
いくつかの実施形態では、副腎皮質ステロイド(デキサメタゾンなど)が本開示の治療方法と組み合わせて患者に投与され、デキサメタゾンは、連続的なものとは対照的に、間欠的に投与される。
【0128】
本明細書に記載の治療方法は、別の免疫原性剤と併用することができ、こうした免疫原性剤は、がん性細胞、精製腫瘍抗原(組換えタンパク質、ペプチド、及び糖質分子を含む)、細胞、ならびに免疫刺激性サイトカインをコードする遺伝子がトランスフェクションされた細胞などである。使用され得る腫瘍ワクチンの例としては、限定されないが、黒色腫抗原のペプチド(gp100、MAGE抗原、Trp-2、MARTI、及び/またはチロシナーゼのペプチドなど)、あるいはサイトカインGM-CSFを発現するようにトランスフェクションされた腫瘍細胞が挙げられる。
【0129】
本明細書に記載の治療方法は、がんを治療するためのワクチン接種プロトコールと併用され得る。いくつかの実施形態では、腫瘍細胞は、GM-CSFを発現するように形質導入される。いくつかの実施形態では、腫瘍ワクチンは、ヒトのがんに関与するウイルス(ヒトパピローマウイルス(HPV)、肝炎ウイルス(HBV及びHCV)、ならびにカポジヘルペス肉腫ウイルス(KHSV)など)に由来するタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、本開示の治療方法及びレジメンは、腫瘍特異的抗原(腫瘍組織自体から単離された熱ショックタンパク質など)と併用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の治療方法は、強力な抗腫瘍応答を活性化するために樹状細胞免疫化と併用され得る。
【0130】
本開示の治療方法及びレジメンは、腫瘍細胞をFeアルファ受容体発現エフェクター細胞またはFeガンマ受容体発現エフェクター細胞の標的にする二重特異性大環状ペプチドと併用され得る。本開示の治療方法及びレジメンは、宿主免疫応答性を活性化する大環状ペプチドとも併用され得る。
【0131】
いくつかの別の実施形態では、本開示の治療方法は、骨髄移植または幹細胞移植の前、間、及び/または後に患者に行われる他の治療剤の投与と併用される。本開示の治療方法及びレジメンは、造血起源のさまざまな腫瘍の治療ための骨髄移植と併用され得る。
【0132】
複数の医薬品が患者に投与される場合、上記の実施形態のいずれかにおいて論じられるように、それらの医薬品は、同時に、別々に、連続的に、または組み合わせて投与され得る(例えば、2つ超の薬剤の場合)。
【0133】
こうした化学療法剤のほとんどについて、それらを安全かつ有効に投与するための方法が当業者に知られている。さらに、それらの投与については、標準的な文献に記載されている。例えば、化学療法剤の多くは、それらの投与について、“Physicians’ Desk Reference”(PDR、例えば、1996 edition,Medical Economics Company,Montvale,NJ)に記載されており、当該文献の開示は、その全体が示されるのと同様に、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0134】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、免疫チェックポイント阻害剤と併用され得る。免疫チェックポイント阻害剤の例としては、免疫チェックポイント分子に対する阻害剤が挙げられ、こうした免疫チェックポイント分子は、CD27、CD28、CD40、CD122、CD96、CD73、CD47、OX40、GITR、CSF1R、JAK、PI3Kデルタ、PI3Kガンマ、TAM、アルギナーゼ、CD137(4-1BBとしても知られる)、ICOS、A2AR、B7-H3、B7-H4、BTLA、CTLA-4、LAG3(例えば、INCAGN2385)、TIM3(例えば、INCB2390)、VISTA、PD-1、PD-L1、及びPD-L2などである。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子は、CD27、CD28、CD40、ICOS、OX40(例えば、INCAGN1949)、GITR(例えば、INCAGN1876)、及びCD137から選択される刺激性チェックポイント分子である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子は、A2AR、B7-H3、B7-H4、BTLA、CTLA-4、IDO、KIR、LAG3、PD-1、TIM3、及びVISTAから選択される抑制性チェックポイント分子である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、KIR阻害剤、TIGIT阻害剤、LAIR1阻害剤、CD160阻害剤、2B4阻害剤、及びTGFRベータ阻害剤から選択される1つ以上の薬剤と併用され得る。
【0135】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、小分子PD-L1阻害剤である。いくつかの実施形態では、小分子PD-L1阻害剤のIC50は、米国特許公開公報第US20170107216号、同第US20170145025号、同第US20170174671号、同第US20170174679号、同第US20170320875号、同第US20170342060号、同第US20170362253号、及び同第US20180016260(これらの文献はそれぞれ、その全体が参照によってあらゆる目的のために組み込まれる)に記載のPD-L1アッセイにおいては、1μM未満、100nM未満、10nM未満、または1nM未満である。
【0136】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PD-1の阻害剤(例えば、抗PD-1モノクローナル抗体)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1モノクローナル抗体は、MGA012、ニボルマブ、ペムブロリズマブ(MK-3475としても知られる)、ピジリズマブ、SHR-1210、PDR001、イピルミマブ(ipilumimab)、またはAMP-224である。いくつかの実施形態では、抗PD-1モノクローナル抗体は、ニボルマブまたはペムブロリズマブである。いくつかの実施形態では、抗PD1抗体は、ペムブロリズマブである。いくつかの実施形態では、抗PD1抗体は、ニボルマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-1モノクローナル抗体は、MGA012(レチファンリマブ)である。いくつかの実施形態では、抗PD1抗体は、SHR-1210である。他の抗がん剤(複数可)には、抗体医薬(4-1BBに対するもの(例えば、ウレルマブ、ウトミルマブ)など)が含まれる。
【0137】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、INCB086550と併用され得る。
【0138】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PD-L1の阻害剤(例えば、抗PD-L1モノクローナル抗体)である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1モノクローナル抗体は、BMS-935559、MEDI4736、MPDL3280A(RG7446としても知られる)、またはMSB0010718Cである。いくつかの実施形態では、抗PD-L1モノクローナル抗体は、MPDL3280AまたはMEDI4736である。
【0139】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CTLA-4の阻害剤(例えば、抗CTLA-4抗体)である。いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブ、トレメリムマブ、AGEN1884、またはCP-675,206である。
【0140】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、LAG3の阻害剤(例えば、抗LAG3抗体)である。いくつかの実施形態では、抗LAG3抗体は、BMS-986016、LAG525、またはINCAGN2385である。
【0141】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、TIM3の阻害剤(例えば、抗TIM3抗体)である。いくつかの実施形態では、抗TIM3抗体は、INCAGN2390、MBG453、またはTSR-022である。
【0142】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、GITRの阻害剤(例えば、抗GITR抗体)である。いくつかの実施形態では、抗GITR抗体は、TRX518、MK-4166、INCAGN1876、MK-1248、AMG228、BMS-986156、GWN323、またはMEDI1873である。
【0143】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、OX40のアゴニスト(例えば、OX40アゴニスト抗体またはOX40L融合タンパク質)である。いくつかの実施形態では、抗OX40抗体は、MEDI0562、MOXR-0916、PF-04518600、GSK3174998、またはBMS-986178である。いくつかの実施形態では、OX40L融合タンパク質は、MEDI6383である。
【0144】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CD20の阻害剤(例えば、抗CD20抗体)である。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、オビヌツズマブまたはリツキシマブである。
【0145】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CD19の阻害剤(例えば、抗CD19抗体)である。いくつかの実施形態では、抗CD19抗体は、タファシタマブである。
【0146】
本開示の化合物は、二重特異性抗体と併用され得る。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体のドメインのうちの1つは、PD-1、PD-L1、CTLA-4、GITR、OX40、TIM3、LAG3、CD137、ICOS、CD3、またはTGFβ受容体を標的とする。
【0147】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、1つ以上の代謝酵素阻害剤と併用され得る。いくつかの実施形態では、代謝酵素阻害剤は、IDO1、TDO、またはアルギナーゼの阻害剤である。IDO1阻害剤の例としては、エパカドスタット、NLG919、BMS-986205、PF-06840003、IOM2983、RG-70099、及びLY338196が挙げられる。
【0148】
本開示の化合物は、疾患(がんまたは感染症など)を治療するための1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤と併用され得る。免疫チェックポイント阻害剤の例としては、免疫チェックポイント分子に対する阻害剤が挙げられ、こうした免疫チェックポイント分子は、CBL-B、CD20、CD28、CD40、CD70、CD122、CD96、CD73、CD47、CDK2、GITR、CSF1R、JAK、PI3Kデルタ、PI3Kガンマ、TAM、アルギナーゼ、HPK1、CD137(4-1BBとしても知られる)、ICOS、A2AR、B7-H3、B7-H4、BTLA、CTLA-4、LAG3、TIM3、TLR(TLR7/8)、TIGIT、CD112R、VISTA、PD-1、PD-L1、及びPD-L2などである。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子は、CD27、CD28、CD40、ICOS、OX40、GITR、及びCD137から選択される刺激性チェックポイント分子である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子は、A2AR、B7-H3、B7-H4、BTLA、CTLA-4、IDO、KIR、LAG3、PD-1、TIM3、TIGIT、及びVISTAから選択される抑制性チェックポイント分子である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、KIR阻害剤、TIGIT阻害剤、LAIR1阻害剤、CD160阻害剤、2B4阻害剤、及びTGFRベータ阻害剤から選択される1つ以上の薬剤と併用され得る。
【0149】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、免疫チェックポイント分子(例えば、OX40、CD27、GITR、及びCD137(4-1BBとしても知られる))の1つ以上のアゴニストと併用され得る。
【0150】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、抗PD1抗体、抗PD-L1抗体、または抗CTLA-4抗体である。
【0151】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PD-1またはPD-L1の阻害剤(例えば、抗PD-1モノクローナル抗体または抗PD-L1モノクローナル抗体)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体または抗PD-L1抗体は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、セミプリマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、チスレリズマブ、スパルタリズマブ(PDR001)、セトレリマブ(JNJ-63723283)、トリパリマブ(JS001)、カムレリズマブ(SHR-1210)、シンチリマブ(IBI308)、AB122(GLS-010)、AMP-224、AMP-514/MEDI-0680、BMS936559、JTX-4014、BGB-108、SHR-1210、MEDI4736、FAZ053、BCD-100、KN035、CS1001、BAT1306、LZM009、AK105、HLX10、SHR-1316、CBT-502(TQB2450)、A167(KL-A167)、STI-A101(ZKAB001)、CK-301、BGB-A333、MSB-2311、HLX20、TSR-042、またはLY3300054である。いくつかの実施形態では、PD-1またはPD-L1の阻害剤は、米国特許第7,488,802号、同第7,943,743号、同第8,008,449号、同第8,168,757号、同第8,217,149号、もしくは同第10,308,644号、米国公開公報第2017/0145025号、同第2017/0174671号、同第2017/0174679号、同第2017/0320875号、同第2017/0342060号、同第2017/0362253号、同第2018/0016260号、同第2018/0057486号、同第2018/0177784号、同第2018/0177870号、同第2018/0179179号、同第2018/0179201号、同第2018/0179202号、同第2018/0273519号、同第2019/0040082号、同第2019/0062345号、同第2019/0071439号、同第2019/0127467号、同第2019/0144439号、同第2019/0202824号、同第2019/0225601号、同第2019/0300524号、もしくは同第2019/0345170号、またはPCT公開公報第WO03042402号、同第WO2008156712号、同第WO2010089411号、同第WO2010036959号、同第WO2011066342号、同第WO2011159877号、同第WO2011082400号、もしくは同第WO2011161699号に開示のものであり、これらの文献はそれぞれ、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、PD-L1の阻害剤は、INCB086550である。
【0152】
いくつかの実施形態では、抗体は、抗PD-1抗体(例えば、抗PD-1モノクローナル抗体)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、セミプリマブ、スパルタリズマブ、カムレリズマブ、セトレリマブ、トリパリマブ、シンチリマブ、AB122、AMP-224、JTX-4014、BGB-108、BCD-100、BAT1306、LZM009、AK105、HLX10、またはTSR-042である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、セミプリマブ、スパルタリズマブ、カムレリズマブ、セトレリマブ、トリパリマブ、またはシンチリマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ニボルマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、セミプリマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、スパルタリズマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、カムレリズマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、セトレリマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、トリパリマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、シンチリマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、AB122である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、AMP-224である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、JTX-4014である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、BGB-108である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、BCD-100である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、BAT1306である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、LZM009である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、AK105である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、HLX10である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、TSR-042である。いくつかの実施形態では、抗PD-1モノクローナル抗体は、ニボルマブまたはペムブロリズマブである。いくつかの実施形態では、抗PD1抗体は、SHR-1210である。他の抗がん剤(複数可)には、抗体医薬(4-1BBに対するもの(例えば、ウレルマブ、ウトミルマブ)など)が含まれる。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PD-L1の阻害剤(例えば、抗PD-L1モノクローナル抗体)である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1モノクローナル抗体は、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、チスレリズマブ、BMS-935559、MEDI4736、アテゾリズマブ(MPDL3280A;RG7446としても知られる)、アベルマブ(MSB0010718C)、FAZ053、KN035、CS1001、SHR-1316、CBT-502、A167、STI-A101、CK-301、BGB-A333、MSB-2311、HLX20、またはLY3300054である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、またはチスレリズマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、アテゾリズマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、アベルマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、デュルバルマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、チスレリズマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、BMS-935559である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、MEDI4736である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、FAZ053である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、KN035である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、CS1001である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、SHR-1316である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、CBT-502である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、A167である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、STI-A101である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、CK-301である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、BGB-A333である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、MSB-2311である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、HLX20である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、LY3300054である。
【0153】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PD-L1に結合する小分子またはその医薬的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PD-L1に結合し、それを内部移行させる小分子またはその医薬的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、US2018/0179201、US2018/0179197、US2018/0179179、US2018/0179202、US2018/0177784、US2018/0177870、US第16/369,654号(2019年3月29日出願)、及びUS第62/688,164号に記載のものから選択される化合物またはその医薬的に許容可能な塩であり、これらの文献はそれぞれ、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0154】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、KIR、TIGIT、LAIR1、CD160、2B4、及びTGFRベータの阻害剤である。
【0155】
いくつかの実施形態では、阻害剤は、MCLA-145である。
【0156】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CTLA-4の阻害剤(例えば、抗CTLA-4抗体)である。いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブ、トレメリムマブ、AGEN1884、またはCP-675,206である。
【0157】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、LAG3の阻害剤(例えば、抗LAG3抗体)である。いくつかの実施形態では、抗LAG3抗体は、BMS-986016、LAG525、INCAGN2385、またはエフチラギモドアルファ(IMP321)である。
【0158】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CD73の阻害剤である。いくつかの実施形態では、CD73の阻害剤は、オレクルマブである。
【0159】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、TIGITの阻害剤である。いくつかの実施形態では、TIGITの阻害剤は、OMP-31M32である。
【0160】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、VISTAの阻害剤である。いくつかの実施形態では、VISTAの阻害剤は、JNJ-61610588またはCA-170である。
【0161】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、B7-H3の阻害剤である。いくつかの実施形態では、B7-H3の阻害剤は、エノブリツズマブ、MGD009、または8H9である。
【0162】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、KIRの阻害剤である。いくつかの実施形態では、KIRの阻害剤は、リリルマブまたはIPH4102である。
【0163】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、A2aRの阻害剤である。いくつかの実施形態では、A2aRの阻害剤は、CPI-444である。
【0164】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、TGF-ベータの阻害剤である。いくつかの実施形態では、TGF-ベータの阻害剤は、トラベデルセン、ガルセルチブ(galusertinib)、またはM7824である。
【0165】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PI3K-ガンマの阻害剤である。いくつかの実施形態では、PI3K-ガンマの阻害剤は、IPI-549である。
【0166】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CD47の阻害剤である。いくつかの実施形態では、CD47の阻害剤は、Hu5F9-G4またはTTI-621である。
【0167】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CD73の阻害剤である。いくつかの実施形態では、CD73の阻害剤は、MEDI9447である。
【0168】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CD70の阻害剤である。いくつかの実施形態では、CD70の阻害剤は、クサツズマブまたはBMS-936561である。
【0169】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、TIM3の阻害剤(例えば、抗TIM3抗体)である。いくつかの実施形態では、抗TIM3抗体は、INCAGN2390、MBG453、またはTSR-022である。
【0170】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CD20の阻害剤(例えば、抗CD20抗体)である。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、オビヌツズマブまたはリツキシマブである。
【0171】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子のアゴニストは、OX40、CD27、CD28、GITR、ICOS、CD40、TLR7/8、及びCD137(4-1BBとしても知られる)のアゴニストである。
【0172】
いくつかの実施形態では、CD137のアゴニストは、ウレルマブである。いくつかの実施形態では、CD137のアゴニストは、ウトミルマブである。
【0173】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子のアゴニストは、GITRの阻害剤である。いくつかの実施形態では、GITRのアゴニストは、TRX518、MK-4166、INCAGN1876、MK-1248、AMG228、BMS-986156、GWN323、MEDI1873、またはMEDI6469である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子のアゴニストは、OX40のアゴニスト(例えば、OX40アゴニスト抗体またはOX40L融合タンパク質)である。いくつかの実施形態では、抗OX40抗体は、INCAGN01949、MEDI0562(タボリマブ)、MOXR-0916、PF-04518600、GSK3174998、BMS-986178、または9B12である。いくつかの実施形態では、OX40L融合タンパク質は、MEDI6383である。
【0174】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子のアゴニストは、CD40のアゴニストである。いくつかの実施形態では、CD40のアゴニストは、CP-870893、ADC-1013、CDX-1140、SEA-CD40、RO7009789、JNJ-64457107、APX-005M、またはChi Lob7/4である。
【0175】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子のアゴニストは、ICOSのアゴニストである。いくつかの実施形態では、ICOSのアゴニストは、GSK-3359609、JTX-2011、またはMEDI-570である。
【0176】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子のアゴニストは、CD28のアゴニストである。いくつかの実施形態では、CD28のアゴニストは、セラリズマブである。
【0177】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子のアゴニストは、CD27のアゴニストである。いくつかの実施形態では、CD27のアゴニストは、バリルマブである。
【0178】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子のアゴニストは、TLR7/8のアゴニストである。いくつかの実施形態では、TLR7/8のアゴニストは、MEDI9197である。
【0179】
本開示の化合物は、二重特異性抗体と併用され得る。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体のドメインのうちの1つは、PD-1、PD-L1、CTLA-4、GITR、OX40、TIM3、LAG3、CD137、ICOS、CD3、またはTGFβ受容体を標的とする。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、PD-1及びPD-L1に結合する。いくつかの実施形態では、PD-1及びPD-L1に結合する二重特異性抗体は、MCLA-136である。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、PD-L1及びCTLA-4に結合する。いくつかの実施形態では、PD-L1及びCTLA-4に結合する二重特異性抗体は、AK104である。
【0180】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、1つ以上の代謝酵素阻害剤と併用され得る。いくつかの実施形態では、代謝酵素阻害剤は、IDO1、TDO、またはアルギナーゼの阻害剤である。IDO1阻害剤の例としては、エパカドスタット、NLG919、BMS-986205、PF-06840003、IOM2983、RG-70099、及びLY338196が挙げられる。アルギナーゼ阻害剤の阻害剤には、INCB1158が含まれる。
【0181】
全体を通じて提供される追加の化合物、阻害剤、薬剤などは、単一の剤形もしくは連続式の剤形において本開示の化合物と併用され得るか、またはそうしたものは、別々の剤形として同時もしくは連続的に投与され得る。
【0182】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、疾患(がんなど)を治療するための1つ以上の薬剤と併用され得る。いくつかの実施形態では、薬剤は、アルキル化剤、プロテアソーム阻害剤、副腎皮質ステロイド、または免疫調節剤である。アルキル化剤の例としては、シクロホスファミド(CY)、メルファラン(MEL)、及びベンダムスチンが挙げられる。いくつかの実施形態では、プロテアソーム阻害剤は、カルフィルゾミブである。いくつかの実施形態では、副腎皮質ステロイドは、デキサメタゾン(DEX)である。いくつかの実施形態では、免疫調節剤は、レナリドミド(LEN)またはポマリドミド(POM)である。
【0183】
本開示の化合物との併用が企図される適切な抗ウイルス剤は、ヌクレオシド及びヌクレオチド系の逆転写酵素阻害剤(NRTI)、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)、プロテアーゼ阻害剤、ならびに他の抗ウイルス剤を含み得る。
【0184】
適切なNRTIの例としては、ジドブジン(AZT)、ジダノシン(ddl)、ザルシタビン(ddC)、スタブジン(d4T)、ラミブジン(3TC)、アバカビル(1592U89)、アデホビルジピボキシル[ビス(POM)-PMEA]、ロブカビル(BMS-180194)、BCH-10652、エムトリシタビン[(-)-FTC]、ベータ-L-FD4(ベータ-L-D4Cとも呼ばれ、名称は、ベータ-L-2’,3’-ジクレオキシ-5-フルオロ-シチデンである)、DAPD,((-)-ベータ-D-2,6,-ジアミノ-プリンジオキソラン)、及びロデノシン(FddA)が挙げられる。典型的な適切なNNRTIには、ネビラピン(BI-RG-587)、デラビルジン(BHAP、U-90152)、エファビレンツ(DMP-266)、PNU-142721、AG-1549、MKC-442(1-(エトキシ-メチル)-5-(1-メチルエチル)-6-(フェニルメチル)-(2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン)、ならびに(+)-カラノリドA(NSC-675451)及びBが含まれる。典型的な適切なプロテアーゼ阻害剤には、サキナビル(Ro31-8959)、リトナビル(ABT-538)、インジナビル(MK-639)、ネルフィナビル(AG-1343)、アンプレナビル(141W94)、ラシナビル(BMS-234475)、DMP-450、BMS-2322623、ABT-378、及びAG-1549が含まれる。他の抗ウイルス剤には、ヒドロキシ尿素、リバビリン、IL-2、IL-12、ペンタフシド(pentafuside)、及びYissumプロジェクト第11607号が含まれる。
【0185】
がんの治療のための本明細書に記載の化合物との併用に適した薬剤には、化学療法剤、標的化がん治療、免疫療法、または放射線療法が含まれる。本明細書に記載の化合物は、乳癌及び他の腫瘍を治療するための抗ホルモン剤との併用に有効であり得る。適切な例は、抗エストロゲン剤(限定されないが、タモキシフェン及びトレミフェンを含む)、アロマターゼ阻害剤(限定されないが、レトロゾール、アナストロゾール、及びエキセメスタンを含む)、副腎皮質ステロイド(例えばプレドニゾン)、プロゲスチン(例えば、酢酸メガストロール(megastrol acetate))、ならびにエストロゲン受容体アンタゴニスト(例えば、フルベストラント)である。前立腺癌及び他のがんの治療に使用される適切な抗ホルモン剤もまた、本明細書に記載の化合物と併用され得る。こうした抗ホルモン剤には、抗アンドロゲン剤(限定されないが、フルタミド、ビカルタミド、及びニルタミドを含む)、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)類似体(ロイプロリド、ゴセレリン、トリプトレリン、及びヒストレリンを含む)、LHRHアンタゴニスト(例えば、デガレリクス)、アンドロゲン受容体遮断剤(例えば、エンザルタミド)、ならびにアンドロゲン産生を抑制する薬剤(例えば、アビラテロン)が含まれる。
【0186】
本明細書に記載の化合物は、標的化治療に対する抵抗性が最初から存在するか、またはそうした抵抗性を獲得している患者を特に対象として、膜受容体キナーゼに対する他の薬剤と併用または連続使用され得る。こうした治療剤には、EGFR、Her2、VEGFR、c-Met、Ret、IGFR1、またはFlt-3に対する阻害剤または抗体、ならびにがん関連融合タンパク質キナーゼ(Bcr-Abl及びEML4-Alkなど)に対する阻害剤または抗体が含まれる。EGFRに対する阻害剤には、ゲフィチニブ及びエルロチニブが含まれ、EGFR/Her2に対する阻害剤には、限定されないが、ダコミチニブ、アファチニブ、ラピチニブ(lapitinib)、及びネラチニブが含まれる。EGFRに対する抗体には、限定されないが、セツキシマブ、パニツムマブ、及びネシツムマブが含まれる。c-Metの阻害剤がFGFR阻害剤と併用され得る。こうしたc-Met阻害剤には、オナルツムズマブ(onartumzumab)、チバンチニブ、及びINC-280が含まれる。Abl(またはBcr-Abl)に対する薬剤には、イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、及びポナチニブが含まれ、Alk(またはEML4-ALK)に対する薬剤には、クリゾチニブが含まれる。
【0187】
血管新生阻害剤は、FGFR阻害剤と併用すると、いくつかの腫瘍に有効であり得る。こうした血管新生阻害剤には、VEGFもしくはVEGFRに対する抗体、またはVEGFRのキナーゼ阻害剤が含まれる。VEGFに対する抗体または他の治療タンパク質には、ベバシズマブ及びアフリベルセプトが含まれる。VEGFRキナーゼの阻害剤、及び他の抗血管新生阻害剤には、限定されないが、スニチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、セジラニブ、パゾパニブ、レゴラフェニブ、ブリバニブ、及びバンデタニブが含まれる。
【0188】
がんにおいては細胞内シグナル伝達経路が頻繁に活性化されており、こうした経路の構成要素を標的とする薬剤を、受容体を標的とする薬剤と併用することで、有効性が高まり、抵抗性が低減される。本明細書に記載の化合物と併用され得る薬剤の例としては、PI3K-AKT-mTOR経路の阻害剤、Raf-MAPK経路の阻害剤、JAK-STAT経路の阻害剤、ならびにタンパク質シャペロン及び細胞周期進行の阻害剤が挙げられる。
【0189】
PI3キナーゼに対する薬剤には、限定されないが、トピララリシブ(topilaralisib)、イデラリシブ、ブパリシブが含まれる。mTORの阻害剤(ラパマイシン、シロリムス、テムシロリムス、及びエベロリムスなど)が、FGFR阻害剤と併用され得る。他の適切な例としては、限定されないが、ベムラフェニブ及びダブラフェニブ(Raf阻害剤)、ならびにトラメチニブ、セルメチニブ、及びGDC-0973(MEK阻害剤)が挙げられる。1つ以上のJAKの阻害剤(例えば、ルキソリチニブ、バリシチニブ、トファシチニブ)、Hsp90の阻害剤(例えば、タネスピマイシン)、サイクリン依存性キナーゼの阻害剤(例えば、パルボシクリブ)、HDACの阻害剤(例えば、パノビノスタット)、PARPの阻害剤(例えば、オラパリブ)、及びプロテアソームの阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ)もまた、本明細書に記載の化合物と併用され得る。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤は、JAK2及びJAK3と比較してJAK1に選択的である。
【0190】
本明細書に記載の化合物との併用に適した他の薬剤には、肺癌及び他の固形腫瘍において使用される併用化学療法(プラチナベースの二剤併用療法(シスプラチンもしくはカルボプラチン+ゲムシタビン、シスプラチンもしくはカルボプラチン+ドセタキセル、シスプラチンもしくはカルボプラチン+パクリタキセル、シスプラチンもしくはカルボプラチン+ペメトレキセド)、またはゲムシタビン+パクリタキセル結合粒子(Abraxane(登録商標))など)が含まれる。
【0191】
適切な化学療法剤または他の抗がん剤には、例えば、アルキル化剤(限定されないが、ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン誘導体、スルホン酸アルキル、ニトロソ尿素、及びトリアゼンを含む)が含まれ、こうしたアルキル化剤は、ウラシルマスタード、クロルメチン、シクロホスファミド(Cytoxan(商標))、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレン-メラミン、トリエチレンチオホスホロアミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、及びテモゾロミドなどである。
【0192】
本明細書に記載の化合物との併用に適した薬剤にはステロイドが含まれ、こうしたステロイドには、17アルファ-エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、及び酢酸メドロキシプロゲステロンが含まれる。
【0193】
本明細書に記載の化合物との併用に適した薬剤には、ダカルバジン(DTIC)(任意選択で他の化学療法剤(カルムスチン(BCNU)及びシスプラチンなど)と併用される);「Dartmouthレジメン」(DTIC、BCNU、シスプラチン、及びタモキシフェンからなる);シスプラチン、ビンブラスチン、及びDTICの組み合わせ;またはテモゾロミドが含まれる。本明細書に記載の化合物は、免疫療法剤とも併用することができ、こうした免疫療法剤には、サイトカイン(インターフェロンアルファ、インターロイキン2、及び腫瘍壊死因子(TNF)など)が含まれる。
【0194】
適切な化学療法剤または他の抗がん剤には、例えば、代謝拮抗剤(限定されないが、葉酸アンタゴニスト、ピリミジン類似体、プリン類似体、及びアデノシンデアミナーゼ阻害剤を含む)が含まれ、こうした代謝拮抗剤は、メトトレキサート、5-フルオロウラシル、フロクスウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラビン、ペントスタチン、及びゲムシタビンなどである。
【0195】
適切な化学療法剤または他の抗がん剤には、例えば、ある特定の天然物及びその誘導体(例えば、ビンカアルカロイド、抗腫瘍抗生物質、酵素、リンホカイン、及びエピポドフィロトキシン)がさらに含まれ、こうした天然物及びその誘導体は、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ara-C、パクリタキセル(TAXOL(商標))、ミスラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、インターフェロン(特にIFN-a)、エトポシド、及びテニポシドなどである。
【0196】
他の細胞傷害性剤には、ナベルベン(navelbene)、CPT-11、アナストラゾール(anastrazole)、レトラゾール(letrazole)、カペシタビン、レロキサフィン(reloxafine)、シクロホスファミド、イホサミド(ifosamide)、及びドロロキサフィン(droloxafine)が含まれる。
【0197】
細胞傷害性剤(エピドフィロトキシン(epidophyllotoxin)など)、抗悪性腫瘍酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、プロカルバジン、ミトキサントロン、プラチナ配位錯体(シスプラチン及びカルボプラチンなど)、生物学的応答調節剤、増殖阻害剤、抗ホルモン治療剤、ロイコボリン、テガフール、ならびに造血性増殖因子も適する。
【0198】
他の抗がん剤(複数可)には、抗体医薬が含まれ、こうした抗体医薬は、トラスツズマブ(Herceptin)、共刺激分子に対する抗体(CTLA-4抗体、4-1BB抗体、PD-L1抗体、及びPD-1抗体など)、またはサイトカイン(IL-10、TGF-βなど)に対する抗体などである。
【0199】
他の抗がん剤には、免疫細胞の遊走を遮断するもの(ケモカイン受容体(CCR2及びCCR4を含む)に対するアンタゴニストなど)も含まれる。
【0200】
他の抗がん剤には、免疫系を増強するもの(アジュバントまたは養子T細胞移入など)も含まれる。
【0201】
抗がんワクチンには、樹状細胞、合成ペプチド、DNAワクチン、及び組換えウイルスが含まれる。いくつかの実施形態では、腫瘍ワクチンは、ヒトのがんに関与するウイルス(ヒトパピローマウイルス(HPV)、肝炎ウイルス(HBV及びHCV)、ならびにカポジヘルペス肉腫ウイルス(KHSV)など)に由来するタンパク質を含む。使用され得る腫瘍ワクチンの例としては、限定されないが、黒色腫抗原のペプチド(gp100、MAGE抗原、Trp-2、MARTI、及び/またはチロシナーゼのペプチドなど)、あるいはサイトカインGM-CSFを発現するようにトランスフェクションされた腫瘍細胞が挙げられる。
【0202】
本開示の化合物は、造血起源のさまざまな腫瘍の治療ための骨髄移植と併用され得る。
【0203】
こうした化学療法剤のほとんどについて、それらを安全かつ有効に投与するための方法が当業者に知られている。さらに、それらの投与については、標準的な文献に記載されている。例えば、化学療法剤の多くは、それらの投与について、“Physicians’ Desk Reference”(PDR、例えば、1996 edition,Medical Economics Company,Montvale,NJ)に記載されており、当該文献の開示は、その全体が示されるのと同様に、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0204】
全体を通じて提供される追加の化合物、阻害剤、薬剤などは、単一の剤形もしくは連続式の剤形において本開示の化合物と併用され得るか、またはそうしたものは、別々の剤形として同時もしくは連続的に投与され得る。
【0205】
医薬製剤及び剤形
医薬品として利用される場合、本明細書に記載の化合物は、医薬組成物(本明細書に記載の化合物の1つ以上と、少なくとも1つの医薬的に許容可能な担体または医薬品添加物と、の組み合わせを指す)の形態で投与され得る。こうした組成物は、医薬分野でよく知られる様式で調製することができ、望まれる治療が局所治療または全身治療であるかどうか、及び治療対象領域に応じて、さまざまな経路で投与することができる。投与は、局所投与(経眼投与、ならびに粘膜に対する投与(鼻腔内送達、膣内送達、及び直腸内送達を含む)を含む)、肺内投与(例えば、粉末もしくはエアロゾルの吸入もしくは吹送による投与(噴霧器によるものを含む)、気管内投与、鼻腔内投与、皮下投与、及び経皮投与)、点眼、経口投与、または非経口投与であり得る。経眼送達のための方法には、局所投与(点眼)、結膜下注射、眼周囲注射、もしくは硝子体内注射、または結膜嚢に外科的に留置されたバルーンカテーテルもしくは眼内挿入物による導入が含まれ得る。非経口投与には、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、もしくは筋肉内への注射もしくは注入、または頭蓋内(例えば、くも膜下腔内もしくは脳室内)への投与が含まれる。非経口投与は、単回のボーラス用量の形態のものであり得るか、または例えば、連続注入ポンプによるものであり得る。局所投与のための医薬組成物及び製剤には、経皮吸収パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、ドロップ、坐剤、スプレー、液体、及び粉末が含まれ得る。従来の医薬的な担体、水性基剤、粉末基剤、または油性基剤、増粘剤、及び同様のものが必要であるか、または望ましくあり得る。
【0206】
本開示は、1つ以上の医薬的に許容可能な担体または医薬品添加物と併せて、本明細書に記載の化合物の1つ以上を活性成分として含む医薬組成物も含む。本明細書に記載の組成物の調製においては、活性成分は、典型的には、医薬品添加物と混合されるか、医薬品添加物によって希釈されるか、またはそのような担体内に、例えば、カプセル、サシェ、紙、もしくは他の容器の形態で封入される。医薬品添加物が希釈剤として働く場合、そうした医薬品添加物は、固体物質、半固体物質、または液体物質であり得、こうした物質は、活性成分のための媒体、担体、または媒介物として働く。したがって、組成物は、錠剤、丸剤、粉末、トローチ剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁液、乳濁液、溶液、シロップ、エアロゾル(固体としてのもの、または液体媒体におけるもの)、軟膏(例えば、活性化合物を最大で10重量%含むもの)、ソフトゼラチンカプセル及びハードゼラチンカプセル、坐剤、滅菌注射用溶液、ならびに滅菌包装粉末の形態をとり得る。いくつかの実施形態では、組成物は、局所投与に適する。
【0207】
製剤の調製においては、活性化合物は、粉砕して適切な粒度にしてから他の成分と混合され得る。活性化合物が実質的に不溶性である場合、そうした活性化合物は、200メッシュ未満の粒度に粉砕され得る。活性化合物が実質的に水溶性である場合、粉砕によって粒度を調整することで(例えば、約40メッシュ)、製剤中での分布が実質的に均一になり得る。
【0208】
既知の粉砕手順(湿式粉砕など)を使用して本発明の化合物を粉砕することで、錠剤形成及び他の製剤型に適した粒度になり得る。本発明の化合物の微粉化(ナノ粒子)調製物は、当該技術分野で知られるプロセスによって調製することができ、例えば、WO2002/000196を参照のこと。
【0209】
適切な医薬品添加物のいくつかの例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギン酸、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、及びメチルセルロースが挙げられる。製剤は、滑沢剤(タルク、ステアリン酸マグネシウム、及びミネラルオイルなど)、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、保存剤(ヒドロキシ安息香酸メチル及びヒドロキシ安息香酸プロピルなど)、甘味剤、ならびに香味剤を追加で含み得る。本明細書に記載の組成物は、当該技術分野で知られる手順を用いることによって患者に投与された後に活性成分の放出が迅速化、持続、または遅延するように製剤化され得る。
【0210】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、ケイ化結晶セルロース(SMCC)と、本明細書に記載の化合物の少なくとも1つまたはその医薬的に許容可能な塩と、を含む。いくつかの実施形態では、ケイ化結晶セルロースは、結晶セルロースを約98%(w/w)含み、二酸化ケイ素を約2%(w/w)含む。
【0211】
いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の化合物の少なくとも1つまたはその医薬的に許容可能な塩と、少なくとも1つの医薬的に許容可能な担体または医薬品添加物と、を含む持続放出組成物である。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の化合物の少なくとも1つまたはその医薬的に許容可能な塩と、結晶セルロース、ラクトース一水和物、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリエチレンオキシドから選択される少なくとも1つの成分と、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の化合物の少なくとも1つまたはその医薬的に許容可能な塩と、結晶セルロース、ラクトース一水和物、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の化合物の少なくとも1つまたはその医薬的に許容可能な塩と、結晶セルロース、ラクトース一水和物、及びポリエチレンオキシドと、を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ステアリン酸マグネシウムまたは二酸化ケイ素をさらに含む。いくつかの実施形態では、結晶セルロースは、Avicel PH102(商標)である。いくつかの実施形態では、ラクトース一水和物は、Fast-flo316(商標)である。いくつかの実施形態では、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208 K4M(例えば、Methocel K4 M Premier(商標))及び/またはヒドロキシプロピルメチルセルロース2208 K100LV(例えば、Methocel K00LV(商標))である。いくつかの実施形態では、ポリエチレンオキシドは、ポリエチレンオキシドWSR 1105(例えば、Polyox WSR 1105(商標))である。
【0212】
いくつかの実施形態では、湿式造粒プロセスを使用して組成物が生産される。いくつかの実施形態では、乾式造粒プロセスを使用して組成物が生産される。
【0213】
組成物は、単位剤形において製剤化することができ、各用量は、例えば、約5mg~約1000mg、約5mg~約100mg、約100mg~約500mg、または約10~約30mgの活性成分を含む。いくつかの実施形態では、各用量は、約10mgの活性成分を含む。いくつかの実施形態では、各用量は、約50mgの活性成分を含む。いくつかの実施形態では、各用量は、約25mgの活性成分を含む。「単位剤形」という用語は、ヒト対象及び他の哺乳動物のための単位用量として適切な物理的に個別の単位を指し、各単位は、適切な医薬品添加物と結び付いた状態で、所望の治療効果が得られるように計算された所定量の活性物質を含む。
【0214】
医薬組成物の製剤化に使用される成分は高純度のものであり、潜在的に有害な混入物を実質的に含まない(例えば、少なくとも国家食料グレード、一般には、少なくとも分析グレード、より典型的には、少なくとも医薬品グレード)。特にヒトによる消費向けには、組成物は、好ましくは、米国食品医薬品局の適用可能な規制に定義されるように医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準の下で製造または製剤化される。例えば、適切な製剤は、滅菌されており、及び/または実質的に等張性であり、及び/または米国食品医薬品局の医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する規制を完全に遵守するものであり得る。
【0215】
活性化合物は、広い用量範囲にわたって有効であり得、一般に、医薬的に有効な量で投与される。しかしながら、実際に投与される化合物の量は、通常、治療されるべき状態、選択される投与経路、実際に投与される化合物、個々の患者の年齢、体重、及び応答、患者の症状の重症度、ならびに同様のものを含めて、関連する状況に応じて医師によって決定されることになることが理解されよう。
【0216】
本発明の化合物の治療用量は、例えば、治療が行われる特定の用途、化合物の投与様式、患者の健康及び状態、ならびに処方する医師の判断に応じて変わり得る。医薬組成物における本発明の化合物の割合または濃度は、用量、化学的特徴(例えば、疎水性)、及び投与経路を含めて、いくつかの要因によって変わり得る。例えば、本発明の化合物は、非経口投与向けに、化合物を約0.1~約10%w/v含む生理学的な緩衝水溶液において提供され得る。いくつかの典型的な用量範囲は、約1μg/体重kg/日~約1g/体重kg/日である。いくつかの実施形態では、用量範囲は、約0.01mg/体重kg/日~約100mg/体重kg/日である。用量は、疾患または障害の型及び進行度、特定の患者の総体的な健康状態、選択される化合物の相対的な生物学的効力、医薬品添加物の製剤、ならびにその投与経路などの変数に依存する可能性がある。有効用量は、インビトロまたは動物モデルの試験系から得られる用量反応曲線から推定され得る。
【0217】
固体組成物(錠剤など)の調製については、主要活性成分を医薬品添加物と混合することで、本明細書に記載の化合物の1つ以上の均一混合物を含む固体の製剤化前組成物が形成される。こうした製剤化前組成物が均一と称される場合、典型的には、等しく有効な単位剤形(錠剤、丸剤、及びカプセルなど)への組成物の細分割が容易になり得るように組成物全体にわたって活性成分が均等に分散している。次に、この製剤化前固体は、上記の型の単位剤形(例えば、本開示の活性成分を0.1~約500mg含むもの)へと細分割される。
【0218】
本開示の錠剤または丸剤は、コートするか、またはその他の様式の処理を施すことで、作用延長という利点が得られる剤形となり得る。例えば、錠剤または丸剤は、内部用量成分及び外部用量成分を含み得、外部用量成分は、内部用量成分を包む外被膜の形態をとる。これら2つの成分は、胃における崩壊に抵抗するように働くと共に、内部成分がそのままの状態で十二指腸に届くことを可能にするか、または内部成分の放出遅延を可能にする腸溶層によって分離され得る。そのような腸溶層または腸溶コーティングには、さまざまな材料を使用することができ、そのような材料には、いくつかのポリマー酸、ならびにセラック、セチルアルコール、及び酢酸セルロースなどの材料とポリマー酸との混合物が含まれる。
【0219】
本明細書に記載の化合物または組成物が経口投与または注射投与のために組み込まれ得る液体形態には、水性溶液、適切に香味付けされたシロップ、水性懸濁液または油性懸濁液、及び食用油(綿実油、ゴマ油、ヤシ油、またはピーナッツ油など)で香味付けされた乳濁液、ならびにエリキシル剤及び同様の医薬媒体が含まれる。
【0220】
吸入または吹送のための組成物には、医薬的に許容可能な水性溶媒もしくは有機溶媒またはそれらの混合物における溶液及び懸濁液、ならびに粉末が含まれる。液体組成物または固体組成物は、前述の適切な医薬的に許容可能な医薬品添加物を含み得る。いくつかの実施形態では、組成物は、局所作用または全身作用を得るために経口経路または経鼻呼吸器経路によって投与される。組成物は、不活性ガスを使用することによって噴霧され得る。噴霧装置から噴霧溶液が直接的に呼吸吸入され得るか、またはフェイスマスクテントもしくは間欠陽圧呼吸器に噴霧装置が取り付けられ得る。溶液組成物、懸濁液組成物、または粉末組成物は、適切な様式で製剤を送達する装置から経口的または経鼻的に投与され得る。
【0221】
局所製剤は、1つ以上の従来の担体を含み得る。いくつかの実施形態では、軟膏は、水ならびに1つ以上の疎水性担体(例えば、流動パラフィン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、プロピレングリコール、白色のワセリン、及び同様のものから選択される)を含み得る。クリームの担体組成物は、水と、グリセロール及び1つ以上の他の成分(例えば、モノステアリン酸グリセリン、PEG-モノステアリン酸グリセリン、及びセチルステアリルアルコール)とを組み合わせたものに基づき得る。ゲルは、イソプロピルアルコール及び水と、他の成分(例えば、グリセロール、ヒドロキシエチルセルロース、及び同様のものなど)とを適切に組み合わせたものを使用して製剤化され得る。いくつかの実施形態では、局所製剤は、本発明の化合物を少なくとも約0.1wt%、少なくとも約0.25wt%、少なくとも約0.5wt%、少なくとも約1wt%、少なくとも約2wt%、または少なくとも約5wt%含む。局所製剤は、(例えば、選択される徴候(例えば、乾癬または他の皮膚状態)の治療のための説明を任意選択で付属させた100gの)チューブ内に適切に包装され得る。
【0222】
患者に投与される化合物または組成物の量は、投与されるもの、投与の目的(予防または治療など)、患者の状態、投与の様式、及び同様のものによって変わることになる。治療用途では、既に疾患を患っている患者に対して、そうした疾患及びその合併症の症状を治癒させるか、または少なくとも部分的に抑止する上で十分な量で組成物が投与され得る。有効用量は、治療される病状、ならびに要因(疾患の重症度、患者の年齢、体重、及び全身状態、ならびに同様のものなど)に応じた担当医師の判断に依存することになる。
【0223】
患者に投与される組成物は、上記の医薬組成物の形態をとり得る。こうした組成物は、従来の滅菌手法によって滅菌され得るか、またはろ過滅菌され得る。水性溶液は、そのままの使用向けに包装するか、または凍結乾燥することができ、凍結乾燥調製物は、投与前に滅菌水性担体と混合される。化合物調製物のpHは、典型的には、3~11であり、より好ましくは5~9であり、最も好ましくは7~8とされる。前述の医薬品添加物、担体、または安定剤の使用によっては、結果的に医薬塩が形成されることになることが理解されよう。
【0224】
本開示の化合物の治療用量は、例えば、治療が行われる特定の用途、化合物の投与様式、患者の健康及び状態、ならびに処方する医師の判断に応じて変わり得る。医薬組成物における化合物の割合または濃度は、用量、化学的特徴(例えば、疎水性)、及び投与経路を含めて、いくつかの要因によって変わり得る。例えば、本開示の化合物は、非経口投与向けに、化合物を約0.1~約10%w/v含む生理学的な緩衝水溶液において提供され得る。いくつかの典型的な用量範囲は、約1μg/体重kg/日~約1g/体重kg/日である。いくつかの実施形態では、用量範囲は、約0.01mg/体重kg/日~約100mg/体重kg/日である。用量は、疾患または障害の型及び進行度、特定の患者の総体的な健康状態、選択される化合物の相対的な生物学的効力、医薬品添加物の製剤、ならびにその投与経路などの変数に依存する可能性がある。有効用量は、インビトロまたは動物モデルの試験系から得られる用量反応曲線から推定され得る。
【0225】
本明細書に記載の化合物は、任意の医薬品(抗ウイルス剤、ワクチン、抗体、免疫賦活剤、免疫抑制剤、抗炎症剤、及び同様のものなど)を含み得る1つ以上の追加の活性成分と組み合わせて製剤化されることもあり得る。
【0226】
標識化合物及びアッセイ方法
本発明の別の態様は、イメージング手法のみでなく、ヒトを含む組織試料中のFGFR3タンパク質の局在特定及び定量化、ならびに標識化合物の結合阻害によるFGFR3リガンドの同定、のためのアッセイ(インビトロのもの及びインビボのものの両方)にも有用であると想定される本開示の標識化合物(放射標識されたもの、蛍光標識されたものなど)に関する。ADME(吸着、分布、代謝、及び排出)を区別する上では、本開示の化合物の原子の1つ以上を置換することも有用であり得る。したがって、本発明は、そのような標識化合物または置換化合物を含むFGFR結合アッセイを含む。
【0227】
本開示は、本開示の同位体標識化合物をさらに含む。「同位体標識」化合物または「放射標識」化合物は、天然に典型的には見られる(すなわち、天然起源の)原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって1つ以上の原子が交換または置換されている本開示の化合物である。本開示の化合物に組み込まれ得る適切な放射性核種には、限定されないが、H(重水素のDとも記載される)、H(三重水素のTとも記載される)、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、75Br、76Br、77Br、123I、124I、125I、及び131Iが含まれる。例えば、本開示の化合物中の1つ以上の水素原子は、重水素原子によって交換され得る(例えば、式(I)のC1-6アルキル基の1つ以上の水素原子は、重水素原子によって任意選択で置換され得る(-CHの代わりに-CDが存在するなど))。いくつかの実施形態では、式(I)中のアルキル基は、完全に重水素化され得る。
【0228】
本明細書に示される化合物の1つ以上の構成原子は、そうした原子の同位体によって天然または非天然の存在比で交換または置換され得る。いくつかの実施形態では、化合物は、少なくとも1つの重水素原子を含む。いくつかの実施形態では、化合物は、2つ以上の重水素原子を含む。いくつかの実施形態では、化合物は、1~2つ、1~3つ、1~4つ、1~5つ、または1~6つの重水素原子を含む。いくつかの実施形態では、化合物中の水素原子のすべてが重水素原子によって交換または置換され得る。
【0229】
有機化合物に同位体を含めるための合成方法については、当該技術分野で知られている(Deuterium Labeling in Organic Chemistry by Alan F.Thomas(New York,N.Y.,Appleton-Century-Crofts,1971、The Renaissance of H/D Exchange by Jens Atzrodt,Volker Derdau,Thorsten Fey and Jochen Zimmermann,Angew.Chem.Int.Ed.2007,7744-7765、The Organic Chemistry of Isotopic Labelling by James R.Hanson,Royal Society of Chemistry,2011)。同位体標識化合物は、さまざまな試験(NMR分光法、代謝実験、及び/またはアッセイなど)に使用され得る。
【0230】
重同位体(重水素など)での置換は、代謝安定性の向上(例えば、インビボ半減期の延長)または必要用量の減少に起因してある特定の治療上の利点をもたらし得るものであり、それ故に、状況によっては好ましくあり得る(例えば、A.Kerekes et.al.J.Med.Chem.2011,54,201-210、R.Xu et.al.J.Label Compd.Radiopharm.2015,58,308-312を参照のこと)。具体的には、1つ以上の代謝部位を置換することで、治療上の利点の1つ以上を得ることができる。
【0231】
本開示の放射標識化合物に組み込まれる放射性核種は、その放射標識化合物の特定の用途に依存することになる。例えば、インビトロでのアデノシン受容体の標識及び競合アッセイについては、H、14C、82Br、125I、131I、または35Sを化合物に組み込むことが有用であり得る。放射線イメージング用途については、11C、18F、125I、123I、124I、131I、75Br、76Br、または77Brが有用であり得る。
【0232】
「放射標識化合物」または「標識化合物」は、少なくとも1つの放射性核種が組み込まれている化合物であることが理解されよう。いくつかの実施形態では、放射性核種は、H、14C、125I、35S、及び82Brからなる群から選択される。
【0233】
本開示は、放射性同位体を本開示の化合物に組み込むための合成方法をさらに含み得る。放射性同位体を有機化合物に組み込むための合成方法は当該技術分野でよく知られており、当業者なら、開示の化合物に適用可能な方法を容易に認識するであろう。
【0234】
本発明の標識化合物は、化合物を同定及び/または評価するためのスクリーニングアッセイに使用され得る。例えば、新たに合成または同定された化合物(すなわち、試験化合物)を標識し、標識化を追跡してFGFR3との接触時のその濃度変動を監視することによってFGFR3タンパク質に結合するその能力について評価することができる。例えば、FGFR3タンパク質に結合することが知られている別の化合物(すなわち、標準化合物)の結合を低減する能力について試験化合物(標識されたもの)を評価することができる。したがって、FGFR3タンパク質への結合について試験化合物が標準化合物と競合する能力は、その結合親和性と直接的に相関する。逆に、いくつかの他のスクリーニングアッセイでは、標準化合物が標識され、試験化合物は標識されない。したがって、標識標準化合物の濃度を監視して標準化合物と試験化合物との間の競合を評価することで、試験化合物の相対的な結合親和性が確かめられる。
【0235】
キット
本発明は医薬キットも含み、こうした医薬キットは、例えば、FGFRと関連する疾患または障害(がん及び本明細書で言及される他の疾患など)の治療または予防に有用であり、こうした医薬キットは、治療的に有効な量の本開示の化合物を含む医薬組成物を含む1つ以上の容器を含む。そのようなキットは、望まれる場合、さまざまな従来の医薬キット要素(例えば、1つ以上の医薬的に許容可能な担体が入った容器、追加の容器など)のうちの1つ以上をさらに含み得、こうしたことは、当業者には容易に明らかであろう。投与すべき成分の量、投与指針、及び/または成分の混合指針を示す、差し込み物またはラベルのいずれかとしての説明もキットに含められ得る。
【0236】
本発明は、具体例によってより詳細に説明されることになる。下記の実施例は例示目的で与えられるものであり、いかなる様式においても本発明の限定を意図するものではない。本質的に同じ結果が得られるように変更または改変し得るさまざまな非重要パラメーターを当業者なら認識するであろう。実施例の化合物は、以下に記載のようにFGFR3の阻害剤であることが明らかになったものである。
【実施例
【0237】
以下には、本発明の化合物のための実験手順が示される。調製した化合物のいくつかの分取LC-MS精製は、Waters質量特異的分画システムで実施した。こうしたシステムを操作するための基本的な機器設定、プロトコール、及び制御ソフトウェアについては、文献中で詳述されている。例えば、“Two-Pump At Column Dilution Configuration for Preparative LC-MS”,K.Blom,J.Combi.Chem.,4,295(2002)、“Optimizing Preparative LC-MS Configurations and Methods for Parallel Synthesis Purification”,K.Blom,R.Sparks,J.Doughty,G.Everlof,T.Haque,A.Combs,J.Combi.Chem.,5,670(2003)、及び“Preparative LC-MS Purification:Improved Compound Specific Method Optimization”,K.Blom,B.Glass,R.Sparks,A.Combs,J.Combi.Chem.,6,874-883(2004)を参照のこと。分離した化合物は、典型的には、下記の条件の下で、純度分析のための分析液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)に供した:装置;Agilent 1100シリーズ,LC/MSD,カラム:Waters Sunfire(商標)C18 5μm,2.1×50mm、緩衝液:移動相A:TFAを0.025%含む水及び移動相B:アセトニトリル;3分でB含量を2%→80%とするグラジエント(流速2.0mL/分)。
【0238】
調製した化合物のいくつかは、実施例に示されるように、MS検出器を併用する逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)、またはフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)によって分取スケールでも分離した。典型的な分取逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)カラム条件は以下の通りである。
【0239】
pH=2での精製:Waters Sunfire(商標)C18 5μm,19×100mmカラム、溶出移動相A:TFA(トリフルオロ酢酸)を0.1%含む水及び溶出移動相B:アセトニトリル;流速は30mL/分とし、文献[“Preparative LCMS Purification:Improved Compound Specific Method Optimization”,K.Blom,B.Glass,R.Sparks,A.Combs,J.Comb.Chem.,6,874-883(2004)を参照のこと]中に記載の化合物特異的方法最適化プロトコールを使用して化合物ごとに分離グラジエントを最適化した。典型的には、30×100mmカラムを用いて流速を60mL/分とした。
【0240】
pH=10での精製:Waters XBridge C18 5μm,19×100mmカラム、溶出移動相A:NHOHを0.15%含む水及び溶出移動相B:アセトニトリル;流速は30mL/分とし、文献[“Preparative LCMS Purification:Improved Compound Specific Method Optimization”,K.Blom,B.Glass,R.Sparks,A.Combs,J.Comb.Chem.,6,874-883(2004)を参照のこと]中に記載の化合物特異的方法最適化プロトコールを使用して化合物ごとに分離グラジエントを最適化した。典型的には、30×100mmカラムを用いて流速を60mL/分とした。
【0241】
中間体1.(9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール
【化25】
ステップ1.3-ブロモ-5-クロロ-1,6-ナフチリジン
【化26】
塩化ホスホリル(41.4mL、444mmol)及び3-ブロモ-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン(5.0g、22.2mmol)の混合物を含むフラスコを100℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を0℃に冷却し、飽和NaHCO水溶液で処理し、混合物をEtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過してから、溶媒を減圧下で蒸発させた。得られた粗生成物を、追加精製せずに次のステップに使用した。LCMSによるCBrClN (M+H)の計算値: m/z = 242.9/244.9;実測値: 243.0/244.9。
【0242】
ステップ2.3-ブロモ-1,6-ナフチリジン-5-アミン
【化27】
3-ブロモ-5-クロロ-1,6-ナフチリジン(2.68g、11.0mmol)、1,4-ジオキサン(9mL)、及び水酸化アンモニウム溶液(9mL)の混合物を含む密封マイクロ波用容器を、Biotage Initator+マイクロ波シンセサイザーを使用して150℃で3時間照射処理した。反応混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させた。得られた粗生成物を追加精製せずに次のステップに使用した。LCMSによるCBrN (M+H)の計算値: m/z = 224.0/226.0;実測値: 224.2/226.2。
【0243】
ステップ3.9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン
【化28】
3-ブロモ-1,6-ナフチリジン-5-アミン(1.32g、5.89mmol)、重炭酸ナトリウム(742mg、8.84mmol)、2-ブロモ-1-(2,6-ジクロロフェニル)エタン-1-オン(1.89g、7.07mmol)、及びtert-ブタノール(8mL)の混合物を含むマイクロ波用容器を、Biotage Initator+マイクロ波シンセサイザーを使用して150℃で9時間照射処理した。室温に冷却後、固体をろ過し、CHClで洗浄した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をBiotage Isoleraによって精製することで、所望の生成物をオレンジ色の固体として得た。LCMSによるC16BrCl (M+H)の計算値: m/z = 391.9/393.9/395.9;実測値392.1/394.1/396.1。
【0244】
ステップ4.9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-ヨードイミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン
【化29】
9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン(200mg、0.509mmol)、NIS(114mg、0.509mmol)を含むアセトニトリル(2mL)を含むバイアルを60℃で4時間撹拌した。その後、溶液を室温に冷却し、減圧下で濃縮してから、Biotage Isoleraによって精製することで、所望の生成物を褐色の固体として得た。LCMSによるC16BrClIN (M+H)の計算値: m/z = 517.8/519.8;実測値517.9/519.7。
【0245】
ステップ5.9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-ビニルイミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン
【化30】
9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-ヨードイミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン(150mg、0.289mmol)、リン酸三カリウム(123mg、0.578mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(33mg、0.029mmol)、及び4,4,5,5-テトラメチル-2-ビニル-1,3,2-ジオキサボロラン(49μL、0.289mmol)の混合物を1,4-ジオキサン(2mL)及び水(200μL)に懸濁した。反応混合物に窒素を30秒間パージし、反応混合物を70℃に2時間加熱した。室温に冷却した時点で溶液をCHClで希釈し、セライトに通してろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をBiotage Isoleraによって精製することで、所望の生成物を褐色の固体として得た。LCMSによるC1811BrCl (M+H)の計算値: m/z = 418.0/419.9;実測値418.1/420.1。
【0246】
ステップ6.(9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール
9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-ビニルイミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン(80mg、0.191mmol)、THF(3mL)、水(1mL)、及び四酸化オスミウム(HO中4wt.%、75μL、9.54 μmol)をバイアルに添加し、その後に過ヨウ素酸ナトリウム(204 mg、0.954 mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、完了時点で反応物を飽和Na水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。併せた有機層を減圧下で濃縮し、残留物をイソプロパノール(4mL)に溶解し、0℃に冷却し、撹拌して反応物が徐々に室温に温まるようにしながらNaBH(7.22mg、0.191mmol)を添加した。その後、反応物を0℃に冷却し、飽和NHCl水溶液を添加することによってクエンチした。揮発性物質を減圧下で除去し、残留物を20:1 CHCl/MeOHに抽出した。得られた有機層を統合し、減圧下で濃縮した。得られた生成物を追加精製せずに次のステップに使用した。LCMSによるC1711BrClO (M+H)の計算値: m/z = 421.9/423.9;実測値421.9/424.0。
【0247】
実施例1.(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-(ピリミジン-4-イルメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール
【化31】
ステップ1.(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール
【化32】
(9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール(中間体1、1.5g、3.55mmol)、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール(1.26g、3.90mmol)、リン酸三カリウム(2.26g、10.64mmol)、及び(1、1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)(290mg、0.355mmol)を含むフラスコの排気及び窒素再充填を3回実施した後、このフラスコに1,4-ジオキサン(28mL)及び水(7mL)を添加した。バイアルを密封し、80℃に30分間加熱した。室温に冷却後、混合物をセライトに通してろ過し、CHClで洗浄した後、ろ液を減圧下で濃縮した。その後、得られた粗生成物をCHCl(5mL)及びTFA(5mL)に溶解し、室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した後、MeOH(5mL)に再溶解し、飽和NaHCO水溶液(50mL)の撹拌溶液に添加した。得られた沈殿物をろ過し、収集した後、減圧下で乾燥させた。LCMSによるC2014ClO (M+H)の計算値: m/z = 410.1/412.1;実測値410.0/412.1。
【0248】
ステップ2.(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-(ピリミジン-4-イルメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール
(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール(10mg、0.024mmol)、及び炭酸セシウム(24mg、0.073mmol)のDMF(500μL)中溶液としての混合物を含むバイアルに4-(ブロモメチル)ピリミジン臭化水素酸塩(9mg、0.037mmol)を添加した。バイアルを密封し、50℃に2時間加熱した。室温に冷却後、混合物をCHCNで希釈し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水でのグラジエント溶出、流速60mL/分)によって精製することで、表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2518ClO (M+H)の計算値: m/z = 502.1/504.1;実測値502.1/504.1。H NMR (500 MHz, DMSO-d) δ 9.29 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 9.17 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 8.97 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.79 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.76 (s, 1H), 8.55 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 8.36 (s, 1H), 7.69 - 7.60 (m, 2H), 7.55 (dd, J = 8.8, 7.4 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.21 (dd, J = 5.2, 1.4 Hz, 1H), 5.56 (s, 2H), 4.68 (s, 2H)。
【0249】
実施例2.5-((4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ニコチノニトリル
【化33】
この化合物は、ステップ2において4-(ブロモメチル)ピリミジン臭化水素酸塩の代わりに5-(ブロモメチル)ニコチノニトリルを用いて、実施例1に記載の手順に従って調製し、これによって表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2718ClO (M+H)の計算値: m/z = 526.1/528.1;実測値: 526.0/528.0。
【0250】
実施例3.5-((4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピコリノニトリル
【化34】
この化合物は、ステップ2において4-(ブロモメチル)ピリミジン臭化水素酸塩の代わりに5-(ブロモメチル)ピコリノニトリルを用いて、実施例1に記載の手順に従って調製し、これによって表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2718ClO (M+H)の計算値: m/z = 526.1/528.1;実測値: 526.2/528.2。
【0251】
実施例4.4-((4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピコリノニトリル
【化35】
この化合物は、ステップ2において4-(ブロモメチル)ピリミジン臭化水素酸塩の代わりに4-(ブロモメチル)ピコリノニトリルを用いて、実施例1に記載の手順に従って調製し、これによって表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2718ClO (M+H)の計算値: m/z = 526.1/528.1;実測値: 526.1/528.1。H NMR (500 MHz, DMSO-d) δ 9.28 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.98 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.77 - 8.72 (m, 2H), 8.56 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 8.36 (s, 1H), 7.95 - 7.91 (m, 1H), 7.66 - 7.62 (m, 2H), 7.58 - 7.52 (m, 2H), 7.47 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 5.57 (s, 2H), 4.68 (s, 2H)。
【0252】
実施例5.(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-((2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール
【化36】
この化合物は、ステップ2において4-(ブロモメチル)ピリミジン臭化水素酸塩の代わりに4-(ブロモメチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリジンを用いて、実施例1に記載の手順に従って調製し、これによって表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2718ClO (M+H)の計算値: m/z = 569.1/571.1;実測値: 569.0/571.0。
【0253】
実施例6.(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)フェニル)(モルホリノ)メタノン
【化37】
(9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール(中間体1、15mg、0.035mmol)、(4-(モルホリン-4-カルボニル)フェニル)ボロン酸(17mg、0.071mmol)、リン酸三カリウム(23mg、0.11mmol)、及び(1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)(4mg、5.3μmol)を含むバイアルの排気及び窒素再充填を3回実施した後、このバイアルに1,4-ジオキサン(1mL)及び水(250μL)を添加した。バイアルを密封し、80℃に30分間加熱した。室温に冷却後、混合物をCHCNで希釈し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水でのグラジエント溶出、流速60mL/分)によって精製することで、表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2823Cl (M+H)の計算値: m/z = 533.1/535.1;実測値533.1/535.1。
【0254】
実施例7.((1S,4S)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル)(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)フェニル)メタノン
【化38】
ステップ1.4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)安息香酸
【化39】
(9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール(中間体1、100mg、0.236mmol)、(4-(tert-ブトキシカルボニル)フェニル)ボロン酸(79mg、0.355mmol)、リン酸三カリウム(151mg、0.709mmol)、及び(1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)(29mg、0.035mmol)を含むバイアルの排気及び窒素再充填を3回実施した後、このバイアルに1,4-ジオキサン(1mL)及び水(250μL)を添加した。バイアルを密封し、80℃に30分間加熱した。室温に冷却後、混合物をセライトに通してろ過し、CHClで洗浄した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をBiotage Isoleraによって精製することで、所望の生成物を白色の固体として得た。その後、精製生成物をCHCl(2mL)及びTFA(1mL)に溶解し、室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した後、MeOH(1mL)に溶解し、飽和NaHCO水溶液(10mL)の撹拌溶液に添加した。得られた沈殿物をろ過し、収集した後、減圧下で乾燥させた。LCMSによるC2416Cl (M+H)の計算値: m/z = 464.1/466.1;実測値464.0/466.0。
【0255】
ステップ2.((1S,4S)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル)(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)フェニル)メタノン
4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)安息香酸(10mg、0.022mmol)、(1S,4S)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン塩酸塩(4.4mg、0.032mmol)、DMF(500μL)、及びDIPEA(11μL、0.061mmol)を含むバイアルにHATU(12mg、0.032mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、完了時点で水を添加し、得られた固体をろ過によって収集し、水で洗浄した。その後、固体をTFAで溶解し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水でのグラジエント溶出、流速60mL/分)によって精製することで、表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2923Cl (M+H)の計算値: m/z = 545.1/547.1;実測値545.1/547.3。
【0256】
実施例8.1-(4-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシエタン-1-オン
【化40】
ステップ1.(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(4-(ピペラジン-1-イルメチル)フェニル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール
【化41】
(9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール(中間体1、100mg、0.236mmol)、tert-ブチル4-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)ピペラジン-1-カルボキシレート(105mg、0.260mmol)、リン酸三カリウム(151mg、0.709mmol)、及び(1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)(19mg、0.024mmol)を含むバイアルの排気及び窒素再充填を3回実施した後、このバイアルに1,4-ジオキサン(2mL)及び水(500μL)を添加した。バイアルを密封し、80℃に30分間加熱した。室温に冷却後、混合物をセライトに通してろ過し、CHClで洗浄した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をBiotage Isoleraによって精製することで、所望の生成物を黄色の固体として得た。その後、精製生成物をCHCl(5mL)及びTFA(1mL)に溶解し、室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した後、MeOH(1mL)に溶解し、飽和NaHCO水溶液(10mL)の撹拌溶液に添加した。得られた沈殿物をろ過し、収集した後、減圧下で乾燥させた。LCMSによるC2826ClO (M+H)の計算値: m/z = 518.2/520.1;実測値518.2/520.2。
【0257】
ステップ2.1-(4-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシエタン-1-オン
(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(4-(ピペラジン-1-イルメチル)フェニル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール(10mg、0.019mmol)、2-ヒドロキシ酢酸(2mg、0.029mmol)、DMF(500μL)、及びDIPEA(7μL、0.039mmol)を含むバイアルにHATU(11mg、0.029mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、完了時点で水を添加し、得られた固体をろ過によって収集し、水で洗浄した。その後、固体をTFAで溶解し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水でのグラジエント溶出、流速60mL/分)によって精製することで、表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC3028Cl (M+H)の計算値: m/z = 576.2/578.2;実測値576.2/578.2。
【0258】
実施例9.1-(4-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オン
【化42】
この化合物は、ステップ2において2-ヒドロキシ酢酸の代わりに酢酸を用いて、実施例8に記載の手順に従って調製し、これによって表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC3028Cl (M+H)の計算値: m/z = 560.2/562.2;実測値: 560.3/562.3。
【0259】
実施例10.1-(4-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)フェニル)ピペラジン-1-イル)-2-ヒドロキシエタン-1-オン
【化43】
この化合物は、ステップ1においてtert-ブチル4-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル)ピペラジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル4-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレートを用いて、実施例8に記載の手順に従って調製し、これによって表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2926Cl (M+H)の計算値: m/z = 562.1/564.1;実測値: 562.2/564.1。
【0260】
実施例11.(2-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-9-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール
【化44】
ステップ1.(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール
【化45】
(9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール(中間体1、50mg、0.118mmol)、1-メチル-4-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン(105mg、0.260mmol)、リン酸三カリウム(75mg、0.355mmol)、及び(1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)(15mg、0.018mmol)を含むバイアルの排気及び窒素再充填を3回実施した後、このバイアルに1,4-ジオキサン(1mL)及び水(250μL)を添加した。バイアルを密封し、80℃に30分間加熱した。室温に冷却後、混合物をセライトに通してろ過し、CHClで洗浄した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をBiotage Isoleraによって精製することで、所望の生成物を黄色の固体として得た。LCMSによるC2625ClO (M+H)の計算値: m/z = 507.1/509.1;実測値507.1/509.1。
【0261】
ステップ2.(2-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-9-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール
(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール(84mg、0.166mmol)、Pd(dba)(15mg、0.017mmol)、9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(29mg、0.050mmol)、及び炭酸カリウム(46mg、0.331mmol)の混合物を含むマイクロ波バイアルの排気及び窒素再充填を3回実施した後、このバイアルに1,4-ジオキサン(12mL)及びトリメチルボロキシン(26μL、0.182mmol)を添加した。Biotage Initator+マイクロ波シンセサイザーを使用してバイアルを130℃で2時間照射処理した。室温に冷却後、混合物をセライトに通してろ過し、CHClで洗浄した後、ろ液を減圧下で濃縮した。その後、残留物をCHCNで溶解し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水でのグラジエント溶出、流速60mL/分)によって精製することで、表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2728ClNO (M+H)の計算値: m/z = 487.2;実測値487.2。
【0262】
実施例12.5-((4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-N,N-ジメチルピコリンアミド
【化46】
ステップ1.5-((4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピコリン酸
【化47】
(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール(100mg、0.244mmol)及び炭酸セシウム(159mg、0.487mmol)のDMF(1mL)中溶液としての混合物を含むバイアルにメチル5-(ブロモメチル)ピコリネート(84mg、0.366mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、完了時点で水を添加し、得られた固体をろ過によって収集した。粗固体をTHF(2mL)及び2MのLiOH水溶液(500μL、1.0mmol)に溶解し、室温で1時間撹拌し、その後に1MのHCl水溶液を添加することによってpHを約7に調整した。得られた固体をろ過によって収集し、水で洗浄した後、減圧下で乾燥させた。得られた粗生成物を追加精製せずに次のステップに使用した。LCMSによるC2719Cl (M+H)の計算値: m/z = 545.1/547.1;実測値: 545.1/547.1。
【0263】
ステップ2.5-((4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-N,N-ジメチルピコリンアミド
5-((4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)ピコリン酸(10mg、0.018mmol)、ジメチルアミン(EtOH中2M、14μL、0.028mmol)、DMF(0.5mL)、及びDIPEA(6μL、0.037mmol)を含むバイアルにHATU(10mg、0.028mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、完了時点で水を添加し、得られた固体をろ過によって収集し、水で洗浄した。その後、固体をTFAで溶解し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水でのグラジエント溶出、流速60mL/分)によって精製することで、表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2924Cl (M+H)の計算値: m/z = 572.1/574.1;実測値572.2/574.2。
【0264】
実施例13.(3-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)アゼチジン-1-イル)(1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノン
【化48】
ステップ1.2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン
【化49】
9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン(中間体1、ステップ3、1.0g、2.54mmol)、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール(866mg、2.67mmol)、(1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)-ジクロロパラジウム(II)(208mg、0.254mmol)、及びリン酸三カリウム(1.62g、7.63mmol)の混合物を含むバイアルの排気及び窒素再充填を3回実施した後、このバイアルに1,4-ジオキサン(13.5mL)及び水(3.5mL)を添加した。バイアルを密封し、80℃に30分間加熱した。室温に冷却後、混合物をセライトに通してろ過し、CHClで洗浄した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗残留物をBiotage Isoleraによって精製することで、所望の生成物を得た。LCMSによるC2526ClOSi (M+H)の計算値: m/z = 510.1/512.1;実測値510.1/512.1。
【0265】
ステップ2.3-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン
【化50】
2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン(1.30g、2.54mmol)をCHCl(25mL)中溶液として含むフラスコにNBS(542mg、3.05mmol)を添加し、室温で10分間撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、得られた粗生成物をBiotage Isoleraによって精製することで、所望の生成物を得た。LCMSによるC2525BrClOSi (M+H)の計算値: m/z = 588.0/590.0/592.0;実測値: 588.2/590.2/592.2。
【0266】
ステップ3.2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-メチル-9-(1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン
【化51】
3-ブロモ-9-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン(1.97g、4.43mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(294mg、0.254mmol)、及び炭酸ナトリウム(808mg、7.62mmol)の混合物を含むバイアルの排気及び窒素再充填を3回実施した後、このバイアルに1,4-ジオキサン(13mL)、水(3.5mL)、及びトリメチルボロキシン(426μL、3.05mmol)を添加した。バイアルを密封し、100℃に一晩加熱した。室温に冷却後、混合物をセライトに通してろ過し、CHClで洗浄した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をBiotage Isoleraによって精製することで、所望の生成物を得た。その後、精製物質をCHCl(10mL)及びTFA(2mL)に溶解し、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した後、MeOH(2mL)に溶解し、飽和NaHCO水溶液(50mL)の撹拌溶液に添加した。得られた固体沈殿物をろ過し、収集した後、減圧下で一晩乾燥させた。LCMSによるC2014Cl (M+H)の計算値: m/z = 394.1/396.1;実測値394.0/396.0。
【0267】
ステップ4.9-(1-(アゼチジン-3-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン
【化52】
2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-メチル-9-(1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン(250mg、0.634mmol)、tert-ブチル3-((メチルスルホニル)オキシ)アゼチジン-1-カルボキシレート(319mg、1.27mmol)、炭酸セシウム(620mg、1.90mmol)の混合物を含むバイアルにアセトニトリル(6.3mL)を添加した。バイアルを密封し、80℃に16時間加熱した。室温に冷却後、混合物をセライトに通してろ過し、アセトニトリルで洗浄した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をBiotage Isoleraによって精製することで、所望の生成物を黄褐色の固体として得た。その後、精製物質をCHCl(3mL)及びTFA(1mL)に溶解し、室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した後、MeOH(3mL)に溶解し、飽和NaHCO水溶液(15mL)の撹拌溶液に添加した。得られた固体沈殿物をろ過し、収集した後、減圧下で一晩乾燥させた。LCMSによるC2319Cl (M+H)の計算値: m/z = 449.1/451.1;実測値: 449.1/451.1。
【0268】
ステップ5.(3-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)アゼチジン-1-イル)(1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノン
9-(1-(アゼチジン-3-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン(230mg、0.512mmol)をDMF(2mL)中溶液として含むバイアルに対して、1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボン酸(98mg、0.768mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(358μL、2.05mmol)、及びBOP(340mg、0.768mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。その後、水を添加し、得られた固体をろ過によって収集し、水で洗浄した。その後、固体をTFAで溶解し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水でのグラジエント溶出、流速60mL/分)によって精製することで、表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2722ClO (M+H)の計算値: m/z = 558.1/560.1;実測値558.1/560.1。H NMR (500 MHz, DMSO-d) δ 9.30 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.99 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.88 (d, J = 0.7 Hz, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.49 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 8.38 (d, J = 0.7 Hz, 1H), 7.69 - 7.64 (m, 2H), 7.57 (dd, J = 8.7, 7.5 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 5.42 (tt, J = 8.0, 5.2 Hz, 1H), 5.09 (ddd, J = 10.4, 7.9, 1.2 Hz, 1H), 4.87 (dd, J = 10.4, 5.2 Hz, 1H), 4.59 (ddd, J = 10.5, 8.1, 1.2 Hz, 1H), 4.38 (dd, J = 10.5, 5.2 Hz, 1H), 4.10 (s, 3H), 2.41 (s, 3H)。
【0269】
実施例14.(3-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-メチルイミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)アゼチジン-1-イル)(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)メタノン
【化53】
この化合物は、ステップ5において1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボン酸の代わりに2-メチル-2H-テトラゾール-5-カルボン酸を用いて、実施例13に記載の手順に従って調製し、これによって表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2621Cl10O (M+H)の計算値: m/z = 559.1/561.1;実測値: 559.2/561.2。H NMR (500 MHz, DMSO-d) δ 9.28 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.98 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.90 (s, 1H), 8.47 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 8.39 (s, 1H), 7.66 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.56 (dd, J = 8.7, 7.5 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 5.43 (tt, J = 8.0, 5.2 Hz, 1H), 5.10 - 5.03 (m, 1H), 4.86 (ddd, J = 10.5, 5.1, 1.3 Hz, 1H), 4.67 (ddd, J = 10.8, 8.1, 1.4 Hz, 1H), 4.47 - 4.41 (m, 4H), 2.40 (s, 3H)。
【0270】
実施例15.(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-エチル-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール
【化54】
(9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール(中間体1、15mg、0.035mmol)、(1-エチル-1H-ピラゾール-4-イル)ボロン酸(5mg、0.035mmol)、リン酸三カリウム(23mg、0.106mmol)、及び(1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)(2.6mg、3.55μmol)を含むバイアルの排気及び窒素再充填を3回実施した後、このバイアルに1,4-ジオキサン(1mL)及び水(100μL)を添加した。バイアルを密封し、80℃に30分間加熱した。完了時点で反応混合物をSiliaPrep SPEチオールカートリッジ(SPE-R51030B-06P)に通し、アセトニトリル/メタノールで希釈し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水でのグラジエント溶出、流速60mL/分)によって精製することで、表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2218ClO (M+H)の計算値: m/z = 438.1/440.1;実測値438.1/440.1。
【0271】
実施例16.2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパンニトリル
【化55】
この化合物は、(1-エチル-1H-ピラゾール-4-イル)ボロン酸の代わりに2-メチル-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパンニトリルを用いて、実施例15に記載の手順に従って調製し、これによって表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2419ClO (M+H)の計算値: m/z = 477.1/479.1;実測値: 477.1/479.1。
【0272】
実施例17.2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパンニトリル
【化56】
この化合物は、(1-エチル-1H-ピラゾール-4-イル)ボロン酸の代わりに2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパンニトリルを用いて、実施例15に記載の手順に従って調製した。LCMSによるC2317ClO (M+H)の計算値: m/z = 463.1/465.1;実測値: 463.2/465.2。このラセミ体をキラルSFC(Phenomenex Lux 5um Cellulose-21.1×250mmカラム、CO中35%MeOHのアイソクラティック溶液での溶出、流速65mL/分、tR、ピーク1=2.8分,tR、ピーク2=3.9分)に供すことによって純粋なエナンチオマーに分離した。溶媒を減圧下で蒸発させた後、各エナンチオマーを分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水でのグラジエント溶出、流速60mL/分)によって精製することで、表題化合物の各エナンチオマーをTFA塩として得た。H NMR (600 MHz, DMSO-d) δ 9.30 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 9.02 (dd, J = 2.3, 0.7 Hz, 1H), 8.83 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 8.57 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 8.44 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 7.72 - 7.60 (m, 2H), 7.56 (dd, J = 8.7, 7.6 Hz, 1H), 7.48 (dd, J = 7.5, 0.7 Hz, 1H), 5.91 (q, J = 7.1 Hz, 1H), 4.69 (s, 2H), 1.88 (d, J = 7.1 Hz, 3H)。
【0273】
実施例18.1-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-2-オール
【化57】
この化合物は、(1-エチル-1H-ピラゾール-4-イル)ボロン酸の代わりに1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-2-オールを用いて、実施例15に記載の手順に従って調製した。LCMSによるC2320Cl (M+H)の計算値: m/z = 468.1/470.1;実測値: 468.1/470.1。このラセミ体をキラルSFC(Phenomenex Lux 5um Cellulose-21.1×250mmカラム、CO中35%MeOHのアイソクラティック溶液での溶出、流速60mL/分 tR,ピーク1=6.6分,tR,ピーク2=7.6分)に供すことによって純粋なエナンチオマーに分離した。溶媒を減圧下で蒸発させた後、各エナンチオマーを分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水でのグラジエント溶出、流速60mL/分)によって精製することで、表題化合物の各エナンチオマーをTFA塩として得た。
【0274】
実施例19.2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-N,N-ジメチルアセトアミド
【化58】
ステップ1.2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)酢酸
【化59】
(9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール(中間体1、15mg、0.035mmol)、メチル2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)アセテート(10mg、0.035mmol)、リン酸三カリウム(23mg、0.106mmol)、及び(1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)(2.6mg、3.55μmol)を含むバイアルの排気及び窒素再充填を3回実施した後、このバイアルに1,4-ジオキサン(1mL)及び水(100μL)を添加した。バイアルを密封し、80℃に30分間加熱した。完了時点で反応混合物をSiliaPrep SPEチオールカートリッジ(SPE-R51030B-06P)に通した。通過液に対して、水酸化リチウム(15mg、0.6mmol)を含む1mLの水を添加し、反応混合物を20分間撹拌した。完了時点ですべての揮発性物質を除去し、粗残留物を次のステップに直接使用した。LCMSによるC2216Cl (M+H)の計算値: m/z = 468.1/470.1;実測値468.1/470.0。
【0275】
ステップ2.2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-N,N-ジメチルアセトアミド
2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)酢酸(15mg、0.032mmol)を含むバイアルに対して、ジメチルアミン塩酸塩(3mg、0.032mmol)、DMF(0.5ml)、及びDIPEA(11μL、0.064mmol)を添加した。溶液を1分間撹拌してからHATU(18mg、0.048mmol)を添加し、1時間撹拌した。完了時点で反応混合物をアセトニトリル/メタノールで希釈し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水でのグラジエント溶出、流速60mL/分)によって精製することで、表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2421Cl (M+H)の計算値: m/z = 495.1/497.1;実測値495.1/497.0。
【0276】
実施例20.1-(4-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)エタン-1-オン
【化60】
ステップ1.(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール
【化61】
(9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール(中間体1、50mg、0.118mmol)、tert-ブチル4-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(45mg、0.118mmol)、リン酸三カリウム(75mg、0.355mmol)、及び(1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)(9mg、0.012mmol)を含むバイアルの排気及び窒素再充填を3回実施した後、このバイアルに1,4-ジオキサン(1mL)及び水(100μL)を添加した。バイアルを密封し、80℃に30分間加熱した。完了時点で反応物をCHClで希釈し、セライトに通した。ろ液を減圧下で濃縮し、1mLのCHCl及び0.5mLのTFAで溶解した。反応完了時点で揮発性物質を除去し、残留物をMeOH(1mL)に懸濁し、飽和NaHCO水溶液に注ぎ入れた。得られた沈殿物をろ過し、減圧下で乾燥させ、次のステップに直接使用した。LCMSによるC2523ClO (M+H)の計算値: m/z = 493.1/495.1;実測値493.1/495.0。
【0277】
ステップ2.1-(4-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)エタン-1-オン
(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール(10mg、0.020mmol)を含むバイアルに対して、酢酸(1.2μL、0.020mmol)、DMF(0.5mL)、及びDIPEA(7μL、0.04mmol)を添加した。溶液を1分間撹拌してからHATU(12mg、0.03mmol)を添加し、1時間撹拌した。完了時点で反応混合物をアセトニトリル/メタノールで希釈し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水でのグラジエント溶出、流速60mL/分)によって精製することで、表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2725Cl (M+H)の計算値: m/z = 535.1/537.1;実測値535.1/537.1。
【0278】
実施例21.1-(4-(4-(2-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)-2-メトキシエタン-1-オン
【化62】
ステップ1.1-(4-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)-2-メトキシエタン-1-オン
【化63】
この化合物は、ステップ2において酢酸の代わりに2-メトキシ酢酸を用いて、実施例20に記載の手順に従って調製した。LCMSによるC2827Cl (M+H)の計算値: m/z = 565.2/567.2;実測値: 565.2/567.2。
【0279】
ステップ2.1-(4-(4-(2-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)-2-メトキシエタン-1-オン
1-(4-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-イル)-2-メトキシエタン-1-オン(25mg、0.044mmol)、Pd(dba)(2mg、2.2μmol)、9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(4mg、6.63μmol)、及び炭酸カリウム(12mg、0.088mmol)の混合物を含むマイクロ波用バイアルの排気及び窒素再充填を3回実施した後、このマイクロ波用バイアルに1,4-ジオキサン(2mL)及びトリメチルボロキシン(7μL、0.05mmol)を添加した。Biotage Initator+マイクロ波シンセサイザーを使用してバイアルを130℃で2時間照射処理した。室温に冷却後、混合物をセライトに通してろ過し、CHClで洗浄した後、ろ液を減圧下で濃縮した。その後、残留物をCHCNで溶解し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水でのグラジエント溶出、流速60mL/分)によって精製することで、表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2930ClN (M+H)の計算値: m/z = 545.2;実測値545.3。
【0280】
実施例22.1-(4-(2-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパン-2-オール
【化64】
この化合物は、ステップ1において1-メチル-4-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジンの代わりに2-メチル-1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-2-オールを用いて、実施例11に記載の手順に従って調製し、これによって表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2525ClN (M+H)の計算値: m/z = 462.2;実測値:462.2。H NMR (600 MHz, DMSO-d) δ 9.30 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.95 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.57 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 8.47 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 7.51 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.48 - 7.42 (m, 2H), 7.40 - 7.36 (m, 1H), 4.75 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 4.57 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 4.09 (s, 2H), 2.18 (s, 3H), 1.12 (s, 6H)。
【0281】
実施例23.3-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ブタンニトリル
【化65】
(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール(実施例1、ステップ1、15mg、0.037mmol)及び炭酸セシウム(15mg、0.044mmol)のDMF(500μL)中溶液としての混合物を含むバイアルに3-ブロモブタンニトリル(6mg、0.037mmol)を添加した。バイアルを密封し、80℃に16時間加熱した。室温に冷却後、混合物をCHCNで希釈し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水でのグラジエント溶出、流速60mL/分)によって精製した。LCMSによるC2419ClO (M+H)の計算値: m/z = 477.1/479.1;実測値477.2/479.2。このラセミ体をキラルSFC(Phenomenex Lux 5um Cellulose-21.1×250mmカラム、CO中30%MeOHのアイソクラティック溶液での溶出、流速60mL/分 tR,ピーク1=10.4分、tR,ピーク2=11.75分)に供すことによって純粋なエナンチオマーに分離した。溶媒を減圧下で蒸発させた後、両方のエナンチオマーを分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水でのグラジエント溶出、流速60mL/分)によって精製することで、表題化合物の各エナンチオマーをTFA塩として得た。H NMR (600 MHz, DMSO-d) δ 9.30 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.99 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.77 (s, 1H), 8.56 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 8.34 (s, 1H), 7.65 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.56 (dd, J = 8.7, 7.6 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 4.80 (h, J = 6.7 Hz, 1H), 4.69 (s, 2H), 3.18 - 3.15 (m, 2H), 1.59 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
【0282】
実施例24.(R)-2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-1-オール
【化66】
この化合物は、3-ブロモブタンニトリルの代わりに(S)-2-クロロプロパン-1-オールを用いて、実施例23に記載の手順に従って調製し、これによって表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2320Cl (M+H)の計算値: m/z = 468.1/470.1;実測値: 468.1/470.1。
【0283】
実施例25.(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-((4-フルオロテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール
【化67】
この化合物は、3-ブロモブタンニトリルの代わりに4-(ブロモメチル)-4-フルオロテトラヒドロ-2H-ピランを用いて、実施例23に記載の手順に従って調製し、これによって表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2623Cl2-FN (M+H)の計算値: m/z = 526.1/528.1;実測値: 526.1/528.1。
【0284】
実施例26.3-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)テトラヒドロ-2H-チオピラン1,1-ジオキシド
【化68】
この化合物は、3-ブロモブタンニトリルの代わりに4-ヨードテトラヒドロ-2H-チオピラン1,1-ジオキシドを用いて、実施例23に記載の手順に従って調製した[注記:4-置換チオピランジオキシド生成物は認められなかった]。LCMSによるC2522Cl2-S (M+H)の計算値: m/z = 542.1/544.1;実測値: 542.1/544.1。このラセミ体をキラルHPLC(Phenomenex Lux 5um セルロース-21.2×250mmカラム、ヘキサン中85%EtOHのアイソクラティック溶液での溶出、流速20mL/分 tR,ピーク1=11.2分,tR,ピーク2=15.6分)に供すことによって純粋なエナンチオマーに分離した。溶媒を減圧下で蒸発させた後、両方のエナンチオマーを分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水でのグラジエント溶出、流速60mL/分)によって精製することで、表題化合物の各エナンチオマーをTFA塩として得た。H NMR (600 MHz, DMSO-d) δ 9.25 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.95 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.74 (s, 1H), 8.54 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 8.32 (s, 1H), 7.65 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.55 (dd, J = 8.7, 7.6 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 4.75 - 4.64 (m, 3H), 3.70 (dd, J = 13.3, 11.9 Hz, 1H), 3.63 (dtd, J = 13.5, 3.8, 1.5 Hz, 1H), 3.21 (dtd, J = 28.1, 14.1, 3.8 Hz, 2H), 2.20 (tdd, J = 14.4, 6.8, 3.3 Hz, 2H), 2.12 - 2.03 (m, 1H), 1.92 (tdd, J = 12.8, 10.8, 3.6 Hz, 1H)。
【0285】
実施例27.1-(3-((4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)アゼチジン-1-イル)-2-メトキシエタン-1-オン
【化69】
ステップ1.(9-(1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-2-(2,6-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール
【化70】
この化合物は、ステップ1においてtert-ブチル4-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル3-((4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)アゼチジン-1-カルボキシレートを用いて、実施例20に記載の手順に従って調製した。LCMSによるC2421ClO (M+H)の計算値: m/z = 479.1/481.1;実測値: 479.3/481.2。
【0286】
ステップ2.1-(3-((4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)アゼチジン-1-イル)-2-メトキシエタン-1-オン
(9-(1-(アゼチジン-3-イルメチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-2-(2,6-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)メタノール(10mg、0.021mmol)を含むバイアルに対して、2-メトキシ酢酸(2μL、0.020mmol)、DMF(500μl)、及びDIPEA(7μL、0.04mmol)を添加した。溶液を1分間撹拌してからHATU(12mg、0.03mmol)を添加し、1時間撹拌した。完了時点で反応混合物をアセトニトリル/メタノールで希釈し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水でのグラジエント溶出、流速60mL/分)によって精製することで、表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2725Cl (M+H)の計算値: m/z = 551.1/553.1;実測値551.2/553.2。
【0287】
実施例28.2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-9-(1-(2-(メチルスルホニル)エチル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン
【化71】
ステップ1.9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-カルバルデヒド
【化72】
9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-ビニルイミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン(240mg、0.573mmol)、THF(4.5mL)、水(1.1mL)、及び四酸化オスミウム(HO中4wt.%、91μL、14μmol)をバイアルに添加した後、過ヨウ素酸ナトリウム(612mg、2.86mmol)を添加した。反応混合物を30℃で2時間撹拌し、完了時点で反応物を飽和Na水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。併せた有機層を減圧下で濃縮した。得られた残留物をBiotage Isoleraによって精製することで、所望の生成物を黄色の油として得た。LCMSによるC17BrClO (M+H)の計算値: m/z = 419.9/421.9;実測値419.9/421.9。
【0288】
ステップ2.9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ジフルオロメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン
【化73】
9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-カルバルデヒド(97mg、0.230mmol)をCHCl(1.0mL)中溶液として含むバイアルに対して、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(152μL、1.152mmol)を0℃で滴加した。反応混合物を40℃で16時間撹拌し、完了時点で反応物を飽和NaHCO水溶液で慎重にクエンチし、EtOAcで抽出した。併せた有機層を減圧下で濃縮した。得られた残留物をBiotage Isoleraによって精製することで、所望の生成物を黄色の油として得た。LCMSによるC17BrCl (M+H)の計算値: m/z = 441.9/443.9;実測値441.9/443.9。
【0289】
ステップ3.2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-9-(1-(2-(メチルスルホニル)エチル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン
9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ジフルオロメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン(90mg、0.203mmol)、1-(2-(メチルスルホニル)エチル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(73mg、0.244mmol)、リン酸三カリウム(86mg、0.406mmol)、及び(1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン付加物(17mg、0.020mmol)を含むバイアルの排気及び窒素再充填を3回実施した後、このバイアルに1,4-ジオキサン(1.9mL)及び水(190μL)を添加した。バイアルを密封し、80℃に1時間加熱した。室温に冷却後、混合物をSiliaPrep SPEチオールカートリッジ(SPE-R51030B-06P)に通してろ過し、アセトニトリルで洗浄した。その後、混合物をアセトニトリルで希釈し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水でのグラジエント溶出、流速60mL/分)によって精製することで、表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2318ClS (M+H)の計算値: m/z = 536.1/538.0;実測値536.0/538.0。H NMR (500 MHz, DMSO-d) δ 9.35 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 9.02 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.73 (s, 1H), 8.59 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 8.36 (s, 1H), 7.70 - 7.64 (m, 2H), 7.63 - 7.55 (m, 2H), 7.54 - 7.17 (m, 1H), 4.61 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 3.78 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.92 (s, 3H)。
【0290】
実施例29.2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ジフルオロメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)アセトニトリル
【化74】
この化合物は、ステップ3において1-(2-(メチルスルホニル)エチル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールの代わりに2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)アセトニトリルを用いて、実施例28に記載の手順に従って調製し、これによって表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2213Cl (M+H)の計算値: m/z = 469.1/471.1;実測値469.0/471.0。
【0291】
実施例30.2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-9-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン
【化75】
この化合物は、ステップ3において1-(2-(メチルスルホニル)エチル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールの代わりに1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールを用いて、実施例28に記載の手順に従って調製し、これによって表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2520ClO (M+H)の計算値: m/z = 514.1/516.1;実測値514.1/516.0。
【0292】
実施例31.2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ジフルオロメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)エタン-1-オール
【化76】
この化合物は、ステップ3において1-(2-(メチルスルホニル)エチル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールの代わりに2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)エタン-1-オールを用いて、実施例28に記載の手順に従って調製し、これによって表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2216ClO (M+H)の計算値: m/z = 474.1/476.1;実測値474.0/476.0。
【0293】
実施例32.2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ジフルオロメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパンニトリル
【化77】
この化合物は、ステップ3において1-(2-(メチルスルホニル)エチル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールの代わりに2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパンニトリルを用いて、実施例28に記載の手順に従って調製し、これによって表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2315Cl (M+H)の計算値: m/z = 483.1/485.1;実測値483.0/485.0。
【0294】
実施例33.2-(4-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-(ジフルオロメチル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-9-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパンアミド
【化78】
この化合物は、ステップ3において1-(2-(メチルスルホニル)エチル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールの代わりに2-メチル-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパンアミドを用いて、実施例28に記載の手順に従って調製し、これによって表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2419ClO (M+H)の計算値: m/z = 515.1/517.1;実測値515.1/517.0。
【0295】
実施例34.2-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)エタン-1-オール
【化79】
ステップ1.2-(9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)エタン-1-オール
【化80】
9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)-3-ビニルイミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン(40mg、0.095mmol)をTHF(320μL)中溶液として含むバイアルに9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(THF中0.5M、380μL、0.190mmol)を添加した。反応混合物を50℃で16時間撹拌した。出発物質が消費された時点で2Mの水酸化ナトリウム水溶液(500μL)及び過酸化水素(HO中30%wt%、200μL)をバイアルに添加した。反応混合物を50℃でさらに3時間撹拌した。室温に冷却後、溶液を飽和NaHCO水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。併せた有機層を減圧下で濃縮した。得られた残留物をBiotage Isoleraによって精製することで、所望の生成物を黄色の油として得た。LCMSによるC1813BrClO (M+H)の計算値: m/z = 436.0/438.0;実測値436.0/438.0。
【0296】
ステップ2.2-(2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)エタン-1-オール
2-(9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-イル)エタン-1-オール(3mg、6.9μmol)、1-メチル-4-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン(6mg、21μmol)、リン酸三カリウム(4mg、21μmol)、及び(1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン付加物(1mg、1.4μmol)を含むバイアルの排気及び窒素再充填を3回実施した後、このバイアルに1,4-ジオキサン(300μL)及び水(30μL)を添加した。バイアルを密封し、80℃に1時間加熱した。室温に冷却後、混合物をSiliaPrep SPEチオールカートリッジ(SPE-R51030B-06P)に通してろ過し、アセトニトリルで洗浄した。その後、混合物をアセトニトリルで希釈し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水でのグラジエント溶出、流速60mL/分)によって精製することで、表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2727ClO (M+H)の計算値: m/z = 521.2/523.2;実測値521.1/523.1。
【0297】
実施例35.2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-アミン
【化81】
ステップ1.9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-アミン
【化82】
9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン(140mg、0.356mmol)、亜硝酸tert-ブチル(184mg、1.781mmol)を含むアセトニトリル(1.4mL)を含むバイアルを50℃で16時間撹拌した。その後、溶液を室温に冷却し、減圧下で濃縮し、残留物をMeOH(2mL)に溶解し、Pd/C(10wt%、28mg、0.026mmol)を添加した。バイアルに水素を5分間パージした後、このバイアルを水素雰囲気下で1時間撹拌した。その後、反応混合物をろ過し、CHClで洗浄した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をBiotage Isoleraによって精製することで、所望の生成物をオレンジ色の固体として得た。LCMSによるC1610BrCl (M+H)の計算値: m/z = 406.9/408.9;実測値407.0/409.0。
【0298】
ステップ2.2-(2,6-ジクロロフェニル)-9-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-アミン
9-ブロモ-2-(2,6-ジクロロフェニル)イミダゾ[2,1-f][1,6]ナフチリジン-3-アミン(12mg、0.029mmol)、1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(16mg、0.059mmol)、リン酸三カリウム(13mg、0.059mmol)、及び(1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン付加物(2.4mg、2.9μmol)を含むバイアルの排気及び窒素再充填を3回実施した後、このバイアルに1,4-ジオキサン(270μL)及び水(27μL)を添加した。バイアルを密封し、80℃に1時間加熱した。室温に冷却後、混合物をSiliaPrep SPEチオールカートリッジ(SPE-R51030B-06P)に通してろ過し、アセトニトリルで洗浄した。その後、混合物をアセトニトリルで希釈し、分取LCMS(XBridge C18カラム、アセトニトリル/TFA0.1%含有水でのグラジエント溶出、流速60mL/分)によって精製することで、表題化合物をTFA塩として得た。LCMSによるC2421ClO (M+H)の計算値: m/z = 479.1/481.1;実測値479.1/481.1。
【0299】
実施例A:FGFR酵素アッセイ
例示の化合物の阻害剤効力は、FRETを測定して生成物形成を検出してペプチドリン酸化を測定する酵素不連続アッセイにおいて決定した。阻害剤をDMSOで段階希釈し、0.2μL量を384ウェルプレートのウェルに移した。アッセイ緩衝液(50mM HEPES、10 mM MgCl、1mM EGTA、0.01% Tween-20、5mM DTT、pH7.5)で希釈したFGFR酵素アイソフォーム(FGFR-1、FGFR-2、FGFR-3の野生型及び変異体アイソフォーム、FGFR-4)(リン酸化タンパク質及び非リン酸化タンパク質を含む)を5μL/ウェル量でプレートに添加し、阻害剤と共に環境温度で5~15分間プレインキュベートした。適切な対照(酵素ブランク及び阻害剤を添加しない酵素)をプレートに含めた。アッセイ緩衝液中にビオチン化EQEDEPEGDYFEWLEペプチド基質(配列番号:1)及びATPの両方を含む5μL/ウェル量を添加することによって反応を開始した。ペプチド基質の10μL/ウェル反応液濃度は500nMとし、ATP濃度はATP Km付近またはそれ未満に維持した。ATP Km値は、別の一連の実験において事前に決定した。反応プレートを25℃で1時間インキュベートし、反応停止溶液(50mM トリス、150mM NaCl、0.5mg/mL BSA、pH7.8;45mM EDTA、600nM スタウロスポリン、Perkin Elmer Lance Reagent(3.75nM Eu-抗体PY20及び180nM APC-ストレプトアビジン))を5μL/ウェルで添加することによって反応を停止させた。プレートを環境温度で約10分間平衡化した後、PheraStarプレートリーダー(BMG Labtech)機器でスキャンした。
【0300】
データの解析にはEither GraphPad prismまたはXLfitのいずれかを使用した。可変ヒル係数を用いて4パラメーターロジスティック方程式にデータをフィッティングしてシグモイド型用量反応曲線を描くことによってIC50値を導き出した。Prism方程式:Y=ボトム+(トップ-ボトム)/(1+10^((LogIC50-X)ヒル勾配));XLfit方程式:Y=(A+((B-A)/(1+((X/C)^D))))(Xは阻害剤濃度の対数であり、Yは反応である)。IC50が1μM以下である化合物を活性と見なしている。
【0301】
表1は、アッセイ緩衝液での希釈、プレートへの添加、及び4時間のプレインキュベートの後にFGFR酵素アッセイにおいてアッセイした本開示の化合物のIC50データを示す。「+」という記号はIC50が1.0nM未満であることを示し、「++」はIC50が1.0nM以上であるが、5.0nM未満であることを示す。
【0302】
表1中のデータは、野生型の非リン酸化FGFR3タンパク質において測定したものである。
【表1-1】
【表1-2】
【0303】
実施例B:発光生存率アッセイ
RT112細胞(表2にさらに詳述される細胞株及び遺伝的プロファイル)をATCC(Manassas,VA)から購入し、FBS10%含有RPMI(Gibco/Life Technologies)中で維持した。細胞の生存率に対する試験化合物の効果を測定するために、細胞をFBS10%含有RPMIに含めて(5×103個細胞/ウェル/50μL中)、50μLの一定濃度範囲の試験化合物の存在下または非存在下で黒色の96ウェルGreinerポリスチレンに播種した。3日後、100μLのCellTiter-Glo試薬(Promega)を添加した。TopCount(PerkinElmer)を用いて発光を読み取った。IC50の決定は、GraphPad Prism 5.0ソフトウェアを使用して、阻害剤濃度の対数に対する阻害率の曲線のフィッティングを行うことによって実施した。
【表2】
【0304】
表3は、RT-112/84細胞株について発光生存率アッセイにおいてアッセイした本開示の化合物のIC50データを示す。「+」という記号は、IC50が10nM未満であることを示し、「++」は、IC50が10nM以上であるが、50nM未満であることを示す。
【表3-1】
【表3-2】
【0305】
実施例C:pFGFR2及びpFGFR1、3機能性細胞HTRFアッセイ
線維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)のリン酸化を測定するために、ATCCからKATOIII細胞(ヒト胃癌)を購入し、FBS20%含有イスコフ培地(Gibco/Life Technologies)中で維持する。pFGFR2アッセイについては、KATOIII細胞をFBS5%含有イスコフ培地に含めて、5×10個細胞/ウェルでCorning96ウェル平底組織培養処理プレートに播種し、一晩保持する。翌朝、新鮮なFBS0.5%含有培地50μlを、一定濃度範囲の試験化合物(同じく50ul)の存在下または非存在下、5%CO2雰囲気下、37℃で1時間インキュベートする。細胞をPBSで洗浄し、標準的なプロテアーゼ阻害剤を含むCell Signaling溶解緩衝液を用いて室温で45分間溶解させる。この溶解物に対して、Cis Bio抗リン酸化YAP d2及びCis Bio抗リン酸化YAPクリプテートを一緒に含む総量4μlを添加し、十分に混合する(キットの指示に従って行う)。その後、16μlを384ウェルGreiner白色プレートに移し、暗所、4℃で一晩保管する。波長を665nm及び620nmとしてPherastarプレートリーダーでプレートを読み取る。IC50の決定は、GraphPad Prism5.0ソフトウェアを使用して、阻害剤濃度の対数に対する阻害剤阻害率の曲線のフィッティングを行うことによって実施する。
【0306】
線維芽細胞増殖因子受容体3(FGFR3)のリン酸化を測定するために、社内の安定細胞株BAF3-TEL-FGFR1またはBAF3-TEL-FGFR3を、1ug/mlのピューロマイシンを含むFBS10%含有RPMI(Gibco/Life Technologies)中で維持する。このアッセイについては、BAF3-TEL-FGFR1細胞またはBAF3-TEL-FGFR3細胞を含むピューロマイシン非含有無血清RPMI培地を、20nlの一定濃度範囲の化合物を予め点在させた384 Greiner白色プレートに1×10個細胞/mlで12nl添加する。プレートを室温で穏やかに2分間振盪して(100rpm)ウェルを混合し、5%CO2雰囲気下、37℃、単層で2時間インキュベートする。溶解緩衝液#3(CisBio)の1/25希釈液を、標準的なプロテアーゼ阻害剤と共に4μl/ウェルで添加し、室温、200rpmで20分間振盪する。この溶解物に対して、Cis Bio Tb-pFGFR Ab(10ng)及びd2-FGFR3(1ng)を一緒に含む総量4μlを添加し、ウェルを十分に混合する。プレートを密封し、暗所、室温で一晩インキュベートする。波長を665nm及び620nmとしてPherastarプレートリーダーでプレートを読み取る。IC50の決定は、GraphPad Prism5.0ソフトウェアを使用して、阻害剤濃度の対数に対する阻害剤阻害率の曲線のフィッティングを行うことによって実施する。
【0307】
実施例D:pFGFR3機能性全血HTRFアッセイ
全血アッセイにおいて線維芽細胞増殖因子受容体3(FGFR3)のリン酸化を測定するために、社内の安定細胞株BAF3-TEL-FGFR3を、1μg/mlのピューロマイシンを含むFBS10%含有RPMI(Gibco/Life Technologies)中で維持する。このアッセイについては、BAF3-TEL-FGFR3細胞を含むピューロマイシン非含有FBS10%含有RPMI培地を、フィブロネクチンでコートされた96ウェル組織培養プレート(5ug/ml)に5×10個細胞/ウェルで100ul添加して、5%CO2雰囲気下、37℃で一晩保持する。翌日、1200RPMでの低速遠心によって血液の上部から血清を分離し、56℃で15分間インキュベートすることによって熱不活性化処理する。冷却した血清30μlを、一定濃度範囲で予め点在させた70nMの化合物を含む96ウェルプレートに添加する。細胞プレートを培地で穏やかに洗浄し、プレートにすべての血液/化合物混合物を添加し、プレートを5%CO2雰囲気下、37℃で2時間インキュベートする。ウェルの側面に培地をつたわせることによってプレート由来の血液を穏やかに2回洗浄した後、プレートから培地を捨て、プレートを紙タオル上に手早く置いて排水する。標準的なプロテアーゼ阻害剤と共に1×の溶解緩衝液#1(CisBio)を70μl/ウェルで添加し、室温、400rpmで30分間振盪する。溶解後、プレートを5分間遠沈させ、16uLの溶解物を384ウェルの少量プレートに移す。この溶解物に対して、Cis Bio Tb-pFGFR Ab(10ng)及びd2-FGFR3(1ng)を一緒に含む総量4μlを添加し、ウェルを十分に混合する。プレートを密封し、暗所、室温で一晩インキュベートする。波長を665nm及び620nmとしてPherastarプレートリーダーでプレートを読み取る。IC50の決定は、GraphPad Prism5.0ソフトウェアを使用して、阻害剤濃度の対数に対する阻害剤阻害率の曲線のフィッティングを行うことによって実施する。
【0308】
実施例E:KATOIII全血pFGFR2α ELISAアッセイ
KATOIII添加全血アッセイにおいて線維芽細胞増殖因子受容体2アルファ(FGFR2α)のチロシンリン酸化を測定するために、ATCCからKATOIII細胞を購入し、FBS20%含有イスコフ培地(Gibco/Life Technologies)中で維持する。試験化合物によるFGFR2α活性の阻害を測定するために、FBS0.2%含有イスコフ培地を用いて5×10個細胞/mlで細胞を再懸濁させる。その後、一定濃度範囲の試験化合物及び300ulのヒトヘパリン添加全血(Biological Specialty Corp,Colmar PA)の存在下または非存在下で96ディープウェル2mlポリプロピレンアッセイブロック(Costar)に50μLの細胞を添加する。37℃で4時間インキュベート後、Qiagen EL緩衝液を使用して赤血球を溶解し、標準的なプロテアーゼ阻害剤カクテル(Calbiochem/EMD)及びPMSF(Sigma)を含む溶解緩衝液(Cell Signaling)に細胞溶解物を氷上で30分間再懸濁させる。溶解物を標準的なV底プロピレン組織培養プレートに移し、-80℃で一晩凍結させる。R&D Systems DuoSet ICヒトリン酸化FGFR2α ELISAにおいて試料を試験し、540の波長補正を行って450nmに設定したSpectraMax M5マイクロプレートを使用してプレートを測定する。IC50の決定は、GraphPad Prism5.0ソフトウェアを使用して、阻害剤濃度の対数に対する阻害剤阻害率の曲線のフィッティングを行うことによって実施する。
【0309】
実施例F:FGFR経路の阻害
FGFR2/3の変化を有する細胞株においてFGFRまたはFGFR下流エフェクター線維芽細胞増殖因子受容体基質2(FRS2)及び細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)のリン酸化を測定することによって化合物の細胞効力を決定する。
【0310】
線維芽細胞増殖因子受容体、線維芽細胞増殖因子受容体基質2(FRS2)及び細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)のリン酸化を測定するために、細胞(細胞株に関する詳細及び得られるデータの型については、表4にさらに詳述される)をFBS10%含有RPMI培地に含めて、5~7.5×10個細胞/ウェルで6ウェルプレート(Corning6ウェル組織培養処理プレート)に播種し、一晩保持する。翌日、2mlの新鮮なFBS10%含有培地を一定濃度範囲の試験化合物の存在下または非存在下、5%CO2雰囲気下、37℃で4時間インキュベートする。細胞をPBSで洗浄し、標準的なプロテアーゼ阻害剤を含むCell Signaling溶解緩衝液で溶解させる。20~40μgの総タンパク質溶解物を、抗体(リン酸化FRS2 Tyr436(AF5126)(R&D Systems(Minneapolis,MN)から供給されるもの)、リン酸化FGFR-Tyr653/654(#2476S)、リン酸化ERK1/2-Thr202/Tyr204(#9101L)、及び全ERK1/2(#9102L)(Cell Signaling Technologies(Danvers,MA)から供給されるもの))を使用するウエスタンブロット分析に供する。
【表4】
【0311】
実施例G:FGFR2/3の変化を有するインビボ腫瘍モデルに対する活性
FGFR2/3変化モデルにおいてさまざまな用量の化合物で処理した場合の腫瘍増殖を測定することによってインビボでの化合物の活性を決定する。
【0312】
供給元によって推奨されるようにRT112/84腫瘍細胞(85061106,ECACC,UK)を維持する(腫瘍モデルについては、表5にさらに詳述される)。実験の0日目に、1:1 PBS:Matrigel(354263,Corning)と共に2.0×10個のRT112/84細胞を雌性NSGマウス(Jackson)の右後方側腹部に皮下接種する。腫瘍接種から7日目(腫瘍が平均で約200mmに達する時点)に0(媒体)、100mg/kg、30mg/kg、または10mg/kg PO QDで化合物での処理を開始し、試験の終了まで継続する。腫瘍増殖及び明らかな忍容性について実験の過程にわたってマウスを監視する。式(L×W)/2(L及びWは、それぞれ長さ及び幅の寸法を指す)を使用して腫瘍体積を計算する。式(1-(V/V))100(Vは、処理の最終日の処理群の腫瘍体積であり、Vは、処理の最終日の対照群の腫瘍体積である)を使用して腫瘍増殖阻害率(TGI)を計算する。試験の終了時点で一元配置ANOVAを使用して処理群間の統計的な差を決定する。
【表5】
【0313】
前述の説明から、本明細書に記載のものに加えて本発明のさまざまな改変が当業者には明らかになろう。そのような改変もまた、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。すべての特許、特許出願、及び刊行物を含めて、本出願において引用される各参考文献は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【配列表】
2024522188000001.app
【国際調査報告】