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特表2024-522195スクリーニングの方法及び関連システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-11
(54)【発明の名称】スクリーニングの方法及び関連システム
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/06 20060101AFI20240604BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20240604BHJP
   C12N 15/866 20060101ALN20240604BHJP
【FI】
C12Q1/06
C12M1/34 B
C12N15/866 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576017
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 US2022032823
(87)【国際公開番号】W WO2022261313
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】17/344,593
(32)【優先日】2021-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.UNIX
2.SOLARIS
(71)【出願人】
【識別番号】517307681
【氏名又は名称】リカージョン ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【弁理士】
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン、クリス
(72)【発明者】
【氏名】クイグリー、イアン
(72)【発明者】
【氏名】カリウリン、レナト
(72)【発明者】
【氏名】ダレム、ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン、ダニエル
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029BB11
4B029FA02
4B063QA18
4B063QR77
4B063QR80
4B063QS03
4B063QX01
4B063QX02
(57)【要約】
本明細書には、疾患を治療するための試験剤のハイスループットスクリーニングの方法が開示される。疾患のハイスループットスクリーニング方法も、本明細書に開示される。ハイスループットスクリーニングのためのシステムも、本明細書に開示される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
疾患を治療するための試験剤のハイスループットスクリーニング方法であって、
疾患に関連する目的遺伝子を過剰発現する病原性形質導入細胞を培養して、培養された病原性形質導入細胞において疾患表現型を示させることと、
前記目的遺伝子を過剰発現しない非病原性形質導入細胞を培養して、培養された非病原性形質導入細胞において対照表現型を示させることと、
前記培養された病原性形質導入細胞を形態学的にプロファイリングして、疾患表現型の形態学的プロファイルを開発することと、
前記培養された非病原性形質導入細胞を形態学的にプロファイリングして、対照表現型の形態学的プロファイルを開発することと、
複数の試験剤のうちの1つ以上、又はそれらの組み合わせを前記培養された病原性形質導入細胞に添加して、処理された培養された病原性形質導入細胞を形成することと、
前記処理された培養された病原性形質導入細胞を形態学的にプロファイリングすることと、
前記処理された培養された病原性形質導入細胞の前記疾患表現型の形態学的プロファイルを、前記対照表現型の形態学的プロファイルのものと類似した処理された形態学的プロファイルに調節する、前記複数の前記試験剤、又はそれらの組み合わせのうちのいずれかを同定することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記試験剤が、小分子、生体化合物、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップのいずれかにおける前記形態学的プロファイリングが、関連する細胞をイメージングすることを利用する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップのいずれかにおける前記形態学的プロファイリングが、
1つ以上のイメージングチャネルにおける染色強度、
イメージングチャネル間の相関関係、
テクスチャパターン、
細胞構造の大きさ及び形状、
細胞内構造間の幾何学的関係、
隣接するセル間の幾何学的関係、又は
それらの組み合わせを追跡することを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ステップのいずれかにおける前記形態学的プロファイリングが、100以上の細胞特徴、500以上の細胞特徴、又は1000以上の細胞特徴を追跡することを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記細胞特徴が、深層学習訓練セット、手動で調整された特徴抽出、又はそれらの組み合わせを使用して決定される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記細胞特徴が、蛍光若しくは非蛍光染色又はそれらの組み合わせを用いて、又は用いずに、細胞をイメージングすることによって、少なくとも部分的に決定される、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記形態学的プロファイリングが、主成分分析を使用して前記細胞特徴のアウトプットを低減することを含む、請求項5~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記目的遺伝子を過剰発現する病原性形質導入細胞を得ることが、前記目的遺伝子を含有し、かつ前記目的遺伝子の過剰発現を形質導入するように構成された、Bacmamベクターを導入することを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記培養ステップの前に、機能獲得疾患に関連する目的遺伝子を過剰発現する病原性形質導入細胞を得ることと、前記目的遺伝子を過剰発現しない非病原性形質導入細胞を得ることと、を更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記目的遺伝子を過剰発現しない非病原性形質導入細胞を得ることが、前記目的遺伝子を過剰発現するように構成されていないBacmamベクターを導入することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記目的遺伝子を過剰発現するように構成されていないBacmamベクターを導入することが、1つ以上のBacmamベクターであって、
遺伝的ペイロードを有さない;
スクランブルメッセンジャーリボ核酸をコードする核酸を担持する;目的遺伝子を担持するが、コードされたタンパク質を誤って局在化するように、若しくは切断されたタンパク質を発現するように構成されている;
過剰発現のための非病原性遺伝子を担持する;又は
それらの組み合わせである、1つ以上のBacmamベクターを導入することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記目的遺伝子を含有する前記Bacmamベクターの濃度が、前記目的遺伝子を過剰発現するように構成されていないBacmamベクターの濃度と同じである、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記目的遺伝子が、第1の目的遺伝子を含み、前記病原性形質導入細胞を培養して、培養された病原性形質導入細胞において疾患表現型を示させることが、第1の病原性形質導入細胞を培養して、前記細胞培養容器の第1のリザーバで増殖させた第1の培養された病原性形質導入細胞において第1の疾患表現型を示させることを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記目的遺伝子が、第2の目的遺伝子を含み、前記病原性形質導入細胞を培養して、培養された病原性形質導入細胞において疾患表現型を示させることが、第2の病原性形質導入細胞を培養して、前記細胞培養容器の第2のリザーバで増殖させた第2の培養された病原性形質導入細胞において第2の疾患表現型を示させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のウェルが、第1の予め選択された初期量の細胞を含有し、前記第2のウェルが、第2の予め選択された初期量の細胞を含有し、前記第1の予め選択された初期量が、前記第2の予め選択された初期量の細胞とは異なり、前記培養ステップの後、前記第1のリザーバ内の細胞の量が、前記第2のリザーバ内の細胞の量とほぼ同じである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
目的遺伝子を過剰発現する病原性形質導入細胞を取得すること、及び前記目的遺伝子を過剰発現しない非病原性形質導入細胞を取得することが、前記細胞培養容器の個々のリザーバ内で前記細胞を形質導入することを含む、請求項14~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記対照表現型の形態学的プロファイルと比較して、前記処理された形態学的プロファイルのスコアを決定することと、前記スコアが選択された範囲内にある場合、前記処理された形態学的プロファイルを、前記対照表現型の形態学的プロファイルと類似したものとして同定することと、を更に含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記対照表現型の形態学的プロファイルの対応する形態学的特徴と比較して、前記処理された形態学的プロファイルの形態学的特徴の特定のセットの各形態学的特徴の値を決定することと、前記特定のセットの各形態学的特徴の前記値が選択された範囲内にある場合、前記処理された形態学的プロファイルを、前記対照表現型の形態学的プロファイルと類似したものとして同定することと、を更に含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記選択された範囲が、各形態学的特徴の前記値に固有であるか、又は前記値の各々がスケーリングされ、前記選択された範囲が、前記スケーリングされた値のすべてに適用される単一の選択された範囲である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記対照表現型の形態学的プロファイルの対応する形態学的特徴と比較して、前記処理された形態学的プロファイルの各形態学的特徴の値を決定することと、前記値の選択されたパーセンテージが選択された範囲内にある場合、前記処理された形態学的プロファイルを、前記対照表現型の形態学的プロファイルと類似したものとして同定することと、を更に含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記選択された範囲が、各形態学的特徴の前記値に固有であるか、又は前記値の各々がスケーリングされ、前記選択された範囲が、前記スケーリングされた値のすべてに適用される単一の選択された範囲である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記疾患に関連する前記目的遺伝子を過剰発現する前記培養された病原性形質導入細胞が、前記疾患に関連する1つ以上の追加の遺伝子も過剰発現するか、前記疾患に関連する1つ以上の遺伝子を過少発現するか、又はそれらの組み合わせである、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
疾患のハイスループットスクリーニング方法であって、
第1の疾患に関連する第1の疾患表現型の形態学的プロファイルを提供することと、
前記第1の疾患表現型の形態学的プロファイルを、複数の表現型の形態学的プロファイルのライブラリと比較することであって、前記複数の表現型の形態学的プロファイルの各々が、1つ以上の遺伝子を過剰発現したか、1つ以上の遺伝子を過少発現したか、又はそれらの組み合わせである、培養された病原性形質導入細胞から生成された、比較することと、
前記第1の疾患表現型の形態学的プロファイルと類似した前記複数の前記表現型の形態学的プロファイルのうちのいずれかを同定することと、を含む、方法。
【請求項25】
前記複数の表現型の形態学的プロファイルの各々と比較して、前記第1の疾患表現型の形態学的プロファイルのスコアを決定することと、前記スコアが選択された範囲内にある場合、前記第1の疾患表現型の形態学的プロファイルを、前記複数の表現型の形態学的プロファイルの各々と類似したものとして同定することと、を更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記複数の表現型の形態学的プロファイルの各々の対応する形態学的特徴と比較して、前記第1の疾患表現型の形態学的プロファイルの形態学的特徴の特定のセットの各形態学的特徴の値を決定することと、前記特定のセットの各形態学的特徴の前記値が選択された範囲内にある場合、前記第1の疾患表現型の形態学的プロファイルを、前記複数の表現型の形態学的プロファイルの各々と類似したものとして同定することと、を更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記選択された範囲が、各形態学的特徴の前記値に固有であるか、又は前記値の各々がスケーリングされ、前記選択された範囲が、前記スケーリングされた値のすべてに適用される単一の選択された範囲である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記複数の表現型の形態学的プロファイルの各々の対応する形態学的特徴と比較して、前記第1の疾患表現型の形態学的プロファイルの各形態学的特徴の値を決定することと、前記値の選択された割合が選択された範囲内にある場合、前記第1の疾患表現型の形態学的プロファイルを、前記複数の表現型の形態学的プロファイルの各々と類似したものとして同定することと、を更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記選択された範囲が、各形態学的特徴の前記値に固有であるか、又は前記値の各々がスケーリングされ、前記選択された範囲が、前記スケーリングされた値のすべてに適用される単一の選択された範囲である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の疾患に関連する前記第1の疾患表現型の形態学的プロファイルを提供することが、前記第1の疾患を有する患者由来の細胞を形態学的にプロファイリングすることを含む、請求項24~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記ステップのいずれかにおける前記形態学的プロファイリングが、前記関連細胞をイメージングすることを利用する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記ステップのいずれかにおける前記形態学的プロファイリングが、
1つ以上のイメージングチャネルにおける染色強度、
イメージングチャネル間の相関関係、
テクスチャパターン、
細胞構造の大きさ及び形状、
細胞内構造間の幾何学的関係、
隣接するセル間の幾何学的関係、又は
それらの組み合わせを追跡することを含む、請求項30又は31に記載の方法。
【請求項33】
前記ステップのいずれかにおける前記形態学的プロファイリングが、100以上の細胞特徴、500以上の細胞特徴、又は1000以上の細胞特徴を追跡することを含む、請求項30~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記細胞特徴が、深層学習トレーニングセットを使用して決定される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記細胞特徴が、6つの蛍光染色、又はそれらの組み合わせを使用して決定される、請求項33又は請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記形態学的プロファイリングが、主成分分析を使用して前記細胞特徴の前記アウトプットを低減することを含む、請求項33~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記患者由来の前記細胞が、前記第1の疾患に関連する未知の遺伝子変異を含有する、請求項30~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記第1の疾患を有する前記患者由来の前記細胞上で、複数の同定された試験剤のうちの1つ以上を試験することを更に含み、前記同定された試験剤が、前記培養された病原性形質導入細胞の前記表現型の形態学的プロファイルを、対照表現型の形態学的プロファイルのものと類似した処理された形態学的プロファイルに調節するように同定された試験剤を含む、請求項30~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記試験剤が、小分子、生物学的化合物、又はそれらの組み合わせを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記対照表現型の形態学的プロファイルが、培養された非病原性形質導入細胞を形質学的にプロファイリングして、前記対照表現型の形態学的プロファイルを開発することによって生成される、請求項38又は請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記培養された非病原性形質導入細胞が、1つ以上の遺伝子を過剰発現するように構成されていないBacmamベクター、1つ以上の遺伝子を過少発現するように構成されていないBacmamベクターを導入すること、又はそれらの組み合わせを含む方法によって得られる、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
1つ以上の遺伝子を過剰発現するように構成されていない前記Bacmamベクター、1つ以上の遺伝子を過少発現するように構成されていない前記Bacmamベクター、又はそれらの組み合わせを導入することが、
遺伝的ペイロードを有さないこと、
スクランブルされたメッセンジャーリボ核酸をコードする核酸を担持すること、
コードされたタンパク質を誤って局在化するか、又は切断されたタンパク質を発現するように構成されている、1つ以上の遺伝子を担持するか、
過剰発現のための非病原性遺伝子を担持する、1つ以上のBacmamベクターを導入すること、
それらの組み合わせを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
1つ以上の遺伝子を含有する前記Bacmamベクターの濃度が、1つ以上の遺伝子を過剰発現するように構成されていないBacmamベクター、1つ以上の遺伝子を過少発現するように構成されていないBacmamベクター、又はそれらの組み合わせの濃度と同じである、請求項41又は請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記第1の疾患に関連する前記第1の疾患表現型の形態学的プロファイルを提供することが、病原性形質導入細胞を培養して、前記第1の疾患に関連することが知られている1つ以上の遺伝子を過剰発現させるか、前記第1の疾患に関連することが知られている1つ以上の遺伝子を過少発現させるか、又はそれらの組み合わせを行い、培養された病原性形質導入細胞において疾患表現型を示させることを含み、
前記第1の疾患表現型の形態学的プロファイルと類似したものとして同定された前記表現型の形態学的プロファイルについて、前記培養された病原性形質導入細胞とは異なるように過剰発現又は過少発現された任意の遺伝子を同定することであって、前記培養された病原性形質導入細胞とは異なるように過剰発現又は過少発現された任意の遺伝子が、前記第1の疾患に関連する追加の遺伝子である、同定することを更に含む、請求項24~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記培養ステップの前に、前記第1の疾患に関連することが知られている1つ以上の遺伝子を過剰発現させるか、前記第1の疾患に関連することが知られている1つ以上の遺伝子を過少発現させるか、又はそれらの組み合わせを行う、病原性形質導入細胞を得ることであって、前記第1の疾患に関連することが知られている前記1つ以上の遺伝子を含有し、前記第1の疾患に関連することが知られている前記1つ以上の遺伝子を過剰発現させるか、過少発現させるか、又はそれらの組み合わせを行うように構成されているBacmamベクターを導入することと、を含む、得ることを更に含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記培養ステップの前に、前記第1の疾患に関連することが知られている1つ以上の遺伝子を過剰発現させるか、前記第1の疾患に関連することが知られている1つ以上の遺伝子を過少発現させるか、又はそれらの組み合わせを行う病原性形質導入細胞を得ることと、前記第1の疾患に関連することが知られている1つ以上の遺伝子を過剰発現させないか、又は前記第1の疾患に関連することが知られている1つ以上の遺伝子を過少発現させるか、又はこれらの組み合わせを行う非病原性形質導入細胞を得ることと、を更に含む、請求項44又は45に記載の方法。
【請求項47】
前記第1の疾患を有する前記患者由来の前記細胞上で、複数の同定された試験剤のうちの1つ以上を試験することを更に含み、前記同定された試験剤が、前記培養された病原性形質導入細胞の前記表現型の形態学的プロファイルを、対照表現型の形態学的プロファイルのものと類似した処理された形態学的プロファイルに調節するように同定された試験剤を含む、請求項44~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記試験剤が、小分子、生物学的化合物、又はそれらの組み合わせを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
ハイスループットスクリーニングシステムであって、前記システムが、
複数の表現型の形態学的プロファイルを記憶するメモリと、
疾患に関連する目的遺伝子を過剰発現する培養された病原性形質導入細胞についての第1の画像データセットを受信することと、
前記目的遺伝子を過剰発現しない培養された非病原性形質導入細胞から画像データの第2のセットを受信することと、
複数の試験剤のうちの1つ以上、又はそれらの組み合わせで処理された処理された培養された病原性形質導入細胞から画像データの第3のセットを受信することと、
前記第1の画像データセットから疾患表現型の形態学的プロファイルを生成することと、
前記第2のセットの画像データから対照表現型の形態学的プロファイルを生成することと、
前記複数の試験剤の前記1つ以上、又はそれらの組み合わせの各々についての画像データの前記第3のセットから処理された表現型の形態学的プロファイルを生成することと、
前記対照表現型の形態学的プロファイルと比較して、前記処理された表現型の形態学的プロファイルのそれぞれに類似性値を割り当てることと、を実行するプロセッサ回路と、を備える、システム。
【請求項50】
前記表現型の形態学的プロファイルのいずれかを生成することが、100以上の細胞特徴、500以上の細胞特徴、又は1000以上の細胞特徴を追跡することを含む、請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記細胞特徴が、深層学習訓練セット、手動で調整された特徴抽出、又はそれらの組み合わせを使用して決定される、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記細胞特徴が、蛍光若しくは非蛍光染色又はそれらの組み合わせを用いて、又は用いずに細胞をイメージングすることによって、少なくとも部分的に決定される、請求項50又は51に記載のシステム。
【請求項53】
前記表現型の形態学的プロファイルのいずれかを生成することが、主成分分析を使用して前記細胞特徴の前記アウトプットを低減することを含む、請求項50~52のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項54】
前記システムが、前記対照表現型の形態学的プロファイルと比較して、前記処理された形態学的プロファイルのスコアを決定し、前記スコアが選択された範囲内にある場合、前記処理された形態学的プロファイルを、前記対照表現型の形態学的プロファイルと類似したものとして同定するプロセッサ回路を更に備える、請求項49~53のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項55】
前記システムが、前記対照表現型の形態学的プロファイルの対応する形態学的特徴と比較して、前記処理された形態学的プロファイルの形態学的特徴の特定のセットの各形態学的特徴の値を決定し、前記特定のセットの各形態学的特徴の値が選択された範囲内にある場合、前記処理された形態学的プロファイルを、前記対照表現型の形態学的プロファイルと類似したものとして同定するプロセッサ回路を更に備える、請求項49~54のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項56】
前記選択された範囲が、各形態学的特徴の前記値に固有であるか、又は前記値の各々がスケーリングされ、前記選択された範囲が、前記スケーリングされた値のすべてに適用される単一の選択された範囲である、請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
前記システムが、前記対照表現型の形態学的プロファイルの対応する形態学的特徴と比較して、前記処理された形態学的プロファイルの各形態学的特徴の値を決定し、前記値の選択されたパーセンテージが選択された範囲内にある場合、前記処理された形態学的プロファイルを、前記対照表現型の形態学的プロファイルと類似したものとして同定するプロセッサ回路を更に備える、請求項49~56のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項58】
前記選択された範囲が、各形態学的特徴の前記値に固有であるか、又は前記値の各々がスケーリングされ、前記選択された範囲が、前記スケーリングされた値のすべてに適用される単一の選択された範囲である、請求項57に記載のシステム。
【請求項59】
ハイスループットスクリーニングシステムであって、前記システムが、
複数の表現型の形態学的プロファイルのライブラリにアクセスするためのインターフェースと、
前記インターフェースを介して、複数の表現型の形態学的プロファイルのライブラリにアクセスすることであって、前記複数の表現型の形態学的プロファイルの各々は、1つ以上の遺伝子を過剰発現した、1つ以上の遺伝子を過少発現した、又はそれらの組み合わせである、培養された病原性形質導入細胞から生成された、アクセスすることと、
第1の疾患表現型の形態学的プロファイルを比較することと、
前記第1の疾患表現型の形態学的プロファイルと類似した前記複数の表現型の形態学的プロファイルのうちのいずれかを同定することと、を実行するプロセッサ回路と、を備える、システム。
【請求項60】
前記システムが、前記複数の表現型の形態学的プロファイルの各々と比較して、前記第1の疾患表現型の形態学的プロファイルのスコアを決定し、前記スコアが選択された範囲内にある場合、前記第1の疾患表現型の形態学的プロファイルを前記複数の表現型の形態学的プロファイルの各々と類似したものとして同定するプロセッサ回路を更に備える、請求項59に記載のシステム。
【請求項61】
前記システムが、前記第1の疾患表現型の形態学的プロファイルの形態学的特徴の特定のセットの各形態学的特徴の値を、前記複数の表現型の形態学的プロファイルの各々の対応する形態学的特徴と比較して判定し、前記特定のセットの各形態学的特徴の値が選択された範囲内にある場合、前記第1の疾患表現型の形態学的プロファイルを、前記複数の表現型の形態学的プロファイルの各々と類似したものとして同定するプロセッサ回路を更に備える、請求項59に記載のシステム。
【請求項62】
前記選択された範囲が、各形態学的特徴の前記値に固有であるか、又は前記値の各々がスケーリングされ、前記選択された範囲が、前記スケーリングされた値のすべてに適用される単一の選択された範囲である、請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
前記システムが、前記複数の表現型の形態学的プロファイルの各々の対応する形態学的特徴と比較して、前記第1の疾患表現型の形態学的プロファイルの各形態学的特徴の値を決定し、前記値の選択されたパーセンテージが選択された範囲内にある場合、前記第1の疾患表現型の形態学的プロファイルを、前記複数の表現型の形態学的プロファイルの各々と類似したものとして同定するプロセッサ回路を更に備える、請求項59に記載のシステム。
【請求項64】
前記選択された範囲が、各形態学的特徴の前記値に固有であるか、又は前記値の各々がスケーリングされ、前記選択された範囲が、前記スケーリングされた値のすべてに適用される単一の選択された範囲である、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
疾患を治療するための試験剤のハイスループットスクリーニング方法であって、
疾患に関連する目的遺伝子を過剰発現する病原性形質導入細胞を培養して、培養された病原性形質導入細胞において疾患表現型を示させることと、
前記目的遺伝子を過剰発現しない非病原性形質導入細胞を培養して、培養された非病原性形質導入細胞において対照表現型を示させることと、
前記培養された病原性形質導入細胞をプロファイリングして、疾患表現型プロファイルを開発することと、
前記培養された非病原性形質導入細胞をプロファイリングして、対照表現型プロファイルを開発することと、
複数の試験剤のうちの1つ以上、又はそれらの組み合わせを前記培養された病原性形質導入細胞に添加して、処理された培養された病原性形質導入細胞を形成することと、
前記処理された培養された病原性形質導入細胞をプロファイリングすることと、
前記処理された培養された病原性形質導入細胞の前記疾患表現型プロファイルを、前記対照表現型プロファイルのものと類似した処理されたプロファイルに調節する、前記複数の前記試験剤、又はそれらの組み合わせのうちのいずれかを同定することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
著作権表示
(著作権)2022 Recursion Pharmaceuticals,Inc.本特許文献の開示の一部は、著作権保護の対象となる材料を含む。著作権所有者は、特許商標局の特許ファイル又は記録として存在する特許文献又は特許開示のいずれかのファクシミリ複製には異議はないが、それ以外では、何であれすべての著作権を留保する(米国特許法施行規則第1.71条(d))。
【0002】
本開示は、広義には、スクリーニングの方法及び関連システムに関し、具体的には、本開示は、機能変異の獲得を伴うスクリーニングの方法及び関連システムに関する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本明細書に開示される実施形態は、添付の図面と併せて、以下の説明及び添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるであろう。図面は、主に一般化された実施形態を示し、その実施形態は、以下の図面に関連して更に具体的かつ詳細に説明される。
【0004】
図1】実施例1のBRAF V600E形質導入細胞(左パネル)及びBRAF V600Eナンセンス形質導入細胞(右パネル)の蛍光顕微鏡画像である。
図2】実施例1のBacMam滴定実験において試薬によって処理された細胞の画像から抽出された画像ベースの特徴のベクトル対間のコサイン類似性のヒートマップである。
図3図2のズームイン画像である。
図4A】INS-1E細胞(左パネル)、及びPark et al.Korean J Physiol Pharmacol.2012 Feb;16(1):71-77からの野生型MFN1を過剰発現するINS-1E細胞(右パネル)の蛍光顕微鏡画像である。
図4B】U2OS細胞(左パネル)、及び実施例2の野生型MFN1を過剰発現するU2OS細胞(右パネル)の蛍光顕微鏡画像である。
図5】Bretscher et al.Current Biology Volume 8,Issue 12,4 June 1998,Pages 721-724,S1-S4からのKB細胞、及び実施例2のEGFR FLAGを過剰発現するように形質導入されたU2OS細胞の顕微鏡画像である。非刺激KB細胞(第1の左パネル)及びEGFで刺激されたKB細胞(左から第2のパネル)を示す。FLAG(右端)、核(右から2番目)、及び併合されたFLAG及び核(中央)についての、U2OS細胞の顕微鏡画像を示す。
図6】Draq5、ファロイジン、及びアネキシンVで染色した有毛細胞白血病試料の蛍光顕微鏡画像を示す(第1の左パネル、Falini et al.Blood.2016;128(15):1918-1927より、並びに、実施例2のBRAF V600E FLAGを過剰発現するU2OS細胞(FLAG(最も右)、核(右から2番目)、及び併合されたFLAG及び核(右から3番目))。
図7】試薬群のすべての対間のコサイン類似性のヒートマップである。
図8図7に記載される類似性のブロック内の試料に由来した特徴ベクトルのすべての対の間のコサイン類似性のヒートマップである。
図9】実施例3からの種々の試験剤によりEGFR FLAGを発現する細胞を比較するコサイン類似性のヒートマップである。
図10】実施例4のウリキセルチニブ、ダブラフェニブ、MEK162、及びベムラフェニブで処理したBRAF V600Eを発現する細胞の副作用スコア対疾患スコアのドットプロットである。
図11】一実施形態によるハイスループットスクリーニングシステムのブロック図である。任意の特定の要素又は行為の考察を容易に識別するために、参照番号内の最も有効な数字は、その要素が最初に導入される図番号を参照する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書には、疾患を治療するための試験剤をハイスループットスクリーニングする方法が開示される。第1の態様では、本方法は、疾患に関連する目的遺伝子を過剰発現する病原性形質導入細胞を培養して、培養された病原性形質導入細胞に疾患表現型を示させることと、目的遺伝子を過剰発現しない非病原性形質導入細胞を培養して、培養された非病原性形質導入細胞に対照表現型を示させることとを含む。本方法は、培養された病原性形質導入細胞をプロファイリングして疾患表現型プロファイルを開発することと、培養された非病原性形質導入細胞をプロファイリングして対照表現型プロファイルを開発することとを更に含む。本方法は、培養された病原性形質導入細胞に複数の試験剤、又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上を添加して、処理された培養された病原性形質導入細胞を形成することを更に含む。追加的に、本方法は、処理された培養された病原性形質導入細胞をプロファイリングし、処理された培養された病原性形質導入細胞の疾患表現型プロファイルを、対照表現型プロファイルの疾患表現型プロファイルと類似した処理されたプロファイルに調節する、複数の試験剤、又はそれらの組み合わせのうちのいずれかを同定することを含む。本方法で使用される試験剤は、小分子、生物学的化合物、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0006】
様々な実施形態では、表現型プロファイルは、代謝学的プロファイル、プロテオームプロファイリング、遺伝子発現プロファイリング、遺伝子プロファイリング、形態学的プロファイリング、又はそれらの組み合わせを含むプロファイリングプロセスから生成され得る。例えば、形態学的プロファイリングのために、本方法は、疾患に関連する目的遺伝子を過剰発現する病原性形質導入細胞を培養して、培養された病原性形質導入細胞において疾患表現型を示させることと、目的遺伝子を過剰発現しない非病原性形質導入細胞を培養して、培養された非病原性形質導入細胞において対照表現型を示させることと、を含み得る。本方法は、培養された病原性形質導入細胞を形態学的にプロファイリングして、疾患表現型の形態学的プロファイルを開発することと、培養された非病原性形質導入細胞を形態学的にプロファイリングして、対照表現型の形態学的プロファイルを開発することと、を更に含む。本方法は、培養された病原性形質導入細胞に複数の試験剤、又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上を添加して、処理された培養された病原性形質導入細胞を形成することを更に含む。追加的に、本方法は、処理された培養された病原性形質導入細胞を形態学的にプロファイリングし、処理された培養された病原性形質導入細胞の疾患表現型の形態学的プロファイルを、対照表現型の形態学的プロファイルと類似した処理された形態学的プロファイルに調節する複数の試験剤、又はそれらの組み合わせのうちのいずれかを同定することを含む。本方法で使用される試験剤は、小分子、生物学的化合物、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0007】
形態学的プロファイルは、様々な方法によって生成され得る。一実施形態では、細胞の形態学的プロファイリングは、関連する細胞をイメージングすること、又は細胞の特定のパラメータ若しくは特徴を追跡することを含み得る。追跡は、1つ以上のイメージングチャネルにおける染色強度、イメージングチャネル間の相関、テクスチャパターン、細胞構造のサイズ及び形状、細胞内構造間の幾何学的関係、隣接する細胞間の幾何学的関係、又はそれらの組み合わせの追跡であり得る。細胞の特徴、例えば、100個以上の細胞の特徴、500個以上の細胞の特徴、又は1000個以上の細胞の特徴は、細胞を形態学的にプロファイリングするときに追跡され得る。これらの細胞の特徴を決定する様々な方法の中で、それらは、蛍光若しくは非蛍光染色又はそれらの組み合わせの有無において細胞をイメージングすること、及び深層学習埋め込み、手動調整された特徴抽出、又はそれらの組み合わせを使用して決定される数値的特徴、によって取得され得る。細胞の特徴を追跡する以外に、形態学的プロファイリングは、主成分分析などの統計モデリングを使用して、細胞特徴のアウトプットを低減することを含み得る。
【0008】
目的遺伝子を過剰発現する細胞、例えば、機能獲得疾患に関連する細胞、及び目的遺伝子を過剰発現しない細胞を、第1の態様の方法で使用し得る。一実施形態では、第1の態様に記載の方法は、培養ステップの前に、機能獲得疾患に関連する目的遺伝子を過剰発現する病原性形質導入細胞を得ることと、目的遺伝子を過剰発現しない非病原性形質導入細胞を得ることと、を更に含むことができる。
【0009】
本質的に形態学的ではない他のプロファイルを得ることができる。様々な技術を使用して、バイアス又は非バイアスの方法で分子特徴を大規模に測定することができる。これらには、転写プロファイリング(例えば、RNA-seq)、クロマチンアクセシビリティ又はクロマチン状態(例えば、ATAC-seq)、3Dゲノム構造(例えば、Hi-C)、メタボロミクス、又はプロテオミクスが含まれるが、これらに限定されない。イメージング特徴と同様に、これらの高次元測定値は、主成分分析などの統計モデリングを使用して、より少数の特徴に縮小することができる。
【0010】
目的遺伝子は、例えば、ウイルスベクター又はBacmamベクターを使用するなど、様々な方法によって細胞に導入され得る。一実施形態では、第1の態様に記載の方法は、目的遺伝子を含有し、目的遺伝子の過剰発現を引き起こすように細胞内に形質導入されるように構成されるBacmamベクターを導入することによって、目的遺伝子を過剰発現する病原性形質導入細胞を得る。同様に、目的遺伝子を過剰発現しない非病原性形質導入細胞を得ることは、目的遺伝子を過剰発現するように構成されていないBacmamベクターを導入することを含む。目的遺伝子を過剰発現するように構成されていないBacmamベクターは、以下を有し得る:遺伝子ペイロードがない;スクランブルされたメッセンジャーリボ核酸をコードする核酸を担持する;目的遺伝子を運ぶが、コードされたタンパク質を誤って局在化するか、又は切断されたタンパク質を発現するように構成されている;過剰発現のための非病原性遺伝子を担持する;又はそれらの組み合わせ。
【0011】
Bacmamベクターを用いて遺伝子発現をかく乱するための追加のアプローチは、ベクターにCas9変異体をコードさせることであろう。この実施形態では、Cas9、又は機能的ドメイン(転写的にトランスアクティベーションするドメインを含むが、これらに限定されず、この構築物は、CRISPRa、又はCRISPRiと呼ばれる阻害ドメインと呼ばれる)と融合されたCas9を、Bacmamベクターを用いて細胞に導入し、次いで、Cas9タンパク質を所望のゲノム標的に向けるために、他の手段(例えば、lipofection)によってガイドRNAを導入する。このアプローチは、任意の遺伝子産物の過剰発現又は抑制を可能にするが、単一のBacmamベクターの構築のみを必要とする。
【0012】
病原性形質導入細胞を得るために使用されるBacmamベクター濃度及び非病原性形質導入細胞を得るために使用される濃度は、等しくてもよい。代替的には、病原性形質導入細胞を得るために使用されるBacmamベクター濃度及び非病原性形質導入細胞を得るために使用されるベクター濃度は異なり得る。
【0013】
第1の態様の方法は、異なる目的遺伝子を過剰発現する病原性形質導入細胞を培養して、細胞培養容器又はプレートの各リザーバ又はウェルに異なる疾患表現型を示させることを更に含むことができる。一実施形態では、目的遺伝子は、対象となる第1の遺伝子を含み、病原性形質導入細胞を培養して、培養された病原性形質導入細胞において疾患表現型を示させることは、第1の病原性形質導入細胞を培養して、細胞培養容器の第1のリザーバで成長させた第1の培養された病原性形質導入細胞において第1の疾患表現型を示させることを含む。目的遺伝子はまた、目的の第2の遺伝子を含み得、病原性形質導入細胞を培養して、培養された病原性形質導入細胞において疾患表現型を示させることは、第2の病原性形質導入細胞を培養して、ウェルプレートの第2のウェルで成長した第2の培養された病原性形質導入細胞において第2の疾患表現型を示させることを含む。
【0014】
第1のウェルは、第1の予め選択された初期量の細胞を含むことができ、第2のウェルは、第2の予め選択された初期量の細胞を含むことができる。第1の予め選択された初期量は、第2の予め選択された初期量の細胞とは異なってもよい。培養ステップ後、第1のウェル内の細胞の量は、第2のウェル内の細胞の量とほぼ等しくすることができる。別の実施形態では、目的遺伝子を過剰発現する病原性形質導入細胞を得ること、及び目的遺伝子を過剰発現しない非病原性形質導入細胞を得ることは、ウェルプレートの個々のウェル内で細胞を形質導入することを含む。
【0015】
別の実施形態では、第1の実施形態の方法の培養された病原性形質導入細胞はまた、疾患に関連する1つ以上の追加の遺伝子を過剰発現させるか、疾患に関連する1つ以上の遺伝子を過少発現させるか、又はそれらの組み合わせを過剰発現させる。
【0016】
類似性は、類似性メトリック又は類似性関数を使用することによって定量化又はスコアリングすることができる。非メートル類似性関数s(x,x′)は、2つのベクトルx及びx′を比較するために使用される。従来、s(x,x′)は、xとx′が何らかの形で「類似」しているときに値が大きい対称関数である。非計量類似性関数s(x、x′)の例は、Duda,R.O.,and P.E.Hart.Pattern Classification and Scene Analysis,1973の216頁目に記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本開示の目的のために、「テスト類似性メトリック」という用語は、ブロック442の角度距離関数などの類似性メトリック、並びにDuda,R.O.,and P.E.Hart.Pattern Classification and Scene Analysis. 1973に記載されているものなどの非メトリック類似性関数を包含するとみなされる。
【0017】
各形態学的特徴又はプロファイルについてスコア又は値を決定して、形態学的プロファイル間の類似性レベルを同定することができる。決定されたスコアが特定のスコアの範囲内にある場合、形態学的プロファイルは、別の形態学的プロファイルと類似したものとして同定され得る。第1の態様の一実施形態では、方法は、対照表現型の形態学的プロファイルと比較して、処理された表現型の形態学的プロファイルのスコアを決定することと、スコアが選択された範囲内にある場合、処理された表現型の形態学的プロファイルを対照表現型の形態学的プロファイルに類似したものとして同定することとを更に含む。
【0018】
別の実施形態では、本方法は、対照表現型の形態学的プロファイルの対応する形態学的特徴と比較して、処理された形態学的プロファイルの特定の形態学的特徴のセットの各形態学的特徴の値を決定することと、特定のセットの各形態学的特徴の値が選択された範囲内にある場合、処理された形態学的プロファイルを対照表現型の形態学的プロファイルと類似したものとして同定することとを含む。
【0019】
別の実施形態では、第1の態様の方法は、対照表現型の形態学的プロファイルの対応する形態学的特徴と比較して、処理された形態学的プロファイルの各形態学的特徴の値を決定することと、値の選択されたパーセンテージが選択された範囲内にある場合、処理された形態学的プロファイルを対照表現型の形態学的プロファイルと同様として同定することとを更に含む。
【0020】
実施形態のいずれかにおける選択された範囲は、各形態学的特徴の値に固有であってもよく、又は値のそれぞれがスケーリングされてもよく、選択された範囲は、スケーリングされた値のすべてに適用される単一の選択された範囲であってもよい。
【0021】
本明細書に開示される他の方法は、疾患のハイスループットスクリーニング方法である。例えば、疾患に関連する遺伝子を過剰発現するか、疾患に関連する遺伝子を過剰発現しないか、又はその両方の組み合わせである、患者由来の細胞は、形態学的にプロファイルされ、形態学的プロファイルのライブラリ、又は疾患に関連する遺伝子を過剰発現又は過少発現しない患者由来の細胞の形態学的プロファイルと比較され得る。第2の態様における方法は、第1の疾患に関連する第1の疾患表現型の形態学的プロファイルを提供することと、第1の疾患表現型の形態学的プロファイルを複数の表現型の形態学的プロファイルのライブラリと比較することとを含み、複数の表現型の形態学的プロファイルの各々は、1つ以上の遺伝子を過剰発現し、1つ以上の遺伝子を過少発現し、又はそれらの組み合わせを行った培養された病原性形質導入細胞から生成されたものである。方法は、第1の疾患表現型の形態学的プロファイルと類似した複数の表現型の形態学的プロファイルのうちのいずれかを同定することを更に含む。
【0022】
第1の態様の方法のいくつかの実施形態と同様に、第2の態様の方法は、形態学的特徴又はプロファイルのスコア又は値を決定して、形態学的プロファイル間の類似性を同定することを更に含み得る。第2の態様の方法の第1の実施形態では、本方法は、複数の表現型の形態学的プロファイルの各々と比較して、第1の疾患表現型の形態学的プロファイルのスコアを決定することと、スコアが選択された範囲内にある場合、第1の疾患表現型の形態学的プロファイルを複数の表現型の形態学的プロファイルの各々と類似したものとして同定することと、を更に含む。第2の態様の第2の実施形態では、本方法は、複数の表現型の形態学的プロファイルの各々の対応する形態学的特徴と比較して、第1の疾患表現型の形態学的プロファイルの形態学的特徴の特定のセットの各形態学的特徴の値を決定することと、特定のセットの各形態学的特徴の値が選択された範囲内にある場合、第1の疾患表現型の形態学的プロファイルを、複数の表現型の形態学的プロファイルの各々と類似したものとして同定することと、を更に含み得る。第2の態様の第3の実施形態では、本方法は、複数の表現型の形態学的プロファイルの各々の対応する形態学的特徴と比較して、第1の疾患表現型の形態学的プロファイルの各形態学的特徴の値を決定することと、選択された割合の値が選択された範囲内にある場合、第1の疾患表現型の形態学的プロファイルを、複数の表現型の形態学的プロファイルの各々と類似したものとして同定することと、を更に含む。選択された範囲は、各形態学的特徴の値に固有であり得るか、又は値のそれぞれがスケーリングされ得、選択された範囲は、スケーリングされた値のすべてに適用される単一の選択された範囲であり得る。
【0023】
疾患表現型の形態学的プロファイルは、疾患を有する患者由来の細胞の形態学的プロファイルを含み得る。第2の態様に記載の方法の第4の実施形態では、第1の疾患に関連する第1の疾患表現型の形態学的プロファイルを提供することは、第1の疾患を有する患者由来の細胞を形態学的にプロファイリングすることを含む。第1の態様のいくつかの実施形態と同様に、第2の態様の実施形態における形態学的プロファイリング細胞は、細胞イメージングを使用すること、又は細胞の様々なパラメータ若しくは特徴を追跡することを含み得る。また、第1の態様の一実施形態と同様に、ステップのいずれかにおける形態学的プロファイリングは、多くの細胞特徴を追跡することを含み得、細胞特徴は、本明細書に開示される方法のいずれかを使用して、決定され得、及び/又は細胞特徴のアウトプットが低減され得る。この第4の実施形態では、患者由来の細胞は、第1の疾患に関連する未知の遺伝子変異を含有し得る。
【0024】
第2の態様の第4の実施形態の方法は、第1の疾患を有する患者由来の細胞上で、複数の同定された試験剤のうちの1つ以上を試験することを更に含み得、同定された試験剤は、培養された病原性形質導入細胞の表現型の形態学的プロファイルを、対照表現型の形態学的プロファイルのものと類似した処理された形態学的プロファイルに調節するものとして同定された試験剤を含む。試験剤は、小分子、生物学的化合物、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0025】
この実施形態では、対照表現型の形態学的プロファイルは、培養された非病原性形質導入細胞を形態学的にプロファイリングして、対照表現型の形態学的プロファイルを開発することによって生成され得る。更に、培養された非病原性形質導入細胞は、1つ以上の遺伝子を過剰発現するか若しくは1つ以上の遺伝子を過少発現するように構成されていないか、又はそれらの組み合わせを行うBacmamベクターを導入することを含む方法によって得られ得る。第1の態様の実施形態と同様に、1つ以上の遺伝子又はそれらの組み合わせを過剰発現又は過少発現するように構成されていないBacmanベクターを導入することは、遺伝子ペイロードを有しない、スクランブルメッセンジャーリボ核酸をコードする核酸を運ぶこと、1つ以上の遺伝子を運ぶが、コードされたタンパク質を誤って局在化するように、又は切断されたタンパク質を発現するように、構成された、過剰発現のための非病原性遺伝子を運ぶ、又はそれらの組み合わせを行う、1つ以上のBacmamベクターを導入すること含み得る。病原性形質導入細胞を得るために使用されるBacmamベクターの濃度及び非病原性形質導入細胞を得るために使用される濃度は、等しくても等しくなくてもよい。
【0026】
第2の態様の第5の実施形態では、第1の疾患に関連する第1の疾患表現型の形態学的プロファイルを特定することは、病原性形質導入細胞を培養して、第1の疾患に関連することが知られている1つ以上の遺伝子を過剰発現させるか、第1の疾患に関連することが知られている1つ以上の遺伝子を過少発現させるか、又はそれらの組み合わせを行い、培養された病原性形質導入細胞において疾患表現型を示させることを含む。本方法は、表現型の形態学的プロファイルを、第1の疾患表現型の形態学的プロファイルと類似したものとして特定することと、培養された病原性形質導入細胞とは異なる方法で過剰発現又は過少発現した任意の遺伝子を特定することと、を更に含み、培養された病原性形質導入細胞とは異なる方法で過剰発現又は過少発現した任意の遺伝子は、第1の疾患に関連する追加の遺伝子である。この実施形態では、本方法は、培養ステップの前に、第1の疾患に関連することが知られている1つ以上の遺伝子を過剰発現させるか、第1の疾患に関連することが知られている1つ以上の遺伝子を過少発現させるか、又はそれらの組み合わせを行う、病原性形質導入細胞を得ることであって、第1の疾患に関連することが知られている1つ以上の遺伝子を含有し、第1の疾患に関連することが知られている1つ以上の遺伝子を過剰発現させるか、過少発現させるか、又はそれらの組み合わせを行うように構成されているBacmamベクターを導入することと、を含む、得ることを更に含む。培養ステップの前に、方法は、第1の疾患に関連することが知られている1つ以上の遺伝子を過剰発現しないか、第1の疾患に関連することが知られている1つ以上の遺伝子を過少発現するか、又はそれらの組み合わせを行う非病原性形質導入細胞を得ることを含み得る。
【0027】
第2の態様の第4の実施形態の方法は、第1の疾患を有する患者由来の細胞上で、複数の同定された試験剤のうちの1つ以上を試験することを更に含み得、同定された試験剤は、培養された病原性形質導入細胞の表現型の形態学的プロファイルを、対照表現型の形態学的プロファイルのものと類似した処理された形態学的プロファイルに調節するものとして同定された試験剤を含む。試験剤は、小分子、生物学的化合物、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0028】
また、ハイスループットスクリーニングシステムも本明細書に開示される。第3の態様は、複数の表現型の形態学的プロファイルを記憶するメモリと、疾患に関連する目的遺伝子を過剰発現する培養された病原性形質導入細胞の第1のセットの画像データを受信し、目的遺伝子を過剰発現しない培養された非病原性形質導入細胞から第2のセットの画像データを受信し、複数の試験剤のうちの1つ以上、又はそれらの組み合わせで処理された処理された培養された病原性形質導入細胞から第3のセットの画像データを受信するプロセッサ回路と、を備えるハイスループットスクリーニングシステムである。更に、本システムは、画像データの第1のセットから疾患表現型の形態学的プロファイルを生成し、画像データの第2のセットから対照表現型の形態学的プロファイルを生成し、複数の試験剤の1つ以上の各々又はそれらの組み合わせについての画像データの第3のセットから治療表現型の形態学的プロファイルを生成し、対照表現型の形態学的プロファイルと比較して、治療表現型の形態学的プロファイルの各々に類似性値を割り当てるプロセッサ回路を備える。
【0029】
第3の態様の実施形態では、第1及び第2の態様のいくつかの実施形態と同様に、表現型の形態学的プロファイルのいずれかを生成することは、100以上の細胞特徴、500以上の細胞特徴、又は1000以上の細胞特徴を追跡することを含み得る。細胞特徴は、本明細書に開示される方法のうちのいずれかを使用して判定され得、及び/又はアウトプットが低減され得る。
【0030】
第3の態様の別の実施形態では、本システムは、対照表現型の形態学的プロファイルと比較して、処理された形態学的プロファイルのスコアを決定し、スコアが選択された範囲内にある場合、処理された形態学的プロファイルを対照表現型の形態学的プロファイルに類似したものとして同定するプロセッサ回路を更に含む。別の実施形態では、システムは、対照表現型の形態学的プロファイルの対応する形態学的特徴と比較して、処理された形態学的プロファイルの形態学的特徴の特定のセットの各形態学的特徴の値を決定し、特定のセットの各形態学的特徴の値が選択された範囲内にある場合、処理された形態学的プロファイルを制御表現型の形態学的プロファイルと類似したものとして同定するプロセッサ回路を更に備える。別の実施形態では、本システムは、対照表現型の形態学的プロファイルの対応する形態学的特徴と比較して、処理された形態学的プロファイルの各形態学的特徴の値を決定し、値の選択されたパーセンテージが選択された範囲内にある場合、処理された形態学的プロファイルを対照表現型の形態学的プロファイルと類似したものとして同定するプロセッサ回路を更に備える。選択された範囲は、各形態学的特徴の値に固有であり得るか、又は値のそれぞれがスケーリングされ得、選択された範囲は、スケーリングされた値のすべてに適用される単一の選択された範囲であり得る。
【0031】
第4の態様では、ハイスループットスクリーニングシステムは、複数の表現型の形態学的プロファイルのライブラリにアクセスするためのインターフェースと、プロセッサ回路網とを含み、プロセッサ回路網は、インターフェースを介して、複数の表現型の形態学的プロファイルのライブラリにアクセスし、複数の表現型の形態学的プロファイルの各々は、1つ以上の遺伝子を過剰発現したか、1つ以上の遺伝子を過少発現したか、又はそれらの組み合わせを行った、培養された病原性形質導入細胞から生成されたものである。本システムは、第1の疾患表現型の形態学的プロファイルを、第1の疾患表現型の形態学的プロファイルと比較し、第1の疾患表現型の形態学的プロファイルと類似した複数の表現型の形態学的プロファイルのうちのいずれかを同定するプロセッサ回路を更に備える。
【0032】
第4の態様の一実施形態では、本システムは、複数の表現型の形態学的プロファイルの各々と比較して、第1の疾患表現型の形態学的プロファイルのスコアを決定し、スコアが選択された範囲内にある場合、第1の疾患表現型の形態学的プロファイルを複数の表現型の形態学的プロファイルの各々と類似したものとして同定するプロセッサ回路を更に備える。第4の態様のシステムの別の実施形態は、複数の表現型の形態学的プロファイルの各々の対応する形態学的特徴と比較して、第1の疾患表現型の形態学的プロファイルの形態学的特徴の特定のセットの各形態学的特徴の値を決定し、特定のセットの各形態学的特徴の値が選択された範囲内にある場合、第1の疾患表現型の形態学的プロファイルを、対照の複数の表現型の形態学的プロファイルの各々と類似したものとして同定するプロセッサ回路を更に備える、システムを含む。
【0033】
第4の態様の別の実施形態では、本システムは、複数の表現型の形態学的プロファイルの各々の対応する形態学的特徴と比較して、第1の疾患表現型の形態学的プロファイルの各形態学的特徴の値を決定し、選択された割合の値が選択された範囲内にある場合、第1の疾患表現型の形態学的プロファイルを、複数の表現型の形態学的プロファイルの各々と類似したものとして同定するプロセッサ回路を更に備える。様々な態様のいくつかの実施形態と同様に、選択された範囲は、各形態学的特徴の値に固有であってもよく、又は値のそれぞれがスケーリングされてもよく、選択された範囲は、スケーリングされた値のすべてに適用される単一の選択された範囲であってもよい。
【0034】
図11は、一実施形態によるハイスループットスクリーニングシステム100のブロック図である。ハイスループットスクリーニングシステム100は、本方法を実行し、明細書の他の図面を参照して説明される技術を使用し得る。ハイスループットスクリーニングシステム100は、メモリ103、1つ以上のプロセッサ104、ネットワークインターフェース106、入力/出力インターフェース108、及びシステムバス109を備えることができる。
【0035】
1つ以上のプロセッサ104は、Intel(登録商標)、AMD(登録商標)、又は他の標準マイクロプロセッサなどの1つ以上の汎用デバイスを備え得る。1つ以上のプロセッサ104は、ASIC、SoC、SiP、FPGA、PAL、PLA、FPLA、PLD、又は他のカスタマイズされた又はプログラム可能なデバイスなどの特殊目的の処理デバイスを備え得る。1つ以上のプロセッサ104は、分散(例えば、並列)処理を実行して、本開示の実施形態の機能を実行(execute)するか、又はそうでなければ実装(implement)することができる。1つ以上のプロセッサ104は、標準的なオペレーティングシステムを実行(run)し、標準的なオペレーティングシステム機能を実行(perform)し得る。例えば、Microsoft(登録商標)Windows(登録商標)、Apple(登録商標)MacOS(登録商標)、Disk Operating System(DOS)、UNIX、IRJX、Solaris、SunOS、FreeBSD、Linux(登録商標)、ffiM(登録商標)OS/2(登録商標)オペレーティングシステムなど、任意の標準的なオペレーティングシステムが使用され得ることが認識される。
【0036】
メモリ103は、静的RAM、動的RAM、フラッシュメモリ、1つ以上のフリップフロップ、ROM、CD-ROM、DVD、ディスク、テープ、又は磁気、光学、又は他のコンピュータ記憶媒体を含有し得る。メモリ103は、複数のプログラムモジュール110及びプログラムデータ120を含有し得る。メモリ103は、示されるように、ハイスループットスクリーニングシステム100に対してローカルであってもよく、又はハイスループットスクリーニングシステム100に対して分散及び/又はリモートであってもよい。
【0037】
プログラムモジュール110又は他のモジュールによってなど、ハイスループットスクリーニングシステム100によって生成又は使用されるデータは、例えば、記憶されたプログラムデータ120としてメモリ103に記憶され得る。データ120は、1つ以上のデータベースとして編成され得る。
【0038】
データ120は、表現型の形態学的プロファイル122、類似性値124、及び画像データ126を含み得る。プロセッサ104は、メモリインターフェースを使用してデータ120にアクセスし得る。いくつかの実施形態では、表現型の形態学的プロファイル122は、複数の表現型の形態学的プロファイルのライブラリを含み得、その際、複数の表現型の形態学的プロファイルの各々は、1つ以上の遺伝子を過剰発現したか、1つ以上の遺伝子を過少発現したか、又はそれらの組み合わせを行った、培養病原性形質導入細胞から生成されたものである。
【0039】
いくつかの実施形態では、画像データ126は、疾患に関連する目的遺伝子を過剰発現する培養された病原性形質導入細胞の第1の画像データのセットと、目的遺伝子を過剰発現しない培養された非病原性形質導入細胞からの第2の画像データのセットと、複数の試験剤のうちの1つ以上、又はそれらの組み合わせで処理された処理された培養された病原性形質導入細胞からの第3の画像データのセットとを含み得る。表現型の形態学的プロファイル122は、画像データ126を使用して生成され得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、類似性値124は、対照表現型の形態学的プロファイルと比較して、処理された表現型の形態学的プロファイルのセットのそれぞれに割り当てられ得る。いくつかの実施形態では、類似性値124は、複数の表現型の形態学的プロファイルを疾患表現型の形態学的プロファイルと比較し得る。
【0041】
プログラムモジュール110は、ハイスループットスクリーニングシステム100の他の要素のすべて又は部分を含み得る。プログラムモジュール110は、1つ以上のプロセッサ104によって、又は1つ以上のプロセッサ104上で、複数の動作を同時に、又は並行して実行し得る。いくつかの実施形態では、開示されたモジュール、コンポーネント、及び/又は設備の一部は、ハードウェア若しくはファームウェアに具現化された、又は非一時的な機械可読記憶媒体上に記憶された実行可能命令として具現化される。実行可能命令は、プロセッサ及び/又はコンピューティングデバイスによって実行されると、コンピューティングシステムに、本明細書に開示されるように、特定の処理ステップ、手順、及び/又は動作を実装させる、コンピュータプログラムコードを含み得る。本明細書に開示されるモジュール、コンポーネント、及び/又はファシリティは、ドライバ、ライブラリ、インターフェース、API、FPGA構成データ、ファームウェア(例えば、EEPROMに記憶される)などとして、実装及び/又は具現化され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるモジュール、コンポーネント、及び/又は設備の一部は、回路、集積回路、処理コンポーネント、インターフェースコンポーネント、ハードウェアコントローラ、ストレージコントローラ、プログラム可能ハードウェア、FPGA、ASIC、及び/又は同様のものを含むがこれらに限定されない、一般的な及び/又はアプリケーション固有のデバイスなどの機械コンポーネントとして具現化される。したがって、本明細書に開示されるモジュールは、コントローラ、層、サービス、エンジン、設備、ドライバ、回路、サブシステム、及び/又は同様のものと称され得る。
【0042】
モジュール110は、画像プロファイラ112及びプロファイルコンパレータ114を含み得る。画像プロファイラ122は、画像データ126を使用して、本明細書で論じられる技術を使用して表現型の形態学的プロファイル122を生成し得る。プロファイルコンパレータ114は、本明細書で論じられる技術を使用して、類似性値124を比較し、表現型の形態学的プロファイル122に割り当て得る。
【0043】
入力/出力インターフェース108は、1つ以上の入力デバイス及び/又は1つ以上の出力デバイスとのユーザインタラクションを容易にし得る。入力デバイスは、キーボード、マウス、タッチスクリーン、ライトペン、タブレット、マイクロフォン、センサ、又は添付のファームウェア及び/又はソフトウェアを備えた他のハードウェアを含み得る。出力デバイスは、モニタ若しくは他のディスプレイ、プリンタ、音声若しくはテキストシンセサイザ、スイッチ、信号線、又は付随するファームウェア及び/若しくはソフトウェアを備えた他のハードウェアを含み得る。例えば、一実施形態では、入力/出力インターフェース108は、潜在的なアブレーション境界を示すグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提供するためのディスプレイを備える。入力/出力インターフェース108は、ユーザ入力データを受信することができる。いくつかの実施形態では、入力/出力インターフェース108はタッチスクリーンであり、サイズ入力はタッチスクリーンを介して受信される。いくつかの実施形態では、入力/出力インターフェース108は、標的アブレーション周囲を組織の画像に重ね合わせることができる。
【0044】
ネットワークインターフェース106は、他のコンピューティングデバイス及び/若しくはネットワーク及び/若しくは他のコンピューティング及び/若しくは通信ネットワークとの通信を容易にし得る。ネットワークインターフェース106は、例えば、イーサネット(IEEE1102.3)、トークンリング(IEEE1102.5)、ファイバ分散データリンクインターフェース(FDDI)、又は非同期転送モード(ATM)などの従来のネットワーク接続性を備え得る。更に、ネットワークインターフェース106は、例えば、インターネットプロトコル(IP)、転送制御プロトコル(TCP)、UDP/TCP上のネットワークファイルシステム、サーバメッセージブロック(SMB)、Microsoft(登録商標)共通インターネットファイルシステム(CIFS)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、直接アクセスファイルシステム(DAFS)、ファイル転送プロトコル(FTP)、リアルタイムパブリッシュサブスクライブ(RTPS)、オープンシステムインターコネクション(OSI)プロトコル、簡易メール転送プロトコル(SMTP)、セキュアシェル(SSH)、セキュアソケットレイヤー(SSL)などの様々なネットワークプロトコルをサポートするように構成され得る。
【0045】
システムバス109は、1つ以上のプロセッサ104、メモリ103、入力/出力インターフェース108、及びネットワークインターフェース106を含む、ハイスループットスクリーニングシステム500の他のコンポーネント間の通信及び/又は相互作用を容易にし得る。
【0046】
いくつかの場合には、周知の特徴、構造、又は動作は、詳細に示されないか、又は説明されない。更に、記載された特色、構造、又は動作は、1つ以上の実施形態において任意の好適な様態で組み合わせることができる。また、本明細書の図に概して記載及び例示される実施形態の構成要素は、多種多様な異なる構成で配置及び設計され得ることも容易に理解されよう。
【0047】
説明された実施形態のいくつかの態様は、ソフトウェアモジュール又はコンポーネントとして実装され得る。本明細書で使用される場合、ソフトウェアモジュール又はコンポーネントは、メモリデバイス内に配置され、及び/又はシステムバス又は有線又は無線ネットワークを介して電子信号として送信される、任意のタイプのコンピュータ命令又はコンピュータ実行可能コードを含み得る。ソフトウェアモジュール又はコンポーネントは、例えば、1つ以上のタスクを実行するか、又は特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などとして編成され得る、コンピュータ命令の1つ以上の物理的又は論理的ブロックを含み得る。
【0048】
特定の実施形態では、特定のソフトウェアモジュール又はコンポーネントは、メモリデバイスの異なる位置に記憶された異なる命令を含み得、これらは一緒にモジュールの記載された機能を実装する。実際、モジュール又はコンポーネントは、単一の命令又は多くの命令を含み得、いくつかの異なるコードセグメント、異なるプログラム間、及びいくつかのメモリデバイスにわたって分散され得る。通信ネットワークを介してリンクされたリモート処理デバイスによってタスクが実行される分散型コンピューティング環境において、いくつかの実施形態を実施し得る。分散型コンピューティング環境では、ソフトウェアモジュール又はコンポーネントは、ローカル及び/又はリモートメモリストレージデバイスに配置され得る。加えて、データベースレコード内で一緒に縛られる、又はレンダリングされるデータは、同じメモリデバイス内に存在してもよく、又は複数のメモリデバイスにわたって存在してもよく、ネットワークを介してデータベース内のレコードのフィールド内で一緒にリンクされてもよい。
【0049】
実施形態は、本明細書に記載のプロセスを実行するようにコンピュータ(又は他の電子デバイス)をプログラムするために使用され得る命令を記憶した非一時的コンピュータ及び/又は機械可読媒体を含むコンピュータプログラム製品として提供され得る。例えば、非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータシステムのプロセッサによって実行されるとき、プロセッサに、本明細書に開示される特定の方法を実行させる命令を記憶し得る。非一時的なコンピュータ可読媒体は、ハードドライブ、フロッピーディスク、光ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、磁気若しくは光学カード、ソリッドステートメモリデバイス、又は電子命令及び/若しくはプロセッサ実行可能命令を記憶するのに好適な他のタイプの機械可読媒体を含み得るが、これらに限定されない。
【実施例
【0050】
実施例1-細胞を形質導入する(及び形態学的プロファイリングをセットアップする)ためのベクター構築物
目的遺伝子をBacMamベクター(Montana Molecular)に挿入して、既知の方法を使用して細胞を形質導入するためのBacMam構築物を生成した。
【0051】
細胞をBacMamで形質導入して、BRAFV600Eナンセンス又はBRAFV600EFLAGを過剰に発現させた後、免疫染色した。BRAFV600E(図1左パネル)及びBRAFV600Eナンセンス(図1右パネル)上のC末端FLAGタグの免疫蛍光染色を示す。核を赤色で示し、FLAGタグを緑色で示す。ナンセンス変異体における停止コドンは、FLAGタグ付きタンパク質の発現を妨げなかった。
【0052】
BacMam滴定実験における試薬の対間のコサイン類似性の非教師型クラスタリングを決定した。左上の主なクラスターは、ウイルスのペイロードとは関係なく、ほとんど低用量のウイルスである。中央のクラスターは、より高い用量で空のウイルスであり、基礎的な感染表現型を示唆している。右下のより小さいクラスターの集合は、より高い用量での過剰発現表現型のグループ化を示す(図2)。より高い用量での疾患試薬のクラスタリングを示す(図3図2の拡大画像)。
【0053】
実施例2-形態学的に細胞をプロファイリングするための特徴の収集
U2OS細胞を、MFN1、EGFR、又はBRAFを運ぶBacMamで形質導入し、次いで染色してイメージングした。MFN1の過剰発現は、他の文献によって報告されたMFN1過剰発現細胞におけるミトコンドリアクラスタリングと類似した方法でミトコンドリアクラスタリング(図4B)を示す(図4A、Park et al.Korean J Physiol Pharmacol.2012 Feb;16(1):71-77、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。フリル縁の表現型が示されている。U2OS細胞を、EGFR-FLAGを担持するBacMamで形質導入し、DNA(赤色)及びEGFR-FLAG(緑色)を染色した(右端、右端から2番目、及び中央の図5パネル)。細胞におけるEGFRの過剰発現は、他の文献によって報告されたEGF刺激と類似した、ひだ付き表現型を示す(左端及び左から2番目の図5パネル、Bretscher et al.Current Biology Volume 8,Issue 12,4 June 1998,Pages 721-724,S1-S4、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。別の実施例では、V600E-FLAGを担持するBacMamで形質導入されたU2OS細胞を染色した後、イメージングした(図6、左から第2、第3、及び第4のパネル)。有毛細胞白血病において他者によって見られ、報告されたものと同様(図6左パネル、Falini et al.Blood.2016;128(15):1918-1927、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、V600Eを過剰発現するU2OS細胞は、フィラメントの形成を示す。
【0054】
実施例3-形態学的プロファイリング及び病原性形質導入細胞と非病原性形質導入細胞との間のプロファイルの比較
病原性及び非病原性形質導入細胞を培養した後、形態学的にプロファイリングした。方法1に由来する、グループ(又は試薬)のすべての対間のコサイン類似性のヒートマップを生成した(図7)。示されるのは、BRAFV600E、KRASG12C、KRASG12D、MFN1、MFN1T109A、CTNNB1B、EPAS1、SMOF460L、ALK、EGFR、及びそれらのナンセンス対応物のいくつかを有するBacMamベクターで形質導入された細胞である。ナンセンス翻訳物を発現するBacMams、またシュードタイプの空のBacMamsを含むもの、並びにタンパク質に翻訳されるが機能しないKRAS変異体を発現するBacMamsから主になる大きい類似性ブロックが観察された(図7)。図7の方法2によって起点となった特徴ベクトルのすべてのペア間のコサイン類似性である(図8)。BRAFV600EとBRAFV600Eナンセンスとの間の類似性に留意すると、それらがほぼ同一の表現型を共有することを示唆する。更に、病原性試薬又は疾患試薬及び非病原性試薬又は対照試薬は、別々にクラスター化される。
【0055】
表現型スコアリングを、様々な遺伝子を過剰発現する細胞について行った(表1)。交差検証(CV)角度は、試料からの各ガイドを試料の残りの部分と比較したプロセスを使用して計算した。CV角度は、遺伝子に属するすべての個々のガイドの角度の平均であり、角度は、選択されたガイドベクターと、同じ遺伝子に属する残りのガイドの平均ベクターとの間にある。P値は、同じ交差検証手順を使用して同じ遺伝子に属さないランダムガイドを比較することによって、関心のあるCV角よりも小さいCV角を得る確率である。例えば、6つのランダムなガイドが選択され、その後、各ガイドは、残りの5つのランダムに選択されたガイドの平均と比較される。得られる角度の平均が計算される。Z因子を計算するために、Zhang et al.J Biomol Screen.1999;4(2):67-73からの以下の方程式を使用した:
【0056】
【数1】
【0057】
上記の式において、σは健常群の標準偏差であり、σは罹患群の標準偏差であり、μは健常群の平均であり、μは罹患群の平均である。Zhang et al.J Biomol Screen.1999;4(2):67-73は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0058】
結果は、試験した様々な疾患モデリングBacMam試薬が、対照群とは異なる強い表現型を生成することを示唆している。
【0059】
EGFRを過剰発現するように形質導入された細胞及びEGFRを過剰発現するように形質導入されなかった細胞を、形態学的にプロファイリングし、評価した(図9)。
【0060】
【表1】
【0061】
実施例4-表現型を調節する試験剤の同定
BacMamBRAFV600Eで形質導入した細胞を、BRAFを標的とするダブラフェニブ及びベムラフェニブ、並びに下流の生物学的特徴を標的とするウリキセルチニブ及びMEK162を含む、様々な濃度の18個の化合物で処理した。ダブラフェニブ、ウリキセルチニブ、及びMEK162について示された漏斗からの分離である(図10)。BRAFV600Eで細胞を形質導入することによって引き起こされる特徴の違いを決定した。これらの特徴に対する化合物の効果は、BRAFV600E形質導入細胞内で決定され、また、BRAFV600Eによる形質導入に関連しない特徴に対する化合物の効果も決定された。ほとんどの化合物は、図10に示すように、BRAFV600Eに起因する特徴よりも、BRAFV600Eに起因しない特徴に顕著な影響を及ぼした。ベムラフェニブは漏斗の外縁にある。病状を逆転させる試験剤の有効性を定量化することができる。これは、試験剤で処理されていない細胞と比較して、試験剤で処理された細胞の形態学的プロファイリングに基づいて計算される。ウリキセルチニブ、ダブラフェニブ、MEK162、及びベムラフェニブも、このようにして疾患状態を定量化する場合、上位の試験剤の一部であることが示されている。これらの結果は、BRAFV600Eの過剰発現表現型のレスキューを示唆している。
【0062】
EGFR過剰発現細胞の処理として、試験剤を使用した。細胞を、最初にBacMamEGFRで形質導入し、次いで、アファチニブ、ゲフィチニブ、ダコミチニブ、及びエルロチニブを含む化合物のコレクションで処理した。例えば、処理されていないEGFR過剰発現細胞と、試験剤で処理されたEGFR過剰発現細胞群を有する各群とを比較する、コサイン類似性のヒートマップを生成することができる(図9)。病状の逆転の定量化は、アファチニブ及びダコミチニブが、EGFR過剰発現細胞の表現型を調節することができる上位2つの試験剤であることを示唆した。
【0063】
実施例5-疾患に関連する細胞と形態学的プロファイルのライブラリとの間の形態学的プロファイル比較
患者由来の細胞を、形態学的プロファイルのライブラリと比較する。ライブラリは、疾患又は特定の形態表現型に関連する遺伝子の過剰発現、過少発現、又は過剰発現及び過少発現の組み合わせを有する細胞の形態学的プロファイルを含む。患者由来の形態学的にプロファイルされた細胞を、ライブラリ内の1つ以上の形態学的プロファイルとの類似性について評価する。形態学的に類似している場合、患者由来の細胞は、ライブラリ内の一致したプロファイルによって示される特定の遺伝子の過剰発現、過少発現、又は過剰発現と過少発現の低下の組み合わせを有し得る。ライブラリ内の一致したプロファイルによって示される特定の遺伝子の過剰発現、過少発現、又は過剰発現と過少発現との組み合わせを確認するために、更なる試験を行うことができる。
【0064】
当業者には、本発明の基礎となる原理から逸脱することなく、上記の実施形態の詳細に多くの変更が行われ得ることが明らかであろう。
図1A
図1B
図2
図3
図4A-4B】
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
【国際調査報告】