(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-11
(54)【発明の名称】浸漬ノズル交換装置及び上ノズル
(51)【国際特許分類】
B22D 41/56 20060101AFI20240604BHJP
【FI】
B22D41/56
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576098
(86)(22)【出願日】2022-05-11
(85)【翻訳文提出日】2023-12-07
(86)【国際出願番号】 JP2022019899
(87)【国際公開番号】W WO2023281915
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】202131030430
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000170716
【氏名又は名称】黒崎播磨株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】523463199
【氏名又は名称】ティーアールエルクロサキリフラクトリーズリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001601
【氏名又は名称】弁理士法人英和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴータム クマル チョードゥリー
(72)【発明者】
【氏名】ウジウル クマル
(72)【発明者】
【氏名】プラバル ランジャン ホタ
(72)【発明者】
【氏名】原田 賢一
【テーマコード(参考)】
4E014
【Fターム(参考)】
4E014DD03
(57)【要約】
【課題】上ノズルのプレート部の損傷を抑制できる浸漬ノズル交換装置、及び上ノズルを提供する。
【解決手段】タンディッシュ100の溶鋼排出口101の下部に取り付けられる浸漬ノズル交換装置1である。浸漬ノズル交換装置1は支持部3とフラップ4とを備える。支持部3は、溶鋼排出口101に挿入される上ノズル200のプレート部201の下面を支持する支持面31を有する。フラップ4は支持部3に対して回転可能であり、浸漬ノズル交換装置1はフラップ4の回転止め8をさらに備える。回転止め8は、フラップ4の上側に突出してフラップ4に当接するくさび81、及びくさび81に連結されたボルト83を有し、ボルト83の締め込み量を調整することで、くさび81の突出量を調整可能である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンディッシュの溶鋼排出口の下部に取り付けられる浸漬ノズル交換装置であって、
支持部と、フラップとを備え、
前記支持部は、前記溶鋼排出口に挿入される上ノズルのプレート部の下面を支持する支持面を有し、
前記フラップは前記支持部に対して回転可能であり、
前記フラップの回転止めをさらに備え、
前記回転止めは、前記フラップの上側に突出して前記フラップに当接するくさび、及び前記くさびに連結されたボルトを有し、
前記ボルトの締め込み量を調整することで、前記くさびの突出量を調整可能である、浸漬ノズル交換装置。
【請求項2】
前記フラップは、前記上ノズルのプレート部を挟んだときに、前記支持部の支持面と平行になる平行面、及び前記上ノズルの管状部の外周に当接する当接部を有する、請求項1に記載の浸漬ノズル交換装置。
【請求項3】
前記ボルトはボルトガイドに螺合され、前記回転止めには前記ボルトの緩み止めが取り付けられている、請求項1又は2に記載の浸漬ノズル交換装置。
【請求項4】
前記くさびはくさびガイドに挿通され、
前記ボルトガイド及び前記くさびガイドは、フレームに固定され、
前記フレームは、前記タンディッシュの底部に固定される、請求項3に記載の浸漬ノズル交換装置。
【請求項5】
前記フラップの面は、前記上ノズルのプレート部の上面に設けられている凸部又は凹部に嵌合する凹部又は凸部を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の浸漬ノズル交換装置。
【請求項6】
請求項5に記載の浸漬ノズル交換装置に固定される上ノズルであって、
管状部と、プレート部とを有し、
前記プレート部の上面に、前記フラップの面に設けられている凹部又は凸部に嵌合する凸部又は凹部を有する、上ノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンディッシュの溶鋼排出口の下部に取り付けられる浸漬ノズル交換装置、及び浸漬ノズル交換装置に固定される上ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
連続鋳造ではタンディッシュの溶鋼排出口に挿入された上ノズル、そして上ノズルに連結された浸漬ノズルを介して溶鋼をタンディッシュから鋳型へ移送する。
特許分文献1に開示されているように、上ノズルには管状部とプレート部とが設けられている場合がある。このような上ノズルは、そのプレート部が浸漬ノズル交換装置のフラップで固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上ノズルを浸漬ノズル交換装置にフラップで固定するときに、固定具を特許文献1のように回転式のカムにすることがある。この場合、木槌でカムを押し込む必要があるため、カムに押された固定具が上ノズルに当たり、上ノズルが損傷する可能性があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、上ノズルの損傷を抑制できる浸漬ノズル交換装置、及び上ノズルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は次の浸漬ノズル交換装置及び上ノズルを提供する。
1.
タンディッシュの溶鋼排出口の下部に取り付けられる浸漬ノズル交換装置であって、
支持部と、フラップとを備え、
前記支持部は、前記溶鋼排出口に挿入される上ノズルのプレート部の下面を支持する支持面を有し、
前記フラップは前記支持部に対して回転可能であり、
前記フラップの回転止めをさらに備え、
前記回転止めは、前記フラップの上側に突出して前記フラップに当接するくさび、及び前記くさびに連結されたボルトを有し、
前記ボルトの締め込み量を調整することで、前記くさびの突出量を調整可能である、浸漬ノズル交換装置。
2.
前記フラップは、前記上ノズルのプレート部を挟んだときに、前記支持部の支持面と平行になる平行面、及び前記上ノズルの管状部の外周に当接する当接部を有する、前記1に記載の浸漬ノズル交換装置。
3.
前記ボルトはボルトガイドに螺合され、前記回転止めには前記ボルトの緩み止めが取り付けられている、前記1又は2に記載の浸漬ノズル交換装置。
4.
前記くさびはくさびガイドに挿通され、
前記ボルトガイド及び前記くさびガイドは、フレームに固定され、
前記フレームは、前記タンディッシュの底部に固定される、前記3に記載の浸漬ノズル交換装置。
5.
前記フラップの平行面は、前記上ノズルのプレート部の上面に設けられている凸部又は凹部に嵌合する凹部又は凸部を有する、前記1から4のいずれか一項に記載の浸漬ノズル交換装置。
6.
前記5に記載の浸漬ノズル交換装置に固定される上ノズルであって、
管状部と、プレート部とを有し、
前記プレート部の上面に、前記フラップの平行面に設けられている凹部又は凸部に嵌合する凸部又は凹部を有する、上ノズル。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、浸漬ノズル交換装置に固定する上ノズルの損傷を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態である浸漬ノズル交換装置の斜視図。
【
図2】
図1の浸漬ノズル交換装置をタンディッシュに取り付けた状態の要部の断面図(
図1のA-A方向断面図)。
【
図3】支持部、フラップ及びバネボックスを示す分解斜視図。
【
図10】フラップ、バネボックス及び上ノズルを示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に、本発明の一実施形態である浸漬ノズル交換装置を示している。
図2には、この浸漬ノズル交換装置をタンディッシュに取り付けた状態の要部を
図1のA-A方向断面で示している。
図2に示すように、浸漬ノズル交換装置1はタンディッシュ100の溶鋼排出口101の下部に取り付けられる。具体的には、浸漬ノズル交換装置1のフレーム2を、タンディッシュ100の底部の鉄皮102にボルト等で固定する。
浸漬ノズル交換装置1は、上ノズル200を支持する支持部3と、支持部3に支持された上ノズル200を固定するフラップ4とを備えている。上ノズル200は、プレート部201と管状部202とを有する。そして、上ノズル200の管状部202がタンディッシュ100の溶鋼排出口101に挿入されている。また、上ノズル200のプレート部201は浸漬ノズル300のプレート部301に連結されている。これにより、タンディッシュ100内の溶鋼は、上ノズル200及び浸漬ノズル300を介して鋳型へ移送される。
【0010】
浸漬ノズル交換装置1は、浸漬ノズル300を新しい浸漬ノズルに交換する。そのため浸漬ノズル交換装置1は、互いに対向するように平行に配置された一対のガイドレール5,5を備えている。一対のガイドレール5,5は、それぞれ、浸漬ノズルの交換の際に新しい浸漬ノズルを挿入する入口部51,51と、浸漬ノズルの交換の際に古い浸漬ノズル300を排出する排出部52,52と、操業時に浸漬ノズル300を支持する中間部53,53とを有する。ここで、本願明細書における操業時とは、タンディッシュから鋳型へ溶鋼を移送するときである。
本実施形態において中間部53,53は、浸漬ノズル300を上ノズル200に押し付けるために鍵盤状の複数の押圧部材54によって形成されている。すなわち、操業時には
図2に示すように、複数の押圧部材54が浸漬ノズル300のプレート部301の下面を支持する。そして、押圧部材54は、バネボックス6に収納されている弾性体としてのコイルバネ61による弾性力により、浸漬ノズル300を上ノズル200に押し付ける。
【0011】
図1に示すように浸漬ノズル交換装置1は、一対のガイドレール5,5の入口部51,51に挿入された新しい浸漬ノズルを押すための駆動装置として油圧シリンダー7を備えている。油圧シリンダー7は、一対のガイドレール5,5うち一方のガイドレール5の入口部51近傍に設けられている回転軸71周りに回転可能である。新しい浸漬ノズルを一対のガイドレール5,5の入口部51,51に挿入するときは、油圧シリンダー7を回転軸71周りに回転させて
図1の位置から矢印方向Eに退避させる。新しい浸漬ノズルを一対のガイドレール5,5の入口部51,51に挿入したら、油圧シリンダー7を
図1の位置に戻す。その後、油圧シリンダー7で新しい浸漬ノズルを押す。これにより、その新しい浸漬ノズルは古い浸漬ノズル300を押しながら入口部51,51から中間部53,53へ移動する。これに伴い古い浸漬ノズル300は中間部53,53から排出部52,52へ移動する。このようにして、古い浸漬ノズル300が新しい浸漬ノズルに交換される。
【0012】
次に、支持部3及びフラップ4について説明する。
本実施形態において、支持部3はバネボックス6と連続するように設けられている。また、フラップ4は支持部3の上方に取り付けられている。
図3に、支持部3、フラップ4及びバネボックス6の関係を分解斜視図により示している。
図2及び
図3に示すように支持部3は、上ノズル200のプレート部201の下面を支持する支持面31を有する。フラップ4は、回転ピン43を介して支持部3に対して回転可能に取り付けられている。そしてフラップ4は、上ノズル200のプレート部201を挟んだときに支持部3の支持面31と平行になる平行面41を有する。さらにフラップ4は、
図4に明確に表れているように、上ノズル200のプレート部201を挟んだときに上ノズル200の管状部202の外周に当接する当接部42を有する。すなわち、当接部42は上ノズル200の管状部202の外周に沿う形状を有している。なお、フラップ4は、
図5に表れているように、上ノズル200の管状部202を挟むように2箇所に設けられている。
【0013】
浸漬ノズル交換装置1は、フラップ4の回転を止める回転止め8をさらに備えている。
図6に、フラップ4と回転止め8の関係を示している。なお、
図6ではフレーム2を省略している。また、
図7には
図6のB-B方向断面、
図8には
図6のC-C方向断面を示している。さらに、
図9には
図1のD-D方向断面を示している。
回転止め8は、
図4及び
図5から分かるように、2箇所のフラップ4のそれぞれ両側に配置され、合計で4箇所に配置されている。回転止め8は、フラップ4の上側に突出してフラップ4に当接するくさび81を有する。くさび81の先端部は上方に向かう傾斜面811を有する。また、フラップ4の両端部はくさび81の傾斜面811と面合するように下方に向かう傾斜面44を有する。このようにくさび81の先端部とフラップ4の両端部に、それぞれ傾斜面811、傾斜面44を有することで、くさび81がフラップ4の上側に乗り上げやすくなっている。
【0014】
くさび81は、
図6及び
図7に表れているようにくさびガイド82に挿通されている。また、くさび81は、くさびガイド82の内部でくさび用ボルト83に連結されている。そして、くさび用ボルト83はボルトガイド84に螺合されている。さらに、くさびガイド82とボルトガイド84は、
図6及び
図8に表れているように2本の連結ボルト85によって連結固定されている。
くさびガイド82及びボルトガイド84は、フレーム2に固定されている。具体的には
図7及び
図8に表れているように、くさびガイド82及びボルトガイド84は、くさびガイド82に挿通されているくさび81の先端部の傾斜面811がフラップ4の両端部の傾斜面44に乗り上げられるように、フレーム2に固定されている。
【0015】
このような構成を有する回転止め8によれば、ボルトガイド84に対するくさび用ボルト83の締め込み量を調整することで、くさび81の突出量を調整可能である。そして、くさび81の先端部の傾斜面811がフラップ4の両端部の傾斜面44に乗り上げるまでくさび81を突出させることで、フラップ4の回転を止めることができる。
ここで、図示していないが回転止め8には、くさび用ボルト83の緩み止めを取り付けることもできる。くさび用ボルト83の緩み止めとしては、ナット、皿バネやコイルバネ等の座金など、公知の緩み止めを取り付けることができる。緩み止めを取り付けることにより、くさび用ボルト83の緩みによりくさび81の突出量が経時的に変化することを防止できる。すなわち、くさび用ボルト83を締め込むことによりくさび81を上述のフラップ4の回転を止めることができる位置まで突出させた後に、くさび用ボルト83が緩んでくさび81の突出量が小さくなることを防止できる。これにより、確実にフラップ4の回転を止めることができる。
【0016】
次に、浸漬ノズル交換装置1に上ノズル200を取り付けて固定する方法について説明する。
浸漬ノズル交換装置1に上ノズル200を取り付けるときは、くさび用ボルト83の操作によりくさび81を後退させて、フラップ4を回転可能な状態とする。そして、
図10に示すようにフラップ4を起こした状態とする。続いて上ノズル200を上側から挿入し、
図2に示すように、支持部3の支持面31で上ノズル200のプレート部201の下面を支持する。その後、
図11に表れている位置決めボルト9により、浸漬ノズル300の取付方向Xにおける、上ノズル200のプレート部201の位置決めをする。なお、
図11では、プレート2、フラップ4、回転止め8等を省略して示している。
位置決め後、フラップ4を倒す。これにより、上ノズル200のプレート部201が、支持部3の支持面31とフラップ4の平行面41とで挟まれる。このとき、フラップ4の当接部42はノズル200の管状部202の外周に当接する。これより、浸漬ノズル300の取付方向Xと直交する方向Yにおける、上ノズル200のプレート部201の位置決めがなされる。また、上ノズル200のプレート部201を挟んだとき、フラップ4の平行面41は支持部3の支持面31と平行になる。さらに、フラップ4の平行面41及び支持部3の支持面31は、上ノズル200のプレート部201を挟んだとき、上ノズル200のプレート部201の上面及び下面とも平行になる。
このようにして上ノズル200のプレート部201を挟んだ後、くさび用ボルト83の操作によりくさび81を突出させる。具体的には、くさび81の先端部の傾斜面811がフラップ4の両端部の傾斜面44に乗り上げるまで、くさび81を突出させる。これにより、上ノズル200が浸漬ノズル交換装置1に確実に固定される。
【0017】
上ノズル200を固定した後、浸漬ノズル交換装置1をタンディッシュ100の溶鋼排出口101の下部に取り付ける。具体的には、上ノズル200の管状部202をタンディッシュ100の溶鋼排出口101に挿入する。そして、浸漬ノズル交換装置1のフレーム2を、タンディッシュ100の底部の鉄皮102にボルト等で固定する。
【0018】
以上の通り本実施形態の浸漬ノズル交換装置1は、互いに平行な支持部3の支持面31とフラップ4の平行面41とによって上ノズル200のプレート部201を挟むことで、上ノズル200のプレート部201を固定するので、プレート部201を固定した際に負荷が掛かりにくい。したがって、上ノズル200のプレート部201の損傷を抑制できる。
また、フラップ4は、上ノズル200のプレート部201を挟んだときに上ノズル200の管状部202の外周に当接する当接部42を有するので、上ノズル200を固定する際に上ノズル200の位置決めをすることができる。また、当接部42は、上ノズル200の管状部202の外周に沿う形状を有しているので、上ノズル200の位置決めと固定を確実に行うことができる。
【0019】
また、フラップ4は支持部3に対して回転可能であるので、上ノズル200のプレート部201を容易に挟むことができる。すなわち、フラップ4を回転させるだけで、フラップ4の平行面41をプレート部201の上面と当接した状態とし、支持部3の支持面31との間でプレート部201を挟むことができる。
さらに、本実施形態の浸漬ノズル交換装置1は、フラップ4の回転を止める回転止め8を備えているから、プレート部201を挟んで固定した状態を確実に維持できる。また、回転止め8は、くさび用ボルト83の締め込み量を調整することで、くさび81の突出量を調整可能であるから、フラップ4の回転を簡単かつ確実に止めることができる。すなわち、上述の特許文献1では、カムをクランプスロットに当てることで、フラップの回転を抑えているが、この方式では、カムが不意に回転して上ノズルの固定が解除される可能性がある。また、ハンマーでの叩き込みで固定するため、作業者の負荷が大きい。これに対して本実施形態では、フラップ4を上からくさび81で押さえるようにしている。そしてくさび81をくさび用ボルト83に連結し、くさび用ボルト83を回転させてくさび81の突出量を調整する構造としている。このため、フラップ4が不意に回転して上ノズル200の固定が解除される可能性を低くできる。また、ハンマー等で叩いて固定する必要がないので安全である。なお、くさび用ボルト83の緩み止めを取り付けることにより、上ノズル200の固定が解除される可能性をさらに低くできる。
【0020】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
図12に、本発明の他の実施形態である浸漬ノズル交換装置の要部を示している。
本実施形態では、フラップ4の平行面41に凸部45を設け、上ノズル200のプレート部201の上面に凹部203を設けている。凸部45は平行面41の両側に2箇所、合計で4箇所に設け、凹部203は4箇所の凸部45にそれぞれ対応するように4箇所に設けている。そして、上ノズル200のプレート部201を挟んだときに、各凸部45が各凹部203に嵌合するようにしている。
【0021】
このように、上ノズル200のプレート部201を挟むときに凸部45を凹部203に嵌合させるようにすることで、上ノズル200のプレート部201の位置決めを簡単に行うことができる。したがって、
図11に示した位置決めボルト9を省略することができる。
また、凸部45を凹部203に嵌合させることで、フラップ4とプレート部201の位置ずれが起こりにくくなる。
【0022】
なお、本実施形態では、フラップ4の平行面41に凸部45を設け、上ノズル200のプレート部201の上面に凹部203を設けたが、これとは逆に、フラップ4の平行面41に凹部を設け、上ノズル200のプレート部201の上面に凸部を設けてもよい。上ノズル200のプレート部201の上面に凸部を設ける場合、プレート部201は通常メタルケースで覆われているので、そのメタルケースに溶接等により凸部を設けることができる。
【0023】
以上の実施形態では、上ノズル200のプレート部201が平面であるものを挙げて説明をしているが、本発明の浸漬ノズル交換装置は、例えばプレート部201が傾斜しているものにも使用できる。この場合、フラップ4の面はプレート部と平行になるように設計するとよい。
【符号の説明】
【0024】
1 浸漬ノズル交換装置
2 フレーム
3 支持部
31 支持面
4 フラップ
41 平行面
42 当接部
43 回転ピン
44 傾斜面
45 凸部
5 ガイドレール
51 入口部
52 排出部
53 中間部
54 押圧部材
6 バネボックス
61 コイルバネ(弾性体)
7 油圧シリンダー(駆動装置)
71 回転軸
8 回転止め
81 くさび
811 傾斜面
82 くさびガイド
83 くさび用ボルト
9 位置決めボルト
100 タンディッシュ
101 溶鋼排出口
102 鉄皮(タンディッシュの底部)
200 上ノズル
201 プレート部
202 管状部
203 凹部
300 浸漬ノズル
301 プレート部
302 管状部
【手続補正書】
【提出日】2023-12-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンディッシュの溶鋼排出口の下部に取り付けられる浸漬ノズル交換装置であって、
支持部と、フラップとを備え、
前記支持部は、前記溶鋼排出口に挿入される上ノズルのプレート部の下面を支持する支持面を有し、
前記フラップは前記支持部に対して回転可能であり、
前記フラップの回転止めをさらに備え、
前記回転止めは、前記フラップの上側に突出して前記フラップに当接するくさび、及び前記くさびに連結されたボルトを有し、
前記ボルトの締め込み量を調整することで、前記くさびの突出量を調整可能である、浸漬ノズル交換装置。
【請求項2】
前記フラップは、前記上ノズルのプレート部を挟んだときに、前記支持部の支持面と平行になる平行面、及び前記上ノズルの管状部の外周に当接する当接部を有する、請求項1に記載の浸漬ノズル交換装置。
【請求項3】
前記ボルトはボルトガイドに螺合され、前記回転止めには前記ボルトの緩み止めが取り付けられている、請求項1又は2に記載の浸漬ノズル交換装置。
【請求項4】
前記くさびはくさびガイドに挿通され、
前記ボルトガイド及び前記くさびガイドは、フレームに固定され、
前記フレームは、前記タンディッシュの底部に固定される、請求項3に記載の浸漬ノズル交換装置。
【請求項5】
前記フラップの面は、前記上ノズルのプレート部の上面に設けられている凸部又は凹部に嵌合する凹部又は凸部を有する、請求項1
又は2に記載の浸漬ノズル交換装置。
【請求項6】
請求項5に記載の浸漬ノズル交換装置に固定される上ノズルであって、
管状部と、プレート部とを有し、
前記プレート部の上面に、前記フラップの面に設けられている凹部又は凸部に嵌合する凸部又は凹部を有する、上ノズル。
【国際調査報告】