(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-11
(54)【発明の名称】外部電源オプション付き無線個別入力/出力
(51)【国際特許分類】
G08C 19/00 20060101AFI20240604BHJP
G08C 17/00 20060101ALI20240604BHJP
G08C 15/00 20060101ALI20240604BHJP
G01D 11/24 20060101ALI20240604BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
G08C19/00 G
G08C17/00 Z
G08C15/00 D
G01D11/24 Z
H05K5/03 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576168
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 US2022032776
(87)【国際公開番号】W WO2022261280
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2022-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515231553
【氏名又は名称】ローズマウント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェストフィールド、ブライアン、リー
(72)【発明者】
【氏名】シュナーレ、セオドア、ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン、ジェイムズ、アラン
(72)【発明者】
【氏名】ジンデーレ、グレッグ、エドワード
(72)【発明者】
【氏名】リンジー、ライアン、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ニューハース、ジャレド
(72)【発明者】
【氏名】ヴァインベルガー、ロバート
【テーマコード(参考)】
2F073
4E360
【Fターム(参考)】
2F073AA01
2F073AA11
2F073AA16
2F073AB02
2F073AB11
2F073BB01
2F073BB04
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2F073CC03
2F073CD11
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2F073FG01
2F073GG01
2F073GG02
2F073GG04
4E360BA01
4E360EC13
4E360FA02
4E360FA12
4E360GA03
4E360GA44
4E360GB25
(57)【要約】
産業プロセス(10)で使用するための無線フィールド装置(12)は、プロセスインターフェース要素(16)に結合するための入力/出力端子と、個別入力チャネルとして構成されるとき、プロセスインターフェース要素(16)からの個別入力信号を入力/出力端子を通して受信するように構成される個別入力/出力チャネルとを含み、個別入力/出力チャネルは、個別出力チャネルとして構成されるとき、入力/出力端子を通してプロセスインターフェース要素(16)に個別出力を提供するように更に構成される。無線通信回路(48)は、情報を送受信する。コントローラ(44)は、検出されたプロセス変数に基づいて通信回路(48)を介して情報を送信し、個別入力/出力チャネルが個別出力チャネルとして構成されるとき個別出力信号を提供し、個別入力チャネルとして構成されるとき個別入力信号を受信する。外部電源入力は外部電源(102)に結合され、電池電源入力は電池(101)に結合される。電源回路(108)は、外部電源又は電池の多くとも1つからコントローラ(44)に電力を供給する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業プロセスで使用するための無線フィールド装置であって、
プロセスインターフェース要素に結合するように構成された入力/出力端子と、
個別入力チャネルとして構成される場合、前記入力/出力端子を介して前記プロセスインターフェース要素から個別入力信号を受信するように構成された個別入力/出力チャネルであって、前記個別入力/出力チャネルは、個別出力チャネルとして構成される場合、前記入力/出力端子を介して前記プロセスインターフェース要素に個別出力を提供するようにさらに構成される、前記個別入力/出力チャネルと、
情報を送受信するように構成された無線通信回路と、
コントローラであって、
前記プロセスインターフェース要素を用いて検出されたプロセス変数に基づいて、前記無線通信回路を通して情報を送信し、
前記個別入力/出力チャネルが前記個別出力チャネルとして構成されているとき、前記無線通信回路によって受信した情報に応答してプロセス変数を制御するために、前記プロセスインターフェース要素に個別出力信号を提供し、
プロセス変数センサから個別入力信号を受信し、前記個別入力/出力チャネルが前記個別入力チャネルとして構成されているとき、前記無線通信回路を使用して出力を応答的に提供する、
ように構成されたコントローラと、
外部電源と結合するように構成された外部電源入力と、
電池と結合するように構成された電池電源入力と、
前記外部電源入力及び前記電池電源入力に結合され、前記外部電源又は前記電池のうちの多くとも1つから前記コントローラに電力を供給する電力出力部を有する、電源回路と、
を備える、無線フィールド装置。
【請求項2】
前記外部電源入力及び前記電池電源入力のうちの多くとも1つを覆う2位置可動カバーを含む、請求項1に記載の無線フィールド装置。
【請求項3】
前記電源回路から前記外部電源入力を選択的に切断するように構成されたスイッチを含む、請求項1に記載の無線フィールド装置。
【請求項4】
前記電源回路から前記電池電源入力を選択的に切断するように構成されたスイッチを含む、請求項1に記載の無線フィールド装置。
【請求項5】
前記スイッチは、前記外部電源入力及び前記電池電源入力のうちの多くとも1つを覆う可動カバーによって作動される、請求項3に記載の無線フィールド装置。
【請求項6】
前記スイッチは、前記外部電源入力及び前記電池電源入力のうちの多くとも1つを覆う可動カバーによって作動される、請求項4に記載の無線フィールド装置。
【請求項7】
前記外部電源入力と前記電源回路とを選択的に接続するように構成された第1のスイッチと、
前記電池電源と前記電源回路とを選択的に接続するように構成された第2のスイッチと
を含む、請求項2に記載の無線フィールド装置。
【請求項8】
前記電池電源入力が露出される第1の位置と、前記外部電源入力が露出される第2の位置との間で可動可能である可動カバーを含み、
前記可動カバーは、前記第1の位置にあるとき、前記外部電源入力を前記電源回路から切断し、前記電池電源入力を前記電源回路に接続するよう、前記第1及び第2のスイッチを作動させる、
請求項7に記載の無線フィールド装置。
【請求項9】
前記電池電源入力が露出される第1の位置と、前記外部電源入力が露出される第2の位置との間で可動可能である可動カバーを含み、
前記可動カバーは、前記第2の位置にあるとき、前記電池電源入力を前記電源回路から切断し、前記外部電源入力を前記電源回路に接続するよう、前記第1及び第2のスイッチを作動させる、
請求項7に記載の無線フィールド装置。
【請求項10】
前記電源回路に印加される前記外部電源からの電圧を降圧する降圧電源を含む、請求項1に記載の無線フィールド装置。
【請求項11】
前記外部電源入力に結合された固有安全回路を含む、請求項1に記載の無線フィールド装置。
【請求項12】
前記固有安全回路は、直列に接続された3つのダイオードを備える、請求項11に記載の無線フィールド装置。
【請求項13】
前記個別入力/出力チャネルは、前記コントローラによって作動されるように構成されたスイッチを含み、
前記スイッチは、前記個別入力/出力端子を互いに選択的に電気的に結合するように構成される、
請求項1に記載の無線フィールド装置。
【請求項14】
前記無線フィールド装置の回路に保護を提供するために、前記入力/出力端子と直列に接続された少なくとも3つのダイオードを含む、請求項1に記載の無線フィールド装置。
【請求項15】
前記個別入力/出力チャネルは、前記個別入力チャネルとして構成されたときにスイッチ閉鎖を検出するように構成され、個別出力チャネルとして構成されたときに負端子と正端子との間に電気的接続を提供するように構成された前記負端子と前記正端子とを含む、請求項1に記載の無線フィールド装置。
【請求項16】
前記個別入力/出力チャネルは、前記外部電源に電気的に接続された給電出力接続を更に含む、請求項15に記載の無線フィールド装置。
【請求項17】
前記給電出力接続は、前記個別入力/出力チャネルが前記個別出力チャネルとして構成されるとき、外部装置に電力を印加するように構成される、請求項16に記載の無線フィールド装置。
【請求項18】
前記給電出力チャネルによって印加される電圧は、前記外部電源の電圧を制御することによって制御可能である、請求項17に記載の無線フィールド装置。
【請求項19】
前記電池は、前記無線フィールド装置の筐体に差し込まれ、前記電池電源入力に結合するように構成された電池モジュール内に保持される、請求項1に記載の無線フィールド装置。
【請求項20】
複数の個別入力/出力チャネルを含む、請求項1に記載の無線フィールド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業プロセスを制御又は監視するために使用される種類のフィールド装置に関する。より具体的には、本発明は、個別入力チャネル及び個別出力チャネルを有する産業プロセス分野の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
産業プロセスは、油、紙パルプなどのプロセス材料及び流体の監視又は製造に使用される。産業プロセスの動作を監視するために、プロセス変数送信機が使用される。プロセス変数送信機はプロセス変数を測定し、プロセス変数情報を中央集中位置に送信する。例示的なプロセス変数は、流量、温度、圧力、流体レベルなどを含む。プロセス変数送信機は、フィールド装置の一例である。別の例示的なフィールド装置は、コントローラである。コントローラは、制御要素を作動させることによってプロセスの動作を制御するために使用される。例えば、コントローラは、バルブの位置を調整すること、ポンプの速度を変更すること、加熱要素の温度を変更すること等ができる。コントローラは、その命令を中央集中位置から受信することができる。
【0003】
フィールド装置の1つの種類は、個別入力/出力(I/O)装置である。個別I/O又はDIO装置は、通常、複数の入力及び/又は出力チャネルを含む。入力チャネルは、例えば、液体レベルスイッチなどのスイッチの閉鎖を検出するために使用することができる。出力チャネルは例えば、外部負荷を制御するために使用することができる。
【0004】
典型的には、フィールド装置は、中央集中位置への有線通信に依存する。例示的な有線通信技法は、電力と情報との両方が同じ2つのワイヤ上で搬送される2線プロセス制御ループを含む。しかしながら、より最近では、無線通信技術がフィールド装置に採用されている。無線通信技術の一例は、IEC2591規格に従った無線HART(登録商標)通信プロトコルに記載されている。しかしながら、動作のために電池電源に依存する無線フィールド装置は、電池寿命を著しく低下させない為に、特定の機能を提供することが制限され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
産業プロセスで使用するための無線フィールド装置は、プロセスインターフェース要素に結合するように構成された入力/出力端子と、個別入力チャネルとして構成されたとき、入力/出力端子を通してプロセスインターフェース要素から個別入力信号を受信するように構成された個別入力/出力チャネルとを含む。個別入力/出力チャネルは、また、個別出力チャネルとして構成されるとき、入力/出力端子を介してプロセスインターフェース要素に個別出力を提供するように構成され得る。無線通信回路は、情報を送受信するよう構成される。コントローラは、プロセスインターフェース要素を使用して検出されたプロセス変数に基づいて、無線通信回路を通して情報を送信し、個別入力/出力チャネルが個別出力チャネルとして構成されるとき、無線通信回路によって受信された情報に応答してプロセス変数を制御するために、プロセスインターフェース要素に個別出力信号を提供するように構成される。個別入力/出力チャネルは、また、プロセス変数センサから個別入力信号を受信し、個別入力/出力チャネルが個別入力チャネルとして構成されるとき、無線通信回路を使用して出力を応答的に提供することができる。外部電源入力は、外部電源に結合するように構成され、電池電源入力は、電池を結合するように構成され、外部電源入力及び電池電源入力に結合された電源回路は、外部電源又は電池の多くとも1つからコントローラに電力を供給する電力出力を有する。
【0006】
この概要は、以下の発明を実施するための形成においてさらに説明される概念の選択を、簡略化された形成で紹介するために提供される。この発明の概要は、特許請求される主題の主要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を決定する際の補助として使用されることを意図するものでもない。特許請求される主題は、背景技術において言及される任意の又はすべての欠点を解決する実装形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】個別入力/出力(DIO)フィールド装置を含む産業プロセス制御システムの簡略図である。
【
図2A】入力チャネルとして構成された
図1のフィールド装置の個別入力/出力チャネルを示す。
【
図2B】出力チャネルとして構成された
図1のフィールド装置の個別入力/出力チャネルを示す。
【
図2C】出力チャネルとして構成され、外部電源を利用する、
図1のフィールド装置の個別の入力/出力チャネルを図示する。
【
図3】外部電源及び電池接続と共に8つの入力及び出力チャネルを含む、
図1の個別入力/出力フィールド装置を示す簡略化された概略図である。
【
図5A】電池のための接続が露出されている第1の位置にあるスライド可能な(移動可能である)カバーを有する個別入力/出力無線装置の斜視図であり。
【
図5B】外部電源への接続が露出されている第2の位置にあるスライド可能な(移動可能である)カバーを有する個別入力/出力無線装置の斜視図である。
【
図6】外部電源を装置の回路に電気的に接続するためのオプションのスイッチを含む、個別入力/出力無線フィールド装置の一部の拡大図である。
【
図7】装置に接続された電池モジュールを含む個別入力/出力フィールド装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。同一又は類似の参照符号を使用して識別される要素は、同一又は類似の要素を指す。いくつかの要素は図を簡略化するために、図の各々に示されない場合がある。本開示の様々な実施形態は多くの異なる形態で実施することができ、本明細書に記載される特定の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。
【0009】
無線直接入力/出力(DIO)フィールド装置では、より多くのI/Oチャネル、より多くの機能性、及びより速い更新レートを提供することに対する需要が増加している。より多くのチャネルを追加し、機能性を増加させることは、電池寿命の低下を犠牲にする。性能の向上と、より頻繁な電池交換との間のトレードオフを行うことを望まないユーザに対しては、外部電力オプションを提供することができる。
【0010】
無線送信機装置のための複数の種類の動作電力接続に柔軟性を提供する必要がある。一般に、これらの装置は、簡単な無線の便宜のために、一次リチウム電池電源モジュールによって電力供給される。しかしながら、特定の用途では、より高い動作電力が必要とされるとき、外部の有線電力接続のためのオプションを提供することが望ましい。しかしながら、外部接続がユーザによって選択される場合、電力モジュール及び関連回路は、外部電力と同じ電気回路の一部であることを許可されるべきではない。この場合、外部電源がフィールド装置の内部回路を損傷し、接続されているパワーモジュールを損傷する可能性がある。この問題は、パワーモジュール端子に他の電源が供給されている場合に発生する可能性がある。
【0011】
電池電源モジュール又は外部DC電源のいずれかで動作する拡張機能を有するマルチチャネル無線DIOコントローラ(フィールド装置)が提供される。この構成は、本質的な安全性を維持しながら、電池駆動の直流電源オプションを組み込む効率的な手段を提供する。外部電源オプションを使用すると、装置のパフォーマンスが向上し、個別の電源を使用せずに、より高い電力要件で負荷を制御できる。
【0012】
一態様では、入力電力絶縁スライダ機構は、無線測定送信装置のための電力モジュール又は直接有線電力接続のうちの1つの動作電力オプションを提供する。このスライダ機構は、電力が両方の電力入力に同時に印加されることを防止する。動力オプションが選択され、スライド機構が所望の位置にあると、ユーザは、両方の動力オプションを同時に係合させることができない。これは、電力モジュールの損傷及び潜在的に危険な状態につながり得る、一次電池電源モジュールに電気エネルギーを印加する可能性を防止する。本発明は、機械的にのみならず、専用の電気的接続を提供するスイッチ又は他の手段との冗長性を提供することもできる。
【0013】
本明細書で説明される無線DIO(個別入力出力)装置への外部電力オプションの追加は、装置の能力及び性能を拡張する。外部電源オプションは、装置が電池容量によって制約されないので、任意の数のDIOチャネルをより速い更新レートで動作させることを可能にする。追加の電力は、また、現場におけるローカルDIO制御アプリケーションのためのより高度な制御アルゴリズム(ラダーロジック等)の使用を可能にする。外部電力の使用はまた、無ければ許容できないほど短い電力モジュール寿命につながり得る、高電力負荷を制長期間御することを可能にする。この実施形態では、8つのDIOチャネルの使用を示すが、任意の数のDIOチャネルがサポートされてもよい。この概念は、本質的な安全性を維持しながら、電池又は外部電源オプションの何れかの使用をサポートする。
【0014】
本明細書に記載のフィールド装置は、プロセス変数に関連する産業プロセスにおいて、センサから個別入力を受信することができる。センサは、フィールド装置の端子に結合される。さらに、フィールド装置の端子は、プロセス中の個別の制御要素に個別の出力を提供するように構成されてもよい。これにより、同じ2つの端子を、プロセス変数を検出する際に使用するために、ならびに所望に応じてプロセス変数を制御するために構成することが可能になる。フィールド装置は、リモートロケーションへの無線通信のために構成される。無線通信は、例えば、IEC62591規格に従った無線HART(登録商標)通信プロトコル等の任意の適切な技術に従うことができる。
【0015】
図1は、プロセス容器又はタンク14に結合された無線DIOフィールド装置12を含む産業プロセス10の簡略化されたブロック図である。処理容器は、処理流体8を運ぶことができる。無線DIOフィールド装置12は、個別制御出力信号を提供するように装置が構成されている場合、制御要素を含むことができる個別プロセスインターフェース要素16を含み、フィールド装置12は、個別プロセス変数センサからプロセス変数を検出するように構成されている場合、プロセス変数センサを含むことができる。プロセス変数を検出するように構成される場合、フィールド装置12は、アンテナ20及び22を介して、検出されたプロセス変数に関連する情報を遠隔地18に無線に通信することができる。遠隔位置18は、例えば、制御室のような中央位置を含むことができる。個別プロセス変数センサの例は、温度閾値を超える又はレベル閾値を超える等、特定のイベントが発生したときに状態を変化させるスイッチを含む。別の種類の個別プロセス変数センサは、カウント可能な検知されたプロセス変数に関連する一連のパルスを提供する。そのようなプロセス変数センサの例は、タービン流量計及び磁気流量計パルス出力を含む。フィールド装置12は、制御出力を提供するように構成されてもよい。そのような構成の一例では、制御出力を応答的に提供するために使用される情報が遠隔位置18から受信される。装置12によって制御され得る個別の制御素子の例は、とりわけ、モータ、アクチュエータ、ソレノイド、抵抗素子を含む。
【0016】
図2Aは、個別プロセス変数センサからの入力を受信するように構成されたチャネル24を有するフィールド装置12の簡略化されたブロック図である。
図2Aでは、プロセスインターフェース要素16が2位置(開閉)スイッチとして示されている。例えば、インターフェース要素16は、
図1に示されるタンク14内に収容されるプロセス流体8のレベルに応答するレベルスイッチを備えることができる。スイッチは、フィールド装置12の入力/出力端子40を接続する。端子40の内の1つは、基準電圧を受け取る比較器42に接続される。例えば、スイッチ16が閉じている場合、ハイ出力がマイクロプロセッサ44に提供され、一方、スイッチ16が開いている場合、ロー出力が提供される。マイクロプロセッサ44は、比較器42からの出力を受け取り、メモリ46に記憶された命令に従って動作する。受信された入力に基づいて、マイクロプロセッサ44は、無線通信回路48及びアンテナ20を使用して無線で通信することができる。
【0017】
図2Bは、フィールド装置12のDIOチャネル24の代替構成を示す。チャネル24は、個別の制御素子に結合される。
図2Bでは、プロセスインターフェース要素16が電圧源50に接続された負荷として示されている。例えば、負荷16は、リレー、バルブアクチュエータ等であってもよい。
図2Bでは、負荷16及び電圧源50が、フィールド装置12の入力/出力端子40に結合される。比較器42を使用するのではなく、
図2Bの構成では、フィールド装置12は、端子40を介してスイッチ60を電圧源50に結合する。スイッチ60は、マイクロプロセッサ44の制御下で動作する。
図2Aは、入力チャネルを提供するように構成された装置12を示し、
図2Bは、出力チャネルを提供するように構成された装置を示す。
【0018】
図2Cは、フィールド装置12のDIOチャネル24の別の例示的な構成を示す。この構成では、チャネル24は、負荷16に電力を供給するために使用される外部電源102に結合される。この外部電源102は、共通電源であり、マイクロプロセッサ44、メモリ46、及び無線通信回路48等のフィールド装置の回路に電力を供給するためにも使用される。
【0019】
図2A及び
図2Bに示されるフィールド装置12の構成は、いくつかの環境において問題となり得る。例えば、フィールド装置12が、外部電源50又は102ならびに電池電源に同時に結合される場合、電流又は電圧がフィールド装置12の回路に導入され得、それによって、回路又は他の構成要素を損傷させる。これは、例えば、後続の測定又は制御信号にエラーを導入するなど、回路が完全に故障するか、又は回路が部分的に故障する原因となり得る。さらに、装置12は、装置が産業プロセス又は、その周囲の他の構成要素に損傷を引き起こすことができない「本質的に安全である」方法で動作するように構成されるべきである。
【0020】
図3は、フィールド装置12の回路のより詳細な概略図である。
図3では、所望に応じて入力チャネル又は出力チャネルの何れかとして動作する8つのチャネル24-1~24-8が示されている。例示のみを目的として、チャネル24-1について具体的に説明する。チャンネル24-1には、CH1EXT、CH1+、CH1-の3つの入力/出力接続がある。保護ダイオードD100、D101、及びD102は、本質安全のために設けられている。電池駆動モード(以下でより詳細に説明する)では、CH1+及びCH1-接続が入力端子及び出力端子の両方に使用される。スイッチを閉じるために、トランジスタQ100は、U1000を介したDOCHANNEL1入力接続を使用して閉じられる。入力チャネルとして動作するために、演算増幅器U100BはCH1+入力に結合され、出力DICHANNEL1をマイクロプロセッサ44に供給する。
【0021】
外部電源に接続されると、チャネル24-1は、
図2Bに示される負荷16などの外部構成要素に電力を供給できる追加の動作モードを有する。この構成では、外部負荷がCH1EXTとCH1+との間で電気的に接続される。印加電圧は、必要に応じて外部電源の電圧を制御することによって調整可能である。
【0022】
図3に示すように、2つのオプションの電源が、電池101又は外部電源102の形成で供給される。外部電源102は、外部接続部EXT+及びEXT-に接続され、同様に、電池101は、電池接続部BATT+及びBATT-に接続される。保護素子104は、内部回路を保護するために設けられ、8.6電圧レギュレータ106は、外部電源102によって供給される電圧を降圧し、ダイオードD1、D2、及びD3を介してスイッチングレギュレータ108に電力を供給する。ダイオードD1~3は、装置に本質的な安全保護を提供する。外部電源102からの電力は、ダイオードD100~D102、保護素子100、及び保護素子104を介してCH1EXTチャネルに結合される。レギュレータ108からの3ボルト出力は、マイクロコントローラ44及び無線通信回路(無線機)48に電力を供給するために提供される。これはまた、入力/出力チャネル24-1~24-8内の構成要素に電力を供給するためにも使用される。マイクロコントローラ44は個別入力/出力チャネル24-1~24-8から入力を受け取り、それらに出力を供給する。
【0023】
スライド可能な(移動可能である)2位置カバー120は、EXT+及びEXT-端子又はBATT+及びBATT-端子のいずれかをブロックし、オペレータが、外部電源102及び電池101を装置に同時に不注意に接続することを防止する。これは、装置の内部回路への潜在的な損傷又は電池101への損傷を防止する。オプションのスイッチ122及び124は、スライドカバー120の動作に結合されて、カバー120の位置に基づいて外部電源102と電池101との間の切断を提供し、内部回路のさらなる保護を提供することができる。
【0024】
図4は、筐体本体190及びカバー192を示す無線フィールド装置12の斜視図である。
図4は、スライド可能な(移動可能である)2位置カバー120と共に、様々なチャネル接続部24-1~24-8を示す。
【0025】
図5Aは、BATT+及びBATT-接続が露出された第1の位置にあるカバー120を示す装置12の斜視図である。同様に、
図5Bは、EXT+及びEXT-接続が露出される代わりの位置にあるカバー120を示す。
図6は、スイッチ124の動作を示す装置12の拡大図である。
図6に示すように、カバー120の位置では、スイッチ124は開いているが、対向スイッチ122(
図6には図示せず)は閉じており、外部電源端子EXT+及びEXT-への電気接続を提供している。
【0026】
図7は、装置12のBATT+及びBATT-コネクタに差し込まれた、電池電源モジュールとして構成された電池101を示す。これは、標準化された構成であってもよく、又は所望に応じてカスタマイズされた構成であってもよい。電池電源モジュールは、無線フィールド装置の筐体に差し込むように構成されてもよい。
【0027】
本明細書に記載の回路は、8つの同一のDIO制御ブロックと2つの電力オプションとからなる。回路は、電池又は外部電圧源の何れかを使用して動作させることができる。両方の電源を同時に使用することはできない。回路は電池から、そのBatt+/-端子を介して電力を受け取るか、又は外部電源から、そのExt+/-端子を介して電力を受け取る。機械的スライドカバーは、一度に1つの電力オプションへのアクセスを物理的に可能にするために、設計に組み込まれる。機械的スライド又は他の可動構成要素の使用は、外部電源を使用するときに電池を保護するために必要とされる回路を大幅に低減する。
【0028】
電池電源モードでは、外部電源端子へのアクセスは、機械式スライドによってブロックされる。電池は、装置の電子部品を動作させるために使用される3Vレギュレータの入力に電力を供給する。保護ダイオードD1、D2、及びD3は、本質的な安全のために、外部電源回路からの絶縁を提供する。この動作モードでは、DIとDOの両方のチャネル接続がCHx-端子とCHx+端子を使用する。
【0029】
外部電源モードでは、電池端子へのアクセスは、機械式スライドによってブロックされる。外部電源は、2つの機能を実行する。これは、装置の電子部品に電力を供給する目的で、及び第3のラグ(ChxExt)上のDO負荷を駆動するための内部電力オプションとして、8.6Vプリレギュレータに入力電力を供給する。この動作モードでは、DIとして設定されたチャンネルは、電池駆動モードと同じように動作し、CHx-端子とCHx+端子間を接続する。個別出力チャンネルとして設定されたチャンネルには、負荷を駆動するための2つのオプションがある。DO装置は、それ自体の電源を含む用途では、それはChx-端子とChx+端子との間に接続される。このモードでのDOチャンネルの動作は、電池駆動モードと同じである。電圧源を必要とするDO装置では、内部電源オプションを使用できる。この構成では、DO負荷がChxExt端子とChx+端子との間に接続される。各チャネルの第3のラグと直列の保護要素は、誤用を防ぎ、本質的な安全性を提供する。この端子の電圧は、任意のアプリケーションで使用するために外部電源で調整可能である。第3のラグは、複数のDO負荷に電力を供給するための合理的な接続方法を提供する。
【0030】
外部電源回路を備えたこのマルチチャンネル無線DIOは、電池専用装置に比べていくつかの利点がある。この構成は、より多くのDIOチャンネルの追加と、より高速な操作をサポートする。また、外部電源オプションは、ユーザに、内蔵電源オプションを使用して、負荷を駆動する簡便な手段を提供する。また、回路は、別個の端子対に電力を必要とするDO装置の制御にも対応する。回路は本質的な安全性を達成するために必要とされる回路を低減するために、機械的スライドの使用を組み込む。
【0031】
本発明は、2つの動作電力入力電力端子の利便性及び柔軟性を提供することと、同時に同じ回路の一部である可能性から2つの接続を分離することとの両方によって、問題を解決する。機械的絶縁は、動作電力接続部のうちの1つを常に覆うスライド機構を備える。このスライドは、電源モジュールオプションの位置にあるときに、外部ワイヤ端子を完全にカバーする。また、外部電線端子オプション位置にあるときに電源モジュール端子を遮断することで、電池電源モジュールの取り付けを防止する。
【0032】
この機械的絶縁に加えて、本発明はスライダ機構がその最終位置のいずれかにあるときに、選択された1つの電力入力回路のみを閉じるために使用されるスイッチ又はスイッチのセットのためのオプションを提供する。これは、対向する回路の係合を解除し、一方、機構はまた、対向する未使用の電力オプション端子を機械的にブロックする。
【0033】
本発明は、好ましい実施形態に関して説明されているが、当業者であれば、様々な変更が本発明の精神及び範囲から逸脱することなく形状及び細部になされてもよいことは、認識できる。第3のラグの電圧レベルは、各チャネルに対してプログラム可能にすることができる。外部電源オプションは、AC電源をサポートできる。外部電源オプションには、フルチャネルツーチャネル及び/又は電源アイソレーションを追加できる。これは、外部動作電力端子を提供することが望ましい任意の種類の無線装置とともに利用することができ、本明細書で説明する個別の入力/出力装置に限定されない。
【国際調査報告】