(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-11
(54)【発明の名称】パッケージ品質検査ステーション及びパッケージの品質検査方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/89 20060101AFI20240604BHJP
B65G 15/14 20060101ALI20240604BHJP
B65G 47/52 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
G01N21/89 T
B65G15/14
B65G47/52 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577211
(86)(22)【出願日】2022-05-04
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 EP2022061979
(87)【国際公開番号】W WO2022263051
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】メランドリ、アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】スカラベッリ、パオロ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィオラ、マッシモ
(72)【発明者】
【氏名】ベレイ、レンツォ
(72)【発明者】
【氏名】パニーニ、フランシスコ
(72)【発明者】
【氏名】マッティア、ベラサーニ
【テーマコード(参考)】
2G051
3F023
3F044
【Fターム(参考)】
2G051AA11
2G051AB07
2G051BA01
2G051CA04
2G051CB01
2G051DA06
3F023AA04
3F023BB06
3F023BC01
3F023EA01
3F023FA02
3F044CD02
(57)【要約】
パッケージ品質検査ステーション(100)が提供される。ステーション(100)は、パッケージ(106)の底部(104)に接するように配置された第1のコンベアベルト(102)と第2のコンベアベルト(108)とを備える。第2のコンベヤベルト(108)は、隙間(110)が形成されるように、第1のコンベヤベルト(102)から距離(D)をおいて配置される。パッケージ(106)を保持するように配置された第1及び第2の側方ベルト構成(114、116)を備えるベルトブレーキ(112)が、隙間(110)を橋渡しするように設けられ、隙間(110)を越えて搬送されたときに、上部部分(160)及び底部部分(104)が見えるようにパッケージ(106)を保持する。上部カメラ(132)は、上部部分(160)を描写する上部画像データ(134)を撮像するように構成され、底部カメラ(136)は、底部部分(104)を描写する底部画像データ(138)を撮像するように構成される。コントローラ(142)は、上部画像データ(134)及び底部画像データ(138)を受信し、上部画像データ(134)及び底部画像データ(138)の組み合わせに基づいてパッケージ(106)に関連する品質問題を特定するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送経路(P)に沿って搬送される際に、パッケージ(106)の底部(104)に当接するように配置された第1のコンベヤベルト(102)と、
前記搬送経路(P)に沿って搬送される際に、前記パッケージ(106)の前記底部(104)に当接するように配置された第2のコンベヤベルト(108)と、
前記第2のコンベヤベルト(108)は、隙間(110)が形成されるように、前記第1のコンベヤベルト(102)から距離(D)をおいて配置され、
前記搬送経路(P)に沿って搬送される際に、前記パッケージ(106)の第1の側方セクション(118)及び第2の側方セクション(120)を介して前記パッケージ(106)を保持するように配置された、第1の側方ベルト構成(114)及び第2の側方ベルト構成(116)を備えるベルトブレーキ(112)と、
前記搬送経路(P)の第1のコンベヤセクション(122)では、前記パッケージ(106)は、第1のコンベヤベルト(102)のみによって搬送され、前記搬送経路(P)の第1の受け渡しセクション(124)では、前記パッケージ(106)は、前記ベルトブレーキ(112)と前記第1のコンベヤベルト(102)の組み合わせによって搬送され、前記搬送経路(P)のベルトブレーキセクション(126)では、前記パッケージ(106)は、前記ベルトブレーキ(112)のみによって搬送され、前記搬送経路(P)の第2の受け取りセクション(128)では、前記パッケージ(106)は前記ベルトブレーキ(112)と前記第2のコンベヤベルト(108)との組み合わせによって搬送され、前記搬送経路(P)の第2のコンベヤセクション(130)では、前記パッケージ(106)は、前記第2のコンベヤベルト(108)のみによって搬送され、
前記搬送経路(P)の上方に配置され、前記パッケージ(106)の上部部分(160)を描写する上部画像データ(134)をキャプチャするように構成された上部カメラ(132)と、
前記ベルトブレーキセクション(126)の下方であって、前記第1のコンベヤベルト(102)及び前記第2コンベヤベルト(108)の間の隙間(110)に配置され、前記パッケージ(106)の底部(104)を描写する底部画像データ(138)をキャプチャするように構成された底部カメラ(136)と、
前記上部画像データ(134)及び底部画像データ(138)を受信し、上部画像データ(134)及び底部画像データ(138)の組み合わせに基づいて、前記パッケージ(106)に関連する品質問題を特定するように構成されたコントローラ(142)と、
を備える、パッケージ品質検査ステーション(100)。
【請求項2】
前記上部カメラ(132)は、前記底部カメラ(136)の上方に垂直に配置されている、
請求項1に記載のパッケージ品質検査ステーション(100)。
【請求項3】
フォトセル(140)が、前記上部カメラ(132)を用いた前記上部画像データ(134)の撮像又は前記底部カメラ(136)を用いた前記底部画像データ(138)の撮像をトリガするように、前記搬送経路(P)における前記上部カメラ(132)又は前記底部カメラ(136)の上流側に設けられている、
請求項1又は2に記載のパッケージ品質検査ステーション(100)。
【請求項4】
前記コントローラ(142)は、前記上部画像データ(134)に含まれるテキスト(146)をテキストデータセットに変換するように構成されたテキスト認識モジュール(144)を備える、
請求項1~3のいずれか一項に記載のパッケージ品質検査ステーション(100)。
【請求項5】
前記コントローラ(142)は、前記上部画像データ(134)に描かれた識別コード(152)を識別データセット(154)に変換するように構成された識別コード認識モジュール(150)を備える、
請求項1~4のいずれか一項に記載のパッケージ品質検査ステーション(100)。
【請求項6】
前記コントローラ(142)は、前記上部画像データ(134)に描かれたパッケージ(106)の上部(160)に設けられた上部フラップ等の上部特徴(158)を評価するように構成された上部形成評価モジュール(156)を備える、
請求項1~5のいずれか一項に記載のパッケージ品質検査ステーション(100)。
【請求項7】
前記コントローラ(142)は、前記底部画像データ(138)に描かれたパッケージ(106)の底部(104)に設けられた底部フラップ等の底部特徴(164)を評価するように構成された底部形成評価モジュール(162)を備える、
請求項1~6のいずれか一項に記載のパッケージ品質検査ステーション(100)。
【請求項8】
前記上部形成評価モジュール(156)は、前記上部特徴評価データ(166)を前記底部形成評価モジュール(162)に供給するように構成され、前記底部形成評価モジュール(162)は、前記上部特徴評価データ(166)と組み合わせて前記底部画像データ(138)に基づいて前記底部特徴(164)を評価するように構成される、
請求項7に記載のパッケージ品質検査ステーション(100)。
【請求項9】
前記コントローラ(142)は、前記パッケージ(106)の識別データセット(154)、前記上部画像データ(134)、前記底部画像データ(138)をサーバ(176)上のデータベース(178)に転送するように構成されたデータ通信モジュール(170)をさらに備え、
前記サーバ(176)は、オペレータパネル(174)からオペレータ特徴評価データ(172)及び前記識別データセット(154)を受信し、前記識別データセット(154)を介して前記オペレータ特徴評価データ(172)を前記上部画像データ(134)及び前記底部画像データ(138)にリンクするようにさらに構成され、前記オペレータ特徴評価データ(172)は、前記パッケージ(106)が前記上部特徴(158)に関して特徴品質要件を満たすか否かを特定し、
前記上部画像データ(134)、前記底部画像データ(136)及び前記オペレータ特徴評価データ(172)の組み合わせが、前記上部形成評価モジュール(156)及び/又は前記底部形成評価モジュール(162)によって使用される人工知能(AI)エンジン(180)のための特徴学習データとして使用される、
請求項8に記載のパッケージ品質検査ステーション(100)。
【請求項10】
前記上部カメラ(132)は、3Dキャップ画像データ(182)を生成する3Dカメラ構成を備え、前記コントローラ(142)は、前記上部画像データ(134)に描かれたパッケージ(106)の上部部分(160)に適用されたキャップ(185)を評価するように構成されたキャップ適用評価モジュール(184)を備える、
請求項1~9のいずれか一項に記載のパッケージ品質検査ステーション(100)。
【請求項11】
前記データ通信モジュール(170)は、前記3Dキャップ画像データ(182)を前記サーバ(176)上のデータベース(178)に転送するように構成され、
前記サーバ(176)は、オペレータパネル(174)からオペレータキャップ評価データ(186)を受信し、前記オペレータキャップ評価データ(186)を前記3Dキャップ画像データ(182)にリンクするようにさらに構成され、
前記オペレータキャップ評価データ(186)は、前記パッケージ(106)上へのキャップ(185)の適用がキャップ適用品質要件を満たすか否かを特定し、
前記3Dキャップ画像データ(182)と前記オペレータキャップ評価データ(186)の組み合わせが、前記キャップ適用評価モジュール(184)で使用されるAIエンジン(180)のキャップ適用トレーニングデータとして使用される、
請求項10に記載のパッケージ品質検査ステーション(100)。
【請求項12】
パッケージ(106)の品質検査のための方法(200)であって、当該方法は、
前記パッケージ(106)の底部(104)が第1のコンベヤベルト(102)上に載るように前記パッケージ(106)を前記第1のコンベヤベルト(102)上に載置させることによって、搬送経路(P)に沿って前記パッケージ(106)を前記第1のコンベヤベルト(102)上に搬送し(202)、
前記底部(104)が前記第1のコンベヤベルト(102)上に静止し、前記パッケージ(106)の第1及の側方セクション(118)及び第2の側方セクション(120)がそれぞれ第1の側方ベルト構成(114)及び第2の側方ベルト構成(116)と相互作用し、前記パッケージ(106)を前記搬送経路(P)に沿って搬送し、前記パッケージ(106)を前記第1のコンベヤベルト(102)から前記第1の側方ベルト構成(114)及び前記第2の側方ベルト構成(116)を備えるベルトブレーキ(112)に引き渡し(204)、
前記パッケージ(106)が前記第1の側方ベルト構成(114)及び前記第2の側方ベルト構成(116)と相互作用することによって、前記搬送経路(P)において前記第1のコンベヤベルト(102)と前記第1のコンベヤベルト(102)の下流に配置された前記第2のコンベヤベルト(108)との間に形成された隙間(110)を越えて前記パッケージ(106)搬送し(206)、
前記隙間(110)を越えて前記パッケージ(106)を搬送するステップ(206)中に、上部カメラ(132)を使用して、前記パッケージ(106)の上部部分(160)を描写する上部画像データ(134)をキャプチャし(208)、
前記隙間(110)を越えて前記パッケージ(106)を搬送するステップ(206)中、底部カメラ(136)を使用して、前記パッケージ(106)の底部(104)を描写する底部画像データ(138)をキャプチャし(210)、
前記底部(104)が前記第2のコンベヤベルト(108)上に静止し、前記パッケージ(106)の前記第1の側方部分(118)及び前記第2の側方部分(120)がそれぞれ第1の側方ベルト構成(114)及び前記第2の側方ベルト構成(116)と相互作用し、前記パッケージ(106)を前記搬送経路(P)に沿って搬送し、前記ベルトブレーキ(112)から前記第2のコンベヤベルト(108)に前記パッケージ(106)を引き渡し(212)、
前記パッケージ(106)の前記底部(104)が前記第2コンベヤベルト(108)上に静止するように前記パッケージ(106)を前記第2コンベヤベルト(108)上に載置させることにより、前記搬送経路(P)に沿って前記パッケージ(106)を前記第2コンベヤベルト(108)上に搬送し(214)、
前記上部画像データ(134)及び前記底部画像データ(138)をコントローラ(142)に供給し(216)、
前記コントローラ(142)を使用して、前記上部画像データ(134)及び前記底部画像データ(138)を組み合わせて、前記パッケージ(106)に関連する品質問題を特定する(218)、
ことを備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に食品パッケージに関し、より具体的には、パッケージ品質検査ステーション及びパッケージ品質検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、包装業界では、生産されるパッケージの品質を継続的に評価することが一般的である。最も単純な形式では、担当者がサンプルパッケージの品質を評価することで実現できる。この方法は、場合によっては信頼できる品質評価方法であることが証明されているが、同一の品質問題に対して異なる担当者が異なる評価を行うというリスクがあり、その結果、品質評価の信頼性が疑われる場合がある。
【0003】
手作業による品質評価に伴うリスクを克服するために、自動品質評価も選択肢となり得る。パッケージを評価する人員を配置する代わりに、自動品質ステーションは、パッケージを描写する画像データをキャプチャするカメラと、特定のパッケージに関連する逸脱(deviation)を検出できるように画像データを取り込むように構成されたコントローラを備え得る。例えば、予め設定された品質基準に従ってキャップの装着工程が行われていることが確認されている他のパッケージと比較して、キャップが正しく適用されていない場合、自動品質ステーションによって検出され、オペレータに通知が送信される。通知を受け取ったオペレータは、手動で品質検査を行い、キャップ適用工程を調べることにより、キャップ適用が適切かどうか確認することができる。
【0004】
現在、利用可能なカメラベースの品質管理ステーションは、パッケージの品質管理の一貫性を向上させているものの、品質問題をより早く、また信頼性を向上させて検出できるような、さらに優れた品質管理ステーションが必要である。逸脱の早期発見と信頼性向上により、コストを削減できる良好な効果が得られる。言い換えれば、不適当なパッケージをより早く発見することにより、廃棄するパッケージをより少なくすることができる。品質管理が改善されれば、廃棄される食品が減る2で、品質管理ステーションの改善はCO2排出量にも良好な効果をもたらす。
【0005】
特許文献TWM542139Uは、搬送ユニットで搬送中のボトルを検査するための複数のカメラを備えた画像データベースの検査システムを開示している。
【0006】
特許文献US6158193Aは、カメラを使ってパッケージ、特にタバコのパックをチェックし、不良パックを選別するシステムを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、従来技術の上記のような1つ以上の限界を少なくとも部分的に克服することである。特に、カートンパッケージ等のパッケージの品質問題を迅速かつ確実に検出できる品質管理検査ステーションを提供することが目的である。
【0008】
第1の態様によれば、
搬送経路に沿って搬送される際に、パッケージの底部に当接するように配置された第1のコンベヤベルトと、
搬送経路に沿って搬送される際に、パッケージの底部に接するように配置された第2のコンベヤベルトと、
ここで、第2のコンベヤベルトは、隙間が形成されるように、第1のコンベヤベルトから距離を置いて配置されてもよく、
搬送経路に沿って搬送される際に、パッケージの第1の側方セクション及び第2の側方セクションを介してパッケージを保持するように配置された、第1の側方ベルト構成及び第2の側方ベルト構成を備えるベルトブレーキと、
ここで、搬送経路の第1のコンベアセクションでは、パッケージは、第1のコンベアベルトのみによって搬送され、搬送経路の第1の受け渡しセクションでは、パッケージは、ベルトブレーキと組み合わせて第1のコンベアベルトによって搬送され、搬送経路のベルトブレーキセクションでは、パッケージは、ベルトブレーキのみによって搬送され、搬送経路の第2の受け渡しセクションでは、パッケージは、第2のコンベアベルトと組み合わせてベルトブレーキによって搬送され、搬送経路の第2のコンベアセクションでは、パッケージは、第2のコンベアベルトのみによって搬送されてもよく、
搬送経路の上方に配置され得る、パッケージの上部を描写する上部画像データをキャプチャするように構成された上部カメラと、
ベルトブレーキセクションの下方であって、第1コンベヤベルトと第2コンベヤベルトとの間の隙間に配置され得る、パッケージの底部を描写する底部画像データをキャプチャするように構成された底部カメラと、
上部画像データと底部画像データを受信し、上部画像データと底部画像データの組み合わせに基づいて、パッケージに関連する品質問題を特定するように構成されたコントローラと、
を備える、パッケージ品質検査ステーションが提供される。
【0009】
隙間とパッケージを保持するベルトブレーキとを有することにより、上部の画像データと下部の画像データを同時に、又は短い時間内、例えば3秒以内、より好ましくは1秒以内に取り込むことが可能であるという利点がある。その効果として、上部部分と底部部分を同時に評価することが可能となる。ブランク又はウェブから形成されたカートンパッケージの場合、上部の位置ずれが底部の位置ずれにつながる可能性があり、その逆もまたしかりであるため、これは有利である。
【0010】
別の言い方をすれば、ベルトブレーキは、パッケージの上部及び底部がそれぞれ上部カメラ及び底部カメラにアクセス可能になるようにパッケージを保持できるよう提供される。上述したように、これは、ベルトブレーキが、パッケージの側部と相互作用することによってパッケージを保持することができる第1及び第2の側方ベルト構成を備えることによって可能である。したがって、本明細書では、ベルトブレーキは、必ずしもベルトコンベアを介して供給されるパッケージの速度を低下させるために使用されるのではなく、パッケージの上部及び下部がそれぞれ上部カメラ及び底部カメラの視野内に入るようにパッケージを保持するために使用される。
【0011】
上述したように、ウェブから形成されたパッケージやブランクから形成されたパッケージは、上述した品質検査システムの恩恵を受ける可能性がある。このようなパッケージに関するいくつかの品質問題は、パッケージの上部と底部の両方に見られる可能性が高い。例えば、パッケージの上部のフラップが揃わないようにパッケージの折り畳みが行われた場合、パッケージの底部のフラップが揃わない結果になる可能性がある。これは、包装材料が長方形やその他の予め設定された形状の包装材料から折り畳まれることと関連している。言い換えれば、上部の特徴は底部の特徴とリンクしており、その逆も同様であるため、上部と底部の画像データを組み合わせて使用すること、すなわち、2つの画像データが同じパッケージに関連するという知識を持って2つの画像データを評価することによって、パッケージの品質問題を特定することが有益であることが判明している。そうすることで、モデル、例えば統計モデルやAI/ML(人工知能/機械学習)ベースのモデルは、より信頼性の高い品質検査を行うことができるというプラスの効果が得られる。
【0012】
一部のパッケージ、例えばカートンパッケージは、上部の特徴及び/又は底部の特徴が影響を受けるように変形する可能性があるため、上部の画像データと底部の画像データが同時にキャプチャされること、又は同時キャプチャを達成することが不可能な場合、少なくとも短い時間スパン内、例えば3秒未満でキャプチャされることを提供することが有益である。上部の画像データをキャプチャする時点と底部の画像データをキャプチャする時点との時間差を小さくすることで、2つの異なる画像データセットをキャプチャする時点の間に、上部及び/又は下部が何らかの影響を受けるリスクが少なくなる。したがって、2つの画像データセットを短い時間内に、又は同時にキャプチャすることにより、上部の特徴と下部の特徴の相関関係をより確実に決定することができる。
【0013】
上部カメラは、底部カメラの垂直上に配置されてもよい。
【0014】
フォトセル(photocell)は、搬送経路の上流に設けられ、上部カメラを用いた上部画像データの撮像及び/又は底部カメラを用いた底部画像データの撮像をトリガすることができる。
【0015】
コントローラは、上部画像データに含まれるテキストをテキストデータセットに変換するように構成されたテキスト認識モジュールを含んでもよい。
【0016】
コントローラは、上部画像データに描かれた識別コードを識別データセットに変換するように構成された識別コード認識モジュールをさらに含んでもよい。
【0017】
識別データセットをパッケージにリンクできることは、コントローラの品質問題の識別が、パッケージにリンクされた他の情報、例えば機械データ、すなわちパッケージを製造するときに使用される充填機(包装機とも呼ばれる)で使用される設定から恩恵を得ることができるという利点を有する。
【0018】
コントローラは、上部画像データに描かれたパッケージの上部に設けられた上部フラップなどの上部特徴を評価するように構成された上部形成評価モジュールをさらに含んでもよい。
【0019】
コントローラは、底部画像データに描かれたパッケージの底部に設けられた底部フラップなどの底部特徴を評価するように構成された底部形成評価モジュールをさらに含んでもよい。
【0020】
上部形成評価モジュールは、上部特徴評価データを底部形成評価モジュールに供給するように構成されてもよく、底部形成評価モジュールは、上部特徴評価データと組み合わせて底部画像データに基づいて底部特徴を評価するように配置されてもよい。
【0021】
コントローラは、パッケージの識別データセット、上部画像データ、底部画像データをサーバ上のデータベースに転送するように構成されたデータ通信モジュールをさらに含んでもよく、
ここで、サーバは、オペレータパネルからオペレータ特徴評価データ及び識別データセットを受信し、識別データセットを介してオペレータ特徴評価データを上部画像データ及び底部画像データにリンクするようにさらに構成されてもよく、オペレータ特徴評価データは、パッケージが上部特徴に関して特徴品質要件を満たすか否かを指定してもよく、
その結果、上部画像データ、底部画像データ及びオペレータ特徴評価データの組み合わせが、上部形成評価モジュール及び/又は底部形成評価モジュールによって使用される人工知能エンジンの特徴学習データとして使用され得る。
【0022】
上部画像データと底部画像データをオペレータの特徴評価と組み合わせることで、自動的にキャプチャされたデータを手動の品質評価データと効率的に組み合わせることができる。この利点は、異なるソースからのデータを例えばAIエンジンで使用できることであり、その結果、より信頼性の高い品質検査を実現できる。
【0023】
上部カメラは、3Dキャップ画像データを生成する3Dカメラ構成であってもよく、コントローラは、上部画像データに描かれたパッケージの上部部分に適用されたキャップを評価するように構成されたキャップ適用評価モジュールを含んでもよい。
【0024】
データ通信モジュールは、3Dキャップ画像データをサーバ上のデータベースに転送するように構成されてもよく、
ここで、サーバは、オペレータパネルからオペレータキャップ評価データを受信し、オペレータキャップ評価データを3Dキャップ画像データにリンクするようにさらに構成されてもよく、オペレータキャップ評価データは、パッケージ上へのキャップの適用がキャップ適用品質要件を満たすか否かを特定し、
3Dキャップ画像データとオペレータキャップ評価データの組み合わせは、キャップ適用評価モジュールによって使用されるAIエンジン用のキャップ適用トレーニングデータとして使用されてもよい。
【0025】
第2の態様によれば、パッケージの品質検査方法が提供され、当該方法は、
パッケージの底部が第1のコンベヤベルト上に載るようにパッケージを第1のコンベヤベルト上に載せることによって、パッケージを搬送経路に沿って第1のコンベヤベルト上に搬送すること、
底部が第1のコンベヤベルト上に静止し、パッケージの第1及び第2の側方部分がそれぞれ第1及び第2の側方ベルト構成と相互作用し、搬送経路に沿ってパッケージを搬送することによって、パッケージを第1のコンベヤベルトから第1及び第2の側方ベルト構成からなるベルトブレーキに引き渡すこと、
パッケージを第1及び第2ベルト構成と相互作用させることによって、第1コンベヤベルトと、搬送経路において第1コンベヤベルトの下流に配置された第2コンベヤベルトとの間に形成された隙間を越えてパッケージを搬送すること、
隙間を越えてパッケージを輸送するステップの間に、上部カメラを使用してパッケージの上部を描写する上部画像データをキャプチャすること、
隙間を越えてパッケージを輸送するステップの間に、底部カメラを使用してパッケージの底部を描写する底部画像データをキャプチャすること、
底部が第2のコンベヤベルト上に静止し、パッケージの第1及び第2の側方セクションがそれぞれ第1及び第2の側方ベルト構成と相互作用することによって、搬送経路に沿ってパッケージを搬送することによって、ベルトブレーキから第2のコンベヤベルトにパッケージを引き渡すこと、
パッケージの底部が第2のコンベヤベルト上に載るようにパッケージを第2のコンベヤベルト上に載せることによって、パッケージを搬送経路に沿って第2のコンベヤベルト上に搬送すること、
上部画像データと底部画像データをコントローラに供給すること、
コントローラを使用して、上部画像データと底部画像データを組み合わせて、パッケージに関連する品質問題を特定すること、
備える。
【0026】
第1の態様に関連して述べた特徴や利点は、第2の態様にも当てはまる。
【0027】
本発明のさらに他の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0028】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1A】パッケージ品質検査ステーションの概略的な側面図を示す。
【
図1B】パッケージ品質検査ステーションを上から見た概略図を示す。
【
図4】パッケージの品質検査方法を示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1A及び
図1Bを参照すると、例として、パッケージ品質検査ステーション100が示されている。
図1Aはパッケージ品質検査ステーション100の側面図を示し、
図1Bはその上面図を示す。
【0031】
パッケージ品質検査ステーション100は、パッケージ106の底部104と相互作用するように配置された第1コンベアベルト102を備える。図示されているように、第1のコンベヤベルト104はベルト駆動式であってもよいが、搬送経路Pに沿ってパッケージ106を搬送するための他の技術を使用してもよい。第1のコンベヤベルト104の下流には、第2のコンベヤベルト108を設ける。第1及び第2のコンベアベルト102、108は、隙間110が形成されるように、互いに距離Dをおいて配置される。隙間110を越えてパッケージ106を搬送するために、ベルトブレーキ112を使用する。これは、パッケージ106を挟むことができる第1の側方ベルト構成114及び第2の側方ベルト構成を備える。より詳細には、パッケージ106は、第1側方パネル等のパッケージ106の第1の側方セクション118が第1の側方ベルト構成114と相互作用すると同時に、第2側方パネル等のパッケージ106の第2の側方セクション120が第2の側方ベルト構成116と相互作用することによって、ベルトブレーキ112によって保持され得る。別の言い方をすれば、パッケージ106が隙間110を越えて持ち上げられるように、パッケージ106を第1の側方ベルト構成114及び第2の側方ベルト構成116の間にクランプする。
【0032】
第1のコンベヤベルト102からベルトブレーキ110へ、及びベルトブレーキ110から第2のコンベヤベルト108へのスムーズな移行を保証するために、ベルトブレーキ110は、第2のコンベヤベルト108と同様に、第1のコンベヤベルト102上にも延在する。別の言い方をすれば、図示されているように、第1のコンベアセクション122において、パッケージ106は、ベルトブレーキ110と相互作用することなく、第1のコンベアベルト102上に載置され得る。第1コンベヤセクション122の下流に配置された第1の受け渡しセクション124では、パッケージ106の底部104が第1コンベヤベルト102と接触し、パッケージ106の第1及び第2の側方セクション118、120がそれぞれ第1及び第2の側方セクション118、120と接触することができるように、パッケージ106はベルトブレーキ110と接触する。次に、第1の受け渡しセクション124の下流に配置されたベルトブレーキセクション126において、パッケージ106は、ベルトブレーキ112、より詳細には第1及び第2の側方ベルト構成114、116のみによって保持されてもよく、それによって、パッケージ106の底部104が下方から見えるよう提供される。
【0033】
パッケージ106がベルトブレーキ112から第2のコンベヤベルト108に円滑かつ確実に移されることを保証するために、第2の受け渡しセクション128を設ける。この区間では、パッケージ106は、第2のコンベヤベルト108上に載置されるのと組み合わせて、ベルトブレーキ112によって保持される。第2の受け渡しセクション128の下流側には、第2コンベアセクション130を設ける。この第2のコンベヤセクション130では、パッケージ106は第2コンベヤベルト108のみによって搬送される。
【0034】
ベルトブレーキセクション126に設けられると、
図2にさらに詳細に図示されるように、パッケージ106、より詳細にはパッケージ106の上面部分160は、上部画像データ134が生成され得るように、上部カメラ132の視野内に配置され得る。上部画像データ134は二次元画像データであってもよいが、三次元画像データであってもよい。後者の場合、追加のカメラ133を使用してもよい。しかし、ベルトブレーキの速度が既知である場合もあるので、異なる時点の画像データをキャプチャするために上部カメラ132を使用し、ベルトブレーキ112の既知の速度を利用することによって、異なる時点からの画像データを三次元画像データに結合することによって、三次元画像データを形成することも可能である。
【0035】
上部カメラ132及び追加の上部カメラ133は、同様の方法で構成されてもよいが、それらは、一例として、異なる分光特性を有する光を捕捉するように構成される、すなわち、異なる分光特性の光を捕捉するように構成された異なるフィルタ及び/又は画像センサを有するという点でも異なってもよい。さらに、図示されているように、上部カメラ132と追加の上部カメラ133は、異なるように傾けることができ、それにより、例えば、パッケージ106上の反射が、追加の上部カメラ133と比較して、上部カメラ132によって生成された画像データにおいて異なるように描写されることを提供する。図示されるように、上部カメラ132は角度αで傾けられてもよく、追加上部カメラ133は角度βで傾けられてもよく、角度βは角度αよりも大きい。さらに、上部照明装置135は、信頼できる品質評価を行うための基礎として使用することができる上部画像データ134を生成するために、上部カメラ132及び任意で追加の上部カメラ133に条件を提供するために使用する。
【0036】
底部カメラ136をベルトブレーキ部126の下方に配置してもよい。パッケージ106はベルトブレーキ112のみによって保持され、底部104は第1のコンベヤベルト102にも第2のコンベヤベルト108にも載っていないので、パッケージ106の底部104を描写する底部画像データ138をキャプチャすることが可能になる。底部カメラ136だけでなく、上部カメラ132、及びオプションとして追加の上部カメラ133を同じセクションに配置することの利点は、パッケージ106が、上部160及び底部104を評価するときに同じ状態を有することである。これら2つをほぼ同時に評価する可能性を持つことは、必ずしもこれらの部分に直接影響しないとしても、トップ部分160とボトム部分104が異なる時点で評価される場合と比較して、サイドパネルのへこみや、トップ部分とボトム部分に見られる可能性のある他の品質上の問題が検出しやすくなるという利点をもたらす。上部160と底部104を異なる時点で評価するリスクは、すなわち、パッケージ106がこれら2つの異なる時点の間で影響を受けていること、したがってパッケージの状態が同じでないことである。さらに、品質評価の基礎として使用できるような底部画像データ134を得る可能性を高める条件を提供するために、底部照明装置139を使用する。
【0037】
図示されているように、さらに、フォトセル140を上部カメラ132及び底部カメラ136の上流に設けることができ、それによって、トリガ信号を上部カメラ132、任意選択で追加の上部カメラ133、及び底部カメラ136に送信することによって、上部画像データ134及び底部画像データ138のキャプチャをトリガすることが可能になる。フォトセル140と上部カメラ132及び底部カメラ136との間の距離、ならびに第1のコンベヤベルト102、ベルトブレーキ112及び第2のコンベヤベルト108の速度は既知であるので、上部カメラ135及び底部カメラ136は、上部カメラ135及び底部カメラ136が構成される搬送経路Pの位置にパッケージ106が配置される時間に、上部画像データ134及び底部画像データ138を捕捉することができるように調整できる。例としてフォトセル140を挙げたが、これは画像取り込みをトリガする一つの方法とみなされるべきであり、フォトセル140の代替として、パッケージ106を検出するタスクを満たす他の技術を使用してもよい。
【0038】
上部カメラ132及び底部カメラ136によって生成されたデータは、コントローラ142に供給され得る。これは、データを扱うことができる任意のデータ処理装置であってよく、単一のユニットであっても、複数のユニットによって具現化されてもよい。コントローラ142は、上部画像データ134を受け取り、上部画像データ134に描かれたパッケージ106上のテキスト146をテキストデータセットに変換するように構成されたテキスト認識モジュール144を含んでもよい。
【0039】
コントローラ142は、上部画像データ134を介して、パッケージ106の上部部分160に印刷されたQRコード(登録商標)等の識別コード152を受信するように構成された識別コード認識モジュール150をさらに含んでもよい。識別コード152に基づいて、識別データセット154を決定する。例えば、識別コード152は、
図2に示されるように、QRコード(登録商標)又は文字と数字の組み合わせからなるコードとして具現化され得る。識別コード認識モジュール150では、上部画像データ134に描かれたこのコードを解釈して、番号の形式であってもよい識別データセット154に変換する。識別データセット154は番号の形式であるため、識別データセット154は他のデータと容易に比較することができ、また効率的に保存できる。
【0040】
さらに、コントローラ142は、上部特徴158が描かれた上部画像データ134を受信するように構成された上部形成評価モジュール156を含んでもよい。上部画像データ134に基づいて、ここでは上部フラップとして図示される上部特徴部158上の位置、へこみ等が特定されてもよく、位置、へこみ等が品質基準からの逸脱と見なされる場合、これらは品質問題であると判定されてもよい。さらに後述するように、品質基準は、以前に評価されたパッケージから収集されたデータに基づいてもよい。
【0041】
底部画像データ138も利用できるため、底部形成評価モジュール162も設けることができる。底部画像データ138には、
図3に示された底部特徴164が描かれることがあり、上部形成評価モジュール156と同様に、底部形成評価モジュール162は、底部特徴164を見て品質基準と比較した偏差を検出するように構成される。上部形成評価モジュール156と同様に、底部形成評価モジュール162は、サンプルパッケージ、すなわち評価されるパッケージの底部特徴164を、品質基準を満たすことが確認された以前に評価されたパッケージと比較してもよい。
【0042】
上部特徴部158と底部特徴部164の評価は、特に、パッケージ106が
図2及び
図3に示されるようなロール供給式包装機によって製造されるカートンパッケージである場合には、相互に関連することができる。ロール供給式包装機によって製造されたパッケージ106を有することは、すなわち、パッケージ106の一端、例えば上端部分160における位置ずれが、他端、例えば下端部分104においても位置ずれを生じさせる可能性があることを伴う。上部の特徴を見て行われた評価が、底部の特徴を評価するときに使用されることを提供するために、上部の特徴評価データ166が、上部形成評価モジュール156から底部形成評価モジュール162に転送されてもよい。図示されていないが、その逆、すなわち、底部形成評価モジュール162から頂部形成評価モジュール156に底部特徴評価データを転送してもよい。このようにデータを共有することにより、品質評価の信頼性がさらに向上し、今日の品質検査ステーションでは考慮されていない上部160と底部104の相互関係が考慮される。
【0043】
このように、パッケージ106の上部と底部の間の関係に基づいて、パッケージ106の品質問題を特定するとき、上部と底部の画像データ134、138を組み合わせて評価する。別の言い方をすれば、2組の画像データが同じパッケージ106に関連し、このため、上側部分160の品質問題が下側部分104の品質問題と相関する可能性があることが考慮される。
【0044】
コントローラ142は、データ通信モジュール170を含んでもよい。このモジュールを有する利点は、データを他の装置と交換できることであり、それにより、多数の異なるパッケージ品質検査ステーション100からの情報を利用することが可能になる。品質評価をさらに向上させるために、オペレータパネル174を介して収集された情報も考慮できる。例えば、上部画像データ134、底部画像データ138、及び識別データセット154は、データ通信モジュール170を使用して、コントローラ142からデータベース178を含むサーバ176に転送できる。並行して、オペレータ上部特徴評価データ172、すなわち、オペレータによって行われた上部特徴158の評価に関するデータ、及び識別データセット154が、オペレータパネル174からサーバ176及びデータベース178に転送されてもよい。識別データセット154は、コントローラ142及びオペレータパネル174の両方を介して提供されるので、オペレータ特徴評価データ172は、コントローラ142を介して提供される上部画像データ134及び底部画像データ138にリンクされ得る。コントローラ142及びオペレータパネル174を介して提供されるデータをリンクする可能性を有することによって、データベース178は、自動的にキャプチャされたデータだけでなく、手動でキャプチャされたデータも含むことができる。上部カメラ132と底部カメラ136の両方、及びオペレータパネル174からキャプチャされたデータを有する利点は、パッケージ106の異なる側面がカバーされ、さらなる分析のための改善された基礎が形成され得ることである。ニューラルネットワークなどのAIエンジン180を使用することによって、オペレータパネル174からサーバ176に供給され得る品質承認又は品質不承認、すなわちパッケージ106が品質基準を満たしている又は満たしていないというデータと組み合わせてサーバ176に供給されたデータは、パッケージ106の他の部分と同様に、上部特徴部158及び/又は底部特徴部164を評価するために使用されるモデルを継続的に改善するために使用され得る。
【0045】
パッケージ106がキャップ185を備える場合、上部カメラは、3Dキャップ画像データ182を生成する3Dカメラ配置であってもよい。3Dキャップ画像データ182は、コントローラ142上のキャップ適用評価モジュール184に転送されてもよく、このモジュールではキャップ185の適用が評価され、例えば、キャップがパッケージの上部の割り当てられた領域に適用されているかどうかが評価される。また、3Dキャップ画像データ182は、コントローラ142からサーバ176に転送されてもよい。さらに、キャップの適用がオペレータによって評価され、オペレータパネル174を介して、オペレータキャップ評価データ186がサーバ176に転送され、AIエンジン180が3Dキャップ画像データ182及びオペレータキャップ評価データ186によって学習されてもよい。
【0046】
図2は、レンガ形カートンパッケージとして具現化されたパッケージ106を例示的に示している。図示されているように、パッケージ106は、第1の側方セクション118を形成する第1の側方パネルと、第2の側方セクション120を形成する第2の側方パネルとを備え得る。この特定の例では、本明細書では上部フラップとして示される上部特徴158が、第1及び第2の側方セクション118、120上に折り畳まれる。
図1Aに示されるように上部カメラ132を傾斜させることにより、上部画像データ134は、
図2に示されるように側方パネル上に折り畳まれていても上部特徴部158を評価することができるように、パッケージ106の上部パネルだけでなく側方パネルの一部もカバーすることができ、これは、カートンパッケージ、例えばTetra Pak(登録商標)によって販売されているTetra Brik(登録商標)パッケージの一般的に知られている折り畳み方法に従っている。
【0047】
テキスト146は、
図2に例示する例では、賞味期限及び充填機識別コードに関するコードとして描かれている。識別コード152は、文字と数字の組み合わせからなるコードとして例示される。上述したように、コードはまた、QRコード(登録商標)又は他の二次元コード又は他の非テキスト形式の形態で提供されてもよい。
【0048】
キャップ185は、この例では、ベース上に設けられた蓋の組み合わせとして図示されている。ベースはパッケージ106に接着することができる。キャップの基部とパッケージとの間に漏れや位置ずれがないことを保証するために、基部の位置は品質評価において評価される特徴の一部を形成してもよい。ベースの縁が直線状であることは、例えばキャップ185がパッケージ106の上部パネルの縁と適切に位置合わせされているかどうかを評価するなど、位置合わせに関連する比較を容易にする可能性があるため、利点となり得る。
【0049】
図3は、パッケージ106の底部104を例示している。
図2に例示した例と同様に、
図3に例示したパッケージ106は、ロール供給式充填機によって製造されるカートンパッケージである。
図2に例示した上部160の折り畳みとは異なり、ここでは底部フラップによって例示される底部特徴164は、パッケージ106の側面図から底部フラップが見えないように、内側に、底部パネルに向かって折り畳まれる。上部の折り畳み原理が一般に知られているのと同様に、
図3に示される底部104の折り畳みについても同様である。しかしながら、底部特徴部が内側に折り畳まれていることの影響は、底部104の視覚的外観を考慮しない品質評価、より詳細には、パッケージ106の下地表面と接触するように配置されている部分が、
図1A及び
図1Bに図示されるパッケージ品質検査ステーション100と比較して、同じ方法で底部特徴部164を評価することができず、潜在的に信頼性が低くなることである。
【0050】
図4は、例えば
図1A及び
図1Bに示したパッケージ品質検査ステーション100を用いたパッケージ106の品質検査方法200を示すフローチャートである。
【0051】
第1のステップ202において、パッケージは、第1のコンベアベルト102上で搬送される。その後、上述したとおり、第2のステップ204において、パッケージ106をベルトブレーキ112と組み合わせて第1のコンベヤベルト102上で搬送することによって、パッケージ106が第1のコンベヤベルト102からベルトブレーキ112に引き渡しされる。引き渡し後、第3のステップ206において、パッケージ106は、第1のコンベアベルト102と第2のコンベアベルト108の間に形成された隙間110を越えて搬送され得る。隙間110を越えて搬送される間、第4のステップ208において、上部カメラ132を使用して上部画像データ134をキャプチャする。また、隙間110を越えて搬送されている間に、第5のステップ210において、底部カメラ136を用いて底部画像データ138をキャプチャする。その後、第6のステップ212において、パッケージ106がベルトブレーキ112から第2のコンベヤベルト108に引き渡しされる。引き渡し後、第7のステップ214において、パッケージ106は第2のコンベヤベルト108によって搬送され得る。第8のステップ216において、上部画像データ134及び底部画像データ138は、データが処理されるようにプロセッサ及びメモリを備えるコントローラ142に供給され得る。第9のステップ218において、上部画像データ134と底部画像データ138の組み合わせに基づいて、パッケージ106に関連する品質問題を特定する。
【0052】
特定の順序で説明されている場合であっても、他の順序が適用され得る。
【0053】
以上の説明から、本発明の様々な実施形態を説明し示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲に定義される主題の範囲内で他の方法で具体化してもよい。
【国際調査報告】