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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-11
(54)【発明の名称】MRI適合空気管理システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20240604BHJP
【FI】
A61B5/055 390
A61B5/055 366
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516341
(86)(22)【出願日】2021-05-24
(85)【翻訳文提出日】2023-12-07
(86)【国際出願番号】 US2021033830
(87)【国際公開番号】W WO2022250644
(87)【国際公開日】2022-12-01
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523441924
【氏名又は名称】キューフィックス システムズ, エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】QFIX SYSTEMS, LLC
【住所又は居所原語表記】440 Church Road,Avondale, PA 19311,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】コペンズ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】マニング,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ポーツ,フランクリン ジュニア
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AB36
4C096AB46
4C096AD18
4C096AD19
4C096EB04
4C096FC20
(57)【要約】
エアキャディはMRI室内で動作可能であり、MRI室内のMRI装置に隣接して設けられる。キャディは床に対するキャディの移動を選択的に可能にするように配置された少なくとも1つの車輪を有するベース部を含み、ベース部は、少なくとも1つの車輪が床に対するキャディの移動を容易にする移動方向と、少なくとも1つの車輪が床に対するキャディの移動を容易にすることを防止する静止方向との間で移動可能である。キャディはまた、キャディのベース部に結合され、キャディに対する電動送風機の移動を防止するように固定された電動送風機を含み、電動送風機はベース部が静止方向にあるときに空気を移動させるように構成され、MRI室内のMRI装置に対する送風機の相対位置は送風機が空気を移動させるときおよびベース部が静止方向にあるときに変化しない。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
MRI室内およびMRI室内のMRI装置に隣接して動作可能であり、MRI室の床との連続的な接触およびMRI室の床に沿った移動を可能にするように構成されたエアキャディであって、
前記エアキャディは、
床に対するキャディの移動を選択的に可能にするように配置された少なくとも1つの車輪を有するベース部を備え、前記ベース部は前記床に対する前記キャディの移動を容易にする移動方向と、前記少なくとも1つの車輪が前記床に対する前記キャディの移動を容易にする静止方向との間で移動可能であり、
さらに、前記キャディの前記ベース部に結合され、前記キャディに対する移動を防止するように固定された電動送風機を備え、前記電動送風機は、前記ベース部が前記静止方向にあるときに空気を移動させるように構成され、前記電動送風機は前記電動送風機が空気を移動させるときと、前記ベース部が前記静止方向にあるときに前記MRI室内の前記電動送風機の前記MRI装置に対する相対位置が変化せず、MRI室内のMRI装置によって生成された磁場のより弱い部分内に留まるように取り付けられ、それによって、電動送風機の使用中の電動送風機の動作における磁場の影響を低減し、
キャディは50ポンド以下の最大磁気吸引力とMR適合であり、
キャディはMRI室内でMRI装置に隣接して位置決め可能であり、MRI装置の磁場はキャディがMRI装置に隣接して位置決めされたときに電動送風機の動作に干渉せず、それにより、電動送風機はMRI装置に隣接して、磁場はMRI装置によって生成されて動作する、
エアキャディ。
【請求項2】
前記エアキャディは患者支持体に対して移動するように構成された患者移送装置に対して前記電動送風機を移動させるためのキャディであり、前記電動送風機は、前記患者移送装置に対して空気を移動させるように構成される、請求項1に記載のエアキャディ。
【請求項3】
前記患者移送装置は空気ベアリングを備え、前記電動送風機は前記空気ベアリングに空気を移動させるように構成される、請求項2に記載のエアキャディ。
【請求項4】
前記エアキャディを前記床に対して移動させるために配置された少なくとも2つの車輪をさらに備える、請求項1に記載のエアキャディ。
【請求項5】
前記エアキャディは、25ポンド以下の最大磁気吸引力とMR適合である請求項1に記載のエアキャディ。
【請求項6】
前記電動送風機に電力を供給するためのバッテリをさらに備える、請求項1に記載のエアキャディ。
【請求項7】
前記バッテリおよび前記電動送風機のうちの少なくとも一方は、前記ベース部の中央領域内に位置する、請求項6に記載のエアキャディ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの車輪は前記ベース部が前記移動方向にあるときに前記キャディの前記床に対する移動を可能にするように前記床に接触するように配置され、前記少なくとも1つの車輪は前記ベース部が前記静止方向にあるときに前記キャディの前記床に対する移動を容易にすることを防止するように前記床から離間される、請求項1に記載のエアキャディ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの車輪は、前記キャディを前記静止方向に保持するようにロックされ、前記移動方向に戻るようにロック解除され得る、請求項1に記載のエアキャディ。
【請求項10】
前記ベース部が、前記ベース部が前記静止方向にあるときに前記少なくとも1つの車輪を前記床から持ち上げるように配置された少なくとも1つの床接触面を備える底面を有する、請求項1に記載のエアキャディ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの車輪は、前記キャディの前記ベース部に対して所定の位置に固定された軸を中心に回転するように取り付けられている、請求項1に記載のエアキャディ。
【請求項12】
前記軸から前記ベース部の前記少なくとも1つの床接触面までの距離が前記軸から前記少なくとも1つの車輪の床接触面までの距離よりも大きい、請求項11に記載のエアキャディ。
【請求項13】
前記キャディの質量中心は前記静止方向において、前記キャディの前部に向かって前記軸に対して相対的に前方に配置され、前記質量中心は前記移動方向において前記軸に対して相対的に上方に配置される、請求項11に記載のエアキャディ。
【請求項14】
前記キャディの前記質量中心は前記移動方向から解放されたときに前記キャディが前記移動方向から前記静止方向に移動するように、前記軸と前記キャディの前記前部との間に配置される、請求項13に記載のエアキャディ。
【請求項15】
空気が、前記電動送風機によって、患者移送装置、患者ベッド、創傷ケアベッド、交互の圧力を提供するベッド、治療用途のために設計された表面、患者の快適さのために設計された表面、皮膚保護表面、空気駆動装置、真空クッション、および圧縮表面のうちの少なくとも1つとの間で移動可能である請求項1に記載のエアキャディ。
【請求項16】
前記キャディの前記電動送風機は、患者移送装置の空気ベアリングに空気を移動させるための患者移送装置に結合されるように構成される、請求項1に記載のエアキャディ。
【請求項17】
前記キャディに取り付けられ、閾値質量を提供する補助質量体をさらに備える、請求項1に記載のエアキャディ。
【請求項18】
前記補助質量体は、前記MRI装置によって生成される吸引力に応答して、前記キャディが前記MRI室の前記床との前記連続的な接触を離れることが防止されるように選択される前記閾値質量を提供する、請求項17に記載のエアキャディ。
【請求項19】
前記補助質量体は前記MRI装置が磁場を発生するように操作されるときに、前記キャディが前記MRI室の前記床と連続的に接触し、前記MRI装置に直接隣接するときに、前記吸引力に打ち勝つように選択される、請求項18に記載のエアキャディ。
【請求項20】
前記補助質量体は、前記キャディが所望の重心を維持するように前記閾値質量を提供する、請求項17に記載のエアキャディ。
【請求項21】
前記補助質量体は前記キャディが前記移動方向から前記静止方向に向かって移動するように付勢されるように、前記重心を維持するように配置される、請求項20に記載のエアキャディ。
【請求項22】
前記補助質量体は前記MRI装置によって生成された吸引力に応答して、前記キャディが前記MRI室の前記床との前記連続的な接触を離れることを防止することと、前記キャディが前記移動方向から前記静止方向に向かって移動するように付勢されるように、重心を維持することとの両方を行うように構成される、請求項17に記載のエアキャディ。
【請求項23】
前記補助質量体は非磁性である請求項17に記載のエアキャディ。
【請求項24】
2つ以上の車輪を備える、請求項1に記載のエアキャディ。
【請求項25】
前記キャディの移動を容易にするために、前記ベース部に取り付けられたハンドルをさらに備える、請求項1に記載のエアキャディ。
【請求項26】
患者移送装置を使用して、患者をMRI装置のボアに対して移動させる方法であって、
前記方法は、
MRI装置のボアに近接してキャディを位置決めすることであって、前記キャディは50ポンド以下の最大磁気吸引力に適合可能であり、
床に対する移動のために構成されたベース部と、
前記ベース部に結合され、前記床に対するベース部の移動のために配置された少なくとも1つの車輪と、
電動送風機とを含み、
前記電動送風機は、電動送風機がMRI装置のボアによって生成された磁場のより弱い部分内に留まるように取り付けられ、それによって、電動送風機の使用中の電動送風機の動作に対する磁場の影響を低減させ、
前記少なくとも1つの車輪が前記床に対する前記キャディの移動を容易にする移動方向から、前記少なくとも1つの車輪が前記床に対する前記キャディの移動を容易にしない静止方向へと、前記ベース部を移動させ、
患者移送装置に空気を移動させるために電動送風機を作動させ、それによって患者移送装置にまたは患者移送装置から空気を移動させて患者の移動を容易にし、電動送風機はMRI装置のボアに隣接し、磁場がMRI装置のボアによって生成されている間に動作し、患者および患者移送装置をMRI装置のボアに対して移動させる方法。
【請求項27】
前記キャディは前記患者を支持するように構成された患者支持部分と共に使用するように構成され、前記方法は前記患者支持部分に対して前記患者および前記患者移送装置を移動させることをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、例えば、患者を移動し、医療処置または診断判定中に患者台車から目的のモダリティへの患者の安全な移送を提供することに関連する、空気を移動させるための空気管理システム、関連システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
患者台車は施設内の様々な場所に患者を安全に輸送するために、病院および治療センターで頻繁に使用される。患者が治療または診断用イメージングを必要とする場合、患者台車は、所定の目的のモダリティに近接して患者を移動するために使用される。目的のモダリティは、CT、MR、およびPETなどの機械、手術台、病院ベッド、治療機械、ロボット手術アームなどに関連する様々な患者支持面を含み得る。患者台車は、様々な目的のモダリティとの間で患者を安全に輸送することが期待される。多くの場合、これらの患者は、あるモダリティから次のモダリティまでの位置精度および一貫性を維持するために固定されなければならない。
【0003】
患者台車の上面から目的のモダリティの表面に患者を移送するために、患者移送装置が一般に使用される。歩行不能であり、仰臥位、腹臥位、または横臥位を含む横になったままでなければならない患者の場合、患者台車の操作者は、患者台車を、目的のモダリティの表面にできるだけ近い位置に輸送すべきである。追加の調整は、患者台車の上端を持ち上げ、患者移送装置を患者台車の上端から目的のモダリティの上端にスライドさせ、患者を移送することによって行うことができる。
【0004】
患者移送装置は、それらの動作を容易にするために空気の供給を必要とする場合がある。例えば、患者移送装置は、患者移送装置の下面に取り付けられた空気ベアリングを任意に含む。空気源は、患者移送装置に結合され、空気ベアリングに空気を送達するように構成されてもよい。
【0005】
MRI環境は特に、患者台車および移送装置の使用に対する障害を提示する。MRI機械によって生成される磁場が非常に大きいため、強磁性体などの磁性体はMRI環境において危険をもたらす可能性がある。そのため、注意深く監視され、典型的には制限され、MRI機械内およびその周囲で使用するための任意の機械の構成を複雑にする。したがって、多くの場合、MRI環境への空気供給の導入を防止することが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、例えば、MRI環境内の目的のモダリティへのより容易な患者移送を容易にするために、MRI環境内の空気の移動のために使用され得る、改善された空気管理システムの必要性が存在する。これらおよび他の必要性は、本発明の空気管理システムならびに関連するシステムおよび方法によって対処される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、MRI室内で動作可能であり、MRI室内のMRI装置に隣接するエアキャディが提供される。キャディは、MRI室の床との連続的な接触およびMRI室の床に沿った移動を可能にするように構成される。キャディは床に対するキャディの移動を選択的に可能にするように配置された少なくとも1つの車輪を有するベース部を含み、ベース部は、少なくとも1つの車輪が床に対するキャディの移動を容易にする移動方向と、少なくとも1つの車輪が床に対するキャディの移動を容易にすることを防止する静止方向との間で移動可能である。また、キャディはキャディのベース部に結合され、キャディに対する電動送風機の移動を防止するように固定された電動送風機を含み、電動送風機はベース部が静止方向にあるときに空気を移動するように構成され、MRI室内の送風機のMRI装置に対する相対位置は送風機が空気を移動するときに変化せず、ベース部が静止方向にあるときには変化せず、電動送風機は電動送風機がMRI室内のMRI装置によって生成される磁場のより弱い部分内に留まるように取り付けられ、それによって、電動送風機の使用中の電動送風機の動作に対する磁場の影響を低減する。このキャディは、50ポンド以下の最大磁気吸引力とMR適合である。キャディはMRI室内でMRI装置に隣接して位置決め可能であり、MRI装置の磁場はキャディがMRI装置に隣接して位置決めされたときに電動送風機の動作に干渉せず、それにより、電動送風機はMRI装置に隣接して、磁場はMRI装置によって生成されて動作する。
【0008】
キャディは患者支持体に対して移動するように構成された患者移送装置に対して電動送風機を移動させるように構成することができ、電動送風機は、患者移送装置に対して空気を移動させるように構成される。患者移送装置は空気ベアリングを提供することができ、電動送風機は、空気ベアリングに空気を移動させるように構成され得る。
【0009】
キャディは、キャディを床に対して移動させるために配置された少なくとも2つの車輪を含むことができる。
キャディは、25ポンド以下の最大磁気吸引力とMR適合であり得る。
キャディは、電動送風機に電力を供給するためのバッテリを含むことができる。バッテリおよび電動送風機のうちの少なくとも1つは、ベース部の中央領域内に位置することができる。
【0010】
キャディは、少なくとも1つの車輪がベース部が移動方向にあるときにキャディの床に対する移動を可能にするように床に接触するように配置され、少なくとも1つの車輪がベース部が静止方向に配置されたときにキャディの床に対する移動を容易にすることを防止するように床から離間されるように構成され得る。
【0011】
キャディは、少なくとも1つの車輪がキャディを静止方向に保持するようにロックされ、移動方向に戻るようにロック解除され得るように構成され得る。
キャディのベース部は、ベース部が静止方向にあるときに少なくとも1つの車輪を床から持ち上げるように配置された少なくとも1つの床接触面を含む底面を有することができる。
【0012】
少なくとも1つの車輪は、キャディのベース部に対して所定の位置に固定された軸を中心に回転するように取り付けることができる。軸からベース部の少なくとも1つの床接触面までの距離は、軸から少なくとも1つの車輪の床接触面までの距離よりも大きくすることができる。キャディの質量中心は静止方向においてキャディの前部に向かって軸に対して相対的に前方に位置付けられ、質量中心は移動方向において軸にわたって相対的に位置付けられ得る。キャディの質量中心はキャディが移動方向から解放されたときに移動方向から静止方向に移動するように、軸とキャディの前部との間に配置することができる。
【0013】
キャディでは、空気が電動送風機によって、患者移送装置、患者ベッド、創傷ケアベッド、交互の圧力を提供するベッド、治療用途のために設計された表面、患者の快適さのために設計された表面、皮膚保護表面、空気駆動装置、真空クッション、および圧縮表面のうちの少なくとも1つとの間で移動可能であり得る。
【0014】
キャディの電動送風機は、患者移送装置の空気ベアリングに空気を移動させるための患者移送装置に結合されるように構成され得る。
【0015】
補助質量体をキャディに取り付けて、閾値質量を提供することができる。補助質量体は、キャディがMRI装置によって生成される吸引力に応答してMRI室の床との連続的な接触から離れることを防止するように選択された閾値質量を提供することができる。補助質量体はMRI装置が磁場を発生するように操作されたときにキャディがMRI室の床と連続的に接触し、MRI装置に直接隣接するときに、吸引力に打ち勝つように選択することができる。
【0016】
補助質量体はキャディが所望の重心を維持するように、閾値質量を提供することができる。補助質量体はキャディが移動方向から静止方向に向かって移動するように付勢されるように、重心を維持するように配置され得る。補助質量体は、少なくとも1つの車輪の車軸に対してキャディの重心を前方に配置するように配置することができる。補助質量体は、任意選択で、閾値質量を確立すること以外に機能性を有さない。補助質量体は、MRI装置によって生成された吸引力に応答して、キャディがMRI室の床と連続的に接触したままになることを防止することと、キャディが移動方向から静止方向に向かって移動するように付勢されるように重心を維持することとの両方を行うように構成することができる。補助質量体は、非磁性であってもよい。
【0017】
キャディは、2つ以上の車輪を含んでもよい。
キャディは、キャディの移動を容易にするためにベース部に取り付けられたハンドルを含むことができる。
【0018】
本発明の別の態様によれば、患者移送装置を使用してMRI装置のボアに対して患者を移動させるための方法が提供される。方法はMRI装置のボアに近接してキャディを位置決めすることを含み、キャディは50ポンド以下の最大磁気吸引力に適合し、床に対する移動のために構成されたベース部と、ベース部に結合され、床に対するベース部の移動のために位置決めされた少なくとも1つの車輪と、電動送風機とを含み、電動送風機は、電動送風機がMRI装置のボアによって生成される磁場のより弱い部分内に留まるように取り付けられ、それによって、電動送風機の使用中の電動送風機の動作に対する磁場の影響を低減する。この方法は少なくとも1つの車輪が床に対するキャディの移動を容易にする移動方向から、少なくとも1つの車輪が床に対するキャディの移動を容易にする静止方向にベース部を移動させることと、電動送風機を作動させて患者移送装置に空気を移動させ、それによって患者移送装置との間で空気を移動させ、患者の移動を容易にすることと、電動送風機がMRI装置のボアに隣接し、磁場がMRI装置のボアによって生成されている間に動作することと、患者および患者移送装置をMRI装置のボアに対して移動させることとを含む。
【0019】
方法は、患者支持部分に対して患者および患者移送装置を移動させることを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A】本発明の空気管理システムの別の実施形態の側面図であり、静止方向での実施形態を示す。
図1B図1Aの実施形態の側面図であり、移動方向での実施形態を示す。
図1C図1Aの実施形態の側面図であり、移動方向の実施形態が静止方向に戻る傾向を有する角度を示す。
図2】MRI装置の磁場内の図1Aの実施形態の側面図である。
図3A図1Aの実施形態の概略側面図を示し、空気管理システムの特定の構成要素を示す。
図3B図3Aの実施形態の概略側面図を示し、空気管理システムの特定の構成要素を示す。
図4】移送装置、目的のモダリティの患者支持体、および個別の患者支持体を用いた横方向移送状況中に使用される、図1Aの実施形態を示す。
図5】移送装置および目的のモダリティの患者支持体を備えた、長手方向移送状況中の使用時の図1Aの実施形態を示す。
図6図1Aの実施形態の側面図を示し、少なくとも1つの車輪、ベース部、および床の様々な距離関係を示す。
図7図1Aの空気管理システムの実施形態を動作させる方法の実施形態を示す図である。
図8A】空気管理システム上の横方向の引張力を決定するときの、図1Aの実施形態およびMRI装置の相対位置の平面図である。
図8B】空気管理システム上の縦方向の引張力を決定するときの、図1Aの実施形態およびMRI装置の相対位置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、例示的な実施形態およびそれらの実施形態の変形例を参照することによって説明される。本発明は特定の実施形態を参照して本明細書に例示され、説明されるが、本発明は示され、詳細な説明に限定されることは意図されない。むしろ、本発明から逸脱することなく、特許請求の範囲の均等物の範囲内で、詳細に様々な修正を行うことができる。
【0022】
本発明の一態様によれば、空気管理システム10は、MRI装置12、目的のモダリティ14、移送システム16、および患者支持部20に対して移動するように構成された患者移送装置18を備える撮像システムなどのMRI環境で使用するように構成される。患者移送装置18は、任意選択で、患者移送装置18の下側に取り付けられた空気ベアリング(図示せず)を含む。撮像システムは患者移送装置18に結合され、空気ベアリングに空気を送達するように構成された低圧/高容量空気源などであるが、これらに限定されない空気管理システム10と組み合わせることができる。例えば、低圧/高容量空気源10は、0.1~5PSIおよび50~200CFMであってもよい。空気ベアリングはブラダ、クッションなどを含むがこれらに限定されない、当業者に知られているような多くの形態のものとすることができる。空気源10は空気ベアリングに空気流を提供し、移送システム16の上面から目的のモダリティ14の患者表面22への患者の移動を容易にする。
【0023】
患者移送装置18の動作のために使用される送風機などの空気管理システム10のためのモータ24は、磁性体で作られてもよく、および/または電動構成要素を含んでもよい。磁場はモータ24の動作を妨害する可能性があり、磁性材料は、MRI機械12の磁場に引き付けられる。これにより、移送装置18の安全な動作を脅かす可能性がある。本発明はモータ24および他の構成要素を配置することによってこのリスクを軽減し、それらの適切な機能を保証し、MRI環境における磁気吸引力を低減する。結果として、本明細書に記載の実施形態による空気管理システム10は、MRI環境と互換性があり得る。本明細書および特許請求の範囲を通して使用される場合、用語「MR適合」は、以下の実施例のセクションに記載されるMR適合性試験手順によって決定される、空気管理システム10の磁気吸引力、および空気管理システム10の1つまたは複数の電気モータ24の操作性を指す。
【0024】
空気管理システム10の磁気吸引力に関して、驚くべきことに、空気管理システム10はMRI室などのMRI環境での使用に適するようにする磁気吸引力を依然として有しながら、本発明の態様に従って提供され得ることが発見された。本発明の実施形態によれば、最大磁気吸引力は以下の実施例のセクションに記載されるMR適合性試験手順によって決定されるように、50ポンド以下、より好ましくは25ポンド以下である。
【0025】
空気管理システム10の1つ以上の電気モータ24の操作性に関して、驚くべきことに、1つ以上の電気モータ24を有する空気管理システム10がMRI室などのMRI環境において依然として操作可能なままでありながら、本発明の態様に従って提供され得ることが発見された。本発明の実施形態によれば、空気管理システム10の1つ以上の電気モータ24の操作性は、以下の実施例のセクションに記載されるMR適合性試験手順によって決定されるように維持される。
【0026】
以前は患者移送装置18のための長いホース(図示せず)が携帯型送風機に設けられており、その結果、送風機モータは危険な状況を回避するために患者が移送される間、MRI環境の外(実際にはMRI室の外)に留まることができる。しかしながら、長いホース及び電気コード(図示せず)を有するこのような送風装置の必要性を回避することが好ましい。
【0027】
本発明の態様による空気管理システム10に送風機24を取り付けることによって、MRI装置12に対する送風機24の位置および向きは、その機能が妨げられないように制御される。さらに、主に非磁性材料から構成される空気管理システム10は、送風機24および磁気構成要素を含む他の特徴のための固定機能を提供する十分な質量であることが発見された。これは、送風機24が載置されている床面から意図的に又は意図せずに分離されること、又はMRI装置12に向けて及びその中に危険に引っ張られることを防止する。バッテリ電源26を設けることにより、電気コードの必要性がなくなり、それによってユニットを独立型にすることができる。また、電気コードからのトリップの危険性およびMRI干渉も回避することができる。
【0028】
さらに、MRI環境において真空ポンプモータなどのモータ24を任意に使用することが望ましい。そのような真空ポンプモータは、とりわけ、MR撮像中に使用するための真空クッションを形成するのに有用である。本発明の態様によれば、1つ以上の真空ポンプモータが空気管理システム10によって提供される。
【0029】
本発明の一態様によれば、MRI室内で動作可能であり、MRI室内のMRI装置12に隣接するエアキャディ10aなどの空気管理システム10が提供される。キャディ10aは、MRI室の床28との連続的な接触およびMRI室の床28に沿った移動を可能にするように構成される。キャディ10aは床28に対するキャディ10aの移動を選択的に可能にするように配置された少なくとも1つの車輪34を有するベース部32を含み、ベース部32は、少なくとも1つの車輪34が床28に対するキャディ10aの移動を容易にする移動方向と、少なくとも1つの車輪34が床28に対するキャディ10aの移動を容易にしない静止方向との間で移動可能である。キャディ10aはまた、キャディ10aのベース部32に結合され、キャディ10aに対する電動送風機24の移動を防止するように固定された電動送風機24を含み、電動送風機24はベース部32が静止方向にあるときに空気を移動させるように構成され、MRI室内のMRI装置12に対する送風機24の相対位置は送風機24が空気を移動させるときに変化せず、ベース部32が静止方向にあるときには変化せず、電動送風機24は電動送風機24がMRI室内のMRI装置12によって生成される磁場のより弱い部分内に留まるように取り付けられ、それによって、電動送風機24の使用中の電動送風機24の動作に対する磁場の影響を低減する。キャディ10aは、50ポンド以下の最大磁気吸引力とMR適合である。キャディ10aはMRI装置12に隣接してMRI室内に配置可能であり、MRI装置12の磁場はキャディ10aがMRI装置12に隣接して配置されたときに電動送風機24の動作を妨げず、電動送風機24がMRI装置12に隣接して動作し、磁場がMRI装置12によって生成される。
【0030】
キャディ10aは患者支持部20に対して移動するように構成された患者移送装置18に対して電動送風機24を移動させるように構成することができ、電動送風機24は、患者移送装置18に対して空気を移動させるように構成される。患者移送装置18は患者移送装置18の下側に取り付けられ得る空気ベアリング(図示せず)を提供することができ、電動送風機24は、空気ベアリングに空気を移動させるように構成され得る。
【0031】
キャディ10aは、キャディ10aを床28に対して移動させるために配置された少なくとも2つの車輪34を含むことができる。
キャディ10aは、25ポンド以下の最大磁気吸引力とMR適合である。
【0032】
キャディ10aは、電動送風機24に電力を供給するためのバッテリ26を含むことができる。バッテリ26及び電動送風機24の少なくとも一方は、ベース部32の中央領域内に配置することができる。
【0033】
キャディ10aは少なくとも1つの車輪34がベース部32が移動方向にあるときに、キャディ10aの床28に対する移動を可能にするように床28に接触するように配置され、少なくとも1つの車輪34がベース部32が静止方向にあるときに、キャディ10aの床28に対する移動を容易にすることを防止するように、床28から離間されるように構成され得る。
【0034】
キャディ10aは、少なくとも1つの車輪34がキャディ10aを静止方向に保持するようにロックされ、移動方向に戻るようにアンロックされるように構成することができる。
キャディ10aのベース部32は、ベース部32が静止方向にあるときに少なくとも1つの車輪34を床から持ち上げることができるように配置された少なくとも1つの床接触面36aを含む底面36を有する。
【0035】
少なくとも1つの車輪34は、キャディ10aのベース部32に対して所定の位置に固定された軸を中心に回転するように取り付けることができる。軸からベース部32の少なくとも1つの床接触面36aまでの距離は、軸から少なくとも1つの車輪34の床接触面36aまでの距離よりも大きくすることができる。キャディ10aの質量中心38は静止方向においてキャディ10aの前面40に向かって軸に対して相対的に前方に位置付けられ、質量中心38は移動方向において軸にわたって相対的に位置付けられ得る。キャディ10aの質量中心38はキャディ10aの軸と前面40との間に配置することができ、その結果、キャディ10aは、移動方向から解放されると、移動方向から静止方向に移動する。
【0036】
キャディ10aでは、電動送風機24によって、患者移送装置18、患者ベッド、創傷ケアベッド、交互の圧力を提供するベッド、治療用途のために設計された表面、患者の快適さのために設計された表面、皮膚保護表面、空気駆動装置、真空クッション、および圧縮表面のうちの少なくとも1つの間を空気が移動可能であり得る。
【0037】
キャディ10aの電動送風機24は、患者移送装置18の下側に取り付けられた空気ベアリング(図示せず)に空気を移動させるために患者移送装置18に結合されるように構成され得る。
【0038】
補助質量体42をキャディ10aに取り付けて、閾値質量を提供することができる。補助質量体42は、キャディ10aがMRI装置12によって生成された磁気吸引力に応答してMRI室の床28との連続的な接触を残すことを防止されるように選択された閾値質量を提供することができる。補助質量体42はMRI装置12が磁場を発生するように操作されるとき、キャディ10aがMRI室の床28と連続的に接触し、MRI装置12に直接隣接するとき、吸引力に打ち勝つように選択することができる。
【0039】
補助質量体42はキャディ10aが所望の重心38を維持するように、閾値質量を提供することができる。補助質量体42はキャディ10aが移動方向から静止方向に向かって移動するように付勢されるように、重心38を維持するように配置され得る。補助質量体42は、少なくとも1つの車輪34の車軸に対してキャディ10aの重心38を前方に配置するように配置することができる。補助質量体42は任意選択的に、閾値質量を確立すること以外の機能性を有さない。補助質量体42は、キャディ10aがMRI装置12によって生成された磁気吸引力に応答してMRI室の床28との連続的な接触を離れることを防止することと、キャディ10aが移動方向から静止方向に向かって移動するように付勢されるように重心38を維持することとの両方を行うように構成することができる。補助質量体42は非磁性であってもよい。
【0040】
キャディ10aは、2つ以上の車輪34を含むことができる。
キャディ10aは、キャディ10aの移動を容易にするためにベース部32に取り付けられたハンドル44を含むことができる。
【0041】
図4には、MRI環境内の患者台車16が示されている。患者台車16はMRIテーブル46に隣接し、MRI装置12のボアの近くに配置される。患者台車16は、患者台車16の上端からMRIテーブル46の患者支持面48への移送を容易にするための患者移送装置18を含む。
【0042】
患者台車16からMRIテーブル46への患者の移送は、本発明の態様による空気管理システムを使用することによって、患者移送装置18の下側に取り付けられ得る空気ベアリングに空気を送達することによって容易になる。この空気ベアリングは、患者移送装置18と、それが沿って移動する表面22のような表面との間の摩擦を低減する(図5)。
【0043】
人間のための画像診断に使用されるほとんどの市販のMRI装置12の磁場強度は、0.35~3テスラの範囲内である。しかしながら、この定格は、MRI装置12のボア内の磁場の最大強度を記述するだけである。図2の概略図に示されるように、MRI装置12の磁場強度は、距離とともに減少する。任意の磁気構成要素に及ぼされる力は、構成要素が位置する分野の強さに関連する。患者移送装置18が患者を移送する位置にあるとき、空気管理システム10の部分はMRI装置12のボアに近接するので、非磁性材料が空気管理システム10、特に、MRI装置12に近接する空気管理システム10の上端および先頭部分を製造するために使用されることが好ましい。
【0044】
物理的特性要件またはコスト要求のために、非磁性材料のみから作製された構成要素を含むことは実用的でない場合がある。MRI装置12からの磁場が空気管理システム10に及ぼす潜在的な影響をさらに最小限に抑えるために、構成要素は固定されたままであるか、または少なくとも空気管理システム10のベース部の近くに配置される。MRI装置12が典型的な3T装置の磁場プロファイル(図2に示される磁場プロファイルなど)を有すると仮定すると、空気管理システム10のベース部32は、MRI装置12に対するベース部32の位置に起因して、概して200mT以下の磁場強度に曝される。
【0045】
患者移送装置18は、ホース52の一端を受け入れるホースコネクタ50(図5)を含む。ホース52は、好ましくは2つのセクションを有する。上部セクションは2つの対向する端部を有し、一方の端部は患者移送装置18のホースコネクタ50に接続され、反対側の端部は空気管理システム10に接続される。
【0046】
様々な送風機24を空気管理システム10において利用することができるが、1つの例示的な送風機24はAMETEK社(例えば、AMETEK Lamb Electric 116157-00)から入手可能である。さらなる選択肢および代替物および詳細が、以下に提供される。上記で説明したように、患者移送中の送風機24の使用中にモータ24の動作に対するMRI機械12の磁場の影響を最小限に抑えるために、モータ、送風機、制御ユニット、および/またはバッテリパックなどの空気管理システム10の構成要素が、空気管理システム10のベース部32に取り付けられることが好ましい。一実施形態では、送風機24は任意選択的に、磁場のより弱い部分に配置することができる。例えば、送風機24を空気管理システム10の底面36のより近くに取り付けることにより、送風機24に対する磁力による干渉の可能性が最小限に抑えられる。より好ましくは患者台車16のベース部52内の構成要素がこれらの構成要素のうちの1つ以上の高さが、空気管理システム10が移動する床28に対して固定されるように取り付けられる。あるいは、構成要素の上昇移動が許容され、制限されることができる。本発明の様々な実施形態によれば、空気管理システム10にしっかりと取り付けられる、すなわち、別々に持ち運びできない送風機24を含むことが好ましい。別個に携帯可能な送風機は磁性材料を含む可能性が高く、空気管理システム10にしっかりと取り付けられていないとき、MRI環境において発射体になる深刻な危険をもたらす可能性がある。
【0047】
送風機24の質量がMRI機械12によって生成される吸引力に抵抗するのに十分ではないため、MRI機械によって発生する磁力が重力、またはそのような送風機24を所定の位置に保持する力に打ち勝つことが可能である。送風機24がMRI装置12から安全な距離に維持されない場合、送風機24は、MRI装置12のボアによって引き付けられ、そこに引き込まれ得る。これは、送風機24がMRI装置12の近傍にある操作者または患者に衝突し、負傷する可能性があるため、潜在的に危険な事態である。また、それは、MRI装置12又は送風機24自体を損傷させる可能性がある。従来、送風機24は、このようなリスクを軽減するために、MRI装置12が設置されている部屋の外側に配置されていた。
【0048】
したがって、本発明による空気管理システム10の様々な実施形態は空気管理システム10に対して所定の位置に、好ましくはMRIが送風機24の機能を妨げないMRI装置12から離れた位置に留まる位置に固定された送風機24を含むことが好ましい。さらに、本発明の様々な実施形態による空気管理システム10における送風機24の位置の構成は、送風機24の磁気構成要素によって生成される磁気吸引力を低減することが発見されている。
【0049】
同様に、患者移送装置18のための送風機24と、患者台車16のアクチュエータ(図示せず)を動作させるために使用されるモータ(図示せず)とが電気モータを含む場合、MRI機械12の強度もまた、モータの動作を妨害する可能性を有する。当業者であれば理解できるように、電気モータは典型的には機械的運動を生成するために磁場を利用し、駆動機構を提供する。これらのモータは、電磁石と固定磁石の両方を含むことができる。これらの電気モータは、外部磁場によって破壊され得る。したがって、本発明の様々な実施形態による空気管理システム10のベース部におけるモータおよび送風機24の構成は、患者移送装置18に空気を送達する適切な機能を確実にするために必要である。
【0050】
上述のように、送風機24は好ましくはMRIの磁場が送風機24の動作を妨げないように、空気管理システム10のベース部32内でMRI装置12のボアから十分に遠くに取り付けられる。
【0051】
本発明の別の態様によれば、患者移送装置18を使用してMRI装置12のボアに対して患者を移動させるための方法が提供される。この方法はMRI装置のボアに近接したキャディ10aを位置決めすることを含み、キャディ10aは50ポンド以下の最大磁気吸引力と互換性があり、床28に対して移動するように構成されたベース部32と、ベース部32に結合され、床28に対してベース部32の移動のために位置決めされた少なくとも1つの車輪34と、電動送風機24とを含み、電動送風機24は、電動送風機24がMRI装置12のボアによって生成される磁場の弱い部分内にとどまり、それによって、電動送風機24の使用中の電動送風機24の動作に対する磁場の影響を低減するように取り付けられる。この方法はベース部32を、少なくとも1つの車輪34が床28に対するキャディ10aの移動を容易にする移動方向から、少なくとも1つの車輪34が床28に対するキャディ10aの移動を容易にする静止方向に移動させることと、電動送風機24を作動させて患者移送装置18へ空気を移動させ、それによって患者移送装置18へ空気を移動させ、患者の移動を容易にすることと、電動送風機24がMRI装置12のボアに隣接し、磁場がMRI装置12のボアによって生成されている間に動作することと、患者および患者移送装置18をMRI装置12のボアに対して移動させることとを含む。
【0052】
この方法は、患者支持部20に対して患者および患者移送装置18を移動させることを含むことができる。
【0053】
本発明の一実施形態では全体的に図4図5を参照すると、エアキャディ10aなどの空気管理システム10はMRI室内の空気を、MRI室内のMRI装置12に隣接して移動させるように構成される。キャディ10aは、床28に対するキャディ10aの移動を選択的に可能にするように配置された少なくとも1つの車輪34を含むベース部32を含む。また、ベース部32は、移動方向(図1Bに示す)と静止方向(図1Aに示す)との間で移動可能である。移動方向では、ベース部32の少なくとも1つの車輪34が床28に対するキャディ10aの移動を容易にする。静止方向では、ベース部32の少なくとも1つの車輪34が床28に対するキャディ10aの移動を容易にすることが防止される。
【0054】
キャディ10aは、ベース部32に連結された電動送風機24をさらに含む。電動送風機24は固定されており、ベース部32に対する移動を阻止するように構成されている。ベース部32が静止方向にあるとき、電動送風機24は空気を移動させるように構成される。特に、電動送風機24が空気を移動させるとき、MRI室内のMRI装置12に対する送風機24の位置は変化しない。従来、このような電動送風機24は、送風機24の一方の側から他方の側に空気を搬送するように構成されている。このようにして、そのような送風機24は例えば、空気送出手段を入口または出口のいずれかに接続するように、空気を送出するかまたは引き出すことができるように構成することができる。したがって、送風機24は、圧力および/または真空を目的装置に提供するモードの両方で作用することができることが当業者には理解されよう。さらに、この種の電動送風機24は、遠心送風機、ピストン送風機、回転羽根真空ポンプ、ダイヤフラム、液環、ベンチュリシステム、スクリューポンプ、および当業者に知られている他の送風機手段のうちの1つまたは複数を含むことができることが理解されよう。用途に応じて、複数の送風機24または複数のタイプの送風機24を組み込むことができ、または、例えば、弁または開閉器または当業者に知られている他の手段を利用して、空気を送出するかまたは引き出すかのいずれかを選択的に構成するために、単一の送風機24の複数の側面に接続することができる。
【0055】
空気を引き出すように構成されたキャディ10aの電動送風機24などの電動送風機を使用して、流体管理システムを駆動することもできる。例えば、電動送風機24は体液、空気、骨片、および異物などの物品を吸引するために、様々な介入中に使用するように構成され得る。そのような流体管理システムは吸引装置、吸引器、排液管、および当業者に公知の他のシステムを含むが、これらに限定されない。このような流体管理システムの典型的な市販の例としては、例えば、DeVilbiss Vacu-Aide(登録商標)Compact Suction UnitおよびGetinge Atrium Express Dry Seal Chest Drainが挙げられる。送風機24は、他の用途及び装置と共に使用するように構成することができる。
【0056】
キャディの電動送風機24としては、各種ポンプを用いることができる。例えば、ガストモデル番号LAA-V103-NQ(部品番号RTD764)などのガストバキュームポンプを使用することができる。また、Gardner Model NoG 08-T(部品番号50238)などのGardner Denver Thomas Pumpを使用することができる。他のポンピングも同様に使用することができる。
【0057】
図2の概略図に示されるように、MRI装置12の磁場強度は、距離とともに減少する。MRI装置12によって生成される磁場の潜在的な影響を最小限に抑えるために、電動送風機24はMRI装置12に対して固定された位置に留まり、少なくともMRI装置12のベース部の近くに配置される。特に、電動送風機24は、電動送風機24がMRI室内のMRI装置12によって生成される磁場の比較的弱い部分(図2に示される磁場プロファイルなど)内に留まるように配置され、それによって、電動送風機24の使用中の電動送風機24の動作に対する磁場の影響を低減する。このように、キャディ10aはMRI室内でMRI装置12に隣接して位置決め可能であり、MRI装置12の磁界は、このような位置での電動送風機24の動作を妨げない。言い換えると、電動送風機24はMRI装置12に隣接し、かつMRI装置12によって磁場が生成されている間、機能し、動作するように構成される。具体的には、キャディ10aが50ポンド以下の最大磁気吸引力でMR対応するように構成されている。
【0058】
非限定的な例として、キャディはキャディ10aである。キャディ10aは、患者移送装置18に対して電動送風機24を移動させるように動作可能である(図4)。患者移送装置18は患者移送装置18の下側に取り付けられた空気ベアリング(図示せず)を有し、この空気ベアリングは患者移送を容易にするために、空気を移動させるように構成された電動送風機24に結合することができる。患者移送は、患者支持体20に対する患者移送装置18の移動と、患者移送装置18との間で空気を移動させるための電動送風機24の動作とを含むことができる。電動送風機24は図4図5に示すように、患者移送装置18との間で空気を移動させるように図示されているが、電動送風機24は患者移送装置18、患者ベッド、創傷ケアベッド、交互の圧力を提供するベッド、治療用途のために設計された表面、患者の快適さのために設計された表面、皮膚保護表面、空気駆動装置、真空クッション、および圧縮表面のうちの少なくとも1つとの間で空気を移動させるように構成され得ることを理解されたい。
【0059】
上述のように、電動送風機24は体液、空気、骨片、および異物などの物品を吸引するために、様々な介入中に使用するように構成され得る。
【0060】
図1A図1Cおよび図3A図3Bを参照すると、キャディ10aは、ベース部分32からなり、このベース部分32には。空気を送出または吸引するように空気を移動させるように構成された電動送風機24が結合されている。図3Bに見られるように、ベース部32は、電動送風機24に権限を供給するように構成されたバッテリ26と、床接触面36aを備える底面36とを含む。
【0061】
さらに、磁場インジケータ56(図3B)をベース部32に取り付けて、磁場インジケータ56によって感知される磁場が閾値磁場強度を超えているときに、それを示すようにしてもよい。磁場インジケータ56(図3B)は視覚フィードバック(例えば、LCDディスプレイスクリーン、LEDインジケータ)、音声フィードバック(例えば、スピーカ、ブザー)、または触覚フィードバック(例えば、触覚アクチュエータ)、または当業者に知られているフィードバックを提供するための任意の他の手段などのフィードバックを提供することができる。図3Bは磁場インジケータ56がベース部32に取り付けられていることを示しているが、ハンドル44(以下でさらに説明する)に取り付けられてもよい。磁場インジケータ56はキャディ10aが未知の磁場強度の分野で使用される場合、または追加のまたは冗長なレベルの安全性を提供する場合に、追加のユーザおよび安全性の考慮のために組み込まれ得る。
【0062】
したがって、キャディの一実施形態では、磁場インジケータおよび/またはセンサ56をキャディ10aに含めて、磁場が所定の強度を超えたときの表示を提供することができる。これは、上述のように、キャディ10aが選択された高磁場の領域に接近またはアプローチするときに信号を提供することができる。例えば、モデル501-100(100グアス)(部品番号9957-A-01828-B)またはモデル501-30(30ガウス)(部品番号9957-A-01790-B)などのコップ開発ガウスアラートを使用することができる。
【0063】
さらに、ベース部32は、可撓性ホースまたはチューブ52の端部を受け入れるための、ホース注入口(図3B)などの注入口60を含む(図4図5)。それに対応して、可撓性ホースまたはチューブ52の反対側の端部は患者移送装置18の下面に取り付けられ得るか、またはそれに関連付けられ得る、患者移送装置18(図4-5)または空気ベアリング(図示せず)の一部と連通し、それによって、電動送風機24と患者移送装置18または空気ベアリング(図示せず)との間に空気通路を形成する。言い換えれば、電動送風機24は、可撓性ホースまたはチューブ52を介して空気ベアリング(図示せず)または患者移送装置18にまたはそこから空気を移動させる。
【0064】
図3Bに見られるように、送風機24は電動送風機24がキャディ10aに対して移動しないように、キャディ10a内の固定位置にある。好ましくは、送風機24はベース部32の中央または下部領域に配置される。加えて、または任意に、バッテリ26は、ベース部32の中央領域に配置される。さらに、送風機24は送風機24が作動して空気を移動させるとき、MRI装置12に対して固定位置にもある。
【0065】
図2および図3Bに示されるように、電動送風機24は送風機24がMRI装置12によって発生される磁場の比較的弱い部分内に留まるように、キャディ10a内に配置される。この利点として、電動送風機24はキャディ10aがMRI装置12に隣接しているとき、およびMRI装置12が磁場を発生する間に作動する。
【0066】
この有利な位置決めは、電動送風機24の動作に対する磁場(図2に示す磁場プロファイルなど)の効力を低減する。これは、キャディ10a上の吸引磁力によって部分的に実証することができる。好ましい実施形態では、キャディ10a上の吸引磁力が50ポンド未満である。さらに好ましい実施形態では、キャディ10a上の吸引磁力が25ポンド未満である。これは、以下にさらに記載されるように、MR適合性試験手順: キャディ実施形態を使用して測定される。
【0067】
図1Aに示すように、ベース部32は空気管理システム10の質量を閾値質量まで増加させるために、ベース部32に取り付けられた非磁性補助質量体42を含むことができる。しかしながら、キャディ10aおよびその中の構成要素が閾値質量に達するのに十分な総質量を有するように、非磁性補助質量体42を使用せずに閾値質量に達することができることを理解されたい。
【0068】
本発明の好ましい実施形態によれば、補助質量体42などの非磁性質量体が、二重機能を達成するために提供される。具体的にはこの実施形態における第1の機能によれば、非磁性補助質量体42はキャディ10aが吸引磁力に応答して床28を離れないか、または離れることができないように、閾値質量体を提供する。例えば、非磁性補助質量体42はMRI装置12が磁場を発生するように動作しているときに、キャディ10aがMRI室内の床上にあり、MRI装置12に直接隣接しているときでさえ、磁気吸引力に打ち勝つように選択することができる。
【0069】
この実施形態における第2の機能によれば、質量体42などの非磁性補助質量体はまた、キャディ10aが所望の位置に維持される重心38を有するように、閾値質量を提供する。例えば、閾値質量はまた、キャディ10aの重心38にも影響を与え、重心を前方に移動させ、その結果、キャディ10aは他の箇所でより詳細に説明されるように、移動方向から静止方向に向かって移動するように付勢される。したがって、例えば、質量体42の重量および質量体42の位置は、この実施形態では1つまたは複数の車輪34の車軸に対して、または別の基準点に対して、キャディ10a上で重心38を前方に配置するように選択される。
【0070】
非磁性補助質量体42は、上述した1つ以上の機能以外の機能を持たないこともある。例えば、それは、第1の機能性(閾値質量)および/または第2の機能性(重心)のみを果たし得る。あるいは、非磁性補助質量体42が少なくとも1つの追加の機能(例えば、電池、器具、枠、ハウジング、またはキャディ10aの他の構成要素の機能)を果たすキャディ10aの少なくとも1つの構成要素であってもよい。例えば、非磁性補助質量体42は、キャディ10aの1つ以上の機能的構成要素に一体化され得るか、またはその一部であり得る。補助質量体42は、有利には非磁性であってもよい。
【0071】
さらに、ベース部32はさらに、キャディ10aの床28に対する移動を選択的に可能にするように配置された少なくとも1つの車輪34を有する。好ましくは、少なくとも1つの車輪34が2つの車輪を含む。キャディ10aのベース部32は少なくとも1つの車輪34を介して、2つの向き、すなわち移動方向(図1B、3B)と静止方向(図1A、3A)との間で移動可能である。静止方向では、ベース部32の少なくとも1つの床接触面36aが床28に隣接するか接触する。移動方向ではベース部32の少なくとも1つの床接触面36aが床28から離れるように、ある距離または高さhだけ離間または上昇し、少なくとも1つの車輪34の一部分は床28と接触する(図1B)。したがって、少なくとも1つの車輪34はキャディ10aが移動方向にあるとき、キャディ10aが床28を横切る任意の方向への移動を容易にする。
【0072】
静止方向では、少なくとも1つの車輪34が床28を横切るキャディ10aの移動を容易にすることが防止される。これは、動力式または手動式ブレーキ、車輪錠、および運動を抑制するための他の機械的または電子的手段など、当業者に知られている様々な方法で達成することができる。好ましくは少なくとも1つの車輪34の移動の防止がキャディ10aが移動方向にあるときに少なくとも1つの車輪34を床28に接触するように配置することによって達成されるが、キャディ10aが静止方向にあるときに少なくとも1つの車輪34は床28に接触しない。言い換えると、少なくとも1つの車輪34は床28に対して距離d(図12に見られるように)で上昇し、したがって、少なくとも1つの車輪34は、静止方向での床28に対するキャディ10aの移動を容易にすることが防止される。
【0073】
さらなる好ましい実施形態では図6に示されるように、少なくとも1つの車輪24はベース部32に取り付けられ、その結果、少なくとも1つの車輪34の中心、c、または軸と実質的に整列して位置付けられる軸の周りでキャディ10aの角度を変更するか、または傾斜させることによって、移動方向と静止方向との間で選択することが可能である。少なくとも1つの車輪34はさらに、車輪の半径rがcからベース部32の床接触面36aまでの距離Dよりも小さくなるように、ベース部32に取り付けられる。これにより、少なくとも1つの車輪34の下端と床28との間の距離dがより小さくなり、これにより、少なくとも1つの車輪34が床28から静止方向に離隔または上昇する。
【0074】
さらに好ましい実施形態では図1A図1Bに見られるように、空気管理システム10の質量中心38は静止方向で空気管理システム10の正面40に向かって軸に対して相対的に前方に配置される。一例では、キャディ10aの質量中心38がキャディ10aの前面40と少なくとも1つの車輪34の軸との間で、静止方向で少なくとも1つの車輪34の軸の前方に位置する。
【0075】
移動方向では、空気管理システム10の質量中心38が移動方向の軸上に相対的に配置される。一例では、キャディ10aの質量中心38が少なくとも1つの車輪34の中心cの比較的上方かつより近くに位置し、キャディ10aを移動または輸送するための人間工学的利点を作り出す。ハンドル44は、ベース部32に取り付けられるように構成され、ハンドル44はキャディ10aを移動可能な向きにシフトさせ、少なくとも1つの車輪34の中心cの上または上で質量中心38を相対的にシフトさせるように操作することができ、それによって、キャディ10aを床28に対する移動のために容易に案内することができる。
【0076】
さらに好ましい実施形態では図1Cに示すように、空気管理システム10の質量中心38が空気管理システム10の軸と正面42との間に配置されると、空気管理システム10は移動方向から解放されると、移動方向から静止方向に移動する傾向がある。一例では、キャディ10aのベース部32の質量中心38がキャディ10aのハンドル44が静止方向と移動方向との間の角度の範囲内で解放される場合、キャディ10aが静止方向に戻る傾向があるように位置決めされる。
【0077】
ここで図7を参照すると、患者移送装置を使用してMRI装置のボアに対して患者を移動させる方法100が提供される。方法100は、MRI装置のボアに近接してキャディを位置決めするステップと、キャディを移動方向から静止方向に移動させるステップと、空気を患者移送装置に送達または引き出すなどの空気を移動させるために電動送風機を作動させるステップと、患者および患者移送装置をMRI装置のボアに対して移動させるステップとを含む。方法100のさらなる詳細は、空気管理システム10の特徴に関して以下に記載される。
【0078】
ステップ102において、キャディがMRI装置のボアに近接して配置される。一例では空気管理システム10がMRI装置12のボアに近接して配置され、空気管理システム10は50ポンド以下の最大磁気吸引力とMR適合である。空気管理システム10は、床28に対して移動するように構成されたベース部32をさらに備える。空気管理システム10はまた、ベース部32に結合され、床28に対するベース部32の移動のために配置された少なくとも1つの車輪34を含む。また、電動送風機24が、ベース部32の中央または下部領域などのベース部32に取り付けられている。送風機24は、電動送風機24がMRI装置12のボアによって生成される磁場の比較的弱い部分(図2に示される磁場プロファイルなど)内に留まるように配置され、それによって、電動送風機24の使用中の電動送風機24の動作に対する磁場の影響を低減する。さらに、任意のステップ102は、少なくとも1つの車輪34を床28に接触するように配置して、床28に対する空気管理システム10の移動方向での相対移動を可能にすることを含む。
【0079】
ステップ104において、キャディは、移動方向から静止方向に移動される。一例では、ベース部32を有する空気管理システム10が少なくとも1つの車輪34が床28に対する空気管理システム10の移動を容易にする移動方向から、少なくとも1つの車輪34が床28に対する空気管理システム10の移動を容易にしない静止方向に移動される。さらに、任意のステップ104は少なくとも1つの車輪34が静止方向で床28に対する空気管理システム10の移動を容易にすることを防止するために、距離dの間、床28から少なくとも1つの車輪34を離間または上昇させることを含む。
【0080】
ステップ106では、患者移送装置に空気を送出するために電動送風機が作動される。一例では、電動送風機24が患者58の移動を容易にするために、空気を患者移送装置18に送達または引き出すなどのように、空気を移動させるように作動される。電動送風機24は、MRI装置12のボアに隣接している間、およびMRI装置12のボアによって磁場が生成されている間(図2に示す磁場プロファイルなど)、動作状態のままである。
ステップ108において、患者移送装置18は、MRI装置12のボアに対して移動される。
【0081】
方法100は、患者58を支持するように構成された患者支持部20と共に使用するように構成された空気管理システム10をさらに含むことができる。方法100は、患者58および患者移送装置18を患者支持部20に対して移動させることをさらに含むことができる。
【0082】
(実施例)
このキャディはMRI環境に導入された。以下の試験で使用したMRIスキャナは、Siemens MAGNETOM Prisma 3T MRIスキャナであった。キャディは、スキャナテーブルに隣接して、ボアに面して配置された。磁場検出器が、キャディが30ガウス磁場強度境界を横切ったことを示すまで、キャディをボアに向かって移動させた。キャディは、静止方向に戻され、警報が停止するまで後退した。キャディの前面からボアの面までの距離を測定し、軸位置をテープでマークした。床に沿って移動する力の測定は、キャディの車輪でバランスを取り、キャディが転がり始める(長手方向位置)まで、ホース注入口に取り付けられたストラップを引くことによって行われた。長手方向の位置を図8Bに示す。次いで、キャディを、90度回転させ、MRIテーブルを向くようにした。キャディは、最初に軸をマークするために使用されたテープの中央に置かれた。この位置(横方向位置)で、移動力測定を再度行った。横方向の位置を図8Aに示す。この手順を、100ガウス磁場強度境界、顕著な吸引力の位置、顕著な吸引力の位置からの半分の距離、およびMRI装置のボアに対して繰り返した。キャディに組み込まれた電動送風機の機能も、各位置のそれぞれで評価した。結果を以下の表にまとめる。
【0083】
【0084】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され、説明されてきたが、そのような実施形態は単なる例として提供されることが理解されるであろう。当業者であれば、本発明の精神から逸脱することなく、多数の変形、変更、および置換を想定することが可能である。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の精神および範囲内に入るすべてのそのような変更を包含することが意図される。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
【国際調査報告】