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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-12
(54)【発明の名称】表示パネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20240605BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20240605BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20240605BHJP
   G09G 3/3266 20160101ALI20240605BHJP
【FI】
G09G3/20 622D
G09G3/20 621M
G09G3/20 621L
G09G3/20 622C
G09G3/20 622G
G09G3/36
G02F1/133 550
G09G3/3266
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524426
(86)(22)【出願日】2021-10-28
(85)【翻訳文提出日】2023-04-20
(86)【国際出願番号】 CN2021126858
(87)【国際公開番号】W WO2022247135
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】202110594338.4
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】512116114
【氏名又は名称】北京京▲東▼方▲顯▼示技▲術▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING BOE DISPLAY TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.118 Jinghaiyilu,BDA,Beijing 100176,P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】邵 喜斌
(72)【発明者】
【氏名】廖 燕平
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲東▼川
(72)【発明者】
【氏名】▲繆▼ ▲應▼蒙
(72)【発明者】
【氏名】姚 ▲樹▼林
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲銀▼▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲蘇▼ 秋杰
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 建▲涛▼
【テーマコード(参考)】
2H193
5C006
5C080
5C380
【Fターム(参考)】
2H193ZA02
2H193ZC25
2H193ZC26
2H193ZE04
2H193ZF23
2H193ZF44
5C006AC11
5C006AC22
5C006BB16
5C006BF37
5C006FA31
5C006FA41
5C006FA47
5C080AA06
5C080AA10
5C080BB05
5C080DD09
5C080DD12
5C080DD22
5C080DD26
5C080FF11
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080JJ06
5C380AA01
5C380AB06
5C380AB18
5C380BA01
5C380BA08
5C380BB08
5C380CB01
5C380CB11
5C380CB14
5C380CF07
5C380CF41
5C380CF45
(57)【要約】
表示パネル及び表示装置を提供する。該表示パネルは、ゲート駆動回路と、複数本のクロック信号線と、タイミングコントローラと、複数の行ずれ防止回路と、を含み、タイミングコントローラは第1クロック信号を供給するように構成され、複数の行ずれ防止回路はタイミングコントローラ及び複数本のクロック信号線に接続され、タイミングコントローラによって供給される第1クロック信号を第2クロック信号に調整するとともに、第2クロック信号を複数本のクロック信号線に出力するように構成され、第2クロック信号の立ち下がりエッジの立ち下がり時間が第1クロック信号の立ち下がりエッジの立ち下がり時間よりも小さく、ゲート駆動回路は、複数本のクロック信号線にそれぞれ接続される、カスケード接続される複数のシフトレジスタユニットを含み、第2クロック信号を出力信号として1行ずつ出力するように構成され、複数の行ずれ防止回路の各々は少なくとも1つの抵抗器と少なくとも1つのインダクタを含む。該表示パネルは行ずれ表示を防止することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート駆動回路と、複数本のクロック信号線と、タイミングコントローラと、複数の行ずれ防止回路と、を含む表示パネルであって、
前記タイミングコントローラは第1クロック信号を供給するように構成され、
前記複数の行ずれ防止回路は前記タイミングコントローラ及び前記複数本のクロック信号線に接続され、前記タイミングコントローラによって供給される前記第1クロック信号を第2クロック信号に調整するとともに、前記第2クロック信号を前記複数本のクロック信号線に出力するように構成され、前記第2クロック信号の立ち下がりエッジの立ち下がり時間が前記第1クロック信号の立ち下がりエッジの立ち下がり時間よりも小さく、
前記ゲート駆動回路は、前記複数本のクロック信号線にそれぞれ接続される、カスケード接続される複数のシフトレジスタユニットを含み、前記第2クロック信号を出力信号として1行ずつ出力するように構成され、
前記複数の行ずれ防止回路の各々は少なくとも1つの抵抗器と少なくとも1つのインダクタを含む、表示パネル。
【請求項2】
前記少なくとも1つの抵抗器と前記少なくとも1つのインダクタは直列接続又は並列接続される、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記少なくとも1つの抵抗器の第1端子は前記タイミングコントローラに接続され、前記少なくとも1つの抵抗器の第2端子は前記少なくとも1つのインダクタに接続される、請求項1又は2に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記複数の行ずれ防止回路のそれぞれの等価抵抗器の総抵抗値は1オーム~1000オームであり、
前記複数の行ずれ防止回路のそれぞれの等価インダクタの総インダクタンスは1μH~1000μHである、請求項1~3のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記少なくとも1つの抵抗器は第1抵抗器と第2抵抗器を含み、前記少なくとも1つのインダクタは第1インダクタと第2インダクタを含み、
前記第1抵抗器と前記第1インダクタは並列接続されて第1素子を形成し、前記第2抵抗器と前記第2インダクタは並列接続されて第2素子を形成し、
前記第1素子と前記第2素子は直列接続される、請求項1又は2に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記第1素子の等価抵抗器及び前記第2素子の等価抵抗器の総抵抗値は1オーム~1000オームであり、又は、
前記第1素子の等価インダクタ及び前記第2素子の等価インダクタの総インダクタンスは1μH~1000μHである、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記第1クロック信号は時間領域で順番に配置された第1レベルと第2レベルを含み、前記第2クロック信号は前記時間領域で順番に配置された第3レベルと第4レベルを含み、
前記第1レベルは前記第2レベルよりも高く、前記第3レベルは前記第4レベルよりも高く、
前記第4レベルは第1サブレベルと第2サブレベルを含み、
前記時間領域において、前記第2サブレベルは前記第3レベルと前記第1サブレベルとの間にあり、
前記第2サブレベルは前記第1サブレベルよりも低い、請求項1~6のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記第1レベルと前記第3レベルは等しく、前記第1サブレベルと前記第2レベルは等しい、請求項7に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記第3レベルは第3サブレベルと第4サブレベルを含み、
前記時間領域において、前記第4サブレベルは前記第3サブレベルと前記第2サブレベルとの間にあり、
前記第3サブレベルは前記第4サブレベルよりも高い、請求項7又は8に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記第4サブレベルと前記第1レベルは等しい、請求項9に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記第1クロック信号は時間領域で順番に配置された第1レベルと第2レベルを含み、前記第2クロック信号は時間領域で順番に配置された第3レベルと第4レベルを含み、前記第1レベルは前記第2レベルよりも高く、前記第3レベルは前記第4レベルよりも高く、
前記第2レベルは前記第4レベルよりも高い、請求項1~6のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記第3レベルは前記第1レベルよりも高い、請求項11に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記第1クロック信号を前記第2クロック信号に変換するように構成されるレベル変換回路をさらに含む、請求項7~12のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項14】
前記複数のシフトレジスタユニットのそれぞれは入力回路と、出力回路と、第1ノード制御回路と、を含み、
前記入力回路は第1ノードに接続され、入力信号に応答して前記第1ノードを充電するように構成され、
前記出力回路は前記第1ノードに接続され、前記第1ノードのレベルの制御下で、出力信号を出力端子で出力するように構成され、
前記第1ノード制御回路は第2ノード及び第3ノードにそれぞれ接続され、前記入力信号に応答して、前記第2ノード及び前記第3ノードのレベルを制御するように構成される、請求項1~13のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項15】
前記複数のシフトレジスタユニットのそれぞれはマスタリセット回路をさらに含み、
前記マスタリセット回路は前記第1ノード及びマスタリセット端子に接続され、前記マスタリセット端子からマスタリセット信号を受信して前記マスタリセット信号に応答して、前記第1ノードのレベルを制御するように構成される、請求項14に記載の表示パネル。
【請求項16】
前記複数のシフトレジスタユニットのそれぞれは第1ノードリセット回路をさらに含み、
前記第1ノードリセット回路は前記第1ノードに接続され、リセット信号に応答して前記第1ノードをリセットするように構成される、請求項14又は15に記載の表示パネル。
【請求項17】
前記複数のシフトレジスタユニットのそれぞれは第2ノード制御回路と、第1ノードノイズ低減回路と、出力ノイズ低減回路と、をさらに含み、
前記第2ノード制御回路は前記第1ノード、前記第2ノード及び前記第3ノードにそれぞれ接続され、前記第1ノードのレベルの制御下で、前記第2ノード及び前記第3ノードのレベルを制御するように構成され、
前記第1ノードノイズ低減回路は前記第1ノード、前記第2ノード及び前記第3ノードに接続され、前記第2ノードのレベル及び前記第3ノードのレベルの制御下で、前記第1ノードをノイズ低減するように構成され、
前記出力ノイズ低減回路は前記第2ノード、前記第3ノード及び前記出力端子に接続され、前記第2ノードのレベル及び前記第3ノードのレベルの制御下で、前記出力端子をノイズ低減するように構成される、請求項14~16のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項18】
前記出力端子は、シフト出力端子と、少なくとも1つの走査信号出力端子とを含む、請求項14~17のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項19】
前記少なくとも1つの走査信号出力端子は1つの走査信号出力端子を含み、前記出力回路は第2トランジスタと、第3トランジスタと、蓄積コンデンサと、を含み、
前記第2トランジスタのゲートは前記第1ノードに接続され、前記第2トランジスタの第1極はクロック信号端子に接続されて前記第2クロック信号を受信し、前記第2トランジスタの第2極は前記シフト出力端子に接続され、
前記第3トランジスタのゲートは前記第1ノードに接続され、前記第3トランジスタの第1極は前記クロック信号端子に接続されて前記第2クロック信号を受信し、前記第3トランジスタの第2極は前記走査信号出力端子に接続され、
前記蓄積コンデンサの第1極は前記第1ノードに接続され、前記蓄積コンデンサの第2極は前記走査信号出力端子に接続され、
前記第2クロック信号は前記出力信号として前記出力端子に伝送される、請求項18に記載の表示パネル。
【請求項20】
表示領域と、前記表示領域を取り込む周辺領域と、回路基板と、をさらに含み、
前記表示領域はアレイ状に配列された複数の画素をさらに含み、前記ゲート駆動回路の出力信号を受信して表示するように構成され、
前記ゲート駆動回路、及び前記複数本のクロック信号線は前記周辺領域に位置し、前記周辺領域はコーナ部分を含み、前記コーナ部分は前記ゲート駆動回路におけるシフトレジスタユニットの一部及び前記複数本のクロック信号線を含み、
前記タイミングコントローラ及び前記行ずれ防止回路は前記回路基板に位置する、請求項1~19のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか1項に記載の表示パネルを含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は2021年5月28日に提出された中国特許出願第202110594338.4号の優先権を主張しており、上記中国特許出願で開示されたすべての内容は本開示の一部として引用されている。
【0002】
本開示の実施例は表示パネル及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
表示技術分野では、例えば液晶表示パネル又は有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)表示パネルの画素アレイは、通常、複数行のゲート走査信号線とゲート走査信号線と交差する複数列のデータ線と、を含む。ゲート走査信号線に対する駆動はバインドされる集積駆動回路により行われ得る。近年、非晶質シリコン薄膜トランジスタ又は酸化物薄膜トランジスタの製造プロセスが絶えずに発展するに伴い、ゲート走査信号線駆動回路を薄膜トランジスタアレイ基板上に直接集積してGOA(Gate driver On Array)を形成し、ゲート走査信号線を駆動することも可能になる。例えば、カスケード接続される複数のシフトレジスタユニットのGOAを画素アレイとして含む複数行のゲート走査信号線を用いてオンオフ状態電圧信号(走査信号)を供給し、例えば複数行のゲート走査信号線を制御して順次オンにさせ、また、データ線を介して画素アレイの対応する行の画素ユニットにデータ信号を供給することにより、各画素ユニットで画像の各グレースケールを表示するのに必要なグレー電圧を形成し、1フレームの画像を表示する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の少なくとも1つの実施例は、
ゲート駆動回路と、複数本のクロック信号線と、タイミングコントローラと、複数の行ずれ防止回路と、を含む表示パネルであって、
前記タイミングコントローラは第1クロック信号を供給するように構成され、前記複数の行ずれ防止回路は前記タイミングコントローラ及び前記複数本のクロック信号線に接続され、前記タイミングコントローラによって供給される前記第1クロック信号を第2クロック信号に調整するとともに、前記第2クロック信号を前記複数本のクロック信号線に出力するように構成され、前記第2クロック信号の立ち下がりエッジの立ち下がり時間が前記第1クロック信号の立ち下がりエッジの立ち下がり時間よりも小さく、
前記ゲート駆動回路は、前記複数本のクロック信号線にそれぞれ接続される、カスケード接続される複数のシフトレジスタユニットを含み、前記第2クロック信号を出力信号として1行ずつ出力するように構成され、これにより、前記出力信号の立ち下がりエッジの立ち下がり時間を短縮し、
前記複数の行ずれ防止回路の各々は少なくとも1つの抵抗器と少なくとも1つのインダクタを含む表示パネルを提供する。
【0005】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例による表示パネルでは、前記少なくとも1つの抵抗器と前記少なくとも1つのインダクタは直列接続又は並列接続される。
【0006】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例による表示パネルでは、前記少なくとも1つの抵抗器の第1端子は前記タイミングコントローラに接続され、前記少なくとも1つの抵抗器の第2端子は前記少なくとも1つのインダクタに接続される。
【0007】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例による表示パネルでは、前記行ずれ防止回路の等価抵抗器の総抵抗値は1オーム~1000オームであり、前記行ずれ防止回路の等価インダクタの総インダクタンスは1μH~1000μHである。
【0008】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例による表示パネルでは、前記少なくとも1つの抵抗器は第1抵抗器と第2抵抗器を含み、前記少なくとも1つのインダクタは第1インダクタと第2インダクタを含み、前記第1抵抗器と前記第1インダクタは並列接続されて第1素子を形成し、前記第2抵抗器と前記第2インダクタは並列接続されて第2素子を形成し、前記第1素子と前記第2素子は直列接続される。
【0009】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例による表示パネルでは、前記第1素子の等価抵抗器及び前記第2素子の等価抵抗器の総抵抗値は1オーム~1000オームであり、又は、前記第1素子の等価インダクタ及び前記第2素子の等価インダクタの総インダクタンスは1μH~1000μHである。
【0010】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例による表示パネルでは、前記第1クロック信号は時間領域で順番に配置された第1レベルと第2レベルを含み、前記第2クロック信号は前記時間領域で順番に配置された第3レベルと第4レベルを含み、前記第1レベルは前記第2レベルよりも高く、前記第3レベルは前記第4レベルよりも高く、前記第4レベルは第1サブレベルと第2サブレベルを含み、前記時間領域において、前記第2サブレベルは前記第3レベルと前記第1サブレベルとの間にあり、前記第2サブレベルは前記第1サブレベルよりも低い。
【0011】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例による表示パネルでは、前記第1レベルと前記第3レベルは等しく、第1サブレベルと第2レベルは等しい。
【0012】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例による表示パネルでは、前記第3レベルは第3サブレベルと第4サブレベルを含み、前記時間領域において、前記第4サブレベルは前記第3サブレベルと前記第2サブレベルとの間にあり、前記第3サブレベルは前記第4サブレベルよりも高い。
【0013】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例による表示パネルでは、前記第4サブレベルと前記第1レベルは等しい。
【0014】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例による表示パネルでは、前記第1クロック信号は時間領域で順番に配置された第1レベルと第2レベルを含み、前記第2クロック信号は時間領域で順番に配置された第3レベルと第4レベルを含み、前記第1レベルは前記第2レベルよりも高く、前記第3レベルは前記第4レベルよりも高く、前記第2レベルは前記第4レベルよりも高い。
【0015】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例による表示パネルでは、前記第3レベルは前記第1レベルよりも高い。
【0016】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例による表示パネルは、前記第1クロック信号を前記第2クロック信号に変換するように構成されるレベル変換回路をさらに含む。
【0017】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例による表示パネルでは、前記シフトレジスタユニットは入力回路と、出力回路と、第1ノード制御回路と、を含み、前記入力回路は第1ノードに接続され、入力信号に応答して前記第1ノードを充電するように構成され、前記出力回路は前記第1ノードに接続され、前記第1ノードのレベル信号の制御下で、出力信号を出力端子で出力するように構成され、前記第1ノード制御回路は前記第2ノード及び第3ノードにそれぞれ接続され、前記入力信号に応答して、前記第2ノード及び前記第3ノードのレベルを制御するように構成される。
【0018】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例による表示パネルでは、前記シフトレジスタユニットはマスタリセット回路をさらに含み、前記マスタリセット回路は前記第1ノード及び前記マスタリセット端子に接続され、前記マスタリセット端子から前記マスタリセット信号を受信して前記マスタリセット信号に応答して、前記第1ノードのレベルを制御するように構成される。
【0019】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例による表示パネルでは、前記シフトレジスタユニットは第1ノードリセット回路をさらに含み、前記第1ノードリセット回路は前記第1ノードに接続され、リセット信号に応答して前記第1ノードをリセットするように構成される。
【0020】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例による表示パネルでは、前記シフトレジスタユニットは第2ノード制御回路と、第1ノードノイズ低減回路と、出力ノイズ低減回路と、をさらに含み、前記第2ノード制御回路は前記第1ノード、前記第2ノード及び前記第3ノードにそれぞれ接続され、前記第1ノードのレベル信号の制御下で、前記第2ノード及び前記第3ノードのレベルを制御するように構成され、前記第1ノードノイズ低減回路は前記第1ノード、前記第2ノード及び前記第3ノードに接続され、前記第2ノード及び前記第3ノードのレベル信号の制御下で、前記第1ノードをノイズ低減するように構成され、前記出力ノイズ低減回路は前記第2ノード、前記第3ノード及び前記出力端子に接続され、前記第2ノード及び前記第3ノードのレベル信号の制御下で、前記出力端子をノイズ低減するように構成される。
【0021】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例による表示パネルでは、前記出力端子は、シフト出力端子と、少なくとも1つの走査信号出力端子と、を含む。
【0022】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例による表示パネルでは、前記少なくとも1つの走査信号出力端子は1つの走査信号出力端子を含み、前記出力回路は第2トランジスタと、第3トランジスタと、蓄積コンデンサと、を含み、前記第2トランジスタのゲートは前記第1ノードに接続され、前記第2トランジスタの第1極はクロック信号端子に接続されて前記第2クロック信号を受信し、前記第2トランジスタの第2極は前記シフト出力端子に接続され、前記第3トランジスタのゲートは前記第1ノードに接続され、前記第3トランジスタの第1極は前記クロック信号端子に接続されて前記第2クロック信号を受信し、前記第3トランジスタの第2極は前記走査信号出力端子に接続され、前記蓄積コンデンサの第1極は前記第1ノードに接続され、前記第2コンデンサの第2極は前記走査信号出力端子に接続され、前記第2クロック信号は前記出力信号として前記出力端子に伝送される。
【0023】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例による表示パネルは、表示領域と、前記表示領域を取り込む周辺領域と、回路基板と、をさらに含み、前記表示領域はアレイ状に配列された複数の画素をさらに含み、前記ゲート駆動回路の出力信号を受信して表示するように構成され、前記ゲート駆動回路、前記複数本のクロック信号線は前記周辺領域に位置し、前記周辺領域はコーナ部分を含み、前記コーナ部分は前記ゲート駆動回路におけるシフトレジスタユニットの一部及び前記複数本のクロック信号線を含み、前記タイミングコントローラ及び前記行ずれ防止回路は前記回路基板に位置する。
【0024】
本開示の少なくとも1つの実施例は、また、本開示のいずれかの実施例による表示パネルを含む表示装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例の図面を簡単に説明するが、明らかに、以下の説明における図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、本発明を制限するものではない。
図1A】画素充電タイミングの概略図である。
図1B】理想状態でのH-1Lineの表示画面の概略図である。
図1C】実際状態でのH-1Lineの表示画面の行ずれの概略図である。
図2】本開示の少なくとも1つの実施例による表示パネルの概略図である。
図3】本開示の少なくとも1つの実施例による別の表示パネルの概略図である。
図4A】本開示の少なくとも1つの実施例による第1クロック信号及び第2クロック信号の概略図である。
図4B】本開示の少なくとも1つの実施例による行ずれ防止回路を追加する前後のゲート駆動回路が出力する出力信号の概略図である。
図4C】本開示の少なくとも1つの実施例によるクロック信号線の寄生コンデンサの概略図である。
図4D】本開示の少なくとも1つの実施例による回路負荷モデルの概略図である。
図4E】本開示の少なくとも1つの実施例による表示パネルの平面概略図である。
図5】本開示の少なくとも1つの実施例による別の表示パネルの概略図である。
図6】本開示の少なくとも1つの実施例による第1クロック信号及び第2クロック信号の波形の概略図である。
図7】本開示の少なくとも1つの実施例による第2クロック信号及び出力信号の波形の概略図である。
図8】本開示の少なくとも1つの実施例による出力信号の拡大概略図である。
図9】本開示の少なくとも1つの実施例による別の第2クロック信号の概略図である。
図10】本開示一実施例によるシフトレジスタユニットの概略図である。
図11図10に示すシフトレジスタユニットの具体例の回路図である。
図12】本開示の少なくとも1つの実施例によるシフトレジスタユニットの駆動タイミング図である。
図13】本開示の少なくとも1つの実施例による表示装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、本発明の実施例の図面を参照して、本発明の実施例の技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明する実施例は本発明の実施例の一部であり、すべての実施例ではない。説明する本発明の実施例に基づいて当業者が創造的な努力を必要とせずに得る他のすべての実施例は本発明の特許範囲に属する。
【0027】
特に断らない限り、本開示で使用される技術用語又は科学用語は当業者が理解する通常の意味を有する。本開示で使用される「第1」、「第2」及び類似の用語は順序、数量又は重要性を表すものではなく、異なる構成要素を区別するものである。同様に、「1つ」、「一」又は「該」などの用語も数を制限するものではなく、少なくとも1つが存在することを示す。「含む」又は「包含」などの用語はこの用語の前に記載の素子又は物品がこの用語の後に挙げられる素子又は物品及びこれらの等同物をカバーするが、他の素子又は物品を排除しないことを指す。「結合」又は「連結」などの用語は物理的又は機械的結合に限定されるものではなく、直接か間接かを問わず電気的結合を含む。「上」、「下」、「左」、「右」などは相対位置関係を表すにすぎず、説明対象の絶対位置が変わると、該相対位置関係もその分変わる。
【0028】
以下、いくつかの具体的な実施例をもって本開示を説明する。本発明の実施例の以下の説明を明確かつ明瞭にするために、既知機能や既知部材の詳細な説明が省略されてもよい。本発明の実施例のいずれかの部材が1つ以上の図面に現れる場合、当該部材は各々の図面において同じ符号で表される。
【0029】
現在、市場のニーズに応え、ユーザエクスペリエンスを向上させるために、表示製品は高解像度化、高リフレッシュレート化している。例えば、表示スクリーンの解像度及びリフレッシュレートは8Kと120Hz(ヘルツ)、4Kと240Hzなどに達し、また、パネルメーカーはコストを下げるために、デュアルゲートを有する8K及び60Hzの表示スクリーンや無額縁表示スクリーンなどの製品をより多く開発している。これらの製品では、1H時間(1H時間とは、例えば液晶表示パネルの1行の画素がオンになる又は充電するのに必要な時間)が短いことが共通である。表1は様々な表示製品にそれぞれ対応する1H時間であり、1H時間が短いほど、該行の画素の充電が困難である。
【0030】
【表1】
【0031】
例えば、画素を充電する際に、データを正しく表示することを確保するために、画素の充電が完了した後、ゲート線におけるゲート走査信号の有効レベル(例えば、ハイレベル)の伝送を適時に停止してから、次の行の画素の充電を行わなければ、行ずれが発生し、すなわち、前の行のデータが次の行に表示されたり、次の行のデータが前の行に表示されたりする。
【0032】
図1Aは画素充電タイミングの概略図である。例えば、図1Aに示すように、ゲート走査信号がハイレベルである場合、第1行の画素に対応するデータ信号D1を第1行の画素に書き込み(すなわち、第1行の画素を充電する)、ゲート走査信号がローレベルである場合にのみ充電を終了するが、ゲート走査信号の立ち下がりエッジの立ち下がり時間Tfが長いため、ゲート走査信号が完全にローレベルになっていないうち、第2行の画素に対応するデータ信号D2が出力されてしまい、よって、行ずれ時間tが生じる。行ずれ時間t内で、第2行画素に対応するデータ信号D2の一部が第1行の画素に書き込み、第1行の画素に書き込まれたデータに歪みが生じ、すなわち、表示すべきデータ信号D1に加えて、第2行の画素に対応するデータ信号D2も含まれている。行ずれ時間tが長いほど、歪みが深刻である。
【0033】
さらに、解像度及びリフレッシュレートがそれぞれ8K及び120Hzである表示製品の実際のサンプルを検証するときに、深刻な行ずれの問題が発見されている。特に表示パネルがH-1line画面(Pattern)を表示する場合、行ずれの存在により、表示製品で表示される画面は図1Bに示す理想状態でのH-1Lineの表示画面(例えば図1Bに示すように、黒線が黒のみ、白線が白のみを表示する画面)ではなく、例えば図1Cに示すように黒線の黒も白線の白も不十分である画面になり、このため、H-1Line画面には行ずれが発生しており、すなわち、表示画面は完全に歪んでしまう。行ずれが深刻である場合、H-1line画面が全行点灯している。
【0034】
このため、例えば解像度及びリフレッシュレートが8K、120Hzである表示製品の重負荷H-1line画面の行ずれの問題を解決するために、ゲート線の負荷(抵抗器及びコンデンサ)を低減させる必要がある。ただし、解像度が8Kである表示製品のゲート線がすべて銅線であり、またプロセスの上でプロセスにより実現可能な最大の銅厚さになるため、プロセスだけでゲート線の負荷を低下させると、最適化には限りがあり、このため、他の解決方法が求められる。
【0035】
本開示の少なくとも1つの実施例は表示パネルを提供し、前記表示パネルは、ゲート駆動回路と、複数本のクロック信号線と、タイミングコントローラと、複数の行ずれ防止回路と、を含み、タイミングコントローラは第1クロック信号を供給するように構成され、複数の行ずれ防止回路はタイミングコントローラ及び複数本のクロック信号線に接続され、タイミングコントローラによって供給される第1クロック信号を第2クロック信号に調整するとともに、第2クロック信号を複数本のクロック信号線に出力するように構成され、第2クロック信号の立ち下がりエッジの立ち下がり時間が第1クロック信号の立ち下がりエッジの立ち下がり時間よりも小さく、ゲート駆動回路は、複数本のクロック信号線にそれぞれ接続される、カスケード接続される複数のシフトレジスタユニットを含み、ゲート駆動回路は、第2クロック信号を出力信号として1行ずつ出力するように構成され、これにより、出力信号の立ち下がりエッジの立ち下がり時間を短縮し、複数の行ずれ防止回路の各々は少なくとも1つの抵抗器と少なくとも1つのインダクタを含む。
【0036】
本開示の実施例の表示パネルでは、タイミングコントローラとゲート駆動回路との間にインダクタが直列接続されることにより、誘導性負荷が形成され、クロック信号線における容量性負荷が相殺され、これにより、クロック信号線には抵抗性負荷のみが存在し、クロック信号線における寄生コンデンサによりクロック信号の立ち下がりエッジの立ち下がり時間が長くなることが回避され、行ずれ表示が避けられる。また、タイミングコントローラとゲート駆動回路との間に抵抗器が直列接続されることにより、クロック信号線における電流が減少し、クロック信号線の発熱が低減し、表示パネルの性能が向上する。
【0037】
以下、図面を参照して本開示の実施例及びいくつかの例について詳細に説明する。
【0038】
図2は本開示の少なくとも1つの実施例による表示パネルの概略図である。例えば、該表示パネルは解像度が8K、リフレッシュレートが120Hzの表示パネルであってもよいが、他の解像度又はリフレッシュレートを持つ表示パネルであってもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。例えば、図2に示すように、いくつかの例では、該表示パネル1はゲート駆動回路10を含む。例えば、図2に示すように、別のいくつかの例では、該表示パネル1は表示領域40をさらに含み、表示領域40はゲート駆動回路10に接続される画素アレイを含み、画素アレイは多行多列のサブ画素410を含む。例えば、別のいくつかの例では、該表示パネル1はデータ駆動回路30と複数本のデータ線DLをさらに含んでもよい。複数本のデータ線Dは複数列のサブ画素410に電気的に接続され、データ駆動回路30によって供給されるデータ信号を複数列のサブ画素410に伝送するように構成される。
【0039】
例えば、データ駆動回路30はデータ信号を画素アレイに供給し、ゲート駆動回路10はゲート走査信号を画素アレイに供給するためのものである。データ駆動回路30はデータ線DLを介してサブ画素410に電気的に接続され、ゲート駆動回路10はゲート走査信号線GLを介してサブ画素410に電気的に接続される。
【0040】
例えば、該ゲート駆動回路は、例えば液晶表示パネル、有機発光ダイオードの表示パネルなどの表示パネルを駆動し、表示パネルの複数本のゲート走査信号線にゲート走査信号を順次供給し、表示パネルが1フレームの画面を表示する間にプログレッシブ走査やインターレース走査などを行うためのものである。
【0041】
図3は本開示の少なくとも1つの実施例による別の表示パネルの概略図である。例えば、図3に示すように、図2に示す例に基づいて、この表示パネル1は複数本のクロック信号線CLK1~CLKm(mは0よりも大きい偶数)と、タイミングコントローラ300と、複数の行ずれ防止回路と、をさらに含む。明確かつ簡潔にするために、図3には、表示領域40及びデータ駆動回路30が示されており、これらの詳細は図2の説明を参照すればよく、ここでは詳しく説明しない。
【0042】
例えば、mは2、4、6、12、16などであってもよく、すなわち、複数本のクロック信号線は2、4、6、12、16本などであってもよく、すなわち、クロック信号線の本数は2の整数倍であり、本開示の実施例はこれを限定しない。例えば、複数本のクロック信号線の間の間隔は4μm~100μmの間、例えば4~20μmであってもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0043】
例えば、タイミングコントローラ300は第1クロック信号を供給するように構成される。
【0044】
例えば、複数の行ずれ防止回路400はタイミングコントローラ300及び複数本のクロック信号線CLK1~CLKmに接続され、タイミングコントローラ300によって供給される第1クロック信号を第2クロック信号に調整するとともに、第2クロック信号を複数本のクロック信号線CLK1~CLKmに出力するように構成される。
【0045】
例えば、いくつかの例では、複数の行ずれ防止回路400は複数本のクロック信号線CLK1に1対1で対応して接続設けられ、すなわち、1本のクロック信号線は1つの行ずれ防止回路400に接続され、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0046】
例えば、別のいくつかの例では、ピーク電流などを低下させるために、該行ずれ防止回路400はタイミングコントローラ300と、例えば、図10に示す第1電圧端子~第4電圧端子に第1電圧~第4電圧を供給する電源線など他の電源線との間に設けられてもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0047】
例えば、図3に示すように、ゲート駆動回路10は、複数本のクロック信号線CLK1~CLKmにそれぞれ接続される、カスケード接続される複数のシフトレジスタユニットGOAを含み、ゲート駆動回路10は、第2クロック信号を出力信号として1行ずつ出力するように構成され、これにより、出力信号の立ち下がりエッジの立ち下がり時間を短縮する。
【0048】
例えば、m=12の場合、図3に示すように、複数本のクロック信号線は、第1クロック信号線CLK1、第2クロック信号線CLK2、第3クロック信号線CLK3、第4クロック信号線CLK4、第5クロック信号線CLK5、第6クロック信号線CLK6、第7クロック信号線CLK7、第8クロック信号線CLK8、第9クロック信号線CLK9、第10クロック信号線CLK10、第11クロック信号線CLK11、第12クロック信号線CLK12を含む。
【0049】
例えば、図3に示すように、第1クロック信号線CLK1は第12n-11段のシフトレジスタのクロック信号端子に接続され、第2クロック信号線CLK2は第12n-10段のシフトレジスタのクロック信号端子に接続され、第3クロック信号線CLK3は第12n-9段のシフトレジスタのクロック信号端子に接続され、第4クロック信号線CLK4は第12n-8段のシフトレジスタのクロック信号端子に接続され、第5クロック信号線CLK5は第12n-7段のシフトレジスタのクロック信号端子に接続され、第6クロック信号線CLK6は第12n-6段のシフトレジスタのクロック信号端子に接続され、第7クロック信号線CLK7は第12n-5段のシフトレジスタのクロック信号端子に接続され、第8クロック信号線CLK8は第12n-4段のシフトレジスタのクロック信号端子に接続され、第9クロック信号線CLK9は第12n-3段のシフトレジスタのクロック信号端子に接続され、第10クロック信号線CLK10は第12n-2段のシフトレジスタのクロック信号端子に接続され、第11クロック信号線CLK11は第12n-1段のシフトレジスタのクロック信号端子に接続され、第12クロック信号線CLK12は第12n段のシフトレジスタのクロック信号端子に接続され、nは1以上の整数である。
【0050】
なお、他の本数のクロック信号線の場合は、シフトレジスタユニットとの接続方式が12本のクロック信号線の場合と類似しているので、ここでは詳しく説明しない。もちろん、他の接続方式を採用してもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0051】
図4Aは本開示の少なくとも1つの実施例による第1クロック信号及び第2クロック信号の概略図であり、図4Bは本開示の少なくとも1つの実施例による行ずれ防止回路400を追加する前後のゲート駆動回路が出力する出力信号の概略図である。例えば、図4Aに示すように、上下の2つの波形図は、それぞれタイミングコントローラ300の近位端にある第1クロック信号と第2クロック信号の比較図、及びタイミングコントローラ300の遠位端にある第1クロック信号と第2クロック信号の比較図である。
【0052】
例えば、図4Aに示すように、第2クロック信号(図4Aの実線に示す波形)の立ち下がりエッジの立ち下がり時間t1は第1クロック信号(図4Aの点線に示す波形)の立ち下がりエッジの立ち下がり時間t2よりも小さい。
【0053】
例えば、図4Bに示すように、実線はゲート駆動回路が出力する第2クロック信号を出力信号とし、点線はゲート駆動回路が出力する第1クロック信号を出力信号とする。図4Bに示すように、ゲート駆動回路10が第2クロック信号を出力信号として1行ずつ出力する場合、出力信号の立ち下がりエッジの立ち下がり時間がt2からt1に短縮され、これにより、行ずれの発生を回避できる。
【0054】
図4Cは本開示の少なくとも1つの実施例によるクロック信号線の寄生コンデンサの概略図である。
【0055】
例えば、図4Cに示すように、クロック信号線CLK1の容量負荷は、クロック信号線CLK1のアダプタ電極E1と異なるシフトレジスタユニットに接続されるクロック信号線CLK2~CLKmとの重なり箇所で発生する寄生コンデンサC11、及びシフトレジスタユニットの出力トランジスタ(図12に示す第3トランジスタT3)のゲートとアダプタ電極E1との重なり箇所で発生する寄生コンデンサC21に由来する。本開示のいくつかの実施例では、クロック信号線にインダクタを直列接続して誘導性負荷を導入することにより、クロック信号線の容量性負荷(例えば、寄生コンデンサC11及びC21)を相殺し、クロック信号のインピーダンスを低下させ、クロック信号の立ち下がりエッジの立ち下がり時間を減少させ、出力信号の立ち下がりエッジの立ち下がり時間を減少させることができ、これによって、行ずれの発生を回避することができる。
【0056】
なお、明瞭かつ簡潔にするために、以上では、クロック信号線CLK1のみを例にして説明したが、残りのクロック信号線CLK2~CLKmはクロック信号線CLK1と類似しているので、ここでは詳しく説明しない。
【0057】
例えば、複数の行ずれ防止回路400の各々は、少なくとも1つの抵抗器と、少なくとも1つのインダクタと、を含む。例えば、少なくとも1つの抵抗器及び少なくとも1つのインダクタは直列接続又は並列接続される。
【0058】
例えば、各々の行ずれ防止回路400の等価抵抗器の総抵抗値は1オーム(Ω)~1000オームであり、各々の行ずれ防止回路の等価インダクタの総インダクタンスは1μH~1000μHである。例えば、いくつかの例では、各々の行ずれ防止回路400の等価抵抗器の総抵抗値は150Ωであり、各々の等価インダクタの総インダクタンスは100μHであり、もちろん、他の数値であってもよく、実際の状況に応じて決定されてもよいが、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0059】
例えば、少なくとも1つの抵抗器の第1端子はタイミングコントローラ300に接続され、少なくとも1つの抵抗器の第2端子は少なくとも1つのインダクタに接続される。
【0060】
例えば、図3に示すように、クロック信号線CLK1に接続される行ずれ防止回路400は抵抗器R1とインダクタL1を含む。例えば、クロック信号線CLK2に接続される行ずれ防止回路400は抵抗器R2とインダクタL2を含み、クロック信号線CLK3に接続される行ずれ防止回路400は抵抗器R3とインダクタL3を含み、クロック信号線CLKm-1に接続される行ずれ防止回路400は抵抗器Rm-1とインダクタLm-1を含み、クロック信号線CLKmに接続される行ずれ防止回路400は抵抗器RmとインダクタLmを含む。
【0061】
例えば、抵抗器R1~Rmの第1端子はタイミングコントローラ300に接続され、抵抗器R1~Rmの第2端子はインダクタL1~Lmの第1端子にそれぞれ接続され、インダクタL1~Lmの第2端子はそれぞれ複数本のクロック信号線CLK1~CLKmに1対1で対応して接続される。
【0062】
例えば、上記の各抵抗器の抵抗値は等しくてもよく、例えば、抵抗器R1の抵抗値=抵抗器R2の抵抗値=抵抗器R3の抵抗値=抵抗器Rm-1の抵抗値=抵抗器Rmの抵抗値、例えば、=150Ωであり、もちろん、上記の各抵抗器の抵抗値は等しくなくてもよく、例えば、タイミングコントローラ300からクロック信号線までの間隔に応じて決定されてもよく、タイミングコントローラ300からクロック信号線までの間隔が大きいほど、抵抗値が小さく、例えば、抵抗器R1の抵抗値<抵抗器R2の抵抗値<抵抗器Rmの値であり、具体的には、実際の状況に応じて決定されてもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0063】
例えば、上記の各インダクタのインダクタンスは等しくてもよく、例えば、インダクタL1のインダクタンス=インダクタL2のインダクタンス=インダクタL3のインダクタンス=インダクタL3m-1のインダクタンス=インダクタLmのインダクタンス、例えば、=100μHであり、もちろん、上記の各个インダクタのインダクタンスは等しくなくてもよく、例えば、タイミングコントローラ300からクロック信号線までの間隔に応じて決定されてもよく、タイミングコントローラ300からクロック信号線までの間隔が大きいほど、インダクタンスが小さく、例えば、インダクタL1のインダクタンス<インダクタL2のインダクタンス<インダクタLmのインダクタンスであり、具体的には、実際の状況に応じて決定されてもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0064】
なお、明瞭かつ簡潔にするために、図3においては、少なくとも1つの抵抗器は1つの抵抗器を含み、少なくとも1つのインダクタは1つのインダクタを含み、該抵抗器とインダクタは直列接続される場合のみが示されているが、本開示の実施例はこれを限定せず、複数の抵抗器及びインダクタを含んでもよい。
【0065】
図4Eは本開示の少なくとも1つの実施例による表示パネルの平面概略図であり、図4Eに示すように、該表示パネルは、表示領域11と、表示領域11を取り込む周辺領域12と、を含む。例えば、周辺領域12が曲がった場合、周辺領域12はコーナ部分13を含む。例えば、表示領域11はゲート駆動回路の出力信号を受信してゲート走査信号として表示する、アレイ状に配列された複数の画素を含む。周辺領域12は表示領域11中の複数のサブ画素を表示駆動するゲート駆動回路10や複数本のクロック信号線などの構造を含む。
【0066】
例えば、図4Eに示すように、該表示パネルは回路基板600をさらに含み、例えば、タイミングコントローラ300及び行ずれ防止回路400は該回路基板600に設けられてもよく、具体的な構成は本分野の構成を参照すればよいので、ここでは詳しく説明しない。
【0067】
いくつかの例では、タイミングコントローラ300とインダクタL1との間のクロック信号線に抵抗器R1を直列接続することによって、表示パネルのコーナ部分の温度を下げ、表示パネルが深刻に発熱して黒くなったりする問題や火災のリスクを回避することができる。解像度が8K、リフレッシュレートが120Hzの表示製品では、クロック信号線の信号伝送頻度が高いため、シフトレジスタユニットGOAの駆動能力が高く、クロック信号線の電流が大きく、表示パネルのコーナ部分では、クロック信号線の配線が曲がったので配線が密になり、そして、額縁を考慮して、一般には温度が高く、検証データでテストした結果、解像度が8K、リフレッシュレートが120Hzの表示パネルが作動するときに、コーナの温度が70℃以上に達し、抵抗器を直列接続することにより、表示パネルのコーナ部分の温度を50℃に下げることができ、このため、クロック信号線に抵抗器を直列接続することにより、表示パネルのコーナ部分の温度を下げ、ユーザエクスペリエンスを向上させ、表示パネルの寿命を延ばすことができる。
【0068】
すべてのパッシブデバイスが抵抗器とインダクタを直列接続したもの、抵抗器とコンデンサを並列接続直列接続したものに等価である。このため、図3に示す直列接続する抵抗器及びインダクタはすべてデバイスが最も少ない例であり、別のいくつかの例では、例えば抵抗器の傍にインダクタを並列接続しても、インダクタの傍に抵抗器を並列接続しても、本開示の特許範囲に属し、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0069】
図5は本開示の少なくとも1つの実施例による別の表示パネルの概略図である。例えば、図5に示すように、本例では、少なくとも1つの抵抗器は第1抵抗器R1と第2抵抗器R1’を含み、少なくとも1つのインダクタは第1インダクタL1’と第2インダクタL1を含み、第1抵抗器R1と第1インダクタL1’は並列接続されて第1素子410を形成し、第2抵抗器R1’と第2インダクタL1は並列接続されて第2素子420を形成する。例えば、図5に示すように、該第1素子410と第2素子420は直列接続される。
【0070】
例えば、本例では、第1素子410及び第2素子420はインダクタに等価であってもよく、第1素子410の等価インダクタ及び第2素子420の等価インダクタの総インダクタンスは1μH~1000μHであってもよく、又は、別のいくつかの例では、第1素子及び第2素子が抵抗器に等価である場合、第1素子の等価抵抗器及び第2素子の等価抵抗器の総抵抗値は1オーム~1000オームである。
【0071】
例えば、別のいくつかの例では、例えば、第1素子410又は第2素子420は直列接続又は並列接続される複数の抵抗器を含んでもよい。例えば、行ずれ防止回路400が1つの抵抗器のみを含む場合、該抵抗器の抵抗値は1オーム~1000オームであり、並列接続される2つの抵抗器を含む場合、各々の抵抗器の抵抗値は2000オームであってもよく、これにより、並列接続された抵抗値は1000オームになり、該第1素子410の等価抵抗器又は第2素子420の等価抵抗器の抵抗値(すなわち、行ずれ防止回路400の等価抵抗器の総抵抗値)が1オーム~1000オームであることを満たせばよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0072】
例えば、別のいくつかの例では、例えば、第1素子410又は第2素子420は直列接続又は並列接続される複数のインダクタを含んでもよい。例えば、行ずれ防止回路400が1つのインダクタのみを含む場合、該インダクタのインダクタンスは1μH~1000μHであり、直列接続又は並列接続される複数のインダクタを含む場合、各々のインダクタの抵抗値は実際の状況に応じて調整されてもよく、該第1素子410の等価インダクタ又は第2素子420の等価インダクタの総インダクタンス(すなわち、行ずれ防止回路400の等価インダクタの総インダクタンス)が1μH~1000μHであることを満たせばよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0073】
図4Dは本開示の少なくとも1つの実施例による回路負荷モデルの概略図である。例えば、図4Dに示すように、1つの回路ネットワークに対しては、負荷はすべてRLCネットワークとして抽象化されてもよく、該ネットワークインピーダンスは以下のとおりである。
【数1】
【0074】
ここで、実部Rは抵抗であり、虚部
【0075】
【数2】
【0076】
はリアクタンスであり、w=2πfは角周波数であり、fは信号周波数であり、jは虚数単位である。
【0077】
例えば、インピーダンス振幅はZのモードである。上記式から分かるように、回路におけるCが一定である場合、インダクタLを増大すると、回路インピーダンスZを減少させることができ、
【0078】
【数3】
【0079】
の場合、回路インピーダンスが最小であって、抵抗値Rである。これ以降、インダクタを再度増大すると、インピーダンスはまた増大し始める。
【0080】
本開示の上記の実施例の表示パネルでは、タイミングコントローラとゲート駆動回路との間にインダクタが直列接続されることにより、誘導性負荷が形成され、クロック信号線における容量性負荷が相殺され、これにより、クロック信号線には抵抗性負荷のみが存在し、クロック信号線における寄生コンデンサによりクロック信号の立ち下がりエッジの立ち下がり時間が長くなることが回避される。また、タイミングコントローラとゲート駆動回路との間に抵抗器が直列接続されることにより、クロック信号線における電流が減少し、クロック信号線の発熱が低減し、表示パネルの性能が向上する。
【0081】
図6は本開示の少なくとも1つの実施例による第1クロック信号及び第2クロック信号の波形の概略図であり、図7は本開示の少なくとも1つの実施例による第2クロック信号及び出力信号の波形の概略図であり、図8は本開示の少なくとも1つの実施例による出力信号の拡大概略図である。
【0082】
例えば、ゲート駆動回路では、出力端子が出力する出力信号の波形はゲート駆動回路の入力波形に依存し、すなわち、クロック信号線が供給する第2クロック信号の波形に依存する。例えば、クロック信号線が供給する第2クロック信号の波形はマルチレベルを含み、これにより、ゲート駆動回路の出力端子が出力する出力信号の波形もマルチレベルを含み、例えば、図7に示すように、マルチレベルとは、1つのローレベルがマルチローレベルを含むか、又は1つのハイレベルがマルチハイレベルを含むことを意味し、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0083】
例えば、マルチレベルの第2クロック信号は出力信号の立ち下がりエッジの立ち下がり時間が長いという問題を最適化することができ、例えば、出力信号の立ち下がりエッジの10%(VGH-VGL1)~90%(VGH-VGL1)の部分に基づいて立ち下がりエッジの立ち下がり時間を判断し、出力信号の波形がマルチレベルになった後、出力信号の立ち下がりエッジがアンダーシュートを形成し、出力信号の立ち下がりエッジの立ち下がり時間が小さくなる。例えば、VGHは図6に示す第1レベルであり、VGL1は図10に示す第1電圧端子が供給する第1電圧である。シフトレジスタユニットの出力端子から出力されるローレベルが図10に示す出力ノイズ低減回路180の導通である場合、第1電圧端子VGL1によって供給される第1電圧を出力端子に出力するため、立ち下がりエッジのアンダーシュート高さの値がVGH~VGL1である。
【0084】
例えば、いくつかの例では、第1クロック信号は時間領域で順番に配置された第1レベルVGHと第2レベルLVGLを含み、第2クロック信号は前記時間領域で順番に配置された第3レベルVGH3と第4レベルを含み、第1レベルVGHは第2レベルLVGLよりも高く、第3レベルVGH3は第4レベルよりも高く、第4レベルは第1サブレベルLVGL1と第2サブレベルLVGL2を含み、時間領域において、第2サブレベルLVGL2は第3レベルVGH3と第1サブレベルLVGL1との間にある。例えば、いくつかの例では、第2サブレベルLVGL2は第1サブレベルLVGL1よりも低く、これにより、第2クロック信号の立ち下がりエッジは第3レベルVGH3から第2サブレベルLVGL2までのアンダーシュートを形成し、立ち下がりエッジの立ち下がり時間を短縮することができる。
【0085】
例えば、いくつかの例では、第1サブレベルLVGL1=-10V(ボルト)であり、第2サブレベルLVGL2=-15Vであり、もちろん、他の数値であってもよく、例えば、第1サブレベル及び第2サブレベルの値の範囲は-4V~-20Vであってもよく、具体的には、実際の状況に応じて決定されてもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0086】
例えば、第1サブレベルLVG1は図10に示す第1電圧端子VGL1によって供給される第1電圧に等しくてもよく、例えば、両方ともに-10Vであり、図10に示す第2電圧端子VGL2によって供給される第2電圧は例えば-8Vであり、具体的には、実際の状況に応じて決定されてもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0087】
例えば、本開示のいくつかの実施例では、第1レベルVGH及び第3レベルVGH3はハイレベルであり、第2レベルLVGL及び第4レベルはローレベルであり、以下の実施例でも同様であるため、ここでは詳しく説明しない。
【0088】
例えば、図6に示すように、第1レベルVGHと第3レベルVGH3は等しく又はほぼ等しく、第1サブレベルLVGL1と第2レベルLVGLは等しく又はほぼ等しく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0089】
例えば、図8に示すように、ゲート駆動回路は第2クロック信号を出力信号として出力するため、出力信号の立ち下がりエッジも第3レベルVGH3から第2サブレベルLVGL2までのアンダーシュートを形成し、出力信号の立ち下がりエッジの立ち下がり時間を短縮することができ、出力信号の立ち下がりエッジの立ち下がり時間を第1時間(すなわち、立ち下がり時間はA1からA3までの水平方向の距離)から第2時間(すなわち、立ち下がり時間はA1からA2までの水平方向の距離)に短縮することができる。
【0090】
図9は本開示の少なくとも1つの実施例による別の第2クロック信号の概略図である。
【0091】
例えば、図9に示すように、別のいくつかの例では、第3レベルVGH3は第3サブレベルVGH5と第4サブレベルVGH4を含み、時間領域において、第4サブレベルVGH4は第3サブレベルVGH5と第2サブレベルLVGL2との間にあり、すなわち、時間領域において、第3サブレベルVGH5>第4サブレベルVGH4>第2サブレベルLVGL2>第1サブレベルLVGL1である。
【0092】
例えば、第3サブレベルVGH5は第4サブレベルVGH4よりも高く、これにより、該第2クロック信号の第3サブレベルVGH5を出力する場合、容量の電荷保存則に従って、第3トランジスタT3のゲート(すなわち、図12に示すN1ノード)の電圧を高め、第3トランジスタT3をより完全にオンにすることができ、具体的には、図10図12についての以下の説明を参照すればよいので、ここでは詳しく説明しない。
【0093】
例えば、いくつかの例では、第4サブレベルVGH4と第1レベルVGHは等しく又はほぼ等しく、すなわち、第4サブレベルVGH4と第3レベルVGH3は等しく又はほぼ等しく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0094】
例えば、図6及び図9に示すように、該第2サブレベルLVGL2及び第3サブレベルVGH5の幅は0.5H-m/2H、0.5H-2Hであってもよく、1Hは1行の画素を充電するのに要する時間である。例えば、12本のクロック信号線を含む、すなわち、m=12の場合、第2サブレベルLVGL2及び第3サブレベルVGH5の幅は6H、すなわち、1行のサブ画素を充電するのに要する時間の6倍以下であってもよく、具体的な幅の範囲は実際の状況に応じて決定されてもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0095】
例えば、いくつかの例では、第2クロック信号の波形はマルチレベルを採用するのではなく、立ち下がりエッジでVGH5~LVGL2のアンダーシュートを直接形成してもよい。例えば、本例では、第1クロック信号は時間領域で順番に配置された第1レベルと第2レベルを含み、第2クロック信号は時間領域で順番に配置された第3レベルと第4レベルを含み、第1レベルは第2レベルよりも高く、第3レベルは第4レベルよりも高く、第2レベルは第4レベルよりも高い。第3レベルは第1レベルよりも高い。
【0096】
例えば、第1レベルは図6に示すVGHであり、第2レベルは図6に示すLVGLであり、第3レベルは図9に示すVGH5であり、第4レベルは図6又は図9に示すLVGL2であり、これらの幅はすべてm/2Hである。
【0097】
該実施例では、第2クロック信号の波形立ち下がりエッジがVGH5~LVGL2のアンダーシュートを形成し、該アンダーシュートは第1クロック信号の立ち下がりエッジでのアンダーシュートVGH-LVGLよりも大きいため、立ち下がりエッジの立ち下がり時間が短縮される。
【0098】
例えば、第1レベルVGH、第3レベルVGH3、第3レベルVGH3に含まれる第3サブレベルVGH5及び第4サブレベルVGH4、図10に示す第3電圧端子VGH1によって供給される第3電圧、図10に示す第4電圧端子VGH2によって供給される第4電圧の値の範囲はいずれも25V~40Vであってもよく、例えば、図9に示す例では、第1レベルVGHは32Vであり、第3サブレベルVGH5は36Vであり、第4サブレベルVGH4は32Vであり、図6に示す例では、第3レベルVGH3は32Vであり、具体的には、実際の状況に応じて決定されてもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0099】
例えば、別のいくつかの例では、該表示パネルは、ロジックレベル信号を第1クロック信号に変換するか、又は第1クロック信号を図6又は図9に示す上記のマルチ信号を有する第2クロック信号に変換するように構成されるレベル変換回路(図示せず)をさらに含む。
【0100】
例えば、いくつかの例では、レベル変換回路は、ロジックレベルを、マルチ信号を有する第1クロック信号に変換し、次に、該第1クロック信号を行ずれ防止回路400に出力することができ、行ずれ防止回路はマルチ信号を有する第2クロック信号を複数本のクロック信号線に出力し、別のいくつかの例では、レベル変換回路は、第1クロック信号を、図6又は図9に示す上記のマルチ信号を有する第2クロック信号に変換し、次に、行ずれ防止回路に入力することができる。また、行ずれ防止回路から第2クロック信号を受信してから、レベル変換回路によって第2クロック信号についてマルチレベル設定を行い、次に、マルチレベルに設定された第2クロック信号を複数本のクロック信号線に出力してもよい、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0101】
例えば、該クロック信号は、ハイレベルが1つ、ローレベルが複数、又はハイレベルとローレベルの両方が複数であるマルチレベルのデザインを採用し、これにより、第2クロック信号がアンダーシュートを形成して、立ち下がりエッジの立ち下がり時間の遅延が低減し、出力信号の立ち下がりエッジの立ち下がり時間が短縮され、これにより、ゲート駆動回路の駆動能力はある程度増強され得、例えば解像度4Kの表示製品、解像度8Kの表示製品、チップオンフィルム(COF:Chip On Flex又はChip On Film)製品など、すべての製品の駆動に有用になる。
【0102】
例えば、いくつかの実施例では、クロック信号のマルチレベル構成だけを採用してもよく、このような場合も、シフトレジスタユニットの駆動能力はある程度増強され得る。
【0103】
例えば、別のいくつかの例では、タイミングコントローラ300と複数本の信号線との間に抵抗器のみを直列接続してもよく、これにより、クロック信号線の電流を効果的に低下させ、表示パネルのコーナ部での温度を大幅に下げ、これは、クロック信号線の数が少なく充電率が十分である製品に適している。
【0104】
例えば、別のいくつかの例では、タイミングコントローラ300と複数本の信号線との間にインダクタのみを直列接続してもよく、インダクタンス値は例えば10μH~500μHの間であり、これにより、クロック信号線の遅延を大幅に最適化させ、シフトレジスタユニットの駆動能力を高めることができ、これは、充電率の向上が必要であり、GOEエッジが不十分である製品に適しており、画面に横縞がある製品にも適している。
【0105】
なお、上記の各実施例を任意に組み合わせることができ、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0106】
例えば、シフトレジスタユニットは、例えば、4T1C、10T4C、21T1Cなど本分野の回路構造を採用してもよく、本開示の実施例はこれを限定せず、その具体的な駆動過程は本分野の通常の説明を参照すればよいので、ここでは詳しく説明しない。
【0107】
図10は本開示の一実施例によるシフトレジスタユニットの概略図である。図10に示すように、該シフトレジスタユニット500は、入力回路110と、出力回路120と、第1ノードN1と、第1ノード制御回路130と、を含む。ゲート駆動回路は複数の該シフトレジスタユニット500をカスケード接続することにより得られ得、該ゲート駆動回路は表示パネルを駆動し、表示パネルの複数本のゲート線に走査信号を順次供給し、表示パネルに1フレームの画面を表示する間にプログレッシブ走査やインターレース走査等を行うためのものである。
【0108】
図10に示すように、入力回路110は第1ノードN1(例えば、ここではプルアップノード)に接続され、入力信号に応答して第1ノードN1を充電するように構成される。例えば、いくつかの例では、入力回路110は入力信号端子INT及び第1ノードN1に接続され、入力信号端子INTによって供給される入力信号の制御下で導通するように構成され、これにより、入力信号端子INTは第1ノードN1に接続され、入力信号端子INTによって供給される入力信号は第1ノードN1に入力され、第1ノードN1の電位は作動電位に充電される(例えばプルアップ)。
【0109】
出力回路120は出力端子OUTを含み、第1ノードN1に接続され、第1ノードN1のレベル信号の制御下で、出力信号を出力端子OUTで出力するように構成される。例えば、いくつかの例では、出力回路120はクロック信号端子CLK、第1ノードN1及び出力端子OUTに接続され、第1ノードN1のレベル信号の制御下で導通し、クロック信号端子CLKによって供給される第2クロック信号を出力端子OUTに伝送し、出力信号として出力端子OUTで出力するように構成される。又は、別の例では、出力回路120はまた、1つの電圧端子に接続され、クロック信号端子CLKによって供給される第2クロック信号を制御信号として、該電圧端子と出力端子OUTを接続するか否かを制御し、該電圧端子の電圧信号を出力端子OUTに伝送して、出力信号として出力端子OUTで出力するか否かを制御する。
【0110】
例えば、クロック信号端子CLKはクロック信号線CLK1~CLKmのうちの1つに接続されて、第2クロック信号を受信し、第2クロック信号を出力信号として出力端子OUTに出力する。
【0111】
例えば、出力端子OUTは、複数の出力端子、例えばシフト出力端子と少なくとも1つの走査信号出力端子を含んでもよく、これにより、出力信号例えばクロック信号端子CLKによって供給される第2クロック信号をシフト出力端子及び走査信号出力端子に出力し、高該シフトレジスタユニット500の駆動能力を高める。例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によるシフトレジスタユニットでは、少なくとも1つの走査信号出力端子は1つの走査信号出力端子を含む。例えば、シフト出力端子は次段のシフトレジスタユニット500に入力信号及びリセット信号を供給し、走査信号出力端子は表示パネルにおける1行の画素ユニットの画素回路に駆動信号を供給するためのものである。このようにして、画素領域内の負荷及び信号がカスケード接続されたシフトレジスタユニットに与える影響を低減させることができる。例えば、シフト出力端子及び走査信号出力端子は同じ出力信号を出力する。なお、他の例では、複数の走査信号出力端子を含む場合、各走査信号出力端子は異なる出力信号を出力してもよく、具体的な構成は実際の状況に応じて決定され、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0112】
第1ノード制御回路130は第2ノードN2及び第3ノードN3にそれぞれ接続され、入力信号に応答して、第2ノードN2及び第3ノードN3のレベルを制御するように構成される。例えば、該第1ノード制御回路130は、第2ノードN2、第3ノードN3、第2電圧端子VGL2(例えば、ローレベルを供給)又は別に提供される電圧端子(例えば、低電圧端子)及び入力端子INTに接続されるように構成されてもよく、これにより、入力端子INTによって入力される入力信号の制御下で、第2ノードN2、第3ノードN3及び第2電圧端子VGL2又は低電圧端子を電気的に接続し、第1ノードN1プルアップ段階において、第2ノードN2及び第3ノードN3のレベルを第2電圧にプルダウンすることを確保できる。
【0113】
なお、本開示の実施例に係るシフトレジスタユニットの「有効出力レベル」とは、シフトレジスタユニットに接続された表示パネルの画素回路中のスイッチングトランジスタを導通して、画素回路にデータ信号を書き込むことができるレベルを意味し、このような場合、「無効出力レベル」とは、シフトレジスタユニットに接続された画素回路中のスイッチングトランジスタを導通(すなわち、該スイッチングトランジスタをカットオフ)するレベルを意味する。画素回路中のスイッチングトランジスタのタイプ(N型又はP型)などの因素により、有効出力レベルは無効出力レベルよりも高いか又は低い。通常、シフトレジスタユニットの作動期間に出力端子は方形波パルス信号を出力し、有効出力レベルは該方形波パルス信号の方形波パルス部分のレベルに対応し、無効出力レベルは方形波パルス以外の部分のレベルに対応する。
【0114】
いくつかの例では、図10に示すように、該シフトレジスタユニットは第1ノードリセット回路150をさらに含む。
【0115】
第1ノードリセット回路150は第1ノードN1に接続され、リセット信号に応答して第1ノードN1をリセットするように構成される。例えば、該第1ノードリセット回路150は、第1ノードN1、第2電圧端子VGL2(例えば、ローレベルを供給)又は別に提供される電圧端子(例えば、低電圧端子)及びリセット端子RSTに接続されるように構成されてもよく、これにより、リセット端子RSTによって入力されるリセット信号の制御下で、第1ノードN1と第2電圧端子VGL2又は低電圧端子を電気的に接続し、第1ノードN1をプルダウンしてリセットすることができる。
【0116】
図10に示すように、いくつかの例では、該シフトレジスタユニット500は、第2ノード制御回路160と、第1ノードノイズ低減回路170と、出力ノイズ低減回路180と、をさらに含んでもよい。
【0117】
第2ノード制御回路160は第1ノードN1、第2ノードN2及び第3ノードN3に接続され、第1ノードN1のレベル信号の制御下で、第2ノードN2及び第3ノードN3のレベルを制御するように構成される。例えば、一例では、第2ノード制御回路160は第1ノードN1、第2ノードN2、第3ノードN3、第2電圧端子VGL2、第3電圧端子VGH1及び第4電圧端子VGH2又は別に提供される電圧端子(例えば、高電圧端子)に接続され、第2ノードN2及び第3ノードN3をローレベルにプルダウンし、第1ノードN1がローレベルである場合、第2ノードN2及び第3ノードN3を第3電圧端子VGH1又は第4電圧端子VGH2のうちの1つに接続し、第1ノードN1が例えばハイレベルである場合、第2ノードN2及び第3ノードN3を第2電圧端子VGL2又は別に提供される電圧端子(例えば、低電圧端子)に接続し、第2ノードN2及び第3ノードN3をローレベルにプルダウンするように構成される。
【0118】
例えば、別の例では、第2ノードN2のレベルは第1ノードN1のレベル及び第3電圧端子VGH1による第3電圧で制御され、第3ノードN3のレベルは第1ノードN1のレベル及び第4電圧端子VGH2による第4電圧で制御され、具体的な接続方式は以下で詳細に説明する。
【0119】
例えば、一例では、該第3電圧端子VGH1及び第4電圧端子VGH2はハイレベルを交互に入力するように構成されてもよく、すなわち、第3電圧端子VGH1がハイレベルを入力する場合、第4電圧端子VGH2はローレベルを入力し、一方、第3電圧端子VGH1がローレベルを入力する場合、第4電圧端子VGH2はハイレベルを入力し、これにより、第2ノードN2及び第3ノードN3は交互に作動し、これらに連結されるトランジスタは交互に作動し、これらのトランジスタの寿命が長くなる。例えば、別の例では、該第3電圧端子VGH1及び第4電圧端子VGH2はハイレベル(実装されるトランジスタがP型である場合、直流ローレベル)を交互に供給するクロック信号端子に置き換えてもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0120】
第1ノードノイズ低減回路170は第1ノードN1、第2ノードN2、及び第3ノードN3に接続され、第2ノードN2及び第3ノードN3のレベルの制御下で、第1ノードN1をノイズ低減するように構成される。例えば、第1ノードノイズ低減回路170は第1ノードN1、第2ノードN2、第3ノードN3及び第2電圧端子VGL2に接続され、第2ノードN2及び第3ノードN3が例えばハイレベルである場合に導通するように構成され、これにより、第1ノードN1を第2電圧端子VGL2又は別に提供される電圧端子(例えば、低電圧端子)に接続し、第1ノードN1の電位を非作動電位にプルダウンすることで、第1ノードN1のノイズ低減を実現する。
【0121】
出力ノイズ低減回路180は第2ノードN2、第3ノードN3及び出力端子OUTに接続され、第2ノードN2及び第3ノードN3のレベルの制御下で、出力端子OUTをノイズ低減するように構成される。例えば、出力ノイズ低減回路180は第2ノードN2、第3ノードN3、第2電圧端子VGL2及び出力端子OUTに接続され、第2ノードN2が例えばハイレベルである場合に導通するように構成され、これにより、出力端子OUTを第2電圧端子VGL2又は別に提供される電圧端子(例えば、低電圧端子)に接続することで、出力端子OUTのノイズ低減を実現する。
【0122】
図10に示すように、別のいくつかの例では、シフトレジスタユニット500はマスタリセット回路190をさらに含む。
【0123】
例えば、マスタリセット回路190は第1ノードN1に接続され、マスタリセット信号に応答して第1ノードN1をリセットするように構成される。例えば、該マスタリセット回路190は、第1ノードN1、第2電圧端子VGL2(例えば、ローレベルを供給)又は別に提供される電圧端子(例えば、低電圧端子)及びマスタリセット端子TRSTに接続されるように構成されてもよく、これにより、マスタリセット端子TRSTによって入力されるマスタリセット信号の制御下で、第1ノードN1を第2電圧端子VGL2又は低電圧端子に電気的に接続し、第1ノードN1をプルダウンしてリセットすることができる。
【0124】
例えば、第1電圧端子VGL1は、直流ローレベル信号(例えばクロック信号のローレベル部分以下)を供給する、例えば接地するように構成され、ここでは、該直流ローレベル信号は第1電圧と呼ばれ、例えば、以下の各実施例も同様であるので、ここでは詳しく説明しない。
【0125】
例えば、第2電圧端子VGL2は、直流ローレベル信号(例えばクロック信号のローレベル部分以下)を供給する、例えば接地するように構成され、ここでは、該直流ローレベル信号は第2電圧と呼ばれ、例えば、該第2電圧は第1電圧以下であってもよく、以下の各実施例も同様であるので、ここでは詳しく説明しない。
【0126】
例えば、第3電圧端子VGH1は、直流ハイレベル信号を供給するように構成され、第3電圧端子VGH1によって供給される信号は第3電圧と呼ばれ、第4電圧端子VGH2も、直流ハイレベル信号を供給するように構成され、第4電圧端子VGH2によって供給される信号は第4電圧と呼ばれ、例えば、第3電圧及び第4電圧は同じ電圧であってもよく、かつ、いずれも第1電圧及び第2電圧よりも大きく、以下の各実施例も同様であるので、ここでは詳しく説明しない。
【0127】
図11図10に示すシフトレジスタユニットの具体例の回路図である。図11に示すように、該シフトレジスタユニット500は第2トランジスタ~第29トランジスタT2~T29、及び蓄積コンデンサCをさらに含む。なお、以下の説明においては、各トランジスタがN型トランジスタである場合を例にして説明するが、これは本開示の実施例を制限するものではない。
【0128】
入力回路110は第4トランジスタT4として実装されてもよい。第4トランジスタT4は、ゲートと第1極とが互いに電気的に接続され、いずれも入力端子INTに接続されて入力信号を受信するように構成され、第2極が第1ノードN1に接続されるように構成され、これにより、第4トランジスタT4が入力端子INTから導通信号(例えば、ハイレベル信号)を受信して導通した場合、該導通信号を用いて第1ノードN1を充電し、それをハイレベルにする。例えば、第4トランジスタT4のゲート及び第1極也はそれぞれ入力端子INT又は他の高電圧端子(例えば第3電圧端子VGH1又は第4電圧端子VGH2)に接続されてもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0129】
出力回路120は包括第2トランジスタT2、第3トランジスタT3及び蓄積コンデンサCを含むように実装されてもよい。第2トランジスタT2のゲートは第1ノードN1に接続され、第2トランジスタT2の第1極はクロック信号端子CLKに接続されて第2クロック信号を受信し、第2トランジスタT2の第2極はシフト出力端子CRに接続される。第3トランジスタT3のゲートは第1ノードN1に接続され、第3トランジスタT3の第1極はクロック信号端子CLKに接続されて第2クロック信号を受信し、第3トランジスタT3の第2極は走査信号出力端子OUT1(すなわち、図3に示す出力端子Gout)に接続される。蓄積コンデンサCの第1極は第1ノードN1に接続され、蓄積コンデンサCの第2極は走査信号出力端子OUT1に接続される。なお、これに限定されず、シフトレジスタユニットはより多くの出力信号と、これらの出力信号に対応する走査信号出力端子とをさらに含んでもよい。
【0130】
例えば、クロック信号端子CLKは図3に示すクロック信号線CLK1~CLKmに接続されて、上記の実施例における第2クロック信号を受信する。
【0131】
第1ノード制御回路130は第14トランジスタT14と第24トランジスタT24として実装されてもよい。第14トランジスタT14のゲートは入力端子INTに接続されて入力信号を受信し、第14トランジスタT14の第1極は第1極及び第2ノードN2に接続され、第14トランジスタT14の第2極は第2電圧端子VGL2に接続され、第24トランジスタT24のゲートは入力端子INTに接続されて入力信号を受信し、第24トランジスタT24の第1極は第1極及び第3ノードN3に接続され、第24トランジスタT24の第2極は第2電圧端子VGL2に接続される。
【0132】
第1ノードリセット回路150は第5トランジスタT5として実装されてもよい。第5トランジスタT5は、ゲートがリセット端子RSTに接続されてリセット信号を受信するように構成され、第1極が第1ノードN1に接続され、第2極が第2電圧端子VGL2に接続されて第2電圧を受信する。第5トランジスタT5がリセット信号に応答して導通した場合、第1ノードN1と第2電圧端子VGL2を電気的に接続することで、第1ノードN1をリセットすることができる。例えば、リセット端子RSTは、リセット端子RSTにカスケード接続されるシフトレジスタの出力端子に接続され、これにより、ゲート走査信号のシフト出力においてこの段のシフトレジスタユニットの第1ノードN1をリアルタイムでリセットし、出力端子による誤出力を回避することができる。
【0133】
マスタリセット回路190は第6トランジスタT6として実装されてもよい。第6トランジスタT6は、ゲートがマスタリセット端子TRSTに接続されてマスタリセット信号を受信し、第1極が第1ノードN1に接続され、第2極が第2電圧端子VGL2に接続されて第2電圧を受信する。第6トランジスタT6がマスタリセット信号に応答して導通した場合、第1ノードN1と第2電圧端子VGL2を電気的に接続することで、第1ノードN1をリセットすることができる。例えば、該マスタリセット回路190は、1フレームの画像の表示段階の開始段階又は1フレームの画像の表示段階の終了段階において、カスケード接続されるすべてのシフトレジスタユニットをグローバルにリセットするように構成される。例えば、該マスタリセット信号のタイミングは1フレームの画像の表示段階の開始を制御するトリガー信号(以下で詳細に説明する)よりも速く、これにより、1フレームの画像の表示段階の開始段階においてすべてのシフトレジスタユニットの第1ノードN1をリセットすることができ、表示画面の異常を回避する。
【0134】
例えば、一例では、第2ノード制御回路160は第7トランジスタT7、第8トランジスタT8、第9トランジスタT9及び第10トランジスタT10として実装されてもよい。第7トランジスタT7は、ゲートが第1制御ノードCN1に接続され、第1極が第3電圧端子VGH1に接続されて第3電圧を受信し、第2極が第2ノードN2に接続され、第8トランジスタT8は、ゲートが第1ノードN1に接続され、第1極が第2ノードN2に接続され、第2極が第2電圧端子VGL2に接続されて第2電圧を受信する。第9トランジスタT9は、ゲートとその自体の第1極とが互いに電気的に接続され、いずれも第3電圧端子VGH1に接続されて第3電圧を受信するように構成され、第2極が第1制御ノードCN1に接続され、第10トランジスタT10は、ゲートが第1ノードN1に接続され、第1極が第1制御ノードCN1に接続され、第2極が第2電圧端子VGL2に接続されて第2電圧を受信する。
【0135】
例えば、別の例では、第2ノード制御回路160は第27トランジスタT27、第28トランジスタT28、第29トランジスタT29及び第20トランジスタT20をさらに含む。第27トランジスタT27は、ゲートが第2制御ノードCN2に接続され、第1極が第4電圧端子VGH2に接続されて第4電圧を受信し、第2極が第3ノードN3に接続され、第28トランジスタT28は、ゲートが第1ノードN1に接続され、第1極が第3ノードN3に接続され、第2極が第2電圧端子VGL2に接続されて第2電圧を受信する。第29トランジスタT29は、ゲートとその自体の第1極とが互いに電気的に接続され、いずれも第4電圧端子VGH2に接続されて第4電圧を受信するように構成され、第2極が第2制御ノードCN2に接続され、第20トランジスタT20は、ゲートが第1ノードN1に接続され、第1極が第2制御ノードCN2に接続され、第2極が第2電圧端子VGL2に接続されて第2電圧を受信する。
【0136】
第1ノードノイズ低減回路170は第11トランジスタT11及び第21トランジスタT21として実装されてもよい。第11トランジスタT11は、ゲートが第2ノードN2に接続され、第1極が第1ノードN1に接続され、第2極が第2電圧端子VGL2に接続されて第2電圧を受信する。第11トランジスタT11は第2ノードN2が高電位である場合に導通し、第1ノードN1を第2電圧端子VGL2に接続することで、第1ノードN1をプルダウンしてノイズ低減を実現することができる。第21トランジスタT21は、ゲートが第3ノードN3に接続され、第1極が第1ノードN1に接続され、第2極が第2電圧端子VGL2に接続されて第2電圧を受信する。第21トランジスタT21は第3ノードN3が高電位である場合に導通し、第1ノードN1を第2電圧端子VGL2に接続することで、第1ノードN1をプルダウンしてノイズ低減を実現することができる。例えば、第11トランジスタT11及び第21トランジスタT21は、それぞれ第2ノードN2及び第3ノードN3のレベルの制御下で交互に作動し、これにより、これらのトランジスタの使用寿命が長くなる。
【0137】
例えば、一例では、出力端子OUTはシフト出力端子CRと1つの走査信号出力端子OUT1(すなわち、ゲート駆動回路の出力端子Gout)とを含み、出力ノイズ低減回路180は第12トランジスタT12、第22トランジスタT22、第13トランジスタT13及び第23トランジスタT23として実装されてもよい。第12トランジスタT12及び第22トランジスタT22はシフト出力端子CRをノイズ低減し、第13トランジスタT13及び第23トランジスタT23は走査信号出力端子OUT1をノイズ低減するためのものである。走査信号出力端子がより多く含まれている場合、該出力ノイズ低減回路180は、走査信号出力端子のノイズ低減を実現するために、より多くのトランジスタを含んでもよい。
【0138】
第12トランジスタT12は、ゲートが第2ノードN2に接続され、第1極がシフト出力端子CRに接続され、第2極が第2電圧端子VGL2に接続されて第2電圧を受信する。第12トランジスタT12は第2ノードN2が高電位である場合に導通し、シフト出力端子CRを第2電圧端子VGL2に接続することで、シフト出力端子CRをノイズ低減することができる。第22トランジスタT22は、ゲートが第3ノードN3に接続され、第1極がシフト出力端子CRに接続され、第2極が第2電圧端子VGL2に接続されて第2電圧を受信する。第22トランジスタT22は第3ノードN3が高電位である場合に導通し、シフト出力端子CRを第2電圧端子VGL2に接続することで、シフト出力端子CRをノイズ低減することができる。例えば、第12トランジスタT12及び第22トランジスタT22は、それぞれ、第2ノードN2及び第3ノードN3のレベルの制御下で交互に作動することで、これらのトランジスタの寿命が長くなる。
【0139】
第13トランジスタT13は、ゲートが第2ノードN2に接続され、第1極が走査信号出力端子OUT1に接続され、第2極が第1電圧端子VGL1に接続されて第1電圧を受信する。第13トランジスタT13は第2ノードN2が高電位である場合に導通し、走査信号出力端子OUT1を第1電圧端子VGL1に接続することで、走査信号出力端子OUT1をノイズ低減する。第23トランジスタT23は、ゲートが第3ノードN3に接続され、第1極が走査信号出力端子OUT1に接続され、第2極が第1電圧端子VGL1に接続されて第1電圧を受信する。第23トランジスタT23は第3ノードN3が高電位である場合に導通し、走査信号出力端子OUT1を第1電圧端子VGL1に接続することで、走査信号出力端子OUT1をノイズ低減する。例えば、第13トランジスタT13及び第23トランジスタT23は、それぞれ第2ノードN2及び第3ノードN3のレベルの制御下で交互に作動することで、これらのトランジスタの寿命が長くなる。
【0140】
本開示の実施例では、例えば、各回路がN型トランジスタとして実装される場合、用語「プルアップ」は、1つのノード又は1つのトランジスタの1つの電極を充電して、該ノード又は該電極のレベルの絶対値を上げ、対応するトランジスタの操作(例えば導通)を実現することを意味し、「プルダウン」は、1つのノード又は1つのトランジスタの1つの電極を放電して、該ノード又は該電極のレベルの絶対値を下げ、対応するトランジスタの操作(例えばカットオフ)を実現することを意味する。
【0141】
また、例えば、各回路がP型トランジスタとして実装される場合、用語「プルアップ」は、1つのノード又は1つのトランジスタの1つの電極を放電して、該ノード又は該電極のレベルの絶対値を下げ、対応するトランジスタの操作(例えば導通)を実現することを意味し、「プルダウン」は、1つのノード又は1つのトランジスタの1つの電極を充電して、該ノード又は該電極のレベルの絶対値を上げ、対応するトランジスタの操作(例えばカットオフ)を実現することを意味する。
【0142】
なお、本開示の各実施例の説明において、第1ノードN1、第2ノードN2、第3ノードN3、第1制御ノードCN1及び第2制御ノードCN2は、実際に存在する部材ではなく、回路図において電気的に接続される関連する接合点である。
【0143】
なお、本開示の実施例に使用されるトランジスタはすべて薄膜トランジスタ又は電界効果トランジスタ又は他の特性の同じスイッチングデバイスであってもよいが、本開示の実施例では、薄膜トランジスタを例にして説明する。ここで使用されるトランジスタのソース、ドレインは構造的に対称であってもよく、このため、そのソース、ドレインは構造的に同じものである。本開示の実施例では、トランジスタのゲート以外の両極を区別するために、一方の極を第1極、他方の極を第2極として説明する。
【0144】
また、本開示の実施例では、トランジスタはすべてN型トランジスタを例にして説明され、この場合、トランジスタの第1極はドレインであり、第2極はソースである。なお、本開示はこれを含むが、これに限定されない。例えば、本開示の実施例によるシフトレジスタユニット500の1つ又は複数のトランジスタはP型トランジスタを採用してもよく、この場合、トランジスタの第1極はソースであり、第2極はドレインであり、使用されるタイプのトランジスタの各極を、本開示の実施例における対応するトランジスタの各極を参照して接続し、対応する電圧端子によって対応する高電圧又は低電圧を供給すればよい。N型トランジスタを採用する場合、インジウムガリウム亜鉛酸化物(Indium Gallium Zinc Oxide、IGZO)を薄膜トランジスタの活性層として使用してもよく、低温ポリシリコン(LTPS:Low Temperature Poly Silicon)又は非晶質シリコン(例えば水素化非晶質シリコン)を薄膜トランジスタの活性層として使用する場合、トランジスタの尺寸を効果的に減少させ、リーク電流を防止することができる。
【0145】
図12は本開示の少なくとも1つの実施例によるシフトレジスタユニットの駆動タイミング図である。図12に示す信号タイミング図の電位の高さは例示的なものに過ぎず、実際の電位値又は相対比を表すものではなく、上記の例に対応して、ハイレベル信号はN型トランジスタのオン信号に対応し、ローレベル信号はN型トランジスタのカットオフ信号に対応する。
【0146】
例えば、一例では、以下、図12に示す信号タイミング図を参照して、図11に示すゲート駆動回路10の第N段のシフトレジスタユニット500の作動原理について説明する。該シフトレジスタユニット500の作動原理は以下のとおりである。
【0147】
第1段階1において、入力端子INTはハイレベルを供給し、クロック信号端子CLKは第2クロック信号のローレベルを供給し、このため、第4トランジスタT4は導通し、第1ノードN1は第1ハイレベルまで充電し、また、第14トランジスタT14及び第24トランジスタT24は導通し、第2ノードN2及び第3ノードN3はローレベルにプルダウンされる。この段階では、第2トランジスタT2及び第3トランジスタT3は第1ノードN1の第1ハイレベルに応答して導通し、クロック信号端子CLKによって供給される第2クロック信号のローレベルをシフト出力端子CR及び走査信号出力端子OUT1に出力する。
【0148】
第2段階2において、入力端子INTはローレベルを入力し、クロック信号端子CLKは第2クロック信号のハイレベルを供給し、蓄積コンデンサCの第2極はローレベルからハイレベルに変わり、コンデンサの両端での電圧が急激に変化しないという特性により、蓄積コンデンサCの第1極(すなわち、第1ノードN1)の電圧はブートストラップされ、これによって、この段階では、第1ノードN1は第2ハイレベルに充電され、第2トランジスタT2及び第3トランジスタT3は第1ノードN1の第2ハイレベルに応答して導通し、また、この段階では、シフトレジスタユニットのシフト出力端子CR及び走査信号出力端子OUT1はハイレベルを出力する。
【0149】
例えば、この段階では、第2クロック信号が図9に示す波形を採用する場合、コンデンサの両端での電圧が急激に変化しないという特性により、蓄積コンデンサCの第1極(すなわち、第1ノードN1)の電圧はブートストラップされ、これによって、この段階では、第1ノードN1は第3サブレベルVGH5に充電され、第1ノードN1の電圧はより高くブートストラップされ、これにより、第2トランジスタT2及び第3トランジスタT3がより完全に導通し、第2クロック信号の出力に有利である。
【0150】
第3段階3において、クロック信号端子CLKは第2クロック信号のローレベルを供給し、蓄積コンデンサCの第2極はハイレベルからローレベルに変わり、コンデンサの両端での電圧が急激に変化しないという特性により、蓄積コンデンサCの第1極(すなわち、第1ノードN1)の電圧は第1ハイレベルに変わり、このため、この段階では、第2トランジスタT2及び第3トランジスタT3は第1ノードN1の第1ハイレベルに応答して導通し、シフトレジスタユニットのシフト出力端子CR及び走査信号出力端子OUT1は第2クロック信号のローレベルを出力する。
【0151】
第4段階4において、リセット端子RSTはリセット信号のハイレベルを供給し、このため、第5トランジスタT5は導通し、第1ノードN1は第2電圧端子VGL2に接続され、第1ノードN1の電圧はローレベルに変わり、第2ノードN2及び第3ノードN3はハイレベルに変わり、このため、この段階では、第2トランジスタT2及び第3トランジスタT3は第1ノードN1のローレベルに応答してカットオフされ、第12トランジスタT12、第22トランジスタT22、第13トランジスタT13及び第23トランジスタT23は導通し、シフトレジスタユニットのシフト出力端子CR及び走査信号出力端子OUT1はローレベルを出力する。
【0152】
第1段階1が開始する前に、マスタリセット端子TRSTはマスタリセット信号のハイレベルを供給し、第6トランジスタT6は導通し、これにより、ゲート駆動回路のすべてのシフトレジスタユニットの第1ノードN1をリセットすることができる。
【0153】
本開示の少なくとも1つの実施例はまた表示装置を提供する。図13は本開示の少なくとも1つの実施例による表示装置の概略図である。例えば、図13に示すように、該表示装置100は本開示のいずれかの実施例による表示パネル1を含む。
【0154】
なお、本実施例における表示装置100は、液晶パネル、液晶テレビ、ディスプレイ、OLEDパネル、OLEDテレビ、電子ペーパー表示装置、携帯電話、タブレット、ラップトップ、デジタルフレーム、ナビゲータなど、表示機能を有する任意の製品又は部材であってもよい。該表示装置100は表示パネルなど他の一般的な部材を含んでもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0155】
本開示の実施例による表示装置100の技術的効果は上記の実施例における表示パネルについての対応する説明を参照すればよいので、ここでは詳しく説明しない。
【0156】
なお、明確かつ簡潔にするために、該表示装置100のすべての構造が示されているのではない。表示装置に必須な機能を実現するために、当業者は具体的な適応場面に応じて示されていない他の構造を設置してもよく、本開示の実施例はこれを制限しない。
【0157】
なお、以下のことを説明するべきである。
(1)本開示の実施例の図面は本開示の実施例に係る構造にのみ関し、他の構造は通常の設計を参照することができる。
(2)矛盾がない限り、本開示の実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせて新しい実施例を得ることができる。
【0158】
以上は本開示の例示的な実施形態であり、本開示の特許範囲を制限するものではなく、本開示の特許範囲は添付の特許請求の範囲により定められる。
【符号の説明】
【0159】
1 表示パネル
10 ゲート駆動回路
11 表示領域
12 周辺領域
13 コーナ部分
30 データ駆動回路
40 表示領域
410 サブ画素、第1素子
420 第2素子
500 シフトレジスタユニット
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】