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特表2024-522259透明材料/光学的に透明な液体の屈折率に適合し明確に定義された範囲の動粘度を有するシリコーンオイル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-12
(54)【発明の名称】透明材料/光学的に透明な液体の屈折率に適合し明確に定義された範囲の動粘度を有するシリコーンオイル
(51)【国際特許分類】
   C08L 83/04 20060101AFI20240605BHJP
   G04B 37/02 20060101ALI20240605BHJP
【FI】
C08L83/04
G04B37/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023571893
(86)(22)【出願日】2022-05-20
(85)【翻訳文提出日】2023-11-29
(86)【国際出願番号】 IB2022054743
(87)【国際公開番号】W WO2022243969
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】63/190,845
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514022235
【氏名又は名称】プレシフレックス エスアー
(74)【代理人】
【識別番号】100141829
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 牧人
(74)【代理人】
【識別番号】100123663
【弁理士】
【氏名又は名称】広川 浩司
(72)【発明者】
【氏名】ファンゲット, アクセル
(72)【発明者】
【氏名】ウルヴェ, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ブドリ, ジャン-リュック
(72)【発明者】
【氏名】ジャカール, アラン
(72)【発明者】
【氏名】ボーク, トラルフ
(72)【発明者】
【氏名】グーベルマン, ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ローネル, ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】マフリ, リュック
(72)【発明者】
【氏名】レギネッリ, サンドロ
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002CP031
4J002CP032
4J002CP033
4J002GP00
4J002HA01
(57)【要約】
流体と接触するボロフロート33、ホウケイ酸、フロートガラスまたは溶融シリカ、または透明なポリマーなどの透明材料の屈折率に一緒に混合されると適合し、一定の範囲の動粘度を有する流体のブレンドを生成する流体混合物を含むシステムおよび方法/装置を提供する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーンオイル組成物であって、少なくとも2種、好ましくは3種のシリコーンオイル成分が、透明材料の屈折率に適合するように、また同時に組成物の動粘度を一定の範囲内に調整するように、相対量で選択され、当該量は好ましくは加重量であるシリコーンオイル組成物。
【請求項2】
前記透明材料が、宝石、ボロフロート33、ホウケイ酸、フロートガラス、溶融シリカ、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、シクロオレフィンコポリマー、ガラス、結晶性ガラスからなる透明材料の群の1つから選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
カプセル化、典型的には、アニメーションおよび/または指示カプセルのような、実質的に閉じられており、剛性のある、硬く、柔軟性のないカプセル内での使用に適しているように適合される請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
エレクトロウェッティングディスプレイで使用される請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
シリコーンオイル成分の割合が、明確な粘度および屈折率を有する光学的に透明な液体をもたらすように調整される請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
シリコーン成分が、ヒトに対して無毒であり、混合後に、特定の温度範囲内で限定された化学的または物理的変化を示す溶液を生じるように選択される請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
シリコーンオイル組成物が、典型的には、Si-O-Si骨格を有し、1cStを超える粘度および1.3を超える屈折率を有する少なくとも1つ以上の分岐または非分岐ポリシロキサンポリマーを含む請求項5または6に記載の組成物。
【請求項8】
ポリシロキサンポリマーのポリシロキサンが、以下からなるポリシロキサンの群の1つから選択される請求項7に記載の組成物:
a)粘度が1cSt~1000cStで屈折率が1.3~1.6である式(CHSi[Si(CHO]Si(CHOのポリジメチルシロキサンポリマー;
b)屈折率が1.41~1.6であり、粘度が10~1000cStである芳香族シロキサンの群の1つから選択される芳香族シロキサンであって、
b1)式(CHSi[Si(Ph)O][Si(CHO]Si(CHOのジフェニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;
b2)式(CHSi[Si(CH)(Ph)O][Si(CHO]Si(CHOのフェニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;
b3)式(CHSi[Si(CH)(Ph)O]Si(CHOのフェニルメチルシロキサンポリマー;
b4)任意の粘度および屈折率を有する式R-Si(CH-O-Si(CH-RおよびR-Si(CH-O-Si(CH)R-Si(CH)R-Si(CH)-Rを有するジシロキサンまたはトリシロキサン;
b5)アルキルまたは芳香族アルキルシリコーンホモポリマーまたはコポリマー、および
b6)フルオロカーボン側鎖を有するポリシロキサン
【請求項9】
組成物の屈折率が、25℃の温度および589.3nmの波長で選択される請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
特定の用途の要件に応じて、同じ屈折率を有するシリコーンオイル成分が異なる粘度で配合され、典型的には、粘度は、屈折率とは独立して調整されて、700~1300kg/mを含む液体密度で、1~200cSt、1~200 10-6・s-1の目標値を達成する請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
-20℃~70℃、好ましくは0℃~50℃、より好ましくは10℃~40℃の温度範囲で機能するように組成物が選択され、本発明の組成物による液体は、該範囲内で光学的に透明なままであり、特定の範囲内で相転移または相分離を受けず、温度による屈折率および粘度の変化が完全に可逆的である請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
組成物の少なくとも1つに使用されるシリコーンオイル成分がREACH規則に適合し、0.1重量%を超える高懸念物質(SVHC)を含まず、好ましくは組成物がSVHC物質または毒性化合物を含まず、必要に応じて、油性成分を精製して、2,6-シス-ジフェニルヘキサメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、またはデカメチルシクロペンタシロキサン(D5)とドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)などの毒性化合物を除去する請求項1~11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
組成物が、UVへの曝露後、特に、60W/m、290~400nmで100時間後、または70℃等の高温下で6か月間にわたる長期曝露後に、化学的または物理的特性に有意な変化を示さないように配合されている請求項1~12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
使用されるオイル成分は、オイル成分が低圧への長時間の曝露後に化学的または物理的特性に著しい変化を示さないように、低圧環境に適合するために理想的に低揮発性を有するように選択される請求項1~13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
85%相対湿度において混和性が最大200ppmに制限されて、水と混和しないように、また、密閉容器内での気泡形成のリスクが制限されるようにするため、低いガス溶解度を有するように選択される請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が0.002℃-1の最大熱膨張係数を有するように配合されている請求項1~15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
装飾要素がその中に吊り下げられ、2つの隣接する構造要素の間に緩く捕捉される請求項1~16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
前記装飾要素は、前記構造要素に接触するように配置された回路に接続されたLEDを含み、それによって、前記装飾要素が接触位置に移動したときに前記LEDを点灯させる電気接続を行う請求項1~17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
少なくとも1つの装飾要素がその中に吊り下げられており、組成物内で中立する浮力を有し、したがってその中に浮遊する傾向がある請求項1~18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
組成物が充填されたカプセル内に少なくとも1つの装飾要素が懸濁され、さらに、組成物に屈折率が適合する材料からなる攪拌インペラが組成物を攪拌するように構成され、それによってカプセル内の少なくとも1つの装飾要素を移動させる請求項1~19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
前記装飾要素が、第1の密度を有し、2つの液体間の界面で組成物を含むカプセル内に懸濁され、2つの液体のうちの少なくとも1つが組成物の配合物であり、一方が第1の密度より大きい密度を有し、他方が第1の密度より小さい密度を有する請求項1~20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
アニメーションおよび/または表示カプセル(100、200、1001、1011)に具現化される装飾オブジェクト(120、200、1003)であって、1つまたは複数の透明壁(102、104、114、212、250、252)と、透明壁(102、104、114、212、250、252)によって少なくとも部分的に画定される内部空洞(118、254)とを含み、内部空洞(118、254)は、請求項1~21のいずれか1項に記載の組成物で少なくとも部分的に充填される装飾オブジェクト。
【請求項23】
典型的には、アニメーションおよび/または指示カプセルのような、閉じられた、実質的に剛性のある、硬く、好ましくは本質的に柔軟性のないカプセル化を含む請求項22に記載の装飾オブジェクト。
【請求項24】
装飾オブジェクト(120、200、1003)またはカプセル(100、200、1001、1011)であって、宝石、腕時計、時計、または任意の他のファッションアイテムのアイテムに具体化される請求項22に記載の装飾オブジェクト。
【請求項25】
1つ以上の透明壁(301、307)と、透明壁(301、307)によって少なくとも部分的に画定される内部空洞(312)と、請求項1~21のいずれか1項に記載の組成物とを備え、組成物(304)は内部空洞(312)を少なくとも部分的に充填するように構成されたエレクトロウェッティングディスプレイを含む装飾オブジェクト。
【請求項26】
典型的には、アニメーションおよび/または指示カプセルのような、閉じられた、実質的に剛性の、剛性の、好ましくは柔軟性のないカプセル化であるカプセル化から構成される請求項25に記載の装飾オブジェクト。
【請求項27】
オブジェクトは、宝石、腕時計、時計、または任意の他のファッションアイテムのアイテムである請求項25に記載の装飾オブジェクト。
【請求項28】
請求項1~21のいずれか1項に記載の組成物の、宝石、腕時計、時計、または任意の他のファッションアイテムなどの装飾オブジェクトの製造における使用。
【請求項29】
少なくとも2つのベース液体を含むオイル成分の組成物の屈折率および粘度を調整する方法であって、以下のステップを含む方法。
(a)得られた液体組成物の屈折率を、ベース液体の屈折率の加重平均によって決定し、その平均を各ベース液体の体積分率に基づいて加重すること;および
(b)得られた液体組成物の粘度を、任意にアレニウス式を使用して、対数スケールでの加重平均によって決定し、ベース液体および組成比は、複合液体の所望の特性を達成するように選択される。
【請求項30】
1cStを超える粘度および1.33を超える屈折率を有するSi-O-Si骨格を有する1つまたは複数の分岐または非分岐ポリシロキサンポリマーを含む、シリコーンオイル成分で少なくとも部分的に満たされたチャンバ内に封入された装飾オブジェクト。
【請求項31】
オブジェクトは、宝石、腕時計、時計、または流体カプセル(100)が一体化される任意の他のファッションアイテムなどのアクセサリーである請求項22~27のいずれか1項に記載の装飾オブジェクト。
【請求項32】
以下のステップを含む、請求項1~21のいずれか1項に記載の組成物を混合する方法:
a)標的特性(粘度および屈折率)を決定する。
b)指定された比率の2つのシリコーンオイル成分からなる組成物を、近似値にしたがってブレンドする。
c)ステップb)のブレンドされた組成物の物理的特性(粘度及び屈折率)を測定する。
d)ステップa)で決定された標的特性とステップc)で測定された物理的特性との間の偏差を決定し、-偏差がない場合、ステップを修了し、-偏差がある場合、以下のステップに進む。
e)第3のシリコーンオイル成分及びステップb)で使用される2つのシリコーンオイル成分に対する推定される比率を特定する、またはステップb)で使用される2つのシリコーンオイル成分の比率の補正を決定する、及び
f)ステップe)で定義された比率にしたがって組成物を混合し、ステップc)に進む。
【請求項33】
構造(742)内に緩く保持された可動要素(732)上に設置された光源(722)を含むシステム(700)であって、請求項1~21のいずれか1項に記載の組成物に浸漬されたシステム。
【請求項34】
関節を介して取り付けられ、滑車(822)、溝、またはガイド(824)によって案内されて所定の経路に従い、機構(820)によって作動され、請求項1~21のいずれか1項に記載の組成物に浸漬される、剛性リンク(812)のチェーン(810)を含むシステム。
【請求項35】
請求項1~21のいずれか1項に記載の組成物を使用する減衰システムであって、時計のムーブメントまたは任意の衝撃感知装置などの衝撃感知装置の加速を減衰させるように適合され、流体組成物(1003)が衝撃を減衰させるために使用され、その組成物は、システムの減衰レベルを制御するために調整され、シリコーンオイル成分混合物と、透明物体に接触する透明物体との間の界面における光の反射が適合されて、光学的屈折を低下または抑制し、それによって、装置が、調整された粘度を有する流体組成物(1003)によって減衰される加速にさらされた場合に、運動を可能にする減衰システム。
【請求項36】
前記透明物体は、チャンバ側壁および浸漬物体からなる透明物体の群のいずれか1つを含む請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
衝撃感知装置(1001)が、さらに選択された粘度および屈折率を有する流体組成物(1003)によって囲まれた気密カプセル内に密封される請求項35または36に記載のシステム。
【請求項38】
ケース(1002)の少なくとも1つの壁は透明であり、液体の組成物(1003)は透明な壁のものと光学的に適合している請求項35~37のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項39】
衝撃感知装置(1001)は、液体懸濁組成物が使用されなかった場合に必要とされるよりも軟らかい1つまたは複数の軟質(すなわち、低いバネ係数Kを有する)バネ(1004)によって吊り下げられ、このバネを介して、デバイスは、ケース(1002)の側面および/または底部に吊り下げられる請求項35~38のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項40】
波形膜(1005)などの可撓性要素が、液体の熱膨張を補償するために使用される請求項35~39のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項41】
衝撃感知装置が時計ムーブメントであり、システムが、時間または他のユーザー機能の設定を可能にするように適合されたクラッチ様機構(1006)を含み、クラッチ様機構が、クラッチが開いているときにばねによってのみ時計ムーブメントを吊り下げたままにする請求項35~40のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項42】
チャネルによって接続された、第1および第2の流体組成物が充填された柔軟な膜(1004、1005)を含み、衝撃感知装置は、流体組成物(1003)が充填された第1の膜(1004)によって懸濁され、その結果、流体は、チャネルを通って、デバイス中の他の場所に配置された第2の柔軟な膜(1005)内に封入された容積へと流れることができるように構成された請求項35~41のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項43】
流体組成物(1003)の粘度は、衝撃の際に、流体組成物が、衝撃感知装置(1001)の運動によってチャネル内に強制され、第2の可撓性膜(1005)の下に移動し、それによって、液体中の剪断力によってデバイス(1001)の運動を減衰させるように選択される請求項41または42に記載のシステム。
【請求項44】
システムの減衰量がチャネルの寸法によって調整される請求項42または43に記載のシステム。
【請求項45】
時計ムーブメントと、時間または他のユーザー機能を設定するように適合されたクラッチ様機構(1006)とを含み、クラッチが開いているときに時計ムーブメントを第1の膜(1004)によってのみ吊り下げたままにする請求項42~44のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項46】
流体組成物の予想される熱膨張は、2つの膜の柔軟性によって吸収される請求項42~45のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項47】
前記バネは可撓性ベローズであり、可撓性膜は、任意に、この可撓性ベローズ内に、好ましくはその中心に埋め込まれる請求項39~46のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項48】
装飾要素が、その中に配置されたチャンバ内に吊り下げられ、2つの隣接する構造要素の間に緩く捕捉され、チャンバが液体で満たされる請求項33~47のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項49】
前記装飾要素は、前記構造要素に接触するように配置された回路に接続された電気光源であり、それによって、前記装飾要素が接触位置に移動したときに前記電気光源を作動させる電気接続を行い、任意的に、前記電気光源および/または前記導電要素は、屈折率の適切な選択によって不可視にされる請求項33~48のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項50】
少なくとも1つの装飾要素がその中に吊り下げられ、組成物内で中性の浮力を有し、したがってその中に浮遊する傾向がある請求項33~49のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項51】
少なくとも1つの装飾要素が、組成物で満たされたカプセル内に懸濁され、さらに、屈折率が組成物に適合する材料で作られた撹拌インペラが、組成物を撹拌し、それによって、カプセル内の少なくとも1つの装飾要素の移動を引き起こすように構成される請求項33~50のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項52】
装飾要素は、第1の密度を有し、2つの液体の間の界面で組成物を含むカプセル内に懸濁され、2つの液体のうちの少なくとも1つは組成物の配合物であり、一方は第1の密度よりも有意に大きい密度を有し、他方は第1の密度よりも有意に小さい密度を有する請求項33~51のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項53】
オイル成分の粘度が、囲まれた物体の変位速度を調整するように調整される請求項33~52のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項54】
少なくとも内部または外部光源と、請求項1~21のいずれか1項に記載の組成物を含有する1つの透明障壁とを有する装飾カプセルであって、組成物の屈折率は、光源によって生成された光が装飾カプセル内に閉じ込められたままであるように、少なくとも1つの透明障壁の屈折率よりも優位である装飾カプセル。
【請求項55】
組成物に組み込まれた装飾要素を含み、前記装飾要素は、カプセル内の光源によって生成された光の一部をカプセルの外側の観察者に向けて散乱させ、これによってこれらの物体をより可視的にするか、またはそれらを光沢のあるものにする請求項54に記載の装飾カプセル。
【請求項56】
少なくとも内部または外部光源と、請求項1~21のいずれか1項に記載の組成物を含有する1つの透明障壁とを有する装飾的カプセルであって、1つ以上の透明障壁のうちの1つは、凸または凹のレリーフ特徴を含有するように構成され、組成物の屈折率は、透明障壁の屈折率と一致し、凸または凹のレリーフ特徴は、カプセル内の光源によって生成された光の一部をカプセルの外側の観察者に向けて散乱させ、これによって凸または凹のレリーフ特徴をより目に見えるようにするか、またはそれらを光沢のあるものにする装飾カプセル。
【請求項57】
組成物に吸収された装飾要素を含み、装飾要素は、カプセル内の光源によって生成された光の一部をカプセルの外側の観察者に向けて散乱させ、これによりこれらの物体をより可視的にするか、またはそれらを光沢にする請求項56に記載の装飾カプセル。
【請求項58】
本明細書、従属請求項、要約書(参照により本明細書に組み込まれる)、および/または図面に記載されるシステムおよび/または方法。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2022年5月20日に出願された米国仮出願第63/190,845号の便益を主張し、その内容全体を参照として組み込むと共にそれに依拠し、保護を求めるものとされる特徴を定義するために、その内容はその全てが発明の根底にある技術的課題の解決に寄与するものと理解され、本文書で言及される特徴には、特に重要なものもあるとされる。
【0002】
(関係当事者の識別)
本知的財産事項の出願人は、スイス国のプレシフレックス エスアーである。出願時において、ジョン・B・モエッテリ、及びスイス国のダ・ヴィンチ・パートナーズ・LLC事務所が出願人を代理する。
【0003】
(著作権および法的告知)
本特許文書に開示されるものの一部には著作権保護の対象となる資料が含まれている。出願人は、特許商標庁の記録として特許開示されている特許文書又は特許開示に関しては第三者によるファクシミリ複製に異論はないが、そうでない場合はいかなる場合も全ての著作権を留保する。また、本願に記載される第三者の特許又は記事は、先行発明を理由として本発明がその資料を先行する権利がないことを承認するものとして考慮すべきでない。
【背景技術】
【0004】
本発明は化学の分野、特にシリコーンオイル組成物、その組成物の使用、およびシリコーンオイル組成物(ポリシロキサン)の粘度と屈折率を制御/調整/調節する方法に関する。本発明は、シリコーンオイル組成物およびそのようなシリコーンオイル組成物のブレンドに関する。ここで提案されるブレンドは、ボロフロート33、ホウケイ酸、フロートガラス、または溶融シリカなどの透明(光学的に透明)材料の屈折率に適合し、一定の範囲の動粘度を有することを目的としている。
【0005】
本発明は、適合する屈折率(R1 1.3から1.5)を有する貴石類、ボロフロート33、ホウケイ酸、フロートガラスまたは溶融シリカ、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネートおよび他の透明なポリマーのような透明材料の屈折率に適合し、一定の範囲の動粘度を有するブレンドを作製するために一緒に混合できるシリコーンオイル成分に関する。
【発明の開示】
【0006】
流体が接触する透明材料、例えば、貴石類、ボロフロート33、ホウケイ酸、フロートガラスまたは溶融シリカ、PMMA、ポリカーボネートおよび他の透明なポリマーの屈折率に適合し、一定の範囲の動粘度を有する流体のブレンドを含み、液体中に浸漬された物体の移動性を定義し、液体の充填および脱気を可能にするシステムおよび方法/装置が提供される。
【0007】
本発明の目的は、少なくとも2つの組成物を混合してブレンドするときに、そのブレンドの特性が透明材料、例えばボロフロート33、ホウケイ酸、フロートガラスまたは溶融シリカの屈折率に適合し、一定の範囲の動粘度を有するシリコーンオイル組成物を提供することである。さらに、このブレンドは、アニメーションおよび/または表示カプセルで使用されるか、エレクトロウェッティングディスプレイを構築する際に興味を持たれるように適合されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付の図面は、例として、本発明の主題の異なる実施形態を表している。
図1A】粘度(log)-屈折率(lin)チャートである。
図1B】本発明で参照される例示的な屈折率-波長チャートである。
図2】本発明の組成物を使用する装置の側方断面図である。
図3】本発明の組成物を使用する表示装置の透視断面図である。
図4】本発明の組成物を使用する装置の透視図である。
図5】本発明の組成物を使用する別の装置の側方断面図である。
図6】透明ディスプレイの下で交換可能な表示部の組立の進行図である。
図7A】本発明の実施形態の概略図であって、光源が本発明の流体組成物中に浸漬され、構造体中に緩く保持された移動要素上に配置された状態の図である。
図7B】本発明の実施形態の概略図であって、光源が本発明の流体組成物中に浸漬され、構造体中に緩く保持された移動要素上に配置された状態の図である。
図8A】本発明の実施形態の概略断面図であって、本発明の組成物中に浸漬された滑車、溝、またはガイドで案内された関節連結部を介して取り付けられた剛性リンクのチェーンを含む実施形態の図である。
図8B】本発明の実施形態の概略断面図であって、本発明の組成物中に浸漬された滑車、溝、またはガイドで案内された関節連結部を介して取り付けられた剛性リンクのチェーンを含む実施形態の図である。
図8C】本発明の実施形態の概略断面図であって、本発明の組成物中に浸漬された滑車、溝、またはガイドで案内された関節連結部を介して取り付けられた剛性リンクのチェーンを含む実施形態の図である。
図8D】本発明の実施形態の概略断面図であって、本発明の組成物中に浸漬された滑車、溝、またはガイドで案内された関節連結部を介して取り付けられた剛性リンクのチェーンを含む実施形態の図である。
図9】本発明の実施形態の透視図であって、液体組成物を含む密封カプセルを含み、可動要素が液体組成物中に浸漬された状態の図である。
図10】本発明の組成物を含有する密封カプセルからなる実施形態の透視図である。
図11】本発明で参照される例示的な密度-屈折率チャート/グラフである。
図12】「宙吊り」効果を提供する本発明の別の実施形態の概略図である。
図13】衝撃に敏感なデバイスの加速度を減衰させることができる組成物からなる実施形態の概略図である。
図14】本発明の組成物で充填された第1の可撓性膜によって吊り下げられた衝撃感受性デバイスからなる別の実施形態の概略図である。
図15図14の実施形態の変形例の概略図である。
図16A】液体組成物中に浸漬された発光ダイオードを含む実施形態の概略図である。
図16B】液体組成物中に浸漬された発光ダイオードを含む実施形態の概略図である。
図16C】液体組成物中に浸漬された発光ダイオードを含む実施形態の概略図である。
図17A】液体充填カプセルを含む実施形態の概略図である。
図17B】液体充填カプセルを含む実施形態の概略図である。
図17C】液体充填カプセルを含む実施形態の概略図である。
図17D】液体充填カプセルを含む実施形態の概略図である。
【0009】
図面に示される要素は単純化及び明確性のために開示され、必ずしも正寸で描かれていないことは、当業者には明らかである。例えば、本発明及びその実施形態の理解をより深めるために、寸法はその他の要素に対して、強調して描かれていることもある。さらに、本件で用いられる「第1」、「第2」やその類の用語は、類似する要素を区別するために使用され、必ずしも順次的又は時系的な順序を示すものではない。また、明細書及び/又は請求項における「前」、「後」、「上」、「下」などの相対的な用語は、必ずしも限定的な相対位置を説明するために使用されるものではない。したがって、このような用語は、他の用語と交換可能であり得ること、および本明細書に記載される実施形態は、明示的に図示又は他の方法で記載される方向以外の方向でも動作可能であることを当業者は理解するであろう。
【好適な実施形態の詳細な説明】
【0010】
以下の説明は本質的に例示的であり、本願の出願日時点で発明者が知り得た本発明の最良の態様を説明するもので、本発明の範囲をいかなる意味でも制限するものではない。その結果として、本願で開示される例示的な実施形態における全ての要素の配置及び/又は機能は、本願発明の精神及び範疇から逸脱することなく変更を加えることが可能である。
【0011】
本発明は、シリコーンオイル組成物に関する。好ましい実施形態では、本発明によるシリコーンオイル組成物は、少なくとも2つの液体のブレンドである。このブレンドは、宝石、ボロフロート33、ホウケイ酸、フロートガラスまたは溶融シリカ、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネートおよび他の透明なポリマーのような透明材料の屈折率に適合し、液体に浸漬された物体の移動性を規定し、液体の充填および脱気を可能にするために、特定の範囲の動粘度を有することを意図している。このブレンドは、さらに、例えば、国際特許出願PCT/IB2016/001448号(10ページ9~19行)、PCT/IB2017/001146号(9ページ12行~11ページ25行)、PCT/IB2019/058379号(4ページ18~20行)、PCT/IB2019/058381号(1ページ26~30行)、PCT/IB2019/058385号(1ページ30行~2ページ7行)、PCT/IB2020/053025号、PCT/IB2020/055313号(3ページ27行~5ページ9行)に開示されているアニメーションおよび/または表示カプセルのような、典型的には閉じた、剛性のある、硬く、柔軟性のない性質の封入内で使用するのに適している。または、例えば、国際特許出願PCT/IB2018/058549号(特に、図15および関連する本文、61ページ6~9行、45ページ1~15行、図70および関連する本文)に開示されているようなエレクトロウェッティングディスプレイを構築することに関心がある。これは、屈折率の適合については言及されていないが、カプセルは少なくとも部分的に透明であると言及されており、図15では、ディスプレイ全体が透明であり、交換可能な標識をその背後に配置することができる。したがって、少なくとも1つの液体は透明でなければならない。エレクトロウェッティングが適切に機能するためには、液体の粘度が重要なパラメータである。例えば、61ページ6~9行は、活性液体が極性溶媒であり、不活性流体と混和せず、高い表面張力を有することに言及している。不活性流体は、低い表面張力を有し、活性液体と混和せず、低い粘度を有する。不活性流体は、気体であっても液体であってもよく、液体として本発明に使用される場合、無極性/非極性溶媒であることが好ましい。また、エレクトロウェッティングには関連しないが、この参考文献の45ページ1~15行には、トルクは特定の方法で計算することができ、これは本当に顕著な結果であると記載されている。この状況で必要とされるトルクは、考慮される流体の粘度、および所定のチューブ長で必要なトルクが液体の粘度に直接依存することは明らかである。その結果、水とシリコーンオイルに必要なトルクは、この参考文献の図70に示されている。水とシリコーンオイルの粘度の違いにより、トルク要件が最終的に大きく異なることは明らかである。ただし、どちらの場合も、トルクは妥当な範囲内に維持される。上記の国際特許出願の全体の内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、依拠される。
【0012】
本発明のシリコーンオイル組成物は、典型的にはシリコーンの混合物であり、その比率は、明確な粘度および屈折率を有する光学的に透明な液体をもたらすように微調整される。「シリコーンオイル」という用語は、少なくとも1個のケイ素原子を有する分子、特に有機側基を有するSi-O基の繰り返しのポリマーからなる液体を意味する。
【0013】
シリコーン成分は、ヒトに対して無毒であり、混合後に特定の温度範囲内で限定された化学的または物理的変化を示す溶液を生じるように選択される。本発明に係るシリコーンオイル組成物は、典型的には:
Si-O-Si骨格を有し、1cStを超える粘度および1.3を超える屈折率(例えば、フルオロ誘導体化ポリシロキサンは、1.33のR1を有することができ、水のR1と一致し、水に基づく一致するR1二重流体系の生成を可能にする)、好ましくは1.35を超える少なくとも1種以上の分岐または非分岐ポリシロキサンポリマー。このようなポリシロキサンは、以下のものであり得る:
○ 式(CHSi[Si(CHO]Si(CHOのポリジメチルシロキサン(PDMS)ポリマーであって、粘度が1cStと1000cStとの間であり、屈折率が1.3と1.6との間、好ましくは1.35と1.41との間である、ポリジメチルシロキサン(PDMS)ポリマー。
○ 屈折率が1.3~1.8、好ましくは1.41~1.6であり、粘度が1cSt~1000cStである芳香族シロキサンであり、以下のいずれかであり得る。
■ 式(CHSi[Si(Ph)O][Si(CHO]Si(CHOのジフェニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー
■ 式(CHSi[Si(CH)(Ph)O][Si(CHO]Si(CHOのフェニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー
■ 式(CHSi[Si(CH)(Ph)O]Si(CHOのフェニルメチルシロキサンポリマー
○ 任意の粘度および屈折率を有する式R-Si(CH-O-Si(CH-RおよびR-Si(CH-O-Si(CH)R-Si(CH)R-Si(CH)-Rを有するジシロキサンまたはトリシロキサン
○ 任意の粘度および屈折率を有するアルキルまたは芳香族アルキルシリコーンホモポリマーまたはコポリマー
○ 任意の粘度および屈折率を有するフルオロカーボン側鎖を有するポリシロキサン
【0014】
上記組成物に係るシリコーンオイルは、以下の特性を有する。
【0015】
屈折率:
1.3から1.8の間であり、この指数は25℃の温度および589.3nmの波長で特定される。
【0016】
粘度:
特定の用途で使用可能であるための要件に応じて、同じ屈折率を有するシリコーンオイルは、異なる粘度で混合されなければならない。典型的には、粘度は、屈折率とは独立して調整され、700~1300kg/mの範囲を含む液体密度で、1cSt~200cSt(1~200 10-6・s-1)の目標値を達成する。
【0017】
温度仕様:
温度仕様範囲は、典型的には10℃~40℃、好ましくは0℃~50℃、また好ましくは-20℃~70℃であり、本発明の組成物に従う液体は、光学的に透明のままであり、特定の範囲内で相転移または相分離を受けない。温度による屈折率および粘度の変化は、完全に可逆的である。
【0018】
毒性:
本発明の組成物の1つによる油は、REACH規則に適合し、0.1重量%を超える高懸念物質(SVHC)を含有しない。REACHは、化学物質がもたらすリスクからの人の健康と環境の保護を改善し、EU化学産業の競争力を高めるために採用された欧州連合の規則である。
【0019】
理想的には、組成物はSVHCまたは毒性化合物を含まない。必要に応じて、油性成分を精製して除去する。そのような化合物の例は、2,6-シス-ジフェニルヘキサメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)とドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)である。後者の3つは、より大きな鎖(PDMS)の構成要素であり、化粧品に広く使用されている。したがって、本発明の組成物の1つによるオイルは、消費財用途に使用することができる。
【0020】
安定性:
本発明の組成物の1つによる油は、シリコーン化合物の不活性を利用する。シリコーン組成物は、典型的には、UV(60W/m、290~400nmで100時間など)への曝露後、または高温(70℃、6か月など)への長期曝露後でさえ、化学的または物理的特性において有意な変化を示さない。
【0021】
材料の適合性:
本発明の組成物の1つによる油は、広範囲の用途のために、シリコーン化合物の不活性および大部分の金属およびポリマーとのそれらの相溶性を利用する。
【0022】
蒸気圧:
本発明の組成物は、脱気または真空液体プライミングなどの低圧環境を必要とする製造方法との適合性を提供するために、低揮発性化合物のみを含むことができる。この場合、本発明のシリコーンオイルは、低圧に長時間さらされた後でも、その化学的または物理的性質に顕著な変化を示さない。
【0023】
水およびガスへの溶解度:
本発明の組成物は、水と混和せず(85%相対湿度で最大200ppm)、所定の温度範囲内の密閉容器中での気泡形成のリスクが制限されるように、低いガス溶解度を有する。
【0024】
熱膨張:
本発明の組成物の1つによるオイルは、密閉された、剛性のある、硬く、柔軟性のないカプセル内で使用できるように、0.002℃-1の最大熱膨張係数を有するように設計される。
【0025】
以下に、本発明の組成物の1つによる油の屈折率および粘度の調整に使用される方法を説明する。屈折率および粘度は、少なくとも2つのベース液体を混合することによって所望の値に調整される。得られた液体組成物の屈折率は、ベース液体の屈折率の加重平均によって近似的に与えられる。平均は、各ベース液体の体積分率に基づいて加重される。各混合物について、補正係数を経験的に計算しなければならない。粘度にも同じ方法が使用されるが、対数スケール(アレニウス式)である。ベース液体および混合比は、複合液体の所望の特性を達成するように選択される。これは、粘度(log)-屈折率(lin)チャート上にグラフで示すことができる。混合物の粘度および屈折率を正確に予測する普遍的な理論はないので、油をその正確な仕様に調整するために複数回のブレンド反復が必要であるか、または所与の混合物についてのブレンドパラメータの経験的決定が必要である。
【0026】
当業者は、組成物の1つによる油の屈折率および粘度調整のために使用される方法に精通している。
【0027】
ここで図1Aを参照すると、粘度(log)-屈折率(lin)チャートが示されており、3つのベース液体(L1、L2およびL3)が、それぞれの粘度および屈折率にしたがってグラフに示されている。
【0028】
第一近似として、L1とL2のブレンドは、L1とL2を結ぶ線上の特性を持つことができる。たとえば、B1は50重量%のL1と50重量%のL2を含むブレンドである。3つのベース液体を混合すると、結果はL1、L2およびL3で区切られた三角形の内側の任意の場所となる。たとえば、B2は33 1/3重量%のL1、33 1/3重量%のL2および33 1/3重量%のL3を含む。組成物の屈折率と粘度を独立に調整するには、少なくとも3つのベース液体が必要であると推測される。実際には、ブレンドの特性値はこのような推定値とは大きく異なる。
【0029】
図1Bを参照すると、屈折率-波長チャートが示されている。透明な材料の屈折率は光の波長に依存する。波長依存性は分散と呼ばれ、可視スペクトルの両端の屈折率の差として定義することができる。たとえば、分散はD=n(F)-n(C)と定義することができる。ここで、FおよびCは、フラウンホーファースペクトル吸収線であり、F=486.134nm、C=656.281nmである。液体と隠蔽される物体との間の屈折率の最適なマッチングは、液体/組成物の屈折率(1801)が可視スペクトルのすべての波長について物体の屈折率1802と一致するときに達成される。複数の成分に基づくシリコーンオイル組成物は、処方/組成物の成分を適切に選択することによって、1つの所与の波長だけでなく、より広い波長範囲にわたって屈折率を調整することができる。さらに、ヒトの眼の感度が最も高い特定の波長、典型的には550nm付近、または可視スペクトル(400~700nm)にわたる両方の分散曲線の積分差が最小となる波長で屈折率を調整することによって、分散の残留差の影響を最小限に抑えることができる。
【0030】
本発明の方法は、第1のステップとして上記の近似を使用することからなり、次いで、第1のブレンド(ブレンド#1)を作製し、得られた特性値を測定し、所望の特性値のセットが得られるまで、成分比率を調整し、および/またはもう1つの液体を添加する。
ステップ1:近似にしたがって液体を混合する
ステップ2:特性値の測定
ステップ3:識別特性値のギャップ。ギャップがない場合、プロセスは終了する。
ステップ4:使用する追加の液体を特定するか、または現在の比率を修正する。
ステップ5:ステップ4で定義した比率にしたがって液体を混合し、ステップ2に進む。
【0031】
ここで図2を参照すると、流体カプセル100が示されている。流体カプセル100は、半可撓性壁114によって底部プレート104に取り付けられた頂部プレート102からなり、少なくとも1つの液体106を含む。液体106は、上述のように、3つのベース液体(L1、L2、およびL3)からなることができる。図は、底部プレート104と同じ直径を有する頂部プレート102を示しているが、流体カプセル100は、底部プレート104と異なる直径の頂部プレート102で構成することもできる。例えば、半可撓性壁114は、円筒形の代わりに全体的な円錐形を有することができる。液体106は、粘度、密度、熱膨張率、色、透過性、または光屈折率などの特定の特性を示すように選択される。カプセルはまた、使用者/装着者が重力に対して流体カプセルの向きを変化させたときに、重力によって作動される視覚的アニメーションを生成することができる装飾要素120または構造(図示しない)を含むことができ、使用者/装着者の動きによって提供される加速度によって、または手動または自動作動メカニズムによって、流体カプセル100が一体化されたアクセサリー、宝石、腕時計、または他のファッションアイテムに含まれる2019年4月17日に提出された米国仮出願US62/835,038または2019年10月2日に提出されたPCT/IB2019/058381に記載されているように、装飾要素120を含むというこの特徴は、本明細書中に開示された他の実施形態のいずれにも明示的に示されていない場合がある。この種のカプセル化は、例えば、国際特許出願PCT/IB2020/055313号に開示されているようなアニメーションおよび/または表示カプセルのような、典型的には、閉じた、剛性のある、硬く、柔軟性のない性質のものであり、この国際特許出願の全体の内容は、参照によって本明細書に明示的に組み込まれ、依拠される。
【0032】
ここで図3を参照すると、システム100が示されている。システム100の少なくとも一部が液体106に浸漬され、このような液体は、観察者に対して不可視または本質的に不可視になるように意図された移動機構の選択された部分102、110、112、114、116の屈折率と実質的に同一の屈折率を有する。液体106は、上述のように3つのベース液体(L1、L2、およびL3)から構成されてもよい。移動機構は、観察者に対して本質的に不可視になるように周囲の液体106の屈折率と実質的に同一の屈折率を有する材料で作られたリンク102のチェーン116から構成されてもよい。グリセリンまたは鉱油のような典型的な流体に対して、観察者に対して不可視または本質的に不可視になるように意図された部分102、110、112、114、116に適した材料は、例えば、ホウケイ酸、結晶ガラス、溶融シリカ、クラウンガラス、フリントガラス、水晶、透明セラミック(特にZerodur(登録商標)またはスピネル)、サファイア、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、ポリウレタンである。チェーン116は、周囲の液体106の屈折率とは著しく異なる屈折率の材料で作られた可視リンク104を含んでもよく、このような可視リンクは、貴金属または他の任意の適切な材料で作られてもよい。装飾要素は、不可視リンク102または可視リンク104に取り付けられてもよい。不可視リンク102および可視リンク104のチェーン116は、少なくとも1つのギアホイール114を介して動員され、滑車110および任意選択的にガイド112によって画定される回路を介して駆動される。滑車110、ガイド112および/またはギアホイール114は、少なくとも実質的に使用者/装着者に対して不可視になるように周囲の液体106の屈折率と実質的に同一の屈折率を有する材料で作られてもよい。作動機構(参照番号134として概略的に示される)は、液体または水密トランスミッション(参照番号124として概略的に示される)を介して少なくとも1つのギアホイール114を作動させる。このような液体または水密トランスミッション124は、磁気トランスミッション、ゴムシールを備えた直接トランスミッション、ベローズに封入された実質的に直線状のトランスミッション、油圧トランスミッション、または業界で知られている任意の適切なトランスミッションであってもよい。作動機構134は、使用者からの直接的な動作、またはエネルギーを貯蔵し(機械的、電気的、化学的、油圧的など)、驚くべき効果を生み出すためにランダムに運動を送達する機構、または使用者によってトリガーされたときに、または定期的なアニメーションを提供する時間管理機構であってもよく、任意選択的に時間のトップのような特定の時点で作動される。このような場合、時間関連の情報の表示が提供されてもよい。システムが着用可能なアイテムに実装される場合、アニメーションのためのエネルギー源は、装着者の動きと、作動機構134を巻き戻す振り子または振動質量に対する重力の効果との組み合わせによって提供されてもよい。この種のカプセルは、例えば、国際特許出願PCT/IB2019/058381号に開示されているように、アニメーションおよび/または指示カプセルのような、典型的には、閉じた、剛性のある、硬く、柔軟性のない性質のものであり、この国際特許出願の全体の内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、依拠される。
【0033】
図4を参照すると、アニメーションおよび/または指示カプセルのような装飾オブジェクト200は、1つまたは複数の透明壁212、250、252、透明壁212、250、252によって少なくとも部分的に画定される内部空洞7、上述のようなブレンド206を含み、ブレンドは、内部空洞254を少なくとも部分的に充填する。アニメーションおよび/または指示カプセルは、時計の実施形態であってもよいし、例えば、国際特許出願PCT/IB2016/001448号、PCT/IB2017/001146号、PCT/IB2019/058379号、PCT/IB2019/058381号、PCT/IB2019/058385号、PCT/IB2020/053025号、PCT/IB2020/055313号に開示されているようなアニメーションおよび/または指示カプセルのような、典型的には閉じた、硬い、堅い、柔軟性のない性質の別の種類のカプセルであってもよく、これらの国際特許出願の全体の内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、依拠される。
【0034】
次に図5を参照すると、エレクトロウェッティングディスプレイなどの装飾オブジェクト300は、1つまたは複数の透明壁301、307と、透明壁301、307によって少なくとも部分的に画定される内部空洞312と、上述のブレンドとを含み、ブレンド304は、内部空洞312を少なくとも部分的に充填する。
【0035】
本出願を通して使用されるエレクトロウェッティングは、電場を印加することによる(典型的には疎水性である)表面の湿潤特性の修飾であると理解される。
【0036】
図6に示されるような)エレクトロウェッティングディスプレイは、時計の実施形態であってもよいし、例えば、国際特許出願PCT/1B2018/058549号に開示されているようなエレクトロウェッティングディスプレイのような、典型的には閉じた、剛性がある、硬く、柔軟性のない性質の別の種類のカプセル化であってもよい。これらの国際特許出願の全体の内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、依拠される。
【0037】
組成物の有利な使用である多くの追加の例が挙げられる。1つの実施形態では、本発明の組成物は、異なる電位下の導電性領域が、組成物を流れる有意な電流なしに組成物と接触するように十分に非導電性にされる。言い換えれば、組成物は絶縁機能を有する。したがって、1つ以上のそのような導電性領域が互いに接触すると、電気接触が形成され、電流がこの接触を通って流れて装置の電気機能、例えば装置内の光源を作動させることができる。導電性領域は、任意に、ITOまたは他の有機または非有機透明導電性材料のような透明材料で、固体材料で、または印刷またはコーティングされたトラックまたは層の形態で作られる。導電性領域の構成、それらの形状、固定または可動部品上のそれらの位置は、有利には、ランダムに生成された電気接触を生成するように選択され、明らかにランダムな状況で装置の電気機能を作動させる。いくつかの実施形態では、これは、太陽の中で点滅するダイヤモンドの効果を有する。組成物の屈折率は、導電性領域の屈折率および/またはそれらが設置されている固定または可動要素の屈折率と一致するように任意に調整されるので、これらのすべての要素は、任意に観察者に見えないようにすることができる。その結果、目に見えない電気スイッチが提供される。電気回路を隠すことは重要であり、一般的に言って、そのような回路は高級宝石および時計には適さない。
【0038】
図7Aから図7Bを参照すると、一実施形態において、本発明のシステム700は、本発明の流体組成物702に浸漬された、構造742内に緩く保持された可動要素732上に設置された光源722を含む。構造742の一部744は、グランドに接続された導電性領域754で覆われている。構造742の別の部分746は、電源757に接続された導電性領域756で覆われている。光源722の第1の接続724は、構造742の導電性領域754に面して可動要素732上に設置された導電性領域734に接続されている。光源722の第2の接続726は、構造742の他の導電性領域756に面して可動要素732上に設置された導電性領域736に接続されている。光源722、可動要素732、構造742、導電性領域734、736、754、756は、透明な材料で構成することができ、観察者に見えないように組成702の屈折率と一致させることができる。
【0039】
次に図7Bを参照すると、構造742内の可動要素732間の大きな遊びのために、可動要素732は、導電性領域764、766、特に導電性領域734と導電性領域754、および導電性領域736と導電性領域756がそれぞれ接触する位置にランダムに移動することができ、このような場合、電流は、可動要素732および構造742の接点を通って流れ、光源722を作動させることができる。可動要素732の移動の速度および様式は、組成物702の粘度および密度、可動要素732の質量および密度、ならびにユーザー/観察者によってシステム700に与えられる加速度および向きによって決定される。
【0040】
別の実施形態では、導電性領域は、既知の向き、動き、加速度、および所定の時間で電気接触を生成するような方法で設置され、指示を提供するために装置の電気機能を作動させる。一例として、このような接触は、各所定の時間間隔(時、分、...)で光源を作動させるために、時間指示装置で使用することができる。
【0041】
ここで図8Aから図8Dを参照すると、本発明のシステム800は、関節継手(図ではボールジョイントとして示されている)を介して取り付けられ、滑車822、溝またはガイド824によって所定の経路に従うように案内され、本発明の組成物802に浸漬された機構820(象徴的には歯車の一部として表される)によって作動される剛性リンク812のチェーン810を含む。1つの変形例では、機構820は、時間に関連しており、例えば、時計の動きによって、または使用者/装着者の自発的な動作によって作動または調節されるか、または業界でよく知られている自動巻き時計の機構など、システムの装着者の動きによって駆動される機械的バラスト機構によって作動される。チェーン810の1つまたは複数のリンク812には、光源830が装備されている。光源の第1の接続は、チェーンリンク812上の第1の導電ゾーン832に接続され、光源の第2の接続は、チェーンリンク812上の第2の導電ゾーン834に接続されている。滑車822は、リンク812の第1の導電ゾーン832に対向するように配置された第1の導電ゾーン842と、チェーンリンク812の第2の導電ゾーン834をレースするように配置された第2の導電ゾーン844を有している。電源850は、滑車822の第1の導電ゾーン842および第2の導電ゾーン844に、それぞれ矢印852、854で象徴的に表されているブラシなどを介して接続されている。機構820、光源830、チェーンリンク812、滑車822、溝またはガイド824、導電ゾーン832、834、852、854は、透明な材料で作られていてもよく、観察者に見えないように組成802の屈折率と一致させてもよい。これらの要素の一部またはセクションは、装飾によって使用者/装着者の視界から隠されたり、使用者/装着者の視界から隠されたりすることがある。
【0042】
次に図8Dを参照すると、チェーン810が作動している間、チェーンリンク812は最終的にプーリ822上を通過し、プーリ822の第1の導電性ゾーン842はチェーンリンクの第1の導電性ゾーン832と接触し、プーリ822の第2の導電性ゾーン844はチェーンリンクの第2の導電性ゾーン834と接触し、電気接点860を生成し、チェーン810がこの位置にある間、電流が光源830を作動させることを可能にする。
【0043】
本明細書に記載される不可視電気スイッチの機能性は、より複雑なスイッチングパターンを提供するために、および/または2つ以上の電気的に活性化される機能のために、多くの異なる方法で組み合わせることができる。
【0044】
本明細書に記載された不可視電気スイッチは、国際出願PCT/IB2019/058379、PCT/IB2020/053025、PCT/IB2019/058381、PCT/IB2019/058385に記載されたウェアラブルデバイスのいずれにおいても使用することができ、これらの出願の内容は、その全体が本発明の基礎となる技術的課題の解決に寄与すると考えられるので、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれ、本明細書により保護を求めることができる特徴を定義するために依拠され、以下に記載されるいくつかの特徴は特に重要である。
【0045】
さらなる実施形態において、流体カプセル内で動的効果を生成するための溶液が提供される。可動要素は、本発明の組成物などの液体で満たされたチャンバ内を移動する。可動要素は、少なくとも一部が透明な材料で作成され、可視の部品/要素も含む。可視の要素は、可動要素の移動の視覚化を容易にし、アニメーションを生成する。透明の部品は、可視の要素を保持し、必要に応じて可視の部品を目的の方向に向けるための構造として機能する。透明の部品は、その形状に応じて、可動要素の変位をガイドするのに役立つ。
【0046】
液体の屈折率を透明な構造要素の屈折率に一致させることにより、ユーザーが透明な要素の構造を見ることを防止する。重力によって生じる可動要素の変位と変位の速度は、液体の粘度に依存する。液体の屈折率と粘度の両方を調整することにより、構造の消失と所望の変位速度で所望の効果を生成することができる。
【0047】
図9を参照すると、密封されたカプセル1001は、液体組成物1002および1つまたはいくつかの可動要素1003を含む。可動要素1003の構造部分1005は、透明材料で作られる。液体1002の屈折率は、構造要素1003の屈折率に一致するように調整される。可動要素1003は、重力ベクトルの方向およびカプセル1001の向きによって決定される方法で活性化される。液体1002の粘度は、変位速度を所望の効果に適合させるように調整される。
【0048】
本発明は、他のパラメータに実質的な影響を与えることなく、屈折率または粘度を独立して調整する能力に部分的に依存する。
【0049】
別の実施形態では、可動要素は、1つまたは複数の要素で構成された関節を介して流体カプセルへの接続を有する。これらの要素は、屈折率の適切なマッチングのために不可視であってもよい。
【0050】
別の実施形態では、可動要素は、機構によって作動される。機構は、流体カプセルの内側または外側に配置されてもよい。その粘度のために、可動要素の周りの液体は、空気と比較して要素の移動を遅くする。所望の視覚効果を得るために、移動要素の一部または全体は、液体の屈折率を移動要素の屈折率に適切に一致させることによって不可視にされる。その屈折率を変化させずに液体の粘度を調整することによって、移動要素の移動に対する抵抗、したがって移動要素の移動速度を選択することができる。
【0051】
いくつかの態様において、流体カプセルは、作動および自由可動要素の両方を含む。
【0052】
図10を参照すると、密封されたカプセル1011は、本発明の組成物1012を含有する。インペラ1013は、回転機構によって作動される。この構成では、機構は、流体チャンバの外側にある。インペラブレードと組成物1012との間の摩擦が回転運動を制動し、速度の制御を可能にする。この実施形態では、インペラ1013は透明であり、その屈折率は組成物1012の屈折率と一致し、移動をユーザーには見えないようにする。摩擦力は組成物1012の粘度に依存するので、屈折率を変化させずに粘度を制御することが望まれる。
【0053】
本発明のシリコーンオイル組成物は、典型的には、明確に規定された粘度および屈折率を有する光学的に透明な液体をもたらすように微調整された、比率の異なるシリコーンオイルの混合物である。
【0054】
シリコーンオイル組成物が3つの液体の混合物である場合、混合物の密度を調整して、混合物内の物体の浮遊特性を設定する。
【0055】
一実施形態において、組成物の混合物は、屈折率を規定された値に維持しながら、所望の密度に適合される。
【0056】
次に、図11を参照すると、3つのベース液体(L4、L5およびL6)が、それぞれの密度および屈折率にしたがって示されている密度-屈折率チャート/グラフが示されている。
【0057】
第一近似として、L4とL5のブレンドは、L4とL5を結ぶ線上にのみ特性を持つことができる。たとえば、B3は50重量%のL4と50重量%のL5を含むブレンドである。3つのベース液体を混合すると、結果はL4、L5およびL6で区切られた三角形の内側の任意の場所となる。たとえば、B4は33 1/3重量%のL4、33 1/3重量%のL5および33 1/3重量%のL6を含む。組成物の屈折率と密度を独立に調整するためには、少なくとも3つのベース液体が必要であると推測される。実際には、ブレンドの特性値はこのような推定値とは大きく異なる。
【0058】
ここで図12を参照すると、一実施形態では、2つの非混和性液体1202、1203が、移動要素1204と共に流体チャンバ1201内で使用され、2つの液体のうちの少なくとも1つは本発明の組成物である。1つの液体1202、1203の密度が移動要素1204の密度よりも低くなるように調整または選択することによって、および黄土色の液体1202または1203の密度がタイヤ移動要素1204の密度よりも高くなるように調整または選択することによって、2つの液体間の界面1205(破線として示される)で「空中浮遊」効果で移動要素1204を浮遊させることができる。両方の液体1202、1203の屈折率を本質的に同一になるように同時に調整または選択することによって、2つの液体間の界面1205は目に見えなくなり、移動要素1204は、流体チャンバが移動または戻された場合であっても、流体チャンバ1201の中央に浮遊する効果を生じる。
【0059】
図13に示すさらなる実施形態では、時計ムーブメントまたは任意の衝撃感知装置などの衝撃感知装置の加速を減衰させる組成物が提供される。衝撃を減衰させるために使用されるシリコーンオイルの粘度は、システムの減衰レベルを制御するために上記の方法で調整される。屈折率マッチングを使用して、シリコーンオイル混合物とそれに接触する透明物体との間の界面における光の光学屈折および反射を低下または抑制することができる。これらの透明物体は、チャンバ側壁、浸漬物体、または流体抵抗などの技術的特徴であり得る。
【0060】
その好ましい実施形態では、衝撃感知装置1001は、粘度および屈折率が調整された液体1003によって囲まれた気密カプセル内に密封される。ケース1002の1つ、2つ、またはいくつかの壁は透明であり、液体1003はそれらの透明な壁と光学的に一致することができる。衝撃感知装置1001は、デバイスの側面または底部をケースに吊り下げる1つまたはいくつかの柔らかいバネ1004(低いバネ係数Kを有する)によって吊り下げられる。これらのバネは、デバイスを液体に浸すことによって存在するアルキメデス力のおかげで、デバイス1001が液体に浸されなかった場合よりも柔らかくすることができる。これらのバネは、デバイスが加速されると運動を可能にする。この運動は、調整された粘度を有する組成物である液体1003によって減衰される。減衰は、移動デバイス1001の周りの液体中の剪断力によって生じる。必要に応じて、波形膜1005などの柔軟な要素を任意に使用して、液体の熱膨張を補償する。衝撃感知装置が時計ムーブメントである場合、クラッチのような機構1006を使用して時間またはその他のユーザー機能を設定し、クラッチが開いているときにのみ時計ムーブメントをバネによって吊り下げたままにする。
【0061】
図14に示す別の実施形態では、衝撃感知装置1001は、本発明の組成物である液体1003で満たされた第1の柔軟な膜1004によって吊り下げられている。液体は、チャネルを通って、装置の他の場所に隠された第2の柔軟な膜1005内に封入された容積内に流れることができる。シリコーン液体の粘度は、衝撃時に、衝撃感知装置1001の運動によってチャネル内に強制された液体が第2の柔軟な膜1005の下に移動し、それによって、液体中の剪断力によって装置1001の運動を減衰させるように調整することができる。減衰の量は、チャネルの寸法によっても調整することができる。衝撃感知装置が時計ムーブメントである場合、クラッチのような機構1006を任意に使用して、時間または他のユーザー機能を設定し、クラッチが開いているときにのみ時計ムーブメントを第1の膜1004によって吊り下げたままにする。液体の熱膨張は、2つの膜の柔軟性によって吸収される。
【0062】
先の実施形態の変形例である、図15に示されるさらに別の実施形態では、衝撃感知装置1001は、可撓性ベローズによって吊り下げられ、可撓性膜は、この可撓性ベローズ内に、好ましくはその中心に埋め込まれ得る。
【0063】
さらに別の実施形態を図16A~16Cに示す。発光ダイオード(LED)は、半導電性P-N接合を使用することによって電流を可視範囲の電磁放射に変換するエネルギー効率の高い技術である。しかし、P-N接合の発光効率は依然として温度に依存するため、パワーLED照明(一般消費者ランプおよび照明器具など)は、LED光源で発生した熱を放散するための温度管理システムを必要とする。ここで図16Aを参照すると、本発明のデバイスの変形は、少なくとも光が放出されなければならない領域において側壁が透明であるコンテナ1003内のシリコーンオイル混合物/組成物1002を使用する。LEDデバイス1001のパッケージは、シリコーンオイル混合物/組成物1002と直接接触するか、またはシリコーンオイルが電気的に絶縁性であるので、LEDダイ/デバイス1001は、代替的に、シリコーンオイルと直接接触することができる。LEDデバイス1001は、コンテナ1003の外部への電気的相互接続を提供する支持体1002上に取り付けられる。LEDパッケージまたはLEDダイとシリコーンオイルとの直接接触は、LEDとシリコーンオイルとの間の良好な熱接触のおかげで、大きなシリコーンオイル熱質量を有することによって、およびLEDのすぐ近くの局所加熱によりシリコーンオイル中に生じる自然対流によって、効率的な熱冷却を提供する。コンテナは、チャンバの形状によって光路から理想的に保たれるべき空気/気体気泡1004のような熱補償特徴を埋め込む。代替デバイス2000が図16Bに示される。この実施形態では、柔軟な膜2004が、必要に応じてチャンバまたは図16Cに示される別の代替デバイス3000に結合される。柔軟な膜3004が、LED支持体3002に結合されて、必要なコンプライアンスを提供し、チャンバ内に気泡を有する必要なしに流体の熱膨張を吸収する。シリコーンオイルの屈折率を調整することによって、LEDの外側の放射パターンが調整される。シリコーンオイルの屈折率を調整して、LEDパッケージの屈折率および/またはコンテナ1003の透明壁に適合させることによって、反射光損失が低減される。シリコーンオイルの粘度を調整することによって、自然対流ダイナミクスが調整される。
【0064】
次に、図17A~17D、特に図17Aを参照すると、第1の透明壁1700および反対側の任意選択的に透明な壁1701を有する液体充填装飾カプセル1750が示されている。両方の壁1700、1701は、同じまたは異なる透明材料であってもよく、漏れのない方法でカプセルベース1702に固定される。次に、このカプセルは、透明壁よりも高い屈折率の液体1704で満たされる。カプセルの円周上には、1つまたは複数の光源1705が取り付けられ、側壁の残りの部分は、任意選択的に反射層1703でコーティングされる。光源1705は、図17Aに示されるように、液体1704に浸漬されたカプセルの内部に任意選択的に取り付けられるか、または図17Bに示されるように、カプセルの外側に取り付けられてもよく、ここで、透明壁の1つは、ドーム型の形態を有する。光源によって放出された光は、液体と透明壁との間の界面における全内部反射(光学ライトガイドと同様)ならびに反射コーティング1703からの反射のために、装飾カプセルの内部に留まる。液体の屈折率は、全内部反射の量を最大または最小にするように調整することができる。
【0065】
次に、図17Cを参照すると、図17Aに示される実施形態に基づく装飾カプセルが示されるが、同様に、図17Bに示される実施形態またはそのような他の実施形態に基づくこともでき、ここで、固体要素1706または宝石1707は、液体内で自由に移動することができる。これらの固体要素は、カプセル内の光の一部をカプセルの外側の観察者に向けて散乱させ、したがって、これらの物体をより可視にし、またはそれらを光沢させる。液体の屈折率および/または粘度(本明細書の他の部分では組成とも呼ばれる)は、再度、装飾カプセルの着用または保持時にユーザーによって生成される重力または加速度に対する装飾カプセルの方向の変化に応じて、すべての固体要素を装飾カプセル内で特定の速度で移動させる全内部反射を最適化/最大化するように調整/調整される。
【0066】
次に図17Dを参照すると、図17Aまたは図17Bなどに示される実施形態の1つに基づく装飾カプセルが示され、ここで、1つまたは複数の透明壁の1つまたは両方は、凸1709または凹1708のレリーフ特徴を含むように構成される。このカプセルは、任意に透明物体1710を含み、理想的には、透明物体および構造化された透明壁は、液体1704と同じ屈折率である。したがって、光照射がなければ、レリーフ特徴1709および/または1708ならびに透明物体1710は、液体内では本質的に見えない。壁1700、1701の透明材料または透明物体1710の分散と比較した液体1704の分散(図1Aおよび1Bの説明を参照)の差により、カプセルの内部を白色または特定の波長の光で照射すると、不完全に一致した屈折率波長での光屈折のために現れるレリーフ特徴および/または透明物体の輪郭を明らかにすることができる。
【0067】
好ましい態様において、本発明は、それが接触している透明な障壁、構造物、固定または可動要素と同一または同様の屈折率を有し、それによって障壁、構造物または要素を人間の目に見えないようにするシリコーンオイル組成物を提供する。
【0068】
別の利点において、本発明は、広い温度範囲にわたって安定であるシリコーンオイル組成物を提供する。
【0069】
別の好ましい態様において、本発明は、明確な粘度および屈折率を有する光学的に透明な液体をもたらす。
【0070】
本発明は、以下の特徴セットのいずれか1つによって要約することができる。
【0071】
1.シリコーンオイル組成物であって、少なくとも2種、好ましくは3種のシリコーンオイル成分が、透明材料の屈折率に適合するように、また同時に組成物の動粘度を一定の範囲内に調整するように、相対量で選択され、当該量は好ましくは加重量であるシリコーンオイル組成物。
【0072】
2.特徴セット1の組成物であって、透明材料が、宝石、ボロフロート33、ホウケイ酸、フロートガラス、溶融シリカ、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、シクロオレフィンコポリマー、ガラス、結晶性ガラスからなる透明材料の群の1つから選択される組成物。
【0073】
3.上記の特徴セットのいずれかの構成は、さらに、カプセル化、典型的には、アニメーションおよび/または指示カプセルのような、実質的に閉じられており、剛性のある、硬く、柔軟性のないカプセル内での使用に適しているように適合される。
【0074】
4.エレクトロウェッティングディスプレイで使用される、上記の特徴セットのいずれかの構成。
【0075】
5.上記の特徴セットのいずれかの組成物であって、シリコーンオイル成分の割合が、明確な粘度および屈折率を有する光学的に透明な液体をもたらすように調整される組成物。
【0076】
6.特徴セット5のいずれか1つの組成物であって、シリコーン成分が、ヒトに対して無毒であり、混合後に、特定の温度範囲内で限定された化学的または物理的変化を示す溶液を生じるように選択される組成物。
【0077】
7.特徴セット5または6のいずれか1つの組成物であって、シリコーン組成物が、典型的には、Si-O-Si骨格を有し、1cStを超える粘度および1.3を超える屈折率を有する少なくとも1つ以上の分岐または非分岐ポリシロキサンポリマーを含む組成物。
【0078】
8.ポリシロキサンポリマーのポリシロキサンが、以下からなるポリシロキサンの群の1つから選択される特徴セット7の組成物:
a)粘度が1cSt~1000cStで屈折率が1.3~1.6である式(CHSi[Si(CHO]Si(CHOのポリジメチルシロキサンポリマー;
b)屈折率が1.41~1.6であり、粘度が10~1000cStである芳香族シロキサンの群の1つから選択される芳香族シロキサンであって、
b1)式(CHSi[Si(Ph)O][Si(CHO]Si(CHOのジフェニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;
b2)式(CHSi[Si(CH)(Ph)O][Si(CHO]Si(CHOのフェニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;
b3)式(CHSi[Si(CH)(Ph)O]Si(CHOのフェニルメチルシロキサンポリマー;
b4)任意の粘度および屈折率を有する式R-Si(CH-O-Si(CH-RおよびR-Si(CH-O-Si(CH)R-Si(CH)R-Si(CH)-Rを有するジシロキサンまたはトリシロキサン;
b5)アルキルまたは芳香族アルキルシリコーンホモポリマーまたはコポリマー、および
b6)フルオロカーボン側鎖を有するポリシロキサン
【0079】
9.組成物の屈折率が、25℃の温度および589.3 nmの波長で選択される、上記特徴セットの組成物。
【0080】
10.特徴セット9の組成物であって、特定の用途の要件に応じて、同じ屈折率を有するシリコーンオイル成分が異なる粘度で配合され、典型的には、粘度は、屈折率とは独立して調整されて、700~1300kg/mを含む液体密度で、1~200cSt、1~200 10-6・s-1の目標値を達成する組成物。
【0081】
11.-20℃~70℃、好ましくは0℃~50℃、より好ましくは10℃~40℃の温度範囲で機能するように組成物が選択され、本発明の組成物による液体は、該範囲内で光学的に透明なままであり、特定の範囲内で相転移または相分離を受けず、温度による屈折率および粘度の変化が完全に可逆的である、上記特徴セットのいずれかの組成物。
【0082】
12.上記特徴セットのいずれかの組成物であって、組成物の少なくとも1つに使用されるシリコーンオイル成分がREACH規則に適合し、0.1重量%を超える高懸念物質(SVHC)を含まず、好ましくは組成物がSVHC物質または毒性化合物を含まず、必要に応じて、油性成分を精製して、2,6-シス-ジフェニルヘキサメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、またはデカメチルシクロペンタシロキサン(D5)とドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)などの毒性化合物を除去する組成物。
【0083】
13.上記の特徴セットのいずれかの組成物であって、当該組成物が、UVへの曝露後、特に、60W/m、290~400nmで100時間後、または70℃等の高温下で6か月間にわたる長期曝露後に、化学的または物理的特性に有意な変化を示さないように配合されている組成物。
【0084】
14.上記の特徴セットのいずれかの組成物であって、使用されるオイル成分は、オイル成分が低圧への長時間の曝露後に化学的または物理的特性に著しい変化を示さないように、低圧環境に適合するために理想的に低揮発性を有するように選択される組成物。
【0085】
15.上記の特徴セットのいずれかの組成物であって、85%相対湿度において混和性が最大200ppmに制限されて、水と混和しないように、また、密閉容器内での気泡形成のリスクが制限されるようにするため、低いガス溶解度を有するように選択される組成物。
【0086】
16.上記特徴セットのいずれかの組成物であって、前記組成物が0.002℃-1の最大熱膨張係数を有するように配合されている組成物。
【0087】
17.上記の特徴セットのいずれか1つの組成物であって、装飾要素がその中に吊り下げられ、2つの隣接する構造要素の間に緩く捕捉される組成物。
【0088】
18.前記装飾要素は、前記構造要素に接触するように配置された回路に接続されたLEDを含み、それによって、前記装飾要素が接触位置に移動したときに前記LEDを点灯させる電気接続を行う、前記特徴セットのいずれか1つの組成物。
【0089】
19.上記の特徴セットのいずれか1つの組成物であって、少なくとも1つの装飾要素がその中に吊り下げられており、組成物内で中立する浮力を有し、したがってその中に浮遊する傾向がある組成物。
【0090】
20.組成物が充填されたカプセル内に少なくとも1つの装飾要素が懸濁され、さらに、組成物に屈折率が適合する材料からなる攪拌インペラが組成物を攪拌するように構成され、それによってカプセル内の少なくとも1つの装飾要素を移動させる、上記特徴セットのいずれか1つの組成物。
【0091】
21.前記装飾要素が、第1の密度を有し、2つの液体間の界面で組成物を含むカプセル内に懸濁され、2つの液体のうちの少なくとも1つが組成物の配合物であり、一方が第1の密度より大きい密度を有し、他方が第1の密度より小さい密度を有する、上記特徴セットのいずれか1つの組成物。
【0092】
22.アニメーションおよび/または表示カプセル(100、200、1001、1011)に具現化される装飾オブジェクト(120、200、1003)であって、1つまたは複数の透明壁(102、104、114、212、250、252)と、透明壁(102、104、114、212、250、252)によって少なくとも部分的に画定される内部空洞(118、254)とを含み、内部空洞(118、254)は、上記特徴セットのいずれか1つに規定される組成物で少なくとも部分的に充填される装飾オブジェクト。
【0093】
23.特徴セット22の装飾オブジェクト(120、200、1003)であって、典型的には、アニメーションおよび/または指示カプセルのような、閉じられた、実質的に剛性のある、硬く、好ましくは本質的に柔軟性のないカプセル化を含む装飾オブジェクト。
【0094】
24.特徴セット22の装飾オブジェクト(120、200、1003)、または任意的にはカプセル(100、200、1001、1011)であって、宝石、腕時計、時計、または任意の他のファッションアイテムのアイテムに具体化される装飾オブジェクトまたはカプセル。
【0095】
25.1つ以上の透明壁(301、307)と、透明壁(301、307)によって少なくとも部分的に画定される内部空洞(312)と、特徴セット1~21のいずれか1つの組成物とを備え、組成物(304)は内部空洞(312)を少なくとも部分的に充填するように構成されたエレクトロウェッティングディスプレイを含む装飾オブジェクト(300)。
【0096】
26.特徴セット25の装飾オブジェクト(300)であって、典型的には、アニメーションおよび/または指示カプセルのような、閉じられた、実質的に剛性の、剛性の、好ましくは柔軟性のないカプセル化であるカプセル化から構成される。
【0097】
27.特徴セット25の装飾オブジェクト(300)であって、オブジェクトは、宝石、腕時計、時計、または任意の他のファッションアイテムのアイテムである装飾オブジェクト。
【0098】
28.特徴セット1~21のいずれか1つの組成物の、宝石、腕時計、時計、または任意の他のファッションアイテムなどの装飾的物体の製造における使用。
【0099】
29.少なくとも2つのベース液体を含むオイル成分の組成物の屈折率および粘度を調整する方法であって、以下のステップを含む方法。
(a)得られた液体組成物の屈折率を、ベース液体の屈折率の加重平均によって決定し、その平均を各ベース液体の体積分率に基づいて加重すること;および
(b)得られた液体組成物の粘度を、任意にアレニウス式を使用して、対数スケールでの加重平均によって決定し、ベース液体および組成比は、複合液体の所望の特性を達成するように選択される。
【0100】
30.1cStを超える粘度および1.33を超える屈折率を有するSi-O-Si骨格を有する1つまたは複数の分岐または非分岐ポリシロキサンポリマーを含む、シリコーンオイル成分で少なくとも部分的に満たされたチャンバ内に封入された装飾オブジェクト。
【0101】
31.特徴セット22~27のうちのいずれか1つの装飾オブジェクトであって、オブジェクトは、宝石、腕時計、時計、または流体カプセル(100)が一体化される任意の他のファッションアイテムなどのアクセサリーである装飾オブジェクト。
【0102】
32.以下のステップを含む、特徴セット1~21のうちのいずれか1つの組成物を混合する方法:
a)標的特性(粘度および屈折率)を決定する。
b)指定された比率の2つのシリコーンオイル成分からなる組成物を、近似値にしたがってブレンドする。
c)ステップb)のブレンドされた組成物の物理的特性(粘度及び屈折率)を測定する。
d)ステップa)で決定された標的特性とステップc)で測定された物理的特性との間の偏差を決定し、-偏差がない場合、ステップを修了し、-偏差がある場合、以下のステップに進む。
e)第3のシリコーンオイル成分及びステップb)で使用される2つのシリコーンオイル成分に対する推定される比率を特定する、またはステップb)で使用される2つのシリコーンオイル成分の比率の補正を決定する、及び
f)ステップe)で定義された比率にしたがって組成物を混合し、ステップc)に進む。
【0103】
33.構造(742)内に緩く保持された可動要素(732)上に設置された光源(722)を含むシステム(700)であって、特徴セット1~21のいずれかに規定される組成物に浸漬されたシステム。
【0104】
34.関節を介して取り付けられ、滑車(822)、溝、またはガイド(824)によって案内されて所定の経路に従い、機構(820)によって作動され、特徴セット1~21のいずれかの組成物に浸漬される、剛性リンク(812)のチェーン(810)を含むシステム(800)。
【0105】
35.特徴セット1~21のいずれか1つの組成物を使用する減衰システムであって、時計のムーブメントまたは任意の衝撃感知装置などの衝撃感知装置の加速を減衰させるように適合され、流体組成物(1003)が衝撃を減衰させるために使用され、その組成物は、システムの減衰レベルを制御するために調整され、シリコーンオイル成分混合物と、透明物体に接触する透明物体との間の界面における光の反射が適合されて、光学的屈折を低下または抑制し、それによって、装置が、調整された粘度を有する流体組成物(1003)によって減衰される加速にさらされた場合に、運動を可能にする減衰システム。
【0106】
36.前記透明物体は、チャンバ側壁および浸漬物体からなる透明物体の群のいずれか1つを含む上記特徴セットのシステム。
【0107】
37.特徴セット35または36のいずれか1つのシステムであって、衝撃感知装置(1001)が、さらに選択された粘度および屈折率を有する流体組成物(1003)によって囲まれた気密カプセル内に密封される、システム。
【0108】
38.特徴セット35~37のいずれか1つのシステムであって、ケース(1002)の少なくとも1つの壁は透明であり、液体の組成物(1003)は透明な壁のものと光学的に適合しているシステム。
【0109】
39.特徴セット35~38のいずれか1つに記載のシステムであって、衝撃感知装置(1001)は、液体懸濁組成物が使用されなかった場合に必要とされるよりも軟らかい1つまたは複数の軟質(すなわち、低いバネ係数Kを有する)バネ(1004)によって吊り下げられ、このバネを介して、デバイスは、ケース(1002)の側面および/または底部に吊り下げられるシステム。
【0110】
40.特徴セット35~39のいずれか1つのシステムであって、波形膜(1005)などの可撓性要素が、液体の熱膨張を補償するために使用されるシステム。
【0111】
41.特徴セット35から40のいずれか1つのシステムであって、衝撃感知装置が時計ムーブメントであり、システムが、時間または他のユーザー機能の設定を可能にするように適合されたクラッチ様機構(1006)を含み、クラッチ様機構が、クラッチが開いているときにばねによってのみ時計ムーブメントを吊り下げたままにするシステム。
【0112】
42.チャネルによって接続された、第1および第2の流体組成物が充填された柔軟な膜(1004、1005)を含む、特徴セット35~41のいずれか1つのシステムであって、衝撃感知装置は、流体組成物(1003)が充填された第1の膜(1004)によって懸濁され、その結果、流体は、チャネルを通って、デバイス中の他の場所に配置された第2の柔軟な膜(1005)内に封入された容積へと流れることができるように構成されたシステム。
【0113】
43.特徴セット41または42のいずれか1つのシステムであって、流体組成物(1003)の粘度は、衝撃の際に、流体組成物が、衝撃感知装置(1001)の運動によってチャネル内に強制され、第2の可撓性膜(1005)の下に移動し、それによって、液体中の剪断力によってデバイス(1001)の運動を減衰させるように選択されるシステム。
【0114】
44.特徴セット42または43のいずれか1つのシステムであって、システムの減衰量がチャネルの寸法によって調整されるシステム。
【0115】
45.特徴セット42~44のいずれか1つのシステムであって、時計ムーブメントと、時間または他のユーザー機能を設定するように適合されたクラッチ様機構(1006)とを含み、クラッチが開いているときに時計ムーブメントを第1の膜(1004)によってのみ吊り下げたままにするシステム。
【0116】
46.機能セット42から45の1つのシステムであって、流体組成物の予想される熱膨張は、2つの膜の柔軟性によって吸収されるシステム。
【0117】
47.特徴セット39~46のいずれか1つのシステムであって、バネは可撓性ベローズであり、可撓性膜は、任意に、この可撓性ベローズ内に、好ましくはその中心に埋め込まれるシステム。
【0118】
48.特徴セット33~47のいずれか1つのシステムであって、装飾要素が、その中に配置されたチャンバ内に吊り下げられ、2つの隣接する構造要素の間に緩く捕捉され、チャンバが液体で満たされるシステム。
【0119】
49.前記装飾要素は、前記構造要素に接触するように配置された回路に接続された電気光源であり、それによって、前記装飾要素が接触位置に移動したときに前記電気光源を作動させる電気接続を行い、任意的に、前記電気光源および/または前記導電要素は、屈折率の適切な選択によって不可視にされる、特徴セット33~48のいずれか1つのシステム。
【0120】
50.少なくとも1つの装飾要素がその中に吊り下げられ、組成物内で中性の浮力を有し、したがってその中に浮遊する傾向がある、特徴セット33~49のいずれか1つのシステム。
【0121】
51.特徴セット33~50のいずれか1つのシステムであって、少なくとも1つの装飾要素が、組成物で満たされたカプセル内に懸濁され、さらに、屈折率が組成物に適合する材料で作られた撹拌インペラが、組成物を撹拌し、それによって、カプセル内の少なくとも1つの装飾要素の移動を引き起こすように構成されるシステム。
【0122】
52.特徴セット33~51のいずれか1つのシステムであって、装飾要素は、第1の密度を有し、2つの液体の間の界面で組成物を含むカプセル内に懸濁され、2つの液体のうちの少なくとも1つは組成物の配合物であり、一方は第1の密度よりも有意に大きい密度を有し、他方は第1の密度よりも有意に小さい密度を有するシステム。
【0123】
53.オイル成分の粘度が、囲まれた物体の変位速度を調整するように調整される、特徴セット33~52のいずれか1つのシステム。
【0124】
54.少なくとも内部または外部光源と、特徴セット1~21のいずれか1つの組成物を含有する1つの透明障壁とを有する装飾カプセルであって、組成物の屈折率は、光源によって生成された光が装飾カプセル内に閉じ込められたままであるように、少なくとも1つの透明障壁の屈折率よりも優位である装飾カプセル。
【0125】
55.組成物に組み込まれた装飾要素を含む特徴セット54の装飾カプセルであって、装飾要素は、カプセル内の光源によって生成された光の一部をカプセルの外側の観察者に向けて散乱させ、これによってこれらの物体をより可視的にするか、またはそれらを光沢のあるものにする装飾カプセル。
【0126】
56.少なくとも内部または外部光源と、特徴セット1~21のいずれか1つの組成物を含有する1つの透明障壁とを有する装飾的カプセルであって、1つ以上の透明障壁のうちの1つは、凸または凹のレリーフ特徴を含有するように構成され、組成物の屈折率は、透明障壁の屈折率と一致し、凸または凹のレリーフ特徴は、カプセル内の光源によって生成された光の一部をカプセルの外側の観察者に向けて散乱させ、これによって凸または凹のレリーフ特徴をより目に見えるようにするか、またはそれらを光沢のあるものにする装飾的カプセル。
【0127】
57.組成物に吸収された装飾要素を含む特徴セット56による装飾カプセルであって、装飾要素は、カプセル内の光源によって生成された光の一部をカプセルの外側の観察者に向けて散乱させ、これによりこれらの物体をより可視的にするか、またはそれらを光沢にする装飾カプセル。
【0128】
本件で図示及び開示される特定の実装は本発明の例示及び最良の態様であり、本発明の範囲をいかなる意味でも制限するものではないことを理解されたい。
【0129】
本発明は多数の応用が可能であることを理解されたい。
【0130】
当業者には理解されるように、本発明はシステム、装置、又は方法として具現化することが可能である。
【0131】
本発明は、本発明の様々な態様により、ブロック図、装置、部品、モジュールを参照して説明される。ブロック図の各機能ブロック、及びブロック図の機能ブロックの組合せの実装が可能であることを理解されたい。
【0132】
したがって、ブロック図の描写により、特定機能を実行するための手段の組合せ、特定機能を実行するためのステップの組合せ、及び特定機能を実行するためのプログラム命令手段がサポートされる。
【0133】
また、本願のシステムは、本願と同様の機能を有する全ての物品、サービス、又は情報の使用、販売、及び/又は流通が期待される。
【0134】
本願の明細書及び図面は限定的なものではなく例示的なものとして理解されるべきであり、本願で説明される全ての改良は、本願の請求する発明の範囲に包含されることを意図される。したがって、本願発明の範囲は、上記された単なる例示案からではなく、添付される請求項(現在の請求項、又は後に補正若しくは追加される請求項、及びそれに法的に相当するもの)によって判断されるべきである。全ての方法又は工程の請求項で記載されるステップは、特に記載のない限りどの順序でも実行可能であり、請求項に記載される特定の順序に限定されない。さらに、装置の請求項で記載される要素及び/又は部品は、本願発明と実質的に同一の成果をもたらす様々な置換で組立又は機能構成することも可能である。総じて、本願発明は請求項で記載される特定の構成に限定されるべきではない。
【0135】
本願で記載される便益、その他の利点及び解決法は、任意又は全ての請求項の必須、必要、若しくは不可欠な特徴又は要素であると考慮されるべきでない。
【0136】
本願で用いられる「からなる」、「から構成される」やその他の同様の言い回しは、要素の非限定的な一覧を表すために用いられ、その要素一覧から構成される本発明の装置、工程、方法、物品、又は構成は、記載される要素を含むのみならず、本明細書に記載されるその他の要素を含むことも可能である。また、「を含む」、「を含んでなる」又は「本質的に含む」といった言い回しは、別段に指定のない限り、本願発明の範囲を列挙される要素のみに限定する意図で用いるものではない。本発明の実施に用いられる上記された要素、材料、若しくは構造の組合せ、又は改良は、本願発明の一般的原理から逸脱することなく、当業者によってその他の設計に変更又は適応することが可能である。
【0137】
上記で挙げられた特許及び文献は、別段の記載のない限り、本開示に反しない範囲において参照することにより本件に組み入れられる。
【0138】
本発明の実施に係るその他の特徴及び態様は、添付の請求項において説明される。
【0139】
さらに、本発明は、新規性、進歩性、及び産業上の利用性を具備すると考慮される、本明細書、添付の請求項、及び/又は図面において説明された全ての特徴の可能な全ての組合せから構成されることを考慮されたい。
【0140】
本発明の付加的な特徴及び機能性は、本願に添付の請求項及び/又は要約書において説明される。当該請求項及び/又は要約書は、参照として本明細書にその全てが組み込まれ、提出された出願の一部であると考慮されたい。
【0141】
上述された発明の実施形態において、様々な変更及び改良を加えることが可能である。本発明の特定の具体的な実施形態が開示及び説明されたが、幅広い変更、改良及び置換が上述の開示において考慮される。上記の説明には多くの特定事項が含まれるが、本願発明の範囲を限定するものではなく、むしろそれらの1つ又はその他の好適な実施形態の例示であると考慮されたい。場合によっては、本発明のいくつかの特徴は、対応する他の特徴を利用することなく用いられる。したがって、上述の説明は広義に解釈され、単なる例示としてのみ理解されるのが適切であり、本発明の精神及び範囲は、本出願で最終的に発行される請求項によってのみ限定される。

図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C
図17D
【手続補正書】
【提出日】2023-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体カプセルとシリコーンオイル組成物の組み合わせであって、前記流体カプセルは前記シリコーンオイル組成物で充填され、前記シリコーンオイル組成物は、前記流体カプセル内で使い捨て可能な少なくとも2種、好ましくは3種のシリコーンオイル成分を含み、前記シリコーンオイル成分が、透明材料の屈折率に適合するように相対量で選択され、前記透明材料は、宝石、ボロフロート33、ホウケイ酸、フロートガラス、溶融シリカ、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、シクロオレフィンコポリマー、ガラス、結晶性ガラス、クラウンガラス、フリントガラス、水晶、透明セラミック(特にZerodur(登録商標)またはスピネル)、サファイア、およびポリウレタンからなる透明材料の群の1つから選択され、また同時にシリコーンオイル組成物の動粘度が特定の範囲内となるように選択され、前記シリコーンオイル組成物が0.002℃ -1 の最大熱膨張係数を有し、エレクトロウェッティングディスプレイで使用可能であることを特徴とする流体カプセルとシリコーンオイル組成物の組み合わせ
【請求項2】
前記シリコーン組成物が、典型的には、Si-O-Si骨格を有し、1cStを超える粘度および1.3を超える屈折率を有する少なくとも1つ以上の分岐または非分岐ポリシロキサンポリマーを含む請求項に記載の流体カプセルとシリコーンオイル組成物の組み合わせ
【請求項3】
ポリシロキサンポリマーのポリシロキサンが、以下からなるポリシロキサンの群の1つから選択される請求項に記載の流体カプセルとシリコーンオイル組成物の組み合わせ
a)粘度が1cSt~1000cStで屈折率が1.3~1.6である式(CHSi[Si(CHO]Si(CHOのポリジメチルシロキサンポリマー;
b)屈折率が1.41~1.6であり、粘度が10~1000cStである芳香族シロキサンの群の1つから選択される芳香族シロキサンであって、
b1)式(CHSi[Si(Ph)O][Si(CHO]Si(CHOのジフェニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;
b2)式(CHSi[Si(CH)(Ph)O][Si(CHO]Si(CHOのフェニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー;
b3)式(CHSi[Si(CH)(Ph)O]Si(CHOのフェニルメチルシロキサンポリマー;
b4)任意の粘度および屈折率を有する式R-Si(CH-O-Si(CH-RおよびR-Si(CH-O-Si(CH)R-Si(CH)R-Si(CH)-Rを有するジシロキサンまたはトリシロキサン;
b5)アルキルまたは芳香族アルキルシリコーンホモポリマーまたはコポリマー、および
b6)フルオロカーボン側鎖を有するポリシロキサン
【請求項4】
組成物の屈折率が、25℃の温度および589.3nmの波長で選択される請求項に記載の流体カプセルとシリコーンオイル組成物の組み合わせ
【請求項5】
-20℃~70℃、好ましくは0℃~50℃、より好ましくは10℃~40℃の温度範囲で機能するようにシリコーンオイル組成物が選択され、シリコーンオイル組成物による液体は、当該温度範囲内で光学的に透明であり、前記温度範囲内のいかなる温度変化においても相転移または相分離を受けず、温度による屈折率および粘度の変化が完全に可逆的である請求項1~のいずれか1項に記載の流体カプセルとシリコーンオイル組成物の組み合わせ
【請求項6】
前記シリコーンオイル組成物が、UVへの曝露後、特に、60W/m、290~400nmで100時間後、または70℃等の高温下で6か月間にわたる長期曝露後に、化学的または物理的特性に有意な変化を有しないように配合されている請求項1~のいずれか1項に記載の流体カプセルとシリコーンオイル組成物の組み合わせ
【請求項7】
使用されるオイル成分は、オイル成分が低圧への長時間の曝露後に化学的または物理的特性に著しい変化を有しないように、低圧環境に適合するために理想的に低揮発性を有するように選択される請求項1~のいずれか1項に記載の流体カプセルとシリコーンオイル組成物の組み合わせ
【請求項8】
85%相対湿度において混和性が最大200ppmに制限されて、水と混和しないように、また、密閉容器内での気泡形成のリスクが制限されるようにするため、低いガス溶解度を有するように選択される請求項1~のいずれか1項に記載の流体カプセルとシリコーンオイル組成物の組み合わせ
【請求項9】
装飾要素がその中に吊り下げられ、2つの隣接する構造要素の間に緩く配置される請求項1~のいずれか1項に記載の流体カプセルとシリコーンオイル組成物の組み合わせ
【請求項10】
前記装飾要素は、前記構造要素に接触するように配置された回路に接続されたLEDを含み、電気接続が確立され前記装飾要素が接触位置にあるとき、前記電気接続が前記LEDを点灯させる請求項1~のいずれか1項に記載の流体カプセルとシリコーンオイル組成物の組み合わせ
【請求項11】
少なくとも1つの装飾要素がその中に吊り下げられており、組成物内で中立する浮力を有し、したがってその中に浮遊する傾向がある請求項1~10のいずれか1項に記載の流体カプセルとシリコーンオイル組成物の組み合わせ
【請求項12】
シリコーンオイル組成物が充填されたカプセル内に少なくとも1つの装飾要素が懸濁され、さらに、シリコーンオイル組成物に屈折率が適合する材料からなる攪拌インペラがシリコーンオイル組成物およびその中に懸濁された少なくとも1つの前記装飾要素を攪拌するように構成される請求項11に記載の流体カプセルとシリコーンオイル組成物の組み合わせ
【請求項13】
前記装飾要素が、第1の密度を有し、2つの液体間の界面懸濁され、2つの液体のうちの少なくとも1つが組成物の配合物であり、一方が第1の密度より大きい密度を有し、他方が第1の密度より小さい密度を有する請求項1~12のいずれか1項に記載の流体カプセルとシリコーンオイル組成物の組み合わせ
【請求項14】
アニメーションおよび/または表示カプセル(100、200、1001、1011)に具現化される装飾オブジェクト(120、200、1003)であって、1つまたは複数の透明壁(102、104、114、212、250、252)と、少なくとも1つの前記透明壁(102、104、114、212、250、252)によって少なくとも部分的に画定される内部空洞(118、254)とを含み、内部空洞(118、254)は、少なくとも2種、好ましくは3種のシリコーンオイル成分が、透明材料の屈折率に適合するように、また同時に組成物の動粘度を一定の範囲内に調整するように、相対量で選択され、当該量は好ましくは加重量であるシリコーンオイル成分を含むシリコーンオイル組成物で少なくとも部分的に充填される装飾オブジェクト。
【請求項15】
典型的には、アニメーションおよび/または指示カプセルのような、閉じられた、実質的に剛性のある、硬く、好ましくは本質的に柔軟性のないカプセル化を含む請求項14に記載の装飾オブジェクト。
【請求項16】
装飾オブジェクト(120、200、1003)またはカプセル(100、200、1001、1011)であって、宝石、腕時計、時計、または任意の他のファッションアイテムのアイテムに具体化される請求項14に記載の装飾オブジェクト。
【請求項17】
1つ以上の透明壁(301、307)と、透明壁(301、307)によって少なくとも部分的に画定される内部空洞(312)と、少なくとも2種、好ましくは3種のシリコーンオイル成分が、透明材料の屈折率に適合するように、また同時に組成物の動粘度を一定の範囲内に調整するように、相対量で選択され、当該量は好ましくは加重量であるシリコーンオイル成分を含むシリコーンオイル組成物とを備え、前記シリコーンオイル組成物(304)は内部空洞(312)を少なくとも部分的に充填するように構成されたエレクトロウェッティングディスプレイを含む装飾オブジェクト。
【請求項18】
典型的には、アニメーションおよび/または指示カプセルのような、閉じられた、実質的に剛性の、剛性の、好ましくは柔軟性のないカプセル化であるカプセル化から構成される請求項17に記載の装飾オブジェクト。
【請求項19】
オブジェクトは、宝石、腕時計、時計、または任意の他のファッションアイテムのアイテムである請求項17に記載の装飾オブジェクト。
【請求項20】
少なくとも2種、好ましくは3種のシリコーンオイル成分が、透明材料の屈折率に適合するように、また同時に組成物の動粘度を一定の範囲内に調整するように、相対的な量で選択されたシリコーンオイル成分を含むシリコーンオイル組成物の使用であって前記量は、宝石、腕時計、時計、または任意の他のファッションアイテムなどの装飾オブジェクトの製造における加重量である使用。
【請求項21】
少なくとも2つのベース液体を含むオイル成分の組成物の屈折率および粘度を調整する方法であって、以下のステップを含む方法。
(a)得られた液体組成物の屈折率を、ベース液体の屈折率の加重平均によって決定し、その平均を各ベース液体の体積分率に基づいて加重する。
(b)得られた液体組成物の粘度を、任意にアレニウス式を使用して、対数スケールでの加重平均によって決定し、ベース液体および組成比は、複合液体の所望の特性を達成するように選択される。
(c)宝石、腕時計、時計、または任意の他のファッションアイテムなどの装飾オブジェクトの空洞にシリコーンオイル組成物を導入する。
【請求項22】
以下のステップを含む、少なくとも2種、好ましくは3種のシリコーンオイル成分が、透明材料の屈折率に適合するように、また同時に組成物の動粘度を一定の範囲内に調整するように、相対的な量で選択されたシリコーンオイル成分を含むシリコーンオイル組成物を混合する方法:
a)標的特性(粘度および屈折率)を決定する。
b)指定された比率の2つのシリコーンオイル成分からなる組成物を、近似値にしたがってブレンドする。
c)ステップb)のブレンドされた組成物の物理的特性(粘度及び屈折率)を測定する。
d)ステップa)で決定された標的特性とステップc)で測定された物理的特性との間の偏差を決定し、-偏差がない場合、ステップを修了し、-偏差がある場合、以下のステップに進む。
e)第3のシリコーンオイル成分及びステップb)で使用される2つのシリコーンオイル成分に対する推定される比率を特定する、またはステップb)で使用される2つのシリコーンオイル成分の比率の補正を決定する、及び
f)ステップe)で定義された比率にしたがって組成物を混合し、ステップc)に進む。
【請求項23】
少なくとも内部または外部光源と、少なくとも2種、好ましくは3種のシリコーンオイル成分が、透明材料の屈折率に適合するように、また同時に組成物の動粘度を一定の範囲内に調整するように、相対的な量で選択されたシリコーンオイル成分を含むシリコーンオイル組成物を含有する1つの透明障壁とを有する装飾カプセルであって、組成物の屈折率は、光源によって生成された光が装飾カプセル内に閉じ込められたままであるように、少なくとも1つの透明障壁の屈折率よりも優位である装飾カプセル。
【請求項24】
組成物に組み込まれた装飾要素を含み、前記装飾要素は、カプセル内の光源によって生成された光の一部をカプセルの外側の観察者に向けて散乱させ、これによってこれらの物体をより可視的にするか、またはそれらを光沢のあるものにする請求項23に記載の装飾カプセル。
【請求項25】
少なくとも内部または外部光源と、少なくとも2種、好ましくは3種のシリコーンオイル成分が、透明材料の屈折率に適合するように、また同時に組成物の動粘度を一定の範囲内に調整するように、相対的な量で選択されたシリコーンオイル成分を含むシリコーンオイル組成物を含有する1つの透明障壁とを有する装飾的カプセルであって、1つ以上の透明障壁のうちの1つは、凸または凹のレリーフ特徴を含有するように構成され、組成物の屈折率は、透明障壁の屈折率と一致し、凸または凹のレリーフ特徴は、カプセル内の光源によって生成された光の一部をカプセルの外側の観察者に向けて散乱させ、これによって凸または凹のレリーフ特徴をより目に見えるようにするか、またはそれらを光沢のあるものにする装飾カプセル。
【請求項26】
組成物に吸収された装飾要素を含み、装飾要素は、カプセル内の光源によって生成された光の一部をカプセルの外側の観察者に向けて散乱させ、これによりこれらの物体をより可視的にするか、またはそれらを光沢にする請求項25に記載の装飾カプセル。
【国際調査報告】