(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-12
(54)【発明の名称】新しいメタロセン触媒およびその使用
(51)【国際特許分類】
C08F 4/6392 20060101AFI20240605BHJP
C08F 10/00 20060101ALI20240605BHJP
C07F 17/00 20060101ALN20240605BHJP
【FI】
C08F4/6392
C08F10/00 510
C07F17/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023573152
(86)(22)【出願日】2022-05-24
(85)【翻訳文提出日】2024-01-23
(86)【国際出願番号】 EP2022064136
(87)【国際公開番号】W WO2022248517
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523444899
【氏名又は名称】トータルエナジーズ・ワンテック・ベルジャム
【氏名又は名称原語表記】TOTALENERGIES ONETECH BELGIUM
(71)【出願人】
【識別番号】523282534
【氏名又は名称】ユニベルシテ、ドゥ、レンヌ
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITE DE RENNES
(71)【出願人】
【識別番号】501455677
【氏名又は名称】サントル・ナシオナル・ドゥ・ラ・ルシェルシュ・シアンティフィーク
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クスタム,トマ
(72)【発明者】
【氏名】カルパンティエ,ジャン-フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】キリロフ,エブゲニ
(72)【発明者】
【氏名】テオドソプールー,ディミトラ
(72)【発明者】
【氏名】ウェル,アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】ピオラ,ロランゾ
【テーマコード(参考)】
4H050
4J128
【Fターム(参考)】
4H050AA03
4H050AB40
4H050WB11
4H050WB17
4H050WB21
4J128AA01
4J128AC10
4J128AC20
4J128AC28
4J128AC39
4J128AD07
4J128AD08
4J128AD11
4J128AD13
4J128BA01A
4J128BA01B
4J128BB01A
4J128BB01B
4J128BC12B
4J128BC13B
4J128BC14B
4J128BC15B
4J128BC16B
4J128BC24B
4J128BC25B
4J128BC27B
4J128CA24A
4J128CA25A
4J128CA26A
4J128CA27A
4J128CA28A
4J128CA29A
4J128EB01
4J128EB02
4J128EB03
4J128EB04
4J128EB05
4J128EB06
4J128EB07
4J128EB08
4J128EB09
4J128EB10
4J128EC01
4J128FA01
4J128FA02
4J128FA04
4J128FA09
4J128GA01
4J128GA05
4J128GA06
4J128GA15
4J128GA19
4J128GA21
4J128GA26
4J128GB01
(57)【要約】
本発明は、式(I)
[式中R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、L
1、M
1、Q
1、およびQ
2は明細書および特許請求の範囲に定義された意味を有する]の触媒に関する。本発明はまた本発明による少なくとも1種の触媒、任意的な活性化剤;任意的な支持体;および任意的な助触媒を含む触媒組成物にも関する。本発明はオレフィンポリマーの調製のための本発明による触媒または触媒組成物の使用にも関する。本発明はまた、本発明による触媒または触媒組成物を、オレフィンモノマー、場合により水素、および場合により1種または複数のオレフィンコモノマーと接触させること;ならびにモノマー、および場合により1種または複数のオレフィンコモノマーを、少なくとも1種の触媒組成物、および任意的な水素の存在下で重合することによりオレフィンポリマーを得ることを含む、オレフィン重合方法にも関する。本発明はまたオレフィンポリマーおよび前記オレフィンポリマーを含む物品にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
[R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7は各々独立して水素またはアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、-OR
15、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R
12)
3、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;前記群の各々は非置換であるかまたは1個もしくは複数の置換基Z
1で置換されていてもよく;Z
1は-OR
16、アルキル、およびアルケニルから選択され;R
15、R
16は各々独立してアルキル、アリールアルキル、アルキルアリールおよびアリールを含む群から選択され;好ましくは、R
15、R
16は各々独立してアルキルであり;
R
3、R
4、R
5、R
6、R
7のうちの少なくとも1つは-OR
15であり;
R
8、R
9、R
10、R
11は各々独立して水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R
12)
3、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;
L
1はSiR
13R
14、-[CR
13R
14]
h-、GeR
13R
14、またはBR
13であり;hは1、2、または3から選択される整数であり;R
13およびR
14の各々は独立して水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アミノアルキル、およびアリールアルキルを含む群から選択されるか;またはR
13およびR
14は、それらが結合している原子と共にシクロアルキル、シクロアルケニルもしくはヘテロシクリルを形成し;
M
1はジルコニウム、チタン、ハフニウム、およびバナジウムを含む群から選択される遷移金属であり;好ましくは、Mはジルコニウムであり;
Q
1およびQ
2は各々独立してハロゲン、アルキル、-N(R
17)
2、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;各R
17は独立して水素、アルキル、Si(R
12)
3、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;
各R
12は独立して水素、アルキル、またはアルケニルである]
の触媒。
【請求項2】
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7が各々独立して水素またはC
1~8アルキル、C
2~8アルケニル、C
3~8シクロアルキル、C
5~8シクロアルケニル、C
5~8シクロアルケニルC
1~8アルキル、C
6~10アリール、-OR
15、C
1~8アルキルC
6~10アリール、C
6~10アリールC
1~8アルキル、ハロゲン、Si(R
12)
3、およびヘテロC
1~8アルキルを含む群から選択され;前記群の各々は非置換であるかまたは1個もしくは複数の置換基Z
1で置換されていてもよく;Z
1は-OR
16、C
1~8アルキル、およびC
2~8アルケニルから選択され;各R
12は独立して水素、C
1~8アルキル、またはC
2~8アルケニルであり;R
15、R
16は各々独立してC
1~8アルキル、C
6~10アリールC
1~8アルキル、C
7~8アルキルC
6~10アリールおよびC
6~10アリールを含む群から選択され;好ましくは、R
15、R
16は各々独立してC
1~8アルキルであり;R
3、R
4、R
5、R
6、R
7のうちの少なくとも1つは-OR
15である、請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
R
8、R
9、R
10、R
11が各々独立して水素、C
1~8アルキル、C
2~8アルケニル、C
3~8シクロアルキル、C
5~8シクロアルケニル、C
5~8シクロアルケニルC
1~8アルキル、C
6~10アリール、C
1~8アルコキシ、C
1~8アルキルC
6~10アリール、C
6~10アリールC
1~8アルキル、ハロゲン、Si(R
12)
3、およびヘテロC
1~8アルキルを含む群から選択され;各R
12は独立して水素、C
1~8アルキル、またはC
2~8アルケニルである、請求項1~2のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項4】
L
1がSiR
13R
14、-[CR
13R
14]
h-、GeR
13R
14、またはBR
13であり;hは1、2、または3から選択される整数であり;R
13、およびR
14の各々は独立して水素、C
1~8アルキル、C
2~8アルケニル、C
3~8シクロアルキル、C
5~8シクロアルケニル、C
5~8シクロアルケニルC
1~8アルキル、C
6~10アリール、アミノC
1~8アルキル、およびC
6~10アリールC
1~8アルキルを含む群から選択されるか;またはR
13およびR
14は、それらが結合している原子と共にC
3~8シクロアルキル、C
5~8シクロアルケニルもしくは3~8員のヘテロシクリルを形成する、請求項1~3のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項5】
M
1がジルコニウム、チタン、ハフニウム、およびバナジウムを含む群から選択される遷移金属であり;好ましくは、Mがジルコニウムであり;Q
1およびQ
2が各々独立してハロゲン、C
1~8アルキル、-N(R
17)
2、C
1~8アルコキシ、C
3~8シクロアルコキシ、C
6~10アリールC
1~8アルキルオキシ、C
3~8シクロアルキル、C
6~10アリール、C
6~10アリールオキシ、C
1~8アルキルC
6~10アリール、C
6~10アリールC
1~8アルキル、およびヘテロC
1~8アルキルからなる群から選択され;各R
17は独立して水素、C
1~8アルキル、Si(R
12)
3、C
3~8シクロアルキル、C
6~10アリール、C
1~8アルキルC
6~10アリール、C
6~10アリールC
1~8アルキル、およびヘテロC
1~8アルキルを含む群から選択され;好ましくは、各R
17は独立して水素またはC
1~8アルキルである、請求項1~4のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項6】
R
5が-OR
15である、請求項1~5のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項7】
式(II)
【化2】
[式中、R
2、R
3、R
4、R
15、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、L
1、M
1、Q
1、Q
2は請求項1~6のいずれか1項と同じ意味を有する]
を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項8】
R
4が非置換または1個もしくは複数のZ
1で置換されたアリールである、請求項1~7のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項9】
式(III)または(IV)
【化3】
[式中、nは0、1、2、3または4から選択される整数であり;mは0、1、2、または3から選択される整数であり;R
2、R
3、R
15、R
16、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、L
1、Z
1、M
1、Q
1、Q
2は請求項1~6のいずれか1項と同じ意味を有する]
を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項10】
L
1がSiR
13R
14、または-[CR
13R
14]-であり、R
13、R
14が請求項1~7のいずれか1項に定義されたものと同じ意味を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の触媒、および支持体、好ましくは無機の多孔質支持体を含む担持触媒。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか1項に記載の少なくとも1種の触媒;
任意的な活性化剤;任意的な支持体;および任意的な助触媒
を含む触媒組成物。
【請求項13】
前記触媒組成物が活性化剤を含み、好ましくは、前記活性化剤がアルミノキサン化合物、有機ホウ素もしくは有機ホウ酸化合物、イオン化性イオン性化合物、またはこれらの任意の組合せを含み;好ましくは、前記活性化剤がメチルアルモキサンである、請求項12に記載の触媒組成物。
【請求項14】
アルモキサン活性化剤;およびチタネート化シリカまたはシリカ固体支持体;および任意的な助触媒を含む、請求項12~13のいずれか1項に記載の触媒組成物。
【請求項15】
オレフィンポリマーの調製のための、請求項1~11のいずれか1項に記載の触媒の使用、または請求項12~13のいずれか1項に記載の触媒組成物の使用。
【請求項16】
請求項1~11のいずれか1項に記載の触媒または請求項12~13のいずれか1項に記載の触媒組成物を、オレフィンモノマー、場合により水素、および場合により1種または複数のオレフィンコモノマーと接触させること;ならびに前記モノマー、および前記場合により1種または複数のオレフィンコモノマーを、前記少なくとも1種の触媒組成物、および任意的な水素の存在下で重合することによりオレフィンポリマーを得ることを含む、オレフィン重合方法。
【請求項17】
請求項1~11のいずれか1項に記載の少なくとも1種の触媒、もしくは請求項12~13のいずれか1項に記載の少なくとも1種の触媒組成物により少なくとも部分的に触媒されたかまたは請求項16に記載の方法により生産されたオレフィンポリマー。
【請求項18】
請求項17に記載のオレフィンポリマーを含む物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は新しいメタロセン触媒に関する。本発明はまた重合反応における新しいメタロセン触媒の使用にも関する。本発明はまた新しいメタロセン触媒を用いて得られるポリオレフィン、およびそれから作製される物品にも関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
メタロセン触媒は長年ポリオレフィンを製造するのに使用されている。数えきれない学術的文献および特許文献がオレフィン重合におけるこれらの触媒の使用を記載している。たくさんの研究がメタロセン触媒の分野でなされているが、主として触媒の生産性または活性に関するいくつかの問題がまだ残されている。
【0003】
メタロセン触媒は良好な官能特性および光学特性などのいくつかの利点ならびに狭い分布のようないくらかの特殊性を有する。しかしながら、高い溶融温度または低いメルトフローレートのポリプロピレンは、これらの触媒を用いて必ずしも容易に生成するわけではない。
【0004】
多くのメタロセン構造が合成され、そのうちのいくつかは低いメルトフローレートまたは高い溶融温度のポリプロピレンの生成が可能であったが、低い活性などの他のパラメーターの不利益があった。
【発明の概要】
【0005】
このように、触媒挙動を改良する余地がある。したがって、高く安定な活性を提供し、かつ上述した他の特性に加えて最終製品の広い分子量範囲またはより高度の結晶化度も提供する触媒系を見出すことが望ましい。
【0006】
本発明の概要
したがって本発明の目的は、上述の欠点を回避する新しい触媒を提供することである。
第1の態様において、本発明は式(I)
【化1】
[式中、
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7は各々独立して水素またはアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、-OR
15、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R
12)
3、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;前記群の各々は非置換であるかまたは1個もしくは複数の置換基Z
1で置換されていてもよく;Z
1は-OR
16、アルキル、およびアルケニルから選択され;R
15、R
16は各々独立してアルキル、アリールアルキル、アルキルアリールおよびアリールを含む群から選択され;好ましくはR
15、R
16は各々独立してアルキルであり;
R
3、R
4、R
5、R
6、R
7のうちの少なくとも1つは-OR
15であり;
R
8、R
9、R
10、R
11は各々独立して水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R
12)
3、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;
L
1はSiR
13R
14、-[CR
13R
14]
h-、GeR
13R
14、またはBR
13であり;hは1、2、または3から選択される整数であり;R
13およびR
14の各々は独立して水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アミノアルキル、およびアリールアルキルを含む群から選択されるか;またはR
13およびR
14は、それらが結合している原子と共にシクロアルキル、シクロアルケニルもしくはヘテロシクリルを形成し;
M
1はジルコニウム、チタン、ハフニウム、およびバナジウムを含む群から選択される遷移金属であり;好ましくは、Mはジルコニウムであり;
Q
1およびQ
2は各々独立してハロゲン、アルキル、-N(R
17)
2、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;各R
17は独立して水素、アルキル、Si(R
12)
3、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;
各R
12は独立して水素、アルキル、またはアルケニルである]
のメタロセン触媒を提供する。
【0007】
第2の態様において、本発明は、本発明の第1の態様による触媒、任意的な活性化剤;任意的な支持体;および任意的な助触媒を含む触媒組成物を提供する。
【0008】
第3の態様において、本発明は、第1の態様による少なくとも1種の触媒、または第2の態様による触媒組成物を、オレフィンモノマー、場合により水素、および場合により1種または複数のオレフィンコモノマーと接触させること;ならびにモノマー、および場合により1種または複数のオレフィンコモノマーを少なくとも1種の触媒または触媒組成物、および任意的な水素の存在下で重合することによりオレフィンポリマーを得ることを含む、オレフィン重合方法を提供する。
【0009】
第4の態様において、本発明は、第1の態様による少なくとも1種の触媒もしくは第2の態様による少なくとも1種の触媒組成物により少なくとも部分的に触媒されたか、または本発明の第3の態様による方法により生成したオレフィンポリマーを提供する。
【0010】
本発明はまた、第4の態様によるオレフィンポリマーを含む物品も包含する。
独立および従属請求項は本発明の特定および好ましい特徴を記載する。従属請求項の特徴は、必要に応じて独立または他の従属請求項の特徴と組み合わせられ得る。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下本発明をさらに記載する。以下の記載で、本発明のいろいろな態様がより詳細に定義される。そのように定義される各態様は、明らかに反対に示されない限りいずれか1以上の他の態様と組み合わせられ得る。特に、好ましいまたは有利であると示されるあらゆる特徴または項は、好ましいまたは有利であると示される他のいずれかの特徴または項と組み合わせられ得る。
【0012】
発明の詳細な説明
本発明により包含される本組成物、触媒、化合物、方法、物品、および使用について記載する前に、かかる組成物、触媒、化合物、方法、物品、および使用は当然変化し得るため、この発明は記載される特定の組成物、触媒、化合物、方法、物品、および使用に限定されないと理解されたい。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるのであるから、本明細書で使用される専門用語は限定することを意図していないことも理解されたい。
【0013】
別途定義されない限り、技術的用語および科学的用語を含めて本発明を開示する際に使用されるすべての用語は、この発明が属する技術分野の当業者により普通に理解される意味を有する。さらなるガイダンスによって本記載で使用される用語の定義は本発明の教示をより良く理解するために含まれる。本発明の化合物、方法、物品、および使用を記載するとき、使用される用語は状況が他を指図しない限り、以下の定義に従って解釈するべきである。
【0014】
本明細書で使用されるとき、単数形態「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、状況が明らかに他を指図しない限り、単数と複数の両方の指示対象を含む。例として、「1つの樹脂(a resin)」は1つの樹脂または1つより多くの樹脂を意味する。
【0015】
用語「含むこと(comprising)」、「含む(comprises)」および「構成される(comprised of)」は、本明細書で使用されるとき、「含むこと(including)」、「含む(includes)」または「含有すること(containing)」、「含有する(contains)」と同義であり、包括的または開放的(open-ended)であり、付加的な、列挙されてない一員、要素または方法ステップを排除しない。用語「含むこと(comprising)」、「含む(comprises)」および「構成される(comprised of)」はまた、用語「からなること(consisting of)」も含む。
【0016】
端点による数値範囲の列挙は、すべての整数および適当な場合にはその範囲内に含まれる分数を含む(たとえば1~5は、たとえば要素の数を指すときには1、2、3、4を含むことができ、またたとえば測定値を指すときには、1.5、2、2.75および3.80を含むこともできる)。端点の記載はまた端点の値自体も含む(たとえば1.0~5.0は1.0および5.0の両方を含む)。本明細書で列挙されるあらゆる数値範囲は、そこに含まれるすべての部分範囲を含むことが意図されている。
【0017】
この明細書を通じて「一実施形態」または「ある実施形態」への言及は、その実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、この明細書を通じて様々な部分での表現「一実施形態において」または「ある実施形態において」の出現は、必ずしもすべてが同一の実施形態を意味するものではないが、そうであってもよい。さらに、特定の特徴、構造または特性は、この開示から当業者には明らかなように1つまたは複数の実施形態においていずれかの適切な方法で組み合わせられ得る。さらに、当業者には理解されるように、本明細書に記載されるいくつかの実施形態は他の実施形態に含まれる特徴のいくつかを含み他は含まないが、異なる実施形態の特徴の組合せは本発明の範囲内であり、異なる実施形態を形成することが意図されている。たとえば、以下の特許請求の範囲および項であらゆる実施形態をあらゆる組合せで使用することができる。
【0018】
用語「置換された」が本明細書で使用されるとき、それは、「置換された」を用いた表現に示されている原子上の1個または複数の水素原子が示された群からの選択物で置き換えられていることを示すことを意味し、ただし、示されている原子の通常の原子価を超えないこと、および置換の結果化学的に安定な化合物、すなわち反応混合物からの単離を乗り切るのに充分に頑丈な化合物が生じることを条件とする。インデニル基、シクロペンタジエニル基およびフルオレニル基の好ましい置換基はアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10)3、ヘテロアルキルを含む群から選択することができ;各R10は独立して水素、アルキル、またはアルケニルである。好ましくは、各インデニルは少なくとも1つのアリールまたはヘテロアリール、より好ましくはアリールで置換され;好ましくは、アリール置換基またはヘテロアリール置換基は各インデニルの3位にあり;インデニルはさらにアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R10)3、ヘテロアルキルを含む群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく;各R10は独立して水素、アルキル、またはアルケニルである。
【0019】
基または基の一部としての用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードの総称である。
【0020】
基または基の一部としての用語「アルキル」は、式CnH2n+1のヒドロカルビル基をいい、nは1以上の数である。アルキル基は直鎖状でも分岐でもよく、本明細書で示されるように置換されていてもよい。一般に、この発明のアルキル基は1~20個の炭素原子、好ましくは1~10個の炭素原子、好ましくは1~6個の炭素原子、より好ましくは1~4個の炭素原子を含む。本明細書で炭素原子に続いて下付き数字が使用されているとき、下付き数字は名付けた基が含有し得る炭素原子の数を指す。たとえば、基または基の一部としての用語「C1~20アルキル」は、nが1~20の範囲の数である式-CnH2n+1のヒドロカルビル基をいう。したがって、たとえば、「C1~8アルキル」は1~8個の炭素原子を有するすべての直鎖状または分岐したアルキル基を含み、したがってメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、ブチルおよびその異性体(たとえばn-ブチル、i-ブチルおよびt-ブチル);ペンチルおよびその異性体、ヘキシルおよびその異性体、等を含む。「置換されたアルキル」はいずれかの利用可能な結合点において1個または複数の置換基(たとえば1~3個の置換基、たとえば1、2、または3個の置換基)で置換されたアルキル基をいう。
【0021】
アルキル基と関連して接尾辞「エン(ene)」が使用されるとき、すなわち「アルキレン」は、他の基への結合点として2つの単結合を有する本明細書で定義されているアルキル基を意味することを意図している。「アルカンジイル」ともいわれる用語「アルキレン」は、それ自体または別の置換基の一部として本明細書で使用されるとき、二価の、すなわち2個の他の基への結合のために2つの単結合を有するアルキル基をいう。アルキレン基は直鎖状でも分岐でもよく、本明細書で示されるように置換されていてもよい。アルキレン基の非限定例にはメチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2-CH2-)、メチルメチレン(-CH(CH3)-)、1-メチル-エチレン(-CH(CH3)-CH2-)、n-プロピレン(-CH2-CH2-CH2-)、2-メチルプロピレン(-CH2-CH(CH3)-CH2-)、3-メチルプロピレン(-CH2-CH2-CH(CH3)-)、n-ブチレン(-CH2-CH2-CH2-CH2-)、2-メチルブチレン(-CH2-CH(CH3)-CH2-CH2-)、4-メチルブチレン(-CH2-CH2-CH2-CH(CH3)-)、ペンチレンおよびその連鎖異性体、ヘキシレンおよびその連鎖異性体がある。
【0022】
基または基の一部としての用語「アルケニル」は、1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を含む直鎖状でも分岐でもよい不飽和のヒドロカルビル基をいう。一般に、この発明のアルケニル基は3~20個の炭素原子、好ましくは3~10個の炭素原子、好ましくは3~8個の炭素原子を含む。本明細書で炭素原子に続いて下付き数字が使用されるとき、下付き数字は名付けた基が含有し得る炭素原子の数を指す。C3~20アルケニル基の例はエテニル、2-プロペニル、2-ブテニル、3-ブテニル、2-ペンテニルおよびその異性体、2-ヘキセニルおよびその異性体、2,4-ペンタジエニル、などである。
【0023】
基または基の一部としての用語「アルコキシ」または「アルキルオキシ」は、Rbが本明細書中で上記のように定義されたアルキルである式-ORbを有する基をいう。適切なアルコキシの非限定例にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシおよびヘキシルオキシがある。
【0024】
基または基の一部としての用語「シクロアルキル」は、1つまたは複数の環状構造を有し、3~20個の炭素原子、より好ましくは3~10個の炭素原子、より好ましくは3~8個の炭素原子;より好ましくは3~6個の炭素原子を含む一価の飽和したヒドロカルビル基である環式アルキル基をいう。シクロアルキルは単環式、二環式基または三環式を含めて1つまたは複数の環を含有するすべての飽和炭化水素基を含む。多環式シクロアルキルのさらなる環は縮合していても、架橋していても、および/または1個もしくは複数のスピロ原子を介して結合していてもよい。本明細書で炭素原子に続いて下付き数字が使用されているとき、下付き数字は名付けた基が含有し得る炭素原子の数を意味する。たとえば、用語「C3~20シクロアルキル」は3~20個の炭素原子を含む環式アルキル基である。たとえば、用語「C3~10シクロアルキル」は3~10個の炭素原子を含む環式アルキル基である。たとえば、用語「C3~8シクロアルキル」は3~8個の炭素原子を含む環式アルキル基である。たとえば、用語「C3~6シクロアルキル」は3~6個の炭素原子を含む環式アルキル基である。C3~12シクロアルキル基の例には、限定されることはないがアダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル、(1S,4R)-ノルボルナン-2-イル、(1R,4R)-ノルボルナン-2-イル、(1S,4S)-ノルボルナン-2-イル、(1R,4S)-ノルボルナン-2-イルがある。
【0025】
シクロアルキル基と関連して接尾辞「エン(ene)」が使用されているとき、すなわちシクロアルキレンは、他の基への結合点として2つの単結合を有する本明細書で定義されているシクロアルキル基を意味することを意図している。「シクロアルキレン」の非限定例には1,2-シクロプロピレン、1,1-シクロプロピレン、1,1-シクロブチレン、1,2-シクロブチレン、1,3-シクロペンチレン、1,1-シクロペンチレン、および1,4-シクロヘキシレンがある。
【0026】
アルキレンまたはシクロアルキレン基が存在する場合、それが一部を形成する分子構造への接続は共通の炭素原子または異なる炭素原子を介し得る。この発明のアスタリスク命名法(asterisk nomenclature)を適用して図示すると、C
3アルキレン基はたとえば*-CH
2CH
2CH
2-*、*-CH(-CH
2CH
3)-*または*-CH
2CH(-CH
3)-*であり得る。同様に、C
3シクロアルキレン基は
【化2】
であり得る。
【0027】
基または基の一部としての用語「シクロアルケニル」は少なくとも1つの部位(通常1~3、好ましくは1)の不飽和、すなわち炭素-炭素sp2二重結合があり;好ましくは5~20個の炭素原子、より好ましくは5~10個の炭素原子、より好ましくは5~8個の炭素原子、より好ましくは5~6個の炭素原子を有する非芳香族の環式アルケニル基をいう。シクロアルケニルは単環式、二環式または三環式の基を含めて1つまたは複数の環を含有するすべての不飽和炭化水素基を包含する。さらなる環は縮合していても、架橋していても、および/または1個もしくは複数のスピロ原子を介して結合していてもよい。本明細書で炭素原子に続いて下付き数字が使用されているとき、下付き数字は名付けた基が含有し得る炭素原子の数を指す。たとえば、用語「C5~20シクロアルケニル」は5~20個の炭素原子を含む環式アルケニル基である。たとえば、用語「C5~10シクロアルケニル」は5~10個の炭素原子を含む環式アルケニル基である。たとえば用語「C5~8シクロアルケニル」は5~8個の炭素原子を含む環式アルケニル基である。たとえば用語「C5~6シクロアルキル」は5~6個の炭素原子を含む環式アルケニル基である。例としては限定されることはないが、シクロペンテニル(-C5H7)、シクロペンテニルプロピレン、メチルシクロヘキセニレンおよびシクロヘキセニル(-C6H9)がある。二重結合は、cisまたはtrans配置のいずれであってもよい。
【0028】
基または基の一部としての用語「シクロアルケニルアルキル」は、少なくとも1個の水素原子が少なくとも1個の本明細書で定義されているシクロアルケニルにより置き換えられている、本明細書で定義されているアルキルを意味する。
【0029】
基または基の一部としての用語「シクロアルコキシ」は、Rhが本明細書中で上記のように定義されたシクロアルキルである式-ORhを有する基をいう。
【0030】
基または基の一部としての用語「アリール」は、単一の環(すなわちフェニル)または互いに縮合した(たとえばナフチル)、もしくは共有結合した複数の芳香族環を有し、通例6~20個の原子;好ましくは6~10個を含有し、少なくとも1つの環が芳香族である多価不飽和の芳香族ヒドロカルビル基をいう。芳香族の環は場合によりそれに縮合した1~2つの追加の環(シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールのいずれか)を含んでいてもよい。適切なアリールの例にはC6~20アリール、好ましくはC6~10アリール、より好ましくはC6~8アリールがある。アリールの非限定例はフェニル、ビフェニリル、ビフェニレニル、または1-もしくは2-ナフタレニル(naphthanelyl);1-、2-、3-、4-、5-または6-テトラリニル(「1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン」ともいわれる);1-、2-、3-、4-、5-、6-、7-または8-アズレニル、4-、5-、6または7-インデニル;4-または5-インダニル;5-、6-、7-または8-テトラヒドロナフチル;1,2,3,4-テトラヒドロナフチル;および1,4-ジヒドロナフチル;1-、2-、3-、4-または5-ピレニルを含む。「置換されたアリール」は、いずれかの利用可能な結合点に1個または複数の置換基(たとえば1、2もしくは3個の置換基、または1~2個の置換基)を有するアリール基をいう。
【0031】
基または基の一部としての用語「アリールオキシ」は、Rgが本明細書中で上記のように定義されたアリールである式-ORgを有する基をいう。
【0032】
基または基の一部としての用語「アリールアルキル」は、少なくとも1個の水素原子が少なくとも1個の本明細書で定義されているアリールにより置き換えられている、本明細書で定義されているアルキルを意味する。アリールアルキル基の非限定例にはベンジル、フェネチル、ジベンジルメチル、メチルフェニルメチル、3-(2-ナフチル)-ブチル、などがある。
【0033】
基または基の一部としての用語「アルキルアリール」は、少なくとも1個の水素原子が少なくとも1個の本明細書で定義されているアルキルにより置き換えられている、本明細書で定義されているアリールを意味する。アルキルアリール基の非限定例には、Rgが本明細書中で上記のように定義されたアリールであるp-CH3-Rg-がある。
【0034】
基または基の一部としての用語「アリールアルキルオキシ」または「アラルコキシ」は、Rgがアリールであり、Raが本明細書中で上記のように定義されたアルキレンである式-O-Ra-Rgを有する基をいう。
【0035】
基または基の一部としての用語「ヘテロアルキル」は、1個または複数の炭素原子がO、Si、S、B、およびPを含む群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子により置き換えられている非環式のアルキルをいい、ただし前記鎖は2個の隣接したヘテロ原子を含有し得ない。これは、前記非環式アルキルの1個もしくは複数の-CH3がたとえば-OHにより置き換えられていてもよく、ならびに/または前記非環式アルキルの1個もしくは複数の-CR2-がO、Si、S、B、およびPにより置き換えられていてもよいということを意味する。
【0036】
基または基の一部としての用語「アミノアルキル」は、Rjがアルキレンであり、Rkが水素または本明細書で定義されているアルキルであり、Rlが水素または本明細書で定義されているアルキルである基-Rj-NRkRlをいう。
【0037】
基または基の一部としての用語「ヘテロシクリル」は、炭素原子を含有する少なくとも1個の環に少なくとも1個のヘテロ原子を有する非芳香族の完全に飽和または一部不飽和の環式基(たとえば、3~7員の単環式、7~11員の二環式、または全部で3~10個の環原子を含有する)をいう。ヘテロ原子を含有するヘテロ環式基の各々の環はN、S、Si、Geから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を有し得、窒素および硫黄ヘテロ原子は場合により酸化されてもよく、窒素ヘテロ原子は場合により四級化されてもよい。ヘテロ環式基は原子価が許容する場合、環または環系のいずれかのヘテロ原子または炭素原子で結合し得る。多環式のヘテロ環の環は縮合していても、架橋していても、および/または1個もしくは複数のスピロ原子を介して結合していてもよい。
【0038】
非限定的な代表的なヘテロ環式基にはアジリジニル、オキシラニル、チイラニル(thiiranyl)、ピペリジニル、アゼチジニル、2-イミダゾリニル、ピラゾリジニル イミダゾリジニル、イソキサゾリニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピペリジニル、スクシンイミジル、3H-インドリル、インドリニル、イソインドリニル、2H-ピロリル、1-ピロリニル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、ピロリジニル、4H-キノリジニル、2-オキソピペラジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、2-ピラゾリニル、3-ピラゾリニル、テトラヒドロ-2H-ピラニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、3,4-ジヒドロ-2H-ピラニル、オキセタニル、チエタニル(thietanyl)、3-ジオキソラニル、1,4-ジオキサニル、2,5-ジオキシミダゾリジニル(dioximidazolidinyl)、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロロジニル、インドリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリン-1-イル、テトラヒドロイソキノリン-2-イル、テトラヒドロイソキノリン-3-イル、テトラヒドロイソキノリン-4-イル、チオモルホリン-4-イル、チオモルホリン-4-イルスルホキシド、チオモルホリン-4-イルスルホン、1,3-ジオキソラニル、1,4-オキサチアニル、1,4-ジチアニル、1,3,5-トリオキサニル、1H-ピロリジニル、テトラヒドロ-1,1-ジオキソチオフェニル、N-ホルミルピペラジニル、およびモルホリン-4-イルがある。
【0039】
この発明の組成物、触媒、化合物、方法、ポリマー、物品、および使用の好ましい項(特徴)および実施形態を以下に記載する。そのように定義される本発明の各々の項および実施形態は、明らかに反対に示されない限り、あらゆる他の項および/または実施形態と組み合わせ得る。特に、好ましいまたは有利であると示されているいずれの特徴も、好ましいまたは有利であると示されているあらゆる他の特徴または項と組み合わせ得る。これに関して、本発明は特に以下に番号を付けた項および実施形態のいずれか1つまたはその1つもしくは複数と他のいずれかの態様および/または実施形態とのあらゆる組合せにより捉えられる。
【0040】
1.式(I)
【化3】
[式中、
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7は各々独立して水素またはアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、-OR
15、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R
12)
3、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;前記群の各々は非置換であるかまたは1個もしくは複数の置換基Z
1で置換されていてもよく;Z
1は-OR
16、アルキル、およびアルケニルから選択され;R
15、R
16は各々独立してアルキル、アリールアルキル、アルキルアリールおよびアリールを含む群から選択され;好ましくは、R
15、R
16は各々独立してアルキルであり;
R
3、R
4、R
5、R
6、R
7のうちの少なくとも1つは-OR
15であり;
R
8、R
9、R
10、R
11は各々独立して水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R
12)
3、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;
L
1はSiR
13R
14、-[CR
13R
14]
h-、GeR
13R
14、またはBR
13であり;hは1、2、または3から選択される整数であり;R
13およびR
14の各々は独立して水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アミノアルキル、およびアリールアルキルを含む群から選択されるか;またはR
13およびR
14は、それらが結合している原子と共にシクロアルキル、シクロアルケニルもしくはヘテロシクリルを形成し;
M
1はジルコニウム、チタン、ハフニウム、およびバナジウムを含む群から選択される遷移金属であり;好ましくは、Mはジルコニウムであり;
Q
1およびQ
2は各々独立してハロゲン、アルキル、-N(R
17)
2、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;各R
17は独立して水素、アルキル、Si(R
12)
3、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;
各R
12は独立して水素、アルキル、またはアルケニルである]
のメタロセン触媒。
【0041】
2.R2、R3、R4、R5、R6、R7が各々独立して水素またはC1~20アルキル、C2~20アルケニル、C3~20シクロアルキル、C5~20シクロアルケニル、C5~20シクロアルケニルC1~20アルキル、C6~20アリール、-OR15、C1~20アルキルC6~20アリール、C6~20アリールC1~20アルキル、ハロゲン、Si(R12)3、およびヘテロC1~12アルキルを含む群から選択され;前記群の各々は非置換であるかまたは1個もしくは複数の置換基Z1で置換されていてもよく;Z1は-OR16、C1~20アルキル、およびC2~20アルケニルから選択され;R15、R16は、各々独立してC1~20アルキル、C6~20アリールC1~20アルキル、C1~20アルキルC6~20アリールおよびC6~20アリールを含む群から選択され;好ましくは、R15、R16は各々独立してC1~20アルキルであり;
R3、R4、R5、R6、R7のうちの少なくとも1つが-OR15であり、
R8、R9、R10、R11が各々独立して水素、C1~20アルキル、C2~20アルケニル、C3~20シクロアルキル、C5~20シクロアルケニル、C5~20シクロアルケニルC1~20アルキル、C6~20アリール、C1~20アルコキシ、C1~20アルキルC6~20アリール、C6~20アリールC1~20アルキル、ハロゲン、Si(R12)3、およびヘテロC1~12アルキルを含む群から選択され;
L1がSiR13R14、-[CR13R14]h-、GeR13R14、またはBR13であり;hは1、2、または3から選択される整数であり;R13およびR14の各々は独立して水素、C1~20アルキル、C2~20アルケニル、C3~20シクロアルキル、C5~20シクロアルケニル、C5~20シクロアルケニルC1~20アルキル、C6~20アリール、アミノC1~20アルキル、およびC6~20アリールC1~20アルキルを含む群から選択されるか;またはR13およびR14は、それらが結合している原子と共にC3~20シクロアルキル、C5~20シクロアルケニルもしくは3~14員のヘテロシクリルを形成し;
M1がジルコニウム、チタン、ハフニウム、およびバナジウムを含む群から選択される遷移金属であり;好ましくは、Mがジルコニウムであり;
Q1およびQ2が各々独立してハロゲン、C1~20アルキル、-N(R17)2、C1~20アルコキシ、C3~20シクロアルコキシ、C6~20アリールC1~20アルキルオキシ、C3~20シクロアルキル、C6~20アリール、C6~20アリールオキシ、C1~20アルキルC6~20アリール、C6~20アリールC1~20アルキル、およびヘテロC1~20アルキルからなる群から選択され;各R17は独立して水素、C1~20アルキル、Si(R12)3、C3~20シクロアルキル、C6~20アリール、C1~20アルキルC6~20アリール、C6~20アリールC1~20アルキル、およびヘテロC1~20アルキルを含む群から選択され;好ましくは、Q1およびQ2が各々独立してハロゲン、またはC1~20アルキルからなる群から選択され;
各R12が独立して水素、C1~20アルキル、またはC2~20アルケニルである、項1に係る触媒。
【0042】
3.R2、R3、R4、R5、R6、R7が各々独立して水素またはC1~8アルキル、C2~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニル、C5~8シクロアルケニルC1~8アルキル、C6~10アリール、-OR15、C1~8アルキルC6~10アリール、C6~10アリールC1~8アルキル、ハロゲン、Si(R12)3、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択され;前記群の各々は非置換であるかまたは1個もしくは複数の置換基Z1で置換されていてもよく;Z1は-OR16、C1~8アルキル、およびC2~8アルケニルから選択され;各R12は独立して水素、C1~8アルキル、またはC2~8アルケニルであり;R15、R16は各々独立してC1~8アルキル、C6~10アリールC1~8アルキル、C7~8アルキルC6~10アリールおよびC6~10アリールを含む群から選択され;好ましくは、R15、R16は各々独立してC1~8アルキルであり;R3、R4、R5、R6、R7のうちの少なくとも1つは-OR15であり;好ましくは、R4、R5、R6、R7のうちの少なくとも1つは-OR15であり;好ましくは、R4、R5、R6のうちの少なくとも1つは-OR15であり;好ましくは、R4、R5、R6のうちの少なくとも1つは-OR15であり;好ましくは、R5、R6のうちの少なくとも1つは-OR15であり;
好ましくは、R2、R3、R4、R6、R7が各々独立して水素またはC1~8アルキル、C2~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニル、C5~8シクロアルケニルC1~8アルキル、C6~10アリール、-OR15、C1~8アルキルC6~10アリール、C6~10アリールC1~8アルキル、ハロゲン、Si(R12)3、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択され;前記群の各々は非置換であるかまたは1個もしくは複数の置換基Z1で置換されていてもよく;Z1は-OR16、C1~8アルキル、およびC2~8アルケニルから選択され;各R12は独立して水素、C1~8アルキル、またはC2~8アルケニルであり;R15、R16は各々独立してC1~8アルキル、C6~10アリールC1~8アルキル、C7~8アルキルC6~10アリールおよびC6~10アリールを含む群から選択され;好ましくは、R15、R16は各々独立してC1~8アルキルであり;R5が-OR15であり;
好ましくは、R2、R3、R6、R7が各々独立して水素またはC1~8アルキル、C2~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニル、C5~8シクロアルケニルC1~8アルキル、C6~10アリール、-OR15、C1~8アルキルC6~10アリール、C6~10アリールC1~8アルキル、ハロゲン、Si(R12)3、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択され;前記群の各々は非置換であるかまたは1個もしくは複数のZ1で置換されていてもよく;Z1は-OR16、C1~8アルキル、およびC2~8アルケニルから選択され;各R12は独立して水素、C1~8アルキル、またはC2~8アルケニルであり;R15、R16は、各々独立してC1~8アルキル、C6~10アリールC1~8アルキル、C7~8アルキルC6~10アリールおよびC6~10アリールを含む群から選択され;好ましくは、R15、R16は各々独立してC1~8アルキルであり;R4がC6~10アリールであり、前記C6~10アリールは非置換であるかまたは1個もしくは複数の置換基Z1で置換されていてもよく;R5が-OR15であり;
好ましくは、R2、R3、R6、R7が各々独立して水素またはC1~8アルキル、C2~8アルケニル、C6~10アリール、-OR15、ハロゲン、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択され;前記群の各々は非置換であるかまたは1個もしくは複数のZ1で置換されていてもよく;Z1は-OR16、およびC1~8アルキルから選択され;R15、R16は各々独立してC1~8アルキル、およびC6~10アリールを含む群から選択され;好ましくは、R15、R16は各々独立してC1~8アルキルであり;R4がC6~10アリールであり、前記C6~10アリールは非置換であるかまたは1個もしくは複数の置換基Z1で置換されていてもよく;R5が-OR15であり;
好ましくは、R3、R7が各々独立して水素またはC1~8アルキル、C2~8アルケニル、C6~10アリール、-OR15、ハロゲン、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択され;前記群の各々は非置換であるかまたは1個もしくは複数のZ1で置換されていてもよく;Z1は-OR16、およびC1~8アルキルから選択され;R15、R16は各々独立してC1~8アルキル、およびC6~10アリールを含む群から選択され;好ましくは、R15、R16は各々独立してC1~8アルキルであり;R2およびR6が各々独立してC1~8アルキル、C6~10アリール、-OR15、ハロゲン、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択され;R4がC6~10アリールであり、前記C6~10アリールは非置換であるかまたは1個もしくは複数の置換基Z1で置換されていてもよく;R5が-OR15であり;
好ましくは、R3、R7が各々独立して水素またはC1~8アルキルから選択され、好ましくは水素であり;R2およびR6が各々独立してC1~8アルキル、C6~10アリール、-OR15、ハロゲン、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択され、好ましくはC1~8アルキルであり;R4がC6~10アリールであり、前記C6~10アリールは非置換であるかまたは1個もしくは複数の置換基Z1で置換されていてもよく;R5が-OR15である、項1~2のいずれか1つに係る触媒。
【0043】
4.R8、R9、R10、R11が各々独立して水素、C1~8アルキル、C2~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニル、C5~8シクロアルケニルC1~8アルキル、C6~10アリール、C1~8アルコキシ、C1~8アルキルC6~10アリール、C6~10アリールC1~8アルキル、ハロゲン、Si(R12)3、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択され;各R12が独立して水素、C1~8アルキル、またはC2~8アルケニルであり;好ましくは、R8、R9、R10、R11が各々独立して水素、C1~8アルキル、C2~8アルケニル、C6~10アリール、C1~8アルコキシ、ハロゲン、およびSi(R12)3を含む群から選択され;各R12が独立して水素、またはC1~6アルキルであり;好ましくは、R8、R9、R10、R11が各々独立して水素、C1~6アルキル、またはハロゲンから選択され;好ましくは、R8、R9、R10、R11が各々独立して水素、またはC1~4アルキルであり;好ましくはR8、R9、R10、R11が各々独立して水素、またはC1~2アルキルであり;好ましくは、R8、R9、R10、R11が各々独立して水素、またはメチルであり;好ましくは、R8、R9、R10、R11が各々独立してメチルである、項1~3のいずれか1つに係る触媒。
【0044】
5.L1がSiR13R14、-[CR13R14]h-、GeR13R14、またはBR13であり;hは1、2、または3から選択される整数であり;R13およびR14の各々は独立して水素、C1~8アルキル、C2~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニル、C5~8シクロアルケニルC1~8アルキル、C6~10アリール、アミノC1~8アルキル、およびC6~10アリールC1~8アルキルを含む群から選択されるか;またはR13およびR14は、それらが結合している原子と共にC3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニルもしくは3~8員のヘテロシクリルを形成し;好ましくは、L1がSiR13R14、または-[CR13R14]h-であり;hは1、または2から選択される整数であり;R13およびR14の各々は独立して水素、C1~8アルキル、C2~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニル、およびC6~10アリールを含む群から選択されるか;またはR13およびR14は、それらが結合している原子と共にC3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニルを形成し;好ましくは、L1がSiR13R14、または-[CR13R14]-であり;R13およびR14の各々は独立して水素、C1~8アルキル、およびC3~8シクロアルキルを含む群から選択されるか;またはR13およびR14は、それらが結合している原子と共にC3~8シクロアルキルを形成し;好ましくは、L1がSiR13R14、または-[CR13R14]-であり;R13およびR14の各々は、独立して水素、またはC1~6アルキルから選択され;好ましくは、L1がSiR13R14であり;R13およびR14の各々は、独立して水素、またはC1~4アルキルから選択され;好ましくは、L1がSiR13R14であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはC1~2アルキルから選択され;好ましくは、L1がSiR13R14であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはメチルから選択され;好ましくは、L1はSiMe2である、項1~4のいずれか1つに係る触媒。
【0045】
6.M1がジルコニウム、チタン、ハフニウム、およびバナジウムを含む群から選択される遷移金属であり;好ましくは、Mがジルコニウムであり;
Q1およびQ2が各々独立してハロゲン、C1~8アルキル、-N(R17)2、C1~8アルコキシ、C3~8シクロアルコキシ、C6~10アリールC1~8アルキルオキシ、C3~8シクロアルキル、C6~10アリール、C6~10アリールオキシ、C1~8アルキルC6~10アリール、C6~10アリールC1~8アルキル、およびヘテロC1~8アルキルからなる群から選択され;各R17は独立して水素、C1~8アルキル、Si(R12)3、C3~8シクロアルキル、C6~10アリール、C1~8アルキルC6~10アリール、C6~10アリールC1~8アルキル、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択され;好ましくは、各R17は独立して水素、C1~20アルキル、Si(R12)3、C3~20シクロアルキル、C6~20アリール、C1~20アルキルC6~20アリール、C6~20アリールC1~20アルキル、およびヘテロC1~20アルキルを含む群から選択され、好ましくは、各R17は独立して水素またはC1~8アルキルから選択され;各R12は独立して水素、またはC1~8アルキルであり;好ましくは、Q1およびQ2が各々独立してハロゲン、C1~8アルキル、C1~8アルコキシ、およびヘテロC1~8アルキルからなる群から選択され;好ましくは、Q1およびQ2が各々独立してハロゲン、またはC1~8アルキルからなる群から選択され;好ましくは、Q1およびQ2が各々独立してハロゲンまたはC1~8アルキルからなる群から選択され;好ましくは、Q1およびQ2が各々独立してハロゲン、好ましくはクロロである、項1~5のいずれか1つに係る触媒。
【0046】
7.R2、R3、R4、R5、R6、R7が各々独立して水素またはC1~8アルキル、C2~8アルケニル、C6~10アリール、-OR15を含む群から選択され;前記群の各々は非置換であるかまたは1個もしくは複数の置換基Z1で置換されていてもよく;Z1は-OR16、C1~6アルキル、およびC2~6アルケニルから選択され;R15、R16は各々独立してC1~6アルキル、C6~10アリールC1~8アルキル、C7~8アルキルC6~10アリールおよびC6~10アリールを含む群から選択され;好ましくは、R15、R16は各々独立してC1~6アルキルであり;
R3、R4、R5、R6、R7のうちの少なくとも1つが-OR15であり、
R8、R9、R10、R11が各々独立して水素、C1~8アルキル、C2~8アルケニル、C6~10アリール、およびC1~8アルコキシを含む群から選択され;
L1がSiR13R14、または-[CR13R14]h-であり;hは1、または2から選択される整数であり;R13およびR14の各々は独立して水素、C1~8アルキル、C2~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニルを含む群から選択されるか;またはR13およびR14は、それらが結合している原子と共にC3~8シクロアルキル、もしくはC5~8シクロアルケニルを形成し;
M1がジルコニウム、またはチタンであり;好ましくは、Mがジルコニウムであり;
Q1およびQ2が各々独立してハロゲン、C1~8アルキル、およびC1~8アルコキシからなる群から選択され;好ましくは、Q1およびQ2が各々独立してハロゲン、またはC1~8アルキルからなる群から選択される、項1~6のいずれか1つに係る触媒。
【0047】
8.R2、R3、R4、R5、R6、R7が各々独立して水素またはC1~6アルキル、C6~10アリール、もしくは-OR15から選択される群から選択され;前記群の各々は非置換であるかまたは1個もしくは複数の置換基Z1で置換されていてもよく;Z1は-OR16、またはC1~6アルキルから選択され;R15、R16は各々独立してC1~6アルキルであり;
R3、R4、R5、R6、R7のうちの少なくとも1つが-OR15であり、
R8、R9、R10、R11が各々独立して水素、C1~6アルキル、およびC2~6アルケニルを含む群から選択され;好ましくは、R8、R9、R10、R11が各々独立して水素、またはC1~6アルキルから選択され;好ましくは、R8、R9、R10、R11が各々独立して水素、またはC1~4アルキルから選択され;好ましくは、R8、R9、R10、R11が各々独立して水素、またはC1~2アルキルから選択され;好ましくは、R8、R9、R10、R11が各々独立して水素、またはメチルから選択され;好ましくは、R8、R9、R10、R11が各々独立してメチルであり;
L1がSiR13R14、または-[CR13R14]h-であり;hは1、または2から選択される整数であり;R13およびR14の各々は独立して水素、C1~6アルキル、C3~6シクロアルキルを含む群から選択されるか;またはR13およびR14は、それらが結合している原子と共にC3~6シクロアルキルを形成し;好ましくは、L1がSiR13R14、または-[CR13R14]h-であり;hは1であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはC1~6アルキルから選択され;好ましくは、L1がSiR13R14であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはC1~6アルキルから選択され;好ましくは、L1がSiR13R14であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはC1~4アルキルから選択され;好ましくは、L1がSiR13R14であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはメチルから選択され;好ましくは、L1がSiMe2であり;
Mがジルコニウムであり;
Q1およびQ2が各々独立してハロゲン、またはC1~6アルキルから選択され;好ましくは、Q1およびQ2が各々独立してクロロ、フルオロ、またはC1~4アルキルからなる群から選択され、好ましくは、Q1およびQ2が各々独立してクロロである、項1~7のいずれか1つに係る触媒。
【0048】
9.R5が-OR15である、項1~8のいずれか1つに係る触媒。
【0049】
10.式(II)
【化4】
[式中、R
2、R
3、R
4、R
15、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、L
1、M
1、Q
1、Q
2は項1~9のいずれか1つと同じ意味を有する]
を有する、項1~9のいずれか1つに係る触媒。
【0050】
11.R4が非置換または1個もしくは複数のZ1で置換されたアリールである、項1~10のいずれか1つに係る触媒。
【0051】
12.式(III)または(IV)
【化5】
[式中、nは0、1、2、3または4から選択される整数であり;mは0、1、2、または3から選択される整数であり;R
2、R
3、R
15、R
16、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、L
1、Z
1、M
1、Q
1、Q
2は項1~11のいずれか1つと同じ意味を有する]
を有する、項1~11のいずれか1つに係る触媒。
【0052】
13.R8、R9、R10、R11が各々独立して水素、またはC1~8アルキルであり;好ましくは、R8、R9、R10、R11が各々独立して水素、C1~6アルキルであり;好ましくは、R8、R9、R10、R11が各々独立して水素、またはC1~4アルキルであり;好ましくは、R8、R9、R10、R11が各々独立して水素、またはC1~2アルキルであり;好ましくは、R8、R9、R10、R11が各々独立して水素、またはメチルであり;好ましくは、R8、R9、R10、R11が各々独立してメチルである、項1~12のいずれか1つに係る触媒。
【0053】
14.式(V)または(VI)
【化6】
[式中、nは0、1、2、3または4から選択される整数であり、mは0、1、2、または3から選択される整数であり;R
2、R
3、R
15、R
16、R
6、R
7、L
1、Z
1、M
1、Q
1、Q
2は項1~13のいずれか1つと同じ意味を有する]
を有する、項1~13のいずれか1つに係る触媒。
【0054】
15.L1がSiR13R14、または-[CR13R14]-であり、R13、R14は項1~14のいずれか1つに定義されたものと同じ意味を有し、好ましくは、L1が好ましくはSiR13R14であり、好ましくは、R13、R14が各々独立して水素またはアルキルから選択され、好ましくは、R13、R14が各々独立してアルキル、好ましくはC1~6アルキル、好ましくはC1~4アルキル、好ましくはC1~2アルキル、好ましくはメチルである、項1~14のいずれか1つに係る触媒。
【0055】
16.式(VII)または(VIII)
【化7】
[式中、nは0、1、2、3または4から選択される整数であり、mは0、1、2、または3から選択される整数であり;R
2、R
3、R
15、R
16、R
6、R
7、Z
1、M
1、Q
1、Q
2は項1~15のいずれか1つと同じ意味を有する]
を有する、項1~15のいずれか1つに係る触媒。
【0056】
17.式(IX)または(X)
【化8】
[式中、nは0、1、2、3または4から選択される整数であり、mは0、1、2、または3から選択される整数であり;R
2、R
3、R
15、R
16、R
6、R
7、Z
1、Q
1、Q
2は項1~16のいずれか1つと同じ意味を有する]
を有する、項1~16のいずれか1つに係る触媒。
【0057】
18.式(XI)または(XII)
【化9】
[式中、nは0、1、2、3または4から選択される整数であり、mは0、1、2、または3から選択される整数であり;R
2、R
3、R
15、R
16、R
6、R
7、Z
1は項1~17のいずれか1つと同じ意味を有する]
を有する、項1~17のいずれか1つに係る触媒。
【0058】
19.式(XIII)または(XIV)
【化10】
[式中、nは0、1、2、3または4から選択される整数であり、mは0、1、2、または3から選択される整数であり;R
2、R
6、R
15、R
16、Z
1は項1~18のいずれか1つと同じ意味を有する]
を有する、項1~18のいずれか1つに係る触媒。
【0059】
20.R2、R3が各々独立して水素またはC1~6アルキルから選択される、項1~18のいずれか1つに係る触媒。
【0060】
21.式(XV)または(XVI)
【化11】
[式中、nは0、1、2、3または4から選択される整数であり、mは0、1、2、または3から選択される整数であり;R
6、Z
1は項1~20のいずれか1つと同じ意味を有する]
を有する、項1~20のいずれか1つに係る触媒。
【0061】
22.式(XVII)または(XVIII)
【化12】
[式中、nは0、1、2、3または4から選択される整数であり;mは0、1、2、または3から選択される整数であり;Z
1は項1~21のいずれか1つと同じ意味を有する]
項1~21のいずれか1つに係る触媒。
【0062】
23.式(XIX)または(XX)
【化13】
を有する、項1~22のいずれか1つに係る触媒。
【0063】
24.項1~23のいずれか1つに係る触媒、および支持体、好ましくは無機の多孔質支持体を含む担持触媒。
【0064】
25.項1~24のいずれか1つに係る少なくとも1種の触媒;任意的な活性化剤;任意的な支持体;および任意的な助触媒を含む触媒組成物。
【0065】
26.触媒組成物が活性化剤を含み、好ましくは、活性化剤がアルミノキサン化合物、有機ホウ素もしくは有機ホウ酸(organoborate)化合物、イオン化性イオン性(ionizing ionic)化合物、またはこれらの任意の組合せを含み;好ましくは、活性化剤がメチルアルモキサンである、項25に係る触媒組成物。
【0066】
27.活性化剤が式(A1)または(A2)
オリゴマー性の直鎖状アルモキサンに対してRa-(Al(Ra)-O)x-AlRa
2 (A1);または
オリゴマー性の環式アルモキサンに対して(-Al(Ra)-O-)y (A2)
[式中、
xは1~40、好ましくは10~20であり;
yは3~40、好ましくは3~20であり;
各Raは独立してC1~8アルキルから選択され、好ましくはメチルである]
の少なくとも1種のアルモキサン化合物を含む、項25~26のいずれか1つに係る触媒組成物。
【0067】
28.活性化剤がメチルアルモキサンである、項25~27のいずれか1つに係る触媒組成物。
【0068】
29.触媒組成物が助触媒を含む、項25~28のいずれか1つに係る触媒組成物。
【0069】
30.触媒組成物が有機アルミニウム助触媒を含む、項25~29のいずれか1つに係る触媒組成物。
【0070】
31.触媒組成物が助触媒、好ましくは、好ましくはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ-n-プロピルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムクロリド、およびこれらの任意の組合せを含む群から選択される有機アルミニウム助触媒を含む、項25~30のいずれか1つに係る触媒組成物。
【0071】
32.支持体が固体酸化物、好ましくは固体無機酸化物を含み、好ましくは、固体酸化物がチタネート化シリカ(titanated silica)、シリカ、アルミナ、シリカ-アルミナ、シリカ被覆アルミナ、リン酸アルミニウム、アルミノリン酸塩、ヘテロポリタングステート、チタニア、ジルコニア、マグネシア、ボリア、酸化亜鉛、これらの混合酸化物、またはこれらの任意の混合物;好ましくは、シリカ、チタネート化シリカ、フッ化物で処理したシリカ、シリカ-アルミナ、フッ化物で処理したアルミナ、硫酸化アルミナ、フッ化物で処理したシリカ-アルミナ、硫酸化シリカ-アルミナ、シリカ被覆アルミナ、フッ化物で処理したシリカ、硫酸化シリカ被覆アルミナ、またはこれらの任意の組合せを含む、項25~31のいずれか1つに係る触媒組成物、または項24の担持触媒。
【0072】
33.支持体がチタネート化シリカ、シリカ、アルミナ、シリカ-アルミナ、シリカ被覆アルミナ、リン酸アルミニウム、アルミノリン酸塩、ヘテロポリタングステート、チタニア、ジルコニア、マグネシア、ボリア、酸化亜鉛、これらの混合酸化物、またはこれらの任意の混合物を含む固体酸化物を含む、項25~32のいずれか1つに係る触媒組成物。
【0073】
34.アルモキサン活性化剤;およびチタネート化シリカまたはシリカ固体支持体;および任意的な助触媒を含む、項25~33のいずれか1つに係る触媒組成物。
【0074】
35.オレフィンポリマーの調製のための、項1~24のいずれか1つに係る触媒の使用、または項25~34のいずれか1つに係る触媒組成物の使用。
【0075】
36.ポリプロピレン、好ましくは、プロピレンホモポリマー、プロピレンランダムコポリマーおよび異相プロピレンコポリマーの調製のための、先行する項1~24のいずれかに係る触媒の使用、または項25~34のいずれか1つに係る触媒組成物の使用。
【0076】
37.項1~24のいずれか1つに係る触媒または項25~34のいずれか1つに係る触媒組成物を、オレフィンモノマー、場合により水素、および場合により1種または複数のオレフィンコモノマーと接触させること;ならびにモノマー、および場合により1種または複数のオレフィンコモノマーを少なくとも1種の触媒組成物、および任意的な水素の存在下で重合することによりオレフィンポリマーを得ることを含む、オレフィン重合方法。
【0077】
38.方法がスラリー相または気相または液相で行なわれる、項37に係る方法。
【0078】
39.方法が1つまたは複数のバッチ反応器、スラリー反応器、気相反応器、溶液反応器、高圧反応器、管状反応器、オートクレーブ反応器、またはこれらの組合せで実施される、項37~38のいずれか1つに係る方法。
【0079】
40.方法が単一の反応ゾーンで実施される、項37~39のいずれか1つに係る方法。
【0080】
41.オレフィンモノマーがプロピレンであり、オレフィンコモノマーがエチレン、1-ブテン、2-ブテン、3-メチル-1-ブテン、イソブチレン、1-ペンテン、2-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、2-ヘキセン、3-エチル-l-ヘキセン、1-ヘプテン、2-ヘプテン、3-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、スチレン、またはこれらの混合物を含む、項37~40のいずれか1つに係る方法。
【0081】
42.オレフィンモノマーがエチレンであり、オレフィンコモノマーがプロピレン、1-ブテン、2-ブテン、3-メチル-1-ブテン、イソブチレン、1-ペンテン、2-ペンテン、3-メチル-l-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、2-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-ヘプテン、2-ヘプテン、3-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、スチレン、またはこれらの混合物を含む、項37~41のいずれか1つに係る方法。
【0082】
43.項1~24のいずれか1つに係る触媒の存在下、または項25~34のいずれか1つに係る触媒組成物の存在下でプロピレンを重合してポリプロピレンを形成することを含む、ポリプロピレンを調製する方法。
【0083】
44.項1~24のいずれか1つに係る少なくとも1種の触媒、または項24~34のいずれか1つに係る少なくとも1種の触媒組成物により少なくとも部分的に触媒されたかまたは項37~43のいずれか1つによる方法により生成したオレフィンポリマー。
【0084】
45.前記オレフィンポリマーがポリプロピレンである、項44に係るオレフィンポリマー。
【0085】
46.項44~45のいずれか1つに係るオレフィンポリマーを含む物品。
【0086】
本明細書で使用されるとき、用語「触媒」は、反応の速度に変化を生じさせる物質をいう。本発明においては、殊に重合、好ましくはオレフィンからオレフィンポリマーへの重合に適した触媒に当てはまる。
【0087】
用語「メタロセン触媒」は、本明細書で1個または複数のリガンドに結合した金属原子を含む遷移金属錯体を記載するために使用される。メタロセン触媒はチタン、ジルコニウム、ハフニウム、等のような周期表のIV族遷移金属の化合物であり、金属化合物およびリガンドの配位構造を有する。メタロセンはポリマーの枝分かれおよび分子量分布のより良好な制御を可能にする単一の金属部位を含む。モノマーは金属とポリマーの成長する鎖との間に挿入される。
【0088】
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)~(XVIII)のいずれか1つのメタロセン触媒を提供し、式中、
R2、R3、R4、R5、R6、R7は各々独立して水素またはC1~8アルキル、C2~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニル、C5~8シクロアルケニルC1~8アルキル、C6~10アリール、-OR15、C1~8アルキルC6~10アリール、C6~10アリールC1~8アルキル、ハロゲン、Si(R12)3、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択され、前記群の各々は非置換であるかまたは1個もしくは複数の置換基Z1で置換されていてもよく;Z1は-OR16、C1~8アルキル、およびC2~8アルケニルから選択され;各R12は独立して水素、C1~8アルキル、またはC2~8アルケニルであり;R15、R16は各々独立してC1~8アルキル、C6~10アリールC1~8アルキル、C7~8アルキルC6~10アリールおよびC6~10アリールを含む群から選択され;好ましくは、R15、R16は各々独立してC1~8アルキルであり;R3、R4、R5、R6、R7のうちの少なくとも1つは-OR15であり;好ましくは、R4、R5、R6、R7のうちの少なくとも1つは-OR15であり;好ましくは、R4、R5、R6のうちの少なくとも1つは-OR15であり;好ましくは、R5、R6のうちの少なくとも1つは-OR15であり;
R8、R9、R10、R11は各々独立して水素、C1~8アルキル、C2~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニル、C5~8シクロアルケニルC1~8アルキル、C6~10アリール、C1~8アルコキシ、C1~8アルキルC6~10アリール、C6~10アリールC1~8アルキル、ハロゲン、Si(R12)3、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択され;各R12は独立して水素、C1~8アルキル、またはC2~8アルケニルであり;
L1はSiR13R14、または-[CR13R14]h-であり;hは1、または2から選択される整数であり;R13およびR14の各々は独立して水素、C1~8アルキル、C2~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニル、およびC6~10アリールを含む群から選択されるか;またはR13およびR14は、それらが結合している原子と共にC3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニルを形成し;好ましくは、L1はSiR13R14、または-[CR13R14]-であり;R13およびR14の各々は独立して水素、C1~8アルキル、およびC3~8シクロアルキルを含む群から選択されるか;またはR13およびR14は、それらが結合している原子と共にC3~8シクロアルキルを形成し;好ましくは、L1はSiR13R14、または-[CR13R14]-であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはC1~6アルキルから選択され;好ましくは、L1はSiR13R14であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはC1~4アルキルから選択され;好ましくは、L1はSiR13R14であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはC1~2アルキルから選択され;好ましくは、L1はSiR13R14であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはメチルから選択され;好ましくは、L1はSiMe2である。
【0089】
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)~(XVI)のいずれか1つのメタロセン触媒を提供し、式中、
R2、R3、R4、R6、R7は各々独立して水素またはC1~8アルキル、C2~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニル、C5~8シクロアルケニルC1~8アルキル、C6~10アリール、-OR15、C1~8アルキルC6~10アリール、C6~10アリールC1~8アルキル、ハロゲン、Si(R12)3、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択され;前記群の各々は非置換であるかまたは1個または複数の置換基Z1で置換されていてもよく;Z1は-OR16、C1~8アルキル、およびC2~8アルケニルから選択され;各R1は独立して水素、C1~8アルキル、またはC2~8アルケニルであり;R15、R16は各々独立してC1~8アルキル、C6~10アリールC1~8アルキル、C7~8アルキルC6~10アリールおよびC6~10アリールを含む群から選択され;好ましくは、R15、R16は各々独立してC1~8アルキルであり;R5は-OR15であり;
R8、R9、R10、R11は各々独立して水素、C1~8アルキル、C2~8アルケニル、C6~10アリール、C1~8アルコキシ、ハロゲン、およびSi(R12)3を含む群から選択され;各R12は独立して水素、またはC1~6アルキルであり;
L1はSiR13R14、または-[CR13R14]-であり;R13およびR14の各々は独立して水素、C1~8アルキル、およびC3~8シクロアルキルを含む群から選択されるか;またはR13およびR14は、それらが結合している原子と共にC3~8シクロアルキルを形成し;好ましくは、L1はSiR13R14、または-[CR13R14]-であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはC1~6アルキルから選択され;好ましくは、L1はSiR13R14であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはC1~4アルキルから選択され;好ましくは、L1はSiR13R14であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはC1~2アルキルから選択され;好ましくは、L1はSiR13R14であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはメチルから選択され;好ましくは、L1はSiMe2である。
【0090】
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)~(XVIII)のいずれか1つのメタロセン触媒を提供し、式中、
R2、R3、R6、R7は各々独立して水素またはC1~8アルキル、C2~8アルケニル、C3~8シクロアルキル、C5~8シクロアルケニル、C5~8シクロアルケニルC1~8アルキル、C6~10アリール、-OR15、C1~8アルキルC6~10アリール、C6~10アリールC1~8アルキル、ハロゲン、Si(R12)3、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択され;前記群の各々は非置換であるかまたは1個もしくは複数のZ1で置換されていてもよく;Z1は-OR16、C1~8アルキル、およびC2~8アルケニルから選択され;各R12は独立して水素、C1~8アルキル、またはC2~8アルケニルであり;R15、R16は各々独立してC1~8アルキル、C6~10アリールC1~8アルキル、C7~8アルキルC6~10アリールおよびC6~10アリールを含む群から選択され;好ましくは、R15、R16は各々独立してC1~8アルキルであり;R4はC6~10アリールであり、前記C6~10アリールは非置換であるかまたは1個もしくは複数の置換基Z1で置換されていてもよく;R5は-OR15であり;
R8、R9、R10、R11は各々独立して水素、またはC1~4アルキルであり;好ましくは、R8、R9、R10、R11は各々独立して水素、またはC1~2アルキルであり;好ましくはR8、R9、R10、R11は各々独立して水素、またはメチルであり;好ましくはR8、R9、R10、R11は各々独立してメチルである。
【0091】
L1はSiR13R14、または-[CR13R14]-であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはC1~6アルキルから選択され;好ましくは、L1はSiR13R14であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはC1~4アルキルから選択され;好ましくは、L1はSiR13R14であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはC1~2アルキルから選択され;好ましくは、L1はSiR13R14であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはメチルから選択され;好ましくは、L1はSiMe2である。
【0092】
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)~(XVIII)のいずれか1つのメタロセン触媒を提供し、式中、
R2、R3、R6、R7は各々独立して水素またはC1~8アルキル、C2~8アルケニル、C6~10アリール、-OR15、ハロゲン、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択され;前記群の各々は非置換であるかまたは1個もしくは複数のZ1で置換されていてもよく;Z1は-OR16、およびC1~8アルキルから選択され;R15、R16は各々独立してC1~8アルキル、およびC6~10アリールを含む群から選択され;好ましくは、R15、R16は各々独立してC1~8アルキルであり;R4はC6~10アリールであり、前記C6~10アリールは非置換であるかまたは1個もしくは複数の置換基Z1で置換されていてもよく;R5は-OR15であり;
R8、R9、R10、R11は各々独立して水素、C1~6アルキル、またはハロゲンから選択され;好ましくは、R8、R9、R10、R11は各々独立して水素、またはC1~4アルキルであり;好ましくは、R8、R9、R10、R11は各々独立して水素、またはC1~2アルキルであり;好ましくは、R8、R9、R10、R11は各々独立して水素、またはメチルであり;好ましくは、R8、R9、R10、R11は各々独立してメチルである。
【0093】
L1はSiR13R14であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはC1~2アルキルから選択され;好ましくは、L1はSiR13R14であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはメチルから選択され;好ましくは、L1はSiMe2である。
【0094】
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)~(XVIII)のいずれか1つのメタロセン触媒を提供し、式中、
R3、R7は各々独立して水素またはC1~8アルキル、C2~8アルケニル、C6~10アリール、-OR15、ハロゲン、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択され;前記群の各々は非置換であるかまたは1個もしくは複数のZ1で置換されていてもよく;Z1は-OR16、およびC1~8アルキルから選択され;R15、R16は各々独立してC1~8アルキル、およびC6~10アリールを含む群から選択され;好ましくは、R15、R16は各々独立してC1~8アルキルであり;R2およびR6は各々独立してC1~8アルキル、C6~10アリール、-OR15、ハロゲン、およびヘテロC1~8アルキルを含む群から選択され;R4はC6~10アリールであり、前記C6~10アリールは非置換であるかまたは1個もしくは複数の置換基Z1で置換されていてもよく;R5は-OR15であり;
R8、R9、R10、R11は各々独立して水素、またはC1~6アルキルであり;好ましくは、R8、R9、R10、R11は各々独立して水素、またはC1~2アルキルであり;好ましくは、R8、R9、R10、R11は各々独立して水素、またはメチルであり;好ましくは、R8、R9、R10、R11は各々独立してメチルである。
【0095】
L1はSiR13R14であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはC1~4アルキルから選択され;好ましくは、L1はSiR13R14であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはC1~2アルキルから選択され;好ましくは、L1はSiR13R14であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはメチルから選択され;好ましくは、L1はSiMe2である。
【0096】
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)~(XVIII)のいずれか1つのメタロセン触媒を提供し、式中、
R3、R7は各々独立して水素またはC1~8アルキルから選択され、好ましくは水素であり;R2およびR6は各々独立してC1~8アルキル、C6~10アリール、-OR15、ハロゲン、およびヘテロC1~8アルキルを含む群、好ましくはC1~8アルキルから選択され;R4はC6~10アリールであり、前記C6~10アリールは非置換であるかまたは1個もしくは複数の置換基Z1で置換されていてもよく;R5は-OR15である。
【0097】
R8、R9、R10、R11は各々独立して水素、またはC1~6アルキルであり;好ましくは、R8、R9、R10、R11は各々独立して水素、またはC1~2アルキルであり;好ましくは、R8、R9、R10、R11は各々独立して水素、またはメチルであり;好ましくは、R8、R9、R10、R11は各々独立してメチルである。
【0098】
L1はSiR13R14であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはC1~4アルキルから選択され;好ましくは、L1はSiR13R14であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはC1~2アルキルから選択され;好ましくは、L1はSiR13R14であり;R13およびR14の各々は独立して水素、またはメチルから選択され;好ましくは、L1はSiMe2である。
【0099】
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)~(X)のいずれか1つのメタロセン触媒を提供し、式中、M1はジルコニウム、またはチタンであり;好ましくは、Mはジルコニウムであり;Q1およびQ2は各々独立してハロゲン、C1~8アルキル、およびC1~8アルコキシからなる群から選択され;好ましくは、Q1およびQ2は各々独立してクロロのようなハロゲン、またはC1~8アルキルからなる群から選択される。
【0100】
本発明において触媒は好ましくは固体支持体上に提供される。
【0101】
支持体は不活性な有機または無機の固体であり得、慣用の架橋したメタロセン触媒の成分のいずれとも化学的に非反応性である。担持触媒に適した支持体材料にはシリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化トリウム、ならびにシリカおよび1種または複数の2または13族金属酸化物の混合酸化物、たとえばシリカ-マグネシアおよびシリカ-アルミナ混合酸化物などの固体の無機酸化物がある。シリカ、アルミナ、ならびにシリカおよび1種または複数の2または13族金属酸化物の混合酸化物が好ましい支持体材料である。かかる混合酸化物の好ましい例はシリカ-アルミナである。たとえば固体酸化物はチタネート化シリカ、シリカ、アルミナ、シリカ-アルミナ、シリカ被覆アルミナ、リン酸アルミニウム、アルミノリン酸塩、ヘテロポリタングステート、チタニア、ジルコニア、マグネシア、ボリア、酸化亜鉛、これらの混合酸化物、またはこれらの任意の混合物、好ましくは、シリカ、チタネート化シリカ、フッ化物で処理したシリカ、シリカ-アルミナ、フッ化物で処理したアルミナ、硫酸化アルミナ、フッ化物で処理したシリカ-アルミナ、硫酸化シリカ-アルミナ、シリカ被覆アルミナ、フッ化物で処理したシリカ、硫酸化シリカ被覆アルミナ、またはこれらの任意の組合せを含む。最も好ましいのはチタネート化シリカ、またはシリカ化合物である。好ましい実施形態において、架橋したメタロセン触媒は固体支持体、好ましくはチタネート化シリカ、またはシリカ支持体上に提供される。シリカは粒状、塊状、ヒュームドまたはその他の形態であり得る。
【0102】
いくつかの実施形態において、触媒成分の支持体は多孔質支持体、好ましくは多孔質のチタネート化シリカ、または200~900m2/gの間に含まれる表面積を有するシリカ支持体である。別の実施形態において、重合触媒の支持体は多孔質支持体、好ましくは多孔質のチタネート化シリカ、または0.5~4ml/gの間に含まれる平均細孔容積を有するシリカ支持体である。さらに別の実施形態において、重合触媒の支持体は多孔質支持体、好ましくは多孔質のチタネート化シリカ、または50~300Å、好ましくは75~220Åの間に含まれる平均細孔径を有するシリカ支持体である。
【0103】
いくつかの実施形態において、支持体は最大で150μm、好ましくは最大で100μm、好ましくは最大で75μm、好ましくは最大で50μm、好ましくは最大で40μm、好ましくは最大で30μmのD50を有する。D50は、粒子の50重量パーセントがD50より小さい大きさを有する粒径と定義される。粒径の測定は国際規格(International Standard)ISO 13320:2009(「Particle size analysis -Laser diffraction methods」)に準じて行うことができる。たとえば、D50は篩い分け、BET表面測定、またはレーザー回折分析により測定することができる。たとえば、Malvern Instrumentsのレーザー回折系は有利に使用され得る。粒径はMalvernタイプの分析装置でレーザー回折分析により測定し得る。粒径は、担持触媒をシクロヘキサン中に懸濁させた後にMalvernタイプの分析装置でレーザー回折分析により測定し得る。適切なMalvern系としてMalvern 2000、Malvern MasterSizer(たとえばMastersizer S)、Malvern 2600およびMalvern 3600シリーズがある。かかる機器はそれらの操作マニュアルと共にISO 13320規格内の要件に合うかまたはそれを超えさえする。Malvern MasterSizer(たとえばMastersizer S)も、Mieの理論を適用することにより、適当な光学的手段を用いて、たとえば平均粒径の8μm未満の範囲の下限に向かってD50をより正確に測定することができるので有用であり得る。
【0104】
好ましくは、触媒は活性化剤により活性化される。活性化剤はこの目的で知られているあらゆる活性化剤、たとえばアルミニウムを含有する活性化剤、ホウ素を含有する活性化剤、またはフッ素化された活性化剤であり得る。アルミニウムを含有する活性化剤はアルモキサン、アルキルアルミニウム、Lewis酸および/またはフッ素化された触媒支持体を含み得る。
【0105】
いくつかの実施形態において、アルモキサンが触媒の活性化剤として使用される。アルモキサンは重合反応中、触媒の活性を改良するために触媒と共に使用することができる。
【0106】
本明細書で使用されるとき、用語「アルモキサン」および「アルミノキサン」は、同義で使用され、架橋したメタロセン触媒を活性化することができる物質をいう。いくつかの実施形態において、アルモキサンはオリゴマー性の直鎖状および/または環式アルキルアルモキサンを含む。さらなる実施形態において、アルモキサンは式(A1)または(A2)
オリゴマー性の直鎖状アルモキサンに対してRa-(Al(Ra)-O)x-AlRa
2 (A1);または
オリゴマー性の環式アルモキサンに対して(-Al(Ra)-O-)y (A2)
(式中xは1~40、好ましくは10~20であり;
yは3~40、好ましくは3~20であり;
各Raは独立してC1~8アルキルから選択され、好ましくはメチルである)を有する。好ましい実施形態において、アルモキサンはメチルアルモキサン(MAO)である。
【0107】
触媒組成物は助触媒、好ましくは有機アルミニウム助触媒を含み得る。好ましくは、式AIRb
xで表される1種または複数のアルキルアルミニウムを追加の助触媒として使用することができ、式中の各Rbは同一または異なり、ハロゲンまたは1~12個の炭素原子を有するアルコキシもしくはアルキル群から選択され、xは1~3である。非限定例はトリーエチルアルミニウム(TEAL)、トリ-イソ-ブチルアルミニウム(TIBAL)、トリ-メチルアルミニウム(TMA)、トリ-n-プロピルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、メチル-メチル-エチルアルミニウム(MMEAL)、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムクロリド、およびこれらの任意の組合せである。殊に適切なのはトリアルキルアルミニウムであり、最も好ましいのはトリイソブチルアルミニウム(TIBAL)およびトリエチルアルミニウム(TEAL)である。
【0108】
触媒組成物は少なくとも1種のモノマーを少なくとも1種の触媒組成物と接触させることを含むポリマーの調製方法で特に有用であり得る。好ましくは、前記ポリマーはオレフィンポリマーであり、好ましくは、前記モノマーはアルファ-オレフィンである。
【0109】
したがって本発明の触媒組成物はオレフィンポリマーの調製に使用するのに特に適している。本発明はまたオレフィン重合における触媒組成物の使用にも関する。
【0110】
本発明はまた、本発明による触媒組成物を、オレフィンモノマー、場合により水素、および場合により1種または複数のオレフィンコモノマーと接触させること;ならびにモノマー、および場合により1種または複数のオレフィンコモノマーを、少なくとも1種の触媒組成物、および任意的な水素の存在下で重合することによりオレフィンポリマーを得ることを含む、オレフィン重合方法も包含する。
【0111】
用語「オレフィン」は、本明細書で炭素および水素で構成され、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有する分子をいう。1つの炭素-炭素二重結合を含有するオレフィンは本明細書でモノ不飽和炭化水素を意味し、化学式CnH2nを有し、式中nは少なくとも2に等しい。「アルファ-オレフィン」、「α-オレフィン」、「1-アルケン」または「末端オレフィン」は、本明細書で同義語として使用され、一級またはアルファ(α)位に二重結合を有するオレフィンまたはアルケンを意味する。
【0112】
本出願を通じて用語「オレフィンポリマー」、「ポリオレフィン」および「ポリオレフィンポリマー」は同義で使用され得る。
【0113】
適した重合には、限定されることはないが、アルファ-オレフィンの単独重合、またはアルファ-オレフィンおよび少なくとも1種の他のアルファ-オレフィンコモノマーの共重合がある。
【0114】
本明細書で使用されるとき、用語「コモノマー」は、アルファ-オレフィンモノマーと共に重合するのに適したオレフィンコモノマーをいう。コモノマーは、存在する場合、オレフィンモノマーとは異なり、オレフィンモノマーとの共重合に適するように選ばれる。コモノマーは限定されることはないが脂肪族のC2~C20アルファ-オレフィンを含み得る。適切な脂肪族のC3~C20アルファ-オレフィンの例にはエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、および1-エイコセンがある。適切なコモノマーのさらなる例は酢酸ビニル(H3C-C(=O)O-CH=CH2)またはビニルアルコール(「HO-CH=CH2」)である。調製することができる適したオレフィンコポリマーの例はプロピレンおよびエチレンのランダムコポリマー、プロピレンおよび1-ブテンのランダムコポリマー、プロピレンおよびエチレンの異相コポリマー、エチレン-ブテンコポリマー、エチレン-ヘキセンコポリマー、エチレン-オクテンコポリマー、エチレンおよび酢酸ビニルのコポリマー(EVA)、エチレンおよびビニルアルコールのコポリマー(EVOH)であり得る。
【0115】
いくつかの実施形態において、オレフィンモノマーはエチレンであり、オレフィンコモノマーはプロピレン、1-ブテン、2-ブテン、3-メチル-1-ブテン、イソブチレン、1-ペンテン、2-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、2-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-ヘプテン、2-ヘプテン、3-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、スチレン、またはこれらの混合物を含む。
【0116】
いくつかの実施形態において、オレフィンモノマーはプロピレンであり、オレフィンコモノマーはエチレン、1-ブテン、2-ブテン、3-メチル-1-ブテン、イソブチレン、1-ペンテン、2-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、2-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-ヘプテン、2-ヘプテン、3-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、スチレン、またはこれらの混合物を含む。
【0117】
オレフィンポリマーはバルク、ガス、溶液および/またはスラリー相で調製することができる。方法は1つまたは複数のバッチ反応器、スラリー反応器、気相反応器、溶液反応器、高圧反応器、管状反応器、オートクレーブ反応器、またはこれらの組合せで実施することができる。
【0118】
用語「スラリー」または「重合スラリー」または「ポリマースラリー」は、本明細書で使用されるとき、少なくともポリマー固体および液相を含む実質的に多相の組成物をいい、液相は連続相である。固体は触媒および重合したモノマーを含み得る。
【0119】
いくつかの実施形態において、液相は希釈剤を含む。本明細書で使用されるとき、用語「希釈剤」は、合成されたポリオレフィンを溶解しないあらゆる有機希釈剤をいう。本明細書で使用されるとき、用語「希釈剤」は、ループ反応器において室温で液体、好ましくは圧力条件下で液体である液体状態の希釈剤をいう。適切な希釈剤は限定されることはないが炭化水素希釈剤、たとえば脂肪族、環式脂肪族および芳香族の炭化水素溶媒、またはかかる溶媒のハロゲン化型を含む。好ましい溶媒はC12もしくはより低級の直鎖もしくは分岐鎖の飽和炭化水素、C5~C9の飽和脂環式もしくは芳香族炭化水素またはC2~C6のハロゲン化炭化水素である。溶媒の非限定的な実例はブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、クロロベンゼン、テトラクロロエチレン、ジクロロエタンおよびトリクロロエタン、好ましくはイソブタンまたはヘキサンである。
【0120】
重合はまた気相条件下気相で行うこともできる。用語「気相条件」は、本明細書で使用されるとき、1種または複数の気相オレフィンを重合してポリマーを生成するのに適した温度および圧力をいう。
【0121】
重合工程は広い温度範囲で行うことができる。ある特定の実施形態において、重合工程は20℃~125℃、好ましくは60℃~110℃、より好ましくは75℃~100℃、最も好ましくは78℃~98℃の温度で行ない得る。好ましくは、温度範囲は75℃~100℃、最も好ましくは78℃~98℃の範囲内であり得る。前記温度はより一般的な重合条件の用語に入り得る。
【0122】
ある特定の実施形態において、スラリー条件で、重合工程は約20バール~約100バール、好ましくは約30バール~約50バール、より好ましくは約37バール~約45バールの圧力で行ない得る。前記圧力はより一般的な重合条件の用語に入り得る。
【0123】
本発明はまた本発明による少なくとも1種の触媒組成物により少なくとも部分的に触媒されたかまたは本発明による方法により生成したポリマーも包含する。
【0124】
本発明はまた本明細書で定義されている方法により生成したポリマー、好ましくはオレフィンポリマーも包含する。いくつかの実施形態において、前記オレフィンポリマーはポリエチレンである。いくつかの実施形態において、前記オレフィンポリマーはポリプロピレンである。
【0125】
ポリマーが生成した後、そのポリマーから様々な物品を形成し得る。かかる物品は、たとえば、限定されることはないが、フィルム製品、キャップおよびクロージャー、回転成形、グラスヤーン、パイプ、等を含めて押出および射出用途における様々なポリエチレン物品であり得る。かかる物品は、たとえば、限定されることはないが、射出成形、ブロー成形、射出延伸ブロー成形(ISBM)、キャストまたはインフレーションフィルム押出、シート押出、熱成形、ファイバー、等を含めて押出および射出用途における様々なポリプロピレン物品であり得る。
【0126】
したがって本発明はまた、本明細書で定義されているポリマー;好ましくは本明細書で定義されているオレフィンポリマーを含む物品、または本明細書で定義されている方法に従って得られるポリマーを含む物品も包含する。
【0127】
以下の実施例は単に本発明を例示する役に立つものであり、いかなる意味でもその範囲を限定すると解釈するべきでない。本発明をその形態のいくつかのみについて示してきたが、当業者には明らかなように、本発明がそれに限定されることはなく、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変化および修正を施すことができる。
【実施例】
【0128】
試験方法
本明細書で言及し、以下で言及する特性は次の試験手順に従って決定した。これらの特性のいずれも、添付の特許請求の範囲で参照される場合は規定の試験手順に従って測定される。
【0129】
メルトフローインデックス(Melt flow index)
エチレンポリマーのメルトフローインデックス(MI2)はISO 1133:2005 Method B、条件Dに従って温度190℃、2.16kg荷重で2.096mmのダイを用いて決定した。
エチレンポリマーのメルトフローインデックス(HLMI)はISO 1133:2005 Method B、条件Gに従って温度190℃、21.6kg荷重で2.096mmのダイを用いて決定した。
ポリプロピレンのメルトフローインデックス(MI2)はISO 1133:2005 Method B、条件Mに従って温度230℃、2.16kg荷重で2.096mmのダイを用いて決定した。
【0130】
分子量、分子分布
分子量(Mn(数平均分子量)、Mw(重量平均分子量)ならびに分子量分布D(Mw/Mn)、およびD’(Mz/Mw)はサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により、特にゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により決定した。簡単にいうと、Polymer CharのGPC-IR5を使用した:10mgのポリマーサンプルを160℃で10mlのトリクロロベンゼン(テクニカルグレード)に1時間溶かした。射出容積:約400μl、自動サンプル調製および射出温度:160℃。カラム温度:145℃。検出器温度:160℃。2つのShodex AT-806MS(Showa Denko)および1つのStyragel HT6E(Waters)カラムを1ml/minの流量で使用した。移動相:0.45μmのPTFEフィルターに通してろ過した1000重量ppmのブチルヒドロキシトルエン(BHT)で安定化したトリクロロベンゼン。検出器:赤外線検出器(2800~3000cm-1)、濃度を測定する、1つの狭いフィルター中心2928cm-1、および1つの狭いフィルター中心2959cm-1。較正:狭いポリスチレン(PS)標準(市販)。
ポリエチレンでは、溶離したポリマーの各画分iの分子量Miの計算はMark-Houwink関係式(log10(MPE)=0.965909×log10(MPS)-0.28264)(MPEでの低い分子量端に対するカットオフ=1000)に基づく。
ポリプロピレンでは、溶離したポリマーの各画分iの分子量Miの計算はMark-Houwink関係式(log10(MPP)=log10(MPS)-0.25323)(MPPでの低い分子量端に対するカットオフ=1000)に基づく。
【0131】
分子量/特性関係を確立する際に使用される分子量平均は数平均(M
n)、重量平均(M
w)およびz平均(M
z)分子量である。これらの平均は次の式で定義され、計算されたM
iから決定される:
【数1】
式中、N
iおよびW
iはそれぞれ分子量M
iを有する分子の数および重量である。各々の場合の第3の式(最も右)はこれらの平均をSECクロマトグラムから得る方法を規定している。hiはi番目の溶離画分のSEC曲線の(ベースラインからの)高さであり、M
iはこの増分で溶離する種の分子量である。
【0132】
キシレン可溶性含量
キシレン可溶性含量はプロピレンポリマーを還流するキシレンに溶解し、その溶液を25℃に冷却し、溶液をろ過し、その後溶媒を蒸発することにより決定した。残渣はプロピレンポリマーのキシレン可溶性部分であり、次いでこれを乾燥し秤量した。プロトコルは以下の通り:およそ2.5gのプロピレンポリマーを秤量してフラスコに入れ、250mlのキシレンを加えた。キシレンを撹拌しながら加熱し、次いで溶解するまで15分間還流した。加熱および撹拌を止め、溶液を正確に15分間放置した。次いでフラスコを25℃+/-1℃に設定した恒温槽に1時間入れた。溶液をWhatman4番ろ紙に通してろ過し、正確に50mlの溶液を集めた。次いで溶液を蒸発させ、残渣を乾燥し秤量した。次いでキシレン可溶分の百分率割合(「XS」)を次式に従って計算した。
XS(wt.%)=(残渣の重量/PPの初期総重量)*500
すべての重量は同じ単位である。
【0133】
結晶化および溶融温度の決定のための示差走査熱量測定(DSC)
ピーク結晶化温度(Tc)、ピーク溶融温度(Tm)および融解熱(ΔH)はインジウムで較正され、Tゼロモードを用いるTA InstrumentsによるDQ 2000機器を用いて示差走査により測定した。ポリマー分析は2~10mgのポリマーサンプルで行なった。サンプルは最初に20℃で平衡化し、続いて20℃/minの加熱速度を用いて220℃に加熱した(第1の加熱)。サンプルを220℃に5分間保持して先の熱および結晶化履歴を消した。サンプルを続いて20℃/minの一定の冷却速度で20℃に冷却した(第1の冷却)。サンプルを20℃で5分、等温に保持した後20℃/minの一定の加熱速度で220℃に加熱した(第2の加熱)。結晶化(第1の冷却)の発熱ピークをTA Universal Analysisソフトウェアを用いて分析し、20℃/minの冷却速度に対応するピーク結晶化温度(Tc)を決定した。溶融(第2の加熱)の吸熱ピークもTA Universal Analysisソフトウェアを用いて分析し、20℃/minの加熱速度に対応するピーク溶融温度(Tm)を決定した。他に示さない限り、この発明で報告されたTc、Tmの値はそれぞれ20℃/minの冷却および加熱速度をいう。
【0134】
13C NMR/立体規則性
立体規則性は13C-NMR分光法により決定した。13C-NMR分光分析は125MHzの動作周波数で高温の10mmのクライオプローブ付きの500MHz Bruker NMR分光計を用いてスペクトルの信号強度がサンプル中の寄与する炭素原子の総数に直接比例するような条件下で行なった。かかる条件は当業者に周知であり、たとえば適当な緩和時間、等を含む。実際上、信号の強度はその積分、すなわち対応する面積から得られる。データはスペクトル当たり240スキャン、パルス反復遅延11sおよびスペクトル幅26000Hz、温度130℃でプロトンデカップリングを用いて得た。サンプルは充分な量のポリマーを1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB、99%、分光学的グレード)に130℃で溶かし、時折かき混ぜてサンプルを均質化した後ヘキサデューテロベンゼン(C6D6、分光学的グレード)および少量ヘキサメチルジシロキサン(HMDS、99.5+%)を加えることにより調製した。HMDSは内部標準として働く。一例を挙げると、約600mgのポリマーを2.0mLのTCBに溶かした後、0.5mLのC6D6および2~3滴のHMDSを加えた。
【0135】
データ収集後、化学シフトを内部標準HMDSの信号と比較する。内部標準の信号には2.03ppmの値が割り当てられる。
【0136】
アイソタクチシティーは当技術分野で周知の手順に従った全ポリマーに対する13C-NMR分光分析により決定される。メチル基のスペクトル領域で5つ組(pentad)mmmm、mmmr、mmrrおよびmrrmに対応する信号が公表されたデータ、たとえばA.Razavi、Macromol.Symp.、89巻、345~367頁を用いて割り当てられる。5つ組mmmm、mmmr、mmrrおよびmrrmのみが考慮される。その他の残る5つ組は対応する信号の弱い強度のため無視される。mmrr5つ組に関連する信号に対して2,1-挿入に関連するメチル信号とのその重なりについて補正を行う。次いでmmmm5つ組の百分率が次式に従って計算される。
%mmmm=面積mmmm/(面積mmmm+面積mmmr+面積mmrr+面積mrrm)*100
【0137】
ポリプロピレンの部位欠陥(regio-defect)含量はポリプロピレンの2,1-挿入の百分率である。
【0138】
プロピレンホモポリマーの場合、2,1-挿入に対応する信号は公表されたデータ、たとえばH.N.Cheng、J.Ewen、Makromol.Chem.、190巻(1989)、1931~1940頁の助けにより同定される。
【0139】
プロピレンコポリマーの場合、2,1-挿入の百分率の決定はエチレンをコモノマーとして以下に詳述するが他のコモノマーに適用することができる。
【0140】
プロピレンとエチレンコモノマーのコポリマーに対する2,1-挿入の百分率の決定は2つの寄与により決定される:
(i)プロピレンホモポリマーに対して上で定義された2,1-挿入の百分率、および
(ii)2,1-挿入の百分率、2,1-挿入されたプロピレンはエチレンに隣接する。
したがって、2,1-挿入の全体の百分率はこれら2つの寄与の総和に対応する。第1の面積、面積1は2,1-挿入に対応する信号の平均の面積として定義される。第2の面積、面積2は1,2-挿入に対応する信号の平均の面積として定義される。1,2-挿入に関連する信号の割り当ては当業者に周知である。2,1-挿入の百分率は次式に従って計算され、
2,1-挿入(%)=面積1/(面積1+面積2)*100
2,1-挿入の百分率は2,1-挿入されたプロピレンの全プロピレンに対するモル百分率として与えられる。
ケース(ii)に対する信号の割り当ては参照スペクトルを用いるかまたは公表された文献を参照することによって行うことができる。
【0141】
コモノマー含量
ポリプロピレンのコモノマー含量:ポリプロピレン組成物の総重量に対する全コモノマー含量(特にエチレン(C2)、すなわちC2重量%)は13C NMRを用いて決定した。
サンプルは、充分な量のポリマーを1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB 99%分光学的グレード)に130℃で溶かし、時折かき混ぜてサンプルを均質化し、続いてヘキサデューテロベンゼン(C6D6、分光学的グレード)および少量のヘキサメチルジシロキサン(HMDS、99.5+%)を加えることによって調製した。HMDSは内部標準として働く。一例を挙げると、約600mgのポリマーを2.0mlのTCBに溶かした後、0.5mlのC6D6および2~3滴のHMDSを添加した。
【0142】
13C NMR信号は表1に挙げる条件を用いて10mmプローブでBruker 500MHzに記録した。
【表1】
【0143】
13C{1H}NMRスペクトルは軽いGaussian乗算の後131のK点に対するフーリエ変換(Fourier Transform)により得た。スペクトルは段階的で(phased)、ベースライン補正され、化学シフトスケールは2.03ppmの内部標準HMDSと比較した。
【0144】
信号の化学シフトはピークピッキングされ、ピークは
図2および次の表2に示されるように積分される。
【表2】
化学シフト(Chemical shit)は+/-0.05ppmで与えられる。
主ピークAは1,2 PP単位を示す。
ピークIは1.3 PP単位を示す。
ピークB、C、D、E、F、G、Hは2,1 PP単位を示す。
ピークT、U、V、W、X、Yは1,2 PP単位のエチレン組み込みを示す
ピークP、Q、R、Sは2.1 PP単位後のエチレン組み込みを示す
C
2含量の重量%は以下の面積(A)の組合せにより得られる
A
C3 1,2=A
A
A
C3 2,1=(A
B+A
C+A
D+A
E+A
F+A
G+A
H)/7+(0.5*A
P+0.5*A
Q+0.5*A
S)/3
A
C3 1,3=A
I/2
A
C2 E1 1,2=(0.5*A
T+A
Y)/2
A
C2 E2 1,2=(A
U-A
I+A
X)/2-A
V
A
C2 E3 1,2=((A
U-A
I+A
T)*0.5+(A
X-A
V)*0.5+A
V+A
W+A
X+A
Y)/2-A
C2 E1 1,2-A
C2 E2 1,2
A
C2 2,1=(0.5*A
P+0.5*A
Q+0.5*A
S+A
R)/4
A
C2=(A
C2 E1 1,2+A
C2 E2 1,2+A
C2 E3 1,2+A
C2 2,1)
A
C3=(A
C3 1,2+A
C3 2,1+A
C3 1,3)
%(wt.)C2=(28*A
C2)/(28*A
C2+42*A
C3)x100
ランダムさ(%)=A
C2 E1 1,2/A
C2
【0145】
AlおよびZr含量の決定
AlおよびZr含量はサンプルの無機化(mineralization)および酸媒体の残渣の回収の後誘導結合プラズマ発光分析分光法(ICP-AES)を用いて決定した。使用した分光計はSpectroのICP-AES ARCOSであった。
【0146】
元素の決定はアルゴンプラズマ中での溶液の噴霧化、最も敏感で干渉のない発光線の強度の測定およびこれらの強度と較正溶液(外部較正方法)のものとの比較により行なった。
【0147】
試験溶液の調製:不活性な雰囲気下(グローブボックス中)で、約0.3gの触媒を白金るつぼに入れ、3~5mlのイソプロピルアルコールを加えて触媒を「失活させた」。混合物を砂浴で加熱乾固した(30分)。白金るつぼを600℃のオーブンに10分間入れた。冷却後、Milli-Q(登録商標)脱イオン水を加えてすべての灰に含侵させ、1mlの濃HClおよび濃HFを加えた。るつぼを砂浴に入れ、Milli-Q(登録商標)脱イオン水を加えて、るつぼの中味を混合した。24時間後、1mlの濃HCl、0.5mlの濃HFおよびMilli-Q(登録商標)脱イオン水を加え、加熱下で混合物をかき混ぜて完全な溶解を達成した。冷却後、混合物を50mlのポリプロピレンチューブに移し、Milli-Q(登録商標)脱イオン水で容積を50mlにした。次いで試験溶液を25倍希釈して、2%HCl/HF1%媒体が維持されることを確保した。
【0148】
較正標準および対照溶液の調製:標準溶液は保証された濃度の市販の単一元素溶液の希釈により調製した。標準溶液は所要の容積の保証された溶液を50mlのポリプロピレンチューブに移し、次いでチューブの側面をMilli-Q(登録商標)脱イオン水で濯ぎ、50ml当たり1mlのHClおよび0.5mlの濃HFを加えて溶液中サンプル溶液と同じ酸含量を得、最後にMilli-Q(登録商標)脱イオン水で希釈を仕上げることにより調製した。対照溶液は保証された濃度の市販の多元素溶液の希釈により調製した。溶液中の他の元素の存在は可能な干渉の存在/不在の検証を可能にした。
【0149】
結果の表現:
サンプル中の測定された元素の含量(ppm)は以下の通り計算した:
溶液中元素の濃度mg/l×容積(50ml)×希釈率/質量(g)
検出限界(Limit of Quantification)(LOQ)は各元素に対して10のブランク測定から計算した:
溶液中LOQ(mg/l)=ブランクの10の反復の標準偏差×10
サンプルのLOQ(ppm)=溶液中LQ×容積(50ml)×希釈率/質量(g)。
【0150】
A.触媒
触媒1:
メタロセン触媒1(Cata1)を以下に記載しスキーム1に示すようにして調製した。
【化14】
【0151】
2-tert-ブチルアニソール:2-ブチルフェノール(20.0g、0.13mol)のTHF(8.3mL)中溶液を新たに粉末化したKOH(26.15g、0.47mol)のTHF(17mL)中懸濁液に温度を10℃未満に保ちながらゆっくり加え;得られた混合物を次いで3h室温で撹拌した。その後、CH
3I(56.7g、0.40mol)を0℃で滴下して加え、反応混合物を一晩室温で撹拌した。次いでろ過し、濃縮して淡黄色の液体を得、これを真空で乾燥した(20.2g、93%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3, 25℃): δ 7.40 (dd, J = 7.7, 1.5, 1H, o-(OMe)Ph), 7.29 (td, J = 8.0, 1.6, 1H, o-(tBu)Ph), 7.00 (td, J = 8.3, 3.2, 2H, m-Ph), 3.93 (s, 3H, OCH
3), 1.50 (s, 9H, CH
3).
【化15】
【0152】
6-tert-ブチル-5-メトキシ-2-メチル-1-インダノン:2-tert-ブチルアニソール(17.8g、0.11mol)およびメタクリル酸(11.7g、0.14mol)の混合物を、メタンスルホン酸(156.0mL、2.4mol)中のP
2O
5(31.0g、0.22mol)から調製されたよく撹拌したEaton試薬に60℃で滴下して加えた。得られた混合物を60℃で1時間、その後室温で一晩撹拌した。次いで氷水(400mL)に注ぎ入れ、トルエン(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層を水およびNaHCO
3水溶液(1.0M、200mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥、蒸発させ、145~150℃、0.7トル(93.3257Pa)で蒸留した(11.6g、46%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3, 25℃): δ 7.70 (s, 1H, t-Bu-Ph), 6.92-6.87 (m, 1H, OMe-Ph), 3.94 (d, J = 2.8, 3H, CH
3-O), 3.38-3.29 (m, 1H, 2-ind), 2.75-2.62 (m, 2H, 3-ind), 1.39 (s, 9H, t-Bu), 1.31 (dd, J = 7.4, 2.5, 3H, 2-CH
3-ind).
【化16】
【0153】
4-ブロモ-6-tert-ブチル-5-メトキシ-2-メチル-1-インダノン:臭素(5.95mL、0.12mol)を6-tert-ブチル-5-メトキシ-2-メチル-1-インダノン(27.0g、0.12mol)、NaOAc(28.6g、0.35mol)、CH
2Cl
2(30mL)中臭化テトラブチルアンモニウム(0.75g、2mol%)の水(90mL)との混合物に0℃で滴下して加えた。次いで一晩室温で撹拌した。16時間後、臭素(3.4mL、0.066mol)をNaOAc(16.2g、0.2mol)と共に加え、混合物をrtで6時間撹拌した。有機相を分離し、Na
2S
2O
3水溶液(1.0M、300mL)、NaHCO
3の5%飽和水溶液および水で洗浄した。MgSO
4上で乾燥し、蒸発させて所望の化合物を粘稠なオレンジ色の油状物として得た(35.3g、98%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3, 25℃): δ 7.69 (s, 1H, Ph), 4.02 (s, 3H, OMe), 3.34-3.25 (m, 1H, 2H-ind), 2.77-2.57 (m, 2H, 3H-ind), 1.39 (s, 9H, t-Bu-Ph), 1.31 (dd, J = 7.5, 1.6, 3H, 2-CH
3-ind).
【化17】
【0154】
6-(tert-ブチル)-5-メトキシ-2-メチル-4-フェニル-1-インダノン:Pd(OAc)
2(0.11g、3mol%)および[(tBu)
3PH]BF
4(0.29g、6mol%)をアルゴンフラッシュ下で1,2-ジメトキシエタン(60mL)および水(20mL)中の4-ブロモ-6-(tert-ブチル)-5-メトキシ-2-メチル-1-インダノン(5.1g、0.017mol)、フェニルボロン酸(2.82g、0.023mol)、K
2CO
3(6.39g、0.046mol)のよく撹拌した混合物に加えた。反応混合物を一晩還流した。次いで反応混合物を水(200mL)中に注ぎ入れ、CH
2Cl
2(3×100ml)で抽出した。合わせた有機相を水およびNa
2CO
3水溶液(2.0M、100mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、減圧下で蒸発させてオレンジ色の液体を得た(5.3g、83%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3, 25℃): δ 7.76 (s, 1H, o-(t-Bu)-Ph), 7.51-7.39 (m, 5H, 4-Ph-ind), 3.29 (s, 3H, OMe), 3.14 (ddd, J = 17.4, 7.9, 5.5, 1H, 2-Me-ind), 2.64 (dd, J = 11.4, 7.5, 3.8, 1H, 3H-ind), 2.48 (ddd, J = 17.4, 11.6, 4.0, 1H, 2H-ind), 1.43 (s, 9H, t-Bu), 1.25 (dd, J = 7.4, 1.7, CH
3, 2-Me-ind).
【化18】
【0155】
6-tert-ブチル-5-メトキシ-4-フェニル-2-フェニル-1H-インデン:6-(tert-ブチル)-5-メトキシ-2-メチル-4-フェニル-1-インダノン(6.3g、0.0204mol)をEt
2O(40mL)に溶かし、LiAlH
4(0.39g、0.010mmol)のEt
2O(50mL)中混合物に0℃で滴下して加えた。1時間撹拌した後、水(50mL)および5%w/vの水性HCl(10mL)を加え、有機相を分離し、Na
2CO
3水溶液(2.0M、200mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、蒸発させた。残渣をトルエン(60mL)に溶かし、p-TSA(0.28g、9mol%)を加え、得られた混合物を30分間還流し、冷却し、水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、蒸発させた。褐色の油状物が得られ、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(Al
2O
3-石油エーテル)により精製して所望の生成物を無色の粘稠な油状物として得た(2.8g、48%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3, 25℃): δ 7.51-7.41 (m, 4H, 4-Ph-ind), 7.38-7.31 (m, 1H, o-(t-Bu)Ph), 7.22 (s, 1H, 4-Ph-ind), 6.46-6.31 (m, 1H, 1H-ind), 3.22 (s, 3H, OMe), 3.13 (s, 2H, 2H-ind), 2.10-2.04 (m, 3H, 2(CH
3)-ind), 1.44 (s, 9H, t-Bu).
【化19】
【0156】
(1,2,3,4-テトラメチル-1,3-シクロペンタジエニル)-(2-メチル-4-フェニル-5-メトキシ-6-tert-ブチル-インデニル)-ジメチルシラン(プロリガンドC
OMe,tBu):6-tert-ブチル-5-メトキシ-4-フェニル-2-メチル-1H-インデン(0.62g、0.0021mol)を乾燥Et
2O(20mL)に溶かし、-78℃で冷却した。この溶液に、n-BuLi(0.93mLのヘキサン中2.26M溶液、0.0021mol)を注射器で加え、温度を室温に上げた。溶液の色は無色からオレンジ色に変わり、生成物が黄色の固体として沈殿した。得られた混合物を一晩撹拌した。CuCN(0.076g、0.00084mol)を-25℃で加えた。10分間撹拌した後、5-(クロロジメチルシリル)-1,2,3,4-テトラメチル-1,3-シクロペンタジエン(0.45g、0.0021mol、1当量)を同じ温度で滴下して加え、得られた混合物を室温で温め、一晩撹拌した。混合物を水(30mL)中に注ぎ入れ、有機層を分離し、水性層をEt
2O(2×30mL)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4上で乾燥し、次いで蒸発乾固させて黄色い粘稠な油状物を得(0.90g、91%)、これをさらに精製することなく使用した。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3, 25℃): δ 7.53-7.30 (m, 5H, 4-Ph-ind), 6.41 (t, J = 1.5, 1H, 3H-ind), 3.58 (s, 1H, 1H-ind), 3.23 (s, 3H), 2.16 (d, J = 1.3, 3H), 1.99 (d, J = 7.7, 9H), 1.87-1.77 (m, 10H), 1.44 (s, 11H, tBu), -0.24 (d, J = 3.2, 6H, Si-CH
3).
【化20】
【0157】
Cata1:C
OMe,tBu-ZrCl
2(1,2,3,4-テトラメチル-1,3-シクロペンタジエニル)-(2-メチル-4-フェニル-5-メトキシ-6-tert-ブチル-インデニル)-ジメチルシラン-ジクロロジルコニウム-(IV):n-BuLi(2.30mLのヘキサン中2.26M溶液、0.0052mol)をプロリガンドC
OMe,tBu(1.00g、0.0026mol)のEt
2O(30mL)中溶液に-78℃で滴下して加え、得られた混合物を一晩撹拌した。この溶液に、ZrCl
4(0.61g、0.0026mol、1当量)を-78℃で加え、得られた混合物を室温で温め、一晩撹拌した。混合物を蒸発乾固させ、ジクロロメタン/ヘプタン(40mL、1:1v/v)を加え、沈殿したLiClを、カニューレを介してろ過してオレンジ色の溶液を得た。後者を約1/3vに濃縮し、形成した黄色い微晶質の粉末をカニューレろ過によって溶液から分離し、次いで真空下で乾燥した(0.60g、50%)。
1H NMR (400 MHz, CD
2Cl
2, 25℃): δ 7.64 (s, 2H), 7.46 (q, J = 7.4, 6.3, 4H), 7.41-7.32 (m, 1H), 6.59 (s, 1H, Cp環のH), 3.34 (s, 3H, OMe-ind), 2.20 (s, 3H, C-CH
3), 2.05 (s, 3H, Cp-CH
3), 1.99 (s, 3H, Cp-CH
3), 1.90 (d, J = 5.5, 6H, Cp-CH
3), 1.20 (s, 3H, Si-CH
3), 1.09 (s, 3H, Si-CH
3).
13C NMR (400 MHz, CD
2Cl
2, 25℃): δ 159.24, 143.04, 137.26, 135.22, 135.06, 134.56, 129.77, 128.40, 127.44, 127.20, 126.28, 121.86, 121.41, 119.70, 93.88, 82.60, 62.29, 35.60, 30.09, 17.89, 15.83, 15.33, 12.26, 11.91, 2.77. piASAP C
32H
40Cl
2OSiZrの計算値 628.1273, 実測値m/z 630.1266.
【化21】
【0158】
比較例1C:
比較触媒1C(Comp1C)を以下に記載しスキーム2に示すようにして調製した。
【化22】
2-ブロモ-4-tert-ブチルトルエン:臭素(8.3mL、0.16mol)を4-tert-ブチルトルエン(20.0g、0.14mol)の氷酢酸(62mL)中溶液に室温でゆっくり加え、次いで溶液を50℃で4日間撹拌した。反応混合物を室温で放冷した、次いで水(200mL)およびNa
2S
2O
3水溶液(1.0M、200mL)を加えた。水性相をEt
2O(2×250mL)で抽出した。合わせた有機相を水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、蒸発させ、蒸留して(90℃/0.05ミリバール)、所望の化合物を黄色の液体として得た(24.4g、77%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3, 25℃): δ 7.26 (s, 1H, o-PhBr), 6.94 (dd, J = 7.9, 2.0, 1H, o-Ph(t-Bu)), 6.87 (d, J = 8.0, 1H, m-Ph(t-Bu)), 2.08 (s, 3H, CH
3), 1.02 (s, 9H, t-Bu).
【化23】
【0159】
2-ブロモ-4-tert-ブチルベンゼンブロミド:α,α,α-トリフルオロトルエン(90mL)中、2-ブロモ-4-tert-ブチルトルエン(14.0g、0.062mol)、N-ブロモスクシンイミド(11.0g、0.062mol)、過酸化ベンゾイル(45.0mg、0.0002mol)の磁気撹拌した混合物を一晩還流した。混合物を冷却し、形成したスクシンイミドをろ過により除去した。ろ液を回転蒸発させ、蒸留して(0.06ミリバール、75~84℃)、黄色の液体を得た(13.1g、70%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3, 25℃): δ 7.58 (d, J = 1.9, 1H, o-PhBr), 7.39 (d, J = 8.1, 1H, o-Ph(t-Bu)), 7.32 (dd, J = 8.1, 1.9, 1H, m-Ph(t-Bu)), 4.60 (s, 2H, アリル性-H
2), 1.31 (d, J = 2.5, 9H, t-Bu).
【化24】
【0160】
2-(2-ブロモ-4-tert-ブチルベンジル)-2-メチルマロネート:ジエチル-2-メチルマロネート(5.42g、0.031mol)を乾燥THF(40mL)に分散させたNaH(0.821g、0.034mol)からなる懸濁液に-30℃でゆっくり加え、次いで1時間撹拌した。乾燥THF(10mL)に溶かした2-ブロモ-4-tert-ブチルベンゼンブロミド(10.0g、0.0327mol)を0℃で加え、1時間、次いで還流下で16時間撹拌した。沈殿したNaBrをシリカ上でろ過し、ろ液を濃縮して黄色の油状物を得た(12.0g、96%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3, 25℃): δ 7.52 (d, J = 2.0, 1H, o-PhBr), 7.20 (dd, J = 8.1, 2.1, 1H, Ph(t-Bu)), 7.07 (d, J = 8.1, 1H, Ph(Me-マロン酸)), 4.21 (qd, J = 7.1, 1.9, 4H, OCH
2), 3.47 (s, 2H, CH), 1.38 (s, 3H, CH
3), 1.33-1.21 (m, 15H, (CH
3)
3, O-CH
3).
【化25】
【0161】
3-(2-ブロモ-4-tert-ブチルベンジル)-2-メチルマロン酸:2-(2-ブロモ-4-tert-ブチルベンジル)-2-メチルマロネート(12.0g、0.03mol)をH
2O/MeOH(70mL、1:1v/v)およびNaOH(4.80g、0.12mol)に加え、得られた混合物を還流下で一晩加熱した。次いで、H
2O(30mL)および12M HCl(pH1)を反応混合物に加えてオレンジ色の粘稠な油状物を沈殿させた。後者の油状物をCH
2Cl
2(100mL)に溶かし、水で洗浄した。白色の固体が溶液から沈殿し始めた。溶媒の蒸発後、石油エーテル(150mL)を加えて白色の固体を沈殿させた(5.6g、55%)。
1H NMR (300 MHz, THF-d
8, 25℃): δ 7.56 (t, J = 1.1, 1H, o-PhBr), 7.24 (d, J = 1.1, 2H, Ph), 3.43 (s, 2H, CH), 1.27 (m, J = 3.6, 12H, (CH
3)
3, CH
3).
【化26】
【0162】
3-(2-ブロモ-4-tert-ブチルフェニル)-2-メチルプロパン酸:3-(2-ブロモ-4-tert-ブチルベンジル)-2-メチルマロン酸を還流しながら空気中160℃で4時間加熱して、極めて粘稠な黄色の油状物を得た(4.88g、99%)。
1H NMR (300 MHz, THF-d
8, 25℃): δ 7.55 (d, J = 2.0, 1H, o-PhBr), 7.27 (dd, J = 8.0, 2.0, 1H, Ph), 7.19 (d, J = 8.1, 1H, Ph), 3.18-3.03 (m, 1H, CH), 2.84-2.64 (m, 2H, アリル性 CH
2), 1.28 (s, 9H, (CH
3)
3), 1.16-1.07 (m, 3H, CH
3).
【化27】
【0163】
3-(2-ブロモ-4-tert-ブチルフェニル)-2-メチルプロパノイルクロリド:3-(2-ブロモ-4-tert-ブチルフェニル)-2-メチルプロパン酸(4.88g、0.016mol)をCH
2Cl
2(5mL)に溶かし、その後塩化チオニル(5.82g、0.049mol)を0℃で滴下して加えた。添加完了後、得られた溶液を還流下40℃で一晩撹拌した。過剰の塩化チオニルを真空下で除去して黄色の液体を得、これを真空下で一晩乾燥した(5.0g、96%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3, 25℃): δ 7.56 (d, J = 2.0, 1H, o-PhBr), 7.30-7.23 (m, 1H, Ph), 7.15 (d, J = 8.0, 1H, Ph), 3.40-3.20 (m, 2H, CH
2), 2.91-2.75 (m, 1H, CH), 1.40-1.25 (m, 12H, (CH
3)
3, CH
3).
【化28】
【0164】
4-ブロモ-6-tert-ブチル-2-メチル-1-インダノン:CH
2Cl
2(20mL)中3-(2-ブロモ-4-tert-ブチルフェニル)-2-メチルプロパノイルクロリド(4.95g、0.016mol)の溶液を、AlCl
3(2.52g、0.19mol)がCH
2Cl
2(20mL)中に分散した懸濁液に0℃で30分間滴下してゆっくり加えた。得られた混合物を加熱し、3時間還流撹拌し、室温で冷却し、氷水(150mL)中に注ぎ入れた。有機層を分離し、水性相をEt
2O(3×100mL)で抽出した。合わせた抽出物をK
2CO
3上で、その後Na
2SO
4上で乾燥し、蒸発乾固させて黄色の固体を得た(3.54g、80%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3, 25℃): δ 7.80 (d, J = 1.7, 1H, o-PhBr), 7.72 (d, J = 1.7, 1H, Ph), 3.31 (dd, J = 17.5, 7.8, 1H, 2-(CH
3)-ind), 2.84-2.53 (m, 2H, 3H-ind), 1.32 (m, J = 6.3, 12H, (CH
3)
3, CH
3).
【化29】
【0165】
4-フェニル-6-tert-ブチル-2-メチル-1-インダノン:Pd(OAc)
2(0.085g、3mol%)およびPPh
3(0.20g、6mol%)をArフラッシュ下で1,2-ジメトキシエタン(42mL)および水(14mL)中4-ブロモ-6-tert-ブチル-2-メチル-1-インダノン(3.54g、0.013mol)、PhB(OH)
2(2.15g、0.018mol)、K
2CO
3(4.90g、0.035mol)のよく撹拌した混合物に加えた。次いで水(200mL)中に注ぎ入れ、CH
2Cl
2(3×100ml)で抽出した。合わせた有機相を水およびNa
2CO
3水溶液(2M、100mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、蒸発させた。粗生成物をヘキサン(200mL)で抽出し、揮発性成分を真空中で蒸発させて粘稠な赤色の油状物を得た(3.40g、96%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3, 25℃): δ 7.80 (d, J = 1.9, 1H, o-Ph-ind), 7.66 (d, J = 1.9, 1H, o-tBu-Ph), 7.50-7.46 (m, 5H, 4-Ph-ind), 3.46-3.31 (m, 1H, 2H-ind), 2.80-2.65 (m, 2H, 3H-ind), 1.39 (s, 9H, (CH
3)
3), 1.31 (d, J = 7.2, 3H, CH
3).
【化30】
【0166】
4-フェニル-6-tert-ブチル-2-メチル-1H-インデン:4-フェニル-6-tert-ブチル-2-メチル-1-インダノン(3.40g、0.012mol)をEt
2O(20mL)に溶かし、0℃でEt
2O(50mL)中LiAlH
4(0.23g、0.0061mol)に滴下して加えた。1時間撹拌した後、水(40mL)および5%w/v水性HCl(10mL)を加え、有機相を分離し、Na
2CO
3水溶液(2.0M、100mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、蒸発させた。残渣をトルエン(50mL)に溶かし、p-TSA(0.21g、9mol%)を加え、得られた混合物を20分間還流し、冷却し、水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、蒸発させて褐色の油状物を得、これを0℃で結晶化させた(2.80g、88%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3, 25℃): δ 7.60-7.53 (m, 2H), 7.52-7.42 (m, 3H), 7.41-7.31 (m, 2H), 6.54 (br, s, J = 1.6, 1H, 1H-ind), 3.36 (dd, J = 1.6, 0.8, 2H, 2H-ind), 2.18-2.11 (m, 3H, CH
3), 1.40 (s, 9H, (CH
3)
3).
【化31】
【0167】
(1,2,3,4-テトラメチル-1,3-シクロペンタジエニル)-(2-メチル-4-フェニル-6-tert-ブチル-インデニル)-ジメチルシラン(プロリガンドC
tBu):6-tert-ブチル-4-フェニル-2-メチル-1H-インデン(2.40g、0.0092mol)を乾燥Et
2O(40mL)に溶かし、-78℃で冷却した。この溶液に、n-BuLi(4.05mLのヘキサン中2.26M溶液、0.0092mol)を注射器で加え、温度を室温に上げた。得られた混合物を一晩撹拌した。次いでConch(0.33g、0.0037mol)を-25℃で加えた。10分間撹拌した後、5-(クロロジメチルシリル)-1,2,3,4-テトラメチル-1,3-シクロペンタジエン(1.67g、0.0092mol)を同じ温度で滴下して加え、得られた混合物を室温で温め、一晩撹拌した。混合物を水(50mL)中に注ぎ入れ、有機層を分離し、水性層をエーテル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4上で乾燥し、次いで蒸発乾固させて黄色の粘稠な油状物を得(3.80g、94%)、これをさらなる精製なしに使用した。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3, 25℃): δ 7.65-7.20 (m, 9H), 6.78-6.67 (m, 1H, 3H-ind), 3.67 (d, J = 3.5, 1H, 1H-ind), 3.24 (s, 1H), 2.22 (s, 4H), 2.01 (d, J = 13.0, 8H), 1.89-1.75 (m, 8H), 1.38 (d, J = 4.1, 11H), -0.26 (dd, J = 11.2, 2.4, 6H, Si-CH
3).
【化32】
【0168】
Comp1C:C
tBu-ZrCl
2(1,2,3,4-テトラメチル-1,3-シクロペンタジエニル)-(2-メチル-4-フェニル-6-tert-ブチル-インデニル)-ジメチルシラン-ジクロロジルコニウム-(IV):n-BuLi(2.00mLのヘキサン中2.26M溶液、0.0045mol)をプロリガンドC
tBu(1.00g、0.0023mol)のEt
2O(15mL)中溶液に-78℃で滴下して加え、得られた混合物を一晩撹拌した。この溶液に、ZrCl
4(0.53g、0.0023mol)を-80℃で加え、得られた混合物を室温で温め、一晩撹拌した。混合物を蒸発乾固させ、ジクロロメタン/ヘプタン(40mL、1:1v/v)を加え、沈殿したLiClをカニューレを介してろ過してオレンジ色の溶液を得た。後者を約1/3vに濃縮し、形成した黄色微晶質の粉末をカニューレろ過により溶液から分離し、次いで真空下で乾燥した(0.62g、45%)。
1H NMR (400 MHz, CD
2Cl
2, 25℃): δ 7.68 (d, J = 7.6, 2H), 7.54-7.43 (m, 4H), 7.40 (d, J = 7.2, 2H), 6.94 (s, 1H, Cp環のH), 2.28 (s, 3H, C-CH
3), 2.07 (s, 3H, Me-Cp), 2.00 (s, 3H, Me-Cp), 1.91 (d, J = 14.9, 6H, Me-Cp), 1.31 (s, 10H, tBu), (1.24 (s, 3H), 1.11 (s, 3H), Si-CH
3).
13C NMR (400 MHz, CD
2Cl
2, 25℃): δ 147.66, 140.26, 137.42, 137.08, 134.78, 134.60, 131.60, 128.61, 128.48, 127.53, 127.48, 126.53, 125.78, 120.41, 118.99, 94.15, 83.19, 34.93, 30.51, 17.90, 15.93, 15.35, 12.24, 11.94, 2.89, 2.86. piASAP C
31H
38Cl
2SiZrの計算値598.1167, 実測値m/z 600.1155.
【化33】
【0169】
比較例2C:
比較触媒2C(Comp2C)を以下に記載するようにして調製した:
2-メチル-4-フェニルインデン:フェニルボロン酸(3.27g、0.027mol)をDME/H
2O(64.0mL、3:1v/v)に溶かし、Schlenkフラスコに移し、その後4-ブロモ-2-メチル-1H-インデン(4.00g、0.019mol)およびK
2CO
3(7.40g、0.054mol)を加えた。混合物を撹拌し、Ar下に置いた。次いで、Pd(OAc)
2(0.13g、3mol%)およびPPh
3(0.30g、6mol%)を加え、混合物を16時間還流した。次いで反応混合物を水に注ぎ入れ、CH
2Cl
2(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を水(3×100mL)およびNa
2CO
3水溶液(2M、100mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、蒸発させた。粗生成物を熱いヘキサン(200mL)で抽出して、揮発性成分の蒸発後オレンジ色の油状物を得(3.53g、90%)、これをカラムクロマトグラフィー(溶離液系:95:5v/vヘキサン/EtOAc)により精製して所望の化合物を無色の粘稠な液体として得た(2.60g、66%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3, 25℃): δ 7.55 (tt, J = 6.4, 1.5, 2H, o-Ph), 7.51-7.42 (m, 2H, m-Ph), 7.42-7.33 (m, 2H, o-,m-Ph-インデン), 7.33-7.24 (m, 1H, p-Ph), 7.24-7.13 (m, 1H, p-Ph-インデン), 6.63 (ddq, J = 39.7, 3.1, 1.6, 1H, 3H-インデン), 3.40 (dq, J = 2.8, 1.0, 2H, 1H-インデン), 2.17 (dd, J = 2.8, 1.5, 3H, CH
3).
【化34】
【0170】
(1,2,3,4-テトラメチル-1,3-シクロペンタジエニル)-(2-メチル-4-フェニルインデニル)-ジメチルシラン(プロリガンドC
H):2-メチル-4-フェニルインデン(4.30g、0.021mol)を乾燥Et
2O(50mL)に溶かし、-78℃に冷却した。この溶液に、n-BuLi(9.2mLのヘキサン中2.26M溶液、0.021mol、1当量)を注射器で加え、温度を室温に上げた。溶液の色はn-BuLiの第1の滴から黄色からオレンジ色に変化し、生成物は黄色の固体として沈殿した。得られた混合物を一晩撹拌した。CuCN(0.75g、0.083mol)を-25℃で加えた。10分間撹拌した後、5-(クロロジメチルシリル)-1,2,3,4-テトラメチル-1,3-シクロペンタジエン(4.48g、0.021mol、1当量)を同じ温度で滴下して加え、得られた混合物を室温で温め、一晩撹拌した。混合物を水(100mL)中に注ぎ入れ、有機層を分離し、水性層をエーテル(2×70mL)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4上で乾燥し、次いで蒸発乾固させて黄色の粘稠な油状物を得(7.2g、90%)、これをいかなる精製もなく使用した。
【化35】
【0171】
Comp2C:C
H-ZrCl
2(1,2,3,4-テトラメチル-1,3-シクロペンタジエニル)-(2-メチル-4-フェニルインデニル)-ジメチルシラン-ジクロロジルコニウム-(IV):n-BuLi(2.30mLのヘキサン中2.26M溶液、0.0052mol)をプロリガンドC
H(1.00g、0.0026mol)のEt
2O(30mL)中溶液に-78℃で滴下して加え、得られた混合物を一晩撹拌した。この溶液に、ZrCl
4(0.61g、0.0026mol)を-80℃で加え、得られた混合物を室温で温め、一晩撹拌した。混合物を蒸発乾固させ、ジクロロメタン/ヘプタン(40mL、1:1v/v)を加え、沈殿したLiClをカニューレを介してろ過してオレンジ色の溶液を得た。後者を約1/3vに濃縮し;形成した黄色の微晶質粉末をカニューレろ過により溶液から分離し、次いで真空中で乾燥した(0.60g、42%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3, 25℃): δ 7.71-7.65 (m, 2H), 7.57 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.46 (t, J = 7.5, 3H), 7.37 (t, J = 7.4, 2H), 7.31 (s, 1H), 7.09-7.02 (m, 2H), 2.30 (s, 3H), 2.09 (s, 3H), 2.01 (s, 3H), 1.92 (d, J = 10.2, 6H), 1.22 (s, 3H), 1.11 (s, 3H).
13C NMR (500 MHz, CD
2Cl
2, 25℃): δ 139.87, 137.85, 135.52, 134.61, 133.73, 128.62, 128.50, 128.31, 127.85, 127.61, 125.96, 125.67, 124.66, 94.49, 83.87, 18.03, 15.71, 15.44, 12.27, 11.89, 2.82, 2.73. piASAP C
27H
30Cl
2SiZrの計算値542.0541, 実測値m/z 544.0535.
【化36】
【0172】
触媒2:
触媒2(Cata2)を以下に記載しスキーム3に示すようにして調製した。
【化37】
【0173】
1,3-ジ-tert-ブチル-2-メトキシベンゼン:Ar雰囲気下、脱気した乾燥DMF(300mL)中の2,6-ジ-tert-ブチルフェノール(50.0g、0.18mol)にバライト(74.0g、0.23mol)およびCH
3I(36.0mL、0.58mol)を引き続いて加えた。反応混合物を一晩撹拌した。次いでEt
2O(300mL)を加えた。有機層をH
2O(500mL)、NaOH水溶液(1.0M、300mL)およびH
2O(2×400mL)で抽出した。合わせた抽出物をMgSO
4上で乾燥し、真空中で濃縮した。粗製残渣を蒸留(123℃、3ミリバール)により精製してオレンジ色の結晶質固体を得た(30.0g、58%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3, 25℃): δ 7.34 (s, 2H), 3.69 (s, 3H), 1.42 (s, 18H).
【化38】
【0174】
3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ボロン酸:4-ブロモ-2,6,-ジ-tert-ブチルアニソール(30.0g、0.1mol)を三つ首丸底フラスコに入れ、これを窒素で10分間フラッシュした。カニューレを介して無水のTHF(400mL)を加え、溶液を-78℃に冷却し、n-BuLi(48.0mLのヘキサン中2.5M溶液、0.12mol、1.2当量)を注射器で滴下して加えた。溶液を-78℃で1時間撹拌した。次いで、(iPrO)
3B(56.0mL、0.3mol)を注射器でゆっくり加え、反応を温め、一晩撹拌してミルク状の黄色の溶液を得た。固体のNH
4Clを溶液に加えて過剰のn-BuLiをクエンチし、次いで1M水性HClを滴下して加えてpHを6.5に、最後に6M HClでpH1に調節した。反応層を分離し、水性層をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層の容積を真空下で減らし、黄色-白色の固体を沈殿させ、ジクロロメタンに希釈した。次いで過剰のヘプタンを加え、混合物を1日冷凍庫に貯蔵した。固体が形成し、これをろ過した。この工程を二回繰り返した。(18.0g、68%)の所望の生成物を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3, 25℃): δ 8.16 (s, 2H), 3.76 (s, 3H), 1.52 (s, 18H).
【化39】
【0175】
3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル-1-インダノン:Pd(OAc)
2(0.13g、3mol%)およびRuPhos(0.53g、6mol%)をTHF(72mL)および水(14mL)中の4-ブロモ-6-(tert-ブチル)-5-メトキシ-2-メチル-1-インダノン(前以てカラムクロマトグラフィーにより精製した)(5.9g、0.019mol)、3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ボロン酸(8.0g、0.03mol)、K
3PO
4(12.0g、0.057mol)のよく撹拌した混合物にArフラッシュ下で加えた。反応混合物を一晩還流した。次いで反応混合物を水(100mL)中に注ぎ入れ、CH
2Cl
2(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を水(200mL)およびNa
2CO
3水溶液(2M、200mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空中で蒸発させた。次いでジクロロメタン中で粗生成物の濃縮溶液を調製し、これから過剰のヘキサンを加えることにより所望の生成物を白色の固体として沈殿させた(6.0g、70%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3, 25℃): δ 7.73 (s, 1H, ind-ArH), 7.27 (s, 2H, Ar-H), 3.75 (d, J = 4.8, 3H, 4-(OMe)-Ph), 3.25 (s, 3H, OMe-ind), 3.18 (dd, J = 17.4, 7.8, 1H, 2H-ind), 2.76-2.37 (m, 2H, 3H-ind), 1.44 (d, J = 10.1, 29H, tBu), 1.27 (d, J = 7.4, 3H, ind-CH
3).
【化40】
【0176】
3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル-1-インデン:3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル-1-インダノンをTHF(100mL)に溶かし、THF(50mL)中のLiAlH
4(0.25g、6.7mol)の混合物に0℃で滴下して加えた。1時間撹拌した後、水をゆっくり加え、次いで5%w/v水性HCl(20mL)を加えた。有機相を分離し、Na
2CO
3水溶液(5%w/w、100mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、蒸発させた。残渣をトルエン(80mL)に溶かし、p-TSA(0.23g、9mol%)を加え、得られた混合物を30分間還流し、冷却し、水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、蒸発させて白色の結晶質固体を得た(5.2g、89%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3, 25℃): δ 7.37 (s, 2H), 7.21 (s, 1H), 6.45 (q, J = 1.5, 1H, 1H-ind), 3.74 (s, 3H, -OCH
3), 2.10-2.07 (m, 3H C-CH
3), 1.45 (d, J = 7.2, 28H, tBu).
【化41】
【0177】
(1,2,3,4-テトラメチル-1,3-シクロペンタジエニル)-[2-メチル-4-(3,5-ジ-tブチル-4-メトキシ)-6-tert-ブチル-インデニル]-ジメチルシラン(プロリガンドC1[ジ-tBu、OMe)-Ph]):3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル-1-インデン(0.54g、0.00012mmol)から出発して前の合成されたリガンドに使用されたものと同じ実験手順に従った。黄色の粘稠な油状物が得られ、これをさらに精製することなく次の工程に使用した(0.85g、98%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3, 25℃): δ 7.35 (d, J = 9.4, 3H), 6.46 (s, 1H), 3.74 (d, J = 3.0, 5H), 3.56 (s, 1H), 3.18 (s, 4H), 2.17 (d, J = 1.3, 3H), 2.06-1.93 (m, 9H), 1.84 (td, J = 7.4, 4.6, 11H), 1.44 (d, J = 11.0, 34H), 0.07 (s, 1H), -0.06 (s, 2H), -0.23 (d, J = 4.7, 6H).
【化42】
【0178】
Cata2:C1[(ジ-tBu、OMe)-Ph]-ZrCl
2(1,2,3,4-テトラメチル-1,3-シクロペンタジエニル))-[2-メチル-4-(3,5-ジ-tブチル-4-メトキシ)-6-tert-ブチル-インデニル]-ジメチルシラン-ジクロロジルコニウム-(IV):他のメタロセン錯体に関して上に記載したものと類似の手順を用いて、錯体C1[(ジtBu、OMe)-Ph]-ZrをプロリガンドC1[(tBu)
2、OMe-Ph](0.80g、1.31mmol)から合成し、黄色の微晶質粉末として単離した(0.32g、30%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3, 25℃): δ 7.41 (s, 3H), 6.67 (s, 1H, Cp環のH), 3.73 (s, 3H, ind-OCH
3), 3.32 (s, 3H, 4-(OMe)-Ph), 2.22 (s, 3H, C-CH
3), 2.04 (d, J = 17.9, 6H, Cp-CH
3), 1.91 (d, J = 12.4, 6H, Cp-CH
3), 1.43 (s, 21H, tBu), 1.36 (s, 9H, tBu), 1.19 (s, 3H, Si-CH
3), 1.07 (s, 3H, Si-CH
3).
13C NMR (101 MHz, CDCl
3, 25℃): δ 159.47, 158.61, 143.37, 137.35, 135.89, 135.00, 134.72, 131.19, 127.31, 126.97, 126.75, 121.91, 120.73, 120.13, 93.80, 82.45, 64.44, 62.22, 35.87, 32.47, 32.05, 30.51, 22.86, 18.34, 16.10, 15.65, 14.28, 12.66, 12.35, 3.25, 3.14. piASAP C
41H
58Cl
2O
2SiZrの計算値770.2625, 実測値m/z 772.2628.
【化43】
【0179】
参照1:
rac-シクロヘキシル(メチル)シランジイルビス[2-メチル-4-(4’-tert-ブチルフェニル)インデニル]ジルコニウムジクロリド(Ref1)はSPCI(south pacific chemical industries)から購入した(CAS888227-55-2)。
【化44】
【0180】
B.プロピレンの不均一重合
すべての触媒は以下に記載するようにRadley装置を用いてACM方法論で支持された:
20.011gの乾燥シリカ(TS-F202)を200mLの乾燥トルエンに懸濁させ、撹拌を始めた。16wt%のAlの堆積を目指して38mLのMAO(30wt%)を滴下して加えた。追加の87mLの乾燥トルエンを加え、混合物を110℃で4時間加熱した。次いで混合物をろ過し、固体を乾燥トルエンと乾燥ペンタンの両方で3回洗浄し、次いで乾燥した。メタロセン(およそ10mg、1.25wt%の担持されたメタロセンに到達するため)を5mLの乾燥トルエンに溶かした。8gのシリカ/MAO(上に記載したようにして調製した)を加え、5mlの乾燥トルエンを使用してガラス製品(glassware)を洗浄し、混合物に加えた。混合物を室温で3時間撹拌し、次いでろ過した。固体を乾燥トルエンで3回および乾燥ペンタンで3回洗浄し、次いで真空中で乾燥した。次いでおよそ20wt%の固形分とするために担持触媒を乾燥した油(Finavestan A 360 B)に分散させた。
【0181】
ICP-AES分光計を用いてサンプルのジルコニウムおよびアルミニウム含量(%wt)を分析した。担持触媒のICP-AES分析結果を表3に示す。
【表3】
【0182】
単独重合PPH
8リットル反応器を130℃で加熱し、使用する前にN
2でフラッシュした。次いで反応器を1Lのプロピレンでフラッシュし、40℃に冷却した。他に断らない限り、反応条件は表4に挙げるものであった。続いて、3Lのプロピレンを所要量のH
2と一緒に反応器に入れた。撹拌を始め、反応器が安定化したら1mLのTIBAL、担持触媒および助触媒の混合物を1.5Lのプロピレンと共に反応器に注入した。次いで反応器を70℃まで上げ、その温度に到達したら、1時間反応させた。次いで反応器を排気し、ポリマーをN
2の軽い流れの下において乾燥した。次いでポリマーを集め、さらに2時間乾燥させた。
【表4】
【0183】
重合結果を表5に示す。
【表5】
比較例の活性はかなり低い。メトキシ部分がインデニルにグラフト化すると、殊に第2のメトキシがフェニル環の4位に加えられると、活性が高まる。この最後のメタロセンはRef1とほとんど同じ活性である。
低いキシレン可溶性の値が測定された。
【0184】
DSCおよびNMR分析結果を表6に示す。
【表6】
(ビス-インデニルRef1と比較して)部位欠陥の低い含量が見られる。鎖に沿ったすべてのこれらの異なる値の欠陥は溶融および結晶化温度に影響を及ぼす。
【0185】
終了時の情報およびNMR結果を表7に示す。
【表7】
【0186】
ランダム共重合PPR
重合は15gのエチレン、0.5NLの水素、スカベンジャーとしてTIBALの存在下、70℃で30分間、8リットルの反応器で行なった。他に断らない限り、反応条件は表8に挙げたものであった。次いで反応器を排気し、ポリマーを軽いN
2の流下において乾燥した。次いでポリマーを集め、さらに2時間乾燥させた。
【表8】
【0187】
重合の結果を表9に詳細に示す。
【表9】
エチレン変換が高かったことが分かる。
【0188】
NMR、GPCおよびDSCの決定結果を表10に示す。
【表10】
表10に示したGPC結果はMFI分析結果と一致している。より低い溶融および結晶化温度はまたRef1と比較して新しいメタロセンに基づくPPRでも注目に値する。これは単独重合(上記参照)におけるより高いエチレン組み込みならびにより低い溶融および結晶化温度に起因する。また比較触媒Comp1Cおよび2Cでの重合と比較してより高い溶融および結晶化温度も注目に値する。
比較触媒1Cおよび2Cと比較して、メトキシ基などの-OR基を有するインデニルを使用すると活性の増大が可能であった。Ref1触媒と比較してより高い立体規則性欠陥およびより低い部位欠陥が見られた。
【0189】
C.プロピレンの均一重合
重合はメカニカルスターラー(Peltonタービン)を備え、循環水浴によるダブルマントルで外部加熱される300mLの高圧ガラス反応器で行なった。反応器にトルエン(150mL)およびMAO(5000当量のPMAO 13wt.%Al トルエン中)を仕込んだ。30分後、プロピレン(5バール、空気液体、99.99%)を導入し、その後プロピレン圧力を1バールに減らし、触媒前駆体のトルエン中溶液(2.0μmol、触媒MWおよび触媒の濃度に依存する)を注射器で加えた。すぐにプロピレン圧力を5バールに上げ(バックレギュレーターで一定に保持)、溶液を30分間撹拌した。反応器内部の温度を、熱電対を用いてモニターした。容器を排気し、水性HClのMeOH中10%溶液でクエンチすることにより重合を止めた。ポリマーを10%c.HCl溶液でメタノール(500mL)中に沈殿させた。ポリマーをろ過により集め、メタノール(200mL)で洗浄し、真空中で乾燥した(60℃、3時間)。
【0190】
【0191】
D.エチレンの不均一重合
重合反応を撹拌機、温度調節器ならびにエチレンおよび水素を供給するための入口が付いた132mlのオートクレーブで行なった。反応器を110℃で窒素により1時間乾燥し、次いで40℃に冷却した。
【0192】
すべての重合は(他に断らない限り)表12に挙げる条件下で行なった。反応器に75mlのイソブタン、1.6mlの1-ヘキセンを仕込み、800ppmの水素を含むエチレンで23.8バールに加圧した。触媒(3.5mg)および助触媒を加えた。重合は触媒懸濁液の注入の際に始まり、85℃で行なわれ、60分後、反応器の除圧により停止した。反応器を開放する前に窒素でフラッシュした。
【表12】
【0193】
【手続補正書】
【提出日】2023-07-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
[
式中、
R
2、R
3
、R
6、R
7は各々独立して水素またはアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、-OR
15、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R
12)
3、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;前記群の各々は非置換であるかまたは1個もしくは複数の置換基Z
1で置換されていてもよく;Z
1は-OR
16、アルキル、およびアルケニルから選択され;R
15、R
16は各々独立してアルキル、アリールアルキル、アルキルアリールおよびアリールを含む群から選択され;好ましくは、R
15、R
16は各々独立してアルキルであり;
R
4
は非置換または1個以上のZ
1
で置換されたアリールであり、R
5
は-OR
15であり;
R
8、R
9、R
10、R
11は各々独立して水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R
12)
3、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;
L
1はSiR
13R
14、-[CR
13R
14]
h-、GeR
13R
14、またはBR
13であり;hは1、2、または3から選択される整数であり;R
13およびR
14の各々は独立して水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アミノアルキル、およびアリールアルキルを含む群から選択されるか;またはR
13およびR
14は、それらが結合している原子と共にシクロアルキル、シクロアルケニルもしくはヘテロシクリルを形成し;
M
1はジルコニウム、チタン、ハフニウム、およびバナジウムを含む群から選択される遷移金属であり;好ましくは、Mはジルコニウムであり;
Q
1およびQ
2は各々独立してハロゲン、アルキル、-N(R
17)
2、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;各R
17は独立して水素、アルキル、Si(R
12)
3、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;
各R
12は独立して水素、アルキル、またはアルケニルである]
の触媒。
【請求項2】
R
2、R
3
、R
6、R
7が各々独立して水素またはC
1~8アルキル、C
2~8アルケニル、C
3~8シクロアルキル、C
5~8シクロアルケニル、C
5~8シクロアルケニルC
1~8アルキル、C
6~10アリール、-OR
15、C
1~8アルキルC
6~10アリール、C
6~10アリールC
1~8アルキル、ハロゲン、Si(R
12)
3、およびヘテロC
1~8アルキルを含む群から選択され;前記群の各々は非置換であるかまたは1個もしくは複数の置換基Z
1で置換されていてもよく;Z
1は-OR
16、C
1~8アルキル、およびC
2~8アルケニルから選択され;各R
12は独立して水素、C
1~8アルキル、またはC
2~8アルケニルであり;R
15、R
16は各々独立してC
1~8アルキル、C
6~10アリールC
1~8アルキル、C
7~8アルキルC
6~10アリールおよびC
6~10アリールを含む群から選択され;好ましくは、R
15、R
16は各々独立してC
1~8アルキルであり;
R
4
は非置換または1個以上のZ
1
で置換されたアリールであり、R
5
は-OR
15である、請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
R
8、R
9、R
10、R
11が各々独立して水素、C
1~8アルキル、C
2~8アルケニル、C
3~8シクロアルキル、C
5~8シクロアルケニル、C
5~8シクロアルケニルC
1~8アルキル、C
6~10アリール、C
1~8アルコキシ、C
1~8アルキルC
6~10アリール、C
6~10アリールC
1~8アルキル、ハロゲン、Si(R
12)
3、およびヘテロC
1~8アルキルを含む群から選択され;各R
12は独立して水素、C
1~8アルキル、またはC
2~8アルケニルである、請求項1~2のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項4】
L
1がSiR
13R
14、-[CR
13R
14]
h-、GeR
13R
14、またはBR
13であり;hは1、2、または3から選択される整数であり;R
13、およびR
14の各々は独立して水素、C
1~8アルキル、C
2~8アルケニル、C
3~8シクロアルキル、C
5~8シクロアルケニル、C
5~8シクロアルケニルC
1~8アルキル、C
6~10アリール、アミノC
1~8アルキル、およびC
6~10アリールC
1~8アルキルを含む群から選択されるか;またはR
13およびR
14は、それらが結合している原子と共にC
3~8シクロアルキル、C
5~8シクロアルケニルもしくは3~8員のヘテロシクリルを形成する、請求項1~3のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項5】
M
1がジルコニウム、チタン、ハフニウム、およびバナジウムを含む群から選択される遷移金属であり;好ましくは、Mがジルコニウムであり;Q
1およびQ
2が各々独立してハロゲン、C
1~8アルキル、-N(R
17)
2、C
1~8アルコキシ、C
3~8シクロアルコキシ、C
6~10アリールC
1~8アルキルオキシ、C
3~8シクロアルキル、C
6~10アリール、C
6~10アリールオキシ、C
1~8アルキルC
6~10アリール、C
6~10アリールC
1~8アルキル、およびヘテロC
1~8アルキルからなる群から選択され;各R
17は独立して水素、C
1~8アルキル、Si(R
12)
3、C
3~8シクロアルキル、C
6~10アリール、C
1~8アルキルC
6~10アリール、C
6~10アリールC
1~8アルキル、およびヘテロC
1~8アルキルを含む群から選択され;好ましくは、各R
17は独立して水素またはC
1~8アルキルである、請求項1~4のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項6】
式(II)
【化2】
[式中、R
2、R
3、R
4、R
15、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、L
1、M
1、Q
1、Q
2は請求項1~
5のいずれか1項と同じ意味を有する]
を有する、請求項1~
5のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項7】
式(III)または(IV)
【化3】
[式中、nは0、1、2、3または4から選択される整数であり;mは0、1、2、または3から選択される整数であり;R
2、R
3、R
15、R
16、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、L
1、Z
1、M
1、Q
1、Q
2は請求項1~
5のいずれか1項と同じ意味を有する]
を有する、請求項1~
6のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項8】
式(V)または(VI)
【化4】
[式中、nは0、1、2、3または4から選択される整数であり、mは0、1、2、または3から選択される整数であり;R
2
、R
3
、R
15
、R
16
、R
6
、R
7
、L
1
、Z
1
、M
1
、Q
1
、Q
2
は請求項1~5のいずれか1項と同じ意味を有する]
を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項9】
L
1がSiR
13R
14、または-[CR
13R
14]-であり、R
13、R
14が請求項1~
5のいずれか1項に定義されたものと同じ意味を有する、請求項1~
8のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項10】
式(VII)または(VIII)
【化5】
[式中、nは0、1、2、3または4から選択される整数であり、mは0、1、2、または3から選択される整数であり;R
2
、R
3
、R
15
、R
16
、R
6
、R
7
、Z
1
、M
1
、Q
1
、Q
2
は請求項1~5のいずれか1項と同じ意味を有する]
を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の触媒、および支持体、好ましくは無機の多孔質支持体を含む担持触媒。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか1項に記載の少なくとも1種の触媒;
任意的な活性化剤;任意的な支持体;および任意的な助触媒
を含む触媒組成物。
【請求項13】
前記触媒組成物が活性化剤を含み、好ましくは、前記活性化剤がアルミノキサン化合物、有機ホウ素もしくは有機ホウ酸化合物、イオン化性イオン性化合物、またはこれらの任意の組合せを含み;好ましくは、前記活性化剤がメチルアルモキサンである、請求項12に記載の触媒組成物。
【請求項14】
アルモキサン活性化剤;およびチタネート化シリカまたはシリカ固体支持体;および任意的な助触媒を含む、請求項12~13のいずれか1項に記載の触媒組成物。
【請求項15】
オレフィンポリマーの調製のための、請求項1~11のいずれか1項に記載の触媒の使用、または請求項12~
14のいずれか1項に記載の触媒組成物の使用。
【請求項16】
請求項1~11のいずれか1項に記載の触媒または請求項12~
14のいずれか1項に記載の触媒組成物を、オレフィンモノマー、場合により水素、および場合により1種または複数のオレフィンコモノマーと接触させること;ならびに前記モノマー、および前記場合により1種または複数のオレフィンコモノマーを、前記少なくとも1種の触媒組成物、および任意的な水素の存在下で重合することによりオレフィンポリマーを得ることを含む、オレフィン重合方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
[式中、
R
2、R
3、R
6、R
7は各々独立して水素またはアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、-OR
15、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R
12)
3、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;前記群の各々は非置換であるかまたは1個もしくは複数の置換基Z
1で置換されていてもよく;Z
1は-OR
16、アルキル、およびアルケニルから選択され;R
15、R
16は各々独立してアルキル、アリールアルキル、アルキルアリールおよびアリールを含む群から選択され
;
R
4は非置換または1個以上のZ
1で置換されたアリールであり、R
5は-OR
15であり;
R
8、R
9、R
10、R
11は各々独立して水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アルコキシ、アルキルアリール、アリールアルキル、ハロゲン、Si(R
12)
3、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;
L
1はSiR
13R
14、-[CR
13R
14]
h-、GeR
13R
14、またはBR
13であり;hは1、2、または3から選択される整数であり;R
13およびR
14の各々は独立して水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アミノアルキル、およびアリールアルキルを含む群から選択されるか;またはR
13およびR
14は、それらが結合している原子と共にシクロアルキル、シクロアルケニルもしくはヘテロシクリルを形成し;
M
1はジルコニウム、チタン、ハフニウム、およびバナジウムを含む群から選択される遷移金属であり
;
Q
1およびQ
2は各々独立してハロゲン、アルキル、-N(R
17)
2、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;各R
17は独立して水素、アルキル、Si(R
12)
3、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、およびヘテロアルキルを含む群から選択され;
各R
12は独立して水素、アルキル、またはアルケニルである]
の触媒。
【請求項2】
R
2、R
3、R
6、R
7が各々独立して水素またはC
1~8アルキル、C
2~8アルケニル、C
3~8シクロアルキル、C
5~8シクロアルケニル、C
5~8シクロアルケニルC
1~8アルキル、C
6~10アリール、-OR
15、C
1~8アルキルC
6~10アリール、C
6~10アリールC
1~8アルキル、ハロゲン、Si(R
12)
3、およびヘテロC
1~8アルキルを含む群から選択され;前記群の各々は非置換であるかまたは1個もしくは複数の置換基Z
1で置換されていてもよく;Z
1は-OR
16、C
1~8アルキル、およびC
2~8アルケニルから選択され;各R
12は独立して水素、C
1~8アルキル、またはC
2~8アルケニルであり;R
15、R
16は各々独立してC
1~8アルキル、C
6~10アリールC
1~8アルキル、C
7~8アルキルC
6~10アリールおよびC
6~10アリールを含む群から選択され
;R
4は非置換または1個以上のZ
1で置換されたアリールであり、R
5は-OR
15である、請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
R
8、R
9、R
10、R
11が各々独立して水素、C
1~8アルキル、C
2~8アルケニル、C
3~8シクロアルキル、C
5~8シクロアルケニル、C
5~8シクロアルケニルC
1~8アルキル、C
6~10アリール、C
1~8アルコキシ、C
1~8アルキルC
6~10アリール、C
6~10アリールC
1~8アルキル、ハロゲン、Si(R
12)
3、およびヘテロC
1~8アルキルを含む群から選択され;各R
12は独立して水素、C
1~8アルキル、またはC
2~8アルケニルである、請求項
1に記載の触媒。
【請求項4】
L
1がSiR
13R
14、-[CR
13R
14]
h-、GeR
13R
14、またはBR
13であり;hは1、2、または3から選択される整数であり;R
13、およびR
14の各々は独立して水素、C
1~8アルキル、C
2~8アルケニル、C
3~8シクロアルキル、C
5~8シクロアルケニル、C
5~8シクロアルケニルC
1~8アルキル、C
6~10アリール、アミノC
1~8アルキル、およびC
6~10アリールC
1~8アルキルを含む群から選択されるか;またはR
13およびR
14は、それらが結合している原子と共にC
3~8シクロアルキル、C
5~8シクロアルケニルもしくは3~8員のヘテロシクリルを形成する、請求項
1に記載の触媒。
【請求項5】
M
1がジルコニウム、チタン、ハフニウム、およびバナジウムを含む群から選択される遷移金属であり
;Q
1およびQ
2が各々独立してハロゲン、C
1~8アルキル、-N(R
17)
2、C
1~8アルコキシ、C
3~8シクロアルコキシ、C
6~10アリールC
1~8アルキルオキシ、C
3~8シクロアルキル、C
6~10アリール、C
6~10アリールオキシ、C
1~8アルキルC
6~10アリール、C
6~10アリールC
1~8アルキル、およびヘテロC
1~8アルキルからなる群から選択され;各R
17は独立して水素、C
1~8アルキル、Si(R
12)
3、C
3~8シクロアルキル、C
6~10アリール、C
1~8アルキルC
6~10アリール、C
6~10アリールC
1~8アルキル、およびヘテロC
1~8アルキルを含む群から選択さ
れる、請求項
1に記載の触媒。
【請求項6】
式(II)
【化2】
[式中、R
2、R
3、R
4、R
15、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、L
1、M
1、Q
1、Q
2は請求項
1と同じ意味を有する]
を有する、請求項
1に記載の触媒。
【請求項7】
式(III)または(IV)
【化3】
[式中、nは0、1、2、3または4から選択される整数であり;mは0、1、2、または3から選択される整数であり;R
2、R
3、R
15、R
16、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、L
1、Z
1、M
1、Q
1、Q
2は請求項
1と同じ意味を有する]
を有する、請求項
1に記載の触媒。
【請求項8】
式(V)または(VI)
【化4】
[式中、nは0、1、2、3または4から選択される整数であり、mは0、1、2、または3から選択される整数であり;R
2、R
3、R
15、R
16、R
6、R
7、L
1、Z
1、M
1、Q
1、Q
2は請求項
1と同じ意味を有する]
を有する、請求項
1に記載の触媒。
【請求項9】
L
1がSiR
13R
14、または-[CR
13R
14]-であり、R
13、R
14が請求項
1に定義されたものと同じ意味を有する、請求項
1に記載の触媒。
【請求項10】
式(VII)または(VIII)
【化5】
[式中、nは0、1、2、3または4から選択される整数であり、mは0、1、2、または3から選択される整数であり;R
2、R
3、R
15、R
16、R
6、R
7、Z
1、M
1、Q
1、Q
2は請求項
1と同じ意味を有する]
を有する、請求項
1に記載の触媒。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の触媒、および支持
体を含む担持触媒。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか1項に記載の少なくとも1種の触媒;
任意的な活性化剤;任意的な支持体;および任意的な助触媒
を含む触媒組成物。
【請求項13】
前記触媒組成物が活性化剤を
含む、請求項12に記載の触媒組成物。
【請求項14】
アルモキサン活性化剤;およびチタネート化シリカまたはシリカ固体支持体;および任意的な助触媒を含む、請求項
12に記載の触媒組成物。
【請求項15】
オレフィンポリマーの調製のため
の請求項1~
10のいずれか1項に記載の触媒の使用。
【請求項16】
オレフィンポリマーの調製のための
請求項12に記載の触媒組成物の使用。
【請求項17】
請求項12に記載の触媒組成物を、オレフィンモノマー、場合により水素、および場合により1種または複数のオレフィンコモノマーと接触させること;ならびに前記モノマー、および前記場合により1種または複数のオレフィンコモノマーを、前記少なくとも1種の触媒組成物、および任意的な水素の存在下で重合することによりオレフィンポリマーを得ることを含む、オレフィン重合方法。
【国際調査報告】