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特表2024-522268不揮発性メモリにおけるランダムテレグラフノイズをメモリセルのグループ化及びスクリーニングによって低減する方法
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  • 特表-不揮発性メモリにおけるランダムテレグラフノイズをメモリセルのグループ化及びスクリーニングによって低減する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-13
(54)【発明の名称】不揮発性メモリにおけるランダムテレグラフノイズをメモリセルのグループ化及びスクリーニングによって低減する方法
(51)【国際特許分類】
   G11C 29/50 20060101AFI20240606BHJP
   G11C 29/00 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
G11C29/50 100
G11C29/00 478
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565897
(86)(22)【出願日】2021-09-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-06-05
(85)【翻訳文提出日】2023-12-25
(86)【国際出願番号】 US2021052249
(87)【国際公開番号】W WO2022260692
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】63/208,093
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/482,095
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルコフ、ビクター
(72)【発明者】
【氏名】コトフ、アレキサンダー
【テーマコード(参考)】
5B225
5L206
【Fターム(参考)】
5B225BA03
5B225BA05
5B225BA06
5B225DB02
5B225DB08
5B225DB10
5B225DB30
5B225DE07
5L206AA10
5L206CC17
5L206DD31
5L206DD50
5L206FF04
(57)【要約】
複数のメモリセルグループを有するメモリデバイスをプログラムする方法であって、メモリセルグループの各々はN個の不揮発性メモリセルを含み、Nは2以上の整数である、方法。各メモリセルグループについて、方法は、メモリセルグループ内の不揮発性メモリセルの各々を特定のプログラム状態にプログラムするステップと、メモリセルグループ内の不揮発性メモリセルの各々に対して複数の読み出し動作を実行するステップと、複数の読み出し動作中に最も低い読み出し分散を示すメモリセルグループ内の不揮発性メモリセルのうちの1つを識別するステップと、識別された不揮発性メモリセルを除くメモリセルグループ内の不揮発性メモリセルの全てを深くプログラムするステップと、メモリセルグループ内の識別された不揮発性メモリセルをユーザデータでプログラムするステップと、を含む。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリデバイスであって、前記メモリデバイスは、
複数のメモリセルグループであって、メモリセルグループの各々がN個の不揮発性メモリセルをそれぞれ含み、Nは2以上の整数である、複数のメモリセルグループと、
制御回路であって、前記メモリセルグループの各々に対して、
前記メモリセルグループ内の前記不揮発性メモリセルの各々を特定のプログラム状態にプログラムし、
前記メモリセルグループ内の前記不揮発性メモリセルの各々に対して複数の読み出し動作を実行し、
前記複数の読み出し動作中に最も低い読み出し分散を示す、前記メモリセルグループ内の前記不揮発性メモリセルのうちの1つを識別し、
前記識別された不揮発性メモリセルを除く前記メモリセルグループ内の前記不揮発性メモリセルの全てを深くプログラムし、
前記メモリセルグループ内の前記識別された不揮発性メモリセルをユーザデータでプログラムする、ように構成された制御回路と、
を備える、メモリデバイス。
【請求項2】
前記制御回路は、前記メモリセルグループごとに、
前記メモリセルグループ内の前記識別された不揮発性メモリセルを、前記メモリセルグループ内の前記識別された不揮発性メモリセルを前記ユーザデータでプログラムする前に消去するように更に構成されている、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記複数のメモリセルグループの前記不揮発性メモリセルの各々は、
半導体基板内に形成された、離間したソース領域及びドレイン領域であって、それらの間に前記基板のチャネル領域が延在する、離間したソース領域およびドレイン領域と、
前記チャネル領域の第1の部分の上方に垂直に配設され、かつ前記チャネル領域の前記第1の部分から絶縁されている、浮遊ゲートと、
前記チャネル領域の第2の部分の上方に垂直に配設され、かつ前記チャネル領域の前記第2の部分から絶縁されている、選択ゲートと、
前記浮遊ゲートの上方に垂直に配設され、かつ前記浮遊ゲートから絶縁されている、制御ゲートと、
を含む、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記複数のメモリセルグループの前記不揮発性メモリセルの各々が、
前記ソース領域の上方に配設され、かつ前記ソース領域から絶縁されている消去ゲートを更に含む、請求項3に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記メモリセルグループの各々について、前記制御回路は、前記メモリセルグループ内の前記不揮発性メモリセルの各々を前記特定のプログラム状態に、
プログラミング電圧の第1のパルスを前記不揮発性メモリセルに印加し、
読み出し電流を生成するために、目標閾値電圧に等しい前記不揮発性メモリセルのゲートに印加される読み出し電圧を使用して、前記不揮発性メモリセルを読み出し、
前記読み出し電流が目標読み出し電流以下でないという判定に応答して、プログラミング電圧の第2のパルスを前記不揮発性メモリセルに印加することによって、プログラムするように構成され、
前記プログラミング電圧の第1のパルスは、前記不揮発性メモリセルの前記ゲートに印加される第1のプログラム電圧を含み、前記プログラミング電圧の第2のパルスは、前記不揮発性メモリセルの前記ゲートに印加され前記第1のプログラム電圧よりも大きい第2のプログラム電圧を含む、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
複数のメモリセルグループを含むメモリデバイスをプログラムする方法であって、前記メモリセルグループの各々はN個の不揮発性メモリセルを含み、Nは2以上の整数であり、各メモリセルグループについて、前記方法は、
前記メモリセルグループ内の前記不揮発性メモリセルの各々を特定のプログラム状態にプログラムするステップと、
前記メモリセルグループ内の前記不揮発性メモリセルの各々に対して複数の読み出し動作を実行するステップと、
前記複数の読み出し動作中に最も低い読み出し分散を示す前記メモリセルグループ内の前記不揮発性メモリセルのうちの1つを識別するステップと、
前記識別された不揮発性メモリセルを除く前記メモリセルグループ内の前記不揮発性メモリセルの全てを深くプログラムするステップと、
前記メモリセルグループ内の前記識別された不揮発性メモリセルをユーザデータでプログラムするステップと、
を含む、方法。
【請求項7】
前記メモリセルグループの各々について、
前記メモリセルグループ内の前記識別された不揮発性メモリセルを前記ユーザデータでプログラムする前に、前記メモリセルグループ内の前記識別された不揮発性メモリセルを消去するステップを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記複数のメモリセルグループ内の前記N個の不揮発性メモリセルの各々は、
半導体基板内に形成された、離間したソース領域及びドレイン領域であって、それらの間に前記基板のチャネル領域が延在する、離間したソース領域及びドレイン領域と、
前記チャネル領域の第1の部分の上方に垂直に配設され、かつ前記チャネル領域の前記第1の部分から絶縁されている、浮遊ゲートと、
前記チャネル領域の第2の部分の上方に垂直に配設され、かつ前記チャネル領域の前記第2の部分から絶縁されている、選択ゲートと、
前記浮遊ゲートの上方に垂直に配設され、かつ前記浮遊ゲートから絶縁されている、制御ゲートと、
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記不揮発性メモリセルの各々は、
前記ソース領域の上方に配設され、かつ前記ソース領域から絶縁されている消去ゲートを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記メモリセルグループ内の前記不揮発性メモリセルの各々を前記特定のプログラム状態に前記プログラムするステップは、
プログラミング電圧の第1のパルスを前記不揮発性メモリセルに印加するステップと、
読み出し電流を生成するために、目標閾値電圧に等しい前記不揮発性メモリセルのゲートに印加される読み出し電圧を使用して前記不揮発性メモリセルを読み出すステップと、
前記読み出し電流が目標読み出し電流よりも大きいと判定したことに応答して、プログラミング電圧の第2のパルスを前記不揮発性メモリセルに印加するステップと、を含み、
前記プログラミング電圧の第1のパルスは、前記不揮発性メモリセルの前記ゲートに印加される第1のプログラム電圧を含み、前記プログラミング電圧の第2のパルスは、前記不揮発性メモリセルの前記ゲートに印加され前記第1のプログラム電圧よりも大きい第2のプログラム電圧を含む、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、2021年6月8日出願の米国仮特許出願第63/208,093号及び2021年9月22日出願の米国特許出願第17/482,095号の利益を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、不揮発性メモリデバイスに関し、より具体的には、読み出し動作中のメモリセル電流の安定性を改善することに関する。
【背景技術】
【0003】
不揮発性メモリデバイスは、当該技術分野において周知である。例えば、4ゲートメモリセル構成を開示し、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7868375号を参照されたい。具体的には、本出願の図1は、シリコン半導体基板12内に形成された、離間されたソース領域14及びドレイン領域16を有するスプリットゲートメモリセル10を例示する。ソース領域14は、ソースラインSLと称され得(なぜなら、通常、同じ行又は列の他のメモリセルの他のソース領域に接続されるからである)、ドレイン領域16は、通常、ビットラインコンタクト28によってビットラインに接続される。基板のチャネル領域18は、ソース領域14とドレイン領域16との間に画定される。浮遊ゲート20は、チャネル領域18の第1の部分の上方に垂直に配設され、かつチャネル領域18の第1の部分から絶縁されている(また、部分的に垂直にソース領域14の上方にあり絶縁されている)。制御ゲート22は、浮遊ゲート20の上方に配設され、かつ浮遊ゲート20から絶縁されている。選択ゲート24は、チャネル領域18の第2の部分の上方に垂直に配設され、かつチャネル領域18の第2の部分から絶縁されている(並びに、チャネル領域18の第2の部分の導電性を制御する)。消去ゲート26は、ソース領域14の上方に垂直に配設され、かつソース領域14から絶縁されており、浮遊ゲート20に横方向に隣接している。複数のそのようなメモリセルを行及び列に配置して、メモリセルアレイを形成することができる。
【0004】
電圧の様々な組み合わせが、制御ゲート22、選択ゲート24、消去ゲート26、及び/又はソース及びドレイン領域14/16に印加されて、スプリットゲートメモリセル10をプログラムし(すなわち、浮遊ゲートに電子を注入し)、スプリットゲートメモリセル10を消去し(すなわち、浮遊ゲートから電子を除去し)、スプリットゲートメモリセル10を読み出す(すなわち、チャネル領域18の導電率を測定又は検出して、浮遊ゲート20のプログラミング状態を判定する)。
【0005】
スプリットゲートメモリセル10は、デジタル様式で動作することができ、スプリットゲートメモリセル10は、2つの可能な状態、プログラム状態及び消去状態、のみのうちの1つに設定される。スプリットゲートメモリセル10は、消去ゲート26に高い正電圧をかけ、また任意で制御ゲート22に負電圧をかけることによって消去され、浮遊ゲート20から消去ゲート26への電子のトンネリングを誘導する(浮遊ゲート20をより正に帯電した状態、つまり消去状態のままにする)。スプリットゲートメモリセル10は、制御ゲート22、消去ゲート26、選択ゲート24及びソース領域14に正電圧をかけ、ドレイン領域16に電流を流すことによってプログラムされ得る。次に、電子は、いくつかの電子を加速及び加熱しながら、チャネル領域18に沿ってドレイン領域16からソース領域14に向かって流れ、それによって、電子の一部は、ホットエレクトロン注入によって浮遊ゲート20に注入される(浮遊ゲート20をより負に帯電した状態、つまりプログラム状態のままにする)。スプリットゲートメモリセル10は、選択ゲート24(選択ゲート24の下のチャネル領域18の部分をオンにする)及びドレイン領域16上(また任意で、消去ゲート26及び/又は制御ゲート22上)に正電圧をかけることによって、並びにチャネル領域18を通る電流フローを検知することによって読み出すことができる。浮遊ゲート20が正に帯電している(すなわちスプリットゲートメモリセル10は消去されている)場合、スプリットゲートメモリセル10はオンになり、電流は、ドレイン領域16からソース領域14へ流れる(すなわち、スプリットゲートメモリセル10は、検知された電流フローに基づいて、その消去された「1」状態であることが検知される)。浮遊ゲート20が負に帯電している(すなわち、スプリットゲートメモリセル10はプログラムされている)場合、浮遊ゲート20下のチャネル領域18の部分はオフになり、それによって、かなりの電流フローを阻止する(すなわち、スプリットゲートメモリセル10は、電流フローなし、又は最小の電流フローであることに基づいて、そのプログラムされた「0」状態であることが検知される)。
【0006】
表1は、Vccが電源電圧又は2.5Vなど別の正電圧である場合の、スプリットゲートメモリセルの一般的なデジタル動作の消去電圧、プログラム電圧、及び読み出し電圧の非限定的な例を提供する。
【表1】
【0007】
スプリットゲートメモリセル10は、スプリットゲートメモリセル10のメモリ状態(すなわち、浮遊ゲート20上の電子の数などの電荷量)が、完全に消去された状態(浮遊ゲート20上の電子の最小数)から完全にプログラムされた状態(浮遊ゲート20上の電子の最大数)までのどこかに、又はこの範囲の一部分だけに、1つ又はいくつかのプログラミング電圧を変化させることによって調整され得るアナログ方式で、交互に動作させることができ、例えば、アナログプログラミングのために様々な制御ゲート22(CG)プログラミング電圧を使用することができる。これは、スプリットゲートメモリセル10ストレージがアナログであることを意味し、スプリットゲートメモリセル10のアレイの各スプリットゲートメモリセル10の、非常に精確で個別の調整を可能にする。あるいは、スプリットゲートメモリセル10は、マルチレベルセル(Multilevel Cell、MLC)として動作することができ、多くの離散値(例えば、16個又は64個の異なる値)のうちの1つにプログラムされるように構成されている。アナログ又はMLCプログラミングの場合、プログラミング電圧は、所望のプログラミング状態が達成されるまで、限られた時間だけ、又は一連のパルスとして印加される。複数のプログラミングパルスの場合において、プログラミングパルス間の介在読み出し動作を使用して、所望のプログラミング状態が達成されている(その場合、プログラミングは停止する)か又は達成されていない(その場合、プログラミングは継続する)かどうかを判定することができる。
【0008】
アナログ様式で又はMLCとして動作されるスプリットゲートメモリセル10は、スプリットゲートメモリセル10の正確性に悪影響を及ぼし得るノイズ及び読み出し電流不安定性に対して、より敏感であり得る。アナログ不揮発性メモリデバイスにおける読み出し電流の不安定性の1つの原因は、ゲート酸化物とメモリセルチャネル領域との間のインターフェース及びインターフェース近傍に位置する酸化物トラップによる電子の捕獲及び放出である。ゲート酸化物は、浮遊ゲート20と基板12のチャネル領域18とを分離する絶縁層である。電子がインターフェーストラップで捕獲されると、読み出し動作中のチャネル導電率を低下させ、したがってスプリットゲートメモリセル10の閾値電圧Vt(すなわち、スプリットゲートメモリセル10のチャネル領域18をオンにして、所定の目標電流、例えば1μAを生成するために必要な制御ゲート22の最小電圧)を増大させる。制御ゲート電圧が閾値電圧Vt以上であるとき、ソース領域14とドレイン領域16との間に導電路が作成され、少なくとも所定の目標電流の電流が流れる。制御ゲート電圧が閾値電圧Vt未満であるとき、導電路は作成されず、ソース領域14とドレイン領域16との間の任意の電流はサブ閾値又は漏れ電流とみなされる。インターフェーストラップで捕獲された電子は、そのインターフェーストラップから放出される場合があり、メモリセルの閾値電圧Vtを低下させ、したがって、読み出し動作中のチャネル導電率を増大させる。インターフェーストラップによる電子の捕獲及び放出というこれらの単電子イベントは、読み出し電流ノイズとして現れ、ランダムテレグラフノイズ(Random Telegraph Noise、RTN)と称される。一般に、単一のインターフェーストラップによって生じるRTNは、2つの状態、すなわち、電子がインターフェーストラップから放出される場合の、より低いVt状態(また、より高い読み出し電流状態)及び電子がインターフェーストラップによって捕獲された場合の、より高いVt状態(また、より低い読み出し電流状態)を特徴とする。上述したように、読み出し中のスプリットゲートメモリセル10の不安定性は、閾値電圧Vt、すなわち、所定の目標電流に対応する制御ゲート電圧、又は所与の読み出し電圧条件下でのメモリセル電流のいずれかを、特徴とし得る。本例は、閾値電圧Vtとしてのメモリセル読み出し不安定性に関連して特に説明されるが、所与の読み出し電圧下でのメモリセル電流の使用が具体的に企図される。
【0009】
メモリセルのアレイ内には、非常に高い読み出し正確性が要求される用途に対して許容できない量のRTNを示す、スプリットゲートメモリセル10などのメモリセルが、わずかではあるが無視できない割合で存在する。RTNの傾向があるメモリセルは、プログラミング後のそのようなメモリセルによるインターフェーストラップからの電子放出がメモリセルの閾値電圧Vtを望ましくなく低下させ(したがって、読み出し動作中にチャネル導電率を望ましくなく増大させ)、所望の元のメモリセルプログラム状態の不正確な読み出しをもたらすため、メモリセルのアレイに記憶されたいくつかのアナログデータが少なくともある程度破壊されるリスクを増加させる。同様に、プログラミング後のそのようなメモリセルによる電子捕獲は、メモリセルの閾値電圧Vtを望ましくなく増大させる(したがって、読み出し動作中のチャネル導電率を望ましくなく低下させる)ので、所望の元のメモリセルプログラム状態の不正確な読み出しをもたらす。したがって、プログラム後のRTNを補償するために、アナログ及びMLC不揮発性メモリデバイスにおけるRTNに対処する必要がある。
【発明の概要】
【0010】
前述の問題及び必要性は、複数のメモリセルグループであって、メモリセルグループの各々がN個の不揮発性メモリセルを含み、Nが2以上の整数である、複数のメモリセルグループと、制御回路とを含む、メモリデバイスによって対処される。制御回路は、メモリセルグループの各々について、メモリセルグループ内の不揮発性メモリセルの各々を特定のプログラム状態にプログラムし、メモリセルグループ内の不揮発性メモリセルの各々に対して複数の読み出し動作を実行し、複数の読み出し動作中に最も低い読み出し分散を示すメモリセルグループ内の不揮発性メモリセルのうちの1つを識別し、識別された不揮発性メモリセルを除くメモリセルグループ内の不揮発性メモリセルの全てを深くプログラムし、メモリセルグループ内の識別された不揮発性メモリセルをユーザデータでプログラムする、ように構成される。
【0011】
複数のメモリセルグループを有するメモリデバイスをプログラムする方法であって、メモリセルグループの各々はN個の不揮発性メモリセルを含み、Nは2以上の整数であり、各メモリセルグループについて、メモリセルグループ内の不揮発性メモリセルの各々を特定のプログラム状態にプログラムするステップと、メモリセルグループ内の不揮発性メモリセルの各々に対して複数の読み出し動作を実行するステップと、複数の読み出し動作中に最も低い読み出し分散を示すメモリセルグループ内の不揮発性メモリセルのうちの1つを識別するステップと、識別された不揮発性メモリセルを除くメモリセルグループ内の不揮発性メモリセルの全てを深くプログラムするステップと、メモリセルグループ内の識別された不揮発性メモリセルをユーザデータでプログラムするステップとを含む、方法。
【0012】
他の目的及び特徴は、明細書、特許請求の範囲、添付図面を精読することによって明らかになるであろう。
【0013】
【0014】
【0015】
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来のメモリセルの側面断面図である。
図2】メモリデバイスの構成要素を例示する図である。
図3】メモリセルをプログラムするためのステップを示すフロー図である。
図4】メモリセルをグループ化、スクリーニング、及びプログラムするためのステップを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
不揮発性メモリセルのアレイ、特に、図1のタイプのスプリットゲートメモリセル10を含む不揮発性メモリセルのアレイに対するRTNの影響を低減するための本例示的技法は、そのようなメモリセルに限定されない。具体的には、複数の不揮発性メモリセルは、各メモリセルグループが2つ以上のメモリセルからなる複数のメモリセルグループに論理的に分割され、各メモリセルグループは、ユーザデータを記憶するための1つのセルとして扱われる。各メモリセルグループ内で、最も低いRTNを示す不揮発性メモリセルのみが、ユーザデータを記憶するために使用され、メモリセルグループの残りの不揮発性メモリセルは、それらを効果的にスクリーンアウトするために、すなわち、それらが後続の読み出し動作中にメモリセルグループの出力に寄与しないように、深くプログラムされる。
【0018】
メモリセルのグループ化、スクリーニング及びプログラミングは、メモリアレイの様々なデバイス要素を制御する制御回路66の構成の一部として実装され、このことは、図2に示されるような例示的なメモリデバイスのアーキテクチャからより良く理解することができる。メモリデバイスは、スプリットゲートメモリセル10のアレイ50を含み、それは、2つの分離した平面(平面Aの52a及び平面Bの52b)に隔離され得る。スプリットゲートメモリセル10は、図1に示されるタイプのものであり得、半導体基板12において複数の行及び列に配置され、したがって単一のチップ上に形成される。スプリットゲートメモリセル10のアレイ50には、アドレスをデコードし、アレイ50の選択されたスプリットゲートメモリセル10に対する読み出し動作、プログラム動作、及び消去動作中に、スプリットゲートメモリセル10のゲート及び領域に様々な電圧を提供するために使用される、アドレスデコーダ(例えば、XDEC54)、ソース線ドライバ(例えば、SLDRV56)、列デコーダ(例えば、YMUX58)、高圧行デコーダ(例えば、HVDEC60)、及びビットラインコントローラ(例えば、BLINHCTL62)が隣接し、メモリデバイスに含まれる。列デコーダ58は、読み出し動作中にビット線上の電流を測定するための回路を含むセンス増幅器を含む。制御回路66は、本明細書で説明されるように、アレイ50の、選択されたスプリットゲートメモリセル10に対して各動作(プログラム、消去、読み出し)を実施するために、様々なデバイス要素を制御するように構成される。電荷ポンプCHRGPMP64は、制御回路66の制御下にて、アレイ50の選択されたスプリットゲートメモリセル10の読み出し、プログラム、及び消去に使用される様々な電圧を提供する。制御回路66は、アレイ50の選択されたスプリットゲートメモリセル10をプログラムし、消去し、読み出すようにメモリデバイスを動作させるように、構成される。これらの動作の一部として、制御回路66には、同じ又は異なる線に提供されるプログラムコマンド、消去コマンド、及び読み出しコマンドと共にメモリセルにプログラムされるデータである、着信ユーザデータへのアクセスが提供され得る。アレイ50から、すなわち、アレイ50の選択されたスプリットゲートメモリセル10から読み出されたデータは、出力データとして提供される。制御回路66は、以下で更に説明されるように、電圧値を記憶するためのランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)70等の別個のメモリを含むか、又はそれへのアクセスを提供される。
【0019】
制御回路66は、本明細書で説明するメモリセルのグループ化、スクリーニング、及びプログラミングを実施する。したがって、制御回路66は、図3-4に関連して以下に説明される方法を行うために、ソフトウェア、すなわち、非一時的電子可読命令、又はファームウェアをロードされ、それによって、構成されてもよい。制御回路66は、マイクロコントローラ、専用回路、プロセッサ、又はそれらの組み合わせによって実装されてもよい。
【0020】
本明細書の例によれば、アレイ50の複数のスプリットゲートメモリセル10は、各メモリセルグループ80内のN個のセルのメモリセルグループ80に論理的に分割され、ここでNは2以上の整数である。図2は、各々が2つ(すなわち、N=2)のメモリセル10を有する4つのメモリセルグループ80を示すが、メモリセルグループ80の数及びNの値は異なり得る。
【0021】
メモリセルのグループ化及びスクリーニングを説明する前に、メモリセルプログラミングの基本を最初に説明する。
【0022】
メモリセルプログラミングは、プログラミング電圧パルスを使用してメモリセルを特定のプログラミング状態にプログラムすることと、スプリットゲートメモリセル10の閾値電圧パラメータ(すなわち、目標電流Itargetと呼ばれるソース/ドレイン電流の所定のレベルを達成するためにスプリットゲートメモリセル10に印加される最小電圧)を測定するための介在読み出し動作とを含む。閾値電圧パラメータは、制御ゲート閾値電圧Vtcgであり、これは制御ゲート22の観点からのメモリセルの閾値電圧である。具体的には、制御ゲート閾値電圧Vtcgは、制御ゲート22に印加される電圧であり、その結果、チャネル領域18が導電路となり、したがって、読み出し動作の読み出し電位が選択ゲート24及びドレイン領域16に印加されたときに、スプリットゲートメモリセル10がオンになったとみなすために、所定レベルのソース/ドレイン電流のチャネルを通る読み出し電流、すなわち、目標電流Itarget(例えば、1μA)となる。制御ゲート閾値電圧Vtcgは、スプリットゲートメモリセル10のプログラミング状態の機能として変化するが、スプリットゲートメモリセル10が特定のプログラミング状態にプログラムされると、経時的な制御ゲート閾値電圧Vtcgの任意の変動は所定の量未満であることが望ましい。
【0023】
メモリセルプログラミングは、図3にステップ1~4として示されており、これは、スプリットゲートメモリセル10を特定の所望のプログラミング状態にプログラムして、その特定の所望のプログラミング状態に関連付けられた目標制御ゲート閾値電圧Vtcgtargetを有するように実施される。この技術は、ステップ1で、制御回路66がアレイ50の選択スプリットゲートメモリセル10をプログラムすることから始まる。上述したように、アナログプログラミング動作は、選択されたスプリットゲートメモリセル10にプログラミング電圧を限られた時間(すなわち、少なくとも1パルス)印加することを含み、その結果、浮遊ゲート20に電子が注入される。ステップ1のプログラムにおいて、SLDRV56から供給され、制御ゲート22に印加される電圧Vegは、制御ゲートプログラム電圧Vcgprogramを有する。ステップ2において、読み出し動作が制御回路66によって実行され、読み出し動作は、表1に従ってSLDRV56から選択されたスプリットゲートメモリセル10に読み出し電圧を印加することと、列デコーダ58及びビットラインコントローラ62を用いて、選択されたスプリットゲートメモリセル10のチャネル領域18を流れる電流Ireadを測定することとを含む。この読み出し動作において、制御ゲート22に印加される電圧Vegは、目標制御ゲート閾値電圧Vtcgtargetである。ステップ3では、ステップ2の読み出し動作から、メモリセルの制御ゲート閾値電圧Vtcgが目標制御ゲート閾値電圧Vtcgtargetに到達したか又はそれを超えたか否か(すなわち、列デコーダ58及びビットラインコントローラ62によって測定された読み出し電流Ireadが目標電流Itarget以下であるか否か、ここで、Ireadが目標電流Itargetに等しいことは、メモリセルの制御ゲート閾値電圧Vtcgが目標制御ゲート閾値電圧Vtcgtargetに到達したことを示している)が判定される。判定が否である(すなわち、制御ゲート閾値電圧Vtcgが目標制御ゲート閾値電圧Vtcgtarget以上ではない、すなわち、読み出し電流Ireadが目標電流Itarget以下ではないと判定された)場合には、ステップ4において、プログラミングに用いられる制御ゲート書き込み電圧Vcgprogramを、メモリセルの前回のステップ1のプログラミングに用いられた制御ゲートプログラム電圧Vcgprogramよりも増大させ、増大させた制御ゲートプログラム電圧Vcgを用いてステップ1を繰り返す。したがって、ステップ1の第1の反復では、第1のプログラム電圧がメモリセルのゲートに印加され、ステップ1の第2の反復では、ステップ4に応答して、第2のプログラム電圧がメモリセルのゲートに印加され、第2のプログラム電圧は第1のプログラム電圧よりも大きい。ステップ3において、メモリセルの制御ゲート閾値電圧Vtcgが目標制御ゲート閾値電圧Vtcgtargetに到達したか又はそれを超えたと判定される(すなわち、読み出し電流Ireadが目標電流Itarget以下であると判定される)まで、制御回路66によって、ステップ1~4が順に繰り返される。その時点で、メモリセルは、その所望のプログラミング状態に(すなわち、その目標制御ゲート閾値電圧Vtcgtargetに)プログラムされたとみなされる。
【0024】
しかしながら、プログラミングが完了した後にプログラムされたメモリセルがRTNを示す場合、インターフェーストラップに捕獲された電子は、メモリセルの測定された制御ゲート閾値電圧Vtcgに寄与する。プログラミングが完了した後に電子がインターフェーストラップから放出される場合/とき、制御ゲート閾値電圧Vtcgは、目標制御ゲート閾値電圧VtcgtargetよりもΔVtcgmaxを超えて低下する可能性があり、ここで、ΔVtcgmaxは、制御ゲート閾値電圧Vtcg変動に関する最大許容読み出し誤差である。ΔVtcgmaxを超える制御ゲート閾値電圧降下は、後続の読み出し動作中に許容できない誤差であると考えられる。同様に、プログラミングが完了した後に電子がインターフェーストラップに捕獲された場合/とき、制御ゲート閾値電圧Vtcgは、目標制御ゲート閾値電圧Vtcgtargetより上にΔVtcgmaxを超えて増大する可能性がある。ΔVtcgmaxを超える制御ゲート閾値電圧の増大は、後続の読み出し動作中の許容できない誤差であると考えられる。許容できないエラー挙動を有するセルは、スクリーニングに割り当てることができる。したがって、メモリセルのグループ化及びスクリーニングは、図4のステップ5から開始して実行される。ステップ5において、アレイ50の複数のスプリットゲートメモリセル10は、各メモリセルグループ80内のN個のセルのメモリセルグループ80に論理的に分割され、ここでNは2以上の整数である。各メモリセルグループ80内のN個のスプリットゲートメモリセル10は、同じ列内で互いに隣接していてもよいし、同じ行内で互いに隣接していてもよいし、互いに隣接していなくてもよい。
【0025】
各メモリセルグループ80に対して、メモリセルグループ80のN個のメモリスプリットゲートメモリセル10は、特定のプログラム状態にプログラムされる(ステップ6)、すなわち、ステップ1~4に関連して上述したようにプログラムされる。したがって、ステップ1~4は、制限なく、ステップ5の前又は後に実行されてもよい。ステップ7において、メモリセルグループ80のN個のスプリットゲートメモリセル10は、それぞれ複数回読み出される。ステップ8において、最も低い読み出し分散を有するメモリセルグループ80内のスプリットゲートメモリセル10が識別される。各スプリットゲートメモリセル10に対する読み出し変動は、ステップ7においてスプリットゲートメモリセル10に対して実行される複数の読み出し動作間に示される読み出し電流Ireadの変動及び/又は制御ゲート閾値電圧Vtcgの変動であり得る。ステップ8において識別されるのは、Iread及び/又はVtcgの変動が最も小さいメモリセルグループ80内のスプリットゲートメモリセル10である。
【0026】
ステップ9では、ステップ8で識別されなかったメモリセルグループ80内のスプリットゲートメモリセル10、すなわち、メモリセルグループ80内の他のスプリットゲートメモリセルの全てが、深くプログラムされる(すなわち、ユーザデータを記憶するために選択されたMLC又はアナログ動作範囲をはるかに超える多数の電子でプログラムされ、したがって、これらの深くプログラムされたスプリットゲートメモリセル10は、ユーザデータを記憶するために使用されるメモリセルグループ80(又は任意の他のメモリセルグループ80)内のスプリットゲートメモリセル10の後続の読み出し動作中に、メモリセルグループ80(又は任意の他のメモリセルグループ80)からの検出電流に寄与しない。なぜなら、多数の電子を有する浮遊ゲートの深くプログラムされた状態は、下にあるチャネル領域18を効果的にオフにし、電流フローを妨げるからである)。当業者であれば、読み出し電流に寄与する動作範囲及びアレイ50内の行数が製品ごとに異なることを認識するであろう。その結果、ディーププログラミングのための特定の値は実装に依存する。1行当たりのメモリセル10の数が多いほど、深くプログラムされたメモリセル10に対してIreadを低くして、その行に対する全体的な読み出し電流に対するそれらの組み合わせの寄与を防止すべきである。一例では、スクリーンアウトされるべきメモリセル10のディーププログラミングは、時間を節約するために迅速に、すなわち1つのプログラミングパルスによって検証なしに実行され、ディープスクリーニングのためのプログラミング電圧は、全てのスクリーニングされるセルメモリセル10に対して同じである。
【0027】
ステップ10では、ステップ8で識別された1つのスプリットゲートメモリセル10が、(例えば、図3に関して上述したように)ユーザデータでプログラムされる。ステップ10は、ステップ8で識別された1つのスプリットゲートメモリセル10を、ユーザデータでプログラムする前に、最初に消去することを必要とする場合がある。ステップ6~10は、ユーザデータでプログラムされるアレイ内のメモリセルグループ80の各々に対して実行される。
【0028】
メモリセルグループ80の各々からデータを読み出すために、メモリセルグループ80内の全てのスプリットゲートメモリセル10が選択されるが、そのメモリセルグループ80に対してステップ8で識別され、ステップ10でプログラムされたスプリットゲートメモリセル10のみが、データ読み出し動作において読み出し電流に寄与する。メモリセルグループ80内の他のスプリットゲートメモリセル10は、深くプログラムされているので、読み出し動作に電流を寄与しない。したがって、最低の読み出し分散、したがって最低のRTNを有すると識別されたメモリセルグループ80内のスプリットゲートメモリセル10のみが、ユーザデータを記憶し、任意の読み出し動作においてデータを提供するために使用される。メモリセルグループ80内の他のスプリットゲートメモリセル10は、効果的にスクリーンアウトされるので、より高い読み出し分散を示すメモリセルグループ80内のスプリットゲートメモリセル10が、ユーザデータを記憶するために、及び/又はデータ読み出し動作に寄与するために使用された場合に生じる可能性がある、すべてのRTNを抑制する。上述のメモリセルのグループ化及びスクリーニングは、アナログプログラム及び読み出し正確性に対するRTNの影響を低減する。
【0029】
上述の技術は、多くの利点を有する。第1に、より大きなRTNを示すスプリットゲートメモリセル10を効果的にスクリーンアウトする。第2に、単一のノイズの多いスプリットゲートメモリセル10が列又は行に見つかるという理由で(すなわち、冗長(スペア)行及び/又は列が提供され、ノイズの多いメモリセルを含む任意の行又は列を置換するために利用される従来技術において知られているように、列又は行を冗長列又は行で置換することによって)、所与の列又は行における全てのスプリットゲートメモリセル10をスクリーンアウトする必要を回避する。第3に、各メモリセルグループ80内の1つを除く全てのスプリットゲートメモリセル10をスクリーンアウトすることは、アレイ内の使用可能なメモリセルの有効密度を減少させるが、その密度減少は、よりノイズの少ないスプリットゲートメモリセル10に対するアナログプログラミングの改善された正確性、したがって所与の動作範囲に対して読み出し電流Iread(又は制御ゲート閾値電圧Vtcg)のより多くの可能なプログラムレベルを割り当てる能力によって、部分的に又は完全に補償することができる。例えば、N=2の場合(すなわち、各メモリセルグループ内に2つのメモリセルがある場合)、改善されたプログラミング正確性が、より低いRTNによって特徴付けられる1つのスプリットゲートメモリセル10に対して2倍の数の可能なプログラム状態を可能にする場合、1つのスプリットゲートメモリセル10を使用して2倍の数のビットをプログラムすることができるため、スプリットゲートメモリセル10当たりの可能なプログラム状態の半分で全てのスプリットゲートメモリセル10を使用するメモリアレイと同じメモリ密度を提供する。したがって、従来のアレイと比較してスプリットゲートメモリセル10当たり2倍の数のプログラム状態を使用することは、メモリアレイにわたるRTNの低減に起因する、経時的により良好な読み出し安定性及び信頼性をもたらすことになる。
【0030】
上記は、上述され本明細書に図示された例に限定されるものではなく、任意の特許請求の範囲の範疇に収まるあらゆる変形例を包含することが理解されよう。例えば、本明細書における本発明又は例への言及は、特許請求の範囲又は特許請求項の用語の限定を意図するものではなく、代わりに特許請求の範囲の1つ以上によって網羅され得る1つ以上の特徴に関連するにすぎない。上で説明した材料、プロセス、及び数値の実施例は、単に例示的なものであり、特許請求の範囲を限定するものとみなされるべきではない。更に、特許請求の範囲及び明細書から明らかであるように、特に指定のない限り、全ての方法工程が図示又は請求されている厳密な順序で行われる必要はない。上述した技術で使用される閾値電圧Vtの例は、制御ゲート22から見たスプリットゲートメモリセル10の閾値電圧である制御ゲート閾値電圧Vtcgである。しかしながら、上述の技術は、浮遊していないスプリットゲートメモリセル10内の任意の1つ以上のゲートから見た閾値電圧Vtに関して実施することができる。最後に、本明細書の例は、図1のものよりも少ないゲートを有する不揮発性メモリセルのアレイ(例えば、選択ゲートと組み合わされた消去ゲート及び/又は制御ゲートがないアレイ)においても実装され得る。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】