IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニムの特許一覧

<>
  • 特表-トレイを有する容器 図1
  • 特表-トレイを有する容器 図2
  • 特表-トレイを有する容器 図3
  • 特表-トレイを有する容器 図4
  • 特表-トレイを有する容器 図5
  • 特表-トレイを有する容器 図6
  • 特表-トレイを有する容器 図7
  • 特表-トレイを有する容器 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-13
(54)【発明の名称】トレイを有する容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20240606BHJP
   A24F 15/01 20200101ALI20240606BHJP
   A24F 23/00 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
B65D83/00 Z
A24F15/01
A24F23/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572601
(86)(22)【出願日】2022-06-01
(85)【翻訳文提出日】2023-11-22
(86)【国際出願番号】 EP2022064877
(87)【国際公開番号】W WO2022253885
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】21177862.6
(32)【優先日】2021-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】シャトラン ルーカス
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014PA10
3E014PC08
3E014PD30
(57)【要約】
消費財のための容器10が提供されている。容器は、共に消費財を収容するための区画を画定する、ボックス部分20およびリッド部分40と、区画内に配置されたトレイ60とを備える。トレイ60は、少なくとも一部の消費財14を支持するように構成される。トレイ60は、ボックス部分20内に存在する第一の部分62、およびボックス部分20の上方に存在する第二の部分64を含む。リッド部分40は、トレイ60が覆われる閉位置と、トレイ60が覆われない開位置との間でボックス部分20に対して移動可能である。トレイ60の第二の部分64は、リッド部分40が閉位置にある時に、リッド部分40内に延び、リッド部分40の内表面と係合して、リッド部分40を閉位置に保持するのに役立つ。容器10は、トレイ60の第一の部分62とボックス部分20との間に保持機構80をさらに備える。保持機構80は、リッド部分40が閉位置から開位置へと移動するのに応答して、ボックス部分20に対するトレイ60の移動に対抗するように構成される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費財のための容器であって、前記容器が、
共に消費財を収容するための区画を画定する、ボックス部分およびリッド部分と、
前記区画内に配置され、少なくとも一部の消費財を支持するように構成されたトレイであって、前記トレイが、前記ボックス部分内に存在する第一の部分、および前記ボックス部分の上方に存在する第二の部分を含む、トレイと、を備え、
前記リッド部分が、前記トレイが覆われる閉位置と、前記トレイが覆われない開位置との間で前記ボックス部分に対して移動可能であり、
前記トレイの前記第二の部分が、前記リッド部分が前記閉位置にある時に、前記リッド部分内に延び、前記リッド部分の内表面と係合して、前記リッド部分を前記閉位置に保持するのに役立ち、
前記容器が、前記トレイの前記第一の部分と前記ボックス部分との間に保持機構をさらに備え、前記保持機構が、前記リッド部分が前記閉位置から前記開位置へと移動するのに応答して、前記ボックス部分に対する前記トレイの移動に対抗するように構成される、容器。
【請求項2】
前記トレイの前記第一の部分が、前記リッド部分が前記開位置にある時に、前記ボックス部分から取り外し可能である、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記リッド部分が、前記ボックス部分の後部壁を横切って延びるヒンジ線によって前記ボックス部分に接続される、請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記リッド部分が、摩擦によって前記トレイと係合する、請求項1~3のいずれか一項に記載の容器。
【請求項5】
前記摩擦が、トレイ前部壁とリッド部分前部壁との間に生じる、請求項4に記載の容器。
【請求項6】
前記保持機構が、前記トレイ前部壁上の突出部と、前記ボックス部分上の対応する係合縁とを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の容器。
【請求項7】
前記突出部が、前記トレイ前部壁の下縁から延びる、請求項6に記載の容器。
【請求項8】
前記ボックス部分がボックス部分前部壁を含み、前記対応する係合縁が前記ボックス部分前部壁の内表面上にある、請求項6または7に記載の容器。
【請求項9】
前記ボックス部分前部壁の前記内表面が、第一のボックス部分前部壁パネルおよび第二のボックス部分前部壁パネルによって画定される、請求項8に記載の容器。
【請求項10】
前記第一のボックス部分前部壁パネルが、前記ボックス部分前部壁の前記内表面の一部分のみにわたって延びる、請求項9に記載の容器。
【請求項11】
前記係合縁が、前記第一のボックス部分前部壁パネルの縁である、請求項9に記載の容器。
【請求項12】
前記保持機構の前記係合縁が、前記容器内のスロットの一部を形成する、請求項6~11のいずれか一項に記載の容器。
【請求項13】
前記容器が、前記トレイの下の区画内の空間内に受容されたさらなる消費財をさらに備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の容器。
【請求項14】
前記スロットが、前記ボックス部分前部壁の内表面のデボス加工された部分によって画定される、請求項12に記載の容器。
【請求項15】
前記トレイの奥行きが、前記リッド部分の内部奥行きよりも0.1~0.5ミリメートル大きく、前記リッド部分と前記トレイとの間に締まり嵌めを形成する、請求項3に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費財のための容器に関する。本発明による容器には、エアロゾル発生装置またはエアロゾル発生システムの一つ以上の構成要素のための容器としての特定の用途がある。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生システムが数多くの構成要素を備えることができることは一般的に知られている。手持ち式の電気的に作動する喫煙システムは多くの場合、電池パックおよび再充電可能なエアロゾル発生装置を含む。エアロゾル発生装置は、加熱部分、制御電子機器、および再充電可能電池を含むことができ、エアロゾル発生物品を収容するように構成され得る。エアロゾル発生物品と組み合わされた時、再充電可能なエアロゾル発生装置は、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成される。
【0003】
また、消費財を収容するためのボックスと、ボックスの上方部分を覆うリッドとを有する剛直なボックス形状の容器内に消費財を包装することも知られている。リッドは、ボックスに対して移動して容器を開封することができ、消費者がボックス内に収容された消費財へのアクセスを得ることを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一部の公知の容器では、消費財は、ボックス内に配置されたトレイ上またはトレイ内に存在し得る。トレイは、容器が開封された時に消費者にすぐ見える。一部の事例では、アクセサリおよびユーティリティなどのさらなる構成要素は、トレイの下に配置され、それ故に消費者にすぐ見えない場合がある。
【0005】
容器の内容物へのアクセスが望まれるまでは、容器のリッドを閉位置に保持することが一般的に望ましい。例えば、容器は、磁石、接着剤、およびリッドを閉位置に保持するのに役立つ面ファスナーなどのファスナーのうちの一つ以上を備え得る。しかしながら、こうした配設により、容器設計にコストおよび複雑さが加わり得る。さらに、こうした配設は、容器の他の態様の機能または有用性を低減する場合がある。
【0006】
したがって、上述の欠点のうちの一つ以上に悩まされることなく、リッドを閉位置に保持するための改善された解決策を有する、上述のタイプの容器を提供することが望ましいであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】リッド部分が閉位置閉位置にある、本発明の実施形態による容器を形成するボックス部分およびリッド部分を示す図である。
図2】リッド部分が部分的に開位置にある、本発明の実施形態による容器を示す図である。
図3】リッド部分が開位置にある、本発明の実施形態による容器を示す図である。
図4】リッド部分が開位置にあり、トレイがボックス部分から部分的に取り外された、本発明の実施形態による容器を示す図である。
図5】リッド部分が開位置にあり、トレイがボックス部分から完全に取り外された、本発明の実施形態による容器を示す図である。
図6】リッド部分が開位置にあり、トレイがボックス部分から部分的に取り外された、本発明の実施形態による容器の斜視図を示す図である。
図7】本発明の第一の実施形態による保持機構を示す図である。
図8】本発明の第二の実施形態による保持機構を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、消費財のための容器に関する。容器は、ボックス部分およびリッド部分を備え得る。ボックス部分およびリッド部分は共に、消費財を収容するための区画を画定し得る。容器は、区画内に配置されたトレイをさらに備えてもよい。トレイは、少なくとも一部の消費財を支持するように構成されてもよい。トレイは、ボックス部分内に存在する第一の部分、およびボックス部分の上方に存在する第二の部分を含み得る。リッド部分は、トレイが覆われる閉位置と、トレイが覆われない開位置との間でボックス部分に対して移動可能であってもよい。トレイの第二の部分は、リッドが閉位置にある時に、リッド部分内に延び得る。トレイは、部分の内表面と係合して、リッド部分を閉位置に保持するのに役立ち得る。容器は、トレイの第一の部分とボックス部分との間に保持機構をさらに備えてもよい。保持機構は、リッド部分が閉位置から開位置へと移動するのに応答して、ボックス部分に対するトレイの移動に対抗するように構成され得る。
【0009】
本発明によると、消費財のための容器が提供されており、容器は、共に消費財を収容するための区画を画定する、ボックス部分およびリッド部分と、区画内に配置され、少なくとも一部の消費財を支持するように構成されたトレイであって、ボックス部分内に存在する第一の部分、およびボックス部分の上方に存在する第二の部分を含む、トレイとを備え、リッド部分は、トレイが覆われる閉位置と、トレイが覆われない開位置との間でボックス部分に対して移動可能であり、トレイの第二の部分は、リッド部分が閉位置にある時に、リッド部分内に延び、リッド部分の内表面と係合して、リッド部分を閉位置に保持するのに役立ち、容器は、トレイの第一の部分とボックス部分との間に保持機構をさらに備え、保持機構は、リッド部分が閉位置から開位置へと移動するのに応答して、ボックス部分に対するトレイの移動に対抗するように構成される。
【0010】
本発明による容器の構成要素の相対的位置を説明するために使用される「側部」、「上部」、「底部」、「前部」、「後部」およびその他の用語は本明細書で使用される場合、アクセス開口部が上部にある、直立位置にある容器を意味する。本発明による容器を記述する時、記述されている容器の向きに関係なく、これらの用語が使用される。容器の「底部」は、容器の「上部」の反対側の容器の側を意味する。
【0011】
本明細書で使用される場合、「高さ」という用語は、上部と底部との間に延びる寸法を意味する。本明細書で使用される場合、「幅」という用語は、二つの側部の間に延びる寸法を意味する。本明細書で使用される場合、「奥行き」という用語は、前部と後部との間に延びる寸法を意味する。高さ、幅、および奥行きは、相互に垂直である。
【0012】
「壁」という用語は、より一般的に容器の面を意味し、また壁は単一のパネルまたはフラップから形成されてもよく、または壁は二つ以上の当接するまたは重なり合うパネルまたはフラップから形成されてもよい。
【0013】
本明細書で使用される「従属」という用語は、本発明による容器の二つの要素間の物理的接続を説明するために使用される。より詳細には、「従属する」という用語は、容器またはブランクの二つの壁またはパネルなどの、二つの要素の間に材料の連続性があることを示すために使用される。これは、壁またはパネルが、隣接する壁またはパネルに直接的に従属する場合、ならびに中間の壁またはパネルが二つの壁またはパネルを効果的に接続する場合の両方を包含する。
【0014】
一例として、側壁または側方パネルは、隣接する前部壁または前部パネルに直接的に従属し得る。こうした場合、壁またはパネルは典型的に、隣接する壁から折り目に沿って従属する。別の方法として、丸みのあるまたは面取りされた縁を有する容器では特に、側壁または側方パネルは、前部壁または前部パネルに間接的に従属してもよい。こうしたケースでは、丸みのあるまたは面取りされた縁を有する壁またはパネルは、側壁または側方パネルと前部壁または前部パネルとを接続する。面取りされた縁の場合、側壁または側方パネルおよび前部壁または前部パネルはどちらも、それぞれの折り目に沿って接続する面取りされた縁端を有する壁またはパネルに従属してもよい。
【0015】
本明細書で使用される場合、「ヒンジ線」という用語は、容器を開封するために、それを中心にリッドが枢動し得る線を意味する。ヒンジ線は、例えば、折り目またはスコアラインであってもよい。それを中心にリッドがボックスに接続されるヒンジ線は、容器の縁と一致してもよく、またはヒンジ線は、縁から間隙を介した位置で、容器の壁を横切って延びてもよい。
【0016】
「内表面」という用語は本明細書全体を通して、容器が閉位置にある時に、その容器の内部の方(例えば、消費財の方)を向いている、組み立てられた容器の構成要素の表面を指すために使用される。「外表面」という用語は本明細書全体を通して、容器の外部の方を向いている容器の構成要素の表面を指すために使用される。例えば、パッケージの前部壁は、パッケージおよび消費財の内側を向いている内表面と、消費財から離れる方を向いている外表面とを有する。
【0017】
本明細書の「デボス加工された」という用語は、デボス加工された部分における壁の厚さが、デボス加工されていない部分における壁の厚さよりも小さいように、プレス加工された、彫刻された、成形された、またはスタンプ加工された容器壁の一部分を意味する。例えば、壁のデボス加工された部分は、ツールで壁に圧力を加えることによって形成することができる。壁の材料は、デボス加工された部分とは反対側の壁にエンボス加工された部分がないように圧縮される。
【0018】
容器は、リッド部分が、ボックス部分の後部壁に沿って延びるヒンジ線においてボックス部分にヒンジで取り付けられたヒンジリッド容器であってもよく、リッド部分は、閉位置と開位置との間で移動可能である。閉位置では、リッド部分およびボックス部分は、消費財を受容する区画を画定する。消費財の少なくとも一部を支持するためのトレイは、区画内に受容される。
【0019】
本発明の容器は、消費財を収容するための改善された容器を提供する。既存の容器とは対照的に、本発明による容器では、トレイは、ボックス部分内に存在する第一の部分、およびリッド部分が閉位置にある時にリッド部分内に存在する第二の部分を有する。トレイの第二の部分は、リッド部分の内表面と係合して、リッド部分を閉位置に保持するのに役立つように構成される。しかしながら、トレイとリッド部分との間のこうした係合は、リッドが開位置へと移動した時に、トレイがリッドと共に持ち上げられるリスクをもたらし得る。したがって、本発明者らは、こうした状況では、トレイの第一の部分とボックス部分との間に保持機構を提供することが有利であることを理解した。この保持機構は、有利なことに、リッド部分が閉位置から開位置へと移動するのに応答して、ボックス部分に対するトレイの移動に対抗する。これは有利なことに、トレイの第二の部分とリッド部分との間の係合により、リッド部分が開位置へと移動するのにつれてトレイの第一の部分がボックス部分から取り外されることを回避する。これはさらに、トレイとリッド部分との間の係合に起因して、トレイがリッド部分に固着することを回避する。これらの効果および利点は、リッド部分が開位置にある時に、例えば保持機構が分離された場合に、トレイが容器から取り外し可能である実施形態に特に適用可能であり得る。リッド部分が開位置にある時にトレイを容器から取り外すことにより、有利なことに、ユーザーがトレイの下の区画内の空間にアクセスすることが可能になり得る。
【0020】
例えば、ユーザーがリッド部分を閉位置から開位置へと移動させることによって容器を開封することを望む場合、トレイの第二の部分とリッド部分との間の係合により、トレイもまたユーザーによって加えられる開封力に供され得る。しかしながら、保持機構がこうした力に対抗するように作用することができ、それ故に、ユーザーがリッド部分を移動させる際に、トレイがリッド部分から係脱される。したがって、保持機構は、リッド部分が閉位置から開位置へと移動する時に、トレイをボックス部分に対して定位置に保持するのに役立ち得る。
【0021】
リッド部分とトレイの第二の部分との間の係合は、リッド部分の前部壁の内表面とトレイの前部壁との間に生じてもよい。保持機構は、ボックス部分の前部壁の内表面とトレイの前部壁との間に形成されてもよい。
【0022】
リッド部分とトレイとの間の係合は、容器の前面で生じることが好ましい。ボックス部分内のトレイの保持は、容器の前面で生じることが好ましい。容器の背面では、リッド部分とトレイとの間に実質的に係合がないことが好ましい。
【0023】
トレイは、リッド部分が開位置にある時に、容器から取り外し可能であることが好ましい。ユーザーは、リッド部分が開位置にある時に、保持機構を分離することができ得る。保持機構が分離されると、トレイを容器から取り外し得る。保持機構は、トレイをボックス部分に固定するために使用される唯一の手段であってもよい。
【0024】
容器の背面に係合または保持機構を有さないトレイを提供することにより、ユーザーがより容易にトレイをボックス部分から取り外してトレイの下の容器内の空間にアクセスすることが可能になる。例えば、ユーザーは、トレイをボックス部分から取り外して、トレイの下の容器空間内に収容された一つ以上の消費財にアクセスすることが可能であり得る。あるいは、ユーザーは、消費財を収容するために、トレイの下の容器内の空間にアクセスする必要がある場合がある。
【0025】
リッド部分およびトレイは、摩擦によって係合してもよい。こうした係合は、磁石、接着剤、および締結具のうちの一つ以上など、リッドを閉位置に保持するための他の形態の係合よりも好ましい場合がある。これは、こうした他の形態の係合は、容器設計にコストおよび複雑さのうちの一方または両方を加える場合があるからである。さらに、こうした他の形態の係合は、容器の他の態様の機能または有用性のうちの一方または両方を低減し得る。したがって、本発明の好ましい実施形態は、既存の容器よりも費用対効果が高く、単純で、かつより機能的な解決策を提供し得る。
【0026】
さらに、本発明による容器はまた、ユーザーに改善された開封体験を提供し得る。消費財を支持するトレイは、本発明による容器のボックス部分内に完全には受容されないため、消費者がトレイによって支持される消費財により容易にアクセスすることができ得る。容器が複数の消費財を収容する場合、より重要またはより貴重な品がトレイ上に陳列され、ユーティリティおよびアクセサリなどのさらなる消費財は、トレイの下に収容されてもよい。したがって、本発明による容器では、容器内の消費財の配設は、消費者にとってより魅力的であり得る。
【0027】
本発明による容器は、ボックス部分、リッド部分、およびトレイを備える。
【0028】
容器、ボックス部分、リッド部分、およびトレイは、厚紙、板紙、プラスチック、金属、またはその組み合わせを含むがこれに限定されない、任意の適切な材料から形成されてもよい。
【0029】
本発明による容器は、長軸方向の直角の縁および横断方向の直角の縁を有する直方体の形状であってもよい。別の方法として、容器は、一つ以上の長軸方向の丸み付きの縁、横断方向の丸み付きの縁、長軸方向の面取り付きの縁、または横断方向の面取り付きの縁、またはこれらの組み合わせを有する直方体の形状であってもよい。
【0030】
本発明による容器の外部表面は、製造者またはブランドのロゴ、商標、スローガン、ならびにその他の消費者情報または他のしるしが印刷、エンボス加工、デボス加工、またはその他の方法で装飾されてもよい。
【0031】
容器は、一つ以上のエアロゾル発生装置、エアロゾル発生物品、アクセサリ、およびユーティリティなどの消費財を収容するように構成されてもよい。消費財は、容器内の別個の区画内に収容されてもよい。
【0032】
リッド部分およびボックス部分は、層状材料の単一のブランクから形成されてもよい。別の方法として、リッド部分およびボックス部分は、層状材料の別個のブランクから形成されてもよい。
【0033】
ボックス部分は、ボックス部分前部壁、ボックス部分後部壁、第一および第二の対向するボックス側壁、およびボックス部分底部壁を含み得る。ボックス部分は、ボックス部分の上端に開口部を有してもよい。ボックス部分の開口部は、ボックス部分前部壁、ボックス部分後部壁、およびボックス部分の第一および第二の対向する側壁の上縁によって画定されてもよい。ボックス部分は、容器の区画の一部を形成する内部空間を画定する。トレイは、トレイの第一の部分がボックス部分の開口部の下に存在し、トレイの第二の部分がボックス部分の開口部の上方に存在するように、区画内に配置されてもよい。
【0034】
リッド部分は、リッド部分前部壁、リッド部分後部壁、第一および第二のリッド部分の対向する側壁、およびリッド部分上部壁を含み得る。リッド部分は、リッド部分の下端に開口部を有してもよい。リッド部分の開口部は、リッド部分前部壁、リッド部分後部壁、および第一および第二のリッド部分側壁の下縁によって画定されてもよい。リッド部分は、容器の区画の一部を形成する内部空間を画定し得る。リッド部分は、ボックス部分の後部壁を横切って延びるヒンジ線によってボックス部分に接続されてもよい。トレイは、トレイの第一の部分がリッド部分の開口部の下に存在し、リッド部分が閉位置にある時に、トレイの第二の部分がリッド部分の開口部の上方に存在するように、区画内に配置されてもよい。
【0035】
リッド部分上部壁の内表面は、消費財を受容するための陥凹した部分を含んでもよい。リッド部分上部壁の内表面は、多数の消費財を受容するための複数の陥凹した部分を含んでもよい。リッド部分上部壁の内表面の一つ以上の陥凹した部分は、消費財の形状に適合するように構成されてもよい。これは、消費財を支持し、容器内の消費財の移動を制限するのに役立ち得る。
【0036】
リッド部分は、ヒンジ線によってボックス部分に接続されることが好ましい。ヒンジ線は、リッド部分が閉位置と開位置との間で移動することを可能にし得る。閉位置では、リッド部分は、ボックス部分の開口部を覆い得る。開位置では、ボックス部分の開口部は、リッド部分によって覆われない場合がある。
【0037】
単一の層状ブランクを使用してボックス部分およびリッド部分の両方を形成する場合、ヒンジ線は、前述の単一の層状ブランク内に形成され得る。
【0038】
ヒンジ線は、ボックス部分をリッド部分に接続する一つ以上の層状ブランクによって形成されてもよい。ヒンジ線が形成される一つ以上の層状ブランクは、ボックス部分後部壁およびリッド部分後部壁に接着されてもよい。
【0039】
ヒンジ線が形成される一つ以上の層状ブランクは、ボックス部分後部壁の外表面およびリッド部分後部壁の外表面に接着された外側層状ブランクを含み得る。外側層状ブランクは、ボックス部分後部壁とリッド部分後部壁との間に生じ得るギャップを隠すのに役立ち得る。
【0040】
ヒンジ線が形成される一つ以上の層状ブランクは、ボックス部分後部壁の内表面およびリッド部分後部壁の内表面に接着された内側層状ブランクを含み得る。内側層状ブランクは、ボックス部分後部壁とリッド部分後部壁との間に生じ得るギャップを隠すのに役立ち得る。
【0041】
ヒンジ線は、ボックス部分後部壁の一部分のみを横切って延びてもよい。別の方法として、ヒンジ線は、ボックス部分後部壁の全長を横切って延びてもよい。
【0042】
トレイは、容器の区画内に配置され、少なくとも一部の消費財を支持するように構成される。トレイは、ボックス部分内に存在する第一の部分、およびリッド部分内に存在する第二の部分を含む。
【0043】
トレイの第二の部分は、4~10ミリメートルの高さ、より好ましくは5~9ミリメートルの高さ、さらにより好ましくは6~9ミリメートルの高さを有してもよい。
【0044】
トレイは、実質的に直方体の形状であってもよい。こうした実施形態では、トレイの第二の部分の高さは一定であってもよい。別の方法として、トレイは、トレイの奥行きの方向にトレイの断面にわたって一定ではない高さを有してもよい。トレイの第二の部分は、トレイ前部壁に隣接した最大高さを有してもよい。
【0045】
トレイは、台形の形状であるトレイの奥行きの方向に断面を有してもよい。
【0046】
トレイは、消費財を受容するための陥凹した部分を含んでもよい。
【0047】
容器の区画内に配置された一つ以上のトレイがあってもよい。各トレイは、ボックス部分内に存在する第一の部分、およびリッド部分内に存在する第二の部分を有してもよい。各トレイは、少なくとも一部の消費財を支持するように構成されてもよい。
【0048】
本発明による容器では、トレイの第二の部分は、リッドが閉位置にある時に、リッド部分と係合して、リッド部分を閉位置に保持するのに役立つ。トレイの第二の部分は、リッド部分の内表面と係合することが好ましい。
【0049】
リッド部分は、摩擦によって第一のトレイと係合するように構成されてもよい。リッド部分とトレイとの間の摩擦は、第一のトレイ前部壁とリッド部分前部壁との間に生じ得る。トレイの第二の部分とリッド部分との間の摩擦は、容器の通常の使用または輸送中にリッド部分が不注意により開封されることが回避されるようなものであり得る。トレイの第二の部分とリッド部分との間の摩擦は、摩擦を克服するのにユーザーが過剰な力を加える必要があるほど大きくなくてよい。例えば、必要な開封力は、13ニュートンを超えなくてもよいことが好ましい。したがって、ユーザーは、摩擦を克服することによって、リッド部分を開位置へと移動させることができ得る。
【0050】
トレイとリッド部分との間の摩擦は、トレイとリッド部分との間の締まり嵌めによって生じる場合がある。トレイの奥行きは、リッド部分の内部奥行きよりも0.1~0.5ミリメートル大きくてもよいことが好ましく、トレイの奥行きは、リッド部分の内部奥行きよりも0.2~0.4ミリメートル大きいことがより好ましく、トレイの奥行きは、リッド部分の内部奥行きよりも0.25~0.35ミリメートル大きいことがさらにより好ましい。
【0051】
本発明による容器は、トレイの第一の部分とボックス部分との間に保持機構を備える。保持機構は、リッド部分が閉位置から開位置へと移動するのに応答して、ボックス部分に対するトレイの移動に対抗するように構成される。保持機構は、リッド部分が開位置へと移動した時に、トレイの第一の部分をボックス部分内に保持するためのアンカーとして作用し得る。
【0052】
保持機構は、トレイ前部壁上に突出部を含んでもよい。保持機構の突出部は、トレイ前部壁の下縁から延びてもよい。突出部は、トレイ前部壁の折り畳まれた縁であってもよい。突出部は、トレイの底面に貼り付けられたパネルの縁であってもよい。突出部は、トレイ前部壁のエンボス加工された部分であってもよい。
【0053】
保持機構は、ボックス部分上に対応する係合縁を含んでもよい。保持機構の係合縁は、ボックス部分前部壁の内表面上にあってもよい。ボックス部分前部壁の内表面は、第一のボックス部分前部壁パネルおよび第二のボックス部分前部壁パネルによって画定され得る。第一のボックス部分前部壁パネルは、ボックス部分前部壁の内表面の一部分のみにわたって延びてもよい。係合縁は、第一のボックス部分前部壁パネルの縁であってもよい。係合縁は、第一のボックス部分前部壁パネルの下縁であってもよい。
【0054】
保持機構の係合縁は、容器内のスロットの一部を形成してもよい。係合縁は、容器内のスロットの上縁を形成してもよい。
【0055】
容器は、第二のトレイをさらに備えてもよい。こうした実施形態では、ボックス部分内に存在する第一の部分、およびボックス部分の上方に存在する第二の部分を含むトレイは、第一のトレイとも呼ばれ得る。第二のトレイは、第一のトレイの下の区画内に受容され得る。保持機構の係合縁が容器内のスロットの一部を形成する場合、第二のトレイの上部壁は、容器内のスロットの下縁を画定し得る。
【0056】
容器内のスロットは、ボックス部分前部壁の内表面のデボス加工された部分によってさらに画定されてもよい。ボックス部分前部壁の内表面のデボス加工された部分は、ツールでボックス部分前部壁の内表面に圧力を加えることによって形成されてもよい。
【0057】
一実施例または一実施形態に関して説明される特徴はまた、その他の実施例および実施形態にも適用可能であり得る。
【0058】
以下に、非限定的な実施例の非網羅的なリストが提供される。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0059】
実施例1.
消費財のための容器であって、容器が、共に消費財を収容するための区画を画定する、ボックス部分およびリッド部分と、区画内に配置され、少なくとも一部の消費財を支持するように構成されたトレイであって、ボックス部分内に存在する第一の部分、およびボックス部分の上方に存在する第二の部分を含む、トレイと、を備え、リッド部分が、トレイが覆われる閉位置と、トレイが覆われない開位置との間でボックス部分に対して移動可能であり、トレイの第二の部分が、リッド部分が閉位置にある時に、リッド部分内に延び、リッド部分の内表面と係合して、リッド部分を閉位置に保持するのに役立ち、容器が、トレイの第一の部分とボックス部分との間に保持機構をさらに備え、保持機構が、リッド部分が閉位置から開位置へと移動するのに応答して、ボックス部分に対するトレイの移動に対抗するように構成される、容器。
実施例2.
トレイの第一の部分が、リッド部分が開位置にある時に、ボックス部分から取り外し可能である、実施例1による容器。
実施例3.
リッド部分が、ボックス部分の後部壁を横切って延びるヒンジ線によってボックス部分に接続される、実施例2による容器。
実施例4.
リッド部分が、摩擦によってトレイと係合する、実施例1~3のいずれかによる容器。
実施例5.
摩擦が、トレイ前部壁とリッド部分前部壁との間に生じる、実施例4による容器。
実施例6.
保持機構が、トレイ前部壁上の突出部と、ボックス部分上の対応する係合縁とを含む、実施例1~5のいずれかによる容器。
実施例7.
突出部が、トレイ前部壁の下縁から延びる、実施例6による容器。
実施例8.
ボックス部分が、ボックス部分前部壁を含み、対応する係合縁が、ボックス部分前部壁の内表面上にある、実施例6または7による容器。
実施例9.
ボックス部分前部壁の内表面が、第一のボックス部分前部壁パネルおよび第二のボックス部分前部壁パネルによって画定される、実施例8による容器。
実施例10.
第一のボックス部分前部壁パネルが、ボックス部分前部壁の内表面の一部分のみにわたって延びる、実施例9による容器。
実施例11.
係合縁が、第一のボックス部分前部壁パネルの縁である、実施例9による容器。
実施例12.
保持機構の係合縁が、容器内のスロットの一部を形成する、実施例6~11のいずれかによる容器。
実施例13.
容器が、トレイの下の区画内の空間内に受容されたさらなる消費財をさらに備える、実施例1~12のいずれかによる容器。
実施例14.
スロットが、ボックス部分前部壁の内表面のデボス加工された部分によって画定される、実施例12による容器。
実施例15.
ボックス部分前部壁の内表面のデボス加工された部分が、ツールでボックス部分前部壁の内表面に圧力を加えることによって形成される、実施例14による容器。
実施例16.
トレイの第二の部分が、4~10ミリメートルの高さを有する、実施例1~15のいずれかによる容器。
実施例17.
トレイの第二の部分が、5~9ミリメートルの高さを有する、実施例1~16のいずれかによる容器。
実施例18.
トレイの第二の部分が、6~8ミリメートルの高さを有する、実施例1~17のいずれかによる容器。
実施例19.
トレイが、消費財を受容するための陥凹した部分を含む、実施例1~18のいずれかによる容器。
実施例20.
リッド部分上部壁の内表面が、消費財を受容するための対応する陥凹した部分を含む、実施例1~19のいずれかによる容器。
実施例21.
トレイの奥行きが、リッド部分の内部奥行きよりも0.1~0.5ミリメートル大きく、リッド部分とトレイとの間に締まり嵌めを形成する、実施例3による容器。
実施例22.
トレイの奥行きが、リッド部分の内部奥行きよりも0.2~0.4ミリメートル大きい、実施例21による容器。
実施例23.
トレイの奥行きが、リッド部分の内部奥行きよりも0.25~0.35ミリメートル大きい、実施例22による容器。
実施例24.
ボックス部分が、ボックス部分後部壁、ボックス部分底部壁、および第一および第二の対向するボックス部分側壁をさらに含む、実施例1~23のいずれかによる容器。
実施例25.
リッド部分が、リッド部分後部壁、および第一および第二の対向するリッド部分側壁を含む、実施例1~24のいずれかによる容器。
実施例26.
トレイが、トレイ前部壁、トレイ後部壁、および第一および第二の対向する内側トレイ側壁をさらに含む、実施例1~25のいずれかによる容器。
実施例27.
リッド部分およびボックス部分が、別個の層状ブランクから形成される、実施例1~26のいずれかによる容器。
実施例28.
リッド部分およびボックス部分が、単一の層状ブランクから形成され得る、実施例1~26のいずれかによる容器。
実施例28.
ヒンジ線が、単一の層状ブランク内に形成され得る、実施例28による容器。
実施例30.
ヒンジ線が、ボックス部分をリッド部分に接続する一つ以上の層状ブランクによって形成される、実施例3~27のいずれかによる容器。
実施例31.
ヒンジ線が形成される一つ以上の層状ブランクが、ボックス部分の後部壁およびリッド部分の後部壁に接着される、実施例30による容器。
実施例32.
ヒンジ線が形成される一つ以上の層状ブランクが、ボックス部分後部壁の外表面およびリッド部分の後部壁の外表面に接着された外側層状ブランクを含む、実施例31による容器。
実施例33.
ヒンジ線が形成される一つ以上の層状ブランクが、ボックス部分の後部壁の内表面およびリッド部分の後部壁の内表面に接着された内側層状ブランクを含む、実施例32による容器。
実施例34.
ヒンジ線が、ボックス部分の後部壁の一部分のみを横切って延びる、実施例3~33のいずれかによる容器。
実施例35.
ヒンジ線が、ボックス部分の後部壁の全長を横切って延びる、実施例3~33のいずれかによる容器。
実施例36.
トレイの第二の部分が、トレイの奥行きの方向に一定である高さを有する、実施例1~35のいずれかによる容器。
実施例37.
トレイが直方体の形状である、実施例36による容器。
実施例38.
トレイの第二の部分が、トレイの奥行きの方向に一定ではない高さを有する、実施例1~35のいずれかによる容器。
実施例39.
トレイの第二の部分が、トレイ前部壁に隣接した最大高さを有する、実施例38による容器。
実施例40.
一つ以上のさらなるトレイが、容器の区画内に配置される、実施例1~39のいずれかによる容器。
実施例41.
一つ以上のさらなるトレイが、ボックス部分内に存在する第一の部分、およびリッド部分内に存在する第二の部分を有する、実施例40による容器。
実施例42.
一つ以上のさらなるトレイが、少なくとも一部の消費財を支持するように構成される、実施例41による容器。
実施例43.
突出部が、トレイの前部壁の折り畳まれた縁である、実施例6~42のいずれかによる容器。
実施例44.
突出部が、トレイの底面に取り付けられたパネルの縁である、実施例6~42のいずれかによる容器。
【0060】
ここで本発明の実施形態を、添付図面を参照しながら、例証としてのみではあるが詳細に説明する。
【0061】
図1~5は、本発明の実施形態による容器10を示す。容器の固体壁は、容器10内の詳細が見えるように、これらの図中透明で示されている。容器10は、ボックス部分20と、ヒンジ線50によってボックス部分20に接続されたリッド部分40と、少なくとも一部の消費財14を支持するように構成された容器10内に受容されたトレイ60とを備える。さらなる消費財17は、トレイ60の下の空間18内に受容される。
【0062】
図1は、リッド部分40が閉位置にある、本発明の実施形態による容器10を示す。
【0063】
ボックス部分20は、ボックス部分底部壁21、ボックス部分前部壁22、ボックス部分後部壁23、第一のボックス部分側壁24、第二のボックス部分側壁25(図示せず)、および開口部31を含む上端30を含む。図6で最もよく分かるように、ボックス部分20の開口部31は、ボックス部分前部壁32の上端、ボックス部分後部壁33の上端、第一のボックス部分側壁34の上端、および第二のボックス部分側壁35の上端によって区切られる。
【0064】
リッド部分40は、ボックス部分後部壁23を横切って延びるヒンジ線50によってボックス部分20に接続される。リッド部分40は、リッド部分上部壁41、リッド部分前部壁42、リッド部分後部壁43、第一のリッド部分側壁44、および第二のリッド部分側壁45(図示せず)を含む。リッド部分40は、リッド部分がボックス部分の開口部を覆う閉位置と、ボックス部分20の開口部31が覆われない開位置との間でボックス部分20に対して移動可能である。リッド部分40は、図1では閉位置に配置されている。リッド部分40は、ボックス部分後部壁23上のヒンジ線50を中心に、閉位置と開位置との間で旋回することができる。リッド部分40は、リッド部分上部壁41がボックス部分20の上端30の開口部31と直角を成す時に、完全に開位置にあると見なされる。リッド部分40は、リッド部分後部壁43およびボックス部分後部壁23が実質的に平行である開位置へと180度旋回することができる。図1~3は、リッド部分が図1の閉位置と図3の完全開位置との間にある、開封の様々な段階におけるリッド部分40を示す。
【0065】
図1~5では、ヒンジ線50は、ボックス部分20をリッド部分40に接続する二つの層状ブランクによって形成される。ヒンジ線50が形成される二つの層状ブランクは、ボックス部分後部壁23およびリッド部分後部壁43に接着される。
【0066】
ヒンジ線50が形成される外側層状ブランク52は、ボックス部分後部壁23の外表面およびリッド部分後部壁43の外表面に接着される。
【0067】
ヒンジ線50が形成される内側層状ブランク54は、ボックス部分後部壁23の内表面およびリッド部分後部壁43の内表面に接着される。
【0068】
ボックス部分底部壁21は、容器10の底部壁を画定する。リッド部分上部壁41は、容器10の上部壁を画定する。ボックス部分前部壁22およびリッド部分前部壁42は共に、容器10の前部壁を画定する。ボックス部分後部壁23およびリッド部分後部壁43は共に、容器10の後部壁を画定する。第一のボックス部分側壁24および第二のボックス部分側壁25、および第一のリッド部分側壁44および第二のリッド部分側壁45は共に、容器10の第一および第二の側壁を画定する。
【0069】
容器10の前部壁、後部壁、第一および第二の側壁、上部壁および底部壁は、ボックス部分20およびリッド部分40内に消費財14を収容するための区画を画定する。リッド部分40が開位置にある時、消費者は、区画内に収容された消費財14にアクセスでき得る。
【0070】
容器10は、容器10の区画内に配置された消費財14の少なくとも一部を支持するように構成されたトレイ60をさらに備える。トレイ60は、少なくとも一部の消費財14を受容するように構成された陥凹した部分61を含む。トレイ60は、トレイ前部壁65、トレイ後部壁66、第一のトレイ側壁67、および第二のトレイの第二の側壁68(図示せず)を含む。消費財のための容器10の区画は、トレイ60を受容するように構成される。トレイ60は、トレイ62の第一の部分がボックス部分20の開口部31の下に存在し、トレイ64の第二の部分がボックス部分20の開口部31の上方に存在するように、区画内に配置される。容器10のリッド部分40が閉位置にある時、トレイの第二の部分64はリッド部分40内に受容される。
【0071】
トレイ64の第二の部分は、リッド部分40と摩擦係合して、リッド部分40を閉位置に保持するのに役立つ。トレイ64の第二の部分とリッド部分40との間の係合は、トレイ前部壁65とリッド部分前部壁42の内表面との間に生じる。
【0072】
容器10は、リッド部分40が閉位置から開位置へと移動するのに応答して、ボックス部分20に対するトレイ60の移動に対抗するために、トレイ62の第一の部分とボックス部分20との間に保持機構(図1~6には図示せず)を備える。保持機構は、ボックス部分の前部壁に隣接して位置する。図7および8を参照しながら、保持機構について、より詳細に説明する。
【0073】
保持機構は、リッド部分40が開位置にある時に、トレイ60がボックス部分開口部31を通して容器10から取り外し可能となるように分離することができる。
【0074】
さらなる消費財17を支持する第二のトレイ16は、トレイの下の空間18内の区画内に受容される。
【0075】
図4は、リッド部分40が開位置にあり、トレイ60がボックス部分20から部分的に取り外された、本発明の実施形態による容器10を示す。容器10は、トレイ60の後部が持ち上げられて示されている。この位置では、保持機構80は分離され、トレイ60をボックス部分20から取り外すことが可能である。
【0076】
図5は、リッド部分40が開位置にあり、トレイ60がボックス部分20から完全に取り外された、本発明の実施形態による容器10を示す。トレイ60がボックス部分20から取り外されると、トレイ60の下の空間18に容器10内に収容されたさらなる消費財14にアクセスすることができる。
【0077】
図6は、リッド部分40が開位置にあり、トレイ60がボックス部分20から部分的に取り外された、本発明の実施形態による容器10の斜視図を示す。図6は、トレイ60が図4におけるのと実質的に同じ位置にある、完全に開位置にあるリッド部分40を示す。消費財はこの図には示されていないが、少なくとも一部の消費財14を支持するためのトレイ60内の陥凹した部分61が示されている。トレイ60によって支持される消費財14を受容するための対応する陥凹部46が、リッド部分40内に示されている。
【0078】
図7は、本発明の第一の実施形態による保持機構780を示す。保持機構は、トレイ前部壁765上の突出部781と、ボックス部分前部壁722上の対応する係合縁782とを含む。突出部781は、トレイ前部壁765の下縁から延びる。対応する係合縁782は、ボックス部分前部壁722の内表面上にある。ボックス部分前部壁722の内表面は、第一のボックス部分前部壁パネル783および第二のボックス部分前部壁パネル784によって画定される。第一のボックス部分前部壁パネル783は、ボックス部分前部壁722の内表面の一部分のみにわたって延びる。ボックス部分前部壁722の内表面上の対応する係合縁782は、第一のボックス部分前部壁パネル783の縁である。保持機構780の係合縁782は、容器内にスロット785の一部を形成する。係合縁782は、スロット785の上縁786を形成する。さらなる消費財717を支持する第二のトレイ716は、トレイ760の下の区画内に受容される。第二のトレイ716の上面は、スロット785の下縁787を形成する。
【0079】
保持機構780は、リッド部分が閉位置から開位置へと移動するのに応答して、トレイ前部壁765上の突出部781がスロット785内に受容されて、ボックス部分720に対するトレイ760の移動に対抗する、係合した構成で示されている。
【0080】
図8は、本発明の第二の実施形態による保持機構880を示す。パネル888は、パネルの一部分がトレイ860から離れるように突出してトレイ860の突出部881を形成するように、トレイ860の底部に貼り付けられる。突出部881は、トレイ前部壁865の下縁から延びる。対応する係合縁882は、ボックス部分前部壁822の内表面上にある。保持機構880の係合縁882は、ボックス部分前部壁822の内表面上にスロット885の一部を形成する。ボックス部分前部壁822の内表面上のスロット885は、ボックス部分前部壁822のデボス加工された部分によって画定される。係合縁882は、このスロット885の上面を形成する。さらなる消費財817を支持する第二のトレイ816は、トレイ860の下の区画内に受容される。
【0081】
保持機構880は、リッド部分が閉位置から開位置へと移動するのに応答して、トレイ前部壁865上の突出部881がスロット885内に受容されて、ボックス部分820に対するトレイ860の移動に対抗する、係合した構成で示されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】