(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-13
(54)【発明の名称】WEE1キナーゼ阻害剤として有用なピリドピリミジン誘導体
(51)【国際特許分類】
C07D 471/04 20060101AFI20240606BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240606BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240606BHJP
A61P 35/04 20060101ALI20240606BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240606BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240606BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20240606BHJP
C12N 9/99 20060101ALN20240606BHJP
【FI】
C07D471/04 116
C07D471/04 CSP
A61P35/00
A61P35/02
A61P35/04
A61P43/00 121
A61K45/00
A61K31/519
A61P43/00 111
C12N9/99
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518956
(86)(22)【出願日】2022-06-03
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 US2022032203
(87)【国際公開番号】W WO2022256680
(87)【国際公開日】2022-12-08
(32)【優先日】2021-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523456951
【氏名又は名称】アプレラ セラピューティクス、インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ギラッド、オーレン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァッカ、ジョセフ
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB271
4C084ZC201
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB09
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC20
4C086ZC75
(57)【要約】
本開示は、化合物又はその薬学的に許容される塩、並びにWee1キナーゼを阻害し、例えば、対象における癌を処置するためにこれらの化合物を使用する方法を提供する。特許請求される化合物は、化合物(I)を含む。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式Iの化合物
【化1】
(式中、
R
1は、ハロ、C
1-6アルキル、C
3-8シクロアルキル、又はC
2-6アルケニルであり、
R
2は、H、C
1-6アルキル、又はC
3-8シクロアルキルである)、
又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
R
1は、ハロである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R
1は、クロロ、ブロモ、フルオロ、又はヨードである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
R
1は、クロロ又はブロモである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
R
1は、C
1-4アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
R
1は、メチル、エチル、n-プロピル、又はi-プロピルである、請求項1又は5に記載の化合物。
【請求項7】
R
1は、C
3-7シクロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
R
1は、シクロプロピルである、請求項1又は7に記載の化合物。
【請求項9】
R
1は、C
1-4アルケニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
R
1は、ビニル又はイソプロペニルである、請求項1又は9に記載の化合物。
【請求項11】
R
2は、C
1-6アルキルである、先行する請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
R
2は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、又はヘキシルである、先行する請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
R
2は、メチル、エチル、n-プロピル、又はi-プロピルである、先行する請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
R
2は、C
3-8シクロアルキルである、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
R
2は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシルである、請求項1~10又は14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
R
2は、シクロプロピルである、請求項1~10、14、又は15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
以下の式IIである、請求項1に記載の化合物、
【化2】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
【化3】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
【化4】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
以下の式IIIの化合物
【化5】
(式中、
R
2は、C
1-6アルキル又はC
3-8シクロアルキルである)、
又はその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
R
2は、Hである、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
R
2は、C
1-6アルキルである、請求項20に記載の化合物。
【請求項23】
R
2は、メチルである、請求項20に記載の化合物。
【請求項24】
R
5は、F、Cl、又はBr、例えばFである、請求項20~23のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項25】
【化6】
である請求項20に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項26】
以下の式IVaの化合物
【化7】
(式中、
R
1及びR
2は、独立して、H、メチル、エチル、又はプロピルであり、又は
R
1とR
2は、結合されて3-6員環を形成し、
R
3は、H、C
1-4アルキル又はC
3-6シクロアルキルであり、
R
4は、H、C
1-3アルキル、CF
3、-Oメチル、OCF
3、OCF
2H、CN、又はハロである)、
又はその薬学的に許容される塩。
【請求項27】
以下の式Vaの化合物
【化8】
(式中、
R
2は、H、メチル、エチル、又はプロピルであり、
R
3は、H、C
1-4アルキル又はC
3-6シクロアルキルであり、
R
4は、H、C
1-3アルキル、CF
3、-Oメチル、OCF
3、OCF
2H、CN、又はハロである)、
又はその薬学的に許容される塩。
【請求項28】
【化9】
である、請求項27に記載の化合物、
又はその薬学的に許容される塩。
【請求項29】
以下の式VIaの化合物
【化10】
(式中、
R
2は、H、メチル、エチル、又はプロピルであり、
R
3は、H、C
1-4アルキル又はC
3-6シクロアルキルであり、
R
4は、H、C
1-3アルキル、CF
3、-Oメチル、OCF
3、OCF
2H、CN、又はハロであり、
R
5及びR
6は、独立して、H、ハロ、又はC
1-6アルキルである)、
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1~56のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項30】
R
2は、Hである、請求項29に記載の化合物。
【請求項31】
R
3は、Hである、請求項29又は30に記載の化合物。
【請求項32】
R
3は、C
1-6アルキルである、請求項29又は30に記載の化合物。
【請求項33】
R
4は、Hである、請求項29~32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項34】
R
4は、メチルなどのC
1-6アルキルである、請求項29~32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項35】
R
5は、Fなどのハロである、請求項30~34のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項36】
R
5は、C
1-6アルキル、例えばメチルである、請求項30~34のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項37】
R
6は、Fなどのハロである、請求項30~36のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項38】
R
6は、C
1-6アルキル、例えばメチルである、請求項30~36のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項39】
【化11】
である請求項29に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項40】
以下の式VIIの化合物
【化12】
(式中、R
10は、H、OH、NH
2、NH(C
1-6アルキル)又はN(C
1-6アルキル)(C
1-6アルキル)である)、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項41】
R
10は、Hである、請求項40に記載の化合物。
【請求項42】
R
10は、OHである、請求項40に記載の化合物。
【請求項43】
R
10は、NH
2である、請求項40に記載の化合物。
【請求項44】
R
10は、NH(C
1-6アルキル)である、請求項40に記載の化合物。
【請求項45】
R
10は、N(C
1-6アルキル)(C
1-6アルキル)、例えばN(CH
3)
2である、請求項40に記載の化合物。
【請求項46】
【化13】
である、請求項40に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項47】
前記請求項のいずれか一項に記載の1つ以上の化合物と、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む医薬組成物。
【請求項48】
そのような処置を必要とする患者においてWee1を阻害する方法であって、請求項1~46のいずれか一項に記載の化合物又は組成物を患者に投与することを含む、方法。
【請求項49】
癌の処置を必要とする患者において癌を処置する方法であって、請求項1~46のいずれか一項に記載の化合物を前記患者に投与することを含む、方法。
【請求項50】
癌が、副腎皮質腫瘍、AIDS関連癌(例えば、AIDS関連リンパ腫)、肛門癌、虫垂癌、星状細胞腫、非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍、基底細胞腫、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳癌(例えば、膠芽腫)、乳癌、気管支癌、原発部位不明癌などの癌、カルチノイド腫瘍、去勢抵抗性前立腺癌、中枢神経系癌(例えば、中枢神経系非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍、中枢神経系胎児性腫瘍、中枢神経系リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫)、子宮頸癌、脊索腫、軟骨肉腫、慢性骨髄増殖性障害、結腸癌、結腸直腸癌、頭蓋咽頭腫、線維形成性円形細胞腫瘍、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、子宮内膜癌、上衣腫、食道癌、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外細胞腫瘍、肝外胆管癌、胆嚢癌、胃(胃)癌、消化管カルチノイド腫瘍、胃腸間質腫瘍、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍、神経膠腫、頭部癌、肝細胞(肝臓)癌、高悪性度前立腺癌、組織球増殖、下咽頭癌、カポジ肉腫、腎臓(腎臓)癌、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭癌、軟膜疾患、口唇癌、低悪性度前立腺癌、l白血病(例えば、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、有毛細胞白血病)、肺癌、リンパ腫(バーキットリンパ腫、中枢神経系リンパ腫、T細胞リンパ腫(例えば、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫)、中悪性度前立腺癌、髄芽腫、髄上皮腫、黒色腫、メルケル細胞癌、中皮腫、原発不明の転移性扁平上皮癌、口腔癌、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、骨髄増殖性障害、鼻腔又は鼻副鼻腔癌、頸部癌、鼻咽頭癌、頸部癌、神経芽細胞腫、眼癌、眼黒色腫、口腔癌、口咽頭癌、口腔癌、骨肉腫又は骨の悪性線維性組織球腫、骨肉腫又は悪性線維性組織球腫、卵巣癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣上皮癌、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓癌、乳頭腫症、副鼻腔又は鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、中分化の松果体実質腫瘍、松果体芽腫又はテント上原始神経外胚葉腫瘍、下垂体腫瘍、胸膜肺芽腫、妊娠癌、前立腺癌、直腸癌、腎盂癌、15番染色体上のNUT遺伝子が関与する気道癌、網膜芽腫、横紋筋芽細胞腫、唾液腺癌、肉腫、セザリー症候群、皮膚癌、皮膚癌、小腸癌、軟部組織肉腫、脊髄腫瘍、扁平上皮癌、原発不明の扁平上皮頸部癌、潜在性原発性テント上原始神経外胚葉腫瘍、精巣癌、咽喉癌、胸腺腫又は胸腺癌、甲状腺癌、腎盂又は尿管の移行細胞癌、小児のまれな癌、尿管癌、尿道癌、子宮肉腫、膣癌、外陰癌、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫)、ウィルムス腫瘍、又は女性の癌である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記癌は、乳癌、前立腺癌、膵臓癌、肺癌、結腸直腸癌、卵巣癌、肝臓癌、黒色腫、腎臓癌、中枢神経系癌、膠芽腫などの脳癌、白血病、又はリンパ腫である、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記化合物は、少なくとも1つの追加の治療剤と組み合わせて投与される、請求項49~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記少なくとも1つの更なる治療剤は、化学療法剤である、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記化学療法剤は、ブスルファン、メルファラン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、テモゾロミド、ベンダムスチン、シスプラチン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、カルボプラチン、カンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、ドキソルビシン、エピルビシン、アクラルビシン、ミトキサントロン、エリプチニウム、エトポシド、5-アザシチジン、ゲムシタビン、5-フルオロウラシル、メトトレキサート、5-フルオロ-2’-デオキシ-ウリジン、フルダラビン、ネララビン、アラ-C、プララトレキセート、ペメトレキセド、ヒドロキシ尿素、チオグアニン、コルヒチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル、イキサベピロン、カバジタキセル、ドセタキセル、カムパス、パニツムマブ、メタゾツズマブ、ナブツズマブ、ピムツズマブ、レモルツズマブ、ベバシズマブ、パルツズマブ、トラスツズマブ、セツキシマブ、オビヌツズマブ、オルファムズマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ、チエムツズマブ、トキシマブ、ベンツキシマブ、ダレムツズマブ、エルロツズマブ、T-DM1、オファツムマブ、ジヌツキシマブ、ブリナツモマブ、イピリムマ、アバスチン、トラスツズマブ、リツキシマブ、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ、アファチニブ、セリチニブ、アレチニブ、クリゾチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、ソラフェニブ、ニチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、パゾパニブ、テムシロリムス、エベロリムス、ボリノスタット、ロミデプシン、パノビノスタット、ベリノスタット、タモキシフェン、レトロゾール、フルベストラント、ミトグアゾン、オクトレオチド、レチノイン酸、三酸化ヒ素、ゾレドロン酸、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、イクサゾミブ、ビスモデギブ、ソニデギブ、デノスマブ、サリドマイド、レナリドマイド、ベネトクラックス、アルデスロイキン(組換えヒトインターロイキン-2)、シプリューセル-T(前立腺癌治療ワクチン)、パルボシクリブ、オラパリブ、ニラパリブ、ルカパリブ、タゾパリブ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
遺伝子WEE1によってコードされるキナーゼの活性を低下させる方法であって、前記キナーゼを阻害量の請求項1~46のいずれか一項に記載の化合物と接触させることを含む、方法。
【請求項56】
前記方法は、インビトロで実行される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記方法は、対象において実行される、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
それを必要とする対象においてWee1媒介性疾患を処置又は予防するための方法であって、有効量の請求項1~46のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグを前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項59】
前記疾患は、副腎皮質腫瘍、AIDS関連癌(例えば、AIDS関連リンパ腫)、肛門癌、虫垂癌、星状細胞腫、非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍、基底細胞腫、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳癌(例えば、膠芽腫)、乳癌、気管支癌、原発部位不明癌などの癌、カルチノイド腫瘍、去勢抵抗性前立腺癌、中枢神経系癌(例えば、中枢神経系非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍、中枢神経系胎児性腫瘍、中枢神経系リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫)、子宮頸癌、脊索腫、軟骨肉腫、慢性骨髄増殖性障害、結腸癌、結腸直腸癌、頭蓋咽頭腫、線維形成性円形細胞腫瘍、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、子宮内膜癌、上衣腫、食道癌、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外細胞腫瘍、肝外胆管癌、胆嚢癌、胃(胃)癌、消化管カルチノイド腫瘍、胃腸間質腫瘍、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍、神経膠腫、頭部癌、肝細胞(肝臓)癌、高悪性度前立腺癌、組織球増殖、下咽頭癌、カポジ肉腫、腎臓(腎臓)癌、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭癌、軟膜疾患、口唇癌、低悪性度前立腺癌、l白血病(例えば、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、有毛細胞白血病)、肺癌、リンパ腫(バーキットリンパ腫、中枢神経系リンパ腫、T細胞リンパ腫(例えば、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫)、中悪性度前立腺癌、髄芽腫、髄上皮腫、黒色腫、メルケル細胞癌、中皮腫、原発不明の転移性扁平上皮癌、口腔癌、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、骨髄増殖性障害、鼻腔又は鼻副鼻腔癌、頸部癌、鼻咽頭癌、頸部癌、神経芽細胞腫、眼癌、眼黒色腫、口腔癌、口咽頭癌、口腔癌、骨肉腫又は骨の悪性線維性組織球腫、骨肉腫又は悪性線維性組織球腫、卵巣癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣上皮癌、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓癌、乳頭腫症、副鼻腔又は鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、中分化の松果体実質腫瘍、松果体芽腫又はテント上原始神経外胚葉腫瘍、下垂体腫瘍、胸膜肺芽腫、妊娠癌、前立腺癌、直腸癌、腎盂癌、15番染色体上のNUT遺伝子が関与する気道癌、網膜芽腫、横紋筋芽細胞腫、唾液腺癌、肉腫、セザリー症候群、皮膚癌、皮膚癌、小腸癌、軟部組織肉腫、脊髄腫瘍、扁平上皮癌、原発不明の扁平上皮頸部癌、潜在性原発性テント上原始神経外胚葉腫瘍、精巣癌、咽喉癌、胸腺腫又は胸腺癌、甲状腺癌、腎盂又は尿管の移行細胞癌、小児のまれな癌、尿管癌、尿道癌、子宮肉腫、膣癌、外陰癌、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫)、ウィルムス腫瘍、又は女性の癌から選択される癌である、請求項58に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2021年6月4日に出願された米国特許仮出願第63/196,744号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、受容体タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤である化合物、及びこれらの化合物の使用方法に関する。特に、本発明は、1つ以上のキナーゼの機能的効果が上昇する1つ以上の状態、例えば、癌の処置又は予防におけるこのような化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
Wee1は、DNA損傷に応答してG細胞周期停止をもたらす、サイクリン依存性キナーゼ1結合サイクリンBの末端リン酸化及び不活性化に関与するタンパク質キナーゼのファミリーに属する。Wee1は、分裂酵母において最初に同定され、ここで、Wee1欠損は、より小さいサイズの酵母菌の未成熟有糸分裂進入及び複製をもたらした。Wee1は、チロシンの阻害性リン酸化に関与する主要なキナーゼである。Wee1は、Cdc2をリン酸化及び不活性化するチロシンキナーゼであり、Gチェックポイントシグナル伝達に関与する。より詳細には、Wee1は、G2-Mチェックポイントシグナル伝達に関与する。p53はGチェックポイントにおける重要な調節因子であるため、p53欠損腫瘍は、DNA損傷後のGチェックポイントのみに依存する。より詳細には、p53はG1-Sチェックポイントにおける重要な調節因子であるため、p53欠損腫瘍は、DNA損傷後のG2-Mチェックポイントのみに依存する。したがって、このような腫瘍は、Wee1阻害によってDNA損傷剤に対して選択的に感作される。
【0004】
細胞が有糸分裂を受ける前に、細胞は、G1-S、イントラS、及びG2-Mチェックポイントの厳密に制御されたカスケードを介して進行する。Wee1キナーゼは、重要なG2-Mチェックポイント調節因子として浮上している。このチロシンキナーゼは、チロシン-15(Y15)上のCdc2(サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1)のヒト相同体)の阻害性リン酸化を触媒することによって、有糸分裂への進入を負に調節する。これは、Cdc2/サイクリンB複合体の不活性化をもたらし、G2-Mにおいて細胞を停止させ、DNA修復を可能にする。このような阻害はまた、Cdc25ホスファターゼのChk1媒介性阻害を介して起こり、Cdc2上の阻害性リン酸化を除去する。したがって、有糸分裂に入ることは、Wee1及びChk1/Cdc25の反対の活性間のバランスに依存する。したがって、Wee1阻害は、G2-M停止を無効にし、細胞を早期有糸分裂へと推進することが予想され、小分子阻害剤又は小干渉RNAのいずれかによるWee1阻害が、有糸分裂への早期進入及びその結果としての有糸分裂死又はアポトーシスによる細胞死をもたらすことを実証する研究によって確認された仮説である。(S.Muller,J.Clinical.Oncology,2015)。
【0005】
Wee1は、肝細胞癌、乳癌、子宮頸癌、肺癌、扁平上皮癌、びまん性内在性橋膠腫(DIPG)、神経膠芽腫、髄芽腫、白血病、黒色腫、及び卵巣癌を含むいくつかの癌型において高度に発現される(P.Reiganら、Trends in Pharmacol.Sci.,2016)。
【0006】
臨床開発におけるWee1阻害剤はほとんど存在しないので、Wee1活性の阻害は、不完全な細胞周期チェックポイントを有する癌細胞の死を選択的に促進することができるため、Wee1阻害剤の選択性及び特定の癌型の標的化を可能にする阻害剤の特性を改善する必要がある。同時に、正常な細胞周期チェックポイントを有する正常細胞にはほとんど影響を及ぼさない。従って、Wee1阻害剤は、癌及び他の細胞増殖障害の処置のための標的薬物として使用され得る。
【0007】
本開示は、本明細書に開示される化合物(複数可)又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグを用いて、癌などの1つ以上のキナーゼの機能的効果が上昇する1つ以上の状態を治療、予防、又は管理するために使用するための化合物、並びに対象において、例えば、Wee1キナーゼを阻害し、例えば、癌を治療、予防、又は管理するためにこれらの化合物を使用する方法を提供する。
【0008】
本明細書に引用される全ての参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0009】
本開示は、本明細書に開示される化合物(複数可)又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグを用いて、癌などの1つ以上のキナーゼの機能的効果が上昇する1つ以上の状態を処置、予防又は管理するために使用するための化合物、並びに対象において例えばWee1キナーゼを阻害し、例えば癌を処置、予防又は管理するためにこれらの化合物を使用する方法を提供する。
【0010】
本開示は、以下の式Iの構造を有する化合物、
【0011】
【化1】
(式中、R
1は、ハロ、C
1-6アルキル、C
3-8シクロアルキル、又はC
2-6アルケニルであり、R
2は、H、C
1-6アルキル、又はC
3-8シクロアルキルである)又はその薬学的に許容される塩。本開示は、R
1がハロである化合物を提供する。本開示は、R
1がクロロ、ブロモ、フルオロ、又はヨードである化合物を提供する。本開示は、R
1がクロロ又はブロモである化合物を提供する。本開示は、R
1がC
1-4アルキルである化合物を提供する。本開示は、R
1がメチル、エチル、n-プロピル、又はi-プロピルである化合物を提供する。本開示は、R
1がC
3-7シクロアルキルである化合物を提供する。本開示は、R
1がシクロプロピルである化合物を提供する。本開示は、R
1がC
1-4アルケニルである化合物を提供する。本開示は、R
1がビニル又はイソプロペニルである化合物を提供する。本開示は、R
2がC
1-6アルキルである化合物を提供する。本開示は、R
2がメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、又はヘキシルである化合物を提供する。本開示は、R
2がメチル、エチル、n-プロピル、又はi-プロピルである化合物を提供する。本開示は、R
2がC
3-8シクロアルキルである化合物を提供する。本開示は、R
2がシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシルである化合物を提供する。本開示は、R
2がシクロプロピルである化合物を提供する。
【0012】
本開示は、以下の式IIの構造を有する化合物、
【0013】
【化2】
又はその薬学的に許容される塩である化合物を提供する。
【0014】
本開示は、以下の化合物、
【0015】
【化3】
又はその薬学的に許容される塩である化合物を提供する。
【0016】
本開示は、以下の式IIIの構造を有する化合物、
【0017】
【化4】
(式中、R
2は、H、C
1-6アルキル、又はC
3-8シクロアルキルである)、又はその薬学的に許容される塩を提供する。本開示は、R
2がHである化合物を提供する。本開示は、R
2がC
1-6アルキルである化合物を提供する。本開示は、R
2がメチルである化合物を提供する。
【0018】
本開示は、以下の式IVの構造を有する化合物、
【0019】
【化5】
(式中、R1、R2はH、メチル、エチル、又はプロピルであり、任意選択的に、R1及びR2は結合されて、3-6員環を形成し、R3は、C1-4小アルキル、又はC3-6シクロアルキル環であり、R4は、H、C1-3アルキル、CF3、Oメチル、OCF3、OCF2H、CN、又はハロである)、又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0020】
本開示は、式Vの構造を有する化合物
【0021】
【化6】
(式中、R2は、H、メチル、エチル、又はプロピルであり、R3は、C1-4小アルキル、又はC3-6シクロアルキル環であり、R4は、H、C1-3アルキル、CF3、Oメチル、OCF3、OCF2H、CN、又はハロである)、又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0022】
本開示は、以下の式VIの構造を有する化合物、
【0023】
【化7】
(式中、R2は、H、メチル、エチル、又はプロピルであり、R3は、C1-4小アルキル、又はC3-6シクロアルキル環であり、R4は、H、C1-3アルキル、CF3、Oメチル、OCF3、OCF2H、CN、又はハロである)、又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0024】
本開示はまた、以下の式VIaの化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0025】
【化8】
(式中、R
2~R
6は、本明細書で定義されている)。
【0026】
本開示は、以下の式VIIの化合物又はその薬学的に許容される塩を更に提供する。
【0027】
【0028】
本開示は、本明細書に開示される1つ以上の化合物と、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む医薬組成物を提供する。本開示は、そのような治療を必要とする患者においてWee1を阻害するための方法であって、本明細書に開示される化合物又は組成物を患者に投与することを含む方法を提供する。本開示は、そのような治療を必要とする患者において癌を治療する方法であって、本明細書に開示される化合物を患者に投与することを含む方法を提供する。本開示は、癌が、副腎皮質腫瘍、AIDS関連癌(例えば、AIDS関連リンパ腫)、肛門癌、虫垂癌、星状細胞腫、非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍、基底細胞腫、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳癌(例えば、膠芽腫)、乳癌、気管支癌、原発部位不明癌などの癌、カルチノイド腫瘍、去勢抵抗性前立腺癌、中枢神経系癌(例えば、中枢神経系非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍、中枢神経系胎児性腫瘍、中枢神経系リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫)、子宮頸癌、脊索腫、軟骨肉腫、慢性骨髄増殖性障害、結腸癌、結腸直腸癌、頭蓋咽頭腫、線維形成性円形細胞腫瘍、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、子宮内膜癌、上衣腫、食道癌、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外細胞腫瘍、肝外胆管癌、胆嚢癌、胃(胃)癌、消化管カルチノイド腫瘍、胃腸間質腫瘍、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍、神経膠腫、頭部癌、肝細胞(肝臓)癌、高悪性度前立腺癌、組織球増殖、下咽頭癌、カポジ肉腫、腎臓(腎臓)癌、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭癌、軟膜疾患、口唇癌、低悪性度前立腺癌、l白血病(例えば、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、有毛細胞白血病)、肺癌、リンパ腫(バーキットリンパ腫、中枢神経系リンパ腫、T細胞リンパ腫(例えば、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫)、中悪性度前立腺癌、髄芽腫、髄上皮腫、黒色腫、メルケル細胞癌、中皮腫、原発不明の転移性扁平上皮癌、口腔癌、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、骨髄増殖性障害、鼻腔又は鼻副鼻腔癌、頸部癌、鼻咽頭癌、頸部癌、神経芽細胞腫、眼癌、眼黒色腫、口腔癌、口咽頭癌、口腔癌、骨肉腫又は骨の悪性線維性組織球腫、骨肉腫又は悪性線維性組織球腫、卵巣癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣上皮癌、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓癌、乳頭腫症、副鼻腔又は鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、中分化の松果体実質腫瘍、松果体芽腫又はテント上原始神経外胚葉腫瘍、下垂体腫瘍、胸膜肺芽腫、妊娠癌、前立腺癌、直腸癌、腎盂癌、15番染色体上のNUT遺伝子が関与する気道癌、網膜芽腫、横紋筋芽細胞腫、唾液腺癌、肉腫、セザリー症候群、皮膚癌、皮膚癌、小腸癌、軟部組織肉腫、脊髄腫瘍、扁平上皮癌、原発不明の扁平上皮頸部癌、潜在性原発性テント上原始神経外胚葉腫瘍、精巣癌、咽喉癌、胸腺腫又は胸腺癌、甲状腺癌、腎盂又は尿管の移行細胞癌、小児のまれな癌、尿管癌、尿道癌、子宮肉腫、膣癌、外陰癌、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫)、ウィルムス腫瘍、又は女性の癌である、方法を提供する。
【0029】
本開示は、癌が、乳癌、前立腺癌、膵臓癌、肺癌、結腸直腸癌、卵巣癌、肝臓癌、黒色腫、腎臓癌、中枢神経系癌、神経膠芽腫などの脳癌、白血病、又はリンパ腫である方法を提供する。本開示は、化合物が少なくとも1つの追加の治療剤と組み合わせて投与される方法を提供する。本開示は、少なくとも1つの追加の治療剤が化学療法剤である方法を提供する。本開示は、当該化学療法剤が、ブスルファン、メルファラン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、テモゾロミド、ベンダムスチン、シスプラチン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、カルボプラチン、カンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、ドキソルビシン、エピルビシン、アクラルビシン、ミトキサントロン、エリプチニウム、エトポシド、5-アザシチジン、ゲムシタビン、5-フルオロウラシル、メトトレキサート、5-フルオロ-2’-デオキシ-ウリジン、フルダラビン、ネララビン、アラ-C、プララトレキセート、ペメトレキセド、ヒドロキシ尿素、チオグアニン、コルヒチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル、イキサベピロン、カバジタキセル、ドセタキセル、カムパス、パニツムマブ、メタゾツズマブ、ナブツズマブ、ピムツズマブ、レモルツズマブ、ベバシズマブ、パルツズマブ、トラスツズマブ、セツキシマブ、オビヌツズマブ、オルファムズマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ、チエムツズマブ、トキシマブ、ベンツキシマブ、ダレムツズマブ、エルロツズマブ、T-DM1、オファツムマブ、ジヌツキシマブ、ブリナツモマブ、イピリムマ、アバスチン、トラスツズマブ、リツキシマブ、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ、アファチニブ、セリチニブ、アレチニブ、クリゾチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、ソラフェニブ、ニチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、パゾパニブ、テムシロリムス、エベロリムス、ボリノスタット、ロミデプシン、パノビノスタット、ベリノスタット、タモキシフェン、レトロゾール、フルベストラント、ミトグアゾン、オクトレオチド、レチノイン酸、三酸化ヒ素、ゾレドロン酸、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、イクサゾミブ、ビスモデギブ、ソニデギブ、デノスマブ、サリドマイド、レナリドマイド、ベネトクラックス、アルデスロイキン(組換えヒトインターロイキン-2)、シプリューセル-T(前立腺癌治療ワクチン)、パルボシクリブ、オラパリブ、ニラパリブ、ルカパリブ、タゾパリブ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、方法を提供する。
【0030】
本開示は、遺伝子WEE1によってコードされるキナーゼの活性を低減するための方法であって、キナーゼを阻害量の本明細書に開示される化合物と接触させることを含む方法を提供する。本開示は、インビトロで実行される方法を提供する。本開示は、対象において実行される方法を提供する。本開示は、それを必要とする対象においてWee1媒介性疾患を処置又は予防するための方法であって、対象に有効量の本明細書に開示される化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグ、又はその医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。本開示は、疾患が、副腎皮質腫瘍、AIDS関連癌(例えば、AIDS関連リンパ腫)、肛門癌、虫垂癌、星状細胞腫、非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍、基底細胞腫、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳癌(例えば、膠芽腫)、乳癌、気管支癌、原発部位不明癌などの癌、カルチノイド腫瘍、去勢抵抗性前立腺癌、中枢神経系癌(例えば、中枢神経系非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍、中枢神経系胎児性腫瘍、中枢神経系リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫)、子宮頸癌、脊索腫、軟骨肉腫、慢性骨髄増殖性障害、結腸癌、結腸直腸癌、頭蓋咽頭腫、線維形成性円形細胞腫瘍、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、子宮内膜癌、上衣腫、食道癌、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外細胞腫瘍、肝外胆管癌、胆嚢癌、胃(胃)癌、消化管カルチノイド腫瘍、胃腸間質腫瘍、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍、神経膠腫、頭部癌、肝細胞(肝臓)癌、高悪性度前立腺癌、組織球増殖、下咽頭癌、カポジ肉腫、腎臓(腎臓)癌、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭癌、軟膜疾患、口唇癌、低悪性度前立腺癌、l白血病(例えば、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、有毛細胞白血病)、肺癌、リンパ腫(バーキットリンパ腫、中枢神経系リンパ腫、T細胞リンパ腫(例えば、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫)、中悪性度前立腺癌、髄芽腫、髄上皮腫、黒色腫、メルケル細胞癌、中皮腫、原発不明の転移性扁平上皮癌、口腔癌、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、骨髄増殖性障害、鼻腔又は鼻副鼻腔癌、頸部癌、鼻咽頭癌、頸部癌、神経芽細胞腫、眼癌、眼黒色腫、口腔癌、口咽頭癌、口腔癌、骨肉腫又は骨の悪性線維性組織球腫、骨肉腫又は悪性線維性組織球腫、卵巣癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣上皮癌、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓癌、乳頭腫症、副鼻腔又は鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、中分化の松果体実質腫瘍、松果体芽腫又はテント上原始神経外胚葉腫瘍、下垂体腫瘍、胸膜肺芽腫、妊娠癌、前立腺癌、直腸癌、腎盂癌、15番染色体上のNUT遺伝子が関与する気道癌、網膜芽腫、横紋筋芽細胞腫、唾液腺癌、肉腫、セザリー症候群、皮膚癌、皮膚癌、小腸癌、軟部組織肉腫、脊髄腫瘍、扁平上皮癌、原発不明の扁平上皮頸部癌、潜在性原発性テント上原始神経外胚葉腫瘍、精巣癌、咽喉癌、胸腺腫又は胸腺癌、甲状腺癌、腎盂又は尿管の移行細胞癌、小児のまれな癌、尿管癌、尿道癌、子宮肉腫、膣癌、外陰癌、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫)、ウィルムス腫瘍、又は女性の癌から選択される、方法を提供する。
【0031】
本開示は、本明細書に記載の適応症を予防及び/又は処置するための医薬の製造のための本開示の化合物及び組成物の使用を提供する。
【0032】
更なる実施形態によれば、本開示は、本明細書に記載の化合物及び医薬組成物の、医薬における使用、最も好ましくは、対象における、例えば本明細書に記載の疾患又は障害を処置するための医薬としての使用に有効な量での使用を提供する。
【0033】
更に別の実施形態によれば、本開示は、上記の医薬組成物、及び少なくとも1つの追加の治療剤の、医薬における使用、最も好ましくは、対象において、例えば、本明細書に記載の疾患又は疾患に関連する障害を処置するための医薬としての使用に有効な量での使用を提供する。
【0034】
本開示は、患者において本明細書に記載される疾患又は状態を処置及び/又は予防するための方法であって、本明細書に記載される当該疾患又は状態を処置及び/又は予防する必要がある患者を選択することと、治療有効量の本開示の組成物を患者に投与し、それによって当該患者における疾患を処置及び/又は予防することと、を含む。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本明細書中で使用される場合、用語「活性医薬成分」(「API」)又は「薬学的に活性な薬剤」は、本明細書中に開示されるように使用され得、そして疾患、病気、身体的損傷、又は病理学的症状を治癒、緩和、予防、又は診断するため、身体又は精神状況の状況、状態、又は機能を識別できるようにするため、ヒト又は動物の身体又は体液によって産生される活性物質を置換するために、病原体、寄生虫又は外因性物質に対して防御するか、それらを排除するか、又はそれらを無害にするか、あるいは身体又は精神状況の状況、状態又は機能に影響を及ぼすために、ヒト又は動物の身体において使用されることが意図される薬物又は薬剤である。使用されている薬物は、例えば、Rote Liste又はMerck Indexなどの参考文献に見出すことができる。
【0036】
「薬学的に許容される塩」とは、開示されている化合物の誘導体を指し、親化合物は、その酸性塩又は塩基塩を作製することによって修飾される。薬学的に許容される塩の例としては、限定はされないが、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩又は有機酸塩が含まれる。薬学的に許容される塩としては、例えば、非毒性無機酸又は有機酸から形成された従来の非毒性塩が挙げられる。例えば、このような従来の非毒性塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルホン酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸から誘導される塩、並びにアミノ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イソチオン酸等のような有機酸から調製される塩、並びに薬学において当業者に公知の他の塩が挙げられる。適切な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第18版(Alfonso R.Gennaro編;Mack Publishing Company,Easton,PA,1990);Remington:the Science and Practice of Pharmacy,第19版(Lippincott,Williams&Wilkins,1995);Handbook of Pharmaceutical Excipients,第3版(Arthur H.Kibbe編Amer.Pharmaceutical Assoc.,1999);Pharmaceutical Codex:Principles and Practice of Pharmaceutics,第12版(Walter Lund ed.Pharmaceutical Press,London,1994)。米国薬局方:The National Formulary(米国薬局方協会);及びGoodman and Gilman’s:the Pharmacological Basis of TherapeuticsLouis S.Goodman及びLee E.Limbird編,McGraw Hill,1992)などに見出され、これらの開示を参照により本明細書に組み込む。
【0037】
量は、本明細書で使用される場合、その量が対象において効果をもたらす場合、「有効」である。本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、本明細書に開示される利益を独立して又は組み合わせて含むプラスの利益を有意に誘導するのに十分であるが、重篤な副作用を回避するのに、すなわち、当業者の健全な判断の範囲内で妥当な利益対リスク比を提供するのに十分低い化合物又は組成物の量を意味する。当業者にとって、有効量、並びに投与量及び投与頻度は、彼らの知識及び本開示に基づく単なる日常的な実験の標準的な方法論に従って決定され得る。
【0038】
本明細書で使用される場合、「対象」及び「患者」という用語は互換的に使用される。本明細書中で使用される場合、用語「患者」とは、動物、好ましくは哺乳動物(例えば、非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラットなど)及び霊長類(例えば、サル及びヒト)、最も好ましくはヒト)を指す。いくつかの実施形態は、対象は、家畜(例えば、ウマ、ブタ、若しくはウシ)又はペット(例えば、イヌ若しくはネコ)などの非ヒト動物である。好ましい実施形態では、対象は、高齢のヒトである。別の実施形態では、対象は、ヒトである。別の実施形態では、対象は成人である。更に別の実施形態では、対象は、乳幼児である。
【0039】
本明細書中で使用される場合、「薬学的に許容される」という句は、連邦政府若しくは州政府の監督官庁によって承認されているか、又は米国薬局方、欧州薬局方、若しくは動物、より詳細にはヒトにおける使用のための他の一般的に認識されている薬局方に列挙されていることを意味する。
【0040】
本明細書で使用される場合、対象への療法の投与の文脈における「予防する」、「予防すること」及び「予防」という用語は、疾患若しくは状態の再発、発症及び/若しくは進行の予防若しくは阻害、又は療法の組み合わせ(例えば、予防剤若しくは治療剤の組み合わせ)を指す。
【0041】
本明細書で使用される場合、用語「療法」及び「療法」は、疾患若しくは状態、又はその1つ以上の症状の予防、治療及び/又は管理において使用することができる任意の方法(複数可)、組成物(複数可)、及び/又は薬剤(複数可)を指すことができる。
【0042】
本明細書で使用される場合、対象への療法の投与の文脈における「処置する」、「処置」、及び「処置すること」という用語は、疾患若しくは状態の進行及び/若しくは期間の低減若しくは阻害、疾患若しくは状態の重症度の低減若しくは改善、並びに/又は1つ以上の複数の療法の投与から生じるその1つ以上の症状の改善を指す。
【0043】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、記載された数値又は範囲と併せて使用される場合、当業者によって合理的にそれに帰せられる意味を有する、すなわち、記載された値又は範囲よりもいくらか多い又はいくらか少ないことを示す。
【0044】
活性薬剤
一態様では、以下の式Iの化学構造を有する化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグ、
【0045】
【化10】
(式中、R
1は、ハロ、C
1-6アルキル、C
3-8シクロアルキル又はC
2-6アルケニルであり、R
2は、H、C
1-6アルキル又はC
3-8シクロアルキルである)又はその薬学的に許容される塩;並びにWEE1キナーゼを阻害し、対象における癌を処置するためにこれらの化合物を使用する方法が提供される。更なる実施形態では、R
1は、ハロである。更なる実施形態では、R
1は、クロロ、ブロモ、フルオロ、又はヨードである。更なる実施形態では、R
1は、クロロ又はブロモである。更なる実施形態では、R
1は、C
1-4アルキルである。更なる実施形態では、R
1は、メチル、エチル、n-プロピル、又はi-プロピルである。他の実施形態では、R
1は、メチルである。更なる実施形態では、R
1は、C
3-7シクロアルキルである。更なる実施形態では、R
1は、シクロプロピルである。更なる実施形態では、R
1は、C
1-4アルケニルである。更なる実施形態では、R
1は、ビニル又はイソプロぺニルである。更に他の実施形態では、R
1は、ビニルである。更なる実施形態では、R
1は、イソプロぺニルである。他の実施形態では、R
2は、Hである。更なる実施形態では、R
2は、C
1-6アルキルである。更なる実施形態では、R
2は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、又はヘキシルである。更なる実施形態では、R
2は、メチル、エチル、n-プロピル、又はi-プロピルである。更なる実施形態では、R
2は、C
3-8シクロアルキルである。更なる実施形態では、R
2は、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシルである。更なる実施形態では、R
2は、シクロプロピルである。
【0046】
特定の実施形態では、本開示は、以下の式IIの構造を有する化合物、
【0047】
【化11】
又はその薬学的に許容される塩である化合物を提供する。この構造において、R
1はハロ、C
1-6アルキル、C
3-8シクロアルキル、又はC
2-6アルケニルであり、R
2はH、C
1-6アルキル、又はC
3-8シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R
1は、ハロである。更なる実施形態では、R
1は、クロロ、ブロモ、フルオロ、又はヨードである。他の実施形態では、R
1は、クロロ又はブロモである。更に他の実施形態では、R
1は、C
1-4アルキルである。更に他の実施形態では、R
1は、メチル、エチル、n-プロピル、又はi-プロピルである。更なる実施形態では、R
1は、メチルである。他の実施形態では、R
1は、C
3-7シクロアルキルである。更に他の実施形態では、R
1は、シクロプロピルである。更に他の実施形態では、R
1は、C
1-4アルケニルである。更なる実施形態では、R
1は、ビニル又はイソプロぺニルである。他の実施形態では、R
1は、ビニルである。更なる実施形態では、R
1は、イソプロぺニルである。
【0048】
特定の実施形態では、本開示は、以下の式IIaの構造を有する化合物、
【0049】
【化12】
又はその薬学的に許容される塩である化合物を提供する。この構造において、R
1はハロ、C
1-6アルキル、C
3-8シクロアルキル、又はC
2-6アルケニルであり、R
2はH、C
1-6アルキル、又はC
3-8シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R
1は、ハロである。更なる実施形態では、R
1は、クロロ、ブロモ、フルオロ、又はヨードである。他の実施形態では、R
1は、クロロ又はブロモである。更に他の実施形態では、R
1は、C
1-4アルキルである。更に他の実施形態では、R
1は、メチル、エチル、n-プロピル、又はi-プロピルである。更なる実施形態では、R
1は、メチルである。他の実施形態では、R
1は、C
3-7シクロアルキルである。更なる実施形態では、R
1は、シクロプロピルである。更に他の実施形態では、R
1は、C
1-4アルケニルである。更なる実施形態では、R
1は、ビニル又はイソプロぺニルである。他の実施形態では、R
1は、ビニルである。更なる実施形態では、R
1は、イソプロペニルである。
【0050】
特定の実施形態では、本開示は、式IIIの構造を有する化合物
【0051】
【化13】
又はその薬学的に許容される塩を提供する(式中、R
2は、H、C
1-6アルキル、又はC
3-8シクロアルキルである)。特定の実施形態では、R
2は、Hである。特定の実施形態では、R
2は、C
1-6アルキル、又はその薬学的に許容される塩である。特定の実施形態では、R
2は、メチルである。
【0052】
特定の実施形態では、本開示は、以下の式IVの構造を有する化合物、
【0053】
【化14】
又はその薬学的に許容される塩を提供する(式中、R1、R2は、H,Me、Et、Prであり、任意選択的に、R1及びR2は結合されて、3-6員環を形成し、R3は、C1-4小アルキル、C3-6シクロアルキル環であり、R4は、H、C1-3アルキル、CF3、OMe、OCF3、OCF2H、CN、ハロである)。
【0054】
特定の実施形態では、本開示は、以下の式IVaの化合物、
【0055】
【化15】
又はその薬学的に許容される塩である化合物を提供する。この式において、R
1及びR
2は、独立して、H、メチル、エチル、又はプロピルであり、又は、R
1とR
2は、一緒に結合されて3-6員環を形成し、R
3は、C
1-4アルキル又はC
3-6シクロアルキルであり、R
4は、H、C
1-3アルキル、CF
3、メトキシ、OCF
3、OCF
2H、CN、又はハロである。いくつかの実施形態では、R
1及び/又はR
2はHである。他の実施形態では、R
1及び/又はR
2はメチルである。更なる実施形態では、R
1及び/又はR
2は、エチルである。更に他の実施形態では、R
1及び/又はR
2は、プロピルである。更なる実施形態では、R
1及びR
2は、一緒に結合して3-6員環を形成する。他の実施形態では、R
1及びR
2は、一緒に結合してシクロプロピル基を形成する。更なる実施形態では、R
3は、メチル、エチル、プロピル、又はブチルなどのC
1-4アルキルである。更に他の実施形態では、R
3は、シクロプロピルなどのC
3-6シクロアルキルである。更なる実施形態では、R
4はHである。他の実施形態では、R
4はメチルなどのC
1-3アルキルである。更なる実施形態では、R
4は、CF
3である。更に他の実施形態では、R
4は、メトキシである。更なる実施形態では、R
4は、OCF
3である。他の実施形態では、R
4は、OCF
2Hである。更なる実施形態では、R
4は、CNである。更に他の実施形態では、R
4は、フルオロ、クロロ、又はブロモなどのハロである。
【0056】
特定の実施形態では、本開示は、以下の式Vの構造を有する化合物、
【0057】
【化16】
又はその薬学的に許容される塩を提供する(式中、R2は、H、Me、Et、Pr、R3は、C1-4小アルキル、C3-6シクロアルキル環であり、R4は、H、C1-3アルキル、CF3、OMe、OCF3、OCF2H、CN、ハロである)。
【0058】
特定の実施態様において、本開示は、以下の式Vaの化合物、
【0059】
【化17】
又はその薬学的に許容される塩を提供する(式中、R
2は、H、メチル、エチル、又はプロピルであり、R
3は、C
1-4アルキル又はC
3-6シクロアルキルであり、R
4は、H、C
1-3アルキル、CF
3、メトキシ、OCF
3、OCF
2H、CN、又はハロである)。いくつかの実施形態では、R
2は、Hである。他の実施形態では、R
2は、メチルである。更なる実施形態では、R
2は、エチルである。他の実施形態では、R
2は、プロピルである。更なる実施形態では、R
3は、メチル、エチル、プロピル、又はブチルなどのC
1-4アルキルである。更に他の実施形態では、R
3は、シクロプロピルなどのC
3-6シクロアルキルである。更なる実施形態では、R
4はHである。他の実施形態では、R
4はメチルなどのC
1-3アルキルである。更なる実施形態では、R
4は、CF
3である。更に他の実施形態では、R
4は、メトキシである。更なる実施形態では、R
4は、OCF
3である。他の実施形態では、R
4は、OCF
2Hである。更なる実施形態では、R
4は、CNである。更に他の実施形態では、R
4は、フルオロ、クロロ、又はブロモなどのハロである。
【0060】
特定の実施形態では、本開示は、以下の式VIの構造を有する化合物、
【0061】
【化18】
又はその薬学的に許容される塩を提供する(式中、R2は、H、Me、Et、Pr、R3は、C1-4小アルキル、C3-6シクロアルキル環であり、R4は、H、C1-3アルキル、CF3、OMe、OCF3、OCF2H、CN、ハロである)。
【0062】
他の実施形態では、本開示は、以下の式VIbの化合物、
【0063】
【化19】
又はその薬学的に許容される塩を提供する(式中、R
2は、H、メチル、エチル、又はプロピルであり、R
3は、C
1-4アルキル又はC
3-6シクロアルキルであり、R
4は、H、C
1-3アルキル、CF
3、メトキシ、OCF
3、OCF
2H、CN、又はハロである)。いくつかの実施形態では、R
2は、Hである。他の実施形態では、R
2は、メチルである。更なる実施形態では、R
2は、エチルである。他の実施形態では、R
2は、プロピルである。更なる実施形態では、R
3は、メチル、エチル、プロピル、又はブチルなどのC
1-4アルキルである。更に他の実施形態では、R
3は、シクロプロピルなどのC
3-6シクロアルキルである。更なる実施形態では、R
4はHである。他の実施形態では、R
4はメチルなどのC
1-3アルキルである。更なる実施形態では、R
4は、CF
3である。更に他の実施形態では、R
4は、メトキシである。更なる実施形態では、R
4は、OCF
3である。他の実施形態では、R
4は、OCF
2Hである。更なる実施形態では、R
4は、CNである。更に他の実施形態では、R
4は、フルオロ、クロロ、又はブロモなどのハロである。
【0064】
更なる実施形態では、本開示は、以下の式VIaの化合物、
【0065】
【化20】
又はその薬学的に許容される塩を提供する(式中、R
2は、H、メチル、エチル、又はプロピルであり、R
3は、H、C
1-4アルキル又はC
3-6シクロアルキルであり、R
4は、H、C
1-3アルキル、CF
3、メトキシ、OCF
3、OCF
2H、CN、又はハロであり、R
5及びR
6は、独立して、H、ハロ、又はC
1-6アルキルである)。いくつかの実施形態では、R
2は、Hである。他の実施形態では、R
2は、メチルである。更なる実施形態では、R
2は、エチルである。他の実施形態では、R
2は、プロピルである。更なる実施形態では、R
3は、C
1-4アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、又はブチルである。他の実施形態では、R
3は、C
3-6シクロアルキルである。更なる実施形態では、R
4はHである。他の実施形態では、R
4はメチルなどのC
1-3アルキルである。更なる実施形態では、R
4は、CF
3である。更に他の実施形態では、R
4は、メトキシである。更なる実施形態では、R
4は、OCF
3である。他の実施形態では、R
4は、OCF
2Hである。更なる実施形態では、R
4は、CNである。更に他の実施形態では、R
4は、フルオロ、クロロ、又はブロモなどのハロである。更なる実施形態では、R
5及び/又はR
6はHである。他の実施形態では、R
5及び/又はR
6は、フルオロ、クロロ、若しくはブロモなどのハロ、又はフルオロなどのハロである。更なる実施形態では、R
5及び/又はR
6は、C
1-6アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、若しくはブチル、又は例えばメチルである。
【0066】
他の実施形態では、本開示は、以下の式IVIIの化合物、
【0067】
【化21】
又は薬学的に許容される塩を提供する(式中、R
10は、H、OH、NH
2、NH(C
1-6アルキル)、又はN(C
1-6アルキル)(C
1-6アルキル)である)。いくつかの実施形態では、R
10はHである。他の実施形態では、R
10はOHである。更なる実施形態では、R
10は、NH
2である。更に他の実施形態では、R
10は、NH(C
1-6アルキル)である。なお更なる実施形態では、R
10は、N(C
1-6アルキル)(C
1-6アルキル)、例えばN(CH
3)
2である。
【0068】
本開示の更なる実施形態は、表1に示される化合物、又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
例示的な実施形態では、本明細書に開示される製剤は、本明細書に開示される活性剤を、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、約75%、及び約80%の濃度で含み得る。例示的な実施形態では、本明細書に開示される製剤は、約1~約20%、約5%~約25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、約63.13%、及び約40%~約64%w/wの濃度で活性剤を含み得る。
【0084】
本明細書に開示される例示的な製剤において、本明細書に開示される活性剤は、製剤の総重量の約1重量%~75重量%、好ましくは2重量%~30重量%、より好ましくは5重量%~20重量%に相当する。
【0085】
他の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、薬学的に適合する担体、結合剤、粘度調整剤、充填剤、懸濁化剤、香味剤、甘味剤、崩壊剤、表面活性剤、防腐剤、滑沢剤、着色剤、賦形剤、可溶化剤、湿潤剤、安定剤、湿潤剤、抗粘着剤、傍細胞活性化剤、消泡剤、抗酸化剤、キレート剤、抗真菌剤、抗菌剤、又はそれらの1つ以上の組み合わせなどの1つ以上の追加の材料を更に含む。
【0086】
医薬剤形
本明細書に開示される化合物及び組成物は、医薬組成物の形態、例えば、医薬剤形、例えば、ミニカプセル、カプセル、錠剤、インプラント、トローチ、ロゼンジ(ミニ錠剤)、一時的又は永久的懸濁液、オビュール(ovule)、坐剤、ウエハース、チュアブル錠、急速又は急速溶解錠、発泡錠、顆粒、フィルム、スプリンクル、ペレット、ビーズ、丸剤、粉末、粉薬、小板、ストリップ、又はサッシェで提供され得る。組成物はまた、例えばヨーグルト又はフルーツジュースと混合されて飲み込まれた後に投与され得るか、又はドリンク若しくは飲料と共に投与され得る。これらの形態は当技術分野で周知であり、適切に包装される。組成物は、経口又は直腸送達用に製剤化することができる。
【0087】
本発明に従って経口投与のために調製され、そして直接圧縮を使用して製造される錠剤は、一般的に、他の不活性添加剤(例えば、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、充填剤、安定剤、界面活性剤、着色剤など)を含む。結合剤は、錠剤に凝集性を付与するために使用され、したがって、圧縮後に錠剤が無傷のままであることを確実にする。適切な結合剤材料としては、デンプン(トウモロコシデンプン及びアルファ化デンプンを含む)、ゼラチン、糖(スクロース、グルコース、デキストロース及びラクトースを含む)、ポリエチレングリコール、ワックス、並びに天然及び合成ゴム、例えば、アカシアアルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系ポリマー(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、微結晶性セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどを含む)、及びVeegumが挙げられるが、これらに限定されない。滑沢剤は、錠剤製造を容易にし、粉末流動を促進し、圧力が解放されたときの粒子キャッピング(すなわち、粒子破壊)を防止するために使用される。有用な滑沢剤は、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、及び水素化植物油(好ましくは、約1重量%~5重量%、最も好ましくは約2重量%未満のステアリン酸及びパルミチン酸の水素化及び精製トリグリセリドからなる)である。滑沢剤は、例えば、約0.25重量%~約3重量%、0.5重量%~約2.0重量%、約0.75%~約1.5%の濃度で存在し得る。
【0088】
崩壊剤は、錠剤の崩壊を促進するために使用され、それによって溶解速度に対して浸食速度を増加させ、一般的にデンプン、粘土、セルロース、アルギン、ガム、又は架橋ポリマー(例えば、架橋ポリビニルピロリドン)である。充填剤としては、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アルミナ、タルク、カオリン、粉末セルロース、及び微結晶性セルロースなどの材料、並びにマンニトール、尿素、スクロース、ラクトース、ラクトース一水和物、デキストロース、塩化ナトリウム、及びソルビトールなどの可溶性材料が挙げられる。可溶化剤自体、乳化剤、及び錯化剤(例えば、シクロデキストリン)を含む溶解促進剤もまた、本製剤に有利に含まれ得る。当技術分野で周知の安定剤は、例として酸化反応を含む薬物分解反応を阻害又は遅延させるために使用される。崩壊剤は、例えば、約0.25重量%~約3重量%、0.5重量%~約2.0重量%、約0.75%~約1.5%の濃度で存在し得る。
【0089】
シェラックは、精製ラックとも呼ばれ、昆虫の樹脂状分泌物から得られる精製生成物である。このコーティングは、pH>7の媒体に溶解する。
【0090】
着色剤、粘着防止剤、界面活性剤、消泡剤、滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロースなどの安定剤、酸/塩基を可塑剤の他にコーティングに添加して、コーティング材料を可溶化又は分散させ、コーティング性能及びコーティングされた製品を改善し得る。
【0091】
本明細書に開示される方法を実施する際に、本開示の組成物は、イヌ、ネコ、ヒトなどの哺乳動物種に投与され得、したがって、錠剤、カプセル、又はエリキシル剤などの従来の全身投与剤形に組み込み得る。上記剤形はまた、必要な担体材料、賦形剤、粘度調整剤、滑沢剤、緩衝剤、抗菌剤、増量剤(マンニトールなど)、抗酸化剤(アスコルビン酸、重硫酸ナトリウム)などを含む。
【0092】
投与される用量は、患者の年齢、体重及び状態、並びに投与経路、剤形及びレジメン並びに所望の結果に従って注意深く調整され得る。
【0093】
本開示の組成物は、1日1~4回の単回用量若しくは分割用量の剤形で投与されてもよく、又は1日複数回投与されてもよい。患者を低用量の組合せで開始し、徐々に高用量の組合せにすることが賢明であり得る。
【0094】
種々のサイズの錠剤(例えば、総重量約2~2000mgの錠剤)が調製され得、この錠剤は、1つ以上の活性成分を含み、残りは、許容される実施に従う他の物質の生理学的に許容される担体である。ゼラチンカプセルも同様に製剤化することができる。
【0095】
液体製剤はまた、活性物質の1つ又は組み合わせを、投与に許容される従来の液体ビヒクルに溶解又は懸濁して、例えば茶さじ1~4杯の所望の投与量を提供することによって調製することができる。
【0096】
剤形は、例えば、1日当たり1回、2回、3回、4回、5回、6回、又は他の複数回用量のレジメンで患者に投与することができる。
【0097】
投薬スケジュールをより細かく調節するために、活性薬剤は、個々の投薬単位で別々に、同時に、又は慎重に調整された時間に投与され得る。それぞれの物質は、本明細書に記載されるものと同様の様式で、別個の単位剤形で個々に製剤化することができる。
【0098】
組成物を製剤化する際に、本明細書に記載される量の活性薬剤は、特定のタイプの単位剤形において、生理学的に許容されるビヒクル、担体、賦形剤、結合剤、粘度調整剤、保存剤、安定剤、香料などと共に、許容される慣行に従って配合され得る。
【0099】
カプセルとして製剤化される場合、カプセルは、硬ゼラチンカプセル若しくは軟ゼラチンカプセル、デンプンカプセル、セルロースカプセル、又は多粒子系であり得る。多粒子系は、複数の薬物担持球体に基づく剤形からなり、これは、コア、通常は直径約0.8mmの糖-デンプン混合物球体上に、十分なレベルに達するまで薬物を層にし、次いで薬物担持球体の周囲に薬物放出バリアを提供することによって調製され得る。薬物担持球体はまた、薬物及び賦形剤の混合物を湿潤塊にし、湿潤塊を穿孔スクリーンに押し通して短いストランドを形成し、これを乾燥前に球状化装置で丸め、薬物放出バリアを適用することによって作製することができる。薬物放出バリアは、カルナウバワックス若しくはグリセリル脂肪酸エステルなどのワックス、又はエチルセルロースとヒドロキシプロピルメチルセルロースとの混合物などのポリマーバリアであり得る。これらは、1日当たりミリグラムから数百ミリグラム未満の単位の用量を有する中程度に可溶性の薬物に対して良好に機能する。多粒子系は、それらを錠剤に圧縮しようとする際にそのような粒子に引き起こされる損傷のために、通常、単位剤形を提供するためにカプセルに充填される。単一ユニットに含有される総用量は、容易に嚥下可能なサイズの硬ゼラチンカプセル中に可能な充填量によって制約され、通常、数百ミリグラム以下である。カプセルに限定されないが、そのような剤形は、例えば、シールコーティング、腸溶コーティング、持続放出コーティング、又は標的化遅延放出コーティングで更にコーティングすることができる。これらの様々なコーティングは当技術分野で公知であるが、明確にするために、シールコーティング、又は隔離層を有するコーティングの簡単な説明を提供する。厚さ20ミクロンまでの薄層は、粒子多孔性の低減、粉塵の低減、化学的保護、味の遮蔽、臭気の低減、胃腸刺激の最小化などを含む様々な理由のために適用することができる。隔離効果は、コーティングの厚さに比例する。水溶性セルロースエーテルがこの用途には好ましい。HPMC及びエチルセルロースの組み合わせ、又はEUDRAGIT(登録商標)E100は、味マスキング用途に特に好適であり得る。他の場所に列挙される従来の腸溶コーティング材料もまた、隔離層を形成するために適用され得る。
【0100】
本開示の制御放出活性剤製剤の経口剤形は、多粒子製剤又は錠剤の形態とすることができる。本明細書で使用される「多粒子」という用語は、離散粒子、ペレット、ミニ錠剤及びそれらの混合物又は組合せを含む。本開示による多粒子経口剤形は、異なるインビボ及び/又はインビトロ放出特性を有する粒子、ペレット、又はミニ錠剤の2つ以上の集団のブレンドを含むことができる。例えば、多粒子経口剤形は、適切なカプセル、例えば硬又は軟ゼラチンカプセル中に含有された即時放出成分及び制御放出成分のブレンドを含むことができる。多粒子製剤がカプセルに充填される場合、カプセルを嚥下することによって、又は当該カプセルを開いて内容物を食物に振りかけることによって投与され得る。あるいは、多粒子はサシェ中に存在してもよい。
【0101】
粒子及び1つ以上の補助賦形剤材料は、多層錠剤などの錠剤形態に圧縮することができる。典型的には、多層錠剤は、同じ若しくは異なる放出特性を有する同じ活性成分の同じ若しくは異なるレベルを含有し得るか、又は各層中に異なる活性成分を含有し得る2つの層を含み得る。このような多層錠剤は、更なる制御放出特性を提供するために、制御放出ポリマーで任意選択的にコーティングされ得る。
【0102】
上記のように、本開示の活性剤製剤及び経口剤形は、例えば、希釈剤、滑沢剤、界面活性剤、崩壊剤、可塑剤、粘着防止剤、不透明化剤、顔料、香味料などの補助賦形剤を含み得る。当業者によって理解されるように、賦形剤及びそれらの相対量の正確な選択は、制御放出活性剤製剤が組み込まれる最終経口剤形にある程度依存する。
【0103】
適切な希釈剤としては、例えば、薬学的に許容される不活性充填剤(例えば、微結晶性セルロース、ラクトース、第二リン酸カルシウム、糖類、及び/又は上記のいずれかの混合物)が挙げられる。希釈剤の例としては、Avicelの商標で販売されているものなどの微結晶セルロース、例えば、Avicel pH101、Avicel pH102、Avicel pH112、Avicel pH200、Avicel pH301、Avicel pH302;ラクトース、例えばラクトース一水和物、ラクトース無水物、及びPharmatose DCL21(Pharmatoseは商標である)(無水物、一水和物、及び噴霧乾燥形態を含む);第二リン酸カルシウム、例えばEmcompress(Emcompressは商標である);マンニトール;デンプン;ソルビトール;スクロース;及びグルコースが挙げられる。圧縮される粉末の流動性に作用する薬剤を含む適切な滑沢剤は、例えば、Aerosil 200などのコロイド状二酸化ケイ素;タルク;ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、及びステアリルフマル酸ナトリウムである。好適な崩壊剤としては、例えば、軽度に架橋したポリビニルピロリドン、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン及び加工デンプン、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、並びにこれらの組み合わせ及び混合物が挙げられる。
【0104】
本開示の更なる態様によれば、粒子のブレンドを含む経口投与のための制御放出活性剤製剤が提供される。本開示の更なる態様によれば、有効な治療血中レベルの迅速な達成を確実にするために、活性剤又は薬学的に許容されるその塩の即時放出形態と混合された、上記で定義された粒子のブレンドを含む、経口投与のための制御放出活性剤製剤が提供される。好ましくは、活性薬剤の即時放出形態は、当該速度制御膜を含まない、先に定義したペレットを含む。
【0105】
持続又は遅延放出コーティングは、長期間にわたる送達をもたらすように設計される。持続又は遅延放出コーティングは、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アクリル酸エステル、又はカルボキシメチルセルロースナトリウムから形成されるpH非依存性コーティングである。コーティング材料及び/又はコーティング厚の選択に応じて、小腸及び大腸の両方への送達、小腸のみへの送達、又は大腸のみへの送達を達成するために、様々な持続放出又は遅延放出剤形を当業者が容易に設計することができる。
【0106】
腸溶コーティングは、担体又は組成物に適用されるか、組み合わせられるか、混合されるか、又は他の方法で添加される許容される賦形剤の混合物である。コーティングは、担体又は組成物の圧縮又は成形又は押出錠剤、ゼラチンカプセル、及び/又はペレット、ビーズ、顆粒、又は粒子に適用され得る。コーティングは、水性分散液を介して、又は適切な溶媒に溶解した後に適用され得る。
【0107】
本明細書に開示される組成物の剤形は、腸溶コーティングされた遅延放出経口剤形として、すなわち、下部胃腸管における放出に影響を及ぼす腸溶コーティングを利用する、本明細書に記載される組成物の経口剤形として製剤化することもできる。腸溶コーティングされた剤形は、活性成分及び/又は他の組成物成分の顆粒、ペレット、ビーズ、又は粒子を含有する圧縮又は成形又は押出錠剤/型(コーティングされた又はコーティングされていない)であってもよく、これらはそれ自体コーティングされているか、又はコーティングされていない。腸溶コーティングされた経口剤形は、固体担体又は組成物のペレット、ビーズ、又は顆粒を含有するカプセル(コーティング又は非コーティング)であってもよく、それら自体がコーティングされているか、又はコーティングされていない。
【0108】
遅延放出コーティング組成物は、ポリマー材料、例えば、セルロースブチレートフタレート、セルロース水素フタレート、セルロースプロピオネートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート、ジオキシプロピルメチルセルローススクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、アクリル酸、メタクリル酸、及び/又はそれらのエステルから形成されるポリマー及びコポリマーを含む。本明細書における好ましい腸溶コーティングは、Rohm Tech,Inc.(マサチューセッツ州マルデン)から市販されているタイプA、B、又はCのメタクリル酸コポリマー、及びEastman Fine Chemicals(テネシー州キングスポート)から市販されている酢酸フタル酸セルロースラテックスの水性分散液から構成される。
【0109】
新形成
本開示は、そのような処置又は予防を必要とする患者において新生物を処置及び/又は予防するための方法であって、治療有効量の本明細書に開示される化合物(複数可)又は組成物(複数可)、それらの組み合わせ、及びそれらの薬学的に許容される塩を、任意選択で、例えば、新生物治療剤と組み合わせて患者に投与することを含む方法を提供する。本明細書で使用される「新形成」という用語は、腫瘍、増殖性疾患、悪性腫瘍及びそれらの転移も指す。癌疾患の例としては、例えば、癌腫、肉腫、リンパ種若しくは白血病細胞、胚細胞性腫瘍、芽腫、又は他の癌が挙げられる。癌としては、限定されるものではないが、上皮新生物、扁平上皮新生物、扁平上皮癌、基底細胞新生物、基底細胞癌、移行上皮癌及び癌、腺腫及び腺癌(腺)、腺腫、腺癌、スキルスインスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、ビポーマ、胆管癌、肝細胞癌、腺様嚢胞癌、付属器類癌腫、プロラクチン産生腺腫、膨大細胞腫、ヒュルトレ細胞腺腫、腎細胞癌、グラウィッツ腫瘍、多重内分泌腺腫、類内膜腺腫、付属器及び皮膚付属器新生物、粘膜表皮新生物、嚢胞、粘液及び漿液性新生物、嚢胞腺腫、腹膜偽粘液腫、管、小葉及び髄様新生物、腺房細胞新生物、複合上皮新生物、ワルシ腫瘍、胸腺腫、特殊性腺新生物、性索間質性腫瘍、莢膜腫、顆粒膜細胞腫、卵巣男性胚細胞腫、セルトリ・ライディック細胞腫、腺房腫瘍、傍神経節腫、褐色細胞腫、グロームス腫瘍、母斑及び黒色腫、メラニン細胞性母斑、悪性黒色腫、黒色腫、結節性黒色腫、異形成性母斑、悪性ほくろ黒色腫、表在拡大性黒色腫、並びに悪性末端黒子性黒色腫を含む。肉腫には、限定されるものではないが、アスキン腫瘍、ブドウ状肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性血管腫、悪性シュワン細胞腫、骨肉腫、軟部組織肉腫(肺胞軟部肉腫、血管肉腫、葉状嚢肉腫、皮膚線維肉腫、デスモイド腫瘍、デスモプラスチック小円形細胞腫瘍、上皮様肉腫、骨外軟骨肉腫、骨外骨肉腫、線維肉腫、血管周囲細胞腫、血管肉腫、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、リンパ肉腫、悪性線維性組織細胞腫、神経線維肉腫、横紋筋肉腫、及び滑膜肉腫を含む)を含む。前リンパ球性白血病及び白血病としては、限定されるものではないが、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫、B細胞リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症など)、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、M蛋白沈着疾患、重鎖疾患、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫(MALTリンパ腫とも呼ばれる)、結節性辺縁帯B細胞リンパ腫(nmzl)、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、脈管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、T細胞性前リンパ球性白血病、T細胞性大顆粒リンパ球性白血病、侵襲性NK細胞性白血病、成人T細胞白血病、結節外NK/T細胞性リンパ腫、鼻型、腸疾患型T細胞性リンパ腫、肝脾T細胞性リンパ腫、芽細胞性NK細胞性リンパ腫、菌状息肉症/セザリー症候群、原発性皮膚CD30陽性Tリンパ球増殖性障害、原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性T細胞性リンパ腫、末梢性T細胞リンパ腫、非特定性未分化大細胞リンパ腫、古典的ホジキンリンパ腫(結節性硬化症、混合細胞性、リンパ球豊富、リンパ球枯渇又は非枯渇)、及び結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫を含む。胚細胞腫瘍としては、胚細胞腫、未分化胚細胞腫、精上皮腫、非胚細胞腫性胚細胞性腫瘍、胚性癌腫、内胚葉洞腫瘍、絨毛癌、奇形腫、多胚腫、及び生殖腺芽細胞腫が挙げられるが、これらに限定されない。芽細胞腫としては、限定されないが、腎芽細胞腫、髄芽腫、及び網膜芽細胞腫が挙げられる。他の癌としては、限定されるものではないが、口唇癌、喉頭癌、下咽頭癌、舌癌、唾液腺癌、胃癌、腺癌、甲状腺癌(髄様及び乳頭状甲状腺癌)、腎臓癌、腎実質癌、子宮頸癌、子宮体部癌、子宮内膜癌、絨毛膜癌、精巣癌、膀胱癌、黒色腫、脳腫瘍、例えば膠芽腫、アストロサイトーマ、髄膜腫、髄芽細胞腫及び末梢神経外胚葉性腫瘍、胆嚢癌、気管支癌、多発性ミエローマ、基底細胞腫、奇形腫、網膜芽腫、脈絡膜黒色腫、精上皮腫、横紋筋肉腫、頭蓋咽頭腫、骨肉種、軟骨肉腫、筋肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫、ユーイング肉腫、及び形質細胞腫を含む。
【0110】
更なる実施形態では、癌は、非小細胞肺癌及び小細胞肺癌(小細胞癌(燕麦細胞癌)、混合小細胞/大細胞癌、及び混合型小細胞癌を含む)を含む肺癌、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肝臓癌、膵臓癌、脳癌、腎臓癌、卵巣癌、胃癌、皮膚癌、骨癌、胃癌、乳癌、膵臓癌、神経膠腫、神経膠芽腫、肝細胞癌、乳頭状腎癌、頭頸部扁平上皮癌、白血病、リンパ腫、骨髄腫、又は固形腫瘍であってよい。
【0111】
実施形態では、癌は、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病;副腎皮質腫瘍;AIDS関連癌;AIDS関連リンパ腫;肛門癌;虫垂癌;星状細胞腫;異型奇形腫/ラブドイド腫瘍;基底細胞癌;膀胱癌;脳幹神経膠腫;脳腫瘍(脳幹グリオーマ、中枢神経系非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍、中枢神経系胎生期腫瘍、星状細胞腫、頭蓋咽頭腫、上衣細胞腫、上衣腫、髄芽細胞腫、髄上皮腫、中間分化松果体実質腫瘍、テント上未分化神経外胚葉性腫瘍、及び松果体芽腫を含む);乳癌;気管支腫瘍;バーキットリンパ腫;原発部位不明の癌;カルチノイド腫瘍;原発部位不明の癌腫;中枢神経系非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍;中枢神経系胚性腫瘍;子宮頸癌;小児癌;脊索腫;慢性リンパ球性白血病;慢性骨髄性白血病;慢性骨髄増殖性障害;結腸癌結腸直腸癌;頭蓋咽頭腫;皮膚T細胞リンパ腫;内分泌性膵島細胞腫瘍;子宮内膜癌;上衣芽細胞腫;上衣腫;食道癌;神経芽細胞腫;ユーイング肉腫;頭蓋外胚細胞性腫瘍;性腺外胚細胞性腫瘍;肝外胆管癌;胆嚢癌;胃(胃)癌;消化管カルチノイド腫瘍;消化管間質腫瘍;消化管間質腫瘍(GIST);妊娠性絨毛腫瘍;神経膠腫;ヘアリーセル白血病;頭頸部癌;心臓癌;ホジキンリンパ腫;下咽頭癌;眼内黒色腫;島細胞腫瘍;カポジ肉腫;腎臓癌;ランゲルハンス細胞組織球症;喉頭癌;口唇癌;肝臓癌;悪性線維性組織球腫骨癌;髄芽腫;類髄上皮腫;黒色腫メルケル細胞癌;メルケル細胞皮膚癌;中皮腫;潜在性原発を伴う転移性扁平頚部癌;口腔癌;多発性内分泌腺腫症症候群;多発性骨髄腫;多発性骨髄腫/形質細胞新生物;菌状息肉症;骨髄異形成症候群;骨髄増殖性新生物;鼻腔癌;上咽頭癌;神経芽細胞腫;非ホジキンリンパ腫;非黒色腫皮膚癌;非小細胞肺癌;口腔癌;口腔癌;中咽頭癌;骨肉腫;他の脳腫瘍及び脊髄腫瘍;卵巣癌;卵巣上皮癌;卵巣胚細胞性腫瘍;卵巣低悪性度腫瘍;膵臓癌;乳頭腫症;副鼻腔癌;上皮小体癌;骨盤癌;陰茎癌;咽頭癌;中間分化の松果体実質腫瘍;松果体芽腫;下垂体腫瘍;形質細胞新生物/多発性骨髄腫;胸膜肺芽腫;原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫;原発性肝細胞肝臓癌;前立腺癌;直腸癌;腎臓癌;腎細胞(腎臓)癌;腎細胞癌;気道癌;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫;唾液腺癌;セザリー症候群;小細胞肺癌;小腸癌;軟部組織肉腫;扁平上皮癌;扁平頚部癌;胃(胃)癌;テント上原始神経外胚葉性腫瘍;T細胞リンパ腫;精巣癌;咽喉癌;胸腺癌;胸腺腫;甲状腺癌;移行上皮癌;腎盂及び輸尿管の移行上皮癌;栄養芽細胞腫瘍;尿管癌;尿道癌;子宮癌;子宮肉腫;腟癌;外陰癌;ワルデンシュトレームマクログロブリン血症;又はウィルムス腫瘍を含む。本発明の方法は、これらの及び他の癌を特徴付けるために使用することができる。したがって、表現型を特徴付けることは、本明細書に開示される癌のうちの1つの診断、予後、又はセラノーシスを提供することであり得る。
【0112】
いくつかの実施形態では、癌は、急性骨髄白血病(AML)、乳癌、胆管癌、結腸直腸腺癌、肝外胆管腺癌、女性生殖管悪性疾患、胃腺癌、胃食道癌、消化管間質腫瘍(GIST)、膠芽腫、頭頸部扁平上皮癌、白血病、肝細胞癌、低悪性度グリオーマ、肺細気管支肺胞上皮癌(BAC)、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺小細胞癌(SCLC)、リンパ種、男性生殖管悪性疾患、胸膜の悪性孤立性線維性腫瘍(MSFT)、黒色腫、多発性骨髄腫、神経内分泌腫瘍、結節性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、非上皮性卵巣癌(非EOC)、卵巣表面上皮癌、膵臓腺癌、下垂体癌、乏突起神経膠腫、前立腺腺癌、後腹膜若しくは腹膜癌、後腹膜若しくは腹膜肉腫、小腸悪性疾患、軟部組織腫瘍、胸腺癌、甲状腺癌、又はブドウ膜黒色腫を含む。
【0113】
本明細書中に記載されるように、本発明は、種々の疾患及び障害の分析、検出、特徴付け、画像化、予防、及び処置に有用な方法及び組成物を提供する。様々な実施形態では、疾患又は障害は、癌、前癌状態、炎症性疾患、免疫疾患、自己免疫疾患若しくは障害、心血管疾患若しくは障害、神経疾患若しくは障害、感染症又は疼痛を含む。癌は、限定されるものではないが、が、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病;副腎皮質腫瘍;AIDS関連癌;AIDS関連リンパ腫;肛門癌;虫垂癌;星状細胞腫;異型奇形腫/ラブドイド腫瘍;基底細胞癌;膀胱癌;脳幹神経膠腫;脳腫瘍(脳幹グリオーマ、中枢神経系非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍、中枢神経系胎生期腫瘍、星状細胞腫、頭蓋咽頭腫、上衣細胞腫、上衣腫、髄芽細胞腫、髄上皮腫、中間分化松果体実質腫瘍、テント上未分化神経外胚葉性腫瘍、及び松果体芽腫を含む);乳癌;気管支腫瘍;バーキットリンパ腫;原発部位不明の癌;カルチノイド腫瘍;原発部位不明の癌腫;中枢神経系非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍;中枢神経系胚性腫瘍;子宮頸癌;小児癌;脊索腫;慢性リンパ球性白血病;慢性骨髄性白血病;慢性骨髄増殖性障害;結腸癌;結腸直腸癌;頭蓋咽頭腫;皮膚T細胞リンパ腫;内分泌性膵島細胞腫瘍;子宮内膜癌;上衣芽細胞腫;上衣腫;食道癌;神経芽細胞腫;ユーイング肉腫;頭蓋外胚細胞性腫瘍;性腺外胚細胞性腫瘍;肝外胆管癌;胆嚢癌;胃(胃)癌;消化管カルチノイド腫瘍;消化管間質腫瘍;消化管間質腫瘍(GIST);妊娠性絨毛腫瘍;神経膠腫;ヘアリーセル白血病;頭頸部癌;心臓癌;ホジキンリンパ腫;下咽頭癌;眼内黒色腫;島細胞腫瘍;カポジ肉腫;腎臓癌;ランゲルハンス細胞組織球症;喉頭癌;口唇癌;肝臓癌;肺癌;悪性線維性組織球腫骨癌;髄芽腫;類髄上皮腫;黒色腫メルケル細胞癌;メルケル細胞皮膚癌;中皮腫;潜在性原発を伴う転移性扁平頚部癌;口腔癌;多発性内分泌腺腫症症候群;多発性骨髄腫;多発性骨髄腫/形質細胞新生物;菌状息肉症;骨髄異形成症候群;骨髄増殖性新生物;鼻腔癌;上咽頭癌;神経芽細胞腫;非ホジキンリンパ腫;非黒色腫皮膚癌;非小細胞肺癌;口腔癌;口腔癌;中咽頭癌;骨肉腫;他の脳腫瘍及び脊髄腫瘍;卵巣癌;卵巣上皮癌;卵巣胚細胞性腫瘍;卵巣低悪性度腫瘍;膵臓癌;乳頭腫症;副鼻腔癌;上皮小体癌;骨盤癌;陰茎癌;咽頭癌;中間分化の松果体実質腫瘍;松果体芽腫;下垂体腫瘍;形質細胞新生物/多発性骨髄腫;胸膜肺芽腫;原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫;原発性肝細胞肝臓癌;前立腺癌;直腸癌;腎臓癌;腎細胞(腎臓)癌;腎細胞癌;気道癌;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫;唾液腺癌;セザリー症候群;小細胞肺癌;小腸癌;軟部組織肉腫;扁平上皮癌;扁平頚部癌;胃(胃)癌;テント上原始神経外胚葉性腫瘍;T細胞リンパ腫;精巣癌;咽喉癌;胸腺癌;胸腺腫;甲状腺癌;移行上皮癌;腎盂及び輸尿管の移行上皮癌;栄養芽細胞腫瘍;尿管癌;尿道癌;子宮癌;子宮肉腫;腟癌;外陰癌;ワルデンシュトレームマクログロブリン血症;又はウィルムス腫瘍のうちの1つを含むことができる。前癌状態としては、バレット食道が挙げられるが、これに限定されない。自己免疫性疾患は、限定されるものではないが、炎症性大腸疾患(IBD)、クローン病(CD)、潰瘍性大腸炎(UC)、骨盤内炎、血管炎、乾せん、糖尿、自己免疫性肝炎、多発性硬化、重症筋無力症、1型糖尿病、リウマチ性関節炎、乾せん、全身性エリテマトーデス(SLE)、橋本甲状腺炎、バセドウ病、強直性脊椎炎、シェーグレン病、クレスト症候群、強皮症、リウマチ性疾患、臓器拒絶、原発性硬化性胆管炎、又は敗血症のうちの1つを含み得る。心血管疾患は、アテローム性動脈硬化症、うっ血性心不全、不安定プラーク、脳卒中、虚血、高血圧、狭窄、血管閉塞、又は血栓事象のうちの1つを含むことができるが、これらに限定されない。神経疾患は、限定されるものではないが、多発性硬化(MS)、パーキンソン(PD)、アルツハイマー(AD)、精神分裂症、双極性疾患、抑鬱、自閉、プリオン疾患、ピック病、痴呆症、ハンチントン病(HD)、ダウン症候群、脳血管病、ラスムッセン脳炎、ウイルス性髄膜炎、神経精神全身性紅斑性狼瘡(NPSLE)、筋萎縮性側索硬化症、クロイツフェルト-ヤコブ病、ゲルストマン-シュトロイスラー-シャインカー病、伝染性海綿状脳症、虚血性再潅流損傷(例えば、卒中)、脳外傷、微生物感染、又は慢性疲労症候群のうちの1つを含み得る。疼痛は、線維筋痛症、慢性神経因性疼痛、又は末梢神経因性疼痛のうちの1つを含むことができるが、これらに限定されない。感染病は、限定されるものではないが、細菌感染、ウイルス感染、酵母菌感染、ホイップル病、プリオン病、硬変、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、HIV、C型肝炎ウィルス(HCV)、エプスタイン・バーウィルス、ヘリコバクターピロリ、肝炎、梅毒、脳膜炎、マラリア、結核、又はインフルエンザのうちの1つを含み得る。
【0114】
治療
新生物又は癌の予防、治療及び/又は管理のために有用である、使用されてきた、現在使用されている、又は使用され得る任意の療法(例えば、治療剤又は予防剤)は、本明細書に開示される組成物及び方法を用いて、例えば、新生物又は癌の治療及び/又は予防のために、例えば、別個の剤形で、又は同じ剤形で逐次的に、同時に投与される、本明細書に開示される化合物の投与のための組成物及び方法を用いて、患者を予防、処置及び/又は管理するために使用することができる。治療(例えば、治療剤又は予防剤)としては、ペプチド、ポリペプチド、融合タンパク質、核酸分子、小分子、模倣剤、合成薬物、無機分子、及び有機分子が挙げられるが、これらに限定されない。癌療法の非限定的な例としては、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、抗血管新生療法、標的療法、並びに/又は免疫療法及び手術を含む生物学的療法が挙げられる。ある特定の実施形態では、予防的及び/又は治療的に有効なレジメンは、療法の組み合わせの投与を含む。ある特定の実施形態では、本明細書に開示される組成物、それらの組み合わせ、及びそれらの薬学的に許容される塩は、新生物を処置又は予防するための薬剤として投与することができる。
【0115】
本明細書に開示される組成物及び方法と併せて使用され得る癌療法の例としては、限定されないが、Rituxan(リツキシマブ)、Herceptin(トラスツズマブ)、Erbitux(セツキシマブ)、Vectibix(パニツムマブ)、Arzerra(オファツムマブ)、Benlysta(ベリムマブ)、Yervoy(イピリムマブ)、Perjeta(パーツズマブ)、トレメリムマブ、Opdivo(ニボルマブ)、Keytruda(ペンブロリズマブ)、ダセツズマブ、ウレルマブ、MPDL3280A、ランブロリズマブ、ブリナツモマブ、Humira(アダリムマブ)、Campath(アレムツズマブ)、CEA-Scan Arcitmomab(fab断片)、Erbitux(セツキシマブ)、Myoscint(イミシロマブペンテタート)、ProstAScint(カプロマブペンデチド)、Remicade(インフリキシマブ)、ReoPro(アブシキシマブ)、Simulect(バシリキシマブ)、Synagis(パリビズマブ)、Verluma(ノフェツモマブ)、Xolair(オマリズマブ)、Zenapax(ダクリズマブ)、Zevalin(イブリツモマブチウキセタン)、オルソクローンOKT3(Muromonab-CD3)、Panorex(エドレコロマブ)、Mylotarg(ゲムツズマブオゾガマイシン)、ゴリムマブ(Centocor)、Cimzia(セルトリズマブペゴル)、Soliris(エクリズマブ)、CNTO1275(ウステキヌマブ)、Vectibix(パニツムマブ)、Bexxar(トシツモマブ及び131Iトシツモマブ)、Avastin、及びそれらの組み合わせなどの生物製剤が挙げられる。
【0116】
本明細書に開示される組成物及び方法と併せて使用され得る癌療法の例としては、限定はされないが、アシビシン;アクラルビシン;アコダゾール塩酸塩;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン;酢酸アメタントロン;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラサイクリン;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスパーリン;アザシチジン(ビダーザ);アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;ビスアントレン塩酸塩;ビスマフィドジメシレート;ビスホスホネート(例えば、パミドロネート(Aredria)、クロドロネートナトリウム(Bonefos)、ゾレドロン酸(Zometa)、アレンドロネート(Fosamax)、エチドロネート、イバンドルネート、シマドロネート、リセドロネート、及びチルドロネート);ビゼレシン;ブレオマイシン硫酸塩;ブレキナールナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベタイマー;カルボプラチン;カルムスチン;カルルビシン塩酸塩;カルゼレシン;セデフィンゴール;クロラムブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン;クリスナトールメシレート;シクロホスファミド;シタラビン(Ara-C);ダカルバジン;ダクチノマイシン;ダウノルビシン塩酸塩;デシタビン(Dacogen);脱メチル化剤、デクソルマプラチン;デザグアニン;デザグアニンメシラート;ジアジクオン;ドセタキセル;ドキソルビシン;ドキソルビシン塩酸塩;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;ドロモスタノロンプロピオネート;デュアゾマイシン;エダトレキセート;エフロルニチン塩酸塩;EphA2阻害剤;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロメート;エピプロピジン;エピルビシン塩酸塩;エルブロゾール;エルビシン塩酸塩;エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;ファドロゾール塩酸塩;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルオロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;ゲムシタビン塩酸塩;ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDAC-Is)ヒドロキシ尿素;イダルビシン塩酸塩;イホスファミド;イルモホシン;メシル酸イマチニブ(グリーベック、グリベック);インターロイキンII(組換えインターロイキンII又はrIL2を含む)、インターフェロンα-2a;インターフェロンα-2b;インターフェロンα-n1;インターフェロンα-n3;インターフェロンβ-Ia;インターフェロンγ-Ib;イプロプラチン;イリノテカン塩酸塩;ランレオチド酢酸塩;レナリドマイド(レブリミド);レトロゾール;酢酸ロイプロリド;リアロゾール塩酸塩;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;ロソキサントロン塩酸塩;マソプロコール;メイタンシン;メクロレタミン塩酸塩;抗CD2抗体(例えば、シプリズマブ(MedImmune Inc.;国際公開第02/098370号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる));酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メトレデパ;ミフェプリストン;ミインドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;マイトギリン;ミトマルシン;マイトマイシン;ミトスパー;ミトタン;ミトキサントロン塩酸塩;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;ORG34517;オルマプラチン;オキサリプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルフォスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;ピロキサントロン塩酸塩;プリカマイシン;プメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;プロカルバジン塩酸塩;ピューロマイシン;ピューロマイシン塩酸塩;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;RU486、サフィンゴール;サフィンゴール塩酸塩;セムスチン;シントラゼン;スパルホサートナトリウム;スパルソマイシン;スピロゲルマニウム塩酸塩;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌール;タリソマイシン;テコガランナトリウム;テガフール;テロキサントロン塩酸塩;テモポルフィン;テニポシド;ターオキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;トレミフェンクエン酸塩;酢酸トレソロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキサート;トリメトレキセートグルクロン酸;トリプトレリン;ツブロゾール塩酸塩;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;ビンブラスチン硫酸塩;ビンクリスチン硫酸塩;ビンデシン;ビンデシン硫酸塩;硫酸ビニデシン;硫酸ビングリシン;硫酸ヴィヌロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ヴィロシジン;硫酸ビゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;ゾルビシン塩酸塩が挙げられる。
【0117】
本明細書に開示される組成物及び方法と併せて使用され得る癌療法の他の例としては、限定はされないが、20-エピ-1,25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル1;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス;アミフォスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管新生阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリックス;抗背側化形態形成タンパク質-I;抗アンドロゲン、前立腺癌;抗エストロゲン;抗腫瘍薬;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシネート;アポトーシス遺伝子モジュレータ;アポトーシス調節因子;アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキサスタチン1;アキサスタチン2;アキサスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;βラクタム誘導体;β-アレチン;ベタクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビスアントレン;ビスアジリジニルスペルミン;ビスナファイド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフラート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリア痘IL-2;カペシタビン;カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRestM3;CARN700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリックス;クロリン;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クラムベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;サイトスタチン;ダクリズマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾンデキシフォスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ディドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;ジヒドロタキソール、ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルフォシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフール;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;フルオロダウノルニシン塩酸塩;ホルフェニメクス;ホルメスタン;ホストリエシン;フォテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリックス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;HMG CoA還元酵素阻害剤(例えば、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、レスコール、ルピトール、ロバスタチン、ロスバスタチン、及びシムバスタチン);ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫刺激ペプチド;インスリン様成長因子-1受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメノール、4-イロプラアクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハロコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン-Nトリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球アルファインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミゾール;LFA-3TIP、リアロゾール;直鎖ポリアミン類似体;親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リソクリンアミド7;ロバプラチン;ロビリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解ペプチド;マタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリライシン阻害剤;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテルリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミスマッチ二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体;ミトナフィド;ミトトキシン線維芽細胞増殖因子-サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン;モノホスホリルリピドA+ミオバクテリウム細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子阻害剤;複数の腫瘍抑制因子1に基づく療法;マスタード抗癌剤;マイサペルオキシドB;マイコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N-アセチルジナリン;N-置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチップ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナバビン;ナフトテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素調節剤;ニトロキシド抗酸化剤;ニトルリン;06-ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オラシン;経口サイトカイン誘導剤;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセル類似体;パクリタキセル誘導体;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゾリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルフォスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニルアセテート;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニール;ピロカルピン塩酸塩;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノーゲン活性化因子阻害剤;白金錯体;白金化合物;白金-トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス-アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインAに基づく免疫調節因子;プロテインキナーゼC阻害剤;プロテインキナーゼC阻害剤、微細藻類;タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン類;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras-GAP阻害剤;脱メチル化レテエリプチン;レニウムRe186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチナミド;ログレチミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメックス;ルビジノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;サイトピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi1模倣物;セムスチン;老化由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達モジュレータ;γセクレターゼ阻害剤、単鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ホウ酸ナトリウム;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルフォシン酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンギスタチン1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分裂阻害剤;スチピアミド;ストロメリシン阻害剤;スルフィノシン;超活性血管作用性腸管ペプチドアンタゴニスト;スラディスタ;スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン;チアムスチン;5-フルオロウラシル;ロイコボリン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロマイド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチン模倣体;チマルファシン;サイモポエチン受容体アゴニスト;チモトリン;甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプルプリン;チラパザミン;チタノセン二塩化物;トプセンチン;トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞由来成長阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベクター系、赤血球遺伝子治療;サリドマイド;ベラレゾール;ベラミン;ベルジン;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビキサリン;抗インテグリン抗体(例えば、抗インテグリンαvβ3抗体);ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジルアスコルブ、及びジノスタチンスチマラマーが挙げられる。
【0118】
本発明に従って、限定はされないが、任意の適切な投与様式、例えば静脈内、皮下、筋肉内及び髄腔内投与などの非経口投与;経口、鼻腔内、直腸又は膣投与;腫瘍に直接;経皮パッチ;インプラントデバイス(特に徐放用);最後に、局所投与が使用され得る。投与の様式は、処置される疾患に従って変化する。一実施形態では、本発明の三酸化ヒ素は、pHが生理学的に許容される範囲、例えば約pH6~8に調整された水酸化ナトリウム水溶液に溶解される。
【0119】
本明細書に開示される組成物及び方法と併せて使用され得る化合物の非限定的なリストには、インターロイキン-3受容体(IL-3R)及びCD123の阻害剤(IL-3R又はCD123を標的とするペプチド、ペプチド-コンジュゲート、抗体、抗体-コンジュゲート、抗体断片、及び抗体断片-コンジュゲートを含む);カンタリジン;ノルカンタリジン並びにその類似体及び誘導体;γセクレターゼ阻害剤を含むNotch経路阻害剤;シクロパミン及びその類似体を含むソニックヘッジホッグ/平滑化経路阻害剤;CD96に対する抗体;パルテノライド及びその類似体を含む特定のNF-κB/プロテアソーム阻害剤;セラストロールを含む特定のトリテルペン;特定のmTOR阻害剤;ウロキナーゼ受容体を標的とする化合物及び抗体;シネフンギン;特定のイノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ(IMPDH)阻害剤;PPAR-α及びPPAR-γアゴニスト及びアンタゴニスト(ピオグリタゾン、テサスリタザール、ムラグリタザール、ペリグリタザール、ロベグリタゾン、バラグリタゾン、ラガグリタザール、ロジグリタゾン、ファルグリタザール、ソデグリタザール、レグリタザル、ナベグリタザール、オキセグリタザール、メタグリダセン、ネトグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、チアゾリジンジオン、アレグリタザール、エダグリタゾン、リボグリタゾン、トログリタゾン、イミグリタザール、及びシポグリタザールを含む);テロメラーゼ阻害剤;EpCAM(ESA)に対する抗体;GSK-3βアゴニスト及びアンタゴニスト(リチウム、6-ブロモイニルビン-3’-オキシム(BIO)、TDZD8を含む);Wnt経路阻害剤、例えば、Frizzledに対する抗体又は小分子であって、disheveled/Frizzled又はβカテニンを阻害する抗体;多発性骨髄腫又は黒色腫における新規使用のための抗CD20抗体及びコンジュゲート(例えば、リツキサン、ベクサール、ゼバリン);抗CD133抗体;抗CD44抗体;IL-4に対する抗体;ベルスナリノンなどの特定の分化剤;抗体又はベツリン酸などのCD33を標的とする化合物;抗体などのラクトアドヘリンを標的とする化合物;CXCR4又はSDF-1を標的とする小分子又は抗体;多剤耐性ポンプを標的とする小分子又は抗体;サバイビンの阻害剤;XIAPの阻害剤;Bcl-2を標的とする小分子;CLL-1に対する抗体;及びフューリン阻害剤(例えば、ククルビタシン)が含まれる。
【0120】
癌を標的とするために本明細書に開示される組成物及び方法と併せて使用され得る化合物の更なる非限定的なリストには、i)裸であるか、又は癌幹細胞上の特定の細胞表面標的を標的とする治療部分にコンジュゲートされている抗体、抗体断片、及びタンパク質、又はii)癌幹細胞ベースのスクリーニング(例えば、化合物が標準的な方法によって癌幹細胞の増殖又は生存能を損なうかどうかを決定するものなど)によって更に最適化(例えば、化学によって)又は同定することができるものを含む当技術分野で公知の小分子が含まれ、細胞表面及び細胞内標的(包括的であることを意味せず)は、Rex1(Zfp42)、CTGF、アクチビンA、Wnt、FGF-2、HIF-1、AP-2γ、Bmi-1、ヌクレオステミン、hiwi、Moz-TIF2、Nanog、β-アレスチン-2、Oct-4、Sox2、stella、GDF3、RUNX3、EBAF、TDGF-1、nodal、ZFPY、PTNE、Evi-1、Pax3、Mcl-1、c-kit、Lex-1、Zfx、ラクトアドヘリン、アルデヒドデヒドロゲナーゼ、BCRP、テロメラーゼ、CD133、Bcl-2、CD26、グレムリン、及びFoxC2である。
【0121】
いくつかの実施形態では、療法(複数可)は、本明細書に開示される組成物及び方法と併せて使用され得る免疫調節剤である。免疫調節剤の非限定的な例としては、サイトカイン、ペプチド模倣物、及び抗体(例えば、ヒト、ヒト化、キメラ、モノクローナル、ポリクローナル、Fvs、scFvs、Fab又はF(ab)2断片又はエピトープ結合断片)、核酸分子(例えば、アンチセンス核酸分子及び三重らせん)、小分子、有機化合物、及び無機化合物などのタンパク質性薬剤が挙げられる。特に、免疫調節剤としては、限定はされないが、メトトレキサート、レフルノミド、シクロホスファミド、シトキサン、イムラン、シクロスポリンA、ミノシクリン、アザチオプリン、抗菌剤(例えば、FK506(タクロリムス))、メチルプレドニソロン(MP)、コルチコステロイド、ステロイド、ミコフェノレートモフェチル、ラパマイシン(シロリムス)、ミゾリビン、デオキシスペルグアリン、ブレキナル、マロノニトリロアミド(例えば、レフルナミド)、T受容体モジュレータ、サイトカイン受容体モジュレータ、及びモジュレータ肥満細胞モジュレータを含む。一実施形態では、免疫調節剤は、化学療法剤である。別の実施形態では、免疫調節剤は、化学療法剤以外の免疫調節剤である。いくつかの実施形態では、本発明に従って使用される療法(複数可)は、免疫調節剤ではない。いくつかの実施形態では、療法(複数可)は、抗血管新生剤である。抗血管新生剤の非限定的な例としては、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、融合タンパク質、TNF-αに特異的に結合する抗体などの抗体(例えば、ヒト、ヒト化、キメラ、モノクローナル、ポリクローナル、Fvs、scFvs、Fab断片、F(ab)2断片、及びそれらの抗原結合断片)、核酸分子(例えば、アンチセンス分子又は三重らせん)、有機分子、無機分子、及び血管新生を低減又は阻害する小分子が挙げられる。
【0122】
ある特定の実施形態では、療法(複数可)は、アルキル化剤、ニトロソ尿素、代謝拮抗剤、及びアントラサイクリン、トポイソメラーゼII阻害剤、又は有糸分裂阻害剤である。アルキル化剤としては、限定されないが、ブスルファン、シスプラチン、カルボプラチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、デカルバジン、メクロレタミン、メファレン、及びテモゾロミドが挙げられる。ニトロソ尿素としては、カルムスチン(BCNU)及びロムスチン(CCNU)が挙げられるが、これらに限定されない。代謝拮抗剤としては、5-フルオロウラシル、カペシタビン、メトトレキサート、ゲムシタビン、シタラビン、及びフルダラビンが挙げられるが、これらに限定されない。アントラサイクリンとしては、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、及びミトキサントロンが挙げられるが、これらに限定されない。トポイソメラーゼII阻害剤としては、トポテカン、イリノテカン、エトポシド(VP-16)、及びテニポシドが挙げられるが、これらに限定されない。有糸分裂阻害剤としては、タキサン(パクリタキセル、ドセタキセル)、及びビンカアルカロイド(ビンブラスチン、ビンクリスチン、及びビノレルビン)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明のいくつかの実施形態では、療法(複数可)は、カンタリジン又はその類似体の投与を含む。本発明は、癌幹細胞を標的とする薬剤の使用を含む。特定の実施形態では、薬剤は単独で作用する。他の実施形態では、薬剤は、別の治療部分に直接的又は間接的に付着される。治療部分の非限定的な例としては、限定はしないが、アルキル化剤、代謝拮抗剤、植物アルカロイド、細胞毒性剤、化学療法剤(例えば、ステロイド、シトシンアラビノシド、フルオロウラシル、メトトレキサート、アミノプテリン、マイトマイシンC、デメコルシン、エトポシド、ミトラマイシン、カリケアマイシン、CC-1065、クロラムブシル、又はメルファラン)、放射性核種、治療用酵素、サイトカイン、毒素(植物由来毒素、真菌由来毒素、細菌由来毒素(例えば、脱グリコシル化リシンA鎖、リボソーム不活性化タンパク質、α-サルシン、アスペルギリン、レスチルトシン、リボヌクレアーゼ、ジフテリア毒素、シュードモナス外毒素、細菌内毒素又は細菌内毒素のリピドA部分)を含む)、成長調節剤、及びRNaseが挙げられる。いくつかの実施形態では、使用される薬剤は、マーカー、例えば癌幹細胞上の抗原に結合する薬剤である。特定の実施形態では、薬剤は、正常幹細胞よりも癌幹細胞上でより高いレベルで発現される抗原に結合する。特定の実施形態では、薬剤は、正常幹細胞ではない癌幹細胞抗原に特異的に結合する。他の実施形態では、療法(複数可)は、癌幹細胞上のマーカーに結合する薬剤である。一実施形態では、癌幹細胞上のマーカーに結合する薬剤は、抗体、又は治療部分にコンジュゲートされた抗体、又は治療部分にコンジュゲートされた抗体断片である。
【0123】
特定の実施形態では、癌幹細胞上のマーカーに結合する抗体又はその断片は、処置される対象において実質的に非免疫原性である。非免疫原性抗体を得るための方法としては、抗体をキメラ化すること、抗体をヒト化すること、及び治療を受ける対象と同じ種から抗体を単離することが挙げられるが、これらに限定されない。癌幹細胞中のマーカーに結合する抗体又はその断片は、当該分野で公知の技術を使用して産生され得る。
【0124】
いくつかの実施形態では、療法は、癌幹細胞及び/又は癌細胞を破壊するためのX線、ガンマ線、及び他の放射線源の使用を含む。特定の実施形態では、放射線療法は、外部ビーム放射線又は遠隔療法として施され、放射線は遠隔源から向けられる。他の実施形態では、放射線療法は、放射線源が体内の癌幹細胞、癌細胞及び/又は腫瘍塊の近くに配置される内部療法又は小線源療法として施される。
【0125】
いくつかの実施形態では、使用される治療は、増殖に基づく治療である。このような治療の非限定的な例としては、上記のような化学療法及び放射線療法が挙げられる。
【0126】
現在利用可能な療法及びそれらの用量、投与経路及び推奨される用法は、当技術分野で公知であり、Physician’s Desk Reference(第60版、2006)などの文献に記載されている。
【0127】
特定の実施形態では、サイクリング療法は、ある期間にわたる第1の癌治療薬の投与、その後のある期間にわたる第2の癌治療薬の投与、任意選択的に、その後のある期間にわたる第3の癌治療薬の投与などを含み、この連続投与、すなわち、癌治療薬のうちの1つに対する耐性の発生を低減するため、癌治療薬のうちの1つの副作用を回避若しくは低減するため、及び/又は癌治療薬の有効性を改善するためのサイクルを繰り返す。
【0128】
2つの予防的及び/又は治療的に有効なレジメンが対象に同時に投与される場合、用語「同時に」は、正確に同じ時間での癌治療薬の投与に限定されず、むしろ、それらが一緒に作用し得る(例えば、それらが他の方法で投与された場合よりも増加した利益を提供するように相乗的に)ような順序及び時間間隔内でそれらが対象に投与されることを意味する。例えば、癌治療薬は、同時に投与されてもよいし、異なる時点で任意の順序で順次投与されてもよい。しかしながら、同時に投与されない場合、それらは、好ましくは相乗的な様式で、所望の治療効果を提供するように、十分に近い時間で投与されるべきである。併用癌治療薬は、任意の適切な形態で、任意の好適な経路によって別々に投与することができる。併用癌治療薬の成分が同じ医薬組成物で投与されない場合、それらは、それを必要とする対象に任意の順序で投与され得ることが理解される。例えば、第1の予防的及び/又は治療的に有効なレジメンは、それを必要とする対象への第2の癌治療薬の投与の前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間前)、それと同時、又はその後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間後)に投与することができる。様々な実施形態では、癌治療薬は、1分間隔、10分間隔、30分間隔、1時間未満の間隔、1時間間隔、1時間~2時間間隔、2時間~3時間間隔、3時間~4時間間隔、4時間~5時間間隔、5時間~6時間間隔、6時間~7時間間隔、7時間~8時間間隔、8時間~9時間間隔、9時間~10時間間隔、10時間~11時間間隔、11時間~12時間間隔、24時間以下の間隔、又は48時間以下の間隔で投与される。一実施形態では、癌治療薬は、同じ来院内に投与される。別の実施形態では、併用癌治療薬は、1分~24時間間隔で投与される。
【0129】
包装/処置キット
本開示は、本開示による方法を簡便かつ効果的に実施するためのキットを提供する。このようなキットは、例えば、錠剤又はカプセルなどの固体経口形態の送達に適し得る。このようなキットは、いくつかの単位用量を含み得る。そのようなキットは、それらの意図される使用の順序で配向された用量を含有するための手段を含むことができる。意図された使用の順序で用量を含むための手段の例は、カードである。このようなキットの例は、「ブリスターパック」である。ブリスターパックは、包装産業において周知であり、単位剤形を包装するために広く使用されている。所望であれば、ブリスターは、子供にとって安全なブリスター、すなわち、子供が開けるのは困難であるが、大人が容易に開けることができるブリスターの形態とすることができる。必要に応じて、例えば、数字、文字、若しくは他の印の形態で、又はカレンダー機能及び/若しくはカレンダー挿入物と共に、記憶補助を提供することができ、例えば、午前用量が「日中」及び午後用量と共に包装されるなど、用量を投与することができる処置スケジュールにおける日及び1日の区分を指定する。又は午前用量が午後用量と共に包装される。あるいは、プラセボ用量、又はビタミン若しくは栄養補助食品を、活性用量と同様の形態又は異なる形態のいずれかで含めることができる。
【0130】
本開示は、本発明において提供される状態、状況、及び疾患を処置、予防又は改善するための療法として有用である、上記の成分の組合せ(本発明の薬物の多成分組合せを含む)を含む、調製物、製剤、及び/又はキットを含む組成物を提供する。一態様では、成分の組合せの各メンバーは、別々のパッケージ、キット、若しくは容器で製造されるか、又は、成分の組み合わせの全て若しくはサブセットは、別個のパッケージ若しくは容器中で製造される。別の態様では、パッケージ、キット、又は容器は、ブリスターパッケージ、クラムシェル、トレイ、シュリンクラップなどを含む。
【0131】
一態様において、パッケージ、キット、又は容器は、「ブリスターパッケージ」(ブリスターパック又はバブルパックとも呼ばれる)を含む。一態様において、ブリスターパッケージは、2つ以上の別個の区画からなる。このブリスターパッケージは、2つの別個の材料要素、すなわち、製品に合わせて成形された透明プラスチックキャビティと、そのブリスターボードバッキングとから構成される。次いで、これらの2つの要素は、製品を吊り下げるか又は陳列することを可能にするヒートシールプロセスによって互いに接合される。例示的なタイプの「ブリスターパッケージ」としては、面シールブリスターパッケージ、ギャングランブリスターパッケージ、モックブリスターパッケージ、インタラクティブブリスターパッケージ、スライドブリスターパッケージが挙げられる。
【0132】
ブリスターパック、クラムシェル、又はトレイは、商品に使用されるパッケージの形態である。したがって、本発明は、本発明の組成物(例えば、活性成分の(本発明の薬物の多成分組合せ)組合せ)を含むブリスターパック、クラムシェル、又はトレイを提供する。ブリスターパック、クラムシェル、又はトレイは、再閉鎖できないように設計することができるため、消費者は、パッケージが既に開封されているかどうかを知ることができる。それらは、本発明の薬剤など、製品の改ざんが考慮事項である販売商品を包装するために使用される。一態様では、本発明のブリスターパックは、ホイルラミネートで覆われた、錠剤、丸剤などを収容するための隆起領域(「ブリスター」)を有する成形PVCベースを含む本発明の組合せを含む。錠剤、丸剤などは、ホイルを剥がすことによって、又はブリスターを押して錠剤にホイルを破壊させることによって、パックから取り出される。一態様では、ブリスターパックの特殊な形態は、ストリップパックである。
【0133】
一態様において、ブリスターパックはまた、本発明の成分の組み合わせを含む組成物がカードと透明なPVCとの間に含まれる包装方法を含む。PVCは、物品(丸剤、錠剤、ゲルタブなど)を容易に見て調べることができるように透明であってよく、一態様では、物品をぴったりと収容し、購入時に開く余地を有することができるように、型の周りで真空成形することができる。一態様では、カードは明るい色であり、内部の物品(丸剤、錠剤、ゲルタブなど)に応じて設計され、PVCは、接着剤が配置される予め形成されたタブを使用してカードに貼り付けられる。接着剤は、パックがくぎに掛けられるように十分に強くてもよいが、このようにして接合部を引き裂いて開いて物品にアクセスすることができるように十分に弱くてもよい。時には、大きな物品又は複数の封入された丸剤、錠剤、ゲルタブなどでは、カードはアクセスのための穿孔窓を有する。一態様では、例えば、本発明の丸剤、錠剤、ゲルタブなどの物品のためのより安全なブリスターパックが使用され、それらは、内側に情報カードを有する、縁部で互いに噛み合わされた2枚の真空成形PVCシートを含むことができる。
【0134】
一態様では、ブリスターパッケージは、以下の少なくとも2つの構成要素を含む(例えば、本発明の薬物の多成分組合せである):製品(例えば、本発明の組合せ)を収容する熱成形「ブリスター」、次いで、前面に接着剤コーティングを有する印刷カードである「ブリスターカード」。組み立てプロセスの間、最も一般的にはPVCから作られるブリスター構成要素は、ブリスター機械を使用してブリスターカードに取り付けられる。従来のブリスターパックも封止することができる。
【0135】
本明細書で考察されるように、本発明の製造品は、本発明の治療薬の組合せのパッケージを、単独で又は組み合わせて、「ブリスターパッケージ」として、又は蓋付きブリスターパッケージ、蓋付きブリスター若しくはブリスターカード若しくはパケット、又はシュリンクラップを含む複数のパケットとして含むことができる。
【0136】
一態様では、キット又はブリスターパックを含む本発明の製品のいずれかは、本発明の薬剤をいつどのように服用するかを患者に思い出させるのを助ける記憶補助手段を含む。
【0137】
処置キットは、当業者によく知られている様々な形態で構築することができる。キットは、毎日のレジメンに従って投与するための少なくとも1つの単位用量の活性物質と、単位用量を含有するための手段と、を含む。処置キットは、例えば、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日複数回投与、又は他の投薬レジメン用に構築することができる。キットは、本発明の薬剤を毎日投与するための手段を含む。一実施形態では、キットは、約1~約4の単位用量を含む。
【0138】
一実施形態では、単位用量を収容するための手段は、例えば、折り畳むことができるカードを含むカードである。このカードは、本明細書ではメインカード、あるいは主カード又は第1のカードと呼ばれ、追加の任意のカード、円形物、又はキットに関連付けることができる他のそのような材料と区別される。このメインカードは、閉じられた本の背に類似した背を呈するように、単純な折り目、あるいは二重の折り目で折り畳むことができる。メインカードは、印刷可能な表面、すなわち、製品名、適切な投与指示書、製品情報、図面、ロゴ、記憶補助、カレンダー機能などを印刷することができる表面を含むことができる。メインカードは、当該単位用量又は1日の異なる時間に指定された異なる用量を収容するための手段、及び当該単位用量を投与するための記憶補助を含むことができる。メインカードは、特にそれが2つ以上の積層板紙表面から作製される場合、例えば折り畳まれたカードの内側板紙表面の1つにスリット又はポケットを含むことができる。スリット又はポケットは、取り外し可能な二次カード、すなわち、メインカードに永久的に取り付けられていないか又は固定されていない第2のカード又は挿入カードを収容するために使用することができる。
【0139】
記憶補助は、週の曜日、すなわち、日曜日、月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日、及び土曜日のリストを含むことができ、患者が治療を施すのに好ましい曜日を選択し、カード上に示すための適切なスペースを有する。記憶補助は、患者が選択し、治療を施す好ましい時刻(例えば、午前、午後、正午)をカード上に示すための適切なスペースを有する時刻のリストを含むことができる。記憶補助はまた、カレンダー又はデイリマインダなどの所望の表面への容易な取り外し及び再貼付を促進するために、適切な感圧接着剤を有する取り外し可能なステッカーを含むことができる。取り外し可能なステッカーは、メインカード上に配置することができる、又はメインカードの任意のスリットに容易に挿入され、そこから容易に取り外され得るように構成された二次カード上に配置することができる。更に、任意のスリットは、追加の患者情報及び他の円形を含むことができる。
【0140】
当該単位用量を含有するための他の手段は、ボトル及びバイアルを含むことができ、ここで、ボトル又はバイアルは、当該単位用量(単数又は複数)を投与するための印刷ラベルなどの記憶補助を含む。ラベルはまた、患者がいつ服用すべきか、又はいつ服用されたかを記憶するのを更に助けるために、カレンダー又はデイリマインダに配置するための取り外し可能なリマインダステッカーを含むことができる。
【0141】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0142】
態様
態様1:以下の式Iの構造を有する化合物、
【0143】
【化31】
(式中、R
1は、ハロ、C
1-6アルキル、C
3-8シクロアルキル、又はC
2-6アルケニルであり、R
2は、H、C
1-6アルキル、又はC
3-8シクロアルキルである)又はその薬学的に許容される塩。
【0144】
態様2:R1は、ハロである、態様1の化合物。
【0145】
態様3:R1は、クロロ、ブロモ、フルオロ、又はヨードである、態様1又は2の化合物。
【0146】
態様4:R1は、クロロ又はブロモである、態様1又は2の化合物。
【0147】
態様5:R1は、C1-4アルキルである、態様1の化合物。
【0148】
態様6:R1は、メチル、エチル、n-プロピル、又はi-プロピルである、態様1又は5の化合物。
【0149】
態様7:R1は、C3-7シクロアルキルである、態様1の化合物。
【0150】
態様8:R1は、シクロプロピルである、態様1又は7の化合物。
【0151】
態様9:R1は、C1-4アルケニルである、態様1の化合物。
【0152】
態様10:R1は、ビニル又はイソプロぺニルである、態様1又は9の化合物。
【0153】
態様11:R2は、C1-6アルキルである、先行する態様のいずれか1つに記載の化合物。
【0154】
態様12:R2は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、又はヘキシルである、先行する態様のいずれか1つに記載の化合物。
【0155】
態様13:R2は、メチル、エチル、n-プロピル、又はi-プロピルである、先行する態様のいずれか1つに記載の化合物。
【0156】
態様14:R2は、C3-8シクロアルキルである、態様1~10のいずれか1つに記載の化合物。
【0157】
態様15:R2は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシルである、態様1~10又は14のいずれか1つに記載の化合物。
【0158】
態様16:R2は、シクロプロピルである、態様1~10、14、又は15のいずれか1つに記載の化合物。
【0159】
態様17:以下の式IIの構造を有する、態様1に記載の化合物、
【0160】
【化32】
又はその薬学的に許容される塩態様1に記載の化合物。
【0161】
態様18:
【0162】
【化33】
である態様1の化合物、
又はその薬学的に許容される塩態様1に記載の化合物。
【0163】
態様19:以下の式IIIの構造を有する化合物、
【0164】
【化34】
(式中、R
2は、H、C
1-6アルキル、又はC
3-8シクロアルキルである)、又はその薬学的に許容される塩。
【0165】
態様20:R2は、Hである、態様19の化合物。
【0166】
態様21:R2は、C1-6アルキルである、態様19の化合物。
【0167】
態様22:R2は、メチルである、態様19の化合物。
【0168】
態様23:式IVの構造を有する化合物、
【0169】
【化35】
(式中、R1、R2はH、メチル、エチル、又はプロピルであり、任意選択的に、R1及びR2は結合されて、3-6員環を形成し、R3は、C1-4小アルキル、又はC3-6シクロアルキル環であり、R4は、H、C1-3アルキル、CF3、Oメチル、OCF3、OCF2H、CN、又はハロである)、又はその薬学的に許容される塩。
【0170】
態様24:以下の式Vの構造を有する化合物、
【0171】
【化36】
(式中、R2は、H、メチル、エチル、又はプロピルであり、R3は、C1-4小アルキル、又はC3-6シクロアルキル環であり、R4は、H、C1-3アルキル、CF3、Oメチル、OCF3、OCF2H、CN、又はハロである)、又はその薬学的に許容される塩。
【0172】
態様25:式VIの構造を有する化合物、
【0173】
【化37】
(式中、R2は、H、メチル、エチル、又はプロピルであり、R3は、C1-4小アルキル、又はC3-6シクロアルキル環であり、R4は、H、C1-3アルキル、CF3、Oメチル、OCF3、OCF2H、CN、又はハロである)、又はその薬学的に許容される塩。
【0174】
態様26:先の態様のいずれか1つの1つ以上の化合物と、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む医薬組成物。
【0175】
態様27:そのような処置を必要とする患者においてWee1を阻害するための方法であって、態様1~26のいずれか1つに記載の化合物又は組成物を患者に投与することを含む、方法。
【0176】
態様28:癌の処置を必要とする患者において癌を処置する方法であって、態様1~26のいずれか1つの化合物を患者に投与することを含む、方法。
【0177】
態様29:癌は、副腎皮質腫瘍、AIDS関連癌(例えば、AIDS関連リンパ腫)、肛門癌、虫垂癌、星状細胞腫、非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍、基底細胞腫、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳癌(例えば、膠芽腫)、乳癌、気管支癌、原発部位不明癌などの癌、カルチノイド腫瘍、去勢抵抗性前立腺癌、中枢神経系癌(例えば、中枢神経系非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍、中枢神経系胎児性腫瘍、中枢神経系リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫)、子宮頸癌、脊索腫、軟骨肉腫、慢性骨髄増殖性障害、結腸癌、結腸直腸癌、頭蓋咽頭腫、線維形成性円形細胞腫瘍、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、子宮内膜癌、上衣腫、食道癌、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外細胞腫瘍、肝外胆管癌、胆嚢癌、胃(胃)癌、消化管カルチノイド腫瘍、胃腸間質腫瘍、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍、神経膠腫、頭部癌、肝細胞(肝臓)癌、高悪性度前立腺癌、組織球増殖、下咽頭癌、カポジ肉腫、腎臓(腎臓)癌、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭癌、軟膜疾患、口唇癌、低悪性度前立腺癌、l白血病(例えば、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、有毛細胞白血病)、肺癌、リンパ腫(バーキットリンパ腫、中枢神経系リンパ腫、T細胞リンパ腫(例えば、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫)、中悪性度前立腺癌、髄芽腫、髄上皮腫、黒色腫、メルケル細胞癌、中皮腫、原発不明の転移性扁平上皮癌、口腔癌、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、骨髄増殖性障害、鼻腔又は鼻副鼻腔癌、頸部癌、鼻咽頭癌、頸部癌、神経芽細胞腫、眼癌、眼黒色腫、口腔癌、口咽頭癌、口腔癌、骨肉腫又は骨の悪性線維性組織球腫、骨肉腫又は悪性線維性組織球腫、卵巣癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣上皮癌、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓癌、乳頭腫症、副鼻腔又は鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、中分化の松果体実質腫瘍、松果体芽腫又はテント上原始神経外胚葉腫瘍、下垂体腫瘍、胸膜肺芽腫、妊娠癌、前立腺癌、直腸癌、腎盂癌、15番染色体上のNUT遺伝子が関与する気道癌、網膜芽腫、横紋筋芽細胞腫、唾液腺癌、肉腫、セザリー症候群、皮膚癌、皮膚癌、小腸癌、軟部組織肉腫、脊髄腫瘍、扁平上皮癌、原発不明の扁平上皮頸部癌、潜在性原発性テント上原始神経外胚葉腫瘍、精巣癌、咽喉癌、胸腺腫又は胸腺癌、甲状腺癌、腎盂又は尿管の移行細胞癌、小児のまれな癌、尿管癌、尿道癌、子宮肉腫、膣癌、外陰癌、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫)、ウィルムス腫瘍、又は女性の癌である、態様28に記載の方法。
【0178】
態様30:癌が、乳癌、前立腺癌、膵臓癌、肺癌、結腸直腸癌、卵巣癌、肝臓癌、黒色腫、腎臓癌、中枢神経系癌、神経膠芽腫などの脳癌、白血病、又はリンパ腫である、態様29の方法。
【0179】
態様31:化合物は、少なくとも1つの追加の治療剤と組み合わせて投与される、態様27~30のいずれか1つに記載の方法。
【0180】
態様32:少なくとも1種の追加の治療剤は、化学療法剤である、態様31の方法。
【0181】
態様33:当該化学療法剤が、ブスルファン、メルファラン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、テモゾロミド、ベンダムスチン、シスプラチン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、カルボプラチン、カンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、ドキソルビシン、エピルビシン、アクラルビシン、ミトキサントロン、エリプチニウム、エトポシド、5-アザシチジン、ゲムシタビン、5-フルオロウラシル、メトトレキサート、5-フルオロ-2’-デオキシ-ウリジン、フルダラビン、ネララビン、アラ-C、プララトレキセート、ペメトレキセド、ヒドロキシ尿素、チオグアニン、コルヒチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル、イキサベピロン、カバジタキセル、ドセタキセル、カムパス、パニツムマブ、メタゾツズマブ、ナブツズマブ、ピムツズマブ、レモルツズマブ、ベバシズマブ、パルツズマブ、トラスツズマブ、セツキシマブ、オビヌツズマブ、オルファムズマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ、チエムツズマブ、トキシマブ、ベンツキシマブ、ダレムツズマブ、エルロツズマブ、T-DM1、オファツムマブ、ジヌツキシマブ、ブリナツモマブ、イピリムマ、アバスチン、トラスツズマブ、リツキシマブ、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ、アファチニブ、セリチニブ、アレチニブ、クリゾチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、ソラフェニブ、ニチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、パゾパニブ、テムシロリムス、エベロリムス、ボリノスタット、ロミデプシン、パノビノスタット、ベリノスタット、タモキシフェン、レトロゾール、フルベストラント、ミトグアゾン、オクトレオチド、レチノイン酸、三酸化ヒ素、ゾレドロン酸、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、イクサゾミブ、ビスモデギブ、ソニデギブ、デノスマブ、サリドマイド、レナリドマイド、ベネトクラックス、アルデスロイキン(組換えヒトインターロイキン-2)、シプリューセル-T(前立腺癌治療ワクチン)、パルボシクリブ、オラパリブ、ニラパリブ、ルカパリブ、タゾパリブ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、態様32の方法。
【0182】
態様34:遺伝子WEE1によってコードされるキナーゼの活性を低下させるための方法であって、キナーゼを阻害量の態様1~26のいずれか1つに記載の化合物と接触させることを含む、方法。
【0183】
態様35:方法は、インビトロで実行される、態様34に記載の方法。
【0184】
態様36:方法は、対象において実行される、態様34に記載の方法。
【0185】
態様37:対象に、有効量の態様1~26のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグ、又はその医薬組成物を投与することを含む、それを必要とする対象においてWee1媒介性疾患を処置又は予防する方法。
【0186】
態様38:疾患は、副腎皮質腫瘍、AIDS関連癌(例えば、AIDS関連リンパ腫)、肛門癌、虫垂癌、星状細胞腫、非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍、基底細胞腫、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳癌(例えば、膠芽腫)、乳癌、気管支癌、原発部位不明癌などの癌、カルチノイド腫瘍、去勢抵抗性前立腺癌、中枢神経系癌(例えば、中枢神経系非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍、中枢神経系胎児性腫瘍、中枢神経系リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫)、子宮頸癌、脊索腫、軟骨肉腫、慢性骨髄増殖性障害、結腸癌、結腸直腸癌、頭蓋咽頭腫、線維形成性円形細胞腫瘍、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、子宮内膜癌、上衣腫、食道癌、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外細胞腫瘍、肝外胆管癌、胆嚢癌、胃(胃)癌、消化管カルチノイド腫瘍、胃腸間質腫瘍、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍、神経膠腫、頭部癌、肝細胞(肝臓)癌、高悪性度前立腺癌、組織球増殖、下咽頭癌、カポジ肉腫、腎臓(腎臓)癌、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭癌、軟膜疾患、口唇癌、低悪性度前立腺癌、l白血病(例えば、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、有毛細胞白血病)、肺癌、リンパ腫(バーキットリンパ腫、中枢神経系リンパ腫、T細胞リンパ腫(例えば、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫)、中悪性度前立腺癌、髄芽腫、髄上皮腫、黒色腫、メルケル細胞癌、中皮腫、原発不明の転移性扁平上皮癌、口腔癌、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、骨髄増殖性障害、鼻腔又は鼻副鼻腔癌、頸部癌、鼻咽頭癌、頸部癌、神経芽細胞腫、眼癌、眼黒色腫、口腔癌、口咽頭癌、口腔癌、骨肉腫又は骨の悪性線維性組織球腫、骨肉腫又は悪性線維性組織球腫、卵巣癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣上皮癌、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓癌、乳頭腫症、副鼻腔又は鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、中分化の松果体実質腫瘍、松果体芽腫又はテント上原始神経外胚葉腫瘍、下垂体腫瘍、胸膜肺芽腫、妊娠癌、前立腺癌、直腸癌、腎盂癌、15番染色体上のNUT遺伝子が関与する気道癌、網膜芽腫、横紋筋芽細胞腫、唾液腺癌、肉腫、セザリー症候群、皮膚癌、皮膚癌、小腸癌、軟部組織肉腫、脊髄腫瘍、扁平上皮癌、原発不明の扁平上皮頸部癌、潜在性原発性テント上原始神経外胚葉腫瘍、精巣癌、咽喉癌、胸腺腫又は胸腺癌、甲状腺癌、腎盂又は尿管の移行細胞癌、小児のまれな癌、尿管癌、尿道癌、子宮肉腫、膣癌、外陰癌、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫)、ウィルムス腫瘍、又は女性の癌から選択される、態様37に記載の方法。
【0187】
実施例
中間体化合物の調製
実施例1:1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-アミン(IM1)
【0188】
【化38】
工程1:THF(400mL)中の4-ニトロ-1H-ピラゾール(10g、88.44mmol、1.0当量)、tert-ブチル4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(1-1、17.80g、88.44mmol、1.0当量)、及びPPh
3(34.79g,132.66mmol、1.5当量)の溶液に、DIAD(26.82g,132.66mmol、1.5当量)をN
2下で-60℃で滴下により添加した。混合物を20℃に温め、16時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(200mL)/ブライン(200mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、tert-ブチル4-(4-ニトロピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1-2、25g)を白色の固体として得た。ESI[M+H-100]=197.3
【0189】
工程2:HCl/EtOAc(4M、100mL)中のtert-ブチル4-(4-ニトロピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1-2、10g、33.75mmol)の溶液を20℃で1時間撹拌し、次いで濃縮して、4-(4-ニトロピラゾール-1-イル)ピペリジン(1-3)を白色の固体として得た。ESI[M+H]=197.3
【0190】
工程3:MeOH(100mL)中の4-(4-ニトロピラゾール-1-イル)ピペリジン(1-3、8.2g、35.24mmol、HCl塩)の溶液に、DIEA(9.11g、70.49mmol、2.0当量)及びホルムアルデヒド(1.59g、52.87mmol、1.5当量)を添加した。混合物を20℃で15分間撹拌した。次いで、NaBH3CN(4.43g、70.49mmol、2.0当量)を添加し、混合物を20℃で更に45分間撹拌した。反応混合物をH2O(300mL)で希釈し、EtOAc(500mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、1-メチル-4-(4-ニトロピラゾール-1-イル)ピペリジン(1-4、2g)を白色の固体として得た。ESI[M+H]=211.2。
【0191】
工程4:EtOAc(20mL)中の1-メチル-4-(4-ニトロピラゾール-1-イル)ピペリジン(1-4、2g、9.51mmol)及びPd/C(2g、純度10%)の混合物を脱気し、H2で3回パージした後、混合物をH2(15Psi)下、30℃で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濃縮して、1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-アミン(IM1、1.8g、粗生成物)をピンク色の油として得た。ESI[M+H]=181.2。
【0192】
実施例2:tert-ブチル4-(4-アミノ-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(IM2)
【0193】
【化39】
EtOAc(30mL)中のtert-ブチル4-(4-ニトロピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1-2、3g、10.12mmol)及びPd/C(1g、純度10%)の混合物を、H
2(15psi)下、20℃で12時間撹拌した。混合物を濾過し、濃縮して、tert-ブチル4-(4-アミノピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(IM2、1.4g)を褐色の油として得た。ESI[M+H]=267.2。
【0194】
例3:8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(メチルチオ)ピリド[4,3-d]ピリミジン-5(6H)-オン(IM3)。
【0195】
【化40】
工程1:2-メチルイソチオ尿素、硫酸(28.88g、103.74mmol、0.5当量)、及び1,1-ジメトキシ-N,N-ジメチル-メタンアミン(3-1、24.72g、207.47mmol)の混合物を100℃で3時間加熱した。混合物を20℃に冷却し、EtOH(120mL)中のエチル3-オキソブタノエート(27g、207.47mmol、1当量)の溶液を添加し、得られた混合物を100℃で12時間加熱し、室温に冷却し、濃縮した。残留物をEtOAc(1.0L)で希釈し、水(500mL)/ブライン(500mL)で洗浄し、乾燥させ、濃縮して、エチル4-メチル-2-メチルスルファニル-ピリミジン-5-カルボキシレート(3-2、41.12g)を黄色の油として得た。ESI[M+H]=213.1。
【0196】
工程2:4-メチル-2-メチルスルファニル-ピリミジン-5-カルボキシレート(3-2、41.12g、193.72mmol)のTHF(150mL)/MeOH(50mL)溶液に、LiOH.H2O(15g、357.45mmol、1.85当量)のH2O溶液(150mL)を添加した。混合物を20℃で12時間撹拌し、濃縮してMeOH及びTHFを除去した。残留水層をメチルtert-ブチルエーテル(300mL)で抽出した。水層を1NのHClで酸性化してpH2に調整した。沈殿物を回収し、乾燥させて、4-メチル-2-メチルスルファニル-ピリミジン-5-カルボン酸(3-3、24.4g)を黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=8.88(s,1H),2.66(s,3H),2.54(s,3H).
【0197】
工程3:クロロベンゼン(455mL)中の4-メチル-2-メチルスルファニル-ピリミジン-5-カルボン酸(3-3、18.2g、98.80mmol)及び2,6-ジクロロアニリン(16.01g、98.80mmol、1当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージした。PCl3(13.57g、98.80mmol、1当量)を添加し、混合物をN2下、135℃で16時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を飽和Na2CO3水溶液(500mL)に注ぎ、2-メチル-THF(1L)/EtOAc(500mL)で抽出した。有機相を乾燥させ、濃縮した。残留物をEtOAc(100mL)で粉砕して、N-(2,6-ジクロロフェニル)-4-メチル-2-メチルスルファニル-ピリミジン-5-カルボキサミド(3-4、18.0g)を黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=10.54(s,1H),8.74(s,1H),7.61(d,J=8.00Hz,2H),7.40-7.45(m,1H),2.61(s,3H),2.57(s,3H)。ESI[M+H]=328.0/330.0。
【0198】
工程4:DMF(150mL)中のN-(2,6-ジクロロフェニル)-4-メチル-2-メチルスルファニル-ピリミジン-5-カルボキサミド(3-4、15g、45.70mmol)の溶液に、DMF-DMA(16.34g、137.10mmol、3当量)を添加した。得られた混合物を80℃で12時間撹拌し、次いで、濃縮した。残留物をEtOH(50mL)で粉砕して、6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(3-5、5.3g)を白色の固体として得た。ESI[M+H]=338.1/340.1。
【0199】
工程5:MeCN(56mL)中の6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(3-5、3.88g、11.47mmol)の溶液に、NBS(3.06g、17.21mmol、1.5当量)を添加し、混合物を80℃で16時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物をEtOH(20mL)で粉砕して、8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(IM3、3.1g、淡黄色の固体として)を得た。ESI[M+H]=417.9/415.9。
【0200】
実施例4:8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(メチルスルフィニル)ピリド[4,3-d]ピリミジン-5(6H)-オン(IM4)。
【0201】
【化41】
DCM(5mL)中の8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(IM3、100mg、239.75μmol)の溶液に、m-CPBA(62.06mg、359.62μmol、純度85%、1.5当量)を添加した。混合物を20℃で1時間撹拌し、次いで濃縮して、IM4を得て、更に精製使用するためのIM4を得た。ESI[M+H]=433.9/431.9
【0202】
実施例5:tert-ブチル4-(4-((8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-5-オキソ-5,6-ジヒドロピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル)アミノ)-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(IM5)
【0203】
【化42】
DCE(50mL)/DCM(50mL)中の8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-メチルスルフィニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(IM4、1g、2.31mmol)の溶液に、tert-ブチル4-(4-アミノピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(IM2、1.23g、4.62mmol、2当量)を添加し、続いてAcOH(138.65mg、2.31mmol、1当量)を添加した。混合物を50℃で12時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を逆相分取HPLCにより精製して、tert-ブチル4-[4-[[8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(IM5、1.4g)を黄色の固体として得た。ESI[M+H-56]=580.1/578.2.
【0204】
実施例6:tert-ブチル4-[4-[[6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-イソプロペニル-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(IM6)
【0205】
【化43】
ジオキサン(5mL)及びH
2O(1mL)中のtert-ブチル4-[4-[[8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(IM5、200mg、314.79μmol)、2-イソプロペニル-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(105.80mg、629.58μmol、2当量)、Pd(dppf)Cl
2.DCM(128.53mg、157.40μmol、0.5当量)、及びK
2CO
3(87.01mg、629.58μmol、2当量)の混合物を脱気し、N
2で3回パージした。混合物を100℃で12時間撹拌し、室温に冷却し、H
2O(5mL)に注ぎ、EtOAc(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製して、tert-ブチル4-[4-[[6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-イソプロペニル-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(IM6、80mg)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ=10.40(s,1H),9.27-9.07(m,1H),8.20-8.02(m,1H),7.77-7.66(m,3H),7.65-7.57(m,2H),5.48-5.13(m,2H),4.45-4.28(m,1H),4.14-3.94(m,2H),3.10-2.82(m,2H),2.24-2.16(m,3H),2.11-1.97(m,2H),1.84-1.65(m,2H),1.45(s,9H)。ESI[M+H]=596.2/598.2
【0206】
本発明の例示的化合物の調製
実施例7:8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-[[1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(P1)
【0207】
【化44】
DCE(8mL)中の8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-メチルスルフィニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(IM4、100mg、230.89μmol)の溶液に、1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-アミン(IM1、83.24mg、461.78μmol、2当量)及びTFA(26.33mg、230.89μmol、1当量)を添加した。混合物を50℃で12時間撹拌し、濃縮し、分取HPLCによって精製して、8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-[[1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(P1、141.97mg)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ=10.71(s,1H),9.09(s,1H),8.41(d,J=18.39Hz,2H),7.82(s,1H),7.71-7.76(m,2H),7.56-7.66(m,1H),4.21(brs,1H),3.00(brs,2H),2.34(brs,4H),1.91-2.15(m,5H)。ESI[M+H]=550.0/548.0。
【0208】
実施例8:6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-メチル-2-[[1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(P2)
【0209】
【化45】
工程1:ジオキサン(12mL)中の8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(IM3、0.1g、239.75μmol)、2,4,6-トリメチル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリボリナン(120.39mg、479.49μmol、純度50%、2当量)、Pd(dppf)Cl
2.DCM(9.79mg、11.99μmol、0.05当量)、及びK
2CO
3(99.41mg、719.24μmol、3当量)の混合物を、N
2下、100℃で6時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製して、6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-メチル-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(8-1、30mg)をオフホワイトの固体として得た。ESI[M+H]=352.0/354.0。
【0210】
工程2:DCM(1mL)中の6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-メチル-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(8-1、20mg、56.78μmol、1当量)の溶液に、m-CPBA(9.80mg、56.78μmol、純度85%、1当量)を添加した。混合物を20℃で1時間撹拌し、次いで、更に精製することなく次の工程に使用した。ESI[M+H]=368.0/370.0。
【0211】
工程3:DCE(0.5mL)中の6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-メチル-2-メチルスルフィニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(8-2、9.58mg、26.03μmol)の溶液に、1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-アミン(IM1、9.38mg、52.05μmol、2当量)のDCE(1mL)溶液を添加し、続いてTFA(2.97mg、26.03μmol、1当量)を添加した。混合物を50℃で12時間撹拌し、次いで、濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製して、6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-メチル-2-[[1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(P2、9.39mg、HCl)を黄色のゴムとして得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=10.17-10.48(m,1H),9.47-9.90(m,1H),9.11(s,1H),8.12(s,1H),7.79(s,1H),7.73(d,J=8.13Hz,2H),7.67(s,1H),7.56-7.61(m,1H),4.47(brs,1H),3.41(brs,2H),3.16(brd,J=10.88Hz,2H),2.83(brs,3H),2.07-2.33(m,7H)。ESI[M+H]=484.1/486.1。
【0212】
実施例9:8-シクロプロピル-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-[[1-(4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(P3)
【0213】
【化46】
工程1:tert-ブチル4-[4-[[8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(IM5、200mg、314.79μmol)、シクロプロピルボロン酸(135.20mg、1.57mmol、5当量)、Pd(dppf)Cl
2の混合物。ジオキサン(4mL)及びH
2O(1mL)中のDCM(128.54mg、157.40μmol、0.5当量)及びK
2CO
3(87.01mg、629.59μmol、2当量)を脱気し、N
2で3回パージした。得られた混合物を100℃で12時間撹拌し、室温に冷却し、濃縮し、H
2O(10mL)で希釈し、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製して、tert-ブチル4-[4-[[8-シクロプロピル-6-(2,6-ジクロロフェニル)-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(9-1、70mg)を黄色の固体として得た。ESI[M+H]=596.2/598.2。
【0214】
工程2:tert-ブチル4-[4-[[8-シクロプロピル-6-(2,6-ジクロロフェニル)-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(9-1、70mg、117.35μmol)のDCM(10mL)溶液に、TFA(7.70g、67.53mmol)を添加し、混合物を20℃で1時間撹拌し、濃縮し、残留物を分取HPLCで精製して、8-シクロプロピル-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-[[1-(4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(P3、13.81mg、HCl)を黄色のゴムとして得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=10.47(s,1H),9.36(brs,2H),9.10(s,1H),8.20(s,1H),7.81(s,1H),7.70(d,J=8.00Hz,2H),7.50-7.60(m,1H),7.46(s,1H),4.50(brs,1H),3.36(brd,J=12.26Hz,2H),3.06(brs,2H),2.18(brs,5H),0.97(brd,J=8.13Hz,2H),0.65(brd,J=4.50Hz,2H)。ESI[M+H]=486.2/498.2。
【0215】
実施例10:6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-エチル-2-[[1-(4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(P4)及び6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-エチル-2-((1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ)ピリド[4,3-d]ピリミジン-5(6H)-オン(P5)
【0216】
【化47】
工程1:2-メチル-2-nutanol(18mL)及びH
2O(4.5mL)中のtert-ブチル4-[4-[[8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(IM5、300mg、472.19μmol)、エチルボロン酸(139.55mg、1.89mmol、4当量)、CataCXiumA Pd G2(63.14mg、94.44μmol、0.2当量)及びCs
2CO
3(307.70mg、944.38μmol、2当量)を脱気し、N
2で3回パージし、その後、混合物を90℃で12時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製して、tert-ブチル4-[4-[[6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-エチル-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(10-1、30mg)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ=10.38(s,1H),9.11(s,1H),8.12(s,1H),7.69-7.75(m,3H),7.49-7.64(m,2H),4.38(brs,1H),4.04(brd,J=12.26Hz,2H),2.87-3.01(m,2H),2.75(brd,J=7.38Hz,2H),2.05(brd,J=10.76Hz,2H),1.70-1.80(m,2H),1.42(s,9H),1.26(t,J=7.38Hz,3H)。ESI[M+H]=584.2/586.2。
【0217】
工程2:TFA/DCM(1:3、4mL)中のtert-ブチル4-[4-[[6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-エチル-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(10-1、30mg、51.33μmol)の混合物を、20℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製して、6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-エチル-2-[[1-(4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(P4、23.78mg、HCl)を黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=10.43(s,1H),9.24-9.46(m,3H),8.10(s,1H),7.78(s,1H),7.71(d,J=8.13Hz,2H),7.49-7.60(m,2H),4.45-4.59(m,1H),3.37(brd,J=12.38Hz,2H),3.07(brs,2H),2.61-2.79(m,2H),2.19(brs,4H),1.14-1.34(m,3H)。ESI[M+H]=484.1/486.1。
【0218】
工程3:MeOH(4mL)中の6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-エチル-2-[[1-(4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(P4、80mg、133.69μmol)の溶液に、HCHO(32.55mg、401.07μmol、純度37%、3当量)を添加した。混合物を20℃で0.5時間撹拌し、続いてNaBH3CN(8.40mg、133.69μmol、1当量)を添加した。混合物を20℃で1時間撹拌し、次いで濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製して、6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-エチル-2-[[1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(P5、7.77mg、HCl)を黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=11.10(brs,1H),10.39-10.48(m,1H),9.11(s,1H),8.01-8.22(m,1H),7.65-7.86(m,3H),7.47-7.64(m,2H),4.46(brs,1H),3.52(brd,J=11.88Hz,2H),3.16(brd,J=10.01Hz,2H),2.63-2.84(m,5H),2.18-2.44(m,4H),1.09-1.33(m,3H)。ESI[M+H]=498.2/500.1。
【0219】
実施例11:6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-((1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ)-8-(プロパ-1-エン-2-イル)ピリド[4,3-d]ピリミジン-5(6H)-オン(P6)
【0220】
【化48】
DCM(1mL)/TFA(0.2mL)中のtert-ブチル4-[4-[[6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-イソプロペニル-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(IM6、10mg、16.76μmol)の混合物を、20℃で0.5時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製して、6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-イソプロペニル-2-[[1-(4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(P6、8.32mg、HCl)を黄色のゴムとして得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ=10.56-10.15(m,1H),9.45-8.86(m,3H),8.18-7.98(m,1H),7.83-7.47(m,5H),5.52-5.40(m,1H),5.36-5.15(m,1H),4.58-4.43(m,1H),3.41(brd,J=11.4Hz,2H),3.20-3.00(m,2H),2.38-2.03(m,7H)。ESI[M+H]=496.1/498.1
【0221】
実施例12:6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-イソプロペニル-2-[[1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(P7)
【0222】
【化49】
MeOH(2mL)中の6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-イソプロペニル-2-[[1-(4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(P6、70mg、114.68μmol、1当量、TFA)の溶液に、DIEA(29.64mg、229.35μmol、2当量)及びHCHO(27.92mg、344.03μmol、37%純度、3当量)を添加した。混合物を20℃で0.5時間撹拌し、次いでNaBH
3CN(7.21mg、114.68μmol、1当量)を添加した。混合物を20℃で1時間撹拌し、次いで濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製して、6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-イソプロペニル-2-[[1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(P7、13.78mg)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ=10.37(s,1H),9.14(s,1H),8.18-7.99(m,1H),7.74(d,J=8.1Hz,2H),7.70-7.57(m,3H),5.50-5.15(m,2H),4.17-4.01(m,1H),2.88(brd,J=11.5Hz,2H),2.26-2.16(m,6H),2.13-1.85(m,6H)。ESI[M+H]=510.1/512.2
【0223】
実施例13:6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-イソプロピル-2-[[1-(4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(P8)及び6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-イソプロピル-2-[[1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(P9)
【0224】
【化50】
工程1:EtOAc(1mL)中のtert-ブチル4-[4-[[6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-イソプロペニル-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(IM6、10mg、16.76μmol)及びPtO
2(10mg)の混合物を脱気し、H
2で3回パージし、次いで、混合物をH
2下(15Psi)、0℃で0.5時間撹拌した。混合物を濾過し、濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製して、tert-ブチル4-[4-[[6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-イソプロピル-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(13-1、2.28mg)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,METHANOL-d
4)δ=9.38-9.17(m,1H),8.30-8.10(m,1H),7.85-7.77(m,1H),7.70-7.62(m,2H),7.59-7.51(m,1H),7.33-7.19(m,1H),4.47-4.33(m,1H),4.25(brd,J=13.6Hz,2H),3.70-3.52(m,1H),3.12-2.90(m,2H),2.22-2.08(m,2H),2.00-1.86(m,2H),1.51(s,9H),1.44-1.28(m,6H)。ESI[M+H]=598.2/600.2
【0225】
工程2:DCM(2mL)/TFA(0.4mL)中のtert-ブチル4-[4-[[6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-イソプロピル-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(13-1、95mg、158.72μmol)の混合物を20℃で0.5時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製して、6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-イソプロピル-2-[[1-(4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(P8、50mg、81.64μmol、TFA)を灰色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=10.47-10.15(m,1H),9.26-9.09(m,1H),8.85-8.37(m,2H),8.15-8.01(m,1H),7.82(s,1H),7.74(d,J=8.2Hz,2H),7.71-7.57(m,1H),7.52-7.45(m,1H),4.59-4.46(m,1H),3.54-3.44(m,3H),3.23-3.02(m,2H),2.27-2.05(m,4H),1.43-0.92(m,6H)。ESI[M+H]=498.1/500.2
【0226】
工程3:MeOH(2mL)中の6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-イソプロピル-2-[[1-(4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(P8、35mg、57.15μmol、TFA)の溶液に、DIEA(14.77mg、114.30μmol、2当量)及びHCHO(13.91mg、171.45μmol、純度37%、3当量)を添加した。混合物を20℃で0.5時間撹拌し、次いでNaBH3CN(3.59mg、57.15μmol、1当量)を添加した。混合物を20℃で1時間撹拌し、次いで濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製して、6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-イソプロピル-2-[[1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(P9、11.8mg)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=10.46-10.09(m,1H),9.27-9.05(m,1H),8.17-7.92(m,1H),7.73(brd,J=8.4Hz,2H),7.59(brd,J=7.1Hz,1H),7.52-7.41(m,1H),4.24-4.06(m,1H),3.30-3.11(m,3H),3.02-2.86(m,2H),2.31-2.13(m,4H),2.09-1.92(m,3H),1.51-0.83(m,6H)。ESI[M+H]=512.2/514.2
【0227】
実施例14:8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-イルアミノ)ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(P10)及び8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-[(2-メチル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-7-イル)アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(P11)
【0228】
【化51】
工程1:8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-メチルスルフィニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(IM5、180mg、415.60μmol)のDCE(2mL)溶液に、tert-ブチル7-アミノ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボキシレート(206.40mg、831.20μmol、2.0当量)を添加し、続いてAcOH(124.78mg、2.08mmol、5.0当量)を添加した。混合物を50℃で1時間撹拌し、次いで濃縮して、tert-ブチル7-[8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボキシレート(14-1、250mg、粗生成物)を黄色の固体として得た。ESI[M+H]=618.2/616.2。
【0229】
工程2:HCl/MeOH(3mL、4M)中のtert-ブチル7-[[8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボキシレート(14-1、250mg、404.98μmol)の混合物を20℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製して、8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-イルアミノ)ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(P10、148.05mg、HCl)を黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=10.71(brs,1H),9.37(brs,2H),9.20(s,1H),8.47(s,1H),8.17(brs,1H),7.76(d,J=8.00Hz,3H),7.58-7.66(m,1H),7.24(d,J=8.38Hz,1H),4.61(brs,2H),4.30(brs,2H),3.00(brt,J=5.88Hz,2H)。ESI[M+H]=518.0/516.0
【0230】
工程3:MeOH(2mL)中の8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-イル)アミノ)ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(P10、60mg、108.37μmol、HCl)の溶液に、DIEA(28.01mg、216.74μmol、2.0当量)及びHCHO(26.39mg、325.11μmol、37%純粋、3.0当量)を添加した。混合物を20℃で0.5時間撹拌し、次いでNaBH3CN(6.81mg、108.37μmol、1.0当量)を添加した。混合物を20℃で0.5時間撹拌し、濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製して、8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-[(2-メチル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-7-イル)アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(P11、26.22mg、HCl)を黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=11.58(brs,1H),10.78(brs,1H),9.24(s,1H),8.22-8.56(m,2H),7.79(d,J=8.13Hz,3H),7.61-7.70(m,1H),7.28(d,J=8.50Hz,1H),4.31-4.58(m,2H),3.67(brd,J=8.76Hz,1H),3.24-3.44(m,2H),2.90-3.08(m,4H)。ESI[M+H]=532.0/530.0
【0231】
実施例15:化合物P30の調製
【0232】
【0233】
(i)化合物2の調製
クロロベンゼン(50mL)中の4-メチル-2-メチルスルファニル-ピリミジン-5-カルボン酸(3g、16.29mmol、1.0当量)、2,6-ジメチルアニリン(1.97g、16.29mmol、1.0当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージし、続いてPCl3(2.24g、16.29mmol、1.0当量)を添加した。混合物をN2雰囲気下、135℃で3時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を飽和Na2CO3水溶液(50mL)に注ぎ、2-メチルテトラヒドロフラン(50mL×3)で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濃縮した。残留物をEtOH(20mL)で粉砕して、N-(2,6-ジメチルフェニル)-4-メチル-2-メチルスルファニル-ピリミジン-5-カルボキサミド(2.45g、8.53mmol、収率52.35%)を黄色の固体として得た。ESI[M+H]=288.1。
【0234】
(ii)化合物3の調製
【0235】
【化53】
N-(2,6-ジメチルフェニル)-4-メチル-2-メチルスルファニル-ピリミジン-5-カルボキサミド(2.45g、8.53mmol、1.0当量)のDMF(50mL)溶液に、DMF-DMA(6.10g、51.15mmol、6.0当量)を添加し、混合物を80℃で12時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物をEtOH(15mL)で粉砕して、6-(2,6-ジメチルフェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(1.76g、5.92mmol、収率69.42%)を淡黄色の固体として得た。ESI[M+H]=298.1。
【0236】
(iii)化合物4の調製
【0237】
【化54】
6-(2,6-ジメチルフェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(1.76g、5.92mmol、1.0当量)のACN(30mL)溶液に、NBS(1.58g、8.88mmol、1.5当量)を添加し、混合物を脱気し、N
2で3回パージした。混合物をN
2雰囲気下、80℃で12時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物をEtOH(10mL)で粉砕して、8-ブロモ-6-(2,6-ジメチルフェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(2g、5.32mmol、収率89.81%)を淡黄色の固体として得た。ESI[M+H]=376.2/378.2。
【0238】
(iv)化合物5の調製
【0239】
【化55】
DCM(10mL)中の8-ブロモ-6-(2,6-ジメチルフェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(500mg、1.33mmol、1.0当量)の溶液に、m-CPBA(404.67mg、1.99mmol、純度85%、1.5当量)を0℃で添加した。混合物を20℃で1時間撹拌し、次いで更に精製することなく次の工程に使用した。ESI[M+H]=391.9/393.9。
【0240】
(v)化合物6の調製
【0241】
【化56】
8-ブロモ-6-(2,6-ジメチルフェニル)-2-メチルスルフィニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(520mg、1.33mmol、1.0当量)のDCE(12mL)溶液に、tert-ブチル4-(4-アミノピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(708.46mg、2.66mmol、2.0当量)及びAcOH(2.00g、33.25mmol、25.0当量)を添加した。混合物を50℃で1時間撹拌し、次いで濃縮して、tert-ブチル4-[4-[[8-ブロモ-6-(2,6-ジメチルフェニル)-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(710mg、粗生成物)を褐色のゴムとして得た。ESI[M+H-56]=538.3/540.3.
【0242】
(vi)化合物P30の調製
【0243】
【化57】
DCM(6mL)及びTFA(2mL)中のtert-ブチル4-[4-[[8-ブロモ-6-(2,6-ジメチルフェニル)-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(700mg、1.18mmol、1.0当量)の混合物を20℃で12時間撹拌した。混合物を濃縮し、分取HPLC(カラム:Phenomenex luna C18 250
*50mm
*10μm;移動相:[水(0.1%TFA)-ACN];B%:15%~45%、10分間)により精製し、8-ブロモ-6-(2,6-ジメチルフェニル)-2-[[1-(4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(400mg、655.60μmol、収率55.68%、純度99.718%、TFA)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ=10.68(s,1H),9.13(s,1H),8.88-8.70(m,1H),8.62-8.44(m,2H),8.29-7.98(m,1H),7.89-7.66(m,1H),7.37-7.23(m,3H),4.62-4.48(m,1H),3.52-3.39(m,2H),3.20-3.04(m,2H),2.30-2.20(m,2H),2.20-2.03(m,8H)。ESI[M+H]=494.1/496.1。
【0244】
実施例16:化合物P27の調製
【0245】
【化58】
MeOH(4mL)中の8-ブロモ-6-(2,6-ジメチルフェニル)-2-[[1-(4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(250mg、505.68μmol、1.0当量、TFA)の溶液に、DIEA(130.71mg、1.01mmol、2.0当量)及びHCHO(123.13mg、1.52mmol、純度37%、3.0当量)を添加した。混合物を20℃で0.5時間撹拌し、続いてNaBH
3CN(63.56mg、1.01mmol、2.0当量)を添加した。混合物を20℃で1時間撹拌し、次いで濃縮し、分取HPLC(カラム:Welch Xtimate C18 100
*25mm
*3um;移動相:[水(0.05%HCl)-ACN];B%:10%~30%、8分間)により精製し、黄色の固体として8-ブロモ-6-(2,6-ジメチルフェニル)-2-[[1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(144.15mg、258.29μmol、収率51.08%、純度97.630%、HCl)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ11.06-10.78(m,1H),10.72-10.43(m,1H),9.10(s,1H),8.60-8.42(m,1H),8.22-7.91(m,1H),7.63(d,J=1.5Hz,1H),7.34-7.20(m,3H),4.54-4.40(m,1H),3.58-3.33(m,2H),3.23-3.07(m,2H),2.75(brd,J=4.6Hz,3H),2.40-2.19(m,4H),2.08-1.99(m,6H)。ESI[M+H]=508.1/510.1。
【0246】
実施例17:化合物P24の調製
(i)化合物2の調製
【0247】
【化59】
MeOH(4mL)中の6-アミノインダン-1-オン(250mg、1.70mmol、1.0当量)の溶液に、NaBH
4(0.02g、528.65μmol、0.3当量)を添加し、20℃で2時間撹拌した。混合物を1 NHCl(5mL)によってクエンチし、続いて飽和Na
2CO
3水溶液(10mL)を添加し、2-メチルテトラヒドロフラン(20mL×3)で抽出し、Na
2SO
4で乾燥させた。有機層を濾過し、濃縮して、6-アミノインダン-1-オール(240mg、粗生成物)をピンク色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ=6.90-6.83(m,1H),6.58(d,J=1.7Hz,1H),6.44(dd,J=2.1,7.9Hz,1H),5.04(d,J=6.4Hz,1H),4.94(brs,2H),4.91-4.87(m,1H),2.79-2.68(m,1H),2.59-2.53(m,1H),2.31-2.19(m,1H),1.77-1.65(m,1H)。ESI[M+H]=150.3。
【0248】
(ii)化合物4の調製
【0249】
【化60】
DCM(2mL)中の8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(100mg、239.75μmol、1.0当量)の溶液に、m-CPBA(63.28mg、311.67μmol、純度85%、1.3当量)を0℃で添加した。混合物を20℃で1時間撹拌し、次いで更に精製することなく次の工程に使用した。ESI[M+H]=431.8/433.8。
【0250】
(iii)化合物P24の調製
【0251】
【化61】
8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-メチルスルフィニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(100mg、230.89μmol、1.0当量)のDCE(3mL)溶液に、6-アミノインダン-1-オール(68.89mg、461.78μmol、2.0当量)及びAcOH(525.00mg、8.74mmol、0.5mL、37.87当量)を添加した。混合物を50℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex luna C18 100
*40mm
*3μm;移動相:[水(0.04%HCl)-ACN];B%:30%~60%、7分)により精製し、黄色の固体として8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-[(3-ヒドロキシインダン-5-イル)アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(90mg、166.17μmol、収率71.97%、純度95.673%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ10.73-10.49(m,1H),9.18(d,J=1.0Hz,1H),8.43(s,1H),8.16-7.87(m,2H),7.76(d,J=8.3Hz,2H),7.67-7.58(m,1H),7.22(brd,J=8.3Hz,1H),5.24(brd,J=5.9Hz,1H),5.07(brd,J=5.9Hz,1H),2.98-2.83(m,1H),2.76-2.63(m,1H),2.42-2.32(m,1H),1.89-1.75(m,1H)。ESI[M+H]=517.0/518.9。
【0252】
実施例18:化合物P23の調製
(i)化合物2の調製
【0253】
【化62】
THF(4mL)中の8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-[(3-ヒドロキシインダン-5-イル)アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(50mg、96.49μmol、1.0当量)の溶液に、DPPA(53.11mg、192.98μmol、2.0当量)を添加し、続いてDBU(44.07mg、289.47μmol、3.0当量)をN
2雰囲気下、0℃で添加した。混合物をN
2雰囲気下、60℃で3時間撹拌した。反応混合物にH
2O(15mL)を添加し、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、Na
2SO
4で乾燥させた。有機層を濾過し、濃縮して、2-[(3-アジドインダン-5-イル)アミノ]-8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(60mg、粗製物)を黄色のゴムとして得た。ESI[M+H]=542.1/544.1。
【0254】
(ii)化合物P23の調製
【0255】
【化63】
2-[(3-アジドインダン-5-イル)アミノ]-8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(30mg、55.23μmol、1.0当量)のACN(5mL)溶液に、CeCl
3.7H
2O(41.15mg、110.46μmol、2.0当量)及びNaI(74.51mg、497.05μmol、9.0当量)を添加した。反応混合物を100℃で12時間撹拌し、次いで、濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:移動相:[水(0.04%HCl)-ACN];B%:25%~45%、7分)により精製して、2-[(3-アミノインダン-5-イル)アミノ]-8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(11.65mg、20.72μmol、収率37.52%、純度98.485%、HCl)を暗黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ10.83-10.60(m,1H),9.19(s,1H),8.57(brs,3H),8.43(s,1H),8.03(s,1H),7.76(d,J=8.1Hz,2H),7.68-7.57(m,1H),7.38-7.20(m,2H),4.71(brs,1H),3.16-3.02(m,1H),2.94-2.80(m,1H),2.50-2.44(m,1H),2.17-2.02(m,1H)。ESI[M+H]=516/517.9。
【0256】
実施例19:化合物P22の調製
【0257】
【化64】
MeOH(5mL)中の2-[(3-アミノインダン-5-イル)アミノ]-8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(290mg、560.71μmol、1.0当量)の溶液に、DIEA(144.93mg、1.12mmol、2.0当量)及びHCHO(136.52mg、1.68mmol、純度37%、3.0当量)を添加した。混合物を20℃で0.5時間撹拌し、続いてNaBH
3CN(70.4mg、1.12mmol、2.0当量)を添加した。混合物を20℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を分取HPLC(カラム:Welch Xtimate C18 100
*25mm
*3μm;移動相:[水(0.04%HCl)-ACN];B%:20%~40%、8分間)により精製し、8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-[[3-(ジメチルアミノ)インダン-5-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(13.01mg、21.69μmol、収率3.87%、純度96.970%、HCl)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ10.92-10.62(m,2H),9.20(s,1H),8.49-8.42(m,1H),8.06-7.85(m,1H),7.76(d,J=8.1Hz,2H),7.65-7.58(m,1H),7.41-7.32(m,1H),7.21-7.10(m,1H),4.99-4.90(m,1H),3.18-3.06(m,1H),2.93-2.83(m,1H),2.75(brs,3H),2.63(brd,J=3.4Hz,3H),2.47-2.40(m,2H)。ESI[M+H]=544.0/546.0。
【0258】
実施例20:化合物P21の調製
(i)化合物2の調製
【0259】
【化65】
DCM(5mL)中の8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(200mg、479.49μmol、1.0当量)の溶液に、m-CPBA(146.02mg、719.24μmol、純度85%、1.5当量)を0℃で添加した。混合物を20℃で1時間撹拌し、次いで、更に精製することなく次の工程に使用した。ESI[M+H]=431.8/433.8。
【0260】
(ii)化合物P21の調製
【0261】
【化66】
8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-メチルスルフィニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(200mg、461.78μmol、1.0当量)のDCE(5mL)溶液に、4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(176.65mg、923.56μmol、2.0当量)及びAcOH(138.65mg、2.31mmol、5.0当量)を添加した。混合物を50℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を分取HPLC(HCl条件、カラム:Phenomenex Luna C18 75
*30mm
*3μm;移動相:[水(0.04%HCl)-ACN];B%:20%~50%、8分間)により精製し、8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(194.04mg、323.22μmol、収率69.99%、純度99.40%、HCl)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ10.43-10.58(m,2H),9.13-9.14(m,1H),9.14(s,1H),8.42(s,1H),8.01(brs,2H),7.75(d,J=8.13Hz,2H),7.61(dd,J=7.69,8.69Hz,1H),7.05(brd,J=8.75Hz,2H),3.81(brd,J=12.76Hz,2H),3.50(brd,J=11.63Hz,2H),3.12-3.22(m,2H),3.01-3.10(m,2H),2.83(d,J=4.50Hz,3H)。ESI[M+H]=559.0/560.9。
【0262】
実施例21:化合物P19の調製
(i)化合物2の調製
【0263】
【化67】
NaH(913.33mg、22.83mmol、純度60%、2.0当量)のDMF(30mL)溶液に、メチル2-(2-シアノフェニル)アセテート(2g、11.42mmol、1.0当量)を0℃で滴下添加した。混合物を0℃で0.5時間撹拌した後、1.2-メトキシベンジルアミン(4.29g、22.83mmol、2.0当量)を0℃で滴下した。得られた混合物を20℃で0.5時間撹拌し、次いで、飽和NH
4Cl水溶液(80mL)でクエンチした。反応混合物を濃縮して有機相を除去し、次いで、H
2O(30mL)で希釈し、酢酸エチル(40mL×3)で抽出し、次いで、ブライン(30mL)で洗浄した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、メチル1-(2-シアノフェニル)シクロプロパンカルボキシレート(2.1g、粗製物)を暗黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ7.79-7.90(m,1H),7.62-7.76(m,1H),7.45-7.57(m,2H),3.54-3.64(m,3H),1.57-1.71(m,2H),1.27-1.43(m,2H)。ESI[M+H]=202.1。
【0264】
(ii)化合物3の調製
【0265】
【化68】
メチル1-(2-シアノフェニル)シクロプロパンカルボキシレート(2g、9.94mmol、1.0当量)のMeOH(60mL)/TEA(6mL)/H2O(7mL)中溶液に、H
2雰囲気下でラネーNi(2.4g、9.94mmol、1.0当量)を添加した。懸濁液を脱気し、H
2で3回パージした。混合物をH
2(15Psi)雰囲気下、20℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して、スピロ[1,2-ジヒドロイソキノリン-4,1’-シクロプロパン]-3-オン(1.6g、粗生成物)を黄色の固体として得た。ESI[M+H]=174.2。
【0266】
(iii)化合物4の調製
【0267】
【化69】
H
2SO
4(10mL)中のスピロ[1,2-ジヒドロイソキノリン-4,1’-シクロプロパン]-3-オン(600mg、3.46mmol、1.0当量)の溶液に、KNO
3(420.25mg、4.16mmol、1.2当量)を0℃で添加した。混合物を0℃で15分間撹拌し、次に20℃で45分間撹拌した。反応溶液を氷水(20mL)に注ぎ、濾過して、7-ニトロスピロ[1,2-ジヒドロイソキノリン-4,1’-シクロプロパン]-3-オン(670mg、粗生成物)を淡黄色の固体として得た。ESI[M+H]=219.1。
【0268】
(iv)化合物5の調製
【0269】
【化70】
7-ニトロスピロ[1,2-ジヒドロイソキノリン-4,1’-シクロプロパン]-3-オン(670mg、3.07mmol、1当量)に、BH
3.THF(1M、20mL)を0℃で添加した。反応混合物を50℃で12時間撹拌した。反応混合物を0℃で4N HCl(5mL)でクエンチし、50℃で1時間撹拌した。反応混合物を飽和Na
2CO
3水溶液でpH8に調整して、7-ニトロスピロ[2,3-ジヒドロ-1H-イソキノリン-4,1’-シクロプロパン](600mg、粗生成物)を黄色の油として得た。ESI[M+H]=205.2。
【0270】
(v)化合物6の調製
【0271】
【化71】
7-ニトロスピロ[2,3-ジヒドロ-1H-イソキノリン-4,1’-シクロプロパン](600mg、2.94mmol、1.0当量)のTHF(8mL)及びH
2O(8mL)溶液に、tert-ブトキシカルボニルtert-ブチルカーボネート(769.43mg、3.53mmol、1.2当量)を添加した。混合物を20℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)に注ぎ、酢酸エチル(20mLx3)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して残留物を得た。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=1:0~5:1)により精製して、tert-ブチル7-ニトロスピロ[1,3-ジヒドロイソキノリン-4,1’-シクロプロパン]-2-カルボキシレートを黄色の固体として得た。ESI[M+H-tBu]=249.1.
【0272】
(vi)化合物7の調製
【0273】
【化72】
tert-ブチル7-ニトロスピロ[1,3-ジヒドロイソキノリン-4,1’-シクロプロパン]-2-カルボキシレート(470mg、1.54mmol、1.0当量)のTHF(3mL)、EtOH(3mL)及びH
2O(1mL)中溶液に、Fe(431.25mg、7.72mmol、5.0当量)及びNH
4Cl(413.03mg、7.72mmol、5.0当量)を添加した。混合物を80℃で1時間撹拌した。混合物を濾過し、濃縮して、tert-ブチル7-アミノスピロ[1,3-ジヒドロイソキノリン-4,1’-シクロプロパン]-2-カルボキシレート(400mg、粗生成物)を黄色のゴムとして得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ7.40(brs,1H),7.28(brs,1H),7.15(brs,1H),6.35-6.52(m,2H),4.46(brs,2H),3.35-3.39(m,2H),1.40(brs,9H),0.79(s,4H)。ESI[M+H-tBu]=219.3.
【0274】
(vii)化合物9の調製
【0275】
【化73】
DCM(2mL)中の8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(50mg、119.87μmol、1.0当量)の溶液に、m-CPBA(36.50mg、179.81μmol、純度85%、1.5当量)を0℃で添加した。混合物を20℃で1時間撹拌し、次いで更に精製することなく次の工程に使用した。ESI[M+H]=432.0/434.0。
【0276】
(viii)化合物10の調製
【0277】
【化74】
DCE(5mL)中の8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-メチルスルフィニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(50mg、115.44μmol、1.0当量)の溶液に、tert-ブチル7-アミノスピロ[1,3-ジヒドロイソキノリン-4,1’-シクロプロパン]-2-カルボキシレート(63.35mg、230.89μmol、2.0当量)及びAcOH(41.60mg、692.67μmol、6.0当量)を添加した。混合物を50℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、Na
2CO
3(3mL)で希釈し、次いで、酢酸エチル(5mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を分取TLC((SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=5:1)により精製して、7-[[8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]スピロ[1,3-ジヒドロイソキノリン-4,1’-シクロプロパン]-2-カルボン酸tert-ブチル(50mg、77.72μmol、収率67.32%)を黄色油状物として得た。ESI[M+H]=641.9/643.9。
【0278】
(ix)化合物P19の調製
【0279】
【化75】
TFA/DCM(2mL、v/v=3/1)中のtert-ブチル7-[[8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]スピロ[1,3-ジヒドロイソキノリン-4,1’-シクロプロパン]-2-カルボキシレート(20mg、31.09μmol、1.0当量)の混合物を、20℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna C18 150
*30mm
*5μm;移動相:[水(0.1%TFA)-ACN];B%:5%~45%、8分)により精製し、8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(スピロ[2,3-ジヒドロ-1H-イソキノリン-4,1’-シクロプロパン]-7-イルアミノ)ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(8.59mg、13.07μmol、収率42.95%、純度98.795%、TFA)を淡黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ10.69(brs,1H),9.15-9.29(m,3H),8.46(s,1H),8.14(brs,1H),7.75(d,J=8.13Hz,3H),7.55-7.66(m,1H),6.89(d,J=8.63Hz,1H),4.43(brs,2H),3.28(brs,2H),1.06-1.13(m,4H)。ESI[M+H]=541.9/544。
【0280】
実施例22:化合物P20の調製
【0281】
【化76】
MeOH(2mL)中の8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(スピロ[2,3-ジヒドロ-1H-イソキノリン-4,1’-シクロプロパン]-7-イルアミノ)ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(20mg、30.43μmol、1.0当量、TFA)の溶液に、HCHO(7.41mg、91.29μmol、純度37%、3.0当量)及びDIEA(3.93mg、30.43μmol、1.0当量)を添加した。混合物を20℃で0.5時間撹拌し、続いてNaBH
3CN(4mg、60.86μmol、2.0当量)を添加した。混合物を20℃で1時間撹拌した。反応混合物を飽和Na
2CO
3水溶液(3mL)で希釈し、DCM(2mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna C18 150
*30mm
*5μm;移動相:[水(0.1%TFA)-ACN];B%:10%~50%、8分)により精製して、黄色の固体として8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-[(2-メチルスピロ[1,3-ジヒドロイソキノリン-4,1’-シクロプロパン]-7-イル)アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(4.42mg、6.58μmol、収率21.64%、純度94.528%、TFA)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ10.72(brs,1H),10.24(brs,1H),9.19(s,1H),8.46(s,1H),8.22(brs,1H),7.75(d,J=8.13Hz,3H),7.57-7.66(m,1H),6.90(d,J=8.75Hz,1H),4.39-4.66(m,2H),3.23(brd,J=12.13Hz,2H),2.96(brd,J=2.63Hz,3H),0.96-1.40(m,4H)。ESI[M+H]=555.9/558.0。
【0282】
実施例23:化合物P25の調製
(i)化合物2の調製
【0283】
【化77】
4-ニトロ-1H-ピラゾール(10g、88.44mmol、1.0当量)、tert-ブチル4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(17.80g、88.44mmol、1.0当量)及びPPh
3(34.79g、132.66mmol、1.5当量)のTHF(400mL)溶液に、DIAD(26.82g、132.66mmol、1.5当量)をN
2下-60℃で滴下添加した。混合物を20℃に温め、16時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(200mL)/ブライン(200mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィ(PE:EA=10:1~1:1)によって精製して、tert-ブチル4-(4-ジクロロピリダジン-1-イル)-3-(1-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(24g、80.99mmol、収率91.58%)を黄色の固体として得た。LCMS:ESI[M+H-Boc]=197.3
【0284】
(ii)化合物3の調製
【0285】
【化78】
EtOAc(80mL)中のtert-ブチル4-(4-ニトロピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(8g、27.00mmol、1当量)、Pd/C(2g、純度10%)の混合物を脱気し、H
2で3回パージし、次いで、混合物をH
2雰囲気下(15Psi)、20℃で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィ(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~0/1)により精製して、4-(4-アミノピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(4g、14.40mmol、収率53.34%、純度95.88%)を赤色の油として得た。LCMS:ESI[M+H-tBu]=211.3。
【0286】
(iii)化合物5の調製
【0287】
【化79】
エチル3-オキソブタノアート(61.80g、474.87mmol、1.0当量)及び1,1-ジメトキシ-N,N-ジメチル-メタンアミン(68.17g、572.10mmol、1.20当量)の混合物を80℃に10分間加熱した。混合物を20℃に冷却し、続いて2-メチルイソチオ尿素、硫酸(66.10g、237.43mmol、0.5当量)を添加した。混合物を85℃で12時間加熱し、次いで濃縮し、残留物をEtOAc(800mL)に溶解し、水(800mL)、飽和NaHCO
3水溶液(400mL)、ブライン(400mL)で洗浄し、乾燥させ、濃縮して、4-メチル-2-メチルスルファニル-ピリミジン-5-カルボキシレート(76.8g、粗生成物)を黄色の油として得た。ESI[M+H]=213.2。
【0288】
(iv)化合物6の調製
【0289】
【化80】
LiOH.H
2O(27.72g、660.63mmol、1.85当量)のH
2O溶液(278mL)を、4-メチル-2-メチルスルファニル-ピリミジン-5-カルボキシレート(75.8g、357.10mmol、1.0当量)のTHF(278mL)/MeOH(92mL)溶液に添加した。混合物を20℃で1時間撹拌し、次いで、濃縮して溶媒を除去した。残留水層をメチルtert-ブチルエーテル(500mL)で抽出し、次いで1NHClで酸性化してpH2に調整した。沈殿物を濾過し、濾過ケーキを乾燥させて、4-メチル-2-メチルスルファニル-ピリミジン-5-カルボン酸(38g、201.66mmol、収率56.47%、純度97.76%)を黄色の固体として得た。ESI[M+H]=185.1。
【0290】
(v)化合物7の調製
【0291】
【化81】
クロロベンゼン(45mL)中の4-メチル-2-メチルスルファニル-ピリミジン-5-カルボン酸(3g、16.29mmol、1.0当量)及び2-フルオロ-6-メチル-アニリン(2.04g、16.29mmol、1.0当量)の混合物を脱気し、N
2で3回パージし、続いて20℃でPCl
3(2.24g、16.29mmol、1.0当量)を添加した。次いで、混合物をN
2雰囲気下、135℃で12時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を飽和Na
2CO
3水溶液(100mL)に注ぎ、2-メチル-THF(50mL×3)で抽出した。有機相を乾燥させ、濃縮した。残留物をEtOAc(6mL)で粉砕して、N-(2-フルオロ-6-メチル-フェニル)-4-メチル-2-メチルスルファニル-ピリミジン-5-carboxamie(2.3g、6.23mmol、38.23%収率、78.87%純粋)を黄色の固体として得た。ESI[M+H]=292.2。
【0292】
(vi)化合物8の調製
【0293】
【化82】
DMF(57mL)中のN-(2-フルオロ-6-メチル-フェニル)-4-メチル-2-メチルスルファニル-ピリミジン-5-カルボキサミド(2.3g、7.89mmol、1.0当量)の溶液に、DMF-DMA(5.64g、47.37mmol、6.29mL、6当量)を添加した。混合物を80℃で12時間撹拌した。混合物を濃縮し、精製して、EtOH(8mL)で粉砕して、6-(2-フルオロ-6-メチル-フェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(2.13g、6.35mmol、80.42%収率、純度89.82%)を白色の固体として得た。ESI[M+H]=302.3。
【0294】
(vii)化合物9の調製
【0295】
【化83】
CH
3CN(60mL)中の6-(2-フルオロ-6-メチル-フェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(2.13g、7.07mmol、1.0当量)の溶液に、NBS(1.89g、10.60mmol、1.5当量)を添加した。混合物を80℃で12時間撹拌した。混合物を濃縮し、粗生成物をEtOH(10mL)で粉砕して、8-ブロモ-6-(2-フルオロ-6-メチル-フェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(2.3g、5.51mmol、収率78.02%、純度91.17%)を黄色の固体として得た。ESI[M+H]=380.2/382.1。
【0296】
(viii)化合物10の調製
【0297】
【化84】
DCM(43mL)中の8-ブロモ-6-(2-フルオロ-6-メチル-フェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(1g、2.63mmol、1.0当量)の溶液に、m-CPBA(694.11mg、3.42mmol、純度85%、1.3当量)を0℃で添加した。次いで、混合物を20℃で1時間撹拌した。混合物を更に精製することなく次の工程に使用した。ESI[M+H]=398.1/396.1。
【0298】
(ix)化合物11の調製
【0299】
【化85】
DCE(60mL)中の8-ブロモ-6-(2-フルオロ-6-メチル-フェニル)-2-メチルスルフィニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(1g、2.52mmol、1.0当量)の溶液に、tert-ブチル4-(4-アミノピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.01g、3.79mmol、1.5当量)を添加した。次いで、AcOH(909.34mg、15.14mmol、6当量)を添加した。混合物を50℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を分取HPLC(カラム:Kromasil C18(250
*50mm
*10um);移動相:[水(10mM NH
4HCO
3)-ACN];B%:45%~65%、10分)により精製して、tert-ブチル4-[4-[[8-ブロモ-6-(2-フルオロ-6-メチル-フェニル)-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(0.7g、1.17mmol、収率46.35%)を黄色の固体として得た。ESI[M+H]=542.2/544.2。
【0300】
(x)化合物P25の調製
【0301】
【化86】
DCM(6mL)中のtert-ブチル4-[4-[[8-ブロモ-6-(2-フルオロ-6-メチル-フェニル)-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(150mg、250.64μmol、1.0当量)の溶液に、TFA(2mL)を添加した。混合物を20℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna C18 150
*30mm
*5μm;移動相:[水(0.1%TFA)-ACN];B%:10%~40%、9分間)により精製して、8-ブロモ-6-(2-フルオロ-6-メチル-フェニル)-2-[[1-(4-ピペルジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4.3-d]ピリミジン-5-オン(34.37mg、68.97μmol、84.47%の収率、100%の純度、TFA)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ10.69(s,1H),9.10(s,1H),8.72(brs,1H),8.27-8.49(m,2H),7.66-8.04(m,1H),7.47(dt,J=5.82,7.97Hz,1H),7.21-7.35(m,2H),4.46-4.62(m,1H),3.44(brd,J=12.76Hz,2H),3.11(q,J=11.30Hz,2H),1.98-2.30(m,7H)。ESI[M+H]=498.1/500.1。
【0302】
実施例24:化合物P26の調製
【0303】
【化87】
MeOH(4mL)中の8-ブロモ-6-(2-フルオロ-6-メチル-フェニル)-2-[[1-(4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(100mg、163.30μmol、1当量、TFA)の溶液に、DIEA(21.11mg、163.30μmol、1.0当量)及びHCHO(39.76mg、489.90μmol、純度37%、3.0当量)を添加した。混合物を20℃で0.5時間撹拌した。次いで、NaBH
3CN(10.26mg、163.30μmol、1.0当量)を添加した。混合物を20℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna C18 150
*30mm
*5μm;移動相:[水(0.1%TFA)-ACN];B%:12%~42%、9分間)により精製し、8-ブロモ-6-(2-フルオロ-6-メチル-フェニル)-2-[[1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(56.6mg、90.36μmol、収率55.33%、純度100%、TFA)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ10.46-10.80(m,1H),9.57-9.95(m,1H),9.10(s,1H),8.27-8.50(m,2H),7.66-8.09(m,1H),7.40-7.55(m,1H),7.21-7.35(m,2H),4.41-4.63(m,1H),3.59(brd,J=11.63Hz,2H),3.10-3.25(m,2H),2.83(brs,3H),2.06-2.36(m,7H)。ESI[M+H]=512.1/514.1。
【0304】
実施例25:化合物P14の調製
(i)化合物2の調製
【0305】
【化88】
クロロベンゼン(30mL)中の4-メチル-2-メチルスルファニル-ピリミジン-5-カルボン酸(3.14g、17.04mmol、1.0当量)及び2,6-ジクロロ-3-メチルアニリン(3g、17.04mmol、1.0当量)の溶液に、PCl
3(2.34g、17.04mmol、1.0当量)を添加した。混合物を135℃で12時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を飽和Na
2CO
3水溶液(100mL)に注ぎ、2-メチル-THF(50mL×3)で抽出した。有機相を乾燥させ、濃縮した。残留物をEtOH(6mL)で粉砕して、N-(2,6-ジクロロ-3-メチル-フェニル)-4-メチル-2-メチルスルファニル-ピリミジン-5-カルボキサミド(2.3g、6.72mmol、収率39.44%)を黄色の固体として得た。ESI[M+H]=342.1/344.1。
【0306】
(ii)化合物3の調製
【0307】
【化89】
DMF(50mL)中のN-(2,6-ジクロロ-3-メチル-フェニル)-4-メチル-2-メチルスルファニル-ピリミジン-5-カルボキサミド(2.1g、6.14mmol、1.0当量)の溶液に、DMF-DMA(4.39g、36.82mmol、6.0当量)を添加した。混合物を80℃で12時間撹拌した。混合物を濃縮し、EtOH(6mL)で粉砕して、6-(2,6-ジクロロ-3-メチル-フェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(1.3g、3.69mmol、収率60.15%)を黄色の固体として得た。ESI[M+H]=352.0/354.0。
【0308】
(iii)化合物4の調製
【0309】
【化90】
CH
3CN(12mL)中の6-(2,6-ジクロロ-3-メチル-フェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(1.2g、3.41mmol、1.0当量)及びNBS(909.51mg、5.11mmol、1.5当量)の混合物を脱気し、N
2で3回パージし、次いで混合物をN
2雰囲気下、80℃で12時間撹拌した。混合物を濃縮し、次いでEtOH(6mL)で粉砕して、8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロ-3-メチル-フェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(1.2g、2.78mmol、収率81.70%)を明黄色の固体として得た。ESI[M+H]=431.8/429.8。
【0310】
(iv)化合物5の調製
【0311】
【化91】
DCM(2mL)中の8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロ-3-メチル-フェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(100mg、231.95μmol、1.0当量)の溶液に、m-CPBA(70.63mg、347.92μmol、純度85%、1.5当量)を0℃で添加した。混合物を20℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮して、8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロ-3-メチル-フェニル)-2-メチルスルフィニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(100mg、粗生成物)を黄色の固体として得て、更に精製することなく次の工程に使用した。ESI[M+H]=447.9/445.9。
【0312】
(v)化合物6の調製
【0313】
【化92】
8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロ-3-メチル-フェニル)-2-メチルスルフィニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(100mg、223.65μmol、1.0当量)のDCE(5mL)溶液に、tert-ブチル4-(4-アミノピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(119.13mg、447.29μmol、2.0当量)及びAcOH(40.29mg、670.94μmol、38.37μL、3.0当量)を添加した。混合物を50℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、分取TLC(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=1:1)によって精製し、tert-ブチル4-[4-[[8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロ-3-メチル-フェニル)-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート酸(130mg、200.20μmol、収率89.51%)を黄色の油として得た。ESI[M+H]=650.1/648.1。
【0314】
(vi)化合物P14の調製
【0315】
【化93】
DCM(3mL)中のtert-ブチル4-[4-[[8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロ-3-メチル-フェニル)-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(130mg、200.20μmol、1.0当量)の溶液に、TFA(1mL)を添加した。混合物を20℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna C18 150
*30mm
*5μm;移動相:[水(TFA)-ACN];B%:5%~45%、8分間)により精製して、8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロ-3-メチル-フェニル)-2-[[1-(4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(21.65mg、32.64μmol、収率:43.30%、純度:TFA)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ10.74(s,1H),9.10(s,1H),8.74(brs,1H),8.46(s,1H),8.40(s,1H),7.81(s,1H),7.57-7.68(m,2H),4.47-4.60(m,1H),3.42(brs,2H),3.11(brd,J=10.01Hz,2H),2.42(s,3H),2.24(brd,J=10.76Hz,2H),2.03-2.15(m,2H)。ESI[M+H]=549.9/548.0。
【0316】
実施例26:化合物P15の調製
【0317】
【化94】
MeOH(2mL)中の8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロ-3-メチル-フェニル)-2-[[1-(4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(50mg、75.38μmol、1.0当量、TFA)の溶液に、HCHO(18.35mg、226.15μmol、純度37%、3.0当量)及びDIEA(9.74mg、75.38μmol、13.13μL、1.0当量)を添加した。混合物を20℃で0.5時間撹拌し、続いてNaBH
3CN(4.74mg、75.38μmol、1.0当量)を添加した。反応物を20℃で1時間撹拌した。反応物を飽和Na
2CO
3水溶液(3mL)でクエンチし、DCM(1mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex luna C18 100
*40mm
*5μm;移動相:[水(TFA)-ACN];B%:15%~60%、8分間)により精製し、8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロ-3-メチル-フェニル)-2-[[1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(9.28mg、13.70μmol、収率18.18%、純度100%、TFA)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ10.52-10.82(m,1H),9.61(brs,1H),9.07-9.21(m,1H),8.31-8.48(m,2H),7.82(s,1H),7.54-7.71(m,2H),4.49(brs,1H),3.59(brd,J=11.38Hz,2H),3.17(brs,2H),2.83(s,3H),2.42(s,3H),2.31(brd,J=13.01Hz,2H),2.05-2.20(m,2H)。ESI[M+H]=563.9/562.0。
【0318】
実施例27:化合物P16の調製
(i)化合物2の調製
【0319】
【化95】
クロロベンゼン(30mL)中の4-メチル-2-メチルスルファニル-ピリミジン-5-カルボン酸(3.14g、17.04mmol、1.0当量)及び2,6-ジクロロ-4-メチルアニリン(3g、17.04mmol、1.0当量)の溶液に、PCl
3(2.34g、17.04mmol、1.0当量)を添加した。混合物を135℃で12時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を飽和Na
2CO
3水溶液(100mL)に注ぎ、2-メチル-THF(50mL×3)で抽出した。有機相を乾燥させ、濃縮した。残留物をEtOH(6mL)で粉砕して、N-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェニル)-4-メチル-2-メチルスルファニル-ピリミジン-5-カルボキサミド(2.5g、7.30mmol、収率42.86%)を黄色の固体として得た。ESI[M+H]=342.0/344.0。
【0320】
(ii)化合物3の調製
【0321】
【化96】
DMF(50mL)中のN-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェニル)-4-メチル-2-メチルスルファニル-ピリミジン-5-カルボキサミド(2.24g、6.55mmol、1.0当量)の溶液に、DMF-DMA(4.68g、39.27mmol、5.22mL、6.0当量)を添加した。混合物を80℃で12時間撹拌した。混合物を濃縮し、EtOH(6mL)で粉砕して、6-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(1.8g、5.11mmol、収率78.08%)を淡黄色の固体として得た。ESI[M+H]=352.0/354.0。
【0322】
(iii)化合物4の調製
【0323】
【化97】
CH
3CN(20mL)中の6-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(1.7g、4.83mmol、1.0当量)及びNBS(1.29g、7.24mmol、1.5当量)の混合物を脱気し、N
2で3回パージし、次いで混合物をN
2雰囲気下、80℃で12時間撹拌した。混合物を濃縮し、EtOH(6mL)で粉砕して、8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(2g、4.64mmol、収率96.12%)を淡黄色の固体として得た。ESI[M+H]=431.9/429.9。
【0324】
(iv)化合物5の調製
【0325】
【化98】
DCM(2mL)中の8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(100mg、231.95μmol、1.0当量)の溶液に、m-CPBA(70.63mg、347.92μmol、純度85%、1.5当量)を0℃で添加した。混合物を20℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮して、8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェニル)-2-メチルスルフィニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(100mg、粗生成物)を黄色の油として得て、更に精製することなく次の工程に使用した。ESI[M+H]=447.9/445.9。
【0326】
(v)化合物6の調製
【0327】
【化99】
8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェニル)-2-メチルスルフィニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(100mg、223.65μmol、1.0当量)のDCE(5mL)溶液に、tert-ブチル4-(4-アミノピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(119.13mg、447.29μmol、2.0当量)及びAcOH(80.58mg、1.34mmol、76.75μL、6.0当量)を添加した。混合物を50℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、分取TLC(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=1:1)によって精製し、tert-ブチル4-[4-[[8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェニル)-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート酸(120mg、粗生成物)を黄色の油として得た。ESI[M+H]=649.9/647.9。
【0328】
(vi)化合物P16の調製
【0329】
【化100】
tert-ブチル4-[4-[[8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェニル)-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(120mg、184.80μmol、1当量)のDCM(4mL)溶液に、TFA(1mL)を添加した。混合物を20℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna 80
*30mm
*3um;移動相:[水(TFA)-ACN];B%:15%~45%、8分間)により精製し、8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェニル)-2-[[1-(4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(27.90mg、42.06μmol、収率55.80%、純度100%、TFA)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ10.73(s,1H),9.10(s,1H),8.78(brs,1H),8.45(s,2H),8.40(s,1H),7.81(s,1H),7.58(s,2H),4.46-4.64(m,1H),3.43(brd,J=12.76Hz,2H),3.11(brd,J=7.63Hz,2H),2.41(s,3H),2.24(brd,J=11.01Hz,2H),2.02-2.17(m,2H)。ESI[M+H]=549.9/548.0。
【0330】
実施例28:化合物P17の調製
【0331】
【化101】
MeOH(2mL)中の8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェニル)-2-[[1-(4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(60mg、90.46μmol、1.0当量、TFA)の溶液に、HCHO(22.03mg、271.38μmol、純度37%、3.0当量)及びDIEA(11.69mg、90.46μmol、15.76μL、1当量)を添加した。混合物を20℃で0.5時間撹拌し、続いてNaBH
3CN(5.68mg、90.46μmol、1当量)を添加した。混合物を20℃で1時間撹拌した。混合物を飽和Na
2CO
3水溶液(3mL)でクエンチし、DCM(1mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna 80
*30mm
*3um;移動相:[水(TFA)-ACN];B%:15%~45%、8分間)により精製し、8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェニル)-2-[[1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(47.24mg、69.75μmol、収率77.10%、純度100%、TFA)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ10.51-10.83(m,1H),9.74-10.03(m,1H),9.10(s,1H),8.29-8.50(m,2H),7.83(s,1H),7.58(s,2H),4.43-4.62(m,1H),3.59(brd,J=11.51Hz,2H),3.18(brs,2H),2.83(s,3H),2.41(s,3H),2.31(brd,J=12.88Hz,2H),2.06-2.24(m,2H)。ESI[M+H]=563.9/561.9。
【0332】
実施例29:化合物P13の調製
(i)化合物2の調製
【0333】
【化102】
THF(30mL)中の4-ニトロ-1H-ピラゾール(500mg、4.42mmol、1.0当量)、tert-ブチル3-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(889.95mg、4.42mmol、1.0当量)及びPPh
3(1.74g、6.63mmol、1.5当量)の混合物を脱気し、N
2で3回パージし、次いでDIAD(1.34g、6.63mmol、1.5当量)を-60℃で滴下添加した。混合物を20℃で12時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を分取HPLC(中性条件、カラム:Waters Xbridge Prep OBD C18 150
*40mm
*10μm;移動相:[水(NH
4HCO
3)-ACN];B%:30%~60%、8分)によって精製し、tert-ブチル3-(4-ニトロピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(120mg、404.97μmol、収率9.16%)を無色の油として得た。ESI[M+H-t]=241.1.
【0334】
(ii)化合物3の調製
【0335】
【化103】
EtOAc(10mL)中のtert-ブチル3-(4-ニトロピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(110mg、371.22μmol、1当量)、Pd/C(110mg、純度10%)の混合物を、脱気し、H
2(15 Psi)で3回パージした後、混合物をH
2(15Psi)雰囲気下、30℃で1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して、tert-ブチル3-(4-アミノピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(80mg、粗生成物)を赤色の油として得て、これを更に精製することなく次の工程に用いた。ESI[M+H]=267.2。
【0336】
(iii)化合物5の調製
【0337】
【化104】
DCM(2mL)中の8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-メチルスルファニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(60mg、143.85μmol、1.0当量)の溶液に、m-CPBA(43.81mg、215.77μmol、純度85%、1.5当量)を0℃で添加した。混合物を20℃で1時間撹拌し、更に精製することなく次の工程に使用した。ESI[M+H]=433.9/431.9。
【0338】
(iv)化合物6の調製
【0339】
【化105】
8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-メチルスルフィニル-ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(62mg、143.15μmol、1.0当量)のDCE(2mL)溶液に、tert-ブチル3-(4-アミノピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(57.19mg、214.73μmol、1.5当量)を添加した。次いで、AcOH(42.98mg、715.76μmol、40.93μL、5当量)を添加した。混合物を50℃で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、分取TLC(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製して、tert-ブチル3-[4-[[8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(90mg、141.66μmol、収率98.96%)を黄色の油として得た。ESI[M+H-tBu]=580.1/578.1。
【0340】
(v)化合物P13の調製
【0341】
【化106】
tert-ブチル3-[4-[[8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-5-オキソ-ピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル]アミノ]ピラゾール-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(90mg、141.66μmol、1.0当量)のDCM(1.5mL)溶液に、TFA(0.5mL)を添加した。混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物を分取HPLC(TFA条件、カラム:Phenomenex Luna 80
*30mm
*3μm;移動相:[水(TFA)-ACN];B%:10%~40%、8分間)により精製し、8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-[[1-(3-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(18.99mg、29.25μmol、収率54.26%、純度100%、TFA)を黄色ゴムとして得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ10.78(s,1H),9.13(s,1H),8.87(brs,1H),8.46(s,1H),8.37-8.43(m,1H),7.95(s,1H),7.75(d,J=8.13Hz,2H),7.59-7.65(m,1H),4.53-4.63(m,1H),3.60(brd,J=8.76Hz,1H),3.24-3.33(m,2H),3.02(brt,J=9.76Hz,1H),2.22(brd,J=8.88Hz,1H),1.73-2.10(m,4H)。ESI[M+H]=535.9/533.9。
【0342】
実施例30:化合物P12の調製
【0343】
【化107】
MeOH(2mL)中の8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-[[1-(3-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(35mg、65.39μmol、1.0当量)の溶液に、DIEA(16.90mg、130.79μmol、2.0当量)及びホルムアルデヒド(7.96mg、98.09μmol、純度37%、1.5当量)を添加した。混合物を25℃で0.25時間撹拌し、続いてNaBH
3CN(8.22mg、130.79μmol、2.0当量)を添加した。混合物を25℃で0.75時間撹拌した。反応混合物を飽和Na
2CO
3水溶液(80mL)でpH7に調整し、DCMで抽出した(5mL×2回)。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLC(中性条件、カラム:Waters Xbridge BEH C18 100
*30mm
*10um;移動相:[水(NH
4HCO
3)-ACN];B%:30%~60%、10分間)により精製し、8-ブロモ-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-[[1-(1-メチル-3-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリド[4,3-d]ピリミジン-5-オン(10.34mg、17.97μmol、収率27.49%、純度95.48%)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ10.69(s,1H),9.10(s,1H),8.44(d,J=3.75Hz,2H),7.82(s,1H),7.75(d,J=8.00Hz,2H),7.58-7.65(m,1H),4.26-4.35(m,1H),3.31(s,1H),2.99(brd,J=8.00Hz,1H),2.22(s,3H),1.97-2.05(m,2H),1.57-1.81(m,4H)。ESI[M+H]=549.9/547.9。
【0344】
実施例31
化合物を2つのキナーゼに対して試験した。化合物を、10μMで開始する3倍連続希釈で、10用量IC
50モードで試験した。対照化合物スタウロスポリンを、20μMで開始する4倍連続希釈で、10用量IC
50モードで試験した。代替対照化合物であるWee-1阻害剤を、20μMで開始する3倍連続希釈で、10用量IC
50モードで試験した。反応は10μMのATPで行った。
図2及び3を参照されたい。
【0345】
データは、生データ、酵素活性%(DMSO対照と比較して)及び曲線当てはめを含む。
【0346】
*化合物の最高濃度での酵素活性が65%未満である曲線当てはめを行った。
【0347】
【0348】
【0349】
実施例32
本実施例では、本明細書に記載の化合物を、薬物処置時の細胞周期の相の変化を検出するアッセイに供し、特定の様式で細胞増殖に影響を及ぼす薬物の同定を可能にした。例えば、問題のあるDNA複製は、S期の細胞の割合を増加させる。従って、S期における細胞の定量化は、DNA複製における欠損を引き起こす薬物の同定を可能にする。同様に、G2/Mを介する進行を選択的に欠損する薬物もまた同定され得る。更に、DSBへの複製フォーク崩壊及びDNA合成の完全な喪失を引き起こす、DNA複製を遅延させる薬剤と組み合わせた場合のATR阻害の効果によって例示されるように、アッセイされた薬物と公知の細胞サイクル調節因子との間の相乗作用を判定することができる。2つの新規薬物を組み合わせて、特定の細胞周期相に対する相乗効果を定量化することもできる。
【0350】
このアッセイは、フローサイトメトリーによる細胞当たりのDNA含量の定量によって操作される。Guava EasyCyte(商標)フローサイトメーター(テキサス州オースティン)を使用して、細胞周期に対する効果について細胞を評価する。薬物処置細胞を固定し、ヨウ化プロピジウム(PI)で染色し、PI染色緩衝液を含有するリン酸緩衝生理食塩水中に再懸濁する。フローサイトメトリーの間、PIは528nmで励起され、610/20バンドパスで検出される。x軸の読み出しは、細胞数である。y軸の読み出しは、DNA染色色素の光学密度である。このアッセイは、細胞周期における位置の指標であるDNAの量による細胞数を示すヒストグラムを生成する。この迅速なアッセイは、組合せ相互作用の検出のために、ビヒクル処置対照と単剤対照とを比較して、薬物処置時の細胞周期の相対的変化を検出する。表4を参照されたい。
【0351】
【0352】
本発明を詳細にかつその特定の実施例を参照して説明してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々な変更及び修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。
【国際調査報告】