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特表2024-522322多機能自律式ホスティング装置、及び関連のフォトニック集積回路をベースにした双方向光学サブアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-17
(54)【発明の名称】多機能自律式ホスティング装置、及び関連のフォトニック集積回路をベースにした双方向光学サブアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/30 20060101AFI20240610BHJP
【FI】
G02B6/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024517593
(86)(22)【出願日】2022-05-25
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 IB2022054917
(87)【国際公開番号】W WO2022254290
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】117262
(32)【優先日】2021-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523451370
【氏名又は名称】ピーアイシーアドバンスド エス.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ルイヴォ ロドリゲス,フランシスコ マニュエル
(72)【発明者】
【氏名】ペレイラ バストス,ヌノ リカルド
(72)【発明者】
【氏名】バルボサ ネト,ヒューゴ ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】シェイクネハド,ヤヒヤ
(72)【発明者】
【氏名】ロペス シルヴァ,ペドロ ヌノ
(72)【発明者】
【氏名】ジーザス テイシェイラ,アントニオ ルイス
【テーマコード(参考)】
2H137
【Fターム(参考)】
2H137AA01
2H137AB06
2H137AB09
2H137BA15
2H137BB02
2H137BB25
2H137BC07
2H137CA12B
2H137CA12F
2H137CA13A
2H137CC01
2H137DA39
2H137DB13
2H137GA01
2H137HA05
(57)【要約】
本発明は、処理されたウェハ(1)と、チップセットまたは光学レンズを受け入れるよう構成された、少なくとも1つの空洞(2)と、少なくとも1本のイン/アウトの光ファイバを受け入れるよう構成され、この光ファイバをチップセットの光学端面に光学的整合させる、少なくとも1つのV型溝(3)と、を備えた、フォト集積回路及び/または関連したチップシシステムのパッケージングのための、多機能自律式ホスティング装置に関する。本発明は、上記のホスティング装置を備えた、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリにも関する。このホスティング装置は、多様なPIC用途における、現在及び将来の要望に応えるのを可能にするPIC&ICの共通パッケージングを有効にする。本装置は、直流ライン及び無線周波数ラインを使用して、電気的な相互接続を提供し、かつ異なる寸法及び配向を伴う複数のチップセットをホスティングして、光ファイバのアレイと、チップセットの光学端面との間の、高精度な光結合を提供し得る。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトニック集積回路、及び/または関連したチップセットシステムのパッケージングのための、多機能自律式ホスティング装置であって、
処理されたウェハ(1)、
前記処理されたウェハ(1)の上面に埋め込まれた、チップセット(9)及び光学レンズ(15)から成るグループから少なくとも1つを受け入れるよう構成された、少なくとも1つの空洞(2)、ならびに
前記処理されたウェハ(1)の上面、またはサブマウント(10)に形成された、少なくとも1つのV型溝(3)、を備えることと、
前記サブマウント(10)は、前記処理されたウェハ(1)における凹部に装着されることと、
前記V型溝は、前記処理されたウェハ(1)の縁部または前記サブマウント(10)から、前記空洞(2)に向けて延びることと、
前記V型溝(3)は、少なくとも1本のイン/アウトの光ファイバ(7)を受け入れるよう構成され、前記イン/アウトの光ファイバ(7)をチップセットの光学的端面(8)に光学的に整合させることと、
を特徴とする、多機能自律式ホスティング装置。
【請求項2】
前記処理されたウェハ(1)の上面に埋め込まれた複数の空洞(2)を備え、各空洞(2)は、チップセット(9)及び光学レンズ(15)から成るグループから少なくとも1つの受け入れるよう構成され、前記空洞(2)は、前記処理されたウェハ(1)の全体にわたって任意の配向に配設されることを特徴とする、請求項1に記載の多機能自律式ホスティング装置。
【請求項3】
前記空洞(2)は、前記処理されたウェハ(1)の全体にわたって長手方向に配設され、少なくとも1列の空洞(2)を形成することを特徴とする、請求項2に記載の多機能自律式ホスティング装置。
【請求項4】
前記処理されたウェハ(1)の全体にわたって横断方向に配置された、複数の空洞(2)は、少なくとも1行の空洞(2)を形成することを特徴とする、請求項2または3に記載の多機能自律式ホスティング装置。
【請求項5】
前記空洞(2)は、前記V型溝(3)の延長に対して鋭角で1列に配設されることを特徴とする、請求項2~4の内いずれか一項に記載の多機能自律式ホスティング装置。
【請求項6】
温度管理のために使用するために、温度を感知するよう構成された、温度センサ(5)を備えることを特徴とする、請求項1~5の内いずれか一項に記載の多機能自律式ホスティング装置。
【請求項7】
前記温度センサ(5)は、サーミスタであることを特徴とする、請求項1~6の内いずれか一項に記載の多機能自律式ホスティング装置。
【請求項8】
前記温度センサ(5)は、埋込式の集積された平坦で薄いフィルムのサーミスタであることを特徴とする、請求項7に記載の多機能自律式ホスティング装置。
【請求項9】
少なくとも1つのV型溝(3)は、チップセットの前記光学的端面(8)の長手方向延長に対して鋭角で配置されることを特徴とする、請求項1~8の内いずれか一項に記載の多機能自律式ホスティング装置。
【請求項10】
前記処理されたウェハ(1)に埋め込まれた抵抗器(14)を備えることを特徴とする、請求項1~9の内いずれか一項に記載の多機能自律式ホスティング装置。
【請求項11】
前記処理されたウェハ(1)に埋め込まれた前記抵抗器(14)は、埋込式の集積された薄いフィルムの抵抗器であることを特徴とする、請求項10に記載の多機能自律式ホスティング装置。
【請求項12】
前記処理されたウェハ(1)に埋め込まれた、直流ライン(4)または無線周波数ライン(13)から成るグループの内少なくとも1つを備えることを特徴とする、請求項1~11の内いずれか一項に記載の多機能自律式ホスティング装置。
【請求項13】
フォトニック集積回路及び/または関連したチップセットシステムのパッケージングのための、多機能自律式ホスティング装置を備えることを特徴とする、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリであって、前記ホスティング装置は、
処理されたウェハ(1)、
前記処理されたウェハ(1)の上面に埋め込まれた、チップセット(9)及び光学レンズ(15)から成るグループから少なくとも1つを受け入れるよう構成された、少なくとも1つの空洞(2)、ならびに
前記処理されたウェハ(1)の上面、またはサブマウント(10)に形成された、少なくとも1つのV型溝(3)、を備え、
前記サブマウント(10)は、前記処理されたウェハ(1)における凹部に装着され、
前記V型溝は、前記処理されたウェハ(1)の縁部または前記サブマウント(10)から、前記空洞(2)に向けて延び、
前記V型溝(3)は、少なくとも1本のイン/アウトの光ファイバ(7)を受け入れるよう構成され、前記イン/アウトの光ファイバ(7)をチップセットの光学的端面(8)に光学的に整合させ、
フォトニック集積回路をベースにした前記双方向の光学サブアセンブリは、チップセット(9)、及び前記ホスティング装置の前記空洞(2)に固定された光学レンズ(15)、から成るグループから少なくとも1つをさらに備え、
フォトニック集積回路をベースにした前記双方向の光学サブアセンブリは、前記ホスティング装置の前記V型溝(3)に接続された、少なくとも1本のイン/アウトの光ファイバ(7)をさらに備え、
フォトニック集積回路をベースにした前記双方向の光学サブアセンブリは、エッジ連結によって前記イン/アウトの光ファイバ(7)の端部に光学的に接続されたチップセットの光学的端面(8)をさらに備える、
フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項14】
前記ホスティング装置は、前記処理されたウェハ(1)の上面に埋め込まれた複数の空洞(2)を備え、各空洞(2)は、チップセット(9)及び光学レンズ(15)から成るグループから少なくとも1つの受け入れるよう構成され、前記空洞(2)は、前記処理されたウェハ(1)の全体にわたって任意の配向に配設されることを特徴とする、請求項13に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項15】
前記空洞(2)は、前記ホスティング装置において、前記処理されたウェハ(1)の全体にわたって長手方向に配設され、少なくとも1列の空洞(2)を形成することを特徴とする、請求項14に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項16】
前記ホスティング装置において、前記処理されたウェハ(1)の全体にわたって横断方向に配置された、複数の空洞(2)は、少なくとも1行の空洞(2)を形成することを特徴とする、請求項14または15に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項17】
前記空洞(2)は、前記V型溝(3)の延長に対して鋭角で1列に配設されることを特徴とする、請求項14~16の内いずれか一項に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項18】
前記ホスティング装置は温度センサ(5)を備え、前記温度センサ(5)は、温度管理に使用するために、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリの温度を感知するよう構成されることを特徴とする、請求項13~17の内いずれか一項に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項19】
前記温度センサ(5)は、例えば埋込式の集積された平坦で薄いフィルムのサーミスタであり、前記サーミスタは、感温性チップセット(9)の温度管理及び温度制御を実行するよう構成されることを特徴とする、請求項18に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項20】
前記イン/アウトの光ファイバ(7)または前記光学レンズ(15)と、チップセットの前記光学端面(8)との間の接続は、エッジ連結によって実行されることを特徴とする、請求項13~19の内いずれか一項に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項21】
前記処理されたウェハ(1)に埋め込まれた抵抗器(14)を備え、前記抵抗器(14)は、フォトニック集積回路をベースにした前記双方向の光学サブアセンブリにおける熱のフローを挿入させるために構成されることを特徴とする、請求項13~20の内いずれか一項に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項22】
前記抵抗器(14)は、埋込式の集積された薄いフィルムの抵抗器であることを特徴とする、請求項21に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項23】
少なくとも1つのV型溝(3)は、チップセットの前記光学的端面(8)の長手方向延長に対して鋭角で配置されることを特徴とする、請求項13~22の内いずれか一項に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項24】
前記イン/アウトの光ファイバ(7)と前記V型溝(3)との間の接続は、エポキシまたは他の好適な材料などの接着剤によって実施されることを特徴とする、請求項13~23の内いずれか一項に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項25】
前記チップセット(9)と前記空洞(2)との間の接続は、エポキシまたは他の好適な材料などの接着剤によって実施されることを特徴とする、請求項13~24の内いずれか一項に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項26】
少なくとも1つのチップセット(9)は、少なくとも1つの電気接続によって、直流ライン(4)または無線周波数ライン(13)に接続され、前記電気接続は、ワイヤボンディング(11)及び半田バンプ(12)から成るグループから選択されることを特徴とする、請求項13~25の内いずれか一項に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項27】
光学レンズ(15)は、それぞれが隣接したチップセット(9)に配設されたチップセットの一対の光学的端面(8)と、チップセットの光学的端面(8)及びイン/アウトの光ファイバ(7)の一対と、から成るグループから少なくとも1つを、光学的に整合させることを特徴とする、請求項13~26の内いずれか一項に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項28】
前記ホスティング装置は、前記処理されたウェハ(1)に埋め込まれた、直流ライン(4)または無線周波数ライン(13)から成るグループの少なくとも1つの要素を備えることを特徴とする、請求項13~27の内いずれか一項に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項29】
フォトニック集積回路及び集積回路の共通パッケージング、任意に配向された多機能チップのホスティング、及び任意に配向された複数の光ファイバの光学的整合、から成るグループから選択された少なくとも1つの用途における、請求項1~12の内いずれか一項に記載の多機能自律式ホスティング装置の、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトニック集積回路及び/または関連したチップセットシステムのパッケージングのため、ならびに、処理前もしくは処理後に光を発し、及び/または光を集積することを含んだ用途のため、に構成された、多機能自律式ホスティング装置と、関連のフォトニック集積回路(PIC)をベースにした双方向光学サブアセンブリ(BOSA)と、に関する。このホスティング装置の用途は、フォトニック集積回路(PIC)及び集積回路(IC)の共通パッケージングと、任意に配向された複数のチップセットのホスティングと、直接結合または本装置の空洞を利用したレンズ整合のいずれかを通した、任意に配向された複数の光ファイバの光学的整合と、を含む。本発明は、上記のホスティング装置を備えたPICをベースにしたBOSAにも関する。このホスティング装置は、高精度のPIC及びICの共通パッケージングを提供するよう構成され、限定ではないが、V型溝の微細構造による光電子工学デバイスを伴う光ファイバアレイの光学的整合を含み、その一方で熱電気の管理、及び電気の相互接続を網羅する。このように、本発明は、双方向の光学的整合、電気の相互接続、及び温度管理の機能性を提供する、集積回路パッケージングのためのホストプラットフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、産業界は、高密度、低パワー消費、及び低コストの、データ通信及び遠距離通信のプラグ着脱可能なトランシーバモジュールを適用する考えが好まれる傾向が強い。したがって、高性能で小型の光学トランシーバの設計において、様々な課題が存在する。より高いデータビットレートのための絶え間のない競争において、次世代の受動光ネットワークは、光学トランシーバに、より高い規格を課している。さらに、マルチチャンネルの光学素子が増える傾向(例えば波長分割多重ネットワーク)は、正確で低損失高反発の電気光学パッケージングを要求する。この事実は、広範な遠距離通信市場に対して提案された解決策の、収益性を意味する。
【0003】
したがって、PICにおける高いレベルの集積及び小型化(HLI&M)、ならびに関連付けられたパッケージングは、現在の規準及び要求を満たすデバイスを開発するために重要である。この課題は、市場関連の集積フォトニックの開発において、最も大きいボトルネックであると、既に考えられている。この課題を克服することは、上記の集積フォトニックデバイスを生成する材料の必要数、及び関連の生成コストを大幅に減少させるための、重要のカギとなるであろう。これに関連して、光ファイバのアレイを取り扱う性能を伴う、より高い集積レベルは、より少ない能動素子の使用を要求し、全ての必要な機能性を集め、同時にこれらの機能性を単一の小さいデバイスの中に併合かつ一体化する。光ファイバは、フォトニックデバイスの重要な部品であり、厳格に管理する必要がある。なぜなら数ミクロンの逸脱が、重大な光強度の損失をもたらしかねないからである。HLI&Mに準拠するために、及び同時にこの目的を実現するために、光ファイバは、光電子工学デバイスと受動的に整合されなければならない。課題のこの部分は、いくつかの先行技術文献によって対処されている。
【0004】
例えば、光ファイバの受動的整合の最も一般的な外形は、2006年4月18日に公開された、「CONNECTORIZED SILICON BENCH FOR PASSIVELY ALIGNING OPTICAL FIBERS」と題する、National Semiconductor Corp.の、米国特許第7031576号明細書、及び2005年5月3日に公開された、「IBER ARRAY WITH V-GROOVE CHIP AND MOUNT」と題する、Phosistor Technologies Inc.の、米国特許第6888989号明細書で開示されている、基板上のV型溝である。本明細書に参照として組み込まれた前者は、光ファイバを収納するために形成された溝を伴う、接続されたシリコンベンチを説明しており、凹部領域を含んだフェルールと共に、受動的整合を補助することになる。しかし後者は、非結晶性のポリマー材料の成形されたマウントが、いくつかのV型溝を有する1つのシリコンチップを整合させるための、チャネルを有するように構成されている。光ファイバは、光ファイバを間に整合させるために互いに対向したシリコンチップを伴い、2つのこのような成形されたマウントによって、しっかりと挟まれている。
【0005】
2019年9月19日に公開された、「FIBER TO CHIP ALIGNMENT USING PASSIVE VGROOVE STRUCTURES」と題する、Cisco Tech Inc.の、米国特許出願公開第2019/0285813号明細書は、その全てが本明細書に参照として組み込まれており、所定の深さに配置された複数の導波管、ならびに複数の光ファイバ、及び中に形成された溝を伴う蓋部材、を備えた基板を提供することによって、上記の課題に対処するよう試みられている。
【0006】
光カプラのアレイを利用することによる、光ファイバの受動的整合も、最近である2020年4月16日に公開された、「PASSIVE ALIGNING OPTICAL COUPLER ARRAY」と題する、Chiral Photonics Inc.の、国際公開第2020/077285号で対処されており、そこにおいて、細長い光学素子が、カプラハウジング構造、及びこのハウジング構造に埋め込まれた少なくとも1つの長手方向の導波管、を有し、例えば複数の光ファイバを、少なくとも1つの光学素子に連結させる。この先行技術文献によると、上記の装置は、複数のマルチコアでマルチモードのファイバへ、光を受動的に連結させるため、及び複数のマルチコアでマルチモードのファイバからPICデバイスへ光を受動的に連結させるために、使用することができる。
【0007】
この技術分野における、最近の発展にも関わらず、高いスループット密度のPICパッケージングの問題に内在する課題を克服するよう構成された先行技術は、多機能かつ柔軟性のある、処理されたウェハに関する解決策を明らかにすることについて、極めて限定されている。
【0008】
したがって、複数のチップセットとの、種々雑多な光電気接続を可能にする装置の開発に対する大きい興味及び要望が存在し、それは、特にフォトニック集積回路(PIC)など、広範な用途に利用するために、上記のチップセットの配向、形状、及び寸法(水平方向及び垂直方向の両方)に従って柔軟性を維持する。
【0009】
デバイスの機能性及びスピードを増加させるための要望によって推進されて、電気的連結は、PICパッケージングの大きな課題の1つの役割を担う。なぜなら、信号集積及び高周波性能を最大にするために、ICデバイスは可能な限りPIC能動素子の近くに置かなければならないからである。単一のホストにおいて、ICデバイスとPICとの間の、直流(DC)から無線周波数(RF)までの領域で、電気ルーティングの柔軟性を提供する装置は、チップの設置面積及び高周波性能を損ねることなく、電気接続の間隔を低減させることに対し、重要な役割を担うことになる。
【0010】
追加として、IC領域とは対照的に、PICパッケージングにおいて、温度管理の重要な課題が存在する。PICの温度を特定の値に正確に維持することは、厳しい波長依存システムにおいて特に重要である。提示される発明は、温度管理に関与し、かつPICパッケージングに重要な役割を担うサーミスタによっても、特徴付けられ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第7031576号明細書
【特許文献2】米国特許第6888989号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2019/0285813号明細書
【特許文献4】国際公開第2020/077285号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
第1の態様において、本発明は、フォトニック集積回路及び/または関連したチップセットシステムのパッケージングのための、多機能自律式ホスティング装置に関し、それは、
処理されたウェハ(1)、
処理されたウェハ(1)の上面に埋め込まれた、チップセット(9)及び光学レンズ(15)から成るグループから少なくとも1つを受け入れるよう構成された、少なくとも1つの空洞(2)、ならびに
処理されたウェハ(1)の上面、またはサブマウント(10)に形成された、少なくとも1つのV型溝(3)、を備え、
サブマウント(10)は、処理されたウェハ(1)における凹部に装着され、
上記のV型溝は、処理されたウェハ(1)の縁部またはサブマウント(10)から、空洞(2)に向けて延び、
V型溝(3)は、少なくとも1本のイン/アウトの光ファイバ(7)を受け入れるよう構成され、イン/アウトの光ファイバ(7)を、チップセットの光学的端面(8)に光学的に整合させる。
【0013】
本発明は、第2の態様において、フォトニック集積回路及び/または関連したチップセットシステムのパッケージングのための、多機能自立式ホスティング装置を備えたフォトニック集積回路をベースにした、双方向の光学サブアセンブリに関し、このホスティング装置は、
処理されたウェハ(1)、
処理されたウェハ(1)の上面に埋め込まれた、チップセット(9)及び光学レンズ(15)から成るグループから少なくとも1つを受け入れるよう構成された、少なくとも1つの空洞(2)、ならびに
処理されたウェハ(1)の上面、またはサブマウント(10)に形成された、少なくとも1つのV型溝(3)、を備え、
サブマウント(10)は、処理されたウェハ(1)における凹部に装着され、
上記のV型溝は、処理されたウェハ(1)の縁部またはサブマウント(10)から、空洞(2)に向けて延び、
V型溝(3)は、少なくとも1本のイン/アウトの光ファイバ(7)を受け入れるよう構成され、かつイン/アウトの光ファイバ(7)をチップセットの光学的端面(8)に光学的に整合し、
フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリは、チップセット(9)、及び上記のホスティング装置の空洞(2)に固定された光学レンズ(15)、から成るグループから少なくとも1つをさらに備え、
フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリは、上記のホスティング装置のV型溝(3)に接続された、少なくとも1本のイン/アウトの光ファイバ(7)をさらに備え、
フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリは、エッジ連結によってイン/アウトの光ファイバ(7)の端部に光学的に接続された、チップセットの光学的端面(8)をさらに備える。
【0014】
本発明は、第3の態様において、フォトニック集積回路及び集積回路の共通パッケージング、任意に配向された多機能チップのホスティング、ならびに任意に配向された複数の光ファイバの光学的整合、から成るグループから選択された少なくとも1つの用途における、本発明の第1の態様による多機能自律式ホスティングの使用に関する。
【0015】
先行技術は、様々な要素を別個に指定して、それぞれ割り当てられた仕事を実施する。この仕事は別々の要素としても知られているので、本発明によるホスティング装置などの要素に対する必要性はない。他方で、集積要素の手法において、ホスティング装置は、様々な機能性をホスティングするだけではなく、埋め込まれたチップセットならびに光ファイバに配向の柔軟性を与えることを要求される。チップセット及び光ファイバの形状、寸法、及び配向は、それらの機能性及び用途に依存するが、適切な接触形式を通して共に首尾一貫して仕事をしなければならない。
【0016】
先行技術に見られる技術的欠点に対する所望の解決策に関して、本発明によるホスティング装置の使用を通して、全てのチップセットと、整合及び管理目的でPICに近付けるために必要な機能性と、をホスティングすること、ならびに、この「単一の処理されたウェハ」との取り組みを使用して、それらをプリント基板(PCB)または任意の他のシステム(メインシステムキャリア)に簡易な方法で集積すること、が可能である。他方で、集積の度合いに依存する集積要素の手法において、PICは多機能プラットフォームを必要とし得る。したがって、いくつかの用途のために、先行技術の解決策は好適ではなく、本発明のホスティング装置は、これらの制限を克服し得る。
【0017】
追加として、一体構造の実施の場合には、当然ながら複数の空洞を必要としない。しかし、ネットワーク及びトランシーバの規格は、アップデート及びアップグレードされるので、高密度の集積、及び少ない空間にいくつかの機能性を埋め込む必要性が生じることになる。さらに、いくつかの新たな科学的発見、及び/または物理的法則が、様々なチップセットの配向もしくは様々な光ファイバの配向を要求する可能性が存在する。
【0018】
これらの状況下で、現在及び将来の全ての要件を満たすために、ホスティング装置は、様々な機能性をホスティングするためだけではなく、複数のチップセットならびに光ファイバを保持するよう、配向に柔軟性を与えるためにも提示される。チップセットの形状、寸法、及び配向は、それらの機能性及び用途に依存するが、適切な接触形式を通して共に首尾一貫して仕事をしなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、直接連結か、または装置の空洞を利用したレンズ整合か、のいずれかを通して、様々な機能性を、フォトニック集積回路及び/または関連したチップセットシステムのために、全く同じホスティング装置によって集積することによって、ならびに複数のチップセットに接続を提供することによって、先行技術の課題を解決する。したがって、ホスティング装置は、光ファイバを整合させる役割だけではなく、2つの隣接したチップセットにおけるチップセットの光学的端面を、光学レンズを介して光学的に整合させる役割も担う。この新しいホスティング装置は、事前に分離されている全ての要素を併合し、それらを集積して、別個の統一体及び機能性が、次に小型化された単一の統一体内で仕事して、それによって全てのセットを単一の統一体として扱うことができ、容易にパッケージングを要素レベルに至らせる。これは、革命的な材料機能の最適化として、及び本発明の重要な柱の1つとして、考えることができる。
【0020】
本発明で使用される、他の取り組み及び解決策は、角度が付いたV型溝構造の使用であり、それは光ファイバと光電子工学デバイスとの間の特定の角度が、反射の最小化及び整合の最適化によって、光学的連結における損失を最小にし得るという事実に基づく。先行技術における一般的な構成は、光ファイバ及び光電子工学デバイスが直線に配されたものである。
【発明の効果】
【0021】
新しい装置の本質は、PIC&ICの共通パッケージングのイネーブラであり、それは基本的に、共に首尾一貫して仕事をするために、いくつかの独立した要素を集積するための、多機能プラットフォームとして役立つ。本発明に関して、共通パッケージングとは、様々な生成プロセスから、共通の筐体内、または共通の基板に取り付けられた様々な構成要素を実現することである。実質的に、これはパッケージレベルの集積である。
【0022】
本発明による、フォトニック集積回路及び/または関連したチップセットシステムのパッケージング、ならびに処理前または処理後のために光を発し、及び/または光を集積することに関する用途、のために構成された、多機能自立式ホスティング装置は、いくつかのチップセットをホスティングすることを可能にして、任意のタイプの光電気接続を通して、極めて優れた集積をもたらす。本発明のホスティング装置は、サブミクロン精密方法によって組み立てられ、フォトニック集積回路の領域における、極めて高度な小型化に関して求められる規格を満たし得る。
【0023】
本発明のホスティング装置は、適合された設計トポロジを用いた、多機能自律式の積層処理されたウェハを備え、それは弾力性の光学カプラのプラットフォームとして作用し、複数のチップセットをそれらの配向、形状、寸法(水平方向及び垂直方向の両方)について柔軟に管理し、特にフォトニック集積回路(PIC)など、広範な用途に利用される。
【0024】
さらに、好ましい実施形態において、本発明のホスティング装置は温度センサを備え、それは光電気デバイスのための温度管理を提供するよう構成される。したがって、本発明は下流の回路設計会社に、柔軟な解決策を提供することになる。それは、いくつかのチップセット間の接続タイプに柔軟性を提供するよう、すなわちフリップチップ技術及びワイヤボンディングを提供するよう、構成される。追加として、任意の角度配向を伴う単一/複数の光ファイバの、受動的整合の痕跡は存在しない。
【0025】
本発明は、エッジ連結によって、または設計された空洞におけるレンズを通して、光ファイバを伴ういくつかのチップセットの光学的整合の役割を担う。本発明は、新しい実例を導入し、高いスループット密度のPICパッケージングの課題に対する確実な改善法を提供する。
【0026】
角度が付いたV型溝の構造は、上記の装置の新しい設計の一部であり、それは、光ファイバと光電子デバイスとの間の規定された特定の角度が、光の反射を最小限に抑え、整合を最適化し得る、公知の最新の結果に基づいている。
【0027】
本発明の実施形態による原理の理解を促進する目的で、図に例示された実施形態、及びそれらを説明するために使用される言語を参照する。いずれにしろ、本発明の範囲を、図の内容に限定することを意図しないことは、理解しなければならない。当業者が本説明を読んだときに、一般的に生じるであろう、本明細書で例示された本発明の特徴の、任意の代替またはその後の変更、ならびに、示された本発明の原理及び実施形態の、任意の追加適用は、本発明の特許請求の範囲内であるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明による最も簡易なホスティング装置の例示的な上面図である。
図2】本発明による最も簡易なホスティング装置の例示的な斜視図である。
図3】本発明によるホスティング装置の例示的な上面図である。
図4】本発明によるホスティング装置の例示的な斜視図である。
図5】光ファイバを含んだ、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリの例示的な斜視図である。
図6】光ファイバを含んだ、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ間における接続部の、例示的な長手方向の側面図である。
図7】光ファイバを含んだ、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ間における接続部の、例示的な横断方向の斜視図である。
図8】本発明のホスティング装置に含まれた、チップセットと空洞との間における接続部の、例示的な長手方向の側面図である。
図9】本発明によるホスティング装置の、第2の実施形態の例示的な上面図である。
図10】本発明によるホスティング装置の、第2の実施形態の例示的な斜視図である。
図11】本発明によるホスティング装置の、第3の実施形態の例示的な上面図である。
図12】本発明によるホスティング装置の、第3の実施形態の例示的な斜視図である。
図13】2つのチップセット間における接続部の例示的な斜視図である。
図14】2つのチップセット間における接続部の例示的な横断方向の側面図である。
図15】2つのチップセット間における電気接続部、及びホストの電気ルーティングの、例示的な斜視図である。
図16】フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリに含まれた、2つのチップセットにおける接続部のための、フリップチップの技術の例示的な使用を示す図である。
図17】処理されたウェハに含まれた、異なる導電層を電気接続するために使用された「貫通シリコンビア」特徴部を示す図である。
図18】2つのチップセット間における光学的連結のための空洞に関連付けられた、光学レンズを使用する可能性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1及び図2に例示されるように、本発明は、フォトニック集積回路及び/または関連したチップセットシステムのパッケージングのための、多機能自律式ホスティング装置に関し、それは、
処理されたウェハ(1)、
処理されたウェハ(1)の上面に埋め込まれた、チップセット(9)及び光学レンズ(15)から成るグループから少なくとも1つを受け入れるよう構成された、少なくとも1つの空洞(2)、ならびに
処理されたウェハ(1)の上面、またはサブマウント(10)に形成された、少なくとも1つのV型溝(3)、を備え、
サブマウント(10)は、処理されたウェハ(1)における凹部に装着され、
このV型溝は、処理されたウェハ(1)の縁部またはサブマウント(10)から、空洞(2)に向けて延び、
V型溝(3)は、少なくとも1本のイン/アウトの光ファイバ(7)を受け入れるよう構成され、イン/アウトの光ファイバ(7)をチップセットの光学的端面(8)に光学的に整合させる。
【0030】
本発明は、第2の態様において、フォトニック集積回路及び/または関連したチップセットシステムのパッケージングのための多機能自立式ホスティング装置を備えた、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリに関し、このホスティング装置は、
処理されたウェハ(1)、
処理されたウェハ(1)の上面に埋め込まれた、チップセット(9)及び光学レンズ(15)から成るグループから少なくとも1つを受け入れるよう構成された、少なくとも1つの空洞(2)、ならびに
処理されたウェハ(1)の上面、またはサブマウント(10)に形成された、少なくとも1つのV型溝(3)、を備え、
サブマウント(10)は、処理されたウェハ(1)における凹部に装着され、
上記のV型溝は、処理されたウェハ(1)の縁部またはサブマウント(10)から、空洞(2)に向けて延び、
V型溝(3)は、少なくとも1本のイン/アウトの光ファイバ(7)を受け入れるよう構成され、イン/アウトの光ファイバ(7)をチップセットの光学的端面(8)に光学的に整合させ、
フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリは、チップセット(9)、及び上記のホスティング装置の空洞(2)に固定された光学レンズ(15)、から成るグループから少なくとも1つをさらに備え、
フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリは、上記のホスティング装置のV型溝(3)に接続された、少なくとも1本のイン/アウトの光ファイバ(7)をさらに備え、
フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリは、エッジ連結によってイン/アウトの光ファイバ(7)の端部に光学的に接続された、チップセットの光学的端面(8)をさらに備える。
【0031】
処理されたウェハ(1)は、図1及び図2に例示されるように、少なくとも1つの埋込用空洞(2)及び少なくとも1つのV型溝(3)を備え、同様に図3図4図9、及び図10に例示されるように、好ましい実施形態において、複数の空洞(2)を備え、かつ複数の埋込用V型溝(3)をさらに備え得る。好ましい実施形態において、各空洞(2)は、チップセット(9)及び光学レンズ(15)から成るグループから少なくとも1つを受け入れるよう構成され、空洞(2)は、処理されたウェハ(1)の全域にわたって任意の配向で配設される。
【0032】
処理されたウェハ(1)は、ホスティング装置の全ての要素をホスティングする主な部品である。それは自律式の積層ウェハであり、適合されたトポロジ、及び限定ではないが特にPIC用途など、広範な適用を可能にする。処理されたウェハ(1)は、様々なチップセット(9)のための集積ホストとして作用し、それによって全ての要素は、首尾一貫かつ調和して共に仕事をする。好ましい実施形態において、図10及び図18で例示されるように、チップセット(9)は、とりわけPICデバイス、トランスインピーダンスアンプ(TIA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、レーザドライバ、光ダイオード、から成るグループから選択される。
【0033】
処理されたウェハ(1)は、DCライン(4)またはRFライン(13)のいずれかのために、チップセット(9)間の電気接続を提供する電気層など、いくつかの層を備え得る。好ましい実施形態において、多機能自律式ホスティング装置は、処理されたウェハ(1)に埋め込まれた、DCライン(4)またはRFライン(13)から成るグループの内少なくとも1つを備える。当業者は、用途によって、層の数、層の構成、及び層の寸法が異なることを認識するであろう。本発明による好ましい実施形態において、上部の導電層は、DC及びRF接続のために展開される。本発明による好ましい実施形態において、当業者には理解されるように、主要層は、シリコン、セラミック、またはポリマーで作られ、それによって大量生産及び微細加工におけるスケーラビリティを可能にする。
【0034】
V型溝(3)は、ホスティング装置における埋込技術の特徴部である。V型溝(3)のいくつかのパラメータ、すなわちそれらのサイズ、寸法、及び位置には、十分な柔軟性がある。なぜならそれらは、チップセット(9)のレイアウト及び物理的特徴に基づいて設計されるからである。V型溝は、微細加工プロセスを介して直接的に、または間接的に、処理されたウェハに作り出され得る。間接的な取り組みにおいて、V型溝(3)は、別個のサブマウント(10)に作り出され、このサブマウント(10)は、処理されたウェハ(1)の指定された凹部領域に設置される。V型溝(3)は、この装置におけるチップセットの光学的端面(8)を用いて、任意の性質の光ファイバを光学的に整合させる。
【0035】
空洞(2)は、ホスティング装置の埋込技術の特徴部であり、同様に複数のチップセットの接続を提供する。空洞(2)の寸法は、受け入れるチップセット(9)に関連した寸法に基づく。空洞(2)は、処理されたウェハ(1)の指定された位置に配設される。空洞(2)は様々なチップセット(9)を受け入れて、それらを、外部の光ファイバに接続可能な、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリの、適切な箇所に固定するための役割を担う。さらに、様々なチップセット(9)は、互いに連続して(b2b)整合され、例えば図18に示されるような光学ボールレンズなど、1つまたは複数の光学レンズ(15)によって光学的に連結され得る。ホスティング装置は、これらの光学レンズ(15)を保持し、それらを、2つのチップセット(9)間の光学的連結のために利用する。本発明による好ましい実施形態において、光学レンズ(15)は、隣接したチップセット(9)にそれぞれ配置された一対のチップセットの光学的端面(8)と、チップセットの光学的端面(8)及びイン/アウト光ファイバ(7)の一対と、から成るグループから少なくとも1つを、光学的に整合させる。図18に例示されるように、隣接したチップセット(9)にそれぞれ配設された、少なくとも一対のチップセットの光学的端面(8)は、少なくとも1つのレンズ(15)によって光学的に整合される。光学レンズ(15)は、この光学レンズ(15)を受け入れるように構成された空洞(2)に設置される。図には示されないが、別の実施形態において、光学レンズ(15)は、2つの隣接したチップセット(9)における光学的端面の、光学的整合を実施するため、ならびに/またはチップセットの光学的端面(8)及びイン/アウトの光ファイバ(7)の一対について、光学的端面の光学的整合を実施するために、処理されたウェハ(1)の上面に直接設置され得る。このように、ホスティング装置は、光ファイバを整合させる役割だけではなく、光学レンズ(15)を介して、2つの隣接したチップセット(9)におけるチップセットの光学的端面(8)を光学的に整合させる役割、または、チップセットの光学的端面(8)をイン/アウトの光ファイバ(7)と整合させる役割も担う。
【0036】
本発明の好ましい実施形態において、多機能自律式ホスティング装置は、処理されたウェハ(1)の上面に埋め込まれた複数の空洞(2)を備え、各々の空洞(2)は、チップセット(9)を受け入れるよう構成される。
【0037】
本発明の好ましい実施形態において、すなわちホスティング装置、及びこのホスティング装置を備えたフォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリにおいて、空洞(2)は、処理されたウェハ(1)の全域にわたって長手方向または水平方向に配設され、図3図4、及び図5に例示されるように、少なくとも1列の空洞(2)を形成する。本発明の他の実施形態において、複数の空洞(2)は、処理されたウェハ(1)の全域にわたって横断方向または垂直方向に配設され、少なくとも1行の空洞(2)を形成する。代替として、空洞(2)のアレイまたはマトリクスは、処理されたウェハ(1)に配設されて、空洞(2)の行及び列を形成し得る。アレイまたはマトリクスとは、本発明に関して、図3図4、及び図5に例示されるように、空洞(2)の寸法がたとえ同じではなくても、処理されたウェハ(1)の全域にわたって長手方向に配設された少なくとも1つの空洞(2)、及び処理されたウェハ(1)の全域にわたって横断方向に配設された少なくとも1つの空洞(2)、として定義される。空洞(2)は、チップセット(9)間で明らかに重複した状況ではないことを除いて、互いに対して異なる形状及び寸法を有するチップセット(9)または光学レンズ(15)を受け入れるよう設計され得る。
【0038】
本発明による他の実施形態において、空洞(2)は、図11及び図12に例示されるように、V型溝(3)の延長に対して鋭角で1列に配設される。この実施形態は、埋め込まれたチップセット(9)に、配向された空洞(2)の任意のセットを提供し、それは面内の角度配向に柔軟性を与える。この実施形態はいくつかの利点を提供する。例えば:光学的及び電気的連結の単一のプラットフォーム及び温度管理を作ること;帯域幅/ノイズの要求のためにPICに近付けなければならないトランスインピーダンスアンプ(TIA)などのデバイスを、適切に収容できること;高精度な管理を伴う温度管理;プロセスを変えることのない、1本からN本のファイバの数の柔軟性;ならびに、図16に例示されるような、フリップチップまたは他の電気光学的接続部へ移動するための柔軟性、などである。
【0039】
図16はフォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリに含まれた2つのチップセットを接続するための、フリップチップ技術の例示的な使用を示す。ここでは、ホスティング装置は、上部の処理されたウェハによって、埋込式V型溝で光ファイバを整合させ、第2の処理されたウェハ層上で反転させる。2枚の処理されたウェハ間の接続は、例えばボールグリッドアレイ(BGA)の半田接合など、ボール半田接合方法によって提供される。
【0040】
さらに、ネットワーク及びトランシーバの規格は、高いスループット密度の集積に向けて継続的にアップデート及びアップグレードされ、より少ない空間内にいくつかの機能性を埋め込む。さらに、いくつかの新たな発見、及び/または物理的法則が、様々なチップセットの配向もしくは様々な光ファイバの配向を要求する可能性が存在する。現在及び将来の全ての要件を満たすために、発明された装置は、様々な機能性をホスティングするだけではなく、複数のチップセットを保持して配向に柔軟性を与え、同様に光ファイバを整合させ続けるよう提示される。チップセットの形状、寸法、及び配向は、それらの機能性及び用途に依存するが、適切な接触形式を通して共に首尾一貫して仕事をしなければならない。
【0041】
本発明の好ましい実施形態において、多機能自立式ホスティング装置は、温度センサ(5)を備え、それは温度管理のために使用されるために、温度を感知するよう構成される。温度センサ(5)は、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリの温度管理に寄与する要素であり、本発明による外部の光ファイバに接続可能である。この温度管理は、限定ではないが特にPICなど、多くの用途で重要である。複数の温度センサ(5)が、ホスティング装置に組み込まれ得る。
【0042】
本発明の好ましい実施形態において、すなわちホスティング装置、及びこのホスティング装置を備えたフォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリにおいて、温度センサ(5)はサーミスタであり、例えば埋込式の集積された平坦で薄いフィルムのサーミスタである。このサーミスタは、感温性チップセット(9)のための、温度管理及び温度制御を実行するよう構成される。好ましくは、サーミスタは上記の装置の埋込式特徴部であり、それらは温度管理のために使用されるように、温度を感知する役割を担う。本発明の好ましい実施形態において、熱電冷却器(TEC)を組み込んだ温度制御ユニットは、埋込式サーミスタを利用して、閉ループシステムで温度のフィードバックを直接受け取るため、及びそれによって、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリにおける動作の中央制御を実施するために、ホスティング装置に接続される。
【0043】
他の実施形態において、ホスティング装置、及びこのホスティング装置を備えたフォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリは、処理されたウェハ(1)上に埋め込まれた抵抗器(14)、例えば埋込式の集積された薄いフィルムの抵抗器を備える。抵抗器(14)は、複数チップシステムにおける熱のフローを挿入させるために構成され、特定の状況下で上記の複数チップシステムにおける特定の位置を温める。ホスティング装置は、センサから、様々な抵抗器のDCライン(4)などの電気ラインまでの、柔軟性のある電気金属化レイアウトと、抵抗器としても作用し得る温度センサ(5)と、を支持できる。
【0044】
図9及び図10で例示されるように、少なくとも1つのV型溝(3)は、チップセットの光学的端面(8)の長手方向延長に対して鋭角で配設される。図9及び図10の例示的な実施形態は、サブマウント(10)に形成されたV型溝(3)も示し、サブマウント(10)は、処理されたウェハ(1)の凹部に装着される。
【0045】
チップセットの光学的端面(8)と、イン/アウトの光ファイバ(7)または光学レンズ(15)と、を接続するための、低損失のエッジ連結は、デカルト座標系による許容を特徴とする。したがって、Y軸及びZ軸に10μm未満、及びX軸に約50μmの許容が、3dB(ハーフパワー)損失の方向に存在する。用途がサブミクロンの整合許容を提供するので、本発明は3dB(ハーフパワー)未満のエッジ連結損失内であり、それは低損失のエッジ連結と考えられる。
【0046】
本発明による、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリの、好ましい実施形態において、イン/アウトの光ファイバ(7)または光学レンズ(15)と、チップセットの光学的端面(8)との間の接続は、エッジ連結によって実行される。
【0047】
V型溝(3)上に位置付けられた光ファイバと、チップセットの光学的端面(8)との光学的接点に関して、良好に配置されたV型溝(3)は、関係した材料に関する反射率、及び基本的で主な物理法則、すなわちスネルの法則を考慮することによって、光ファイバとチップセットの光学的端面(8)との光学的整合を提供する。この、光ファイバとチップセットの光学的端面(8)との間の整合は、サブミクロンの許容を伴って実施され得る。生成された光信号は、次に良好に整合された光ファイバを介して送られ、及び受け取られることになる。
【0048】
V型溝(3)は、チップセット(9)のサイズ及び位置、ならびに光ファイバへの光学的接続が必要か否か、に基づいて設計される。V型溝(3)は、エネルギーを消費することなく、かつ光学的整合によるいかなる制御システムなしで、光ファイバを整合させる。
【0049】
本発明による、フォトニック集積回路をベースにした、双方向の光学サブアセンブリの好ましい実施形態において、イン/アウトの光ファイバ(7)のコアとV型溝(3)との間の接続は、図6及び図7に例示されるように、エポキシまたは他の好適な材料などの接着剤によって実施される。このように、利用する接着剤は、光ファイバがしっかりと固定され、かつそれらのV型溝(3)上の位置における安定を保証する。
【0050】
本発明による、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリの好ましい実施形態において、チップセット(9)と空洞(2)との間の接続は、図8に例示されるように、エポキシまたは他の好適な材料などの接着剤によって実施され、この接続は、サブミクロンの精度下で実現され得る。
【0051】
図13図14、及び図16で例示されるように、少なくとも1つのチップセット(9)は、直流ライン(4)または無線周波数ライン(13)までの、少なくとも1つの電気接続によって接続される。この電気接続は、ワイヤボンディング(11)及び半田バンプ(12)から成るグループから選択される。半田バンプ(12)は、本発明によるフォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリに備えられたチップセット(9)と、半導体デバイス、集積回路チップ、集積受動デバイス、微小電子機械システム(MEMS)、及び外部の回路などの、他のデバイスとを、制御された崩壊チップ接続としても知られているフリップチップ技術によって、相互接続させるために使用され得る。
【0052】
さらに、RFライン(13)またはDCライン(4)は、内部接続性、ならびに、例えば外部ドライバ、プリント基板、及び熱電冷却器(TEC)などの外部デバイスとの外部接続性、を提供する。外部の接続性の例として、RFライン(13)は、RF信号を外部ドライバから、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリに備えられたアクティブチップセットへ送る。このように、ホスティング装置は、0Hzからの周波数領域(DC信号)から300GHzまでの無線周波数(RF信号)の電気信号を、外部のドライバ/源から、チップセットの能動素子まで送るよう、及びその逆にも送るように設計された、電気トラックを有する。RFライン(13)は、図9及び図15で確認されるように、RF信号の送信のために使用される。
【0053】
電気接続性に関して、図17で例示されるように、RFライン(13)またはDCライン(4)は、貫通シリコンビアTSV(16)によって、様々な導電層及びグランドプレーンの電気接続のためにも使用され得る。図17は、TSV(16)を断面で表わし、そこでは導体材料(17)が、TSV(16)の両端部に接地される。
【0054】
本明細書で使用される表現「約(about)」及び「概ね(approximately)」は、明記された数字のおおよそ10%範囲の値を指す。
【0055】
本明細書で使用される表現「実質的に(substantially)」は、実際の値が、所望の値、変数または関連した制限値の約10%の区間内、特に所望の値、変数、または関連した制限値の約5%内、または特に所望の値、変数、または関連した制限値の約1%内、であることを意味する。
【0056】
さらに、用語「または(or)」は、排他的な「または」ではなく包括的な「または」を意味するよう意図される。すなわち、別様に明記しない限り、または文脈から明確ではない限り、「XはAまたはBを利用する。」の文は、任意の自然な包括的順列を意味するよう意図される。すなわち、「XはAまたはBを利用する。」の文は、以下の例のいずれも満たす:XはAを利用する;XはBを利用する;または、XはA及びBを利用する。
【0057】
追加として、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される冠詞「a」及び「an」は、別様に明記しない限り、または単数形に向けられるものと文脈から明確ではない限り、一般的に「1つまたは複数」を意味するものと理解されたい。
【0058】
さらに、本明細書で使用される用語「例示的な」は、何かの例示または例として役立つと意味することが意図され、優先を示すようには意図されない。
【0059】
上述の主題は、本発明の例示として提供され、本発明を限定するものと解釈してはならない。本発明による、特定の実施形態を説明する目的で使用される専門用語は、本発明を限定するものと解釈してはならない。本明細書で使用される、定冠詞及び不定冠詞は、それらの単数形において、本明細書の文脈で、逆であることを明確に示さない限り、解釈において複数形を含むことを意図する。用語「備える(comprise)」及び「含む(include)」は、本明細書で使用されるとき、特徴、要素、構成要素、ステップ、及び関連の動作の存在を明確にするが、他の特徴、要素、構成要素、ステップ、及び動作の可能性も、企図することから排除しないものと理解されたい。
【0060】
以下の「特許請求の範囲」の基本的な特徴を変更しないものとすると、全ての変更は、本発明の保護範囲内であると考慮するべきである。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明による、多機能自立式ホスティング装置、及びこの装置を備えたフォトニック集積回路をベースにした双方向のサブアセンブリは、フォトニック集積回路、及び集積回路の共通パッケージング、から成るグループから選択された少なくとも1つの用途に利用され、任意に配向された複数チップセットをホスティングし、かつ任意に配向された複数の光ファイバを光学的に整合させ得る。
【0062】
エネルギーの制約及び制限を考慮すると、フォトニック集積回路すなわちフォトニックマイクロチップは、高いエネルギー効率を有し、より長く仕事し得るデバイスをもたらし、迅速である以外に顕著な省力化のオプションを含む。フォトニクスは、その用途を、例えば遠隔通信、健康診断、データ処理産業、モビリティ、安全及び保安、ならびに農業食品などに見出している。本発明は、フォトニクスが、この新しい領域に、重要な変革を確実にもたらすであろうことを確信している。全面的に、集積フォトニクスの市場の潜在能力は、多大な収益を生み出すことを可能にする。
【0063】
フォトニック集積回路(PIC)の領域における本発明は、安全な量子通信、強化された量子センシング、及び量子情報処理における用途のための、フォトニック量子技術を実施するための、先端プラットフォームも具現化している。
【符号の説明】
【0064】
1 処理されたウェハ
2 空洞
3 V型溝
4 直流ライン
5 温度センサ
6 イン/アウトの光ファイバの被覆材
7 イン/アウトの光ファイバ
8 チップセットの光学的端面
9 チップセット
10 サブマウント
11 ワイヤボンディング
12 半田バンプ
13 無線周波数ライン
14 抵抗器
15 光学レンズ
16 貫通シリコンビア
17 導体材料
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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図12
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図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2023-06-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトニック集積回路、及び/または関連したチップセットシステムのパッケージングのための、多機能自律式ホスティング装置であって、
処理されたウェハ(1)、
前記処理されたウェハ(1)の上面に埋め込まれた、チップセット(9)及び光学レンズ(15)から成るグループから少なくとも1つを受け入れるよう構成された、少なくとも1つの空洞(2)、ならびに
前記処理されたウェハ(1)の上面、またはサブマウント(10)に形成された、少なくとも1つのV型溝(3)、を備え
前記サブマウント(10)は、前記処理されたウェハ(1)凹部に装着され、前記凹部及び前記サブマウント(10)は、前記空洞(2)に対して隣接した位置に配置され、
前記V型溝は、前記処理されたウェハ(1)の縁部または前記サブマウント(10)から、前記空洞(2)に向けて延び
前記V型溝(3)は、少なくとも1本のイン/アウトの光ファイバ(7)を受け入れるよう構成され、前記イン/アウトの光ファイバ(7)をチップセットの光学的端面(8)に光学的に整合させ
ここで前記多機能自律式ホスティング装置は、前記処理されたウェハ(1)に埋め込まれた無線周波数ライン(13)を備えること、及び任意選択で、前記処理されたウェハ(1)に埋め込まれた直流ライン(4)をさらに備えること、を特徴とする、
多機能自律式ホスティング装置。
【請求項2】
前記処理されたウェハ(1)の上面に埋め込まれた複数の空洞(2)を備え、各空洞(2)は、チップセット(9)及び光学レンズ(15)から成るグループから少なくとも1つの受け入れるよう構成され、前記空洞(2)は、前記処理されたウェハ(1)の全体にわたって任意の配向に配設されることを特徴とする、請求項1に記載の多機能自律式ホスティング装置。
【請求項3】
前記空洞(2)は、前記処理されたウェハ(1)の全体にわたって長手方向に配設され、少なくとも1列の空洞(2)を形成することを特徴とする、請求項2に記載の多機能自律式ホスティング装置。
【請求項4】
前記処理されたウェハ(1)の全体にわたって横断方向に配置された、複数の空洞(2)は、少なくとも1行の空洞(2)を形成することを特徴とする、請求項2または3に記載の多機能自律式ホスティング装置。
【請求項5】
前記空洞(2)は、前記V型溝(3)の延長に対して鋭角で1列に配設されることを特徴とする、請求項2~4の内いずれか一項に記載の多機能自律式ホスティング装置。
【請求項6】
温度管理のために使用するために、温度を感知するよう構成された、温度センサ(5)を備えることを特徴とする、請求項1~5の内いずれか一項に記載の多機能自律式ホスティング装置。
【請求項7】
前記温度センサ(5)は、サーミスタであることを特徴とする、請求項1~6の内いずれか一項に記載の多機能自律式ホスティング装置。
【請求項8】
前記温度センサ(5)は、埋込式の集積された平坦で薄いフィルムのサーミスタであることを特徴とする、請求項7に記載の多機能自律式ホスティング装置。
【請求項9】
少なくとも1つのV型溝(3)は、チップセットの前記光学的端面(8)の長手方向延長に対して鋭角で配置されることを特徴とする、請求項1~8の内いずれか一項に記載の多機能自律式ホスティング装置。
【請求項10】
前記処理されたウェハ(1)に埋め込まれた抵抗器(14)を備えることを特徴とする、請求項1~9の内いずれか一項に記載の多機能自律式ホスティング装置。
【請求項11】
前記処理されたウェハ(1)に埋め込まれた前記抵抗器(14)は、埋込式の集積された薄いフィルムの抵抗器であることを特徴とする、請求項10に記載の多機能自律式ホスティング装置。
【請求項12】
フォトニック集積回路及び/または関連したチップセットシステムのパッケージングのための、多機能自律式ホスティング装置を備えることを特徴とする、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリであって、前記ホスティング装置は、小型化された単一の統一体内の、少なくとも1つのフォトニック集積回路及び1つのチップセット(9)を一体化して集積するよう構成され、前記ホスティング装置は、
処理されたウェハ(1)、
前記処理されたウェハ(1)の上面に埋め込まれた、チップセット(9)及び光学レンズ(15)から成るグループから少なくとも1つを受け入れるよう構成された、少なくとも1つの空洞(2)、ならびに
前記処理されたウェハ(1)の上面またはサブマウント(10)に形成された、少なくとも1つのV型溝(3)、を備え、
前記サブマウント(10)は、前記処理されたウェハ(1)凹部に装着され、前記凹部及び前記サブマウント(10)は、前記空洞(2)に対して隣接した位置に配置され、
前記V型溝は、前記処理されたウェハ(1)の縁部または前記サブマウント(10)から、前記空洞(2)に向けて延び、
前記V型溝(3)は、少なくとも1本のイン/アウトの光ファイバ(7)を受け入れるよう構成され、前記イン/アウトの光ファイバ(7)をチップセットの光学的端面(8)に光学的に整合させ、
フォトニック集積回路をベースにした前記双方向の光学サブアセンブリは、前記ホスティング装置の前記空洞(2)に固定された少なくとも1つのチップセット(9)をさらに備え、任意選択で、前記空洞(2)に固定された少なくとも1つの光学レンズ(15)をさらに備え、
フォトニック集積回路をベースにした前記双方向の光学サブアセンブリは、前記ホスティング装置の前記V型溝(3)に接続された、少なくとも1本のイン/アウトの光ファイバ(7)をさらに備え、
フォトニック集積回路をベースにした前記双方向の光学サブアセンブリは、エッジ連結によって前記イン/アウトの光ファイバ(7)の端部または前記光学レンズ(15)に光学的に接続されたチップセットの光学的端面(8)をさらに備え
前記ホスティング装置は、前記処理されたウェハ(1)に埋め込まれた無線周波数ライン(13)を備え、任意選択で、前記処理されたウェハ(1)に埋め込まれた直流ライン(4)をさらに備え、
少なくとも1つのチップセット(9)は、少なくとも1つの電気接続によって、前記無線周波数ライン(13)に接続される、
フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項13】
前記ホスティング装置は、前記処理されたウェハ(1)の上面に埋め込まれた複数の空洞(2)を備え、各空洞(2)は、チップセット(9)及び光学レンズ(15)から成るグループから少なくとも1つの受け入れるよう構成され、前記空洞(2)は、前記処理されたウェハ(1)の全体にわたって任意の配向に配設されることを特徴とする、請求項12に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項14】
前記空洞(2)は、前記ホスティング装置において、前記処理されたウェハ(1)の全体にわたって長手方向に配設され、少なくとも1列の空洞(2)を形成することを特徴とする、請求項13に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項15】
前記ホスティング装置において、前記処理されたウェハ(1)の全体にわたって横断方向に配置された、複数の空洞(2)は、少なくとも1行の空洞(2)を形成することを特徴とする、請求項13または14に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項16】
前記空洞(2)は、前記V型溝(3)の延長に対して鋭角で1列に配設されることを特徴とする、請求項13~15の内いずれか一項に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項17】
前記ホスティング装置は温度センサ(5)を備え、前記温度センサ(5)は、温度管理に使用するために、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリの温度を感知するよう構成されることを特徴とする、請求項12~16の内いずれか一項に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項18】
前記温度センサ(5)は、例えば埋込式の集積された平坦で薄いフィルムのサーミスタであり、前記サーミスタは、感温性チップセット(9)の温度管理及び温度制御を実行するよう構成されることを特徴とする、請求項17に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項19】
前記処理されたウェハ(1)に埋め込まれた抵抗器(14)を備え、前記抵抗器(14)は、フォトニック集積回路をベースにした前記双方向の光学サブアセンブリにおける熱のフローを挿入させるために構成されることを特徴とする、請求項12~18の内いずれか一項に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項20】
前記抵抗器(14)は、埋込式の集積された薄いフィルムの抵抗器であることを特徴とする、請求項19に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項21】
少なくとも1つのV型溝(3)は、チップセットの前記光学的端面(8)の長手方向延長に対して鋭角で配置されることを特徴とする、請求項12~20の内いずれか一項に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項22】
前記イン/アウトの光ファイバ(7)と前記V型溝(3)との間の接続は、エポキシまたは他の好適な材料などの接着剤によって実施されることを特徴とする、請求項12~21の内いずれか一項に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項23】
前記チップセット(9)と前記空洞(2)との間の接続は、エポキシまたは他の好適な材料などの接着剤によって実施されることを特徴とする、請求項12~22の内いずれか一項に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項24】
少なくとも1つのチップセット(9)は、少なくとも1つの電気接続によって、直流ライン(4)または無線周波数ライン(13)に接続され、前記電気接続は、ワイヤボンディング(11)及び半田バンプ(12)から成るグループから選択されることを特徴とする、請求項12~23の内いずれか一項に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項25】
光学レンズ(15)は、それぞれが隣接したチップセット(9)に配設されたチップセットの一対の光学的端面(8)と、チップセットの光学的端面(8)及びイン/アウトの光ファイバ(7)の一対と、から成るグループから少なくとも1つを、光学的に整合させることを特徴とする、請求項12~24の内いずれか一項に記載の、フォトニック集積回路をベースにした双方向の光学サブアセンブリ。
【請求項26】
フォトニック集積回路及び集積回路の共通パッケージング、任意に配向された多機能チップのホスティング、及び任意に配向された複数の光ファイバの光学的整合、から成るグループから選択された少なくとも1つの用途における、請求項1~11の内いずれか一項に記載の多機能自律式ホスティング装を申し述べる。
【国際調査報告】