(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-18
(54)【発明の名称】耐プラズマガラス、半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品及びそれらの製造方法
(51)【国際特許分類】
C03C 3/085 20060101AFI20240611BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240611BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
C03C3/085
H01L21/302 101G
H01L21/31 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575404
(86)(22)【出願日】2022-05-13
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 KR2022006893
(87)【国際公開番号】W WO2022255686
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】10-2021-0072961
(32)【優先日】2021-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523456098
【氏名又は名称】ハンソル・イオネス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デ・グン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヘ・ウォン・ソク
(72)【発明者】
【氏名】キョン・ミン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ヘ・イン・ナ
(72)【発明者】
【氏名】ムン・キ・イ
【テーマコード(参考)】
4G062
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
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5F004AA15
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5F045EM05
(57)【要約】
本発明は、耐プラズマガラス、半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品及びそれらの製造方法に関するもので、具体的には、耐プラズマガラスの成分含有量を調節して熱膨張係数を減少させて、高温使用時の熱衝撃による損傷が防止できる耐プラズマガラス及びその製造方法に関するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
55モル%以上70モル%以下のSiO
2、5モル%以上20モル%以下のAl
2O
3、及び29モル%以上35モル%以下のMgOを含むものである、
耐プラズマガラス。
【請求項2】
前記SiO
2と前記Al
2O
3とのモル比は6:1~2.5:1のものである、
請求項1に記載の耐プラズマガラス。
【請求項3】
前記SiO
2と前記MgOとのモル比は2:1~1.4:1のものである、
請求項1に記載の耐プラズマガラス。
【請求項4】
前記MgOと前記Al
2O
3とのモル比は3.5:1~1.5:1のものである、
請求項1に記載の耐プラズマガラス。
【請求項5】
ガラス転移温度は750℃以上850℃以下のものである、
請求項1に記載の耐プラズマガラス。
【請求項6】
熱膨張係数は、4.0×10
-6m/(m℃)以上6.0×10
-6m/(m℃)以下のものである、
請求項1に記載の耐プラズマガラス。
【請求項7】
フッ素(fluorine)とアルゴン(Ar)との混合プラズマによるエッチング率が18nm/min以下のものである、
請求項1に記載の耐プラズマガラス。
【請求項8】
請求項1に記載の耐プラズマガラスで製造されたものである、
半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品。
【請求項9】
前記内部用部品は、フォーカスリング(focus ring)、エッジリング(edge ring)、カバーリング(cover ting)、リングシャワー(ring shower)、インシュレーター(insulator)、EPDウィンドウ(window)、電極(electrode)、ビューポート(view port)、インナーシャッター(inner shutter)、静電チャック(electro static chuck)、ヒーター(heater)、チャンバーライナー(chamber liner)、シャワーヘッド(shower head)、CVD(ケミカル・べーパー・デポジション(Chemical Vapor Deposition))用ボート(boat)、ウォールライナー(wall liner)、シールド(shield)、コールドパッド(cold pad)、ソースヘッド(source head)、アウターライナー(outer liner)、デポジションシールド(deposition shield)、アッパーライナー(upper liner)、排出プレート(exhaust plate)及びマスクフレーム(mask frame)の中でいずれか一つである、
請求項8に記載の半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品。
【請求項10】
55モル%以上70モル%以下のSiO
2、5モル%以上20モル%以下のAl
2O
3、及び29モル%以上35モル%以下のMgOを含む組成物を溶融させる段階;及び
前記溶融された組成物を急冷する段階;を含む、
耐プラズマガラスの製造方法。
【請求項11】
前記組成物を溶融させる段階の溶融させる温度は、1400℃以上1700℃以下のものである、
請求項10に記載の耐プラズマガラスの製造方法。
【請求項12】
請求項1に記載の耐プラズマガラスを溶融させる段階;
前記溶融された耐プラズマガラスを金型に注入する段階;及び
前記注入された耐プラズマガラスをアニーリングする段階を含む、
半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品の製造方法。
【請求項13】
前記耐プラズマガラスを溶融させる段階の溶融させる温度は、1400℃以上1700℃以下のものである、
請求項12に記載の半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品の製造方法。
【請求項14】
前記アニーリングする段階の温度は、400℃以上900℃以下のものである、
請求項12に記載の半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2021年06月04日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0072961号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては本発明に含まれる。本発明は、耐プラズマガラス、半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品及びそれらの製造方法に関するもので、具体的には、耐プラズマガラスの成分含有量を調節して熱膨張係数を減少させて、高温使用時の熱衝撃による損傷が防止できる耐プラズマガラス及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体及び/またはディスプレイの製造時に、プラズマエッチングプロセスが適用されている。近年、ナノプロセスが適用されるにつれ、エッチングの難易度が高まり高密度プラズマ環境にさらされるプロセスチャンバーの内部部品は、耐食性を有するアルミナ(Al2O3)、イットリア(Y2O3)といった酸化物系セラミックが主に使用されている。
【0003】
多結晶素材がフッ素系ガスを使用する高密度プラズマエッチング環境に長期間さらされる場合、局部的な侵食によって粒子が脱落し、それに伴う汚染粒子の発生確率が高くなる。これは半導体/ディスプレイの欠陥を引き起こし、生産収率に悪影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が成し遂げようとする技術的課題は、半導体製造工程で使用されるチャンバー内部のプラズマによって抵抗性に優れ、高温条件で耐熱性に優れて、チャンバー内部に使用される部品の損傷を防止するための耐プラズマガラス、半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品及びそれらの製造方法を提供することである。
【0005】
ただし、本発明が解決しようとする課題は、前記言及した課題に制限されず、言及されていない別の課題は、下記の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施状態は、55モル%以上70モル%以下のSiO2、5モル%以上20モル%以下のAl2O3、及び29モル%以上35モル%以下のMgOを含むものである耐プラズマガラスを提供する。
【0007】
本発明の一実施状態は、前記耐プラズマガラスで製造されたものである半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品を提供する。
【0008】
本発明の一実施状態は、55モル%以上70モル%以下のSiO2、5モル%以上20モル%以下のAl2O3、及び29モル%以上35モル%以下のMgOを含む組成物を溶融させる段階;及び前記溶融された組成物を急冷する段階;を含む耐プラズマガラスの製造方法を提供する。
【0009】
本発明の一実施状態は、前記耐プラズマガラスを溶融させる段階;前記溶融された耐プラズマガラスを金型に注入する段階;及び前記注入された耐プラズマガラスをアニーリングする段階を含む半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施状態に係る耐プラズマガラスは低い熱膨張係数特性を発現するので、高温雰囲気での熱衝撃による損傷を防止することができる。
【0011】
本発明の一実施状態に係る半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品は、プラズマに対するエッチング率を低く具現して、半導体製造工程における使用時間を向上させることができ、熱衝撃に対する部品損傷を防止して耐久性を向上させることができる。
【0012】
本発明の一実施状態に係る耐プラズマガラスの製造方法は、容易に耐プラズマガラスを製造し、高温雰囲気での熱衝撃による損傷を防止することができる。
【0013】
本発明の一実施状態に係る半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品の製造方法は、様々な形状を有する部品を製造することができ、高温雰囲気での熱衝撃による損傷を防止することができる。
【0014】
本発明の効果は前述した効果に限定されるものではなく、言及されていない効果は、本願の明細書及び添付された図面から当業者に明確に理解され得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施状態に係る耐プラズマガラスの製造方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の一実施状態に係る半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品の製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本願の明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」と言うとき、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0017】
本願の明細書全体において、ある部材が他の部材「上」に位置していると言うとき、これはある部材が他の部材に接している場合だけでなく、2つの部材の間に別の部材が存在する場合も含む。
【0018】
本願の明細書全体において、「A及び/またはB」は、「A及びB、またはAまたはB」を意味する。
【0019】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0020】
本発明の一実施状態は、55モル%以上70モル%以下のSiO2、5モル%以上20モル%以下のAl2O3、及び29モル%以上35モル%以下のMgOを含むものである耐プラズマガラスを提供する。
【0021】
本発明の一実施状態に係る耐プラズマガラスは、低い熱膨張係数特性を発現するので、高温雰囲気での熱衝撃による損傷を防止することができる。
【0022】
本発明の一実施状態によれば、前記耐プラズマガラスは、55モル%以上70モル%以下のSiO2を含む。具体的には、前記耐プラズマガラスは、56モル%以上69モル%以下、57モル%以上68モル%以下、58モル%以上67モル%以下、59モル%以上66モル%以下、60モル%以上65モル%以下、61モル%以上64モル%以下、または62モル%以上63モル%以下のSiO2を含むことができる。前述したように、前記SiO2を含み、前述した範囲で前記SiO2の含有量を調節することにより、前記耐プラズマガラスの基本物性を確保し、耐久性と信頼性を向上させることができ、前記耐プラズマの加工を容易にして、部品の生産コストを削減することができる。
【0023】
本発明の一実施状態によれば、前記耐プラズマガラスは、5モル%以上20モル%以下のAl2O3を含む。具体的には、前記耐プラズマガラスは、6モル%以上19モル%以下、7モル%以上18モル%以下、8モル%以上17モル%以下、9モル%以上16モル%以下、10モル%以上15モル%以下、11モル%以上14モル%以下、または12モル%以上13モル%以下のAl2O3を含むことができる。前述したように、前記Al2O3を含み、前述した範囲で前記Al2O3の含有量を調節することにより、アウトガッシング(outgasing)が防止でき、パーティクル(particle)の発生も抑制でき、半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品の耐摩耗性を向上させることができる。
【0024】
本発明の一実施状態によれば、前記耐プラズマガラスは、29モル%以上35モル%以下のMgOを含む。具体的には、前記耐プラズマガラスは、29モル%以上35モル%以下、30モル%以上34モル%以下、31モル%以上33モル%以下、32モル%以上33モル%以下、または31モル%以上32モル%以下のMgOを含むことができる。前述したように、前記MgOを含み、前述した範囲で前記MgOの含有量を調節することにより、ガラスの熱膨張係数及びガラス転移温度を低く具現することにより、高温での熱衝撃を最小化し、半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品の耐久性を向上させることができる。
【0025】
本発明の一実施状態によれば、前記SiO2と前記Al2O3とのモル比は6:1~2.5:1のものであり得る。具体的には、前記SiO2と前記Al2O3とのモル比は、5.9:1~2.6:1、5.8:1~2.7:1、5.7:1~2.8:1、5.6:1~2.9:1、5.5:1~3.0:1、5.4:1~3.1:1、5.3:1~3.2:1、5.2:1~3.3:1、5.1:1~3.4:1、5.0:1~3.5:1、4.9:1~3.6:1、4.8:1~3.7:1、4.7:1~3.8:1、4.6:1~3.9:1、4.5:1~4.0:1、4.4:1~4.1:1、または4.3:1~4.2:1であり得る。前述した範囲で前記SiO2と前記Al2O3とのモル比を調節することにより、前記耐プラズマガラスの耐摩耗性を向上させると同時に加工性を容易に具現することができる。
【0026】
本発明の一実施状態によれば、前記SiO2と前記MgOとのモル比は2:1~1.4:1のものであり得る。具体的には、前記SiO2と前記MgOとのモル比は2:1~1.4:1、1.9:1~1.5:1、1.8:1~1.6:1、1.7:1~1.6:1、または1.8:1~1.7:1であり得る。前述した範囲で前記SiO2と前記MgOとのモル比を調節することにより、前記耐プラズマガラスの耐久性と信頼性を向上させると同時に、高温での熱衝撃に対する耐久性を向上させることができる。
【0027】
本発明の一実施状態によれば、前記MgOと前記Al2O3とのモル比は3.5:1~1.5:1のものであり得る。具体的には、前記MgOと前記Al2O3とのモル比は、3.4:1~1.6:1、3.3:1~1.7:1、3.2:1~1.8:1、3.1:1~1.9:1、3.0:1~2.0:1、2.9:1~2.1:1、2.8:1~2.2:1、2.7:1~2.3:1、または2.6:1~2.4:1であり得る。前述した範囲で前記MgOと前記Al2O3とのモル比を調節することにより、高温での熱衝撃を最小化し、半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品の耐久性を向上させることができる。
【0028】
本発明の一実施状態によれば、前記耐プラズマガラスのガラス転移温度は750℃以上850℃以下のものであり得る。具体的には、前記耐プラズマガラスのガラス転移温度は、760℃以上840℃以下、770℃以上830℃以下、780℃以上820℃以下、または790℃以上810℃以下であり得る。前述した範囲で前記耐プラズマガラスのガラス転移温度を調節することにより、半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品の高温での熱衝撃を最小化し、耐久性を向上させることができる。
【0029】
本発明の一実施状態によれば、前記耐プラズマガラスの熱膨張係数は、4.0×10-6m/(m℃)以上6.0×10-6m/(m℃)以下のものであり得る。具体的には、前記耐プラズマガラスの熱膨張係数は、4.1×10-6m/(m℃)以上5.9×10-6m /(m℃)以下、4.2×10-6m /(m℃)以上5.8×10-6m /(m℃)以下、4.3×10-6m/(m℃)以上5.7×10-6m/(m℃)以下、4.4×10-6m/(m℃)以上5.6×10-6m/(m℃)以下、4.5×10-6m/(m℃)以上5.5×10-6m/(m℃)以下、4.6×10-6m/(m℃)以上5.4×10-6m/(m℃)以下、4.7×10-6m/(m℃)以上5.3×10-6m/(m℃)以下、4.8×10-6m/(m℃)以上5.2×10-6m/(m℃)以下、または4.9×10-6m/(m℃)以上5.1×10-6m/(m℃)以下であり得る。前述した範囲で前記耐プラズマガラスの熱膨張係数を調節することにより、熱衝撃に対する部品損傷を防止して耐久性を向上させることができる。
【0030】
本発明の一実施状態によれば、前記耐プラズマガラスのフッ素(fluorine)とアルゴン(Ar)との混合プラズマによるエッチング率が18nm/min以下のものであり得る。具体的には、フッ素(fluorine)とアルゴン(Ar)との混合プラズマによるエッチング率が0nm/min超過17nm/min以下、1nm/min以上16nm/min以下、2nm/min以上15nm/min以下、3nm/min以上14nm/min以下、4nm/min以上13nm/min以下、5nm/min以上12nm/min以下、6nm/min以上11nm/min以下、または7nm/min以上10nm/min以下であり得る。前述した範囲で前記フッ素(fluorine)とアルゴン(Ar)との混合プラズマによるエッチング率を具現することにより、前記半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品はプラズマに対するエッチング率を低く具現して、半導体製造工程における使用時間を向上させることができる。
【0031】
本発明の一実施状態は、前記耐プラズマガラスで製造されたものである半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品を提供する。
【0032】
本発明の一実施状態に係る半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品は、プラズマに対するエッチング率を低く具現して、半導体製造工程における使用時間を向上させることができ、熱衝撃に対する部品損傷を防止して耐久性を向上させることができる。
【0033】
本発明の一実施状態によれば、前記内部用部品は、フォーカスリング(focus ring)、エッジリング(edge ring)、カバーリング(cover ting)、リングシャワー(ring shower)、インシュレーター(insulator)、EPDウィンドウ(window)、電極(electrode)、ビューポート(view port)、インナーシャッター(inner shutter)、静電チャック(electro static chuck)、ヒーター(heater)、チャンバーライナー(chamber liner)、シャワーヘッド(shower head)、CVD(ケミカル・べーパー・デポジション(Chemical Vapor Deposition))用ボート(boat)、ウォールライナー(wall liner)、シールド(shield)、コールドパッド(cold pad)、ソースヘッド(source head)、アウターライナー(outer liner)、デポジションシールド(deposition shield)、アッパーライナー(upper liner)、排出プレート(exhaust plate)及びマスクフレーム(mask frame)の中でいずれか一つのものであり得る。前述したことから、前記内部用部品を用いることにより、前記半導体製造工程におけるプラズマに対する抵抗性を向上させて使用時間を延長することにより、半導体製造に要するコストを最小化することができる。
【0034】
本発明の一実施状態は、55モル%以上70モル%以下のSiO2、5モル%以上20モル%以下のAl2O3、及び29モル%以上35モル%以下のMgOを含む組成物を溶融させる段階(S11);及び前記溶融された組成物を急冷する段階(S13);を含む耐プラズマガラスの製造方法を提供する。
【0035】
本発明の一実施状態に係る耐プラズマガラスの製造方法は、容易に耐プラズマガラスを製造し、高温雰囲気での熱衝撃による損傷を防止することができる。
【0036】
本発明の一実施状態である耐プラズマガラスの製造方法において、前記耐プラズマガラスと重複する内容は省略する。
【0037】
本発明の一実施状態によれば、前記耐プラズマガラスの製造方法は、55モル%以上70モル%以下のSiO2、5モル%以上20モル%以下のAl2O3、及び29モル%以上35モル%以下のMgOを含む組成物を溶融させる段階(S11)を含む。前述したことから、耐プラズマガラスの成分を調節し、前記成分の含有量を調節することにより、前記耐プラズマガラスの高温雰囲気での熱衝撃による損傷を防止することができる。
【0038】
本発明の一実施状態によれば、前記耐プラズマガラスの製造方法は、前記溶融された組成物を急冷する段階(S13)を含む。前述したように、前記溶融された組成物を急冷する段階を含むことにより、 前記耐プラズマガラスの結晶を調節することができ、前記半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品を製造する過程における溶融を容易に行うことができる。
【0039】
本発明の一実施状態によれば、前記急冷段階の温度は常温のものであり得る。前述した範囲で前記急冷段階の温度を調節することにより、前記耐プラズマガラスの結晶を調節することができ、前記半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品を製造する過程における溶融を容易に行うことができる。
【0040】
本発明の一実施状態によれば、前記組成物を溶融させる段階の溶融させる温度は、1400℃以上1700℃以下のものであり得る。具体的には、前記組成物を溶融させる段階の溶融させる温度は、1400℃以上1700℃以下、1450℃以上1650℃以下、または1500℃以上1600℃以下であり得る。前述した範囲で前記組成物を溶融させる段階の溶融させる温度を調節することにより、前記組成物の粘度を調節して前記耐プラズマガラスを製造する過程の作業性を向上させることができる。
【0041】
本発明の一実施状態は、前記耐プラズマガラスを溶融させる段階(S21);前記溶融された耐プラズマガラスを金型に注入する段階(S23);及び前記注入された耐プラズマガラスをアニーリングする段階(S25)を含む半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品の製造方法を提供する。
【0042】
本発明の一実施状態に係る半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品の製造方法は、様々な形状を有する部品を製造することができ、高温雰囲気での熱衝撃による損傷を防止することができる。
【0043】
本発明の一実施状態によれば、前記半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品の製造方法は、前記耐プラズマガラスを溶融させる段階(S21)を含む。前出したように、前記耐プラズマガラスを溶融させる段階を含むことにより、前記半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品を製造する過程の作業性を向上させると同時に、金型に前記耐プラズマガラスを溶融させた溶湯を注入することにより、様々な形態に成形することができる。
【0044】
本発明の一実施状態によれば、前記半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品の製造方法は、前記溶融された耐プラズマガラスを金型に注入する段階(S23)を含む。前述したように、前記溶融された耐プラズマガラスを金型に注入することにより、様々な形態の部品を製造することができる。
【0045】
本発明の一実施状態によれば、前記金型は、フォーカスリング(focus ring)、エッジリング(edge ring)、カバーリング(cover ting)、リングシャワー(ring shower)、インシュレーター(insulator)、EPDウィンドウ(window)、電極(electrode)、ビューポート(view port)、インナーシャッター(inner shutter)、静電チャック(electro static chuck)、ヒーター(heater)、チャンバーライナー(chamber liner)、シャワーヘッド(shower head)、CVD(ケミカル・べーパー・デポジション(Chemical Vapor Deposition))用ボート(boat)、ウォールライナー(wall liner)、シールド(shield)、コールドパッド(cold pad)、ソースヘッド(source head)、アウターライナー(outer liner)、デポジションシールド(deposition shield)、アッパーライナー(upper liner)、排出プレート(exhaust plate)及びマスクフレーム(mask frame)の中でいずれか一つの形態を有することができる。前述したように、前記金型の形状を多様に具現することにより、容易に部品の形状を具現して製造時間を短縮することができる。
【0046】
本発明の一実施状態によれば、前記半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品の製造方法は、前記注入された耐プラズマガラスをアニーリングする段階(S25)を含む。前述したように、前記注入された耐プラズマガラスをアニーリングする段階を含むことにより、前記金型に注入されて製造された部品で発生した熱による応力を最小化して部品の耐久性を向上させ、高温での熱衝撃を最小化することができる。
【0047】
本発明の一実施状態によれば、前記耐プラズマガラスを溶融させる段階の溶融させる温度は、1400℃以上1700℃以下のものであり得る。具体的には、前記耐プラズマガラスを溶融させる段階の溶融させる温度は、1450℃以上1650℃以下、または1500℃以上1600℃以下であり得る。前述した範囲で、前記耐プラズマガラスを溶融させる段階の溶融させる温度を調節することにより、前記溶融された耐プラズマガラスの粘度を調節して作業性を向上させることができる。
本発明の一実施状態によれば、前記アニーリングする段階の温度は、400℃以上900℃以下のものであり得る。具体的には、前記アニーリングする段階の温度は、430℃以上890℃以下、450℃以上880℃以下、470℃以上870℃以下、500℃以上860℃以下、550℃以上850℃以下、560℃以上840℃以下、570℃以上830℃以下、580℃以上820℃以下、590℃以上810℃以下、600℃以上800℃以下、610℃以上790℃以下、620℃以上780℃以下、630℃以上770℃以下、640℃以上760℃以下、650℃以上750℃以下、660℃以上740℃以下、670℃以上730℃以下、680℃以上720℃以下、または690℃以上710℃以下であり得る。前述した範囲で前記アニーリングする段階の温度を調節することにより、前記半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品内に形成された熱による応力を減少させ、高温での熱衝撃を最小化して部品の耐久性を向上させることができる。
【0048】
本発明の一実施状態によれば、前記アニーリングされた耐プラズマガラスによって製造された半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品の前駆体を加工する段階(S27)を含むことができる。前述したように、前記半導体製造工程のためのチャンバー内部用部品の前駆体を加工することにより、精巧な部品を製造することができる。
【0049】
以下、本発明を具体的に説明するために実施例を挙げて詳細に説明する。しかし、本発明に係る実施例は種々の異なる形態に変形され得、本発明の範囲が下記で記述する実施例に限定されるものと解釈されない。本明細書の実施例は、当業界で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【0050】
<実施例1>
59.27モル%のSiO2、10.31モル%のAl2O3、及び30.43モル%のMgOを含む組成物を製造した。具体的には、化学成分の合計を600g重量で配置し、ジルコニアボールミル法で約1時間、前記組成物を混合した。すなわち、組成物600g:ジルコニアボール1800g(重量比1:3)にして組成物を乾式混合した後、24時間乾燥した。その後、前記乾燥された組成物をスーパーカンタル炉を用いて1400℃の温度に達するまで10℃/minの速度で温度を増加し、1400℃の温度で約2時間30分間保持した。
【0051】
前記溶融された組成物を常温に急冷して耐プラズマガラスを製造した。
【0052】
<実施例2>
前記実施例1において、前記組成物の成分及び含有量を52.50モル%のSiO2、15.00モル%のAl2O3、及び32.50モル%のMgOを含む組成物を製造して使用したことを除いては、実施例1と同一にして耐プラズマガラスを製造した。
【0053】
<比較例1>
前記実施例1において、前記組成物の成分及び含有量を52.10モル%のSiO2、11.94モル%のAl2O3、及び35.97モル%のMgOを含む組成物を製造して使用したことを除いては、実施例1と同一にして耐プラズマガラスを製造した。
【0054】
<実験例1:ガラス転移温度及び熱膨張係数の測定>
前記実施例1~2及び比較例1の耐プラズマガラスに対して熱膨張係数(α=100~300℃)とガラス転移温度(Tg)は、ディラトメーター(DIL402C、NETZSCH、Germany)を用いて、N2-4wt%H2混合ガス雰囲気下で10℃の昇温速度で測定し、下記表1にまとめた。
【0055】
<実験例2:エッチング率(eathing rate)測定>
前記実施例1~2及び比較例1の耐プラズマガラスの両側面を3mm間隔でマスキングした後、露出される部位をICP-Etcher(エッチャー)装置を用いて約1時間CF4混合ガス環境でエッチングを行い、前記エッチングの条件は下記の通りである。
RFパワー(power)(W):600
RFパワー(power)、バイアス(bias)(W):150
CF4(SCCM):30
Ar(SCCM):10
O2(SCCM):5
プレッシャー(Pressure)(ミリトール(mTorr)):10
時間(Time)(分(min)):60
【0056】
前記エッチングが完了した耐プラズマガラスのマスキングを除去した後、エッチング前/後の段差をサーフコーダ(surfcorder)ET3000(小坂研究所(Kosakalaboratory Ltd.,Japan))を用いて3回測定した後の平均値を下記表1にまとめた。
【0057】
【0058】
前記表1を参照すると、前記実施例1及び2は、ガラス転移温度が810℃以下に具現されると同時にエッチング率が16nm/min以下に具現されて、融点が低いと同時にエッチング率が低く具現されて、作業性と耐久性が向上することが確認でき、熱膨張係数が低く具現されて、高温での熱衝撃が防止できることを確認した。
【0059】
これに対して比較例1は、SiO2、Al2O3、及びMgOの含有量をそれぞれ全て満たすことができないことで、エッチング率及びガラス転移温度は低く具現されるが、熱膨張係数が高く具現されて、高温での熱衝撃に脆弱であることを確認することができる。
【0060】
したがって、本発明の一実施状態は、前記耐プラズマガラスのSiO2、Al2O3、及びMgOの含有量を満たすことにより、エッチング率及びガラス転移温度を低く具現すると同時に熱膨張係数を低く具現して、高温での熱衝撃を防止することができる。
【0061】
以上、本発明は限られた実施例によって説明されたものの、本発明はこれによって限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と以下に記載される特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0062】
S11:組成物の溶融段階
S13:急冷段階
S21:耐プラズマガラスの溶融段階
S23:金型注入段階
S25:アニーリング段階
S27:加工段階
【国際調査報告】