(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-18
(54)【発明の名称】パズルの製造方法及びそのための分解装置
(51)【国際特許分類】
A63F 9/10 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
A63F9/10 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577324
(86)(22)【出願日】2022-06-13
(85)【翻訳文提出日】2024-02-14
(86)【国際出願番号】 EP2022066059
(87)【国際公開番号】W WO2022263387
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】102021115379.4
(32)【優先日】2021-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523438290
【氏名又は名称】パズルユー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】puzzleYOU GmbH
【住所又は居所原語表記】Auf der Haide 2,92665 Altenstadt an der Waldnaab(DE)
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイグ,ノルベルト
(57)【要約】
【要約】
本発明は、パズル(1)の製造方法であって、前記パズル(1)は、組み立てられた状態において前記パズル(1)を形成する複数のパズルピース(3)を備え、該方法では、画像(2)が支持板に貼り付けられ又は印刷されることによって前記画像(2)が前記支持板上に画像面を画定してから、前記パズルピース(3)が印刷され又は貼り付けられた前記支持板から打ち抜かれ、又は、前記支持板が打ち抜かれてから、打ち抜かれた前記支持板に画像(2)が印刷されることによって画像が支持板上に画像面を画定し、前記パズルピース(3)は、少なくとも1つのパズルピース(3)の前記画像面を横断する方向への制御された移動により、打ち抜かれた前記支持板から取り外されて分解されることよって、分解後に前記パズルピースが定義された方法で利用可能となる、方法に関する。さらに、本発明は、対応する装置に関する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パズル(1)の製造方法であって、前記パズル(1)は、組み立てられた状態において前記パズルを形成する複数のパズルピース(3)を備えており、該方法では、画像(2)が支持板に貼り付けられ又は印刷されることによって前記画像が前記支持板上に画像面を画定してから、前記パズルピース(3)が印刷され又は貼り付けられた前記支持板から打ち抜かれ、又は、前記支持板が打ち抜かれてから、打ち抜かれた前記支持板に画像(2)が印刷されることによって画像が支持板上に画像面を画定し、
前記パズルピース(3)は、少なくとも1つのパズルピース(3)の前記画像面を横断する方向への制御された移動により、打ち抜かれた前記支持板から取り外されて分解されることよって、分解後に前記パズルピースが定義された方法で利用可能となることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記制御された移動が、前記画像面に対して垂直に行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1つ又は複数のパズルピース(3)が、打ち抜かれた前記支持板から同時に及び/又は連続的に取り外されることを特徴とし、特に、前記パズルの前記パズルピースの半分までが打ち抜かれた前記支持板から同時に取り外される、又は、全てのパズルピースが同時に取り外されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記パズルに対して複数の部分区域が定義され、各部分区域が特定のパズルピース(3)を含み、全ての部分区域に対して、それぞれ少なくとも1つのパズルピース(3)が、打ち抜かれた前記支持板から同時に取り外され、又は、1つ又は複数の部分区域の全てのパズルピース(3)が、打ち抜かれた前記支持板から同時に取り外されることを特徴とし、特に、取り外された部分区域の場合において、前記部分区域の前記パズルピースのさらなる分解が、本発明の方法又は他の方法に従って行われることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
部分区域の前記パズルピース(3)が、前記パズルピース(3)の少なくとも1つの特性によって定義されることを特徴とし、該特性は、前記パズルの1つ又は複数の行に属すること、前記パズルの1つ又は複数の行の一部に属すること、前記パズルの1つ又は複数の列に属すること、前記パズルの1つ又は複数の列の一部に属すること、前記パズルの任意の局所領域に属すること、前記パズルピースの1つ又は複数の基本色又は色成分、前記パズルの端部ピース、前記パズルピースの凹部又は凸部の数、及び、それらの組み合わせから選択されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
取り外される前記パズルピース(3)に隣接する少なくとも1つのパズルピース、又は、取り外される前記パズルピースに隣接する全てのパズルピース、又は、取り外される前記パズルピースに隣接する全てのパズルピースであって共通の切断線を有するものが、取り外される前記パズルピースの移動中に固定されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの前記パズルピース(3)を取り外すための前記制御された移動が、直線的な並進運動であることを特徴とし、特に、押し込み又は引っ張り移動であることを特徴とする方法である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
取り外された前記パズルピース(3)が、打ち抜かれた前記支持板から取り外された後に、共通する面に配置されていることを特徴とし、前記共通する面が、特に、移動されていない前記パズルピースの画像面に対して平行にずらされている面であることを特徴とする方法である、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの前記パズルピース(3)を取り外すための前記制御された移動に続いて、少なくとも1つの前記パズルピース(3)が収納容器(18)内に配置されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
部分区域の前記パズルピース(3)が、共通の収納容器(18)内に配置される又は積み重ねられることを特徴とする、請求項4~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
複数のパズルピース(3)を含むパズル(1)のパズルピースを分解するための装置、特に、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を実施するための装置であって、該装置は、互いに接続されたパズルピース(3)の前記パズルのための収納要素(4)と、少なくとも1つの移動要素(5)とを備えており、
少なくとも1つの前記移動要素(5,13)が前記収納要素(4,11)に対して相対的に移動可能であることによって、少なくとも1つの接触要素(6,15)が少なくとも1つの前記パズルピース(3)と接触し、該パズルピースが接触要素(6,15)によって前記収納要素(4,11)を横断する方向に移動させられることによって、少なくとも1つの前記パズルピース(3)が前記パズル(1)から取り外されることを特徴とする、装置。
【請求項12】
前記移動要素(5)が、一方の側に複数の凸部(6)及び凹部(7)を有する板、特に、分解される前記パズルピースの数の半分までの数の凸部(6)及び凹部(7)を有する板であって、前記凸部(6)が接触要素であること、及び、前記収納要素(4)が、前記移動要素(5)と相補的な凸部(6)及び凹部(7)を有する板であって、前記凸部(6)が分解されるパズルの支持体であることにより、分解される前記パズルが前記収納要素(4)内に配置されると共に前記移動要素(5)が前記収納要素(4)に向かって移動されると、1つ又は複数の前記パズルピース(3)が、前記移動要素の各凸部(6)によって前記収納要素(4)の相補的な凹部(7)内へと押し込まれることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
各凹部(7)又は各凸部(6)が、分解される前記パズル(1)の少なくとも1つのパズルピース(3)に、及び/又は、複数のパズルピース(3)の部分区域に対応することを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記移動要素(13)が、移動可能な押し込み要素及び/又は引っ張り要素であることを特徴とし、特に、ダイ及び/又は吸引要素であることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記接触要素(15)が、押し込み要素の押し込み面、特に、ダイ(13)のダイ面であること、又は、引っ張り要素の接続面、特に、吸引要素の吸引ノズルであることを特徴とする、請求項11又は14に記載の装置。
【請求項16】
前記装置が、複数の移動要素及び接触要素(13,15)を備えており、前記移動要素及び前記接触要素(13,15)が同時に移動可能であることによって、複数のパズルピース(3)が分解されるパズルから同時に取り外され得ることを特徴とし、特に、前記移動要素及び前記接触要素(13,15)が移動要素保持具(12)に配置されることによって、同時に移動可能である1つ又は複数の前記移動要素及び前記接触要素(13,15)がそれぞれ移動要素保持具の一部分内に配置され、該移動要素保持具の各部分が分解される前記パズル(1)の部分区域に対応していることを特徴とする、請求項11,14又は15に記載の装置。
【請求項17】
前記装置が、分解されるパズル(1)の各パズルピース(3)又は各部分区域に対して、それぞれ1つの移動要素及び接触要素(13,15)を含むことを特徴とする、請求項11,14~16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
前記接触要素(15)が移動要素保持具内に配置されることによって、分解されるパズル(1)の表面をほぼ完全に覆い、前記接触要素(15)が、少なくとも部分的に互いに横方向に接する、及び/又は、前記接触要素(15)の周縁部において弾性変形可能であることを特徴とする、請求項11,14~17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記移動要素及び/又は前記接触要素(13,15)が移動要素保持具(12)内に配置されることによって、前記移動要素保持具(12)内において、分解される前記パズル(1)からパズルピース(3)を互いに横断する方向に延びる少なくとも1つ、好ましくは2つの方向に取り外している間に、前記移動要素及び/又は前記接触要素(13,15)が、前記移動方向を横断する方向にスライド可能であることを特徴とする、請求項11,14~18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記接触要素(6,15)が、分解されるパズルの1つ又は複数の割り当てられた前記パズルピース(3)又は前記部分区域の大きさに適合する接触面(8)を有することを特徴とする、請求項11~19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記装置が、取り外されるパズルピース(3)に隣接して配置されたパズルピース(3)であって取り外されないパズルピース(3)を固定するための固定手段を備えていることを特徴とし、前記固定手段が、特に、前記収納要素(11)に対して固定される1つ又は複数の前記パズルピース(3)がクランプされる、クランプ環又はフレーム(16)を備えていることを特徴とする、請求項11~20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
少なくとも1つの移動要素及び/又は接触要素(13,15)が、取り外している間に1つ又は複数のパズルピース(3)を横方向及び/又は前記移動方向において固定する固定位置を有するように形成されていることを特徴とする、請求項11~21のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
収納要素が、分解されるパズルを支持するための支持板(11)を含んでおり、該支持板が、特に、少なくとも1つの、好ましくは複数の穴(17)を有しており、該穴(17)を通って、少なくとも1つの前記移動要素及び/若しくは前記接触要素(13,15)又は取り外されたパズルピース(3)が移動可能であり、特に、各穴(17)には、1つの移動要素及び/又は接触要素(13,15)が割り当てられていることを特徴とする、請求項11~22のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
分解される前記パズル(1)からパズルピースを、分解される前記パズルに対して互いに横断する方向に延びる少なくとも1つ、好ましくは2つの方向に取り外している間に、少なくとも1つの前記移動要素及び/又は前記接触要素(13,15)が、特に該移動要素及び/又は該接触要素(13,15)が収納されている移動要素保持具(12)と共に、及び/又は、収納要素(11)と共に、前記移動方向を横断する方向に移動可能であることを特徴とする、請求項11~23のいずれか1項に記載の装置。
【請求項25】
前記装置がパズル移動手段を備えており、該パズル移動手段によって、分解される前記パズル又は残りのパズルの一部が、移動要素保持具(12)及び/又は前記収納要素(11)に対して移動可能であることを特徴とし、特に、前記収納要素(11)上でスライド可能であることを特徴とする、請求項11~24のいずれか1項に記載の装置。
【請求項26】
前記装置が、取り外された1つ又は複数のパズルピースを収納するためのパズルピース収納手段を含んでおり、該パズルピース収納手段は、少なくとも1つのパズルピース(3)のためのグリップ又は吸引装置(21)及び/又は収納容器(18)を備えており、該収納容器は、特に、前記パズルピースに適合した直径の円筒形の収納容器又は格子状若しくは穴あきの壁を有する収納容器であり、前記収納容器内の収納空間が、好ましくは移動可能なピストン(19)によって調整可能であることを特徴とする、請求項11~25のいずれか1項に記載の装置。
【請求項27】
前記装置が、1つ又は複数の前記移動要素(13)を操作するための操作手段(26)を含んでおり、該操作手段は、好ましくは前記移動要素(13)に割り当てられた1つ又は複数の操作要素(27)を含んでおり、該操作要素は、特に、パズルピース(3)を取り外す間に前記移動方向を横断する方向において固定された所定の位置に配置されていることを特徴とする、請求項11~26のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組み立てられた状態において画像を構成する複数のパズルピースを含むパズルの製造方法、及び、その製造プロセスの間にパズルピースを分解するための分解装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パズルゲームは、写真、絵画、デザインされたグラフィック等のモチーフをパズルとして加工した製品として知られている。このモチーフは、多くの場合はパズルゲーム製造業者によって選択され、同一のモチーフを有する複数のパズルゲームが製造される。また今日では、顧客が個人的なモチーフを使用し、それを注文の一部として、例えばインターネットサイト又はアプリ経由でアップロードすることも可能になっている。
【0003】
このようなパズルの製造は、典型的には、ボール紙、木材、プラスチック、発泡材等の支持材料又は支持板上に画像を印刷し又は貼り付け、続いて支持板を打ち抜くことによってパズルの個々のパズルピースを製造することにより行われる。打ち抜きの後では、パズルピースは形状嵌合接続(formschlussigen Verbindungen)により互いに繋がったままであるため、後からユーザがこれらの接続を元に戻すことにより、パズルピースを分解する必要がある。さらに、パズルピースは、打ち抜きによって互いに完全に分解されず、薄い部分で互いに物質的に接続されていることがある。
【0004】
従来技術では、パズルピースの分解は手作業で又は機械によって行われ、例えば、分解されるパズルを搬送ベルト上に配置し、該搬送ベルトの端にて、個々のパズルピースを折り取るか回転ロッドによって解体する。米国特許第1,957,078号には対応する装置が記載されており、この装置では、回転する革の帯を用いて、打ち抜かれたパズルが無作為に解体される。このようにして、無秩序なバラバラのパズルピースの山が生じるが、この状態では、パズルをユーザに販売するための収納容器に分解された全てのパズルピースが入っているかどうかについて、もはや判別不可能である。そのため、パズルピースが一部足りておらず、そのためパズルを完全に組み立てることが不可能になるといった問題がしばしば発生する。
【0005】
また、既知のパズルピースの分解方法及び装置には、多量の粉塵が発生し、それを吸引するのが困難であるという問題や、完全に分解されていないパズルピースが乱雑に解体される間に損傷を受け、それによってパズル上の画像が損傷を受けると共にパズルピースが使用不能になるといった危険性があるという問題がある。
【0006】
さらに、従来技術では、紙、ボール紙、プラスチック又は電子部品等から打ち抜かれた又は切り出された製品を取り出すための様々な方法と装置が既知であり、このとき、打ち抜かれた製品は、パンチによって押し出される。それらの方法及び装置は、欧州特許第0697940号、旧東ドイツ国経済特許第132107号、米国特許出願公開第2004/0050225号、西独国特許出願公開第690380号、西独国特許出願公開第1044579号、米国特許出願公開第2008/0044511号及び日本国特開平07-241888号に詳細に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第1,957,078号公報
【特許文献2】欧州特許第0697940号公報
【特許文献3】旧東ドイツ国経済特許第132107号公報
【特許文献4】米国特許出願公開第2004/0050225号
【特許文献5】西独国特許出願公開第690380号
【特許文献6】西独国特許出願公開第1044579号
【特許文献7】米国特許出願公開第2008/0044511号
【特許文献8】日本国特開平07-241888号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、従来技術における上記問題を解決するために、パズルのより良い分解を可能にする方法及び装置を提供することにあり、特に、パズルピースを制御され標的化された方法においてさらに処理し得るように、パズルピースの標的化された明確な分解を可能にする方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、請求項1の特徴を有する方法、及び、請求項11の特徴を有する装置によって解決される。有利な態様は、従属請求項の主題事項となる。
【0010】
上記課題を解決するために、組み立てられた状態においてパズルを形成する複数のパズルピースを含むパズルの製造方法を提案する。該方法では、画像が支持板に貼り付けられ又は印刷されることによって画像が支持板上に画像面を画定してから、パズルピースが印刷され又は貼り付けられた支持板から打ち抜かれる。あるいは、この順序を逆にして、まず貼り付けられた又は印刷に適した支持板が打ち抜かれた後に、打ち抜かれた支持板に画像が印刷されてもよい。ここで、画像とは、パズルに適した任意の描写(Darstellung)であると理解され、支持板の支持材料としては、ボール紙、プラスチック、木材等の様々な材料が考えられる。印刷又は貼り付けについても同様である。さらに、打ち抜きとは、パズルピースの任意のタイプの分解を示すものとして理解され、打ち抜きの特定のプロセスのみを示すものとしては理解されない。特に、分解は、鋸引き、切断、レーザー切断等によって行われてもよい。本発明によれば、パズルピースは、少なくとも1つのパズルピースの画像面を横断する方向への制御された移動により、打ち抜かれた支持板から所定の方向に取り外されて分解されることよって、分解後にパズルピースが定義された方法で利用可能となる。
【0011】
制御された移動は、特に、パズル又は支持板の最大寸法を有する主面によって画定されるパズル面又は画像面に対して垂直に行われてもよい。
【0012】
1つ又は複数のパズルピースは、打ち抜かれた支持板から同時に及び/又は連続的に取り外されてもよく、これによって、一方では、可能な限り最短の時間での効率的な分解が確実になり、他方では、それでもなお明確な分解が確実になる。特に、パズルのパズルピースの半分までが打ち抜かれた支持板から同時に取り外されてもよく、全てのパズルピースが同時に取り外されてもよい。
【0013】
分解されるパズルに対しては、複数の部分区域が定義されてもよく、各部分区域が特定のパズルピースを含み、全ての部分区域に対して、それぞれ少なくとも1つのパズルピースが、打ち抜かれた支持板から同時に取り外される。あるいは、1つ又は複数の部分区域の全てのパズルピースが、打ち抜かれた支持板から同時に取り外されてもよく、特に、取り外された部分区域の場合において、部分区域のパズルピースのさらなる分解が、本発明の方法又は他の方法に従って行われる。
【0014】
部分区域のパズルピースはまた、パズルピースの少なくとも1つの特性によって定義されてもよく、該特性は、パズルの1つ又は複数の行に属すること、パズルの1つ又は複数の行の一部に属すること、パズルの1つ又は複数の列に属すること、パズルの1つ又は複数の列の一部に属すること、パズルの任意の局所領域に属すること、パズルピースの1つ又は複数の基本色又は色成分、パズルの端部ピース、パズルピースの凹部又は凸部の数、及び、それらの組み合わせから選択される。
【0015】
1つ又は複数のパズルピースを取り外す間に、1つ又は複数の隣接するパズルピースが移動したり傾いたりしないようにするため、1つ又は複数の隣接するパズルピース、又は、取り外されるパズルピースに隣接する全てのパズルピース、又は、取り外されるパズルピースに隣接する全てのパズルピースであって共通の切断線を有するものが、取り外されるパズルピースの移動中に固定されてもよい。
【0016】
少なくとも1つのパズルピースを取り外すための制御された移動は、直線的な並進運動であってもよく、特に、押し込み又は引っ張り移動であってもよい。
【0017】
パズルピースの取り外しは、特に、取り外されたパズルピースが、打ち抜かれた支持板から取り外された後に、共通する面に配置されるように行われてもよく、この共通する面は、特に、移動されていないパズルピースの画像面に対して平行にずらされている面である。このようにして、分解の後にさらなる処理を簡便に行うための、分解されたパズルピースへの簡単かつ明確なアクセスが可能となる。
【0018】
少なくとも1つのパズルピースを取り外すための制御された移動に続いて、少なくとも1つのパズルピースが、収納容器内に配置され又は積み重ねられてもよい。特に、パズルピースが区域ごとに分解される場合には、部分区域のパズルピースは、共通の収納容器内に配置されてもよい。
【0019】
本発明のさらなる態様であって、上記方法とは独立して又は上記方法と組み合わせて保護が求められる態様によれば、複数のパズルピースを含むパズルのパズルピースを分解するための装置を提案する。この装置は、互いに接続されたパズルピースのパズルのための収納要素と、少なくとも1つの移動要素とを備えており、この少なくとも1つの移動要素は、収納要素に対して相対的に移動可能であることによって、少なくとも1つの接触要素が少なくとも1つのパズルピースと接触し、該パズルピースが接触要素によって収納要素を横断する方向に移動させられることによって、少なくとも1つのパズルピースがパズルから取り外される。ここで、収納要素は、パズルの画像面又はパズル面に平行な支持面を画定することによって、パズルピースを取り外すための移動が、パズルの画像面に対して横方向に、特に、垂直方向に行われる。
【0020】
一実施形態では、移動要素は、最大の寸法を有する板の一方の側又は主面に、複数の凸部及び凹部を有する板であってもよい。特に、凸部と凹部の数は、それぞれ分解されるパズルピースの数の半分までであり得る。本実施形態では、凸部は接触要素である。また、収納要素は、移動要素と相補的な凸部及び凹部を有する板として形成され、凸部が分解されるパズルの支持体であることにより、分解されるパズルが収納要素内に配置されると共に移動要素が収納要素に向かって移動されると、1つ又は複数のパズルピースが、移動要素の各凸部によって収納要素の相補的な凹部内へと押し込まれる。このようにして、特にパズルの全てのパズルピースが、一度の分解移動によって互いに分解され得る。
【0021】
収納要素又は移動要素の各凹部又は各凸部は、分解されるパズルの少なくとも1つのパズルピースに、及び/又は、複数のパズルピースの部分区域に対応してもよい。
【0022】
別の実施形態では、移動要素は、移動可能な押し込み要素及び/又は引っ張り要素であってもよく、特に、ダイ及び/又は吸引要素であってもよい。
【0023】
本実施形態では、接触要素は、押し込み要素の押し込み面、特に、ダイのダイ面によって形成されていてもよく、引っ張り要素の接続面、特に、吸引要素の吸引ノズルによって形成されていてもよい。
【0024】
本装置は、複数のパズルピースが分解されるパズルから同時に取り外されるように、同時に移動可能な複数の移動要素及び接触要素を備えていてもよい。特に、同時に移動可能である1つ又は複数の移動要素及び接触要素がそれぞれ移動要素保持具の一部分内に配置されるように、移動要素及び接触要素が移動要素保持具に配置されていてもよく、該移動要素保持具の各部分は、パズルピースがパズルの部分区域内において個別にかつ連続的に取り外され得るように、分解されるパズルの部分区域に対応する。
【0025】
しかしながら、本装置は、分解されるパズルの各パズルピース又は各部分区域に対して、それぞれ1つの移動要素及び接触要素を含んでいてもよい。
【0026】
接触要素は、移動要素保持具内に配置されることによって、分解されるパズルの表面をほぼ完全に覆うように形成及び/又は配置されていてもよい。ここで、接触要素は、少なくとも部分的に互いに横方向に接していてもよい。また、接触要素は、詰まりや摩耗を避けるために、接触要素の周縁部において弾性変形可能であってもよい。
【0027】
分解されるパズルは、多様な設計のパズルピースを含んでいることがあり、打ち抜かれた支持板におけるパズルピースの配置は、摩耗により変化することがあるため、移動要素保持具内において、パズルピースを分解されるパズルから互いに横断する方向に延びる少なくとも1つ、好ましくは2つの方向に取り外している間に、移動要素及び/又は接触要素が移動方向を横断する方向にスライド可能であり、それによって調整が可能となるように、移動要素及び/又は接触要素が移動要素保持具内に配置されていてもよい。
【0028】
接触要素は、分解されるパズルの1つ又は複数の割り当てられたパズルピース又は部分区域の大きさに適合した種々異なる接触面を有していてもよい。
【0029】
本装置は、さらに、取り外されるパズルピースに隣接して配置されたパズルピースであって取り外されないパズルピースを固定するための固定手段を備えていてもよい。固定手段は、特に、収納要素に対して固定される1つ又は複数のパズルピースがクランプされる、クランプ環又はフレームを備えていてもよい。
【0030】
少なくとも1つの移動要素及び/又は接触要素は、本装置において、取り外している間に1つ又は複数のパズルピースを横方向及び/又は移動方向において固定する固定位置を有するように形成されていてもよい。
【0031】
収納要素は、分解されるパズルを支持するための支持板を含んでいてもよく、支持板には、支持面が設けられ得る。さらに、支持板は、少なくとも1つの、好ましくは複数の穴を有していてもよく、該穴を通って、少なくとも1つの移動要素及び/若しくは接触要素又は取り外されたパズルピースが移動可能であり、特に、各穴には、1つの移動要素及び/又は接触要素が割り当てられていてもよい。
【0032】
特に、少なくとも1つの移動要素及び/又は接触要素は、分解されるパズルからパズルピースを、分解されるパズルに対して互いに横断する方向に延びる少なくとも1つ、好ましくは2つの方向に取り外している間に、該移動要素及び/又は該接触要素が収納されている移動要素保持具と共に、移動方向を横断する方向に移動可能であってもよく、それによって、様々なパズルピースをそれぞれの移動要素及び/又は接触要素へと移動させる。同様に、収納要素もまた、パズルに対して移動可能であってもよい。
【0033】
逆に、本装置はまた、パズル移動手段を備えていてもよく、該パズル移動手段によって、分解されるパズル又は残りのパズルの一部が、移動要素保持具及び/又は収納要素に対して移動可能となり、特に、収納要素上でスライド可能となる。
【0034】
本装置は、さらに、取り外された1つ又は複数のパズルピースを収納するためのパズルピース収納手段を含んでいてもよい。パズルピース収納手段は、少なくとも1つのパズルピースの、又は、好ましくは全てのパズルピースのための、グリップ又は吸引装置を含んでいてもよい。さらに、収納容器、特に、パズルピースに適合した直径の円筒形の収納容器又は格子状若しくは穴あきの壁を有する収納容器が設けられていてもよい。収納容器の寸法又は直径は、パズルピースが収納容器内でねじれたり傾いたりされ得ず、それによって収納容器内で積み重なった状態となるよう、パズルピースに適合されていてもよい。収納容器内の収納空間の寸法は、好ましくは移動可能なピストンによって調整可能であってもよい。収納容器の格子状又は穴あきの壁によって、パズルピースを分解する間に発生する粉塵を吸引することが可能になる。
【0035】
本装置は、さらに、1つ又は複数の移動要素を操作するための操作手段を含んでいてもよく、該操作手段は、好ましくは移動要素に割り当てられた1つ又は複数の操作要素を含んでおり、該操作要素は、特に、パズルピースを取り外す間に移動方向を横断する方向において固定された所定の位置に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0036】
添付の図面では、以下を単に概略的な形態で示す。
【
図1】
図1は、本発明に係るパズルピースを分解するための装置の、凸部及び凹部を有する板形状である収納要素の平面図の一部である。
【
図2】
図2は、凸部及び凹部を有する板形状の移動要素及び収納要素を含む、本発明に係る装置の側面断面図である。
【
図3】
図3は、分解プロセス後における、
図2に示される装置の一部の側面断面図である。
【
図4】
図4は、
図2に類似する側面断面図であるが、その凸部及び凹部が、パズルの複数のパズルピースを含む部分区域を分解するために寸法付けされている。
【
図7】
図7は、本発明に係るパズルのパズルピースを分解するための装置の、別の実施形態の側面断面図である。
【
図8】
図8は、
図7に係る装置に類似した装置の穴あき板の、分解されるパズルに対する配置を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明に係るパズルピースを分解するための装置の、別の実施形態の一部の側面断面図である。
【
図10】
図10は、本発明に係るパズルピースを分解するための装置の、さらに別の実施形態の一部の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の他の利点、特徴及び特性は、以下の実施形態の詳細な説明から明らかとなる。しかしながら、本発明は、これらの実施形態に限定されない。
【0038】
図1は、本発明に係るパズルピースを分解するための装置の、凸部及び凹部を有する板形状である収納要素の平面図の一部を示し、一方、
図2には、対応する装置の側面断面図が見られる。
図2には、複数のパズルピース3を含んでいる分解されるパズル1が見られる。パズル1は支持板からなり、該支持板上には、画像2が貼り付けられ又は印刷されている。
図2におけるパズル1は、切断又は打ち抜きプロセスによって複数のパズルピース3へと既に分割されているが、パズルピース3が相互に形状嵌合することに起因する、画像面内の方向におけるパズルピースの接続が依然として存在している。また、切断又は打ち抜きプロセスでは、完全な分解が達成されず、支持材料によって薄い物質的接続が依然として存在し続けていることが起こり得る。
【0039】
図2は、パズル1のパズルピース3を分解するための、本発明に係る装置の第一実施形態の側面断面図である。
図2に示される装置は、凸部6及び凹部7を有する板形状の収納要素4と、収納要素4の凸部6及び凹部7と相補的な凸部6及び凹部7を同様に有する移動要素5とを含んでいる。収納要素4の凸部は、分解されるパズル1を支持するための支持面9を含んでいる。移動要素5の凸部6は、接触面8を有する接触要素であり、該接触面8は、移動要素5が分解プロセスを行うために収納要素4に向かって移動させられる際に、パズル1から取り外されるパズルピース3に接触する。移動要素5を収納要素4の方向に移動させることによって、移動要素5の凸部6の接触面8が、パズルピース3の一部をパズル1から収納要素4の凹部7内へと押し込み、それによってパズルピース3が分解される。
【0040】
図1に示されるように、分解されるパズル1のパズルピース3に対応する凸部6及び凹部7が交互に配置されているため、分解されるパズル1の全てのパズルピース3が、収納要素4の方向への移動要素5の一回の移動において互いに分解され、そして規定の位置に配置される。
【0041】
図1では、パズル1について、パズルピース3は複数の行A、B、C、D…かつ列A、B、C、D…に配置されており、これは対応する収納要素4の平面図において見られる。例えば、行B列Bにあるパズル要素は凸部6として形成され、隣接する行B列Cにあるパズル要素は凹部として形成されている。同様に、行A列B、行B列A、及び、行C列Bにあるパズル要素もまた、凹部として形成されており、例えば、行C列Cにあるパズル要素は再び凸部として形成されている。しかしながら、行と列との構造を備えていない所謂ランダムカットパズルもまた、当然ながら、同様に分解され得る。
【0042】
図3は、
図2に示される装置によって行われた分解プロセス後における側面断面図である。
図3に見られるように、パズルピース3の一部が収納要素4の凹部7内に位置している一方で、残りのパズルピース3が凸部6又は支持面9の上部に位置しており、それによって、パズルピース3を分解するための単一の移動プロセスの後に全てのパズルピース3が互いに分解されて、それらが規定の方法でさらに処理され得るようになる。
【0043】
図3には、パズルピース収納手段が、例えば、複数の吸引ノズル10を含むことが概略的に示されており、これらの吸引ノズル10の数は、好ましくは、分解されたパズルピース3の数と同じであり、それによって、パズルピース収納手段又は吸引ノズル10によって、複数のパズルピース3が、又は、好ましくは全てのパズルピース3が同時に収納され、それらがさらに処理され得るようになる。例えば、吸引ノズル10を適切に切り替えることによって、パズルピース収納手段に保持されたパズルピース3が所望の位置に個別にかつ連続的に配置されてもよく、吸引ノズル10がどのように切り替えられるかに応じて、複数のパズルピース3が同時に置かれてもよい。
【0044】
図4は、パズルピース3を分解するための本発明に係る装置の別の実施形態を示しており、この装置は、
図2の装置と実質的に同一である。しかしながら、凸部6及び凹部7の横方向に延びる寸法、すなわち、パズル1の画像面に平行な方向の寸法が、異なる寸法となっており、それによって、収納要素4の凹部7が、複数のパズルピース3を、又は、分解されるパズル1の部分区域、例えば、パズル1の行及び列に沿って互いに隣接する複数のパズルピース3を備えている部分区域を収納し得るようになっており、それによって、分解されるパズル1が区域ごとに分解されることになる。この分解されたパズル1の部分区域は、所望の場合にはさらに分解される必要があり、その際には、本発明に係る装置、又は、従来技術に係る装置若しくは方法が適用されてもよい。
【0045】
図5及び
図6は、
図4に係る装置の収納要素4(
図5)及び移動要素5(
図6)の上面図を示す。
図5及び
図6から理解されるように、対応する凸部6は、例えば、図示されている長方形又は正方形のような単純な基本形に設計されており、
図2に係る装置の収納要素4又は移動要素5のように、個々のパズルピース3に模られている必要はない。しかしながら、この設計は、
図2の実施形態に係る個々のパズルピース3をそれぞれ分解するための装置にも考えられる。
図4~
図6に示される、パズルピース3を区域ごとに分解するための装置と同様に、収納要素4及び移動要素5の凸部6は、相補的な凹部よりも小さい寸法を有するだけでよい。これは、
図5において破線で示されるように、取り外されるパズルピース3の端部を保護することにより、パズルピース3が凸部6及び凹部7によって剪断されないようにするためである。
【0046】
図7は、本発明に係るパズルピース3を分解するための装置の、別の実施形態の側面断面図を示す。
図7に係る装置では、複数のパズルピース3を含む分解されるパズル1が穴あき板11上に支持されており、この穴あき板11は、少なくとも1つ、好ましくは複数の穴17を有している。
【0047】
さらに、
図7に係る装置には、動作要素保持具12が設けられており、この動作要素保持具12には、少なくとも1つの、好ましくは複数のダイ13形状の移動要素が配置されている。ダイ13は、シャフト14及びダイ足15を含んでおり、双方向矢印によって示されるように、パズル面又はパズル1の画像面を横断する方向、特に、パズル面又はパズル1の画像面に対して垂直方向に移動され得る。例えば、動作要素保持具12には、ダイ13のシャフト14のための線形ガイドが設けられていてもよい。動作要素保持具12は、固定環16をさらに含んでおり、この固定環16もまた、双方向矢印によって示されるように、パズル面又はパズル1の画像面を横断する方向、特に、パズル面又はパズル1の画像面に対して垂直方向に移動され得る。
【0048】
分解されるパズル1が穴あき板11上に配置されている際に、ダイ13を穴あき板11の方向へと移動させ、それによってパズルピース3をダイ足15を用いてパズル1から押し出すことによって、パズルピース3を穴17を通して下方へと落下させることができる。当然ながら、逆の配置及び移動方向によって、ダイがパズルピース3を上方へと押し込むことも考えられる。
【0049】
穴17の下方には、ホッパ20及び収納容器18が配置されており、取り外されたパズルピース3がこれらの中へと落下する。ホッパ20及び収納容器18が、パズル面に平行な方向において、取り外されるパズルピース3よりもわずかに大きい直径又は最大寸法を有するように寸法設定されている場合、パズルピース3は落下時に傾いたりねじれたりすることがなくなり、収納容器18内に積み重った状態で蓄積され得る。このことは、収納容器18内の収納空間又はパズルピース3の落下の高さが、収納容器18内において移動可能なピストン19によって調整可能であることによってさらに支援され、それによって、パズルピース3が傾いたりねじれたりする可能性がなくなるよう落下の高さが可能な限り小さくされる。
【0050】
ダイ13のダイ足15によってパズルピース3を押し込む際に、隣接するパズルピース3が傾いたりずれたりすることを防ぐために、動作要素保持具12は固定環16を含んでおり、この固定環16によって、パズルピース3が取り外されている間、隣接するパズルピース3が固定する。
【0051】
分解されるパズル1のパズルピース3の分解は、
図7に係る装置において、分解されるパズル1をパズル移動手段によって1つ又は複数のダイ13に対してシフトさせるように行うことができ、それによって、様々なパズルピース3を連続的にパズル1から取り外すことができる。図示の実施形態におけるパズル移動手段は、分解されるパズル1を固定する及び/又は持ち上げるための1つ又は複数の吸引ノズルを備えた吸引装置21と、パズル1を横方向にクランプする及び/又は押し込むためのクランプスライド28とを備えており、吸引装置21及びクランプスライド28は、パズル1のパズル面又は画像面に平行な方向にスライド可能であり、それによって、分解されるパズル1の全てのパズルピース3が、ダイ13の下方へと移動され得る。
【0052】
例えば、1000個のパズルピース3を含むパズルの場合、40個の穴17を有する穴あき板11及び40個のダイ13を有する動作要素保持具12が設けられてもよく、それによって、パズルピース3を分解されるパズル1から取り出すための移動プロセス1回で、40個のパズルピース3を同時に取り外して対応する収納容器18内へと移すことができる。最初の40個のパズルピース3を取り出した後、パズル1を40個のダイ13及び40個の穴17に対して、例えば、パズル1の行又は列に沿ってシフトさせることによって、それぞれの隣接するパズルピース3が取り出され得る。ダイ13を25回連続して分解移動させると共に、パズル1をダイ13及び穴17に対して格子状にシフトさせることによって、パズル1の全てのパズルピース3が分解され得る。当然ながら、40個のダイと40個の穴あき板11の穴という記述は単なる例示にすぎず、当業者にとって、ダイ13、穴17及びパズル1のパズルピース3について様々な数に適合させることができることは明らかである。
図8は、原理を明確にするために下方に配置された穴あき板11の穴17を含むパズル1の平面図であり、図示の双方向矢印は、穴17に対するパズル1の移動を示している。
【0053】
図9は、本発明に係る装置の別の実施形態の一部を示す図であり、この装置では、接触面8を含むダイ足15が、分解されるパズル1の表面全体をほぼ覆うようになっており、それによって、ダイ足15が互いに密接に隣接して配置され、また互いに接触していてもよい。したがって、分解されるパズルピース3ごとに個別に操作可能なダイ13が設けられ、それによって、パズル1をダイ13に対してシフトさせることなく、個別のパズルピースのそれぞれを、所望の方法でパズル1から取り外すことができる。
【0054】
図9に示される実施形態では、移動可能なダイ13は、例としてダイ13上に図示されるようなばね要素23によって、動作要素保持具12内のパズルピース3がパズル1から取り外されない位置において付勢されている。
【0055】
また、ダイ13はそれぞれ、シャフト14のダイ足15とは反対側の端部に圧板22を含んでおり、この圧板22を介して、ダイ13が操作され得る。
【0056】
分解されるパズル1の変位に併せてダイを適合するために、ダイ13は、
図9に示される双方向矢印のように、パズル面又はパズル1の画像面に平行な方向において調整可能であってもよい。
【0057】
ダイ足15の接触面8が表面全体に設けられている場合に摩耗を最小限に抑え、かつ、ダイ13の詰まりを防ぐために、
図9の実施形態によれば、ダイ足15は、ダイ足15の側方周縁部に弾性材料を含んでいてもよい。
【0058】
図9からさらに理解されるように、動作要素保持具12と、該動作要素保持具12内で移動可能に配置されたダイ13とは、操作されて対応するパズルピース3を取り外したダイ13が、最初は元の位置に戻らず、パズルピース3を取り外すための少なくとも部分的に延びている位置に留まり、それによってパズル1の隙間25に留まることで、パズル1の横方向の固定を確実にするように構成されてもよい。
【0059】
図10は、パズル1を分解するためのさらに別の実施形態の装置を示す。
図10に示す装置は、
図9の装置と類似しているが、これに加えて、ダイ13を操作するための操作手段26が設けられている。操作手段26は、ダイ13の数に対応する複数の操作要素27を含んでいるが、複数のダイ13を同時に動かすことができる場合には、設けられる操作要素27の数をより少なくすることも可能である。例えば、40個の穴を備えた穴あき板を使用する場合には、40個のダイ13に対して1個の操作要素27が設けられていてもよく、それによって、それぞれの穴の下方に配置されたダイ13を同時に移動させることにより、パズルピースが取り外される。
【0060】
操作要素27は、ダイ13と同様に、パズル1のパズル面又は画像面を横断する方向に移動可能であり、それによって、操作要素27がダイ13の圧板22に押し付けられ、これに応じて移動させられ得る。操作要素27は、固定された格子構造に従って、操作手段26内における固定された所定の位置に配置されている。これに対し、ダイ足15を含んでいる動作要素保持具12のダイ13と、動作要素保持具12内のシャフト14の位置とは、分解されるパズル1のパズルピース3の設計に適合させられている。したがって、
図10に係る装置は、様々な分解されるパズル1に適合させられた種々異なる動作要素保持具12が使用され得る一方で、種々異なる動作要素保持具12の全てに対して操作手段26が汎用的に採用され得るように構成されている。
図10では、パズル1からパズルピース3を押し出すためのダイ足15の最適な位置を得るために、どのようにしてダイ13のシャフト14が操作要素27の長手方向軸からずらされて配置され得るかが、破線によって例示されている。
【0061】
以上、本発明を実施形態に基づいて詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明がこれらの実施形態に限定されるものでなく、むしろ、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、個々の特徴を省略したり、特徴の異なる組み合わせを実現したりするような変更が可能であることは明らかである。特に、本開示は、様々な実施形態に示された個々の特徴の全ての組み合わせを含んでおり、ある実施例との関連でのみ説明された個々の特徴は、他の実施例又は明示的に示されていない個々の特徴の組み合わせにおいても適用され得る。
【符号の説明】
【0062】
1 パズル
2 画像
3 パズルピース
4 収納要素
5 移動要素
6 凸部
7 凹部
8 接触面
9 支持面
10 吸引ノズル
11 穴あき板
12 動作要素保持具
13 ダイ
14 シャフト
15 ダイ足
16 固定環
17 穴
18 収納容器
19 ピストン
20 ホッパ
21 吸引装置
22 圧板
23 ばね
24 弾性縁
25 隙間
26 操作手段
27 操作要素
28 スライド
A,B,C.. 行及び列
【国際調査報告】