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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-19
(54)【発明の名称】ヒトメタニューモウイルスワクチン
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/12 20060101AFI20240612BHJP
   C07K 14/08 20060101ALI20240612BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240612BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20240612BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20240612BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
A61K39/12
C07K14/08 ZNA
C12N15/63 Z
C12P21/02 C
A61P31/14
A61P37/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554016
(86)(22)【出願日】2022-04-08
(85)【翻訳文提出日】2023-09-04
(86)【国際出願番号】 EP2022059492
(87)【国際公開番号】W WO2022214678
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】21167609.3
(32)【優先日】2021-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニツク
(71)【出願人】
【識別番号】520054792
【氏名又は名称】ヴァルネヴァ エスイー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ランドバーグ,アーバン
(72)【発明者】
【氏名】メインケ,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ペルギ,ファビアン
【テーマコード(参考)】
4B064
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG32
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA01
4C085AA03
4C085BA51
4C085CC05
4C085CC08
4C085CC21
4C085DD62
4C085DD86
4C085EE01
4C085EE06
4C085FF01
4C085FF12
4C085GG03
4C085GG04
4C085GG05
4C085GG08
4C085GG10
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA50
4H045CA01
4H045DA86
4H045EA31
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、呼吸器系のヒトメタニューモウイルス感染症等の呼吸器系感染症を予防及び/又は治療するためのワクチン組成物に関する。このワクチン組成物は、融合前融合コンフォメーション形態で提供される、1つ、2つ以上の改変ヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はそのバリアントを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
唯一のhMPV抗原としてのヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はその断片の安定化された融合前コンフォメーション形態と、任意選択的に1つ以上のアジュバント及び/又は少なくとも1つの薬学的に正しい担体若しくは賦形剤とから本質的になる、免疫原性組成物であって、前記hMPVタンパク質が、遺伝子型A又はBの1つのサブグループに由来し、前記免疫原性組成物が、別のサブグループ及び/又は遺伝子型からのhMPVを交差中和する、免疫原性組成物。
【請求項2】
前記ヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はその断片の前記安定化された融合前コンフォメーション形態が、A1サブグループのものである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が、i)前記遺伝子型Aの前記ヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はその断片の安定化された融合前コンフォメーション形態、及びii)前記遺伝子型Bの前記ヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はその断片の安定化された融合前コンフォメーション形態と、任意選択的に1つ以上のアジュバント及び/又は少なくとも1つの薬学的に正しい担体若しくは賦形剤とから本質的になり、前記免疫原性組成物が、他のサブグループ及び/又は他の遺伝子型を交差中和する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記遺伝子型Aの前記ヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はその断片の前記安定化された融合前コンフォメーション形態が、前記A1サブグループのものであり、前記遺伝子型Bの前記ヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はその断片の前記安定化された融合前コンフォメーション形態が、前記B1サブグループのものである、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記融合前Fタンパク質が、組換えタンパク質である、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項6】
前記融合前Fタンパク質が、細胞質尾部及び/又は膜貫通ドメインを欠いている、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項7】
前記融合前Fタンパク質が、前記hMPV株又は臨床分離株に由来する天然Fタンパク質の改変アミノ酸配列であるアミノ酸配列を有する、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項8】
前記天然Fタンパク質配列が、hMPV株NL/1/00、NL/17/00、TN/94-49、NCL174、CAN97-83、NL/1/9、NDL00-1、C1-334、CAN97-82、及びTN/89-515に由来する配列番号1~10のアミノ酸配列からなる群から選択される、請求項9に記載の免疫原性組成物。
【請求項9】
前記融合前Fタンパク質が、配列番号1~10の天然Fタンパク質配列に対して、少なくとも1つの変異(置換又は欠失)、好ましくは、最大10個の変異を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項10】
前記融合前Fタンパク質が、システインに対する1つ以上のアミノ酸置換を含み、それが前記融合前コンフォメーションを安定化する1つ以上の非天然ジスルフィド結合を導入する、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項11】
前記システイン置換が、
位置103~120のうちのいずれか1つ及び位置335~345のうちのいずれか1つ、
位置107~118のうちのいずれか1つ及び位置335~342のうちのいずれか1つ、
位置117~129のうちのいずれか1つ及び位置256~261のうちのいずれか1つ、
位置87~102のうちのいずれか1つ及び位置117~127のうちのいずれか1つ、
位置102~113のうちのいずれか1つ及び位置117~127のうちのいずれか1つ、
位置102~113のうちのいずれか1つ及び位置87~102のいずれか1つ、
位置337~341のうちのいずれか1つ及び位置421~426のうちのいずれか1つ、
位置112~120のうちのいずれか1つ及び位置424~432のうちのいずれか1つ、
位置150~156のうちのいずれか1つ及び位置392~400のうちのいずれか1つ、
位置112~120のうちのいずれか1つ及び位置370~377のうちのいずれか1つ、
位置365~375のうちのいずれか1つ及び位置455~465のうちのいずれか1つ、
位置365~375のうちのいずれか1つ及び位置105~115のうちのいずれか1つ、又は
位置60~70のうちのいずれか1つ及び位置175~185のうちのいずれか1つで導入され、
前記位置が、配列番号1~10の前記天然Fタンパク質配列のアミノ酸に対応する、請求項10に記載の免疫原性組成物。
【請求項12】
前記融合前Fタンパク質が、少なくとも1つの非天然ジスルフィド結合によって安定化された単一ポリペプチド鎖からなる、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項13】
前記一本鎖融合前Fタンパク質が、前記天然Fタンパク質と比較してF1ドメインとF2ドメインとの間にプロテアーゼ切断部位を欠いている、請求項12に記載の免疫原性組成物。
【請求項14】
前記一本鎖融合前Fタンパク質が、前記天然Fタンパク質のアミノ酸位置に対して102位に、アルギニンの別のアミノ酸、好ましくはグリシンへの置換を含む、請求項12及び13に記載の免疫原性組成物。
【請求項15】
前記天然Fタンパク質の103~118位のアミノ酸残基が、システイン残基を含む1~5個のアミノ酸残基からなる異種リンカーで置き換えられ、前記システイン残基が、前記F1ドメイン内のシステイン残基とジスルフィド結合を形成する、請求項12~14のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項16】
前記異種リンカーが、少なくとも1つのアラニン、グリシン又はバリン残基を含み、好ましくは、前記リンカーが、配列CGAGA又はCGAGVを有する、請求項15に記載の免疫原性組成物。
【請求項17】
前記融合前Fタンパク質が、前記天然hMPV Fタンパク質の49、51、67、80、137、147、159、160、161、166、177、258、266、480、及び/又は481位に対応する位置に1つ以上の置換を含む、請求項12~16に記載の免疫原性組成物。
【請求項18】
前記置換が、T49M、E80N、I137W、A147V、A159V、T160F、A161M、I67L、I177L、F258I、S266D、I480C、及び/又はL481Cからなる群から選択される、請求項17に記載の免疫原性組成物。
【請求項19】
前記一本鎖融合前Fタンパク質が、以下の置換組み合わせのうちの1つを含む、請求項12~18のいずれか一項に記載の免疫原性組成物:
N97Q、R102G及びG294E;
N97Q、R102G、T160F、I177L及びG294E;
N97Q、R102G、T49M、I67L、A161M、E80N、F258I及びG294E;
N97Q、R102G、T49M、I67L、A161M、E51C、K166C、S266D、G294E、I480C及びL481C;又は
N97Q、R102G、T49M、A161M、I137W、A159V、A147V、I177L、及びG294E。
【請求項20】
前記融合前Fタンパク質が、配列番号11のアミノ酸配列(L7F_A1_23)を含むか又はそれからなる、請求項12~19のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項21】
前記融合前Fタンパク質が、配列番号12のアミノ酸配列(L7F_B1_23)を含むか又はそれからなる、請求項12~19のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項22】
前記融合前Fタンパク質が、配列番号13のアミノ酸配列(L7F_A1_23.2)を含むか又はそれからなる、請求項12~19のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項23】
前記融合前Fタンパク質が、配列番号14のアミノ酸配列(L7F_B1_23.2)を含むか又はそれからなる、請求項12~19のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項24】
前記融合前Fタンパク質が、配列番号15のアミノ酸配列(sF_A1_K_L7)を含むか又はそれからなる、請求項12~19のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項25】
前記融合前Fタンパク質が、配列番号16のアミノ酸配列(L7F_A1_31)を含むか又はそれからなる、請求項12~19のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項26】
前記融合前Fタンパク質が、配列番号17のアミノ酸配列(L7F_A1_33)を含むか又はそれからなる、請求項12~19のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項27】
前記融合前Fタンパク質が、配列番号18のアミノ酸配列(構築物L7F_A1_4.2)を含むか又はそれからなる、請求項12~19のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項28】
前記融合前Fタンパク質が、配列番号50のアミノ酸配列(構築物sF_B1_K_L7)を含むか又はそれからなる、請求項12~19のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項29】
前記融合前Fタンパク質が、配列番号51のアミノ酸配列(構築物L7F_B1_31)を含むか又はそれからなる、請求項12~19のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項30】
前記融合前Fタンパク質が、配列番号52のアミノ酸配列(構築物L7F_B1_33)を含むか又はそれからなる、請求項12~19のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項31】
前記融合前Fタンパク質が、配列番号53のアミノ酸配列(構築物L7F_B1_4.2)を含むか又はそれからなる、請求項12~19のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項32】
前記融合前Fタンパク質が、2つのポリペプチド鎖を有するタンパク質であり、配列番号19のアミノ酸配列を含むか又はそれからなる、請求項1~11のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項33】
前記融合前Fタンパク質が、2つのポリペプチド鎖を有するタンパク質であり、配列番号20のアミノ酸配列を含むか又はそれからなる、請求項1~11のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項34】
前記安定化された融合後Fタンパク質が、前記天然Fタンパク質のアミノ酸位置と比較して、103~111位のアミノ酸残基の欠失、リンカーKKRKRRによるR102の置き換え、及び前記置換G294Eを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項35】
前記融合前Fタンパク質が、i)配列番号1~20からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ii)その免疫原性が、配列番号1~20の親Fタンパク質の免疫原性と同様である、請求項1~34のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項36】
前記融合前Fタンパク質が、i)配列番号1~20からなる群から選択される前記アミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ii)その免疫原性が、配列番号1~20の前記親Fタンパク質の免疫原性と等しいか又は同様である、請求項1~34のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項37】
前記融合前Fタンパク質が、i)配列番号1~20からなる群から選択される前記アミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ii)その免疫原性が、配列番号1~20の前記親Fタンパク質の免疫原性と等しいか又は同様である、請求項1~34のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項38】
前記融合前hMPV Fタンパク質が、配列番号23~28の配列を有する三量体化ヘルパードメイン(フォールドン)又はそのバリアントを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項39】
前記Fタンパク質が、ホモ又はヘテロ三量体として産生される、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項40】
前記組成物が、更なる非hMPV抗原を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項41】
前記アジュバントが、ミョウバン、CpG、例えば、CpG1018、ODN、I-ODN、IC31(登録商標)、MF59(登録商標)、AddaVax(商標)、AS03、AS01、QS21、MPL、GLA-SE、GLA-3M-052-LS、3M-052-ミョウバン、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項42】
前記アジュバントが、ミョウバン、CpG、例えば、CpG1018、ODN、I-ODN、IC31(登録商標)、MF59(登録商標)、AddaVax(商標)、AS03、AS01、QS21、MPL、GLA-SE、GLA-3M-052-LS及び3M-052-ミョウバンからなる群から選択される2つ以上のアジュバントからなる、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項43】
前記アジュバントが、ミョウバンである、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項44】
前記アジュバントが、IC31(登録商標)である、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項45】
前記アジュバントが、GLA-SEである、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項46】
前記アジュバントが、3M-052-ミョウバンである、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項47】
前記アジュバントが、GLA-3M-052-LSである、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項48】
前記アジュバントが、ミョウバン及びCpG1018からなる、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項49】
前記アジュバントが、ミョウバン及びMPLからなる、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項50】
前記アジュバントが、ミョウバン及びIC31(登録商標)からなる、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項51】
前記アジュバントが、AddaVax(商標)である、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項52】
前記組成物が、前記融合前Fタンパク質に対する中和抗体を誘発することができる、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項53】
前記融合前タンパク質又は融合前及び融合前タンパク質を含む組成物が、同じ総タンパク質量で使用される前記融合後Fタンパク質を含む組成物によって誘発される免疫応答(中和抗体価)と比較して、優れた免疫応答(中和抗体価)を提供する、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項54】
前記組成物が、1つより多くのhMPV株に対する防御を提供する、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項55】
前記組成物が、前記遺伝子型AのhMPV株に対する防御を提供する、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項56】
前記組成物が、前記遺伝子型BのhMPV株に対する防御を提供する、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項57】
前記組成物が、前記遺伝子型A及び遺伝子型BのhMPV株に対する防御を提供する、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項58】
前記組成物がワクチンである、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項59】
薬物として使用するための、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項60】
対象におけるhMPV感染及び関連疾患を治療及び/又は予防するための、先行請求項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項61】
対象においてhMPV Fタンパク質に対する免疫応答を生成するための方法であって、前記対象に有効量の請求項1~60のいずれか一項に記載の免疫原性組成物を投与することを含む、方法。
【請求項62】
前記免疫原性組成物が、筋肉内、皮内、皮下、粘膜、直腸内、又は経口的に投与される、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記方法が、請求項1~55のいずれか一項に記載の免疫原性組成物のプライム・ブースト投与を含み、前記プライム・ブーストが、同じ免疫原性組成物で行われる、請求項61及び62に記載の方法。
【請求項64】
前記方法が、請求項1~55のいずれか一項に記載の免疫原性組成物のプライム・ブースト投与を含み、前記プライム投与が、遺伝子型AのFタンパク質を含む組成物で行われ、前記ブースト投与が、遺伝子型BのFタンパク質を含む組成物で行われるか、又はその逆である、請求項61及び63に記載の方法。
【請求項65】
対象におけるhMPV感染を治療及び/又は予防するための方法であって、融合前hMPV Fタンパク質に対する中和抗体を生成し、少なくとも1つの遺伝子型A又はB、好ましくは両方のhMPV株に対する防御を提供するために、前記対象に治療有効量の請求項1~55のいずれか一項に記載の免疫原性組成物を投与することを含む、方法。
【請求項66】
前記方法が、i)宿主細胞内の発現ベクターに挿入された対応する核酸分子からの組換え融合前Fタンパク質の発現、ii)前記発現された組換えFタンパク質を精製すること、及びiii)前記精製された組換えタンパク質を、薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤と、任意選択的にアジュバントと組み合わせることを含む、請求項1~60のいずれか一項に記載の免疫原性組成物を生成するための方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸器系のヒトメタニューモウイルス感染症等の呼吸器系感染症を予防及び/又は治療するためのワクチン組成物に関する。このワクチン組成物は、融合前コンフォメーション形態で提供される、i)1つの又はII)2つ以上の改変ヒトメタニューモウイルス(hMPV)のFタンパク質又はそのバリアントを含む。
【背景技術】
【0002】
現在、ヒト又は動物等の対象におけるhMPV感染を予防又は治療するために利用可能なワクチン又は特定の抗ウイルス薬はない。乳児、5歳未満の幼児のいくつかのカテゴリー、65歳以上の高齢者、及び免疫不全の患者は、hMPV感染により重度の細気管支炎又は肺炎を発症するリスクが特に高い。しかしながら、例えば、自然のhMPV感染によって誘導される中和抗体応答は、残念ながら長続きせず、経時的に低下し、また特異的なメモリーB細胞の応答が弱いため、ワクチン開発は困難である(Falsey,A.R.;Hennessey,P.A.;Formica,M.A.;Criddle,M.M.;Biear,J.M.;Walsh,E.E.Humoral immunity to human metapneumovirus infection in adults.Vaccine 2009,28,1477-1480)。
【0003】
様々なhMPV株及び臨床分離株由来のゲノム配列の系統発生分析によって、2つの主要な遺伝子型(系統)、すなわちA及びBが明らかになり、それぞれがサブグループ(5つの亜系統又はサブグループ)A1/A2a/A2b、及びB1/B2に分けられている(van den Hoogen BG,Herfst S,Sprong L,Cane PA,Forleo-Neto E,Swart RL de,Osterhaus ADME,Fouchier RAM.(2004)Antigenic and genetic variability of human metapneumoviruses.Emerging infectious diseases 10(4):658-66)。
【0004】
hMPVに対する防御は、主に、融合(F)糖タンパク質に対する抗体を中和することによって得られる(Williams et al.(2007)A Recombinant Human Monoclonal Antibody to Human Metapneumovirus Fusion Protein That Neutralizes Virus In Vitro and Is Effective Therapeutically In Vivo.J Virol 81(15):8315-8324;Battles et al.(2017)Nat Commun.16;8(1):1528)。Fタンパク質は免疫優性であり、hMPV株間で非常に保存されている。Fタンパク質における稀な変異は、中和エピトープの不安定な損失をもたらさないため、hMPVの遺伝子型及びサブグループは、経時的に遺伝的に非常に安定している(Yang CF,Wang CK,Tollefson SJ,Piyaratna R,Lintao LD,Chu M,Liem A,Mark M,Spaete RR,Crowe JE,Jr,Williams JV.(2009)Genetic diversity and evolution of human metapneumovirus fusion protein over twenty years.Virol J 6:138)。いくつかの動物モデルにおいて、遺伝子型(A及びB)及びサブグループ(A1、A2a、A2b、B1及びB2)間で交差防御が得られたが、データには議論の余地がある。例えば、遺伝子型A又はBから単離された可溶性Fタンパク質による免疫時の交差防御免疫の誘導が、ハムスターにおいて実証された(Nerfst et al.2007.Journal of General Virology(2007),88,2702-2709)。逆に、ある遺伝子型に感染したフェレットからの血清を用いて行われたインビトロ試験では、別の遺伝子型のウイルスは中和されなかった(Kahn J.S.(2006)Epidemiology of human metapneumovirus.Clin Microbiol 19(3):546-557)。ヒトにおける異なるhMPV遺伝子型に対する免疫原性応答は、まだ十分に理解されていない(Rahman et al.(2018)Epidemiological studies in Bangladesh.J Med Virology 2018:1-6)。したがって、多数のhMPVバリアントの循環は、幅広いワクチンを開発する上で複雑な事態を引き起こし得る。
【0005】
hMPV Fタンパク質は、ウイルス膜と細胞膜との融合を媒介し、ウイルスのリボ核タンパク質が細胞質に侵入して、ウイルス複製を開始することを可能にする(Cox RG,Livesay SB,Johnson M,Ohi MD,Williams JV(2012)The human metapneumovirus fusion protein mediates entry via an interaction with RGD-binding integrins.J Virol 86:12148-12160)。Fタンパク質は、そのC末端に、タンパク質をウイルス膜に固定する疎水性膜貫通(TM)ドメインと、短い細胞質尾部とを含む、I型内在性膜タンパク質である。天然Fタンパク質は、不活性な一本鎖前駆体F0として合成され、細胞プロテアーゼによる切断後に活性化され、2つのポリペプチド鎖、F1及びF2を生成する(図1を参照されたい)。生物学的に活性なhMPV Fタンパク質は、準安定な融合前形態と、非常に安定な融合後形態の2つのコンフォメーションで存在する(図2を参照されたい)。融合前及び融合後形態の公開された結晶構造は、Fタンパク質の免疫原性及び抗原性特性に影響を及ぼし得る2つのコンフォメーション間の本質的な違いを明らかにした(Melero JA&Mas V.(2015)The Pneumovirinae fusion(F)protein:A common target for vaccines and antivirals.Virus Research 209:128-135)。
【0006】
いくつかの研究により、融合前及び融合後の両方のFタンパク質形態が、抗原エピトープを有し、中和抗体を誘発することができることが示された(Wen et al.(2012)Structure of the Human Metapneumovirus Fusion Protein with Neutralizing Antibody Identifies a Pneumovirus Antigenic Site.Nat Struct Mol Biol.19(4):461-463、Battles et al.(2017)Nat Commun.16,8(1):1528、Huang et al.(2019)Antibody Epitopes of Pneumovirus Fusion Proteins.Front Immunol.10,2778,review)。例えば、Meleroのグループは、動物において、組換え融合前Fタンパク質が中和抗体を誘導すること、及び免疫原性研究を実証した(Melero JA&Mas V.2015)The Pneumovirinae fusion(F)protein:A common target for vaccines and antivirals.Virus Research 209:128-135、Michael B Battles,Vicente Mas,Eduardo Olmedillas,Olga Cano,Monica Vazquez,Laura Rodriguez,Jose A Melero,Jason S McLellan.Nat Commun.2017 Nov 16;8(1):1528.doi:10.1038/s41467-017-01708-9)。別の研究では、組換え融合後Fタンパク質が、血清陽性ヒト血清からhMPV中和抗体を枯渇させることができることが示された(Mas V,Rodriguez L,Olmedillas E,Cano O,Palomo C,Terron MC,Luque D,Melero JA,McLellan JS.(2016)Engineering,Structure and Immunogenicity of the Human Metapneumovirus F Protein in the Postfusion Conformation.PLoS pathogens.12(9))。もう1つのグループは、融合前コンフォメーションの安定化につながるFタンパク質の改変及びそれらのワクチン開発への適用性を開示している(米国特許第1,0420,834号を参照されたい)。
【0007】
以前に、我々は、hMPV Fタンパク質の安定化された融合前形態による免疫時に、高力価中和抗体の誘導及びマウスの防御を実証した(WO2020/234300A1を参照されたい)。この研究では、単一の免疫原として製剤化された5つのFタンパク質候補が、好ましくは、適切なサブグループ候補A1、好ましくはL7F_A1_23(配列番号11)が選択されるか、又は5つのFタンパク質候補のうちの1つのA1及びB1サブグループ、好ましくはL7F_A1_23(配列番号11)及びL7F_B1_23(配列番号12)の組み合わせである場合、肺コロニー形成/感染モデル、MNA、FFA、及び/又はRT-qPCRモデルにおいて有望な防御効果を示した。複数のhMPV株及び臨床分離株に対してより効果的である単純なフォーマット(一価又は二価のみ)のこれらの改良されたワクチンは重要である。今日まで、ワクチン製剤中にFタンパク質の融合前コンフォメーションを組み合わせる(又はそれらを一価フォーマットで試験する)試みは、臨床試験において説明されていない。別の場合には、融合後sF_A1_MFurもまた、本発明の免疫原性組成物における好ましい候補である。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、i)融合前コンフォメーションで提供される1つ以上の改変組換えhMPV Fタンパク質若しくはそのバリアントを含む、又はii)融合前コンフォメーションで提供される1つ以上の改変組換えhMPV Fタンパク質若しくはそのバリアントの組み合わせを含む、組成物を提供する。これらの改変組換えタンパク質は、異なるhMPV遺伝子型A及びBに由来するか、又は同じ遺伝子型に由来するが、異なるサブグループ、又は両方が、好ましくは、一価ワクチン又はその免疫原性組成物(すなわち、特に、L7F_A1_23(配列番号11))及び二価ワクチン又はその免疫原性組成物(すなわち、特に、L7F_A1_23(配列番号11)及びL7F_B1_23(配列番号12)である。本発明は、上記改変組換えタンパク質を産生するためのタンパク質構築物及び発現ベクターを更に提供する。本発明はまた、特定の免疫応答を誘導することができる、並びに/又はhMPV感染に対する防御を提供することを可能にする、並びに/又は、特にhMPVの他のサブグループ及び/若しくは遺伝子型を交差中和及び防御する、免疫原性組成物(ワクチン等)も提供する。更に、2つ以上、好ましくは2つの融合前Fタンパク質の特定の組み合わせの使用は、相同及び異種hMPV株に対する防御を達成することを可能にする。本発明はまた、開示された組換えタンパク質及び免疫原性組成物を産生する方法、並びに軽度、中等度、又は重度のhMPV感染を有するヒト又は動物対象を治療及び/又は予防するためにそれらを使用する方法に関する。
【0009】
本発明の根底にある問題は、例えば、hMPVファミリーのサブグループ及び/又は他の遺伝子型(A1、A2a、A2b、B1、B2サブグループ、それぞれ、hMPVのA及びB)を交差中和及び/又は交差防御する、融合前コンフォメーションで存在する単一のhMPV Fタンパク質を含有する既知の免疫原性組成物よりも、強力で長続きする免疫応答を増強し、様々なhMPV株及び臨床分離株に対してより良好な防御を提供する免疫原性組成物(ワクチン)を開発することであり、これにより、単純な抗原設計、したがって非常に合理的な生産コスト(より単純な生産、より単純な品質評価等)を可能にする。
【0010】
本発明の根底にある問題は、融合前コンフォメーション形態で提供される1つ又は2つの異なる(異なるサブグループ及び/又は遺伝子型)Fタンパク質又はそのバリアントのみを含む組成物を提供することによって解決される。更に、そのような解決策は、同じ又は異なる遺伝子型に属する異なるhMPV株に由来する1つの組成物中に配合された2つ以上のFタンパク質を含むが、ワクチン/免疫原性組成物中に異なるサブグループの全てを追加するよりも単純な設計を依然として提供する。
【0011】
この問題を解決するために、異なるhMPV遺伝子群及びそのサブグループからの数個のFタンパク質候補を、改変された(すなわち、融合前コンフォメーションで安定化している)組換えタンパク質として産生し、マウスチャレンジモデル又は他の機能モデルにおいて免疫原性及び防御効果について互いにいくつかの組み合わせで試験した。具体的には、サブグループA1及びB1からの融合前Fタンパク質の組み合わせ又は単一の融合前Fタンパク質で免疫したマウスを、サブグループA2a、A2b及び/又はB1のウイルスでチャレンジし、中和抗体の誘導及びウイルス量を調べた。代替的に、サブグループA1及び/若しくはB1からの融合前Fタンパク質の組み合わせ又は単一の融合前Fタンパク質で免疫したマウスを、サブグループA1、A2a、A2b及び/又はB1のウイルスでチャレンジすることができる。それ以外の場合、サブグループA1及び/又はB1からの融合前Fタンパク質の組み合わせ又は単一の融合前Fタンパク質で免疫したマウスの防御は、hMPVサブグループA2a、A2b若しくはB2又は他の反復でチャレンジした後に評価することができる。その結果、2つの遺伝子型A及びBの間並びに異なるサブグループ間の交差防御が観察される。
【0012】
一実施形態によれば、組成物の改変(安定化)Fタンパク質は、融合前コンフォメーションで存在する。上記融合前Fタンパク質は、Fエクトドメインと同様の一本鎖ポリペプチドからなるが、F1ドメインとF2ドメインとの間にプロテアーゼ切断部位及び融合ペプチド(FP)を欠いている。代わりに、一本鎖Fタンパク質は、F1ドメインとF2ドメインとの間に異種ペプチドリンカーを含み、これは、F1ドメイン内の別のシステイン残基と非天然ジスルフィド(S-S)結合を形成し、したがって融合前コンフォメーションを安定化する、少なくとも1つのシステイン残基を含む。代替的に、融合前hMPV Fタンパク質は、2つ以上のS-S結合によって共有結合された2つのポリペプチド鎖、すなわちF1及びF2ドメインを含んでもよい。そのようなタンパク質は、融合前コンフォメーションを安定化する変異を含み得る。
【0013】
更に別の実施形態によれば、組成物の更なる第2のFタンパク質は、融合前コンフォメーションでも存在する改変(安定化)Fタンパク質である。上記融合前Fタンパク質は、Fエクトドメインと同様の一本鎖ポリペプチドからなるが、F1ドメインとF2ドメインとの間にプロテアーゼ切断部位及び融合ペプチド(FP)を欠いている。代わりに、一本鎖Fタンパク質は、F1ドメインとF2ドメインとの間に異種ペプチドリンカーを含み、これは、F1ドメイン内の別のシステイン残基と非天然ジスルフィド(S-S)結合を形成し、したがって融合前コンフォメーションを安定化する、少なくとも1つのシステイン残基を含む。代替的に、融合前hMPV Fタンパク質は、2つ以上のS-S結合によって共有結合された2つのポリペプチド鎖、すなわちF1及びF2ドメインを含んでもよい。そのようなタンパク質は、融合前コンフォメーションを安定化する変異を含有し得る。本発明の別の実施形態によれば、融合前Fタンパク質は、親Fタンパク質のアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。参照親Fタンパク質と高い配列同一性を有する改変Fタンパク質は、本明細書においてバリアントとも称される。一般に、タンパク質の相同体又はバリアントは、当該技術分野で周知の標準的な方法を使用して整列させた場合、比較的高い程度の配列同一性を有する(他の配列と比較するときに、調査される配列のグローバルアラインメント、例えば、標準設定を使用したNeedleman-Wunschアルゴリズムが好ましい)。重要なことに、相同Fタンパク質又はバリアントは、例えば、本明細書のインビトロアッセイ、例えば、本明細書の他の箇所に記載されるMNA、FFA又はPCRを使用して測定されるように、親Fタンパク質と同様に免疫原性及び防御性である。
【0014】
更に、本発明の融合前Fタンパク質は、異種宿主細胞において、ホモ三量体として、又は好ましくはヘテロ若しくはホモ三量体として産生される、膜貫通ドメイン(本明細書では「TM」とも称される)及び/又は細胞質尾部を有しない組換えタンパク質である。三量体化プロセスを容易にするために、1つ以上の特異的改変又は三量体化ヘルパードメインが、Fタンパク質のC末端部分に導入され得る。
【0015】
更に別の実施形態によれば、ある融合前Fタンパク質は、薬学的に正しい担体及び/又は賦形剤を更に含む単一の組成物中に配合される。Fタンパク質の他に、そのような組成物は、1つ以上の追加の抗原、例えば、呼吸器系の感染を引き起こす別の病原体に対する別のhMPVタンパク質又は別の抗原を含み得る。
【0016】
典型的には、本発明の組成物は、hMPV中和抗体及びhMPVに対する特異的T細胞応答を誘発することができる免疫原性組成物(ワクチン)である。任意選択的に、免疫原性組成物は、そのような免疫応答を増強するための、及び/又は免疫応答を所望のTh1型方向にシフトさせるための、アジュバントを更に含んでもよい。一般に、本発明の免疫原性組成物によって誘導される免疫応答(中和抗体価)は、hMPV感染から防御するのに十分である。更に、両方のコンフォメーション形態のFタンパク質又はそのバリアントを含む免疫原性組成物は、融合前コンフォメーションのいずれかで存在する等量の単一のFタンパク質によって誘発される免疫応答(中和抗体価)よりも優れた免疫応答(中和抗体価)を誘発する。
【0017】
更に、本発明の免疫原性組成物は、1つより多くのhMPV株、特に、異なる遺伝子型又は1つの遺伝子型の異なるサブグループに属する株に対する防御を提供することができる。例えば、免疫原性組成物は、A1及び/又はA2a、A2bサブグループ、代替的に、B1及び/又はB2サブグループ、又はA及びBの両方の遺伝子型に対する防御を提供することができる。特に、遺伝子型Aと遺伝子型Bとの間の交差防御が望ましい。
【0018】
本発明によれば、本発明の免疫原性組成物(ワクチン)は、hMPV感染に対するヒト及び/又は動物対象の治療及び/又は予防に有用であるが、hMPV感染によって引き起こされる軽度、重度、入院又は死亡の治療及び/又は予防等の他の適応も、本発明の組成物の潜在的な標的適応である。
【0019】
更なる実施形態において、本発明は、融合前コンフォメーションで利用可能な改変Fタンパク質又はそのバリアント(組み合わせを含む)を用いて免疫応答を生成するための方法を提供する。そのような方法は、対象に、治療有効量のFタンパク質の融合前形態を含有する免疫原性組成物を投与することを含む。
【0020】
更に一実施形態において、本発明は、hMPV感染又は関連疾患に対して対象を治療及び/又は予防するための方法を提供する。したがって、免疫原性組成物(ワクチン)は、非経口経路(例えば、筋肉内、皮内、又は皮下)又は粘膜経路(例えば、鼻腔内、経口)を介して対象に投与される。その結果、hMPVに対して免疫された対象の防御を確実にする抗Fタンパク質中和抗体の高い力価がもたらされる。好ましい実施形態において、本発明のワクチンは、1つより多くのhMPV株、より好ましくは、同じ遺伝子型のhMPV株、最も好ましくは、A及びBの両方の遺伝子型に対する防御免疫応答を誘導する。更に一実施形態において、ワクチンの投与量は、hMPV感染に対する堅牢な抗hMPV防御を提供するのに十分である。更に、方法は、異なるhMPVサブグループ及び/又は遺伝子型に由来する改変Fタンパク質又はそのバリアントを含む、同じ又は異なる免疫原性組成物によるプライム・ブースト免疫を含み得る。例えば、プライム免疫は、本発明の遺伝子型AのFタンパク質を含むワクチンで行われてもよく、一方、ブースト免疫は、本発明の遺伝子型BのFタンパク質を含むワクチンで行われてもよい。このようにして、遺伝子型Aと遺伝子型Bとの間に更に良好な交差防御を達成することができる。更に、方法は、特に高齢者又は成人(例えば、リスクのある成人)のための、異なるhMPVサブグループ及び/又は遺伝子型に由来する改変Fタンパク質又はそのバリアントを含む、同じ又は異なる免疫原性組成物によるブースト免疫のみを含み得るが、それは、これらの集団のほとんどが既に曝露されているためである。
【0021】
更に、本発明は、安定化された融合前コンフォメーションで存在する組換え改変Fタンパク質、及びこれらのタンパク質を含む免疫原性組成物を生成するための方法を提供する。前述の方法は、以下のステップを含む:i)宿主細胞内の発現ベクターに挿入された対応する核酸分子から組換え改変Fタンパク質を発現させること、ii)上記組換えFタンパク質を精製すること、及びiii)上記精製された組換えタンパク質を、薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤、任意選択的に医薬組成物又はワクチン中のアジュバントと組み合わせること。
【0022】
より具体的には、以下の実施形態が提供される。
1.唯一のhMPV抗原としてのヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はその断片の安定化された融合前コンフォメーション形態と、任意選択的に1つ以上のアジュバント及び/又は少なくとも1つの薬学的に正しい担体若しくは賦形剤とから本質的になる、免疫原性組成物であって、上記hMPVタンパク質が、遺伝子型A又はBの1つのサブグループに由来し、上記免疫原性組成物が、別のサブグループ及び/又は遺伝子型からhMPVを交差中和する、免疫原性組成物。
2.ヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はその断片の安定化融合前コンフォメーション形態が、A1サブグループのものである、実施形態1に記載の組成物。
3.組成物が、i)遺伝子型Aのヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はその断片の安定化された融合前コンフォメーション形態、及びii)遺伝子型Bのヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はその断片の安定化された融合前コンフォメーション形態と、任意選択的に1つ以上のアジュバント及び/又は少なくとも1つの薬学的に正しい担体若しくは賦形剤とから本質的になり、上記免疫原性組成物が、他のサブグループ及び/又は他を交差中和する、実施形態1~2に記載の組成物。
4.遺伝子型Aのヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はその断片の安定化された融合前コンフォメーション形態が、A1サブグループのものであり、遺伝子型Bのヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はその断片の安定化された融合前コンフォメーション形態が、B1サブグループのものである、実施形態3に記載の組成物。
5.融合前Fタンパク質が、組換えタンパク質である、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
6.融合前Fタンパク質が、細胞質尾部及び/又は膜貫通ドメインを欠いている、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
7.融合前Fタンパク質が、hMPV株又は臨床分離株に由来する天然Fタンパク質の改変アミノ酸配列であるアミノ酸配列を有する、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
8.天然Fタンパク質配列が、hMPV株NL/1/00、NL/17/00、TN/94-49、NCL174、CAN97-83、NL/1/9、NDL00-1、C1-334、CAN97-82、及びTN/89-515に由来する配列番号1~10のアミノ酸配列からなる群から選択される、実施形態9に記載の免疫原性組成物。
9.融合前Fタンパク質が、配列番号1~10の天然Fタンパク質配列に対して、少なくとも1つの変異(置換又は欠失)、好ましくは最大10個の変異を含む、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
10.融合前Fタンパク質が、システインに対する1つ以上のアミノ酸置換を含み、それが融合前コンフォメーションを安定化する1つ以上の非天然ジスルフィド結合を導入する、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
11.システイン置換が、
位置103~120のうちのいずれか1つ及び位置335~345のうちのいずれか1つ、
位置107~118のうちのいずれか1つ及び位置335~342のうちのいずれか1つ、
位置117~129のうちのいずれか1つ及び位置256~261のうちのいずれか1つ、
位置87~102のうちのいずれか1つ及び位置117~127のうちのいずれか1つ、
位置102~113のうちのいずれか1つ及び位置117~127のうちのいずれか1つ、
位置102~113のうちのいずれか1つ及び位置87~102のいずれか1つ、
位置337~341のうちのいずれか1つ及び位置421~426のうちのいずれか1つ、
位置112~120のうちのいずれか1つ及び位置424~432のうちのいずれか1つ、
位置150~156のうちのいずれか1つ及び位置392~400のうちのいずれか1つ、
位置112~120のうちのいずれか1つ及び位置370~377のうちのいずれか1つ、
位置365~375のうちのいずれか1つ及び位置455~465のうちのいずれか1つ、
位置365~375のうちのいずれか1つ及び位置105~115のうちのいずれか1つ、又は
位置60~70のうちのいずれか1つ及び位置175~185のうちのいずれか1つで導入され、
位置が、配列番号1~10及び49の天然Fタンパク質配列のアミノ酸に対応する、実施形態10に記載の免疫原性組成物。
12.融合前Fタンパク質が、少なくとも1つの非天然ジスルフィド結合によって安定化された単一ポリペプチド鎖からなる、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
13.一本鎖融合前Fタンパク質が、天然Fタンパク質と比較してF1ドメインとF2ドメインとの間にプロテアーゼ切断部位を欠いている、実施形態12に記載の免疫原性組成物。
14.一本鎖融合前Fタンパク質が、天然Fタンパク質のアミノ酸位置に対して102位に、アルギニンの別のアミノ酸、好ましくはグリシンへの置換を含む、実施形態12及び13に記載の免疫原性組成物。
15.天然Fタンパク質の103~118位のアミノ酸残基が、システイン残基を含む1~5個のアミノ酸残基からなる異種リンカーで置き換えられ、上記システイン残基が、F1ドメイン内のシステイン残基とジスルフィド結合を形成する、実施形態12~14に記載の免疫原性組成物。
16.異種リンカーが、少なくとも1つのアラニン、グリシン又はバリン残基を含み、好ましくは、リンカーが、配列CGAGA又はCGAGVを有する、実施形態15に記載の免疫原性組成物。
17.融合前Fタンパク質が、天然hMPV Fタンパク質の49、51、67、80、137、147、159、160、161、166、177、258、266、480、及び/又は481位に対応する位置に1つ以上の置換を含む、実施形態12~16に記載の免疫原性組成物。
18.置換が、T49M、E80N、I137W、A147V、A159V、T160F、A161M、I67L、I177L、F258I、S266D、I480C、及び/又はL481Cからなる群から選択される、実施形態17に記載の免疫原性組成物。
19.一本鎖融合前Fタンパク質が、以下の置換組み合わせのうちの1つを含む、実施形態12~18に記載の免疫原性組成物。
N97Q、R102G及びG294E;
N97Q、R102G、T160F、I177L及びG294E;
N97Q、R102G、T49M、I67L、A161M、E80N、F258I及びG294E;
N97Q、R102G、T49M、I67L、A161M、E51C、K166C、S266D、G294E、I480C及びL481C;又は
N97Q、R102G、T49M、A161M、I137W、A159V、A147V、I177L、及びG294E。
20.融合前Fタンパク質が、配列番号11のアミノ酸配列(L7F_A1_23)を含むか又はそれからなる、実施形態12~19のいずれかに記載の免疫原性組成物。
21.融合前Fタンパク質が、配列番号12のアミノ酸配列(L7F_B1_23)を含むか又はそれからなる、実施形態12~19のいずれかに記載の免疫原性組成物。
22.融合前Fタンパク質が、配列番号13のアミノ酸配列(L7F_A1_23.2)を含むか又はそれからなる、実施形態12~19のいずれかに記載の免疫原性組成物。
23.融合前Fタンパク質が、配列番号14のアミノ酸配列(L7F_B1_23.2)を含むか又はそれからなる、実施形態12~19のいずれかに記載の免疫原性組成物。
24.融合前Fタンパク質が、配列番号15のアミノ酸配列(sF_A1_K_L7)を含むか又はそれからなる、実施形態12~19のいずれかに記載の免疫原性組成物。
25.融合前Fタンパク質が、配列番号16のアミノ酸配列(L7F_A1_31)を含むか又はそれからなる、実施形態12~19のいずれかに記載の免疫原性組成物。
26.融合前Fタンパク質が、配列番号17のアミノ酸配列(L7F_A1_33)を含むか又はそれからなる、実施形態12~19のいずれかに記載の免疫原性組成物。
27.融合前Fタンパク質が、配列番号18のアミノ酸配列(構築物L7F_A1_4.2)を含むか又はそれからなる、実施形態12~19のいずれかに記載の免疫原性組成物。
28.融合前Fタンパク質が、2つのポリペプチド鎖を有するタンパク質であり、配列番号19のアミノ酸配列を含むか又はそれからなる、実施形態1~11のいずれかに記載の免疫原性組成物。
29.融合前Fタンパク質が、2つのポリペプチド鎖を有するタンパク質であり、配列番号20のアミノ酸配列を含むか又はそれからなる、実施形態1~11のいずれかに記載の免疫原性組成物。
30.安定化された融合後Fタンパク質が、天然Fタンパク質のアミノ酸位置と比較して、103~111位のアミノ酸残基の欠失、リンカーKKRKRRによるR102の置き換え、及び置換G294Eを含む、実施形態1~11のいずれかに記載の免疫原性組成物。
31.融合前Fタンパク質が、i)配列番号1~20からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ii)その免疫原性が、配列番号1~20の親Fタンパク質の免疫原性と同様である、実施形態1~30のいずれかに記載の免疫原性組成物。
32.融合前Fタンパク質が、i)配列番号1~20からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ii)その免疫原性が、配列番号1~20の親Fタンパク質の免疫原性と等しいか又は同様である、実施形態1~30のいずれかに記載の免疫原性組成物。
33.融合前Fタンパク質i)が、配列番号1~20からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ii)その免疫原性が、配列番号1~20の親Fタンパク質の免疫原性と等しいか又は同様である、実施形態1~30のいずれかに記載の免疫原性組成物。
34.融合前及び融合後hMPV Fタンパク質が、配列番号23~28の配列を有する三量体化ヘルパードメイン(フォールドン)又はそのバリアントを含む、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
35.Fタンパク質が、ホモ又はヘテロ三量体として産生される、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
36.組成物が、更なる非hMPV抗原を含む、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
37.アジュバントが、ミョウバン、CpG、例えば、CpG1018、ODN、I-ODN、IC31(登録商標)、MF59(登録商標)、AddaVax(商標)、AS03、AS01、QS21、MPL、GLA-SE、GLA-3M-052-LS、3M-052-ミョウバン、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
38.アジュバントが、ミョウバン、CpG、例えば、CpG1018、ODN、I-ODN、IC31(登録商標)、MF59(登録商標)、AddaVax(商標)、AS03、AS01、QS21、MPL、GLA-SE、GLA-3M-052-LS及び3M-052-ミョウバンからなる群から選択される2つ以上のアジュバントからなる、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
39.アジュバントがミョウバンである、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
40.アジュバントがIC31(登録商標)である、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
41.アジュバントが、GLA-SEである、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
42.アジュバントが、3M-052-ミョウバンである、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
43.アジュバントが、GLA-3M-052-LSである、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
44.アジュバントが、ミョウバン及びCpG1018からなる、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
45.アジュバントが、ミョウバン及びMPLからなる、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
46.アジュバントが、ミョウバン及びIC31(登録商標)からなる、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
47.アジュバントがAddaVax(商標)である、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
48.組成物が、融合前Fタンパク質に対する中和抗体を誘発することができる、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
49.融合前タンパク質又は融合前タンパク質の組み合わせを含む組成物が、同じ総タンパク質量で使用される融合後Fタンパク質を含む組成物によって誘発される免疫応答(中和抗体価)と比較して、優れた免疫応答(中和抗体価)を提供する、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
50.組成物が、1つより多くのhMPV株に対する防御を提供する、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
51.組成物が、遺伝子型AのhMPV株に対する防御を提供する、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
52.組成物が、遺伝子型BのhMPV株に対する防御を提供する、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
53.組成物が、遺伝子型A及び遺伝子型BのhMPV株に対する防御を提供する、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
54.組成物がワクチンである、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
55.薬剤として使用するための、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
56.対象におけるhMPV感染及び関連疾患を治療及び/又は予防するための、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
57.対象においてhMPV Fタンパク質に対する免疫応答を生成するための方法であって、対象に有効量の前述の実施形態1~48のいずれかに記載の免疫原性組成物を投与することを含む、方法。
58.免疫原性組成物が、筋肉内、皮内、皮下、粘膜、直腸内、又は経口的に投与される、実施形態56に記載の方法。
59.方法が、実施形態1~55のいずれかに記載の免疫原性組成物のプライム・ブースト投与を含み、プライム・ブーストが、同じ免疫原性組成物で行われる、実施形態56及び57に記載の方法。
60.方法が、実施形態1~55のいずれかに記載の免疫原性組成物のプライム・ブースト投与を含み、プライム投与が、遺伝子型AのFタンパク質を含む組成物で行われ、ブースト投与が、遺伝子型BのFタンパク質を含む組成物で行われるか、若しくはその逆である、実施形態56及び58に記載の方法、又は方法が、実施形態1~55のいずれかに記載の免疫原性組成物のブースト投与を含み、プライム投与が、遺伝子型AのFタンパク質を含む免疫原性組成物で行われ、ブースト投与が、遺伝子型BのFタンパク質を含む組成物で行われるか、若しくはその逆である、実施形態56及び58に記載の方法。
61.対象におけるhMPV感染を治療及び/又は予防するための方法であって、融合前hMPV Fタンパク質に対する中和抗体を生成し、少なくとも1つの遺伝子型A又はB、好ましくは両方のhMPV株に対する防御を提供するために、対象に治療有効量の実施形態1~55のいずれかに記載の免疫原性組成物を投与することを含む、方法。
62.方法が、i)宿主細胞内の発現ベクターに挿入された対応する核酸分子からの組換え融合前Fタンパク質の発現、ii)発現された組換えFタンパク質を精製すること、及びiii)精製された組換えタンパク質を、薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤と、任意選択的にアジュバントと組み合わせることを含む、実施形態1~55のいずれかに記載の免疫原性組成物を生成するための方法。
63.唯一のhMPV抗原としてのヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はその断片の安定化された融合後コンフォメーション形態から本質的になる、免疫原性組成物であって、上記hMPVタンパク質が、遺伝子型A又はBの1つのサブグループに由来し、上記免疫原性組成物が、別のサブグループ及び/又は遺伝子型からのhMPVを交差中和する、免疫原性組成物。
64.ヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はその断片の安定化された融合後コンフォメーション形態が、A1サブグループのものである、実施形態63に記載の組成物。
65.組成物が、i)遺伝子型Aのヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はその断片の安定化された融合後コンフォメーション形態、及びii)遺伝子型Bのヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はその断片の安定化された融合前コンフォメーション形態と、任意選択的に1つ以上のアジュバント及び/又は少なくとも1つの薬学的に正しい担体若しくは賦形剤とから本質的になり、上記免疫原性組成物が、他のサブグループ及び/又は他を交差中和する、実施形態63~64に記載の組成物。
66.遺伝子型Aのヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はその断片の安定化された融合後コンフォメーション形態が、A1サブグループのものであり、遺伝子型Bのヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はその断片の安定化された融合後コンフォメーション形態が、B1サブグループのものである、実施形態65に記載の組成物。
67.融合後Fタンパク質が、組換えタンパク質である、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
68.融合後Fタンパク質が、細胞質尾部及び/又は膜貫通ドメインを欠いている、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
69.融合後Fタンパク質が、hMPV株又は臨床分離株に由来する天然Fタンパク質の改変アミノ酸配列であるアミノ酸配列を有する、前述の実施形態のいずれかに記載の免疫原性組成物。
70.天然Fタンパク質配列が、hMPV株NL/1/00、NL/17/00、TN/94-49、NCL174、CAN97-83、NL/1/9、NDL00-1、C1-334、CAN97-82、及びTN/89-515に由来する配列番号1~10のアミノ酸配列からなる群から選択される、実施形態69に記載の免疫原性組成物。
71.融合後Fタンパク質が、配列番号21(SF_A1_MFur)又は配列番号22(SF_B1_MFur)のアミノ酸配列を有する、任意の前述の実施形態に記載の免疫原性組成物。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】示されるドメインを有する天然hMPV Fタンパク質の概略図を示す。F0-タンパク質前駆体;F1及びF2ドメイン;SP-シグナルペプチド;FP-融合ペプチド;HRA、HRB-ヘプタッドリピートドメインA及びB;TM-膜貫通ドメイン;CYT-細胞質尾部;S-S-ジスルフィド結合。
図2】(A)融合前コンフォメーション及び(B)融合後コンフォメーションのFタンパク質の三次元構造(リボン図)を示す。
図3】Fタンパク質当たり(A)0.6μg、(B)0.2μg、(C)0.02μgの抗原用量を含む融合前及び融合後Fタンパク質の組み合わせに対して産生されたマウスの血清中和抗体価を示す。融合前及び融合後Fタンパク質の組み合わせは、2倍の量の抗原を含むことに留意されたい。融合後Fタンパク質に対して産生された抗体は、主に融合前フォーマットを交差防御する可能性がある。したがって、融合後フォーマットFタンパク質の添加は必要ではない場合がある。
図4】A1若しくはB1サブグループ、又はそれらの組み合わせに由来するFタンパク質候補(抗原当たり0.02μg)に対して誘導された中和力価(A2aサブグループを用いたチャレンジ)(Fタンパク質当たりの用量)。融合前及び融合後Fタンパク質の組み合わせは、2倍の量の抗原を含むことに留意されたい。融合後Fタンパク質に対して産生された抗体は、主に融合前フォーマットを交差防御する可能性がある。したがって、融合後フォーマットFタンパク質の添加は、必要ではない場合がある。
図5】hMPV A2aサブグループを用いたチャレンジ時のマウスの防御:(A)FFA、(B)RT-qPCR。融合前及び融合後Fタンパク質の組み合わせは、2倍の量の抗原を含むことに留意されたい。融合後Fタンパク質に対して産生された抗体は、主に融合前フォーマットを交差防御する可能性がある。したがって、融合後フォーマットFタンパク質の添加は、必要ではない場合がある。
図6】融合前及び融合後フォーマットでA群及びB群に由来するFタンパク質候補(抗原当たり40、120及び400ng)に対して誘導された中和力価(A)hMPV A1株に対するMNA;(B)hMPV B1株に対するMNA。両方のアッセイにおいて、全ての群で用量反応が観察される。マウスを融合前A1候補で免疫した場合、hMPV A1(A)株及びB1(B)株それぞれに対して良好な中和及び交差中和が認められた。融合前A1候補はまた、より高い免疫原性を誘導し得、したがって、より良好な中和及び交差中和をもたらし得る。融合前B1候補で免疫した場合、hMPV A1株に対する交差中和はあまり効果的ではなかった。同じ観察を融合後の候補について行うことができる。しかしながら、融合後の候補が同様の抗体(すなわち、融合前フォーマットに対する中和抗体、及び融合後フォーマット部分に対する追加の非中和抗体又は主に非中和抗体)を産生する可能性がある。したがって、融合前フォーマットがおそらく依然として好ましいというのが、この段階での我々の解釈である。
図7】中和及び交差中和。全体として、融合前-融合後の組み合わせによる中和力価は、単一の候補で得られるものよりも弱い。以前に観察されたように、A1候補のみによる免疫は、より高い交差中和性を示し、かつ/又はより高い免疫原性を生じると考えられる。その実験では、最良の組み合わせは、融合前+融合後A1又は融合前B1+融合後A1であるが、中和力価は、依然として、単一の候補による免疫における力価よりも低い。
図8】hMPV中和抗体の誘導に対するアジュバント効果。異なるアジュバントを用いて、又はアジュバントなしで製剤化されたワクチンL7-A1-23+sF-A1-MFur(各抗原当たり0.2μg)によるマウスの免疫。アジュバントなしで製剤化された混合ワクチンでは、中和抗体は誘導されなかった。異なるアジュバントを用いて製剤化された混合ワクチンは、中和抗体を誘導した。この実験から、試験した全てのアジュバントは、Fタンパク質に基づくhMPVワクチンの製剤のための貴重な選択肢である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の目的は、多数のhMPV株に対して対象を治療及び/又は予防するためのhMPVサブユニットワクチンを提供することである。サブユニットワクチンは、様々な安定化アプローチによって融合前コンフォメーションの1つで安定化された改変hMPV Fタンパク質に基づく(図1を参照されたい)。
【0025】
hMPV株は、A及びBの2つの遺伝子型に分類され、それぞれが、サブグループA1、A2a、A2b、B1及びB2に分けられている。本明細書に開示される改変Fタンパク質又はその断片は、任意のhMPV株又は臨床分離株に由来し得る。好ましくは、1つの組成物(又はワクチン)中の2つのFタンパク質は、同じ遺伝子型の異なるサブグループに属し、更により好ましくは、異なる遺伝子型に属する。異なる株に由来する天然Fタンパク質配列の例を表1に示す。
【表1】
【0026】
一態様において、本発明は、感染プロセス中にウイルスと細胞膜との融合を媒介する可溶性Fタンパク質に関する。Fタンパク質は、ウイルス膜を1回貫通する内在性膜タンパク質であり、N末端に切断可能なシグナル配列を含み、C末端に、タンパク質を膜に固定する疎水性TMドメインと、短い細胞質尾部とを含む(図1を参照されたい)。天然Fタンパク質は、融合前及び融合後の2つのコンフォメーション形態で存在する(図2を参照されたい)。細胞外では、ウイルスのFタンパク質は、不安定な球状の融合前コンフォメーションにあり、細胞膜と接触すると、細長い融合後形態にリフォールディングする。両方のFタンパク質コンフォメーションは抗原性であり、いくつかのエピトープを共有するが、いくつかのエピトープは各コンフォメーションに固有である。Fタンパク質に対して産生された抗体は、中和性であり、hMPV感染と戦う際に重要な役割を果たすことが以前に示された。
【0027】
安定化された融合前コンフォメーションでFタンパク質を産生するために、天然Fタンパク質を組換え技術(遺伝子工学)によって改変し、組換え宿主でDNA構築物を発現させた。
【0028】
一実施形態によれば、組換え融合前Fタンパク質は、一本鎖ポリペプチドとして産生された。一本鎖Fポリペプチドは、Fエクトドメインの配列と同様のアミノ酸配列を有するが、天然Fタンパク質の103~118位のアミノ酸残基、具体的には、配列番号1~10及び49の天然Fタンパク質配列にわたる融合ペプチド(FP)を欠いている。更に、一本鎖Fポリペプチドは、F1ドメインとF2ドメインとの間にプロテアーゼ切断部位を欠いており、これは、好ましくは、天然Fタンパク質のアミノ酸配列に対して102位に変異を導入することによって排除される。より好ましくは、この変異は、アルギニン残基のグリシンへの置換(R102G)である。更に、融合前Fタンパク質は、少なくとも1つの追加のアミノ酸改変(置換、欠失、又は挿入等)、特にシステインへの少なくとも1つの置換を含む。この追加のシステイン残基は、融合前コンフォメーションを更に安定化する別のシステイン残基と非天然ジスルフィド(S-S)結合を形成することができる。
【0029】
更に別の実施形態によれば、一本鎖Fタンパク質において、F1及びF2ドメインは、天然Fタンパク質のアミノ酸103~118を置き換える異種ペプチドリンカーによって連結される。リンカーは、アラニン、グリシン及び/又はバリンを含む最大5つのアミノ酸、並びに少なくとも1つのシステインを含む。好ましくは、システイン残基は、天然Fタンパク質の103位に対応する位置にある。最も好ましくは、リンカーは、Cが103位にある配列CGAGA又はCGAGVを有する。このシステインは、F1ドメインのシステイン残基とジスルフィド結合を形成することができる。
【0030】
更に一実施形態によれば、システイン残基は、
位置103~120のうちのいずれか1つ及び位置335~345のうちのいずれか1つ、
位置107~118のうちのいずれか1つ及び位置335~342のうちのいずれか1つ、
位置117~129のうちのいずれか1つ及び位置256~261のうちのいずれか1つ、
位置87~102のうちのいずれか1つ及び位置117~127のうちのいずれか1つ、
位置102~113のうちのいずれか1つ及び位置117~127のうちのいずれか1つ、
位置102~113のうちのいずれか1つ及び位置87~102のいずれか1つ、
位置337~341のうちのいずれか1つ及び位置421~426のうちのいずれか1つ、
位置112~120のうちのいずれか1つ及び位置424~432のうちのいずれか1つ、
位置150~156のうちのいずれか1つ及び位置392~400のうちのいずれか1つ、
位置112~120のうちのいずれか1つ及び位置370~377のうちのいずれか1つ、
位置365~375のうちのいずれか1つ及び位置455~465のうちのいずれか1つ、
位置365~375のうちのいずれか1つ及び位置105~115のうちのいずれか1つ、又は
位置60~70のうちのいずれか1つ及び位置175~185のうちのいずれか1つで導入され、
位置は、天然Fタンパク質配列、特に、配列番号1~10及び49の天然Fタンパク質配列のアミノ酸に対応する。
【0031】
更に1つの実施形態によれば、融合前Fタンパク質は、天然Fタンパク質配列、具体的には、配列番号1~10の天然Fタンパク質配列のアミノ酸位置に対して、49、51、67、80、137、147、159、160、161、166、177、258、266、480及び/又は481位に対応する1つ以上の置換を含む。好ましい置換は、T49M、E80N、I137W、A147V、A159V、T160F、A161M、I67L、I177L、F258I、S266D、I480C及び/又はL481Cからなる群から選択される。
【0032】
より好ましくは、一本鎖融合前Fタンパク質は、以下の組み合わせのうちの1つを含む:
N97Q、R102G及びG294E;
N97Q、R102G、T160F、I177L及びG294E;
N97Q、R102G、T49M、I67L、A161M、E80N、F258I及びG294E;
N97Q、R102G、T49M、I67L、A161M、E51C、K166C、S266D、G294E、I480C及びL481C;又は
N97Q、R102G、T49M、A161M、I137W、A159V、A147V、I177L、及びG294E。
【0033】
いくつかの実施形態において、融合前一本鎖Fタンパク質は、限定されないが、以下のタンパク質構築物からなる群から選択され得る:L7F_A1_23(配列番号11)、L7F_B1_23(配列番号12)、L7F_A1_23.2(配列番号13)、L7F_B1_23.2(配列番号14)、sF_A1_K_L7(配列番号15)、L7F_A1_31(配列番号16)、L7F_A1_33(配列番号17)及び/又はL7F_A1_4.2(配列番号18)。
【0034】
具体的には、融合前Fタンパク質は、配列番号11のアミノ酸配列(L7F_A1_23構築物)を含むか又はそれからなる。具体的には、融合前Fタンパク質は、配列番号13のアミノ酸配列(L7F_A1_23.2構築物)を含むか又はそれからなる。具体的には、融合前Fタンパク質は、配列番号15のアミノ酸配列(sF_A1_K_L7構築物)を含むか又はそれからなる。具体的には、融合前Fタンパク質は、配列番号16のアミノ酸配列(L7F_A1_31構築物)を含むか又はそれからなる。具体的には、融合前Fタンパク質は、配列番号17のアミノ酸配列(L7F_A1_33構築物)を含むか又はそれからなる。具体的には、融合前Fタンパク質は、配列番号18のアミノ酸配列(構築物L7F_A1_4.2構築物)を含むか又はそれからなる。具体的には、融合前Fタンパク質は、配列番号12のアミノ酸配列(L7_B1_23構築物)を含むか又はそれからなる。具体的には、融合前Fタンパク質は、配列番号14のアミノ酸配列(L7_B1_23.2構築物)を含むか又はそれからなる。
【0035】
別の実施形態によれば、融合前Fタンパク質は、2つのポリペプチド鎖、すなわち、好ましくはF1ドメインに、少なくとも1つの安定化変異を更に含む、2つ以上のS-S結合によって連結された別個のF1ドメイン及びF2ドメインからなる。例示的な2鎖融合前Fタンパク質は、sF_A1_K-E294構築物(配列番号19)及びsF_B1_K-E294構築物(配列番号20)である。
【0036】
更に別の実施形態によれば、本明細書に開示される組成物の第2のタンパク質は、融合前構造の安定化された改変Fタンパク質である。融合前Fタンパク質は、1つ以上の安定化変異を含む。具体的には、融合前Fタンパク質は、配列番号11のアミノ酸配列(L7F_A1_23構築物)を含むか又はそれからなる。具体的には、融合前Fタンパク質は、配列番号13のアミノ酸配列(L7F_A1_23.2構築物)を含むか又はそれからなる。具体的には、融合前Fタンパク質は、配列番号15のアミノ酸配列(sF_A1_K_L7構築物)を含むか又はそれからなる。具体的には、融合前Fタンパク質は、配列番号16のアミノ酸配列(L7F_A1_31構築物)を含むか又はそれからなる。具体的には、融合前Fタンパク質は、配列番号17のアミノ酸配列(L7F_A1_33構築物)を含むか又はそれからなる。具体的には、融合前Fタンパク質は、配列番号18のアミノ酸配列(構築物L7F_A1_4.2構築物)を含むか又はそれからなる。具体的には、融合前Fタンパク質は、配列番号12のアミノ酸配列(L7_B1_23構築物)を含むか又はそれからなる。具体的には、融合前Fタンパク質は、配列番号14のアミノ酸配列(L7_B1_23.2構築物)を含むか又はそれからなる。
【0037】
別の実施形態によれば、融合前Fタンパク質は、2つのポリペプチド鎖、すなわち、好ましくはF1ドメインに、少なくとも1つの安定化変異を更に含む、2つ以上のS-S結合によって連結された別個のF1ドメイン及びF2ドメインからなる。例示的な二本鎖の融合前Fタンパク質は、sF_A1_K-E294構築物(配列番号19)及びsF_B1_K-E294構築物(配列番号20)である。
【0038】
更に別の実施形態において、本発明は、融合後Fタンパク質組成物を提供する。特に、安定化された融合後Fタンパク質は、配列番号1~9の天然Fタンパク質のアミノ酸位置と比較して、103~111位のアミノ酸残基の欠失、リンカーKKRKRRによるR102の置き換え、及び置換G294Eを含む。融合後Fタンパク質構築物の例は、sF_A1_Mfur(配列番号21)及びsF_B1_Mfur(配列番号22)である。代替的に、融合後構築物は、sF_A2_Mfur及びsF_B2_Mfurである。
【0039】
更に別の実施形態によれば、融合前Fタンパク質は、配列番号11~22の配列からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むか又はそれからなってもよく、パーセンテージ配列同一性は、Needleman-Wunschアルゴリズムを使用することにより親配列の全長にわたって決定される(Needleman&Wunsch.(1970)A general method applicable to the search for similarities in the amino acid sequence of two proteins.J Mol.Biol.48:443-453)。それ以外の場合、配列同一性パーセントは、マッチの数を、同定された配列に示される配列の長さ、又は明確に区切られた長さ(例えば、同定された配列に示されるある配列から100個の連続したヌクレオチド又はアミノ酸残基)で除した後、得られた値に100を乗じることによって決定される。好ましくは、配列同一性パーセンテージは、配列の全長にわたって決定される。例えば、1554個のアミノ酸を有する試験配列と整列させたときに1166個のマッチを有するペプチド配列は、試験配列と75.0%同一である(1166÷1554×100=75.0)。配列同一性のパーセンテージ値は、小数第1位まで四捨五入される。例えば、75.11、75.12、75.13、及び75.14は、75.1に切り捨てられ、75.15、75.16、75.17、75.18、及び75.19は、75.2に切り上げられる。タンパク質の相同体及びバリアントは、典型的には、参照配列の少なくとも50、100、150、250、500個のアミノ酸残基にわたって、参照配列の全長にわたって、又は参照アミノ酸配列との全長アラインメントにわたってカウントされる、少なくとも約75%の配列同一性を有することを特徴とする。重要なことに、そのような相同タンパク質又はタンパク質バリアントは、任意の配列番号11~22の配列を有する親Fタンパク質の免疫原性及び防御効果に匹敵する免疫原性及び防御効果を有し、同等の免疫原性は、ELISA(IC50値)及び/又は中和アッセイ(PRNT50値)で測定することができ、読み出しは、+/-50%マージン、好ましくは+/-40%、より好ましくは+/-30%、20%又は10%マージン内である。
【0040】
更なる実施形態において、本発明の融合前Fタンパク質は、膜貫通ドメイン及び細胞質尾部を有しない。それにもかかわらず、ホモ又はヘテロ三量体として産生することができる。三量体化は、天然Fプロトマーの残基480~495に及ぶ配列に起因して生じ得るが、三量体化は、この領域に改変を導入することによって促進され得る。1つの改変は、共有結合環の形態で3つのプロトマーにわたる3つのジスルフィド結合の導入を可能にするシステインの近傍残基I480及びL481の置換を含む。別の改変は、いわゆるフォールドンドメインと呼ばれる三量体化ヘルパーの挿入である。三量体化ヘルパーの添加は、安定で可溶性のタンパク質三量体の形成を支持する。フォールドンドメイン内のシステイン環の利用可能性は、3つのプロトマー間に共有結合を作製するジスルフィド結合を形成することを可能にする。一実施形態において、フォールドンドメインは、T4バクテリオファージのフィブリチンに由来する配列番号23の配列、又はhMPV非特異的エピトープを隠すのを助ける、1つ以上のN-グリコシル化部位(モチーフNxT/S、ここで「x」はプロリンを除く任意のアミノ酸残基)を含む改変配列を有する。そのような改変されたフォールドン配列の例は、配列番号24~28のものである。代替的に、フォールドンドメインのバリアントは、GCN4ロイシンジッパー由来の構造要素(Harbury et al.1993.Science 262:1401)又は自己組織化ナノ粒子のモノマー、例えば、フェリチン又はルマシン(lumacine)シンターゼを含み得る。更に、リンカーを、例えば、A496残基の置き換えによって導入される切断部位と組み合わせて使用してもよい。短いリンカーの非限定的な例は、GG、SG、GS、GGG、GGA、GGS、SGG、SSG、SGS、SGA、GGA、SSA及びSGGSである。
【0041】
更に別の実施形態において、フォールドンドメインは、Fタンパク質のC末端に結合され、膜貫通ドメイン及び細胞質ドメインを置き換える。この場合、フォールドンドメインのN末端のグリシン残基は、F1ドメインのC末端に、直接、又は少なくとも1つのプロテアーゼ部位を含み得るペプチドリンカーを介して結合される。例えば、フォールドンドメインは、「VSL」(配列番号29)又は「VSA」(配列番号30)リンカーを介して結合することができる。そのようなリンカーは、トロンビン切断部位、TEV(タバコエッチウイルスプロテアーゼ)又は第Xa因子切断部位等のプロテアーゼ切断部位と組み合わせて使用されてもよい。そのようなフォールドンは、配列番号42~47の配列を有し得る。
【0042】
いくつかの実施形態において、組換えタンパク質の精製をより容易にするために、一本鎖ポリペプチドは、先行技術で既知の任意の精製タグ配列を含み得る。精製を補助するポリペプチドの例として、限定されないが、Hisタグ、mycタグ、Sペプチドタグ、MBPタグ、GSTタグ、FLAGタグ、チオレドキシンタグ、GFPタグ、BCCP、カルモジュリンタグ、ストレプトアビジンタグ、HSV-エピトープタグ、V5-エピトープタグ、及びCBPタグが挙げられる。好ましくは、本発明のFタンパク質は、His及び/又はストレプトアビジンタグを含む。
【0043】
更に別の実施形態において、本発明は、本明細書に開示される配列番号11~22の組換えhMPV Fタンパク質をコードする単離された核酸分子を提供する。ある特定の実施形態において、本発明のタンパク質をコードする核酸は、配列番号31~40の配列を含むか又はそれからなる。別の実施形態では、hMPV Fタンパク質をコードする核酸は、置換、欠失、又は挿入等の1つ以上の改変を含み得る。いくつかの実施形態において、本出願は、配列番号11~22のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有するタンパク質をコードする核酸分子も包含する。好ましくは、核酸配列は、配列番号31~40のポリヌクレオチド配列に対して、約80~100%(又はその間の任意の値)の配列同一性を示す。配列同一性は、当業者に周知の配列アラインメントプログラム及びパラメータによって判定することができる。そのようなツールとしては、局所アラインメント用BLASTスイートが挙げられる(Altschul S.F.,et al.1997.「Gapped BLAST and PSI-BLAST:a new generation of protein database search programs」,Nucleic Acids Res.25:3389-3402)。一般的なグローバルアラインメントは、Needleman-Wunschアルゴリズムを使用することにより行うことができる(Needleman&Wunsch.1970.A general method applicable to the search for similarities in the amino acid sequence of two protein.J Mol.Biol.48:443-453)。
【0044】
更なる実施形態において、本明細書に記載される核酸は、タンパク質三量体の形成を強化するために使用され得るセグメント(いわゆるフォールドンドメイン)又は発現したタンパク質の精製を強化するために使用され得るセグメント(精製タグ)をコードする追加のヌクレオチド配列を含み得る。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される核酸はコドン最適化配列を有し得る。「コドン最適化」として知られる手順は、例えば、米国特許第5,547,871号に記載されている。遺伝暗号の縮重は、Fタンパク質のヌクレオチド配列の変形を可能にする一方で、天然ポリヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドと同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを依然として産生する。
【0045】
更に一実施形態によれば、本明細書に開示される融合前及び融合後Fタンパク質は、異種宿主細胞において産生される組換えタンパク質である。組換えタンパク質の産生は、原核細胞又は真核細胞の培養におけるタンパク質コード配列の一過性及び/又は安定な発現を含むがこれらに限定されない、任意の好適な方法によって達成され得る。タンパク質をコードする(ポリヌクレオチド)構築物は、標準的な組換え技術を使用して便利に調製される(例えば、Sambrook et al.(上記)を参照されたい)。本明細書に開示されるタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列は、組換えタンパク質が発現される宿主細胞に導入される1つ以上のベクターに含まれ得る。本発明のタンパク質をコードする配列を発現するために使用することができるベクターの非限定的な例としては、ウイルス系ベクター(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、アルファウイルス、バキュロウイルス又はワクシニアウイルス)、プラスミドベクター、酵母ベクター、昆虫ベクター、哺乳動物ベクター又は人工ベクターが挙げられる。多くの好適な発現系が市販されている。発現ベクターは、典型的には、好適な宿主細胞においてコード配列の発現を可能にするコード配列及び発現制御エレメントを含む。本発明は、単離されたポリペプチドの発現及び提供を支援するように設計された発現系を提供する。本出願はまた、組換えhMPVタンパク質の発現のための宿主細胞を提供する。一実施形態において、宿主細胞は、原核生物、例えば、E.coliであってもよい。別の実施形態において、宿主細胞は、例えば、限定されないが、EB66(登録商標)(Valneva SE)、Vero、MDCK、BHK、MRC-5、WI-38、HT1080、CHO、COS-7、HEK293、Jurkat、CEM、CEMX174、及び骨髄腫細胞(例えば、SB20細胞)からなる群から選択される真核細胞であってもよい(これらの細胞株の多くはATCCから入手可能である)。本発明の融合前Fタンパク質の産生に特に好ましい細胞株は、CHO細胞株である。1つ以上の上記のタンパク質を発現する細胞株は、該タンパク質をコードする1つ以上の発現ベクターを構成的プロモーター又は誘導性プロモーターに安定的に組み込むことによって容易に生成することができる。適切な成長条件及び培地の選択は、当該技術分野の技術の範囲内である。
【0046】
本明細書に開示される組換えタンパク質又はそれらのタンパク質をコードする単離された核酸(DNA又はRNA)分子を産生するための方法が、本開示に組み込まれる。具体的には、組換えタンパク質を精製するための方法が含まれる。細胞培養培地手順からの好適な精製の非限定的な例としては、遠心分離及び/又は密度勾配遠心分離(例えば、スクロース勾配)、濾過、ペレット化、並びに/あるいはイオン交換、アフィニティー、サイズ排除及び/若しくは疎水性相互作用化学、接線濾過等を含む、カラムクロマトグラフィー又はバッチクロマトグラフィーが挙げられる。そのような方法は、当業者に既知であり、例えば、Protein Purification Applications:A Practical Approach(E.L.V.Harris and S.Angal.,Eds.,1990)に記載される。
【0047】
更なる実施形態において、本発明のFタンパク質は、2つの遺伝子型A及びBのいずれか1つ、又はサブグループA1、A2、B1若しくはB2に属するhMPV株又は臨床分離株のいずれかに由来し得る。
【0048】
更なる実施形態において、本発明は、1つのFタンパク質を含む組成物、特に、融合前コンフォメーションで存在するFタンパク質を含む組成物を提供する。一般に、Fタンパク質は、任意のhMPV株又は臨床分離株に由来し得る。一実施形態において、本発明の組成物は、遺伝子型A又はB、すなわち、サブグループA1及びA2a、A2b(代替的に、B1及びB2)に由来するFタンパク質を含む。別の好ましい実施形態において、本発明の組成物は、サブグループA1に由来するFタンパク質を含む(表2も参照されたい)。
【0049】
更なる実施形態において、本発明は、少なくとも2つのFタンパク質、特に、融合前コンフォメーションで存在するFタンパク質を含む組成物の組み合わせを含む組成物を提供する。一般に、Fタンパク質は、任意のhMPV株又は臨床分離株に由来し得る。一実施形態において、本発明の組成物は、同じ遺伝子型A又はB、異なるサブグループ、特にサブグループA1及びA2a、A2b(代替的に、B1及びB2)に由来するFタンパク質を含む。別の実施形態において、本発明の組成物は、異なる遺伝子型A及びB、例えば、サブグループA1(又はA2a、A2b)及びB1(又はB2)に由来するFタンパク質を含む。好ましくは、サブグループA1のFタンパク質と、B1又はB2のFタンパク質との組み合わせである。
【0050】
1つの特定の実施形態において、組み合わせは、遺伝子型A、特にサブグループA1又はサブグループA2a、A2b、代替的にサブグループA1及びA2の両方に由来する融合前Fタンパク質を含む。別の実施形態において、組み合わせは、遺伝子型B、特にサブグループB1又はサブグループB2、代替的にサブグループB1及びB2の両方に由来する融合前Fタンパク質を含む。更に別の実施形態において、組み合わせは、異なる遺伝子型A及びBに由来する融合前Fタンパク質を含む。具体的には、融合前Fタンパク質は、サブグループA1(又はA2a、A2b)に由来し、融合前Fタンパク質は、サブグループB1(又はB2)に由来する。代替的に、融合前Fタンパク質は、サブグループB1(又はB2)に由来し、融合前Fタンパク質は、サブグループA1(又はA2a、A2b)に由来する。より具体的には、融合前Fタンパク質の組み合わせを含む、本発明の一部である組成物を表2に挙げる。
【表2】
【0051】
更なる実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、1つより多くのhMPV株、特に1つの遺伝子型の異なる遺伝子型又は異なるサブグループに属する株に対する防御を提供することができる。例えば、免疫原性組成物は、A1及び/又はA2a、A2bサブグループ、代替的に、B1及び/又はB2サブグループ、又はA及びBの両方の遺伝子型に対する防御を提供することができる。特に、遺伝子型Aと遺伝子型Bとの間の交差防御が望ましい。
【0052】
更なる実施形態において、本発明は、融合前コンフォメーション形態で利用可能な2つの組換えFタンパク質の組み合わせを含む医薬組成物を提供する。典型的には、医薬組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は賦形剤を更に含む。薬学的に許容される担体は、臨床投与のためのhMPV Fタンパク質を製剤化するために使用される。Remington’s Pharmaceutical Sciences,by E.W.Martin,Mack Publishing Co.,Easton,PA,19th Edition,1995は、免疫原の薬学的送達に好適な組成物及び製剤を記載している。一般に、担体の性質は、用いられる特定の投与様式に依存する。例えば、非経口製剤は、通常、注射可能で生理学的に許容される流体、例えば、水、生理食塩水、バランスのとれた塩溶液、デキストロース水溶液、グリセロール等をビヒクルとして含む。固体組成物(例えば、散剤、丸剤、錠剤、又はカプセル剤の形態)の場合、従来の非毒性固体担体は、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、又はステアリン酸マグネシウムを含むことができる。生物学的に中性の担体に加えて、医薬組成物は、湿潤剤又は乳化剤、防腐剤、及びpH緩衝剤等の少量の非毒性補助物質、例えば、酢酸ナトリウム又はソルビタンモノラウレートを含有し得る。特定の実施形態において、対象への投与に好適な担体は、滅菌されており、かつ/又は、所望の抗hMPV免疫応答を誘導するのに適した組成物の1回以上の測定用量を含有する単位剤形に懸濁されるか若しくはさもなければ含まれる。単位剤形は、例えば、注射用の密封されたバイアル又はシリンジ中に存在するか、又は後続の可溶化及び投与のために凍結乾燥されるか、又は固体若しくは制御放出剤形であり得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、免疫原性組成物(又はワクチン)は、アジュバントを更に含み得る。アジュバントとは、おそらくは抗原提示細胞の活性化を介して、抗原特異的免疫応答を特異的又は非特異的に増強するために使用される任意の物質を意味する。アジュバントの非限定的な例としては、水酸化アルミニウム又はリン酸アルミニウム等のアルミニウム塩(しばしば「ミョウバン」と称される)(WO2013/083726に記載)、油エマルジョン(完全又は不完全なフロイントアジュバント等)、ISA51等のSeppic社製Montanide不完全アジュバント、MF59(登録商標)(Seqirus)等のスクアレンベースの水中油型エマルジョンアジュバント(Ott G.et al.1995.Pharm Biotechnol 6:277-96)、AddaVax(商標)(InvivoGen)、モノホスホリル脂質A(MPL)(Cluff CW.2010.Adv Exp Med Biol 667:111-23)、グルコピラノシル脂質アジュバント(GLA)(Coler RN et al.Development and characterization of synthetic glucopyranosyl lipid adjuvant system as a vaccine adjuvant.PLoS One.2011, 6(1):e16333)、3M-052等のToll様受容体7/8アゴニスト(Zhao BG,et al.Combination therapy targeting toll like receptors 7,8 and 9 eliminates large established tumors.J Immunother Cancer.2014 May 13;2:12に記載)、ポリアルギニン(polyR)等のポリカチオン性ペプチド又は少なくとも2つのLysLeuLysモチーフ、特にKLKLLLLLKLKを含むペプチド(WO02/32451に記載)、非メチル化シトシン-グアニンジヌクレオチドを含む免疫刺激性オリゴデオキシヌクレオチド(CpG ODN)、例えば、CpG 1018(Dynavax)(例えば、WO96/02555に記載)、又はポリIC等のイノシン及びシチジンに基づくODN(I-ODN)(例えば、WO01/93903に記載)、又はデオキシ-イノシン及び/又はデオキシウリジン残基を含むデオキシ核酸(WO02/95027に記載)、特にオリゴ(dIdC)13系アジュバントIC31(登録商標)(Valneva SE)(WO2004/084938及びOlafsdottir et al.2009.Scand J Immunol.69(3):194-202に記載)、神経活性化合物、特にヒト成長ホルモン(WO01/24822に記載)、ケモカイン(例えば、ディフェンシン1若しくは2、RANTES、MIP1-α、MIP-2、インターロイキン-8、又はサイトカイン(例えば、インターロイキン-1β、-2、-6、-10若しくは12;インターフェロン-γ;腫瘍壊死因子-α;又は顆粒球-単球-コロニー刺激因子)、ムラミルジペプチド(MDP)バリアント、細菌毒素の非毒性バリアント、QS-21(Antigenics Inc.)、Quill A、Sarkar et al.(2019)に記載されるMTP-PE及び他、並びにAF03、AS01、AS03及びAS04等のアジュバントシステム(Giudice et al.2018.Seminars in Immunology 39:14-21)が挙げられる。通常、適切なアジュバントの選択は、特定のワクチンに望ましいB細胞又はT細胞免疫応答の種類に依存する(Sarkar et al.(2019)Selection of adjuvants for vaccines targeting specific pathogens.Expert Rev Vaccines 18(5):505-521)。一般に、TLR3、TLR4、TLR7、TLR8、及びTLR9受容体を介して免疫学的シグナルを伝達するアジュバントは、Th1バイアス免疫を促進し、TLR2/TLR1、TLR2/TLR6、及びTLR5を介したシグナル伝達は、Th2バイアス免疫を促進する。例えば、CpG ODN、ポリIC及びMPLのようなアジュバントは、Th1応答を主に誘導し、ミョウバンは、Th2応答の強力な誘導剤であり、一方、MF59(登録商標)、AddaVax(商標)、及びIC31(登録商標)は、Th1及びTh2の混合応答を誘導する。本発明のワクチンにおいて有用な好ましいアジュバントは、限定されないが、CpG1018(Dynavax)、ポリIC、IC31(登録商標)(Valneva)、MF59(登録商標)(Seqirus)、AddaVax(商標)、AS03(GSK)、AS01(GSK)若しくはQS21(Pfizer)、又はそれらの組み合わせ等のミョウバン、CpG ODNから選択され得る。本発明で特に有用なアルミニウムアジュバントは、水性免疫原性組成物の重量に基づいて、350ppb未満の重金属(Cu、Ni、W、Co、Os、Ru、Cd、Ag、Fe、V、Cr、Pb、Rb及びMo等)、特に1.25ppb未満の銅(特に、Cu又はCu2+)を含む水性免疫原性組成物を提供するアルミニウム塩である。いくつかの実施形態において、アルミニウムアジュバント、特に1.25ppbを超えるクーパー(cooper)又は350ppbを超える重金属を含むアルミニウムアジュバントは、十分な量で、特に免疫原性組成物中に少なくとも10mmol/lの濃度で存在するL-メチオニン等のラジカルクエンチング化合物と組み合わせて使用されてもよい。いくつかの実施形態において、アルミニウムアジュバントを含む免疫原性組成物は、酸化還元活性化合物、ラジカル構築化合物、安定化化合物、及びそれらのいずれかの組み合わせからなる群から選択される反応性化合物を更に含んでもよく、特に、反応性化合物は、ホルムアルデヒド、エタノール、クロロホルム、トリクロロエチレン、アセトン、トリトンX-100、トリトンX-114、デオキシコール酸塩、ジエチルピロカーボネート、亜硫酸塩、Na、ベータプロピオラクトン、ポリソルベート、例えば、Tween 20(登録商標)、Tween 80(登録商標)、O、フェノール、プルロニツク型コポリマー、及びそれらのいずれかの組み合わせからなる群から選択される。アジュバントは、1つの免疫原性組成物中に抗原とともに製剤化されてもよいか、又は抗原と同じ経路又は異なる経路のいずれかによって別々に投与されてもよい。
【0054】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物(又はワクチン)は、1つ以上の追加の抗原、好ましくはhMPVに由来するウイルスタンパク質、例えば別のFタンパク質又は異なるhMPVタンパク質を含み得る。おそらく、追加のhMPVタンパク質をFタンパク質ベースのワクチンに含めることで、改善された(よりバランスのとれた、かつ堅牢な)免疫応答をもたらすことができる。異なるhMPVタンパク質の中でも、Mタンパク質は、体液性及び細胞性免疫応答(特にTh1/Th2バランス)を調節することができ、それによって、Mタンパク質がFタンパク質と組み合わされたときにマウスにアジュバント効果をもたらすことができるものとして記載されている(Aerts et al.2015.Adjuvant effect of the human metapneumovirus (HMPV) matrix protein in HMPV subunit vaccines.J Gen Virol.96(Pt4):767-774)。したがって、一実施形態において、本明細書に記載される免疫原性組成物は、ワクチンによって付与される防御を高めるための組換えhMPV Mタンパク質を含む。組換えMタンパク質は、配列番号41のアミノ酸配列若しくはその断片、又は親Mタンパク質に対して少なくとも80%の配列同一性を有するそのバリアントを含み得る。好ましくは、本発明の組換えMタンパク質は、配列番号41のアミノ酸配列からなる。
【0055】
追加のhMPVタンパク質は、表面糖タンパク質G又は小さな疎水性タンパク質SHであり得る。G及びSHタンパク質に対して誘導された抗体は、動物モデルにおいてhMPV感染から防御しないという事実にもかかわらず(Skidopoulus et al.(2006)Individual contributions of the human metapneumovirus F,G,and SH surface glycoproteins to the induction of neutralizing antibodies and protective immunity.Virology 345:492-501、Ryder et al.,(2010)Soluble recombinant human metapneumovirus G protein is immunogenic but not protective.Vaccine 28(25):4145-4152)、これらの抗原がヒトにおける防御に寄与することができることが示唆され得る。更に、これらのタンパク質の遺伝子型Aと遺伝子型Bとの間の高度な遺伝的多様性は免疫学的予防のために重要となり得るため、両方の遺伝子型がワクチンに示される必要がある。
【0056】
いくつかの実施形態において、追加の抗原は、RSV(呼吸器合胞体ウイルス)、PIV3(パラインフルエンザウイルス3型)、インフルエンザウイルス又はコロナウイルス(SARS-CoV、SARS-CoV-2、MERS等)等の呼吸器感染を引き起こす別のウイルスに由来し得る。例えば、追加の抗原は、RSV Fタンパク質、PIV3Fタンパク質、インフルエンザヘマグルチニン又はコロナウイルスSタンパク質であり得る。そのような免疫原性組成物(ワクチン)は、1つより多くのウイルスに対して防御的であり、呼吸器感染に対する組み合わせワクチンを意味する。
【0057】
更なる実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも2つの免疫原性hMPV Fタンパク質、特に、融合前コンフォメーションで利用可能な2つのFタンパク質の組み合わせを含む免疫原性組成物又はワクチンである。典型的には、免疫原性組成物又はワクチンは、免疫原性タンパク質に対する抗原特異的免疫応答を誘発することができる。免疫応答は、体液性、細胞性、又はその両方であり得る。体液性応答は、免疫原性組成物への曝露時に、哺乳動物宿主によるFタンパク質特異的抗体の産生をもたらす。Fタンパク質特異的抗体は、活性化B細胞によって産生される。中和抗体の産生は、特異的CD4+T細胞の活性化に依存する。加えて、hMPV感染に対する防御は、CD4+T細胞と相乗的に協働するCD8T細胞(CTL応答)を使用し得るという証拠がある(Kolli et al.(2008)T Lymphocytes Contribute to Antiviral Immunity and Pathogenesis in Experimental Human Metapneumovirus Infection.JOURNAL OF VIROLOGY,Sept.2008,p.8560-8569)。したがって、本発明の免疫原性組成物又はワクチンは、対象に投与されたときに、hMPV Fタンパク質に対する測定可能なB細胞応答(抗体の産生等)及び/又はhMPVウイルスに対する測定可能なCTL応答を誘導する。
【0058】
本発明によれば、免疫原性組成物は、Fタンパク質の両方のコンフォメーション、すなわち融合前融合に対する抗体を誘発することができる。好ましくは、抗Fタンパク質抗体は、任意の(又は両方の)コンフォメーションで存在する天然F抗原を妨害し、ウイルスを不活性化することができる中和抗体である。最も好ましくは、免疫した対象において誘導される中和抗体応答は、hMPV感染と戦うのに十分である。中和抗体応答は、ELISA及び/又はPRNT及び/又はMNA方法又は当該技術分野で既知の任意の他の方法によって血清中で測定され得る。
【0059】
更に、融合前及び融合後コンフォメーションの2つのFタンパク質を含む組成物に対して産生された免疫応答(例えば、中和抗体価)は、本明細書に開示される組み合わせを含む組成物と同じ量で使用される単一の(融合前)Fタンパク質を含む組成物によって誘発される免疫応答(中和抗体価)よりも優れている。更に、1つの組成物中に2つの免疫原性Fタンパク質を組み合わせることによる相乗効果によって、免疫原性組成物(又はワクチン)を単一のFタンパク質組成物(又はワクチン)よりも強力にし、治療又は予防投与量を減少させることができる。
【0060】
一実施形態において、免疫原性組成物又はワクチンは、投与時の対象における対照と比較して、hMPV感染に関連する症状の重症度を軽減すること、及び/又はウイルス量を減少させることができる。別の実施形態において、免疫原性組成物又はワクチンは、hMPV感染を軽減又は予防することができる。好ましい実施形態において、本発明の免疫原性組成物又はワクチンは、免疫した哺乳動物対象をhMPV感染から防御することができる。
【0061】
更に、本発明の免疫原性組成物は、1つより多くのhMPV株、特に異なるhMPVサブグループ又は遺伝子型に対する防御を提供することができる。一実施形態において、免疫原性組成物は、遺伝子型Aのウイルスに対する防御を提供することができる。更に一実施形態において、免疫原性組成物は、遺伝子型Bのウイルスに対する防御を提供することができる。好ましい実施形態では、本明細書に記載の免疫原性組成物は、A及びBの両方の遺伝子型に対して防御的である。特定の実施形態において、免疫原性組成物は、A1及び/又はA2a/A2bサブグループに対して、代替的に、B1及び/又はB2サブグループに対して、又はA及びBの両方の遺伝子型に対する防御を提供することができる。好ましい実施形態において、遺伝子型Aと遺伝子型Bとの間の交差防御が実行可能である。
【0062】
更なる実施形態において、本発明は、本明細書に開示される免疫原性組成物又はワクチンと、異なるhMPVワクチン又は別の呼吸器ワクチン、例えば、抗RSV、PIV3、インフルエンザ又はコロナウイルス(例えば、SARS-CoV、SARS-CoV-2、MERS等)ワクチンとの組み合わせを含む。特に、組み合わせは、組換えhMPV融合前/融合後Fタンパク質と、別のサブユニットのhMPVワクチン、又は全ウイルス若しくはVLP粒子に基づくhMPVワクチンとを含むhMPVワクチンを含み得る。更に、組み合わせは、本明細書に開示される組換えhMPV Fタンパク質ワクチン及びRSVワクチン、又は組換えhMPV Fタンパク質ワクチン及びPIV3ワクチン、又は組換えhMPV Fタンパク質ワクチン及びインフルエンザワクチン、又は組換えhMPV Fタンパク質ワクチン及びコロナウイルス(特に、抗SARS-CoV-2)ワクチンを含み得る。好ましくは、組み合わせは、本明細書に開示される組換えhMPV Fタンパク質ワクチン及び組換えRSV Fタンパク質ワクチンを含む。一実施形態において、組み合わせは、同じ又は異なる経路によって同時に又は後に投与される別個のワクチン製剤の組み合わせとして理解される。別の実施形態において、2つのワクチンは、単一の製剤に組み合わせられる。
【0063】
別の実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物は、特に哺乳動物対象における治療及び/又は予防のために、特にhMPV感染と関連付けられる又は関連する疾患との関連で、薬物又はワクチンとして使用され得る。したがって、本明細書に記載される免疫原性組成物(又はワクチン)は、治療有効量で対象に投与される。治療有効量は、障害又は疾患の症状及び/又は根底にある原因を予防、治療(予防を含む)、軽減及び/又は緩和するのに十分な、例えば、hMPV感染を予防、阻害及び/又は治療するのに十分な、開示される免疫原又は免疫原性組成物の量である。いくつかの実施形態において、治療有効量は、hMPV感染等の疾患の症状を軽減又は排除するのに十分である。例えば、これは、ウイルス複製を阻害若しくは防止するため、又はウイルス感染の表面的な症状を測定可能に変化させるために必要な量であり得る。一般に、この量は、ウイルスの複製又は感染性を測定可能に阻害するのに十分な量である。典型的には、所望の免疫応答は、hMPV感染を阻害、軽減、又は予防する。一実施形態において、方法が有効であるために、感染が完全に排除、軽減、又は予防される必要はない。例えば、治療有効量の薬剤の投与は、好適な対照と比較して、例えば、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は更には100%感染を低下させることができる(細胞の感染、又は感染した対象の数若しくは割合によって測定される)。別の実施形態では、検出可能なhMPV感染の完全な排除又は予防が望ましい。更なる標的適応は、hMPV感染によって引き起こされる軽度の呼吸器疾患、重度の呼吸器疾患、入院及び/又は死亡からなる群から選択される。
【0064】
本明細書に開示される医薬組成物(又はワクチン)は、当業者に既知の任意の手段及び経路によって投与され得る。いくつかの実施形態において、組成物(ワクチン)は、注射による非経口投与のために製剤化され得る。本明細書で使用される場合、「非経口」投与は、限定されないが、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、髄腔内、又は注入によるものを含む。いくつかの実施形態において、組成物は粘膜(鼻腔内又は経口)投与のために製剤化され得る。注射用製剤は、単位剤形、例えば、アンプル又は多用量容器において、添加される防腐剤とともに提示されてもよい。
【0065】
hMPVに対する防御免疫応答を得るためには、免疫原性組成物の複数回投与が必要であり得ることを理解されたい。したがって、治療有効量は、以前の又は後続の投与と組み合わせて、防御免疫応答を達成することに寄与する分画用量を包含する。例えば、治療有効量の薬剤は、治療過程(プライム・ブーストワクチン接種レジメン等)の間に、例えば毎日、単回用量で又は数回用量で投与することができる。しかしながら、治療有効量は、治療される対象、治療される状態の重症度及びタイプ、並びに投与様式に依存し得る。薬剤の単位剤形は、治療量で、又は治療量の倍数で、例えば、バイアル(例えば、貫通可能な蓋を有する)又は無菌成分を有するシリンジに包装することができる。
【0066】
本発明によれば、最適な所望の応答を提供するために、投与レジメンを調整する必要がある。一般に、予防的及び/又は治療的治療のための本明細書に開示される組成物の有効用量は、投与手段、標的部位、患者の生理学的状態、年齢、患者がヒトであるか非ヒトであるか、投与される他の薬物、治療が予防的であるか治療的であるか等を含む多くの異なる要因に応じて変化し得る。本発明によれば、単位用量中のFタンパク質の量は、約0.01μg~約100mgの広い範囲内のいずれかであり得、特に、本発明の組成物は、約1μg~約10mg、特に約10μg~約1mgの範囲の量で投与され得る。好ましくは、抗原製剤の投与量は、安全性及び有効性を最適化するために滴定される必要がある。
【0067】
更なる実施形態において、本発明は、治療有効量の免疫原性組成物を必要とする対象に投与することを含む、対象において抗hMPV免疫応答を生成するための方法を提供する。方法は、hMPV感染又は関連疾患から上記対象を防御するために、Fタンパク質特異的抗体を産生するためのB細胞、及びサイトカイン産生Tヘルパー細胞を刺激することを含む。ある場合には、そのような方法は、免疫原性組成物のプライム・ブースト投与を含み得る。他の場合、そのような方法は、本発明の免疫原性組成物のブースト投与を含み得る。ブースター効果は、哺乳動物宿主が後に同じ又は同様の免疫原性組成物に曝露されたときの、免疫原性組成物に対する免疫応答の増加を指す。例えば、プライミングは、遺伝子型AのFタンパク質を含む組成物の投与を含み、ブーストは、遺伝子型BのFタンパク質を含む組成物の投与を含み、逆もまた同様である。代替的に、プライム・ブースト免疫は、同じ組成物(相同ブースティング)、特に、遺伝子型A及びBの両方のFタンパク質を含む混合組成物を用いる。
【0068】
更なる実施形態において、本開示は、対象におけるhMPV感染を治療及び/又は予防するための方法であって、対象に治療有効量の免疫原性組成物を投与して中和抗体を生成し、1つの遺伝子型A又はBのhMPVに対する、好ましくは両方の遺伝子型A及びBのhMPVに対する防御を提供することを含む、方法を提供する。
【0069】
更なる実施形態では、本開示は、本発明で用いられるワクチンを含む医薬(免疫原性)組成物を生成するための方法を提供する。方法は、i)宿主細胞内の発現ベクターに挿入された対応する核酸分子から組換え融合前又は融合後Fタンパク質を発現させること、ii)組換えFタンパク質を精製すること、及びiii)精製された組換えタンパク質を、薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤、任意選択的にアジュバントと組み合わせることを含む。
【0070】
ワクチンを含む、本発明の薬学的(免疫原性)組成物は、周知の方法及び当技術分野で日常的に実施される方法に従って生成することができる(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Mack Publishing Co.20th ed.2000、及び米国疾病管理予防センターからのワクチンの原料に関するファクトシート、例えば、アジュバント、エンハンサー、防腐剤、及び安定剤を参照されたい)。本明細書に開示される組成物は、好ましくは、GMP条件下で製造される。ワクチンを含む、本発明の組成物は、当業者に既知の従来の方法によって薬学的に許容される剤形に製剤化される。
【0071】
本発明は、その適用において、以下の説明に示される、又は図面に示される構成の詳細及び構成要素の配置に限定されない。本発明は、他の実施形態であることが可能であり、様々な方法で実施又は実行されることが可能である。また、本明細書で使用される表現及び専門用語は、説明を目的とし、限定するものとみなされるべきではない。本明細書における「含む(including)」、「含む(comprising)」、又は「有する(having)」、「含有する(containing)」、「関与する(involving)」、及びそれらの変形例の使用は、その後に列挙される項目及びその等価物、並びに追加の項目を包含することを意味する。
【0072】
本開示の方法及び技術は、別段の指示がない限り、概して、当該技術分野で周知の従来の方法に従って、また本明細書全体を通して引用及び議論される様々な一般的及びより具体的な参考文献に記載されるように行われる。本明細書に記載されるものと同様又は同等の任意の方法及び材料を本発明の実施に使用することができるが、好ましい方法及び材料を本明細書に記載する。
【0073】
本発明は、以下の実施例、図、表、及び配列表によって更に示され、それらから更なる特徴、実施形態、及び利点が理解され得るが、それは決して更なる限定として解釈されるべきではない。
【実施例
【0074】
実施例1:組換え融合前及び融合後Fタンパク質の産生

天然hMPV Fタンパク質は、配列番号1~10の配列、又はその断片若しくはバリアントによって表される任意のhMPV株及び任意の血清型から選択することができる。特定の実施形態において、hMPV Fタンパク質は、配列番号1で表される株NL/1/00、遺伝子型A、サブグループA1、配列番号2で表される株TN/94-49、遺伝子型A、サブグループA2a、配列番号4で表される株NCL174、遺伝子型A、サブグループA2b、配列番号9で表される株C1-334、遺伝子型B、サブグループB1、又は配列番号49で表される株CAN97/82、遺伝子型B、サブグループB1、及び配列番号10で表される株TN/98-515、遺伝子型B、サブグループB2に由来する。
【0075】
発現ベクター
クローニングに使用したプラスミドpVVS 1371は、以下を含有する:
-ニワトリβ-グロビン遺伝子座からのHS4インスレーター配列、
-2つのCMVプロモーター、
-ヒトβ-グロビン遺伝子の第1イントロンからの5’ドナー部位、並びに免疫グロブリン遺伝子重鎖可変領域のイントロンからの分岐点及び3’アクセプター部位から構成される、CMVプロモーターの下流の2つのキメライントロン。ドナー部位及びアクセプター部位の配列を、分岐点部位とともに、スプライシングのためのコンセンサス配列と一致するように適合させた。イントロンは、cDNA配列内の可能性のある隠れた5’ドナースプライス部位の使用を阻止するために、cDNA挿入断片の上流に位置する。
-ウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナル配列(bGH A)、
-SV40エンハンサー及び初期プロモーター領域の調節下にあるTn5由来のネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子、
-単純ヘルペスウイルスのチミジンキナーゼ遺伝子のHSV TKポリアデニル化シグナルは、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子の下流に位置する、
-細菌プロモーターの制御下にあるカナマイシン耐性遺伝子、並びに
-複製のpUC起点。
【0076】
野生型Fタンパク質のコード配列を、hMPV株NL/1/00、サブグループA1から単離し、CHO細胞における発現のためにコドン最適化した。CHO細胞における一過性又は安定なタンパク質発現のために、野生型及び改変Fタンパク質のコード配列をpVVS1371プラスミドにクローニングした。
【0077】
簡潔に述べると、制限部位SalI及びPacIを使用して、pVVS1371ベクターのキメライントロンとポリアデニル化部位bGHとの間にコード配列をクローニングした。ベクター及び合成したコード配列(合成はGeneArtによって行われた)を、SalI及びPacIで消化した後、アガロースゲル上で精製した。断片をT4 DNAリガーゼでライゲーションし、ライゲーション産物を使用してMAX Efficiency DH5αコンピテント細胞を形質転換した。選択したクローンを、配列解析によって設計した変異について調べた。
【0078】
CHO細胞における発現
タンパク質発現は、MaxCyte(登録商標)STX Scalable Transfection Systemデバイスを使用し、供給業者の実験的推奨に従い、CHO細胞の一過性トランスフェクションに基づいていた。簡潔に述べると、エレクトロポレーションの前に、CHO細胞をペレット化し、MaxCyte(登録商標)エレクトロポレーション緩衝液に懸濁し、対応する発現プラスミドDNAと混合した。細胞-DNA混合物をカセット処理アセンブリに移し、MaxCyte(登録商標)STX Scalable Transfection Systemにロードした。デバイスにプレロードされた「CHO」プロトコルを使用して細胞をエレクトロポレーションし、直ちに培養フラスコに移し、8%のCOとともに37℃で30~40分間インキュベートした。回復期間後、細胞をEX-CELL ACF CHO培地(Sigma-Aldrich)に高密度で再懸濁した。エレクトロポレーション後の細胞培養は、8%CO及び軌道振盪を用いて37℃で行った。
【0079】
産生動態は、培養温度を32℃に低下させること、及びCHO細胞における一過性タンパク質発現のために開発された流加バッチ培地(CHO CD EfficientFeed(商標)A(ThermoFischer Scientific)、酵母酢酸塩、グルコース及びglutaMaxを補充)を毎日トランスフェクト細胞に供給することからなる。約7~14日間の培養後、細胞生存率を確認し、最大速度で10分間の2回の遠心分離に対応する細胞浄化後に馴化培地を回収した。浄化した生成物を0.22μmの滅菌膜を通して濾過し、タンパク質精製まで-80℃で保存した。
【0080】
細胞内免疫染色によるタンパク質の検出
トランスフェクション後7日目に、細胞をPBS中で1回洗浄し、室温の4%パラホルムアルデヒド中で10分間固定した。固定した細胞を室温で15分間、BD Perm洗浄液中で透過処理し、BD Perm洗浄液に希釈した一次抗体とともに4℃で1時間インキュベートした。最後に、蛍光マーカーに結合した二次抗体を4℃で1時間添加し、フローサイトメトリー(MacsQuant Analyzer、Miltenyi Biotec)による分析まで4℃のPBS中に保存した。一次抗体として、hMPV Fタンパク質の融合前コンフォメーションを特異的に認識するMPE8 N113S抗体(PRO-2015-026-01)、又は融合前及び融合後の両方のhMPV Fタンパク質を認識するDS7 IgG1抗体(PRO-2016-003)が使用された。蛍光FITC標識二次抗体は、ヤギ抗マウスIgG+IgM(JIR 115-096-068)であった。
【0081】
タンパク質の精製
凍結した上清を室温にし、標準グレードの再生セルロース透析膜Spectra/Por(登録商標)1-7CR(MWCO:3.5kDa)(Spectrum)を用いてPBSに対して透析した。続いて、50mM NaHPO緩衝液(pH8.0)、300mM NaClで平衡化し、固定化金属イオンアフィニティークロマトグラフィー(IMAC)、続いてゲル濾過クロマトグラフィーを使用してタンパク質の精製を行った。
【0082】
IMACのために、Ni2+(His GraviTrap)を含有するアガロース樹脂が製造業者(GE Healthcare)によってクロマトグラフィーカラムに充填された。樹脂を2体積の脱イオン水で洗浄し、製造業者によって支持されるように、3体積の平衡化及び洗浄緩衝液(0.5M塩化ナトリウム及び20mMイミダゾールを含む20mMリン酸ナトリウム、pH7.4)で平衡化した。試料をロードした後、カラムを10mLの洗浄緩衝液で洗浄した。Hisタグ付きタンパク質を、製造業者によって示されるように、3~10カラム体積の溶出緩衝液(0.5M塩化ナトリウム及び500mMイミダゾールを含む50mMリン酸ナトリウム、pH8.0)を使用してカラムから溶出した。次いで、溶出液を0.22μmフィルターで濾過し、Slide-A-Lyzer(商標)カセットで保存緩衝液(50mM NaHPO、300mM NaCl、5mM EDTA、pH8.0)に対して2回透析した後、アリコートに分けて、-20℃で保存した。組換えタンパク質の純度、サイズ及び凝集の解析を、サイズ排除クロマトグラフィー(SE-HPLC)によって行い、SDS-PAGE SE-HPLC(Shimadzu)をSUPERDEX200(GE Healthcare)カラム上で実行した。
【0083】
実施例2:組換えhMPV Fタンパク質のコンフォメーション
サンドイッチELISAによるコンフォメーションプロファイルの決定
中ビンジング(binging)プレート(Greiner)を200ng/ウェルのヒトIgG1 DS7捕捉抗体(Williams et al.,2007)でコーティングし、4℃で一晩インキュベートした。水で3回洗浄した後、攪拌下でPBS、0.05%Tween 20及び5%脱脂粉乳(飽和緩衝液)を用いて、37℃で2時間プレートを飽和させた。液体をウェルから除去し、水で3回洗浄した後、プレートを、飽和緩衝液に希釈した精製された目的のタンパク質(2.5ng/ウェル)とともに37℃で1時間インキュベートした。洗浄後、融合前hMPV Fタンパク質に対するマウス抗体MPE8 N113S(Corti et al.,2013)又は融合後hMPV Fタンパク質に対するマウス抗体MF1(Melero、私信)の飽和緩衝液中の5倍段階希釈液を37℃で1時間インキュベートした。次いで、ペルオキシダーゼHRPヤギ抗マウスIgG(Covalab、実験番号0252)で標識した二次α-Ig種特異的抗体、続いて50μLのペルオキシダーゼ基質(TMB、Sigma)を用いて、37℃で1時間インキュベートすることによって免疫複合体を検出した。3N HSOを添加することにより比色反応を停止し、分光光度計(MultiSkan)を用いて490nmで各ウェルの吸光度を測定した。
【0084】
実施例3:免疫原性試験
マウスにおける免疫原性
5~10匹のBALB/cマウスの群を、アジュバントを用いて又は用いずに、2週間又は3週間の間隔(例えば、0日目、14日目、21日目、及び28日目又は42日目)で、マウス1匹当たり0.02~6.0μgの量の、単独で又は異なる組み合わせで使用される組換え融合前及び融合後Fタンパク質で皮下免疫した。最後の免疫の1~4週間後、後眼窩採血により血液を採取し、血清を調製した。免疫応答の評価は、以下に記載するように間接ELISAによって行った。
【0085】
サブクラスIgG ELISA
組換えFタンパク質を炭酸塩/重炭酸塩緩衝液(pH9.6)に希釈し、ウェル当たり50ngのタンパク質を96ウェルの高結合プレートに添加した(50μL/ウェル、Greiner)。プレートを4℃で一晩インキュベートした。150μLのPBS、0.05%Tween 20及び5%乾燥脱脂乳(飽和緩衝液)を用いて、室温で30分間ウェルを飽和させた。液体をウェルから除去し、プレートを、飽和緩衝液中の異なる希釈率(5倍段階希釈)の免疫マウスの血清(50μL/ウェル)とともに室温で1時間インキュベートした。PBS、0.05%Tween 20で3回洗浄した後、ペルオキシダーゼで標識した50μlの二次抗IgG又はIgG2aマウス特異的抗体、続いて50μLのペルオキシダーゼ基質(TMB、Sigma)を用いて室温で1時間インキュベートすることによって免疫複合体を検出した。オルトリン酸を添加することにより比色反応を停止し、分光光度計(MultiSkan)を用いて490nmで各ウェルの吸光度を測定した。読み出しとして、特定の抗体価を評価するためにIC50値を算出した。
【0086】
実施例4:中和抗体の誘導
中和アッセイ
簡潔に述べると、マイクロ中和アッセイ(MNA)を使用して、対照血清/抗体と比較してhMPVウイルスプラークの数を50%減少させるために必要な免疫対象の血清/抗体力価を決定した(MNA50)。hMPVに感染させることができる細胞の単層を使用することによりMNA50を実施した。対象からの血清を希釈し、生hMPVウイルスとともにインキュベートした。ウイルス感染は、HRP標識抗Fタンパク質特異的モノクローナル抗体を使用して決定した。PRNT50/MNA50における血清の1:10希釈の中和抗体の閾値は、防御の証拠として一般に受け入れられた(Hombach et .al.2005.Vaccine 23:5205-5211)。中和抗体は、防御免疫が確立されたことを示す最良の証拠を提供し、中和の生物学的アッセイは、防御との相関を示す(Hombach et al.,2005)。
【0087】
免疫及びチャレンジのプロトコル
以前に記載されたように(Williams et al.2005.The cotton rat(Sigmodon hispidus)is a permissive small animal model of human metapneumovirus infection,pathogenesis,and protective immunity.Journal of virology 79:10944-10951)LLC-MK2細胞(ATCC CCL-7)で増殖させたA1(NL/1/00株)、A2(TN/94-49株)、B1(C1-334株)又はB2(TN/89-515株)サブグループのhMPVウイルスを、動物チャレンジ実験に使用した。
【0088】
BALB/cマウスを、前述のように、アジュバント化した組換えFタンパク質で2週間間隔で3回免疫し、免疫後2週間目に、約1×10pfuのhMPVで鼻腔内チャレンジを行う。4~5日後、動物を屠殺し、個々の血清試料を採取して凍結した。ウイルス量を測定するために、肺組織試料を採取し、秤量し、1mLの培地中で均質化した。肺組織のウイルス量は、以下に記載されるように、ウイルスフォーカスの免疫染色によって決定した。代替的又は追加的に、RT-qPCRを使用して肺のウイルス量を決定した。
【0089】
MNAプロトコル
1日目に、2%のウシ胎児血清(FBS)及び1%の抗生物質-抗真菌剤(Anti-Anti)を含有するOptiMEMで増殖させたLLC MK2細胞を、2×10細胞/mL(100μL/ウェル)の密度で平底96ウェルプレートに播種し、37℃/5%COで一晩インキュベートした。0日目に、血清試料を、U底96ウェルプレート中の100μM CaCl及び1%のAnti-Antiを含有するOptiMEMに希釈した。試料希釈液は、後にウイルスと1:1で混合されるため、2倍濃度の希釈液を調製する必要がある。ウイルスを含まない対照ウェルには、2倍濃度のウイルス希釈液の代わりに培地を添加した。トリプシン非依存性株であるhMPV A1ウイルスの希釈液を、実験設定に従って、U底96ウェルプレート中の100μM CaCl及び1%のAnti-Antiを含有するOptiMEM中で調製した。ウイルス希釈液は、後に希釈した血清試料と1:1で混合されるため、ウイルス試料を2倍濃度で調製した(例えば、120pfu/60μL)。ブランクウェルには培地を充填する。hMPV B1ウイルス及び他の全てのトリプシン依存性hMPV株については、血清濃度に応じて8~50mrPu/mLの範囲で、感染を助けるためにトリプシン(すなわち、TrypLE)を培地に添加する。中和のために、等体積(60μL)の血清希釈液及びウイルス希釈液を混合し(最終濃度:120pfu/120μL)、試料を室温で1時間インキュベートした。LLC MK2細胞を含む平底96ウェルプレートを150μL/ウェルのPBSで1回洗浄した。PBSを除去した後、100μLのプレインキュベートした血清:ウイルス混合物を、LLC MK2細胞を含むプレートに移し、37℃/5%COで5日間インキュベートした。5日目に、1ウェル当たり150μLの中性緩衝ホルマリン溶液を添加し、プレートを室温で1時間インキュベートした。プレートを300μL/ウェルのPBSで2回洗浄し、吸引した。100μL/ウェルの透過緩衝液(0.5%Tween(登録商標)20を含有するPBS)を添加し、プレートを4℃で30分間インキュベートした。透過緩衝液の吸引後、100μL/ウェルのブロッキング緩衝液(0.5%Tween(登録商標)20及び10%脱脂乳を含有するPBS)を添加し、プレートを4℃で1時間インキュベートした。HRP標識抗体(DS7 mIgG2a)をブロッキング緩衝液(上記を参照されたい)中で0.5μg/mLの濃度に希釈し、ブロッキング緩衝液の吸引後、ウェル当たり50μLの抗体溶液を添加した。次いで、プレートを、37℃/5%COで1時間インキュベートした後、ELISA洗浄装置を使用して200μL/ウェルのPBSで6回洗浄した。1ウェル当たり100μLのTMB基質を添加し、約10分間室温でインキュベートした。1ウェル当たり50μLの1M硫酸で反応を停止し、450nmで吸光度を測定した。
【0090】
融合前/融合後Fタンパク質の組み合わせを試験するために、融合前L7F_A1_23又はL7F_B1_23候補及び融合後sF_A1_Mfur又はsF_B1_Mfur候補を選択した。融合前及び融合後Fタンパク質の以下の組成(組み合わせ)を、hMPV中和抗体の誘導について調べた(表3を参照されたい)。
【表3】
【0091】
マウスで行った6つの実験(表4を参照されたい)では、各マウスを単一のFタンパク質又は組み合わせワクチンのいずれかで免疫した。マウス血清を、上記のようなマイクロ中和アッセイ(MNA)によって行われる中和抗体価の試験に使用した。これらの実験の結果を図3(A~C)、図4及び図6(A)に示す。
【表4】
【0092】
図3及び図4に示されるデータは、1用量当たりの抗原につき0.02μgの量で使用される融合前構築物L7F_A1_23と融合後構築物sF_A1_Mfurの組み合わせが、単一のFタンパク質と比較して中和力価の約5倍の改善を示したことを実証するものである(図3C及び図4を参照されたい)。0.2μg及び0.6μgのより高い抗原用量では、融合前及び融合後Fタンパク質の相乗効果はそれほど顕著ではない(図3A及び図3Bを参照されたい)。これらの実験から、A1サブグループからの2つのFタンパク質の組み合わせが、同じ遺伝子型A、特にA2サブグループのウイルスによるチャレンジに対して防御的であることも明らかである。
【0093】
図6に示すデータ(実験4763)は、両方のアッセイにおける全ての群について用量応答を実証するものであった。マウスを融合前A1候補で免疫した場合、hMPV A1(Aパネル)及びB1(Bパネル)に対する良好な中和及び交差中和が認められたが、融合前B1候補で免疫した場合、hMPV A1株に対する交差中和はあまり効果的ではなかった。融合前A1候補はまた、より高い免疫原性を誘導し得る。
【0094】
図7に示すデータ(実験4775)は、全体として、組み合わせ候補による中和力価が単一の候補で得られるものよりも弱いことを実証した。以前に観察されたように、A1候補のみによる免疫は、より高い交差中和性を示す(B1候補で免疫されたマウスではA1に対する中和が非常に弱い)と考えられる。この実験では、最良の組み合わせは融合前-融合後A1であり、この場合も同様に、A1候補が交差中和のために好ましいことが示唆される。しかしながら、前述のように、中和力価は、単一の候補による免疫よりも依然として低かった。
【0095】
実施例5:マウスにおける防御
異なる融合前/融合後Fタンパク質組成物による免疫時のマウスの防御を、マウス肺感染モデルにおいて評価した。
【0096】
免疫及びチャレンジのプロトコル
BALB/cマウスを、前述のように、アジュバント化した組換えFタンパク質で2週間間隔で3回免疫し、免疫後2週間目に、約1×10pfuのhMPVで鼻腔内チャレンジを行う。4~5日後、動物を屠殺し、肺を採取して凍結する。ウイルス量を決定するために、肺組織試料を採取し、秤量し、1mLの培地中で均質化する。肺組織中のウイルス量は、以下に記載されるように、ウイルスフォーカスの免疫染色によって決定される。追加的に、RT-qPCRを使用して肺のウイルス量を決定する。
【0097】
ウイルスプラーク(フォーカス)の免疫染色
hMPVフォーカスの定量のためのアッセイは、Williams et al.,2005.J Virology 79(17):10944-51、Williams et al.,2007.J Virology 81(15):8315-24、及びCox et al.,2012.J.Virology 86(22):12148-60に公開された方法に基づいて開発された。簡潔に述べると、24ウェルプレート中のVero細胞又はLLC-MK2細胞のコンフルエント培養物を、培地に希釈した125μL/ウェルの肺ホモジネートに感染させる。37℃/5%COで1時間インキュベーションした後、培地中に1.5%のメチルセルロースを含有するオーバーレイを加える。感染後6日目に、上清を除去し、細胞をPBSで2回洗浄する。細胞単層を固定し、DS7抗体(マウスIgG2a)で染色する。フォーカスを計数し、2.5倍又は10倍の対物レンズを使用するか、又はBioReader 6000を使用して、Zeiss顕微鏡で細胞画像を取得する。免疫染色の結果は、1ミリリットル当たりのフォーカス形成単位、又はFFU/mLとして表される。
【0098】
RT-qPCRのプロトコル
製造業者の指示に従ってQIAamp Viral RNA Mini Kitを使用して、140μLの肺ホモジネートからRNAを抽出し、該RNAを60μLで溶出する。RT-qPCRは、iTaq(商標)Universal Probes One-Step Kit(Bio-Rad)を使用して行う。N遺伝子の増幅のために、以下のプライマー(例えば、フォワード5’-CATATAAGCATGCTATATTAAAAGAGTCTC-3’及びリバース5’-CCTATTTCTGCAGCATATTTGTAATCAG-3’)及びプローブ(例えば、FAM-TGYAATGATGAGGGTGTCACTGCGGTTG-BHQ1)を使用する。RT-qPCRの反応体積は、400nMの各プライマー、200nMのプローブ及び4μLのRNAを使用して20μLである。表5に列挙される条件でCFX96 Touch Deep Well Real-Time PCR System(Bio-Rad)を使用して、逆転写及び増幅を行う。
【表5】
【0099】
hMPV RNAの量は、Bio-Rad社製CFX maestroプログラムを使用して、各実行に含まれる既知の濃度を有する既知の全長hMPV RNA標準に対して算出される。
【0100】
本明細書で使用される場合、hMPV感染のクリアランス又は軽減は、当該技術分野で既知の任意の方法によって判定され得る。いくつかの実施形態において、対象におけるhMPV感染のレベルは、例えば、リアルタイム逆転写定量的ポリメラーゼ連鎖反応(RT-qPCR)によってウイルスの存在を検出することによって決定される。
【0101】
本研究で対処される最初の問題は、融合前又は融合後形態のいずれかで使用される組換え単一Fタンパク質を含む組成物と、融合前及び融合後Fタンパク質の組み合わせを含む組成物とで、ワクチン接種後の防御効果を比較することである。対処される2番目の問題は、融合前/融合後Fタンパク質の組み合わせを含有する組成物の最適な抗原用量を評価することである。本明細書で対処されるべき3番目の問題は、異なるhMPV遺伝子型及び/又はサブグループ間に交差防御を確立することである。
【0102】
防御効果を評価するために、表4に示される任意の組成物で免疫されたマウスを、株TN/94-49(A2サブグループ)又はC1-334(B1サブグループ)でチャレンジした。
【0103】
防御のレベルを評価するために、肺感染をFFA及びRT-qPCR法によって評価した。その結果を、図5(A、B)、図6(B、C)、及び図7(A、B)に示す。特に、図5Aは、A1サブグループからの融合前及び融合後Fタンパク質の組み合わせで免疫し、A2株でチャレンジしたマウスに、肺感染を示す最低レベルのフォーカスが生じることを示している。残念ながら、PT-qPCR法を使用した場合、そのような顕著な効果は示されず(図5Bを参照されたい)、FFAは生ウイルスを測定し、RT-qPCRは、死滅したウイルスがまだ肺から排除されていない時点で、生ウイルスの非存在下であっても検出可能なウイルスRNA(生ウイルス及び死ウイルス)を測定する可能性が最も高い。
【0104】
40ng、120ng及び400ngの用量の表4に示される異なる組み合わせを、A1、A2株又はB1株のいずれかを用いたチャレンジ実験で試験し、その結果を図6(B、C)及び図7(A、B)に示す。フォーカス形成アッセイ(図6B及び7B)及びRT-qPCR(データ図示せず)によって決定されたTN94-49(サブグループA2)及びC1-334(サブグループB1)による肺感染の観点から、異なる組み合わせの間で非常に類似した結果が見られる。
【0105】
実施例6:免疫賦活作用の影響
BALB/cマウスを、前述のように、アジュバント化した組換えFタンパク質ワクチンで2週間間隔で3回免疫した。最後の免疫の2週間後、後眼窩採血により血液を採取し、血清を調製した。免疫応答の評価は、上記のようにマイクロ中和アッセイ(MNA)によって行った。
【0106】
hMPVワクチンの有効性に対する免疫賦活作用の影響を調べるために、融合前/融合後Fタンパク質L7F_A1_23及びsF_A1_Mfurの1つの例示的な組み合わせを試験した。
【表6】
【0107】
マウスを、表5に示すように3用量の組成物で免疫した。その後、マウスをhMPV株、遺伝子型サブグループA1でチャレンジした。血清を採取し、中和抗体価の評価のためにMNAアッセイで使用した。
【0108】
結果として、全ての試験したアジュバントは、マウスにおいて相同hMPVに対する中和抗体の産生の増強を示した。同時に、アジュバントの非存在下では、中和抗体は検出されなかった。アジュバントであるミョウバン+MPL及びIC31high+ミョウバンを用いて製剤化された融合前及び融合後Fタンパク質の組み合わせは、最大量の中和抗体を生成した。3M-052-ミョウバン及びAddaVaxを用いた組成物にはやや弱い影響が観察された。その結果を図8に示す。
【0109】
これらの実験から、試験したアジュバントのいずれも、他の動物種及びヒトにおける更なる試験から除外することはできない。

配列

配列番号11
精製タグ付きL7F_A1_23タンパク質配列
MSWKVVIIFSLLITPQHGLKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCADGPSLIKTELDLTKSALRELRTVSADQLAREEQIEQPRQSGCGAGATAGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKKTNEAVSTLGNGVRVLATAVRELKDFVSKNLTRAINKNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGFLIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSEKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTCAGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPVKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNRILSAGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGGLVPRGSHHHHHHSAWSHPQFEK

L7F_A1_23成熟タンパク質配列
MSWKVVIIFSLLITPQHGLKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCADGPSLIKTELDLTKSALRELRTVSADQLAREEQIEQPRQSGCGAGATAGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKKTNEAVSTLGNGVRVLATAVRELKDFVSKNLTRAINKNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGFLIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSEKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTCAGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPVKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNRILSAGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFL

配列番号12
精製タグ付きL7F_B1_23タンパク質配列
MSWKVMIIISLLITPQHGLKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCTDGPSLIKTELDLTKSALRELKTVSADQLAREEQIEQPRQSGCGAGATAGIAIAKTIRLESEVNAIKGALKQTNEAVSTLGNGVRVLATAVRELKEFVSKNLTSAINRNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSYMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIIKAAPSCSEKNGNYACLLREDQGWYCKNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTCAGINVAEQSRECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNWVGIIKQLPKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPIKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNKILNAGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGGLVPRGSHHHHHHSAWSHPQFEK

L7F_B1_23成熟タンパク質配列
MSWKVMIIISLLITPQHGLKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCTDGPSLIKTELDLTKSALRELKTVSADQLAREEQIEQPRQSGCGAGATAGIAIAKTIRLESEVNAIKGALKQTNEAVSTLGNGVRVLATAVRELKEFVSKNLTSAINRNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSYMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIIKAAPSCSEKNGNYACLLREDQGWYCKNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTCAGINVAEQSRECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNWVGIIKQLPKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPIKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNKILNAGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFL

配列番号13
精製タグ付きL7F_A1_23.2タンパク質配列
MSWKVVIIFSLLITPQHGLKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCADGPSLIKTELDLTKSALRELRTVSADQLAREEQIEQPRQSGCGAGVTAGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKKTNEAVSTLGNGVRVLATAVRELKDFVSKNLTRAINKNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGFLIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSEKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTCAGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPVKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNRILSAGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGGLVPRGSHHHHHHSAWSHPQFEK

L7F_A1_23.2成熟タンパク質配列
MSWKVVIIFSLLITPQHGLKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCADGPSLIKTELDLTKSALRELRTVSADQLAREEQIEQPRQSGCGAGVTAGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKKTNEAVSTLGNGVRVLATAVRELKDFVSKNLTRAINKNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGFLIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSEKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTCAGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPVKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNRILSAGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFL

配列番号14
精製タグ付きL7F_B1_23.2タンパク質配列
MSWKVMIIISLLITPQHGLKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCTDGPSLIKTELDLTKSALRELKTVSADQLAREEQIEQPRQSGCGAGVTAGIAIAKTIRLESEVNAIKGALKQTNEAVSTLGNGVRVLATAVRELKEFVSKNLTSAINRNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSYMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIIKAAPSCSEKNGNYACLLREDQGWYCKNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTCAGINVAEQSRECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNWVGIIKQLPKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPIKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNKILNAGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGGLVPRGSHHHHHHSAWSHPQFEK*

L7F_B1_23.2成熟タンパク質配列
MSWKVMIIISLLITPQHGLKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCTDGPSLIKTELDLTKSALRELKTVSADQLAREEQIEQPRQSGCGAGVTAGIAIAKTIRLESEVNAIKGALKQTNEAVSTLGNGVRVLATAVRELKEFVSKNLTSAINRNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSYMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIIKAAPSCSEKNGNYACLLREDQGWYCKNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTCAGINVAEQSRECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNWVGIIKQLPKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPIKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNKILNAGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFL

配列番号15
精製タグ付きsF_A1_K_L7タンパク質配列
MSWKVVIIFSLLITPQHGLKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCADGPSLIKTELDLTKSALRELRTVSADQLAREEQIEQPRQSGCGAGATAGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKKTNEAVSTLGNGVRVLAFAVRELKDFVSKNLTRALNKNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGFLIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSEKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTCAGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPVKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNRILSSAESAIGGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGGLVPRGSHHHHHHSAWSHPQFEK

sF_A1_K_L7成熟タンパク質配列
LKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCADGPSLIKTELDLTKSALRELRTVSADQLAREEQIEQPRQSGCGAGATAGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKKTNEAVSTLGNGVRVLAFAVRELKDFVSKNLTRALNKNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGFLIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSEKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTCAGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPVKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNRILSSAESAIGGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFL

配列番号16
精製タグ付きL7F_A1_31タンパク質配列
MSWKVVIIFSLLITPQHGLKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFMLEVGDVENLTCADGPSLLKTELDLTKSALRNLRTVSADQLAREEQIEQPRQSGCGAGATAGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKKTNEAVSTLGNGVRVLATMVRELKDFVSKNLTRAINKNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSEKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTCAGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPVKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNRILSAGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGGLVPRGSHHHHHHSAWSHPQFEK

精製タグのないL7F_A1_31成熟タンパク質配列
LKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFMLEVGDVENLTCADGPSLLKTELDLTKSALRNLRTVSADQLAREEQIEQPRQSGCGAGATAGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKKTNEAVSTLGNGVRVLATMVRELKDFVSKNLTRAINKNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSEKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTCAGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPVKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNRILSAGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFL

配列番号17
精製タグ付きL7F_A1_33タンパク質配列
MSWKVVIIFSLLITPQHGLKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFMLCVGDVENLTCADGPSLLKTELDLTKSALRELRTVSADQLAREEQIEQPRQSGCGAGATAGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKKTNEAVSTLGNGVRVLATMVRELCDFVSKNLTRAINKNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGFLIGVYGSDVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSEKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTCAGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPVKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNRCCSAGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGGLVPRGSHHHHHHSAWSHPQFEK

精製タグのないL7F_A1_33成熟タンパク質配列
LKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFMLCVGDVENLTCADGPSLLKTELDLTKSALRELRTVSADQLAREEQIEQPRQSGCGAGATAGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKKTNEAVSTLGNGVRVLATMVRELCDFVSKNLTRAINKNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGFLIGVYGSDVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSEKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTCAGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPVKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNRCCSAGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFL

配列番号18
精製タグ付きL7F_A1_4.2タンパク質配列
MSWKVVIIFSLLITPQHGLKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFMLEVGDVENLTCADGPSLIKTELDLTKSALRELRTVSADQLAREEQIEQPRQSGCGAGATAGVAIAKTIRLESEVTAWKNALKKTNEVVSTLGNGVRVLVTMVRELKDFVSKNLTRALNKNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGFLIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSEKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTCAGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPVKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNRILSSAESAIGGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGGLVPRGSHHHHHHSAWSHPQFEK

精製タグのないL7F_A1_4.2成熟タンパク質配列
LKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFMLEVGDVENLTCADGPSLIKTELDLTKSALRELRTVSADQLAREEQIEQPRQSGCGAGATAGVAIAKTIRLESEVTAWKNALKKTNEVVSTLGNGVRVLVTMVRELKDFVSKNLTRALNKNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGFLIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSEKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTCAGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPVKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNRILSSAESAIGGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFL

配列番号19
sF_A1_K-E294 三量体化ヘルパーKLL及び精製タグ付き2つのポリペプチド鎖タンパク質配列
MSWKVVIIFSLLITPQHGLKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCADGPSLIKTELDLTKSALRELRTVSADQLAREEQIENPRQSRFVLGAIALGVCTAAAVTAGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKKTNEAVSTLGNGVRVLAFAVRELKDFVSKNLTRALNKNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGFLIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSEKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTACGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPVKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNRILSSAESAIGGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGGLVPRGSHHHHHHSAWSHPQFEK

配列番号20
sF_B1_K-E294 三量体化ヘルパーKLL及び精製タグ付き2つのポリペプチド鎖タンパク質配列
MSWKVMIIISLLITPQHGLKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCTDGPSLIKTELDLTKSALRELKTVSADQLAREEQIENPRQSRFVLGAIALGVCTAAAVTAGIAIAKTIRLESEVNAIKGALKQTNEAVSTLGNGVRVLAFAVRELKEFVSKNLTSALNRNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSYMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIIKAAPSCSEKNGNYACLLREDQGWYCKNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTACGINVAEQSRECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNWVGIIKQLPKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPIKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNKILNSAESAIGGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGGLVPRGSHHHHHHSAWSHPQFEK

精製タグのないSF_B1_K-E294
MSWKVMIIISLLITPQHGLKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCTDGPSLIKTELDLTKSALRELKTVSADQLAREEQIENPRQSRFVLGAIALGVCTAAAVTAGIAIAKTIRLESEVNAIKGALKQTNEAVSTLGNGVRVLAFAVRELKEFVSKNLTSALNRNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSYMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIIKAAPSCSEKNGNYACLLREDQGWYCKNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTACGINVAEQSRECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNWVGIIKQLPKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPIKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNKILNSAESAIGGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFL

配列番号21
融合後コンフォメーションで安定化された、精製タグ付きsF_A1_MFurタンパク質配列
MSWKVVIIFSLLITPQHGLKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCADGPSLIKTELDLTKSALRELRTVSADQLAREEQIENPRQSKKRKRRVATAAAVTAGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKKTNEAVSTLGNGVRVLATAVRELKDFVSKNLTRAINKNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGFLIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSEKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTAAGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPVKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNRILSSAEKGNTSGRENLYFQGGGGSGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGGIEGRHHHHHH

精製タグのないsF_A1_MFur
MSWKVVIIFSLLITPQHGLKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCADGPSLIKTELDLTKSALRELRTVSADQLAREEQIENPRQSKKRKRRVATAAAVTAGVAIAKTIRLESEVTAIKNALKKTNEAVSTLGNGVRVLATAVRELKDFVSKNLTRAINKNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSNMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGFLIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIVKAAPSCSEKKGNYACLLREDQGWYCQNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTAAGINVAEQSKECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNRVGIIKQLNKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPVKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNRILSSAEKGNTSGRENLYFQGGGGSGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFL

配列番号22
融合後コンフォメーションで安定化された、精製タグ付きsF_B1_MFurタンパク質配列
MSWKVMIIISLLITPQHGLKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCTDGPSLIKTELDLTKSALRELKTVSADQLAREEQIENPRQSKKRKRRVATAAAVTAGIAIAKTIRLESEVNAIKGALKQTNEAVSTLGNGVRVLATAVRELKEFVSKNLTSAINRNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSYMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIIKAAPSCSEKNGNYACLLREDQGWYCKNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTAAGINVAEQSRECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNWVGIIKQLPKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPIKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNKILNSAEKGNTSGRENLYFQGGGGSGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGGLVPRGSHHHHHHSAWSHPQFEK

精製タグのないSF_B1_MFur
MSWKVMIIISLLITPQHGLKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCTDGPSLIKTELDLTKSALRELKTVSADQLAREEQIENPRQSKKRKRRVATAAAVTAGIAIAKTIRLESEVNAIKGALKQTNEAVSTLGNGVRVLATAVRELKEFVSKNLTSAINRNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSYMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIIKAAPSCSEKNGNYACLLREDQGWYCKNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTAAGINVAEQSRECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNWVGIIKQLPKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPIKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNKILNSAEKGNTSGRENLYFQGGGGSGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFL

配列番号23
バクテリオファージT4のフィブリチンからの三量体化ヘルパードメイン(フォールドン)
GYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFL

配列番号24
フォールドン-glyc-1
GYIPEAPRNGTAYVRKDGEWVLLSTFL

配列番号25
フォールドン-glyc-2
GYIPEAPRDGQAYVRKNGTWVLLSTFL

配列番号26
フォールドン-glyc-3
GYIPEAPRDGQAYVRKDGNWTLLSTFL

配列番号27
フォールドン-glyc-4
GYIPEAPRNGTAYVRKNGTWVLLSTFL

配列番号28
フォールドン-glyc-5
GYIPEAPRNGTAYVRKDGNWTLLSTFL

配列番号29
三量体化ヘルパーVSLモチーフ
ILSA

配列番号30
三量体化ヘルパーVSAモチーフ
CCSA

配列番号31
コドン最適化されたL7F_A1_23コードヌクレオチド配列
ATGTCTTGGAAGGTGGTCATCATCTTCTCCCTGCTGATCACCCCTCAGCACGGCCTGAAAGAGTCCTACCTGGAAGAGAGCTGCTCCACCATCACCGAGGGCTACCTGTCTGTGCTGAGAACCGGCTGGTACACCAACGTGTTCACCCTGGAAGTGGGCGACGTGGAAAACCTGACCTGTGCTGATGGCCCCAGCCTGATCAAGACCGAGCTGGACCTGACCAAGTCTGCCCTGAGAGAACTGAGGACCGTGTCTGCCGATCAGCTGGCCAGAGAGGAACAGATCGAGCAGCCTAGACAGTCCGGATGTGGTGCTGGTGCTACAGCTGGCGTGGCCATTGCCAAGACCATCCGGCTGGAATCTGAAGTGACCGCCATCAAGAACGCCCTGAAAAAGACCAACGAGGCCGTGTCTACCCTCGGCAATGGCGTTAGAGTGCTGGCCACAGCCGTGCGCGAGCTGAAGGATTTCGTGTCCAAGAACCTGACCAGGGCCATCAACAAGAACAAGTGTGATATCGCCGACCTGAAGATGGCCGTGTCCTTCAGCCAGTTCAACCGGCGGTTCCTGAATGTCGTGCGGCAGTTCTCTGACAACGCCGGCATCACCCCTGCCATCAGCCTGGATCTGATGACCGATGCCGAGCTGGCTAGAGCCGTGTCCAACATGCCTACCTCTGCCGGCCAGATCAAGCTGATGCTGGAAAACAGAGCCATGGTCCGACGGAAAGGCTTCGGCTTTCTGATCGGCGTGTACGGCTCCTCCGTGATCTACATGGTGCAGCTGCCTATCTTCGGCGTGATCGACACCCCTTGCTGGATCGTGAAGGCCGCTCCTAGCTGCTCTGAGAAGAAGGGCAACTACGCCTGCCTGCTGAGAGAGGACCAAGGCTGGTACTGTCAGAACGCCGGCTCCACCGTGTACTACCCCAACGAGAAGGACTGCGAGACAAGAGGCGACCACGTGTTCTGCGATACCTGCGCTGGCATCAATGTGGCCGAGCAGTCCAAAGAGTGCAACATCAACATCTCCACCACCAACTATCCCTGCAAGGTGTCCACCGGCAGGCACCCTATTTCCATGGTGGCTCTGTCTCCACTGGGCGCCCTGGTGGCTTGTTATAAGGGCGTGTCCTGCTCCATCGGCTCCAACAGAGTGGGCATCATCAAGCAGCTGAACAAGGGCTGCAGCTACATCACCAACCAGGACGCCGATACCGTGACCATCGACAATACCGTGTATCAGCTGTCCAAGGTGGAAGGCGAGCAGCACGTGATCAAGGGCAGACCTGTGTCCTCCAGCTTCGACCCCGTGAAGTTCCCTGAGGATCAGTTCAACGTGGCCCTGGACCAGGTGTTCGAGTCCATCGAGAACTCTCAGGCTCTGGTGGACCAGTCCAACCGGATTCTGTCTGCCGGCTACATCCCCGAGGCTCCTAGAGATGGACAGGCCTACGTCAGAAAGGACGGCGAATGGGTGCTGCTGTCTACCTTTCTCGGAGGCCTGGTGCCTAGAGGCTCTCACCACCATCATCACCACTCCGCTTGGTCCCATCCACAGTTCGAGAAGTGA

配列番号32
コドン最適化されたL7F_B1_23コードヌクレオチド配列
ATGTCTTGGAAAGTTATGATTATTATTTCTTTGTTGATTACTCCACAACATGGTTTGAAAGAATCTTATTTGGAAGAATCTTGTTCTACTATTACTGAAGGTTATTTGTCTGTTTTGAGAACTGGTTGGTATACTAATGTTTTTACTTTGGAAGTTGGTGATGTTGAAAATTTGACTTGTACTGATGGTCCATCTTTGATTAAAACTGAATTGGATTTGACTAAATCTGCTTTGAGAGAATTGAAAACTGTTTCTGCTGATCAATTGGCTAGAGAAGAACAAATTGAACAACCAAGACAATCTGGTTGTGGTGCTGGTGCTACTGCTGGTATTGCTATTGCTAAAACTATTAGATTGGAATCTGAAGTTAATGCTATTAAAGGTGCTTTGAAACAAACTAATGAAGCTGTTTCTACTTTGGGTAATGGTGTTAGAGTTTTGGCTACTGCTGTTAGAGAATTGAAAGAATTTGTTTCTAAAAATTTGACTTCTGCTATTAATAGAAATAAATGTGATATTGCTGATTTGAAAATGGCTGTTTCTTTTTCTCAATTTAATAGAAGATTTTTGAATGTTGTTAGACAATTTTCTGATAATGCTGGTATTACTCCAGCTATTTCTTTGGATTTGATGACTGATGCTGAATTGGCTAGAGCTGTTTCTTATATGCCAACTTCTGCTGGTCAAATTAAATTGATGTTGGAAAATAGAGCTATGGTTAGAAGAAAAGGTTTTGGTATTTTGATTGGTGTTTATGGTTCTTCTGTTATTTATATGGTTCAATTGCCAATTTTTGGTGTTATTGATACTCCATGTTGGATTATTAAAGCTGCTCCATCTTGTTCTGAAAAAAATGGTAATTATGCTTGTTTGTTGAGAGAAGATCAAGGTTGGTATTGTAAAAATGCTGGTTCTACTGTTTATTATCCAAATGAAAAAGATTGTGAAACTAGAGGTGATCATGTTTTTTGTGATACTTGTGCTGGTATTAATGTTGCTGAACAATCTAGAGAATGTAATATTAATATTTCTACTACTAATTATCCATGTAAAGTTTCTACTGGTAGACATCCAATTTCTATGGTTGCTTTGTCTCCATTGGGTGCTTTGGTTGCTTGTTATAAAGGTGTTTCTTGTTCTATTGGTTCTAATTGGGTTGGTATTATTAAACAATTGCCAAAAGGTTGTTCTTATATTACTAATCAAGATGCTGATACTGTTACTATTGATAATACTGTTTATCAATTGTCTAAAGTTGAAGGTGAACAACATGTTATTAAAGGTAGACCAGTTTCTTCTTCTTTTGATCCAATTAAATTTCCAGAAGATCAATTTAATGTTGCTTTGGATCAAGTTTTTGAATCTATTGAAAATTCTCAAGCTTTGGTTGATCAATCTAATAAAATTTTGAATGCTGGTTATATTCCAGAAGCTCCAAGAGATGGTCAAGCTTATGTTAGAAAAGATGGTGAATGGGTTTTGTTGTCTACTTTTTTGGGTGGTTTGGTTCCAAGAGGTTCTCATCATCATCATCATCATTCTGCTTGGTCTCATCCACAATTTGAAAAATGA

配列番号33
コドン最適化されたL7F_A1_23.2コードヌクレオチド配列
ATGTCTTGGAAAGTTGTTATTATTTTTTCTTTGTTGATTACTCCACAACATGGTTTGAAAGAATCTTATTTGGAAGAATCTTGTTCTACTATTACTGAAGGTTATTTGTCTGTTTTGAGAACTGGTTGGTATACTAATGTTTTTACTTTGGAAGTTGGTGATGTTGAAAATTTGACTTGTGCTGATGGTCCATCTTTGATTAAAACTGAATTGGATTTGACTAAATCTGCTTTGAGAGAATTGAGAACTGTTTCTGCTGATCAATTGGCTAGAGAAGAACAAATTGAACAACCAAGACAATCTGGTTGTGGTGCTGGTGTTACTGCTGGTGTTGCTATTGCTAAAACTATTAGATTGGAATCTGAAGTTACTGCTATTAAAAATGCTTTGAAAAAAACTAATGAAGCTGTTTCTACTTTGGGTAATGGTGTTAGAGTTTTGGCTACTGCTGTTAGAGAATTGAAAGATTTTGTTTCTAAAAATTTGACTAGAGCTATTAATAAAAATAAATGTGATATTGCTGATTTGAAAATGGCTGTTTCTTTTTCTCAATTTAATAGAAGATTTTTGAATGTTGTTAGACAATTTTCTGATAATGCTGGTATTACTCCAGCTATTTCTTTGGATTTGATGACTGATGCTGAATTGGCTAGAGCTGTTTCTAATATGCCAACTTCTGCTGGTCAAATTAAATTGATGTTGGAAAATAGAGCTATGGTTAGAAGAAAAGGTTTTGGTTTTTTGATTGGTGTTTATGGTTCTTCTGTTATTTATATGGTTCAATTGCCAATTTTTGGTGTTATTGATACTCCATGTTGGATTGTTAAAGCTGCTCCATCTTGTTCTGAAAAAAAAGGTAATTATGCTTGTTTGTTGAGAGAAGATCAAGGTTGGTATTGTCAAAATGCTGGTTCTACTGTTTATTATCCAAATGAAAAAGATTGTGAAACTAGAGGTGATCATGTTTTTTGTGATACTTGTGCTGGTATTAATGTTGCTGAACAATCTAAAGAATGTAATATTAATATTTCTACTACTAATTATCCATGTAAAGTTTCTACTGGTAGACATCCAATTTCTATGGTTGCTTTGTCTCCATTGGGTGCTTTGGTTGCTTGTTATAAAGGTGTTTCTTGTTCTATTGGTTCTAATAGAGTTGGTATTATTAAACAATTGAATAAAGGTTGTTCTTATATTACTAATCAAGATGCTGATACTGTTACTATTGATAATACTGTTTATCAATTGTCTAAAGTTGAAGGTGAACAACATGTTATTAAAGGTAGACCAGTTTCTTCTTCTTTTGATCCAGTTAAATTTCCAGAAGATCAATTTAATGTTGCTTTGGATCAAGTTTTTGAATCTATTGAAAATTCTCAAGCTTTGGTTGATCAATCTAATAGAATTTTGTCTGCTGGTTATATTCCAGAAGCTCCAAGAGATGGTCAAGCTTATGTTAGAAAAGATGGTGAATGGGTTTTGTTGTCTACTTTTTTGGGTGGTTTGGTTCCAAGAGGTTCTCATCATCATCATCATCATTCTGCTTGGTCTCATCCACAATTTGAAAAATGA

配列番号34
コドン最適化されたL7F_B1_23.2コードヌクレオチド配列
ATGTCTTGGAAAGTTATGATTATTATTTCTTTGTTGATTACTCCACAACATGGTTTGAAAGAATCTTATTTGGAAGAATCTTGTTCTACTATTACTGAAGGTTATTTGTCTGTTTTGAGAACTGGTTGGTATACTAATGTTTTTACTTTGGAAGTTGGTGATGTTGAAAATTTGACTTGTACTGATGGTCCATCTTTGATTAAAACTGAATTGGATTTGACTAAATCTGCTTTGAGAGAATTGAAAACTGTTTCTGCTGATCAATTGGCTAGAGAAGAACAAATTGAACAACCAAGACAATCTGGTTGTGGTGCTGGTGTTACTGCTGGTATTGCTATTGCTAAAACTATTAGATTGGAATCTGAAGTTAATGCTATTAAAGGTGCTTTGAAACAAACTAATGAAGCTGTTTCTACTTTGGGTAATGGTGTTAGAGTTTTGGCTACTGCTGTTAGAGAATTGAAAGAATTTGTTTCTAAAAATTTGACTTCTGCTATTAATAGAAATAAATGTGATATTGCTGATTTGAAAATGGCTGTTTCTTTTTCTCAATTTAATAGAAGATTTTTGAATGTTGTTAGACAATTTTCTGATAATGCTGGTATTACTCCAGCTATTTCTTTGGATTTGATGACTGATGCTGAATTGGCTAGAGCTGTTTCTTATATGCCAACTTCTGCTGGTCAAATTAAATTGATGTTGGAAAATAGAGCTATGGTTAGAAGAAAAGGTTTTGGTATTTTGATTGGTGTTTATGGTTCTTCTGTTATTTATATGGTTCAATTGCCAATTTTTGGTGTTATTGATACTCCATGTTGGATTATTAAAGCTGCTCCATCTTGTTCTGAAAAAAATGGTAATTATGCTTGTTTGTTGAGAGAAGATCAAGGTTGGTATTGTAAAAATGCTGGTTCTACTGTTTATTATCCAAATGAAAAAGATTGTGAAACTAGAGGTGATCATGTTTTTTGTGATACTTGTGCTGGTATTAATGTTGCTGAACAATCTAGAGAATGTAATATTAATATTTCTACTACTAATTATCCATGTAAAGTTTCTACTGGTAGACATCCAATTTCTATGGTTGCTTTGTCTCCATTGGGTGCTTTGGTTGCTTGTTATAAAGGTGTTTCTTGTTCTATTGGTTCTAATTGGGTTGGTATTATTAAACAATTGCCAAAAGGTTGTTCTTATATTACTAATCAAGATGCTGATACTGTTACTATTGATAATACTGTTTATCAATTGTCTAAAGTTGAAGGTGAACAACATGTTATTAAAGGTAGACCAGTTTCTTCTTCTTTTGATCCAATTAAATTTCCAGAAGATCAATTTAATGTTGCTTTGGATCAAGTTTTTGAATCTATTGAAAATTCTCAAGCTTTGGTTGATCAATCTAATAAAATTTTGAATGCTGGTTATATTCCAGAAGCTCCAAGAGATGGTCAAGCTTATGTTAGAAAAGATGGTGAATGGGTTTTGTTGTCTACTTTTTTGGGTGGTTTGGTTCCAAGAGGTTCTCATCATCATCATCATCATTCTGCTTGGTCTCATCCACAATTTGAAAAATGA

配列番号35
コドン最適化されたsF_A1_K_L7コードヌクレオチド配列
ATGTCTTGGAAGGTGGTCATCATCTTCTCCCTGCTGATCACCCCTCAGCACGGCCTGAAAGAGTCCTACCTGGAAGAGAGCTGCTCCACCATCACCGAGGGCTACCTGTCTGTGCTGAGAACCGGCTGGTACACCAACGTGTTCACCCTGGAAGTGGGCGACGTGGAAAACCTGACCTGTGCTGATGGCCCCAGCCTGATCAAGACCGAGCTGGACCTGACCAAGTCTGCCCTGAGAGAACTGAGGACCGTGTCTGCCGATCAGCTGGCCAGAGAGGAACAGATCGAGCAGCCTAGACAGTCCGGATGTGGTGCTGGTGCTACAGCTGGCGTGGCCATTGCCAAGACCATCCGGCTGGAATCTGAAGTGACCGCCATCAAGAACGCCCTGAAAAAGACCAACGAGGCCGTGTCTACCCTCGGCAATGGCGTTAGAGTGCTGGCCTTTGCTGTGCGCGAGCTGAAGGACTTCGTGTCCAAGAACCTGACCAGGGCTCTGAACAAGAACAAGTGTGATATCGCCGACCTGAAGATGGCCGTGTCCTTTAGCCAGTTCAACCGGCGGTTCCTGAACGTCGTGCGGCAGTTCTCTGATAACGCCGGCATCACCCCTGCCATCAGCCTGGATCTGATGACCGATGCCGAGCTGGCTAGAGCCGTGTCCAACATGCCTACCTCTGCCGGCCAGATCAAGCTGATGCTGGAAAACAGAGCCATGGTCCGACGGAAAGGCTTCGGCTTTCTGATCGGCGTGTACGGCTCCTCCGTGATCTACATGGTGCAGCTGCCTATCTTCGGCGTGATCGACACCCCTTGCTGGATCGTGAAGGCCGCTCCTAGCTGCTCTGAGAAGAAGGGCAACTACGCCTGCCTGCTGAGAGAGGACCAAGGCTGGTACTGTCAGAACGCCGGCTCCACCGTGTACTACCCCAACGAGAAGGACTGCGAGACAAGAGGCGACCACGTGTTCTGCGATACCTGCGCTGGCATCAATGTGGCCGAGCAGTCCAAAGAGTGCAACATCAACATCTCCACCACCAACTATCCCTGCAAGGTGTCCACCGGCAGGCACCCTATTTCCATGGTGGCTCTGTCTCCACTGGGCGCCCTGGTGGCTTGTTATAAGGGCGTGTCCTGCTCCATCGGCTCCAACAGAGTGGGCATCATCAAGCAGCTGAACAAGGGCTGCAGCTACATCACCAACCAGGACGCCGATACCGTGACCATCGACAATACCGTGTATCAGCTGTCCAAGGTGGAAGGCGAGCAGCACGTGATCAAGGGCAGACCTGTGTCCTCCAGCTTCGACCCCGTGAAGTTCCCTGAGGATCAGTTCAACGTGGCCCTGGACCAGGTGTTCGAGTCCATCGAGAACTCTCAGGCTCTGGTGGACCAGTCCAACCGGATCCTGTCCTCTGCCGAGTCTGCTATCGGCGGCTATATCCCCGAGGCTCCTAGAGATGGCCAGGCCTATGTTCGGAAGGATGGCGAATGGGTGCTGCTGTCTACCTTCCTCGGAGGCCTGGTGCCTAGAGGCTCTCACCACCATCATCACCACTCCGCTTGGTCCCATCCACAGTTCGAGAAGTGA

配列番号36
コドン最適化されたL7F_A1_31コードヌクレオチド配列
ATGTCTTGGAAGGTGGTCATCATCTTCTCCCTGCTGATCACCCCTCAGCACGGCCTGAAAGAGTCCTACCTGGAAGAGAGCTGCTCCACCATCACCGAGGGCTACCTGTCTGTGCTGAGAACCGGCTGGTACACCAACGTGTTCATGCTGGAAGTGGGCGACGTGGAAAACCTGACCTGTGCTGATGGCCCCAGCCTGCTGAAAACAGAGCTGGACCTGACCAAGAGCGCCCTGAGAAATCTGAGGACCGTGTCTGCCGATCAGCTGGCCAGAGAGGAACAGATCGAGCAGCCTAGACAGTCCGGATGTGGTGCTGGTGCTACAGCTGGCGTGGCCATTGCCAAGACCATCCGGCTGGAATCTGAAGTGACCGCCATCAAGAATGCCCTGAAAAAGACCAACGAGGCCGTGTCTACCCTCGGCAATGGCGTTAGAGTGCTGGCCACAATGGTCCGAGAGCTGAAGGACTTCGTGTCCAAGAACCTGACCAGGGCCATCAACAAGAACAAGTGTGATATCGCCGACCTGAAGATGGCCGTGTCCTTTAGCCAGTTCAACCGGCGGTTCCTGAACGTCGTGCGGCAGTTCTCTGATAACGCCGGCATCACCCCTGCCATCAGCCTGGATCTGATGACCGATGCCGAGCTGGCTAGAGCCGTGTCCAACATGCCTACCTCTGCCGGCCAGATCAAGCTGATGCTCGAGAACAGAGCTATGGTCCGACGGAAAGGCTTCGGCATCCTGATCGGCGTGTACGGCTCCTCCGTGATCTACATGGTGCAGCTGCCTATCTTCGGCGTGATCGACACCCCTTGCTGGATCGTGAAGGCCGCTCCTAGCTGCTCTGAGAAGAAGGGCAACTACGCCTGCCTGCTGAGAGAGGACCAAGGCTGGTACTGTCAGAACGCCGGCTCCACCGTGTACTACCCCAACGAGAAGGACTGCGAGACAAGAGGCGACCACGTGTTCTGCGATACCTGCGCTGGCATCAATGTGGCCGAGCAGTCCAAAGAGTGCAACATCAACATCTCCACCACCAACTATCCCTGCAAGGTGTCCACCGGCAGGCACCCTATTTCCATGGTGGCTCTGTCTCCACTGGGCGCCCTGGTGGCTTGTTATAAGGGCGTGTCCTGCTCCATCGGCTCCAACAGAGTGGGCATCATCAAGCAGCTGAACAAGGGCTGCAGCTACATCACCAACCAGGACGCCGATACCGTGACCATCGACAATACCGTGTATCAGCTGTCCAAGGTGGAAGGCGAGCAGCACGTGATCAAGGGCAGACCTGTGTCCTCCAGCTTCGACCCCGTGAAGTTCCCTGAGGATCAGTTCAACGTGGCCCTGGACCAGGTGTTCGAGTCCATCGAGAACTCTCAGGCTCTGGTGGACCAGTCCAACCGGATTCTGTCTGCCGGCTACATCCCCGAGGCTCCTAGAGATGGACAGGCCTACGTCAGAAAGGACGGCGAATGGGTGCTGCTGTCTACCTTTCTCGGAGGCCTGGTGCCTAGAGGCTCTCACCACCATCATCACCACTCCGCTTGGTCCCATCCTCAGTTCGAGAAGTGA

配列番号37
コドン最適化されたL7F_A1_33コードヌクレオチド配列
ATGTCTTGGAAGGTGGTCATCATCTTCTCCCTGCTGATCACCCCTCAGCACGGCCTGAAAGAGTCCTACCTGGAAGAGAGCTGCTCCACCATCACCGAGGGCTACCTGTCTGTGCTGAGAACCGGCTGGTACACCAACGTGTTCATGCTGTGTGTGGGCGACGTGGAAAACCTGACCTGTGCTGATGGCCCCAGCCTGCTGAAAACAGAGCTGGACCTGACCAAGAGCGCCCTGAGAGAACTGAGGACCGTGTCTGCAGATCAGCTGGCCAGAGAGGAACAGATCGAGCAGCCTAGACAGTCCGGATGTGGTGCTGGTGCTACAGCTGGCGTGGCCATTGCCAAGACCATCCGGCTGGAATCTGAAGTGACCGCCATCAAGAATGCCCTGAAAAAGACCAACGAGGCCGTGTCTACCCTCGGCAATGGCGTTAGAGTGCTGGCCACAATGGTCCGAGAGCTGTGCGACTTCGTGTCCAAGAATCTGACCCGGGCCATCAACAAGAACAAGTGTGATATCGCCGACCTGAAGATGGCCGTGTCCTTCAGCCAGTTCAACCGGCGGTTCCTGAATGTCGTGCGGCAGTTCTCTGACAACGCCGGCATCACCCCTGCCATCAGCCTGGATCTGATGACCGATGCCGAGCTGGCTAGAGCCGTGTCCAACATGCCTACCTCTGCCGGCCAGATCAAGCTGATGCTCGAGAACAGAGCTATGGTCCGACGGAAAGGCTTCGGCTTCCTGATCGGCGTGTACGGCTCTGACGTGATCTACATGGTGCAGCTGCCTATCTTCGGCGTGATCGACACCCCTTGCTGGATCGTGAAGGCCGCTCCTAGCTGCTCTGAGAAGAAGGGCAACTACGCCTGCCTGCTGAGAGAGGACCAAGGCTGGTACTGTCAGAACGCCGGCTCCACCGTGTACTACCCCAACGAGAAGGACTGCGAGACAAGAGGCGACCACGTGTTCTGCGATACCTGCGCTGGCATCAATGTGGCCGAGCAGTCCAAAGAGTGCAACATCAACATCTCCACCACCAACTATCCCTGCAAGGTGTCCACCGGCAGACACCCCATTTCCATGGTGGCTCTGTCTCCACTGGGTGCCCTGGTGGCTTGTTATAAGGGCGTGTCCTGCTCCATCGGCTCCAACAGAGTGGGCATCATCAAGCAGCTGAACAAGGGCTGCAGCTACATCACCAACCAGGACGCCGATACCGTGACCATCGACAATACCGTGTATCAGCTGTCCAAGGTGGAAGGCGAGCAGCACGTGATCAAGGGCAGACCTGTGTCCTCCAGCTTCGACCCCGTGAAGTTCCCTGAGGATCAGTTCAACGTGGCCCTGGACCAGGTGTTCGAGTCCATCGAGAACTCTCAGGCTCTGGTGGACCAGTCCAACAGATGCTGTTCCGCCGGCTACATCCCCGAGGCTCCTAGAGATGGACAGGCCTACGTCAGAAAGGACGGCGAATGGGTGCTGCTGTCTACCTTTCTCGGAGGCCTGGTGCCTAGAGGCTCTCACCACCATCATCACCACTCCGCTTGGTCCCATCCACAGTTCGAGAAGTGA

配列番号38
コドン最適化されたL7F_A1_4.2コードヌクレオチド配列
ATGTCTTGGAAGGTGGTCATCATCTTCTCCCTGCTGATCACCCCTCAGCACGGCCTGAAAGAGTCCTACCTGGAAGAGAGCTGCTCCACCATCACCGAGGGCTACCTGTCTGTGCTGAGAACCGGCTGGTACACCAACGTGTTCATGCTGGAAGTGGGCGACGTGGAAAACCTGACCTGTGCTGATGGCCCCAGCCTGATCAAGACCGAGCTGGACCTGACCAAGTCTGCCCTGAGAGAACTGAGGACCGTGTCTGCCGATCAGCTGGCCAGAGAGGAACAGATCGAGCAGCCTAGACAGTCCGGATGTGGTGCTGGTGCTACAGCTGGCGTGGCCATTGCCAAGACCATCCGGCTGGAATCTGAAGTGACCGCCTGGAAGAACGCCCTGAAAAAGACCAACGAGGTGGTGTCTACCCTCGGCAACGGCGTCAGAGTGCTGGTCACAATGGTCCGAGAGCTGAAGGACTTCGTGTCCAAGAACCTGACCAGGGCTCTGAACAAGAACAAGTGTGATATCGCCGACCTGAAGATGGCCGTGTCTTTCAGCCAGTTCAACCGGCGGTTCCTGAACGTCGTGCGGCAGTTCTCTGATAACGCCGGCATCACCCCTGCCATCAGCCTGGATCTGATGACCGATGCCGAGCTGGCTAGAGCCGTGTCCAACATGCCTACCTCTGCCGGCCAGATCAAGCTGATGCTGGAAAACAGAGCCATGGTCCGACGGAAAGGCTTCGGCTTTCTGATCGGCGTGTACGGCTCCTCCGTGATCTACATGGTGCAGCTGCCTATCTTCGGCGTGATCGACACCCCTTGCTGGATCGTGAAGGCCGCTCCTAGCTGCTCTGAGAAGAAGGGCAACTACGCCTGCCTGCTGAGAGAGGACCAAGGCTGGTACTGTCAGAACGCCGGCTCCACCGTGTACTACCCCAACGAGAAGGACTGCGAGACAAGAGGCGACCACGTGTTCTGCGATACCTGCGCTGGCATCAATGTGGCCGAGCAGTCCAAAGAGTGCAACATCAACATCTCCACCACCAACTATCCCTGCAAGGTGTCCACCGGCAGGCACCCTATTTCCATGGTGGCTCTGTCTCCACTGGGCGCCCTGGTGGCTTGTTATAAGGGCGTGTCCTGCTCCATCGGCTCCAACAGAGTGGGCATCATCAAGCAGCTGAACAAGGGCTGCAGCTACATCACCAACCAGGACGCCGATACCGTGACCATCGACAATACCGTGTATCAGCTGTCCAAGGTGGAAGGCGAGCAGCACGTGATCAAGGGCAGACCTGTGTCCTCCAGCTTCGACCCCGTGAAGTTCCCTGAGGATCAGTTCAACGTGGCCCTGGACCAGGTGTTCGAGTCCATCGAGAACTCTCAGGCTCTGGTGGACCAGTCCAACCGGATCCTGTCCTCTGCCGAGTCTGCTATCGGCGGCTATATCCCCGAGGCTCCTAGAGATGGCCAGGCCTATGTTCGGAAGGATGGCGAATGGGTGCTGCTGTCTACCTTCCTCGGAGGCCTGGTGCCTAGAGGCTCTCACCACCATCATCACCACTCCGCTTGGTCCCATCCACAGTTCGAGAAGTGA

配列番号39
コドン最適化されたsF_A1_K-E294コードヌクレオチド配列
ATGTCTTGGAAGGTGGTCATCATCTTCTCCCTGCTGATCACCCCTCAGCACGGCCTGAAAGAGTCCTACCTGGAAGAGAGCTGCTCCACCATCACCGAGGGCTACCTGTCTGTGCTGAGAACCGGCTGGTACACCAACGTGTTCACCCTGGAAGTGGGCGACGTGGAAAACCTGACCTGTGCTGATGGCCCCAGCCTGATCAAGACCGAGCTGGACCTGACCAAGTCTGCCCTGAGAGAACTGAGGACCGTGTCTGCCGATCAGCTGGCCAGAGAGGAACAGATCGAGAACCCTCGGCAGTCCAGATTCGTGCTGGGAGCTATTGCTCTGGGCGTGTGTACAGCCGCTGCTGTGACAGCTGGTGTCGCTATCGCCAAGACCATCCGGCTGGAATCTGAAGTGACCGCCATCAAGAACGCCCTGAAAAAGACCAACGAGGCCGTGTCCACACTCGGCAATGGCGTTAGAGTGCTGGCCTTTGCTGTGCGCGAGCTGAAGGACTTCGTGTCCAAGAACCTGACCAGGGCTCTGAACAAGAACAAGTGTGATATCGCCGACCTGAAGATGGCCGTGTCTTTCAGCCAGTTCAACCGGCGGTTCCTGAACGTCGTGCGGCAGTTCTCTGATAACGCCGGCATCACCCCTGCCATCAGCCTGGATCTGATGACCGATGCCGAGCTGGCTAGAGCCGTGTCTAACATGCCTACCTCTGCCGGCCAGATCAAGCTGATGCTGGAAAACAGAGCCATGGTCCGACGGAAAGGCTTCGGCTTTCTGATCGGCGTGTACGGCTCCTCCGTGATCTACATGGTGCAGCTGCCTATCTTCGGCGTGATCGACACCCCTTGCTGGATCGTGAAGGCCGCTCCTAGCTGCTCTGAGAAGAAGGGCAACTACGCCTGCCTGCTGAGAGAGGACCAAGGCTGGTACTGTCAGAACGCCGGCTCCACCGTGTACTACCCCAACGAGAAGGACTGCGAGACAAGAGGCGACCACGTGTTCTGCGATACCGCCTGTGGCATCAATGTGGCCGAGCAGTCCAAAGAGTGCAACATCAACATCTCCACCACCAACTATCCCTGCAAGGTGTCCACCGGCAGGCACCCTATTTCCATGGTGGCTCTGTCTCCACTGGGCGCCCTGGTGGCTTGTTATAAGGGCGTGTCCTGCTCCATCGGCTCCAACAGAGTGGGCATCATCAAGCAGCTGAACAAGGGCTGCAGCTACATCACCAACCAGGACGCCGATACCGTGACCATCGACAATACCGTGTATCAGCTGTCCAAGGTGGAAGGCGAGCAGCACGTGATCAAGGGCAGACCTGTGTCCTCCAGCTTCGACCCCGTGAAGTTCCCTGAGGATCAGTTCAACGTGGCCCTGGACCAGGTGTTCGAGTCCATCGAGAACTCTCAGGCTCTGGTGGACCAGTCCAACCGGATCCTGTCCTCTGCCGAGTCTGCTATCGGCGGCTATATCCCCGAGGCTCCTAGAGATGGCCAGGCCTATGTTCGGAAGGATGGCGAATGGGTGCTGCTGTCTACCTTCCTCGGAGGCCTGGTGCCTAGAGGCTCTCACCACCATCATCACCACTCCGCTTGGTCCCATCCACAGTTCGAGAAGTGA

配列番号40
コドン最適化されたsF_A1_MFurコードヌクレオチド配列
ATGTCCTGGAAGGTCGTGATCATCTTCTCCCTGCTGATCACCCCCCAGCACGGCCTGAAAGAGTCCTACCTGGAAGAGAGCTGCTCCACCATCACCGAGGGCTACCTGTCTGTGCTGCGGACCGGCTGGTACACCAACGTGTTCACCCTGGAAGTGGGCGACGTGGAAAACCTGACCTGCGCCGATGGCCCCAGCCTGATCAAGACCGAGCTGGACCTGACCAAGTCCGCCCTGCGGGAACTGAGAACCGTGTCTGCCGATCAGCTGGCCAGAGAGGAACAGATCGAGAACCCCCGGCAGTCCAAGAAACGGAAGCGGAGAGTGGCCACCGCCGCTGCTGTGACAGCTGGCGTGGCCATTGCCAAGACCATCCGGCTGGAATCCGAAGTGACCGCCATCAAGAACGCCCTGAAAAAGACCAACGAGGCCGTGTCTACCCTGGGCAATGGCGTGCGAGTGCTGGCTACAGCTGTGCGCGAGCTGAAGGACTTCGTGTCCAAGAACCTGACCCGGGCCATCAACAAGAACAAGTGTGATATCGCCGACCTGAAGATGGCCGTGTCCTTTAGCCAGTTCAACCGGCGGTTCCTGAACGTCGTGCGGCAGTTCTCTGACAACGCCGGCATCACCCCTGCCATCTCCCTGGATCTGATGACCGACGCCGAGCTGGCTAGAGCCGTGTCCAACATGCCTACCTCTGCCGGCCAGATCAAGCTGATGCTGGAAAACCGGGCCATGGTGCGACGGAAGGGCTTCGGCTTTCTGATCGGCGTGTACGGCTCCTCCGTGATCTACATGGTGCAGCTGCCTATCTTCGGCGTGATCGACACCCCCTGCTGGATCGTGAAGGCCGCTCCTAGCTGCTCCGAGAAGAAGGGCAACTACGCCTGCCTGCTGAGAGAGGACCAGGGCTGGTACTGTCAGAACGCCGGCTCCACCGTGTACTACCCCAACGAGAAGGACTGCGAGACACGGGGCGACCACGTGTTCTGTGATACCGCTGCTGGCATCAACGTGGCCGAGCAGTCCAAAGAGTGCAACATCAACATCTCCACCACCAACTACCCCTGCAAGGTGTCCACCGGCAGGCACCCCATCTCTATGGTGGCCCTGTCTCCTCTGGGCGCCCTGGTGGCTTGTTACAAGGGCGTGTCCTGCTCCATCGGCTCCAACAGAGTGGGCATCATCAAGCAGCTGAACAAGGGCTGCAGCTACATCACCAACCAGGACGCCGACACCGTGACCATCGACAATACCGTGTATCAGCTGTCCAAGGTGGAAGGCGAGCAGCACGTGATCAAGGGCAGACCCGTGTCCTCCAGCTTCGACCCCGTGAAGTTCCCCGAGGATCAGTTCAATGTGGCCCTGGACCAGGTGTTCGAGTCCATCGAGAACTCCCAGGCTCTGGTGGACCAGTCCAACCGGATCCTGTCCTCTGCCGAGAAGGGAAACACCTCCGGCAGAGAGAACCTGTATTTTCAAGGCGGCGGAGGCTCCGGCTACATCCCTGAGGCTCCTAGAGATGGCCAGGCCTACGTGCGGAAGGATGGCGAATGGGTGCTGCTGTCCACCTTCCTGGGCGGCATCGAGGGCAGACACCACCATCATCACCACTGA

配列番号41
精製タグ付きのCAN97-83株(受託番号Q6WB99)由来のMタンパク質配列
MGHHHHHHHHHHSSGHIDDDDKQESYLVDTYQGIPYTAAVQVDLVEKDLLPASLTIWFPLFQANTPPAVLLDQLKTLTITTLYAASQSGPILKVNASAQGAAMSVLPKKFEVNATVALDEYSKLEFDKLTVCEVKTVYLTTMKPYGMVSKFVSSAKPVGKKTHDLIALCDFMDLEKNTPVTIPAFIKSVSIKESESATVEAAISSEADQALTQAKIAPYAGLIMIMTMNNPKGIFKKLGAGTQVIVELGAYVQAESISKICKTWSHQGTRYVLKSR


配列番号42
CCKQTNECCKNLERAVSA

配列番号43
CCRELKECCKNLENAVSA

配列番号44
CCRELKDCCKNLENAVSA

配列番号45
CCRELKDCCKNLERAVSA

配列番号46
CCRELKDCCKQLNKAVSA

配列番号47
CCRELKECCKQLNKAVSA

配列番号48
コドン最適化されたsF_B1_Mコードヌクレオチド配列
ATGATCATTATCTCCCTGCTGATCACCCCCCAGCACGGCCTGAAAGAGTCCTACCTGGAAGAGAGCTGCTCCACCATCACCGAGGGCTACCTGTCTGTGCTGCGGACCGGCTGGTACACCAACGTGTTCACCCTGGAAGTGGGCGACGTGGAAAACCTGACCTGCACCGATGGCCCCAGCCTGATCAAGACCGAGCTGGACCTGACCAAGTCCGCCCTGCGCGAGCTGAAAACCGTGTCTGCCGATCAGCTGGCCAGAGAGGAACAGATCGAGAACCCCCGGCAGTCCAAGAAACGGAAGCGGAGAGTGGCCACCGCCGCTGCTGTGACAGCTGGAATCGCTATCGCCAAGACCATCCGGCTGGAATCCGAAGTGAACGCCATCAAGGGCGCTCTGAAGCAGACCAACGAGGCCGTGTCTACCCTGGGCAATGGCGTGCGAGTGCTGGCTACAGCTGTGCGGGAACTGAAAGAATTCGTGTCCAAGAACCTGACCAGCGCCATCAACCGGAACAAGTGTGATATCGCCGACCTGAAGATGGCCGTGTCCTTCAGCCAGTTCAACCGGCGGTTCCTGAACGTCGTGCGGCAGTTCTCTGACAACGCCGGCATCACCCCTGCCATCTCCCTGGATCTGATGACCGACGCCGAGCTGGCTAGAGCCGTGTCTTACATGCCTACCTCTGCCGGCCAGATCAAGCTGATGCTGGAAAACCGGGCCATGGTGCGACGGAAGGGCTTCGGCATCCTGATCGGCGTGTACGGCTCCTCCGTGATCTACATGGTGCAGCTGCCTATCTTCGGCGTGATCGACACCCCCTGCTGGATTATCAAGGCCGCTCCCAGCTGCTCCGAGAAGAACGGCAACTACGCCTGCCTGCTGAGAGAGGACCAGGGCTGGTACTGCAAGAACGCCGGCTCCACCGTGTACTACCCCAACGAGAAGGACTGCGAGACACGGGGCGACCACGTGTTCTGTGATACCGCTGCTGGCATCAACGTGGCCGAGCAGTCCAGAGAGTGCAACATCAACATCTCCACCACCAACTACCCCTGCAAGGTGTCCACCGGCAGGCACCCCATCTCTATGGTGGCCCTGTCTCCTCTGGGAGCCCTGGTGGCTTGTTACAAGGGCGTGTCCTGCTCCATCGGCTCCAACTGGGTGGGAATCATCAAGCAGCTGCCCAAGGGCTGCAGCTACATCACCAACCAGGACGCCGACACCGTGACCATCGACAATACCGTGTATCAGCTGTCCAAGGTGGAAGGCGAGCAGCACGTGATCAAGGGCAGACCCGTGTCCAGCTCCTTCGACCCCATCAAGTTCCCCGAGGATCAGTTCAATGTGGCCCTGGACCAGGTGTTCGAGTCCATCGAGAACTCCCAGGCTCTGGTGGACCAGTCCAACAAGATCCTGAACTCCGCCGAGAAGGGCAACACCTCCGGCAGAGAGAACCTGTATTTTCAAGGCGGCGGAGGCTCCGGCTACATCCCTGAGGCTCCTAGAGATGGCCAGGCCTACGTGCGGAAGGATGGCGAATGGGTGCTGCTGTCCACCTTCCTGTGA

配列番号50
>sF_B1_K-L7
MSWKVMIIISLLITPQHGLKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFTLEVGDVENLTCTDGPSLIKTELDLTKSALRELKTVSADQLAREEQIEQPRQSGCGAGATAGIAIAKTIRLESEVNAIKGALKQTNEAVSTLGNGVRVLAFAVRELKEFVSKNLTSALNRNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSYMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIIKAAPSCSEKNGNYACLLREDQGWYCKNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTCAGINVAEQSRECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNWVGIIKQLPKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPIKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNKILNSAESAIGGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGGLVPRGSHHHHHHSAWSHPQFEK

配列番号51
>L7F_B1_31
MSWKVMIIISLLITPQHGLKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFMLEVGDVENLTCTDGPSLLKTELDLTKSALRNLKTVSADQLAREEQIEQPRQSGCGAGATAGIAIAKTIRLESEVNAIKGALKQTNEAVSTLGNGVRVLATMVRELKEFVSKNLTSAINRNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSYMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIIKAAPSCSEKNGNYACLLREDQGWYCKNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTCAGINVAEQSRECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNWVGIIKQLPKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPIKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNKILNAGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGGLVPRGSHHHHHHSAWSHPQFEK

配列番号52
>L7F_B1_33
MSWKVMIIISLLITPQHGLKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFMLCVGDVENLTCTDGPSLLKTELDLTKSALRELKTVSADQLAREEQIEQPRQSGCGAGATAGIAIAKTIRLESEVNAIKGALKQTNEAVSTLGNGVRVLATMVRELCEFVSKNLTSAINRNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSYMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSDVIYMVQLPIFGVIDTPCWIIKAAPSCSEKNGNYACLLREDQGWYCKNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTCAGINVAEQSRECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNWVGIIKQLPKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPIKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNKCCNAGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGGLVPRGSHHHHHHSAWSHPQFEK

配列番号53
>L7F_B1_4.2
MSWKVMIIISLLITPQHGLKESYLEESCSTITEGYLSVLRTGWYTNVFMLEVGDVENLTCTDGPSLIKTELDLTKSALRELKTVSADQLAREEQIEQPRQSGCGAGATAGIAIAKTIRLESEVNAWKGALKQTNEVVSTLGNGVRVLVTMVRELKEFVSKNLTSALNRNKCDIADLKMAVSFSQFNRRFLNVVRQFSDNAGITPAISLDLMTDAELARAVSYMPTSAGQIKLMLENRAMVRRKGFGILIGVYGSSVIYMVQLPIFGVIDTPCWIIKAAPSCSEKNGNYACLLREDQGWYCKNAGSTVYYPNEKDCETRGDHVFCDTCAGINVAEQSRECNINISTTNYPCKVSTGRHPISMVALSPLGALVACYKGVSCSIGSNWVGIIKQLPKGCSYITNQDADTVTIDNTVYQLSKVEGEQHVIKGRPVSSSFDPIKFPEDQFNVALDQVFESIENSQALVDQSNKILNSAESAIGGYIPEAPRDGQAYVRKDGEWVLLSTFLGGLVPRGSHHHHHHSAWSHPQFEK

図1
図2
図3-1】
図3-2】
図3-3】
図4
図5-1】
図5-2】
図6-1】
図6-2】
図7-1】
図7-2】
図8
【配列表】
2024522385000001.app
【手続補正書】
【提出日】2023-10-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】追加
【補正の内容】
【配列表】
2024522385000001.app
【手続補正書】
【提出日】2023-11-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
唯一のhMPV抗原としてのヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はその断片の安定化された融合前コンフォメーション形態と、任意選択的に1つ以上のアジュバント及び/又は少なくとも1つの薬学的に許容される担体若しくは賦形剤とから本質的になる、免疫原性組成物であって、前記hMPVタンパク質が、遺伝子型A又はBの1つのサブグループに由来し、前記免疫原性組成物が、別のサブグループ及び/又は遺伝子型からのhMPVを交差中和する、免疫原性組成物。
【請求項2】
前記ヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はその断片の前記安定化された融合前コンフォメーション形態が、A1サブグループのものである、及び/又は
前記組成物が、i)前記遺伝子型Aの前記ヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はその断片の安定化された融合前コンフォメーション形態、及びii)前記遺伝子型Bの前記ヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はその断片の安定化された融合前コンフォメーション形態と、任意選択的に1つ以上のアジュバント及び/又は少なくとも1つの薬学的に許容される担体若しくは賦形剤とから本質的になり、前記免疫原性組成物が、他のサブグループ及び/又は他の遺伝子型を交差中和する、及び/又は
前記遺伝子型Aの前記ヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はその断片の前記安定化された融合前コンフォメーション形態が、前記A1サブグループのものであり、前記遺伝子型Bの前記ヒトメタニューモウイルス(hMPV)Fタンパク質又はその断片の前記安定化された融合前コンフォメーション形態が、前記B1サブグループのものである、及び/又は
前記融合前Fタンパク質が、組換えタンパク質である、
請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項3】
前記融合前Fタンパク質が、
細胞質尾部及び/又は膜貫通ドメインを欠いている、及び/又は
前記hMPV株又は臨床分離株に由来する天然Fタンパク質の改変アミノ酸配列であるアミノ酸配列を有する、及び/又は
hMPV株NL/1/00、NL/17/00、TN/94-49、NCL174、CAN97-83、NL/1/9、NDL00-1、C1-334、CAN97-82、及びTN/89-515に由来する配列番号1~10のアミノ酸配列からなる群から選択される天然Fタンパク質配列に由来する、及び/又は
配列番号1~10の天然Fタンパク質配列に対して、少なくとも1つの変異(置換又は欠失)、好ましくは、最大10個の変異を含む、及び/又は
前記融合前Fタンパク質が、システインに対する1つ以上のアミノ酸置換を含み、それが前記融合前コンフォメーションを安定化する1つ以上の非天然ジスルフィド結合を導入する、及び/又は
システイン置換が、
位置103~120のうちのいずれか1つ及び位置335~345のうちのいずれか1つ、
位置107~118のうちのいずれか1つ及び位置335~342のうちのいずれか1つ、
位置117~129のうちのいずれか1つ及び位置256~261のうちのいずれか1つ、
位置87~102のうちのいずれか1つ及び位置117~127のうちのいずれか1つ、
位置102~113のうちのいずれか1つ及び位置117~127のうちのいずれか1つ、
位置102~113のうちのいずれか1つ及び位置87~102のうちのいずれか1つ、
位置337~341のうちのいずれか1つ及び位置421~426のうちのいずれか1つ、
位置112~120のうちのいずれか1つ及び位置424~432のうちのいずれか1つ、
位置150~156のうちのいずれか1つ及び位置392~400のうちのいずれか1つ、
位置112~120のうちのいずれか1つ及び位置370~377のうちのいずれか1つ、
位置365~375のうちのいずれか1つ及び位置455~465のうちのいずれか1つ、
位置365~375のうちのいずれか1つ及び位置105~115のうちのいずれか1つ、又は
位置60~70のうちのいずれか1つ及び位置175~185のうちのいずれか1つで導入され、
前記位置が、配列番号1~10の前記天然Fタンパク質配列のアミノ酸に対応する、
請求項1又は2に記載の免疫原性組成物。
【請求項4】
前記融合前Fタンパク質が、少なくとも1つの非天然ジスルフィド結合によって安定化された単一ポリペプチド鎖からなる、及び/又は
前記融合前Fタンパク質が、少なくとも1つの導入されたジスルフィド結合によって安定化された単一ペプチドを含み、前記天然Fタンパク質と比較してF1ドメインとF2ドメインとの間にプロテアーゼ切断部位を欠いている、及び/又は
前記一本鎖融合前Fタンパク質が、前記天然Fタンパク質のアミノ酸位置に対して102位に、アルギニンの別のアミノ酸、好ましくはグリシンへの置換を含む、及び/又は
前記天然Fタンパク質の103~118位のアミノ酸残基が、少なくとも1つのシステイン残基を含む1~5個のアミノ酸残基からなる異種リンカーで置き換えられ、前記少なくとも1つのシステイン残基が、前記F1ドメイン内のシステイン残基とジスルフィド結合を形成する、及び/又は
前記異種リンカーが、少なくとも1つのアラニン、グリシン又はバリン残基を含み、好ましくは、前記リンカーが、配列CGAGA又はCGAGVを有する、及び/又は
前記融合前Fタンパク質が、前記天然hMPV Fタンパク質の49、51、67、80、137、147、159、160、161、166、177、258、266、480、及び/又は481位に対応する位置に1つ以上の置換を含む、及び/又は
前記置換が、T49M、E80N、I137W、A147V、A159V、T160F、A161M、I67L、I177L、F258I、S266D、I480C、及び/又はL481Cからなる群から選択される、及び/又は
前記一本鎖融合前Fタンパク質が、以下の置換組み合わせ:
N97Q、R102G及びG294E;
N97Q、R102G、T160F、I177L及びG294E;
N97Q、R102G、T49M、I67L、A161M、E80N、F258I及びG294E;
N97Q、R102G、T49M、I67L、A161M、E51C、K166C、S266D、G294E、I480C及びL481C;又は
N97Q、R102G、T49M、A161M、I137W、A159V、A147V、I177L、及びG294E
のうちの1つを含む、及び/又は
前記融合前Fタンパク質が、配列番号11(L7F_A1_23)、配列番号12(L7F_B1_23)、配列番号13(L7F_A1_23.2)、配列番号14(L7F_B1_23.2)、配列番号15(sF_A1_K_L7)、配列番号16(L7F_A1_31)、配列番号17(L7F_A1_33)、配列番号18(構築物L7F_A1_4.2)、配列番号50(構築物sF_B1_K_L7)、配列番号51(構築物L7F_B1_31)、配列番号52(構築物L7F_B1_33)、及び配列番号53(構築物L7F_B1_4.2)から選択されるアミノ酸配列を含むか又はそれからなる、
請求項1~3のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項5】
前記融合前Fタンパク質が、2つのポリペプチド鎖を有するタンパク質であり、配列番号19又は配列番号20のアミノ酸配列を含むか又はそれからなる、及び/又は
前記安定化された融合後Fタンパク質が、前記天然Fタンパク質のアミノ酸位置と比較して、103~111位のアミノ酸残基の欠失、リンカーKKRKRRによるR102の置き換え、及び前記置換G294Eを含む、
請求項1~のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項6】
前記融合前Fタンパク質が、i)配列番号1~20からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ii)その免疫原性が、配列番号1~20の親Fタンパク質の免疫原性と同様である、及び/又は
前記融合前hMPV Fタンパク質が、配列番号23~28の配列を有する三量体化ヘルパードメイン(フォールドン)又はそのバリアントを含む、及び/又は
前記Fタンパク質が、ホモ又はヘテロ三量体として産生される、及び/又は
前記組成物が、更なる非hMPV抗原を含む、及び/又は
前記アジュバントが、ミョウバン、CpG、例えば、CpG1018、ODN、I-ODN、IC31(登録商標)、MF59(登録商標)、AddaVax(商標)、AS03、AS01、QS21、MPL、GLA-SE、GLA-3M-052-LS、3M-052-ミョウバン、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される、及び/又は
前記アジュバントが、ミョウバン、CpG、例えば、CpG1018、ODN、I-ODN、IC31(登録商標)、MF59(登録商標)、AddaVax(商標)、AS03、AS01、QS21、MPL、GLA-SE、GLA-3M-052-LS及び3M-052-ミョウバンからなる群から選択される2つ以上のアジュバントからなる、
請求項1~のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項7】
前記免疫原性組成物が、前記融合前Fタンパク質に対する中和抗体を誘発することができる、及び/又は
前記融合前タンパク質又は融合前及び融合後タンパク質を含む前記免疫原性組成物が、同じ総タンパク質量で使用される前記融合後Fタンパク質を含む組成物によって誘発される免疫応答(中和抗体価)と比較して、優れた免疫応答(中和抗体価)を提供する、及び/又は
前記免疫原性組成物が、1つより多くのhMPV株に対する防御を提供する、及び/又は
前記免疫原性組成物が、遺伝子型AのhMPV株に対する防御を提供する、及び/又は
前記免疫原性組成物が、遺伝子型BのhMPV株に対する防御を提供する、及び/又は
前記免疫原性組成物が、遺伝子型A及び遺伝子型BのhMPV株に対する防御を提供する、及び/又は
前記免疫原性組成物がワクチンである、
請求項1~6のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項8】
薬物として使用するための、請求項1~7のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項9】
対象におけるhMPV感染及び/又は関連疾患治療及び/又は予防における使用のための、請求項1~8のいずれか一項に記載の免疫原性組成物であって、
前記方法が、前記対象に有効量の請求項1~8のいずれか一項に記載の免疫原性組成物を投与することを含む、及び/又は
前記免疫原性組成物が、筋肉内、皮内、皮下、粘膜、直腸内、又は経口的に投与される、及び/又は
前記方法が、請求項1~8のいずれか一項に記載の免疫原性組成物のプライム・ブースト投与を含み、前記プライム・ブーストが、同じ免疫原性組成物で行われる、及び/又は
前記方法が、請求項1~8のいずれか一項に記載の免疫原性組成物のプライム・ブースト投与を含み、前記プライム投与が、遺伝子型AのFタンパク質を含む組成物で行われ、前記ブースト投与が、遺伝子型BのFタンパク質を含む組成物で行われるか、又はその逆である、及び/又は
前記方法が、融合前hMPV Fタンパク質に対する中和抗体を生成し、少なくとも1つの遺伝子型A又はB、好ましくは両方のhMPV株に対する防御を提供するために、前記対象に治療有効量の請求項1~8のいずれか一項に記載の免疫原性組成物を投与することを含む、
免疫原性組成物
【請求項10】
請求項1~8のいずれか一項に記載の免疫原性組成物を生成するための方法であって、i)宿主細胞内の発現ベクターに挿入された対応する核酸分子からの組換え融合前Fタンパク質の発現、ii)前記発現された組換えFタンパク質を精製すること、及びiii)前記精製された組換えタンパク質を、薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤と、任意選択的にアジュバントと組み合わせることを含む、方法。
【国際調査報告】