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特表2024-522392非同期の無線受信機によって受信された同様のデータパケットのコンテンツベースの同期
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  • 特表-非同期の無線受信機によって受信された同様のデータパケットのコンテンツベースの同期 図1
  • 特表-非同期の無線受信機によって受信された同様のデータパケットのコンテンツベースの同期 図2
  • 特表-非同期の無線受信機によって受信された同様のデータパケットのコンテンツベースの同期 図3A
  • 特表-非同期の無線受信機によって受信された同様のデータパケットのコンテンツベースの同期 図3B
  • 特表-非同期の無線受信機によって受信された同様のデータパケットのコンテンツベースの同期 図4A
  • 特表-非同期の無線受信機によって受信された同様のデータパケットのコンテンツベースの同期 図4B
  • 特表-非同期の無線受信機によって受信された同様のデータパケットのコンテンツベースの同期 図4C
  • 特表-非同期の無線受信機によって受信された同様のデータパケットのコンテンツベースの同期 図5
  • 特表-非同期の無線受信機によって受信された同様のデータパケットのコンテンツベースの同期 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-19
(54)【発明の名称】非同期の無線受信機によって受信された同様のデータパケットのコンテンツベースの同期
(51)【国際特許分類】
   H04W 56/00 20090101AFI20240612BHJP
   H04W 88/18 20090101ALI20240612BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20240612BHJP
   G01S 5/02 20100101ALI20240612BHJP
【FI】
H04W56/00 110
H04W88/18
H04W64/00 140
G01S5/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569966
(86)(22)【出願日】2022-05-11
(85)【翻訳文提出日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 IL2022050489
(87)【国際公開番号】W WO2022239003
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】63/187,437
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】521532972
【氏名又は名称】エー.ディー ナイト リミテッド
【氏名又は名称原語表記】A.D KNIGHT LTD.
【住所又は居所原語表記】32 Dov Hoz Street, Herzliya, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アビール ジョナサン ハイム
(72)【発明者】
【氏名】ペレグ シャロン
【テーマコード(参考)】
5J062
5K067
【Fターム(参考)】
5J062CC11
5J062CC18
5K067AA42
5K067DD17
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067HH22
(57)【要約】
本明細書では、無線伝送機からの別個の非同期受信機(104)によって受信されたデータパケットを同期させるための方法及びシステムが開示される。共通タイムベースを有さない複数の別個の非同期受信機のそれぞれは、無線伝送機(202)によって伝送されたデータパケットを受信し得、受信データ(204)を計算することに加えて、他のデータパケットと比較して少なくとも一定期間にわたり時間的に一意であり得る各々のパケットのコンテンツに基づいて、パケットのそれぞれについて、各々の識別子(ID)を計算し得る(206)。同期ユニット(100)は、受信データ(212)と関連付けられたIDを受信し得、IDに基づいて同様のデータパケット間で相関付け得る(214)。同期ユニットは、さらに、相関IDの少なくとも一部と関連付けられた受信データを共同で処理するように構成された1つ以上の装置に、各々の受信データと結合された相関IDを出力し得る(216)。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線伝送機からの別個の非同期受信機によって受信されたデータパケットを同期させる方法であって、
少なくとも1つのプロセッサを使用することを含み、前記使用することは、
少なくとも1つの無線伝送チャネルを介して少なくとも1つの無線伝送機によって伝送され、複数の別個の非同期受信機によって受信された複数のデータパケットの各々の1つの複数の識別子(ID)のそれぞれについて非同期的に受信することであって、前記複数のIDのそれぞれは、前記複数の受信機のうちの1つによって計算された各々の受信データと関連付けられる、前記受信することと、
前記IDに基づいて、前記複数の受信機の少なくとも一部によって受信された同様のデータパケット間で相関付けることと、
相関IDの少なくとも一部と関連付けられた前記受信データを共同で処理するように構成された少なくとも1つの装置に、前記関連付けられた受信データと結合された前記相関IDを出力することと、
を行うためのものである、方法。
【請求項2】
前記同様の相関データパケットは、前記少なくとも1つの無線伝送機によって伝送され、前記少なくとも一部の受信機によって受信される少なくとも1つのデータパケットに対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
それぞれの受信データパケットと関連付けられた前記受信データは、少なくとも、前記各々の受信データパケットの受信信号強度インジケータ(RSSI)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記受信機のそれぞれは、さらに、受信データパケットのそれぞれを、前記各々のデータパケットの各々の到着時刻(TOA)と関連付けるように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のデータパケットの少なくとも一部の前記IDは、少なくとも所定期間中に前記少なくとも1つの無線伝送機によって伝送された先行及び/または後続のデータパケットに関して時間的に一意である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のデータパケットのそれぞれの前記IDは、前記各々のデータパケットの少なくとも一部に基づいて計算される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記各々のデータパケットの前記少なくとも一部は、前記少なくとも1つの無線伝送チャネルを介して前記各々のデータパケットを伝送するために使用された少なくとも1つの通信プロトコルによって定義された前記各々のデータパケットの少なくとも1つのフィールドを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記データパケットの前記IDは、さらに、前記少なくとも1つの無線伝送チャネルの少なくとも1つのネットワークパラメーターに基づいて計算される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記データパケットの前記IDは、さらに、少なくとも1つのデータパケットと前記少なくとも1つの無線伝送機とを関連付けるために、前記複数のデータパケットのうちの前記少なくとも1つから抽出された前記少なくとも1つの無線伝送機のデバイスIDに基づいて計算される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記複数のデータパケットの少なくとも一部の前記IDは、前記各々のデータパケットの少なくとも一部に適用された少なくとも1つの任意長のコンテンツマッピング関数を使用して計算され、前記少なくとも1つの任意長のコンテンツマッピング関数は、ハッシュ関数、暗号化ハッシュ関数、及びCRC関数から成るグループの一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも一部の相関データパケットの受信時間に基づいて、前記複数の受信機間の共通タイムベースを確立することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のデータパケットの少なくとも一部は、前記共通タイムベースに基づいて相関付ける、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の受信機の少なくとも一部は、前記共通タイムベースに基づいて同期される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
さらに、前記共通タイムベースに基づいて、前記複数の受信機の少なくとも一部に対して共通サンプリングタイムベースを確立することを含み、前記共通サンプリングタイムベースは、前記複数のデータパケットを伝送するために前記少なくとも1つの無線伝送機によって使用された複数の無線伝送チャネルのそれぞれに対するサンプリング時間を定義する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの装置は、前記複数の受信機を備える複合受信機の統合ユニットを備え、前記統合ユニットは、前記相関IDと関連付けられた前記受信データを集約して、変換済み受信データを作成するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの装置は、前記相関IDと関連付けられた前記受信データに基づいて、前記少なくとも一部の受信機に対する前記少なくとも1つの無線伝送機の位置を計算するように構成されたロケーターシステムを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの無線伝送機について計算された前記位置は、前記少なくとも一部の受信機に対する相対位置である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの無線伝送機について計算された前記位置は、前記少なくとも一部の受信機の所定位置に基づいて計算された絶対位置である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記無線伝送機の既知の位置に従って、前記複数の受信機のうちの少なくとも1つを較正することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
無線伝送機からの別個の非同期受信機によって受信されたデータパケットを同期させるためのシステムであって、
コードを実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含み、前記コードは、
少なくとも1つの無線伝送チャネルを介して少なくとも1つの無線伝送機によって伝送され、複数の別個の非同期受信機によって受信された複数のデータパケットの各々の1つの複数の識別子(ID)のそれぞれについて非同期的に受信するコード命令であって、前記複数のIDのそれぞれは、前記複数の受信機のうちの1つによって計算された各々の受信データと関連付けられる、前記コード命令と、
前記IDに基づいて、前記複数の受信機の少なくとも一部によって受信された同様のデータパケット間で相関付けるコード命令と、
相関IDの少なくとも一部と関連付けられた前記受信データを共同で処理するように構成された少なくとも1つの装置に、前記関連付けられた受信データと結合された前記相関IDを出力するコード命令と、
を含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2021年5月12日に出願された米国仮特許出願第63/187,437号の優先権の利益を主張するものであり、参照により、その内容全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、そのいくつかの実施の形態では、無線伝送機によって伝送されたデータパケットを同期することに関し、より具体的には、限定ではないが、データパケットのコンテンツに基づいて複数の非同期受信機によって受信される、無線伝送機によって伝送された同様のデータパケットを同期することに関する。
【0003】
モバイルベースの技術が急速に大きく飛躍して進展している中、モバイルデバイスの配備は、商業指向のサービスから、農業及び環境システム、軍事用途にわたる広範囲のアプリケーション、サービス、システム、プラットフォーム、及び/またはインフラストラクチャに対して絶えず増大している。
【0004】
モバイルベースのサービス及びシステムのそのような機能の1つは、位置特定に関し、すなわち、無線デバイスの位置を判定することに関する。この必要性に対処するために、様々な技術及びアルゴリズムが開発されており、モバイルデバイスに関する信頼性の高い位置特定、位置決め、及び/または追跡のソリューションが提供されている。
【0005】
これらのソリューションは、衛星ベースサービス、例えばモバイルデバイスに結合され得る全地球測位システム(GPS)センサーを含み得る。他の技術、例えば、三角測量法は、モバイルデバイスによって伝送された無線信号を受信するように構成された静的受信機を配備することと、受信された無線信号について計算された受信データを集約することによって無線デバイスの位置を計算することとに基づき得る。
【0006】
位置特定技術のそれぞれは、必然的に、わずかな例を挙げると、精度、信頼性、ロバスト性、コスト、耐久性に関して、その利点及び制限をもたらし得る。
【発明の概要】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、無線伝送機から別個の非同期受信機によって受信されたデータパケットを同期させる方法が提供され、本方法は、1つ以上のプロセッサを使用することを含み、使用することは、
-1つ以上の無線伝送チャネルを介して1つ以上の無線伝送機によって伝送され、複数の別個の非同期受信機によって受信された複数のデータパケットの各々の1つのそれぞれについて複数の識別子(ID)を非同期的に受信することであって、複数のIDのそれぞれは、複数の受信機のうちの1つによって計算された各々の受信データと関連付けられる、受信することと、
-IDに基づいて、複数の受信機の少なくとも一部によって受信された同様のデータパケット間で相関付けることと、
-相関IDの少なくとも一部と関連付けられた受信データを共同で処理するように構成された1つ以上の装置に、その関連付けられた受信データと結合された相関IDを出力することと、
を行うためのものである。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、無線伝送機から別個の非同期受信機によって受信されたデータパケットを同期させるためのシステムが提供され、本システムは、コードを実行するように構成された1つ以上のプロセッサを備え、コードは、
-1つ以上の無線伝送チャネルを介して1つ以上の無線伝送機によって伝送され、複数の別個の非同期受信機によって受信された複数のデータパケットの各々の1つのそれぞれについて複数の識別子(ID)を非同期的に受信するコード命令であって、複数のIDのそれぞれは、複数の受信機のうちの1つによって計算された各々の受信データと関連付けられる、コード命令と、
-IDに基づいて、複数の受信機の少なくとも一部によって受信された同様のデータパケット間で相関付けるコード命令と、
-相関IDの少なくとも一部と関連付けられた受信データを共同で処理するように構成された1つ以上の装置に、その関連付けられた受信データと結合された相関IDを出力するコード命令と、
を含む。
【0009】
第1の態様及び/または第2の態様のさらなる実施態様の形態では、同様の相関データパケットは、少なくとも一部の受信機によって受信される、1つ以上の無線伝送機によって伝送された1つ以上のデータパケットに対応する。
【0010】
第1の態様及び/または第2の態様のさらなる実施態様の形態では、受信データパケットのそれぞれと関連付けられた受信データは、少なくとも、各々の受信データパケットの受信信号強度インジケータ(RSSI)を含む。
【0011】
第1の態様及び/または第2の態様のさらなる実施態様の形態では、受信機のそれぞれは、さらに、受信データパケットのそれぞれを各々のデータパケットの到着時刻(TOA)と関連付けるように構成される。
【0012】
第1の態様及び/または第2の態様のさらなる実施態様の形態では、複数のデータパケットの少なくとも一部のIDは、少なくとも所定期間中に1つ以上の無線伝送機によって伝送された先行及び/または後続のデータパケットに関して時間的に一意である。
【0013】
第1の態様及び/または第2の態様のさらなる実施態様の形態では、複数のデータパケットのそれぞれのIDは、各々のデータパケットの少なくとも一部に基づいて計算される。
【0014】
第1の態様及び/または第2の態様のさらなる実施態様の形態では、各々のデータパケットの少なくとも一部は、1つ以上の無線伝送チャネルを介して各々のデータパケットを伝送するために使用された1つ以上の通信プロトコルによって定義された各々のデータパケットの1つ以上のフィールドを含む。
【0015】
第1の態様及び/または第2の態様のさらなる実施態様の形態では、データパケットのIDは、さらに、1つ以上の無線伝送チャネルの1つ以上のネットワークパラメーターに基づいて計算される。
【0016】
第1の態様及び/または第2の態様のさらなる実施態様の形態では、データパケットのIDは、さらに、1つ以上のデータパケットと1つ以上の無線伝送機との間で関連付けるために、複数のデータパケットの1つ以上から抽出された1つ以上の無線伝送機のデバイスIDに基づいて計算される。
【0017】
第1の態様及び/または第2の態様のさらなる実施態様の形態では、複数のデータパケットの少なくとも一部のIDは、各々のデータパケットの少なくとも一部に適用された1つ以上の任意長のコンテンツマッピング関数を使用して計算され、1つ以上の任意長のコンテンツマッピング関数は、ハッシュ関数、暗号化ハッシュ関数、及びCRC関数から成るグループの一部である。
【0018】
第1の態様及び/または第2の態様の選択的実施態様の形態では、少なくとも一部の相関データパケットの受信時間に基づいて、複数の受信機間で共通タイムベースが確立される。
【0019】
第1の態様及び/または第2の態様のさらなる実施態様の形態では、複数のデータパケットの少なくとも一部は、共通タイムベースに基づいて相関付けられる。
【0020】
第1の態様及び/または第2の態様のさらなる実施態様の形態では、複数の受信機の少なくとも一部は、共通タイムベースに基づいて同期される。
【0021】
第1の態様及び/または第2の態様の選択的実施態様の形態では、共通サンプリングタイムベースは、共通タイムベースに基づいて、複数の受信機の少なくとも一部に対して確立され、共通サンプリングタイムベースは、複数のデータパケットを伝送するために少なくとも1つの無線伝送機によって使用された複数の無線伝送チャネルのそれぞれに対するサンプリング時間を定義する。
【0022】
第1の態様及び/または第2の態様のさらなる実施態様の形態では、1つ以上の装置は、複数の受信機を含む複合受信機の統合ユニットを含み、その統合ユニットは、変換済み受信データを生成するために、相関IDと関連付けられた受信データを集約するように構成される。
【0023】
第1の態様及び/または第2の態様のさらなる実施態様の形態では、1つ以上の装置は、相関IDと関連付けられた受信データに基づいて、少なくとも一部の受信機に対する1つ以上の無線伝送機の位置を計算するように構成されたロケーターシステムを含む。
【0024】
第1の態様及び/または第2の態様のさらなる実施態様の形態では、1つ以上の無線伝送機について計算された位置は、少なくとも一部の受信機に対する相対位置である。
【0025】
第1の態様及び/または第2の態様のさらなる実施態様の形態では、1つ以上の無線伝送機について計算された位置は、少なくとも一部の受信機の所定位置に基づいて計算された絶対位置である。
【0026】
第1の態様及び/または第2の態様の選択的実施態様の形態では、複数の受信機のうちの1つ以上は、無線伝送機の既知の位置に従って較正される。
【0027】
本開示の他のシステム、方法、特徴、及び/または利点は、以下の図面及び発明を実施するための形態を検討することで当業者に明らかになるであろう、または明らかになる。そのような全ての追加のシステム、方法、特徴、及び利点は、この説明に含まれ、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0028】
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び/または科学用語は、本発明が属する当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本明細書で説明されるものと同様または同等の方法及び材料が、本発明の実践または試験で使用できるが、例示的な方法及び/または材料は下記に説明される。矛盾する場合、定義を含む本特許明細書を優先する。さらに、材料、方法、及び例は、一例にすぎず、必ずしも限定することを意図していない。
【0029】
本発明の実施形態の方法及び/またはシステムの実施態様は、選択されたタスクを自動的に行うまたは完了することを含み得る。さらに、本発明の方法及び/またはシステムの実施形態の実際の計器及び機器によれば、いくつかの選択されたタスクは、オペレーティングシステムを使用して、ハードウェア、ソフトウェア、もしくはファームウェア、またはそれらの組み合わせによって実施できる。
【0030】
例えば、本発明の実施形態に従って選択されたタスクを行うためのハードウェアは、チップまたは回路として実装され得る。ソフトウェアとして、本発明の実施形態に従って選択されたタスクは、任意の適切なオペレーティングシステムを使用してコンピューターによって実行されている複数のソフトウェア命令として実施できる。本発明の例示的な実施形態では、本明細書で説明される方法及び/またはシステムの例示的な実施形態に従った1つ以上のタスクは、複数の命令を実行するためのコンピューティングプラットフォーム等のデータプロセッサによって行われる。オプションで、データプロセッサは、命令及び/もしくはデータを記憶するための揮発性メモリ、ならびに/または命令及び/もしくはデータを記憶するための不揮発性ストレージ、例えば、磁気ハードディスク及び/もしくはリムーバブルメディアを含む。オプションで、ネットワーク接続も提供される。ディスプレイ、及び/またはキーボードもしくはマウス等のユーザー入力デバイスもオプションで提供される。
【0031】
本明細書では、本発明のいくつかの実施形態は、ほんの一例として添付の図面を参照して説明される。ここで特に詳細に図面を参照して、示される事項が例として本発明の実施形態の説明に役立つ考察の目的のためのものであることを強調しておく。これに関して、図面を用いた説明は、本発明の実施形態がどのように実践され得るかを当業者に明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】ここで図面を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、無線伝送機によって伝送され、データパケットのコンテンツに基づいて複数の非同期受信機によって受信されたデータパケットを同期させるための例示的なシステムの概略図である。
図2】本発明のいくつかの実施形態による、無線伝送機によって伝送された受信データパケットに対する受信データを生成し、データパケットのコンテンツに基づいて同様のデータパケットを同期するために実行された例示的なプロセスのフローチャートである。
図3A】本発明のいくつかの実施形態による、同様のデータパケットを相関付けるために、受信データパケットごとに識別子(ID)を計算するために使用された例示的なデータパケット構造の概略図である。
図3B】本発明のいくつかの実施形態による、同様のデータパケットを相関付けるために、受信データパケットごとに識別子(ID)を計算するために使用された例示的なデータパケット構造の概略図である。
図4A】本発明のいくつかの実施形態による、無線伝送機によって伝送されたデータパケットの例示的な受信イベントシーケンスの概略図である。
図4B】本発明のいくつかの実施形態による、無線伝送機によって伝送されたデータパケットの例示的な受信イベントシーケンスの概略図である。
図4C】本発明のいくつかの実施形態による、無線伝送機によって伝送されたデータパケットの例示的な受信イベントシーケンスの概略図である。
図5】本発明のいくつかの実施形態による、無線伝送機によって伝送されたデータパケットのための複数の非同期受信機によって生成された例示的なイベントストリームを相関付ける概略図である。
図6】本発明のいくつかの実施形態による、複数の非同期受信機と、受信機の少なくとも一部によって受信される、無線伝送機によって伝送された同様のデータパケット間で相関付けるように構成された統合ユニットとから構築された例示的な複合受信機の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は、そのいくつかの実施の形態では、無線伝送機によって伝送されたデータパケットを同期することに関し、より具体的には、限定ではないが、データパケットのコンテンツに基づいて複数の非同期受信機によって受信される、無線伝送機によって伝送された同様のデータパケットを同期することに関する。
【0034】
無線伝送デバイスの位置特定は、無線伝送機によって伝送された無線信号を受信するために、異なる位置に複数の別個の受信機を配備し、受信済み無線信号に基づいて無線伝送機の位置を計算することによって行われ得る。
【0035】
無線伝送機は、1つ以上の無線伝送技術、例えば、セルラー伝送、無線ローカルエリアネットワーク(LAN)伝送(例えば、Wi-Fi)、Bluetooth伝送、無線周波数(RF)伝送、及び/または当技術分野で既知の1つ以上の周波数帯域を利用する同様の伝送技術等を採用する1つ以上の無線伝送チャネルを介して無線信号を伝送し得る。
【0036】
各受信機は、各無線信号について、具体的には、各々の受信機が傍受する無線伝送機の1つによって伝送された無線信号によって搬送(変調、エンコード等)された各データパケットについて受信データを計算するように構成され得る。受信データ、例えば、受信機において受信された信号の強度、到来角(AOA)、到達時間(TOA)、及び/または同様のものを示す受信信号強度インジケータ(RSSI)は、当技術分野で既知の1つ以上の方法、アーキテクチャ、及び/または実施態様を使用して計算、導出、及び/または判定され得る。
【0037】
受信された無線信号に基づいて無線伝送機の位置を計算することは、当技術分野で既知の1つ以上の無線位置特定方法、技術、及び/またはアルゴリズム、例えば三角測量法、及び/または受信された無線信号について計算された受信データに基づき得る同様の方法等を使用して行われ得る。
【0038】
異なる複数の受信機での無線信号の受信(例えば、RSSI、AOA等)の差分に基づいて無線伝送機の位置が計算されるので、受信機間の受信差分は、同様の無線信号、すなわち、無線伝送機によって伝送された同じ無線信号に対応する信号に関連するはずである。
【0039】
同様の無線信号間の相関付けは特に重要であり、実際には、動作中のモバイル無線伝送機の位置を判定するために必須である。その理由として、モバイル無線伝送機の位置が動的であることにより、同様の無線信号の各セットは、特定の時点で、特定の位置に位置している間に無線伝送機によって伝送された特定の無線信号に対応するためである。適切に相関付けられない場合、異なる受信機によって受信された信号は、異なる位置に存在している間に異なる時間に無線伝送機によって伝送された異なる無線信号に対応し得る。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態によれば、無線伝送機によって伝送され、同期されたクロックを共有しない複数の非同期受信機によって受信される同様の無線信号を同期及び相関付けるための方法、システム、及びコンピュータープログラム製品が提供される。
【0041】
具体的には、無線伝送機によって伝送された同じ1つ以上のデータパケットに対応する無線信号によって搬送(変調、エンコード、カプセル化)された同様のデータパケットは、データパケットのコンテンツに基づいて相関付け(同期され)得る。
【0042】
前述したように、無線伝送機によって伝送された無線信号は、複数の受信機によって受信され、それらのコンテンツに基づいて一緒に相関付けられ得るデータパケットを搬送(変調、エンコード等)する。しかしながら、簡潔にするために、「無線信号」及び「データパケット」という用語は、本開示を通して言い換え可能に使用され得る。例えば、無線信号のコンテンツへの言及は、実際には、無線信号によって搬送されたデータパケットのコンテンツに関連し得る。別の例では、データパケットの受信時間は、実際には、データパケットを搬送する無線信号の受信時間に関連し得る。
【0043】
典型的には、無線伝送機によって伝送されたデータパケットのほとんどのコンテンツは、少なくとも一定期間、例えば10、15、20パケット及び/または同様のパケット等、先行及び/または後続のデータパケットのコンテンツと比較して時間的に一意である。
【0044】
1つ以上の周波数帯域で伝送された無線伝送信号を受信するように構成された1つ以上のアンテナを含み得る非同期受信機のそれぞれは、さらに、受信された無線信号によって搬送されたデータを少なくとも部分的に復号化するように構成され得る。例えば、各受信機は、受信された無線信号においてエンコードされたデータパケットの少なくともローデータビットを識別し得る。しかしながら、受信機は、さらに、1つ以上の既知のネットワークプロトコル及び/または通信プロトコルに従って、具体的には無線伝送機によって採用された1つ以上の通信プロトコルに従って、データパケットのロービットをバイト及び意味のあるフィールドに分割するように構成され得る。そのようなデータパケットの分割は、通常、データパケットのデータフィールドを含むデータパケットの少なくともヘッダー及びペイロード、例えばソース、送信先、パケットサイズ、パケットタイプ、ペイロードの記述情報、及び/または同様のものを識別することを含み得る。
【0045】
したがって、無線伝送機によって伝送された無線信号によって搬送されたデータパケットを受信する受信機のそれぞれは、受信データパケットごとに、例えばRSSI、AOA、及び/または同様のものについて受信データを計算し得、さらに、各々の受信データパケットをその各々の受信データと関連付け得る。受信機は、さらに、受信データパケットのそれぞれを、各々の受信時間、例えば各々の受信機による各々のデータパケットの受信時間を示す到着時間(TOA:到着時刻)と関連付け得る。
【0046】
受信機のそれぞれは、さらに、各々のデータパケット及び/またはそのデータパケットの一部のコンテンツに基づいて、例えば、各々のデータパケット及び/または同様のものを伝送するために使用された1つ以上のネットワークプロトコル及び/または通信プロトコルによって定義された、ペイロードデータ、1つ以上のヘッダー、フィールド、及び/または同様のものに基づいて、受信データパケットのそれぞれの識別子(ID)を計算し得る。例えば、ロービットだけがサポートされている場合、受信された各データパケットのIDは、受信された各々のデータパケット及び/またはその一部のロービットに基づいて計算され得る。別の例では、受信機が、ネットワークプロトコル及び/または通信プロトコルのエンコーディングにおけるネットワークを復号化することが可能であると想定すると、受信データパケットのそれぞれのIDは、各々の受信データパケットの1つ以上のデータフィールドの値に基づいて計算され得る。
【0047】
さらに、受信機は、1つ以上の任意長のコンテンツマッピング関数、例えば、暗号化ハッシュ関数、ハッシュ関数、サイクリックリダンダンシーチェック(CRC)関数、及び/または同様の関数を、各々のデータパケットのコンテンツの少なくとも一部に適用することによって、受信データパケットの1つ以上に対するIDを計算及び/または生成し得る。
【0048】
オプションで、データパケットを伝送するために発信元の無線伝送機によって使用された無線伝送チャネルを示す1つ以上のネットワークパラメーターにも基づいて、IDを計算し得る。
【0049】
オプションで、発信元の無線伝送機を示す、受信データパケットで識別されたデバイスIDにも基づいて、IDを計算し得る。
【0050】
次に、受信機のそれぞれは、各々のデータパケットについて計算された受信データと結合された受信データパケットごとに計算されたIDを、1つ以上の同期ユニット、例えば統合ユニットに伝送し得る。
【0051】
無線伝送機によって伝送されたデータパケットのほとんどが、典型的には、少なくとも特定期間にわたり時間的に一意であるので、これらのデータパケットのIDも、少なくとも特定期間にわたり時間的に一意であり得る。
【0052】
したがって、複数の異なる受信機によって受信されたデータパケットであるが、無線伝送機によって伝送された同じデータパケットに対応する同様のデータパケットは、それらのIDに基づいて同期ユニットによって相関及び同期され得、すなわち、同じIDを有するデータパケットは同様のデータパケットとみなされ得、ひいては一緒に相関付けられ得る。
【0053】
オプションで、同期ユニットは、相関データパケットに基づいて、複数の受信機の少なくとも一部の受信機間の共通タイムベースを確立し得る。受信機からIDを受信する同期ユニットは、受信機間の時間差を識別するために、各受信機で受信されたデータパケットのそれぞれの受信時間を判定し得る。したがって、同期ユニットは、各々のデータパケットを受信した各々の受信機に対して識別された時間差に従って、それぞれの受信データパケットを共通タイムベースに対してマッピングし得る。したがって、共通タイムベースは、複数の受信機における受信イベントのタイミングに基づいて確立され得る。
【0054】
さらに、同期ユニットは、共通タイムベースに従って、1つ以上の同様のデータパケットを相関付け得る。例えば、異なる受信機によって受信されるデータパケットは、このように異なる時点で同期ユニットによって受信され得る。しかしながら、そのようなデータパケットが、共通タイムベースに対して同時にマッピングされる場合、これらのデータパケットは、同様であると見され得る。その理由として、それらのデータパケットは、特定の時点で無線伝送機によって伝送された同じデータパケットに対応し、ひいては、一緒に相関付けられ得るためである。
【0055】
さらに、同期ユニットは、共通タイムベースに基づいて、受信機の少なくとも一部に対して共通サンプリングタイムベースを確立し得る。共通サンプリングタイムベースは、サンプリング時間と、オプションで、データパケットを伝送するために無線伝送機によって使用された複数の無線伝送チャネルをサンプリングする順序とを定義し得る。
【0056】
次に、同期ユニットは、関連付けられた受信データと結合された相関IDを、1つ以上のアプリケーションのために相関IDの少なくとも一部と関連付けられた受信データを共同で処理するように構成された1つ以上の装置、システム、サービス、及び/または同様のものに出力し得る。
【0057】
そのような第1の重要なアプリケーションは、相関がある同様のデータパケットを受信する複数の別個かつ非同期の受信機によって同様のデータパケットについて計算された相関IDの受信データに基づいて、無線伝送機の位置を計算及び/または判定することである。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態によれば、無線伝送機の位置を判定するために使用された受信機の少なくとも一部は、1つ以上の無線伝送機の既知の位置に従って較正され得る。無線伝送機の既知の位置は、1つ以上の他の追跡、測位、及び/または位置特定システム、サービス、プラットフォーム、及び/またはインフラストラクチャを使用して、例えば、全地球測位システム(GPS)、マップベースサービス、及び/または同様のものを使用して、判定、提供、及び/またはそうでなければ取得され得る。特に、受信機の較正は、受信データまたは変換済み受信データを、無線伝送機の既知の位置から受信されるはずの受信データの予想と比較することによって行われ得、または、その位置を計算して、その場合を既知の位置と比較することによって行われ得る。
【0059】
相関IDの少なくとも一部と関連付けられた受信データを共同で処理することから利益をもたらし得る別のアプリケーションは、相関IDと関連付けられた受信データに基づいて、変換済み受信データを計算するように指示される。例えば、1つ以上の複合受信機は、共通のクロックを共有しない複数の非同期受信機から構築され得る。
【0060】
受信機のそれぞれは、受信機の1つ以上のアンテナに接続され、1つ以上の無線伝送機によって伝送されたデータパケットを受信し、各々の受信データを生成するように構成され得る。受信機は、さらに、本明細書で前述したようにデータパケットのコンテンツに基づいて、受信データパケットごとにIDを計算し、受信データパケットについて計算された受信データと各パケットのIDを関連付け得る。
【0061】
複合受信機は、さらに、変換済み受信データを計算するために、例えば、相関がある同様のデータパケットと関連付けられた受信データを集約することによって、受信データパケットを伝送する方向(AOA)及び/または同様のものを計算するために、そのIDに基づいて異なる非同期受信機によって受信された同様のデータパケット間で相関付けるように構成された統合ユニットを含み得る。
【0062】
1つ以上の複合受信機から受信された変換済み受信データは、さらに、同様のデータパケットのために計算されたIDに基づいて相関付けられ得、例えば、無線伝送機の位置を計算するために使用され得る。
【0063】
受信データパケットのコンテンツに基づいて、非同期受信機によって受信された同様のデータパケットを相関付けることは、無線伝送機によって伝送された同様の無線信号を同期させるための現存のシステム及び方法と比較して、著しい利点及び利益をもたらし得る。
【0064】
まず始めに、既存のシステムの一部は、ほとんどが同期受信機に依存していない場合、異なる同期受信機によって受信された同様のデータパケットはその受信タイミングに基づいて相関付けられ得る。受信機のそのような同期は、大きな制限を提供し得る。そのような1つの制限として、高度なクロック回路及び/または外部同期をサポートするタイミングメカニズムを有するハイエンド受信機を使用する必要性がある。そのようなハイエンド受信機は、より複雑であり、より高価であり、より高い故障率になり、及び/または同様の性質があり得る。さらに、異なるクロック同期規定及び/またはプロトコルをサポートし得る異なるベンダーの受信機を使用することは、制限され得る及び/または著しく複雑になり得、そして、受信機の配備のコストを増加させ得る。さらに、相互に著しく離れ得る受信機間で同期クロックを分配するために、大規模な配線及びケーブルのインフラストラクチャが必要になり得、ひいては、受信機の配備のコスト及び/または複雑性をさらに増加させる。
【0065】
他方では、コンテンツに基づく同様のデータパケットの相関付けは、非同期受信機を使用して行われ得、したがって、高度に複雑であり得る、及び/またはコストがかかり得る、いずれかの同期の設備、インフラストラクチャ、及び/または同様のものに対する必要が完全になくなり、ひいては、受信機の配備の複雑性及び/またはコストが大幅に減る。さらに、受信機を同期させる必要がないので、オプションで異なるベンダーからの単純なローエンド受信機を使用し得ることによって、受信機のコストがさらに減る。
【0066】
さらに、既存の方法によって要求されるように受信機が同期されるときでも、受信機の少なくとも一部は、特定の時点で、無線伝送機のジオロケーション等のアプリケーションのために、相互に必然的に無関係な異なる無線伝送機から発信されたデータパケットを受信し得、無線伝送機及び/または同様のものによって伝送されたデータパケットの受信データを向上させる。他方では、データパケットをそれらのコンテンツに基づいて相関付けることによって、異なる無線伝送機から発信されたデータパケットを混合する心配がなくなる。その理由として、相関付けはタイムベースではなくコンテンツベースであり、異なる無線伝送機から伝送されたパケットのコンテンツは本質的に異なり得るためである。
【0067】
さらに、無線伝送機によって使用された無線伝送チャネルのネットワークパラメーターにも基づいて計算されるIDに基づいてデータパケットを相関付けることによって、異なる無線伝送チャネルから受信されたデータパケットを混合する確率が下がり、場合によっては除外され得、したがって、同様のデータパケット相関の精度、信頼性、及び/またはロバスト性が増加する。さらに、無線伝送機のデバイスIDにも基づき計算され、データパケットをそれらのIDに基づき相関付けることによって、異なる無線伝送機から伝送されたデータパケットを混合する確率が下がり得、場合によっては除外され得、したがって、同様のデータパケット相関の精度、信頼性、及び/またはロバスト性がさらに向上する。
【0068】
さらに、任意長コンテンツマッピング機能、例えば、暗号化ハッシュ関数、ハッシュ関数、CRC及び/またはその他のそのような機能を使用してIDを計算することによって、IDのサイズが大幅に減り得、したがって、IDの伝送、IDの記憶、同様のデータパケットを示すIDをマッチさせる検索、及び/または同様のものに必要なコンピューティングリソース、例えば、処理リソース、処理時間、ストレージリソース、ネットワークリソース、及び/または同様のものが大幅に減り得る。
【0069】
同様のデータパケットの相関の成功が発生したときにいつでも、共通タイムベースを確立し、調整し、及び更新し、そして時間的に一意のデータコンテンツを含まない場合がある他のデータパケットを相関付けるために共通タイムベースを使用して、相関の精度、信頼性、及び/またはロバスト性がさらに向上し得る。特に、これによって、既存の方法によって行われた受信タイミングに基づいて同様のデータパケットの相関付けを可能にし得る一方、複雑なかつ/またはコストのかかる同期受信機が必要なく、その相関付けを達成する。むしろ、共通のクロックベースは、時間固有のデータパケットのコンテンツベースの相関に従って維持及び更新される一方、共通のクロックベースは、先行及び/または後続のデータパケットに対して時間固有ではないデータパケットの時間ベースの相関に使用され得る。
【0070】
共通サンプリングタイムベースを確立することによって、同様のデータパケットのコンテンツベースの相関の効率、信頼性、及び/またはロバスト性が大幅に向上し得る。これは、受信機が、データパケットの伝送に使用される複数の無線伝送チャネルを監視するように構成され得るとき、特に有利になり得る。そのようなシナリオでは、異なる受信機が、異なる時間に異なる無線伝送チャネルをサンプリングし得、これは、同様のデータパケットを相互に相関付けできなくなり得る。特定のサンプリング時間と、オプションで他の受信機のサンプリング時間に同期するサンプリング順序(データパケットの受信)とを各受信機に命令することによって、同期ユニットは、複数の受信機、場合によっては、全ての受信機が同じ無線送信チャネルのサンプリング時間に同期されることを保証し得る。
【0071】
無線伝送機の既知の位置に基づいて受信機を較正することは、既存の方法によって要求され得るような受信機を較正するための複雑なかつ/またはコストのかかる較正動作を大幅に減らす役割を果たし得る。1つ以上の単純な無線伝送機は、受信機によって受信され、一緒に相関付けられ得るデータパケットを伝送するように配備され得る。相関付けられたデータパケットに対する各受信機によって計算された相関データ及び受信データに基づいて、受信機は容易かつ簡単に較正され得る。さらに、1つ以上の既存のサービス、システム、及び/またはプラットフォームを較正のために使用され得、例えば、各車両は、その位置を記録及び報告するためのGPSセンサーが装備され、受信機によって受信され得る無線信号を伝送することが可能である、1つ以上の管理された全車両に使用され得る。
【0072】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明で記載される、ならびに/または図面及び/もしくは実施例に示される、構造の詳細ならびに構成要素及び/または方法の配列に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能である、または様々な方法で実践もしくは実行することが可能である。
【0073】
当業者によって理解されるように、本発明の態様は、システム、方法、またはコンピュータープログラム製品として具体化され得る。したがって、本発明の態様は、全体的にハードウェア実施形態、全体的にソフトウェア実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、または、全て一般的に、本明細書では、「回路」、「モジュール」、もしくは「システム」と呼ばれ得るソフトウェア及びハードウェアの態様を組み合わせる実施形態の形態をとり得る。さらに、本発明の態様は、コンピューター可読プログラムコードが具体化された1つ以上のコンピューター可読媒体で具体化されたコンピュータープログラム製品の形態をとり得る。
【0074】
1つ以上のコンピューター可読媒体の任意の組み合わせを利用し得る。コンピューター可読ストレージ媒体は、命令実行デバイスによって使用される命令を保持及び記憶できる有形デバイスであり得る。コンピューター可読ストレージ媒体は、例えば、限定ではないが、電子ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、光学ストレージデバイス、電磁気ストレージデバイス、半導体ストレージデバイス、または前述の任意の適切な組み合わせであり得る。コンピューター可読ストレージ媒体のより具体的な例の非包括的リストは、以下のポータブルコンピューターディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム読取専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、それに記憶された命令を有する溝内のパンチカードまたは隆起構造等の機械的エンコードデバイス、及び前述の任意の適切な組み合わせを含む。本明細書に使用されるようなコンピューター可読ストレージ媒体は、それ自体、電波もしくは他の自由に伝播する電磁波、導波路もしくは他の伝送媒体(例えば、光ファイバーケーブルを通る光パルス)を通して伝播する電磁波、または通信回線を通して伝送された電気信号等の一次的信号として解釈するべきではない。
【0075】
コンピューター可読媒体で具体化されたコンピューター可読プログラム命令を含むコンピュータープログラムコードは、限定ではないが、無線、有線、光ファイバーケーブル、RF等、または前述の任意の適切な組み合わせを含む、任意の適切な媒体を使用して伝送され得る。
【0076】
本明細書で説明されるコンピューター可読プログラム命令は、各々のコンピューティング/処理デバイスに、コンピューター可読ストレージ媒体からダウンロードできる、または外部コンピューターもしくは外部ストレージデバイスに、ネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、及び/または無線ネットワークを介してダウンロードできる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバー、無線伝送、ルーター、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピューター、及び/またはエッジサーバーを含み得る。各コンピューティング/処理デバイスのネットワークアダプタカードまたはネットワークインターフェースは、コンピューター可読プログラム命令をネットワークから受信し、各々のコンピューティング/処理デバイスの内部でコンピューター可読ストレージ媒体内に記憶するために、コンピューター可読プログラム命令を転送する。
【0077】
本発明の動作を実行するためのコンピューター可読プログラム命令は、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書き込まれ得、プログラミング言語として、例えば、アセンブラ命令、インストラクションセットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、C++、もしくは同様の言語等のオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語もしくは同様のプログラミング言語等の従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書き込まれたソースコードもしくはオブジェクトコードのいずれかが挙げられる。
【0078】
コンピューター可読プログラム命令は、ユーザーのコンピューター上で全体的に、ユーザーのコンピューター上で部分的に、スタンドアローンソフトウェアパッケージとしてユーザーのコンピューター上で部分的に、及びリモートコンピューター上で部分的に、またはリモートコンピューターもしくはサーバー上で全体的に実行され得る。後のシナリオでは、リモートコンピューターは、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくは広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを経由してユーザーのコンピューターに接続され得る、または、(例えば、インターネットサービスプロバイダーを使用して、インターネットを経由して)外部コンピューターに接続され得る。いくつかの実施形態では、例えば、プログラマブル論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む電子回路は、本発明の態様を行うために、電子回路をパーソナライズするコンピューター可読プログラム命令の状態情報を利用することによって、コンピューター可読プログラム命令を実行し得る。
【0079】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータープログラム製品のフローチャート図及び/またはブロック図を参照して、本明細書で説明される。フローチャート図及び/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャート図及び/またはブロック図のブロックの組み合わせは、コンピューター可読プログラム命令によって実施できることが理解されるであろう。
【0080】
図のフローチャート及びブロック図は、本発明の様々な実施形態に従って、システム、方法、及びコンピュータープログラム製品の可能である実施態様のアーキテクチャ、機能、及び動作を示す。この点では、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、モジュール、セグメント、または命令の一部を表し得、それらは、指定された論理機能を実施するための1つ以上の実行可能命令を含む。いくつかの代替実施態様では、ブロックで表される機能は、図で表されるものと違う順序で発生し得る。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際に、実質的に同時に実行され得る、またはブロックは、時々、関連する機能に応じて逆順で実行され得る。また、ブロック図及び/またはフローチャート図の各ブロック、ならびにブロック図及び/またはフローチャート図のブロックの組み合わせは、指定された機能もしくは行為を行う、または専用ハードウェア及びコンピューター命令の組み合わせを実行する専用ハードウェアベースシステムによって実施できることが留意されるであろう。
【0081】
図1は、ここで図面を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、無線伝送機によって伝送され、データパケットのコンテンツに基づいて複数の非同期受信機によって受信されたデータパケットを同期させるための例示的なシステムの概略図である。
【0082】
同期システム100、例えば、サーバー、コンピューティングノード、コンピューティングノードのクラスター、デバイス、装置、及び/または同様のものは、無線伝送機102の1つ以上によって伝送された無線信号によって搬送(変調、エンコード、カプセル化等)されたデータパケットを同期するように構成され得、これに基づいて、複数の別個の非同期受信機1004の少なくとも一部によって受信され、例えば、異なる位置に位置する少なくとも2つの別個の受信機104によって受信される。
【0083】
1つ以上の無線伝送チャネルを介して無線信号を伝送するための1つ以上の無線インターフェースを有する無線伝送機102は、当技術分野で既知の1つ以上の周波数帯域を利用して、1つ以上の無線伝送技術、例えば、セルラー伝送、無線ローカルエリアネットワーク(LAN)伝送(例えば、Wi-Fi)、Bluetooth伝送、無線周波数(RF)伝送及び/または同様の伝送に従って、無線信号を伝送し得る。無線伝送機102によって伝送された無線信号によって搬送されたデータは、例えば、データパケットは、例えば、GSM、CDMA、LTE、WiMAX、IEEE802.11、及び/または同様の規格等、当技術分野で既知の1つ以上の通信プロトコルに従って、エンコード及び/またはカプセル化され得る。
【0084】
無線伝送機102の1つ以上は、固定された位置に位置する静止デバイスであり得るが、無線伝送機102は、さらに、少なくとも一時的に動作中である及び/または静止しているモバイル無線デバイスを含み得る。そのような無線伝送機102は、例えば、1人以上のユーザーによって使用されたモバイルデバイス、例えば電話、タブレット、ウェアラブルデバイス(例えば、時計、ゴーグル、タグ等)を含み得る。別の例では、無線伝送機102は1つ以上の車両デバイスを含み得、車両デバイスは、1つ以上のマニュアル車及び/または少なくとも部分的に自律型車両、例えば、車、トラック、オートバイ、自転車、列車、路面電車、ドローン、無人航空機(UAV)、及び/または同様のもの等に組み込まれ、搭載され、取り付けられ、及び/またはそうでなければ結合され得る。
【0085】
受信機104のそれぞれは、1つ以上の周波数帯域で伝送された無線伝送信号を傍受するための1つ以上のアンテナを含み得、ひいては、周波数のスペクトルから無線伝送信号を受信(傍受)することが可能であり得る。特に、受信機104のそれぞれは、無線伝送機102の1つ以上によって伝送された無線信号によって搬送されたデータパケットを受信するように構成され得る。
【0086】
受信機104は、さらに、少なくともロービット形式で、データパケットに含まれたデータを復号するように構成され得る。オプションで、受信機104は、無線伝送機102によって採用されたネットワークプロトコル及び/または通信プロトコルのうちの1つ以上に従って、データパケットのロービットをバイト及び意味のあるフィールドに分割することが可能であり得る。そのようなデータパケットの分割は、通常、データパケットの少なくともヘッダー及びペイロードを識別することを含み得る。ヘッダーは、典型的には、各々のデータパケットに関連する情報、例えばソース(発信元ノード)、送信先(ターゲットノード)、パケットサイズ、パケットタイプ、ペイロードの情報の記述、及び/または同様のものを含むように、通信プロトコルによって定義されたデータフィールドを含む。ペイロードはデータを含み得る。データパケットの1つ以上のペイロードのデータはオプションで暗号化され得、いくつかの場合、データパケットの1つ以上のペイロードは空であり得る。
【0087】
受信機104のそれぞれは、受信された各無線信号について、具体的には、無線伝送機102のうちの1つによって伝送された受信データパケットごとに受信データを計算するように構成され得る。受信データパケットごとに受信機104によって計算された受信データは、例えば、RSSI、到来角(AOA)、及び/または同様のものを含み得る。
【0088】
受信機104のそれぞれは、受信データを計算、導出、及び/または判定するために、当技術分野で既知の1つ以上の方法、アーキテクチャ、及び/または実施態様を適用し得る。例えば、複数のアンテナを含む受信機104の1つ以上は、当技術分野で既知の受信機104のタイミングに基づいて相関がある複数のアンテナのうちの複数のアンテナのそれぞれにおける各々のパケットの受信パラメーター(例えば、時間、角度、RSSI等)に基づいて、各データパケットについて受信データを計算し得る。受信ユニットのそれぞれは、受信機104の複数のアンテナのうちの各々の1つに接続され得、さらに、受信された無線信号ごとに、具体的には、受信された無線信号によって搬送された受信データパケットごとに、各々の受信データを計算するように構成され得る。受信機104の統合ユニットは、受信データパケットごとに、例えば、受信された無線信号及び/または同様のものを伝送した発信元の無線伝送機102の方向等に関して、変換済み受信データを計算するために、複数の受信ユニットによって計算された受信データを収集及び集約し得る。
【0089】
受信機104のそれぞれは、典型的には、ローカルクロック、例えば、タイミングメカニズム、クロック回路、カウンターユニット、及び/または同様のものに基づいて動作し得、これらは、受信データ及び/またはその一部、例えば各々の受信機104によって受信された1つ以上のデータパケットのTOAを計算するためにさらに使用され得る。
【0090】
しかしながら、受信機104のそれぞれはローカルクロックを含み得るが、複数の別個の受信機104は相互に非同期であり、これは、それらのローカルクロックを同期させるために受信機104の間で共通のクロックが共有されないことを意味する。したがって、例えば、メカニズム、インフラストラクチャ(例えば、ビーコン、ワイヤ、ケーブル等)、プロトコル、及び/または同様のものが、受信機104の間の共通のクロックを同期、共有、分配、及び/またはそうでなければ確立するために配備され得る。
【0091】
オプションで、受信機104の位置、例えばジオロケーションが事前に定義され、同期システム100に知られる。
【0092】
同期システム100は、受信機104と接続し、受信機104と通信するための入/出力(I/O)インターフェース110と、プロセッサ112と、データ及びコード(プログラムストア)を記憶するためのストレージとを含み得る。
【0093】
I/Oインターフェース110は、受信機104と通信するための1つ以上の有線及び/または無線ネットワークインターフェース、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)インターフェース、ワイドエリアネットワーク(WAN)インターフェース、無線LAN(WLAN)インターフェース、セルラーインターフェース、コントローラーエリアネットワーク(CAN)バスインターフェース、及び/または同様のインターフェースを含み得る。I/Oインターフェース110は、さらに、1つ以上の有線及び/または無線相互接続通信インターフェースを含み得、これは、ネットワークトポロジー、ポイントトゥポイントトポロジー、及び/または同様のトポロジー、例えばシリアルポート(例えば、RS-232、RS-422、RS-485等)、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、RF通信チャネル、専用の相互接続等を採用し得る。
【0094】
したがって、同期システム100は、I/Oインターフェース210を介して、受信機104vと通信し得る。同期システム100を受信機104と接続する通信リンクは、1つ以上の技術、トポロジー、及び/またはプロトコルを採用し得る。例えば、I/Oインターフェース110は、受信機104の全てに接続し得る1つ以上のネットワーク、例えばLANネットワーク、WLANネットワーク、及び/または同様のネットワークに接続し得る。別の例示的な配備では、受信機104は、I/Oインターフェース110が接続される複数のネットワークの各々の1つにそれぞれ接続されたグループに分割され得、それにより、同期システム100は、複数のネットワークを介して受信機104と通信し得る。別の例示的な配備では、同期システム100は、同期システム100と受信機104のそれぞれとの間に、I/Oインターフェース110を介して確立された専用の通信チャネルを介して、例えばシリアル通信チャネル、RF通信チャネル、及び/または同様のチャネルを介して、受信機104の1つ以上と通信し得る。
【0095】
同種または異種のプロセッサ112、クラスターとして及び/または1つ以上のマルチコアプロセッサとして並列処理のために配置された1つ以上の処理ノードを含み得る。ストレージ114は、1つ以上の非一時的な不揮発性の永続的メモリデバイス及び/またはアレイ、例えば、データ及び/またはプログラムストアのためのROM、フラッシュアレイ、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、磁気ディスク、及び/または同様のものを含み得る。ストレージ114は、また、1つ以上の揮発性メモリデバイス及び/またはアレイ、例えば、データ及び/またはプログラムストアの一時的なストレージに役立つRAMデバイス、キャッシュメモリ、及び/または同様のものを含み得る。ストレージ114は、オプションで、I/Oインターフェース110を介してアクセス可能な1つ以上のネットワーク化されたストレージリソース、例えば、ストレージサーバー、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、及び/または同様のものを含み得る。
【0096】
プロセッサ112は、1つ以上のソフトウェアモジュール、例えば、プロセス、スクリプト、アプリケーション、エージェント、ユーティリティ、ツール、オペレーティングシステム(OS)、ドライバー、プラグイン、パッチ、更新、及び/または同様のものを実行し得、これらは、それぞれ、ストレージ114等の非一時的媒体(プログラムストア)に記憶され、プロセッサ112等の1つ以上のプロセッサによって実行された複数のプログラム命令を含む。プロセッサ112は、さらに、同期システム100に統合及び/または結合された1つ以上のハードウェアモジュール(要素)を含み、統合し、利用し、及び/または容易にし得る。ハードウェアモジュールとして、例えば、回路、コンポーネント、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、高度暗号化標準(AES)エンジン、及び/または同様のものが挙げられる。
【0097】
したがって、プロセッサ112は、1つ以上の機能モジュール、例えば1つ以上のソフトウェアモジュール、1つ以上のハードウェアモジュール、及び/またはそれらの組み合わせによって利用されたパケットシンクロナイザー120を実行し得る。
【0098】
同期システム100は、受信機104とは別々の独立したエンティティ、例えば、複数の受信機104に接続されたサーバー、コンピューティングノード、コンピューティングノードのクラスター、及び/または同様のものであり得るが、同期システム100は、オプションで、受信機104の各々がパケットシンクロナイザー120を実行するように、受信機104の1つ以上に統合され得る。
【0099】
オプションで、同期システム100、具体的にはパケットシンクロナイザー120は、1つ以上のクラウドベースのコンピューティングサービス、プラットフォーム、及び/またはインフラストラクチャ、例えば、サービス型インフラストラクチャ(IaaS)、サービス型プラットフォーム(PaaS)、サービス型ソフトウェア(SaaS)、及び/または同様のもの、例えば、Amazon Web Service(AWS)、Google Cloud、Microsoft Azure、及び/または同様のものとして実装され得る。
【0100】
図2は、本発明のいくつかの実施形態による、無線伝送機によって伝送された受信データパケットに対する受信データを生成し、データパケットのコンテンツに基づいて同様のデータパケットを同期するために実行された例示的なプロセスのフローチャートである。
【0101】
例示的なプロセス200は、受信機104の少なくとも一部のそれぞれによって、特に、無線伝送チャネルの1つ以上を介して無線伝送機102の1つ以上によって伝送されたデータパケットを受信する受信機104によって実行され得る。そのような受信機104のそれぞれは、各々のプロセス(インスタンス)200を実行して、受信データパケットごとに受信データを計算し、その受信データと関連付けられた(結合された)受信データパケットを、同期ユニット100に伝送し得る。
【0102】
例示的なプロセス210は、例えば、同期システム100によって実行されたパケットシンクロナイザー120によって実行され、受信機104によって受信されたデータパケットを受信し、同様のデータパケット、すなわち、特定の無線伝送機102によって伝送され、複数の受信機104によって受信されるデータパケットを相関付け得る。特に、パケットシンクロナイザー120は、少なくとも所定期間にわたり固有であり得るデータパケットのコンテンツ、例えば数秒(例えば、3秒、4秒、5秒等)及び/または同様の長さに変換され得る数千サイクルの期間等に基づいて、同様のデータパケットを相関付けることによって、データパケットを同期させ得る。
【0103】
簡潔にするために、プロセス200及びプロセス210は、無線伝送機102によって伝送され、受信機104の少なくとも一部によって受信された同様のデータパケットを相関付けることによって、単一の無線伝送機102によって伝送されたデータパケットを同期するために提示される。しかしながら、これは限定的であると解釈するべきではない。その理由として、複数の無線伝送機102によって伝送され、受信機104によって受信された同様のデータパケットを相関付けることによって、複数の無線伝送機102によって伝送されたデータパケットを同期するために、プロセス200及びプロセス210を拡張し得るためである。
【0104】
202に示されるように、複数の受信機104によって実行され得るプロセス200は、各々の受信機104が、無線伝送チャネルの1つ以上を介して、無線伝送機102によって伝送された1つ以上のデータパケットを受信することから始まる。
【0105】
必然的に、プロセス200は、無線伝送機102によって伝送された無線信号を受信することが可能である受信機104、具体的には、データパケットを搬送する無線信号を伝送するために無線伝送機102によって使用された伝送チャネルの範囲内にある動作可能な受信機104だけによって起動及び実行され得る。
【0106】
無線伝送機102によって伝送された各データパケットの受信は、受信イベントと見され得る。典型的には、無線伝送機102が複数のデータパケットを伝送し得るので、受信機104は、無線伝送機102によって伝送された受信データパケットの各々の1つに関連する、またはそれに対応する受信イベントのシーケンスを作成し得る。
【0107】
受信機104の1つ以上が複数の無線伝送機102から発信されたデータパケットを受信する場合、各々の受信機104によって生成された受信イベントのシーケンスは、発信元の複数の無線伝送機102から発信されたデータパケットに対応する受信イベントを含み得る。
【0108】
受信機104のそれぞれは、さらに、受信時刻(タイムスタンプ)を、各々のデータパケットの受信時刻を示す各受信イベントに割り当て得る。受信機104は、そのローカルクロックに基づいて、受信データパケットのそれぞれの受信時間を計算、導出、及び/または生成し得る。
【0109】
ステップ204に示されるように、受信機104のそれぞれは、無線伝送機102から発信された受信データパケットごとに、すなわち、受信イベントごとに受信データを計算し得る。
【0110】
受信機104によって計算された受信データは、少なくとも、各々の受信データパケットのRSSI、特に、各々の受信データパケットを搬送する受信された無線伝送信号の受信機における信号強度を示すRSSIを含み得る。
【0111】
しかしながら、受信データパケットの1つ以上に関する受信機104の1つ以上によって計算された受信データは、さらに、各々の受信データパケットに関連する1つ以上の追加の受信パラメーターを含み得る。例えば、受信データパケット(受信イベント)のうちの1つ以上について計算された追加の受信パラメーターは、各々の受信機104のアンテナアレイによって受信された各々のデータパケットのAOA、特に、各々のデータパケットを搬送する受信された無線伝送信号のAOAを含み得る。別の例では、受信データパケットの1つ以上に対する受信機104の1つ以上によって計算された追加の受信パラメーターは、タイムスタンプ、例えば各々の受信データパケットのTOAを含み得る。受信機104は、例えば、各々のデータパケットの第1のビットの信号立ち上がりに従って、当技術分野で既知のTOAを計算し得る。別の例では、受信データパケットの1つ以上のための受信機104の1つ以上によって計算された追加の受信パラメーターは、各々の受信データパケットを伝送するために採用された伝送チャネルのタイプ及び/または技術、例えば、セルラー、Wi-Fi、Bluetooth、及び/または同様のものを含み得る。
【0112】
ステップ206において示されるように、受信機104のそれぞれは、さらに、各々のデータパケットのコンテンツに基づいて、または各々のデータパケットのコンテンツの少なくとも一部に基づいて、受信データパケットごとに識別子(ID)を計算し得る。
【0113】
受信機104は、受信データパケットごとにIDを計算するために1つ以上の技術、方法、及び/またはアルゴリズムを適用し得る。しかしながら、データパケットIDを計算するために異なる技術、方法、及び/またはアルゴリズムが適用され得るが、受信機104の全ては、後で同様のID間で相関付けるために一貫性及び能力を保証するために、IDを計算するための同じ技術、方法、及び/またはアルゴリズムに従う必要がある。
【0114】
例えば、受信機104の1つ以上が、1つ以上のデータパケットをカプセル化するために使用された通信プロトコルを知らないことを想定する。そのような場合、受信機104の少なくとも一部がこれらのデータパケットをパースすることが不可能であり得るので、受信機104の全ては、したがって、各々のデータパケット及び/またはその一部のロービットに基づいて、データパケットごとにIDを計算し得る。例えば、受信機104は、各々のデータパケットで識別されたビットストリーム全体に基づいて、データパケットに対するIDを計算し得る。別の例では、受信機104は、各々のデータパケットで識別されたロービットストリーム(ビットシーケンス)の1つ以上の所定のセグメント、例えば、各々のデータパケットの開始からカウントされた所定の数の初期ビットに基づいて、データパケットのIDを計算し得る。
【0115】
別の例では、受信機104が、データパケットの1つ以上をエンコード及び/またはカプセル化するために使用されたネットワークプロトコル及び/または通信プロトコルのうちの1つ以上を認識するように構成され、認識することが可能である場合、受信機104は、無線伝送チャネルを介して各々のデータパケットを伝送するために使用された各々の通信プロトコルによって定義された各々のデータパケットの1つ以上のデータフィールドに基づいて、認識されたデータパケットごとにIDを計算し得る。
【0116】
特定の無線伝送機102によって伝送された複数のデータパケットは、典型的に、それらのコンテンツが相互に異なり得る。データパケットのコンテンツの差異は、データパケットに含まれた異なるデータまたはそのヘッダー内の異なるパラメーターから生じ得る。
【0117】
伝送装置102によって伝送された各データパケットのコンテンツが、その先行及び/または後続のデータパケットと少なくともわずかに(例えば、1ビット)異なり得るので、各データパケットのコンテンツに基づいて計算されたIDは、少なくとも所定期間中に、先行及び/または後続のデータパケットに対して時間的に一意であり得る。
【0118】
オプションで、受信機104は、無線伝送チャネルの1つ以上のネットワークパラメーター、例えば、各々のデータパケットが受信されるWLAN(例えば、Wi-Fi)にも基づいて、データパケットの1つ以上のIDを計算し得る。例えば、ネットワークID、固有のネットワーク無線特性(UNRC)、サービスセット識別子(SSID)、ネットワークタイプ、ネットワークチャネル、ネットワークサブチャネル、及び/または同様のものを含み得るネットワークパラメーターは、各無線送信チャネルを他の無線送信チャネルに対して一意に識別し得る。受信機104の1つ以上が異なる同時無線伝送チャネルを介して伝送されたデータパケットを受信し得るので、ネットワークパラメーターに基づいてIDを計算することは、異なる無線伝送チャネルから受信されたデータパケットをさらに区別するのに役立ち得る。例えば、同じ伝送チャネルを使用する2つの無線ネットワーク(例えば、Wi-Fi)は、少なくとも部分的に重複する対象エリアを有し得、それにより、受信機104の1つ以上が、第1の無線ネットワークを介して伝送された1つ以上のパケット及び第2の無線ネットワークを介して伝送された1つ以上のパケットを時折受信し得る。そのような場合、ネットワークパラメーターに基づいてデータパケットを相関付けることによって、相関パケットが同じ無線ネットワークを介して同じ伝送機102から発信されることを保証し得る。
【0119】
オプションで、受信機104は、各々のデータパケットを伝送した無線伝送機102のデバイスID、例えば、無線伝送機102のメディアアクセスコントローラー(MAC)アドレス、無線伝送機102のS/N、及び/または同様のものにも基づいて、データパケットの1つ以上のIDを計算し得る。受信機104の1つ以上は、オプションで同じ無線伝送チャネル(ネットワーク)を介して、複数の異なる無線伝送機102から伝送されたデータパケットを受信し得るので、デバイスIDに基づいてIDを計算することは、異なる無線伝送機102から発信されたデータパケットをさらに区別するのに役立ち得る。
【0120】
ここで図3A及び図3Bを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、同様のデータパケットを相関付けるために、受信データパケットごとに識別子(ID)を計算するために使用された例示的なデータパケット構造の概略図であることが分かる。
【0121】
図3Aに見られるように、従来技術において既知のようにデータパケットをフレームにカプセル化するためのWi-Fi MACフレームは、ヘッダー、フレーム本体、及びフレームチェックシーケンス(FCS)から成り得る。ヘッダーはフレームに関する情報を保持し、フレーム本体は伝送する必要があるデータを搬送し、ヘッダー及びフレーム本体についてFCSが計算される。ヘッダーによって定義された1つ以上のデータフィールドの結合されたバイナリコンテンツは、各々のデータパケット(フレーム)のIDを計算するために使用され得、このIDは、少なくとも所定期間中、他のデータパケットに対して十分に一意であり得る。その理由として、著しく高確率で、このフィールドの値は、後続のデータパケットにおいて繰り返さない(再発しない)場合があるためである。例えば、「To 宛先システム(DS)へ」フィールドの値、「From DS」フィールドの値、「アドレス1|」フィールドの値及びFCSフィールドの値を使用して、少なくとも所定期間中に時間的に一意であり得る、十分に一意なIDを計算し得る。データフィールドの1つ以上、具体的には各データパケットの固有性に寄与するそのようなデータフィールドは、例えば、各々のデータパケットに関する固有IDを計算するために、受信機104によって使用され得る。
【0122】
図3Bに見られるように、当技術分野で既知のWi-Fi期間/IDフィールドは、期間値、関連付け識別子(AID)値、及び複数の予約値によって構築され得る。期間値は、少なくとも所定期間中に伝送されたデータパケットごとに異なり得るので、期間値に基づいて計算され得る各データパケットのIDは、少なくとも所定期間中、データパケットごとに十分に一意であり得る、すなわち、少なくとも所定期間中は時間的に一意であり得る。また、これらのデータフィールドの1つ以上も、例えば、各々のデータパケットに対する固有IDを計算するために、受信機104によって使用され得る。
【0123】
オプションで、受信機104は、データパケットごとにIDを計算するために、1つ以上の任意長のコンテンツマッピング関数、例えば、暗号化ハッシュ関数、ハッシュ関数、CRC関数、及び/または同様の関数を適用し得る。これは、データパケットの1つ以上について計算されたIDのサイズを減らすために行われ得、したがって、コンピューティングリソース、例えば、データパケットのIDを伝送、記憶、及び/または処理するために必要な処理リソース、ストレージリソース、及び/またはネットワークリソースが減る。受信機104は、すなわち、各々のデータパケットの全てのコンテンツに任意長のコンテンツマッピング関数を適用することによって、各データパケットのIDを計算し得る。しかしながら、受信機104は、任意長のコンテンツマッピング関数を、データパケットの一部だけに、例えば、1つ以上のフィールド、データペイロード、及び/または同様のものに適用することによって、各データパケットのIDを計算し得る。例えば、受信機104は、ハッシュ関数を適用して、各々のデータパケットのコンテンツの少なくとも一部、例えば、各々のデータパケットのデータペイロード、データペイロード及びソースアドレスフィールド、ならびに/または同様のものに基づいて、ハッシュ値を計算することによって、データパケットごとにIDを計算し得る。さらに、受信機104は、1つ以上のハードウェアモジュール、例えば、既知の暗号化キーを使用するAES暗号化エンジンを利用して、データパケットの1つ以上に対するIDとして機能するハッシュ値を生成し得る。これは、計算時間、コンピューティングリソース、及び/または電力消費を減らし得るAESアクセラレーションHWを含む最新のCPUにとって特に有利であり得る。
【0124】
したがって、各々のデータパケットを各々の受信データと関連付けるために、受信データパケットごとに受信機104のそれぞれによって作成された受信イベントは、受信データパケットについて計算された各々のIDを含み得、各々のデータパケットのための各々の受信機104によって計算された受信データと、オプションで各々のデータパケットの受信時間とを含み得る。
【0125】
ここで図4A図4B、及び図4Cを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、無線伝送機によって伝送されたデータパケットの例示的な受信イベントシーケンスの概略図であることが分かる。
【0126】
図4Aに見られるように、1つ以上のデータパケットは、無線伝送機102等の無線伝送機によって伝送された無線伝送信号によって搬送され得る。各データパケットがロービットストリーム(ビットシーケンス)として表され得るように、データパケットは1つ以上のプロトコル及び/またはエンコードスキームに従ってエンコードされ得る。さらに、データパケットのそれぞれは、典型的に、無線伝送チャネルを介してデータパケットを伝送するために無線伝送102によって適用されたネットワークプロトコル及び/または通信プロトコルによって定義された1つ以上のデータフィールドを含み得る。例えば、各データパケットは、ヘッダー及びデータペイロードを有し得る。ヘッダー及び/またはペイロードは、さらに、1つ以上のデータフィールド、例えば、ソースアドレス(発信元ノード)、送信先アドレス(ターゲットノード)、パケットサイズ、パケットタイプ、ペイロードの情報記述、及び/または同様のものを含み得る。データを含み得るペイロードは、オプションで暗号化され得、いくつかの場合、データパケットの1つ以上のデータペイロードが空であり得る。
【0127】
受信機104等の各受信機による各データパケットの受信は、各々の受信イベントE402として定義され得る。例えば、t1において、受信機104は第1のデータパケットD1を受信し得、受信データパケットD1に対する識別子ID1を計算し得る。受信機104は、受信データパケットD1を、具体的には識別子ID1を、各々の受信データR1、例えばRSSIと関連付ける第1の受信イベントE1・402-1を生成し得る。受信機104は、さらに、受信時刻(タイムスタンプ)T1を、データパケットD1の受信時刻、例えばt1を示す受信イベントE1・402-1に割り当て得る。別の例では、t2において、受信機104は、第2のデータパケットD2を受信し得、受信データパケットD2に対する識別子ID2を計算し得る。受信機104は、受信データパケットD2、具体的には識別子ID2を、各々の受信データR2と関連付ける第2の受信イベントE2・402-2を生成し得る。受信機104は、さらに、受信時刻T2を、データパケットD2の受信時刻、例えばt2を示す受信イベントE1・402-1に割り当て得る。別の例では、t3において、受信機104は、第3のデータパケットD3を受信し得、受信データパケットD3に対する識別子ID3を計算し得る。受信機104は、受信データパケットD3、具体的には識別子ID3を、各々の受信データR3と関連付ける第3の受信イベントE3・402-3を生成し得る。受信機104は、さらに、受信時刻(タイムスタンプ)T3を、データパケットD3の受信時刻、例えばt3を示す受信イベントE3・402-3に割り当て得る。
【0128】
図4Bに見られるように、無線伝送機102によって伝送された複数の受信データパケットに対して、受信機104によって生成された例示的な受信イベントシーケンス404は、複数の受信イベント402を含み得、例えば、第1の受信イベントE1・402-1、第2の受信イベントE2・402-2、第3の受信イベントE3・402-3、第4の受信イベントE4・402-4、第nの受信イベントE(n)402-n等までを含む。
【0129】
したがって、受信データパケットのそれぞれを各々の受信データと関連付ける受信イベントE(i)のそれぞれは、受信機104によって受信された各々のデータパケットDについて計算された識別子IDと、各々のデータパケットDについて受信機104によって計算された各々の受信データRと、オプションで各々のデータパケットDの受信時間Tとを含み得る。例えば、受信イベントE1・402-1は、データパケットD1について計算された識別子ID1、データパケットD1と関連付けられた受信データR1、及びデータパケットD1の受信時間T1を含み得、受信イベントE2・402-2は、データパケットD2について計算された識別子ID2、データパケットD2と関連付けられた受信データR2、及びデータパケットD2の受信時間T2を含み得、受信イベントE3・402-3は、データパケットD3について計算された識別子ID3、データパケットD3と関連付けられた受信データR3、及びデータパケットD3の受信時間T3を含み得、受信イベントE4・402-4は、データパケットD4について計算された識別子ID4、データパケットD4と関連付けられた受信データR4、及びデータパケットD4の受信時間T4を含み得、受信イベントE(n)402-nは、データパケットDnについて計算された識別子IDn、データパケットDnと関連付けられた受信データRn、及びデータパケットDnの受信時間Tnを含み得る。
【0130】
図4Cに見られるように、別の例示的な受信イベントシーケンス404-2は、複数の無線伝送機102、例えば2つの無線伝送機102A及び102Bによって伝送された複数の受信データパケットに対し、特定の受信機104によって生成され得る。したがって、受信イベントシーケンス404-2は、無線伝送機102A及び/または無線伝送機102Bから発信されたデータパケットに対応する複数の受信イベント402を含み得る。例えば、第1の受信イベントE1_A402-1_A、第2の受信イベントE2_A402-2_A、及び第3の受信イベントE3_A402-3_Aは、第1の受信データパケット、第2の受信データパケット、及び第3の受信データパケットに対応し得、それらの受信データパケットは、各々、無線伝送機102Aから発信される。さらに、第1の受信イベントE1_A402-1_B、第2の受信イベントE2_B402-2_B、及び第3の受信イベントE3_B402-3_Bは、第1の受信データパケット、第2の受信データパケット、及び第3の受信データパケットに対応し得、それらの受信データパケットは、各々、無線伝送機102Aから発信される。
【0131】
したがって、第1の受信イベントE1_A402-1_Aは、各々の第1のデータパケットD1_Aについて計算された識別子ID1_Aと、データパケットD1_Aについて計算された受信データR1_Aと、特定の受信機104におけるデータパケットD1_Aの受信時間T1_Aとを含み得る。第2の受信イベントE2_A402-2_Aは、各々の第2のデータパケットD2_Aについて計算された識別子ID2_Aと、データパケットD2_Aについて計算された受信データR2_Aと、特定の受信機104におけるデータパケットD2_Aの受信時間T2_Aとを含み得る。第3の受信イベントE3_A402-3_Aは、各々の第3のデータパケットD3_Aについて計算された識別子ID3_Aと、データパケットD3_Aについて計算された受信データR3_Aと、特定の受信機104におけるデータパケットD3_Aの受信時間T3_Aとを含み得る。
【0132】
同様に、第1の受信イベントE2_B402-1_Bは、第1のデータパケットD1_Bについて計算された識別子ID1_Bと、データパケットD1_Bについて計算された受信データR1_Bと、特定の受信機104におけるデータパケットD1_Bの受信時間T1_Bとを含み得る。第2の受信イベントE2_B402-2_Bは、各々の第2のデータパケットD2_Bについて計算された識別子ID2_Bと、データパケットD2_Bについて計算された受信データR2_Bと、特定の受信機104におけるデータパケットD2_Bの受信時間T2_Bとを含み得る。第3の受信イベントE3_B402-3_Bは、各々の第3のデータパケットD3_Bについて計算された識別子ID3_Bと、データパケットD3_Bについて計算された受信データR3_Bと、特定の受信機104におけるデータパケットD3_Bの受信時間T3_Bとを含み得る。
【0133】
図2を再度参照する。
【0134】
208に示されるように、受信機104のそれぞれは、受信データパケットについて計算されたIDを同期システム100に、具体的にはパケットシンクロナイザー120に伝送し得る。特に、受信機104のそれぞれは、無線伝送機102のうちの1つから受信されたデータパケットごとに生成された各受信イベントをパケットシンクロナイザー120に伝送し得、この各受信イベントは、各々のデータパケットについて計算されたIDと、各々のデータパケットについて計算された受信データと、オプションで各々のデータパケットの受信時間とを含み得る。受信機104のそれぞれが無線伝送機102から複数のデータパケットを受信し得るので、受信機104は、実際には、複数の受信イベントを含むイベントシーケンスを、パケットシンクロナイザー120に伝送し得る。
【0135】
本明細書で前述したように、受信機104は、I/Oインターフェース110を介して、受信機104と同期システム100との間に接続するために配備及び/または確立された有線及び/または無線の通信チャネル及び/または通信ネットワークのうちの1つ以上を介して、パケットシンクロナイザー120と通信し得る。
【0136】
212に示されるように、プロセス210は、例えば、同期システム100によって実行されたパケットシンクロナイザー120によって実行され、パケットシンクロナイザー120が無線伝送機102から受信機104によって受信されたデータパケットについて計算されたIDを受信することから開始する。各々の受信データパケットについてパケットシンクロナイザー120によって計算された受信データパケットのそれぞれは、各々の受信データパケットについて受信部104の各々によって計算された受信データと関連付けられ得る。
【0137】
特に、パケットシンクロナイザー120は、無線伝送機102から各々の受信機104によって受信されたデータパケットに対して各々の受信機104によって生成された各々のイベントシーケンスを、受信機104のそれぞれから受信し得る。本明細書で前述したように、受信機104のそれぞれによって生成された受信イベントシーケンスは、各々のデータパケットについて計算された各々のIDと、各々のデータパケットについて各々の受信機104によって計算された受信データと、オプションで各々の受信機104での各々のデータパケットの受信時間とを含み得る。
【0138】
別個の受信機104は相互に非同期であり得るので、パケットシンクロナイザー120は、複数の異なる受信機104から複数の受信イベントシーケンスを非同期に受信し得る。
【0139】
214に示されるように、パケットシンクロナイザー120は、受信データパケットを同期させ得、具体的には、受信された受信イベントを、データパケットについて計算されたIDに基づいて、異なる受信機104によって受信された同様のデータパケット間で相関付けることによって同期させ得る。
【0140】
同様のデータパケットは、無線伝送機102によって伝送され、受信機104の少なくとも一部によって受信される同じデータパケットに対応するデータパケットである。これは、複数の受信機104によって受信される無線伝送機102によって伝送された特定のデータパケットが、受信機104の各々の1つによって受信されたものごとに複数の同様のデータパケットを生じさせ得ることを意味する。同様のデータパケットの複数のセットが存在し得、各セットは、無線伝送機102によって伝送された複数のデータパケットのうちの各々の1つに対応することに留意されたい。例えば、無線伝送機102によって伝送された第1のデータパケットは、複数の受信機104によって受信され得、それにより、受信データパケットは、第1のデータパケットに対応する同様のデータパケットの第1のセットを形成する。無線伝送機102によって伝送された第2のデータパケットは、また、複数の受信機104によって受信され得、それにより、受信データパケットは、第2のデータパケットに対応する同様のデータパケットの第2のセットを形成する。
【0141】
しかしながら、受信機104が相互に非同期であり、同様に同期システム100とも非同期であるので、無線伝送機102によって伝送された同じデータパケットに対応する受信機104によって受信されたデータパケットは、受信機104からパケットシンクロナイザー120によって非同期的に受信され得る。
【0142】
したがって、パケットシンクロナイザー120は、受信データパケットについて計算されたIDを使用して、無線伝送機102によって伝送された同じデータパケットに対応する同様のデータパケットを相関付け、ひいては、同様のデータパケットのうちの少なくとも一部を一緒に同期させ得る。少なくとも所定期間中、IDが時間的に一意であるので、パケットシンクロナイザー120は、同様のデータパケットを一緒に正常に相関付け得る。
【0143】
特に、パケットシンクロナイザー120は、データパケットのIDを比較して、等しいID値を有するデータパケット間で相関付けることによって、同様のデータパケットを同期させ得る。各IDが各々のデータパケットのコンテンツに基づいて計算されるので、同じコンテンツを有し、ひいては、同じIDを有するデータパケットは、無線伝送機102によって伝送された同じデータパケットに対応し得、ひいては一緒に相関付けられ得る。
【0144】
ここで図5を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、無線伝送機によって伝送されたデータパケットのための複数の非同期受信機によって生成された例示的なイベントストリームを相関付ける概略図であることが分かる。
【0145】
見て分かるように、パケットシンクロナイザー120等のパケットシンクロナイザーは、3つのイベントストリーム404、特に、受信機104(i)から受信されたイベントストリーム404(i)、受信機104(j)から受信されたイベントストリーム404(j)、及び受信機104(k)から受信されたイベントストリーム404(k)を受信し得る。本明細書で前述したように、イベントストリーム404(i)は、受信機104(i)によって受信されたデータパケットに対応する複数のイベントEx_(i)402-x(i)(x=1,2,3,...)を含み得、イベントストリーム404(j)は、受信機104(j)によって受信されたデータパケットに対応する複数のイベントEx_(j)402-x(j)を含み得、イベントストリーム404(k)は、受信機104(k)によって受信されたデータパケットに対応する複数のイベントEx_(k)402-x(k)を含み得る。
【0146】
見て分かるように、イベントストリーム404のそれぞれは、各々の受信機104によって実際に受信(傍受)されるデータパケットに対応するイベントだけを含む。したがって、特定の受信機104が特定のデータパケットを受信しなかった場合、特定の受信機104は、特定のデータパケットに対する各々の受信イベントを生成しない場合があり、そのような受信イベントは、明らかに、パケットシンクロナイザー120に伝送されない場合がある。例えば、7つのデータパケットD(x)~D(x+6)が無線伝送機102等の無線伝送機によって伝送され得るが、受信機104(i)は、7つのデータパケットのうち5つだけを受信し、例えば、データパケットD(x)、D(x+1)、D(x+3)、D(x+5)、及びD(x+6)を受信し得る一方、データパケットD(x+2)及びD(x+4)を受信できない。別の例では、受信機104(j)は、また、7つのデータパケットのうちの5つだけを受信し、例えば、データパケットD(x+1)、D(x+2)、D(x+3)、D(x+5)、及びD(x+6)を受信し得る一方、データパケットD(x)及びD(x+4)を受信できない。別の例では、受信機104(k)は、また、7つのデータパケットのうちの6つを受信し、例えば、データパケットD(x)、D(x+1)、D(x+3)、D(x+4)、D(x+5)、及びD(x+6)を受信し得る一方、データパケットD(x+2)を受信できない。
【0147】
したがって、受信機104(i)から受信されたイベントストリーム404(i)は、データパケットx及び各々の受信データR1(i)について計算されたID1(i)を含むイベントE1(i)402-1(i)と、データパケットD(x+1)及び各々の受信データR2(i)について計算されたID2(i)を含むイベントE2(i)402-2(i)と、データパケットD(x+3)及び各々の受信データR3(i)について計算されたID3(i)を含むイベントE3(i)402-3(i)と、データパケットD(x+5)及び各々の受信データR4(i)について計算されたID4(i)を含むイベントE4(i)402-4(i)と、データパケットD(x+6)及び各々の受信データR5(i)について計算されたID5(i)を含むイベントE5(i)402-5(i)等を含み得る。
【0148】
受信機104(j)から受信されたイベントストリーム404(j)は、データパケットD(x+1)及び各々の受信データR1(j)について計算されたID1(j)を含むイベントE1(j)402-1(j)と、データパケットD(x+2)及び各々の受信データR2(j)について計算されたID2(j)を含むイベントE2(j)402-2(j)と、データパケットD(x+3)及び各々の受信データR3(j)について計算されたID3(j)を含むイベントE3(j)402-3(j)と、データパケットD(x+5)及び各々の受信データR4(j)について計算されたID4(j)を含むイベントE4(j)402-4(j)と、データパケットD(x+6)及び各々の受信データR5(j)について計算されたID5(j)を含むイベントE5(j)402-5(j)等を含み得る。
【0149】
受信機104(k)から受信されたイベントストリーム404(k)は、データパケットD(x+1)及び各々の受信データR1(k)について計算されたID1(k)を含むイベントE1(k)402-1(k)と、データパケットD(x+1)及び各々の受信データR2(k)について計算されたID2(k)を含むイベントE2(k)402-2(k)と、データパケットD(x+3)及び各々の受信データR3(k)について計算されたID3(k)を含むイベントE3(k)402-4(k)と、データパケットD(x+4)及び各々の受信データR4(k)について計算されたID4(k)を含むイベントE4(k)402-4(k)と、データパケットD(x+5)及び各々の受信データR5(k)について計算されたID5(k)を含むイベントE5(k)402-5(k)と、データパケットD(x+6)及び各々の受信データR5(k)について計算されたID6(k)を含むイベントE6(k)402-6(k)等を含み得る。
【0150】
明らかなように、受信機104(i)、104(j)、及び/または104(k)が相互に非同期であり得るので、イベントストリーム404(i)、404(j)、及び404(k)は相互に対して時間的にシフトされ得る。さらに、受信機104(i),104(j)、及び/または104(k)のそれぞれは、無線伝送機102によって伝送されたデータパケットの1つ以上を受信できない場合がある。
【0151】
しかしながら、受信機104と、受信機104の1つ以上における潜在的な欠落データパケットとの間のタイムシフトがあるにもかかわらず、パケットシンクロナイザー120は、そのコンテンツに基づいて、特にデータパケットのコンテンツの少なくとも一部に基づいて計算されるデータパケットのIDに基づいて、同様のデータパケット間で相関付け得る。
【0152】
例えば、パケットシンクロナイザー120は、ID2(i)がID1(j)及びID2(k)と等しいことを識別し得る。その理由として、ID1(j)及びID2(k)は全て、同じデータパケットD(x)について計算され、ひいては、イベントE2(i)402-2(i)をイベントE1(j)402-1(j)及びE2(k)402-2(k)と相関付け得るためである。別の例では、パケットシンクロナイザー120は、ID3(i)がID3(j)及びID3(k)と等しいことを識別し得る。その理由として、ID3(j)及びID3(k)は全て、同じデータパケットD(x+3)について計算され、ひいては、イベントE3(i)402-3(i)をイベントE3(j)402-1(j)及びE3(k)402-3(k)と相関付け得るためである。別の例では、パケットシンクロナイザー120は、ID4(i)がID4(j)及びID5(k)と等しいことを識別し得る。その理由として、ID4(j)及びID5(k)は全て、同じデータパケットD(x+5)について計算され、イベントE4(i)402-4(i)をイベントE4(j)402-4(j)及びE5(k)402-5(k)と相関付け得るためである。別の例では、パケットシンクロナイザー120は、ID5(i)がID5(j)及びID6(k)と等しいことを識別し得る。その理由として、ID5(j)及びID6(k)は全て、同じデータパケットD(x+6)について計算され、イベントE5(i)402-5(i)をイベントE5(j)402-5(j)及びE6(k)402-6(k)と相関付け得るためである。
【0153】
パケットシンクロナイザー120は、3つの受信機104(i),104(j)、及び104(k)の全てによって受信された同様のパケット間で相関付け得、パケットシンクロナイザー120は、オプションで、受信機104(i),104(j)、及び104(k)の2つだけによって受信された同様のパケット間で相関付け得る。例えば、受信機104(i)及び受信機104(k)によってデータパケットD(x)が受信される一方、受信機104(j)はそれを受信できなかった。そのような場合、パケットシンクロナイザー120は、ID1(i)がID1(k)と等しいことを識別し得、イベントE1(i)402-1(i)をイベントE1(k)402-1(k)と相関付け得る。
【0154】
明らかなように、受信機104(i)、受信機104(j)、及び受信機104(k)が場合によっては異なるデータパケットの1つ以上を受信し得ないので、イベントEx(i),Ex(j)、及びEx(k)は相互に対してシフトし、例えばインデックスにおいてシフトし得る。例えば、受信機104(i)がデータパケットD(x+2)及びD(x+4)を受信しない一方、受信機104(j)がデータパケットD(x)及びD(x+4)を受信できず、そして、受信機104(k)がデータパケットD(x+2)を受信できなかったので、受信機104(i)、104(j)、及び104(k)から受信されたデータパケットについて計算されたイベントEx(i),Ex(j)、及びEx(k)は、各々、相互に対してシフトされ、例えば、シフトされたインデックスを有する。
【0155】
しかしながら、相関付けはデータパケットのコンテンツに基づいて計算されたデータパケットのIDに従って行われるので、パケットシンクロナイザー120は、そのような消失したイベント及び/またはインデックスシフトされたイベントから容易に回復し得、同様のイベントによって表された同様のデータパケットの後続のセットの相関付けを継続し得る。例えば、本明細書で前述したように、パケットシンクロナイザー120は、ID2(i)がID1(j)及びID2(k)と等しいことを識別し得、イベントE2(i)402-2(i)をイベントE1(j)402-1(j)及びE2(k)402-2(k)と相関付け得る。
【0156】
図2を再度参照する。
【0157】
オプションで、パケットシンクロナイザー120は、相関付けられたデータパケットの受信時間に基づいて、複数の受信機104のうちの少なくとも一部の間の共通タイムベースを確立する。
【0158】
例えば、本明細書で前述したように、受信機104のそれぞれは、特定のデータパケットの受信に対応する各受信イベントに受信時間を割り当て得、受信時間は、各々の受信機104による各々のデータパケットの受信時間を示す。パケットシンクロナイザー120は、相関データパケットに割り当てられた受信時間を分析し得、すなわち、異なる受信機104による相関受信イベントを分析し、異なる受信機104の受信時間に従って共通タイムベースを確立し得る。
【0159】
パケットシンクロナイザー120は、共通タイムベースを確立するために、1つ以上の技術及び/または実施態様を適用し得る。例えば、パケットシンクロナイザー120は、受信機104の選択された1つから受信イベントで受信されたタイミング情報に基づいて、共通タイムベースを確立し得る。別の例では、パケットシンクロナイザー120は、同期システム100のローカルタイミングメカニズム(例えば、クロック)に基づいて共通タイムベースを確立し得る。
【0160】
受信機104の少なくとも一部から受信された同様の受信イベントを相関付けた後、パケットシンクロナイザー120は、少なくとも一部の異なる受信機104によって受信された同様のデータパケットに対応する相関受信イベントの受信時間の間のタイムシフトを計算し得、適切に、共通タイムベースに対する少なくとも一部の異なる受信機104において相対シフトのそれぞれを識別し得る。例えば、パケットシンクロナイザー120が第1の受信機104、第2の受信機104、及び第3の受信機104から受信された受信イベント間で相関付けていたと想定する。さらに、第1の受信機104から受信された相関受信イベントが、共通タイムベースと比較して+1クロック(周期)シフトさせた受信時間で、第1の受信機104によって割り当てたものと想定すると、第2の受信機104から受信された相関受信イベントは、共通タイムベースと比較して+2クロックシフトさせた受信時間で、第2の受信機104によって割り当てられ得、第3の受信機104から受信された相関受信イベントは、共通タイムベースと比較して-1クロックシフトさせた受信時間で、第3の受信機104によって割り当てられ得る。そのような場合、パケットシンクロナイザー120は、第1の受信機104のクロックが第2の受信機104のクロックよりも1クロックサイクル進み、第3の受信機104のクロックよりも2クロックサイクル遅れることを判定し得る。
【0161】
さらに、同様のデータパケットのコンテンツに基づいて計算されたIDに基づいて、同様のデータパケットに対応する受信イベント間を正常に相関付けると(ステップ216)、パケットシンクロナイザー120は、適切に、共通タイムベースを更新及び/または調整し得る。
【0162】
オプションで、共通タイムベースが確立された後、パケットシンクロナイザー120は、共通タイムベースに従って(基づいて)、異なる受信機104から受信された受信イベント間で相関付け得る。例えば、共通タイムベースに従って、パケットシンクロナイザー120は、第1の受信機104から受信された受信イベントが第2の受信機104から受信されたデータパケットよりも1クロックサイクル前であると判定する。そのような場合、パケットシンクロナイザー120は、第1の受信機104から受信された1つ以上の受信イベントと、1クロックサイクル後に第2の受信機104から受信された各々の受信イベントとの間で相関付け得る。
【0163】
共通タイムベースに基づいて受信イベントを相関付けることによって、コンテンツベースの相関のパフォーマンス及び/または精度が大幅に改善し得る。これは、パケットシンクロナイザー120が、2つの受信機104の間の時間差、例えば1つのクロック時間差に基づいて導出されるように、相互に時間的に近接する第1の受信機104及び第2の受信機104から受信された、著しく少数の受信イベントだけを分析する必要があり得るためである。さらに、共通タイムベースに基づいて時間的に近接するとパケットシンクロナイザー120によって判定され、ひいては場合によっては相関がある第1の受信機104及び第2の受信機104から受信された著しく少数の受信イベントだけを分析することによって、パケットシンクロナイザー120によって消費されるコンピューティングリソースが大幅に減り得る。
【0164】
さらに、受信イベント、ひいては共通タイムベースに基づいてデータパケットを相関付けることは、無線伝送機102によって伝送された先行及び/または後続のデータパケットのコンテンツと比較して十分に固有でないコンテンツを有する、無線伝送機102によって伝送された同様のデータパケットに対して特に有益であり得る。これらの不十分に固有の後続のデータパケットのコンテンツは著しく同様であり、場合によっては同一であるので、これらの後続の不十分に固有のデータパケットについて計算されたIDは、また、同一及び/または著しく同一であり得る。後続のデータパケット(イベント)が同一のIDを有し得るので、パケットシンクロナイザー120は、受信機104から受信された区別できないIDを含む連続する受信イベントを区別することが不可能であり得、ひいては、ID(コンテンツ)に基づいてそれらを相関できない場合がある。しかしながら、そのような場合、パケットシンクロナイザー120は、共通タイムベースに基づいて、具体的には共通タイムベースと比較して、受信機104のそれぞれから受信されたイベントと関連付けられたクロックの相対シフトに基づいて、異なる受信機104から受信されたデータパケット間で相関付け得る。
【0165】
本発明のいくつかの実施形態によれば、パケットシンクロナイザー120は、さらに、共通タイムベースに基づいて、複数の受信機104のうちの少なくとも一部の受信機に対して共通サンプリングタイムベースを確立し得る。共通サンプリングタイムベースは、サンプリング時間と、オプションで、複数のデータパケットを伝送するために1つ以上の無線伝送機102によって使用された複数の無線伝送チャネルのそれぞれをサンプリングする順序とを定義し得る。
【0166】
受信機104の1つ以上は、複数の無線送信チャネルを監視及びサンプリングするように構成され得る。複数の無線伝送チャネルは、例えば、複数の異なるチャネル、例えば、無線伝送機102のうちの1つ以上が接続される複数の異なるネットワーク(例えば、Wi-Fi、セルラー等)を含み得る。別の例では、複数の無線送信チャネルは、1つ以上のマルチチャネル通信チャネル(リンク)を構成する複数のサブチャネル及び/または周波数帯域を含み得る。Wi-Fiは、例えば、ピア間でデータを伝送するために使用され得る16個のサブチャネルから構築される、そのような例示的なマルチチャネル通信チャネルの1つである。マルチチャネル通信チャネルに関する別の例は、1人以上のユーザーによって使用(通信)するために割り当てられ得る複数の周波数帯域を含む周波数分割多元接続(FDMA)である。
【0167】
したがって、複数の無線伝送チャネルを監視するように構成された受信機104のそれぞれは、例えば、そのローカルクロックに従って、周期的に、連続的に、及び/または同様に、複数の無線伝送チャネルをスキャンし、サンプリング時間にサンプリングされた無線伝送チャネルを介して伝送されたデータパケットをサンプリング、すなわち、傍受及び/または受信し得る。
【0168】
しかしながら、受信機104が相互に非同期であるので、明らかに、受信機104は、また、複数の送信チャネルのそれぞれのサンプリング時間に対しても非同期であり得る。したがって、同じ時点で、受信機104の少なくとも一部は、異なる無線送信チャネルを監視(スキャン)し得、これは、同じ無線送信チャネルを介して複数の受信機104によって受信されるデータパケットが、非常に少なく、場合によっては全くない状況がもたらされ得る。この同期の欠如により、当然ながら、非常に少ない同様のデータパケットが識別され得るので、パケットシンクロナイザー120によって行われたデータパケットのコンテンツベースの相関及び同期の効率、信頼性、及び/またはロバスト性が著しく低下し得る。この制限は、必然的に、受信機104によってサンプリングされた異なる無線送信チャネルの数に依存し得、そして、サンプリングされたチャネルの数が増加するにつれて制限が増加し得る。
【0169】
サンプリング同期制限を克服するために、パケットシンクロナイザー120は、複数の無線送信チャネルのそれぞれをサンプリングするための時間を定義し得る共通サンプリングタイムベースを確立し得る。特に、パケットシンクロナイザー120は、複数の受信機104に対して確立された共通の時間に基づいて、共通サンプリングタイムベースを確立し得る。次に、パケットシンクロナイザー120は、共通サンプリングタイムベースに従って、具体的には共通タイムベースからの各々の受信機104の偏差に従って、複数の無線送信チャネルをサンプリングすることを受信機104の1つ以上に命令し得る。
【0170】
複数の無線送信チャネルのサンプリング順序は、また、複数の受信機104のサンプリングを適切に同期させるために必須であり得る。いくつかの実施形態では、サンプリング順序は、事前定義され、受信機104に適用され得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、パケットシンクロナイザー120は、さらに、事前に定義され及び/または動的に調整、適応、及び/または変更され得る共通のサンプリング順序(スキーム)に従って、複数の無線伝送チャネルをサンプリングすることを受信機に命令し得る。
【0171】
したがって、特定のサンプリング時間に特定の無線送信チャネルをサンプリングすることを受信機104の1つ以上に命令するための共通サンプリングタイムベースを使用して、パケットシンクロナイザー120は、複数の受信機104のうちの少なくとも一部による複数の無線送信チャネルのサンプリングを協調して同期させ得る。同じ無線伝送チャネルを介してデータパケットをスキャン、監視、及び受信するように受信機104を同期させることによって、複数の受信機104によって受信された同様のデータパケットの数を大幅に増加させ得、次に、そのコンテンツに基づいて同様のデータパケットを同期及び相関付ける際に、パケットシンクロナイザー120の効率、信頼性、及び/またはロバスト性が大幅に向上し得る。
【0172】
例えば、共通のサンプリングベースに基づいて、パケットシンクロナイザー120は、第1の受信機104による特定の無線伝送チャネルのサンプリング時間が、第2の受信機104による特定の無線伝送チャネルのサンプリング時間よりも2クロックサイクル前であることを識別することを想定する。そのような場合、パケットシンクロナイザー120は、例えば第1の受信機104のクロックに従って、共通サンプリングタイムベースを確立し得、第1の受信機104が特定の無線送信チャネルをサンプリングすると同時に、第1の受信機104が特定の無線送信チャネルをサンプリングすることを第2の受信機104に命令し得る。
【0173】
さらに、共通タイムベースが確立された後、パケットシンクロナイザー120は、共通タイムベースに従って(基づいて)、複数の受信機104の間で同期させ得る。本明細書で前述したように、受信機104は、相互に非同期である各々のローカルクロックを使用し得る。したがって、共通タイムベースを使用することによって、パケットシンクロナイザー120は、受信機104の少なくとも一部を同期させ得る。具体的には、受信機104を相互に実際に同期させるのではなく、パケットシンクロナイザー120は、データを同期させ得、すなわち、非同期受信機104から受信された受信イベント、例えば、受信データパケットの受信時間を示す1つ以上の受信イベントについて計算された受信データを同期させる。
【0174】
ステップ216に示されるように、パケットシンクロナイザー120は、関連付けられた受信データと結合された相関IDを、オプションでそれらの受信時間とともに、1つ以上の装置に出力し得、例えば、1つ以上のアプリケーションのための相関IDの少なくとも一部と関連付けられた受信データを処理するように構成された処理ユニット、デバイス、システム、サーバー、クラウドベースサービス、及び/もしくはプラットフォーム、ならびに/または同様のものに出力する。
【0175】
特に、装置は、相関IDの少なくとも一部と関連付けられた受信データを共同で処理するように構成され得、これは、相関IDの少なくとも一部と関連付けられた複数の受信データセットは、1つ以上のアプリケーションのために一緒に処理、適用、及び/または使用され得ることを意味する。
【0176】
パケットシンクロナイザー120は、I/Oインターフェース110によって提供された1つ以上のインターフェースを介して出力データ、すなわち、相関ID及びそれらの関連する受信データを出力し得る。例えば、パケットシンクロナイザー120は、I/Oインターフェース110のネットワークインターフェースの1つ以上を介して、出力データを1つ以上のリモート装置に伝送し得る。別の例では、パケットシンクロナイザー120は、I/Oインターフェース110の1つ以上の相互接続ポートに接続された1つ以上の装置に出力データを伝送し得る。
【0177】
いくつかの実施形態では、パケットシンクロナイザー120は、受信機104の少なくとも一部によって受信される無線伝送機102によって伝送されたデータパケットを相関付けて同期させるために、リアルタイムでプロセス210を実行し得る。しかしながら、いくつかの実施形態によれば、各々の受信データと関連付けられた受信データパケットのIDを含む、受信機104から受信された受信イベントは、例えば同期システム100において、例えばストレージ114に記憶され得る。後の任意の時点で、パケットシンクロナイザー120は、保存された受信イベントを復元、フェッチ、及び/または取り出し得、オフラインで、すなわち、振り返って、そのIDに基づいて、同様のパケットに対応する受信イベント間で相関付け得る。
【0178】
本発明のいくつかの実施形態によれば、相関IDと関連付けられた受信データを受信する装置は、複数の受信機104を含む複合受信機の統合ユニットを含む。統合ユニットは、変換済み受信データ、例えば相関データパケットを受信する方向(AOA)、すなわち、発信無線伝送機102の方向及び/または同様の方向を計算、生成、及び/または導出するために、相関データパケットに変換され得る相関IDの少なくとも一部と関連付けられた受信データを集約するように構成され得る。
【0179】
ここで図6を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、複数の非同期受信機と、受信機の少なくとも一部によって受信される、無線伝送機によって伝送された同様のデータパケット間で相関付けるように構成された統合ユニットとから構築された例示的な複合受信機の概略図であることが分かる。
【0180】
例示的な複合受信機600は、例えば受信機104及び統合ユニット602等の複数の非同期受信機を含み得、統合ユニット602は、受信機104の少なくとも一部によって受信される無線伝送機102等の無線伝送機によって伝送された同様のデータパケット間で相関付けるように構成される。
【0181】
複合受信機600は、1つ以上のアーキテクチャ、構造、及び/または配備を使用して構築され得る。例えば、複合受信機600は、複数の受信機104及び統合ユニット602を物理的に含む単一のパッケージ、単一のラック、ボックス、及び/または同様のものとして構築され得る。しかしながら、複合受信機600は、受信機104及び/または統合ユニット602の少なくとも一部が別個であり、機械的に未結合の分散型アーキテクチャを採用し得る。別の例では、統合ユニット602は、受信機104の1つ以上に統合され、結合され、及び/または取り付けられ得る。
【0182】
統合ユニット602は、相関IDと、それらの関連する受信データと、オプションで関連する受信時間データとを、同期システム100等の同期システムから、特に同期システム100によって実行されたパケットシンクロナイザー120等のパケットシンクロナイザーから受信し得る。
【0183】
オプションで、複合受信機600及び/または統合ユニット602は、同期システム100を統合し得る及び/または含み得る。さらに、統合ユニット602は受信機104と直接通信し得、受信データパケットのコンテンツに基づいて、受信機104の少なくとも一部によって受信された同様のデータパケットを同期させ、相関付けるためのプロセス210を実行することを、パケットシンクロナイザー120に実行させ得るように、統合ユニット602が同期システム100を促進し得る。
【0184】
統合ユニット602は、1つ以上のソフトウェアモジュールを実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含み得、さらに、複合受信機600において利用可能な1つ以上のハードウェアモジュールを利用し得る。したがって、統合ユニット602は、1つ以上のソフトウェアモジュール、ハードウェアモジュールの1つ以上、及び/またはそれらの組み合わせによって利用された1つ以上の機能モジュールを実行し得る。例えば、統合ユニット602は、変換済み受信データ、例えばAOA、すなわち、発信無線伝送機102の方向及び/または同様の方向を計算、生成、及び/または導出するために、相関IDの少なくとも一部と関連付けられた受信データを集約するための1つ以上の機能モジュールを実行し得る。
【0185】
複合受信機600は、統合ユニット602によって計算された変換済み受信データを、オプションで関連付けられた相関IDと一緒に、1つ以上のアプリケーションのために変換済み受信データを使用するように構成された1つ以上の装置、デバイス、サービス、及び/または同様のものに出力し得る。例えば、複合受信機600は、無線伝送機102の位置を判定及び/または計算するように構成された1つ以上のロケーターシステムに、変換済み受信データを提供(例えば、伝送)し得る。
【0186】
本発明のいくつかの実施形態によれば、相関IDと関連付けられた受信データを受信する装置は、受信機104によって計算され、相関IDの少なくとも一部と関連付けられた受信データ、具体的には相関受信イベントに基づいて、無線伝送機102の位置を判定及び/または計算するように構成されたロケーターシステムを含む。
【0187】
オプションで、ロケーターシステムは同期システム100を統合し得る、及び/または含み得る。さらに、ロケーターシステムは受信機104と通信し得、受信データパケットのコンテンツに基づいて、受信機104の少なくとも一部によって受信された同様のデータパケットを同期させ、相関付けるためのプロセス210を実行することを、パケットシンクロナイザー120に実行させ得るように、統合ユニット602が同期システム100を促進し得る。ロケーターシステムは、さらに、複合受信機600等の1つ以上の複合受信機と通信して、相関がある同様のデータパケットの受信データ、具体的には複合受信機600の複数の受信機104によって受信された同様のデータパケットの相関IDに基づいて、複合受信機600によって生成された変換済み受信データを受信し得る。
【0188】
同様のデータパケットに対応する相関受信イベントのそれぞれは、受信機104の異なる1つから受信され、ひいては、各々の受信機104に対する無線伝送機102の位置、例えば各々のRSSI、各々のAOA、及び/または同様のものに依存する各々の受信データと関連付けられ得る。
【0189】
ロケーターシステムは、受信機104から計算及び受信された受信データに基づいて無線伝送機102の位置を計算するために、当技術分野で既知の1つ以上の方法、技術、及び/またはアルゴリズムを適用し得る。例えば、ロケーターシステムは、無線伝送機102の位置を計算するために、同様のデータパケットに対応する相関受信イベントと関連付けられた各々のAOAを使用する1つ以上の三角形分割アルゴリズムを使用し得る。
【0190】
オプションで、ロケーターシステムは、1つ以上の複合受信機600から変換済み受信データを受信し得、さらに、変換済み受信データ、例えば当技術分野で既知の無線伝送機102の方向及び/または同様の方向等に基づいて、無線伝送機102の位置を計算するように構成され得る。
【0191】
ロケーターシステムによって計算された無線伝送機102の位置は、相対位置及び/または絶対位置であり得る。
【0192】
受信機104の実際の位置(ジオロケーション)がロケーターシステムに利用できない場合、ロケーターシステムは、受信機104に対する無線伝送機102の相対位置だけ、特に無線伝送機102の位置を計算するために使用された相関受信イベントを受信した受信機104の少なくとも一部に対する無線伝送機102の相対位置だけ、計算することが可能であり得る。そのような相対位置の計算は、複数の別個の無線伝送機102の間の相対位置を計算するために非常に効率的であり得る。例えば、2つの異なる車両と結合された2つの無線伝送機102の間の相対位置が計算され得る。別の例では、2つの別個の無線伝送機102の間の相対位置が計算され得、一方は車両と結合され、他方は歩行者と関連付けられる。このロケーターシステムは、まず始めに、受信機104の少なくとも一部に対する、具体的には同様のデータパケットを受信し、ロケーターシステムにより一緒に正常に相関付けられた各々の受信イベントを生成した受信機104に対する、無線伝送機102のそれぞれの相対位置を計算し得る。次に、ロケーターシステムは、受信機104と比較した2つの無線伝送機102の相対位置に基づいて、2つの無線伝送機102の間の相対位置を計算し得る。
【0193】
受信機104の実際の位置(ジオロケーション)がロケーターシステムに利用可能である場合、ロケーターシステムは、同様のデータパケットに対応する相関受信イベントを受信した受信機104の少なくとも一部の受信機の絶対位置に基づいて、無線伝送機102の絶対位置を計算し得る。
【0194】
本発明のいくつかの実施形態によれば、受信機の少なくとも一部は、特に無線伝送機102の位置を判定するためにロケーターシステムによって使用されたAOA受信データを計算することが可能である受信機は、無線伝送機102の既知の位置に従って較正され得る。本明細書で後述されるAOA対応受信機と称されるそのような受信機は、例えば、複合受信機600を含み得る。別の例では、AOA対応受信機は1つ以上の受信機104を含み得、受信機104は、アンテナアレイを含むため、ひいては、当技術分野で知られているように、無線伝送機102から受信されたデータパケットに対してAOAを計算することが可能である。
【0195】
無線伝送機102の位置は、1つ以上の方法及び/または技術を使用して、ロケーターシステム及び/またはAOA対応受信機の1つ以上に外部から提供され得る。例えば、1つ以上のGPSセンサーは、無線伝送機102と結合され(例えば、組み込みまれ、搭載され、取り付けられる等)、位置(位置)、具体的には無線伝送機102のジオロケーションを報告し得る。無線伝送機102自体によって及び/または無線伝送機102を追跡するように構成された1つ以上の追跡システムによって記録され得る無線伝送機102の位置は、ロケーターシステム及び/またはAOA対応受信機の1つ以上に提供(例えば、伝送)され得る。別の例では、位置、例えば、無線伝送機102が現在位置しているウェイポイントのマップ座標及び/または同様の位置は、ロケーターシステム及び/またはAOA対応受信機の1つ以上に報告され得る。
【0196】
AOA対応受信機によって計算された受信データと結合された「グラウンドトゥルース」として参照され得る無線伝送機102の既知の位置に基づいて、ロケーターシステム及び/またはAOA対応受信機の1つ以上は、そのグラウンドトゥルースの位置で受信機104を較正し得る。
【0197】
例えば、AOA対応受信機によって適切にサポートされたロケーターシステムは、AOAに基づいて無線伝送機102の位置を判定するように構成されることを想定する。そのような場合、AOA対応受信機の少なくとも一部は、具体的には、無線伝送機102の範囲内にあるそのAOA対応受信機は、既知の位置に位置する間に無線伝送機102によって伝送された無線信号を受信し得る。次に、AOA対応受信機のそれぞれ自体は、無線伝送機102の既知の位置と比較して、無線伝送機102によって伝送された受信済み無線信号の各々のAOAに応じて較正し得る。
【0198】
さらに、無線伝送機102の位置は、複数の位置において既知であり得、したがって、複数の「グラウンドトゥルース」点を提供する。例えば、無線伝送機102は、少なくとも一時的に静止している複数の既知の位置の間で進行し得る。別の例では、複数の無線伝送機102の位置は既知であり得、具体的には、無線伝送機102が少なくとも一時的に静止している位置は既知である。AOA対応受信機を較正するために複数の既知の(グラウンドトゥルース)位置を使用すると、較正精度が大幅に向上し得る。
【0199】
さらに、1つ以上の既存のサービス、システム、プラットフォーム、及び/またはインフラストラクチャを使用して、AOA対応受信機の較正を行い得る。例えば、較正は、オペレーターによって操作された1つ以上の管理された全車両のうちの1つ以上の車両の既知の位置に従って行われ得る。そのように管理された全車両は、例えば、バス、列車、路面電車、タクシー、及び/または同様のもの等の複数の車両を含む1つ以上の公共交通サービスを含み得る。別の例では、管理された全車両は、自動運転車両サービス、例えばセルフレンタカーサービス、セルフレンタルスクーターサービス、セルフレンタル自転車サービス、及び/または同様のサービスを含み得る。
【0200】
そのような管理された全車両のうちの車両のそれぞれは、典型的には、1つ以上のGPSセンサーを含み、したがって、車両の既知の位置を確立するための手段と、較正に使用され得る無線信号を伝送するための無線伝送機102等の1つ以上のモバイルデータネットワークモジュールとが容易になる。さらに、管理された全車両の少なくとも一部の車両は、較正に十分に正確な位置を得るために十分に少なくとも所定期間にわたって少なくとも一時的に静止し得、例えば、駐車している、未使用の、停留所に停止している、ガソリンスタンドに停止している、充電ポストに停止している、及び/または同様の状態である。車両が静止している間、GPS座標が累積され得、車両の既知の位置の精度を数メートル以下に向上させるために、累積されたGPS座標車両についての平均が計算され得る。さらに、全車両のそれぞれは、複数の全車両のうちの各々の車両を識別するために固有IDが割り当てられ得る。
【0201】
特に静止している間の全車両の位置はAOA対応受信機に共有及び/または提供され得、例えば、1つ以上のネットワークを介して、例えば当技術分野で既知の1つ以上のデータ共有プロトコル及び/または任意の他の所定のデータプロトコルを使用するインターネットを介して、そのAOA対応受信機に伝送される。さらに、全車両がその位置をAOA対応受信機に伝送することも可能であるが、いくつかの配備では、全車両の位置は、限定数のAOA対応受信機だけに提供され得る、または、オプションで、既知の車両の位置を他の受信機104に固定しながら分散し得る単一のAOA対応受信機に提供され得る。
【0202】
AOA対応受信機の1つ以上は、具体的には、全車両のうちの1つ以上の静止車両の伝送範囲内にあるAOA対応受信機は、各々の静止車両から伝送された無線信号を受信し得、そのIDによって識別された各々の静止車両の既知の位置と比較して、受信された無線信号について計算された受信データに基づいて較正し得る。AOA対応受信機は、例えば、AOA及び/または同様のものに基づいて、本明細書で前述した1つ以上の較正スキームを適用し、グランドトゥルースに対して較正し得る。
【0203】
オプションで、(プロセス210において説明される)全車両の判定された位置を共有することによって、AOA対応受信機を使用する同期システム100は、管理された全車両のオペレーターに戻すのに寄与し、オペレーターは、それらの車両をより正確に追跡することが可能になり得る。同期システム100は、管理された全車両のオペレーターに、例えば、全車両の1つ以上について判定された位置を、連続的に、周期的に、及び/またはオペレーターによる要求に応じて伝送するように提供し得る。これによって、オペレーターが全車両を追跡するための代替的な追跡位置が可能になり得、そして、これにより、主要な追跡スキームの制限を克服するのに役立ち得、例えば、GPSに基づく位置追跡の精度、信頼性、及び/またはロバスト性が著しく低下し得る弱いGPS信号及び/または歪みGPS信号を克服するのに役立ち得る。さらに、動作中(移動中)の全車両の1つ以上についてロケーターシステムによって判定された位置は、移動物体に対して非常に制限されるGPS追跡よりも著しく正確であり得る。その理由として、GPS追跡は、GPS座標の蓄積に基づき、ひいては、移動物体について、ほんのわずかのGPS座標の読み取り、典型的には、単一のGPS座標の読み取りに基づいているので、それらの読み取りが非常に正確ではないためである。
【0204】
本発明の様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されているが、開示された実施形態を網羅すること、または限定することを意図したものではない。多くの修正及び変形例は、説明される実施形態の範囲及び主旨から逸脱することなく、当業者に明らかであろう。本明細書に使用される専門用語は、実施形態の原理、実用的応用、もしくは市場で見られる技術を上回る技術的改善を最良に説明するために、または当業者が本明細書に開示された実施形態を理解することを可能にするために選ばれたものである。
【0205】
本願から成熟する特許の存続期間中に、多くの関連のシステム、方法、及びコンピュータープログラムが開発され、無線伝送技術、無線伝送プロトコル、及びアンテナアレイという用語の範囲は、先験的にそのような新しい技術の全てを含むことが意図されることが予想される。
【0206】
本明細書で使用する場合、「約」という用語は、±10%を意味する。
【0207】
「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語及びそれらの同根語は、「限定ではないが、~を含む(including but not limited to)」を意味する。この用語は、「~から成る(consisting of)」及び「本質的に~から成る(consisting essentially of)」という用語を包含する。
【0208】
「本質的に~から成る(consisting essentially of)」という語句は、構成、方法が、追加の構成要素及び/またはステップを含み得るが、追加の構成要素及び/またはステップが、特許請求された構成または方法の基本的かつ新規の特性を実質的に変えない場合だけ含むことを意味する。
【0209】
本明細書で使用する場合、文脈上明らかに別段に示される場合を除き、「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」という単数形は、複数の指示対象を含む。例えば、「複合物(a compound)」または「少なくとも1つの複合物(at least one compound)」という用語は、それらの混合物を含む複数の複合物を含み得る。
【0210】
「例示的な(exemplary)」という単語は、本明細書では、「例、実例、または説明として役立つ」という意味で使用される。「例示的な(exemplary)」として説明されるいずれかの実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好ましいもしくは有利であると解釈するべきではなく、及び/または他の実施形態からの特徴の組み込みを除外するものではない。
【0211】
本明細書では、「オプションで(optionally)」という単語は、「いくつかの実施形態では提供され、他の実施形態では提供されない」を意味するように使用される。本発明の任意の特定の実施形態は、そのような特徴が矛盾しない限り、複数の「オプションの(optional)」特徴を含み得る。
【0212】
本願の全体を通して、本発明の様々な実施形態は範囲形式で提示され得る。範囲形式での説明は、単に便宜上及び簡潔にするためのものであり、本発明の範囲に対して変更できない制限として解釈するべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、その範囲内の個々の数値だけでなく、全ての可能な部分的範囲を具体的に開示していると見なすべきである。例えば、1~6等の範囲の記述は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6等の部分的範囲、及びその範囲内の個々の数字、例えば、1、2、3、4、5、及び6を、具体的に開示していると見なすべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0213】
本明細書で数値範囲が示されるときはいつでも、それは、示された範囲内の任意の引用された数字(分数または整数)を含むことを意味する。第1の表示番号と第2の表示番号との「間の範囲(ranging/ranges between)」という語句、及び第1の表示番号「から」第2の表示番号「まで(to)」の「範囲(ranging/ranges from)」という語句は、本明細書では言い換え可能に使用され、第1の表示番号及び第2の表示番号と、それらの間の分数及び整数の数字の全てとを含むことを意味する。
【0214】
「例示的な(exemplary)」という単語は、本明細書では、「例、実例、または説明として役立つ」という意味で使用される。「例示的な(exemplary)」として説明されるいずれかの実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好ましいもしくは有利であると解釈するべきではなく、及び/または他の実施形態からの特徴の組み込みを除外するものではない。
【0215】
本明細書では、「オプションで(optionally)」という単語は、「いくつかの実施形態では提供され、他の実施形態では提供されない」を意味するように使用される。本発明の任意の特定の実施形態は、そのような特徴が矛盾しない限り、複数の「オプションの(optional)」特徴を含み得る。
【0216】
明確にするために別々の実施形態の文脈において説明される本発明の特定の特徴は、また、単一の実施形態において組み合わせて提供され得ることも理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において説明される本発明の様々な特徴は、また、別々に、もしくは任意の適切な副次的な組み合わせで、または本発明の任意の他の説明された実施形態において適切なものとしても提供され得る。様々な実施形態の文脈で説明される特定の特徴は、実施形態がそれらの要素なしでは機能しない場合を除いて、それらの実施形態の本質的な特徴と見なすべきではない。
【0217】
本発明がその特定の実施形態に関連して説明されているが、多くの代替案、修正、及び変形が当業者に明らかであろうことは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の主旨及び広い範囲に含まれるそのような全ての代替案、修正、及び変形を包含することが意図される。
【0218】
出願人の意図として、本明細書に言及される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、個別の刊行物のそれぞれ、特許、または特許出願が、参照により本明細書に組み込まれることが示されているときに、これが具体的及び個別に留意されているかのように、参照によりその全体が本明細書に組み込まれることがある。さらに、本願におけるいずれかの参考文献の引用または特定は、そのような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることの承認として解釈するべきではない。セクションの見出しが使用されている範囲内において、それらは必ずしも限定的であると解釈するべきではない。さらに、本願のいずれかの優先権書類は、本明細書により、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5
図6
【国際調査報告】