(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-20
(54)【発明の名称】インプラントに隣接したセンサ固定
(51)【国際特許分類】
A61B 5/0215 20060101AFI20240613BHJP
A61F 2/02 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
A61B5/0215 A
A61F2/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572005
(86)(22)【出願日】2022-05-20
(85)【翻訳文提出日】2023-12-18
(86)【国際出願番号】 US2022030210
(87)【国際公開番号】W WO2022246168
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・マコーネル
(72)【発明者】
【氏名】スコット・ルイス・プール
(72)【発明者】
【氏名】ラニ・アブドゥッラー・マムーディ
(72)【発明者】
【氏名】コクー・アナニ・アメフィア
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ジー・ヴァルデス
(72)【発明者】
【氏名】ジュリー・アン・ハインツマン
(72)【発明者】
【氏名】アルヴィン・ティー・チャン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-ピエール・ミッシェル・ラバ
【テーマコード(参考)】
4C017
4C097
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017AB04
4C017AC01
4C017BC11
4C097AA14
4C097BB01
4C097BB10
4C097CC01
4C097CC05
(57)【要約】
センサ埋め込みシステムは、組織壁の開口部内に少なくとも部分的に配置するように構成された中央フロー部分を備えるシャント本体を備え、センサ埋め込みシステムは、センサ本体を備えるセンサ埋め込み装置を備える。センサ埋め込み装置は、組織壁の開口部内に、及びシャント本体の中央フロー部分と組織壁の開口部の内壁との間に配置するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織壁の開口部内に少なくとも部分的に配置するよう構成された中央フロー部分を含むシャント本体と、
センサ本体を含み、前記組織壁の前記開口部内に、及び前記シャント本体の前記中央フロー部分と前記組織壁の前記開口部の内壁との間に配置するように構成された、センサ埋め込み装置と、を備える、センサ埋め込みシステム。
【請求項2】
前記センサ埋め込み装置が、前記センサ本体に結合された一つ以上のアームを備える、請求項1に記載のセンサ埋め込みシステム。
【請求項3】
前記一つ以上のアームが、前記組織壁を穿刺するように構成されている、請求項2に記載のセンサ埋め込みシステム。
【請求項4】
前記一つ以上のアームが、前記シャント本体の前記中央フロー部分に取り付けるように構成されている、請求項2又は請求項3に記載のセンサ埋め込みシステム。
【請求項5】
前記センサ埋め込み装置が、前記センサ本体の上側部分から延在する二つのアームの第一のセットと、前記センサ本体の下側部分から延在する二つのアームの第二のセットと、を備える、請求項2~4のいずれかに記載のセンサ埋め込みシステム。
【請求項6】
前記一つ以上のアームが概して湾曲している、請求項2~5のいずれかに記載のセンサ埋め込みシステム。
【請求項7】
前記一つ以上のアームが、前記センサ本体の上側部分から延在し、前記一つ以上のアームが、前記センサ本体の前記上側部分から見たときに凸曲線を有する、請求項6に記載のセンサ埋め込みシステム。
【請求項8】
前記センサ埋め込み装置が、前記センサ本体の少なくとも一部分を取り囲むスリーブをさらに備え、前記一つ以上のアームが前記スリーブから延在する、請求項2~6のいずれかに記載のセンサ埋め込みシステム。
【請求項9】
前記一つ以上のアームが、前記センサ本体から概して横方向に延在する、請求項2~7のいずれかに記載のセンサ埋め込みシステム。
【請求項10】
前記一つ以上のアームが、互いから約90度の角度で延在する、請求項2~8のいずれかに記載のセンサ埋め込みシステム。
【請求項11】
前記一つ以上のアームが、前記シャント本体に向かって延在するように構成されている、請求項2~10のいずれかに記載のセンサ埋め込みシステム。
【請求項12】
前記一つ以上のアームが、前記シャント本体から離れるように延在するように構成されている、請求項2~11のいずれかに記載のセンサ埋め込みシステム。
【請求項13】
前記シャント本体が、圧縮形態から拡張形態に拡張可能である、請求項1~12のいずれかに記載のセンサ埋め込みシステム。
【請求項14】
前記シャント本体が、拡張後に前記拡張形態を維持するように構成されている、請求項13に記載のセンサ埋め込みシステム。
【請求項15】
前記シャント本体が、概してダイヤモンド形状のセルを形成する支柱のネットワークを含む、請求項13又は請求項14に記載のセンサ埋め込みシステム。
【請求項16】
前記シャント本体が略円筒形状を有する、請求項13~15のいずれかに記載のセンサ埋め込みシステム。
【請求項17】
前記シャント本体が、前記シャント本体の中間部が前記組織壁の前記開口部内に配置するように構成されている砂時計形状を有し、前記シャント本体が、前記組織壁の前記開口部から延在するように構成されたフレア状の第一の端部及びフレア状の第二の端部を備える、請求項13~16のいずれかに記載のセンサ埋め込みシステム。
【請求項18】
前記センサ埋め込み装置が、前記組織壁の第一の側面で測定値を取得するように構成された第一のセンサ構成要素と、前記組織壁の第二の側面で測定値を取得するように構成された第二のセンサ構成要素と、を備える、請求項1~17のいずれかに記載のセンサ埋め込みシステム。
【請求項19】
前記シャント本体が、前記センサ本体の周りに少なくとも部分的に巻き付くように構成された保持装置を備える、請求項1~18のいずれかに記載のセンサ埋め込みシステム。
【請求項20】
前記シャント本体及び前記センサ埋め込み装置が、別個の装置である、請求項1~19のいずれかに記載のセンサ埋め込みシステム。
【請求項21】
前記シャント本体が、一つ以上のアンカーアームを備える、請求項1~20のいずれかに記載のセンサ埋め込みシステム。
【請求項22】
シャント本体を組織壁の開口部に経皮的に送達することであって、前記シャント本体が中央フロー部分を備える、送達することと、
センサ本体を備えるセンサ埋め込み装置を、前記組織壁の前記開口部に経皮的に送達することと、
前記中央フロー部分及び前記センサ本体を、前記開口部内で横並びの配向に位置付けることと、を含む、方法。
【請求項23】
前記センサ埋め込み装置が、前記センサ本体から延在する一つ以上のアームをさらに備える、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記一つ以上のアームを使用して、前記センサ埋め込み装置を前記シャント本体に固定することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記一つ以上のアームを使用して、前記センサ埋め込み装置を前記組織壁に固定することをさらに含む、請求項23又は請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記シャント本体を拡張して、前記シャント本体と前記開口部の内壁との間に前記センサ埋め込み装置を押さえ付けることをさらに含む、請求項22~25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記シャント本体及び前記センサ埋め込み装置を、カテーテル内で端と端を接した配向に位置付けることをさらに含む、請求項22~26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
一つ以上の生理学的パラメータに関連するセンサ読取値を提供するように構成された一つ以上のセンサ構成要素を含むセンサ本体と、
前記センサ本体から延在する一つ以上のアンカーアームと、を備える、センサ埋め込み装置。
【請求項29】
前記一つ以上のアンカーアームの少なくとも一部が、組織壁を穿刺するための尖った端部を有する、請求国28に記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項30】
前記一つ以上のアンカーアームの少なくとも一部が、シャント本体の中央フロー部分に引っ掛けるように構成されている、請求項28又は請求項29に記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項31】
前記センサ本体が、前記センサ本体の上側部分にある第一のセンサ構成要素と、前記センサ本体の下側部分にある第二のセンサ構成要素とを備える、請求項28~30のいずれかに記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項32】
前記センサ埋め込み装置が、前記センサ本体の上側部分から延在する二つのアームの第一のセットと、前記センサ本体の下側部分から延在する二つのアームの第二のセットと、を備える、請求項28~31のいずれかに記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項33】
前記一つ以上のアンカーアームが概して湾曲している、請求項28~32のいずれかに記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項34】
前記一つ以上のアンカーアームが、前記センサ本体の上側部分から延在し、前記一つ以上のアンカーアームが、前記センサ本体の前記上側部分から見たときに凸曲線を有する、請求項33に記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項35】
前記センサ本体の少なくとも一部分を取り囲むスリーブをさらに備え、前記一つ以上のアンカーアームが前記スリーブから延在する、請求項28~34のいずれかに記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項36】
前記一つ以上のアンカーアームが、前記センサ本体から概して横方向に延在する、請求項28~35のいずれかに記載のセンサ埋め込み装置。
【請求項37】
前記一つ以上のアンカーアームが、互いから約90度の角度で延在する、請求項28~36のいずれかに記載のセンサ埋め込み装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2021年5月21日に出願された、IMPLANT-COUPLED SENSORSと題する米国仮特許出願第63/191,534号、2021年7月21日に出願された、IMPLANT-ADJACENT SENSOR ANCHORINGと題する米国仮特許出願第63/224,286号、2021年7月23日に出願された、SHUNT BARREL SENSOR IMPLANT ANCHORINGと題する米国仮特許出願第63/225,039号、2021年7月26日に出願された、EMBEDDED SENSOR IMPLANT DEVICESと題する米国仮特許出願第63/225,689号、及び2021年8月19日に出願された、SENSOR IMPLANT DEVICE ANCHORINGと題する米国仮特許出願第63/235,038号に基づく優先権を主張し、すべての完全な開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、一般的に、医療用埋め込み装置の分野に関する。
【0003】
(関連技術の説明)
様々な医療処置は、心臓の解剖学的構造内の医療用埋め込みデバイスの埋め込みを伴う。流体圧力などのこうした解剖学的構造と関連付けられた特定の生理学的パラメータは、患者の健康の見通しに影響を与え得る。
【発明の概要】
【0004】
本明細書では、一つ以上のセンサ埋め込み装置を使用して、左心房などの心臓の特定の心腔及び/又は血管と関連付けられた生理学的パラメータの監視を促進するための一つ以上の方法及び/又は装置を記載する。
【0005】
本開示を要約する目的で、特定の態様、利点、及び新規の特徴が記載されている。すべてのそのような利点は、必ずしも任意の特定の実施例に従って達成され得るわけではないことが理解されるべきである。したがって、開示された実施例は、本明細書に教示又は示唆され得る他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書に教示されるような一つの利点又は利点の一群を達成又は最適化する様式で実施され得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
様々な実施例が、例示目的で添付図面に示され、本発明の範囲を限定すると決して解釈されるべきではない。加えて、異なる開示された実施例の様々な特徴が、本開示の一部である、追加の実施例を形成するように組み合わせられ得る。図面全体を通して、参照番号は、参照要素間の対応を示すために再使用され得る。
【0007】
【
図1】
図1は、一つ以上の実施例によるヒト心臓の例示的な表現を示す。
【
図2】
図2は、一つ以上の実施例による、様々な心臓の腔及び血管と関連付けられた圧力波形の例を示す。
【
図3】
図3は、左心房圧範囲を示すグラフを例示する。
【
図4】
図4は、一つ以上の実施例による埋め込み装置を表すブロック図である。
【
図5】
図5は、一つ以上の実施例による、患者と関連付けられた一つ以上の生理学的パラメータを監視するためのシステムを表すブロック図である。
【
図6】
図6は、一つ以上の実施例による、センサ埋め込み装置の構成要素であり得る、例示的なセンサアセンブリ/装置を示す。
【
図7】
図7は、一つ以上の実施例による、一つ以上のセンサ本体への取り付けのために構成され得る例示的なシャント/アンカー構造を示す。
【
図8】
図8は、一つ以上の実施例による、心房中隔に埋め込まれたシャント埋め込み/アンカー装置/構造を示す。
【
図9】
図9は、冠静脈洞と左心房との間の組織壁に埋め込まれたシャント装置/構造を示す。
【
図10】
図10A~10Dは、一つ以上の実施例による、一つ以上の組織壁に少なくとも部分的に包埋されるように構成された一つ以上のアンカーアームを備えるセンサ埋め込み装置を示す。
【
図11】
図11A及び
図11Bは、一つ以上の実施例による、心臓内の血流に関連する測定値を収集するように構成された別のセンサ埋め込み装置を示す。
【
図12】
図12は、一つ以上の実施例による、心臓内の血流に関連する測定値を収集するように構成された別のセンサ埋め込み装置を示す。
【
図13-1】
図13-1は、一つ以上の実施例による、一つ以上のインプラント及び/又はセンサを送達するための一つ以上の工程を含むプロセスを示すフローチャートを提供する。
【
図13-2】
図13-2は、一つ以上の実施例による、一つ以上のインプラント及び/又はセンサを送達するための一つ以上の工程を含むプロセスを示すフローチャートを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書に提供される見出しは、単に便宜上のものであり、請求された発明の範囲又は意味に必ずしも影響するものではない。
【0009】
以下に特定の好ましい実施例及び実施例があるが、発明の主題は、具体的に開示された実施例を越えて、他の代替的な実施例及び/又は用途、並びにその修正例及び均等物に及ぶ。したがって、本明細書から生じ得る特許請求の範囲は、以下に記載される特定の実施例のいずれによっても限定されない。例えば、本明細書に開示される任意の方法又はプロセスでは、方法又はプロセスの作用又は動作は、任意の好適な順序で実施され得、必ずしも任意の特定の開示される順序に限定されない。様々な動作は、特定の実施例を理解するのに有用であり得る様式で、複数の別個の動作として順次説明され得るが、記載の順序は、これらの動作が順序依存性であることを暗示するものとして解釈されるべきではない。加えて、本明細書に記載される構造、システム、及び/又は装置は、一体化された構成要素として、又は別個の構成要素として具現化され得る。様々な実施例を比較する目的で、これらの実施例の特定の態様及び利点が記載される。このようなすべての態様又は利点は、任意の特定の実施例によって必ずしも達成されるとは限らない。したがって、例えば、様々な実施例は、本明細書に同様に教示又は示唆され得る他の態様又は利点を必ずしも達成することなく、本明細書に教示されるような一つの利点又は利点の一群を達成又は最適化する様式で実施され得る。
【0010】
特定の参照番号は、一つ以上の点において類似し得る特徴を有する装置、構成要素、システム、特徴、及び/又はモジュールの利便性の問題として、本開示の図セットの異なる図に渡り再使用される。しかしながら、本明細書に開示される実施例のいずれかに関して、図面中の共通の参照番号の再利用は、こうした特徴、装置、構成要素、又はモジュールが同一であるか、又は類似していることを必ずしも示さない。むしろ、当業者は、共通の参照番号の使用が、参照される主題間の類似性を暗示し得る程度に関して、文脈によって知らされ得る。特定の図の説明の文脈における特定の参照番号の使用は、その特定の図における識別された装置、構成要素、態様、特徴、モジュール、又はシステムに関連し、必ずしも別の図において同じ参照番号によって識別された任意の装置、構成要素、態様、特徴、モジュール、又はシステムに関連するものではないと理解することができる。さらに、共通の参照番号で識別された別個の図の態様は、特性を共有するか、又は互いに完全に独立していると解釈されることができる。
【0011】
位置の特定の標準的な解剖学的用語は、本明細書では、好ましい実施例に関して、動物、すなわちヒトの解剖学的構造を指すために使用される。「外側」、「内側」、「上部」、「下部」、「下」、「上」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」などの特定の空間的に相対的な用語及び同様の用語が、一つの装置/要素又は解剖学的構造の、別の装置/要素又は解剖学的構造に対する空間的な関係を説明するために本明細書で使用されるが、これらの用語は、図面に例示される要素/構造間の位置関係を説明するために説明の容易さのために本明細書で使用されることが理解される。空間的に相対的な用語は、図面に示される配向に加えて、使用又は動作中の要素/構造の異なる配向を包含することを意図していることを理解されたい。例えば、別の要素/構造の「上」として説明された要素/構造は、対象の患者又は要素/構造の代替的な配向に関して、そのような他の要素/構造の下又は横にある位置を表す場合があり、その逆も同様である。
【0012】
本開示は、センサと一体化された心臓シャント及び/又はその他の医療用埋め込み装置を使用して、患者の一つ以上の生理学的パラメータ(例えば、血圧)の監視のためのシステム、装置、及び方法に関する。いくつかの実装では、本開示は、圧力センサ又は他のセンサ本体を組み込む、又はそれらと関連付けられる心臓シャント及び/又は他の心臓埋め込み装置に関する。「と関連付けられた」という用語は、その広範かつ通常の意味に従って本明細書で使用される。例えば、第一の特徴部、要素、構成要素、装置、又は部材が、第二の特徴部、要素、構成要素、装置、又は部材「と関連付けられた」と記載される場合、そのような記載は、第一の特徴部、要素、構成要素、装置、又は部材が、第二の特徴部、要素、構成要素、装置、又は部材に、直接的か又は間接的かにかかわらず、物理的に結合、取り付け、若しくは接続されるか、統合されるか、少なくとも部分的に内部に埋め込まれるか、又は別様に物理的に関連していることを示すように理解されるべきである。特定の実施例は、心臓埋め込み装置に関連して、本明細書に開示される。しかしながら、本明細書に開示される特定の原理が、心臓の解剖学的構造に特に適用可能であるが、本開示に係るセンサ埋め込み装置は、任意の好適な若しくは望ましい解剖学的構造に埋め込まれ得る、又は埋め込みのために構成され得ることが、理解されるべきである。
【0013】
本明細書に記載の様々なセンサ本体は、本明細書に記載の様々な医療用埋め込み装置と一体化され得るが、センサ本体は、医療用埋め込み装置とは別個の装置であってもよい。例えば、センサ本体は、医療用埋め込み装置との壊れやすい及び/又は解除可能な接続を形成してもよい。さらに、本明細書に記載のセンサ本体は、患者の心臓内の医療用埋め込み装置とは別々に(例えば、前及び/又は後に)送達されるように構成されてもよい。例えば、センサ本体は、センサ本体及び/又は医療用埋め込み装置の送達プロセス中(例えば、カテーテルを通した送達中)に医療用埋め込み装置に取り付けられていなくてもよいが、心臓内の所望の位置への送達後(例えば、カテーテルからの取り外し後)に医療用埋め込み装置に取り付けられ/連結されてもよい。送達位置の例には、左心房、左心耳、肺静脈、冠静脈洞、及び/又はこれらの場所に関連する様々な組織壁が含まれ得る。
【0014】
いくつかの実施例では、センサ本体を送達するために使用されるカテーテル及び/又はガイドワイヤはまた、医療用埋め込み装置を送達するために使用されてもよい。例えば、カテーテル及び/又はガイドワイヤは、残りの装置の送達のために、センサ本体及び/又は医療用埋め込み装置の送達後に身体内に留まってもよい。
【0015】
本明細書に記載の一部のセンサ本体は、本明細書に記載の医療用埋め込み装置の送達前に送達されるように構成されてもよい。これは、有利には、センサ本体及び/若しくは医療用埋め込み装置の送達を単純化し得、並びに/又はセンサ本体及び/若しくは医療用埋め込み装置のシンプルな撮像を提供し得る。センサ本体は、医療用埋め込み装置の送達前に、センサ本体の測定を最大化するために、必要に応じて調整されてもよい。さらに、医療用埋め込み装置の送達は、センサ本体の送達後に、必要に応じて遅延及び/又は中止され得る。
【0016】
本明細書に記載の一部のセンサ本体は、本明細書に記載の医療用埋め込み装置の送達後に送達されるように構成されてもよい。これは、有利には、センサ本体及び/若しくは医療用埋め込み装置の送達を単純化し得、並びに/又はセンサ本体及び/若しくは医療用埋め込み装置のシンプルな撮像を提供し得る。センサ本体は、センサ本体の測定を最大化するために、必要に応じて調整されてもよい。さらに、センサ本体は、センサ本体が外れるリスクを最小限にして、医療用埋め込み装置に効果的に固定され得る。
【0017】
心臓生理学
心臓の解剖学的構造は、本明細書に開示される特定の発明の概念の理解を支援するために以下に記載される。ヒト及び他の脊椎動物では、心臓は、概して、四つのポンプ室を有する筋肉性の器官を備え、その流れは、様々な心臓弁、すなわち、大動脈弁、僧帽弁(又は二尖弁)、三尖弁、及び肺動脈弁によって少なくとも部分的に制御される。弁は、心周期の様々な段階(例えば、弛緩及び収縮)中に存在する圧力勾配に応答して開閉して、心臓のそれぞれの領域及び/又は血管(例えば、肺、大動脈など)への血液の流れを少なくとも部分的に制御するように構成され得る。
【0018】
図1は、本発明の開示の特定の実施例に関連する様々な特徴を有する心臓1の例示的な表現を示す。心臓1は、四つの心腔、すなわち、左心房2、左心室3、右心室4、及び右心房5を含む。血流に関しては、概して、血液は、右心室4から肺動脈弁9を介して肺動脈11に流れ、これは、右心室4を肺動脈11から分離し、血液が肺に向かってポンピングされ得るように収縮期中に開き、拡張期中に閉じて、肺動脈11から心臓に血液が逆流するのを防ぐように構成されている。肺動脈11は、脱酸素化された血液を心臓の右側から肺に運ぶ。示されるように、肺動脈11は、肺動脈幹、及び肺動脈幹から分岐する左15及び右13の肺動脈を含む。肺静脈23は、肺から左心房2に血液を運ぶ。
【0019】
肺動脈弁9に加えて、心臓1は、三尖弁8、大動脈弁7、及び僧帽弁6を含む、その中の血液の循環を支援するための三つの追加の弁を含む。三尖弁8は、右心房5を右心室4から分離する。三尖弁8は、概して、三つの尖点又は弁尖を有し、概して、心室収縮中(すなわち、収縮期)に閉じ、心室拡張中(すなわち、拡張期)に開き得る。僧帽弁6は、概して、二つの尖点/弁尖を有し、左心房2を左心室3から分離する。僧帽弁6は、左心房2内の血液が左心室3に流入し得るように拡張期中に開き、適切に機能する場合、血液の左心房2への逆流を防ぐために、収縮期中に閉じるように構成される。大動脈弁7は、左心室3を大動脈12から分離する。大動脈弁7は、左心室3を出る血液が大動脈12に入ることを可能にするように収縮期中に開き、血液の左心室3への逆流を防ぐために、拡張期中に閉じるように構成される。
【0020】
心臓弁は、概して、本明細書では弁輪と称される比較的密度の高い線維輪、及び弁輪に取り付けられた複数の弁尖又は尖点を含み得る。概して、弁尖又は尖点のサイズは、心臓が収縮したときに対応する心腔内で結果として高まった血圧が、弁尖を少なくとも部分的に開き、心腔からの流れを可能にするようなものであり得る。心腔内の圧力が低下すると、後続の心腔又は血管内の圧力が優勢になり、弁尖に向かって押し戻され得る。結果として、弁尖/尖点は互いに並置し、それによって、流路が閉じられる。心臓弁及び/又は関連する弁尖の機能障害(例えば、肺動脈弁機能障害)は、弁漏れ及び/又は他の健康上の合併症をもたらし得る。
【0021】
房室(すなわち、僧帽及び三尖)心臓弁は、弁尖の適切な癒合を促進及び/又は容易にし、その脱出を防止するために、それぞれの弁の弁尖を固設する腱索及び乳頭筋(図示せず)の集合をさらに含む。乳頭筋は、概して、例えば、心室壁からの指様突出部を含み得る。弁の弁尖は、腱索によって乳頭筋に接続される。隔壁と呼ばれる筋肉の壁は、左側の心腔を右側の心腔から分離する。特に、心房中隔壁部分18(本明細書では、「心房中隔(atrial septum)」、「心房中隔(interatrial septum)」、又は「中隔」と称される)は、左心房2を右心房5から分離するのに対し、心室中隔壁部分17(本明細書では、「心室中隔(ventricular septum)」、「心室中隔(interventricular septum)」、又は「中隔」と称される)は、左心室3を右心室4から分離する。心臓1の下方先端26は、尖部と呼ばれ、一般に、鎖骨中線上又はその近く、第五肋間腔に位置する。
【0022】
冠静脈洞16は、結合されて心臓筋(心筋)から血液を収集する大きな血管を形成する静脈の集合を含む。冠静脈洞の小孔は、一部の患者においてはテベシウス弁によって少なくとも部分的に保護され得るが、示されるように、右心房5に開放されている。冠静脈洞は、左心房2の後面に沿って走っており、あまり酸素化されていない血液を右心房5に送達する。冠静脈洞は、概して、心臓の後ろ側にある左房室溝を横断的に走る。
【0023】
心臓1内のいくつかのアクセス経路のいずれかが、本出願のインプラント及び/又は装置を展開するために、心臓1内及びその周りでガイドワイヤ及びカテーテルを操作するために利用され得る。例えば、鎖骨下静脈又は頸静脈のいずれかを介して上大静脈(SVC)19、右心房5の中に上から、かつそこから冠静脈洞16の中にアクセスすることができる。代替的に、アクセス経路は、大腿静脈で始まり、下大静脈(IVC)14を通って、心臓1の中に入り得る。他のアクセス経路もまた使用されてもよく、各々は、通常は封止されたイントロデューサを通して、ガイドワイヤ及びカテーテルが血管系に挿入される経皮的切開を利用することができ、そこから、医師が装置の遠位端を身体外から制御することができる。
【0024】
心臓圧及び他のパラメータと関連付けられた健康状態
上記に参照されるように、心臓解剖学的構造と関連付けられた特定の生理学的状態又はパラメータは、患者の健康に影響し得る。例えば、鬱血性心不全は、心臓及び/又は身体を通る血液の比較的遅い移動と関連付けられた状態であり、これは、一つ以上の心腔における流体圧力の増加を引き起こす。結果として、心臓は、身体の必要性を満たすのに十分な酸素を圧送しない。心臓の様々な心腔は、より多くの血液を保持して身体を通してポンピングするように伸びることによって、又は比較的硬くなる及び/若しくは厚くなることによって、圧力増加に応答し得る。心臓の壁は、最終的に弱くなり、効率的に圧送することができなくなり得る。いくつかの事例では、腎臓は身体に流体を保持させることによって、心臓の非効率性に応答する場合がある。腕、脚、足首、足、肺、及び/又は他の器官における流体の蓄積は、身体を鬱血状態にし、これは、鬱血性心不全と称される。急性非代償性鬱血性心不全は、罹患及び死亡の主要原因であり、したがって、鬱血性心不全の治療及び/又は予防は、医療において重大な関心事である。
【0025】
心不全(例えば、鬱血性心不全)の治療及び/又は予防は、有利なことに、心臓又は他の解剖学的構造の一つ以上の腔又は領域における圧力のモニタリングを伴い得る。上記に説明されるように、一つ以上の心腔又は心臓の領域における圧力蓄積は、鬱血性心不全と関連付けられ得る。心臓圧の直接的又は間接的なモニタリングなしで、鬱血性心不全の存在又は発生を推定、決定、又は予測することは困難であり得る。例えば、直接的又は間接的な圧力モニタリングを伴わない治療又はアプローチは、体重、胸部インピーダンス、右心カテーテル挿入などを評価することなどの、患者の他の現在の生理学的状態を評価するか、又は観察することを伴い得る。いくつかの解決策では、肺毛細血管楔入圧が、左心房圧の代替として測定され得る。例えば、圧力センサは、肺動脈内に配置又は埋め込むことができ、それと関連付けられた読み取り値が、左心房圧の代替として使用され得る。しかしながら、肺動脈又は特定の他の心腔又は心臓の領域におけるカテーテルベースの圧力測定に関して、そのような圧力センサを維持するために侵襲的カテーテルの使用が必要とされ得、これは、不便であるか、又は実装が困難であり得る。さらに、特定の肺関連状態は、肺動脈内の圧力読み取り値に影響し得、その結果、肺動脈圧と左心房圧との間の相関が望ましくないほど減弱され得る。肺動脈圧測定の代替として、右心室流出路における圧力測定は、左心房圧にも同様に関連し得る。しかしながら、そのような圧力読み取り値と左心房圧との間の相関は、鬱血性心不全の診断、予防、及び/又は治療に利用されるほど十分に強くない場合がある。
【0026】
左心房圧を導き出すか又は推論するために、追加の解決策が実装され得る。例えば、拡張初期における重力からのピーク速度血流(E波)の心房収縮によって引き起こされる拡張期後期のピーク速度血流(A波)に対する比を表す、心臓の左心室の機能のマーカーであるE/A比が、左心房圧を測定するための代替として使用され得る。E/A比は、心エコー又は他の画像技術を使用して決定され得、概して、E/A比の異常は、左心室が収縮の間の期間に適切に血液を充填することができないことを示唆し得、これは、上記で記載されたように、心不全の症状につながり得る。しかしながら、E/A比の決定は、一般的に、絶対圧力の測定値を提供しない。
【0027】
鬱血性心不全を特定及び/又は治療するための様々な方法は、鬱血性心不全の症状の悪化及び/又は体重の変化の観察を伴う。しかしながら、そのような徴候は、比較的遅発的である、及び/又は比較的信頼できないように思われ得る。例えば、毎日の体重測定値は、顕著に変化し得(例えば、最大9%以上)、心臓関連合併症の兆候としては信頼できない場合がある。さらに、徴候、症状、体重、及び/又は他のバイオマーカをモニタリングすることによって誘導される治療は、臨床転帰を実質的に改善することが示されているわけではない。加えて、退院した患者については、そのような治療は、遠隔医療システムを必要とし得る。
【0028】
本開示は、例えば鬱血性心不全の患者について、再入院、罹患を低減するために、及び/又は患者の健康の見通しを改善するために、左心房、又はその圧力測定値が左心房圧及び/若しくは一つ以上の他の血管/腔の圧力レベルを示す、他の腔又は血管において、圧力を直接モニタリングすることによって、少なくとも部分的に鬱血性心不全の治療に関連する薬剤の投与を誘導するためのシステム、装置、及び方法を提供する。
【0029】
心臓圧モニタリング
本開示の実施例による心臓圧モニタリングは、鬱血性心不全及び/若しくは他の生理学的状態を予防又は治療するための積極的な介入機構を提供し得る。概して、拡張期及び/又は収縮期心不全と関連付けられた心室充満圧の増加は、入院につながる症状の発生前に起こり得る。例えば、心臓圧の指標は、一部の患者に関しては、入院の数週間前に現れ得る。したがって、本開示の実施例による圧力監視システムは、心不全の発症前に、薬剤の適切な又は所望の滴定及び/又は投与を誘導することによって、入院事例を低減するために有利に実装され得る。
【0030】
呼吸困難は、息切れ、又は十分に呼吸することができないという感覚によって特徴付けられる心臓圧指標を表す。呼吸困難は、心房圧上昇に起因し得、これは、圧力の逆流によって肺における流体蓄積を引き起こし得る。病態性呼吸困難は、鬱血性心不全に起因し得る。しかしながら、最初の圧力上昇と呼吸困難の発症との間には顕著な時間が経過し得、したがって、呼吸困難の症状は、心房圧上昇の十分な初期兆候を提供しない場合がある。本開示の実施例に従って圧力を直接モニタリングすることによって、正常な心室充満圧が有利に維持され、それによって、呼吸困難などの心不全の影響を防止又は低減することができる。
【0031】
上記に参照するように、心臓圧に関して、左心房の圧力上昇は、心不全と特に相関し得る。
図2は、一つ以上の実施例による、様々な心臓の腔及び血管と関連付けられた圧力波形の例を示す。
図2に示された様々な波形は、一つ以上の圧力センサを、それぞれの例示及び符号付けされた心臓の腔又は血管に前進させるために右心カテーテル挿入を使用して得られた波形を表し得る。
図2に示されるように、左心房圧を表す波形25は、鬱血性心不全の早期検出のための最良のフィードバックを提供するように考慮され得る。さらに、一般に、増加と左心房圧と肺鬱血との間に比較的強い相関が存在し得る。
【0032】
左心房圧は、一般的に、左心室拡張末期圧と良好に相関し得る。しかしながら、左心房圧及び拡張末期の肺動脈圧が顕著な相関を有し得るが、そのような相関は、肺血管抵抗が上昇するときに弱まり得る。すなわち、肺動脈圧は、鬱血性心不全に罹患した特定の患者を含み得る、様々な急性状態の存在下では、一般的に、左心室拡張末期圧と適切に相関しない。例えば、心不全患者の約25%~83%に影響する肺高血圧症は、左側充満圧を推定するための肺動脈圧測定の信頼性に影響し得る。したがって、波形24によって表されるように、肺動脈圧測定単独では、特に、肺疾患及び/又は血栓塞栓症などの併存疾患を有する患者にとって、左心室拡張末期圧の不十分又は不正確な指標となり得る。左心房圧は、僧帽弁閉鎖不全の存在及び/又は程度と少なくとも部分的にさらに相関し得る。
【0033】
左心房圧の読み取り値は、
図2に示される他の圧力波形と比較して、呼吸状態などの他の状態によって歪むか、又は影響する可能性が比較的低い場合がある。概して、左心房圧は、心不全の発現の最大二週間前などに、心不全を有意に予測し得る。例えば、左心房圧の増加、並びに拡張期及び収縮期心不全の両方が、入院の数週間前に起こり得、したがって、そのような増加の知識が、鬱血性心不全、例えば、鬱血性心不全の急性衰弱症状の発症を予測するために使用され得る。
【0034】
左心房圧モニタリングなどの心臓圧モニタリングは、鬱血性心不全を治療及び/又は予防するための薬剤の投与を導く機構を提供し得る。そのような治療は、有利なことに、再入院及び罹患を低減するとともに、他の利益を提供し得る。本開示の実施例による埋め込み型圧力センサは、心不全の症状又はマーカー(例えば、呼吸困難)の発現の二週間以上前に、心不全を予測するために使用され得る。心不全予測が本開示による心臓圧センサの実施例を使用して認識されるとき、心臓機能不全の影響を予防又は低減するのに役立ち得る、患者の薬剤レジメンへの修正などの薬剤介入を含む、特定の予防的措置が実装され得る。左心房における直接的な圧力測定は、有利なことに、心不全又は他の合併症につながり得る圧力蓄積の正確な指標を提供し得る。例えば、心房圧上昇の傾向は、心臓機能不全の発症を判定又は予測するために分析又は使用され得、ここで薬物又は他の療法が増強されて、圧力の低減をもたらし、さらなる合併症を予防若しくは低減し得る。
【0035】
図3は、概して、術後の心房細動、急性腎損傷、心筋損傷、心不全、及び/又は他の健康状態の実質的なリスクと関連しない、左心房圧の正常範囲301を含む左心房圧範囲を示すグラフ300を示す。本開示の実施例は、特定のセンサ埋め込み装置を使用して、患者の左心房圧が、正常範囲301内にある、正常範囲303を上回る、又は正常範囲302を下回るかどうかを判定するためのシステム、装置、及び方法を提供する。心不全の増加したリスクと相関し得る正常範囲を上回って検出された左心房圧に関して、以下に詳細に記載される本開示の実施例は、左心房圧をそれが正常範囲301内になるまで低減するための努力を報告し得る。さらに、急性腎損傷、心筋損傷、及び/又は他の健康上の合併症の増加したリスクと相関し得る、正常範囲301を下回って検出された左心房圧に関して、以下に詳細に記載される本開示の実施例は、圧力レベルを正常範囲301内にするために、左心房圧を増加させる労力を容易にするように機能し得る。
【0036】
統合されたセンサを有する埋め込み装置
いくつかの実装では、本開示は、心臓シャント又は他の埋め込み装置と関連付けられるか、又はそれらと統合されるセンサに関する。そのような統合された装置は、心不全及び/又は心臓機能に関連する他の健康上の合併症を治療及び予防するための制御された及び/又はより効果的な療法を提供するために使用され得る。
図4は、シャント(又は他のタイプの埋め込み)構造39を備える埋め込み装置30を示すブロック図である。いくつかの実施例では、シャント構造39は、センサ本体37と物理的に一体化される、及び/又はそれに接続される。センサ本体37は、例えば、圧力センサ、又は他のタイプのセンサであり得る。いくつかの実施例では、センサ37は、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)内に統合され得る、圧力変換器などの変換器32、並びに特定の制御回路34を備える。
【0037】
制御回路34は、変換器32から受信したシグナルを処理する、及び/又はアンテナ38を使用して、変換器に関連付けられたシグナルを、生体組織を通じて無線で通信するように構成され得る。「制御回路」という用語は、その広範かつ通常の意味に従って本明細書で使用され、プロセッサ、処理回路、処理モジュール/ユニット、チップ、ダイ(例えば、来る又はより多くの能動的及び/若しくは受動的装置並びに/又は接続回路を含む半導体ダイ)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理装置、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラム可能な論理装置、状態機械(例えば、ハードウェア状態機械)、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、並びに/又は回路及び/若しくは動作命令のハードコーディングに基づいてシグナル(アナログ及び/若しくはデジタル)を操作する任意の装置の任意の集団を指し得る。本明細書で参照される制御回路は、単一のメモリ装置、複数のメモリ装置、及び/又は装置の組み込み回路に具現化され得る、一つ以上の記憶装置をさらに備え得る。そのようなデータ記憶部は、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、静的メモリ、動的メモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、データ記憶レジスタ、及び/又はデジタル情報を記憶する任意の装置を含み得る。制御回路が、ハードウェア及び/又はソフトウェア状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を含む実施例では、任意の関連する動作命令を記憶するデータ記憶装置/レジスタは、状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を含む回路内に、又はその外部に組み込まれ得ることに留意されたい。変換器32及び/又はアンテナ38は、制御回路34の一部とみなすことができる。
【0038】
アンテナ38は、銅線などの、導電性材料の一つ以上のコイル又はループを含み得る。いくつかの実施例では、変換器32、制御回路34、及び/又はアンテナ38の少なくとも一部分は、任意の種類の材料を備え得、有利なことに、少なくとも部分的に密封され得る、センサハウジング36内に少なくとも部分的に配設又は含有される。例えば、ハウジング36は、いくつかの実施例では、その中に収容される構成要素に対して機械的安定性及び/又は保護を提供し得るガラス又は他の硬質材料を含み得る。いくつかの実施例では、ハウジング36は、少なくとも部分的に可撓性である。例えば、ハウジングは、有利なことに、センサ37の折り曲げ、屈曲、又は折り畳みを可能にして、カテーテル又は他の導入手段を通した輸送を可能にし得る、ポリマー又は他の可撓性の構造/材料を含み得る。
【0039】
変換器32は、任意のタイプのセンサ手段又は機構を備え得る。例えば、変換器32は、力収集タイプ圧力センサであり得る。いくつかの実施例では、変換器32は、ダイアフラム、ピストン、ブルドン管、ベローズ、又はその領域/表面にわたって適用された歪み若しくは撓みを測定する他の歪み若しくは撓み測定構成要素を含む。変換器32は、その少なくとも一部分がハウジング36内に収容されるか、又はそれに取り付けられるように、ハウジング36と関連付けられ得る。ステント又は他の埋め込み構造「と関連付けられている」センサ本体/構成要素に関して、そのような用語は、埋め込み構造に物理的に結合、取り付け、若しくは接続、又は統合されているセンサ本体又は構成要素を指し得る。
【0040】
いくつかの実施例では、変換器32は、加えられた圧力に起因する歪みを検出するために、接合又は形成された歪みゲージを使用するように構成され得る、ピエゾ抵抗歪みゲージの構成要素を含む、又はそれであり、抵抗は、圧力が構成要素/材料を変形する際に、増加する。変換器32は、ケイ素(例えば、単結晶)、ポリシリコン薄膜、接合金属ホイル、厚膜、シリコンオンサファイア、スパッタリング薄膜、及び/又は類似のものなどを含むがこれらに限定されない任意のタイプの材料を組み込むことができる。
【0041】
いくつかの実施例では、変換器32は、ダイアフラムに適用された圧力に起因する歪みを検出するために可変キャパシタを形成するように構成されたダイアフラム及び圧力空洞を含む静電容量式圧力センサの構成要素を含むか、又は静電容量式圧力センサの構成要素である。静電容量式圧力センサの静電容量は、一般に、圧力がダイアフラムを変形させるにつれて減少し得る。ダイアフラムは、限定されるものではないが、金属、セラミック、シリコンなどを含む任意の材料を含み得る。いくつかの実施例では、変換器32は、電磁圧力センサの構成要素を備える、又はそれであり、これは、インダクタンスの変化、線形可変変位変換器(LVDT)の機能、ホール効果、又は渦電流感知によってダイアフラムの変位を測定するように構成され得る。いくつかの実施例では、変換器32は、圧電歪みセンサの構成要素を備えるか、又は圧電歪みセンサの構成要素である。例えば、そのようなセンサは、水晶などの特定の材料における圧電効果に基づいて、感知機構に対する歪み(例えば、圧力)を決定することができる。
【0042】
いくつかの実施例では、変換器32は、歪みゲージの構成要素を含むか、又は歪みゲージの構成要素である。例えば、歪みゲージの実施例は、変換器32の露出表面上又はそれと関連付けられた感圧要素を備え得る。いくつかの実施例では、金属歪みゲージは、センサの表面に接着され、又は薄膜ゲージは、スパッタリング又は他の技術によってセンサ上に当てられ得る。測定要素又は機構は、ダイアフラム又は金属ホイルを含み得る。変換器32は、光学、電位差測定、共鳴、熱、イオン化、又は他のタイプの歪み若しくは圧力センサなどの、任意の他のタイプのセンサ又は圧力センサを含み得る。
【0043】
図5は、一つ以上の実施例による、患者44における一つ以上の生理学的パラメータ(例えば、左心房圧及び/又は体積)をモニタリングするためのシステム40を示す。患者44は、例えば、患者44の心臓(図示せず)又は関連する生理機能に移植された医療用埋め込み装置30を有し得る。例えば、埋め込み装置30は、患者の心臓の左心房及び/又は冠静脈洞内に少なくとも部分的に移植され得る。埋め込み装置30は、一つ以上の微小電気機械システム(MEMS)装置(例えば、MEMS圧力センサ、又は他の種類のセンサ変換器)などの一つ以上のセンサ変換器32を含み得る。
【0044】
特定の実施例では、モニタリングシステム40は、センサ変換器32を含む埋め込み型内部サブシステム又は装置30と、一つ以上のマイクロコントローラ、ディスクリート電子部品、並びに一つ以上の電力及び/又はデータ送信器38(例えば、アンテナコイル)を含む制御回路34と、を含む、少なくとも二つのサブシステムを備えることができる。モニタリングシステム40は、特定の制御回路41に電気的及び/又は通信可能に結合している無線トランシーバを含み得る、外部リーダ42(例えば、コイル)を含む外部(例えば、非埋め込み型)サブシステムをさらに含むことができる。特定の実施例では、内部30及び外部42サブシステムの両方は、それらの間に配置された患者組織を通した無線通信及び/又は電力送達のための対応するコイルアンテナを含む。センサ埋め込み装置30は、任意の種類の埋め込み装置であり得る。例えば、いくつかの実施例では、埋め込み装置30は、人工シャント又はステント装置/構造などの別の機能的インプラント構造39と一体化された圧力センサを備える。
【0045】
埋め込み装置30の特定の詳細は、図示される拡大されたブロック30に示される。埋め込み装置30は、本明細書に記載されるインプラント/アンカー構造39を含み得る。例えば、埋め込み/アンカー構造39は、本開示全体を通して詳細に記載されるように、心臓の二つの腔及び/又は血管の間に流路を提供するために、組織壁に及び/又はその中に固定されるように構成された、経皮的に送達可能なシャント装置を含むことができる。特定の構成要素が、埋め込み装置30の一部分として
図5に示されているが、センサ埋め込み装置30は、示された構成要素/モジュールのサブセットのみを備えることができ、示されていない追加の構成要素/モジュールを備えることができることを理解されたい。埋め込み装置は、
図4に示される埋め込み装置の実施例を表すことができ、その逆もまた同様である。埋め込み装置30は、一つ以上のセンサ変換器32を有利に含み得、これは、心房圧などの患者44の一つ以上の生理学的パラメータを示す応答を提供するように構成され得る。圧力変換器が記載されているが、センサ変換器32は、埋め込み装置30及び/又は患者44と関連付けられた生理学的パラメータ又は状態に関連する信号を提供するための任意の好適な又は望ましい種類のセンサ変換器を備え得る。
【0046】
センサ変換器32は、患者の健康に関連する一つ以上のパラメータを感知するために患者44内に位置付けられ得る一つ以上のMEMSセンサ、光学センサ、圧電センサ、電磁センサ、歪みセンサ/ゲージ、加速度計、ジャイロスコープ、ダイアフラムに基づくセンサ及び/又は他のタイプのセンサを備え得る。変換器32は、フォースコレクタタイプ圧力センサであり得る。いくつかの実施例では、変換器32は、ダイアフラム、ピストン、ブルドン管、ベローズ、又はその領域/表面にわたって適用された歪み若しくは撓みを測定する他の歪み若しくは撓み測定構成要素を含む。変換器32は、その少なくとも一部分がハウジング36内に収容されるか、又はそれに取り付けられるように、センサハウジング36と関連付けられ得る。
【0047】
いくつかの実施例では、変換器32は、加えられた圧力に起因する歪みを検出するために、接合又は形成された歪みゲージを使用するように構成され得る、歪みゲージの構成要素を含むか、又は歪みゲージの構成要素である。例えば、変換器32は、ピエゾ抵抗歪みゲージの構成要素を含んでもよく、又はその構成要素であってもよく、圧力が歪みゲージの構成要素/材料を変形するにつれて抵抗が増加する。変換器32は、シリコーン、ポリマー、ケイ素(例えば、単結晶)、ポリシリコン薄膜、接合金属ホイル、厚膜、シリコンオンサファイア、スパッタリング薄膜、及び/又は類似のものなどを含むがこれらに限定されない任意のタイプの材料を組み込むことができる。いくつかの実施例では、金属歪みゲージは、センサ表面に接着され、又は薄膜ゲージは、スパッタリング又は他の技術によってセンサ上に当てられ得る。測定要素又は機構は、ダイアフラム又は金属ホイルを含み得る。変換器32は、光学、電位差測定、共鳴、熱、イオン化、又は他のタイプの歪み若しくは圧力センサなどの、任意の他のタイプのセンサ又は圧力センサを含み得る。
【0048】
いくつかの実施例では、変換器32は、ダイアフラムに適用された圧力に起因する歪みを検出するために可変キャパシタを形成するように構成されたダイアフラム及び圧力空洞を含む静電容量式圧力センサの構成要素を含むか、又は静電容量式圧力センサの構成要素である。静電容量式圧力センサの静電容量は、一般に、圧力がダイアフラムを変形させるにつれて減少し得る。ダイアフラムは、限定されるものではないが、金属、セラミック、シリコーン、ケイ素、又は他の半導体などを含む任意の材料を含み得る。いくつかの実施例では、変換器32は、電磁圧力センサの構成要素を備えるか、又は電磁圧力センサの構成要素であり、これは、インダクタンスの変化、線形可変変位変換器(LVDT)の機能、ホール効果、又は渦電流感知によってダイアフラムの変位を測定するように構成され得る。いくつかの実施例では、変換器32は、圧電歪みセンサの構成要素を備えるか、又は圧電歪みセンサの構成要素である。例えば、そのようなセンサは、水晶などの特定の材料における圧電効果に基づいて、感知機構に対する歪み(例えば、圧力)を決定することができる。
【0049】
いくつかの実施例では、変換器32は、一つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)マイクロコントローラ又はチップを含み得る、制御回路34に電気的及び/又は通信可能に結合される。制御回路34は、同調キャパシタ、抵抗器、ダイオード、インダクタなどの一つ以上のディスクリート電子部品をさらに含むことができる。
【0050】
特定の実施例では、センサ変換器32は、示されたローカル外部モニタシステム42など、患者の身体の外側の装置に無線で送信できる電気シグナルを生成するように構成され得る。このような無線データ送信を実施するために、埋め込み装置30は、信号処理回路及びアンテナ38などの無線周波数(RF)(又は他の周波数帯域)伝達回路を含み得る。アンテナ38は、患者内に埋め込まれたアンテナコイルを含み得る。制御回路34は、電磁シグナルを送信するように構成された任意のタイプのトランシーバ回路を備えることができ、シグナルは、アンテナ38によって放射することができ、アンテナ38は、一つ以上の導電性ワイヤ、コイル、基板などを含み得る。埋め込み装置30の制御回路34は、例えば、装置30を使用して、生成及び/又は送信される信号に対してある程度の量の処理を実施するように構成された一つ以上のチップ又はダイを備え得る。しかしながら、サイズ、コスト、及び/又は他の制約に起因して、埋め込み装置30は、いくつかの実施例では、独立した処理能力を含まない場合がある。
【0051】
埋め込み装置30によって生成された無線信号は、ローカル外部モニタ装置又はサブシステム42によって受信され得、これは、埋め込み装置30から無線信号伝達を受信するように構成されたリーダ/アンテナインターフェース回路モジュール43を含み得、該モジュールは、患者44内に少なくとも部分的に配置される。例えば、モジュール43は、トランシーバ装置/回路を含み得る。
【0052】
外部ローカルモニタ42は、無線信号伝送を埋め込み装置30から受信する、及び/又はワンド装置などの外部アンテナ48を使用して、無線電力を埋め込み装置30に提供し得る。リーダ/アンテナインターフェース回路43は、埋め込み装置30からの信号を受信して増幅するように構成された無線周波数(RF)(又は他の周波数帯域)フロントエンド回路を含み得、このような回路は、一つ以上のフィルタ(例えば、バンドパスフィルタ)、増幅器(例えば、低ノイズ増幅器)、アナログデジタル変換器(ADC)及び/又はデジタル制御インターフェース回路、位相ロックループ(PLL)回路、信号ミキサなどを含み得る。リーダ/アンテナインターフェース回路43は、ネットワーク49を介して遠隔モニタサブシステム又は装置46にシグナルを送信するようにさらに構成され得る。リーダ/アンテナインターフェース回路43のRF回路は、送信された信号を、ネットワーク49を介して取り扱う/処理するため、及び/又は信号を埋め込み装置30から受信するための、デジタル/アナログ変換器(DAC)回路、電力増幅器、ローパスフィルタ、アンテナスイッチモジュール、アンテナなどのうちの一つ以上をさらに含み得る。特定の実施例では、ローカルモニタ42は、埋め込み装置30から受信した信号の処理を実施するための制御回路41を含む。ローカルモニタ42は、イーサネット、Wi-Fiなどの既知のネットワークプロトコルに従ってネットワーク49と通信するように構成することができる。特定の実施例では、ローカルモニタ42は、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、若しくは他のモバイルコンピューティングデバイス、又は任意の他のタイプのコンピューティングデバイスを含む。
【0053】
特定の実施例では、埋め込み装置30は、いくらかの量の揮発性及び/又は不揮発性データ記憶部を含む。例えば、このようなデータ記憶部は、フローティングゲートトランジスタのアレイなどを利用する、ソリッドステートメモリを含み得る。制御回路34は、ある期間にわたって収集された感知されたデータを記憶するためにデータ記憶部を利用し得、記憶されたデータは、定期的にローカルモニタ42又は別の外部サブシステムに送信され得る。特定の実施例では、埋め込み装置30は、いかなるデータ記憶部も含まない。制御回路34は、センサ変換器32によって生成されたデータ、又はそれと関連付けられた他のデータの無線伝達を容易にするように構成され得る。制御回路34は、例えば、ネットワーク49を介して、ローカルモニタ42から、又は遠隔モニタ46からなど、一つ以上の外部サブシステムから入力を受信するようにさらに構成され得る。例えば、埋め込み装置30は、一つ以上の構成要素又はセンサをアクティブ化/非アクティブ化することによって、又はその他に埋め込み装置30の動作若しくは性能に影響を与えることなどによって、埋め込み装置30の動作を少なくとも部分的に制御する信号を受信するように構成され得る。
【0054】
埋め込み装置30の一つ以上の構成要素は、一つ以上の電源35によって給電され得る。サイズ、コスト、及び/又は電気的な複雑さの懸念に起因して、電源35が、本質的に比較的最小限主義的であることが望ましい場合がある。例えば、埋め込み装置30内の高電力駆動電圧及び/又は電流は、埋め込み装置と関連付けられた心臓又は他の身体部分の動作に悪影響を及ぼす、又はそれに干渉し得る。特定の実施例では、電源35は、電力が、短距離又は近距離無線電力伝達、又は他の電磁結合機構の使用を通じてなど、埋め込み装置30の受動回路によって外部電源から無線で受信され得るように、本質的に少なくとも部分的に受動的である。例えば、ローカルモニタ42は、電力を埋め込み装置30に供給できるRF場を能動的に生成するイニシエータとして機能し得、それによって、埋め込み装置の電力回路は、比較的単純な形態因子を取ることが可能になる。特定の実施例では、電源35は、流体流、動きなどの環境源からエネルギーを得るように構成され得る。追加的又は代替的に、電源35は、バッテリを備えることができ、有利なことに、モニタリング期間(例えば、3、5、10、20、30、40、若しくは90日、又は他の期間)にわたって必要に応じて十分な電力を提供するように構成され得る。
【0055】
いくつかの実施例では、ローカルモニタ装置42は、埋め込み装置30と遠隔モニタ46との間の中間通信装置として機能し得る。ローカルモニタ装置42は、埋め込み装置30と通信するように設計された専用の外部ユニットであり得る。例えば、ローカルモニタ装置42は、ウェアラブル通信装置、又は患者44及び埋め込み装置30に近接して容易に配設され得る他の装置であり得る。ローカルモニタ装置42は、埋め込み装置30を連続的、周期的、又は散発的に調査して、センサベースの情報をそこから抽出又は要求するように構成され得る。特定の実施例では、ローカルモニタ42は、ユーザーインターフェースを備え、ユーザーは、インターフェースを利用し得、センサデータを閲覧、センサデータを要求、又はそうでなければ、ローカルモニタシステム42及び/又は埋め込み装置30と相互作用する。
【0056】
システム40は、例えば、モニタリングされる心臓圧データを表示する及び/若しくはそれと相互作用するためのモニタリングステーション又はインターフェースを提供するように構成されたデスクトップコンピュータ又は他のコンピューティングデバイスであり得る二次ローカルモニタ47を含み得る。ある実施例では、ローカルモニタ42は、患者及び/又は埋め込み装置30に物理的に近接して配置されるように構成されたウェアラブル装置又は他の装置若しくはシステムであり得、ローカルモニタ42は、主に、信号を、埋め込み装置30に、及び/又はそれから受信/送信し、このような信号を、閲覧、処理、及び/又は操作するために二次ローカルモニタ47に提供するように設計される。外部ローカルモニタシステム42は、埋め込み装置30からのデータ結合を介しても提供され得る、装置IDなどの埋め込み装置30から、又はそれと関連付けられた特定のメタデータを受信及び/又は処理するように構成され得る。
【0057】
遠隔モニタサブシステム46は、ローカルモニタ装置42、二次ローカルモニタ47、及び/又は埋め込み装置30からネットワーク49を介して受信したモニタデータを受信、処理、及び/又は提示するように構成された、任意の種類のコンピューティング装置又はコンピューティング装置の一群であり得る。例えば、遠隔モニタサブシステム46は、有利なことに、病院、医師、又は患者44と関連付けられた他のケア事業体などの医療事業体によって操作及び/又は制御され得る。本明細書に開示される特定の実施例が、埋め込み装置からローカルモニタ装置42を間接的に介して遠隔モニタサブシステム46と通信することを記載するものの、特定の実施例では、埋め込み装置30は、ローカルモニタ装置42を介して情報を中継する必要なく、遠隔モニタサブシステム46とネットワーク49を介して通信することが可能な送信器を備え得る。
【0058】
いくつかの実施例では、変換器32、制御回路34、電源35及び/又はアンテナ38の少なくとも一部分は、センサハウジング36内に少なくとも部分的に配設又は含有され、該センサハウジングは、任意の種類の材料を備え得、有利には、少なくとも部分的に密封され得る。例えば、ハウジング36は、いくつかの実施例では、その中に収容される構成要素に対して機械的安定性及び/又は保護を提供し得るガラス又は他の硬質材料を含み得る。いくつかの実施例では、ハウジング36は、少なくとも部分的に可撓性である。例えば、ハウジングは、有利なことに、センサ37の折り曲げ、屈曲、又は折り畳みを可能にして、カテーテル又は他の経皮的導入手段を通した輸送を可能にし得る、ポリマー又は他の可撓性の構造/材料を含み得る。
【0059】
上述のように、シャント及び他の埋め込み装置/構造は、圧力及び/又は他の生理学的パラメータのインビボモニタリングを容易にするために、センサ、アンテナ/トランシーバ、及び/又は他の構成要素と統合されてもよい。本開示の実施例によるセンサ本体は、任意の好適な又は望ましい取り付け又は統合機構又は構成を使用して、心臓シャント構造/装置又は他の埋め込み装置と一体化され得る。
図6は、センサ埋め込み装置の構成要素であり得る、例示的なセンサアセンブリ/装置60を示す。センサ本体60は、標的埋め込み部位に関連付けられた一つ以上の生理学的パラメータに関連するセンサ読み取りを提供するように構成され得る。
【0060】
センサ本体60は、埋め込み装置及び/又は組織壁に取り付けるように構成され得る。例えば、流体導管/バレル部分及び軸端フランジを形成する、一つ以上のコイル巻線に成形された一つ以上のワイヤ又は他の材料又は構造を含むコイル形態を使用して、センサ本体60を一つ以上のインプラントに取り付けてもよい。シャント構造は、本明細書に開示される特定の実施例によると、圧力センサ機能と統合され得る。シャント構造は、センサ本体60を保持するように構成され得る。
【0061】
センサ本体60は、有利なことに、そのセンサ変換器の構成要素65が、シャント構造のチャネル領域内に配置される構成に配置され、位置決めされ、固定され、配向され、及び/又は別の方法で位置付けられ得る。「チャネル領域」という用語は、その広範で通常の意味に従って本明細書で使用され、流体導管の半径方向の境界によって画定され、流体導管から軸方向に延在する三次元空間を指し得る。
【0062】
いくつかの実施例では、センサアセンブリ61は、センサ構成要素65及びアンテナ構成要素69を含む。センサ構成要素65は、上記で詳細に説明した任意のタイプのセンサ本体を備えてもよい。いくつかの実施例では、センサ65は、シャント構造のアーム部材に取り付けられてもよく、又はアーム部材と統合されてもよい。
【0063】
センサ65は、圧力センサ変換器などのセンサ要素67を含む。本明細書に説明されるように、センサアセンブリ61は、無線データ及び/又はパワートランスミッションを実装するように構成され得る。センサアセンブリ61は、このような目的のためにアンテナ構成要素69を含んでもよい。アンテナ69は、アンテナハウジング79内に少なくとも部分的に含まれてもよく、アンテナハウジング79には、無線データ及び/又は電力通信機能を促進するように構成された特定の制御回路をさらに配置され得る。いくつかの実施例では、アンテナ構成要素69は、誘導給電及び/又はデータ送信を容易にし得る、一つ以上の導電性コイル62を含む。導電性コイルを含む実施例では、こうしたコイルは、少なくとも部分的に磁気(例えば、フェライト、鉄)コア63の周りに巻かれ/配置されてもよい。
【0064】
アンテナ構成要素69は、シャント構造のアーム/アンカー特徴に取り付けられてもよく、それと統合されてもよく、又はそうでなければそれと関連付けられてもよい。
【0065】
センサアセンブリ61は、有利には生体適合性であり得る。例えば、センサ65及びアンテナ69は、ガラス又は他の生体適合性材料を含むハウジングなどの、生体適合性ハウジングを備え得る。しかしながら、ダイアフラム又は他の構成要素などの、センサ要素67の少なくとも一部分は、圧力読み取り又は他のパラメータ感知が実装されることを可能にするために、いくつかの実施例で、外部環境に露出され得る。アンテナハウジング79に関して、ハウジング79は、ガラス円筒形状などの、少なくとも部分的に硬質の円筒形又は管状の形態を含み得る。いくつかの実施例では、センサ65/67構成要素は、直径が約3mm以下である。アンテナ69は、約20mm以下の長さであり得る。
【0066】
センサアセンブリ61は、患者の身体の心臓又は他の領域に埋め込まれたときに、外部システムと通信するように構成され得る。例えば、アンテナ69は、外部システムから無線で電力を受け取り、並びに/又は外部システムに、及び/若しくは外部システムから、感知されたデータ若しくは波形を通信し得る。センサアセンブリ61は、任意の好適な又は望ましい方式で、シャント構造に取り付けられ得るか、又はそれと統合され得る。例えば、いくつかの実装では、センサ65及び/又はアンテナ69は、機械的取り付け手段を使用して、シャント構造に取り付けられ得るか、又はそれと統合され得る。いくつかの実施例では、センサ65及び/又はアンテナ69は、シャント構造に取り付けられるパウチ又は他のレセプタクルに収容され得る。
【0067】
センサ要素67は、圧力変換器を含み得る。例えば、圧力変換器は、半導体ダイアフラム構成要素を含む微小電気機械システム(MEMS)変換器であり得る。いくつかの実施例では、変換器は、シリコーン又は他の可撓性材料から作製され得る、少なくとも部分的に可撓性又は圧縮可能なダイアフラムの構成要素を含み得る。ダイアフラム構成要素は、環境圧力の変化に応答して屈曲又は圧縮されるように構成され得る。
【0068】
心臓インプラント
図7は、一つ以上の実施例による、一つ以上のセンサ本体への取り付けのために構成され得る例示的なシャント/アンカー構造150を示す。シャント構造150は、本明細書に開示される特定の実施例による圧力センサ機能と統合され得る心臓インプラント(例えば、
図4又は5に関連付けられたアンカー及び/又は心臓埋め込み構造)の実施例を表し得る。シャント構造150は、拡張可能なシャントであってもよい。拡張されると、シャント150の中央流れチャネル166は、略円形又は楕円形状の開口部を画定してもよく、及び/又は組織壁のオリフィス内に位置付けられた時に流体導管を形成してもよい。チャネル166は、組織壁に穿刺開口部及び/又はオリフィスの側面を保持して、組織壁によって分離される心腔又は心臓の血管の間に血流経路を形成するように構成され得る。例えば、シャント150は、冠静脈洞と左心房とを分離する壁に埋め込まれて、冠静脈洞と左心房との間に流体導管を形成するように構成され得る。中央流れチャネル166は、平行四辺形形状のセル又は開口部180のアレイを形成する薄い支柱179の略平行配置によって画定される一対の側壁170a、170bによって部分的に形成され得る。いくつかの実施例では、実質的に全シャント150は、圧縮され、カテーテル(図示せず)に収まり、その後、拡張され、
図7に示されるように弛緩した形状に戻るように構成されている超弾性支柱によって形成される。
【0069】
間にセルを形成する複数の相互接続された支柱を使用したシャント150の形成は、シャントの可撓性を少なくとも部分的に増加させ、それによって、その圧縮及び埋め込み部位における拡張を可能にする役割を果たし得る。中央流れチャネル166の周囲の相互接続された支柱は、有利には、組織を開位置の穿刺穴で保持するのに十分な、剛性及び構造を有するケージを提供する。中央流れチャネル166の端壁172a、172bは、側壁170a、170bを接続し、遠位及び近位フランジ、又は各側のアーム152、154の間に延在する役割を果たし得る。側壁170a、170b及び端壁172a、172bは、一緒に、示されるように、管状格子を画定し得る。端壁172a、172bは、シャント150の中央流れ軸からわずかな角度で延在する薄い支柱179を含み得る。シャント150は、アーム152、154の端部壁172a、172bに接続された端部よりも互いに近くあり得る、アーム152、154の末端(160a、164a、160b、164b)をさらに含み得る。
【0070】
例示されたシャント150は、中央流れチャネル166を形成する開放セルの管状又は円形格子を画定する支柱を含むが、いくつかの実施例では、チャネルを構成する構造は、チャネル166の少なくとも一部分を通る実質的に連続的な壁表面を形成する。例示された実施例では、シャント構造150の傾斜は、送達カテーテル(図示せず)内へのシャントの折り畳み、及び標的組織壁の両側におけるフランジ/アーム152、154の拡張を容易にし得る。シャント150は、第一の左アーム152a、第二の左アーム154a、第一の右アーム152b、及び/又は第二の右アーム154bを備え得る。中央流れチャネル166は、シャント150の折り畳み状態と拡張状態との間で本質的に変化しないままであり得るが、それに対して、フランジ/アーム152、154は、角度付きの流れチャネルとの整列及び非整列に移行し得る。
【0071】
中央流れチャネル166を形成する様々な支柱は、オリフィスの内側/内部表面及び/又は組織壁の穿刺開口部に接触する、及び/又は押し付けるように構成され得る。例えば、組織壁を穿刺して、組織壁を少なくとも部分的に通って、及び/又は組織壁を完全に通って延在するオリフィス及び/又は開口部を作成してもよい。オリフィスは、組織壁の両側の腔及び/又は血流経路間の流体導管を表し得る。組織壁は、任意の厚さを有してもよく、オリフィスは、内部表面(すなわち、半径方向内側に面する組織表面)を有してもよい。シャント150は、中央流れチャネル166の少なくとも一部分が、オリフィスの内部表面の少なくとも部分的に沿って、及び/又は全体に沿って、延在する及び/又は力を及ぼすように構成及び/又はサイズ設定され得る。
【0072】
本明細書に開示されるシャントの特定の実施例は、実質的に円形の断面を有する流れチャネル及び/又は流体導管を含むが、いくつかの実施例では、本開示によるシャント構造は、卵形、長方形、ひし形、又は楕円形の流れチャネル構成を有する。例えば、
図5の例示された構成と比較して比較的細長い側壁は、長方形又は卵形の流れチャネルを生成し得る。そのような形状のシャント流れチャネルは、より大きい穿刺に望ましいが、比較的小さい送達外形に折り畳まれるように依然として構成されている。
【0073】
いくつかの実施例では、遠位及び近位のフランジ/アーム152、154の各々は、端壁172a、172bから外向きに湾曲し、拡張された構成で中央流れチャネル166からほぼ半径方向に離れた方を指すように構成されている。拡張されたフランジ/アームは、シャント150を標的組織壁に固設する役割を果たし得る。本開示の実施例のセンサ本体/機能と統合され得るシャント、埋め込み、及び/又はアンカー構造の追加の態様及び特徴は、「Expandable Cardiac Shunt」と題された2017年10月17日発行の米国特許第9,789,294号に開示され、その開示は、参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれる。特定の実施例は、
図7に示され、かつ上記に説明されるものと同様のシャント構造の文脈で本明細書に開示されるが、本開示の実施例による、圧力センサ機能と統合されたシャント構造又は他の埋め込み装置は、シャント又は他の目的若しくは機能にかかわらず、任意のタイプ、形態、構造、構成を有し得る、及び/又は任意の目的に使用されるように使用若しくは構成され得ることを理解されたい。
【0074】
図8は、一つ以上の実施例による、心房中隔18に埋め込まれたシャント埋め込み/アンカー装置/構造73を示す。シャントインプラントが
図8に図示されているが、インプラント73は、本明細書に記載の様々なインプラントのいずれであってもよい。心房中隔壁18内の特定の位置は、シャント構造73に対して比較的安定したアンカー位置を提供するように選択又は決定され得る。さらに、シャント装置/構造73は、将来の介入のために中隔壁18の将来の再交差を考慮して望ましい位置に埋め込まれ得る。心房中隔壁18におけるシャント装置/構造73の埋め込みは、有利には、左心房2と右心房5との間の流体連通を可能にし得る。
【0075】
シャント装置/構造73を使用した心房間シャントは、心房圧上昇に比較的感受性の高い患者に適している場合がある。例えば、心室及び/又は心房で圧力が上昇し、心筋細胞が圧力を受けると、心臓の筋肉は概して収縮する傾向があり過剰な血液を処理するのが比較的難しくなり得る。したがって、心室の収縮性が損なわれている患者については、心室が拡張又は伸長するにつれて、心臓がそれに対して適切に応答又は反応することができない可能性があるため、このような患者は心室及び/又は心房のより高い圧力に対してより敏感になる場合がある。さらに、左心房圧の上昇は呼吸困難を生じさせる可能性があり、したがって、心房間シャントを通して、左心房圧を低下させて呼吸困難を軽減し、及び/又は再入院の発生率を低減することが望ましい場合がある。例えば、心室が流体圧の蓄積に適応できないような機能障害を経験する場合、そのような流体は、心房内に停滞し、それによって心房圧を増大させ得る。心不全に関しては、左心室拡張末期圧の最小化が最重要となる場合がある。左心室拡張末期圧は左心房圧に関連する可能性があるため、心房内の流体の停滞は、肺内の流体の停滞を引き起こし、それによって、肺内の望ましくない及び/又は危険な流体の蓄積を引き起こす可能性がある。本開示の実施例によるシャント装置を使用するなど、心房間の短絡は、左心房内の余分な流体を右心房に流用し得、これは、右心房内の比較的高いコンプライアンスにより、追加の流体を収容し得る。
【0076】
いくつかの実装では、本開示の実施例によるシャント装置/構造は、左心房から冠静脈洞を分離する壁に埋め込まれてもよく、その結果、心房間シャントは冠静脈洞を通して達成され得る。
図9は、冠静脈洞16と左心房2との間の組織壁21に埋め込まれたシャント装置/構造83を示す。シャントインプラントが
図9に図示されているが、インプラント83は、本明細書に記載の様々なインプラントのいずれであってもよい。
図9、及びいくつかの以下の図は、後面がページの上部に配向された状態で、上からの視点ですべてをカバーして見た心臓の断面を示す。
【0077】
左心房2と冠静脈洞16との間の壁21におけるシャント装置83の埋め込みを通じた左から右へのシャントは、いくつかの状況では、心房中隔を通じたシャントより好ましい場合がある。例えば、冠静脈洞16を通じたシャントは、低減された血栓及び塞栓のリスクを提供し得る。冠静脈洞は、いくつかの理由から血栓/塞栓の存在を有する可能性が低い。第一に、冠血管系から右心房5への血液の排出は、毛細血管を通過したばかりであり、本質的に濾過された血液である。第二に、右心房における冠静脈洞の小孔14は、多くの場合、テベシウス弁と呼ばれる偽弁(図示せず)によって部分的に被覆される。テベシウス弁は、必ずしも存在するわけではないが、いくつかの研究は、ほとんどの心臓に存在し、また右心房圧におけるスパイクの事象で血栓又は他の塞栓が侵入することを遮断し得ることを示す。第三に、それが排出される冠静脈洞と右心房との間の圧力勾配は、一般に、比較的低く、その結果、右心房の血栓又は他の塞栓は、そこに残る可能性が高い。第四に、血栓/塞栓が冠静脈洞に侵入する事象では、右心房と左心房との間よりも、右心房と冠血管系との間にはるかに大きい勾配が存在することになる。おそらく、血栓/塞栓は、右心房圧が正常に戻り、次いで、塞栓が右心房に直接戻るまで、冠血管系をさらに下降して移動することになる。
【0078】
左心房と冠静脈洞との間にシャント構造83を配置するいくつかの追加の利点は、この解剖学的構造が、一般に、心房中隔組織よりも安定していることである。左心房血液を冠静脈洞に分流することによって、洞圧が少量だけ増加し得る。これは、冠血管系の血液を、心臓を通ってよりゆっくりと移動させ、灌流及び酸素伝達を増加させる、これは、より効率的であり得、また瀕死の心筋が回復するのを助け得る。加えて、シャント装置/構造83を冠静脈洞の壁に埋め込むことによって、心房中隔18への損傷が防止され得る。したがって、心房中隔18は、代替的な療法のための後からの経中隔アクセスのために保存され得る。経中隔アクセスの保存は、様々な理由で有利であり得る。例えば、心不全患者は、多くの場合、心房細動及び/又は僧帽弁逆流などの、いくつかの他の併存疾患を有し、これらの状態を治療するための特定の療法は、経中隔アクセスを必要とする。
【0079】
注目すべきは、冠静脈洞16と左心房2との間に埋め込み/構造83を配置する様々な利点に加えて、特定の欠点が考慮され得ることである。例えば、血液を左心房2から冠静脈洞16へ短絡することによって、左心房2からの酸素含有の血液が、右心房5に通過され得、及び/又は右心房5からの酸素未含有の血液が、左心房2に通過され得、それらの両方は、心臓の適切な機能に関して、望ましくない場合がある。
【0080】
センサ埋め込み装置
図10A~10Dは、一つ以上の実施例による、一つ以上の組織壁1021に少なくとも部分的に包埋されるように構成された一つ以上のアンカーアーム1005を備えるセンサ埋め込み装置1000を示す。センサ埋め込み装置1000は、略円筒形/管状形態を有するセンサ本体1004(すなわち、センサ)を備え得る。センサ1004は、センサ1004の任意の部分で、生理学的パラメータ(例えば、血流及び/又は圧力)に関連する読み取り値を提供する、及び/又は測定値を収集するように構成された一つ以上のセンサ構成要素を備えてもよい。例えば、センサ1004は、センサ1004の第一の端部1011aに、又はその近くに第一のセンサ構成要素を備えて、第一の端部1011aで測定値を収集してもよく、及び/又はセンサ1004は、センサ1004の第二の端部1011bに、又はその近くに第二のセンサ構成要素を備えて、第二の端部1011bで測定値を収集してもよい。第一の端部1011aは、第一の心腔及び/若しくは流れ経路(例えば、左心房2)の中に、及び/若しくはその近くに延在するように構成されてもよく、並びに/又は第二の端部1011bは、第二の心腔及び/若しくは流れ経路(例えば、冠静脈洞16)の中に、及び/若しくはその近くに延在するように構成されてもよい。このようにして、センサ1004は、二つ以上の異なる心臓腔及び/又は血流経路の測定値を同時に取得するように構成されてもよい。
【0081】
センサ埋め込み装置1000は、少なくとも第一のアンカーアーム1005a及び/又は第二のアンカーアーム1005bを含み得る、一つ以上のアンカーアーム1005を備え得る。センサ埋め込み装置1000は、二つのアンカーアーム1005を備えることが示されているが、センサ埋め込み装置1000は、任意の数のアンカーアーム1005を備えることができる。いくつかの実施例では、一つ以上のアンカーアーム1005は、センサ1004に取り付けられたスリーブ1006から延在し得る。スリーブ1006は、センサ1004の少なくとも一部分の周りに、少なくとも部分的に巻かれるように、及び/又はしっかりと取り付けられるように構成された中空の円形リングを備えてもよい。一つ以上のアンカーアーム1005は、スリーブ1006に取り付けるように、及び/又はスリーブ1006から延在するように構成され得る。しかしながら、一つ以上のアンカーアーム1005は、代替的に、センサ1004に直接取り付けてもよく、及び/又はセンサ1004から直接延在してもよい。
【0082】
いくつかの実施例では、一つ以上のアンカーアーム1005は、一つ以上のアンカーアーム1005を組織壁1021に埋め込むことを容易にするために、及び/又は一つ以上のアンカーアーム1005をインプラント1002に引っ掛けることを容易にするために、概して湾曲した及び/又はU字形状の形態を有し得る。例えば、一つ以上のアンカーアーム1005は、センサ埋め込み装置1000の第一の端部1011aの上から見たときに、略凸状の形態を有し得る。一つ以上のアンカーアーム1005は、一つ以上のアンカーアーム1005が一つ以上の組織壁及び/又は心臓内の組織の領域を貫通及び/又は穿刺することを可能にするために、尖った先端を備え得る。追加的に又は代替的に、一つ以上のアンカーアーム1005は、一つ以上の埋め込み装置(例えば、シャントインプラント1002)に引っ掛けるように構成され得る。いくつかの実施例では、異なるアンカーアーム1005は、異なる角度でセンサ1004から延在するように構成され得る。例えば、
図10Bに示すように、第一のアンカーアーム1005aは、上から見たときに、第二のアンカーアーム1005bに対しておよそ45°の角度で延在するように構成されてもよい。
【0083】
図10Cに示すように、センサ埋め込み装置1000は、組織壁1021の開口部1014内に少なくとも部分的に配置するように構成され得る。例えば、センサ1004の少なくとも一部分が、開口部1014内に位置するように構成されてもよい。一つ以上のアンカーアーム1005は、開口部1014から少なくとも部分的に延在するように、及び/又は組織壁1021の第一の側面1022を穿刺するように構成され得る。いくつかの実施例では、一つ以上のアンカーアーム1005は、左心房2と冠静脈洞16を分離する組織壁1021の左心房2側面(例えば、第一の側面1022)に穿刺及び/又は固定するように構成され得る。センサ埋め込み装置1000は、組織壁1021の第一の側面1022に固定していることが示されているが、センサ埋め込み装置1000は、追加的又は代替的に、組織壁1021の第二の側面1023に固定してもよい。例えば、センサ埋め込み装置1000は、センサ1004の上側部分から(例えば、センサ1004の第一の端部1011aに、又はその近くに)延在し、かつ組織壁1021の第一の側部1022に固定するように構成された、アンカーアーム1005の第一のセット(例えば、第一のアンカーアーム1005a及び/又は第二のアンカーアーム1005bを含む)を備え得る。追加的又は代替的に、センサ埋め込み装置1000は、センサ1004の下側部分にある、及び/又はそれから延在する(例えば、センサ1004の第二の端部1011bに、又はその近くに)、追加のアンカーアーム1005及び/又は追加のスリーブ1006を含む、アンカーアーム1005の第二のセットを備えて、センサ埋め込み装置1000が組織壁1021の第二の側部1023に固定することを可能にし得る。
【0084】
いくつかの実施例では、センサ埋め込み装置1000は、追加の埋め込み装置とは独立して使用するために構成され得る。しかしながら、
図10Dに示すように、センサ埋め込み装置1000は、追加的又は代替的に、一つ以上のシャントインプラント1002を含み得る他の埋め込み装置と組み合わせて利用されてもよい。シャントインプラント1002は、組織壁1021を通して流体導管及び/又は開口部1014を形成及び/又は維持するように構成されたバレル部分1012(すなわち、中央フロー部分)を備え得る。シャントインプラント1002は、組織壁1021に固定するように構成されたアンカーアームをさらに備えてもよい。いくつかの実施例では、センサ埋め込み装置1000は、シャントインプラント1002のバレル部分1012に隣接して、及び/又は組織壁1021の開口部1014内に配置するよう構成され得る。センサ埋め込み装置1000の一つ以上のアンカーアーム1005は、シャントインプラント1002から離れて延在するように、及び/又は組織壁1021に独立して固定するように構成され得る。例えば、センサ埋め込み装置1000の少なくとも一部分(例えば、センサ1004の少なくとも一部分)は、シャントインプラント1002のバレル部分1012の少なくとも一部分と組織壁1021の内側表面との間に位置してもよい。
【0085】
センサ埋め込み装置1000は、組織壁の開口部1014の内側/内部表面に沿って少なくとも部分的に延在するように構成され得る。シャントインプラント1002は、同様に、開口部1014の内部表面の少なくとも一部の部分と接触するように、及び/又はそれらに沿って延在するように構成され得る。例えば、シャントインプラント1002のバレル部分1012は、開口部1014の円形状に近似し得る、略円筒形状を有し得る。センサ埋め込み装置1000が、開口部1014の内側表面とシャントインプラント1002の中央フロー部分との間に位置するとき、シャントインプラント1002は、開口部1014の内部表面と部分円の接触のみを確立するように構成され得る。例えば、センサ埋め込み装置1000は、シャントインプラント1002のバレル部分1012の第一の側面と接触していてもよく、及び/又は、シャントインプラント1002のバレル部分1012の第一の側面が開口部1014の内部表面に接触するのを防止してもよい。代わりに、センサ埋め込み装置1000は、開口部1014の内部表面及びシャントインプラント1002のバレル部分1012と接触していてもよい。
【0086】
センサ埋め込み装置1000及びシャントインプラント1002の送達は、単一の処置中及び/又は別個の処置中に実施され得る。例えば、センサ埋め込み装置1000及びシャントインプラント1002は、単一のカテーテルを介して、及び/又は単一の送達処置中に送達されてもよい。代替的に、センサ埋め込み装置1000は、シャントインプラント1002の前に送達及び/若しくは固定されてもよく、又はシャントインプラント1002は、センサ埋め込み装置1000の前に送達及び/若しくは固定されてもよい。いくつかの実施例では、センサ埋め込み装置1000は、シャントインプラント1002が組織壁1021の開口部1014内に配置及び/又は固定される前に、組織壁1021の開口部1014内に固定され得る。
【0087】
図11A及び
図11Bは、一つ以上の実施例による、心臓内の血流に関連する測定値を収集するように構成された別のセンサ埋め込み装置1100を示す。センサ埋め込み装置1100は、略円筒形/管状形態を有するセンサ1104(すなわち、センサ本体)を備え得る。センサ1104は、センサ1104の任意の部分で測定値を収集及び/又は読み取り値を提供するように構成され得る。例えば、センサ1104は、センサ1104の第一の端部1111a及び/又はセンサ1104の第二の端部1111bで、一つ以上のセンサ構成要素を使用して測定値を収集するように構成されてもよい。第一の端部1111aは、第一の心腔及び/若しくは流れ経路(例えば、左心房2)の中に、及び/若しくはその近くに延在するように構成されてもよく、並びに/又は第二の端部1111bは、第二の心腔及び/若しくは流れ経路(例えば、冠静脈洞16)の中に、及び/若しくはその近くに延在するように構成されてもよい。
【0088】
センサ埋め込み装置1100は、第一のアンカーアーム1105a、第二のアンカーアーム1105b、第三のアンカーアーム1105c、及び/又は第四のアンカーアーム1105dを含み得る、一つ以上のアンカーアーム1105を備え得る。センサ埋め込み装置1100は、四つのアンカーアーム1105を備えることが示されているが、センサ埋め込み装置1100は、任意の数のアンカーアーム1105を備えることができる。いくつかの実施例では、一つ以上のアンカーアーム1105は、センサ1104に取り付けられた第一のスリーブ1106a及び/又は第二のスリーブ1106bから延在し得る。第一のスリーブ1106a及び/又は第二のスリーブ1106bは、センサ1104の少なくとも一部分の周りに、少なくとも部分的に巻き付くように、及び/又はしっかりと付着するように構成された中空の円形リングを備えてもよい。一つ以上のアンカーアーム1105は、第一のスリーブ1106a及び/又は第二のスリーブ1106bに取り付けるように、及び/又はそれらから延在するように構成され得る。しかしながら、一つ以上のアンカーアーム1105は、代替的に、センサ1004に直接取り付けてもよく、及び/又はセンサ1104から直接延在してもよい。
【0089】
いくつかの実施例では、一つ以上のアンカーアーム1105は、一つ以上の埋め込み装置(例えば、
図11Bに示すシャントインプラント1102)への取り付け、及び/又は一つ以上のアンカーアーム1105の組織壁1121への埋め込みを容易にするために、概して湾曲した及び/又はU字形状の形態を有し得る。一つ以上のアンカーアーム1105は、シャントインプラント1102及び/又は類似の装置の特徴(例えば、セル)と嵌合するように構成されたフックを含み得る。追加的又は代替的に、一つ以上のアンカーアーム1105は、一つ以上のアンカーアーム1105が一つ以上の組織壁1121及び/又は心臓内の組織の領域を貫通及び/又は穿刺することを可能にするために、尖った先端を備え得る。いくつかの実施例では、異なるアンカーアーム1105は、異なる角度でセンサ1104から延在するように構成され得る。例えば、
図11Bに示すように、第一のアンカーアーム1105aは、第二のアンカーアーム1105bに対しておよそ45°の角度で延在するように構成されてもよい。
【0090】
センサ埋め込み装置1100は、組織壁1121の開口部1114内に少なくとも部分的に配置するように構成され得る。例えば、センサ1104の少なくとも一部分が、開口部1114内に位置するように構成されてもよい。一つ以上のアンカーアーム1105は、開口部1114から少なくとも部分的に延在するように、及び/又はシャントインプラント1102のバレル部分1112に結合するように構成され得る。いくつかの実施例では、一つ以上のアンカーアーム1105は、シャントインプラント1102の上側部分及び/又はシャントインプラント1102の下側部分に結合するように構成され得る。
【0091】
いくつかの実施例では、センサ埋め込み装置1100は、追加の埋め込み装置とは独立して使用するために構成され得る。しかしながら、
図11Bに示すように、センサ埋め込み装置1100は、追加的又は代替的に、一つ以上のシャントインプラント1102を含み得る他の埋め込み装置と組み合わせて利用されてもよい。シャントインプラント1102は、組織壁1121を通して流体導管及び/又は開口部1114を形成及び/又は維持するように構成されたバレル部分1112(すなわち、中央フロー部分)を備え得る。シャントインプラント1102は、組織壁1121に固定するように構成されたアンカーアームをさらに備えてもよい。いくつかの実施例では、センサ埋め込み装置1100は、シャントインプラント1102のバレル部分1112に隣接して、及び/又は組織壁1121の開口部1114内に配置するよう構成され得る。センサ埋め込み装置1100の一つ以上のアンカーアーム1105は、シャントインプラント1102に向かって延在するように、及び/又はシャントインプラント1102に結合するように、及び/又は組織壁1121に独立して固定するように構成され得る。例えば、センサ埋め込み装置1100の少なくとも一部分(例えば、センサ1104の少なくとも一部分)は、シャントインプラント1102のバレル部分1112の少なくとも一部分と組織壁1121との間に位置してもよい。
【0092】
センサ埋め込み装置1100及びシャントインプラント1102の送達は、単一の処置中及び/又は別個の処置中に実施され得る。例えば、センサ埋め込み装置1100及びシャントインプラント1102は、単一のカテーテルを介して、及び/又は単一の送達処置中に送達されてもよい。代替的に、センサ埋め込み装置1100は、シャントインプラント1102の前に送達及び/若しくは固定されてもよく、又はシャントインプラント1102は、センサ埋め込み装置1100の前に送達及び/若しくは固定されてもよい。いくつかの実施例では、センサ埋め込み装置1100は、シャントインプラント1102が組織壁1121の開口部1114内に配置及び/又は固定される前に、組織壁1121の開口部1114内に固定され得る。
【0093】
保持装置1109は、センサ1104がインプラント1102に取り付けられた後に、センサ1104がシャントインプラント1102から外れることを防止するために使用され得る。例えば、保持装置1109は、センサ1104の少なくとも一部分の周りに少なくとも部分的に巻き付くように、及び/又はセンサ1104をインプラント1102に向かって押すように構成された一つ以上のコード及び/又はワイヤを備え得る。保持装置1109は、インプラント1102及び/若しくはセンサ1104から延在することができ、並びに/又はインプラント1102及び/若しくはセンサ1104に取り付けるように構成されてもよい。
【0094】
図12は、一つ以上の実施例による、心臓内の血流に関連する測定値を収集するように構成された別のセンサ埋め込み装置を示す。センサ埋め込み装置は、センサ1204及び/又はインプラント1203(例えば、シャントインプラント)を備えてもよい。センサ1204及びインプラント1203は、別々の及び/又は別個の装置であってもよい。例えば、センサ1204は、インプラント1203に直接的及び/又は間接的に結合されなくてもよい。インプラント1203は、略管状形態を有してもよく、及び/又は砂時計形状を有してもよい。例えば、インプラントは、インプラント1203のバレル部分1207(すなわち、中央フロー部分)が、インプラント1203の第一の端部1211a及び/又は第二の端部1211bよりも小さい直径を有する、概して湾曲した形態を有してもよい。
【0095】
インプラント1203は、組織壁1221の開口部を通して流体導管を形成及び/又は維持するように構成され得る。インプラント1203は、バルーン拡張可能であってもよく、並びに/又は組織壁1221の第一の側面1222及び/若しくは第二の側面(すなわち、冠静脈洞16の上部壁1223)に固定するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、インプラント1203は、開口部内に配置されるように構成された、及び/又は開口部を通して流体導管を形成するように構成されたバレル部分1207を含み得る。センサ1204は、インプラント1203に隣接して位置付けられるように構成されてもよい。いくつかの実施例では、センサ1204の少なくとも一部分は、インプラント1203のバレル部分1207の少なくとも一部分と組織壁1221との間に位置してもよい。
【0096】
インプラント1203のバレル部分1207は、一つ以上のセル1213を形成するストラット1212のネットワークから構成され得る。いくつかの実施例では、インプラント1203は、第一の端部1211a及び/又は第二の端部1211bが組織壁1221の上に少なくとも部分的に延在して、インプラント1203が組織壁1221から外れるのを防止することを可能にするように、概して湾曲した/非直線の側部を有し得る。例えば、第一の端部1211aは、組織壁1221の第一の側面1222の上に少なくとも部分的に延在するように構成されてもよく、及び/又は第二の端部1211bは、組織壁1221の第二の側面1223の上に少なくとも部分的に延在するように構成されてもよい。
【0097】
いくつかの実施例では、インプラント1203は、圧縮形態と拡張形態との間で少なくとも部分的に拡張可能であり得る。例えば、インプラント1203は、送達プロセス中、並びに/又はカテーテル及び/若しくは類似の送達装置内に位置する間、圧縮形態(例えば、比較的小さい及び/又は最小の直径を有する)をとるように構成されてもよい。インプラント1203は、自然に拡張する、及び/又は拡張デバイス(例えば、膨張可能なバルーン拡張器)からの力に応答して、拡張するように構成され得る。いくつかの実施例では、インプラント1203は、カテーテル及び/又は類似の装置からの取り外しに応答して、自然に拡張するように構成され得る。例えば、インプラント1203は、一つ以上の形状記憶合金(例えば、ニチノール)から少なくとも部分的に構成されてもよく、及び/又は拡張形態で形状設定されてもよい。したがって、インプラント1203がカテーテルから取り外されるとき、インプラント1203は、
図12に示される拡張形態を自然にとり得る。
【0098】
インプラント1203は、拡張後に拡張形態を維持するように構成され得る。例えば、バルーン拡張器は、インプラント1203の内側内腔内に位置してもよく、並びに/又はインプラント1203の直径を拡張及び/若しくは増加させるために、インプラント1203を外向きに押すように構成されてもよい。拡張中、インプラント1203を形成する様々な支柱1212は、ある程度分離してもよく、並びに/又はセル1213は、幅が増加及び/又は長さが減少してもよい。インプラント1203は、インプラント1203の拡張後、インプラント1203が自然に圧縮し得ないように、及び/又は
図12に示す拡張形態を強固に維持し得るように、概して非弾性の形態を有し得る。インプラント1203が拡張するにつれて、インプラント1203は、センサ1204に押し付けられてもよく、及び/又はセンサ1204を組織壁1221の開口部の内側表面に押さえ付けてもよい。
【0099】
センサ1204は、センサ1204から延在するアンカーアーム及び/又は他の固定機能なしで示されているが、センサ1204は、追加的又は代替的に、センサ1204の組織壁1221及び/又はインプラント1203への固定を容易にするために、一つ以上のアンカーアーム及び/又は他の固定機能を備え得る。例えば、センサ1204は、組織壁1221を貫通する及び/若しくは貫くように、並びに/又はインプラント1203の支柱1212に引っ掛けるように構成された様々な特徴(例えば、尖った先端、フックなど)を有する、アンカーアームの一つ以上のセットを備えてもよい。いくつかの実施例では、センサ1204は、アンカー機能を必要としなくてもよく、摩擦力によってインプラント1203と組織壁1221の内側表面との間に押さえ付けられるように構成され得る。しかしながら、センサ1204は、追加的又は代替的に、センサ1204が組織壁1221とインプラント1203との間に押さえ付けられている間、組織壁1221及び/又はインプラント1203へのより確実な取り付けを提供するための固定機能を備え得る。
【0100】
図13(
図13-1及び
図13-2)は、一つ以上の実施例による、一つ以上のインプラント及び/又はセンサを心臓内の一つ以上の標的位置(例えば、組織壁の開口部)に送達するための一つ以上の工程を含むプロセス1300を示すフローチャートを提供する。
図14(
図14-1及び
図14-2)は、
図13のプロセス1300の工程に対応するイメージを提供する。
【0101】
工程1302で、プロセス1300は、
図14のイメージ1400aに示すように、一つ以上のインプラント1403(例えば、
図12のインプラント1203)及び/又は一つ以上のセンサ1404を組織壁1421の開口部1414に送達することを伴う。インプラント1403及び/又はセンサ1404は、カテーテル1420を介して同時に送達されてもよく、又は別個の処置中に別々に送達されてもよい。いくつかの実施例では、インプラント1403及びセンサ1404は、カテーテル1420内で及び/又はカテーテル1420を出ると、インプラント1403及び/又はセンサ1404の送達プロファイルを最小化するために、互いに概して一線に、及び/又は端と端を接した配向で位置し得る。インプラント1403及びセンサ1404は、別個のガイドワイヤ1417又は共通のガイドワイヤに沿って送達され得る。例えば、センサ1404は、第一のガイドワイヤ1417aを介して送達されてもよく、及び/又はインプラント1403は、第二のガイドワイヤ1417bを介して送達されてもよい。
【0102】
いくつかの実施例では、インプラント1403は、非膨張及び/若しくは非拡張バルーン1415及び/又は他の拡張可能装置の上に少なくとも部分的に位置付けられ得る。バルーン1415は、第二のガイドワイヤ1417bを介して送達され得る。いくつかの実施例では、インプラント1403は、送達中に捲縮及び/又は圧縮された形態を有してもよい。例えば、インプラント1403は、バルーン1415の表面上に捲縮されてもよい。いくつかの実施例では、インプラント1403は、圧縮/捲縮形態の間、長さが増加してもよく、及び/又は横方向に拡張している間、長さが減少するように構成されてもよい。
【0103】
工程1304では、プロセス1300は、
図14のイメージ1400bに示すように、インプラント1403の少なくとも一部分に隣接して、及び/若しくはインプラント1403の少なくとも一部分と横並びに、並びに/又は少なくとも部分的に組織壁1421の開口部1414内に、センサ1404を位置付けることを伴う。例えば、センサ1404は、インプラント1403より先に及び/若しくはインプラント1403の前に送達されてもよく、並びに/又は引き戻されて及び/若しくは横に引かれて、インプラント1403に隣接して及び/若しくはインプラント1403と横並びの配向にセンサ1404を位置付けてもよい。代替的に、インプラント1403は、センサ1404より先に及び/若しくはセンサ1404の前に送達されてもよく、並びに/又は引き戻されて及び/若しくは横に引かれて、センサ1404に隣接してインプラント1403を位置付けてもよい。
【0104】
工程1306で、プロセス1300は、
図14のイメージ1400cに示すように、バルーン1415を係合、膨張、及び/又は拡張して、インプラント1403の対応する横方向の拡張を引き起こすことを伴う。例えば、インプラント1403の拡張は、インプラント1403を開口部1414の側面に押し付けてもよい。いくつかの実施例では、インプラント1403は、インプラント1403を形成する様々な支柱及び/又はセルの位置決め及び/又は配向の変更の結果として、横方向に拡張する間に、長さが減少するように構成され得る。インプラント1403の拡張は、インプラント1403に、センサ1404に対して押し付けさせ得る、及び/又はセンサ1404を開口部1414の側面に押し付けさせ得る。したがって、センサ1404は、インプラント1403の少なくとも一部分と開口部1414の側面を形成する組織の少なくとも一部分との間にしっかりと押さえ付けられ得る。
【0105】
工程1308で、プロセス1300は、
図14のイメージ1400dに示すように、バルーン1415を係合解除すること、収縮すること、及び/若しくは圧縮すること、並びに/又はバルーン1415及び/若しくは他の送達システム装置を取り外すことを伴う。インプラント1403は、バルーン1415の取り外し及び/又は圧縮後に、拡張形態を維持するように構成され得る。
【0106】
本開示のいくつかの実装によれば、センサ埋め込みシステムは、組織壁の開口部内に少なくとも部分的に配置するように構成された中央フロー部分を備えるシャント本体と、センサ本体を備えるセンサ埋め込み装置と、を備える。センサ埋め込み装置は、組織壁の開口部内に、及びシャント本体の中央フロー部分と組織壁の開口部の内壁との間に配置するように構成されている。
【0107】
センサ埋め込み装置は、センサ本体に結合された一つ以上のアームを備えてもよい。いくつかの実施例では、一つ以上のアームは、組織壁を貫通するように構成されている。
【0108】
いくつかの実施例では、一つ以上のアームは、シャント本体の中央フロー部分に取り付けるように構成されている。センサ埋め込み装置は、センサ本体の上側部分から延在する二つのアームの第一のセットと、センサ本体の下側部分から延在する二つのアームの第二のセットとを備えてもよい。
【0109】
一つ以上のアームは、概して湾曲していてもよい。いくつかの実施例では、一つ以上のアームは、センサ本体の上側部分から延在し、一つ以上のアームは、センサ本体の上側部分から見たときに凸曲線を有する。
【0110】
いくつかの実施例では、センサ埋め込み装置は、センサ本体の少なくとも一部分を取り囲むスリーブをさらに備え、一つ以上のアームはスリーブから延在する。一つ以上のアームは、センサ本体から概して横方向に延在してもよい。
【0111】
一つ以上のアームは、互いからおよそ90度の角度で延在してもよい。いくつかの実施例では、一つ以上のアームは、シャント本体に向かって延在するように構成されている。
【0112】
一部の実施例では、一つ以上のアームは、シャント本体から離れるように延在するように構成されている。シャント本体は、圧縮形態から拡張形態に拡張可能であり得る。
【0113】
シャント本体は、拡張後に拡張形態を維持するように構成され得る。いくつかの実施例では、シャント本体は、概してダイヤモンド形状のセルを形成する支柱のネットワークを含む。
【0114】
いくつかの実施例では、シャント本体は、略円筒形状を有する。シャント本体は、シャント本体の中央部が組織壁の開口部内に配置するように構成されている砂時計形状を有してもよく、シャント本体は、組織壁の開口部から延在するように構成されたフレア状の第一の端部及びフレア状の第二の端部を備える。
【0115】
センサ埋め込み装置は、組織壁の第一の側面で測定値を取得するように構成された第一のセンサ構成要素と、組織壁の第二の側面で測定値を取得するように構成された第二のセンサ構成要素と、を備え得る。いくつかの実施例では、シャント本体は、センサ本体の周りに少なくとも部分的に巻き付くように構成された保持装置を備える。
【0116】
いくつかの実施例では、シャント本体及びセンサ埋め込み装置は、別個の装置である。シャント本体は、一つ以上のアンカーアームを含み得る。
【0117】
本開示のいくつかの実装は、シャント本体を組織壁の開口部に経皮的に送達することを含む方法に関する。シャント本体は、中央フロー部分を備える。方法は、センサ本体を備えるセンサ埋め込み装置を、組織壁の開口部に経皮的に送達することと、中央フロー部分及びセンサ本体を開口部内で横並びの配向に位置付けることと、をさらに含む。
【0118】
いくつかの実施例では、センサ埋め込み装置は、センサ本体から延在する一つ以上のアームをさらに備える。方法は、一つ以上のアームを使用して、センサ埋め込み装置をシャント本体に固定することをさらに含み得る。
【0119】
方法は、一つ以上のアームを使用して、センサ埋め込み装置を組織壁に固定することをさらに含み得る。いくつかの実施例では、方法は、シャント本体を拡張して、シャント本体と開口部の内壁との間にセンサ埋め込み装置を押さえ付けることをさらに含む。
【0120】
いくつかの実施例では、方法は、シャント本体及びセンサ埋め込み装置を、カテーテル内で端と端を接した配向に位置付けることをさらに含む。
【0121】
本開示のいくつかの実装によれば、センサ埋め込み装置は、一つ以上の生理学的パラメータに関連するセンサ読取値を提供するように構成された一つ以上のセンサ構成要素を備えるセンサ本体と、センサ本体から延在する一つ以上のアンカーアームと、を備える。
【0122】
一つ以上のアンカーアームの少なくとも一部は、組織壁を穿刺するための尖った端部を有してもよい。いくつかの実施例では、一つ以上のアンカーアームの少なくとも一部は、シャント本体の中央フロー部分に引っ掛けるように構成されている。
【0123】
いくつかの実施例では、センサ本体は、センサ本体の上側部分にある第一のセンサ構成要素と、センサ本体の下側部分にある第二のセンサ構成要素とを備える。センサ埋め込み装置は、センサ本体の上側部分から延在する二つのアームの第一のセットと、センサ本体の下側部分から延在する二つのアームの第二のセットとを備えてもよい。
【0124】
一つ以上のアンカーアームは、概して湾曲していてもよい。いくつかの実施例では、一つ以上のアンカーアームは、センサ本体の上側部分から延在する。一つ以上のアンカーアームは、センサ本体の上側部分から見た時、凸曲線を有してもよい。
【0125】
いくつかの実施例では、センサ埋め込み装置は、センサ本体の少なくとも一部分を取り囲むスリーブをさらに備える。一つ以上のアンカーアームは、スリーブから延在してもよい。
【0126】
一つ以上のアンカーアームは、センサ本体から概して横方向に延在してもよい。いくつかの実施例では、一つ以上のアンカーアームは、互いからおよそ90度の角度で延在してもよい。
【0127】
追加の実施例
実施例に応じて、本明細書に記載されるプロセス又はアルゴリズムのいずれかの特定の作用、事象、又は機能は、異なる順序で実施され得、追加され得、併合され得、又は完全に除外され得る。したがって、特定の実施例では、すべての記載された作用又は事象が、プロセスの実践に必要なわけではない。
【0128】
とりわけ、「できる(can)」、「~であろう(could)」、「~かもしれない(might)」、「~であり得る(may)」、「例えば(e.g.,)」などの本明細書で使用する条件付きの文言は、特に別段の記載がない限り、又は使用する文脈内で別様に理解されない限り、その通常の意味で意図され、かつ特定の特徴、要素、及び/又はステップを、特定の実施例が含むが、他の実施例は含まないことを伝えることが一般的に意図される。したがって、このような条件付きの文言は、特徴、要素、及び/又はステップが、一つ以上の実施例に任意の方法で必要とされること、あるいは一つ以上の実施例が、これらの特徴、要素、及び/又はステップが含まれるか、若しくは任意の特定の実施例で実行されるかを判断するための論理を、著者の入力又は促しの有無にかかわらず、必然的に含むことを暗示することは、一般的に意図されるものではない。「備える/含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」などの用語は、同義であり、それらの通常の意味で使用され、包括的に、非限定的な様式で使用され、追加の要素、特徴、作用、動作などを排除しない。また、「又は(or)」という用語は、その包括的な意味で使用され(かつその排他的な意味ではない)、そのため、例えば、要素のリストを接続するように使用される場合、「又は(or)」という用語は、リスト内の要素のうちの一つ、一部、又はすべてを意味する。「X、Y、及びZのうちの少なくとも一つ」などの接続的な文言は、特に別段の記載がない限り、項目、用語、要素などが、X、Y、又はZのいずれかであり得ることを一般的に伝えるために使用されるように文脈を用いて理解される。したがって、このような接続的な文言は、特定の実施例が、Xのうちの少なくとも一つ、Yのうちの少なくとも一つ、及びZのうちの少なくとも一つが各々存在することを必要とすることを暗示することが、一般的に意図されるものではない。
【0129】
実施例の上記の記載では、本開示を合理化し、様々な発明の態様のうちの一つ以上の理解を支援する目的で、様々な特徴が、単一の実施例、図、又はその記載において、一緒にグループ化されることがあることは、理解されるべきである。しかしながら、開示のこの方法は、いずれかの請求項が、その請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。さらに、本明細書の特定の実施例に例示及び/又は記載される任意の構成要素、特徴、又はステップは、他の任意の実施例に適用される、又はそれらとともに使用され得る。さらに、各実施例に必ずしも必要又は不可欠となる、構成要素、特徴、ステップ、又は構成要素、特徴、又はステップの一群は存在しない。したがって、以下に開示及び請求される本明細書の発明の範囲は、上記に記載された特定の実施例によって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲を公正に読むことによってのみ決定されるべきであることが意図される。
【0130】
特定の順序的な用語(例えば、「第一」又は「第二」)は、参照の容易さのために提供され得、必ずしも物理的特徴又は順序を暗示するものではないことを理解されたい。したがって、本明細書で使用される場合、構造、構成要素、動作などの要素を修正するために使用される順序的な用語(例えば、「第一」、「第二」、「第三」など)は、いかなる他の要素に対する要素の優先順位又は順序を必ずしも示すものではなく、むしろ、要素を、同様又は同一の名称(順序的な用語の使用以外)を有する別の要素から概略的に区別し得る。加えて、本明細書で使用される場合、不定冠詞(「a」及び「an」)は、「一つ」ではなく「一つ以上」を示し得る。さらに、条件又は事象に「基づいて」実施される動作はまた、明示的に列挙されていない一つ以上の他の条件又は事象に基づいて実施され得る。
【0131】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、例示的な実施例が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書に定義される用語などの用語は、関連技術の文脈においてその意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書に明示的に定義されない限り、理想化又は過度に形式的な意味で解釈されないことが理解される。
【0132】
空間的に相対的な用語「外側」、「内側」、「上部」、「下部」、「下」、「上」、「垂直」、「水平」、及び類似の用語は、図面に示されるように、一つの要素又は構成要素と別の要素又は構成要素との間の関係を説明するために、説明を容易にするために本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図面に描写される配向に加えて、使用中又は動作中の装置の異なる配向を包含することを意図していることを理解されたい。例えば、図面に示される装置が裏返される場合、別の装置の「下」又は「真下」に位置付けられる装置は、別の装置の「上」に配置され得る。したがって、「以下」という例解的な用語は、下位置及び上位置の両方を含み得る。装置はまた、他の方向に配向され得、したがって、空間的に相対的な用語は、配向に応じて異なる解釈をすることができる。
【0133】
別途明示的な記載がない限り、「より少ない」、「より多い」、「より大きい」などの比較及び/又は量的用語は、平等の概念を包含することを意図している。例えば、「より少ない」は、厳密な数学的な意味での「より少ない」だけでなく、「~以下」も意味し得る。
【国際調査報告】