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特表2024-522416オレフィン三量体および四量体を製造するための方法
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  • 特表-オレフィン三量体および四量体を製造するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】オレフィン三量体および四量体を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 2/08 20060101AFI20240614BHJP
   C07C 11/02 20060101ALI20240614BHJP
   B01D 3/00 20060101ALI20240614BHJP
   B01J 31/08 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
C07C2/08
C07C11/02
B01D3/00 A
B01J31/08 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528543
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 FI2022050703
(87)【国際公開番号】W WO2023073284
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】20216108
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505081261
【氏名又は名称】ネステ オサケ ユキチュア ユルキネン
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピュヘラハチ、アンチ
(72)【発明者】
【氏名】カネルボ、ヤーナ
【テーマコード(参考)】
4D076
4G169
4H006
【Fターム(参考)】
4D076AA16
4D076AA24
4D076BB23
4D076FA03
4D076FA13
4D076FA34
4G169AA04
4G169BA23A
4G169BA42A
4G169CB47
4G169DA06
4H006AA02
4H006AA04
4H006AC21
4H006BC10
4H006BC11
4H006BC35
4H006BD33
4H006BD34
4H006BD52
(57)【要約】
オレフィン三量体およびオレフィン四量体の制御された製造のためのプロセスが開示され、ここで、オレフィン単量体は、反応生成物の分離およびリサイクルを含む2段階の触媒プロセスによって、オレフィン三量体およびオレフィン四量体へと処理される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オレフィン三量体およびオレフィン四量体の制御された製造のためのプロセスであって、以下の工程:
a.少なくとも1つのオレフィン単量体および少なくとも1つの酸素含有モデレーターを、触媒を含む少なくとも1つの第1の反応器ユニットに供給する工程;
b.前記第1の反応器ユニットの内部でオレフィン間の触媒反応を実施するために、前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つを、30~140℃の範囲から選択される温度および800~5000kPaの範囲から選択される圧力で操作する工程;
c.前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つから第1の反応器出口流を引き出す工程;
d.少なくとも未反応のオレフィン単量体を含む少なくとも第1の蒸留物と、少なくとも前記オレフィン単量体の二量体を含む第1の塔底生成物とを分離するために、前記第1の反応器出口流を第1の蒸留塔中で蒸留する工程;
e.前記第1の塔底生成物を、触媒を含む少なくとも1つの第2の反応器ユニットに供給する工程;
f.前記第2反応器ユニットの内部でオレフィン間の触媒反応を実施するために、前記第2反応器ユニットの少なくとも1つを、30~140℃の範囲から選択される温度および150~5000kPaの範囲から選択される圧力で操作する工程;
g.前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つから第2の反応器出口流を引き出す工程;および
h.少なくともオレフィン二量体を含む第2の蒸留物と、少なくとも前記オレフィン単量体の三量体および/または四量体を含む第2の塔底生成物とを分離するために、前記第2の反応器出口流を第2の蒸留塔中で蒸留する工程;
を含み、ここで、該プロセスは、さらに、前記第2の反応器出口流の組成を、以下の工程:
i.前記第2の反応器出口流中のオレフィン三量体の量を増加させるために、オレフィン二量体を前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つに供給する工程;および/または
ii.前記第2の反応器出口流中のオレフィン四量体の量を増加させるために、オレフィン二量体を前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つに供給する工程
によって制御することを含むプロセス。
【請求項2】
プロセスのあいだに形成された前記オレフィン二量体の少なくとも一部が、前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つおよび/または前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つにリサイクルされ、ここで、前記第1の反応器ユニットと前記第2の反応器ユニットとの間のオレフィン二量体のリサイクル比率は、0~100%の範囲から選択される請求項1記載のプロセス。
【請求項3】
前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つおよび/または前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つの操作温度が、40~120℃の範囲、または45~110℃の範囲から選択される請求項1または2記載のプロセス。
【請求項4】
前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つの操作重量時間空間速度が、1~10 1/hの範囲から選択され、および/または、前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つの操作重量時間空間速度が、0.05~100 1/hの範囲から選択される請求項1~3のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つの操作圧力が、2400~3000kPaの範囲から選択され、および/または、前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つの操作圧力が、1900~2300kPaの範囲から選択される請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つにおける酸素含有モデレーターの量が、1000~15000mol-ppmの範囲から選択され、および/または、前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つにおける酸素含有モデレーターの量が、10~10000mol-ppm、または10~2500mol-ppmの範囲から選択される請求項1~5のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項7】
溶媒フィード留分が0~80重量%、好ましくは0~60重量%である請求項1~6のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項8】
新鮮なオレフィン単量体に対する不活性溶媒が、0~80重量%の範囲から選択される請求項1~7のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記オレフィン単量体が、4個の炭素原子を有するオレフィン、好ましくはイソブテンを含む請求項1~8のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記オレフィン単量体が、以下:
C4オレフィン、C5オレフィン、C4およびC5オレフィンの混合フィード、イソブテン、1-ブテン、シス-2-ブテン、トランス-2-ブテン、またはそれらの混合物;ならびに任意には、不活性物質、n-ブタン、i-ブタン、ブタジエン、蒸留留分、またはそれらの混合物
のうち少なくとも1つを含むオレフィンフィード中で前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つに供給される請求項1~9のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記触媒が、酸触媒、好ましくは強酸性イオン交換樹脂触媒、最も好ましくはマクロ網状酸イオン交換樹脂触媒である請求項1~10のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記酸素含有モデレーターが、水、デミウォーター、アルコール、tert-ブチルアルコール、またはそれらの任意の組み合わせを含む請求項1~11のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項13】
前記第2の蒸留物中に存在するオレフィン二量体を前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つにリサイクルすることによって、前記最終生成物流中のオレフィン三量体の量を増加させることを含む請求項1~12のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記第2反応器出口流中の四量体に対する三量体の比として25~0.05(wt/wt)が得られるように、前記第2蒸留物中に存在する前記オレフィン二量体の0~50重量%が、前記第1反応器ユニットの少なくとも1つにリサイクルされる請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
オレフィン単量体の三量体を含む第3の蒸留物と、オレフィン単量体の四量体を含む第3の塔底生成物とを分離するために、第3の蒸留塔中で前記第2の塔底生成物を蒸留することを含む請求項13または14記載のプロセス。
【請求項16】
前記第1の反応器ユニットにおけるオレフィン二量体の製造を増加させるために前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つに第1の蒸留物のオレフィン単量体をリサイクルすることによって、前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つに第1の塔底生成物を供給することによって、および、前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つに第2の蒸留物のオレフィン二量体をリサイクルすることによって、前記第2の反応器出口流中のオレフィン四量体の量を増加させることを含む請求項1~15のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記第1の蒸留物中に存在するオレフィン単量体の99~100重量%が、前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つにリサイクルされ、および、前記第1の塔底生成物が、オレフィン二量体を2~98重量%含む請求項16に記載のプロセス。
【請求項18】
二量体が、前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つにのみリサイクルされる請求項16または17記載のプロセス。
【請求項19】
請求項1~17のいずれか1項に記載のプロセスを行うように構成されているオレフィン変換システムであって、以下:
a.酸触媒を受け入れるように構成される少なくとも1つの第1の反応器ユニット;
b.酸触媒を受け入れるように構成される少なくとも1つの第2の反応器ユニット;
c.オレフィン単量体をオレフィン二量体から分離するように構成される第1の蒸留カラム;
d.オレフィン二量体をオレフィン三量体およびオレフィン四量体から分離するように構成される第2の蒸留カラム;
e.第1の反応器ユニットの少なくとも1つおよびオレフィン単量体のための少なくとも1つのリザーバと流体連通している少なくとも1つの第1の反応器供給ライン;
f.第1の反応器ユニットの少なくとも1つおよび第1の蒸留塔と流体連通している第1の反応器出口ライン;
g.第1の反応器ユニットの少なくとも1つおよび第1の蒸留塔と流体連通している第1のリサイクルライン;
h.第1の蒸留塔および第2の反応器ユニットの少なくとも1つと流体連通している第1の塔底生成物ライン;
i.第2反応器ユニットの少なくとも1つおよび第2蒸留塔と流体連通している第2反応器出口ライン;
j.第2の蒸留塔、第1の反応器ユニットの少なくとも1つ、および第2の反応器ユニットの少なくとも1つと流体連通している第2のリサイクルライン;
k.第2の蒸留塔および最終製品のためのリザーバと流体連通している第2の塔底生成物ライン;および
l.オレフィン三量体をオレフィン四量体から分離するように構成され、および、第2の塔底生成物ラインと流体連通している第3のカラム供給ラインを備える、任意的な第3の蒸留カラム;および
m.第1の反応器供給ラインに連通している任意的な溶媒追加ライン
を含むシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、オレフィン三量体および四量体を製造するためのプロセスに関する。本開示は、特には、排他的ではないが、オレフィン三量体およびオレフィン四量体の製造が所望されるように調整され得るように制御され得る連続プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
本項目は、本明細書中に記載されているいかなる技術も技術水準を代表するものであることを認めることなく、有用な背景情報を説明するものである。
【0003】
オレフィンは、少なくとも1つの二重結合を含む炭化水素である。オレフィンは、燃料および燃料ブレンドにおける貴重なフィードストックとして使用することができる。供給源によって、オレフィンの大きさ、枝分かれの程度、ならびに二重結合の位置および数は異なる。
【0004】
より小さなオレフィン分子は、より長鎖の分子、すなわちオレフィン単量体のオリゴマーを製造するためにアップグレードされ得る。オリゴマー化反応は、オレフィン単量体からなるより長鎖の分子を製造するために、オレフィン単量体を触媒と接触させることを含む。
【発明の概要】
【0005】
添付の特許請求の範囲は、保護範囲を定義するものである。特許請求の範囲に包含されない装置、製品、または方法の例、説明、または図面は、本発明の実施形態としてではなく、背景技術として、または本発明を理解するために有用な例として本明細書に提示される。
【0006】
第1の態様によれば、オレフィン三量体およびオレフィン四量体の制御された製造のためのプロセスが提供され、前記プロセスは、以下の工程:
a.少なくとも1つのオレフィン単量体および少なくとも1つの酸素含有モデレーターを、触媒を含む少なくとも1つの第1の反応器ユニットに供給する工程;
b.前記第1の反応器ユニットの内部でオレフィン間の触媒反応を実施するために、前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つを、30~140℃の範囲から選択される温度および800~5000kPaの範囲から選択される圧力で操作する工程;
c.前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つから第1の反応器出口流を引き出す工程;
d.少なくとも未反応のオレフィン単量体を含む少なくとも第1の蒸留物と、少なくとも前記オレフィン単量体の二量体を含む第1の塔底生成物とを分離するために、前記第1の反応器出口流を第1の蒸留塔中で蒸留する工程;
e.前記第1の塔底生成物を、触媒を含む少なくとも1つの第2の反応器ユニットに供給する工程;
f.前記第2の反応器ユニットの内部でオレフィン間の触媒反応を実施するために、前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つを、30~140℃の範囲から選択される温度および150~5000kPaの範囲から選択される圧力で操作する工程;
g.前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つから第2の反応器出口流を引き出す工程;および
h.少なくともオレフィン二量体を含む第2の蒸留物と、少なくとも前記オレフィン単量体の三量体および/または四量体を含む第2の塔底生成物とを分離するために、前記第2の反応器出口流を第2の蒸留塔中で蒸留する工程;
を含み、ここで、該プロセスは、さらに、前記第2の反応器出口流の組成を、以下の工程:
i.前記第2の反応器出口流中のオレフィン三量体の量を増加させるために、オレフィン二量体を前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つに供給する工程;および/または
ii.前記第2の反応器出口流中のオレフィン四量体の量を増加させるために、オレフィン二量体を前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つに供給する工程
によって制御することを含む。
【0007】
工程iおよびiiにおける一実施形態において、「オレフィン二量体を供給する(feeding olefin dimers)」との表現は、第2の蒸留物のオレフィン二量体の供給を含むか、またはそれからなる。追加で、または代替的に、これらの工程のいずれかまたは両方において、オレフィン二量体は、別の供給源から供給され得る。
【0008】
本プロセスの利点は、炭素効率が高いことである。このプロセスは、オレフィン単量体を効率よく、および高い収率でオレフィン三量体および/またはオレフィン四量体に変換する。
【0009】
一実施形態において、プロセスのあいだに形成されたオレフィン二量体の少なくとも一部は、第1の反応器ユニットの少なくとも1つおよび/または第2の反応器ユニットの少なくとも1つにリサイクルされ、ここで、第1の反応器ユニットと第2の反応器ユニットとの間のオレフィン二量体のリサイクル比率は、0~100%の範囲から選択される。
【0010】
オレフィン二量体が第1の反応器ユニットにリサイクルされる場合、二量体は、好ましくは、図1に示される第1の反応器供給ライン11などの反応器供給ラインを通じて第1の反応器ユニットに供給される。それにより、リサイクルされた二量体の新鮮なオレフィン単量体との効率的な混合が達成される。
【0011】
一実施形態において、オレフィン三量体が製造される場合、第1の反応器ユニットの少なくとも1つにおける新鮮な単量体と比較したリサイクルされた二量体の量は、少なくとも約350%、好ましくは少なくとも約400%、または約350~550%、好ましくは約400~500%、または約450%である。好ましくは、オレフィン三量体の製造のみが所望される場合、二量体は第2の反応器ユニットへリサイクルされない。別の実施形態において、操作条件は、表1に規定される通りである。新鮮な単量体と比較したリサイクルされた二量体の量は、1つの第1の反応器ユニットにおける量、または、2つ、3つ、4つ、もしくは第1の反応ゾーンに含まれる全ての第1の反応器ユニットにおける量を意味し得る。
【0012】
一実施形態において、オレフィン四量体が製造される場合、新鮮な単量体と比較したリサイクル成分の総計の量は、少なくとも約250%、好ましくは少なくとも約300%、または約250~350%、好ましくは約300~350%、または約320%である。好ましくは、二量体は、オレフィン四量体が製造される際、第2の反応器ユニットの少なくとも1つにリサイクルされ、および、新鮮な単量体と比較したリサイクルされた二量体の量は、少なくとも約100%、例えば100~200%または100~150%または約140%などである。別の実施形態において、操作条件は表1に規定される通りである。新鮮な単量体と比較したリサイクルされた二量体の量は、1つの反応器ユニットにおける量、または、2つ、3つ、4つ、もしくは反応ゾーンに含まれる全ての反応器ユニットにおける量を意味し得る。
【0013】
一実施形態において、第1の反応器ユニットの少なくとも1つおよび/または第2の反応器ユニットの少なくとも1つの操作温度は、50~140℃の範囲、または40~120℃の範囲、または45~120℃の範囲、または50~120℃の範囲から選択される。少なくとも1つの第1の反応器ユニットおよび/または少なくとも1つの第2の反応器ユニットにおいて使用され得る別の温度範囲は、45~110℃の範囲から、または50~110℃の範囲から選択される温度である。別の実施形態において、前記温度は60~110℃の範囲から選択される。
【0014】
第1の反応器ユニットにおける別の実施形態において、温度は90~110℃の範囲から、または95~105℃の範囲から、例えば約100℃などから選択される。オレフィン三量体が製造される場合、第2の反応器ユニットにおける温度は、30~50℃の範囲から、例えば約40℃などから選択され得る。オレフィン四量体が製造される場合、第2の反応器ユニットにおける温度は、90~110℃の範囲から、または95~105℃の範囲から、例えば約100℃などから選択され得る。
【0015】
別の実施形態において、第1の反応器ユニットの少なくとも1つの操作重量時間空間速度は、1~10 1/hの範囲から選択され、および/または、第2の反応器ユニットの少なくとも1つの操作重量時間空間速度は、0.05~100 1/hの範囲から選択される。
【0016】
一実施形態において、オレフィン三量体が製造される場合、第1の反応器ユニットの少なくとも1つの操作重量時間空間速度は、1~5 1/hの範囲、または1~2 1/hの範囲から選択される。別の実施形態において、第2の反応器ユニットの少なくとも1つの操作重量時間空間速度は、0.05~0.3 1/hの範囲、または0.1~0.2 1/hの範囲、例えば約0.15 1/hなどから選択される。別の実施形態において、WHSVは表1に規定されている通りである。
【0017】
一実施形態において、オレフィン四量体が製造される場合、第1の反応器ユニットの少なくとも1つの操作重量時間空間速度は、1~5 1/hの範囲、または1~2 1/hの範囲から選択される。別の実施形態において、第2の反応器ユニットの少なくとも1つの操作重量時間空間速度は、0.2~0.5 1/hの範囲、または0.3~0.4 1/hの範囲、例えば約0.35 1/hなどから選択される。別の実施形態において、WHSVは表1に規定されている通りである。
【0018】
一実施形態において、第1の反応器ユニットの少なくとも1つの操作圧力は、2400~3000kPaの範囲から選択される。
【0019】
一実施形態において、第2の反応器ユニットの少なくとも1つの操作圧力は、1900~2300kPaの範囲から選択される。別の実施形態において、第2の反応器ユニットの少なくとも1つの操作圧力は、150~2300kPaの範囲、例えば300~2300kPaまたは400~2300kPaの範囲から選択される。
【0020】
一実施形態において、第1の反応器ユニット中の圧力は、第2の反応器ユニット中の圧力よりも高い。
【0021】
一実施形態において、第1の反応器ユニットの少なくとも1つの操作圧力は、2500~2700kPaの範囲、例えば約2600kPaなどから選択され、および/または、第2の反応器ユニットの少なくとも1つの操作圧力は、2000~2200kPaの範囲、例えば約2100kPaなどから選択される。一実施形態において、第1の反応器ユニットの少なくとも1つ中の圧力は、第2の反応器ユニットの少なくとも1つ中の圧力よりも高い。
【0022】
一実施形態において、第1の反応器ユニットの少なくとも1つにおける酸素含有モデレーターの量は、1000~15000mol-ppmの範囲から選択され、および/または、第2の反応器ユニットの少なくとも1つにおける酸素含有モデレーターの量は、10~10000mol-ppm、または10~2500mol-ppmの範囲から選択される。
【0023】
一実施形態において、第1の反応器ユニットの少なくとも1つにおける酸素含有モデレーターの量は、2000~15000mol-ppmの範囲、または2200~2800mol-ppm、例えば約2600mol-ppmなどから選択される。
【0024】
一実施形態において、第2の反応器ユニットの少なくとも1つにおける酸素含有モデレーターの量は、5~20mol-ppmの範囲、または5~15mol-ppmの範囲、例えば約10mol-ppmなどから選択される。この量は、オレフィン三量体を製造する場合に有利である。別の実施形態において、酸素含有モデレーター(酸素化物)の量は、表1に規定される通りである。
【0025】
一実施形態において、第2の反応器ユニットの少なくとも1つにおける酸素含有モデレーターの量は、500~2500mol-ppmの範囲、または1000~2000mol-ppmの範囲、例えば約1500mol-ppmなどから選択される。この量は、オレフィン四量体を製造する場合に有利である。別の実施態様において、酸素含有モデレーター(酸素化物)の量は、表1に規定される通りである。
【0026】
酸素化物の濃度の選択は、本プロセスにおける反応選択性を左右する:第1の反応器ユニットにおいて、選択性は、二量体および三量体オリゴマー間でバランスが取れている:酸素化物を多く供給すればするほど、三量体よりも二量体が多く形成され、第2の反応器ユニットでは、酸素化物を多く供給すればするほど、四量体化が抑制され、これゆえ三量体組成が維持される。第1のカラムの塔底生成物の両極端は、より大きなオリゴマーの痕跡のある二量体支配の生成物、またはより大きいオリゴマーの痕跡のある三量体支配の生成物である。
【0027】
オレフィン単量体および可能性のある溶媒は、すべての操作モードにおいて第1の反応器ユニットおよび第1のカラムに存在し、第2の反応器ユニットには入らない。
【0028】
本プロセスでは、最終生成物の選択性は、各反応器ユニット内の生成物選択性を決定する酸素化物濃度、第1のカラムの操作モード、および第1の反応器ユニットおよび第2の反応器ユニットとの間における第2のカラムからの二量体のリサイクル比率によって制御される。
【0029】
三量体支配操作モードでは、二量体は第1の反応器ユニットおよび第1のカラムに存在し、第2の反応器ユニットには入らない。
【0030】
一実施形態において、オレフィン三量体は、第2の蒸留物から第1の反応器または第2の反応器にリサイクルされない。
【0031】
混合度操作モードでは、全ての標的とされる三量体は第1の反応器ユニットおよび第1のカラム領域で製造され、一方、第1のカラム塔底から引き出された二量体は第2の反応器ユニット中で四量体に変換される。
【0032】
最大限に四量体生成物が支配的な操作モードでは、酸素化物の量を制御することにより、第1の反応器ユニットにおいて二量体生成が有利になる。任意には、単量体の貫流転化率は90%未満に維持される。任意には、第1のカラム頂部からの単量体は第1の反応器ユニットに、および、第1のカラム塔底から最小限のより高次のオリゴマーを含む二量体を引き出すことによってリサイクルされる。従って、第2の反応器ユニット/反応ゾーンにおいて、二量体は制御された様式で四量体に二量化され、および、未反応の二量体は全て、第2の反応器ユニット/反応ゾーンにリサイクルされる。
【0033】
一実施形態において、溶媒の供給量は、最終生成物組成の目標および第1の反応器ユニット/反応ゾーンのその後の操作モードに基づいて、0~80重量%、好ましくは0~60重量%である。生成物中の実質的な三量体の割合が目標とされる場合には、溶媒は完全に省略することができる。四量体が支配的な操作モードでは、第1の反応器ユニット/反応ゾーンにおける反応の発熱性を制御するために、明確な溶媒比率が必要とされ得る。第1の反応器ユニットで目標とする二量化の程度により、溶媒の必要性が決定される(全二量体で50~80%溶媒、全三量体で0%溶媒)。溶媒が使用されるすべての場合において、それは第1のカラムから第1の反応器ユニット/反応ゾーンにリサイクルされ、および、溶媒は第2の反応器ユニット/反応ゾーンには入らない。
【0034】
四量体が支配的な生成物であり、および、供給が適切な不活性溶媒成分を含まない実施形態において、追加の溶媒供給が必要な場合があるかもしれない。添加溶媒が使用される場合、溶媒の主要部分は、第1の反応器ユニット/反応ゾーンおよび第1のカラムを介してリサイクルされ、および、わずかな追加のフィードのみが必要である。さらに、工業的なフィードは、不純物として十分な量の適切な溶媒を含むことがあり、そのような場合には、追加の溶媒フィードは必要ない。
【0035】
さらに、工業的フィードは、反応性オレフィンと同じ炭素数を有する例えばパラフィン系炭化水素などの軽質不活性不純物を含み得、これらはリサイクル流に蓄積し得る。このような場合、パージ流がカラム頂部から取り出され得る。パージ流の流量が大きい場合、リサイクル流中に存在する二量体の損失を防止するために、リサイクル流をカラム頂部より下方の側流として取り出すことが有利である。
【0036】
一実施形態において、オレフィン単量体は、4個の炭素原子を有するオレフィン、好ましくはイソブテンを含む。別の実施形態において、イソブテンは、第1の反応器ユニットに供給される新鮮なオレフィンフィードの10~100重量%を構成する。
【0037】
一実施形態において、オレフィン単量体は、以下の少なくとも1つを含むオレフィンフィード中で第1の反応器ユニットの少なくとも1つに供給される:C4オレフィン、C5オレフィン、C4およびC5オレフィンの混合フィード、イソブテン、1-ブテン、シス-2-ブテン、トランス-2-ブテン、またはそれらの混合物;ならびに任意には、不活性物質、n-ブタン、i-ブタン、ブタジエン、蒸留留分、またはそれらの混合物。
【0038】
一実施形態において、少なくとも1つの触媒または触媒は、酸触媒、好ましくは強酸性イオン交換樹脂触媒、最も好ましくはマクロ網状酸イオン交換樹脂触媒である。第1の反応器ユニットまたは反応ゾーンで使用される触媒は、第2の反応器ユニットまたは反応ゾーンで使用される触媒と同じ触媒であってもよい。また、第1の反応器ユニット(または反応ゾーン)と第2の反応器ユニット(または反応ゾーン)とで異なる触媒を使用することも可能である。
【0039】
一実施形態において、酸素含有モデレーターは、水、デミウォーター、アルコール、tert-ブチルアルコール、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0040】
一実施形態において、プロセスは、第2の蒸留物中に存在するオレフィン二量体を第1の反応器ユニットの少なくとも1つにリサイクルすることによって、最終生成物流中または第2の反応器出口流中のオレフィン三量体の量を増加させることをさらに含む。
【0041】
一実施形態において、第2反応器出口流中の四量体に対する三量体の比として25~0.05(wt/wt)が得られるように、第2蒸留物中に存在するオレフィン二量体の0~50重量%が、第1反応器ユニットの少なくとも1つにリサイクルされる。
【0042】
一実施形態において、第2の反応器出口流の四量体に対する三量体の比として25~0.05(wt/wt)が得られるように、0~50重量%の第2の蒸留物は、第1の反応器の少なくとも1つにリサイクルされる。第2の蒸留物が二量体を含むため、プロセスは、第1の反応ユニット中のオレフィン二量体の量を増加させることにより、オレフィン三量体の製造を有利にするように導かれ得る。三量体の製造が所望される場合、第1の反応器にリサイクルされる第2の蒸留物の量が増加され得、例えば、第2の蒸留物の5~50、10~50、20~50、30~50または40~50重量%が第1の反応器にリサイクルされ得る。
【0043】
一実施形態において、プロセスは、オレフィン単量体の三量体を含む第3の蒸留物と、オレフィン単量体の四量体を含む第3の塔底生成物とを分離するために、第3の蒸留塔中で第2の塔底生成物を蒸留することをさらに含む。
【0044】
一実施形態において、プロセスは、第1の反応器ユニットにおけるオレフィン二量体の製造を増加させるために第1の反応器ユニットの少なくとも1つに第1の蒸留物のオレフィン単量体をリサイクルすることによって、第2の反応器ユニットの少なくとも1つに第1の塔底生成物を供給することによって、および、第2の反応器ユニットの少なくとも1つに第2の蒸留物のオレフィン二量体をリサイクルすることによって、第2の反応器出口流中のオレフィン四量体の量を増加させることをさらに含む。オレフィン単量体を第1の反応器ユニットにリサイクルすることにより、オレフィン二量体の製造が促進され、そして、これらのオレフィン二量体は、第2の反応器ユニット中で蒸留後に反応される。第2の反応器ユニットには、第2の蒸留塔から二量体もリサイクルされ、それによって第2の反応器中のオレフィン二量体の量が増加され、第2の反応器ユニット中でのオレフィン四量体の形成が促進される。
【0045】
一実施形態において、第1の蒸留物中に存在するオレフィン単量体の99~100重量%が、第1の反応器ユニットの少なくとも1つにリサイクルされ、および、第1の塔底生成物は、オレフィン二量体を2~98重量%含む。
【0046】
一実施形態において、二量体は、第2の反応器ユニットの少なくとも1つにのみリサイクルされる。
【0047】
一実施形態において、プロセス中、4~99%または4~96%のオレフィン単量体がオレフィン三量体に変換される。
【0048】
一実施形態において、プロセス中、4~99%または4~94%のオレフィン単量体がオレフィン四量体に変換される。
【0049】
本プロセスは、反応性オレフィン単量体に関して高い炭素効率を可能にする。高純度オレフィンフィードの場合、99%より多くの単量体が製品オリゴマーとなり、一方、第1カラムの頂部からのパ-ジ流が反応性単量体を移動させる可能性がある混合フィードの場合は、わずかな損失が予期され得る(1~5%未満)。
【0050】
第2の態様によれば、第1の態様のプロセスを行うように構成されるオレフィン変換システムが提供され、該システムは以下:
a.酸触媒を受け入れるように構成される少なくとも1つの第1の反応器ユニット;
b.酸触媒を受け入れるように構成される少なくとも1つの第2の反応器ユニット;
c.オレフィン単量体をオレフィン二量体から分離するように構成される第1の蒸留カラム;
d.オレフィン二量体をオレフィン三量体およびオレフィン四量体から分離するように構成される第2の蒸留カラム;
e.第1の反応器ユニットの少なくとも1つおよびオレフィン単量体のための少なくとも1つのリザーバと流体連通している少なくとも1つの第1の反応器供給ライン;
f.第1の反応器ユニットの少なくとも1つおよび第1の蒸留塔と流体連通している第1の反応器出口ライン;
g.第1の反応器ユニットの少なくとも1つおよび第1の蒸留塔と流体連通している第1のリサイクルライン;
h.第1の蒸留塔および第2の反応器ユニットの少なくとも1つと流体連通している第1の塔底生成物ライン;
i.第2反応器ユニットの少なくとも1つおよび第2蒸留塔と流体連通している第2反応器出口ライン;
j.第2の蒸留塔、第1の反応器ユニットの少なくとも1つ、および第2の反応器ユニットの少なくとも1つと流体連通している第2のリサイクルライン;
k.第2の蒸留塔および最終製品のためのリザーバと流体連通している第2の塔底生成物ライン;および
l.オレフィン三量体をオレフィン四量体から分離するように構成され、および、第2の塔底生成物ラインと流体連通している第3のカラム供給ラインを備える、任意的な第3の蒸留カラム;および
m.第1の反応器供給ラインに連通している任意的な溶媒追加ライン
を含む。
【0051】
一実施形態において、上記の要素を含む本オレフィン変換システムは、第1の態様のプロセスまたは任意のその実施形態もしくは特徴を行うように構成される。
【0052】
一実施形態において、本発明のオレフィン変換システムは、リサイクルされたオレフィン二量体が所望の量および割合で第1の反応器ユニットの少なくとも1つおよび第2の反応器ユニットの少なくとも1つに導かれ得るように、第2のリサイクルラインにおける流れを制御するように構成される手段を備える。
【0053】
別の態様によれば、第2の反応器出口流中のオレフィン三量体の量を増加させるために、第1の反応器ユニットの少なくとも1つにオレフィン二量体を供給することによって;および/または、第2の反応器出口流中のオレフィン四量体の量を増加させるために、第2の反応器ユニットの少なくとも1つにオレフィン二量体を供給することによって、第2の反応器出口流の組成を制御することを含む、本発明のオレフィン変換システムを操作するための方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1図1は、オレフィン三量体およびオレフィン四量体の製造のためのプロセスを概略的に示す図である。一実施形態において、本発明のプロセスは、図1のスキームに従って行われる。本発明のオレフィン変換システムはまた、図1に記載のプロセスを行うために使用され得る。オレフィン三量体をオレフィン四量体から分離するために第3のカラムを使用する任意の操作モードが破線で示されている。図1に図示された単一の第1反応器ユニットおよび/または単一の第2反応器ユニットの代わりに、反応を行うように構成される複数の反応器ユニットを備える反応ゾーンが仕様されてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下の説明において、同様の参照符号は同様の要素または工程を示す。
【0056】
酸素含有モデレーターとの用語は、酸素化物、または、酸素、炭素および水素を含む化合物など酸素を含む化合物を指す。
【0057】
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprising)」には、「含む(including)」、「含む(containing)」、「含む(comprehending)」というより広い意味と、「~からなる(consisting of)」、「~のみからなる(consisting only of)」というより狭い表現が含まれる。
【0058】
一実施形態において、プロセスは工業的規模で行われ、好ましくは連続プロセスとして行われる。
【0059】
特に断りのない限り、%は重量%、すなわちwt-%である。リサイクル率を指している値は、それ自体ではwt-%または%を意味し得る。
【0060】
一実施形態において、プロセス工程は、任意の態様、実施形態、または請求項において特定される順序で実施される。別の実施形態において、先行するプロセス工程で得られた生成物または中間体に対して実施されるように特定された任意のプロセス工程は、前記生成物または中間体に対して直接実施される、すなわち、前記2つの連続する工程の間に生成物または中間体を化学的および/または物理的に変化させる可能性のある追加的、任意的または補助的な処理工程を伴わずに実施される。
【0061】
別の実施形態において、本プロセスは連続プロセスとして実行され、プロセスが実行されている際、任意の側面、実施形態、または請求項で特定される工程の少なくともいくつかが同時に起こる。
【0062】
本明細書で規定される任意のプロセス工程は、反応物、反応生成物、および/または操作パラメータの分析をさらに含むことができる。例えば、反応器ユニット、フィード、またはストリーム中の反応混合物の化学組成が分析され得、および、分析結果は、所望の結果が達成されるようにプロセスパラメータを変更するために使用され得る。
【0063】
本発明の文脈において、反応器フィードとの用語は、反応器ユニットに入る任意のフィードを指す。簡単のために、例えばオレフィン単量体またはイソブテンなどの少なくとも1つの同じ成分が、複数のフィードを介して反応器ユニットに供給される場合、オレフィン単量体の反応器フィード、またはオレフィン単量体反応器フィードは、そのような場合、反応器ユニットへの前記オレフィン単量体の総計のフィードを意味し得る。
【0064】
新鮮なオレフィン単量体供給物および新鮮なオレフィン単量体との用語は、新鮮な、すなわちリサイクルされていない、および、反応器ユニット中の触媒反応の過程で消費されるオレフィン単量体の量を補うオレフィン単量体の供給源を提供するために反応器ユニットに供給される、および、主に回収または消費されたオレフィン三量体またはオレフィン四量体生成物として反応器ユニットから除去される、オレフィン単量体を指す。新鮮なオレフィン単量体は、単量体の二量体に対する重量比を所望のレベルに維持するために十分な量で第1の反応器ユニットに供給される。
【0065】
一実施形態において、オレフィン単量体は、主に新鮮なオレフィン供給物として反応器ユニットに供給される、すなわち、新鮮なオレフィン単量体は、反応器ユニットに入る総計のオレフィン単量体の50重量%より多い量を構成する。別の実施形態において、反応器ユニットに入るオレフィン単量体の少なくとも55重量%、60重量%、70重量%、80重量%または90重量%が新鮮である。
【0066】
一実施形態において、リサイクルフィードは未反応オレフィン単量体を含む。リサイクルフィードはまた、溶媒を含んでもよい。
【0067】
反応器ユニットとの用語は、触媒反応が行われる少なくとも1つの反応器ユニット、または少なくとも1つの反応器容器のような反応器を指す。反応器ユニットは、少なくとも1つの触媒床と、流体を反応器ユニット内に導くための開口部と、反応器ユニットから流体を除去するための開口部とを備え得る。
【0068】
オレフィンは、少なくとも水素および炭素から構成される化合物であり、2つの炭素原子間に少なくとも1つの二重結合を有する。本プロセスに好適なオレフィンは、2個以上の炭素原子を含み、および直鎖状であっても枝分かれしていてもよい。本開示において好ましいオレフィン単量体は、二重結合を1つ含む。より好ましいオレフィン単量体は、イソブテンである。
【0069】
オレフィン混合物、例えばオレフィン単量体、オレフィン二量体およびより大きなポリマーの混合物、または様々な数の炭素原子および二重結合を有するオレフィン単量体を含む混合物などもまた、本プロセスで使用され得、第1の反応器ユニットに供給され得る。一実施形態において、オレフィン単量体混合物を含むフィードは、混合フィードとして反応器ユニットに供給される。好ましくは、このような単量体混合物は、1種のオレフィン単量体を主に含む。
【0070】
本発明の文脈において、混合フィードまたは混合単量体フィードとは、種々の炭素数を有するオレフィン、または同じ炭素数を有するオレフィン異性体の混合物、およびそれらの組み合わせを意味する。一実施形態において、混合フィードは、C4-C5オレフィン、好ましくは二重結合を1つ有するオレフィンを含む。別の実施形態において、混合フィードは、炭素数C4±1を有するオレフィンを含む。一実施形態において、C4オレフィンよりも軽質な反応性成分は、反応生成物の蒸留を容易にするために、反応器ユニットに入るフィードから除去される。
【0071】
一実施形態において、オレフィン単量体フィードは、以下の少なくとも1つを含む:C4オレフィン、C5オレフィン、C4およびC5オレフィンの混合フィード、イソブテン、1-ブテン、シス-2-ブテン、トランス-2-ブテン;および任意的には、不活性物質、n-ブタン、i-ブタン、ブタジエン、蒸留留分、またはそれらの混合物。
【0072】
別の実施形態において、オレフィン単量体フィードまたは混合フィードは、イソブテンと、C4オレフィン、C5オレフィン、C4およびC5オレフィンの混合フィード、1-ブテン、シス-2-ブテン、トランス-2-ブテン、不活性物質、n-ブタン、i-ブタン、ブタジエン、蒸留留分、またはそれらの混合物のうちの少なくとも1種とを含む、または本質的にそれらからなる。好ましい実施形態において、イソブテンは混合フィードの主成分である。
【0073】
一実施形態において、オレフィン単量体は1つの二重結合を含む。
【0074】
一実施形態において、オレフィン単量体はイソブテンである。イソブテンは、それ自身と順次反応して、例えばオレフィン二量体、オレフィン三量体およびオレフィン四量体などのより長いオレフィン系生成物を形成することができるため、好ましいオレフィン単量体である。
【0075】
一実施形態において、プロセスのあいだに合成されたオレフィン三量体および/またはオレフィン四量体は、1つの二重結合を含み、すなわちそれらはイソオレフィンである。好ましい実施形態において、オレフィン三量体は、イソブテンの三量体であり、および/または、オレフィン四量体はイソブテンの四量体である。
【0076】
一実施形態において、反応器ユニットを出る反応器出口流中の例えば不活性物質、n-ブタン、i-ブタンなどの非反応性成分の量は、低く、蒸留工程におけるオレフィン二量体およびオレフィン三量体の分離を著しく妨げない。
【0077】
第1の反応器ユニットから取り出される第1の反応器出口流は、少なくともオレフィン単量体およびオレフィン二量体、ならびに任意には少量のモデレーターおよび/または不活性物質を含む。
【0078】
一実施形態において、新鮮な単量体が、高純度単量体フィードとして反応器に供給される。高純度オレフィンは、好ましくは少なくとも95重量%の純度を有する。高純度オレフィンは、プロセス、特には蒸留工程および最終生成物の組成をより制御することを可能にするという利点を有する。
【0079】
本発明の文脈において、希釈剤との用語は、任意の不活性剤、または本プロセスにおけるオレフィンよりも反応性が低い剤を意味する。したがって、反応器への希釈剤の添加は、反応器ユニット中のオレフィンの濃度を低下させ、および、本プロセスにおけるオレフィン単量体、オレフィン二量体およびオレフィン三量体の触媒変換速度は、適切な量の希釈剤を選択することによって制御され得る。
【0080】
第1の反応器ユニットおよび/または第2の反応器ユニットとして単一の反応器ユニットを使用する代わりに、各反応器ユニットが別々の容器に形成され、および配分され得、それにより第1の反応ゾーンおよび/または第2の反応ゾーンが対応して形成され得る。反応容器および反応床の数を増やすことにより、反応条件は制御が容易になり、その結果、例えばイソブテンなどのオレフィン単量体のほぼ完全な貫流変換が達成され得る。また、複数の反応容器を使用することにより、断熱温度上昇の熱制御も容易となる。
【0081】
一実施形態において、反応器ユニットは、直列反応器ユニットもしくは並列反応器ユニットとして配置される複数の反応容器、またはそれらの組み合わせによって構成される。
【0082】
一実施形態において、例えば第1の反応器ユニットまたは第2の反応器ユニットなどの反応器ユニットは、1つまたは複数の反応器容器から構成され得る反応ゾーンである。
【0083】
一実施形態において、反応器ユニットは、例えば2つ、3つ、4つまたは5つの反応器容器など、それぞれが少なくとも1つの反応器床を有する2つ以上の反応器容器を備える。2つ以上の反応容器の使用は、温度のより詳細な制御を可能にし、さらに各個別の反応器容器内のモデレーターおよび触媒の量を制御することを可能にするので有利である。反応器容器の間で、フィードの温度は、フィードを冷却または加熱するように構成される温度制御ユニットによって制御され得る。一実施形態において、例えば温度および圧力などの反応条件は、各反応器容器において本質的に同じである。
【0084】
単一の反応器容器の代わりに複数の反応器容器が反応器ユニットとして使用される場合、反応器容器のそれぞれは、触媒、好ましくは酸性イオン交換樹脂触媒を含む。好ましくは、同じ触媒が各反応器容器で使用される。好ましくは、触媒の量は、最初の反応器容器では低く保たれ、プロセスの下流方向における後続の反応器容器では増加される。最初の反応器容器における触媒量を制限することにより、例えば温度制御が容易になり、反応条件がより容易に選択された範囲に維持され得る。例えば、複数の反応器容器が使用され、および、オレフィン流が反応器容器間で冷却される場合、オレフィンは液相に維持されやすい。好ましくは、第1の反応器容器への反応器フィードに加えて、プロセスのあいだに後続の反応器容器にはさらなるオレフィンは供給されない、すなわち、供給されたオレフィンの混合物は、混合物が反応器容器を通って流れる際にさらなるオレフィンで補足されない。各反応器容器中に単一の反応器床を有する複数の反応器容器が使用される場合、触媒の量は反応器容器内で増加し得る。複数の反応器構成において、上流の反応器容器は下流の反応器容器よりも多くの触媒を含む。一実施形態において、複数の反応器ユニット構成は、3つまたは4つの反応器容器を備える。
【0085】
複数の反応器容器を含む反応器ユニットにおいて、反応器容器の容積は、下流方向において、第1の反応器容器から後続の反応器容器へと増加し得る。一実施形態において、第1の反応器容器および第2の反応器容器の容積は実質的に同じである。別の実施形態において、第3および第4の反応器容器の容積は実質的に同じである。さらに別の実施形態において、第3および第4の反応器容器の容積は、互いに対して実質的に同一であるが、それらの容積は、第1または第2の反応容器の容積よりも大きく、ここで、第1および第2の反応容器は、実質的に同一の容積を有していてもよい。
【0086】
一実施形態において、酸素含有モデレーターは、例えばデミウォーター(脱塩水)またはtert-ブチルアルコール(TBA)などの酸素化物である。代替的または付加的に、モデレーターは、水とオレフィンとのあいだの反応の結果として反応器ユニット内で形成されるアルコールを含む。この結果、例えば2-ブタノ-ルが反応器ユニット内でイソブテンから生成し、モデレーターとして機能し得る。
【0087】
モデレーターは、より軽質な成分と共にリサイクルループ内を循環し、およびその量を実質的に一定に保つために補充される。モデレーターの量は、例えばリサイクルラインから公知の方法で決定され得る。モデレーターは、好ましくは、新鮮なオレフィンフィード中またはリサイクルフィード中に存在する水の量を超える量で使用され、これは酸素化物の供給源としても機能し得るが、本発明ではそれだけでは十分ではない。モデレーターは、例えば新鮮なオレフィン単量体を含む反応器フィードなどの第1の反応器ユニットまたは第2の反応器ユニットに入るフィードとそれとを混合することによって、反応器ユニット中に供給され得る。あるいは、モデレーターは、新鮮なオレフィン単量体またはリサイクルされたオレフィン単量体と混合する前に、任意のリサイクル流中に混合され得る。本プロセスにおいて添加されたモデレーターの使用は、三量体製造の選択性を向上させるため有利である。
【0088】
単量体オレフィンがイソブテンである場合、得られるオリゴマーは高度に分岐したペンタメチルヘプテンおよびヘプタメチルノネンである。この生成物は、航空燃料成分または化学品として興味深い特性をもつ、対応するパラフィン系生成物を得るために、任意的に水素化されてもよい。
【0089】
一実施形態において、本プロセスは連続プロセスである。有利には、本プロセスは、メンテナンスのためにプロセスを中断する必要なく、長い間、数ヶ月間にさえもわたってプロセスを実行することを可能にする。
【0090】
一実施形態において、触媒反応は、オレフィンが液相にとどまっており、任意にモデレーターが液相にとどまっている操作条件で行われる。好ましくは、少なくとも反応器ユニットの温度および圧力は、オレフィンが反応器ユニット内の液相中にあるように選択される。
【0091】
一実施形態において、第1の反応器ユニットおよび第2の反応器ユニットは、オレフィンが同じ相中、好ましくは液相中にとどまる条件で操作される。
【0092】
一実施形態において、触媒は固体触媒である。
【0093】
一実施形態において、二量化触媒は酸触媒、好ましくは強酸性イオン交換樹脂触媒、最も好ましくはマクロ網状酸イオン交換樹脂触媒である。
【0094】
一実施形態において、第2の触媒は第1の触媒と同じ触媒ではない。しかし、好ましくは、両方の触媒は、例えば酸触媒などの類似のタイプの触媒である。
【0095】
一実施形態において、オレフィン二量体は、第1の反応器ユニットおよび第2の反応器ユニットの両方に供給される。この操作モードは、第2の反応器出口流中に取り出され得るオレフィン三量体およびオレフィン四量体の両方を生成する。第2の反応器出口流の組成の追加的な制御は、第1の反応器ユニットへ、および第2の反応器ユニットへリサイクルされる第2の蒸留物からのオレフィン二量体の量を制御することによって行われ得る。第1の反応器ユニットにおいてリサイクルされる二量体の量を増加させることにより、オレフィン二量体とオレフィン単量体との間の反応がより好ましくなり、それによりオレフィン三量体が製造され、一方、第2の反応器ユニット中のオレフィン二量体の量を増加させることにより、オレフィン二量体間の反応がより好ましくなり、それによりオレフィン四量体が製造される。
【0096】
一実施形態において、本プロセスは、蒸留塔から得られる少なくとも1つのストリームから熱を回収することをさらに含む。
【0097】
本プロセスの一実施形態において、回収された熱は、蒸留塔に入る前の任意の反応器出口流を加熱するために使用される。別の実施形態において、熱は、それが反応器ユニットに入る前に反応器フィードを加熱するために使用される。
【0098】
一実施形態において、第1の蒸留塔および第2の蒸留塔は非反応性蒸留塔である。ここでいう非反応性蒸留塔とは、触媒材料または反応ゾーンを含まず、そしてオレフィンが互いに、あるいは他の化学的薬剤と著しく化学反応しない蒸留塔のことである。したがって、非反応性蒸留塔は、例えば、フィード成分、特にはオレフィン単量体またはオレフィン二量体またはオレフィン三量体を化学的に変換する反応性ゾーンまたは触媒ゾーンを有する反応性蒸留塔などとは区別される。
【0099】
一実施形態において、各蒸留塔は、オレフィンの二量化またはオリゴマー化が起こらない条件で操作される。
【0100】
一実施形態において、オレフィン単量体の量は、第1の蒸留物中および/または第1の塔底生成物中において分析される。したがって、第1の反応器ユニットに供給される新鮮なオレフィン単量体の量は、供給されるオレフィン単量体の総計の量を所望の量に維持するために、リサイクルされたオレフィン単量体の量に基づいて調整され得る。同様に、第1の塔底生成物中の二量体の量が既知である場合、第2の反応器ユニットにおける反応の制御がより容易である。
【0101】
一実施形態において、第2の蒸留物中のオレフィン二量体の量が分析される。第2の蒸留物の二量体含有量が既知である場合、オレフィン三量体および/またはオレフィン四量体の製造の制御はより容易である。例えば、第2の蒸留物からのリサイクルされるオレフィン二量体の、第1の塔底生成物からのフィードに対する供給比は、第2の反応器ユニットが所望の量のオレフィン二量体を受け取るように、調整され得る。本実施形態は、オレフィン四量体が製造される場合、またはオレフィン三量体と比較してオレフィン四量体の量が増加される場合に特に有用である。
【0102】
同様に、第2蒸留物中のオレフィン二量体およびオレフィン四量体の既知の量が、第1反応器ユニットに供給されるリサイクルされるオレフィン二量体の適切な量を選択するために使用され得る。これは、オレフィン三量体またはオレフィン四量体が所望の量で製造される場合に特に有用である。
【0103】
一実施形態において、触媒反応は液相中で、好ましくは完全に液相中で行われる。
【0104】
一実施形態において、第2の反応器出口流は、例えばイソブテンの四量体などのオレフィン四量体を少なくとも15重量%含む。
【0105】
オレフィン変換システム100は、図1を参照してさらに説明されるが、ここで
110はオレフィン単量体のリザーバである;
111は第1の反応器供給ラインである;
210は第1の反応器ユニットである;
211は第1の反応器出口流ラインである;
310は第1の蒸留搭である;
315は第1のリサイクルラインである;
333は任意的な溶媒添加ラインである
350は第1の塔底生成物ラインである;
410は第2の反応器ユニットである;
411は第2の反応器出口流ラインである;
510は第2の蒸留塔である;
515は第2のリサイクルラインである;
5151は、第2の蒸留塔を第1の反応器ユニットに連通させる第2のリサイクルラインの一部である;
5152は、第2の蒸留塔を第2の反応器ユニットに連通させる第2のリサイクルラインの一部である;
550は第2塔底生成物ラインである;
590は最終製品のためのリザーバである;
610は任意的な第3蒸留塔である;
690は、システムが任意的な第3の蒸留塔を備える場合の、別の最終生成物のためのリザーバであり、このリザーバは、第3の蒸留塔からオレフィン四量体を受け取り得る;
695は、システム任意的な第3の蒸留塔を備える場合の、別の最終生成物のためのリザーバであり、このリザーバは、第3の蒸留塔からオレフィン三量体を受け取り得る;および
555は任意的な第3搭フィードラインである。
【0106】
一実施形態において、オレフィン変換システムは、オレフィン二量体を第1の反応器ユニットの少なくとも1つに供給することを可能とするように、および/または、オレフィン二量体を第2の反応器ユニットの少なくとも1つに供給することを可能にするように、構成される手段をさらに含む。一実施形態において、前記手段は、オレフィン変換システムの操作、および特にはそのフィード、反応器、蒸留塔およびフィードを移送するために使用されるラインの操作を制御する制御手段を含む。したがって、制御手段は、システムの種々のパーツ間のフィードを導くために使用することができる。前記手段は、特には、システムにおけるオレフィン三量体およびオレフィン四量体の製造を制御するために、第2の蒸留塔から第1の反応器ユニットへの、および、第2の蒸留塔から第2の反応器ユニットへの二量体のリサイクルを制御するために使用され得る。
【0107】
実施および実施形態は、以下の番号の項にさらに開示される:
項1:オレフィン三量体およびオレフィン四量体の制御された製造のためのプロセスであって、以下の工程:
a.少なくとも1つのオレフィン単量体および少なくとも1つの酸素含有モデレーターを、触媒を含む少なくとも1つの第1の反応器ユニットに供給する工程;
b.前記第1の反応器ユニットの内部でオレフィン間の触媒反応を実施するために、前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つを、30~140℃の範囲から選択される温度および800~5000kPaの範囲から選択される圧力で操作する工程;
c.前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つから第1の反応器出口流を引き出す工程;
d.少なくとも未反応のオレフィン単量体を含む少なくとも第1の蒸留物と、少なくとも前記オレフィン単量体の二量体を含む第1の塔底生成物とを分離するために、前記第1の反応器出口流を第1の蒸留塔中で蒸留する工程;
e.前記第1の塔底生成物を、触媒を含む少なくとも1つの第2の反応器ユニットに供給する工程;
f.前記第2反応器ユニットの内部でオレフィン間の触媒反応を実施するために、前記第2反応器ユニットの少なくとも1つを、30~140℃の範囲から選択される温度および150~5000kPaの範囲から選択される圧力で操作する工程;
g.前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つから第2の反応器出口流を引き出す工程;および
h.少なくともオレフィン二量体を含む第2の蒸留物と、少なくとも前記オレフィン単量体の三量体および/または四量体を含む第2の塔底生成物とを分離するために、前記第2の反応器出口流を第2の蒸留塔中で蒸留する工程;
を含み、ここで、該プロセスは、さらに、前記第2の反応器出口流の組成を、以下の工程:
前記第2の反応器出口流中のオレフィン三量体の量を増加させるために、オレフィン二量体を前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つに供給する工程;および/または
前記第2の反応器出口流中のオレフィン四量体の量を増加させるために、オレフィン二量体を前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つに供給する工程
によって制御することを含むプロセス。
項2:プロセスのあいだに形成された前記オレフィン二量体の少なくとも一部が、前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つおよび/または前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つにリサイクルされ、ここで、前記第1の反応器ユニットと前記第2の反応器ユニットとの間のオレフィン二量体のリサイクル比率は、0~100%の範囲から選択される項1記載のプロセス。
項3:前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つおよび/または前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つの操作温度が、40~120℃の範囲、または45~110℃の範囲から選択される項1または2記載のプロセス。
項4:前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つの操作重量時間空間速度が、1~10 1/hの範囲から選択され、および/または、前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つの操作重量時間空間速度が、0.05~100 1/hの範囲から選択される項1~3のいずれか1項に記載のプロセス。
項5:前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つの操作圧力が、2400~3000kPaの範囲から選択され、および/または、前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つの操作圧力が、1900~2300kPaの範囲から選択される項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
項6:前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つにおける酸素含有モデレーターの量が、1000~15000mol-ppmの範囲から選択され、および/または、前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つにおける酸素含有モデレーターの量が、10~10000mol-ppm、または10~2500mol-ppmの範囲から選択される項1~5のいずれか1項に記載のプロセス。
項7:溶媒フィード留分が0~80重量%、好ましくは0~60重量%である項1~6のいずれか1項に記載のプロセス。
項8:新鮮なオレフィン単量体に対する不活性溶媒が、0~80重量%の範囲から選択される項1~7のいずれか1項に記載のプロセス。
項9:前記オレフィン単量体が、4個の炭素原子を有するオレフィン、好ましくはイソブテンを含む項1~8のいずれか1項に記載のプロセス。
項10:前記オレフィン単量体が、以下:
C4オレフィン、C5オレフィン、C4およびC5オレフィンの混合フィード、イソブテン、1-ブテン、シス-2-ブテン、トランス-2-ブテン、またはそれらの混合物;ならびに任意には、不活性物質、n-ブタン、i-ブタン、ブタジエン、蒸留留分、またはそれらの混合物
のうち少なくとも1つを含むオレフィンフィード中で前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つに供給される項1~9のいずれか1項に記載のプロセス。
項11:前記触媒が、酸触媒、好ましくは強酸性イオン交換樹脂触媒、最も好ましくはマクロ網状酸イオン交換樹脂触媒である項1~10のいずれか1項に記載のプロセス。
項12:前記酸素含有モデレーターが、水、デミウォーター、アルコール、tert-ブチルアルコール、またはそれらの任意の組み合わせを含む項1~11のいずれか1項に記載のプロセス。
項13:前記第2の蒸留物中に存在するオレフィン二量体を前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つにリサイクルすることによって、前記最終生成物流中のオレフィン三量体の量を増加させることを含む項1~12のいずれか1項に記載のプロセス。
項14:前記第2反応器出口流中の四量体に対する三量体の比として25~0.05(wt/wt)が得られるように、前記第2蒸留物中に存在する前記オレフィン二量体の0~50重量%が、前記第1反応器ユニットの少なくとも1つにリサイクルされる項13に記載のプロセス。
項15:オレフィン単量体の三量体を含む第3の蒸留物と、オレフィン単量体の四量体を含む第3の塔底生成物とを分離するために、第3の蒸留塔中で前記第2の塔底生成物を蒸留することを含む項13または14記載のプロセス。
項16:前記第1の反応器ユニットにおけるオレフィン二量体の製造を増加させるために前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つに第1の蒸留物のオレフィン単量体をリサイクルすることによって、前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つに第1の塔底生成物を供給することによって、および、前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つに第2の蒸留物のオレフィン二量体をリサイクルすることによって、前記第2の反応器出口流中のオレフィン四量体の量を増加させることを含む項1~15のいずれか1項に記載のプロセス。
項17:前記第1の蒸留物中に存在するオレフィン単量体の99~100重量%が、前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つにリサイクルされ、および、前記第1の塔底生成物が、オレフィン二量体を2~98重量%含む項16に記載のプロセス。
項18:二量体が、前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つにのみリサイクルされる項16または17記載のプロセス。
項19:項1~17のいずれか1項に記載のプロセスを行うように構成されているオレフィン変換システムであって、以下:
酸触媒を受け入れるように構成される少なくとも1つの第1の反応器ユニット;
酸触媒を受け入れるように構成される少なくとも1つの第2の反応器ユニット;
オレフィン単量体をオレフィン二量体から分離するように構成される第1の蒸留カラム;
オレフィン二量体をオレフィン三量体およびオレフィン四量体から分離するように構成される第2の蒸留カラム;
第1の反応器ユニットの少なくとも1つおよびオレフィン単量体のための少なくとも1つのリザーバと流体連通している少なくとも1つの第1の反応器供給ライン;
第1の反応器ユニットの少なくとも1つおよび第1の蒸留塔と流体連通している第1の反応器出口ライン;
第1の反応器ユニットの少なくとも1つおよび第1の蒸留塔と流体連通している第1のリサイクルライン;
第1の蒸留塔および第2の反応器ユニットの少なくとも1つと流体連通している第1の塔底生成物ライン;
第2反応器ユニットの少なくとも1つおよび第2蒸留塔と流体連通している第2反応器出口ライン;
第2の蒸留塔、第1の反応器ユニットの少なくとも1つ、および第2の反応器ユニットの少なくとも1つと流体連通している第2のリサイクルライン;
第2の蒸留塔および最終製品のためのリザーバと流体連通している第2の塔底生成物ライン;および
オレフィン三量体をオレフィン四量体から分離するように構成され、および、第2の塔底生成物ラインと流体連通している第3のカラム供給ラインを備える、任意的な第3の蒸留カラム;および
第1の反応器供給ラインに連通している任意的な溶媒追加ライン
を含むシステム。
【実施例
【0108】
以下の実施例は、特許請求される発明をより良く説明するために提供されるものであり、特許請求の範囲によって決定される発明の範囲を限定するものとして解釈されるものではない。特定の材料が言及される範囲において、それらは単に本発明を説明するために言及されるのであって、それらに限定されるものではない。当業者は、発明能力を行使することなく、および本発明の範囲から逸脱することなく、同等の手段または反応物を開発することができる。
【0109】
表1は、本プロセスのいくつかの操作モードを示す。これらの例では、本発明のプロセスおよびオレフィン変換システムが使用された。プロセス装置は3つの実施例において同じであった。フィードは純粋なイソブテンであり、これは本実施例において、本発明のプロセスによってオレフィン二量体、オレフィン三量体および/またはオレフィン四量体に変換され得るオレフィン単量体の例として作用した。最終生成物組成における変化は、表1に示されるようにプロセスパラメータを調整することによって達成された。結果からわかるように、99%より高い収率で、最大三量体から最大四量体までの全生成物範囲が、本発明によるプロセスで製造され得た。実施例において、反応ゾーンは、本明細書の他の箇所で使用される少なくとも1つの反応器ユニットとの用語に対応する。
【0110】
実施例1において、目標は、三量体収率を最大にすることであった。四量体製造を最小にするために、第2の反応ゾーンからの二量体は、第2の反応ゾーンに入らないようにした。この場合、第1の蒸留塔からの第1の反応ゾーンへのリサイクル流は、二量体、未反応単量体および酸素化物から構成されていた。酸素化物は第1の反応ゾーンで低レベル(~0.3mol-%)に保たれた。多くのリサイクル流はそれ自体で十分な希釈剤であったため、溶媒の添加は省略された。第1の蒸留塔から第1の反応ゾーンへの新鮮なフィード率あたりのリサイクル率は3.4であった。この場合、第2の蒸留塔から第1の反応ゾーンへのリサイクルは必要なかった。
【0111】
実施例2では、目標は、オレフィン三量体とオレフィン四量体とをほぼ同量製造することであった。この場合、第1の反応ゾーンおよび第2の反応ゾーンの両方で十分なレベルの二量体が維持された。その結果、第1の蒸留塔から第1の反応ゾーンへのリサイクル流は、二量体、単量体および酸素化物を含んでいた。第1の反応ゾーンに入る酸素化物の含有量は中間レベル(~1%)に保たれた。第2蒸留塔からの第1の反応ゾーンおよび第2の反応ゾーンへのリサイクル流は、二量体および酸素化物から構成されていた。第1の蒸留搭から第1の反応ゾーンへの新鮮なフィードレートあたりのリサイクル率は3.2であった。第2の蒸留塔から第2の反応ゾーンへのリサイクル率は1.0であった。リサイクル流が十分な希釈を提供したため、追加の溶媒は不要であった。このモードでは、第1の反応ゾーンおよび第2の反応ゾーンへのフィード中の十分な二量体含量を維持することは、第2の蒸留塔から第1の反応ゾーンへのリサイクルの適用を必要とした。新鮮なフィードレートあたりの第2の蒸留塔から第1の反応ゾーンへのリサイクル率は0.2であった。
【0112】
実施例3では、目標は、四量体生成を最大化することであった。この場合、一次反応ゾーンでの三量体生成は最小限に抑えられ、したがって二量体は第1の反応ゾーンにリサイクルされなかったが、この第1の反応ゾーンへのリサイクル流は溶媒、単量体および酸素化物から構成されていた。酸素化物の含有量は、三量体形成を抑制するために比較的高かった(~1.5%)。この場合、第1の反応ゾーンへのフィードに追加の希釈剤を供給する必要があった。溶媒は反応を遅らせ、および反応熱を吸収するため、プロセスは制御可能なままであった。第2の蒸留塔から第2の反応ゾーンへのリサイクル流は、主に二量体および少量の酸素化物から構成されていた。第1の蒸留塔から第1の反応ゾーンへの新鮮なフィードレートあたりのリサイクル率は3.07であった。第2の蒸留塔から第1の反応ゾーンへのリサイクルはこのモードでは有用でなく、その結果、このストリームのレートは0であった。第2の蒸留塔から第2の反応ゾーンへの新鮮なフィードレートあたりのリサイクル率は1.4であった。
【0113】
【表1】
【0114】
前述の説明は、特定の実施および実施形態の非限定的な例によって、本発明を行うために本発明者らによって現在考えられている最良の態様の完全かつ有益な説明を提供した。しかしながら、本発明は、前述に示した実施形態の詳細に限定されるものではなく、本発明の特徴から逸脱することなく、同等の手段を用いた他の実施形態、または実施形態の種々の組み合わせで実施できることは、当業者にとって明らかである。
【0115】
さらに、本発明の範囲内にありながら、本明細書に記載の手順において多くの変形が可能であることを理解されたい。さらに、任意の実施形態の任意の個々の特徴は、その実施形態の他の特徴の存在なしに使用され得る。
図1
【手続補正書】
【提出日】2023-12-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オレフィン三量体およびオレフィン四量体の制御された製造のためのプロセスであって、以下の工程:
a.少なくとも1つのオレフィン単量体および少なくとも1つの酸素含有モデレーターを、触媒を含む少なくとも1つの第1の反応器ユニットに供給する工程;
b.前記第1の反応器ユニットの内部でオレフィン間の触媒反応を実施するために、前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つを、30~140℃の範囲から選択される温度および800~5000kPaの範囲から選択される圧力で操作する工程;
c.前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つから第1の反応器出口流を引き出す工程;
d.少なくとも未反応のオレフィン単量体を含む少なくとも第1の蒸留物と、少なくとも前記オレフィン単量体の二量体を含む第1の塔底生成物とを分離するために、前記第1の反応器出口流を第1の蒸留塔中で蒸留する工程;
e.前記第1の塔底生成物を、触媒を含む少なくとも1つの第2の反応器ユニットに供給する工程;
f.前記第2反応器ユニットの内部でオレフィン間の触媒反応を実施するために、前記第2反応器ユニットの少なくとも1つを、30~140℃の範囲から選択される温度および150~5000kPaの範囲から選択される圧力で操作する工程;
g.前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つから第2の反応器出口流を引き出す工程;および
h.少なくともオレフィン二量体を含む第2の蒸留物と、少なくとも前記オレフィン単量体の三量体および/または四量体を含む第2の塔底生成物とを分離するために、前記第2の反応器出口流を第2の蒸留塔中で蒸留する工程;
を含み、ここで、該プロセスは、さらに、前記第2の反応器出口流の組成を、以下の工程:
i.前記第2の反応器出口流中のオレフィン三量体の量を増加させるために、オレフィン二量体を前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つに供給する工程;および/または
ii.前記第2の反応器出口流中のオレフィン四量体の量を増加させるために、オレフィン二量体を前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つに供給する工程
によって制御することを含むプロセス。
【請求項2】
プロセスのあいだに形成された前記オレフィン二量体の少なくとも一部が、前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つおよび/または前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つにリサイクルされ、ここで、前記第1の反応器ユニットと前記第2の反応器ユニットとの間のオレフィン二量体のリサイクル比率は、0~100%の範囲から選択される請求項1記載のプロセス。
【請求項3】
前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つおよび/または前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つの操作温度が、40~120℃の範囲、または45~110℃の範囲から選択される請求項記載のプロセス。
【請求項4】
前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つの操作重量時間空間速度が、1~10 1/hの範囲から選択され、および/または、前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つの操作重量時間空間速度が、0.05~100 1/hの範囲から選択される請求項記載のプロセス。
【請求項5】
前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つの操作圧力が、2400~3000kPaの範囲から選択され、および/または、前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つの操作圧力が、1900~2300kPaの範囲から選択される請求項記載のプロセス。
【請求項6】
前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つにおける酸素含有モデレーターの量が、1000~15000mol-ppmの範囲から選択され、および/または、前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つにおける酸素含有モデレーターの量が、10~10000mol-ppm、または10~2500mol-ppmの範囲から選択される請求項記載のプロセス。
【請求項7】
溶媒フィード留分が0~80重量%、好ましくは0~60重量%である請求項記載のプロセス。
【請求項8】
新鮮なオレフィン単量体に対する不活性溶媒が、0~80重量%の範囲から選択される請求項記載のプロセス。
【請求項9】
前記オレフィン単量体が、4個の炭素原子を有するオレフィン、好ましくはイソブテンを含む請求項記載のプロセス。
【請求項10】
前記オレフィン単量体が、以下:
C4オレフィン、C5オレフィン、C4およびC5オレフィンの混合フィード、イソブテン、1-ブテン、シス-2-ブテン、トランス-2-ブテン、またはそれらの混合物;ならびに任意には、不活性物質、n-ブタン、i-ブタン、ブタジエン、蒸留留分、またはそれらの混合物
のうち少なくとも1つを含むオレフィンフィード中で前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つに供給される請求項記載のプロセス。
【請求項11】
前記触媒が、酸触媒、好ましくは強酸性イオン交換樹脂触媒、最も好ましくはマクロ網状酸イオン交換樹脂触媒である請求項記載のプロセス。
【請求項12】
前記酸素含有モデレーターが、水、デミウォーター、アルコール、tert-ブチルアルコール、またはそれらの任意の組み合わせを含む請求項記載のプロセス。
【請求項13】
前記第2の蒸留物中に存在するオレフィン二量体を前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つにリサイクルすることによって、最終生成物流中のオレフィン三量体の量を増加させることを含む請求項記載のプロセス。
【請求項14】
前記第2反応器出口流中の四量体に対する三量体の比として25~0.05(wt/wt)が得られるように、前記第2蒸留物中に存在する前記オレフィン二量体の0~50重量%が、前記第1反応器ユニットの少なくとも1つにリサイクルされる請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
オレフィン単量体の三量体を含む第3の蒸留物と、オレフィン単量体の四量体を含む第3の塔底生成物とを分離するために、第3の蒸留塔中で前記第2の塔底生成物を蒸留することを含む請求項13記載のプロセス。
【請求項16】
前記第1の反応器ユニットにおけるオレフィン二量体の製造を増加させるために前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つに第1の蒸留物のオレフィン単量体をリサイクルすることによって、前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つに第1の塔底生成物を供給することによって、および、前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つに第2の蒸留物のオレフィン二量体をリサイクルすることによって、前記第2の反応器出口流中のオレフィン四量体の量を増加させることを含む請求項記載のプロセス。
【請求項17】
前記第1の蒸留物中に存在するオレフィン単量体の99~100重量%が、前記第1の反応器ユニットの少なくとも1つにリサイクルされ、および、前記第1の塔底生成物が、オレフィン二量体を2~98重量%含む請求項16に記載のプロセス。
【請求項18】
二量体が、前記第2の反応器ユニットの少なくとも1つにのみリサイクルされる請求項16記載のプロセス。
【請求項19】
請求項1~17のいずれか1項に記載のプロセスを行うように構成されているオレフィン変換システムであって、以下:
a.酸触媒を受け入れるように構成される少なくとも1つの第1の反応器ユニット;
b.酸触媒を受け入れるように構成される少なくとも1つの第2の反応器ユニット;
c.オレフィン単量体をオレフィン二量体から分離するように構成される第1の蒸留カラム;
d.オレフィン二量体をオレフィン三量体およびオレフィン四量体から分離するように構成される第2の蒸留カラム;
e.第1の反応器ユニットの少なくとも1つおよびオレフィン単量体のための少なくとも1つのリザーバと流体連通している少なくとも1つの第1の反応器供給ライン;
f.第1の反応器ユニットの少なくとも1つおよび第1の蒸留塔と流体連通している第1の反応器出口ライン;
g.第1の反応器ユニットの少なくとも1つおよび第1の蒸留塔と流体連通している第1のリサイクルライン;
h.第1の蒸留塔および第2の反応器ユニットの少なくとも1つと流体連通している第1の塔底生成物ライン;
i.第2反応器ユニットの少なくとも1つおよび第2蒸留塔と流体連通している第2反応器出口ライン;
j.第2の蒸留塔、第1の反応器ユニットの少なくとも1つ、および第2の反応器ユニットの少なくとも1つと流体連通している第2のリサイクルライン;
k.第2の蒸留塔および最終製品のためのリザーバと流体連通している第2の塔底生成物ライン;および
l.オレフィン三量体をオレフィン四量体から分離するように構成され、および、第2の塔底生成物ラインと流体連通している第3のカラム供給ラインを備える、任意的な第3の蒸留カラム;および
m.第1の反応器供給ラインに連通している任意的な溶媒追加ライン
を含むシステム。
【国際調査報告】