(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】流体圧式アキュムレータ
(51)【国際特許分類】
F15B 1/04 20060101AFI20240614BHJP
【FI】
F15B1/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555765
(86)(22)【出願日】2022-06-08
(85)【翻訳文提出日】2023-09-12
(86)【国際出願番号】 EP2022065518
(87)【国際公開番号】W WO2022268504
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】102021003255.1
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591204333
【氏名又は名称】ハイダック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】HYDAC TECHNOLOGY GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ペーター クロフト
(72)【発明者】
【氏名】トルステン クッセロー
【テーマコード(参考)】
3H086
【Fターム(参考)】
3H086AA28
3H086AD16
3H086AD42
(57)【要約】
アキュムレータハウジング10を有する流体圧式アキュムレータであって、そのアキュムレータハウジングが少なくとも1つの自由な前側においてカバー部分によって閉鎖されており、そのカバー部分がねじ区間を介してアキュムレータハウジング10内に固定可能である、ものは、ねじ区間の部分として、アキュムレータハウジング10の側に、丸ねじ26の形式の内ねじが設けられており、その個々のねじ側面28が仮想の延長上で互いに60°の側面角度αを形成し、かつ丸ねじ26のヘッド側の領域30内の丸みの半径R
2が、基部側の領域32内の半径R
1よりも大きいことを、特徴としている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アキュムレータハウジング(10)を備えた流体圧式アキュムレータであって、前記アキュムレータハウジングが少なくとも自由な前側(12)においてカバー部分(14)によって閉鎖されており、前記カバー部分がねじ区間(20)を介して前記アキュムレータハウジング(10)内に固定可能である、流体圧式アキュムレータにおいて、
前記ねじ区間(20)の一部として、前記アキュムレータハウジング(10)の側に、丸ねじ(26)の形式の内ねじが設けられており、その個々のねじ側面(28)が仮想の延長線上で互いに60°の側面角度(α)を形成し、かつ
前記丸ねじ(26)のヘッド側領域(30)内の丸みの半径(R
2)が、基部側領域(32)内の半径(R
1)よりも大きい、ことを特徴とする流体圧式アキュムレータ。
【請求項2】
前記ねじ区間(20)の他の部分として、前記カバー部分(14)の側に、丸ねじ(36)の形式の外ねじが設けられており、その個々のねじ側面(38)が仮想の延長線上で互いに60°の側面角度(β)を形成し、かつ
前記外ねじの基部側の領域(40)内の丸みの半径(R’
1)が、ヘッド側の領域(42)内の半径(R’
2)よりも小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の流体圧式アキュムレータ。
【請求項3】
【数1】
とし、かつPを前記丸ねじ(26、36)のピッチとして、以下の式にしたがって、R
1、R'
1=1/6Hにより、内ねじ(25)と外ねじ(35)の基部側の丸み(R
1、R'
1)が得られ、かつR
2、R'
2=1/5Pによって、前記内ねじ(25)と前記外ねじ(35)のヘッド側の丸み(R
2、R'
2)が得られる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の流体圧式アキュムレータ。
【請求項4】
前記アキュムレータハウジング(10)の前記内ねじ(25)の2つの隣接するねじ側面(28)の仮想の延長が、鋭角を形成し、その角頂点(46)がもっとも深い箇所における基部側の丸み(32)に対して間隔AF=1/6Hを有している、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の流体圧式アキュムレータ。
【請求項5】
2つの隣接するねじ側面(28)の仮想の延長が、他の鋭角を形成し、その角頂点(48)が、規格ねじの自由なヘッド側に沿って、前記内ねじ(25)の前記丸ねじ(26)のために定められたピッチと同じピッチで延び、かつ前記内ねじ(25)のヘッド側の丸み(30)を通る割線(50)に対して、間隔AK=1/4Hを有している、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の流体圧式アキュムレータ。
【請求項6】
前記ねじ区間(20)の公称直径が、それぞれの前記丸ねじ(26、36)のピッチPの約百倍である、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の流体圧式アキュムレータ。
【請求項7】
前記カバー部分(14)の前記丸ねじ(36)に相当する規格ねじの仮想の輪郭が、前記丸ねじ(36)を包囲する、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の流体圧式アキュムレータ。
【請求項8】
前記ねじ区間(20)の内部で、内ねじ(25)と外ねじ(35)の前記ねじ側面(28、38)が互いに添接し、かつ互いに隣接するねじの丸みR
2、R'
1;R
1、R’
2)が互いに対して間隔を有する、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の流体圧式アキュムレータ。
【請求項9】
前記アキュムレータハウジング(10)の壁厚が減少して、前記ねじ区間(20)が前記アキュムレータハウジング(10)の本来は円筒状の内壁領域(52)の仮想の延長の内部にくることによって、前記ねじ区間が前記アキュムレータハウジング(10)の自由な終端領域に沿って延びている、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の流体圧式アキュムレータ。
【請求項10】
内ねじ(25)と外ねじ(35)からなるねじ区間(20)が、その互いに逆となる端部において、それぞれリング状の切り欠き(54、56)へ連通し、前記切り欠きがアキュムレータハウジング(10)とカバー部分(14)の壁部分によって形成されている、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の流体圧式アキュムレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アキュムレータハウジングを備えた流体圧式アキュムレータに関するものであって、そのアキュムレータハウジングが少なくとも自由な前側においてカバー部分によって閉鎖されており、そのカバー部分はねじ区間に沿ってアキュムレータハウジング内に固定可能である。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(独国特許出願公開第102018005204号明細書)によって、特にピストンアキュムレータの形式の、種概念に基づく流体圧式アキュムレータが知られており、それはアキュムレータハウジングとその中に配置されている、特にピストンの形式の、分離部材とを有し、そのピストンが流体側をガス側から分離し、少なくともガス側は、流体圧式アキュムレータのカバー部分内の覗きガラスを用いて検査可能であり、それはアキュムレータハウジング内でねじ区間に沿って固定可能、特に挿入及び引き出し可能に、形成されている。
【0003】
ねじ区間は、この既知の解決においては、アキュムレータハウジング内の内ねじとそれに適合する、カバー部分内の外ねじとから形成されている。この種の流体圧式ピストンアキュムレータは、そのようにしてきわめて大きい直径にいたるまで、ねじ区間を介して、開放した自由端部に設けられたカバー部分としての、いわゆるコンパクトカバーによって、閉鎖される。したがってこのようにしてきわめて中実のカバー部分がピストンアキュムレータパイプ内へ螺合され、そのピストンアキュムレータパイプが円筒状のジャケットの形式のピストンハウジングを形成している。アキュムレータハウジングの円筒状のジャケットの剛性は、コンパクトカバーのそれよりも数オーダーだけ小さい。疲労による不具合の場合に、破断は、ほぼすべての場合において、アキュムレータハウジングの円筒状のジャケット内のねじアンダーカットの後方の最初のねじ山の間隔内に生じる。この領域内に実際に存在する、破断をもたらすことがあり得る、これに関する応力上昇は、いわゆるFEM分析の形式で証明することができる。
【0004】
応力過上昇の大きさは、ねじ調整及びそれに伴うノッチ作用にきわめて強く依存している。さらに実験によって、それが実験結果における大きすぎるばらつきをもたらし得ることが、明らかにされている。パイプ形状のアキュムレータハウジング及びコンパクトに形成されたカバー部分がそれぞれ等しい材料バッチからなる場合でも、この「混沌とした」ばらつきが生じる。原因は、ねじ内の最少の差であって、それは、製造工具の様々な幾何学配置が許容される工具誤差内にある場合でも、それによってもたらされる。すなわち工具の摩耗又は小さい剥離がもたらされ、それが間接的に、加工されたねじ区間のねじ山の間隔内の疲労破断をもたらす。
【0005】
アキュムレータハウジングに形成されているそれぞれの内ねじのための、少なくとも台形状の推移を有する、これまで使用されてきたメートル法による規格ねじもしくはISOねじによって、ノッチ作用に対してそれなりに敏感なねじが形成されており、かつ特にアキュムレータハウジング内で高い圧力又は急速な圧力変化が発生した場合に、駆動中に疲労破断とそれに伴って全体として流体圧式アキュムレータの不具合がもたらされる。
【0006】
流体圧式圧力アキュムレータ解決もしくは流体圧式アキュムレータにおいて、すでに、固定ねじを回避して、対応するカバー部分上でアキュムレータハウジングの円筒状の端部をフランジづけ方法によって折り返し、アキュムレータハウジングの折り返された端縁とカバー部分の上側との間に生じる隅肉継目を溶接継目によって永続的に満たして、アキュムレータハウジングにカバー部分を固定することも提案されている;このような解決(特許文献2(独国特許出願公開第102014010006号明細書))においてのみ、このような結合は、破壊すれば取り外し可能であるので、このような流体圧式アキュムレータは不具合が生じた場合に新しいアキュムレータと交換しなければならず、かつ、特に保守目的又は分離ピストンの交換のために、アキュムレータハウジングを開けることは、この理由から不可能である。その限りにおいて、アキュムレータハウジング内へねじ込み及び引き出し可能なカバー部分を有する流体圧式アキュムレータ解決が優先される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公開第102018005204号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102014010006号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この従来技術に基づいて、本発明の課題は、冒頭で挙げた流体圧式アキュムレータを、流体圧式アキュムレータの圧力応力がそれなりに高い場合でも疲労破断が回避されるように、さらに改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、全体として特許請求項1の特徴を有する流体圧式アキュムレータによって、解決される。
【0010】
特許請求項1の特徴部分に基づいて、ねじ区間の一部としてアキュムレータハウジング側に丸ねじの形式の内ねじが設けられており、その個々のねじ側面が仮想の延長上で互いに60°の側面角度を形成し、かつ丸ねじのヘッド側の領域内の丸みの半径が、基部側の領域内の半径よりも大きいことによって、ヘッド側のねじ領域としてのねじ尖端内と基部側のねじ領域としてのねじ基部内に定められた大きい半径が実現されるので、アキュムレータハウジングの内ねじについて言及されるノッチ作用が著しく減少され、かつ望ましくない疲労破断が回避される。
【0011】
特に好ましいやり方で、上述したねじ区間の他の部分として、カバー部分の側に丸ねじの形式の外ねじが設けられており、その個々のねじ側面が仮想の延長上で互いに60°の側面角度を形成し、かつ外ねじの基部側の領域内の丸みの半径が、ヘッド側の領域内の半径よりも小さい。このようにしてねじ区間の内部で内ねじと外ねじのねじ側面が互いに添接し、互いに隣接するねじの丸みが互いに径方向の間隔を有する。このようにして、カバー部分の外ねじについても、疲労強度と破断強度が増大し、かつカバー部部の外ねじに対するアキュムレータハウジングの内ねじの丸ねじの、言及される協働は、それぞれの流体圧式アキュムレータ構造が駆動中に高い圧力応力と圧力変動応力にさらされる場合でも、きわめて長い使用期間を有する、ピストンアキュムレータハウジング解決のような、流体圧式アキュムレータ解決をもたらす。
【0012】
本発明に係る流体圧式アキュムレータの好ましい形態が、下位請求項の対象である。
【0013】
以下、図面に示す実施例を用いて、本発明に係る解決を詳細に説明する。図は、原理的かつ縮尺にとらわれない表示である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、特にピストンアキュムレータの形式の、流体圧式アキュムレータの重要なコンポーネントを縦断面で示しているが、分離ピストンの表示はない。
【
図2】
図2は、従来技術に基づく規格ねじの部分を有するアキュムレータハウジングの、本発明に係る内ねじを部分的に縦断面で示している。
【
図3】
図3は、従来技術に基づく規格ねじの部分を有するカバー部分の、本発明に係る外ねじを部分的に縦断面で示している。
【
図4】
図4は、ねじ区間に沿って協働する、
図2もしくは3に示す内ねじと外ねじを示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に水平位置で示す流体圧式アキュムレータは、アキュムレータハウジング10を有し、そのアキュムレータハウジングが閉鎖された円筒状の中空ボディジャケットを形成している。アキュムレータハウジング10は、その自由な、互いに逆となる前側12において、それぞれカバー部分14によって閉鎖されており、そのカバー部分は中実のコンパクトカバーとして形成されている。等しく形成されている両方のカバー部分14は、アキュムレータハウジング10内の内部空間16を周囲に対して閉鎖しており、このような内部空間16内に、詳細には図示されない、たとえば分離ピストンの形式の、分離部材が配置されており、その分離ピストンがアキュムレータハウジング10の内壁に沿って走行可能に案内されている。この種の流体圧式アキュムレータ配置は、従来技術であって、たとえば独国特許出願公開第102018005204(A1)号明細書に明示されている。
【0016】
詳しく図示されていない、たとえば分離ピストンの形式の、分離部材は、アキュムレータハウジング10の内部で、規則的に、ガス側を液体側から分離している。このような配置も一般的であるので、ここではそれについてこれ以上詳しく説明はしない。しかしこの形態に関して、両方のカバー部分14は、内側通路18を有しており、この内側通路によって流体圧式アキュムレータは、一方で、詳しく図示されない、油圧循環のような、流体循環に接続され、他方でこの内側通路18を介して、窒素ガスのような、圧縮可能な作業ガスを充填することができる。作業ガスを適切に充填した後に、内側通路18は、たとえば栓などを用いて外部へ向かって密に閉鎖される。
【0017】
それぞれのカバー部分14は、ねじ区間20を介してアキュムレータハウジング10内に固定されている。カバー部分14の自由な前側に沿って、その表面にアキュムレータハウジング10の長手軸線22に対して直径方向に螺合孔24が形成されており、その螺合孔は、それぞれのカバー部分14をアキュムレータハウジング10内へ螺合し、かつそれから外すために、詳しく図示されない操作工具を作用させるために用いられる。アキュムレータハウジング10の壁は、それぞれ挿入されるコンパクトなカバー部分14のきわめて厚い壁厚に対して比較的薄く形成されており、そのカバー部分は円筒状のカバー部分として考えられて、その外径から、ねじ区間20に沿ったアキュムレータハウジング10の内径に適合されている。
【0018】
特に
図2が示すように、ねじ区間20の一部として、アキュムレータハウジング10の側から内ねじ25として考えて、丸ねじ26が存在し、その個々のねじ側面28は仮想の延長上で互いに60°の側面角度αを形成する。さらに
図2から明らかなように、丸ねじ26のヘッド側の領域30内の丸みの半径R
2は、基部側の領域32内の半径R
1よりも大きい。比較するために、カバー部分14を付属のアキュムレータハウジング10内へ固定するために、
図2内の丸ねじ26の隣に、従来技術が示すような、台形状のメートル法の規格ねじ34が記入されている。規格ねじは、丸ねじのように、2mmのピッチPを有している。必要な場合には、他のピッチPが実現可能である。この場合において、メートル法の内ねじはM210x2とする。
【0019】
図3は、ねじ区間20の部分として、カバー部分14の側からの、ここで丸ねじ36の形式の、外ねじ35に関するものであって、その個々のねじ側面38は、仮想の延長上で互いに60°の側面角度βを形成する。外ねじ35の基部側の領域40内の丸みの半径R’
1は、ヘッド側の領域42内の半径R’
2よりも小さい。
【0020】
図3においても、これまで使用されているメートル法の規格ねじ44が記入されており、それがエンベロープとして外ねじ35の丸ねじ36を囲んでおり、かつ適切なピッチPによって
図2に示す規格ねじ34と通常のように協働する。ここでも丸ねじ36のためのピッチとして、
図2の表示に基づく2mmの値が用いられる。
図4には、アキュムレータハウジング10の内ねじ25とカバー部分14の外ねじ35の協働が示されており、互いに隣接するねじ側面28、38が対をなして互いに対応づけられて、互いに添接している。さらに、ヘッド側と基部側の丸みが互いに対する径方向の間隔に維持されており、大きい半径を有する丸みR
2、R’
2が常に小さい半径を有する丸みR’
1、R
1に当接するので、大きい半径を有するそれぞれの丸みがねじ側面28、38を介して小さい半径を支持することができ、したがってねじ基部における流体圧式アキュムレータの負荷が高い場合でも、ノッチ作用が確実に回避されている。
【0021】
【数1】
とし、かつPを丸ねじのピッチとして、以下の式にしたがって、基部側の丸みとしてR
1、R’
1=1/6H、そしてヘッド側の丸みとしてR
2、R’
2=1/5Pが得られる。
【0022】
この場合において、ピッチは2mmであり、そこから1.73mmの値Hが得られる。丸みR1、R'1は、0.289mmの半径を有し、かつヘッド側の半径R2、R’2は、0.4mmである。流体圧式アキュムレータのためのねじ区間20の領域内の公称直径として、たとえば210mmが挙げられる。ここでは、すべて丸ねじ26もしくは36のためのピッチの選択に依存する、他の値が考えられる。
【0023】
図2からさらに明らかなように、アキュムレータハウジング10の内ねじ25の2つの隣接するねじ側面28の仮想の延長は、鋭角を形成し、もっとも深い箇所における基部側の丸み32に対するその角頂点46は、間隔AF=1/6Hもしくは0.29の間隔を有し、それは半径R
1、R’
1に相当する。
【0024】
さらに、2つの隣接するねじ側面28の仮想の延長は、他の鋭角を形成し、その他のヘッド側の角頂点48は、規格ねじの自由なヘッド側に沿って、内ねじ25の丸ねじ26のために定められたピッチと同じ2mmのピッチPで延び、かつ内ねじ25のヘッド側の丸み30を通る割線50に対して間隔AK=1/4Hを有し、それは約0.43mmの値に相当する。すでに述べたように、ねじ区間20の2つのねじは公称直径で形成されており、それはそれぞれの丸ねじ26、36のピッチPの約100倍に相当し、かつ2mmのピッチPに基づいて、ここでは210mmの値をとる。
【0025】
特に
図1から明らかなように、ねじ区間20はアキュムレータハウジング10の自由な終端領域に沿って延びており、それはアキュムレータハウジング10の壁厚が次のように、すなわちねじ区間20がアキュムレータハウジング10の本来は円筒状の内壁領域52の仮想の延長線の内部にくるように、減少されていることによるものである。ねじ区間20の負荷を有効に軽減するために、さらに、ねじ区間の互いに逆となる端部がそれぞれリング形状の切り欠き54、56となっており、その切り欠きはアキュムレータハウジング10とカバー部分14の壁部分によって画成されている。
【0026】
本発明に係る解決によって、流体圧式アキュムレータ解決のアキュムレータハウジング10内にカバー部分14を固定するためのねじが実現され、そのねじは切り欠き及びその疲労強度に対するネガティブな影響に不感である。この新しいねじについて、移行領域内で相後に側面支持される場合に、ねじ尖端とねじ基部内の大きい、定められた半径が特徴的であるので、ノッチ作用が効果的に低減されている。通常使用される台形規格ねじは、極端に肉薄の「ナット」に対する極端に硬い「ねじ」からなるねじペアリングを形成し、そのことが、いわゆる適用領域内でしばしばノッチ作用による疲労破断をもたらす。この種の標準ねじ形状に比較して典型的でないことに、流体圧式アキュムレータにおいてより小さいピッチを有する、いわゆる細かいねじが、疲労強度の向上をもたらし、したがって、圧力負荷が高い場合でも、流体圧式アキュムレータの長い連続的な駆動を保証する。したがってこのことは、従来技術において該当するものをもたない。
【国際調査報告】