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特表2024-522438研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する装置及び方法
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  • 特表-研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する装置及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B24B 49/12 20060101AFI20240614BHJP
   B23P 19/00 20060101ALI20240614BHJP
   B24B 41/06 20120101ALI20240614BHJP
   B24B 37/30 20120101ALI20240614BHJP
   H01L 21/68 20060101ALI20240614BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
B24B49/12
B23P19/00 302J
B24B41/06 A
B24B37/30 Z
H01L21/68 F
H01L21/304 622L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565130
(86)(22)【出願日】2022-10-14
(85)【翻訳文提出日】2023-10-20
(86)【国際出願番号】 CN2022125492
(87)【国際公開番号】W WO2023206982
(87)【国際公開日】2023-11-02
(31)【優先権主張番号】202210432780.1
(32)【優先日】2022-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520128152
【氏名又は名称】杭州▲衆▼硅▲電▼子科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】徐 梟宇
(72)【発明者】
【氏名】周 杲翔
(72)【発明者】
【氏名】蔡 寧遠
【テーマコード(参考)】
3C030
3C034
3C158
5F057
5F131
【Fターム(参考)】
3C030DA27
3C030DA34
3C030DA37
3C034AA13
3C034AA19
3C034BB93
3C034CA13
3C034CA22
3C034CA26
3C034CA30
3C034CB18
3C034CB20
3C034DD10
3C034DD20
3C158AC02
3C158BA09
3C158BB02
3C158BB06
3C158BB08
3C158BB09
3C158BC03
3C158CB03
3C158CB04
3C158CB05
3C158DA12
3C158EA12
5F057AA01
5F057AA19
5F057BA11
5F057CA11
5F057DA03
5F057FA36
5F057FA46
5F057GB31
5F131AA02
5F131BA33
5F131BA37
5F131BA43
5F131CA18
5F131CA32
5F131DA02
5F131DA22
5F131DA33
5F131DA42
5F131DB52
5F131KA52
5F131KB55
(57)【要約】
【課題】 研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する装置及び方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明は、研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する装置を開示し、直線軌跡に沿って往復して運動可能な搬送ステーションと、周方向に回転可能であり、且つ回転軌跡が直線軌跡と少なくとも1つの交差点がある研磨ヘッドと、研磨ヘッドの外縁とセンサーとの間の間隔変化を監視するためのセンサーアセンブリであって、少なくとも搬送ステーションの径方向両端の位置で測距を行うことができるセンサーを含むセンサーアセンブリと、センサーアセンブリが監視する研磨ヘッドの外縁とセンサーとの間の最小直線距離を出力し、研磨ヘッドと搬送ステーションの中心軸線が重なり合うか否かを判断するために用いられる判断ユニットと、を含む。本発明は研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する方法をさらに開示する。本発明は、較正効率が高く、センサーの取り付け位置への要求が低く、検出誤差が小さい。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線軌跡(2)に沿って往復して運動可能な搬送ステーション(1)と、
周方向に回転可能であり、且つ回転軌跡(5)が直線軌跡(2)と少なくとも1つの交差点がある研磨ヘッド(3)と、
研磨ヘッド(3)の外縁とセンサー(41)との間の間隔変化を監視するためのセンサーアセンブリ(4)であって、少なくとも搬送ステーション(1)の径方向両端の位置で測距を行うことができるセンサー(41)を含むセンサーアセンブリ(4)と、
センサーアセンブリ(4)が監視する研磨ヘッド(3)の外縁とセンサー(41)との間の最小直線距離を出力し、研磨ヘッド(3)と搬送ステーション(1)の中心軸線が重なり合うか否かを判断するために用いられる判断ユニットと、を含むことを特徴とする、研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する装置。
【請求項2】
前記センサー(41)の数が少なくとも2つである場合、それは搬送ステーション(1)の径方向両端に配置され、又は、前記センサー(41)の数が1つである場合、それは搬送ステーション(1)の外縁の周りに径方向両端に移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載の研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する装置。
【請求項3】
センサー(41)の数が少なくとも2つである場合、それは直線軌跡(2)の延在方向に沿って配置されることを特徴とする、請求項2に記載の研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する装置。
【請求項4】
前記判断ユニットは、センサーアセンブリ(4)が監視する研磨ヘッド(3)の外縁とセンサー(41)との間の間隔の和の最小値を出力し、又は/及び、センサーアセンブリ(4)が監視する研磨ヘッド(3)の外縁とセンサー(41)との間の間隔の差の最小値を出力し、研磨ヘッド(3)と搬送ステーション(1)の中心軸線が重なり合うか否かを判断するために用いられることを特徴とする、請求項1に記載の研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する装置。
【請求項5】
前記判断ユニットは、センサーアセンブリ(4)が監視する研磨ヘッド(3)の外縁とセンサー(41)との間の間隔の和の最小値を設定値と比較し、又は/及び、センサーアセンブリ(4)が監視する研磨ヘッド(3)の外縁とセンサー(41)との間の間隔の差の最小値を設定値と比較し、研磨ヘッド(3)と搬送ステーション(1)の中心軸線が重なり合うか否かを判断するために用いられることを特徴とする、請求項1に記載の研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する装置。
【請求項6】
前記センサーアセンブリ(4)は、搬送ステーション(1)に設けられた係止溝(42)と、センサー(41)に接続可能な固定座(43)とをさらに含み、前記固定座(43)と係止溝(42)が取り外し可能に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する装置。
【請求項7】
前記係止溝(42)の縦方向断面はU字状であり、前記固定座(43)の横方向断面は工字状であり、固定座(43)のネッキング部(431)は上から下へ係止溝(42)の切欠き部(421)に挿入可能であることを特徴とする、請求項6に記載の研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する装置。
【請求項8】
前記センサー(41)は測距センサーであり、その数が2つであることを特徴とする、請求項1に記載の研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する装置。
【請求項9】
前記搬送ステーション(1)は支持台(11)の駆動により直線軌跡(2)に沿って往復して運動し、前記研磨ヘッド(3)は研磨ヘッド揺動アーム(31)の駆動により周方向に回転することを特徴とする、請求項1に記載の研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する装置。
【請求項10】
研磨ヘッドを回転軌跡に沿って周方向に回転させるステップと、
搬送ステーションを直線軌跡に沿って往復して並進運動させるステップと、
搬送ステーションのセンタリングを行うステップと、
搬送ステーションのセンタリングを行うステップと、を含み、
上記研磨ヘッドのセンタリングステップと搬送ステーションのセンタリングステップは順に行ってもよく、又は、同時に行ってもよいことを特徴とする、研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する方法。
【請求項11】
研磨ヘッドのセンタリングステップを先に行う場合、センサーアセンブリは研磨ヘッドの外縁とセンサーとの間の間隔の和が最小値となることを監視し、次に搬送ステーションのセンタリングステップを行う場合、センサーアセンブリは研磨ヘッドの外縁とセンサーとの間の間隔の差が最小値となることを監視することを特徴とする、請求項10に記載の研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する方法。
【請求項12】
搬送ステーションのセンタリングステップを先に行う場合、センサーアセンブリは研磨ヘッドの外縁とセンサーとの間の間隔の和が最小値となることを監視し、次に研磨ヘッドのセンタリングステップを行う場合、センサーアセンブリは研磨ヘッドの外縁とセンサーとの間の間隔の差が最小値となることを監視することを特徴とする、請求項10に記載の研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する方法。
【請求項13】
研磨ヘッドのセンタリングと搬送ステーションのセンタリングを順に行う場合、研磨ヘッドのセンタリングステップを行ってから、搬送ステーションのセンタリングステップを行うことを特徴とする、請求項10に記載の研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する方法。
【請求項14】
研磨ヘッドの回転軌跡を確定し、研磨ヘッドを揺動させ、搬送ステーションの両端のセンサーが表示可能な示度の角度範囲を研磨ヘッドの揺動範囲とするステップをさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載の研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する方法。
【請求項15】
研磨ヘッドの回転軌跡を確定する前に、搬送ステーションを直線軌跡に沿って研磨ヘッドの下方に移動させるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載の研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する方法。
【請求項16】
手動で搬送ステーションと研磨ヘッドを近接させるステップと、
研磨ヘッドの回転軌跡を確定し、それが搬送ステーションの両端に回転してセンサーが表示可能な示度の角度範囲を研磨ヘッドの揺動範囲とし、2つのセンサーと研磨ヘッドの縁部の示度をそれぞれL1とL2に定義するステップと、
研磨ヘッドのステップ幅を設定し、研磨ヘッドの回転方向をランダムで選択するステップと、
研磨ヘッドは設定されたステップ幅と方向に基づいて回転し始め、L1+L2の値が大きくなると、研磨ヘッドを逆方向へ回転させるように制御し、L1+L2の値が小さくなると、運動方向を変化させないように保持し、L1+L2の値が大きくなる状況が再度発生するまで、研磨ヘッドを逆方向に1つのステップ幅回転させるように再度制御し、この時の研磨ヘッドの位置を研磨ヘッドのセンタリングが完了する位置として記録するステップと、
搬送ステーションのステップ幅を設定し、搬送ステーションの移動方向をランダムで選択するステップと、
搬送ステーションは設定されるステップ幅と方向に基づいて移動し始め、L1‐L2の絶対値が大きくなると、搬送ステーションを逆方向へ移動させるように制御し、L1‐L2の絶対値が小さくなると、運動方向を変化させないように保持し、L1‐L2の絶対値が大きくなる状況が再度発生するまで、搬送ステーションを逆方向に1つのステップ幅移動させるように再度制御し、この時の搬送ステーションの位置を搬送ステーションのセンタリングが完了する位置として記録するステップと、
研磨ヘッドと搬送ステーションの中心軸線が重なり合うと、補正を終了するステップと、を含むことを特徴とする、請求項10に記載の研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する方法。
【請求項17】
前記センサーは搬送ステーションの径方向両端に設置され、又は、前記センサーは搬送ステーションの径方向両端に設置され、且つ直線軌跡の延在方向に沿って配置され、又は、前記センサーは搬送ステーションの径方向両端に設置され、且つ直線軌跡に垂直な方向に沿って配置されることを特徴とする、請求項16に記載の研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する方法。
【請求項18】
手動で搬送ステーションと研磨ヘッドを近接させるステップと、
研磨ヘッドの回転軌跡を確定し、それが搬送ステーションの両端に回転してセンサーが表示可能な示度の角度範囲を研磨ヘッドの揺動範囲とし、2つのセンサーと研磨ヘッドの縁部の示度をそれぞれL1とL2に定義するステップと、
搬送ステーションのステップ幅を設定し、搬送ステーションの移動方向をランダムで選択するステップと、
搬送ステーションは設定されるステップ幅と方向に基づいて移動し始め、L1+L2の値が大きくなると、搬送ステーションを逆方向へ移動させるように制御し、L1+L2の値が小さくなると、運動方向を変化させないように保持し、L1+L2の値が大きくなる状況が再度発生するまで、搬送ステーションを逆方向に1つのステップ幅移動させるように再度制御し、この時の搬送ステーションの位置を搬送ステーションのセンタリングが完了する位置として記録するステップと、
研磨ヘッドのステップ幅を設定し、研磨ヘッドの回転方向をランダムで選択するステップと、
研磨ヘッドは設定されたステップ幅と方向に基づいて回転し始め、L1‐L2の絶対値が大きくなると、研磨ヘッドを逆方向へ回転させるように制御し、L1‐L2の絶対値が小さくなると、運動方向を変化させないように保持し、L1‐L2の絶対値が大きくなる状況が再度発生するまで、研磨ヘッドを逆方向に1つのステップ幅回転させるように再度制御し、この時の研磨ヘッドの位置を研磨ヘッドのセンタリングが完了する位置として記録するステップと、
研磨ヘッドと搬送ステーションの中心軸線が重なり合うと、補正を終了するステップと、を含むことを特徴とする、請求項10に記載の研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する方法。
【請求項19】
手動で搬送ステーションと研磨ヘッドを近接させるステップと、
研磨ヘッドの回転軌跡を確定し、それが搬送ステーションの両端に回転してセンサーが表示可能な示度の角度範囲を研磨ヘッドの揺動範囲とし、2つのセンサーと研磨ヘッドの縁部の示度をそれぞれL1とL2に定義するステップと、
搬送ステーションのステップ幅を設定し、搬送ステーションの移動方向をランダムで選択し、搬送ステーションは設定されたステップ幅と方向に基づいて移動し始めるステップと、
研磨ヘッドのステップ幅を設定し、研磨ヘッドの回転方向をランダムで選択し、研磨ヘッドは設定されたステップ幅と方向に基づいて回転し始めるステップと、
研磨ヘッドと搬送ステーションの中心軸線が重なり合うまで、搬送ステーションと研磨ヘッドを同期運動させ、補正を終了するステップと、
研磨ヘッドが搬送ステーションより先に運動する場合、L1+L2の最小値となる位置を研磨ヘッドのセンタリングが完了する位置とし、L1‐L2の絶対値の最小値となる位置を搬送ステーションのセンタリングが完了する位置とするステップと、
搬送ステーションが研磨ヘッドより先に運動する場合、L1+L2の最小値となる位置を搬送ステーションのセンタリングが完了する位置とし、L1‐L2の絶対値の最小値となる位置を研磨のセンタリングが完了する位置とするステップと、を含むことを特徴とする、請求項10に記載の研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する方法。








【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体集積回路チップ製造の技術分野に属し、特に、研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化学機械研磨平坦化(Chemical Mechanical Planarization,CMPと略称)装置は、通常、半導体装置フロントエンドモジュール(EFEM)、洗浄ユニット及び研磨ユニットを含む。EFEMは、主にウェハを保存するマガジン、ウェハ搬送マニピュレーター及び空気浄化システム等を含み、洗浄ユニットは、主に数が異なるメガ音波洗浄部材、転動ブラシ洗浄部材、乾燥部材及び各部材の間でウェハを伝送する装置等を含み、研磨ユニットは、通常、作業台、研磨ディスク、研磨ヘッド、研磨アーム、トリマ、研磨液アーム等の部材を含み、各部材は、プロセス加工位置に従って作業台に配置される。研磨ユニット及び洗浄、ウェハ輸送等のモジュールの空間配置は、化学機械平坦化装置全体の研磨スループットに大きな影響を与えることが実際のウェハ加工過程で発見される。ウェハの研磨ユニットと外部との間及び研磨ユニットの間での搬送は、通常、搬送ステーション又は同様な役割を果たす装置により実現される。
【0003】
現在既知の研磨モジュールは2列の研磨ユニットアレイを含み、各列の研磨ユニットは1組又は複数組の研磨ユニットを含み、2列の研磨ユニットアレイに対応する搬送ステーションは、研磨ユニットアレイの列方向において縦方向に配列され、前記ウェハ搬送モジュールの作動部は、縦方向に沿って配列された搬送ステーションの垂直上方に位置し、ウェハの他の着脱領域と前記搬送ステーションとの間及び前記搬送ステーションの間での搬送を完了し、各搬送ステーションは2つの対向する研磨ユニットをサービスする。上記複数組の研磨ユニットはウェハ搬送モジュール及び搬送ステーションと相互に協同し、ウェハの研磨ユニットアレイ全体での効率的な流動を実現することができ、研磨スループット(Throughput)が高く、各列の研磨ユニットは、さらにプロセス要件又はメンテナンス要件に応じて自由に増減し、さらにスループットを向上させることができる。研磨ユニットの数の増加に伴い、ウェハ着脱作業者が手動で較正する難易度及び作業量が大きくなっている。
【0004】
中国特許CN110411344Bには、『校正方法、校正装置、校正システム及び電子』が開示され、それは、センタリングを完了するために4つの距離値が必要であり、且つ、この4つの距離値では、研磨ヘッドを回転するだけで搬送ステーションに対する研磨ヘッドのセンタリングを完了することができ、搬送ステーションは固定されるものであり、搬送ステーションのセンタリングに言及しない。装置は相対的に繁雑であり、センタリング効率が低く、搬送ステーションのセンタリングを実現しない。また、4つのセンサーの検出データ量が大きく、さらに計算が複雑であり、センタリングにかかる時間が長い。
【発明の概要】
【0005】
従来技術の不足を解消するために、本発明は、構造が簡単であり、方法が簡便である研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する装置及び方法を提供する。
【0006】
本発明は、次の技術的解決手段を採用してその技術的課題を解決する。即ち、研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する装置であって、それは、
直線軌跡に沿って往復して運動可能な搬送ステーションと、
周方向に回転可能であり、且つ回転軌跡が直線軌跡と少なくとも1つの交差点がある研磨ヘッドと、
研磨ヘッドの外縁とセンサーとの間の間隔変化を監視するためのセンサーアセンブリであって、少なくとも搬送ステーションの径方向両端の位置で測距を行うことができるセンサーを含むセンサーアセンブリと、
センサーアセンブリが監視する研磨ヘッドの外縁とセンサーとの間の最小直線距離を出力し、研磨ヘッドと搬送ステーションの中心軸線が重なり合うか否かを判断するために用いられる判断ユニットと、を含む。
【0007】
さらに、前記センサーの数が少なくとも2つである場合、それは搬送ステーションの径方向両端に配置され、又は、前記センサーの数が1つである場合、それは搬送ステーションの外縁の周りに径方向両端に移動可能である。
【0008】
さらに、センサーの数が少なくとも2つである場合、それは直線軌跡の延在方向に沿って配置される。
【0009】
さらに、前記判断ユニットは、センサーアセンブリが監視する研磨ヘッドの外縁とセンサーとの間の間隔の和の最小値を出力し、又は/及び、センサーアセンブリが監視する研磨ヘッドの外縁とセンサーとの間の間隔の差の最小値を出力し、研磨ヘッドと搬送ステーションの中心軸線が重なり合うか否かを判断するために用いられる。
【0010】
さらに、前記判断ユニットは、センサーアセンブリが監視する研磨ヘッドの外縁とセンサーとの間の間隔の和の最小値を設定値と比較し、又は/及び、センサーアセンブリが監視する研磨ヘッドの外縁とセンサーとの間の間隔の差の最小値を設定値と比較し、研磨ヘッドと搬送ステーションの中心軸線が重なり合うか否かを判断するために用いられる。
【0011】
さらに、前記センサーアセンブリは、搬送ステーションに設けられた係止溝と、センサーに接続可能な固定座とをさらに含み、前記固定座と係止溝が取り外し可能に接続される。
【0012】
さらに、前記係止溝の縦方向断面はU字状であり、前記固定座の横方向断面は工字状であり、固定座のネッキング部は上から下へ係止溝の切欠き部に挿入することができる。
【0013】
さらに、前記センサーは測距センサーであり、その数が2つである。
【0014】
さらに、前記搬送ステーションは、支持台の駆動により直線軌跡に沿って往復して運動し、前記研磨ヘッドは、研磨ヘッド揺動アームの駆動により周方向に回転する。
【0015】
本発明は、研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する方法をさらに開示し、前記方法は、
研磨ヘッドを回転軌跡に沿って周方向に回転させるステップと、
搬送ステーションを直線軌跡に沿って往復して並進運動させるステップと、
搬送ステーションのセンタリングを行うステップと、
搬送ステーションのセンタリングを行うステップと、を含み、
上記研磨ヘッドのセンタリングステップと搬送ステーションのセンタリングステップは順に行ってもよく、又は、同時に行ってもよい。
【0016】
さらに、研磨ヘッドのセンタリングステップを先に行う場合、センサーアセンブリは研磨ヘッドの外縁とセンサーとの間の間隔の和が最小値となることを監視し、次に搬送ステーションのセンタリングステップを行う場合、センサーアセンブリは研磨ヘッドの外縁とセンサーとの間の間隔の差が最小値となることを監視する。
【0017】
さらに、搬送ステーションのセンタリングステップを先に行う場合、センサーアセンブリは研磨ヘッドの外縁とセンサーとの間の間隔の和が最小値となることを監視し、次に研磨ヘッドのセンタリングステップを行う場合、センサーアセンブリは研磨ヘッドの外縁とセンサーとの間の間隔の差が最小値となることを監視する。
【0018】
さらに、研磨ヘッドのセンタリングと搬送ステーションのセンタリングを順に行う場合、研磨ヘッドのセンタリングステップを行ってから、搬送ステーションのセンタリングステップを行う。
【0019】
さらに、研磨ヘッドの回転軌跡を確定し、研磨ヘッドを揺動させ、搬送ステーションの両端のセンサーが表示可能な示度の角度範囲を研磨ヘッドの揺動範囲とするステップをさらに含む。
【0020】
さらに、研磨ヘッドの回転軌跡を確定する前に、搬送ステーションを直線軌跡に沿って研磨ヘッドの下方に移動させるステップをさらに含む。
【0021】
さらに、
手動で搬送ステーションと研磨ヘッドを近接させるステップと、
研磨ヘッドの回転軌跡を確定し、それが搬送ステーションの両端に回転してセンサーが表示可能な示度の角度範囲を研磨ヘッドの揺動範囲とし、2つのセンサーと研磨ヘッドの縁部の示度をそれぞれL1とL2に定義するステップと、
研磨ヘッドのステップ幅を設定し、研磨ヘッドの回転方向をランダムで選択するステップと、
研磨ヘッドは設定されたステップ幅と方向に基づいて回転し始め、L1+L2の値が大きくなると、研磨ヘッドを逆方向へ回転させるように制御し、L1+L2の値が小さくなると、運動方向を変化させないように保持し、L1+L2の値が大きくなる状況が再度発生するまで、研磨ヘッドを逆方向に1つのステップ幅回転させるように再度制御し、この時の研磨ヘッドの位置を研磨ヘッドのセンタリングが完了する位置として記録するステップと、
搬送ステーションのステップ幅を設定し、搬送ステーションの移動方向をランダムで選択するステップと、
搬送ステーションは設定されるステップ幅と方向に基づいて移動し始め、L1‐L2の絶対値が大きくなると、搬送ステーションを逆方向へ移動させるように制御し、L1‐L2の絶対値が小さくなると、運動方向を変化させないように保持し、L1‐L2の絶対値が大きくなる状況が再度発生するまで、搬送ステーションを逆方向に1つのステップ幅移動させるように再度制御し、この時の搬送ステーションの位置を搬送ステーションのセンタリングが完了する位置として記録するステップと、
研磨ヘッドと搬送ステーションの中心軸線が重なり合うと、補正を終了するステップと、を含む。
【0022】
さらに、前記センサーは搬送ステーションの径方向両端に設置され、又は、前記センサーは搬送ステーションの径方向両端に設置され、且つ直線軌跡の延在方向に沿って配置され、又は、前記センサーは搬送ステーションの径方向両端に設置され、且つ直線軌跡に垂直な方向に沿って配置される。
【0023】
さらに、
手動で搬送ステーションと研磨ヘッドを近接させるステップと、
研磨ヘッドの回転軌跡を確定し、それが搬送ステーションの両端に回転してセンサーが表示可能な示度の角度範囲を研磨ヘッドの揺動範囲とし、2つのセンサーと研磨ヘッドの縁部の示度をそれぞれL1とL2に定義するステップと、
搬送ステーションのステップ幅を設定し、搬送ステーションの移動方向をランダムで選択するステップと、
搬送ステーションは設定されるステップ幅と方向に基づいて移動し始め、L1+L2の値が大きくなると、搬送ステーションを逆方向へ移動させるように制御し、L1+L2の値が小さくなると、運動方向を変化させないように保持し、L1+L2の値が大きくなる状況が再度発生するまで、搬送ステーションを逆方向に1つのステップ幅移動させるように再度制御し、この時の搬送ステーションの位置を搬送ステーションのセンタリングが完了する位置として記録するステップと、
研磨ヘッドのステップ幅を設定し、研磨ヘッドの回転方向をランダムで選択するステップと、
研磨ヘッドは設定されたステップ幅と方向に基づいて回転し始め、L1‐L2の絶対値が大きくなると、研磨ヘッドを逆方向へ回転させるように制御し、L1‐L2の絶対値が小さくなると、運動方向を変化させないように保持し、L1‐L2の絶対値が大きくなる状況が再度発生するまで、研磨ヘッドを逆方向に1つのステップ幅回転させるように再度制御し、この時の研磨ヘッドの位置を研磨ヘッドのセンタリングが完了する位置として記録するステップと、
研磨ヘッドと搬送ステーションの中心軸線が重なり合うと、補正を終了するステップと、を含む。
【0024】
さらに、
手動で搬送ステーションと研磨ヘッドを近接させるステップと、
研磨ヘッドの回転軌跡を確定し、それが搬送ステーションの両端に回転してセンサーが表示可能な示度の角度範囲を研磨ヘッドの揺動範囲とし、2つのセンサーと研磨ヘッドの縁部の示度をそれぞれL1とL2に定義するステップと、
搬送ステーションのステップ幅を設定し、搬送ステーションの移動方向をランダムで選択し、搬送ステーションは設定されたステップ幅と方向に基づいて移動し始めるステップと、
研磨ヘッドのステップ幅を設定し、研磨ヘッドの回転方向をランダムで選択し、研磨ヘッドは設定されたステップ幅と方向に基づいて回転し始めるステップと、
研磨ヘッドと搬送ステーションの中心軸線が重なり合うまで、搬送ステーションと研磨ヘッドを同期運動させ、補正を終了するステップと、
研磨ヘッドが搬送ステーションより先に運動する場合、L1+L2の最小値となる位置を研磨ヘッドのセンタリングが完了する位置とし、L1‐L2の絶対値の最小値となる位置を搬送ステーションのセンタリングが完了する位置とするステップと、
搬送ステーションが研磨ヘッドより先に運動する場合、L1+L2の最小値となる位置を搬送ステーションのセンタリングが完了する位置とし、L1‐L2の絶対値の最小値となる位置を研磨のセンタリングが完了する位置とするステップと、を含む。
【0025】
本発明において、搬送ステーションにセンサーアセンブリを取り付け、研磨ヘッドが搬送ステーション上のセンサーの検出範囲にある場合、制御器は、センタリングプログラムを実行し、研磨ヘッドの揺動及び搬送ステーションのX方向の直線運動を制御し、研磨ヘッドと搬送ステーションがセンタリングを完了するまで、直線運動軌跡と円弧運動軌跡との交差点のセンタリングを完了し、研磨ヘッドと搬送ステーションの位置を自動的に記録し、これをウェハ着脱位置にする。センサーアセンブリを取り外し、他の搬送ステーションに取り付け、各ウェハの着脱位置の較正を順に完了し、較正が終了すると、センサーアセンブリを取り外し、該CMP装置のセンタリングが終了する。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、1)較正効率が高く、より少ないセンサー数、より少ないデータ、より優れるデータ処理方式で、複雑なセンタリングシーンのセンタリングを実現し、2)センサーの位置設定と較正方法の選択により、較正精度が高くなり、センサーの取り付け位置への要求が低くなり、3)検出誤差が小さく、判断ユニットは、研磨ヘッドの外縁とセンサーとの間の間隔の和が最も小さく、間隔の差が最も小さい判断メカニズムを採用し、等距離の判断メカニズムに比べてより正確であり、4)使用しやすく、センサーアセンブリの着脱が容易であり、較正アルゴリズムがソフトウェアに集積可能であり、ワンボタンで較正が実現され、5)搬送ステーションと研磨ヘッドはいずれも移動可能であり、前者は直線運動軌跡であり、後者は円弧運動軌跡であり、較正難易度が高い場合でも、依然として較正を正確且つ迅速に完了することができるという有益な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明に係る装置の構造模式図である。
図2】本発明の搬送ステーションの構造模式図である。
図3】本発明のセンサーアセンブリの一部の構造模式図である。
図4】本発明のセンサーアセンブリの一部の構造模式図であり、係止溝が表示されない。
図5】本発明の実施例1における装置の配置図であり、この時、センサーは直線軌跡に沿って配置される。
図6】本発明の実施例1におけるセンタリング過程の略図である。
図7】本発明の実施例2における装置の配置図であり、この時、センサーは搬送ステーションの径方向のみに沿って配置される。
図8】本発明の実施例2におけるセンタリング過程の略図である。
図9】本発明の実施例3における装置の配置図であり、この時、センサーは垂直直線軌跡の方向に沿って配置される。
図10】本発明の実施例3におけるセンタリング過程の略図である。
図11】本発明の実施例4におけるセンタリング過程の略図の1であり、この時、1つの研磨ヘッドが2つの搬送ステーションとセンタリングする。
図12】本発明の実施例4におけるセンタリング過程の略図の2であり、この時、1つの搬送ステーションが2つの研磨ヘッドとセンタリングする。
【発明を実施するための形態】
【0028】
当業者に本発明の解決手段をよりよく理解させるために、以下において、本発明の実施例中の図面を参照しながら、発明の実施例中の技術的解決手段を明確、完全に説明するが、当然のことながら、説明される実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明中の実施例に基づき、当業者であれば、創造的労力を要することなく得られた全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属するものとする。
【0029】
図1から図5に示すように、研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する装置であって、直線軌跡2に沿って往復して運動可能な搬送ステーション1と、周方向に回転可能な研磨ヘッド3と、少なくとも部分的に搬送ステーション1に配置されたセンサーアセンブリ4と、判断ユニットと、を含む。
【0030】
本実施例において、搬送ステーション1は、支持台11の駆動により直線軌跡2に沿って往復して運動し、研磨ヘッド3は、研磨ヘッド揺動アーム31の駆動により周方向に回転する。
【0031】
研磨ヘッド3の周方向回転軌跡5は直線軌跡2と少なくとも1つの交差点がある。センサーアセンブリ4は搬送ステーション1の径方向両端に配置された2つのセンサー41を少なくとも含み、それは研磨ヘッド3の外縁とセンサー41の間の間隔変化を監視するために用いられる。即ち、センサー41は測距センサーである。
【0032】
当然のことながら、センサー41の数が1つであってもよく、それは搬送ステーション1の外縁の周りに半周移動し、搬送ステーション1の径方向両端の位置に到達して測距を行うことができる。
【0033】
2つのセンサー41は搬送ステーション1の径方向に沿って配置されるだけでなく、さらに直線軌跡2の延在方向に沿って配置されてもよい。
【0034】
判断ユニットは、センサーアセンブリ4が監視する研磨ヘッド3の外縁とセンサー41との間の最小直線距離を出力し、研磨ヘッド3と搬送ステーション1の中心軸線が重なり合うか否かを判断するという目的を達成するために用いられる。判断ユニットは、研磨ヘッド3と搬送ステーション1が運動状態にある時に結果を出力し、上記の運動状態は、研磨ヘッド3のみが動き、搬送ステーション1が動かない状態であってもよく、搬送ステーション1のみが動き、研磨ヘッド3が動かない状態であってもよく、さらに研磨ヘッド3と搬送ステーション1がいずれも動く状態であってもよい。
【0035】
判断ユニットが出力する研磨ヘッド3の外縁とセンサー41との間の最小直線距離とは、センサーアセンブリ4が監視する研磨ヘッド3の外縁とセンサー41との間の間隔の和の最小値を出力するものであってもよく、センサーアセンブリ4が監視する研磨ヘッド3の外縁とセンサー41との間の間隔の差の最小値を出力するものであってもよく、研磨ヘッド3の外縁とセンサー41との間の間隔の和の最小値を出力し、研磨ヘッド3の外縁とセンサー41との間の間隔の差の最小値も出力するものであってもよい。最終的な目的は、研磨ヘッド3と搬送ステーション1の中心軸線が重なり合うか否かを判断し、センタリングを達成することである。
【0036】
最小値がゼロではない場合、それは無限で循環することができるので、1つの設定値を先に手動的に設定し、研磨ヘッド3の外縁とセンサー41との間の間隔の和の最小値を設定値と比較し、両者の差が許容可能な範囲内にあれば、補正過程を停止し、研磨ヘッドと搬送ステーションの中心軸線が既に重なり合うことを判定する。同様に、1つの設定値を先に手動的に設定し、研磨ヘッド3の外縁とセンサー41との間の間隔の差の最小値を設定値と比較し、両者の差が許容可能な範囲内にあれば、補正過程を停止し、研磨ヘッドと搬送ステーションの中心軸線が既に重なり合うことを判定する。
図2から図4に示すように、センサー41の取り付けを容易にするために、センサーアセンブリ4は搬送ステーション1に固定的に設けられる係止溝42と、センサー41に接続可能な固定座43とをさらに含み、この固定座43は係止溝42に取り外し可能に接続される。具体的には、係止溝42の縦方向断面はU字状であり、即ち、それは切欠き部421を形成し、固定座43の横方向断面は工字状であり、即ち、固定座43がネッキング部431を有し、ネッキング部431は上から下へ係止溝42の切欠き部421に挿入可能であり、この時、水平方向において、固定座43が係止溝42に対して移動できなくなると、組み立てを完了する。
【0037】
研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する方法であって、前記方法は、
手動的に操作可能であるステップであって、搬送ステーション1を直線軌跡2に沿って研磨ヘッド3の下方に移動させるステップと、
研磨ヘッド3の回転軌跡5を確定し、研磨ヘッド3を揺動させ、搬送ステーション1の両端のセンサー41が表示可能な示度の角度範囲を研磨ヘッド3の揺動範囲とし、研磨ヘッド3が揺動する開始位置と終止位置を記録し、開始位置と終止位置の間を研磨ヘッド3の回転軌跡5とし、即ち、研磨ヘッド3の初期位置が該回転軌跡5内に落ちるか、又は揺動範囲内に落ちるステップと、
研磨ヘッド3を回転軌跡5の周方向に沿って回転させるステップと、
搬送ステーション1を直線軌跡2に沿って往復して並進運動させるステップと、
研磨ヘッド3のセンタリングを行うステップと、
搬送ステーション1のセンタリングを行うステップと、を含み、
上記研磨ヘッド3のセンタリングステップと搬送ステーション1のセンタリングステップは順に行ってもよく、又は、同時に行ってもよい。
【0038】
研磨ヘッド3のセンタリングステップを行ってから、搬送ステーション1のセンタリングステップを行ってもよく、この時、研磨ヘッド3のセンタリングステップを先に行う場合、センサーアセンブリ4は研磨ヘッド3の外縁とセンサー41との間の間隔の和が最小値となることを監視し、次に搬送ステーション1のセンタリングステップを行う場合、センサーアセンブリ4は研磨ヘッド3の外縁とセンサー41との間の間隔の差が最小値となることを監視する。
【0039】
搬送ステーション1のセンタリングステップを行ってから、研磨ヘッド3のセンタリングステップを行ってもよく、この時、搬送ステーション1のセンタリングステップを先に行う場合、センサーアセンブリ4は研磨ヘッド3の外縁とセンサー41との間の間隔の和が最小値となることを監視し、次に研磨ヘッド3のセンタリングステップを行う場合、センサーアセンブリ4は研磨ヘッド3の外縁とセンサー41との間の間隔の差が最小値となることを監視する。
【0040】
実施例1
図5図6に示すように、この時、センサー41の数が2つであり、それは搬送ステーション1の径方向に沿って配置されるだけでなく、さらに直線軌跡2の延在方向に沿って配置される。
【0041】
研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する方法であって、前記方法は、
センサーアセンブリ4を搬送ステーション1に取り付け、手動で搬送ステーション1と研磨ヘッド3を近接させ、センサー41の示度を校正するステップと、
研磨ヘッド3の回転軌跡5を確定し、それが搬送ステーション1の両端に回転してセンサー41が表示可能な示度の角度範囲を研磨ヘッド3の揺動範囲とし、且つ開始位置及び終止位置を記録し、2つのセンサー41及び研磨ヘッド3の縁部の示度をそれぞれL1及びL2として定義し、言い換えれば、研磨ヘッド3と搬送ステーション1を手動で粗調整し、研磨ヘッド3と搬送ステーション1を調整範囲内にする。即ち、研磨ヘッド3の円心がP1に位置し、搬送ステーション1の円心がP2に位置し、一方のセンサー41aは検出範囲内にあり且つ示度がL1であり、他方のセンサー41bは検出範囲内にあり且つ示度がL2であるステップと、
適切な研磨ヘッド3のステップ幅を設定し、該ステップ幅はセンサーの精度及び設定されたセンタリング精度に関連し、1つの研磨ヘッド3の回転方向をランダムで選択するステップと、
研磨ヘッド3は、設定されたステップ幅及び方向に基づいて回転し始め、L1+L2の値が大きくなると、モータを制御して研磨ヘッド3を逆方向へ移動させ、L1+L2の値が小さくなると、運動方向を変化させないように保持し、L1+L2の値が大きくなる状況が再度発生するまで、モータを再度制御して研磨ヘッド3を逆方向に1つのステップ幅回転させ、この時の研磨ヘッド3の位置を研磨ヘッドのセンタリングが完了する位置として記録するステップと、
適切な搬送ステーション1のステップ幅を設定し、該ステップ幅はセンサーの精度及び設定されたセンタリング精度に関連し、1つの搬送ステーションの移動方向をランダムで選択するステップと、
搬送ステーション1は設定されたステップ幅及び方向に基づいて移動し始め、L1‐L2の絶対値が大きくなると、搬送ステーション1を逆方向へ移動させるように制御し、L1‐L2の絶対値が小さくなると、運動方向を変化させないように保持し、L1‐L2の絶対値が大きくなる状況が再度発生するまで、搬送ステーション1を逆方向へ1つのステップ幅移動させるように再度制御し、この時の搬送ステーション1の位置を搬送ステーションのセンタリングが完了する位置を記録するステップと、
この時、P1及びP2はいずれもP3に運動し、P3が目標位置であるため、P1及びP2は同時にこの位置にあり、即ち、研磨ヘッド3と搬送ステーション1の中心軸線が重なり合うと、研磨ヘッド3と搬送ステーション1が既にセンタリングされると考えられ、補正を終了するステップと、を含む。
【0042】
実施例2
図7図8に示すように、この時、センサー41の数が2つであり、それは搬送ステーション1の径方向に沿って配置されるだけでなく、さらに直線軌跡2に垂直な方向に沿って配置される。
【0043】
該実施例において、研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する方法は実施例1と同じであり、説明を省略する。
【0044】
実施例3
図9図10に示すように、この時、センサー41の数が2つであり、それは搬送ステーション1の径方向のみに沿って配置され、直線軌跡2に垂直な方向に沿って配置されず、直線軌跡2の延在方向に沿っても配置されない。
【0045】
この時、実施例1中の方向で研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正することができ、さらに以下の方法で較正することもできる。
【0046】
研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する方法であって、
センサーアセンブリ4を搬送ステーション1に取り付け、手動で搬送ステーション1と研磨ヘッド3を近接させ、センサー41の示度を校正するステップと、
研磨ヘッド3の回転軌跡5を確定し、それが搬送ステーション1の両端に回転してセンサー41が表示可能な示度の角度範囲を研磨ヘッド3の揺動範囲とし、且つ開始位置及び終止位置を記録し、2つのセンサー41及び研磨ヘッド3の縁部の示度をそれぞれL1及びL2として定義し、言い換えれば、研磨ヘッド3と搬送ステーション1を手動で粗調整し、研磨ヘッド3と搬送ステーション1を調整範囲内にする。即ち、研磨ヘッド3の円心がP1に位置し、搬送ステーション1の円心がP2に位置し、一方のセンサー41aは検出範囲内にあり且つ示度がL1であり、他方のセンサー41bは検出範囲内にあり且つ示度がL2であるステップと、
適切な搬送ステーション1のステップ幅を設定し、該ステップ幅はセンサーの精度及び設定されたセンタリング精度に関連し、1つの搬送ステーションの移動方向をランダムで選択するステップと、
搬送ステーション1は設定されたステップ幅及び方向に基づいて移動し始め、L1+L2の値が大きくなると、搬送ステーション1を逆方向へ移動させるように制御し、L1+L2の値が小さくなると、運動方向を変化させないように保持し、L1+L2の値が大きくなる状況が再度発生するまで、搬送ステーション1を逆方向へ1つのステップ幅回転させるように再度制御し、この時の搬送ステーション1の位置を搬送ステーションのセンタリングが完了する位置を記録するステップと、
適切な研磨ヘッド3のステップ幅を設定し、該ステップ幅はセンサーの精度及び設定されたセンタリング精度に関連し、1つの研磨ヘッド3の回転方向をランダムで選択するステップと、
研磨ヘッド3は、設定されたステップ幅及び方向に基づいて回転し始め、L1‐L2の絶対値が大きくなると、モータを制御して研磨ヘッド3を逆方向へ回転させ、L1‐L2の絶対値が小さくなると、運動方向を変化させないように保持し、L1‐L2の絶対値が大きくなる状況が再度発生するまで、モータを再度制御して研磨ヘッド3を逆方向に1つのステップ幅回転させ、この時の研磨ヘッド3の位置を研磨ヘッドのセンタリングが完了する位置として記録するステップと、
この時、P1及びP2はいずれもP3に運動し、P3が目標位置であるため、P1及びP2は同時にこの位置にあり、即ち、研磨ヘッド3と搬送ステーション1の中心軸線が重なり合うと、研磨ヘッド3と搬送ステーション1が既にセンタリングされると考えられ、補正を終了するステップと、含む。
【0047】
実施例4
本実施例において、搬送ステーション1と研磨ヘッド3は同期運動して動的なセンタリングを行う。それは、2つのセンサー41が搬送ステーション1の径方向に沿う前提下で、任意の位置に配置可能な場合に適応可能であり、又はセンサー41の数を増加させることができる。
【0048】
研磨ヘッドと搬送ステーションの作動位置を較正する方法であって、
センサーアセンブリ4を搬送ステーション1に取り付け、手動で搬送ステーション1と研磨ヘッド3を近接させ、センサー41の示度を校正するステップと、
研磨ヘッド3の回転軌跡5を確定し、それが搬送ステーション1の両端に回転してセンサー41が表示可能な示度の角度範囲を研磨ヘッド3の揺動範囲とし、且つ開始位置及び終止位置を記録し、2つのセンサー41及び研磨ヘッド3の縁部の示度をそれぞれL1及びL2として定義し、言い換えれば、研磨ヘッド3と搬送ステーション1を手動で粗調整し、研磨ヘッド3と搬送ステーション1を調整範囲内にする。即ち、研磨ヘッド3の円心がP1に位置し、搬送ステーション1の円心がP2に位置し、一方のセンサー41aは検出範囲内にあり且つ示度がL1であり、他方のセンサー41bは検出範囲内にあり且つ示度がL2であるステップと、
搬送ステーション1のステップ幅を設定し、搬送ステーション1の移動方向をランダムで選択し、搬送ステーション1は設定されたステップ幅と方向に基づいて移動し始めるステップと、
研磨ヘッド3のステップ幅を設定し、研磨ヘッド3の回転方向をランダムで選択し、研磨ヘッド3は設定されたステップ幅と方向に基づいて回転し始めるステップと、
搬送ステーション1と研磨ヘッド3を、研磨ヘッド3と搬送ステーション1の中心軸線が重なり合うまで同期運動させ、この時、P1及びP2はいずれもP3に運動し、補正を終了するステップと、
上記過程において、研磨ヘッド3が搬送ステーション1より先に運動し始める場合、L1+L2の最小値となる位置を研磨ヘッド3のセンタリングが完了する位置とし、L1‐L2の絶対値の最小値となる位置を搬送ステーション1のセンタリングが完了する位置とするステップと、
搬送ステーション1が研磨ヘッド3より先に運動し始める場合、L1+L2の最小値となる位置を搬送ステーション1のセンタリングが完了する位置とし、L1‐L2の絶対値の最小値となる位置を研磨ヘッド3のセンタリングが完了する位置とするステップと、を含む。
【0049】
実施例5
上記実施例において、1つの研磨ヘッド3は1つの搬送ステーション1とセンタリングを行う。
【0050】
本実施例において、1つの研磨ヘッド3が2つの搬送ステーション1とセンタリングすることであってもよく、センタリング方法が同じである。
【0051】
図11に示すように、1つの搬送ステーションと1つの研磨ヘッドの位置を目標位置bとdに校正し、研磨ヘッドと搬送ステーションの同軸を完了した後、研磨ヘッドはいずれかの位置aから目標位置hに近接するある位置に運動し、且つ別の搬送ステーションはいずれかの位置iから目標jのある位置に運動し、センサーは、それぞれの取り付け点から研磨ヘッドの円弧面までの最小直線距離を検出することができる。搬送ステーションと研磨ヘッドの運動をアルゴリズムで制御し、両者の位置を目標位置hとjに校正し、研磨ヘッドと搬送ステーションが同軸になると、2つの搬送ステーションと1つの研磨ヘッドのセンタリングを完了する。
【0052】
また、研磨ヘッドは、必要に応じて、その中の1つの搬送ステーションのセンタリングのみを完了することもできる。
【0053】
また、単一の研磨ヘッドに対応する搬送ステーションの数はさらに2つ以上であってもよく、即ち、単一の研磨ヘッドに必要なセンタリングの搬送ステーションの数は2つ以上であってもよく、搬送ステーションの数は実際の要件に応じて設定可能であり、研磨ヘッドとその中の1つ又は複数の搬送ステーションのセンタリングをそれぞれ完了することができる。
【0054】
さらに1つの搬送ステーション1が2つの研磨ヘッド3とセンタリングすることであってもよく、センタリング方向が同じである。
【0055】
図12に示すように、1つの搬送ステーションと1つの研磨ヘッドの位置を目標位置bとdに校正し、研磨ヘッドと搬送ステーションの同軸を完了した後、別の研磨ヘッドをいずれかの位置eから目標位置fに近接するある位置に運動させ、且つ搬送ステーションをいずれかの位置cから目標gのある位置に運動させ、センサーはそれぞれの取り付け点から研磨ヘッドの円弧面までの最小直線距離を検出可能である。搬送ステーションと研磨ヘッドの運動をアルゴリズムで制御し、両者の位置を目標位置fとgに校正し、研磨ヘッドと搬送ステーションが同軸になると、1つの搬送ステーションと2つの研磨装置のセンタリングを完了する。
【0056】
また、搬送ステーションは、必要に応じて、その中の1つの研磨ヘッドのセンタリングのみを完了することができる。
【0057】
また、単一の搬送ステーションに対応する研磨ヘッドの数はさらに2つ以上であってもよく、即ち、単一の搬送ステーションに必要なセンタリングの研磨ヘッドの数は2つ以上であってもよく、研磨ヘッドの数は実際の要件に応じて設定可能であり、搬送ステーションとその中の1つ又は複数の研磨ヘッドのセンタリングをそれぞれ完了することができる。
【0058】
実施例6
本実施例において、センサー41の数は1つであり、研磨ヘッド3のセンタリングを行う場合、研磨ヘッド3は1つのステップ幅回転した後に回転を停止し、センサー41は一端から他端に迅速に移動し、L1とL2の測定を行う。当然のことながら、研磨ヘッド3が継続的に回転し、センサー41が非常に速い速度で他端に移動することであってもよい。研磨ヘッド3が1つのステップ幅回転すると、センサー41は、センタリングを完了するまで上記ステップを繰り返す。その他は実施例1と同じであり、説明を省略する。
【0059】
上記具体的な実施形態は本発明を解釈して説明するためのものであり、本発明を制限するものではなく、本発明の趣旨と請求項の保護範囲内において、本発明に対してなされたいかなる修正と変更は、いずれも本発明の保護範囲内にある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】