(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】脱アセチル化の方法、組成物、およびその使用
(51)【国際特許分類】
C07C 27/02 20060101AFI20240614BHJP
A23L 27/00 20160101ALI20240614BHJP
C07C 33/025 20060101ALI20240614BHJP
C07C 33/042 20060101ALI20240614BHJP
C07C 53/08 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
C07C27/02
A23L27/00 Z
C07C33/025
C07C33/042
C07C53/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565589
(86)(22)【出願日】2022-05-25
(85)【翻訳文提出日】2023-12-25
(86)【国際出願番号】 EP2022064274
(87)【国際公開番号】W WO2022253681
(87)【国際公開日】2022-12-08
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009287
【氏名又は名称】フイルメニツヒ ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Firmenich SA
【住所又は居所原語表記】7,Rue de la Bergere,1242 Satigny,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】エリック フルロ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドレ フィリップ ネル
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ワーグナー
【テーマコード(参考)】
4B047
4H006
【Fターム(参考)】
4B047LB08
4B047LF01
4B047LF08
4B047LG06
4B047LG11
4B047LG38
4B047LP02
4B047LP05
4B047LP17
4B047LP20
4H006AA02
4H006AC41
4H006AC46
4H006AC80
4H006AD16
4H006BA66
4H006BB14
4H006BB17
4H006BB31
4H006BE60
4H006FE11
4H006FG30
(57)【要約】
本開示は、特定のアセチル含有化合物を脱アセチル化する方法、およびその方法から生成される組成物に関する。幾つかの実施形態では、アセチル含有化合物は、アボカド由来のアセチル含有化合物である。幾つかの態様では、本開示は、塩味、旨味、またはコク味を増強するための脱アセチル化組成物の使用も提供する。幾つかの実施形態では、本開示は、脱アセチル化組成物を摂取可能な組成物に組み込むことによって、このような脱アセチル化組成物と、塩味物質、旨味物質、またはコク味物質のうちの1つ以上とを含む摂取可能な組成物を提供する。幾つかの他の態様では、本開示は、塩味物質、旨味物質、またはコク味物質のうちの1つ以上の量を低減するまたはゼロにする方法を提供する。幾つかの他の態様では、本開示は、苦味をマスキングするための脱アセチル化組成物の使用を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アボカドアセテートを脱アセチル化する方法であって、
(a)式(I):
【化1】
[式中、R
1、R
2、およびR
3は、独立して、-C(O)-CH
3または-Hであり、R
1、R
2、およびR
3のうちの少なくとも1つは、-C(O)-CH
3であり、R
4は、C
13-17アルキル、C
13-17アルケニル、またはC
13-17アルキニルである]
の1つ以上のアボカドアセチル化化合物を含む出発組成物を提供することと、
(b)前記出発組成物に水、有機酸、および有機アルコールを導入して、1つ以上のアボカドアセテート化合物を加水分解し、式(II)
【化2】
の1つ以上のトリオール化合物を含む生成組成物を生成することと、
を含む、方法。
【請求項2】
R
1およびR
3が水素原子であり、R
2が、-C(O)-CH
3である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
R
1およびR
2が水素原子であり、R
3が、-C(O)-CH
3である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
R
1が-Hであり、R
2およびR
3が、-C(O)-CH
3である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
R
4が、C
13-17アルキル、C
13-17アルケニル、またはC
13-17アルキニルである、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
R
4が、
-(CH
2)
11-CH=CH
2、
-(CH
2)
11-C≡CH、
-(CH
2)-CH=CH-(CH
2)
8-CH=CH
2、
-(CH
2)
11-CH=CH-CH=CH
2、
-(CH
2)
11-CH=CH-CH
2-CH
3、
-(CH
2)
12-CH
3、
-(CH
2)
14-CH
3、
-(CH
2)
17-CH
3、
-(CH
2)
13-CH=CH
2、
-(CH
2)
15-CH=CH
2、または
-(CH
2)
7-CH=CH-CH
2-CH=CH-(CH
2)
4-CH
3
である、請求項5記載の方法。
【請求項7】
R
4が、-(CH
2)
11-CH=CH
2または-(CH
2)
11-C≡CHである、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記有機酸が、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記有機酸がクエン酸である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記有機アルコールが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記有機アルコールがエタノールである、請求項10記載の方法。
【請求項12】
(c)前記有機アルコールおよび前記水の一部を前記生成組成物から除去して、水相と有機相とを有する濃縮生成組成物を生成することをさらに含む、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
(d)前記濃縮生成組成物の前記有機相を分画して、少なくとも20重量パーセントの式(II)のトリオール化合物を含む強化生成組成物を生成することをさらに含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記出発組成物が、アボカド油またはアボカド油画分を含む、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
アボカドトリオール含有量を増加させる方法であって、
(a)アボカデン、アボカジン、1つ以上のアボカデンアセテート、および1つ以上のアボカジンアセテートを含む出発組成物を提供することと、
(b)前記出発組成物に水、有機酸、および有機アルコールを導入して、前記1つ以上のアボカデンアセテートの一部および前記アボカジンアセテートの一部を加水分解し、それぞれアボカデンおよびアボカジンを生成することと
を含む、方法。
【請求項16】
前記出発組成物中の前記アボカデンアセテートの少なくとも50重量%がアボカデンに加水分解される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記出発組成物中の前記アボカジンアセテートの少なくとも50重量%がアボカジンに加水分解される、請求項15または16記載の方法。
【請求項18】
前記有機酸が、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項15から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
前記有機酸がクエン酸である、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記有機アルコールが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項15から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
前記有機アルコールがエタノールである、請求項20記載の方法。
【請求項22】
(c)前記有機アルコールおよび前記水の一部を前記生成組成物から除去して、水相と有機相とを有する濃縮生成組成物を生成することをさらに含む、請求項15から21までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
(d)前記濃縮生成組成物の前記有機相を分画して、少なくとも50重量パーセントのアボカデンおよびアボカジンを含む強化生成組成物を生成することをさらに含む、請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記濃縮生成組成物が、25重量パーセント以下のアボカデンアセテートおよびアボカジンアセテートを含む、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記出発組成物が、アボカド油またはアボカド油画分を含む、請求項15から24までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ある特定のアセチル含有化合物を脱アセチル化する方法、およびその方法から生成される組成物に関する。幾つかの実施形態では、アセチル含有化合物は、アボカド由来のアセチル含有化合物である。幾つかの態様では、本開示は、塩味、旨味、またはコク味を増強するための脱アセチル化組成物の使用も提供する。幾つかの実施形態では、本開示は、脱アセチル化組成物と、塩味物質、旨味物質、またはコク味物質のうちの1つ以上とを含む摂取可能な組成物を提供する。幾つかの他の態様では、本開示は、このような脱アセチル化組成物を摂取可能な組成物に組み込むことによって、塩味物質、旨味物質、またはコク味物質のうちの1つ以上の量を低減するまたはゼロにする方法を提供する。幾つかの他の態様では、本開示は、苦味をマスキングするための脱アセチル化組成物の使用を提供する。
【0002】
関連技術の説明
味覚系は、外界の化学組成に関する感覚情報を提供する。動物において、味覚伝達は、化学的に誘発される高度な形態の感覚のうちの1つである。味覚のシグナル伝達は、単純な後生動物から最も複雑な脊椎動物に至るまで、動物界全体に見られる。哺乳動物には、甘味、苦味、酸味、塩味、および旨味という5つの基本的な味覚様式があると考えられている。
【0003】
塩味、旨味、およびコク味の感覚(まろやかさ、食感)は、最も一般的に、肉製品、チーズ、トマト、キノコ、醤油、魚醤、味噌、発酵製品などに見られるような風味と関連する。哺乳動物は、概して、このような味を快感であると知覚する。これらの味の代表的な供給源の多くは、大量に摂取すると健康に害があると考えられている塩分(塩化ナトリウム)、グルタミン酸塩、またはその他の化合物中に多く含まれている。
【0004】
例えば、ナトリウムの過剰摂取は、多数の健康関連の問題を引き起こす可能性がある。このような問題のひとつが高血圧症である。高血圧症とは、動脈壁にかかる血液の圧力が高くなることで、最終的に心臓病および他の健康問題を引き起こす可能性がある病態である。ナトリウムの過剰摂取は、体内の水分およびミネラルのバランスにも悪影響を及ぼす。例えば、ナトリウムの過剰摂取は、カルシウム損失を引き起こす可能性があり、これが骨粗鬆症および他の問題につながることがある。グルタミン酸塩を含有する食品の過剰摂取は、グルタミン酸塩が神経伝達物質の機能を妨げる場合があるため、健康に一定の悪影響を及ぼす可能性がある。そのため、塩分およびグルタミン酸塩の消費を減らすことが一般に望ましい。さらに、風味も付与する動物由来の成分、例えば動物由来の脂肪、肉製品、または乳製品を含有しない食品および飲料品に対する消費者の需要が高まっている。
【0005】
塩味、旨味、またはコク味のフレーバーの増強は、このような味を付与するために従来使用されている成分を部分的にまたは完全に置き換える代替的アプローチを提供する。とはいえ、これを効果的に達成できる化合物、特に天然由来の化合物は限られている。したがって、フレーバー改質剤としての有用性を有する新規な化合物、特にフレーバーの中でも、塩味、旨味、コク味、またはそれらの任意の組み合わせの味を増強する化合物を発見することが引き続き必要とされている。
【0006】
概要
本開示は、とりわけ、塩味、旨味、コク味、またはそれらの任意の組み合わせの味を増強するかまたはある特定の場合には苦味をマスキングするために効果的に使用できる天然アボカドトリオールを製造する脱アセチル化方法に関する。
【0007】
第1の態様では、本開示は、アボカドアセテートを脱アセチル化する方法であって、
(a)式(I):
【化1】
[式中、R
1、R
2、およびR
3は、独立して、水素原子または-C(O)-CH
3であり、R
1、R
2、およびR
3のうちの少なくとも1つは、-C(O)-CH
3であり、R
4は、C
13-17アルキル、C
13-17アルケニル、またはC
13-17アルキニルである]
の1つ以上のアボカドアセチル化化合物を含む出発組成物を提供することと、
(b)出発組成物に水、有機酸、および有機アルコールを導入して、1つ以上のアボカドアセテート化合物を加水分解し、式(II)
【化2】
の1つ以上のトリオール化合物を含む生成組成物を生成することと
を含む、方法を提供する。
【0008】
第2の態様では、本開示は、第1の態様またはその任意の実施形態の方法によって生成されるフレーバー改質組成物を提供する。関連する態様では、本開示は、(2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシ-ヘプタデカ-16-エンを含むフレーバー改質組成物を提供する。その幾つかの実施形態では、フレーバー改質組成物は、(2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシヘプタデカ-16-インをさらに含む。
【0009】
第3の態様では、本開示は、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、フレーバー食品または飲料品などの摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。
【0010】
第4の態様では、本開示は、摂取可能な組成物のフレーバーを改質するための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物のフレーバーを改質するための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。
【0011】
第5の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の塩味を増強するための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の塩分(例えば、塩化ナトリウム)含有量を低減するための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の塩味を増強するための、第2の態様または任意の関連する態様のいずれかのフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。これらの態様の幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、またはそれらの任意の組み合わせなどの塩味物質を含む。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。
【0012】
第6の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の旨味を増強するための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物のグルタミン酸塩またはアスパラギン酸塩の含有量を低減するまたはゼロにするための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の旨味を増強するための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。これらの態様の幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、グルタミン酸一ナトリウム(MSG)を含まないか、または実質的に含まない(例えば、1000ppm以下)。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。
【0013】
第7の態様では、本開示は、摂取可能な組成物のコク味を増強するための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物のグルタミル(例えば、L-グルタミルペプチド)含有量を低減するまたはゼロにするための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質組成物の使用を提供する。別の関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の動物性(例えば、動物性ブロスまたは肉)含有物の量を低減するまたはゼロにするための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物のコク味を増強するための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。
【0014】
第8の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の苦味をマスキングするための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の苦味をマスキングするための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。
【0015】
第9の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の知覚される甘味を増強するための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の知覚される甘味を増強するための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。
【0016】
第10の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の知覚されるジューシーさを増強するための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の知覚されるジューシーさを増強するための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。
【0017】
第11の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の知覚される脂肪含有量を増強するための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の知覚される脂肪含有量を増強するための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。幾つかの関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の脂肪含有量を低減するための、第2の態様または関連する態様のフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の脂肪含有量を低減する方法であって、摂取可能な組成物に第2の態様のフレーバー改質化合物を導入することを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。
【0018】
第12の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の知覚される動物性製品含有量を増強するための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の知覚される動物性製品含有量を増強するための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。幾つかの関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の動物性製品含有量を低減するための、第2の態様または関連する態様のフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の動物性製品含有量を低減する方法であって、摂取可能な組成物に第2の態様のフレーバー改質化合物を導入することを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。
【0019】
第13の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の知覚されるアルコール含有量を増強するための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の知覚されるアルコール含有量を増強するための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。幾つかの実施形態では、摂取可能な内容物は、低アルコールまたはゼロアルコール飲料である。
【0020】
第14の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の食感を増強するための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の食感を増強するための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。
【0021】
第15の態様では、本開示は、摂取可能な組成物のオフノートの知覚を低減するための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物のオフノートの知覚を低減するための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。幾つかの実施形態では、オフノートは、穀物臭、カードボード臭、青草臭、刺激臭、収斂性の臭い、またはそれらの任意の組み合わせを含む、エンドウ豆タンパク質などの植物性タンパク質に特徴的な香気である。
【0022】
第16の態様では、本開示は、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質組成物を含む摂取可能な組成物を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物中の式(II)の化合物の濃度は、0.1ppm~1000ppm、または0.5ppm~500ppmの範囲である。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、塩味物質、旨味物質、コク味物質、苦味物質、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0023】
第17の態様では、本開示は、第16の態様またはその任意の実施形態の摂取可能な組成物を含むフレーバー製品を提供する。幾つかの実施形態では、フレーバー製品は飲料品であり、例えば、ソーダ、フレーバーウォーター、茶、ブロスなどである。幾つかの他の実施形態では、フレーバー製品は食品であり、例えば、ヨーグルト、スープなどである。幾つかの実施形態では、フレーバー製品は、肉類似製品または乳製品類似製品である。幾つかの実施形態では、フレーバー製品はシーフード類似製品であり、例えば、魚、エビ、カニ、ホタテ貝などである。幾つかの実施形態では、フレーバー製品は、成形肉または成形シーフード製品などの、肉もしくはシーフード製品、または代用肉製品であり、これには、ハム、ソーセージ、ホットドッグ、カニカマボコ、カマボコ、および缶詰の肉またはシーフード製品を含むが、これらに限定されるものではない。
【0024】
更なる態様およびその実施形態を、以下の詳細な説明、図面、要約書、および特許請求の範囲に示す。
【0025】
以下の図面は、本明細書に開示する組成物および方法の種々の実施形態を例示することを目的として提供される。図面は例示のみを目的として提供されており、何らかの好ましい組成物または好ましい方法を記載すること、または特許請求する発明の範囲を限定する根拠として提供することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本明細書に記載の脱アセチル化方法のための方法スキームを示す図である。式中、R
1、R
2、およびR
3は、独立して、水素原子または-C(O)-CH
3であり、R
1、R
2、およびR
3のうちの少なくとも1つは、-C(O)-CH
3であり、R
4は、C
13-17アルキル、C
13-17アルケニル、またはC
13-17アルキニルである。
【0027】
詳細な説明
以降の詳細な説明は、本明細書で提供される種々の態様および実施形態を示すものである。この説明は、関連技術分野の当業者の観点から解釈されることを意図する。したがって、当業者にとって周知の情報は必ずしも含まれていない。
【0028】
定義
以下の用語および語句は、本明細書に別段の規定がない限り、以下に示す意味を有する。本開示では、本明細書で明示的に定義されていない他の用語および語句を用いる場合がある。このような他の用語および語句は、本開示の文脈内で当業者にとってそれらが有するであろう意味を有する。場合によっては、用語または語句が単数形または複数形で定義される場合がある。このような場合、これに反する明示的な指示がない限り、単数形の任意の用語にはその複数形の対応語が含まれ、その反対に複数形の任意の用語にはその単数形の対応語が含まれる場合があるものと理解される。
【0029】
本明細書で使用される場合、「a」および「b」が整数である「Ca~Cb」または「Ca-b」は、指定された基内の炭素原子の数を指す。すなわち、この基は、「a」~「b」個(両端含む)の炭素原子を含有することができる。したがって、例えば、「C1~C4アルキル」または「C1-4アルキル」基は、炭素1~4個を有するすべてのアルキル基、すなわち、CH3-、CH3CH2-、CH3CH2CH2-、(CH3)2CH-、CH3CH2CH2CH2-、CH3CH2CH(CH3)-、および(CH3)3C-を指す。
【0030】
本明細書で使用される場合、「アルキル」は、全飽和である(すなわち、二重結合または三重結合を含有しない)直鎖または分岐状の炭化水素鎖を意味する。幾つかの実施形態では、アルキル基は、炭素原子1~20個を有する(本明細書に現れる場合にはいつでも、「1~20」などの数値範囲は、所与の範囲のそれぞれの整数を指す。例えば、「炭素原子1~20個」とは、アルキル基が、炭素原子1個、炭素原子2個、炭素原子3個など、炭素原子20個以下からなっていてよいことを意味するが、本定義は、数値範囲が指定されていない「アルキル」という用語の出現にも適用される)。アルキル基は、炭素原子1~9個を有する中級アルキルであってもよい。アルキル基は、炭素原子1~4個を有する低級アルキルであってもよい。アルキル基は、「C1-4アルキル」または類似の名称で称される場合がある。単なる一例として、「C1-4アルキル」は、アルキル鎖中に炭素原子1~4個があることを示し、すなわち、このようなアルキル鎖は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、およびt-ブチルからなる群から選択される。典型的なアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられるが、いかなる場合もこれらに限定されるものではない。反する指示がない限り、「アルキル」という用語は、さらに置換されない基を指す。「ブチル」、「ペンチル」、「ヘキシル」などの用語は、これに反する別段の指示がない限り、直鎖部分を指す(分岐鎖部分を包含しない)ことに留意されたい。
【0031】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」は、1個以上の二重結合を含有する直鎖または分岐状の炭化水素鎖を意味する。幾つかの実施形態では、アルケニル基は、炭素原子2~20個を有するが、本定義は、数値範囲が指定されていない「アルケニル」という用語の出現にも適用される。アルケニル基は、炭素原子2~9個を有する中級アルケニルであってもよい。アルケニル基は、炭素原子2~4個を有する低級アルケニルであってもよい。アルケニル基は、「C2-4アルケニル」または類似の名称で称される場合がある。単なる一例として、「C2-4アルケニル」は、アルケニル鎖中に炭素原子2~4個があることを示し、すなわち、このようなアルケニル鎖は、エテニル、プロペン-1-イル、プロペン-2-イル、プロペン-3-イル、ブテン-1-イル、ブテン-2-イル、ブテン-3-イル、ブテン-4-イル、1-メチル-プロペン-1-イル、2-メチル-プロペン-1-イル、1-エチル-エテン-1-イル、2-メチル-プロペン-3-イル、ブタ-1,3-ジエニル、ブタ-1,2-ジエニル、およびブタ-1,2-ジエン-4-イルからなる群から選択される。典型的なアルケニル基としては、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、およびヘキセニルなどが挙げられるが、いかなる場合もこれらに限定されるものではない。反する指示がない限り、「アルケニル」という用語は、さらに置換されない基を指す。
【0032】
本明細書で使用される場合、「アルキニル」は、1個以上の三重結合を含有する直鎖または分岐状の炭化水素鎖を意味する。幾つかの実施形態では、アルキニル基は、炭素原子2~20個を有するが、本定義は、数値範囲が指定されていない「アルキニル」という用語の出現にも適用される。アルキニル基は、炭素原子2~9個を有する中級アルキニルであってもよい。アルキニル基は、炭素原子2~4個を有する低級アルキニルであってもよい。アルキニル基は、「C2-4アルキニル」または類似の名称で称される場合がある。単なる一例として、「C2-4アルキニル」は、アルキニル鎖中に炭素原子2~4個があることを示し、すなわち、このようなアルキニル鎖は、エチニル、プロピン-1-イル、プロピン-2-イル、ブチン-1-イル、ブチン-3-イル、ブチン-4-イル、および2-ブチニルからなる群から選択される。典型的なアルキニル基としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、およびヘキシニルなどが挙げられるが、いかなる場合もこれらに限定されるものではない。反する指示がない限り、「アルキニル」という用語は、さらに置換されない基を指す。
【0033】
ある特定のラジカル命名規則は、その文脈に応じて、モノラジカルまたはジラジカルのいずれかを含み得るものと理解されるべきである。例えば、置換基が、分子の残部への連結点を2つ必要とする場合、この置換基はジラジカルであると理解される。例えば、連結点を2つ必要とするアルキルと認識される置換基は、ジラジカル、例えば、-CH2-、-CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2-などを含む。
【0034】
本明細書で使用される場合、炭素-炭素二重結合に隣接する波線の結合は、炭素-炭素二重結合周囲の置換基がE配置またはZ配置で結合するか、またはいずれかの配置の分子の組み合わせに結合し得ることを示す。
【0035】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈から特に明らかでない限り、複数の指示対象物を包含する。例えば、「置換基(a substituent)」への言及は、単一の置換基および2つ以上の置換基などを包含する。
【0036】
本明細書で使用される場合、「例えば(for example)」、「例えば(for instance)」、「など」、または「含む」は、より一般的な対象物をさらに明確にする例を提示することを意図する。別段の明示的な指示がない限り、このような例は、本開示に例示される実施形態を理解するための補助としてのみ提供され、いかなる形でも限定を意図するものではない。また、これらの語句は、開示される実施形態に対するいかなる種類の選択を示すものでもない。
【0037】
本明細書で使用される場合、「含む(comprise)」または「含む(comprises)」または「含む(comprising)」または「で構成される(comprised of)」は、限定されない群を指し、その群が、明示的に列挙されたものに加えて追加の要素を含み得ることを意味する。例えば、「Aを含む」という語句は、Aが存在しなければならないが、他の要素も存在し得ることを意味する。「含む(include)」、「有する(have)」、および「で構成される(composed of)」という用語およびそれらの文法的な変化形は同じ意味を有する。対照的に、「からなる(consist of)」または「からなる(consists of)」または「からなる(consisting of)」は、限定のある群を指す。例えば、「Aからなる」という語句は、Aが存在し、かつAのみが存在することを意味する。
【0038】
本明細書で使用される場合、「任意選択で」とは、その後に記載される事象が生じても生じなくてもよいことを意味する。幾つかの実施形態では、任意選択の事象は生じない。幾つかの他の実施形態では、任意選択の事象は1回以上生じる。
【0039】
本明細書で使用される場合、「または」には、その最も広い合理的な解釈が与えられるべきであり、二者択一の解釈に限定されるべきではない。したがって、「AまたはBを含む」という語句は、Aが存在し、かつBが存在し得ないこと、またはBが存在し、かつAが存在しないこと、またはAとBの両方が存在することを意味する。さらに、例えば、Aが複数の要素、例えばA1およびA2を有し得る集合を定義する場合には、この集合のうち1つ以上の要素が同時に存在し得る。
【0040】
本明細書で使用される場合、単一原子のみを有する特定の置換基または連結基は、その原子の名称で呼ばれる場合がある。例えば、場合によって、置換基「-H」が「水素」または「水素原子」と呼ばれることもあり、置換基「-F」が「フッ素」または「フッ素原子」と呼ばれることもあり、連結基「-O-」が「酸素」または「酸素原子」と呼ばれることもある。
【0041】
基の連結点は、概して、末端のダッシュ(-)またはアスタリスク(*)で示される。例えば、*-CH2-CH3または-CH2-CH3のような基は、いずれもエチル基を表す。
【0042】
化学構造は多くの場合、炭素原子が明示的に示されないような「骨格」形式を使用して表され、炭素原子に結合している水素原子は完全に省略される。例えば、構造
【化3】
は、ブタン(すなわちn-ブタン)を表す。さらに、ベンゼンなどの芳香族基は、寄与する共鳴構造の1つを示すことによって表される。例えば、構造
【化4】
は、トルエンを表す。
【0043】
本明細書で使用される場合、「塩味物質」とは、摂取されると、(i)単独で、または塩化ナトリウムなどの塩分の存在下で塩味の知覚を誘発または増強する化合物、または(ii)塩味の知覚に関連する1つ以上のイオンチャネルを通じてイオンの流れを変化させる化合物である。塩味の知覚に関連するイオンチャネルの例としては、ENaCチャネル、TrpV1チャネル、およびTrpML3チャネルが挙げられる。「塩味を増強する」という用語は、塩味物質の存在の知覚を増加させるが、直接的には二次的にのみ塩味に寄与する(または全く寄与しない)ことを指す。
【0044】
本明細書で使用される場合、「旨味物質」とは、摂取されると、(i)単独で、または別の旨味物質の存在下で旨味の知覚を誘発または増強する化合物、または(ii)T1R旨味受容体を活性化する化合物である。「旨味を増強する」という用語は、旨味物質の存在の知覚を増加させるが、直接的には二次的にのみ旨味に寄与する(または全く寄与しない)ことを指す。
【0045】
本明細書で使用される場合、「苦味物質」とは、摂取されると、(i)単独で、または別の苦味物質の存在下で苦味の知覚を誘発または増強する化合物、または(ii)1つ以上のT2R苦味受容体を活性化する化合物である。「苦味をマスキングする」という用語は、苦味物質の存在の知覚を減少させることを指す。
【0046】
本明細書で使用される場合、「コク味物質」とは、摂取されると、単独で、または別のコク味物質の存在下でコク味の知覚を誘発または増強する化合物である。コク味は、典型的にガンマ-グルタミルトリペプチド、発酵食品などに関連する味である。「コク味を増強する」という用語は、コク味物質の存在の知覚を増加させるが、直接的には二次的にのみコク味に寄与する(または全く寄与しない)ことを指す。
【0047】
本明細書で使用される場合、「ジューシーさ」とは、水分および液体脂肪などの液体が製品内に存在することを指す。「知覚されるジューシーさを増強する」という用語は、製品中の液体量を実際に増加させることなく、製品内の液体の存在の知覚を増加させることを指す。例えば、唾液の生成の増加を誘発する化合物は、ジューシーさの知覚を増強することができる。
【0048】
本明細書で使用される場合、「脂肪分」とは、製品内の脂肪酸グリセリド(例えば、トリグリセリド)の存在を指す。「知覚される脂肪分を増強する」という用語は、製品中の脂肪酸グリセリドの量を実際に増加させることなく、製品内の脂肪酸グリセリドの存在の知覚を増加させることを指す。
【0049】
本明細書で使用される場合、「アルコール」は、食品または飲料品の成分を説明する文脈で使用されるとき、エタノールを指す。
【0050】
本明細書で使用される場合、「辛味物質」または「スパイシー味物質」とは、摂取されると、TRpV1受容体を活性化し、それによって辛味またはスパイシー味の知覚を誘発または増強する化合物である。このような化合物の例としては、カプサイシン、ならびにカラシおよびワサビに含まれる辛味成分が挙げられる。「辛味を低減する」または「スパイシー味を低減する」という用語は、辛味物質またはスパイシー味物質の存在の知覚を減少させることを指す。
【0051】
その他の用語は、本サブセクションに含まれていなくとも、本説明の別の部分に定義されている。
【0052】
脱アセチル化方法
少なくとも1つの態様では、本開示は、アセテートを脱アセチル化する方法であって、
(a)式(I):
【化5】
[式中、R
1、R
2、およびR
3は、独立して、水素原子または-C(O)-CH
3であり、R
1、R
2、およびR
3のうちの少なくとも1つは、-C(O)-CH
3であり、R
4は、C
13-17アルキル、C
13-17アルケニル、またはC
13-17アルキニルである]
の1つ以上のアボカドアセテート化合物を含む出発組成物を提供することと、
(b)出発組成物に水、有機酸、および有機アルコールを導入して、1つ以上のアボカドアセテート化合物を加水分解し、式(II)
【化6】
の1つ以上のトリオール化合物を含む生成組成物を生成することと
を含む、方法を提供する。
【0053】
変数R1、R2、およびR3は、それらの1つが-C(O)-CH3である限り、任意の好適な値を有し得る。幾つかの実施形態では、R1およびR3は水素原子であり、R2は、-C(O)-CH3である。幾つかの他の実施形態では、R1およびR2は水素原子であり、R3は、-C(O)-CH3である。幾つかの他の実施形態では、R1は水素原子であり、R2およびR3はいずれも-C(O)-CH3である。幾つかの他の実施形態では、R1、R2、およびR3の3つすべてが-C(O)-CH3である。
【0054】
変数R4は、上記に示す定義と一致する任意の好適な値を有し得る。幾つかの実施形態では、R4は、C13-17アルケニルまたはC13-17アルキニルである。幾つかの更なる実施形態では、R4は、C13-17アルケニルである。幾つかの他のこのような実施形態では、R4は、C13-17アルキニルである。幾つかの実施形態では、R4は、-(CH2)11-CH=CH2、-(CH2)11-C≡CH、-(CH2)-CH=CH-(CH2)8-CH=CH2、-(CH2)11-CH=CH-CH=CH2、-(CH2)11-CH=CH-CH2-CH3、-(CH2)12-CH3、-(CH2)14-CH3、-(CH2)17-CH3、-(CH2)13-CH=CH2、-(CH2)15-CH=CH2、または-(CH2)7-CH=CH-CH2-CH=CH-(CH2)4-CH3である。幾つかの実施形態では、R4は、-(CH2)11-CH=CH2または-(CH2)11-C≡CHである。幾つかの実施形態では、R4は、-(CH2)11-CH=CH2である。幾つかの実施形態では、R4は、-(CH2)11-C≡CHである。
【0055】
幾つかの実施形態では、式(I)のアボカドアセテート化合物は、アボカデンのアセテート((2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシヘプタデカ-16-エンのアセテート)およびアボカジン((2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシヘプタデカ-16-インのアセテート)を含む。幾つかのこのような実施形態では、式(II)の得られるトリオールは、アボカデン((2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシヘプタデカ-16-エン)およびアボカジン((2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシ-ヘプタデカ-16-イン)を含む。
【0056】
関連する態様では、本開示は、アボカドトリオール含有量を増加させる方法であって、(a)アボカデン、アボカジン、1つ以上のアボカデンアセテート、および1つ以上のアボカジンアセテートを含む出発組成物を提供することと、(b)出発組成物に水、有機酸、および有機アルコールを導入して、1つ以上のアボカデンアセテートの一部およびアボカジンアセテートの一部を加水分解し、それぞれアボカデンおよびアボカジンを生成することとを含む方法を提供する。
【0057】
出発組成物は、任意の好適な供給源に由来するものであってよい。幾つかの実施形態では、出発組成物は、アボカド、例えばペルセア・アメリカーナ(Persea americana)樹の果実から抽出された油を含む。あるいは、このような油は「アボカド油」と称される場合もある。幾つかの実施形態では、アボカド油を濾過またはそれ以外の方法で処理して、セルロース系材などの残留非脂肪材を除去する。幾つかの実施形態では、出発組成物は、出発組成物の総重量に対して、少なくとも50重量%、または少なくとも60重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも80重量%、または少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%、または少なくとも97重量%、または少なくとも99重量%のアボカド油を含む。
【0058】
幾つかの実施形態では、出発組成物は、ある量の式(II)のトリオール化合物を含む。
【0059】
幾つかの他の実施形態では、出発物質はアボカド油画分を含む。この画分は、種子油を分画する任意の好適な手段によって生成することができる。幾つかのこのような実施形態では、アボカド油画分は、未分画アボカド油と比較して、上記に示す実施形態のいずれかに従う式(I)の1つ以上の化合物を高濃度で含む。幾つかのこのような実施形態では、出発組成物は、出発組成物の総重量に対して、少なくとも50重量%、または少なくとも60重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも80重量%、または少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%、または少なくとも97重量%、または少なくとも99重量%のアボカド油画分を含む。
【0060】
幾つかの実施形態では、出発組成物は、アボカド油および1つ以上のアボカド油画分を含む。幾つかのこのような実施形態では、出発組成物は、出発組成物の総重量に対して、少なくとも50重量%、または少なくとも60重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも80重量%、または少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%、または少なくとも97重量%、または少なくとも99重量%のアボカド油および1つ以上のアボカド油画分を含む。
【0061】
出発組成物は、式(I)の1つ以上のアボカドアセテート化合物を含む。概して、アボカドアセテート化合物はアボカド油に天然に存在する。幾つかの実施形態では、アボカドアセテート化合物は、出発組成物中のこのような化合物の濃度をアボカド油中のその濃度と比較して増加させるために出発組成物に添加される。このような化合物の濃度は、アボカド油のバッチごとに異なる場合がある。
【0062】
本明細書に開示される脱アセチル化方法は、出発組成物に水、有機酸、および有機アルコールを導入して、1つ以上のアボカドアセテート化合物を加水分解し、式(II)またはその任意の実施形態の1つ以上のトリオール化合物を含む生成組成物を生成することを含む。
【0063】
本方法にはあらゆる形態の水を使用することができる。ただし、幾つかの実施形態では、水は蒸留水または脱イオン水である。出発組成物中のアボカド油および/またはアボカド油画分の量に対して、任意の好適な量の水を使用することができる。幾つかの実施形態では、導入される水とアボカド油および/またはアボカド油画分との重量比は、2:1~12:1、または3:1~10:1の範囲である。
【0064】
本方法にはあらゆる好適な有機酸を使用することができる。幾つかの実施形態では、有機酸は、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、またはそれらの任意の組み合わせである。幾つかの実施形態では、有機酸はクエン酸である。出発組成物中のアボカド油および/またはアボカド油画分の量に対して、任意の好適な量の有機酸を使用することができる。幾つかの実施形態では、導入される有機酸とアボカド油および/またはアボカド油画分との重量比は、1:3~3:1、または1:2~2:1の範囲である。
【0065】
本方法にはあらゆる好適な有機アルコールを使用することができる。幾つかの実施形態では、有機アルコールは水混和性アルコールである。幾つかの実施形態では、有機アルコールは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、またはそれらの任意の組み合わせである。幾つかの実施形態では、有機アルコールはエタノールである。出発組成物中のアボカド油および/またはアボカド油画分の量に対して、任意の好適な量の有機アルコールを使用することができる。幾つかの実施形態では、導入される有機アルコールとアボカド油および/またはアボカド油画分との重量比は、3:1~20:1、または6:1~18:1の範囲である。
【0066】
脱アセチル化反応は、通常、一定時間の加熱により行われる。幾つかの実施形態では、反応混合物は、少なくとも60℃、または少なくとも70℃、または少なくとも80℃、かつ100℃以下、または95℃以下、または90℃以下の温度に加熱される。任意の好適な時間にわたり熱を加えることができる。幾つかの実施形態では、熱は、6時間~48時間、または12時間~36時間の範囲の期間にわたり加えられる。
【0067】
幾つかの実施形態では、有機アルコールの大部分および水の一部が蒸発して濃縮生成組成物が生成される温度および時間で熱を加える。例えば、幾つかの実施形態では、有機アルコールの少なくとも90重量%または少なくとも95重量%が蒸発する。幾つかの実施形態では、蒸発により二相系が生じ、そのうち有機相は、式(II)の目的トリオール化合物のほぼ全部ではないものの大部分を含有する。
【0068】
幾つかの実施形態では、得られた有機相を濃縮生成組成物の水相から分離し、1回以上の洗浄を施すことができる。このような洗浄は、水、または炭酸塩水溶液などの塩基性水溶液を用いて実施することができる。
【0069】
幾つかの実施形態では、任意選択で洗浄された、濃縮生成組成物の有機相の少なくとも一部を分画して、より高濃度の式(II)のトリオール化合物を含む画分、すなわち強化生成組成物を分離する。分画は、結晶化、抽出、クロマトグラフィーなどの当技術分野において公知の方法によって実施することができる。幾つかの実施形態では、分画は、標準的な有機溶媒を使用するクロマトグラフィーによって実施される。強化生成組成物は、任意の好適な濃度の式(II)の化合物を含有し得る。例えば、幾つかの実施形態では、強化生成組成物は、強化生成組成物の総重量に対して、少なくとも20重量%、または少なくとも30重量%、または少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%の式(II)の化合物を含む。
【0070】
本方法により、式(I)のアセテート化合物から式(II)のトリオール化合物への任意の好適な変換が生じ得る。幾つかの実施形態では、少なくとも30重量%、または少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%、または少なくとも60重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも80重量%、または少なくとも90重量%の式(I)のアセテート化合物が、式(II)のトリオール化合物に変換(および回収)される。
【0071】
概して、生成組成物または強化生成組成物では、式(I)のアボカドアセテートの濃度が相対的に低い。例えば、幾つかの実施形態では、生成組成物または強化生成組成物は、25重量%以下、または20重量%以下、または15重量%以下、または10重量%以下、または5重量%以下の式(I)のアボカドアセテートを含む。
【0072】
記載の化合物に同位体が存在する場合がある。化合物構造で表される各化学元素には、前記元素の任意の同位体が含まれる場合がある。例えば、化合物構造中に、水素原子が明示的に表される場合もあれば、または化合物中に存在するものと解釈される場合もある。水素原子が存在し得る化合物の任意の位置において、水素原子は、水素-1(プロチウム)および水素-2(デューテリウム)を含むがこれらに限定されない、水素の任意の同位体であり得る。したがって、本明細書での化合物への言及は、文脈から特に明らかでない限り、すべての潜在的な同位体形態を包含する。
【0073】
フレーバー改質組成物
上述の方法により製造される組成物は、例えば、塩味、旨味、コク味などのような特定の味を増強するためのフレーバー改質組成物としての有用性を有する。
【0074】
ある特定の実施形態では、このようなフレーバー改質組成物は、式(II)の1つ以上のトリオール化合物を含む。このようなトリオール化合物は、フレーバー改質組成物中で任意の好適な濃度を占め得る。例えば、幾つかの実施形態では、フレーバー改質組成物は、少なくとも30重量%、または少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%、または少なくとも60重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも80重量%、または少なくとも90重量%の式(II)のトリオール化合物を含む。
【0075】
幾つかの実施形態では、フレーバー改質組成物は、アボカデン((2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシヘプタデカ-16-エン)およびアボカジン((2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシ-ヘプタデカ-16-イン)を含む。このような実施形態では、アボカデンおよびアボカジンは、互いに対して任意の好適な比率で存在し得る。例えば、幾つかの実施形態では、フレーバー改質組成物中のアボカデンとアボカジンとの重量比は、1:2~5:1、または1:1~3:1の範囲である。アボカデンおよびアボカジンは、フレーバー改質組成物中で任意の好適な濃度を占め得る。例えば、幾つかの実施形態では、アボカデンおよびアボカジンは、合わせて、フレーバー改質組成物の少なくとも10重量%、または少なくとも15重量%、または少なくとも20重量%、または少なくとも25重量%、または少なくとも30重量%、または少なくとも35重量%、または少なくとも40重量%を占める。
【0076】
フレーバー改質組成物はまた、式(II)の他のトリオール化合物も含み得る。このような他のトリオール化合物としては、
(2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシヘプタデカ-6,16-ジエン;
(2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシノナデカ-16,18-ジエン;
(2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシヘプタデカン;
(2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシヘンイコサ-12,15-ジエン;
(2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシノナデカン;
(2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシヘンイコサン;
(2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシノナデカ-18-エン;および
(2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシヘンイコサ-20-エン;
(2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシノナデカ-16-エン
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。このような追加のトリオールは、例えば、そのアセテートの出発組成物中の天然濃度に応じて、任意の好適な濃度でフレーバー改質組成物中に存在し得る。
【0077】
使用および方法
ある特定の態様では、本開示は、(先行する態様およびその実施形態に従う任意の形態での)フレーバー改質組成物の使用および使用方法を提供する。
【0078】
ある特定の態様では、本開示は、例えば食品または飲料品における、上記に示すフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、上記に示すフレーバー改質組成物の対応する使用方法であって、フレーバー食品または飲料品などの摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。
【0079】
ある特定の態様では、本開示は、摂取可能な組成物のフレーバーを改質するための、上記に示すフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物のフレーバーを改質するための、上記に示すフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。
【0080】
ある特定の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の塩味を増強するための、上記に示すフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の塩分(例えば、塩化ナトリウム)含有量を低減するための、上記に示すフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の塩味を増強するための、上記に示すいずれかのフレーバー改質組成物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。これらの態様の幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、またはそれらの任意の組み合わせなどの塩味物質を含む。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。ある特定の実施形態では、フレーバー改質組成物の導入または使用により、塩味物質(例えば、塩化ナトリウム)を少なくとも10%、または少なくとも20%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%低減することが可能になる。
【0081】
ある特定の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の旨味を増強するための、上記に示すフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の旨味物質(例えば、グルタミン酸塩またはアスパラギン酸塩)の含有量を低減するまたはゼロにするための、第2の態様または任意の関連する態様のフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の旨味を増強するための、上記に示すフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。これらの態様の幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、グルタミン酸一ナトリウム(MSG)が含まれていないか、または実質的に含まれていない(例えば、1000ppm以下、または900ppm以下、または800ppm以下、または700ppm以下、または600ppm以下、または500ppm以下、または400ppm以下、または300ppm以下、または200ppm以下、または100ppm以下を含有する)。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。
【0082】
ある特定の態様では、本開示は、摂取可能な組成物のコク味を増強するための、上記に示すフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物のグルタミル(例えば、L-グルタミルトリペプチド)含有量を低減するまたはゼロにするための、上記に示すフレーバー改質組成物の使用を提供する。別の関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の動物性(例えば、動物性ブロスまたは肉)含有物の量を低減するまたはゼロにするための、上記に示すフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物のコク味を増強するための、上記に示すフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。
【0083】
ある特定の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の苦味をマスキングするための、上記に示すフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の苦味をマスキングするための、上記に示すフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、塩化カリウムなどの苦味物質を含む。
【0084】
ある特定の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の知覚される甘味を増強するための、上記に示すフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の知覚される甘味を増強するための、上記に示すフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。
【0085】
ある特定の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の辛味またはスパイシー味を低減するための、上記に示すフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の辛味またはスパイシー味を低減するための、上記に示すフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。このような低減は、TRpV1受容体に結合して、この受容体を活性化する化合物に対する受容体の応答を低減させることによって起こる。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、辛味物質またはスパイシー味物質、例えば、マスタード、ホースラディッシュ、およびワサビなどの辛味食品中のカプサイシンおよびバニロイドを含む。
【0086】
ある特定の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の知覚されるジューシーさを増強するための、上記に示すフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の知覚されるジューシーさを増強するための、上記に示すフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。
【0087】
ある特定の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の知覚される脂肪含有量を増強するための、上記に示すフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の知覚される脂肪含有量を増強するための、上記に示すフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。幾つかの関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の脂肪含有量を低減するための、上記に示すフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の脂肪含有量を低減する方法であって、摂取可能な組成物に上記に示すフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、カカオバターなどの1つ以上の非動物由来脂肪を含む。
【0088】
ある特定の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の知覚される動物性製品含有量を増強するための、上記に示すフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の知覚される動物性製品含有量を増強するための、上記に示すフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。幾つかの関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の動物性製品含有量を低減するまたはゼロにするための、上記に示すフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の動物性製品含有量を低減するまたはゼロにする方法であって、摂取可能な組成物に上記に示すフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。幾つかの実施形態では、フレーバー製品は、肉類似製品である。
【0089】
ある特定の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の知覚されるアルコール含有量を増強するための、上記に示すフレーバー改質組成物の使用を提供する(例えば、とりわけ、特定の熱受容体の活性化によるもの)。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の知覚されるアルコール含有量を増強するための、上記に示すフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。幾つかの実施形態では、摂取可能な内容物は、ハードセルツァー製品などの低アルコール飲料またはゼロアルコール飲料である。
【0090】
ある特定の態様では、本開示は、摂取可能な組成物の食感を増強するための、上記に示すフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物の食感を増強するための、上記に示すフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。
【0091】
ある特定の態様では、本開示は、摂取可能な組成物のオフノートの知覚を低減するための、上記に示すフレーバー改質組成物の使用を提供する。関連する態様では、本開示は、摂取可能な組成物のオフノートの知覚を低減するための、上記に示すフレーバー改質化合物の対応する使用方法であって、摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を導入することを含む方法を提供する。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー食品または飲料品などのフレーバー製品である。幾つかの実施形態では、オフノートは、穀物臭、カードボード臭、青草臭、刺激臭、収斂性の臭い、またはそれらの任意の組み合わせを含む、エンドウ豆タンパク質などの植物性タンパク質に特徴的な香気である。
【0092】
摂取可能な組成物
前述の使用および方法は、概して、1つ以上の追加の成分または材料を有する摂取可能な組成物にフレーバー改質組成物を使用するまたは導入することを伴う。例えば、少なくとも1つの態様では、本開示は、前述の態様またはその実施形態のいずれかのフレーバー改質組成物を含む摂取可能な組成物を提供する。
【0093】
摂取可能な組成物は、(上記に示す実施形態のいずれかに従う)フレーバー改質組成物を任意の好適な濃度で含むことができる。幾つかの実施形態では、フレーバー改質組成物は、摂取可能な組成物の味を増強する(例えば、旨味を増強する、コク味を増強する、または塩味を増強する)のに十分な量で存在する。したがって、幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー改質組成物を、1000ppm以下、または900ppm以下、または800ppm以下、または700ppm以下、または600ppm以下、または500ppm以下、または400ppm以下、または300ppm以下、または200ppm以下、または150ppm以下、または100ppm以下、または50ppm以下、または40ppm以下、または30ppm以下、または20ppm以下、または10ppmの濃度で含む。幾つかの実施形態では、フレーバー改質組成物は、0.1ppm、0.5ppm、または1ppmなどの最小限の量で存在する。したがって、幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、フレーバー改質組成物を、1ppm~1000ppm、または1ppm~900ppm、または1ppm~800ppm、または1ppm~700ppm、または1ppm~600ppm、または1ppm~500ppm、または1ppm~400ppm、または1ppm~300ppm、または1ppm~200ppm、または1ppm~150ppm、または1ppm~100ppm、または1ppm~50ppm、または1ppm~40ppm、または1ppm~30ppm、または1ppm~20ppm、または0.5ppm~1000ppm、または0.5ppm~900ppm、または0.5ppm~800ppm、または0.5ppm~700ppm、または0.5ppm~600ppm、または0.5ppm~500ppm、または0.5ppm~400ppm、または0.5ppm~300ppm、または0.5ppm~200ppm、または0.5ppm~150ppm、または0.5ppm~100ppm、または0.5ppm~50ppm、または0.5ppm~40ppm、または0.5ppm~30ppm、または0.5ppm~20ppm、または0.1ppm~1000ppm、または0.1ppm~900ppm、または0.1ppm~800ppm、または0.1ppm~700ppm、または0.1ppm~600ppm、または0.1ppm~500ppm、または0.1ppm~400ppm、または0.1ppm~300ppm、または0.1ppm~200ppm、または0.1ppm~150ppm、または0.1ppm~100ppm、または0.1ppm~50ppm、または0.1ppm~40ppm、または0.1ppm~30ppm、または0.1ppm~20ppmの範囲の濃度で含む。
【0094】
前述の実施形態のうちいずれかの幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、塩味物質および(上記に示す実施形態のいずれかに従う)フレーバー改質組成物を含む。幾つかの実施形態では、塩味物質は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、またはそれらの組み合わせである。幾つかのこのような実施形態では、塩味物質は、塩化ナトリウムである。幾つかの他の実施形態では、塩味物質は、塩化カリウムである。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、(上記に示す実施形態のいずれかに従う)フレーバー改質組成物を含まない同等の塩味組成物よりも低濃度で塩味物質を含む。幾つかのこのような実施形態では、塩味物質の濃度は、(上記に示す実施形態のいずれかに従う)フレーバー改質組成物を含まない同等の塩味組成物の塩味物質濃度よりも10%超低い、20%超低い、30%超低い、40%超低い、50%超低い、60%超低い、または70%超低い、または80%超低い、または90%超低い。幾つかの実施形態では、塩味物質は摂取可能な組成物中に、摂取可能な組成物の総重量に対して、0.001重量パーセント~1.0重量パーセント、または0.001重量パーセント~0.9重量パーセント、または0.001重量パーセント~0.8重量パーセント、または0.001重量パーセント~0.7重量パーセント、または0.001重量パーセント~0.6重量パーセント、または0.001重量パーセント~0.5重量パーセント、または0.001重量パーセント~0.4重量パーセント、または0.001重量パーセント~0.3重量パーセント、または0.001重量パーセント~0.2重量パーセント、または0.001重量パーセント~0.1重量パーセント、または0.01重量パーセント~1.0重量パーセント、または0.01重量パーセント~0.9重量パーセント、または0.01重量パーセント~0.8重量パーセント、または0.01重量パーセント~0.7重量パーセント、または0.01重量パーセント~0.6重量パーセント、または0.01重量パーセント~0.5重量パーセント、または0.01重量パーセント~0.4重量パーセント、または0.01重量パーセント~0.3重量パーセント、または0.01重量パーセント~0.2重量パーセント、または0.01重量パーセント~0.1重量パーセントの範囲の濃度で存在する。
【0095】
前述の実施形態のうちいずれかの幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、旨味物質および(上記に示す実施形態のいずれかに従う)フレーバー改質組成物を含む。幾つかの実施形態では、旨味物質は、グルタミン酸塩、アルギン酸塩、プリンリボヌクレオチド、またはそれらの組み合わせである。幾つかのこのような実施形態では、塩味物質は、グルタミン酸一ナトリウム(MSG)である。幾つかの実施形態では、旨味物質はプリンリボヌクレオチド(例えば、イノシン一リン酸(IMP)、グアノシン一リン酸(GMP)、ヒポキサンチン、イノシン、またはそれらの任意の組み合わせ)である。幾つかの実施形態では、旨味物質は、イノシン一リン酸(IMP)、グアノシン一リン酸(GMP)、またはそれらの組み合わせである。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、(上記に示す実施形態のいずれかに従う)フレーバー改質組成物を含まない同等の旨味組成物よりも低濃度で旨味物質を含む。幾つかのこのような実施形態では、旨味物質の濃度は、(上記に示す実施形態のいずれかに従う)フレーバー改質組成物を含まない同等の旨味組成物中の旨味物質濃度よりも10%超低い、20%超低い、30%超低い、40%超低い、50%超低い、60%超低い、または70%超低い、または80%超低い、または90%超低い。幾つかの実施形態では、旨味物質は摂取可能な組成物中に、摂取可能な組成物の総重量に対して、1ppm~1000ppm、または1ppm~900ppm、または1ppm~800ppm、または1ppm~700ppm、または1ppm~600ppm、または1ppm~500ppm、または1ppm~400ppm、または1ppm~300ppm、または1ppm~200ppm、または1ppm~100ppm、または1ppm~75ppm、または1ppm~50ppm、または1ppm~25ppm、または1ppm~10ppmの範囲の濃度で存在する。旨味物質がグルタミン酸一ナトリウムである幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、摂取可能な組成物の総重量に対して、10ppm以下、または5ppm以下、または1ppm以下のグルタミン酸一ナトリウムを含む。
【0096】
ある特定の特別な実施形態では、摂取可能な組成物は、動物性脂肪または植物性脂肪などの脂肪、および(上記に示す実施形態のいずれかに従う)フレーバー改質組成物を含む。幾つかのこのような実施形態では、フレーバー改質組成物の導入により、使用する脂肪を減少させつつ(例えば、10%超低い、20%超低い、30%超低い、40%超低い、50%超低い、60%超低い、または70%超低い、または80%超低い、または90%超低い)、より高濃度の脂肪を用いているがフレーバー改質組成物を用いない同等の製品の脂肪特性のレベルをなおも実現することが可能になる。幾つかの関連する実施形態では、フレーバー改質組成物の使用により、組成物から脂肪をゼロにすることが可能になる。脂肪は、動物性脂肪または植物性脂肪に由来する脂肪など、任意の好適な脂肪であり得る。幾つかの実施形態では、脂肪は、乳脂肪(種々のチーズ中の脂肪を含む)、牛脂肪、豚脂肪、鶏脂肪、子ヒツジ脂肪、ヤギ脂肪、魚油、バターなどの動物性脂肪である。幾つかの他の実施形態では、脂肪は、非動物性脂肪、例えば、オリーブ油、キャノーラ油、コーン油、ベニバナ油、ナッツ油、ピーナッツ油、カシュー油、大豆油、パーム油、パーム核油、ココナッツ油、ココアバター、およびナッツバター(ピーナッツバター、カシューバター、アーモンドバター、ヘーゼルナッツバターなど)である。幾つかの実施形態では、脂肪はカカオバターである。脂肪は、摂取可能な組成物中に任意の好適な濃度で存在し得る。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物中の脂肪濃度は、1重量パーセント~60重量パーセント、または1重量パーセント~50重量パーセント、または1重量パーセント~40重量パーセント、または1重量パーセント~30重量パーセント、または1重量パーセント~20重量パーセント、または1重量パーセント~10重量パーセントの範囲である。
【0097】
前述の実施形態のうちいずれかの幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、コク味物質および(上記に示す実施形態のいずれかに従う)フレーバー改質組成物を含む。幾つかの実施形態では、コク味物質は、酵母抽出物、発酵食品、チーズ、ニンニクまたはその抽出物、ガンマ-グルタミル含有ポリペプチド、ガンマ-グルタミル含有オリゴペプチド(例えば、ガンマ-グルタミル含有トリペプチド)、フレーバー改質組成物(ケイ皮酸アミドまたはその誘導体など)、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、植物抽出物、食品抽出物、またはそれらの任意の組み合わせである。幾つかの実施形態では、コク味物質は、ガンマ-グルタミル含有トリペプチドである。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、(上記に示す実施形態のいずれかに従う)フレーバー改質組成物を含まない同等のコク味組成物よりも低濃度でコク味物質を含む。幾つかのこのような実施形態では、コク味物質の濃度は、(上記に示す実施形態のいずれかに従う)フレーバー改質組成物を含まない同等のコク味組成物中のコク味物質濃度よりも10%超低い、20%超低い、30%超低い、40%超低い、50%超低い、60%超低い、または70%超低い、または80%超低い、または90%超低い。幾つかの実施形態では、コク味物質は摂取可能な組成物中に、摂取可能な組成物の総重量に対して、1ppm~1000ppm、または1ppm~900ppm、または1ppm~800ppm、または1ppm~700ppm、または1ppm~600ppm、または1ppm~500ppm、または1ppm~400ppm、または1ppm~300ppm、または1ppm~200ppm、または1ppm~100ppm、または1ppm~75ppm、または1ppm~50ppm、または1ppm~25ppm、または1ppm~10ppmの範囲の濃度で存在する。
【0098】
ある特定の特別な実施形態では、摂取可能な組成物は、アルコールおよび(上記に示す実施形態のいずれかに従う)フレーバー改質組成物を含む。幾つかのこのような実施形態では、フレーバー改質組成物の導入により、使用するアルコールを減少させつつ(10%超低い、20%超低い、30%超低い、40%超低い、50%超低い、60%超低い、または70%超低い、または80%超低い、または90%超低いなど)、高濃度のアルコールを用いているがフレーバー改質組成物を用いない同等の製品のアルコール特性のレベルをなおも実現することが可能になる。幾つかの関連する実施形態では、フレーバー改質組成物の使用により、組成物からアルコールをゼロにすることが可能になる。アルコールは、摂取可能な組成物中で任意の好適な濃度を有することができる。幾つかの実施形態では、アルコール濃度は、摂取可能な組成物の総体積に対して、1体積パーセント~50体積パーセント、または1体積パーセント~45体積パーセント、または1体積パーセント~40体積パーセント、または1体積パーセント~35体積パーセント、または1体積パーセント~30体積パーセント、または1体積パーセント~25体積パーセント、または1体積パーセント~20体積パーセント、または1体積パーセント~15体積パーセント、または1体積パーセント~10体積パーセント、または1体積パーセント~5体積パーセントの範囲である。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、摂取可能な組成物の総体積に対して、1体積パーセント以下のアルコールを含む。このような摂取可能な組成物は、任意の好適な形態であり得る。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、以下に具体的に列挙されるもののいずれかなどの食品である。他の実施形態では、摂取可能な組成物は、ソーダ(例えばハードソーダ)などの飲料品である。アルコールは、穀物、ショ糖、果物などから生成されるアルコールなど、任意の好適な形態で存在し得る。
【0099】
幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、苦味物質および(上記に示す実施形態のいずれかに従う)フレーバー改質組成物を含む。このような苦味物質としては、医薬品有効成分(API)、タンニン(コーヒー、茶、またはワインに含まれるものなど)、高麗人参、ビタミン、ミネラル、リモニンまたはノミリン(柑橘果汁に含まれるものなど)、カフェイン、キニーネ、カテキン、ポリフェノール、塩化カリウム、メントール、その他一般的に使用されるオーラルケア成分、清涼剤(N-エチル-N-(チオフェン-2-イルメチル)-2-(p-トリルオキシ)アセトアミド、N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-2-(p-トリルオキシ)アセトアミド、2-(4-フルオロフェノキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)アセトアミド、2-(2-ヒドロキシ-4-メチルフェノキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-アセトアミド、2-((2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-アセトアミド、2-((2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チアゾール-5-イルメチル)-アセトアミド、および2-((5-メトキシベンゾフラン-2-イル)オキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-アセトアミド)、植物デンプンもしくは植物タンパク質(エンドウ豆タンパク質、大豆タンパク質、ヒヨコ豆タンパク質、またはジャガイモタンパク質など)、藻類のタンパク質もしくはデンプン、菌類のタンパク質もしくはデンプン、またはアルコール、高甘味度甘味料、例えばサッカリン、ステビオール配糖体、モグロシド、アスパルテームなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。フレーバー改質組成物は、このような苦味物質と、1:1000~1000:1、または1:100~100:1、または1:50~50:1、または1:25~25:1、または1:10~10:1の範囲の任意の好適な比(w/w)、例えば、1:25、1:24、1:23、1:22、1:21、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、または25:1で組み合わせて使用することができる。
【0100】
場合によっては、旨味またはコク味を増強することで、製品に含まれる甘味料の量を低減できる場合がある。したがって、幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、以下に示される実施形態のいずれかに従う1種以上の甘味料を含む。
【0101】
このような甘味料は、任意の好適な量で存在し得る。例えば、幾つかの実施形態では、甘味料は、0.1重量%~12重量%の範囲の濃度で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、0.2重量%~10重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、0.3重量%~8重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、0.4重量%~6重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、0.5重量%~5重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、1重量%~2重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、0.1重量%~5重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、0.1重量%~4重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、0.1重量%~3重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、0.1重量%~2重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、0.1重量%~1重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、0.1重量%~0.5重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、0.5重量%~10重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は、2重量%~8重量%の量で存在する。本段落に示される実施形態の幾つかの更なる実施形態では、甘味料は、スクロース、フルクトース、グルコース、キシリトール、エリトリトール、またはそれらの組み合わせである。上記に示すパーセンテージは、摂取可能な組成物の総重量に対する重量パーセントである。
【0102】
幾つかの他の実施形態では、甘味料は10ppm~1000ppmの量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は20ppm~800ppmの量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は30ppm~600ppmの量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は40ppm~500ppmの量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は50ppm~400ppmの量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は50ppm~300ppmの量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は50ppm~200ppmの量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は50ppm~150ppmの量で存在する。本段落に示される実施形態の幾つかの更なる実施形態では、甘味料は、ステビオール配糖体、モグロシド、グリコシド誘導体(例えば、グルコシレート)などの前述のいずれかの誘導体、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0103】
組成物は、任意の好適な甘味料または甘味料の組み合わせを含み得る。幾つかの実施形態では、甘味料は、スクロース、フルクトース、およびグルコースなどの一般的な糖類甘味料、ならびに天然糖を含む甘味料組成物、例えばコーンシロップ(高フルクトースコーンシロップを含む)、または天然の果実および野菜の原料に由来する他のシロップもしくは甘味料濃縮物などである。幾つかの実施形態では、甘味料は、スクロース、フルクトース、またはそれらの組み合わせである。幾つかの実施形態では、甘味料は、スクロースである。幾つかの他の実施形態では、甘味料は、D-アロース、D-プシコース、L-リボース、D-タガトース、L-グルコース、L-フコース、L-アラビノース、D-ツラノース、およびD-ロイクロースを含む希少天然糖から選択される。幾つかの実施形態では、甘味料は、エリトリトール、イソマルト、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルトデキストリンなどの半合成「糖アルコール」甘味料から選択される。幾つかの実施形態では、甘味料は、アスパルテーム、サッカリン、アセスルファム-K、シクラミン酸塩、スクラロース、およびアリテームなどの人工甘味料から選択される。幾つかの実施形態では、甘味料は、シクラミン酸、モグロシド、タガトース、マルトース、ガラクトース、マンノース、スクロース、フルクトース、ラクトース、アルロース、ネオテームおよびその他のアスパルテーム誘導体、グルコース、D-トリプトファン、グリシン、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、水添グルコースシロップ(HGS)、加水分解水添デンプン(HSH)、ステビオシド、レバウジオシドA、その他の甘いステビア系配糖体、化学修飾ステビオール配糖体(グルコシル化ステビオール配糖体など)、モグロシド、化学修飾モグロシド(グルコシル化モグロシド)、カレラームおよびその他のグアニジン系甘味料からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、甘味料は、本段落に示される甘味料のうち2つ以上の組み合わせである。幾つかの実施形態では、甘味料は、本明細書に開示される2つ、3つ、4つ、または5つの甘味料の組み合わせであってもよい。幾つかの実施形態では、甘味料は砂糖であってもよい。幾つかの実施形態では、甘味料は、1種以上の砂糖と他の天然甘味料および人工甘味料との組み合わせであってもよい。幾つかの実施形態では、甘味料は砂糖である。幾つかの実施形態では、砂糖はショ糖である。幾つかの実施形態では、砂糖は甜菜糖である。幾つかの実施形態では、砂糖は、スクロース、フルクトース、グルコース、またはそれらの組み合わせであってもよい。幾つかの実施形態では、砂糖は、スクロースであってもよい。幾つかの実施形態では、砂糖は、フルクトースとグルコースとの組み合わせであってもよい。
【0104】
甘味料は、例えば、コーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ、高マルトーストウモロコシシロップ、グルコースシロップ、スクラロースシロップ、水添グルコースシロップ(HGS)、加水分解水添デンプン(HSH)、もしくは天然の果実および野菜の原料に由来する他のシロップもしくは甘味料濃縮物などの1種以上の天然もしくは合成の炭水化物を含む甘味料組成物、またはポリオールなどの半合成「糖アルコール」甘味料を含み得る。幾つかの実施形態におけるポリオールの非限定的な例としては、エリトリトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトール、キシリトール、イソマルト、プロピレングリコール、グリセロール(グリセリン)、トレイトール、ガラクチトール、パラチノース、還元イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、還元マルトースシロップ、還元グルコースシロップ、イソマルツロース、マルトデキストリンなど、および味に悪影響を及ぼさない還元可能な糖アルコールまたは任意の他の炭水化物もしくはその組み合わせが挙げられる。
【0105】
甘味料は天然甘味料であっても合成甘味料であってもよく、これには、限定されるものではないが、アガベイヌリン、アガベネクター、アガベシロップ、アマザケ、ブラゼイン、玄米シロップ、ココナッツ結晶、ココナッツ糖、ココナッツシロップ、デーツ糖、フルクタン(イヌリン繊維、フルクトオリゴ糖、またはオリゴフルクトースとも呼ばれる)、グリーンステビア粉末、ステビア(stevia rebaudiana)、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドH、レバウジオシドL、レバウジオシドK、レバウジオシドJ、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドM、およびその他の甘いステビア系グリコシド、ステビオシド、ステビオシド抽出物、ハチミツ、キクイモ(Jerusalem artichoke)シロップ、カンゾウ根、ラカンカ(果実、粉末、または抽出物)、ルクマ(果実、粉末、または抽出物)、カエデの樹液(例えば、サトウカエデ(Acer saccharum)、クロカエデ(Acer nigrum)、アメリカハナノキ(Acer rubrum)、ギンヨウカエデ(Acer saccharinum)、ノルウェーカエデ(Acer platanoides)、トネリコバノカエデ(Acer negundo)、ヒロハカエデ(Acer macrophyllum)、オオキレハカエデ(Acer grandidentatum)、ロッキーマウンテンメープル(Acer glabrum)、イタヤカエデ(Acer mono)から抽出された樹液を含む)、メープルシロップ、メープルシュガー、クルミの樹液(例えば、バタグルミ(Juglans cinerea)、クロクルミ(Juglans nigra)、オニグルミ(Juglans ailatifolia)、ペルシャグルミ(Juglans regia)から抽出された樹液を含む)、シラカバの樹液(例えば、アメリカシラカバ(Betula papyrifera)、キハダカンバ(Betula alleghaniensis)、スウィートビーチ(Betula lenta)、リバーバーチ(Betula nigra)、ハイイロカンバ(Betula populifolia)、ヨーロッパシラカンバ(Betula pendula)から抽出された樹液を含む)、スズカケノキの樹液(例えば、アメリカスズカケノキ(Platanus occidentalis)から抽出された樹液など)、アイアンウッドの樹液(例えば、アメリカアサダ(Ostrya virginiana)から抽出された樹液など)、マスコバド、モラセス(例えば、ブラックストラップモラセスなど)、モラセス糖、モナチン、モネリン、ショ糖(天然糖、未精製ショ糖、またはスクロースとも呼ばれる)、パーム糖、パノーチャ、ピロンチーロ、ラパドゥラ、粗糖、ライスシロップ、ソルガム、ソルガムシロップ、キャッサバシロップ(タピオカシロップとも呼ばれる)、ソーマチン、ヤーコン根、麦芽シロップ、大麦麦芽シロップ、大麦麦芽粉末、ビーツ糖、ショ糖、結晶性果汁結晶、カラメル、カルビトール、イナゴマメシロップ、上白糖、加水分解水添デンプン、加水分解缶ジュース、加水分解デンプン、転化糖、アネトール、アラビノガラクタン、アロープ、シロップ、P-4000、アセスルファムカリウム(アセスルファムKまたはace-Kとも呼ばれる)、アリテーム(aclameとも呼ばれる)、アドバンテーム、アスパルテーム、バイユノシド、ネオテーム、ベンズアミド誘導体、ベルナデーム(bernadame)、キャンデレル、カレラームおよびその他のグアニジン系甘味料、植物繊維、コーンシュガー、カップリングシュガー、クルクリン、シクラミン酸塩、シクロカリオシドI、デメララ、デキストラン、デキストリン、糖化モルト、ズルチン、スクロール、バルジン、ズルコシドA、ズルコシドB、エムリン、エノキソロン、マルトデキストリン、サッカリン、エストラゴール、エチルマルトール、グルシン、グルコン酸、グルコノラクトン、グルコサミン、グルクロン酸、グリセロール、グリシン、グリシフィリン、グリチルリチン、グリチルレチン酸モノグルクロニド、ゴールデンシュガー、イエローシュガー、ゴールデンシロップ、グラニュー糖、アマチャヅル、ヘルナンドゥルシン、異性化液糖、ジャラブ、チコリルート食物繊維、キヌレニン誘導体(N’-ホルミル-キヌレニン、N’-アセチル-キヌレニン、6-クロロ-キヌレニンを含む)、ガラクチトール、リテッセ、リジカン(ligicane)、リカシン、ラグドゥネーム、グアニジン、ファレルナム、マビンリンI、マビンリンII、マルトール、マルチソルブ、マルトデキストリン、マルトトリオール、マンノサミン、ミラクリン、水飴、モグロシド(例えば、モグロシドIV、モグロシドV、およびネオモグロシドを含む)、ムクロジオシド、ナノシュガー、ナリンギンジヒドロカルコン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ニブシュガー、ニゲロオリゴ糖、ノルブ、オルゲートシロップ、オスラジン、ペクメズ、ペンタジン、ペリアンドリンI、ペリルアルデヒド、ペリラルチン、ペットペトフィラム(petphyllum)、フェニルアラニン、フロミソシド(phlomisoside)I、フロリジン(phlorodizin)、フィロズルチン、ポリグリシトールシロップ、ポリポドシドA、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、レビアナ、リファイナーシロップ、ラッブシロップ、ルブソシド、セリゲアインA、シュグル(shugr)、シアメノシドI、ラカンカ(siraitia grosvenorii)、大豆オリゴ糖、スプレンダ、SRIオキシムV、ステビオール配糖体、ステビオールビオシド、ステビオシド、ストロギン1、2、および4、スクロン酸、スクロノネート(sucrononate)、砂糖、スオサン、フロリジン、スーパーアスパルテーム、四糖、トレイトール、糖蜜、トリロバチン(trilobtain)、トリプトファンおよび誘導体(6-トリフルオロメチル-トリプトファン、6-クロロ-D-トリプトファン)、バニラシュガー、ボレミトール、バーチシロップ、アスパルテーム-アセスルファム、アスグリン、ならびにそれらの任意の2種以上の組み合わせまたはブレンドが含まれる。
【0106】
さらに他の実施形態では、甘味料は、化学修飾または酵素修飾された天然の高濃度甘味料であり得る。修飾された天然高濃度甘味料には、1~50個のグリコシド残基を含有するグルコシル誘導体、ガラクトシル誘導体、またはフルクトシル誘導体などのグリコシル化天然高濃度甘味料が含まれる。グリコシル化天然高濃度甘味料は、グリコシル転移活性を有する種々の酵素が触媒するグリコシル転移酵素反応によって調製することができる。幾つかの実施形態では、修飾された甘味料は置換されていても、非置換でもよい。
【0107】
追加の甘味料には、前述の甘味料の任意のいずれか2つ以上の組み合わせも含まれる。幾つかの実施形態では、甘味料は、本明細書に開示される2つ、3つ、4つ、または5つの甘味料の組み合わせを含み得る。幾つかの実施形態では、甘味料は砂糖であってもよい。幾つかの実施形態では、甘味料は、1種以上の砂糖と他の天然甘味料および人工甘味料との組み合わせであってもよい。幾つかの実施形態では、甘味料は、スクロース、フルクトース、キシリトール、エリトリトール、またはそれらの組み合わせなどのカロリー甘味料である。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、ステビオール配糖体、グルコシル化ステビオール配糖体、またはレバウジオシドなどのステビア由来甘味料を含まないか(または幾つかの実施形態では)実質的に含まない。例えば、幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、ステビア由来甘味料を含まないか、またはステビア由来甘味料を1000ppm以下、または500ppm以下、または200ppm以下、または100ppm以下、または50ppm以下、または20ppm以下、または10ppm以下、または5ppm以下、または3ppm以下、または1ppm以下の濃度で含む。
【0108】
ある特定の実施形態では、摂取可能な組成物は、食品および飲料品に一般的に使用される任意の追加成分または成分の組み合わせを含むことができ、これには、限定されるものではないが、
例えば、クエン酸、リン酸、アスコルビン酸、硫酸ナトリウム、乳酸、もしくは酒石酸を含む酸;
例えば、カフェイン、キニーネ、緑茶、カテキン、ポリフェノール、グリーンロブスタコーヒー抽出物、グリーンコーヒー抽出物、塩化カリウム、メントール、もしくはタンパク質(植物、藻類、または菌類に由来するタンパク質およびタンパク質分離物など)を含む苦味成分;
例えば、カラメル色素、赤色40号、黄色5号、黄色6号、青色1号、赤色3号、ムラサキニンジン、クロニンジンジュース、ムラサキサツマイモ、野菜ジュース、フルーツジュース、ベータカロテン、ターメリッククルクミン、もしくは二酸化チタンを含む着色剤;
例えば、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、ソルビン酸、もしくは安息香酸を含む防腐剤;
例えば、アスコルビン酸、EDTAカルシウム二ナトリウム、アルファトコフェロール、混合トコフェロール、ローズマリー抽出物、ブドウ種子抽出物、レスベラトロール、もしくはヘキサメタリン酸ナトリウムを含む酸化防止剤;
例えば、レスベラトロール、Co-Q10、オメガ3脂肪酸、テアニン、塩化コリン(シチコリン(citocoline))、ファイバーソル、イヌリン(チコリルート)、タウリン、オタネニンジン抽出物、グアナナ抽出物、ショウガ抽出物、L-フェニルアラニン、L-カルニチン、L-酒石酸塩、D-グルコロノラクトン、イノシトール、バイオフラボノイド、エキナセア、イチョウ葉、イェルバマテ、亜麻仁油、ガルシニアカンボジア外皮抽出物、白茶抽出物、リボース、オオアザミ抽出物、ブドウ種子抽出物、ピリドキシン(pyrodixine)HCl(ビタミンB6)、シアノコバラミン(cyanocobalamin)(ビタミンB12)、ナイアシンアミド(ビタミンB3)、ビオチン、乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム(パントテン酸)、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化クロム、ポリニコチン酸クロム、硫酸銅、葉酸、ピロリン酸第二鉄、鉄、乳酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸一カリウム、リン酸一ナトリウム、リン、ヨウ化カリウム、リン酸カリウム、リボフラビン、硫酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硝酸チアミン、ビタミンD3、パルミチン酸ビタミンA、グルコン酸亜鉛、乳酸亜鉛、もしくは硫酸亜鉛を含むビタミンもしくは機能性成分;
例えばエステルガム、臭素化植物油(BVO)、もしくはイソ酪酸酢酸スクロース(SAIB)を含む混濁剤;
例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、もしくは塩を含む緩衝液;
例えば、プロピレングリコール、エチルアルコール、グリセリン、アラビアガム(アカシアガム)、マルトデキストリン、変性コーンスターチ、デキストロース、天然フレーバー、他の天然フレーバーを含有する天然フレーバー(天然フレーバーWONF)、天然および人工のフレーバー、人工フレーバー、二酸化ケイ素、炭酸マグネシウム、もしくはリン酸三カルシウムを含むフレーバー;または
例えば、ペクチン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリソルベート60、ポリソルベート80、中鎖トリグリセリド、セルロースゲル、セルロースガム、カゼインナトリウム、変性食品デンプン、アラビアガム(アカシアガム)、イヌリン、もしくはカラギーナンを含む、デンプンおよび安定剤
が含まれる。
【0109】
摂取可能な組成物は、任意の好適なpHを有することができる。幾つかの実施形態では、フレーバー改質組成物は、広範囲のpH、例えば、低pHから中性pHで甘味料の甘味を増強する。低pHおよび中性pHには、1.5~9.0、すなわち2.5~8.5;3.0~8.0;3.5~7.5;および4.0~7のpHが含まれるが、これらに限定されるものではない。ある特定の実施形態では、本明細書に開示および記載される化合物は、個別にまたは組み合わせて、低pH値から中性pH値の両方における50μM、40μM、30μM、20μM、または10μMの化合物濃度での味覚試験において、固定濃度の甘味料の知覚される甘味を増強することができる。ある特定の実施形態では、個別のまたは組み合わせた本明細書に開示および記載される化合物の、低pHでの増強係数は、中性pHでの化合物の増強係数と実質的に同様である。広範囲のpH下でのこのような一貫した甘味増強特性により、本明細書に開示および記載される化合物を個別にまたは組み合わせて、多種多様な食品および飲料に幅広く使用することが可能になる。
【0110】
前述の実施形態のいずれかに従って示される摂取可能な組成物はまた、ある特定の実施形態では、甘味を増強する化合物(例えば、ヘスペレチン、ナリンゲニン、グルコシル化されたステビオール配糖体など)、苦味を遮断する化合物、旨味を増強する化合物、酸味もしくは甘草味を低減する化合物、塩味を増強する化合物、清涼効果を増強する化合物、または前述の任意の組み合わせなどの1種以上の追加のフレーバー改質化合物を含む。
【0111】
したがって、幾つかの実施形態では、本明細書に開示される摂取可能な組成物、フレーバー改質組成物は、1種以上の甘味増強化合物と組み合わされる。このような甘味増強化合物としては、3-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2,2-ジメチル-N-プロピル-プロパンアミド、N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチル-プロパン-2-イル)イソニコチンアミド、4-アミノ-5,6-ジメチルチエノ[2,3-d]ピリミジン-2(1H)-オン、ヘスペリチンジヒドロカルコン、ヘスペリチンジヒドロカルコン-4’-O’グルコシド、ネオヘスペリチンジヒドロカルコン、ナリンゲニン、ナリンギン、フロレチン、グルコシル化ステビオール配糖体、トリロバチン、エリオジクチオール、ホモエリオジクチオール、ブラゼイン、(2R,3R)-3-アセトキシ-5,7,4’-トリヒドロキシフラバノン、(2R,3R)-3-アセトキシ-5,7,3’-トリヒドロキシ-4’-メトキシフラバノン、ルブソシド、または米国特許第8,541,421号明細書;同第8,815,956号明細書;同第9,834,544号明細書;同第8,592,592号明細書;同第8,877,922号明細書;同第9,000,054号明細書;および同第9,000,051号明細書、ならびに米国特許出願公開第2017/0119032号明細書に示されるものなどの化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。フレーバー改質組成物は、他のこのような甘味増強物質と、1:1000~1000:1、または1:100~100:1、または1:50~50:1、または1:25~25:1、または1:10~10:1の範囲の任意の好適な比(w/w)、例えば、1:25、1:24、1:23、1:22、1:21、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、または25:1で組み合わせて使用することができる。先行する実施形態のうちいずれかの幾つかの実施形態では、フレーバー改質組成物は、上記の比のいずれかでグルコシル化ステビオール配糖体と組み合わされる。本明細書で使用される場合、「グルコシル化ステビオール配糖体」という用語は、天然ステビオール配糖体化合物を酵素によりグルコシル化した生成物を指す。グルコシル化は一般に、α-1,2結合、α-1,4結合、α-1,6結合、β-1,2結合、β-1,4結合、β-1,6結合などのグリコシド結合を介して起こる。先行する実施形態のうちいずれかの幾つかの実施形態では、フレーバー改質組成物は、3-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2,2-ジメチル-N-プロピル-プロパンアミド、N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチル-プロパン-2-イル)イソニコチンアミド、またはそれらの任意の組み合わせと上記の比のいずれかで組み合わされる。
【0112】
幾つかの更なる実施形態では、本明細書に開示される摂取可能な組成物、フレーバー改質組成物は、1種以上の他の旨味またはコク味増強化合物と組み合わされる。このような旨味増強化合物としては、(E)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-N-(4-メトキシフェネチル)-アクリルアミドなどの天然由来化合物、またはN-(ヘプタン-4-イル)-ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボキサミド、N1-(2,4-ジメトキシベンジル)-N2-(2-(ピリジン-2-イル)エチル)-オキサルアミド、アルキルアミド、もしくは米国特許第8,735,081号明細書;同第8,124,121号明細書および同第8,968,708号明細書に示される任意の他の化合物などの合成化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。フレーバー改質組成物は、このような旨味増強物質と、1:1000~1000:1、または1:100~100:1、または1:50~50:1、または1:25~25:1、または1:10~10:1の範囲の任意の好適な比(w/w)、例えば、1:25、1:24、1:23、1:22、1:21、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、または25:1で組み合わせて使用することができる。
【0113】
幾つかの更なる実施形態では、本明細書に開示される摂取可能な組成物、フレーバー改質組成物は、1種以上の清涼感増強化合物と組み合わされる。このような清涼感増強化合物としては、メントールもしくはその類似体などの天然由来化合物、または米国特許第9,394,287号明細書および同第10,421,727号明細書に示される任意の化合物などの合成化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。フレーバー改質組成物は、このような清涼感増強物質と、1:1000~1000:1、または1:100~100:1、または1:50~50:1、または1:25~25:1、または1:10~10:1の範囲の任意の好適な比(w/w)、例えば、1:25、1:24、1:23、1:22、1:21、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、または25:1で組み合わせて使用することができる。幾つかの実施形態では、摂取可能な組成物は、N-エチル-N-(チオフェン-2-イルメチル)-2-(p-トリルオキシ)アセトアミド;N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-2-(p-トリルオキシ)アセトアミド;2-(4-フルオロフェノキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)アセトアミド;2-(2-ヒドロキシ-4-メチルフェノキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-アセトアミド;2-((2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-アセトアミド;2-((2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チアゾール-5-イルメチル)-アセトアミド;2-((5-メトキシベンゾフラン-2-イル)オキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-アセトアミド、またはそれらの任意の組み合わせを前述の比のいずれかで含む。幾つかの実施形態では、このような摂取可能な組成物は、メントールまたはメントール類似体を含む。幾つかの更なる実施形態では、このような摂取可能な組成物は、練り歯磨、マウスウォッシュ、ホワイトニング剤、歯磨剤などのオーラルケア製品に使用するための組成物である。
【0114】
幾つかの更なる実施形態では、本明細書に開示される摂取可能な組成物、フレーバー改質組成物は、1種以上の苦味遮断化合物と組み合わされる。このような苦味遮断化合物としては、3-(1-((3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1-(3-ヒドロキシベンジル)-イミダゾリジン-2,4-ジオン、または米国特許第8,076,491号明細書;同第8,445,692号明細書;および同第9,247,759号明細書、または国際公開第2020/033669号に示される他の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。フレーバー改質組成物は、このような苦味遮断物質と、1:1000~1000:1、または1:100~100:1、または1:50~50:1、または1:25~25:1、または1:10~10:1の範囲の任意の好適な比(w/w)、例えば、1:25、1:24、1:23、1:22、1:21、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、または25:1で組み合わせて使用することができる。
【0115】
幾つかの更なる実施形態では、本明細書に開示される摂取可能な組成物、フレーバー改質組成物は、1種以上の酸味調整化合物と組み合わされる。酸味調整化合物の幾つかの例としては、クエン酸、アスコルビン酸、マロン酸、乳酸、酢酸、およびリンゴ酸などの有機酸が挙げられるが、これらに限定されない。フレーバー改質組成物は、このような酸味調整化合物と、1:1000~1000:1、または1:100~100:1、または1:50~50:1、または1:25~25:1、または1:10~10:1の範囲の任意の好適な比(w/w)、例えば、1:25、1:24、1:23、1:22、1:21、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、または25:1で組み合わせて使用することができる。
【0116】
幾つかの更なる実施形態では、本明細書に開示される摂取可能な組成物、フレーバー改質組成物は、1種以上の食感改質化合物と組み合わされる。このような食感改質化合物としては、タンニン、セルロース系材料、竹粉などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。フレーバー改質組成物は、このような食感増強物質と、1:1000~1000:1、または1:100~100:1、または1:50~50:1、または1:25~25:1、または1:10~10:1の範囲の任意の好適な比(w/w)、例えば、1:25、1:24、1:23、1:22、1:21、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、または25:1で組み合わせて使用することができる。
【0117】
幾つかの更なる実施形態では、本明細書に開示される摂取可能な組成物、フレーバー改質組成物は、1種以上のフレーバーマスキング化合物と組み合わされる。このようなフレーバーマスキング化合物としては、セルロース系材料、菌類から抽出された材料、植物から抽出された材料、クエン酸、炭酸(または炭酸塩)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。フレーバー改質組成物は、このような食感増強物質と、1:1000~1000:1、または1:100~100:1、または1:50~50:1、または1:25~25:1、または1:10~10:1の範囲の任意の好適な比(w/w)、例えば、1:25、1:24、1:23、1:22、1:21、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、または25:1で組み合わせて使用することができる。
【0118】
先行する態様および実施形態に関連する幾つかの態様では、本開示は、フレーバー物品などのフレーバー組成物のフレーバーを増強するためのフレーバー改質組成物の使用を提供する。このようなフレーバー組成物は、フルーツフレーバー、肉フレーバー、野菜フレーバーなどの任意の好適なフレーバーを使用することができる。幾つかの実施形態では、フレーバー組成物は、スープもしくはブロス、チップス、飲料、朝食用シリアル、ベイクド商品、肉類似製品、肉製品(成形肉製品など)、シーフード類似製品、シーフード製品、乳製品、または乳製品類似製品である。
【0119】
フレーバー製品
ある特定の態様では、本開示は、先行する態様またはそれらの実施形態のいずれかの組成物を含むフレーバー製品を提供する。幾つかの実施形態では、フレーバー製品は、ソーダ、フレーバーウォーター、茶、およびそれに類するものなどの飲料品である。幾つかの他の実施形態では、フレーバー製品は、スープ、肉類似品、乳製品類似品、シーフード類似品、肉製品(ハム、ソーセージ、ホットドッグ、および缶詰肉製品を含む成形肉製品など)、シーフード製品(缶詰シーフード製品、カニカマボコ、練り製品、およびカマボコなど)、および乳製品(ヨーグルト、プロテインドリンクなど)のような食品である。
【0120】
フレーバー製品が飲料である実施形態では、飲料は、強化発泡飲料、コーラ、レモンライムフレーバー発泡飲料、オレンジフレーバー発泡飲料、グレープフレーバー発泡飲料、ストロベリーフレーバー発泡飲料、パイナップルフレーバー発泡飲料、ジンジャーエール、ルートビア、フルーツジュース、フルーツフレーバージュース、果汁飲料、ネクター、野菜ジュース、野菜フレーバージュース、スポーツ飲料、栄養ドリンク、強化ウォーター飲料、ビタミン強化水、ニアウォーター飲料、ココナッツウォーター、茶タイプの飲料、コーヒー、ココア飲料、乳成分を含有する飲料、穀物抽出物を含有する飲料、およびスムージーからなる群から選択することができる。幾つかの実施形態では、飲料は清涼飲料であってよい。
【0121】
フレーバー製品に言及する、本明細書に示すいずれかの態様および実施形態のうち、ある特定の実施形態では、フレーバー製品は、包装された食品または飲料品などの天然に存在しない製品である。
【0122】
食用および飲用の製品または配合物の更なる非限定的な例としては、スープカテゴリー、乾燥加工食品カテゴリー、飲料カテゴリー、レディミールカテゴリー、缶詰食品もしくは保存食品カテゴリー、冷凍加工食品カテゴリー、冷蔵加工食品カテゴリー、スナック食品カテゴリー、ベイクド商品カテゴリー、菓子カテゴリー、乳製品カテゴリー、アイスクリームカテゴリー、食事代替品カテゴリー、パスタおよび麺カテゴリー、ならびにソース、ドレッシング、調味料カテゴリー、ベビーフードカテゴリー、スプレッドカテゴリー、または肉カテゴリー(ハム、ソーセージ、缶詰肉などを含む成形肉など)に含まれる、このような製品または任意の要素のための甘いコーティング、糖衣、またはグレーズが挙げられる。
【0123】
概して、スープカテゴリーとは、缶詰/保存、乾燥、インスタント、冷蔵、UHT、および冷凍のスープを指す。本定義の目的では、スープとは、肉、鶏肉、魚、野菜、穀物、果物、およびその他の材料から加工され、これらの材料の一部または全部の目視可能な小片を含み得る液体で調理された食品を意味する。スープは、透明(ブロス状態)でも濃厚(チャウダー状態)でもよく、滑らかであっても、ピューレ状でも具入りでもよく、そのまま飲める状態であっても、半濃縮状でも濃縮状でもよく、また食事の一品目として、またはメイン料理として、または(飲料のようにすする)間食として、温めてまたは冷やして供することができる。スープは、他の食事構成要素を加工するための成分として使用することができ、ブロス(コンソメ)からソース(クリームまたはチーズ系のスープ)まで様々であってよい。
【0124】
乾燥および料理用食品カテゴリーは、通常、以下を意味する:(i)粉末、顆粒、ペースト、濃縮液体製品、例えばプレスキューブ、タブレット、または粉末もしくは顆粒形態の濃縮ブイヨン、ブイヨン、およびブイヨン様製品などの調理補助製品。これらは完成品として、または製品、ソース、およびレシピミックス(技術を問わない)の成分として、個別に販売される;(ii)乾燥スープミックス、乾燥インスタントスープ、乾燥の半調理済みスープ、既製料理の乾燥または常温調理品を含む乾燥スープおよびフリーズドライスープ、ならびにパスタ、ジャガイモ、および米料理を含む食事および一品料理などのミールソリューション製品;ならびに(iii)乾燥、液体、または冷凍を問わず、完成品または製品中の成分として販売される、調味料、マリネ、サラダドレッシング、サラダトッピング、ディップ、パン粉、バッターミックス、常温保存可能なスプレッド、バーベキューソース、液体レシピミックス、濃縮物、サラダ用のレシピミックスを含むソースまたはソースミックスなどの食事装飾製品。
【0125】
飲料カテゴリーは、通常、炭酸飲料および非炭酸飲料、アルコール飲料および非アルコール飲料、そのまま飲める飲料、ソーダなどの飲料を調製するための液体濃縮配合物、ならびに乾燥粉末飲料前駆体ミックスを含むがこれらに限定されない飲料、飲料ミックス、および濃縮物を意味する。飲料カテゴリーには、アルコール飲料、清涼飲料、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、およびホットドリンクも含まれる。アルコール飲料としては、ビール、シードル/ペリー、FAB、ワイン、およびスピリッツが挙げられるが、これらに限定されるものではない。清涼飲料としては、コーラおよびノンコーラ炭酸飲料などの炭酸飲料;果汁、ネクター、果汁飲料、およびフルーツフレーバー飲料などのフルーツジュース;発泡水、天然水、および精製水/テーブルウォーターを含むボトル入り飲料水;炭酸入りでも無炭酸でもよい、スポーツ飲料、栄養ドリンク、またはエリキシル飲料などの機能性飲料;そのまま飲める量の液体濃縮物および粉末濃縮物などの濃縮物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。温かいまたは冷たい飲料としては、フレッシュコーヒー、インスタントコーヒー、および混合コーヒーなどのコーヒーまたはアイスコーヒー;紅茶、緑茶、白茶、ウーロン茶、およびフレーバーティーなどの茶またはアイスティー;ならびに牛乳または水と混合されたフレーバー、麦芽、または植物ベースの粉末、顆粒、ブロック、またはタブレットを含む他の飲料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0126】
スナック食品カテゴリーとは、概して、甘味と風味のあるスナックおよびスナックバーを含むがこれらに限定されない略式の軽食であり得るあらゆる食品を指す。スナック食品の例としては、フルーツスナック、チップス/クリスプ、成形されたスナック、トルティーヤ/コーンチップス、ポップコーン、プレッツェル、ナッツ、およびその他の甘味と風味のあるスナックが挙げられるが、これらに限定されるものではない。スナックバーの例としては、グラノーラ/ミューズリーバー、朝食バー、栄養バー、フルーツバー、およびその他のスナックバーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0127】
ベイクド商品カテゴリーとは、概して、その調理プロセスに熱または過度の日光への曝露を伴うあらゆる食用製品を指す。ベイクド商品の例としては、パン、バンズ、クッキー、マフィン、シリアル、トースターペストリー、ペストリー、ワッフル、トルティーヤ、ビスケット、パイ、ベーグル、タルト、キッシュ、ケーキ、任意のベイクド食品、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0128】
アイスクリームカテゴリーとは、概して、クリームと砂糖とフレーバーとを含有する冷菓を指す。アイスクリームの例としては、店頭消費用アイスクリーム;持ち帰り用アイスクリーム;フローズンヨーグルトおよび専門店のアイスクリーム;大豆、オーツ麦、豆(例えば小豆および緑豆)、ならびに米ベースのアイスクリームが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0129】
菓子カテゴリーとは、概して、甘味のある食用製品を指す。菓子の例としては、キャンディー、ゼラチン、チョコレート菓子、砂糖菓子、ガムなど、および任意の組み合わせ製品が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0130】
食事代替品カテゴリーとは、概して、特に健康またはフィットネスに関心がある人々のために、通常の食事を置き換えることを目的としたあらゆる食品を指す。食事代替品の例としては、減量用製品および病後用製品が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0131】
レディミールカテゴリーとは、概して、大がかりな調理または加工なしで食事として提供できるあらゆる食品を指す。レディミールには、メーカーがレシピの「スキル」を加えることで、迅速性、完成度、および利便性を高めた製品が含まれる。レディミールの例としては、缶詰/保存、冷凍、乾燥、冷蔵のレディミール;ディナーミックス;冷凍ピザ;冷蔵ピザ;および調理済みサラダが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0132】
パスタおよび麺カテゴリーには、缶詰、乾燥、および冷蔵/生パスタ;ならびにプレーン、インスタント、冷蔵、冷凍、および軽食用の麺を含むが、これらに限定されないあらゆるパスタおよび/または麺が含まれる。
【0133】
缶詰/保存食品カテゴリーとしては、缶詰/保存肉および肉製品、魚/シーフード、野菜、トマト、豆、果物、レディミール、スープ、パスタ、ならびにその他の缶詰/保存食品が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0134】
冷凍加工食品カテゴリーとしては、冷凍加工済み赤身肉、加工済み鶏肉、加工済み魚/シーフード、加工済み野菜、代用肉、加工済みポテト、ベーカリー製品、デザート、レディミール、ピザ、スープ、麺類、およびその他の冷凍食品が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0135】
乾燥加工食品カテゴリーとしては、米飯、デザートミックス、乾燥レディミール、乾燥スープ、インスタントスープ、乾燥パスタ、プレーンヌードル、およびインスタント麺が挙げられるが、これらに限定されるものではない。冷蔵加工食品カテゴリーとしては、冷蔵加工済み肉、加工済み魚/シーフード製品、ランチキット、生のカットフルーツ、レディミール、ピザ、調理済みサラダ、スープ、生パスタ、および麺が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0136】
ソース、ドレッシング、および調味料カテゴリーとしては、トマトペーストおよびピューレ、ブイヨン/ストックキューブ、ハーブおよびスパイス、グルタミン酸一ナトリウム(MSG)、テーブルソース、大豆ベースのソース、パスタソース、ウェット/クッキングソース、ドライソース/パウダーミックス、ケチャップ、マヨネーズ、マスタード、サラダドレッシング、ビネグレットソース、ディップ、ピクルス製品、ならびにその他のソース、ドレッシング、および調味料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0137】
ベビーフードカテゴリーとしては、牛乳ベースまたは大豆ベースの調合乳;ならびに調理済み、乾燥、およびその他のベビーフードが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0138】
スプレッドカテゴリーとしては、ジャムおよびプレザーブ、ハチミツ、チョコレートスプレッド、ナッツベースのスプレッド、ならびに酵母ベースのスプレッドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0139】
乳製品カテゴリーとは、概して、哺乳動物の乳から製造される食用製品を指す。乳製品の例としては、飲用乳製品、チーズ、ヨーグルト、およびサワーミルク飲料、ならびにその他の乳製品が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0140】
肉製品カテゴリーとは、概して、哺乳動物の筋肉または臓器組織から製造される食用製品を指す。このような肉製品の例としては、ハム、缶詰肉製品、ソーセージ、ホットドッグなどの成形肉製品が挙げられる。
【0141】
フレーバー製品、特に食用および飲用の製品または配合物の追加の例を以下に示す。例示的な摂取可能な組成物としては、1種以上の菓子、チョコレート菓子、タブレット、カウントライン、袋入りセルフライン/ソフトライン、箱入り詰め合わせ、標準箱入り詰め合わせ、ひねり包装のミニチュア、季節限定チョコレート、玩具付きチョコレート、アルフォーレス、その他のチョコレート菓子、ミント、標準的なミント、強力ミント、ハードキャンディー、トローチ、ガム、ゼリーおよびチューイング菓子、トフィー、キャラメルおよびヌガー、薬用菓子、ロリポップ、カンゾウ、その他の砂糖菓子、パン、包装された/業務用のパン、包装されていない/専門店のパン、ペストリー、ケーキ、包装された/業務用のケーキ、包装されていない/専門店のケーキ、クッキー、チョコレートコーティングされたビスケット、サンドウィッチビスケット、フィリング入りビスケット、セイボリービスケットおよびクラッカー、パン代用品、朝食用シリアル、rteシリアル、家庭向け朝食用シリアル、フレーク、ミューズリー、その他のシリアル、子供向け朝食用シリアル、ホットシリアル、アイスクリーム、店頭消費用アイスクリーム、個包装の乳製品アイスクリーム、個包装の氷菓、マルチパックの乳製品アイスクリーム、マルチパックの氷菓、持ち帰り用アイスクリーム、持ち帰り用乳製品アイスクリーム、アイスクリームデザート、バルクアイスクリーム、持ち帰り用氷菓、フローズンヨーグルト、専門店のアイスクリーム、乳製品、牛乳、生/低温殺菌乳、生/低温殺菌全脂肪乳、生/低温殺菌半脱脂乳、ロングライフ/uht乳、ロングライフ/uht全脂肪乳、ロングライフ/uht半脱脂乳、ロングライフ/uht無脂肪乳、ヤギ乳、コンデンスミルク/エバミルク、プレーンなコンデンスミルク/エバミルク、フレーバー、機能性、およびその他のコンデンスミルク、フレーバー乳飲料、乳製品のみのフレーバー乳飲料、果汁入りフレーバー乳飲料、豆乳、サワーミルク飲料、発酵乳製品飲料、コーヒーホワイトナー、粉ミルク、フレーバー粉末乳飲料、クリーム、チーズ、プロセスチーズ、スプレッタブルのプロセスチーズ、スプレッタブルでないプロセスチーズ、非加工チーズ、スプレッタブルの非加工チーズ、ハードチーズ、包装されたハードチーズ、未包装のハードチーズ、ヨーグルト、プレーンヨーグルト/ナチュラルヨーグルト、フレーバーヨーグルト、フルーツ入りヨーグルト、プロバイオティックヨーグルト、飲むヨーグルト、常飲用ヨーグルト、プロバイオティックの飲むヨーグルト、冷蔵および常温保存可能なデザート、乳製品ベースのデザート、大豆ベースのデザート、チルドスナック、フロマージュフレおよびクワルク、プレーンのフロマージュフレおよびクワルク、フレーバーフロマージュフレおよびクワルク、風味入りフロマージュフレおよびクワルク、甘味と風味のあるスナック、フルーツスナック、チップス/クリスプ、成形されたスナック、トルティーヤ/コーンチップス、ポップコーン、プレッツェル、ナッツ、その他の甘味と風味のあるスナック、スナックバー、グラノーラバー、朝食バー、栄養バー、フルーツバー、その他のスナックバー、食事代替製品、減量用製品、病後用飲料、レディミール、缶詰レディミール、冷凍レディミール、乾燥レディミール、冷蔵レディミール、ディナーミックス、冷凍ピザ、冷蔵ピザ、スープ、缶入りスープ、乾燥スープ、インスタントスープ、冷蔵スープ、ホットスープ、冷凍スープ、パスタ、缶入りパスタ、乾燥パスタ、冷蔵/生パスタ、麺、プレーンヌードル、インスタント麺、カップ/ボウルインスタント麺、パウチインスタント麺、冷蔵麺、軽食用麺、缶詰食品、缶詰の肉および肉製品、缶詰の魚/シーフード、缶詰野菜、缶詰トマト、缶詰豆、缶詰フルーツ、缶詰レディミール、缶詰スープ、缶詰パスタ、その他の缶詰食品、冷凍食品、冷凍加工済み赤身肉、冷凍加工済み鶏肉、冷凍加工済み魚/シーフード、冷凍加工済み野菜、冷凍代用肉、冷凍ポテト、オーブン焼成ポテトチップス、他のオーブン焼成ポテト製品、非オーブン焼成冷凍ポテト、冷凍ベーカリー製品、冷凍デザート、冷凍レディミール、冷凍ピザ、冷凍スープ、冷凍麺、その他の冷凍食品、乾燥食品、デザートミックス、乾燥レディミール、乾燥スープ、インスタントスープ、乾燥パスタ、プレーンヌードル、インスタント麺、カップ/ボウルインスタント麺、パウチインスタント麺、冷蔵食品、冷蔵加工済み肉、冷蔵魚/シーフード製品、冷蔵加工済み魚、衣付き冷蔵魚、冷蔵の燻製魚、冷蔵ランチキット、冷蔵レディミール、冷蔵ピザ、冷蔵スープ、冷蔵/生パスタ、冷蔵麺、油脂、オリーブ油、植物油および種子油、調理用脂肪、バター、マーガリン、スプレッタブルの油脂、機能性スプレッタブル油脂、ソース、ドレッシングおよび調味料、トマトペーストおよびピューレ、ブイヨン/ストックキューブ、ストックキューブ、グレイビー顆粒、液体ストックおよびフォン、ハーブおよびスパイス、発酵ソース、大豆ベースのソース、パスタソース、ウェットソース、ドライソース/パウダーミックス、ケチャップ、マヨネーズ、レギュラーマヨネーズ、マスタード、サラダドレッシング、レギュラーサラダドレッシング、低脂肪サラダドレッシング、ビネグレットソース、ディップ、ピクルス製品、その他のソース、ドレッシングおよび調味料、ベビーフード、調合乳、標準調合乳、フォローアップ調合乳、幼児用調合乳、低アレルゲン調合乳、調理済みベビーフード、乾燥ベビーフード、その他のベビーフード、スプレッド、ジャムおよびプレザーブ、ハチミツ、チョコレートスプレッド、ナッツベースのスプレッド、ならびに酵母ベースのスプレッドが挙げられる。例示的な摂取可能な組成物には、菓子、ベーカリー製品、アイスクリーム、乳製品、甘味と風味のあるスナック、スナックバー、食事代替製品、レディミール、スープ、パスタ、麺、缶詰食品、冷凍食品、乾燥食品、冷蔵食品、油脂、ベビーフード、もしくはスプレッド、またはそれらの混合物も含まれる。例示的な摂取可能な組成物には、理想的には公知の糖甘味料または人工甘味料の濃度を低減できるような、朝食用シリアル、甘味飲料、または飲料を調製するための固体もしくは液体の濃縮組成物も含まれる。
【0142】
幾つかの実施形態は、嚥下を意図しても意図しなくてもよいチュアブル組成物を提供する。幾つかの実施形態では、チュアブル組成物は、本明細書に開示および記載される化合物を個別にまたは組み合わせて含む、ガム、チューインガム、加糖ガム、無糖ガム、機能性ガム、風船ガムであってよい。
【0143】
幾つかの実施形態では、本明細書に開示および記載されるフレーバー改質組成物は、個別にまたは組み合わせて、例えば、そのまま使用できる製品(すなわち、そのまま供することができる製品)を製造するための後続の加工に適したフレーバー付与濃縮配合物で提供することができる。「フレーバー付与濃縮配合物」とは、そのまま使用できる組成物に適するように1種以上の希釈媒体で再構成される必要がある配合物を意味する。「そのまま使用できる組成物」という用語は、本明細書では「摂取可能な組成物」と同義に使用され、飲食を意図するか否かにかかわらず、単独でまたは他の物質と一緒に経口摂取可能である任意の物質を意味する。一実施形態では、そのまま使用できる組成物には、ヒトまたは動物が直接摂取できる組成物が含まれる。フレーバー付与濃縮配合物は典型的には、希釈媒体に1種以上のフレーバーを付与または改質するために、例えば任意の飲食用または摂取可能な成分または製品などの1種以上の希釈媒体と混合するか、または希釈媒体で希釈することによって使用される。このような使用プロセスは、多くの場合、再構成と呼ばれる。再構成は、家庭環境または産業環境で行うことができる。例えば、冷凍フルーツジュース濃縮物を、消費者が台所で水または他の水性媒体で再構成することで、そのまま飲めるフルーツジュース飲料を得ることができる。別の例では、清涼飲料シロップ濃縮物を、製造業者が産業的大規模で水または他の水性媒体により再構成して、そのまま飲める清涼飲料を製造することができる。フレーバー付与濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物よりも高濃度でフレーバー付与剤またはフレーバー改質剤を有しているため、フレーバー付与濃縮配合物は、典型的には再構成しないままでの直接摂取には適していない。フレーバー付与濃縮配合物の使用および製造には多くの利点が存在する。例えば、1つの利点は、フレーバー付与濃縮配合物が、好適な溶媒、固体、または液体の添加によって使用時に再構成できるため、輸送の際の重量および体積が減少することである。
【0144】
前述の実施形態のいずれかに従って示されるフレーバー製品はまた、ある特定の実施形態では、甘味を増強する化合物(例えば、ヘスペレチン、ナリンゲニン、グルコシル化されたステビオール配糖体など)、苦味を遮断する化合物、旨味を増強する化合物、酸味を低減する化合物、塩味を増強する化合物、清涼効果を増強する化合物、または前述の任意の組み合わせなどの1種以上の追加のフレーバー改質化合物を含む。
【0145】
甘味付与またはフレーバー付与濃縮物に言及する本明細書に示すいずれかの態様および実施形態のうち、ある特定の実施形態では、甘味付与またはフレーバー付与濃縮物は、食品または飲料品などのフレーバー製品の製造のために特別に製造される組成物などの天然に存在しない製品である。
【0146】
一実施形態では、フレーバー付与濃縮配合物は、i)個別のまたは組み合わせた本明細書に開示および記載される化合物;ii)担体;ならびにiii)任意選択で少なくとも1種の補助剤を含む。「担体」という用語は、配合物を形成するために本化合物および1種以上の任意選択の補助剤と組み合わせて使用される、溶媒、結合剤、または他の不活性媒体などの通常不活性な付属物質を意味する。例えば、水またはデンプンは、フレーバー付与濃縮配合物の担体であり得る。幾つかの実施形態では、担体は、フレーバー付与濃縮配合物を再構成するための希釈媒体と同じであり、他の実施形態では、担体は希釈媒体とは異なるものである。本明細書で使用される「担体」という用語は、摂取が許容される担体を含むが、これに限定されるものではない。
【0147】
「補助剤」という用語は、本発明の化合物などの活性成分の意図された機能または有効性を補完、安定化、維持、または増強する添加物を意味する。一実施形態では、少なくとも1種の補助剤は、1種以上のフレーバー付与剤を含む。フレーバー付与剤は、チョコレート、コーヒー、茶、モカ、フレンチバニラ、ピーナッツバター、チャイ、またはそれらの組み合わせのフレーバーなど、当業者または消費者に公知である任意のフレーバーであってよい。別の実施形態では、少なくとも1種の補助剤は1種以上の甘味料を含む。1種以上の甘味料は、本出願に記載される甘味料のいずれであってよい。別の実施形態では、少なくとも1種の補助剤は、乳化剤、安定剤、抗菌防腐剤、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル、脂肪、デンプン、タンパク質濃縮物および単離物、塩、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される1種以上の成分を含む。乳化剤、安定剤、抗菌防腐剤、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル、脂肪、デンプン、タンパク質濃縮物および単離物、ならびに塩の例は、米国特許第6,468,576号明細書に記載されており、この内容は、目的を問わず、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0148】
一実施形態では、本フレーバー付与濃縮配合物は、溶液および懸濁液を含む液体、固体、泡状物質、ペースト、ゲル、クリーム、およびそれらの組み合わせ、例えば、特定量の固体分を含有する液体からなる群から選択される形態であってもよい。一実施形態では、フレーバー付与濃縮配合物は、水性ベースおよび非水性ベースを含む液体の形態である。幾つかの実施形態では、本フレーバー付与濃縮配合物は、炭酸入りでも無炭酸でもよい。
【0149】
フレーバー付与濃縮配合物は、少なくとも1種の補助剤として凝固点降下剤、核剤、またはその両方をさらに含んでいてもよい。凝固点降下剤とは、化合物または薬剤が添加される液体または溶媒の凝固点を低下させることができる、摂取が許容される化合物または薬剤である。すなわち、凝固点降下剤を含有する液体または溶液は、凝固点降下剤なしの液体または溶媒よりも凝固点が低い。開始凝固点を低下させることに加えて、凝固点降下剤はまた、フレーバー付与濃縮配合物の水分活性を低くすることもできる。凝固点降下剤の例としては、炭水化物、油、エチルアルコール、ポリオール、例えばグリセロール、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。核剤とは、核形成を促進することができる、摂取が許容される化合物または薬剤を意味する。フレーバー付与濃縮配合物中に核剤が存在すると、望ましい氷結晶化中心の数を増加させることによって、フローズンスラッシュのフローズンブラッシュ(frozen Blushes)の食感を改善すること、および凍結温度でのスラッシュの物理的特性および性能の維持を補助することができる。核剤の例としては、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0150】
一実施形態では、フレーバー付与濃縮配合物は、貯蔵寿命を延長するために低い水分活性を有するように配合される。水分活性は、同じ温度での純水の蒸気圧に対する配合物中の水の蒸気圧の比率である。一実施形態では、フレーバー付与濃縮配合物は、約0.85未満の水分活性を有する。別の実施形態では、フレーバー付与濃縮配合物は、約0.80未満の水分活性を有する。別の実施形態では、フレーバー付与濃縮配合物は、約0.75未満の水分活性を有する。
【0151】
一実施形態では、フレーバー付与濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の本化合物の濃度の少なくとも2倍の濃度で本化合物を有する。一実施形態では、フレーバー付与濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の本化合物の濃度の少なくとも5倍の濃度で本化合物を有する。一実施形態では、フレーバー付与濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の本化合物の濃度の少なくとも10倍の濃度で本化合物を有する。一実施形態では、フレーバー付与濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の本化合物の濃度の少なくとも15倍の濃度で本化合物を有する。一実施形態では、フレーバー付与濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の本化合物の濃度の少なくとも20倍の濃度で本化合物を有する。一実施形態では、フレーバー付与濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の本化合物の濃度の少なくとも30倍の濃度で本化合物を有する。一実施形態では、フレーバー付与濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の本化合物の濃度の少なくとも40倍の濃度で本化合物を有する。一実施形態では、フレーバー付与濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の本化合物の濃度の少なくとも50倍の濃度で本化合物を有する。一実施形態では、フレーバー付与濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の本化合物の濃度の少なくとも60倍の濃度で本化合物を有する。一実施形態では、フレーバー付与濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の本化合物の濃度の最大100倍の濃度で本化合物を有する。
【0152】
前述の実施形態のいずれかに従って示される甘味またはフレーバー濃縮物はまた、ある特定の実施形態では、甘味を増強する化合物(例えば、ヘスペレチン、ナリンゲニン、グルコシル化されたステビオール配糖体など)、苦味を遮断する化合物(例えば、エリオジクチオール、ホモエリオジクチオール、ステルビン、およびそれらの塩またはグリコシド誘導体、ならびにバニリルリグナン、例えばマタイレシノールおよび国際公開第2012/146584号に示される他の化合物)、旨味を増強する化合物(例えば、ルベマミン、ルベセナミン、(E)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-N-(4-メトキシフェネチル)アクリルアミドなど)、酸味および/もしくは甘草味を低減する化合物、塩味を増強する化合物、清涼効果を増強する化合物、または前述の任意の組み合わせなどの1種以上の追加のフレーバー改質化合物を含む。
【0153】
包装されたフレーバー付与組成物
幾つかの更なる態様では、本開示は、(a)(上記に示す実施形態のいずれかに従う)フレーバー改質組成物;および(b)少なくとも1種の増量剤を含む、包装されたフレーバー付与組成物を提供する。
【0154】
包装されたフレーバー付与組成物は、あらゆる好適な形態をとることができ、これには、限定されないが、非晶質固体、結晶、粉末、タブレット、液体、キューブ、糖衣またはコーティング、顆粒製品、湿潤もしくは乾燥状態の担体/粒子が豊富に存在するか、その上にコーティングされたカプセル化形態、またはそれらの組み合わせを含む。
【0155】
包装されたフレーバー付与組成物は、当業者に公知の更なる添加物を含有することができる。このような添加物としては、気泡形成剤、増量剤、担体、繊維、糖アルコール、オリゴ糖、糖、高甘味度甘味料、栄養甘味料、香味料、フレーバー増強剤、フレーバー安定剤、酸味料、固結防止剤、および流動化剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。このような添加物については、例えばH. Mitchellによって説明されている(H. Mitchell, “Sweeteners and Sugar Alternatives in Food Technology”, Blackwell Publishing Ltd, 2006、これは、参照によりその全体が本明細書に援用される)。本明細書で使用される場合、「香味料」という用語は、天然および人工のフレーバーなどの、当業者に公知のフレーバーを含み得る。これらの香味料は、合成フレーバー油およびフレーバー付与芳香化合物および/または油、含油樹脂、ならびに植物、葉、花、果実などに由来する抽出物、ならびにそれらの組み合わせから選択することができる。非限定的な代表的フレーバー油としては、スペアミント油、シナモン油、ウィンターグリーン油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、ハッカ油、クローブ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、ニオイヒバ油、ナツメグ油、オールスパイス、セージ油、メース、苦扁桃油、およびカシア油が挙げられる。同様に有用な香味料は、バニラ、ならびにレモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、ユズ(yazu)、スダチを含む柑橘油、ならびにリンゴ、ナシ、モモ、ブドウ、ブルーベリー、イチゴ、ラズベリー、チェリー、プラム、パイナップル、スイカ、アンズ、バナナ、メロン、アンズ、ウメ、チェリー、ラズベリー、ブラックベリー、トロピカルフルーツ、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイヤなどを含む果実のエキスなどの、人工、天然、および合成の果実フレーバーである。他の有望なフレーバーとしては、ミルクフレーバー、バターフレーバー、チーズフレーバー、クリームフレーバー、およびヨーグルトフレーバー;バニラフレーバー;緑茶フレーバー、ウーロン茶フレーバー、紅茶フレーバー、ココアフレーバー、チョコレートフレーバー、およびコーヒーフレーバーなどの茶またはコーヒーのフレーバー;ペパーミントフレーバー、スペアミントフレーバー、およびハッカフレーバーなどのミントフレーバー;アサフェティダフレーバー、アジョワンフレーバー、アニスフレーバー、アンゼリカフレーバー、フェンネルフレーバー、オールスパイスフレーバー、シナモンフレーバー、カモミールフレーバー、マスタードフレーバー、カルダモンフレーバー、キャラウェイフレーバー、クミンフレーバー、クローブフレーバー、ペッパーフレーバー、コリアンダーフレーバー、サッサフラスフレーバー、セイボリーフレーバー、サンショウフレーバー、エゴマフレーバー、ジュニパーベリーフレーバー、生姜フレーバー、スターアニスフレーバー、ホースラディッシュフレーバー、タイムフレーバー、タラゴンフレーバー、ディルフレーバー、トウガラシフレーバー、ナツメグフレーバー、バジルフレーバー、マジョラムフレーバー、ローズマリーフレーバー、ベイリーフフレーバー、およびワサビ(ジャパニーズホースラディッシュ)フレーバーなどのスパイシーフレーバー;ワインフレーバー、ウイスキーフレーバー、ブランデーフレーバー、ラムフレーバー、ジンフレーバー、およびリキュールフレーバーなどのアルコール系フレーバー;フローラルフレーバー;ならびにタマネギフレーバー、ニンニクフレーバー、キャベツフレーバー、ニンジンフレーバー、セロリフレーバー、キノコフレーバー、およびトマトフレーバーなどの野菜フレーバーが挙げられる。これらのフレーバー付与剤は、液体または固体の形態で使用することができ、個別にまたは混合して使用することができる。一般的に使用されるフレーバーとしては、個別に用いられるか混合して用いられるかにかかわらず、ペパーミント、メントール、スペアミントなどのミント、人工バニラ、シナモン誘導体、および種々の果実フレーバーが挙げられる。フレーバーは、清涼剤と組み合わせて使用される場合に、息を爽やかにする特性、特にミントフレーバーを提供することもできる。
【0156】
フレーバーは、清涼剤と組み合わせて使用される場合に、息を爽やかにする特性、特にミントフレーバーを提供することもできる。これらの香味料は、液体または固体の形態で使用することができ、個別にまたは混合して使用することができる。酢酸シンナミル、シンナムアルデヒド、シトラールジエチルアセタール、酢酸ジヒドロカルビル、ギ酸オイゲニル、p-メチルアミソール(methylamisol)などのアルデヒドおよびエステルを含む他の有用な香味料を使用することができる。概して、National Academy of SciencesによるChemicals Used in Food Processing, publication 1274, pages 63-258に記載されるものなどの、あらゆる香味料または食品添加物を使用することができる。本刊行物は参照により本明細書に援用される。
【0157】
アルデヒド香味料の更なる例としては、アセトアルデヒド(リンゴ)、ベンズアルデヒド(チェリー、アーモンド)、アニスアルデヒド(カンゾウ、アニス)、シンナムアルデヒド(シナモン)、シトラールすなわちアルファ-シトラール(レモン、ライム)、ネラールすなわちベータ-シトラール(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、エチルバニリン(バニラ、クリーム)、ヘリオトロープ、すなわち、ピペロナール(バニラ、クリーム)、バニリン(バニラ、クリーム)、アルファ-アミルシンナムアルデヒド(スパイシーフルーティーフレーバー)、ブチルアルデヒド(バター、チーズ)、バレルアルデヒド(バター、チーズ)、シトロネラール(変性物、多種)、デカナール(柑橘系果実)、アルデヒドC-8(柑橘系果実)、アルデヒドC-9(柑橘系果実)、アルデヒドC-12(柑橘系果実)、2-エチルブチルアルデヒド(ベリー系果実)、ヘキセナールすなわちトランス-2(ベリー系果実)、トリルアルデヒド(チェリー、アーモンド)、ベラトルアルデヒド(バニラ)、2,6-ジメチル-5-ヘプテナールすなわちメロナール(メロン)、2,6-ジメチルオクタナール(未熟果)、および2-ドデセナール(柑橘類、マンダリン)、チェリー、ブドウ、ストロベリーショートケーキ、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの香味料の一覧は例示にすぎず、概ね「香味料」という用語または本開示の範囲のいずれをも限定することを意図するものではない。
【0158】
幾つかの実施形態では、香味料は、液体形態および/または乾燥形態のいずれでも使用することができる。乾燥形態で用いる場合、油を噴霧乾燥するなどの好適な乾燥手段を使用することができる。あるいは香味料を、セルロース、デンプン、糖、マルトデキストリン、アラビアガムなどの水溶性材料に吸着させることも、またはカプセル化することもできる。このような乾燥形態を調製するための実際の技術は周知である。
【0159】
幾つかの実施形態では、卓上用甘味料は、ブラウンシュガーと類似するように作製することができる。このような実施形態では、ブラウンシュガーとより類似する味にするために、香ばしい香りを付与する化合物を組成物に添加することができる。
【0160】
幾つかの実施形態では、香味料は、フレーバーの初期噴出および/または長期的なフレーバーの知覚をもたらすために、当技術分野において周知の多くの異なる物理的形態で使用することができる。限定されるものではないが、このような物理的形態には、噴霧乾燥、粉末、ビーズ形態、カプセル化形態、およびそれらの混合物などの自由形態が含まれる。
【0161】
好適な増量剤としては、マルトデキストリン(10DE、18DE、または5DE)、コーンシロップ固形物(20または36DE)、スクロース、フルクトース、グルコース、転化糖、ソルビトール、キシロース、リブロース、マンノース、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール、エリトリトール、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、マルトース、タガトース、ラクトース、イヌリン、グリセロール、プロピレングリコール、ポリオール、ポリデキストロース、フラクトオリゴ糖、セルロースおよびセルロース誘導体など、ならびにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。加えて、グラニュー糖(スクロース)、または結晶フルクトースなどの他のカロリー甘味料、他の炭水化物、または糖アルコールは、多大なカロリーを加えることなく良好な含量均一性をもたらすことから、増量剤として使用することができる。
【0162】
一実施形態では、少なくとも1つの増量剤は、米国特許第8,993,027号明細書に記載されている増量剤であり得る。
【0163】
一実施形態では、少なくとも1つの増量剤は、米国特許第6,607,771号明細書に記載されている増量剤であり得る。
【0164】
一実施形態では、少なくとも1つの増量剤は、米国特許第6,932,982号明細書に記載されている増量剤であり得る。
【0165】
幾つかの実施形態では、卓上用甘味料組成物はさらに、少なくとも1種の固結防止剤を含み得る。本明細書で使用される場合、「固結防止剤」および「流動化剤」という語句は、少なくとも1つの甘味料が別の甘味料分子に付着、結合、または接触することを防止、低減、阻害、または抑制する任意の組成物を指す。あるいは、固結防止剤は、含量均一性および均一な溶解に役立つ任意の組成物を指す場合がある。固結防止剤の非限定的な例としては、酒石英、ケイ酸カルシウム、二酸化ケイ素、微結晶性セルロース(Avicel、FMC BioPolymer, Philadelphia, Pa.)およびリン酸三カルシウムが挙げられる。一実施形態では、固結防止剤は、卓上用甘味料組成物の約0.001~約3重量%の量で卓上用甘味料組成物中に存在する。
【0166】
幾つかの実施形態では、先行する態様およびその実施形態のうちいずれかの甘味料組成物は、フレーバーまたは香料化合物をカプセル化するための典型的な手段を用いてカプセル化される。このような技術の非限定的な例は、米国特許出願公開第2016/0235102号明細書、同第2019/0082727号明細書、同第2018/0369777号明細書、同第2018/0103667号明細書、同第2016/0346752号明細書、同第2015/0164117号明細書、同第2014/0056836号明細書、同第2012/0027866号明細書、同第2010/0172945号明細書、および同第2007/0128234号明細書、ならびに米国特許第7,488,503号明細書、同第6,416,799号明細書、同第5,897,897号明細書、同第5,786,017号明細書、同第5,603,971号明細書、同第4,689,235号明細書、同第4,610,890号明細書、同第3,704,137号明細書、同第3,041,180号明細書、および同第2,809,895号明細書に示されている。先行する特許公報および特許はすべて、その全体が本明細書に示されているかのように参照により本明細書に援用される。
【0167】
非動物性タンパク質材料およびそれから作製される製品
肉製品、シーフード製品、または乳製品を置換または代替することを意図した製品は、肉または乳製品の食感およびフレーバーを模倣するために植物、藻類、または菌類に由来する繊維およびタンパク質などの種々の非動物性材料に依存することが多い。このような植物性タンパク質の非限定的な例としては、大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、インゲン豆タンパク質、穀物タンパク質などが挙げられる。このような植物由来材料と動物由来材料との組成の差異、例えばグルタミン酸塩含有タンパク質およびグルタチオンの欠如により、非動物性製品は、消費者が従来、肉製品または乳製品から連想する旨味またはコク味を欠くことがある。
【0168】
このため、ある特定の態様では、本開示は、植物由来材料(植物由来デンプン、植物由来タンパク質、またはそれらの組み合わせなど)と、(上記に示す任意の態様および実施形態に従う)フレーバー改質組成物とを含むフレーバー製品を提供する。幾つかの更なる実施形態では、フレーバー製品は、フレーバー改質組成物を含有する摂取可能な組成物について上記に示す特徴を組み合わせた任意の特徴を含み得る。幾つかの実施形態では、フレーバー製品は飲料であり、例えば豆乳、アーモンドミルク、ライスミルク、オーツミルク、プロテイン飲料、食事代替飲料、またはその他の同様の製品である。幾つかの他の実施形態では、フレーバー製品は肉代替製品であり、例えば植物由来の鶏肉製品(植物由来のチキンナゲットなど)、植物由来の牛肉製品(植物由来のバーガーなど)などである。幾つかの他の実施形態では、フレーバー製品はシーフード代替製品であり、例えば、植物由来のシーフード製品(例えば、植物由来のエビ、植物由来の魚の切り身、植物由来のホタテ貝、植物由来のロブスター、植物由来のカニなど)である。幾つかの他の実施形態では、フレーバー製品は、プロテイン粉末、食事代替粉末、コーヒーまたは紅茶用の植物由来のクリーマーなどである。ある特定の更なる実施形態では、任意のこのようなフレーバー製品は、このような製品の調理および/または製造に通常使用されるような追加成分を含有し、追加の特徴を有する。例えば、(上記に示す実施形態のいずれかに従う)このようなフレーバー改質組成物は、関連技術分野において公知の技術に従って、他のフレーバーおよび味覚改質剤と組み合わせることも、さらにはある特定の材料中にカプセル化することもできる。フレーバー改質組成物の好適な濃度は上記に示している。
【0169】
上記の実施形態に類似する幾つかの更なる実施形態では、藻類または菌類の原料に由来するタンパク質またはデンプンを、植物性デンプンまたはタンパク質の代わりにまたはそれと組み合わせて使用することができる。
【0170】
非肉タンパク質材料およびそれから製造される製品
ある特定の非肉動物性タンパク質、例えば乳タンパク質、および骨ブロスに由来するタンパク質は、食品に一般的に使用され、ある特定のプロテイン粉末の主成分として販売もされている。このようなタンパク質が与えるフレーバーは、消費者が要望する完全な旨味またはコク味を欠くおそれがある。このことは特に、タンパク質分離物、例えばホエイタンパク質、コラーゲンタンパク質、カゼインタンパク質などのタンパク質分離物に該当する。このため、本開示は、非肉動物性タンパク質と、(上記に示すいずれかの態様および実施形態に従う)フレーバー改質組成物とを含む摂取可能な組成物を提供する。フレーバー改質組成物は、本開示の先行するセクションに示される実施形態に従う任意の好適な組み合わせで存在し得る。幾つかの実施形態では、非肉動物性タンパク質は骨タンパク質、例えばウシ、ブタ、ロバ、ウマ、ニワトリ、カモ、ヤギ、ガチョウ、ウサギ、子ヒツジ、ヒツジ、スイギュウ、ダチョウ、ラクダなどの動物の骨に由来するコラーゲンタンパク質である。幾つかの実施形態では、非肉動物性タンパク質は乳タンパク質であり、例えば、ホエイタンパク質、カゼインタンパク質、またはそれらの任意の組み合わせである。乳は、ウシ、ロバ、ウマ、ヒツジ、スイギュウ、ラクダなどの任意の好適な動物の乳であり得る。
【0171】
フレーバー改質組成物は、動物の乳または動物の乳に由来する材料を含む、ある種の食品または飲料品に含まれていてもよい。このような製品としては、チーズ、チーズスプレッド、ヨーグルト、ケフィア、牛乳、加工乳製品、カッテージチーズ、サワークリーム、バターなどが挙げられる。
【0172】
調製方法
本明細書に開示されるフレーバー改質組成物は、以下に記載される方法によって、またはこれらの方法を修正することによって合成することができる。手法を修正する方法としては、とりわけ、温度、溶媒、試薬などが挙げられ、これらは当業者に公知である。概して、本明細書に開示される化合物を調製するためのいずれかのプロセス中に、関係する分子のいずれかの感受性基または反応性基を保護することが必要であるかまたは望ましい場合がある。
【実施例】
【0173】
本発明をさらに説明するために、以下の実施例が含まれる。実施例は当然ながら、本発明を特に限定すると解釈されるべきではない。特許請求の範囲内でのこれらの実施例の変形形態は、当業者の権限の範囲内であり、本明細書に記載され、特許請求される本発明の範囲に包含されるとみなされる。本開示および当技術分野における技術を身につけた当業者が網羅的な実施例なしに本発明を調製し、使用可能であることが読者には認識されるであろう。
【0174】
実施例1:脱アセチル化方法
15kgのアボカド油911430(Supplier Expanscience, Epernon, France)、30kgの50%w/wクエン酸水溶液、および120kgのエタノール(フレーバー品質、96%)を85℃で合計48時間撹拌した。水75kgを添加し、2相が得られるまでエタノールを蒸発させた。有機相15kgを5%炭酸塩溶液10kg、次いで水で洗浄し、後続の精製に使用する。
【0175】
シクロヘキサン3kg中の有機相2kgを、シリカゲル6kgを充填した予め平衡化されたカラムの頂部に慎重に配置した。純シクロヘキサン(溶媒1)25L、シクロヘキサン:酢酸エチル4:1(溶媒2)25L、シクロヘキサン:酢酸エチル3:2(溶媒3)25L、シクロヘキサン:酢酸エチル1:1(溶媒4)25L、最後に純酢酸エチル(溶媒5)25Lを用いて、流量40~55L/hでカラムを溶出した。他の溶媒および比率を精製に使用することもできる。溶媒4の投入後すぐに5~10Lの画分を回収し、その組成をTLCによって確認した。目的生成物を含有する画分をプールし、溶媒を蒸発させて乾固した。550~650gのアボカデン(30%)が回収され、油の平均収率は30%、アボカデンの物質収支では90%超であった。
【0176】
このようにして得られた混合物をUPLC/MSによって特性評価した。外部標準検量線法を使用して定量化したところ、これには概ね24~32%w/wのアボカデンと10~16%のアボカジンが含有されていた。
【0177】
UPLC/MS法
Q-Exactive Plus高分解能質量分析計(Thermo)を連結した、PDA検出器搭載Acquity I-Class UPLCシステム(Waters)を使用した。カラムは、Acquity BEH C8(1.7μm、2.1×100mm)であり、0.4ml/minのH2O/ACN0.1%ギ酸で溶出した。勾配は次のとおりであった:50%B、4.5分;50~100%B、5.5分;100%B、5分;平衡化1分。MSは、ESIポジティブモード、電圧3500V、プローブヒーター(イオン源)350℃、キャピラリー250℃、シースガス45、AUXガス10で稼働した。35000(FS)および17500(ddMS2)の分解能であるフルスキャンddMS2モード[100~700Da]を使用し、10V、30V、および45Vの段階的NCEを用い、MS2のトリガーは最も高強度のイオン上位4つによる。システムは、XCaliburソフトウェアを使用して実行した。データ処理はFreeStyleソフトウェアを使用して行った。ピークの積分は、ベースピーククロマトグラム[200~700Da]に対してISISアルゴリズムを用いて行った。使用したパラメーターは、ベースラインウィンドウ80、エリアノイズファクター500、およびピークノイズファクター10であった。
【0178】
分取LC法(NMR用の生成物の分離)
本システムは、Shimadzu LC-20AR高圧バイナリポンプ(最大20mL/min)、LH-40リキッドハンドラーインジェクター、フラクションコレクター、UV/VIS SPD-20A検出器、およびSedere ELSD-90-LT検出器で構成された。システムは、LabSolutionsソフトウェアを使用して実行した。生成物に応じて3種のカラム:XBridge BEH C18 OBD Prep Column(130A、5μm 10×250mm);XSelect CSH C18 Prep5um 10×150mm;Xselect CSH Prep Fluoro Phenylカラム5um 10×100mmを使用し、H2O/ACN0.1%ギ酸を7ml/minの勾配モードで溶出した。
【0179】
実施例2-減塩に関する官能試験
専門の味覚鑑定士4名からなるパネルによって官能試験を実施した。味覚鑑定士は、以下のキノコベースのクリームスープの味を評価した:(a)通常量の塩(0.855%);(b)20%減塩(0.684%);および(c)実施例1に従って調製した1ppmのアボカデン-アボカジン組成物(C1)を含む20%減塩(0.684%)。パネリストは、スープの塩味強度、旨味強度、苦味強度、および総合的な好みを1~10の尺度で評価した。結果を表1に示す。
【0180】
【0181】
専門の味覚鑑定士3名からなるパネルによって更なる官能試験を実施した。味覚鑑定士は、以下の肉フレーバー付与配合物の味を評価した:(a)通常量の塩(0.821%);(b)20%減塩(0.646%);および(c)実施例1に従って調製した1ppmのアボカデン-アボカジン組成物(C1)を含む20%減塩(0.646%)。パネリストは、スープの塩味強度、旨味強度、苦味強度、および総合的な好みを1~10の尺度で評価した。結果を表2に示す。
【0182】
【0183】
専門の味覚鑑定士4名からなるパネルによって官能試験を実施した。味覚鑑定士は、以下を有する野菜フレーバーのグリーンスープの味を評価した:(a)通常量の塩(0.6%);(b)25%減塩(0.46%)、0.05%の酵母444(Y)も含有;および(c)実施例1に従って調製した1ppmのアボカデン-アボカジン組成物(C1)を含む20%減塩(0.46%)、0.05%の酵母444も含有。パネリストは、スープの塩味強度、旨味強度、苦味強度、および総合的な好みを1~10の尺度で評価した。結果を表3に示す。
【0184】
【0185】
専門の味覚鑑定士3名からなる一団を利用して官能試験を実施した。味覚鑑定士は、以下を有するMSGおよび塩およびコショウ非含有のビーフブイヨンの味を評価した:(a)減量の塩(0.38%);(b)減塩(0.38%)、KCl(0.4%)、(E)-3-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-N-(4-メトキシフェネチル)アクリルアミド(E1)(15ppm);ならびに(c)減塩(0.38%)、KCl(0.4%)、(E)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-N-(4-メトキシフェネチル)アクリルアミド(E1)(8ppm)、および実施例1に従って調製した1ppmのアボカデン-アボカジン組成物(C1)。パネリストは、スープの塩味強度、旨味強度、苦味強度、および総合的な好みを1~10の尺度で評価した。結果を表4に示す。
【0186】
【0187】
専門の味覚鑑定士4名からなるパネルによって官能試験を実施した。味覚鑑定士は、以下を有するポテトチップスの味を評価した:(a)通常量の塩(1.5%);(b)減量した塩(0.8%)、塩化カリウム(0.5%)、グルタミン酸一ナトリウム(MSG)(0.2%)、およびリボチド(R1)(0.05%);ならびに(c)減量した塩(0.8%)、塩化カリウム(0.5%)、グルタミン酸一ナトリウム(0.2%)、およびリボチド(0.05%)、および実施例1に従って調製した1ppmのアボカデン-アボカジン組成物(C1)。パネリストは、スープの塩味強度、旨味強度、苦味強度、および総合的な好みを1~10の尺度で評価した。結果を表5に示す。
【0188】
【国際調査報告】