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特表2024-522445交互共重合体鎖切断型フォトレジスト
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】交互共重合体鎖切断型フォトレジスト
(51)【国際特許分類】
   C08G 79/12 20060101AFI20240614BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20240614BHJP
   G03F 7/039 20060101ALN20240614BHJP
【FI】
C08G79/12
G03F7/20 503
G03F7/20 521
G03F7/039 501
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566554
(86)(22)【出願日】2022-05-13
(85)【翻訳文提出日】2023-10-27
(86)【国際出願番号】 IB2022054485
(87)【国際公開番号】W WO2022259060
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】17/340,300
(32)【優先日】2021-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(74)【復代理人】
【識別番号】100091568
【弁理士】
【氏名又は名称】市位 嘉宏
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドファルブ、ダリオ
(72)【発明者】
【氏名】デ シルバ、エクミニ アヌジャ
(72)【発明者】
【氏名】グオ、ジン
(72)【発明者】
【氏名】チャーチ、ジェニファー
(72)【発明者】
【氏名】メリ、ルチアナ
【テーマコード(参考)】
2H197
2H225
4J030
【Fターム(参考)】
2H197CA10
2H197CE10
2H197GA01
2H197HA03
2H225AL05
4J030CA01
4J030CB02
4J030CB04
4J030CB07
4J030CB10
4J030CC17
4J030CC23
4J030CC26
4J030CD11
4J030CG06
(57)【要約】
炭化水素置換末端単位と、それぞれ極紫外線(EUV)吸収元素を有する2つの異なるモノマ単位を含有する繰り返し単位とを有する交互共重合体が開示される。有機末端単位と、それぞれEUV吸収元素を有するモノマ単位および有機モノマ単位を含有する繰り返し単位とを有する交互共重合体も開示される。ポリマレジストを形成する方法であって、少なくとも1つのEUV吸収モノマ単位を有する繰り返し単位を有する交互共重合体を用意することと、交互共重合体の末端基を非反応性末端単位で置き換えることとを含む方法も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造:
【化1】
(式中、x=2または3であり;
AはEUV吸収元素であり;
Eは有機モノマ単位であり;
E’は非官能性末端単位であり;
Rは炭化水素配位子であり;
nは1より大きい整数である)
を有するポリマ。
【請求項2】
前記AがSn、Te、Bi、またはSbである、請求項1に記載のポリマ。
【請求項3】
前記Eおよび前記E’がそれぞれエーテル連結基を含む、請求項1に記載のポリマ。
【請求項4】
前記Eおよび前記E’がそれぞれエステル連結基を含む、請求項1に記載のポリマ。
【請求項5】
少なくとも10,000Da~100,000Daの数平均分子量を有する、請求項1に記載のポリマ。
【請求項6】
前記Rがアルキル基またはアリール基である、請求項1に記載のポリマ。
【請求項7】
ポリマレジストを形成する方法であって、
少なくとも1つの極紫外線(EUV)吸収モノマ単位を有する繰り返し単位を有する交互共重合体を用意することと、
前記交互共重合体の末端基を非反応性末端単位で置き換えることと
を含む方法。
【請求項8】
前記置き換えることが、前記交互共重合体を単官能性有機モノマと反応させることを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記用意することが、2つの異なる種の二官能性EUV吸収モノマ間の重合反応を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記用意することが、二官能性EUV吸収モノマと二官能性有機モノマとの間の重合反応を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記二官能性有機モノマがジオールまたはジカルボン酸である、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記ポリマレジストを基板上に塗布することと;
前記ポリマレジストをリソグラフィパターン化することと
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトリソグラフィ材料、より具体的には、フォトポリマレジストに関する。
【背景技術】
【0002】
極紫外線(EUV)リソグラフィは、EUV光(例えば、λ=約13.5nm)を使用して集積回路パターンをフォトレジストまたはレジストと呼ばれる感光性ポリマ材料上に転写する微細加工技術である。その後、パターン化レジストは、パターンを半導体ウェハ上に転写するエッチング工程に使用される。EUVリソグラフィは伝統的なフォトリソグラフィよりも短い波長の光を使用するので、高解像度パターン化を達成することができる。EUV光源の開口数(NA)を増加させることによって、さらに高い解像度をもたらすことができる。解像度が増加するにつれて、レジスト材料の不整による確率的影響がパターン化の成功により大きな影響を及ぼすおそれがある。
【発明の概要】
【0003】
様々な実施形態は、炭化水素置換末端単位と、それぞれ極紫外線(EUV)吸収元素を有する2つの異なるモノマ単位を含有する繰り返し単位とを有するポリマに関する。ポリマは、構造:
【化1】
(式中、x=2または3であり、AはEUV吸収元素であり、R’、R’’、およびR’’’はそれぞれ炭化水素配位子であり、nは1より大きい整数である)
を有する。AはSn、Te、Bi、またはSbでもよい。一部の実施形態では、RがR’と同じ炭化水素種(species of hydrocarbon)ではない。一部の実施形態では、R’’が、R’またはRあるいはその両方と同じ炭化水素種である。さらに、RまたはR’’あるいはその両方がR’’’と同じ炭化水素種であってもよい。一部の実施形態では、ポリマが、少なくとも10,000Da~100,000Daの数平均分子量を有する。
【0004】
追加の実施形態は、有機末端単位と、それぞれEUV吸収元素を有するモノマ単位および有機モノマ単位を含有する繰り返し単位とを有するポリマに関する。ポリマは、構造:
【化2】
(式中、x=2または3であり、AはEUV吸収元素であり、Rは炭化水素配位子であり、Eは有機モノマ単位であり、E’は非官能性末端単位であり、nは1より大きい整数である)
を有する。AはSn、Te、Bi、またはSbでもよい。一部の実施形態では、EおよびE’がそれぞれエーテル連結基を含む。他の実施形態では、EおよびE’がそれぞれエステル連結基を含む。ポリマは、少なくとも10,000Da~100,000Daの数平均分子量を有することができる。
【0005】
さらなる実施形態は、ポリマレジストを形成する方法に関する。本方法は、少なくとも1つのEUV吸収モノマ単位を有する繰り返し単位を有する交互共重合体を用意することと、交互共重合体の末端基を非反応性末端単位で置き換えることとを含む。末端基を置き換えることは、交互共重合体を単官能性モノマと反応させることを含むことができる。一部の実施形態では、交互共重合体を用意することが、2つの異なる種の二官能性EUV吸収モノマを重合することを含む。他の実施形態では、交互共重合体を用意することが、二官能性EUV吸収モノマとジオールまたはジカルボン酸などの二官能性有機モノマを重合することを含む。本方法はまた、ポリマレジストを基板上に塗布することと、ポリマレジストをリソグラフィパターン化することとを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】本発明の一部の実施形態による、交互共重合体およびランダム共重合体を説明するブロック構造図である。
図1B】本発明の一部の実施形態による、ポリマレジストコンフォメーションを説明するブロック構造図である。
図2】本発明の一部の実施形態による、ポリマレジストを形成する方法を説明するフロー図である。
図3A】本発明の一部の実施形態による、EUV吸収モノマから交互共重合体レジストを形成する方法を説明する化学反応図である。
図3B】本発明の一部の実施形態による、EUV吸収モノマから交互共重合体レジストを形成する方法を説明する化学反応図である。
図4A】本発明の一部の実施形態による、EUV吸収モノマおよび有機モノマから交互共重合体レジストを形成する方法を説明する化学反応図である。
図4B】本発明の一部の実施形態による、EUV吸収モノマおよび有機モノマから交互共重合体レジストを形成する方法を説明する化学反応図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
フォトリソグラフィは、集積回路パターンを半導体ウェハ上にエッチングするために半導体製造で一般的に使用される技術である。フォトリソグラフィパターン化は、本明細書でフォトレジストまたはレジストと呼ばれる感光性レジスト材料で基材をコーティングすることを伴う。レジストは、集積回路パターンで設計されたフォトマスクによって選択的に遮蔽される。レジストの非遮蔽領域が光源(例えば、可視光、紫外線(UV)光または極紫外線(EUV)光あるいはその組合せ)に露光されると、フォトレジストの選択された部分が現像液に溶解可能になり、したがって、リソグラフィ工程の現像段階中に除去可能になるように、化学反応が起こる。
【0008】
フォトレジストはポジティブまたはネガティブとに分類し得る。光源に露光されると、ネガティブレジストの非遮蔽領域は、例えば、光誘発重合または架橋によって不溶性になる。対照的に、ポジティブレジストの非遮蔽部分は、光源に露光すると光可溶化する(photosolubilize)。例えば、ポジティブフォトポリマレジストは、光子吸収すると鎖切断を受け得る。現像段階中に溶解可能な部分を除去すると、パターン化レジストが作り出され、これがその後のエッチングステップ中にパターンを半導体または他の基板材料に転写するために使用される。
【0009】
伝統的なフォトリソグラフィは、光子源として可視光またはUV光あるいはその両方(例えば、約193nm~436nm)を使用してきたが、これらの波長は、今日の技術の多くに要求される高解像度パターン化にとっては長すぎる。EUVリソグラフィは10~124nm(EUV)領域の光を使用する。半導体製造における高解像度パターン化のために、レーザ駆動スズ(Sn)プラズマ源によって生成された、約10~13.5nmのEUV波長がしばしば使用される。さらに、マルチパターン化および高開口数(NA)EUVリソグラフィなどの次世代技術が、さらに高い解像度をもたらすために開発されている。EUVリソグラフィは、典型的には約13nm解像度を得るために0.33のNAを有する光源を使用し、高NA EUVリソグラフィは0.55NA光源を使用することができる。これはより小さなパターン寸法を可能にし得るが、様々な課題をもたらす。
【0010】
例えば、材料変動性による確率的影響の影響が増加する。これらの寸法ではペリクルが欠如しており、さらには脆弱でパターン破壊しやすいので、この種のレジストは、例えば暗視野レチクルおよびポジティブトーンレジストを使用して、露光領域を減少させることが必要となり得る。しかしながら、高NA EUVリソグラフィ用に開発されたほとんどの次世代レジストはネガティブレジストであり、ポジティブレジストは、一般的に追加の化学増幅剤(例えば、光酸発生剤(PAG)、光子分解性塩基(photon-decomposable base)(PDB)等)を要する。よって、化学増幅剤などの少数成分を要さない、組成均一性が改善されたポジティブフォトレジストが必要とされている。
【0011】
本明細書で開示されるのは、組成変動性が低減されたポジティブレジストを製造するための技術である。これらのレジストは、EUV放射を吸収する元素(「EUV吸収元素」)を含有するモノマ単位を含む交互共重合体を使用する。例えば、交互共重合体はポリ(スタンナン)でもよい。EUV放射の吸収により、鎖切断が引き起こされ、化学増幅剤、触媒等などの少数成分を要することなく、レジストの非遮蔽領域が可溶化される。共重合体の使用により、モノマ単位の構造および反応性を変えることによってレジスト特性の優れた制御が可能になる。レジストを形成するために使用される重合方法は、材料変動性につながり得る、単位のランダム分布を回避する。さらに、交互共重合体の官能性末端基を非反応性末端単位で置き換えることによって、ポリマレジスト鎖を制御された長さで終結させることができる。
【0012】
図1Aは、本発明の一部の実施形態による、交互共重合体110およびランダム共重合体120を説明するブロック構造図100である。本明細書において、「交互共重合体」とは、2つ以上の種のモノマ(「モノマ単位」)を含有する繰り返し単位を有するホモポリマとも言い得る、厳密に交互の共重合体を指す。交互の繰り返し単位に加えて、同じモノマ種の隣接する繰り返し単位を含む共重合体は、本明細書において「ランダム共重合体」と呼ばれる。
【0013】
交互共重合体110は、それぞれ2つの異なるモノマ単位(それぞれ灰色四角および黒色四角によって表される)を含有するn個の繰り返し単位を含む。ランダム共重合体120は、第1のモノマ(灰色四角)のn個の繰り返し単位および第2のモノマ(黒色四角)のm個の繰り返し単位を含む。本明細書において、下付き記号nおよびmはそれぞれ、特に指定しない限り、1より大きい任意の整数を指し得る。ポリマ鎖の長さは、所望の用途およびレジスト特性に基づいて変化し得る。一部の実施形態では、交互共重合体110の数平均分子量が約100,000Da(g/mol)以上である。しかしながら、交互共重合体110またはランダム共重合体120あるいはその両方の平均分子量は、一部の実施形態では、少なくとも10,000Da~100,000Da、400Da~10,000,000Da等の範囲内にあり得る。
【0014】
交互共重合体110のモノマ単位の少なくとも1つは、EUV放射を吸収する元素を含む。これらはEUV放射を高度に吸収する元素でもよい。例えば、一方または両方のモノマ単位が、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、またはビスマス(Bi)の原子を含有し得る。EUV放射を高度に吸収する元素は、10cm/mol以上のEUV光吸収断面積を有し得る。EUV吸収モノマ単位は、ジアリール-またはジアルキルスタンナンなどの二官能性EUV吸収モノマの重合から誘導し得る。一部の実施形態では、モノマの1つが、二官能性EUV吸収モノマとジオールまたはジカルボン酸モノマなどの二官能性有機モノマとの間の縮合重合反応から誘導される有機モノマ単位である。
【0015】
ランダム共重合体120は、鎖の各末端(「官能性末端基」または「リビング末端」)でそのモノマ繰り返し単位(灰色ボックスおよび黒色ボックス)に対応する官能基を有する。対照的に、交互共重合体110は、さらなる重合または架橋を防ぐことを意図した非反応性アルキル部分またはアリール部分あるいはその両方を有する、末端単位(灰色チェックボックスおよび黒色チェックボックス)を含む。本明細書において、「非反応性」とは、環化、分岐、架橋等などのさらなる反応に利用可能な官能基(例えば、官能性末端基)を有さない種を指す。
【0016】
図1Bは、本発明の一部の実施形態による、ポリマレジストコンフォメーションを説明するブロック構造図である。ポリマレジスト130は交互共重合体であり、ポリマレジスト140はランダム共重合体である。両ポリマレジスト130および140において、灰色四角および黒色四角は異なるモノマ単位を表す。ポリマレジスト130の各鎖上のストライプボックスおよびチェックボックスは非反応性末端単位を表す。ポリマレジスト130は、一部の実施形態では、基板(図示せず)上に堆積した交互共重合体110(図1A)の一例となり得る。同様に、ポリマレジスト140は、基板(図示せず)上に堆積したランダム共重合体120(図1A)の一例となり得る。
【0017】
ポリマレジスト140の2つのモノマ種はポリマレジスト130のモノマ種と同じでもよいが、ポリマレジスト130および140が異なるモノマ種を有することもできる。図1B中のポリマ鎖の数、長さ、形状、相対サイズ等は、コンフォメーション構造を説明するためのものであり、実際のレジスト組成物と解釈されるべきではない。例えば、レジストは、任意の適切な数のモノマを有する任意の数のポリマ鎖を有することができる。これは、ポリマの分子量、ポリマの反応性、レジストの面積および厚さ等などの因子に依存し得る。3つ以上のモノマ種を有する交互共重合体およびランダム共重合体は図1Bで説明されていないが、これらはポリマレジスト130および140のものと実質的に同様のコンフォメーション差異を有し得る。
【0018】
ポリマレジスト130は、ポリマレジスト140よりも規則正しいコンフォメーションを有する。ポリマレジスト130の鎖長は、末端単位の付加により制御することができる。これは以下でさらに詳細に記載される。さらに、非反応性末端単位が、ポリマレジスト130の安定性および構造的一貫性を低下させ得る将来の鎖間反応(例えば、環化)を防ぐことができる。対照的に、ポリマレジスト140の鎖は、さらなる重合、環化、架橋等に関与し得る官能基で終わる。ポリマレジスト130の厳密に交互のモノマおよび一貫した鎖長は、ポリマレジスト140におけるモノマのランダム分布よりも規則正しいレジスト構造を供することができる。例えば、ポリマレジスト130は、ポリマレジスト140に存在するブロック性を回避する。ブロック性とは、統計分布よりも大きなコモノマの隣接を指す。これにより、ポリマにおけるコンフォメーション変動が引き起こされ、EUV放射を高度に吸収する元素の不均一な空間分布につながり、EUVレジスト感度の局所的空間変動がもたらされ、したがって、確率的欠陥のリスクが増加し得る。ポリマレジスト130のより規則正しい構造は、EUV吸収の効率を高め、確率的誤差を減少させることができる。
【0019】
図2は、本発明の一部の実施形態による、ポリマレジストを形成する方法200を説明するフロー図である。モノマ種および末端単位が選択される。これは操作210で説明される。モノマ種の少なくとも1つは、Sn、Te、Bi、またはSbなどのEUV吸収元素を含有する。二官能性EUV吸収モノマは、一般式RMXまたはRZX(式中、Rは、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロヘキシル等)またはアリール(例えば、フェニル、トリル、ナフチル等)基などの炭化水素配位子を表し、Xは、ヒドリド、ハライド、またはジアルキルアザニドなどのアニオン性基を表し、Mは、SnまたはTeなどのEUV吸収元素を表し、Zは、SbまたはBiなどのEUV吸収元素を表す)によって表すことができる。例えば、選択されたEUV吸収モノマは、二水素化ジフェニルスズ、ビス(ジエチルアミノ)ジメチルスズ、二塩化ジエチルスズ、二ヨウ化ジブチルテルル、二塩化トリフェニルアンチモン(V)、ジアセチルオキシ(トリフェニル)ビスマス等などの二官能性化合物でもよい。本明細書で説明されないが、Sn、Sb、Bi、またはTe以外のEUV吸収元素を含有する化合物は、いくつかの実施形態で使用し得る。さらに、RMXまたはRMXの分子中の炭化水素R基は、一部の実施形態では、同じ種の炭化水素でなくてもよい。
【0020】
ジカルボン酸およびジオールなどの二官能性有機モノマも選択し得る。ジカルボン酸の例としては、樟脳酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、2,3-ノルボルナンジカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタン-1,4-ジカルボン酸、1,3-アダマンタンジカルボン酸、5,7-ジメチルアダマンタン-1,3-ジカルボン酸、3-カルボキシアダマンタン-1-酢酸、1,3-アダマンタン二酢酸、テレフタル酸、p-フェニレン二酢酸、1,4-フェニレンジプロピオン酸、1,1’-フェロセンジカルボン酸、1,1’-フェロセン二酢酸、およびフェロセニルジカルボン酸類似体(ここで、鉄はRu、V、Zr、Hf、Ti、またはSnで置き換えられる)を挙げることができる。ジオールの例としては、ビスフェノールA、ヒドロキノン、4-(4-ヒドロキシフェニル)テラニルフェノール、1,4-ビフェニルジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジオール、4,4’-ビシクロヘキサノール、トリシクロデカンジメタノール、フェロセニルジオール(例えば、1,1’-フェロセンジメタノール、1,1’-フェロセンジエタノール等)、およびフェロセニルジオール類似体(ここで、鉄はRu、V、Zr、Hf、Ti、またはSnで置き換えられる)を挙げることができる。しかしながら、当業者によって理解されるように、本明細書で説明されない様々なジオールまたはジカルボン酸モノマがいくつかの実施形態で使用され得る。さらに、その他の二官能性有機モノマも、いくつかの実施形態で使用され得る(例えば、ジアミン)。上記有機モノマの一部は金属またはメタロイド原子を含むが、これらは、その無機原子が重合(例えば、重縮合反応)に関与しないことを示すために本明細書で有機モノマと呼ばれることに留意すべきである。
【0021】
選択されたモノマを重合して交互共重合体を形成する。これは操作220で説明される。重合は重縮合反応でもよい。例えば、交互共重合体は、少なくとも2つの異なる種のEUV吸収モノマ(例えば、ビス(ジエチルアミノ)ジアルキルスズおよび二水素化ジアリールスズ)を反応させることによって形成することができる。交互共重合体はまた、EUV吸収モノマおよび有機モノマからも形成することができる。例えば、少なくとも1つの種の二官能性EUV吸収モノマを、少なくとも1つの種の二官能性有機モノマ(例えば、ジオールまたはジカルボン酸モノマ)と反応させることができる。ポリエーテル有機スズ交互共重合体およびポリエステル有機スズ交互共重合体を形成するための例示的な反応は、図4Aおよび図4Bに関してさらに詳細に考察される。時間の量、温度、溶媒、およびその他の反応条件は、当業者によって理解されるように、モノマ種および反応の規模に依存し得る。重合反応の例は以下でさらに詳細に考察される。
【0022】
末端単位は、交互共重合体の末端に付けて交互共重合体レジストを形成する。これは操作230で説明される。操作210で選択された種の末端単位を適切な溶媒(例えば、モノマ極性、分子質量/構造等に応じて)に溶解し、操作220で形成された交互共重合体と混合することができる。末端単位選択は操作210で説明されているが、操作230の前のいつでもまたは操作230で選択を行うことができることに留意すべきである。さらに、一部の実施形態では、リビング末端を有する交互共重合体を、操作220で形成するのではなく別の供給源(例えば、商業的供給源)から得ることができる。
【0023】
末端単位は、二官能性EUV吸収モノマまたは有機モノマあるいはその両方の上記例と同様の単官能性化合物から選択し得る。単官能性EUV吸収末端単位は、一般式RMXまたはRZX(式中、一般的な二官能性EUV吸収モノマ式の場合と同様に、Rは炭化水素配位子を表し、Xはアニオン性基を表し、Mは、SnまたはTeなどのEUV吸収元素を表し、Zは、SbまたはBiなどのEUV吸収元素を表す)によって表すことができる。
【0024】
末端単位に使用される単官能性EUV吸収モノマの例としては、例えば、水素化トリメチルスズ、水素化トリエチルスズ、水素化トリプロピルスズ、水素化トリブチルスズ(例えば、(n-Bu)SnH、または(t-Bu)SnH))、水素化トリフェニルスズ、トリメチルスズジエチルアミド、トリエチルスズジエチルアミド、トリプロピルスズジエチルアミド、トリ-n-またはトリ-t-ブチルスズジエチルアミド、ヨウ化トリメチルテルル、臭化テトラフェニルアンチモン、ヨウ化テトラ-m-トリルビスマス、塩化テトラメチルビスマス等を挙げることができる。
【0025】
EUV吸収モノマおよび末端単位を反応させて(例えば、操作220および230で)、以下の一般構造:
【化3】
(式中、AはEUV吸収元素であり、Aの原子価に応じてx=2または3であり、R、R’、R’’、およびR’’’はそれぞれ炭化水素配位子である)
によって表される交互共重合体を形成することができる。繰り返し単位の炭化水素配位子RおよびR’は同じ種の炭化水素ではないが、末端炭化水素配位子R’’およびR’’’は独立して、R、R’と同じ種であってもよいし、別の炭化水素であってもよい。ポリマ構造および合成は以下でさらに詳細に考察される。
【0026】
末端単位として使用される有機モノマの例としては、シクロヘキサンカルボン酸、2-ノルボルナンカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-カルボン酸、1-アダマンタンカルボン酸、3,5-ジメチルアダマンタン-1-カルボン酸、1-アダマンタン酢酸、安息香酸、フェニル酢酸、3-フェニルプロピオン酸等などの単官能性カルボン酸モノマを挙げることができる。追加の例としては、フェロセンカルボン酸、フェロセン酢酸、フェロセンプロピオン酸、およびこれらの類似体(ここで、鉄はRu、V、Zr、Hf、Ti、またはSnで置き換えられる)を挙げることができる。有機末端単位の例としては、4-フェニルテラニルフェノール、トリシクロデカンメタノール、フェニルメタノール、フェニルエタノール、フェニルプロパノール、4-ビフェニルメタノール、フェロセニルアルコール(例えば、フェロセンメタノール)およびこれらの類似体(ここで、鉄はRu、V、Zr、Hf、Ti、またはSnで置き換えられる)、4-シクロヘキシルシクロヘキサノール、4-フェニルフェノール等も挙げることができる。
【0027】
操作220および230で有機モノマを含める場合、交互共重合体レジストを、以下の一般構造:
【化4】
(式中、AはEUV吸収元素であり、Aの原子価に応じてx=2または3であり、Eは有機モノマ単位であり、E’は有機末端単位であり、Rは炭化水素配位子である)
によって表すことができる。例えば、E’は、縮合反応を介してポリマ末端に付けたモノヒドロキシまたはモノカルボン酸化合物でもよい。ポリマ構造および合成の例は、図3A図4Bに関してさらに詳細に考察される。
【0028】
操作230で形成された交互共重合体レジストは、基板に塗布することができる。これは操作240で説明される。基板は、フォトレジストのリソグラフィパターン化に適した任意の基板(例えば、半導体ウェハ、無機ハードマスク、ポリマ刷毛塗り無機基板等)でもよい。様々なコーティング方法を使用してレジストを塗布することができる。これらのコーティング方法の例としては、スピンコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、ナイフエッジコーティング、印刷手法(例えば、インクジェットまたはスクリーン印刷)、スピンキャスティング等を挙げることができる。塗布は、単一コーティングステップまたは多重コーティングステップで行うことができる。多重コーティングステップを使用すると、コーティング工程に対するより優れた制御をすることができる。例えば、一連のスピンコーティングを使用して、数ナノメートル~数ミクロンの範囲となり得る所望の厚さを供することができる。フォトレジストを基板上にコーティングした後、さらなる加熱ステップまたは溶媒蒸発ステップあるいはその両方を行ってフォトレジスト層を硬化することができる。一部の実施形態では、レジストの厚さがおよそ30nm~50nmの範囲であるが、これがおよそ1nm~500μmの範囲であってもよい。
【0029】
しかしながら、一部の実施形態では、方法200が操作240を省略する。他の実施形態では、操作240でのフォトレジストの形成後に追加のステップを行うことができる。これらのステップは図2に説明されていないが、EUV光によるリソグラフィパターン化を含むことができる。様々なEUV光源を使用することができる。リソグラフィ用のEUV光源は、一般的に中心波長13.5nmを有し、2%バンド幅で高い平均出力(例えば、100Wまたはそれを超える)を有する。例えば、およそ1μm未満の波長を有する高出力駆動レーザを使用するレーザ駆動スズ(Sn)プラズマを使用することができる。一部の実施形態では、駆動レーザがパルスレーザである。しかしながら、駆動レーザは、固体レーザ、ガス放電レーザ、またはエキシマレーザであってもよい。一部の実施形態では、パターン化がEUVリソグラフィではなく電子線(e線)リソグラフィまたは液浸フォトリソグラフィで行い得ることにも留意すべきである。所望のパターンを有するフォトマスクを使用して、エネルギー源に露光する前に交互共重合体レジストを部分的に遮蔽する。フォトレジストをEUV光に露光すると、フォトレジストの非遮蔽部分で光誘起ポリマ鎖切断反応が起こる。
【0030】
本明細書に開示される末端単位を有する交互共重合体を伴うフォトリソグラフィ法は、電子デバイスに使用するための集積回路チップの製造に使用することができる。これらの集積回路チップは、製造業者によって生ウェハ(raw wafers)として、ベアダイとして、シングルチップ形態でパッケージングして(例えば、マザーボードまたはその他のキャリアに取り付けたリードを含むプラスチックキャリア)、マルチチップ形態でパッケージングして(例えば、表面配線または埋め込み配線あるいはその両方を有するセラミックキャリア)等で配布することができる。チップは、他のチップ、回路素子、信号処理装置等と集積し得る。チップを含有することができる最終製品の例としては、演算装置(例えば、ディスプレイ、キーボードまたはその他の入力装置、およびプロセッサを含むコンピュータ製品)、玩具、家電製品、自動車部品等が挙げられる。本明細書に開示される交互共重合体レジストは、一部の実施形態では、鎖切断型レジストとして作用することに加えて、水中表面の生物付着を防止する、イオンビームエッチングの性能を改善する等のために使用し得る。
【0031】
図3Aおよび図3Bは、本発明の一部の実施形態による、EUV吸収モノマから交互共重合体レジストを形成する方法300および305を説明する化学反応図である。方法300は、2つの種の二官能性有機スズモノマから交互共重合体310を得ることから始まる。交互共重合体310は任意の適切な合成方法を使用して得ることができるが、一部の実施形態では、交互共重合体310を別の供給源(例えば、商用供給源)から得ることもできる。交互共重合体310の例示的な合成(図示せず)は、二官能性有機スズモノマ、二水素化ジフェニルスズ(PhSnH)およびビス(ジエチルアミノ)ジメチルスズ(MeSn(EtN))の間の重縮合反応を含むことができる。ほぼ等モル量のMeSn(EtN)およびPhSnHを、ジエチルエーテル(EtO)およびトルエンなどの溶媒の混合物中で合わせることができる。混合物を、実質的に光および酸素の非存在下(例えば、周囲光から遮蔽し、アルゴンまたは窒素雰囲気下で維持した反応容器中)、約0℃で約3時間反応させる(例えば、攪拌しながら)。反応により、図示される交互共重合体310(ヒドリドおよびジエチルアミノ官能性末端基を有する-[PhSn-alt-MeSn]-)が形成される。当業者によって理解されるように、同様の反応条件を使用して、他の二官能性EUV吸収モノマから交互共重合体を形成することができる。
【0032】
末端単位は、交互共重合体310の末端に付けて、交互共重合体レジスト320を形成する。方法300では、2つの種の単官能性有機スズモノマ、水素化トリフェニルスズ(PhSnH)およびトリメチルスズジエチルアミド(MeSnNEt)、を使用する。例えば、少なくとも2当量(交互共重合体鎖のおおよその数に基づく)の単官能性有機スズモノマを交互共重合体310と混合することができる。一部の実施形態では、PhSnHおよびMeSnNEtを、約0℃で、EtO/トルエン中で交互共重合体310と合わせることができる。この反応により、2つの種の末端単位、トリフェニルスズおよびトリメチルスズを有する交互共重合体レジスト320が得られる。
【0033】
方法305(図3B)では、少なくとも2当量(交互共重合体鎖のおおよその数に基づく)の同じR基を有する単官能性有機スズモノマ、トリフェニルスズジエチルアミド(PhSn(EtN))およびPhSnHを交互共重合体310と混合する。この反応は、方法300の条件と実質的に同様の条件を使用して行うことができるが、対称トリフェニルスズ末端単位を有する交互共重合体レジスト330が得られる。同様に、交互共重合体310を例えば、MeSn(EtN)および水素化トリメチルスズ(MeSnH)と反応させることによって、対称トリメチル末端単位を有する交互共重合体レジスト(図示せず)を形成することができる。一部の実施形態では、少なくとも1つの末端単位を別の三官能性有機スズモノマ(例えば、水素化トリブチルスズ)で置き換えることができる。
【0034】
図4Aおよび図4Bは、本発明の一部の実施形態による、EUV吸収モノマおよび有機モノマから交互共重合体レジストを形成する方法400および405を説明する化学反応図である。方法400(図4A)は、二官能性有機テルルモノマである二ヨウ化ジ-n-ブチルテルル(n-BuTeI)、およびジカルボン酸モノマである1,4-シクロヘキサンジカルボン酸からポリエステル有機テルル交互共重合体410を得ることから始まる。方法405(図4B)は、二官能性有機スズモノマであるBuSnCl、およびジオールモノマである1,4-シクロヘキサンジメタノールからポリエーテル有機スズ交互共重合体420を得ることから始まる。交互共重合体410および420は任意の適切な方法(以下参照)を使用して得ることができるが、一部の実施形態では、交互共重合体410または420あるいはその両方を別の供給源(例えば、商用供給源)から得ることもできる。
【0035】
図4Aを参照すると、交互共重合体410の例示的合成(図示せず)は、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、および水酸化ナトリウム(NaOH)などの塩基を水に溶解することを含むことができる。ヘプタンなどの有機溶媒に溶解したほぼ等モル量のBuTeIを、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸溶液に添加することができる。得られた混合物を約1分間以下(例えば、約20秒間~1分間の間)攪拌することができる。しかしながら、反応を任意の適切な長さの時間(例えば、約1分間~1時間またはそれより長く)進めることもできる。
【0036】
図4Bを参照すると、交互共重合体420の例示的な合成(図示せず)は、1,4-シクロヘキサンジメタノールを水に溶解することを含むことができる。一部の実施形態では、NaOHなどの塩基を水溶液に添加することができる。得られた混合物を約1分間以下(例えば、約20秒間~1分間の間)攪拌することができる。しかしながら、反応を任意の適切な長さの時間(例えば、約1分間~1時間またはそれより長く)進めることもできる。
【0037】
方法400および405では、末端単位は、単官能性有機モノマを付加することによって、それぞれ交互共重合体410および420に付けられる。方法400(図4A)では、単官能性アルコールであるシクロヘキサンメタノールを交互共重合体410と混合する。これにより、エステル連結シクロヘキサン末端単位を有する交互共重合体レジスト430が得られる。方法405(図4B)では、単官能性カルボン酸モノマであるシクロヘキサンカルボン酸を交互共重合体420と混合する。これにより、エーテル連結メチルシクロヘキサン末端単位を有する交互共重合体レジスト440が得られる。当業者によって理解されるように、異なる種の単官能性アルコールおよびカルボン酸を置換することによって、方法400および405を修正して、異なる末端単位を有する類似の交互共重合体レジストを得ることができる。使用することができる単官能性有機モノマの例は、図2に関して以下でさらに詳細に考察される。一部の実施形態(図示せず)では、単官能性EUV吸収モノマ(例えば、塩化トリブチルスズ、ヨウ化トリブチルテルル、ヨウ化テトラメチルアンチモン等)が、末端単位として単官能性カルボン酸およびアルコールモノマに取って代わることができる。
【0038】
一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物が、エポキシド、ヒドロキシル、炭酸プロピレン、ハロゲン化アルキル、エステル、アルキン、アミン、イソシアネート、酸塩化物、クロロホルメート、チオール、オキシラン、シリル、カルボン酸、アルコキシル、アルキル等などの追加の部分を有することができる。本明細書において、「アルキル」とは、直鎖、分岐、または環状でもよい、C~C100基を指す。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロオクチルを挙げることができる。
【0039】
本明細書に記載される化合物は、1つまたは複数のキラル中心を含有することができる。特に注記しない限り、開示される構造は、表される化合物の全ての立体異性体、配座異性体、回転異性体、異性体、およびエナンチオマーを網羅する。さらに、開示される化合物を含有するポリマまたはその他の材料は、個々の立体異性体に加えて化合物のラセミ形態、ならびにこれらのいずれかを含有する混合物を含むことができる。本明細書に記載される化合物上の置換基は、合成;分解;単一置換反応または二重置換反応あるいはその両方、酸化/還元反応、酸/塩基反応、求核、求電子またはラジカル置換反応、付加/脱離反応、架橋反応、または重合反応あるいはその組合せを含むことができる、追加の化学反応、変換、または相互作用に関与し得る。
【0040】
命名されたアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリール、またはその他の官能基の異性体が存在する場合(例えば、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、およびtert-ブチル)、特定の異性体を指定しない基のメンバーへの言及(例えば、ブチル)は、そのファミリーの全ての異性体(例えば、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、およびtert-ブチル)を含むことを意図している。さらに、特に指定しない限り、グループの1つのメンバー(例えば、n-ブチル)への言及は、そのファミリーの残りの異性体(例えば、イソ-ブチル、sec-ブチル、およびtert-ブチル)を含むことができる。これは、当業者によって理解されるように、異性体の立体特性またはその他の特性に依存し得る。
【0041】
特に注記しない限り、化学反応は、周囲条件でまたは特別な雰囲気もヘッドスペースも使用しないわずかな加熱下で実施し、標準有機溶媒を使用して粘度および流動指数などの混合特性を管理して実施し得る。反応のクエンチ、溶媒除去、および精製のための標準的な手順が実施される。室温は、特に指示しない限り、約15℃~30℃の間である。本明細書に示される範囲(例えば、時間、濃度、温度等)は、終点と終点の間の全ての数の両方を含む。特に指定しない限り、範囲に関する「約」、「およそ」またはチルダ(~)の使用は、範囲の両端に適用され(例えば、「およそ1g~5g」は「およそ1g~およそ5g」として解釈されるべきである)、範囲のリストに関しては、リストの各範囲に適用される(例えば、「約1g~5g、5g~10g等」は、「約1g~約5g、約5g~約10g等」として解釈されるべきである)。特に指示しない限り、「約」、「およそ」および「~」などの修飾用語は、列挙される値、値の範囲、または1つもしくは複数の値の範囲の終点の+/-10%を示す。
【0042】
本明細書で考察される方法、およびそれらの付随する図面は、限定的であると解釈されるべきでない。当業者であれば、最終的に交互共重合体レジストを生成する、条件、成分、方法等が変化する様々な技術を使用することができることを認識するだろう。さらに、方法の過程で場合により条件を変更することができる。さらに、一部の実施形態では、当業者によって理解されるように、依然として本発明の範囲内のままでありながら、方法を付加、省略または代わりの順序で行うことができる。単一実体によって、または複数の実体によって方法を行うことができることにも留意すべきである。例えば、第1の実体が交互共重合体を調製することができ、第2の実体がそこからレジストを調製することができ、第3の実体がそのレジストを使用してEUVリソグラフィを行うことができる。
【0043】
本発明の好ましい実施形態では、以下の構造:
【化5】
(式中、x=2または3であり;
AはEUV吸収元素であり;
R、R’、R’’、およびR’’’はそれぞれ炭化水素配位子であり;
nは1より大きい整数である)
を有するポリマが提供される。
好ましくは、AがSn、Te、Bi、またはSbである。好ましくは、RがR’と同じ種の炭化水素ではない。R’’はR’と同じ種の炭化水素でもよい。RはR’’’と同じ種の炭化水素でもよい。R’’はR’’’と同じ種の炭化水素でもよい。R’’はRと同じ種の炭化水素でもよい。ポリマは、少なくとも10,000Da~100,000Daの数平均分子量を有し得る。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
【手続補正書】
【提出日】2023-12-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造:
【化1】
(式中、x=2または3であり;
Aは極紫外線(EUV)吸収元素であり;
Eは有機モノマ単位であり;
E’は非官能性末端単位であり;
Rは炭化水素配位子であり;
nは1より大きい整数である)
を有するポリマ。
【請求項2】
前記Eおよび前記E’がそれぞれエーテル連結基またはエステル連結基を含む、請求項1に記載のポリマ。
【請求項3】
以下の構造:
【化2】
(式中、x=2または3であり;
AはEUV吸収元素であり;
R、R’、R’’、およびR’’’はそれぞれ炭化水素配位子であり;
nは1より大きい整数である)
を有するポリマ。
【請求項4】
前記AがSn、Te、Bi、およびSbからなる群から選択される、請求項1または3に記載のポリマ。
【請求項5】
少なくとも10,000Da~100,000Daの数平均分子量を有する、請求項1または3に記載のポリマ。
【請求項6】
請求項1または3に記載のポリマを含む、ポリマレジスト。
【請求項7】
ポリマレジストを製造する方法であって、
少なくとも1つの極紫外線(EUV)吸収元素を含むモノマ単位を有する繰り返し単位を有する交互共重合体を用意することと;
前記交互共重合体の末端基を単官能性有機モノマと反応させて、非反応性末端単位を前記交互重合体に付けること
を含んで、以下の構造:
【化3】
(式中、x=2または3であり;
AはEUV吸収元素であり;
Eは有機モノマ単位であり;
E’は非官能性末端単位であり;
Rは炭化水素配位子であり;
nは1より大きい整数である)
を有するポリマを形成することを含む、
方法。
【請求項8】
前記用意することが、2つの異なる種の、二官能性EUV吸収モノマ間の重合反応を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記用意することが、二官能性EUV吸収モノマと二官能性有機モノマとの間の重合反応を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
ポリマレジストを製造する方法であって、
それぞれが少なくとも1つの極端紫外線(EUV)吸収モノマ単位を有する繰り返し単位を有する交互共重合体を用意することと;
前記交互共重合体の末端基を単官能性EUV吸収末端単位と反応させて、非反応性末端単位を前記交互重合体に付けること
を含んで、以下の構造:
【化4】
(式中、x=2または3であり;
AはEUV吸収元素であり;
R、R’、R’’、およびR’’’はそれぞれ炭化水素配位子であり;
nは1より大きい整数である)
を有するポリマを形成することを含む、
方法。
【請求項11】
前記AがSn、Te、Bi、およびSbからなる群から選択される、請求項7または10に記載のポリマ。
【請求項12】
請求項6に記載の前記ポリマレジストを基板上に塗布することと;
前記ポリマレジストをリソグラフィパターン化することと
を含む、半導体製造方法。
【国際調査報告】