(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】車両の地雷安全機構及び地雷安全動作を容易にするための方法
(51)【国際特許分類】
F41H 11/00 20060101AFI20240614BHJP
【FI】
F41H11/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569677
(86)(22)【出願日】2022-05-10
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 SE2022050459
(87)【国際公開番号】W WO2022255917
(87)【国際公開日】2022-12-08
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521503857
【氏名又は名称】ビーエーイー システムズ ハッグルンズ アクチエボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】エングブロム,ダニエル
(57)【要約】
本発明は、地雷安全機構と、車両(V)の地雷安全動作を容易にするための方法と、に関する。車両は、車体(VB)と、車両を移動させるための車体(VB)に接続された地面係合機構(T1)と、を備える。車体(VB)は、下部(10)と、下部(10)に関連付けられた床部(12)を有する内部空間(S)と、を含む。内部空間(S)は、床部(12)から所定の距離に地雷安全レベル(L)を含む。もしも車両が地雷の被害に遭った場合、内部空間(S)内に収容されて全ての身体部分が地雷安全レベル(L)以上の高さに位置付けられている人(P)は安全であると予想される。地雷安全機構は、地雷安全レベル(L)で信号(B)を提供するように構成されたセンサ機構(100)を備え、身体部分が地雷安全レベル(L)を越えたことを人(P)に警告するため、地雷安全レベル(L)を越えている身体部分を信号(B)によって検出するようになっている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(V)の地雷安全機構であって、
前記車両は、車体(VB)と、前記車両の移動を容易にするための地面係合機構(T1)と、を備え、
前記地面係合機構は、前記車体(VB)に接続され、
前記車体(VB)は、下部(10)と、搭乗者を収容するための内部空間(S)と、を含み、
前記内部空間は、前記下部(10)に関連付けられた床部(12)を有し、
前記内部空間(S)は、前記床部(12)から所定の距離に地雷安全レベル(L)を含み、もしも、前記車両が前記下部(10)の下方にある地雷の被害に遭って前記床部(12)が影響を受けた場合、前記内部空間(S)内に収容されて全ての身体部分が前記地雷安全レベル(L)以上の高さに位置付けられている人(P)は安全であると予想され、
前記地雷安全機構は、前記地雷安全レベル(L)で1つ以上の信号(B)を提供するように構成されたセンサ機構(100)を備え、身体部分が前記地雷安全レベル(L)を超えたことを人(P)に警告するため、前記地雷安全レベル(L)を超えている身体部分を前記1つ以上の信号(B)によって検出するようになっている、地雷安全機構。
【請求項2】
前記センサ機構によって提供されるように構成された前記1つ以上の信号は、1つ以上の光ビームである、請求項1に記載の地雷安全機構。
【請求項3】
前記1つ以上の光ビームは、レーザビームである、請求項2に記載の地雷安全機構。
【請求項4】
前記センサ機構は、前記地雷安全レベルでの前記1つ以上の信号の提供を容易にするように、前記内部空間内に配置された少なくとも1つの信号発信ユニットを備える、請求項1から3の何れか一項に記載の地雷安全機構。
【請求項5】
検出された身体部分に基づいて、視覚的警報及び/又は聴覚的警報及び/又は触知可能警報を提供するように更に構成されている、請求項1から4の何れか一項に記載の地雷安全機構。
【請求項6】
前記地雷安全レベル(L)は、対応する車両、対応する車体、及び対応する下部のうち1つ以上に実行された地雷試験に基づいて、及び/又は、そのような車両の構成、そのような車体の構成及びそのような下部の構成のうち1つに基づく地雷シミュレーション及び/又は推定及び/又は計算に基づいて決定された所定のレベルである、請求項1から5の何れか一項に記載の地雷安全機構。
【請求項7】
車両(V)の地雷安全動作を容易にするための方法であって、
前記車両は、車体(VB)と、前記車両の移動を容易にするための地面係合機構(T1)と、を備え、
前記地面係合機構は、前記車体(VB)に接続され、
前記車体(VB)は、下部(10)と、搭乗者を収容するための内部空間(S)と、を含み、
前記内部空間は、前記下部(10)に関連付けられた床部(12)を有し、
前記内部空間(S)は、前記床部(12)から所定の距離に地雷安全レベル(L)を含み、もしも、前記車両が前記下部(10)の下方にある地雷の被害に遭って前記床部(12)が影響を受けた場合、前記内部空間(S)内に収容されて全ての身体部分が前記地雷安全レベル(L)以上の高さに位置付けられている人(P)は安全であると予想され、
前記方法は、
前記地雷安全レベル(L)で1つ以上の信号(B)を提供するステップ(S1)と、
身体部分が前記地雷安全レベル(L)を越えたことを人に警告するため、前記地雷安全レベル(L)を越えている身体部分を前記1つ以上の信号(B)によって検出するステップ(S2)と、
を含む、方法。
【請求項8】
前記1つ以上の信号(B)は、1つ以上の光ビームである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上の光ビームは、レーザビームである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
検出された身体部分に基づいて、視覚的警報及び/又は聴覚的警報及び/又は触知可能警報を提供するステップ(S3)を更に含む、請求項7から9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記地雷安全レベル(L)は、対応する車両、対応する車体、及び対応する下部のうち1つ以上に実行された地雷試験に基づいて、及び/又は、そのような車両の構成、そのような車体の構成及びそのような下部の構成のうち1つに基づく地雷シミュレーション及び/又は推定及び/又は計算に基づいて決定された所定のレベルである、請求項7から10の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1から6の何れか一項に記載の地雷安全機構を備える、車両(V)。
【請求項13】
前記車両(V)は、無限軌道車両である、請求項12に記載の車両(V)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の地雷安全機構(mine safety arrangement)に関する。また、本発明は、車両の地雷安全動作を容易にするための方法に関する。また、本発明は車両に関する。
【背景技術】
【0002】
軍事区域等の特定の領域や特定の動作状況で動作する車両は、その地域で地雷の被害に遭う可能性がある。このような車両は、搭乗者(passenger)を運ぶように構成され得る。このような車両は、例えば連結式無限軌道車両のような軍事用無限軌道車両である。このような車両は、車体と、この車体に接続された、車両を移動させるための、例えば軌道アセンブリペアのような地面係合機構と、を含む。車体は、下部と、搭乗者を収容するための内部空間と、を含み、この内部空間は下部に関連付けられた床部を有する。内部空間は、床部から所定の距離に地雷安全レベルを含む。もしも車両が地雷の上を走行し、結果として地雷が爆発した場合、下部は影響を受けるので、床部は地雷安全レベルの方へ曲がる。地雷安全レベルよりも上方の内部空間内に収容されている人は、安全であると予想される。しかしながら、身体の少なくとも一部が地雷安全レベルよりも下方にある人は、重傷を負う可能性がある。内部地雷床(inner mine floor)を加えることによって、このリスクを排除することができる。しかしながら、このような解決策は内部空間を狭くする。
【0003】
従って、車体のそのような適合を必要とすることなく車両の地雷安全動作を容易にする車両の地雷安全機構を提供する必要がある。
【発明の目的】
【0004】
本発明の目的は、車体の適合を必要とすることなく車両の地雷安全動作を容易にする車両の地雷安全機構を提供することである。
【0005】
本発明の別の目的は、車体の適合を必要とすることなく車両の地雷安全動作のための方法を提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、そのような地雷安全機構を備えた車両を提供することである。
【発明の概要】
【0007】
以下の説明から明らかになるこれらの目的及び他の目的は、添付の独立請求項に述べられている車両の地雷安全機構、地雷安全動作のための方法、及び車両によって、達成される。この機構及び方法の好適な実施形態は、添付の従属請求項に規定されている。
【0008】
具体的に述べると、本発明の目的は車両の地雷安全機構によって達成される。車両は、車体と、車両の移動を容易にするための地面係合機構と、を備える。地面係合機構は車体に接続されている。車体は、下部と、搭乗者を収容するための内部空間と、を含む。内部空間は、下部に関連付けられた床部を有する。内部空間は、床部から所定の距離に地雷安全レベルを含む。もしも、車両が下部の下方にある地雷の被害に遭って床部が影響を受けた場合、内部空間内に収容されて全ての身体部分が地雷安全レベル以上の高さに位置付けられている人は、安全であると予想される。地雷安全機構は、地雷安全レベルで1つ以上の信号を提供するように構成されたセンサ機構を備え、地雷安全リスクを人に警告するため、地雷安全レベルを越えている身体部分を1つ以上の信号によって検出するようになっている。このため、車両が下部の下方にある地雷の被害に遭って床部が影響を受けた場合、内部空間内に収容されて全ての身体部分が地雷安全レベル以上の高さに位置付けられている人は、安全であると予想される。従って、センサ機構は、地雷安全レベルで1つ以上の信号を提供するように構成され、1つ以上の身体部分が地雷安全レベルを越えたことを人に警告するため、地雷安全レベルを越えている身体部分を1つ以上の信号によって検出するようになっている。一態様によれば、地雷安全レベルは例えば、対応する車両/車体/車体部分に実行された地雷試験に基づいて、及び/又はそのような車両/車体/車体部分の構成の地雷シミュレーション/推定/計算に基づいて決定された所定のレベルである。一態様によれば、地雷安全レベルは、下部の所定の地上高(ground clearance)及び床部からの所定の距離に基づく。一態様によれば、地雷安全レベルの床部からの所定の距離は、下部の地上高に基づく。一態様によれば、所定の地雷安全レベルは、車体の下部の下方で地雷が爆発した場合に予想される下部の変形に関連付けられる。地雷安全レベルでこのような信号を提供することによって、車体の適合を必要としない車両の地雷安全動作が容易になる。
【0009】
地雷安全機構の一実施形態によれば、センサ機構によって提供されるように構成された1つ以上の信号は、1つ以上の光ビームである。このように地雷安全レベルで光ビームを提供することによって、その人は、地雷安全レベルを越えた身体部分上の光反射を見ることができるので、その身体部が地雷安全レベルを越えたことの容易な検出。
【0010】
地雷安全機構の一実施形態によれば、1つ以上の光ビームはレーザビームである。このように地雷安全レベルでレーザビームを提供することによって、その人は、地雷安全レベルを越えた身体部分上のレーザ反射を見ることができるので、その身体部が地雷安全レベルを越えたことの容易な検出。
【0011】
地雷安全機構の一実施形態によれば、センサ機構は、地雷安全レベルでの1つ以上の信号の提供を容易にするように、内部空間内に配置された少なくとも1つの信号発信ユニットを備える。これにより、地雷安全レベルを越えている身体部分の検出を容易にするように、例えば光ビームのような信号の所望の方向への効率的な提供が可能となる。
【0012】
一実施形態によれば、地雷安全機構は更に、検出された身体部分に基づいて、視覚的警報及び/又は聴覚的警報及び/又は触知可能警報を提供するように構成されている。これにより、1つ以上の身体部分が地雷安全レベルを越えている空間内の人に、効率的に警報を発する。従って、これにより安全性が更に向上する。
【0013】
地雷安全機構の一実施形態によれば、地雷安全レベルは、対応する車両、対応する車体、及び対応する下部のうち1つ以上に実行された地雷試験に基づいて、及び/又は、そのような車両の構成、そのような車体の構成、及び、そのような下部の構成のうち1つに基づく地雷シミュレーション及び/又は推定及び/又は計算に基づいて決定された所定のレベルである。
【0014】
特に、本発明の目的は、車両の地雷安全動作を容易にするための方法によって達成される。車両は、車体と、車両の移動を容易にするための地面係合機構と、を備える。地面係合機構は車体に接続されている。車体は、下部と、搭乗者を収容するための内部空間と、を含む。内部空間は、下部に関連付けられた床部を有する。内部空間は、床部から所定の距離に地雷安全レベルを含む。もしも、車両が下部の下方にある地雷の被害に遭って床部が影響を受けた場合、内部空間内に収容されて全ての身体部分が地雷安全レベル以上の高さに位置付けられている人は、安全であると予想される。方法は、地雷安全レベルで1つ以上の信号を提供するステップと、地雷安全リスクを人に警告するため、地雷安全レベルを越えている身体部分を1つ以上の信号によって検出するステップと、を含む。このため、車両が下部の下方にある地雷の被害に遭って床部が影響を受けた場合、内部空間内に収容されて全ての身体部分が地雷安全レベル以上の高さに位置付けられている人は、安全であると予想される。従って、方法は、地雷安全レベルで1つ以上の信号を提供するステップと、1つ以上の身体部分が地雷安全レベルを越えたことを人に警告するため、地雷安全レベルを越えている身体部分を1つ以上の信号によって検出するステップと、を含む。
【0015】
方法の一態様によれば、1つ以上の提供される信号は1つ以上の光ビームである。
【0016】
方法の一態様によれば、1つ以上の光ビームはレーザビームである。
【0017】
方法の一態様によれば、方法は更に、検出された身体部分に基づいて、視覚的警報及び/又は聴覚的警報及び/又は触知可能警報を提供するステップを含む。
【0018】
方法の一態様によれば、地雷安全レベルは、対応する車両、対応する車体、及び対応する下部のうち1つ以上に実行された地雷試験に基づいて、及び/又は、そのような車両の構成、そのような車体の構成、及び、そのような下部の構成のうち1つに基づく地雷シミュレーション及び/又は推定及び/又は計算に基づいて決定された所定のレベルである。
【0019】
本開示に従った車両の地雷安全動作を容易にするための方法は、本明細書に記載されている対応する地雷安全機構に従った利点を有する。
【0020】
特に、本発明の目的は、本明細書に記載されている地雷安全機構を備える車両によって達成される。
【0021】
一実施形態によれば、車両は無限軌道車両である。代替的な実施形態によれば、車両は車輪付き車両である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本開示をより良く理解するため、添付図面と関連付けて読まれる以下の詳細な説明を参照する。いくつかの図面を通して、同様の参照符号は同様の部分を表す。
【0023】
【
図1a】本開示の一実施形態に従った無限軌道車両の側面図を概略的に示す。
【
図1b】本開示の一実施形態に従った連結式無限軌道車両の斜視図を概略的に示す。
【
図2】本開示の一実施形態に従った地雷安全機構を備える車体の後面図を概略的に示す。
【
図3】本開示の一実施形態に従った地雷安全機構を備える車体の平面図を概略的に示す。
【
図4】本開示の一実施形態に従った地雷安全動作を容易にするための方法のフローチャートを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書において、「リンク」という用語は、光電子通信ワイヤ又等の物理的コネクタ、又は、例えば無線もしくはマイクロ波リンクのような無線接続等の非物理的コネクタとすることができる通信リンクを表す。
【0025】
本明細書において、「地雷安全レベル」という用語は、車体と、車両の移動を容易にするため車体に接続された地面係合機構と、を備える車両に関連付けられる。車体は、地面係合機構が係合するように構成された地面からある距離に配置されて地上高を与えるように構成された下部と、下部に関連付けられた床部を備える内部空間と、を有する。地雷安全レベルは、内部空間内で、床部から地面と反対方向のある距離に位置するレベルを表す。この距離は、もしも車体の下部の下方にある地雷が爆発した場合、下部の損傷が床部に影響を与えず、床部は空間内のこのレベルに達しないので、内部空間内に収容されて全ての身体部分がそのレベル以上の高さにある人が深刻な影響を受けないような距離である。
【0026】
図1aは、本開示の一実施形態に従った無限軌道車両Vの側面図を概略的に示す。
【0027】
無限軌道車両Vは車体VBを含み、車体VBは、本開示の一態様によれば、車両Vのシャシ及び車体構造を含む。
【0028】
無限軌道車両Vは、車両Vの移動を容易にするため、車両Vが走行することが意図されている地面Gと係合するように構成された地面係合機構T1を含む。無限軌道車両Vのための地面係合機構T1は、軌道アセンブリペアを含むか又は軌道アセンブリペアによって提供される。
【0029】
軌道アセンブリペアは、車両Vを走行させるための左側軌道アセンブリT1及び右側軌道アセンブリを含む。
図1aには左側軌道アセンブリT1が示されている。軌道アセンブリT1の形状の地面係合機構T1は、車体VBに接続されるように構成されている。軌道アセンブリT1は、車体VBに吊り下げて(suspendedly)接続されるように構成されている。
【0030】
車体VBは、搭乗者を収容するための内部空間Sを含む。車体VBは下部10を含む。車体VBは、特定の地上高を提供するため地面から特定の距離に配置されるように構成されている。本開示の一態様によれば、車両は、例えば動作状況に基づいて地上高を適合できるように構成され得る。本開示の一態様によれば、地雷が存在し得るゾーン/領域/状況で動作している場合、所定の地上高が与えられる。本開示の一態様によれば、地雷の被害に遭うリスクがあるゾーン/領域/エリア/状況で動作している場合、下部10は地面Gから所定の距離Cにあるように構成されている。
【0031】
内部空間Sは、下部10に関連付けられた床部を有する。内部空間Sは、床部から所定の距離に地雷安全レベルLを含む。所定の地雷安全レベルLは、対応する車両/車体/下部に試験を実行することによって、及び/又は、そのような車両/車体/下部の構成に基づくシミュレーション/推定/計算によって、決定することができる。
【0032】
従って、本開示の一態様によれば、地雷安全レベルLは所定の地雷安全レベルである。
【0033】
本開示の一態様によれば、地雷安全レベルLは、対応する車両、対応する車体、及び対応する下部のうち1つ以上に実行された地雷試験に基づいて決定された所定のレベルである。本開示の一態様によれば、このような地雷試験は、そのような下部の下方に地雷を配置してこれを爆発させた場合の、対応する車両、対応する車体、及び/又は、対応する下部に対する試験を意味し、下部の変形、及び、下部の変形に伴う床部の部分の移動に起因した下部の床部の部分のレベルが注目される。
【0034】
本開示の一態様によれば、地雷安全レベルLは、そのような車両の構成、そのような車体の構成、及び/又は、そのような下部の構成に対する地雷の爆発のシミュレーション、推定、及び/又は、計算に基づいて決定された所定のレベルである。本開示の一態様によれば、このようなシミュレーション、推定、及び/又は、計算は、そのような下部の下方に地雷を配置してこれを爆発させた場合のシミュレーション、推定、及び/又は、計算を意味し、下部の変形、及び、下部の変形に伴う床部の部分の移動に起因した下部の床部の部分のレベルが、シミュレーション、推定、及び/又は、計算される。一態様によれば、地雷安全レベルLは、下部10の所定の地上高及び床部12からの所定の距離に基づく。
【0035】
一態様によれば、地雷安全レベルの床部12からの所定の距離は、下部10の地上高に基づく。
【0036】
一実施形態によれば、所定の地雷安全レベルLは、車体VBの下部の下方で地雷が爆発した場合に予想される下部10の変形に関連付けられる。
【0037】
もしも車両が下部10の下方で地雷の爆発を受けた場合、内部空間S内に収容されて全ての身体部分が地雷安全レベルL以上の高さに位置付けられている人Pは、安全であると予想される。このため、車両が下部の下方にある地雷の被害に遭って床部10が影響を受けた場合、内部空間S内に収容されて全ての身体部分が地雷安全レベルL以上の高さに位置付けられている人Pは、安全であると予想される。
【0038】
各軌道アセンブリは、駆動ホイールDWと、テンションホイールTWと、ロードホイールRWのセットと、これらのホイールの上に延出するよう配置された無限軌道Eと、を備える。このため、無限軌道Eはこれらのホイールの周りに配置されるように構成されている。ここで、駆動ホイールDWは前方に配置され、テンションホイールTWは後方に配置され、ロードホイールRWは駆動ホイールDWとテンションホイールTWとの間に配置されている。しかしながら、本開示に従った無限軌道車両は、任意の適切な配置の駆動ホイール、テンションホイール、及びロードホイールを備えた軌道アセンブリを有し得る。本開示の一態様によれば、テンションホイールを前方に配置し、駆動ホイールを後方に配置し、それらの間にロードホイールを配置することも可能である。
【0039】
各軌道アセンブリの無限軌道Eは、駆動ホイールDWによって駆動され、それによって回転するように配置されている。車両Vは、駆動ホイールDWを駆動するため、図示しない駆動機構を含む。駆動機構は、任意の適切な駆動機構とすればよい。駆動機構は、内燃機関及び/又は電気機械等、任意の適切な駆動手段を含み得る。
【0040】
図1bは、本開示の一態様に従った無限軌道車両Vの側面図を概略的に示す。
【0041】
無限軌道車両Vは、第1の車両ユニットV1と、関節ジョイントYを介して第1の車両ユニットV1に枢動可能に接続された第2の車両ユニットV2と、を備える連結式無限軌道車両Vである。
【0042】
無限軌道車両Vの各車両ユニットV1、V2は車体VBを備え、車体VBは、本開示の一態様によれば、車両Vのシャシ及び車体構造を含む。
【0043】
第1の車両ユニットV1及び第2の車両ユニットV2、すなわち無限軌道車両Vは、車両Vの移動を容易にするため、車両Vの車両ユニットV1、V2が走行することが意図されている地面Gと係合するように構成された地面係合機構T1を含む。無限軌道車両Vのための地面係合機構T1は、各車両ユニットのための軌道アセンブリペアを含むか又は軌道アセンブリペアによって提供される。
【0044】
軌道アセンブリペアは、車両Vの各車両ユニットV1、V2の左側軌道アセンブリT1及び右側軌道アセンブリを含み、
図1bには左側軌道アセンブリT1が示されている。軌道アセンブリT1の形状の地面係合機構T1は、各車両ユニットV1、V2の車体VBに接続されるように構成されている。軌道アセンブリT1は、各車両ユニットV1、V2の車体VBに吊り下げて接続されるように構成されている。
【0045】
各車両ユニットV1、V2の車体VBは、搭乗者を収容するための内部空間Sを含む。各車両ユニットV1、V2の車体VBは、下部10を含む。各車両ユニットV1、V2の車体VBは、特定の地上高を提供するため地面Gから特定の距離C1、C2に配置されるように構成されている。本開示の一態様によれば、車両は、例えば動作状況に基づいて地上高を適合できるように構成され得る。本開示の一態様によれば、地雷が存在し得るゾーン/領域/状況で動作している場合、所定の地上高が与えられる。本開示の一態様によれば、地雷の被害に遭うリスクがあるゾーン/領域/エリア/状況で動作している場合、各車両ユニットV1、V2の下部10は地面Gから所定の距離C1、C2にあるように構成されている。
【0046】
各車両ユニットV1、V2の内部空間Sは、下部10に関連付けられた床部を有する。第1の車両ユニットV1及び/又は第2の車両ユニットV2の内部空間Sは、床部から所定の距離に地雷安全レベルLを含む。所定の地雷安全レベルLは、対応する車両/車体/下部に試験を実行することによって、及び/又は、そのような車両/車体/下部の構成に基づくシミュレーション/推定/計算によって、決定することができる。
【0047】
もしも車両が下部10の下方で地雷の爆発を受けた場合、内部空間S内に収容されて全ての身体部分が地雷安全レベルL以上の高さに位置付けられている人Pは、安全であると予想される。このため、車両が下部の下方にある地雷の被害に遭って床部10が影響を受けた場合、内部空間S内に収容されて全ての身体部分が地雷安全レベルL以上の高さに位置付けられている人Pは、安全であると予想される。
【0048】
各軌道アセンブリは、駆動ホイールDWと、テンションホイールTWと、ロードホイールRWのセットと、これらのホイールの上に延出するよう配置された無限軌道Eと、を備える。このため、無限軌道Eはこれらのホイールの周りに配置されるように構成されている。ここで、駆動ホイールDWは前方に配置され、テンションホイールTWは後方に配置され、ロードホイールRWは駆動ホイールDWとテンションホイールTWとの間に配置されている。
【0049】
無限軌道車両Vの各車両ユニットV1、V2の各軌道アセンブリの無限軌道Eは、駆動ホイールDWによって駆動され、それによって回転するように配置されている。
【0050】
車両Vは、駆動ホイールを駆動するため、図示しない駆動機構を含む。駆動機構は、任意の適切な駆動機構とすればよい。駆動機構は、内燃機関及び/又は電気機械等、任意の適切な駆動手段を含み得る。無限軌道車両Vの車両ユニットV1、V2の各軌道アセンブリT1は、駆動ホイールDWを動作させ、従って駆動ホイールDWを駆動するための駆動機構を含み得る。
【0051】
図1a及び
図1bで示されているように、本開示に従った車両Vは、
図1aに示されているような単一無限軌道車両とするか、又は、前方車両ユニットV1と前方車両ユニットV1に枢動可能に接続された後方車両ユニットV2とを備える連結式無限軌道車両Vとする、ことができる。
【0052】
図1a及び
図1bで示されているように、本開示に従った車両Vは、車両を駆動するため地面と係合するように構成された無限軌道を備えた軌道アセンブリを含む地面係合機構を備えた無限軌道車両とすることができる。図示されていない代替案によれば、本開示に従った車両は、車両を駆動するため地面と係合するように構成されたホイールのセットを含む地面係合機構を備えた車輪付き車両とすることができる。
【0053】
図2は、本開示の一実施形態に従った地雷安全機構を備える車体VBの後面図を概略的に示し、
図3は、本開示の一実施形態に従った地雷安全機構を備える車体の平面図を概略的に示す。
【0054】
車体VBは、
図1aの車両Vに従った車体VBであってもよい。車体VBは、例えば
図1bに従った第2の車両ユニットV2に従った車体VBであってもよい。車体VBは、軍用車両のための車体であってもよい。車体VBは、搭乗者を運ぶための車体VBであってもよい。車体VBは、車体であってもよく、
図2及び
図3では、車両を移動させるための任意の適切な地面係合機構を備えた車両の車体であってもよく、従って車体VBは、無限軌道車両又は車輪付き車両のための車体であってもよい。
【0055】
車体VBの車両は、車両の移動を容易にするため、図示しない地面係合機構を含む。この地面係合機構は、車体VBに接続されるように構成されている。
【0056】
車体VBは下部10を含む。車体VBは更に、対向する側部20、30及び上部40、並びに、前部及び後部を含み、下部10、側部20、30、上部40、並びに、前部及び後部は、車体VBの筐体部を形成する。
【0057】
車体VBは、搭乗者を収容するための内部空間Sを含む。下部10、側部20、30、上部40、並びに、前部及び後部は、内部空間Sを形成するように構成されている。側部20、30は、左側部20と右側部30とを含む。内部空間Sは、左側部20に関連付けられた左内壁部22と、右側部30に関連付けられた反対側の右内壁部32と、を含む。
【0058】
内部空間は、下部10に関連付けられた床部12を有する。内部空間Sは、床部12から所定の距離Dに地雷安全レベルLを含む。
【0059】
もしも、車両が下部10の下方にある地雷の被害に遭って床部12が影響を受けた場合、内部空間S内に収容されて全ての身体部分が地雷安全レベルL以上の高さに位置付けられている人Pは、安全であると予想される。このため、車両が下部10の下方にある地雷の被害に遭って床部12が影響を受けた場合、内部空間内に収容されて全ての身体部分が地雷安全レベルL以上の高さに位置付けられている人Pは、安全であると予想される。
【0060】
本開示の一態様によれば、車体VBの下部10は、もしも車体VBの真下ですなわち下部10の下方で地雷が爆発した場合、下部10が上方へ変形し、これに伴って変形した床部12Aを有する変形下部10Aが生じるように構成されている。変形下部10Aの床部12Aは、内部空間S内の特定のエリアで地雷安全レベルLに近付く。
【0061】
本開示の一態様によれば、空間S内に搭乗者Pのためのシート部材50が配置されている。本開示の一態様によれば、シート部材50は、内部空間S内で各側部20、30に沿って、側部20、30の内壁部22、32に接続して配置されている。
【0062】
シート部材50は、任意の適切なシート部材とすればよい。シート部材50は、搭乗者が座るためのシート部52を含み、一態様に従って背もたれ54を含んでもよい。
【0063】
本開示の一態様によれば、シート部材50は、側部20、30の内壁部22、32に固定して配置されている。
【0064】
本開示の一態様によれば、シート部材50は、シート部52が地雷安全レベルLよりも上方に配置されるように、側部20、30の内壁部22、32に接続して配置されるように構成されている。
【0065】
本開示の一態様によれば、シート部材50は、各側部20、30に沿って側部20、30の内壁部22、32に接続して配置されて、左側部20に関連付けられた内壁部22に沿って分散した個々のシート部材50と右側部30に関連付けられた内壁部32に沿って分散した個々のシート部材50とが相互に向かい合うように対向して配置されるようになっている。従って、内壁部22に接続して配置されたシート部材50は、反対側の内壁部32に接続して配置されたシート部材50と向かい合うように構成されている。
【0066】
本開示の一態様によれば、身体部分のサポートを与えるため、空間S内に搭乗者Pのためのサポート部材60が配置されて、例えば足Fのような身体部分を地雷安全レベルLよりも上方に保持することを容易にする。
【0067】
本開示の一態様によれば、サポート部材60は、シート部材50のシート部52に接続して配置されるように構成されて、シート部材50に位置付けられた人Pの足Fを、反対側のシート部材50に接続して配置されたサポート部材60によって支持できるようになっている。
図2を参照のこと。サポート部材60は、一態様によれば、足Fの足指/一部を挿入するためのループ構成を含む。このようなサポート部材60は、各シート部材50のシート部よりは下方であるが地雷安全レベルLよりも上方に配置すればよい。しかしながら、このようなサポート部材60は、足のサイズ及び/又はサポート部材60に接続して足Fを保持する方法に応じて、例えばかかとのような足Fの一部が地雷安全レベルLよりも下方になる可能性がある。
【0068】
本開示は地雷安全機構Aを備える。この地雷安全機構Aは、地雷安全レベルLで1つ以上の信号Bを提供するように構成されたセンサ機構100を備え、地雷安全リスクを人Pに警告するため、地雷安全レベルLを超えている身体部分を1つ以上の信号Bよって検出するようになっている。
【0069】
本開示の一態様によれば、センサ機構100によって提供されるように構成された1つ以上の信号Bは視覚信号である。本開示の一態様によれば、センサ機構100によって提供されるように構成された1つ以上の信号Bは1つ以上の光ビームBである。本開示の一態様によれば、1つ以上の光ビームBはレーザビームである。
【0070】
本開示の一態様によれば、センサ機構100は、地雷安全レベルLにおける1つ以上の信号の提供を容易にするように内部空間S内に配置された少なくとも1つの信号発信ユニット110を備える。
【0071】
本開示の一態様によれば、内部空間S内に配置された少なくとも1つの信号発信ユニット110は、例えば、サポート部材60に接続して地雷安全レベルLを超えている足のような身体部分を検出するように、サポート部材60に関連して、地雷安全レベルLで、例えばレーザビームB等の光ビームのような信号Bを提供するように構成されている。
【0072】
本開示の一態様によれば、少なくとも1つの信号発信ユニット110は、1つ以上のレーザビームを発信するように構成された1つ以上のレーザ発光ユニットを備える。本開示の一態様によれば、1つ以上のレーザ発光ユニットは、地雷安全レベルLを超えている身体部分を明るい着色光スポットで照明するように構成された可視光の1つ以上の狭いコヒーレントレーザビームを発光するように構成されている。本開示の一態様によれば、1つ以上のレーザ発光ユニットは1つ以上のレーザポインタを含み得る。
【0073】
本開示の一態様によれば、地雷安全機構Aは更に、検出された身体部分に基づいて、視覚的警報及び/又は聴覚的警報及び/又は触知可能警報を提供するように構成されている。本開示の一態様によれば、地雷安全機構Aは更に、センサ機構100によって検出された身体部分に基づいて、視覚的警報及び/又は聴覚的警報及び/又は触知可能警報を提供するように構成されている。
【0074】
本開示の一態様によれば、少なくとも1つの信号発信ユニット110は、身体部分が1つ以上の発信信号を超えているか否かに基づいて、視覚的警報及び/又は聴覚的警報及び/又は触知可能警報を提供するように構成されている。一実施形態によれば、少なくとも1つの信号発信ユニット110は、地雷安全レベルの1又は複数の発信信号を超えている身体部分に関連した情報を受信するように、また、1つ以上の身体部分が1又は複数の発信信号を超えている人及び/又はそのような人の近くにいる他の人に知らせるための措置を取るように構成された制御デバイスを含むか又は制御デバイスに動作可能に接続することができる。
【0075】
本開示の一態様によれば、地雷安全機構Aは、視覚的警報を提供するように構成された図示されていない視覚的警報デバイスを備える。視覚的警報は、光の活性化等とすればよい。本開示の一態様によれば、そのような視覚的警報デバイスは、1つ以上の発信信号を超えている身体部分が所定の時間間隔内で除去されない場合に活性化されるように構成され得る。
【0076】
本開示の一態様によれば、地雷安全機構Aは、聴覚的警報を提供するように構成された図示されていない聴覚的警報デバイスを備える。聴覚的警報は、アラームの活性化等とすればよい。本開示の一態様によれば、そのような聴覚的警報デバイスは、1つ以上の発信信号を超えている身体部分が所定の時間間隔内で除去されない場合に活性化されるように構成され得る。
【0077】
本開示の一態様によれば、地雷安全機構Aは、図示されていない触知可能警報デバイスを備える。触知可能警報は、1つ以上の信号を超えている身体部分において、例えば熱のような温度変化、又は衝撃等を発生させる1つ以上の信号とすればよい。本開示の一態様によれば、そのような触知可能警報デバイスは、1つ以上の発信信号を超えている身体部分が所定の時間間隔内で除去されない場合に活性化されるように構成され得る。
【0078】
本開示の一態様によれば、地雷安全機構Aは制御デバイス200を備える。制御デバイス200は1つ以上の制御ユニットを含み得る。本開示の一態様によれば、制御デバイス200はセンサ機構100に動作可能に接続されている。本開示の一態様によれば、制御デバイス200は、1つ以上のリンクを介してセンサ機構100に動作可能に接続されるように構成されている。
図3に、このような制御デバイス200が概略的に示されている。
【0079】
本開示の一態様によれば、制御デバイス200は、身体部分が地雷安全レベルの1又は複数の発信信号を越えていることに関連した情報をセンサ機構100から受信するように構成されている。本開示の一態様によれば、制御デバイス200は、1つ以上の身体部分が1又は複数の発信信号を越えている人及び/又はそのような人の近くにいる他の人に知らせるための措置を取るように構成されている。
【0080】
本開示の一態様によれば、制御デバイス200は、視覚的警報を提供するように構成された視覚的警報デバイスを備えるか又は視覚的警報デバイスに動作可能に接続されている。
【0081】
本開示の一態様によれば、制御デバイス200は、聴覚的警報を提供するように構成された聴覚的警報デバイスを備えるか又は視覚的警報デバイスに動作可能に接続されている。
【0082】
本開示の一態様によれば、制御デバイス200は、触知可能警報を提供するように構成された触知可能警報デバイスを備えるか又は視覚的警報デバイスに動作可能に接続されている。
【0083】
本開示の一態様によれば、地雷安全機構Aは、車両の地上高を決定するように構成された地上高決定デバイス300を備える。本開示の一態様によれば、制御デバイス200は、車両の地上高を決定するように構成された地上高決定デバイス300を備えるか又は地上高決定デバイス300に動作可能に接続されている。本開示の一態様によれば、制御デバイス200は、地上高決定デバイス300から現在の地上高に関する情報を受信するように構成されている。地上高決定デバイス300は、地面に対する車両の車体の位置を検出するための1つ以上のセンサを含み得る。このような1つ以上のセンサは、1つ以上の距離決定センサ、及び/又は車両の地面係合機構に対する車体の位置を検出することに関連付けられた1つ以上のセンサを含み得る。
【0084】
本開示の一態様によれば、車両が、地雷の被害に遭うリスクがあるゾーン、領域、エリア、及び状況のうち1つ以上で動作しているか又は動作することが意図されている場合、制御デバイス200は、地上高決定デバイス300からの現在の地上高に関する受信情報に基づいて、車両の車体の下部が地面から所定の距離にあるように、従って車両の所定の地上高が与えられるようにするための措置を取るように構成されている。
【0085】
本開示の一態様によれば、車両が、地雷の被害に遭うリスクがあるゾーン、領域、エリア、及び状況のうち1つ以上で動作しているか又は動作することが意図されている場合、制御デバイス200は、地上高決定デバイス300からの現在の地上高に関する受信情報に基づいて、車両の地上高がそのような地雷リスク状況に対する所定の地雷間隔(mine clearance)に対応するか否かを判定し、地上高が所定の地雷間隔に対応しない場合は、車両の車体の下部を地面から所定の距離まで上昇させることによって車両の所定の地上高を与える地上高の適合を容易にするための措置を取るように構成されている。地上高の適合を容易にするために取られる措置は任意の適切な措置とすればよく、例えば自動適合、又は地上高の適合が必要であると車両オペレータに警告することである。
【0086】
本開示の一態様によれば、地雷安全機構Aは、車両が、地雷の被害すなわち地雷爆発のリスクがあるゾーン、領域、エリア、及び状況のうち1つ以上で動作しているか又は動作することが意図されている場合に、情報を提供するように構成された地雷安全リスク情報デバイス400を備える。本開示の一態様によれば、制御デバイス200は、地雷安全リスク情報デバイス400を備えるか又は地雷安全リスク情報デバイス400動作可能に接続されている。本開示の一態様によれば、制御デバイス200は、地雷安全リスク情報デバイス400から潜在的な地雷安全リスクの情報を受信するように構成されている。地雷安全リスク情報デバイス400は、地雷安全リスクを決定するための任意の適切なデバイスを含み得る。地雷安全リスク情報デバイス400は、例えばGPS等の全地球的航法衛星システムのような車両の地理的位置を決定するための1つ以上のデバイス、及び/又は、地雷安全リスクに関する聴覚及び/又は視覚情報を提供するための通信デバイスを含み得る。
【0087】
本開示の一態様によれば、地雷安全機構Aは、地雷のリスクが存在し得るエリア内で車両が動作していることに関連した情報に基づいてセンサ機構100を活性化するように構成されたセンサ機構活性化機構500を備える。本開示の一態様によれば、制御デバイス200は、センサ機構活性化機構500を備えるか又はセンサ機構活性化機構500に動作可能に接続されている。本開示の一態様によれば、センサ機構活性化機構500は、地雷安全リスク情報デバイス400からの情報に基づいてセンサ機構100を活性化するように構成されている。本開示の一態様によれば、センサ機構活性化機構500は、地雷のリスクが存在し得るエリア内で車両が動作していることに関連した情報に基づいて、センサ機構100を自動的に活性化するように構成されている。本開示の一態様によれば、センサ機構活性化機構500は活性化ボタン等の活性化部材を含み、車両の動作に関与するオペレータは、地雷のリスクが存在し得るエリア内で車両が動作していることに関連した伝達情報に基づいて、センサ機構100を活性化することができる。
【0088】
本開示の一態様によれば、センサ機構100は、活性化された場合、地雷安全レベルLで1又は複数の信号を発信するように構成されている。地雷安全レベルLは、対応する車両、対応する車体、及び対応する下部のうち1つ以上に実行された地雷試験に基づいて、及び/又は、そのような車両の構成、そのような車体の構成、及び、そのような下部の構成のうち1つ以上に基づく地雷シミュレーション及び/又は推定及び/又は計算に基づいて決定された所定のレベルである。
【0089】
一態様によれば、センサ機構100は、活性化された場合、地雷安全レベルLで1又は複数の信号を発信するように構成されている。地雷安全レベルは、下部の所定の地上高及び床部からの所定の距離に基づく。
【0090】
一態様によれば、センサ機構100は、活性化された場合、地雷安全レベルLで1又は複数の信号を発信するように構成されている。地雷安全レベルの床部からの所定の距離は、下部の地上高に基づく。本開示の一態様によれば、もしも現在の地上高が低いレベルであるならば、すなわち、下部が所定の地上高よりも地面に近いならば、1又は複数の発信信号は、所定の地雷安全レベルを与えるため、床から更に離れた距離にすることで地雷安全レベルを与えることができる。これにより、空間内の人の身体部分が地雷安全レベルを越えたことに関する警報を、地上高を適合させる情報として利用することができる。
【0091】
本開示の一態様によれば、制御デバイス200は、少なくとも1つのメモリを含むメモリ機構を備える。本開示の一態様によれば、制御デバイス200は、少なくとも1つのプロセッサを含むプロセッサ機構を備える。本開示の一態様によれば、制御デバイス200は、少なくとも1つの通信ユニットを含む通信機構を備える。
【0092】
本開示の一態様によれば、制御デバイス200のメモリ機構は、プロセッサ機構と一体化するか、もしくはプロセッサ機構内に埋め込むか、又は、別個のメモリハードウェアデバイスとすることができる。本開示の一態様によれば、制御デバイス200のメモリ機構は、プロセッサ機構に動作可能に接続され得る。本開示の一態様によれば、メモリ機構の少なくとも1つのメモリのうち少なくとも1つは、プロセッサ機構と一体化するか、もしくはプロセッサ機構内に埋め込むか、又は、別個のメモリハードウェアデバイスとすることができる。
【0093】
本開示の一態様によれば、メモリ機構は、RAM、ROM、ハードディスク、光ディスク、磁気媒体、フラッシュメモリ、及び/又は、命令もしくはデータを記憶することができる他の任意の機構を含み得る。
【0094】
本開示の一態様によれば、制御デバイス200のプロセッサ機構は、入力データに対して論理動作を実行する電気回路を有する任意の物理デバイスを含み得る。本開示の一態様によれば、制御デバイス200のプロセッサ機構の少なくとも1つのプロセッサは、入力データに対して論理動作を実行する電気回路を有する任意の物理デバイスを含み得る。例えばプロセッサ機構は、1つ以上の集積回路、マイクロチップ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、CPU、DSP、FPGAの全体もしくは一部、又は、命令の実行もしくは論理動作の実行のための他の回路を含み得る。
【0095】
図4は、本開示の一態様に従った車両の地雷安全動作を容易にするための方法M1のフローチャートを概略的に示す。
【0096】
車体は、下部と、搭乗者を収容するための内部空間と、を含む。内部空間は、下部に関連付けられた床部を有する。内部空間は、床部から所定の距離に地雷安全レベルを含む。もしも車両が下部の下方にある地雷の被害に遭って床部が影響を受けた場合、内部空間内に収容されて全ての身体部分が地雷安全レベル以上の高さに位置付けられている人は、安全であると予想される。このため、車両が下部の下方にある地雷の被害に遭って床部が影響を受けた場合、内部空間内に収容されて全ての身体部分が地雷安全レベル以上の高さに位置付けられている人は、安全であると予想される。
【0097】
この態様によれば、方法M1はステップS1を含む。このステップでは、地雷安全レベルで1つ以上の信号を提供する。
【0098】
この態様によれば、方法M1はステップS2を含む。このステップでは、地雷安全リスクを人に警告するため、地雷安全レベルを越えている身体部分を1つ以上の信号によって検出する。
【0099】
本開示の一態様によれば、方法M1はステップS3を含み得る。このステップでは、検出された身体部分に基づいて、視覚的警報及び/又は聴覚的警報及び/又は触知可能警報を提供する。このステップでは、1つ以上の信号によって身体部分が検出された場合、視覚的警報及び/又は聴覚的警報及び/又は触知可能警報を提供する。
【0100】
本開示の一態様によれば、検出された身体部分に基づいて視覚的警報及び/又は聴覚的警報及び/又は触知可能警報を提供するステップは、所定の時間期間中に身体部分が検出された場合に実行される。
【0101】
本開示の一態様によれば、方法は、地雷安全レベルを越えている身体部分が1つ以上の信号によって検出された場合、この身体部分が地雷安全レベルを越えた状態を維持している時間を決定するステップと、この時間が所定の時間間隔を超えた場合、視覚的警報及び/又は聴覚的警報及び/又は触知可能警報を提供するステップと、を含み得る。
【0102】
本開示の一態様によれば、地雷安全レベルは、対応する車両、対応する車体、及び対応する下部のうち1つ以上に実行された地雷試験に基づいて、及び/又は、そのような車両の構成、そのような車体の構成、及び、そのような下部の構成のうち1つに基づく地雷シミュレーション及び/又は推定及び/又は計算に基づいて決定された所定のレベルである。
【0103】
一態様によれば、地雷安全レベルは、下部の所定の地上高及び床部からの所定の距離に基づく。一態様によれば、地雷安全レベルの床部からの所定の距離は、下部の地上高に基づく。一態様によれば、所定の地雷安全レベルは、車体の下部の下方で地雷が爆発した場合に予想される下部の変形に関連付けられる。
【0104】
車両の地雷安全動作を容易にするための方法M1は、実施形態に従って、
図2及び
図3を参照して上述した車両の地雷安全機構によって実行されるように適合される。
【0105】
本発明の好適な実施形態の前述の記載は、例示及び記載の目的のために提供されている。これは、網羅的であることも、開示されている厳密な形態に本発明を限定することも意図していない。明らかに、多くの変更及び変形が当業者には明白であろう。実施形態を選択し記載した目的は、本発明の原理及びその適用例を最良に説明し、これによって、当業者が、想定される実際の用途に適した様々な実施形態及び様々な変形について本発明を理解できるようにするためである。
【国際調査報告】