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特表2024-522454連続ウェブからのエアロゾル生成用の複数の基材の生成
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  • 特表-連続ウェブからのエアロゾル生成用の複数の基材の生成 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】連続ウェブからのエアロゾル生成用の複数の基材の生成
(51)【国際特許分類】
   A24B 3/14 20060101AFI20240614BHJP
   A24B 15/14 20060101ALI20240614BHJP
   A24B 15/16 20200101ALI20240614BHJP
【FI】
A24B3/14
A24B15/14
A24B15/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569875
(86)(22)【出願日】2022-06-21
(85)【翻訳文提出日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 EP2022066892
(87)【国際公開番号】W WO2022268819
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】21181167.4
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100202854
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 卓行
(72)【発明者】
【氏名】シュピーレス,ザンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ヘレス,アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ライト,アレック
【テーマコード(参考)】
4B043
【Fターム(参考)】
4B043BA29
4B043BB16
4B043BC31
(57)【要約】
設備(11)は、エアロゾル生成用の複数の基材を連続的に形成するために配置されており、- 基材材料の連続ウェブ(2)を供給するために配置された供給手段(5)と、- 周方向に配置された複数の切断ダイ(4)を有し、複数の基材(1)を画定するためにこの連続ウェブ(2)を切り出し、その後、それを選択された位置に落下させるために、選択された時に各切断ダイ(4)から各画定基材(1)を取り出すための回転式切断ホイール(3)と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成用の複数の基材(1)を連続的に形成する方法であって、基材材料の連続ウェブ(2)を供給する(110)ステップと、周方向に配置された複数の切断ダイ(4)を有する切断ホイール(3)を回転させることによって、複数の基材(1)を画定するために前記連続ウェブ(2)を切り出す(120)ステップと、を含み、前記切り出すステップ(120)は、各画定基材(1)を選択された位置に落下させるために、選択された時に各切断ダイ(4)から各画定基材(1)を取り出すサブステップを含む、方法。
【請求項2】
前記取り出すサブステップは、前記選択された時に、各画定基材(1)を、その切断ダイ(4)から、前記画定基材(1)に接触しているこの切断ダイ(4)のシュー(8)により蓄えられた付勢力を解放することによって押し出すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記取り出すサブステップは、前記選択された時に、各画定基材(1)を、その切断ダイ(4)から、前記切断ダイ(4)の内側から前記画定基材(1)に作用する加圧ガスによって押し出すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記切り出すステップ(120)において、N≧2であるN個の基材(1)は、前記切断ホイール(3)の回転軸に垂直に設定された前記切断ホイール(3)のN個の連続する副部品に属するN個の切断ダイ(4)によって、前記連続ウェブ(2)内に並行して同時に画定される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記連続ウェブ(2)を押出機(12)によって形成するステップ(100)を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
各落下した基材(1)を実質的に平坦なコンベヤ(5)上の前記選択された位置に収集し、前記収集基材(1)を前記実質的に平坦なコンベヤ(5)によって搬送するステップ(130)を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記供給するステップ(110)と前記収集及び搬送するステップ(130)は、同一コンベヤ(5)を使用する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
周方向に配置された複数の吸着領域(7)を有する吸着ホイール(6)を回転させることによって、前記収集基材(1)を前記コンベヤ(5)から持ち上げるステップ(140)を更に含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記持ち上げるステップ(140)は、収集基材(1)を保持している吸着領域(7)の吸着を、前記吸着領域(7)が収集ゾーン(9)に達したときに、前記収集基材(1)が前記収集ゾーン(9)に収集されるように、解除することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記持ち上げるステップ(140)は、前記吸着ホイール(6)と前記切断ホイール(3)とを機械的に接続することによって、前記吸着ホイール(6)と前記切断ホイール(3)とを同期させることを含む、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記持ち上げるステップ(140)は、前記切断ホイール(3)と前記吸着ホイール(6)とを電子的に連動させることによって、前記吸着ホイール(6)と前記切断ホイール(3)とを同期させることを含む、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項12】
前記吸着ホイール(6)は、前記切断ホイール(3)上の切断ダイ(4)と同数の吸着領域(7)を含む、請求項8~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記吸着ホイール(6)は、前記コンベヤ(5)上の収集基材(1)を吸着させるためにそれぞれ減圧を発生させるように構成された吸着領域(7)を含む、請求項8~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記持ち上げるステップ(140)において、N個の基材(1)は、前記吸着ホイール(6)の回転軸に垂直に設定された前記吸着ホイール(6)のN個の連続する副部品に属するN個の平行な吸着領域(7)によって並行して同時に持ち上げられる、請求項8~13のいずれか一項と組み合わせた請求項4に記載の方法。
【請求項15】
エアロゾル生成用の複数の基材(1)を連続的に形成するための設備(11)であって、基材材料の連続ウェブ(2)を供給するために配置された供給手段(5)と、周方向に配置された複数の切断ダイ(4)を有し、複数の基材(1)を画定するために前記連続ウェブ(2)を切り出すための回転式切断ホイール(3)とを含み、前記切断ホイール(3)は、各画定基材(1)を選択された位置に落下させるために、選択された時に各切断ダイから各画定基材(1)を取り出すように配置されている、
設備(11)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾルを生成するためにエアロゾル生成デバイスで使用されることを意図した基材の生成に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に「Tベーパ(又は非燃焼加熱式(又は「HnB」))デバイス」と呼ばれるいくつかのエアロゾル生成デバイスは、エアロゾル生成ユニットを含む。エアロゾル生成ユニットは、場合によりフィルタを有し、一般に紙で巻かれた固体基材(例えば、タバコスティック)を含む消耗品を加熱チャンバに受け入れ、この基材を、使用者が連続的な吸い込み(又はパフ或いは吸入フェーズ)によって吸入することができるエアロゾルに変換するように構成されている。
【0003】
このタイプのエアロゾル生成デバイスが携帯式、すなわち使用者によって保持されているときに使用可能な場合、エアロゾル生成デバイスは、場合によっては充電式の、エアロゾル生成ユニットがエアロゾルを生成するために使用する電気エネルギーを蓄える電池(又は電源)を更に含む。この場合、エアロゾル生成デバイスは、気化器又は電子タバコであり得る。
【0004】
以下の説明において、「基材」という用語は、エアロゾルを形成するために空気中でエアロゾル化可能な任意の固体エアロゾル形成物質を示すために使用される。基材は、ニコチン、カンナビノイド、タバコ材料、ポリオール、カフェイン、又は他の活性成分のうちの1つ以上を含んでもよい。活性成分は、例えばプロピレングリコール又はグリセリンを含み得る担体によって支持され得る。基材中には香料も存在し得る。この香料は、例えば、エチルバニリン(バニラ)、メントール、酢酸イソアミル(バナナ油)又は類似物を含み得る。
【0005】
更に、以下の説明において、「エアロゾル」という用語は、物質の懸濁物を固体粒子、液滴及び気体の1つ又は複数として含み得る。そのような懸濁物は、空気を含む気体中に存在してもよい。本明細書中のエアロゾルは、概して、蒸気を指し得る、又は蒸気を含み得、且つ基材の1種以上の成分を含み得る。
【0006】
特に特許文献国際公開第2019/129493(A1)号パンフレットにおいて、後に手作業で切り出されて複数の円筒状基材を画定する複数の構成要素を有する基材材料の連続的な円筒状ウェブを製造(又は生成)することが提案されている。実際に、特に平板形状を有する基材など基材が非常に薄い場合に、あらゆる人的介入なしに、寸法のばらつきが少なく、場合により並行して基材を生成することを可能にする適切な工業的プロセスは存在しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、この状況を改善することであり、特に、寸法のばらつきが少ない基材の工業的な生成を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
提案される発明は、特に、エアロゾル生成用の複数の基材を連続的に形成することを意図した方法の一実施形態を提供し、
- 基材材料の連続ウェブを供給するステップと、
- 周方向に配置された複数の切断ダイを有する切断ホイールを回転させることによって、複数の基材を画定するために連続ウェブを切り出すステップと、
を含む。
【0009】
この方法は、切り出すステップが、各画定基材を選択された位置に落下させるために、選択された時に各切断ダイから各画定基材を取り出すサブステップを含むことを特徴とする。
【0010】
本発明によって、一定の形状及び一定の重量を有する基材の工業的生成が、平板形状であっても、あらゆる人的介入なしに今や可能である。
【0011】
方法の実施形態は、以下で定義するように、別個に又は組み合わせて考慮される他の態様又は特徴を含み得る。
・取り出すサブステップは、選択された時に、各画定基材を、その切断ダイから、この画定基材に接触しているこの切断ダイのシューにより蓄えられた付勢力を解放することによって押し出すことを含み得る、
・実施形態の変形例では、取り出すサブステップは、選択された時に、各画定基材を、その切断ダイから、この切断ダイの内側からこの画定基材に作用する加圧ガスによって押し出すことを含み得る、
・切り出すステップにおいて、N≧2であるN個の基材は、切断ホイールの回転軸に垂直に設定された切断ホイールのN個の連続する副部品に属するN個の切断ダイによって、連続ウェブ内に並行して同時に画定され得る、
・切り出すステップは、平板形状を有する基材を画定し得る、
・本方法は、連続ウェブを押出機によって形成するステップを更に含み得る、
・本方法は、各落下した基材をコンベヤ上の選択された位置で収集し、収集基材をこのコンベヤによって搬送するステップを更に含み得る、
・コンベヤは、実質的に平坦なコンベヤ、すなわち、実質的に平坦な表面を有するコンベヤであってもよく、例えば、コンベヤは、コンベヤベルトであってもよく、無端状のベルトコンベヤであってもよい、
・供給するステップと収集及び搬送するステップは、同一コンベヤを使用してもよい、
・本方法は、周方向に配置された複数の吸着領域を有する吸着ホイールを回転させることによって、収集基材をコンベヤから持ち上げるステップを更に含み得る、
・持ち上げるステップは、吸着ホイールと切断ホイールとを機械的に接続すること又は電子的に連動させることによって、吸着ホイールと切断ホイールとを同期させることを含み得る、
・持ち上げるステップは、切断ホイール上の切断ダイと同数の吸着領域を含む吸着ホイールによって実行され得る、
・持ち上げるステップは、コンベヤ上の収集基材を吸着させるためにそれぞれ減圧を発生させるように構成された吸着領域を含む吸着ホイールによって実行され得る、
・持ち上げるステップは、収集基材を保持している吸着領域の吸着を、この吸着領域が収集ゾーンに達したときに、この収集基材がこの収集ゾーンに収集されるように、解除することを更に含み得る、
・持ち上げるステップにおいて、N個の基材は、吸着ホイールの回転軸に垂直に設定された吸着ホイールのN個の連続する副部品に属するN個の平行な吸着領域によって並行して同時に持ち上げられ得る、
【0012】
提案される発明は、また、エアロゾル生成用の複数の基材を連続的に形成することを意図した設備の一実施形態を提供し、基材材料の連続ウェブを供給するために配置された供給手段と、周方向に配置された複数の切断ダイを有し、複数の基材を画定するためにこの連続ウェブを切り出すための回転式切断ホイールとを含む。
【0013】
この設備は、切断ホイールが、各画定基材を選択された位置に落下させるために、選択された時に各切断ダイから各画定基材を取り出すように配置されていることを特徴とする。
【0014】
本発明及びその利点は、非限定的な例としてのみ挙げられ、添付の図面を参照して記述される以下の詳細な説明を読むことでよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】(図1)本発明による方法を実施するアルゴリズムの一例を概略的に示す。
図2】(図2)本発明による方法を実施する設備の実施形態の一例を側面図で概略的及び機能的に示す。
図3】(図3図2の設備を上面図で概略的及び機能的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、特に、固体基材材料の連続ウェブ2から寸法のばらつきが少ない基材1を連続的に形成する(又は生成する)ことを意図した方法及び関連設備11を提供することを目的とし、これらの基材1は、エアロゾル生成デバイスにおいてエアロゾルを生成するために使用されることを意図している。
【0017】
以下の説明では、生成された固体基材1は、紙、場合によりフィルタで巻かれた消耗品の一部となることが意図されると考えられる。しかし、固体基材1はエアロゾル生成デバイスの加熱チャンバ内で単独で使用することができるため、これは必須ではない。
【0018】
更に、以下の説明では、固体基材1、したがって、それらが属する消耗品は平板形状を有すると考えられる。しかし、これは必須ではない。
【0019】
更に、以下の説明では、エアロゾル生成デバイスは、Tベーパ(又は非燃焼加熱式(又はHnB))デバイスである(又はこれを構成する)と考えられる。しかし、エアロゾル生成デバイスは、空気と混合された固体基材(又はエアロゾル形成物質)を、ベイピングセッション中に連続的なパフ(又は吸い込み又は吸入フェーズ)を通じて使用者が吸入することができる(場合により室温近辺の)エアロゾルに変換するように構成されている限り、別のタイプのものとすることができる。
【0020】
Tベーパデバイスは、基材1を含む消耗品を収容することを意図し、加熱チャンバであり得る専用の空洞を含むエアロゾル生成ユニットを含むことを想起されたい。消耗品は、その中に基材がなくなると、使用者によって手作業で交換される場合がある。専用の空洞は、空気流路の出口と連通しており、この空気流路の少なくとも1つの入口から来る空気が供給される。基材1は、(燃焼することなく)加熱され、空気と混合されると、エアロゾルを生成するように構成されている。この加熱は、電源(場合により充電式電池)から生じる電気エネルギーが供給され、エアロゾル生成ユニットに属するヒータによって実施される。例えば、このヒータは、加熱チャンバ、したがって消耗品に隣接して又はその周囲に配置され得る。また、例えば、このヒータは、基材を直接加熱するために加熱チャンバの内面の一部分を形成する平面セラミックヒータ、又は加熱チャンバの外面に、その側壁及びその内容積の少なくとも一部を加熱するために巻き付けられる薄膜ヒータであり得る。また、例えば、ヒータは、基材1を、150℃~350℃を含む温度に加熱し得る。加熱チャンバ内で生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成デバイスの使用者によって、専用の空洞又は専用の空洞に結合されたマウスピースに属する場合のある出口を通じて吸入される。
【0021】
また、「基材」という用語は、エアロゾルを形成するために空気中でエアロゾル化可能な任意の固体エアロゾル形成物質を示すために使用されることを想起されたい。基材は、ニコチン、カンナビノイド、タバコ材料、ポリオール、カフェイン、又は他の活性成分のうちの1つ以上を含んでもよい。活性成分は、例えばプロピレングリコール又はグリセリンを含み得る担体によって支持され得る。基材中には香料も存在し得る。この香料は、例えば、エチルバニリン(バニラ)、メントール、酢酸イソアミル(バナナ油)又は類似物を含み得る。
【0022】
また、「エアロゾル」という用語は、物質の懸濁物を固体(非常に微細な)粒子、液滴、及び気体の1つ又は複数として含み得ること、及び空気を含む気体中にそのような懸濁物が存在し得ることであることを想起されたい。
【0023】
本発明による方法100~140を実施するアルゴリズムの非限定的な例が図1に示されている。図示のように、本発明による方法100~140は、少なくとも2つのステップ110及び120を含み、例えば、図2及び図3の非限定的な例に示されるものなどの設備11によって実施され得る。
【0024】
この設備11は、周方向に配置された複数の切断ダイ4を有する切断ホイール3を少なくとも含む。
【0025】
方法の供給するステップ110は、基材材料の連続ウェブ2を供給することを意図する。
【0026】
方法の切り出すステップ120は、切断ホイール3を回転させることによって、複数の基材1を画定するためにこの連続ウェブ2を切り出すことを意図する。この切り出すステップ120において、基材1は、切断ホイール3の(周方向に配置された)複数の切断ダイ4によって連続的に画定される。この切り出すステップ120は、各画定基材1を選択された位置に落下させるために、選択された時に各対応する切断ダイ4から各画定基材1が取り出される取り出すサブステップも含む。実際、切断ダイ4が連続ウェブ2から基材1を切り出す際に、この基材1は、対応する切断ダイ4に付着する可能性があるため、連続基材生成に乱れを導入しないようにするために取り出される必要がある。
【0027】
したがって、設備11は、選択された位置に落下させるために取り出される複数の基材1を連続的に画定する(又は形成する)ために、回転式切断ホイール3の複数の切断ダイ4によって切断される連続ウェブ2を提供する。
【0028】
これにより、平板形状であっても一定の形状及び一定の重量を有する基材1の工業的生成を可能にする。更に、これにより、寸法のばらつきの低減による、消耗品のコスト削減が可能になるとともに、エアロゾル生成ユニット(したがって場合によりエアロゾル生成デバイス)の加熱チャンバの寸法の低減の可能性がある。
【0029】
選択された位置にある切断ダイ4から基材1を取り出すために、少なくとも2つの実施形態が想定され得る。
【0030】
第1の実施形態は、図2の非限定的な例に示されるように、各切断ダイ4の端部が、切り出し中に基材1と接触し、この接触中に付勢力を蓄えるシュー8を含むことを必要とする。この第1の実施形態において、取り出すサブステップは、選択された時に、各画定基材1を、その切断ダイ4から、この切断ダイ4の対応するシュー8により蓄えられた付勢力を解放することによって押し出すことを含む。したがって、蓄えられた付勢力を有するシュー8が切り出し中に連続ウェブ2の一部分と接触し、この部分がこのシュー8に付着すると、蓄えられた付勢力の解放により、この部品(完全に切り出された後)がこのシュー8から取り出され、したがって、選択された位置に落下することを可能にする。この付勢力は、ばねを所定の位置に保持するためのカム駆動クリップを有するばねによって又は空気圧アクチュエータによって生成され得る。
【0031】
第2の実施形態は、切断ホイール3が、各切断ダイ4の内部部分に結合された加圧ガス回路を含み、選択された時に加圧ガスのパルスが各切断ダイ4の端部に画定された穴を通ることを可能にすることを必要とする。この第2の実施形態において、取り出すサブステップは、選択された時に、各画定基材1を、その切断ダイ4から、この切断ダイ4の内側から画定基材1に作用する加圧ガスのパルスによって押し出すことを含む。したがって、切断ダイ4の端部が切り出し中に連続ウェブ2の一部分と接触し、この部分がこのシュー8に付着すると、加圧ガスのパルスがこの切断ダイ端部の穴に供給され、この部品(完全に切り出された後)がこの切断ダイ端部から取り出され、したがって、選択された位置に落下することを可能にする。
【0032】
例示的且つ非限定的な例では、設備11によって生成される各基材1は、平板形状を有し得る。この場合、生成される各基材1は、約18.0mmの(長手方向の)長さ、約11.8mmの幅、及び約1.2mmの厚さ(又は深さ)を有し得る。そのような基材1を含む消耗品は、この基材1をラッピング部材(又は紙)内に収容するために、約12.0mmの幅及び約1.4mmの厚さ(又は深さ)を有し得る。
【0033】
図1のアルゴリズムの非限定的な例に示されるように、本方法は、連続ウェブ2が設備11の押出機12によって形成される形成するステップ100を更に含み得ることにも留意すべきである。
【0034】
図1のアルゴリズムの非限定的な例に示されるように、本方法は、各落下した基材1がコンベヤ5上の選択された位置で収集され、その後、このコンベヤ5によって搬送される収集及び搬送するステップ130を更に含み得ることにも留意すべきである。コンベヤ5は、実質的に平坦なコンベヤ5であり、したがって、実質的に平坦な表面を有する。図示の例では、コンベヤ5は、コンベヤベルト、具体的には無端状のベルトコンベヤである。
【0035】
例えば、及び図2及び図3の非限定的な例に示されるように、供給するステップ110と収集及び搬送するステップ130は、設備11の同一コンベヤ5を使用し得る。この場合、コンベヤ5は、設備11における供給手段として機能する。したがって、押出機12の出力によって送り出される連続ウェブ2は、切断ホイール3の上流でコンベヤ5上に落下し得る。これにより、第2のオフライン設備を必要とすることなく、押出し後に直接オンラインで基材1を切り出すことが可能になる。これにより、設備(11)を簡略化することが可能になるが、設備11をコンパクトな設計にすることも可能になる。
【0036】
図1のアルゴリズムの非限定的な例に示されるように、本方法は、周方向に配置された複数の吸着領域7を有する吸着ホイール6を回転させることによって、基材1がコンベヤ5から連続的に持ち上げられる持ち上げるステップ140を更に含み得ることにも留意すべきである。したがって、収集及び搬送するステップ130は、基材1が複数の吸着領域7で連続的に持ち上げられる吸着ホイール6までコンベヤ5によって基材1を搬送することを意図している。これにより、設備11をコンパクトな設計にすることも可能になる。
【0037】
例えば、持ち上げるステップ140は、吸着ホイール6と切断ホイール3とを機械的に接続することによって吸着ホイール6と切断ホイール3とを同期させることを含み得る。実施形態の変形例では、持ち上げるステップ140は、吸着ホイール6と切断ホイール3とを電子的に連動させることによって、吸着ホイール6と切断ホイール3とを同期させることを含み得る。これにより、基材1の連続製造を最適化することを可能にする。
【0038】
持ち上げるステップ140は、切断ホイール3上の切断ダイ4と同数の吸着領域7を含む吸着ホイール6によって実行され得ることにも留意すべきである。したがって、吸着ホイール6が基材1を落とすと、それらは等間隔に配置され、基材1の連続製造を最適化することが可能になる。
【0039】
持ち上げるステップ140は、コンベヤ5上の収集基材1を吸着させるためにそれぞれ減圧を発生させるように構成された吸着領域7を含む吸着ホイール6によって実行され得ることにも留意すべきである。この目的で、設備11は、吸着領域(7)がこの基材1と接触したときに、各吸着領域7に画定された穴を通した基材1の吸着を可能にするために、各吸着領域7の吸着ホイール6の内部部分に結合された吸着回路を含み得る。真空を使用して圧力を変化させて画定基材1を保持することは、画定基材1を機械的に保持するよりもはるかに迅速であり、画定基材1の形状を変形させないため、興味深い実施形態である。
【0040】
持ち上げるステップ140は、収集基材1を保持している吸着領域7の吸着を、この吸着領域7が収集ゾーン9に達したときに解除することを更に含み得ることにも留意すべきである。これにより、各収集基材1が収集ゾーン9に収集されることを可能にする。図2及び図3の非限定的な例に示されるように、収集ゾーン9は、吸着領域7の吸着が解除されたときに各基材1がその吸着領域7を離れる場所の真下の、コンベヤ5の端部に位置する開放された箱(又は容器)であり得る。しかし、変形例においては、収集ゾーン9は別のコンベヤベルトであり得る。
【0041】
図3の非限定的な例に示されるように、切り出すステップ120中、N≧2であるN個の基材1は、切断ホイール3の回転軸に垂直に設定された切断ホイール3のN個の連続する副部品に属するN個の切断ダイ4によって、連続ウェブ2内に並行して同時に画定され得ることも留意すべきである。この実施形態では、持ち上げるステップ140において、N個の基材1は、吸着ホイール6の回転軸に垂直に設定された吸着ホイール6のN個の連続する副部品に属するN個の平行な吸着領域7によって並行して同時に持ち上げられ得る。このようなオプションにより、1分間あたりに設備11によって生成される基材1の数を大幅に増加することが可能になる。連続ウェブ2からN個の部品を並行して精密且つ同時に切り出すことは、図3の非限定的な例に示されるように、連続ウェブ(2)をN個の平行なストリップ10に事前に分割すると容易になる。
【0042】
図3に示される非限定的な例では、N=9であるが、Nは、2以上の任意の値をとることができる。
【0043】
例えば、及び図3の非限定的な例に示されるように、押出機12は、連続ウェブ2のN個の平行なストリップ10を直接生成することを可能にし得る。
【0044】
当業者であれば、本明細書中の図2及び図3のいくつかのブロック図は、本明細書の原理を具現化した例示的な要素及び回路の概念図を示すことを理解すべきである。説明及び図面は、単に発明の原理を説明する。したがって、本明細書に明示的に説明又は図示されていないが、本発明の原理を具現化し、その趣旨及び範囲内に含まれる様々な構成を当業者であれば考案できることを理解されたい。更に、本明細書に列挙された全ての例は、主に本発明の原理及び当技術分野を促進するために本発明者が寄与する概念を読み手が理解することを促進する単なる教育的目的のためのものであるように明示的に意図され、そのような具体的に列挙された例及び条件に限定されないものと解釈されるべきである。更に、本発明の原理、態様及び実施形態を列挙する本明細書の全ての記載並びにそれらの特定の例は、その均等物を包含するように意図される。
図1
図2
図3
【国際調査報告】