(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】コンパクトなインテリジェントエアロゾルおよび流体マニホールド
(51)【国際特許分類】
G01N 1/02 20060101AFI20240614BHJP
G01N 15/06 20240101ALI20240614BHJP
【FI】
G01N1/02 C
G01N15/06 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570408
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 US2022033381
(87)【国際公開番号】W WO2022266062
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506061299
【氏名又は名称】パーティクル・メージャーリング・システムズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】イエーツ, エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ハータート, ケイリー
(72)【発明者】
【氏名】ノーレンバーグ, ブライアン エー.
(72)【発明者】
【氏名】スクーバ, ジョナサン
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA04
2G052AA40
2G052AB27
2G052AC13
2G052AD15
2G052AD55
2G052BA05
2G052BA14
2G052CA02
2G052CA04
2G052CA38
2G052GA09
2G052HA19
2G052HC02
2G052HC04
2G052HC10
2G052HC28
2G052HC32
2G052HC42
2G052JA08
2G052JA11
(57)【要約】
サンプルを収集するマニホールドシステムおよび方法であって、マニホールドシステムが、複数の入力サンプルポートと、好ましくは回転可能な流れ集束素子と、を備える、マニホールドシステムおよび方法。マニホールドシステムは、収集および分析のために、クリーンルームおよび製造環境などの複数のサンプル点からエアロゾルおよびガスをサンプリングすることができる。流れ集束素子は、異なるサンプル間のナノ粒子を含む粒子のクロストークおよび交叉汚染を低減する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)2つ以上の入力サンプリングポートと、
b)前記2つ以上の入力サンプリングポートに接続された密閉されたバルク流セクションであって、前記2つ以上の入力サンプリングポートを通って流れるガスが、前記密閉されたバルク流セクションに入る、密閉されたバルク流セクションと、
c)前記密閉されたバルク流セクション内部の流れ集束素子であって、前記流れ集束素子が、複数の流れポートを備え、前記流れポートが、前記入力サンプリングポートと流体連通している、流れ集束素子と、
d)前記複数の流れポートから選択された流れポートと流体連通しているサンプルラインと、前記選択された流れポート以外の1つ以上の流れポートと流体連通している1つ以上の退出口と、
を備え、
前記流れ集束素子が、前記選択された流れポートと流体連通している選択された入力サンプリングポートと前記サンプルラインとの間にサンプル流路を備え、前記選択された入力サンプリングポート以外の入力サンプリングポートと前記1つ以上の退出口との間に1つ以上のバルク流路を備え、
前記流れ集束素子が、前記選択された入力サンプリングポートを通って流れるガスを、前記選択された流れポートに流入しかつ前記サンプルラインに流入するように導くように、かつ前記選択された入力サンプリングポート以外の前記入力サンプリングポートを通って流れるガスを、前記選択された流れポート以外の前記1つ以上の流れポートに流入しかつ前記1つ以上の退出口に流入するように導くように構成されている、
サンプリングマニホールド。
【請求項2】
前記流れ集束素子が、前記サンプル流路および1つ以上のバルク流路を形成する複数のチャネルを備え、前記複数のチャネルが、サンプリングされていないポートからのガスを前記サンプル流路から遠ざけるように導くように構成されている、請求項1に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項3】
前記1つ以上のバルク流路を通じたガスの輸送が、層流を含む、請求項1~2に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項4】
前記サンプル流路を通じたガスの輸送が、層流を含む、請求項1~3に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項5】
前記サンプル流路と前記1つ以上のバルク流路との間のガス流が、0.01%未満のクロストーク率を有する、請求項1~4に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項6】
前記サンプル流路と前記1つ以上のバルク流路との間のガス流が、0.001%未満のクロストーク率を有する、請求項1~5に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項7】
前記サンプル流路と前記1つ以上のバルク流路との間のガス流が、0.0001%未満のクロストーク率を有する、請求項1~6に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項8】
前記サンプル流路を通るガス流が、3.53立方フィート/分(100リットル/分)未満である、請求項1~7に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項9】
前記サンプル流路を通るガス流が、0.0035立方フィート/分~3.53立方フィート/分(0.1リットル/分~100リットル/分)である、請求項1~8に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項10】
前記1つ以上のバルク流路を通るガス流が、0.0035立方フィート/分~10.59立方フィート/分(0.1リットル/分~300リットル/分)である、請求項1~9に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項11】
6つ以上の入力サンプリングポートを備え、前記流れ集束素子が、サンプル出口ポートおよび5つ以上のバルク流分配ポートを備える、請求項1~10に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項12】
最大64個の入力サンプリングポートを備える、請求項1~11に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項13】
各入力サンプリングポートが、サンプリングされた環境内の異なるサンプル点と流体連通している、請求項1~12に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項14】
前記サンプリングマニホールドが、前記入力サンプリングポートの各々を通して同時にガスを取り込むことができる、請求項1~13に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項15】
前記選択された入力サンプリングポートと隣接する入力サンプリングポートとの間の拡散輸送経路長の中央値が、前記ガス中のナノサイズ粒子の平均自由移動行程よりも大きく、前記ナノサイズ粒子が、20nm未満の直径を有する、請求項1~14に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項16】
サンプリングラインと流体連通している粒子計数器、ガス分析器、粒子分析器、分子サンプラ、微生物収集プレート、環境もしくはガスセンサ、またはそれらの組合せをさらに備える、請求項1~15に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項17】
前記粒子計数器が、凝縮粒子計数器である、請求項16に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項18】
前記1つ以上の退出口が、ハウス真空ラインまたは他の真空源に接続されている、請求項1~17に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項19】
複数の選択可能なポートが、サンプル出口ポートおよび1つ以上のバルク流分配ポートを備え、前記サンプル出口ポートが、前記選択された流れポートであり、前記流れ集束素子が、前記密閉されたバルク流セクション内で回転させられることができ、そのため、前記サンプル出口ポートが、前記2つ以上の入力サンプリングポートから選択された入力サンプリングポートに位置合わせされ、
前記サンプル流路が、前記選択された入力サンプリングポートと、前記サンプル出口ポートと、前記サンプルラインと、の間にあり、前記1つ以上のバルク流路が、前記選択された入力サンプリングポート以外の入力サンプリングポートと前記1つ以上のバルク流分配ポートとの間にある、
請求項1~18に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項20】
10個以上の入力サンプリングポートを備え、前記流れ集束素子が、サンプル出口ポートおよび9つ以上のバルク流分配ポートを備える、請求項19に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項21】
前記流れ集束素子が、前記サンプル出口ポートを新たに選択された入力サンプリングポートに位置合わせするように制御可能に回転することができる、請求項19~20に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項22】
ハウジングを備える中空シャフトモータをさらに備え、前記中空シャフトモータが、前記密閉されたバルク流セクション内で前記流れ集束素子を回転させることができる、請求項19~21に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項23】
前記サンプルラインが、前記中空シャフトモータの前記ハウジング内に少なくとも部分的に収容されている、請求項19~22に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項24】
前記サンプルラインが、前記流れ集束素子に対して移動可能であり、かつ前記流れポートのうちのいずれかに位置合わせされることができる、請求項1~18に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項25】
前記サンプルラインを新たに選択された流れポートに制御可能に位置合わせすることができるアクチュエータをさらに備える、請求項24に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項26】
1つ以上の電気的または光学的インジケータをさらに備え、前記電気的または光学的インジケータが、前記複数の流れポートに対する前記サンプルラインの位置、または前記入力サンプリングポートのうちの1つ以上に対する前記サンプル出口ポートの位置を表示することができる、請求項19~25に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項27】
前記1つ以上の電気的または光学的インジケータが、前記流れ集束素子またはマニホールド外側上に位置決めされた光を含み、前記光が、色、点滅頻度、またはそれらの組合せを表示することができる、請求項26に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項28】
サンプリングされている前記入力サンプリングポートを表示することができる英数字ディスプレイをさらに備える、請求項1~27に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項29】
a)前記流れ集束素子に動作可能に接続されており、オペレータ入力または所定のシーケンスに従ってサンプル出口ポートを1つ以上の選択された入力サンプリングポートに位置合わせするように前記流れ集束素子を回転させることができるコントローラ、または
b)アクチュエータに動作可能に接続されており、オペレータ入力または所定のシーケンスに従って前記サンプルラインを1つ以上の選択された流れポートに位置合わせすることができるコントローラ
をさらに備える、請求項1~28に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項30】
前記サンプル出口ポートが、前記流れ集束素子の連続的な回転によって逐次的順序で前記入力サンプリングポートの各々に位置合わせされるか、または前記サンプルラインが、前記アクチュエータの連続的な動作によって逐次的順序で複数の低いポートの各々に位置合わせされる、請求項29に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項31】
前記コントローラが、前記流れ集束素子を回転させ、前記サンプル出口ポートを前記入力サンプリングポートの各々と所定の期間、頻度、もしくはそれらの組合せにおいて位置合わせすることができるか、または前記コントローラが、前記アクチュエータを制御して、前記サンプルラインを前記複数の流れポートの各々と所定の期間、頻度、もしくはそれらの組合せにおいて位置合わせすることができる、請求項29に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項32】
各入力サンプリングポートが、毎秒1~20回サンプリングされる、請求項29に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項33】
前記サンプル出口ポートが、固定継続時間にわたって前記入力サンプリングポートの各々に位置合わせされるか、または前記サンプルラインが、固定継続時間にわたって前記流れポートの各々に位置合わせされる、請求項29に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項34】
前記サンプル出口ポートが、可変継続時間にわたって前記入力サンプリングポートに位置合わせされるか、または前記サンプルラインが、可変継続時間にわたって前記流れポートの各々に位置合わせされる、請求項29に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項35】
前記コントローラが、前記流れ集束素子を回転させ、前記サンプル出口ポートを前記入力サンプリングポートの各々に位置合わせすることができ、前記サンプル出口ポートが、他の入力サンプリングポートよりも高い頻度で前記入力サンプリングポートのうちの1つ以上に位置合わせされるか、または前記コントローラが、前記アクチュエータを制御して前記サンプルライン前記複数の流れポートの各々を位置合わせすることができ、前記サンプルラインが、他の流れポートよりも高い頻度で前記流れポートのうちの1つ以上に位置合わせされる、請求項29に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項36】
前記コントローラが、前記流れ集束素子を回転させ、前記サンプル出口ポートを前記入力サンプリングポートの各々に位置合わせすることができ、前記サンプル出口ポートが、選択されていない入力サンプリングポートよりも長い期間にわたって選択された入力サンプリングポートに位置合わせされるか、または
前記コントローラが、前記アクチュエータを制御して前記サンプルライン前記複数の流れポートの各々を位置合わせすることができ、前記サンプルラインが、選択されていない入力サンプリングポートよりも長い期間にわたって選択された流れポートに位置合わせされる、
請求項29に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項37】
前記選択された入力サンプリングポートまたは選択された流れポートが、外部事象に対するプログラムされた応答で、前記コントローラ、ユーザ、またはそれらの組合せによって決定される、請求項35~36に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項38】
前記コントローラが、所定の走査パターンに従って前記流れ集束素子を回転させ、前記サンプル出口ポートを前記入力サンプリングポートに位置合わせすることができるか、または前記コントローラが、所定の走査パターンに従って前記アクチュエータを制御して前記サンプルラインを前記流れポートに位置合わせすることができる、請求項29に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項39】
前記コントローラが、外部源から事象信号を受信し、新しい走査パターンに従って前記サンプル出口ポートを前記入力サンプリングポートに位置合わせするように前記流れ集束素子の前記回転を変更することができるか、または新しい走査パターンに従って前記サンプルラインを前記流れポートに位置合わせするように前記サンプルラインの移動を変更することができる、請求項38に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項40】
前記コントローラが、粒子計数器から事象信号を受信し、前記事象信号を受信すると、新しい所定の事象パターンに従って前記流れ集束素子を回転させるかまたは前記サンプルラインを移動させることができる、請求項38に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項41】
前の走査シーケンス、現在の走査シーケンス、保留中の走査シーケンス、またはそれらの組合せを表示することができる英数字ディスプレイをさらに備える、請求項1~40に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項42】
取り外し可能なドッキングステーションをさらに備え、前記ドッキングステーションが、前記サンプリングマニホールドを動作させることができる接続を備え、前記接続が、真空接続、電源接続、データ接続、アナログ入力/出力接続、デジタル入力/出力接続、イーサネットスイッチ接続、無線通信接続、またはそれらの任意の組合せのうちの1つ以上を含む、請求項1~41に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項43】
前記ドッキングステーションが、インターネットプロトコルアドレスおよびインターネット接続をさらに備える、請求項42に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項44】
プログラムされた走査パターンを記憶および実行することができるコンピュータプロセッサ、フラッシュメモリ、またはコンピュータメモリをさらに備える、請求項1~43に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項45】
a)マニホールド内にガスを取り込むステップであって、前記マニホールドが、2つ以上の入力サンプリングポートと、流れ集束素子と、前記流れ集束素子上に位置付けされており、サンプルラインに接続されたサンプル出口ポートと、を備える、取り込むステップと、
b)前記流れ集束素子を回転させて、前記サンプル出口ポートを選択された入力サンプリングポートに位置合わせするステップと、
c)ガスを、前記選択された入力サンプリングポートを通して前記位置合わせされたサンプル出口ポート内および前記サンプルライン内に輸送するステップと、
を含む、ガスをサンプリングするための方法。
【請求項46】
前記流れ集束素子が、流れ集束ディスクである、請求項1~45に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項47】
a)マニホールド内にガスを取り込むステップであって、前記マニホールドが、2つ以上の入力サンプリングポートと、流れ集束素子と、前記流れ集束素子上に位置付けされた複数の流れポートであって、前記複数の流れポートが、前記入力サンプリングポートと流体連通している、複数の流れポートと、前記複数の流れポートの各々に位置合わせされることができるサンプルラインと、を備える、取り込むステップと、
b)前記サンプルラインを制御可能に移動させて、前記サンプルラインを選択された流れポートに位置合わせするステップと、
c)ガスを、選択された入力サンプリングポートを通して前記位置合わせされた流れポート内および前記サンプルライン内に輸送するステップと、
を含む、ガスをサンプリングするための方法。
【請求項48】
前記マニホールドが、前記流れ集束素子上に位置付けされておりかつ退出口に流体接続された1つ以上のサンプリングされていないポートを備え、前記方法が、ガスを、前記選択された入力サンプリングポート以外の入力サンプリングポートを通して前記1つ以上のサンプリングされていないポート内および前記退出口内に輸送するステップをさらに含む、請求項46~47に記載の方法。
【請求項49】
前記位置合わせされたサンプル出口ポートまたは選択された流れポート内へのガス流および前記1つ以上のサンプリングされていないポート内へのガス流が、0.01%未満のクロストーク率を有する、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記位置合わせされたサンプル出口ポートまたは選択された流れポート内へのガス流および前記1つ以上のサンプリングされていないポート内へのガス流が、0.001%未満のクロストーク率を有する、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記位置合わせされたサンプル出口ポートまたは選択された流れポート内へのガス流および前記1つ以上のサンプリングされていないポート内へのガス流が、0.0001%未満のクロストーク率を有する、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記1つ以上のサンプリングされていないポート内へのガスの前記輸送が、層流を含む、請求項48~51に記載の方法。
【請求項53】
前記1つ以上のサンプリングされていないポート内へのガス流が、0.0035立方フィート/分~10.59立方フィート/分(0.1リットル/分~300リットル/分)である、請求項48~52に記載の方法。
【請求項54】
前記位置合わせされたサンプル出口ポートまたは選択された流れポート内へのガスの輸送が、層流を含む、請求項46~53に記載の方法。
【請求項55】
位置合わせされたサンプル出口または選択された流れポート内へのガス流が、0.0035立方フィート/分~3.53立方フィート/分(0.1リットル/分~100リットル/分)である、請求項46~54に記載の方法。
【請求項56】
前記マニホールドが、10個以上の入力サンプリングポートを備える、請求項46~55に記載の方法。
【請求項57】
前記マニホールドが、最大64個の入力サンプリングポートを備える、請求項46~56に記載の方法。
【請求項58】
前記入力サンプリングポートの各々を通して同時にガスを取り込むステップを含む、請求項46~57に記載の方法。
【請求項59】
オペレータ入力または所定のシーケンスに従って前記サンプル出口ポートを1つ以上の選択された入力サンプリングポートに位置合わせするように前記流れ集束素子を回転させるステップを含む、請求項46および48~58に記載の方法。
【請求項60】
前記サンプル出口ポートを1つ以上の選択された入力サンプリングポートと所定の期間、頻度、またはそれらの組合せにおいて位置合わせするように、前記流れ集束素子を回転させるステップを含む、請求項46および48~59に記載の方法。
【請求項61】
各入力サンプリングポートが、毎秒1~20回サンプリングされる、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記サンプル出口ポートを前記入力サンプリングポートの各々に逐次的順序で位置合わせするように前記流れ集束素子を回転させるステップを含む、請求項46および48~61に記載の方法。
【請求項63】
可変継続時間にわたって前記サンプル出口ポートを1つ以上の選択された入力サンプリングポートに位置合わせするように前記流れ集束素子を回転させるステップを含む、請求項46および48~60に記載の方法。
【請求項64】
前記サンプル出口ポートを前記入力サンプリングポートの各々に位置合わせするように前記流れ集束素子を回転させるステップを含み、前記サンプル出口ポートが、他の入力サンプリングポートよりも高い頻度または長い期間、前記入力サンプリングポートのうちの1つ以上に位置合わせされる、請求項46および48~63に記載の方法。
【請求項65】
前記サンプル出口ポートを前記入力サンプリングポートの各々に位置合わせするように前記流れ集束素子を回転させるステップを含み、前記サンプル出口ポートが、選択されていない入力サンプリングポートよりも長い期間にわたって選択された入力サンプリングポートに位置合わせされる、請求項46および48~63に記載の方法。
【請求項66】
前記選択された入力サンプリングポートが、外部事象に対するプログラムされた応答で、前記コントローラ、ユーザ、またはそれらの組合せによって決定される、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
所定の走査パターンに従って前記サンプル出口ポートを1つ以上の選択された入力サンプリングポートに位置合わせするように前記流れ集束素子を回転させるステップを含む、請求項46および48~66に記載の方法。
【請求項68】
外部源から事象信号を受信するステップと、新しい走査パターンに従って前記サンプル出口ポートを前記入力サンプリングポートに位置合わせするように前記流れ集束素子の前記回転を変更するステップと、を含む、請求項46および48~67に記載の方法。
【請求項69】
前記マニホールドに接続された粒子計数器から事象信号を受信するステップと、前記事象信号を前記受信するステップの直後に、所定の事象パターンに従って前記流れ集束素子を回転させるステップと、を含む、請求項46および48~68に記載の方法。
【請求項70】
前記流れ集束素子が、コンピュータプロセッサ、フラッシュメモリ、またはコンピュータメモリ上に記憶された入力に従って回転させられて前記サンプル出口ポートに位置合わせされる、請求項46および48~54に記載の方法。
【請求項71】
サンプリングラインが、粒子計数器、ガス分析器、粒子分析器、分子サンプラ、微生物収集プレート、環境もしくはガスセンサ、またはそれらの組合せと流体連通している、請求項46~70に記載の方法。
【請求項72】
前記流れ集束素子が、流れ集束ディスクである、請求項46~71に記載の方法。
【請求項73】
a)2つ以上の入力サンプリングポートと、
b)前記2つ以上の入力サンプリングポートに接続された密閉されたバルク流セクションであって、前記2つ以上の入力サンプリングポートを通って流れるガスが、前記密閉されたバルク流セクションに入る、密閉されたバルク流セクションと、
c)前記密閉されたバルク流セクション内部の回転可能な流れ集束ディスクであって、前記流れ集束ディスクが、サンプル出口ポートおよび1つ以上のバルク流分配ポートを備え、前記流れ集束ディスクが、前記密閉されたバルク流セクション内で回転させられることができ、そのため、前記サンプル出口ポートが、前記2つ以上の入力サンプリングポートから選択された入力サンプリングポートに位置合わせされる、流れ集束ディスクと、
d)前記サンプル出口ポートと流体連通しているサンプルラインと、
を備え、
前記流れ集束ディスクが、前記選択された入力サンプリングポートと前記サンプル出口ポートとの間にサンプル流路を備え、かつ前記選択された入力サンプリングポート以外の入力サンプリングポートと前記1つ以上のバルク流分配ポートとの間に1つ以上のバルク流路を備え、サンプル経路が、モノリシック構造または別個のアセンブリを備え、
前記流れ集束ディスクが、前記選択された入力サンプリングポートを通って流れるガスを前記サンプル出口ポートおよび前記サンプルラインに流入するように導き、かつ前記選択された入力サンプリングポート以外の前記入力サンプリングポートを通って流れるガスを前記1つ以上のバルク流分配ポートおよび退出口に流入するように導くように構成されている、
サンプリングマニホールド。
【請求項74】
前記1つ以上のバルク流路を形成するチャネルの直径が、前記入力サンプリングポートと前記1つ以上のバルク流分配ポートとの間にガスの層流を生成するのに十分な大きさである、請求項73に記載のサンプリングマニホールド。
【請求項75】
前記サンプル流路を形成するもう1つのチャネルの直径が、前記選択された入力サンプリングポートと前記サンプル出口ポートとの間にガスの層流を生成するのに十分な大きさである、請求項74に記載のサンプリングマニホールド。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本出願は、2021年6月15日に出願された米国仮特許出願第63/210,776号の優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の背景】
【0002】
[0002]本発明は、一般に、エアロゾルおよびガスのサンプリング、収集、および分析の分野にあり、クリーンルームおよび製造環境の範囲内の粒子および他の汚染物質を検出するためのサンプルを収集することを含む。
【0003】
[0003]粒子(特に、0.1μm~5μmのサイズ範囲を有する粒子)および超微粒子(0.1μm未満の粒子)の存在についてガスおよび流体ストリームを監視することは、環境内の粒子の存在が製造プロセスに悪影響を及ぼし、規制要件に反する可能性があるため、医薬品および半導体製造などの様々な産業において非常に重要である。その結果、クリーンルームおよびクリーンゾーンが、半導体製造施設および医薬品製造施設において一般的に使用されている。半導体産業では、半導体ウェハ上に付着する粒子が小規模の製造プロセスに影響を及ぼすかまたは干渉することとなるため、空中浮遊微粒子濃度の増加は製造効率の低下をもたらし得る。製薬産業では、空中浮遊微粒子および生物学的汚染物質による汚染により、医薬品が米国食品医薬品局(FDA)ならびに他の外国および国際的な健康規制当局によって確立された基準を満たさない危険性がある。
【0004】
[0004]クリーンルーム粒子レベルの分類、ならびに準拠を徹底させるための試験および監視のための規格は、ISO 14664-1および14664 2によって設けられている。同様に、ISO 14698-1および14698-2は、生体汚染物質に対するクリーンルームおよびクリーンゾーン環境の評価のための規格を設けている。これらおよび他の基準を満たすために、粒子計数器が、クリーンルームおよびクリーンゾーン内の空中浮遊粒子汚染レベルを判定するために一般的に使用される。多くの場合、複数の入力ポートを有する粒子計数器を使用して、環境内の複数のエリアから、またはさらには複数のクリーンルームおよびクリーンゾーンからサンプルを収集する。しかしながら、各収集現場からの収集経路は、収集された粒子のクロストークおよびサンプルの交叉汚染を防止するために、互いに十分に隔離された状態に保たれなければならない。多くの場合、そのようなシステムはナノ粒子の交叉汚染を防止することができず、かつ/またはサンプリングシステムがサンプリングされる空気もしくはガスの流量を大幅に変更することを必要とする。さらに、従来のマニホールドシステムは、クロストークおよび交叉汚染を防止しながら複数の異なるサンプル点を迅速にサンプリングすることができない。
【0005】
[0005]例えば、マニホールドシステムでナノ粒子をサンプリングすることは、ある空気流経路から別の空気流経路への粒子の移動は拡散の作用であり、これは制御することが困難であることが多いという問題が生じる。この拡散は、異なるマニホールド経路間の交叉汚染をもたらし、対象のサンプル空気流中で捕捉された意図された粒子の正確なサンプリングを妨げる可能性がある。
【0006】
[0006]現在、ナノ粒子の効果的な輸送およびサンプリングを可能にするエアロゾルマニホールドは当技術分野には存在しない。従来のエアロゾルマニホールドは、100nm以上の粒子の輸送およびサンプリング用に設計されており、粒子の運動量によるクロストークを最小限に抑える分別流シッパーチューブの利用により異なるサンプリングポート間のクロストークを最小限に抑えるが、ナノ粒子のブラウン運動を排除することはほとんどない。
【0007】
[0007]ナノ粒子のサンプリング用に設計されていない現在の市場をリードするエアロゾルマニホールドは、100nmを超える粒子に対して0.01%のクロストーク率で市販されている。しかしながら、内部試験は、それらの現在の市場をリードするエアロゾルマニホールドが、宣伝されているクロストーク率よりも桁違いに悪いことが多く、それらの売り込まれているクロストーク率に応えることができない可能性があることを示している。このようなシステムにおける100nm未満のナノ粒子のクロストーク性能は、これらのシステムがこれらのより小さい粒子用に設計されていないため、さらに悪い。
【0008】
[0008]したがって、複数のサンプル点からエアロゾルおよびガスサンプルを採取し、異なるサンプル間のクロストークおよび交叉汚染を低減することができる改良されたマニホールドシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
[0009]本発明は、多点サンプリングマニホールドおよびサンプルを収集する方法を提供する。マニホールドは、サンプリングエリア内の複数の点からエアロゾル、空気、および他のガスをサンプリングし、サンプリングされたエアロゾル、空気、またはガスを粒子計数器もしくは他のタイプの分析装置に輸送するか、または貯蔵コンテナに輸送することができる。本発明のサンプリングマニホールドは、生物学的粒子ならびに10nm未満の粒子サイズおよびそれ以上の粒子サイズを有する粒子を含む粒子の検出、収集、および分析のために、かつサンプリングされた空気およびガス内の個々の成分ガスの検出および分析のために、空気およびガスをサンプリングするのに特に有用である。
【0010】
[0010]一実施形態では、本発明は、a)2つ以上の入力サンプリングポートと、b)2つ以上の入力サンプリングポートに接続された密閉されたバルク流セクションであって、2つ以上の入力サンプリングポートを通って流れるガスが、密閉されたバルク流セクションに入る、密閉されたバルク流セクションと、c)密閉されたバルク流セクション内部の流れ集束素子であって、流れ集束素子が、複数の流れポートを備え、流れポートが、入力サンプリングポートと流体連通している、流れ集束素子と、d)複数の流れポートから選択された流れポートと流体連通しているサンプルラインと、選択された流れポート以外の1つ以上の流れポートと流体連通している1つ以上の退出口と、を備えるサンプリングマニホールドを提供する。
【0011】
[0011]この実施形態では、流れ集束素子は、選択された流れポートと流体連通している選択された入力サンプリングポートとサンプルラインとの間にサンプル流路を備える。サンプル経路は、モノリシック構造または別個のアセンブリを備え得る。流れ集束素子は、選択された入力サンプリングポート以外の入力サンプリングポートと1つ以上の退出口との間に1つ以上のバルク流路をさらに備える。流れ集束素子は、選択された入力サンプリングポートを通って流れるガスを、選択された流れポートに流入しかつサンプルラインに流入するように導くように、かつ選択された入力サンプリングポート以外の入力サンプリングポートを通って流れるガスを、選択された流れポート以外の1つ以上の流れポートに流入しかつ1つ以上の退出口に流入するように導くように構成されている。任意選択的に、流れポートの各々は、入力サンプリングポートのうちの1つと流体連通している。
【0012】
[0012]一実施形態では、サンプルラインは、流れ集束素子の選択された流れポートに可逆的に位置合わせされており、新たに選択された流れポートに位置合わせされるように動作中に再位置決めされ得る。したがって、新しい流れポートに位置合わせされるようにサンプルラインを再位置決めすることにより、新しい入力サンプルポートをサンプリングすることが可能になる。あるいは、サンプルラインは、流れ集束素子の同じ流れポートに位置合わせされており、流れ集束素子は、選択された流れポートおよびサンプルラインが新しい入力サンプルポートに位置合わせされるように、動作中に再位置決めされる。したがって、流れ集束素子を回転させるなどして流れ集束素子を再位置決めすることにより、新しい入力サンプルポートをサンプリングすることが可能になる。
【0013】
[0013]流れ集束素子およびサンプルラインは、好ましくは、回転を用いるか、線形並進か、または流れ集束素子もしくはサンプルラインを円弧に沿って前後に掃引することによって位置決めおよび移動させられる。本明細書で使用される場合、物体を回転させることは、物体を軸線の周りで完全に回転させること(360°)、および軸線の周りで部分的に回転させること(0°~270°、0°~180°、0°~90°、および0°~45°など)を含む。物体は、同じ方向に連続的に回転させられてもよいし、交互の方向に回転させられてもよい。例えば、一実施形態では、流れ集束素子は、各入力サンプルポートが順番に複数回サンプリングされるように、動作中に同じ方向(例えば、時計回りまたは反時計回り)に連続的に回転させられてもよく、または流れ集束素子は、軸線の周りで一方向に部分的に回転させられ、次いで反対方向に回転させられてもよい。
【0014】
[0014]流れ集束素子は、長方形、三角形、多角形、円形、不規則形、および楕円形を含むがこれらに限定されない任意の形状であり得る。一実施形態では、流れ集束素子は、略円形または楕円形であり、流れ集束ディスクと呼ばれる。選択可能な流れポートは、流れ集束素子内のライン、グリッド、または円形、長方形、もしくは楕円形のトラックなどのトラックを含むがこれらに限定されない、流れ集束素子内の任意の構成に配置され得る。
【0015】
[0015]一実施形態では、流れ集束素子は回転可能であり、複数の選択可能なポートは、サンプル出口ポートおよび1つ以上のバルク流分配ポートを備える。流れ集束素子は、サンプル出口ポート(すなわち、選択された流れポート)をサンプリングされる所望の入力サンプリングポートに位置合わせするように回転する。サンプル流路は、選択された入力サンプリングポートと、サンプル出口ポートと、サンプルラインと、の間にあり、1つ以上のバルク流路は、選択された入力サンプリングポート以外の入力サンプリングポートと1つ以上のバルク流分配ポートとの間にある。
【0016】
[0016]あるいは、流れ集束素子は回転されない。代わりに、サンプルラインが流れ集束素子に対して移動可能であり、任意の流れポートに位置合わせされることができる。サンプルラインを選択された流れポートと位置合わせさせることにより、対応する入力サンプリングポートをサンプリングすることが可能になり、サンプリングラインを新たに選択された流れポートに移動させることにより、異なる入力サンプリングポートをサンプリングすることが可能になる。サンプルラインは、当技術分野で知られているように、アクチュエータを使用して流れ集束素子に対して位置決めされ得る。
【0017】
[0017]一実施形態では、本発明は、a)2つ以上の入力サンプリングポートと、b)2つ以上の入力サンプリングポートに接続された密閉されたバルク流セクションであって、2つ以上の入力サンプリングポートを通って流れるガスが、密閉されたバルク流セクションに入る、密閉されたバルク流セクションと、c)密閉されたバルク流セクション内部の回転可能な流れ集束ディスクであって、流れ集束ディスクが、サンプル出口ポートおよび1つ以上のバルク流分配ポートを備え、流れ集束ディスクが、密閉されたバルク流セクション内で回転させられることができ、そのため、サンプル出口ポートが、2つ以上の入力サンプリングポートから選択された入力サンプリングポートに位置合わせされる、流れ集束ディスクと、d)サンプル出口ポートと流体連通しているサンプルラインと、を備えるサンプリングマニホールドを提供する。
【0018】
[0018]この実施形態では、流れ集束ディスクは、選択された入力サンプリングポートとサンプル出口ポートとの間にサンプル流路を形成し、選択された入力サンプリングポート以外の入力サンプリングポートと1つ以上のバルク流分配ポートとの間に1つ以上のバルク流路を形成する。サンプル経路は、モノリシック構造または別個のアセンブリを備え得る。選択された入力サンプリングポートを通って流れるガスは、サンプル出口ポートおよびサンプルラインに流入し、選択された入力サンプリングポート以外の入力サンプリングポートを通って流れるガスは、1つ以上のバルク流分配ポートおよび退出口に流入する。ガスは、ポンプおよび真空ラインを含むがこれらに限定されない当技術分野で知られている手段を使用して、マニホールドを通して押し込まれ得るかまたは引き込まれ得る。サンプルラインは、好ましくは、粒子計数器、凝縮粒子計数器、ガス分析器、粒子分析器、分子サンプラ、微生物収集プレート、環境もしくはガスセンサ、または同様の構成要素と流体連通しており、退出口は、任意選択的に、ハウス真空ラインまたは他の真空源である。
【0019】
[0019]上記の実施形態では、1つ以上のバルク流分配ポート内への、位置合わせされたサンプル出口ポート内への、1つ以上のバルク流路を通る、サンプル流路を通る、またはそれらの組合せのガスの輸送は、層流を含む。結果として生じる層流は、異なるガス経路間のクロストークの確率を低下させ、より効率的なサンプリングプロセスをもたらすと考えられる。
【0020】
[0020]本明細書に記載の実施形態における流れ集束素子は、任意選択的に、サンプル流路および1つ以上のバルク流路を形成する複数のチャネルを備え、複数のチャネルの寸法は、サンプリングされていないポートからのガスをサンプル流路から遠ざけるように導くように構成されている。一実施形態では、複数のチャネルは、流れポート、サンプル出口ポート、およびバルク流分配ポートを取り囲む同心チャネルを含む。好ましくは、複数のチャネルは、流れ集束素子を通過するガスの層流を生成する。例えば、1つ以上のバルク流路を形成するチャネルの直径は、入力サンプリングポートと1つ以上のバルク流分配ポートとの間にガスの層流を生成するのに十分な大きさである。同様に、サンプル流路を形成するもう1つのチャネルの直径は、選択された入力サンプリングポートとサンプル出口ポートとの間にガスの層流を生成するのに十分な大きさである。一実施形態では、チャネルは、長手方向に延在する壁または表面を備え、長手方向は、一般に、マニホールドの前端(入力サンプルポートが位置付けされた場所)からマニホールドの後端に向かって延在する方向として定義される。理論に束縛されるものではないが、長手方向壁および表面は、チャネルを通る層流の量を増加させることができると考えられる。
【0021】
[0021]一実施形態では、選択された入力サンプリングポートと隣接する入力サンプリングポートとの間の拡散輸送経路長の中央値は、ガス中のナノサイズ粒子の平均自由移動行程よりも大きく、ナノサイズ粒子は、100nm未満、50nm未満、20nm未満、または10nm未満の直径を有する。特定のシナリオでは、経路長の差は、異なるガス経路間のクロストークの確率を低下させると考えられる。好ましくは、選択された入力サンプリングポートと隣接する入力サンプリングポートとの間の拡散輸送経路長の中央値は、ガス中の任意のナノサイズ粒子の平均自由移動行程よりも少なくとも10倍大きい。
【0022】
[0022]本明細書に記載の実施形態では、好ましくは、流れ集束素子内のサンプル流路と1つ以上のバルク流路との間のガス流は、0.01%未満のクロストーク率、0.001%未満のクロストーク率、または0.0001%未満のクロストーク率を有する。
【0023】
[0023]サンプル流路および1つ以上のバルク流路を通るガス流は、典型的には、約0.0035立方フィート/分(約0.1リットル/分)~10.59立方フィート/分(約300リットル/分)、好ましくは約0.035立方フィート/分(約1.0リットル/分)~3.5立方フィート/分(約100リットル/分)であり、バルク流は、典型的には、サンプル流の1.0倍以上、サンプル流の1.2倍以上、サンプル流の1.5倍以上、またはサンプル流の2.0倍以上である。一実施形態では、バルク流は、サンプル流の1.5倍~3.0倍である。好ましくは、サンプル流路を通るガス流は、約1.0立方フィート/分(約2.83リットル/分)未満、または約0.1立方フィート/分~1.0立方フィート/分(約2.83リットル/分~28.3リットル/分)である。1つ以上のバルク流路を通るガス流は、好ましくは約0.0035立方フィート/分~10.59立方フィート/分(約0.1リットル/分~300リットル/分)である。
【0024】
[0024]マニホールドは、前部マニホールドプレートなどを通る複数の入力サンプリングポートを有し得、入力サンプリングポートは、サンプル出口ポート(すなわち、サンプル流路)と流体連通するように選択されており、選択されていない入力サンプリングポートは、1つ以上のバルク流分配ポート(すなわち、1つ以上のバルク流路)と流体連通している。例えば、マニホールドは、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10個以上、12個以上、15個以上、18個以上、20個以上、25個以上、30個以上、35個以上、40個以上、45個以上、50個以上、55個以上、60個以上、65個以上、75個以上、85個以上、または100個以上の入力サンプリングポートを有し得る。一実施形態では、マニホールドは、最大64個のサンプル入力ポートを備える。一実施形態では、1つのサンプル出口ポートのみが存在し、残りの入力サンプリングポートはバルク流分配ポートと流体連通しているが、代替の実施形態では、サンプリングマニホールドは、選択された入力サンプリングポートと流体連通している複数のサンプル出口ポートを備える。
【0025】
[0025]一実施形態では、マニホールドは4つ以上の入力サンプリングポートを備え、流れ集束素子はサンプル出口ポートおよび3つ以上のバルク流分配ポートを備えるか、またはマニホールドは6つ以上の入力サンプリングポートを備え、流れ集束素子はサンプル出口ポートおよび5つ以上のバルク流分配ポートを備えるか、またはマニホールドは10個以上の入力サンプリングポートを備え、流れ集束素子はサンプル出口ポートおよび9個以上のバルク流分配ポートを備えるか、またはマニホールドは20個以上の入力サンプリングポートを備え、流れ集束素子はサンプル出口ポートおよび19個以上のバルク流分配ポートを備えるか、またはマニホールドは40個以上の入力サンプリングポートを備え、流れ集束素子はサンプル出口ポートおよび39個以上のバルク流分配ポートを備えるか、またはマニホールドは60個以上の入力サンプリングポートを備え、流れ集束素子はサンプル出口ポートおよび59個以上のバルク流分配ポートを備える。
【0026】
[0026]入力サンプリングポートは、好ましくは、本質的にではないが、流れ集束素子の外周に沿ってなど、流れ集束素子を通して均等に位置決めされる。サンプル出口ポートおよびバルク流分配ポートは、ガスを効率的に輸送することができる任意の形状であり得る。サンプル出口ポートおよびバルク流分配ポートは、円形、楕円形、およびハニカム形状を含むがこれらに限定されないポートを通る流れを可能にすることができる任意の形状であり得る。
【0027】
[0027]一実施形態では、各入力サンプリングポートは、サンプリングされた環境内の異なるサンプル点と流体連通している。異なるサンプル点の例には、異なるクリーンルーム、部屋またはクリーンゾーン内の異なる領域またはエリア、医薬品または半導体製造設備内の異なる組立て点または処理点、および潜在的に汚染された環境内の異なるエリアが含まれるが、これらに限定されない。
【0028】
[0028]好ましくは、サンプリングマニホールドは、入力サンプリングポートの各々を通して同時にガスを取り込むことができる。選択された入力サンプリングポートを通ってサンプリングされたガスは、サンプル出口ポートに輸送され、次いで、コンテナ、粒子計数器、サンプラ、または分析器に接続されたサンプルラインに輸送されることとなり、一方、選択されていない入力サンプリングポートを通ってサンプリングされたガスは、1つ以上のバルク流分配ポートを通って退出口内に輸送されることとなる。流れ集束素子は、異なるサンプリングポートからサンプルを選択し輸送するために、サンプル出口ポートを新たに選択された入力サンプリングポートに位置合わせするように回転させられることができる。
【0029】
[0029]サンプリングマニホールドは、任意選択的に、サンプリングされているか、またはサンプリングマニホールドを通って輸送されているガスの1つ以上の特性を検知および/または監視することができる1つ以上の環境センサまたはガスセンサを備える。そのような環境センサおよびガスセンサは、ガスがサンプリングされている環境内の点、マニホールドの外側、入力サンプルポート、サンプル流路、バルク流路、サンプルライン、およびサンプルラインと流体連通している構成要素を含むがこれらの限定されない場所に位置決めされ得る。一実施形態では、サンプリングマニホールドは、マニホールドの異なる部分を通ってサンプリングおよび輸送されているガスの圧力、流量、温度、湿度、またはそれらの組合せを監視および/または検知することができる。例えば、サンプリングマニホールドは、システム全体を通るおよび異なる入力サンプルポートを通る適正なガス流を確実にするために、サンプル流路およびバルク流路の異なる部分を通して輸送されているガスの圧力および/または流量を検知および監視することができる。1つ以上の場所でガス流が検出されない場合、または測定された圧力もしくはガス流が所望のレベル未満である場合、マニホールドは、真空吸入量を増加させるなどによって制御されて、より多くの量のガスを引き込むことができる。サンプリングマニホールドおよび粒子計数器での使用に適合するガス流および圧力を検出および監視するためのセンサは、米国特許第8,800,383号明細書(Thomas Bates)を含むがこれに限定されない当技術分野で知られている。代替的に、またはそれに加えて、サンプリングマニホールドは、サンプリングされている環境内のガス、ならびにサンプル流路およびバルク流路の異なる部分を通して輸送されているガスの温度および湿度を判定および監視することができる。サンプリングマニホールドおよび粒子計数器での使用に適合する温度/相対湿度(TRH)センサもまた当技術分野で知られている。
【0030】
[0030]コントローラが、流れ集束素子を回転させてサンプル出口ポートを1つ以上の選択された入力サンプリングポートに位置合わせするために、またはオペレータ入力もしくは所定のシーケンスに従って、アクチュエータを動作させてサンプルラインを1つ以上の選択された流れポートに位置合わせするために使用され得る。本明細書で使用される場合、コントローラは、装置の構成要素を移動または動作させることができるハードウェア装置、ソフトウェアプログラム、またはそれらの組合せを含む。例えば、コントローラは、流れ集束素子を回転させ、サンプル出口ポートを入力サンプリングポートの各々に位置合わせすることができるか、または流れ集束素子が回転しない場合、サンプルラインを選択された流れポートと所定の期間、頻度、またはそれらの組合せにおいて位置合わせすることができる。各入力サンプルポートがサンプリングされる期間および頻度は、固定であっても可変であってもよい。
【0031】
[0031]入力サンプリングポートの各々は、流れ集束素子の連続的な回転によって、またはアクチュエータの連続的な動作によって逐次的順序でサンプリングされ得る。あるいは、入力サンプリングポートは、異なるパターンで、ランダムな順序で、またはいくつかの入力サンプリングポートを他の入力サンプリングポートよりも優先的にサンプリングするような様式でサンプリングされてもよい。例えば、特定の入力サンプルポートからのサンプルが、微粒子が存在するリスクがより高いことを示唆する場合、その入力サンプルポートはより高い頻度でサンプリングされ得る。一実施形態では、サンプル出口ポートまたはサンプルラインは、他の入力サンプリングポートよりも高い頻度または長い期間によって入力サンプリングポートのうちの1つ以上に位置合わせされる。
【0032】
[0032]コントローラは、コンピュータプロセッサ、フラッシュメモリ、またはコンピュータメモリ上などに記憶された所定の走査パターンに従って、流れ集束素子を回転させるか、またはアクチュエータを制御して所望の入力サンプリングポートをサンプリングすることができる。特定の構成では、コンピュータプロセッサまたはコンピュータメモリは、マニホールドの一部、好ましくはドッキングステーションではないマニホールドの一部である。特定の構成では、マニホールドおよび流れ集束素子を制御または部分的に動作させるために使用されるフラッシュメモリは、取り外し可能なドッキングステーションに位置付けされている。
【0033】
[0033]任意選択的に、選択された入力サンプリングポートは、外部事象に対するプログラムされた応答で、コントローラ、ユーザ、またはそれらの組合せによって決定される。コントローラは、第1の走査パターンに従って入力サンプリングポートをサンプリングするように流れ集束素子を回転させるかまたはアクチュエータを動作させることができるが、粒子計数器、サンプラ、分析器、センサ、ユーザインターフェース、機械的スイッチ、ドライ接点スイッチ、または別の電気的スイッチからデータ、電気信号、またはコンピュータ信号などの外部源からの事象信号を受信すると、新しい走査パターンに従ってサンプル出口ポートを入力サンプリングポートに位置合わせするように流れ集束素子の回転を変更することができる。
【0034】
[0034]1つ以上の電気的または光学的インジケータ、あるいは電気的または光学的インジケータが、どの入力サンプリングポートがサンプリングされているかを表示するため、または1つ以上の入力サンプリングポートに対するサンプル出口ポートの位置を表示することにより使用され得る。好適な電気的または光学的インジケータは、色、点滅頻度、またはその両方の組合せを表示することができる流れ集束素子またはマニホールド外側上に位置決めされた光を含むが、これらに限定されない。
【0035】
[0035]一実施形態では、サンプリングマニホールドは、ハウジングを備える中空シャフトモータをさらに備え、中空シャフトモータは、密閉されたバルク流セクション内で流れ集束素子を回転させることができる。サンプルラインは、任意選択的に、中空シャフトモータのハウジング内に部分的に収容されている。
【0036】
[0036]一実施形態では、本発明は、a)マニホールド内にガスを取り込むステップであって、マニホールドが、2つ以上の入力サンプリングポートと、流れ集束素子と、流れ集束素子上に位置付けされており、サンプルラインに接続されたサンプル出口ポートと、を備える、取り込むステップと、b)流れ集束素子を回転させて、サンプル出口ポートを選択された入力サンプリングポートに位置合わせするステップと、c)ガスを、選択された入力サンプリングポートを通して位置合わせされたサンプル出口ポート内およびサンプルライン内に輸送するステップと、を含む、ガスをサンプリングするための方法を提供する。
【0037】
[0037]一実施形態では、本発明は、a)マニホールド内にガスを取り込むステップであって、マニホールドが、2つ以上の入力サンプリングポートと、流れ集束素子と、流れ集束素子上に位置付けされた複数の流れポートと、複数の流れポートの各々に位置合わせされることができるサンプルラインと、を備える、取り込むステップと、b)サンプルラインを制御可能に移動させて、サンプルラインを選択された流れポートに位置合わせするステップと、c)ガスを、選択された入力サンプリングポートを通して位置合わせされた流れポート内およびサンプルライン内に輸送するステップと、を含む、ガスをサンプリングするための方法を提供する。
【0038】
[0038]上記の方法は、ガスを、選択された入力サンプリングポート以外の入力サンプリングポートを通して、流れ集束素子上の1つ以上のサンプリングされていないポート内および退出口内に輸送するステップをさらに含む。一実施形態では、方法は、入力サンプリングポートの各々を通して同時にガスを取り込むステップを含む。
【0039】
[0039]好ましくは、ガスは、層流を使用して位置合わせされたサンプル出口ポート、サンプルライン、および/またはサンプリングされていないポート内に輸送される。流れ集束素子内のサンプル流路(すなわち、位置合わせされたサンプル出口ポートまたは選択された流れポート内への)と1つ以上のバルク流路(すなわち、1つ以上のサンプリングされていないポートへの)との間のガス流は、好ましくは、0.01%未満のクロストーク率、0.001%未満のクロストーク率、または0.0001%未満のクロストーク率を有する。
【0040】
[0040]さらなる実施形態では、方法は、オペレータ入力または所定のシーケンスに従ってサンプル出口ポートを1つ以上の選択された入力サンプリングポートに位置合わせするように流れ集束素子を回転させるステップをさらに含む。一実施形態では、方法は、各入力サンプリングポートを少なくとも毎秒1回サンプリングする、および/または入力サンプリングポートの各々を逐次的順序でサンプリングするなど、所定の期間、頻度、またはそれらの組合せにおいてサンプル出口ポートを入力サンプリングポートの各々に位置合わせするステップを含む。任意選択的に、サンプル出口ポートは、他の入力サンプリングポートよりも高い頻度または長い期間、入力サンプリングポートのうちの1つ以上に位置合わせされる。
【0041】
[0041]あるいは、方法は、オペレータ入力または所定のシーケンスに従って、サンプルラインを1つ以上の選択された流れポートに位置合わせするようにアクチュエータを動作させるステップをさらに含む。一実施形態では、方法は、各選択された流れポート、したがって対応する入力サンプリングポートを少なくとも毎秒1回サンプリングすること、および/または入力サンプリングポートの各々を逐次的順序でサンプリングすることなど、所定の期間、頻度、またはそれらの組合せにおいてサンプルラインを選択された流れポートの各々に位置合わせするステップを含む。任意選択で、サンプルラインは、他の流れポートよりも高い頻度または長い期間、選択された流れポートのうちの1つ以上に位置合わせされる。
【0042】
[0042]上記の方法は、任意選択的に、外部源から事象信号を受信するステップと、新しい走査パターンに従ってサンプル出口ポートを入力サンプリングポートに位置合わせするように(またはサンプルラインを選択された流れポートに位置合わせするように)流れ集束素子の回転を変更する(またはアクチュエータの動作を変更する)ステップと、をさらに含む。外部源は、粒子計数器、サンプラ、分析器、センサ、ユーザインターフェース、機械的スイッチ、およびドライ接点スイッチ、または他の電気スイッチを含むがこれらに限定されない。一実施形態では、走査パターンは、コンピュータプロセッサ、コンピュータメモリ、またはフラッシュメモリ上に記憶されている。特定の構成では、コンピュータプロセッサまたはコンピュータメモリは、マニホールドの一部、好ましくはドッキングステーションではないマニホールドの一部である。特定の構成では、マニホールドおよび流れ集束素子を制御または部分的に動作させるために使用されるフラッシュメモリは、ドッキングステーション上に位置付けされている。
【0043】
[0043]一実施形態では、マニホールドは、サンプリングマニホールドを動作させることができる接続を備える取り外し可能なドッキングステーションをさらに備え、接続は、真空接続、電源接続、データ接続、アナログ入力/出力接続、デジタル入力/出力接続、イーサネットスイッチ接続、無線通信接続、またはそれらの任意の組合せのうちの1つ以上を含む。任意選択的に、ドッキングステーションは、インターネットプロトコルアドレスおよびインターネット接続をさらに備える。
【0044】
[0044]本明細書に記載のマニホールドおよびマニホールドを使用する方法は、10nm未満の粒子サイズおよびそれ以上の粒子サイズを有する粒子を含む汚染物質および他の分子の検出、収集、および分析、ならびにサンプリングされたエアロゾル、空気、またはガス中の個々の成分ガスの検出および分析のために、エアロゾル、空気、および他のガスをサンプリングするために使用される。例えば、収集されたサンプルは、収集されたサンプル中の粒子のレベルを検出するために、凝縮粒子計数器などの粒子計数器に送られ得る。あるいは、収集されたサンプルは、有機分子の存在を検出することができる、または1つ以上の特定のガス成分の存在を識別することができる分析器に送られ得る。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】ドッキングステーションが取り付けられた、本発明の一実施形態におけるマニホールドシステムを示す。
【
図2】サンプル出口ポート、バルク流分配ポート、および流れチャネルを有し、流れ集束素子が流れ集束ディスクの形態である、一実施形態における流れ集束素子の正面図を示す。
【
図3】サンプルラインに接続されたサンプル出口ポートを含む、一実施形態における流れ集束素子の側面図を示す。
【
図4】流れ集束素子およびサンプリングラインが中空シャフトモータに関連して示されている、本発明の一実施形態の一断面図を示す。
【
図5】流れ集束素子およびサンプリングラインが中空シャフトモータに関連して示されている、本発明の一実施形態の別の断面図を示す。
【
図6】流れ集束素子およびサンプリングラインが中空シャフトモータに関連して示されている、本発明の一実施形態のさらに別の断面図を示す。
【
図7】サンプルラインと粒子計数器、サンプラ、または分析器に通じる入口との間の接続を図示する、マニホールドの後部プレートの正面図および断面図を示す。
【
図8】流れ集束素子が回転されない、本発明の一実施形態における流れ集束素子の代替的な構成を示す。流体集束素子内の選択可能なポートは、入口サンプリングポートと流体連通している。ガスは、入口サンプリングポートを通じて選択可能なポートの各々内に同時に引き込まれ、サンプルラインは、アクチュエータを使用してサンプリングされる所望のポートに位置合わせされる。
【
図9】粒子計数器または他のタイプのサンプラもしくは分析器などの外部源から信号を受信し、これらの信号に応答して流れ集束素子の回転を変更する、本発明の一実施形態におけるコントローラのブロック図(上)、および受信した信号に応答して新しいサンプリングモードに切り替えるコントローラのステップを説明するフロー図(下)を示す。
【発明の詳細な説明】
【0046】
[0052]定義
【0047】
[0053]一般に、本明細書で使用される用語および語句は、当業者に公知の標準的なテキスト、学術雑誌、および文脈を参照することによって見出すことができる、当技術分野で認識されている意味を有する。以下の定義は、本発明の文脈におけるそれらの具体的な使用を明確にするために提供される。
【0048】
[0054]本明細書で使用される場合、「層流」は、流体が不規則な変動および混合を受ける乱流とは対照的に、流体が滑らかにまたは規則的な経路で進む流体(ガスまたは液体)の流れを指す。層流では、流体内の各点における速度、圧力、および他の流れ特性は、実質的に一定のままである。
【0049】
[0055]「流体連通」とは、流体(ガスまたは液体)がある構成要素から別の構成要素まで通過することができる接続または経路を指す。
【0050】
[0056]「成分ガス」という用語は、ガスまたはエアロゾル混合物中の1つ以上のガスを指す。
【0051】
[0057]「粒子(particle)」または「粒子(particles)」という用語は、しばしば汚染物質とみなされる小さな物体を指す。粒子は、例えば2つの表面が機械的に接触し、機械的な動きがあるときに、摩擦の作用によって生成される任意の材料であり得るが、そうである必要はない。粒子は、単一の成分であり得るか、または塵、埃、煙、灰、水、煤、金属、酸化物、セラミック、鉱物、またはこれらもしくは他の材料もしくは汚染物質の任意の組合せなどの材料の凝集体で構成され得る。「粒子(Particle)」または「粒子(particles)」はまた、生物学的粒子、例えばウイルス、胞子、または細菌、真菌、古細菌、原生生物、もしくは他の単細胞微生物を含む微生物を指し得る。いくつかの実施形態では、例えば、生物学的粒子は、1nm以上、好ましくは100nm未満、50nm未満、20nm未満、10nm未満、7nm未満、5nm未満、または3nm未満のサイズ寸法(例えば、有効径)により特徴付けられている。粒子は、光を吸収、放出、または散乱し、したがって粒子計数器または光学粒子計数器によって検出可能な小さな物体を指し得る。本明細書で使用される場合、「粒子(particle)」または「粒子(particles)」は、担体流体またはサンプル媒体、例えば水、空気、プロセス液体化学物質、プロセスガス、窒素、酸素、二酸化炭素などの個々の原子または分子を除外することを意図している。いくつかの実施形態では、粒子は、微細加工施設内のツール表面または医薬品製造施設内の生産物表面などの表面上に最初に存在し、表面から遊離し、その後流体中で分析され得る。
【0052】
[0058]本明細書において数値、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10を開示する場合、前述の数字のうちのいずれかを単独で使用して単一の点もしくはオープンエンド範囲を説明し得るか、または組み合わせて使用して複数の単一の点もしくはクローズエンド範囲を説明し得る。この文は、前述の数字の各々が、単独で使用され得ること(例えば、4)、「約」という単語が前置きされ得ること(例えば、約8)、「少なくとも約」という語句が前置きされ得ること(例えば、少なくとも約2)、「少なくとも」という語句が前置きされ得ること(例えば、少なくとも10)、「未満」という語句が前置きされ得ること(例えば、1未満)、「約~未満」という語句が前置きされ得ること(例えば、約7未満)、または範囲を画定するために、いずれかの前置詞的な単語もしくは語句と任意に組み合わせてもしくは組み合わせずに使用され得ること(例えば、2~9、約1~4、少なくとも3、8~約9、8~10未満、および約1~約10など)を意味する。さらに、範囲が「約X以下」のように記載されている場合、この語句は、代替形態における「約X」と「約X未満」との組合せである範囲と同じである。例えば、「約10以下」は、「約10、または約10未満」と同じである。そのような交換可能な範囲の説明が、本明細書において企図される。他の範囲形式が本明細書に開示される場合があるが、形式の違いは、実質的な違いがあることを暗示すると解釈されるべきではない。
【0053】
[0059]本明細書で使用される場合、「およそ」および「約」という用語は、記載された値からのわずかな変動が使用されて、記載された値と実質的に同じ結果を達成する場合があることを意味する。この定義を適用することができないか、または適用することが非常に困難な状況では、「約」という用語は、記載された値からの10%の偏差(プラスまたはマイナス)を意味する。
【0054】
[0060]概要
【0055】
[0061]以下の説明では、本発明の正確な性質の徹底した説明を提供するために、本発明の特定の実施形態における装置、装置構成要素、および方法の多数の詳細が記載される。しかしながら、これらの具体的な詳細なしで本発明が実施され得ることは、当業者には明らかであろう。
【0056】
[0062]以下の例に記載される本発明の態様は、サンプルストリーム流、バルク流、流れ集束素子、およびサンプリングインテリジェンスの要素を組み合わせたコンパクトなインテリジェントマニホールドを提供する。これらの例では、サンプル流は単一のサンプル点から採取され、流れ集束素子を通って最終的にコンテナ、粒子計数器、サンプラ、または分析器に輸送される空気またはガスである。バルク流は、サンプル流と同時に採取されるが、他のサンプル点、すなわちその特定の時点で計数または分析されることを意図していないサンプル点から採取された空気またはガスであり、サンプル流と混ざることなく流れ集束素子を通して輸送される。流れ集束素子は、異なるサンプル点を選択するように制御されることができ、異なるサンプル点からのサンプル間のクロストークまたは交叉汚染を制限しながら、所望のサンプリングエリア内の複数の点の連続的またはほぼ連続的なサンプリングを可能にする。プログラムされたサンプリングインテリジェンスは、所望のパターンまたはシーケンスに従って対象のサンプル点から空気またはガスをサンプリングするように、流れ集束素子または流れ集束素子に対するサンプルラインの位置を制御するために任意選択的に使用される。
【0057】
[0063]マニホールドシステムにおける低流量でのサンプリングは、マニホールド内の流れストリームの層流が少ないため、異なるポート間のクロストークを防止するのが困難である。本発明で利用される流れ集束素子は、複数のポート間の拡散輸送を最小限に抑え、システムのバルク流を集束して大きな粒子のクロストークを防止する。
【0058】
[0064]流れ集束特徴により、流路の分離が強化され、それによって、偽陽性または偽陰性によるデータ整合性の問題を引き起こす可能性があるポート間の潜在的なクロストークが低減される。流れ集束素子設計を用いて行われた試験は、サイズが100nmを超える粒子を含むナノ粒子サイズ以上のサンプリングについて、0.01%未満、0.001%未満、0.0001%未満、さらには0.00001%未満のクロストーク性能を実証した。
例
【0059】
[0065]本発明の態様は、以下の非限定的な例および図によってさらに理解することができる。
【0060】
[0066]例1-マニホールドシステムの構成要素および流路
【0061】
[0067]
図1に示すように、マニホールド1は、複数の入力サンプリングポート3を有する前部マニホールドプレート2と、いくつかのバルク流退出口15を有する後部プレート18と、を備える。入力サンプリングポート3の数は、特定の装置の設計および意図される用途に応じて変化し得る。前部マニホールドプレート2は、流れ集束素子5を収容する密閉されたバルク流セクション4に接続されている。サンプルライン8が、流れ集束素子5を出て中空シャフトモータ12のハウジング13内に一体化され得る(
図3も参照)。
【0062】
[0068]マニホールドシステムのより容易な設置および操作を提供することができる電気的、機械的、およびデータ接続17を収容する取り外し可能なドッキングステーション16が取り付けられ得る。
【0063】
[0069]本発明の一実施形態では、流れ集束素子5(
図2および
図3を参照)は回転可能であり、サンプルライン8に接続されたサンプル出口ポート6を備え、複数のバルク流分配ポート7も備える。流れ集束素子5内の一連のチャネル9は、入力サンプリングポート3と、サンプル出口ポート6およびバルク流分配ポート7と、の間にサンプル流路およびバルク流路を形成する。チャネル9はまた、ガスが流れ集束素子5を通って移動するときにガスの圧力降下を減少させるために利用され得る。
図2および
図3では円形ディスクとして示されているが、この実施形態の流れ集束素子は、限定はしないが、長方形、三角形、多角形、円形、および楕円形を含む回転可能な任意の形状であってもよい。
【0064】
[0070]代替の実施形態では、
図8に示すように、流れ集束素子5は回転されず、複数の選択可能な流れポート14を収容する。流れ集束素子5は、同様に、選択可能な流れポート14と入口サンプリングポート3との間に一連の流路を形成する。ガスは、選択可能な流れポート14の各々を通って同時に引き込まれ、サンプルライン8をサンプリングされる所望の選択可能な流れポート14に位置合わせするためにアクチュエータが使用される。流れ集束素子5は、長方形、三角形、多角形、円形、および楕円形を含むがこれらに限定されない任意の形状であってもよく、選択可能な流れポート14は、流れ集束素子5内の任意の構成に配置されてもよい。例えば、選択可能な流れポート14は、リニアアクチュエータを使用してサンプルライン8が所望の流れポートに位置合わせされるストリップに沿って配置されてもよい。他の例では、選択可能な流れポート14は、トラックに沿って、またはグリッドシステムに配置され得る(
図8を参照)。サンプルライン8を、逐次的または非逐次的順序で選択可能な流れポート14に位置合わせさせることができる。
【0065】
[0071]上記の両方の実施形態では、サンプル流ガスは、サンプル管を通って前部マニホールドプレート2上の接続された入力サンプルドポート3内に進む。サンプルガスは、密閉されたバルク流セクション4に入り、非サンプルガスがサンプルライン8から押し出されている間に、流れ集束素子5によってサンプル出口ポート6または所望の選択可能なポート14を通ってサンプルライン8内に集束される。サンプルライン8は、サンプルを粒子計数器(図示せず)に搬送する。
【0066】
[0072]バルク流ガスは、マニホールドの前部プレート2上の他の入力サンプルドポート3のサンプル管を通って進む。バルク流ガスは、密閉されたバルク流セクション4に入り、流れ集束素子5を通るバルク流の層流化によって、サンプル出口ポート6または所望の選択可能なポート14およびサンプルライン8から強制的に出される。流れ集束素子5を通過すると、バルク流れガスは、後部プレート18上のバルク流退出口間、次いでハウス真空ラインに分割される。
【0067】
[0073]マニホールドシステム1はまた、マニホールド2の流れ集束素子5または前部プレー上などに、一連の電気的または光学的インジケータ11を有するステータス表示システムを収容し得る。電気的または光学的インジケータ11は、流れ集束素子5の位置、サンプリングされている入力サンプルポート3、サンプル出口ポート6およびバルク流分配ポート7の位置、またはそれらの組合せを表示するために使用され得る。
【0068】
[0074]一実施形態では、流れ集束素子5は中空シャフトモータ12に取り付けられており、中空シャフトモータ12は後部プレート18を通りマウントセクション19に入る。
図4~
図6は、中空シャフトモータ12に対する流れ集束素子5およびサンプリングライン8の断面図を示している。
【0069】
[0075]
図7は、マニホールドの後部プレート18の退出口15の正面図および断面図を示している。流れ集束素子5からのサンプルライン8は、粒子計数器、サンプラ、または分析器に通じる入口25に接続されている。
【0070】
[0076]マニホールドの一実施形態における後部プレート18の寸法の範囲も
図7に示されており、X1は50~80mm(好ましくは60~70mm)であり、X2は30~50mm(好ましくは38~45mm)であり、X3は10~20mm(好ましくは12~16mm)であり、X4は50~80mm(好ましくは62~72mm)であり、X5は14~24mm(好ましくは16~22mm)であり、X6は0.5~1.50mm(好ましくは1.0~1.5mm)であり、X7は14~24mm(好ましくは16~22mm)であり、X8は0.5~1.5mm(好ましくは0.8~1.3mm)であり、X9は2~6mm(好ましくは3~5mm)であり、X10は55~90mm(好ましくは65~80mm)であり、Y1は24~90°(好ましくは30~40°)である。Y1は、退出口15の数に依存し、退出口15は、好ましくはさらに互いに間隔を置いて配置される。
【0071】
[0077]コントローラ10は、所望のサンプリングモードに従って、サンプル出口ポート6およびサンプルライン8をサンプル入力ポート3に位置合わせするように流れ集束素子5の回転を制御することができる(
図9参照)。あるいは、流れ集束素子が回転されない実施形態では、コントローラは、所望のサンプリングモードに従って、所望のサンプル入力ポート3に流体連通するようにサンプルライン8を選択可能なポート14に配置するためにアクチュエータを制御することができる。初期サンプリングモードのパラメータは、コンピュータプロセッサまたはコンピュータメモリ23上に記憶されており、コントローラ10に送信される。あるいは、コントローラ10およびコンピュータプロセッサまたはコンピュータメモリ23は、互いに統合されている。コントローラ10は、粒子計数器、サンプラ、もしくは分析器20、ドライ接点スイッチ21、またはユーザ入力21などの外部源から事象信号または電気信号を受信し、新しいサンプリングモードに切り替えることができる。例えば、閾値レベルの粒子が粒子計数器によって検出されたという信号を受信すると、コントローラ10は、流れ集束素子5に、対応する入力サンプリングポートをより高い頻度でまたはより長い期間にわたってサンプリングさせ得る。
【0072】
[0078]例2-マニホールドシステム固有の特徴
【0073】
[0079]流れ集束素子.流れ集束素子の主な機能は、エアロゾル輸送の主なモードが拡散であるナノサイズ粒子のクロストークを最小限に抑えること、およびエアロゾル輸送の主なモードが慣性ベースの機械的移動性であるより大きな粒子のクロストークを最小限に抑えることである。一例では、流れ集束素子は、密閉されたバルク流セクションの断面直径まで埋め尽くし、かつサンプル流れ通路およびバルク流路を収容する円形の流れ集束ディスクである。流れ集束素子内の流れ通路は、入力サンプルポート位置の位置と一致するパターンである。流れ集束素子の寸法は、バルクガス流の層流路を作り出すのに十分でなければならない。
【0074】
[0080]層流路は、サンプル流から離れた大きな(>100nm)粒子の輸送に十分でなければならない。前部マニホールドプレートと流れ集束素子との間の隙間および流れ集束素子の深さの組合せは、アクティブサンプルポートと隣接するポートとの間の拡散輸送経路長の中央値がナノサイズ(<20nm)粒子の平均自由行程よりも大きくなるように十分である必要がある。ポート間を移動しながらサンプルポート上の圧力降下を減少させるために、ポート間の流れ通路を利用することができる。現在サンプリングされていない各サンプル入力ポートからのガス流(すなわち、バルク流)は、サンプル流量の1倍(1×)以上である。
【0075】
[0081]中空シャフトモータ.流れ集束素子は、所望のサンプルガスをサンプルラインに集束させ、サンプルラインの一部は、中空シャフトモータのハウジング内に位置付けされ得る。中空シャフトモータの使用は、流れ集束素子を回転させると同時に、密閉されたバルク流セクションからサンプル出口および粒子計数器にサンプルガスを輸送するという二重の機能を提供する。中空シャフトモータは、粒子輸送長さを最小限に抑えることによって、よりコンパクトな設計を可能にする。より短いサンプル経路はまた、より低い粒子輸送損失をもたらす。
【0076】
[0082]ステータス表示.サンプルステータスおよび粒子計数器(または他の分析器もしくはサンプラ)のステータスなどのデータは、イーサネットまたはシリアル通信を介して粒子計数器からマニホールドに送信される。現在のサンプリング位置を含む視覚的ステータス表示を個々のポートごとに同時に表示させることもできる。異なるセンサステータスを示すために、色および点滅頻度の異なる組合せを使用することができる。あるいは、英数字ディスプレイを使用してもよい。
【0077】
[0083]ドッキングステーション.マニホールドは、マニホールド内に摺動するドッキングステーションを装備し得、マニホールドと粒子計数器(または他の関連する分析器、サンプラ、コントローラ、もしくは装置)との間の共通構成要素として使用され得る。ドッキングステーションは、デバイスのIPアドレス、ならびにマニホールドを動作させるために必要または有用な電気的接続、機械的接続、およびユーザ接続(例えば、データ、アナログ、およびデジタル入力/出力、イーサネットスイッチ、無線通信、真空、ならびに電力のための接続)を含む。ドッキングステーションは、可能な限り最小限のユーザ相互作用で異なるユニットの高速サービス間隔スワッピングを可能にする。
【0078】
[0084]例3-インテリジェントサンプルモード
【0079】
[0085]流れ集束素子を、サンプル出口ポートおよび/またはサンプルラインを所望のサンプル入力ポートに位置合わせするように回転させる(またはアクチュエータを制御する)ことができる。プログラムされたサンプリングインテリジェンスは、所望のサンプリングモードに従って異なるサンプル入力ポートから空気またはガスをサンプリングするように流れ集束素子またはアクチュエータの位置を制御するために使用される。有用なサンプリングモードの非網羅的なリストを以下に提供する。
【0080】
[0086]アンサンブルサンプリングモード.このモードでは、流れ集束素子およびサンプルラインが連続的に回転されている間に、またはアクチュエータが、選択可能なポートを横切るようにサンプルラインを連続的に移動させている間に、すべてのサンプル入力ポートによって同時にガスが引き込まれる。流れ集束素子およびサンプルラインを回転させながら(またはアクチュエータによって選択可能なポートを横切るようにサンプルラインを連続的に位置決めしながら)入力ポートによってガスを連続的に取り込むことにより、すべてのサンプル入力ポートにわたって平均濃度が生成される。低濃度環境では、回転速度またはアクチュエータ位置決め速度は、各ポートが毎秒1~20回サンプリングされることにより任意のポートから単一粒子事象を検出する高い確率を生み出せば十分である。
【0081】
[0087]選択的アンサンブルモード.このモードは、アンサンブルサンプリングモードの修正であり、ユーザによって定義された対象となるサンプル入力ポートにより多くの時間を費やすように流れ集束素子またはアクチュエータを制御する。例えば、流れ集束素子は、選択された入力ポートを他の入力ポートよりも長い期間にわたってサンプリングし得る。これにより、ポートの全範囲にわたって同じサンプル頻度が可能になると同時に、より高いリスクのポートのより詳細な情報の提供が可能になる。
【0082】
[0088]逐次的サンプリングモード.このモードでは、流れ集束素子が回転されるか、またはアクチュエータが、各サンプル入力ポートを固定サンプル継続時間および固定サンプル風袋時間で逐次的順序でサンプリングするように位置決めされている。
【0083】
[0089]パターン化されたサンプリングモード.このモードでは、流れ集束素子が回転されるか、またはアクチュエータが、可変サンプリング継続時間および可変サンプリング風袋時間を用いてプログラムされたパターンに従って入力ポートをサンプリングするように位置決めされている。
【0084】
[0090]走査サンプリングモード.このモードは、接続されたエアロゾル粒子計数器または別の外部源から事象信号が受信されるまで、アンサンブルまたは逐次的サンプリングモードのいずれかで始まる。事象信号を受信すると、コントローラは、流れ集束素子の回転を変更するかまたはアクチュエータの位置決めを変更して、汚染源の場所を識別するように設計された所定のパターン化されたサンプリングモードに従うこととなる。
【0085】
[0091]サンプルモードのトリガリング.外部事象に応答するドライ接点スイッチの組合せを使用して、コントローラは異なるサンプリングモード間または特定のサンプリング位置間を切り替えることとなる。
【0086】
[0092]以上、理解を明確にする目的で例示および例によって本発明をかなり詳細に十分に説明してきたが、同じことは、本発明またはその特定の実施形態の範囲に影響を及ぼすことなく条件、配合、および他のパラメータの広範かつ同等の範囲内で本発明を修正または変更することによって実行することができ、かつそのような修正または変更は添付の特許請求の範囲内に包含されることが意図されていることは、当業者には明らかであろう。
【0087】
[0093]本明細書で採用された用語および表現は、限定ではなく説明の用語として使用されており、そのような用語および表現の使用において、示され説明された特徴またはそれらの一部のいかなる均等物も除外することは意図されていないが、特許請求される本発明の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。したがって、本発明は好ましい実施形態によって具体的に開示されているが、本明細書に開示された例示的な実施形態および任意選択の特徴、ならびに概念の修正および変形が当業者によって行使されてもよく、かつそのような修正および変形は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にあるとみなされることを理解されたい。本明細書で提供された特定の実施形態は、本発明の有用な実施形態の例であり、本発明は、本明細書に記載の装置、装置構成要素、方法ステップの多数の変形を用いて実行され得ることが当業者には明らかであろう。当業者には明らかとなるように、本方法に有用な方法および装置は、多数の任意選択の組成物ならびに処理要素およびステップを含み得る。
【0088】
[0094]材料、組成物、成分、または化合物の群が本明細書に開示される場合、それらの群のすべての個々のメンバーおよびそれらのすべてのサブグループが別々に開示されることが理解される。本明細書に記載または例示された成分のすべての配合または組合せは、特に明記しない限り、本発明を実施するために使用することができる。本明細書において範囲、例えば温度範囲、時間範囲、または組成範囲が与えられるときはいつでも、すべての中間範囲および部分範囲、ならびに与えられた範囲に含まれるすべての個々の値が本開示に含まれることが意図されている。加えて、所与の範囲における終点は、その範囲内に含まれるべきである。本開示および特許請求の範囲において、「および/または」は、追加的または代替的を意味する。さらに、単数形の用語のあらゆる使用は、複数形も包含する。
【0089】
[0095]本明細書で使用される場合、「備える、含む(comprising)」は、「含む(including)」、「収容する、含む(containing)」、または「により特徴付けられている」と同義であり、包括的またはオープンエンドであり、追加の列挙されていない要素または方法ステップを除外しない。本明細書で使用される場合、「からなる」は、請求項の要素で指定されていない要素、ステップ、または原材料を除外する。本明細書で使用される場合、「から本質的になる」は、請求項の基本的かつ新規の特徴に実質的に影響を及ぼさない材料またはステップを除外しない。特に組成物の成分の説明または装置の要素の説明における「備える、含む(comprising)」という用語の本明細書における任意の列挙は、列挙された成分または要素から本質的になる、およびそれらからなる組成物および方法を包含すると理解される。
【0090】
[0096]本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうではないことを指示しない限り、複数形の言及を含む。したがって、例えば、「セル」への言及は、複数のそのようなセルおよび当業者に公知のその均等物を含む。同様に、「a」(または「an」)、「1つ以上」、および「少なくとも1つ」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。「備える、含む(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は、互換的に使用され得ることにも留意されたい。「請求項XX~YYのいずれか一項に記載の」という表現(XXおよびYYは請求項番号を指す)は、代替的な形態で複数の従属請求項を提供することが意図されており、いくつかの実施形態は、「請求項XX~YYのいずれか一項に記載のように」という表現と交換可能である。
【0091】
[0097]当業者であれば、過度の実験に頼ることなく、具体的に例示されたもの以外の出発材料、装置要素、分析方法、成分の混合物および組合せを本発明の実施に採用することができることを理解するであろう。任意のそのような材料および方法の当技術分野で公知の機能的均等物はすべて、本発明に含まれることが意図されている。採用された用語および表現は、限定ではなく説明の用語として使用されており、そのような用語および表現の使用において、示され説明された特徴またはそれらの一部のいかなる均等物も除外することは意図されていないが、特許請求される本発明の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。本明細書に例示的に記載された本発明は、本明細書に具体的に開示されていない任意の1つまたは複数の要素、1つまたは複数の限定がない状態で適切に実施され得る。見出しは、本明細書では便宜上のみ使用されている。
【0092】
[0098]本明細書で参照されたすべての参考文献は、本明細書と矛盾しない範囲で本明細書に組み込まれる。本明細書で提供されたいくつかの参考文献は、本発明の追加的な使用の詳細を提供するために参照により組み込まれる。本明細書で言及されたすべての特許および刊行物は、本発明が関係する当業者の技術レベルを示すものである。本明細書で引用された参考文献は、その出願日時点の最新技術を示すためにその全体が参照により本明細書に組み込まれ、必要に応じてこの情報が本明細書で採用されて、先行技術の特定の実施形態を除外し得ることが意図されている。
【国際調査報告】