(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】統合された処方レンズを含むウェアラブルヘッドアップディスプレイを較正して整列および色補正された画像を生成するための方法ならびにシステム
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20240614BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571620
(86)(22)【出願日】2022-05-17
(85)【翻訳文提出日】2023-12-01
(86)【国際出願番号】 US2022029597
(87)【国際公開番号】W WO2022245801
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バルザーソン,ダニエル・デイビッド・アルビン
(72)【発明者】
【氏名】クラントン,ブライアン・ワトソン
(72)【発明者】
【氏名】マー,チエンリー
(72)【発明者】
【氏名】ショスタク,ヘイブン・ジョン・デイビッド
【テーマコード(参考)】
2H199
【Fターム(参考)】
2H199CA29
2H199CA30
2H199CA74
2H199CA92
2H199CA94
2H199CA96
(57)【要約】
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)(100)を較正するシステムおよび方法であって、HMDの光学コンバイナ(102)を較正ステーション(200)のホルダ(202)内に位置決めし、光学コンバイナが、HMDのマイクロディスプレイ(204)および較正ステーションのカメラ(206)から提供される光の主光路内にあるようにすることと、チューナブル補正ユニット(208)を調整して、光学コンバイナの矯正処方によって引き起こされる脱焦を補正することと、チューナブル補正ユニットおよび光学コンバイナを通して見られる参照ターゲット(224)の画像をカメラによって捕捉することと、捕捉された画像から歪みモデルを生成し、歪みモデルを、HMDによって投影された画像に適用するために、HMDを較正することとによる、システムおよび方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)のマイクロディスプレイとカメラとの間の光路に光学コンバイナを固定するためのホルダと、
前記光路に配置され、前記光学コンバイナによって伝送される光の焦点を調整するよう構成されるチューナブル補正ユニットとを備え、
前記カメラは、前記HMDを較正する際に使用されるよう前記チューナブル補正ユニットから出力される調整された焦点光の少なくとも1つの画像を捕捉するよう構成される、装置。
【請求項2】
前記光学コンバイナは、統合された矯正処方を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記チューナブル補正ユニットは、球面レンズ、円柱レンズ、フィルタ付きレンズ、およびプリズムレンズのうちの少なくとも1つを含むホロプターである、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記マイクロディスプレイと前記カメラとの間の前記光路に配置された少なくとも1つの光学リレーをさらに備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記マイクロディスプレイと前記チューナブル補正ユニットとの間に配置され、前記マイクロディスプレイからの光の一部を少なくとも1つの測定装置に向けて方向転換するよう構成されるビームスプリッタをさらに備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの測定装置は、分光計および電力計のうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を較正する方法であって、
前記HMDの光学コンバイナを較正ステーションのホルダ内に位置決めし、前記光学コンバイナが、前記HMDのマイクロディスプレイおよび前記較正ステーションのカメラから提供される光の主光路内にあるようにすることと、
チューナブル補正ユニットを調整して、前記光学コンバイナの矯正処方によって引き起こされる脱焦を補正することと、
前記チューナブル補正ユニットおよび前記光学コンバイナを通して見られる参照ターゲットの画像を前記カメラによって捕捉することと、
捕捉された前記画像から歪みモデルを生成し、前記HMDを較正して、前記歪みモデルを、前記HMDによって投影された画像に適用することとを含む、方法。
【請求項8】
前記チューナブル補正ユニットは、ホロプターまたはチューナブルレンズの少なくとも1つである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記HMDの前記マイクロディスプレイによって提供される前記光の一部を、前記主光路から、少なくとも1つの測定装置に逸らすことをさらに含む、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの測定装置は、分光計および電力計のうちの少なくとも1つである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記光の前記一部は、前記マイクロディスプレイと前記チューナブル補正ユニットとの間に配置されたビームスプリッタによって方向転換される、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
均一性補正モデルを生成し、前記HMDを較正して、前記均一性補正モデルを、前記HMDによって投影される画像に適用することをさらに含む、請求項9~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
HMD用のホルダを備える較正ステーションであって、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法を実行するよう構成される、較正ステーション。
【請求項14】
システムであって、
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)のマイクロディスプレイとカメラとの間の光路内に光学コンバイナを固定するよう構成される較正ステーションを備え、前記較正ステーションは、前記光路内に配置され、前記光学コンバイナによって引き起こされる光の脱焦を補正するように調整されるよう構成されるチューナブル補正ユニットを含み、前記カメラは、前記HMDを較正する際に使用されるよう前記チューナブル補正ユニットから出力される補正された前記光の少なくとも1つの画像を捕捉するよう構成され、前記システムはさらに、
前記少なくとも1つの捕捉された画像を受信し、前記少なくとも1つの捕捉された画像に基づいて歪みモデルを生成するよう構成される較正プロセッサを備え、前記較正プロセッサは、さらに、前記歪みモデルを前記HMDのディスプレイコントローラに提供するよう構成される、システム。
【請求項15】
前記光学コンバイナは、統合された矯正処方を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記チューナブル補正ユニットは、球面レンズ、円柱レンズ、フィルタ付きレンズ、およびプリズムレンズのうちの少なくとも1つを含むホロプターである、請求項14または15に記載のシステム。
【請求項17】
前記チューナブル補正ユニットは、チューナブルレンズである、請求項14または15に記載のシステム。
【請求項18】
前記マイクロディスプレイと前記カメラとの間の前記光路に配置された少なくとも1つの光学リレーをさらに備える、請求項14から17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記マイクロディスプレイと前記チューナブル補正ユニットとの間に配置され、前記マイクロディスプレイからの光の一部を少なくとも1つの測定装置に向けて方向転換するよう構成されるビームスプリッタをさらに備える、請求項14から18のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの測定装置は、分光計および電力計のうちの少なくとも1つを含む、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
光学の分野では、コンバイナは、2つの光源、例えば、マイクロディスプレイから伝送され、光ガイドを介してコンバイナに指向される光と、環境光とを組み合わせる光学装置である。光学コンバイナは、ヘッドアップディスプレイ(HUD)において使用され、その例は、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)またはニアアイディスプレイを含み、ユーザが、HMDを通して見られるユーザの環境上に重ね合わされたコンピュータ生成コンテンツ(例えば、テキスト、画像、またはビデオコンテンツ)を見ることを可能にし、拡張現実(AR)または混合現実(MR)として知られるものを生成する。いくつかの用途では、HMDは、光学コンバイナが眼鏡フレーム内にレンズのうちの少なくとも1つを形成する、眼鏡フレームフォームファクタで実現される。HMDは、ユーザが、表示されたコンピュータ生成コンテンツを、依然としてユーザの環境を見ながら、見ることを可能にする。
【0002】
ユーザが、コンピュータ生成コンテンツを、焦点が合った状態で、最小限の歪みおよび色収差で見ることを確実にするために、HMDの構成要素は、概して、ユーザがHMDを装着しているときにユーザの眼が位置することが予期される場所に位置付けられるテストセットアップカメラによって捕捉される画像を使用して較正される。これらの画像は、ユーザがHMDから投影されて見る可能性が高いもの、およびARまたはMR HMDの光学コンバイナを通して見られる実世界環境をシミュレートする。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、添付の図面を参照することによって理解することができ、その多数の特徴および利点が当業者に明らかになる。異なる図面における同じ参照符号の使用は、類似または同一の項目を示す。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】いくつかの実施形態による、統合された矯正処方を伴う光学コンバイナを有する、例示的ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を図示する。
【
図2】いくつかの実施形態による、
図1のHMDなどのHMDの局面が測定および較正される較正ステーションのブロック図を示す。
【
図3】いくつかの実施形態による、
図1のHMDのマイクロディスプレイおよび
図2の較正ステーションに関連付けられる処理システムのブロック図を示す。
【
図4】いくつかの実施形態による、
図2の較正ステーションおよび周辺装置を含む較正システムのブロック図を示す。
【
図5】
図4の較正システムを使用して、
図1のHMDなどのHMDを較正する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
詳細な説明
従来のニアアイディスプレイは、視力矯正を必要とするユーザに対応するために眼科矯正レンズを必要とする場合がある。HMDに矯正光学処方を含めるための典型的な方法は、ユーザが着用する眼鏡の一部として、またはHMDの光学コンバイナに挿入されるかもしくは取り付けられるレンズとして、光ガイドおよび別個の処方レンズの両方を収容するように光学コンバイナを構成することを必要とする。その結果、しばしば、ユーザが着用するのが不快になり得るかさばるシステムとなり、したがって、ユーザ体験を損なう。さらに、インサートまたはアタッチメントとしてコンバイナ内に含まれる矯正処方レンズの境界線は、ユーザに可視であることが多く、これもまた、ユーザ経験を損なう。これらの問題を回避するために、矯正処方が統合された光学コンバイナが開発されている。ユーザが拡張現実場面を見るときに望ましくない光学収差または歪みを経験しないように、コンバイナ内からの光および環境光の両方を同時に補正することには面倒な問題があるが、これらの問題は、デバイスがユーザに良好な視力を提供するようにマイクロディスプレイを較正することによって、診断および改善することができる。
【0006】
しかしながら、HMDの光学コンバイナへの矯正処方の導入は、場合によっては、矯正処方が、マイクロディスプレイによって投影される画像および光学コンバイナを通して伝送される環境からの光に脱焦および歪みの両方を導入するため、HMDの較正に課題を提示する。そのような収差を回避するために、較正プロセス中において、マイクロディスプレイを較正するために、環境および表示されたコンテンツがユーザの目を通して見られることが望ましい。したがって、本明細書で説明される技法を使用して、処方レンズを通して視認される表示されたコンテンツの較正を行うために使用される較正システムの構成要素は、屈折矯正を必要としているユーザの眼をシミュレートするよう構成される。対照的に、既存の較正システムは、ユーザは較正中に良好な視力を有し、較正されるべきデバイスは、矯正処方がディスプレイに適用されることを必要としないアーキテクチャを使用する、と仮定するか、またはモジュール式矯正処方が較正後にHMDに追加され得る、と仮定する。ユーザの矯正処方は著しく異なるため、単一の較正システムが広範囲のユーザ処方をサポートするように調整可能であることが望ましい。
【0007】
図1~
図5は、統合されたユーザ固有の矯正処方を伴う少なくとも1つの光学コンバイナを有するHMDを検査および較正するためのシステムならびに方法を示す。矯正処方を伴う光学コンバイナを通して見られる、HMDのマイクロディスプレイの出力および参照ターゲットは、矯正処方によって引き起こされる光学収差およびアーチファクトを較正するために、専用の較正ステーションにおいて測定される。較正ステーションは、カメラと、屈折矯正を必要とするユーザの眼を共に模倣する少なくとも1つのチューナブル補正ユニットとを含む。すなわち、カメラのカメラセンサは、画像を「見る」ために光を受光するようユーザの眼の網膜を模倣し、チューナブル補正ユニットは、画像がカメラセンサによって合焦して見えるように光を集束させるようユーザの眼のレンズを模倣する。概して、チューナブル補正ユニットは、光学コンバイナの矯正処方によって引き起こされる焦点のシフトを補償し、較正ステーションのカメラがHMDの測定および較正を行うのに必要とされる鮮明な画像を捕捉することを可能にする。HMDの較正は、HMDのマイクロディスプレイが参照ターゲットに整合するように較正されるように比較的であり、それらの両方が、光学コンバイナの矯正処方およびチューナブル補正ユニットによって光学的に修正される。言い換えれば、HMDのマイクロディスプレイからの光学的に修正された光は、参照ターゲットからの光学的に修正された光に整合され、その結果、HMDのユーザは、光学コンバイナで表示されるコンテンツ、および光学コンバイナの背後の環境を、良好な視力で見ることになる。
【0008】
チューナブル補正ユニットは、製造プロセスの較正段階中に、または修理を必要とするHMDの再較正の一部として、カメラにおいて、焦点を合わせた画像を生成するために、オペレータによって手動で、または自動プロセスによって、調整することができる。チューナブル補正ユニットの構成要素を調整することができるので、較正ステーションは、いくつかの異なる矯正処方をシミュレートすることができ、様々なユーザがユーザ特定の処方で設定されたHMDを着用したときに実世界および/または表示されたコンテンツをどのように見るかのシミュレーションを可能にする。
【0009】
図1は、統合された矯正処方を伴う光学コンバイナ102を用いる例示的なHMD100を示す。HMD100は、ユーザが投影された画像を光学コンバイナ102において視野(FOV)領域108内に表示されるものとして知覚するように光学コンバイナ102を介してユーザの眼に向けて画像を投影するために可視光を生成するレーザプロジェクタまたは発光ダイオード(LED)ディスプレイなどのマイクロディスプレイ(
図2に示す)を収容するフレーム106を含む支持構造104を有する。いくつかの実施形態では、マイクロディスプレイはまた、視標追跡目的で赤外光を生成する。
【0010】
支持構造104はまた、支持構造104がユーザの眼の前方の位置に着用されることを可能にする構成要素も含む。そのような構成要素の例は、ユーザの耳によって支持されるアーム110および112である。ユーザの頭部の周りおよび/または上部に装着されるように構成された1つ以上のストラップ(図示せず)を、いくつかの実施形態では、1つ以上のアームの代わりに使用して、支持構造104をユーザの眼の前方に固定してもよい。いくつかの実施形態では、HMD100は、レンズ素子114もコンバイナであるように、対称的に構成され、マイクロディスプレイは、レンズ素子114内のFOV領域に画像を投影するためにアーム112に近接するフレーム106の部分内に収容される。コンバイナ102およびレンズ要素114のいずれかまたは両方は、ユーザの眼に伝送される光の処方矯正を双方が提供する、曲率を有する、眼側表面および世界側表面を伴って構成されることができる。
【0011】
図示される例では、HMD100は、支持構造104が、ユーザの頭部上に装着されるように構成され、眼鏡フレームの全体的形状および外観(または「フォームファクタ」)を有する、ニアアイディスプレイシステムである。支持構造104は、
図3を参照して以下でより詳細に説明される処理システム等、ユーザの眼に向かってそのような画像の投影を促進するための種々の構成要素を収容するか、または別様に含む。いくつかの実施形態では、支持構造104はさらに、1つ以上の前向きカメラ、後向きカメラ、他の光センサ、運動センサ、加速度計等の種々のセンサを含む。支持構造104はさらに、1つ以上の無線周波数(RF)インターフェース、またはBluetooth(商標出願済み)インターフェース、WiFiインターフェース等の他の無線インターフェースを含むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、支持構造104は、HMD100の処理システムの1つ以上のプロセッサなどの電気的構成要素および処理構成要素に電力を供給するための1つ以上のバッテリまたは他のポータブル電源を含む。いくつかの実施形態では、HMD100のこれらの構成要素のいくつかまたはすべては、支持構造104のアーム110およびフレーム106の部分内の領域116内といった、支持構造104の内部容積内に、完全にまたは部分的に収容される。例示的なフォームファクタが示されているが、他の実施形態では、HMD100は、
図1に示される眼鏡フレームとは異なる形状および外観を有し得ることが理解されよう。
【0012】
図示される実施形態では、HMD100のコンバイナ102は、レンダリングされたグラフィカルコンテンツが、コンバイナ102を通してユーザによって視認されるとおりの実世界ビューの上に重ね合わせられるかまたはそれと関連して別様に提供されることができる、ARディスプレイを提供する。例えば、知覚可能な画像または一連の画像を形成するために使用される光は、HMD100のマイクロディスプレイによって、コンバイナ102内に少なくとも部分的に形成された光ガイド、ならびにマイクロディスプレイと光ガイドとの間に配置された1つ以上のレンズおよび/またはフィルタなどの、一連の光学素子を介して、ユーザの眼に投影されてもよい。光学コンバイナ102は、光ガイドのインカプラによって受光された表示光を、HMD100のユーザの眼に向けて表示光を出力する光ガイドのアウトカプラに経路付ける、光ガイドの少なくとも一部分を含む。加えて、光学コンバイナ102は、ユーザがコンバイナ102を通して見ることができ、ユーザの実世界環境の視野を提供するのに充分に透明であり、画像は、ユーザの実世界環境の少なくとも一部分の上に重ね合わされて見える。ユーザが、正しい角度位置で、かつ最小の望ましくない歪みで、その実世界環境および光学コンバイナ102から投影される画像を合焦して見ることを確実にするために、マイクロディスプレイを含むHMDの構成要素が、較正ステーションを使用して調整され、その例は、
図2を参照して以下でより詳細に説明される。
【0013】
図2は、HMD100などのディスプレイシステムの局面が測定および較正される較正ステーション200のブロック図を示す。較正ステーション200は、光学コンバイナ102などの光学コンバイナが配置されるホルダ202を含む。ホルダ202の位置は、光学コンバイナ102が、光学コンバイナ102に関連付けられるマイクロディスプレイ204から較正ステーション200のカメラ206に進行する光の主光路220内に位置決めされることを可能にするように調節可能である。説明を容易にするために単一の構成要素として示されているが、カメラ206は、光を感知するためのカメラセンサと、カメラセンサ上に光を集束させるためのカメラレンズまたはレンズの組合せとの組合せである。
【0014】
チューナブル補正ユニット208も、主光路に配置され、ホルダ202とカメラ206との間に位置する。いくつかの実施形態では、チューナブル補正ユニット208は、球面レンズ、円柱レンズ、フィルタ付きレンズ、およびプリズムレンズを含むが、それらに限定されない、種々のレンズを含む、ホロプターである。ホロプターはまた、いくつかの実施形態では、マドックス杆およびジャクソンクロスシリンダ等の特殊化された測定装置を含む。いくつかの実施形態では、チューナブル補正ユニット208は、流体を収納する膜を変形させることによって、または膜の内外に流体を圧送することによって、レンズの半径を変更することができる、流体充填形状変化レンズ等の焦点可変レンズである。いくつかの実施形態では、チューナブル補正ユニット208は、様々な球面凹レンズ、球面凸レンズ、円柱凹レンズ、円柱凸レンズ、プリズムレンズ、ならびにホルダ202とカメラ206との間の光路内に配置することができる着色レンズ、遮眼子レンズ、ピンホールレンズ、およびクロスシリンダレンズなどの特殊レンズを含む試行レンズキットである。いくつかの実施形態では、中性濃度(ND)フィルタが、カメラ206とチューナブル補正ユニット208との間に位置付けられ、カメラ206に入射する光の強度を低減または修正して、明るすぎるかまたは「露出過剰」である画像を捕捉することを回避する。
【0015】
ユーザが光学コンバイナ102のFOV108にわたって均一な色および輝度の合焦画像またはテキストを見るようにHMD100を較正するために、光学コンバイナ102によって引き起こされる歪みは、チューナブル補正ユニット208によって補正される。特に、光学コンバイナ102が、ユーザの特定の光学的矯正の必要性に基づく統合された矯正処方を含む場合、チューナブル補正ユニット208は、矯正処方によって引き起こされるぼやけを逆転させるために使用され、それにより、較正ステーション200のカメラ206は、表示測定および較正を実行するための鮮明な合焦画像を捕捉することができる。
【0016】
例示すると、光学コンバイナ102の矯正処方は、光をユーザの眼の網膜上に集束させるために、ユーザの眼の水晶体および角膜と共同して働く。視力の問題は、眼の焦点遠近調節が物体に焦点を合わせることができないとき、または眼が対称でなく乱視に苦しむときに生じる。光学コンバイナ102の矯正処方(ジオプターで測定される)は、光が網膜上に正確に集束されるように、ユーザの眼に入る光の焦点を変化させ、ユーザが焦点の合った環境を見ることを可能にする。したがって、矯正処方は、光学コンバイナ102を成形し、実世界の知覚された深度を、非点収差補正の場合には共通平面に、球面補正の場合には患者の焦点遠近調節内に収まる平面に、シフトさせることによって、光学コンバイナ102に統合される。焦点がシフトされる程度は、ユーザの特定の矯正処方に応じて変動するため、統合された処方を伴う光学コンバイナ102を通して視認される画像は、別のユーザには、または較正ステーション200の場合では、カメラ206には、ぼやけて、または脱焦して、見えるであろう。したがって、チューナブル補正ユニット208のレンズまたは形状は、光がカメラ206で正しく合焦され、カメラ206がチューナブル補正ユニット208および光学コンバイナ102を通して見られる環境の合焦画像を捕捉することができるように、矯正処方を有する光学コンバイナ102によって課される焦点のシフトを逆転させるよう調整される。
【0017】
いくつかの実施形態では、較正ステーション200は、少なくとも1つの光学リレーを含む。
図2に示す例示的な較正ステーション200は、2つの光学リレー212、214を含む。第1の光学リレー212は、ホルダ202とチューナブル補正ユニット208との間に配置され、第2の光学リレー214は、チューナブル補正ユニット208とカメラ206との間に配置される。第1の光学リレー212は、マイクロディスプレイ204からの光をチューナブル補正ユニット208にリレーする少なくとも第1の組のリレーレンズ218を有し、第2の光学リレー214は、チューナブル補正ユニット208からの光をカメラ206にリレーする少なくとも第2の組のリレーレンズ218を有する。カメラ206は、ユーザの視界をシミュレートするために使用されるため、少なくとも1つの光学リレーがなければ、カメラ206は、ユーザの眼の位置をエミュレートするために、ホルダ202内に保持されている光学コンバイナ102に非常に近接して配置される必要があるであろう。その結果、ホルダ202とカメラ206との間にチューナブル補正ユニット208を嵌めるのに充分なスペースがない。光学リレー212、214は、カメラ206とホルダ202との間のチューナブル補正ユニット208の位置決めに適応し、ユーザがデジタルコンテンツおよび参照ターゲット224を見るときに、カメラ206が、光学コンバイナ102において投影されたデジタルコンテンツおよび/または光学コンバイナ102を越えて位置する参照ターゲット224の画像を捕捉することを可能にするように、主光路を延長する働きをする。いくつかの実施形態では、参照ターゲット224は、カメラ206がホルダ202内に位置決めされた光学コンバイナ102を通して参照ターゲット224を視認するように、ホルダ202から設定された距離で位置付けられる。参照ターゲット224は、概して、カメラ206が参照ターゲット224の合焦画像を捕捉していることを確実にするために使用される、識別可能な特徴を有する市松模様格子または他のパターン等の、物理的アイテムまたは画像である。いくつかの実施形態では、参照ターゲット224は、ホルダから設定された距離に位置付けられる表面上に投影される静的または動的画像である。参照ターゲット224は概して白色光で照明されるが、参照ターゲット224を照明するために着色照明を使用することもできる。
【0018】
マイクロディスプレイ204からの光220の一部をサンプリングして、色、強度、および強度均一性を較正するために、ビームスプリッタ216が、マイクロディスプレイ204とチューナブル補正ユニット208との間に位置付けられる。ビームスプリッタ216は、マイクロディスプレイ204からの光220の一部を、主光路から離れて、
図3を参照して以下でより詳細に説明するように、分光計、電力計、および/または積分球などの測定装置に向けて方向転換する。いくつかの実施形態では、ビームスプリッタ216は、光を主光路に注入するために使用される。いくつかの実施形態では、ビームスプリッタ216は、マイクロディスプレイ204からの光に対するチューナブル補正ユニット208の影響を部分的に補償するように、チューナブル補正ユニット208とカメラとの間に位置付けられる。いくつかの実施形態では、ビームスプリッタ216は、チューナブル補正ユニット208のいずれかの側に位置付けられ、チューナブル補正ユニット208の影響を完全に補償する。
【0019】
図3は、HMDのマイクロディスプレイ204および較正ステーション200に関連付けられる処理システム300のブロック図を示す。図示の例では、処理システム300は、HMD100のマイクロディスプレイ204および他の構成要素を制御するための1つ以上のソフトウェアプログラムを実行する集積回路(たとえば、マイクロプロセッサ)であるアプリケーションプロセッサ(AP)302を含む。
図3に示す例では、AP302は、プロセッサ304と、GPU306と、メモリ308とを含む。プロセッサ304およびGPU306は、メモリ308に通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、メモリ308は、プロセッサ304およびGPU306によって迅速にアクセスされ得るデータおよび命令を保持する一時記憶装置として構成される。いくつかの実施形態では、ストレージ310は、データおよび命令を保持するための、より永続的なストレージである。メモリ308およびストレージ310の各々は、データおよび命令を記憶する非一時的プロセッサ可読記憶媒体であり、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ソリッドステートドライブ、または他のプロセッサ可読記憶媒体のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ304は、計算動作を実行するプログラムされたコンピュータである。例えば、プロセッサ304は、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、コントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SOC)、またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)として実現される。
【0020】
HMD100のユーザによって見られる視野(FOV)領域108に仮想画像を形成するために、GPU306は、プロセッサ304からソース画像を受信し、ソース画像をプロジェクタフレームバッファに書き込むかまたはレンダリングし、プロジェクタフレームバッファは、マイクロディスプレイ204のディスプレイコントローラ322に送信される。ソース画像を光学コンバイナ102に投影するために、マイクロディスプレイ204は、フレームバッファデータを使用して、マイクロディスプレイ204内のレーザダイオードまたは他の光源のための駆動制御を生成する。HMD100の通常動作中、ソース画像をプロジェクタフレームバッファにレンダリングするときに、光学コンバイナ102に投影されるべきソース画像に対するあらゆる補正が適用される。いくつかの実施形態では、ディスプレイコントローラ322は、フレームバッファデータをマイクロディスプレイ204に提供する前に補正を適用する。(本明細書で説明される較正プロセスによって判定される)幾何学的歪み、色補正、および/または光学系内の物理的変化(例えば熱変化)による他の補正等のいくつかの補正が、ユーザに対して表示される補正された画像を達成するように、ソース画像に適用される。
【0021】
例えば、各々が異なる波長の光を投影するレーザダイオードを有するマイクロディスプレイ204を採用するHMDは、プロジェクタフレームバッファの異なる領域から複数のソース画像を投影することによって、FOV108に仮想画像を生成する。HMDは、仮想画像がFOV108内で重なり合って1つの画像として見えるように設計されている。しかしながら、製造されたHMDが、FOV108内で整列された仮想画像を自動的に生成しないことがあり、その結果、ユーザは、それらの画像を、脱焦または「ゴースト」画像(すなわち、わずかにオフセットした、重なり合う画像)として見ることがある。システム内の光学素子が正確に整列された後であっても、各仮想画像を生成した一意の経路および一意の非線形歪みに起因して、FOV108で投影された仮想画像に不整列が依然として存在する場合がある。したがって、歪みモデルをソース画像に適用して、ソース画像が歪められ(「補正され」)、FOV108に投影されると、歪められたソース画像は、FOV108のターゲット領域内で整列される仮想画像を形成する。同様に、色補正および/または強度モデルをソース画像に適用することができる。これらのモデルは、ソース画像の特定の領域内の色および輝度の分布を変化させ、FOV108で投影されると、結果として生じる仮想画像は、ユーザによって見られるように均一な色および輝度を有する。
【0022】
処理システム300はさらに、
図4を参照してさらに説明されるように、較正プロセス中にカメラ206によって捕捉された画像および/または光強度データを受信するために、カメラ206に通信可能に結合される、較正プロセッサ312を含む。いくつかの実施形態では、較正プロセッサは、較正が完了すると、HMD100から切り離すことができる。概して、本明細書で説明する較正プロセスを実行するプロセッサは、較正プロセッサと呼ばれてもよい。いくつかの実施形態では、較正プロセッサ312は、計算動作を実行するプログラムされたコンピュータである。例えば、較正プロセッサ312は、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、コントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SOC)、またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)とすることができる。図示されていないが、較正プロセッサ312上で実行される較正プログラム314との対話を可能にするために、および/または較正プロセッサ312が較正プログラム314からの較正結果を表示することを可能にするために、表示画面が較正プロセッサ312に通信可能に結合され得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、較正プロセッサ312は、較正目的でAPプロセッサ302に通信可能に結合される。
図3には、較正プログラム314の命令を実行する較正プロセッサ312が示されている。較正プログラム314は、メモリ316に記憶され、実行時に較正プロセッサ312によってアクセスされ得る。較正プログラム314は、決定論理318を含み、これは、較正プロセッサ312によって実行されると、いくつかの実施形態では、AP302に、規定されたシーケンスで、テストパターンを提供する。規定されたシーケンスは、較正プロセス中に調整することができる。AP302は、規定されたシーケンスのテストパターンをプロジェクタフレームバッファにレンダリングする。カメラ206は、テストパターンがマイクロディスプレイ204によって光学コンバイナ102を介して投影されるときにテストパターンの画像を捕捉し、表示データ320を生成する。カメラ206はまた、参照ターゲット224の画像を、光学コンバイナ102およびチューナブル補正ユニット208を通して見られるように捕捉し、参照ターゲットデータ324を生成する。較正プロセッサ312は、カメラ206から表示データ320および参照ターゲットデータ324を受信し、較正プログラム314は、表示データ320および参照ターゲットデータ324を使用して、後で、反っているかまたは歪みされたソース画像を生成するために使用される、眼空間対プロジェクタ空間マッピングを決定する。いくつかの実施形態では、マイクロディスプレイ204によって投影されるテストパターンのスペクトルおよび強度測定値は、
図4を参照してより詳細に説明されるもの等の周辺構成要素によって取得される。
【0024】
図4は、較正ステーション200および周辺装置を含む較正システム400のブロック図を示す。いくつかの実施形態では、周辺装置は、ビームスプリッタ216によって方向転換される光222の光路内に位置決めされる分光計404および電力計406を含む。いくつかの実施形態では、周辺装置は、ビームスプリッタ216によって方向転換される光222の総出力(束)を測定するための積分球408を含む。分光計404、積分球408、および電力計406で取得された色均一性ならびに強度の測定値は、処理システム300に関連付けられ、較正ステーション200で分析されている特定のHMD100の較正パラメータを求めるよう構成される較正プロセッサ312に通信される。さらに、カメラ206によって捕捉された画像が、測定および分析のために較正プロセッサ312に送信される。したがって、較正プロセッサ312は、カメラ206、分光計404および電力計406などの測定装置、ならびにAPプロセッサ130に通信可能に結合される。
【0025】
図5は、較正システム400を使用してHMD100などのHMDを較正する方法500を示す。ブロック502において、光学コンバイナ102は、較正ステーション200のホルダ202内に位置決めされる。典型的には、光学コンバイナ102は、マイクロディスプレイ204ならびにディスプレイコントローラ322およびAP302等の他のHMD構成要素を収容するフレーム106等のフレームに取り付けられることになる。チューナブル補正ユニット208は、ブロック504において、光学コンバイナ102に含まれる任意の矯正処方によって引き起こされる脱焦を補正するように調整される。例えば、光学コンバイナが+4球面補正を提供するよう構成される場合、チューナブル補正ユニット208は、-4球面補正を提供することによって、カメラ206によって見られるであろう脱焦を補償するよう調整される。したがって、カメラ206およびチューナブル補正ユニット208は、+4球面補正を必要とするユーザの眼をシミュレートするように共に作用する。チューナブル補正ユニット208は、オペレータによって手動で、または較正プロセス中に自動的に調整することができる。
【0026】
ブロック506では、カメラ206は、参照ターゲット224等の参照ターゲットの画像を、チューナブル補正ユニット208および光学コンバイナ102を通して見られるように、捕捉する。チューナブル補正ユニット208は、
図2を参照して上述したように、光学コンバイナ102の矯正処方によって導入された参照ターゲット224の脱焦を補正するように作用するが、場合によっては、参照ターゲット224のいくらかの歪みが、捕捉された画像内に依然として存在することになる。いくつかの実施形態では、この歪みは、屈折矯正を必要とするユーザがこの歪みで世界を視認することに適応するので、最終的な較正されたHMDにおいて望ましい。したがって、最終的な表示較正は、ユーザの環境を見る際のユーザの期待に適合すべきである。ブロック508では、参照ターゲット224の捕捉された画像が較正プロセッサ312に送信され、そこで、捕捉された画像は測定され、歪みについて分析される。ブロック510において、歪みモデルが生成される。歪みモデルは、ブロック512において、マイクロディスプレイ204を較正して、参照ターゲット224の捕捉された画像と同じ幾何学的歪みを有する画像を投影するために、HMDのAPプロセッサ302に提供される。
【0027】
ひずみがAPプロセッサ302に提供されると、ブロック514において、マイクロディスプレイ204は、画像またはテキストを表す光を光学コンバイナ102に提供し、光学コンバイナ102は、光学コンバイナ102と較正ステーション200のカメラ206との間の主光路に沿って光220を出力する。ブロック516において、出力光の一部は、ビームスプリッタ216によって主光路から離れて、分光計404および電力計406といった較正ステーション200の測定装置に向かって方向転換され、そこで、光は、色および輝度の均一性について分析される。ブロック518で均一性補正モデルが生成され、ブロック520でAPプロセッサ302に提供される。均一性補正モデルは、マイクロディスプレイ204によって投影される光220に適用されて、光学コンバイナ102によって出力される光の不均一性を補償し、所定の目標白色点に合致させる。いくつかの実施形態では、両眼HMDの場合、ブロック502~520で説明される較正の方法は、HMD100の第2のレンズに対して繰り返される。その結果、屈折矯正を必要とするユーザの眼に対して最適に較正されたHMD100が得られる。
【0028】
いくつかの実施形態では、上記で説明した技術のいくつかの局面は、ソフトウェアを実行する処理システムの1つ以上のプロセッサによって実現されてもよい。ソフトウェアは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記憶されるかまたはそうでなければ有形に具現化された1つ以上の実行可能命令のセットを含む。ソフトウェアは、1つ以上のプロセッサによって実行されると、上記で説明した技術の1つ以上の局面を実行するように1つ以上のプロセッサを操作する、命令およびいくつかのデータを含み得る。非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気または光ディスク記憶装置、フラッシュメモリなどのソリッドステート記憶装置、キャッシュ、ランダムアクセスメモリ(RAM)または他の不揮発性メモリ装置などを含むことができる。非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記憶された実行可能命令は、ソースコード、アセンブリ言語コード、オブジェクトコード、または1つ以上のプロセッサによって解釈されるかもしくは他の態様で実行可能である他の命令フォーマットであってもよい。
【0029】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令および/またはデータをコンピュータシステムに提供するために使用中にコンピュータシステムによってアクセス可能な任意の記憶媒体または記憶媒体の組合せを含んでもよい。そのような記憶媒体は、光学媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイディスク)、磁気媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、もしくは磁気ハードドライブ)、揮発性メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)もしくはキャッシュ)、不揮発性メモリ(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)もしくはフラッシュメモリ)、または微小電気機械システム(MEMS)ベースの記憶媒体を含んでもよいが、それらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピューティングシステムに埋め込まれてもよく(例えば、システムRAMもしくはROM)、コンピューティングシステムに固定的に取り付けられてもよく(例えば、磁気ハードドライブ)、コンピューティングシステムに取り外し可能に取り付けられてもよく(例えば、光ディスクもしくはユニバーサルシリアルバス(USB)ベースのフラッシュメモリ)、または有線もしくは無線ネットワークを介してコンピュータシステムに結合されてもよい(例えば、ネットワークアクセス可能ストレージ(NAS))。
【0030】
全般的な説明において上述されたアクティビティまたは要素のすべてが必要とされるわけではなく、特定のアクティビティまたはデバイスの一部は必要とされないことがあり、1つ以上のさらなるアクティビティが、説明されたものに加えて実行されてもよいか、または1つ以上のさらなる要素が含まれてもよいことに留意されたい。さらに、動作が列挙される順序は、必ずしもそれらが実行される順序ではない。また、概念は、特定の実施形態を参照して説明されている。しかしながら、当業者は、特許請求の範囲に記載される本開示の範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を行い得ることを理解する。したがって、明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で見られるべきであり、すべてのそのような修正は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【0031】
利益、他の利点、および問題に対する解決策が、特定の実施形態に関して上述された。しかしながら、利益、利点、問題に対する解決策、および任意の利益、利点、もしくは解決策を生じさせ得るかまたはより顕著にさせ得る任意の特徴は、いずれかまたはすべての請求項の重要な、必要な、または本質的な特徴として解釈されるべきではない。さらに、上記で開示される特定の実施形態は例証にすぎず、なぜならば、開示される主題は、本明細書の教示の利益を有する当業者に明らかである、異なるが等価な態様で、修正および実践されてもよいからである。特許請求の範囲に記載されるもの以外の、本明細書に示される構造または設計の詳細への限定は意図されない。したがって、上記で開示された特定の実施形態は、変更または修正されてもよく、すべてのそのような変形は、開示された主題の範囲内であると見なされることは、明らかである。したがって、本明細書で求められる保護は、特許請求の範囲に記載されるとおりである。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)のマイクロディスプレイとカメラとの間の光路に光学コンバイナを固定するためのホルダと、
前記光路に配置され、前記光学コンバイナによって伝送される光の焦点を調整するよう構成されるチューナブル補正ユニットとを備え、
前記カメラは、前記HMDを較正する際に使用されるよう前記チューナブル補正ユニットから出力される調整された焦点光の少なくとも1つの画像を捕捉するよう構成される、装置。
【請求項2】
前記光学コンバイナは、統合された矯正処方を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記チューナブル補正ユニットは、球面レンズ、円柱レンズ、フィルタ付きレンズ、およびプリズムレンズのうちの少なくとも1つを含むホロプターである、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記マイクロディスプレイと前記カメラとの間の前記光路に配置された少なくとも1つの光学リレーをさらに備える、請求項1
または2に記載の装置。
【請求項5】
前記マイクロディスプレイと前記チューナブル補正ユニットとの間に配置され、前記マイクロディスプレイからの光の一部を少なくとも1つの測定装置に向けて方向転換するよう構成されるビームスプリッタをさらに備える、請求項1
または2に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの測定装置は、分光計および電力計のうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を較正する方法であって、
前記HMDの光学コンバイナを較正ステーションのホルダ内に位置決めし、前記光学コンバイナが、前記HMDのマイクロディスプレイおよび前記較正ステーションのカメラから提供される光の主光路内にあるようにすることと、
チューナブル補正ユニットを調整して、前記光学コンバイナの矯正処方によって引き起こされる脱焦を補正することと、
前記チューナブル補正ユニットおよび前記光学コンバイナを通して見られる参照ターゲットの画像を前記カメラによって捕捉することと、
捕捉された前記画像から歪みモデルを生成し、前記HMDを較正して、前記歪みモデルを、前記HMDによって投影された画像に適用することとを含む、方法。
【請求項8】
前記チューナブル補正ユニットは、ホロプターまたはチューナブルレンズの少なくとも1つである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記HMDの前記マイクロディスプレイによって提供される前記光の一部を、前記主光路から、少なくとも1つの測定装置に逸らすことをさらに含む、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの測定装置は、分光計および電力計のうちの少なくとも1つである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記光の前記一部は、前記マイクロディスプレイと前記チューナブル補正ユニットとの間に配置されたビームスプリッタによって方向転換される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
均一性補正モデルを生成し、前記HMDを較正して、前記均一性補正モデルを、前記HMDによって投影される画像に適用することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
HMD用のホルダを備える較正ステーションであって、請求項7または8に記載の方法を実行するよう構成される、較正ステーション。
【請求項14】
システムであって、
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)のマイクロディスプレイとカメラとの間の光路内に光学コンバイナを固定するよう構成される較正ステーションを備え、前記較正ステーションは、前記光路内に配置され、前記光学コンバイナによって引き起こされる光の脱焦を補正するように調整されるよう構成されるチューナブル補正ユニットを含み、前記カメラは、前記HMDを較正する際に使用されるよう前記チューナブル補正ユニットから出力される補正された前記光の少なくとも1つの画像を捕捉するよう構成され、前記システムはさらに、
前記少なくとも1つの捕捉された画像を受信し、前記少なくとも1つの捕捉された画像に基づいて歪みモデルを生成するよう構成される較正プロセッサを備え、前記較正プロセッサは、さらに、前記歪みモデルを前記HMDのディスプレイコントローラに提供するよう構成される、システム。
【請求項15】
前記光学コンバイナは、統合された矯正処方を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記チューナブル補正ユニットは、球面レンズ、円柱レンズ、フィルタ付きレンズ、およびプリズムレンズのうちの少なくとも1つを含むホロプターである、請求項14または15に記載のシステム。
【請求項17】
前記チューナブル補正ユニットは、チューナブルレンズである、請求項14または15に記載のシステム。
【請求項18】
前記マイクロディスプレイと前記カメラとの間の前記光路に配置された少なくとも1つの光学リレーをさらに備える、請求項14
または15に記載のシステム。
【請求項19】
前記マイクロディスプレイと前記チューナブル補正ユニットとの間に配置され、前記マイクロディスプレイからの光の一部を少なくとも1つの測定装置に向けて方向転換するよう構成されるビームスプリッタをさらに備える、請求項14
または15に記載のシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの測定装置は、分光計および電力計のうちの少なくとも1つを含む、請求項19に記載のシステム。
【国際調査報告】