(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】フレキシブル高出力電子機器バス
(51)【国際特許分類】
H05K 1/16 20060101AFI20240614BHJP
【FI】
H05K1/16 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571644
(86)(22)【出願日】2022-05-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 US2022072371
(87)【国際公開番号】W WO2022246402
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521075321
【氏名又は名称】リキッド ワイヤ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LIQUID WIRE INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】マルティネス、ジェシー マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ホプキンス、マイケル アドベンチャー
【テーマコード(参考)】
4E351
【Fターム(参考)】
4E351AA16
4E351BB01
4E351DD04
4E351DD05
4E351DD06
4E351DD53
4E351GG20
(57)【要約】
装置、システム及び方法は、複数の導電性ストランドを備える導電性テキスタイル(106)と、フレキシブルバス(102)と、を備える。フレキシブルバス(102)は、導電性ストランドに電気的に結合された導電性ゲル(104)、及び、導電性テキスタイル(106)に接合され、導電性ストランドと接触している導電性ゲル(104)を収容するように構成された封入材(108)を備える。フレキシブルバスは、電源に電気的に結合され、電源から導電性ストランドに電流を誘導するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の導電性ストランドを備える導電性テキスタイルと、
前記導電性ストランドに電気的に結合された導電性ゲル、及び、前記導電性テキスタイルに接合され、前記導電性ストランドと接触している前記導電性ゲルを収容するように構成された封入材、を備えるフレキシブルバスと、を備え、
前記フレキシブルバスは、電源に電気的に結合され、前記電源から前記導電性ストランドに電流を誘導するように構成されている、装置。
【請求項2】
前記導電性ストランドが前記導電性テキスタイルの導電層を形成する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記導電性テキスタイルが、非導電性ストランドで構成される非導電層を更に備え、前記非導電層は前記導電層に隣接して配置されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記フレキシブルバスが前記導電性テキスタイルの第1の縁部に近接して配置される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の縁部の反対側の前記導電性テキスタイルの第2の縁部に近接して配置されたカソードを更に備え、前記カソードは、電流が前記導電層上を流れることを可能にする電気回路を完成させるように構成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記カソードに動作可能に結合されたフレキシブル基板を更に備え、前記フレキシブル基板は、第1の基板層と、第2の基板層と、表面実装部品とを備え、前記第1の基板層は金属クラッド層を備え、前記第2の基板層は導電性ゲルから形成されたトレースを含み、前記表面実装部品は前記金属クラッド層に電気的に結合されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記フレキシブルバスが、前記導電性ゲルに電気的に結合されたアノードを更に備え、前記電源は、電流が当該電源から前記導電性ゲルに流れることを可能にするために前記アノードに電気的に結合されるように構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
複数の前記導電性ストランドが、前記第1の縁部と前記第2の縁部との間に延びている、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
複数の前記非導電性ストランドが前記導電性ストランドに直交して延びている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記導電層が第1の導電層であり、前記導電性テキスタイルが、前記導電性ゲルに電気的に結合された第2の導電層を更に備え、前記非導電層が、前記第1の導電層と前記第2の導電層との間に配置され、前記非導電層及び前記封入材が、前記第1の導電層と前記第2の導電層との間の電気的絶縁を提供する、請求項3に記載の装置。
【請求項11】
複数の導電性ストランド及び複数の非導電性ストランドを備える導電性テキスタイルと、
少なくとも部分的に前記導電性テキスタイルに延びて該導電性テキスタイルの一部を囲むチャネルを形成している封入材と、
前記チャネル内の前記導電性テキスタイル内に分散され、前記導電性ストランドのうちの少なくとも一部に電気的に結合された導電性ゲルと、を備える、装置。
【請求項12】
前記導電性ストランド及び前記非導電性ストランドが前記チャネルを越えて延びている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記封入材が、互いに対向する少なくとも2つの壁を形成し、前記チャネルが、2つの対向する前記壁によって少なくとも部分的に画定される幅を有し、前記導電性ストランド及び前記非導電性ストランドの少なくとも一部が、2つの前記壁のうちの少なくとも1つを通って、かつ越えて延びている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記導電性ストランド及び前記非導電性ストランドの少なくとも一部が、2つの前記壁の両方を通って、かつ越えて延びている、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記導電性ゲルに電気的に結合されたアノードを更に備え、電源は、電流が当該電源から前記導電性ゲルに流れることを可能にするために前記アノードに電気的に結合されるように構成されている、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記アノードが外部導体及び接着剤を備え、前記接着剤が前記アノードを前記導電性テキスタイルに固定するように構成されている、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記外部導体が前記接着剤によって裏打ちされた銅箔である、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記導電性ゲルとは別個に前記導電性テキスタイル上に配置されたカソードを更に備え、前記カソードは、電流が前記導電層上を流れることを可能にする電気回路を完成するように構成されている、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記導電性ストランドが互いに対してほぼ平行であり、前記非導電性ストランドが前記導電性ストランドに直交して延びている、請求項11に記載の装置。
【請求項20】
フレキシブル電子バスであって、
複数の導電性ストランドを備える導電性テキスタイルと、
前記導電性ストランドに電気的に結合された導電性ゲルと、
前記導電性テキスタイルに接合され、前記導電性ストランドと接触している前記導電性ゲルを収容するように構成された封入材と、
前記導電性ゲルに電気的に結合されたアノードと、を備え、
電源は、電流が当該電源から前記導電性ゲルに流れることを可能にするために前記アノードに電気的に結合されるように構成され、
前記フレキシブルバスは、前記電源に電気的に結合され、前記電源から前記導電性ストランドに電流を誘導するように構成され、
前記封入材が、前記導電性ゲルを少なくとも部分的に含むチャネルを形成し、前記チャネルは互いに対向する少なくとも2つの壁によって画定され、前記チャネルが、2つの対向する前記壁によって少なくとも部分的に画定される幅を有する、フレキシブル電子バス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブル高出力電子機器バスに関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル電子回路は、そのような電子機器を有する物品が、衣料品及び着用可能物品並びに他の消費者用途及び産業用途などの物品の使用の一部として日常的に曲げたり屈曲されたりすることが予想され得る様々な状況で利用され得る。電子機器が、典型的なユーザが理解するフレキシブルなものとなるように製造される限りにおいて、そのようなフレキシビリティは、典型的には、複数の要因によって制約される。そのような制約の中には、一般に厚さ又はサイズがある。従来のワイヤ及び回路基板は、銅、銀などの材料から作製されているので、複数の軸に沿ってフレキシブルに、又は日常的に曲げることができるようになるには、これらの構成要素は、それ以外の同様の方法で利用されるそれ以外の同様の構成要素と比較して、薄いことが多い。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】例示的な実施形態におけるフレキシブルバスである。
【
図2】例示的な実施形態における、導電性テキスタイルに関するフレキシブルバスの簡略化された側面図である。
【
図3】例示的な実施形態における、導電性テキスタイルの層に関するフレキシブルバスの簡略化された側面図である。
【
図4】例示的な実施形態におけるフレキシブルバスを組み込んだサーマルブランケットである。
【
図5】例示的な実施形態における、導電性テキスタイル上にフレキシブルバスを作製する際の中間ステップの図である。
【
図6】例示的な実施形態における、フレキシブルバスの一部を作製するためのプロセスの中間ステップの分解図である。
【
図7】例示的な実施形態における、周辺フレキシブル基板と結合されたサーマルブランケットを組み込んだシステムである。
【
図8A】例示的な実施形態におけるフレキシブルバスの分解側面図及び切断側面図である。
【
図8B】例示的な実施形態におけるフレキシブルバスの分解側面図及び切断側面図である。
【
図9】例示的な実施形態における、サーマルブランケットを作製するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0004】
任意の特定の要素又は動作の議論を容易に識別するために、参照番号における最上位桁は、その要素が最初に導入される図番号を指す。
例示的な方法及びシステムは、フレキシブル高電力電子バス、システム、及び方法を対象とする。例は、単に可能な変形例を代表するものである。明示的に別段の記載がない限り、構成要素及び機能は任意選択であり、組み合わされても細分されてもよく、動作は順序が変わってもよく、組み合わされても細分されてもよい。以下の説明では、説明の目的で、例示的な実施形態の完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細が示されている。しかしながら、本主題がこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることは、当業者には明らかであろう。
【0005】
電子回路をフレキシブルにすることの従来の結果は、そのような構成要素が比較的低電力環境内で動作できることである。このような回路は必然的に比較的薄いので、比較的小さな電流及び電圧のみが、このような回路の構成要素を通過し又は構成要素に印加することができる。その結果、家庭用電子機器、自動車、又は他の同様の用途においてしばしば利用され得るフレキシブル電子機器は、2~3ワット以下の範囲に制限され得る。
【0006】
従来のフレキシブル回路よりも高い電力が可能なフレキシブル電子バスが開発されている。様々な例において、フレキシブルバスは、数十ワット以上の電力スループットが可能である。様々な例において、フレキシブルバスは、フレキシビリティと高電力スループットの両方を提供する液体又はゲル導体を組み込む。フレキシブルバスは、ウェアラブル物品、家庭用電子機器、医療用パッチ及び他の医療機器、モビリティ用途などを含む様々な状況のいずれかにおいて利用され得る。本開示の目的のために、フレキシブルバスは、局所加熱を提供するサーマルブランケットに関連して説明される。そのような状況では、フレキシブルバスは、有用な方法で機能するために、数十ワット、例えば、30ワットの電力を提供しながら、反復的に、可変に、及び複数の軸において、折り曲げ、屈曲、又は別様に操作されてもよい。その結果、サーマルブランケットとの関連での、又はサーマルブランケットとしての使用は、高電力フレキシブルバスの使用の適切な例示を提示する。しかしながら、フレキシブルバスは、任意の好適なシステム又は物品に組み込まれてもよいことを認識及び理解されたい。
【0007】
更に、フレキシブルバスは、画定された端子接点のない電気部品を含む、様々な非ディスクリート電気部品のいずれにも適用することができる。例えば、端子接点を欠くメッシュファブリックは、それにもかかわらず、メッシュと電気的に接触して配置された導電性ゲルの組み込みを通して、スペースヒータ又は熱電エネルギーハーベスタとして実装され得る。導電性ゲル及びフレキシブルバスは、概して、そのような非ディスクリート電気構成要素のための端子を提供してもよく、又はそうでなければ、非ディスクリート電気構成要素への又はそこからの電流の流れを促進してもよい。
【0008】
図1は、例示的な実施形態におけるフレキシブルバス102である。フレキシブルバス102は、導電性テキスタイル106などの基板上又は基板内に組み込まれた導電性ゲル104を含む。フレキシブルバス102は、熱圧着などの任意の好適なプロセス、又は導電性ゲル104で導電性テキスタイル106を湿潤させることができる任意のプロセスによって、導電性テキスタイル106に組み込むことができる。その結果、フレキシブルバス102は、導電性ゲル104に沿って流れる電力を提供して、導電性テキスタイル106に通電し、その上を流れる。熱可塑性ポリウレタン(TPU)などの封入材108が、導電性ゲル104と共に、又はその上に塗布される。様々な例において、封入材108は、導電性テキスタイル106の空隙に流れ込む。様々な更なる例では、封入材108は、導電性ゲル104が収容され得るチャネルを形成し、このチャネルは、導電性ゲル104の流れを、封入材108によって境界付けられた導電性テキスタイル106上の適切な別個の位置へと案内するのに役立ち得る。
【0009】
様々な例において、導電性テキスタイル106は、導電性ストランド(例えば、ステンレス鋼又は他の好適な導体)と、非導電性又は絶縁性の繊維、フィラメント、又は糸(例えば、ナイロン又は他の好適な非導電性材料)との織り合わせパターンを含み得る。様々な更なる例において、導電性ストランドは、導電体でドープされたグラフェン繊維などの導電性オーバーレイ材料を有する非導電性材料であってもよい。一般に、導電性ストランドは、通常の製品使用時間枠にわたって脆くなる傾向がなく、比較的短い時間枠にわたって脆くなり得る様々な導電性エポキシとは対照的であり得る任意の好適な材料から形成することができる。ストランドが本明細書で一般的に開示されているが、繊維、フィラメント、糸及びヤーンを含むがこれらに限定されない代替材料が利用されてもよく、ストランドは、繊維、フィラメント、糸、ヤーン、又は他の好適な材料を除外しない一般用語として本明細書で利用されることを認識及び理解されたい。導電性テキスタイル106は、例として、編む、織る、接着する、フェルト化する、又は他の既知のテキスタイル製造技術を含む任意の数の構築方法を使用して、導電性ストランドを織り合わせる又は分配することによって形成され得る。任意選択的に、導電性ストランドは、上記で検討されたような絶縁性又は非導電性繊維と組み合わされてもよい。
【0010】
織られた例では、非導電性ストランド及び導電性ストランドのパターンは、概して、互いに平行であり、非導電性ストランドに対して垂直又は直交し得る。導電性ストランドは、フレキシブルバス102と電気的に結合されてもよく、一実施形態では、線形バスが所望される場合、フレキシブルバス102によって画定される線110に対してほぼ垂直又は直交してもよい。図示されていない他の例では、フレキシブルバスは、湾曲した形状、傾斜した形状、又は不規則な形状を有してもよく、フレキシブルバスの長さに沿った任意の点で導電性ストランドに対して任意の所望の角度を形成してもよい。その結果、フレキシブルバス102上に誘導された電流は、導電性ストランドの長さに沿って導電性ストランドを伝搬し、フレキシブルバス102から離れて導電性テキスタイル106を伝搬する傾向があり得る。
【0011】
様々な例において、導電性テキスタイル106は、非導電性ストランドの層によって互いに分離された導電性ストランドの少なくとも1つの層を有することができる。そのような例では、導電性ストランドの最上層及び導電性ストランドの最下層は、非導電性ストランドの層によって分離される。そのような例では、導電性ゲル104は、導電性ストランドの両方の層と電気的に接触するために、導電性テキスタイル106の厚さ全体にわたって分散され得る。別の例では、導電性テキスタイル106は、導電性ストランドの単一層と非導電性ストランドの単一層とを含む。様々なそのような例では、導電性ストランド、及び非導電性ストランドの少なくとも一部は、例えば、織物構造が提供されるとき、相対的な位置が交互になってもよい。
【0012】
図2は、例示的な実施形態における、導電性テキスタイル106に関するフレキシブルバス102の簡略化された側面図である。例示的な実施形態では、導電性テキスタイル106は、層202と、チャネル204を形成する封入材108と、封入材108によって形成されたチャネル204内の導電性ゲル104とで構成される。層202は、概して層202の第1の端部208から第2の端部210まで延在する導電性ストランド206で構成される。導電性ストランド206は、簡略化された例示の目的のために平行配置で提示されており、導電性ストランド206は、概して第1の端部208から第2の端部210に進むが、一片のファブリックにおいてストランドの任意の配置で配置され得ることを認識及び理解されたい。層202は、任意選択で、導電性ストランド206と共に非導電性ストランドの織りパターンを更に含むことができる。非導電性ストランドは、導電性ストランド206に対して概ね直交することができ、明確にするためにこの例から省略されている。
【0013】
封入材108は、少なくとも2つの壁212及び床214によってチャネル204を形成する。壁212は、概して互いに対向し、ストランド206に対してほぼ垂直に延びている。床214は、ストランド206に対してほぼ平行に延びている。その結果、チャネル204は、壁212間に延びる幅と、床214から導電性テキスタイル106の上部まで延びる深さとを有すると理解され得る。ストランド206のうちの少なくとも一部は、チャネル204から延在し、ここで、ストランド206は、封入材108の壁212の一方又は両方を通って、かつ越えて、導電性ゲル104と電気的に接触している。
図1に示すように、チャネル204、具体的には封入材108は、概して、導電性テキスタイル106に全般的に沿って延びる長さを有する。一例では、チャネル204の幅は約3ミリメートルであり、深さは約100ミクロンである。
【0014】
封入材108は、ここでは直線で示されているが、実装されると、封入材108は、例えば、壁212と床214との間に直線及び明確な輪郭を有する傾向がない場合があることを認識及び理解されたい。したがって、壁212は、導電性ゲル104が全般にストランド206及び導電性テキスタイル106に沿って横方向にチャネル204から外へ移動するのを抑制する傾向がある封入材108の任意の部分であってもよく、一方、床214は、導電性ゲル104がチャネル204から導電性テキスタイル106から外へ移動するのを抑制する傾向がある封入材108の任意の部分であってもよいことを認識及び理解されたい。
【0015】
図示されるように、導電性ゲル104は、導電性ストランド206上に分散され、導電性ストランド206を互いに対して及び導電性ゲル104に対して電気的に結合する。その結果、導電性ゲル104上を流れる電流は、導電性ストランド206に、及び導電性ストランド206を介して流れることができる。任意選択の外部導体216は、導電性ゲル104に電気的に結合されている。そのような例では、導体の一部が導電性ゲル104の外部にあってもよく、又は導電性ゲル104と直接接触していなくてもよいので、導体は外部として記載されている。外部導体216は、銅、金、銀、又は導電性ゲル104単独によって提供され得るものと比較して、フレキシブルバス102上を流れる電流の増加を可能にし得る任意の好適な導体であってもよい。このような例では、電流は、外部導体216を介して導電性ゲル104に流れ、次いで導電性ストランド206に流れることができる。いくつかの又はすべてのそのような例では、外部導体216は、外部導体216の幅よりもはるかに小さい厚さを有することができ、更に、例えば導電性箔のストリップにおいて、外部導体216の長さよりもはるかに小さい幅を有することができる。したがって、導電性ゲル104と外部導体216との間の接触面積を実質的に最大化することができる。他の例では、外部導体216は、外部導体216が導電性ゲル104によって完全に又は部分的に取り囲まれるように、導電性ゲル104などの導電性ゲル内に全体的に設けられるか導電性ゲルによって包まれてもよく、外部導体216が導電性ゲル104と同軸に配置されるように、1:1に近い又は等しい幅対厚さ比(例えば、円形、正方形、長方形、三角形、台形、又は同様の断面形状を含む)を有してもよい。任意選択的に、封入材108は、導電性ゲル104を収容し、導電性テキスタイル106内での導電性ゲル104の移動及び希釈を防止するように、フレキシブルバスの最外面を構成してもよい。一例では、外部導体216は、約10ミリメートルの幅と、2ミリメートルから3ミリメートル、一例では2.6ミリメートルの厚さとを有する。
【0016】
図3は、例示的な実施形態における、導電性テキスタイル106の層に関するフレキシブルバス102の簡略化された側面図である。これらの層は、第1の導電層302及び第2の導電層304と、第1の導電層302と第2の導電層304との間に隣接して配置された非導電層306とを含む。非導電層306は、第1の導電層302を第2の導電層304から電気的に絶縁する。フレキシブルバス102の導電性ゲル104及び封入材108は、層302、304、306を通って流されるか、層302、304、306を湿潤させるか、層302、304、306に接着されるか、又は他の方法で層302、304、306を飽和させる。したがって、導電性ゲル104は、第1の導電層302及び第2の導電層304と電気的に接触しており、封入材108は、導電性ゲル104の少なくとも一部を取り囲むことができ、それによって、導電性ゲル104をテキスタイル106の別個の位置に収容する。様々な例において、追加の封入材108は、フレキシブルバス102の片側又は両側を覆うことができる。
【0017】
先に検討したように、封入材108は、任意選択で、導電性ゲル104を収容するために、フレキシブルバス102を完全に取り囲むか又は境界付けることができる。それによって、封入材108は更に、導電性ゲル104の導電性テキスタイル106への、又はフレキシブルバス102からの横方向(又は端部)の分散又は漏出を完全に防止することができる。一例では、封入材108が熱可塑性薄膜であり、任意選択で導電性テキスタイル106がフレキシブルバス102に隣接する熱可塑性繊維で構成される非導電層306を含む場合、フレキシブルバス102を取り囲む材料が導電性ゲル104の「ポケット」を概ね密封し、ポケット内の熱可塑性繊維への分散を制限するように、封入材108及び導電性テキスタイル106に対して線形熱プレス作業を実行することができる。同様に、流体状態の封入材108は、フレキシブルバス102の周囲の導電性ゲル104上に鋳造(例えば、熱硬化性樹脂の場合)又は加圧下で塗布(例えば、共成形)されてもよく、封入材108によって画定されるエンベロープを越えて導電性ゲル104が移動するのを防止するために、導電性テキスタイル106の繊維の間に封入材108を分散させる。封入材108は、第1のステップにおいて、フレキシブルバス102のいずれかの側に塗布されて、上述したものと同様のバリアを画定し、硬化又は固化させることができ、その後、封入材108をフレキシブルバス102及びバリア(複数可)上に塗布することができる。
【0018】
図3は、様々な構成要素間の位置関係の実施形態を一般的に提供する簡略化された表現であり、様々な構成要素間の関係の正確な詳細が必ずしも推測されるべきではない、ということを強調しておく。例えば、フレキシブルバス102は、必ずしも層302、304、306を通って均一に又は完全に流れなくてもよい。個々の層302、304、306は、個々のストランドで構成されてもよく、層302、304、306の間の明確な空間境界を必ずしも提供せず、導電層302、304内のストランドは、例えば、ステンレス鋼又は任意の他の好適な導電性材料であってもよい。導電性及び非導電性の両方の個々のストランドは、一緒に織られ、編まれ、又はフェルト化されてもよく、又は不織布製造方法が、結果として生じる導電性テキスタイルを製造するように適用されてもよい。実際に、第1の導電層302及び第2の導電層304のストランドは、様々な例では、全般に導電性テキスタイル106を形成するために、織られ、編まれ、フェルト化され、又は他の方法で非導電層306のストランドと混ぜ合わされてもよい。したがって、第1の導電層302及び第2の導電層304は、それぞれ、少なくとも1つの非導電層306によって互いに対して分離された第1の組の導電性ストランド及び第2の組の導電性ストランドを備えると理解され得る。
【0019】
上述したように、導電性テキスタイル106の更なる例は、1つの導電層のみ、例えば、第1の導電層302を組み込んでいる。そのような例では、第1の導電層302は、少なくとも1つの非導電層306上に、若しくは少なくとも1つの非導電層306に関連して配置されるか、又は少なくとも2つの非導電層306の間に効果的に配置される。更に、非導電層によって分離された導電層のパターンは、所望の数の導電層を有する導電性テキスタイル106を形成するために、所望に応じて繰り返されてもよい。そのような例では、フレキシブルバス102は、導電層の各々を通って流れ、湿潤させ得る。
【0020】
フレキシブルバス102の更なる例は、第1の導電層302と少なくとも1つの非導電層306とを単一又は混合物理層として統合する。そのような例では、第1の導電層302及び非導電層306は、電気的に分離され、別個であるが、物理的に結合されていてもよい。例えば、単一層は、非導電性ストランド上に導電性コーティングを含むことができる。あるいは、単一層は、絶縁層を有さない熱電繊維を含んでもよい。そのような構造は、限定ではなく例として提供され、当該技術分野で知られている、又は開発され得る任意の好適な技術が、単一層の例において利用され得る。
【0021】
図4は、例示的な実施形態における、フレキシブルバス102を組み込んだサーマルブランケット402である。サーマルブランケット402は、任意の好適なシステム又は装置に組み込むことができ、このシステム又は装置では、電源が、導電性テキスタイル106を介して供給するために適切な電力をフレキシブルバス102に供給することができ、その結果生じる加熱は、サーマルブランケット402から、サーマルブランケット402が組み込まれている装置又はシステムに放射することができる。そのような装置又はシステムは、非限定的な例として、ジャケット又はウェットスーツなどの衣料品、ブーツのアッパー又はライナーなどの履物、座面などの家具の一部、毛布、カバー、テントを含むシェルター、キャンパーなどが挙げられ、暖かく保たれること、又は雪、みぞれなどの環境条件がないことが望まれる表面又は構造も挙げられる。あるいは、同じ又は同様の構造を使用して、環境又は隣接する本体から熱を採取し、その熱を電流に変換することができ、その電流を使用して電源を充電することができる。
【0022】
サーマルブランケット402は、導電性テキスタイル106及びフレキシブルバス102を含み、この図では、アノード404などの任意選択の外部導体216によって覆い隠されており、フレキシブルバス102及びアノード404は両方とも、導電性テキスタイル106及びサーマルブランケット402全体の第1の縁部406に、又は第1の縁部406に近接して、例えば数ミリメートル以内に、配置されている。アノード404は、フレキシブルバス102に電気的に結合されてもよく、外部電源とフレキシブルバス102及びフレキシブルバス102との結合を促進してもよい。したがって、アノード404は、電気的接続性及び電力スループットを促進するために所望に応じて組み込まれ得るフレキシブルバス102の構成要素であると理解され得る。カソード408は、任意選択的に、フレキシブルバス102に対して導電性テキスタイル106の第2の縁部410に、又は第2の縁部410に近接して、配置され、電流をフレキシブルバス102から導電性テキスタイル106を介してカソード408に流す。実装されているように、カソード408はそれぞれ、リード412に結合されるか、又は他の方法でリード412を形成して、接地への結合を促進するか、又はフレキシブルバス102に電力を供給する外部電源との回路を他の方法で完成させる。
【0023】
図示の例では、所望の電流の流れ及び結果として生じる加熱パターンを促進するために、及び/又はサーマルブランケット402全体の熱出力密度、例えば単位面積当たりのワット数、及び/又は入力を調整するために、例えば熱を生成又は採取するためにデバイスが使用されているものに応じて、穴414が導電性テキスタイル106に含まれる。穴414もまた、個々のカソード408とリード412とを分離するために間に形成される。穴414は、製造時に導電性テキスタイル106内に形成されてもよく、又は所望のパターンを生成するために任意の後続の時点で導電性テキスタイル106内に切り込まれてもよい。
【0024】
導電性テキスタイル106並びに第1の導電層302及び第2の導電層304の性質のために、所与の層302、304の個々の導電性ストランド206の破断は、必ずしもサーマルブランケット402を動作不能にしない。特に、各層302、304の導電性ストランド206のすべて又は大部分は、フレキシブルバス102に電気的に結合され、第1の縁部406から第2の縁部410まで延在することが予想され得るので、個々のストランド206の切断は、層302、304の他の導電性ストランド206の動作に必ずしも影響を与えない。逆に、サーマルブランケット402は、複数の導電性ストランド206を切断しても動作可能なままであることが期待され得る。これは、当該技術分野において知られているサーマルブランケットとは対照的であり、そのサーマルブランケットは、わずか1つ又は2つの導体を含んではるかに少ない個々の導体しか含まないため、個々の導体が切断された場合に機能しなくなる可能性がはるかに高い。
【0025】
サーマルブランケット402の様々な構成要素の例示的な寸法は、限定ではなく例示の目的でここに提供されており、これらの寸法は、サーマルブランケット402が使用され得る状況に対する所望の電力スループット及び全体的なサイズの両方に比例してスケーリングされ得ることを認識及び理解されたい。更に、フレキシブルバス102の構成要素は、フレキシブルバス102がサーマルブランケット402に組み込まれていない状況では、同様にサイズを変更することができる。例示的な寸法は、アノード404が10ミリメートルの幅で310(414)ミリメートルの長さであり、各カソード408が10ミリメートルの幅で150ミリメートルの長さであることを含む。導電性テキスタイル106は、アノード404とカソード408との間に概ね画定される導電方向に330ミリメートルの長さであり、反対の非導電方向に沿って310(414)ミリメートルの長さである。
【0026】
図5は、例示的な実施形態における、導電性テキスタイル106上にフレキシブルバス102を作製する際の中間ステップの図である。図示された例では、導電性テキスタイル106は、第1の導電層302及び非導電層306を含むが、導電性テキスタイル106は、本明細書に開示されるように、任意の数の所望の導電層及び非導電層を組み込んでもよいことに留意されたい。図示の中間ステップでは、導電性ゲル104が、第1の導電層302及び非導電層306の両方の上に配置又は塗布されている。封入材108は、導電性ゲル104のそれぞれの上に配置又は塗布されている。
【0027】
図示されるように、中間ステップにおいて、加熱要素502は、封入材108及び導電性ゲル104の上及び/又は周囲に配置されている。加熱要素502が加熱され、それによって熱が封入材108及び導電性ゲル104に伝達されると、力504が加熱要素502の各々に加えられて、封入材108を更に押し付けて挟み、その間に導電性ゲル104が収容されるチャネル204を形成する。
【0028】
断面及び平面図の両方において、チャネル204の任意の形状又は位置を使用して、導電性テキスタイル106上の任意の場所にフレキシブルバス102を形成することができることを理解されたい。したがって、フレキシブルバス102は、円形、ジグザグ、曲線、正弦波又は蛇行経路などであってもよい。更に、フレキシブルバス102は、必ずしも導電性テキスタイル106の縁部に沿って形成される必要はなく、むしろ導電性テキスタイル106の中央に形成されてもよい。一例では、フレキシブルバス102が導電性テキスタイル106の縁部に沿って配置されることに代えて、又はそのことに加えて、フレキシブルバス102は、穴414の周囲で各穴414(
図4参照)を取り囲むことができる。
【0029】
図6は、例示的な実施形態における、フレキシブルバス102の一部を作製するためのプロセスの中間ステップの分解図である。フレキシブルバス102は、導電性テキスタイル106の第1の導電層302及び非導電層306に対して配置された導電性ゲル104及び封入材108を含む。フレキシブルバス102は、接着剤602で導電性テキスタイル106に固定された外部導体216を更に含み、外部導体216及び接着剤602は共にアノード404を形成する(
図4参照)。加熱要素502を用いて熱及び力504を加えた後、導電性ゲル104は、導電性テキスタイル106を通して分散し、第1の導電層302のストランド206(
図2参照)及び外部導体216と電気的に結合し、第1の導電層302のストランド206及び外部導体216の間を電気的に結合し得る。図示のように、導電性ゲル104は、外部導体216に対して導電性テキスタイル106の反対側に付着させることができる。任意選択的に、導電性ゲル104は、外部導体216よりもわずかに広くすることができる。
【0030】
図6の例では、外部導体216が封入材108の下に含まれるか、そうでなければ封入材108によって封入され、結果として得られるチャネル204(
図2参照)内に存在することになるが、フレキシブルバス102の様々な例は、完全に又は実質的に封入材108の外側にある外部導体216を含むことに留意されたい。外部導体216の一部は、リード412(
図4参照)に対して適切に封入材108の外側に配置されてもよいことに更に留意されたい。したがって、封入材108の下に外部導体216を含めることは限定的なものではなく、外部導体216の少なくとも一部がどのように封入され得るかの例として提供される。
【0031】
接着剤602は、外部導体216を導電性テキスタイル106に固定するための任意の好適な糊、エポキシ、ペースト、薄膜などであってよい。図示のように、接着剤602は、外部導体216を導電性テキスタイル106と接触させて配置する前に、外部導体216に既に塗布されている。したがって、図示の外部導体216は、銅テープ又は他の関連する材料若しくは製品であってもよい。あるいは、接着剤602を導電性テキスタイル106に塗布し、次いで、加熱要素502によって熱及び力504が加えられる前に、外部導体216を接着剤602と接触させてもよい。
【0032】
図7は、例示的な実施形態における、周辺フレキシブル基板702と結合されたサーマルブランケット402を組み込んだシステムである。様々な例では、フレキシブル基板702は、金属クラッド層を有する第1の基板層と、導電性ゲル104から形成されたトレースを含む第2の基板層とから形成され、第1の基板層は、第2の基板層に接合されるか、又は他の方法で取り付けられる。様々な例において、第1の基板層は、他の化合物又は材料の中でも特に、熱硬化性エポキシ系薄膜、TPU、及び/又はシリコーンのうちの1つから形成される。一例では、第1の基板層は、銅クラッドエポキシ系薄膜である。フレキシブル基板702は、電源、外部プロセッサ、制御回路など、より広いシステムの外部構成要素と更に結合することができる。第1及び第2の基板層並びにその様々な可能な構成の詳細は、米国特許出願公開第2020/0381349号「CONTINUOUS INTERCONNECTS BETWEEN HETEROGENEOUS MATERIALS」(Ronay et al.)に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
フレキシブル基板702は、コントローラ、電力回路、例えばトランジスタ、抵抗器、コンデンサといった表面実装部品、又は任意の他の所望の電子部品など、1つ以上の電子部品704を含む。電子部品704は、第1の基板層の金属クラッド層にはんだ付け又は他の方法で固定されてもよい。フレキシブル基板702は、リード412に電気的に結合された金属クラッド層から形成された電極706によって、例えば、はんだ付け又はフレキシブル電子機器を電気的に結合する任意の他の好適なモードによって、サーマルブランケット402に電気的に結合される。
【0034】
ここではフレキシブル基板702の例が示されているが、電子部品704の一部又は全部がサーマルブランケット402上に直接組み込まれてもよく、フレキシブル基板702が任意選択で省略されてもよいことを認識及び理解されたい。追加的又は代替的に、電子部品704は、サーマルブランケット402とフレキシブル基板702との間で分割されてもよい。そのような例では、電子部品704は、導電性ストランド206の一部に、外部導体216又はアノード404に、及び/又はカソード408に電気的に結合されてもよく、例えば、はんだ付けされてもよい。
【0035】
図9A及び
図9Bは、それぞれ、例示的な実施形態におけるフレキシブルバス802の分解側面図及び切断側面図である。特に、フレキシブルバス802は、導電性ゲル104と、封入材108によって封入された外部導体216とを含む。しかしながら、フレキシブルバス102とは対照的に、フレキシブルバス802は、導電性若しくはその他のファブリック、又は他の物質を含まないか、又はそれらに関連して実装されない。
【0036】
封入材108は、本明細書に開示されるように、フレキシブル及び/又は伸縮性薄膜として様々に実装され得る。外部導体216は、銅又は他の好適な導体で構成されていてもよい。図示されるように、外部導体216は、薄いシートとして実装されるが、外部導体216のための任意の所望の及び/又は好適な構成が、フレキシブルバス802が利用される又は利用されることが意図される状況に適切であるように実装され得ることを認識及び理解されたい。更に、様々な例において、外部導体216は、封入材108及び/又は導電性ゲル104に接着されるように構成された接着面を有するテープとして実装されてもよい。
【0037】
様々な例において、導電性ゲル104は、例えばスクリーン印刷されることによって、封入材108上に印刷され、次いで、外部導体216は、外部導体216内に配置されるか、塗布されるか、又は他の方法で含められる。追加的又は代替的に、導電性ゲル104及び封入材108は、米国特許第11,088,063号「STRUCTURES WITH DEFORMABLE CONDUCTORS」(Ronay et al.)に開示されているようなステンシルインプレイスプロセスによって形成されてもよく、この米国特許は、その全体が本明細書に組み込まれる。次いで、封入材108を処理して、本明細書に開示され、
図8Bに示されるような封入シールを形成することができる。
【0038】
図9は、例示的な実施形態におけるサーマルブランケット402を作製するためのフローチャートである。フローチャートはサーマルブランケット402に関して説明されるが、フローチャートの一部は、サーマルブランケット402に関係なくフレキシブルバス102を作製するために利用されてもよいことを認識及び理解されたい。更に、フローチャートの様々な動作は、本明細書で開示されるようなサーマルブランケット402及びフレキシブルバス102の構成要素に関して説明されるが、動作はそのような構成要素のみに限定されず、動作は、当業者によって認識されるような任意の好適な構成要素上で又は任意の好適な構成要素を用いて実行され得ることを認識及び理解されたい。
【0039】
902において、導電性ゲル104は、導電性テキスタイル106上の所望の位置に配置される。一例において、導電性ゲル104は、導電性テキスタイル106の第1の縁部406に近接して配置される。
【0040】
904において、封入材108は、導電性ゲル104に近接して、導電性ゲル104の上に、又は導電性ゲル104を覆って、導電性テキスタイル106上に配置される。
ブロック906において、1つ以上の加熱要素502を用いて熱及び/又は圧力が印加され、導電性ゲル104及び封入材108を導電性テキスタイル106内の空隙に流入させ、導電性ゲル104を導電性テキスタイル106の導電性ストランド206のうちの少なくとも一部と電気的に接触させる。封入材108の配置は、導電性ゲル104を拘束し、導電性ゲル104が概して導電性テキスタイル106を通って流れることを防止することができる。
【0041】
908において、906において熱及び/又は圧力を加えることにより、任意選択的に、封入材108が、導電性ゲル104が収容されるチャネル204を形成する。
910において、アノード404は、導電性ゲル104と電気的に接触して動作可能に結合された、導電性テキスタイル106に適用される。
【0042】
912において、カソード408は、導電性ストランド206の少なくとも一部と電気的に接触し、動作可能に結合された、導電性テキスタイル106に適用される。
本明細書全体を通して、複数の実体が、単一の実体として説明される構成要素、動作、又は構造を実装することができる。1つ以上の方法の個々の動作が別個の動作として例示及び説明されているが、個々の動作のうちの1つ以上は同時に実行されてもよく、動作が例示された順序で実行されることを必要とするものはない。例示的な構成において別個の構成要素として提示される構造及び機能は、組み合わされた構造又は構成要素として実装されてもよい。同様に、単一の構成要素として提示された構造及び機能は、別個の構成要素として実装されてもよい。これら及び他の変形、修正、追加、及び改良は、本明細書の主題の範囲内に入る。
【0043】
特定の実施形態は、本明細書では、論理又はいくつかの構成要素、モジュール、若しくは機構を含むものとして説明されている。モジュールは、ソフトウェアモジュール(例えば、機械可読媒体上又は伝送信号内に具現化されたコード)又はハードウェアモジュールのいずれかを構成することができる。「ハードウェアモジュール」は、特定の動作を実行することが可能な有形のユニットであり、特定の物理的方法で構成又は配置することができる。様々な例示的な実施形態では、1つ以上のコンピュータシステム(例えば、スタンドアロンコンピュータシステム、クライアントコンピュータシステム、又はサーバコンピュータシステム)又はコンピュータシステムの1つ以上のハードウェアモジュール(例えば、プロセッサ又はプロセッサのグループ)は、ソフトウェア(例えば、アプリケーション又はアプリケーション部分)によって、本明細書に記載されるような特定の動作を実行するように動作するハードウェアモジュールとして構成することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、ハードウェアモジュールは、機械的に、電子的に、又はそれらの任意の好適な組み合わせで実装されてもよい。例えば、ハードウェアモジュールは、特定の動作を実行するように恒久的に構成された専用回路又は論理を含んでもよい。例えば、ハードウェアモジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)又はASICなどの専用プロセッサであってもよい。ハードウェアモジュールはまた、特定の動作を実行するようにソフトウェアによって一時的に構成されるプログラマブル論理又は回路を含んでもよい。例えば、ハードウェアモジュールは、汎用プロセッサ又は他のプログラマブルプロセッサ内に含まれるソフトウェアを含むことができる。ハードウェアモジュールを機械的に、専用かつ恒久的に構成された回路で、又は一時的に構成された(例えば、ソフトウェアによって構成された)回路で実装するという決定は、コスト及び時間の考慮によって左右され得ることができることが理解されよう。
【0045】
したがって、「ハードウェアモジュール」という語句は、有形のエンティティを包含し、特定の方法で動作するように、又は本明細書に記載の特定の動作を実行するように、物理的に構築され、恒久的に構成され(例えば、ハードワイヤード)、又は一時的に構成される(例えば、プログラムされる)エンティティであると理解されるべきである。本明細書で使用される場合、「ハードウェア実装モジュール」は、ハードウェアモジュールを指す。ハードウェアモジュールが一時的に構成される(例えば、プログラムされる)実施形態を考慮すると、ハードウェアモジュールの各々は、任意のある時点において構成又はインスタンス化される必要はない。例えば、ハードウェアモジュールが、専用プロセッサになるようにソフトウェアによって構成された汎用プロセッサを含む場合、汎用プロセッサは、異なる時間に(例えば、異なるハードウェアモジュールを含む)それぞれ異なる専用プロセッサとして構成することができる。ソフトウェアは、プロセッサを適宜に構成して、例えば、ある時点において特定のハードウェアモジュールを構成し、異なる時点において異なるハードウェアモジュールを構成することができる。
【0046】
ハードウェアモジュールは、他のハードウェアモジュールに情報を提供し、他のハードウェアモジュールから情報を受信することができる。したがって、説明されるハードウェアモジュールは、通信可能に結合されていると見なすことができる。複数のハードウェアモジュールが同時に存在する場合、通信は、ハードウェアモジュールのうちの2つ以上の間での(例えば、適切な回路及びバスを介した)信号送信を通じて達成することができる。複数のハードウェアモジュールが異なる時間に構成又はインスタンス化される実施形態では、そのようなハードウェアモジュール間の通信は、例えば、複数のハードウェアモジュールがアクセスするメモリ構造内の情報の記憶及び取り出しを通じて達成することができる。例えば、1つのハードウェアモジュールは、動作を実行し、その動作の出力を、その1つのハードウェアモジュールが通信可能に結合されているメモリデバイスに記憶することができる。次いで、更なるハードウェアモジュールが、後にメモリデバイスにアクセスして、記憶された出力を取り出し、処理することができる。ハードウェアモジュールはまた、入力又は出力デバイスとの通信を開始してもよく、リソース(例えば、情報の集合)に対して動作することができる。
【0047】
本明細書に記載の例示的な方法の様々な動作は、関連する動作を実行するように(例えば、ソフトウェアによって)一時的に構成される又は恒久的に構成される1つ以上のプロセッサによって、少なくとも部分的に実行することができる。一時的に構成されるか又は恒久的に構成されるかにかかわらず、そのようなプロセッサは、本明細書に記載の1つ以上の動作又は機能を実行するように動作するプロセッサ実装モジュールを構成することができる。本明細書で使用されるとき、「プロセッサ実装モジュール」は、1つ以上のプロセッサを使用して実装されるハードウェアモジュールを指す。
【0048】
同様に、本明細書に記載の方法は、少なくとも部分的にプロセッサ実装することができ、プロセッサは、ハードウェアの例である。例えば、方法の動作のうちの少なくともいくつかは、1つ以上のプロセッサ又はプロセッサ実装モジュールによって実行することができる。更に、1つ以上のプロセッサは、「クラウドコンピューティング」環境において、又は「サービスとしてのソフトウェア」(software as a service、SaaS)として、関連する動作の実行をサポートするように動作することもできる。例えば、動作の少なくともいくつかは、コンピュータのグループ(プロセッサを含むマシンの例として)によって実行されてもよく、これらの動作は、ネットワーク(例えば、インターネット)を介して、及び1つ以上の適切なインターフェース(例えば、アプリケーションプログラムインターフェース(API))を介してアクセス可能である。
【0049】
特定の動作の実行は、1つ以上のプロセッサ間で分散されてもよく、単一のマシン内に存在するだけでなく、いくつかのマシンにわたって展開されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、1つ以上のプロセッサ又はプロセッサ実装モジュールは、単一の地理的位置(例えば、家庭環境、オフィス環境、又はサーバファーム内)に位置してもよい。他の例示的な実施形態では、1つ以上のプロセッサ又はプロセッサ実装モジュールは、いくつかの地理的位置にわたって分散することができる。
【0050】
本明細書に記載の物品に含まれる導電性ゲルなどの導電性組成物は、例えば、とりわけ、酸化ガリウムが共晶ガリウム合金に混合されたときに酸化ガリウムが組成物に与えることができる構造を利用することによって生成することができるペースト様の又はゲルの粘度を有することができる。共晶ガリウム合金に混合されると、酸化ガリウムは、本明細書で更に説明されるマイクロ又はナノ構造を形成することができ、この構造は、共晶ガリウム合金のバルク材料特性を変更することができる。
【0051】
本明細書で使用される場合、「共晶」という用語は、一般に、最も低い融点を有する組成物の2つ以上の相の混合物を指し、相はこの温度で溶融溶液から同時に結晶化する。共晶を得るための相の比は、状態図上の共晶点によって特定される。共晶合金の特徴の1つは、その鋭い融点である。
【0052】
導電性組成物は、導電性せん断減粘ゲル組成物として特徴付けることができる。本明細書に記載の導電性組成物は、ビンガムプラスチックの特性を有する組成物としても特徴付けることができる。例えば、導電性組成物は、剛性であり、かつ、低応力においては高さ及び幅によって特徴付けられる3次元特徴を形成及び維持することができるが、高応力においては粘性流体として流動するように、粘塑性であることができる。したがって、例えば、導電性組成物は、低せん断下で約10,000,000mPa・s(10,000,000cP)~約40,000,000mPa・s(40,000,000cP)、高せん断で約150~180の範囲の粘度を有することができる。例えば、低せん断条件下では、組成物は、低せん断条件下で約10,000,000mP・s(10,000,000cP)、約15,000,000mP・s(15,000,000cP)、約20,000,000mP・s(20,000,000cP)、約25,000,000mP・s(25,000,000cP)、約30,000,000mP・s(30,000,000cP)、約45,000,000mP・s(45,000,000cP)、又は約40,000,000mP・s(40,000,000cP)の粘度を有する。高せん断条件下で、組成物は、約150mP・s(150cP)、約155mP・s(155cP)、約160mP・s(160cP)、165mP・s(165cP)、約170mP・s(170cP)、約175mP・s(175cP)、又は約180mP・s(180cP)の粘度を有する。
【0053】
本明細書に記載の導電性組成物は、任意の好適な導電率、例えば約2×105S/m~約8×105S/mの導電率を有することができる。
本明細書に記載の導電性組成物は、任意の好適な融点、例えば、約-20℃~約10℃、約-10℃~約5℃、約-5℃~約5℃、又は約-5℃~約0℃の融点を有することができる。
【0054】
導電性組成物は、共晶ガリウム合金と酸化ガリウムとの混合物を含むことができ、共晶ガリウム合金と酸化ガリウムとの混合物は、約59.9%~約99.9%、例えば約67%~約90%の重量パーセンテージ(wt%)の共晶ガリウム合金と、約0.1%~約2.0%、例えば約0.2%~約1%のwt%の酸化ガリウムとを有する。例えば、導電性組成物は、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又はそれを超える、例えば約99.9%の共晶ガリウム合金と、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1.0%、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、及び約2.0%の酸化ガリウムとを有することができる。
【0055】
共晶ガリウム合金は、任意の元素比でガリウム-インジウム又はガリウム-インジウム-スズを含むことができる。例えば、共晶ガリウム合金は、ガリウム及びインジウムを含む。導電性組成物は、ガリウム-インジウム合金中に、約40%~約95%、例えば、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、又は約95%の任意の好適なガリウムの重量パーセンテージを有することができる。
【0056】
導電性組成物は、ガリウム-インジウム合金中に、約5%~約60%、例えば、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、又は約60%のインジウムの重量パーセンテージを有することができる。
【0057】
共晶ガリウム合金は、ガリウム及びスズを含むことができる。例えば、導電性組成物は、約0.001%~約50%、例えば、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、又は約50%の、合金中のスズの重量パーセンテージを有することができる。
【0058】
導電性組成物は、共晶ガリウム合金及び酸化ガリウムとブレンドされた1つ以上のマイクロ粒子又はサブミクロンスケールの粒子を含むことができる。粒子は、共晶ガリウム合金内に懸濁させることができ、共晶ガリウム合金又はガリウムで被覆され、酸化ガリウム内に封入されるか、又は前述の方法で被覆されない。マイクロ又はサブミクロンスケールの粒子は、ナノメートルからマイクロメートルまでのサイズの範囲とすることができ、ガリウム、ガリウム-インジウム合金、又はガリウム-インジウム-スズ合金中に懸濁することができる。粒子対合金比は変化させることができ、導電性組成物の流動特性を変えることができる。マイクロ構造及びナノ構造は、超音波処理又は他の好適な手段によって導電性組成物内にブレンドすることができる。導電性組成物は、共晶ガリウム合金/酸化ガリウム混合物内のマイクロ及びナノ構造のコロイド懸濁液を含むことができる。
【0059】
導電性組成物は、組成物内に分散された1つ以上のマイクロ粒子又はサブミクロンスケールの粒子を更に含むことができる。これは、導電性組成物内、具体的には共晶ガリウム合金流体内に、共晶ガリウム合金又はガリウムで被覆され、酸化ガリウムで封入された、又は前述の方法で被覆されていない粒子を懸濁させることを含む任意の好適な方法で達成することができる。これらの粒子は、ナノメートルからマイクロメートルまでのサイズの範囲とすることができ、ガリウム、ガリウム-インジウム合金、又はガリウム-インジウム-スズ合金中に懸濁することができる。粒子対合金比は、とりわけ、合金及び導電性組成物の少なくとも1つの流体特性を変化させるために変化させることができる。更に、コロイド懸濁液又は共晶ガリウム合金への任意の補助材料の添加は、とりわけ、その物理的、電気的又は熱的特性を強化又は修正するためである。共晶ガリウム合金及び導電性組成物のうちの少なくとも1つの内のマイクロ及びナノ構造の分布は、粒子の添加を伴わない超音波処理又は他の機械的手段を含む任意の好適な手段によって達成することができる。特定の実施形態において、1つ以上のマイクロ粒子又はサブミクロン粒子は、共晶ガリウム合金及び導電性組成物のうちの少なくとも1つと、重量%で約0.001%~約40.0%のマイクロ粒子、例えば、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、又は約40%のマイクロ粒子とブレンドされる。
【0060】
1つ以上のマイクロ又はサブミクロン粒子は、ソーダガラス、シリカ、ホウケイ酸ガラス、石英、酸化銅、銀被覆銅、非酸化銅、タングステン、過飽和スズ顆粒、ガラス、グラファイト、例えば銀被覆銅球や銀被覆銅フレークといった銀被覆銅、銅フレーク、銅球、それらの組み合わせ、又は、共晶ガリウム合金及び導電性組成物のうちの少なくとも1つによって湿潤され得る任意の他の材料を含む、任意の好適な材料から作製され得る。1つ以上のマイクロ粒子又はサブミクロンスケールの粒子は、回転楕円体、ロッド、チューブ、フレーク、プレート、立方体、角柱、角錐、ケージ、及びデンドリマーの形状を含む、任意の好適な形状を有し得る。1つ以上のマイクロ粒子又はサブミクロンスケールの粒子は、約0.5ミクロン、約0.6ミクロン、約0.7ミクロン、約0.8ミクロン、約0.9ミクロン、約1ミクロン、約1.5ミクロン、約2ミクロン、約3ミクロン、約4ミクロン、約5ミクロン、約6ミクロン、約7ミクロン、約8ミクロン、約9ミクロン、約10ミクロン、約11ミクロン、約12ミクロン、約13ミクロン、約14ミクロン、約15ミクロン、約16ミクロン、約17ミクロン、約18ミクロン、約19ミクロン、約20ミクロン、約21ミクロン、約22ミクロン、約23ミクロン、約24ミクロン、約25ミクロン、約26ミクロン、約27ミクロン、約28ミクロン、約29ミクロン、約30ミクロン、約31ミクロン、約32ミクロン、約33ミクロン、約34ミクロン、約35ミクロン、約36ミクロン、約37ミクロン、約38ミクロン、約39ミクロン、約40ミクロン、約41ミクロン、約42ミクロン、約43ミクロン、約44ミクロン、約45ミクロン、約46ミクロン、約47ミクロン、約48ミクロン、約49ミクロン、約50ミクロン、約51ミクロン、約52ミクロン、約53ミクロン、約54ミクロン、約55ミクロン、約56ミクロン、約57ミクロン、約58ミクロン、約59ミクロン、又は約60ミクロンのような、約0.5ミクロン~約60ミクロンのサイズ範囲を含む、任意の好適なサイズを有し得る。
【0061】
本明細書に記載される導電性組成物は、共晶ガリウム合金の表面上に形成された表面酸化物を、表面酸化物/合金界面のせん断混合によって共晶ガリウム合金のバルク中にブレンドすることを含む方法を含む、任意の好適な方法によって作製することができる。このような組成物のせん断混合は、表面酸化物中に架橋マイクロ構造を引き起こすことができ、それによって、導電性せん断減粘ゲル組成物を形成する。マイクロ構造のコロイド懸濁液は、共晶ガリウム合金/酸化ガリウム混合物内に、例えば酸化ガリウム粒子及び/又はシートとして形成することができる。
【0062】
表面酸化物は、約0.1%(重量)~約2.0%の酸化ガリウムに対して、約59.9%(重量)~約99.9%の共晶ガリウム合金の比率などの任意の好適な比率でブレンドすることができる。例えば、酸化ガリウムとブレンドされたガリウム合金の重量パーセンテージは、約60%、61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又はそれを超える、例えば約99.9%などの共晶ガリウム合金であるのに対して、酸化ガリウムの重量パーセンテージは、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1.0%、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、及び約2.0%の酸化ガリウムである。実施形態において、共晶ガリウム合金は、列挙された元素の任意の比率でガリウム-インジウム又はガリウム-インジウム-スズを含むことができる。例えば、共晶ガリウム合金は、ガリウム及びインジウムを含むことができる。
【0063】
ガリウム-インジウム合金中のガリウムの重量パーセンテージは、約40%~約95%、例えば、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、又は約95%であり得る。
【0064】
代替的又は追加的に、ガリウム-インジウム合金中のインジウムの重量パーセンテージは、約5%~約60%、例えば、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、又は約60%であり得る。
【0065】
共晶ガリウム合金は、ガリウム、インジウム、及びスズを含むことができる。ガリウム-インジウム-スズ合金中のスズの重量パーセンテージは、約0.001%~約50%、例えば、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、又は約50%であり得る。
【0066】
ガリウム-インジウム-スズ合金中のガリウムの重量パーセンテージは、約40%~約95%、例えば、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、又は約95%であり得る。
【0067】
代替的又は追加的に、ガリウム-インジウム-スズ合金中のインジウムの重量パーセンテージは、約5%~約60%、例えば、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、又は約60%であり得る。
【0068】
1つ以上のマイクロ粒子又はサブミクロンスケールの粒子を、共晶ガリウム合金及び酸化ガリウムとブレンドすることができる。例えば、1つ以上のマイクロ粒子又はサブミクロン粒子は、組成物中のマイクロ粒子の重量%が約0.001%~約40.0%、例えば、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、又は約40%である混合物とブレンドすることができる。実施形態において、粒子は、ソーダガラス、シリカ、ホウケイ酸ガラス、石英、酸化銅、銀被覆銅、非酸化銅、タングステン、過飽和スズ顆粒、ガラス、グラファイト、例えば銀被覆銅球や銀被覆銅フレークといった銀被覆銅、銅フレーク、銅球、それらの組み合わせ、又は、ガリウムによって湿潤され得る任意の他の材料であり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のマイクロ粒子又はサブミクロンスケールの粒子は、回転楕円体、ロッド、チューブ、フレーク、プレート、立方体、角柱、角錐、ケージ、及びデンドリマーの形状である。特定の実施形態において、1つ以上のマイクロ粒子又はサブミクロンスケールの粒子は、約0.5ミクロン、約0.6ミクロン、約0.7ミクロン、約0.8ミクロン、約0.9ミクロン、約1ミクロン、約1.5ミクロン、約2ミクロン、約3ミクロン、約4ミクロン、約5ミクロン、約6ミクロン、約7ミクロン、約8ミクロン、約9ミクロン、約10ミクロン、約11ミクロン、約12ミクロン、約13ミクロン、約14ミクロン、約15ミクロン、約16ミクロン、約17ミクロン、約18ミクロン、約19ミクロン、約20ミクロン、約21ミクロン、約22ミクロン、約23ミクロン、約24ミクロン、約25ミクロン、約26ミクロン、約27ミクロン、約28ミクロン、約29ミクロン、約30ミクロン、約31ミクロン、約32ミクロン、約33ミクロン、約34ミクロン、約35ミクロン、約36ミクロン、約37ミクロン、約38ミクロン、約39ミクロン、約40ミクロン、約41ミクロン、約42ミクロン、約43ミクロン、約44ミクロン、約45ミクロン、約46ミクロン、約47ミクロン、約48ミクロン、約49ミクロン、約50ミクロン、約51ミクロン、約52ミクロン、約53ミクロン、約54ミクロン、約55ミクロン、約56ミクロン、約57ミクロン、約58ミクロン、約59ミクロン、又は約60ミクロンのような、約0.5ミクロン~約60ミクロンのサイズ範囲にある。
【0069】
実施例
実施例1は、装置であって、複数の導電性ストランドを備える導電性テキスタイルと、導電性ストランドに電気的に結合された導電性ゲル、及び、導電性テキスタイルに接合され、導電性ストランドと接触している導電性ゲルを収容するように構成された封入材、を備えるフレキシブルバスと、を備え、フレキシブルバスは、電源に電気的に結合され、電源から導電性ストランドに電流を誘導するように構成されている、装置である。
【0070】
実施例2において、実施例1の主題は、導電性ストランドが導電性テキスタイルの導電層を形成することを含む。
実施例3において、実施例1又は2のいずれか1つ以上の主題は、導電性テキスタイルが、非導電性ストランドで構成される非導電層を更に備え、非導電層は導電層に隣接して配置されていることを含む。
【0071】
実施例4において、実施例1~3のいずれか1つ以上の主題は、フレキシブルバスが導電性テキスタイルの第1の縁部に近接して配置されることを含む。
実施例5において、実施例1~4のいずれか1つ以上の主題は、第1の縁部の反対側の導電性テキスタイルの第2の縁部に近接して配置されたカソードを含み、カソードは、電流が導電層上を流れることを可能にする電気回路を完成させるように構成されている。
【0072】
実施例6において、実施例1~5のいずれか1つ以上の主題は、カソードに動作可能に結合されたフレキシブル基板を含み、フレキシブル基板は、第1の基板層と、第2の基板層と、表面実装部品とを備え、第1の基板層は金属クラッド層を備え、第2の基板層は導電性ゲルから形成されたトレースを含み、表面実装部品は金属クラッド層に電気的に結合されている。
【0073】
実施例7において、実施例1~6のいずれか1つ以上の主題は、フレキシブルバスが、導電性ゲルに電気的に結合されたアノードを更に備え、電源は、電流が電源から導電性ゲルに流れることを可能にするためにアノードに電気的に結合されるように構成されていることを含む。
【0074】
実施例8において、実施例1~7のいずれか1つ以上の主題は、複数の導電性ストランドが、第1の縁部と第2の縁部との間に延びていることを含む。
実施例9において、実施例1~8のいずれか1つ以上の主題は、複数の非導電性ストランドが導電性ストランドに直交して延びていることを含む。
【0075】
実施例10において、実施例1~9のいずれか1つ以上の主題は、導電層が第1の導電層であり、導電性テキスタイルが、導電性ゲルに電気的に結合された第2の導電層を更に備え、非導電層が、第1の導電層と第2の導電層との間に配置され、非導電層及び封入材が、第1の導電層と第2の導電層との間の電気的絶縁を提供することを含む。
【0076】
実施例11は、装置であって、導電性ストランド及び非導電性ストランドを備える導電性テキスタイルと、少なくとも部分的に導電性テキスタイルに延びてその一部を囲むチャネルを形成している封入材と、チャネル内の導電性テキスタイル内に分散され、導電性ストランドのうちの少なくとも一部に電気的に結合された導電性ゲルと、を備える、装置である。
【0077】
実施例12において、実施例11の主題は、導電性ストランド及び非導電性ストランドがチャネルを越えて延びていることを含む。
実施例13において、実施例11及び12のいずれか1つ以上の主題は、封入材が、互いに対向する少なくとも2つの壁を形成し、チャネルが、2つの対向する壁によって少なくとも部分的に画定される幅を有し、導電性ストランド及び非導電性ストランドの少なくとも一部が、2つの壁のうちの少なくとも1つを通って、かつ越えて延びていることを含む。
【0078】
実施例14において、実施例11~13のいずれか1つ以上の主題は、導電性ストランド及び非導電性ストランドの少なくとも一部が、2つの壁の両方を通って、かつ越えて延びていることを含む。
【0079】
実施例15において、実施例11~14のいずれか1つ以上の主題は、導電性ゲルに電気的に結合されたアノードを含み、電源は、電流が電源から導電性ゲルに流れることを可能にするためにアノードに電気的に結合されるように構成されている。
【0080】
実施例16において、実施例11~15のいずれか1つ以上の主題は、アノードが外部導体及び接着剤を備え、接着剤がアノードを導電性テキスタイルに固定するように構成されていることを含む。
【0081】
実施例17において、実施例11~16のいずれか1つ以上の主題は、外部導体が接着剤によって裏打ちされた銅箔であることを含む。
実施例18において、実施例11~17のいずれか1つ以上の主題は、導電性ゲルとは別個に導電性テキスタイル上に配置されたカソードを含み、カソードは、電流が導電層上を流れることを可能にする電気回路を完成するように構成されている。
【0082】
実施例19において、実施例11~18のいずれか1つ以上の主題は、導電性ストランドが互いに対してほぼ平行であり、非導電性ストランドが導電性ストランドに直交して延びていることを含む。
【0083】
実施例20は、フレキシブル電子バスであって、複数の導電性ストランドを備える導電性テキスタイルと、導電性ストランドに電気的に結合された導電性ゲルと、導電性テキスタイルに接合され、導電性ストランドと接触している導電性ゲルを収容するように構成された封入材とを備え、フレキシブルバスは、電源に電気的に結合され、電源から導電性ストランドに電流を誘導するように構成されている、フレキシブル電子バスである。
【0084】
実施例21において、実施例20の主題は、導電性ゲルに電気的に結合されたアノードを含み、電源は、電流が電源から導電性ゲルに流れることを可能にするためにアノードに電気的に結合されるように構成されている。
【0085】
実施例22において、実施例20及び21のいずれか1つ以上の主題は、封入材が、導電性ゲルを少なくとも部分的に含むチャネルを形成し、チャネルは互いに対向する少なくとも2つの壁によって画定され、チャネルが、2つの対向する壁によって少なくとも部分的に画定される幅を有することを含む。
【0086】
実施例23は、方法であって、導電性テキスタイル上に導電性ゲルを配置することと、導電性ゲルに近接して導電性テキスタイル上に封入材を配置することと、導電性ゲルを導電性テキスタイルの導電性ストランドに電気的に結合し、導電性ゲルを封入材内に少なくとも部分的に拘束するために、加熱要素を用いて、熱及び圧力のうちの少なくとも1つを導電性ゲル及び封入材に加えることと、を含む方法である。
【0087】
実施例24において、実施例23の主題は、熱及び圧力のうちの少なくとも1つを加えることが、導電性テキスタイル及び導電性ゲルの一部を囲むチャネル内に封入材を形成することを含む。
【0088】
実施例25において、実施例23及び24のいずれか1つ以上の主題は、熱及び圧力のうちの少なくとも1つを加えることが、チャネルの幅を画定する少なくとも2つの壁に封入材を形成し、導電性ストランドのうちの少なくとも一部が、2つの壁のうちの少なくとも1つを通って、かつ越えて延びていることを含む。
【0089】
実施例26において、実施例23~25のいずれか1つ以上の主題は、導電性ストランド及び非導電性ストランドの少なくとも一部が、2つの壁の両方を通って、かつ越えて延びていることを含む。
【0090】
実施例27は、フレキシブルバスであって、チャネルを画定する封入材と、チャネルを実質的に充填する空隙を有する第1の材料と、第1の材料の空隙を実質的に充填する導電性ゲルと、を備えるフレキシブルバスである。
【0091】
実施例28において、実施例27の主題は、チャネルが断面形状を有し、封入材がその形状の囲まれた周囲を画定していることを含む。
実施例29において、実施例27及び28のいずれか1つ以上の主題は、導電性ゲル及び第1の材料が、囲まれた周囲によって境界付けられた領域を実質的に充填することを含む。
【0092】
実施例30において、実施例27~29のいずれか1つ以上の主題は、チャネル内に金属の薄い箔を含む。
実施例31において、実施例27~30のいずれか1つ以上の主題は、チャネルが断面形状を有し、封入材がその形状の囲まれた周囲を画定していることを含む。
【0093】
実施例32において、実施例27~31のいずれか1つ以上の主題は、導電性ゲル、第1の材料、及び金属箔が、囲まれた周囲によって境界付けられた領域を実質的に充填することを含む。
【0094】
実施例33において、実施例30~32の主題は、金属箔が銅を含むことを含む。
実施例34において、実施例27~33のいずれか1つ以上の主題は、第1の材料がテキスタイルであることを含む。
【0095】
実施例35において、実施例27~34のいずれか1つ以上の主題は、第1の材料がオープンセル材料であることを含む。
実施例36は、処理回路によって実行されると、処理回路に、実施例1~35のいずれかを実装する動作を実行させる命令を含む、少なくとも1つの機械可読媒体である。
【0096】
実施例37は、実施例1~35のいずれかを実装する手段を備える装置である。
実施例38は、実施例1~35のいずれかを実装するシステムである。
実施例39は、実施例1~35のいずれかを実装する方法である。
【0097】
本明細書のいくつかの部分は、マシンメモリ(例えば、コンピュータメモリ)内にビット又はバイナリデジタル信号として記憶されたデータに対する動作のアルゴリズム又は記号表現に関して提示されている。これらのアルゴリズム又は記号表現は、データ処理分野の当業者が自分の作業の内容を他の当業者に伝えるために使用する技法の例である。本明細書で使用される場合、「アルゴリズム」は、所望の結果をもたらす自己矛盾のない動作シーケンス又は同様の処理である。この文脈では、アルゴリズム及び動作は、物理量の物理的操作を含む。典型的には、必須ではないが、そのような量は、機械によって記憶され、アクセスされ、転送され、組み合わされ、比較され、又は他の方法で操作されることが可能な電気信号、磁気信号、又は光信号の形態をとることができる。主に一般的な用法であるという理由で、「データ」、「内容」、「ビット」、「値」、「要素」、「記号」、「文字」、「項」、「数」、「数字」などの語を使用してそのような信号を指すことが時には便利である。しかしながら、これらの語は単に便利なラベルであり、適切な物理量に関連付けられるべきである。
【0098】
特に明記しない限り、「処理」、「コンピューティング」、「計算」、「決定」、「提示」、「表示」などの語を使用する本明細書の説明は、1つ以上のメモリ(例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、若しくはそれらの任意の好適な組合せ)、レジスタ、又は情報を受信、記憶、送信、若しくは表示する他の機械構成要素内の物理的(例えば、電子的、磁気的、又は光学的)量として表されるデータを操作又は変換する機械(例えば、コンピュータ)の動作又はプロセスを指すことがある。更に、特に明記しない限り、用語「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、特許文献で一般的であるように、1つ又は2つ以上のものを含むように本明細書では使用される。最後に、本明細書で使用される場合、接続詞「又は」は、特に明記しない限り、非排他的な「又は」を指す。
【国際調査報告】