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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】メータリングシステム
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20240614BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
B05C5/00 101
B05C11/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572061
(86)(22)【出願日】2022-05-31
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 EP2022064801
(87)【国際公開番号】W WO2022253850
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】102021114302.0
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514024918
【氏名又は名称】フェルメス マイクロディスペンシング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュミットバーガー、ジーモン
(72)【発明者】
【氏名】フリース、マリオ
【テーマコード(参考)】
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
4F041AB01
4F041BA02
4F041BA05
4F041BA12
4F041BA36
4F042AB00
4F042BA12
4F042CB07
4F042CB08
4F042CB11
(57)【要約】
本発明は、筐体(2)と、その中に位置するピエゾアクチュエータ(10)と、バルブ(16)を有する流体ユニット(15)と、バルブ(16)を閉じるためのプランジャー装置(40)と、ピエゾアクチュエータ(10)をプランジャー装置(40)に連結するためのトランスミッションレバー(20)と、を有するメータリングシステム(1)に関し、ピエゾアクチュエータ(10)は、筐体(2)内において、プランジャー装置(40)の隣に、略平行に配置され、ピエゾアクチュエータ(10)は、実質的に、バルブ(16)に向く側の方向に、トランスミッションレバー(20)から離れる方に延在する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メータリングシステム(1)であって、
前記メータリングシステム(1)は、
筐体(2)と、
その中に位置するピエゾアクチュエータ(10)と、
バルブ(16)を有する流体ユニット(15)と、
前記バルブ(16)を閉じるためのプランジャー装置(40)と、
前記ピエゾアクチュエータ(10)をプランジャー装置(40)に連結するためのトランスミッションレバー(20)と、
を有し、
前記ピエゾアクチュエータ(10)は、前記筐体(2)内において、前記プランジャー装置(40)の隣に、略平行に配置され、
前記ピエゾアクチュエータ(10)は、前記トランスミッションレバー(20)から、実質的に前記バルブ(16)に向く側の方向において離れる方に延在する、
メータリングシステム(1)。
【請求項2】
前記トランスミッションレバー(20)は、前記ピエゾアクチュエータ(10)の延在方向(E10)および前記プランジャー装置(40)の延在方向(E40)に対して横方向に延在し、および/または
前記ピエゾアクチュエータ(10)は、スプリングアレンジメント(60)によって、前記プランジャー装置(40)と前記トランスミッションレバー(20)とを介して、前記筐体(2)に対してテンションがかけられる、
請求項1記載のメータリングシステム。
【請求項3】
前記プランジャー装置(40)は、互いに関してテンションがかけられる少なくとも2つのロッド要素(41、51)から形成され、
好ましくは、前記プランジャー装置(40)は、
レバー側の第1のロッド要素(41)として、トランスミッション要素(41)と、
バルブ側の第2のロッド要素(51)として、閉鎖要素(51)と、
を備える、
請求項1または2に記載のメータリングシステム。
【請求項4】
前記スプリングアレンジメント(60)は、前記プランジャー装置(40)のバネテンショニングのための複数のスプリング(61、64a、64b、67)、好ましくは、圧縮コイルバネ(61、64a、64b、67)、特に好ましくは、前記バルブ(16)を開放するための開放スプリングアレンジメント(61)、および、前記開放スプリングアレンジメント(61)に対してより大きなバネ定数および/またはプレテンショニング力を有する、前記バルブ(16)を閉じるための閉鎖スプリングアレンジメント(64a、64b)、特に好ましくは、前記開放スプリングアレンジメント(61)とは反対方向に動作する、少なくとも2つの同じ方向に動作する閉鎖スプリング(64a、64b)、を有する、請求項2または3に記載のメータリングシステム。
【請求項5】
前記開放スプリングアレンジメント(61)は、開放バルブ位置の方向に閉鎖要素(51)を移動させるために力が前記閉鎖要素(51)に作用するようにして、前記筐体(2)内において、前記閉鎖要素(51)に弾性的に嵌合し、
前記トランスミッション要素(41)を前記閉鎖要素(51)に抗して移動させるために、したがって、閉鎖バルブ位置の方向に前記閉鎖要素(51)を移動させるために、反力が前記トランスミッション要素(41)に作用するように、前記閉鎖スプリングアレンジメント(64a、64b)は前記筐体(2)内において前記トランスミッション要素(41)に弾性的にテンションをかける、
請求項4記載のメータリングシステム。
【請求項6】
前記トランスミッション要素(41)は、互いに連結されることが可能である2つの部品(42、45)、好ましくは、ロッド部(42)およびヘッドスリーブ部(45)、を有し、
好ましくは、前記トランスミッション要素(41)の細長のロッド部(42)は、前記閉鎖要素(51)のバルブ側に位置し、かつ、そこから、好ましくは前記トランスミッションレバー(20)内の貫通開口(28)を通って、前記トランスミッションレバー(20)の他方の側のヘッドスリーブ部(45)まで延在し、および/または、
好ましくは、前記ヘッドスリーブ部(45)は、前記トランスミッションレバー(20)がバルブ側に位置するフランジ(47)を有する、
請求項3~5のいずれか1項に記載のメータリングシステム。
【請求項7】
前記トランスミッション要素(41)の前記ロッド部(42)は、前記筐体(2)のハウジングスリーブ(6)の第1のハウジングスリーブ部(7)内で、バルブ側に、前記ピエゾアクチュエータ(10)に平行に、径方向のまわりに比較的に狭い遊びを有して、軸方向にガイドされ、
前記バルブから離れる方を向く、前記トランスミッション要素(41)の前記ヘッドスリーブ部(45)は、径方向のまわりに比較的に広い遊びを有して、ガイドされる、
請求項6記載のメータリングシステム。
【請求項8】
前記スプリングアレンジメント(60)の前記閉鎖スプリング(64b)のうちの1つが、前記バルブから離れる方を向く前記フランジ(47)のフランジ表面(47b)上において、前記ヘッドスリーブ部(45)に位置する、
請求項6または7に記載のメータリングシステム。
【請求項9】
前記ヘッドスリーブ部(45)の前記フランジ(47)はバルブ側において半球状に突出する球殻(49)を有し、前記球殻(49)は対応する球状キャップ(26)とともにベアリング(26、49)を形成し、前記球状キャップ(26)は、このために、前記トランスミッションレバー(20)上において、好ましくは凹まされて、形成される、
請求項6~8のいずれか1項に記載のメータリングシステム。
【請求項10】
第1の永久磁石(81)が、前記プランジャー装置(40)に、好ましくは、前記トランスミッション要素(41)の前記ヘッドスリーブ部(45)に留められ、
前記筐体(2)内に、ホールセンサ(82)がこの永久磁石(81)に関して、対向して位置し、ギャップ(84)だけ離れて、配置される、
請求項1~9のいずれか1項に記載のメータリングシステム。
【請求項11】
前記ホールセンサ(82)の、前記第1の永久磁石(81)から離れる方を向く側に第2の永久磁石(83)が配置され、前記第2の永久磁石(83)は前記第1の永久磁石(81)とは反対の逆の磁場を有し、および/または、
好ましくは前記第2の永久磁石(83)を含む前記ホールセンサ(82)のまわりの周囲の領域が、少なくとも第1の永久磁石(81)から離れる方を向く側において、シールド(80)によって磁気的に保護される、
請求項10記載のメータリングシステム。
【請求項12】
バルブ(16)と閉鎖要素(51)との間の距離を調整するために、ハウジングスリーブ(6)が、前記メータリングシステム(1)の前記周囲の筐体(2)に対する位置を調整可能に取り付けられる、
請求項7~11のいずれか1項に記載のメータリングシステム。
【請求項13】
前記トランスミッションレバー(20)は、前記ピエゾアクチュエータ(10)を向く側において、シャフト(4)の形態の傾斜軸(R)に、傾斜可能に嵌合され、前記シャフト(4)は、レバーベアリング(3)の端部側にそれぞれ留められ、
前記バルブ(16)を開放するための前記ピエゾアクチュエータ(10)は、ローラーベアリングの形態で、アクチュエータ係合点(24)において、前記トランスミッションレバー(20)における前記傾斜軸(R)に対して直角に、前記傾斜軸に近接して位置する、
請求項1~12のいずれか1項に記載のメータリングシステム。
【請求項14】
前記トランスミッションレバー(20)における前記ピエゾアクチュエータ(10)のアクチュエータ係合点(24)が、前記トランスミッションレバー(20)に対する傾斜軸(R)の前記シャフト(4)のローラーベアリング表面と、前記トランスミッションレバー(20)おける前記球状キャップ(26)における前記ヘッドスリーブ部(45)の前記フランジ(47)における前記球殻(49)との線上に、位置するように、前記トランスミッションレバー(20)は、前記ピエゾアクチュエータ(10)の非通電開始位置において前記ピエゾアクチュエータ(10)に対して前記トランスミッションレバー(20)を介して前記プランジャー装置(40)にテンションがかけられるようにして、構成されて配置される、
請求項13記載のメータリングシステム。
【請求項15】
前記閉鎖要素(51)は、好ましくは前記流体ユニット(15)とともに、前記メータリングシステム(1)において、取り外し可能に設置される、
請求項3~14のいずれか1項に記載のメータリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体と、その中に位置するピエゾアクチュエータと、バルブを有する流体ユニットと、バルブを閉じるためのプランジャー装置と、ピエゾアクチュエータをプランジャー装置に連結するためのトランスミッションレバーと、を有するメータリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
メータリングシステムは、メータリングすべき材料を、一般的には、液体から半流動性のメータリング物質までを、ターゲットを定めた仕方で、たとえば、メータリングシステムのバルブを介してプランジャー装置によってメータリング材料の滴状放出またはメータリングポイント状の放出によって、メータリングするために、通常使用される。したがって、そのような放出によって、たとえば、メータリングポイントまたは“ダブ”(液滴)が、(プランジャー装置の単一の開放動作において、非常に簡単に説明される)単一のメータリングステップにおいて、ワークピース上の位置に配置できる。
【0003】
非常に少ない量のメータリング材料または非常に少ない量のメータリング物質が、精密に正確な仕方で、かつ、つまり非接触の仕方で、即ち、メータリングシステムと標的面との間で直接接触することなく、標的面上に塗布されることが、いわゆる“マイクロメータリング技術”の中では、さらにしばしば必要である。そのような非接触の方法は、しばしば、“ジェット法”とも呼ばれる。これに対する一般的な例は、回路基板または他の電子素子の備え付けの際の粘着性のドット、ハンダペースト、などのメータリング、あるいは、LEDのためのコンバーター材料の塗布、である。
【0004】
欧州特許出願公開第1 414 080号明細書から、たとえば、圧電アクチュエータシステム、または、ピエゾアクチュエータおよび統合されたレバートランスミッションを有する位置決めシステムが、知られ、当該位置決めシステムにおいては、ピエゾアクチュエータが、バルブから離れる方に向く側において、当該トランスミッションレバーから離れる方に延在する。この配置は、当該アクチュエータシステムが、設計に関連した仕方で、長くされる、または、不都合にも長くなければならない、という不利益を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、先行技術の不利益を克服し、かつ特にコンパクトなメータリングシステムを示すことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この問題は、特許請求の範囲の請求項1に係るメータリングシステムによって解決される。
【0007】
導入部において記載したように、メータリングシステムは、筐体を備える。筐体は、主に閉じた外側のケーシングと、その中に位置する構成要素が適切な仕方で収容される内側の構造と、の両方を意味すると理解されることになる。
【0008】
これら構成要素のうちの1つは、導入部においてすでに述べた細長いピエゾアクチュエータである。バルブを開放したり閉じたりするために、これは、トランスミッションレバーを介してプランジャー装置へと移送されるパルスまたはメータリング動作を生成するのに役立つ。このために、ピエゾアクチュエータは、筐体の中へと有利に嵌合できる。ここで、それは、好ましくは、エンカプスレーションを有することもでき、即ち、実際のピエゾまたはピエゾスタックが、それを湿気から保護するために、カプセル化できる。カプセル化されたピエゾアクチュエータは、そのとき、より効果的に冷却できる。
【0009】
流体ユニットの上記したバルブは、特に、いわゆる“ジェットバルブ”、したがって、“噴出”に適切なバルブに関係することが可能であるか、または、ジェット方法で動作可能である。この動作モードによって、プランジャー装置は、主に排出要素として役立ち、即ち、バルブシートまたはバルブのシーリングシートに向かうプランジャーの動作に役立ち、メータリング材料またはメータリング物質は、プランジャーによって噴出される。追加的に、または代替的に、プランジャー装置の部分は、その機能のタイプにおいて、その端部の位置においてバルブシートの中へ押圧するプランジャーによって、メータリング動作のコースにおいてそれぞれバルブを閉じる実際の閉鎖要素として機能することもできる。環境に関する他の力、たとえば、重力および/またはバルブの中の増加した圧力により、メータリング材料が、バルブから出ることが可能であり、したがって、メータリングされることも可能であるときに、所望のメータリング量の放出の後に、バルブは、プランジャーをバルブシートから簡単に引き出すことによって、再度、開放されかつ閉じられる。塗布に応じて、プランジャー装置は、異なる機能のタイプにおいて、バルブの閉鎖要素としておよび/または排出要素(“噴出”)として役立つプランジャー装置のプランジャーによって、ここでは動作できる。両方の機能のタイプは、実用的な関連性を有することができる。
【0010】
さらに、トランスミッションレバーが筐体の中に収容される。これは、ピエゾアクチュエータをプランジャー装置に連結するのに役立つ。トランスミッションレバーは、同様に、シャフトを介して筐体のレバーベアリングに取り付けられることが可能であり、その結果、トランスミッションレバーは、シャフトに対して、または、傾斜軸に対して、傾斜させることができる。
【0011】
シャフトは、たとえば、欧州特許出願公開第1 414 080号明細書から既に知られているような、リニアコンタクトベアリングまたはローラーベアリング、に関係することができる。
【0012】
導入部において述べた、バルブを有する流体ユニットは、メータリングシステムに実質的にメータリング物質を供給するために、たとえば、筐体に連結できるように構成可能であり、その結果、メータリング物質は、所望のメータリングにおいてバルブを通じてプランジャー装置によって放出できる。(以下でさらに説明されるように)プランジャー装置の部分を除いて、流体ユニットは、メータリング物質の供給、温度制御などに役立つ全ての要素を、実質的に備える。
【0013】
ピエゾアクチュエータは、ここでは、筐体においてプランジャー装置の略隣に配置され、特に、並べられる。用語“略隣に”は、2つの構成要素が、空間的に見ると、ともに近くに位置するということを意味する。
【0014】
本発明によれば、ピエゾアクチュエータは、実質的に、バルブに面する側の方向のバルブの方向に、トランスミッションレバーから離れる方に延在する。つまり、ピエゾアクチュエータおよびプランジャー装置は、筐体内で、トランスミッションレバーの2つのレバーアームのうちの1つから離れる方に、互いの隣で延在する、または、互いに略平行に延在する。
【0015】
この点において、簡潔さの目的のために、以下において、一般性を失うことなく、バルブへの方向は、下方への方向としても示され、かつ、バルブから離れる方向であって、トランスミッションレバーへの方向は、上方への方向として指定されることが、指摘される。メータリングシステムはこの配置におけるメータリングに示されないが、“上方”、“下方”、などの相対的な方向に関する情報(より多くは、以下でさらにリストアップされる)は、したがって、適宜に理解されることになる。
【0016】
本発明に従う配置は、特にコンパクトな構造を可能にし、それによって、メータリングシステムは、全体として、先行技術から知られている解決策により可能であるものよりも、明らかに短くできる。それは最適な方法で筐体の中の空間を利用し、その結果、細長のプランジャー装置またはピエゾアクチュエータなどのより長い構成要素は、不必要に空間を必要とせず、即ち、たとえば、先行技術の構造においてこれまでそうであった長さに関して、実質的に増加しない。
【0017】
加えて、本発明に従う構造は、長さ方向に、追加の空間を作り出し、(以下でさらに追加的に説明されるように)、メータリングシステムの動作の選択された機能のタイプに応じて閉鎖要素または排出要素として機能する、メータリングシステム全体の本質的な閉鎖部分、即ちプランジャー装置のプランジャーが、交換可能な仕方で顧客にとって容易にかつ迅速に設置できるとなるようにして、当該追加の空間は使用できる。加えて、メータリングシステムは、その構造タイプにおいて、いわゆる“ノーマルクローズ動作”、即ち、“初期位置において閉じられる動作またはメータリング動作”のために、もともと設計されるが、メータリングシステムは、したがって、同じ長さを有して、ノーマルオープンメータリングシステムとノーマルクローズメータリングシステムとの両方に現在使用可能である構成要素(たとえば、プランジャーおよび流体ユニット)も使用することができる。メータリングシステムの非通電状態におけるノーマルオープンまたはオープン(“ノーマルオープン”)バルブでは、閉鎖要素は、(もしメータリングシステムに電圧が印加されていなければ)、バルブにおけるシーリングシートの中へと押圧されず、むしろ、そこに対して短い距離を有する。もしそのようなメータリングシステムに、電力が供給されてメータリング動作が行われる、即ち、スイッチがオンになれば、閉鎖要素が、このとき、メータリング動作のための初期開始位置において閉じられるように、メータリングシステムは、最初に、電圧により動作される。
【0018】
ここで、各メータリングパルスの前に、閉鎖要素は、バルブのバルブシートにおいて、または、バルブのノズルにおいて、配置されることが可能であり、メータリング動作では、この初期開始位置から最小限に上昇させられ、それから、次に、再度、下げられることが可能であり、その結果、位置と開放継続時間とに応じて、メータリング物質が、適宜、出ることが可能である。ジェット法においては、メータリング物質が追加的に噴出される。なぜなら、述べたように、プランジャーは、排出要素として機能し、かつ、排出要素として閉鎖ためにバルブシートへと動くときにメータリング物質を噴出するからである。
【0019】
プランジャーの機能のタイプに関係なく、メータリング物質が充分な粘性を有していれば、しばしば有利であり、その結果、その粘性のおかげで、バルブが開放されているときでさえも、それは、ひとりでにバルブから流出するまたは流れ出ることはない。それにもかかわらず、時には、低粘性のメータリング物質もメータリングすることを避けることができない。
【0020】
初期開始位置において閉じられるメータリング動作において、メータリングが行われない、たとえば、電流が流れないスイッチ状態または故障または破損の場合のときはいつでも、閉鎖要素は、好ましくは、適切に調整されたスプリングによって、スプリングのテンションのおかげで、バルブのいわゆるバルブシートまたはシーリングシートに、自動的に配置される。このことは、バルブが、その中に配置された閉鎖要素によって、十分にきつく閉じられるということを意味し、その結果、非常に流動性のある低粘性のメータリング物質であっても、出ることはできない。したがって、このメータリング動作は、特に流動性のあるメータリング物質にとって、または、メータリング物質が、述べたように、追加の圧力によってバルブからメータリングされることになるときに、まさに適切である。
【0021】
さらに、本発明の特に有利な実施形態およびさらなる発展は、従属請求項および以下の記載から明らかになり、種々の例示的実施形態または変形例の個々の特徴も、新たな例示的な実施形態または新たな例示的な変形例へと組み合される。
【0022】
好ましくは、トランスミッションレバーは、ピエゾアクチュエータの延在方向に、かつプランジャー装置の延在方向に対して、横方向に延在することができる。このことは、トランスミッションレバーが、細長のプランジャー装置から細長のピエゾアクチュエータまで横方向に延びる延在方向において、横方向に延びることを意味する。
【0023】
ピエゾアクチュエータおよびプランジャー装置の延在方向は、好ましくは、略同一である場合がある。
【0024】
定義によって、用語“横方向に”は、好ましくは、「長さと仮定される線にほとんど直角に」、ということを示す。この点に関して、プランジャー装置の延在方向とピエゾアクチュエータの延在方向とが同一である限りにおいて、用語“横方向に”は、ここでは、好ましくは、「2つの構成要素の延在方向に略直角に」ということを意味すると理解される。したがって、ピエゾアクチュエータの延在方向およびプランジャー装置の延在方向が、わずかに異なるまたは近づく限りにおいて、これら構成要素は、完全には平行に延びず、用語“横方向に”は、「一方の構成要素から横方向に他方の構成要素へと」、したがって、たとえば、「わずかに傾いて、または、わずかに数度だけ90°からずれた角度で」ということのみを意味することもできる。
【0025】
したがって、特に好ましくは、トランスミッションレバーは、ピエゾアクチュエータの延在方向とプランジャー装置の延在方向とに対して略垂直に延在することができる。
【0026】
横方向に、好ましくはピエゾアクチュエータの延在方向とプランジャー装置の延在方向とに対して略垂直に延在するトランスミッションレバーによって、トランスミッションレバーを介したプランジャー装置へのピエゾアクチュエータの変位またはパルスのパルス伝達が、最大化される。したがって、以下でさらにより詳しく説明されるように、ピエゾアクチュエータは、(規定されるように、非通電状態におけるバルブがプランジャー装置によって閉じられるメータリングシステムの構成に関係する限りにおいて)トランスミッションレバーを介した通電メータリング動作におけるメータリングのために、プランジャー装置上において“オープニングモーメント”を働かせる、または、力をプランジャー装置に伝えることが可能であり、このことが、バルブから離れるプランジャー装置の動作、したがってある種の“持ち上げ動作”、をもたらす。加えて、より大きくて細長の構成要素が、互いに対して直交する2つの方向にのみ実質的に延在するときに、筐体は、非常にコンパクトな仕方で、特に好ましくは、略直方体状に、構成可能であり、したがって、そこに対して傾いて延びる構成要素による突起または突出を、大いに防ぐことができる。
【0027】
代替的にまたは追加的に、ピエゾアクチュエータには、プランジャー装置を用いてトランスミッションレバーを介して、スプリングアレンジメントによって、筐体に対してテンションがかけられることが可能である。スプリングアレンジメントは、たとえば、プレテンショニングスプリング、特に圧縮コイルバネなどの、メータリングシステムの周囲の筐体に対して直接的にまたは間接的にトランスミッションレバーにテンションをかけるかまたは予めテンションをかける、少なくとも1つのスプリング要素を意味する。
【0028】
欧州特許出願公開第1 414 080号明細書にも既に述べられているように、これは、メータリングシステムが、外部からメータリングシステムに力が作用する場合において緩和されず、したがって、構成要素は、適切な仕方で共に保持される、ということを規定する。
【0029】
トランスミッションレバーは、好ましくは、ピエゾアクチュエータに面するシャフトの側において、当該シャフトの形態の傾斜軸に傾斜可能な仕方で嵌合されることが可能である。このことは、トランスミッションレバーが、シャフトとピエゾアクチュエータとの間で保持されることを意味する。
【0030】
シャフトは、同様に、好ましくは、バルブから離れる方を向く側または上側においてレバーベアリングの端部側において、それぞれ留められることが可能である。このことは、シャフトが、たとえば、回転不能に取り付けられ、かつトランスミッションレバーが、回転不能なシャフトに対して傾くことを意味する。
【0031】
代替的には、たとえば、トラフが、ピエゾアクチュエータから離れる方を向くレバーの側において、トランスミッションレバー内に凹まされるかまたは中に形成されることが可能であり、トラフの中へとシャフトを留めるために、たとえば回転不能な仕方で押圧されることが可能である。シャフトは、そのとき、レバーベアリングにおける側方の開口において回転するであろう。
【0032】
基本的には、トランスミッションレバーは、たとえば、略対称的な2つのレバーアーム、したがって、少なくとも同じ長さの2つのレバーアーム、を有することが可能であり、即ち、傾斜軸のまわりを略中央に取り付けられることが可能である。
【0033】
トランスミッションレバーは、好ましくは、偏心させて取り付けられることが可能であり、かつ非対称に構成されることが可能であり、即ち、短いレバーアームと、それに対して相対的により長いレバーアームと、を有することができる。そのようなトランスミッションレバーは、好ましい例示的な実施形態の助けを借りて、以下においてさらに、より正確に説明される。
【0034】
短いレバーアームと、それに対して相対的により長いレバーアームとを有するトランスミッションレバーに関しては、トランスミッションレバーは、(空間を節約するために)、上記した端部部分において、傾斜可能に、特に好ましくは偏心させて、嵌合させることが可能である。
【0035】
ここで、バルブを開放するために、ピエゾアクチュエータは、好ましくは、ローラーベアリングの形態で、トランスミッションレバーにおける傾斜軸に対して直角に、アクチュエータ係合点において、長いレバーアームに、傾斜軸の近くに位置することが可能である。それによって、トランスミッションレバーは、動作中、ピエゾアクチュエータが変位している中で、傾斜軸から離れて、したがって、傾斜軸に近いアクチュエータ係合点よりも傾斜軸からさらに離れて長いレバーアーム上に位置するプランジャー装置と共に、バルブから離れた開放バルブ位置の方向に動かされること、または、タイトな状態のバルブシートから離れさせることが可能である。相対的な用語“傾斜軸に近い”、および“傾斜軸から離れて”は、ここではそれぞれ、トランスミッションレバーが傾斜可能に取り付けられる傾斜軸に対するトランスミッションレバーの長手方向における点または位置点に言及している。用語“傾斜軸に近い”は、単に、トランスミッションレバーの長手方向または上記の横方向に延びる延在方向に沿った位置または点を、適宜、意味し、当該点は、傾斜軸から離れた点よりも傾斜軸により近くに位置する。
【0036】
プランジャー装置は、好ましくは、互いに関してテンションがかけられる少なくとも2つのロッド要素から、形成されることが可能である。用語“互いに関してテンションがかけられる”は、ロッド要素を互いに対して永続的に押圧する力がロッド要素に作用する、ということを意味し、その結果、これらは、永続的に押圧接触状態にある。
【0037】
ここで、プランジャー装置は、特に好ましくは、レバー側に、第1のロッド要素としてのトランスミッション要素を有することができる。以下では、トランスミッション要素は、好ましくは、さらにより明らかになるように、“連結ロッド”のタイプとして機能し、“連結ロッド”または“コンロッド”とも呼ばれ、したがって、わずかに円形の経路の動きを行う。
【0038】
さらにその上、プランジャー装置は、特に好ましくは、バルブ側に、第2のロッド要素としての閉鎖要素を有することができる。本技術分野では通例であるように、閉鎖要素は、以下では、“バルブプランジャーロッド”、または、略して“プランジャー”とも呼ばれる。
【0039】
上記の特徴の組み合わせによって、トランスミッション要素は、閉鎖要素またはプランジャーのレバー側プランジャーヘッドと圧力接触しているので、構成により軸方向成分と横方向成分との両方を含むトランスミッションレバーの動きが、プランジャー装置のバルブ側の閉鎖要素に直接的には伝達されず、レバー側のトランスミッション要素を介して閉鎖要素に間接的にのみ伝達されることが達成される。純粋な圧力接触のおかげで、また、閉鎖要素は依然として有利に、主に軸方向にガイドされることが可能であるので、トランスミッション要素の動の伝達においては、横方向成分は閉鎖要素にほとんど伝達されない。
【0040】
たとえば、メータリングシステムの非通電状態または電圧が印加されていない状態において、バルブにおけるいわゆるバルブシートまたはシーリングシートにおいて、閉鎖要素またはプランジャーのバルブ側のプランジャーの先端によってバルブをしっかりと密封するために、プランジャー装置のバルブ側ロッド部は、したがって閉鎖要素は、したがって、可能な限り上記の横方向成分が無く、純粋に軸方向の動きを実行することが可能である。このことが、閉鎖要素がバルブシートの中へと真っ直ぐに可能な限り正確にガイドされるまたは押圧されることが可能であることを容易にし、バルブの十分な密封が特に低粘性のメータリング物質のためにもはや保証できないという可能性のリスクを減らす。
【0041】
さらにその上、プランジャー装置を、互いに関してテンションがかけられる2つのロッド部に分けることは、実際にはトランスミッションレバーと直接的に接触するトランスミッション要素が、軸方向の力を受けるガイドにおいて存在するであろうプランジャー装置とトランスミッションレバーとの間の潜在的な摩擦点の摩耗を最小限にする連結ロッドの動きを特徴づけることができること、をアシストする。
【0042】
したがって、加えて、実験によれば最も多くの摩耗を被るバルブ側の部品は、メータリングシステムがこのために分解される必要性なく、または、プランジャー装置が全体として交換される必要性なく、単独でまたは別々に交換できる。
【0043】
スプリングアレンジメントの構成に対して、様々な可能性がある。
【0044】
スプリングアレンジメントは、好ましくは、プランジャー装置のバネテンショニングのためのいくつかのスプリングまたはスプリング要素を有することができる。それは、たとえば、バルブ側において、即ち、設置状態においてバルブに向く側において、または、バルブから離れる方を向くトランスミッションレバーの側において、トランスミッションレバーに対してプランジャー装置を押圧するスプリングまたはスプリング要素を備えることが可能であり、その結果、これらの構成要素は、互いに関して圧力接触する。追加的にまたは代替的に、それは、たとえば、メータリングシステムの非通電状態においてバルブシートのちょうど上方に位置する開放されたバルブ位置へとプランジャー装置を押圧するスプリングを有することが可能であり、即ち、プランジャー装置は、非通電状態において流体ユニットのバルブを閉じない。既に上記したように、メータリング材料が、いずれの場合でも、たとえば、相応の粘性または高い粘性を有し、したがって、重力下で開放されたバルブ開口からひとりでに流出しないときに、メータリングシステムの動作のそのようなノーマルオープンモードが存在する。
【0045】
しかし、スプリングアレンジメントは、メータリングシステムが非通電のスイッチ状態において閉じたバルブを有するように、すなわち、プランジャー装置またはプランジャー装置のプランジャーが、バルブシートへ押圧されるように構成されることも可能である。述べたように、重力により開放されたバルブから出るまたは流出する傾向にあるであろう低い粘性の材料の場合において、メータリングシステムの動作のそのようなノーマルクローズモードが存在する。
【0046】
さらに好ましくは、スプリングアレンジメントは、バルブを開放するための少なくとも1つの開放スプリングアレンジメントと、バルブを閉じるための少なくとの1つの閉鎖スプリングアレンジメントと、を適宜備えることが可能であり、閉鎖スプリングアレンジメントは、開放スプリングアレンジメントに対して、より大きな、たとえば、2倍のバネ定数またはプレテンショニング力を有する。
【0047】
そのようなスプリングアレンジメントは、バルブが非通電状態において常に閉じたままであるということをもたらす。なぜなら、閉鎖スプリングのスプリング力が、開放スプリングの反対に作用するスプリング力に対して優位であるからである。バルブは、トランスミッションレバーが開放スプリングとともにピエゾアクチュエータのパルスにより閉鎖スプリングの力を少なくとも等しくする点から単に開始して、自動的にまたは不可避的に開放し始める。つまり、トランスミッションレバーが閉鎖バネを押圧してバルブから離すときに、開放スプリングは、バルブを自動的に開放する。
【0048】
閉鎖スプリングアレンジメントは、ここでは、単に、(ただ1つの開放スプリングのみを有することもできる)開放スプリングアレンジメントに対してより大きなまたは2倍のバネ定数および/またはプレテンショニング力を有する単一の閉鎖スプリングを備えることができる。しかし、開放スプリングに対して2倍のバネ定数および/またはプレテンショニング力を有する閉鎖スプリングの代わりに、スプリングアレンジメントは、特に好ましくは、同じ方向に動作するが開放スプリングとは反対方向に動作する2つの、たとえば略同一に構成された閉鎖スプリングであって、単一の閉鎖スプリングに関しては一次近似ではそれぞれ半分ではあるが、他の閉鎖スプリングに関しては同じバネ定数およびプレテンショニング・レートである、2つの閉鎖スプリング、を備えることも可能である。以下においては、好適な変形例に相当する、(2倍のバネ定数およびプレテンショニング力を有する)1つの閉鎖スプリングの代わりに、(半分のバネ定数およびプレテンショニング力を有する)2つの閉鎖スプリングに対して、常に言及されるであろう。このことは、以下において常に少なくとも2つの閉鎖スプリングが必要とされる限りにおいて限定する効果を有することを意図してはいない。基本的には、以下において、この点に関して特に断りがない限り、2つの閉鎖スプリングも、常に、該当する場合には、別の位置において、対応するスプリングに取り換えることができる。これは、2倍の強さの閉鎖スプリングが、一次近似において、力が半分の2つの閉鎖スプリングと同じ機能を有するからである。単一のものと比べて2つのスプリングの有利な点は、さらに以下でより正確に説明されるように、それらが、より可変的な仕方で、特に、様々な位置において、使用できるという点にある。
【0049】
非常に特に好ましくは、スプリングアレンジメントは、同じ方向に動作するが開放スプリングとは反対方向に動作する2つの閉鎖スプリングであって、開放スプリングに対して一次近似において略同じバネ定数およびプレテンショニング力を有する2つの閉鎖スプリングを備えることが可能であり、その結果、したがって、閉鎖スプリングのほとんど2倍の力が開放スプリングの特定の力に対向する。
【0050】
この点において、スプリングアレンジメントは、基本的には、様々なタイプのスプリング、たとえば、テンションスプリング、ウエーブスプリング、板バネ、トーションスプリングなど、を備えることが可能であることが述べられることになる。特に好ましくは、スプリングアレンジメントは、圧縮コイルバネを備えることができる。特に現れるそのような圧縮コイルバネまたは圧縮バネに対する可能な形態は、たとえば、円柱形の、円錐形の、樽形の、腰形の、圧縮バネである。
【0051】
好ましくは、閉鎖要素を、開放されたバルブ位置の方向に移動させるために、力が閉鎖要素に作用するように、開放スプリングアレンジメント、または開放スプリング(以下においては、開放スプリングアレンジメントは、一般性を失うことなく、略した形態で、“開放スプリング”とも呼ばれる)は、既に上記したように、筐体内で、弾性的に、閉鎖要素と嵌合する。
【0052】
ここで、トランスミッション要素を閉鎖要素に抗して移動させるために、したがって、閉鎖バルブ位置の方向に閉鎖要素を移動させるために、開放スプリングに対して少なくとも幾分より大きな反力がトランスミッション要素に作用するようにして、閉鎖スプリングは、筐体において、トランスミッション要素に弾性的にテンションをかけることが可能である。既に上記したように、弾性的に取り付けられたプランジャー装置の構成が、ノーマルオープンメータリングシステムとノーマルクローズメータリングシステムとの両方に現在使用できる構成要素(たとえば、プランジャー装置および流体ユニット)が使用できるということを可能にする。
【0053】
欧州特許出願公開第1 414 080号明細書において既に記載されているように、メータリングシステムのスプリングアレンジメントは、ここでは、少なくとも1つの、径方向外側に大きな圧縮コイルバネであって、比較するとより小さな既に記載した閉鎖圧縮コイルバネのうちの少なくとも1つを、スペースを節約する仕方で囲む、少なくとも1つの圧縮コイルバネも備えることができる。以下において“プレテンショニングスプリング”とも呼ばれる当該圧縮コイルバネによって、その機能によって、ピエゾアクチュエータに抗して、筐体とは離間して、その傾斜軸に対して離れた長いレバーアーム上で、したがって、同じものの上の傾斜軸に近いアクチュエータ係合サイトよりも傾斜軸からさらに離れて、トランスミッションレバーにプレテンションがかけられることが可能である。ピエゾアクチュエータにプレテンションをかけることによって、変位の後、後者は、より迅速に、再度、その初期位置に完全に戻されることが可能であることが達成される。
【0054】
欧州特許出願公開第1 414 080号明細書とは対照的に、好ましくは、バルブが、配置されるプランジャー装置のバルブ側のプランジャーの少なくともプランジャーの先端によって、メータリングシステムの非通電の初期状態においてバルブのバルブシートにおいてプランジャーの先端で閉じられるようにして、トランスミッションレバーにはプレテンションかけられることができるか、または、プレテンショニングが設定できる。
【0055】
プランジャー装置のさらなる構成に対するさまざまな可能性も存在する。
【0056】
プランジャー装置のトランスミッション要素は、好ましくは、互いに連結できる2つの部品を備えることができる。これらは、圧入の仕方でおよび/または嵌合の仕方で、連結できる。たとえば、これら部品は、互いに対して押圧できる。
【0057】
代替的にまたは追加的に、上記の部品は、互いに接着されることが可能である。
【0058】
さらに好ましくは、上記の部品は、熱的に収縮されることも可能であるか、または、熱収縮によって連結されることも可能である。
【0059】
特に好ましくは、さらに、トランスミッション要素が、1つの部品としてロッド部と、さらなる部品としてヘッドスリーブ部と、を備えることができる。
【0060】
ここでは、好ましくは、トランスミッション要素の、細長の、特に円柱形のロッド部が、バルブ側に、即ち、設置状態においてバルブに向く端部に、位置するまたは存在することが可能であり、そこから、トランスミッションレバーの他方の側のヘッドスリーブ部へと延在することが可能である。たとえば、ロッド部は、実質的にトランスミッションレバーを通って、または、厳密には通り越して、トランスミッションレバーの長いレバーアームの傾斜軸から離れて延びることが可能である。
【0061】
好ましくは、ロッド部は、まわりにある遊びを有してガイドされ、トランスミッションレバー内の貫通開口または貫通ボアを通って、まわりにある遊びを有してガイド案内され、延在することができる。
【0062】
代替的にまたは追加的に、ヘッドスリーブ部は、好ましくは、フランジを有することが可能であり、当該フランジ上において、バルブ側に、即ち、設置状態においてバルブに面するフランジ表面において、トランスミッションレバーが位置する、または、存在する。特に好ましくは、フランジは、その長さ方向の延長の略半分に位置することが可能である。
【0063】
それら自身はほとんど複雑さを有していないいくつかの個々の部品であって、互いに接続されるいくつかの個々の部品のみにトランスミッション要素を分割することは、全体としてのそれらの製造をより有益にし、加えてこれを非常に容易にする。既に述べたように、これら部品は、たとえば、サーマルプレスによって、容易に、連結した構成要素に続いて接続されることが可能である。後でさらに説明される例示的な実施形態においては、トランスミッションレバーは非常に正確にガイドされるプランジャー装置を、2つの閉鎖スプリングの力に抗して、軸方向に変位させることが可能であり、したがって、たとえば、それは、上方に向かって押圧することが可能であり、その結果、バルブが、開放スプリングの力により、トランスミッションレバーが一時的に打ち勝つまたは克服する閉鎖スプリングの反力のために、自動的に開放する、または、開放バルブ位置へと動く。
【0064】
筐体におけるプランジャー装置の配置に対する好ましい可能性も存在する。
【0065】
トランスミッション要素のロッド部は、好ましくは、径方向のまわりに比較的に狭い遊びを有して、筐体のハウジングスリーブの第1のハウジングスリーブ部分内で、バルブ側において、ピエゾアクチュエータに平行に軸方向にガイドされることが可能である。このことは、トランスミッションレバーに近いバルブ側の、即ち、ここでは、トランスミッションレバーの下の近くの領域におけるトランスミッション要素のロッド部が、ハウジングスリーブ内においてロッド部の円柱形のロッドに関して径方向に、横方向にわずかに動き得るが、基本的には軸方向にガイドされることが可能である、ということを意味する。ロッド部は、したがって、著しい横方向の動きなく、バルブシートから外への、バルブから外への、または、バルブシートの中への、バルブの中への、可能な限り軸方向にのみ真っ直ぐに動く。
【0066】
対照的に、バルブから離れる方を向くトランスミッション要素のヘッドスリーブ部は、径方向のまわりに比較的に広い遊びを有して、ガイドされることが可能である。このことが、傾斜軸から離れたトランスミッションレバーに対する接触点であって、既に何度も記載したように、パルスまたはある種の“トルク”が傾斜軸に近いピエゾアクチュエータによって伝えられる接触点を通じて生じる、ヘッドスリーブ部のわずかな横方向の動きまたはそれぞれ円形の経路の動き、を許す。ヘッドスリーブ部は、したがって、以下でさらにより詳しく説明されるように、接続ロッドの一種のように動作する。
【0067】
つまり、バルブから見るとトランスミッションレバーの他方の側の、したがって、ここでは上方におけるヘッドスリーブ部は、その半径方向の動きにおいてほとんど全く制限されず、したがって、即ち、少なくとも、それが、バルブ側において、したがって、ここでは下方において、それに対して緊密に軸方向にガイドされるロッド部の可能な動きの範囲内で動くことができる限りにおいて、ほとんど自由に最大限の範囲の動きを行うことができる。このことは、それが、いずれの場合においても、ロッド部の長さによって、非常に小さな横方向の動きまたは動きの範囲に、制限されるということを意味する。これは、もしヘッドスリーブ部が、横方向にあまりにも遠くへ動かされれば、ロッド部は、下方において、近くのまわりのその軸ガイドに直接当接し、したがって、ヘッドスリーブ部のさらなる横方向の動きまたは横方向の変位(または径方向の動き)を防ぐからである。
【0068】
好ましくは、スプリングアレンジメントの閉鎖スプリングのうちの1つ、特に、たとえば、大きな圧縮コイルバネによって囲まれた小さな圧縮コイルバネは、バルブから離れる方に向くフランジの側におけるヘッドスリーブ部において位置するまたは存在することができる。
【0069】
トランスミッション要素またはトランスミッション要素のヘッドスリーブ部には、したがって、上記のレバーに直接接触することなく、筐体と閉鎖要素との間において、テンションがかけられることが可能である。加えて、この閉鎖スプリングが、内部に、したがって、ピエゾレバーシステムのプレテンショニングスプリングの使用されない領域において収容されるときに、この配置は、スペースを節約し、したがって、メータリングシステムのプランジャー装置を、不必要に長くしない。
【0070】
ヘッドスリーブ部のフランジは、バルブに向く側に、意図したような設置状態において、バルブ側におけるトランスミッションレバーとプランジャー装置との間の低摩耗インターロッキングのための半球形の突出球殻を有することができる。それらは、トランスミッションレバーにおいてこのために形成された、特に好ましくは、凹んだ対応する球状キャップとともに、ベアリングを形成することができる。
【0071】
球状キャップにおける球殻の表面は、わずかな、特に摩擦のないロール運動を行うので、ベアリングは、以下のように、“ローラーベアリング”とも呼ばれ、それによって、ほとんど摩擦のない推移が、ヘッドスリーブ部のわずかな円形の経路の動きまたは接続ロッドの動きとロッド部の軸方向の動きとの間に形成される。
【0072】
特に好ましくは、ヘッドスリーブ部のフランジにおける球殻は、球がその中にプレスされることで半球形に凹んだ球状キャップの形態に構成可能である。構成要素のうちの1つである半球形に突出する球殻の形成が省略できるので、このことは、製造を容易にする。
【0073】
最も特に好ましくは、ヘッドスリーブ部のフランジは、上記の閉鎖スプリングが位置する接触点の後ろ側に、ベアリングブロックを備えることが可能である。ベアリングブロックは、たとえば、再度、フランジ状に直方体の形態で(ブロック形状のコーダルな四角形状に)、上記の丸いフランジにおいて、トランスミッションレバーに向かう方向に閉鎖スプリングから離れる方に、さらに突出することができる。上記の丸いフランジ上のそのような追加のベアリングブロックは、それが、その中に球状キャップを形成するまたは引っ込ませるために、スペースを提供するという利点を有する。低摩耗の仕方でトランスミッションレバーの2つの球状キャップ凹部または球状キャップを受容するために、ベアリングブロックのベアリング面には、それ自身の中に、半球形の凹んだ球状キャップが設けられることが可能であり、半球形の凹んだ球状キャップの中で、球がプレスされて、半球形の凹んだ球状キャップで、トランスミッションレバーの球状キャップがロールすることができる。
【0074】
これを行うことによって製造される、ヘッドスリーブの中にプレスされた球を介したトランスミッションレバーにおける球状キャップとの“インターロッキング”は、プランジャーまたは閉鎖要素が、バルブにおけるノズルまたはバルブ挿入を通じて、トランスミッションレバーから、わずかに上昇させられるとき、バルブの閉鎖状態においてのみ“緩められる”。
【0075】
メータリングシステムのさらなる構成に対する様々な可能性も存在する。
【0076】
好ましくは、第1の永久磁石が、プランジャー装置に、好ましくは、トランスミッション要素のヘッドスリーブ部に留められることが可能である。当該永久磁石は、たとえば、バルブから離れたプランジャー装置の前方側の端部上に、留められることが可能である。
【0077】
特に好ましくは、上記の永久磁石は、したがって、もっと正確には、意図したような設置状態において、プランジャー装置のヘッドスリーブ部上におけるプランジャー装置の端部に、または、トランスミッションレバーから離れる方を向くプランジャー装置のヘッドスリーブ部の端部に、留められることが可能である。
【0078】
ここで、好ましくは、ホールセンサが、筐体においてこの永久磁石に対向して位置し、かつギャップによって間隔を空けて、配置されることが可能である。このセンサは、従来は、たとえば、プランジャー装置の、より正確には、プランジャー装置のヘッドスリーブ部の前方側の端部の上方に位置するメータリングシステムの制御などのためのボード上に、配置されることが可能である。
【0079】
上記の永久磁石およびホールセンサによって、バルブに対するまたはノズルに対するプランジャー装置の位置が、測定されることが可能であり、そして、そのとき、それに応じて調整可能である。ここで、たとえば、標準化テーブルが、ホールセンサの電圧変化と存在する距離変化との間の相関関係を表示することが可能である。最初に、ノズルに対するプランジャー装置の正確な位置の調整の前に、プランジャー装置のトランスミッション要素のヘッドノズル部は、トランスミッションレバーに、またはその上に位置し、この場合において、プランジャーのプランジャー先端部は、ノーマルクローズのバルブ位置においてそれと直接接触することなく、ノズルまたはバルブをまだ閉じない。ノズルに対するプランジャーの適切な位置を調整するために、ノズルは、定められた変化が上記の永久磁石およびホールセンサによって検出されるまで、プランジャーの方向において動かされ、したがって、トランスミッションレバーからの、トランスミッションレバーの球状キャップからの、ヘッドスリーブ部の、特に、球殻の、定められた持ち上げが、もたらされる。このために、ノズルとプランジャー先端部との間の距離が、所望の電圧変化がホールセンサを介して検出できるまで調整ナットを回転させることによって、減らされる。この所望の位置は、その後に、動作中に連続的に監視されることも可能である。
【0080】
より正確には、アジャスティングプロセスまたは“調整プロセス”の最初における、ノズルインサートとプランジャーとの間の距離が、例示的な実施形態によって後でさらに記載されることになるが、最も低い調整可能な位置に位置するまで回転させられる連結ナットまたは(ノズル)調整ナットによって、生成されることになる(ノズルインサートとプランジャーとの間の最大の距離)。このアジャスティングルーチンまたは“調整ルーチン”が開始され、上記の距離が最初に減らされ、最後に、プランジャーが、(上記のレバーからわずかに上昇した)所望の位置に達したということを上記の制御ユニットにおけるディスプレイが表示するまで、ノズルインサートを通じて上昇させられる。
【0081】
その結果、動作中において、プランジャーのエントレインメント(アジャスティングプロセスまたは調整プロセスの間のわずかな持ち上げによって生成されるギャップ)なしに、レバーの動きの成分が変化するかどうか、および/または、ホールセンサの電圧が閉鎖状態において変化したどうか、および/または、ホールセンサの信号の全体の変化が所望のまたは予期されるプランジャーの動きに対してどれくらい大きいかが、常に監視されることが可能である。ここで、また、もし必要であれば、摩耗の場合においても上記の動きがまだ等しく、したがって安定したままであるように、制御信号は、構成できる。したがって、動作中の使用者の必要な従事が、可能な限り長く防止されることが可能であり、このことが、たとえば、機械の生産性を高めかつメンテナンス時間を減らす。
【0082】
好ましくは、ここでは、たとえば、より小さな第2の永久磁石が、第1の永久磁石から離れる方を向くホールセンサの側に配置されることが可能である。
【0083】
好ましくは、ここでは、第2の永久磁石は、第1の永久磁石とは反対の逆の磁場を備えることが可能である。
【0084】
したがって、ゼロ点のまわりに対称的に常に分けられるホールセンサの測定範囲は、有利には、より大きな、その完全な測定範囲が使用可能でありかつそれによってより大きな感度を有するようにずらされることが可能である。これは、ホールセンサが、単に正の範囲において、また負の範囲において、測定することが最早できないからである。むしろ、その測定範囲は、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、負の範囲に、または、磁場の極性に応じて、正の範囲にずらされ、したがって増やされる。
【0085】
代替的にまたは追加的に、ホールセンサのまわりの周囲の領域は、特に好ましくは第2の永久磁石を含むが、少なくとも第1の永久磁石から離れる方を向く側においてシールドによって、磁気的に保護されることが可能である。
【0086】
第1の永久磁石から離れる方を向く側は、シールドが少なくとも一方の側において、第1の永久磁石に向かって有利に開放されることが可能である、ということを意味し、その結果、第1の永久磁石を備えるヘッドスリーブ部を少なくともこの側においてシールドの中へと動かせることが可能であり、かつ、残りの側への外部の入り込む可能性のある磁場の影響が、遮断できる。このために、シールドは、たとえば、略直方体形状に、または、直方体形の筐体を使用して、構成されることが可能である。
【0087】
代替的にまたは追加的に、シールドは、直方体形の構成要素、柔軟な磁気レバーベアリング、および/またはバルブの方向に当該レバーベアリングの中へと挿入される柔軟な磁気構成要素から成ることも可能である。特に、上記のレバーベアリングが、それ自身では十分に磁気的に保護する仕方では作用しないが必要な安定性を供給する、たとえば、アルミニウムなどの、より有利な安定した材料から作られるときに、上記のレバーベアリングの中へと挿入される柔軟な磁気構成要素が存在する。
【0088】
有利には、既に述べた、ボードの上方の上側領域、およびピエゾアクチュエータを囲むフレーム領域は、これらをより有利にかつより軽く設計できるようにするために、非磁性材料から作られることが可能である。一般的に、測定誤差が、シールドによって実用的に防止でき、または、測定される磁場に影響を与える得る干渉要因が最小化される。
【0089】
既に上記したが、ハウジングスリーブにおいては、プランジャー装置が、少なくともセクションにおける内側においてガイドされるが、好ましくは、ハウジングスリーブは、バルブと閉鎖要素との間の距離(一般的に“ノズル-プランジャー距離”とも呼ばれる)を調整するために、メータリングシステムの周囲の筐体に対して、ナットによってテンションがかけられることが可能なスプリングによって、外部から、所定の場所に、調整可能に取り付けられることが可能である。当該距離は、顧客によって、このナットにより、非常に容易に調整可能であり、また、たとえば、永久磁石およびホールセンサによる上記した測定によって、たとえば、最も簡単な場合において、手作業で、非常に正確な値に調整可能である。
【0090】
好ましくは、トランスミッションレバーの傾斜軸に近いピエゾアクチュエータのアクチュエータ係合点が、トランスミッションレバーに関する傾斜軸のシャフトのローラーベアリング面およびトランスミッションレバーの傾斜軸から離れた球状キャップにおけるヘッドスリーブ部のフランジの球殻を含む線または平面上に位置するように、ピエゾアクチュエータの非通電の開始位置において、トランスミッションレバーを介してピエゾアクチュエータに抗してプランジャー装置にテンションがかけられるようにして、トランスミッションレバーは、構成および配置されることが可能である。
【0091】
したがって、開始位置におけるピエゾアクチュエータは、傾斜軸の高さにおいて、およびトランスミッションレバーのプランジャー装置に関する接触点の高さにおいて、係合するという利点を有する。
【0092】
たとえば、一方では、ピエゾアクチュエータは、表面接触部を介して、バルブ側に、しっかりと固定させて、支持されることが可能である。他方では、トランスミッションレンバーの長いレバーアーム上の傾斜軸に近いレバー側において、表面接触部に平行なリニアアクチュエータ係合点によって、それに、テンションをかけることが可能である。
【0093】
好ましくは、閉鎖要素は、特に好ましくは、流体ユニットとともに、直接顧客自身によって、交換可能の意味で取り外し可能に、最も特には、道具を使用せずに、メータリングシステムにおいて、有利に設置されることが可能である。このことは、閉鎖要素が、たとえば、圧力下でトランスミッション要素に単に連結されることが可能である、または、接触可能である、ということを意味し、その結果、それは、顧客自身によって、非常に容易にかつ迅速に、特に、道具を使用せずに、変更されるまたは交換されることが可能である。そのようにして交換可能に閉鎖要素をメータリングシステムに設置することは、それがメータリングシステムの動作時に最も大きな摩耗に曝されるメータリングシステムの構成要素であるときに、全体としてのメータリングシステムの寿命が改善されるので、したがって、特に有利である。
【0094】
本発明は、例示的な実施形態を活用して、添付の図面を参照して、以下に再度、より詳細に説明される。ここで、さまざまな図において、同じ構成要素には、同じ引用符号が与えられる。図は、一般的に、縮尺どおりではなく、単に、模式的な図示として理解されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
図1】流体ユニットが連結されていない、かつプランジャーが取り外されている本発明に係るメータリングシステムの例示的実施形態による、部分的に開いて図示された筐体の内部を覗き込んだときの、長手方向断面。
図2】メータリング機構のための最も本質的な構成要素を有するが(明確さのために筐体は有していない)、プランジャーが取り付けられかつ流体ユニットが連結されている図1の例示的な実施形態上の模式的な側面図。
【発明を実施するための形態】
【0096】
これらの図は、本発明によるメータリングシステム1の例示的な実施形態を示す。このメータリングシステム1の主な構成要素に属するものには、その中に位置するピエゾアクチュエータ10を有する筐体2、バルブ16を有する流体ユニット15(図2を参照)、バルブ16を閉じるためのプランジャー装置40、およびピエゾアクチュエータ10をプランジャー装置40に連結するためのトランスミッションレバー20またはレバー20、がある。
【0097】
一般に、メータリングシステム1の筐体2は、略直方体形状として記述できる。図1は、ここでは、(図1においては図示されていない)流体ユニットが連結されていないメータリングシステム1の長手方向断面を示す。図2は、とりわけ、メータリングシステム1の流体ユニット15が、残りのメータリングシステム1に、どのように、そしてどこに、連結されるのかを示す。
【0098】
この点に関して、(ここでは右側の)下側の角において、筐体2は、下側において、プランジャー装置40の細長の閉鎖要素51またはプランジャー51のためと、バルブ16を有する流体ユニット15のための連結点を有する。閉鎖要素51またはプランジャー51は、流体ユニット15の部品であるか、または、後者の中に取り付けられされ、流体ユニット15を交換する際にそれと共に交換されることが可能である。
【0099】
図2においてわかるように、意図したような連結状態において、プランジャー16は、いわゆるバルブシートまたはシーリングシートにおいて、バルブ16に位置する。この位置において、それは必要に応じてバルブ16を閉じ、その結果メータリング材料がバルブ16から意図せずに流出するまたは出ることはできない。この点に関して、動作中のメータリングシステム1は、一般的に、図1に示される向きで主に使用され、即ち大抵はワークピース上におけるメータリングは重力を用いて、したがってメータリング方向DRに、したがって、たとえばレバー20からバルブ16への方向に下方に行われ、“頂部”、“底部”、“上方”、“下方”、“上側”、“下側”、“横または左/右”、“水平”、“垂直”、“前”、“後”、などの相対的な方向の情報は、ここでは、全体の文書にもあるように、図中の実例を任意に参照するということが、もう一度言及される。
【0100】
筐体2の反対側の(ここでは、左側の)上側の角における上側において、いくつかのケーブルまたはラインが、筐体2から出る。これらを介して、上記のメータリングシステムは、制御や電流供給などのために、上位の制御ユニット(ここでは図示せず)に接続可能であり、後者は同様に上位のメータリングシステムに接続可能である。
【0101】
筐体2内において、円筒状にカプセル化されたピエゾアクチュエータ10は、さらに後で説明されるように、中央における下半分に位置する。後者は、平面または平坦な支持表面14を有する筐体2の平坦な表面接触部5上に、その後方端部おいて下側に取り付けられ、かつ、貫通接触ボアを介して電気的に接続される。この取り付けを通じて、取り付け領域における損失が、最小化できる。反対側の上側端部において、ピエゾアクチュエータ10は、その上方に位置するレバー20へと延びる台形アクチュエータ前方部11を有し、当該アクチュエータ前方部はレバー20を通って横方向にまたは水平方向に延びるシリンダーピン24z上におけるローラーベアリング24を形成して、レバー20の内部においてレバー20に沈み込んでアクチュエータ係合点24に位置するかまたは係合する。シリンダーピン24zは、ここでは、レバー20の中へとしっかりと押圧され、その結果、そのアクチュエータ前方部11を有するピエゾアクチュエータ10は、前方側に、顎状にまたはシリンダーピン24zの円柱形状外側表面に対して凹状に構成され、-電圧を印加することによってレバー20上にパルスを及ぼすことがもたらされるように、それが、上方に伸ばされる、または、反対方向に下方に再度圧縮される時に、ピエゾアクチュエータ10はシリンダーピン24z上においてわずかに横方向に、したがって、ここでは右または左へとロールすることができる。
【0102】
ここで、ピエゾアクチュエータ10それ自身は、密閉してカプセル化されるピエゾアクチュエータ10であり、即ち、それは、ピエゾアクチュエータ10の“波状の”エンカプセレーション12によって、エンカプセレーション12を通じてガイドされるラインから離れて囲まれたピエゾスタックを備え、エンカプセレーション12は、筐体2によって、ある遊びを有して、中空の円柱形状に囲まれる。アクチュエータ前方部11の下方のピエゾアクチュエータ10の上側のまわりに環状になって、リングシール13が、エンカプセレーション12と筐体2との間を密封し、したがって、エンカプセレーション12のまわりに中間のスペースを形成し、当該中間のスペースにおいて、冷却流体が、エンカプセレーション12のまわりにおいて動作中のピエゾアクチュエータ10を冷却するために、循環することができる。このために、この冷却流体は一方の側に連続的に冷たい状態で中間のスペースの中へと有利に導入され、他方の側において(ここでは、図示せず)温かい状態で再度排出され、その結果、ピエゾアクチュエータ10はいずれの場合においても特定の最大の動作温度を超えない。
【0103】
既に述べたように、レバー20は、ピエゾアクチュエータ10の上方に位置する。このレバーは、筐体2の中に、レバー20に対して水平方向に(ここでは、図面の平面の中へ、または、図面の平面から外へ)横方向に延びる円柱形シャフト4を介して、シャフト4または傾斜軸Rのまわりに傾斜可能に、取り付けられ、当該シャフトは、傾斜軸Rを示す、または、実現する。
【0104】
このために、シャフト4は、レバーベアリング3に、または、筐体2のレバーベアリング部において、それぞれしっかりと、端部側に安定して留められまたは据えられ、レバーベアリング3はレバー20を囲む。レバー20は、スプリングアレンジメント60のプレテンショニングスプリング67およびピエゾアクチュエータ10によって、シャフト4に対して下方から押圧されまたはテンションがかけられる。したがって、開始位置において、それは、略水平に並べられる。
【0105】
非常に短いレバーアーム21が、レバー20の長手方向の広がりにおける、シャフト4または傾斜軸Rの偏心したまたは中心からはずれた位置から、(ここでは、図1における長手方向セクションにおける左へと)延在し、かつ、それに関して長いレバーアーム23が反対方向(ここでは、右へと)延在する。短いレバーアーム21は、シャフト4のためのベアリング22またはトラフとしてのみ役立ち、その結果、偏心して配置されるシャフト4は、いわばレバー20のほぼ一方の端部に位置するが、レバー20上における短いレバーアーム21の側へとスリップすることはできない。
【0106】
長いレバーアーム23は、傾斜軸の近くに、したがって、シャフト4の位置の近くに、ピエゾアクチュエータ10のアクチュエータ係合点24を有し、かつ、傾斜軸から離れて、したがって、レバーアーム23の端部分において、プランジャー接触点25を有する。プランジャー接触点25において、レバー20は、プランジャー装置40-孔28の内側の縁上において囲むようにしてシャベル表面において“孔”28または貫通開口28を有するある種の“ショベル”のようなもの-を、その延在方向E20に対して略垂直に、受ける、または、持ち上げることができる。
【0107】
既にさらに上記したプレテンショニングスプリング67、ここでは、孔28に対してより大きな内径を有する大きな圧縮コイルバネ67は、レバー20のシャベル面における上側における孔28のまわりの、孔28の孔縁27に沿った、または、プレテンショニング接触点27における、ピエゾアクチュエータ10に対するレバー20のプレテンショニング、を意味する。
【0108】
プランジャー装置40が、筐体2におけるピエゾアクチュエータ10の延在方向E10に略平行な延在方向E40に、ピエゾアクチュエータ10に非常に近くで、レバー20の孔28を通って(レバー20の延在方向E20に対して略垂直に)、延びるので、図示された配置は、特にコンパクトである。つまり、ピエゾアクチュエータ10およびプランジャー装置40は、したがって、同じ延在方向E10、E40に実質的に、筐体2において垂直方向に、互いに隣接して、特にコンパクトに、配置され、かつ、ここでは、比較的短いレバー20を介して、したがって、単に互いから少し間隔を空けて、互いに接続される。
【0109】
プランジャー接触点25において、レバー20は、プランジャー装置40の下方で直接係合し、かつ(ここでは、さらに以下で追加的に説明されるように、バルブ16の開放動作において下方から)プランジャー装置40を持ち上げるが、プランジャー接触点25は、2つの凹んだ球状キャップ26を有する表面を有し、さらに以下で追加的に説明もされるように、2つの球状キャップ26は、いわばインターロックした仕方で、プランジャー装置40の対応する球殻49を受容する。
【0110】
プランジャー装置40それ自身は、ここでは、2つのロッド要素41、51から成り、メータリングシステム1の動作の準備ができたときの状態において、2つのロッド要素41、51には、既に述べたスプリングアレンジメント60によって、互いに関して、テンションがかけられる。動作準備ができたこの状態において、流体ユニット15は、図2における場合であるように、メータリングシステムの筐体2に連結される。
【0111】
プランジャー装置40の(ここでは、上側の)第1のロッド要素41またはトランスミッション要素41は、次に、別々に製造された2つの部品42、45、即ち、円柱形の外側表面を有するロッドを有する細長のロッド部42と、中空の円柱形のシリンダー本体およびより幅広のヘッドを有する細長のヘッドスリーブ部45と、から成る。2つの部品42、45は、取り付けのために、互いに対して押圧され、即ち、ロッド部42は、カスタマイズされた固定方法、即ち熱収縮によって、中空の円柱形のヘッドスリーブ部45の内部において、端部分で固定される。
【0112】
ヘッドスリーブ部45との嵌合接続のために、ロッド部42のロッドは、ヘッドスリーブ部45の中へと内部に導入されるまたは挿入される端部分の領域における外側表面上に、径方向外側に突出する環状の溝またはフルート43、を有する。
【0113】
それに対応して、トランスミッション要素41のヘッドスリーブ部45は、径方向内側に突出する環状のスプリング46を有し、スプリング46は、2つの部品42、45の接続状態において、少なくともわずかに嵌合の仕方で、環状の溝43またはフルート43の中へと係合する。2つの部品42、45の環状の溝43および環状のスプリング46は、また、代替的には、対応する内側のネジ山および外側のネジ山と関連することが可能であり、これらネジ山は、嵌合の仕方で2つの部品42、45を互いに接続させるために、互いの中へとねじ込まれることが可能である。
【0114】
ヘッドスリーブ部45のヘッドは、残りのヘッドスリーブ部45に対してより広いフランジ47を構成する。フランジ47は、ヘッドスリーブ部45の軸方向に見たとき、2つの異なる表面47a、47bを有する。(軸方向に見たときの)バルブ側において、それは、直方体形のベアリングブロック48によって形成された第1のフランジ表面47aを備える。バルブから離れる方を向いて、それは、円形ディスク形状の第2のフランジ表面47bを有する。
【0115】
バルブ16を閉じるためのスプリングアレンジメント60の閉鎖スプリング64bまたはより小さな圧縮コイルバネ64b(さらに以下で追加的に説明される)のうちの1つは、バルブから離れる方を向く丸いフランジ表面47bにおいて位置する。圧縮コイルバネ64bは、ヘッドスリーブ部45の内側のシリンダー本体を環状に囲む。
【0116】
後方側において、即ち、バルブ側において、ベアリングブロック48は、バルブから離れる方を向く第2のフランジ表面47bから、円形ディスク形状のフランジ表面47bに関して、フランジ状に、ここでは、“コーダルな四角形”の形態で、突出する。それは、レバー20の方向に半球状に突出する(既に上記した)2つの球殻49を有する。これらは、動作中において、プランジャー接触点25におけるレバー20の中に形成されるまたは凹む(同様に既に上記した)対応する球状キャップ26上においてロールする。プランジャー装置40のヘッドスリーブ部45は、したがって、低摩擦の摩擦点を形成して、レバー20に、いわば、インターロックされる。
【0117】
プランジャー装置40の第2のロッド要素51(ここでは、図2において下方)または閉鎖要素51も、以下においては、“プランジャー51”と略され、一体形成のものである。それは、細長の円柱形の本体またはシャンクを有し、細長の円柱形の本体またはシャンクは、下側の端部(意図したような設置状態においてバルブ16に面する端部)において、プランジャー先端部52を有して、かつ、反対の上側の端部においてプランジャーヘッド53を有して、形成される。プランジャーヘッド53は、環状のフランジ、したがって、環状の広がり、または、プランジャー51の残りの本体またはシャンクにおけるよりも広い外径を有するリング、と関係する。プランジャー先端部52は、ここでは、たとえば、プランジャー51の丸みを帯びた前方部と関係する。しかし、プランジャー51は、たとえば、ここで図示されたようなものとは違った、独国特許出願公開第10 2020 121 777号明細書に具体的に記載されているような、いわゆる“バルブプッシュロッド”とも関係することができる。この点に関して、その内容は、本明細書に組み込まれる。
【0118】
上側において、即ち、プランジャー51のレバー側において、既に上記したトランスミッション要素41は、プランジャーヘッド53に位置する。
【0119】
この点において、図1において容易に分かるように、筐体2が、プランジャー51のプランジャーヘッド53の領域において、または、ほとんどプランジャー51のプランジャーヘッド53の高さにおいて、ここでは、わずかに楕円形の排出開口2dを有することが述べられることになる。メータリングされるべきメータリング材料の漏れる場合、このことは、メータリング材料が、プランジャー先端部53の領域においてその下方に位置する流体ユニット15のノズルチャンバから、プランジャー51の上方に位置するメータリングシステム1の駆動領域に到達する、または、当該駆動領域の中に押圧されることは不可能であり、メータリングシステム1の有利に選択された点において、この排出開口2dから、メータリングシステム1からあらかじめ既に流れ出ることが可能であるということを規定する。同時に、排出開口2dの大きさが、この領域の簡単な、したがって、容易な可視の光学的なチェック、を可能にする。
【0120】
既に部分的に記載したように、プランジャー装置40は、スプリングアレンジメント60によってそれ自身において弾性的に取り付けられるか、または、プランジャー装置40には、互いに関してテンションがかけられる。このため、スプリングアレンジメント60は、一方では、構造が略同一でありかつ略同じ外径を有する3つのより小さい圧縮コイルバネ61、64a、64bを有し、圧縮コイルバネ64a、64bは、閉鎖スプリングアレンジメント64a、64bを構成し、圧縮コイルバネ61は、開放スプリングアレンジメント61を構成する。
【0121】
圧縮コイルバネ64a、64bまたは閉鎖スプリング64a、64bのうちの2つは、バルブ16を閉じるために、いわゆるバルブシートの中への閉鎖バルブ位置の中へとプランジャー装置40のプランジャー51を最終的には押圧することによってそれらの弾性力がプランジャー装置40をバルブ16の方向に押圧するように、配置される。
【0122】
2つの閉鎖スプリング64a、64bのうちの下側の閉鎖スプリング64aは、ここでは、筐体2のハウジングスリーブ6の第2のハウジングスリーブ部8の範囲内にプランジャー51のプランジャーヘッド53の上方に配置され、かつ、間接的に、ガイドスリーブ8fを介して、上方から、プランジャー51のプランジャーヘッド53に作用する。ここで、閉鎖スプリング64aは、トランスミッション要素41のロッド部42のシャンクまたは円柱形の本体を、遊びを有して囲み、かつ、ロッド部42のシャンクのまわりに比較的に狭い遊びを有して、近接して位置するハウジングスリーブ6の第1のハウジングスリーブ部7の制限部66aまたは縁66aに対して、上側において支持され、ハウジングスリーブ内においてプランジャー装置40が取り付けられる。
【0123】
トランスミッション要素41は、2つの閉鎖スプリング64a、64bのうちの上側の閉鎖スプリング64bによって、バルブ16の方向に、閉鎖要素51に抗して下方に付加的に押圧され、閉鎖スプリング64bは、実際に、既に記載したように、ヘッドスリーブ部45のフランジ47の上方において取り付けられ、かつ、その上方において、筐体2の部分66bに支えられる。
【0124】
第3の残りの(より小さい)圧縮コイルバネ61または開放スプリング61は、プランジャー51のプランジャーヘッド53の下方に直接、配置され、かつ、図2に示されるように、実質的に流体ユニット15とバルブ16とともに残りのメータリングシステム1に連結されるときにプランジャー51を軸方向にガイドするガイドスリーブ63に対して、下側の端部において支持されることによって、プランジャーヘッド53に対して押し付けられる。
【0125】
したがって、全体で、2つの圧縮コイルバネ64a、64bは、下方に押圧し、1つの圧縮コイルバネ61は、上方に押圧し、その結果、バルブ16は、通常、即ち、メータリングシステム1の非通電状態において、力の不均衡によって、単に閉じられる。
【0126】
動作中のレバー20が、そのとき、ピエゾアクチュエータ10のパルスによって、ヘッドスリーブ部45を押圧して、スプリングアレンジメント60の閉鎖スプリング64a、64bの圧力に抗して、バルブ16から離れたロッド部42とともに、後者を動かすときに、それは、閉鎖バルブシートにおいて、その下方に位置するプランジャー51を幾分自由にする。ここではレバー20によって引き受けられる閉鎖スプリング64a、64bの弾性力を通じて、一時的には、開放スプリング61に対抗する弾性力がないか、または、少なくともより小さい弾性力が開放スプリング61に対抗し、その結果、開放スプリング61は、バルブシートから開放バルブ位置へと、プランジャー51を、押し上げることができる。
【0127】
スプリングアレンジメント60に加えて、メータリングシステム1は、連結スプリング70も有する。たとえば、所望のバルブ16を有しかつ(述べたように流体ユニット15の一部であり得る)適切なプランジャー51を有する流体ユニット15が、残りのメータリングシステム1に取り付けられるときに、これは、顧客によるノズル-プランジャー距離の手による調整の実現性に役立つ。このため、流体ユニット15を残りのメータリングシステム1に連結させるために、メータリングシステム1は、流体ユニット15においてまたは筐体2のハウジングスリーブ6においてネジ山9にねじ込まれることが可能な連結ナット18を、流体ユニット15において有する。連結ナット18は、ここでは、連結スプリング70の弾性力に抗して締められることが可能であり、したがって、ノズル-プランジャー距離が、より正確に調整可能である。このため、連結スプリング70は、第1のハウジングスリーブ部7の外径よりも大きい内径であって、第2のハウジングスリーブ部8の外径よりも小さく、特に、大きさで略同じである内径、を有する。連結スプリング70は、第2のハウジングスリーブ部8の上側に位置し、かつ、上方において連結ナット18に位置する。したがって、それは、嵌合して、第1のハウジングスリーブ部7を囲み、かつ、バルブ15の方向の下方において、第2のハウジングスリーブ部8に載っている。連結スプリング70の上方の連結ナット18の連結部分において、たとえば、メータリング材料などの流体が、筐体の部品、したがって、とりわけ、その上方においてピエゾアクチュエータを囲むまたは受容するフレームの中へ入り込むことができないように、これは、2つのリングシール19によって、上方と下方の2カ所でシールされる。
【0128】
さらに、メータリングシステム1は、流体ユニット15の位置決めのための流体位置決め部17も備え、流体位置決め部17は、対応する制御によって選択的に加熱可能である。これは、メータリング材料、バルブ16を有する流体ユニット15,および/またはバルブ16におけるプランジャー51を加熱するのに役立つ。
【0129】
メータリングシステム1の筐体2の、互いに関してスプリングアレンジメント60によってテンションがかけられるプランジャー装置40の上方に位置する、反対の上側端部において、磁気シールド80が筐体2の部品として位置する。磁気シールド80は、第1の永久磁石81と、ギャップ84だけそこから間隔が空けられるホールセンサ82と、第1の永久磁石81の上方の第2の永久磁石83と、を有するホールセンサアレンジメントを、磁気的に、外側へ、特に、上方へ、保護する。
【0130】
またホールセンサアレンジメントを磁気的に下方に保護するために、レバーベアリング3の領域における筐体2の部分は、磁気シールド80の下方のさらなる磁気シールドとして役立つ。全体として、ホールセンサアレンジメントは、したがって、外部の影響に対して保護され、その結果、ホールセンサは、乱されることなく、可能な限り正確に測定を行うことが可能である。これは、ホールセンサが、プランジャー-ノズル距離を非常に正確に調整するのに役立ち、かつ、動作中において、ある種の“フィードバック・システム”としてそれを監視することができることにも役立つからである。したがって、たとえば、測定値が予め決まった目標範囲の外側にあり、たとえば、オペレータの介入が必要になったときに、動作中においてプランジャーの動きは制御電圧と相関関係に至らせることが可能であり、適用可能であれば、制御電圧が再調整できるか、または警告メッセージを生成できる。これは、絶対磁場測定の形態でホールセンサ82によって検出される、小さなロッド形状の永久磁石81としてヘッドスリーブ部45の上側スリーブ端の中へと挿入される第1の永久磁石81とホールセンサ82との距離によって、達成される。定まった値が測定されるとき、理想的な所望の距離またはギャップ84が存在する。したがって、プランジャー51はプランジャー装置40の他方の端において、所望の位置において、したがって、バルブ16に関してまたはノズル16に関して、所望のプランジャー-ノズル距離に位置する。第2の永久磁石83は、ホールセンサ82の上方において、ホールセンサ82の第1の永久磁石81から離れる方を向く側に留められて、その磁場が第1の永久磁石の磁場とは反対に作用するように配置され、第2の永久磁石83は、ホールセンサ82の測定範囲が充分に利用できるように磁場をずらすのに役立つ。このことは、ホールセンサ82の感度を高めるために、正の範囲と負の範囲とに通常分割されるホールセンサ82の測定範囲が、可能な限り完全に正の範囲へとまたは負の範囲へとずらされる、ということを意味する。
【0131】
最後に、詳細に記載した上記の装置は、例示的な実施形態に関係するに過ぎず、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の仕方で改変することができるということが、もう一度指摘される。たとえば、いくつかのメータリングシステムが、メータリングシステムにおいて配置できる。さらにその上、不定冠詞「ein」または「eine」の使用が、それぞれの特徴が複数存在することもできるということを除外しない。
【符号の説明】
【0132】
1 メータリングシステム
2 筐体
2d 排出開口
3 筐体のレバーベアリング
4 シャフト
5 ピエゾアクチュエータのための筐体の表面接触部
6 ハウジングスリーブ
7 第1のハウジングスリーブ部
8 第2のハウジングスリーブ部
8f 閉鎖スプリングをガイドするための第2のハウジングスリーブ部におけるガイドスリーブ
9 ネジ山
10 ピエゾアクチュエータ
11 ピエゾアクチュエータ前方部
12 エンカプセレーション
13 リングシール
14 支持表面
15 流体ユニット
16 バルブ/ノズル
17 流体位置決め部
18 流体ユニットの連結ナット
19 連結ナットのリングシール
20 トランスミッションレバー/レバー
21 短いレバーアーム
22 シャフトのためのベアリング
23 長いレバーアーム
24 傾斜軸に近いアクチュエータ係合点/ローラーベアリング
24z アクチュエータ係合点に近いシリンダーピン
25 傾斜軸から離れたプランジャー接触点
26 球状キャップ
27 トランスミッションレバーのプレテンショニングスプリング接触点/板形状の部分
28 トランスミッションレバーの、ロッド部のための孔/貫通開口
40 プランジャー装置
41 第1のロッド要素/トランスミッション要素
42 トランスミッション要素のロッド部
43 ロッド部の環状の溝
45 トランスミッション要素のヘッドスリーブ部
46 ヘッドスリーブ部の環状のスプリング
47 ヘッドスリーブ部のフランジ
47a 第1のフランジ表面、バルブ側
47b 第2のフランジ表面
48 ベアリングブロック
49 球殻
51 第2のロッド要素/閉鎖要素/プランジャー
52 プランジャーのプランジャー先端部/プランジャー装置の閉鎖要素
53 プランジャーヘッド
60 スプリングアレンジメント
61 開放スプリングアレンジメント/開放スプリング/圧縮コイルバネ
63 閉鎖要素のためのガイドスリーブ
64a、b 閉鎖スプリングアレンジメント/閉鎖スプリング/圧縮コイルバネ
66a 筐体の制限部/縁
66b 筐体の部分
67 プレテンショニングスプリング/圧縮コイルバネ
70 連結スプリング
80 シールド
81 第1の永久磁石
82 ホールセンサ/ホールプローブ
83 第2の永久磁石
84 ギャップ
DR メータリング方向/トランスミッションレバーからバルブへの方向
10 ピエゾアクチュエータの延在方向
20 トランスミッションレバーの延在方向/レバーアーム長手方向
40 プランジャー装置の延在方向
Q アクチュエータの対称面の第2の対称軸
R シャフトを通る傾斜軸
図1
図2
【国際調査報告】