(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】充電パッドを伴うデバイス
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240614BHJP
A24F 40/90 20200101ALI20240614BHJP
【FI】
H02J7/00 301A
A24F40/90
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572142
(86)(22)【出願日】2022-06-10
(85)【翻訳文提出日】2024-01-19
(86)【国際出願番号】 GB2022051455
(87)【国際公開番号】W WO2022258980
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】マスグレイブ, ダミン
(72)【発明者】
【氏名】ブルートン, コナー
(72)【発明者】
【氏名】アル‐アミン, モハメッド
【テーマコード(参考)】
4B162
5G503
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC33
4B162AD41
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA11
5G503FA01
(57)【要約】
第1の側および第2の側を有するデバイス(エアロゾル供給デバイスなど)について記載される。デバイスは、デバイスの第1の側に少なくとも2つの第1の接触充電パッドを備える。少なくとも2つの接触充電パッドがデバイスの第2の側でアクセス可能である。デバイスを充電するための方法も記載される。方法は、デバイスの第1の側に設けられる少なくとも2つの接触充電パッドが充電マットの異なる充電ポイントと接触するようにデバイスを充電マット上に配置するステップを含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、前記デバイスが第1の側および第2の側を有し、前記デバイスが該デバイスの前記第1の側に少なくとも2つの第1の接触充電パッドを備え、少なくとも2つの接触充電パッドが前記デバイスの前記第2の側でアクセス可能である、デバイス。
【請求項2】
エアロゾル供給デバイスである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記デバイスの前記第2の側に少なくとも2つの第2の接触充電パッドを更に備える、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1の接触充電パッドが、前記デバイスの前記第1の側および第2の側の両方からアクセス可能である、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第1の充電パッドのそれぞれが前記デバイスの周囲にわたって延在する、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第1の充電パッドのそれぞれが前記デバイスの周囲にわたって延在するリングである、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記第1の側が前記第2の側の実質的に反対側にある、請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記デバイスの前記第1および第2の側が前記デバイスの同じ表面の一部を形成する、請求項1~7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
各接触充電パッド上の領域またはポイントが第1の共通平面内または第1の共通平面上にあるように配置される少なくとも2つの第1の接触充電パッドを備えるデバイス。
【請求項10】
ハウジングを更に備え、前記ハウジングが前記第1の共通平面下にある、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記デバイスが第1の側および第2の側を有し、前記第1の接触充電パッドが前記デバイスの前記第1の側に設けられ、少なくとも2つの接触充電パッドが前記デバイスの前記第2の側でアクセス可能である、請求項9または10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記デバイスの前記第2の側に少なくとも2つの第2の接触充電パッドを更に備え、前記少なくとも2つの第2の接触充電パッドが、各第2の接触充電パッド上の領域またはポイントが第2の共通平面内または第2の共通平面上にあるように配置される、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記第1の接触充電パッドが前記デバイスの前記第1の側および第2の側の両方からアクセス可能である、請求項11または12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記デバイスは、前記接触充電パッドのうちの1つ以上を介してデータを送信するように構成される、請求項1~13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記データがデータオーバーパワープロトコルを使用して送信される、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記デバイスが長尺なデバイスである、請求項1~15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載のデバイスを備える不燃性エアロゾル供給デバイス。
【請求項18】
エアロゾル供給デバイスであって、前記エアロゾル供給デバイスが第1の側および第2の側を有し、前記エアロゾル供給デバイスが、前記デバイスの前記第1の側に少なくとも2つの第1の接触充電パッドを備え、前記少なくとも2つの第1の接触充電パッドが所定の距離だけ互いに離間される、エアロゾル供給デバイス。
【請求項19】
前記エアロゾル供給デバイスが長尺なデバイスであり、前記少なくとも2つの第1の接触充電パッドが、前記長尺な方向で前記所定の距離だけ互いに離間される、請求項18に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項20】
前記少なくとも2つの第1の接触充電パッドが前記デバイスの前記第2の側でアクセス可能である、請求項18または19に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項21】
前記第1の充電パッドのそれぞれが前記デバイスの周囲にわたって延在する、請求項18~20のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項22】
前記デバイスが、前記接触充電パッドのうちの1つ以上を介してデータを送信するように構成される、請求項18~21のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項23】
請求項17~22のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスを含む電子喫煙品。
【請求項24】
デバイスを充電する方法であって、
前記デバイスを、充電マット上に、前記デバイスの第1の側に設けられる少なくとも2つの接触充電パッドが前記充電マットの異なる充電ポイントと接触するように配置するステップを含む方法。
【請求項25】
前記少なくとも2つの第1の接触充電パッドが、各接触充電パッド上の領域またはポイントが第1の共通平面内または第1の共通平面上にあるように配置され、前記デバイスが、前記接触充電パッドが前記充電マットと接触できるように前記第1の共通平面下にハウジングを備える、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも2つの接触充電パッドが前記デバイスの第2の側でアクセス可能である、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
前記接触充電パッドのうちの1つ以上を介して前記デバイスとの間でデータを送信するステップを更に含む、請求項24~26のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、充電パッドを伴うデバイス(エアロゾル発生デバイスなど)に関する。
【背景】
【0002】
電子タバコなどのエアロゾル生成デバイスは、燃焼を必要とせずに化合物を放出するために開発されてきた。そのようなデバイスは、充電式バッテリを含むことが多い。そのようなデバイスの充電における更なる発展が依然として必要とされている。
【概要】
【0003】
第1の態様において、この明細書は、デバイス(エアロゾル供給デバイスなど)について記載し、該デバイスが第1の側および第2の側を有し、デバイスが、デバイスの第1の側に少なくとも2つの第1の接触充電パッドを備え、少なくとも2つの接触充電パッドがデバイスの第2の側でアクセス可能である。デバイスは、デバイスの第2の側に少なくとも2つの第2の接触充電パッドを更に備えてもよい。デバイスは、長尺なデバイスであってもよい。
【0004】
第1の接触充電パッドは、デバイスの第1および第2の側の両方からアクセス可能であってもよい。第1の充電パッドのそれぞれは、デバイスの周囲にわたって延在してもよく、例えば、第1の充電パッドのそれぞれは、デバイスの周囲にわたって延びるリングであってもよい。
【0005】
第1の側は、第2の側の実質的に反対側にあってもよい。
【0006】
デバイスの第1および第2の側は、デバイスの同じ表面の一部を形成してもよい。
【0007】
デバイスは、前記接触充電パッドのうちの1つ以上を介してデータを(例えば、データオーバーパワープロトコルを使用して)送信するように構成されてもよい。
【0008】
第2の態様において、この明細書は、各接触充電パッド上の領域またはポイントが第1の共通平面内または第1の共通平面上にあるように配置される少なくとも2つの第1の接触充電パッドを備えるデバイスについて記載する。デバイスは、長尺なデバイスであってもよい。
【0009】
デバイスがハウジングを更に備えてもよく、ハウジングは第1の共通平面下にある。
【0010】
デバイスは、第1の側および第2の側(デバイスの両側にあってもよい)を有してもよく、前記第1の接触充電パッドがデバイスの第1の側に設けられ、少なくとも2つの接触充電パッドがデバイスの第2の側でアクセス可能である。少なくとも2つの第2の接触充電パッドがデバイスの第2の側に設けられてもよく、少なくとも2つの第2の接触充電パッドは、各第2の接触充電パッド上の領域またはポイントが第2の共通平面内または第2の共通平面上にあるように配置される。第1の接触充電パッドは、デバイスの第1および第2の側の両方からアクセス可能であってもよい。
【0011】
デバイスは、前記接触充電パッドのうちの1つ以上を介してデータを(例えば、データオーバーパワープロトコルを使用して)送信するように構成されてもよい。
【0012】
第3の態様において、この明細書は、第1または第2の態様に関連して前述したデバイスを備える不燃性エアロゾル供給デバイスについて記載する。
【0013】
第4の態様において、この明細書はエアロゾル供給デバイスについて記載し、エアロゾル供給デバイスが第1の側および第2の側を有し、エアロゾル供給デバイスは、デバイスの第1の側に少なくとも2つの第1の接触充電パッドを備え、少なくとも2つの第1の接触充電パッドが互いに所定の距離だけ離間される。少なくとも2つの第1の接触充電パッドは、デバイスの第2の側でアクセス可能であってもよい。
【0014】
エアロゾル供給デバイスは長尺なデバイスであってもよく、少なくとも2つの第1の接触充電パッドは、長尺方向に所定の距離だけ互いに置換されてもよい。
【0015】
第1の充電パッドのそれぞれは、デバイスの周囲にわたって延在してもよい。
【0016】
デバイスは、前記接触充電パッドのうちの1つ以上を介してデータを送信するように構成されてもよい。
【0017】
第5の態様において、この明細書は、第3または第4の態様に関連して前述したエアロゾル供給デバイスを備える電子喫煙品について記載する。
【0018】
第6の態様において、この明細書はデバイスを充電する方法について記載し、該方法は、デバイスの第1の側に設けられる少なくとも2つの接触充電パッドが充電マットの異なる充電ポイントと接触するようにデバイスを充電マット上に配置するステップを含む。デバイスは、第1~第4の態様に関連して前述したようなデバイスであってもよい。
【0019】
少なくとも2つの第1の接触充電パッドは、各接触充電パッド上の領域またはポイントが第1の共通平面内または第1の共通平面上にあるように配置されてもよく、デバイスは、接触充電パッドが充電マットと接触することができるように第1の共通平面下にハウジングを備える。
【0020】
少なくとも2つの接触充電パッドは、デバイスの第2の側でアクセス可能であってもよい。
【0021】
方法は、前記接触充電パッドのうちの1つ以上を介してデバイスとの間でデータを送信するステップを更に含んでもよい。
【0022】
ここで、以下の概略図を参照して、単なる例として、例示的な実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】例示的な実施形態に係るエアロゾル生成デバイスのブロック図である。
【
図2】例示的な実施形態に係るアルゴリズムを示すフローチャートである。
【
図3】例示的な実施形態に係る充電マットのブロック図である。
【
図4】例示的な実施形態に係るデバイスのブロック図である。
【
図5】例示的な実施形態に係る充電されているデバイスを示すシステムの断面図である。
【
図6】例示的な実施形態に係るシステムのブロック図である。
【
図7】例示的な実施形態に係るアルゴリズムを示すフローチャートである。
【
図8】例示的な実施形態に係るデバイスのブロック図である。
【
図9A】例示的な実施形態に係るデバイスの断面図である。
【
図9B】例示的な実施形態に係るデバイスの断面図である。
【
図9C】例示的な実施形態に係るデバイスの断面図である。
【
図9D】例示的な実施形態に係るデバイスの断面図である。
【
図10】例示的な実施形態に係るアルゴリズムを示すフローチャートである。
【
図11】例示的な実施形態に係る充電デバイスのブロック図である。
【
図12】例示的な実施形態に係るデバイスのブロック図である。
【詳細な説明】
【0024】
本開示によれば、「不燃性」エアロゾル供給システムは、ユーザへの少なくとも1つの物質の送達を容易にするために、エアロゾル供給システムの構成エアロゾル生成材料(またはその成分)が燃焼されないまたは燃えないシステムである。
【0025】
幾つかの実施形態において、送達システムは、電動式の不燃性エアロゾル供給システムなどの不燃性エアロゾル供給システムである。
【0026】
幾つかの実施形態において、不燃性エアロゾル供給システムは、気化デバイスまたは電子ニコチン送達システム(END)としても知られる電子タバコであるが、エアロゾル生成材料中のニコチンの存在が要件ではないことに留意されたい。
【0027】
幾つかの実施形態において、不燃性エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱システムとしても知られるエアロゾル生成材料加熱システムである。そのようなシステムの一例は、タバコ加熱システムである。
【0028】
幾つかの実施形態において、不燃性エアロゾル供給システムは、その1つ以上が加熱され得るエアロゾル生成材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムである。エアロゾル生成材料のそれぞれは、例えば、固体、液体またはゲルの形態であってもよく、ニコチンを含んでも含まなくてもよい。幾つかの実施形態において、ハイブリッドシステムは、液体またはゲルエアロゾル生成材料および固体エアロゾル生成材料を含む。固体エアロゾル生成材料は、例えば、タバコまたは非タバコ製品を含んでもよい。
【0029】
一般に、不燃性エアロゾル供給システムは、不燃性エアロゾル供給デバイスと、不燃性エアロゾル供給デバイスと共に使用するための消耗品とを備えてもよい。
【0030】
幾つかの実施形態において、本開示は、エアロゾル生成材料を含む伴わない不燃性エアロゾル供給デバイスと共に使用されるように構成される消耗品に関する。これらの消耗品は、本開示の全体にわたって物品と呼ばれることがある。
【0031】
幾つかの実施形態において、その不燃性エアロゾル供給デバイスなどの不燃性エアロゾル供給システムは、電源およびコントローラを備えてもよい。電源は、例えば、電力源または発熱電源であってもよい。幾つかの実施形態において、発熱電源は、発熱電源に近接するエアロゾル生成材料または熱伝達材料に熱の形態で電力を分配するように給電され得る炭素基材を含む。
【0032】
幾つかの実施形態において、不燃性エアロゾル供給システムは、消耗品を受けるための領域、エアロゾル生成器、エアロゾル生成領域、ハウジング、マウスピース、フィルタおよび/またはエアロゾル改質剤を含んでもよい。
【0033】
幾つかの実施形態において、不燃性エアロゾル供給デバイスと共に使用するための消耗品は、エアロゾル生成材料、エアロゾル生成材料貯蔵領域、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成器、エアロゾル生成領域、ハウジング、包装紙、フィルタ、マウスピース、および/またはエアロゾル改質剤を備えてもよい。
【0034】
エアロゾル生成材料は、例えば、他の方法で加熱、照射または給電されるときにエアロゾルを生成することができる材料である。エアロゾル生成材料は、例えば、活性物質および/または香味料を含んでも含まなくてもよい固体、液体またはゲルの形態であってもよい。幾つかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、「非晶質固体」を含んでもよく、これは代替的に「モノリシック固体」(すなわち、非繊維状)と呼ばれてもよい。幾つかの実施形態では、非晶質固体が乾燥ゲルであってもよい。非晶質固体は、その中に液体などの何らかの流体を保持し得る固体材料である。幾つかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、例えば、約50重量%、60重量%または70重量%の非晶質固体から約90重量%、95重量%または100重量%の非晶質固体までを含んでもよい。
【0035】
エアロゾル生成材料は、1つ以上の活性物質および/または香味料、1つ以上のエアロゾル形成材料、および任意選択的に1つ以上の他の機能性材料を含んでもよい。
【0036】
エアロゾル形成材料は、エアロゾルを形成することができる1つ以上の構成要素を含んでもよい。幾つかの実施形態において、エアロゾル形成材料は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソエリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、酢酸ベンジルフェニル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、および炭酸プロピレンのうちの1つ以上を含み得る。
【0037】
消耗品は、エアロゾル生成材料を含むまたはエアロゾル生成材料から成る物品であり、その一部または全部は、ユーザによる使用中に消費されるようになっている。消耗品は、エアロゾル生成材料貯蔵領域、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成領域、ハウジング、包装紙、マウスピース、フィルタおよび/またはエアロゾル改質剤などの1つ以上の他の構成要素を備えてもよい。また、消耗品は、使用中にエアロゾル生成材料にエアロゾルを生成させるために熱を放出するヒータなどのエアロゾル生成器を備えてもよい。ヒータは、例えば、可燃性材料、電気伝導によって加熱可能な材料、またはサセプタを備えてもよい。
【0038】
エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるように構成される装置である。幾つかの実施形態において、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料から1つ以上の揮発性物質を放出してエアロゾルを形成するように、エアロゾル生成材料を熱エネルギーに晒すように構成されるヒータである。幾つかの実施形態において、エアロゾル生成器は、加熱せずにエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるように構成される。例えば、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料を振動、圧力上昇、または静電エネルギーのうちの1つ以上に晒すように構成されてもよい。
【0039】
図1は、例示的な実施形態に係る全体的に参照番号10で示すエアロゾル生成デバイスのブロック図である。
【0040】
エアロゾル生成デバイス10は、バッテリ11と、制御回路12と、この例ではヒータ13であるエアロゾル生成器と、この例では気化性液体を貯蔵するための液体リザーバ14であるエアロゾル生成材料貯蔵領域とを備える。以下で詳細に説明するように、バッテリ11は充電可能であってもよい。
【0041】
デバイス10の使用においては、矢印16によって示されるように、空気がヒータ13の空気入口に引き込まれる。ヒータ13は、液体リザーバ14から引き出された液体を加熱することによってエアロゾルを生成するために使用される。セラミックヒータを使用する幾つかのデバイスでは、液体が多孔質ヒータ材料のマイクロ流体によって吸い上げられ、幾つかの他のデバイスでは、液体をヒータ13に吸い上げるために専用の吸い上げ材料(繊維状綿など)が設けられてもよい。エアロゾルは、矢印17によって示されるように空気出口でデバイスから出る(例えば、デバイス10のユーザの口の中へ入る)。
【0042】
勿論、エアロゾル生成デバイス10は、単なる例として提供されており、非常に概略的である。本明細書に記載の原理の例示的な実施では、多くの別のエアロゾル生成デバイスおよび他のデバイスを使用することができる。
【0043】
図2は、例示的な実施形態に係る、全体的に参照番号20で示されるアルゴリズムを示すフローチャートである。
【0044】
アルゴリズム20は、工程22で始まり、この工程22では、前述のエアロゾル生成デバイス10などのデバイスのバッテリが充電される。工程24では、デバイスが使用される。デバイスの使用は、電力(例えば、バッテリから)を必要とするとともにエアロゾル生成のみに限定されないデバイスの任意のそのような使用を含み得る。工程22においてデバイスを充電するための幾つかの構成が可能である。デバイス10は、例えば、バッテリ11が完全にまたは部分的に使い果たされるときに、充電工程22に戻ることができる。幾つかの例示的な実施形態では、デバイスが使用されている間にデバイスを充電できるようにすることが有利であり得る。
【0045】
図3は、例示的な実施形態に係る充電マット30のブロック図である。以下で更に説明するように、充電マット30は、接触充電によってデバイスのバッテリを充電するために使用されてもよく、それによって前述のアルゴリズム20の工程22を実施する。
【0046】
マット30は、複数の接触充電ポイントを備える。接触充電ポイント32a~32fの第1列が
図3にラベル付けされる。第2列の接触充電ポイントが接触充電ポイント33a~33f(接触充電ポイント33aおよび33fのみがラベル付けされる)と、第3列の接触充電ポイント34a~34f(接触充電ポイント34aおよび34fのみがラベル付けされる)を含む。
【0047】
マット30は、
図3に示すものよりも多いまたは少ない接触充電ポイントを有してもよい。例えば、マットが任意の数の列を有してもよく、各列が任意の数の接触充電ポイントを有してもよい。更に、接触充電ポイントの分布は、マット30に示されている分布と異なっていてもよく、例えば、異なる列が異なる数の接触充電ポイントを含んでもよい。接触充電ポイントの一部または全ては、
図3に示される形状(例えば、接触充電ポイントは、充電されるべきデバイスの位置合わせおよび位置決めを助けるように成形することができる)とは異なる形状であってもよい。
【0048】
各接触充電ポイントは、充電されるべきデバイスの接触充電パッドと結合され得る。より具体的には、マット30は、充電されるべきデバイスの少なくとも2つの接触充電パッドと結合するための少なくとも2つの充電ポイントを備える。
【0049】
図4は、例示的な実施形態に係るデバイス40のブロック図である。デバイス40は、第1の側および第2の側(例示的なデバイス40ではこれらの側が互いに反対である)を有するデバイス(エアロゾル生成デバイスなど)である。デバイス40の第1の側には、一対の第1の接触充電パッド42a、42bが設けられる。デバイス40の第2の側には、一対の第2の接触充電パッド44a、44bが設けられる。したがって、接触充電パッドは、デバイス40の第1および第2の側の両方からアクセス可能である。デバイス40の異なる側に接触充電パッドを設けることにより、デバイスを異なる向きで充電することができ、これはユーザにとって便利であり得る。
図4の例では、デバイス40が長尺であり、一対の接触パッド42a、42bおよび44a、44bのそれぞれは、長尺方向においてデバイスのそれぞれの端部にまたはそれに隣接して設けられる。しかしながら、デバイスの他の構成(例えば、非長尺形態)も可能である。更に、接触充電パッドが設けられる「側」は、
図4に示される側とは異なってもよく、例えば、接触充電パッドがデバイス40の端部に設けられてもよく、第1の対の接触充電パッドが一端に設けられ、第2の対の接触充電パッドが他端に設けられてもよい。
【0050】
デバイス40の充電パッド42aおよび42bは、各接触充電パッド上の領域またはポイントが第1の共通平面内または第1の共通平面上にあるように配置される。同様に、第2の充電パッド44aおよび44bは、各接触充電パッド上の領域またはポイントが第2の共通平面内または第2の共通平面上にあるように配置される。デバイス40はハウジング46を含み、ハウジングは、接触充電パッドが前述のマット30などの充電マットの接触充電ポイントと接触することができるように、前記共通平面下にある。
【0051】
デバイス40は例としてのみ提供され、多くの別の構成が可能であることに留意すべきである。例えば、デバイス40は充電接点を構成する平坦な平面を提供するが、これは全ての例示的な実施形態に必須ではない。本明細書に記載の原理は、充電デバイスおよび充電中のデバイスが平坦ではない形状の範囲に適用可能である。例えば、充電器は、割り当て機能を与える凹部、または充電されるべきデバイスの付属物を有してもよい。
【0052】
デバイス40は、エアロゾル供給デバイス(前述のデバイス10など)であってもよい。デバイス40の接触充電パッドは、以下で更に説明するように、デバイス40のバッテリを充電するために使用することができる。
【0053】
図5は、例示的な実施形態に係る充電されているデバイスを示す、参照符号50によって全体的に示されるシステムの断面図である。より具体的には、システム50は、デバイス40を充電するためにマット30が使用されていることを示す。
【0054】
システム50の断面は、前述の接触充電ポイント33a~33fの第2列の一部を形成する接触充電ポイント33a、33b、33cおよび33dを示す。デバイス40は、接触充電パッド42aが接触充電ポイント33bと接触し、接触充電パッド42bが接触充電ポイント33cと接触するように位置される。なお、この接続は容易に反転させることができる(その結果、接触充電パッド42aが接触充電ポイント33cと接触し、接触充電パッド42bが接触充電ポイント33bと接触する)。したがって、システム50は、大きな柔軟性を与える。
【0055】
システム50は、以下で更に説明するように、デバイス40を充電するための充電ポイント33bおよび33cを結合するために使用される充電装置52を更に備える。
【0056】
図6は、例示的な実施形態に係る、全体的に参照番号60で示されるシステムのブロック図である。
【0057】
システム60は、前述の接触充電ポイント33a、33b、および33cを含む。システム60は、電源62と、コントローラ64と、第1、第2および第3のスイッチングモジュール66a~66cとを更に備える。以下で更に説明するように、第2および第3のスイッチングモジュール66bおよび66cは、前述の充電装置52を形成する。明らかに、システムの接触充電ポイントの様々な組合せの間に複数の充電装置が設けられる。
【0058】
第1~第3のスイッチングモジュール66a、66b、66cのそれぞれには、電源62およびコントローラ64の両方が接続される。第1のスイッチングモジュール66aは接触充電ポイント33aに結合される。同様に、第2のスイッチングモジュール66bは接触充電ポイント33bに結合され、第3のスイッチングモジュール66cは接触充電ポイント33cに結合される。
【0059】
コントローラ64は、それぞれの充電ポイントと接触しているデバイス(デバイス40など)のバッテリを充電するために、接触充電ポイントの対の間に電力を供給できるようにスイッチングモジュールを制御する。コントローラ64は、充電されているデバイスに応じて、正しい電圧の大きさおよび極性がスイッチングモジュールを介して印加されるようにするべく使用することもできる。
【0060】
例として、充電装置52は、第2のスイッチングモジュール66bおよび第3のスイッチングモジュール66cを作動させるように制御することができ、それにより、電源62からの電力が接触充電ポイント33bおよび33cにわたって供給され、デバイス40を充電することができる。未使用の充電ポイントは、高抵抗または安全な電圧に保持される。
【0061】
図7は、例示的な実施形態に係る、全体的に参照番号70で示されるアルゴリズムを示すフローチャートである。
【0062】
アルゴリズム70は工程72で始まり、この工程72において、デバイス(例えば、エアロゾル発生デバイス)は、デバイスの第1の側に設けられる少なくとも2つの接触充電パッドが充電マットの異なる接触充電ポイントと接触するように、充電マット上に配置される。前述したスイッチング装置の可撓性を使用して、デバイスを充電ポイントの任意の組合せ(例えば、任意の対)と接触して配置することができる。
【0063】
例として、工程72は、
図5に示されるように、デバイス40の接触充電パッド42aおよび42bが充電マットの接触充電ポイント33bおよび33cと接触するように、デバイス40を充電マット30上に配置することによって実施することができる。
【0064】
工程74において、充電マット上に置かれたデバイスが充電される。工程74は、コントローラ64の制御下で、システム60のスイッチングモジュールによって実施することができる。
【0065】
デバイス40の接触充電パッドの構成は、多くの例示的な実装形態のうちの1つである。デバイス40では、2つの第1の接触充電パッドがデバイスの第1の側に設けられ、2つの異なる接触充電パッドがデバイスの他方側に設けられる。これは、全ての例示的な実施形態に必須ではない。例えば、充電パッドは、何らかの他の方法でデバイスの第1の側と第2の側の両方にアクセス可能であってもよい。例えば、第1の接触充電パッド(デバイスの第1の側に設けられる)は、デバイスの第1および第2の側の両方からアクセス可能であってもよい(例えば、デバイスの周りに延在することによって)。
【0066】
図8は、例示的な実施形態に係るデバイス80のブロック図である。デバイス80は、第1の側および第2の側(例示的なデバイス40ではこれらの側が互いに反対側である)を有する長尺なデバイス(エアロゾル生成デバイスなど)である。デバイス40の第1および第2の側の両方からアクセス可能な一対の接触充電パッド82および83が設けられる。具体的には、接触充電パッド82および83は、デバイス80の周囲にわたって延在するリングである。
【0067】
前述したデバイス40、80は、第1の側と第2の側とを有するデバイス(例えば、長尺なデバイス)である。これらのデバイスの断面は、多くの異なる形態をとることができる。
【0068】
図9A~
図9Dは、例示的な実施形態に係るデバイスの断面図である。
【0069】
図9Aは、正方形の断面を有するデバイス91を示し、デバイスの反対の第1の側および第2の側に第1の接触充電パッド92aおよび第2の接触充電パッド92bが設けられる。
【0070】
図9Bは、円形断面を有するデバイス93を示し、デバイスの反対の第1の側および第2の側に第1の接触充電パッド94aおよび第2の接触充電パッド94bが設けられる。したがって、デバイスの第1および第2の側は、デバイスの同じ表面の一部を形成してもよく、例えば、円筒形のペン状デバイスを形成してもよい。
【0071】
図9Cは、楕円形断面を有するデバイス95を示し、デバイスの反対の第1の側および第2の側に第1の接触充電パッド96aおよび第2の接触充電パッド96bが設けられる。
【0072】
図9Dは、より複雑な断面を有するデバイス97を示し、デバイスの反対の第1の側および第2の側に第1の接触充電パッド98aおよび第2の接触充電パッド98bが設けられる。
【0073】
勿論、デバイス91~94は単なる例として提供されている。別の実施形態では、多くの別の断面形状を提供することができる。
【0074】
接触充電ポイントと接触する接触充電パッドを有するデバイスを充電することに加えて、システム60(または幾つかの同様のシステム)を使用して、接触充電ポイントを介してデバイスとの間でデータを送信することができる。
【0075】
図10は、例示的な実施形態に係る、全体的に参照番号100で示されるアルゴリズムを示すフローチャートである。
【0076】
アルゴリズム100は工程72で始まり、この工程72では、前述したように、デバイスの第1の側に設けられる少なくとも2つの接触充電パッドが充電マットの異なる接触充電ポイントと接触するように、デバイス(例えば、エアロゾル発生デバイス)が充電マット上に配置される。
【0077】
工程74において、充電マット上に置かれたデバイスが充電される。前述したように、工程74は、コントローラ64の制御下で、システム60のスイッチングモジュールによって実施することができる。
【0078】
工程102において、データは、充電マット上に配置されるデバイスによって、または充電マット上に配置されるデバイスに送信される。データは、前記接触充電パッドのうちの1つ以上を介して送信される。例えば、データは、データオーバーパワープロトコルを使用して送信され得る。したがって、デバイスは、データを送信および/または受信している間に充電され得る。
【0079】
工程104において、デバイスはマットから取り外される。
【0080】
前述したように、充電接触ポイントが充電マットの一部として設けられてもよい。これは、全ての例示的な実施形態に必須ではない。充電ポイントは、多くの異なる方法で提供され得る。
【0081】
図11は、例示的な実施形態に係る、全体的に参照番号110で示される充電デバイスのブロック図である。充電デバイス110は、前述のデバイス40または80などのデバイスをデバイス110内に保持できるようにするべく成形される。充電デバイス110は、充電のためのデバイスの接触充電パッドと結合するための第1の接触充電ポイント112および第2の接触充電ポイント113を含む。使用時、充電デバイス110は、デバイスの便利な充電を可能にするためにユーザの机の上に配置されてもよい。
【0082】
勿論、マット30および充電デバイス110は、単なる例として提供されている。多くの変形形態が可能である。
【0083】
前述の例示的な実施形態では、接触充電パッドがデバイスの第1の側に設けられ、接触充電パッドがデバイスの第2の側でアクセス可能である。これは、全ての例示的な実施形態に必須ではない。例えば、第1の側および第2の側を有するデバイス(エアロゾル供給デバイスなど)が設けられてもよく、デバイスは、デバイスの第1の側に少なくとも2つの第1の接触充電パッドを有し、少なくとも2つの第1の接触充電パッドは、所定の距離だけ互いに離間される。
【0084】
例として、
図12は、例示的な実施形態に係るデバイス120(エアロゾル供給デバイスなど)のブロック図である。デバイス120は、第1の側および第2の側(例示的なデバイス120では、これらの側が互いに反対である)を有する。一対の第1の接触充電パッド122aおよび122b(前述の接触充電パッド42aおよび42bと同様)は、デバイス40の第1の側に設けられ、互いに所定の距離だけ離間される。
図12の例では、デバイス120が長尺であり、一対の接触パッド42a、42bおよび44a、44bのそれぞれは、長尺方向においてデバイスのそれぞれの端部にまたはそれに隣接して設けられる。しかしながら、デバイスの他の構成(例えば、非長尺形態)も可能である。
【0085】
前述したように、デバイス40の第1の充電パッド122aおよび122bは、各接触充電パッド上の領域またはポイントが第1の共通平面内または第1の共通平面上にあるように配置されてもよい。更に、デバイス40はハウジング126を含み、ハウジングは、接触充電パッドが前述のマット30などの充電マットの接触充電ポイントと接触することができるように、前記共通平面下にある。
【0086】
本明細書に記載の様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解および教示を支援するためにのみ提示される。これらの実施形態は、実施形態の代表的なサンプルとしてのみ提供され、網羅的および/または排他的ではない。本明細書に記載された利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、および/または他の態様は、特許請求の範囲によって定義された本発明の範囲に対する制限または特許請求の範囲に対する均等物に対する制限と見なされるべきではなく、特許請求された発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態を利用することができ、修正を行うことができることを理解すべきである。本発明の様々な実施形態は、本明細書に具体的に記載されたもの以外の、開示された要素、構成要素、特徴、部品、ステップ、手段などの適切な組合せを適切に含むか、それから成るか、または本質的にそれから成ることができる。更に、本開示は、現在特許請求に記載されていないが、将来特許請求に記載され得る他の発明を含み得る。
【国際調査報告】