IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エスティーエス バイオ カンパニー,リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-閉鎖型薬剤混合抽出機構 図1
  • 特表-閉鎖型薬剤混合抽出機構 図2
  • 特表-閉鎖型薬剤混合抽出機構 図3
  • 特表-閉鎖型薬剤混合抽出機構 図4
  • 特表-閉鎖型薬剤混合抽出機構 図5
  • 特表-閉鎖型薬剤混合抽出機構 図6
  • 特表-閉鎖型薬剤混合抽出機構 図7
  • 特表-閉鎖型薬剤混合抽出機構 図8
  • 特表-閉鎖型薬剤混合抽出機構 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】閉鎖型薬剤混合抽出機構
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/20 20060101AFI20240614BHJP
【FI】
A61J1/20 314C
A61J1/20 316B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572162
(86)(22)【出願日】2023-04-19
(85)【翻訳文提出日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 KR2023005259
(87)【国際公開番号】W WO2023229232
(87)【国際公開日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】10-2022-0064566
(32)【優先日】2022-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523424949
【氏名又は名称】エスティーエス バイオ カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジョン ゴン
(72)【発明者】
【氏名】バン,マン ジン
(72)【発明者】
【氏名】ホ,ジェ フン
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA05
4C047AA27
4C047CC04
4C047CC14
4C047HH02
4C047HH03
4C047HH06
(57)【要約】
本発明は、閉鎖型薬剤混合抽出機構に関し、第1の薬ボトルと第2の薬ボトルにそれぞれ保存された薬剤を混合して抽出するための閉鎖型薬剤混合抽出機構であって、前記第1の薬ボトル及び第2の薬ボトルにそれぞれ挿入される第1の針部及び第2の針部と、注射器が結合される接続ポートと、空気が出入する通気ポートとを含み、前記第1の針部と第2の針部は、直通流路を介して互いに連通し、前記第1の針部と接続ポートは、抽出流路を介して互いに連通し、前記第2の針部と通気ポートは、通気流路を介して互いに連通する構成からなる。
このような本発明によると、それぞれの薬ボトルに保存された異種の薬剤を、衛生的且つ安全で迅速に混合して抽出することができることになる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の薬ボトル(B1)と第2の薬ボトル(B2)にそれぞれ保存された薬剤を混合して抽出するための閉鎖型薬剤混合抽出機構であって、
前記第1の薬ボトル(B1)及び第2の薬ボトル(B2)にそれぞれ挿入される第1の針部(10)及び第2の針部(20)と、注射器(300)が結合される接続ポート(30)と、空気が出入する通気ポート(40)とを含み、
前記第1の針部(10)と第2の針部(20)は、直通流路(51)を介して互いに連通し、
前記第1の針部(10)と接続ポート(30)は、抽出流路(53)を介して互いに連通し、
前記第2の針部(20)と通気ポート(40)は、通気流路(55)を介して互いに連通することを特徴とする閉鎖型薬剤混合抽出機構。
【請求項2】
前記第1の針部(10)と第2の針部(20)は、互いに反対方向に形成されることを特徴とする請求項1に記載の閉鎖型薬剤混合抽出機構。
【請求項3】
前記接続ポート(30)と通気ポート(40)は、第1の針部(10)及び第2の針部(20)と直交し、且つ、互いに反対方向に形成されることを特徴とする請求項2に記載の閉鎖型薬剤混合抽出機構。
【請求項4】
更に、前記接続ポート(30)と注射器(300)の結合のためのドックコネクタ(70)を含み、
前記ドックコネクタ(70)は、前記接続ポート(30)に設けられる固定本体(71)と、前記注射器(300)に結合される着脱本体(73)とを含み、前記固定本体(71)と着脱本体(73)は、互いに着脱自在であり、且つ、相対的な回転が可能であることを特徴とする請求項1に記載の閉鎖型薬剤混合抽出機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉鎖型薬剤混合抽出機構に関し、より詳しくは、それぞれの薬ボトルに保存された異種の薬剤を衛生的且つ安全で迅速に混合して抽出することができる閉鎖型薬剤混合抽出機構に関する。
【背景技術】
【0002】
患者に投入される薬液は、保管の安全性を確保し、衛生的な使用のため、殆ど、粉末などの形状に製造して薬ボトルに保管し、投与前に液状の溶媒と混合することで液状の形態に再構成される。
【0003】
このように異種の薬剤を混合して注射が可能な液状の薬液を形成する過程は、複雑で時間がかかり、過程中に汚染が発生するか、実行する看護師などが感染することもある様々な危険性がある。
【0004】
従来、このような危険性を解消するために、大径の注射器内に小径の注射器を挿入する二重構造により、注射器内で異種薬剤の混合が行われるようにする技術が提案されているが、注射器内に異種の薬剤が共に保管される特性から、薬剤の保管安全性が低くしかなく、注射器の使用が不便であると共に、誤作動の危険性があるため、使用において多くの注意が必要であるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、それぞれの薬ボトルに保存された異種の薬剤を衛生的且つ安全で迅速に混合して抽出することができる閉鎖型薬剤混合抽出機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための本発明の課題解決手段として、第1の薬ボトルと第2の薬ボトルにそれぞれ保存された薬剤を混合して抽出するための閉鎖型薬剤混合抽出機構であって、前記第1の薬ボトル及び第2の薬ボトルにそれぞれ挿入される第1の針部及び第2の針部と、注射器が結合される接続ポートと、空気が出入する通気ポートとを含み、前記第1の針部と第2の針部は、直通流路を介して互いに連通し、前記第1の針部と接続ポートは、抽出流路を介して互いに連通し、前記第2の針部と通気ポートは、通気流路を介して互いに連通する閉鎖型薬剤混合抽出機構が示される。
【0007】
前記第1の針部と第2の針部は、互いに反対方向に形成される。
【0008】
前記接続ポートと通気ポートは、第1の針部及び第2の針部と直交し、且つ、互いに反対方向に形成される。
【0009】
更に、前記接続ポートと注射器の結合のためのドックコネクタを含み、前記ドックコネクタは、前記接続ポートに設けられる固定本体と、前記注射器に結合される着脱本体とを含み、前記固定本体と着脱本体は、互いに着脱自在であり、且つ、相対的な回転が可能である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の閉鎖型薬剤混合抽出機構によると、薬ボトル内で薬液の混合がなされた後、混合した薬液を抽出することで、更に衛生的に薬液の混合及び抽出が可能となる。
【0011】
また、異種薬剤が保存されたそれぞれの薬ボトルに針部を挿入した状態で、注射器を操作するだけで混合及び抽出が行われるので、非常に安全且つ簡便で迅速に薬液を混合して抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明による閉鎖型薬剤混合抽出機構を示す図である。
図2図2は、本発明による閉鎖型薬剤混合抽出機構を底面側から示す図である。
図3図3は、アダプタを除き、閉鎖型薬剤混合抽出機構を示す図である。
図4図4は、図3を断面から示す図である。
図5図5は、接続ポートと注射器の結合のためのドックコネクタを示す図である、
図6図6は、本発明の閉鎖型薬剤混合抽出機構に第1の薬ボトルと第2の薬ボトル及び注射器が結合されて、混合準備が完了した状態を示す図である。
図7図7は、液状薬剤が、第1の薬ボトルから直通流路に沿って第2の薬ボトルに移動することを示す図である。
図8図8は、薬剤混合後、本発明の閉鎖型薬剤混合抽出機構が回転して、上下方向が切り換えられた状態を示す図である。
図9図9は、混合薬剤が、第1の薬ボトルから抽出流路を介して注射器で抽出されることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して、本発明による閉鎖型薬剤混合抽出機構に関する好適な実施形態を詳細に説明する。
【0014】
添付の図面における要素の形状、サイズ、数、要素間の間隔などは、より明確な説明を強調するために縮小又は誇張して示すことができ、特に制限しない限り、図面に示されている事項に限定されるものではない。
【0015】
また、前、後、左、右、上、下などのような方向を現わす用語は、図面に図示され、観測される方向を説明するために使用されているだけであり、図示・観測される方向が変わると、このような用語も変われることを理解すべきである。
【0016】
本発明は、第1の薬ボトルと第2の薬ボトルにそれぞれ保存された異種の薬剤を、衛生的且つ安全で迅速に混合して抽出できるようにする閉鎖型薬剤混合抽出機構に関する。
【0017】
図1乃至図5には、本発明の一実施形態による閉鎖型薬剤混合抽出機構100が示されている。
【0018】
前記図面に図示しているように、本発明の一実施形態による閉鎖型薬剤混合抽出機構100は、第1の針部10及び第2の針部20と、接続ポート30と、通気ポート40と、流路部51、53、55と、アダプタ60とを含む。
【0019】
前記第1の針部10及び第2の針部20はそれぞれ、第1の薬ボトル(B1)と第2の薬ボトル(B2)に挿入して結合される。
【0020】
すなわち、第1の針部10は、第1の薬ボトル(B1)に挿入して、内部に連通して結合され、第2の針部20は、第2の薬ボトル(B2)に挿入して、内部に連通して結合される。
【0021】
このために、第1の針部10及び第2の針部20はそれぞれ、一定の長さに延在し、且つ、それぞれの薬ボトル(B1、B2)に容易に挿入できるように、長手方向に行くほど、外径が逐次減少して、端部は、尖った形状を有する。
【0022】
このような第1の針部10と第2の針部20は互いに反対方向に、つまり、互いに180度の角度をなして形成される。
【0023】
そこで、第1の針部10の尖端部が上側に向かうことになると、第2の針部20の尖端部は、下側に向かうことになり、これに対して、第2の針部20の尖端部が上側に向かうことになると、第1の針部10の尖端部は、下側に向かうことになる。
【0024】
また、第1の針部10と第2の針部20は、後述するように、相互間の連通と、接続ポート30又は通気ポート40との連通のための流路部51、53、55が、内部に沿って容易に形成されるように、上下方向に同一の位置ではなく、一定の間隔(d)ずらして位置するように形成される。
【0025】
すなわち、図4に示しているように、第1の針部10の尖端部と、第2の針部20の尖端部の間が、一定の間隔(d)離隔して形成され、該当離隔した間隔内に、後述する直通流路51が一直線状に形成される。
【0026】
前記接続ポート30には、薬剤抽出のための注射器300が結合される。
【0027】
すなわち、注射器300は、前記接続ポート30に結合されることで、本発明の閉鎖型薬剤混合抽出機構100に接続される。
【0028】
前記通気ポート40は、空気が出入し、流通が行われる。
【0029】
このような通気ポート40には、空気中の汚染物質をろ過するフィルタ部材41が設けられる。
【0030】
前記フィルタ部材41は、例えば、通気ポート40内に挿入された後、超音波融着により、堅固に固定される。
【0031】
このような接続ポート30と通気ポート40は、前記第1の針部10及び第2の針部20と直交し、互いに反対方向に形成される。
【0032】
例えば、前記図面に図示しているように、第1の針部10及び第2の針部20が上下垂直に位置すると、接続ポート30と通気ポート40は直交するようにそれぞれ水平に位置し、ここで、接続ポート30と通気ポート40の相互間には、180度の角度をなして、前後又は左右反対方向に形成される。
【0033】
すなわち、第1の針部10及び第2の針部20と、接続ポート30及び通気ポート40を全体としてみると、略十字状になる。
【0034】
前記流路部51、53、55は、薬剤の混合及び抽出のための薬剤の移動経路と、空気移動の経路を提供する。
【0035】
このための流路部51、53、55はそれぞれ、互いに独立した流路を提供する直通流路51と、抽出流路53と、通気流路55とを含む。
【0036】
前記直通流路51は、第1の針部10と第2の針部20の相互間を連通させる流路であり、第1の針部10から第2の針部20まで延在するように、第1の針部10と第2の針部20の内部に沿って形成される。
【0037】
すなわち、第1の針部10と第2の針部20は、直通流路51を介して互いに連通し、そこで、第1の薬ボトル(B1)に第1の針部10が挿入し、第2の薬ボトル(B2)に第2の針部20が挿入することになると、第1の薬ボトル(B1)と第2の薬ボトル(B2)も、前記直通流路51を介して互いに連通が行われ、結果として、それぞれの薬ボトルに保存された薬剤は、直通流路51を介して、他の薬ボトルへの移動が可能となる。
【0038】
このような直通流路51は、前述したように、互いにずらして形成された第1の針部10と第2の針部20の離隔間隔(d)の間に沿って、一直線状に形成される。
【0039】
前記抽出流路53は、第1の針部10と接続ポート30の相互間を連通させる流路であって、第1の針部10から接続ポート30まで延設される。
【0040】
すなわち、第1の針部10と接続ポート30は、抽出流路53を介して互いに連通する。
【0041】
前記通気流路55は、第2の針部20と通気ポート40の相互間を連通させる流路であって、第2の針部20から通気ポート40まで延設される。
【0042】
すなわち、第2の針部20と通気ポート40は、通気流路55を介して互いに連通する。
【0043】
前記アダプタ60は、第1の針部10及び第2の針部20にそれぞれ設けられ、第1の針部10及び第2の針部20がそれぞれ、第1の薬ボトル(B1)及び第2の薬ボトル(B2)に挿入するとき、それぞれの薬ボトル(B1、B2)のヘッド部に結合されることで、第1の針部10及び第2の針部20を、それぞれの薬ボトル(B1、B2)に固定する。
【0044】
アダプタ60は、円筒状のアダプタ本体61に、複数の切開スリット62が一定の間隔で形成され、アダプタ本体61内の下側には、傾斜面63が形成されると共に、傾斜面63の上端には、係止鍔64が形成される。
【0045】
このようなアダプタ60は、第1の針部10又は第2の針部20を第1の薬ボトル(B1)又は第2の薬ボトル(B2)に挿入する場合、傾斜面63及び複数の切開スリット62により、アダプタ本体61が弾性的に広がって、それぞれの薬ボトル(B1、B2)のヘッド部に外挿した後、弾性復元されて、係止鍔64が薬ボトルのヘッド部の下端に係止することで、第1の針部10又は第2の針部20を、それぞれの薬ボトル(B1、B2)に固定することになる。
【0046】
一方、前記のような本発明の閉鎖型薬剤混合抽出機構100は、図5に示しているように、ドックコネクタ70を更に含む。
【0047】
前記ドックコネクタ70は、前記接続ポート30に注射器300が容易に結合又は分離できるようにし、互いに着脱自在な固定本体71と着脱本体73とを含む。
【0048】
前記固定本体71は、接続ポート30に固設され、外周面には、係止溝部72が形成される。
【0049】
前記着脱本体73は、注射器300に結合設置され、外周面には、弾性的に相互間の間隔が広がるか、復元される一対のフックアーム74が形成される。
【0050】
このようなドックコネクタ70は、固定本体71が接続ポート30に固定されると共に、着脱本体73が注射器300に結合した状態で、着脱本体73が固定本体71に挿入されることにつれ、一対のフックアーム74が係止溝部72に弾性的に係止することで、固定本体71と着脱本体73が互いに結合され、一対のフックアーム74を押して、係止溝部72から係止を解除することで、固定本体71と着脱本体73が互いに分離される。
【0051】
また、結合状態では、一対のフックアーム74が係止溝部72に沿って、円周方向に流動されるので、固定本体71と着脱本体73は、互いに相対的な回転が可能となる。
【0052】
以上、本発明の一実施形態による閉鎖型薬剤混合抽出機構100を説明しているが、以下では、図6乃至図9を参照して、薬剤を混合及び抽出する作用について説明する。
【0053】
本発明は、第1の薬ボトル(B1)と第2の薬ボトル(B2)にそれぞれ保存された薬剤を混合しており、ここで、第1の薬ボトル(B1)と第2の薬ボトル(B2)にそれぞれ保存された薬剤は、特に限定していなく、例えば、互いに異なる液状の異種薬剤でもよく、粉末状の薬剤とこれを溶解させるための液状の専用溶媒でもよい。
【0054】
但し、本発明は、粉末状を有する粉末薬剤と専用溶媒である液状薬剤とを混合して、注射が可能な液状の薬液を抽出することに一層効用性が大きいので、以下では、第1の薬ボトル(B1)には、粉末薬剤(m.p)が保存され、第2の薬ボトル(B2)には、前記粉末薬剤(m.p)を溶解させるための専用の液状薬剤(m.l)が保存されたことを例示して説明する。
【0055】
粉末薬剤(m.p)が保存された第1の薬ボトル(B1)と、液状薬剤(m.l)が保存された第2の薬ボトル(B2)が用意されると、まず、第1の針部10を第1の薬ボトル(B1)に挿入し、第2の針部20を第2の薬ボトル(B2)に挿入する。
【0056】
ここで、第1の針部10及び第2の針部20は、アダプタ60がそれぞれ第1の薬ボトル(B1)と第2の薬ボトル(B2)に結合されることで、挿入状態で、第1の薬ボトル(B1)と第2の薬ボトル(B2)に一定の固定力で固定される。
【0057】
そして、ドックコネクタ70を用いて、接続ポート30に注射器300を結合して接続させる。
【0058】
すなわち、接続ポート30に設置された固定本体71に、注射器300に結合された着脱本体73を挿入して、一対のフックアーム74が係止溝部72に係止することで、注射器300を接続ポート300に結合させる。
【0059】
一方、前記手順は一例に過ぎず、手順を変えて、接続ポート30に注射器300を先に結合して接続した後に、第1の針部10及び第2の針部20を、第1の薬ボトル(B1)と第2の薬ボトル(B2)に挿入する順に行うことも可能である。
【0060】
前記のように、第1の針部10及び第2の針部20がそれぞれ、第1の薬ボトルと第2の薬ボトルに挿入され、接続ポート30に注射器300が結合接続されると、混合抽出のための準備が完了し、図6には、準備済み状態の本発明が示されている。
【0061】
このように準備が完了すると、第1の針部10が下側に向かい、第2の針部20が上側に向かうように位置した状態で、すなわち、図6に示しているように、粉末薬剤(m.p)が保存された第1の薬ボトル(B1)が下側に立設すると共に、液状薬剤(m.l)が保存された第2の薬ボトル(B2)が逆になった状態で上側に位置するように配置された状態で、注射器300のロッド310を引張って後退させる(Pull)。
【0062】
すると、第1の薬ボトル(B1)内の空気が、抽出流路53を介して、注射器300内に抜け出るようになることで、第1の薬ボトル(B1)内に負圧が形成され、それによる第1の薬ボトル(B1)と第2の薬ボトル(B2)内の圧力差により、第2の薬ボトル(B2)に保存された液状薬剤(m.l)が、直通流路51を介して、第1の薬ボトル(B1)に吸入されることで、移動が行われる。
【0063】
すなわち、第2の薬ボトル(B2)の液状薬剤(m.l)は、第1の薬ボトル(B1)と第2の薬ボトル(B2)内の圧力差で生じる吸入力により、第2の薬ボトル(B2)から直通流路51に沿って、迅速に移動して、第1の薬ボトル(B1)への流入が行われる。
【0064】
このように、第2の薬ボトル(B2)の液状薬剤(m.l)が第1の薬ボトル(B1)に流入されると、第1の薬ボトル(B1)内において、粉末薬制(m.p)と液状薬剤(m.l)がよく混合するように振り、それによって、粉末薬剤(m.p)と液状薬剤(m.l)は、第1の薬ボトル(B1)内で混合して、注射が可能な混合薬液(M)に再構成される。
【0065】
前記のように、粉末薬制(m.p)と液状薬剤(m.l)の混合が完了すると、再度、注射器300のロッド310を押して前進させる。
【0066】
すると、注射器300内の空気が再度第1の薬ボトル(B1)に供給され、且つ、第1の薬ボトル(B1)と第2の薬ボトル(B2)の間には、圧力平衡が行われることになる。
【0067】
ついで、第1の薬ボトル(B1)内に保存された混合薬剤(M)を抽出するために、図8に示しているように、本発明の閉鎖型薬剤混合抽出機構100を180度回転させて、上下方向を切り換える。
【0068】
すなわち、注射器300を把持した状態で、第1の薬ボトル(B1)が上側に、第2の薬ボトル(B2)が下側に位置するように、閉鎖型薬剤混合抽出機構100を180度回転させる。
【0069】
ここで、注射器300と本発明の混合抽出機構100を連結しているドックコネクタ70が、互いに相対回転可能な固定本体71と着脱本体73からなっているので、注射器300を把持した状態で、簡便に混合抽出機構100を回転することができる。
【0070】
前記のように回転すると、図8に示しているように、第1の薬ボトル(B)が上側に位置して、逆になった状態となり、ここで、再度、注射器300のロッド310を引張って後退させる。
【0071】
すると、図9に示しているように、注射器300内に負圧が形成され、その圧力差により、第1の薬ボトル(B1)に保存された混合薬液(M)が、抽出流路53を介して、注射器300内に抜け出て、抽出が行われることになる。
【0072】
前述したように、本発明によると、外部異物の流入や薬剤流出などの虞が全くない安全性を確保することができ、特に、それぞれの薬ボトルに針部を挿入し、注射器を簡単に操作することだけで、薬ボトル内で迅速に薬剤の混合が行われることになるので、使用が非常に容易且つ簡便であると共に、汚染や感染などの心配なく、衛生的に薬液を混合して抽出することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】