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特表2024-522496専用レンズヒータを有する自動車用カメラ、ならびに自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】専用レンズヒータを有する自動車用カメラ、ならびに自動車
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20240614BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20240614BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20240614BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20240614BHJP
   G03B 17/55 20210101ALI20240614BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20240614BHJP
   H04N 23/57 20230101ALI20240614BHJP
【FI】
G02B7/02 D
G03B30/00
G03B15/00 V
G03B17/56 H
G03B17/55
G03B17/56 Z
H04N23/50
H04N23/57
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572893
(86)(22)【出願日】2022-05-19
(85)【翻訳文提出日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 EP2022063557
(87)【国際公開番号】W WO2022248327
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】102021113714.4
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514189527
【氏名又は名称】コノート、エレクトロニクス、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CONNAUGHT ELECTRONICS LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【弁理士】
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】ノエル、ファレル
【テーマコード(参考)】
2H044
2H104
2H105
5C122
【Fターム(参考)】
2H044AD02
2H104CC04
2H105DD06
2H105DD07
5C122DA14
5C122GE11
5C122GE18
(57)【要約】
本発明は、ハウジング(23)を有する自動車(1)用のカメラ(4)であって、前記カメラ(4)のレンズモジュール(9)および前記カメラ(4)の回路基板(25)が配置される受容スペース(24)が、前記ハウジング(23)により画定され、前記カメラ(4)は、前記レンズモジュール(9)を加熱するためのヒータ(11)を備える、カメラ(4)において、これにより前記回路基板(25)と前記レンズモジュール(9)との間に間隙(32)が形成され、前記カメラ(4)の支持プレート(28)が、前記回路基板(25)と前記レンズモジュール(9)との間に配置され、前記支持プレート(28)は、前記ヒータ(11)の電気ライン(12、12a、12b)が接続可能な第1電気接点エリア(29、30)を備え、および/または、前記支持プレート(28)は、前記回路基板(25)に配置された電気接点要素(35、36)が接続可能な第2電気接点エリア(33、34)を備え、これにより、前記ヒータ(11)による前記レンズモジュール(9)の加熱が実施されるように、エネルギーが前記回路基板(25)から前記レンズモジュール(9)に伝達され得るカメラ(4)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(23)を備える自動車(1)用のカメラ(4)であって、前記カメラ(4)のレンズモジュール(9)および前記カメラ(4)の回路基板(25)が配置される受容スペース(24)が、前記ハウジング(23)により画定され、前記カメラ(4)は、長手方向軸(A)を備えるとともに、前記レンズモジュール(9)を加熱するためのヒータ(11)を備える、カメラ(4)において、
前記回路基板(25)と前記レンズモジュール(9)とが前記カメラ(4)の前記長手方向軸(A)の方向において軸方向に互いに距離を置いて配置されて、前記回路基板(25)と前記レンズモジュール(9)との間に間隙(32)が形成され、前記カメラ(4)の支持プレート(28)が、前記回路基板(25)と前記レンズモジュール(9)との間に配置され、前記支持プレート(28)は、前記回路基板(25)、前記ハウジング(23)および前記レンズモジュール(9)とは別個の部品であり、前記支持プレート(28)は、前記ヒータ(11)の電気ライン(12、12a、12b)が接続可能な第1電気接点エリア(29、30)を備え、これらのライン(12、12a、12b)は、前記レンズモジュール(9)から前記第1接点エリア(29、30)に導かれ、および/または前記支持プレート(28)は、前記回路基板(25)に配置された電気接点要素(35、36)が接続可能な第2電気接点エリア(33、34)を備え、前記ヒータ(11)による前記レンズモジュール(9)の加熱が実施されるように、エネルギーが前記回路基板(25)から前記レンズモジュール(9)に伝達され得る、
ことを特徴とするカメラ(4)。
【請求項2】
前記回路基板(25)に配置された前記接点要素(35、36)は、バネ接点、特に角度を付けた板バネまたはバネ接点ピンである、
ことを特徴とする請求項1に記載のカメラ(4)。
【請求項3】
前記支持プレート(28)は、リングプレートであり、前記レンズモジュール(9)と前記回路基板(25)に配置された前記カメラ(4)の画像センサ(27)との間の前記光路において、光が前記リングプレートの孔(31)を通過するように、前記支持プレート(28)は前記間隙(32)に配置される、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のカメラ(4)。
【請求項4】
弾性シール(38)が前記支持プレート(28)に配置されることにより、前記間隙(32)は、前記シール(38)によって前記受容スペース(24)の残りの前記容積部からシールされる、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のカメラ(4)。
【請求項5】
前記シール(38)は、特に取り外し不可能に、前記支持プレート(28)に配置される、特にオーバーモールドプロセスにより前記支持プレート(38)にオーバーモールドされる、
ことを特徴とする請求項4に記載のカメラ(4)。
【請求項6】
前記シール(38)は、リングである、
ことを特徴とする請求項4または5に記載のカメラ(4)。
【請求項7】
前記シール(38)は、第1リム(38a)で前記回路基板(25)の上面(26)に直接的に当接する、
ことを特徴とする請求項4~6のいずれか一項に記載のカメラ(4)。
【請求項8】
溝状凹部(40)が前記回路基板(25)の前記上面(26)に形成され、前記シール(38)が前記第1リム(38a)で前記溝状凹部(40)内へ延びる、
ことを特徴とする請求項7に記載のカメラ(4)。
【請求項9】
前記ハウジング(23)は、前記レンズモジュール(9)が配置される前方ハウジング部品(14)を備え、前記前方ハウジング部品(14)は、前記回路基板(25)に対面する当接面(41)であって、前記シール(38)が第2リム(38b)で当接する当接面(41)を備える、
ことを特徴とする請求項4~8のいずれか一項に記載のカメラ(4)。
【請求項10】
前記当接面(41)は溝状凹部(42)を備え、前記シール(38)がその第2リム(38b)で前記溝状凹部(42)内へ延びる、
ことを特徴とする請求項9に記載のカメラ(4)。
【請求項11】
前記シール(38)は、前記回路基板(25)と前記当接面(41)との間において軸方向に圧縮して配置される、
ことを特徴とする請求項10に記載のカメラ(4)。
【請求項12】
前記間隙(32)において、前記回路基板(25)の前記上面(26)に配置された画像センサ(27)と前記レンズモジュール(9)の底面(13)との間で延びる光路、
前記光路は、前記シール(38)によって前記ハウジング(23)の前記受容スペース(24)の残りの前記容積部から防塵的な態様で隔てられる、
ことを特徴とする請求項4~11のいずれか一項に記載のカメラ(4)。
【請求項13】
前記シール(38)は、前記支持プレート(28)、特に前記支持プレート(28)の外側縁部(39)または後面(28a)、に配置される、
ことを特徴とする請求項4~12のいずれか一項に記載のカメラ(4)。
【請求項14】
前記支持プレート(28)は、前記シール(38)の配置により前記回路基板(25)に非接触態様で配置される、および/または前記前方ハウジング部品(14)に直接的に接触して配置される、特に前記前方ハウジング部品(14)の当接面(41)上にある、
ことを特徴とする請求項9~13のいずれか一項に記載のカメラ(4)。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のカメラ(4)を有する自動車(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、自動車用カメラに関する。カメラは、外装ハウジングまたはハウジングを備えている。カメラの受容スペースは、このハウジングにより画定されている。カメラのレンズモジュールおよびカメラの回路基板が、受容スペースに配置されている。さらに、カメラは、レンズモジュールを加熱するためのヒータを備えている。
【背景技術】
【0002】
自動車に配置されるカメラは、多様な構成で知られている。この文脈において、カメラは、自動車の周囲環境捕捉のために形成され、配置されることが知られている。しかしながら、カメラは、さらに、車両の内部スペースを捕捉するためにも使用できるため、これに応じて配置される。この文脈において、カメラは、様々な影響を受け、それに耐えなければならない。これは、特に、激しい温度変化および/または激しく変動する周囲環境の影響に関する。さらに、カメラは、車両の移動中の振動による機械的応力も受けるが、これに恒久的に耐えなければならない。この文脈において、このような状況下でも高度に機能的に動作することができ、十分に良好な画像捕捉が可能であることも必要とされている。画像は、ドライバー支援システムに提供され、この画像情報に基づいてドライバー支援システムが作動するかどうか、および選択的にどのように作動するかがそれぞれ評価される。
【0003】
このように極めてコンパクトに構成された自動車用カメラでは、外装ハウジングが、別個のハウジング部品から、すなわち、ハウジング頂部およびハウジング底部から形成されることが知られている。これらのハウジング部品は、組み付けられて、さらなる部品、特にレンズモジュールおよび少なくとも1つの回路基板用の受容スペースを内部に形成する。
【0004】
特にレンズモジュールを加熱するためのこのようなカメラのヒータも知られている。これについて、例えばDE 10 2015 111 281 A1およびDE 10 2015 116 926 A1を参照されたい。同様に、レンズ用のヒータを有する自動車用カメラが、例えばUS 2020/0314311 A1から知られている。さらに、ヒータ自体がリングを備え、このリングがレンズの裏側に直接的に当接することでレンズを加熱することができることが提供されている。ハウジングの内側に軸方向または階段状に設置されたストリップであって、回路基板の電気接点に接続するストリップが、レンズモジュールに配置されたこのリングから突出している。リングは、ストリップと一体的に形成されている。
【0005】
自動車技術におけるコンパクトカメラでは、鮮明な画像捕捉が特に重要である。このため、カメラの画像センサとカメラの少なくとも1つのレンズとの間に形成されるカメラの光路を、特に清潔に維持できるということも重要である。
【0006】
これらのヒータでは、接触が不利である。このため、レンズモジュールの加熱は制約された態様でしかできない一方で、電気接点が互いに接続する界面は他方で損なわれ得る。これにより、エネルギー源からヒータへの電気エネルギーの伝達も、選択的に損なわれる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、カメラのレンズモジュールの加熱性が向上したカメラ、およびこのようなカメラを有する自動車を提供することである。
【0008】
この目的は、独立請求項によるカメラおよび自動車により解決される。
【0009】
本発明の態様は、自動車用のカメラに関する。カメラは、外装ハウジングまたはハウジングを備える。受容スペースが、このハウジングにより画定される。カメラのレンズモジュールおよびカメラの回路基板が、受容スペースに配置される。さらに、カメラは、レンズモジュールを加熱するためのヒータを備える。回路基板とレンズモジュールとは、カメラの長手方向軸の方向において軸方向に互いに距離を置く。したがってこの目的のために、軸方向間隙が、回路基板とレンズモジュールとの間に形成される。支持プレートが、回路基板とレンズモジュールとの間に配置される。カメラの支持プレートは、回路基板、ハウジング、およびレンズモジュールとは別個の部品である。支持プレートは、ヒータの電気ラインが接続可能な第1電気接点エリアを備える。これらのラインは、レンズモジュールから第1接点エリアに導かれる。追加的または代替的に、支持プレートは、第1接点エリアとは異なる第2電気接点エリアを備える。回路基板に配置された電気接点要素は、これらの第2電気接点エリアに接続し得る。特に、これらは、それらに接続する。これにより、ヒータによるレンズモジュールの加熱が実施されるように、エネルギーが回路基板から、特に回路基板上のエネルギー源からレンズモジュールに伝達され得る。
【0010】
実施形態において、このレンズモジュールは、ハウジングにねじ込み接続により接続する。実施形態において、ハウジングは、前方ハウジング部品を備える。これは、カメラの長手方向軸においてみなされるものである。レンズモジュールは、前方ハウジング部品に直接的に取り付けられる。それは、前方ハウジング部品にねじ込み接続により直接的に取り付けられる。この目的のために、レンズモジュールはネジ山を備え、このネジ山が前方ハウジング部品の対応するネジ山にねじ込まれる。特に、前方ハウジング部品は孔を備え、その境界壁がこの対応するネジ山を備える。
【0011】
一方でレンズモジュールとハウジングとのねじ込み接続を有するとともに、他方でレンズモジュールに固定配置されるヒータのラインを有する特にこのような実施形態において、レンズモジュールのハウジング部品へのねじ込み状態において、これらのラインの位置は正確にはわからない。したがって、このような配置では、対応する位置の問題や接続の問題が生じる。なぜならば、レンズモジュールから導かれるヒータのこれらのラインを、回路基板に直接的に取り付ける、特に溶接することは、非常に困難であるからである。本発明によれば、このような構成において、この付加的な支持プレートにより、レンズモジュールからのこれらのラインを、電気的な第1接点エリアに最初に直接的に取り付ける、特にはんだ付けすることができるため、特に有利である。この目的のために、レンズモジュールがハウジング部品にねじ込まれる際に、これらのラインの第1接点アリアに対する対応するはんだ付けが実施され得る。
【0012】
しかしながら、レンズモジュールを最初に支持プレートに接続することも可能である。この目的のために、レンズモジュールからのラインを、第1電気接点エリアに最初にはんだ付けすることができる。次いで、このモジュール全体を、ハウジング部品に取り付ける、特にねじ込むことができる。レンズモジュールのヒータのラインと他の部品との電気的インターフェースは、重要ではない。なぜならば、関連する支持プレートが、回路基板とは別個に配置され、この点でより柔軟に配置することができるからである。
【0013】
したがって、この支持プレートにより、レンズモジュールから導かれるヒータのラインは、もう回路基板に直接的に接続しない。この点で、支持プレートを介した間接的な結合が形成される。
【0014】
支持プレートは、レンズモジュールの外側に配置される。
【0015】
実施形態において、支持プレートは、環状に形成される。特に、これはリングプレートである。レンズモジュールと回路基板に配置されるカメラの画像センサとの間で延びるカメラの光路において、光がリングプレートの孔を通過するように、支持プレートは間隙に配置される。これにより、この光路が、支持プレートに覆われたり他の態様で妨げられることはない。
【0016】
実施形態において、カメラはシールを備える。シールは、回路基板と、前方ハウジング部品および/またはレンズモジュールとの間の軸方向間隙に配置される。間隙は、弾性シールによって、ハウジングにおける受容スペースの残りの容積部からシールされる。
【0017】
本発明のさらなる独立した態様は、自動車用のカメラに関する。カメラは、外装ハウジングまたはハウジングを備える。カメラの受容スペースが、ハウジングにより画定される。カメラのレンズモジュールが、受容スペースにおいて少なくとも特定のエリアに配置される。さらに、カメラの回路基板が、受容スペースに配置される。回路基板およびレンズモジュールは、カメラの長手方向軸の方向において軸方向に互いに距離を置いて配置される。特に、長手方向軸は、レンズモジュールの長手方向軸でもある。間隙または空気スペースが、この軸方向に距離を置いた配置により、回路基板とレンズモジュールとの間に形成される。カメラの弾性シールが、回路基板とレンズモジュールとの間に配置される。間隙は、弾性シールによって、ハウジングにおける受容スペースの残りの容積部からシールされる。したがって、本発明により、軸方向においてレンズモジュールの後端部と回路基板との間に形成される受容スペースの特定の一部の容積部が、特に保護される。したがって、特に回路基板およびレンズモジュールとは別個のカメラの部品である弾性シールにより、隔壁が事実上同様に形成される。特に、内部で光がレンズモジュールから回路基板上の画像センサにガイドされるこの間隙は、この弾性シールにより画定される。これにより、この間隙は、シールで画定された受容スペースの部分的な容積スペースとして事実上生じる。この構成により、埃や塵がこの間隙に進入することが良好に回避され得る。これにより、レンズモジュールと回路基板上の画像センサとの間の光路が、特に有利に良好な態様で埃や塵から保護され得る。弾性シールにより、関連する容積部の境界が、任意の種類の隔壁により形成できるだけではない。さらには、この弾性構成およびこの分離壁をシールとして実現することにより、一定の変形も可能とされる。これにより、一方ではシールと回路基板との間の望ましくない隙間、他方ではシールとレンズモジュールとの間の望ましくない隙間が、回路基板とレンズモジュールとの位置変動があっても回避され得る。
【0018】
実施形態において、シールは、少なくともリング部として形成される。これは、長手方向軸の周方向において、少なくとも特定のエリアにおいて周方向にシールが形成されることを意味する。好適には、このシールは、周方向に閉鎖したリングとして形成される。これにより、この間隙は、シールにより周方向に完全に非常に有利な態様で画定され得る。したがって、光路は、このシールにより事実上完全に収容される。
【0019】
実施形態において、シールは、第1リムにおいて回路基板の上面に直接的に当接する。この第1リムは、軸方向に見て、回路基板に対面するリムである。これにより、このシールの回路基板の上面に対する直接的な機械的当接も実現される。これにより、シールの安定した装着も可能とされる。
【0020】
実施形態において、シール用のレセプタクルが、回路基板のこの上面に形成される。このレセプタクルは、実施形態において、溝状凹部である。シールは、第1リムにおいてこの溝状凹部内に延びる。これにより、回路基板に対するシールの非常に正確な位置決めが一方で達成され得る。これにより、シールの望ましくない径方向変位が防止される。特に、シールが軸方向においてその形状が変化した場合、例えば、圧縮したり膨張したりした場合でも、径方向位置は、回路基板に対して比較的正確に維持される。特に、シールの第1リムは、本実施形態において、特に正確な径方向位置に配置され続ける。
【0021】
実施形態において、カメラのハウジングは、軸方向に見て前方ハウジング部品を備える。レンズモジュールは、この前方ハウジング部品に配置される。これは、レンズモジュールがこの前方ハウジング部品に少なくともあるエリアにおいて延び入るということを意味する。特に、レンズモジュールは、この前方ハウジング部品に、前方ハウジング部品の開口において導入される。組立状態において、レンズモジュールは、前方ハウジング部品の内部で部分的に延び、かつ外部で部分的に延びる。好適には、前方ハウジング部品は、回路基板に対面する当接面を備える。弾性シールは、第2リムにおいてこの当接面に当接する。第2リムは、長手方向軸の方向に見て、このシールの第1リムに対向する。したがって、本実施形態において、シールとハウジング部品との直接的な機械的接触が同様に達成され得る。同様にこれにより、シールの安定した位置的に確実な配置が支持される。こうして、シールは、回路基板とハウジング部品との間に事実上直接的に配置される。
【0022】
前方ハウジング部品のこの当接面が、シールのこの第2リム用のレセプタクルを備えることが想定され得る。この第2レセプタクルは、実施形態において、溝状凹部であり得る。同様にこれにより、このシールは、この当接面に、第2リムが少なくとも特定のエリアで凹んだ状態で配置され得る。
【0023】
実施形態において、最終組立状態において、シールは、回路基板と当接面との間で軸方向に圧縮して配置される。これにより、一方で位置的に確実な機械的配置が向上し、他方で間隙の防塵ハウジングが向上する。
【0024】
実施形態において、間隙では、カメラの画像センサと画像センサに対面するレンズモジュールの底面との間で延びるカメラの光路は、ハウジングの残りの容積スペースから、シールによって、少なくとも特定のエリアにおいて防塵的な態様で隔てられる。画像センサは、回路基板の上面に配置される。これにより、レンズモジュールと画像センサとの間のこの光路は、特に有利に埃や塵から特に保護される。
【0025】
実施形態において、レンズモジュールは、受容スリーブを備える。このレンズモジュールの少なくとも1つのレンズが、この受容スリーブに配置される。レンズモジュールのキャリアスリーブは、特に、ハウジング、特に前方ハウジング部品とは別個の部品である。
【0026】
実施形態において、弾性シールは、特に取り外し不可能にカメラの支持プレートに配置される。支持プレートは、特に、環状支持プレートである。特に、それはシールよりも高い剛性を有する。この別個の支持プレートにより、シールが最初に取り付けられ得る部品が提供される。これにより、実施形態において、長手方向軸に対する径方向におけるシールの望ましくない変形が回避される。支持プレートが環状に形成されるという点で、それは孔を備えている。これは、回路基板とこの回路基板に対面するレンズモジュールの底面との間の光路が覆われないという点で有利である。したがって、カメラの画像センサとレンズモジュールの底面との間の光路が覆われないように、この環状支持プレートは特に位置決めされる。この支持プレートは、特に一体的に形成される。これは、レンズモジュール、回路基板、およびハウジングとは別個の部品である。特に、この環状支持プレートは、ハウジングの受容スペースに受容される。特に、これは、その内部に完全に受容される。軸方向において、この環状支持プレートは、回路基板とレンズモジュールとの間に配置される。実施形態において、シールの弾性は、支持プレートの弾性よりも大きい、特にはるかに大きい。実施形態において、支持プレートは、特にシールに比較して、寸法的に安定している。
【0027】
実施形態において、支持プレートは、レンズモジュールに、特にレンズモジュールの後面に配置される。回路基板と支持プレートとの間の間隙は、特に受容スペースの残りの容積エリアに対してシールされる。実施形態において、支持プレート、特に支持プレートの前面は、前方ハウジング部品に直接的に配置される。
【0028】
実施形態において、支持プレートは、機能性部品であり得る。この文脈において、それは、さらなる部品用の支持部材として使用され得る。
【0029】
実施形態において、シールは、支持プレートの外縁部に配置される。この文脈において、外縁部は、支持プレートの平坦な上面と平坦な下面とを接続する。したがって、外縁部は、支持プレートの狭いリムを表す。このような構成により、シールは、支持プレートに、リム側においてそれを周方向に囲むように少なくとも特定のエリアにおいて事実上直接的に配置される。これにより、関連する安定化効果が、特にシールの径方向において支持される。さらに、軸方向に見て、このシールの上側リムおよび下側リムは、このような構成により、支持プレートで制限されることなく露出している。カメラの長手方向軸の方向に見て、シールは、特に、支持プレートそれ自体よりも支持プレートの側方に延びる。
【0030】
実施形態において、長手方向軸の方向に見て、シールは、支持プレートの寸法を両側において超えて延びる。したがって、シールは、この軸方向に見て、支持プレートよりも高い、または厚い。これにより、実施形態において、カメラの回路基板および/または前方ハウジング部品に対する有利な直接的で機械的な接触が、支持プレートと比較して、シールのこの軸方向片持ち梁配置により達成され得る。
【0031】
実施形態において、シールは、支持プレートの外縁部に配置されず、支持プレートの上面に配置される。本実施形態において、シールは、支持プレートの両側に延びず、上面から回路基板に向かって延びるのみである。
【0032】
実施形態において、支持プレートは、回路基板、カメラのハウジング、およびレンズモジュールとは別個の部品である。支持プレートは、この間隙に、回路基板とレンズモジュールとの間において配置される。支持プレートは、レンズモジュールの外部で受容スペースに配置される。
【0033】
支持プレートが回路基板に対して非接触的な態様で、および/またはレンズモジュールに対して非接触的な態様で配置されることが想定され得る。この文脈において、それは、この間隙において浮遊して同様に配置され支持され得る。この点で、一方で直接的な回路基板に対するシール、および/または他方で前方ハウジング部品に対するシールから、機械的接触のみが提供され得る。
【0034】
これにより、一方で回路基板に対する、他方でハウジング部品に対する支持プレートの特定の相対的な可動性も達成され得る。なぜならば、支持プレートにおけるシールの直接的な機械的配置およびこのシールの一定の弾性変形により、支持プレートは、シールの変形により、回路基板および/またはハウジング部品に対して間接的に移動できるからである。
【0035】
好適には、支持プレートは、回路基板に対して距離を置いて配置されるが、ハウジング部品には直接的に配置される。
【0036】
実施形態において、支持プレートは、第1電気的接点エリアを備える。それらは、カメラのヒータの電気ラインを接続することを意図して設けられる。このヒータは、特に、レンズモジュールを加熱するために形成される。したがって、これらの電気ラインは、これらの第1電気接点エリアに、レンズモジュールの外部で接続し得る。実施形態において、これらのラインは、レンズモジュールから第1接点エリアに導かれる。実施形態において、支持プレートは、第1電気接点エリアとは別の第2電気接点エリアを備える。意図したように、それらは、回路基板に配置された電気接点要素が接続し得る点で設けられる。これにより、一方でレンズモジュールから導かれるヒータの電気ライン、他方で回路基板に配置された電気接点要素が接触可能である電気結合要素が、支持プレートにより特に有利に提供される。したがって、支持プレートは、介在接触アダプタを事実上可能とする目的の部品を構成する。これは、レンズモジュールから導かれる電気ラインが良好に接続できる点で特に有利である。従来技術においてレンズモジュールから導かれるラインの界面で生じる望ましくない断線や電気的接触不良が、こうして回避され得る。すなわち、これにより、レンズモジュールから導かれるヒータのこれらの電気ラインを回路基板それ自体に直接的に接続することを不要にすることができる。この接続は、従来の構成において、直接的な接続では、電気的接触不良や、回路基板との直接的な結合からラインが外れることをもたらす。
【0037】
実施形態において、回路基板に配置された接点要素は、バネ接点である。これにより、回路基板と支持プレートとの間に移動公差が生じても、恒久的に安定した電気接触が得られる。バネ接点は、例えば、角度を付けた板バネまたはバネ接点ピンである。これらのバネ接点ピンは、ポゴピンとも称される。
【0038】
さらに、本実施形態によれば、レンズモジュールから導かれるヒータのラインをより簡単に組み付けることができる。このようなラインを回路基板に直接的に触接接続することは、非常に困難であるとともにコストがかかる。組付に関して、これについて困難な要求が存在する。特に、レンズモジュールがハウジング部品にねじ込まれる場合、レンズモジュールから延びるヒータのラインがどこに実際に位置するかは正確にわからない。したがって、特にこのような構成において、これらのラインを回路基板に直接的にはんだ付けすることは困難である。
【0039】
この別個の支持プレートにより、レンズモジュールからのラインを支持プレート上の所定の電気接点エリアにはんだ付けするという非常に有利な態様で組付を実施することができる。特に、この予め組み付けたモジュールが提供され、その直後に、回路基板との対応する接触を実施することができる。したがって、対応するねじ込み接続が提供されれば、レンズモジュールを前方ハウジング部品に簡単にねじ込むことができる。その後、支持プレート上の対応して設けられた接点エリアに対するレンズモジュールから導かれるヒータのラインのはんだ付けが実施され得る。レンズモジュールを前方ハウジング部品にねじ込んだ後のラインの位置は、この点で前記位置に対してより従属的であるため、ここでも、支持プレート上のこれらの接点エリアに対する単純な接続、特にはんだ付けが簡単に実施され得る。支持プレート上に追加的に設けられるさらなる接点エリアであって、次いで第2電気接点エリアに電気的に接触するために設けられるさらなる接点エリアにより、この点で位置的な分離が事実上簡単かつ確実に達成される。それでも、例えば回路基板に配置されたエネルギー源からレンズモジュールのヒータへの高性能で安全な経路が可能とされる。支持プレート上の第2電気接点エリアに対する回路基板のこの接触は、その後、組立方法において簡単かつ確実に達成され得る。
【0040】
本発明のさらなる態様は、上述の態様またはその有利な実施形態によるカメラを備えた自動車に関する。カメラは、自動車の周囲環境を捕捉するために自動車に設置することができる。しかしながら、自動車の内部スペースすなわち車室を捕捉するカメラとすることもできる。
【0041】
カメラは、自動車の電子車両ガイドシステムの構成部品であり得る。
【0042】
本発明の態様の実施形態は、本発明の他の態様の実施形態でもある。
【0043】
本発明のさらなる特徴は、特許請求の範囲、図面および図面の説明から明らかである。説明において上述した特徴および特徴の組合せ、ならびに図面の説明において後述する特徴および特徴の組合せ、および/または図面に単独で示された特徴および特徴の組合せは、本発明の範囲から逸脱することなく、それぞれ指定された組合せにおいてのみならず、他の組合せにおいても利用可能である。従って、実施態様もまた、本発明に包含され開示されたものとみなされる。これらの実施態様は、図面に明示的に示され説明されていないが、説明された実施態様から別個の特徴の組み合わせから生じ、生成され得る。また、実施態様や特徴の組み合わせも開示されたものとみなされる結果、当初策定された独立請求項の特徴のすべてを構成するものではない。さらに、実施態様および特徴の組合せは、特に、特許請求の範囲の関係で規定された特徴の組合せを超えるか逸脱する、上記で規定された実施態様によって開示されたものとみなされる。
【0044】
以下に、本発明の実施形態について、より詳細に概略図面に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明によるカメラの実施形態を有する本発明による自動車の実施形態の概略上面図。
図2】本発明によるカメラの実施形態の部分的な部品の斜視図。
図3図2によるカメラの部品をカメラのハウジングの前方ハウジング部品とともに示す図。
図4】本発明によるカメラの実施形態の部分断面視における斜視図。
図5】カメラをさらなる後方ハウジング部品とともに示す図。
図6図4の一部領域の斜視断面図。
図7図4および図5によるカメラの部分的な部品の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図面において、同一または機能的に同一の要素には、同じ参照符号を付す。
【0047】
図1において、本発明の自動車1が、実施形態における上面図で示されている。ここで、自動車1は、乗用車として形成されている。自動車1は、電子車両ガイドシステム、すなわちドライバー支援システム2を備えている。ドライバー支援システム2は、例えば自動車1の電子コントローラにより形成された制御ユニット3を備えている。さらに、ドライバー支援システム2は、少なくとも1つのカメラ4を備えている。本実施形態において、ドライバー支援システム2は、自動車1に分散配置された4つのカメラを備えている。現在、カメラ4のうちの1つは、自動車1の後方エリア5に配置され、カメラ4のうちの1つは前方エリア7に配置され、残りの2つのカメラ4はそれぞれの側方エリア6、特にサイドミラーのエリアに配置されている。現在、ドライバー支援システム2のカメラ4の個数および配置は、純粋に例示的に理解されるべきである。
【0048】
追加的または代替的に、自動車1の内部スペース、すなわち車室を捕捉するように形成され配置される少なくとも1つのカメラが設けられ得る。カメラは、特に、個々の自動車部品に組付けられるように設置される。自動車部品とは、例えば、バンパー、または外部ミラー、または側方トリムであり得る。自動車部品は、例えば、ヘッドライナ、または内部トリム、またはステアリングホイールセンターのカバー、またはバックミラーであってもよい。自動車部品は、例示的にのみ理解されるべきであり、代替的な自動車部品も存在し得る。したがって、自動車部品を位置的配置および材料構成について非常に多様に形成できることが表明されているに過ぎない。
【0049】
実施形態において、自動車1の周囲環境領域8を、カメラ4で捕捉することができる。好適には、4つのカメラ4は、構成において同一に形成されている。特に、周囲環境領域8を描写する画像シーケンスすなわちビデオデータがカメラ4により提供され得る。このビデオデータは、カメラ4から制御ユニット3に送信され得る。制御ユニット3により、ここでは図示しない自動車1の表示装置が制御されて、カメラ4のビデオデータがドライバーに表示され得る。したがって、ドライバー支援システム2は、自動車1のドライバーによる自動車1の運転を支援する役割を果たす。ドライバー支援システム2は、例えばいわゆる電子バックミラー、または駐車支援システム、または他のシステムであり得る。これを、人、特に車両のドライバーを捕捉するように内部に形成することもできる。
【0050】
図2において、カメラ4のレンズモジュール9を斜視図にて示す。このレンズモジュール9は、モジュールハウジング10を備えている。少なくとも1つのレンズがその中に配置されている。好適には、複数のレンズが中に配置されている。
【0051】
本実施形態において、カメラ4は、レンズモジュール9を加熱するためのヒータ11も備えている。この目的のために、このヒータ11のライン12が設けられている。これらは、レンズモジュール9に配置されて、その内部に配置されたレンズを加熱することができる。加熱ラインは、レンズモジュールの後面すなわち背面13において、レンズモジュール9から導かれている。レンズモジュール9は、長手方向軸Aを有している。本実施形態において、これは同時にカメラ4の長手方向軸でもある。レンズモジュール9の後面すなわち背面13は、レンズモジュール9をカメラ4のハウジングに設置した状態において、ハウジングに配置される。したがって、ライン12は、カメラ4のハウジングに配置される。
【0052】
図3に、図2によるレンズモジュール9を示す。ここでは、カメラ4の外装ハウジングとも称され得る全体ハウジングのうちの前方ハウジング部品14がさらに示されている。図示の実施形態において、図2に示すように、レンズモジュール9、特にモジュールハウジング10は、外面15にネジ山16を備えている。レンズモジュール9は、このネジ山16により、前方ハウジング部品14の開口17にねじ込まれる。この目的のために、図3では見えない対応するネジ山19が、この孔すなわち貫通部17の内面18に形成されている。図3に、前方ハウジング部品14にねじ込まれたレンズモジュール9の最終状態を示す。この状態において、レンズモジュール9は、ハウジング内に部分的に延び入り、貫通部17を部分的に通過してハウジングから、したがって前方ハウジング部品14から外部に延び出ている。
【0053】
図3に、複数の接続要素19、20、21、22も示す。これらは、前方ハウジング部品14の構成要素である。特に、これらは、カメラ4のこのハウジングの、ここでは図示しない後方ハウジング部品37(図5)への機械的結合のために設けられている。前方ハウジング部品14と、軸方向において後方に隣り合う後方ハウジング部品とは、この点において別個の部品である。
【0054】
図4に、図3による部品を有するカメラ4を示す。ここでも、カメラ4のハウジング23は、前方ハウジング部品14のみを有するように示されている。ここでも、後方ハウジング部品37は示されていない。後方ハウジング部品は、前方ハウジング部品14に軸方向で隣り合う。受容スペース24が、前方ハウジング部品14と後方ハウジング部品との間に形成されている。回路基板25は、この受容スペース24に配置される。明瞭なように、前方ハウジング部品14は、斜視断面で図示されている。図4において概略的にのみ図示される画像センサ27は、レンズモジュール9に対面する回路基板25の上面26に配置されている。それは、レンズモジュール9の後面すなわち背面13に対面している。レンズモジュール9から遠ざかるヒータ11のライン12aおよび12bも明瞭である。ここで、これらのライン12aおよび12bは、支持プレート28に取り付けられている。特に、これらは、第1電気接点エリア29および30(図7)に溶接されている。したがって、これらのライン12aおよび12bは、この支持プレート28において終端している。図4および図5において、支持プレート28は、非断面図で示されている。ここで、支持プレート28は、一体的な別個の部品である。それは、レンズモジュール9とも、回路基板25とも、ハウジング部品14、37とも別個である部品である。図4および図5において、レンズモジュール9は、非断面図で示されている。
【0055】
ここで、支持プレート28は、リングプレートとして形成されている。この文脈において、それは貫通部31または対応する孔を備えている。これにより、画像センサ27とレンズモジュール9の後面13との間の光路が損なわれない。
【0056】
図5図4の拡大部を示す。さらに、後方ハウジング部品37の非常に概略的な図を図5に示す。
【0057】
図6および図7で明瞭なように、これらの電気接点エリア29および30は、ここでは円周リング部として形成されている。ここで、これらは、互いに同心的に配置されている。これらは、事実上、導電性トラックとして形成されている。この文脈において、これらは、回路基板25に対面するこの支持プレート28の後面28aに形成されている。したがって、ライン12aおよび12bは、レンズモジュール9から延びて貫通部31を通過して、この後面28aの第1電気接点エリア29および30に直接的にはんだ付けされている。
【0058】
これらの第1電気接点エリア29および30は円周導電性トラックとして形成されている点で、レンズモジュール9と支持プレート28との間の長手方向軸Aを中心とする周方向における位置は従属的である。したがって、レンズモジュール9を第1前方ハウジング部品14にねじ込む際、レンズモジュール9のこの到達最終位置は、支持プレート28に比較して従属的である。ライン12aおよび12b、特にそれらの端部のこれら第1電気接続エリア29および30に対する直接的な接続が、長手方向軸Aを中心とする周方向において各方位角位置で事実上生じ得る。これは、さらなる本質的な利点である。なぜならば、この長手方向軸Aを中心とする周方向におけるレンズモジュール9、ひいてはこれに固定的に配置されたライン12aおよび12bと第1電気接点エリア29および30との相対回転位置が、このように従属的であるからである。支持プレート28とレンズモジュール9との間の実際上の各方位角位置において、ライン12aおよび12bのこれらの端部とこれらのリング部との対応する直接的な接触が、第1電気接点エリア29および30に対応して生じ得る。
【0059】
さらにまた図4において明瞭なように、支持プレート28は、実施形態において軸方向に見て、レンズモジュール9から、および/または回路基板25から距離を置いて配置されている。したがってこの点で、この支持プレート28は、軸方向において回路基板25とレンズモジュール9の背面13との間に形成された間隙32に配置されている。
【0060】
さらにまた図4ならびに図6の斜視断面図および図7の支持プレート28の斜視図でも明瞭なように、この支持プレート28は、特に後面28aにおいて、第2電気接点エリア33および34を備えている。ここで、より大きい接触面が局所的にのみ形成されている。これらは、この点でライン状またはリング部状の第1電気接点エリア29および30の端部29aおよび30aに各々接続している。この点で、これらは、対応する第1電気接点エリア29および30に直接的に移行している。これらの第2電気接点エリア33および34は、回路基板25に配置された電気接点要素に対する直接的な電気的接続をできるように意図されて設けられている。この点で、このような電気接点要素35および36を例示的に図6に示す。ここで、これらは、バネ接点ピン、特にポゴピンとして形成されている。図6において明瞭なように、これらの接点要素35、36は、上面26に直接的に配置され、他方でこれらの第2電気接点エリア33および34に直接的に当接している。
【0061】
これに対して、バネ接点が同様に設けられたさらなる実施形態を図4に示す。ここでは、これらは、ポゴピンとしてではなく、板バネ要素として形成されている。これらは、電気接点要素35、36についてのさらなる例であり、第2電気接点エリア33、34に同様に当接している。これにより、同じく、接点要素35、36の軸方向弾性が可能とされている。
【0062】
実施形態において、エネルギー源が、回路基板25に配置されることが想定され得る。これにより、エネルギーが支持プレート28にこれらの電気接点要素35、36を介して伝達され、そこからライン12aおよび12bに第2電気接点エリア33、34、第1電気接点エリア29および30を介して伝達される。これにより、加熱エネルギーがレンズモジュール9に提供されることが可能となり、その中に配置されたレンズが加熱される。
【0063】
図5に、カメラ4をさらなる後方ハウジング部品37とともに斜視図にて示す。
【0064】
実施形態において、図4図5および図6で同様に明瞭なように、カメラ4は、弾性シール38を備えている。弾性シール38は、軸方向において、回路基板25とレンズモジュール9との間に配置されている。これにより、間隙32は、この弾性シール38により、カメラ4の受容スペース24の残りの容積スペースから少なくとも特定エリアにおいて隔てられている。したがって、この間隙32は、埃や塵の進入から良好に保護される。これにより、画像センサ27とレンズモジュール9の後面13との間に生じる光路が、より埃のない状態に維持され得る。
【0065】
図6において同様に明瞭なように、リングプレートとして形成された支持プレート28の開口31は、この光路が支持プレート28によって妨げられないように正確に位置決めされている。
【0066】
支持プレート28が同様に存在する実施形態において、弾性シール38は、この支持プレート28に直接的に配置され得る。この文脈において、図6および図7に示すように、例えば、これは外側リム縁部39に配置され得る。したがって、この弾性シール38は、この外側リム39における周壁として少なくとも部分的に形成され得る。特に、これは、例えばこの外側リム39にオーバーモールドされ得る。弾性シール38は、支持プレート28よりも大きい弾性を有している。
【0067】
図示のものにおいて、この弾性シール38は、特に支持プレート28の外側リム39の周囲に周方向において全体的に形成されている。図6および図7に示すように、軸方向に見て、弾性シール38は、第1リム38aにおいて回路基板25の上面26に直接的に当接して配置されている。
【0068】
実施形態において、図6に示すように、レセプタクル、特に溝状凹部40が、回路基板25のこの上面26に形成され得る。そして、この弾性シール38の第1リム38aが、これと係合することができる。
【0069】
実施形態において、弾性シール38は、前方ハウジング部品14の当接面41に直接的に当接し得る。これを、図6の斜視断面図に示す。この目的のために、軸方向において第1リム38aに対向するシール38の第2リム38bが、実施形態においてこの当接面41に特に直接的に当接する。実施形態において、レセプタクル、特に溝状凹部42が、この当接面41に形成されることが想定され得る。第2リム38bが、その中に延び得る。
【0070】
図6に示す実施形態において、弾性シール38が軸方向において支持プレート28の厚さを両側において超えて延びるように、弾性シール38は、支持プレート28に直接的に接続している。これにより、図示の実施形態において、シール38は、その対向するリム38aおよび38bにおいて、回路基板25に直接的に当接するとともに前方ハウジング部品14に直接的に当接している。この点で、支持プレート28は、回路基板25および/または当接面41から距離を置いて、したがって非接触的な態様で配置されている。したがって、支持プレート28は、軸方向においてこれらの前記部品から距離を置いて配置され得る。この点で、特定の浮遊支持も可能である。
【0071】
本実施形態において、シール38は、支持プレート28に固定的に接続している。この点で、これを支持プレート28から破壊せずに取り外すことはできない。
【0072】
溝状凹部40および/または42が存在しない実施形態も可能である。
【0073】
図5の実施形態において、シール38は、後面28aのみに配置されている。シール38は、支持プレート28の片側にのみ延びている。シール38は、後面28aから回路基板25に向かう方向に延びている。図5において、シール38は、回路基板25の前面上にある。支持プレート28は、当接面41上にある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-01-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(23)を備える自動車(1)用のカメラ(4)であって、前記カメラ(4)のレンズモジュール(9)および前記カメラ(4)の回路基板(25)が配置される受容スペース(24)が、前記ハウジング(23)により画定され、前記カメラ(4)は、長手方向軸(A)を備えるとともに、前記レンズモジュール(9)を加熱するためのヒータ(11)を備える、カメラ(4)において、
前記回路基板(25)と前記レンズモジュール(9)とが前記カメラ(4)の前記長手方向軸(A)の方向において軸方向に互いに距離を置いて配置されて、前記回路基板(25)と前記レンズモジュール(9)との間に間隙(32)が形成され、前記カメラ(4)の支持プレート(28)が、前記回路基板(25)と前記レンズモジュール(9)との間に配置され、前記支持プレート(28)は、前記回路基板(25)、前記ハウジング(23)および前記レンズモジュール(9)とは別個の部品であり、前記支持プレート(28)は、前記ヒータ(11)の電気ライン(12、12a、12b)が接続可能な第1電気接点エリア(29、30)を備え、これらのライン(12、12a、12b)は、前記レンズモジュール(9)から前記第1接点エリア(29、30)に導かれ、および/または前記支持プレート(28)は、前記回路基板(25)に配置された電気接点要素(35、36)が接続可能な第2電気接点エリア(33、34)を備え、前記ヒータ(11)による前記レンズモジュール(9)の加熱が実施されるように、エネルギーが前記回路基板(25)から前記レンズモジュール(9)に伝達され得る、
ことを特徴とするカメラ(4)。
【請求項2】
前記回路基板(25)に配置された前記接点要素(35、36)は、バネ接点、特に角度を付けた板バネまたはバネ接点ピンである、
ことを特徴とする請求項1に記載のカメラ(4)。
【請求項3】
前記支持プレート(28)は、リングプレートであり、前記レンズモジュール(9)と前記回路基板(25)に配置された前記カメラ(4)の画像センサ(27)との間の前記光路において、光が前記リングプレートの孔(31)を通過するように、前記支持プレート(28)は前記間隙(32)に配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載のカメラ(4)。
【請求項4】
弾性シール(38)が前記支持プレート(28)に配置されることにより、前記間隙(32)は、前記シール(38)によって前記受容スペース(24)の残りの前記容積部からシールされる、
ことを特徴とする請求項1に記載のカメラ(4)。
【請求項5】
前記シール(38)は、特に取り外し不可能に、前記支持プレート(28)に配置される、特にオーバーモールドプロセスにより前記支持プレート(38)にオーバーモールドされる、
ことを特徴とする請求項4に記載のカメラ(4)。
【請求項6】
前記シール(38)は、リングである、
ことを特徴とする請求項4に記載のカメラ(4)。
【請求項7】
前記シール(38)は、第1リム(38a)で前記回路基板(25)の上面(26)に直接的に当接する、
ことを特徴とする請求項4に記載のカメラ(4)。
【請求項8】
溝状凹部(40)が前記回路基板(25)の前記上面(26)に形成され、前記シール(38)が前記第1リム(38a)で前記溝状凹部(40)内へ延びる、
ことを特徴とする請求項7に記載のカメラ(4)。
【請求項9】
前記ハウジング(23)は、前記レンズモジュール(9)が配置される前方ハウジング部品(14)を備え、前記前方ハウジング部品(14)は、前記回路基板(25)に対面する当接面(41)であって、前記シール(38)が第2リム(38b)で当接する当接面(41)を備える、
ことを特徴とする請求項4に記載のカメラ(4)。
【請求項10】
前記当接面(41)は溝状凹部(42)を備え、前記シール(38)がその第2リム(38b)で前記溝状凹部(42)内へ延びる、
ことを特徴とする請求項9に記載のカメラ(4)。
【請求項11】
前記シール(38)は、前記回路基板(25)と前記当接面(41)との間において軸方向に圧縮して配置される、
ことを特徴とする請求項10に記載のカメラ(4)。
【請求項12】
前記間隙(32)において、前記回路基板(25)の前記上面(26)に配置された画像センサ(27)と前記レンズモジュール(9)の底面(13)との間で延びる光路、
前記光路は、前記シール(38)によって前記ハウジング(23)の前記受容スペース(24)の残りの前記容積部から防塵的な態様で隔てられる、
ことを特徴とする請求項4に記載のカメラ(4)。
【請求項13】
前記シール(38)は、前記支持プレート(28)、特に前記支持プレート(28)の外側縁部(39)または後面(28a)、に配置される、
ことを特徴とする請求項4に記載のカメラ(4)。
【請求項14】
前記支持プレート(28)は、前記シール(38)の配置により前記回路基板(25)に非接触態様で配置される、および/または前記前方ハウジング部品(14)に直接的に接触して配置される、特に前記前方ハウジング部品(14)の当接面(41)上にある、
ことを特徴とする請求項9に記載のカメラ(4)。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のカメラ(4)を有する自動車(1)。
【国際調査報告】