(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】除去可能なヘルメットカバーおよび製造方法
(51)【国際特許分類】
A42B 3/04 20060101AFI20240614BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20240614BHJP
B33Y 50/00 20150101ALI20240614BHJP
B29C 64/386 20170101ALI20240614BHJP
B29C 45/00 20060101ALI20240614BHJP
B29C 45/26 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
A42B3/04
B33Y80/00
B33Y50/00
B29C64/386
B29C45/00
B29C45/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573071
(86)(22)【出願日】2022-05-25
(85)【翻訳文提出日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 US2022072549
(87)【国際公開番号】W WO2022251839
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523444280
【氏名又は名称】ゲーム デイ スキンズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】プレストン, コナー アラン
(72)【発明者】
【氏名】リグビ, バラク
【テーマコード(参考)】
3B107
4F202
4F206
4F213
【Fターム(参考)】
3B107AA01
3B107BA01
3B107BA08
3B107CA01
3B107CA02
3B107DA01
4F202AA31
4F202AH69
4F202CA11
4F202CB01
4F202CK13
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4F206JQ81
4F213AA31
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
(57)【要約】
ヘルメットカバー(100)であって、ヘルメットカバー(100)は、受け取り空洞(208)と、内側表面(204)と、外側表面(206)とを備えている単一体シェルアセンブリ(202)を備え、受け取り空洞は、単一体シェルアセンブリの内側表面がヘルメット(102)の外側表面に接触するように構成されるように構成され、単一体シェルアセンブリは、適合可能に、かつ取り外し可能にヘルメットの外側表面を覆う、ヘルメットカバー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルメットカバーであって、前記ヘルメットカバーは、受け取り空洞と、内側表面と、外側表面とを備えている単一体シェルアセンブリを備え、前記受け取り空洞は、前記単一体シェルアセンブリの前記内側表面がヘルメットの外側表面に接触するように構成されるように構成され、前記単一体シェルアセンブリは、適合可能に、かつ取り外し可能に前記ヘルメットの前記外側表面を覆う、ヘルメットカバー。
【請求項2】
前記単一体シェルアセンブリは、調節可能留め具の使用なしで、適合可能に、かつ取り外し可能に前記ヘルメットの外側表面を覆う、請求項1に記載のヘルメットカバー。
【請求項3】
前記ヘルメットカバーは、仕上げ層をさらに備え、前記仕上げ層は、前記単一体シェルアセンブリの外側表面に接着されている、請求項1に記載のヘルメットカバー。
【請求項4】
前記単一体シェルアセンブリは、それを通した1つ以上の開口部をさらに備え、前記1つ以上の開口部は、前記ヘルメットの1つ以上の開口部に対応する、請求項1に記載のヘルメットカバー。
【請求項5】
前記単一体シェルアセンブリは、把持部材をさらに備え、前記把持部材は、前記保護用ヘルメットの外側表面の外側縁にスナップ嵌め可能に取り付く、請求項1に記載のヘルメットカバー。
【請求項6】
前記単一体シェルアセンブリは、注入成型される熱可塑性ポリウレタン(TPU)または熱形成されるTPUから作製される、請求項1に記載のヘルメットカバー。
【請求項7】
前記単一体シェルアセンブリは、TPU90、TPU95、およびそれらの混合物から成る群から選択される材料から作製される、請求項1に記載のヘルメットカバー。
【請求項8】
前記単一体シェルアセンブリは、TPUと、随意に、着色顔料、仕上げ表面化学物質、効用添加剤、およびそれらの混合物から成る群から選択される1つ以上の添加剤とから作製される、請求項1に記載のヘルメットカバー。
【請求項9】
前記単一体シェルアセンブリの前記内側表面は、複数の微小孔を備えている、請求項1に記載のヘルメットカバー。
【請求項10】
前記単一体シェルアセンブリの前記外側表面は、複数の微小孔を備えている、請求項1に記載のヘルメットカバー。
【請求項11】
前記単一体シェルアセンブリは、複数の微小孔を備え、前記複数の微小孔の各々は、独立して、約1μm±0.5μmの直径を有する、請求項1に記載のヘルメットカバー。
【請求項12】
前記単一体シェルアセンブリは、複数の微小孔を備え、前記複数の微小孔は、約3.2e7微小孔/cm
2の分布を有する、請求項1に記載のヘルメットカバー。
【請求項13】
前記単一体シェルアセンブリは、0.25mm~4mmの厚さを有する、請求項1に記載のヘルメットカバー。
【請求項14】
前記単一体シェルアセンブリは、1±0.1mmの厚さを有する、請求項1に記載のヘルメットカバー。
【請求項15】
ヘルメットカバーを製造する方法であって、前記方法は、
A.ポリマー注入ユニットを提供することであって、前記ポリマー注入ユニットは、
(i)バレル搭載型スクリューアセンブリであって、前記バレル搭載型スクリューアセンブリは、バレル内に搭載されたスクリューを備えている、バレル搭載型スクリューアセンブリと、
(ii)処理空間であって、前記処理空間は、遠位端と近位端とを備えている、処理空間と、
(iii)前記処理空間と流体連通している1つ以上のノズルであって、前記1つ以上のノズルは、前記処理空間の前記遠位端に配置されている、1つ以上のノズルと
を備えている、ことと、
B.注入型枠ツールを提供することであって、前記注入型枠ツールは、前記1つ以上のノズルと流体連通している型枠空洞を備え、前記注入型枠ツールは、一体成形で前記ヘルメットカバーを形成するように構築されている、ことと、
C.ポリマー材料を前記処理空間の中に導入することと、
D.前記処理空間内で前記ポリマー材料を融解することであって、前記融解することは、前記バレル内に搭載される前記スクリューを使用し、前記ポリマー材料を混合し、熱源を印加し、前記ポリマー材料を第1の所定の温度に至らせ、所定の背圧を生成することによって達成される、ことと、
E.ある体積の前記ポリマー材料を前記1つ以上のノズルを通して前記型枠空洞の中に注入することであって、前記ポリマー材料の前記体積は、前記型枠空洞を充填するために十分である、ことと、
F.前記型枠空洞内の前記ポリマー材料を第2の所定の温度まで冷却することと、
G.前記注入型枠ツールから前記型枠空洞内の前記ポリマー材料を抽出し、前記ヘルメットカバーを提供することと
を含む、方法。
【請求項16】
前記ポリマー材料は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ポリマー材料は、少なくともTPU90、TPU95、またはそれらの混合物から成る群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ポリマー材料は、TPUと、随意に、1つ以上の添加剤とであり、前記1つ以上の添加剤は、着色顔料、仕上げ表面化学物質、効用添加剤、およびそれらの混合物から成る群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記ヘルメットカバーは、1±0.1mmの厚さを有する、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記型枠空洞は、前記ヘルメットカバーの上に微小孔を与えるように形成される、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記ヘルメットカバーを製造する方法は、前記型枠から前記型枠空洞内の前記ポリマー材料を抽出した後、機械的プロセスまたはレーザ穿設プロセスを介して、ヘルメットカバーの上に微小孔を与えることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記型枠空洞は、前記ヘルメットカバー上に微小孔を与えるように形成され、前記微細孔は、直径約1μm±0.5μmを有する、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の所定の温度は、230±3℃である、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記所定の背圧は、5±1バールである、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記第2の所定の温度は、60±2℃である、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
前記体積の前記ポリマー材料を注入することは、第1の累進的圧力勾配を適用することによって達成され、前記累進的圧力勾配は、約70バール~15バールである、請求項15に記載の方法。
【請求項27】
前記体積の前記ポリマー材料を注入することは、20±5秒以内に生じる、請求項15に記載の方法。
【請求項28】
前記型枠空洞内の前記ポリマー材料を冷却することは、60±5秒以内に生じる、請求項15に記載の方法。
【請求項29】
前記ポリマー材料を前記処理空間の中に導入するステップ、前記処理空間内で前記ポリマー材料を融解するステップ、ある体積の前記ポリマー材料を1つ以上のノズルを通して前記型枠空洞の中に注入するステップ、前記型枠空洞内の前記ポリマー材料を冷却するステップは、130±20秒以内に生じる、請求項15に記載の方法。
【請求項30】
前記体積の前記ポリマー材料を前記1つ以上のノズルを通して前記型枠空洞の中に注入することは、前記型枠空洞が99体積%充填されているとき、100バールの保持圧力で前記型枠空洞を保持することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項31】
注入型枠ツールを提供することは、
ヘルメットを走査し、ヘルメット幾何学形状ファイルを取得することと、
前記ヘルメット幾何学形状ファイルを改変し、ヘルメットカバー幾何学形状ファイルを形成することと、
3次元ヘルメットカバープロトタイプを印刷することと、
前記ヘルメットカバー幾何学形状ファイルを調節することと、
前記ヘルメットカバー幾何学形状ファイルを使用して、前記注入型枠ツールを生成することと
をさらに含み、
前記ヘルメット幾何学形状ファイルを改変することは、前記ヘルメットカバーのサイズを操作すること、前記ヘルメットカバーの形状を操作すること、前記ヘルメットカバーの構造を修正すること、1つ以上の把持部材を前記ヘルメットカバーに追加すること、複数の微小孔を前記ヘルメットカバーに追加すること、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含み、
前記ヘルメットカバー幾何学形状ファイルを調節することは、3次元ヘルメットカバープロトタイプと比較してヘルメットカバーの改良された適合を提供することを含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2022年5月25日に出願された米国特許出願第17/664,892号の優先権を主張し、上記出願は、2021年5月25日に出願された米国仮特許出願第63/192,927号の優先権の利益を主張し、それらの内容は、参照することによってそれらの全体において本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本発明は、注入成型された物品およびその製造方法を対象とする。注入成型された物品は、保護用ヘルメットのためのヘルメットカバーであり、より具体的に、軍事、建設、製造、および/またはアメリカンフットボール、野球、ラクロス、ホッケー、乗馬、スキー、スノーボード等の対戦スポーツにおいて使用されるヘルメットの美的外観を向上させるための交換可能なヘルメットカバーである。
【背景技術】
【0003】
ヘルメットは、多くの運動競技、産業、および軍事用途における、標準的な保護用装備である。例えば、ヘルメットは、アメリカンフットボール、野球、ラクロス、ホッケー、乗馬、スキー、スノーボード等の対戦スポーツにおいて、かつ建設、製造、軍事の文脈における個人用保護用器具として、一般的に使用される。
【0004】
各ヘルメットは、用途に関連付けられた特定の衝突リスクに対する保護を提供するのみならず、ユーザの頭部サイズに適応するように独特に成形される。ヘルメットは、多くの場合、内側クッションと、フェイスマスク、顎ストラップ、および装飾部等の外側ハードウェアとを含む。加えて、ヘルメットは、特定の用途に関連付けられた任意の安全要件および規制を満足させるように設計される。
【0005】
ヘルメットを生成および製造することに関連付けられた様々な設計および安全上の考慮事項により、ヘルメットは、高価な安全器具である。結果として、プレーヤおよび他のユーザは、典型的に、練習、トレーニング、または競技会のために単一のヘルメットのみを支給される。ヘルメットがプロのチーム、大学、または軍隊等、より大きい予算を伴う産業およびプログラムにおいて使用される場合であっても、新しいヘルメットのコストは、各ユーザが支給されるヘルメットの数を限定する。
【0006】
同時に、ユーザは、種々の理由から、自身のユニフォームの外観を変更することを所望し、種々の理由は、「復刻版」ユニフォームを呼び物にすること、特定の運動を支援すること、特定の人物または組織に栄誉を授けること、または注目に値する競技会における特定の業績または関与を祝福することを含む。これらの目的のために、自身のヘルメットの見た目を変更することを望むユーザに利用可能な選択肢は、わずかしか存在しない。ユーザは、追加のヘルメットを購入することができるが、先に説明されるように、これは、経済的な選定ではなく、殆どの組織は、この選択肢を推進する余裕はない。
【0007】
ヘルメットは、塗装されること、接着ラベルまたはパッチで覆われること、またはラップまたは複数片カバーで覆われることもある。各選択肢は、欠点を有する。例えば、ヘルメットを塗装することは、時間がかかり、高価であり、概して、全てのヘルメットに関する一貫した外観を達成するための訓練を受けた個人の確保を要求する。加えて、塗装することは、概して、ヘルメットが再塗装されない限り、ヘルメットをそれらの元々の色に復元するために戻されることができず、それは、追加の時間および費用を要求する。接着用ロゴおよびステッカは、高い技能レベルを要求しないが、費用は、ステッカの品質およびサイズに伴って変動する。加えて、ヘルメットのサイズおよび輪郭のために、ステッカのサイズおよび形状は、ステッカが、しわ、空気穴、または折り目なしで適用され得ることを確実にするために限定され、結果として、この方法を用いてヘルメット全体の外観を変更することは、不可能である。ラップおよび他の複数片カバーは、正確に設置されることが困難であり、それらが正しく適用されない場合、明らかに眼に見える継目線を有する。いくつかのラップは、単一体として入手可能である一方、それらは、適用のために接着剤または加熱方法も使用する。接着ラップは、製品が、折れ曲がり、それ自体に接着し得るので、適用することが困難であり、加熱および張着技法は、繰り返しになるが、高価であり、時間もかかる専門家による適用を要求する。
【0008】
これらの適用のいずれにおいても、製品が、技能および精度を伴って適用されない場合、最終結果は、ヘルメット間の変動、しわ、折り目、および不適切な向きが存在し得るので、視覚的に満足の行くものではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、注入成型された物品およびその製造方法を対象とする。注入成型された物品は、保護用ヘルメットのためのヘルメットカバーであり、より具体的に、軍事、建設、製造、および/またはアメリカンフットボール、野球、ラクロス、ホッケー、乗馬、スキー、スノーボード等の対戦スポーツにおいて使用されるヘルメットの美的外観を向上させるための交換可能なヘルメットカバーである。
【0010】
本開示によるヘルメットカバーは、一体成形から形成され、したがって、組立を要求しない。そのようなヘルメットカバーは、一体成形から形成されるが、依然として、運動競技、産業、および軍事用途において使用される大型、不規則、かつ曲線形ヘルメット形態の形状を模倣する心地よい適合を維持する。これらのヘルメットカバーは、ヘルメットに適合可能に取り付くように設計され、したがって、調節または留め具の使用を伴わずに適用されることができる。そのようなヘルメットカバーは、一体成形から形成されるので、それらは、眼に見える継目、しわ、空気穴、および/または折り目を伴わずに適用されることができる。これらのヘルメットカバーは、技能を伴わずに、ヘルメットの表面を損傷または改変させることなく、迅速に適用および取り外されることができる。これらのヘルメットカバーは、様々な色および設計において作製されることができ、殆どの任意のサイズ、形状、および/または色のステッカを含み得る。これらのヘルメットカバーは、ヘルメットの機能を妨げず、通常の使用状態に耐えることができる。ヘルメットカバーの設計および製造は、ヘルメットカバーが経済的な価格において提供されることも可能にし、それによって、チームがそのヘルメットカバーの設計を変更し得る回数を増加させる。
【0011】
本明細書に説明されるように、熱可塑性プラスチックは、注入成型された物品を形成するために使用され、製造プロセスにおいて採用される。便宜上、熱可塑性ポリウレタン(「TPU」)等の具体的なタイプの熱可塑性プラスチックが、参照され得るが、本発明は、本明細書に記述されるような全ての好適な熱可塑性プラスチックを含むことを理解されたい。本発明は、ヘルメットカバーを提供する。ヘルメットカバーは、受け取り空洞と、内側表面と、外側表面とを含む単一体シェルアセンブリを含む。受け取り空洞は、単一体シェルアセンブリの内側表面がヘルメットの外側表面に接触するように構成されるように、かつ単一体シェルアセンブリが、適合可能に、かつ取り外し可能にヘルメットの外側表面を覆うように構成される。
【0012】
本発明は、ヘルメットカバーを製造する方法も提供する。この方法は、ポリマー注入ユニットを提供することであって、(A)(i)バレル搭載型スクリューアセンブリであって、バレル搭載型スクリューアセンブリは、バレル内に搭載されたスクリューを含む、バレル搭載型スクリューアセンブリと、(ii)処理空間であって、処理空間は、遠位端と、近位端とを含む、処理空間と、(iii)処理空間と流体連通している1つ以上のノズルであって、1つ以上のノズルは、処理空間の遠位端に配置されている、1つ以上のノズルとを含む、ことを含む。ヘルメットを製造する方法は、(B)注入型枠ツールを提供することをさらに含み、注入型枠ツールは、1つ以上のノズルと流体連通している型枠空洞を含み、注入型枠ツールは、一体成形でヘルメットカバーを形成するように構築される。ヘルメットを製造する方法は、(C)ポリマー材料を処理空間の中に導入することをさらに含む。ヘルメットを製造する方法は、(D)処理空間内でポリマー材料を融解することをさらに含み、融解することは、バレル内に搭載されたスクリューを使用し、ポリマー材料を混合し、熱源を印加し、ポリマー材料を第1の所定の温度に至らせ、所定の背圧を生成することによって達成される。ヘルメットを製造する方法は、(E)ある体積のポリマー材料を1つ以上のノズルを通して型枠空洞の中に注入することをさらに含み、ポリマー材料の体積は、型枠空洞を充填するために十分である。ヘルメットを製造する方法は、(F)型枠空洞内のポリマー材料を第2の所定の温度まで冷却することをさらに含む。ヘルメットを製造する方法は、(G)注入型枠ツールから型枠空洞内のポリマー材料を抽出し、ヘルメットカバーを提供することをさらに含む。
【0013】
ヘルメットカバーを製造する方法は、随意に、(B)注入型枠ツールを提供することをさらに含み、注入型枠ツールを提供することは、(i)ヘルメット幾何学形状ファイルを取得するためにヘルメットを走査することと、(ii)ヘルメット幾何学形状ファイルを改変し、ヘルメットカバー幾何学形状ファイルを形成することと、(iii)3次元ヘルメットカバープロトタイプを印刷することと、(iv)ヘルメットカバー幾何学形状ファイルを調節することと、(v)ヘルメットカバー幾何学形状ファイルを使用して、注入型枠ツールを生成することとをさらに含むことができる。ヘルメット幾何学形状ファイルを改変することは、(a)ヘルメットカバーのサイズおよび/または形状を操作すること、(b)ヘルメットカバーの構造を修正すること、(c)1つ以上の把持部材をヘルメットカバーに追加すること、および/または(d)複数の微小孔をヘルメットカバーに追加することのうちの1つ以上を含む。加えて、ヘルメットカバー幾何学形状ファイルを調節することは、3次元ヘルメットカバープロトタイプと比較してヘルメットカバーの改良された適合を提供することを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態によるヘルメットに隣接して位置付けられたヘルメットカバーの例証である。
【0015】
【
図2】
図2は、本開示の一実施形態によるヘルメットカバーを描写する。
【0016】
【
図3A】
図3Aは、本開示の一実施形態によるヘルメットカバーの右側の斜視図である。
【0017】
【
図3B】
図3Bは、本開示の一実施形態によるヘルメットカバーの背部の斜視図である。
【0018】
【
図3C】
図3Cは、本開示の一実施形態によるヘルメットカバーの上部の斜視図である。
【0019】
【
図3D】
図3Dは、本開示の一実施形態によるヘルメットカバーの前部の斜視図である。
【0020】
【
図3E】
図3Eは、本開示の一実施形態によるヘルメットカバーの底部の斜視図である。
【0021】
【
図4】
図4は、本開示の一実施形態による把持部材を伴う例示的ヘルメットカバーの拡大図である。
【0022】
【
図5】
図5は、本開示の一実施形態による仕上げ層を伴うヘルメットカバーを描写する。
【0023】
【
図6】
図6は、本開示の一実施形態によるヘルメットカバーを製造する方法を示す。
【0024】
【
図7】
図7は、本開示の一実施形態によるポリマー注入ユニットを描写する。
【0025】
【
図8】
図8は、本開示の一実施形態による注入型枠ツールを描写する。
【0026】
【
図9】
図9は、本開示の一実施形態による注入型枠ツールを提供する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、本発明の以下の詳細な説明および含まれる例の研究を熟読することによって、より容易に理解されることができる。
【0028】
本明細書で使用されるように、以下の用語は、別様に規定されない限り、それらに属すると見なされる意味を有する。
【0029】
本明細書および請求項において使用されるとき、用語「~を備えている(comprise)」、「~を備えている(comprising)」、「~を含む(include)」、「~を含む(including)」、および「~を含む(includes)」は、記述される材料、物質、特徴、整数、構成要素、またはステップの存在を規定することが意図されるが、それらは、1つ以上の他の材料、物質、特徴、整数、構成要素、ステップ、またはそれらの組み合わせの存在または追加を除外しない。
【0030】
用語「約(about)」は、当業者によって決定されるとき、それらが容認可能な誤差範囲内にあるように対象値を修飾し、それは、測定システムの限定に部分的に依存するであろう。
【0031】
本明細書に使用されるような冠詞「a」および「an」は、別様に示されない限り、「1つ以上の(one or more)」または「少なくとも1つ(at least one)」を指す。すなわち、不定冠詞「a」または「an」による実施形態の任意の要素または構成要素の言及は、2つ以上の要素または構成要素が存在する可能性を除外しない。
【0032】
本明細書に使用されるような用語「ヘルメット(helmet)」は、スポーツ、個人用保護用器具(建設または製造において等)、軍事、または他の用途のためを含む、様々な用途のうちのいずれかにおける使用のための保護用頭部カバーを指す。用語「ヘルメット(helmet)」は、限定ではないが、アメリカンフットボール、野球、ラクロス、ホッケー、馬術、スキー、スノーボード、建設、軍事の用途等において使用されるヘルメットを含む任意のヘルメットタイプを含むことが意図される。現在市販されている好適な例示的ヘルメットが、実施例1に提供されている。当業者は、これらのヘルメットが製造業者によって経時的に修正され得ること、および新しいヘルメットが市場に流入し得ることを理解するであろうことを理解されたい。任意の類似するヘルメットまたは将来のヘルメットモデルは、この用語の意味内に含まれるであろう。
【0033】
本明細書で使用されるような用語「ヘルメットカバー(helmet cover)」は、ヘルメットを覆うための物品を指す。ヘルメットカバーは、限定ではないが、アメリカンフットボール、野球、ラクロス、ホッケー、馬術、スキー、スノーボード、建設、軍事の用途等において使用されるヘルメットを含む任意のヘルメットタイプのために好適であり得る。ヘルメットカバーは、装飾用および/または保護用カバーとしての目的を含む任意の好適な目的のために使用されることができる。
【0034】
本明細書で使用されるような用語「単一体シェルアセンブリ(unitary shell assembly)」は、製造プロセス中に一体成形で形成される任意の数の構成要素を指す。一非限定的例として、ある実施形態において、単一体シェルアセンブリは、受け取り空洞と、内側表面と、外側表面とを含み、これらの全ては、同じ熱可塑性プラスチック、熱可塑性プラスチックの混合物、または熱可塑性プラスチックと1つ以上の添加剤との混合物から形成され得る。別の非限定的例として、ある実施形態において、単一体シェルアセンブリは、受け取り空洞と、内側表面と、外側表面とを含み、これらの全てが、単一の型枠空洞内で形成され得る。
【0035】
本明細書で使用されるような用語「受け取り空洞(receiving cavity)」は、所定の幾何学形状を伴う物体を受け取るように構成された空間を指す。一例として、ある実施形態において、受け取り空洞が、任意の好適な形状および/またはサイズのヘルメットを受け取るように構成され得る。
【0036】
本明細書で使用されるような用語「内側表面(interior surface)」は、ユーザに対して内向きに面する表面を指す。
【0037】
本明細書で使用されるような用語「外側表面(exterior surface)」は、ユーザに対して外方向に面する表面を指し、内側表面ではない任意の表面を含む。外側表面は、外側表面の外側限界を画定する1つ以上の外側縁を有し得る。
【0038】
本明細書で使用されるような用語「適合した(fitted)」または「適合可能に(fittably)」は、2つの物体間のぴったり適合した、密着した、または心地よい関係を指す。ある実施形態において、「適合した(fitted)」関係は、2つの物体が、留め具または把持部材の補助を伴って、または伴わず、引っ張り力の不在下で接触したままであることを可能にする。
【0039】
本明細書で使用されるような用語「取り外す(detach)」または「取り外し可能に(detachably)」は、2つの物体を分離する能力を指す。ある実施形態において、物体は、引っ張り力の使用によって取り外され得る。
【0040】
本明細書で使用されるような用語「調節可能留め具(adjustable fastener)」は、所望の適合または外観を達成するために、改変され、または移動させられ得る物体を閉鎖または固定するためのデバイスを指す。例示的調節可能留め具は、限定ではないが、バックル、ストラップ、スクリュー、クランプ、蝶番、ラッチ、フック、およびクリップを含み得る。
【0041】
本明細書で使用されるような用語「仕上げ層(finish layer)」は、ヘルメットカバーの内側または外側表面に適用される表面層を指す。ある実施形態において、仕上げ層は、塗料、粉末コーティング、グラフィック、薄膜調製物、またはそれらの組み合わせを含み得る。ある実施形態において、仕上げ層は、塗装、ビーズブラスト、エッチング、UV硬化、シルクスクリーン、ハイドロディップ、物理的蒸着、またはそれらの組み合わせによって塗布され得る。
【0042】
本明細書で使用されるような用語「接着する(adhere)」、「接着する(adheres)」、または「接着される(adhered)」は、分子の相互作用を介して、2つ以上の表面または材料間で合体すること、または接触を生成することを指す。
【0043】
本明細書で使用されるような用語「把持部材(gripping member)」は、外側表面の外縁を把持または保持するために使用される構成要素を指す。
【0044】
本明細書で使用されるような用語「スナップ可能に取り付ける(snappably attaches)」は、急激な力を介して、調節を伴わずに、構成要素を閉鎖すること、または定位置に適合させることを指す。
【0045】
本明細書で使用されるような用語「熱可塑性プラスチック(thermoplastic)」は、特定の高温で撓曲可能または成型可能になり、冷却すると、固体になるある分類のポリマーを指す。例示的熱可塑性プラスチックは、限定ではないが、ポリウレタン(「TPU」)、ポリプロピレン(「PP」)、ポリエチレン(「PE」)、ポリスチレン(「PS」)、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリ(メタクリル酸メチル)(「PMMA」)、ポリカーボネート(「PC」)、ポリオキシメチレン(「POM」)、ポリエチレン酢酸ビニル(「PEVA」)、高密度ポリエチレン(「HDPE」)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)、ポリアミド(「PAナイロン」)、またはそれらの混合物を含む。異なる熱可塑性プラスチックまたは熱可塑性プラスチックの混合物が、仕上げられる製品の所望の物理的属性を含む用途に応じて使用されることができる。ある実施形態において、熱可塑性プラスチックは、廃棄製品、不用製品、または他の用途からの再利用された熱可塑性プラスチックであり得る。
【0046】
本明細書で使用されるような用語「ポリマー材料(polymeric material)」は、注入成型基質を指し、それは、1つ以上の熱可塑性プラスチックと、随意に、着色顔料、グリッタ、仕上げ表面化学物質、効用添加剤、およびそれらの混合物等の追加の添加剤とを含み得る。
【0047】
本明細書で使用されるような用語「熱可塑性ポリウレタン(「TPU」)」は、短鎖ジオールを伴うジイソシアネートと長鎖ジオールを伴うジイソシアネートとの反応によって形成される硬質(高極性)ドメインと軟質(低極性)ドメインとの交互シーケンスから成るブロック共重合体から生成されるあるタイプの熱可塑性プラスチックを指す。TPUは、概して、高い耐久性、可撓性、および引張強度によって特徴付けられる。
【0048】
TPUは、TPUのショアAおよび/またはショアD値によって測定されるいくつかの硬度グレードにおいて利用可能であり、それは、ASTM D2240に従って決定される。約10A~50Aの硬度値を伴うTPUは、非常に軟質であり、50A~80Aの硬度値を伴うTPUは、軟質であり、80A~90Aの硬度値を伴うTPUは、中程度であり、90~95Aの硬度値を伴うTPUは、硬質であり、60D~75Dの硬度値を伴うTPUは、非常に硬質である。用語「TPU90」は、90のショアA値を伴うTPUを指す。用語「TPU95」は、95のショアA値を伴うTPUを指す。
【0049】
TPUまたはTPUの混合物の他の定義する特性は、(例えば、ASTM D792によって測定されるような)密度、(例えば、ASTM D412によって測定されるような)引張強度および破断伸び、(例えば、ISO4649によって測定されるような)摩耗量、(例えば、ASTM D624によって測定されるような)引き裂き強度を含む。特定の製品のために最も好適なTPUまたはTPUの混合物は、用途、製造方法、および仕上げられる製品の所望の物理的属性に依存するであろう。
【0050】
用語「添加剤(additive)」は、所与の製造品の属性を改良、改変、または保存するために、熱可塑性プラスチックまたは熱可塑性プラスチックの混合物に添加される任意の物質を指す。本発明の実施形態において、添加剤が、それらの意図される目的を達成し、ヘルメットカバーの性能特性に相当程度まで悪影響を与えないことを前提として、任意の数の好適な添加剤が、単独で、または組み合わせて使用され得る。例示的添加剤は、限定ではないが、着色顔料、仕上げ表面化学物質、効用添加剤、およびそれらの混合物を含む。存在するとき、添加剤が、それらの意図される目的を達成し、ヘルメットカバーの性能特性に相当程度まで悪影響を与えないことを前提として、添加剤は、任意の好適な量において採用されることができる。
【0051】
本明細書で使用されるような用語「厚さ(thickness)」は、反対側の表面間の距離を指す。例えば、ある実施形態において、用語「厚さ」は、ヘルメットカバーの内側表面とヘルメットカバーの外側表面との間の距離を指す。種々の厚さが、開示されるが、物品を製造するためのプロセスは、自然なプロセスの変動の影響を受け、したがって、所望の厚さからの合理的な相違は、本開示の範囲内にあることを理解されたい。例えば、本明細書に説明される単一体シェルアセンブリが、単一または複数の厚さを有するかどうかに関係なく、1つ以上の厚さの各々は、典型的に、0.25mm~4mmであろう。
【0052】
本明細書で使用されるような用語「~まで(up to)」は、示される値より小さく、ゼロより大きい(すなわち、ゼロ(0)の値を含まないであろう)値を指す。例えば、4mmまでの厚さを有する本明細書に説明される単一体シェルアセンブリの言及では、厚さは、4mmを下回り、ゼロを上回るであろう。
【0053】
本明細書で使用されるような用語「注入成型(injection molding)」または「注入成型された(injection molded)」は、融解された材料を注入成型ツールの中に注入することによって物品を生産するための製造プロセスを指す。熱可塑性プラスチックまたは熱可塑性プラスチックの混合物等の物品のための材料は、ポリマー注入ユニットの中に給送され、融解され、ポリマー注入ユニットおよび型枠空洞の両方と流体連通しているノズルを通して型枠空洞の中に注入され、この場合、それは、次いで、型枠空洞の形状を構成するように冷却される。
【0054】
本明細書で使用されるような用語「ポリマー注入ユニット(polymeric injection unit)」は、注入成型中、ポリマー材料を融解するためのユニット動作部を指す。種々の構成が、当技術分野において公知であるが、ユニットは、概して、バレル搭載型スクリューアセンブリと、処理空間と、処理空間と流体連通している1つ以上のノズルとを含む。ポリマー注入ユニットは、ポリマー材料を処理空間の中に導入するためのホッパアセンブリも含み得る。ある実施形態において、ホッパアセンブリは、円錐形ホッパと、円錐形ホッパを支持するために処理空間内に配置されるホッパブロックと、随意に、給送の前にポリマー材料の水分含有量を調節するためのホッパ加熱器および乾燥器とを含む。ポリマー注入ユニットは、加えて、水および/またはポリマー材料の揮発性水分含有量を減らすための通気口またはポートを含み得る。
【0055】
本明細書で使用されるような用語「バレル搭載型スクリューアセンブリ(barrel-mounted screw assembly)」は、ポリマー注入ユニットの処理空間内に搭載される螺旋状チャネルを伴うシリンダを指す。
【0056】
本明細書で使用されるような用語「処理空間(processing space)」は、ポリマー注入ユニット内の中空チャンバを指し、バレル搭載型スクリューアセンブリが、中空チャンバの中で動作する。
【0057】
本明細書で使用されるような用語「ノズル(nozzle)」は、ポリマー材料を注入型枠ツールの中に注入するために使用される管状区分を指す。
【0058】
本明細書で使用されるような用語「注入型枠ツール(injection mold tool)」は、融解されたポリマー材料が、ヘルメットカバー等の別々の製造品を生成するように形成および冷却されることを可能にする部品のアセンブリを指す。注入型枠ツールは、型枠空洞を含む。
【0059】
本明細書で使用されるような用語「型枠空洞(mold cavity)」は、冷却すると、製造品の形状を融解されたポリマー材料に与える注入型枠ツールの部分を指す。型枠空洞は、空洞部分と、コア部分と含み、それらは、一緒に、製造品の形状を提供する。ヘルメットカバーの製造では、型枠空洞の空洞部分は、ヘルメットカバーの外側表面の形状を与える一方、コア部分は、ヘルメットカバーの内側表面の形状を与える。
【0060】
本明細書で使用されるような用語「~と連通している(in communication with)」は、2つ以上のユニットまたは製造ステップ間を移動する能力を指す。例として、1つのユニットまたは製造ステップが、別のユニットまたは製造ステップと「流体連通している」とき、流体(融解されたポリマー材料等)が、2つのユニット間を移動し得ることが意味される。
【0061】
本明細書で使用されるような用語「所定の(predefined)」は、前もって確立される設定点を指す。例えば、用語「所定の温度」は、所望の温度設定点を指す。別の例として、用語「所定の圧力」は、所望の圧力設定点を指す。所定の設定点は、ポリマー材料の融点等、製造プロセスの仕様に基づいて決定され得る。種々の所定の設定点が、開示されるが、物品を製造するためのプロセスは、設定点の変動の影響を受け、したがって、所望の所定の値からの合理的な相違は、本開示の範囲内にあることを理解されたい。
【0062】
本明細書で使用されるような用語「累進的勾配(progressive gradient)」は、段階的に改変する、一連の所定の変数を指す。例えば、用語「累進的圧力勾配」は、順に達成される一連の所定の圧力を指す。累進的勾配の種々の所定の設定点が、開示されるが、物品を製造するためのプロセスは、設定点の変動の影響を受け、したがって、所望の累進的勾配からの合理的な相違は、本開示の範囲内にあることを理解されたい。
【0063】
本明細書で使用されるような用語「背圧(backpressure)」は、ポリマー材料が融解中にバレル搭載型スクリューアセンブリに与える圧力の量を指す。
【0064】
本明細書で使用されるような用語「保持圧力(holding pressure)」は、型枠空洞を充填する最終段階中に加えられる圧力の量を指す。ある実施形態において、保持圧力は、型枠空洞が、約90~99体積%充填されると、加えられる。ある実施形態において、保持圧力は、型枠空洞が、約95~99体積%充填されると、加えられる。ある実施形態において、保持圧力は、型枠空洞が、約99体積%充填されると、加えられる。
【0065】
本明細書で使用されるような用語「注入する(injecting)」は、融解されたポリマー材料を1つ以上のノズルを通して注入成型ツールの型枠空洞の中に押し進めるプロセスを指す。
【0066】
本明細書で使用されるような用語「冷却する(cooling)」は、注入成型ツールの型枠空洞内で、融解されたポリマー材料を凝固させるプロセスを指す。
【0067】
本明細書で使用されるような用語「抽出する(extracting)」は、ヘルメットカバー等の所望の製造品を提供するために、注入型枠ツールの型枠空洞内から、冷却されたポリマー材料を除去するプロセスを指す。抽出は、手動で、ロボット制御で、または特殊化されたツールを使用して実施されることができる。
【0068】
用語「ヘルメット幾何学形状ファイル(helmet geometry file)」は、ヘルメットから取得されるCAD表現等のコンピュータ化されたモデルを指す。
【0069】
用語「ヘルメットカバー幾何学形状ファイル(helmet cover geometry file)」は、改変されたヘルメット幾何学形状ファイルを指す。
【0070】
用語「3次元ヘルメットカバープロトタイプ(3-dimensional helmet cover prototype)」は、3次元印刷によって取得されるヘルメットカバー幾何学形状ファイルの物理的表現を指す。
【0071】
用語「改変する(altering)」は、物体の構造、設計、および/または寸法を変更することを指す。
【0072】
用語「調節する(adjusting)」は、物体の適合および/または外観を改良する、わずかな操作を指す。
【0073】
図1を参照すると、ヘルメットカバー100およびヘルメット102が、図示されている。ヘルメット102は、1つ以上のヘルメット開口部104と、1つ以上のヘルメット留め具場所106とを含む。ヘルメットカバー100は、ヘルメット102の形状に酷似する形状を有するように設計され、任意のヘルメット開口部104と、ヘルメット留め具場所106とを含む。例えば、
図1-2に示されるように、ヘルメットカバー100は、ヘルメット開口部104に対応する1つ以上の開口部108を含む。同様に、ヘルメットカバー100は、ヘルメット留め具場所106に対応する1つ以上の開口部108を含む。
【0074】
図1-2に示されるように、ヘルメットカバー100は、ヘルメット102の外側表面を適合可能に覆うように、ヘルメット102の外側表面の上でスライドするようにサイズを決定される。ヘルメットカバー100が、ヘルメット102から取り外され得る一方、ヘルメットカバー100とヘルメット102との間の適合は、ヘルメットカバー102が、引っ張り力を加えることなしに、ヘルメット100から取り外されないであろうようなものである。ヘルメットカバー100が、ヘルメット102の外側表面を適合可能に覆うように形成されるので、調節可能留め具は、ヘルメットカバー100とヘルメット102との間で所望の適合を達成するために要求されない。
【0075】
図3A-Eに示されるように、本発明のヘルメットカバー100は、単一体シェルアセンブリ202を含む。単一体シェルアセンブリ202は、内側表面204と、外側表面206と、受け取り空洞208とを含む。受け取り空洞208は、ヘルメット102の外側表面の形状およびサイズにほぼ酷似する、形状およびサイズを有する。
【0076】
ヘルメットカバー100は、熱可塑性プラスチック、熱可塑性プラスチックの混合物、または1つ以上の熱可塑性プラスチックおよび1つ以上の添加剤から作製されることができる。例示的熱可塑性プラスチックは、ポリウレタン(「TPU」)、ポリプロピレン(「PP」)、ポリエチレン(「PE」)、ポリスチレン(「PS」)、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリ(メタクリル酸メチル)(「PMMA」)、ポリカーボネート(「PC」)、ポリオキシメチレン(「POM」)、ポリエチレン酢酸ビニル(「PEVA」)、高密度ポリエチレン(「HDPE」)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)、ポリアミド(「PAナイロン」)、またはそれらの混合物を含む。例えば、ヘルメットカバー100は、1つ以上のTPUから作製されることができる。例示的添加剤は、限定ではないが、着色顔料、仕上げ表面化学物質、効用添加剤、およびそれらの混合物を含む。ある実施形態において、ヘルメットカバー100は、TPU90、TPU95、またはそれらの混合物から作製される。
【0077】
図4に示されるように、ある実施形態において、ヘルメットカバー100の単一体シェルアセンブリ202は、把持部材300をさらに含む。把持部材300は、ヘルメット102の外側表面の外縁を収容するようにサイズを決定されたクリップ304を提供するように形成される。把持部材300は、それがヘルメット102の外側表面の外縁にスナップ嵌め可能に取り付けられるように設計され、したがって、該外縁との確実かつ部分的に包囲する適合を提供し得る。把持部材300は、ヘルメット102の外側表面の全ての外縁を収容するように設計され得るか、または、それは、ヘルメット102の外側表面のある外縁のみを収容するように設計され得、外縁は、ヘルメットカバー100の所望の外観に従って選択される。
【0078】
図5に示されるように、ヘルメットカバー100は、仕上げ層400をさらに含み得る。当業者が、任意の数の好適な仕上げ層を認知するであろうこと、および任意のそのような仕上げ層が、印加力および意図される使用に耐える限り使用され得ることが理解される。例えば、仕上げ層400は、塗料、粉末コーティング、保護用コーティング、グラフィック、薄膜調製物、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含み得る。仕上げ層400は、塗装、ビーズブラスト、エッチング、UV硬化、シルクスクリーン、ハイドロディップ、物理的蒸着、または他の公知の適用技法によって塗布され得る。
【0079】
ヘルメットカバー100の内側表面204および/または外側表面206は、複数の微小孔を含み得る。内側表面204および/または外側表面206に用いられると、複数の微小孔は、内側表面204および/または外側表面206の表面特性を改良し得る。例えば、微小孔は、内側表面204および/または外側表面206によって経験される摩擦係数を改変し得るか、または、内側表面204および/または外側表面206の多孔率を改変し、仕上げ層400の接着性を促進し得る。微小孔が、注入成型プロセスの一環として、または注入成型が完了した後の機械的またはレーザプロセスによって、内側表面204および/または外側表面206上に与えられ得る。微細孔の直径、密度、および場所は、所望の表面特性を達成するために変動させられ得る。
【0080】
本発明のヘルメットカバー100は、概して、注入成型、熱形成等の熱可塑性プラスチックから作製される物品を製造するための公知の方法に従って製造され得る。
【0081】
例えば、ヘルメットカバー100は、注入成型プロセスを介して製造され得る。
図6に示されるように、注入成型方法600は、(602)ポリマー材料を導入することと、(604)ポリマー材料を融解することと、(606)ポリマー材料を注入することと、(608)ポリマー材料を冷却することと、(610)ポリマー材料を抽出することと、(612)ヘルメットカバーを提供することとを含む。
【0082】
図7に示されるように、ある実施形態において、ステップ602:ポリマー材料を導入することは、ポリマー材料710をポリマー注入ユニット700の中に給送することによって達成される。ある実施形態において、ポリマー注入ユニット700は、処理空間704と、バレル搭載型スクリューアセンブリ702と、処理空間704および注入型枠ツール800の両方と流体連通している1つ以上のノズル706とを含む。ポリマー注入ユニットは、随意に、ポリマー材料710を処理空間704の中に導入するためのホッパアセンブリ708を含み得る。ホッパアセンブリ708は、随意に、円錐形ホッパと、円錐形ホッパを支持するために処理空間内に配置されるホッパブロックと、随意に、給送することの前にポリマー材料の水分含有量を調節するためのホッパ加熱器および乾燥器とを含み得る。ポリマー注入ユニット700は、随意に、水および/またはポリマー材料710の揮発性水分含有量を減らすための通気口またはポートも含み得る。
【0083】
ステップ602:ポリマー材料を導入している間中、バレル搭載型スクリューアセンブリ702は、処理空間704内で回転し、処理空間を通して、近位から遠位への方向にポリマー材料710を運搬し、それによって、バレル搭載型スクリューアセンブリと処理空間との間の相互作用は、概して、ポリマー材料の軸方向(すなわち、前方)運動を生成する。
【0084】
さらに
図6および7を参照すると、ステップ604、すなわち、ポリマー材料を融解する間中、バレルスクリュー搭載型スクリューアセンブリ702および処理空間704の外側限界(一般に、バレルと称される)が、相互作用し、ポリマー材料を融解し、運搬し、その上に圧力を加え、ステップ606:ポリマー材料を注入することのためにポリマー材料710を調製する。相互作用を促進するために、処理空間704のバレルは、用途に応じて、部分的に溝付きであり得るか、または全体的に溝付きであり得る。同様に、バレル搭載型スクリューアセンブリ702の長さ、直径、および回転速度は、所望の融解特性および一貫した出力を取得するために変動させられることができる。ある実施形態において、バレル搭載型スクリューアセンブリ702は、スクリューの直径または螺旋状チャネルのピッチが適切な送給率、圧縮、および計測をもたらすように変動させられ得る1つ以上の区域を含み得る。ポリマー材料710の融解均一性はまた、背圧とも称されるバレル搭載型スクリュー702によって発生させられる力を事前に定義することによって変動させられ得る。
【0085】
処理空間704は、加えて、1つ以上のバレル区域712を有してもよく、1つ以上のバレル区域712の各々は、ステップ604:ポリマー材料を融解することのために、ポリマー材料710を第1の所定の温度に至らせるためのその独自の温度設定点を伴う。第1の所定の温度は、特定の温度設定点であり得るか、または、温度勾配であり得る。1つ以上のバレル区域712の各々のための温度設定点がポリマー材料710の処理仕様に従って変動させられ得ることを理解されたい。
【0086】
2つ以上のバレル区域712が処理空間内に含まれる場合、概して、処理空間の近位端(712a)上のバレル区域712は、ステップ602:ポリマー材料を導入することの間中、早すぎる融解および架橋を阻止するために、最低温度設定点を有する。そして、残りのバレル区域712の温度は、例えば、遠位方向においてバレル区域温度設定点を増加させることによって、処理空間の近位端から遠位端まで進行する方向において変動させられ得る。この様式において、温度設定点は、712a、712b、712c、および712dと移動するにつれて、増加する。例えば、ある実施形態において、温度設定点は、バレル区域712aに関して200±5℃、バレル区域712bに関して215±5℃、バレル区域712cに関して225±5℃、バレル区域712dに関して230±5℃であり得る。
【0087】
図6および7にも示されるように、ステップ606:ポリマー材料を注入する間中、ポリマー材料710は、1つ以上のノズル706を通して押し進められ、注入型枠ツール800の中に導入される。
図8に示されるように、ある実施形態において、注入型枠ツール800は、位置決めリング802と、スプルーブッシング804と、スペーサプレート806と、誘導柱808および誘導ブッシュ810と、ランナ824と、型枠空洞812と、静止プレート818と、可動プレート820と、コア保持プレート822と、射出器ピン826と、射出器プレート828と、クランププレート830とを含む。型枠空洞812は、1つ以上の空洞部分814と、コア部分816とを含む。
【0088】
さらに
図6-8を参照すると、注入成型方法600を実行するとき、1つ以上のノズル706、スプルーブッシング804、およびランナ824は、連通しており、それによって、ポリマー材料710は、処理空間704から、型枠空洞812の中に押し進められ、型枠空洞812を充填することができる。ある実施形態において、ステップ606:ポリマー材料を注入する間中、型枠空洞812は、充填/詰め込み段階および保持段階と称される2つの段階において充填される。
【0089】
充填/詰め込み段階中、融解されたポリマー材料710は、第1の累進的圧力勾配下で注入される。第1の累進的圧力勾配は、型枠を充填し、次いで、融解されたポリマー材料710の収縮および逆流を可能にするように供給される。ある実施形態において、累進的圧力勾配は、約70バール~15バールである。
【0090】
保持段階中、融解されたポリマー材料710は、追加のポリマー材料710が、型枠空洞812の中に流入しなくなるまで、特定の保持圧力で保持される。保持圧力は、ポリマー材料710の処理仕様に応じて変動させられ得、圧力勾配であり得る。保持圧力は、型枠空洞812が、約90~99体積%充填されると、加えられる。
【0091】
図6に再度目を向けると、ステップ608:ポリマー材料を冷却する間中、型枠空洞812内のポリマー材料710は、第2の所定の温度まで冷却される。第2の所定の温度がポリマー材料710の処理仕様に従って変動させられ得ることを理解されたい。第2の所定の温度は、空洞部分814およびコア部分816を特定の温度設定点まで冷却することによって達成されることができる。空洞部分814およびコア部分816に関する温度設定点は、同じであるか、またはプロセスに応じて異なり得る。例えば、空洞部分814およびコア部分816に関する温度設定点は、60℃±10℃の範囲内にあり得る。
【0092】
図6を引き続き参照すると、ステップ610:ポリマー材料を抽出する間、ヘルメットカバー100は、型枠空洞812および注入型枠ツール800から除去される。ステップ610:ポリマー材料を抽出することは、射出器ピン826および射出器プレート828の使用によって、手動抽出によって、またはその両方によって達成されることができる。最後に、ステップ612、すなわち、ヘルメットカバーを提供する間中、ヘルメットカバー100が、本明細書に記述される実施形態に従って提供される。
【0093】
図9に示されるように、注入型枠ツール800は、ツール900を提供する方法を介して、設計および提供され得る。ある実施形態において、ツール900を提供する方法は、(902)ヘルメット幾何学形状ファイルを取得するためにヘルメット102を走査することと、(904)ヘルメット幾何学形状ファイルを改変し、ヘルメットカバー幾何学形状ファイルを形成することと、(906)3次元ヘルメットカバープロトタイプをヘルメットカバー幾何学形状ファイルから印刷することと、(908)ヘルメットカバー幾何学形状ファイルを調節することと、(910)ヘルメットカバー幾何学形状ファイルを使用して、注入型枠ツール800を生成することとを含む。
【0094】
ステップ902、すなわち、ヘルメット幾何学形状ファイルを取得するためにヘルメット102を走査する間中、ヘルメット102は、走査され、ヘルメット102のコンピュータ化されたモデルを生成する。ある実施形態において、コンピュータ化されたモデルは、CAD STEPファイルであり得る。例えば、ヘルメット幾何学形状ファイルは、ヘルメット102を走査し、関連する表面測定値を取得し、表面測定の公知の方法および表面データ出力を使用して、CADモデルを発生させることによって生成されることができる。これらの方法は、点群またはメッシュデータ出力を発生させるステップを含む。点群データは、物体の表面にレーザ光のパルスを印加し、各パルスがスキャナに戻るように反射するために要する時間量を測定し、その時間測定値を使用し、走査された物体の点の正確な位置を決定することによって提供される。メッシュデータは、多角形の組に表面構造を細分割することによって取得され、多角形の組は、連続表面を頂点、縁、および面に分割し、頂点、縁、および面は、コンピュータ化されたモデルにおいて表され得る。
【0095】
ステップ904:ヘルメット幾何学形状ファイルを改変し、ヘルメットカバー幾何学形状ファイルを形成する間中、ヘルメット幾何学形状ファイルは、ヘルメットカバー幾何学形状ファイルを生成するために操作される。改変は、幾何学形状ファイルにおいて描写されるヘルメット102のサイズ、形状、および/または構造を操作することを含み得る。改変は、ヘルメット幾何学形状ファイルの厚さを操作すること、1つ以上の開口部をヘルメット幾何学形状ファイルに追加すること、1つ以上の把持部材をヘルメット幾何学形状ファイルに追加すること、複数の微小孔をヘルメット幾何学形状ファイルに追加すること、またはそれらの組み合わせを含も得る。ヘルメット幾何学形状ファイルに適用される改変から結果として生じるファイルは、ヘルメットカバー幾何学形状ファイルと称される。
【0096】
例えば、ステップ904:ヘルメット幾何学形状ファイルを改変し、ヘルメットカバー幾何学形状ファイルを形成する間中、ヘルメット幾何学形状ファイルは、ヘルメット幾何学形状ファイルにおいて描写されるヘルメット102のサイズおよび形状を操作することによって改変され、ヘルメットカバー幾何学形状ファイルを取得し得る。サイズを操作するために、ヘルメット幾何学形状ファイルは、ヘルメットカバー100の所望の厚さと同等である量において、全ての方向において拡張される。形状を操作するために、拡張されたヘルメット幾何学形状ファイルは、次いで、ヘルメット幾何学形状ファイルにおいて描写される内側表面を削り、それによって、最終製品がヘルメットカバー100の所望の厚さと同等の総厚を有するように修正される。この様式におけるヘルメット幾何学形状ファイルのサイズおよび形状を操作し、ヘルメットカバー幾何学形状ファイルを生成することは、仕上げられるヘルメットカバー100が、ヘルメット102の上に「積み重なる」のではなく、ヘルメット102の上でスライドすることを可能にする。特定のタイプのサイズおよび形状の操作もまた、ヘルメットカバー100のヘルメット様形状を保存し、それは、ヘルメットカバー100が、ヘルメットカバー102およびヘルメット100の両方の大型かつ不規則な形状にもかかわらず、ヘルメット102を覆って心地よく適合することを確実にする。1つ以上の開口部をヘルメット幾何学形状ファイルに追加すること、1つ以上の把持部材をヘルメット幾何学形状ファイルに追加すること、複数の微小孔をヘルメット幾何学形状ファイルに追加すること、またはそれらの組み合わせ等の追加の改変が、次いで、ヘルメット幾何学形状ファイルに対して行われ得る。改変の最終製品は、ヘルメットカバー幾何学形状ファイルである。
【0097】
ステップ906、すなわち、3次元ヘルメットカバープロトタイプをヘルメットカバー幾何学形状ファイルから印刷する間中、ヘルメットカバー幾何学形状ファイルに対応する3次元ヘルメットカバープロトタイプが、提供される。3次元ヘルメットカバープロトタイプは、それがヘルメット102に適用されたときの3次元ヘルメットカバープロトタイプの適合を製造業者が検査し、調節を要求される任意のエリアに注目することを可能にする。ステップ908:ヘルメットカバー幾何学形状ファイルを調節する間中、ヘルメットカバー幾何学形状ファイルは、3次元ヘルメットカバープロトタイプと比較して、ヘルメットカバー100の改良された適合を提供するように調節される。ステップ906:3次元ヘルメットカバープロトタイプをヘルメットカバー幾何学形状ファイルから印刷すること、およびステップ908:ヘルメットカバー幾何学形状ファイルを調節することは、それがヘルメット102に適用されたときのヘルメットカバー100の所望の適合および設計を達成するために、必要とされる回数繰り返され得る。
【0098】
ヘルメットカバー幾何学形状ファイルの所望の適合および設計が、達成されると、ステップ910:ヘルメットカバー幾何学形状ファイルを使用して注入型枠ツール800を生成することが、実行される。注入型枠ツール800は、所望のヘルメットカバー100を提供するように設計される一方、注入流量、成型された物品の除去、温度および圧力制御等、必要とされるプロセス属性に関しても適応する。注入型枠ツールは、本明細書に記述される説明に従って設計される。
【0099】
(実施形態)
(ヘルメットカバー)
本発明の側面は、受け取り空洞と、内側表面と、外側表面とを含む、単一体シェルアセンブリから作製されるヘルメットカバーに関する。受け取り空洞は、単一体シェルアセンブリの内側表面がヘルメットの外側表面に接触するように構成されるように構成される。単一体シェルアセンブリは、適合可能に、かつ取り外し可能にヘルメットの外側表面を覆う。
【0100】
本発明の別の側面は、単一体シェルアセンブリを含む、ヘルメットカバーに関する。単一体シェルアセンブリは、受け取り空洞と、内側表面と、外側表面と、把持部材とを含む。受け取り空洞は、単一体シェルアセンブリの内側表面がヘルメットの外側表面に接触するように構成されるように構成される。単一体シェルアセンブリは、ヘルメットの外側表面を適合可能に、かつ取り外し可能に覆い、把持部材の使用を介して、ヘルメットの外側表面の外側縁にスナップ嵌め可能に取り付けられる。
【0101】
下記に提供される構成要素、材料、範囲、値、およびステップを説明する具体的実施形態は、例証目的のみのためであり、請求項によって定義されるように、開示される主題の範囲を別様に限定しない。
【0102】
種々の実施形態において、単一体シェルアセンブリは、調節可能留め具の使用なしで、適合可能に、かつ取り外し可能にヘルメットの外側表面を覆う。
【0103】
種々の実施形態において、ヘルメットカバーは、単一体シェルアセンブリの外側表面に接着される仕上げ層も含む。仕上げ層は、仕上げが、適合、仕上げを塗布するための能力、仕上げの耐久性、または製造方法等、ヘルメットカバーの所望の属性に干渉しないことを前提として、任意の好適な仕上げまたは仕上げの混合体を含む。ある実施形態において、仕上げ層は、塗料、粉末コーティング、グラフィック、薄膜調製物、またはそれらの組み合わせを含む。仕上げ層は、塗装、ビーズブラスト、エッチング、UV硬化、シルクスクリーン、ハイドロディップ、物理的蒸着、またはそれらの組み合わせによって塗布され得る。
【0104】
種々の実施形態において、単一体シェルアセンブリは、それを通した1つ以上の開口部をさらに含む。1つ以上の開口部は、ヘルメットの1つ以上の開口部に対応し得る。ある実施形態において、1つ以上の開口部は、種々のヘルメット特徴へのアクセスを提供する。
【0105】
種々の実施形態において、単一体シェルアセンブリはさらに、把持部材を含む。ある実施形態において、把持部材は、ヘルメットの外側表面の外側縁にスナップ嵌め可能に取り付けられ、したがって、該外縁との確実かつ部分的に包囲する適合を提供する。把持部材は、ヘルメットの外側表面の外縁を収容するようにサイズを決定されるリップを提供するように形成される。把持部材は、ヘルメットの外側表面の全ての外縁を収容するように設計されることができるか、または、ヘルメットの外側表面のある外縁のみを収容するように設計され得、外縁は、ヘルメットカバーの所望の外観および適合に従って選択される。
【0106】
種々の実施形態において、単一体シェルアセンブリは、熱可塑性プラスチックから作製される。ある実施形態において、熱可塑性プラスチックは、注入成型または熱形成を介して形成される。ある実施形態において、熱可塑性プラスチックは、ポリウレタン(「TPU」)、ポリプロピレン(「PP」)、ポリエチレン(「PE」)、ポリスチレン(「PS」)、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリ(メタクリル酸メチル)(「PMMA」)、ポリカーボネート(「PC」)、ポリオキシメチレン(「POM」)、ポリエチレン酢酸ビニル(「PEVA」)、高密度ポリエチレン(「HDPE」)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)、ポリアミド(「PAナイロン」)、またはこれらの混合物である。例えば、単一体シェルアセンブリは、1つ以上のTPUから作製され得る。ある実施形態において、TPUは、TPU90、TPU95、またはそれらの混合物である。
【0107】
種々の実施形態において、単一体シェルアセンブリは、熱可塑性プラスチックと、1つ以上の添加剤とから作製される。1つ以上の添加剤は、添加剤が、適合、仕上げを塗布するための能力、仕上げの耐久性、または製造方法等、ヘルメットカバーの所望の属性に干渉しないことを前提として、任意の好適な添加剤または添加剤の混合物を含み得る。ある実施形態において、1つ以上の添加剤は、着色顔料、グリッタ、仕上げ表面化学物質、効用添加剤、およびそれらの混合物を含むことができる。ある実施形態において、効用添加剤は、黒鉛、微小真空球、またはそれらの混合物を含み得る。
【0108】
具体的実施形態において、単一体シェルアセンブリの内側表面および/または単一体シェルアセンブリの外側表面は、複数の微小孔を含む。複数の微小孔は、保護用ヘルメットの挿入を促進するように位置付けられ、サイズを決定される。例えば、ある実施形態において、複数の微小孔は、単一体シェルアセンブリの外側表面上に存在する、仕上げ層の接着性を促進するように位置付けられ、サイズを決定される。複数の微小孔は、単一体シェルアセンブリの内側表面および/または単一体シェルアセンブリの外側表面の全部または一部を覆い得る。ある実施形態において、複数の微小孔は、好ましくは、各々、独立して、0.1μm~10μmの直径を有する。ある実施形態において、複数の微小孔は、好ましくは、各々、独立して、0.5μm~5μmの直径を有する。ある実施形態において、複数の微小孔は、好ましくは、各々、独立して、約1μm±0.5μmの直径を有する。ある実施形態において、複数の微小孔は、3.2e9~3.2e5微小孔/cm2の分布を有する。ある実施形態において、複数の微小孔は、1.3e8~1.3e6微小孔/cm2の分布を有する。ある実施形態において、複数の微小孔は、約3.2e7微小孔/cm2の分布を有する。
【0109】
製造品として、ヘルメットカバーの単一体シェルアセンブリは、特定の厚さを有するであろう。単一体シェルアセンブリ内では、厚さは、区分毎に変動し得るか、または、それは、全体を通して一貫し得る。単一体シェルアセンブリが、単一厚さであるか、複数の厚さであるか関係なく、1つ以上の厚さの各々は、0.25mm~4mmであり得る。例えば、1つ以上の厚さの各々は、4mmまでであり得る。具体的に、1つ以上の厚さの各々は、3mmまでであり得る。より具体的に、1つ以上の厚さの各々は、2mmまでであり得る。より具体的に、1つ以上の厚さの各々は、1.75mmまでであり得る。より具体的に、1つ以上の厚さの各々は、1.5mmまでであり得る。より具体的に、1つ以上の厚さの各々は、1.25mmまでであり得る。
【0110】
同様に、1つ以上の厚さの各々は、0.25mmを上回り得る。例えば、1つ以上の厚さの各々は、0.5mmを上回り得る。具体的に、1つ以上の厚さの各々は、0.75mmを上回り得る。より具体的に、1つ以上の厚さの各々は、1mmを上回り得る。
【0111】
ある実施形態において、単一体シェルアセンブリは、1mm±0.75mmの厚さを有する。ある実施形態において、単一体シェルアセンブリは、1mm±0.5mmの厚さを有する。ある実施形態において、単一体シェルアセンブリは、1mm±0.25mmの厚さを有する。ある実施形態において、単一体シェルアセンブリは、1mm±0.2mmの厚さを有する。ある実施形態において、単一体シェルアセンブリは、1mm±0.15mmの厚さを有する。ある実施形態において、単一体シェルアセンブリは、1mm±0.1mmの厚さを有する。ある実施形態において、単一体シェルアセンブリは、1mm±0.09mmの厚さを有する。ある実施形態において、単一体シェルアセンブリは、1mm±0.08mmの厚さを有する。ある実施形態において、単一体シェルアセンブリは、1mm±0.07mmの厚さを有する。ある実施形態において、単一体シェルアセンブリは、1mm±0.06mmの厚さを有する。ある実施形態において、単一体シェルアセンブリは、1mm±0.05mmの厚さを有する。ある実施形態において、単一体シェルアセンブリは、1mm±0.04mmの厚さを有する。ある実施形態において、単一体シェルアセンブリは、1mm±0.03mmの厚さを有する。ある実施形態において、単一体シェルアセンブリは、1mm±0.02mmの厚さを有する。ある実施形態において、単一体シェルアセンブリは、1mm±0.01mmの厚さを有する。ある実施形態において、単一体シェルアセンブリは、約1mmの厚さを有する。
【0112】
(ヘルメットカバーを製造する方法)
本発明の別の側面は、ヘルメットカバーを製造する方法であり、方法は、処理空間内にポリマー注入ユニットを提供することと、型枠空洞を有する注入成型ツールを提供することと、ポリマー材料を処理空間の中に導入することと、処理空間内でポリマー材料を融解することと、ある体積のポリマー材料を注入成型ツールの型枠空洞の中に注入することと、注入成型ツールの型枠空洞内のポリマー材料を冷却することと、注入成型ツールの注入型枠ツールからポリマー材料を抽出し、ヘルメットカバーを提供することとを含む。
【0113】
本発明の別の側面は、ヘルメットカバーを製造する方法である。この方法は、ポリマー注入ユニットを提供することと、注入型枠ツールを提供することと、ポリマー材料を処理空間の中に導入することと、処理空間内でポリマー材料を融解することと、ある体積のポリマー材料を注入することと、ポリマー材料を冷却することと、ポリマー材料を抽出し、ヘルメットカバーを提供することとを含む。
【0114】
ポリマー注入ユニットは、バレル搭載型スクリューアセンブリと、遠位端と近位端とを伴う処理空間と、処理空間の遠位端に位置する処理空間と流体連通している1つ以上のノズルとを含む。ポリマー材料は、バレル内に搭載されたスクリューを使用し、ポリマー材料を混合し、熱源を印加し、ポリマー材料を第1の所定の温度に至らせ、所定の背圧を生成することによって、処理空間内で融解される。融解されると、ポリマー材料は、1つ以上のノズルを通して注入型枠ツールの中に注入される。
【0115】
注入型枠ツールは、1つ以上のノズルと流体連通している型枠空洞を含み、一体成形においてヘルメットカバーを形成するように構築される。ポリマー材料が、注入されるとき、それは、型枠空洞を充填するために十分である量において注入される。ポリマー材料は、次いで、型枠空洞内で、第2の所定の温度まで冷却される。冷却されると、ポリマー材料は、型枠空洞から抽出され、ヘルメットカバーを提供する。
【0116】
本発明の別の側面は、注入成型ツールを提供する方法である。注入型枠ツールを提供するために、ヘルメットが、ヘルメット幾何学形状ファイルを取得するために走査される。ヘルメット幾何学形状ファイルは、改変され、ヘルメットカバー幾何学形状ファイルを形成する。ヘルメット幾何学形状ファイルを改変することは、ヘルメットカバーのサイズを操作すること、ヘルメットカバーの構造を修正すること、1つ以上の把持部材をヘルメットカバーに追加すること、および/または複数の微小孔をヘルメットカバーに追加することのうちの1つ以上を含み得る。ヘルメットカバー幾何学形状ファイルを使用して、ヘルメットカバープロトタイプが、3次元印刷を介して生成される。ヘルメットカバープロトタイプの適合に基づいて、ヘルメットカバー幾何学形状ファイルは、3次元ヘルメットカバープロトタイプと比較して、ヘルメットカバーの改良された適合を提供するように調節される。プロトタイプ化することおよび調節することは、ヘルメットカバーに関する所望の適合および設計が達成されるまで繰り返され、次いで、注入型枠ツールが、ヘルメットカバー幾何学形状ファイルを使用して生成される。
【0117】
下記に提供される構成要素、材料、範囲、値、およびステップを説明する具体的実施形態は、例証目的のみのためにあり、請求項によって定義されるように、開示される主題の範囲を別様に限定しない。
【0118】
種々の実施形態において、ポリマー材料は、熱可塑性プラスチックを含む。ある実施形態において、ポリマー材料は、ポリウレタン(「TPU」)、ポリプロピレン(「PP」)、ポリエチレン(「PE」)、ポリスチレン(「PS」)、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリ(メタクリル酸メチル)(「PMMA」)、ポリカーボネート(「PC」)、ポリオキシメチレン(「POM」)、ポリエチレン酢酸ビニル(「PEVA」)、高密度ポリエチレン(「HDPE」)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)、ポリアミド(「PAナイロン」)、またはそれらの混合物等の熱可塑性プラスチックを含む。例えば、ポリマー材料は、1つ以上のTPUを含み得る。ある実施形態において、TPUは、TPU90、TPU95、またはそれらの混合物である。
【0119】
種々の実施形態において、ポリマー材料は、熱可塑性プラスチックと、1つ以上の添加剤とを含む。1つ以上の添加剤は、添加剤が、適合、仕上げを塗布するための能力、仕上げの耐久性、または製造方法等、ヘルメットカバーの所望の属性に干渉しないことを前提として、任意の好適な添加剤または添加剤の混合物を含み得る。ある実施形態において、1つ以上の添加剤は、着色顔料、グリッタ、仕上げ表面化学物質、効用添加剤、およびそれらの混合物を含むことができる。ある実施形態において、効用添加剤は、黒鉛、微小真空球、またはそれらの混合物を含み得る。
【0120】
種々の実施形態において、ヘルメットカバーを製造する方法は、ヘルメットカバーの上に微小孔を与えることをさらに含む。ある実施形態において、型枠空洞は、ヘルメットカバーの上に微小孔を与えるように形成される。ある実施形態において、ヘルメットカバーの上に微小孔を与えることは、型枠空洞からポリマー材料を抽出した後、機械的プロセスまたはレーザ穿設プロセスを介して達成される。微小孔は、保護用ヘルメットの挿入を促進するように位置付けられ、サイズを決定される。例えば、ある実施形態において、微小孔は、単一体シェルアセンブリの外側表面上に存在する、仕上げ層の接着性を促進するように位置付けられ、サイズを決定される。微小孔は、単一体シェルアセンブリの内側表面および/または単一体シェルアセンブリの外側表面の全部または一部を覆い得る。ある実施形態において、ヘルメットカバーを製造する方法は、0.1μm~10μmの直径を有する微小孔を与えることをさらに含む。ある実施形態において、ヘルメットカバーを製造する方法は、0.5μm~5μmの直径を有する微小孔を与えることをさらに含む。ある実施形態において、ヘルメットカバーを製造する方法は、1μm~±0.5μmの直径を有する微小孔を与えることをさらに含む。ある実施形態において、ヘルメットカバーを製造する方法は、3.2e9~3.2e5微小孔/cm2の分布を有する微小孔を与えることをさらに含む。ある実施形態において、ヘルメットカバーを製造する方法は、1.3e8~1.3e6微小孔/cm2の分布を有する微小孔を与えることをさらに含む。ある実施形態において、ヘルメットカバーを製造する方法は、約3.2e7微小孔/cm2の分布を有する微小孔を与えることをさらに含む。種々の実施形態において、微小孔は、単一体シェルアセンブリの内側表面の全部または一部、単一体シェルアセンブリの外側表面、またはその両方を覆い得る。
【0121】
種々の実施形態において、ヘルメットカバーを製造する方法は、材料を第1の所定の温度に至らせることによって、処理空間内でポリマー材料を融解することを含む。ある実施形態において、第1の所定の温度は、230±30℃である。ある実施形態において、第1の所定の温度は、230±20℃である。ある実施形態において、第1の所定の温度は、230±15℃である。ある実施形態において、第1の所定の温度は、230±10℃である。ある実施形態において、第1の所定の温度は、230±5℃である。ある実施形態において、第1の所定の温度は、230±3℃である。
【0122】
種々の実施形態において、ヘルメットカバーを製造する方法は、処理空間内でポリマー材料を融解しながら、所定の背圧を生成することを含む。ある実施形態において、所定の背圧は、約20バール未満である。ある実施形態において、所定の背圧は、約15バール未満である。ある実施形態において、所定の背圧は、約10バール未満である。ある実施形態において、所定の背圧は、5±1バールである。
【0123】
種々の実施形態において、ヘルメットカバーを製造する方法は、型枠空洞内のポリマー材料を第2の所定の温度まで冷却することを含む。ある実施形態において、第2の所定の温度は、60±10℃である。ある実施形態において、第2の所定の温度は、60±8℃である。ある実施形態において、第2の所定の温度は、60±6℃である。ある実施形態において、第2の所定の温度は、60±4℃である。ある実施形態において、第2の所定の温度は、60±2℃である。
【0124】
種々の実施形態において、ヘルメットカバーを製造する方法は、ある体積のポリマー材料を注入することを含み、それは、第1の累進的圧力勾配を適用することによって達成される。ある実施形態において、累進的圧力勾配は、約80バール~約10バールである。ある実施形態において、累進的圧力勾配は、約70バール~約15バールである。
【0125】
種々の実施形態において、ある体積のポリマー材料を注入することは、20±20秒以内に生じる。ある実施形態において、ある体積のポリマー材料を注入することは、20±15秒以内に生じる。ある実施形態において、ある体積のポリマー材料を注入することは、20±10秒以内に生じる。ある実施形態において、ある体積のポリマー材料を注入することは、20±5秒以内に生じる。
【0126】
種々の実施形態において、型枠空洞内のポリマー材料を冷却することは、60±20秒以内に生じる。ある実施形態において、型枠空洞内のポリマー材料を冷却することは、60±15秒以内に生じる。ある実施形態において、型枠空洞内のポリマー材料を冷却することは、60±10秒以内に生じる。ある実施形態において、型枠空洞内のポリマー材料を冷却することは、60±5秒以内に生じる。
【0127】
種々の実施形態において、ポリマー材料を処理空間の中に導入すること、処理空間内でポリマー材料を融解すること、ある体積のポリマー材料を1つ以上のノズルを通して型枠空洞の中に注入すること、および型枠空洞内のポリマー材料を冷却することは、130±40秒以内に生じる。ある実施形態において、処理空間内でポリマー材料を融解すること、ある体積のポリマー材料を1つ以上のノズルを通して型枠空洞の中に注入すること、および型枠空洞内のポリマー材料を冷却することは、130±30秒以内に生じる。ある実施形態において、処理空間内でポリマー材料を融解すること、ある体積のポリマー材料を1つ以上のノズルを通して型枠空洞の中に注入すること、および型枠空洞内のポリマー材料を冷却することは、130±20秒以内に生じる。ある実施形態において、処理空間内でポリマー材料を融解すること、ある体積のポリマー材料を1つ以上のノズルを通して型枠空洞の中に注入すること、および型枠空洞内のポリマー材料を冷却することは、130±10秒以内に生じる。
【0128】
種々の実施形態において、ある体積のポリマー材料を1つ以上のノズルを通して型枠空洞の中に注入することは、型枠空洞が、約90~99体積%充填されるとき、保持圧力で型枠空洞を保持することをさらに含む。ある実施形態において、保持圧力は、100±10バールである。ある実施形態において、保持圧力は、100±5バールである。ある実施形態において、保持圧力で型枠空洞を保持することは、型枠空洞が、約95~99体積%充填されたとり、生じる。ある実施形態において、保持圧力で型枠空洞を保持することは、型枠空洞が約99体積%充填されたとき、生じる。
【0129】
(列挙される実施形態)
下記に提供される具体的な列挙される実施形態1-70は、例証目的のみのためにあり、請求項によって定義されるように、開示される主題の範囲を別様に限定しない。これらの列挙される実施形態は、その中で説明される全ての組み合わせ、副次的な組み合わせ、および複合的に参照される(例えば、複合的に従属する)組み合わせを包含する。
【0130】
(ヘルメットカバーに関する列挙される実施形態)
実施形態1:ヘルメットカバーであって、ヘルメットカバーは、受け取り空洞と、内側表面と、外側表面とを含む単一体シェルアセンブリを含み、受け取り空洞は、単一体シェルアセンブリの内側表面がヘルメットの外側表面に接触するように構成されるように構成され、単一体シェルアセンブリは、適合可能に、かつ取り外し可能にヘルメットの外側表面を覆う、ヘルメットカバー。
【0131】
実施形態2:単一体シェルアセンブリは、調節可能留め具の使用なしで、適合可能に、かつ取り外し可能にヘルメットの外側表面を覆うことができる、実施形態1に記載のヘルメットカバー。
【0132】
実施形態3:ヘルメットカバーはさらに、単一体シェルアセンブリの外側表面に接着される仕上げ層を含む、実施形態1に記載のヘルメットカバー。
【0133】
実施形態4:単一体シェルアセンブリは、ヘルメットの1つ以上の開口部に対応するそれを通した1つ以上の開口部をさらに含む、実施形態1-3に記載のいずれか1項にヘルメットカバー。
【0134】
実施形態5:単一体シェルアセンブリは、把持部材をさらに含む、実施形態1-4のいずれか1項に記載のヘルメットカバー。
【0135】
実施形態6:把持部材は、ヘルメットの外側表面の外側縁にスナップ嵌め可能に取り付く、実施形態5に記載のヘルメットカバー。
【0136】
実施形態7:単一体シェルアセンブリは、熱可塑性プラスチックから作製される、実施形態1-5のいずれか1項に記載のヘルメットカバー。
【0137】
実施形態8:熱可塑性プラスチックは、ポリウレタン(「TPU」)、ポリプロピレン(「PP」)、ポリエチレン(「PE」)、ポリスチレン(「PS」)、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリ(メタクリル酸メチル)(「PMMA」)、ポリカーボネート(「PC」)、ポリオキシメチレン(「POM」)、ポリエチレン酢酸ビニル(「PEVA」)、高密度ポリエチレン(「HDPE」)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)、ポリアミド(「PAナイロン」)、またはそれらの混合物である、実施形態7に記載のヘルメットカバー。
【0138】
実施形態9:熱可塑性プラスチックは、TPUである、実施形態8に記載のヘルメットカバー。
【0139】
実施形態10:TPUは、TPU90、TPU95、または混合物である、実施形態9に記載のヘルメットカバー。
【0140】
実施形態11:単一体シェルアセンブリは、熱可塑性プラスチックから作製され、熱可塑性プラスチックは、少なくとも95重量%において存在する、実施形態7-10のいずれか1項に記載のヘルメットカバー。
【0141】
実施形態12:単一体シェルアセンブリは、熱可塑性プラスチックから作製され、熱可塑性プラスチックは、少なくとも99重量%において存在する、実施形態7-11のいずれか1項に記載のヘルメットカバー。
【0142】
実施形態13:単一体シェルアセンブリは、熱可塑性プラスチックから作製され、熱可塑性プラスチックは、廃棄製品および/または不用製品からの再利用された熱可塑性プラスチックを含む、実施形態7-12のいずれか1項に記載のヘルメットカバー。
【0143】
実施形態14:単一体シェルアセンブリは、熱可塑性プラスチックと、1つ以上の添加剤とから作製される、実施形態1-13のいずれか1項に記載のヘルメットカバー。
【0144】
実施形態15:1つ以上の添加剤は、着色顔料、グリッタ、仕上げ表面化学物質、効用添加剤、およびそれらの混合物を含む、実施形態14に記載のヘルメットカバー。
【0145】
実施形態16:単一体シェルアセンブリの内側表面、単一体シェルアセンブリの外側表面、またはその両方は、複数の微小孔を含む、実施形態1-15のいずれか1項に記載のヘルメットカバー。
【0146】
実施形態17:複数の微小孔は、単一体シェルアセンブリの内側表面全体未満、単一体シェルアセンブリの外側表面全体未満、またはその両方に適用される、実施形態16に記載のヘルメットカバー。
【0147】
実施形態18:複数の微小孔の各々は、独立して、約0.1μm~10μmの直径を有する、実施形態16-17のいずれか1項に記載のヘルメットカバー。
【0148】
実施形態19:複数の微小孔の各々は、独立して、約0.5μm~5μmの直径を有する、実施形態16-18のいずれか1項に記載のヘルメットカバー。
【0149】
実施形態20:複数の微小孔の各々は、独立して、約1μm±0.5μmの直径を有する、実施形態16-19のいずれか1項に記載のヘルメットカバー。
【0150】
実施形態21:複数の微小孔は、0.1μm~10μmの平均直径を有する、実施形態16-20のいずれか1項に記載のヘルメットカバー。
【0151】
実施形態22:複数の微小孔は、0.5μm~5μmの平均直径を有する、実施形態16-21のいずれか1項に記載のヘルメットカバー。
【0152】
実施形態23:複数の微小孔は、約1μm±0.5μmの平均直径を有する、実施形態16-22のいずれか1項に記載のヘルメットカバー。
【0153】
実施形態24:複数の微小孔は、3.2e9~3.2e5微小孔/cm2の分布を有する、実施形態16-23のいずれか1項に記載のヘルメットカバー。
【0154】
実施形態25:複数の微小孔は、1.3e8~1.3e6微小孔/cm2の分布を有する、実施形態16-24のいずれか1項に記載のヘルメットカバー。
【0155】
実施形態26:複数の微小孔は、約3.2e7微小孔/cm2の分布を有する、実施形態16-25のいずれか1項に記載のヘルメットカバー。
【0156】
実施形態27:単一体シェルアセンブリは、0.25mm~4mmの厚さを有する、実施形態1-26のいずれか1項に記載のヘルメットカバー。
【0157】
実施形態28:単一体シェルアセンブリは、約1mm±0.75mmの厚さを有する、実施形態1-27のいずれか1項に記載のヘルメットカバー。
【0158】
実施形態29:単一体シェルアセンブリは、約1mm±0.1mmの厚さを有する、実施形態1-28のいずれか1項に記載のヘルメットカバー。
【0159】
(ヘルメットカバーを製造する方法に関する列挙される実施形態)
実施形態30:ヘルメットカバーを製造する方法であって、方法は、
A.ポリマー注入ユニットを提供することであって、ポリマー注入ユニットは、
(i)バレル搭載型スクリューアセンブリであって、バレル搭載型スクリューアセンブリは、バレル内に搭載されたスクリューを含む、バレル搭載型スクリューアセンブリと、
(ii)処理空間であって、処理空間は、遠位端と、近位端とを含む、処理空間と、
(iii)処理空間と流体連通している1つ以上のノズルであって、1つ以上のノズルは、処理空間の遠位端に配置されている、1つ以上のノズルと
を伴う、ことと、
B.注入型枠ツールを提供することであって、注入型枠ツールは、ノズルと流体連通している型枠空洞を含み、注入型枠ツールは、一体成形でヘルメットカバーを形成するように構築される、ことと、
C.ポリマー材料を処理空間の中に導入することと、
D.処理空間内でポリマー材料を融解することであって、融解することは、バレル内に搭載されたスクリューを使用し、ポリマー材料を混合し、熱源を印加し、ポリマー材料を第1の所定の温度に至らせ、所定の背圧を生成することによって達成される、ことと、
E.ある体積のポリマー材料を1つ以上のノズルを通して型枠空洞の中に注入することであって、ポリマー材料の体積は、型枠空洞を充填するために十分である、ことと、
F.型枠空洞内のポリマー材料を第2の所定の温度まで冷却することと、
G.注入型枠ツールから型枠空洞内のポリマー材料を抽出し、ヘルメットカバーを提供することと
を含む、方法。
【0160】
実施形態31:ヘルメットカバーは、実施形態1-29のいずれか1項に記載の特徴を有する、実施形態30に記載の方法。
【0161】
実施形態32:ヘルメットカバーを製造する方法は、ヘルメットカバーの上に微小孔を与えることをさらに含む、実施形態30-31のいずれか1項に記載の方法。
【0162】
実施形態33:微小孔は、単一体シェルアセンブリの内側表面全体未満、単一体シェルアセンブリの外側表面全体未満、またはその両方に適用される、実施形態32に記載の方法。
【0163】
実施形態34:微小孔の各々は、独立して、0.1μm~10μmの直径を有する、実施形態32-33のいずれか1項に記載の方法。
【0164】
実施形態35:微小孔の各々は、独立して、0.5μm~5μmの直径を有する、実施形態32-34のいずれか1項に記載の方法。
【0165】
実施形態36:微小孔の各々は、独立して、約1μm±0.5μmの直径を有する、実施形態32-35のいずれか1項に記載の方法。
【0166】
実施形態37:微小孔は、0.1μm~10μmの平均直径を有する、実施形態32-36のいずれか1項に記載の方法。
【0167】
実施形態38:微小孔は、0.5μm~5μmの平均直径を有する、実施形態32-37のいずれか1項に記載の方法。
【0168】
実施形態39:微小孔は、約1μm±0.5μmの平均直径を有する、実施形態32-38のいずれか1項に記載の方法。
【0169】
実施形態40:微小孔は、3.2e9~3.2e5微小孔/cm2の分布を有する、実施形態32-39のいずれか1項に記載の方法。
【0170】
実施形態41:微小孔は、1.3e8~1.3e6微小孔/cm2の分布を有する、実施形態32-40のいずれか1項に記載の方法。
【0171】
実施形態42:微小孔は、約3.2e7微小孔/cm2の分布を有する、実施形態32-41のいずれか1項に記載の方法。
【0172】
実施形態43:ヘルメットカバーを製造する方法は、材料を第1の所定の温度に至らせることによって、処理空間内でポリマー材料を融解することを含む、実施形態30-42のいずれか1項に記載の方法。
【0173】
実施形態44:第1の所定の温度は、230±30℃である、実施形態43に記載の方法。
【0174】
実施形態45:第1の所定の温度は、230±20℃である、実施形態43-44のいずれか1項に記載の方法。
【0175】
実施形態46:第1の所定の温度は、230±15℃である、実施形態43-45のいずれか1項に記載の方法。
【0176】
実施形態47:第1の所定の温度は、230±5℃である、実施形態43-46のいずれか1項に記載の方法。
【0177】
実施形態48:ヘルメットカバーを製造する方法は、処理空間内でポリマー材料を融解しながら、所定の背圧を生成することを含む、実施形態30-47のいずれか1項に記載の方法。
【0178】
実施形態49:所定の背圧は、約20バール未満である、実施形態48に記載の方法。
【0179】
実施形態50:所定の背圧は、約15バール未満である、実施形態48-49のいずれか1項に記載の方法。
【0180】
実施形態51:所定の背圧は、約5±1バールである、実施形態48-50のいずれか1項に記載の方法。
【0181】
実施形態52:ヘルメットカバーを製造する方法は、型枠空洞内のポリマー材料を第2の所定の温度まで冷却することを含む、実施形態30-51のいずれか1項に記載の方法。
【0182】
実施形態53:第2の所定の温度は、60±10℃である、実施形態52に記載に記載の方法。
【0183】
実施形態54:第2の所定の温度は、60±8℃である、実施形態52-53のいずれか1項に記載に記載の方法。
【0184】
実施形態55:第2の所定の温度は、60±6℃である、実施形態52-54のいずれか1項に記載に記載の方法。
【0185】
実施形態56:第2の所定の温度は、60±4℃である、実施形態52-55のいずれか1項に記載に記載の方法。
【0186】
実施形態57:第2の所定の温度は、60±2℃である、実施形態52-56のいずれか1項に記載に記載の方法。
【0187】
実施形態58:ヘルメットカバーを製造する方法は、ある体積のポリマー材料を注入することを含む、実施形態30-57のいずれか1項に記載の方法。
【0188】
実施形態59:ある体積のポリマー材料を注入することは、第1の累進的圧力勾配を適用することによって達成される、実施形態58に記載の方法。
【0189】
実施形態60:累進的圧力勾配は、約80バール~約10バールである、実施形態59に記載の方法。
【0190】
実施形態61:累進的圧力勾配は、約70バール~約15バールである、実施形態59-60のいずれか1項に記載の方法。
【0191】
実施形態62:ある体積のポリマー材料を注入することは、20±20秒以内に生じる、実施形態58-61のいずれか1項に記載の方法。
【0192】
実施形態63:型枠空洞内のポリマー材料を冷却することは、60±20秒以内に生じる、実施形態52-62のいずれか1項に記載の方法。
【0193】
実施形態64:ポリマー材料を処理空間の中に導入するステップ、処理空間内でポリマー材料を融解するステップ、ある体積のポリマー材料を1つ以上のノズルを通して型枠空洞の中に注入するステップ、型枠空洞内のポリマー材料を冷却するステップは、130±40秒以内に生じる、実施形態58-63のいずれか1項に記載の方法。
【0194】
実施形態65:ある体積のポリマー材料を1つ以上のノズルを通して型枠空洞の中に注入することはさらに、型枠空洞が、約90~99体積%充填されているとき、ある保持圧力で型枠空洞を保持することを含む、実施形態58-64のいずれか1項に記載の方法。
【0195】
実施形態66:ある体積のポリマー材料を1つ以上のノズルを通して型枠空洞の中に注入することは、型枠空洞が、約95~99体積%充填されているとき、ある保持圧力で型枠空洞を保持することをさらに含む、実施形態58-65のいずれか1項に記載の方法。
【0196】
実施形態67:ある体積のポリマー材料を1つ以上のノズルを通して型枠空洞の中に注入することは、型枠空洞が約99体積%充填されているとき、ある保持圧力で型枠空洞を保持することをさらに含む、実施形態58-66のいずれか1項に記載の方法。
【0197】
実施形態68:保持圧力は、100±10バールである、実施形態65-67のいずれか1項に記載の方法。
【0198】
実施形態69:ポリマー材料は、実施形態7-13のいずれか1項に記載の熱可塑性プラスチックを含む、実施形態30-68のいずれか1項に記載の方法。
【0199】
実施形態70:ポリマー材料は、実施形態7-13のいずれか1項に記載の熱可塑性プラスチックと、実施形態14-15のいずれか1項に記載の1つ以上の添加剤とを含む、実施形態30-69のいずれか1項に記載に記載の方法。
【0200】
(実施例)
(実施例1)以下の表は、例示的市販ヘルメット102を提供し、ヘルメットカバー100は、ヘルメット102の上を覆って配置され得る。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0201】
(実施例2)以下の説明は、注入成型を介してヘルメットカバー100を製造する方法に関する例示的プロセス仕様を提供する。例示的プロセス仕様を使用する注入成型方法600に関する総サイクルタイムは、約130秒である。
【表2】
【0202】
(実施例3)以下の表は、注入成型を介してヘルメットカバー100を製造する方法において使用するためのポリマー材料(TPU95)に関する例示的仕様を提供する。
【表3】
【国際調査報告】