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特表2024-522526印刷システム及び印刷システムの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】印刷システム及び印刷システムの使用
(51)【国際特許分類】
   B28B 1/30 20060101AFI20240614BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20240614BHJP
   B29C 64/209 20170101ALI20240614BHJP
   B29C 64/106 20170101ALI20240614BHJP
   B29C 64/227 20170101ALI20240614BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20240614BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20240614BHJP
【FI】
B28B1/30
B33Y30/00
B29C64/209
B29C64/106
B29C64/227
B29C64/393
B33Y50/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573664
(86)(22)【出願日】2022-05-30
(85)【翻訳文提出日】2023-12-20
(86)【国際出願番号】 EP2022064561
(87)【国際公開番号】W WO2022253736
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】102021205514.1
(32)【優先日】2021-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510312961
【氏名又は名称】プッツマイスター エンジニアリング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カステン、クヌート
(72)【発明者】
【氏名】フート、トビアス
(72)【発明者】
【氏名】デュール、ハンス-ベルント
【テーマコード(参考)】
4F213
4G052
【Fターム(参考)】
4F213AP06
4F213AR07
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL74
4F213WL85
4G052DA01
4G052DB12
4G052DC06
(57)【要約】
本発明は、構造部分(BWT)の3D印刷のための建築材料(BS)のストランド(ST)を形成するための印刷システム(1)に関し、印刷システム(1)は、印刷ヘッド(2)と、パラレルロボット(3)、特にデルタロボット(3’)と、粗動装置(4)とを有し、印刷ヘッド(2)は、印刷システム(1)から建築材料(BS)を送出するように、かつ建築材料(BS)のストランド(ST)を形成するために建築材料(BS)を成形するように設計され、パラレルロボット(3)は、粗動装置(4)に対して印刷ヘッド(2)を微細に位置決めするために少なくとも3つのロボットアーム装置(5)を有し、ロボットアーム装置(5)のうちの最も近い少なくとも2つが、パラレルロボット(3)の中心軸(MA)の周りの周方向(UR)に沿って鈍角の円弧角度(α)の分だけ互いにオフセットされ、粗動装置(4)は、印刷ヘッド(2)有するパラレルロボット(3)の粗動を行うように設計されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造部分(BWT)の3D印刷のための建築材料(BS)のストランド(ST)を形成するための印刷システム(1)であって、前記印刷システム(1)は、
印刷ヘッド(2)と、パラレルロボット(3)、特にデルタロボット(3’)と、粗動装置(4)とを有し、
前記印刷ヘッド(2)は、前記印刷システム(1)から建築材料(BS)を送出するように、かつ建築材料(BS)の前記ストランド(ST)を形成するために建築材料(BS)を成形するように設計され、
前記パラレルロボット(3)は、前記粗動装置(4)に対して前記印刷ヘッド(2)を微細に位置決めするために少なくとも3つのロボットアーム装置(5)を有し、前記ロボットアーム装置(5)のうちの最も近い少なくとも2つが、前記パラレルロボット(3)の中心軸(MA)の周りの周方向(UR)に沿って鈍角の円弧角度(α)の分だけ互いにオフセットされ、
前記粗動装置(4)は、前記印刷ヘッド(2)とともに前記パラレルロボット(3)を粗動するように設計されている、印刷システム。
【請求項2】
前記印刷システム(1)が搬送ホース(6)を有し、前記搬送ホース(6)は、建築材料(BS)を、特に粗動装置(4)から、前記印刷ヘッド(2)へ導くために、前記鈍角の円弧角度(α)の分だけ互いにオフセットされた最も近い2つの前記ロボットアーム装置(5)の間を通り抜ける、請求項1に記載の印刷システム(1)。
【請求項3】
前記パラレルロボット(3)が丁度3つのロボットアーム装置(5)を有し、及び/又は
前記鈍角の円弧角度(α)が約120°である、請求項1又は2に記載の印刷システム(1)。
【請求項4】
前記パラレルロボット(3)が電気的、及び/又は液圧的、及び/又は空気圧フリーの駆動装置(7)を有し、前記駆動装置(7)は、前記ロボットアーム装置(5)を駆動するように設計されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の印刷システム(1)。
【請求項5】
前記粗動装置(4)が、特に分配ブーム(9)のブーム先端(9S)において、前記パラレルロボット(3)の粗動を行うためのシリアルロボット(8)、特に分配ブーム(9)を備える、特に前記シリアルロボット(7)である、請求項1~4のいずれか一項に記載の印刷システム(1)。
【請求項6】
前記シリアルロボット(8)が複数の回転ジョイント(10)を有し、前記回転ジョイント(10)の回転軸(10A)は互いに平行である、請求項5に記載の印刷システム(1)。
【請求項7】
前記印刷システム(1)が、配向装置(11)、特に支柱システム(12)を有し、前記配向装置(11)は、前記印刷システム(1)の建築環境(BU)に対して前記粗動装置(4)を配向するように設計されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の印刷システム(1)。
【請求項8】
前記印刷ヘッド(2)及び/又は前記パラレルロボット(3)には傾斜自由度がない、請求項1~7のいずれか一項に記載の印刷システム(1)。
【請求項9】
前記印刷システム(1)は、位置及び/又は配向検出装置(13)用のインターフェース、及び/又は、位置及び/又は配向検出装置(13)を備え、
前記位置及び/又は配向検出装置(13)は、特に前記粗動装置(4)から独立した、及び/又は外部にあり、
前記位置及び/又は配向検出装置(13)は、前記印刷システム(1)の建築環境(BU)に対する前記印刷ヘッド(2)及び/又は前記パラレルロボット(3)の位置(PO)及び/又は配向(AR)を決定する、位置量及び/又は配向量(PAG)、特に動的な位置量及び/又は配向量を検出するように形成され、
前記印刷システム(1)が制御装置(14)を有し、前記制御装置(14)は、検出された前記位置量及び/又は配向量(PAG)に依存して前記粗動装置(4)に対して前記印刷ヘッド(2)を微細に位置決めするために前記パラレルロボット(3)を制御するように設計されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の印刷システム(1)。
【請求項10】
前記位置及び/又は配向検出装置(13)がタキメータ(15)、特にレーザタキメータ(15’)を有し、特にタキメータ、特にレーザタキメータである、請求項9に記載の印刷システム(1)。
【請求項11】
前記印刷システム(1)が慣性センサ装置(16)を有し、前記慣性センサ装置(16)が少なくとも1つの慣性センサ(16’)を有し、前記慣性センサ(16’)は、前記印刷システム(1)の前記建築環境(BU)に対する前記印刷ヘッド(2)及び/又は前記パラレルロボット(3)の運動を決定する、慣性量(IG)、特に動的な慣性量を検出するように、前記印刷ヘッド(2)及び/又は前記パラレルロボット(3)に配置及び設計され、
前記制御装置(14)は、特に低周波数(fn)で検出され、及び/又は時間オフセット(Δt)を伴って前記制御装置(14)に到着する、位置量及び/又は配向量(PAG)と、特により高周波数(fh)で検出され、特に及び/又はより小さいか又は存在しない時間オフセット(Δt)を伴って前記制御装置(14)に到着する慣性量(IG)とを互いに結びつけることによって、特にオブザーバ(BT)によって、特に推定により互いに結び付けることによって、前記粗動装置(4)に対して前記印刷ヘッド(2)を微細に位置決めするために前記パラレルロボット(3)を制御するように設計されている、請求項9又は10に記載の印刷システム(1)。
【請求項12】
前記印刷システム(1)は、シャーシ(17)、特にシャーシ(17)を含むトラック搭載型建築材料ポンプ(18)を有し、前記シャーシ(17)は、前記印刷ヘッド(2)、前記パラレルロボット(3)、及び前記粗動装置(4)を支持する、請求項1~11のいずれか一項に記載の印刷システム(1)。
【請求項13】
前記印刷システム(1)が建築材料ポンプ(19)を有し、前記建築材料ポンプ(19)は、前記印刷システム(1)から、建築材料(BS)を搬送するように、特に建築材料を少なくとも部分的に前記粗動装置(4)に沿って搬送するように、特に搬送された建築材料(BS)を送出するように設計されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の印刷システム(1)。
【請求項14】
前記印刷ヘッド(2)は、少なくとも2mm、特に少なくとも8mm、及び/又は最大で50mmの粒径(KO)を有する建築材料(BS)のストランド(ST)を形成するように設計され、及び/又は
前記パラレルロボット(3)は、少なくとも10kg及び/又は最大で3000kg、特に最大で500kgの耐荷重(3TL)を有し、及び/又は
前記パラレルロボット(3)は、少なくとも50mm及び/又は最大で0.1mm、特に最大で1mmの位置決め精度(3PG)を有し、及び/又は
前記パラレルロボット(3)は、少なくとも10mm、特に少なくとも100mm、及び/又は最大で1000mm、特に最大で500mmの到達距離(3R)を有し、及び/又は
前記パラレルロボット(3)は、少なくとも10mm/s及び/又は最大で10m/sの最大速度(3vmax)を有し、及び/又は
前記パラレルロボット(3)は、少なくとも0.1m/s2及び/又は最大で500m/s2の最大加速度及び/又は最大減速度(3amax)を有し、及び/又は
前記粗動装置(4)は、少なくとも50kg及び/又は最大で5000kgの耐荷重(4TL)を有し、及び/又は
前記粗動装置(4)は、少なくとも500mm及び/又は最大で10mmの位置決め精度(4PG)を有し、及び/又は
前記粗動装置(4)は、少なくとも10m及び/又は最大で100mの到達距離(4R)を有し、及び/又は
前記粗動装置(4)は、少なくとも10mm/s及び/又は最大で2m/sの最大速度(4vmax)を有し、及び/又は
前記粗動装置(4)は、少なくとも1m/s2及び/又は最大で20m/s2の最大加速度及び/又は最大減速度(4amax)を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の印刷システム(1)。
【請求項15】
構造部分(BWT)の3D印刷のための建築材料(BS)のストランド(ST)を形成するための、請求項1~14のいずれか一項に記載の印刷システム(1)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
適用分野及び従来技術
本発明は、構造部分の3D印刷のための建築材料のストランドを形成するための印刷システム、及び構造部分の3D印刷のための建築材料のストランドを形成するためのそのような印刷システムの使用に関する。
【発明の概要】
【0002】
課題及び解決策
本発明の課題は、改善された特性を有する構造部分の3D印刷のための建築材料のストランドを形成するための印刷システムを提供することである。更に、本発明は、構造部分の3D印刷のための建築材料のストランドを形成するためのそのような印刷システムの使用を提供することを課題とする。
【0003】
本発明は、請求項1の特徴を有する印刷システム及び請求項15の特徴を有する使用を提供することによって、この課題を解決する。本発明の有利な発展形態及び/又は実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0004】
本発明による印刷システムは、特に3次元の構造部分の3D印刷のための建築材料のストランドを形成する、特に自動的に形成するように設計されている。印刷システムは、印刷ヘッド、パラレルロボット、特にデルタロボット、及び粗動装置を有する。印刷ヘッドは、印刷システムから建築材料を送出する、特に自動的に送出するように、かつ建築材料のストランドを形成するために建築材料を成形する、特に自動的に成形するように設計されている。パラレルロボットは、特に建築材料の送出及び/又は成形中に、粗動装置に対する印刷ヘッドの微細な位置決め若しくは微動を行うため、特に自動的な微細な位置決め若しくは微動を行うために少なくとも3つのロボットアーム装置を有する。ロボットアーム装置のうちの少なくとも2つは、パラレルロボットの中心軸の周りの円周方向に沿って鈍角の円弧角度度の分だけ互いにオフセットされ、特に配置されている。粗動装置は、特に建築材料の送出及び/又は成形中に、印刷ヘッドを有するパラレルロボットの粗動又は粗い位置決めを行う、特に自動的な粗動又は粗い位置決めを行うように設計されている。
【0005】
これは、特にパラレルロボットは、粗動装置の位置決め精度若しくは照準精度の補償、特に迅速な補償若しくは補正、特に迅速な補正を可能にする。したがって、これは、構造部分の3D印刷のための建築材料のストランドの位置が正確な、若しくは目標に正確な、若しくは精密な、及び/又は迅速な形成を可能にする。追加的又は代替的に、これは、特に鈍角の円弧角度は、中心軸への良好なアクセスを可能にする。
【0006】
特に、特に送出及び/又は成形されるストランドは、連続的であってもよいし、若しくは特に特定の長さで延びていてもよい。
【0007】
建築材料は、コンクリート、特にフレッシュコンクリート、並びに/或いはチキソトロピー性及び/又は耐穿刺性、或いは特に送出中に形状安定であり得る。
【0008】
3D-印刷を付加製造と呼ぶことができる。追加的又は代替的に、ストランドは、特に層として、すでに形成されたストランドの上へ又はストランドへ堆積若しくは載置することができ、及び/又は、別のストランドが、特に層として、上記ストランド上へ又はストランドへ堆積若しくは載置され得る。
【0009】
構造部分は、建物構造部分及び/又は壁及び/又は天井であり得る。追加的又は代替的に、ストランド、特にストランドの幅は、壁厚さ及び/又は天井厚さを有し、特に壁の全厚さ及び/又は天井の全厚さを有することができる。
【0010】
印刷システムは、構造部分の3D印刷のために建築材料のストランドを押し出すための押出機システムであり得る。追加的又は代替的に、印刷ヘッドは、印刷システムから建築材料を押し出すための押出機ヘッドであり得る。更に追加的又は代替的に、印刷ヘッドは押出機ノズルを有することができる。押出機ノズルは、特に非垂直、特に水平な排出方向で、印刷システムから建築材料、特にストランドを送出するための排出開口を有することができる。特に、排出開口は、特に排出方向に対して直交する第1の半径方向に、少なくとも100mm(ミリメートル)、特に少なくとも200mm、及び/又は最大で800mm、特に最大で600mm、特に400mmの開口幅を有する若しくは持つことができる。更に追加的に又は代替的に、排出開口は、特に排出方向に対して直交する第2の半径方向に、少なくとも15mm、特に少なくとも25mm、及び/又は最大で400mm、特に最大で200mm、特に最大で100mm、特に50mmの開口高さを有する若しくは持つことができる。更に追加的又は代替的に、排出開口は、四角形の形状、特に台形の形状、特に平行四辺形の形状、特に長方形の形状を有する若しくは持つことができる。更に追加的に又は代替的に、ストランド、特に送出されたストランドのストランド断面、特にストランド断面の形状及び/又はサイズは、排出開口の開口断面に、特に開口断面の形状及び/又はサイズに相当し、特に等しくなり得る。更に追加的に又は代替的に、排出開口の開口断面及び/又はストランドのストランド断面は、排出方向に対して非平行、特に直交することができる。更に追加的又は代替的に、送出されたストランドを堆積させるための印刷システムは、ストランドが、特に堆積されたストランドが、ストランドのストランド断面を、特に送出されたストランドのストランド断面を維持するように設計され得る。言い換えると、印刷システムは、建築材料をすでにある建築材料層若しくは建築材料プライに印刷し、それにより変形させる必要がある、又は変形させることができるように設計されている必要がない、又は形成されていなくてよい。
【0011】
「マニピュレータ」という用語は、「ロボット」という用語と同義で使用することができる。
【0012】
「パラレルなロボット」という用語は、「パラレルロボット」という用語と同義で使用することができる。追加的又は代替的に、パラレルロボットは、粗動装置に対する印刷ヘッドの微細な位置決め若しくは微動、特に並進での微細な位置決め若しくは微動、及び/又は、微細な配向若しくは微動、特に回転的な微細な配向若しくは微動を、特に位置決め方向に、特に水平の位置決め方向に行うように設計され得る。更に追加的又は代替的に、ロボットアーム装置は多関節アーム装置を有し、特に多関節アーム装置であり得る。更に追加的に又は代替的に、ロボットアーム装置は、特にユニバーサルジョイントを用いて、パラレルロボットのベース及び/又はプラットフォームに連結することができる。更に追加的又は代替的に、パラレルロボットのベースは、特に垂直方向に、若しくは垂直方向に沿って、及び/又は中心軸に、若しくは中心軸に沿って、パラレルロボット及び/又はパラレルロボットのプラットフォームの可動部品に組み付けることができる。更に追加的又は代替的に、「中心軸」という用語は、「センター軸」という用語と同義で使用することができる。更に追加的に又は代替的に、印刷ヘッドは少なくとも部分的に中心軸に、及び/又は、ロボットアーム装置の間、特に3つのロボットアーム装置の間に、及び/又はベース及び/又はプラットフォームに配置され得る。更に追加的又は代替的に、印刷システムは、特に建築材料の送出及び/又は成形中、特に排出開口を有する、パラレルロボット及び印刷ヘッドが、特に中心軸の周りを回転運動するように、特に自動的に回転運動するように設計され得る。更に追加的又は代替的に、鈍角の円弧角度は、中心軸からロボットアーム装置のうちの1つへのベクトルと、中心軸から別の1つのロボットアーム装置への、若しくは最も近い1つのロボットアーム装置への、別の若しくは最も近いベクトルとの間の角度であり得る。更に追加的又は代替的に、鈍角の円弧角度は、少なくとも105°(度)であり得る。更に追加的に又は代替的に、ロボットアーム装置のすべてのロボットアーム装置は、特にそれぞれ最も近いロボットアーム装置は、中心軸の周りの円周方向に沿って、特にほぼ同じ若しくは同等の、特に正確に同じ若しくは同等の鈍角の円弧角度の分だけ互いにオフセットされ得る。特に、ほぼ同じとは、円弧角度が最大で5°、特に最大で2.5°の角度ズレを有する若しくは持つことができるということを意味し得る。
【0013】
パラレルロボットは、特にその端部、特に下端に印刷ヘッドを支持、特に直接支持することができる。追加的又は代替的に、印刷ヘッド、特に印刷ヘッドの排出開口は、特に下方、具体的には垂直方向又は中心軸に沿って、及び/又は、横方向、周方向、或いは前方に、具体的には水平方向及び/又は排出方向に、或いは水平方向及び/又は排出方向に沿って、及び/又は中心軸に対して半径方向に、平行ロボットを越えて広がる若しくは延びることができる。更に追加的又は代替的に、粗動装置は、特にその端部に、特に印刷ヘッドを支持するパラレルロボットを支持、特に直接支持することができる。更に追加的又は代替的に、パラレルロボットは、特に印刷ヘッドを有するパラレルロボットは、粗動装置を越えて伸長する若しくは延びることができる。これにより、特に伸長により、ストランドの送出、特に水平な排出方向での送出を、特に既に形成されたストランドの垂直方向で上方で、相対的に短い距離で、特に既に形成されたストランドを損傷することなく、可能にし、したがって排出されるストランドを相対的に低い高さから堆積されることができる。
【0014】
「粗い位置決め装置」という用語は、「粗動装置」という用語と同義で使用することができる。追加的又は代替的に、粗動装置は、印刷ヘッドとともにパラレルロボットが並進的及び/又は回転的粗動を行う、特に一移動方向、特に水平の移動方向に並進的及び/又は回転的粗動を行うように設計され得る。特に、印刷ヘッドは、特に粗動中に、印刷システムから、特に排出開口から、移動方向に対して非直交の、特に反対の、特に逆の排出方向に、建築材料の、特にストランドを送出するように設計され得る。追加的又は代替的に、印刷システム、特に印刷ヘッドは、特に可変に、特に連続的に調整可能若しくは調節可能な排出速度で、印刷システムから、特に排出開口から建築材料、特にストランドを送出するように形成され得る。粗動装置は、特に送出中に、印刷ヘッドを有するパラレルロボットの粗動を排出速度とほぼ等しい移動速度で行うように設計され得る。これは、特にほぼ等しい速度は、送出された及び/又は堆積されたストランドの断面を維持すること、特に開口断面に相当する、特に等しいストランド断面を維持することを可能にすることができる。特に、「反対の」とは、最小で135°、特に最小で150°、特に165°を意味し得る。追加的又は代替的に、「逆の」とは180°を意味し得る。更に追加的に又は代替的に、「ほぼ」は、例えば、最大で5パーセント(%)、特に最大で2%、特に最大で1%の差若しくはズレを意味し得る。
【0015】
印刷システムは、制御装置、特に開ループ制御及び/又は閉ループ制御装置を有することができる。制御装置は、特に印刷されるべき構造部分のデータに基づいて、特に制御装置のメモリに記憶された、特に建設計画若しくは設計計画に基づいて、印刷ヘッド及び/又はパラレルロボット及び/又は粗動装置を制御する、特に自動的に制御する、特に開ループ制御及び/又は閉ループ制御するように設計され得る。特に、制御装置は、コンピュータを有し、特にコンピュータであり得る。これにより、作業者が印刷システムを制御する必要がない、及び/又は建設時の誤りを低減する、又は回避することさえ可能にする。
【0016】
本発明の発展形態では、印刷システムは、搬送ホース、特にフレキシブルな搬送ホースを有する。搬送ホースは、建築材料を、特に粗動装置から、印刷ヘッドへ導くために、鈍角の円弧角度の分だけ互いにオフセットされた、特に横方向若しくは円周方向、及び/又は中心軸に対して半径方向にオフセットされた2つの最も近いロボットアーム装置の間を通り抜ける。これは、印刷ヘッドによる建築材料の送出を可能にする。追加的又は代替的に、これは中心軸への良好なアクセス性によって可能になる。特に、粗動装置、パラレルロボット、及び/又は印刷ヘッドは、搬送ホースを支持することができ、特に直接支持することができる。追加的又は代替的に、搬送ホースは、パラレルロボット及び/又は印刷ヘッドを支持する必要がないか、又は支持することができない。更に追加的に又は代替的に、搬送ホースは、部分的に中心軸及び/又はベース及び/又はプラットフォームに配置され得る。更に追加的又は代替的に、印刷システムは、特に建築材料の送出中及び/又は成形中に、特に中心軸の周りを、特にその排出開口で、搬送ホース及び印刷ヘッドが回転運動するように、特に自動的に回転運動するように設計され得る。更に追加的又は代替的に、印刷ヘッドは偏向装置若しくは偏向要素を有することができる。偏向装置は、排出開口の上流に配置され、建築材料の流れを偏向するように形成され得、特に非水平方向からの、特に垂直方向からの、特に上から下への建築材料の流れを、排出開口の方向へと、特に排出方向へと、特に後ろから前へと偏向するように形成され得る。これにより、特に偏向装置によって、水平方向の排出が可能となる。
【0017】
特に、パラレルロボットは六脚であってもよい。しかし、パラレルロボットは六脚である必要はない。追加的又は代替的に、パラレルロボットは、4つ以上のロボットアーム装置を有することができるが有する必要はない。
【0018】
本発明の発展形態では、パラレルロボット、特にデルタロボットは、丁度3つのロボットアーム装置を有する。追加的又は代替的に、鈍角の円弧角度は、ほぼ120°、特に正確に120°である。これは、パラレルロボットの簡単な、したがって安価な構造を可能にする。更に追加的又は代替的に、これは、3つの並進自由度で、若しくは3つの並進自由度を有する、特に丁度3つの並進自由度により、粗動装置に対する印刷ヘッドの微細な位置決めを可能にする。更に追加的又は代替的に、これは、中心軸への特に良好なアクセス性を可能にする。特に、「実質的に」という表現は、「ほぼ」という用語と同義で使用することができる。
【0019】
本発明の発展形態では、パラレルロボットは、電気的、及び/又は液圧的、及び/又は空気圧フリーの駆動装置を有する。駆動装置は、ロボットアーム装置を駆動、特に自動的に駆動、又は移動するように設計されている。これは、粗動装置に対する印刷ヘッドの、特に迅速及び/又は正確な微細な位置決めを可能にする。特に、「アクチュエータ」という用語は、「駆動装置」という用語と同義で使用することができる。追加的又は代替的に、ベースは、駆動装置を支持することができ、特に直接支持することができる。
【0020】
本発明の発展形態では、粗動装置は、特に分配ブームのブーム先端において、特に印刷ヘッドとともに、パラレルロボットを粗動するためのシリアルロボット、特に分配ブームを有する。特に、粗動装置はシリアルロボットである。これは、粗動装置の大きい到達距離、したがって大きな構造部分を可能にする。追加的又は代替的に、これは、省スペースの、したがって良好に走行できる、及び/又は現場で迅速に設置可能な、したがって迅速に使用準備可能な粗動装置の構造を可能にする。更に追加的又は代替的に、これは、3つの並進自由度で、若しくは3つの並進自由度を有する、特に丁度3つの並進自由度により、印刷ヘッドとともにパラレルロボットの粗動を可能にする。特に、「シリアルのロボット」という用語は、「シリアルロボット」という用語と同義で使用することができる。追加的又は代替的に、パラレルロボットは、ブームの先端に配置、特に直接配置、特に固定することができる。更に、追加的又は代替的に、印刷システムは、建築材料を導くための、特に搬送ホースに導くための、搬送ライン、特に搬送パイプ、特に非フレキシブルな搬送パイプを有することができる。搬送ラインは、少なくとも部分的に粗動装置に沿って(少なくとも部分的に)及び/又は搬送ホースに通じることができる。特に、シリアルロボットは、搬送ラインを支持、特に直接支持することができる。追加的又は代替的に、搬送ラインは、搬送ホースを支持、特に直接支持することができる。更に追加的又は代替的に、搬送ラインはパラレルロボット及び/又は印刷ヘッドを支持する必要がないか、又は支持することができない。
【0021】
本発明の一実施形態では、シリアルロボットは、回転ジョイントを有し、特に、回転ジョイントのみを有する。特に、回転ジョイントの回転軸は、互いに平行に配向又は位置合わせされ、特に、互いに平行にのみ配向又は位置合わせされている。これは、粗動装置による印刷ヘッドと一緒でのパラレルロボットの粗動の簡単な制御を可能にする。追加的又は代替的に、これは、粗動装置の簡単な、したがって安価な構造を可能にする。更に追加的に又は代替的に、これは、シリアルロボットのベース、特に足に対するパラレルロボット及び/又は印刷ヘッドの配向、特に調整不可能若しくは変更不可能な、及び/又は平行な配向を可能にする。特に、回転軸を水平に、特に位置合わせすることができる。追加的又は代替的に、シリアルロボットは、特に多関節アーム構造を有する、特に多関節アーム構造であり得る。
【0022】
本発明のさらなる発展形態では、印刷システムは配向装置、特に支持システムを有する。配向装置は、印刷システムの建築環境に対して、特に粗動装置のベース、特に足を配向する、特に自動的に配向するように設計されている。これは、シリアルロボットが、回転ジョイントを有し得ること、特に回転ジョイントのみを有し得ることを可能にする。追加的又は代替的に、これは、回転軸が水平に、特に位置合わせされ得ることを可能にする。更に追加的又は代替的に、これは、特に、パラレルロボット及び/又は印刷ヘッドの位置合わせ、特に上記位置合わせを可能にする。特に、「配向」という用語は、「位置合わせ」という用語と同義で使用することができる。追加的又は代替的に、配向装置は、特にそのベースで、粗動装置を支持する、特に直接支持することができる。
【0023】
本発明の発展形態では、印刷ヘッド及び/又はパラレルロボットには傾斜自由度がない。これは、印刷ヘッド及び/又はパラレルロボットの簡単な、したがって安価な構造を可能にする。追加的又は代替的に、これは、粗動装置に対する、特に粗動装置の一端に対する、印刷ヘッド及び/又はパラレルロボットの配向、特に調整不能若しくは変更不可能及び/又は平行な配向を可能にする。特に、「傾き」という用語は、「傾斜」という用語と同義で使用することができる。
【0024】
本発明の発展形態では、印刷システムは、特に粗動装置から独立した、及び/又は外部の、位置及び/又は配向検出装置又は位置及び/又は配向センサ装置用のインターフェース、及び/又は、位置及び/又は配向検出装置又は位置及び/又は配向センサ装置を有する。位置及び/又は配向検出装置は、印刷システムの建築環境に対する、特に上記建築環境に対する印刷ヘッド及び/又はパラレルロボットの、位置(特に並進的な位置、特に位置の値)、及び/又は、配向(特に回転方向の配向、特に配向の値)を決定する、位置量及び/又は配向量(特に動的な位置量及び/又は配向量、特に位置量及び/又は配向量の値)を検出するように設計されている。印刷システムは、制御装置、特に上記制御装置を有する。制御装置は、検出された位置量及び/又は配向量に依存して、粗動装置に対して印刷ヘッドを微細に位置決めするためにパラレルロボットを制御するように設計されている。これは、建築環境に対する構造部分の3D印刷のための建築材料のストランドの正確な位置の形成を可能にする。特に、インターフェース、位置及び/又は配向検出装置、並びに/或いは制御装置は電気的であり得る。追加的又は代替的に、「検知」という用語は、「検出」という用語と同義で使用することができる。更に追加的又は代替的に、検出及び/又は制御は自動であってもよい。更に追加的又は代替的に、位置量及び/又は配向配向量は物理的であり得る。更に追加的又は代替的に、位置は実際の位置であり得る。更に追加的又は代替的に、向きは実際の配向であり得る。
【0025】
特に、位置及び/又は配向検出装置は、特に、画像処理システム(例えば、レーザ光切断システム)、少なくとも1つの三角測量センサ、光バリア機能、及び/又は少なくとも1つの超音波センサを有し、特にこれらであり得る。
【0026】
本発明の一実施形態では、位置及び/又は配向検出装置は、タキメータ、特にレーザタキメータを有する。特に、位置及び/又は配向検出装置はタキメータである。これは、特に1mmメートル範囲での高精度を可能にする。特に、タキメータは光学的及び/又は電気的であり得る。
【0027】
本発明の一実施形態では、印刷システムは慣性センサ装置若しくは慣性検出装置を有する。慣性センサ装置は、少なくとも1つの慣性センサを有する。慣性センサは、特に印刷システムの建築環境に対する印刷ヘッド及び/又はパラレルロボットの運動(特に並進運動及び/又は回転運動、特に運動の値)を決定する、慣性量若しくは運動量(特に動的な慣性量若しくは運動量、特に慣性量の値)を検出するように、印刷ヘッド及び/又はパラレルロボットに配置され、特に固定され、特に直接配置され、及び印刷ヘッド及び/又はパラレルロボット上で設計される。制御装置は、特に低周波数で検出される、特に及び/又は時間オフセットを伴って制御装置に到着する、検出された位置量及び/又は配向配向量と、特により高い周波数で検出される、特に及び/又はより小さいか又は存在しない時間オフセットを伴って又は時間オフセットなしで制御装置に到着する慣性量とを互いに結びつけることによって、特にオブザーバによって、特に推定により互いに結び付けることによって、粗動装置に対して印刷ヘッドを微細に位置決めするためにパラレルロボットを制御するように設計されている。これは、誤差を最小限に抑えることを可能にし、及び/又は、特に結果として、特に正確な補償を可能に、特に先を見越して可能にし、及び/又は、特に結果として、現在若しくはリアルタイムで可能にする。特に、「慣性測定ユニット」という表現は、「慣性センサ装置」という用語と同義で使用することができる。追加的又は代替的に、慣性センサ装置及び/又は慣性センサは電気的であり得る。更に追加的に又は代替的に、慣性センサは、特に加速度センサ及び/又は回転速度センサを備え、特に加速度センサ及び/又は回転速度センサであり得る。更に追加的に又は代替的に、慣性量は、加速度及び/又は回転速度を含み、特に加速度及び/又は回転速度であり得る。更に追加的又は代替的に、検出及び/又は結び付けは自動であり得る。更に追加的又は代替的に、「サンプリングレート」という用語は、「周波数」という用語と同義で使用することができる。更に追加的又は代替的に、「融合」という用語は、「結び付け」という用語と同義で使用することができる。更に追加的又は代替的に、推定は補間、特に動的モデルによる補間を含み、補間であり得る。更に追加的又は代替的に、推定は反復的であり得る。更に追加的に又は代替的に、オブザーバは、特にカルマンフィルタ、特に標準又は拡張カルマンフィルタを有し、特にカルマンフィルタ、特に標準又は拡張カルマンフィルタであり得る。更に追加的又は代替的に、慣性センサ装置は、粗動装置、並びに/或いは位置及び/又は配向検出装置から独立し、及び/又は外部にあり得る。
【0028】
本発明の発展形態では、印刷システムはシャーシを有し、特にシャーシを含むトラック搭載型建築材料ポンプを有する。シャーシは、印刷ヘッド、パラレルロボット、及び粗動装置を支持する、特に直接支持する。これは、印刷システムを使用場所に簡単に、及び/又は特にそれにより迅速に輸送することを可能にする。特に、シャーシは、粗動装置をそのベースに支持、特に直接支持することができる。追加的又は代替的に、シャーシは、搬送ホース、配向装置、特に直接、インターフェース、位置及び/又は配向検出装置、慣性センサ装置及び/又は制御装置を支持することができる。更に追加的又は代替的に、配向装置は、シャーシを、特に使用場所で、及び/又は印刷システムの建築環境に対して粗動装置を配向するために、支持する、特に直接支持することができる。
【0029】
本発明のさらなる発展形態では、印刷システムは建築材料ポンプを有する。建築材料ポンプは、印刷システムから、建築材料を、特に建築材料を少なくとも部分的に粗動装置に沿って、搬送するように、特に自動的に搬送するように、特に搬送された建築材料を送出するように設計されている。特に、建築材料ポンプは、建築材料ポンプから印刷ヘッドへの建築材料の流れのために、特に搬送ライン及び/又は搬送ホースにより、印刷ヘッドに接続され得る。追加的又は代替的に、建築材料ポンプを、搬送ライン及び/又は搬送ホースを通して建築材料を搬送するように設計することができる。更に追加的に又は代替的に、建築材料ポンプは不連続であってもよく、特にピストンポンプ、特にパイプスイッチを有する、特にツインピストンポンプであってもよい。更に追加的又は代替的に、制御装置は、特に印刷される構造部分のデータに依存して、建築材料ポンプを制御する、特に自動的に制御する、特に開ループ制御及び/又は閉ループ制御するように設計され得る。更に追加的又は代替的に、シャーシは建築材料ポンプを支持する、特に直接支持することができる。
【0030】
本発明の発展形態では、印刷ヘッドは、少なくとも2mm、特に最小で8mm、及び/又は最大で50mmの粒径若しくは最大粒径を有する建築材料のストランドを形成するように設計されている。追加的又は代替的に、パラレルロボットは、少なくとも10kg(キログラム)及び/又は最大で3000kg、特に最大で500kgの耐荷重を持つ若しくは有する。更に追加的又は代替的に、パラレルロボットは、少なくとも50mm及び/又は最大で0.1mm、特に最大で1mmの位置決め精度を有する。更に追加的に又は代替的に、パラレルロボットは、少なくとも10mm、特に少なくとも100mm、及び/又は最大で1000mm、特に最大で500mmの到達距離を持つ若しくは有する。更に追加的又は代替的に、パラレルロボットは、少なくとも10mm/s(ミリメートル毎秒)及び/又は最大で10m/s(メートル毎秒)の最大速度を有する。更に追加的又は代替的に、パラレルロボットは、少なくとも0.1m/s2(メートル毎平方秒)及び/又は最大で500m/s2の最大加速度及び/又は最大減速度を持つ若しくは有する。更に追加的又は代替的に、粗動装置は、少なくとも50kg及び/又は最大で5000kgの耐荷重を持つ若しくは有する。更に追加的に又は代替的に、粗動装置は、少なくとも500mm及び/又は最大で10mmの位置決め精度を有する。更に追加的に又は代替的に、粗動装置は、特に少なくとも10m(メートル)及び/又は最大で100mの到達距離を持つ若しくは有する。更に追加的に又は代替的に、粗動装置は、少なくとも10mm/s及び/又は最大で2m/sの最大速度を持つ若しくは有する。更に追加的又は代替的に、粗動装置は、少なくとも1m/s2及び/又は最大で20m/s2の最大加速度及び/又は減速度を持つ若しくは有する。
【0031】
更に、本発明は、構造部分、特に上記の構造部分の3D印刷のための建築材料の、特に上記の建築材料のストランドを形成するため、特に自動的に形成するための、特に上述の印刷システムの使用、特に自動的使用に関する。
【0032】
本発明の他の利点及び態様は、特許請求の範囲から、及び図を用いて以下に説明される本発明の好ましい実施例の記載から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明による印刷システムの概略図である。
図2図1の印刷システムのパラレルロボットの概略上面図である。
図3】本発明による使用中の図1の印刷システムの概略図である。
図4図3の使用中の図1の印刷システムの印刷ヘッド及び建築材料ポンプの概略図である。
図5図1の印刷システムを使用して3D印刷された、建築材料の形成されたストランドで作られた構造部分の概略図である。
図6図1の印刷システムの位置及び/又は配向検出装置、慣性センサ装置、及び制御装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1及び図3は、図5に示されるような、特に構造部分BWTの3D印刷のための、特に3D印刷する場合の、建築材料BSのストランドSTを形成するための、特に形成する場合の本発明による印刷システム1を示す。印刷システム1は、印刷ヘッド2、パラレルロボット3、特にデルタロボット3’、及び粗動装置4を有する。印刷ヘッド2は、印刷システム1から建築材料BSを送出するように、及び建築材料BSのストランドSTを形成するために建築材料BSを成形するように設計され、特に図4に示されるように、送出し、成形し、それにより形成する。パラレルロボット3は、図1及び図2に示されるように、粗動装置4に対する印刷ヘッド2の細かい位置決めのための、特に細かい位置決めを行う、少なくとも3つのロボットアーム装置5を有している。ロボットアーム装置5のうちの少なくとも2つの最も近いロボットアーム装置は、パラレルロボット3の中心軸MAの周りの周方向URに沿って、鈍角の円弧角度αの分だけ互いにオフセットされている。粗動装置4は、印刷ヘッド2を有するパラレルロボット3の粗い動作を行うように形成され、特に粗い動作を行う。
【0035】
詳細には、印刷システム1は、搬送ホース6を有する。搬送ホース6は、建築材料BSを、特に粗動装置4から印刷ヘッド2へ導くため、特に導く、鈍角の円弧角度αの分だけオフセットされた2つの最も近いロボットアーム装置5の間に通す。
【0036】
更に、パラレルロボット3、特にデルタロボット3’は、丁度3つのロボットアーム装置5を有する。
【0037】
追加的又は代替的に、鈍角αは、約120°、特に正確に120°である。
【0038】
更に、パラレルロボット3は、電気及び/又は液圧及び/又は空気圧なしの駆動装置7を、特に複数のロボットアーム装置5の数に対応する、特に等しい、複数の、図示の実施例では3つを有する。駆動装置7は、ロボットアーム装置5を駆動するように設計されており、特に駆動する。
【0039】
更に、粗動装置4は、特に分配ブーム9のブーム先端9Sにおける、パラレルロボット3の粗い動作を行うための、特に分配ブーム9である、シリアルロボット8を備えている。特に、粗動装置4はシリアルロボット7である。
【0040】
詳細には、シリアルロボット8は回転ジョイント10を有する。回転ジョイント10の回転軸10Aは、互いに平行、特に水平である。
【0041】
図示の実施例では、シリアルロボット8は少なくとも5つの回転ジョイント10を有する。代替の実施例では、シリアルロボットは少なくとも2つの回転ジョイントを有することができる。
【0042】
更に、印刷システム1は、配向装置11、特に支持システム12を有する。配向装置11は、印刷システム1の建築環境BUに対して粗動装置4を、(特に水平に)配向するように設計され、特に配向する。
【0043】
更に、印刷ヘッド2及び/又はパラレルロボット3には傾斜自由度がない。
【0044】
更に、印刷システム1は、図3及び図6に示されるように、特に粗動装置4から独立した、及び/又は外部の、位置及び/又は配向検出装置13のためのインターフェース、及び/又は、位置及び/又は配向検出装置13を有する。位置及び/又は配向検出装置13は、印刷システム1の建築環境BUに対する印刷ヘッド2及び/又はパラレルロボット3の位置PO及び/又は配向ARを決定する、位置及び/又は配向配向量PAG、特に動的な位置及び/又は配向配向量PAGを検出するように設計され、特に検出する。印刷システム1は、制御装置14を有する。制御装置14は、検出された位置及び/又は配向配向量PAGに応じて、粗動装置4に対する印刷ヘッド2の細かい位置決めのためにパラレルロボット3を制御するように設計され、特に制御する。
【0045】
詳細には、位置及び/又は配向検出装置13は、タキメータ15、特にレーザタキメータ15’を有する。特に、位置及び/又は配向検出装置13はタキメータ15である。
【0046】
印刷システム1は、慣性センサ装置16を更に有する。慣性センサ装置16は、少なくとも1つの慣性センサ16’を有する。慣性センサ16’は、印刷システム1の建築環境BUに対する印刷ヘッド2及び/又はパラレルロボット3の動きを決定する、慣性量IGを検出、特に動的な慣性量IGを検出するように印刷ヘッド2及び/又はパラレルロボット3に配置及び設計され、特に検出する。制御装置14は、特に低周波数fnで検出される、特に及び/又は時間オフセットΔtを伴って制御装置14に到着する、検出された位置量及び/又は配向量PAGと、特により高い周波数fhで検出される、特に及び/又はより小さいか又は存在しない時間オフセット又は時間オフセットΔtなしで制御装置14に到着する慣性量IGとを互いに結びつけることによって、特にオブザーバBTによって、特に推定により互いに結び付けることによって、粗動装置4に対して印刷ヘッド2を微細に位置決めするためにパラレルロボット3を制御するように設計され、特に結び付け、それにより制御する。
【0047】
図示の実施例では、慣性センサ16’は、位置及び/又は配向検出装置13が検出する場所に配置され、そこで検出する。言い換えると、慣性センサ16’は、位置及び/又は配向検出装置13と同じ標的を有する。
【0048】
更に、印刷システム1は、図1及び図3にされるように、シャーシ17、特にシャーシ17を有するトラック搭載型建築材料ポンプ18を有する。シャーシ17は、印刷ヘッド2、パラレルロボット3及び粗動装置4を支持する。
【0049】
更に、印刷システム1は、図4に示されるように、建築材料ポンプ19を有する。建築材料ポンプ19は、建築材料BSを、特に少なくとも部分的に粗動装置4に沿って、特に、搬送された建築材料BSを、特に印刷システム1から送出するように形成され、特に搬送する。
【0050】
図示の実施例では、制御装置14は、特に印刷されるべき構造部分BWTのデータDBWTに依存して、印刷ヘッド2、パラレルロボット3、粗動装置4及び/又は建築材料ポンプ19を制御するように設計され、特に制御する。
【0051】
追加的又は代替的に、印刷ヘッド2、パラレルロボット3、粗動装置4、インターフェース、位置及び/又は配向検出装置13、慣性センサ装置16並びに/或いは建築材料ポンプ19は、特にそれぞれ、制御装置14と協働するように設計され、特に協働する。
【0052】
更に、印刷ヘッド2は、少なくとも2mm、特に少なくとも8mm、及び/又は最大50mmの粒径KO若しくは最大粒径を有する建築材料BSのストランドSTを形成するように設計され、特に形成する。
【0053】
追加的又は代替的に、パラレルロボット3は、少なくとも10kg及び/又は最大で3000kg、特に最大で500kgの耐荷重3TLを有する。
【0054】
更に追加的又は代替的に、パラレルロボット3は、少なくとも50mm及び/又は最大で0.1mm、特に最大で1mmの位置決め精度3PGを有する。
【0055】
更に追加的に又は代替的に、パラレルロボット3は、少なくとも10mm、特に少なくとも100mm、及び/又は最大で1000mm、特に最大で500mmの到達距離3Rを有する。
【0056】
更に追加的又は代替的に、パラレルロボット3は、少なくとも10mm/s及び/又は最大で10m/sの最大速度3vmaxを有する。
【0057】
更に追加的又は代替的に、パラレルロボット3は、少なくとも0.1m/s2及び/又は最大で500m/s2の最大加速度及び/又は最大減速度3amaxを有する。
【0058】
更に追加的又は代替的に、粗動装置4は、少なくとも50kg及び/又は最大5000kgでの耐荷重4TLを有する。
【0059】
更に追加的又は代替的にさ、粗動装置4は、少なくとも500mm及び/又は最大で10mmの位置決め精度4PGを有する。
【0060】
更に追加的又は代替的に、粗動装置4は、少なくとも10m及び/又は最大で100mの到達距離4Rを有する。
【0061】
更に追加的又は代替的に、粗動装置4は、少なくとも10mm/s及び/又は最大で2m/sの最大速度4vmaxを有する。
【0062】
更に追加的又は代替的に、粗動装置4は、少なくとも1m/s及び/又は最大で20m/s2の最大加速度及び/又は最大減速度4amaxを有する。
【0063】
更に、図3図4、及び図6は、構造部分BWTの3D印刷のための建築材料BSのストランドSTを形成するための印刷システム1の本発明による使用を示す。
【0064】
更に、図5は、印刷システム1により3D印刷された、建築材料BSの形成されたストランドSTからなる構造部分BWTを示す。
【0065】
図示及び上述された実施例が明らかにするように、本発明は、改善された特性を有する構造部分の3D印刷のための建築材料のストランドを形成するための有利な印刷システムを提供する。更に、本発明は、構造部分の3D印刷のための建築材料のストランドを形成するためのそのような印刷システムの有利な使用を提供する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】