(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】触媒の再生プロセス並びにアルカン及び/又はアルキル芳香族炭化水素のアップグレードプロセス
(51)【国際特許分類】
B01J 23/96 20060101AFI20240614BHJP
C07C 9/00 20060101ALI20240614BHJP
C07C 15/02 20060101ALI20240614BHJP
C07C 1/04 20060101ALI20240614BHJP
B01J 23/62 20060101ALI20240614BHJP
B01J 23/89 20060101ALI20240614BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20240614BHJP
【FI】
B01J23/96 M
C07C9/00
C07C15/02
C07C1/04
B01J23/62 M
B01J23/89 M
C07B61/00 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574438
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 US2022027986
(87)【国際公開番号】W WO2022256132
(87)【国際公開日】2022-12-08
(32)【優先日】2022-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509004675
【氏名又は名称】エクソンモービル ケミカル パテンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】バオ シャオイン
(72)【発明者】
【氏名】ディアス ウルティア クリスティアン エー
(72)【発明者】
【氏名】バイ チュアンシェン
(72)【発明者】
【氏名】コールマン ジョン エス
(72)【発明者】
【氏名】キュヒラー キース エイチ
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4G169AA03
4G169BA01B
4G169BA02B
4G169BA04B
4G169BA05B
4G169BA06A
4G169BA06B
4G169BA20B
4G169BB06B
4G169BC02A
4G169BC03A
4G169BC03B
4G169BC04A
4G169BC05A
4G169BC06A
4G169BC09B
4G169BC22A
4G169BC22B
4G169BC31A
4G169BC31B
4G169BC32A
4G169BC68A
4G169BC72A
4G169BC75A
4G169BC75B
4G169CB07
4G169CB63
4G169DA06
4G169EB18Y
4G169EC02Y
4G169EC03Y
4G169EC24
4G169FA02
4G169FB07
4G169FB14
4G169FB30
4G169FC08
4G169GA03
4G169GA05
4G169GA06
4H006AA02
4H006AB84
4H006AC29
4H006BA06
4H006BA26
4H006BA55
4H006BE20
4H006BE40
4H039CA19
4H039CL35
(57)【要約】
第10族元素、無機担体、及び混入物を含み得る少なくとも部分的に失活した触媒の再生プロセス。第10族元素は、無機担体の質量に基づいて0.001wt%~6wt%の濃度を有し得る。プロセスは、(I)その総モルに基づいて>5モル%の濃度でH2Oを含む加熱ガス混合物を用いて失活触媒を加熱して前駆体触媒を生成するステップを含み得る。プロセスは、(II)その総モルに基づいて≦5モル%のH2Oを含む酸化的ガスを供給するステップ、及び(III)前駆体触媒を酸化温度で酸化的ガスと少なくとも30秒の持続時間にわたって接触させて酸化前駆体触媒を生成するステップを含み得る。プロセスは、(IV)酸化前駆体触媒から再生触媒を得るステップをも含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第10族元素、無機担体、及び混入物を含む少なくとも部分的に失活した触媒の再生プロセスであって、前記第10族元素が、前記無機担体の質量に基づいて0.001wt%~6wt%の範囲の濃度を有し、かつ前記プロセスが、
(I)加熱ガス混合物であって、その総モルに基づいて5モル%超の濃度でH
2Oを含む加熱ガス混合物を用いて前記少なくとも部分的に失活した触媒を加熱して前駆体触媒を生成するステップと、
(II)酸化的ガスであって、その総モルに基づいて5モル%以下のH
2Oを含む酸化的ガスを供給するステップと、
(III)前記前駆体触媒を620℃~1,000℃の範囲の酸化温度で前記酸化的ガスと少なくとも30秒、好ましくは少なくとも1分、好ましくは少なくとも5分の持続時間にわたって接触させて酸化前駆体触媒を生成するステップと、
(IV)前記酸化前駆体触媒から再生触媒を得るステップと
を含む、前記プロセス。
【請求項2】
前記加熱ガス混合物が、燃料を酸化性ガスで燃焼させることによって生成される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記燃料が、H
2、CO、及び炭化水素の少なくとも1つを含み、前記酸化性ガスがO
2を含む、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記第10族元素がPtを含み、前記無機担体が、該無機担体の質量に基づいて少なくとも0.5wt%の第2族元素を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記第2族元素がMgを含み、かつ
前記第2族元素の少なくとも一部が、MgOの形態又はMgOを含む混合酸化物の形態である、請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
前記少なくとも部分的に失活した触媒が、前記無機担体の質量に基づいて10wt%までの促進剤をさらに含み、前記促進剤が、下記元素:Sn、Ag、Cu、その組み合わせ、又はその混合物の1種以上を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記少なくとも部分的に失活した触媒が、前記無機担体上に配置された5wt%までのアルカリ金属元素をさらに含み、前記アルカリ金属元素が、Li、Na、K、Rb、及びCsの少なくとも1つを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項8】
1種以上のC
2-C
16直鎖若しくは分岐アルカン、又は1種以上のC
4-C
16環状アルカン、1種以上のC
8-C
16アルキル芳香族炭化水素、又はその混合物を含む炭化水素含有フィードの脱水素、脱水素芳香族化、及び脱水素環化の1つ以上を引き起こす能力がある、前記再生触媒の活性成分が第10族元素を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項9】
ステップ(II)が、
(IIa)前記酸化的ガスを酸化温度未満の温度で供給するステップと、
(IIb)前記酸化的ガスを、ステップ(III)の接触前に前記前駆体触媒の温度より高い温度に予熱するステップと
を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項10】
さらに、
(V)ステップ(III)中に、放射/伝導熱源、熱交換器、又はその組み合わせを使用することによって、前記酸化的ガス、前記前駆体触媒、又は両方を加熱するステップを含む、
請求項1~9のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項11】
ステップ(IV)が、
(IVa)前記酸化前駆体触媒を、O
2を含まない第1のストリッピングガスと接触させて剥離酸化前駆体触媒を生成するステップと、
(IVb)前記剥離酸化前駆体触媒から前記再生触媒を得るステップと
を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項12】
ステップ(IV)が、
(IVc)前記酸化前駆体触媒又は前記剥離酸化前駆体触媒をH
2含有雰囲気と接触させて還元触媒を生成するステップと、
(IVd)前記還元触媒から前記再生触媒を得るステップと
を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項13】
ステップ(IVd)が、
(IVd-1)前記還元触媒を第2のストリッピングガスと接触させて前記再生触媒を生成するステップ
を含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
ステップ(IVc)が、前記再生触媒の使用温度より高い前記酸化前駆体触媒の温度で行われ、かつステップ(IVd)がさらに、
(IVd-2)前記還元触媒又は前記再生触媒を、10分以下、5分以下、1分以下、30秒以下、10秒以下、5秒以下、1秒以下、0.5秒以下、0.1秒以下、0.01秒以下、又は0.001秒以下の持続時間で前記使用温度まで冷却するステップ
を含む、請求項12又は請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載のプロセスによって生成された前記再生触媒を使用する脱水素プロセスであって、
(VI)炭化水素含有フィードを前記再生触媒と接触させて、前記炭化水素含有フィードの少なくとも一部の脱水素、脱水素芳香族化、及び脱水素環化の1つ以上を引き起こして、前記第10族元素、前記無機担体、及び前記混入物を含む前記少なくとも部分的に失活した触媒と、1種以上のアップグレードされた炭化水素及び分子水素を含む流出物とを生成するステップであって、前記炭化水素フィードが、1種以上のC
2-C
16直鎖若しくは分岐アルカン、1種以上のC
4-C
16環状アルカン、1種以上のC
8-C
16アルキル芳香族炭化水素、又はその混合物を含む、ステップと、
(VII)ステップ(I)から(IV)を繰り返すステップであって、ステップ(III)において追加の酸化前駆体触媒が生成され、ステップ(IV)において、前記追加の酸化前駆体触媒から追加の再生触媒が得られる、ステップと、
(VIII)追加量の前記炭化水素含有フィードを前記追加の再生触媒の少なくとも一部と接触させて追加の少なくとも部分的に失活した触媒及び追加の流出物を生成するステップと
を含む、前記脱水素プロセス。
【請求項16】
ステップ(VI)における前記炭化水素含有フィードと前記再生触媒の接触からステップ(VIII)における前記追加量の炭化水素含有フィードと前記追加の再生触媒の接触までのサイクル時間が5時間以下である、請求項15に記載の脱水素プロセス。
【請求項17】
炭化水素のアップグレードプロセスであって、
(I)炭化水素含有フィードを、第10族元素及び無機担体を含む触媒と接触させて、前記炭化水素含有フィードの少なくとも一部の脱水素、脱水素芳香族化、及び脱水素環化の1つ以上を引き起こして、前記第10族元素、前記無機担体、及び混入物を含む少なくとも部分的に失活した触媒と、1種以上のアップグレードされた炭化水素及び分子水素を含む流出物とを生成するステップであって、
前記炭化水素含有フィードが、1種以上のC
2-C
16直鎖若しくは分岐アルカン、又は1種以上のC
4-C
16環状アルカン、1種以上のC
8-C
16アルキル芳香族炭化水素、又はその混合物を含み、
前記第10族元素が、前記無機担体の質量に基づいて0.001wt%~6wt%の範囲の濃度を有し、
前記炭化水素含有フィード及び前記触媒が300℃~900℃の範囲の温度で接触され、かつ
前記1種以上のアップグレードされた炭化水素が、脱水素炭化水素、脱水素芳香族化炭化水素、及び脱水素環化炭化水素の少なくとも1つを含む、ステップと、
(II)加熱ガス混合物であって、その総モルに基づいて5モル%超の濃度でH
2Oを含む加熱ガス混合物を用いて、前記少なくとも部分的に失活した触媒を加熱して前駆体触媒を生成するステップと、
(III)酸化的ガスであって、その総モルに基づいて2モル%以下のH
2Oを含む酸化的ガスを供給するステップと、
(IV)前記前駆体触媒を620℃~1,000℃の範囲の酸化温度で前記酸化的ガスと少なくとも30秒、好ましくは少なくとも1分、好ましくは少なくとも5分の持続時間にわたって接触させて、酸化前駆体触媒を生成するステップと、
(V)前記酸化前駆体触媒から再生触媒を得るステップと、
(VI)追加量の前記炭化水素含有フィードを前記再生触媒の少なくとも一部と接触させて追加の少なくとも部分的に失活した触媒及び追加の流出物を生成するステップと
を含む、前記プロセス。
【請求項18】
前記加熱ガス混合物が、燃料を酸化性ガスで燃焼させることによって生成される、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記燃料が、H
2、CO、及び炭化水素の少なくとも1つを含み、前記酸化性ガスがO
2を含む、請求項18に記載のプロセス。
【請求項20】
前記第10族元素がPtを含み、かつ
前記無機担体が、該無機担体の質量に基づいて少なくとも0.5wt%の第2族元素を含む、請求項17~19のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項21】
前記触媒が、前記無機担体の質量に基づいて10wt%までの促進剤をさらに含み、前記促進剤が、下記元素:Sn、Ag、Cu、その組み合わせ、又はその混合物の1つ以上を含む、請求項17~20のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項22】
前記触媒が、5wt%までのアルカリ金属元素をさらに含み、前記アルカリ金属元素がLi、Na、K、Rb、及びCsの少なくとも1つを含む、請求項17~21のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項23】
ステップ(III)が、
(IIIa)前記酸化的ガスを前記酸化温度未満の温度で供給するステップと、
(IIIb)前記酸化的ガスを、ステップ(IV)の接触前に前記前駆体触媒の温度より高い温度に予熱するステップと
を含む、請求項17~22のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項24】
さらに、
(VII)ステップ(IV)中に、放射/伝導熱源、熱交換器、又はその組み合わせを使用することによって、前記酸化的ガス、前記前駆体触媒、又は両方を加熱するステップ
を含む、請求項17~23のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項25】
ステップ(I)における前記炭化水素含有フィードと前記触媒の接触からステップ(VI)における前記追加量の炭化水素含有フィードと前記再生触媒の接触までのサイクル時間が、5時間以下である、請求項17~24のいずれか1項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照することによりそれらの全ての開示内容全体を本明細書に援用する出願日2021年6月2日を有する米国仮出願第63/195,966号、及び出願日2022年4月8日を有する米国仮出願第63/328,923号に対する優先権及びそれらの利益を主張する。
【0002】
分野
本開示は、触媒の再生プロセス並びにアルカン及び/又はアルキル芳香族炭化水素のアップグレードプロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
アルカン及び/又はアルキル芳香族炭化水素の接触脱水素、脱水素芳香族化、及び脱水素環化は、吸熱性で、平衡制限される工業的に重要な化学変換プロセスである。アルカン、例えば、C2-C16アルカン、及び/又はアルキル芳香族炭化水素、例えば、エチルベンゼンの脱水素は、種々の異なる担持触媒システム、例えばPt系、Cr系、Ga系、V系、Zr系、In系、W系、Mo系、Zn系、及びFe系システムを介して行うことができる。既存のプロパン脱水素プロセスの中で、特定のプロセスは、アルミナ担持クロミア触媒を使用して、約50%(90%のプロピレン選択性で55%のプロパン転化率)の最高プロピレン収率の1つをもたらし、これは約560℃~650℃の温度及び20kPa絶対圧~50kPa絶対圧の低圧力で得られる。脱水素プロセスの効率を高めるためにこのような低圧で操作しなくてもプロピレン収率を高めることが望ましい。
【0004】
脱水素プロセスの温度を上げることは、プロセスの熱力学に従ってプロセスの転化率を高めるための1つの手段である。例えば、670℃、100kPa絶対圧で、いずれもの不活性/希釈剤の非存在下では、平衡プロピレン収率はシミュレーションにより約74%であると推定された。しかしながら、このような高温では、触媒は非常に急速に失活し、及び/又はプロピレン選択性は不経済に低くなる。触媒の急速な失活は、触媒上へのコークス沈着及び/又は活性相の凝集が原因であると考えられる。コークスは、酸素含有ガスを用いる燃焼によって除去できるが、活性相の凝集は、燃焼プロセス中に悪化し、触媒の活性及び安定性を急速に低下させると考えられる。
従って、少なくとも部分的に失活した触媒を再生するための改善されたプロセス並びにアルカン及び/又はアルキル芳香族炭化水素を脱水素、脱水素芳香族化、及び/又は脱水素環化するための改善されたプロセスが必要である。本開示は、この必要性及び他の必要性を満たす。
【発明の概要】
【0005】
概要
少なくとも部分的に失活した触媒の再生プロセス及び炭化水素のアップグレードプロセスを提供する。一部の実施形態では、本プロセスを用いて、第10族元素、無機担体、及び混入物を含み得る少なくとも部分的に失活した触媒を再生することができる。第10族元素は、無機担体の質量に基づいて0.001wt%~6wt%の範囲の濃度を有し得る。プロセスは、(I)加熱ガス混合物であって、その総モルに基づいて5モル%超の濃度でH2Oを含み得る加熱ガス混合物を用いて、少なくとも部分的に失活した触媒を加熱して前駆体触媒を生成するステップを含むことができる。プロセスは、(II)酸化的(oxidative)ガスであって、その総モルに基づいて5モル%以下のH2Oを含み得る酸化的ガスを供給するステップを含むこともできるる。プロセスは、(III)前駆体触媒を620℃~1,000℃の範囲の酸化温度で少なくとも30秒、好ましくは少なくとも1分、好ましくは少なくとも5分の持続時間にわたって酸化的ガスと接触させて酸化前駆体触媒を生成するステップを含むこともできる。プロセスは、(IV)酸化前駆体触媒から再生触媒を得るステップを含むこともできる。
【0006】
他の実施形態では、炭化水素のアップグレードプロセスは、(I)炭化水素含有フィードを、第10族元素及び無機担体を含み得る触媒と接触させて、炭化水素含有フィードの少なくとも一部の脱水素、脱水素芳香族化、及び脱水素環化の1つ以上を引き起こして、第10族元素、無機担体、及び混入物を含み得る少なくとも部分的に失活した触媒と、1種以上のアップグレードされた炭化水素及び分子水素を含み得る流出物とを生成するステップを含むことができる。炭化水素含有フィードは、1種以上のC2-C16直鎖若しくは分岐アルカン、又は1種以上のC4-C16環状アルカン、1種以上のC8-C16アルキル芳香族炭化水素、又はその混合物を含み得る。第10族元素は、無機担体の質量に基づいて、0.001wt%~6wt%の範囲の濃度を有し得る。炭化水素含有フィード及び触媒は、300℃~900℃の範囲の温度で接触され得る。1種以上のアップグレードされた炭化水素は、脱水素炭化水素、脱水素芳香族化炭化水素、及び脱水素環化炭化水素の少なくとも1つを含み得る。プロセスは、(II)加熱ガス混合物であって、その総モルに基づいて5モル%超の濃度でH2Oを含み得る加熱ガス混合物を用いて、少なくとも部分的に失活した触媒を加熱して前駆体触媒を生成するステップを含むこともできる。プロセスは、(III)酸化的ガスであって、その総モルに基づいて5モル%以下のH2Oを含み得る酸化的ガスを供給するステップを含むこともできる。プロセスは、(IV)前駆体触媒を620℃~1,000℃の範囲の酸化温度で少なくとも30秒の持続時間にわたって酸化的ガスと接触させて酸化前駆体触媒を生成するステップを含むこともできる。プロセスは、(V)酸化前駆体触媒から再生触媒を得るステップを含むこともできる。プロセスは、(VI)追加量の炭化水素含有フィードを再生触媒の少なくとも一部と接触させて、少なくとも部分的に失活した触媒及び追加の流出物を生成するステップを含むこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施例6で用いた触媒が、80+サイクルの間に特定のツーステップ再生スキームを用いて効率的に再生できることを示す。
【
図2】触媒を用いたイソブタンの脱水素は、触媒が800℃の再生温度にさらされるにもかかわらず30+サイクルにわたって安定していたことを示す。
【
図3】実施例19で用いた触媒の性能は、触媒が800℃の再生温度にさらされるにもかかわらず30+サイクルにわたって安定していたことを示す。
【
図4】実施例20で用いた一次触媒の性能は、触媒が800℃の再生温度にさらされるにもかかわらず20+サイクルにわたって安定していたことを示す。
【
図5】実施例20で用いた二次触媒の性能は、触媒が800℃の再生温度にさらされるにもかかわらず30+サイクルにわたって安定していたことを示す。
【
図6】実施例26で用いた触媒の性能は、触媒が800℃の再生温度にさらされるにもかかわらず20+サイクルにわたって安定していたことを示す。
【
図7】再生温度(620℃)にもかかわらず失活し続けた比較触媒1の性能は、他の実施例よりずっと低かったことを示す。
【
図8】触媒組成物(触媒33)が、204サイクルにわたってその性能を維持したことを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
以下に、本発明の種々の特定の実施形態、バージョン及び実施例について、請求項に係る発明を理解するという目的で採択される好ましい実施形態及び定義を含めて記載する。下記詳細な説明は特定の好ましい実施形態を与えるが、当業者ならこれらの実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明は他の方法で実施できることが分かるだろう。侵害を判断するという目的で、本発明の範囲は、いずれの1つ以上の添付請求項をも指し、列挙されているものに等価であるそれらの等価物、要素又は制限が含まれる。「発明」へのいずれの言及も、請求項によって定義される本発明の必ずしも全てではないが、1つ以上を指す可能性がある。
本開示では、少なくとも1つの「ステップ」を含むようにプロセスを記述する。各ステップは、プロセスにおいて1回又は連続若しくは不連続様式で複数回行われ得る動作又は操作であることを理解すべきである。反対の定めがないか又は文脈上明白に他の意味に解すべき場合を除き、プロセスの複数のステップは、場合によっては、1つ以上の他のステップとの重なりの有無にかかわらず、又はいずれの他の順序でも、記載どおりの順序で連続して行なってよい。さらに、1つ以上又は全てのステップさえ、材料の同一又は異なるバッチに関して同時に行ってよい。例えば、連続プロセスにおいてプロセスの最初に供給されたばかりの原材料に関してプロセスの第1のステップを行いながら、第1のステップのより早い時点でプロセスに供給された原材料の処理の結果生じた中間材料に関して同時に第2のステップを行ってよい。好ましくは、記載した順序でステップを行う。
【0009】
別段の指示がない限り、本開示において量を指示する全ての数は、全ての場合に用語「約」によって修飾されていると理解すべきである。また、本明細書及び特許請求の範囲で使用する正確な数値は特定の実施形態を構成するものと理解すべきである。実施例のデータの正確さを保証するよう努力した。しかしながら、いずれの測定データも本質的に、測定を行うために利用する技術及び/又は機器の限界のため、ある一定レベルの誤差を含有することを理解すべきである。
本明細書では一連の上限数値及び一連の下限数値を用いて特定の実施形態及び特徴を記述する。別段の指示がない限り、任意の2つの値の組み合わせ、例えば、任意の下限値と任意の上限値の組み合わせ、任意の2つの下限値の組み合わせ、及び/又は任意の2つの上限値の組み合わせを含む範囲を企図することを理解すべきである。
本明細書で用いる不定冠詞「a」又は「an」は、反対の定めがないか又は文脈上明白に他の意味に解すべき場合を除き、「少なくとも1つ」を意味する。従って、「a reactor」又は「a conversion zone」を使用する実施形態には、反対の定めがないか又は文脈が明白に1つのみの反応器又は変換ゾーンを使用すると指示していない限り、1、2又は3つ以上の反応器又は変換ゾーンを使用する実施形態が含まれる。
【0010】
用語「炭化水素」は、(i)水素原子及び炭素原子から成る任意の化合物又は(ii)(i)の2種以上の該化合物の任意の混合物を意味する。用語「Cn炭化水素」(nは正の整数である)は、(i)その分子中に炭素原子を総数nで含む任意の炭化水素化合物、又は(ii)(i)の2種以上の該炭化水素化合物の任意の混合物を意味する。従って、C2炭化水素はエタン、エチレン、アセチレン、又はこれらの化合物の少なくとも2種の任意の比率の混合物であり得る。「Cm~Cn炭化水素」又は「Cm-Cn炭化水素」(m及びnは正の整数であり、かつm<n)は、Cm、Cm+1、Cm+2、...、Cn-1、Cn炭化水素のいずれか、又はこれらの2種以上の任意の混合物を意味する。従って、「C2~C3炭化水素」又は「C2-C3炭化水素」は、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロペン、プロピン、プロパジエン、シクロプロパン、及びこれらの2種以上の該成分間の任意の比率の任意の混合物のいずれかであり得る。「飽和C2-C3炭化水素」は、エタン、プロパン、シクロプロパン、又はこれらの2種以上の任意の比率の任意の混合物であり得る。「Cn+炭化水素」は、(i)その分子中に少なくともnの総数で炭素原子を含む任意の炭化水素化合物、又は(ii)(i)の2種以上の該炭化水素化合物の任意の混合物を意味する。「Cn-炭化水素」は、(i)その分子中に最大nの総数で炭素原子を含む任意の炭化水素化合物、又は(ii)(i)の2種以上の該炭化水素の任意の混合物を意味する。「Cm炭化水素ストリーム」は、本質的にCm炭化水素から成る炭化水素ストリームを意味する。「Cm-Cn炭化水素ストリーム」は、本質的にCm-Cn炭化水素から成る炭化水素ストリームを意味する。
【0011】
本開示の目的では、元素の命名法は、Hawley's Condensed Chemical Dictionary, 16th Ed., John Wiley & Sons, Inc., (2016), Appendix V.に提供されている元素周期表のバージョン(新表記法下)に準拠する。例えば、第2族元素はMgを含み、第8族元素はFeを含み、第9族元素はCoを含み、第10族元素はNiを含み、第13族元素はAlを含む。本明細書で使用する用語「半金属」は、下記元素:B、Si、Ge、As、Sb、Te、及びAtを指す。本開示では、所与の元素が存在すると示されるとき、特段の記載がないか又は文脈上明白に他の意味に解すべき場合を除き、それは元素状態で又はその任意の化合物として存在し得る。
用語「アルカン」は、飽和炭化水素を意味する。用語「環状アルカン」は、その分子構造中に環状炭素環を含む飽和炭化水素を意味する。アルカンは、直鎖、分岐、又は環状であり得る。
用語「芳香族」は、当該技術分野において承認されている範囲に従って理解すべきであり、アルキル置換及び非置換の単核及び多核化合物を包含する。
装置、例えば、変換ゾーンから得られた出ていくストリームに関して、「Xリッチ(X-rich)」又は「Xに富む(rich in X)」のような表現で使用されるとき、用語「rich」は、該ストリームが引き出される同装置に供給されたフィード材料中におけるより高い濃度で材料Xを含むことを意味する。装置、例えば、変換ゾーンから得られた出ていくストリームに関して、「Xリーン(X-lean)」又は「Xが少ない(lean in X)」のような表現で使用されるとき、用語「lean」は、該ストリームが引き出される同装置に供給されたフィード材料中におけるより低い濃度で材料Xを含むことを意味する。
【0012】
用語「混合金属酸化物」は、酸素原子及び少なくとも2個の異なる金属原子を含み、それらが原子スケールで混ざり合っている組成物を指す。例えば、「混合Mg/Al金属酸化物」は、原子スケールで混ざり合ったO、Mg、及びAl原子を有し、実質的に、下記一般式を有するMg/Alハイドロタルサイトをか焼することによって得られる組成物と同一である。
【化1】
式中、Aは、負電荷nの対アニオンであり、xは、>0~<1の範囲の整数であり、mは、≧0である。一緒に混ざり合ったnmサイズのMgO粒子及びnmサイズのAl
2O
3粒子から成る材料は、Mg原子及びAl原子が原子スケールで混ざり合っているのではなく、nmスケールで混ざり合っているので、混合金属酸化物でない。
【0013】
用語「選択性」は、触媒反応における特定化合物の生成率(炭素モル基準で)を指す。例として、「アルカン炭化水素変換反応は、オレフィン炭化水素に対して100%の選択性を有する」という表現は、該反応で変換されるアルカン炭化水素の100%(炭素モル基準)がオレフィン炭化水素に変換されることを意味する。特定反応体に関して使用するとき、用語「転化率」は、反応で消費される反応体の量を意味する。例えば、特定反応体がプロパンであるとき、100%転化率は、反応でプロパンの100%が消費されることを意味する。別の例では、特定反応体がプロパンであるとき、1モルのプロパンが1モルのメタンと1モルのエチレンに変換する場合、メタンに対する選択性は33.3%であり、エチレンに対する選択性は66.7%である。収率(炭素モル基準)は、転化率×選択性である。
【0014】
炭化水素アップグレードプロセス及び触媒再生プロセス
炭化水素含有フィードは、限定するものではないが、1種以上のアルカン炭化水素、例えばC2-C16直鎖若しくは分岐アルカン及び/若しくはC4-C16環状アルカン、並びに/又は1種以上のアルキル芳香族炭化水素、例えばC8-C16アルキル芳香族炭化水素であるか又はこれらを含み得る。一部の実施形態では、炭化水素含有フィードは、場合により、炭化水素含有フィード中のいずれものC2-C16アルカン及びいずれものC8-C16アルキル芳香族炭化水素の総体積に基づいて、0.1vol%~50vol%の水蒸気を含むことができる。他の実施形態では、炭化水素含有フィードは、炭化水素含有フィード中のいずれものC2-C16アルカン及びいずれものC8-C16アルキル芳香族炭化水素の総体積に基づいて、<0.1vol%の水蒸気を含むことができ、又は水蒸気がなくてよい。炭化水素含有フィードを、第10族元素、例えば、Pt、及び無機担体を含む触媒と接触させて、炭化水素含有フィードの少なくとも一部の脱水素、脱水素芳香族化、及び脱水素環化の1つ以上を引き起こして、第10族元素、無機担体、及び混入物、例えば、コークスを含む少なくとも部分的に失活した触媒と、1種以上のアップグレードされた炭化水素及び分子水素を含み得る流出物とを生成することができる。
【0015】
1種以上のアップグレードされた炭化水素は、限定するものではないが、1種以上の脱水素炭化水素、1種以上の脱水素芳香族化炭化水素、1種以上の脱水素環化炭化水素、若しくはその混合物であるか又はこれらを含み得る。炭化水素含有フィード及び触媒は、300℃~900℃の範囲の温度で接触され得る。一部の実施形態では、炭化水素含有フィード及び触媒は、≦5時間、≦4時間、又は≦3時間、≦1時間、≦0.5時間、≦0.1時間、≦3分、≦1分、≦30秒、又は≦0.1秒の時間にわたって接触され得る。一部の実施形態では、炭化水素含有フィード及び触媒は、少なくとも20kPa絶対圧の炭化水素分圧下で接触され得る。この場合、炭化水素分圧は、炭化水素含有フィード中のいずれものC2-C16アルカン及びいずれものC8-C16アルキル芳香族炭化水素の総分圧である。触媒は、無機担体の質量に基づいて、0.001wt%~6wt%の第10族元素、例えば、Ptを含み得る。
【0016】
少なくとも部分的に失活した触媒から前駆体触媒を得ることができる。一部の実施形態では、少なくとも部分的に失活した触媒がそのまま前駆体触媒として供給され得る。他の実施形態では、前駆体触媒は、少なくとも部分的に失活した触媒を加熱ガス混合物を用いて加熱して前駆体触媒を生成することによって得ることができ、この加熱ガス混合物は、その総モルに基づいて5モル%超の濃度でH2Oを含む。一部の実施形態では、加熱ガス混合物は、少なくとも部分的に失活した触媒上に配置された混入物、例えば、コークス及び/又は残留炭化水素含有フィードの少なくとも一部を酸化性(oxidizing)ガスで燃焼させることによって生成され得る。一部の実施形態では、加熱ガス混合物は、燃料を酸化性ガスで燃焼させることによって生成され得る。他の実施形態では、加熱ガス混合物は、少なくとも部分的に失活した触媒上に配置された混入物の少なくとも一部及び燃料を酸化性ガスで燃焼させることによって生成され得る。他の実施形態では、5モル%超のH2Oの濃度でH2Oを含み得る加熱ガス混合物に該H2O、例えば5モル%超のH2Oを有する加熱空気が与えられることがある。燃料は、限定するものではないが、H2、CO、及び炭化水素の少なくとも1つであるか又はこれらを含み得る。酸化性ガスは、限定するものではないが、O2、O3、CO、若しくはその任意の混合物であるか又はこれらを含み得る。一部の実施形態では、加熱ガス混合物は、部分的に失活した触媒と<5分、<2分、<1分、<30秒、<10秒、<5秒、<1秒、<0.5秒、<0.1秒の持続時間にわたって接触し得る。
【0017】
酸化的ガスを供給することができる。酸化的ガスは、酸化的ガスの総モルに基づいて、5モル%以下のH2O、4.5モル%以下のH2O、4モル%以下のH2O、3.5モル%以下のH2O、3モル%以下のH2O、2.5モル%以下のH2O、2モル%以下のH2O、1.7モル%以下のH2O、1.5モル%以下のH2O、1.3モル%以下のH2O、1モル%以下のH2O、0.7モル%以下のH2O、0.5モル%以下のH2O、0.3モル%以下のH2O、又は0.1モル%以下のH2Oを含むことができる。前駆体触媒は、少なくとも部分的に失活した触媒がそのまま前駆体触媒として供給されるか又は少なくとも部分的に失活した触媒が加熱ガス混合物を用いて加熱されるかにかかわらず、酸化的ガスと接触され得る。
驚いたことにかつ予想外に、前駆体触媒を、少なくとも部分的に失活した触媒がそのまま前駆体触媒として供給されるか又は少なくとも部分的に失活した触媒が加熱ガス混合物を用いて加熱されて前駆体触媒が生成されるかにかかわらず、5モル%以下のH2Oを含む酸化的ガスと接触させると再生触媒の活性及び/又は選択性を顕著に改善できることを発見した。理論によって束縛されることを望むものではないが、酸化的ガスに存在するH2Oが、Pt再分散の有効性、ひいては再生触媒の有効性を著しく減じる可能性があると考えられる。
【0018】
前駆体触媒は、酸化的ガスと620℃、650℃、675℃、700℃、又は750℃から775℃、800℃、850℃、900℃、950℃、又は1,000℃までの範囲の酸化温度で接触されて酸化前駆体触媒を生成することができる。前駆体触媒は、酸化的ガスと少なくとも30秒、少なくとも1分、少なくとも5分、少なくとも7分、少なくとも10分、少なくとも15分、少なくとも20分、少なくとも25分、又は少なくとも30分の持続時間にわたって接触されて酸化前駆体触媒を生成することができる。一部の実施形態では、前駆体触媒は、酸化的ガスと30秒、1分、5分、又は10分から30分、60分、又は120分までの範囲の持続時間にわたって接触されて酸化前駆体触媒を生成することができる。一部の実施形態では、前駆体触媒及び酸化的ガスは、≦2時間、≦1時間、≦30分、≦10分、≦5分、≦1分、≦30秒、≦10秒、≦5秒、又は≦1秒の持続時間にわたって互いに接触されて酸化前駆体触媒を生成することができる。例えば、前駆体触媒及び酸化的ガスは、2秒~2時間の範囲の持続時間にわたって互いに接触されて酸化前駆体触媒を生成することができる。一部の実施形態では、前駆体触媒及び酸化的ガスは、≧50wt%、≧75wt%、又は≧90wt%又は>99wt%の混入物、例えば、前駆体触媒上に配置されたコークスを除去するのに十分な持続時間にわたって互いに接触され得る。
【0019】
前駆体触媒及び酸化的ガスは、5kPa絶対圧、10kPa絶対圧、20kPa絶対圧、50kPa絶対圧、100kPa絶対圧、300kPa絶対圧、500kPa絶対圧、750kPa絶対圧、又は1,000kPa絶対圧から1,500kPa絶対圧、2,500kPa絶対圧、4,000kPa絶対圧、5,000kPa絶対圧、7,000kPa絶対圧、8,500kPa絶対圧、又は10,000kPa絶対圧までの範囲の酸化的ガス分圧下で接触されて酸化前駆体触媒を生成することができる。一部の実施形態では、酸化前駆体触媒を生成するために前駆体触媒と接触中の酸化的ガスの分圧は、5kPa絶対圧、10kPa絶対圧、20kPa絶対圧、50kPa絶対圧、100kPa絶対圧、150kPa絶対圧、200kPa絶対圧、250kPa絶対圧、又は300kPa絶対圧から500kPa絶対圧、600kPa絶対圧、700kPa絶対圧、800kPa絶対圧、900kPa絶対圧、又は1,000kPa絶対圧までの範囲であり得る。
【0020】
理論によって束縛されることを望むものではないが、前駆体触媒上に配置された第10族元素、例えば、Ptの少なくとも一部は、炭化水素含有フィードとの接触前の触媒に比べて凝集され得ると考えられる。前駆体触媒と酸化的ガスの接触中に、前駆体触媒上の混入物の少なくとも一部が燃焼され得るとき、第10族元素の少なくとも一部が、無機担体の周りに再分散され得ると考えられる。凝集された第10族元素の少なくとも一部を再分散させると、多サイクルにわたって活性を高め、触媒の安定性を改善することができる。
一部の実施形態では、酸化的ガスは酸化温度未満の温度で供給され、酸化的ガスは、前駆体触媒を酸化的ガスと酸化温度で接触させる前に前駆体触媒の温度より高い温度に予熱され得る。一部の実施形態では、酸化的ガスは、放射熱源/伝導熱源、熱交換器、又はその組み合わせを使用することによって予熱され得る。他の実施形態では、酸化的ガス、前駆体触媒、又は酸化的ガスと前駆体触媒の両方が、放射/伝導熱源、熱交換器、又はその組み合わせを使用することによって予熱され得る。言い換えれば、前駆体触媒及び/又は酸化的ガスは、別々に加熱されてから酸化温度で互いに接触されるか又は互いの存在下で酸化温度まで加熱され得る。一部の実施形態では、放射/伝導熱源は、1種以上の発熱体であるか又は1種以上の発熱体を含み得る。
【0021】
酸化前駆体触媒から再生触媒を得ることができる。一部の実施形態では、酸化前駆体触媒は、そのまま再生触媒として供給され得る。一部の実施形態では、酸化前駆体触媒は場合により、O2を含み得ない第1のストリッピングガスと接触されて剥離(stripped)酸化前駆体触媒を生成することができ、この剥離酸化前駆体触媒から再生触媒を得ることができる。第1のストリッピングガスは、限定するものではないが、CO、CO2、N2、C1-C4炭化水素、H2O、He、Ne、Ar、若しくはその混合物であるか又はこれらを含み得る。一部の実施形態では、剥離酸化前駆体触媒はそのまま再生触媒として供給され得る。
一部の実施形態では、酸化前駆体触媒中の第10族元素、例えば、Ptの少なくとも一部は、炭化水素含有フィードと接触した触媒中の第10族元素と比べて及び少なくとも部分的に失活した触媒中の第10族元素と比べて高い酸化状態であり得る。一部の実施形態では、酸化前駆体触媒又は剥離酸化前駆体触媒は、H2含有雰囲気と接触されて還元触媒を生成することができる。他の実施形態では、酸化前駆体触媒又は剥離酸化前駆体触媒は、H2、CO、CH4、C2H6、C3H8、C2H4、C3H6、水蒸気又はその混合物を含有する雰囲気と接触されて還元触媒を生成することができる。一部の実施形態では、酸化前駆体触媒と接触される雰囲気は、不活性ガス、例えばAr、Ne、He、N2、CO2、H2O又はその混合物を含むこともできる。該実施形態では、還元触媒中の第10族元素の少なくとも一部が、酸化前駆体触媒中の第10族元素と比べて低い酸化状態、例えば元素状態に還元され得る。
【0022】
一部の実施形態では、酸化前駆体触媒又は剥離酸化前駆体触媒はH2含有雰囲気又はH2、CO、CH4、C2H6、C3H8、C2H4、C3H6、水蒸気若しくはその混合物を含有する雰囲気と400℃、450℃、500℃、550℃、600℃、620℃、650℃、又は670℃から720℃、750℃、800℃、又は900℃までの範囲の温度で接触され得る。酸化前駆体触媒又は剥離酸化前駆体触媒及びH2含有雰囲気又はH2、CO、CH4、C2H6、C3H8、C2H4、C3H6、水蒸気若しくはその混合物を含有する雰囲気は、0.01秒、0.1秒、1秒、5秒、10秒、20秒、30秒、又は1分から10分、30分、又は60分までの持続時間にわたって接触され得る。酸化前駆体触媒又は剥離酸化前駆体触媒及びH2含有雰囲気又はH2、CO、CH4、C2H6、C3H8、C2H4、C3H6、水蒸気、若しくはその混合物を含有する雰囲気は、0.1kPa絶対圧、1kPa絶対圧、5kPa絶対圧、10kPa絶対圧、20kPa絶対圧、50kPa絶対圧、又は100kPa絶対圧、300kPa絶対圧、500kPa絶対圧、750kPa絶対圧、又は1,000kPa絶対圧から1,500kPa絶対圧、2,500kPa絶対圧、4,000kPa絶対圧、5,000kPa絶対圧、7,000kPa絶対圧、8,500kPa絶対圧、又は10,000kPa絶対圧までの還元剤分圧で接触され得る。ここで、還元剤は、いずれものH2、CO、CH4、C2H6、C3H8、C2H4、C3H6、及び水蒸気を含む。他の実施形態では、再生触媒を生成するため、還元剤分圧は、0.1kPa絶対圧、1kPa絶対圧、5kPa絶対圧、10kPa絶対圧、20kPa絶対圧、50kPa絶対圧、100kPa絶対圧、150kPa絶対圧、200kPa絶対圧、250kPa絶対圧、又は300kPa絶対圧から500kPa絶対圧、600kPa絶対圧、700kPa絶対圧、800kPa絶対圧、900kPa絶対圧、又は1,000kPa絶対圧までの範囲であり得る。ここで、還元剤は、いずれものH2、CO、CH4、C2H6、C3H8、C2H4、C3H6、及び水蒸気を含む。
【0023】
一部の実施形態では、酸化前駆体触媒又は剥離酸化前駆体触媒は、H2含有雰囲気と、再生触媒の使用温度より高い温度で接触され得る。該実施形態では、還元触媒は、使用温度まで冷却され得る。一部の実施形態では、還元触媒は、20分以下、15分以下、10分以下、7分以下、5分以下、2分以下、1分以下、30秒以下、10秒以下、5秒以下、2秒以下、1秒以下、0.1秒以下、0.01秒以下、0.001秒以下の持続時間で使用温度まで冷却され得る。触媒の使用温度は、炭化水素含有フィード又は追加量の炭化水素含有フィードが触媒又は再生触媒と接触されて、炭化水素含有フィードの少なくとも一部の脱水素、脱水素芳香族化、及び脱水素環化の1つ以上を引き起こして、第10族元素、無機担体、及び混入物を含み得る少なくとも部分的に失活した触媒と、1種以上のアップグレードされた炭化水素及び分子水素を含み得る流出物とを生成する温度である。
再生触媒は還元触媒から得ることができる。一部の実施形態では、還元触媒がそのまま再生触媒として供給され得る。他の実施形態では、還元触媒は、第2のストリッピングガスと接触されて再生触媒を生成することができる。第2のストリッピングガスは、限定するものではないが、CO、CO2、N2、C1-C4炭化水素、H2O、He、Ne、Ar、若しくはその任意の混合物であるか又はこれらを含み得る。
【0024】
再生触媒、新しい若しくは未使用の触媒、又はその混合物の少なくとも一部は、追加量の炭化水素含有フィードと反応ゾーン又は変換ゾーン内で接触されて、追加の流出物及び追加の少なくとも部分的に失活した触媒を生成することができる。炭化水素含有フィードと触媒の接触から、追加量の炭化水素含有フィードと再生触媒及び場合により新しい又は未使用の触媒の少なくとも一部の接触までのサイクル時間は、≦5時間、≦4.5時間、≦4時間、≦3.5時間、≦3時間、≦2.5時間、≦2時間、≦1時間、≦0.5時間、≦0.2時間、≦0.1時間、≦0.05時間、又は≦0.01時間であり得る。
第1のサイクルは、触媒の炭化水素含有フィードとの接触時に始まり、その後に少なくとも酸化的ガスと接触して、そのまま再生触媒として供給される得る酸化前駆体触媒を生成するか、又は少なくとも酸化的ガス及び任意的還元ガスと接触して再生触媒を生成することができ、第1のサイクルは、再生触媒が追加量の炭化水素含有フィードと接触すると終わる。第1のストリッピングガス及び/若しくは第2のストリッピングガス又はいずれもの他のストリッピングガス(複数可)が炭化水素含有フィード及び酸化的ガスの流れ間、酸化的ガス及び還元ガス(使用する場合)の流れ間、酸化的ガス及び追加量の炭化水素含有フィードの流れ間、並びに/又は還元ガス(使用する場合)及び追加量の炭化水素含有フィードの流れ間で利用される場合、該ストリッピングガス(複数可)が利用される期間は、サイクル時間に含まれる期間に包含されることになる。従って、ステップにおける炭化水素含有フィードと触媒の接触から、追加量の炭化水素含有フィードと再生触媒の接触までのサイクル時間は、≦5時間であり得る。
【0025】
第10族元素、例えば、Pt、及び無機担体を含む触媒は、多サイクル、例えば、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも100サイクル、少なくとも125サイクル、少なくとも150サイクル、少なくとも175サイクル、又は少なくとも200サイクル後に十分に活性かつ安定のままであり得、各サイクル時間は≦5時間、≦4時間、≦3時間、≦2時間、≦1時間、≦50分、≦45分、≦30分、≦15分、≦10分、≦5分、≦1分、≦30秒、又は≦10秒間持続する。一部の実施形態では、サイクル時間は5秒、30秒、1分又は5分から10分、20分、30分、45分、50分、70分、2時間、3時間、4時間、又は5時間までであり得る。一部の実施形態では、触媒の性能が安定化した後(最初のわずかなサイクルは相対的に不十分又は相対的に良い性能を有することもあるが、性能は最終的に安定化し得る)、プロセスは、第1のアップグレードされた炭化水素生成物収率、例えば、炭化水素含有フィードがプロパンを含むときには第1のプロピレン収率を、最初に炭化水素含有フィードと接触したときに≧75%、≧80%、≧85%、又は≧90%、又は>95%の、アップグレードされた炭化水素、例えば、プロピレンの選択性でもたらすことができ、かつ最後のサイクル(少なくとも全部で15サイクル)の完了時に≧75%、≧80%、≧85%、又は≧90%、又は>95%の、アップグレードされた炭化水素、例えば、プロピレンの選択性で、第1のアップグレードされた炭化水素生成物収率の少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、又は少なくとも100%であり得る第2のアップグレードされた炭化水素生成物収率を有し得る。
【0026】
一部の実施形態では、炭化水素含有フィードがプロパンを含み、アップグレードされた炭化水素がプロピレンを含むとき、炭化水素含有フィードと触媒組成物の接触は、≧75%、≧80%、≧85%、≧90%、≧93%、又は≧95%のプロピレン選択性で≧48%、≧49%、≧50%、≧51%、≧52%、≧53%、≧54%、≧55%、≧56%、≧57%、≧58%、≧59%、≧60%、≧61%、≧62%、≧63%、≧64%、≧65%、又は≧66%のプロピレン収率をもたらすことができる。一部の実施形態では、炭化水素含有フィードがプロパンを含み、アップグレードされた炭化水素がプロピレンを含むとき、炭化水素含有フィードと触媒の接触は、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも100サイクル、少なくとも125サイクル、少なくとも150サイクル、少なくとも175サイクル、又は少なくとも200サイクルにわたって、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%のプロピレン選択性で、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも55%、少なくとも57%、少なくとも60%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、又は少なくとも66%のプロピレン収率をもたらすことができる。他の実施形態では、炭化水素含有フィードが、炭化水素含有フィードの総体積に基づいて、少なくとも70vol%、少なくとも75vol%、少なくとも80vol%、少なくとも85vol%、少なくとも90vol%、又は少なくとも95vol%のプロパンを含み、少なくとも20kPa絶対圧のプロパン分圧下で接触されるとき、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも100サイクル、少なくとも125サイクル、少なくとも150サイクル、少なくとも175サイクル、又は少なくとも200サイクルにわたって、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%のプロピレン選択性で、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも55%、少なくとも57%、少なくとも60%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、又は少なくとも66%のプロピレン収率を得ることができる。プロピレン収率は、さらに担体の組成を最適化し、及び/又は1つ以上のプロセス条件を調整することによって、少なくとも15サイクル、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも100サイクル、少なくとも125サイクル、少なくとも150サイクル、少なくとも175サイクル、又は少なくとも200サイクルにわたって、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%のプロピレン選択性で、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも70%、少なくとも72%、少なくとも75%、少なくとも77%、少なくとも80%、又は少なくとも82%まで高めることができると考えられる。一部の実施形態では、このプロピレン収率は、触媒が、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも100サイクル、少なくとも125サイクル、少なくとも150サイクル、少なくとも175サイクル、又は少なくとも200サイクルにわたって、少なくとも620℃、少なくとも630℃、少なくとも640℃、少なくとも650℃、少なくとも655℃、少なくとも660℃、少なくとも670℃、少なくとも680℃、少なくとも690℃、少なくとも700℃、又は少なくとも750℃の温度で炭化水素フィードと接触されるときに得ることができる。
【0027】
本明細書で開示するプロセスの実施に適したシステムとしては、技術上周知のシステム、例えば国際公開第WO2017078894号に開示された固定床反応器;米国特許第3,888,762号;第7,102,050号;第7,195,741号;第7,122,160号;及び第8,653,317号;及び米国特許出願公開第2004/0082824号;第2008/0194891号に開示された流動ライザー型反応器及び/又はダウナー型反応器;並びに米国特許第8,754,276号;米国特許出願公開第2015/0065767;及び国際公開第WO2013169461号に開示された逆流反応器を挙げることができる。
【0028】
触媒
触媒は、無機担体上に配置された第10族元素を、無機担体の質量に基づいて0.001wt%、0.002wt%、0.003wt%、0.004wt%、0.005wt%、0.006wt%、0.007wt%、0.008wt%、0.009wt%、0.01wt%、0.015wt%、0.02wt%、0.025wt%、0.03wt%、0.035wt%、0.04wt%、0.045wt%、0.05wt%、0.055wt%、0.06wt%、0.065wt%、0.07wt%、0.075wt%、0.08wt%、0.085wt%、0.09wt%、0.095wt%、0.1wt%、0.2wt%、0.3wt%、0.4wt%、0.5wt%、0.6wt%、0.7wt%、0.8wt%、0.9wt%、又は1wt%から2wt%、3wt%、4wt%、5wt%、又は6wt%まで含むことができる。一部の実施形態では、触媒組成物は、無機担体の質量に基づいて、≦5.5wt%、≦4.5wt%、≦3.5wt%、≦2.5wt%、≦1.5wt%、≦1wt%、≦0.9wt%、≦0.8wt%、≦0.7wt%、≦0.6wt%、≦0.5wt%、≦0.4wt%、≦0.3wt%、≦0.2wt%、≦0.15wt%、≦0.1wt%、≦0.09wt%、≦0.08wt%、≦0.07wt%、≦0.06wt%、≦0.05wt%、≦0.04wt%、≦0.03wt%、≦0.02wt%、≦0.01wt%、≦0.009wt%、≦0.008wt%、≦0.007wt%、≦0.006wt%、≦0.005wt%、≦0.004wt%、≦0.003wt%、又は≦0.002wt%の、無機担体上に配置された第10族元素を含むことができる。一部の実施形態では、触媒は、無機担体の質量に基づいて、>0.001、>0.003wt%、>0.005wt%、>0.007、>0.009wt%、>0.01wt%、>0.02wt%、>0.04wt%、>0.06wt%、>0.08wt%、>0.1wt%、>0.13wt%、>0.15wt%、>0.17wt%、>0.2wt%、>0.2wt%、>0.23、>0.25wt%、>0.27wt%、又は>0.3wt%かつ<0.5wt%、<1wt%、<2wt%、<3wt%、<4wt%、<5wt%、又は<6wt%の、無機担体上に配置された第10族元素を含むことができる。一部の実施形態では、第10族元素はNi、Pd、Pt、その組み合わせ、若しくはその混合物であるか又はこれらを含み得る。少なくとも1つの実施形態では、第10族元素はPtであるか又はPtを含み得る。2種以上の第10族元素が無機担体上に配置される場合、触媒は、無機担体の質量に基づいて、0.001wt%、0.002wt%、0.003wt%、0.004wt%、0.005wt%、0.006wt%、0.007wt%、0.008wt%、0.009wt%、0.01wt%、0.015wt%、0.02wt%、0.025wt%、0.03wt%、0.035wt%、0.04wt%、0.045wt%、0.05wt%、0.055wt%、0.06wt%、0.065wt%、0.07wt%、0.075wt%、0.08wt%、0.085wt%、0.09wt%、0.095wt%、0.1wt%、0.2wt%、0.3wt%、0.4wt%、0.5wt%、0.6wt%、0.7wt%、0.8wt%、0.9wt%、又は1wt%から2wt%、3wt%、4wt%、5wt%、又は6wt%までの、無機担体上に配置された2種以上の第10族元素の合計量を含むことができる。一部の実施形態では、1種以上のC2-C16直鎖若しくは分岐アルカン、又は1種以上のC4-C16環状アルカン、1種以上のC8-C16アルキル芳香族炭化水素、又はその混合物を含む炭化水素含有フィードの脱水素、脱水素芳香族化、及び脱水素環化の1つ以上を引き起こす能力があり得る、再生触媒の活性成分は、第10族元素を含み得る。
【0029】
無機担体は、限定するものではないが、1種以上の第2族元素、その組み合わせ、若しくはその混合物であるか又はこれらを含み得る。一部の実施形態では、第2族元素は、その元素形態で存在し得る。他の実施形態では、第2族元素は、化合物の形態で存在し得る。例えば、第2族元素は、酸化物、リン酸塩、ハロゲン化物、ハラート(halate)、硫酸塩、硫化物、ホウ酸塩、窒化物、炭化物、アルミン酸塩、アルミノケイ酸塩、ケイ酸塩、炭酸塩、メタリン酸塩、セレン化物、タングステン酸塩、モリブデン酸塩、亜クロム酸塩、クロム酸塩、二クロム酸塩、又はケイ化物として存在し得る。一部の実施形態では、第2族元素を含む任意の2種以上の化合物の混合物が様々な形態で存在し得る。例えば、第1の化合物が酸化物であり、第2の化合物がアルミン酸塩であり得る。この場合、第1の化合物及び第2の化合物は互いに同一又は異なる第2族元素を含む。
【0030】
無機担体は、無機担体の質量に基づいて、≧0.5wt%、≧1wt%、≧2wt%、≧3wt%、≧4wt%、≧5wt%、≧6wt%、≧7wt%、≧8wt%、≧9wt%、≧10wt%、≧11wt%、≧12wt%、≧13wt%、≧14wt%、≧15wt%、≧16wt%、≧17wt%、≧18wt%、≧19wt%、≧20wt%、≧21wt%、≧22wt%、≧23wt%、≧24wt%、≧25wt%、≧26wt%、≧27wt%、≧28wt%、≧29wt%、≧30wt%、≧35wt%、≧40wt%、≧45wt%、≧50wt%、≧55wt%、≧60wt%、≧65wt%、≧70wt%、≧75wt%、≧80wt%、≧85wt%、又は≧90wt%の第2族元素を含むことができる。一部の実施形態では、無機担体は、無機担体の質量に基づいて、0.5wt%、1wt%、2wt%、2.5wt%、3wt%、5wt%、7wt%、10wt%、11wt%、13wt%、15wt%、17wt%、19wt%、21wt%、23wt%、又は25wt%から30wt%、35wt%、40wt%、45wt%、50wt%、55wt%、60wt%、65wt%、70wt%、75wt%、80wt%、85wt%、90wt%、又は92.34wt%までの範囲の第2族元素を含むことができる。一部の実施形態では、第2族元素と第10族元素のモル比は、0.24、0.5、1、10、50、100、300、450、600、800、1,000、1,200、1,500、1,700、又は2,000から3,000、3,500、4,000、4,500、5,000、5,500、6,000、6,500、7,000、7,500、8,000、8,500、9,000、9,500、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、55,000、60,000、65,000、70,000、75,000、80,000、85,000、90,000、95,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、又は900,000までの範囲であり得る。
【0031】
一部の実施形態では、無機担体は、第2族元素とAlを含むことができ、原子スケールで混合されたO、Mg、及びAl原子を有する混合第2族元素/Al金属酸化物の形態であり得る。一部の実施形態では、無機担体は、nmスケールで混合され得る酸化物の形態の第2族元素とAl又は第2族元素の1種以上の酸化物とAl2O3であるか又はこれらを含み得る。一部の実施形態では、無機担体は、nmスケールで混合された第2族元素の酸化物、例えば、MgOとAl2O3であるか又はこれらを含み得る。
一部の実施形態では、無機担体は、混合第2族元素/Al金属酸化物形態の第1の量の第2族元素とAl及び第2族元素の酸化物形態の第2の量の第2族元素であるか又はこれらを含み得る。該実施形態では、混合第2族元素/Al金属酸化物と第2族元素の酸化物は、nmスケールで混合され得、混合第2族元素/Al金属酸化物中の第2族元素とAlは、原子スケールで混合され得る。
他の実施形態では、無機担体は、混合第2族元素/Al金属酸化物形態の第1の量の第2族元素と第1の量のAl、第2族元素の酸化物形態の第2の量の第2族元素、及びAl2O3の形態の第2の量のAlであるか又はこれらを含み得る。該実施形態では、混合第2族元素/Al金属酸化物、第2族元素の酸化物、及びAl2O3は、nmスケールで混合され得、混合第2族元素/Al金属酸化物中の第2族元素とAlは、原子スケールで混合され得る。
【0032】
一部の実施形態では、無機担体が第2族元素とAlを含むとき、無機担体中の第2族元素とAlの質量比は、0.001、0.005、0.01、0.05、0.1、0.15、0.2、0.3、0.5、0.7、又は1から3、6、12.5、25、50、75、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1,000までの範囲内であり得る。一部の実施形態では、無機担体がAlを含むとき、無機担体は、無機担体の質量に基づいて、0.5wt%、1wt%、1.5wt%、2wt%、2.1wt%、2.3wt%、2.5wt%、2.7wt%、3wt%、4wt%、5wt%、6wt%、7wt%、8wt%、9wt%、10wt%、又は11wt%から15wt%、20wt%、25wt%、30wt%、40wt%、45wt%、又は50wt%までの範囲でAlを含むことができる。
一部の実施形態では、無機担体は、限定するものではないが、下記化合物の1種以上であるか又はそれらを含み得る:MgwAl2O3+w(wは正数である);CaxAl2O3+x(xは正数である);SryAl2O3+y(yは正数である);BazAl2O3+z(zは正数である);BeO;MgO;CaO;BaO;SrO;BeCO3;MgCO3;CaCO3;SrCO3、BaCO3;CaZrO3;Ca7ZrAl6O18;CaTiO3;Ca7Al6O18;Ca7HfAl6O18;BaCeO3;1種以上のクロム酸マグネシウム、1種以上のタングステン酸マグネシウム、1種以上のモリブデン酸マグネシウム、その組み合わせ、及びその混合物。一部の実施形態では、第2族元素は、Mgを含むことができ、第2族元素の少なくとも一部はMgOの形態又はMgOを含む混合酸化物の形態であり得る。一部の実施形態では、無機担体は、限定するものではないが、MgO-Al2O3混合金属酸化物であるか又はこれを含み得る。一部の実施形態では、無機担体がMgO-Al2O3混合金属酸化物であるとき、無機担体は、20、10、5、2、1から0.5、0.1、又は0.01に等しいMgとAlのモル比を有し得る。
【0033】
MgwAl2O3+w(wは正数である)は、無機担体として又は無機担体の成分として存在する場合、0.5、1、2、3、4、又は5から6、7、8、9、又は10までの範囲のMgとAlのモル比を有し得る。一部の実施形態では、MgwAl2O3+wは、MgAl2O4、Mg2Al2O5、又はその混合物を含み得る。CaxAl2O3+x(xは正数である)は、無機担体として又は無機担体の成分として存在する場合、1:12、1:4、1:2、2:3、5:6、1:1、12:14、又は1.5:1の範囲のCaとAlのモル比を有し得る。一部の実施形態では、CaxAl2O3+xは、アルミン酸三カルシウム、七アルミン酸十二カルシウム、アルミン酸一カルシウム、二アルミン酸一カルシウム、六アルミン酸一カルシウム、アルミン酸二カルシウム、三アルミン酸五カルシウム、三アルミン酸四カルシウム、又はその任意の混合物を含み得る。SryAl2O3+y(yは正数である)は、無機担体として又は無機担体の成分として存在する場合、0.05、0.3、又は0.6から0.9、1.5、又は3までの範囲のSrとAlのモル比を有し得る。BazAl2O3+z(zは正数である)は、無機担体として又は無機担体の成分として存在する場合、0.05、0.3、又は0.6から0.9、1.5、又は3までの範囲のBaとAlのモル比を有し得る。
【0034】
一部の実施形態では、無機担体は、その上に配置された1種以上の促進剤を含むこともできる。促進剤は、限定するものではないが、Sn、Ag、Cu、その組み合わせ、若しくはその混合物であるか又はこれらを含み得る。一部の実施形態では、促進剤は、第10族元素、例えば、Ptと関連し得る。例えば、無機担体上に配置された促進剤と第10族元素は、無機担体上に分散され得る第10族元素-促進剤クラスターを形成することができる。促進剤は、存在する場合、所与のアップグレードされた炭化水素のために触媒の選択性/活性/寿命を改善することができる。一部の実施形態では、促進剤の添加は、炭化水素含有フィードがプロパンを含むときには触媒のプロピレン選択性を改善することができる。触媒は、無機担体の質量に基づいて、0.01wt%、0.1wt%、0.2wt%、0.3wt%、0.4wt%、0.5wt%、0.6wt%、0.7wt%、0.8wt%、0.9wt%、又は1wt%から3wt%、5wt%、7wt%、又は10wt%までの量で促進剤を含むことができる。
【0035】
一部の実施形態では、無機担体は、その上に配置された1種以上のアルカリ金属元素をも含み得る。アルカリ金属元素は、存在する場合、限定するものではないが、Li、Na、K、Rb、Cs、その組み合わせ、若しくはその混合物であるか又はこれらを含み得る。少なくとも一部の実施形態では、アルカリ金属元素は、K及び/若しくはCsであるか又はこれらを含み得る。アルカリ金属元素は、存在する場合、所与のアップグレードされた炭化水素のために触媒の選択性を改善することができる。触媒は、無機担体の質量に基づいて、0.01wt%、0.1wt%、0.2wt%、0.3wt%、0.4wt%、0.5wt%、0.6wt%、0.7wt%、0.8wt%、0.9wt%、又は1wt%から2wt%、3wt%、4wt%、又は5wt%までの量でアルカリ金属元素を含むことができる。一部の実施形態では、適切な触媒としては、米国特許第5,073,662号及び第6,313,063号;米国特許出願公開第2011/0301392号及び第2005/0003960号;並びに欧州特許出願公開第EP0486993A1号及び第EP1073516A1号に記載のものを挙げることができる。
【0036】
一部の実施形態では、無機担体は、限定するものではないが、第2族及び第10族以外の族から選択される少なくとも1種の金属元素及び/若しくは少なくとも1種の半金属元素並びに/又は少なくとも1種のその化合物を含むこともでき、この場合、少なくとも1種の金属元素及び/又は少なくとも1種の半金属元素は、Li、Na、K、Rb、Cs、Sn、Ag、Cuでない。担体が、第2族及び第10族以外の族から選択される金属元素及び/又は半金属元素を含む化合物をも含む場合、少なくとも1種の金属元素及び/又は少なくとも1種の半金属元素は、Li、Na、K、Rb、Cs、Sn、Ag、又はCuでなく、化合物は、担体中に酸化物、リン酸塩、ハロゲン化物、ハラート、硫酸塩、硫化物、ホウ酸塩、窒化物、炭化物、アルミン酸塩、アルミノケイ酸塩、ケイ酸塩、炭酸塩、メタリン酸塩、セレン化物、タングステン酸塩、モリブデン酸塩、亜クロム酸塩、クロム酸塩、二クロム酸塩、又はケイ化物として存在し得る。一部の実施形態では、第2族及び第10族以外の族から選択される金属元素及び/又は半金属元素を含み、少なくとも1種の金属元素及び/又は少なくとも1種の半金属元素がLi、Na、K、Rb、Cs、Sn、Ag、又はCuでない適切な化合物は、限定するものではないが、下記:B2O3、AlBO3、Al2O3、SiO2、SiC、Si3N4、アルミノケイ酸塩、アルミン酸亜鉛、ZnO、VO、V2O3、VO2、V2O5、GasOt、InuOv、Mn2O3、Mn3O4、MnO、1種以上の酸化モリブデン、1種以上の酸化タングステン、1種以上のゼオライト(s、t、u、及びvは正数である)並びにその混合物及び組み合わせであるか又はこれらを含み得る。
【0037】
無機担体の調製は、いずれの既知のプロセスによっても達成することができる。説明を単純かつ容易にするため、マグネシウムとアルミニウムの混合酸化物(Mg(Al)O又はMgO/Al2O3)を含む適切な無機担体の調製についてより詳細に述べる。触媒合成技術は周知であり、下記説明は例示目的のためであり、無機担体又は触媒の合成を限定するものとみなすべきでない。一部の実施形態では、MgO/Al2O3混合酸化物無機担体を作製するため、Mg及びAlの前駆体、例えばMg(NO3)2及びAl(NO3)3が一緒に混合、例えば、ボールミル粉砕された後にか焼され得る。別の実施形態では、2つの前駆体がH2Oに溶解され、乾燥する(場合により熱を加えて)まで撹拌された後にか焼されて無機担体を生成し得る。別の実施形態では、2つの前駆体がH2Oに溶解された後に塩基及び炭酸塩、例えばNaOH/Na2CO3が添加されてハイドロタルサイトを生成した後にか焼されて無機担体を生成し得る。別の実施形態では、市販の準備ができたMgO及びAl2O3が混合かつボールミル粉砕されて無機担体を生成し得る。別の実施形態では、Mg(NO3)2前駆体がH2Oに溶解され、この溶液が既存無機担体、例えばAl2O3無機担体上に含浸され、これが乾燥及びか焼されて無機担体を生成し得る。別の実施形態では、Mg(NO3)2からのMgがイオン吸着を介して既存Al2O3無機担体上に積載された後に液固分離、乾燥及びか焼されて無機担体を生成し得る。理論によって束縛されることを望むものではないが、上記方法及び/又は他の方法のいずれの方法によって生成される無機担体も、(i)nmスケールで一緒に混合されたMg及びAl、(ii)混合Mg/Al金属酸化物の形態のMg及びAl、又は(iii)(i)と(ii)の組み合わせを含み得る。
【0038】
第10族金属及びいずれもの促進剤及び/又はいずれものアルカリ金属元素は、いずれの既知技術によっても混合酸化物無機担体上に積載され得る。例えば、1種以上の第10族元素前駆体、例えば、クロロ白金酸、硝酸テトラアンミン白金、及び/又はテトラアンミン白金水酸化物、1種以上の促進剤前駆体(使用する場合)、例えば、SnCl4及び/又はAgNO3等の塩、及び1種以上のアルカリ金属元素前駆体(使用する場合)、例えば、KNO3、KCl、及び/又はNaClが水に溶解され得る。この溶液は、無機担体上に含浸された後に乾燥及びか焼され得る。一部の実施形態では、第10族元素前駆体並びに場合により促進剤前駆体及び/又はアルカリ金属元素前駆体が無機担体上に同時に、又は別々に、乾燥及び/又はか焼ステップによって隔てられたシーケンスで積載され得る。他の実施形態では、第10族元素並びに、場合により促進剤及び/又はアルカリ金属元素が、化学蒸着によって無機担体上に積載されることがあり、この場合、前駆体が揮発して担体上に蒸着された後にか焼される。他の実施形態では、第10族元素前駆体並びに、場合により、促進剤前駆体及び/又はアルカリ金属前駆体が無機担体上にイオン吸着を介して積載された後に液固分離、乾燥及びか焼され得る。場合により、触媒は、ワンポット合成法を利用して合成されることもあり、この方法では、合成を助けるためのいずれもの他の添加剤の有無にかかわらず、無機担体の前駆体、第10族金属活性相及び促進剤が乾式又は湿式で全て一緒に混合された後に乾燥及びか焼される。
【0039】
本明細書で開示する触媒の調製に利用できる適切なプロセスとしては、米国特許第4,788,371号;第4,962,265号;第5,922,925号;第8,653,317号;欧州特許第EP0098622号;Journal of Catalysis 94 (1985), pp. 547-557;及び/又はApplied Catalysis 54 (1989), pp. 79-90に記載のプロセスを挙げることができる。
合成されたままの触媒は、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡下で調べると、一次粒子のように、一次粒子の集塊のように、凝集した一次粒子のように、又はその組み合わせのように見え得る。合成されたままの触媒中の一次粒子は、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡で調べると、0.2nm、0.5nm、1nm、5nm、10nm、25nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、150nm、200nm、250nm、300nm、350nm、400nm、450nm、又は500nmから1μm、10μm、25μm、50μm、100μm、150μm、200μm、250μm、300μm、400μm、又は500μmまでの範囲の平均粒子サイズ、例えば、球の場合は直径を有し得る。一部の実施形態では、触媒粒子は、透過型電子顕微鏡で測定して0.2nm~500μm、0.5nm~300μm、1nm~200μm、2nm~100μm、又は2nm~500nmの平均断面長を有し得る。
触媒は、0.1m2/g、1m2/g、10m2/g、又は100m2/gから500m2/g、800m2/g、1,000m2/g、又は1,500m2/gまでの範囲の表面積を有し得る。触媒の表面積は、4時間350℃で粉末を脱気した後にMicromeritics 3flex機器による窒素の吸着-脱着(液体窒素の温度、77K)を利用するブルナウアー‐エメット‐テラー(BET)法に従って測定することができる。この方法に関するさらなる情報は、例えば、“Characterization of Porous Solids and Powders: Surface Area, Pore Size and Density,” S. Lowell et al., Springer, 2004で見つけられる。
【0040】
一部の実施形態では、無機担体は、押し出されるか又は他の方法で任意の望ましいモノリシック構造体に形成され、その上に第10族元素並びにいずれもの任意的促進剤及び/又はアルカリ金属元素が配置され得る。適切なモノリシック構造体は、限定するものではないが、複数の実質的に平行の内部通路を有する構造、例えば、セラミックハニカムの形態の構造であるか又はそれを含み得る。一部の実施形態では、担体は、ビーズ、球、環、ドーナツ形状、不規則形状、棒、円筒、フレーク、フィルム、立方体、多角幾何形状、シート、繊維、コイル、らせん、メッシュ、焼結多孔性塊、顆粒、ペレット、タブレット、粉末、微粒子、押出物、布又はウェブ型材料、ハニカムマトリックスモノリスの形態(粉砕又は破砕形態を含めて)であってよく、その上に第10族元素並びにいずれもの任意的促進剤及び/又はアルカリ金属元素が配置され得る。
合成されたままの触媒は、様々な短サイクル(≦5時間)の炭化水素アップグレードプロセスに適した1つ以上の形態に配合され得る。或いは、担体は、第10族元素、並びにいずれもの任意的促進剤及び/又はアルカリ金属元素の添加前に、様々な短サイクルの炭化水素アップグレードプロセスに適した形態に配合され得る。配合中に、1種以上の結合剤及び/又は添加剤が触媒及び/又は担体に添加されて触媒の化学的/物理的性質を改善することができる。例えば、FCC型流動床反応器には典型的に40μm~100μmの範囲の平均断面直径を有する噴霧乾燥触媒粒子が使用される。噴霧乾燥触媒を作製するためには、噴霧乾燥及びか焼前に、結合剤/添加剤で担体/触媒をスラリーにして、スラリー中に結合剤/添加剤がある状態にする必要がある。
【0041】
炭化水素アップグレードプロセス
炭化水素アップグレードプロセスに戻って、炭化水素含有フィードと触媒及び/又は再生触媒の少なくとも一部は、任意の適切な環境内、例えば1つ以上の反応器内に配置された1つの以上の反応ゾーン又は変換ゾーン内で互いに接触されて流出物及び少なくとも部分的に失活した触媒を生成することができる。一部の実施形態では、反応ゾーン又は変換ゾーンは配置されるか又は他の方法で1つ以上の固定床反応器、1つ以上の流動若しくは移動床反応器、1つ以上の逆流反応器、又はその任意の組み合わせ内に位置し得る。
炭化水素含有フィードと、触媒及び/又は再生触媒の少なくとも一部は、300℃、350℃、400℃、450℃、500℃、550℃、600℃、620℃、650℃、660℃、670℃、680℃、690℃、又は700℃から725℃、750℃、760℃、780℃、800℃、825℃、850℃、875℃、又は900℃までの範囲の温度で接触され得る。一部の実施形態では、炭化水素含有フィードと、触媒及び/又は再生触媒の少なくとも一部は、少なくとも620℃、少なくとも650℃、少なくとも660℃、少なくとも670℃、少なくとも680℃、少なくとも690℃、又は少なくとも700℃から725℃、750℃、760℃、780℃、800℃、825℃、850℃、875℃、又は900℃までの範囲の温度で接触され得る。炭化水素含有フィードは、反応ゾーン又は変換ゾーンに導入され、その中で触媒及び/又は再生触媒の少なくとも一部と、≦3時間、≦2.5時間、≦2時間、≦1.5時間、≦1時間、≦45分、≦30分、≦20分、≦10分、≦5分、≦1分、≦30秒、≦10秒、≦5秒、又は≦1秒又は≦0.5秒の時間にわたって接触され得る。一部の実施形態では、炭化水素含有フィードは、触媒及び/又は再生触媒の少なくとも一部と、0.1秒、0.5秒、0.7秒、1秒、30秒、1分、5分、又は10分から30分、50分、70分、1.5時間、2時間、又は3時間までの範囲の時間にわたって接触され得る。
【0042】
炭化水素含有フィードと触媒及び/又は再生触媒の少なくとも一部は少なくとも20kPa絶対圧の炭化水素分圧下で接触され得、この場合、炭化水素分圧は、炭化水素含有フィード中のいずれものC2-C16アルカン及びいずれものC8-C16アルキル芳香族炭化水素の総分圧である。一部の実施形態では、炭化水素含有フィードと触媒及び/又は再生触媒の少なくとも一部の接触中の炭化水素分圧は、20kPa絶対圧、50kPa絶対圧、100kPa絶対圧、少なくとも150kPa、少なくとも200kPa絶対圧、300kPa絶対圧、500kPa絶対圧、750kPa絶対圧、又は1,000kPa絶対圧から1,500kPa絶対圧、2,500kPa絶対圧、4,000kPa絶対圧、5,000kPa絶対圧、7,000kPa絶対圧、8,500kPa絶対圧、又は10,000kPa絶対圧までの範囲であり得、この場合、炭化水素分圧は、炭化水素含有フィード中のいずれものC2-C16アルカン及びいずれものC8-C16アルキル芳香族炭化水素の総分圧である。他の実施形態では、炭化水素含有フィードと触媒及び/又は再生触媒の少なくとも一部の接触中の炭化水素分圧は、20kPa絶対圧、50kPa絶対圧、100kPa絶対圧、150kPa絶対圧、200kPa絶対圧、250kPa絶対圧、又は300kPa絶対圧から500kPa絶対圧、600kPa絶対圧、700kPa絶対圧、800kPa絶対圧、900kPa絶対圧、又は1,000kPa絶対圧までの範囲であり得、この場合、炭化水素分圧は、炭化水素含有フィード中のいずれものC2-C16アルカン及びいずれものC8-C16アルキル芳香族炭化水素の総分圧である。
【0043】
一部の実施形態では、炭化水素含有フィードは、炭化水素含有フィードの総体積に基づいて、少なくとも60vol%、少なくとも65vol%、少なくとも70vol%、少なくとも75vol%、少なくとも80vol%、少なくとも85vol%、少なくとも90vol%、少なくとも95vol%、又は少なくとも99vol%の単一のC2-C16アルカン、例えば、プロパンを含み得る。炭化水素含有フィードと触媒及び/又は再生触媒の少なくとも一部は、少なくとも20kPa絶対圧、少なくとも50kPa絶対圧、少なくとも100kPa絶対圧、少なくとも150kPa絶対圧、少なくとも250kPa絶対圧、少なくとも300kPa絶対圧、少なくとも400kPa絶対圧、少なくとも500kPa絶対圧、又は少なくとも1,000kPa絶対圧の単一のC2-C16アルカン、例えば、プロパンの圧力下で接触され得る。
炭化水素含有フィードは、反応ゾーン又は変換ゾーン内で、アップグレードプロセスを行うのに有効な任意の質量毎時空間速度(WHSV)で触媒及び/又は再生触媒の少なくとも一部と接触され得る。一部の実施形態では、WHSVは0.01時間-1、0.1時間-1、1時間-1、2時間-1、5時間-1、10時間-1、20時間-1、30時間-1、又は50時間-1から100時間-1、250時間-1、500時間-1、又は1,000時間-1までであり得る。一部の実施形態では、炭化水素アップグレードプロセスが、流動化又は他の方法で移動する触媒及び/又は移動する再生触媒を含むとき、触媒の循環質量流量の、いずれものC2-C16アルカン及びいずれものC8-C16アルキル芳香族炭化水素の質量流量の合計量に対する比は、質量対質量基準で1、3、5、10、15、20、25、30、又は40から50、60、70、80、90、100、110、125、又は150までの範囲内であり得る。
【0044】
少なくとも部分的に失活した触媒の活性が所望の最小量未満に低下すると、少なくとも部分的に失活した触媒又はその少なくとも一部は、上記再生プロセスを受けて再生触媒を生成することができる。少なくとも部分的に失活した触媒の再生が、特定の反応器構成に応じて、反応ゾーン若しくは変換ゾーン内又は反応ゾーン若しくは変換ゾーンから離れた別の燃焼ゾーン内で起こって再生触媒を生成することができる。例えば、触媒の再生は、固定床反応器又は逆流反応器が使用されるときには反応ゾーン又は変換ゾーン内で、或いは流動床反応器又は他の循環若しくは流動型反応器が使用されるときには反応ゾーン又は変換ゾーンから離れた別のものであり得る個別燃焼ゾーン内で起こり得る。同様に、任意的還元ステップは、反応ゾーン又は変換ゾーン内で、燃焼ゾーン内で、及び/又は個別還元ゾーン内で起こることもある。従って、固定床反応器や逆流反応器で一般に利用されるプロセスのような循環式プロセス及び/又は流動床反応器で一般に利用される連続式プロセスで、炭化水素含有フィードは触媒と接触されて炭化水素含有フィードの少なくとも一部の脱水素、脱水素芳香族化、及び脱水素環化の1つ以上を引き起こして、コークス化触媒と、1種以上のアップグレードされた炭化水素及び分子水素を含む第1の流出物とを生成することができる。必要に応じて、サイクロン分離器等の1つ以上の分離器によって、アップグレードされた炭化水素及び分子水素を含む流出物のコークス化触媒からの分離を達成することができる。上述したように、酸化的ガスは、限定するものではないが、O2、O3、CO2、若しくはその混合物であるか又はこれらを含むことができ、かつ5モル%以下のH2Oを含み得る。一部の実施形態では、触媒上に配置された混入物、例えばコークスの100%の燃焼に必要な量を超える量の酸化的ガスを使用して、触媒からの混入物除去率を高くし、結果として混入物除去に必要な時間を短縮し、所与の時間内に生成されるアップグレードされた生成物の収率増加をもたらすことができる。
【0045】
炭化水素含有フィード
C2-C16アルカンは、限定するものではないが、エタン、プロパン、n-ブタン、イソブタン、n-ペンタン、イソペンタン、n-ヘキサン、2-メチルペンタン、3-メチルペンタン、2,2-ジメチルブタン、n-ヘプタン、2-メチルヘキサン、2,2,3-トリメチルブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、エチルシクロペンタン、n-プロピルシクロペンタン、1,3-ジメチルシクロヘキサン、若しくはその混合物であるか又はこれらを含み得る。例えば、炭化水素含有フィードは、脱水素されてプロピレンを生成し得るプロパン、及び/又は脱水素されてイソブチレンを生成し得るイソブタンを含むことができる。別の例では、炭化水素含有フィードは、触媒との接触時に気相内にあり得る液化石油ガス(LPガス)を含むことができる。一部の実施形態では、炭化水素含有フィード中の炭化水素は、実質的にプロパン等の単一アルカンで構成され得る。一部の実施形態では、炭化水素含有フィードは、炭化水素含有フィード中の全ての炭化水素の総質量に基づいて、≧50モル%、≧75モル%、≧95モル%、≧98モル%、又は≧99モル%の単一C2-C16アルカン、例えば、プロパンを含み得る。一部の実施形態では、炭化水素含有フィードは、炭化水素含有フィードの総体積に基づいて、少なくとも50vol%、少なくとも55vol%、少なくとも60vol%、少なくとも65vol%、少なくとも70vol%、少なくとも75vol%、少なくとも80vol%、少なくとも85vol%、少なくとも90vol%、少なくとも95vol%、少なくとも97vol%、又は少なくとも99vol%の単一C2-C16アルカン、例えば、プロパンを含み得る。
【0046】
C8-C16アルキル芳香族炭化水素は、限定するものではないが、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、1種以上のエチルトルエン、若しくはその混合物であるか又はこれらを含み得る。一部の実施形態では、炭化水素含有フィードは、炭化水素含有フィード中の全ての炭化水素の総質量に基づいて、≧50モル%、≧75モル%、≧95モル%、≧98モル%、又は≧99モル%の単一C8-C16アルキル芳香族炭化水素、例えば、エチルベンゼンを含み得る。一部の実施形態では、エチルベンゼンは、脱水素されてスチレンを生成することができる。そのため、一部の実施形態では、本明細書で開示するプロセスは、プロパン脱水素、ブタン脱水素、イソブタン脱水素、ペンタン脱水素、シクロペンタジエンへのペンタン脱水素環化、ナフサ改質、エチルベンゼン脱水素、エチルトルエン脱水素等を含み得る。
【0047】
一部の実施形態では、炭化水素含有フィードは、1種以上の希釈剤、例えば1種以上の不活性ガスで希釈され得る。適切な不活性ガスは、限定するものではないが、Ar、Ne、He、N2、CO2、CH4、若しくはその混合物であるか又はこれらを含み得る。炭化水素含有フィードが希釈剤を含む場合、炭化水素含有フィードは、炭化水素含有フィード中のいずれものC2-C16アルカン及びいずれものC8-C16アルキル芳香族炭化水素の総体積に基づいて、0.1vol%、0.5vol%、1vol%、又は2vol%から3vol%、8vol%、16vol%、又は32vol%までの希釈剤を含み得る。
一部の実施形態では、炭化水素含有フィードは、H2を含むこともできる。一部の実施形態では、炭化水素含有フィードがH2を含むとき、H2と、いずれものC2-C16アルカン及びいずれものC8-C16アルキル芳香族炭化水素の合計量のモル比は、0.1、0.3、0.5、0.7、又は1から2、3、4、5、6、7、8、9、又は10までの範囲内であり得る。
【0048】
一部の実施形態では、炭化水素含有フィードには如何なる水蒸気も実質的になく、例えば、炭化水素含有フィード中のいずれものC2-C16アルカン及びいずれものC8-C16アルキル芳香族化合物の総体積に基づいて<0.1vol%の水蒸気があり得る。他の実施形態では、炭化水素含有フィードは、水蒸気を含み得る。例えば、炭化水素含有フィードは、炭化水素含有フィード中のいずれものC2-C16アルカン及びいずれものC8-C16アルキル芳香族炭化水素の総体積に基づいて、0.1vol%、0.3vol%、0.5vol%、0.7vol%、1vol%、3vol%、又は5vol%から10vol%、15vol%、20vol%、25vol%、30vol%、35vol%、40vol%、45vol%、又は50vol%までの水蒸気を含み得る。他の実施形態では、炭化水素含有フィードは、炭化水素含有フィード中のいずれものC2-C16アルカン及びいずれものC8-C16アルキル芳香族炭化水素の総体積に基づいて、≦50vol%、≦45vol%、≦40vol%、≦35vol%、≦30vol%、≦25vol%、≦20vol%、又は≦15vol%の水蒸気を含み得る。他の実施形態では、炭化水素含有フィードは、炭化水素含有フィード中のいずれものC2-C16アルカン及びいずれものC8-C16アルキル芳香族炭化水素の総体積に基づいて、少なくとも1vol%、少なくとも3vol%、少なくとも5vol%、少なくとも10vol%、少なくとも15vol%、少なくとも20vol%、少なくとも25vol%、又は少なくとも30vol%の水蒸気を含み得る。
【0049】
一部の実施形態では、炭化水素含有フィードは硫黄を含むことができる。例えば、炭化水素含有フィードは、0.5ppm、1ppm、5ppm、10ppm、20ppm 30ppm、40ppm、50ppm、60ppm、70ppm、又は80ppmから100ppm、150ppm、200ppm、300ppm、400ppm、又は500ppmまでの範囲の硫黄を含み得る。他の実施形態では、炭化水素含有フィードは、1ppm~10ppm、10ppm~20ppm、20ppm~50ppm、50ppm~100ppm、又は100ppm~500ppmの範囲の硫黄を含み得る。硫黄は、炭化水素含有フィード中に存在する場合、限定するものではないが、H2S、ジメチルジスルフィド、1種以上のメルカプタンとして、若しくはその任意の混合物であるか又はこれらを含み得る。
炭化水素フィードには分子酸素が実質的にないか又は全くない可能性がある。一部の実施形態では、炭化水素フィードは、≦5モル%、≦3モル%、又は≦1モル%の分子酸素(O2)を含み得る。分子酸素が実質的にない炭化水素フィードを供給すると、さもなければ炭化水素フィード中のアルカン及び/又はアルキル芳香族炭化水素の少なくとも一部を消費することになる酸化的カップリング反応を実質的に防止すると考えられる。
【0050】
アップグレードされた炭化水素の回収及び使用
アップグレードされた炭化水素は、少なくとも1種のアップグレードされた炭化水素、例えば、オレフィン、水、未反応炭化水素、分子水素等を含み得る。アップグレードされた炭化水素は回収され得るか又は任意の便利なプロセス経由で、例えば1以上の従来のプロセスによって他の方法で得られる。1つの該プロセスは、流出物を冷却及び/又は圧縮して、存在し得るいずれもの水及びいずれもの重質炭化水素の少なくとも一部を濃縮し、主に気相内にオレフィン及びいずれもの未反応アルカン又はアルキル芳香族炭化水素を残すステップを含み得る。次に1つ以上のセパレータードラム内の反応生成物からオレフィン及び未反応アルカン又はアルキル芳香族炭化水素が除去され得る。例えば、1つ以上のスプリッター又は蒸留塔を用いて未反応炭化水素フィードから脱水素生成物を分離することができる。
一部の実施形態では、回収オレフィン、例えば、プロピレンはポリマーを生成するために使用可能であり、例えば、回収プロピレンが重合されて、回収プロピレン由来のセグメント又は単位を有するポリマー、例えばポリプロピレン、エチレン-プロピレンコポリマー等を生成し得る。回収イソブテンは、例えば、含酸素化合物、例えばメチルtert-ブチルエーテル、燃料添加剤、例えばジイソブテン、合成エラストマーポリマー、例えばブチルゴム等の1種以上を生成するために使用可能である。
【実施例】
【0051】
実施例:
前述の考察を下記非限定例を参照してさらに説明することができる。下記手順に従って触媒1~27及び比較触媒を調製した。
触媒1:下記手順に従って触媒を調製した。ハイドロタルサイトをか焼することによって得られたMgO-Al2O混合金属酸化物である2.3gのPURALOX(登録商標)MG70/170(Sasol)を確保した。混合金属酸化物は70wt%のMgO及び30wt%のAl2O3を含有した。SasolによればBET表面積は170m2/gだった。塩化スズ(IV)五水和物(0.103g)(Acros Organics)、クロロ白金酸六水和物(0.0184g)(BioXtra)、及び脱イオン水(2.2mL)を小型ガラスバイアル中で混合して溶液を作った。この溶液をPURALOX(登録商標)MG70/170担体に含浸させた。全て空気中で、含浸材料を110℃で6時間乾燥させ、800℃で12時間か焼した。最終生成物は、名目上は0.3wt%のPt及び1.5wt%のSnを含有した。
触媒2:下記手順に従って触媒を調製した。ハイドロタルサイトをか焼することによって得られたMgO-Al2O混合金属酸化物である3gのPURALOX(登録商標)MG80/150(Sasol)を確保した。混合金属酸化物は80wt%のMgO及び20wt%のAl2O3を含有した。SasolによればBET表面積は150m2/gだった。塩化スズ(IV)五水和物(0.134g)(Acros Organics)、クロロ白金酸六水和物(0.024g)(BioXtra)、及び脱イオン水(2.25mL)を小型ガラスバイアル中で混合して溶液を作った。この溶液をPURALOX(登録商標)MG80/150担体に含浸させた。含浸材料を密閉容器内に室温で24時間放置した後、全て空気中で、110℃で6時間乾燥させ、800℃で12時間か焼した。最終生成物は、名目上は0.3wt%のPt及び1.5wt%のSnを含有した。
【0052】
触媒3:触媒は、Mg/Al混合酸化物担体に担持されたSn含有Pt系触媒だった。元素分析は、触媒が、金属元素の総質量に基づいて0.48wt%のPt、1.25wt%のSn、67.93wt%のMg、及び29.23wt%のAlを含有し、MgとAlのモル比が約2.58であることを示した。
触媒4:下記手順に従って触媒を調製した。ハイドロタルサイトをか焼することによって得られたMgO-Al2O混合金属酸化物である3gのPURALOX(登録商標)MG30/260(Sasol)を確保した。混合金属酸化物は30wt%のMgO及び70wt%のAl2O3を含有した。SasolによればBET表面積は260m2/gだった。塩化スズ(IV)五水和物(0.134g)(Acros Organics)、クロロ白金酸六水和物(0.024g)(BioXtra)、及び脱イオン水(3.15mL)を小型ガラスバイアル中で混合して溶液を作った。この溶液をPURALOX(登録商標)MG30/260担体に含浸させた。含浸材料を密閉容器に室温で120時間保管した後、全て空気中で、110℃で6時間乾燥させ、800℃で12時間か焼した。最終生成物は、名目上は0.3wt%のPt及び1.5wt%のSnを含有した。
触媒5:下記手順に従って触媒を調製した。ハイドロタルサイトをか焼することによって得られたMgO-Al2O混合金属酸化物である3gのPURALOX(登録商標)MG30/70(Sasol)を確保した。混合金属酸化物は30wt%のMgO及び70wt%のAl2O3を含有した。SasolによればBET表面積は70m2/gだった。Puralox MG30/70は、Puralox MG30/260より多くのMgAl2O4スピネル相を含有した。塩化スズ(IV)五水和物(0.134g)(Acros Organics)、クロロ白金酸六水和物(0.024g)(BioXtra)、及び脱イオン水(2.4mL)を小型ガラスバイアル中で混合して溶液を作った。この溶液をPURALOX(登録商標)MG30/70担体に含浸させた。含浸材料を密閉容器に室温で120時間保管した後、全て空気中で、110℃で6時間乾燥させ、800℃で12時間か焼した。最終生成物は、名目上は0.3wt%のPt及び1.5wt%のSnを含有した。
【0053】
触媒6:下記手順に従って触媒を調製した。主にMgAl2O4スピネルである2.3gのPURALOX(登録商標)MG28/100(Sasol)を確保した。SasolによればBET表面積は100m2/gだった。塩化スズ(IV)五水和物(0.103g)(Acros Organics)、クロロ白金酸六水和物(0.0184g)(BioXtra)及び脱イオン水(2.4mL)を小型ガラスバイアル中で混合して溶液を作った。この溶液をPURALOX(登録商標)MG28/100担体に含浸させた。全て空気中で、含浸材料を110℃で6時間乾燥させ、800℃で12時間か焼した。最終生成物は、名目上は0.3wt%のPt及び1.5wt%のSnを含有した。
触媒7:下記手順に従って触媒を調製した。Mg/Al系ハイドロタルサイトである3.5gのPURAL(登録商標)MG70(Sasol)を確保した。これは、550℃で3時間活性化すると、70wt%のMgO及び30wt%のAl2O3を含有するMgO-Al2O3混合金属酸化物を形成する。塩化スズ(IV)五水和物(0.103g)(Acros Organics)、クロロ白金酸六水和物(0.0184g)(BioXtra)、及び脱イオン水(2.6mL)を小型ガラスバイアル中で混合して溶液を作った。この溶液をPURAL 70担体に含浸させた。含浸材料を密閉容器に室温で24時間保管した後、全て空気中で、110℃で6時間乾燥させ、800℃で12時間か焼した。最終生成物は、名目上は0.3wt%のPt及び1.5wt%のSnを含有した。
触媒8:下記手順に従って触媒を調製した。2.5gのMgO(50nm、Sigma Aldrich)を確保した。塩化スズ(IV)五水和物(0.0158g)(Acros Organics)、クロロ白金酸六水和物(0.0314g)(BioXtra)、及び脱イオン水(1mL)を小型ガラスバイアル中で混合して溶液を作った。この溶液をMgO担体に含浸させた。全て空気中で、含浸材料を110℃で6時間乾燥させ、800℃で12時間か焼した。最終生成物は、名目上は0.5wt%のPt及び0.25wt%のSnを含有した。
【0054】
触媒9:3gのアルミナ(Sigma Aldrich)、1.93gの硝酸マグネシウム六水和物(Sigma Aldrich)及び2.06gの脱イオン水を60℃に設定したホットプレート上で混合し、混合物が乾燥するまで撹拌した。混合物を全て空気中で、さらに110℃に6時間加熱し、800℃で12時間か焼した。得られた固体担体は91wt%のAl2O3及び9wt%のMgOを含有した。塩化スズ(IV)五水和物(0.134g)(Acros Organics)、クロロ白金酸六水和物(0.0244g)(BioXtra)、及び脱イオン水(1mL)を小型ガラスバイアル中で混合して溶液を作った。この溶液を上記固体担体上に含浸させた。全て空気中で、含浸材料を110℃で6時間乾燥させ、800℃で12時間か焼した。最終生成物は、名目上は0.3wt%のPt及び1.5wt%のSnを含有した。
触媒10:下記手順に従って触媒を調製した。ハイドロタルサイトをか焼することによって得られたMgO-Al2O3混合金属酸化物である20gのPURALOX(登録商標)MG70/170(Sasol)を確保した。混合金属酸化物は70wt%のMgO及び30wt%のAl2O3を含有した。SasolによればBET表面積は170m2/gだった。適量の硝酸銀、硝酸テトラアンミン白金(II)、脱イオン水を混合して溶液を形成した。この溶液をPURALOX(登録商標)MG70/170担体に含浸させた。含浸材料を密閉容器に室温で1時間保管した後、全て空気中で、120℃で一晩乾燥させ、800℃で12時間か焼した。最終生成物は、名目上は0.3wt%のPt及び1.5wt%のAgを含有した。
触媒11:下記手順に従って触媒を調製した。ハイドロタルサイトをか焼することによって得られたMgO-Al2O3混合金属酸化物である20gのPURALOX(登録商標)MG70/170(Sasol)を確保した。混合金属酸化物は70wt%のMgO及び30wt%のAl2O3を含有した。SasolによればBET表面積は170m2/gだった。適量の硝酸銅三水和物、硝酸テトラアンミン白金(II)、及び脱イオン水を混合して溶液を形成した。この溶液をPURALOX(登録商標)MG 70/170担体に含浸させた。含浸材料を密閉容器に室温で1時間保管した後、全て空気中で、120℃で一晩乾燥させ、800℃で12時間か焼した。最終生成物は、名目上は0.3wt%のPt及び1.5wt%のCuを含有した。
【0055】
触媒12:下記手順に従って触媒を調製した。ハイドロタルサイトをか焼することによって得られたMgO-Al2O3混合金属酸化物である20gのPURALOX(登録商標)MG70/170(Sasol)を確保した。混合金属酸化物は70wt%のMgO及び30wt%のAl2O3を含有した。SasolによればBET表面積は170m2/gだった。適量の硝酸ガリウム(III)、硝酸テトラアンミン白金(II)、及び脱イオン水を混合して溶液を形成した。この溶液をPURALOX(登録商標)MG70/170担体に含浸させた。含浸材料を密閉容器に室温で1時間保管した後、全て空気中で、120℃で一晩乾燥させ、800℃で12時間か焼した。最終生成物は、名目上は0.3wt%のPt及び1.5wt%のGaを含有した。
触媒13:下記手順に従って触媒を調製した。ハイドロタルサイトをか焼することによって得られたMgO-Al2O3混合金属酸化物である2.3gのPURALOX(登録商標)MG80/150(Sasol)を確保した。混合金属酸化物は80wt%のMgO及び20wt%のAl2O3を含有した。SasolによればBET表面積は150m2/gだった。塩化スズ(IV)五水和物(0.054g)(Acros Organics)、クロロ白金酸六水和物(0.0184g)(BioXtra)、及び脱イオン水(1.725mL)を小型ガラスバイアル中で混合して溶液を作った。この溶液をPURALOX(登録商標)MG80/150担体に含浸させた。全て空気中で、含浸材料を110℃で6時間乾燥させ、800℃で12時間か焼した。最終生成物は、名目上は0.3wt%のPt及び0.75wt%のSnを含有した。
触媒14:下記手順に従って触媒を調製した。ハイドロタルサイトをか焼することによって得られたMgO-Al2O3混合金属酸化物である2.3gのPURALOX(登録商標)MG80/150(Sasol)を確保した。混合金属酸化物は80wt%のMgO及び20wt%のAl2O3を含有した。SasolによればBET表面積は150m2/gだった。塩化スズ(IV)五水和物(0.103g)(Acros Organics)、クロロ白金酸六水和物(0.0184g)(BioXtra)、及び脱イオン水(1.725mL)を小型ガラスバイアル中で混合して溶液を作った。この溶液をPURALOX(登録商標)MG80/150担体に含浸させた。全て空気中で、含浸材料を110℃で6時間乾燥させ、800℃で12時間か焼した。最終生成物は、名目上は0.3wt%のPt及び1.5wt%のSnを含有した。
【0056】
触媒15:下記手順に従って触媒を調製した。ハイドロタルサイトをか焼することによって得られたMgO-Al2O3混合金属酸化物である2.3gのPURALOX(登録商標)MG80/150(Sasol)を確保した。混合金属酸化物は80wt%のMgO及び20wt%のAl2O3を含有した。SasolによればBET表面積は150m2/gだった。塩化スズ(IV)五水和物(0.214g)(Acros Organics)、クロロ白金酸六水和物(0.0184g)(BioXtra)、及び脱イオン水(1.725mL)を小型ガラスバイアル中で混合して溶液を作った。この溶液をPURALOX(登録商標)MG80/150担体に含浸させた。全て空気中で、含浸材料を110℃で6時間乾燥させ、800℃で12時間か焼した。最終生成物は、名目上は0.3wt%のPt及び3.0wt%のSnを含有した。
触媒16:下記手順に従って触媒を調製した。ハイドロタルサイトをか焼することによって得られたMgO-Al2O3混合金属酸化物である5gのPURALOX(登録商標)MG80/150(Sasol)を確保した。混合金属酸化物は80wt%のMgO及び20wt%のAl2O3を含有した。SasolによればBET表面積は150m2/gだった。塩化スズ(IV)五水和物(0.100g)(Acros Organics)、クロロ白金酸六水和物(0.04g)(BioXtra)、及び脱イオン水(3.75mL)を小型ガラスバイアル中で混合して溶液を作った。この溶液をPURALOX(登録商標)MG80/150担体に含浸させた。全て空気中で、含浸材料を110℃で6時間乾燥させ、800℃で12時間か焼した。最終生成物は、名目上は0.3wt%のPt及び0.67wt%のSnを含有した。
触媒17:KNO3(0.00812g)を小型ガラスバイアル中で脱イオン水(0.7mL)と混合して溶液を作った。この溶液を触媒16(1.5g)に含浸させた。全て空気中で、含浸材料を110℃で6時間乾燥させ、800℃で12時間か焼した。最終生成物は、名目上は0.3wt%のPt、0.67wt%のSn及び0.21wt%のKを含有した。
【0057】
触媒18:下記手順に従って触媒を調製した。ハイドロタルサイトをか焼することによって得られたMgO-Al2O3混合金属酸化物である2.3gのPURALOX(登録商標)MG80/150(Sasol)を確保した。混合金属酸化物は80wt%のMgO及び20wt%のAl2O3を含有した。SasolによればBET表面積は150m2/gだった。塩化スズ(IV)五水和物(0.103g)(Acros Organics)、クロロ白金酸六水和物(0.0307g)(BioXtra)、及び脱イオン水(1.725mL)を小型ガラスバイアル中で混合して溶液を作った。この溶液をPURALOX(登録商標)MG80/150担体に含浸させた。全て空気中で、含浸材料を100℃で10時間乾燥させ、800℃で15時間か焼した。最終生成物は、名目上は0.5wt%のPt及び1.5wt%のSnを含有した。
触媒19:下記手順に従って触媒を調製した。ハイドロタルサイトをか焼することによって得られたMgO-Al2O3混合金属酸化物である2.3gのPURALOX(登録商標)MG80/150(Sasol)を確保した。混合金属酸化物は80wt%のMgO及び20wt%のAl2O3を含有した。SasolによればBET表面積は150m2/gだった。塩化スズ(IV)五水和物(0.103g)(Acros Organics)、クロロ白金酸六水和物(0.0187g)(BioXtra)、及び脱イオン水(1.725mL)を小型ガラスバイアル中で混合して溶液を作った。この溶液をPURALOX(登録商標)MG80/150担体に含浸させた。全て空気中で、含浸材料を100℃で10時間乾燥させ、800℃で15時間か焼した。最終生成物は、名目上は0.3wt%のPt及び1.5wt%のSnを含有した。
触媒20:下記手順に従って触媒を調製した。ハイドロタルサイトをか焼することによって得られたMgO-Al2O3混合金属酸化物である2.3gのPURALOX(登録商標)MG80/150(Sasol)を確保した。混合金属酸化物は80wt%のMgO及び20wt%のAl2O3を含有した。SasolによればBET表面積は150m2/gだった。80mLの脱イオン水を満たした200mLのビーカーにPURALOX(登録商標)MG80/150担体を移した。混合物を撹拌してスラリーAを形成した。塩化スズ(II)二水和物(0.0663g)(Sigma Aldrich)と発煙HCl(2mL)を混合して溶液Aを形成した。クロロ白金酸六水和物(0.0307g)(BioXtra)を脱イオン水(10mL)と混合して溶液Bを形成した。溶液Aと溶液Bを混合して、琥珀色を有する溶液Cを形成した。溶液CをスラリーAに滴加し、45分間撹拌した。結果として生じた混合物を濾過してフィルターケークを形成し、十分な脱イオン水で3回洗浄した。フィルターケークの洗浄からの上澄みと廃水は両方とも無色だった。全て空気中で、フィルターケークを100℃で10時間乾燥させ、800℃で15時間か焼した。最終生成物は、名目上は0.5wt%のPt及び1.5wt%のSnを含有した。
【0058】
触媒21:Mg(NO3)2・6H2O(44.58g)(Sigma-Aldrich)とAl(NO3)3・9H2O(51.55g)(Sigma-Aldrich)を脱イオン水(100g)に溶かすことによって1/1(wt/wt)のMg/Al混合金属酸化物担体を作製した。溶液を70℃で撹拌して、固体が生成し始めるまで水を蒸発させた。この材料を次に全て空気中で、200℃で4時間、次に800℃で4時間か焼した。この材料を最後にメノウ製カップ内で500rpmにて2時間ボールミル粉砕して担体を得た。
ガラスバイアル中で、クロロ白金酸六水和物(0.1280g)(Sigma Aldrich)及び塩化スズ(II)二水和物(0.0998g)(Fluka)を脱イオン水(10.4960g)に溶かして濃いオレンジ色の清澄溶液を得た。Mg/Al混合金属酸化物担体(13.3279g)を50mLのプラスチックボトルに移し、これにPt/Sn溶液(9.8957g)を加えた。この材料を小型実験用シェーカーを用いて均質な薄いオレンジ色の粉末が得られるまで混合した。この金属含浸材料を120℃で4時間、次に800℃で12時間、全て空気中でか焼した。最終生成物は、名目上は0.33wt%のPt及び0.33wt%のSnを含有した。
触媒22:Mg(NO3)2・6H2O(31.89g)(Sigma-Aldrich)及びAl(NO3)3・9H2O (73.64g)(Sigma-Aldrich)を脱イオン水(25.47g)に溶かすことによって0.5/1(wt/wt)のMg/Al混合金属酸化物担体を作製した。溶液を70℃で撹拌して、固体が生成し始めるまで水を蒸発させた。この材料を120℃のオーブンに1時間入れてさらに水を蒸発させた。乾燥材料を200℃で4時間、次に800℃で4時間、全て空気中でか焼した。か焼材料を最後にメノウ製カップ内で500rpmにて2時間ボールミル粉砕して担体を得た。
ガラスバイアル中で、クロロ白金酸六水和物(0.1727g)(Sigma Aldrich)と塩化スズ(II)二水和物(0.1313g)(Fluka)を脱イオン水(10.7014g)に溶かして濃いオレンジ色の清澄溶液を得た。Mg/Al混合金属酸化物担体(14.2533g)を50mLのプラスチックボトルに移し、これにPt/Sn溶液(8.0550g)を加えた。この材料を小型実験用シェーカーを用いて均質な薄いオレンジ色の粉末が得られるまで混合した。金属含浸材料を120℃で4時間、次に800℃12時間、全て空気中でか焼した。最終生成物は、名目上は0.33wt%のPt及び0.33wt%のSnを含有した。
【0059】
触媒23:オキシ硝酸ジルコニウム(IV)水和物(3.69g)(Sigma-Aldrich)を脱イオン水(40g)に50℃で溶かすことによって2/1(wt/wt)のMg/Zr混合金属酸化物担体を作製した。この溶液にMg(NO3)2・6H2O(12.55g)(Sigma-Aldrich)を加えた。混合物を70℃で撹拌して、固体が生成し始めるまで水を蒸発させた。この材料を次に200℃で4時間、その後800℃で4時間、全て空気中でか焼して担体を得た。
ガラスバイアル中で、クロロ白金酸六水和物(0.0212g)(Sigma Aldrich)と塩化スズ(IV)(0.0318g)(Sigma Aldrich)を脱イオン水(0.6647g)に溶かして濃いオレンジ色の清澄溶液を得た。Mg/Zr混合金属酸化物担体(2.0412g)を50mLのプラスチックボトルに移し、これにPt/Sn溶液(0.6007g)を加えた。この材料を小型実験用シェーカーを用いて均質な薄いオレンジ色の粉末が得られるまで混合した。この金属含浸触媒を全て空気中で、120℃で4時間乾燥させてから800℃で12時間か焼した。最終生成物は、名目上は0.33wt%のPt及び0.33wt%のSnを含有した。
触媒24:2/1(wt/wt)のMg/Ti混合金属酸化物担体を作製するため、メノウ製ボールミルカップに、8.04gのMgO(Acros)、4.02gのTiO2(Anatase、Sigma Aldrich)及び10gのH2Oを3個のメノウボールと共に添加した。材料を500rpmで70時間ボールミル粉砕した。ボールミル粉砕している間、蓋を閉じて水の蒸発を少なくした。ボールミル粉砕後、濃厚ペーストが得られた。このペーストを200℃で4時間、次に800℃で4時間か焼して担体を得た。
ガラスバイアル中で、0.0288gのクロロ白金酸六水和物(Sigma Aldrich)と0.0336gの塩化スズ(IV)五水和物(Sigma Aldrich)を1.6007gのH2Oに溶かして濃いオレンジ色の清澄溶液を得た。2.7321gのMg/Ti混合金属酸化物担体を50mLのプラスチックボトルに移した後、上で作製した1.4080gのPt/Sn溶液を滴加した。この材料を小型実験用シェーカーを用いて均質な薄いオレンジ色の粉末が得られるまで混合した。この金属含浸触媒を120℃で4時間乾燥させてから800℃で12時間か焼した。最終生成物は、名目上は0.33wt%のPt及び0.33wt%のSnを含有した。
【0060】
触媒25:メノウ製ボールミルカップ内で、MgO(8.04g)(Acros)、SiO2(4.03g)(Sigma-Aldrich)、脱イオン水(10g)、及び3個のメノウボールを添加することによって2/1(wt/wt)のMg/Si混合金属酸化物を作製した。材料を500rpmで70時間ボールミル粉砕した。ボールミル粉砕している間、蓋を閉じて水の蒸発を少なくした。ボールミル粉砕後、濃厚ペーストが得られた。このペーストを200℃で4時間、次に800℃で4時間、全て空気中でか焼して担体を得た。
ガラスバイアル中で、クロロ白金酸六水和物(0.0296g)(Sigma Aldrich)と塩化スズ(IV)五水和物(0.0365g)(Sigma Aldrich)を脱イオン水(1.4319g)に溶かして濃いオレンジ色の清澄溶液を得た。2/1のMg/Si混合金属酸化物担体(2.8178g)を50mLのプラスチックボトルに加えた後、Pt/Sn溶液(1.2704g)を滴加した。この材料を小型実験用シェーカーを用いて均質な薄いオレンジ色の粉末が得られるまで混合した。この金属含浸触媒を全て空気中で、120℃で4時間乾燥させてから800℃で12時間か焼した。最終生成物は、名目上は0.33wt%のPt及び0.33wt%のSnを含有した。
触媒26:MgO(23.4g)(Aldrich)、SnO2(1.56g)(Aldrich)、アルミン酸カルシウムセメント(12.8g)(Almatis)、及びAl2O3(60.5g)(Versal 300)を合わせて徹底的に混合することによってMg/Ca/Sn/Al混合金属酸化物担体を作製した。10.24mLの酢酸を100mLの脱イオン水に添加することによって酢酸水溶液を作った。この溶液から60.4mLのアリコートを取り、このアリコートに0.5mLの酢酸をさらに加えた。5mLの増分で、添加間に2分撹拌しながら、使い切るまでアリコートを粉末に添加した。引き続きスラリーが形成されるまで混合物に脱イオン水を加えた。その後スラリーを300℃で20時間、次に843℃で5時間、全て空気中でか焼して担体を得た。上で作製した担体上に0.3wt%のPt及びさらなる0.3wt%のSnを含浸させて、最終触媒を得た。
触媒27:下記手順に従って触媒を調製した。ハイドロタルサイトをか焼することによって得られたMgO-Al2O3混合金属酸化物である20gのPURALOX(登録商標)MG70/170(Sasol)を確保した。混合金属酸化物は70wt%のMgO及び30wt%のAl2O3を含有した。SasolによればBET表面積は170m2/gだった。適量の塩化スズ(II)二水物(dehydrate)と脱イオン水を混合して溶液を形成した。この溶液をPURALOX(登録商標)MG70/170担体に含浸させた。この含浸材料を密閉容器に室温で1時間保管した後、120℃で一晩乾燥させた。適量の硝酸テトラアンミン白金(II)と脱イオン水を混合して溶液を形成した。Sn含浸担体にこのPt溶液をさらに含浸させた。含浸材料を密閉容器内に室温で1時間放置した後、全て空気中で、120℃で一晩乾燥させ、800℃で12時間か焼した。最終生成物は、名目上は0.3wt%のPt及び1.5wt%のSnを含有した。
【0061】
触媒組成物28~41を下記手順に従って調製した。各触媒組成物のため80wt%のMgO及び20wt%のAl2O3を含有し、150m2/gの表面積を有する混合Mg/Al金属酸化物であるPURALOX(登録商標)MG 80/150(3グラム)(Sasol)を空気下で550℃にて3時間か焼して担体を形成した。触媒組成物(Acros Organics)を作るために使用するときは適正量の塩化スズ(IV)五水和物及び/又は触媒組成物(Sigma Aldrich)を作るために使用するときは適正量のクロロ白金酸と、1.8mlの脱イオン水とを含有する溶液を小型ガラスバイアル中で調製した。各触媒組成物のためにか焼されたPURALOX(登録商標)MG80/150担体(2.3グラム)に対応溶液を含浸させた。含浸材料を密閉容器内で室温(RT)にて24時間平衡化させ、110℃で6時間乾燥させ、800℃で12時間か焼した。表1は、各触媒組成物の名目上のPt含量及びSn含量を担体の質量に基づいて示す。
【0062】
【0063】
比較触媒1:メスシリンダー中で、SnCl2(0.048g)(Aldrich)、クロロ白金酸の8%溶液(0.79g)(Aldrich)、及び残余のHCl(1.2M)(Acculute)を混ぜ合わせて5.6mLのダーク溶液を作った。この溶液をθアルミナ(10g)に添加し、15分間撹拌した。この触媒を1時間放置した。触媒をマッフル炉に入れて、全て空気中で、3℃/分で120℃まで温度を上げ、120℃で2時間維持してから、触媒温度を3℃/分で550℃まで上げて、2時間維持した。次に触媒を室温まで冷ました。
メスシリンダー中で、KNO3(0.258g)(Aldrich)を脱イオン水に溶かして5.6mLの溶液を得た。この溶液をPt-Sn触媒に添加し、15分間撹拌した。触媒を1時間放置した。触媒をマッフル炉に入れて、全て空気中で、3℃/分で120℃まで温度を上げ、120℃で2時間維持してから、触媒温度を3℃/分で550℃まで上げて、2時間維持した。次に触媒を室温まで冷ました。最終生成物は、名目上は0.3wt%のPt、0.3wt%のSn、及び1.0wt%のKを含有した。
【0064】
上記触媒を用いた実施例
固定床実験を約100kPa絶対圧で行った。ガスクロマトグラフ(GC)を用いて反応器流出物の組成を測定した。次に反応器流出物中の各成分の濃度を用いてC3H6の収率及び選択性を計算した。これらの実施例で報告したC3H6の収率及び選択性は炭素モル基準で計算した。
各実施例では、特定量の触媒「Mcat」を適量の石英希釈剤と混合し、石英反応器に充填した。希釈剤の量は、触媒床(触媒+希釈剤)が石英反応器の等温ゾーンと重なり、触媒床が作動中に大部分は等温になるように決めた。石英チップ/ロッドで反応器のデッドボリュームを満たした。
反応器流出物中の各成分の濃度を用いてC3H6の収率及び選択性を計算した。下記データ表には、trxnの開始時及びtrxnの終了時のC3H6の収率及び選択性をそれぞれYini、Yend、Sini、及びSendとして表し、百分率で報告する。
【0065】
実施例1-使用済み触媒を酸化前に800℃で水蒸気に曝露することの効果。ステップ1で2つの選択肢(選択肢A及び選択肢B)を用いて、使用済み触媒の水蒸気への曝露の効果を評価した。それぞれケース1A及びケース1Bと呼ぶ。プロセスステップは以下のとおりだった。1.(選択肢A/ケース1A)-反応ゾーンを酸化温度Toxiまで加熱しながらシステムに不活性ガスを流した。その後、46.6sccmのHe及び5.1sccmの水蒸気を反応ゾーンに5分間通した。1.(選択肢B/ケース1B)-反応ゾーンを酸化温度Toxiまで加熱しながらシステムに不活性ガスを流した。その後、46.6sccmのHeを反応ゾーンに5分間通した。2.不活性ガスを反応ゾーンに通しながら、酸素含有ガス(Ogas)を流速(Foxi)で反応ゾーンのバイパスに通した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに特定時間(toxi)にわたって通して触媒を酸化した。4.toxi後、不活性ガスを反応ゾーンに通し、反応ゾーン内の温度をToxiから還元温度(Tred)に変えた。5.不活性ガスを反応ゾーンに通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後に、H2含有ガスをTredの反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。6.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度をTredから670℃の反応温度に変えた。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC3H8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを670℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。下表2に示すように、選択肢Aを用いたケース1Aを選択肢Bを用いたケース1Bと比較すると、使用済み触媒が酸化前に800℃で水蒸気に曝露されても、触媒の性能は影響を受けなかったことが分かる。
【0066】
【0067】
実施例2-使用済み触媒を酸化前に670℃で水蒸気に曝露することの効果。ステップ8で2つの選択肢(選択肢A及び選択肢B)を用いて、使用済み触媒の水蒸気への曝露の効果を評価した。それぞれケース2A及びケース2Bと呼ぶ。プロセスステップは以下のとおりだった。1.反応ゾーンを酸化温度Toxiまで加熱しながらシステムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら酸素含有ガス(Ogas)を反応ゾーンのバイパスに流速(Foxi)で通した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに特定時間(toxi)にわたって通して触媒を酸化した。4.toxi後、不活性ガスを反応ゾーンに通し、反応ゾーン内の温度をToxiから還元温度(Tred)に変えた。5.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後に、H2含有ガスをTredの反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。6.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度をTredから670℃の反応温度に変えた。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC3H8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)ガスを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを670℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐにGCサンプリングを開始した。8.(選択肢A)46.6sccmのHe及び5.1sccmの水蒸気を反応ゾーンに5分間通した。8.(選択肢B)46.6sccmのHeを反応ゾーンに5分間通した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。下表3に示すように、選択肢Aを用いたケース2Aを選択肢Bを用いたケース2Bと比較すると、使用済み触媒が酸化前に670℃で水蒸気に曝露されても、触媒の性能は影響を受けなかったことが分かる。
【0068】
【0069】
実施例3A-好ましい酸化温度/持続時間。プロセスステップは以下のとおりだった。
1.反応ゾーンを酸化温度Toxiまで加熱しながらシステムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、酸素含有ガス(Ogas)を流速(Foxi)で反応ゾーンのバイパスに通した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに特定時間(toxi)にわたって通して触媒を酸化した。4.toxi後、不活性ガスを反応ゾーンに通し、反応ゾーン内の温度をToxiから還元温度(Tred)に変えた。5.不活性ガスを反応ゾーンに通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後に、H2含有ガスをTredの反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。6.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度をTredから670℃の反応温度に変えた。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC3H8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを670℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。
【0070】
【0071】
実施例3B-好ましい酸化温度/持続時間。プロセスステップは以下のとおりだった。
1.反応ゾーンを酸化温度Toxiまで加熱しながらシステムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、酸素含有ガス(Ogas)を流速(Foxi)で反応ゾーンのバイパスに通した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに特定時間(toxi)にわたって通して触媒を酸化した。4.toxi後、不活性ガスを反応ゾーンに通し、反応ゾーン内の温度をToxiから還元温度(Tred)に変えた。5.不活性ガスを反応ゾーンに通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後に、H2含有ガスをTredの反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。6.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度をTredから670℃の反応温度に変えた。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC3H8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを670℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。表4A、4B-1、及び4B-2は、酸化持続時間が長いほど触媒のより有効な再生をもたらしたことを示す。表4B-3は、800℃又は850℃のより高い酸化温度は750℃より有効な酸化温度だったことを示す。例えば、750℃の酸化温度を用いて同様の収率/選択性を達成するために必要な時間は、800℃で必要とされるより3倍長かった。
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
実施例4-O2分圧及びCO2の存在の効果。プロセスステップは以下のとおりだった。
1.反応ゾーンを酸化温度Toxiまで加熱しながらシステムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、酸素含有ガス(Ogas)を流速(Foxi)で反応ゾーンのバイパスに通した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに特定時間(toxi)にわたって通して触媒を酸化した。4.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度をTredに変えた。5.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後にH2含有ガスをTredの反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。6.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度をTredから670℃の反応温度に変えた。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC3H8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを670℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。表5は、O2の分圧の酸化への影響及びCO2の存在の酸化への影響を示す。
【0076】
【0077】
実施例5-酸化中の水蒸気の効果。プロセスステップは以下のとおりだった。1.反応ゾーンを酸化温度Toxiまで加熱しながらシステムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、酸素含有ガス(Ogas)を流速(Foxi)で反応ゾーンのバイパスに通した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに特定時間(toxi)にわたって通して触媒を酸化した。4.toxi後、不活性ガスを反応ゾーンに通し、反応ゾーン内の温度をToxiから還元温度(Tred)に変えた。5.システムに不活性ガスを流した。6.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後に、H2含有ガスをTredの反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。7.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度をTredから670℃の反応温度に変えた。8.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC3H8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを670℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。表6は、酸化中に空気に10vol%超の水蒸気が存在すると、再生後にさらにいっそう失活した触媒をもたらしたことを示す。酸化中に空気に存在する水蒸気が多いほど、活性が低下する。その一方で、2分の酸化後に湿潤空気を乾燥空気に切り替えた場合、触媒は効率的に再生された。
【0078】
【0079】
実施例6A-酸化中の水蒸気の効果。1.システムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、酸素含有ガス(Ogas)を流速(Foxi)で反応ゾーンのバイパスに通した。反応ゾーンを酸化温度Toxiまで加熱した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに特定時間(toxi)にわたって通して触媒を酸化した。toxi後、酸素含有ガス流を維持しながら反応ゾーン内の温度をToxiから還元温度(Tred)に変えた。4.システムに不活性ガスを流した。5.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後に、H2含有ガスをTredの反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。6.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度をTredから670℃の反応温度に変えた。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC3H8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを670℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。表7Aは、酸化中の水蒸気の存在の影響を示す。触媒と水蒸気の間の接触の持続時間(1分対3分)が短いほど、その後の乾燥空気による酸化を通じた触媒性能の回復が容易だった。
【0080】
【0081】
実施例6B-酸化中の水蒸気の効果。1.システムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、酸素含有ガス(Ogas)を流速(F
oxi)で反応ゾーンのバイパスに通した。反応ゾーンを酸化温度T
oxiまで加熱した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに特定時間(t
oxi)にわたって通して触媒を酸化した。t
oxi後、酸素含有ガス流を維持しながら反応ゾーン内の温度をT
oxiから還元温度(T
red)に変えた。4.システムに不活性ガスを流した。5.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H
2含有ガス(Hgas)を流速(F
red)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後に、H
2含有ガスをT
redの反応ゾーンの中を特定時間(t
red)にわたって流した。6.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度をT
redから655℃の反応温度に変えた。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC
3H
8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(F
rxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを655℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。表7Bは、1分の湿潤空気酸化直後に10分の乾燥空気酸化が続くツーステップ酸化スキームを利用した場合、湿潤空気が酸化に及ぼす負の効果は無視できたことを示す。
図1は、該ツーステップ酸化スキームを80+サイクル利用することによって触媒を効率的に再生できることを示す。
【0082】
【0083】
実施例7-還元温度の効果。1.システムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、酸素含有ガス(Ogas)を流速(Foxi)で反応ゾーンのバイパスに通した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに通した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度を酸化温度(Toxi)に変え、反応ゾーンの温度をToxiに特定時間(toxi)にわたって維持して触媒を酸化した。toxi後、反応ゾーン内の温度をToxiから還元温度(Tred)に変えた。4.システムに不活性ガスを流した。5.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後に、H2含有ガスをTredの反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。6.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度をTredから670℃の反応温度に変えた。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC3H8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを670℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。表8は、種々の温度で還元を行うことができることを示す。わずか0.05分の短い還元持続時間を利用することができる。
【0084】
【0085】
実施例8-還元中の水蒸気の効果。1.反応ゾーンを酸化温度Toxiまで加熱しながらシステムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、酸素含有ガス(Ogas)を流速(Foxi)で反応ゾーンのバイパスに通した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに特定時間(toxi)にわたって通して触媒を酸化した。4.toxi後、不活性ガスを反応ゾーンに通し、反応ゾーン内の温度をToxiから還元温度(Tred)に変えた。5.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後に、H2含有ガスをTredの反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。6.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度をTredから670℃の反応温度に変えた。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら81vol%のC3H8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを670℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。表9は、還元の有効性に及ぼす水蒸気の悪影響が還元ガス中の水蒸気の量とともに増加することを示す。
【0086】
【0087】
実施例9-還元中の炭化水素の効果。1.反応ゾーンを酸化温度Toxiまで加熱しながらシステムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、酸素含有ガス(Ogas)を流速(Foxi)で反応ゾーンのバイパスに通した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに特定時間(toxi)にわたって通して触媒を酸化した。4.toxi後、不活性ガスを反応ゾーンに通し、反応ゾーン内の温度をToxiから還元温度(Tred)に変えた。5.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後に、H2含有ガスをTredの反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。6.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度をTredから670℃の反応温度に変えた。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC3H8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを670℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。表10は、還元の有効性に及ぼす微量の炭化水素の悪影響を示す。
【0088】
【0089】
実施例10-湿潤固体の還元。1.反応ゾーンを酸化温度Toxiまで加熱しながらシステムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、酸素含有ガス(Ogas)を流速(Foxi)で反応ゾーンのバイパスに通した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに特定時間(toxi)にわたって通して触媒を酸化した。4.toxi後、反応ゾーンに不活性ガスを通し、反応ゾーン内の温度をToxiから還元温度(Tred)に変えた。湿潤固体を還元することの有効性を評価するために下記3つの選択肢の1つでステップ5を行った。5.(選択肢1/ケース5A)-83.9sccmのHeを反応ゾーンに通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに1.5分間通した。この後に、H2含有ガスをTredの反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。5.(選択肢2/ケース5B)-83.9sccmのHe及び9.2sccmの水蒸気を反応ゾーンに通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに1.5分間通した。この後にH2含有ガスをTredの反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。5.(選択肢3/ケース5C)-H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに3.0分間通した。その間に、最初の1.5分の間は83.9sccmのHe及び9.2sccmの水蒸気を反応ゾーンに通し、その後の1.5分の間は89.3sccmのHeを反応ゾーンに通した。この後に、H2含有ガスをTredの反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。6.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度をTredから670℃の反応温度に変えた。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC3H8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを670℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。表11は、ケース5A~5Cの結果を示す。ケース5Aと5Bの比較は、酸化触媒の吸着H2Oによる還元は有効でないことを示す。ケース5Bと5Cの比較は、吸着H2Oを乾燥ガスパージによって除去し得ることを示唆する。この再乾燥触媒は次にH2によって効率的に還元され得る。
【0090】
【0091】
実施例11-還元触媒に対する水蒸気の効果。1.反応ゾーンを酸化温度Toxiまで加熱しながらシステムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、酸素含有ガス(Ogas)を流速(Foxi)で反応ゾーンのバイパスに通した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに特定時間(toxi)にわたって通して触媒を酸化した。4.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度をTredに変えた。5.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後にH2含有ガスをTredの反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。6.tred後、111.8sccmのHeを12.3sccmの追加水蒸気と共に又は追加水蒸気なしで反応ゾーンに通し、その間に反応ゾーンの温度をTredから670℃の反応温度に変えた。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC3H8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを670℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。表12は、還元触媒に対する水蒸気の存在の影響を示す。
【0092】
【0093】
実施例12-還元後の冷却の効果。1.反応ゾーンを800℃の酸化温度まで加熱しながらシステムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、酸素含有ガス(Ogas)を流速(Foxi)で反応ゾーンのバイパスに通した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに特定時間(toxi)にわたって通して触媒を酸化した。4.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中、反応ゾーンの温度を800℃に保った。5.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後に、H2含有ガスを800℃の反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。6.種々の流速(Fhe)のHeを反応ゾーンに通した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度を800℃から670℃の反応温度まで下げた。Fheが高いほど、速い冷却速度(Rc)をもたらした。冷却速度は、冷却の最初の1分間の降下温度として定義される。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC3H8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを670℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。表13は、還元後、高活性を維持するためには還元触媒を短時間で冷却することが望ましい可能性があること示す。
【0094】
【0095】
実施例13-還元中のH2分圧の効果。1.反応ゾーンを800℃の酸化温度まで加熱しながらシステムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、酸素含有ガス(Ogas)を流速(Foxi)で反応ゾーンのバイパスに通した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに特定時間(toxi)にわたって通して触媒を酸化した。4.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中、反応ゾーンの温度を800℃に保った。5.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後に、H2含有ガスを800℃の反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。6.反応ゾーンにHeを通した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度を800℃から670℃の反応温度まで下げた。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC3H8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを670℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。表14は、10%のH2と40%のH2の間にはとんど差がないこと示す。
【0096】
【0097】
実施例14A-H2還元持続時間の効果。1.反応ゾーンを800℃の酸化温度まで加熱しながらシステムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、酸素含有ガス(Ogas)を流速(Foxi)で反応ゾーンのバイパスに通した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに特定時間(toxi)にわたって通して触媒を酸化した。4.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中、反応ゾーンの温度を800℃に保った。5.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後に、H2含有ガスを800℃の反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。6.反応ゾーンにHeを通した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度を800℃から670℃の反応温度まで下げた。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC3H8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを670℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。表15Aは、触媒の性能という観点では還元持続時間の間にほとんど差がないことを示す。
【0098】
【0099】
実施例14B-H2還元持続時間の効果。1.反応ゾーンを800℃の酸化温度まで加熱しながらシステムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、酸素含有ガス(Ogas)を流速(Foxi)で反応ゾーンのバイパスに通した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに特定時間(toxi)にわたって通して触媒を酸化した。4.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中、反応ゾーンの温度を800℃に保った。5.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後に、H2含有ガスを800℃の反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。6.反応ゾーンにHeを通した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度を800℃から655℃の反応温度まで下げた。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC3H8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを655℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。表15Bは、触媒還元が起きなければ、酸化触媒のプロピレン収率(53.7%)は、失活触媒のプロピレン収率(61.3%)よりさらに低かったことを示す。
【0100】
【0101】
実施例15-使用済み触媒を不活性ガスに800℃で曝露することの効果。1.反応ゾーンを800℃の酸化温度まで加熱しながらシステムに不活性ガスを流した。使用済み触媒を不活性ガスに800℃で曝露することの効果を評価するため、下記2つの選択肢の1つでステップ2を行った。2.(選択肢1/ケース15A)反応ゾーンにHeを1分間通しながら、酸素含有ガス(Ogas)を流速(Foxi)で反応ゾーンのバイパスに1分間通した。2.(選択肢2/ケース15B)反応ゾーンにHeを7分間通しながら、酸素含有ガス(Ogas)を流速(Foxi)で反応ゾーンのバイパスに3分間通した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに特定時間(toxi)にわたって通して触媒を酸化した。4.toxi後、不活性ガスを反応ゾーンに通し、反応ゾーン内の温度をToxiから還元温度(Tred)に変えた。5.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後に、H2含有ガスをTredの反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。6.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度をTredから670℃の反応温度に変えた。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC3H8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを670℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。表16は、これらの2ケースについては、触媒の性能にほとんど差がないことを示す。
【0102】
【0103】
実施例16-n-ブタンの脱水素。1.反応ゾーンを800℃の酸化温度まで加熱しながらシステムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、酸素含有ガス(Ogas)を流速(Foxi)で反応ゾーンのバイパスに通した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに特定時間(toxi)にわたって通して触媒を酸化した。4.toxi後、不活性ガスを反応ゾーンに通し、反応ゾーン内の温度をToxiから還元温度(Tred)に変えた。5.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後にH2含有ガスをTredの反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。6.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度をTredから635℃の反応温度に変えた。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、89vol%のn-ブタン及び11vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを635℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。触媒は、30+サイクル後に失活を示さなかった。この実験中は内部標準を使用しなかったので、選択性及び収率を計算するために、GCによって分析されない種(C5及びC5+、コークス)を無視できると仮定した。反応中に大量のコークスが生じないことは、酸化中に生じた少量のCO/CO2によって確証された。収率/選択性は、反応中に生じた全ての主な直鎖C4種、例えば1-ブテン、cis-2-ブテン、trans-2-ブテン、1,3-ブタジエン等のモル流量に基づいて定義される。表17は、触媒がn-ブタンの脱水素に有効であることを示す。
【0104】
【0105】
実施例17-イソブタンの脱水素。1.反応ゾーンを800℃の酸化温度まで加熱しながらシステムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、酸素含有ガス(Ogas)を流速(F
oxi)で反応ゾーンのバイパスに通した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに特定時間(t
oxi)にわたって通して触媒を酸化した。4.t
oxi後、不活性ガスを反応ゾーンに通し、反応ゾーン内の温度をT
oxiから還元温度(T
red)に変えた。5.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H
2含有ガス(Hgas)を流速(F
red)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後に、H
2含有ガスをT
redの反応ゾーンの中を特定時間(t
red)にわたって流した。6.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度をT
redから670℃の反応温度に変えた。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、89vol%のイソブタン及び11vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(F
rxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを670℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。触媒は、30+サイクル後に失活を示さなかった。この実験中は内部標準を使用しなかったので、選択性及び収率を計算するために、GCによって分析されない種(C
5及びC
5+、コークス)を無視できると仮定した。反応中に大量のコークスが生じないことは、酸化中に生じた少量のCO/CO
2によって確証された。収率/選択性は、反応中に生じたイソブテンのモル流量に基づいて定義される。表18は、触媒がイソブタンの脱水素に有効であることを示す。
図2は、反応、還元及び酸化中に高温を利用したにもかかわらず、この触媒についてはイソブタンの脱水素が30+サイクルにわたって安定していたことを示す。
【0106】
【0107】
実施例18-エタンの脱水素。1.反応ゾーンを800℃の酸化温度まで加熱しながらシステムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら酸素含有ガス(Ogas)を流速(Foxi)で反応ゾーンのバイパスに通した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに特定時間(toxi)にわたって通して触媒を酸化した。4.toxi後、不活性ガスを反応ゾーンに通し、反応ゾーン内の温度をToxiから還元温度(Tred)に変えた。5.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後にH2含有ガスをTredの反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。6.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度をTredから670℃の反応温度に変えた。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC2H6、9vol%のAr及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを670℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。触媒は30+サイクル後に失活を示さなかった。表19は、触媒がエタンの脱水素に有効であることを示す。反応ゾーン中の触媒を石英と交換したとき、測定されたC2H4収率は1Cモル%未満だった。この試験条件では均一反応がわずかだったことを示している。
【0108】
【0109】
実施例19-担体の効果。1.反応ゾーンを800℃の酸化温度まで加熱しながらシステムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら酸素含有ガス(Ogas)を流速(Foxi)で反応ゾーンのバイパスに通した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに特定時間(toxi)にわたって通して触媒を酸化した。4.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中、反応ゾーンの温度を800℃に保った。5.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後にH2含有ガスを800℃の反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。6.反応ゾーンにHeを通した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度を800℃から670℃の反応温度まで下げた。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC3H8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを670℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。表20は、種々のMg含有触媒担体で、高度に活性/選択性/安定性の触媒を作製できることを示す。
【0110】
【0111】
図3は、触媒6の性能は、反応、還元及び酸化中に用いた高温にもかかわらず30+サイクルにわたって安定していたことを示す。
実施例20-担体の効果。1.反応ゾーンを800℃の酸化温度まで加熱しながらシステムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら酸素含有ガス(Ogas)を流速(F
oxi)で反応ゾーンのバイパスに通した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに特定時間(t
oxi)にわたって通して触媒を酸化した。4.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度を620℃まで冷却した。5.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H
2含有ガス(Hgas)を流速(F
red)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後にH
2含有ガスを620℃の反応ゾーンの中を特定時間(t
red)にわたって流した。6.反応ゾーンに不活性ガスを通した。このプロセス中、反応ゾーンの温度を620℃に維持した。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC
3H
8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(F
rxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを620℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。表21は、種々のMg含有触媒担体で、高度に活性/選択性/安定性の触媒を作製できることを示す。
【0112】
【0113】
図4は、触媒8の性能は、反応、還元及び酸化中に用いた高温にもかかわらず20+サイクルにわたって安定していたことを示す。
図5は、触媒9の性能は、反応、還元及び酸化中に用いた高温にもかかわらず、この触媒に関して30+サイクルにわたって安定していたことを示す。
実施例21-金属促進剤の効果。1.反応ゾーンを800℃の酸化温度まで加熱しながらシステムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、酸素含有ガス(Ogas)を流速(F
oxi)で反応ゾーンのバイパスに通した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに特定時間(t
oxi)にわたって通して触媒を酸化した。4.t
oxi後、不活性ガスを反応ゾーンに通し、反応ゾーン内の温度をT
oxiから還元温度(T
red)に変えた。5.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H
2含有ガス(Hgas)を流速(F
red)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後にH
2含有ガスをT
redの反応ゾーンの中を特定時間(t
red)にわたって流した。6.反応ゾーンに不活性ガスを流した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度をT
redから670℃の反応温度に変えた。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC
3H
8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(F
rxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを670℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。表22は、脱水素のためにPtと共にSn以外の金属を使用し得ることを示す。
【0114】
【0115】
実施例22-Snレベルの効果。1.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、670℃に保った反応ゾーンのバイパスに酸素含有ガス(Ogas)を流速(Foxi)で通した。2.次に反応ゾーンの温度を800℃まで上昇させながら酸素含有ガスを反応ゾーンに通した。酸素含有ガスを特定時間(toxi)にわたって反応ゾーンの中を流し続けて触媒を酸化した。その後、反応ゾーンを酸素含有ガス中で670℃まで冷却した。3.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中、反応ゾーンの温度を670℃に維持した。4.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後にH2含有ガスを670℃の反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。5.反応ゾーンに不活性ガスを通した。このプロセス中、反応ゾーンの温度を670℃に維持した。6.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC3H8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを670℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。表23は、触媒上のSn積載量を変えられることを示す。
【0116】
【0117】
実施例23-アルカリ金属添加剤の効果。1.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、670℃に保った反応ゾーンのバイパスに酸素含有ガス(Ogas)を流速(Foxi)で通した。2.次に反応ゾーンの温度を800℃まで上昇させながら酸素含有ガスを反応ゾーンに通した。酸素含有ガスを特定時間(toxi)にわたって反応ゾーンの中を流し続けて触媒を酸化した。その後、反応ゾーンを酸素含有ガス中で670℃まで冷却した。3.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中、反応ゾーンの温度を670℃に維持した。4.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後にH2含有ガスを670℃の反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。5.反応ゾーンに不活性ガスを通した。このプロセス中、反応ゾーンの温度を670℃に維持した。6.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC3H8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを670℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。表24は、K等のアルカリ金属を触媒に添加してよいことを示す。
【0118】
【0119】
実施例24-Ptレベル及び合成方法の効果。1.反応ゾーンを800℃の酸化温度まで加熱しながらシステムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、酸素含有ガス(Ogas)を流速(Foxi)で反応ゾーンのバイパスに通した。3.次に酸素含有ガスを反応ゾーンに特定時間(toxi)にわたって通して触媒を酸化した。4.toxi後、不活性ガスを反応ゾーンに通し、反応ゾーン内の温度をToxiから還元温度(Tred)に変えた。5.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後にH2含有ガスをTredの反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。6.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度をTredから670℃の反応温度に変えた。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC3H8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを670℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。表25は、触媒上のPt積載量及び合成方法を変えられることを示す。
【0120】
【0121】
実施例25-担体の効果。1.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、620℃に保った反応ゾーンのバイパスに酸素含有ガス(Ogas)を流速(Foxi)で通した。2.次に反応ゾーンの温度を800℃まで上昇させながら酸素含有ガスを反応ゾーンに通した。酸素含有ガスを特定時間(toxi)にわたって反応ゾーンの中を流し続けて触媒を酸化した。その後、反応ゾーンを酸素含有ガス中で620℃まで冷却した。3.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中、反応ゾーンの温度を620℃に維持した。4.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後に、H2含有ガスを620℃の反応ゾーンの中を特定時間(tred)にわたって流した。5.反応ゾーンに不活性ガスを通した。このプロセス中、反応ゾーンの温度を620℃に維持した。6.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC3H8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを620℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。表26は、良い活性、選択性及び高温安定性を有する触媒を種々のMg含有触媒担体で作製できることを示す。
【0122】
【0123】
実施例26-担体の効果。1.反応ゾーンをToxiの酸化温度に変えながらシステムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、酸素含有ガス(Ogas)を反応ゾーンのバイパスに流速(Foxi)で通した。3.次に酸素含有ガスを特定時間(toxi)にわたって反応ゾーンに通して触媒を酸化した。4.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度をTredに変えた。5.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H2含有ガス(Hgas)を流速(Fred)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後にH2含有ガスを特定時間(tred)にわたってTredの反応ゾーンの中を流した。6.反応ゾーンに不活性ガスを通した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度をTrxnに変えた。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC3H8、9vol%の不活性(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(Frxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードをTrxnの反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。
【0124】
【0125】
上表27は、良い活性、選択性及び高温安定性を有する触媒を種々のMg含有触媒担体で作製できることを示す。
図6は、触媒24の性能は、反応、還元及び酸化中に用いた高温にもかかわらず、20+サイクルにわたって安定していたことを示す。
比較例1:1.反応ゾーンをT
oxiの酸化温度まで加熱しながらシステムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、酸素含有ガス(Ogas)を反応ゾーンのバイパスに流速(F
oxi)で通した。3.次に酸素含有ガスを特定時間(t
oxi)にわたって反応ゾーンに通して触媒を酸化した。4.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度を620℃に冷却した。5.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、H
2含有ガス(Hgas)を流速(F
red)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後に、H
2含有ガスを特定時間(t
red)にわたって620℃の反応ゾーンの中を流した。6.反応ゾーンに不活性ガスを通した。このプロセス中、反応ゾーンの温度を620℃に維持した。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、90vol%のC
3H
8、10vol%の不活性(Ar又はKr)を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを流速(F
rxn)で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを620℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。表28は、比較例の試験条件のさらなる詳細を示す。
図7は、比較触媒1の性能は、酸化温度(620℃)が他の実施例よりずっと低いにもかかわらず、失活し続けたことを示す。
【0126】
【0127】
実施例27-触媒28~41を用いた固定床実験を約100kPa絶対圧で行った。ガスクロマトグラフ(GC)を用いて反応器流出物の組成を調べた。次に反応器流出物中の各成分の濃度を用いてC3H6の収率及び選択性を計算した。これらの例で報告したC3H6の収率及び選択性は、炭素モル基準で計算した。
各実施例では、0.3gの触媒組成物を適量の石英希釈剤と混合し、石英反応器に充填した。希釈剤の量は、触媒床(触媒+希釈剤)が石英反応器の等温ゾーンと重なり、作動中に触媒床がほとんど等温となるように決めた。反応器のデッドボリュームは石英チップ/ロッドで満たした。
触媒28~35に関する下表29及び30に、trxnの開始時及びtrxnの終了時のC3H6の収率及び選択性をそれぞれYini、Yend、Sini、及びSendと表し、百分率として報告する。
触媒28~35のためのプロセスステップは以下のとおりだった。1.システムに不活性ガスを流した。2.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、乾燥空気を83.9sccmの流速で反応ゾーンのバイパスに通した。反応ゾーンを800℃の再生温度まで加熱した。3.次に乾燥空気を83.9sccmの流速で反応ゾーンに10分間通して触媒を再生した。4.システムに不活性ガスを流した。5.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、10vol%のH2及び90vol%のArを有するH2含有ガスを46.6sccmの流速で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。この後にH2含有ガスを800℃の反応ゾーンに3秒間通した。6.システムに不活性ガスを流した。このプロセス中に、反応ゾーンの温度を800℃から670℃の反応温度に変えた。7.反応ゾーンに不活性ガスを通しながら、81vol%のC3H8、9vol%の不活性ガス(Ar又はKr)及び10vol%の水蒸気を含む炭化水素含有(HCgas)フィードを35.2sccmの流速で反応ゾーンのバイパスに特定時間にわたって通した。次に炭化水素含有フィードを670℃の反応ゾーンに10分間通した。フィードを反応ゾーンのバイパスから反応ゾーンに切り替えたらすぐに反応流出物のGCサンプリングを開始した。
上記プロセスステップを安定性能が得られるまで周期的に繰り返した。表29及び30は、わずか0.025wt%のPt及び1wt%のSnを含有する触媒33は、0.4wt%のPt及び1wt%のSnを含有する触媒と比べて同様の収率と同様の選択性を両方有したことを示し、これは驚くべきかつ予想外だった。如何なるPtをも含まない触媒35は、認識できるプロピレン収率を示さなかった。
【0128】
【0129】
【0130】
触媒28~35について上述した同一プロセスステップ1~7を利用して触媒36~41をも試験した。表31は、担体の質量に基づいて0.1wt%のPtを含有する触媒組成物に最適のプロピレン収率のためにはSnのレベルが低過ぎても高過ぎてもいけないことを示す。
【0131】
【0132】
表32は、担体の質量に基づいて0.0125wt%のPtを含有する触媒組成物に最適のプロピレン収率のためにはSnのレベルが高過ぎても低過ぎてもいけないことを示す。
【0133】
【0134】
ステップ7で35.2sccmに代えて17.6sccmの流速を用いたことを除き、触媒28~35について上述した同一プロセスステップ1~7を利用して、わずか0.025wt%のPt及び1wt%のSnを含有する触媒33を寿命試験にも供した。
図8は、触媒33が204サイクルにわたって性能を維持したことを示す(x軸は時間であり、y軸はC
3H
6の収率及びC
3H
6に対する選択性であり、両方とも炭素モル%である)。
【0135】
実施形態のリスト
本開示は、さらに下記非限定実施形態を含む。
A1.第10族元素、無機担体、及び混入物を含む少なくとも部分的に失活した触媒の再生プロセスであって、第10族元素が、無機担体の質量に基づいて0.001wt%~6wt%の範囲の濃度を有し、かつプロセスが、(I)少なくとも部分的に失活した触媒から前駆体触媒を得るステップと、(II)酸化的ガスであって、その総モルに基づいて5モル%以下のH2Oを含む酸化的ガスを供給するステップと、(III)前駆体触媒を620℃~1,000℃の範囲の酸化温度で酸化的ガスと少なくとも30秒、好ましくは少なくとも1分、好ましくは少なくとも5分の持続時間にわたって接触させて酸化前駆体触媒を生成するステップと、(IV)この酸化前駆体触媒から再生触媒を得るステップとを含む、プロセス。
A2.第10族元素がPtを含み、かつ無機担体が、無機担体の質量に基づいて、少なくとも0.5wt%の第2族元素を含む、A1のプロセス。
A3.第2族元素がMgを含み、かつ第2族元素の少なくとも一部がMgOの形態又はMgOを含む混合酸化物の形態である、A2のプロセス。
A4.少なくとも部分的に失活した触媒が、無機担体の質量に基づいて、10wt%までの促進剤をさらに含み、この促進剤が、下記元素:Sn、Ag、Cu、その組み合わせ、又はその混合物の1種以上を含む、A1~A3のいずれか1つのプロセス。
A5.少なくとも部分的に失活した触媒が、無機担体上に配置された5wt%までのアルカリ金属元素をさらに含み、このアルカリ金属元素が、Li、Na、K、Rb、及びCsの少なくとも1種を含む、A1~A4のいずれか1つのプロセス。
A6.1種以上のC2-C16直鎖若しくは分岐アルカン、又は1種以上のC4-C16環状アルカン、1種以上のC8-C16アルキル芳香族炭化水素、又はその混合物を含む炭化水素含有フィードの脱水素、脱水素芳香族化、及び脱水素環化の1つ以上を引き起こす能力がある、再生触媒の活性成分が第10族元素を含む、A1~A5のいずれか1つのプロセス。
A7.ステップ(I)が、加熱ガス混合物であって、その総モルに基づいて5モル%超の濃度でH2Oを含む加熱ガス混合物を用いて、少なくとも部分的に失活した触媒を加熱して前駆体触媒を生成するステップを含む、A1~A6のいずれか1つのプロセス。
A8.加熱ガス混合物が、燃料を酸化性ガスで燃焼させることによって生成され、燃料が、H2、CO、及び炭化水素の少なくとも1つを含み、かつ酸化性ガスがO2を含む、A7のプロセス。
【0136】
A9.ステップ(I)において、少なくとも部分的に失活した触媒がそのまま前駆体触媒として供給される、A1~A6のいずれか1つのプロセス。
A10.ステップ(II)が、(IIa)酸化的ガスを酸化温度未満の温度で供給するステップと、(IIb)酸化的ガスを、ステップ(III)の接触前に前駆体触媒の温度より高い温度に予熱するステップとを含む、A1~A9のいずれか1つのプロセス。
A11.さらに(V)ステップ(III)中に、放射熱源、熱交換器、又はその組み合わせを使用することによって酸化的ガス又は前駆体触媒を加熱するステップを含む、A1~A10のいずれか1つのプロセス。
A12.ステップ(IV)が、(IVa)酸化前駆体触媒を、O2を含まない第1のストリッピングガスと接触させて剥離酸化前駆体触媒を生成するステップと、(IVb)この剥離酸化前駆体触媒から再生触媒を得るステップとを含む、A1~A11のいずれか1つのプロセス。
A13.ステップ(IV)が、(IVc)酸化前駆体触媒又は剥離酸化前駆体触媒をH2含有雰囲気と接触させて還元触媒を生成するステップと、(IVd)この還元触媒から再生触媒を得るステップとを含む、A1~A12のいずれか1つのプロセス。
A14.ステップ(IVd)が、(IVd-1)還元触媒を第2のストリッピングガスと接触させて再生触媒を生成するステップを含む、A13のプロセス。
A15.ステップ(IVc)が、再生触媒の使用温度より高い酸化前駆体触媒の温度で行われ、ステップ(IVd)が、さらに(IVd-2)還元触媒又は再生触媒を10分以下、5分以下、1分以下、30秒以下、10秒以下、5秒以下、1秒以下、0.5秒以下、0.1秒以下、0.01秒以下、又は0.001秒以下の持続時間で使用温度まで冷却するステップを含む、A13又はA14のプロセス。
【0137】
A16.A1~A15のいずれか1つのプロセスによって生成された再生触媒を使用する脱水素プロセスであって、(VI)炭化水素含有フィードを再生触媒と接触させて、炭化水素含有フィードの少なくとも一部の脱水素、脱水素芳香族化、及び脱水素環化の1つ以上を引き起こして、第10族元素、無機担体、及び混入物を含む少なくとも部分的に失活した触媒と、1種以上のアップグレードされた炭化水素及び分子水素を含む流出物とを生成するステップであって、炭化水素フィードが、1種以上のC2-C16直鎖若しくは分岐アルカン、1種以上のC4-C16環状アルカン、1種以上のC8-C16アルキル芳香族炭化水素、又はその混合物を含む、ステップと、(VII)ステップ(I)から(IV)を繰り返すステップであって、ステップ(III)において、追加の酸化前駆体触媒が生成され、ステップ(IV)において、追加の酸化前駆体触媒から追加の再生触媒が得られる、ステップと、(VIII)追加量の炭化水素含有フィードを追加の再生触媒の少なくとも一部と接触させて、追加の少なくとも部分的に失活した触媒及び追加の流出物を生成するステップとを含む、脱水素プロセス。
A17. ステップ(VI)における炭化水素含有フィードと再生触媒の接触からステップ(VIII)における追加量の炭化水素含有フィードと追加の再生触媒の接触までのサイクル時間が≦5時間である、A16の脱水素プロセス。
【0138】
B1.炭化水素のアップグレードプロセスであって、(I)炭化水素含有フィードを、第10族元素及び無機担体を含む触媒と接触させて、炭化水素含有フィードの少なくとも一部の脱水素、脱水素芳香族化、及び脱水素環化の1つ以上を引き起こして、第10族元素、無機担体、及び混入物を含む少なくとも部分的に失活した触媒と、1種以上のアップグレードされた炭化水素及び分子水素を含む流出物とを生成するステップであって、炭化水素含有フィードが、1種以上のC2-C16直鎖若しくは分岐アルカン、1種以上のC4-C16環状アルカン、1種以上のC8-C16アルキル芳香族炭化水素、又はその混合物を含み、第10族元素が、無機担体の質量に基づいて0.001wt%~6wt%の範囲の濃度を有し、炭化水素含有フィード及び触媒が300℃~900℃の温度で接触され、かつ1種以上のアップグレードされた炭化水素が、脱水素炭化水素、脱水素芳香族化炭化水素、及び脱水素環化炭化水素の少なくとも1つを含む、ステップと、(II)少なくとも部分的に失活した触媒から前駆体触媒を得るステップと、(III)酸化的ガスであって、その総モルに基づいて2モル%以下のH2Oを含む酸化的ガスを供給するステップと、(IV)前駆体触媒を620℃~1,000℃の範囲の酸化温度で酸化的ガスと少なくとも30秒、好ましくは少なくとも1分、好ましくは少なくとも5分の持続時間にわたって接触させて、酸化前駆体触媒を生成するステップと、(V)酸化前駆体触媒から再生触媒を得るステップと、(VI)追加量の炭化水素含有フィードを再生触媒の少なくとも一部と接触させて、追加の少なくとも部分的に失活した触媒及び追加の流出物を生成するステップとを含む、プロセス。
【0139】
B2.第10族元素がPtを含み、無機担体が、無機担体の質量に基づいて少なくとも0.5wt%の第2族元素を含み、触媒が、場合により無機担体の質量に基づいて10wt%までの促進剤をさらに含み、促進剤が、存在する場合、下記元素:Sn、Ag、Cu、その組み合わせ、又はその混合物の1種以上を含み、触媒が、場合により5wt%までのアルカリ金属元素をさらに含み、アルカリ金属元素が、存在する場合、Li、Na、K、Rb、及びCsの少なくとも1種を含む、B1のプロセス。
B3.ステップ(II)が、加熱ガス混合物であって、その総モルに基づいて5モル%超の濃度でH2Oを含む加熱ガス混合物を用いて、少なくとも部分的に失活した触媒を加熱して前駆体触媒を生成するステップを含む、B1又はB2のプロセス。
B4.加熱ガス混合物が、燃料を酸化性ガスで燃焼させることによって生成され、燃料が、H2、CO、及び炭化水素の少なくとも1つを含み、かつ酸化性ガスがO2を含む、B3のプロセス。
B5.ステップ(II)において、少なくとも部分的に失活した触媒が、そのまま前駆体触媒として供給される、B1~B4のいずれか1つのプロセス。
B6.ステップ(III)が、(IIIa)酸化的ガスを酸化温度未満の温度で供給するステップと、(IIIb)酸化的ガスを、ステップ(IV)の接触前に前駆体触媒の温度より高い温度に予熱するステップとを含む、B1~B5のいずれか1つのプロセス。
B7.さらに(VI)ステップ(IV)中に、放射熱源、熱交換器、又はその組み合わせを使用することによって酸化的ガス又は前駆体触媒を加熱するステップを含む、B1~B6のいずれか1つのプロセス。
B8.ステップ(I)における炭化水素含有フィードと触媒の接触からステップ(VI)における炭化水素含有フィードと再生触媒の接触までのサイクル時間が≦5時間である、B1~B7のいずれか1つのプロセス。
【0140】
種々の用語を上に定義した。請求項に使用する用語を上に定義していない限りは、少なくとも1つの刊行物及び交付済み特許に反映されたように当業者が当該用語に与えた最も広い定義を与えるべきである。さらに、本出願で引用した全ての特許、試験手順、及び他の文書は、参照することにより該開示が本願と矛盾しない程度まで完全に組み込まれ、かつ該組み込みが許容される全ての管轄権のために組み込まれる。
前述の説明は、本発明の実施形態に関するものであるが、本発明の基本範囲を逸脱することなく本発明の他のさらなる実施形態を考案することができ、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決められる。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第10族元素、無機担体、及び混入物を含む少なくとも部分的に失活した触媒の再生プロセスであって、前記第10族元素が、前記無機担体の質量に基づいて0.001wt%~6wt%の範囲の濃度を有し、かつ前記プロセスが、
(I)加熱ガス混合物であって、その総モルに基づいて5モル%超の濃度でH
2Oを含む加熱ガス混合物を用いて前記少なくとも部分的に失活した触媒を加熱して前駆体触媒を生成するステップと、
(II)酸化的ガスであって、その総モルに基づいて5モル%以下のH
2Oを含む酸化的ガスを供給するステップと、
(III)前記前駆体触媒を620℃~1,000℃の範囲の酸化温度で前記酸化的ガスと少なくとも30秒、好ましくは少なくとも1分、好ましくは少なくとも5分の持続時間にわたって接触させて酸化前駆体触媒を生成するステップと、
(IV)前記酸化前駆体触媒から再生触媒を得るステップと
を含む、前記プロセス。
【請求項2】
前記加熱ガス混合物が、燃料を酸化性ガスで燃焼させることによって生成される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記燃料が、H
2、CO、及び炭化水素の少なくとも1つを含み、前記酸化性ガスがO
2を含む、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記第10族元素がPtを含み、前記無機担体が、該無機担体の質量に基づいて少なくとも0.5wt%の第2族元素を含む、請求項
1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記第2族元素がMgを含み、かつ
前記第2族元素の少なくとも一部が、MgOの形態又はMgOを含む混合酸化物の形態である、請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
前記少なくとも部分的に失活した触媒が、前記無機担体の質量に基づいて10wt%までの促進剤をさらに含み、前記促進剤が、下記元素:Sn、Ag、Cu、その組み合わせ、又はその混合物の1種以上を含む、請求項
1に記載のプロセス。
【請求項7】
前記少なくとも部分的に失活した触媒が、前記無機担体上に配置された5wt%までのアルカリ金属元素をさらに含み、前記アルカリ金属元素が、Li、Na、K、Rb、及びCsの少なくとも1つを含む、請求項
1に記載のプロセス。
【請求項8】
1種以上のC
2-C
16直鎖若しくは分岐アルカン、又は1種以上のC
4-C
16環状アルカン、1種以上のC
8-C
16アルキル芳香族炭化水素、又はその混合物を含む炭化水素含有フィードの脱水素、脱水素芳香族化、及び脱水素環化の1つ以上を引き起こす能力がある、前記再生触媒の活性成分が第10族元素を含む、請求項
1に記載のプロセス。
【請求項9】
ステップ(II)が、
(IIa)前記酸化的ガスを酸化温度未満の温度で供給するステップと、
(IIb)前記酸化的ガスを、ステップ(III)の接触前に前記前駆体触媒の温度より高い温度に予熱するステップと
を含む、請求項
1に記載のプロセス。
【請求項10】
さらに、
(V)ステップ(III)中に、放射/伝導熱源、熱交換器、又はその組み合わせを使用することによって、前記酸化的ガス、前記前駆体触媒、又は両方を加熱するステップを含む、
請求項
1に記載のプロセス。
【請求項11】
ステップ(IV)が、
(IVa)前記酸化前駆体触媒を、O
2を含まない第1のストリッピングガスと接触させて剥離酸化前駆体触媒を生成するステップと、
(IVb)前記剥離酸化前駆体触媒から前記再生触媒を得るステップと
を含む、請求項
1に記載のプロセス。
【請求項12】
ステップ(IV)が、
(IVc)前記酸化前駆体触媒又は前記剥離酸化前駆体触媒をH
2含有雰囲気と接触させて還元触媒を生成するステップと、
(IVd)前記還元触媒から前記再生触媒を得るステップと
を含む、請求項
1に記載のプロセス。
【請求項13】
ステップ(IVd)が、
(IVd-1)前記還元触媒を第2のストリッピングガスと接触させて前記再生触媒を生成するステップ
を含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
ステップ(IVc)が、前記再生触媒の使用温度より高い前記酸化前駆体触媒の温度で行われ、かつステップ(IVd)がさらに、
(IVd-2)前記還元触媒又は前記再生触媒を、10分以下、5分以下、1分以下、30秒以下、10秒以下、5秒以下、1秒以下、0.5秒以下、0.1秒以下、0.01秒以下、又は0.001秒以下の持続時間で前記使用温度まで冷却するステップ
を含む、請求項
12に記載のプロセス。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載のプロセスによって生成された前記再生触媒を使用する脱水素プロセスであって、
(VI)炭化水素含有フィードを前記再生触媒と接触させて、前記炭化水素含有フィードの少なくとも一部の脱水素、脱水素芳香族化、及び脱水素環化の1つ以上を引き起こして、前記第10族元素、前記無機担体、及び前記混入物を含む前記少なくとも部分的に失活した触媒と、1種以上のアップグレードされた炭化水素及び分子水素を含む流出物とを生成するステップであって、前記炭化水素フィードが、1種以上のC
2-C
16直鎖若しくは分岐アルカン、1種以上のC
4-C
16環状アルカン、1種以上のC
8-C
16アルキル芳香族炭化水素、又はその混合物を含む、ステップと、
(VII)ステップ(I)から(IV)を繰り返すステップであって、ステップ(III)において追加の酸化前駆体触媒が生成され、ステップ(IV)において、前記追加の酸化前駆体触媒から追加の再生触媒が得られる、ステップと、
(VIII)追加量の前記炭化水素含有フィードを前記追加の再生触媒の少なくとも一部と接触させて追加の少なくとも部分的に失活した触媒及び追加の流出物を生成するステップと
を含む、前記脱水素プロセス。
【請求項16】
ステップ(VI)における前記炭化水素含有フィードと前記再生触媒の接触からステップ(VIII)における前記追加量の炭化水素含有フィードと前記追加の再生触媒の接触までのサイクル時間が5時間以下である、請求項15に記載の脱水素プロセス。
【請求項17】
炭化水素のアップグレードプロセスであって、
(I)炭化水素含有フィードを、第10族元素及び無機担体を含む触媒と接触させて、前記炭化水素含有フィードの少なくとも一部の脱水素、脱水素芳香族化、及び脱水素環化の1つ以上を引き起こして、前記第10族元素、前記無機担体、及び混入物を含む少なくとも部分的に失活した触媒と、1種以上のアップグレードされた炭化水素及び分子水素を含む流出物とを生成するステップであって、
前記炭化水素含有フィードが、1種以上のC
2-C
16直鎖若しくは分岐アルカン、又は1種以上のC
4-C
16環状アルカン、1種以上のC
8-C
16アルキル芳香族炭化水素、又はその混合物を含み、
前記第10族元素が、前記無機担体の質量に基づいて0.001wt%~6wt%の範囲の濃度を有し、
前記炭化水素含有フィード及び前記触媒が300℃~900℃の範囲の温度で接触され、かつ
前記1種以上のアップグレードされた炭化水素が、脱水素炭化水素、脱水素芳香族化炭化水素、及び脱水素環化炭化水素の少なくとも1つを含む、ステップと、
(II)加熱ガス混合物であって、その総モルに基づいて5モル%超の濃度でH
2Oを含む加熱ガス混合物を用いて、前記少なくとも部分的に失活した触媒を加熱して前駆体触媒を生成するステップと、
(III)酸化的ガスであって、その総モルに基づいて2モル%以下のH
2Oを含む酸化的ガスを供給するステップと、
(IV)前記前駆体触媒を620℃~1,000℃の範囲の酸化温度で前記酸化的ガスと少なくとも30秒、好ましくは少なくとも1分、好ましくは少なくとも5分の持続時間にわたって接触させて、酸化前駆体触媒を生成するステップと、
(V)前記酸化前駆体触媒から再生触媒を得るステップと、
(VI)追加量の前記炭化水素含有フィードを前記再生触媒の少なくとも一部と接触させて追加の少なくとも部分的に失活した触媒及び追加の流出物を生成するステップと
を含む、前記プロセス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0140
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0140】
種々の用語を上に定義した。請求項に使用する用語を上に定義していない限りは、少なくとも1つの刊行物及び交付済み特許に反映されたように当業者が当該用語に与えた最も広い定義を与えるべきである。さらに、本出願で引用した全ての特許、試験手順、及び他の文書は、参照することにより該開示が本願と矛盾しない程度まで完全に組み込まれ、かつ該組み込みが許容される全ての管轄権のために組み込まれる。
前述の説明は、本発明の実施形態に関するものであるが、本発明の基本範囲を逸脱することなく本発明の他のさらなる実施形態を考案することができ、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決められる。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕第10族元素、無機担体、及び混入物を含む少なくとも部分的に失活した触媒の再生プロセスであって、前記第10族元素が、前記無機担体の質量に基づいて0.001wt%~6wt%の範囲の濃度を有し、かつ前記プロセスが、
(I)加熱ガス混合物であって、その総モルに基づいて5モル%超の濃度でH
2
Oを含む加熱ガス混合物を用いて前記少なくとも部分的に失活した触媒を加熱して前駆体触媒を生成するステップと、
(II)酸化的ガスであって、その総モルに基づいて5モル%以下のH
2
Oを含む酸化的ガスを供給するステップと、
(III)前記前駆体触媒を620℃~1,000℃の範囲の酸化温度で前記酸化的ガスと少なくとも30秒、好ましくは少なくとも1分、好ましくは少なくとも5分の持続時間にわたって接触させて酸化前駆体触媒を生成するステップと、
(IV)前記酸化前駆体触媒から再生触媒を得るステップと
を含む、前記プロセス。
〔2〕前記加熱ガス混合物が、燃料を酸化性ガスで燃焼させることによって生成される、前記〔1〕に記載のプロセス。
〔3〕前記燃料が、H
2
、CO、及び炭化水素の少なくとも1つを含み、前記酸化性ガスがO
2
を含む、前記〔2〕に記載のプロセス。
〔4〕前記第10族元素がPtを含み、前記無機担体が、該無機担体の質量に基づいて少なくとも0.5wt%の第2族元素を含む、前記〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔5〕前記第2族元素がMgを含み、かつ
前記第2族元素の少なくとも一部が、MgOの形態又はMgOを含む混合酸化物の形態である、前記〔4〕に記載のプロセス。
〔6〕前記少なくとも部分的に失活した触媒が、前記無機担体の質量に基づいて10wt%までの促進剤をさらに含み、前記促進剤が、下記元素:Sn、Ag、Cu、その組み合わせ、又はその混合物の1種以上を含む、前記〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔7〕前記少なくとも部分的に失活した触媒が、前記無機担体上に配置された5wt%までのアルカリ金属元素をさらに含み、前記アルカリ金属元素が、Li、Na、K、Rb、及びCsの少なくとも1つを含む、前記〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔8〕1種以上のC
2
-C
16
直鎖若しくは分岐アルカン、又は1種以上のC
4
-C
16
環状アルカン、1種以上のC
8
-C
16
アルキル芳香族炭化水素、又はその混合物を含む炭化水素含有フィードの脱水素、脱水素芳香族化、及び脱水素環化の1つ以上を引き起こす能力がある、前記再生触媒の活性成分が第10族元素を含む、前記〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔9〕ステップ(II)が、
(IIa)前記酸化的ガスを酸化温度未満の温度で供給するステップと、
(IIb)前記酸化的ガスを、ステップ(III)の接触前に前記前駆体触媒の温度より高い温度に予熱するステップと
を含む、前記〔1〕~〔8〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔10〕さらに、
(V)ステップ(III)中に、放射/伝導熱源、熱交換器、又はその組み合わせを使用することによって、前記酸化的ガス、前記前駆体触媒、又は両方を加熱するステップを含む、
前記〔1〕~〔9〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔11〕ステップ(IV)が、
(IVa)前記酸化前駆体触媒を、O
2
を含まない第1のストリッピングガスと接触させて剥離酸化前駆体触媒を生成するステップと、
(IVb)前記剥離酸化前駆体触媒から前記再生触媒を得るステップと
を含む、前記〔1〕~〔10〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔12〕ステップ(IV)が、
(IVc)前記酸化前駆体触媒又は前記剥離酸化前駆体触媒をH
2
含有雰囲気と接触させて還元触媒を生成するステップと、
(IVd)前記還元触媒から前記再生触媒を得るステップと
を含む、前記〔1〕~〔11〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔13〕ステップ(IVd)が、
(IVd-1)前記還元触媒を第2のストリッピングガスと接触させて前記再生触媒を生成するステップ
を含む、前記〔12〕に記載のプロセス。
〔14〕ステップ(IVc)が、前記再生触媒の使用温度より高い前記酸化前駆体触媒の温度で行われ、かつステップ(IVd)がさらに、
(IVd-2)前記還元触媒又は前記再生触媒を、10分以下、5分以下、1分以下、30秒以下、10秒以下、5秒以下、1秒以下、0.5秒以下、0.1秒以下、0.01秒以下、又は0.001秒以下の持続時間で前記使用温度まで冷却するステップ
を含む、前記〔12〕又は前記〔13〕に記載のプロセス。
〔15〕前記〔1〕~〔14〕のいずれか1項に記載のプロセスによって生成された前記再生触媒を使用する脱水素プロセスであって、
(VI)炭化水素含有フィードを前記再生触媒と接触させて、前記炭化水素含有フィードの少なくとも一部の脱水素、脱水素芳香族化、及び脱水素環化の1つ以上を引き起こして、前記第10族元素、前記無機担体、及び前記混入物を含む前記少なくとも部分的に失活した触媒と、1種以上のアップグレードされた炭化水素及び分子水素を含む流出物とを生成するステップであって、前記炭化水素フィードが、1種以上のC
2
-C
16
直鎖若しくは分岐アルカン、1種以上のC
4
-C
16
環状アルカン、1種以上のC
8
-C
16
アルキル芳香族炭化水素、又はその混合物を含む、ステップと、
(VII)ステップ(I)から(IV)を繰り返すステップであって、ステップ(III)において追加の酸化前駆体触媒が生成され、ステップ(IV)において、前記追加の酸化前駆体触媒から追加の再生触媒が得られる、ステップと、
(VIII)追加量の前記炭化水素含有フィードを前記追加の再生触媒の少なくとも一部と接触させて追加の少なくとも部分的に失活した触媒及び追加の流出物を生成するステップと
を含む、前記脱水素プロセス。
〔16〕ステップ(VI)における前記炭化水素含有フィードと前記再生触媒の接触からステップ(VIII)における前記追加量の炭化水素含有フィードと前記追加の再生触媒の接触までのサイクル時間が5時間以下である、前記〔15〕に記載の脱水素プロセス。
〔17〕炭化水素のアップグレードプロセスであって、
(I)炭化水素含有フィードを、第10族元素及び無機担体を含む触媒と接触させて、前記炭化水素含有フィードの少なくとも一部の脱水素、脱水素芳香族化、及び脱水素環化の1つ以上を引き起こして、前記第10族元素、前記無機担体、及び混入物を含む少なくとも部分的に失活した触媒と、1種以上のアップグレードされた炭化水素及び分子水素を含む流出物とを生成するステップであって、
前記炭化水素含有フィードが、1種以上のC
2
-C
16
直鎖若しくは分岐アルカン、又は1種以上のC
4
-C
16
環状アルカン、1種以上のC
8
-C
16
アルキル芳香族炭化水素、又はその混合物を含み、
前記第10族元素が、前記無機担体の質量に基づいて0.001wt%~6wt%の範囲の濃度を有し、
前記炭化水素含有フィード及び前記触媒が300℃~900℃の範囲の温度で接触され、かつ
前記1種以上のアップグレードされた炭化水素が、脱水素炭化水素、脱水素芳香族化炭化水素、及び脱水素環化炭化水素の少なくとも1つを含む、ステップと、
(II)加熱ガス混合物であって、その総モルに基づいて5モル%超の濃度でH
2
Oを含む加熱ガス混合物を用いて、前記少なくとも部分的に失活した触媒を加熱して前駆体触媒を生成するステップと、
(III)酸化的ガスであって、その総モルに基づいて2モル%以下のH
2
Oを含む酸化的ガスを供給するステップと、
(IV)前記前駆体触媒を620℃~1,000℃の範囲の酸化温度で前記酸化的ガスと少なくとも30秒、好ましくは少なくとも1分、好ましくは少なくとも5分の持続時間にわたって接触させて、酸化前駆体触媒を生成するステップと、
(V)前記酸化前駆体触媒から再生触媒を得るステップと、
(VI)追加量の前記炭化水素含有フィードを前記再生触媒の少なくとも一部と接触させて追加の少なくとも部分的に失活した触媒及び追加の流出物を生成するステップと
を含む、前記プロセス。
〔18〕前記加熱ガス混合物が、燃料を酸化性ガスで燃焼させることによって生成される、前記〔17〕に記載のプロセス。
〔19〕前記燃料が、H
2
、CO、及び炭化水素の少なくとも1つを含み、前記酸化性ガスがO
2
を含む、前記〔18〕に記載のプロセス。
〔20〕前記第10族元素がPtを含み、かつ
前記無機担体が、該無機担体の質量に基づいて少なくとも0.5wt%の第2族元素を含む、前記〔17〕~〔19〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔21〕前記触媒が、前記無機担体の質量に基づいて10wt%までの促進剤をさらに含み、前記促進剤が、下記元素:Sn、Ag、Cu、その組み合わせ、又はその混合物の1つ以上を含む、前記〔17〕~〔20〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔22〕前記触媒が、5wt%までのアルカリ金属元素をさらに含み、前記アルカリ金属元素がLi、Na、K、Rb、及びCsの少なくとも1つを含む、前記〔17〕~〔21〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔23〕ステップ(III)が、
(IIIa)前記酸化的ガスを前記酸化温度未満の温度で供給するステップと、
(IIIb)前記酸化的ガスを、ステップ(IV)の接触前に前記前駆体触媒の温度より高い温度に予熱するステップと
を含む、前記〔17〕~〔22〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔24〕さらに、
(VII)ステップ(IV)中に、放射/伝導熱源、熱交換器、又はその組み合わせを使用することによって、前記酸化的ガス、前記前駆体触媒、又は両方を加熱するステップ
を含む、前記〔17〕~〔23〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔25〕ステップ(I)における前記炭化水素含有フィードと前記触媒の接触からステップ(VI)における前記追加量の炭化水素含有フィードと前記再生触媒の接触までのサイクル時間が、5時間以下である、前記〔17〕~〔24〕のいずれか1項に記載のプロセス。
【国際調査報告】