(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】電極ユニット及びそれを含む電極装置
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20240614BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574520
(86)(22)【出願日】2021-06-14
(85)【翻訳文提出日】2023-12-01
(86)【国際出願番号】 KR2021007422
(87)【国際公開番号】W WO2022260203
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0073977
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522076206
【氏名又は名称】ディープキュア インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,チャン ウック
(72)【発明者】
【氏名】ペク,ドゥ ジン
(72)【発明者】
【氏名】ジョ,ソク ヒョン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK12
4C160KK38
4C160MM32
4C160MM33
(57)【要約】
体内の神経を遮断又は調節するための電極装置に提供され、体内の管状の組織に巻き付けられるように設けられる電極ユニットであって、締結部、延在部及び電極部が順に延在して形成され、一側に電極が形成された前記電極部が前記管状の組織に巻き付けられるように構成される電極レイヤと、前記締結部、前記延在部及び前記電極部の一部に対して前記電極レイヤに積層される固定レイヤと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内の神経を遮断又は調節するための電極装置に提供され、体内の管状の組織に巻き付けられるように設けられる電極ユニットであって、
締結部、延在部及び電極部が順に延在して形成され、一側に電極が形成された前記電極部が前記管状の組織に巻き付けられるように構成される電極レイヤと、
前記締結部、前記延在部及び前記電極部の一部に対して前記電極レイヤに積層される固定レイヤと、を含む、
電極ユニット。
【請求項2】
前記固定レイヤは、
一端に前記締結部に対応するように形成される第1の締結部と、
他端に形成される第2の締結部と、
前記第1、2の締結部の間を連結する連結部と、を含み、
前記連結部と前記第2の締結部との境界は、折り曲げ可能に構成される、
請求項1に記載の電極ユニット。
【請求項3】
前記固定レイヤは、前記電極レイヤに付着するが、前記電極レイヤの電極部の少なくとも一部が前記固定レイヤに付着しない、
請求項1に記載の電極ユニット。
【請求項4】
前記固定レイヤの第1の締結部が前記電極レイヤの締結部に対応して付着し、前記固定レイヤの連結部の全体は、前記電極レイヤの延在部及び前記電極レイヤの電極部の一部に亘って付着する、
請求項2に記載の電極ユニット。
【請求項5】
前記固定レイヤの第1の締結部が前記電極レイヤの締結部に対応して付着し、前記固定レイヤの連結部の一部は、前記電極レイヤの延在部の全体に付着するが、前記固定レイヤの連結部の残りの一部は、前記電極レイヤの電極部に付着しない、
請求項2に記載の電極ユニット。
【請求項6】
前記固定レイヤの第1の締結部が前記電極レイヤの締結部に対応して付着し、前記固定レイヤの連結部の一部は、前記電極レイヤの延在部及び前記電極レイヤの電極部の一部に亘って付着し、前記固定レイヤの連結部の残りの一部は、前記電極レイヤの電極部に付着しない、
請求項2に記載の電極ユニット。
【請求項7】
前記電極レイヤの前記電極部上に配置されて、温度を感知するように構成されるセンサ部をさらに含む、
請求項1に記載の電極ユニット。
【請求項8】
体内の神経を遮断又は調節するための電極装置において、
請求項1に記載の電極ユニットと、
前記電極ユニットを前記管状の組織に接触させるようにワインディング状態に変形される電極ガイドと、を含み、
前記電極ガイドは、
前記ワインディング状態で前記電極ユニットと離隔して前記管状の組織の周りに巻き付けられるように形成される胴部と、
前記胴部の末端部に連結され、前記電極ユニットの締結部が固定されるように形成される結合部と、を含む、
電極装置。
【請求項9】
前記結合部は、
前記胴部に固定されるように形成される第1のクランプピースと、
前記電極ユニットの前記締結部を挟んで前記第1のクランプピースと結合される第2のクランプピースと、を含む、
請求項8に記載の電極装置。
【請求項10】
前記第1のクランプピース及び第2のクランプピースのうちのいずれかは、一方向に突出するように形成される突出部を備え、
前記第1のクランプピース及び第2のクランプピースのうちの他のいずれかは、前記突出部に対応してリセスされる締結溝を備え、
前記電極ユニットの前記締結部には、前記突出部が貫通する貫通孔が形成される、
請求項9に記載の電極装置。
【請求項11】
前記電極ユニットの前記締結部が前記第1のクランプピースと前記第2のクランプピースとの間に挿入されるように構成される、
請求項9に記載の電極装置。
【請求項12】
前記電極ガイドは、前記胴部をワインディング状態にガイドするために、前記胴部を貫通して前記第2のクランプピースに結合されるジョイントワイヤをさらに含み、
前記第2のクランプピースは、
前記ジョイントワイヤの端部が挿入されるように形成されるワイヤ溝と、
前記ワイヤ溝から前記ジョイントワイヤの端部が離脱することを防止するように、前記ワイヤ溝の一部を閉鎖する固定プレートと、を備える、
請求項9に記載の電極装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体内の神経を遮断又は調節するための電極ユニット及びそれを含む電極装置である。
【背景技術】
【0002】
神経遮断術は、非正常に過度に活性化された自律神経系を制御するために特定の神経を損傷させる施術のことを言う。例えば、腎臓神経遮断術は、腎臓に向かう腎臓交感神経を損傷させることで高血圧と心臓疾患を治療し、肺神経遮断術は、肺に向かう副交感神経を損傷させることで肺疾患を治療することができる。
【0003】
神経は、通常、血管、気管支などのような管の外壁に巻き付けられており、このような管の外壁に巻き付けられて神経の信号を測定したり、当該神経に電気刺激を伝達したり、様々なエネルギーを伝達して神経を損傷又は破壊させることが必要となることがある。
【0004】
例えば、腎動脈に施術を実施する場合、施術対象となる主腎動脈(main renal artery)の直径は5~7mmであり、直径が1~2mmである副腎動脈(accessory renal artery)を対象にすることもある。また、神経が分布している管は人によってその大きさが様々であり、位置によってその大きさが変わる。
【0005】
このような施術を実施するにおいて、カテーテルの末端に形成される電極を含む構成要素を、管の外壁に巻き付けられるように精巧に位置させることが重要である。具体的に、神経を効果的に遮断あるいは調節するためには、神経が分布している管の外壁を周方向に巻き付けなければならず、管の中間に電極が形成された構成要素を巻き付ける状態で配置する動作が信頼性良く且つ迅速に行われる必要性がある。これと共に、体内への不要なエネルギーの伝達及び接触を抑制又は最小化しながら行われる必要性がある。先行技術文献としては、韓国特許出願公開第2013-0108401号(2013年10月2日付にて公開)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国特許出願公開第2013-0108401号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、人体に接触される電極ユニットと、電極ユニットと接触が最小化された結合をなして電極ユニットを操作する電極ガイドと、を含む電極装置を提供する。
【0008】
但し、本実施例が解決しようとする技術的課題は、上記したような技術的課題に限定されるものではなく、また他の技術的課題が存在し得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した技術的課題を達成するための手段として、本発明の一実施例は、体内の神経を遮断又は調節するための電極装置に提供され、体内の管状の組織に巻き付けられるように設けられる電極ユニットであって、締結部、延在部及び電極部が順に延在して形成され、一側に電極が形成された前記電極部が前記管状の組織に巻き付けられるように構成される電極レイヤと、前記締結部、前記延在部及び前記電極部の一部に対して前記電極レイヤに積層される固定レイヤと、を含む。
【0010】
本発明の一実施例は、前記固定レイヤは、一端に前記締結部に対応するように形成される第1の締結部と、他端に形成される第2の締結部と、前記第1、2の締結部の間を連結する連結部と、を含み、前記連結部と前記第2の締結部との境界は、折り曲げ可能に構成される。
【0011】
本発明の一実施例は、前記固定レイヤは、前記電極レイヤに付着するが、前記電極レイヤの電極部の少なくとも一部が前記固定レイヤに付着しない。
【0012】
本発明の一実施例は、前記固定レイヤの第1の締結部が前記電極レイヤの締結部に対応して付着し、前記固定レイヤの連結部の全体は、前記電極レイヤの延在部及び前記電極レイヤの電極部の一部に亘って付着する。
【0013】
本発明の一実施例は、前記固定レイヤの第1の締結部が前記電極レイヤの締結部に対応して付着し、前記固定レイヤの連結部の一部は、前記電極レイヤの延在部の全体に付着するが、前記固定レイヤの連結部の残りの一部は、前記電極レイヤの電極部に付着しない。
【0014】
本発明の一実施例は、前記固定レイヤの第1の締結部が前記電極レイヤの締結部に対応して付着し、前記固定レイヤの連結部の一部は、前記電極レイヤの延在部及び前記電極レイヤの電極部の一部に亘って付着し、前記固定レイヤの連結部の残りの一部は、前記電極レイヤの電極部に付着しない。
【0015】
本発明の一実施例は、前記電極レイヤの前記電極部上に配置されて、温度を感知するように構成されるセンサ部をさらに含む。
【0016】
本発明の他の実施例は、体内の神経を遮断又は調節するための電極装置において、前記本発明の一実施例に係る電極ユニットと、前記電極ユニットを前記管状の組織に接触させるようにワインディング状態に変形される電極ガイドと、を含み、前記電極ガイドは、前記ワインディング状態で前記電極ユニットと離隔して前記管状の組織の周りに巻き付けられるように形成される胴部と、前記胴部の末端部に連結され、前記電極ユニットの締結部が固定されるように形成される結合部と、を含む。
【0017】
本発明の他の実施例は、前記結合部は、前記胴部に固定されるように形成される第1のクランプピースと、前記電極ユニットの前記締結部を挟んで前記第1のクランプピースと結合される第2のクランプピースと、を含む。
【0018】
本発明の他の実施例は、前記第1のクランプピース及び第2のクランプピースのうちのいずれかは、一方向に突出するように形成される突出部を備え、前記第1のクランプピース及び第2のクランプピースのうちの他のいずれかは、前記突出部に対応してリセスされる締結溝を備え、前記電極ユニットの前記締結部には、前記突出部が貫通する貫通孔が形成される。
【0019】
本発明の他の実施例は、前記電極ユニットの前記締結部が前記第1のクランプピースと前記第2のクランプピースとの間に挿入されるように構成される。
【0020】
本発明の他の実施例は、前記電極ガイドは、前記胴部をワインディング状態にガイドするために、前記胴部を貫通して前記第2のクランプピースに結合されるジョイントワイヤをさらに含み、前記第2のクランプピースは、前記ジョイントワイヤの端部が挿入されるように形成されるワイヤ溝と、前記ワイヤ溝から前記ジョイントワイヤの端部が離脱することを防止するように、前記ワイヤ溝の一部を閉鎖する固定プレートと、を備える。
【0021】
上述した課題を解決するための手段は、単なる例示であり、本発明を制限する意図で解釈されてはならない。上述した例示的な実施例の他にも、図面及び発明の詳細な説明に記載された追加の実施例が存在し得る。
【発明の効果】
【0022】
上述した本発明の課題解決手段のうちいずれかによれば、ワインディング状態で電極ガイドと電極ユニットとが区間の多くにおいて互いに離隔するように配置されても良い。これにより、電極ユニットと電極ガイドとが互いに離隔した空間が空気などに露出した状態で施術が行われ、電極ユニットで発生する熱が対流熱伝達によって容易に発散されることができる。
【0023】
また、本発明の課題解決手段のうちいずれかによれば、電極ユニットと電極ガイドとの結合(組立)地点を最小化しながらも、電極ユニットが電極ガイドの結合部によって堅固に支持されることができ、耐久性と信頼性とが確保できる。さらに、かかる電極ユニットと電極ガイドとを互いに容易に組み立てることができる。
【0024】
なお、動力によってワインディング状態に変形される電極ガイドと、体内の管に密着される電極ユニットとが別々に構成されるので、動力伝達による影響、例えば、震動や力が体内の管に伝達されることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施例に係る電極装置の側面図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る電極ガイドのワインディング状態を示す斜視図である。
【
図3a】本発明の一実施例に係る電極ガイドがワインディング状態に変形される過程を示す図である。
【
図3b】本発明の一実施例に係る電極ガイドがワインディング状態に変形される過程を示す図である。
【
図3c】本発明の一実施例に係る電極ガイドがワインディング状態に変形される過程を示す図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る電極ガイドの胴部及び結合部を示す斜視図である。
【
図5】本発明の一実施例に係る電極ユニットの一部を示す平面図である。
【
図6a】本発明の一実施例に係る電極ユニットの分解斜視図である。
【
図6b】本発明の一実施例に係る電極ユニットの分解斜視図である。
【
図7】本発明の一実施例に係る電極ユニットと結合部との分解斜視図である。
【
図8】本発明の一実施例に係る電極ユニットと結合部とが互いに結合された状態を示す斜視図である。
【
図9a】本発明の一実施例に係る電極ユニットの電極レイヤと固定レイヤとの付着状態を側面から示した図である。
【
図9b】本発明の一実施例に係る電極ユニットの電極レイヤと固定レイヤとの付着状態を側面から示した図である。
【
図10a】
図9aによる付着状態で、電極ガイドと電極ユニットとが管状の組織に巻き付けられる状態を示す図である。
【
図10b】
図9bによる付着状態で、電極ガイドと電極ユニットとが管状の組織に巻き付けられる状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下では、添付した図面を参照しながら、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施例を詳しく説明する。本発明は様々な異なる形態に具現されることができ、ここで説明する実施例に限定されるものではない。そして、図面において、本発明を明確に説明するために、説明とは関係ない部分は省略しており、明細書全体に亘って類似した部分に対しては類似した図面符号を付けている。
【0027】
本明細書において、単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味を示さない限り、複数の表現を含む。
【0028】
本明細書に開示された実施例を説明するにあたり、関連する公知技術に対する具体的な説明が本明細書に開示された実施例の要旨をあいまいにしうると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0029】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」という場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味し、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加可能性を予め排除するものではないと理解されなければならない。
【0030】
本明細書において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などのように位置や方向を表す用語は、図面を基準とした対象の相対的な位置や方向を説明するためのものであるだけで、本発明を制限しない。
【0031】
添付した図面は、本明細書に開示された実施例の理解を助けるためのものであるだけで、添付した図面によって本明細書に開示された技術的思想が制限されるのではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されなければならない。
【0032】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の一実施例を詳しく説明する。
【0033】
図1は、本発明の一実施例に係る電極装置100の側面図であり、
図2は、本発明の一実施例に係る電極ガイド130のワインディング状態を示す斜視図である。そして、
図3a乃至3cは、本発明の一実施例に係る電極ガイド130がワインディング状態に変形される過程を示す図であり、
図4は、本発明の一実施例に係る電極ガイド130の胴部131及び結合部132を示す斜視図である。
【0034】
先ず、
図1を参照すると、本発明の一実施例に係る電極装置100は、本体110、電極ユニット120、電極ガイド130を含んでいても良い。
【0035】
本体110は、一方向に伸びるシャフト111と、シャフト111と連結されて施術者が把持できるように形成されるグリップ部112と、グリップ部112に形成されて電極ガイド130の動作を操作できるガイド操作部113と、グリップ部112に形成されて電極ユニット120へのエネルギー伝達を操作できる電極操作部114とを含んでいても良い。本体110の内部には電極ユニット120と電極ガイド130とを駆動且つ制御する要素が配置されても良い。
【0036】
電極ユニット120及び電極ガイド130は、シャフト111の一端部から突出するように形成され、施術者の操作などによって、体内の管状の組織に分布している神経の少なくとも一部に巻き付けられて、遮断あるいは調節するように構成される。
【0037】
例えば、
図2に示すように、電極ユニット120は、体内の管状の組織Vの外面に巻き付けられる方法によって接触して、組織Vに分布している神経に電気刺激を伝達したり、様々なエネルギーを伝達したりすることで、神経の少なくとも一部を遮断あるいは調節することができる。
【0038】
このとき、電極ガイド130は、電極ユニット120を管状の組織Vに接触させる機能を果たすことができる。電極ガイド130は、電極ユニット120と結合されて、電極ユニット120を管状の組織Vに接触させるワインディング状態に変形されることができる。ワインディング状態とは、例えば、
図2及び3cに示すような状態を意味し得る。
【0039】
図3a乃至3c及び
図4を参照しながら説明すると、ワインディング状態への変形を具現するために、本発明に備えられる電極ガイド130は、胴部131及び結合部132を備えても良い。胴部131は、ワインディング状態で電極ユニット120を挟んで管状の組織Vの周りに巻き付けられるように配置されても良い。
【0040】
本発明の一実施例によれば、電極ガイド130は、電極ユニット120と共にシャフト111の内部に収容されていて、施術のために一端部から前方Fに向かって引き出されながらワインディング状態に変形されることができる。
【0041】
図3a乃至3cに示すように、複数の胴部131は、順次に引き出されながら一側に向かって移動して、全体的に管状の組織Vに巻き付けられるワインディング状態となることができる。但し、ワインディング状態で、電極ガイド130は、管状の組織Vの外周面と離隔し、電極ガイド130の巻き付けられた内側に配置される電極ユニット120が管状の組織Vの外周面に密着されても良い。
【0042】
本発明の一実施例によれば、胴部131は、第1の胴体群131x及び第2の胴体群131yを含んでいても良い。
図3a乃至4に示すように、第1の胴体群131xは、長さ方向に第1の長さを有し、第2の胴体群131yは、第1の長さよりも長い第2の長さを有しても良い。一例として、第1の胴体群131xと第2の胴体群131yとは、それぞれ長さの異なる例えば、6つのジョイントを含んでいても良い。
【0043】
第1の胴体群131xと第2の胴体群131yとの長さの差によって、ワインディング状態で第1の胴体群131xは第1の曲率半径を形成し、第2の胴体群131yは、第1の曲率半径よりも大きい第2の曲率半径を形成することができる。即ち、
図3cに示すように、相対的に短い長さを有するジョイント(第1の胴体群131x)が小さい曲率半径を形成し、長い長さを有するジョイント(第2の胴体群131y)が大きい曲率半径を形成することができる。
【0044】
具体的に、第1の曲率半径を形成する第1の胴体群131xは結合部132に近い側に、第2の曲率半径を形成する第2の胴体群131yはシャフト111に近い側に配置されても良い。
【0045】
ワインディング状態で結合部132に近い側に配置された胴部131がさらに小さい曲率半径を形成するようになれば、
図3cに示すように、管状の組織Vとシャフト111との間の空間に結合部132が進入する経路が作られることができる。このような胴部131を含む電極ガイド130が全体的に螺旋状を有していても良い。
【0046】
一方、
図5は、本発明の一実施例に係る電極ユニット120の一部を示す平面図であり、
図6a乃至6bは、本発明の一実施例に係る電極ユニット120の分解斜視図である。そして、
図7は、本発明の一実施例に係る電極ユニット120と結合部132との分解斜視図であり、
図8は、本発明の一実施例に係る電極ユニット120と結合部132とが互いに結合された状態を示す斜視図である。
【0047】
本発明の一実施例に係る電極ユニット120は、体内の神経を遮断又は調節するための電極装置に提供され、体内の管状の組織に巻き付けられるように設けられる電極ユニットであって、
図5に示すように、締結部1201、延在部1202及び電極部1203が順に延在して形成されても良い。
【0048】
締結部1201には、
図7乃至8を通じて説明する結合部132と結合するための貫通孔120aが形成されても良い。
【0049】
電極ユニット120は、体内の管状の組織に巻き付けられるとき、電極部1203が管状の組織の外面と接触しながらこれに巻き付けられるように構成されても良い。電極部1203が管状の組織の外面に巻き付けられてエネルギーを伝達できるように、電極ユニット120は、高周波エネルギーを伝達するための軟性回路基板(Flexible PCB)、超音波エネルギーを伝達するためのトランスデューサ、高い高電圧エネルギーを伝達するための金属電極などにより構成されても良い。
【0050】
このような電極ユニット120の電極部1203上には、管状の組織にエネルギーを伝達できる電極122が形成されても良いが、電極122は、電極部1203上で互いに平行に伸びる一対の電極であるバイポーラにより構成されても良い。
【0051】
電極122は、神経を遮断(block or denervation)あるいは調節(control or modulation)するために、ステンレススチール、金などのように人体に無害で且つ電気を伝達できる素材からなっていても良い。また、電極122は、エネルギーソース生成器からの様々なタイプのエネルギーを伝達することができる。
【0052】
例えば、高周波エネルギー(radio-frequency(RF) energy)、電気エネルギー、レーザエネルギー、超音波エネルギー(ultrasonic energy)、集束超音波エネルギー(high-intensity focused ultrasound energy)、極低温エネルギー(cryogenic energy)、及びその他の熱エネルギーが利用されても良い。
【0053】
また、電極部1203上において電極122の間にセンサ部123が配置されても良く、センサ部123は、第1の金属123a及び第2の金属123bからなる熱電対であっても良い。一例として、センサ部123は、銅(copper)及びコンスタンタン(constantan)の対により構成されても良い。本発明の一実施例に係る電極装置100によって神経切断術が施される際、センサ部123は、施術部位の温度をモニタリングしたり、組織Vの神経の信号を測定したりすることができる。
【0054】
そして、本発明の一実施例に係る電極ユニット120は、
図6に示すように、電極レイヤ121及び電極レイヤ121に積層される固定レイヤ126を含んでいても良い。
【0055】
電極レイヤ121は、電極レイヤ締結部1211、電極レイヤ延在部1212及び電極レイヤ電極部1213が順に延在して形成されても良い。
【0056】
そして、固定レイヤ126は、電極レイヤ121の締結部1211、延在部1212及び電極部1213の一部に対して、電極レイヤ121に積層されても良い。
【0057】
固定レイヤ126は、一端に形成される第1の締結部1261、他端に形成される第2の締結部1263、及び第1、2の締結部1261、1263の間を連結する連結部1262が設けられても良い。
【0058】
固定レイヤの第1の締結部1261は、電極レイヤ締結部1211と対応し、電極レイヤ締結部1211に積層されることで、電極ユニットの締結部1201を形成しても良い。
【0059】
固定レイヤの連結部1262は、電極レイヤ121の延在部1212と電極部1213の一部まで伸びても良い。このとき、固定レイヤの連結部1262の一部は、電極レイヤの延在部1212と対応し、電極レイヤの延在部1212に積層されることで、電極ユニットの延在部1202を形成しても良い。そして、固定レイヤの連結部1262の残りの一部は、電極レイヤの電極部1213に積層されても良い。
【0060】
固定レイヤの連結部1262と第2の締結部1263との境界は、
図6bに示すように、固定レイヤの連結部1262と第2の締結部1263とが折り曲げられるように構成されても良い。
【0061】
以下、
図7乃至8を参照しながら、電極ガイドと電極ユニット120との結合について説明する。
【0062】
電極ガイドにおいて、結合部132は、胴部の末端に連結され、電極ユニット120の端部が固定されるように構成されても良い。
図7に示すように、結合部132は、第1のクランプピース132a及び第2のクランプピース132bを含んでいても良い。そして、胴部をワインディング状態にガイドするために、胴部を貫通して第2のクランプピース132bに結合されるジョイントワイヤ133をさらに含んでいても良い。
【0063】
ジョイントワイヤ133は、胴部を順次に貫通するように形成されても良い。ジョイントワイヤ133は、電極ガイドが体内の管に巻き付けられる形状に変形されることをガイドすることができる。
【0064】
第2のクランプピース132bは、ジョイントワイヤ133の端部が挿入されるように形成されるワイヤ溝132b2、及びワイヤ溝132b2からジョイントワイヤ133の端部が離脱することを防止するようにワイヤ溝132b2の一部を閉鎖する固定プレート132b3を備えても良い。
【0065】
ワイヤ溝132b2は、第2クランプピース132bに備えられた複数の締結溝132b1の間でジョイントワイヤ133の端部を収容するように形成されても良い。ワイヤ溝132b2に挿入されたジョイントワイヤ133の端部は、ワイヤ133よりも直径が大きいか、ワイヤ133と形状が異なり、固定プレート132b3にかかってワイヤ溝132b2から離脱することなく固定されることができる。
【0066】
そして、第1のクランプピース132aは、胴部に固定されるように形成されても良く、第2のクランプピース132bは、第1のクランプピース132aと電極ユニット120の一部、好ましくは、電極ユニットの締結部1201と固定レイヤの第2の締結部1263とを挟んで第1のクランプピース132aと結合されても良い。
【0067】
第1のクランプピース132aと第2のクランプピース132bとの間の結合構造を具体的にみると、本発明の一実施例に係る第1のクランプピース132a及び第2のクランプピース132bのうちのいずれかは、一方向に突出するように形成される突出部132a1を備えても良く、第1のクランプピース132a及び第2のクランプピース132bのうちの他のいずれかは、突出部132a1に対応してリセスされる締結溝132b1を備えても良い。
【0068】
例えば、第1のクランプピース132aに突出部132a1が備えられれば、第2のクランプピース132bには締結溝132b1が備えられ、これと逆に、第2のクランプピース132bに突出部が備えられれば、第2のクランプピース132bに締結溝が備えられる。
【0069】
第1のクランプピース132aに備えられた突出部132a1は、固定レイヤの第2の締結部と電極ユニット120の締結部とを貫通して第2のクランプピース132bに備えられた締結溝132b1に結合されても良い。このとき、電極ユニットの締結部1201及び固定レイヤの第2の締結部1263には、それぞれ突出部132a1が貫通できる貫通孔120a、1263aが形成されても良い。
【0070】
第1のクランプピース132aと第2のクランプピース132bとの間に電極ユニットの締結部1201と固定レイヤの第2の締結部1263とが介在した状態で、第1のクランプピース132aと第2のクランプピース132bとが締結されれば、
図8に示すように、電極ユニット120が第2のクランプピース132bに巻き付けられた状態で堅固に固定されることができる。具体的に、電極レイヤの締結部、延在部と電極部の一部、そして、固定レイヤが第2のクランプピース132bに巻き付けられる。
【0071】
図9a乃至9bは、本発明の一実施例に係る電極ユニットの電極レイヤ121と固定レイヤ126との付着状態を側面から示した図であり、
図10a乃至10bは、それぞれ
図9a乃至9bによる付着状態で電極ガイド130と電極ユニット120とが管状の組織Vに巻き付けられる状態を示す図である。
【0072】
図9において、結合部132の先端(左側の末端)は、電極ユニットの延在部と電極部との境界と一致する。これを鑑みると、
図9aでSと示された領域は、電極ユニットの締結部、延在部及び電極部の一部にあたり、これに加えて、固定レイヤの第1の締結部及び連結部にあたることが分かる。そして、
図9bでSと示された領域は、電極ユニットの締結部及び延在部にあたり、これに加えて固定レイヤの第1の締結部及び連結部の一部にあたることが分かる。
【0073】
本発明の一実施例に係る固定レイヤ126は、電極レイヤ121に積層された状態で電極レイヤ121に付着しても良い。
【0074】
例えば、
図9aでSと示された領域に対して、固定レイヤ126が電極レイヤ121に付着しても良い。即ち、固定レイヤ126は、第1の締結部と連結部全体とが電極レイヤ121に付着しても良い。そこで、固定レイヤ126の第1の締結部は、電極レイヤ121の締結部に対応して付着し、固定レイヤ126の連結部全体は、電極レイヤ121の延在部と電極部の一部に亘って付着しても良い。
【0075】
このような付着状態で、
図10aに示すように、電極ガイド130と電極ユニット120とが管状の組織Vに巻き付けられても良い。このとき、電極ガイド130は、電極ユニット120を管状の組織Vに接触させるワインディング状態に変形され、電極ユニット120を挟んで組織Vの周りに巻き付けられるように配置されても良い。電極ユニット120は、電極ユニット120の電極部の一部が結合部132の一番目の節である第2のクランプピースと接触した状態で、組織Vの外面と接触しながら、組織Vに巻き付けられても良い。
【0076】
または、固定レイヤ126が電極レイヤ121に付着するが、電極レイヤ121の電極部の少なくとも一部に対しては、固定レイヤ126と電極レイヤ121は付着しなくても良い。
【0077】
例えば、
図9bでSと示された領域に対して、固定レイヤ126が電極レイヤ121に付着しても良い。即ち、固定レイヤ126は、第1の締結部と連結部の一部とが電極レイヤ121に付着しても良い。そこで、固定レイヤ126の第1の締結部は、電極レイヤ121の締結部に対応して付着し、固定レイヤ126の連結部の一部は電極レイヤ121の延在部全体に付着しても良い。そして、固定レイヤ126の連結部の残りの一部は、電極レイヤ121、特に、電極レイヤ121の電極部に付着しなくても良い。
【0078】
このような付着状態で、
図10bに示すように、電極ガイド130と電極ユニット120とが管状の組織Vに巻き付けられても良い。このとき、電極ユニット120の電極部が結合部132の一番目の節である第2のクランプピースと接触しないため、電極ユニットがさらに小さい曲率半径を形成することができるので、
図9aのような付着状態に比べて、直径がさらに小さい管状の組織Vに巻き付けられても良い。
【0079】
または、図示はしないが、固定レイヤの第1の締結部が電極レイヤの締結部に対応して付着し、固定レイヤの連結部の一部は、電極レイヤの延在部及び前記電極レイヤの電極部の一部に亘って付着し、固定レイヤの連結部の残りの一部は電極レイヤの電極部に付着しなくても良い。
【0080】
このような付着状態で、電極ユニットは、
図9aに示す付着状態の電極ユニットが形成する曲率半径よりも小さい曲率半径を形成することができ、
図9bに示す付着状態の電極ユニットが形成する曲率半径よりも大きい曲率半径を形成することができる。
【0081】
上述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態に容易に変形可能であるということを理解できるはずである。それゆえ、上記した実施例は全ての面において例示的なものであり、限定的なものではないと理解すべきである。例えば、単一型で説明されている各構成要素は分散して実施されても良く、同様に、分散したものと説明されている構成要素も結合された形態で実施されても良い。
【0082】
本発明の範囲は、上記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその均等概念から導出される全ての変更又は変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されなければならない。
【国際調査報告】