(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】飲料調製マシン及び液体を注出するための方法
(51)【国際特許分類】
A47J 31/46 20060101AFI20240614BHJP
A47J 31/60 20060101ALI20240614BHJP
A47J 31/36 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
A47J31/46
A47J31/60
A47J31/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574650
(86)(22)【出願日】2022-06-15
(85)【翻訳文提出日】2023-12-04
(86)【国際出願番号】 EP2022066304
(87)【国際公開番号】W WO2022268601
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100168734
【氏名又は名称】石塚 淳一
(72)【発明者】
【氏名】プリエーゼ, アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】ペレンテス, アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】ブノワ‐リゾン, アントニン
(72)【発明者】
【氏名】ガンショフ ヴァン デル メルシェ, ニコラス
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA13
4B104AA23
4B104BA21
4B104BA36
4B104BA64
4B104BA70
4B104EA11
4B104EA17
(57)【要約】
本発明は、飲料調製マシン1であって、飲料調製マシンを通して液体を送液するための送液ユニット2と、送液ユニットによって送液された液体を注出するための注出ユニット3と、注出ユニットによって注出された液体を収集するための液体経路Pを選択的に形成するために、注出ユニットに流体接続可能な収集ユニット8と、を備える、飲料調製マシンに関する。本発明は更に、液体を注出するための方法であって、(a)飲料調製マシン、好ましくは先行する請求項のいずれか一項に記載の飲料調製マシンの送液ユニットを通して、液体を送液する工程と、(b)送液ユニットによって送液された液体を、飲料調製マシンの注出ユニットを介して注出する工程と、(c)注出ユニットによって注出された液体の少なくとも一部を収集するための液体経路を形成するために、飲料調製マシンの収集ユニットを注出ユニットと選択的に流体接続する工程と、を含む、方法に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料調製マシン(1)であって、
前記飲料調製マシン(1)を通して液体を送液するための送液ユニット(2)と、
前記送液ユニット(2)によって送液された前記液体を注出するための注出ユニット(3)と、
前記注出ユニット(3)によって注出された前記液体を収集するための液体経路(P)を選択的に形成するために、前記注出ユニット(3)に流体接続可能な収集ユニット(8)と、
を備える、飲料調製マシン(1)。
【請求項2】
前記注出ユニット(3)が、前記液体を注出するための出口ポート(30)を備える、及び/又は
前記収集ユニット(8)が、前記液体経路(P)を形成するために、前記注出ユニット(3)、好ましくは前記出口ポート(30)に、流体接続可能になるための入口ポート(80)を備える、
請求項1に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項3】
前記収集ユニット(8)が、前記液体経路(P)を形成するために前記注出ユニット(3)に流体接続されているとき、好ましくは前記入口ポート(80)において、前記注出ユニット(3)の少なくとも一部、好ましくは少なくとも前記出口ポート(30)を収容するためのカップ形状の収容部(81)を備える、請求項1又は2に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項4】
前記収集ユニット(8)が、前記収集ユニット(8)と前記注出ユニット(3)とを流体接続して前記液体経路(P)を形成するための接続位置と、前記注出ユニット(3)が前記飲料調製マシン(1)から前記液体を注出することを可能にするための引込位置との間で、前記注出ユニット(3)に対して相対的に移動可能である、請求項1~3のいずれか一項に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項5】
前記注出ユニット(3)と前記収集ユニット(8)とが、前記流体接続を形成する方に又は前記流体接続を形成しない方に、好ましくは前記接続位置又は前記引込位置の方に互いに相対的に偏倚されることを可能にするための偏倚手段(9)を更に備える、及び/又は
前記注出ユニット(3)と前記収集ユニット(8)との間に、流体接続されているときに前記液体経路(P)を密閉するための密閉要素(10)が設けられている、
請求項1~4のいずれか一項に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項6】
前記収集ユニット(8)が、前記液体を収集するための受容器(5)に流体接続されており、前記受容器(5)が、好ましくは前記注出ユニット(3)の下方に配置された、好ましくはドリップトレイ(50)である、及び/又は
前記収集ユニット(8)、及び/又は、存在する場合、前記受容器(5)が、閉じた循環ループを形成するために、前記送液ユニット(2)に流体接続されている又は流体接続可能である、
請求項1~5のいずれか一項に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項7】
前記注出ユニット(3)を通した液体の前記注出を選択的に制限又は停止するための流れ制限要素(6)を更に備え、
前記流れ制限要素(6)が、好ましくは、前記注出ユニット(3)を通って流れる液体を制限又は停止する流れ制限位置と、前記注出ユニット(3)を通る液体の自由な流れを可能にする流れ位置との間で移動可能である、及び/又は
前記流れ制限要素(6)の移動が、好ましくは、前記注出ユニット(3)に対する前記収集ユニット(8)の相対移動に少なくとも部分的に関連する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項8】
前記注出ユニット(3)、好ましくは前記出口ポート(30)、及び/又は前記収集ユニット(8)、好ましくは前記入口ポート(80)を照射するためのUVランプ(11、12)を更に備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項9】
前記飲料調製マシン(1)、好ましくは前記送液ユニット(2)が、好ましくは前記送液ユニット(2)内の前記液体を加熱するためのヒータ(22)を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項10】
液体を注出するための方法であって、
飲料調製マシン(1)、好ましくは請求項1~9のいずれか一項に記載の飲料調製マシン(1)の送液ユニット(2)を通して、液体を送液する工程と、
前記送液ユニット(2)によって送液された前記液体を、前記飲料調製マシン(1)の注出ユニット(3)を介して注出する工程と、
前記注出ユニット(3)によって注出された前記液体の少なくとも一部を収集するための液体経路(P)を形成するために、前記飲料調製マシン(1)の収集ユニット(8)を前記注出ユニット(3)と選択的に流体接続する工程と、
を含む、方法。
【請求項11】
液体を送液する前記工程が、好ましくは前記注出ユニット(3)の上流又は内部の飲料調製チャンバ(33)において、前記液体に基づいて飲料を調製する工程を含み、
前記液体を注出する前記工程が、前記調製された飲料を、前記注出ユニット(3)を介して注出する工程を含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記液体経路(P)が、前記液体又は調製された飲料を注出する前記工程が開始される前に形成され、その後、前記液体又は調製された飲料を注出する前記工程が開始され、所定の継続時間後に、前記注出ユニット(3)が、前記液体又は調製された飲料を自由に注出するために、前記収集ユニット(8)から取り外される、及び/又は
前記液体経路(P)が、前記液体又は調製された飲料を注出する前記工程が終了した後に形成される、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
流体接続する前記工程が、好ましくは、前記注出ユニット(3)の出口ポート(30)と前記収集ユニット(8)の入口ポート(80)とを流体接続するための、前記注出ユニット(3)と前記収集ユニット(8)との間の相対移動を含む、請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記液体を収集する前記工程が、前記液体又は調製された飲料を受容器(5)内に収集する工程、及び/又は前記送液ユニット(2)に前記液体を再循環させる工程を含む、請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記液体が、前記液体の送液前又は送液中に加熱又は冷却される、及び/又は
前記注出ユニット(3)、好ましくは前記出口ポート(30)、及び/又は前記収集ユニット(8)、好ましくは前記入口ポート(80)が、好ましくは、前記液体若しくは調製された飲料を注出する及び/又は収集する前記工程の前、最中及び/又は後に、洗浄又は消毒され、消毒する前記工程が、好ましくは、前記注出ユニット(3)及び/又は前記収集ユニット(8)に紫外線を照射する工程を含む、請求項10~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水、風味付けされた水、強化水、コーヒー、茶、スープなどのような(食用の)液体又は飲料を、例えば、液体(例えば水)と、好ましくはカプセル、パッド、ポッド、サシェ、容器などに入れられた(例えば、注入可能な、粉末状、ゲル状、ペースト状、又は液体形態の)食用製品との相互作用によって、注出する飲料調製マシンに関する。本発明は更に、上述した食用の液体又は飲料(製品)などの液体を注出するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料調製マシンは、従来から一般的に知られている。これらのマシンでは、液体がマシンを通して送液され、注出出口で注出される。液体は、注出される前に調節(例えば冷却又は加熱)され得る。液体は、コーヒー、茶、又はスープなどの特定の飲料製品又は他の液体食品を調製するために、食用製品と相互作用し得る。液体はまた、注出される前に強化又は風味付けされるように、食用製品と相互作用し得る。液体は、食用製品と相互作用させるための調製ユニットを通して送液されてもよい。したがって、食用製品は、食用製品と相互作用するために液体がカプセルに入ることを可能にするように調製ユニット内に選択的に配置され得るカプセル又は他のタイプの入れ物に入れられ得る。
【0003】
液体又は飲料は、通常、注出出口の下方に配置された飲用容器に注出される。したがって、飲用容器は、通常、注出出口の下方に配置された受け台の上に配置される。受け台は、飲用容器が台上に配置されていない場合に注出出口から出る液体を受けるためのドリップトレイとして設計され得る。この、出てくる液体は、飲料調製プロセス時に注出される液体、飲料調製後の残留物、洗浄サイクル中の洗浄液などであり得る。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本発明の目的は、清潔かつ安全な使用を可能にする、飲料調製マシン及び液体を注出するための方法を提供することである。
【0005】
一態様によれば、本発明は、飲料調製マシンであって、飲料調製マシンを通して液体を送液するための送液ユニットと、例えば飲料調製マシンから送液ユニットによって送液された液体を注出するための注出ユニットと、注出ユニットによって注出された液体(の例えば少なくとも一部)を収集するための(例えば、閉じた又はバイパス)液体経路を選択的に形成するために、注出ユニットに流体接続可能な収集ユニットと、を備える、飲料調製マシンを対象とする。
【0006】
したがって、飲料調製マシンが、注出ユニットに流体接続させることができる収集ユニットを備えるため、注出ユニットによって注出又は排出された任意の液体を収集することができる液体経路を選択的に形成することができる。したがって、液体又は飲料の注出後の外部への滴下を回避することができるため、ユーザ又は次のユーザの飲用容器が、例えば前に注出された液体の残留物で汚れることはない。加熱された液体が注出される場合、残留物が収集ユニットによって収集されれば、火傷を回避することができる。また、加熱された液体を注出するためにマシン内部で液体を加熱することにより生じ、注出ユニットから出る可能性のある蒸気も、液体経路を介して収集することができ、したがって、例えば火傷による、ユーザに対するリスクが更に低下する。また、洗浄工程の場合、液体経路が、ひいては、洗浄液がユーザに接触すること、又は更には例えば注出ユニットの下方の台上に配置された飲用容器に注出されることを回避するために、形成され得る。本発明の文脈において、「洗浄」という用語は、好ましくは、すすぎ、浄化、洗浄、湯垢洗浄、消毒、及び他のあらゆるタイプの洗浄を包含し得る。したがって、「洗浄液」は、加熱/高温液体、水、湯垢洗浄剤、消毒剤、殺菌剤などのような、マシンの清浄度を向上させるための任意の種類の液体であり得る。要するに、このようにして、飲料調製マシンの使用は、好ましくは前述したようなマシンと比較して、(より)清潔かつ安全なものになる。また、交差汚染のリスクを最小限に抑えることができる。
【0007】
注出ユニットは、例えば飲料調製マシンから好ましくは飲用容器に液体を注出するための出口ポートを好ましくは備え得る。したがって、定められた、例えば具体的に方向付けられた及び/又は制御された、したがって、清潔な注出を得ることができる。
【0008】
収集ユニットは、液体経路を形成するために、注出ユニット、好ましくは出口ポートに、流体接続可能になるための入口ポートを好ましくは備え得る。よって、注出ユニットによって注出された液体を任意の所望の時に収容及び収集するための明確に画定された部分を設けることができる。したがって、液体経路は、液体の非常に清潔かつ安全な収集、したがって、対応するマシンの使用のために、最適化され得る。
【0009】
収集ユニットは、液体経路を形成するために注出ユニットに流体接続されているとき、好ましくは入口ポートにおいて、注出ユニットの少なくとも一部、好ましくは少なくとも出口ポートを収容するための、カップ形状の収容部を好ましくは備え得る。したがって、カップ形状の収容部が、注出ユニット又は出口ポートの確実な包囲、したがって、流体接続されているときに好ましくは安全に閉じられた液体経路を可能にするため、注出ユニットによって注出された任意の液体の清潔かつ安全な収集を得ることができる。
【0010】
収集ユニットは、好ましくは少なくとも入口ポートにおいて、収集ユニットと注出ユニットとを流体接続して液体経路を形成するための接続位置と、注出ユニットが飲料調製マシンから液体を注出することを可能にするための引込位置との間で、注出ユニット、好ましくは少なくとも出口ポートに対して、好ましくは相対的に移動可能であり得る。これらの定められた位置により、注出ユニットに対する収集ユニットの専用の配置を可能にし、引込位置における所望の液体注出、及び接続位置における清潔かつ安全で再現性のある液体収集を可能にする。したがって、液体経路の形成及び注出ユニットの除去を直観的に行うことができるため、取り扱い違いを最小限にすることができる。
【0011】
収集ユニットは、好ましくは少なくとも入口ポート、及び/又は注出ユニット、好ましくは少なくとも出口ポートにおいて、回転運動及び/又は直線運動によって、より好ましくは、定められた軌道に沿って、好ましくは移動可能であり得る。定められた移動可能性により、定められた移動、したがって、一方では、液体経路を繰り返し正確かつ安全に作成すること、他方では、自由な注出のために注出ユニットを取り外すことを可能にする。この移動は、単純ではあるものの信頼性の高い構成を可能にする、平行四辺形のガイド機構により、好ましくは達成される。
【0012】
飲料調製マシンは、注出ユニット、好ましくは出口ポートと、収集ユニット、好ましくは入口ポートとが、流体接続を形成する方に又は流体接続を形成しない方に、好ましくは接続位置又は引込位置の方に互いに相対的に偏倚されることを可能にするための偏倚手段、例えば偏倚要素を好ましくは更に備え得る。したがって、これらのユニット間の定められた相対位置への到達が支持され得る。偏倚手段が流体接続又は接続位置の方に偏倚すれば、流路を容易に得ることができ、かつ安全に維持することができる。偏倚手段が流体接続しない方に又は引込位置の方に偏倚する場合、これらのユニットを一般的な動作状態に維持するために最小限のエネルギーしか必要としない又はエネルギーを全く必要としない。
【0013】
偏倚手段は、ばね、並びに及び/又は収集ユニット及び/若しくは注出ユニットの少なくとも一部の材料及び/若しくは構成を、好ましくは含み得る。これは、好ましくは、収集ユニット及び注出ユニットのうちの少なくとも一方に互いに相対的に予荷重をかけるためのものである。ばねは、標準化されたものであり、したがって容易に入手可能な要素である。偏倚手段が各々のユニットの少なくとも一部の材料又は仕様に組み込まれている場合、マシンの全体的なレイアウトは容易になり、部品数を削減することができる。材料としては、偏倚手段は、入口ポート及び/又は出口ポートの縁などのゴム製の一体部品であってもよい。設計上の特徴として、収集ユニットの支持アームは、定められた可撓性を可能にするために定められた長さを有してもよい。また、入口ポート及び/又は出口ポートの縁は、必要な偏倚機能を可能にするための定められた可撓性を有するように構造化又は区分化されてもよい。
【0014】
密閉要素が、流体接続されているときに液体経路を密閉するために、注出ユニット、好ましくは出口ポートと、収集ユニット、好ましくは入口ポートとの間に、好ましくは設けられ得る。よって、液体経路は、確実で、漏れのない、したがって安全な手法で設けられ得る。好ましくは、密閉要素は、例えば入口ポート及び/又は出口ポートの周方向ゴム縁部の形態で偏倚手段と一体的に設けられ得る。
【0015】
収集ユニットは、好ましくは入口ポートから下流の部分において、液体を収集するための受容器に好ましくは流体接続され得る。したがって、液体を貯留することができ、収集された液体の除去又は廃棄を所望の時点まで遅らせることができるため、マシンの実用性を高めることができる。また、残留物又は他の液体を安全に貯留することができる。これは、収集された液体が洗浄液である場合に特に有利である。受容器が満杯になったときに空にする必要があることを示すために、例えば視覚フィードバック(例えば、インジケータランプ、表示など)又は(例えば警告音、音声命令などによる)聴覚フィードバックによるフィードバック手段(例えば、ランプ、ディスプレイ、スピーカなど)が設けられてもよい。
【0016】
受容器は、好ましくはドリップトレイであり得、更に好ましくは注出ユニットの下方に配置されている。したがって、受容器は、そのようなマシンのしばしば存在する特徴に組み込むことができるため、マシンの寸法及び仕様に影響を及ぼすことなく、全体的なレイアウトを容易にする。
【0017】
収集ユニット、及び/又は、存在する場合、受容器は、閉じた循環ループを形成するために、送液ユニットに好ましくは流体接続され得る又は流体接続可能であり得る。したがって、収集された液体は、必要に応じて、再利用することができる。これは、例えば、必要な洗浄液の経済的な使用を可能にする洗浄サイクルに有用であり得る。
【0018】
飲料調製マシンは、注出ユニットを通した液体の注出を選択的に制限又は停止するための、ピンチバルブなどの流れ制限要素を好ましくは更に備え得る。この特徴は、例えば注出ユニット内で搬送される食用製品と液体との定められた相互作用を可能にし得る。また、マシンの十分な浄化を可能にするために、定められた洗浄期間の間、洗浄液がマシン内に保持されてもよい。
【0019】
流れ制限要素は、好ましくは、注出ユニットを通って流れる液体を制限又は停止する流れ制限位置と、注出ユニットを通る液体の自由な流れを可能にする流れ位置との間で移動可能であり得る。したがって、注出ユニットを通る液体の流れを容易かつ正確に制御することができる。
【0020】
流れ制限要素は、(例えば、送液ユニット及び/又は注出ユニットの)可撓性送液ライン部に対して移動可能な制限ヘッドを好ましくは備え得、そのことで、送液ライン部を通る液体流路の断面積が、好ましくは流れ制限位置において、選択的に縮小又は排除される。したがって、制限機能を容易に提供することができる。このレイアウトは、メンテナンスも少なくて済む。
【0021】
流れ制限要素の移動は、好ましくは、注出ユニットに対する収集ユニットの相対移動に少なくとも部分的に関連し得る。そのことで、好ましくは、少なくとも部分的に連続する移動の組み合わせに好ましくは沿って、収集ユニットが引込位置にある間に流れ制限要素が制限位置にあり、その後、収集ユニットが引込位置にある間に流れ制限要素が流れ位置にあり、その後、収集ユニットが接続位置にある間に流れ制限要素が流れ位置にあり、逆も同様である。この移動の組み合わせにより、マシンの全体的なレイアウトが簡略化され、各々の位置への到達が容易になる。したがって、誤用も回避することができる。
【0022】
飲料調製マシンは、収集ユニット及び/又は注出ユニット、並びに存在する場合は、好ましくは流れ制限要素も移動させるためのアクチュエータ、を好ましくは更に備え得る。アクチュエータは、各々の部品を直接移動させることができる。これは、例えば、各々の部品の間に設けられ得る歯車列を介して行うことができる。アクチュエータはまた、各々の部品の少なくともいくつかを間接的に、例えば他の可動部品の1つを直接移動させることにより、移動させてもよい。したがって、直接的及び間接的に移動される部品は、連動した運動において少なくとも部分的に一緒に移動するように、接触(例えば、移動可能に連結)し得る、又は接触させることができる。
【0023】
飲料調製マシンは、注出ユニット、好ましくは出口ポート、及び/又は収集ユニット、好ましくは入口ポートを照射するための、すなわち、これらの部品を紫外線に曝露させるための、UVランプを好ましくは更に備え得る。したがって、注出及び/又は液体経路の形成用の、そのように曝露させた部品の所望の消毒を得ることができる。これは、交差汚染も減少させることになる。
【0024】
UVランプは、注出ユニットに流体接続されているとき、UVランプが注出ユニット、好ましくは出口ポートの方に向けられるように、収集ユニットに好ましくは設けられ得る。これにより、液体経路の作成時又は作成前に、入口ポートを消毒することを可能にし得る。代替的に又は追加的に、UVランプは、UVランプが収集ユニットに流体接続されているとき、収集ユニット、好ましくは入口ポートの方に向けられるように、注出ユニットに好ましくは設けられ得る。これにより、液体経路の作成時又は作成前に出口ポートを消毒することを可能にし得る。UVランプはまた、消毒目的のための各々の部品の紫外線照射を可能にする限りは、他の場所に設けられてよい。
【0025】
飲料調製マシン、好ましくは送液ユニットは、好ましくは送液ユニット内の液体を加熱するためのヒータを好ましくは備え得る。したがって、加熱された液体又は飲料を調製及び/又は注出するために、液体を加熱することができる。また、水などの液体は、洗浄(例えば、すすぎ)目的で使用するために加熱されてもよい。このように加熱された水は、その後、マシン及び液体経路を通した送液であってよく、好ましくはまた再循環される。
【0026】
飲料調製マシン、好ましくは送液ユニットは、飲料調製マシン(すなわち、存在する場合は、液体経路を含む)を通して液体を送液するためのポンプを好ましくは備え得る。したがって、液体は容易に送液し、(再)循環させることができる。
【0027】
飲料調製マシンは、好ましくはポンプを制御することによって、液体を送液するように、及び/又は収集ユニットを注出ユニットに対して移動させるように好ましくはアクチュエータを制御することによって、収集ユニットを注出ユニットに選択的に流体接続するように、及び/又は好ましくは流れ制限要素を移動させることによって、液体流を制限若しくは停止するように構成される制御ユニットを、好ましくは更に備え得る。当然ながら、制御ユニットはまた、好ましくはヒータ(すなわち加熱用)及び/又は冷却ユニット(すなわち冷却用)を制御することによって、液体を加熱及び/又は冷却するように構成されてもよい。
【0028】
別の態様によれば、本発明は、液体を注出するための方法であって、
飲料調製マシン、好ましくは本明細書の上で定義した飲料調製マシンの送液ユニットを通して、液体を送液する工程と、
送液ユニットによって送液された液体を、飲料調製マシンの注出ユニットを介して注出する工程と、
注出ユニットによって注出される液体(の例えば少なくとも一部)を収集するための液体経路を形成するために、飲料調製マシンの収集ユニットを注出ユニットと選択的に流体接続する工程と、
を含む、方法を対象とする。
【0029】
したがって、飲料調製マシンに関して本明細書に既に上記した理由により、飲料調製マシンの清潔かつ安全な使用を可能にする、液体を注出するための方法が提供される。繰り返しを避けるために、本明細書において上記した所見及び利点を参照する。
【0030】
液体を送液する工程は、好ましくは注出ユニットの上流又は内部の飲料調製チャンバにおいて、液体に基づいて飲料を調製する工程を好ましくは含み得る。飲料調製チャンバは、例えば、混合チャンバ又は淹出チャンバであり得る。例えば、液体と混合するための添加物を送液するための飲料添加物部が(例えば、送液ユニットの一部として)設けられてもよい。また、食用製品が、食用製品の淹出及び/又は浸出及び/又は溶解のために、液体を注入するために飲料調製チャンバ内に挿入されるカプセル内に入れられていてもよい。したがって、液体は、注出される対応する飲料を生成するために、例えば食用製品との相互作用によって、更に増強及び/又は強化され得る。したがって、液体を注出する工程は、調製された飲料を、注出ユニットを介して注出する工程を更に含み得る。
【0031】
好ましくは、飲料の調製開始時に、飲料の注出を制限又は停止することができ、飲料調製の開始後、所定の継続時間後に、調製された飲料の注出が開始され得る。この工程により、例えば、飲料を調製するために食用製品と十分に相互作用させるために、又はマシンを十分に洗浄するために、又は動作外若しくは例えばユーザによる2つの連続する注出コマンド間の滴下若しくは注出を単に回避するために、マシンの内部に液体を引き留めることを可能にする。
【0032】
液体経路は、好ましくは、液体又は調製された飲料を注出する工程が開始される前に形成され得、その後、液体又は調製された飲料を注出する工程が開始され、所定の継続時間後に、注出ユニットは、液体又は調製された飲料を自由に注出するために、収集ユニットから取り外される。これにより、不要な初期液体量を収集することができる。その理由は、初期量の液体が、十分に調製された飲料をまだ含んでいない可能性がある、又はマシン内部のいくらかの古い残留物を含み得ることであり得る。また、加熱された液体の場合には、いくらかの蒸気がマシン内部で生成される場合があり、したがって、この蒸気が、ユーザの例えば火傷によるリスクを回避するために収集され得る。
【0033】
液体経路は、好ましくは、液体又は調製された飲料を注出する工程が終了した後に形成され得る。したがって、残留物の注出又は滴下を回避することができる。また、注出ユニット(例えば出口ポート)は、交差汚染を回避するために、動作から外れて確実に貯留することができる。更に、UVランプが存在する場合、入口ポート及び出口ポートの消毒を容易に行うことができる。
【0034】
流体接続する工程は、好ましくは注出ユニットの出口ポートと収集ユニットの入口ポートとを流体接続するための、注出ユニットと収集ユニットとの間の相対移動を好ましくは含み得る。好ましくは、これらのユニットは、上述の引込位置と接続位置との間で相対的に移動することができる。したがって、流体路を容易に形成することができ、必要に応じて、注出ユニットを取り外すことができる。
【0035】
液体(の少なくとも一部)を収集する工程は、各々の液体又は調製された飲料を受容器内に収集する工程、及び/又は送液ユニットに液体を再循環させる工程を好ましくは含み得る。したがって、収集された液体を容易に貯留することができる。例えば、洗浄目的のために、液体は、マシンを経済的に浄化するために再循環させることができる洗浄液であってもよい。
【0036】
液体は、液体の送液前又は送液中に好ましくは加熱又は冷却され得る。したがって、熱い飲料又は冷たい飲料が提供され得る。また、加熱された液体は、洗浄(例えばすすぎ)目的で使用され得、マシンを経済的に洗浄するために、本明細書で上述したように好ましくは再循環させてもよい。
【0037】
注出ユニット、好ましくは出口ポート、及び/又は収集ユニット、好ましくは入口ポートは、好ましくは、液体若しくは調製された飲料を注出する工程及び/又は収集する工程の前、最中及び/又は後に、好ましくは洗浄又は消毒され得る。よって、マシンの寿命を延ばすことができ、注出された製品が、特に摂取を目的とする場合に、その安全性を高めることができる。洗浄又は消毒は、対応する(洗浄)液を、マシンを通して、及び好ましくは液体経路にも(すなわち液体経路を含めて)送液又は循環させることにより、行うことができる。この工程の終了時に、対応する液体は、収集ユニットを介して、例えば受容器内に収集され得る。消毒する工程は、例えば本明細書に上述したようなUVランプによって、注出ユニット及び/又は収集ユニットに紫外線を照射する工程も、好ましくは含み得る。これは、好ましくは、流体接続が形成されている状態において、したがって流路が作成されているときに行われる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
ここで、本発明の更なる特徴、詳細、及び利点を、添付の図の実施形態に関連して説明する。
【
図1】本発明の第1の実施形態による、飲料調製マシンの部品の斜視断面図を示す。
【
図2】本発明の第2の実施形態による、飲料調製マシンの部品の斜視図を示す。
【
図3】
図2の飲料調製マシンの部品の斜視断面図を示す。
【
図4】収集ユニットが引込位置にあり、流れ制限要素が制限位置にある、
図2による飲料調製マシンの部品の側断面図を示す。
【
図5】収集ユニットが引込位置にあり、流れ制限要素が流れ位置にある、
図4による飲料調製マシンの部品の側断面図を示す。
【
図6】収集ユニットが接続位置にあり、流れ制限要素が流れ位置にある、
図4による飲料調製マシンの部品の側断面図を示す。
【
図7】本発明の第3の実施形態による、飲料調製マシンの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図は、飲料調製マシン1の異なる実施形態、並びにその特定の詳細及び部品を示す。
図1~
図6の実施形態は、淹出式又は浸出式の飲料調製マシン1を例示的に示す。
図7の実施形態は、ディスペンサタイプの飲料調製マシン1を示す。飲料調製マシン1は、飲料調製マシン1から飲料を(必要に応じて)要求する消費者によって使用されるように適合され得る。すなわち、飲料調製マシン1は、消費者が飲む準備が整った飲料、すなわちすぐに飲める飲料を排出又は注出するように適合され得る。飲料調製マシン1は、特定の設計に限定されない。好ましくは、飲料調製マシン1は、事業者側(B2B)及び/又は消費者側(B2C)で使用されるように設計されている。例えば、飲料調製マシン1は、B2B(ホテル、レストラン、カフェ(すなわち「HoReCa」)、フィットネスセンター、事務所など)及び/又はB2C(例えば、自宅)における自動販売機(空港、モール、公共エリアなど)として設計されてもよい。飲料調製マシン1は、自動販売機、水ディスペンサ、及び/又は家庭用電化製品デバイスとして設計されてもよい。飲料調製マシン1は、壁(壁掛け式)、底部、及び/若しくは卓上に取り付けられる若しくは配置されるように設計され得る、並びに/又は飲料調製マシン1は、自立型の設計を有し得る。飲料調製マシン1は、飲料調製マシン1の各々の構成要素に電気エネルギーを供給するために、電源用の接続部を備え得る。
【0040】
飲料調製マシン1は、飲料調製マシン1を通して液体を送液するための送液ユニット2を備える。
図7のディスペンサタイプの飲料調製マシン1の送液ユニット2が例示的に示されている。送液ユニット2は、送液ユニット2を通して、したがって飲料調製マシン1を通して液体を送液するための通路を形成するために、少なくとも1つ又は複数の送液ライン20を備え得る。送液ユニット2はまた、対応するポンプ作用により、飲料調製マシン1を通して液体を送液するための、1つ又は複数のポンプ21も備え得る。ポンプ21はまた、飲料調製マシン1を通した液体の送液が可能である限り、飲料調製マシン1の別の部分の一部であってもよい。
【0041】
送液ユニット2は、ここでは好ましくは送液ユニット2内の液体を加熱するためのヒータ22を更に備え得る。ヒータ22はまた、飲料調製マシン1を通して送液されている又は送液される液体の加熱が可能である限り、飲料調製マシン1の別の部分の一部であってもよい。
【0042】
送液ユニット2は、ここでは好ましくは送液ユニット2内の液体を冷却するための冷却ユニット23(ここでは、チラー230と、チラー230を介して冷却媒体を循環させるためのコンプレッサ231とを有する)を更に備え得る。
図7による冷却ユニット23又はそのチラー230は、バッファタンク24に設けられている。バッファタンク24は、注出の準備が整った所定量の液体(例えば水)を貯留し、調節する(例えば冷却する)ための、送液ユニット2の好ましくは一部である。当然ながら、冷却ユニット23はまた、飲料調製マシン1を通して送液されている又は送液される液体の冷却が可能である限り、調製マシン1の別の部分の一部であってもよい。
【0043】
飲料調製マシン1は、送液ユニット2によって又は送液ユニット2を通して送液された液体を注出するための注出ユニット3を更に備える。注出ユニット3は、
図1~
図6に示されており、
図7に概略的に示されている。注出ユニット3は、液体を注出するための出口ポート30を備え得る。液体は、注出ユニット3から、例えば、重力によって、又は送液ユニット2、好ましくはポンプ21の送液作用によって、注出又は排出され得る。飲用容器Vは、注出ユニット3の下方に配置され得る。飲料調製マシン1は、注出された液体を受けるための飲用容器Vを載せるために、注出ユニット3の下方に配置される受け台4を備え得る。ここで、受け台4は、飲用容器Vの大きさにかかわらず、飲用容器Vを注出ユニット3に対して最適に配置するために、高さを調整することができる。
【0044】
飲料調製マシン1は、
図7に見られるように、好ましくは注出ユニット3の下方に配置されたドリップトレイ50を更に備え得る。ここでは、ドリップトレイ50は受け台4から独立しているが、別の実施形態では、ドリップトレイ50はまた、受け台4と一体的に形成されてもよい。
【0045】
図1~
図6の実施形態に見られるように、飲料調製マシン1は、注出ユニット3を通した液体の注出を選択的に制限又は停止するための流れ制限要素6を更に備え得る。ここでは、流れ制限要素6は、ピンチバルブとして設計されている。
図4と
図5の比較で明確に分かるように、流れ制限要素6は、注出ユニット3を通って流れる液体を制限又は停止する流れ制限位置(
図5を参照)と、注出ユニット3を通る液体の自由な流れを可能にする流れ位置(
図4を参照)との間で移動可能であり得る。
【0046】
図1~
図6に見られるように、流れ制限要素6は、可撓性送液ライン部31に対して移動可能な制限ヘッド60を備え得、そのことで、送液ライン部31を通る液体流路32の断面積が
図5に示すような好ましくは流れ制限位置において選択的に縮小又は排除される。
【0047】
飲料調製マシン1は、流れ制限要素6を好ましくは流れ位置と流れ制限位置との間で移動させるためのアクチュエータ7、例えば電動機を備え得る。
図1~
図3に明確に示すように、アクチュエータ7は、流れ制限要素6を直接移動させるために、流れ制限要素6に直接、機能的に結合させることができる。したがって、ここでは、例えば、ここでは流れ制限要素6と一体的に形成された歯車ラック72と噛合するアクチュエータのピニオン歯車71を有する歯車列70を介して、アクチュエータ7の回転運動を、流れ制限要素6の直線運動に変換することができる。
【0048】
飲料調製マシン1は、収集ユニット8を更に備える。収集ユニット8は、注出ユニット3によって注出される液体を収集するための液体経路P(
図1、
図6及び
図7を参照)を選択的に形成するために、注出ユニット3に流体接続可能である。
【0049】
収集ユニット8は、液体経路Pを形成するために、注出ユニット3、好ましくはその出口ポート30に流体接続可能であるための入口ポート80を備え得る。収集ユニット8は、好ましくはその入口ポート80において、液体経路Pを形成するために注出ユニット3に流体接続されているとき、注出ユニット3の少なくとも一部、好ましくは少なくとも出口ポート30を収容するための、カップ形状の収容部81を備え得る。これは、液体経路Pを形成するために注出ユニット3の出口ポート30の上に置かれた状態のカップ形状の収容部81を示す
図1及び
図6に明確に見ることができる。このカップ形状は、
図3からも明確に理解できる。
【0050】
収集ユニット8、好ましくは少なくともその入口ポート80は、収集ユニット8と注出ユニット3とを流体接続して液体経路Pを形成するための接続位置(
図1、
図6及び
図7(破線)を参照)と、注出ユニット3が飲料調製マシン1から例えば
図7に示すような飲用容器Vに液体を注出又は排出することを可能にするための引込位置(
図2~
図5及び
図7(点線)を参照)との間で、注出ユニット3、好ましくは少なくともその出口ポート30に対して相対的に移動可能であり得る。図示の実施形態では、注出ユニット3と収集ユニット8との間の相対移動は、注出ユニット3が固定的に配置され、収集ユニット8が移動可能であることにより得られる。別の実施形態では、相対移動はまた、注出ユニット3が移動可能であり、収集ユニット8が固定的に配置されていること、又は両方が移動可能であることにより得られ得る。
【0051】
収集ユニット8及び好ましくはその入口ポート80並びに/又は注出ユニット3及び好ましくは少なくともその出口ポート30は、回転運動及び/又は直線運動によって、好ましくは定められた軌道に沿って、移動可能であり得る。
図1~
図6の実施形態では、収集ユニット8の移動は、定められた軌道に沿って回転運動と直線運動との組み合わせを生じさせる平行四辺形のガイド機構82により得られる。
図7の実施形態では、収集ユニット8又は少なくともその入口ポート80は、固定された回転軸線Xの周りの回転運動によって移動可能であるように例示的に示される。この回転運動は、収集ユニット8が、遮断位置(
図7の点線を参照)と接続位置(
図7の破線を参照)との間で移動する、すなわち枢動することを好ましくは可能にする。
【0052】
特に
図4~
図6から分かるように、流れ制限要素6の移動は、注出ユニット3に対する収集ユニット8の相対移動に少なくとも部分的に関連し得る。上述したように、流れ制限要素6は、ここでは、移動方向Mに沿って好ましくは直線的に移動可能である。移動方向Mに沿った制限ヘッド60の反対側に、流れ制限要素6は、トリガ部83の方に面する接触面61を備え得る。
図5と
図4の比較で見られるように、注出ユニット3又はその送液ライン部31から離れるように直線的に移動させると、接触面61は、トリガ部83に接近する。流れ制限要素6を移動方向Mに沿ってトリガ部83に向けて更に移動させると、接触面61はトリガ部83と当接し、
図6に示すように更に移動させると、流れ制限要素6は、トリガ部83を介して、収集ユニット8を、好ましくは、引込位置から接続位置に移動させて、
図6に示すように液体経路Pを形成するように、動作させる。したがって、流れ制限要素6の移動と収集ユニット8の移動は、互いに少なくとも部分的に関連し得る。
【0053】
この移動は、好ましくは関連させることができ、最初に、収集ユニット8が遮断位置にある間に流れ制限要素6は制限位置にあり(
図4を参照)、その後、収集ユニット8が引込位置にある間に流れ制限要素6は流れ位置にあり(
図5を参照)、その後、収集ユニット8が接続位置にある間に流れ制限要素6は流れ位置にあり(
図6を参照)、逆も同様である。したがって、収集ユニット8(
図1~
図6の実施形態に示すような)及び/又は注出ユニット3は、したがって、他の可動部品のうちの1つが(例えばアクチュエータ7を介して)直接移動されることを介して、すなわちここでは例示的に流れ制限要素6を介して、間接的に移動させることができる。
【0054】
飲料調製マシン1は、注出ユニット3、好ましくはその出口ポート30と、収集ユニット8、好ましくはその入口ポート80とが、互いに相対的に偏倚されることを可能にするための偏倚手段9を更に備え得る。図示の実施形態では、これらの要素3、8は、流体接続を形成しない方に、したがって好ましくは引込位置の方に偏倚される。したがって、収集ユニット8は、流れ制限要素6が注出ユニット3又はその送液ライン部31に向けて移動方向Mに移動される(戻される)と、引込位置に案内される。しかしながら、注出ユニット3及び収集ユニット8はまた、必要に応じて、流体接続を形成する方に、ひいては、好ましくは接続位置の方に、互いに相対的に偏倚され得る。
【0055】
図1はまた、必要に応じて、収集ユニット8を、不図示のアクチュエータによって流れ制限要素6から独立して選択的に移動させることができる、実施形態を示す。一方、流れ制限要素6及び収集ユニット8はまた、それらの移動が常に互いに連動するように、機能的に接続されていてもよい。アクチュエータ7によって直接的又は間接的に移動される部品がある場合、どの部品がアクチュエータ7によって直接的又は間接的に移動されるかは所望に応じて選択することができ、本発明は、任意の特定のレイアウトに限定されない。また、説明した移動のいずれも、必要に応じて、手動で作動又はトリガさせてもよい。
【0056】
図1~
図6の実施形態に示すように、上述の偏倚手段9は、ばね、ここでは好ましくは引張ばね9を備え得る。偏倚手段9はまた、収集ユニット8及び/又は注出ユニット3の少なくとも一部の材料及び/又は仕様であってもよい。
【0057】
密閉要素10が、注出ユニット3、好ましくはその出口ポート30と、収集ユニット8、好ましくはその入口ポート80との間に、
図1及び
図6に示すように流体接続されているときに液体経路Pを密閉するために設けられ得る。
【0058】
図7に例示的に示すように、収集ユニット8は、好ましくは入口ポート80から下流の部分にある、液体を収集するための受容器5に流体接続され得る。
図7に見られるように、受容器5は、残留物の収集及び廃棄が容易になるように、ドリップトレイ50と同一又は一体であってもよい。
【0059】
好ましい実施形態では、収集ユニット8又は受容器5は、閉じた循環ループから(例えば制御弁51によって)送液ユニット2に流体接続され得る又は流体接続可能であり得る。したがって、液体の不必要な廃棄を回避するために、任意の収集された液体を再循環させることができる。また、再循環は、経済的な洗浄工程を可能にするために、飲料調製マシン全体を通して、すなわち送液ユニット2、注出ユニット3、及び好ましくはまた、液体経路Pを介して収集ユニット8を通して、対応する洗浄液を循環させることを可能にするために、洗浄目的で使用され得る。
【0060】
図1に例示的に示すように、飲料調製マシン1は、注出ユニット3、好ましくは出口ポート30、及び/又は収集ユニット8、好ましくは入口ポート80を照射するための、UVLEDランプなどのUVランプ11、12を更に備え得る。したがって、UVランプ11は、
図1に示すように、注出ユニット3に流体接続されているとき、UVランプ11が注出ユニット3、好ましくは出口ポート30の方に向けられるように、収集ユニット8に設けられ得る。UVランプ12はまた、同じく
図1に示すように、収集ユニット8に流体接続されているとき、UVランプ12が収集ユニット8、好ましくは入口ポート80の方に向けられるように、注出ユニット3に設けられ得る。UVランプ11、12の他の位置、又は他の照射方向も可能である。
【0061】
飲料調製マシン1は、飲料調製マシン1の任意の所望の機能を制御するように構成される制御ユニット(図示せず)を更に備え得る。例えば、制御ユニットは、飲料調製マシン1を通して液体を送液するように、好ましくはポンプ21を制御するように構成され得る。制御ユニットはまた、好ましくは収集ユニット8を注出ユニット3に対して移動させるようにアクチュエータ7を制御することによって、接続ユニット8を注出ユニット3に選択的に流体接続するように構成され得る。制御ユニットはまた、好ましくは流れ制限要素6を移動させることによって、ここでは好ましくはアクチュエータ7を制御することによって、液体流を制限又は停止するように構成され得る。制御ユニットはまた、ヒータ22又は冷却ユニット23などの制御を含む、完全な飲料調製(又は洗浄)工程を制御するように構成され得る。
【0062】
図7に関して、飲料調製マシン1は、複数の追加的な任意選択の特徴を備えてもよい。例えば、主液体(例えば水)供給部13が、飲料調製マシン1用に、特定量の水などの液体を貯留し、供給するために、送液ユニット2の一部であり得る、又は送液ユニット2に流体接続され得る。供給部13から液体を送液するために、ポンプ21のうちの1つが、供給部13から送液ユニット2の少なくとも一部を通して、ここではバッファタンク24に液体を送液するために設けられ得る。送液ユニット2の少なくとも一部を通って送液された液体を濾過するために、フィルタ14が送液ユニット2内に設けられ得る。飲料調製マシン1及び好ましくは送液ユニット2を通して送液された液体を消毒するために、UVランプ15が送液ユニット2内に設けられ得る。したがって、バッファタンク24から注出ユニット3にここでの液体を送液するために、別のポンプ21が設けられ得る。例えば、循環させる液体をUVランプ15による紫外線に曝露させることによる消毒目的で、バッファタンク24にここでの液体を再循環させて内部閉ループを提供するために、分岐通路16が、送液ユニット2の送液ライン20に沿って設けられてもよい。
【0063】
図7に見られるように、飲料調製マシン1は、注出ユニット3、好ましくは出口ポート30を介して添加物を送液及び注出するための飲料添加物部17を更に備え得る。飲料添加物部17は、例えば飲料製品を調製するために、バッファタンク24の下流の位置で液体に添加物を添加し得る。飲料添加物部17は、注出ユニット3の上流若しくは下流の位置、又は注出ユニット3で、液体に添加物を添加してもよい。
【0064】
飲料添加物部17は、必要量の液体を、飲料添加部17を通して送液するための独自のポンプ170を備え得る。飲料添加物部17は、そのように送液された添加物/液体を加熱するためのヒータ171を更に備え得る。飲料添加物部17に沿って送液された添加物/液体に空気を注入するために、空気ポンプ172が設けられ得る。飲料添加物部17は、空気ポンプ172に接続された空気注入ライン175を通して、又は注出ライン176を介して注出ユニット3に向けて直接、液体を選択的に送液するための弁173、174(例えば二方弁)を備え得る。空気注入ライン175及び注出ライン176は、液体に添加物を(例えば混合によって)添加するために、注出ユニット3内の又は注出ユニット3に通じる排出ライン177で合流してもよい。
【0065】
飲料調製マシン1は、飲料調製マシン1及び好ましくは送液ユニット2を通って循環する液体に二酸化炭素(CO2)を入れるためのインライン炭酸化デバイス18を更に備え得る。
【0066】
図1~
図6の実施形態では、淹出式の飲料調製マシン1の浸出が示されており、食用製品Cは、ここでは、注出ユニット3の飲料調製チャンバ33に機能的に挿入することができるカプセル100内に入れられている。カプセル100が飲料調製チャンバ33に機能的に挿入されると、送液ユニット2によって送液された液体をカプセル100に注入して、食用製品Cとの相互作用(淹出又は浸出)により飲料を調製するために、送液ユニット2の液体注入器要素25が、カプセル100を貫通するように好ましくは配置され得る。飲料調製工程を支援するために、送液ユニット2の追加的な空気注入器26が、カプセル100を貫通して、飲料調製チャンバ33に機能的に挿入されているときにカプセル100に空気を注入するように好ましくは配置され得る。
【0067】
注出ユニット3は、飲料調製チャンバ33内に機能的に挿入されているときにここでより低い高さでカプセル100を貫通し、好ましくは液体(例えば水)と食用製品Cとの相互作用による飲料調製後に、液体(例えば飲料製品)がカプセル100から排出されることを可能にするための排出要素34を更に備え得る。排出要素34は、より好ましくは上述の可撓性送液ライン部31を介して、出口ポート30と好ましくは流体接続されている。
【0068】
2つの異なるタイプの飲料調製マシン1について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、消費者用の液体を送液及び注出する任意のタイプの飲料調製マシン1が本発明によって包含される。
【0069】
以下では、液体を注出するための方法について説明する。
【0070】
第1の工程において、飲料調製マシン(好ましくは本発明による飲料調製マシン1)の送液ユニット(好ましくは送液ユニット2)を通して、液体が送液される。
【0071】
第2の工程において、送液ユニット2によって送液された液体が、飲料調製マシン1の注出ユニット(好ましくは注出ユニット3)を介して又は通して注出される。
【0072】
第3の工程において、飲料調製マシン1の収集ユニット(好ましくは収集ユニット8)が、注出ユニット3によって注出される液体を収集するための液体経路(好ましくは液体経路P)を形成するために、注出ユニット3と選択的に流体接続される。
【0073】
液体を送液する工程は、好ましくは注出ユニット3の上流又は内部の飲料調製チャンバ(好ましくは飲料調製チャンバ33)において、液体に基づいて飲料を調製する工程を含み得る。次いで、液体を注出する工程は、調製された飲料を、注出ユニット3を介して又は通して注出する工程を含み得る。
【0074】
図5に示すように、飲料の注出は、制限又は停止され得る。これは、例えば飲料の調製のために、例えば、食用製品Cの十分な浸出又は溶解を可能にするために、有用であり得る。飲料調製の開始後、所定の継続時間後に、
図4に示すように、調製された飲料の注出が開始され得る。これは、流れ制限要素6を
図5の制限された位置と
図4の流れ位置との間で適宜移動させることにより、行うことができる。
【0075】
液体経路Pは、
図6に示すように、液体又は調製された飲料を注出する工程が開始される前に形成され得る。これは、注出ユニット3又はその出口ポート30を汚染から保護するために有用であり得る。また、加熱された液体が注出される場合、飲料調製中又は液体/飲料の送液の開始時に注出ユニット2から蒸気が出る可能性がある。この蒸気は、その後、接続ユニット8を通して収集することができ、したがって、ユーザの例えば火傷のリスクを低下させることができる。液体経路Pがまだ形成されている間に、液体又は調製された飲料の注出が既に開始されていてもよい。よって、潜在的な蒸気又は液体/飲料の初期量が、必要に応じて収集され得る。その後、所定の継続時間後に、注出ユニット3は、液体又は調製された飲料を例えば飲料容器Vに自由に注出するために、収集ユニット8から取り外すことができる。
【0076】
液体経路Pはまた、
図6に示すように、液体又は調製された飲料を注出する工程が終了した後にも形成され得る。よって、注出ユニット3から滴下する残留物を確実に収集することができる。
【0077】
流体接続する工程は、注出ユニット3と収集ユニット8との間の相対移動を含み得る。これは、注出ユニット3の出口ポート(好ましくは出口ポート30)と、収集ユニット8の入口ポート(好ましくは入口ポート80)とを好ましくは流体接続するためである。
【0078】
液体(の少なくとも一部)を収集する工程は、各々の液体又は調製された飲料を、ドリップトレイ50などの受容器5内に収集する工程を含み得る。代替的に又は追加的に、液体(の少なくとも一部)を収集する工程は、例えば洗浄工程の場合に、したがって、好ましくは対応する液体を、飲料調製マシン1を通して循環させるために、送液ユニット2に液体を再循環させる工程を含み得る。
【0079】
液体は、液体の送液前又は送液中に加熱又は冷却され、したがって、熱い飲料又は冷たい飲料を提供することができる。また、加熱された液体は、例えば収集ユニット8を介した閉じた循環ループの場合に、洗浄(例えばすすぎ)目的で使用され得る。
【0080】
注出ユニット3、好ましくは出口ポート30、及び/又は収集ユニット8、好ましくは入口ポート80は、好ましくは液体若しくは調製された飲料を注出する工程及び/又は収集する工程の前、最中及び/又は後に、洗浄又は消毒され得る。洗浄又は消毒は、例えば前述のように、加熱された水などの対応する液体を、対応する液体経路Pに沿って送液することによって得られ得る。好ましい実施形態では、消毒する工程は、例えばUVランプ11、12によって、注出ユニット3、好ましくは出口ポート30、及び/又は収集ユニット8、好ましくは入口ポート80に紫外線を照射する工程を好ましくは含む。
【0081】
本発明は、添付の特許請求の範囲によって包含される限り、本明細書に上述した実施形態に限定されない。
【国際調査報告】