(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】布帛要素
(51)【国際特許分類】
D06H 1/00 20060101AFI20240614BHJP
D01F 1/10 20060101ALI20240614BHJP
D03D 15/20 20210101ALI20240614BHJP
B41M 5/26 20060101ALI20240614BHJP
D06M 10/00 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
D06H1/00
D01F1/10
D03D15/20 100
B41M5/26
D06M10/00 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574720
(86)(22)【出願日】2022-05-24
(85)【翻訳文提出日】2024-01-19
(86)【国際出願番号】 GB2022051299
(87)【国際公開番号】W WO2022254181
(87)【国際公開日】2022-12-08
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523453916
【氏名又は名称】ストレッチライン インテレクチュアル プロパティーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】ウィーラワンサ, リアーナ アラッチゲー ドン クリシャン
(72)【発明者】
【氏名】デ アルウィス, ア ナーランダ プリヤランガ
(72)【発明者】
【氏名】ウィックラマシンゲ, ウィックラマ アラッチゲー サンジュラ ダルシャナ
(72)【発明者】
【氏名】アリヤナンダ, ピヤル
【テーマコード(参考)】
2H111
3B154
4L031
4L035
4L048
【Fターム(参考)】
2H111HA14
2H111HA24
2H111HA32
3B154AA07
3B154AA08
3B154AA09
3B154AB19
3B154AB27
3B154AB31
3B154BB19
3B154BB51
3B154BC42
3B154BD01
3B154BD20
3B154CA06
3B154DA13
4L031AB31
4L031BA09
4L031DA00
4L035EE01
4L035EE07
4L035FF10
4L035JJ05
4L035JJ10
4L048AA06
4L048AA19
4L048AA56
4L048CA04
4L048DA01
4L048EB00
(57)【要約】
TiO
2添加剤を含む布帛要素(20)であって、布帛要素(20)は、布帛要素(20)の表面内又は表面上に形成されたマーク(22)を含み、マーク(22)は、TiO
2よりも高い酸化チタンを含む、布帛要素(20)が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
TiO
2添加剤を含む布帛要素であって、前記布帛要素が、前記布帛要素の表面内又は表面上に形成されたマークを含み、前記マークがTiO
2よりも高い酸化チタンを含む、布帛要素。
【請求項2】
前記マークが、Ti
2O
3、Ti
3O
5又はTi
4O
7を含む、請求項1に記載の布帛要素。
【請求項3】
前記高い酸化チタンが、前記布帛要素の繊維に注入されている、請求項1又は2に記載の布帛要素。
【請求項4】
前記布帛要素が、0.01~5.0重量%のTiO
2添加剤を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の布帛要素。
【請求項5】
前記布帛要素が、合成又は天然布帛材料から作製される、請求項1から4のいずれか一項に記載の布帛要素。
【請求項6】
前記マークが、文字、単語、数字、記号、絵及び/又は図形要素を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の布帛要素。
【請求項7】
前記布帛要素が剛性である、請求項1から6のいずれか一項に記載の布帛要素。
【請求項8】
前記布帛要素が伸縮性又は弾性である、請求項1から6のいずれか一項に記載の布帛要素。
【請求項9】
前記布帛要素がラベルであるか、又はラベルの一部を形成する、請求項1から8のいずれか一項に記載の布帛要素。
【請求項10】
前記布帛要素が衣服であるか、又は衣服の一部を形成する、請求項1から9のいずれか一項に記載の布帛要素。
【請求項11】
前記布帛要素が腰部バンドであるか、又は腰部バンドの一部を形成する、請求項10に記載の布帛要素。
【請求項12】
前記布帛要素が染色されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の布帛要素。
【請求項13】
布帛要素の表面内又は表面上に形成されたマークを含む布帛要素を製造する方法であって、
TiO
2添加剤を含む布帛要素を提供するステップ、
前記布帛要素の表面内又は表面上にマークを形成するように、レーザを使用して、前記布帛要素の表面の領域を照射して、前記領域におけるTiO
2によるレーザ放射の吸収が、レーザ照射されたTiO
2を引き起こして、TiO
2よりも高い酸化チタンを形成するステップであって、前記マークは、より高い酸化チタンを含む、形成するステップを含む、方法。
【請求項14】
前記レーザがUVレーザである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記レーザがCO
2レーザである、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記マークが、Ti
2O
3、Ti
3O
5又はTi
4O
7を含む、請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記高い酸化チタンが前記布帛要素の繊維に注入される、請求項13から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記布帛要素が0.01~5.0重量%の二酸化チタン添加剤を含む、請求項13から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記布帛要素が、合成又は天然布帛材料から作製される、請求項13から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記マークが、文字、単語、数字、記号、絵及び/又は図形要素を含む、請求項13から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記布帛要素が剛性である、請求項13から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記布帛要素が伸縮性又は弾性である、請求項13から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記布帛要素がラベルであるか、又はラベルの一部を形成する、請求項13から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記布帛要素が衣服であるか、又は衣服の一部を形成する、請求項13から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
請求項13から24のいずれか一項に記載の方法によって得られる布帛要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布帛要素及び布帛要素の製造方法に関する。
【0002】
スクリーン印刷又はダイレクトツーガーメント(direct-to-garment)印刷などの様々な技術を使用して、衣服に情報を印刷することが知られている。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様によれば、二酸化チタン(TiO2)添加剤を含む布帛要素であって、布帛要素が、布帛要素の表面内又は表面上に形成されたマークを含み、マークは、TiO2よりも高い酸化チタンを含む、布帛要素が提供される。
【0004】
典型的には、粉末形態(例えば、ナノ粒子形態での)でのTiO2は、紫外線(UV)放射に対する保護を提供するために布帛中に添加剤として組み込まれる。TiO2のサイズ及び色により、このことは、布帛中のTiO2の量に応じてある程度の不透明度及び白色度を提供する。
【0005】
本発明者らは、好ましくは海面での大気酸素レベルと比較して低酸素又はゼロ酸素条件下での、レーザ(例えば、UVレーザ又はCO2レーザ)による照射へのTiO2の長期曝露は、裸眼により布帛要素の残りの部分から色によって区別可能なマークを生成することを見出した。TiO2を照射するためにレーザを使用すると、所望の形状及びサイズに従うマークの正確な製造を可能にするだけでなく、布帛要素の表面の選択された領域の照射のみを必要とする。本発明の布帛要素におけるマークの形成は、水を必要とせず、乾燥又は硬化のために熱の使用を必要とする従来のインク系の印刷方法よりも著しく少ないエネルギー(場合によっては最大90%)を使用するので、費用効率が高く、環境に優しい。更に、本発明の布帛要素のマークは、特に複数回の洗濯を受けた後に経時的に退色する従来のインク系マークよりも耐久性があり、変色しにくい。また、本発明の布帛要素におけるマークの形成は、製品間の一貫性を保証する高い再現性を有する。
【0006】
マークは、限定されないが、Ti2O3、Ti3O5又はTi4O7などのTiO2よりも高い任意の酸化チタンを含んでもよい。
【0007】
より高い酸化チタンは、布帛要素の繊維に注入されてもよい。
【0008】
本発明の実施形態では、布帛要素は、0.01~5.0重量%のTiO2添加剤を含んでもよい。好ましくは、布帛要素は0.25~3.0重量%のTiO2添加剤を含む。
【0009】
本発明の更なる実施形態では、布帛要素は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエーテル又はナイロンなどの合成布帛材料から作製されてもよい。あるいは、布帛要素は天然布帛材料から作製されてもよい。布帛要素は、織物、不織物、編物、洗濯可能な物、又は再使用可能な物であってもよい。
【0010】
本発明の更なる実施形態では、マークは、文字、単語、数字、記号、絵及び/又は図形要素を含んでもよい。マークの例としては、ロゴ、ブランド名、製品情報、製造業者情報、製造情報、及び洗濯情報が挙げられるが、これらに限定されない。
【0011】
本発明は、様々な種類の布帛要素に適用可能であり、その非限定的な例を以下に記載する。
【0012】
布帛要素は、剛性、伸縮性又は弾性であってもよい。本発明は、布帛要素の表面上に、布帛繊維等の表面布帛材料にのみ影響を及ぼすマークを、布帛材料にわずかな損傷を与え、布帛要素の最終用途に影響を及ぼす布帛要素の伸縮性又は弾性に悪影響を及ぼすことなく作成することを可能にする。
【0013】
布帛要素はラベルであってもよく、又はラベルの一部を形成してもよい。そのような実施形態では、マークは、製品情報、製造業者情報、製造情報、及び/又は洗濯情報であってもよく、又はそれらを含んでもよい。本発明は、高い可読性を有するマークの形成を可能にしながら、スケールメリットを提供するラベルの大量生産に特に有用である。
【0014】
布帛要素は、衣服であってもよく、又は衣服の一部を形成してもよい。本発明の布帛要素は、広範囲の衣服に適用可能である。例えば、布帛要素は腰部バンドであってもよく、又は腰部バンドの一部を形成してもよい。布帛要素は、ブラストラップ、ブラカップ、リストバンド、ビーズバンド、シャツ又は他の衣料品であってもよく、又はそれらの一部を形成してもよい。あるいは、布帛要素は、布帛製の衣料品でない要素であってもよく、又はその一部を形成してもよい。本発明の布帛要素におけるマークは、マークの色又は布帛要素の特性に影響を及ぼすことなく、工業用及び家庭用洗浄プロセスを使用して洗浄可能である。
【0015】
布帛要素は、染色されていても染色されていなくてもよい。
【0016】
本発明の第2の態様によれば、布帛要素の表面内又は表面上に形成されたマークを含む布帛要素を製造する方法であって、
TiO2添加剤を含む布帛要素を提供するステップ、
布帛要素の表面内又は表面上にマークを形成するように、レーザを使用して、布帛要素の表面の領域を照射して、領域におけるTiO2によるレーザ放射の吸収が、レーザ照射されたTiO2を引き起こして、TiO2よりも高い酸化チタンを形成するステップであって、マークは、より高い酸化チタンを含む、形成するステップを含む、方法を提供する。
【0017】
本発明の第1の態様及びその実施形態の特性及び利点は、必要な変更を加えて、本発明の第2の態様及びその実施形態の特性及び利点方法に適用される。
【0018】
本発明の方法では、レーザはUVレーザであってもよい。UVレーザは、UVA波長UVレーザであってもよい。UVレーザは、波長355nmのUVレーザであってもよい。
【0019】
本発明の方法では、レーザはCO2レーザであってもよい。
【0020】
好ましくは、TiO2は、海面での大気酸素レベルと比較した場合、低酸素又はゼロ酸素条件下でレーザによる照射に曝露される。
【0021】
本発明の方法では、マークは、TiO2よりも高い任意の酸化チタン、例えばTi2O3、Ti3O5又はTi4O7を含んでもよい。
【0022】
本発明の方法では、より高い酸化チタンは、布帛要素の繊維に注入されてもよい。
【0023】
本発明の方法では、布帛要素は、0.01~5.0重量%のTiO2添加剤、好ましくは0.25~3.0重量%のTiO2添加剤を含んでもよい。
【0024】
本発明の方法では、布帛要素は、合成布帛材料から作製されてもよい。あるいは、布帛要素は天然布帛材料から作製されてもよい。布帛要素は、織物、不織物、編物、洗濯可能な物、又は再使用可能な物であってもよい。
【0025】
本発明の方法では、マークは、文字、単語、数字、記号、絵及び/又は図形要素を含んでもよい。
【0026】
本発明の方法では、布帛要素は、剛性、伸縮性又は弾性であってもよい。
【0027】
本発明の方法では、布帛要素はラベルであってもよく、又はラベルの一部を形成してもよい。
【0028】
本発明の方法では、布帛要素は、衣服であってもよく、又は衣服の一部を形成してもよい。このような実施形態では、布帛要素は腰部バンドであってもよく、腰部バンドの一部を形成してもよい。布帛要素は、ブラストラップ、ブラカップ、リストバンド、ヘッドバンド、シャツ又は他の衣料品であってもよく、又はそれらの一部を形成してもよい。あるいは、布帛要素は、布帛製の衣料品でない要素であってもよく、又はその一部を形成してもよい。
【0029】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第2の態様又はその実施形態のいずれか1つによる方法によって得られる布帛要素が提供される。
【0030】
本発明の第1及び第2の態様並びにそれらの実施形態の特性及び利点は、必要な変更を加えて、本発明の第3の態様及びその実施形態の特性及び利点に適用される。
【0031】
本明細書における用語「布帛」は、用語「布」を包含することが理解されるだろう。
【0032】
本発明の布帛要素は、布帛要素の表面上に単一のマーク又は複数のマークを含んでもよく、本発明の方法は、布帛要素の表面上に単一のマーク又は複数のマーク(例えば、灰色及び/又は黒色の異なる強度又は濃淡を有する)を形成することを含んでもよいことも理解されるだろう。
【0033】
本特許明細書における「第1の」及び「第2の」などの用語の使用は、類似の特性の間を区別することを助けることを単に意図するものであり、別段の指定がない限り、1つの特性が別の特性よりも相対的に重要であることを示すことを意図しないことが理解されるだろう。
【0034】
本出願の範囲内において、前述の段落、及び特許請求の範囲、並びに/又は以下の説明及び図面、並びに特にそれらの個々の特徴に記載されている様々な態様、実施形態、例、及び代替案が、独立して、又は任意の組み合わせで採用され得ることが明示的に意図されている。すなわち、全ての実施形態及び任意の実施形態の全ての特性は、そのような特性が両立しない場合を除き、任意の方法及び/又は組み合わせで組み合わせることができる。出願人は、出願人は、当初はそのように請求していないにもかかわらず、任意の他の請求項の任意の特徴に従属し、かつ/又はそれを組み込むように、当初出願された請求項を修正する権利を含めて、当初出願された請求項を変更する権利、又はそれに応じて新しい請求項を出願する権利を留保する。
【0035】
次に、本発明の好ましい実施形態を、非限定的な例として、以下の添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】は、本発明の一実施形態による布帛要素を示す。
【
図2】は、本発明の一実施形態による布帛要素製造方法を示す。
【
図3】は、本発明の一実施形態による布帛要素製造方法を示す。
【
図4】は、本発明の別の実施形態による布帛要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図は、必ずしも縮尺どおりではなく、図の特定の特徴部及び特定の見方は、明確さ及び簡潔さの理由から、縮尺又は概略形式において誇張して示され得る。
【0038】
本発明の以下の実施形態は、衣服ラベル及び弾性腰部バンドの製造を参照して記載されるが、本発明の以下の実施形態は、必要な変更を加えて他の種類の布帛要素に適用可能であることが理解されるだろう。
【0039】
本発明の一実施形態による布帛要素は、
図1に示され、概して、参照番号20によって指定される。
【0040】
布帛要素20は、衣服に取り付けるための織りジャカードラベル20である。ラベル20はポリエステルから作製されるが、ナイロン等の別の合成布帛材料から作製されてもよい。ラベル20は好ましくは0,01~5.0重量%の範囲の量のTiO2添加剤を含む。特に、TiO2添加剤は、TiO2添加剤をラベル20の繊維に注入するよう、ラベル20の合成繊維を形成するために使用されるポリマーマトリックス中に混合される。
【0041】
示される実施形態では、ラベル20は、ラベル20の表面上に形成されたマーク22を含む。ラベル20上のマーク22は、ラベル20が取り付けられた衣服についての洗濯情報を含む。ラベル20上のマーク22は、製品情報、製造業者情報及び/又は製造情報を更に含んでもよい。
【0042】
図2を参照すると、ラベル20上のマーク22は、最初にTiO
2添加剤をラベル20に提供すること(ステップ100)、及び次いで、波長355nmのUVレーザを使用してラベル20の表面の領域を照射すること(ステップ200)によって、形成される。UVA帯域の他の波長を使用してもよい。領域におけるTiO
2がUV放射を吸収し、その結果照射された領域にマーク22が形成される(ステップ300)。TiO
2添加剤を繊維中に注入すると、海面での大気酸素レベルと比較した場合、低/ゼロ酸素環境を作り出してもよく、これは、TiO
2のUV照射時に黒又は灰色の濃淡等、より暗い色の高い酸化チタン(例えばTi
2O
3、Ti
2O
5、Ti
4O
7を生成する。
【0043】
一方、照射領域外のTiO2はUVレーザに曝露されない。このようにして、UV照射領域は、ラベル20の表面上にマーク22を形成し、マークは、照射領域外部の非照射TiO2よりも暗い。UVレーザは、マーク22が洗濯情報として書き込まれるように制御される。
【0044】
照射ステップの間、布帛要素は、マークのより良好な着色及び一貫性のために、標的領域を適切に曝露するように、弛緩又は伸長状態になるように操作されてもよい。
【0045】
図3は、本発明の一実施形態によるラベル製造方法を実行するためのラベル印刷機を示す。
【0046】
ラベル印刷機は、UVレーザ及び保持装置を備える。保持装置は、ラベル20が自由に動かないようにラベル20を固定するように構成される。UVレーザは、上述のマーク22を形成するためにラベル20の表面の1つ又は複数の領域を照射するように制御可能である。
【0047】
本発明の他の実施形態では、ラベル20は、箱又は容器などの非衣服製品に取り付けられてもよい。
【0048】
本発明の別の実施形態による布帛要素は、
図4に示され、概して参照番号120によって指定される。
【0049】
図4の布帛要素120は、
図4の布帛要素120が下着122の一部を形成するための弾性腰部バンド120であることを除いて、
図1の布帛要素20と同じ方法で製造される。
【0050】
マーク124は、マーク22が上述のラベル20の表面に形成されるのと同じ方法で腰部バンド120の表面上に形成される。これにより、腰部バンド120上にロゴなどの容易に識別可能なマーク124を、腰部バンド材料を著しく損傷することなく、腰部バンドの伸縮性に悪影響を及ぼすことなく形成することが可能になる。
【0051】
同様に、マークは、他の伸縮性又は弾性布帛要素上に形成されてもよい。
【0052】
図5は、レーザ出力パワー(X軸)対レーザ移動速度(Y軸)対レーザパルス周波数(Z軸)の三次元マトリックスプロットである。100%時のレーザ出力パワーは5Wである。レーザ出力パワーは、照射のエネルギー密度に影響を及ぼす。レーザ移動速度は、レーザ露光時間に影響を及ぼす。
図5に示すように、3個のパラメータを、灰色の濃淡が変化するマーク22を生成するよう調整することができる。したがって、灰色の所望の濃淡を有するようにマーク22をカスタマイズすることが可能である。
【0053】
図5では、1500mm/秒のレーザ移動速度、20kHzのレーザパルス周波数、及び100%で5Wのレーザ出力パワーを使用して、最も暗い濃淡(ΔL=0によって示される)が得られることを示す。「ΔL」は、実試料と対照試料との間の明度差を表す。マーク22の灰色の濃淡は、レーザ移動速度、レーザパルス周波数及びレーザ出力を変化させることにより薄くすることができる。
【0054】
本発明の他の実施形態では、UVレーザは、CO2レーザ等の異なる種類のレーザによって置換されてもよいことが想定される。
【0055】
上の数値は、単に本発明の作用を説明するのを助けることを意図したものであり、布帛要素及びその製造の要件に応じて変化してもよいことが理解されよう。
【0056】
本明細書における明らかに先に公表された文書又は明らかに先に公表された情報のリスト又は議論は、文書又は情報が最新技術の一部であるか、又は共通の一般知識であることを認めるものとして必ずしも解釈されるべきではない。
【0057】
本発明の所与の態様、特徴、又はパラメータに関する優先度及び選択肢は、文脈に別段の指示がない限り、本発明の全ての他の態様、特徴、及びパラメータに関する任意かつ全ての優先度及び選択肢と組み合わせて開示されている通りであるとみなされるべきである。
【国際調査報告】