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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】エアロゾル供給システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/50 20200101AFI20240614BHJP
   A24F 40/65 20200101ALI20240614BHJP
   A24F 40/53 20200101ALI20240614BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/65
A24F40/53
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574816
(86)(22)【出願日】2022-06-21
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 GB2022051576
(87)【国際公開番号】W WO2022269246
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】2108884.4
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】モロニー, パトリック
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AB22
4B162AB23
4B162AC34
4B162AC50
4B162AD02
4B162AD03
4B162AD06
4B162AD12
4B162AD15
4B162AD16
4B162AD20
4B162AD22
4B162AD32
4B162AD41
(57)【要約】
本発明は、エアロゾル送達システムのための回路であって、エアロゾル送達システムにおける第1のデバイスの使用を監視するように構成され、第1のデバイスの使用を監視することに基づいて、第1のデバイスとエアロゾル送達システムの第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定するように構成され、第1のデバイスと第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定することに基づいて、データ通信インターフェースを通じて第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始するように構成される回路に関する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達システムのための回路であって、
前記エアロゾル送達システムにおける第1のデバイスの使用を監視することと、
前記第1のデバイスの前記使用を監視することに基づいて、前記第1のデバイスと前記エアロゾル送達システムの第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定することと、
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定することに基づいて、データ通信インターフェースを通じて前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始することと、
をするように構成される、回路。
【請求項2】
転送されるべく利用可能なデータが存在していると判定することは、前記第1のデバイスに記憶されたデータ量が予め定められた閾値に達したと判定することを含む、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
転送されるべく利用可能な前記データは、前記第1のデバイスによって収集された使用データを含む、請求項1又は2に記載の回路。
【請求項4】
転送されるべく利用可能な前記データは、前記第1のデバイスの動作を変更するために前記第2のデバイスから前記第1のデバイスに転送されるデータを含む、請求項1に記載の回路。
【請求項5】
前記第2のデバイスから前記第1のデバイスに転送されるべく利用可能なデータが存在していると判定することは、前記第1のデバイスの動作を変更するためのデータが前記第1のデバイスによって最後に受信されてから特定の時間が経過したと判定することを含む、請求項4に記載の回路。
【請求項6】
前記データは、前記第1のデバイス又は前記第2のデバイスの動作を変更するためのソフトウェア更新又は制御パラメータを含む、請求項4又は5に記載の回路。
【請求項7】
前記第1のデバイスの前記使用を監視することは、データ接続がどのくらいの頻度で前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間に確立されるかを監視することを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の回路。
【請求項8】
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間で転送されるべく利用可能なデータが存在していると判定することは、データ接続が前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間に最後に確立されてから特定の時間が経過したと判定することを含む、請求項7に記載の回路。
【請求項9】
経過時間であって、前記経過時間後に、データが転送されるべく利用可能であると判定される、経過時間は、前記第1のデバイスのユーザに関する情報に基づいて決定される、請求項8に記載の回路。
【請求項10】
前記ユーザに関する前記情報は、
i)オンラインアプリケーションにおける前記ユーザの活動から得られた情報
ii)前記ユーザの位置及び/又は移動に関する情報
iii)フォーム又はアンケートにより前記ユーザによって提供された情報
iv)前記ユーザの1つ又は複数の物理的特性を検知することから得られた情報
のうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の回路。
【請求項11】
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間で転送されるべく利用可能なデータが存在していると判定することは、前記ユーザに関連するユーザプロファイルが変わったと判定することを含み、前記ユーザプロファイルは、前記第1のデバイスのユーザに関する前記情報に基づいて確立される、請求項10に記載の回路。
【請求項12】
前記第1のデバイスの前記使用を監視することは、前記第1のデバイス及び/又は前記第2のデバイスの地理的位置を監視することを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の回路。
【請求項13】
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間でのデータ接続の確立のための手順が、前記第1のデバイスが予め定められた地理的位置に入ったと判定することに基づいて開始される、請求項12に記載の回路。
【請求項14】
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間でのデータ接続の確立のための手順が、前記第2のデバイスが予め定められた地理的位置に入ったと判定することに基づいて開始される、請求項12に記載の回路。
【請求項15】
前記回路は、前記第2のデバイスに含まれ、転送されるべく利用可能なデータが存在していると判定することは、無線インターフェースを通じて前記第1のデバイスから表示を受信することを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の回路。
【請求項16】
前記表示は、前記第1のデバイスから受信されたメッセージを含み、前記エアロゾル送達システムの前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間で転送されるべく利用可能なデータが存在しているかどうかを判定することは、前記第1のデバイスから受信された前記メッセージが予め定められた判定基準を満たすと判定することを含む、請求項15に記載の回路。
【請求項17】
前記メッセージは、ビーコン信号又はページングメッセージを含む、請求項16に記載の回路。
【請求項18】
前記第1のデバイスは、エアロゾル送達デバイスを含み、前記第2のデバイスは、パーソナルコンピューティングデバイス又はサーバを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の回路。
【請求項19】
前記第1のデバイスは、エアロゾル送達デバイスから使用データを収集するように構成されたパーソナルコンピューティングデバイスを含み、前記第2のデバイスは、パーソナルコンピューティングデバイス又はサーバを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の回路。
【請求項20】
前記回路は、前記第1のデバイスに含まれる、請求項18又は19に記載の回路。
【請求項21】
前記回路は、前記第2のデバイスに含まれる、請求項18又は19に記載の回路。
【請求項22】
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間でのデータ転送のための前記手順を開始することは、前記第1のデバイスを介して、ユーザが前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間での前記データ転送のためのデータ接続を確立すべきであるとの表示を提供することを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の回路。
【請求項23】
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間でのデータ転送のための前記手順を開始することは、前記第2のデバイスを介して、ユーザが前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間での前記データ転送のためのデータ接続を確立すべきであるとの表示を提供することを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の回路。
【請求項24】
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間でのデータ転送のための前記手順を開始することは、前記エアロゾル送達システムのさらなるデバイスを介して、ユーザが前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間での前記データ転送のためのデータ接続を確立すべきであるとの表示を提供することを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の回路。
【請求項25】
ユーザが前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間での前記データ転送のためのデータ接続を確立すべきであるとの前記表示は、可聴信号又は視覚信号を含む、請求項22~24のいずれか一項に記載の回路。
【請求項26】
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間でのデータ転送のための前記手順を開始することは、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスのうちの1つ目のデバイスに、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスのうちの2つ目のデバイスとのデータ接続を確立させることを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の回路。
【請求項27】
前記回路は、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスのうちの前記1つ目のデバイスに、前記データ接続を開始するためにユーザからのいかなる入力も必要とすることなく前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスのうちの前記2つ目のデバイスとの前記データ接続を確立させるように構成される、請求項26に記載の回路。
【請求項28】
前記回路は、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスに、前記データ接続を通じて前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間での転送に利用可能な前記データを転送させるようにさらに構成される、請求項26又は27に記載の回路。
【請求項29】
エアロゾル送達システムのための回路を動作させる方法であって、
前記回路に、前記エアロゾル送達システムにおける第1のデバイスの使用を監視させるステップと、
前記第1のデバイスの前記使用を監視することに基づいて、前記第1のデバイスと前記エアロゾル送達システムの第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定するステップと、
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定することに基づいて、データ通信インターフェースを通じて前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始するステップと、
を含む、方法。
【請求項30】
少なくとも第1のデバイス及び第2のデバイスを備えるエアロゾル送達システムであって、前記エアロゾル送達システムは、回路であって、
前記第1のデバイスの使用を監視するように構成され、
ここで、前記回路は、前記第1のデバイスの前記使用を監視することに基づいて、前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定するように構成され、
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定することに基づいて、データ通信インターフェースを通じて前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始するように構成された回路を含む、エアロゾル送達システム。
【請求項31】
第2のデバイスを備えるエアロゾル送達システムにおいて用いるエアロゾル送達デバイスであって、前記エアロゾル送達デバイスは、回路であって、
前記エアロゾル送達デバイス及び前記第2のデバイスのうちの1つ目のデバイスの使用を監視するように構成され、
ここで、前記回路は、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスのうちの前記1つ目のデバイスの前記使用を監視することに基づいて、前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定するように構成され、
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定することに基づいて、データ通信インターフェースを通じて前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始するように構成された回路を含む、エアロゾル送達デバイス。
【請求項32】
エアロゾル送達システムのデバイスに含まれる回路によって実行されると、前記回路に、
前記エアロゾル送達システムの第1のデバイスの使用を監視することと、
前記第1のデバイス及び前記エアロゾル送達システムの第2のデバイスのうちの1つ目のデバイスの使用を監視することに基づいて、前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定することと、
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定することに基づいて、データ通信インターフェースを通じて前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始することと、
をさせるソフトウェア命令が記憶されている、非一時的有形コンピュータ可読媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル送達システム、並びにエアロゾル送達システムにおいて用いる回路及びそのような回路を含むデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコ(eシガレット)などのエアロゾル送達デバイスは一般に、活性物質及び/又は香料を含有し得る、ユーザによる吸引のために例えば熱気化によりエアロゾル又は蒸気が生成される、原料液体のリザーバなどのエアロゾル生成材料を含む。したがって、エアロゾル供給デバイスは典型的に、エアロゾル生成チャンバにおいて蒸気又はエアロゾルを生成するために前駆材料の一部を気化又はエアロゾル化するように配置された、例えば加熱要素であるエアロゾル生成器を含む、エアロゾル生成チャンバを備える。ユーザがデバイスで吸引し、電力が気化器に供給されると、空気が入口穴を通って、エアロゾル生成チャンバに接続している入口空気チャネルに沿ってデバイスに引き込まれ、エアロゾル生成チャンバにおいて、空気は、気化された前駆材料と混合して凝縮エアロゾルを形成する。エアロゾル生成チャンバからマウスピースにおける出口に接続している出口空気チャネルが存在し、ユーザがマウスピースで吸引するとエアロゾル生成チャンバに引き込まれた空気がユーザによる吸引のためにエアロゾルを伴って出口流路に沿ってマウスピース出口に進む。いくつかの電子タバコはまた、デバイスを通る空気流路に香味要素を含んで追加の香料を与えることができる。そのようなデバイスは、ハイブリッドデバイスと呼ばれる場合もあり、香味要素は例えば、タバコのうち、エアロゾル生成チャンバとマウスピースとの間の空気流路に配置された部分を含み得るため、デバイス中に引き込まれたエアロゾル/凝縮エアロゾルがユーザによる吸引のためにタバコのその部分を通ってからマウスピースを出る。
【0003】
いくつかのエアロゾル送達デバイスは、有線又は無線接続を介してより広い送達システムの1つ又は複数のさらなるデバイスに接続して前記デバイスとデータを交換するように構成される。例えば、エアロゾル送達デバイスは、エアロゾル送達デバイスによって取得された使用データがスマートフォンにおけるアプリケーション(「app」)にアップロードされることを可能にする又はスマートフォンから制御パラメータ又はソフトウェア更新を受信することを可能にするために、スマートフォンとの無線データ接続を確立することが可能であり得る。より広義には、エアロゾル送達デバイスは、ケース、再充電/詰め替えドック、自動販売機、ウェアラブル、ネットワーク接続されたサーバなどの他のデバイスに、直接又は他のデバイスとの中間データ接続を介してデータ中継により間接的に接続するように構成されてもよい。送達システムの第1のデバイスと第2のデバイスとの間でデータを転送するために、ユーザは一般に、デバイス間での無線又は有線接続を開始するように要求され得る。データ接続が適切な状況で確立されて送達システム内における利用可能なデータのタイムリーな交換を可能にすることを確実にすることが有利であると考えられ得る。
【0004】
上記で論じた課題の少なくともいくつかの対処又は軽減に役立とうする様々な手法を本明細書において説明する。
【発明の概要】
【0005】
1つの態様では、エアロゾル送達システムのための回路であって、
エアロゾル送達システムにおける第1のデバイスの使用を監視することと、
第1のデバイスの使用を監視することに基づいて、第1のデバイスとエアロゾル送達システムの第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定することと、
第1のデバイスと第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定することに基づいて、データ通信インターフェースを通じて第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始することと、
をするように構成される回路が提供される。
【0006】
一実施形態では、転送されるべく利用可能なデータが存在していると判定することは、第1のデバイスに記憶されたデータ量が予め定められた閾値に達したと判定することを含む。
【0007】
一実施形態では、転送されるべく利用可能なデータは、第1のデバイスによって収集された使用データを含む。
【0008】
一実施形態では、転送されるべく利用可能なデータは、第1のデバイスの動作を変更するために第2のデバイスから第1のデバイスに転送されるデータを含む。
【0009】
一実施形態では、第2のデバイスから第1のデバイスに転送されるべく利用可能なデータが存在していると判定することは、第1のデバイスの動作を変更するためのデータが第1のデバイスによって最後に受信されてから特定の時間が経過したと判定することを含む。
【0010】
一実施形態では、データは、第1のデバイス又は第2のデバイスの動作を変更するためのソフトウェア更新又は制御パラメータを含む。
【0011】
一実施形態では、第1のデバイスの使用を監視することは、データ接続がどのくらいの頻度で第1のデバイスと第2のデバイスとの間に確立されるかを監視することを含む。
【0012】
一実施形態では、第1のデバイスと第2のデバイスとの間で転送されるべく利用可能なデータが存在していると判定することは、データ接続が第1のデバイスと第2のデバイスとの間に最後に確立されてから特定の時間が経過したと判定することを含む。
【0013】
一実施形態では、経過時間であって、その経過時間後に、データが転送されるべく利用可能であると判定される、経過時間は、第1のデバイスのユーザに関する情報に基づいて決定される。
【0014】
一実施形態では、ユーザに関する情報は、
i)オンラインアプリケーションにおけるユーザの活動から得られた情報
ii)ユーザの位置及び/又は移動に関する情報
iii)フォーム又はアンケートによりユーザによって提供された情報
iv)ユーザの1つ又は複数の物理的特性を検知することから得られた情報
のうちの少なくとも1つを含む。
【0015】
一実施形態では、第1のデバイスと第2のデバイスとの間で転送されるべく利用可能なデータが存在していると判定することは、ユーザに関連するユーザプロファイルが変わったと判定することを含み、ユーザプロファイルは、第1のデバイスのユーザに関する情報に基づいて確立される。
【0016】
一実施形態では、第1のデバイスの使用を監視することは、第1のデバイス及び/又は第2のデバイスの地理的位置を監視することを含む。
【0017】
一実施形態では、第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ接続の確立のための手順が、第1のデバイスが予め定められた地理的位置に入ったと判定することに基づいて開始される。
【0018】
一実施形態では、第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ接続の確立のための手順が、第2のデバイスが予め定められた地理的位置に入ったと判定することに基づいて開始される。
【0019】
一実施形態では、回路は、第2のデバイスに含まれ、転送されるべく利用可能なデータが存在していると判定することは、無線インターフェースを通じて第1のデバイスから表示を受信することを含む。
【0020】
一実施形態では、表示は、第1のデバイスから受信されたメッセージを含み、エアロゾル送達システムの第1のデバイスと第2のデバイスとの間で転送されるべく利用可能なデータが存在しているかどうかを判定することは、第1のデバイスから受信されたメッセージが予め定められた判定基準を満たすと判定することを含む。
【0021】
一実施形態では、メッセージは、ビーコン信号又はページングメッセージを含む。
【0022】
一実施形態では、第1のデバイスは、エアロゾル送達デバイスを含み、第2のデバイスは、パーソナルコンピューティングデバイス又はサーバを含む。
【0023】
一実施形態では、第1のデバイスは、エアロゾル送達デバイスから使用データを収集するように構成されたパーソナルコンピューティングデバイスを含み、第2のデバイスは、パーソナルコンピューティングデバイス又はサーバを含む。
【0024】
一実施形態では、回路は、第1のデバイスに含まれる。
【0025】
一実施形態では、回路は、第2のデバイスに含まれる。
【0026】
一実施形態では、第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始することは、第1のデバイスを介して、ユーザが第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ転送のためのデータ接続を確立すべきであるとの表示を提供することを含む。
【0027】
一実施形態では、第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始することは、第2のデバイスを介して、ユーザが第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ転送のためのデータ接続を確立すべきであるとの表示を提供することを含む。
【0028】
一実施形態では、第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始することは、エアロゾル送達システムのさらなるデバイスを介して、ユーザが第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ転送のためのデータ接続を確立すべきであるとの表示を提供することを含む。
【0029】
一実施形態では、ユーザが第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ転送のためのデータ接続を確立すべきであるとの表示は、可聴信号又は視覚信号を含む。
【0030】
一実施形態では、第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始することは、第1のデバイス及び第2のデバイスのうちの1つ目のデバイスに、第1のデバイス及び第2のデバイスのうちの2つ目のデバイスとのデータ接続を確立させることを含む。
【0031】
一実施形態では、回路は、第1のデバイス及び第2のデバイスのうちの1つ目のデバイスに、データ接続を開始するためにユーザからのいかなる入力も必要とすることなく第1のデバイス及び第2のデバイスのうちの2つ目のデバイスとのデータ接続を確立させるように構成される。
【0032】
一実施形態では、回路は、第1のデバイス及び第2のデバイスに、データ接続を通じて第1のデバイスと第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータを転送させるようにさらに構成される。
【0033】
さらなる態様では、エアロゾル送達システムのための回路を動作させる方法であって、
回路に、エアロゾル送達システムにおける第1のデバイスの使用を監視させるステップと、
第1のデバイスの使用を監視することに基づいて、第1のデバイスとエアロゾル送達システムの第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定するステップと、
第1のデバイスと第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定することに基づいて、データ通信インターフェースを通じて第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始するステップと、
を含む、方法が提供される。
【0034】
さらなる態様では、少なくとも第1のデバイス及び第2のデバイスを備えるエアロゾル送達システムであって、エアロゾル送達システムは、回路であって、
第1のデバイスの使用を監視するように構成され、
ここで、回路は、第1のデバイスの使用を監視することに基づいて、第1のデバイスと第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定するように構成され、
第1のデバイスと第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定することに基づいて、データ通信インターフェースを通じて第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始するように構成された回路を含む、エアロゾル送達システムが提供される。
【0035】
さらなる態様では、第2のデバイスを備えるエアロゾル送達システムにおいて用いるエアロゾル送達デバイスであって、エアロゾル送達デバイスは、回路であって、
エアロゾル送達デバイス及び第2のデバイスのうちの1つ目のデバイスの使用を監視するように構成され、
ここで、回路は、第1のデバイス及び第2のデバイスのうちの1つ目のデバイスの使用を監視することに基づいて、第1のデバイスと第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定するように構成され、
第1のデバイスと第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定することに基づいて、データ通信インターフェースを通じて第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始するように構成された回路を含む、エアロゾル送達デバイスが提供される。
【0036】
さらなる態様では、エアロゾル送達システムのデバイスに含まれる回路によって実行されると、回路に、
エアロゾル送達システムの第1のデバイスの使用を監視することと、
第1のデバイス及びエアロゾル送達システムの第2のデバイスのうちの1つ目のデバイスの使用を監視することに基づいて、第1のデバイスと第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定することと、
第1のデバイスと第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定することに基づいて、データ通信インターフェースを通じて第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始することと、
をさせるソフトウェア命令が記憶されている、非一時的有形コンピュータ可読媒体が提供される。
【0037】
ここで、本開示の実施形態を、単に例として添付の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本開示のいくつかの実施形態によるエアロゾル送達デバイスの概略図である。
図2】本開示のいくつかの実施形態によるエアロゾル送達デバイスとともに用いる送達システムの概略図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態による送達システムの回路が実行するステップを詳述するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
特定の例及び実施形態の態様及び特徴を本明細書において論述/説明する。特定の例及び実施形態のいくつかの態様及び特徴は、従来通りに実施されてもよく、これらは、簡潔にするため、詳細に論述/説明しない。したがって、本明細書において論述する、詳細に説明されない装置及び方法の態様及び特徴は、そのような態様及び特徴を実施する任意の従来技法に従って実施されてもよいことが理解される。
【0040】
本開示は、タバコを燃焼させるのではなく加熱することによってエアロゾルを生成する、ネブライザー又はeシガレット又はタバコ加熱製品などのエアロゾル送達デバイス10(蒸気送達デバイスと呼ばれることもある)を備える送達システム1に関する。以下の説明の全体を通して、「eシガレット」又は「電子タバコ」という用語が使用される場合があるが、この用語は、エアロゾル送達システム1/デバイス及び電子エアロゾル送達システム1/デバイスと入れ替え可能に使用されてもよいことが理解される。さらに、当該技術分野において一般的であるように、「エアロゾル」及び「蒸気」という用語、並びに、「気化」、「揮発」及び「エアロゾル化」などの関連用語は概して、入れ替え可能に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、送達システム1は、非燃焼加熱システムとしても知られるタバコ加熱システムである。いくつかの実施形態では、送達システム1は、エアロゾル生成材料の組み合わせを使用してエアロゾルを生成するためのハイブリッドシステムであり、これらエアロゾル生成材料のうちの1つ又は複数を加熱することができる。エアロゾル生成材料のそれぞれは例えば、固体、液体又はゲルの形態であってもよく、ニコチンを含有しても又は含有しなくてもよい。いくつかの実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲルのエアロゾル生成材料と、固体のエアロゾル生成材料とを含む。固体エアロゾル生成材料は例えば、タバコ又は非タバコ製品を含んでもよい。一方、いくつかの実施形態では、不燃式エアロゾル供給システムが、1つ又は複数のそのようなエアロゾル化可能材料から蒸気/エアロゾルを生成する。
【0041】
エアロゾル送達デバイス10(eシガレット)は、常にとは限らないが、多くの場合、再利用可能な部品及び交換可能な(使い捨て)カートリッジ部品の両方を含むモジュール式アセンブリを含む。多くの場合、交換可能なカートリッジ部品は、エアロゾル生成材料及び気化器を含み、再利用可能な部品は、電源(充電可能な電源)及び制御回路を含む。これらの種々の部品はさらに、機能性に応じてさらなる要素を含み得ることが理解される。例えば、再利用可能なデバイス部品は多くの場合、ユーザ入力を受信するとともに動作状態特性を表示するユーザインターフェースを含み、交換可能なカートリッジ部品はいくつかの場合、温度を制御するのに役立つ温度センサを含む。カートリッジは、使用のために、例えば、ねじ山、バヨネット、又は磁気結合を用いて、コントロールユニットに電気的及び機械的に結合され、電気接点が適切に配置される。カートリッジ内のエアロゾル生成材料が使い果たされたとき、又は、異なるエアロゾル生成材料を有する異なるカートリッジに替えたいとユーザが望むとき、カートリッジをコントロールユニットから取り外し、代わりに交換のカートリッジを取り付けることができる。このタイプの2部品モジュール式構成に従うデバイスは一般に、2部品デバイスと呼ばれることがある。
【0042】
電子タバコは概ね細長い形状を有することが一般的である。具体的な例を提示するために、本明細書において説明する開示の特定の実施形態は、この種の、使い捨てカートリッジを用いる概ね細長い2部品デバイスを含むものとされる。しかしながら、本明細書において説明する基本的な原理は、種々の、エアロゾル送達デバイス10の構成、例えば、単一部品デバイス、又は3つ以上の部品を含むモジュール式デバイス、詰め替え可能なデバイス及び一回限りの使い捨てデバイス、並びに、他の全体形状に従うデバイス、例えば、典型的にはより箱状を有するいわゆるボックスモッド高性能デバイスに基づくデバイスに、同様に取り入れることができることが理解される。より一般的には、本開示の特定の実施形態は、本明細書において説明する原理に従って機能性を提供するように動作可能に構成されるエアロゾル送達デバイス10/システムに基づいており、本開示の特定の実施形態に従って機能性を提供するように構成されたエアロゾル送達デバイス10の構造的態様は、さほど重要性ではないことが理解される。
【0043】
図1は、本開示の特定の実施形態による一例の送達デバイス10の断面図である。送達デバイス10は、2つの主要な構成部材、すなわち、再利用可能な部品2と、交換可能な/使い捨てカートリッジ部品4とを含む。通常の使用において、再利用可能な部品2及びカートリッジ部品4は、接続面6において取り外し可能にともに連結される。カートリッジ部品が使い果たされとき、又は異なるカートリッジ部品に替えたいとユーザが単に望むとき、カートリッジ部品を再利用可能な部品から取り外し、代わりに交換のカートリッジ部品を再利用可能な部品に取り付けることができる。接続面6は、これら2つの部品間に構造的、電気的且つ空気流路接続を提供し、必要に応じて2つの部品間に電気的接続及び空気流路を確立するための適切に配置された電気接点及び開口により、例えばねじ山、磁気又はバヨネット固定に基づいた従来の技術に従って確立されてもよい。カートリッジ部品4を再利用可能な部品2に機械的に取り付ける具体的なやり方は、本明細書において説明する原理に重要ではないが、具体的な例のため、ここでは磁気結合(図1には示さず)を含むものとする。また、いくつかの実施態様における接続面6は、それぞれの部品間の電気的接続及び/又は空気流路接続を支持しなくてもよいことが理解される。例えば、いくつかの実施態様では、エアロゾル生成器は、カートリッジ部品4にではなく再利用可能な部品2に設けられてもよく、又は、再利用可能な部品2からカートリッジ部品4への電力の移行はワイヤレス(例えば、電磁誘導に基づく)であってもよく、そのため、再利用可能な部品とカートリッジ部品との間の電気的接続は必要とされない。さらに、いくつかの実施態様では、電子タバコを通る空気流は、再利用可能な部品を通らない可能性があり、そのため、再利用可能な部品とカートリッジ部品との間に空気流路接続は必要とされない。いくつかの事例では、再利用可能な部品2及びカートリッジ部品4が使用のためにともに連結されるとこれら部品の部分間の接続面において空気流路の一部が画定され得る。
【0044】
カートリッジ部品4は、本開示の特定の実施形態に従って、大まかに従来のものであってもよい。図1において、カートリッジ部品4は、プラスチック材料から形成されたカートリッジハウジング42を含む。カートリッジハウジング42は、カートリッジ部品の他の構成部材を支持し、再利用可能な部品2との機械的な接続面6を提供する。カートリッジハウジングは、長手方向軸を中心に略円対称であり、この軸に沿って、カートリッジ部品が再利用可能な部品2に連結する。この例では、カートリッジ部品は、およそ4cmの長さ及びおよそ1.5cmの直径を有する。しかしながら、特定の幾何学形状、並びにより一般的には、全体形状及び用いる材料は、種々の実施態様において異なっていてもよいことが理解される。
【0045】
カートリッジハウジング42内には、エアロゾル生成材料を収容するリザーバ44があるものとすることができる。エアロゾル生成材料は、例えば加熱、照射又は任意の他の方法で励起されると、エアロゾルを生成することが可能な材料である。エアロゾル生成材料は例えば、固体、液体又はゲルの形態であってもよく、活性物質及び/又は香味料を含有しても又は含有しなくてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、タバコなどの植物由来材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、「非晶質固体」を含んでもよく、これは代替的に「モノリシック固体」(すなわち、非繊維質)と呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、非晶質固体は、乾燥ゲルであってもよい。非晶質固体は、その中に液体などの何らかの流体を保持し得る固体材料である。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は例えば、約50wt%、60wt%又は70wt%の非晶質固体~約90wt%、95wt%又は100wt%の非晶質固体を含み得る。エアロゾル生成材料は、1つ又は複数の活性物質及び/又は香味料、1つ又は複数のエアロゾルフォーマ材料、及び任意選択で1つ又は複数の他の機能性材料を含み得る。エアロゾルフォーマ材料は、エアロゾルを形成することが可能な1つ又は複数の成分を含み得る。いくつかの実施形態では、エアロゾルフォーマ材料は、グリセリン、プロピレングルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソ-エリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸及び炭酸プロピレンのうちの1つ又は複数を含み得る。1つ又は複数の他の機能性材料は、pH調整剤、着色剤、保存剤、結合材、充填剤、安定剤、及び/又は酸化防止剤のうちの1つ又は複数を含み得る。エアロゾル生成材料は、基体を形成するために支持体上又は支持体内に存在し得る。支持体は例えば、紙、ボール紙、板紙、厚紙、再生材料、プラスチック材料、セラミック材料、複合材料、ガラス、金属、又は金属合金であっても又はそれを含んでもよい。
【0046】
図1に概略的に示す例では、リザーバ44は、液体エアロゾル生成材料の供給量を貯蔵するように構成されている。この例では、液体リザーバ44は、カートリッジハウジング42によって画定された外壁と、カートリッジ部品4を通る空気流路52を画定する内壁とを有する環状形状を有する。リザーバ44は、エアロゾル生成材料を収容するために端壁により各端部が閉じられている。リザーバ44は、従来の技法に従って形成されてもよく、例えば、プラスチック材料を含んでもよく、カートリッジハウジング42と一体成形されてもよい。
【0047】
カートリッジ部品は、リザーバ44の、マウスピース出口50とは反対の端部の方に位置する、エアロゾル生成器48をさらに含み得る。エアロゾル生成器は、エアロゾルをエアロゾル生成材料から生成させるように構成された装置である。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料から1つ又は複数の揮発性物質を放出してエアロゾルを形成するように、エアロゾル生成材料を熱エネルギーに晒すように構成されたヒータである。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器は、加熱することなくエアロゾルをエアロゾル生成材料から生成させるように構成される。例えば、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料を、振動、圧力増加、又は静電エネルギーのうちの1つ又は複数に晒すように構成され得る。
【0048】
図1に示すような2部品デバイスにおいて、エアロゾル生成器は、再利用可能な部品2又はカートリッジ部品4のいずれかで存在し得ることが理解される。例えば、いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器48(例えば、ヒータ)は、再利用可能な部品2内に含まれてもよく、再利用可能な部品2とカートリッジ4が係合するとカートリッジ内のエアロゾル生成材料の一部と近接せしめられる。そのような実施形態では、カートリッジがエアロゾル生成材料の一部を含むことができ、ヒータを含むエアロゾル生成器48は、カートリッジ4が再利用可能な部品2と係合する際、エアロゾル生成材料の一部に少なくとも部分的に挿入されるか又はその一部を少なくとも部分的に囲む。
【0049】
図1の例では、ヒータ48と接触したウィック46が、カートリッジ空気流路52を横断して延びており、ウィックの両端部が液体エアロゾル生成材料のリザーバ44へリザーバ44の内壁における開口を通って延出している。リザーバの内壁における開口は、ウィック46の流体移送性能に害を及ぼしかねない、ウィックの過度の圧縮なしに、液体リザーバからカートリッジ空気流路への漏出に対して合理的なシールを提供するためにウィックの寸法に概ね合うようにサイズ決めされる。
【0050】
ウィック46及びヒータ48は、ウィック46及びヒータ48の周りのカートリッジ空気流路52の領域が実際にカートリッジ部品4の気化領域を画定するようにカートリッジ空気流路52に配置される。リザーバ44内のエアロゾル生成材料は、ウィック46の、リザーバ44に延出する端部を通って、ウィックにしみ込み、表面張力/毛管作用(すなわち、ウィッキング)によって、ウィックに沿って引き入れられる。この例におけるヒータ48は、ウィック46に巻き付けられた電気抵抗線を含む。図1の例では、ヒータ48は、ニッケルクロム合金(Cr20Ni80)線を含み、ウィック46は、ガラス繊維束を含むが、特定のエアロゾル生成器構成は、本明細書において説明する原理に重要ではないことが理解される。使用時、電力がヒータ48に供給されて、ウィック46によってヒータ48付近に引き入れられた或る量のエアロゾル生成材料(エアロゾル生成材料)を気化させることができる。気化したエアロゾル生成材料は次いで、ユーザによる吸引のために、気化領域からマウスピース出口50へ向けてカートリッジ空気流路に沿って引き入れられた空気に取り込まれ得る。
【0051】
上述したように、エアロゾル生成材料が気化器(ヒータ)48によって気化される速度は、ヒータ48に供給された電力量(レベル)に応じて決まる。したがって、電力は、カートリッジ部品4内のエアロゾル生成材料からエアロゾルを選択的に生成するようにヒータに加えることができ、さらに、エアロゾル生成速度は、例えばパルス幅及び/又は周波数変調技術により、ヒータ48に供給される電力量を変えることによって変更することができる。
【0052】
再利用可能な部品2は、eシガレットのための空気入口28を画定する開口を有する外側ハウジング12と、電子タバコのための動作電力を供給する電源26(例えば、バッテリ)と、電子タバコの動作を制御及び監視する制御回路18と、第1のユーザ入力ボタン14と、第2のユーザ入力ボタン16と、視覚ディスプレイ24とを備える。
【0053】
外側ハウジング12は例えば、プラスチック又は金属材料から形成されてもよく、この例では、接続面6において2つの部品間に滑らかな移行を提供するようにカートリッジ部品4の形状及びサイズに概ね一致する円形断面を有する。この例では、再利用可能な部品は、およそ8cmの長さを有しているため、カートリッジ部品及び再利用可能な部品がともに連結されるとeシガレットの全長はおよそ12cmである。しかしながら、既に述べたように、本開示の実施形態を実施する電子タバコの全体的な形状及び縮尺は、本明細書において記載する原理に重要ではないことが理解される。
【0054】
空気入口28は、再利用可能な部品2を通る空気流路51に接続する。再利用可能な部品の空気流路51が次いで、再利用可能な部品2及びカートリッジ部品4がともに接続されると接続面6を横切ってカートリッジ空気流路52に接続する。したがって、ユーザがマウスピース開口50で吸引すると、空気は、空気入口28を通って引き入れられ、再利用可能な部品の空気流路51に沿って、接続面6を横切って、エアロゾル生成器48付近のエアロゾル生成領域(気化したエアロゾル生成材料が空気流に取り込まれる)を通って、カートリッジ空気流路52に沿って、ユーザによる吸入のためにマウスピース開口50を通って引き出される。
【0055】
この例における電源26は充電可能であり、従来型のもの、例えば、比較的短い期間にわたって比較的高い電流の供給を必要とする電子タバコ及び他の用途において通常使用される種類のものであってもよい。電源26は、再利用可能な部品のハウジング12内の充電コネクタ、例えばUSBコネクタにより充電されてもよい。
【0056】
例えば、ユーザによって押されて電気接点を確立することができるばね搭載構成部品を含む、この例では従来の機械的ボタンである、第1のユーザ入力ボタン14及び第2のユーザ入力ボタン16が提供され得る。これに関して、入力ボタンは、ユーザ入力を検出する入力デバイスと考えられるものとすることができ、ボタンが実装される特定の様式は重要ではない。ボタンは、送達デバイス10をオン及びオフに切り替えること、本明細書においてさらに説明する手法に従って他の電子デバイスとの通信リンクを開始すること、及び、電源26からエアロゾル生成器48に供給される電力などのユーザ設定を調整することなどの機能に割り当てられ得る。しかしながら、ユーザ入力ボタンを含めることは任意選択であり、いくつかの実施形態では、ボタンは含まれなくてもよい。
【0057】
エアロゾル送達デバイス10に関連する様々な特性、例えば、現在の電力設定情報、残りの電源電力などの視覚的な表示をユーザに示すためにディスプレイ24が設けられ得る。ディスプレイは様々な方法で実装され得る。この例では、ディスプレイ24は、従来の技術に従って所望の情報を表示するように駆動され得る従来のピクセル化されたLCDスクリーンを含む。他の実施態様では、ディスプレイは、例えば特定の色及び/又は点滅シーケンスにより、所望の情報を表示するように配置された1つ又は複数の個別的なインジケータ、例えばLEDを含み得る。より一般的には、ディスプレイが設けられるとともにディスプレイを用いてユーザに情報が表示される様式は、本明細書において説明する原理に重要ではない。例えば、いくつかの実施形態は、視覚ディスプレイを含まなくてもよく、例えば、音声シグナリングを用いて、エアロゾル送達デバイス10/システムの動作特性に関する情報をユーザに提供する他の手段を含んでもよく、又は、エアロゾル送達デバイス10/システムの動作特性に関する情報をユーザに示すいかなる手段も含まなくてもよい。
【0058】
本明細書においてさらに説明するように、本開示の実施形態による機能を提供するために、及び、エアロゾル送達デバイス10の従来の動作機能を、そのようなデバイスを制御するための確立された技術に合わせて提供するために、コントローラ22が、エアロゾル送達デバイス10の動作を制御するように適切に構成/プログラムされる。コントローラ(プロセッサ回路)22は、送達デバイス10の動作の種々の態様に関連する様々なサブユニット/回路要素を論理的に含むものと考えられ得る。この例では、コントローラ22は、ユーザ入力に応答して電源26からエアロゾル生成器48への電力供給を制御する電力供給制御回路と、ユーザ入力に応答して構成設定(例えば、ユーザ定義電力設定)を確立するユーザプログラミング回路20と、本明細書において説明する原理による機能に関連した、並びにディスプレイ駆動回路及びユーザ入力検出回路などの、電子タバコの従来の動作態様に関連した他の機能ユニット/回路とを含む。コントローラ22の機能は、例えば、所望の機能を提供するように構成された、1つ又は複数の適切にプログラムされたプログラム可能なコンピュータ(複数可)及び/又は1つ又は複数の適切に構成された特定用途向け集積回路(複数可)/回路/チップ(複数可)/チップセット(複数可)を使用して、様々な異なる方法で提供することができることが理解される。
【0059】
本明細書においてさらに説明するように、エアロゾル送達デバイス10は、エアロゾル送達デバイス10と送達システム1におけるさらなる電子デバイス(複数可)との間でのデータ転送を可能にするために接続が1つ又は複数のさらなる電子デバイスと確立されることを可能にするように構成された通信回路を含む。いくつかの実施形態では、通信回路は、コントローラ22に組み込まれ、他の実施形態では、通信回路は、別個に実装される(例えば、別個の特定用途向け集積回路(複数可)/回路/チップ(複数可)/チップセット(複数可)を含む)。いくつかの実施形態では、通信回路は、無線インターフェースを通じてエアロゾル送達デバイス10と1つ又は複数のさらなる電子デバイスとの間の通信をサポートするように構成される。通信回路は、エアロゾル送達デバイス10と、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)、ジグビー(ZigBee)(登録商標)、ワイファイ(WiFi)(登録商標)、(ワイファイダイレクト)(Wifi Direct)(登録商標)、GSM、2G、3G、4G、5G、LTE、NFC、RFIDなどの既知のデータ転送プロトコルによる他の電子デバイスとの間の無線通信をサポートするように構成され得る。より一般的には、いなかる無線ネットワークプロトコルも原則的に、エアロゾル送達デバイス10と、送達システム1のさらなるデバイスとの間の無線通信をサポートするために使用することができることが理解される。いくつかの実施形態では、通信回路は、無線インターフェースを通じてエアロゾル送達デバイス10と1つ又は複数のさらなる電子デバイスとの間の通信をサポートするように構成される。これは、上記で説明した無線通信のための構成の代わりに又はその構成に加えて存在してもよい。通信回路は、USB-C、マイクロUSB又はサンダーボルトインターフェースなどの、有線データ接続のための任意の適切なインターフェースを含んでもよい。より一般的には、通信回路は、例えば、パケットデータ転送プロトコルに従ってデータ転送を可能にする任意の有線通信インターフェースを含んでもよく、また、エアロゾル送達デバイス10に接続することができるドック、ケーブル又は他の外部デバイスにおける協働するピン又は接触パッドに係合するように構成されたピン又は接触パッド構成部を含んでもよいことが理解される。
【0060】
いくつかの実施形態では、再利用可能な部品2は、コントローラ22に電気的に接続される空気流センサ30を含む。多くの実施形態では、空気流センサ30は、ユーザがデバイスをパフするときを検出するために空気流センサ30が使用されるという点でいわゆる「パフセンサ」を含む。いくつかの実施形態では、空気流センサは、電源26からエアロゾル生成器48に電力を供給する電気経路におけるスイッチを含む。そのような実施形態では、空気流センサ30は一般に、空気流センサ30付近の圧力が閾値未満に降下すると電流が電源26からエアロゾル生成器48に流れることを可能にする、特定範囲の圧力に晒されるとスイッチを閉じるように構成された圧力センサを含む。閾値は、ユーザによるパフの開始に関連する特性値に対応するように経験によって決定された値に設定することができる。他の実施形態では、空気流センサ30は、コントローラ22に接続され、コントローラは、コントローラ22が空気流センサ30から受信した信号に応じて電源26からエアロゾル生成器48に電力を分配する。空気流センサ30から出力された信号(コントローラ22によって行われた、空気流センサの静電容量、抵抗又は他の特性の測定値を含み得る)がコントローラ22によって用いられて電源26からエアロゾル生成器48への電力の供給を制御する特定の方式を、当業者に既知の任意の手法に従って実行することができる。
【0061】
エアロゾル送達デバイス10は、コントローラ22に対する接続を有して構成された他のセンサであって、例えば、(例えば、GPS受信機を用いての)エアロゾル送達デバイス10の地理的位置、(例えば、1つ又は複数の傾斜センサ及び/又は加速度計を用いての)エアロゾル送達デバイス10の配向、(例えば、熱電対を用いての)エアロゾル送達デバイス10の温度、(例えば、フォトダイオードを用いての)エアロゾル送達デバイス10付近における周囲光強度、又は(例えば、光学検知又は容量性検知を用いての)エアロゾル送達デバイス10内の或る量のエアロゾル生成材料に関する、信号/データを、コントローラ22に提供し得る、他のセンサを含んでもよい。そのようなデータは、本明細書においてさらに論じる「使用データ」を含み、このデータは、継続的に又は周期的に収集することができ、メモリ素子(例えば、コントローラ22に関連する、クラウドメモリ素子を含む、RAM、ROM又は他のメモリフォーマット)に記憶され、及び/又は、さらなるデバイス(例えば、スマートフォン100、ドック又はケース200、自動販売機300、ウェアラブル400及び/又はサーバ1000)における記憶のために本明細書においてさらに説明する有線又は無線データインターフェースを通じて連続的又は周期的に送信される。1つ又は複数のセンサによって得られた使用データは、「生」状態(すなわち、解析又は変換なし)でコントローラ22によって記憶又は送信されてもよく、或いは、さらなるデバイスに対する記憶及び/又は送信のためにさらなる使用データを生成するように変換又は解析されてもよい。
【0062】
(エコシステム)
ここで図2を参照すると、エアロゾル送達デバイス10(又はより一般的には、本明細書においてどこかで説明されるような任意の送達デバイス)は、より広い送達システム1/エアロゾル送達システム1において動作することができる。より広い送達システム1において、複数のデバイスが互いに直接(実線矢印で示す)又は間接(破線矢印で示す)的に通信することができる。このシステムは他の場合では、送達エコシステム/エアロゾル送達エコシステムと呼ばれ得る。
【0063】
eシガレットなどの一例のエアロゾル送達デバイス10は、スマートフォン100、ドック200(例えば、再充電ケース若しくは家庭用詰め替え及び/又は充電ステーション)、自動販売機300、又はウェアラブルデバイス400(例えば、スマートウォッチ)を含むがこれらに限定されない1つ又は複数の他のクラスのデバイスと直接通信することができる。同様の方式で、eシガレットなどのエアロゾル送達デバイス10は、同じクラスの別のデバイス、すなわちエアロゾル送達デバイスと直接通信することができる。上述したように、これらのデバイスが任意の適切な構成で協働して送達システム1を形成してもよい。この通信は、(例えば、USB-C、マイクロUSB、サンダーボルトなどのインターフェース、若しくは本明細書においてさらに説明するような別の有線通信インターフェースを用いて)エアロゾル送達デバイス10の有線通信回路によって、或いは、エアロゾル送達デバイス10の無線通信回路(例えば、ブルートゥース、ジグビー、ワイファイ、ワイファイダイレクト、GSM、2G、3G、4G、5G、LTE、NFC若しくはRFIDモジュール、又は本明細書においてさらに説明するような別の無線通信インターフェース)によって、サポートすることができる。エアロゾル送達デバイス10は、種々の有線又は無線通信プロトコルを用いて他のクラスのうちの種々のクラスのデバイスに接続するように構成されてもよく、有線及び/又は無線通信を用いてエアロゾル送達デバイス10と任意の所与の第2のデバイスとの間にデータ接続が確立されてもよい。送達システム1内に含まれる他のクラスのデバイスは、エアロゾル送達デバイス10に関して本明細書においてさらに説明するものと同様の有線又は無線データ伝送のための通信回路を含み得ることが理解される。したがって、スマートフォン100、ドック200(例えば、家庭用詰め替え及び/又は充電ステーション)、自動販売機300、ウェアラブルデバイス400(例えば、スマートウォッチ)又はサーバには、ブルートゥース、ジグビー、ワイファイ、ワイファイダイレクト、GSM、2G、3G、4G、5G、LTE、NFC、RFID若しくは他の無線伝送モジュール、及び/又は、USB-C、マイクロUSB、サンダーボルト若しくは他の有線インターフェースなどの有線インターフェースを含む通信回路が装備され得る。エアロゾル送達デバイス10の通信回路(単一のモジュール又は別個のモジュールとして実装される)は、種々の有線及び/又は無線データ伝送プロトコルを用いてさらなるクラスのうちの種々のクラスのデバイスと通信することを可能にし得る。1つの非限定的な例によれば、エアロゾル送達デバイス10は、ブルートゥースインターフェースを通じてスマートフォン100及びウェアラブル400と無線で、また、USB-Cインターフェースを通じてドック/ケース200と有線方式でデータを通信することを可能にする通信回路を有して構成されてもよい。
【0064】
送達システム1におけるエアロゾル送達デバイス10及び他のクラスのデバイスは、インターネット500などのネットワークを介してサーバ1000と直接又は間接的に通信することができる。エアロゾル送達デバイス10は、(例えば、バックホール通信リンクを通じて)サーバ1000との接続性を提供する(「基地局」又はLTE術語で発展型ノードBなどの)通信ノード/送受信機インフラ構造と通信するために、本明細書においてさらに説明する無線通信プロトコルのうちの1つを用いて直接そのような通信を確立することができる。代替的又は追加的に、エアロゾル送達デバイス10は、例えば、有線又は無線通信プロトコルを用いて、送達システム1における別のデバイスを介してサーバ1000との通信を確立して、スマートフォン100、ドック/ケース200、自動販売機300、又はウェアラブルデバイス400と通信し、これが次いで、(例えば、インターネット500を介して)サーバ1000と通信して、エアロゾル送達デバイス10に対する接続が確立されることなく、エアロゾル送達デバイス10に対してデータを中継するか、エアロゾル送達デバイス10とのその通信に関して報告するか、又は、エアロゾル送達デバイス10に関して推測された情報を交換することができる。スマートフォン100、ドック200、又は、販売時点システム/自動販売機300などの、送達エコシステムにおける他のデバイスは任意選択で、短距離伝送能力(例えば、ブルートゥース又はRFIDモジュールを含む通信回路によって提供される)しか有しない1つ又は複数のエアロゾル送達デバイス10のためのハブとして働き得る。したがって、そのようなハブは、エアロゾル送達デバイス10とエアロゾル送達システム1のさらなるデバイス(例えば、サーバ1000)との間でデータが交換されることを可能にしつつ、エアロゾル送達デバイス10のバッテリ寿命を延ばすことができる。
【0065】
スマートフォン100、ドック200、自動販売機(又は任意の他の販売時点システム)300及び/又はウェアラブル400などの、エアロゾル送達システム1における他のクラスのデバイスはまた、それ自体の機能の態様を実現するために、又はエアロゾル送達システム10に代わって(例えば中継又は共同処理ユニットとして)、中継デバイスを介してサーバ1000と間接的に通信することができる。これらデバイスはまた、本明細書においてさらに記載する有線又は無線通信プロトコルのうちのいずれかを介して直接又は間接的に、互いにデータを転送することができる。
【0066】
(データ接続確立)
送達システム1の所与の第1のデバイス及び第2のデバイスは一般に、接続状態又は非接続状態で存在し得る。非接続状態は、アイドル状態と呼ばれることもあり、そのような状態では、所与の第1のデバイスは、他の第2のデバイスによって検出可能でなくてもよく(すなわち、第1のデバイスは、その存在及び/又は識別が判定されることを可能にする任意のシグナリングを送信しない)、又は、第2のデバイスとの接続を確立するために利用可能であってもよい(すなわち、ビーコン/通知シグナリングを用いてその存在/識別を通知してもよい)。接続状態では、第1のデバイス及び第2のデバイスは、データが第1のデバイスから第2のデバイスに転送(例えば、「アップリンク」送信)及び/又は第2のデバイスから第1のデバイスに転送(例えば、「ダウンリンク」送信)され得るように構成される。したがって、第1のデバイスと第2のデバイスとの接続の確立は、データ転送方向とは関係なく、2つのデバイスがデータを交換することができるいずれもの状態の確立を含むものと考えられ得る。接続状態の非限定的な例は、ロングタームエボリューション(LTE)規格によるRRC接続状態、又はブルートゥース規格による結合/ペアリング状態の確立である。送達システム1の第1のデバイス及び第2のデバイスが無線通信するように構成されている場合、非接続状態から接続状態への移行は概して、以下のような手順に従う。最初の問い合わせステップにおいて、第1のデバイス(例えば、エアロゾル送達デバイス10)が、第2のデバイス(例えば、スマートフォン100)の存在を、第2のデバイスからビーコン信号又は他の識別信号/メッセージを受信することによって確立する。認証ステップにおいて、第1のデバイス及び第2のデバイスが、データ(例えば、データパケットを交換する場合に使用される符号化及び暗号化パラメータを含む)を交換するのに使用されるデータ転送プロトコルに関する情報を確立するためにメッセージングを交換する。データ転送ステップにおいて、第1のデバイス及び第2のデバイスは、一致(agreed)データ転送プロトコル(例えば、ブルートゥース、ジグビー、RFID、又は本明細書においてさらに説明する他のプロトコル)に従って確立されたエアインターフェースを通じてデータを転送する。このデータ伝送は、双方向又は一方向であり得る。有線通信のためのデータ通信プロセスは概ね同様であり得るが、無線インターフェースとは対照的に有線インターフェースを通じてデータが伝送されるという相違点を有する。無線及び有線通信の確立のための実施のさらなる態様は、本明細書においてさらに挙げるような通信プロトコルについての標準書に見出すことができる。
【0067】
送達システム1の任意の2つのデバイス(例えば、エアロゾル送達デバイス10及びスマートフォン100)は、様々な理由からデータを交換するために非接続状態から接続状態に移行することができることが理解される。一般に、送達システム1の第1のデバイスと第2のデバイスとの間での接続状態への移行は、本明細書においてさらに説明する、送達システム1の回路が、第1のデバイスと第2のデバイスとの間での転送にデータが利用可能であると判定することから、開始される。そのようなデータの識別及びそのようなデータが生成される又は利用可能となる方式はさほど重要ではなく、データが生成されるとともに送達システム1の1つ又は複数のデバイスにおける転送のために利用可能となり得る広範囲の方法が存在する。
【0068】
図3を参照すると、本開示の態様によれば、以下のステップを実行するように構成された、送達システム1のための回路が提示されている。第1のステップS1において、回路は、送達システム1における第1のデバイスの使用を監視するように構成されている。第2のステップS2において、回路は、第1のデバイスの使用を監視することに基づいて、第1のデバイスと送達システム1の第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定するように構成されている。第3のステップS3において、回路は、第1のデバイスと第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定することに基づいて、データ通信インターフェースを通じて第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始するように構成されている。これらのステップは本明細書においてさらに説明する。
【0069】
いくつかの実施形態では、送達システム1の回路は、送達システム1の第1のデバイスの使用の1つ又は複数の態様、及び/又は第1のデバイスのユーザの挙動の1つ又は複数の態様を監視するように構成される。そのようなデータは、第1のデバイスの使用に関する使用データを含むものと考えられ得る。回路によって収集されたそのような使用データは、送達システム1における他のデバイスと共有されることが有利であり得、そのため、送達システム1の1つ又は複数のさらなるデバイスの動作態様を制御するために、記憶(例えば、バックアップ)、及び/又は解析、及び/又は使用することができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、回路は、第1のデバイス(例えば、エアロゾル送達デバイス10)とのユーザの直接的な相互作用を監視するとともにこの情報を使用データとして記録するように構成される。一般に、回路は第1のデバイス内に含まれるが、このことは本質的ではなく、送達システム1の異なるデバイスが、本明細書においてさらに記載するようにこれらの相互作用を監視することができる。これらの相互作用は、第1のデバイスでのベイピング/消費及び/又は操作/取り扱い及び/又はパラメータ設定及び/又は送達システム1のさらなるデバイスとの第1のデバイスの接続に関連し得る。第1のデバイスがエアロゾル送達デバイス10である場合、直接的な相互作用に関する使用データは、コントローラ22に含まれる回路によって記憶することができ、空気流センサ30、ボタン14及び16、並びに本明細書においてさらに説明するような他のセンサなどのセンサ及びボタンから受けた入力に基づいている。
【0071】
使用データとして記憶されたベイピング/消費ベースの相互作用は、1つ又は複数の選択期間内におけるパフ/消費行為の回数、頻度、及び/又は分布/パターンに関し得る。そのような期間として、1日当たり、1時間当たり、位置に応じて、薬物動態(例えば、1つ又は複数の送達された活性成分についての体内における活性成分半減期)に応じて、或いは、ユーザの状態に関連し得る、及び/又は、パフ/消費の回数、頻度及び/又は分布/パターンとユーザの状態との間の明白な相関を高めるように選択され得る任意の他の期間を挙げることができる。
【0072】
ベイピングベースの相互作用はまた、持続時間、ボリューム、平均空気流、空気流プロファイル、活性成分比、ヒータ温度などのような、そのコホート(例えば、上述した選択期間のうちの1つにおけるコホートに限定されない)の個別のベイピング動作又は統計学的記述に関連し得る。
【0073】
第1のデバイスがエアロゾル送達デバイス10である場合、デバイスは、ユーザがベイピングするとき及び/又はユーザが例えば上記で特徴付けられたようにどのようにベイピングするかを決定するために本明細書において前述したような1つ又は複数の空気流センサ30及び/又はボタン14/16を含み得る。その場合、送達デバイスのプロセッサを用いて、データが使用されて、1つ又は複数の選択期間内におけるパフ/消費行為の回数、頻度、及び/又は分布/パターン、及び/又は1つ又は複数のベイピング/消費イベントについての持続時間、量、平均空気流、空気流プロファイル、平均成分比、ヒータ温度値などの特徴を決定することができる。
【0074】
操作/取り扱いベースの相互作用は、ユーザがどのように第1のデバイスと相互作用するかに関連し得る。例えば、センサを使用して、第1のデバイス(例えば、エアロゾル送達デバイス10又はスマートフォン100)が使用直前までバッグに保管されているのか、又はユーザが使用と使用との間で第1のデバイスをいじっているのかを特徴付けることができる。第1のデバイスは、そのような相互作用を判定するためにセンサ又は加速度計による1つ又は複数のタッチを含み得る。同様に、第1のデバイスは、ボタンと、ユーザ相互作用が記録され得る他の設定部とを含み得る。
【0075】
接続相互作用は、第1のデバイスと送達システム1のさらなるデバイスとの間のデータ接続の確立に関連し得る。例えば、回路は、エアロゾル送達デバイス10又はスマートフォン100を含む第1のデバイスと送達システム1の1つ又は複数のさらなるデバイスとの間に有線又は無線接続がどのくらいの頻度で確立されるのか、接続を確立したデバイスの識別、並びに、データ量の記録及び/又は転送されたいずれものデータの識別の記録(例えば、データが使用データ及び/又は制御パラメータ及び/又はソフトウェア更新を含むかどうか)を監視してもよい。接続相互作用を監視する回路は、第1のデバイス又はさらなるデバイスのどちらかに含まれ得ることが理解される。
【0076】
使用データの収集をエアロゾル送達デバイス10又はスマートフォン100に特に関係して説明してきたが、使用が回路によって監視される第1のデバイスが、デバイスケース又はドック200、自動販売機300、ウェアラブル400又はサーバ1000などの、送達システム1の任意のさらなるデバイスを含んでもよいことが理解される。送達システム1の回路は、これらのクラスのデバイスのうちのいずれかとのユーザによる直接的な相互作用を監視するとともにこの情報を使用データとして記録するように構成されてもよく、これは、エアロゾル送達デバイス10のために本明細書において記載した方式と同様の方式で(例えば、使用を監視、並びに、データを解析及び/又はフラッシュ若しくはクラウドメモリ素子を含むメモリ記憶素子において記憶するためにセンサの使用により)達成することができる。例えば、スマートフォン100における回路は、エアロゾル送達デバイス10の使用に関する情報を記録するためにユーザによって使用されるアプリケーション(「app」)の使用を監視し得る。例えば、appは、エアロゾル送達デバイス10についての消耗品の購入を監視し、購入の頻度とユーザによって購入された消耗品の(香料/活性成分の濃度に関する)タイプとに関するデータを記録し得る。appはまた、消耗品がどのくらいの頻度で使い果たされるか、また、エアロゾル送達デバイス(複数可)10とともにどんな消耗品が使用されるかなど、1つ又は複数のエアロゾル送達デバイス10の使用に関するユーザ入力を受信し得る。送達システム1がケース又はドック200を含む場合、ドックの回路は、エアロゾル生成材料及び/又は電気エネルギーがどのくらいの頻度でエアロゾル送達デバイス10に供給されるかに関する情報、並びにエアロゾル送達デバイス1がどのくらいの頻度でどのくらいの長さの間ドック200と係合するかに関する接続情報を監視することができる。送達システム1が自動販売機300(例えば、エアロゾル送達デバイス10とともに用いる消耗品を提供する)を含む場合、自動販売機300の回路は、送達システム10のユーザによってなされる購入の頻度及びタイプを監視することができる。監視されたデータは、デバイスに記憶されてもよく、及び/又は、インターネット500を介して一形態のクラウドストレージにアップロードされてもよい。
【0077】
送達システム1の所与の第1のデバイスの使用の監視は、第1のデバイスに関する、及び/又は、第1のデバイスのユーザの動作及び/又は識別に関する状況情報又はコンテキスト情報の収集も含み得る。例えば、第1のデバイスの制御回路は、第1のデバイスの地理的位置に関する位置情報を監視してもよい。例えば、第1のデバイスは、その地理的位置をトラッキングすることを可能にするGPS受信機モジュールを含み得る。第1のデバイスはまた、日付及び時間情報をトラッキングする回路を含み得る。第1のデバイスによって監視される他のコンテキスト情報は、他のデバイスとの相互作用に関してもよく、例えば、第1のデバイスがどのくらいの頻度で他のデバイスとペアリングされるかに関する。第1のデバイス及び/又は第1のデバイスのユーザに関する他のコンテキスト情報は、国、宗教、職、性別などのような、第1のデバイスのユーザに関するコンテキスト情報を提供する、1つ又は複数のカレンダー及び/又はデータベースから得ることができる。そのような使用情報が送達システム1の回路によって得られる場合、この取得はインターネット500を介して関連のサーバ1000との接続により達成することができる。例えば、スマートフォン100を含む第1のデバイスが、オンラインカレンダー及び1つ又は複数のソーシャルメディアアカウントからユーザに関する情報をダウンロードすることができる。
【0078】
第1のデバイスにおける回路によって監視される使用データは、第2のデバイスにおける回路において利用可能とすることができ、したがって、使用データは、第2のデバイスに含まれる回路によって監視されるものと考えられることが理解される。例えば、エアロゾル送達デバイス10は、本明細書において説明した使用データの形態のいずれかを収集することができ、本明細書においてさらに説明するような有線又は無線接続を介してこれらデータを連続的又は周期的に送達システム1の第2のデバイス(スマートフォン100、ドック/ケース200、自動販売機300、ウェアラブル400又はサーバ1000など)に送信することができる。これは、特に第1のデバイスが比較的少ないメモリ容量を有する場合に有利であり得る。例えば、エアロゾル送達デバイス10は、通信インターフェース(ブルートゥース、ジグビー又はRFID接続など)を通じて周期的にスマートフォン100などの第2のデバイスに使用データを送信することができ、その際、使用データは第1のデバイスのメモリ素子によって記憶される。エアロゾロル送達デバイス10は、使用データを送信すると、メモリ(例えば、コントローラ22に関連したフラッシュメモリを含むメモリモジュール)からその使用データを消去することができ、そのため、その後の使用データを記憶するために記憶スペースがエアロゾル送達デバイス10において利用可能となり得る。したがって、送達システム1における第1のデバイスの回路は、第1のデバイスの回路が有線又は無線データ通信インターフェースを通じて第2のデバイスから使用データを受信する場合に送達システム1の第2のデバイスの使用を監視するものと考えられ得ることが理解される。したがって、スマートフォン100、ドック200、自動販売機300、ウェアラブル400又はサーバ1000に含まれる回路は、エアロゾル送達デバイス10によって収集されたデータを周期的又は連続的に得ることから、エアロゾル送達デバイス10の使用を監視するものと考えられ得る。
【0079】
第1のデバイスの回路は、第1のデバイスの回路がいかなるデータも受信しない第2のデバイスの使用を監視することができることも理解される。例えば、スマートフォン100の回路は、経時的なスマートフォン100の位置に関する地理的情報、及び/又は、例えばユーザのオンラインカレンダー及びソーシャルメディアアカウントから得られた、ユーザの識別及び挙動に関する他のコンテキスト情報、を含むユーザデータを取得することができる。この監視は、送達システム1の別のデバイス(例えば、エアロゾル送達デバイス10、ドック/ケース200又はウェアラブル400)の使用の監視を含むものと考えられ得る。これは、第1のデバイスの使用の「暗示的な」監視であるものと考えられ得る。例えば、送達システム1のユーザが、エアロゾル送達デバイス10、スマートフォン100及びウェアラブル400を使用する場合、スマートフォン100又はウェアラブル400によって収集された使用データは、エアロゾル送達デバイス10の使用に関するものと考えることができ、したがって、エアロゾル送達デバイス10に関連した使用データを含む。例えば、スマートフォン100の地理的位置に関する情報は、同じユーザが一般に両方のデバイスを同時に持ち運ぶため、エアロゾル送達デバイス10に同様に適用されるものと考えられ得ることにより、スマートフォン100の位置は一般に、エアロゾル送達デバイス10の位置に対応するものと考えることができる。同様に、例えばソーシャルメディアアカウント、カレンダー又はeメールアカウントからスマートフォン100の回路によって得られた、スマートフォン100のユーザに関するコンテキスト情報は、同じユーザがスマートフォン100及びエアロゾル送達デバイス10の両方と相互作用するものとの仮定に基づいて、エアロゾル送達デバイス10の使用に関するデータであるものと考えることができる。
【0080】
他の形態のデータも送達システム1の所与のデバイスにおいて利用可能とすることができ、いくつかの事例では有利には、送達システム1のさらなるデバイスとの有線又は無線接続を通じて転送され得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1のデバイスの挙動を変更する制御パラメータ又はソフトウェア更新が、第2のデバイスによって第1のデバイスに送信され得る。例えば、いくつかの実施形態では、スマートフォン100、ドック200、自動販売機300又はウェアラブル400の回路は、エアロゾル送達デバイス10の制御に関するパラメータを記憶することができる。そのようなパラメータは、当該技術分野において知られている任意の制御パラメータを含むことができ、非限定的な例として、ヒータ制御(例えば、1つ又は複数の電力レベル若しくは加熱サイクル持続時間を指定するパラメータ)、消耗品の枯渇の判定(例えば、消耗品が使い果たされたと考えられるときを指定するのに使用される閾値)、デバイスの認証(例えば、デバイスロック解除若しくは年齢確認に関するパラメータ若しくはコード)、グライフィカルディスプレイ(例えば、特定の機能がデバイスにおいて有効である場合に表示される色若しくはグラフィック)、又は音(例えば、特定の機能がデバイスにおいて有効であることを示すために再生される可聴アラート)、又は振動などの触覚信号に関し得る。エアロゾル送達デバイス10はまた、スマートフォン100、ドック200、自動販売機300、ウェアラブル400又はサーバの動作を変更するためのパラメータなどの、送達システム1の他のデバイスの挙動の態様を変更するための制御パラメータを記憶することができることが理解される。制御パラメータは、送達システム1のデバイスのうちのいずれかの使用の監視によって取得されたデータに基づいて、送達システム1のさらなるデバイスへの転送のために送達システム1の第1のデバイスの回路によって得ることができる。
【0081】
したがって、第1のデバイスにおける転送に利用可能なデータは、使用データ、或いは、第1のデバイス及び第2のデバイスのうちの一方の機能を再プログラム及び/又は更新するのに使用することができるソフトウェア又はファームウェア更新などの任意の他のデータを含み得ることが理解される。例えば、スマートフォン100、ドック200、自動販売機300又はウェアラブル400の回路が、エアロゾル送達デバイス10のコントローラ22の挙動を変更するためのファームウェアを記憶することができる。このファームウェアは有利には、本明細書においてさらに説明するように有線又は無線インターフェースを通じてエアロゾル送達デバイス10に送信され得る。送達システム1の第1のデバイスと第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータの特定の識別及び目的は重要ではない。
【0082】
本開示の一態様によれば、回路は、第1のデバイスの使用を監視することに基づいて、送達システム1の第1のデバイスと第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定するように構成され、第1のデバイスと第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定することに基づいて、第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータの転送のための手順を開始するように構成される。本明細書においてさらに説明するように、回路が含まれる、送達システム1の特定のデバイスは、さほど重要ではないことが理解される。したがって、回路は、第1のデバイス(すなわち、使用が回路によって監視されるデバイス)、第2のデバイス(すなわち、このデバイスを用いて、第1のデバイスと第2のデバイスとの間でデータを転送するために手順の開始の後に第1のデバイスがデータを転送することができる、デバイス)、又は、送達システム1のさらなるデバイス(すなわち、直接又は本明細書においてさらに説明するように中継データ通信インターフェースを通じて、第1のデバイス及び/又は第2のデバイスからデータを受信するように構成される第3のデバイス)に含まれてもよい。
【0083】
送達システム1の第1のデバイスと第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していることを回路が判定することができる複数の異なる方法が存在する。いくつかの実施形態では、データが転送に利用可能であるとの回路による判定は、明示的であると考えられるものとすることができる。これは一般に、データが転送に利用可能であると判定する回路が、データが利用可能である同じデバイスに含まれる場合に当てはまるが、それに限られるものではない。例えば、明示的な判定の1つの非限定的な例として、回路は、エアロゾル送達デバイス10のコントローラ22に含まれてもよく、データがエアロゾル送達デバイス10と送達システム1のさらなるデバイスとの間での転送に利用可能であるとの判定は、回路が、エアロゾル送達デバイス10のメモリ素子における特定のデータの量及び/又は識別が予め定められた判定基準を満たすと確定する(establish)(例えば、エアロゾル送達デバイス10に記憶された、或る量の使用データ/制御パラメータデータ/ソフトウェア更新データ、又は本明細書において説明するような他のデータを確定する)ことに基づいている。いくつかの実施形態では、回路は、第1のデバイスに記憶された或る量のデータ(例えば、使用データ又は更新)が予め定められた閾値に達したと判定することに基づいて、エアロゾル送達システム1の第1のデバイスと第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定する。これは、第1のデバイスにおける使用データの記憶のために空いて残っているメモリの量が、フラッシュメモリチップなどのメモリ素子の総容量の例えば10%など、予め定められた閾値未満に下がっていると判定することを含み得る。しかしながら、そのような閾値は、任意の適切な値に設定することができる。第1のデバイスと第2のデバイスとの間でデータを転送する手順をより頻繁に開始することが望ましい場合、転送に利用可能なデータが存在していると判定するために回路によって使用されるデータの閾値レベルは、より低く設定することができる。手順をあまり頻繁でなく開始することが望ましい場合、閾値レベルは、より高く設定することができる。いくつかの実施形態では、閾値は、転送に利用可能なデータが存在していると判定するために使用される手順に確率的変動を導入するようにランダム係数を乗算されてもよい。
【0084】
いくつかの実施例では、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の転送に利用可能なデータが存在しているとの回路による判定は、制御パラメータ又はソフトウェア/ファームウェア更新が第1のデバイス及び第2のデバイスのうちの一方に利用可能であると回路が判定することを含む。例えば、第1のデバイスは、サーバ1000又はスマートフォン100を含み得、回路は、サーバ1000又はスマートフォン100を監視することに基づいて、有利には送達システム1の別のデバイス(例えば、エアロゾル送達デバイス10、スマートフォン100、ドック/ケース200、自動販売機300又はウェアラブル400)に転送され得る、1つ又は複数の制御パラメータ又はソフトウェア/ファームウェア更新が、サーバ1000又はスマートフォン100において利用可能となっていると判定することができる。そのような更新が第1のデバイスにおいて利用可能となっている方式は、概ね従来通りであってもよい。
【0085】
いくつかの実施形態では、回路は、第1のデバイス及び第2のデバイスのうちの一方からのシグナリングを受信することによって第1及び/又は第2のデバイス間での転送に利用可能なデータが存在していると判定する。例えば、回路は、第1のデバイスに含まれてもよく、第2のデバイスからページングメッセージ又はビーコン信号などのシグナリングを受信し、ページングメッセージ又はビーコン信号から、データが第1のデバイスとさらなるデバイスとの間での転送に利用可能であると判定する。いくつかの実施形態では、第1のデバイスはスマートフォン100を含み、第2のデバイスはエアロゾル送達デバイス10を含む。スマートフォン100には、スマートフォン100付近のブルートゥースシグナリングについて監視する無線受信機モジュール(例えば、本明細書においてさらに説明するようなブルートゥースモジュール)が装備されている。エアロゾル送達デバイス10は、データ利用可能性に関する情報を提供するビーコン又はページング信号を送信するように構成される。例えば、エアロゾル送達デバイス10は、エアロゾル送達デバイス10において利用可能なデータが存在しているかどうかに応じて値が設定される表示(例えば、インジケータビット)を含むメッセージを周期的に送信することができる。第1のデバイスによって送信されるシグナリングによるという条件で、転送に利用可能なデータが存在しているという表示は、第1のデバイスが第2のデバイスからデータの転送を受信するのに利用可能であるという表示も含み得る。これは、ソフトウェア又はファームウェア更新が必要とされるという表示、或いは1つ又は複数の制御パラメータが必要とされるという表示を含み得る。スマートフォン100又はネットワーク接続された送受信機(例えば、サーバ1000に接続された基地局)などの第2のデバイスが、1つ又は複数のエアロゾル送達デバイス10からビーコン又はページング信号について監視することができる。エアロゾル送達デバイス10とさらなるデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していることを示すシグナリングをエアロゾル送達デバイス10から受信すると、第2のデバイスは、本明細書においてさらに説明する手法を用いて、これらデバイス間でのデータの転送のための手順を開始することができる。エアロゾル送達デバイス10から受信したシグナリングは、エアロゾル送達デバイス10がデータを転送したいさらなるデバイスを明示的に示すことができ、それに応じて、第2のデバイスが、エアロゾル送達システム1のデバイスのうちの1つを介してユーザに(例えば、エアロゾル送達デバイス10とさらなるデバイスとの間にブルートゥースリンク又は有線接続を確立することによって)エアロゾル送達デバイス10とさらなるデバイスとの間に接続を確立することを考慮するために可聴又は視覚又は触覚プロンプトを提供することができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、回路は、エアロゾル送達システム1のさらなるデバイスとの第1のデバイスの接続相互作用を監視することから得られたデータに基づいて、エアロゾル送達システム1の第1のデバイスと第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定する。本明細書においてさらに説明するように、回路によって監視された使用データは、エアロゾル送達システム1の第1のデバイスと少なくとも1つの第2のデバイスとの間にデータ接続が確立される周期性と、第1のデバイスが以前に接続を確立されたデバイス(複数可)の識別と、所与の接続中に転送されたデータの識別及び量とに関する情報を含み得る。具体的な例を提供するため、いくつかの実施形態では、第1のデバイスは、エアロゾル送達デバイス10を含み、第2のデバイスは、スマートフォン100、ケース/ドック200、自動販売機300、ウェアラブル400又はサーバ1000を含み得る。本明細書においてさらに説明するように、エアロゾル送達デバイス10は、送達システム1のこれらのさらなるデバイスのうちのいずれかに(例えば、中間デバイスを使用して情報をさらなるデバイスに中継することによって)直接又は間接的に接続され得る。いくつかの実施形態では、回路は、エアロゾル送達デバイス10に含まれ、エアロゾル送達デバイス10と送達システム1の1つ又は複数のさらなるデバイス(例えば、スマートフォン100)との間に確立されたデータ接続に関する情報を含む使用データを監視するように構成される。他の実施形態では、回路は、送達システム1の第2のデバイス(例えば、スマートフォン100)に含まれてもよく、上記第2のデバイスとエアロゾル送達デバイス10との間に確立されたデータ接続に関する情報を含む使用データを監視するように構成される。これらの実施形態では、エアロゾル送達システム1の第1のデバイスと第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在しているとの判定は、エアロゾル送達システム1の第1のデバイスと所与の第2のデバイスとの間にデータ接続が最後に確立されてからの経過時間に基づいて回路によってなされ得る。適切な閾値を確立する手法が本明細書においてさらに説明されるが、例えば、第1及び/又は第2のデバイスの使用を監視することから収集された使用データに基づいて第1及び/又は第2のデバイスのユーザに割り当てられた使用プロファイルに基づくルックアップテーブルから確立されてもよい。
【0087】
データが第1のデバイスと第2のデバイスとの間での転送に利用可能であるとの明示的な判定は、第2のデバイスから受信した情報に基づいて第1のデバイスに含まれる回路によってなされてもよい。例えば、第1のデバイスは、第2のデバイスにおいて転送に利用可能なデータが存在しているというメッセージを第2のデバイスから(例えば、無線インターフェースを通じて転送されたビーコン又はページングメッセージを介して)受信することができ、それに応じて、第1のデバイスの回路は、データが第2のデバイスとさらなるデバイス(第1のデバイス又は第3のデバイスであり得る)との間での転送に利用可能であるとの明示的な判定をなし、この判定に基づいて第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータの転送のための手順を開始することができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、回路は、暗示的な判定の手順と考えられ得るものに基づいて送達システム1の第1のデバイスと第2のデバイスとの間の転送に利用可能なデータが存在していると判定することができる。これは一般に、データが転送に利用可能であると判定する回路が、データが利用可能である同じデバイスに含まれない場合に当てはまるが、それに限られるものではない。暗示的な判定は一般に、ユーザ挙動及び/又は識別及び/又は送達システム1の所与のデバイスとの相互作用を分析することに基づいてなされる判定であると考えられ得、回路がそのようなデータの識別又は量を明示的に識別することなく、データが転送に利用可能であり得る状態に1つ又は複数のデバイスがある可能性があるという推定を含むものと考えられ得る。例えば、いくつかの実施形態では、ユーザ及びユーザが(本明細書においてさらに説明するように)1つ又は複数のデバイスをどのくらい使用するかに関する直接相互作用データ及び/又はコンテキストデータを含む使用データが、1つ又は複数のデバイスのユーザについてのユーザプロファイルを確立するために使用されてもよい。例えば、回路は、例えば、エアロゾル送達デバイス10のユーザがどのくらいの頻度でデバイスをパフするか、各パフの持続時間、及び/又は総パフ持続時間に関するデータを直接又は間接的に受信することができる。非限定的な例のため、回路は、スマートフォン100に含まれてもよく、有線又は無線接続を通じてエアロゾル送達デバイス10から周期的にこの使用データを受信してもよい。回路は、使用データを使用して使用プロファイルを確立することができ、使用プロファイルは、ユーザがデバイスをどのくらい激しく使用したかに関するものと大まかに考えられ得る。一実施形態では、使用データから得られた特定の積分期間にわたる時間に対する総パフ持続時間の測定値を用いて、複数の強度プロファイルのうちの1つにユーザを分類することができる。ユーザの強度プロファイルを用いて、スマートフォンとエアロゾル送達デバイス10との間でのデータの転送を開始するための手順が開始されるべき適切な頻度を決定することができる。例えば、エアロゾル送達デバイス10のより激しい使用は一般に、エアロゾル送達デバイス10のコントローラによる使用データ取得のより高い比率をもたらすと考えられ得る。したがって、より激しい使用プロファイルを有するユーザについて、回路は、エアロゾル送達デバイス10における使用データの記憶のための利用可能なメモリが使い果たされるシナリオを回避するために、第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順をより定期的に開始することが適切であろうと判断することができる。これは、ルックアップテーブルを用いて、最後のデータ接続からの適切な経過時間を決定し、この経過時間の後でデータ転送のための手順を開始することによって、達成することができる。所与のユーザに対するユーザプロファイルの割り当てもまた、送達システム1の1つ又は複数のデバイスとのユーザの直接的な相互作用に関連しないコンテキスト情報及び状況情報に基づくものであり得ることが理解される。例えば、回路は、1つ又は複数のデバイスとの直接的な相互作用の監視からの使用データと、例えば、1つ又は複数のデバイスのユーザに関連するソーシャルメディアアカウント、eメールアカウント、及びカレンダーから得られた他の情報とに基づいて、及び/又は、例えば、スマートフォンapp若しくはウェブインターフェースにおけるアンケートによりユーザによって提供されたユーザに関する情報に基づいて、ユーザプロファイルをユーザに割り当てることができる。そのような情報は、ユーザの性別、年齢、及び嗜好に関する情報を含み得る。いくつかの実施形態では、そのようなコンテキスト情報を用いて、送達システム1の1つ又は複数のデバイスとの直接的な相互作用に関する情報の使用なしにユーザプロファイルを割り当てることができる。
【0089】
回路が第1のデバイスの使用を監視し、上記使用データに基づいてユーザプロファイルを決定する場合、この使用データは、本明細書においてさらに記載するように、送達システム1の1つ又は複数のデバイスとの直接的な相互作用の監視から生じるデータ(例えば、エアロゾル送達デバイス10でのパフの周期性及び持続時間、自動販売機300を使用してなされる消耗品購入、詰め替えドック200によるエアロゾル送達デバイス10の充電及び詰め替えの周期性、送達システム1の任意の2つの送達デバイス間でなされるデータ接続履歴並びに転送されるデータの識別及び量、並びにスマートフォン100におけるappに対するユーザによる情報入力)の任意の組み合わせを含むことができる。回路による第1のデバイスの使用の監視は、回路が第1のデバイスに含まれることも、回路が第1のデバイスからいかなるデータも受信することも必要としないことが理解される。第1のデバイスの使用に関する使用データに基づいて、回路はいくつかの実施形態では、モデルを用いて送達システム1の1つ又は複数のデバイスのユーザに使用プロファイルを割り当てることができる。入力データ(例えば使用データ)のセットにクラス又は値を割り当てるための、当該技術分野において使用される任意の手法を用いて、例えば、機械学習手法又はルックアップテーブルを用いて、使用プロファイルが使用データから確立されてもよい。そのようなモデル又はクラシファイアは、送達システム1(又は他の同様の送達システム1s)の1人又は複数人のユーザについての履歴使用データと、使用データが関連するユーザに関する明示的な知識とを用いてパラメータ化され得る。使用データに基づいて、回路において動作する、そのようなモデル又はクラシファイアは、特定の予め定められた使用プロファイルに属するものとしてユーザを分類することができる。代替的に、ユーザは、送達システム1におけるデバイスのうちの1つ又は複数の自身の使用を表す変数を特徴付けてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル送達システム1の第1のデバイスと第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在しているとの回路による判定は、使用データに基づいてモデルによってユーザに割り当てられたカテゴリ又は変数が変わったと回路が確定することを含む。例えば、モデルは、地理的情報と、エアロゾル送達デバイス10のユーザに関するカレンダー情報とに基づいて、第1の時点でユーザが仕事中である可能性があると判定することができる。例えば、ユーザは、ユーザの仕事場の既知の位置に関連する地理的位置にいるものと判定され得る。したがって、そのような判定に基づいて、ユーザは、回路によって「仕事中」カテゴリを割り当てられ得る。しかしながら、もっと後の時点で、モデルは例えば地理的情報及びカレンダー情報に基づいて、エアロゾル送達デバイス10のユーザが在宅中である又は娯楽活動に従事している可能性があると判定することができる。したがって、そのような判定に基づいて、ユーザは、回路によって「余暇」カテゴリを割り当てられ得る。カテゴリが「仕事中」から「余暇」に変わったとの判定に基づいて、回路は、エアロゾル送達デバイス10と第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始することができる。例えば、回路は、制御パラメータがスマートフォン100からエアロゾル送達デバイス10に送信され得るようにエアロゾル送達デバイス10をスマートフォン100に接続するよう、スマートフォンappを介してユーザに促すことができる。これらの制御パラメータは、ユーザの現在の使用プロファイルについてより適切であるとして回路によって決定され得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、回路は、地理的情報又はカレンダー情報などのコンテキスト情報に基づいて、転送に利用可能なデータが存在しているとの判定をなすことができる。例えば、回路は、地理的情報、又は、電子カレンダー若しくは他のオンラインアカウント(例えば、ソーシャルメディアアカウント)から得られた情報から、ユーザが特定の時点で特定の位置にいる可能性があると判定することができる。この情報は、ユーザに関連する第1のデバイス(例えば、エアロゾル送達デバイス10)が送達システム1の第2のデバイス付近にある可能性があることを推定するために回路によって使用されてもよい。例えば、エアロゾル送達デバイス10を含む若しくはユーザに属するスマートフォン100を含む第1のデバイスの位置を示すGPS情報、又は、スマートフォン100を含む第1のデバイスのappによって得られたカレンダー情報を使用して、第1のデバイスのユーザが在宅中であること、したがって、ドッキングステーション又はケース200を含む第2のデバイス付近にいること、又は、ユーザがショッピングモールにいる、したがって、自動販売機300を含む第2のデバイス付近にいること、又は、ユーザがエアロゾル送達デバイス10及び/又はスマートフォン100を含む第2のデバイスを所有する第2のユーザ付近にいることを予測することができる。この判定に基づいて、回路は、第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始することができる。このデータは、使用データ、又は制御パラメータ/ソフトウェア更新、又はマーケティング若しくはゲーミングに関する情報を含み得る。例えば、回路は、スマートフォン100又はエアロゾル送達デバイス10を含む第1のデバイスの位置を推定することに基づいて、第1のデバイスのユーザがショッピングモール(或いはエアロゾル送達デバイス10及び/又はエアロゾル送達デバイス10のための消耗品若しくは付属品に関する販売時点)にいると判定することができ、これに基づいて、第1のデバイスとショッピングモールにおけるネットワーク接続された送受信機デバイス(例えば、インターネット500を介してサーバ1000に接続された基地局)との間に接続を確立するための手順を開始することを決定することができるため、消耗品購入若しくは娯楽の提案などのマーケティング情報が、エアロゾル送達デバイス10若しくはスマートフォン100を含む第1のデバイスに送信され得るか、又は、制御パラメータが、第1のデバイスの動作の態様を変更するために第1のデバイスに送信され得るか、又は、第1のデバイスによって収集された使用データが第1のデバイスから検索され得る。他の実施形態では、第1のデバイス(例えば、エアロゾル送達デバイス10又はスマートフォン100)から、ネットワーク接続された送受信機デバイスを介してサーバ1000にデータを転送するために、回路は、第1のデバイスとネットワーク接続された送受信機デバイスとの間に接続を確立するための手順を開始することができる。いくつかの実施形態では、ネットワーク接続された送受信機デバイスは、インターネット500を介してサーバ1000に接続されるスマートフォン100又は自動販売機300を含み得る。
【0091】
回路は、第1のデバイスの使用を監視することに基づいて、データが送達システム1の第1のデバイスと第2のデバイスとの間での転送に利用可能であると判定すると、第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始することができる。そのような手順は様々な異なる方法で開始することができることが理解される。例えば、回路は、ユーザに可聴又は視覚又は触覚プロンプトを提供することができる。そのようなプロンプトは、ユーザが第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ接続(例えば、本明細書においてさらに説明するような有線又は無線接続)を開始することを示唆する暗示的又は明示的な表示を含み得る。そのような表示は原則的に、データが転送に利用可能であると判定するのに使用される回路が含まれるデバイスを含む必要がない、送達システム1の任意のデバイスに提供されてもよい。
【0092】
いくつかの実施形態では、データが転送に利用可能であるとの判定は、本明細書においてさらに説明する手法により、エアロゾル送達デバイス10に含まれる回路によってなされる。エアロゾル送達デバイス10と送達システム1のさらなるデバイスとの間にデータ接続を確立することをユーザが考慮すべきであると表示するために、ユーザに対する表示(例えば、本明細書においてさらに説明するような予め定められた可聴又は視覚又は触覚信号)がエアロゾル送達デバイス10に提供され得る。同様に、データが転送に利用可能であるとの判定が、スマートフォン100、ケース/ドック200、自動販売機300又はウェアラブル400に含まれる回路によってなされる場合、表示は、回路を含む同じデバイスにおいて提供され得る。しかしながら、表示(提供される場合)は回路を含むデバイスに提供され得るものの、このことは不可欠ではない。例えば、いくつかの実施形態では、送達システム1のさらなるデバイスに対する転送のための、本明細書においてさらに説明するようなデータが、第1のデバイス(例えば、エアロゾル送達デバイス10)において利用可能である。第2のデバイス(例えば、サーバ1000)に含まれる回路は、本明細書においてさらに説明する手法(例えば、暗示的な判定の手法)により、このデータが利用可能であると判定することができ、インターネット500を介してサーバ1000に接続されたスマートフォン100におけるappにこのデータが転送されることが有利であろうとさらに判断することができる。したがって、サーバ1000は、エアロゾル送達デバイス10、スマートフォン100、ドック/ケース200、自動販売機300、及びウェアラブル400のうちのいずれかにシグナリングを送信して、第1のデバイス(例えば、エアロゾル送達デバイス10)と第2のデバイス(例えば、スマートフォン100)との間にデータ接続を確立するためにユーザにプロンプトを提供するよう、デバイスに促すことができるため、これらデバイス間でデータが転送され得る。例えば、サーバ1000は、インターネットを介して送達システム1におけるデバイスのうちの1つにシグナリングを送信して、ディスプレイ(例えば、スマートフォン100、ドック/ケース200、自動販売機300又はウェアラブル400の画面又はLEDインジケータ)に、「スマートフォンとeシガレットをペアリングすることを考慮」を示すテキストプロンプトなどのメッセージを表示することができ、及び/又は、予め定められた色及び/又はパターンの視覚インジケータ、及び/又は、予め定められた音声アラート若しくは楽音などの可聴信号、及び/又は、データ接続が確立されるべきであることを示すものとしてユーザが認識する振動などの触覚信号を提供することができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、回路は、第1のデバイスと第2のデバイスとの間にデータ接続を自動的又は部分的に自動的に確立することによって、第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始することができる。いくつかの実施形態では、データ接続は、本明細書においてさらに説明するような無線データ接続を含む。そのような実施形態では、第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ接続の自動的又は部分的に自動的な確立は、以下の方法のうちの1つにおいて確立され得る。いくつかの実施形態では、データ通信インターフェースを通じての第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始する回路は、第1のデバイス(例えば、エアロゾル送達デバイス10)に含まれる。回路は例えば、第2のデバイス(例えば、スマートフォン100)とのブルートゥースリンクを確立して第2のデバイスによりデータを転送するように構成されてもよい。本明細書においてさらに説明する手法によりデータが第1のデバイスと第2のデバイスとの間での転送に利用可能であると判定した回路は、第2のデバイスとペアリング状態を確立しようとするとともに利用可能なデータを転送しようとすることができる。データ利用可能性の判定後のペアリングプロセスは、ユーザ相互作用を必要とすることなく実行することができる。例えば、第1のデバイス(例えば、エアロゾル送達デバイス10)は、ユーザによって第2のデバイス(例えば、スマートフォン100又はドック/ケース200)に前もってペアリングされているものとすることができ、これらデバイスは互いに認識されているものと考えられる(このことは、デバイスがペアリング状態になることを可能にされるべきことを確認するために、一方又は両方のデバイスにおいて、認証情報、例えばピン又はコードをユーザに入力させることを伴い得る)。したがって、回路は、(デバイス発見及び接続のために当該技術分野において知られている手順により)第1のデバイス及び第2のデバイスをペアリングするための手順を開始し、ユーザに手動でペアリング手順を開始又は認証することを要求することなく、ペアリング手順によって確立されたデータ通信インターフェースを通じて第1のデバイスと第2のデバイスとの間での利用可能なデータの転送を開始することが可能であってもよい。
【0094】
いくつかの実施形態では、第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ接続及び/又はデータ転送の確立は、例えば、プログレスバーなどの視覚表示を用いて、又は可聴若しくは触覚信号を用いて、ユーザに表示され得る。いくつかの実施形態では、ユーザは、第1のデバイス及び第2のデバイスのうちの1つ目のデバイスにおいて、無線通信を確立するための及び/又は第1のデバイス及び第2のデバイスのうちの1つ目のデバイスと第1のデバイス及び第2のデバイスのうちの2つ目のデバイスとの間でデータ転送を開始するための認証の要求を示す、視覚又は可聴又は触覚プロンプトが提供される。プロンプトが例えば、スマートフォン100又はエアロゾル送達デバイス10を含む第1のデバイスに提供される場合、ユーザは、ボタン押下、ジェスチャー、又はデバイス(デバイスがエアロゾル送達デバイス10である場合)でのパフのパターンなどの入力により、提案されたペアリング及び/又はデータ転送動作を承認又は拒否することが可能であり得る。回路が次いで、ユーザからのフィードバックに基づいて第1のデバイスと第2のデバイスとの間でデータ接続を確立すること及び/又はデータを転送することを自動的に続けてもよく、又は、データ接続を確立することを拒否してもよい。第1のデバイス及び第2のデバイスが有線接続を通じて接続するように構成される実施形態において同様のスキームが用いられ得ることが理解される。例えば、第1のデバイスは、USB-C又は他の有線インターフェースを介して、ドック200を含む第2のデバイスに接続することができるエアロゾル送達デバイス10を含み得る。第1又は第2のデバイス(又はさらなるデバイス)の回路が第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのデータ接続を開始することを決定する場合、回路は、第1のデバイス及び第2のデバイスが(例えば、USB-Cインターフェースを介して)物理的に接続されているかどうかを先に検出するように構成され得る。そうである場合、回路は、ユーザ相互接続なしに、或いは、無線接続シナリオに関連して説明した手順に従って、データ接続が確立されるべきこと、及び/又はデータが転送されるべきことを承認するようユーザに求めるプロンプトを用いて、第1のデバイスと第2のデバイスとの間にデータ接続を確立するとともに第1のデバイスと第2のデバイスとの間でデータを転送するための手順を開始することができる。回路が第1のデバイス及び第2のデバイスが物理的に接続されていないと判定する場合、回路は任意選択で、第1のデバイス及び第2のデバイスのうちの一方を介して、有線インターフェースを介してデバイスどうしを物理的に接続するための、又は次に物理的な接続が確立されるまで待機するための表示をユーザに提供し、次いで、物理的な接続が確立されると、デバイス間にデータ接続を自動的に確立し、及び/又はデータ間で利用可能なデータを転送し、又は無線接続シナリオについて説明したような手法を用いてデータ接続及び/又はデータ転送の提案された確立を承認又は拒否するようユーザに促すことができる。
【0095】
上記の開示では、第1のデバイスに転送に利用可能なデータが存在していると回路が確定するステップは、所与のデバイスにおいて特定の種類のデータがないと確定することを含み得ることが理解される。例えば、エアロゾル送達デバイス10を含む第1のデバイスに転送に利用可能なデータが存在していると判定することは、第1のデバイスのコントローラに特定の制御パラメータが存在しない(又は存在する可能性がない)と明示的又は暗示的に判定することを含み得る。
【0096】
上記の開示では、回路は、ハードウェアを指してもよく、及び/又は、多目的処理デバイスで実行するソフトウェアルーチンを指すのに用いられてもよいことが理解される。送達システム1の従来の同等デバイスの既存の部品に対する必要とされる適合は、フロッピーディスク、光学式ディスク、ハードディスク、ソリッドステートディスク、PROM、RAM、フラッシュメモリ、又はこれら若しくは他の記憶媒体の任意の組み合わせなどの非一時的機械可読媒体に記憶されたプロセッサ実施可能(コンピュータ実行可能)命令を含むコンピュータプログラム製品の形態で実施することができ、或いは、ASIC(特定用途向け集積回路)若しくはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、又は従来の同等デバイスを適合させる際に使用するのに適切な他の構成可能な回路として、ハードウェアで実現することができる。別個に、そのようなコンピュータプログラムは、イーサネット、無線ネットワーク、インターネット、又はこれら若しくは他のネットワークの任意の組み合わせなどのネットワークのデータ信号を介して伝送されてもよい。
【0097】
本明細書において説明する様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解及び教示を助けるためにのみ提示される。これらの実施形態は、実施形態の代表的なサンプルとしてのみ提供され、網羅的及び/又は排他的ではない。本明細書において説明する利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲に対する限定又は特許請求の範囲の均等物に対する限定であると考えられるべきではないこと、並びに、特許請求される本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができるとともに修正を行うことができることを理解されたい。本発明の様々な実施形態は好適には、本明細書において具体的に説明したもの以外の開示する要素、構成要素、特徴、部品、ステップ、手段などの適当な組み合わせを含むことができ、そのような組み合わせからなることができ、又は本質的にそのような組み合わせからなることができる。加えて、本開示は、現在特許請求されていないが将来特許請求され得る他の発明も含むことができる。本明細書において説明する送達システム1は、燃焼式エアロゾル供給システム、不燃式エアロゾル供給システム又はエアロゾルのない送達システムとして実施することができる。

図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-01-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達システムのための回路であって、
前記エアロゾル送達システムにおける第1のデバイスの使用を監視することと、
前記第1のデバイスの前記使用を監視することに基づいて、前記第1のデバイスと前記エアロゾル送達システムの第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定することと、
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定することに基づいて、データ通信インターフェースを通じて前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始することと、
をするように構成される、回路。
【請求項2】
転送されるべく利用可能なデータが存在していると判定することは、前記第1のデバイスに記憶されたデータ量が予め定められた閾値に達したと判定することを含む、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
転送されるべく利用可能な前記データは、前記第1のデバイスによって収集された使用データを含む、請求項に記載の回路。
【請求項4】
転送されるべく利用可能な前記データは、前記第1のデバイスの動作を変更するために前記第2のデバイスから前記第1のデバイスに転送されるデータを含む、請求項1に記載の回路。
【請求項5】
前記第2のデバイスから前記第1のデバイスに転送されるべく利用可能なデータが存在していると判定することは、前記第1のデバイスの動作を変更するためのデータが前記第1のデバイスによって最後に受信されてから特定の時間が経過したと判定することを含む、請求項4に記載の回路。
【請求項6】
前記データは、前記第1のデバイス又は前記第2のデバイスの動作を変更するためのソフトウェア更新又は制御パラメータを含む、請求項に記載の回路。
【請求項7】
前記第1のデバイスの前記使用を監視することは、データ接続がどのくらいの頻度で前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間に確立されるかを監視することを含む、請求項に記載の回路。
【請求項8】
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間で転送されるべく利用可能なデータが存在していると判定することは、データ接続が前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間に最後に確立されてから特定の時間が経過したと判定することを含む、請求項7に記載の回路。
【請求項9】
経過時間であって、前記経過時間後に、データが転送されるべく利用可能であると判定される、経過時間は、前記第1のデバイスのユーザに関する情報に基づいて決定される、請求項8に記載の回路。
【請求項10】
前記ユーザに関する前記情報は、
i)オンラインアプリケーションにおける前記ユーザの活動から得られた情報
ii)前記ユーザの位置及び/又は移動に関する情報
iii)フォーム又はアンケートにより前記ユーザによって提供された情報
iv)前記ユーザの1つ又は複数の物理的特性を検知することから得られた情報
のうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の回路。
【請求項11】
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間で転送されるべく利用可能なデータが存在していると判定することは、前記ユーザに関連するユーザプロファイルが変わったと判定することを含み、前記ユーザプロファイルは、前記第1のデバイスのユーザに関する前記情報に基づいて確立される、請求項10に記載の回路。
【請求項12】
前記第1のデバイスの前記使用を監視することは、前記第1のデバイス及び/又は前記第2のデバイスの地理的位置を監視することを含む、請求項に記載の回路。
【請求項13】
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間でのデータ接続の確立のための手順が、前記第1のデバイスが予め定められた地理的位置に入ったと判定することに基づいて開始される、請求項12に記載の回路。
【請求項14】
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間でのデータ接続の確立のための手順が、前記第2のデバイスが予め定められた地理的位置に入ったと判定することに基づいて開始される、請求項12に記載の回路。
【請求項15】
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間でのデータ転送のための前記手順を開始することは、前記第1のデバイスを介して、ユーザが前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間での前記データ転送のためのデータ接続を確立すべきであるとの表示を提供することを含む、請求項に記載の回路。
【請求項16】
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間でのデータ転送のための前記手順を開始することは、前記第2のデバイスを介して、ユーザが前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間での前記データ転送のためのデータ接続を確立すべきであるとの表示を提供することを含む、請求項に記載の回路。
【請求項17】
エアロゾル送達システムのための回路を動作させる方法であって、
前記回路に、前記エアロゾル送達システムにおける第1のデバイスの使用を監視させるステップと、
前記第1のデバイスの前記使用を監視することに基づいて、前記第1のデバイスと前記エアロゾル送達システムの第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定するステップと、
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定することに基づいて、データ通信インターフェースを通じて前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始するステップと、
を含む、方法。
【請求項18】
少なくとも第1のデバイス及び第2のデバイスを備えるエアロゾル送達システムであって、前記エアロゾル送達システムは、回路であって、
前記第1のデバイスの使用を監視するように構成され、
ここで、前記回路は、前記第1のデバイスの前記使用を監視することに基づいて、前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定するように構成され、
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定することに基づいて、データ通信インターフェースを通じて前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始するように構成された回路を含む、エアロゾル送達システム。
【請求項19】
第2のデバイスを備えるエアロゾル送達システムにおいて用いるエアロゾル送達デバイスであって、前記エアロゾル送達デバイスは、回路であって、
前記エアロゾル送達デバイス及び前記第2のデバイスのうちの1つ目のデバイスの使用を監視するように構成され、
ここで、前記回路は、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスのうちの前記1つ目のデバイスの前記使用を監視することに基づいて、前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定するように構成され、
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定することに基づいて、データ通信インターフェースを通じて前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始するように構成された回路を含む、エアロゾル送達デバイス。
【請求項20】
エアロゾル送達システムのデバイスに含まれる回路によって実行されると、前記回路に、
前記エアロゾル送達システムの第1のデバイスの使用を監視することと、
前記第1のデバイス及び前記エアロゾル送達システムの第2のデバイスのうちの1つ目のデバイスの使用を監視することに基づいて、前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定することと、
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間での転送に利用可能なデータが存在していると判定することに基づいて、データ通信インターフェースを通じて前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間でのデータ転送のための手順を開始することと、
をさせるソフトウェア命令が記憶されている、非一時的有形コンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】