(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】電気めっきプラスチック製のワークピースのリサイクル再生処理のための方法
(51)【国際特許分類】
B29B 17/02 20060101AFI20240614BHJP
B29B 17/04 20060101ALI20240614BHJP
C22B 1/00 20060101ALI20240614BHJP
B02C 18/00 20060101ALN20240614BHJP
【FI】
B29B17/02 ZAB
B29B17/04
C22B1/00 601
B02C18/00 102
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575451
(86)(22)【出願日】2022-05-23
(85)【翻訳文提出日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 EP2022063915
(87)【国際公開番号】W WO2022253616
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】102021205637.7
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523456308
【氏名又は名称】インパルステク ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110003421
【氏名又は名称】弁理士法人フィールズ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン アイゼルト
【テーマコード(参考)】
4D065
4F401
4K001
【Fターム(参考)】
4D065CA05
4D065CB03
4D065EB14
4F401AA11
4F401AA23
4F401AA24
4F401AB10
4F401AD03
4F401BA13
4F401BB09
4F401CA04
4F401CA14
4F401CA23
4F401CA25
4F401CA91
4K001AA08
4K001AA09
4K001AA19
4K001BA22
4K001CA01
4K001CA04
(57)【要約】
電気めっきプラスチック製のワークピース(4)のリサイクル再生処理のための方法に関する。この方法では、プラスチック粒状物(32)及び被膜粒状物(34)を含む懸濁液を生成するために、ワークピース(4)を液中放電効果の使用の下に分解ユニット(22)によって被膜除去し、懸濁液を脱水し、磁気分離機(42)を用いて、プラスチック粒状物(32)を被膜粒状物(34)から磁気分離によって分離する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気めっきプラスチック製のワークピース(4)のリサイクル再生処理のための方法であって
プラスチック粒状物(32)及び被膜粒状物(34)を含む懸濁液を生成するために、前記ワークピース(4)を液中放電効果の使用の下に分解ユニット(22)によって被膜除去し、
前記懸濁液を脱水し、
磁気分離機(42)を用いて、前記プラスチック粒状物(32)を前記被膜粒状物(34)から磁気分離によって分離する、方法。
【請求項2】
前記プラスチック粒状物(32)は、電気めっきプラスチックの製造において直接的なリサイクル又は直接的な再投入に十分な純度を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プラスチック粒状物(32)は、99質量%を超える純度を有することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ワークピース(4)を、前記分解ユニット(22)に供給する前に、ワークピース粒状物(10)に粉砕することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記懸濁液の液体(30、30’)を、脱水(36)の過程において前記分解ユニット(22)に戻すことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法を自動的に実施することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
電気めっきプラスチック製のワークピース(4)のリサイクル再生処理のための装置(2,2’)であって、
前記ワークピース(4)の液中放電な被膜除去のための分解ユニット(22、22’)と、
前記分解ユニット(22,22’)から出る、プラスチック粒状物(32)と被膜粒状物(34)とを含む懸濁液を脱水するための乾燥機(38)と、
前記プラスチック粒状物(32)を前記被膜粒状物(34)から磁気分離するための磁気分離機(42)と、を備える装置(2,2’)。
【請求項8】
前記分解ユニット(22,22’)は、液体で満たされたコンテナと、液体中に沈められた少なくとも2つの電極を有するインパルス電源とを有する粉砕反応装置を有し、これらの電極間に水中火花ギャップが形成され、その水中火花ギャップは高電圧インパルスによって液体中に衝撃放電を発生させ、
前記ワークピース(4)は、前記水中火花ギャップを経由してガイドされることを特徴とする、請求項7に記載の装置(2,2’)。
【請求項9】
前記インパルス電源は、3~4つの電極を有する少なくとも1つの電極スタックを有することを特徴とする、請求項8に記載の装置(2,2’)。
【請求項10】
前記インパルス電源の数及び/又は前記電極スタックの数が変更可能であることを特徴とする、請求項8に記載の装置(2,2’)。
【請求項11】
前記衝撃放電のパルスエネルギー又は放電エネルギーは、50kV未満の高電圧において50J未満であることを特徴とする、請求項8~10のいずれか一項に記載の装置(2,2’)。
【請求項12】
前記分解ユニット(22,22’)は、前記粉砕反応装置を収容する粉砕コンテナ(24,24’)を有することを特徴とする、請求項8~11のいずれか一項に記載の装置(2,2’)。
【請求項13】
前記ワークピース(4)が、重力によって直接的に前記粉砕反応装置の電極の前に位置するように、前記ワークピース(4)は、前記粉砕コンテナ(24,24’)の屋根を介して供給されることを特徴とする、請求項12に記載の装置(2,2’)。
【請求項14】
衝撃波処理により、電気めっきプラスチック製のワークピース(4)の被膜除去を行うに液中放電効果を使用する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気めっきプラスチック製のワークピースのリサイクル再生処理のための方法及び装置に関する。本発明は、更に、電気めっきプラスチック製のワークピースの被膜除去のための液中放電効果(電気水力学的効果)の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、プラスチック製のワークピースは、例えば、その軽量性、化学的安定性、射出成形を用いた簡単、且つ低コストの製造によって、幅広い用途において使用されている。その光学的、電気的、機械的、又は熱的特性を改善するために、プラスチックに金属で被膜を施すことが可能である。
【0003】
プラスチックに金属被膜を施す方法としては、例えば電解析出によって行われ、それはプラスチック電気めっき、又はプラスチックへのめっき(Plating On Plastics:POP)ともいわれる。通常、プラスチックは導電性がなく、そのため、その後の電解被膜のために、まずプラスチック表面を密着性の良い導電層によって覆う。
【0004】
金属層がプラスチック材料によく付着することによって、電気めっきプラスチックのリサイクル或いはリサイクル再生処理は、比較的手間及びコストがかかる。特に、二次プラスチック、すなわちリサイクルプラスチックを、一次プラスチックの代替品として使用可能にする際には、比較的高い品質と純度とが要求される。これまでのところ、電気めっき製品又は電気めっきプラスチックを、リサイクルプラスチックの品質を損なうことなく純粋に機械的な手段によって被膜除去すること(ダウンサイクル)は不可能であり、それによって、二次プラスチックは、一般的にプラスチックの再利用のための品質要件を満たしていない。そのため、プラスチック原料を有効に利用し、品質の劣るものを廃棄する代わりに生産に戻すために、効率的なリサイクル解決策が必要とされている。
【0005】
独国特許出願公開第10237960A1号明細書には、塩酸、過酸化水素及び硫酸を用いた、電気めっきプラスチック部品の電気めっき被膜の段階的なエッチングが記載されている。このプロセスは、使用される化学物質、過酸化水素と硫酸を大量に消費し、その後に、ポリマーの洗浄と乾燥を必要とする。更に、酸の使用はプラスチックのポリマー構造にダメージを与え、リサイクル品の材料価値を低下させる。既知の金属除去プロセスは、電気めっきに再利用できないほど強くプラスチックにダメージを与える。そのため、そのような方法のリサイクル生産物は、品質の劣る用途にしか使用できない。
【0006】
欧州特許第2771120B1号明細書によって、液中放電効果を用いてリサイクル材料をリサイクル可能な材料に材料選択的に分解する方法及び装置が知られており、この方法においては、容器底部側の電極と、容器蓋部側に配置された多数の電極との間において、電極当たり200J(ジュール)~1500Jの間の放電エネルギーを有する衝撃放電が主として液体中において発生する。その際、平均電界強度は5kV/mm(キロボルト/ミリメートル)未満であり、また、高電圧インパルスの繰り返し周波数は、10Hz(ヘルツ)未満である。具体的には、電気電子機器破棄遺物、被膜された金属箔、プリント回路基板、及び蓄電池への、方法及び装置の使用が記載されている。
【0007】
国際公開第2017/037129A1号パンフレットには、ガラス・半導体・ポリマー合成物からなる複合材料をリサイクルするための方法が記載されており、この方法においては、液中放電効果を用いてガラス成分を分離させる。この場合、電極当たり200J~1500Jの放電エネルギーと、30kV(キロボルト)~50kVの範囲の高電圧と、並びに10Hz未満の高電圧パルスの繰り返し周波数とを有する衝撃放電が提供される。
【0008】
国際公開第2019/234109A1号パンフレットには、液中放電効果によって材料を粉砕及び分解するための方法及び装置が開示されている。この場合、使用される衝撃放電は、100J未満の放電エネルギーと、30kV~50kVの範囲の高電圧と、並びに20Hz~100Hzの範囲の高電圧パルスの繰り返し周波数を有する。この場合、その使用は、脆性成分、特にケイ酸塩、セラミックス、シリコン、炭化ケイ素を有する、脆性材料又は脆性製品、高純度が要求される材料、特にガラス、セラミックス、半導体材料、ガラス・ポリマー・合成物、特に太陽電池モジュール、合わせ安全ガラス、及び/又は、冶金スラグ、に対して行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】独国特許出願公開第10237960A1号明細書
【特許文献2】欧州特許第2771120B1号明細書
【特許文献3】国際公開第2017/037129A1号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2019/234109A1号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、電気めっきプラスチック製のワークピースのリサイクル再生処理のための特に好適な方法を提示するという課題に基づいている。特に、更なる加工目標として、可能な限り高い純度及び品質を有するプラスチック粒状物を、実現することである。本発明はまた、本方法を実施するための特に好適な装置を提示するという課題に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、方法に関しては、請求項1の特徴によって、また、装置に関しては、請求項7の特徴によって、さらに、使用に関しては、請求項14の特徴によって、本発明に従って解決される。有利な実施形態及び更なる形態は、従属請求項の主題である。方法に関して挙げられた利点及び実施形態は、その趣旨に即して、装置にも準用可能であり、また、その逆も可能である。
【0012】
方法ステップが以下に説明される場合、装置の有利な実施形態は、特に、装置がこれらの方法ステップの1つ以上を実行するように形成されていることから生じる。
【0013】
本発明による方法は、電気めっきプラスチック製のワークピースのリサイクル再生処理のためのものであり、また、そのために適しており、且つ仕上げられている。
【0014】
ここ、及び以下において、リサイクル再生処理とは、特に、複数の成分からなるワークピースの又はリサイクル材料の、再利用可能な材料(リサイクル品)への分解を意味すると解される。ここ、及び以下において、電気めっきプラスチックとは、特に、プラスチックへの金属被覆、すなわち、プラスチック製材料への金属被膜による被膜付与(金属被膜付与)を意味する、と解され、その際、金属被膜は、特に電解析出によってプラスチック材料上に提供される(電気めっき被膜)。
【0015】
ワークピースは、例えば、電気めっき製品又は電気めっき廃棄物である。ワークピースのプラスチック又はプラスチック材料は、例えば、熱可塑性プラスチック、特にアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、又はポリアミド(PA)、又はABS及びポリカーボネート(PC)である。電気めっき被膜、或いは金属被膜は、特に銅(Cu)、ニッケル(Ni)、及び/又はクロム(Cr)から生成される。
【0016】
ワークピースは、本方法によると、被膜除去プロセス又は被膜除去ステップにおいて、液中放電効果の利用の下に、分解ユニットによって機械的に被膜除去される。好ましくは、液体中、例えば水又は蒸留水中において、衝撃波法が使用され、その衝撃波法においては、強烈な圧力波、いわゆる衝撃波が、電気めっき製品又は電気めっきプラスチックの被膜除去のために使用される。この場合、「被膜を除去する」又は「被膜除去」とは、特にプラスチック材料と金属被膜との分離又は切離しを意味すると解される。これは、本発明によれば、電気めっきプラスチックの被膜除去のために、衝撃波法が使用されることを意味する。
【0017】
ワークピースは、部品全体として、又は(予備)粉砕された部品(プラスチック破片)として形成されていてもよい。好ましくは、分解ユニットの衝撃波処理の前に、ワークピースはまず、先行する予備粉砕ステップにおいて粉砕装置によってワークピース粒状物(粉材料)に粉砕される。これによって、後続の再生処理のためにワークピース材料の均質化が保証される。例えば、ワークピースは、平均粒径が50mm未満、特に20mm未満のワークピース粒状物に粉砕される。この機械的な予備処理ステップ又は粉砕ステップは、その際、プラスチック及び電気めっき被膜の部分的な被膜除去をすでに引き起こす可能性がある。さらに、予備粉砕は、分解ユニット或いは衝撃波処理の効率を高める。
【0018】
分解ユニットは、材料として液体及びプラスチック粒状物、並びに被膜粒状物の懸濁液を生成する。言い換えれば、ワークピース又はワークピース粒状物は、分解ユニットによってプラスチック粒状物と被膜粒状物とに分解される。ここ及び以下において、プラスチック粒状物とは、特に、プラスチックフラクションの意味、又は粒状物及び破片を含むプラスチック生産物を意味する、と解される。対応して、ここ及び以下において、被膜粒状物とは、特に、被膜フラクションの意味、又は粒状物及び破片を含む被膜生産物を意味する、と解される。この場合、被膜粒状物は、剥離した被膜の磁性粒状物小片と、被膜残留物を含むプラスチック破片の弱磁性粒状物小片とから構成される。
【0019】
例えば、衝撃波処理の後、金属を多く含む微粉を分離するために、ふるい分けを行い、更に、必要に応じて、プラスチックの表面を洗浄/洗い落としするために、洗浄ステップを加えることもできる。
【0020】
分解ユニットの原材料、或いは懸濁液は、次に(予備)脱水、及び、例えば乾燥される。それによって、懸濁液から液体が除去され、その結果、実質的に、プラスチック粒状物と被膜粒状物とから成る、不均一混合物だけが残る。ワークピースの粉砕生産物の予備脱水、及び必要に応じて乾燥によって、混合物材料の選別が容易になる。好ましくは、プラスチック粒状物と被膜粒状物との混合物は、脱水及び必要に応じて乾燥した後において、10質量%未満、特に5質量%未満の残留水分を含む。
【0021】
最後に、磁気分離機を用いて、プラスチック粒状物を被膜粒状物から磁気分離によって選別又は分離する。言い換えれば、プラスチック粒状物と被膜粒状物との選別が行われる。予備ふるい分けでは分離されなかった剥離した被膜成分は、単段又は多段の磁気分離によってプラスチックから分離される。加えて、磁気分離の使用によって、被膜が残ったプラスチック破片は、効率的に選別される。それによって、特に適した方法が実現される。
【0022】
その結果として、純度99質量%を超える、例えば99.9質量%より高い純度を有する混じりけのないな(非磁性の)プラスチック生産物又はプラスチック粒状物、強磁性生産物(剥離した被膜)、及び弱磁性生産物(被膜残留物を含むプラスチック破片)が得られる。プラスチック生産物、或いはプラスチック粒状物は、例えば、充填ステーションにおいて、特にビッグバッグ充填によって充填される。
【0023】
弱磁性生産物(被膜残留物を含むプラスチック破片)は、分解ユニットの、衝撃波に基づく被膜除去プロセスに戻すことができる。
【0024】
好ましくは、プラスチック粒状物、或いはリサイクルプラスチックは、製造において、直接的なリサイクル又は直接的な再投入のために、十分に高い品質又は十分に高い純度を有し、それによって、新品の、或いは一次プラスチックの代替又は節約を可能にする。プラスチック粒状物は、例えば99質量%より高い、特に99.9質量%より高いい純度を有する。これは、本発明による方法を用いて再生処理された二次プラスチックは、本質的にダウンサイクルがなく、一次プラスチックと質的に同等であることを意味する。
【0025】
液中放電効果、或いは衝撃波法を用いた本発明によるワークピースの被膜除去によって、電流と機械的圧力波とのみを使用する、特に簡単、且つ低コストの方法が実現される。そのため、本方法によれば、被膜を除去するために、化学的及び/又は熱的方法が必要とされない。
【0026】
衝撃波プロセスによって、プラスチックは、最小限の機械的ストレスしか受けない。それによって、破片又は粒子の大きさは、ほぼ一定に保たれる。被膜除去プロセスの間において、特に、生成される微細フラクションの割合はごくわずかである。例えば、粒径1mm未満の微細フラクションの割合は10質量%未満、特に5質量%未満、好ましくは2質量%未満である。そのため、本発明による方法によれば、プラスチック粒状物の狭い粒子径分布が保証され、それは工業プロセスのための投入として有利である。
【0027】
さらに、この方法は、被膜が方法の過程において分解されないため、ワークピースの(電気めっき/金属)被膜から使用可能な金属フラクション又は使用可能な金属濃縮物を回収することを可能にする。特に、残留する複合材料(被膜残留物を含むプラスチック破片)は弱磁性で、それによって簡単に選別して戻すことができるため、磁気分離機を使用した簡単な選別方法が実現される。
【0028】
可能な更なる一形態として、懸濁液の液体は、脱水の過程において分解ユニットに戻される。これによって、分解ユニットの液体消費量が削減される。それによって実現された、(プロセス)液体(プロセス水)の再循環は、限界導電率に達するまで続けられる。言い換えれば、懸濁液の液体は電気導電率に関して検査され、保存されている閾値又は限界値と比較される。限界値に達しないか、限界値を下回っている場合、その液体は分解ユニットに戻される。限界値に達している、又は限界値を上回っている場合、その液体は廃棄処理され、新しい液体が分解ユニットに供給される。限界導電率は、例えば5mS/cm(ミリシーメンス/センチメートル)未満、特に2mS/cm未満である。
【0029】
本発明の追加的又は更なる一局面は、方法がオートマチックに、すなわち自動的に実施されることを提供する。これは、例えば、ワークピース材料がある方法ステップから次の方法ステップへと連続的又は不連続的に案内されることを意味し、その際、方法ステップは、好ましくは、本質的に互いに時間的に並行して行われる。それによって、電気めっきプラスチックの再生処理のための処理能力が高められる。
【0030】
本発明による装置は、上記の方法を実施するために提供され、そのために適しており、且つ構成されている。本装置は、具体的に、電気めっきプラスチック製のワークピースのリサイクル再生処理のために形成されている。
【0031】
この装置は、例えば、ワークピースをワークピース粒状物に予備粉砕するための粉砕装置を備えている。その粉砕装置は、例えば、カッティングミル、シュレッダ、又はクロスフローシュレッダとして形成されている。
【0032】
本装置は、ワークピース或いはワークピース粒状物の液中放電な被膜除去のための分解ユニットを備えている。その際、ワークピースは、(低)パルスエネルギーによる衝撃波処理によって、プラスチック粒状物と被膜粒状物とに分解される。ワークピース又はワークピース粒状物の分解ユニットへの供給は、例えばコンベア技術(ベルト、吸引コンベア)を用いて行われる。
【0033】
分解ユニットからの粉砕された材料の排出は、ベルトコンベア又はスクリューコンベア、水押し流し、エアリフトポンプ(空気圧リフタ)、又はこれらの組み合わせによって行われる。粉砕された材料、或いは粒状物は、材料排出の過程で、分解ユニットの液体中において懸濁される。その際、得られた懸濁液は、乾燥機を用いて(予備)脱水され、また、例えば乾燥される。乾燥機は、その際、例えば、洗浄ふるい機、熱風による(プラスチック)粒状物乾燥機、流動床乾燥機、遠心乾燥機、又はこれらの組み合わせ、として実施される。乾燥機の原材料として、本質的には、プラスチック粒状物と被膜粒状物との不均一混合物である。この混合物は、その際、好ましくは10質量%未満、特に5質量%未満の残留水分を有する。
【0034】
乾燥させた混合物は磁気分離機に供給され、磁気分離機は混合物を磁気分離によってプラスチック粒状物と被膜粒状物とに選別する。その際、例えば単段又は多段の磁気分離機は、例えば磁気ドラム又はベルト磁石として実施される。その際、磁気分離機は、特に、1000G(ガウス)~25000Gの磁場強度を有する。
【0035】
これによって、電気めっきプラスチック製のワークピースの再生処理のための特に好適な装置が実現される。好ましくは、この装置は、その際、50kg/h(キログラム/時間)~500kg/hの原材料(ワークピース、ワークピース粒状物)の処理能力を有する。
【0036】
好適な一実施形態において、分解ユニットは、ワークピースの衝撃波処理のための粉砕反応装置を有する。その粉砕反応装置は、その際、液体、例えば水によって満たされたコンテナ(粉砕コンテナ)と、インパルス電源とを有する。パルス電源は、液体中に沈められた少なくとも2つの電極によってコンテナ内に導かれる。電極の一方は例えばアース電極として形成され、他方の電極は高電圧電極として形成されている。電極間には水中火花ギャップが形成され、その際、それら電極は、動作中において、高電圧インパルスによって液体中に衝撃放電を発生させる。ワークピース又はワークピース粒状物は、水中火花ギャップを経由してガイドされる。オプションとして、粉砕反応装置は、プロセス安定化フラップによって閉じることができ、それによって、粉砕コンテナ内の粉砕される材料の滞留時間を任意に、又は自在に設定することができる。
【0037】
衝撃放電のパラメータ、特にパルスエネルギー又は放電エネルギー、電極間の高電圧の値、高電圧インパルスの繰り返し周波数、及び/又は電極の配置は、プラスチックからの電気めっき被膜の分離が行われるように、分解ユニットにおいて選択される。好ましい一実施形態においては、動作電圧は例えば25kV~50kVであり、衝撃放電のパルスエネルギー又は放電エネルギーは、50J未満、例えば2J~50Jである。パルス繰り返し周波数は、例えば、毎秒10~50回の放電に設定され、その際、電極間隔は、例えば、5mm~40mmである。
【0038】
好適な一実施においては、インパルス電源は、3~4つの(高電圧)電極を有する少なくとも1つの電極スタックを有し、これらの電極は、搬送方向に沿って互いに前後に又は隣り合わせに配置される。好ましくは、インパルス電源は1つ以上の電極スタックを有し、各電極スタックは並列に動作する3~4つの電極を有し、各電極スタックは1~4つの測定電極を有する。電極スタックは、その際、衝撃波プロセス中に、(調整)シリンダによってプロセス制御のために再調整することができる。言い換えれば、距離調整、すなわち電極スタック間、或いは電極間の距離の変更が可能である。これによって、ワークピース、或いはワークピース粒状物の確実な被膜除去が保証される。スケーリングのために、例えば、インパルス電源及び/又は電極スタックの数を変更することができる。
【0039】
本発明の追加的又は更なる一局面は、分解ユニットが、粉砕反応装置を収容する粉砕コンテナを有することを提供する。特に、分解ユニットの遮音及び/又はEMC保護キャビンは、コンテナ構造において形成されている。これによって、分解ユニットの、単純且つ低コストの構造が保証される。
【0040】
ワークピース又はワークピースの粒状物の供給は、その際、例えば、粉砕コンテナの側面から又は屋根を介して行われる。そのために、その屋根は、例えば、(充填)ノズル又は開口部を有する。好適には、ワークピースは、その際、重力によってじかに、すなわち直接、各電極スタックに、3~4つの高電圧電極から成るグループ回路に、隣接する2つの電極スタックの間において、又は粉砕反応装置の中心に、位置付けられる、又は供給される。それによって、被膜除去されるワークピースは、圧力勾配が最も高い領域に直接置かれ、その結果、確実な被膜除去が保証される。
【0041】
本発明によれば、液中放電効果が、衝撃波処理による、電気めっきプラスチック製のワークピースの被膜除去のために使用される。その際、方法及び/又は装置に関連する説明は、その趣旨に即して、その使用にも適用され、その逆もまた同様である。
【0042】
以下においては、図面を参照して、本発明の実施例をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】第1の実施形態における電気めっきプラスチック製のワークピースのリサイクル再生処理のための装置を示す概略図である。
【
図2】第1の実施形態における装置の分解ユニットを示す斜視図である。
【
図3】第2の実施形態における装置の分解ユニットを示す斜視図である。
【
図4】第2の実施形態における装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
全ての図において、対応する部品及びサイズには常に同一の参照符号を付す。
【0045】
図1は、装置2を概略的に簡略化して示したものである。装置2は、電気めっきプラスチック製のワークピース4のリサイクル再生処理のための再生処理装置として形成されている。
図1に示す装置構想は、この場合、例えば原材料100kg/hの自動的な処理能力用に形成されている。これは、この装置によって、1時間当たり100kgのワークピース4が、連続的又は非連続的に、自動的に再生処理されることを意味する。以下の説明は、例示的に、ただ一つのワークピース4に関する。
【0046】
ワークピース4は、この場合、特に、電気めっき廃棄物、又はクロム、ニッケル、及び/又は銅の被膜を有するABSプラスチック製の電気めっきプラスチックである。
【0047】
装置2は、この場合、再生処理のために6つのプロセスステップ又は方法ステップを有する。以下においては予備粉砕6ともいう第1の方法ステップにおいては、ワークピース4は、カッティングミル8を用いてワークピース粒状物10に粉砕される。これによって、後続の衝撃波処理のための投入材料の均質化が実現される。ワークピース粒状物10は、その際、例えば20mm未満の平均粒径を有する。
【0048】
カッティングミル8は、例えば、平均粒径が20mm未満のワークピース粒状物10に粉砕するように形成されている。カッティングミル8は、その際、例えば2列の粉砕用のロータナイフを有する。
【0049】
ワークピース粒状物10は、さらなる処理のために、好ましくは、上限粒径及び下限粒径を有する狭い粒径分布を有する。第2の方法ステップにおいて、このステップは以下において、ふるい分け分粒12ともいわれることから、ワークピース粒状物10は、ふるい機14を用いて、ふるい分けされる。例えば、ふるい機14は、リニア振動ふるい機、又はラウンドふるい機/タンブラーふるい機として形成される。粗粒16及び細粒18は、ふるい機14によってワークピース粒状物10から、ふるい分けされる、又は除去される。その際、細粒18とは、下限粒径より小さい粒径、例えば1mm未満の粒径を有する粒状物小片を意味すると解される。粗粒16とは、対応して、下限粒径より大きい粒径、例えば10mmより大きい粒径を有する粒状物小片を意味すると解される。それによって、ふるい分けされたワークピース粒状物10’は、例えば1mm~10mmの粒径分布を有する。
【0050】
ふるい分けされたワークピース粒状物10’は、被膜除去20ともいう方法ステップにおいて、分解ユニット、すなわち衝撃波装置22に供給される。
【0051】
分解ユニット22は、
図2に個別に示されている。分解ユニット22は、この場合、液中放電効果によってワークピース粒状物10’から被膜除去するために設けられており、そのために、適しており、また構成されている。特に、分解ユニット22は、低パルスエネルギーによる連続の衝撃波処理のために、適しており、また構成されている。
【0052】
分解ユニット22は、この場合、衝撃波処理によってワークピース粒状物10’から被膜除去するための、詳細には図示しない粉砕反応装置を有する。その粉砕反応装置は、その際、液体、例えば水によって満たされたコンテナ(粉砕コンテナ)と、少なくとも1つのインパルス電源とを有する。そのインパルス電源は、液体中に浸漬された少なくとも2つの電極によってコンテナ内にガイドされている。電極の一方は例えばアース電極として形成され、他方の電極は高電圧電極として形成される。インパルス電源は、好ましくは3~4つの(高電圧)電極を有し、これらは電極スタックとして配置される。分解ユニット22は、例えば、多数のインパルス電源を有し、これらのインパルス電源は、それぞれ3~4つの高電圧電極を備えた電極スタックを1つ以上有する。その電極スタックは、その際、プロセス制御のために、衝撃波プロセス中に、(調整)シリンダによって再調整することができる。
【0053】
インパルス電源の数、及び/又は高電圧電極の数を変化させることによって、所望の処理能力に関して、分解ユニット22の容易、且つ適切なスケーリングが可能である。
【0054】
電極間には水中火花ギャップが形成され、その際、電極は、動作中に、高電圧インパルスによって、ワークピース粒状物10’から被膜除去する衝撃放電を液体中に発生させる。ワークピース粒状物10’は、その際、水中火花ギャップを経由してガイドされる。
【0055】
衝撃放電のパラメータ、特にパルスエネルギー又は放電エネルギー、電極間の高電圧の値、高電圧インパルスの繰り返し周波数、及び/又は電極の配置は、分解ユニットにおいて、電気めっき被膜がプラスチックから分離されるように選択される。好ましい一実施形態においては、高電圧は50kV未満であり、その際、衝撃放電のパルスエネルギー又は放電エネルギーは、50J未満、例えば5J~50Jである。
【0056】
粉砕反応装置は、防音筐体としての粉砕コンテナ24に封入されている。分解ユニットの運転中の騒音レベルは、好ましくは85dB(A)未満である。少なくとも1つのインパルス電源のための制御電子機器、例えばプログラマブルロジックコントローラ(PLC)が収容される制御キャビネット26が、粉砕コンテナ24に隣接して配置される。インパルス電源、或いは(インパルス電流)発生器は、制御キャビネット26とは別に配置された、詳細には図示されていない発生器キャビネットに収容されている。
【0057】
分解ユニット22は、材料を供給するための吸引コンベアとして形成されたコンベア装置28を有し、このコンベア装置28は、ワークピース粒状物10’を、傾斜路を経由して粉砕コンテナ24の屋根の開口部までガイドする。好適には、ワークピース粒状物10’は、その際、重力によってじかに、即ち直接、3~4つの高電圧電極からなるグループ回路である各電極スタックに、隣接する2つの電極スタックの間において、又は粉砕反応装置の中心において、位置付けられる、又は供給される。それによって、被膜除去されるワークピース粒状物10’は、圧力勾配の最も高い領域に直接供給され、その結果、確実な被膜除去が保証される。
【0058】
図3は、分解ユニット22’の第2の実施形態を示す。上記の実施形態と比較して、分解ユニット22’は、この場合、より大きな粉砕コンテナ24’を有する。例えば、粉砕コンテナ24’は、粉砕コンテナ24よりも4倍大きい。考慮される一つの寸法においては、粉砕コンテナ24は10フィートコンテナとして形成され、一方、粉砕コンテナ24’は40フィートコンテナとして形成される。10フィートコンテナは、例えば100kg/hの処理能力を有し、40フィートコンテナは、特に約500kg/hの処理能力を有する。分解ユニット22’は、例えば2つの制御キャビネット26を有する。分解ユニット22’のコンベア装置28は、例えばベルトコンベアとして形成される。
【0059】
分解ユニット22,22’からの粉砕された材料の排出は、ベルトコンベア又はスクリューコンベア、水押し流し、エアリフトポンプ(空気圧リフタ)、又はこれらの組み合わせによって行うことができる。
【0060】
分解ユニット22は、原材料として懸濁液を生成する。懸濁液は、その際、粉砕反応装置の液体30と、ワークピース粒状物10’の被膜除去された成分32,34とから構成される。特に、懸濁液は、この場合、プラスチック粒状物32、すなわちプラスチック成分の粒状物と、被膜粒状物34、すなわち電気めっき被膜の金属断片と残留被膜を伴うプラスチック小片とから成る粒状物とを有する。
【0061】
懸濁液は、乾燥機38を使用して、以下では乾燥及び脱水36ともいう後続の方法ステップにおいて脱水及び乾燥される。脱水36の際に、液体30は固体成分32,34から分離される。好ましくは、被膜粒状物34の金属を多く含む微粉を分離するために、ふるい分けが実施され、必要に応じて洗浄ステップを追加することもできる。その際、微粉は、金属フラクション40、すなわち1mm未満の粒径を有する電気めっき被膜の金属断片によって形成される。
【0062】
後続の乾燥及び脱水36の乾燥/脱水部分は、例えば、5質量%未満の残留湿気の生成のための遠心分離機を有する。このために、乾燥機38は、例えば、遠心脱水によって、成分32,34から液体30を分離する遠心乾燥機として形成される。好適には、乾燥機38は、この場合、残留微細物、或いは金属フラクション40の統合的な分離のための、ふるいドラムを有する。
【0063】
代替的には、乾燥機38を脱水ふるい機として形成可能である。この場合、乾燥機38は、特に、3つの部分を有するリニア振動ふるい機として形成される。第1の部分は、洗浄用の一体化された洗浄ノズルを有する。第2の部分においては、2mm未満の粒子をすべて分離するために、ふるい分けと予備脱水が行われる。第3の部分においては、粒状物32,34を熱風送風機を用いて乾燥させる。
【0064】
熱風乾燥のための第3の部分は、別個のリニア振動ふるい機として形成可能である。これは、乾燥機38の最初の2つの部分は、予備脱水用の1つの固有の振動ふるい機に配置され、乾燥機38の第3の部分は、熱風乾燥を伴う別個のリニア振動ふるい機に配置されることを意味する。
【0065】
乾燥及び脱水36のための原材料は、プラスチック粒状物32と被膜粒状物34との不均一混合物である。この混合物は、好ましくは10質量%未満、特に5質量%未満の残留水分を有する。
【0066】
脱水の過程において乾燥機38から排出された液体30は、好ましくは分解ユニットに戻される。このために、液体はまず固形物分離のための廃水再生装置を通過する。このために、詳細には示されない固形物分離器が設けられ、この固形物分離器によって、金属フラクション40のような粗粒子成分と微細粒子成分とが液体から分離される。固形物分離器は、例えば、傾斜フィルタ又は真空ベルトフィルタとして形成されている。液体30は、限界導電率に達すると廃棄処理され、新しい液体と交換される。
【0067】
乾燥混合物は、磁気分離機42によって、磁性粒子の分離44という方法ステップにおいて、非磁性のプラスチック粒状物32と(少なくとも部分的に)磁性の被膜粒状物34とに分離される。言い換えれば、乾燥混合物は、磁気分離機42に供給され、その磁気分離機42は、磁気分離によって、混合物を、剥離した被膜と、残留被膜を有するプラスチック粒状物とからなる磁性フラクション(被膜粒状物34)と、99質量%を超える純度を有するプラスチック片材料の非磁性フラクション(プラスチック粒状物32)と、に分離する。
【0068】
単段又は多段の磁気分離機42は、例えば、磁気ドラム又は(吊下げ式)ベルト磁石として実施される。特に、磁気分離機は、3500G~20000Gの磁場強度を有する。この場合、混合物の供給は、例えば、振動シュートを介して行われ、その際、除去された金属被膜、及び残留被膜を有する粒状物のような磁性粒子の連続的な分離が行われる。
【0069】
好ましくは、この場合、被膜粒状物34の残留被膜を有する分離された粒状物の分解ユニット22への戻しが行われ、その際、被膜粒状物34の金属粒状物は、リサイクル材料としてさらに処理され得る。
【0070】
混じりけのない(非磁性)プラスチック製品又はプラスチック粒状物32は、99質量%を超える、例えば99.9質量%を超える純度を有する。次いで、プラスチック粒状物32は、充填46という方法ステップにおいて、充填ステーション48によって充填される。特に、その際、プラスチック粒状物32の、ビッグバッグ充填が行われる。
【0071】
図4に示す装置2’は、概ね上記の説明に対応し、その際、ワークピース4の材料供給52のための供給ステーション50が追加して設けられており、この材料供給は予備粉砕6の上流側に置かれる。
【0072】
装置2’は、さらに、オプションとして、プロセス水再生処理56のための廃水再生処理装置54を備え、この廃水再生装置は、乾燥機38の液体30から溶解成分を分離し、それによって、再生処理された又は浄化された液体30’を導入可能にする。液体30’は、分解ユニット22,22’に戻される。
【0073】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。むしろ、本発明の他の変形例も、本発明の対象から逸脱することなく、当業者によって導き出され得る。特に、さらに、実施例に関連して説明した個々の特徴はすべて、本発明の対象から逸脱することなく、他の方法によって互いに組み合わせることもできる。
【符号の説明】
【0074】
2,2’ 装置
4 ワークピース
6 予備粉砕
8 カッティングミル
10,10’ ワークピース粒状物
12 ふるい分け分粒
14 ふるい機
16 粗粒
18 細粒
20 被膜除去
22 分解ユニット
24,24’ 粉砕コンテナ
26 制御キャビネット
28 コンベア装置
30,30’ 液体
32 プラスチック粒状物
34 被膜粒状物
36 乾燥及び脱水
38 乾燥機
40 金属フラクション
42 磁気分離機
44 磁性粒子の分離
46 充填
48 充填ステーション
50 供給ステーション
52 材料供給
54 廃水再生処理装置
56 プロセス水再生処理
【手続補正書】
【提出日】2023-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気めっきプラスチック製のワークピース(4)のリサイクル再生処理のための方法であって
プラスチック粒状物(32)及び被膜粒状物(34)を含む懸濁液を生成するために、前記ワークピース(4)を液中放電効果の使用の下に分解ユニット(22)によって被膜除去し、
前記懸濁液を脱水し、
磁気分離機(42)を用いて、前記プラスチック粒状物(32)を前記被膜粒状物(34)から磁気分離によって分離する、方法。
【請求項2】
前記プラスチック粒状物(32)は、電気めっきプラスチックの製造において直接的なリサイクル又は直接的な再投入に十分な純度を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プラスチック粒状物(32)は、99質量%を超える純度を有することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ワークピース(4)を、前記分解ユニット(22)に供給する前に、ワークピース粒状物(10)に粉砕することを特徴とする、請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
前記懸濁液の液体(30、30’)を、脱水(36)の過程において前記分解ユニット(22)に戻すことを特徴とする、請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法を自動的に実施することを特徴とする、請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
電気めっきプラスチック製のワークピース(4)のリサイクル再生処理のための装置(2,2’)であって、
前記ワークピース(4)の液中放電な被膜除去のための分解ユニット(22、22’)と、
前記分解ユニット(22,22’)から出る、プラスチック粒状物(32)と被膜粒状物(34)とを含む懸濁液を脱水するための乾燥機(38)と、
前記プラスチック粒状物(32)を前記被膜粒状物(34)から磁気分離するための磁気分離機(42)と、を備える装置(2,2’)。
【請求項8】
前記分解ユニット(22,22’)は、液体で満たされたコンテナと、液体中に沈められた少なくとも2つの電極を有するインパルス電源とを有する粉砕反応装置を有し、これらの電極間に水中火花ギャップが形成され、その水中火花ギャップは高電圧インパルスによって液体中に衝撃放電を発生させ、
前記ワークピース(4)は、前記水中火花ギャップを経由してガイドされることを特徴とする、請求項7に記載の装置(2,2’)。
【請求項9】
前記インパルス電源は、3~4つの電極を有する少なくとも1つの電極スタックを有することを特徴とする、請求項8に記載の装置(2,2’)。
【請求項10】
前記インパルス電源の数及び/又は前記電極スタックの数が変更可能であることを特徴とする、請求項
9に記載の装置(2,2’)。
【請求項11】
前記衝撃放電のパルスエネルギー又は放電エネルギーは、50kV未満の高電圧において50J未満であることを特徴とする、請求項
8に記載の装置(2,2’)。
【請求項12】
前記分解ユニット(22,22’)は、前記粉砕反応装置を収容する粉砕コンテナ(24,24’)を有することを特徴とする、請求項
8に記載の装置(2,2’)。
【請求項13】
前記ワークピース(4)が、重力によって直接的に前記粉砕反応装置の電極の前に位置するように、前記ワークピース(4)は、前記粉砕コンテナ(24,24’)の屋根を介して供給されることを特徴とする、請求項12に記載の装置(2,2’)。
【請求項14】
衝撃波処理により、電気めっきプラスチック製のワークピース(4)の被膜除去を行うに液中放電効果を使用する、方法。
【国際調査報告】