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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】皮膚特性把握方法および装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20240614BHJP
   A61B 5/107 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
A61B5/00 M
A61B5/107 800
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575513
(86)(22)【出願日】2022-06-16
(85)【翻訳文提出日】2023-12-04
(86)【国際出願番号】 IB2022055564
(87)【国際公開番号】W WO2022269416
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】63/212,827
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523457257
【氏名又は名称】スキンフィールド リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】マガル,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】マガル,エラド
【テーマコード(参考)】
4C038
4C117
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VB03
4C038VB22
4C038VC05
4C117XB01
4C117XB13
4C117XD05
4C117XE03
4C117XE04
4C117XE43
4C117XJ16
(57)【要約】
本発明は、いくつかの実施形態において、人間被験者の皮膚の特徴付けを可能にする方法及び装置に関する。その方法又は装置による皮膚の特徴付けの結果は、例えば、化粧品及び/又はスキンケア製品の選択を支援するため、及び/又はパーソナライズされた化粧品及び/又はスキンケア製品を製造するために必要な情報を提供するために使用することができる。
【選択図】図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚の特性を把握するために適した装置であって、
上面および下側接触面を有する本体を備え、
前記上面および前記下側接触面の両方が、0.2cm(直径0. 5cmの円に相当)以上且つ1020cm(18cm直径の円に相当)以下の面積を有し、
前記本体は30μm以上且つ10mm以下の厚さを有し、
前記接触面の少なくとも一部は、皮膚から皮脂を吸収した後に外観が変化する皮脂インジケータの表面を取り囲む接着剤担持部分を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記皮脂インジケータが、前記接触面の表面積の約5%から約50%を占める、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記皮脂インジケータが、皮脂吸収疎水性微多孔膜を備える、請求項1~2のいずれか一項に記載の装置。
【請求項4】
前記皮脂インジケータは、前記接触面上の1種類の前記皮脂吸収疎水性微多孔膜を備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記皮脂インジケータは、前記接触面上に少なくとも2つの異なるタイプの前記皮脂吸収疎水性微多孔膜を含み、各々異なる前記タイプの微多孔膜は異なる皮脂吸収特性を有する、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記皮脂インジケータは、表側と裏側とを有する垂直スペーサを備える微多孔膜アセンブリを含み、前記微多孔膜は、前記垂直スペーサの前記表側に取り付けられ、前記微多孔膜アセンブリは、前記垂直スペーサの前記裏側を通して装置の他の構成要素に取り付けられる、請求項3~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記接触面の前記接着剤担持部分を構成し、前記接触面上に前記微多孔膜を維持するように前記垂直スペーサの前記裏側にも接触する、接着剤層を備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記垂直スペーサは、約50μmから約250μmの間の厚さを有する、請求項6~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記接触面の前記接着剤担持部分は、前記接触面に向かって垂直方向から見たときに少なくとも2つの異なる色の部分、すなわち、前記接触面の水和特性部分を構成する前記接触面の濃い色の部分と、前記接触面の汚染特性部分を構成する前記接触面の薄い色の部分と、を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記本体の前記上面が非光沢であることと前記接触面が非光沢であることのうちの少なくとも1つを備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記本体の前記上面は、前記上面が現れる取得画像の色および/またはホワイトバランスのコンピュータによる補正を支援する少なくとも1つの画像補正機能を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記接触面は、前記接触面に対応する取得画像の一部分の歪みのコンピュータによる補正を支援する少なくとも1つの画像補正機能を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記本体は、伸縮性がないことと、人間の皮膚の不規則な曲面に適合する柔軟性と、剛性及び弾性とからなる群から選択される少なくとも1つの特性を前記本体に与える支持シートを備える、請求項1~12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の皮脂インジケータを含む装置を製造する方法であって、
a.表側および裏側を有する装置本体の支持シートであるのに適したシート状の材料を供給する工程と、
b.表側および裏側を有する垂直スペーサを含み、前記垂直スペーサの前記表側に微多孔膜が取り付けられた微多孔膜アセンブリを供給する工程と、
c.前記シート状の材料の前記表側を接着剤層で覆う工程と、
d.前記微多孔性膜アセンブリの前記垂直スペーサの前記裏面を、前記微多孔性膜アセンブリが前記接着剤層の表面によって囲まれている前記シート状の材料の前記表側を覆っている前記接着剤層に接触させ、それによって前記微多孔性膜アセンブリを前記シート状の材料の前記表側に付着させる工程と、
e.前記シート状の材料を切断して、皮脂インジケータを含む初期装置を得る工程と、を備え、
前記切断は、装置の初期皮脂インジケータを構成する微多孔膜アセンブリが、装置の接着剤担持部分を構成する前記接着剤層の表面によって取り囲まれるように行われる方法。
【請求項15】
前記シート状の材料は、約50μmから約450μmの間の厚さを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
「c」の前に、所望の色パターンを有する前記シート状の材料の前記表側に着色剤を塗布することをさらに含む、請求項14~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
皮脂インジケータとして使用するための微多孔膜アセンブリを製造する方法であって、
表側および裏側を有する垂直スペーサであるのに適したシート状の材料を供給する工程と、
前記表側を接着剤の層で覆う工程と、
前記表側を覆う前記接着剤の層に、皮脂吸収微多孔膜のシートを接着して積層ワークピースを作製する工程と、
前記積層ワークピースを切断して微多孔膜アセンブリを作製する工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
前記接着剤層が、約15μmと約30μmとの間の厚さを有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記シート状の材料が約50μmと約250μmとの間の厚さを有する、請求項17~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
皮膚の特性を把握するために適した装置であって、
上面および下側接触面を有する本体を備え、
前記上面および前記下側接触面の両方が、0.2cm2(直径0. 5cmの直径の円に相当)以上且つ1020cm2(直径18cmの円に相当)以下の面積を有し、
前記本体は、30μm以上且つ10mm以下の厚さを有し、
前記接触面の少なくとも一部は、皮膚から皮脂を吸収した後に外観が変化する皮脂インジケータの表面を備え、
前記皮脂インジケータは、前記接触面上の少なくとも2つの異なるタイプの前記皮脂吸収疎水性微多孔膜からなり、各々異なる前記タイプの微多孔膜は、異なる皮脂吸収特性を有することを特徴とする装置。
【請求項21】
皮膚の特性を把握するために適した装置であって、
上面及び下側接触面を有する本体を備え、
前記上面及び前記下側接触面の両方が、0.2cm(直径0.5cmの円に相当)以上且つ1020cm(18cmの直径の円に相当)以下の面積を有し、
前記本体は30μm以上且つ10mm以下の厚さを有し、
前記接触面の少なくとも一部は、前記接触面に向かって垂直方向から見たときに少なくとも2つの異なる色の部分、すなわち、前記接触面の水和特性部分を構成する前記接触面の濃い色の部分と、前記接触面の汚染特性部分を構成する前記接触面の薄い色の部分と、を含む接着剤担持部分を備えることを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2021年6月21日に出願された米国仮特許出願63/212,827から優先権を得ており、この仮特許出願は、参照により本明細書に完全に援用されるものとする。
【0002】
本発明は、いくつかの実施形態において、トイレタリーおよび化粧品の分野に関し、より詳細には、限定的ではないが、いくつかの実施形態において、人間被験者の皮膚、特に顔の皮膚の特徴付けを可能にする方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
その方法又は装置による皮膚の特徴付けの結果は、例えば、化粧品及び/又はスキンケア製品の選択を支援するため、及び/又はパーソナライズされた化粧品及び/又はスキンケア製品を製造するために必要な情報を提供するために使用することができる。
【0004】
肌の水分(乾燥肌から潤い肌)、油分(皮脂分泌:普通肌、乾燥肌、脂性肌、混合肌)、pHレベル、かさつき・落屑、敏感さなど、人によって肌の特徴は異なる。
ほとんどの化粧品は、普通肌用として処方されている。一般的な人は、自分の肌に合うものを見つけるまで複数の化粧品を試し、その化粧品を使い続ける。化粧品の中には、乾燥肌用や脂性肌用など、特殊な肌のために処方され、販売されているものもある。自分の肌が普通でないと思っている人、例えば、普通の肌に合う製剤を見つけられなかった人は、そのような特別な製剤を試用し、合うものを見つけることができる。
特別な化粧品製剤のマーケティングを支援し、人の肌タイプを特定し、肌タイプを特定するために、肌の特徴を判定するための肌テスト装置が存在する。
【0005】
Courage+Khazaka electronic GmbH社(ドイツ、ケルン)は、ショッピングモール、公共エリア、ショー、エステティックサロン、皮膚科医の診療所などでの販売時に、化粧品やトリートメントを宣伝するための皮膚特性判定用の特別な電子・光学機器を開発した。
【0006】
同社はまた、以下のような、皮膚を定性的に特徴付けるためのシングルユース機器も提供している。
【0007】
Corneofix(登録商標) CF 20は、乾燥肌や損傷肌の水分レベルを測定するためのもので、2cm×2cm、厚さ0.1mmの透明な裏箔に接着面が付いている。接着面を皮膚に密着させ、皮膚の表層から死んだ角質細胞を集める。水分が少なく、かつ/または損傷した皮膚では、より厚く大きな角質細胞が接着面に付着し、湿った皮膚全体では小さな規則的な薄片が見られる。従って、この装置は皮膚の水分やかさつきを視覚化することができる。同様の装置には、USP Indicator Solutions社(オーストリア、クラーゲンフルト・アム・ヴォルテルゼー)の装置や、Clinical & Derm LLC社(米国テキサス州ダラス)の装置によるD-Squame(登録商標)ディスクがある。
【0008】
セブフィックス(登録商標)SF16は、1.7cm×1.7cm、厚さ0.2mmの裏箔で、皮脂吸収面と接着面が反対側になっている。皮脂吸収面は疎水性の微多孔膜(例えばポリプロピレン製)によって画定され、微多孔が空気で満たされているところでは不透明であるが、皮脂などの油で満たされているところでは透明である。接着面を介して箔を使用者の指に貼り付けたまま、皮脂吸収面を皮膚に接触させて皮脂を吸収させ、目に見えるシミを作る。斑点が多く大きいことは、皮脂腺の活動が活発(脂性肌)であることを示し、斑点が少なく小さいことは、皮脂腺の活動が少ない(脂性肌ではない)ことを示す。この箔の関連技術には、US4,532,937、US5,119,828およびUS5,935,521が含まれ、これらはすべて、参照により本明細書に完全に記載されているかのように含まれる。類似の装置としては、USP Indicator Solutions社(オーストリア、クラーゲンフルト・アム・ヴォルテルゼー)の装置や、Clinical & Derm LLC社(米国テキサス州ダラス)のSebutape(登録商標)
Skin Indicatorがある。
【0009】
セブパッドSP 49は、直径1.4cm、厚さ1cmの発泡パッドで、セブフィックス(登録商標)SF 16と同様に機能する油吸収性の面を持つ。
【0010】
これらの装置では、皮膚の脂性レベルまたは皮膚の水分レベルは、基準カードとの比較または画像処理ソフトウェアを使用して定性的に評価される。
【0011】
例えば、消費者が家庭で使用する場合に、簡便に皮膚の特性把握を支援できる装置があれば便利である。
【発明の概要】
【0012】
本明細書における本発明のいくつかの実施形態は、人間被験者の皮膚、特に顔の皮膚の特性を把握するのを可能にする方法及び装置に関する。その方法又は装置による皮膚の特徴付けの結果は、例えば、化粧品及び/又はスキンケア製品の選択を支援するため、及び/又はパーソナライズされた化粧品及び/又はスキンケア製品を作るため、及び/又はスキンケアルーティンを処方/提供するため、及び/又は真皮分析のために必要な情報を提供するために使用することができる。
【0013】
本明細書の教示のいくつかの実施形態の一態様によれば、皮膚の特性を把握するのに適した装置が提供され、上面および下側接触面を有する本体と、上面および下側接触面は両方とも、0.2cm(直径0.5cmの円に相当する)以上且つ1020cm(18cmの直径の円に相当する)以下の面積を有し、本体は30μm以上且つ10mm以下の厚さを有し、接触面の少なくとも一部は、皮膚から皮脂を吸収した後に外観を変化させる皮脂インジケータの表面を取り囲む接着剤担持部分を備える。
【0014】
いくつかの実施形態において、皮脂インジケータは、接触面の表面積の約5%~約50%を占める。
【0015】
いくつかの実施形態では、皮脂インジケータは、皮脂吸収疎水性微多孔膜を備える。いくつかの実施形態において、皮脂インジケータは、接触面上の単一タイプの皮脂吸収疎水性微多孔膜を備える。あるいは、いくつかの実施形態において、皮脂インジケータは、接触面上の少なくとも2つの異なるタイプの皮脂吸収疎水性微多孔膜を備え、各異なるタイプの微多孔膜は、異なる皮脂吸収特性を有する。
【0016】
いくつかの実施形態において、皮脂インジケータは、表側および裏側を有する垂直スペーサを含む微多孔膜アセンブリを含み、装置の微多孔膜は、垂直スペーサの表側に取り付けられ、そして微多孔膜アセンブリは、垂直スペーサの裏側を通して装置の他の構成要素に取り付けられる。
【0017】
いくつかの実施形態において、装置は、接触面の接着剤担持部分を構成し、接触面上の微多孔膜を維持するように垂直スペーサの裏面にも接触する接着剤層を備える。
【0018】
いくつかの実施形態では、垂直スペーサは約50μmから約250μmの間の厚さを有する。
【0019】
いくつかの実施形態において、接触面の接着剤担持部分は、接触面に向かって垂直方向から見たときに、少なくとも2つの異なる色の部分と、接触面の水和特性部分を構成する接触面の濃い色の部分と、接触面の汚染特性部分を構成する接触面の薄い色の部分と、を含む。
【0020】
本明細書の教示のいくつかの実施形態の一態様によれば、皮膚の特性を把握するのに適した装置も提供され、この装置は:上面および下側接触面を有する本体;上面および下側接触面は共に、0.2cm(直径0. 5cmの直径の円に相当する)以上1020cm(18cmの直径の円に相当する)以下の面積を有し;本体は、30μm以上10mm以下の厚さを有し、接触面の少なくとも一部は、皮膚から皮脂を吸収した後に外観を変化させる皮脂インジケータの表面からなり、皮脂インジケータは、接触面上の少なくとも2つの異なるタイプの皮脂吸収疎水性微多孔膜からなり、各異なるタイプの微多孔膜は、異なる皮脂吸収特性を有する。
【0021】
本明細書の教示のいくつかの実施形態の一態様によれば、皮膚の特性を把握するのに適した装置も提供され、上面および下側接触面を有する本体と、上面および下側接触面は両方とも、0.2cm(直径0. 5cmの直径の円に相当する)以上且つ1020cm(18cmの直径の円に相当する)以下の面積を有し、本体は、30μm以上10mm以下の厚さを有し、接触面の少なくとも一部は、接触面に向かって垂直方向から見たときに、少なくとも2つの異なる色の部分、すなわち、接触面の水和特性部分を構成する接触面の濃い色の部分と、接触面の汚染特性部分を構成する接触面の薄い色の部分と、を含む接着剤担持部分を備える。
【0022】
いくつかの実施形態において、本明細書の教示による装置は、本体の上面が非光沢であることと接触面が非光沢であることのうちの少なくとも1つを有する。
【0023】
いくつかの実施形態では、本体の上面は、上面が現れる取得画像の色及び/又はホワイトバランスのコンピュータによる補正を支援する少なくとも1つの画像補正機能を備える。
【0024】
いくつかの実施形態では、接触面は、接触面に対応する取得画像の一部分の歪みのコンピュータによる補正を支援する少なくとも1つの画像補正機能を備える。
【0025】
いくつかの実施形態において、本体は、伸縮性がないことと、人間の皮膚の不規則な曲面に適合する柔軟性と、剛性及び弾性とからなる群から選択される少なくとも1つの特性を本体に与える支持シートを備える。
【0026】
本明細書の教示のいくつかの実施形態の態様によれば、本明細書に記載の皮脂インジケータを含む装置を製造するための方法も提供され、この方法は、
a.表側および裏側を有する装置の本体の支持シートであるのに適したシート状の材料を提供する工程と、
b.表側および裏側を有する垂直スペーサを含み、垂直スペーサの表側に微多孔膜が取り付けられた微多孔膜アセンブリを提供する工程と、
c.シート状の材料の表側を接着剤の層で覆う工程と、
d. 微多孔性膜アセンブリの垂直スペーサの裏面を、微多孔性膜アセンブリが接着剤層の表面によって囲まれているシート状の材料の表側を覆っている接着剤層に接触させ、それによって微多孔性膜アセンブリをシート状の材料の表側に付着させる工程と、
e.シート状の材料を切断して、皮脂インジケータを含む初期装置を得る工程と、
を備え、
その切断は、装置の初期皮脂インジケータを構成する微多孔膜アセンブリが、装置の接着剤担持部分を構成する接着剤の層の表面によって取り囲まれるように行われる。
【0027】
いくつかの実施形態において、シート状の材料は、約50μmと約450μmとの間の厚さを有する。追加的または代替的に、いくつかの実施形態において、この方法は、「c」の前に、所望の色パターンを有するシート状の材料の表側に着色剤を塗布することをさらに含む。
【0028】
本明細書の教示のいくつかの実施形態の一態様によれば、皮脂インジケータとして使用するための微多孔膜アセンブリを製造するための方法も提供され、
表側および裏側を有する垂直スペーサであるのに適したシート状の材料を供給する工程と、
シートの表側を接着剤の層で覆う工程と、
シートの表側を覆う接着剤の層に、皮脂吸収微多孔膜のシートを接着して積層ワークピースを作製する工程と、
積層ワークピースを切断して微多孔膜アセンブリを作製する工程と、
を含む。
【0029】
いくつかの実施形態において、シートの表側を覆う接着剤層は、約15μmから約30μmの間の厚さを有する。いくつかの実施形態において、シート状の材料は、約50μmと約250μmとの間の厚さを有する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明のいくつかの実施形態は、添付の図を参照して本明細書で説明される。本明細書は、図と共に、本発明のいくつかの実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。図は、説明のためのものであり、本発明の基本的理解に必要な以上に詳細に実施形態の構造的詳細を示そうとするものではない。分かりやすくするために、図に描かれているいくつかの物体は縮尺通りではない。
図1A】汚染特性部分および水和特性部分を有する本明細書の教示による装置の実施形態を概略的に示す、保護カバーなしの底面図である。
図1B】汚染特性部分および水和特性部分を有する本明細書の教示による装置の実施形態を概略的に示す、保護カバー付きの底面図である。
図1C】汚染特性部分および水和特性部分を有する本明細書の教示による装置の実施形態を概略的に示す、平面図である。
図1D】汚染特性部分および水和特性部分を有する本明細書の教示による装置の実施形態を概略的に示す、概略側断面図である。
図2A】汚染特性部分および水和特性部分を有する本明細書の教示による装置の追加の実施形態を概略的に示す、保護カバーなしの底面図である。
図2B】汚染特性部分および水和特性部分を有する本明細書の教示による装置の追加的な実施形態を概略的に示す、保護カバー付きの底面図である。
図2C】汚染特性部分および水和特性部分を有する本明細書の教示による装置の追加的な実施形態を概略的に示す、平面図である。
図2D】汚染特性部分および水和特性部分を有する本明細書の教示による装置の追加的な実施形態を概略的に示す、概略側断面図である。
図3A】皮脂特徴付け部を有する本明細書の教示による装置の追加の実施形態を概略的に示す、保護カバーなしの底面図である。
図3B】皮脂特徴付け部を有する本明細書の教示による装置の追加の実施形態を概略的に示す、概略側断面図である。
図4A】皮脂特性部分を有する本明細書の教示による装置の追加の実施形態を概略的に示す、保護カバーなしの底面図である。
図4B】皮脂特性部分を有する本明細書の教示による装置の追加の実施形態を概略的に示す、概略側断面図である。
図5A】2つの皮脂特性部分を有する本明細書の教示による装置の追加の実施形態を概略的に示す、保護カバーなしの底面図である。
図5B】2つの皮脂特性部分を有する本明細書の教示による装置の追加の実施形態を概略的に示す、概略側断面図である。
図5C】2つの皮脂特性部分を有する本明細書の教示による装置の追加の実施形態を概略的に示す、概略分解図である。
図6A】本明細書の教示による異なる装置の接触面を示している。
図6B】本明細書の教示による異なる装置の接触面を示している。
図6C】本明細書の教示による異なる装置の接触面を示している。
図6D】本明細書の教示による異なる装置の接触面を示している。
図6E】本明細書の教示による異なる装置の接触面を示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本明細書における本発明のいくつかの実施形態は、いくつかの実施形態において、人間被験者の皮膚、特に顔の皮膚の特性を把握するのを可能にする方法および装置に関する。方法又は装置による皮膚の特性を把握した結果は、例えば、化粧品及び/又はスキンケア製品の選択を支援するため、及び/又はパーソナライズされた化粧品及び/又はスキンケア製品を作るため、及び/又はスキンケアルーティンの処方/提供のため、及び/又は真皮分析のために必要な情報を提供するために使用することができる。いくつかの実施形態において、装置は、訓練を受けていない人、例えば、消費者が自宅で使用することができる。
【0032】
本発明の教示の原理、使用および実施は、添付の説明および図を参照することにより、よりよく理解され得る。本明細書に提示された説明および図を熟読すれば、当業者は、過度の努力または実験をすることなく、本発明の教示を実施することができる。図において、同様の参照数字は、全体を通して同様の部品を指す。
【0033】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、本明細書に記載された構造の詳細および構成要素および/または方法の配置に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態、または様々な方法で実施もしくは実行可能である。本明細書で使用される語句および用語は、説明のためのものであり、限定的なものとみなされるべきではない。本明細書の教示は、皮膚の特性を把握するのに有用な装置の複数の例示的な実施形態を開示する。
【0034】
二色背景接着装置
いくつかの実施形態において、本明細書の教示は、上面および下面(ここではさらに接触面と呼ぶ)を有する薄い本体を有する装置を提供する。接触面の少なくとも一部は、接着剤担持部分と呼ばれ、接着剤で覆われている。接触面に垂直な方向から見たとき、接着剤担持部分は、接触面の水和特性部分を構成する濃色部分と、接触面の汚染特性部分を構成する淡色部分との少なくとも2つの異なる色の部分を含む。
【0035】
使用時には、接触面を人の皮膚表面(例えば、額や頬の皮膚)に押し当てる。接触面の接着剤担持部分は、一定時間、典型的には少なくとも5秒間、接触面を人の皮膚に付着させた状態を維持する。この間、汚れや汚濁の粒子や、角質細胞のような古い皮膚細胞が、接触面の接着剤担持部分の接着剤に付着する。
【0036】
希望する場合、使用者は(好ましくは、絆創膏の技術分野で知られているように、剥がすことによって)皮膚から装置を取り外す。その後、接触面は、任意の適切な方法で検査され、好ましい実施形態では、接触面のデジタル画像を取得し、取得されたデジタル画像のコンピュータ解析を行う。
【0037】
汚れおよび汚染粒子は一般的に暗色であるため、接触面の明るい色の汚染特性部分に対して明確に観察可能である。汚染特性部分の明るい背景に対して検出される暗い色の粒子の数が多ければ多いほど、皮膚はより汚染されていることになる。
【0038】
角質細胞のような死んだ皮膚細胞は一般的に淡色であるため、接触面の濃い色の水和特性部分に対してはっきりと観察できる。水和特性部分の暗い背景に対して比較的多くの明るい色の粒子が検出された場合、皮膚は乾燥して鱗状になり、古い皮膚細胞が容易に剥がれ落ちていることが理解される。対照的に、水和特性部分の暗い背景に対して比較的少数の明るい色の粒子が検出された場合、皮膚は水和しており、皮膚細胞を容易に剥離しないことが理解される。
【0039】
したがって、2つの異なる色の部分からなる接触面の検査、特に接触面のデジタル画像のコンピュータ化された分析により、当該技術分野で知られているように、汚染のレベルおよび皮膚の水分補給のレベルの特性を把握することができる。コンピュータによる分析は、定量的、定性的、またはその両方に構成することができる。
【0040】
したがって、本明細書の教示のいくつかの実施形態の一態様によれば、皮膚の特性を把握するのに適した装置が提供され、それは、上面および下側接触面を有する本体を備え、上面および下側接触面は両方とも、0.2cm(直径0.5cmの円に相当)以上且つ1020cm(直径18cmの円に相当する)以下の面積を有し、本体は30μm以上10mm以下の厚さを有し、接触面の少なくとも一部は、接触面に向かって垂直方向から見たときに少なくとも2つの異なる色の部分、すなわち、接触面の水和特性部分を構成する接触面の濃い色の部分と、接触面の汚染特性部分を構成する接触面の薄い色の部分を含む接着剤担持部分と、を備える。
【0041】
本明細書の教示による装置の例示的な実施形態である装置10は、図1A(保護カバーなしの底面図)、図1B(保護カバー付きの底面図)、図1C(平面図)および図1D(概略側断面図)に概略的に示されている。図1Dでは、装置本体を構成する層の詳細を見ることができるように、構成要素の相対的な垂直方向のサイズおよび垂直方向の縮尺が歪められている。装置10は、本体12と、上面14および下側接触面16と、を含んでいる。
【0042】
本体12は、厚さ250μmのポリカーボネート(Lexan(登録商標))支持シート18を備え、寸法5cm×3cmの楕円形で、11.8cmの表面積を有する。
【0043】
支持シート18の上面は、厚さ20μmのノングレアインク層20aで全体的に被覆されている。
【0044】
支持シート18の下側は、厚さ20μmのノングレアインク層20bで全体的に被覆されている。
【0045】
インク層20aおよび20bのインクは、ポリカーボネート印刷の技術分野で知られている任意の適切な方法、例えばスクリーン印刷またはデジタル印刷を用いて、支持シート18の両面に塗布される。
【0046】
図1Aに見られるように、支持シート18の下側のインク層20bは、白インクの楕円リングによって囲まれた黒インクの中央楕円を含んでいる。
【0047】
支持シート18の下側のインク層20bの表面には、厚さ50μmの層22bで被覆された厚さ75μmの透明ポリエチレンキャリアフィルム22aと、医療用に設計された厚さ35μmの透明アクリル接着剤層22cとからなる厚さ160μmの両面接着フィルム22(米国カリフォルニア州グレンデールのAvery -Dennison社製MED 6000)の4.5cm×2.5cm(表面積8.8cm)の楕円形が貼り付けられている。接着剤層22bは、接着フィルム22をインク層20bに固定する。
【0048】
接着剤層22cは、接触面16の接着剤担持部分24を画定する。接着フィルム22は透明なので、インク層20bは接触面16を通してはっきりと見られる。図1Aのように接触面16に向かって垂直方向から見ると、接着剤担持部分24の中央の楕円形部分は濃色(黒色)であり、それによって接触面16の水和特性部分24aを構成し、淡色(白色)である楕円形リングによって囲まれており、それによって接触面16の汚染特性部分24bを構成している。
【0049】
装置10の本体12の厚さ26は、上面14と中央に位置する接着剤担持部分24との間(接触面16の表面積の75%を占める)で450μmであり、周辺部(接触面16の表面積の25%を占める)では290μmしかない。
【0050】
本明細書の教示による装置の追加の例示的な実施形態である装置28は、図2A(保護カバーなしの底面図)、図2B(保護カバー付きの底面図)、図2C(平面図)および図2D(概略側断面図)に概略的に描かれている。図2Dでは、装置本体を構成する層の詳細を見ることができるように、構成要素の相対的な垂直方向のサイズおよび垂直方向の縮尺が歪められている。装置28は、本体12と、上面14および下側接触面16と、を含んでいる。本体12は、厚さ250μmのポリカーボネート(Lexan(登録商標))支持シート18をからなり、寸法4cm×2cmの長方形で、8cmの表面積を有し、狭い辺の一方から0.5cm×0.5cmのタブ30が延びている。
【0051】
装置10と同様に、装置28では、支持シート18の上面は、20μmの厚さのノングレアインクの層20aで全体的に被覆され、支持シート18の下面は、20μmの厚さのノングレアインクの層20bで全体的に被覆されている。図2Aに見られるように、支持シート18の下側のインク層20bは、2cm×2cmの正方形の黒インク(タブ30に0.5cm×0.5cmの「アペンディックス」を有する)と、2cm×2cmの正方形の白インクとを含む。
【0052】
支持シート18の下側のインク層20bの表面には、タブ30を除いて下側を完全に覆う4cm×2cmの長方形の両面接着フィルム22が貼り付けられている。装置10と同様に、接着フィルム22は、Avery -Dennison社製の厚さ160μmのMED6000であり、接着剤層22bおよび22cを有する。接着剤層22bは、接着フィルム22をインク層20bに固定する。
【0053】
接着剤層22cは、接触面16の接着剤担持部分24を画定する。接着フィルム22は透明であるため、インク層20bは接触面16を通してはっきりと見える。図2Aのように接触面16に向かって垂直方向から見ると、接着剤担持部分24の1つの正方形部分は濃色(黒色)であり、それによって接触面16の水和特性部分24aを構成し、接着剤担持部分24の別の正方形部分は淡色(白色)であり、それによって接触面16の汚染特性部分24bを構成する。
【0054】
装置28の厚さ26は、(接触面16の表面積の6%を占める)タブ30の厚さがわずか290μmであることを除いて、(接触面16の表面積の94%を占める)上面14と中央に位置する接着剤担持部分24との間で450μmである。
【0055】
本体
本体の大きさは任意である。好ましくは、本体は、パッケージからの取り出し、皮膚への適用、および皮膚からの除去を含め、人が装置を容易に操作できるように十分に大きい。本体は、好ましくは、接触面を皮膚に適用することを困難にするほど大きくない。いくつかの好ましい実施形態では、本体の大きさは、接触面が0.2cm(直径0.5cmの円に相当)以上且つ1020cm(直径18cmの円に相当)以下の表面積を有するような大きさである。より好ましくは、接触面は0.8cm(直径1cmの円に相当)以上の表面積を有する。装置10(図1)および28(図2)の接触面16は、それぞれ11.8cmおよび8cmの表面積を有する。
【0056】
本体の厚さは任意である。好ましくは、本体は、軽量であり、皮膚に付着した状態で写真撮影したときに実質的な影を落とさないように、また、包装/製造を簡単にするために、できるだけ薄く、しかし、好ましくは、平均的な人間によって操作しやすく、通常の使用中に破れるような薄っぺらなものではなく、十分に頑丈であるように、十分に厚い。典型的な実施形態では、本体は30μm以上且つ10mm以下の厚さを有するが、これは本体が作られる材料によって少なくとも部分的に決定される。装置の手作業を容易にするために、いくつかの好ましい実施形態では、本体の厚さは約50μm以上、さらには約100μm以上である。さらに、または代替的に、いくつかの実施形態では、装置の厚さは約5mm以下である。装置10(図1)および28(図2)は、特に支持シート18の剛性に起因して、十分に堅牢であり、薄っぺらくない、450μmの厚さ(図中、厚さは26で表示されている)を有する。
【0057】
好ましくは、本体は伸縮性ではなく、すなわち、接触面/上面に垂直な方向に人間が手動で加える伸縮力は、本体を5%以下、好ましくは3%以下、さらには1%以下伸縮させる。伸縮性のある本体は、適用方法に応じて異なる大きさの皮膚表面に付着し、皮膚から剥がされたときに歪み、皮膚の汚染/皮膚の水和のレベルを把握するときに不正確さをもたらす。装置10および28の本体12は、ポリカーボネート支持シート18のために伸縮性がない。
【0058】
本体は、好ましくは、接触面の接着剤担持部分が皮膚と十分に接触できるように、人間の皮膚の典型的に不規則に湾曲した表面に適合するように十分に柔軟である。装置10および28の本体12は、ポリカーボネート支持シート18が厚すぎないため、十分に柔軟である。
【0059】
いくつかの好ましい実施形態では、本体は硬く、自立性であり、すなわち、装置が一端によって重力ベクトルに対して垂直に保持されるとき、本体は、重力の結果として10%以下、より好ましくは5%以下たるまない。好ましくは、本体は、装置が皮膚表面に付着し、例えば指を用いて装置を皮膚に押し付けることによって外面に外力が加えられたときに、加えられた力が皮膚表面にわたって分散され、力が加えられた部分の下に局在化したままにならないように、十分に硬い。いくつかの代替実施形態では、本体は(例えば、ティッシュまたは先行技術の絆創膏のように)適合性を有し、本体および接触面が皮膚表面に適合することを可能にし、装置をテーブルのような平らな表面上に接触面を上にして置くと、装置の本体は、それが置かれる平らな表面の平らな形状を取る。
【0060】
いくつかの好ましい実施形態において、本体は弾性を有し、好ましくは通常平坦であり、すなわち、外力によって拘束されないとき、湾曲した形状から平坦な形状に戻る。このような弾性は、本体の湾曲によって生じる影や歪みの恐れなしに、接触面の鮮明な画像を取得することを可能にする。このような実施形態では、曲がった本体を平坦に戻す本体の固有の弾性力は、装置が皮膚表面から早期に脱落する原因となる接着剤担持部分の皮膚への接着力を克服するほど強くないことが好ましい。いくつかの実施形態では、曲がった本体を平坦に戻す固有の力は、接着剤担持部分を介して額に取り付けられたときに、下側の接触面が人間の成人の額の乾燥した皮膚の湾曲に適合するように装置が構成され、接着剤担持部分が接触面を皮膚に少なくとも5秒間、さらには少なくとも10秒間、好ましくはそれ以上固定した状態を維持できるように力が十分に弱いものとして定量化される。装置10(図1)および28(図2)の本体12は、ポリカーボネート支持シート18により弾性があり、通常の平坦な形状である。装置10および28は、特に、接着剤担持部分24の表面積、接着剤層22cの乾燥した人間の皮膚に対する接着力、およびポリカーボネート支持シート18の厚さにより、成人の人間の額の湾曲した乾燥した皮膚表面への実質的に無制限の接着時間を可能にするように構成される。
【0061】
典型的には、本体は、ラミネート加工されており、すなわち、平坦な材料、例えば、シート、箔、テープなどの1層以上の層で作られている。いくつかの実施形態では、本体は光透過性ではない。典型的には、本体は、2つ以上の材料の層、例えば、装置10および28のような異なる重なり合うシートを備える。いくつかの実施形態では、本体は均一な厚さを有する。あるいは、いくつかの実施形態では、本体は、異なる厚さを有する領域を有する。装置10および28の本体は、異なる厚さの領域、装置10では周辺部、装置28ではタブ30を有する。
【0062】
本体が作られる材料は、プラスチック(PET、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン)、金属および/または金属化プラスチックなど、上記の要件の1つ、いくつか、好ましくはすべてを満たすことができる任意の材料または任意の適切な材料の組み合わせから作られる。
【0063】
いくつかの実施形態では、本体は、伸縮性がなく、人間の皮膚の不規則に湾曲した表面に適合するように柔軟であり、剛性および弾性があり、引き裂きに対する耐性があるなどの所望の特性の一部または全部を本体に提供する支持シート(例えば、図1の装置10および図2の装置28のシート18)を備える。好ましい実施形態では、支持シートの厚さは約50μm以上且つ約450μm以下である。いくつかのそのような実施形態では、支持シートは、約80μm以上の厚さ、約100μm以上の厚さ、約150μm以上の厚さ、さらには約200μm以上の厚さである。さらに、または代替的に、いくつかのそのような実施形態では、支持シートは、約400μm以下の厚さ、さらには約350μm以下の厚さである。
【0064】
好ましい実施形態では、支持シートはLexan(登録商標)などのポリカーボネートである。Lexan(登録商標)のようなポリカーボネートは、本明細書の教示による装置の本体の支持シートを作製するための例外的に好適な材料であることが驚くべきことに判明している。必要な厚さを有するこのようなポリカーボネートの支持シートは、装置の本体を非伸縮性、可撓性、十分な適合性、弾性、および引き裂きに対する耐性を有するようにするのに役立つことが判明している。ポリカーボネートは、適切な色で入手可能であり、および/または、適用された色を担持することができ、適切な接着剤を担持することができる。
【0065】
接着剤担持部分
上述のように、いくつかの実施形態において、本明細書の教示の装置の接触面の少なくとも一部は、接触面に向かって垂直方向から見たときに、少なくとも2つの異なる色の部分、すなわち、接触面の水和特性部分を構成する暗い色の部分と、接触面の汚染特性部分を構成する明るい色の部分と、を含む接着剤担持部分を備える。
【0066】
いくつかの実施形態では、接着剤担持部分は接触面全体である。あるいは、いくつかの実施形態では、接着剤担持部分は接触面の少なくとも50%であり、そのようないくつかの実施形態では、接触面の少なくとも5%は接着剤がない。好ましい実施形態では、接着剤がない接触面の部分の少なくとも一部は、接触面の周縁部に位置し、装置が接着された皮膚から装置を取り外すのを補助し、例えば、接触面の周縁部の一部(例えば、装置10)であるか、または接触面の周縁部に位置するタブ(例えば、装置28)である。いくつかの実施形態では、接着剤担持部分は接触面の少なくとも60%、さらには少なくとも70%である。
【0067】
装置10(図1)では、接触面16の表面積の75%が中央に位置する接着剤担持部分24であり、接触面16の残りの周辺部分20は接着剤を担持していない。装置10は、接着剤のない周辺部分の任意の部分を把持し、装置10を皮膚から剥がすことにより、接着された皮膚表面から容易に除去される。
【0068】
装置28(図2)では、接触面16の表面積の94%が接着剤担持部分24であり、接触面16の表面積の6%であるタブ30のみが接着性を有しない。装置28は、タブ30を把持して装置28を皮膚から剥がすことにより、付着した皮膚表面から容易に剥がすことができる。支持シート18は、装置28が破れることなく剥がされることを保証する。
【0069】
好ましい実施形態では、接着剤担持部分、好ましくは、装置の接触面の全体は、非光沢(例えば、艶消し)であるので、フラッシュで写真撮影したときに、接触面がフラッシュからの光を鏡面反射して、取得画像の品質を低下させることがない。装置10および装置28の両方において、接触面16を被覆するための非光沢インクの層20bの塗布により、特に接触面16の全体が非光沢である。非光沢の接触面は、例えば、本体、着色剤および接着剤が接触面上に明らかな材料の適切な選択によって、任意の適切な方法で提供することができる。当業者であれば、ノングレア接触面を実現するために適切な材料を選択することができる。
【0070】
接着剤
本明細書の教示による装置の接触面の接着剤担持部分に存在する接着剤は、任意の適切な接着剤、好ましくは医療用の接着剤であり、好ましくは低刺激性である。上述したように、接着剤は、適切な期間、装置を皮膚に付着させたままにするのに十分であるが、実質的な損傷または不快感を引き起こすことなく、好ましくは損傷または不快感を引き起こすことなく、例えば剥離によって、所望のときに装置を皮膚から取り外すことも可能にする。
【0071】
典型的には、装置の構成要素および構造は、装置が、皮膚への適用後少なくとも5秒間、さらには少なくとも10秒間、乾燥した人間の皮膚に可逆的に付着するように構成され(ただし、使用者は、装置をより早く除去することを選択することができる)、この付着は、接触面を人間の皮膚と密接に接触させた状態に維持するのに十分である。この文脈において、「乾燥した人間の皮膚」とは、そこに水分がない皮膚表面を指し、必要であれば、絆創膏の技術分野で知られているように、タオルで皮膚表面をしみ込ませることによって達成することができる。接着剤は人の皮膚に可逆的に接着するように構成されており、絆創膏の技術分野で知られているように、人が実質的な痛みや不快感を生じることなく、接触面を皮膚から手動で切り離すことができる。任意の適切な接着剤を使用することができ、例えば、ゴム接着剤およびメタクリレートおよびエポキシジアクリレートを含むアクリレートのような、絆創膏の技術分野で公知の接着剤(例えば、ジョンソン&ジョンソン、ニューブランズウィック、ニュージャージー、米国によるBAND-AID(登録商標))を使用することができる。接着剤は、接着剤の技術分野で知られているように、任意の適切な方法で装置の他の構成要素に取り付けられる。接着剤を他の装置の構成要素に接着して装置の接着剤担持表面を作るのに特に適した方法は、両面接着フィルムの使用によるものであることが判明している。適切なそのような接着フィルムは、特にAvery-Dennison社から市販されている。いくつかの実施形態では、ループタック試験法(Finat Test Method No.9)を用いて測定される接着剤の強度は、少なくとも約19N/25mm(例えば、米国カリフォルニア州グレンデールのAvery Dennison社製のアクリル接着剤付きMED 6000ダブルコートコンフォーマブルポリエチレンフィルムのようなもの)であり、約72N/25mm(例えば、Avery Dennison社製のゴム接着剤付きMED 6323ダブルコートコンフォーマブルポリエステルフィルムのようなもの)以下である。
【0072】
接触面の淡色汚染特性部分
接着剤担持部分の淡色部分は、接触面の汚染特性部分を構成する。
【0073】
いくつかの実施形態において、接着剤担持部分の淡色部分は、マンセル表色系において7~9の明度を有する任意の色である。好ましい実施形態では、接着剤担持部分の淡色部分は白色である。
【0074】
いくつかの実施形態では、接着剤担持部分の淡色部の接着剤は淡色である。
【0075】
さらに、または代替的に、いくつかの実施形態では、接着剤担持部分の淡色部分の接着剤の下にある成分の色は淡色である。装置10および28の淡色汚染特性部分24bに対応する透明両面接着フィルム22の下にあるインク層20bの色は白である。
【0076】
装置の淡色汚染特性部分が皮膚に接触すると、汚れ、ほこり、ススのような汚染の粒子が接着剤に付着する。皮膚表面の汚染度を判定するため、皮膚の粒子が下地の淡色の背景に対して目に見えない間、多数の汚染粒子が明らかになるため、淡色の汚染判定部分を含む接触面の画像が取得され、公知の画像解析技術を使用してコンピュータで解析され、汚染量と皮膚の清浄度の定性的および/または定量的評価が行われる。
【0077】
接触面の濃い色の水和特性部分
接着剤担持部分の暗色部は、接触面の水和特性部分を構成する。
【0078】
いくつかの実施形態において、接着剤担持部分の暗色部は、マンセル表色系において0~2の明度を有する任意の色である。好ましい実施形態では、接着剤担持部分の暗色部は黒色である。
【0079】
いくつかの実施形態では、接着剤担持部分の濃色部の接着剤は濃色である。
【0080】
さらに、または代替的に、いくつかの実施形態では、接着剤担持部分の濃色部の接着剤の下にある成分の色は、濃色である。装置10および28の濃色水和特性部分24aに対応する透明両面接着フィルム22の下にあるインク層20bの色は黒色である。
【0081】
水和特性部分は、皮膚の水和に関連する皮膚のかさつき/水分の特性を把握するために使用される。皮膚と接触すると、角質細胞のような緩んだ皮膚細胞が接着剤に付着する。正常な皮膚では、付着した皮膚細胞は比較的小さく薄い。乾燥肌やダメージ肌では、付着する皮膚細胞は比較的大きく厚い。皮膚表面の水和の特性を把握するために、濃い色の水和特性部分を含む接触面の画像が取得され、既知の画像解析技術を使用してコンピュータで解析され、下地の濃い色の背景に対して皮膚細胞が明白であるため、付着した皮膚細胞の量と大きさの定性的および/または定量的評価を与える。この特徴付けは、USP Indicator Solutions装置を用いて行われる皮膚の水分補給の特徴付けと同様である。
【0082】
濃色/淡色部分の相対的配置
接触面の淡色の汚染特性把握部分および濃色の水和特性部分は、任意の適切な形状であり、任意の適切なパターンまたは相対的配置で接触面上に配置される。
【0083】
いくつかの実施形態では、装置10および28のように、2つの部分のそれぞれが単一の連続部分である。いくつかの代替実施形態では、2つの部分の一方または両方は、少なくとも2つの物理的に分離した部分から構成される。
【0084】
いくつかの実施形態では、装置10および28のように、濃色部分と淡色部分とが互いに接している。いくつかの代替実施形態では、濃色部分と淡色部分の境界は、物理的に一方が他方から分離されている。
【0085】
いくつかの実施形態では、2つの部分のうちの一方が、2つの部分のうちの他方を包囲する。装置10(図1)において、淡色汚染特性部分24bは、濃色水和特性部分24aを包囲する。いくつかの関連する代替実施形態では、濃色水和特性部分は、明るい色の淡色汚染特性部分を取り囲む。
【0086】
皮脂特性部分を有する装置
冒頭で述べたように、疎水性の微多孔性膜(例えば微多孔性ポリプロピレン製)を皮膚に押し付けて皮膚から皮脂を吸収することが知られている。通常不透明な膜は、皮脂が吸収された場所では透明になる。微多孔性膜を分析することにより、皮脂腺の活性(例えば、脂性肌か脂性肌でないか)の特性を把握することができる。ここで、このような皮脂吸収疎水性微多孔膜は、皮脂インジケータと考えられる。
【0087】
いくつかの実施形態において、本明細書の教示は、上面および下面(ここではさらに接触面と呼ぶ)を有する薄い本体を有する装置を提供する。接触面の少なくとも一部は、接着剤担持部分と呼ばれ、接着剤で覆われている。接着剤担持部分は、皮脂吸収性疎水性微多孔膜のような、皮膚から皮脂を吸収して外観を変化させる(例えば、不透明から透明に変化する)皮脂インジケータを取り囲んでいる。
【0088】
使用にあたっては、接触面を人の皮膚表面(例えば、額や頬の皮膚)に押し当てる。好ましい実施形態では、顔面に対して使用者が保持する、冒頭で説明したSebufix(登録商標) SF16のような先行技術の装置とは異なり、本明細書の教示による装置では、接触面の接着剤担持部分が、一定時間、典型的には少なくとも5秒間、接触面および特に皮脂インジケータを人間の皮膚と密接に接触させた状態に維持する。この間、皮脂は皮脂インジケータの孔に吸収される。
【0089】
所望に応じて、使用者は皮膚から装置を取り外す(好ましくは、絆創膏の技術分野で知られているように、剥がすことによって)。その後、皮脂インジケータは、任意の適切な方法で検査され、好ましい実施形態では、接触面のデジタル画像を取得し、取得した画像をコンピュータで分析する。
【0090】
皮脂が吸収された場所は、皮脂インジケータの外観の変化によりはっきりと観察でき、皮膚の油性のレベルを示す。さらに、接触面を人間の皮膚に接触させて維持するために接触面の接着剤担持部分を使用することは、より便利であるだけでなく、いくつかの実施形態では、皮脂が吸収されている皮脂インジケータ上の場所と、皮脂が吸収されていない皮脂インジケータ上の場所との間の境界が実質的に明確になることが分かっている。このような実施形態は、皮膚のより正確な特徴付け、例えば、比較的正確な毛穴サイズの推定、しわや傷跡の識別を可能にする。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、現在、接着剤担持部分は、実質的な横方向の動きなしに皮脂インジケータを皮膚に対して保持し、それにより「染み(スミアリング)」を防止すると考えられている。加えてまたは代替的に、皮脂インジケータを皮膚に接触させるために接着剤を使用することにより、十分で大きすぎない再現可能な圧力で装置を皮膚に対して維持することができ、より正確な結果が得られると現在考えられている。
【0091】
したがって、皮脂インジケータを含む装置の接触面の検査、特に接触面のデジタル画像のコンピュータ解析は、いくつかの実施形態において、(当該技術分野で知られているように)皮膚の油性、及び/又は毛穴の大きさ、傷及びしわの存在などの特定を把握することを可能にする。
【0092】
したがって、本明細書の教示のいくつかの実施形態の一態様によれば、皮膚の特性を把握するのに適した装置が提供され、
上面および下側接触面を有する本体と、
上面および下側接触面は両方とも、0.2cm以上(直径0. 5cmの円に相当する)以上且つ1020cm(直径18cmの円に相当する)以下の面積を有し、
本体は30μm以上且つ10mm以下の厚さを有し、
接触面の少なくとも一部は、皮膚から皮脂を吸収した後に外観を変化させる皮脂インジケータの表面を取り囲む接着剤担持部分を備える。
【0093】
本明細書の教示による装置の例示的な実施形態である装置32は、図3A(保護カバーなしの底面図)および図3B(側断面図)に概略的に描かれている。図3Bでは、装置本体を構成する層の詳細を見ることができるように、構成要素の相対的な垂直方向のサイズおよび垂直方向の縮尺が歪められている。装置10(図1)および装置28(図2)と同様に、装置32は、通常、接触面に保護カバーを付けて使用者に提供される。このような保護カバーは、装置10及び装置28の保護カバーと実質的に同様であるため、簡潔にするために、これ以上詳細には説明しない。同様に、装置32は、平面図において装置10及び28と実質的に類似しているので、簡潔さのためにこれ以上詳細には説明しない。装置32は、本体12、上面14および下側接触面16を含む。
【0094】
本体12は、厚さ250μmのポリカーボネート(Lexan(登録商標))支持シート18を備え、寸法5cm×3cmの楕円形で、11.8cmの表面積を有する。
【0095】
支持シート18の上面は、装置10と同様に、厚さ20μmのノングレアインク層20aで全体的に被覆されている。
【0096】
支持シート18の下側は、装置10と同様に、厚さ20μmのノングレアインク層20bで全体が被覆されている。装置10と同様に、支持シート18の下側のインク層20bは、白色インクの楕円リングに囲まれた黒色インクの中央楕円を含む。
【0097】
支持シート18の下側のインク層20bの表面には、4.5cm×2.5cm(表面積8.8cm)の楕円形の両面接着フィルム22が貼り付けられている(図3)。接着フィルム22は、接着剤層22bおよび22cを有するAvery-Dennison製の厚さ145μmのMED6323である。接着剤層22bは、接着フィルム22をインク層20bに固定する。
【0098】
接着剤層22cを介して接着フィルム22の中央に取り付けられているのは、厚さ75μmの黒色ポリカーボネート(Lexan(登録商標))の8mm×8mm角のシート、垂直スペーサ34である(図3)。
【0099】
垂直スペーサ34には、8mm×8mm角の厚さ15μmのアクリル系接着剤層36が貼り付けられており、この接着剤層36には、皮脂吸収疎水性微多孔膜の孔に吸収される疎水性溶剤が含まれていない。
【0100】
接着剤層36には、皮脂インジケータ38として、8mm×8mmの正方形の厚さ35μmの皮脂吸収疎水性微多孔性膜(例えば、米国ミネソタ州セントポール、3M社のNexcare Oil Control Film Blotting Paperなど)が貼り付けられている。
【0101】
垂直スペーサ34、接着剤層36および皮脂インジケータ38の微多孔膜は、共に、装置32の125μm厚の微多孔膜アセンブリを構成する。
【0102】
接着剤層22cの微多孔膜アセンブリによって覆われていない部分は、皮脂インジケータ38の表面を取り囲む接触面16の接着剤担持部分24を構成する。
【0103】
装置32の接着フィルム22は透明であるため、インク層20bは接触面16を通してはっきりと見える。(図3Aのように)接触面16に向かって垂直方向から見ると、微多孔膜38の表面を直ちに取り囲む接着剤担持部分24の中央の楕円形部分は暗色(黒色)であり、それにより、本明細書で上述したように、接触面16の水和特性部分24aを構成し、この部分は、次に、明色(白色)である楕円形リングによって取り囲まれ、それにより、本明細書で上述したように、接触面16の汚染特性部分24bを構成する。
【0104】
装置32の本体12の厚さ26は、上面14と(接触面16の表面積の6.5%を占める)皮脂インジケータ38の表面との間で560μmであり、上面14と(接触面16の表面積の93.5%を占める)接着剤担持部分24との間で435μmである。
【0105】
本明細書の教示による装置の追加の例示的な実施形態である装置40が、図4A(保護カバーなしの底面図)および図4B(側面断面図)に概略的に描かれている。図4Bでは、装置本体を構成する層の詳細を見ることができるように、構成要素の相対的な垂直方向の大きさおよび垂直方向の縮尺が歪んでいる。装置10(図1)および装置28(図2)と同様に、装置40は、通常、接触面に保護カバーを付けて使用者に提供される。このような保護カバーは、装置10及び装置28の保護カバーと実質的に同様であるため、簡潔にするために、これ以上詳細には説明しない。同様に、装置40は、平面図において装置10および28と実質的に類似しているので、簡潔さのためにこれ以上詳細には説明しない。装置40は、本体12、上面14および下側接触面16を含む。本体12は、250μm厚のポリカーボネート(Lexan(登録商標))支持シート18を備え、8cmの表面積を有する寸法4cm×2cmの長方形状で、狭い辺の1つから延びる0.5cm×0.5cmのタブ30を有する。
【0106】
装置28と同様に、装置40では、支持シート18の上面は、20μm厚のノングレアインク層20aで全体的に被覆され、支持シート18の下面は、20μm厚のノングレアインク層20bで全体的に被覆されている。支持シート18の下側のインク層20bは均一な黒色インクである。
【0107】
支持シート18の下側のインク層20bの表面には、タブ30を除いて下側を完全に覆う4cm×2cmの長方形の両面接着フィルム22が貼り付けられている。接着フィルム22は、接着剤層22bおよび22cを有するAvery-Dennison社製の厚さ145μmのMED6323である。接着剤層22bは、接着フィルム22をインク層20bに固定する。
【0108】
接着剤層22cを介して接着フィルム22の中央に取り付けられているのは、厚さ100μmの黒色ポリカーボネート(Lexan(登録商標))の2.5cm×1cmの長方形シート、垂直スペーサ34である。
【0109】
垂直スペーサ34には、厚さ25μmのアクリル系接着剤層36の2.5cm×1cmの長方形が貼り付けられており、この接着剤層36には、皮脂吸収疎水性微多孔性膜の孔に吸収される疎水性溶剤が含まれていない。
【0110】
接着フィルム36には、皮脂インジケータ38として、2.5cm×1cmの長方形の厚さ35μmの皮脂吸収疎水性微多孔性膜(例えば、米国ミネソタ州セントポール、3M社のNexcare
Oil Control Film Blotting Paperなど)が貼り付けられている。
【0111】
垂直スペーサ34、接着剤層36および皮脂インジケータ38の微多孔膜は、共に、装置40の125μm厚の微多孔膜アセンブリを構成する。
【0112】
接着剤層22cの微多孔膜アセンブリによって覆われていない部分は、皮脂インジケータ38の表面を取り囲む接触面16の接着剤担持部分24を構成する。
【0113】
装置40の接着フィルム22は透明であるため、インク層20bは接触面16を通してはっきりと見える。(図4Aのように)接触面16に向かって垂直方向から見ると、接着剤担持部分24の全体は暗色(黒色)であり、それにより、本明細書で上述したように、接触面16の水和特性部分24aを構成する。非図示の関連実施形態では、下層のインク層全体および接着剤担持部分全体が淡色(白色)であり、それによって、本明細書で上述したように、接触面の汚染特性部分を構成する。装置40に類似する実施形態では、インク層22bに類似するインク層は、水和特性部分を構成する濃色インク部分と、汚染特性部分を構成する淡色インク部分との両方を備える。
【0114】
装置40の本体12の厚さ26は、上面14と(接触面16の表面積の29%を占める)皮脂インジケータ38の表面との間で595μmであり、上面14と(接触面16の表面積の71%を占める)接着剤担持部分24との間で435μmである。微多孔膜アセンブリの厚さは160μmである。
【0115】
皮脂インジケータ
上述したように、いくつかの実施形態では、装置の接触面の少なくとも一部は、皮脂インジケータの表面を取り囲む接着剤担持部分を備える。皮脂インジケータは、皮膚から皮脂を吸収した後に外観を変化させる接触面の一部分である。当技術分野で知られており、冒頭で説明したように、いくつかの実施形態では、皮脂インジケータは、微多孔性ポリプロピレンなどの疎水性微多孔性膜である。好適な皮脂インジケータには、疎水性微多孔膜も含まれ、これは、皮脂インジケータのための文字通りの可能な支持体を提供するために、参照により本明細書に完全に記載されているかのように含まれるUS4,532,937、US5,119,828、およびUS5,935,521に記載されている。このような微多孔膜は、例えば適切な接着剤または超音波溶着などの任意の適切な方法で、装置の他の構成要素に固定される。
【0116】
皮脂吸収疎水性微多孔膜の厚さは、任意の適切な厚さである。いくつかの実施形態では、このような皮脂吸収疎水性微多孔膜の厚さは、約10μm~約60μmである。いくつかの実施形態では、厚さは約12μm以上である。さらにまたは代替的に、いくつかの実施形態では、厚さは約45μm以下である。
【0117】
皮脂吸収疎水性微多孔膜の空隙率は、任意の適切な空隙率である。いくつかの実施形態では、このような皮脂吸収疎水性微多孔膜の空隙率は、約30%~約70%である。いくつかの実施形態では、空隙率は約35%以上である。さらにまたは代替的に、いくつかの実施形態では、空隙率は約65%以下である。
【0118】
皮脂吸収疎水性微多孔膜の平均孔径は、任意の適切な平均孔径である。いくつかの実施形態では、そのような皮脂吸収疎水性微多孔膜の平均孔径は約0.01μmと約0.1μmの間である いくつかの実施形態では、平均孔径は約0.02μm以上である。加えてまたは代替的に、いくつかの実施形態において、平均孔径は約0.08μm以下である。
【0119】
皮脂吸収疎水性微多孔膜の通気度は、任意の適切な通気度である。いくつかの実施形態において、このような皮脂吸収疎水性微多孔膜の通気度は、約50ガーレー秒と約1000ガーレー秒との間である。いくつかの実施形態では、通気度は約100ガーレー秒以上である。加えて又は代替的に、いくつかの実施形態において、通気度は約900ガーレー秒以下である。
【0120】
好ましい実施形態において、皮脂インジケータは、細孔が空気で満たされているときは光に対して不透明であり、フィルムの細孔が皮脂で満たされているときは実質的に半透明である、疎水性の開孔性微多孔性ポリマーフィルム(例えば、微多孔性ポリプロピレン)からなるか、または微多孔性ポリマーフィルムである。特に好適なこのような微多孔フィルムとしては、例えばCelgard LLC(米国ノースカロライナ州シャーロット)から市販されている微多孔ポリプロピレン、例えばCelgard(登録商標) 2400がある。他の好適な疎水性開孔微多孔材料としては、ポリエステル、ポリエーテルおよびポリオレフィン繊維からなる群から選択される繊維からなる好適な不織材料、例えば、ポリエチレンを含浸させた不織パルプシートを挙げることができる。
【0121】
上述のように、いくつかの実施形態では、皮膚から皮脂を吸収する皮脂インジケータ上の場所は、例えば不透明から透明へと外観を変える。いくつかの実施形態では、皮脂インジケータのどの部分が皮脂を吸収し、どの部分が皮脂を吸収していないかを識別するのを助けるために、皮脂インジケータの下にある装置の本体の部分は光透過性ではない。いくつかのそのような実施形態では、本体の部分は、明瞭な色(例えば、明るい黄色)を有し、及び/又は明瞭な光学特性を有し、例えば、反射性(鏡面)である。
【0122】
好ましくは、皮脂インジケータは、凹凸のない平坦な表面として接触面に存在し、皮脂インジケータの表面全体が皮膚と接触することを可能にする。
【0123】
接触面上の皮脂インジケータの大きさは、任意の適切な大きさである。好ましい実施形態では、皮脂インジケータは接触面の表面積の約5%~約50%を占める。いくつかの好ましい実施形態では、皮脂インジケータは、0.25cm(0.5cm×0.5cmの正方形に相当)以上の表面積を有する。いくつかの好ましい実施形態では、皮脂インジケータは、36cm以下(6cm×6cmの正方形に相当)の表面積を有する。
【0124】
皮脂インジケータは、任意の適切な形状であり、接触面上に任意の適切な方法で配置される。
【0125】
単一タイプの皮脂吸収疎水性微多孔膜
いくつかの実施形態において、装置は、接触面上に単一タイプの疎水性微多孔膜を備える皮脂インジケータを含む。
【0126】
いくつかのそのような実施形態では、微多孔膜は、単一の連続領域、例えば、単一のシートの接触面上に配置される。
【0127】
あるいは、いくつかの実施形態では、微多孔膜は、接触面の微多孔膜でない部分によって分離された、少なくとも2つの物理的に分離したシートとして接触面上に配置される。好ましいそのような実施形態では、シートは、接触面の接着剤担持部分によって分離される。
【0128】
複数種類の皮脂吸収疎水性微多孔膜
本発明者らは、装置の開発中に、異なるタイプの微多孔性膜を皮膚表面に接触させるとき、それぞれの表面で実質的に異なるパターンの皮脂吸収が見られることを発見した。
【0129】
例えば、ある微多孔質膜は粗い皮脂吸収パターンを示し、これは皮膚の油性度(油分が多い/少ない)や比較的大きなシワやシミの有無の定性的な特徴を示すのに適している。
【0130】
他の微多孔性膜は、微細な皮脂吸収パターンを提供し、皮膚の毛穴の数、大きさ、大きさの分布、微細なしわの存在などの情報を提供するのに適している。一つの理論に拘束されることは望まないが、これらの異なる皮脂吸収パターンは、異なる膜の厚さ、異なる平均孔径、異なる気孔率および/または異なる通気度のような異なる特性の結果であると現在考えられている。例えば、一般的に言って、より厚い(約25μmより大きい)膜は粗い皮脂吸収パターンをもたらし、より薄い(約20μmより小さい)膜は細かい皮脂吸収パターンをもたらす。
【0131】
したがって、いくつかの実施形態では、装置は、接触面上に少なくとも2つの異なるタイプの皮脂吸収疎水性微多孔膜を含む皮脂インジケータを含み、各異なるタイプの微多孔膜は異なる皮脂吸収特性を有する。このような実施形態により、単一の装置に、異なるタイプの微多孔膜のそれぞれから皮膚に関する異なるタイプの情報を提供させることができる。いくつかの実施形態では、装置は、1より多い数、例えば2、3、4、5、6、さらには6より多い数の異なるタイプの微多孔膜を有する皮脂インジケータを含む。
【0132】
いくつかのそのような実施形態では、皮脂インジケータは、単一の連続領域で接触面上に、例えば、実質的にその間に分離のない2つの隣接するシートとして配置される2つの異なるタイプの微多孔膜を備える。
【0133】
あるいは、いくつかの実施形態において、皮脂インジケータは、接触面の微多孔膜でない部分によって分離されるように接触面上に配置される2つの異なるタイプの微多孔膜を備える。好ましいこのような実施形態では、2つの微多孔膜は、接触面の接着剤担持部分によって分離されている。
【0134】
垂直スペーサ
皮脂インジケータを構成する微多孔膜は、任意の適切な方法で装置の他の構成要素に取り付けられる。いくつかの実施形態では、皮脂インジケータは、表側と裏側を有する垂直スペーサからなる微多孔膜アセンブリを備え、微多孔膜は垂直スペーサの表側に取り付けられ、微多孔膜アセンブリは垂直スペーサの裏側を通して装置の他の構成要素に取り付けられる。
【0135】
垂直スペーサは、表側と裏側を有する薄い平面部品である。
【0136】
皮脂インジケータの少なくとも一部を構成する微多孔膜は、任意の適切な方法で、いくつかの実施形態では接着剤を使用して、垂直スペーサの表側に取り付けられる。接着剤は、好ましくは、微多孔性膜に溶出し得る溶剤または他の物質を含まない、アクリル系接着剤などの接着剤である。
【0137】
好ましくは、接着剤層は可能な限り薄く、典型的には約15μmから約30μmの間の厚さを有する。いくつかの実施形態では、微多孔膜は両面接着フィルムで垂直スペーサに取り付けられている。
【0138】
垂直スペーサの裏面は、装置の接触面に微多孔膜を維持するように、装置の他の構成要素に任意の適切な方法で取り付けられる。装置32(図3)および装置40(図4)を参照して説明したように、いくつかの好ましい実施形態では、装置は、装置の接触面の接着剤担持部分を構成し、装置の接触面上の微多孔膜を維持するように垂直スペーサの裏面にも接触する接着剤層を備える。
【0139】
垂直スペーサは、任意の適切な特性を有する任意の適切な材料で作られる。好ましい実施形態において、垂直スペーサは剛性があり、自立性があり、すなわち、装置が一端によって重力ベクトルに対して垂直に保持されるとき、本体が重力の結果として10%以下、より好ましくは5%以下垂れ下がらない。いくつかの好ましい実施形態では、垂直スペーサは弾性があり、通常は平坦であり、すなわち、外力によって拘束されないと、湾曲した形状から平坦な形状に戻る。好ましくは、垂直スペーサは伸縮性を有しない。垂直スペーサは、任意の適切な厚さであるが、好ましくは、垂直スペーサ上に支持された微多孔膜が、接触面の周囲の接着剤担持部分から過度に突出しないように、可能な限り薄い。いくつかの実施形態では、垂直スペーサは約50μmから約250μmの間の厚さを有する。いくつかのそのような実施形態では、垂直スペーサは、約75μm以上の厚さおよび/または約125μm以下の厚さを有する。垂直スペーサは任意の適切な材料である。垂直スペーサに特に適した材料は、Lexan(登録商標)などのポリカーボネートであることが分かっている。
【0140】
皮脂インジケータに2つの異なるタイプの皮脂吸収疎水性微多孔膜を使用する場合、2つの微多孔膜の厚さが異なる場合に課題が生じる。このようないくつかの実施形態では、皮脂インジケータは2つの異なる微多孔膜アセンブリ、すなわち、
厚さを有する第1の垂直スペーサに取り付けられた第1の厚さを有する第1の微多孔膜を有する第1の微多孔膜アセンブリと、厚さを有する第2の垂直スペーサに取り付けられた第2の厚さを有する第2の微多孔膜を有する第2の微多孔膜アセンブリとを備え、
第1の微多孔膜アセンブリの厚さおよび第2の微多孔膜アセンブリの厚さが互いに5μm以内であり、いくつかの実施形態では互いに3μm以内である。
【0141】
いくつかの実施形態では、第1の微多孔膜は第1の接着剤層で第1の垂直スペーサに接着され、第2の微多孔膜は第2の接着剤層で第2の垂直スペーサに接着される。
【0142】
いくつかの実施形態では、第1の垂直スペーサと第2の垂直スペーサは異なる厚さを有する。加えてまたは代替的に、いくつかの実施形態では、第1の微多孔膜は第1の接着剤層で第1の垂直スペーサに取り付けられ、第2の微多孔膜は第2の接着剤層で第2の垂直スペーサに取り付けられ、第1の接着剤層と第2の接着剤層の厚さは異なる。
【0143】
その結果、2つの異なる微多孔膜は、ほぼ同じ量だけ、ある実施形態では5μm以内、さらには3μm以内で、接触面の接着剤担持部分から突出する。
【0144】
例えば、このような装置は、厚さ238μmの第1の微多孔膜アセンブリを構成する厚さ102μmの両面接着フィルムで厚さ120μmの第1の垂直スペーサに取り付けられた厚さ16μmの第1の微多孔膜と、厚さ237μmの第2の微多孔膜アセンブリを構成する厚さ102μmの両面接着フィルムで厚さ100μmの第2の垂直スペーサに取り付けられた厚さ35μmの第2の微多孔膜と、とを有する。
【0145】
本明細書の教示による装置の追加的な例示的実施形態である装置42は、図5A(保護カバーなしの底面図)、図5B(側面断面図)および図5C(概略分解図)に概略的に描かれている。図5Bでは、装置の本体を構成する層の詳細を見ることができるように、構成要素の相対的な垂直サイズおよび垂直スケールが歪んでいる。装置42は、平面図において装置10(図1)および装置28(図2)と実質的に類似しているので、簡潔にするためにこれ以上詳細には説明しない。
【0146】
装置42は、本体12、上面14および下側接触面16を含む。本体12は、厚さ250μmのポリカーボネート(Lexan(登録商標))支持シート18を備え、寸法48mm×18mmの先が尖った長方形状で、650mmの表面積を有する。
【0147】
厚さ30μmのアクリル接着剤層44で支持シート18の上面に取り付けられているのは、厚さ2000μmの弾性的に圧縮可能な発泡体圧力分配層46である。
【0148】
圧力分配層46の上面全体には、その上面に画像補正機能、識別マークおよび装飾機能が印刷された厚さ133μmの接着剤付き印刷メタライズドポリエステル48が貼り付けられている。
【0149】
メタライズドポリエステル48の上面全体には、装置42の上面14を非光沢(ノングレア)にする厚さ40μmの接着剤付きマット透明ポリエステルフィルム50が貼り付けられている。
【0150】
支持シート18の下面は、全体が厚さ20μmのノングレアインク層20bで被覆されている。支持シート18の下側のインク層20bは、168mmの総面積を有する1.5mm幅の白色周縁部52と、各々9mmの長さで約0.1mm幅の4本の白色線(ラベル54)とを含み、残りは黒色である。同様の実施形態では、このような線はさらに細く、典型的には約0.05mm以上約0.1mm幅以下である。
【0151】
インク層20bの表面には、インク層20bを完全に覆う厚さ102μmの両面接着フィルム22(MED1832)が貼り付けられている。
【0152】
本体12の中心線に沿って、垂直スペーサ34aおよび34bを構成する黒色着色ポリカーボネート(Lexan(登録商標))の2枚の厚さ75μmの尖端長方形シートがある。垂直スペーサ34aおよび34bは、接着フィルム22の一部によって分離されている。
【0153】
垂直スペーサ34aおよび34bには、その上面を完全に覆うように、皮脂吸収性疎水性微多孔膜の孔に吸収され得る疎水性溶媒を含まない厚さ20μmのアクリル系接着剤層36aおよび36bが貼り付けられている。
【0154】
接着フィルム34aに貼り付けられ、その上面を完全に覆っているのは、皮脂インジケータ38の第1の部分としての厚さ35μmの皮脂吸収疎水性微多孔膜38a(例えば、米国ミネソタ州セントポール、3M社製のNexcare Oil Control Film Blotting Paper)である。垂直スペーサ34a、接着剤層36aおよび微多孔膜38aは一緒になって、装置42の第1の130μm厚の微多孔膜アセンブリ52aを構成する。
【0155】
接着フィルム34bに接着され、その上面を完全に覆っているのは、皮脂インジケータ38の第2の部分38bとしての厚さ16μmの皮脂吸収性微多孔性疎水性膜である。垂直スペーサ34b、接着剤層36bおよび微多孔膜38bは一緒になって、装置42の厚さ111μmの第2の微多孔膜アセンブリ52bを構成する。一部の代替実施形態では、垂直スペーサ34bは100μmの厚さであるため、第2の微多孔膜アセンブリ52bの厚さは136μmであり、第1の微多孔膜アセンブリ52aより6μmだけ厚い。いくつかの代替実施形態では、垂直スペーサ34bは95μmの厚さであるため、第2の微多孔膜アセンブリ52bの厚さは131μmであり、第1の微多孔膜アセンブリ52aよりも1μmだけ厚い。
【0156】
微多孔膜38aと微多孔膜38bは一緒になって装置42の皮脂インジケータを構成する(図5参照)。
【0157】
微多孔膜38aおよび38bのそれぞれの表面積は145mmであるので、皮脂インジケータ38は290mmの総表面積を有する。その結果、接触面16は796mmの総表面積を有し、そのうちの白色周縁部52は21%(168mm)、皮脂インジケータ38は36%(290mm)、装置42の水和特性部分を構成する黒色領域は残りの43%を少し下回る。接着剤層22のうち皮脂インジケータ38で覆われていない部分は、皮脂インジケータ38の表面を取り囲む接触面24の接着剤担持部分24であり、接触面の表面積の64%を占める。
【0158】
図5に描かれている装置42では、接着フィルム22は透明であるため、インク層20bは接触面16を通してはっきりと見える。図5Aのように、接触面16に向かって垂直方向から見ると、濃色(黒色)である接着剤担持部分24の全体が、本明細書で上述したように、接触面16の水和特性部分24aを構成する。非図示の関連実施形態では、下層のインク層全体および接着剤担持部分全体が淡色(白色)であり、それによって、本明細書で上述したように、接触面の汚染特性部分を構成する。
【0159】
上面14と微多孔膜アセンブリ52aによって画定された接触面の部分との間の装置42の本体12の厚さ26aは、2705μmである。
【0160】
上面14と微多孔膜アセンブリ52bによって画定された接触面の部分との間の装置42の本体12の厚さ26bは、2686μmである。
【0161】
上面14と接着剤層22bによって画定された接触面の部分との間の装置42の本体12の厚さは、2575μmである。
【0162】
接触面に皮脂インジケータを取り付ける方法
上述したように、いくつかの実施形態では、本明細書の教示による装置の汚染特性部分および/または水和特性部分を実施するために使用される接着剤は、装置を皮膚に付着させるためにも使用される。いくつかのそのような実施形態において、これは、特に、上述したような所望の物理的特性を装置の本体に提供するのに役立つ支持シートに取り付けられた二重サイズの接着フィルムを使用することによって有利に行われる。さらに、いくつかのそのような実施形態では、複数の機能(汚染特性付与部の構成要素、水和特性部分の構成要素、および/または装置を皮膚に取り付けるための接着剤)のために特定の接着剤層(例えば、接着フィルム22)を使用することにより、装置の使用および製造を容易にさせる。
【0163】
いくつかの実施形態において、接触面の少なくとも一部は、皮脂インジケータの表面を取り囲む接着剤担持部分を備える。皮脂インジケータを含む本明細書の教示の装置を実際に実施する際の課題は、接触面に皮脂インジケータ(典型的には、非常に薄く、壊れやすい、組織のようなシート)を取り付けることである。いくつかの実施形態では、接触面は、皮脂インジケータが取り付けられる接着剤の層を備える。その結果、皮脂インジケータの表面を取り囲む同じ接着剤が、皮脂インジケータを接触面に付着させる接着剤となる。
【0164】
図5に描かれ、上述の装置42を参照して描かれる代替方法は、例えば接着剤を使用して微多孔膜が接着される垂直スペーサを備える微多孔膜アセンブリを別途作製することを含む。本明細書の教示のいくつかの実施形態の一態様によれば、皮脂インジケータとして使用するための微多孔膜アセンブリを製造するために特に好適な方法が提供され、表側および裏側を有する垂直スペーサであるのに適したシート状の材料を提供する工程と、表側を接着剤の層で覆う工程と、表側を覆う接着剤の層に、皮脂を吸収する微多孔膜のシートを接着して積層ワークピースを作製する工程と、積層ワークピースを切断して微多孔膜アセンブリを作製する工程と、を含む。
【0165】
好ましくは、接着剤層はできるだけ薄く、典型的には約15μmから約30μmの間の厚さを有する。いくつかの実施形態では、接着剤層は、シート状の材料の表側と皮脂吸収性微多孔膜のシートとの間に配置される単一の接着剤層である。いくつかの代替実施形態では、接着剤層は両面接着フィルムの構成要素である。上述したように、接着剤は、好ましくは、微多孔性膜に吸収される疎水性溶媒ハットを含まない接着剤(例えば、アクリル系接着剤)である。
【0166】
シート状の材料は、任意の適切な材料であり、上述した垂直スペーサの特性の1つ、2つ以上、好ましくはすべてを有し、簡潔にするために繰り返さない。特に好適な材料は、Lexan(登録商標)のようなポリカーボネートである。
【0167】
シート状の材料は、任意の適切な厚さ、好ましくは約50μmから約250μmの間、より好ましくは約125μmまでである。
【0168】
上述したように、いくつかの実施形態において、皮脂インジケータとして機能する微多孔性膜は、通常不透明であるため、膜表面に垂直な方向から見ると、膜の色に対応する色を有する。皮膚表面と接触した後、皮脂を吸収する微多孔膜の部分は透明になるので、膜表面に垂直な方向から見ると、その部分は下地材料の色を有し、本明細書の方法に従って製造された微多孔膜アセンブリの場合、垂直スペーサの色である。従って、皮脂インジケータのどの部分が皮脂を吸収したかを識別するのを助けるために、好ましい実施形態では、シート状材料は、それに取り付けられた微多孔膜の色とは実質的に異なる色を有する。
【0169】
微多孔膜アセンブリを作製するための積層ワークピースの切断は、任意の適切な方法、例えば、型抜きまたはレーザー切断で行われる。
【0170】
いくつかの特に好ましい実施形態では、垂直スペーサであるのに適したシート状の材料、接着剤および微多孔膜はすべてロールとして提供される。このようなロールは、微多孔膜アセンブリを作製するために切断することができる積層ワークピースを作製する特定の効率的な方法を可能にする。例えば、いくつかの実施形態では、3つの構成要素の各1つのロールが、連続ラミネータ機のスピンドルに取り付けられる。垂直スペーサに適した材料は、第1のスピンドルから供給される。接着剤は、接着剤ロールの底部保護ライナーを連続的に剥離しながら第2スピンドルから供給され、垂直スペーサに適した材料の上面に接触する接着剤層の下面を露出させ、第1加圧ローラーの下を通過させる。加圧ローラーを抜けると、接着ロールの上部保護ライナーが除去され、接着剤層の上面が露出する。微多孔膜は、第3スピンドルから供給され、後で接着剤層の露出した上面に接触し、次に第2加圧ローラーの下を通過し、それによって、任意の所望のサイズに切断可能な積層加工物を供給する。
【0171】
この方法により、所望の厚みと寸法を有する多数の微多孔膜アセンブリを同時に製造することができる。得られた微多孔膜アセンブリは非接着性であり、一方の面は初期の垂直スペーサの裏面であり、他方の面は微多孔膜である。微多孔膜アセンブリは、好ましくは(垂直スペーサの特性の結果として)比較的硬く、丈夫で平坦であるため、装置を組み立てるロボット機械での操作が容易である。
【0172】
本明細書の教示による皮脂インジケータを含む装置は、任意の適切な方法で製造することができる。本明細書の教示のいくつかの実施形態の態様によれば、本明細書に記載の皮脂インジケータを含む装置を製造する方法も提供され、その方法は、
a.表側および裏側を有する装置の本体の支持シートであるのに適したシート状の材料を供給する工程と、
b.表側および裏側を有する垂直スペーサを含む微多孔膜アセンブリを供給し、微多孔膜を垂直スペーサの表側に付着させる工程と、
c.シート状の材料の表側を接着剤の層で覆う工程と、
d.微多孔性膜アセンブリの垂直スペーサの裏面を、微多孔性膜アセンブリが接着剤層の表面で囲まれているシート材料の表側を覆っている接着剤層に接触させ、それによって微多孔性膜アセンブリをシート材料の表側に貼り付ける工程と、
e.シート状の材料を切断して、皮脂インジケータを含む初期装置を得る工程と、
を備え、その切断は、装置の初期皮脂インジケータを構成する微多孔膜アセンブリが、装置の接着剤担持部分を構成する接着剤層の表面によって取り囲まれるように行われる。
【0173】
接着剤層は、人間の皮膚に対する十分な接着性を含む、装置の接着剤担持部分に要求される特性を有する任意の適切な接着剤である。いくつかの実施形態では、接着剤層は、シート状材料の表側と微多孔膜アセンブリとの間に配置される単一の接着剤層である。いくつかの好ましい実施形態では、接着剤層は、本明細書で上述したような両面接着フィルムの構成要素である。
【0174】
シート状の材料は、任意の適切な材料であり、上述したような支持シートの特性の1つ、2つ以上、好ましくはすべてを有しており、簡潔にするために繰り返さない。特に好適な材料は、Lexan(登録商標)のようなポリカーボネートである。
【0175】
シート状の材料は、任意の適切な厚さ、好ましくは約50μmから約450μmの間、より好ましくは約120μm以上である。
【0176】
シート状材料の色は任意の適切な色である。
【0177】
いくつかの実施形態において、本方法は、接触面の水和特性部分として機能する暗色の部分を有する接触面を有する装置を製造するために使用される。いくつかのそのような実施形態において、シート状の材料の色は、接触面の接着剤担持部分全体が水和特性部分として機能し得るように、暗い色に選択される。
【0178】
あるいは、いくつかの実施形態において、本方法は、接触面の汚染特性部分として機能するように明るい色の部分を有する接触面を有する装置を製造するために使用される。いくつかのそのような実施形態では、接触面の接着剤担持部分全体が汚染特性部分として機能できるように、シート状の材料の色は明るい色に選択される。
【0179】
あるいは、いくつかの実施形態において、本方法は、接触面の水和特性部分;および/または接触面の汚染特性部分を実施するために、濃い色(暗い色)の部分および/または明るい色の部分を有する接触面を有する装置を作製するために、および/または画像補正機能、識別子マーク、または方向識別を補助する機能のような機能を追加するために使用される。いくつかのそのような実施形態において、この方法は、「c」(シート状の材料の表側を接着剤層で覆う)の前に、所望の色パターンを有するシート状の材料の表側に着色剤を塗布することをさらに含む。いくつかの実施形態では、シート状の材料の表側全体が着色剤の層で覆われる。いくつかの実施形態では、着色剤は、シート状の材料の表側の一部のみに塗布される。その後、「c」において、接着剤の層が着色剤に接触するように塗布される。任意の適切な着色剤が使用される。いくつかの好ましい実施形態では、インクのような着色剤が、例えばデジタル印刷またはスクリーン印刷によって塗布される。これにより、シート状材料によく接着する着色剤の薄い層(典型的には40μm以下、さらには30μm以下)を塗布することができる。
【0180】
皮脂インジケータを構成する初期の装置を得るためのシート状材料の切断は、例えば型抜きやレーザー切断など、任意の適切な方法で行われる。
【0181】
上述した皮脂インジケータの製造方法と同様に、いくつかの特に好ましい実施形態では、本方法の一部または全部は、構成要素の一部または全部が材料のロールとして提供され、連続ラミネータ機を用いて組み立てが行われる。
【0182】
本方法により、多数の装置を同時に、さらには同時に製造することができる。一枚のシート状の材料で、1つ、2つ、またはそれ以上の皮脂インジケータを有する装置を作ることができる。一枚のシート状の材料を使用して、2つ以上の同一の皮脂インジケータを有する装置、または2つ以上の異なる皮脂インジケータを有する装置を製造することができる。
【0183】
本明細書で上述したように、本明細書の教示による装置は、好ましくは、保護カバーとともに使用者に提供される。保護カバーは、装置の製造の任意の適切な段階で装置に付加される。いくつかの好ましい実施形態では、初期保護カバーは、微多孔膜アセンブリの取り付けの後だが、切断の前に追加される。したがって、いくつかの実施形態では、この方法は、「d'」に続いて、「e'」の前に、微多孔膜アセンブリを覆い、微多孔膜アセンブリを取り囲む接着剤の表面を通して表側に付着する初期保護カバーで表側を覆うことをさらに含む。
【0184】
上述したように、いくつかの実施形態において、本明細書の教示による装置は、装置の裏面(皮脂インジケータとは反対側の面)に1つ以上の層を有する。そのような層は、任意の適切な様式で装置の裏側に取り付けられる。いくつかの実施形態では、そのような層は、シート状の材料の表側が接着剤の層で覆われている「c」の前に、シート状の材料の裏側に取り付けられる。あるいは、いくつかの実施形態では、そのような層は、初期保護カバーを追加した後だが、シートの切断「e」の前に、シート状の材料の裏面に取り付けられる。あるいは、いくつかの実施形態では、「c」において、接着剤の層は、カバー(例えば、両面接着フィルムのライナー)を有するシート状の材料に適用される。層はシート状の材料の裏面に貼り付けられ、その後カバーが取り除かれ、微多孔膜アセンブリの取り付けが可能になる。
【0185】
2つの異なるタイプの皮脂吸収疎水性微多孔膜を有する装置
上述したのは、接触面の接着剤担持部分によって取り囲まれる皮脂インジケータを備える接触面を有する装置であって、皮脂インジケータは、少なくとも2つの異なるタイプの皮脂吸収疎水性微多孔膜を備える装置である。いくつかの実施形態において、装置は、皮脂インジケータを含む接触面を備え、皮脂インジケータは、少なくとも2つの異なるタイプの皮脂吸収疎水性微多孔膜を含み、皮脂インジケータは、必ずしも接着剤担持部分によって囲まれているとは限らない。したがって、本明細書の教示のいくつかの実施形態の態様によれば、皮膚の特性を把握するのに適した装置であって、上面および下側接触面を有する本体と、上面および下側接触面の両方が、0.2cm(直径0. 5cmの直径の円に相当する)以上且つ1020cm(18cmの直径の円に相当する)以下の面積を有し、本体は、30μm以上で10mm以下の厚さを有し、接触面の少なくとも一部は、皮膚から皮脂を吸収した後に外観を変化させる皮脂インジケータの表面を備え、皮脂インジケータは、接触面上の少なくとも2つの異なるタイプの皮脂吸収疎水性微多孔膜を備え、それぞれ異なるタイプの微多孔膜は、異なる皮脂吸収特性を有する。
【0186】
いくつかのそのような実施形態では、接触面には接着剤担持部分がない。あるいは、いくつかのそのような実施形態において、接触面は、皮脂インジケータを取り囲まない接着剤担持部分を備える。
【0187】
本装置の他の詳細は、他の実施形態を参照して説明したものと同じ(準用)であるため、ここでは簡潔にするために明示的に説明しない。
【0188】
装置の他の特徴の詳細
上述したのは、濃色部分と淡色部分とを有する接着部分を備えた接触面を含む装置の実施形態であり、また、皮脂吸収性微多孔性ポリマーを備えた接触面を含む装置の実施形態である。
【0189】
上述したことおよび図から明らかなように、いくつかの実施形態では、装置は、濃色部分および淡色部分を有する接着部分を有する接触面のみを含み、いくつかの実施形態では、装置は、皮脂吸収性微多孔性ポリマーを有する接触面のみを含み、いくつかの実施形態では、装置は、濃色部分および淡色部分を有する接着部分と皮脂吸収性微多孔性ポリマーとの両方を有する接触面を含む。
【0190】
本明細書の教示による装置の本体の特徴、選択肢および実施形態は、濃色部分および淡色部分を有する接着部分を有する接触面を含む実施形態を参照して詳細に議論される。このような特徴および実施形態は、皮脂吸収性微多孔性ポリマーを有する接触面を含む実施形態にも適用可能であるが、簡潔にするためにここでは繰り返さない。
【0191】
本明細書の教示による装置の接着剤担持部分の特徴、選択肢および実施形態は、濃色部分および淡色部分を有する接着剤部分を有する接触面を含む実施形態を参照して詳細に議論される。このような特徴および実施形態は、これらが適用可能である限りにおいて、皮脂吸収性微多孔性ポリマーを有する接触面を含む実施形態にも適用可能であるが、簡潔にするためにここでは繰り返さない。
【0192】
圧力分配層
いくつかの実施形態において、本明細書の教示による装置は、上面と接触面との間に圧力分配層を含む。圧力分配層は、例えば指で上面に加えられる圧力を接触面上に分配するように構成される。圧力分散層は、任意の適切な材料、典型的には発泡体やゴムなどの弾性的に圧縮可能な材料であり、任意の適切な厚さ、いくつかの実施形態では500μm以上で5000μm以下である。図5に描かれている装置42は、圧力分配層46を備えている。
【0193】
接触面
装置の接触面の接着剤担持部分および装置の皮脂インジケータの配置は、例えば、図3の装置32、図4の装置40および図5の装置42のように、任意の適切な配置である。
【0194】
追加の非限定的配置が、5つの異なる実施形態の接触面を示す図6A~6Eに描かれている。図6に描かれている装置はすべて、(装置の水和特性部分を構成する)暗い部分24aおよび(装置の汚染特性部分を構成する)明るい部分24bを有する接着剤担持部分を有する。すべての装置は、2つの異なる皮脂吸収疎水性微多孔膜38aおよび38bを含む皮脂インジケータを有する。
【0195】
上面
本明細書の教示による装置の上面は、任意の適切な上面である。好ましい実施形態において、上面は、皮膚に付着した状態でデジタルカメラによって撮影されるように構成される。
【0196】
非光沢上面
好ましい実施形態において、装置の上面の少なくとも一部、好ましくは全ては、ノングレア(例えば、艶消し)であるので、フラッシュで撮影されたとき、上面は、取得された画像の品質を低下させるフラッシュからの光を鏡面反射しない。ノングレア(非光沢)の上面は、例えば、上面が作られる材料の選択によって、および/または上面にノングレア(非光沢)または艶消しのコーティングを施すことによって、任意の適切な方法で提供することができる。装置10(図1)および装置28(図2)では、上面14はノングレアインク層20aの表面である。装置42(図5)では、上面はマット透明ポリエステルフィルム50の表面である。
【0197】
画像補正機能
当該技術分野において知られているように、画像中の物体の色及びホワイトバランスを含む、取得されたデジタル画像中の物体の外観は、画像の取得中の照明条件に依存する。
【0198】
いくつかの実施形態では、装置を使用するユーザは、装置が皮膚に取り付けられているときに、装置の本体の上面の画像を取得する。画像中の装置が取り付けられている皮膚の色や色素の凹凸は、照明条件に大きく依存することが知られている。その結果、画像中のコンピュータで決定された肌の色は不正確になる。
【0199】
いくつかの実施形態では、本明細書の教示による装置の意図される使用は、人が自宅で装置を使用し、スマートフォンやコンピュータカメラなどの一般に入手可能な装置を使用して、皮膚に取り付けられた装置の画像を取得することである。その結果、装置の予想される使用中に取得される画像は、異なる周囲光条件、異なるカメラフラッシュ特性(異なるスマートフォンは、異なるスペクトル及び強度を有する異なるカメラフラッシュを有する)、及び異なるセンサ特性(異なるスマートフォンのカメラのセンサは、異なるスペクトル感度を有する)を有する。
【0200】
したがって、いくつかの好ましい実施形態では、装置の本体の上面は、上面が現れる取得画像の色および/またはホワイトバランスのコンピュータによる補正を支援する少なくとも1つの画像補正機能を備える。画像処理の技術分野における通常の技能を有する者は、上面上の様々なタイプの画像補正特性(典型的には、特定の基準色の領域を含む)を熟知している。いくつかの実施形態では、画像補正特徴は、市販のカメラ色校正チャート及び/又はホワイトバランスカードセットと同様であるか、又はその変形である。そのような実施形態が使用される場合、取得された画像は、画像中の皮膚の実際の色を決定するためにもコンピュータ分析されることができ、それにより、皮膚の追加の客観的な特徴付けを提供し、また、赤みや刺激などの特徴の識別を可能にする。
【0201】
装置10(図1)及び装置28(図2)の上面14を画定するインク層20aは、デジタル画像色補正の技術分野において知られているように、異なる色を有する複数の領域を含む画像補正特徴チャート54として、色/ホワイトバランスチャートを含む。
【0202】
さらに、場合によっては、カメラのレンズの性質、カメラのレンズに対する上面の向き、又は装置が皮膚に接着される態様に起因して、上面の画像が歪められる。したがって、いくつかの好ましい実施形態では、装置の上面は、取得された画像の上面に対応する部分の歪みのコンピュータによる補正を支援する少なくとも1つの画像補正機能を備える。
【0203】
識別子マーク
いくつかの実施形態では、装置を使用するユーザは、装置が皮膚に装着されたときに、装置本体の上面の画像を取得する。このような取得画像のコンピュータによる画像解析を支援し、データ入力エラーを回避するために、取得画像内の特定の装置を識別できることが有用である。
【0204】
したがって、いくつかの実施形態では、装置の上面には、識別子マーク、すなわち、装置の本体の上面の取得画像から他のそのような装置から特定の装置をコンピュータで識別できるようにするマークが含まれる。バーコード、QRコード(登録商標)、およびそれらの変種など、当該技術分野で知られている識別子を含む、任意の適切な識別子を使用することができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、1つまたは複数の装置を提供され、提供された装置の上面は、特に、ユーザの識別を可能にする識別子を含む。
【0205】
装置10(図1)および装置28(図2)の上面14を画定するインク層20aは、識別子マーク56としてQRコード(登録商標)を含む(図1Cおよび図2C)。実施形態によっては、このようなQRコード(登録商標)は、ユーザの身元、製造バッチ番号および日付などの情報を含むことができる。
【0206】
方向識別
いくつかの実施形態では、装置を使用するユーザは、装置が皮膚、例えば顔に取り付けられたときに、装置本体の上面の画像を取得する。
【0207】
いくつかの好ましい実施形態では、装置の上面は、取得された画像における装置の向きを明確に識別できるような形状及び/又はマーキングを有する。具体的には、いくつかの実施形態では、上面は、取得された画像において、上面がCl回転対称性を有するように、形成され、及び/又はマーキングを有する。
【0208】
装置の上面が、装置の向きの明確な識別を可能にする形状を有し、及び/又はマーキングを有する場合、皮膚に取り付けられたときの装置の画像を分析するコンピュータは、皮膚の任意の特定の領域に接触する接触面の接着剤担持部分の接触部分を決定することができる。
【0209】
当業者であれば、取得した画像において装置の向きを明確に識別できるように、上面の形状及び/又はマーキングを選択することができる。いくつかの実施形態では、向きの識別に使用される1つ以上の特徴は、取得画像の上面に対応する部分の歪みのコンピュータによる補正を支援するための画像補正機能としても使用することができる。
【0210】
装置10(図1)および装置28(図2)の上面14を画定するインク層20aは、画像において上面がCl対称性を有するように、上面14上に非対称に配置される画像補正特徴54および識別子マーク56を含む。画像解析の分野における通常の技術を有する者であれば、過度な実験をすることなく、画像中のこのような装置の向きを識別するようにコンピュータを構成することができる。
【0211】
下部接触面のその他の特徴
上述したように、いくつかの実施形態において、装置の使用は、接触面を一定時間皮膚と接触させること、装置を取り外すこと、接触面の画像を取得すること、及び皮膚の特性を把握するために接触面の画像をコンピュータ解析することを含む。いくつかの実施形態では、接触面は、デジタルカメラで撮影されるように構成され、いくつかの実施形態では、本明細書で上述した上面の構成と同様または同一の方法で撮影される。
【0212】
したがって、いくつかの好ましい実施形態では、装置の接触面の少なくとも一部、好ましくは全部が非光沢(例えば、艶消し)であるため、フラッシュで撮影された場合、接触面は、取得された画像の品質を低下させるフラッシュからの光を鏡面反射しない。非光沢接触面は、例えば、接触面が作られる材料の選択によって、任意の適切な方法で提供することができる。
【0213】
いくつかの実施形態では、装置の接触面は、上面について上述したように、取得画像の色及び/又はホワイトバランスのコンピュータによる補正を支援する少なくとも1つの画像補正機能を備える。図6に描かれた装置の接触面はすべて、取得された画像の色および/またはホワイトバランスのコンピュータによる補正を支援するように構成された画像補正特徴54aを含む。
【0214】
いくつかの実施形態では、接触面の明るい色の汚染特性部分上の暗い色の汚染の分布及び量が、皮膚の特性を把握するために使用される。加えて又は代替的に、いくつかの実施形態では、接触面の暗い色の水和特性部分上の明るい色の皮膚細胞の分布及び量が、皮膚の特性を把握するために使用される。加えて又は代替的に、いくつかの実施形態では、接触面の皮脂を吸収した皮脂特性部分の分布及び量が、皮膚の特性を把握するために使用される。上述したように、また当技術分野で知られているように、場合によっては、取得された画像内の接触面に対応する画像の部分が歪むことがある。このような歪みは、皮膚の不正確な特徴付けにつながる可能性がある。したがって、いくつかの好ましい実施形態では、装置の接触面は、取得された画像の接触面に対応する部分の歪みのコンピュータによる補正を支援する少なくとも1つの画像補正特徴(いくつかの実施形態では、例えば、接触面の1つ又は複数の領域又は領域の間の境界線である)を備える。例えば、一方向または両方向の平行線などである。装置42(図5)のインク層20bは、このような画像補正特徴54として、4本の明瞭に着色された線を含む。この4本の線は既知の太さと長さを有する。同様に、図6に描かれた装置の接触面はすべて、接触面の異なる領域間の明瞭に見える境界線であり、取得された画像の歪みのコンピュータによる補正を支援するために使用することができる画像補正特徴54bを含む。当業者であれば、画像補正特徴54を参照して装置42の接触面16の画像を補正するように、または画像補正特徴54bを参照して図6に描かれているような装置の接触面の画像を補正するように、画像処理コンピュータを構成することができる。
【0215】
取得された接触面の画像のコンピュータによる画像解析を支援し、データ入力エラーを回避するために、取得された画像内の特定の装置を識別できることが有用である。したがって、いくつかの実施形態では、装置の接触面は、識別子マーク、すなわち、装置の接触面の取得画像から他のそのような装置から特定の装置をコンピュータで識別することを可能にするマーキングを含む。上面の識別子マークを参照して説明したように、任意の適切な識別子を使用することができる。
【0216】
いくつかの実施形態では、装置の接触面は、上面を参照して説明したように、取得された画像における装置の向きの明確な識別を可能にする形状および/またはマーキングを有する。いくつかの実施形態では、向き識別に使用される1つ以上の特徴は、取得画像の上面に対応する部分の歪みのコンピュータによる補正を支援する画像補正機能としても使用することができる。図6に描かれた装置の接触面はすべて、接触面に非対称的に配置された少なくとも1つの画像補正特徴54aを含み、したがって、取得された画像における装置の向きのコンピュータによる識別を支援するために使用することができる。
【0217】
保護カバー
好ましい実施形態では、本明細書の教示による装置は、接触面の少なくとも一部を覆い、ユーザによって容易に取り外し可能なユーザ取り外し可能保護カバーをさらに備える。このような保護カバーは、先行技術の絆創膏が備える裏打ちと類似または同一である。保護カバーは一種の剥離ライナーであり、接着性表面(接触面の接着剤担持部分など)が早期に接着するのを防止するために使用される、当該技術分野において周知の構成要素である。剥離ライナーの技術分野で知られているように、いくつかの実施形態では、剥離ライナーはシリコーンで構成され、例えば、シリコーンコーティングで構成されるか、またはシリコーンで含浸される。
【0218】
保護色は好ましくは接触面全体を覆うが、いくつかの実施形態では接触面の一部は保護カバーによって覆われていない。保護カバーは、好ましくは、セロファン、マイラー、またはPETのようなポリエステルのようなコーティングされた紙、プラスチック、または箔のような薄い材料である。いくつかの実施形態では、保護カバーは一枚であるが、他の実施形態では、保護カバーは、絆創膏の技術分野で知られているように、2つ以上の別個の部分からなる。保護カバーのサイズおよび形状は、好ましくは、接触面の構成要素を汚染から保護するために、接触面全体を覆うのに十分である。いくつかの実施形態では、保護カバーは、静電気力および/または接着剤、好ましくは接着剤担持部分領域の1つ以上の接着剤によって所定の位置に保持される。いくつかの実施形態では、保護カバーの一部(例えば、タブまたはリップとして)は、接触面から保護カバーをより容易に取り外せるように構成される。
【0219】
装置10は、図IBを参照すると、コート紙の2ピース100μm厚の保護カバー58を備える。装置28は、厚さ100μmの1ピースのコート紙製保護カバー58を備えている(図2B参照)。装置42は、厚さ100ミクロンの保護カバー58を備えている(図5C参照)。それぞれの装置を使用するために、保護カバー58は、絆創膏の技術分野で知られているように、それぞれの接着剤担持表面24から剥離される。
【0220】
パッケージ
保護カバーに加えて、または保護カバーの代わりに、いくつかの好ましい実施形態では、装置は、創傷包帯および絆創膏の技術分野で知られているように、密封封筒のような使用者が開封可能な密封パッケージに包装されて消費者に提供される。
【0221】
いくつかの実施形態では、保護カバーは、絆創膏の技術分野で知られているように、パッケージの一部である。
【0222】
いくつかの実施形態では、各装置は、独自のパッケージに個別に包装される。
【0223】
装置の使用
装置の実施形態の例示的な使用の実施形態は以下の通りである。
いくつかの実施形態では、装置は、封印された封筒などの封印されたパッケージで使用者に受け取られる。封筒が開封され、そこから装置が取り出される。保護カバーが装置の接触面から剥がされ、接触面が露出する。
【0224】
装置は、接触面が皮膚に数秒間密着するように、特性を把握されるべき皮膚の表面に置かれる。いくつかの実施形態では、接触面の接着剤が装置を皮膚に密着させる。いくつかの実施形態では、使用者は、接触面の皮膚への接触の質を高めるために、装置の上面を押圧する。いくつかの実施形態において、使用者は、装置をTゾーン(額及び鼻梁を含む顔の領域)に配置する。いくつかの実施形態では、使用者は、装置をUゾーン(頬及び顎を含む顔の連続領域)に配置する。いくつかの実施形態では、2つの異なる装置が皮膚表面に配置され、1つはTゾーンに、もう1つはUゾーンに配置される。
【0225】
いくつかの実施形態では、ユーザは、スマートフォンやコンピュータに搭載されているようなカメラを使用して、皮膚表面および装置本体の上面の画像を取得する。
【0226】
装置(または複数の装置)を皮膚から剥がす。
装置を上面から下にして、テーブルの上などの表面/接触面に置く。スマートフォンカメラのようなカメラなどで接触面の画像を取得する。
【0227】
取得された画像は、画像解析装置、典型的には取得された画像を解析するように構成されたコンピュータ(例えば、ソフトウェア)に送られる。いくつかの実施形態では、コンピュータは、画像を取得するために使用されるスマートフォンなどのスマートフォンの構成要素である。いくつかの実施形態では、コンピュータは、家庭用デスクトップまたはラップトップコンピュータなどのローカルコンピュータである。いくつかの実施形態では、コンピュータは、画像が送信されるリモートコンピュータ(例えば、クラウド)であり、例えば、インターネットによって送信される。
【0228】
幾つかの実施形態では、識別子マークを参照して、装置がユーザに取り付けられている間の上面の画像を分析して、ユーザ、装置がユーザに送信された時期、及び又は装置のロット番号を特定する。
【0229】
いくつかの実施形態では、画像補正機能を参照して、装置がユーザに取り付けられている間の上面の画像は、ユーザの肌の色(例えば、フィッツパトリックスケール)、およびいくつかの実施形態では、そばかす、日焼け、色素沈着、しみ、跡、にきび、および(年齢に関連する)しみのような肌の特徴を識別するために分析される。
【0230】
接触面の画像が分析される。典型的には、少なくとも接触面の特性部分に対応する取得された画像の部分は、レンズの歪みやカメラアングルの歪みなどの歪みを考慮するために、画像補正機能を参照して識別され、スケーリングされ、形状補正される。
【0231】
いくつかの実施形態では、画像解析装置は、汚染特性部分に対応する画像の部分を参照して皮膚の清浄度を計算する。
【0232】
幾つかの実施形態では、画像解析装置は、水和特性部分に対応する画像の部分を参照して、皮膚の水和を計算する。
【0233】
いくつかの実施形態では、画像解析装置は、皮脂インジケータに対応する画像の部分を参照して、皮膚の油性及び/又は他の特性を計算する。
【0234】
計算された皮膚の特性を用いて、また、いくつかの実施形態では、(例えば、画像のメタデータから復元されるような)人の地理的位置に対して、皮膚が特徴付けられた人のために適切な化粧品調製物が提供され、推奨され、又は製造され得る。
【0235】
いくつかの実施形態では、ユーザは、(画像解析の終了時に直ちに)装置の接触面の画像から得られた結果の数値を提供される。いくつかの実施形態では、ユーザは、TゾーンとUゾーンについて別々に、1つまたは複数の皮膚特性に関する数値を含む表を受け取る。
【0236】
いくつかの実施形態では、装置は、異なる条件下、例えば、異なる季節、異なる場所、異なる時間帯、異なる活動の後などで皮膚の特性を把握するために定期的に使用される。
【0237】
他に定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾がある場合は、定義を含む本明細書が優先される。
【0238】
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」およびそれらの文法的変形は、記載された特徴、整数、ステップまたは構成要素を特定するものとみなされるが、1つまたは複数の追加の特徴、整数、ステップ、構成要素またはそれらのグループの追加を排除するものではない。
【0239】
本明細書において、不定冠詞 "a "および "an "は、文脈上そうでないことが明らかでない限り、"少なくとも1つ "または "1つ以上 "を意味する。
【0240】
本明細書において、数値の前に「約」という用語がある場合、「約」という用語は±10%を示すことを意図している。
【0241】
本明細書で使用される場合、「Aおよび/またはB」という形式の句は、(A)、(B)または(AおよびB)からなる群からの選択を意味する。本明細書で使用される場合、「A、BおよびCのうちの少なくとも1つ」という形の句は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)または(AおよびBおよびC)からなる群からの選択を意味する。
【0242】
明確にするために、別個の実施形態の文脈で記載されている本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されることもあることが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている本発明の様々な特徴も、別個に、または任意の適切なサブコンビネーションで、または本発明の他の説明された実施形態において適切なように提供されてもよい。様々な実施形態の文脈で説明される特定の特徴は、その実施形態がそれらの要素なしでは動作不能でない限り、それらの実施形態の本質的な特徴とはみなされない。
【0243】
本明細書に記載される方法および/または装置の実施形態は、選択されたタスクを手動、自動、またはそれらの組み合わせで実行または完了することを含むことができる。本明細書に記載されるいくつかの方法および/または装置は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせからなる構成要素を使用して実施される。いくつかの実施形態において、いくつかの構成要素は、汎用コンピュータおよびデジタルプロセッサなどの汎用構成要素である。いくつかの実施形態では、いくつかの構成要素は、回路、集積回路またはソフトウェアなどの専用またはカスタム構成要素である。
【0244】
例えば、いくつかの実施形態において、実施形態の一部は、例えば汎用コンピュータまたはカスタムコンピュータの一部であるデータプロセッサによって実行される複数のソフトウェア命令として実装される。いくつかの実施形態では、データプロセッサ又はコンピュータは、命令及び/又はデータを記憶するための揮発性メモリ、及び/又は、命令及び/又はデータを記憶するための不揮発性ストレージ、例えば磁気ハードディスク及び/又はリムーバブルメディアを備える。いくつかの実施形態では、実装はネットワーク接続を含む。いくつかの実施形態において、実装は、一般に、入力装置(例えば、コマンドおよび/またはパラメータの入力を可能にする)および出力装置(例えば、動作のパラメータおよび結果を報告することを可能にする)のうちの1つまたは複数からなるユーザインターフェースを含む。
【0245】
本発明をその特定の実施形態と併せて説明してきたが、多くの代替案、修正および変形が当業者には明らかであろうことは明らかである。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入るそのような代替案、修正例および変形例をすべて包含することを意図している。
【0246】
本出願における参考文献の引用または特定は、そのような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることを認めるものと解釈してはならない。
【0247】
節の見出しは、本明細書の理解を容易にするために使用されるものであり、必ずしも限定的であると解釈されるべきではない。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
【国際調査報告】