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特表2024-522591トップフォイルの離脱を防止するジャーナルフォイル空気軸受
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】トップフォイルの離脱を防止するジャーナルフォイル空気軸受
(51)【国際特許分類】
   F16C 27/02 20060101AFI20240614BHJP
【FI】
F16C27/02 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575547
(86)(22)【出願日】2022-06-16
(85)【翻訳文提出日】2023-12-07
(86)【国際出願番号】 KR2022008572
(87)【国際公開番号】W WO2022265440
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0078943
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518398925
【氏名又は名称】株式会社ティーエヌイーコリア
【氏名又は名称原語表記】TNE KOREA CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、キョンス
【テーマコード(参考)】
3J012
【Fターム(参考)】
3J012AB20
3J012BB01
3J012DB05
3J012EB10
3J012HB01
(57)【要約】
本発明は、ジャーナルフォイル空気軸受に係り、中心線を中心に回転する回転軸の半径方向に沿って加えられる荷重を支持するためのジャーナルフォイル空気軸受であって、回転軸の外周面と対面するように配置され、回転軸を取り囲むように配置されている第1トップフォイル;第1トップフォイルを取り囲むように配置されている第2トップフォイル;弾性変形可能な部材であって、第2トップフォイルを取り囲むように配置されているバンプフォイル;バンプフォイルを取り囲むように配置されているベースフォイル;第1トップフォイルに少なくとも1つが設けられており、第1トップフォイルが回転軸の長手方向に沿って離脱しないように拘束する離脱防止部;を含み、離脱防止部は、第2トップフォイルに向かって予め定められた長さ突出しており、第2トップフォイルによって回転軸の長手方向に変位しないように拘束されることを特徴とする。本発明によれば、作動中に第1トップフォイルが回転軸の長手方向に押し出されず、軸受の性能が減少せず、押し出された第1トップフォイルが他の部品と接触して深刻な2次損傷を引き起こさない効果がある。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心線を中心に回転する回転軸の半径方向に沿って加えられる荷重を支持するためのジャーナルフォイル空気軸受であって、
前記回転軸の外周面と対面するように配置され、前記回転軸を取り囲むように配置されている第1トップフォイルと、
前記第1トップフォイルを取り囲むように配置されている第2トップフォイルと、
弾性変形可能な部材であって、前記第2トップフォイルを取り囲むように配置されているバンプフォイルと、
前記バンプフォイルを取り囲むように配置されているベースフォイルと、
前記第1トップフォイルに少なくとも1つが設けられており、前記第1トップフォイルが前記回転軸の長手方向に沿って離脱しないように拘束する離脱防止部と、を含み、
前記離脱防止部は、前記第2トップフォイルに向かって予め定められた長さ突出しており、前記第2トップフォイルによって前記回転軸の長手方向に変位しないように拘束されることを特徴とするジャーナルフォイル空気軸受。
【請求項2】
前記第1トップフォイルは、プレス加工された長方形金属薄板を前記中心線を中心に丸く巻いてC字状断面のパイプ形態に形成され、
前記離脱防止部は、予め定められた形状にプレス加工された前記長方形金属薄板の突出した一部を折り曲げて形成されることを特徴とする請求項1に記載のジャーナルフォイル空気軸受。
【請求項3】
前記離脱防止部は、前記第1トップフォイルの中空両端部にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載のジャーナルフォイル空気軸受。
【請求項4】
前記離脱防止部は、複数個設けられ、前記第1トップフォイルの円周方向に沿って予め定められた間隔で互いに離隔されていることを特徴とする請求項1に記載のジャーナルフォイル空気軸受。
【請求項5】
前記離脱防止部は、前記第2トップフォイルに向かって予め定められた長さ突出しており、前記ベースフォイルの外周面よりさらに長く突出していないことを特徴とする請求項1に記載のジャーナルフォイル空気軸受。
【請求項6】
前記離脱防止部は、前記ベースフォイル及び前記バンプフォイルと接触しないことを特徴とする請求項1に記載のジャーナルフォイル空気軸受。
【請求項7】
前記第2トップフォイルに設けられており、前記離脱防止部と脱着自在に結合される離脱防止部結合孔を含むことを特徴とする請求項1に記載のジャーナルフォイル空気軸受。
【請求項8】
前記離脱防止部結合孔は、前記第2トップフォイルの一端部中央に設けられていることを特徴とする請求項7に記載のジャーナルフォイル空気軸受。
【請求項9】
前記離脱防止部結合孔は、前記第2トップフォイルの中空両端部にそれぞれ設けられており、一側が開口されていることを特徴とする請求項7に記載のジャーナルフォイル空気軸受。
【請求項10】
前記トップフォイルの一端部、前記バンプフォイルの一端部、前記ベースフォイルの一端部、及び前記ベースフォイルの他端部を互いに結合させる結合手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のジャーナルフォイル空気軸受。
【請求項11】
前記第1トップフォイル、前記第2トップフォイル、前記バンプフォイル及び前記ベースフォイルのうちの少なくとも1つは、プレス加工によって量産可能な形状を備えることを特徴とする請求項1に記載のジャーナルフォイル空気軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャーナルフォイル空気軸受に係り、作動中にトップフォイルが回転軸の長手方向に押し出されず、軸受の性能低下及び損傷が発生しないジャーナルフォイル空気軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
空気軸受(air bearing)は、回転軸と軸受との間で圧縮された空気の圧力で回転軸を浮上させて荷重を支持する軸受である。
【0003】
そのような空気軸受は、空気のように粘性を有する気体が動く面と共に移動していて、停止面に出合って気体が圧縮されれば、移動面と停止面との間に閉じ込まれた空気の圧力が上昇しながら移動面を持ち上げる原理を利用する。
【0004】
空気軸受には、回転軸の長手方向に沿って加えられる荷重を支持するためのトラスト空気軸受(thrust air bearing)と、回転軸の半径方向に沿って加えられる荷重を支持するためのジャーナル空気軸受(journal air bearing)がある。
【0005】
ジャーナル空気軸受の一種であって、圧力形成をさらに有利にし、高速での動的安定性を高めるために薄い素材のフォイル(foil)を使用するジャーナルフォイル空気軸受(journal foil air bearing)がある。
【0006】
図17には、そのようなジャーナルフォイル空気軸受1の一例が図示されているが、ジャーナルフォイル空気軸受1は、予め定められた回転方向Wに回転する回転軸Fの外周面と対面するように配置され、回転軸Fを取り囲むトップフォイル2と、弾性変形可能な波状部材としてトップフォイル2を取り囲むように配置されるバンプフォイル3を備え、トップフォイル2とバンプフォイル3との一端部は、軸受ハウジングSの内面の溶接部4に溶接されている。
【0007】
しかし、従来のジャーナルフォイル空気軸受1は、比較的部品点数が減少するので、軸受ハウジングSの寸法管理側面でさらに有利であるが、軸受を軸受ハウジングSに取り付けるか、分解する作業が非常に不便であり、作業現場で軸受の部品2、3を保管し、管理することが非常に困難であるという問題点がある。
【0008】
そして、従来のジャーナルフォイル空気軸受1は、バンプフォイル3が軸受ハウジングSの内周面に直接取り付けられるので、軸受ハウジングSの内周面は、形状寸法以外にも、一定の粗度(roughness)を有するように加工されねばならないので、軸受ハウジングSの内周面には、研削加工やコーティングなどの特殊工程が追加的に遂行されなければならないので、全体として製品コストが上昇する問題点もある。
【0009】
一方、従来のジャーナルフォイル空気軸受1では、トップフォイル2とバンプフォイル3とを軸受ハウジングSの内面に溶接によって固定しており、溶接以外にもキー(Key)を用いた固定、ボルトとピン(pin)とを利用した固定など非常に多様な方法が使用されているが、そのような方法は、技術的な不確実性と組立て/分解作業の困難、製品コスト上昇などの問題点がある。
【0010】
上述した問題点を解消するために、韓国特許登録公報(登録番号10-1558490、登録日:2015年10月1日)では、ベースフォイルとバンプフォイル及びトップフォイルとを結合手段によって結合させることで、1つの塊に先にモジュール化された後、取り付けられるジャーナルフォイル空気軸受を開示している。
【0011】
しかし、従来のジャーナルフォイル空気軸受1及び韓国特許登録公報(登録番号10-1558490)のジャーナルフォイル空気軸受は、頻繁な始動/停止、外部の振動及び衝撃などによって、作動中にトップフォイルまたはバンプフォイルの固定されていない一端部(自由端)が回転軸方向に押し出される問題点がある。そのような場合には、軸受の性能が低下するだけではなく、押し出されたバンプフォイル及びトップフォイルが他の部品と接触して摩耗されることで、深刻な2次損傷をもたらすという問題点がある。
【0012】
そのような問題点を解消するために、軸受を組立てた後、円環状の離脱防止用リング(ring)を軸受の側面に組立てて、トップフォイルまたはバンプフォイルの固定されていない一端部(自由端)が回転軸方向に押し出されないようにしたが、そのような方法は、全体としての組立て時間を増加させる問題点がある。
【0013】
また、従来の離脱防止用リング(ring)を使用する場合には、離脱防止用リングの内周面と回転軸との物理的接触を防止するために、離脱防止用リングの内周面と回転軸との間隔を十分に確保しなければならない問題点があるが、そのような問題点によって、バンプフォイルの離脱を防止する効果は、ある程度確保することができるが、回転軸の表面に非常に近接配置されたトップフォイルの離脱は防止することができない問題点もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記の問題を解決するために案出されたものであって、その目的は、作動中にトップフォイルが回転軸の長手方向に押し出されず、軸受の性能低下及び損傷が発生しないように構造が改善されたジャーナルフォイル空気軸受を提供するためである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するために本発明によるジャーナルフォイル空気軸受は、中心線を中心に回転する回転軸の半径方向に沿って加えられる荷重を支持するためのジャーナルフォイル空気軸受であって、回転軸の外周面と対面するように配置され、回転軸を取り囲むように配置されている第1トップフォイル;第1トップフォイルを取り囲むように配置されている第2トップフォイル;弾性変形可能な部材であって、第2トップフォイルを取り囲むように配置されているバンプフォイル;バンプフォイルを取り囲むように配置されているベースフォイル;第1トップフォイルに少なくとも1つが設けられており、第1トップフォイルが回転軸の長手方向に沿って離脱しないように拘束する離脱防止部;を含み、離脱防止部は、第2トップフォイルに向かって予め定められた長さ突出しており、第2トップフォイルによって回転軸の長手方向に変位しないように拘束されることを特徴とする。
【0016】
ここで、第1トップフォイルは、プレス加工された長方形金属薄板を中心線を中心に丸く巻いてC字状断面のパイプ形態に形成され、離脱防止部は、予め定められた形状にプレス加工された金属薄板の突出した一部を折り曲げて形成されることが望ましい。
【0017】
ここで、離脱防止部は、第1トップフォイルの中空両端部にそれぞれ設けられていることが望ましい。
【0018】
ここで、離脱防止部は、複数個設けられ、第1トップフォイルの円周方向に沿って予め定められた間隔で互いに離隔されてもいる。
【0019】
ここで、離脱防止部は、第2トップフォイルに向かって予め定められた長さ突出しており、ベースフォイルの外周面よりさらに長く突出していないことが望ましい。
【0020】
ここで、離脱防止部は、ベースフォイル及びバンプフォイルと接触しないことが望ましい。
【0021】
ここで、第2トップフォイルに設けられており、離脱防止部と脱着自在に結合される離脱防止部結合孔を含んでもよい。
【0022】
ここで、離脱防止部結合孔は、第2トップフォイルの一端部中央に設けられてもいる。
【0023】
ここで、離脱防止部結合孔は、第2トップフォイルの中空両端部にそれぞれ設けられており、一側が開口されてもいる。
【0024】
ここで、トップフォイルの一端部とバンプフォイルの一端部とベースフォイルの一端部及びベースフォイルの他端部を互いに結合させる結合手段を備えることが望ましい。
【0025】
ここで、第1トップフォイル、第2トップフォイル、バンプフォイル及びベースフォイルのうちの少なくとも1つは、プレス加工によって量産可能な形状を備えることが望ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、中心線を中心に回転する回転軸の半径方向に沿って加えられる荷重を支持するためのジャーナルフォイル空気軸受であって、回転軸の外周面と対面するように配置され、回転軸を取り囲むように配置されている第1トップフォイル;第1トップフォイルを取り囲むように配置されている第2トップフォイル;弾性変形可能な部材であって、第2トップフォイルを取り囲むように配置されているバンプフォイル;バンプフォイルを取り囲むように配置されているベースフォイル;第1トップフォイルに少なくとも1つが設けられており、第1トップフォイルが回転軸の長手方向に沿って離脱しないように拘束する離脱防止部;を含み、離脱防止部が、第2トップフォイルに向かって予め定められた長さ突出しており、第2トップフォイルによって回転軸の長手方向に変位しないように拘束されるので、作動中に第1トップフォイルが回転軸の長手方向に押し出されず、軸受の性能が減少せず、押し出された第1トップフォイルが他の部品と接触して深刻な2次損傷を招かない効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施例であるジャーナルフォイル空気軸受の斜視図である。
図2図1に図示されたジャーナルフォイル空気軸受の分離斜視図である。
図3図1に図示されたジャーナルフォイル空気軸受の正面図である。
図4図3に図示されたジャーナルフォイル空気軸受の「IV」部分の拡大図である。
図5図3に図示されたジャーナルフォイル空気軸受の「V」部分の拡大図である。
図6図2に図示されたベースフォイルの部分拡大図である。
図7図2に図示された第2トップフォイルと第1トップフォイルが結合された状態を示す図面である。
図8図2に図示された第1トップフォイルの部分拡大図である。
図9】本発明の第2実施例である第2トップフォイルと第1トップフォイルとが結合された状態を示す図面である。
図10図9に図示された第1トップフォイルの部分拡大図である。
図11図9に図示された第2トップフォイルの部分拡大図である。
図12】本発明の第3実施例である第2トップフォイルと第1トップフォイルとが結合された状態を示す図面である。
図13図12に図示された第1トップフォイルの部分拡大図である。
図14図12に図示された第2トップフォイルの部分拡大図である。
図15図2に図示された結合部材を示す図面である。
図16図1に図示されたジャーナルフォイル空気軸受が軸受ハウジングに取り付けられて使用される状態を示す図面である。
図17】従来のジャーナルフォイル空気軸受を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明の一実施例であるジャーナルフォイル空気軸受の斜視図であり、図2は、図1に図示されたジャーナルフォイル空気軸受の分離斜視図である。図3は、図1に図示されたジャーナルフォイル空気軸受の正面図である。
【0030】
図1ないし図3を参照すれば、本発明の望ましい実施例によるジャーナルフォイル空気軸受100は、中心線Cを中心に回転する回転軸Fの半径方向に沿って加えられる荷重を支持するためのジャーナルフォイル空気軸受(journal foil air bearing)であって、ベースフォイル10と、バンプフォイル20と、トップフォイル30、40、50と、結合手段を含んで構成される。
【0031】
ベースフォイル10は、図2に図示されたように柔軟かつ弾力性のある金属薄板をプレス加工して製造される円形パイプ部材であって、ベースフォイル本体11、挿入部12、収容部13、組立て方向識別溝14、及び離脱防止部15を含んでいる。
【0032】
本実施例においてベースフォイル10は、プレス加工された長方形金属薄板を、中心線Cを中心に丸く巻いてC字状断面のパイプ形態に形成される。
【0033】
ベースフォイル本体11は、中心線Cに沿って予め定められた長さ延びている円形パイプ部材であって、内部には、中心線Cを円の中心にする中空Hが形成されている。
【0034】
ベースフォイル本体11は、後述するバンプフォイル20を取り囲むように配置されることで、ベースフォイル本体11の中空Hにバンプフォイル20が収容される。
【0035】
挿入部12は、図4に図示されたようにベースフォイル本体11の左端部に形成されている部分であって、本実施例では、後述する収容部13に収容されるようにベースフォイル本体11の左端部がL字状に折り曲げられて上方に突設されている。
【0036】
挿入部12には、図4に図示されたように予め定められた間隔で中心線Cに沿って離隔されている4個の結合孔121が形成されている。
【0037】
収容部13は、図2に図示されたようにベースフォイル本体11の右端部に形成されている部分であって、水平部131、垂直部132、結合孔133、及び収容空間134を含む。
【0038】
水平部131は、図4に図示されたようにベースフォイル本体11の右端部が「∩」状に折り曲げられて形成される部分において、上端部に水平に位置する長方形部分である。
【0039】
垂直部132は、図4に図示されたように水平部131の両端部から下方に垂直に延びている部分であって、一対が設けられて予め定められた間隔で互いに離隔されている。
【0040】
結合孔133は、図2に図示されたように一対の垂直部132にそれぞれ4個ずつ形成された孔であって、予め定められた間隔で中心線Cに沿って離隔されている。
【0041】
結合孔133は、挿入部12に形成された結合孔121と対応する位置に形成されている。
【0042】
収容空間134は、図4に図示されたようにベースフォイル本体11の右端部が「∩」状に折り曲げられて形成されることで、下側に設けられる空間であって、中心線Cに向かって下方に開口されている。
【0043】
収容空間134は、トップフォイル30、40、50の挿入部32、42、52とバンプフォイル20の挿入部22及びベースフォイル10の挿入部12を収容するための空間である。
【0044】
本実施例において収容部13は、図16に図示されたように軸受ハウジングSの内周面に形成されたハウジング溝Pに挿入されるように、ベースフォイル本体11の外周面から半径方向に突出している。
【0045】
組立て方向識別溝14は、図1に図示されたようにベースフォイル10の前端部に形成された「L」字状溝であって、軸受の組立時、または軸受装着時に、作業者の組立て及び取り付けのミスを防止するための溝である。
【0046】
離脱防止部15は、ベースフォイル10の中空Hに収容されたバンプフォイル20が回転軸Fの長手方向Cに沿って離脱しないように拘束するストッパであって、ベースフォイル10の中空H両端部のうち、少なくとも1つに設けられている。
【0047】
本実施例において離脱防止部15は、図2に図示されたようにベースフォイル10の中空Hの一端部に2個、ベースフォイル10の中空Hの他端部に2個がそれぞれ設けられている。
【0048】
ここで、ベースフォイル10の中空H一端部にある2個の離脱防止部15は、ベースフォイル10の円周方向に沿って180°間隔で互いに離隔されている。
【0049】
本実施例において、ベースフォイル10の中空Hの一端部に設けられた離脱防止部15とベースフォイル10の中空Hの他端部に設けられた離脱防止部15は、互いに隣接する位置に配置されている。
【0050】
ここで、互いに隣接する一対の離脱防止部15の間の長手方向C離隔距離は、バンプフォイル20の幅と予め定められた公差内で同じ値を有する。
【0051】
離脱防止部15は、図5に図示されたように回転軸Fに向かって予め定められた長さH1突出しており、末端部151が回転軸Fの表面に接触しないように設けられている。
【0052】
本実施例において離脱防止部15は、図5に図示されたように回転軸Fの外周面と直接対面する第1トップフォイル50の表面よりさらに長く突出していない。
【0053】
本実施例において離脱防止部15の末端部151は、図5に図示されたように直線的に形成されておらず、中心線Cを円の中心とする円形からなっている。
【0054】
本実施例において離脱防止部15は、ベースフォイル本体11を形成するためのプレス加工時にほぼ長方形に突出した一部を形成した後、その突出した一部を90°折り曲げて形成される。
【0055】
バンプフォイル20は、図2に図示されたように柔軟かつ弾力性のある金属薄板をプレス加工して製造される円形パイプ部材であって、バンプフォイル本体21と、挿入部22と、結合孔23と、組立て方向識別溝24を含んでいる。
【0056】
バンプフォイル本体21は、中心線Cに沿って予め定められた長さ延びている円形パイプ部材であって、内部には、中心線Cを円の中心にする中空Hが形成されている。
【0057】
本実施例においてバンプフォイル本体21は、プレス加工された長方形金属薄板を、中心線Cを中心に丸く巻いてC字状断面のパイプ形態に形成される。
【0058】
バンプフォイル本体21は、ベースフォイル10の中空Hに収容された状態で、トップフォイル30、40、50を取り囲むように配置される。
【0059】
バンプフォイル本体21は、中心線Cの半径方向に弾性変形が可能になるように、多数の山と谷とが交互に連結された波(wave)形状の部分を含んでいる。
【0060】
挿入部22は、図2及び図4に図示されたようにバンプフォイル本体21の右端部に形成されている部分であって、本実施例では、後述する収容部13に収容されるようにバンプフォイル本体21の右端部がL字状に折り曲げられて上方に突設されている。
【0061】
以下、バンプフォイル20の挿入部22と後述するトップフォイル30、40、50の挿入部32、42、52が形成されている部分を「ルート部」と表現する。
【0062】
結合孔23は、図2に図示されたように予め定められた間隔で中心線Cに沿って離隔されている一対の孔であって、挿入部22に形成されている。
【0063】
組立て方向の識別溝24は、図1に図示されたようにバンプフォイル20の前端部に形成された「L」字状溝であって、軸受の組立時または軸受装着時、作業者の組立て及び装着ミスを防止するための溝である。
【0064】
組立て方向識別溝24は、組立て方向識別溝14と対応する位置に同じ形状からなっている。
【0065】
バンプフォイル本体21の左端部は、図2に図示されたように自由に運動することができる自由端(free end)である。
【0066】
本実施例においてバンプフォイル20は、2個設けられており、図4に図示されたように互いに重畳して配置されている。
【0067】
トップフォイル30、40、50は、図2に図示されたように柔軟かつ弾力性のある金属薄板をプレス加工して製造される円形パイプ部材であって、回転軸Fの外周面と対面する位置に配置される部材である。
【0068】
本実施例においてトップフォイル30、40、50は、第3トップフォイル30、第2トップフォイル40、及び第1トップフォイル50を含んでいる。
【0069】
第3トップフォイル30は、図2に図示されたように柔軟かつ弾力性のある金属薄板をプレス加工して製造される円形パイプ部材であって、第2トップフォイル40の外周面と対面するように配置され、トップフォイル本体31、挿入部32、結合孔33、及び組立て方向識別溝34を含んでいる。
【0070】
ベースフォイル10、バンプフォイル20、及びトップフォイル30、40、50は、同じ材質の金属薄板によって製造され、それぞれの厚さは、互いに異なってもいる。
【0071】
トップフォイル本体31は、中心線Cに沿って予め定められた長さ延びている円形パイプ部材であって、内部には、中心線Cを円の中心にする中空Hが形成されている。
【0072】
本実施例においてトップフォイル本体31は、プレス加工された長方形金属薄板を中心線Cを中心に丸く巻いてC字状断面のパイプ形態に形成される。
【0073】
トップフォイル本体31は、バンプフォイル20の中空Hに収容された状態で、第2トップフォイル40を取り囲むように配置される。
【0074】
挿入部32は、図4に図示されたようにトップフォイル本体31の左端部に形成されている部分であって、本実施例では、後述する収容部13に収容されるようにトップフォイル本体31の左端部がL字状に折り曲げられて上方に突設されている。
【0075】
結合孔33は、図2に図示されたように予め定められた間隔で中心線Cに沿って離隔されている4個の孔であって、挿入部32に形成されている。
【0076】
組立て方向識別溝34は、図1に図示されたように第3トップフォイル30の前端部に形成された「L」字状溝であって、軸受の組立時または軸受装着時に、作業者の組立て及び装着ミスを防止するための溝である。
【0077】
組立て方向識別溝34は、組立て方向識別溝14、24と対応する位置に同じ形状からなっている。
【0078】
トップフォイル本体31の右端部は、図2に図示されたように自由に運動することができる自由端(free end)である。
【0079】
第2トップフォイル40は、図2に図示されたように柔軟かつ弾力性のある金属薄板をプレス加工して製造される円形パイプ部材であって、第1トップフォイル50と第3トップフォイル30との間に配置される部材である。
【0080】
第2トップフォイル40は、トップフォイル本体41、挿入部42、結合孔43、組立て方向識別溝44、及び離脱防止部結合孔45を含む。
【0081】
第2トップフォイル40は、上述した第3トップフォイル30とほとんどの構成が同一であるか、対応するので、以下では、両者の違いについてのみ説明する。
【0082】
第2トップフォイル40は、図2に図示されたように挿入部42がトップフォイル本体41の右端部に形成されている。
【0083】
そして、第2トップフォイル40は、第3トップフォイル30と異なって、トップフォイル本体41が比較的短い長さを有するので、自由端(free end)の位置が挿入部42の反対側に位置する。
【0084】
第1トップフォイル50は、図2に図示されたように柔軟かつ弾力性のある金属薄板をプレス加工して製造される円形パイプ部材であって、回転軸Fと第2トップフォイル40との間に位置することで、回転軸Fの外周面と直接対面している。
【0085】
第1トップフォイル50は、トップフォイル本体51、挿入部52、結合孔53、組立て方向識別溝54、及び離脱防止部55を含む。
【0086】
第1トップフォイル50は、回転軸Fの外周面と対面する表面に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE;polytetrafluoroethylene)を含むコーティング材(図示せず)がコーティングされている。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、いわゆる、テフロン(Teflon)(登録商標)とも称される。
【0087】
第1トップフォイル50は、上述した第3トップフォイル30とほとんどの構成が同一であるか、対応するので、以下では、両者の違いについてのみ説明する。
【0088】
離脱防止部55は、第1トップフォイル50が回転軸Fの長手方向に沿って離脱しないように拘束するストッパであって、第1トップフォイル50に少なくとも1つが設けられている。
【0089】
離脱防止部55は、図2に図示されたように第1トップフォイル50の中空H両端部にそれぞれ設けられている。
【0090】
本実施例では、離脱防止部55が第1トップフォイル50の中空H両端部にそれぞれ1個ずつ設けられている。
【0091】
本実施例において離脱防止部55は、図2に図示されたように離脱防止効果を極大化させるために、トップフォイル本体51の自由端(free end)末端部の両側面にそれぞれ設けられている。
【0092】
本実施例において離脱防止部55は、図4に図示されたように第2トップフォイル40に向かって予め定められたH2突出しており、第2トップフォイル40のルート部側面に拘束されることで、回転軸Fの長手方向Cに変位しない構造を有する。
【0093】
本実施例において離脱防止部55は、トップフォイル本体51を形成するためのプレス加工時にほぼ長方形に突出した一部を形成した後、その突出した一部を90°に折り曲げて形成される。
【0094】
本実施例において離脱防止部55は、図4に図示されたようにベースフォイル10の外周面よりさらに長く突出しておらず、ベースフォイル10及びバンプフォイル20と接触しない位置と形状を有する。
【0095】
ここで、一対の離脱防止部55の間の長手方向Cの離隔距離は、第2トップフォイル40の幅と予め定められた公差以内で同じ値を有する。
【0096】
結合手段は、ベースフォイル10の収容部13に収容されたトップフォイル30、40、50の挿入部32、42、52とバンプフォイル20の挿入部22及びベースフォイル10の挿入部12を、ベースフォイル10の収容部13に結合するための手段である。
【0097】
本実施例において結合手段は、結合孔121、133、23、33、43、53と、結合部材60を含む。
【0098】
結合孔121、133、23、33、43、53は、既に説明したので、それについての説明は省略する。
【0099】
結合部材60は、図15に図示されたようにコ字状の薄板部材であって、結合孔121、133、23、33、43、53に挿入され、トップフォイル30、40、50、バンプフォイル20、及びベースフォイル10を互いに固定させる部材である。該結合部材60は、本体部61、貫通部62、及び折曲部63を含む。
【0100】
本体部61は、長く延びた帯状の部分であって、中心線Cに沿って垂直部132の外面に配置される。
【0101】
貫通部62は、結合孔121、133、23、33、43、53に挿入される部分であって、本体部61の両端にそれぞれ配置されている。
【0102】
本実施例において貫通部62は、本体部61から「L」字状に折り曲げられて形成される水平部である。
【0103】
折曲部63は、貫通部62が図4に図示されたように一対の結合孔133に挿入された後、貫通部62の末端部が図4及び図15に図示されたように上方に折り曲げられて塑性変形されることで形成される垂直部である。
【0104】
折曲部63が垂直部132の外面に密着されることで、結合部材60が収容部13から分離離脱されずに堅固に結合される。
【0105】
すなわち、最初には「―」状を有する貫通部62が、垂直部132のうち1つの外面に本体部61が密着されるように十分に挿入された後、突出した貫通部62の末端部を上方に折り曲げて塑性変形させることで、折曲部63が形成される。
【0106】
本実施例において、トップフォイル30、40、50とバンプフォイル20及びベースフォイル10は、溶接工程を使用せず、プレス加工によって自動的に切開及び折り曲げられることで、量産可能な形状を具備している。
【0107】
一方、図9には、本発明の第2実施例である第2トップフォイル40aと第3トップフォイル50aとの結合構造が図示されている。
【0108】
第1トップフォイル50aには、図10に図示されたように離脱防止部55が自由端(free end)の末端部中央に設けられている。
【0109】
第1トップフォイル50aの離脱防止部55aは、回転軸Fの長手方向に沿って延びており、第1トップフォイル50aの自由端(free end)の末端部の前面に配置されている。
【0110】
ここで、離脱防止部55aも、トップフォイル本体51を形成するためのプレス加工時にほぼ長方形に突出した一部を形成した後、その突出した一部を90°に折り曲げて形成される。
【0111】
第2トップフォイル40aのルート部には、図11に図示されたように離脱防止部55aと脱着自在に結合される離脱防止部結合孔45aが対応する位置及び形状に設けられている。
【0112】
一方、図12には、本発明の第3実施例である第2トップフォイル40bと第3トップフォイル50bの結合構造が図示されている。
【0113】
第1トップフォイル50bには、図13に図示されたように離脱防止部55bが自由端(free end)の末端部の前面に一対が設けられている。
【0114】
離脱防止部55bは、第1トップフォイル50bの中空Hの両端部に互いに最大限離隔された状態で配置されている。
【0115】
第2トップフォイル40bには、図14に図示されたように離脱防止部55bと脱着自在に結合される離脱防止部結合孔45bが対応する位置及び形状に設けられている。
【0116】
本実施例において離脱防止部結合孔45bは、外側の一端部が開口されることで、コ字状を有する。
【0117】
以下、上述した構成のジャーナルフォイル空気軸受100を組立てて取り付ける方法の一例を説明する。
【0118】
まず、結合部材60を装着していない状態で、ベースフォイル10とバンプフォイル20及びトップフォイル30、40、50を図2に図示されたように組立てる。この際、図16及び図4に図示されたように回転軸Fの外周面と対面するように第1トップフォイル50を配置し、第1トップフォイル50を取り囲むように第2トップフォイル40を配置し、第2トップフォイル40を取り囲むように第3トップフォイル30を配置し、第3トップフォイル30を取り囲むように2個のバンプフォイル20を配置し、2個のバンプフォイル20を取り囲むようにベースフォイル10を配置する。
【0119】
このように図3に図示されたように、ベースフォイル10とバンプフォイル20及びトップフォイル30、40、50を組立てれば、図4に図示されたように結合孔121、133、23、33、43、53は、一列に整列される。
【0120】
引き続き、図15に図示されたような結合部材60を結合孔133に挿入した後、末端部を折り曲げて折曲部63を形成すれば、結合部材60が収容部13から分離離脱されず、堅固に結合されることで、ジャーナルフォイル空気軸受100の組立てが完了する。
【0121】
ここで、図5に図示されたように離脱防止部15は、ベースフォイル10の中空Hに収容されたバンプフォイル20が回転軸Fの長手方向Cに沿って両方向に離脱しないように、バンプフォイル20の両側面を拘束する。
【0122】
また、図4に図示されたように離脱防止部55によって、第1トップフォイル50の自由端の末端部が回転軸Fの長手方向に沿って両方向に離脱しないように拘束される。
【0123】
最後に、このように「モジュール化」(modularizing)されたジャーナルフォイル空気軸受100を、図16に図示されたように内周面上端部にハウジング溝Pを備えた軸受ハウジングSに挿入させれば、ジャーナルフォイル空気軸受100の装着が完了する。この際、作業者は、組立て方向識別溝14、24、34、44、54を利用して軸受の装着位置及び方向を正確に識別しながら、中心線Cに沿って押し入れる方式で簡単にジャーナルフォイル空気軸受100を軸受ハウジングSに装着させる。ここで、収容部13は、ハウジング溝Pに収容される。
【0124】
上述した構成のジャーナルフォイル空気軸受100は、中心線Cを中心に回転する回転軸Fの半径方向に沿って加えられる荷重を支持するためのジャーナルフォイル空気軸受であって、回転軸Fの外周面と対面するように配置され、回転軸Fを取り囲むように配置されているトップフォイル30、40、50;弾性変形可能な部材であって、トップフォイル30、40、50を取り囲むように配置されているバンプフォイル20;バンプフォイル20を取り囲むように配置されており、中心線Cに沿って予め定められた長さ延びている円形パイプ部材であって、内部には、中心線Cを円の中心にする中空Hが形成されているベースフォイル10;ベースフォイル10に少なくとも1つが設けられており、ベースフォイル10の中空Hに収容されたバンプフォイル20が回転軸Fの長手方向Cに沿って離脱しないように拘束する離脱防止部15;を含み、離脱防止部15は、回転軸Fに向かって予め定められた長さH1突出しており、末端部が回転軸Fの表面に接触しないように設けられているので、作動中にバンプフォイル20が回転軸Fの長手方向Cに押し出されず、軸受の性能が減少せず、押し出されたバンプフォイル20が他の部品と接触して深刻な2次損傷を引き起こさない長所がある。
【0125】
そして、ジャーナルフォイル空気軸受100は、離脱防止部15の末端部151が、中心線Cを円の中心にする円形からなっているので、離脱防止部15がトップフォイル30、40、50または回転軸Fと接触する可能性が低くなる長所がある。
【0126】
また、ジャーナルフォイル空気軸受100は、ベースフォイル10が、プレス加工された長方形金属薄板を中心線Cを中心に丸く巻いてC字状断面のパイプ形態に形成され、離脱防止部15が、予め定められた形状にプレス加工された金属薄板の突出した一部を折り曲げて形成されるので、溶接工程を使用せず、プレス加工によって離脱防止部15を備えたベースフォイル10を量産可能な長所がある。
【0127】
そして、ジャーナルフォイル空気軸受100は、離脱防止部15が、ベースフォイル10の中空Hの両端部にそれぞれ設けられているので、ベースフォイル10の中空Hに収容されたバンプフォイル20が回転軸Fの長手方向Cに沿って両方向に離脱しない長所がある。
【0128】
また、ジャーナルフォイル空気軸受100は、離脱防止部15が複数個設けられ、ベースフォイル10の円周方向に沿って予め定められた間隔で互いに離隔されているので、離脱防止部15がバンプフォイル20の側面全体を均等に拘束することができる長所がある。
【0129】
そして、ジャーナルフォイル空気軸受100は、離脱防止部15が回転軸Fに向かって予め定められた長さ突出しており、回転軸Fの外周面と対面する第1トップフォイル50の表面よりさらに長く突出していないので、離脱防止部15による回転軸Fの損傷やノイズが発生しない長所がある。
【0130】
また、ジャーナルフォイル空気軸受100は、トップフォイル30、40、50の一端部、バンプフォイル20の一端部、ベースフォイル10の一端部、及びベースフォイル10の他端部を互いに結合させる結合手段を備えるので、予め組立てられて1つの固まりにモジュール化させやすく、作業現場で軸受ハウジングSに取り付けるか、分解する作業が非常に簡便であり、軸受の保管及び管理が容易であるという長所がある。
【0131】
そして、ジャーナルフォイル空気軸受100は、トップフォイル30、40、50、バンプフォイル20及びベースフォイル10のうちの少なくとも1つは、プレス加工によって量産可能な形状を備えるので、溶接などの方法を使用する場合に比べて量産に適するという長所がある。
【0132】
また、ジャーナルフォイル空気軸受100は、ベースフォイル10がバンプフォイル20及びトップフォイル30、40、50の外形を保持する役割をする長所があり、ベースフォイル10の内周面は、滑らかな薄板からなっているので、形状公差と表面摩擦力とが軸受ハウジングSの内周面に比べて優れた値を保持するので、図17に図示されたように軸受ハウジングSの内周面がバンプフォイル3と直接接触する従来のジャーナルフォイル空気軸受1に比べて、軸受ハウジングSの内面の表面加工状態が良くないにしても、軸受の装着が容易であり、軸受の性能にほとんど影響を与えない長所がある。
【0133】
そして、ジャーナルフォイル空気軸受100は、収容部13が、ベースフォイル10の一端部が「∩」状に折り曲げられて形成される収容空間134を備えるので、溶接工程を使用せず、プレス加工によってベースフォイル10を量産することができる長所がある。
【0134】
また、ジャーナルフォイル空気軸受100は、トップフォイル30、40、50の一端部とバンプフォイル20の一端部及びベースフォイル10の他端部は、収容部13に収容されるようにL字状に折り曲げられて形成される挿入部12、22、32、42、52を備えるので、挿入部12、22、32、42、52を、溶接工程を使用せず、プレス加工によって量産し、挿入部12、22、32、42、52が収容部13に簡単に収容されうる長所がある。
【0135】
そして、ジャーナルフォイル空気軸受100は、収容部13が、ベースフォイル10の外周面から半径方向に突出しているので、軸受ハウジングSに形成されたハウジング溝Pに収容部13を挿入させることで、正確な方向と深さによって軸受ハウジングSに取り付けられる長所がある。
【0136】
また、ジャーナルフォイル空気軸受100は、中心線Cを中心に回転する回転軸Fの半径方向に沿って加えられる荷重を支持するためのジャーナルフォイル空気軸受であって、回転軸Fの外周面と対面するように配置され、回転軸Fを取り囲むように配置されている第1トップフォイル50;第1トップフォイル50を取り囲むように配置されている第2トップフォイル40;弾性変形可能な部材であって、第2トップフォイル40を取り囲むように配置されているバンプフォイル20;バンプフォイル20を取り囲むように配置されているベースフォイル10;第1トップフォイル50に少なくとも1つが設けられており、第1トップフォイル50が回転軸Fの長手方向Cに沿って離脱しないように拘束する離脱防止部55;を含み、離脱防止部55が、第2トップフォイル40に向かって予め定められた長さH2突出しており、第2トップフォイル40によって回転軸Fの長手方向に変位しないように拘束されるので、作動中に第1トップフォイル50が回転軸Fの長手方向Cに押し出されず、軸受の性能が減少せず、押し出された第1トップフォイル50が他の部品と接触して深刻な2次損傷を引き起こさない長所がある。
【0137】
そして、ジャーナルフォイル空気軸受100は、第1トップフォイル50が、プレス加工された長方形金属薄板を中心線Cを中心に丸く巻いてC字状断面のパイプ形態に形成され、離脱防止部55が、予め定められた形状にプレス加工された金属薄板の突出した一部を折り曲げて形成されるので、溶接工程を使用せず、プレス加工によって離脱防止部55を備えた第1トップフォイル50を量産することができる長所がある。
【0138】
また、ジャーナルフォイル空気軸受100は、離脱防止部55が、第1トップフォイル50の中空Hの両端部にそれぞれ設けられているので、第1トップフォイル50の自由端である末端部が回転軸Fの長手方向Cに沿って両方向に離脱しない長所がある。
【0139】
そして、ジャーナルフォイル空気軸受100は、離脱防止部55が、第2トップフォイル40に向かって予め定められた長さH2突出しており、ベースフォイル10の外周面よりさらに長く突出していないので、軸受作動中に離脱防止部55がベースフォイル10または軸受ハウジングSに接触しない長所がある。
【0140】
また、ジャーナルフォイル空気軸受100は、離脱防止部55がベースフォイル10及びバンプフォイル20と接触しないように設けられているので、軸受作動中に離脱防止部55によるベースフォイル10及びバンプフォイル20の損傷やノイズが発生しない長所がある。
【0141】
そして、ジャーナルフォイル空気軸受100は、第2トップフォイル40a、40bに設けられており、離脱防止部55a、55bと脱着自在に結合される離脱防止部結合孔45a、45bを含んでもよいので、離脱防止部55a、55bの位置を第1トップフォイル50の末端部両端側面以外に設けられうる長所がある。
【0142】
また、ジャーナルフォイル空気軸受100は、図9に図示されたように離脱防止部結合孔45aが第2トップフォイル40aの一端部中央に設けられるので、1つの離脱防止部55aのみでも、第1トップフォイル50の末端部の拘束が両方向ともに可能であるという長所がある。
【0143】
そして、ジャーナルフォイル空気軸受100は、離脱防止部結合孔45bが第2トップフォイル40の中空H両端部にそれぞれ設けられており、一側が開口されているので、1個の離脱防止部55aのみを使用する場合に比べて、さらに堅固に第1トップフォイル50の末端部と第2トップフォイル40のルート部とを結合させうる長所がある。
【0144】
本実施例においては、離脱防止部55が第1トップフォイル50の末端部中空Hの両端部にそれぞれ1個ずつ設けられているが、第1トップフォイル50の円周方向に沿って予め定められた間隔で互いに離隔された状態で複数個が第1トップフォイル50の中空H両端部にそれぞれ設けられてもよいということは言うまでもない。
【0145】
以上、本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施例に記載した内容に限定されるものではなく、当該技術分野の通常の知識を有する者によって修正または変更された等価の構成は、本発明の技術的思想の範囲を外れるものではないということは明白である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】