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特表2024-522599エアロゾル生成装置及びその動作方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/51 20200101AFI20240614BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20240614BHJP
   A24F 40/60 20200101ALI20240614BHJP
【FI】
A24F40/51
A24F40/465
A24F40/60
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575628
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(85)【翻訳文提出日】2023-12-07
(86)【国際出願番号】 KR2022008141
(87)【国際公開番号】W WO2022270798
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0081853
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン ファン
(72)【発明者】
【氏名】キム、トン スン
(72)【発明者】
【氏名】イ、スン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ソク ス
(72)【発明者】
【氏名】ハン、テ ナム
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC22
4B162AC37
4B162AC50
4B162AD15
4B162AD20
4B162AD23
(57)【要約】
一実施形態に係わるエアロゾル生成装置は、気流通路を含むハウジング、インダクタを含み、気流通路を介して流れる気流に基づいて形状が変形されるセンサ部、及びセンサ部と連結されるプロセッサを含み、該プロセッサは、センサ部の変形程度によって変化するインダクタのインダクタンス値を測定し、第1時間間隔の間、第1臨界値以上に維持される前記測定されたインダクタンス値に基づいてパフを検出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気流通路を含むハウジングと、
インダクタを含み、前記気流通路を介して流れる気流に基づいて形状が変形されるセンサ部と、
前記センサ部と連結されるプロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、
前記センサ部の変形程度によって変化する前記インダクタのインダクタンス値を測定し、
第1時間間隔の間、第1臨界値以上に維持される前記測定されたインダクタンス値に基づいてパフを検出する、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記第1時間間隔の間、前記第1臨界値以上に維持された以後、第2時間間隔の間、第2臨界値以上に維持される前記測定されたインダクタンス値に基づいてパフを検出する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記第2臨界値は、前記第1臨界値より小さく、
前記第2時間間隔は、前記第1時間間隔より短い、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
ユーザインターフェースをさらに含み、
前記プロセッサは、
検出されたパフの表示をユーザに出力するように、前記ユーザインターフェースを制御する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記ユーザインターフェースは、
視覚的方式、聴覚的方式または触覚的方式で表示を出力するように構成された、請求項4に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
エアロゾル生成物質を加熱するヒータをさらに含み、
前記プロセッサは、前記パフを検出することに基づき、前記ヒータに印加される電力を制御する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
エアロゾル生成物質を加熱するヒータをさらに含み、
前記プロセッサは、前記ヒータが作動することに基づき、前記パフを検出する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記センサ部は、気流によって変形されるパネル、及び前記パネルと前記インダクタとが配されるベースを含み、
前記パネルと前記ベースとのうち少なくとも1つの変形に対応し、前記インダクタのインダクタンスが変化する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記ベースは、片持ち梁であり、前記気流通路の内側面から突出される、請求項8に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記ベースは、気流の通過を許容する複数の孔を含み、前記気流通路の少なくとも一部分を覆うように配される、請求項8に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
気流が出入りすることができるように、前記気流通路の一地点において分岐されるチャンバをさらに含み、
前記センサ部は、前記チャンバに配される、請求項8に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項12】
前記ベースは、前記チャンバの少なくとも一部を覆うように配される、請求項11に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項13】
前記インダクタは、平面コイルを含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項14】
前記センサ部は、複数の平面コイルが配列されたアレイを含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項15】
インダクタを含み、気流通路を介して流れる気流に基づいて形状が変形されるエアロゾル生成装置のセンサ部を介してインダクタンス値を測定する段階と、
第1時間間隔の間、第1臨界値以上に維持される前記測定されたインダクタンス値に基づき、パフを検出する段階と、を含む、エアロゾル生成装置の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置及びその動作方法に係り、さらに詳細には、気流の流れによるインダクタンス変化を介してパフを検出するエアロゾル生成装置及びその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法を求める需要が増大している。例えば、シガレットを燃焼させ、エアロゾル(aerosol)を生成させる方法ではなく、エアロゾル生成物質を加熱させ、エアロゾルを生成させる方法を求める需要が増大している。それにより、加熱式エアロゾル生成装置に係わる研究が活発に進められている。
【0003】
エアロゾル生成装置は、自体の使用状態を判断し、ユーザに、該エアロゾル生成装置の状態に係わる情報を伝達することができる。例えば、該エアロゾル生成装置は、ユーザによるパフ(puff)を検出することができる。従来には、気流通路と区別される別途のチャンバに配された圧力センサを介し、パフを検出する方式を利用したが、そのような従来の方式は、センサの配置位置が制限され、汚染に脆弱であるだけではなく、パフ検出性能が落ちるという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、気流の微細な流れを感知することにより、ユーザのパフを精密に検出することができるエアロゾル生成装置及びその動作方法を提供するものである。
【0005】
本実施形態を介して解決しようとする課題は、前述の課題に制限されず、言及されていない課題は、本明細書及び添付図面から、本実施形態が属する技術分野において通常の知識を有する者に明確に理解されうるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係わるエアロゾル生成装置は、気流通路を含むハウジング、インダクタを含み、前記気流通路を介して流れる気流によって形状が変形されるセンサ部、及び前記センサ部と連結されるプロセッサを含み、前記プロセッサは、前記センサ部の変形程度によって変化する前記インダクタのインダクタンス値を測定し、前記測定されたインダクタンス値が第1時間間隔の間、第1臨界値以上に維持されれば、パフを検出しうる。
【0007】
一実施形態に係わるエアロゾル生成装置の動作方法は、インダクタを含み、気流通路を介して流れる気流によって形状が変形されるセンサ部を介してインダクタンス値を測定する段階、及び前記測定されたインダクタンス値が第1時間間隔の間、第1臨界値以上に維持されれば、パフを検出する段階を含むものでもある。
【発明の効果】
【0008】
前述の実施形態に係わるエアロゾル生成装置は、気流の流れに敏感に反応するセンサを介し、高感度のパフ感知機能を具現することができる。
【0009】
また、前述の実施形態に係わるエアロゾル生成装置に含まれたセンサは、相対的に小さい体積を有し、気流が流れるいずれの位置にも配され、さらに自由なエアロゾル生成装置の内部設計が可能である。
【0010】
本実施形態による効果は、前述の効果に制限されず、言及されていない効果は、本明細書及び添付図面から、本実施形態が属する技術分野において通常の知識を有する者に明確に理解されうるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係わるエアロゾル生成装置を示す図である。
図2】他の実施形態に係わるエアロゾル生成装置を示す図である。
図3】さらに他の実施形態に係わるエアロゾル生成装置を示す図である。
図4】エアロゾル生成装置のパフ検出方式について説明するためのグラフである。
図5A】一実施形態に係わるインダクタを含むセンサ部の一様態を示す図である。
図5B】一実施形態に係わるインダクタを含むセンサ部の他の様態を示す図である。
図5C】一実施形態に係わるインダクタを含むセンサ部のさらに他の様態を示す図である。
図6】一実施形態に係わる複数のインダクタを含むセンサ部を示す図である。
図7A】一実施形態に係わるセンサ部の一様態を示す図である。
図7B】一実施形態に係わるセンサ部の他の様態を示す図である。
図7C】一実施形態に係わるセンサ部のさらに他の様態を示す図である。
図8A】他の実施形態に係わるセンサ部の一様態を示す図である。
図8B】他の実施形態に係わるセンサ部の他の様態を示す図である。
図9A】さらに他の実施形態に係わるセンサ部の一様態を示す図である。
図9B】さらに他の実施形態に係わるセンサ部の他の様態を示す図である。
図10】一実施形態に係わるエアロゾル生成装置の動作方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
一実施形態に係わるエアロゾル生成装置は、気流通路を含むハウジング、インダクタを含み、前記気流通路を介して流れる気流に基づいて形状が変形されるセンサ部、及び前記センサ部と連結されるプロセッサを含み、前記プロセッサは、前記センサ部の変形程度によって変化する前記インダクタのインダクタンス値を測定し、第1時間間隔の間、第1臨界値以上に維持される前記測定されたインダクタンス値に基づいてパフを検出しうる。
【0013】
また、前記プロセッサは、前記第1時間間隔の間、前記第1臨界値以上に維持された以後、第2時間間隔の間、第2臨界値以上に維持される前記測定されたインダクタンス値に基づいてパフを検出しうる。
【0014】
また、前記第2臨界値は、前記第1臨界値より小さく、前記第2時間間隔は、前記第1時間間隔よりも短い。
【0015】
また、エアロゾル生成装置は、ユーザインターフェースを含み、前記プロセッサは、検出されたパフの表示をユーザに出力するように、前記ユーザインターフェースを制御しうる。
【0016】
また、前記ユーザインターフェースは、視覚的方式、聴覚的方式または触覚的方式で表示を出力するように構成されうる。
【0017】
また、エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質を加熱するヒーターをさらに含み、前記プロセッサは、前記パフを検出することに基づき、前記ヒータに印加される電力を制御しうる。
【0018】
また、エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質を加熱するヒータをさらに含み、前記プロセッサは、前記ヒータが作動することに基づき、前記パフを検出しうる。
【0019】
また、前記センサ部は、気流によって変形されるパネル、及び前記パネルと前記インダクタとが配されるベースを含み、前記パネルと前記ベースとのうち少なくとも1つの変形に対応し、前記インダクタのインダクタンスが変化しうる。
【0020】
また、前記ベースは、片持ち梁(cantilever)であり、前記気流通路の内側面から突出されうる。
【0021】
また、前記ベースは、気流の通過を許容する複数の孔を含み、前記気流通路の少なくとも一部分を覆うように配されうる。
【0022】
また、エアロゾル生成装置は、気流が出入りすることができるように、前記気流通路の一地点において分岐されるチャンバをさらに含み、前記センサ部は、前記チャンバに配されうる。
【0023】
また、前記ベースは、前記チャンバの少なくとも一部を覆うように配されうる。
【0024】
また、前記インダクタは、平面コイルを含むものでもある。
【0025】
また、前記センサ部は、複数の平面コイルが配列されたアレイ(array)を含むものでもある。
【0026】
一実施形態に係わるエアロゾル生成装置の動作方法は、インダクタを含み、気流通路を介して流れる気流に基づいて形状が変形されるエアロゾル生成装置のセンサ部を介してインダクタンス値を測定する段階、及び第1時間間隔の間、第1臨界値以上に維持される前記測定されたインダクタンス値に基づき、パフを検出する段階を含むものでもある。
【0027】
本実施形態で使用される用語は、本発明における機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、それは、当分野に従事する技術者の意図、判例、または新たな技術の出現などによって異なりうる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本発明で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とを基に定義されなければならない。
【0028】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むものでもあることを意味する。また、明細書に記載された「~部」、「~モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によって具現されうる。
【0029】
本明細書で使用されているように、「少なくともいずれか1つの」というような表現が、配列された構成要素の前にあるとき、配列されたそれぞれの構成ではなく、全体構成要素を修飾する。例えば、「a、b及びcのうち少なくともいずれか一つ」という表現は、a、b、c、a及びb、a及びc、b及びc、またはa、b及びcを含むと解釈されなければならない。
【0030】
以下においては、添付図面を参照し、本発明の実施形態につき、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施することができるように本発明の非制限的な実施形態についてさらに詳細に説明する。しかしながら、本発明は、さまざまに異なる形態に具現され、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。
【0031】
また、本明細書で使用される「第1」または「第2」というような序数を含む用語は、多様な構成要素についての説明に使用されうるが、該構成要素は、用語によって限定されるものではない。該用語は、1つの構成要素を、他の構成要素から区別する目的のみに使用される。
【0032】
また、図面上の一部構成要素は、その大きさや比率などが若干誇張されて図示されたものでもある。また、ある図面上に図示された構成要素が、他の図面上には、図示されもしないのである。
【0033】
また、明細書全体において、構成要素の「長手方向」は、該構成要素が該構成要素の一方向軸に沿って延長される方向でもあり、このとき、構成要素の一方向軸は、該一方向軸を横切る他の方向軸よりも、該構成要素がさらに長く延長される方向を意味しうる。例えば、エアロゾル生成装置の長手方向は、図1ないし図3において、気流がエアロゾル生成装置から排出される方向と並んでいる方向を意味しうる。
【0034】
明細書全体において「実施形態」は、本開示において、発明について容易に説明するための任意の区分であり、該実施形態それぞれが、互いに排他的である必要はない。例えば、一実施形態に開示された構成は、他の実施形態に適用及び/または具現され、本開示の範囲を外れない限度において変更され、適用及び/または具現されうる。
【0035】
また、本開示で使用されている用語は、本実施形態について説明するためのものであり、本実施形態を制限するものではない。本開示において、単数形は特別に言及されない限り、複数形も含む。
【0036】
図1は、一実施形態に係わるエアロゾル生成装置を示す図面であり、図2は、他の実施形態に係わるエアロゾル生成装置を示す図面であり、図3は、さらに他の実施形態に係わるエアロゾル生成装置を示す図面である。
【0037】
図1を参照すれば、一実施形態に係わるエアロゾル生成装置100aは、バッテリ110、プロセッサ120、ヒータ130a、気流通路160及びセンサ部170を含むものでもある。また、エアロゾル生成装置100aのハウジング101の内部空間には、エアロゾル生成物品200が挿入されうる。
【0038】
図2を参照すれば、他の実施形態に係わるエアロゾル生成装置100bは、バッテリ110、プロセッサ120、ヒータ130b、蒸気化器140、気流通路160及びセンサ部170を含むものでもある。図3を参照すれば、さらに他の実施形態に係わるエアロゾル生成装置100cは、バッテリ110、プロセッサ120、ヒータ130c、液体保存部150c、気流通路160及びセンサ部170を含むものでもある。
【0039】
図1ないし図3に図示されたエアロゾル生成装置100a,100b,100cには、本実施形態と係わる構成要素が図示されている。従って、図1ないし図3に図示された構成要素以外に、他の構成要素が、エアロゾル生成装置100a,100b,100cにさらに含まれるものでもあるということは、本実施形態と係わる技術分野において通常の知識を有する者であるならば、理解することができるであろう。
【0040】
エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置100a,100bに挿入されれば、エアロゾル生成装置100a,100bは、ヒータ130a,130b及び/または蒸気化器140を作動させ、エアロゾル生成物品200及び/または蒸気化器140からエアロゾルを発生させることができる。ヒータ130a,130b及び/または蒸気化器140によって生じたエアロゾルは、エアロゾル生成物品200を通過し、ユーザに伝達される。ここで、該エアロゾルは、該エアロゾル生成物質から生じた蒸気化された粒子と、空気とが混合された状態の気体を意味しうる。
【0041】
必要により、エアロゾル生成物品200が、エアロゾル生成装置100a,100b,100cに挿入されていない 場合にも、エアロゾル生成装置100a,100b,100cは、ヒータ130a,130b,130cを加熱することができる。
【0042】
例えば、一実施形態に係わるエアロゾル生成装置100aは、エアロゾル生成物品200が挿入されていない状態においてヒータ130aを加熱し、ハウジング101の内部空間にある残余物を除去することができる。
【0043】
他の例として、さらに他の実施形態に係わるエアロゾル生成装置100cは、エアロゾル生成物品200が挿入されていない状態において、液体保存部150cに保存されたエアロゾル生成物質の相(phase)を気体相に変換し、エアロゾルを生成することができる。バッテリ110は、エアロゾル生成装置100a,100b,100cが動作するのに利用される電力を供給する。例えば、バッテリ110は、ヒータ130a,130b,130cまたは蒸気化器140が加熱されうるように、電力を供給することができ、プロセッサ120が動作するのに必要な電力を供給することができる。また、バッテリ110は、エアロゾル生成装置100a,100b,100cに設けられたディスプレイ、センサ、モータなどが動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0044】
プロセッサ120は、エアロゾル生成装置100a,100b,100cの動作を全般的に制御する。具体的には、プロセッサ120は、バッテリ110、ヒータ130a,130b,130c及び蒸気化器140だけではなく、エアロゾル生成装置100a,100b,100cに含まれた他構成の動作を制御する。また、プロセッサ120は、エアロゾル生成装置100a,100b,100cの構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置100a,100b,100cが動作可能な状態であるか否かということを判断することもできる。
【0045】
プロセッサ120は、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されうるプログラムが保存されたメモリとの組み合わせによっても具現される。また、他形態のハードウェアによっても具現されるということは、本実施形態が属する技術分野において通常の知識を有する者であるならば、理解することができるであろう。
【0046】
ヒータ130a,130b,130cは、バッテリ110から供給された電力によって作動することができる。例えば、エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置100bに挿入されれば、ヒータ130bは、エアロゾル生成物品200の外部に位置しうる。従って、加熱されたヒータ130bは、エアロゾル生成物品200内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させることができる。
【0047】
ヒータ130a,130b,130cは、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ130a,130b,130cには、電気伝導性トラック(track)を含み、電気伝導性トラックに電流が流れることにより、ヒータ130a,130b,130cが加熱されうる。しかし、ヒータ130a,130b,130cは、前述の例に限定されず、希望温度まで加熱されうるものであるならば、制限なしに該当しうる。ここで、該希望温度は、エアロゾル生成装置100a,100b,100cに既設定のものでもあり、ユーザにより、所望する温度に設定されもする。
【0048】
なお、他の例として、ヒータ130a,130b,130cは、誘導加熱式ヒータでもある。具体的には、ヒータ130a,130b,130cには、エアロゾル生成物品を、誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含むものでもあり、エアロゾル生成物品は、誘導加熱式ヒータによって加熱されうるサセプタを含むものでもある。
【0049】
例えば、それぞれのヒータ130a,130b,130cは、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素または棒状加熱要素を含むものでもあり、該加熱要素の形態により、エアロゾル生成物品200の内部または外部を加熱することができる。
【0050】
また、エアロゾル生成装置100a,100b,100cには、ヒータが複数個配されもする。このとき、該複数個のヒータは、エアロゾル生成物品200の内部に挿入されるように配されもし、エアロゾル生成物品200の外部にも配される。また、複数個のヒータのうち一部は、エアロゾル生成物品200の内部に挿入されるように配され、残りは、エアロゾル生成物品200の外部に配されうる。また、該ヒータの形状は、図1ないし図3に図示された形状に限定されず、多様な形状に作製されうる。
【0051】
エアロゾル生成物品200は、一般的な燃焼型シガレットと類似してもいる。例えば、エアロゾル生成物品200は、エアロゾル生成物質を含む第1部分と、フィルタなどを含む第2部分とに区分されうる。または、エアロゾル生成物品200の第2部分にも、エアロゾル生成物質が含まれもする。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作られたエアロゾル生成物質が、第2部分に挿入されうる。
【0052】
エアロゾル生成物品200に含まれたタバコロッドは、エアロゾル生成物質を含むものでもある。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち少なくとも一つを含むものでもあるが、それらに限定されるものではない。また、該タバコロッドは、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含むものでもある。また、該タバコロッドには、メントールまたは保湿剤のような加香液が、タバコロッドに噴射されることによっても添加される。
【0053】
タバコロッドは、多様に作製されうる。例えば、該タバコロッドは、シート(sheet)によっても作製され、ストランド(strand)によっても作製される。また、該タバコロッドは、タバコシートが細かく刻まれた刻みタバコによっても作製される。また、該タバコロッドは、熱伝導物質によっても取り囲まれる。例えば、該熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルでもあるが、それに限定されるものではない。一例として、該タバコロッドを取り囲む熱伝導物質は、該タバコロッドに伝達される熱を満遍なく分散させ、該タバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させることができ、それにより、タバコ味を向上させることができる。また、該タバコロッドを取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能が可能である。このとき、図面に図示されていないが、該タバコロッドは、外部を取り囲む熱伝導物質以外にも、追加のサセプタをさらに含むものでもある。
【0054】
エアロゾル生成装置100a,100bの内部には、第1部分の全体が挿入され、第2部分は、外部に露出されうる。または、エアロゾル生成装置100a,100bの内部に、第1部分の一部だけ挿入され、また第1部分の全体、及び第2部分の一部が挿入されもする。ユーザは、第2部分を口でした状態で、エアロゾルを吸入することができる。このとき、該エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することによって生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過し、ユーザの口に伝達される。
【0055】
さらに他の例として、エアロゾル生成装置100b,100cは、超音波振動方式を利用することにより、エアロゾル生成物質からエアロゾルを発生させることができる。該超音波振動方式は、振動子によって生じる超音波振動でもって、エアロゾル生成物質を霧化させることにより、エアロゾルを発生させる方式を意味しうる。該振動子から生成された短周期の振動により、該エアロゾル生成物質は、気化及び/または粒子化され、エアロゾルに霧化されうる。該振動子は、例えば、圧電セラミックスを含むものでもあり、該圧電セラミックスは、物理的な力(圧力)によって電気(電圧)を発生させ、逆に電気が印加されるとき、振動(機械的な力)を発生させることにより、電気と、機械的な力とを相互変換させることができる機能性材料である。
【0056】
蒸気化器140は、液状組成物を加熱し、エアロゾルを生成することができ、生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成物品200を通過し、ユーザに伝達されうる。言い換えれば、蒸気化器140によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置100bの気流通路に沿って移動することができ、該気流通路は、蒸気化器140によって生成されたエアロゾルが、エアロゾル生成物品200を通過し、ユーザに伝達されるように構成されうる。
【0057】
例えば、蒸気化器140は、液体保存部150b、液体伝達手段及び加熱要素142を含むものでもあるが、それらに限定されるものではない。例えば、液体保存部150b、該液体伝達手段及び加熱要素142は、独立したモジュールとして、エアロゾル生成装置100bに含まれもする。
【0058】
液体保存部150b,150cは、液状組成物を保存しうる。例えば、該液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。液体保存部150bは、蒸気化器140から/に脱着/付着されるようにも作製され、蒸気化器140と一体にも作製される。
【0059】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤またはビタミン混合物を含むものでもある。該香料は、メントール、ペパーミント、スぺアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むものでもあるが、それらに制限されるものではない。該香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供することができる成分を含むものでもある。該ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち少なくとも一つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、該液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含むものでもある。
【0060】
例えば、液状組成物は、ニコチン塩が添加された任意の重量比のグリセリンとプロピレングリコールとの溶液を含むものでもある。該液状組成物には、2種以上のニコチン塩が含まれもする。該ニコチン塩は、ニコチンに、有機酸または無機酸を含む適切な酸を添加することによって形成されうる。ニコチンは、自然に発生するニコチン、または合成ニコチンであり、液状組成物の総溶液重量に対する任意の適切な重量の濃度を有しうる。
【0061】
ニコチン塩の形成のための酸は、血中ニコチン吸収速度、エアロゾル生成装置100b,100cの作動温度、香味または風味、溶解度などを考慮して適切に選択されうる。例えば、該ニコチン塩形成のための酸は、安息香酸、乳酸、サリチル酸、ラウリン酸、ソルビン酸、レブリン酸、ピルビン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、クエン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、フェニル酢酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、グルコン酸、サッカリン酸、マロン酸またはリンゴ酸によって構成された群のうちから選択される単独の酸、または前述の群のうちから選択される2以上の酸の混合にもなるが、それらに限定されるものではない。
【0062】
液体伝達手段は、液体保存部150bの液状組成物を加熱要素142に伝達することができる。例えば、該液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラスファイバ、多孔性セラミックスのような芯(wick)にもなるが、それらに限定されるものではない。
【0063】
加熱要素142は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素142は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどにもなるが、それらに限定されるものではない。また、加熱要素142は、ニクロム線のような伝導性フィラメントによっても構成され、該液体伝達手段に巻かれる構造にも配される。加熱要素142は、電流供給によって加熱され、加熱要素142と接触された液体組成物に熱を伝達し、該液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0064】
例えば、蒸気化器140は、カトマイザ(cartomizer)またはアトマイザ(atomizer)とも称されうるが、それらに限定されるものではない。
【0065】
気流通路160は、エアロゾル生成装置100a,100b,100cの内部から気流が移動することができる通路である。気流通路160は、該気流が、エアロゾル生成装置100a,100b,100cの内部を流れるように、ハウジング101の内部に含まれたり形成されたりしうる。例えば、外部空気は、エアロゾル生成装置100a,100b,100cに形成された少なくとも1つの通孔(through-hole)を介して流入され、エアロゾル生成装置100a,100b,100cの外部に排出されうる。
【0066】
気流通路160は、ハウジング101の少なくとも一領域に位置する第1通孔162から、ハウジング101の内部に沿い、ハウジング101の他領域に位置する第2通孔164で延長されうる。ユーザがエアロゾル生成装置100a,100b,100cを介して吸入するとき、外部空気は、第1通孔162を介し、ハウジング101の内部に流入され、流入された外部空気が、エアロゾル生成装置100a,100b,100cの内部で生成されたエアロゾルと共に、第2通孔164を介し、エアロゾル生成装置100a,100b,100cの外部に排出されうる。
【0067】
再び図1を参照すれば、外部空気は、第2通孔164を介し、ハウジング101の内部に流入され、流入された外部空気は、エアロゾル生成物品200の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を介し、エアロゾル生成物品200の内部に流入され、エアロゾル生成装置100aの外部に露出されたエアロゾル生成物品200の一端部を介して排出されもする。
【0068】
第1通孔162は、エアロゾル生成装置100a,100b,100cのハウジング101に、孔状に形成されうるだけではなく、エアロゾル生成装置100a,100b,100cのハウジング101を形成する多様な部材間に区画される間隙(gap)の形態にも形成される。
【0069】
一例として、図1及び図2に図示されたところのように第2通孔164は、エアロゾル生成物品が挿入されるエアロゾル生成装置100a,100bの内部空間を介して形成されうる。他の例として、図3に図示されているように、第2通孔164は、エアロゾル生成装置100cの吸入のために、ユーザの口に触れるマウスピース102にも配される。
【0070】
図1及び図3には、バッテリ110、プロセッサ120及びヒータ130a,130cが一列に配されており、気流通路160は、エアロゾル生成装置100a,100cの一端の側面から、エアロゾル生成装置100a,100cの内部空間に延長されているように図示されている。図2には、蒸気化器140及びヒータ130bが並列に配されているように図示されており、気流通路160は、エアロゾル生成装置100bの側面から、蒸気化器140とハウジング101の内部空間とに沿って延長されているように図示されている。
【0071】
しかしながら、エアロゾル生成装置100a,100b,100cの内部構造は、図1ないし図3に図示されたところに限定されるものではない。言い換えれば、エアロゾル生成装置100a,100b,100cの設計により、バッテリ110、プロセッサ120、ヒータ130a,130b,130c、蒸気化器140、気流通路160及びセンサ部170の配置は、変更されうる。
【0072】
なお、エアロゾル生成装置100a,100b,100cは、バッテリ110、プロセッサ120、ヒータ130a,130b,130c、蒸気化器140、気流通路160及びセンサ部170以外に、汎用的な構成をさらに含むものでもある。例えば、エアロゾル生成装置100a,100b,100cは、ユーザインターフェース(図示せず)及びメモリ(図示せず)をさらに含むものでもある。
【0073】
ユーザインターフェースは、ユーザに、エアロゾル生成装置100a,100b,100cの状態に係わる情報を提供しうる。該ユーザインターフェースは、視覚情報を出力するディスプレイまたはランプ、触覚情報を出力するモータ、音情報を出力するスピーカ、ユーザから入力された情報を受信するか、あるいはユーザに情報を出力する入出力(I/O)インタフェーシング手段(例えば、ボタンまたはタッチスクリーン)とデータ通信を行うか、あるいは充電電力を供給されるための端子、外部デバイスと無線通信(例えば、Wi-Fi、WI-FI Direct、Bluetooth(登録商標)、NFC(near-field communication)など)を行うための通信インタフェーシングモジュールのような多様なインタフェーシング手段を含むものでもある。
【0074】
メモリは、エアロゾル生成装置100a,100b,100c内で処理される各種データを保存するハードウェアとして、プロセッサ120で処理されたデータ、及び処理されるデータを保存しうる。該メモリは、DRAM(dynamic random access memory)・SRAM(static random access memory)のようなRAM(random access memory)、ROM(read-only memory)、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)のような多様な種類によって具現されうる。
【0075】
メモリには、エアロゾル生成装置100a,100b,100cの動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル、及びユーザの喫煙パターンに係わるデータなどが保存されうる。
【0076】
また、エアロゾル生成装置100a,100b,100cは、他種類のセンサ(例:温度センサ、エアロゾル生成物品挿入感知センサなど)を含むものでもある。
【0077】
センサ部170は、ユーザのエアロゾル生成装置100a,100b,100cの吸入を感知するパフ感知センサを含むものでもある。例えば、該パフ感知センサは、抵抗の変化を感知する抵抗基盤センサ、またはインダクタンスの変化を感知するインダクタンス基盤センサでもある。
【0078】
センサ部170は、インダクタを含むものでもある。例えば、該インダクタは、外部から印加される可変磁場により、インダクタンス値が変化されうる。ここで、該インダクタンスは、実効(effective)インダクタンスを含む意味でもある
【0079】
センサ部170は、エアロゾル生成装置100a,100b,100cの内部を流れる気流をセンシングまたは計測することができる。センサ部170は、エアロゾル生成装置100a,100b,100cの気流通路160を介して流れる気流によって形状が変形されうる。センサ部170は、インダクタのインダクタンス変化に基づき、気流の強度に対応するインダクタンス値を出力するか、あるいはセンサ部170がセンシングした気流の強度に対応するインダクタンス値が、プロセッサ120に伝達されうる。
【0080】
図1ないし図3によれば、センサ部170は、気流通路160の第1通孔162側に位置するように図示されているが、第2通孔164側に位置することもできる。すなわち、センサ部170の位置は、前述の例示に限定されず、エアロゾル生成装置100a,100b,100cに気流が流れるいずれの位置にも配されうる。そのように、センサ部170がエアロゾル生成装置100a,100b,100cの内部に配される位置には、特別な制限がなく、センサ部170の相対的に自由な配置または設計が可能である。センサ部170に係わる多様な実施形態、及びさらに詳細な説明は、他の図面を参照して後述する。
【0081】
プロセッサ120は、センサ部170と連結され、センサ部170によってセンシングされた情報またはデータを受信し、エアロゾル生成装置100a,100b,100cのパフ発生いかんを感知することができる。ここで、プロセッサ120とセンサ部170とが連結されることは、電気的に連結されることと、無線通信で信号をやり取りしたり、光学的信号、磁気信号などをやり取りしたりすることができるように連結されるものをいずれも含む。
【0082】
プロセッサ120は、センサ部170の変形程度によって変化するセンサ部170に含まれたインダクタのインダクタンス値を測定し、測定されたインダクタンス値が、指定された時間の間、所定の臨界値以上に維持されれば、パフを検出しうる。
【0083】
ここで、指定された時間は、パフが生じたと判断するための基準になる時間であり、例えば、0.2秒ないし2.0秒に該当しうる。また、所定の臨界値は、ユーザのパフが生じたと判断することができる基準になる値であり、例えば、ユーザのエアロゾル生成装置100a,100b,100cに対する吸入によって変形されるセンサ部170のインダクタンス値と比較される値を意味しうる。
【0084】
指定された時間、及び/または所定の臨界値は、プロセッサ120またはメモリに事前に入力された値でもある。例えば、指定された時間及び/または所定の臨界値は、エアロゾル生成装置100a,100b,100cの製造社によって事前に設定されるか、あるいはエアロゾル生成装置100a,100b,100cがユーザに販売された後、ユーザによって他の値にも設定される。エアロゾル生成装置100a,100b,100cのパフ検出方式については、図4を参照してさらに詳細に後述する。
【0085】
一実施形態において、プロセッサ120は、少なくとも1つのセンサによってセンシングされた結果を分析し、続けて行われる処理を制御しうる。例えば、プロセッサ120は、検出されたパフを、指定された方式によって出力することができる。ここで、指定された方式は、視覚的方式、聴覚的方式及び触覚的方式のうち少なくともいずれか1つの方式を含むものでもある。
【0086】
プロセッサ120は、センサ部170によってセンシングされた結果に基づき、ユーザインターフェースを制御しうる。該ユーザインターフェースは、ディスプレイ、LED、スピーカ、振動モータなどを含むものでもある。例えば、プロセッサ120は、パフ感知センサを利用し、パフ発生回数をカウントし、ディスプレイを介し、残ったパフ回数を出力することができる。
【0087】
ここで、「残ったパフ回数」は、エアロゾル生成物品200の種類や大きさのような特性、または液体保存部150b,150cに保存された物質の種類や量のような特性に対応するように、事前に定められた「適切なパフ回数」から、現在までカウントされたユーザのパフ回数を差し引いた残りのパフ回数を意味しうる。適切なパフ回数は、メモリまたはプロセッサ120に保存されうる。
【0088】
また、プロセッサ120は、パフ発生回数をカウントした後、パフ回数が、事前に指定された回数に達すれば、ユーザインターフェースを介し、ユーザにエアロゾル生成装置100a,100b,100cの動作がすぐに終了すると予告することもできる。
【0089】
他の実施形態において、プロセッサ120は、他種類のセンサによってセンシングされた結果に基づき、ヒータ130a,130b,130cの動作が開始または終了されるように、ヒータ130a,130b,130cに供給される電力を制御しうる。また、プロセッサ120は、他種類のセンサによってセンシングされた結果に基づき、ヒータ130a,130b,130cが、所定の温度まで加熱されるか、あるいは適切な温度を維持するように、ヒータ130a,130b,130cに供給される電力の量、及び電力が供給される時間を制御しうる。
【0090】
例えば、プロセッサ120は、パフを検出すれば、ヒータ130a,130b,130cに印加される電力を制御しうる。一例において、プロセッサ120は、パフを検出し、ユーザがエアロゾル生成装置100a,100b,100cを吸入したと判断すれば、ヒータ130a,130b,130cを予熱することができる。それにより、ユーザがエアロゾル生成装置100a,100b,100cを吸入するだけで、手軽にエアロゾルの生成が開始されうる。
【0091】
他の例として、プロセッサ120は、パフを検出し、ユーザがエアロゾル生成装置100a,100b,100cを吸入したと判断すれば、ヒータ130a,130b,130cに供給される電力を増大させ、加熱温度を向上させることができる。すなわち、プロセッサ120は、ユーザが、エアロゾル生成装置100a,100b,100cを吸入するたびに、ヒータ130a,130b,130cの加熱温度を向上させ、ユーザの吸入時期に合わせ、エアロゾルの生成量を増加させることができる。
【0092】
さらに他の実施形態において、プロセッサ120は、ヒータ130a,130b,130cが作動する場合、エアロゾル生成装置100a,100b,100cのパフを検出しうる。例えば、プロセッサ120は、ヒータ130a,130b,130cが、エアロゾル生成装置100a,100b,100cに挿入されたエアロゾル生成物品を加熱するときにのみ、センサ部170のインダクタンス値を測定し、エアロゾル生成物品を加熱しないときには、インダクタンス値を測定しないのである。
【0093】
他の例として、プロセッサ120は、ヒータ130cが作動し、液体保存部150cから供給される液状組成物を加熱するときにのみ、センサ部170のインダクタンス値を測定し、ヒータ130cが作動しないときには、インダクタンス値を測定しないのである。
【0094】
すなわち、プロセッサ120は、ヒータ130a,130b,130cの作動いかんに基づき、センサ部170のインダクタンス値を測定するか、あるいは測定しないのである。それにより、プロセッサ120は、ヒータ130a,130b,130cが作動しないときには、パフ発生いかんに係わる判断をせず、エアロゾル生成装置100a,100b,100cの電力消耗量が節約されうる。
【0095】
さらに他の実施形態において、プロセッサ120は、センサ部170のインダクタンス値を常時測定するものの、ヒータ130a,130b,130cが作動する場合、他のプロセスを遂行することができる。例えば、プロセッサ120は、ヒータ130a,130b,130cが作動する場合にのみ、測定されたインダクタンス値が指定された時間間隔の間、臨界値以上に維持されるか否かということを判断し、エアロゾル生成装置100a,100b,100cのパフ発生を検出しうる。
【0096】
図1ないし図3には、図示されていないが、エアロゾル生成装置100a,100b,100cは、別途のクレードルと共に、システムを構成することもできる。例えば、該クレードルは、エアロゾル生成装置100a,100b,100cのバッテリ110の充電に利用されうる。または、該クレードルとエアロゾル生成装置100a,100b,100cとが結合された状態において、ヒータ130a,130b,130cが作動することもできる。
【0097】
前述の実施形態に係わるエアロゾル生成装置100a,100b,100cは、長手方向を横切る方向への断面形状が、ほぼ直方形であるが、本実施形態は、そのようなエアロゾル生成装置100a,100b,100cの形状によって制限されるものではない。エアロゾル生成装置100a,100b,100cは、例えば、円形、楕円形、正四角形、またはさまざまな形態の多角形の断面形状を有しうる。また、エアロゾル生成装置100a,100b,100cが長手方向に延長されるとき、必ずしも直線的に延長される構造に制限されず、ユーザが手にしやすい、例えば、流線形に湾曲されるか、あるいは特定領域に事前に定められた角度に曲折されながら、長く延長されうる。
【0098】
図4は、エアロゾル生成装置のパフ検出方式について説明するためのグラフである。
【0099】
図4を参照すれば、プロセッサが、センサ部で測定したインダクタンス値Lの変化が、経時的に図示されている。図4に図示されたグラフにおいて、水平軸は、時間t軸に該当し、垂直軸は、インダクタンス値L軸に該当する。
【0100】
気流が存在しない初期状態において、センサ部に含まれたインダクタは、初期インダクタンス値Lに該当する初期値Loを有しうる。該センサ部は、気流の流れによって形状が変形されるので、該センサ部に含まれたインダクタとパネルとの距離変化などにより、インダクタンス値Lが変化されうる。
【0101】
例えば、ユーザがエアロゾル生成装置を吸入すれば、センサ部の少なくとも一部が、気流の流れによって変形され、それに対応し、インダクタンス値Lは、変化しうる。ここで、ユーザの吸入強度が十分に強い場合、該センサ部で測定されるインダクタンス値Lは、第1臨界値Th1より大きい値まで増大し、ユーザの吸入強度が相対的に弱い場合には、インダクタンス値Lが第1臨界値Th1より小さい値まで増大することができる。
【0102】
ユーザの吸入が持続する時間の間、インダクタンス値Lは、所定の値以上に維持されうる。例えば、測定されたインダクタンス値Lは、指定された第1時間間隔Δt1の間、第1臨界値Th1以上に維持されうる。ここで、第1時間間隔Δt1は、前述の指定された時間の一例示であり、1秒ないし2秒に該当しうる。
【0103】
なお、微細な振動や、大気の微細な気圧差により、エアロゾル生成装置の内部に弱い気流の流れが生じうる。このとき、センサ部において、第1臨界値Th1より低いインダクタンス値Lが測定されるか、あるいは第1臨界値Th1以上のインダクタンス値Lが測定されても、インダクタンスLの変化は、指定された時間より短い時間の間だけ持続しうる。プロセッサは、そのように測定されるインダクタンス値Lの変化をノイズ(noise)と判断し、パフが生じたと判断しないのである。
【0104】
すなわち、プロセッサは、ユーザの吸入強度だけではなく、吸入の持続時間を共に考慮し、エアロゾル生成装置に対するパフを検出しうる。具体的には、該プロセッサは、吸入強度だけ強いか、あるいは吸入持続時間だけ長い場合には、パフが生じたと判断せず、吸入強度と吸入持続時間とに係わる条件がいずれも充足される場合にだけ、パフが生じたと判断することができる。それにより、ノイズにさらに強靱であり(robust)、感度及び正確度が向上されたパフ感知機能が具現されうる。
【0105】
ユーザの吸入が終了すれば、エアロゾル生成装置の内部において、気流の流れが消滅し、変形されたセンサ部の形状が復元されうる。該センサ部の変形状態、またはセンサ部の変形様相により、インダクタンス値Lは、最大値と、初期値Loより小さい最小値との間で減衰され、初期値Loに収斂されうる。
【0106】
図4に図示された例において、センサ部は、振動して気流が存在しない状態に復元され、インダクタンス値Lは、それに対応し、第1臨界値Th1と、初期値Loより小さい値との間で変化し、初期値Loに収斂されうる。
【0107】
具体的には、変形されたセンサ部のインダクタンス値Lは、第1臨界値Th1より高い値に増加していて、ユーザの吸入が終了することにより、初期値Loより小さい値に低減されうる。それにより、インダクタンス値Lは、測定された最大値と、初期値Loより小さい最小値との間で振動して減衰されうる。
【0108】
なお、図4において、インダクタンス値Lは、線形的に増減するように図示されているが、それは、一例示に過ぎず、エアロゾル生成装置に対するユーザの吸入様相(例:吸入強度)、及び/またはセンサ部の特性(例:形状、構造)などにより、非線形にも増減されうる。
【0109】
他の実施形態において、プロセッサは、インダクタンス値Lが、第1時間間隔Δt1の間、第1臨界値Th1以上に維持された以後、指定された時間の間、指定された値以上またはその値以下に維持されれば、パフを検出しうる。
【0110】
例えば、プロセッサは、インダクタンス値Lが第1時間間隔Δt1の間、第1臨界値Th1以上に維持された以後、第2時間間隔Δt2の間、第2臨界値Th2以上に維持されれば、ユーザのパフが生じたと判断し、パフを検出しうる。ここで、第2臨界値Th2は、第1臨界値Th1よりも小さく、第2時間間隔Δt2は、第1時間間隔Δt1よりも短い。例えば、第1時間間隔Δt1は、1秒ないし2秒であり、第2時間間隔Δt2は、0.1秒ないし0.2秒に該当しうる。
【0111】
そのように、プロセッサは、十分な強度(strength)及び強さ(intensity)を有するユーザの吸入によって維持される増大されたインダクタンス値Lを測定した以後、インダクタンス値Lが復元される過程をさらに考慮し、パフを検出しうる。それにより、該プロセッサは、ユーザの吸入開始だけではなく、ユーザの吸入終了まで考慮することができ、さらに正確なパフ検出が可能である。
【0112】
また、プロセッサは、インダクタンス値Lが第2時間間隔Δt2の間、第2臨界値Th2以上に維持された条件に加え、その後、第3時間間隔Δt3の間、第3臨界値Th3以上に維持されれば、ユーザのパフが生じたと判断し、パフを検出することもできる。
【0113】
以下においては、図5Aないし図9Bを参照し、インダクタ及びセンサ部の具体的な例示について説明する。
【0114】
図5Aは、一実施形態に係わるインダクタを含むセンサ部の一様態を示す図面であり、図5Bは、一実施形態に係わるインダクタを含むセンサ部の他の様態を示す図面であり、図5Cは、一実施形態に係わるインダクタを含むセンサ部のさらに他の様態を示す図面である。
【0115】
図5Aないし図5Cを参照すれば、センサ部170は、インダクタ174、気流によって変形されるパネル175、及びインダクタ174とパネル175とが配されるベース172を含むものでもある。ここで、パネル175及び/またはベース172は、気流によって変形され、インダクタ174のインダクタンスは、パネル175及び/またはベース172の変形に対応して変化しうる。図示されていないが、センサ部170は、プロセッサ(例:プロセッサ120(図1ないし図3))と連結され、電気的信号を送受信するか、あるいはバッテリ(例:バッテリ110(図1ないし図))と連結され、電力を供給されうる。
【0116】
ここで、「ベースにインダクタとパネルとが配される」という意味は、インダクタ174がベース172に配されるが、インダクタ174がパネル175及び/またはベース172の変形に対応し、インダクタンスが変化されるように配されるということを含む意味しうる。例えば、インダクタ174は、ベース172の表面に実装されるか、あるいは内部に埋め込まれ、パネル175は、インダクタ174と所定の間隔ほど離隔されるように配されうる。
【0117】
ベース172は、気流によって変形されうる剛性(rigidity)が小さい素材によって作製されるか、あるいは小さい剛性を有する形状に作製されうる。例えば、ベース172は、薄い厚みまたは断面積を有するように作製されうる。
【0118】
インダクタ174は、電流が流れうる金属物質を含むものでもある。例えば、該金属物質は、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、金、白金、パラジウム、またはそれらの合金を含むものでもあるが、それらに限定されるのではない。
【0119】
インダクタ174は、接着物質によってベース172に接着、付着されるか、あるいは締結手段によってベース172に結合されうる。また、インダクタ174は、メッキ方式(plating)、蒸着(deposit)やスプレー(spraying)のような方法を含むコーティング方式(coating)、または印刷方式(printing)により、ベース172に配されうる。
【0120】
パネル175は、渦電流(eddy current)が生じうる伝導性物質を含むものでもある。例えば、パネル175は、磁性を帯びる金属物質(例:鉄、アルミニウム)を含むものでもある。パネル175は、気流によって変形されるように、薄い厚みを有することができ、ベース172より小さい剛性を有するように作製されうる。
【0121】
パネル175が気流によって変形されれば、パネル175とインダクタ174との距離が変化しうる。このとき、パネル175とインダクタ174との距離変化に基づき、インダクタ174のインダクタンスが変化しうる。例えば、パネル175と、交流電流(alternative current)が流れるインダクタ174との距離が変化すれば、パネル175には、渦電流が生じ、該渦電流の変化により、インダクタ174のインダクタンスの変化が誘発されうる。
【0122】
一実施形態において、センサ部170は、ベース172、インダクタ174、パネル175、及びインダクタ174とパネル175との間に配される弾性体177を含むものでもある。弾性体177は、例えば、スプリング、フォーム(foam)を含むものでもある。インダクタ174は、ベースに実装され、インダクタ174とパネル175との間には、弾性体177が配され、インダクタ174とパネル175は、互いに所定の間隔ほど離隔されるように配されうる。
【0123】
弾性体177は、パネル175とインダクタ174とを離隔させ、気流によって変形されたパネル175に復元力を加え、パネル175を原位置に復帰させる。それにより、気流がセンサ部170周囲を流れるとき、パネル175とインダクタ174との距離が変化され、気流がセンサ部170周りを流れないときには、パネル175の位置が復元されうる。
【0124】
一実施形態において、インダクタ174は、平面コイルを含むものでもある。該平面コイルは、円形螺旋、四角螺旋または三角螺旋でもって巻かれた形状でもあるが、それらに限定されるのではない。該平面コイル形態のインダクタ174は、ベース172に容易に実装され、センサ部170の小型化が可能にもなる。
【0125】
図5Aを参照すれば、変形されていないセンサ部170において、インダクタ174とパネル175との間隔は、初期間隔Dでもあり、図5Bを参照すれば、第1強度の気流によって変形されたセンサ部170において、インダクタ174とパネル175との間隔は、第1間隔Dでもあり、図5Cを参照すれば、第1強度より強い第2強度の気流によって変形されたセンサ部170において、インダクタ174とパネル175との間隔は、第2間隔Dでもある。
【0126】
このとき、第1間隔Dは、初期間隔Dより狭く、第2間隔Dは、第1間隔Dよりもさらに狭い。すなわち、気流の強度が強いほど、センサ部170の変形が大きくなり、それにより、センサ部170に含まれたパネル175の変形も大きくなり、インダクタ174とパネル175との間隔が狭くなりうる。結果として、センサ部170のインダクタンス変化は、気流の強度が強いほど、大きい値として示されうる。
【0127】
図6は、一実施形態に係わる複数のインダクタを含むセンサ部を示す図面である。
【0128】
図6を参照すれば、センサ部170aは、複数のインダクタを含むものでもある。例えば、センサ部170aは、複数の平面コイル174-1,174-2,174-3,174-4,…が配列されたアレイを含むものでもある。ベース172aには、複数の平面コイル174-1,174-2,174-3,174-4,…が所定の間隔に配され、パネル175aまたはベース172aの変形に対応し、複数の平面コイル174-1,174-2,174-3,174-4,…のそれぞれと、パネル175aとの間隔が変化されうる。
【0129】
複数の平面コイル174-1,174-2,174-3,174-4,…を含むセンサ部170aで収集された複数の平面コイル174-1,174-2,174-3,174-4,…のそれぞれのインダクタンス変化は、一つに集め合わされ、センサ部170a内のインダクタンス変化がさらに精密にセンシングされるのである。例えば、センサ部170aに含まれた複数の平面コイル174-1,174-2,174-3,174-4,…のうち一部の平面コイル174-1が損傷されても、残り一部の平面コイル174-2,174-3,174-4,…からインダクタンス変化が集め合わされ、センサ部170aは、パフ発生いかん判断に要求されるインダクタンス変化をセンシングすることができる。
【0130】
他の例として、センサ部170aまたはパネル175aの一部分だけ局所的に変形されても、複数の平面コイル174-1,174-2,174-3,174-4,…のうち少なくともいずれか1つの平面コイル174-1からインダクタンス変化が集め合わされ、センサ部170aは、パフ感知に要求されるインダクタンス変化をセンシングすることができる。
【0131】
図7Aは、一実施形態に係わるセンサ部の一様態を示す図面であり、図7Bは、一実施形態に係わるセンサ部の他の様態を示す図面であり、図7Cは、一実施形態に係わるセンサ部のさらに他の様態を示す図面である。
【0132】
図7Aないし図7Cを参照すれば、センサ部170bは、気流通路160に配され、気流通路160に沿って流れる気流によって形状が変形されうる。例えば、センサ部170bに含まれたベース172bは、片持ち梁であり、気流通路160の内側面165の少なくとも一領域から突出されうる。
【0133】
片持ち梁形状のベース172bは、気流通路160の内側面165に付着することができる。例えば、ベース172bは、気流通路160の内側面165に溶接されるか、接着されるか、あるいはボルトのような締結手段によって結合されうる。他の例として、ベース172bは、気流通路160の内側面165に形成された溝に嵌め込まれうる。
【0134】
そのように、片持ち梁形状のベース172bを含むセンサ部170bは、気流通路160に容易に配されうる。しかしながら、ベース172bの気流通路160との結合方式は、それらに限定されず、気流通路160とセンサ部170bとの結合は、容易になされうる他の方式が適用されうる。
【0135】
図7Aを参照すれば、気流通路160に気流が流れないとき、センサ部170bは、形状がほとんど変形されず、インダクタ174bとパネル(図示せず)との間隔変化によるインダクタンス変化がセンシングされないのである。しかしながら、図7Bを参照すれば、気流が弱く流れるとき、センサ部170bは、微小変形dされ、それに対応する微小インダクタンス変化がセンシングされるのである。図7Cを参照すれば、気流が強く流れるとき、センサ部170bは、変形dされ、それに対応するインダクタンス変化がセンシングされるのである。
【0136】
センサ部170bの図7Bのような微小変形dは、例えば、ユーザのエアロゾル生成装置に対する吸入ではなく、エアロゾル生成装置の振動や気圧差による微細気流によるものでもある。微小変形dによるセンサ部170bに含まれたインダクタのインダクタンス値は、第1臨界値より小さい値でもあり、このときには、パフが検出されもしないのである。
【0137】
なお、センサ部170bの図7Cのような変形dは、例えば、ユーザのエアロゾル生成装置に対する十分な強度の吸入によるものでもある。そのような変形dによるセンサ部170bに含まれたインダクタのインダクタンス値は、第1臨界値以上でもあり、そのとき、パフが検出されうる。
【0138】
図7Aないし図7Cに図示されていないが、気流通路160に沿い、複数個のセンサ部170bが配されうる。例えば、センサ部170bは、エアロゾル生成装置の外部と近いところに配されるほど、長さが短いベース172bを含むものでもあり、センサ部170bは、エアロゾル生成装置の外部と遠いところに配されるほど、長さが長いベース172bを含むものでもある。
【0139】
ベース172bの長さが長くなることにより、センサ部170bは、気流が相対的に弱く作用するエアロゾル生成装置の内部奥の位置に配されても、パフ感知に要求されるインダクタンス変化がセンシングされるほどにセンサ部170bが十分に変形されうる。
【0140】
図8Aは、他の実施形態に係わるセンサ部の一様態を示す図面であり、図8Bは、他の実施形態に係わるセンサ部の他の様態を示す図面である。
【0141】
図8A及び図8Bを参照すれば、センサ部170cは、気流の通過を許容する複数の孔176を含み、気流通路160の断面領域の少なくとも一部分を覆うように配されうる。ここで、図8A及び図8Bに図示された気流通路160は、図1ないし図3に図示された気流通路160の一地点でもある。
【0142】
ベース172cは、気流通路160の内周面の枠、または円周方向(circumferential direction)に沿って付着されうる。例えば、ベース172cは、気流通路160の内周面の円周方向に沿い、結合、接着または溶接されうるが、それらに限定されるものではない。
【0143】
ベース172cの少なくとも一領域には、気流が通過しうる複数の孔176が配され、ベース172の他の領域には、インダクタ174cが配されうる。例えば、インダクタ174cは、ベース172cの中央部に配され、複数の孔176は、ベース172cの縁部分に配されうる。
【0144】
パネル175cは、インダクタ174cと所定の間隔ほど離隔されるように配されるが、ベース172cに含まれた孔176を回避して位置しうる。また、パネル175cは、気流の進行方向に対向する方向(例:ベースの下部)に配され、気流の流れによって加圧されうる。
【0145】
気流通路160の少なくとも一部分が、センサ部170cによって隠されているにしても、ベース172cが、複数の孔176を含むことにより、気流の一部は、複数の孔176を介して通過し、気流通路160に沿って流れうる。ここで、複数の孔176を介して通過することができなかった残り気流は、ベース172cに圧力をかけ、ベース172cの変形を起こしうる。
【0146】
図8Aを参照すれば、気流通路160に気流が流れないとき、センサ部170cは、形状が変形されず、インダクタ174cとパネル175cとの距離変化によるインダクタンス変化がセンシングされないのである。しかしながら、図8Bを参照すれば、気流通路160に気流が流れるとき、センサ部170は、形状が変形され、インダクタ174cとパネル175cとの距離が変化され、インダクタンス変化がセンシングされるのである。
【0147】
例えば、気流によって変形されたベース172c及び/またはパネル175cの中央部は、気流方向に沿って凸状になり、ベース172c及び/またはパネル175cの変形に対応し、ベース172cの中央部に配されたインダクタ174cとパネル175cとの間隔が変化され、結果として、センサ部170cによってインダクタンス変化がセンシングされるのである。
【0148】
図8A及び図8Bに図示されたところと異なり、ベース172cは、さらに多くの孔176を含むものでもあり、それにより、センサ部170cが、気流通路160の少なくとも一部分を覆うように配されるにもかかわらず、エアロゾル生成装置内部を流れる気流の流れが円滑になされるのである。
【0149】
図9Aは、さらに他の実施形態に係わるセンサ部の一様態を示す図面であり、図9Bは、さらに他の実施形態に係わるセンサ部の他の様態を示す図面である。
【0150】
図9A及び図9Bを参照すれば、さらに他の実施形態に係わるエアロゾル生成装置は、気流が出入りすることができるように、気流通路160の一地点において分岐されるチャンバ166をさらに含むものでもある。
【0151】
チャンバ166は、センサ部170dが配されうる別途の空間でもあり、気流通路160の一地点において、気流通路160の外部に向かう方向に分岐されて位置しうる。例えば、チャンバ166は、気流通路160の一地点において、気流通路160の断面が拡張されて形成された空間でもある。他の例として、チャンバ166は、気流通路160の一地点において分岐された通路に沿って連結された別途の空間でもある。
【0152】
センサ部170dがチャンバ166に配されることにより、センサ部170dは、気流通路160に沿って流れる気流の流れを妨害しない位置において、インダクタ174dのインダクタンス変化を計測またはセンシングしうる。
【0153】
一実施形態において、ベース172dは、チャンバ166の少なくとも一部を覆うように配されうる。例えば、ベース172dは、柱(beam)状であり、柱の両端は、チャンバ166の内壁に付着され、チャンバ166の断面領域の一部を覆うように配されうる。他の例として、ベース172dは、膜(film)状であり、チャンバ166の内壁に沿って付着され、チャンバ166の断面領域の全体を覆うように配され、インダクタ174dは、膜状のベース172dに含まれるものでもある。
【0154】
チャンバ166の内壁に配されたセンサ部170dは、気流の流れを妨害しないだけではなく、センサ部170dが、チャンバ166の内壁に堅固に固定され、センサ部170dの構造的安定性が向上されうる。
【0155】
図9Aを参照すれば、気流通路160に気流が流れないとき、センサ部170dは、形状が変形されず、インダクタンス変化がセンシングされないのである。しかしながら、図9Bを参照すれば、気流通路160に気流が流れるとき、センサ部170dは、形状が変形され、インダクタンス変化がセンシングされるのである。
【0156】
例えば、ユーザの吸入によって形成された気流の一部は、チャンバ166に負圧を形成し、ベース172dが変形され、それに対応し、インダクタ174dとパネルとの間隔が変化され、結果として、インダクタ174dのインダクタンスが変化されうる。
【0157】
図10は、一実施形態に係わるエアロゾル生成装置の動作方法を示すフローチャートである。
【0158】
図10を参照すれば、一実施形態に係わるエアロゾル生成装置の動作方法は、図1ないし図3に図示されたエアロゾル生成装置100a,100b,100cにおいて、時系列的に処理される段階を含む。従って、以下で省略される内容であるとしても、図1ないし図3のエアロゾル生成装置100a,100b,100cについて、以上で説明された内容は、図10の方法にも適用されうる。
【0159】
段階1010において、プロセッサは、センサ部を介してインダクタンス値を測定することができる。ここで、該センサ部は、インダクタを含み、気流通路を介して流れる気流によって形状が変形されうる。
【0160】
プロセッサは、センサ部に含まれたインダクタのインダクタンス値を、所定の時間ごとに測定することができる。例えば、プロセッサは、0.01秒ごとに、センサ部に含まれたインダクタのインダクタンス値を測定及び/または記録することができる。また、該プロセッサは、記録されたインダクタンス値を利用し、経時的なインダクタンス値の変化を示すグラフ(例:図4のグラフ)または趨勢線(trend line)を生成することもできる。
【0161】
さらなる実施形態によれば、インダクタンス値を測定する段階において、プロセッサは、エアロゾル生成物質を加熱するヒータの作動いかんを判断し、該ヒータが作動すると判断されれば、インダクタンス値を測定することができる。それにより、該プロセッサは、該ヒータが作動しないとき、持続してインダクタンス値を測定及び/または記録することによって生じる電力浪費を防止することができる。
【0162】
段階1020において、プロセッサは、測定されたインダクタンス値が第1時間間隔の間、第1臨界値以上に維持されれば、パフを検出しうる。例えば、該インダクタンス値が、指定された時間の間、ユーザのエアロゾル生成装置に対する吸入によると見ることができるほど十分に大きい値に維持される場合、プロセッサは、ユーザの吸入が生じたと判断し、パフを検出しうる。
【0163】
具体的には、プロセッサは、段階1010において、測定または記録した時間別に、インダクタンス値に係わるデータを介し、インダクタンス値が指定された時間の間、臨界値以上に維持される場合、ユーザの吸入が生じたと判断し、パフを検出しうる。
【0164】
他の実施形態において、プロセッサは、測定されたインダクタンス値が、第1時間間隔の間、第1臨界値以上に維持された以後、第2時間間隔の間、第2臨界値以上に維持されれば、パフを検出しうる。ここで、該第2時間間隔は、該第1時間間隔より短く、第2臨界値は、第1臨界値よりも小さい。
【0165】
そのように、プロセッサは、インダクタンス値が増加されたり維持されたりする吸入の開始過程だけではなく、インダクタンス値が復元される吸入の終了過程まで追加して考慮することにより、さらに正確なパフの検出機能を具現することができる。
【0166】
さらなる実施形態によれば、パフを検出する段階において、プロセッサは、エアロゾル生成物質を加熱するヒータの作動いかんを判断し、該ヒータが作動すると判断されれば、パフを検出しうる。それにより、該プロセッサは、ヒータが作動しないとき、持続してパフを検出するプロセスを処理することによって生じる電力浪費を防止することができる。
【0167】
さらに他の実施形態において、プロセッサは、検出されたパフを、指定された方式に出力することができる。指定された方式は、視覚的方式、聴覚的方式及び触覚的方式のうち少なくともいずれか1つの方式を含むものでもある。該プロセッサは、ユーザインターフェースを制御し、検出されたパフを出力することができる。
【0168】
例えば、プロセッサは、検出されたパフ回数をディスプレイに表示することができる。他の例として、該プロセッサは、残余パフ回数が指定された回数に達すれば、スピーカお知らせを出力するか、あるいは振動モータが振動するように制御しうる。
【0169】
一実施形態は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータによって実行可能な命令語を含む記録媒体の形態にも具現されうる。コンピュータで読み取り可能な媒体は、コンピュータによってアクセスされうる任意の可用媒体でもあり、揮発性及び不揮発性の媒体、分離型及び非分離型の媒体をいずれも含む。また、コンピュータで読み取り可能な媒体は、コンピュータ記録媒体及び通信媒体をいずれも含むものでもある。該コンピュータ記録媒体は、コンピュータで読み取り可能な命令語、データ構造、プログラムモジュール、またはその他データのような情報の保存のための任意の方法または技術によって具現された揮発性及び不揮発性、分離型及び非分離型の媒体をいずれも含む。該通信媒体は、典型的に、コンピュータで読み取り可能な命令語、データ構造、プログラムモジュールのような変調されたデータ信号のその他データ、またはその他伝送メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0170】
本実施形態と係わる技術分野において通常の知識を有する者であるならば、前述の記載の本質的な特性から外れない範囲において変形された形態に具現されうるということを理解することができるであろう。従って、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されなければならない。均等な範囲内にある全ての差異は、本発明に含まれたものであると解釈されなければならないのである。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
【国際調査報告】