(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(54)【発明の名称】テキスタイルのためのポリシロキサン系撥水剤
(51)【国際特許分類】
C08L 83/05 20060101AFI20240614BHJP
C08L 83/08 20060101ALI20240614BHJP
C08K 5/29 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
C08L83/05
C08L83/08
C08K5/29
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575642
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2023-12-07
(86)【国際出願番号】 US2022072147
(87)【国際公開番号】W WO2022266566
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】チン、シュアン
(72)【発明者】
【氏名】ストラック、ジョーダン
(72)【発明者】
【氏名】ミレイ、ショーン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ジョンウク
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002CP041
4J002CP092
4J002ER006
4J002GK02
4J002HA07
(57)【要約】
a)ポリオルガノ水素シロキサンと、b)末端位置に位置する少なくとも1つのアミノ基を含むアミノ変性ポリオルガノシロキサンと、c)ブロックイソシアネートと、を含む不連続油相を含む、水性エマルジョン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性連続相と不連続油相とを含む水性エマルジョンであって、前記不連続油相が、以下の成分:
a)50~95重量%のポリオルガノ水素シロキサンと、
b)0.1~45重量%の、末端位置に位置する少なくとも1つのアミノ基を含むアミノ変性ポリオルガノシロキサンと、
c)5~30重量%のブロックイソシアネートと、を含む、水性エマルジョン。
【請求項2】
前記不連続油相が、
i)0.5~1.5H重量%と、
ii)0.004~0.2N重量%と、を含む、請求項1に記載のエマルジョン。
【請求項3】
前記不連続油相が、成分d):0.1~10重量%の、少なくとも1つのシラノール基を含むポリオルガノシロキサンを更に含む、請求項1又は2に記載のエマルジョン。
【請求項4】
成分a)が、500~6000AMUの重量平均分子量(Mw)を有し、成分b)が、200~10,000AMUの重量平均分子量(Mw)を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【請求項5】
成分b)が、以下の式:i)(CH
2)
3NH
2及びii)CH
2CHR’’’CH
2NHR’’’(式中、R’’’は、H又は1~6個の炭素原子のアルキル基のいずれかである)のうちの少なくとも1つによって表される、請求項1~4のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【請求項6】
前記不連続油相が、以下の成分:
a)60~90重量%のポリオルガノ水素シロキサンと、
b)1~20重量%の、末端位置に位置する少なくとも1つのアミノ基を含むアミノ変性ポリオルガノシロキサンと、
c)10~25重量%のブロックイソシアネートと、を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【請求項7】
エチレン性不飽和基を含む有機材料を実質的に含まないことを更に特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【請求項8】
白金含有触媒を実質的に含まないことを更に特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【請求項9】
樹脂材料を実質的に含まないことを更に特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
関連出願に対する相互参照:本出願は、米国特許法第119条(e)に基づき、2021年6月15日出願の米国仮特許出願第63/210517号の利益を主張する。米国特許仮出願第63/210517号は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、テキスタイルを処理するのに有用なポリシロキサン系組成物に関する。本発明の組成物及び関連する処理方法は、衣類に使用される布地を処理してその撥水性を改善するのに有用である。
【背景技術】
【0003】
衣類に使用される布地などのテキスタイルは、撥水性を改善するために一般に処理される。フルオロポリマーは歴史的にそのような処理に使用されてきたが、環境及び健康への懸念がそれらの使用を制限してきた。既知の代替的なアプローチは、ポリシロキサン系コーティング組成物を利用する。適用できる組成物は、樹脂(例えば、MQ樹脂)、ポリジオルガノシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン)、ポリオルガノアルケニルシロキサン(例えば、1つ以上のアルケニル基を含むポリオルガノシロキサン)及びアミノ変性ポリオルガノシロキサンを含む1つ以上のタイプのポリシロキサンを含む。例として、米国特許第8329255号は、ブロックイソシアネート架橋剤と共にアルコキシ置換ポリオルガノシロキサン(アミノ官能基も含んでもよい)を含む組成物を記載している。米国特許出願公開第2019/0375897号は、シリコーン樹脂、アミノ変性ポリシロキサン及びブロックイソシアネートを含む組成物を記載している。米国特許第9777105号及び米国特許第10040891号は、ブロックイソシアネート及び触媒と共にアミノ変性又はアルコキシポリオルガノシロキサンを使用することを記載している。
【0004】
別の既知のクラスの組成物としては、ポリオルガノ水素シロキサン、すなわち、1つ以上の-SiH基を含むポリオルガノシロキサンが挙げられる。例えば、米国特許第3247281号は、触媒量の水溶性アミノシランと共に、少なくとも5重量%のSiH基を有するポリオルガノ水素シロキサンを含む組成物を記載している。米国特許第5409620号は、ポリオルガノ水素シロキサン、不飽和アセテート、ポリオルガノアルケニルシロキサンなどの有機ケイ素、及び金属触媒を含むヒドロシリル化ベースの系を記載している。当技術分野で知られているように、アミノ含有成分は白金触媒を被毒し、したがって、アミノ変性ポリシロキサンはそのようなヒドロシリル化ベースの系から除外される。
【0005】
撥水性に関するものではないが、ポリオルガノシロキサンは、柔軟性、潤滑性、耐久性、繊維収縮などの他の特性を改善するためにテキスタイルの処理に使用されることも知られている。例えば、米国特許第4177176号は、アミノ変性、ヒドロキシル又はアルコキシ末端ポリオルガノシロキサン及びポリオルガノ水素シロキサンを含む、繊維収縮を防止するための組成物を記載している。日本国特許出願公開第2002/146680号は、シリコン樹脂の使用に伴う「ぬめり」を排除しながら、セルロース繊維布の耐洗濯性及び柔軟性を改善するための組成物を記載している。記載された組成物は、ウレタンプレポリマー及びブロックイソシアネートと共に、アミノ変性ポリオルガノシロキサン及びポリオルガノ水素シロキサンを含む。記載されたアミノ変性ポリオルガノシロキサンは、ポリシロキサンに対してペンダント位置に位置するアミノ基を含む。
【0006】
別のクラスの組成物は、基材に塗布されたときにヒドロシリル化反応を受けて架橋反応生成物を形成する白金触媒と共にポリオルガノアルケニルシロキサン及びポリオルガノ水素シロキサンを含む。これらのヒドロシリル化ベースの系は、紙及びPETフィルムのための剥離及び撥水コーティングを調製するため(例えば、米国特許出願公開第2005/0053793号を参照されたい)、並びに布地とエアバッグとの間の接着を改善するため(例えば、米国特許第7534499号及び国際公開第2019/001901号を参照されたい)に記載されている。
【0007】
業界は、改善された撥水組成物及び関連するテキスタイル処理を求め続けている。
【発明の概要】
【0008】
本発明の発明者らは、ポリオルガノ水素シロキサン、アミノシリコーン及びブロックイソシアネートに基づく処理組成物の使用に伴う撥水性の予想外の改善を発見した。より具体的には、本発明者らは、このような組成物における末端アミノシリコーンの使用が、対応するペンダント変種の使用と比較して、はるかに優れた撥水性を提供することを発見した。本発明は、そのような組成物を、それらの調製及びテキスタイルの処理におけるそれらの使用、並びに得られたテキスタイルと共に含む。多くの実施形態が説明されている。
【0009】
一態様において、本発明は、水性連続相と不連続油相とを含む水性エマルジョンであって、不連続油相が、以下の成分:a)50~95重量%のポリオルガノ水素シロキサンと、b)0.1~45重量%の、末端位置に位置する少なくとも1つのアミノ基を含むアミノ変性ポリオルガノシロキサンと、c)5~30重量%のブロックイソシアネートと、を含む、水性エマルジョンを含む。別の態様において、本発明は、不連続油相が、i)0.5~1.5H重量%及びii)0.004~0.2N重量%のうちの少なくとも1つを含む、前述のエマルジョンを含む。本発明の更に別の態様において、前述のエマルジョンは、成分d):0.1~10重量%の、少なくとも1つのシラノール基を含むポリオルガノシロキサンを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】表2aに提供される実施例コーティングエマルジョン1~6において使用される末端アミノシリコーンのアミン濃度(N重量%)の関数としての、1回の洗濯サイクル後のBundesmann吸水量のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で使用される場合、「テキスタイル」という用語は、天然又は合成繊維の網目からなる可撓性材料を指す。代表的な繊維としては、綿、亜麻、大麻、絹、羊毛、レーヨン、セルロース、リネン、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエーテル-ポリ尿素コポリマー(例えば、「スパンデックス」)及びポリエステルが挙げられる。「テキスタイル」は、具体的には、そのような繊維を織ること、編むこと、広げること、フェルト化すること、縫うこと、かぎ針編みすること、又はボンディングするによって製造される不織布及び織布を含む。本発明の選択された実施形態では、目的の布地は、柔軟性、耐水性、及び繰り返しの洗浄(洗濯、ドライクリーニングなど)後の耐久性が所望である衣類(例えば、衣服)の製造に使用されるものである。
【0012】
本発明の組成物は、好ましくは連続水相を含むエマルジョンとして提供される。エマルジョンを調製するために使用される水は、任意選択の供給源からのものであってもよく、任意選択で、例えば、濾過、蒸留、逆浸透法などによって精製されてもよい。より詳細に記載されるように、エマルジョンは、界面活性剤を更に含む。界面活性剤(あるいは、「乳化剤」と呼ばれる)は、水性連続相内の不連続ポリシロキサン(油)相を乳化する働きをする。エマルジョンの不連続油相は、エマルジョンの総重量(すなわち、水、界面活性剤を任意の他の添加剤、溶媒などと共に含む)の好ましくは1~10重量%及びより好ましくは2~5重量%を構成する。以下に記載されるように、本発明のエマルジョンは、異なるポリシロキサン組成物の予め調製されたエマルジョンを組み合わせることによって、使用前に調製され得る。
【0013】
エマルジョンの不連続油相は、a)ポリオルガノ水素シロキサン(「SiHポリマー」)と、b)ポリオルガノシロキサンの末端位置に位置する少なくとも1つの「アミノ」基を含むアミノ変性ポリオルガノシロキサン(「末端アミノシリコーン」)と、c)ブロックイソシアネートと、を含む。不連続油相は、任意選択で、d)少なくとも1つのシラノール基(-SiOH)を含むポリオルガノシロキサンを含んでもよい。選択されたクラスの実施形態において、本発明のエマルジョンは、以下の重量パーセントの各前述の成分を含む(ここで、成分a+b+c+d=100%):
a)50~95重量%、好ましくは60~95重量%及びより好ましくは60~90重量%のポリオルガノ水素シロキサン、
b)0.1~45重量%、好ましくは1~20重量%の末端アミノシリコーン、
c)5~30重量%、好ましくは10~25重量%のブロックイソシアネート、及び任意選択で、
d)0.1~10重量%、好ましくは0.5~5重量%の、少なくとも1つのシラノール基を含むポリオルガノシロキサン。実施形態のサブクラスにおいて、本発明のエマルジョンは、
i)FTIRによって測定される場合、0.5~1.5H重量%(-SiHとして)、及び
ii)酸塩基滴定によって測定される場合、0.004~0.2N重量%及びより好ましくは0.005~0.15(「アミノ」として)、のうちの少なくとも1つ、好ましくはその両方を更に含む。
【0014】
a)ポリオルガノ水素シロキサン(「SiHポリマー」)
成分a)として指定される適用可能なポリオルガノ水素シロキサンのクラスは特に限定されず、広範な従来の市販の材料を含む。このような材料としては、環状、直鎖状及び分岐状のポリオルガノ水素シロキサンが挙げられ、直鎖状ポリマーが好ましい。適用可能なポリマーは、好ましくは500~6000AMU(ダルトン)及びより好ましくは1000~4500AMU(ダルトン)の重量平均分子量(Mw)を有する。適用可能なポリマーは、ASTM D2196-05に従って25℃で測定して、5~50cSt、より好ましくは10~35cStの粘度を有し得る。異なるポリオルガノ水素シロキサン、例えば、異なる化学構造、分子量及び/又は粘度を有するものを組み合わせて使用してもよい。本発明のポリオルガノ水素シロキサンは、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ及びより好ましくは少なくとも3つの-SiH基を含み、これらの-SiH基は、ポリシロキサン主鎖上の末端(末端(end))及び/又は中間(ペンダント)位置に位置していてもよい。好ましい実施形態において、-SiH基は主にペンダント位置に位置し、すなわち、29Si NMRによって測定される場合、全ての-SiH基の90重量%超、より好ましくは95重量%超、及び更により好ましくは99重量%超がポリシロキサン鎖に沿ったペンダント位置に位置する。代表的なポリオルガノ水素シロキサンとしては、一般式:
R3SiO(RRSiO)m(RHSiO)nSiR3
(式中、m+n=10~100、好ましくは10~60であり、nは好ましくは少なくとも3であり、mは好ましくは少なくとも7であり、n/(n+m)は好ましくは0.375より大きく、「R」は同じであっても異なっていてもよく、1~18個の炭素原子及びより好ましくは1~8個の炭素原子を有する置換又は非置換の一価炭化水素基から選択される)のものが挙げられる。代表的な炭化水素基としては、a)メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル及びヘプチルなどのアルキル基、b)フェニル、トリル、キシリル及びナフチルなどのアリール基、並びにc)ベンジル及びフェネチルなどのアラルキル基が挙げられるが、メチル及びフェニル基が好ましく、メチルが最も好ましい。利用可能な市販のポリオルガノ水素シロキサンとしては、XIAMETER(商標)MEM-0075、DOWSIL(商標)MH 1107 FLUID、XIAMETER(商標)OFX-5084、SYL-OFF(商標)7672、及びSYL-OFF(商標)7678(全てThe Dow Chemical Companyから入手可能)が挙げられる。
【0015】
b)アミノ変性ポリオルガノシロキサン(「末端アミノシリコーン」)
成分b)として指定される適用可能なアミノ変性ポリオルガノシロキサンのクラスは特に限定されず、少なくとも1つのアミノ基がポリオルガノシロキサンの末端(鎖末端)位置に位置する限り、広範な従来の市販の材料を含む。以下の実施例において実証されるように、ポリオルガノシロキサン鎖の末端位置に位置するアミノ基を含むポリオルガノシロキサン種は、成分a)及びc)と組み合わせて使用される場合、ペンダント(中間)位置のみに位置するアミノ基を有するものよりもはるかに優れた性能を示した。本発明のアミノシリコーンは、末端位置及びペンダント位置の両方に位置するアミノ基を含んでもよいが、好ましいクラスの実施形態では、アミノ基は主に末端位置に位置し、すなわち、29Si NMRによって測定される場合、アミノ基の90重量%超、より好ましくは95重量%超、及び更により好ましくは99重量%超が末端位置に位置する。このようなポリマーとしては、直鎖状及び分岐状構造が挙げられ、直鎖状ポリマーが好ましい。適用可能なポリマーは、好ましくは、200~10,000AMU(ダルトン)及びより好ましくは400~8000AMU(ダルトン)の重量平均分子量(Mw)を有する。適用可能なポリマーは、好ましくは、ASTM D2196-05に従って25℃で測定して、2~200cSt、より好ましくは5~150cStの粘度を有する。異なるアミノ変性ポリオルガノシロキサン、例えば、異なる化学構造、分子量及び/又は粘度を有するものを組み合わせて使用してもよい。代表的なアミノ変性ポリオルガノシロキサンとしては、一般式:
XR2SiO(RRSiO)qSiR2X
(式中、qは2~200、好ましくは25~100であり、Rは上で定義した通りであり、Xはアミノ基であり、1~6個の炭素原子を含む1つ以上(好ましくは1~3)の第一級又は第二級アミン基を含む)のものが挙げられる。代表的なアミノ基としては、一般式:
-R’NR’’R’’
(式中、R’は、2~6個の炭素原子を有する二価炭化水素基(例えば、アルキレン基)であり、R’’は、同一であるか又は異なり、H(水素)又は1つ以上の炭化水素基で置換されていなくても置換されていてもよい(そのような置換された一価炭化水素基中の総炭素原子が1~6個になるように)1~6個の炭素原子を有する一価炭化水素基(例えば、アルキル基)、一級アミン基、及び1~6個の炭素原子を有する一価炭化水素基(例えば、アルキル基)を含む二級アミン基から選択される)のものが挙げられる。代表的な例としては、-(CH2)3NH2、-(CH2)3NHCH2CH2NH2、-(CH2)4NHCH2CH2NH2、
-CH2CH(CH3)CH2NHCH2CH2NH2、-(CH2)3NHCH2CH2NHCH2CH2NH2、及び
-(CH2)3NH(CH2)2CH(CH2CH2NH2)(CH2)3NH2が挙げられる。最も好ましい構造としては、-(CH2)3NH2及び
-CH2CHR’’’CH2NHR’’’(式中、R’’’は、H又は1~6個の炭素原子のアルキル基である)が挙げられる。適用可能な種は、米国特許第9777105号に更に記載されている。適用可能な市販のアミノ変性ポリオルガノシロキサンとしては、Gelestから入手可能なDMS-A15、DMS-A21及びDMS-A31が挙げられる。
【0016】
c)ブロックイソシアネート
成分c)として指定される適用可能なブロックイソシアネートのクラスは特に限定されず、広範な従来の市販の材料を含む。本明細書で使用される場合、「ブロックイソシアネート」という用語は、イソシアネート及びブロッキング剤の反応生成物を指し、ブロッキング剤は、熱条件下でイソシアネートから除去可能であり、すなわち、テキスタイルを処理する間に典型的に使用されるものである。従来のブロッキング剤としては、アリールアルコール、アルカノンオキシム、アリールチオール、有機活性水素化合物、亜硫酸水素ナトリウム及びヒドロキシルアミンが挙げられる。好ましいブロッキング剤としては、典型的なテキスタイル処理プロセス中に使用されるような比較的低温で脱ブロックされ得るアルカノンオキシム(ケトキシム)が挙げられる。本発明の目的のためには、「芳香族」ブロックトポリイソシアネートが好ましい。この文脈において、「芳香族」という用語は、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタン4,4’ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,4’ジイソシアネート、ポリメチレン-ポリフェニルイソシアネート、4,4’メチレンビスフェノールイソシアネート、及びそれらの誘導体に基づく材料など、少なくとも1つの芳香族基を有するイソシアネート化合物を意味する。ブロックイソシアネートの調製に好適なイソシアネートA(CNO)zは、Aが芳香族化合物であり、zが1、2、3又は4であるものである。これらには、トルエンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、及び4,4’メチレンビスフェノールイソシアネートなどのイソシアネート又は誘導体が含まれ、この目的のために市販されている芳香族イソシアネートが含まれる。典型的な市販製品としては、トルエンジイソシアネート及びトリメチロールプロパン(1,1,1-トリヒドロキシメチルプロパン)の付加物DESMODUR CB-75;(Covestroから入手可能)、MONDUR MR-100(Covestroから入手可能)などのイソシアン酸のポリメチレンポリフェニレンエステルに基づく芳香族イソシアネート、並びに4,4’メチレンビスフェノールイソシアネートを含むポリメチレンポリフェニルイソシアネートに基づく芳香族イソシアネート(Dow Chemical Co.から入手可能)などの製品が挙げられる。HYDROPHOBOL DL、PHOBOL XAN Extender(Huntsmanから入手可能)、DM-6400、MEIKANATE FM-1、MEIKANATE ST、MEIKANATE PRO、MEIKANATE TP-10、MEIKANATE WEB、MEIKANATE ST(明成化学工業株式会社から入手可能)などの既製のブロック芳香族イソシアネートも市販されている。このようなイソシアネートに関する更なるバックグラウンド情報は、米国特許出願公開第2019/0375897号、米国特許第839255号、及び米国特許第6451717号に提供されている。
【0017】
d)少なくとも1つのシラノール基(-SiOH)を含むポリオルガノシロキサン。
成分d)として指定される少なくとも1つのシラノール基を含む適用可能なポリオルガノシロキサンのクラスは特に限定されず、広範な従来の市販の材料を含む。このような材料としては、環状、直鎖状及び分岐状構造が挙げられ、直鎖状ポリマーが好ましい。適用可能なポリマーは、好ましくは、200~5500AMU(ダルトン)の重量平均分子量(Mw)を有する。適用可能なポリマーは、ASTM D2196-05に従って25℃で測定して、30~100cStの粘度を有し得る。異なるポリオルガノシロキサン、例えば、異なる化学構造、分子量及び/又は粘度を有するものを組み合わせて使用してもよい。本発明のポリオルガノシロキサンは、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ及びより好ましくは少なくとも3つのシラノール(-SiOH)基を含み、これらの基は、ポリシロキサン主鎖上の末端(末端(end))及び/又は中間(ペンダント)位置に位置していてもよい。好ましい実施形態において、-SiOH基は主にペンダント位置に位置し、すなわち、29Si NMRによって測定される場合、全ての-SiOH基の90重量%超、より好ましくは95重量%超、及び更により好ましくは99重量%超がポリシロキサン鎖に沿ったペンダント位置に位置する。本発明のポリオルガノシロキサンは、好ましくは、FTIRによって測定される場合、1~10重量%のシラノール含有量を有する。代表的なポリオルガノシロキサンとしては、一般式:
Y2RSiO(YRSiO)tSiRY2
(式中、tは2~50の数であり、Yは同一であっても異なっていてもよく、1~18個の炭素原子及びより好ましくは1~8個の炭素原子を有する置換又は非置換の一価炭化水素基及びヒドロキシル基(すなわち、上述の基準を満たすのに十分な数のヒドロキシル基)から選択され、Rは同一であっても異なっていてもよく、1~18個の炭素原子及びより好ましくは1~8個の炭素原子を有する置換又は非置換の一価炭化水素基から選択される)のものが挙げられる。代表的な炭化水素基としては、a)メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル及びヘプチルなどのアルキル基、b)フェニル、トリル、キシリル及びナフチルなどのアリール基、並びにc)ベンジル及びフェネチルなどのアラルキル基が挙げられるが、メチル及びフェニル基が好ましく、メチルが最も好ましい。適用可能な市販製品としては、DOWSIL(商標)Q1-3563 Fluid、及びXIAMETER(商標)PMX-0930 Silanol Fluid(全てThe Dow Chemical Companyから入手可能)が挙げられる。
【0018】
界面活性剤(乳化剤)
本発明のエマルジョンを調製する際に使用するための適用可能な界面活性剤のクラスは、特に限定されず、広範な従来の市販の材料を含む。界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤又はこれらの混合物であり得るが、カチオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤が好ましい。
【0019】
適用可能なアニオン性界面活性剤の例としては、高級脂肪酸のアルカリ金属、アミン又はアンモニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホネート、長鎖脂肪族アルコールスルフェート、オレフィンスルフェート及びオレフィンスルホネート、硫酸化モノグリセリド、硫酸化エステル、スルホン酸化エトキシ化アルコール、スルホコハク酸塩、アルカンスルホネート、リン酸エステル、アルキルイセチオネート、アルキルタウレート、アルキルサルコシネート、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。適用可能なアニオン性界面活性剤の更なる例としては、カルボン酸塩(2-(2-ヒドロキシアルキルオキシ)酢酸ナトリウム)、アミノ酸誘導体(N-アシルグルタミン酸塩、N-アシルグリシン酸塩又はアシルサルコシン酸塩)、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩及びこれらのオキシエチレン化誘導体、スルホン酸塩、イセチオン酸塩及びN-アシルイセチオン酸塩、タウリン酸塩及びN-アシルN-メチルタウリン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、リン酸塩及びアルキルリン酸塩、ポリペプチド、アルキルポリグリコシドのアニオン性誘導体(アシル-D-ガラクトシドウロン酸塩)及び脂肪酸石鹸、並びにこれらの混合物が挙げられる。適用可能なアニオン性界面活性剤の市販例としては、STEPANOL(登録商標)WA-100、CALIMULSE(登録商標)SLS、POLYSTEP(登録商標)A-16、POLYSTEP(登録商標)B-11、POLYSTEP(登録商標)B-19、TRITON(商標)QS-15、TRITON(商標)XN-45S及びDOWFAX(商標)2A1が挙げられる。
【0020】
適用可能なカチオン性界面活性剤の例としては、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩、スルホニウム塩及びホスホニウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。カチオン性界面活性剤の適用可能な市販例としては、ARQUAD(登録商標)16-29、ARQUAD(登録商標)18-50、ARLASILK EFA。ATLAS G-265、SYNPROLAM 35X15、VARISOFT(登録商標)PATC、及びVARISOFT(登録商標)BT-85が挙げられる。
【0021】
適用可能な両性界面活性剤の例としては、イミダゾリン化合物、アルキルアミノ酸塩、ベタイン及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
適用可能な非イオン性界面活性剤の例としては、エチレンオキシドとC12~C16アルコールなどの長鎖脂肪族アルコール又は脂肪酸との縮合物、エチレンオキシドとアミン又はアミドとの縮合物、エチレンとプロピレンオキシドとの縮合生成物、グリセロール、スクロース、ソルビトールのエステル、脂肪酸アルキロールアミド、スクロースエステル、フルオロ界面活性剤、脂肪族アミンオキシド及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。非イオン性界面活性剤の更なる例としては、ポリオキシ-エチレン脂肪族アルコール、例えばポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル、エトキシ化アルコール、例えばエトキシ化トリメチルノナノール、C12~C14二級アルコールエトキシレート、エトキシ化C10ゲルベアルコール、エトキシ化イソC13アルコール;ポリ(オキシエチレン)-ポリ(オキシプロピレン)-ポリ(オキシエチレン)トリブロックコポリマー(ポロクサマーともいう);エチレンジアミンへのプロピレンオキシド及びエチレンオキシドの逐次付加から誘導される四官能性ポリ(オキシエチレン)-ポリ(オキシプロピレン)ブロックコポリマー(ポロキサミンとも呼ばれる)、シリコーンポリエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシ-エチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシ-エチレンソルビタンアルキルエステル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、エトキシ化トリメチルノナノール、及びポリオキシアルキレングリコール変性ポリシロキサン界面活性剤、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。適用可能な非イオン性界面活性剤の更なる例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、直鎖第一級アルコールアルコキシレート、直鎖第二級アルコールアルコキシレート、アルキルフェノールアルコキシレート、オレフィンアルコキシレート、分枝鎖アルコキシレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシ-エチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、エトキシル化トリメチルノナノール、ポリオキシアルキレン置換シリコーン(レーキ又はABn型)、シリコーンアルカノールアミド、シリコーンエステル、シリコーングリコシド及びこれらの混合物が挙げられる。適用可能な非イオン性界面活性剤の更なる例としては、ジメチコンコポリオール、ポリオールの脂肪酸エステル、例えば、ソルビトール又はグリセリルモノ-、ジ-、トリ-、又はセスキオレエート又はステアレート、グリセリル又はポリエチレングリコールラウレート、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル(ポリエチレングリコールモノステアレート又はモノラウレート)、ソルビトールのポリオキシエチレン化脂肪酸エステル(ステアレート又はオレエート);ポリオキシエチレン化アルキル(ラウリル、セチル、ステアリル、又はオクチル)エーテルが挙げられる。適用可能な市販の非イオン性界面活性剤の例としては、TERGITOL(商標)15-S-3、TERGITOL(商標)15-S-5、TERGITOL(商標)15-S-7、TERGITOL(商標)15-S-9、TERGITOL(商標)15-S-12、TERGITOL(商標)15-S-15、TERGITOL(商標)15-S-15、TERGITOL(商標)15-S-20、BRIJ(商標)L23、BRIJ(商標)L4、LUTENSOL(登録商標)TO3、LUTENSOL(登録商標)TO5、LUTENSOL(登録商標)TO7、LUTENSOL(登録商標)TO10、LUTENSOL(登録商標)TO12、LUTENSOL(登録商標)TO15、LUTENSOL(登録商標)TO20、LUTENSOL(登録商標)XP30、LUTENSOL(登録商標)XP100及びLUTENSOL(登録商標)XP140が挙げられる。
【0023】
適用可能な両性及び双性イオン性界面活性剤の更なる例としては、ベタイン、N-アルキルアミドベタイン及びこれらの誘導体、タンパク質及びその誘導体、グリシン誘導体、スルタイン(sultaine)、アルキルポリアミノカルボキシレート及びアルキルアンホアセテート、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0024】
増粘剤及び防腐剤を含む追加の水溶性成分を水相に添加してもよい。
【0025】
選択された実施形態では、本発明のエマルジョンは、以下の成分の全ての可能な組み合わせを含む、以下の成分のうちの1つ以上を実質的に含まない:
i)フルオロポリマー、
ii)エチレン性不飽和基(例えば、不飽和アセテート、アリルエステル、ビニルエステルを含む有機材料、
iii)エチレン性不飽和基(例えばビニル)を含むポリオルガノシロキサン、
iv)白金含有触媒、
v)樹脂材料(例えば、ポリシロキサン樹脂及びポリウレタン樹脂)及び
vi)全金属触媒。
【0026】
この文脈において、「実質的に含まない」という用語は、不連続油相の総重量に基づいて、1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満、及び更により好ましくは0.01重量%未満を意味する。
【0027】
本発明のエマルジョンは、前述の成分a)、b)、c)及び任意選択で、d)を水中で1つ以上の界面活性剤と共に混合しながら組み合わせることによって調製され得る。混合は、任意の既知の技術を用いて行うことができる。代表的な混合装置としては、ホモジナイザー、ソノレーター、ローター-ステータータービン、コロイドミル、マイクロフルイダイザー、ソニケーター、ブレード、ヘリックス、及びそれらの組み合わせが挙げられる。代表的な方法は、米国特許第6013682号、米国特許第8877293号及び米国特許出願公開第2015/0010711号に記載されている。好ましい実施形態において、成分a)及び任意選択の成分d)は、水中で界面活性剤と組み合わされ、混合されて第1のエマルジョンを形成し、成分b)は、水中で界面活性剤と組み合わされ、混合されて第2のエマルジョンを形成し、成分c)は、水中で界面活性剤と組み合わされ、混合されて第3のエマルジョンを形成する。ホモジナイザー又は音波プローブを使用して、所望の粒径を達成してもよい。第1、第2、及び第3のエマルジョンを、貯蔵し、その後、使用前に組み合わせてもよい。あるいは、成分c)及び/又はd)は、第1のエマルジョン(成分a)を含有する)、第2のエマルジョン(成分b)を含有する)、又は第3のエマルジョンに含まれてもよい。
【0028】
不連続油相の粒子は、Malvern 3000を使用し、ISO 13320(2009)に従ってレーザー回折を介して測定される場合、好ましくは、100~5000nm及びより好ましくは100~2000nmの平均体積粒径「Dv(0.5)」を有する。本明細書で使用される場合、「粒子」という用語は、油相液滴を指す。
【0029】
主題のエマルジョンでテキスタイルを処理する適用可能な方法は、特に限定されず、浸漬、パディング(例えば、ロールパダーによる)、カーテンコーティング、ブラシコーティング、ロールコーティング、並びに空気噴霧スプレー、エアアシストスプレー、エアレススプレー、高容量低圧スプレー及びエアアシストエアレススプレーなどの噴霧法によるテキスタイルにエマルジョンを適用することを含む。次いで、得られたコーティングを、80~180℃の高温で1~3分間乾燥(硬化)させる。乾燥工程の例としては、室温での風乾、熱風乾燥、及び赤外線加熱が挙げられる。典型的なコーティング被覆は、1平方メートル(g/m2)当たり0.5~15グラム乾燥重量の範囲である。
【0030】
本発明の多くの実施形態が記載されており、いくつかの事例では、ある特定の実施形態、選択、範囲、成分、又は他の特徴が「好ましい」として特徴付けられている。そのような「好ましい」特徴の指定は、決して本発明の本質的又は重要な態様として解釈されるべきではない。表現された範囲は、具体的に指定された終点を含む。本明細書で使用される場合、「分子量」及び「Mw」という用語は、ゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography、GPC)によって測定される重量平均分子量を指す。
【実施例】
【0031】
特に指示がない限り、全ての調製及び試験を、標準圧力(1気圧又は760mm Hg)において室温(room temperature、RT)で実施した。以下の材料を水性エマルジョンの調製及び試験に使用した。
【0032】
【0033】
試料エマルジョンを以下の方法に従って調製した。
末端アミノ1及び末端アミノ4のエマルジョン:
アミノシリコーンエマルジョンは、歯科用カップ中でそれぞれのアミノシリコーン(4.00g)、BRIJ L23(0.07g)、BRIJ L4(0.04g)、及び水(35.88g)を合わせることによって調製し、Flak-Tekスピードミキサー(Model 150.1 FZV)上で3500rpmで1分間混合した。次いで、音波プローブ(Fisherbrand Model 705)を50%出力で30秒間使用して、エマルジョン粒径を減少させた。
【0034】
末端アミノ2のエマルジョン:
アミノシリコーンエマルジョンは、歯科用カップ中で末端アミノ2(20.00g)、BRIJ L23(1.12g)、BRIJ L4(0.7g)、酢酸(水中10重量%、0.5g)及び水(27.68g)を合わせることによって調製し、Flak-Tekスピードミキサー(Model 150.1 FZV)上で3500rpmで30秒間混合した。水(27.68g)を混合物に添加し、これを15000psiで1段階ホモジナイザー(APV Systems SPX 2000)に2回通した。均質化後、酢酸(10重量%、2.65g)を135.95gのエマルジョンに添加した。
【0035】
ペンダントアミノ1、2及び3並びに末端アミノ3のエマルジョン:
アミノシリコーンエマルジョンは、歯科用カップ中でそれぞれのアミノシリコーン(4.00g)、BRIJ L23(0.07g)、BRIJ L4(0.05g)、及び水(35.88g)を合わせ、次いで音波プローブ(Fisherbrand Model 705)を50%出力で1分間使用して均質化することによって調製した。
【0036】
オルガノ水素シロキサン含有エマルジョン:
XIAMETER(商標)OFX-5084(60.51g)、BRIJ L23(1.12g)、BRIJ L4(0.61g)、及び水(4.5g)を混合物に添加し、Flak-Tekスピードミキサー(Model 150.1 FZV)上で3500rpmで30秒間合わせた。次いで、エマルジョンを水(33.26g)で希釈し、15000psiで1段階ホモジナイザー(APV Systems SPX 2000)に2回通した。DOWSIL(商標)MH 1107 FLUID(60.51g)を含有するエマルジョンを、同じ手順を用いて調製した。
【0037】
1107/PDMSブレンドエマルジョン:
50cSt 200 Fluid及びDOWSIL(商標)MH 1107 FLUIDの溶液を、成分を1:1の比で均質かつ透明になるまで混合することによって調製した。プラスチックカップ中で、この溶液(27.99g)にARQUAD 16-29(2.16g)及び水(4.04g)を添加し、Flak-Tekスピードミキサー(Model 150.1 FZV)上で3500rpmで30秒間混合した。エマルジョンを水(10.93g)で希釈し、スピードミキサーによって3500rpmで30秒間混合した。
【0038】
コーティングエマルジョンを、表2a、2b、2c及び2d(表中、全ての量はグラムである)に示されるような任意の追加成分と共に前述のエマルジョンを混合することによって調製した。次いで、得られたコーティングエマルジョンを、パディングによってBurlington製の標準ポリエステル(PES Style Number 4774 075)布に塗布し、続いてMathisオーブン(LTF 81782)中で160℃で3分間硬化させた。全てのコーティングされた布試料を、試験前に室温で少なくとも24時間コンディショニングした。次いで、コーティングされた布試料を、室温/湿度で約12時間平衡化させた。その後、撥水性を、ISO 9865「Textiles-Determination of water repellency of fabrics by the Bundesmann rain-shower test」(ここでは、試料を試料ホルダーに固定し、10分間水のシャワーをかける)を使用して評価した。3つのパラメーターを試験から測定することができる:布を通る水の浸透、布の吸水率、及び外観(5=最良、1=最悪/水による布表面の完全な飽和)。吸水率は、(最終布重量-初期布重量)/初期布重量によって計算される。耐久性は、TIDE(登録商標)Free洗剤を使用する標準的な家庭用洗濯機及び乾燥機を使用して、複数回の洗濯/乾燥サイクル後にBundesmann試験を行うことによって測定した。洗浄サイクルを90℃に設定し、続いて冷水ですすいだ。乾燥サイクルは、自動検知シャットオフで高温に設定した。
【0039】
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【国際調査報告】